10/02/15 第7回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会議事録 第7回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会 議事録 1.日時及び場所   平成22年2月15日(月)10:00〜   中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)共用第7会議室(5F)   (東京都千代田区霞が関1−2−2) 2.出席委員(11名)   ◎相澤 好治(座長)、漆原 肇、鍵 直樹、沢田 純一、武田 繁夫、土肥 誠太郎、   内藤 恵、中原 富美子、福島 葉子、三柴 丈典、望月 友美子(50音順、敬称略)   欠席委員   なし 3.行政機関出席者   平野 良雄(安全衛生部長)、高崎 真一(計画課長)、   鈴木 幸雄(労働衛生課長)、亀澤 典子(環境改善室長)、   永田 和博(主任中央労働衛生専門官)、徳田 剛(副主任中央労働衛生専門官)、   木村 博承(健康局生活習慣病対策室長) 他 4.議題   1.検討会報告書骨子(案)について   2.その他 5.備考   本検討会は、公開で開催された。 ○徳田副主任 それでは定刻となりましたので、ただいまから「第7回職場における受動喫煙 防止対策に関する検討会」を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてあ りがとうございます。本日の検討会は公開で行われ、議事録は厚労省のホームページで公開さ れることとなっております。  続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。まず、議事 次第ですが、1頁から「職場における受動喫煙防止対策に関する検討会 報告書骨子(案)」で す。次に参考資料として7頁からですが、参考資料の1、「顧客のたばこの煙が存在する業態に おけるアンケート調査結果概要」です。この資料は厚労省が平成20年、21年度に実施をした 飲食業と宿泊業を対象とした委託調査の概要です。次に参考資料の2ですが、23頁からです。 「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会 報告書」です。次に参考資料3としまして、31 頁、最後の頁です。「労働安全衛生法における規制体制について」です。この資料は既に第3 回に参考資料として提出させていただいています。  資料は以上です。落丁等ありましたら事務局にお知らせください。なお、テレビカメラの頭 撮りはここまでとさせていただきます。それでは座長、お願いします。 ○相澤座長 それでは、議事に入らせていただきます。始めに議題1、検討会報告書骨子(案) です。まず、事務局から資料の説明をお願いします。 ○亀澤環境改善室長 それでは御説明申し上げます。資料の1です。これに、今まで6回にわ たりまして御検討いただきましたものを事務局のほうで整理いたしました。2番目ですが、「職 場における受動喫煙防止対策に係る国内外の動き」といたしまして、第1回目で御報告申し上 げたことをまとめております。(1)我が国における受動喫煙防止対策ですが、労働安全衛生法 と健康増進法の動きをまとめました。平成4年に労働安全衛生法が改正されまして、受動喫煙 対策が指針において明記されたということ。それから、平成15年5月に健康増進法が施行され たということです。それから、3番目ですが、平成8年に制定いたしました「職場における受 動喫煙対策のためのガイドライン」ですが、平成15年5月に改正されたということです。  (2)ですが、これは職場における受動喫煙に係る現状です。これについても同様に1回目で 御報告申し上げましたけれども、平成19年に行った調査の結果をまとめております。最初の (1)と(3)につきましては平成19年に厚生労働省が行いました「労働者健康状況調査」です。事 務所全体を禁煙にしている、又は喫煙室を設け、それ以外を禁煙にしているといった有効な対 策を講じていない事業場の割合は全事業場の54%に及ぶということです。そうはいいながら、 そこに書いてありますが、事務所全体を禁煙にしている割合は規模の小さい事業場のほうが規 模の大きい事業場よりも多いという結果も出ております。(2)ですが、これは厚生労働省が平成 19年度に中央労働災害防止協会に委託した中で調べたものです。取組が進まない理由として、 事業場内の合意が得られないとか、喫煙室を設けるスペースがない、又はどのように取り組め ばよいかわからないと、そういう理由が書いてありました。(3)として、そういう状況の中で、 職場で受動喫煙を受けているとする労働者が65%、喫煙対策の改善を職場に望む労働者が92% という割合になっています。そういう状況を見ますと、必ずしも職場における受動喫煙対策が 十分とはいえない状況であるということです。  訴訟事案も生じておりまして、これも第1回で新聞をコピーいたしまして御報告申し上げた ことをまとめております。  (3)は国際的動向です。ここではWHOの動きと、それらを受けた諸外国における規制の状況 をまとめています。  3番目は受動喫煙の有害性に係る認識です。これも主として第1回目の議論をまとめていま す。最初の○で、WHOたばこ規制枠組条約における記載と、それからIARCにおける分類をまと めています。2番目の○で、健康局において「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」と いうものが開催されまして、報告書が平成21年、昨年の3月にまとめられました。そこにおき まして、国際機関や、アメリカ、イギリスを始めとする諸外国における公的な総括報告に基づ いた健康、有害性に関する報告を行っておりまして、本検討会においても、この報告書に掲げ られた健康リスクを前提とすることが適当であるということです。これは、第1回目にこのよ うなことが御議論されました。なお、この検討会の報告書につきましては本日の資料において も添付しております。  それから、4番目の、今後の職場における受動喫煙防止対策ですが、まず(1)基本的方向です。 先ほどの3の議論を受けまして、このような状況からすると職場でばく露するたばこの煙は職 場における健康リスク要因であると。2番目の○ですが、快適職場形成という観点ではなく、 労働者の健康障害防止という観点から対策に取り組むことが必要ということでして、これにつ きましては第3回目にも御議論いただきました。  それから、第1回目におきまして、労働者がばく露するということは当然、労働安全衛生法 の中で考えることであるという御意見もありましたが、3番目の○につきましては、職場の特 殊性を新たに書き加えました。職場は労働者が選択することが容易ではなく、しかも一定の時 間拘束されるということ、それから事業者には安全配慮義務があることを考慮に入れると、労 働安全衛生法において労働者の健康障害防止に着目した受動喫煙防止対策を検討することが 必要であるというふうにまとめております。  (2)労働安全衛生法における有害物対策の原則です。これについては第3回目に労働安全衛 生法の特徴として事務局から御紹介したものを再掲しております。健康障害防止のためにはば く露防止対策が基本であるということですが、職場において使用する化学物質について見ます と、有害な化学物質は可能な限り使用せず、より安全な原材料に代替することが原則であり、 これができない場合は管理しながら利用する措置を実施しているということ。それから、労働 安全衛生法におけるばく露防止対策においては、特定の業種や事業場規模による例外を設ける という考え方を取っていないというところを御紹介申し上げたところです。  次に(3)です。たばこ特有の事情ですが、第3回目に事務局のほうから御説明申し上げまし たたばこ特有の事情につきましては、いろいろ御意見を賜りまして、整理をし直すというふう になっておりました。今回ここにお書きしましたものは事務局で再整理したものです。まず最 初ですが、職場におけるたばこの煙の場合は製造現場等で取り扱われる化学物質と異なり、喫 煙する人が発生源であるということです。ここは第1回、第2回に御意見があったところだと 思います。その喫煙する人にも二通りありまして、それが2番目に書いてありますが、発生源 が当該事業場の労働者である場合、それから顧客である場合と考えられます。その前者の発生 源が当該事業場の労働者であれば、事業者が全面禁煙や空間分煙に関して一定のルールを定め ることが可能でありますが、たばこが販売されている現状をかんがみますと、当該事業場にお いて提供されるサービスを利用する顧客、2番目の発生源ですが、この顧客に対して禁煙等す ることを事業者に一律に求めることは困難であると考えられます。特に接客業の場合につきま しては喫煙区域が店舗内、即ち労働者から見ると職場内に存在することも多いことから、労働 者のたばこの煙へのばく露を完全には防ぐことができない場合があると考えております。  ここで、全面禁煙と空間分煙につきましては括弧の中に細かに意味の規定を書いております が、全面禁煙につきましては事業場全体を常に禁煙にすることを言うと書いてありますが、こ こは、建物内全体を禁煙というような、そういうことで事務局のほうでは整理しております。 ですから、敷地がある場合、その敷地に対する禁煙までは事務局(案)では考えてはおりませ ん。  それから、3番目の○ですが、受動喫煙がどこで発生するかと考えますと、労働者の勤務す る事業場のみならず、家庭やその他の場所においても可能性があるということで、その全ての 原因が職場における受動喫煙とは言えないという事情もあろうかと思います。以上のようなこ とをたばこ特有の事情として整理してみました。  4番目ですが、労働安全衛生法の中での位置付けにつきまして第2回目、第3回目に検討し た際に頂いたまとめを記載しております。法体系の中に健康確保対策の中にも位置付けられる とか、健康確保対策、あるいは職業性疾病予防対策の中に入るという御議論がありましたけれ ども、そういうものを整理した上で受動喫煙防止対策は現行の労働安全衛生法におけるばく露 防止対策に馴染まないものであり、労働安全衛生法上、新たに位置付けることも考えられると いうことをここで書いております。  4頁の5、それでは具体的な措置はどうするかということですが、第3回目に御議論いただき ました成果を基に整理しております。(1)が一般の事務所や工場などの施設、これは原則です。 ここではまず、受動喫煙を防止するためにはたばこの煙にばく露をしない対策を講じる必要が あるといたしまして、その方法としては「全面禁煙」又は「空間分煙」とすることが必要であ ると。つまり、この案では全面禁煙と空間分煙を同列に置いております。それで、その空間分 煙では一定の要件を満たす喫煙室の設置と書いていますが、その意味を次の○に書いてありま して、「一定の要件を満たす」とは、喫煙室から喫煙室以外の場所に向かってたばこの煙が漏 れないことであり、「分煙効果判定基準」でその旨、一定の規定がありますので、この分煙効 果判定基準に沿って判断することが適当であると考えております。  それから、3番目の○ですが、空間分煙の対策はいろいろな喫煙室の設置状況もありますの で、効果的な方法について好事例を紹介することも有意義であると考えておりまして、その旨、 書いております。  (2)ですが、顧客が喫煙するために今申し上げたような措置が困難な職場です。飲食店など の業態においても、顧客にサービスを提供する労働者の受動喫煙防止という観点からは、今申 し上げた職場においてたばこの煙がないということ、つまり、全面禁煙ですとか空間分煙、こ こでは食事の提供等のサービスを行わない喫煙専用室の設置というものもあると思いますが、 そういうことを取ることが必要と考えます。こういう業態では顧客が発生源になり得るわけで すが、ヒアリングの結果によりますと経営に当たって顧客の喫煙ニーズを重要視される場合が あり、たばこが販売されている状況をかんがみますと、顧客に対して喫煙等することを一律に 事業者に求めることは困難であると考えられます。しかしながら、その場合でも、事業場の状 況に応じて換気等による有害物質濃度の低減ですとか、適当な場合には保護具の着用等の措置 によって、可能な限り労働者の受動喫煙を防止することが必要であるということです。このた めに、具体的な措置ですが、その措置の効果を評価するための換気量や何らかの濃度基準等の 設定のほかに、適当な場合にはマスクの使用を検討すると書きました。更に、上乗せ対策のメ ニューといたしましてはばく露時間の短縮するための禁煙タイムの導入などが考えられます。 以前では、この換気ですとか保護具の着用等に合わせてばく露時間の短縮というものも同列に おいておりましたが、ここでは換気などをした上で更に上乗せの対策としてばく露時間を短縮 するという観点で禁煙タイムの導入をするということを考えたらどうかというふうに整理を しております。  (3)ですが、その他の対策です。ここは第3回目のまとめにほぼ同じですが、一つは区域分 けの表示を行って周知をすること。次の5頁です。取組を円滑かつ継続的に実施するために、 事業者及び労働者の双方が対策の必要性を理解することが必要であることから、受動喫煙によ る健康影響について事業者及び労働者に対して教育を行うことが必要としております。前回の まとめでは労働者だけを対象にしておりましたが、ここでは事業者の御理解も必要であろうと いうことで、事業者及び労働者の双方と書いております。  それから次の○ですが、組織的、継続的に受動喫煙防止対策の取組を進めていくためには体 制の整備が必要であるということです。  最後の○は御意見があったものの第3回目の資料にはまとめておりませんでしたが、屋外に 喫煙所等を設置する場合の留意事項です。屋内に流入しないなど、屋内の労働者が受動喫煙を しない措置をとることが必要であろうということでここに改めて明記しております。  (4)ですが、受動喫煙防止措置に係る責務のあり方ですが、今申し上げました(1)から(3)の 措置を取ることによりまして、労働者が受動喫煙をする機会を低減させることは事業者の義務 とすべきである。これは第3回目にいろいろ御意見賜りました。  それから次ですが、労働者の協力が不可欠とまとめております。第2回目にはこういう一定 の事項を守ることについては労働者にも義務があるのではないかという御意見があったわけ ですが、労働安全衛生法の条文を見ますと、義務付けしておりますのは保護具の使用ですとか、 作業場での喫煙・飲食禁止などに限られておりますので、そういう点から行きますと義務だけ ではなく協力という少し幅広い中身が盛り込めるような言葉にしてはどうかと考えまして事 務局(案)として協力が不可欠と書いております。  それから6番ですが、事業者に対する支援です。これは第3回目に整理したものが基本です。 一つは好事例の情報提供。それから、中小企業に対しては財政的支援、これはヒアリングにも ありました。それから相談体制の整備を書いております。  それから7番目、最後の留意事項ですが、これもまた第3回目に整理したものが基本です。 顧客が喫煙するために現状では直ちに労働者が勤務する場所を禁煙とすることが困難な場合、 これについて書き込んでおります。将来的には全面禁煙又は空間分煙による受動喫煙防止の導 入について国民のコンセンサスを得つつ、計画的に取組を進めていくことが必要である。その ためには、広く国民一般に対して有害性に関する一層の周知が必要であるということで研究機 関等に対する期待も書いております。それから2番目の○ですが、ここは第3回目と同様で、 事業場の取組には一定の準備が必要なので十分な周知が必要であるということ。それから3番 目は、地域保健の関係機関との連携が必要であるということです。  最後はテナントとして貸しビルに入居している事業者が取組を進めるには、建築物貸与者の 協力も必要と書きました。以上です。 ○相澤座長 ありがとうございました。今までの委員の皆さま方の御意見とヒアリング等の結 果を踏まえて、まとめていただいています。今日は骨子案ですので、十分な御意見を頂いてよ いものを作りたいと思いますので、御協力をお願いいたします。  最初から順番にやっていきますけれども、またあとで戻っても結構です。1頁は受動喫煙防 止対策に係る国内外の動きということで、我が国の防止対策と職場の受動喫煙に係る現状とい うことでございますが、1頁目で何かお気づきの点がございますか。よろしいですか。 ○望月委員 まず、1頁目の「はじめに」のところはブランクですが、これはどういうものを 書き込まれる御予定ですか。 ○亀澤環境改善室長 今回、骨子なものですからここはお書きしておりませんでしたが、「は じめに」は、まだ、すみません。よく議論をしていないのですが、考えとしてはこの検討会が 開催されることになった経緯とかそのようなことを書くのかと思っております。 ○望月委員 まず、この検討会の発足にあたって、職場の受動喫煙問題という非常に大きなも のに、本格的に取り組むことなので、アジェンダセッティングのような形で問題のスケールと いうか、あるいは今回の検討会を踏まえての今後の労働衛生行政におけるスコープのようなも のがここで明らかになると書き出しとしてはいいと思います。  最初のほうの議論で、今まで遅遅として進まなかったことがいろいろな調査で出ていること は間違いないのですが、かと言って、このままではいけないという問題意識がありました。一 方で一気呵成にはいかないという議論もあり、その辺のスピード感をどういうふうにつけるの かということも最初からいろいろな形で議論がなされたと思います。要は、今後、我々がどう いうものを目指そうとしているのか。それは、健康局の報告書にもありましたが、それに対し て今回、職場という切り口でどのぐらいのスピード感を持って、達成しようとしているのか。 今までのスピードをこのままではなしに加速化させようとしているからこそ新しい枠組を適 応されていると思います。  例えば、タクシーのシートベルトの着用は、いきなり導入されて、よく見ると道交法の改正 により、シートベルトの着用が義務付けされた。義務付されて利用者は義務としてするのです けれども、罰せられるのは運転手さんですね。そういうことも考えて、利用者はそれを協力し ようということがあるので、やはり法律を導入するということは一気呵成に進めるための大き なツールであると思います。骨子には、いろいろなことがにじませられていると思うのですが、 将来、どういう姿を描いているのかということが最初に描かれていると、そこに向かって行こ うという意気込みが表現できると思いますし、最後のほうの計画的にという表現もありますが、 今後の進め方とも繋がると思います。問題のスコープと、なぜ、これがということとどのぐら いのスピード感を持ってというような軸がここで描かれるといいと思いました。 ○相澤座長 ありがとうございました。これは、次回、おそらくあると思いますが、それまで に委員の先生方々に案をお示しして、筆を入れていただく等、そういうことで今の御希望がご ざいましたので、その辺を留意していただいてお願いしたいと思います。  ほかには何かございませんか。よろしいですか。それでは、2頁目にいきます。3番目の国 際的な動向、受動喫煙の有害性(健康リスク)に係る認識というところでございます。4番目 の今後の職場における受動喫煙の防止対策。この辺はいかがですか。 ○土肥委員 すみません。少し知識不足で申し訳ないのですが、3番の受動喫煙の有害性(健 康リスク)に係る認識の中で、IARCの発がん性分類においてたばこの煙は最も発がん性リスク の高いグループ1という表現になっていますが、これは最も高いというのは正しい表現なので しょうか。普通、IARCの発がん性リスクが疑わしいもの、はっきりしているものという分類を していたような記憶があるものですから「最も高い」と書くと、通常、労働現場で扱われてい るものすごく発がん性の高い化学物質とまったく同等かというような誤解が与えられる可能 性があるので、この表現は何か。これが正しければこれで結構ですし、その辺のところを専門 の方にはっきりと。 ○亀澤環境改善室長 これは、発がん性の評価で段階があるわけで、「最も」という表現が適 切かどうかわかりませんけれども、人の健康を論じているので人に対する発がん性というもの が発がん性評価の上で最もハイランクに位置付けられている。だから、IARCの発がん性評価は、 ここには量の観点が入っています。 ○土肥委員 IARCの発がん性リスクの分類というのは、発がん性の疑わしさのランクを普通は つけているのだと。 ○亀澤環境改善室長 1番上の1というのは、人に対して明らかです。 ○土肥委員 明らかなものですよね。高いとか。 ○亀澤環境改善室長 人に対して、人が大事なことで。 ○土肥委員 それは、わかっています。わかっていますので、最も高いというふうに労働現場 で書かれると、非常に私としては違和感があったものですから、それが妥当な表現だという皆 さんの御意見であればそれで結構ですし、IARCの発がん性分類は、1A、Bがあって、Bは疑わ しいものでAははっきりしているものだと思っていたわけですから、その辺の表現がどうかと いうのがよくわからなかったので、御質問を申し上げました。 ○望月委員 でも、我々、やはり労働者という人の健康を論じているわけなので、たぶん、そ こで最も高いというふうに事務局がお書きになったのかと思うのです。 ○亀澤環境改善室長 すみません。受動喫煙がIARCのグループ1に入っていることはたしかな のですけれども、グループ1は何かというと、サフィシュントエビデンスオブカルシノジェニ シティーということなのです。ここは、グループ1のうしろに(人に対する発がん性が認めら れる)というふうに書いたのですけれども、したがいまして、IARCのグループ1は最も発がん 性リスクが高いものだという表現は、私がモノグラフにあたる限りは書いていないのですけれ ども。 ○相澤座長 たしかに、この表現は誤解を生じるかもしれないですね。例えばシリカもグルー プ1ですから、ですから、疫学調査の文献調査の結果、人の発がん性ありと判定したという表 現なので、強調し過ぎた感じがします。これは、外していいですよね。いいですか。一応、確 認はいたしますけれども。ありがとうございます。ほかには。 ○望月委員 そうすると、今のところは逆に「認められる」というのだと弱いので、「確実で ある」と。 ○亀澤環境改善室長 グループ1に位置付けられるというふうに単純に書けばよい。 ○望月委員 法学部の先生がおわかりになりますか。 ○内藤委員 私は、別に法学部としての発言はないのですが。 ○望月委員 要は、ここはテクニカルタームなので、やはり注釈が必要ではないかと思います ○内藤委員 たぶん、今の望月先生と土肥先生のお話を伺っていて思いましたのは、もしあれ でしたらコンテクストの最初のほうで、IARCの、いわば発がん性分類におけるところの明確な 定義付け、本訳そのものの文章を置いて、その上で望月先生がおっしゃるような形で人体の健 康被害に関してはというような何か、そこまで書いていいかわかりませんが、ある意味では、 それに対する評価的な文章を2番目のコンテクストに置かれてはいかがでしょうか。そうすれ ば、土肥先生のおっしゃる明確な定義と、それに対しての評価という形で2つに分けて、少し 数行増やしてはどうかと思ったのですが、いかがでしょうか。 ○相澤座長 この文章の前にこういう分類があって、たばこはこういうものにあたるというふ うに書いたほうがわかりやすいかと思うのです。 ○内藤委員 もし、そうしていただければ両先生のおっしゃる危惧も解消できるかと思ったの ですが。 ○相澤座長 骨子案ですから説明の文章を入れるとわかりやすくなると思いますので、そうい うところでよろしいですか、望月先生。ほかに何かございますか。 ○望月委員 この検討会では、あまりリスクについての議論をしないという前提だったので、 あまり詳しい更なる情報提供をしなかったのですが、今の受動喫煙の健康リスクに係る認識と いうところは、大元は健康局から引っ張ってきたり、あるいは厚労省として押えている事実だ と思うのですが、更にたばこの煙には化学物質として、既に労働安全衛生法の中で規制してい る有害化学物質が含まれているということは、とても重要だと思うのです。複合物として、た ばこの煙は確かにIARCの定義する人発がん性物質ではあるし、ほかの文脈ですと有害大気汚 染物質という、規制の枠組の中でどういう分類に入れるかという議論があります。既に労働安 全衛生法の中で化学物質として、規制されているいくつかの有害物質、発がん物質はたばこの 煙に入っていることが二重になるかもしれないのですけれども、とても重要だと思うし、既に ある規制の枠組の中でさまざまな有害物質対策をやっている事業所の方々の更なる理解を進 めるのではないかと思うので、今、骨子のところで資料も出していないものについて申し上げ るのは、はばかるのですけれども、それはリストを参照すればいいことだと思うのです。なの で、例えば参考資料としてピンポイントで指摘するだけでも十分なので、相澤先生が御専門で いらっしゃるので、たばこの煙の中に含まれる物質が既に規制されているいくつかの対象物質 が入っているということを是非、情報として入れていただきたいと思います。 ○相澤座長 わかりました。 ○武田委員 今の件ですが、事業所で化学物質を扱うときは、ある一定量の濃度や成分が問題 になってくるので、もしも記載するのであれば、有害化学物質はあるかもしれないけれども、 その量はどの程度かというところも合わせて書いていただいたほうがよいと思います。 ○相澤座長 そうですね。健康リスクは報告書にあるからいいわけですけれども、少しその辺 も加えてもいいかと思います。職場で規制されている物質については、載せることはどうです か。この評価は難しいですね。 ○武田委員 ただ、その規制されている物質だけが有害性があるわけではないので、取り立て て取り上げることもないと思うのですけれども。 ○望月委員 それが多々含まれているユニークな物質がたばこの煙だということは改めて認 識していただきたいと思います。やはり人発生源という言葉に引きずられて、人が出している ものだから有害ではないのではないかと。ほかのものは既に、もっと微量で規制されているも のと比べてリスクの認知の仕方がバランスを欠いてしまうところがたばこの問題の難しさだ と思うので、少量でもいろいろ規制されているものがたくさん含まれていて、しかも人体から 発生するということから議論をスタートさせたと思うのですね。ですから、それを区別するこ とこそ労働安全衛生の枠組の中では、逆におかしいのではないかと。発生源が何であれ、やは り労働者の健康を保護する観点からは取組を進めるわけだし、そういうふうに思います。 ○武田委員 ハザードとして認識することは、確かにあるかもしれません。リスクとなると今 度は、ばく露との関係が出てきますから、ものがあるからリスクがあるわけではないと思いま す ○望月委員 でも、リスクに関する認識というところでは、基礎情報として書いてよろしいの ではないでしょうか。 ○土肥委員 今回の議論では、ハザードであるという認識はしましょうと。リスクについてど こまで、リスクを検討し始めると、どこまでがばく露限界かという話をし始めなくてはいけな いので、これは労安法の体系の中で通常の化学物質とは違う位置付けをして、全体の禁煙を進 めようということで分煙や禁煙を進め、受動喫煙、ばく露の防止を進めようということで話が 進んでいますので、もちろんたばこの受動喫煙が有害であってリスクの高いことだということ は当然、そういう認識でいいと思うのですが、その詳細を始めると、いろいろな議論が巻き起 こるので、その認識は共有でいいと思うのですけれども、それを詳しく記述して何かしようと いうのは、この場合はここでするべきことではなくて、認識としては受動喫煙が明らかに発が ん性が認められるものであって、確かにリスクは高いことだと。それがほかのものと比べてど うかという議論を直接、今までの流れでいきますと、ここでしないほうがいいような気が私は いたしますけれども。 ○相澤座長 ということですが、望月先生、少し検討をしてみますけれども。 ○望月委員 今日のところはこの辺でけっこうです。 ○相澤座長 ほかに、いかがでしょうか。よろしいですか。3頁目、この辺から少し新たに加 わったこともございますので、最初の○のところで安全配慮義務ということで労働安全衛生法 において、労働者の健康障害防止に着目した受動喫煙防止対策を検討することが必要であると いうようなことをはっきり言っております。2番目が有害物質対策の原則でございますけれど も、特定の業種や事業場規模による例外を設けるという考え方を取っていないということをき ちっと書いてあります。(3)のところでは、たばこ特有の事情ということで、普通の製造現場 と異なって、喫煙する人が発生源であるということ。発生源も労働者の場合と顧客である場合 があるということ。1番最後のところに今までのばく露防止対策ではなく、別なところに位置 付けるということも考えられるということが非常に大事なことが指摘されております。いかが でしょうか。 ○沢田委員 1頁のところでちょっと遡ったところから繋がるのですが、喫煙対策の改善を望 む労働者が92%いらっしゃるという数字が載っていますが、そうすると、たばこを吸う方もこ ういうことに対してはほとんどの方が理解をしているということです。それを受けて、事業者 としては健康障害の防止を観点にこの対策を検討していくということになってきますので、当 然ながら受動喫煙の防止と禁煙というものをどういうふうにリンクさせて考えていくかとい うところがポイントのような気がします。(2)の特定の業種や事業場規模による例外を設ける 考え方は、労働安全衛生法にはないというところですから、ここの考え方がどういうふうに解 釈をして、今後の方向性を作っていくのかというところが非常に難しいと思います。その下の たばこ特有の事情の中で、2番目の○には、「顧客に対しての禁煙等とすることを事業者に一律 に求めることは困難である」という文言がありますので、これは2の例外を設ける考えがない というところとは、多少違う見方で表現されています。ですから、今回の状況の中では受動喫 煙がどの程度までのきちんとした形が一般の企業に見えるように制定できるのかというとこ ろが重要な問題だろうかと思います。  先ほどの話にも一部ありましたけれども、健康だけで言えば建物はすべて禁煙プラス受動喫 煙の徹底という2本柱が最終的な目標なのかと。禁煙できるところは禁煙でいいですけれども、 受動喫煙が徹底できれば、それもきちんとした対策の1つであるというところで我々が解釈し、 今回のまとめを見ながらも、そこを考えていきたいと思いますが、この辺はいかがでしょうか。 ○相澤座長 重要なことですが、労働安全衛生法で例外を設けることができないということは、 そういう法律であると思うのですが、段階的なところで、規模とかによって多少、対策をすす める話だけれども、ある程度の段階を追うとか、あるいはステージによって変えていくという ことはできるのですか。 ○亀澤環境改善室長 実際に、どんなふうに進めていくかというのは、いろいろなやり方があ り得るのかと思いますけれども、そこまでまだ描いていないところなのですが、今、沢田委員 が御指摘の(2)で最後に例外を設けていないと書きましたのは、いろいろな諸外国の法律を見 ますと、非常に規模が小さく、対策をとりにくいところについては、例外を設けているように 見えましたのですけれども、それを参考にしながら労働安全衛生法という枠組の中でできるか というと、例外を設けるというのは、ばく露防止対策という点からすると適切ではないのだろ うと考えています。こういう原則の中でどんな対策を講じられるのかということを御議論いた だきたいと思って書きました。そういう点で、具体的なものになってきますが、建物内を禁煙 にするというメニューもありますし、それがすごく難しいような業態の場合においては、一定 の換気ですとか上乗せ対策としての禁煙タイムの導入をしながら受動喫煙対策を進めていた だくというものもメニューの中に入れたということです。 ○沢田委員 そうしますと、労働安全衛生法の中に条文をくみ込んだとしますと外れた場合は 違法という形になるわけですね。そうすると、その後の基準監督署からの指導だとかといった ものに、いろいろな企業に対してどの程度、影響とか強制力が出てくるものなのでしょうか。 ○内藤委員 これは、たぶん私も決して労働安全衛生法のエキスパートというわけではありま せんが、今、御心配でいらっしゃる沢田委員等の御意見を伺って思いましたのは、労働安全衛 生法において、将来的なものとして、ばく露対策について何か規定を設けることは当然、可能 だろうと思うのですが、それに対しての段階的措置というのは、ある意味で政策的な話になっ てまいりますから少し、この辺り文章か何かをお考えいただいて、たぶん諸委員の先生方、あ るいは労働省サイドでおっしゃりたいのは、まったくばく露防止対策をとらなくていいという 例外はないのだということなのだと思うのですね。そうしますと、まったくばく露防止対策、 例えば労働安全衛生法、あるいは諸外国の労働安全衛生規定におけるばく露防止対策において、 まったくそういった対策を必要としないというスタンスを取らないことを全面に出して、それ について例外的なという表現を使うかどうかだと思うのですが、どうしても対策が進んでいる ところと進まないところがありますので、それはたぶん政策的な問題として段階的措置という ような言い方をすれば意味合いとして通じるのかと私は思ったのですが、例外を設けるという 考え方を取らないという意味合いは、そういった段階措置を設けないという意味ではなく、最 終的な目標としては、いつになるかわかりませんが、全面禁煙であるのか完全分煙であるのか といった辺りを目指すという一般論であろうかと私は理解したのですが、その辺りは、たぶん 先ほどの望月先生の御質問ともかかわってまいりますが、表現的な問題として少し文章を練っ てみてはいかがかと思いますが、座長、いかがでしょうか。 ○相澤座長 骨子ですからね。その辺は。 ○漆原委員 (2)の最後のなお書きのところに対比しまして、3頁の1番下の○のところで「な じまない」という表現をあえて使っていて逃れているのかと思っていたのです。先ほど、御議 論がありましたように受動喫煙の場合は、例えばばく露濃度の話とか、そういうことができな いので、上にありますような管理をしながら使用というところのばく露の濃度の話というのは なかなかできないので、それでなじまないけれども、できるだけそれを低減させるというのが、 3の上に書いてあるのかという理解でいたのですが、そういう構成でいいのですか。それを手 直しするということでしょうか。 ○亀澤環境改善室長 よろしいですか。早口でしたので、先ほど御説明申し上げたのですが、 3頁の1番下の○のところは第3回目に御議論いただいたかと思うのですけれども、本日の資 料の1番最後に参考資料として、規制体系が載っております。これを御覧いただきながら、第 2回目に御議論いただいたものを第3回目にまとめとして、提示申し上げたものでございます が、現在、快適職場の形成促進という観点から喫煙対策というのは、1番右側にございますが、 快適職場づくり対策として掲げておりますけれども、健康障害防止対策として、受動喫煙対策 というのは、どういう位置付になるのでしょうかということを御議論いただいたときに、健康 確保対策にもあてはまるのではないかと思われるし、健康確保対策という左にございます職業 性疾病予防対策の間ぐらいにあるということもあるのではないかと。なかなか位置付的には難 しいので、章立てをするというようなこともあるのではないかという御議論の中で出てきたも のをここに入れたものでございまして、例外を設ける考え方を取っていないというところとリ ンクしているわけではないと書いたのです。 ○三柴委員 この報告書骨子案の中でも若干ふれられています安全配慮義務ですけれども、こ れに関する裁判例では事業の規模というよりも、要するにお金がないから対策が打てないとい うのは、少なくとも民間については認めていないのですけれども、諸外国の公法規制の例です と、例えばアメリカのカリフォルニア州のように、一定要件を満たす小規模事業を規制対象か ら外すというような対策を打っているところもあって、先ほど以来お話に出ております具体的 な文言としてあえて表現すれば、事業の性質上可能な限り、必要な対策を講じることとすると か、例えばそういうような文言であれば、そこにその対策を財政的、その他さまざまな事情で 対策を取りづらいものを読み込むことができるかということが念頭に浮かびつつ悩んでいた ところです。 ○内藤委員 今の三柴先生の御意見は、最もで諸先生方の御意見を伺っていて思ったのですが、 今回の検討会報告書は労働安全衛生法の法改正にかかわるところの文言そのものをここで練 っているわけではないと思うのですね。そうしますと、将来の方向性についてまず、打ち出し て、最終的にこの次の段階として労働安全衛生法の改定の話になってくるのだろうと思います ので、ひとまず全体的な方向性として、どちらの方向を是とするかということではなかろうか とも思いましたのですが、いかがでございますか。 ○相澤座長 そういう御意見ですが、沢田先生、よろしいでしょうか。非常に、大事な視点で、 また問題になってくるかもしれませんけれども、最終目標としてはすべての事業場、あるいは すべての業種に適用するということを目指しているということ。ほかには何か別の点。 ○望月委員 特有の事情の○の2つ目のところなのですけれども、一律に求めることは困難と いう現場認識としてはいいのですが、「たばこを販売されている現状をかんがみると」という のは、あえてここに書くことなのでしょうか。ここで、事業所のヒアリングを見まして、困っ てできないというのは、顧客がたばこを吸うからできないよと、普通の事業所においては、ま だ喫煙者がたくさんいるから一気呵成にいかないよということをおっしゃったわけです。たば こ産業の方もヒアリングに来て、本音は違うかもしれませんが、彼らが主張していたのはたば こは販売されているからやってくれるなということではなかったと思います。なので、ここで 「たばこを販売されている現状をかんがみる」という一文はなくても、我々の困難だという現 状認識を別に損なうことではないと思うので、どうしても事務局が残さなければいけないなら ば別ですが、何かここが非常に唐突であって、たばこ事業法をどうするという議論をここでし ているわけではないので、なくてもよろしいのではないのかと思うのですが、いかがでしょう か。 ○武田委員 私も賛成です。同じ文章が2箇所あるのですけれども、国が答えるのであれば必 要かもしれませんが、この委員会としてはいらないと思います。 ○相澤座長 これは、禁止されていないということを強調したのでしょうけれども、いかがで しょうか。どうですか。 ○亀澤環境改善室長 事務局で案を作るときに、このうしろに繋がる状況としてたばこは販売 されて、皆さん買って喫煙は自由になさるものなので、そういう議論を明確になるようにとい う気持ちでここにあえて書きましたので、これは必要ないということであれば削除します。最 終物からは外したいと思います。 ○相澤座長 残したほうがいいという御意見ございますか。ないですか。それでは、削除いた しましょう。ありがとうございます。ほかには。 ○武田委員 (3)のところの事業者の全面禁煙のところに「事業所全体を」と書いてあるので すけれども、先ほどの話だと建物内の全面禁煙を指すということでした。複数の会社が入って いるビルの場合ですと「事業場」というと一つの事業者の管轄範囲になってしまうので、この 書き方はおかしいかもしれません。 ○亀澤環境改善室長 どのように表現すればよいでしょうか。 ○武田委員 建物内の全面禁煙で良いと思います。 ○亀澤環境改善室長 そうですね。わかりました。 ○相澤座長 今の事業場内、建物内ということですか。 ○鍵委員 1つ関連してよろしいでしょうか。1頁目のアンケートのところで、事業所全体を 禁煙にしているですとか喫煙室を設けているというところでアンケートを取っているのです けれども、例えばここでいう事業所全体というのはイメージとしては、建物を禁煙にしている というイメージで回答されている。それとも、事業所、敷地も含めて禁煙をやっているという ことをイメージしているのか。ここで書かれるときに事業所、あるいは事業場と書くのか、本 当に建物だけでよろしいのかというところがあるかと思うのですけれども。 ○相澤座長 敷地を含めた事業場か、事業場の中の建物か。 ○鍵委員 敷地というと、また建物とは違う。例えば、事業の中には、建物内で行わないよう なところで隣でたばこを吸うのをよしとするのか、悪いとするのかというところがあると思う のです。それは、どこで区切ってよろしいのか。建物の中だけの話でよければそれはよろしい と思いますが。 ○亀澤環境改善室長 1頁の調査です。事業所全体を禁煙にしているという設問の中に敷地ま で入れるかどうか、今確認できませんので、そこは確認させていただきたいと思います。それ に関連して、禁煙の範囲を建物内とするのか敷地まで含めるのかでございますが、事務局とし ては、この骨子の中に書いているものは建物内を全面禁煙ということで、したがいまして、5 頁目ですが、屋外に喫煙所等を設ける場合には屋内に流入しないような措置が必要ということ を書いたものでございまして、事務局の意識では建物内に限定しております。 ○相澤座長 それでよろしいですか。武田委員もそういう考え方ですよね。一応、事業所とい う範囲は建物の中に限定するという考え方でよろしいですね。ほかに何かございませんでしょ うか。また、あとで戻っても結構ですので、4頁目、具体的な措置ですけれども、一般の事務 所や工場等の施設、その手法としては全面禁煙、または空間分煙にするということ。一定の要 件というのは、難しいことですけれども、粉じん濃度とか一酸化炭素は以前からあったもので どうかと。3番目は、開口部のあれですね。2番目が、顧客が喫煙するときの場合です。この 場合に、特に3番目の○です。事業所の状況に応じて換気等による有害物質濃度の低減。喫煙 室を作れないような場合は、こういった対応である。あるいは、保護具の着用等によって、受 動喫煙を防止することが必要であるということが書かれております。時間分煙については、こ れをメニューとしないで上乗せ対策メニューとするということで、濃度を減らした上で更にば く露時間を短縮するための導入を図るということで、これを独立させて対策としないという考 え方ですけれども、この辺についていかがでしょうか。鍵委員は、よろしいですか。この濃度 の。 ○鍵委員 具体的な換気量がどのぐらい必要なのかというのは、設計上の換気量か、もしくは 実際運用している最中の換気量をモニタリングしなければいけないのかというところもある かと思いますけれども、設置するだけならば、換気量にあった排気設備を設ければいいという のでよろしいのか、それともきちんと運用しているのかというのをチェックしていくことが重 要だというならば、そのチェック方法というのも非常に難しいというか、困難があるような気 がします。その辺も含めて何かいいアイディアがあればいいとは思っているのですが。 ○相澤座長 シックハウス対策なども換気扇を付ければいいというあれで。 ○鍵委員 どれか建築基準法ではつくればいいということにはなっていますね。 ○相澤座長 それではちょっともの足りないということですね。 ○鍵委員 そうですね、ここではもう少し踏み込んだ何か基準というか運用ができればいいと 思います。 ○相澤座長 その辺はどうですか、事務局では。この報告書ではなかなか踏み込めないところ ですよね。具体的な対策としてどういう用具が必要か、というのはなかなか難しいのですが。 ○亀澤環境改善室長 別途、技術的な検討の場を設けて御議論いただきたいと考えています。 ○土肥委員 (2)の上から3つ目の○で「しかし、その場合云々」と書いてある最後に「受動 喫煙の防止をすることが必要」と書かれているのですが、この文章は、上の部分は受動喫煙の 低減を言っている部分なので、ここで「防止」と書くのが適切か「低減」と書くのが適切かは、 少し文脈としては議論があるかと。本当は受動喫煙防止を目指しているのですが、ここで書い てある部分が、それはどちらがいいのかは議論があるかと。 ○望月委員 土肥委員、質問ですが、今おっしゃる意味は、防止が強くて低減はその下と、委 員はそう定義されているのですか。 ○土肥委員 いいえ、上の所は「有害物質濃度の低減」と書いてあるので、それは受動喫煙防 止という意味では低減につながる言葉かという意味で、防止はゼロにすることに近いのかと思 いながら、そこら辺の言葉の使い方がこの全体の中では、私としては低減のほうが、防止とい うと全く止めてしまうことで、低減は下げることに聞こえたものですから。 ○望月委員 でも、検討会のタイトルは受動喫煙防止対策です。 ○土肥委員 もちろん、ここでは防止の一部の方法として低減が存在するということになって いるかと思うので、言葉の使い方だけの問題なので、それはどちらでも。 ○望月委員 そのニュアンスだとたぶん防止=禁止みたいに捉えていると思うのですが、防止 は何となくイメージだとプロテクションも防止かと思うので。 ○土肥委員 どちらでも。ここで皆さんが防止が適切だとお思いであればそれで結構だし、ど ちらがいいのかよく分からなかったので、文脈としては低減かと思ったので意見を申し上げた だけです。 ○望月委員 でも、「可能な限り」と書いてあるので、そこで理想的な防止に向かって低減し ていくことがあると思うので、あまり言葉を混在させるよりは統一してもよろしいのではない かと思うのですが、タイトルがずうっと防止で来たのでそう思っていました。 ○土肥委員 皆さんの御意見が防止がよろしいということであれば、別に反対するのではなく て、文脈としては何か日本語として適切かどうかということで、少し疑問を思ったものですか ら申し上げただけです。 ○相澤座長 保護具を着用して完全にゼロになることは普通あり得ないから、そういうことで すね。 ○望月委員 ここですが、ヒアリングにいらした事業場の方も、飲食店と宿泊業と運輸業とし てJR東海の方がいらっしゃいましたが、「飲食店など」と書くと、運輸業とか、あるいはほか にも顧客がいる職場は多々あると思うのです。イメージとしては、不動産業で不動産屋のカウ ンターの所で客がたばこを吸いながらなどということもあるだろうし、タクシーの禁煙化はだ いぶ進んできたけれども、まだまだ実際に100%はいっていないので、顧客が喫煙するのは何 となく業態としてわかるのですが、あまり飲食店だけを特化させると、ほかの所が忘れられて しまいがちです。  「など」の所にあると言えばあるのですが、先ほど言ったようにスコープとしてどういう方 たちが一番困っていて、だからこそ守らなければいけないということを強調すべきです。そこ は書きぶりだと思うし、あと列挙すればそれでいいのかということもあるのですが、運輸業も そうだし、特にタクシーのような密室のそういう環境は、非常にばく露としては高濃度だと思 うのです。そういう所を忘れないような書きぶりでお願いしたいと思います。 ○相澤座長 代表とすると、飲食店と運輸業でいいですか。ほかにもあるのですが、この辺は 検討しましょうか。 ○内藤委員 1つだけ確認ですが、先ほど武田委員がおっしゃった、4頁、5(2)の上から2つ目 の○の部分ですが、その3行目「また、たばこが販売されている現状をかんがみると」という 点も、これは先回と同様に「たばこが販売されている」の部分を取り詰めて、「現状をかんが みると」ぐらいでよろしいわけですか。それは、たしか2カ所取ってしまった。 ○相澤座長 そうですね、それでは削除するようにしましょう。ほかにはよろしいですか。4 頁の下から「その他の対策」ということでありますが、5頁の3番目の○で「屋外に喫煙所等 を設置する場合は、たばこ煙が屋内に流入しないなど屋内の労働者が受動喫煙しないなどの措 置をとることが必要である」ということが加わっているし、それから、受動喫煙防止対策措置 に係る責務のあり方ということで、労働者のほうの義務が提案されていましたが、協力という ふうに少しやわらかくなった所がありました。いかがですか、何か5頁でお気づきの点はあり ますか。 ○三柴委員 1点は、今も御紹介がありました事業者の義務と労働者の協力との関係ですが、 要は事業者としては頑張っているのだけれども、労働者が勝手に吸ってしまうのだと、言い訳 でなく本当にそういう事情が出てきたとして、例えばアメリカなどですと、共同雇用の法理と いいましたか、同僚同士の加害被害の場合は事業者は責任を取らなくてよいのだという論理が あったと記憶しておりますが、日本の場合は、原則、ILOの原則にも則って公法、私法共に、 安全衛生の問題は原則として事業者責任であるということになっていますので、受動喫煙問題 の特質も踏まえつつ、均衡を図る意味でも、労働者の協力の内容についてもう少しニュアンス を強める解説なり、そういったものを盛り込んでいただくことがかなわないかということです。  もう1点だけ加えますと、この報告書骨子案全体に労働衛生の観点を打ち出しておられるわ けですが、労働者の中の喫煙者の位置づけというか彼らへの配慮というか、単に追いやられる だけ、要は受動喫煙対策の延長で吸いにくくなって、とにかく喫煙場所を求めてさ迷うと、そ ういうことだけでよいのかどうかと、その観点での一文が、顧客ではなくて労働者についてあ ってもいいのではないかと思うのです。 ○相澤座長 大事な点ですが、土肥委員はそのことに関連していかがですか。 ○土肥委員 全くそのとおりです。 ○相澤座長 2点ありましたが、事業主が一生懸命頑張っているのに、労働者が守らないで吸 ってしまうという場合、「協力」という言葉ではもの足りない、努力義務とかそういうことで すね。 ○三柴委員 起案の際にすごく悩まれたのだということがとても強く伝わってくるのですが、 協力という文言の解説としてでも、もう少しニュアンスが強いのだという趣旨のメッセージが あってもいいのかという程度のお話です。 ○相澤座長 たしか土肥委員が言われたのですね。 ○土肥委員 私は最初のところで、3回目で申し上げました。これは努力義務とするのが適切 ではないかと今は考えています。 ○望月委員 私も三柴委員の御意見に賛成で、特に追いやるのではなしに、たばこを吸ってい らっしゃる方も大部分はやめたいと思っている。職場の受動喫煙対策のもう1つの意味はユニ バーサルプロテクションで、たばこを吸う方の健康も本来は守るべき。だから、禁煙するきっ かけを提供することになるだろうし、あるいは禁煙までいかなくても本数が減ることはわかっ ているので、最終的にその方たちの健康リスクが低減されます。あとは禁煙支援体制的なもの をどこで申し上げようかと思っていたのですが、どこかに、責務のあり方ではないかもしれな いのですが、あるいは初めか最後か、あるいは特有の事情で依存性があるからなかなかやめら れないと、だからこそ喫煙者に対しても禁煙支援が必要だと。どこかで申し上げていたと思う のですが、受動喫煙対策と禁煙支援はパッケージで、車の両輪として全体のばく露等を減らし ていこうと、そういうことをどこかで是非書いていただきたいと思います。 ○土肥委員 私は、今の御議論がもっともだと思っていました。そういう意味で、今回の場合 はばく露による防止と健康増進という両面からこの法律なりが成立するとすれば、少なくとも (3)の2番目の○に「受動喫煙による健康影響」だけではなくて、ここに「喫煙による障害」 とか、禁煙側に進めるようなことが入ってくることが、今回の全体の禁煙に向かっているぞと いうことを一部出すためには、ここも「喫煙の健康障害」か何かわかりませんが、ここに禁煙 や喫煙の健康障害を入れることが1つの方法かと思いました。 ○相澤座長 労働者の喫煙対策と、三柴委員がおっしゃったのは、受動喫煙を防ぐことを労働 者がやらないという面もあるのでしょう、そうではないのですか。 ○三柴委員 1点目と2点目は全く違った話を申し上げました。2点目について再度申し上げま すと、顧客の喫煙者に配慮するだけでなくて、労働者の喫煙者に配慮をすることも必要ではな いか、ということです。配慮というのは禁煙指導であったり、その他例えば、国によっては、 ニコチン代替物の提供を公文書に書いて政策を進めたりしているところもあるし、あるいは喫 煙そのものについても、これは言い方は難しいのですが、本当にやめられない事情のある人に ついて、ただ建物内をさ迷うとか、敷地内をさ迷うとか、そういうことだけでよいのかと。喫 煙室を設けることを許容すること自体にもちろん十分なメッセージ性はあるわけですが、理念 や具体策としてもう少しそういう配慮があってもいいのかな、と。言い方がすごく難しい問題 だけに、少々わかり難い話になってすみません。 ○相澤座長 それについては、土肥委員の御提案ですと、3の。 ○土肥委員 (3)の2番目の○の3行目に「受動喫煙による健康影響について、事業者及び労働 者に対して教育を行なうことが必要」というのは、これは禁煙か喫煙による健康障害の防止か、 そういうことも入れたほうが、全体としては禁煙に向かえるという意味があるのではないかと 思うのです。それはほかの法律によってカバーされているという前提であれば、ここにわざわ ざ盛り込む必要性はないのかもしれませんが、せっかくであればそういうこともあり得ていい のかと。 ○望月委員 責務のあり方ですが、これは検討会から事務局というか国に対しての報告書です ね。例えば、ここで国の責務は書かなくていいのですか。 ○亀澤環境改善室長 ここは事業場の中で事業者と労働者がどのような役割を担うのか、どう いう責務があるのか、責務の範囲はどこまでかという議論の中なので、もし国の役割とかそう いうものを書くとしたら7番か、どこか別な項に置くのではないかと考えます。 ○鈴木労働衛生課長 安衛法は最低基準というか健康管理のために、例えば事業者に責務を負 わせてやらせるのが1つの構図です。ただ、一般論として何か指針をつくるとか、あるいは支 援をしていくと、こういうのは入ってくると思うのです。「責務」という言葉が馴染むのかど うかは少し検討させていただいて、次回、その辺は整理して考え方を提示したいと思います。 ○相澤座長 それは国の責務ということですか。 ○鈴木労働衛生課長 今の範囲でです。 ○望月委員 国も……責務についてもどこかにあるとよいな。 ○相澤座長 労働安全衛生法ですからね、ちょっと違うのかな。労働安全衛生法は、事業者の 責務を決める。 ○望月委員 法律の中で議論していれば、それはその法律を持っていることが国の責務だし、 運用するのも。だけれども、これは労働安全衛生法の中で受動喫煙対策を検討していただくた めの幅広い検討の結果だと思うので、今後の将来に向けてのドライブをかけるためにも、是非、 もう少し国にハイライトを当てていただけるといいと思って、あえて申し上げました。 ○相澤座長 (4)の2番目の○の、私が理解したのは、受動喫煙防止について労働者の努力義 務かと思った。例えば、保護具を着用すべきところをしないとか、そういう意味だと思ったの ですが、三柴委員の最初の御提案はそうですよね。それはどうしましょうか。 ○三柴委員 一方で事業者側に義務として受動喫煙防止対策を課すのが、(4)の1文目かと思 うのです。他方で労働者側の協力がないと、それは事業者のせっかくの措置も実効性があがら ないわけだから、協力を求める。これは、例えば今の安衛法の第4条が書いているもの等を受 けているのかという推察はするのですが、仮に今後段階的に対策を進めることを射程に入れた としても、もともとリスクの発生源が同僚労働者等にあるということも前提にすると、この場 合に安衛法の体系に照らして協力というだけで十分といえるだろうかと。また、仮に「協力」 という文言を使うとしても、協力の内容としてもう少しニュアンスの強い、つまり、例えば「協 力がないと成り立たないのだ」というぐらいのことを解説として書くとか。むろん、「努力義 務」と書ければそれは明らかだと思います。ただ、そこまでの文言が強過ぎるということであ れば、つまり「協力」のままとされるのであれば、解説的に「限りなく努力義務に近いのです」 とか、あるいは「法律論的には労働者本人も不法行為であれば民事責任を負うこともある」と か、それは言い過ぎですが。 ○亀澤環境改善室長 今の労働者の協力か努力義務かということですが、事務局でまた整理し たいと思いますが、先ほどお話したのは、労働安全衛生法の第4条に「労働者は事業者その他 の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するよう努めなければならない。」と いう条文と、第26条に「事業者が第20条から第25条まで及び前条第1項の規定に基づき講ず る措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。」と、こちらは強目ですが、そう書い てあることを踏まえて幅広にと申し上げたつもりでしたが、これは法の条文ですので、法の条 文とは切り離して、働く方の関与が不可欠だということをもう少し、どのような形で表現すれ ばいいのか整理したいと思います。 ○相澤座長 「協力」より少し強目な表現ですね。そういう御意見でよろしいですかね。反対 の方はおられない。5頁でほかにはありますか。 ○鈴木労働衛生課長 三柴委員の2点目の件について、例えば敷地、屋外全部を含めて全面禁 煙にした場合、前の道路が区の条例などで禁煙になっていると、これは行き場がなくなるわけ です。現実的にはなかなか厳しい状況が起こるから、そういう場合は5頁の一番下の○にある 「地域保健の関係機関との連携が必要」という意味で、現実にどうしても吸いたい方について どういうバッファーを設けるかというか、そこは検討しなければいけないとは思っていました。  ただ、もちろん地域保健との連携で解決する方法もあるし、せめて屋外であればどこかに喫 煙する場所を設けることも考えてあげないと、いきなり喫煙する方を全くどこかに追いやって しまうことは、現実的にはなかなか難しいのかと思うので、そこは必要であれば骨子レベルで 1文をまず追加してみることは可能だと思います、というか、しなければいけないかとは思っ ています。 ○相澤座長 ほかにはよろしいですか。6頁はテナントの件だけですが。建築物貸与者の協力 も必要だということです。全体にわたっていかがですか。 ○土肥委員 7の留意事項の第1番目の文章で、「将来的には全面禁煙又は空間分煙」と書かれ ている文章ですが、今までの「全面禁煙」はカギ括弧が付いており、今回はカギ括弧がなく全 面禁煙となっているのは、何か特別な意図を持ったのか、それともただ単純に、今までの話は 屋内の全面禁煙をたぶん使っていたと思うのですが、ここは何かそれ以外の意味を持って書か れているのか同等な意味で書かれているのかは、聞きたいところです。 ○亀澤環境改善室長 同じ意味です。最初に土肥委員が御指摘のは、3頁に書いてあった定義 のことでよろしいですか。 ○土肥委員 そうです。 ○亀澤環境改善室長 これは括弧の中に(以下同じ)と書いているので、このあと出てくる「全 面禁煙」という言葉は、そのとおりの意味というつもりで全く同じです。 ○土肥委員 ということは、4頁の上に「全面禁煙」又は「空間分煙」の所にカギ括弧が付い ているのは、特に強調するために付いているだけであって、意味は同じだということでよろし いのですね。 ○亀澤環境改善室長 はい。 ○相澤座長 屋内は車内も入りますかね。 ○鍵委員 普通の室内ではあります。屋内は。 ○相澤座長 屋内だと、建物という感じがしますね。敷地は入らないということですが、建物 内や屋内だと、車内が入らなくなってしまいますね。 ○鍵委員 ちょっと思ったのは、この法律と、例えば建物だと建築基準法があるし、近いとこ ろで事務所だと建築物衛生法があり、その辺の関係はどうかは思ったのです。その辺はうまく 調整していただいて、これも両輪でうまく進めばいいかと考えていたのですが。 ○相澤座長 建物を建てるときにやらなくてはいけないわけだしね。 ○鍵委員 これでは、はっきり言ってしまうと、ほとんどの、例えば事務所ビルは法律にかか ってしまうということを考えてしまうと、建物を建てる時点で、あるいは建築物衛生法だと、 3,000m2以上の建物はそれに入ってしまうので、そうすると片方でそのような分煙の法律があ って、片方では特にないとなってしまうのも、何かおかしい気がします。 ○相澤座長 案のすり合わせも。 ○中原委員 2つあります。先ほど労働者の中で、たばこを吸う人に対して行き場がなくなっ てしまうということに関してですが、それと関連して6事業者に対する支援で、行き場がなく なってしまう人も実は禁煙をしたいと先ほど望月委員の話もありましたが、例えばその人たち にニコチンパッチを使った教育とか、何かそちらで会社の中でも指導したり、禁煙に結びつけ る対策を取りたいのですが、お金がないとかがあるので、ここに中小企業に対しては財政の支 援や相談体制の整備とあるのですが、これは企業に対して全般に何か取組に当たって援助があ ると。その援助は具体的にわからないのですが、何かそういった対策がありますというのをこ こで出しておいてもらえると、助かると思います。  もう1つ留意事項で、この取組、受動喫煙防止対策が今後、最終的にどうなるか、全面禁煙 か分煙かという話はありますが、進捗の状況のチェックもしていくのだというところを留意事 項に書いておかなくていいのか、という気もしました。 ○相澤座長 大変大事な点を御指摘いただきました。行き場のない労働者にならないように、 何かインセンティブが当たるようにやるといいですね、それが根本的なことですから。それか ら進行チェックということで、これも何年後かにもう1回見直すとか、そういうことですかね。 福島委員は、全般的に何かありますか。 ○福島委員 3頁に戻っていただいて、(3)たばこ特有の事情で、受動喫煙といえば、ここでは 職場での受動喫煙の話をしてきたのですが、ここに指摘されていることでいくと、職場以外の 場所での受動喫煙で健康被害が起きることも確かにある。原因が職場における受動喫煙とは健 康被害が起きた場合でも言えない、という提起がされています。確かにそうだと思うのですが、 このこと自体は確かにそうで、これをどのような対策につなげていかれるイメージを持ってお られるのかを少し確かめたいと思うのです。  例えば、労災認定みたいな場面になったときに、そこの職場が全く受動喫煙対策をしてなか ったということでなれば、例えばもしかしたらどこか別の所が原因かもしれなくても責任を負 わなくてはいけないという形の定めをする、ということで受動喫煙対策を促進すると、そのよ うな方向で対策を打っていくものかと個人的にはイメージをしているのですが、そういう理解 でいいのかを教えてください。 ○相澤座長 これはどういう意味ですか。 ○亀澤環境改善室長 たばこ特有の事情はどのようなものがあるのかというところで整理を したもので、職業性疾病かどうかと、そういう議論もあったかとも思うのですが、それに関連 して職場でのばく露だけが原因ではないと、そういう特有の事情があるのではないかというこ とで書いたということです。ですから、その先の業務上疾病になるのかどうかという認定との 関連は、私どもは考えていません。いかに防止をするかという観点ですが、防止する際の状況 としてこういう特殊な事情があることを書いたというだけです。 ○相澤座長 職場の普通の化学物質ですと、工場の中に発生源があってほかにはないはずです が、この場合は特殊な事情があるということをここで書いただけだと、労災のことではないと。 でも、いずれはここで掛かってきますよね。 ○福島委員 やはりそこら辺が引き替えにあったりすると取り組むほうも必死になるのでは ないか、というところはあると思います。受動喫煙の防止ももちろん大事ですが、何かなった ときに、働く者が原因を突き止めてきちんと対応してもらうことは大事だと思うので、防止と は少し違うのかもしれないですが、そういう害のあるものが職場でまき散らかされることに対 して、働く人を究極的に守る、そのようなことも考えていく必要はあるのかと、そのようなこ とを思っています。 ○武田委員 喫煙される方のことも配慮するようにということですが、一般的な教育は良いの ですが、例えばパッチを使った喫煙指導みたいなものについては、労働者自身も自己健康保全 義務もあることですし、必ずしも事業者だけに義務づけるのは行き過ぎではないかと思います。 一般的な教育ぐらいであれば、事業場で行われる健康教育の中でできるのですが、パッチ等を 使った禁煙への取組は労働者の方にも自分たちでやっていただくことも必要ではないかと思 います。 ○沢田委員 一番最後のテナントですが、私どもの会社でもビルを借りている所等々はありま すが、「貸与者の協力が必要」とさらっと書いてあるのですが、例えばこの辺はどの程度の協 力を求めるものか、何もないとテナント側としてもどういうところを大家に求められるのか、 何も目安がないですよね。ですから、これもある程度何か必要ではないかと思うのですが、こ れはどうですか。 ○相澤座長 雑居ビルで喫煙室をどこが造るか。 ○沢田委員 丸抱えで借りる場合は借りる側のサイドで大体決定できるのですが、フロアごと に違っていたり、フロアでも部屋を間借りする場合は、いろいろな条件が相当異なってくると 思うのです。隣の事業場はたばこをほとんど吸っているけれども、片方は禁煙でやっている。 でも煙は流れてくることも出てくるから、そういう防止に対して貸与者への協力をどこまで要 請できるものかどうか、これは結構大きな問題ではないかと感じますが。 ○相澤座長 この辺はどうですか。 ○亀澤環境改善室長 労働安全衛生法第34条に建築物貸与者の講ずべき措置として一定の規 定があるので、これに反映されるものではないとは思うのですが、そういうものもあることを 背景にしてこの項目を設けたのです。 ○沢田委員 この他にもう少し具体的な項目で載せていただいたほうが、わかりやすいのでは ないかと思うのですがね。 ○相澤座長 鍵委員、詳しいでしょう、ビル設計。 ○鍵委員 今貸与者の不動産価値を求めるために、海外投資家とか、そういうのも入ってきて いるので、その辺の運用がうまく行くのかはどうかと思うのですが。法律で文言が書いてあっ ても、運用上はなかなか進まないのは考えられそうな気もしないでもないのですが。 ○相澤座長 管理者というのもまたあるのでしょう。 ○鍵委員 そうですね。 ○相澤座長 建物の管理者、共用部分はその人に責任があるのですよね。 ○鍵委員 はい。ただ、今管理者・権限者・ケンバラ者も何かどうなっているのかは、また時 代ともに変わっているということをお聞きしています。 ○相澤座長 大変大事なところですが、どうしたらいいか、また。 ○沢田委員 隣の事務所が喫煙場だったとすると、テナント同士で「こちらは禁煙です。少し 控えてください」ということが起きたときに、おそらくテナント同士でトラブルになってもし ょうがないし、テナントの入居するルールみたいなものはあるのでしょうが、ある程度そうい う所に基準を、基準の内容は別としても設けた形でテナントに一律の条件で徹底するような指 導をするところですね。 ○内藤委員 それは労働安全衛生法が十分かどうかの問題ですね。 ○沢田委員 努力というか、そういう意味での協力が必要だということかもしれませんが。 ○相澤座長 ほかの法律との関係もあるのでその辺は調整が必要ですが、大事なところですの で、是非検討したいです。 ○望月委員 この間のヒアリングで、例えば仲居でいろいろ困ったことがあったときに訴える 場がない、そういう事業場というかそういう場もある。おそらく中小企業でも組合もないし産 業医も来ない所で仕事をせざるを得ない労働者の方々が、ここの具体的措置によっていろいろ なことで手当がされてもまだまだ不十分で、本当に健康被害や困る状況が出たときに、そうい う労働者への救済措置というか声を上げる仕組、それもとても大事だと思うのです。それはど こでカバーするのか、労働者に対する支援か、進め方の中でその他の対策とか、そういったと ころで拾うのか、その場所がよくわからないのですが、実態としてはそういう方々がたぶん圧 倒的に多いと思うのです。  先ほどの接客業で顧客サービスがある所は例外的というニュアンスのときに、大体どのぐら いの方々がそういうところに置かれるかをざっと試算すると、400万人ぐらいいらっしゃるの です。そういう方たちが蚊屋の外でなしに、そういう方たちこそ救っていかなければいけない と思うので、それを措置として、義務としてやらなければいけない場面は、もしかしたらここ で手一杯かもしれないのですが、そこをどうやって上げていくのか、実はそれが一番大事なこ とではないかと思うので、是非。連合の方々のほうがその辺は一番よく御存じだと思うのです が。 ○漆原委員 もちろん連合でも「何でも相談ダイヤル」という所を各都道府県に設けていて、 そこで掛かってくることも十分あると思うし、これまでもありました。ただ、そこに電話を掛 けてくる人も割合からすれば少ないと思うので、そういったところの対策は我々も頑張ります が、何らかの相談体制があればそれに越したことはないと思います。 ○望月委員 それは組合に加盟してない個人でもいいのですか。 ○漆原委員 全然入ってない方も相談ダイヤル、掛けてこられる方はほとんど組合に入ってな い所が多いです。 ○望月委員 相談を受けたら、次はどういうアクションがあるのですか。 ○漆原委員 事情にもよりますが、必要であれば直接もう一度話を聴いて、具体的な対策、ど ういうことが取れるのかを検討して事業場に行く場合もあります。 ○相澤座長 法律になると監督署のあれになるのですよね。 ○望月委員 監督署にいきなり一従業員が電話するのですか。要は苦情申立てみたいなもので すか。 ○内藤委員 一種の、はい。法律違反になると、監督署あるいは労働局、そういった相談窓口 があるので、一応そこへいらっしゃるかどうか、実効性がどのぐらいあるかはともかくとして。 ○望月委員 私が申し上げているのは、たぶん具体的措置を全部満遍なくやったにもかかわら ず、まだまだ守りきれてないという場合はどうすればいいか。 ○平野安全衛生部長 基本的に法的な枠組の中で規定されたとすれば、そこに自分の所の事業 場が守ってないということであれば、監督署に、私どもは「申告」という言葉を使っています が、そういうふうに申告していただければ、それは最優先で事業場に改善なりを指導していく 形になると思います。 ○望月委員 そういったときに、告発というか電話をした従業員の方に不利はないのですか。 ○平野安全衛生部長 ないです。それは大丈夫です。 ○漆原委員 大変細かいことで恐縮ですが、5頁の留意事項の最初の○の所に「国民のコンセ ンサス」と記載がありますが、国民各層の意見をいろいろ聴いていけば、特に税金を使う財政 的なものについてはいろいろな御意見が出てくるとは思うのですが、その前の6には中小企業 に対して財政支援をするという所、連合としては、企業規模によって労働者の健康に差がある のはおかしいという観点から、この所は理解できるのですが、特に「いや、そんなところにお 金を使うのは」といろいろな意見が出てくると思うのですが、そういうところにも説得できる 何か細かな書き込みが本文にもし入れていただけるのであれば、それはありがたいと思ってい ます。我々としては、事業規模によって労働者の健康に格差があるのはそもそもおかしいと。 だから、これは必要なのだというふうに理解できるのですが、財政出動に関して理論構築とい うか、そういうところが一番あると大変ありがたいと思います。 ○相澤座長 現実的に中小企業では進んでないというあれがあるし、ヒアリング等でもいろい ろお話を聴きましたが、その辺は何かできれば。ほかにはありますか。よろしいですか。次題 の議題、「その他」ですが事務局から何かありますか。 ○徳田副主任 次回の検討会についてですが、次回は本日頂いた御議論を踏まえて最終報告書 案について御検討を頂く予定です。日程については、別途調整の上御案内しますので、よろし くお願いします。 ○相澤座長 本日の議題は以上ですので、大変貴重な御意見を長時間にわたって頂きありがと うございました。それでは終了します。 ( 了 ) (照会先)  厚生労働省労働基準局安全衛生部  労働衛生課環境改善室  03−5253−1111(内線5506)