10/02/23 第2回児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する研究会議事録 第2回児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する研究会 議事録 日時:2010年2月23日(火) 15:30〜17:30 場所: 厚生労働省 共用第6会議室 出席者:  委員   吉池座長、荒木委員、石田委員、釘宮委員、堤委員、政安委員  厚生労働省   宮嵜母子保健課長、森岡課長補佐、須永係長   大津総務課調整係長、天野保育指導専門官   青木障害福祉専門官(社会・援護局障害保健福祉部) 次第:1. 開会    2. 議題      (1)「児童福祉における食事の提供ガイド(仮称)」案について      (2) その他    3. 閉会 資料:   資料1 児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する研究会の開催状況等   資料2 「児童福祉における食事の提供ガイド(仮称)」案   議事: ○事務局  ただ今から、第2回「児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する研究会」を 開催いたします。委員の皆さまには、ご多忙のところをご出席いただき、ありがとうござい ます。事前に、太田委員、林委員から欠席とのご連絡をいただいております。この後の議事 進行は座長の吉池先生にお願いいたします。 ○吉池座長  それでは、早速議事を進めさせていただきます。  まず、資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○事務局  資料の確認をさせていただきます。議事次第、席次表の1枚紙がございます。それから資 料1として「児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する研究会の開催状況等」、 資料2として「『児童福祉における食事の提供ガイド(仮称)』案」がございます。それ以外 に、政安委員から資料として提供いただいております「調査研究事業報告書」という平成 21年3月の社団法人日本栄養士会、全国福祉栄養士協議会のものがございます。それから、 前回の資料ですが、開催要綱と第1回の研究会で使用しました資料2「児童福祉施設におけ る食事の提供及び栄養管理に関する検討のねらい」という紙がそれぞれございます。また、 黒いクリップで留めております参考資料1〜8がございます。それから、委員の皆さまの机 の上に置かせていただいていますが、第1回の議事録がございます。以上でございます。過 不足等がございましたら、事務局までお願いいたします。 ○吉池座長  資料の確認はよろしいようですので、議事次第をご覧ください。本日は、ワーキンググル ープで作成を進めてきたガイドで、今は仮称となっていますが、その案について委員の方々 のご意見を伺いながら、基本的に固めて完成させていく作業になります。今回は2回目です が、1回目は半年ほど前になります。第1回の研究会の際にガイドの骨子についてご議論い ただきまして、具体的な内容についてはワーキンググループを設けて検討していくことをご 了承いただきました。ワーキンググループにつきましては堤委員にリーダーをお願いし、他 の構成員とともに膨大な作業を行ってまいりまして、本日お手元にございますガイド案を作 成したというところであります。このワーキンググループの開催経過について、事務局から 説明をお願いします。 ○事務局  それでは、資料1に基づきまして説明させていただきます。この研究会の開催要綱の運営 のところに「研究会の下に必要に応じワーキンググループを開催することができる」とされ ております。その規定に基づきまして、第1回の研究会におきましてワーキンググループの 設置が決まったわけでございます。その後、9月の第1回研究会から9月28日に第1回ワーキ ンググループを開催しておりまして、12月までに3回のワーキンググループを開催いたしま して、本日の資料2「児童福祉における食事の提供ガイド(仮称)」案を作成いたしました。  ワーキンググループの構成員は9名の先生からなっておりまして、資料1の2に記載して おります先生方にワーキンググループにご参加いただきました。ワーキンググループのリー ダーについては、本日もご出席いただいております堤ちはる委員にお願いいたしました。  以上でございます。 ○吉池座長  ありがとうございました。それでは早速、内容に入りたいと思います。事務局から本ガイ ド案についてご説明をいただき、その後、ワーキンググループにご参画いただきました荒木 委員、石田委員、堤委員そして私と、それぞれ担当した部分がございますので、補足説明を 加えるということで進めていきたいと思います。  各論的なことに入ります前に、全体的な構成や留意点について、事務局から説明をお願い いたします。 ○事務局  委員の皆さま方の右手前にございます前回の資料2「児童福祉施設における食事の提供及 び栄養管理に関する検討のねらい」をご用意いただければと思います。はじめに、第1回の 研究会で用いました資料につきまして、あらためて説明させていただきます。  まず、背景といたしまして「児童福祉施設における『食事摂取基準』を活用した食事計画 について」が平成17年3月に母子保健課長通知として発出されております。この後に「食育 基本法」に基づく「食育推進基本計画」の中で保育所等における「食育」の推進が位置付 けられたこと、また平成21年4月から施行されております「保育所保育指針」の改定にお いて「食育」についても明記されていること、それから平成21年5月に公表されておりま す「日本人の食事摂取基準(2010年版)」が見直されたことなどの背景を踏まえまして、本 研究会での検討のねらいといたしまして、児童福祉施設における子どもの発育・発達を視野 に入れた具体的な食事計画の作成または評価など、食事摂取基準を踏まえた栄養管理の手法 について専門家である委員の皆さまに十分ご議論いただいて整理をさせていただきたい。ま た、児童福祉施設の特徴を踏まえた衛生管理の留意点、それから「食育」の観点からの食事 の提供の留意点などにつきまして各施設の特性も踏まえた検討を行うということで、本研究 会におきまして第1回で議論させていただきました。そして子どもの健やかな発育・発達を 支援するための食事の提供に必要な視点ということで栄養管理に係る視点、「食育」に係る 視点、衛生管理に係る視点、こういったものにつきまして「児童福祉施設における食事の提 供ガイド」を作成するという考え方の下、本研究会が開催されていることを最初に確認させ ていただきたいと思います。  続きまして、お手元に配付しております資料2「『児童福祉における食事の提供ガイド(仮 称)』案」をご覧いただければと思います。1枚開いていただきますと、「目次」がございま す。最初に目次についてご説明させていただきたいと思います。一つ目にI「児童福祉施設 における『食』を取り巻く状況」を設けさせていただいております。IIとしまして、「児童 福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する考え方及び留意点」につきまして、1〜 3にまとめております。具体的には1として「.食事の提供と食育を一体的な取組とする栄 養管理」について、2として「食事の提供」に関する部分について、3として「食を通じた 子どもの育ち・子育てへの支援(食育)」という観点で構成しております。続きまして、IIIと して「児童福祉施設における『日本人の食事摂取基準(2010年版)』の適用・活用」、IVとし てIIおよびIIIについての「実践例」を具体的な部分について記載させていただいております。 具体的には1として「児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する考え方(実践 例)」として五つ挙げております。また、2として「食事の提供に関する施設別の留意点の 実践例」として4施設について挙げております。最後に3として「取組の事例」としまして 10事例を挙げております。このような形で構成を組ませていただいております。  以上でございます。 ○吉池座長  ありがとうございます。今、第1回の本研究会での議論を踏まえての構成ということで、 ご説明いただきました。各論的には、また事務局からご説明いただくわけですが、まず説明 の全体像について何か質問等がありますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、引き続きI、IIについての説明をお願いします。 ○事務局  目次に沿いまして、まず「はじめに」についてご説明させていただきます。ガイド案をお めくりいただいて、1ページをお開きください。先ほどご説明させていただきました第1回 の研究会で挙げさせていただきました「栄養管理に関する検討のねらい」の中で述べている 項目ですけれども、まず1段落目ですが、「児童福祉施設における食事は入所する子どもの 健全な発育・発達および健康の維持・増進の基盤であるとともに、望ましい食習慣および生 活習慣の形成を図るなど、その役割は極めて大きい」と、その施設における食事の役割を記 載しております。4段落目になりますけれども、本研究会で作成しますガイドのねらいを示 す観点から、「そこで」から始まる部分でございますけれども、「子どもの健やかな発育・発 達を支援するという観点から、児童福祉施設における食事の提供および栄養管理を実践する にあたっての考え方の例を示すもの」として、このガイド案を位置付けております。続きま して「このガイドは」から始まる部分ですけれども、「食事の提供についての実務を担当す る者を対象」といたしまして、「児童福祉施設における食事の提供に関する留意点を踏まえ、 この実践例を示すものである」と位置付けております。引き続きまして、「児童福祉施設に おける食事の提供につきましては、子どもの健やかな発育・発達の根幹であることから、施 設内のさまざまな職種の職員の連携が必要である」とし、「施設長を始めとするすべての職 員の理解が望まれるものである。また、各自治体の児童福祉施設主管課におかれましては、 ガイドの趣旨を踏まえまして各施設に対する支援の場において適切に活用いただきたい」と 適切な活用について記載しております。また、第1回の研究会の際に、委員の皆さま方にご 議論いただきました通り、最後の段落になりますけれども、「各施設におけるこの取組につ きましては、施設の種類、入所の形態、提供する食事の回数、職員の配置状況などによりま して、施設ごとの状況が大きく異なる」というご意見をいただいております。ですので、子 どもの状態を把握して各職員間で連携、協働しながら食事の提供および栄養管理をそれぞれ の施設の特性に合わせて進めていくことが重要である。そしてこのガイドの目指すところで あると、「はじめに」を整理させていただきました。  引き続きまして、I、IIについてご説明させていただきます。Iの「児童福祉施設におけ る『食』を取り巻く状況」につきまして、近年のさまざまな施策の状況について記載させて いただいております。「日本人の食事摂取基準」の改定、「食育」の推進、「保育所保育指針」 の改定、「授乳・離乳の支援ガイド」の策定、社会的養護体制の充実、また最後に障害児施 設における栄養ケア・マネジメントの導入、こういったことを近年の児童福祉施設における 「食」を取り巻く状況ということで挙げさせていただいております。  引き続き、IIの「児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関する考え方及び留意 点」につきまして、4ページをお開きいただければと思います。4ページの下段にございま す図をご覧ください。また、目次のIIの部分と併せて交互にご覧いただければと思います。 IIの部分をこの図に凝縮したような形になっておりまして、まさにこのガイドが目指すもの をこの図にまとめております。IIの中に「食事の提供及び栄養管理に関する考え方及び留意 点」とある部分は、1としまして「食事の提供と『食育』を一体的な取組とする栄養管理」 という項を設けております。具体的には4ページの図をご覧いただきますと、中央左手に「食 事の提供」という円がございます。これと、右側にあります「食を通じた子どもの育ち・子 育てへの支援(食育)」、施設の中で食事の提供と食を通じた子どもの育ち・子育てへの支援、 これを一体的な取組として、栄養管理として行っていくことを明示しております。また、1 の2に「一人一人の子どもの発育・発達への対応」とございます。具体的には4ページの図 に戻りますと、1番左側の青い四角の中に「一人一人の子どもの発育・発達への対応」と記 載させていただいております。「食事の提供」、それから一体的に取り組む「食を通じた子ど もの育ち・子育てへの支援」については一人一人の子どもの発育・発達への対応を行いなが ら適切に進めていくことが必要となります。5ページからが、その具体的な記述になります けれども、授乳、離乳、幼児期、学童期、思春期、これらのすべてのステージをつなぐこと が大変重要であり、特別な配慮が必要な子どもへの対応につきましても同時に進めていく必 要があると位置付けております。また、当然、施設の中では食事の提供、食を通じた子ども の育ち・子育てへの支援、これらは多職種が協働してさまざまな場で提供される必要がある ということから、4ページの図の右側にございます青い四角の中に「多職種の連携」を位置 付けております。まさに施設の中で関係する職員が、さまざまな場で連携しながら進めてい くという概念を図の中に入れております。4ページの図の下段になりますけれども、家庭(保 護者)、「地域」というものもございまして、児童福祉施設および子どもを中心にした家庭、 地域、こういった地域資源や家庭とも連携を深めながら、子どもの健やかな発育・発達を支 援するという取組を、食事の提供を通じて行うという形に記載しております。  目次にお戻りください。IIの2「食事の提供」の部分です。食事の提供につきましては、 4ページの図をご覧いただきますと、中央にある丸の「食事の提供」を具体的にはどのよう に行っていくかという部分につきまして、食事の計画、提供及び評価・改善というサイクル を回しながら食事の提供を行う必要がある。その場合には、改正されました「日本人の食事 摂取基準」を活用するとともに、衛生管理についても配慮しながら進めていく必要がある。 目次に戻りまして、3「食を通じた子どもの育ち・子育てへの支援」につきましては、「食 育」の観点からの食事の提供の考え方、また「食を通じた子どもの発育・発達および自立へ の支援」を同時に行っていく必要があると考えております。施設における食事の提供に当た りましては、今般この研究会でまとめます「食事の提供ガイド」、仮称でございますけれど も、これらを活用し、子どもの食事・食生活を支援することで最終的には子どもの健やかな 発育・発達につながるものであり、具体的には青い四角で囲んである「心と体の健康の確保」、 「安全・安心な食事の確保」、「豊かな食体験の確保」、「食生活の自立支援」をこのガイドが 目指しながら、子どもの健やかな発育・発達に資するということで、IIにつきましては構成 を組ませていただいております。  以上でございます。 ○吉池座長  ありがとうございます。この「はじめに」からIIの部分が総論的なところで、このガイド のベースとなるところです。細かいところを議論する前に、ここまでご説明いただいたとこ ろで委員からのご意見をいただきたいと思います。もう一度「目次」に戻っていただけます でしょうか。構成を確認しますと、今お話しいただいた部分がIIまであります。IIIの「食事 摂取基準について」は5年前の状況を考えますと、食事摂取基準を活用した食事計画の行政 通知が平成17年3月にありました。食事摂取基準というのは大事な要素ですので、これに ついては大項目としてとり挙げています。IVの「実践例」の細かくは後ほど見てまいります が、施設はかなり多様な形態ですし、また実践の方に見ていただくには、具体例に近い整理 の方が良いだろうということで前半部分に含めても良い内容についても、実践例ということ で整理しています。 まず、今、事務局からご説明いただいたIIまでのところで、何かご意見をいただければと思 いますが、いかがでしょうか。特に個別的な、技術的なところにいく前に、施設長の方にも よく読んでほしいという部分でもあるわけですが、ご意見を頂戴したいと思います。  ワーキンググループで作業していると、とかく細かな、テクニカルなところが目について しまうのですが、むしろワーキンググループに直接かかわっておられない釘宮委員、政安委 員から全体の考え方などについて、ここまでのところでご意見があればいただきたいと思い ますが、いかがでしょうか。 ○政安委員  対象者のライフステージに分けてお示ししてくださっているのですが、ライフステージに 分けると関係機関との連携が少し異なってくるところがあると思うので、その辺を図などに 示していただけると、現場で使うときに自分はこのような関係機関と連携すればよいという ことを現場の栄養士がわかりやすくなり、より使えるのではないかと思いました。 ○吉池座長  重要なご指摘をありがとうございます。整理しにくいところで、最終的にどのように整理 していくかについては、事例のところで具体的に出てきておりますので、その辺も見ながら また考えていきたいと思います。どうもありがとうございます。他にはいかがでしょうか。  私から気付いた点というか、最終的な表現ぶりだけのことですが、目次は今1ページにち ょうど収まるように整理していただいています。しかし、ここに表されていない(1)、(2)レ ベルでの流れが、目次の上でつかめると、全体像がより把握しやすいのではないかと思いな がら、事務局の説明を伺っていました。例えば、「家庭や地域との連携」の中でも(1)では「家 庭」であり、(2)では「地域」であるといったような、また先ほどのライフステージについて もそれぞれ整理されていますので、最終的な形としては両括弧レベルまで見える方がよいの ではないかと感じました。  他に何かございますでしょうか。 ○石田委員  最初のワーキンググループの方で少し議論をしたことですけれども、「食育」の定義は、 今回最終的に整理されてきた段階で「食を通じた子どもの育ち、子育ての支援」とするとい う整理になったという理解でよろしいですか。 ○吉池座長  基本的には、今石田委員がおっしゃったような視点だろうと思いますが、個々で見たとき に言葉として十分にその文脈で整理されているかどうかは、もう一度確認が必要かと思いま す。が、その辺で何か、事務局の方からコメントはありますでしょうか。厳密には難しい話 だと思いますが、もしあればどうぞ。  ではまた後ほども、その食育で例が出てきますので、その辺も見ながら最終的な整理をし ていきたいと思います。  他にありますでしょうか。 ○荒木委員  はい。本当は「はじめに」というところに、この図1があってもよいという気がするので す。この全体がこういう構造になっていますという部分ですけれど、案では「はじめに」が 長すぎるので、1のところでこの図1が出てくるのはよいと思います。そうして四角の1、 四角の2、四角の3の関係をこの図の中に入れていただいて、ガイドがどういう構成になっ ているかということがわかるようにしたらどうか。あるいはこれのもう一つ前の段階の構成、 総論があって、各論があって、実践例を参考にしてほしいということを、この「はじめに」 の中に書いてしまうか。そうしないと、読み終わらないと全体がわからなくなる可能性があ るので、何か少し工夫を。「はじめに」を読めば全体がわかるような構成に。目次とリンク させていただくとよいと思います。図はどちらでもかまいません。 ○吉池座長  この四角の1、2、3を包括した形での図ですから、これが四角の1の文脈の中で説明さ れていると、構造的に矛盾も生じますので、前段の大きな枠の中で図を整理をするというこ とで、工夫をしていきたいと思います。他にありますでしょうか。  それでは、また後半部分と重なる内容もありますので、III以降をご説明いただいた後に、 また議論をしていきたいと思います。  IIIは私が整理をさせていただいたものであります。構成の流れからいうと、ここだけ大項 目で整理するというのはバランス的にいかがかという印象もあるのですが、先ほどご説明し たように、食事摂取基準を実務レベルでどうとらえて活用するかということは非常に大事な ことですので、そういう意味で大項目として入れさせていただいております。  より具体的な内容については「実践例」で食事摂取基準を給食の管理、また栄養管理にど う生かすかという話が出てまいります。少なくとも管理栄養士・栄養士においては食事摂取 基準そのものの基本的な考え方の理解をさらに進めて、応用していただきたいという気持ち から、基本的に押さえるべきことについて、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」本体に書 かれていることを中心として整理をしました。  これらのことに関しての十分な理解と活用の考え方が十分身についてない方もおられる かもしれませんが、最低ここまではベースとして持っていただきたい内容を整理したもので す。  これについて何か質問・ご意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、IV以降の「実践例」について、説明をお願いしていきたいと思います。具体的 な食事をどう提供するかという中身のコアとなる部分のものですが、石田委員より説明をお 願いします。 ○石田委員  実践例の最初、20〜26ページにある「PDCAサイクルを踏まえた食事の提供」に関して は、施設の種類を問わず児童福祉全般に共通する考え方としてPDCAサイクルを踏まえて 整理したしたものです。ですから、あくまでも一つの考え方ですので、この考え方を踏まえ た上で、それぞれの施設に適応して展開していただければいいという願いを込めて整理され ているものです。  特に図2や図3のところで具体的な手順と、それに対して施設の中で職員がどのようにか かわっていくかが示されています。  あと、22ページ、24ページの辺りは具体的な、少し教科書的になりますけれども、食事 を考えて作っていくまでのプロセスの中でのポイントを示しています。表現ぶりについても ワーキンググループでの意見を踏まえ、施設で使っている表現等について断り書きなどを入 れる形で、共通に理解していただけるように配慮したつもりです。以上です。 ○吉池座長  ありがとうございます。カラーの図が21と23で、21は施設長を中心とした施設全体、 すなわちチームとして、管理栄養士・栄養士、調理担当者については(3)で、子どもとのか かわりということも整理をしたもので、ここでの重要な考え、基本的な考え方を示すものと なっております。  この辺は各施設でしっかりやられているところもあるかと思いますが、紙の上で図示する ことは大変重要と思っております。政安委員、いかがでしょうか。こういう図があると、施 設長さん等に理解していただきやすいとか、そういうことはあるのでしょうか。 ○政安委員  とても丁寧に整理されていらっしゃるのですが、多分アセスメントをするときに、アセス メントの参考になるものがもう少しあると参考になるのではと思います。実際に障害児のと ころの栄養マネジメントが始まったばかりですし、保育所に第三者評価でいくと、そういう ことがまだわかっていない施設長さんもいらっしゃるので、栄養に関するアセスメント的な 資料、例えば成長曲線とかを挿入されるとより使いやすくなるのではないかと思いました。 ○吉池座長  私もワーキンググループでのいろいろな議論を伺っていて、先ほど石田委員は教科書的な 整理だとはおっしゃっていますが、いろいろな言葉が現場で使われているので、その辺をで きるだけ整理をし、共通言語として持とうという努力がなされたわけですが、その辺は現場 的にいかがでしょうか。  25ページの真ん中辺りに小さな字で、「ここでいう作業指示書は」などと整理がされてい て、私も初めて詳細な定義を知ったようなところです。  では、また後ほどご意見をいただくのですが、34ページからの「衛生管理」で荒木委員 にご担当いただきました部分について、本日の議論の確認のポイントとなるような部分につ いてご説明いただけたらと思います。よろしくお願いします。 ○荒木委員  34ページを見ていただく前に、11ページをご覧いただけますでしょうか。四角の2の3 で「衛生管理」という総論的なところを設けてあります。ここで食品の安全性が大前提だと いうところを書いて、ここで衛生管理の手法であるHACCPや一般的衛生管理を延々と述 べますとややこしくなるので、そこは後ろに持っていこうということで、この34ページの 章を改めて、4「食事の提供における食中毒の予防のための衛生管理」ということにいたし ました。ですから、気分を改めて読んでいただければわかりやすくなるという構成にいたし ました。  「大量調理施設衛生管理マニュアル」に基づいています。それは大小かかわらず衛生管理 のポイントとしてはわかりやすく書かれているので、それを使いましょうということと、そ の中に、「ここはクリティカルだ」というところがいくつかありますので、それをHACCP の理論に基づいて説明をしました。  食中毒予防の「付けない・増やさない・やっつける」という中で、「増やさない」あるい は「やっつける」というのはCCPで管理する。「付けない」というのは、一般的な衛生管理 で管理する手法だということを解説してまいりました。  改めて、大量調理施設衛生管理マニュアルを読んでみますと、加熱調理工程の標準作業手 順というのが34ページの表2というところにあるのですが、この手順そのものが一種の HACCPプランになっていますので、改めて大げさに難しいことを言わなくても、このとお りにやっていただければよいということで、大量調理施設衛生管理マニュアルを参考にいた しました。  「付けない・増やさない・やっつける」というのが大事なところと、もう一つ、今は原材 料の受入れ、原料の評価が大事なので、それは大量調理施設衛生管理マニュアルからも使い まして、38ページの中ほどの(4)、ここも取り出して書いておきました。  それから、記録に関しては、大小を問わず営業の施設といいますか、人に提供するものを 作っている事業者としては、適切な記録を残すことが大事な時代の要請なのです。しかし、 やみくもに記録ばかりあっても、後で自分たちでもわからなくなりますから、的を射た記録 を付ける重要性について書かせていただきました。  そこまででよろしいですか。5のところはよろしいですか。 ○吉池座長  5のところまで、お願いします。 ○荒木委員  40ページの「調理実習(体験)等における食中毒予防の衛生管理の留意点」というところ も、衛生管理の発想は調理の事業者側と変わることなく書いてあります。  当たり前といえば当たり前のことではあるのですが、事務局に整理していただいて、あら ためて眺めてみますと、「はて」というのが今回40ページと41ページで1か所ずつ登場い たしました。一つは事前の準備の留意事項の最後にある「使用器具については給食用と実習 用を区別することが望ましい」。「なぜ」と言うのが書いていないので、これはわからないで す。よくこのように言われるらしいのですが、なぜだろう。「どちらかが衛生的でないから」 と言ったら身も蓋もない話ですよね。そうすると区別する理由は他にないといけないのです ね。これはこのまま残しておいてよいのだろうかというのが一つです。  それから41ページでは、調理中のところで「加熱する場合には十分に行い、中心温度計 で計測、確認、記録を行う」とあります。これを杓子定規に解釈いたしますと、実習の現場 でもその食品に穴をあけることになってしまって、これは現実的なのだろうかということも あります。その代表的なものに、確認のために中心温度計で確認するということもそうです。 先生方、あるいは調理の担当の方はあらかじめ予行演習などをされると思います。そのとき に、こういう条件で加熱すれば中心温度は何度まで上がるということを確認しておいていた だいて、鍋の大きさや油の温度、加熱時間などの条件を確実にしていただく。中心温度はで きれば計っていただきたいのですが、やみくもにやる必要はないということを書き加えたい。 HACCPというのが、そもそもが、いちいち全部穴をあけたりしないで、プロセスを管理し て衛生管理を達成するという手法ですから、もう少し書き加えたいと思いました。整理され てきたからこそ気づいた点でありまして、よかったなと思いました。以上です。 ○吉池座長  ありがとうございます。今、現実的にはどうだろうということも含めて、修正のご意見を いただいたわけですが、いかがでしょうか。  衛生管理について大変充実した資料で、わかりやすく整理していただいていると思います。 何かお気づきの点があればご意見を頂戴したいと思います。  内容ではないのですが、今衛生管理のところの流れをみていて、46ページがHACCPの 話があり、その後が「授乳や食事について不安な時期と保護者への支援」となっているので、 この授乳や食事の方は33ページの後に、衛生管理の前に持ってきた方が少し落ち着くかな と今気づきました。これも検討していただきたいと思います。  他に何かありますでしょうか。また後で事例も出てきますので、追って検討したいと思い ます。  それでは、次です。各施設別に、保育所から始まりまして、乳児院、児童養護施設、障害 児施設ということで整理をしていただいております。まず堤委員から、ポイントの説明をお 願いいたします。 ○堤委員  それでは、ご説明申し上げます。今、吉池座長の方からもお話がありましたとおり、四つ の施設別に分類をして実践例を挙げています。  49ページの、保育所の場合には、個人への対応に加え、今、社会で求められているもの として、(2)に保護者と地域における子育て支援を取り上げています。多職種の連携につい ても記載されていますが、それについては後ほど触れたいと思います。  次は50ページにまいります。保育所はお昼の1食とおやつ程度ですが、乳児院の場合に は3食すべての提供ということ、また、入所に当たっていろいろな事情を抱えている子ども も多いことから、入所時の対応というところを細かく書いてあります。あとは乳汁栄養や離 乳食、幼児期への移行、そして多職種の連携ということでまとめてあります。  続きまして52ページの児童養護施設においても、やはり乳児院と同じようにいろいろな 環境で育った子どもが入っていますので、その子どもたちに対しての配慮、そして多職種連 携について強調して書いてあります。また、53ページの[4]「食を通じた自立支援」に退所 後を視野に入れた支援の重要性にも触れています。  55ページにまいります。障害児施設におきましては、さまざまな障害を持っている子ど もがいることから、「日本人の食事摂取基準」をそのまま年齢等で当てはめることはできま せん。そこで、栄養ケア・マネジメントの重要性、多職種の連携、そして地域における食を 通した自立支援を中心にまとめてあります。その後にはそれぞれの事例が掲載されています。  次に先ほどの「多職種の連携」ですが、8ページを開いていただきたいと思います。8ペ ージの多職種の連携の「施設内での連携」で、この4行目に「栄養管理に関わる管理栄養士・ 栄養士等も必要時に情報を共有し、活用できるようなシステムを構築することが、それぞれ の施設において求められる。」としています。つまり、子どもの情報を持っている人と栄養 士・管理栄養士が離れている場合もあるので、このように書きました。また、そこから5 行下がったところに「施設長には、子どもへの食事の提供に関わるすべての職種が、子ども の食事の場面を観察したり、立ち会うことができるよう、環境を整えることが求められる」 という文章を入れさせていただきました。これは、管理栄養士・栄養士が子どもの様子を見 たいと思っても、施設によっては管理栄養士・栄養士は食事を作って提供するだけの人だと 思われている場合がありまして、なかなか子どもの食事の場面に出て、そして子ども一人一 人への個別対応をするための情報が得られる環境にない所もありますのでこのように書き ました。釘宮委員に後でご意見をいただきたいのですが、このように書いてしまうと少し言 い過ぎでしょうか。ご指導いただけたらと思います。その下の「なお、食事の場面に立ち会 うことができない場合でも」については、本来は全員が食事の場面に立ち会うことがよいけ れども、次善の策として、食事の場にいる方からも情報を得られるようにしていくというこ とを、ここに入れました。  そして、今日は釘宮委員がいらっしゃるので、52〜54ページの児童養護施設のところを 見ていただきたいと思います。これから、ご説明申し上げます。52ページの(2)の2行目で すが、「食育の推進においては管理栄養士・栄養士が中心となり、多職種で連携を図りながら、 食育計画、食事提供に関する計画を立て、実践することが大切である。その際には、個別の 自立支援計画における食に関する内容を考慮し、一体的かつ継続的な支援が求められる」と 書いてありまして、ここでは少しはっきりしないのですが、自立支援計画書の中に食育の計 画を位置付けてしまえば、管理栄養士・栄養士が自立支援計画の策定にかかわっていけるの ではないかと考えております。  自立支援計画書の文言は各施設によって多少違うと聞いておりますが、その中で、項目と して挙がっているのが食育ではなくて、医療、健康といった名称で挙がっていることが多い ので、そうすると例えばアレルギーがある、あるいは何か疾患を抱えているというようなこ とが中心になってしまうので、項目にして、どのような言い方をするかはこれから考えない といけないと思いますが、例えば食生活、栄養のような、そこに食育計画も自立支援計画の 一部をなすものとして位置付けることができれば、食育の計画を別に立てる必要もなくなり ます。また、自立支援計画書というのは入所している児童の生い立ちから家庭環境等がわか る範囲で書いてあり、それが栄養管理に役に立つのではないかと考えますので、その辺りが このような表現でよいのかということを釘宮委員にお聞きしたいと思います。  そして今の自立支援計画書の策定について、53ページの[4]「食を通じた自立支援」のと ころで「自立支援計画書の策定、実践に於いては、管理栄養士・栄養士はその専門性を活か した関わりをもち、子どもの発達、発育に合わせた個別の目標に沿った計画を立て継続的に 多職種協働で支援を行う」と書いてあるのですが、本当はここでもう少し踏み込んで、「関 わりをもち」というところを「管理栄養士・栄養士も自立支援計画書の策定に参画する」と いうようなニュアンスを込めた表現にしたかったのですが、この表現でよろしいのかどうか を釘宮委員にお聞きしたいと思っております。以上でございます。 ○吉池座長  ありがとうございます。四つの施設タイプが出てまいります。保育所については、もちろ ん大事な場所で数も多いわけですが、保育指針等でいろいろな取組も既に行われているとい うことで、1ページで比較的簡単に整理をしています。  また、障害児施設については、堤委員からお話があったように、背景疾患、障害の種類な どによって、多様な形での身体面での栄養管理が必要になってくるので、どちらかというと 個別的な栄養ケア・マネジメントでの対応ということになります。もちろんその中で、多職 種の連携、地域とのつながりは大変大事なことです。一方、2番目、3番目の乳児院、児童 養護施設は、これまで栄養管理、食を通じたさまざまな支援について系統的に議論され整理 されてきたことが少なかったのではないかと思っておりますし、このガイドの大きな意味が ここにあるのだろうと思っております。  後ほど事例でも幾つか出てくるわけですが、まずはその基本的な考え方が重要となります。 そして、施設の中で、先ほど自立支援計画の中で食がどう位置付けられるのかということが 前提となります。現状としてまだこれからだということであれば、それがより良い方向にい くような形で表現して、またアピールしていく必要があるだろうと考えています。そのよう なことから、先ほど質問も出ましたけれども、釘宮委員から具体的なご意見、あるいは今後 どのように進めていったらよいのかということについていただければと思います。よろしい でしょうか。 ○釘宮委員  本当に難しい話だとつくづく思いますのは、児童養護施設は保育園とも違い、乳児院とも 違い、子どもが施設で食事をし、施設で成長し、施設で生きていく場ですので、食事の提供、 栄養管理という世界ではないのです。その土台の辺りがものすごく難しいところだろうと思 います。先ほどおっしゃった中に、ここに虐待を受けた子どもと書いてありますけれども、 すべてのことが子どもの心をつくるといいますか、すべての人が子どもの心をつくる。養護 施設すべてが子どもを育てるという意識がない限り、担当職員と栄養士はここで管理されて 枠が違うとなっていくので、児童養護施設に限り、本当にすべてのこと、すべての人、すべ てが子どもを育てる、みんなで子どもを育てるということがないと、融合していく他職種の かかわりが薄くなっていくのではないかととても感じます。  一番言いたいのは、食としてだけとらえるのではなく、子どもの心として食をとらえてい く。この発想がなくて食べ物だけでとらえていっていたら、これはなかなか難しいものがあ ります。この子どもはこれだけのカロリーを摂っていないではないか、この子どもは好き嫌 いが多いではないか、この子どもは何々ではないかと管理的になっていくと、そこに溝がで きていきますので、そのようなことではなく、心の表れが食生活であるというとらえ方をし ていかないと難しいという気がします。虐待を受けた子どもは、前も申しましたけれども、 とても食べる物が限られています。ですから、その子どもが少しでも違う種類のものを食べ たということはすごいことなので、そのような観点で、栄養士と共に最初のアセスメントの 項目に何を入れて目標をどこに置くのかということを考えていかないとケアワーカーと栄 養士の対立になっていくと思います。この前、政安委員と一緒に集まりをしたのは高校生の 自立でしたか。 ○政安委員  そうですね。 ○釘宮委員  あのときに、自立支援計画の中に食育を入れたらどうかという話が出ました。私はとても 良いと思って、帰って栄養士に言ったら「そうしてもらえると助かります」と言って、とて も喜んでいました。自立支援計画の中に健康の欄とは違って、食に関するものを入れ込んで いけば栄養士もそこに入って、例えばこの子どもは肉しか食べない、なぜだろうと。では肉 以外のどこに原因があるのだろうと栄養士と担当と他職種の人とで話し合っていったら、共 通点がそこに芽生えてくるのではないか。そこから理解してもらわないと、お互いに管理と 向き合っていくことになります。入所してきてネグレクトで虫歯だらけの子どもがいるので す。その子どもに咀嚼力をつけるにはどうしたらよいのだろうと担当と栄養士がすり合わせ ていくアセスメントのようなものがあって、自立支援計画の中にそれが入り込んでいけば、 それほどにならなくても、子どもの心を育てるために栄養士と担当職員が必要であるという 理解の下で、一人一人のアセスメントであったり、施設の目標ということが何か1行が入る とよいかと。ただ、施設長は栄養士があちらこちらに行けるように配慮するだけでは、また、 けんかになりますので、ここに書いてあるから行った、なぜ来たのかとなったらまたややこ しいので、この子どもの心を育てるのに、あれもこれも必要だということがどこかにあれば。 自立支援の中にもそれが必要だと。そのために栄養士の参画が必要であるということが何か 文章化されれば良いと思いました。 ○吉池座長  ありがとうございます。大変重要なポイントです。報告書の整理の仕方を考えると、52 ページの(1)の冒頭の1段落目については、今、おっしゃったような子どもの心の問題であ り、食事とのつながりが書かれています。また、52ページの下3分の1ほどには、個人へ の対応の配慮について、やはりさまざまな環境の変化、またそれに伴う心の問題等について、 それをみんなでチームになって支援していくとされています。その中に食の部分も少なくな いことから、管理栄養士・栄養士、調理員もかかわることが書かれております。  先ほどあともう一言ほしいというご意見があったわけですが、今このように書かれている ところに、さらにもう1センテンスを加えるとしたらどのような形の言葉があればよいのか が一番悩むところだと思います。後ほどでも結構ですので、そこのところはきちんと決めた いと思っております。一応、気持ちとしては心をみんなでサポートしていくということでは 書かれていると思います。 ○荒木委員  後になると忘れてしまうかもしれないので、今のところで。53ページの一番上の行に「入 所する子どもの食生活の実態把握(アセスメント)を行い、食事摂取基準を参考に」と、相当 時間のかかることを一文で書いてしまっているのです。アセスメントをするのは「誰が」と いうところをまず明らかにする必要があります。ここで文章を分けたらどうか。最初に評価 をすることがとても難しいですし、大事なことだと思いますので、誰がということを書いて みたらどうでしょうか。実は書かなくて済んでしまうのが日本語の特徴です。マネジメン ト・システムの国際規格を見ますと組織は何々をしなさいということと、経営者は何々をし なさいと、誰が何をするべきかという主語がはっきりとしているのです。そこがわからなく なったら、それを意識してみるとよいかと思います。そうすると、ここは誰と誰が一緒にや るのかということです。いったんアセスメントをして、その結果から次のプランをつくるの は一体誰と誰がつくればよいのかと、ここは主語を中心に少し見直せば1、2行で書けない かなと。そこを延々と書くのもまた大変なことになりますので、少し「スパイス」として主 語を加えたらと思いました。 ○吉池座長  ありがとうございます。 ○堤委員  私も荒木委員と同じく「実態把握(アセスメント)を行う」というところがキーになるだろ うと思っていました。53ページの[2]は「栄養管理の留意点」となっているのですが、今の 釘宮委員のお話を受けまして、「入所する子どもの食生活の」と書く前に、「入所する子ども の実態把握を行い、その食生活についても子どもの生活全体をとらえた上で、食事摂取基準 を参考に」と加筆してはいかがでしょう。先ほど吉池先生もおっしゃったように、3番の(1) の上の方でも全体をとらえてというニュアンスを込めたつもりですが、その部分で少し感じ が弱ければ、ここでもさらに言って、子ども全体を見た上で食についても全体を踏まえてや っていかなければいけないということを、ここに入れたら、すんなりと入るのではないかと 思いました。以上です。 ○吉池座長  「スパイス」の部分と、文意として流れやすくなるような表現の工夫はないだろうかと、今 ご意見を頂戴して感じました。また、ここは事例とのかかわりでうまくお互いに響き合いな がら表現できるとよいと思いますので、事例を見て、考えていきたいと思います。  乳児院の方はいかがでしょうか。ここは自立支援の前の段階で、栄養、成長、健やかな成 長プラスということで、もちろん心の問題のケアも出てくるわけです。ここについてこれま でこのような場での議論は少なかったと思っておりますので、できるだけしっかりと整理で きたらと思っております。 ○政安委員  その前に、一つよろしいでしょうか。障害児施設のところの(1)で「栄養ケア・マネジメ ントの重要性」と括ってありまして、[1][2][3][4]とあります。ここは改めて「家庭への支援」 と「食を通した自立支援」は両括弧にした方が、何となくすっきりするのではないかと感じ ました。  もう一つは、家庭の支援のところで、平成20年度に障害者自立支援調査研究プロジェク トの調査でも行いましたように、学童期等については、支援学級、学校との連携が非常に重 要になってくるので、地域という一括りにしてお話ししてしまえば確かにそうですが、やは りここは大きな力になるところですので、改めて入れていただくことはできるでしょうか。 ○吉池座長  本日は資料もご用意いただいております。政安委員提供資料の「地域で生活する障害児 (者)の食生活・栄養支援に関する調査研究事業」報告書の174ページに図があります。政安 委員にここも含めて少しご説明いただいて、どのような形でこのような連携を盛り込むとよ いのかのご意見をいただければと思います。 ○政安委員  支援学級というのは文部科学省所轄で、今まで連携がなかったのです。それぞれがそれぞ れで食事管理していた経緯があったので、それではよくないだろうということで、連携をモ デル的にやってみましょうということになり、「今後の情報提供の流れと連携シート」を作 ったわけです。いずれにしろ、特別支援学校と障害児施設の今までの経緯と、これからはこ のような連携をとるということで、この連携の流れの構図ができたわけです。できれば、そ のような中で栄養マネジメントを通して、食生活・栄養サマリーのようなものが行き渡って お互いに情報交換できるようになり、それをさらに家庭に結び付けていくことができれば、 よりそれぞれの力を発揮できるのではないかという考えの下に試作させていただいたとい うことがあります。 ○吉池座長  連携という意味では、今まであまり進んでいなかったところをこれからしっかりと進めて いくということを、このガイドにきちんと入れることはとても大事だと思います。先ほど、 政安委員からご指摘もありましたが、あらためて見ますと、55ページからの構成が、(1)「栄 養ケア・マネジメントの重要性」で、これはどちらかというと個別的な対応についての部分 です。現状の体制なども生かしながらしっかりとやっていくことになろうかと思います。そ れから、家庭あるいは特別支援学校との連携、また自立支援といったところは少しトーンが 異なってくると思いますので、この辺についてはもう一度確認して、特別支援学級との連携 も含めた形で整理していきたいと思います。 ○青木障害福祉専門官  今、政安委員からご意見があった部分について、障害の担当している者としては本当に心 強いご意見だと思います。政安委員の昨年のプロジェクトの研究の報告書も見せていただき ましたが、障害児施設と学校は、本当はすごく連携があるはずです。それも日常的にあるは ずです。けれども、意外に落ちている部分があるわけです。それを平成20年の研究の中で 政安委員にご指摘いただいているので、今回、このガイドラインの中に織り込んでいただけ るとよいと思いました。これが一つです。  もう一つありますが、先ほどの釘宮委員のご意見も、まさに釘宮委員でないと言えないド キッとするご発言で、私はとても大事な視点だったと思います。取りまとめ方の話として、 ここのタイトルは「食事の提供に関する施設別の留意点の実践例」ということで、「1保育 所」「2乳児院」「3児童養護施設」「4障害児施設」ですが、福祉施設と言ったときに、他の 情緒障害児短期治療施設や母子生活支援施設、児童自立支援施設などは、どのような扱いに なるのでしょうか。その辺りのことは。もしかしたら検討会の最初に議論になったのかもし れませんが、「児童養護施設における」とだけ強調してしまっては、他の施設の関係者がこ れを見たときに戸惑うというか、寂しい思いをするのではないかと思います。例えば児童養 護施設「等」の中に児童自立支援施設なども入っていると説明するのか、そうではないと説 明するのか。家庭福祉課の担当がいないので、私が発言することではないとは思いましたが、 気になったものですから発言しました。以上です。 ○吉池座長  ありがとうございます。そうしますと、数その他の面から、四つ掲げられているというこ とですが、この1、2、3、4が始まる前のところで、今、お話がありましたような括りも含 めて概括し、その後にそれぞれの4施設について解説するという流れをつくっていくのがよ いと思います。  また、この辺の表現について、目次では、「IV実践例」とあって、その後また四角の1で 「(実践例)」や、四角の2も「実践例」と、「実践例」という言葉がたくさん書いてあります。 IVは「実践例」という言葉で括られていますので、四角の2も「留意点」といった形で、全体 的な考えも含めて整理した方が落ち着くと思います。具体的な例としては、取組事例がある ので、この辺の言葉の整理ももう一度見てみたいと思います。  「取組事例」はワーキンググループで、実践の方々が大変努力されて整理して下さったも のです。これによって、このガイドを使う方にとって、身近なものになると思っております。 堤委員から補足的な説明がありますか。あるいは事務局から何かあれば、この部分のご説明 をお願いしたいと思います。 ○堤委員  それぞれの委員方から出していただいたものを簡単にご説明申し上げたいと思います。事 例1の「保育所における離乳食の進め方」と60ページの事例2「家庭から持参した冷凍母 乳提供の取組」は、事例3以下のものと比べて少し趣を異にするというか、他のものは個別 対応ですが、こちらの方は事例とはいっても一般論的なことが書かれています。  事例3は乳児院で障害を持っている子どもへの対応が書いてあります。細かく離乳食の進 め方をどのようにしていけばよいか。段階に合わせてやっていますという事例です。  63ページの事例4は児童養護施設の自立支援を視野に入れて、高校生がこれから退所後 に自分たちで食事が作れるように、また施設にいる間から興味関心を持ってもらえるように ということでお弁当作りをやっている施設の紹介になります。  64ページの事例5も児童養護施設ですが、こちらは食育の関係で、地産地消に加え、何 かを自分たちで作ることで、就労意欲をもってもらおうという取組をしている事例です。  66ページの事例6です。先ほどのお弁当作りもそうだったのですが、こちらはさらに卒 業間近にした高校生を中心に、退所後の生活をイメージできるような取組をまとめたもので す。そこでは食事バランスガイド等も使っての複数回による取組を紹介してあります。これ には政安委員達がお作りになった「高校生のための『食生活自立支援に向けた食育プログラ ム』(試作版)」等も使ったということが紹介されています。  68ページの事例7の障害児施設においては、まだ多職種連携ができていない施設におい て、どのように多職種連携を図っていったかという管理栄養士の専門性が発揮できるように なるまでのプロセスを中心に書いてあります。  70ページの事例8は、障害児施設においてチームでどのようにその子どもに対して栄養 管理を行っているかというもので、言語聴覚士と栄養士のかかわりが細かく書いてあります。  次の事例9番においては、巡回療育相談事業などで施設と地域の対外的なアプローチの例 が書かれております。  事例の10番は、これも対外的なアプローチですが、管理栄養士の合同外来ということで、 障害児施設を例にとって書いてあります。以上です。 ○吉池座長  事務局から何か補足はありますか。この事例もご覧いただきながら、先ほどの施設別、ま たその前の留意点・考え方といったこともご意見をいただけるとありがたいのですが、何か ありますか。  児童養護施設が事例として三つあります。主に自立支援といったような観点から書かれて おりますが、釘宮委員、何かあれば、先ほどの「パンチの効いた1行のメッセージ」も含め、 何かより良い整理のためのご意見を頂戴できたらと思います。  この辺の事例が出てくると、現場の方にとっては、まずこの事例を見ながらイメージを膨 らませて、具体的にやろうとしたときには、この実践例パートIVのところで必要なところを 読み、ベースのところとしてはI、IIのところで基本的な考え方を押さえていただく。さら に食事摂取基準を使う方にとってはIIIも理解していくという使われ方か良いと思いますが、 いかがでしょうか。特に、事例をより良く活用してほしいと思っているのですけれども。 ○政安委員  事例も多職種協働という視点で入っていますので、少し加えていただくならば、多職種協 働ができる以前に施設長がどのように理解するかというところを加えていただきたい。障害 児のプロジェクト調査をしたときに、施設長の理解や管理者の理解があることによって、施 設内で多職種協働がスムーズにいくところもありましたので、少しその辺のプラスしてもら う。どのようなアプローチで実施に至ったかというところを、1、2行加えていただけると ありがたいと思いました。 ○吉池座長  すなわち、施設長の理解があまりなかった所で、その理解が深まったような例があるとよ いということですね。 ○政安委員  そうです。 ○吉池座長  どうすれば施設長の理解が深まるのか。そのような事例はありましたでしょうか。それが 示せるとよいのですが、その点についてのサクセスストーリーがワーキンググループでは直 接的には出てこなかったように思います。堤委員、いかがですか。 ○堤委員  直接的には68ページの事例7をご覧ください。これは障害児施設において「取組の特徴」 で、「管理栄養士が食事場面に入ることが位置付けられていなかったり、個別支援計画の食 事や健康において、管理栄養士が協働者としてかかわるシステムになっていなかったため、 管理栄養士が他職種と連携して栄養支援を実践していくために取組を進めた」というもので す。「効果」というところがありますが、管理栄養士が食事場面に入ることで、施設長に栄 養管理について理解していただき、施設長の理解を得るというような記載をする。あるいは 69ページの「今後の課題」のところで「管理栄養士の専門性を知ってもらうこと」という ところで、先ほど荒木委員のお話にも出ていましたけれども、「誰に」ということも抜けて いるので「施設長をはじめ、各職員に管理栄養士の専門性を知ってもらうこと」と、少し文 章を加えて、この事例7を生かしてはいかがかと思います。 ○吉池座長  具体的なご意見をありがとうございます。政安委員、お願いいたします。 ○政安委員  確かにここではできていなかったところに取り組んだということで、やはり取り組めた経 緯のようなものが入って、取り組めましたと入れていただいた方が明確ですし、実際に栄養 ケア・マネジメントが去年の4月から制度として導入されたわけですが、現場の声としては 施設長の理解がないのでなかなかできないという声もありますので、その辺をご利用者のた めに体制づくりができて、そして本来の仕事がやりやすくなるような項立てをしていただけ たらありがたいと思います。 ○吉池座長  釘宮委員。 ○釘宮委員  できないかもしれませんが、この事例のところに、食事を作ったではなく、例えば虐待を 受けた子どもの食の変化や、それへの取組に栄養士が参画した、担当者はこのように参画し たと。  それからもう一つは同じですが、偏食からその子どもの食の変化の取組。例えば肉しか食 べなかった子どもがいろいろなものを食べるようになったというその子どもの食の変化の ようなものの取組を事例として入れてもよいかもしれません。少し難しいかもしれませんが。 ○政安委員  とても難しいとは思いますが、多分、食の変化とともに、釘宮委員がおっしゃっているよ うな心の変化も出てきていますので、両面で事例を作っていただけると、とてもわかりやす いのではないかと思います。 ○釘宮委員  私の持ったケースで1例、精神疾患の高校生の子どもがいたのですけれども、栄養士にべ ったりだったのです。いつも栄養士の所に行って話をしている。しかし、それがその子ども にとって、とても救いになっていました。そのようなこともありますので、栄養士は栄養管 理だけではなく、担当職員も栄養士の所に行っては駄目ではなく、その子どもにとってそれ がとても救いになっていました。そのようなことも栄養士が自立支援に参画するケースとし て、食とともにそのようなことが1例あれば、先ほどおっしゃったことの解決に少しなるか もしれません。 ○吉池座長  1行、2行の言葉よりも、より具体的なものが示されればとてもよいと思います。今、頂 戴したご意見を踏まえて、事例のところは膨らませて良い方向に持っていきたいと思います。 他にありますか。  それから、例えば保育所で管理栄養士や栄養士がいない場合に、どのようにしていくかに ついては、ワーキンググループでもいろいろと議論があったわけですが、あまり具体的には 触れられていないと思います。その辺も現実的にはいろいろなパターンがあると思いますが、 ある程度工夫をすることもいると思います。保育所で管理栄養士・栄養士がいないといった パターンごとに、それぞれ工夫している形かと思います。堤委員、その辺はどこに整理され ていますか。 ○堤委員  9ページの(2)の本文の4行目です。「特に、施設に管理栄養士・栄養士が配置されていな い場合には、地域や関係機関の栄養業務担当職員と連携を図ることも重要であることから、 普段から」という辺りです。少し書きぶりが弱いでしょうか。 ○吉池座長  ここは、施設にはいないから、そこは連携で外のリソースを活用していくという書きぶり だと思いますが、例えば公的な保育所でしかるべき人が役所にはいる。そうした場合でも、 管理栄養士・栄養士がいない施設に対しても、現実的なことは踏まえながらも、より系統的 に、より良い対応をしていくことは大事な視点だと思います。どこかである程度触れていた だければと思います。人の配置は、現実的はなかなかうまく進まないところがあるわけです が、まずは現場の努力でやっていき、さらには制度的にもより良い方向に向かうことが大事 だと思います。そこも一つの整理の課題としたいと思います。  他に何かありますか。後半部分になってきましたので、どこということにかかわらず、報 告書のガイドの最初から最後のところまで、追加・修正について具体的なご意見をいただけ ればと思います。 ○事務局  先ほどの管理栄養士・栄養士がいない場合ですけれども、例えば先ほど堤委員から9ペー ジの例がありましたが、10ページのちょうど中段に「児童福祉施設には、管理栄養士・栄 養士が配置されていない施設もある。このような施設においては」ということで、それぞれ 個別の部分について、いない場合はということを該当部分に盛り込んでおります。  また、2点、宿題をいただいておりまして、石田委員から最初に食育の定義ということで、 4ページの図1の食を通じた子どもの育ち、子育ての支援イコール食育と定義付けたのかと いうご質問がありましたけれども、イコールという意味で用いておりません。ここでは「食 を通じた子どもの育ち・子育てへの支援」と食育というニュアンスで使用しています。 ○吉池座長  ありがとうございます。もう1点ですね。 ○事務局  もう1点は、21ページ、23ページの図の部分で、政安委員から、成長曲線などもアセス メントの部分で用いた方がよいのではないかというご意見をいただきました。実は24ペー ジの1「対象の子どもについてのアセスメント」の本文には「成長曲線に合わせて評価する」 と文章に入っております。図2、図3は、これらが対応している形になっているのですけれ ども、成長曲線を用いる、そういった評価をするという文言が図2と図3から落ちておりま したので、この部分についても整理して加えさせていただきたいと思います。 ○吉池座長  それでは、そろそろ具体的な修正についての整理をしたいと思います。 まず、目次をご覧いただきまして、目次にどこまでの項目を盛り込むか。全体の分量、その 他バランスもあると思いますが、流れが見えやすいような形で修正を加えるということ。ま た「実践例」という言葉があちらこちらで出てきますので、その辺も流れがつかみやすい修 正をしたいと思います。4ページ目の図1は大変重要な図ですので、これが全体の考え方を 表すという位置付けがわかるような形で置く場所の整理をしていきたいと思っております。 また、細かいことにつきましては、特に衛生管理のところで荒木委員からご指摘がありまし た2か所について修正をしていくということです。 ○荒木委員  それから、細かいところですけれども12ページの哺乳ビンを用いた粉ミルクの調整方法」 も枠の中だけが「ですます調」になっているのですが、これはどうしましょう。 ○事務局  こちらは原文どおりにそのまま引用しているということで、あえてこのとおりにさせてい ただいております。 ○荒木委員  では、原文がどこにあるかを書いた方がよいです。トーンがあまりに違いすぎて気になり ました。 ○事務局  ありがとうございます。 ○吉池座長  そうですね。これは原典のWHOを訳したものがあって、そこを参照して、それをこち らに引用していることがわかるような形での整理にしていきたいと思います。  それから荒木委員からの2か所の指摘で、一つは使用器具についてはということですが、 これは単純に削除ということでよろしいですね。 ○荒木委員  はい。何か衛生的な観点で「これはいけない」という理由があれば理由を書いて残したい のですけれども、そうでなければは外してもよいと思います。 ○吉池座長  また、中心温度計でというところは多少表現も工夫しなければいけないと思いますので、 そこはまた具体的なことをいただければと思います。 ○荒木委員  そこは宿題で、ご連絡したいと思います。 ○吉池座長  基本的な趣旨については、先ほど説明したような形で修正を加えることにしたいと思いま す。  49ページに四つの施設が出てきますが、冒頭のところで全体をオーバービューするよう な記述をしていくということがあります。また、3番の「児童養護施設」について、先ほど 議論があったように少し全体がうまく流れるような形での表現を整えていくということ。こ れは具体的な記述については、今は時間の関係でできないので、趣旨としては先ほど意見が あった形で修正をしていく。また、55、56ページの障害児施設につきましては、政安委員 からご提案がありました特別支援学校を加えるとともに、全体の項目立てについて少し整理 をしたいと思います。さらに、事例については事例7のところをもう少し充実して、記述を 加えるということであり、先ほどご意見をいただいたような形のものがもし整理できるとし たら加えていくということにさせていただきたいと思います。また、細かい文言等について は整理していきたいと思いますが、大きな点としては今のような形の修正をして最終のもの としていきたいと思いますが、の皆様方はよろしいでしょうか。 ○青木障害福祉専門官  すみません。本文ではないのですけれども、参考資料で児童福祉施設の状況とあります。 これは平成20年度の直近が出たのではないですか。確かそうですよね。 ○吉池座長  では、それを差し替えていただくということでよろしくお願いしいます。事務局に伺いた かったのは、77〜79ページで関連の栄養士がどれぐらいいるかという配置数がありますが、 ここから何を読み取ればよいのでしょうか。 ○事務局  状況ということで参考資料として入れてはどうかと。もし、必要性が薄いということがあ れば、削除いたします。 ○吉池座長  大事な資料だと思いますが、それは利用者がそれぞれの考えで活用するということでとら えたいと思います。  それでは、修正については今整理したように進めさせていただきます。軽微な修正につい ては座長と事務局にご一任いただいて、大きな修正についてはご確認いただくということで、 この内容そのものは決定とさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。  (「異議なし」の声あり) ○吉池座長  ありがとうございます。最後に名称ですが、これまで「仮称」ということで進んでまいりま したが、これについて何かご意見はありますか。もっと画期的な素晴らしいタイトルがある ということであれば考えていきたいと思いますが、いかがでしょうか。もしなければ「仮称」 を取って「児童福祉における食事の提供ガイド」とさせていただきたいと思います。よろし いでしょうか。  (「異議なし」の声あり) ○吉池座長  ありがとうございます。議事としてはこれで大体済んだわけです。この後に事務局から今 後の予定また普及啓発についてのご説明があるかと思います。多少時間がありますので、こ れをどう活用して、今後に結び付けていくのかについて、ご意見やご要望があれば、一言ず つおっしゃっていただきたいと思います。荒木委員からもし何かあればお願いします。 ○荒木委員  私は今回の分野に関しては存じ上げなかったことがたくさんありまして、とても勉強にな りました。実は大学でも食の安全科学を強化しようという動きがありますが、多面的にとら えなければいけないだろうと思っております。よくわかりましたので参考にさせていただき ます。出来上がりを楽しみにしております。 ○石田委員  私も実際の現実的ないろいろな課題を今回あらためて整理する機会をいただけて感謝し ております。また、児童福祉施設に限ったことではなく、これは考え方としてどこの給食施 設にも基本的には展開できるものになっていると思います。ですから、そういう意味でも広 く普及する努力を私もしていきたいと思いました。ありがとうございました。 ○吉池座長  釘宮委員、どうぞ。 ○釘宮委員  初めてこのような会で、厚生労働省と来たこともない所も来させていただきまして、この ようなことに携われて、本当にありがとうございました。なかなか本当に難しいのだと思い ます。現実のことを本当にみんなで力を合わせて、子どもためにしていくものを文章化して いくことは、学問の世界と職人の世界ぐらいの違いがあるのかと、とても感じています。 ○堤委員  この研究会では、「食べること」と「心」のつながりの強さ、重要性を改めて認識させて いただきました。栄養管理には心のケアの視点も重要であると思いますので、今回のガイド が普及することによって、成育環境などに関連した心理的な側面までも配慮して、人間まる ごとを見ることができる管理栄養士・栄養士が今以上に増えればうれしいと思っております。 ありがとうございました。 ○政安委員  まさに活用ということになると、私どもの協議会がメインになってくると思います。衛生 管理まで含めたこのようなガイドは今までになかったということもあります。また、私ども で作るにしても、目先のことだけのガイドにとらわれがちで、大枠をとらえてしっかりと多 職種協働で施設の中で利用者の視線に立ったケアをしていくという点がなかなか生まれて こなかったのですが、人としてのケアをする視点が盛り込まれておりますので、さらにこれ を活用してステップアップしていけるのではないかと思います。ありがとうございました。 ○吉池座長  「日本人の食事摂取基準(2005年版)」ができたときに、保育所を中心としてその適用に ついての通知がつくられた5年前から比べると、ベースとなる考え方やガイドが随分と出て きました。そして、それらをどう活用するかといったときに、バラバラであった内容が今回 うまく統合できたのではないかと思っております。  そういう意味で、取りまとめ役を仰せつかり、現場の方に人をまるごと見ていく、地域 を含めて見ていくという視点から十分に活用していただきたいということの他に、管理栄養 士・栄養士としてこの分野でリーダーとなっていく若い方に、このような統合的な考え方を 勉強してもらうのにも良い材料になればと思っております。  さらに欲を言えば、役所の制度そのものもより統合的なものになって、さらなる連携が図 られ、良い方向に進むことを願っているということが私の感想です。  最後に、本委員会の委員、本日は出席いただいておりませんが、ワーキンググループの 委員の方々の努力、さらに須永係長ほか事務局の皆さまにしっかりまとめていただいたこと に感謝申し上げたいと思います。  それでは事務局からお話しいただきたいと思います。少し修正を加えた後に、完成しまし た本ガイドについて、今後のスケジュールまたは普及啓発等についてご説明いただければと 思います。よろしくお願いいたします。 ○事務局  本日ご議論いただきましたガイドにつきましては、印刷、製本の後、来月中には自治体や 関係団体に送付したいと思っております。厚生労働省のホームページにもガイドを掲示させ ていただいて、普及啓発に努めていきたいと思っております。また、それぞれの機関におい て、このガイドの普及啓発が重要になってくるかと思いますので、その点につきましても、 また委員の先生方にも引き続きご協力いただきたいと思っております。以上です。 ○吉池座長  ありがとうございます。委員の先生方、最後に何かありますか。よろしいでしょうか。  それでは、少し時間は早いのですけれども、最後に閉会に当たり宮嵜課長から一言、お願 いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  一言、ご挨拶申し上げます。本日はお忙しい中、研究会にお集まりいただき大変貴重なご 意見を賜りまして誠にありがとうございます。また、昨年9月の第1回の研究会からワーキ ンググループ3回を含めて、本日若干宿題が出されておりますけれども、ほぼ取りまとめが できることとなりました。この短い期間にガイドを取りまとめることができましたのは委員 の先生方のご尽力の賜物ですし、また特に吉池座長には座長としてお取りまとめいただきま して深く感謝申し上げる次第でございます。  先ほど森岡課長補佐からも申し上げましたけれども、今後、厚生労働省としましては、こ のガイドについて広く周知を図るとともに、このガイドの内容も踏まえまして関係の通知の 改正も行うこととしているところでございます。児童福祉施設での適切な栄養管理の実施に よりまして、子どもの健やかな発育、発達ができるような環境整備を推進していきたいと考 えているところでございます。委員の皆さまにおかれましては、今後とも引き続きご指導を 賜りますようにお願い申し上げまして、簡単ではございますけれども、お礼の挨拶とさせて いただきます。どうもありがとうございました。 ○事務局  それでは、これをもちまして第2回「児童福祉施設における食事の提供及び栄養管理に関 する研究会」を閉会いたします。どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省雇用均等・児童家庭局     母子保健課     03−5253−1111(代)     (内線:7934・7936)