10/02/08 第21回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会(第21回)議事録 日時:平成22年2月8日(月) 15:00 〜 17:30 場所:共用第7会議室 ○寺野座長 それでは、時間になりましたので、第21回薬害肝炎事件の検証及び再 発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会を開催いたします。  お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。  長妻大臣と山井政務官は、後ほどできるだけ出席したいとおっしゃっておられます が、予算委員会がありますので、ちょっとはっきりしないようですが、恐らく17時 以降になるかと思います。  では、資料の確認等をしていただきますが、事務局の方お願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。  まず、委員の出欠状況ですが、きょうは花井委員と西埜委員が御欠席と伺っていま す。それから、椿委員が遅れて来られると連絡をいただいております。  お手元の資料ですけれども、議事次第、座席表、委員名簿のほかに、右肩に資料番 号を振ってございます資料が1〜11までございます。枝番号2−1、2−2、7−1、 7−2と振ってございます。このうち、資料2−1は、前回お配りした資料と同じ内 容のものですが、きょうの御議論のために同じものを改めてお配りをしております。 それから、資料12は、パブリックコメントとしていただいているものでして、前回 以降、新しく提出されたものをお配りをしているものでございます。  資料番号の付いてないものとして、水口委員からいただいた検討用メモが1枚ござ います。  それから、リーフレットとして、国立ハンセン病資料館というリーフレットがお手 元にあるかと思います。これは、資料1の中で、坂田委員から幾つかの資料館などに 関するリーフレットの類がコピーとして付いておりますけれども、この中の1つとい うことで机の上に置かせていただいております。  落丁などありましたら、連絡をいただきたいと思います。 ○寺野座長 本日は、15時から17時半ころまでの間に、非常にたくさんの議題がご ざいます。まず第1に、最終提言に対する討議がありまして、次に、医薬品行政組織 のあり方。その中には、PMDAや厚労省医薬品食品局の職員アンケート調査結果が ございまして、これは既に配付されていると思うんですが、それについての検討。そ れから、第三者組織としてのワーキンググループからの報告。3番目に、堀内研究班 からの報告といたしまして、医師インタビューの結果、行政関連の検証、患者実態調 査の中間報告があります。そして、さらに、今後の進め方等についてといった議事を 予定しておりますが、この時間内に終わるかどうか大変心もとない感じなんですが、 私もきょうは18時にはどうしても出なければいけない用事がありますので、御協力 をお願いしたいと思います。  始める前に、1つ悲しいお知らせがありまして、昨年5月の本委員会に薬害肝炎の 被害者としてお話を伺いました平井要氏が去る1月31日残念ながら御逝去されたと お聞きしております。謹んで御冥福をお祈りしたいと思います。  それでは、議題に入らせていただきますが、最初に「最終提言に関する討議」でご ざいます。  3月の最終提言のとりまとめ、あと3回に向けて議論を詰めていくこととしておる わけですが、前回は、議論のたたき台を事務局から紹介してもらいました。ざっとし たものですけれども、参考にしていただくということで、紹介していただきました。  今回は、それに対してどういうふうにこの提言を持っていくかということに関して、 事前にいろいろな意見をいただいたようであります。ですから、最初に、この委員の 方々から御説明を伺いまして、そして、その後、事務局から補足説明をしていただき まして、討議に入っていきたいと思います。ですから、討議そのものは事務局からの 補足説明が終わってからということでお願いしたいと思います。  では、最初に、事前に意見をいただいた委員からお願いをしたいと思いますが、大 平委員、水口委員、坂田委員、高橋委員、山口委員から、それぞれ意見をいただいて おりますので、簡潔に御紹介いただければ幸いでございます。  では、大平委員からお願いします。 ○大平委員 雑駁な考え方で、参考資料として出させていただいたのですけれども、 最初のこの委員会の立ち上がりのときに、私どもとしてはかなり希望を抱いて、斬新 な医薬品の安全を監視と、これまでの薬害を踏まえたものができるのではないかなと いうふうに考えたわけですけれども、時間の問題とか、そういうのも多分あって、こ れからの医薬品行政の見直しのところについては、私としては、少しトーンダウンし たところがあるかなというふうに思いました。  そこで、これまでの私の見てきた中で、特に主張しておきたいところ、それから、 これから重要視していただきたいところとしては、基本的な問題としては、教育の問 題が大きいのではないかということで、医学教育、それから、薬学教育、私学教育と か、教育分野によってはかなり温度差があるのだろうと思います。しかし、薬害の問 題を考えると、オーダー的に薬学だけではなくて、医学、そしてまた、看護学とか、 いろいろあると思います。そういった点で、そこに医薬品のリスク管理においてどう 対処すべきか。また、どういう問題があるかということをきちっと教育していくこと が必要ではないか。そういうことで、教育の問題が重要視されることと。  それから、厚生行政においても、これは第三者機関のところで議論は出ましたけれ ども、横断的な問題として、医薬品行政というよりは、疫学全体の問題も含めて、横 断的な体制の確立が重要ではないか。そして、第三者による検証の評価システムの確 立は、今ワーキングで検討が行われておりますけれども、それをきちっと確立してい くことが今回の一番の基礎になるのではないかというふうに考えます。  あと、臨床試験とか、治験とか、そういうものが今後の医療の推進としては大変重 要なところですけれども、これは臨床試験、治験の推進と安全確保については、かな り微妙なバランスのところがあると思います。そこについては、患者を入れた、そう した推進していかなければいけないところが多分にあるというところで、ここはリス クの管理を踏まえて、患者を入れた推進監視委員会などをきちっと確立して、常に患 者の安全をきちっと図りつつ、また、ニーズを推進していくという、そういう構築を 進めるべきではないかというふうに考えました。  あとは、承認審査の問題としましては、グローバル化の医薬品の開発が進んでおり ますけれども、ここでも指摘されましたように、人種間の問題とか、年齢の問題、そ して、特に老人の問題とか、そういったところでの薬の適切な容量とかそういうのが なかなか適正な問題としてはできていないというところがあると思います。そういっ た点で副作用の問題、それから、健康被害の問題も、きちっとそういった承認審査の 問題の中でも適切に的確に行われ、そしてまた、多分に人種間の差とか、大人の中で も老人、普通の一般成人の問題と、それと、量をきちっと確保していく。そういう研 究体制は必要なのではないかと思いました。そういった承認審査の問題の中に、段階 的に薬の容量の問題も含めて確認してほしい、そういうシステム構築ができることを 希望しております。  あと、市販後の問題も、ここに書いてありますように、常に患者が情報の受け手で はなくて、患者からの発信するものをきちっと受け入れるような体制構築が重要では ないかと思っています。常に今患者が受けるのは、いろいろなニュースソース、そし てまた、メーカーからの情報の受け手で患者は対処しているというところがあります ので、患者からのいろいろな微妙な反応とかそういうのもきちっと的確にとらえられ るようなことは大変難しいことかもしれませんけれども、そこが薬害防止のための出 発点になるのではないかというふうに考えております。  あと、個人輸入の問題もここに書いてありますけれども、代替医薬品のない疾患や 希少疾病に対する例外的なシステムは、今試みは行われていますけれども、もう少し 力を入れて進めることが大事なのではないかと思っております。  あと、今後のあり方としましては、私自身は、医薬品庁のような構想をここに期待 したわけですけれども、なかなかそこまで実現せずに来ております。患者中心の医療 ということがスローガンとして言われていますけれども、なかなか患者の声が通って いかないところ、そしてまた、こういった制度をきちっと構築していくのは、法律家 の方とか専門家の方の主導性が大変重要なんですけれども、プリミティブなところと して患者の意見がある程度反映されるような、そういう検討会であってほしいなとい うふうに考えております。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。では、議論の方はまた後ほど。  次に水口委員にお願いしますが、ちょっと時間の関係もありますので、御協力をお 願いします。 ○水口委員 水口です。資料1に、私は内容というよりも、主に形式面について意見 を述べさせていただきました。  前回、事務局の方から配付していただいた案ですが、去年第一次提言を出している ということから、今年度の最終提言には、今年度新たに議論をしたことを中心に記載 するというように受けとめられる形式であったわけですが、私としては、最終提言1 本読めば、この委員会がこれまで議論をし、まとめたものは全部わかるという形のも のをつくるべきではないかと考えて、その意見を述べさせていただきました。そうい う意味では、第1次提言も取り込んだ形で体系する部分があっていいのではないかと 考えております。そのような観点から、裏側に「最終提言」の目次の私なりのイメー ジを書かせていただきました。  まず、「はじめに」ということで、設置目的や討議の経過についての記載があり、 その後、肝炎の経過から抽出される論点。これは第一次提言の中に掲載されたものを 再掲する部分もあれば、今年度実施されたアンケートやヒアリング等の結果を踏まえ た記載もあるといったような形になるのだと思います。  そして、第3、ここのところは、制度改正の整理ですから、一次提言の内容を再掲 するということで、第4の部分については、第一次提言の内容を基礎にしつつ、さら に、そこから発展させたり、深めたり、いろいろ今年した部分があると思いますので、 それをトータルに全体として書くということで、この1冊を読めば、私どもが最終的 にまとめた提言がわかるというようなスタイルのものを、ちょっと大部にはなるかと 思いますが、まとめるべきであろうと。そして、要約版というものが必要であれば、 それも付けるということで、この最終提言の一部としては、職員の方へのアンケート もその内容を構成するというような形でトータルなものをつくってはいかがかと。  私が考えるには、かえって、この方がまとめやすいのではないかなという感じもし て、第一次提言より薄い最終提言書は何か寂しいものもありますので、そのような提 案をさせていただきました。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。この形式については、また、後ほどまとめて 議論をしたいと思いますので、水口委員の今の意見を参考にしながら、皆さんの御意 見をいただきます。 ○水口委員 すみません。もう1点いいですか。  内容にわたる点について言えば、きょう報告する職員の方へのアンケートの中から 抽出される論点で、なお、残りの限られた委員会の期間ですけれども、議論して、反 映されるべき論点があるところをつけ加えておきます。  きょうは、事務局の方に大変御迷惑でしたが、直前に、そういった意味で少し抽出 した論点を1枚のペーパーにまとめたものを配付させていただきました。「アンケー トを踏まえた検討用メモ」がそれですので、内容は読み上げませんが、そういう問題 点もあるということを申し上げておきます。 ○寺野座長 今言われた資料は、一番最後につけ加えたものですね。 ○水口委員 直前だったので、枚数を減らしていただいて結構ですということをお伝 えしまして、配付させていただきました。 ○寺野座長 ありがとうございます。  では、次に坂田委員お願いします。 ○坂田委員 坂田です。  意見書の順番から言いますと、まず、バイファー社の件なんですけれども、約1年 近くになりますので、是非、御報告をお願いします。  2番目に、今回、アンケートをしていただいて、委員の先生方、本当にありがとう ございました。意見の中に、定期的にアンケート実施をしてほしいとの意見が多々見 られましたので、アンケートを取って終わりではなくて、今後、これが実行できるよ うに、是非有効活用をしていただきたいと思います。  それと、3番目に、薬害資料館の件なんですけれども、今回、水俣の水俣病資料館、 広島平和記念資料館、国立ハンセン病資料館、それと、JAL安全啓発センター、こ の4つの資料を準備していただきました。今回、3か所の資料館、そして、JALの 分、それと、ノンフィクション作家の柳田邦男氏の記事を準備させていただいたので すけど、この資料を読んで、なぜ、今まで薬害に関する資料館ができなかったのだろ うととても不思議に感じました。柳田氏の記事の中にありますけれども、「もし家族 が乗客だったら」という意識で対処するとか、85年ジャンボ機墜落事故の残骸や遺品 を展示する安全啓発センターを設置し、役員も社員もそこを訪れて、教訓を血肉化す るといった取り組み、教訓を共有化するといった取り組みが必要であり、風通しのよ い、何でも言える社風が、現場の人々の意欲と情熱を生み出すとあります。薬害資料 館は、みんなで教訓を共有化するのに是非必要だと思います。医療関係者を始め国民 全体に勉強できる場を提供する。これが薬害資料館だと思います。薬害防止の拠点で あり、すべての医療を考える場としてできなければいけないと思います。それで、「つ くるべき」ではなく、「つくる」に是非書き替えていただきたいと思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。非常に簡潔にお示しいただきました。  では、次に高橋委員お願いします。 ○高橋委員 私の方からも意見を出させていただいていますので、その内容について 簡単に報告をしたいと思います。  先ほどの水口委員と同じような形にはなっているのですけれども、第一提言をまと めた形で最終提言をつくった方がいいんじゃないかなと思っていまして、是非、そう いう形でお願いをしたいなというのが1つ目の意見です。  それから、2つ目は、安全対策というものは、国なり、製薬企業なり、医療機関な り、患者さんなりといった形で役割を明確化するのが、安全対策を十分やる上で必要 なのではないかということで、一応その役割なり重要性をこの中に入れていく必要が あるのではないかということの提言があります。  それから、3つ目は、「あるべき論」という形で「こうあるべきだ」ということで はなくて、もう少し具体的に実施の方策を提言していかないとこの提言にはならない のではないかな。それから、後で対応をする上でも、しっかりした方向性がうたわれ た提言であれば、実施しやすいのではないかな、対策しやすいのではないかなと思っ ています。  それから、個別のところでは、治験とか臨床試験のところについては、中立的な研 究資金の確保と配分ということが書かれているのですけれども、それについても、是 非、公的資金というものを使った形での対応をお願いしたいという形。  それから、承認審査のところでは、添付文書を承認していこうという話が研究班の 中間報告にも書かれているのですけれども、私たちとしては、承認プロセスについて、 承認時にしっかり見られているということと、前回の検討委員会のときに、安全対策 課の方から示された添付文書改訂の標準的な手続というものが明示されてきていま すので、それをしっかりやることによって、タイムリーに、しかも、適宜迅速的に添 付文書の改訂ができるのではないか。今までは、そういう点が誰が引き金を弾いてい いのかわからなかった。企業がやるべきときにやらなかった、国が指示するときにし なかったというところが、添付文書をタイムリーに変更できなかった大きな原因では ないかなというふうに私どもは思っておりますので、そういう点でのプロセスがはっ きりしていれば、そういう承認事項とする必要はないのではないかということを考え ております。海外でも、アメリカなんかでは、かなり時間がかかって添付文書の変更 が行われているというようなこともありますので、早く迅速的にタイムリーに変更を することが、医療関係者なり、患者さんのためになるのではないかなというふうに考 えております。  それから、裏の方のところでは、リスクコミュニケーションについても、役割の明 確化というところもしていかなければいけないのではないか。誰がどういう形の情報 をどういう形で使えるのか。そういうシステムをどれだけつくっていくのか。患者さ んは患者さんとしての権利、義務をどういう形で果たしていくべきなのかという点に ついて、しっかりそういうものを明記しなければいけないのではないかなというふう に思っています。  それから、医療機関側での安全対策についても、私たちもいろいろ書かせていただ いていますけれども、役割の明確化、チーム医療としてのそれぞれの役割、それから、 この場でも医療関係者、お医者さんの方はなかなか添付文書を読まれないというよう な話もありましたけれども、是非、添付文書を見る。読んで、事実を確認した上で、 投薬なり、相応の手続をする、薬を処方するというようなことをしっかり書くべきで はないだろうかということ。  それから、医療機関側に、安全管理責任者というものを医療法の方で設置が義務づ けられてきているわけですけれども、そういう人の確保もしっかりやっていただくと いうことで、こういう医療機関内での情報伝達をしっかりやっていただくことが必要 なのではないかなというふうに思っています。  その次も同じですけれども、医療機関内での情報伝達のシステム、そういうものを しっかりつくるようにということを期待をしたいと思います。  それから、患者向医薬品ガイド。患者に対するリスクコミュニケーションというと ころで、患者向医薬品ガイドというものがあります。前回の資料の中ですと、7億回 のホームページへのアクセスに対して、患者向医薬品ガイドのアクセス件数が60万 件、0.1%足らずのアクセス数だということですので、私たちの主張している患者向 医薬品ガイドの存在を知らないというふうなこともありますので、是非、この存在と いうものを徹底する、周知させるようなことをする必要があるのではないかなという ことと。それから、あとは、ホームページだけで見るのではなくて、もう少しアクセ スがしやすい、誰でも見れるような、患者さんがすぐ見れるような、そういうシステ ム、携帯電話でも見られるような、そういうもののシステムをつくっていくことも必 要なのではないかなと思っております。  それから、最後にはプッシュメールの登録件数についても、今、25,000〜26,000 件の登録件数ということになっています。23年度末には6万件、25年度末には15万 件の登録をするというようなことがPMDAで考えているわけですけど、今のペース で本当にそれができるのかどうかという点について、もっと現場の意見をはっきり聞 いた上で、その達成をするようなシナリオをつくっていただきたいということが希望 として出しています。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  では、最後に山口委員お願いします。 ○山口委員 手短にしたいと思います。  全体に関しては、先ほど、水口先生あるいは高橋先生の方から御意見がありました けれども、私も、第一次提言以降の議論も含めて、全体としてまとめて一つ提言書を 出すのがよろしいかというふうには個人的には考えております。その上で、今回、事 務局の方で作成していただいたきょうの資料の2−1ですかね。参考資料に対する個 別の意見について、委員の意見の資料1の15ページにまとめさせていただきました ので、簡単に説明させていただきます。  まず、医薬品行政等の見直しの基本的な考え方のところに、情報基盤の整備という 観点が全く入っていないので、安全性対策を可能とするような、そういう基盤整備で すね。それから、それの透明化と、あと、大事なのが、それを運営するとか、活用す るときに、国民の理解が必要だと思いますので、そういう対策を含めるべきじゃない かというのが1つ目の「・」の意見であります。  それから、2つ目が、先ほど薬剤疫学研究推進という話がありましたけれども、資 金の問題だけではなくて、その実施母体ですね。必要に応じて企業から独立した組織 でそういうことが可能となるような仕組みは必要ではないかと考えております。  それから、きょうの資料の2−1だと、6ページの「市販後安全対策等」というと ころに当たると思いますけれども、ICH−E2Eガイドラインという、市販後でど ういう情報を収集して、どういう評価を行うかという安全性監視活動計画というもの に関するガイドラインが出て、それだけちょっと1つ触れられているのですけれども、 リスク管理を考えた場合に、ICH−E2Eガイドラインの考え方だけでなくて、こ れまで議論があったように、情報提供の徹底とか、あるいはその教育とか、普及活動、 それから、注意喚起システムといった、専門的な言い方ではリスク最小化計画と言わ れていますけれども、そういうものも含めた上でのリスク管理計画だと思いますので、 その点を文章に入れていただければなというふうに思います。  それから、いろいろなレセプトとかのデータベースの話がちょっと書いてあったか と思いますけれども、そこに個人情報の問題が少し出てくるわけですけれども、別の 有識者会議等で議論は出ていると思うんですけれども、個人の識別子とか、何か用い て、複数のデータソース間のリンケージといいますか、可能となって、個人のレコー ドに戻れて初めて有用性が出てくるというように活用されるというふうに、そういう ふうに考えていますので、その辺の対策、そういう仕組みを是非考慮していただけれ ばなと思っております。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。この最終提言に関して、事前に意見をいただ いた5人の委員に御説明いただいたのですが、これに対して、事務局から補足資料に 関する説明があるようですので、お願いします。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。  今、先生方から、各委員の意見ということで、資料1を御紹介いただいたところで ございますから、事務局の方からの補足をいたしますと、本日、資料2−1と資料2 −2を配付させていただいております。資料2−1は、前回お出しをしました最終提 言に対するたたき台というものでございますが、資料2−2の方に、前回といいます か、第一次提言と今回の最終提言の議論にするための参考資料という部分についての 対照表をつくってございます。この対照表に、先週までに御意見をいただきました委 員の方々の御意見を各パーツといいますか、各項目ごとに整理をして位置づけまして、 はめ込んだ形にしたものでございます。こちらの方もこれからの御議論に御参考にし ていただければと思います。  申しわけございません。水口委員からの本日の資料は、残念ながら、こちらの方に はまだ盛り込んでございませんので、御了承いただければと思います。  あと、本日の配付資料でございますけれども、資料3がございます。これは簡単に、 前回そちらの方の委員会から御指摘をいただきました宿題事項でございまして。米国 のセンチネル・イニシアティブというものに関する一枚紙でございます。これは、ア メリカの2007年のFDA改革法に基づきまして、いろいろな医療資源におけるデー タへのアクセスを進めると、そういう目標が立てられまして、2008年からセンチネ ル・イニシアティブという名前でFDAにおいて実施をされているような状況でござ いまして。1ページの下の方ですけれども、最近の動向といたしまして、FDAは、 そういう自動化されたデータを使用した形での安全性評価のパイロット・プログラム (試行的なプログラム)について、外部の企業と契約を結んで、少しずつスタートし ているという状況にあるといったものでございます。  事務局からは以上でございます。 ○寺野座長 事務局からも、補足資料についての御説明がありましたが、それでは、 ただいま事務局から出された前回の資料も入っているようですが、その資料と、それ から、ただいまの各委員のそれぞれの御意見、特に水口委員の取りまとめの形をどう すべきかということがありましたが、まず最初は、最終提言取りまとめの形式をどう いうふうにすべきかと。一次提言と最終提言との関係ということになりますけれども、 どういう形でするかということをまず決めませんとまとめが出しにくいので、その点 をまず御議論いただきたいと思うんですね。そのほかにも御議論があるかと思います けれども、一番最初に形式の問題をまず決めていただきませんと、後々作業が進みに くいので、それをきょうはまず決めていただきたいと思っています。この形式の問題 については、今、意見の中でも出てきましたけれども、水口委員、新しい資料も含め て、もう少し御意見がありますか。 ○水口委員 形式は先ほど申し上げたとおりですので。 ○寺野座長 では、いろいろな形があるのだろうと思いますが、今の意見等について 御議論をいただきたいと思います。どなたからでも結構ですので、こういう形がいい のではないか。  改めて言いますと、最終提言のスタイルは、最終提言をどういうふうに考えるかと いうことなんだと思うんですが、第一次提言は既に出されているわけで、皆さんお読 みになっているわけですけれども、それはそれとして、最終提言は、今年度の委員会 の議論であると、それを書き加える形になるんだというふうに考えるか。あるいは、 最終提言というものは、第一次提言も踏まえて、すべてこの2年間の議論であって、 それを一緒にした形であらわすべきなのかということですね。その中間形式としては、 恐らく第一次提言はあると。第二次提言を出すと。それを何らかの形でまとめる形で 出して、重複を避ける形でわかりやすくするという案もあるだろうというふうなこと が一応考えられるわけで、それには一長一短がありますので、そこら辺の中でどうい うものがいいのかということをまず皆さんに御議論いただきたいと思うんですね。 ○小野委員 様式の問題とも勿論関係する中身の話ですので、私の意見なんですが。 これは前回もディスカッションがあったかと思うんですけれども、今回の最終提言の 構成ですね。全体を述べるか、一部にするかという問題はちょっと置いておいたとし ても、ちょっと私がずっと気になっているのは、過去はこういう問題がありましたと 大騒ぎをしているわけですよね。こういう問題がありましたと、坂田委員とか、ほか の方が一生懸命過去の問題点を挙げている。そこから制度改正の一覧みたいな無色透 明なものが入るとして、第4に今後こうあるべきだと言って、皆さんがこうあるべき だ、こうあるべきだと、いろいろなことがざっと並ぶんですね。何か抜けていません かという気がいつもしておりまして。普通は、こういう問題点を議論する場合には、 過去にこんな問題点があって、それで、今はどうなっているんだと、今これは直って いるのか、直ってないのかというようなことを個別に議論して、それで、その先、じ ゃ、こうやりましょうという話ですね。その真ん中の部分が形として何かないように 見えるのは極めて違和感を覚えると。これまでの制度改正というのは、制度改正をこ うやりました、ああやりましたですね。これはいいのですけれども、この部分に、こ れから恐らくヒアリングされた内容について、こういうところが問題であるというよ うなことを、坂田さん始め、堀内研究班の結果がまた今回も追加されると思うんです が、その昨年の分と今年の分を踏まえて、これは何かおかしいところがあったと、こ れは何か変だぞと強く思ったところが、今現在どうなっているのかですね。今現在と の関係、もうすべて改善されていますというのだったら、それはそれでいいですね。 それで決着をちゃんとつけておかなければいけないし、そこは放ったらかしになって いますと。放ったらかしになったまま、誰も気がつかないまま、これをやるべきです、 あれをやるべきですという議論の中と無関係にそれが放っておかれるようなことが あったら、これは何をやっているんだかよくわからないと思います。  ですから、私の意見は、水口先生のやつでいくと第3の過去の経緯みたいなものを バーッと入れるところ、あるいは、それとは別に、第2の問題点の部分と、第4のこ れからこうやっていきますという気合いを入れる部分の真ん中をつなぐ過去と現状 の問題点の話ですね。これについてきちんと触れて、何か記憶喪失みたいな議論をし てはいけないと思うんですね。昔はこうだったけれども、これからはこうやっていき ましょうと、そこがつながることが大事だと思いますので、そういう項を入れてはど うかと。それがもし水口先生の第3というところを充実させるなら、それでもいいし、 あるいは第4の提言のところにそれを意識して一つ一つその対応を書いていくとい うのだったら、それも一つの解決だと思いますけれども、そこを注意しなければいけ ないのではないかと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  現在の状況、勿論、過去のものが全部改善されてしまっているという、そう書くな ら何も問題ないのですが、それがないという前提にはなっているのですけれども、そ こに関する議論が足りなかったのではないか、解析が足りなかったのではないかとい う御意見ですね。これをその中に入れるとすると、具体的にはどういうふうになるの でしょうか。 ○小野委員 第3のところで、前回のやつをペタッと貼るのではなくて、ここを堀内 先生の委員会の今回の結果と、それから、アンケート調査の今回やった結果がありま すから、そこを見比べて、例えばですけれども、当時、忙しくてどうにもならんとい う状況だったことが1つの原因だったとして、それが、今回も、忙しくてどうにもな らんと、10人中5人ぐらいが例えば答えている状況なら、何も変わってないわけです から、そこは変わってないということをきちんと我々の判断として書いておくという ことが必要じゃないかと思います。ですから、例えば水口先生の提案の中の第3「こ れまでの云々」というところに書き加えるような、第2と第4の間ですね。第3とい うか、その間に1つ書き加えるようなことはできるのではないかと思います。 ○寺野座長 水口委員、何か意見はありますか。 ○水口委員 非常に筋の通った御意見だと思うんですけれども、考えてみると結構難 しいかなと。そういう意味では、過去の検証の結果、プラスこの現状のアンケート調 査を生かした相対的な分析があって、それを間にはめ込んでなるようにいければ理想 的なんですが、どこまで細かく書けるかというのはとても難しくて、今までの構成か らいくと、第4の1の中に、かなり過去の検証結果を踏まえた基本的な理念とか考え 方が、その裏返しの形で「基本的な考え方」に、予防原則に立つべきだとか、いろい ろな形で表現されていたわけですね。ですから、そこをどこまでこの残った時間の中 でできるのかというのは、やるべきだろうとは思いますけれども、なかなか。やって みてだめだったらしようがないかなという、やる方向で頑張ってみるのも1つかなと は思いますけれども。 ○寺野座長 ありがとうございます。  そのほか、御意見を出してください。今の件に関しても結構です。 ○山口委員 小野先生に質問なんですが、基本的な考え方はすごいリーズナブルだと 思うんですけど、その場合、見直しに関しては、もう解決されているものについては、 基本的には書かないということになるんですか。 ○小野委員 これは、この点からは十分な解決が図られていると書くのが、一つ世の 中に対しての我々の判断なんじゃないかと。それを言わないのも変ではないかと私は 思うんですけれども。 ○寺野座長 いかがですか。御意見を自由に出してください。 ○山口委員 今の小野先生の御意見に賛成です。ただ、大変かなというあれはありま す。 ○水口委員 あとは、現実的な対応としては、見直しを書くときに、丁寧に理由の中 に反映していくというのも1つ現実的な方法かなと。それを一つの文章としてガーン とまとめるのは、これはいちから起こさなければならない部分があって、相当大変な 部分があるのかなという印象を持っています。今のことを意識しつつ個別の論点につ いて書くということと、「基本的な考え方」等のところを相当意識してふくらませる とか、その辺りも一つの現実的な選択かなと。何しろ、はっきり言って、私たちには あと2回しかないんですよね。その中で、組織の話とか、まだ議論が詰まってないと ころもあって、なかなか苦しいところかなと思います。 ○小野委員 今の解決もあると先ほど申し上げましたけれども、第3というか第4の 見直しというところで、これからこうあるべきだということをいろいろ書いていけば いいのですが、ちょっと私が気になるのは、夢のあることとか、こうやったらいい、 ああやったらいいというのは100個でも200個でもあるんですよね。それを何かずら っと総花的に並べるような解決は、恐らく読まれる方が、この人たちは真剣に物事を 考えたんだろうかと思うといけないので、過去の問題点に即して、これは解決されて いる、あるいはこういう何かよけいなことを役所がしようとして、ここで点を稼ごう と思っているなら、いや、そこじゃない、こっちをもっと考えてほしいというような こともちゃんと考えたというようなことをちゃんと報告書の中でわかるように。です から、第3か、今後の話のところに、それぞれに注意して書くというので私はよろし いと思います。 ○寺野座長 現状と見直しというか、そういう感じになるのでしょうかね。そういう タイトルにして、一つ一つのところに全部両方入れていくというのでいいんですね。 ○堀委員 私も、現状今行われていること、行われていないことを書かないのは、確 かに不自然だと思うので、今の案だと、第4の中に薬害再発防止の中で、一個ずつ項 立てがされているので、その中で、ここについては既にこういう対応がとられている、 あるいはとられていない、今後やるべきだというのを丁寧に書き込んでいくのが現実 的なのかなというふうに思います。アンケートの中を見ても、既にやっているよとい うような意見もあったりして、そこも一切無視したまま議論するのは不自然なので、 第4の中で、丁寧にその部分を、現状がどうかというのを書いていくのがいいんじゃ ないかと私は思います。 ○寺野座長 では、タイトルを現状と見直しという形で、見直しの方がちょっと字は 大きくなっちゃうのかもしれませんけど。そうもいきませんけど、それを踏まえた上 で、その一つ一つについて意識して記述していくということでよろしいんですか。 ○堀内委員 小野先生のおっしゃるのはもっともなんですが、我々も、過去の検証を やるということは、じゃ、現状はどうなのかということを考えながらやってきて、そ れで問題点を記載をしてきたつもりですが、まだ十分でないというのと、これから、 厚労省あるいは機構についても、これまでのいろいろな議論の中でいろいろ改善をし ているということなので、今の時点でということになるのでしょうけれども、かなり 変えているのではないかと思います。ですから、それをどういう形で入れ込んでいく か、現状時点でこうなんだということをやるかというのは、厚労省の協力を得ればで きるのでしょうかね。なかなか細かいところまで見るのはちょっと大変かなと思いま すけれども、できるだけ入れるのは大事かとは思いますが、大変だとは思います。 ○坂田委員 以前から私も意見を言っているんですけど、研究班では、過去の検証も ですけれども、じゃ、現在のシステムはどうなっているかというのを問いかけている んですよ。それで、この委員会でも何度も言ったんですけれども、この場である程度 絞った形でやっていただく。それを多分私は何度かここで提案させていただいたと思 うんですけど、そんな何時間も要りませんので、本当に絞った形で、この場で、みん なの前で聞くというか、それは必ず必要じゃないかなと思います。だから、過去の検 証、そして、現在のシステム、そして、今回取られたアンケートをまじえての将来に 向かっての討議が必要じゃないかと思います。 ○寺野座長 確かに、アンケートをこの間取ったのは、現状としては非常に意味があ ると思うんですね。そういうことを含めて、本当はその時間が欲しいのだけれども、 なかなか取れないんですが、次回の中にその点を、時間は短いかもしれませんが、入 れていただくということで、具体的によほど効率的にやらないと時間がとても足りな いので、その点は少なくとも提言の中に入れられるような点を議論していただくよう な工夫を事務局の方でちょっとしていただけますかね。事務局の方で意見があったら どうぞ。 ○医薬品副作用被害対策室長 今までの議論を我々の理解として整理させていただ くと、第4の中に、それぞれの項目ごとに現状がどういったところにあるかというこ とを整理して追加して、次回御議論をいただくという、そういうことでございます。 ○寺野座長 それを工夫して、次回に時間的には少しになりますけれども、それを入 れていきたいと、そこは工夫をさせてください。現状は確かに重要な問題です。 ○水口委員 現状は重要ですが、肝炎の事件が当時起きたときと今では、大変システ ムが変わっていますから、それを全部やっていくと難しい部分、すごく大変というと ころがあると思います。何か問題が起きた根本的な大きな視点や、その関係で書き込 むということにある程度絞っていかないと、それはちょっと大変かと。かなり焦点を 絞った方がいいかなと思います。 ○小野委員 私もそのとおりだと思います。ですから、すべての点について対応表み たいなものを100個もつくると、こういうばかげた話ではなくて、大きな意味での組 織文化のあり方とか、職員の働くモラールの話ですとか、そういう幾つかの論点があ ると思います。それは恐らく何十個もないですよね。何個かだと思いますので、その 何個かに話を絞っていいんじゃないかと思います。それはきょう水口先生がいろいろ まとめて、そのつながりを現状との関係でまとめていただいて、アンケートの結果に ついては発表をいただけると思いますので、そこで絞り込んでいいのではないかと思 います。 ○寺野座長 その点は、少し頭を使って工夫をしましょう。それは、次回のときにま た提示しますので、御議論いただければと思います。  今、形式的なものも踏み込んでいるわけですけれども、自由に御議論をいただきた い。 ○坂田委員 水口委員の御意見に賛成なんですけれども、逆に、第一次提言と必ず重 複してほしいと思います。一つのものと仕上げて、見やすいというものが必ず必要だ と思いますので、それをばらばらにすることはちょっとやめていただきたいと思いま す。 ○寺野座長 ばらばらにというのはどういう意味ですか。第一次提言と最終提言と 別々にすると。 ○坂田委員 中身が違うというか、全く別物じゃなくて、一体化は必ず必要だと思い ます。 ○寺野座長 そうですね。それの工夫なんですね。一次提言と最終提言は全く一体と して、全体を最終提言も何もない提言という形で出すというやり方なのか。一次提言 は既に出してあると、そして、皆さんはもうお読みになっていると。それにまた第二 次提言を加えていく加え方が大変難しい面もあるし、重複する面もあるし、皆さんが お読みになるときに大変なんじゃないかということで、最終提言を最終提言として別 個にして、それをどういうように組み合わせていくかということの工夫をするか。そ れとも、融合してしまうかという問題。言うなれば、その2つだと思うんですけどね。 どっちがいいでしょうか。 ○清澤委員 私は融合して1冊にして最終報告にした方がわかりやすいんじゃない かなというようには思います。  それから、一次提言の中を多少チェンジしたような内容もあるんじゃないかなと思 っていますので、そういうようにした方がいいのかなと。  それと、もう一つは、水口委員の提案の第4の9は、これはこの委員会でも結構重 要な議論として取り扱ったように僕は思うんですよね。ですから、これは第5章とい うように章立てした方がいいのではないかなというような気がするんですが、いかが でしょうか。 ○水口委員 御指摘のとおりだと思います。私もそれに賛成したいと思います。 ○寺野座長 極めて素直な回答でございまして。いいですね。これは重要なところで すから。ただ、水口委員の最終提言の目次を中心に進んでいるのですけれども、これ は融合するという一緒にするという前提ですね。 ○水口委員 そうです。最初、事務局の方がつくってくださったのと、第一次提言と 両方ミックスして、今、研究班の皆さんがやっているものを入れ込んでいくとこうい う感じになるかなということです。たたき台として、何もないよりイメージがわきや すいということで。  それと、どっちが楽なのかというと、融合は難しいと座長はおっしゃられたんです が、私はむしろ逆じゃないかと思うんですよね。今年度議論したことは、去年の提言 があることを前提に続きを議論したり、それから、虫食いで、更に重点的に議論をし たりしているので、何かそこだけ取り上げると前提が欠けてしまうから、そこに配慮 して書いたりしなければいけないという、かえって難しい話になってしまいますから、 私はむしろ融合させていった方が到達点がわかると思います。もし一次提言に今年度 何が加わったのかということがそれじゃわからないじゃないかということがあると すれば、それはそれで何か整理の表か何かを付ければいいのかなと。普通は、最終の 提言というのは、時期的に最後という意味じゃなくて、総まとめというのが普通で、 とにかくこれさえ読めばいいというのがあった方がいいし、作業的にも、かえってそ の方がやりやすいと感じております。 ○大平委員 私は、第一次提言を前提に議論して、そして、第二次提言を最終的な提 言としてまとめると、そういうふうに最初から思っておりまして。融合と言えば、融 合という形なんですが、第一次提言についてどこが問題点があるか、または、第一次 提言で議論できていないところを、第一次提言後にいろいろ議論させていただいたの だろうと思います。そこでまた、第一次提言で議論できていない部分も今回その後も できていない部分もあるというところで、それをどういうふうに書き込むかとか、そ ういうこともあると思いますけれども、原則としては、私は融合という形で、最終的 に最終提言としてまとめていただきたいなと思いました。  あと、小野委員から言われました現状の問題については、現状については、見直し の中で、これ自体の提言はエッセンスというふうな感じだと思いますので、そこに問 題点としてかなり解決されないまま積み残している問題も現状にあるのだろうと思 いますので、そこをどういうふうに整理していくかというのは大変難しいのかなと思 いまして。現状は見直しの中に入っているものというふうに私はちょっと理解させて いただきたいなと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○清水委員 私、水口委員のこのおまとめの目次は大変よくできていると思いますの で、これを基本にしてやっていきたいと。  それから、最後の9を第5にするという清澤委員の意見は私も賛成です。  それから、最後の「おわりに」というところなんですが、「おわり」というと、大 体以上述べてきたことを云々というようなことで、5〜6行か10行で終わってしま うんですが、ここのところをリコメンデーションというような形にして、何を我々は 提言したのかということを具体的に箇条書きにして羅列するという形で「おわりに」 というところを締めくくるようにしたいというように思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  「おわりに」に関しては、これは水口委員の案が前提に進むのですけれども、第6 で「おわりに」ですけれども、第1の「はじめに」というのもどうするかという問題 がありましてね。「はじめに」の方で、大体どういう形のものでまとめたかというこ とを俯瞰しなければいけないかなというふうには思っているんです。ですから、「は じめに」と「おわりに」の関係で、何か御意見がありましたら。 ○清水委員 「はじめに」は、これはあんまり深く書くことはないと思うんですね。 第一次提言にも書かれていますので、それに若干手を加える程度でいいのではないか なと。一番肝心なことは、何を我々は提言して、何を具体化する、政策として明確に するのかということだと思いますので、あんまり「はじめに」の方に拘泥することは ないのではないかなと思いますが。 ○寺野座長 総括と方針みたいなものなんですかね。そんな感じで、「おわりに」と いう形は、何らかの形で、今、清水委員が言われたような形で、まとめを箇条書きに きちんと整理すると。これは水口委員、いいですね。 ○水口委員 はい、いいと思います。何か結構大変かなと。もともと中身がボリュー ムがあるので、私もまだまとまってないのですけれども、要するに、私たちが2年間 やってきたことは報告書で終わらせてもらっては困るというそのことに対する何か 注文というか、私たちの基本的な、もうちょっと具体的に何か述べることができれば、 更にいいかなという。清水委員がおっしゃっているのも、要するに、念仏みたいなや つじゃなくて、具体化に結びつくような何かを「おわりに」にちゃんと盛り込むべき だという、そういう御趣旨だと思うので。 ○清水委員 要するに、具体的に、誰が読んでも、なるほどそういうことを言ってい るのかと、極端なことを言えば、賛成か反対かというようなことを言えるような表現 の内容にしてほしいというのもあります。 ○寺野座長 政治状況もいろいろとあるとは思うのですけれども、具体的に言ったら、 例えばPMDAをどうするのかというようなことを今から仕分けなんていうのがあ るのだそうで、何だか僕はよくわからないのですけど、そういうことも含めて、この 提言をいかに有効に活用してもらえるかということを、具体化・具現化してもらえる かということを書くのが最後のところだと思うんですけれども、その前に、まとめ的 なものが可能ならば、それをやっておいたらどうかという意見だと思います。ちょっ と僕の意見を言って申しわけないのですけれども。  そのほか、形として。  今のところでは、私は、最初は一次提言が出ていて、皆さんはお読みになっている ので、そこからの問題点としてこの1年やってきたので、その点を具体的にあらわし て、最終提言は別にして、それをまとめた対照表として、それぞれのところに入れて いって、第一次提言の中に入れてわかりやすくすれば、それが皆さんにわかりやすい かなと思ったんですけれども、皆さんの今の意見を聞きますと、一緒にした方がいい という意見が大体のところですね。第二次提言でそれの特有な部分についてはイタリ ックにするとか、そういうような形で、それはそれなりのわかりやすい形であらわす というふうな工夫はあるんだと思うんですけれども、そういうふうな形にすると、そ の作業はどうだろうかという問題が1つあるんですね。前の1年はできているとして、 この1年でやったことをまずまとめて、それをそこで融合させていくという作業が、 これはやさしいのか大変なのかというこの辺の問題ですよね。事務局の意見は何かあ りますか。 ○医薬品副作用被害対策室長 きょうの資料の2−2が対照表の形になっています けれども、これがいわば融合、対比させるとすれば、どういうふうにすれば見やすい かということだと思いますので、こういった対照表の形でよければ、当面議論の材料 としては、こういうふうにしてもよろしいですし、あるいはつながった形にした方が よければ、第一次提言と、そこに書いてないところは区別できるような形で資料にさ せていただくとか、その辺は見やすいような形にさせていただきます。 ○寺野座長 そう矛盾したところはないんだと思うんですね。ただ、ともかく第一次 提言という名前はつけましたけれども、始めはこの委員会は1年間で終わるという前 提で出発しているわけで、最初の提言で大体の言いたいところは言っていたはずなん ですが、どうしても足りないという御意見があったので、2年目をやって、新しい問 題点も出てきたわけですから、それを付加する形になるんですが、作業としてそんな に難しくはないということであれば、第二次提言の部分を何らかの形でわかるような 形にして、一緒に出すということは、それはそれなりに一つの方法だと思いますね。 ○堀内委員 第一次提言はみんなオーケーになっているかというと、必ずしもそうで はないように思います。先ほど、例えば高橋委員がお話しになった添付文書の件、こ れは第一次提言では公文書として扱うべきだという提言をしておりますけれども、高 橋委員は、これは必ずしも承認事項とする必要はないというお話ですね。これは、多 分私の考え方は、議論の必要なところだと思いますけれども。ですから、私は、今、 薬についての市販されている文書について、公文書がないという。しかしながら、添 付文書がレセプトの審査あるいは裁判になったときでも使われると、そこに書いてあ ることがどうかという議論がされるわけなので、それは厚労省が責任を持つべきだと いう、そういう考えなんですが。ですから、確かに高橋委員が言っているように、こ このところ、議論をやっている中で、添付文書の扱いについては、機構にしろ、厚労 省にしろ、変わってきているとは思いますけれども、明確にしておくべきだというの が私の考えなので、その辺をどうするかという議論も含めて、いろいろなところにそ ういう問題が出てくるのではないかと思います。ですから、最後に一つにまとめるの が妥当じゃないかというふうに思います。 ○寺野座長 その辺の若干意見の変わったところなんかも明らかにしながらという ことですから、作業としては、ちょっと大変なところもあるかもしれませんですね。 ○高橋委員 公文書というのは、どういう形で公文書と考えるかというところも一方 にはあると思います。薬事法上、添付文書というものを付けなければいけないという ことはもう決まっていますし、それを公的な文書の位置づけであるというふうに読む のか、それとも、そうじゃなくて、添付文書というのはこういうことで薬事法上こう いうものだということがはっきり法律上書かれているものですので、そこはどういう ところについて書かなければいけないかということはもう書かれているわけですの で、それが公的文書という位置づけになっているとは思ってはいるのですけれども、 それがどういう形で決められていくか、どういう形で変更されていくという点につい ての記載は法律上はないのですけれども、そこをどう解釈するかにも影響すると思い ます。 ○寺野座長 これは異論のあるところでしょうけれども、これをやっていると切りが ないので、例えばこういう例があるということですね。そういう一次提言と最終提言 との間の若干の変化もあるだろうけれども、そこもうまくあらわさなければいけない というところはなかなか難しいところなんですよ。 ○高橋委員 統合の話は、先ほど私の方からも意見を出させていただいたのですけど、 第一次提言、最終提言という言葉にとらわれ過ぎてしまうと問題だろうというふうに 思いますので、あくまで第一次提言は、あれは1年越してしまって、中間的に決まっ たことをまずは提言を出しておこうという位置づけで出したものですので、最終提言 が本来はもっと前に提言として出すようなものであって、それが今度の3月いっぱい にまとめて出せるものになっているということですので、あくまで、最終提言が本当 の提言だろうというふうに思いますので、中間提言も、第一次提言も含めた上での最 終提言というものを出すべきじゃないかなというふうに思います。 ○寺野座長 最終的に一つにまとめるのだとすれば、最終も一次もなく、提言ですよ ね。この委員会としての提言として出すということになります。 ○水口委員 方向性としては、融合させてつくるという方向で何か議論が収斂してい るように私は理解します。その場合の作業なんですが、例えば次回資料をどういうふ うに用意するかといったときに、はっきり言って、さっき言ったように、あと2回し かないわけですね。提言の文言をどういうふうにするかということ自体もとても大事 なことで、対照表で右と左にあって、どこにどうやって入れ込むかということ自体大 事なポイントなので、融合させるなら融合させた形のたたき台を出していただいて、 その中にマークか何かつけて、ここは今年度新しく入ったところだと識別できるよう な形で一本のものとして出していただいて、こういう並び順で書くこと自体がどうな のかとったことも含めてちゃんと議論の対象にできるようにした方が、あと2回しか ないというこの現状から考えると現実的かなと。右と左の表だと、最後の姿がいつま でも出てこないということで、時間がなくて厳しいのではないかと、そういう印象を 持っております。 ○寺野座長 今、形式の話をしていまして、今の話ですと、大体皆さんの意見は、ち ょっと私のイメージと違って、一つの検討委員会としての提言という形で、一次、二 次、最終、まとめた形で出すべきであるという意見が強いと感じます。多分、それに 積極的反対の方はどうもいらっしゃらないらしいということなんですけれども、その 形式については、森嶋先生はどう思われますか。 ○森嶌座長代理 私は今まで議論を黙って聞いていたのですけれども、私は、第三者 組織の取りまとめをやっていますけれども、そこでは、結局、何のためにこういう文 章をつくるかということですけれども、我々が少なくとも第三者組織については、こ れを厚生労働省に出して、我々が考えているような機関をつくってくれということを 提言するわけです。しかし、実際にできるのは、これは我々が言ったとおりにできる かどうかはわかりませんけれども、ともかくこういう考えに従って我々はこういうこ とをやってくれということを言うわけですから。それが仮に、これは水口さんともお 話ししたんですが、八条委員会か三条委員会かなんていうことを、詳細に行政法の議 論をしたって、そんなものは誰も関心を持たないわけで、こういうことをつくってく れということを言うことが大事なわけです。  今のお話を伺っていますと、例えば第一次提案でどう言った、最終提案でどう言っ たかということじゃなくて、先ほど清水委員が言われたように、どういうことを我々 は言いたいんだということでやって、あと、付属資料として、第一次提案でこういう ことを言ったから、ちょっと言葉は悪いのですが、御用とお急ぎでない方は我々の言 ったことを見てくれということを言えばいいんで、提案自身は、私は、例えば教育に ついては、今まではこういう教育だったからだめだったんだからこういうことで、具 体的に適切な何とかをして、適切な添付文書をこうしてと、たくさん書いてあります けれども、そこまで言わないで、それをきちっとまとめればいいのですけれども。  それで、私が今御質問したいのは、この第三者組織については、これは主査である 私が自分で書きました。そして、水口委員の御意見を伺ったり、あるいは皆さんから 意見を聞きながらやりました。そして、委員から悪口を言われたりしましたけれども、 私の責任でやりました。だけれども、今度、最終か何かはともかくとして、取りまと めを最後にやるときに、これは事務局に課されるわけでしょうか、皆さん。そのとき に、事務局としては、みんながああしろこうしろと言って書かされて、そして、出し たときに、皆さんが、ここで言っているようなことで気に入ったことを事務局が書か なかった場合に、皆様はそれに対してどう答えられるのでしょうか。それは、もしも ここで言っているようなことを我々の責任において出したいなら、我々がやって、そ して、最終的に事務局と調整して、役所としては、ここまで書かれては内部は通らな いというそこは我々としても、これは政府の中の検討会ですから、出したら「こんな ものを持ってきてもらっては困る」と言われるようなものは我々は出せないけれども、 少なくとも政府内部では、こんなものはとても出てこないけれども、よくここまで言 ってくれたというところまでは、我々としてはぎりぎり出して、あとは頑張ってやっ てくれという、それをやる。  そのためには、事務局では書けないような文章を我々としては書かなければならな い。そうだとすると、ついつい水口さんを見てしまうけれども、例えば水口さんと私 がやったっていいですよ。我々で大変だけど、ともかくつくって、そして、皆さんの 意見も聞きながらつくって、そして、それを事務局で。我々はある意味では素人です。 かなり私はやったつもりです。今までも経験はあるけれども、最後のところで、ここ まで書いたら、大臣のところまで行ったらちょっと困るとか、そういうところまでは 書かれては困りますというのは、そこまでは書きませんけれども、今の御意見を伺っ ていると、何かここで言いたいだけのことを言っておいて、あとは事務局に書かせる というのは、私は厚生労働省からの干渉を受けないとか、独立するとか、厚生労働省 はけしからんと日ごろ言っておきながら、いざとなったら人にぽんとかぶせるという のは、我々としてはおかしいのではないかと思いますので。  私はもう一回戻りますと、取りまとめは、あと3回でやるのでしたら、3回でやる。 そして、それは何のためにやるかというと、それは最終的には、厚生労働省を通じて 政府に最大限のぎりぎりのところでのんでもらえるようなものを我々としてはつく る。そして、そのためには、延々と長々と書くのではなくて、ページ数で言うと30 ページぐらいのもので、今まで出てきた議論は資料とか何とかいう形で付ける。対照 表も中に付けるのではなくて、資料で付ける。わかりやすく我々の主張したいことを きっちりとした論理で付け加える。それをやるのは我々で書くというほかないのでは ないでしょうか。それで、堀内先生の研究班の検討の結果とか何とかいうことは、そ の中のエッセンスとして取りまとめの中に入れて、そして、いろいろな報告は付属資 料として入れ込んでくるという形にして、そこは事務局にお願いをして、いろいろと 取りまとめてもらうにしても、提案自身、取りまとめ自身は、我々の誰かがやって、 最後の責任を負うのは寺野座長が負われるほかないのではないかと私は思います。ド ラフトは、最悪の場合は私がやりますけれども。何か今の話を聞いていますと、言い たいことだけ言って、あとは事務局に放り投げるというのは、役所が何を書いてもい いとおっしゃるなら、それでもいいですけれども、皆さん散々役所の悪口を言ってお きながら、やりたくないことを役所にやらせるというのは、この検討会としてやるこ とではないと私は思っています。  それから、何のためにこれを出すかというと、それは我々が満足するためにやるの ではなくて、我々の言いたいことを人に読んでもらって通すためですから、長々と思 いのたけを述べることではなくて、思いのたけをきっちり短くまとめて、わかりやす くまとめるということだと私は思いますので、ドラフト委員会というのか知らないけ ど、いずれにしてもそういうことを申し上げたいと思います。 ○水口委員 今、座長代理がおっしゃったことで1つ誤解を招くことがあると思うん ですね。第一次提言をまとめる過程で、事務局の方が、これを入れてもらっては困る みたいなことをおっしゃったことは一度もないですよ、それははっきり言って。その ことはまず事務局の方のためにも私はここで確認をしておかないと、今の発言は非常 に誤解を招くと思います。  それから、私どもは、事務局が困ることを書くとか書かないとかという発想で行動 をしたことは今まで一度もない。私たちの国の薬事行政をどうするかということをみ んなで一生懸命考えて、委員もそれ相応の犠牲を払ってずっとやってきています。今 ある議論は、たたき台をつくっていただくということです。第一次提言を最後にまと める過程でも、みんなそれぞれ自分の言葉で意見を言い、最後の修正は本当に大変だ ったと思うんですね。そういう意味ではたたき台をつくっていただきますけれども、 最終的なところで、みんながそれぞれの文案についても責任を持って意見を言ってま とめるという、ここのところは共通の認識になっていると。そこのところは再確認し ておきたいと思います。  座長代理がおっしゃる「わかりやすい」ということは私も大事だと思います。そう いう意味では何かサマリーのような、ロビー活動をするときに使いやすいような一覧 性のあるわかりやすいようなものを用意する。それはそれで必要だと思うけれども、 ここまで議論をして、しかも、それなりにアンケートもし、いろいろなことをしたも のの到達点としてあるわけですから、そこはやさしい簡略のものがあり、かつ、しっ かりしたものがあるという、二本立てを考えながら、まず基本のものはきっちり書く ということは必要です。短いものに最初からまとめればいいというふうにならないの ではないかと私は思っています。 ○森嶌座長代理 私は、役所が抵抗したり、いろいろなことをノーと言っているとい うことを申し上げているのではなくて、役所にたたき台をやってくれということを言 うのではなくて、まず自分たちでやるということを先に考えるべきではないかという ことを申し上げただけの話です。しかも、ここで言っているのは、皆さんいろいろな ことを言っておられるわけだから、まず我々の方でまとめてやるべきではないかとい うことを申し上げたわけです。  それから、もう一つ、今までのものを全部まとめるべきだとおっしゃったのですけ れども、それでは、ここで私が申し上げたのは、例えば堀内先生の研究班の、これは 私はきちっとおまとめになるべきだろうと思いますけれども、じゃ、最終的なまとめ の目的ですね。これはいろいろなことをまとめて、こうあるべきだと言って、それじ ゃ、たくさんのものが今までものがまとまったというので、それでいいのかというと、 私は今までここでのいろいろな議論を伺っていると、そうではなくて、そのことの結 果、制度改革をして、そして、再発防止のためのいろいろな機関をつくったり、それ をするわけですから、そういうコミュニケーションができなければならない。だとす ると、そのための文書は必要なわけで、じゃ、この取りまとめはそのための文書なの か、それとは別のものなのかということを私は伺いたいんで、このあと3回でやるの だとすれば、私は、せっかく2年間やってきたのだから、それはそれでやるべきだし、 山口先生なんかがおやりになったり、堀内先生なんかがおやりになって、アンケート を取りまとめたりして出すのは、これはそれとしておまとめになって、そして、別途、 付属の報告書なり資料なりとしてお出しになると。しかし、この全体の検討会として 出すべきものとしては、長いのがいいか、短いのがいいかは別として、少なくとも目 的としては、制度の改革、あるいは新しい機関をつくると、その目的のために出すと いうのは、せっかく2年間もやってきたことの我々の願いではなかったかということ を申し上げているだけでありまして、第一の最初の話は、むしろ、私の方は、役所の 方は一生懸命やってきてくださっているのに、また、最後の方になったら、役所にた たき台をつくれなんていうのは、これだけのことを言うんだったら、自分たちでやろ うではないかということを申し上げただけのことです。 ○寺野座長 意見がいろいろあると思うんですね。勿論、今おっしゃったように、最 終的な責任は私にあるんですが、私も全部まとめることはとてもできないと、これは 時間的なものも、内容から見ても、それも無理なんですが。ですから、今までの意見 を、時間もあまりありませんので、こういう形でどうかということで申し上げますと、 1つは、第一次提言がありますから、この最終提言と第二次提言かもしれませんが、 これを第一次提言に、それに対応するような提言というものは、これは一つたたき台 は事務局の方でつくっていただきたいと思います。全体を見ますので、これは、今か らワーキンググループをつくってできることではない。全体を把握しているのも事務 局であるということで、これは第一次提言と同じような形でつくっていただいて、そ れを融合という言葉を僕は使ってしまったのですけれども、いいかどうかわかりませ んが、それをきょうのお話だと一つにまとめようということですから、第一次提言で 言ったことと、それから、第二次提言に出たことがある程度わかるような、ここにあ るような行ったり来たりでもいいと思いますけれども、そういうものとして一つこう いう提言を出したいと思うんですね。  それを出した上で、これは清水委員の方からも、「おわりに」のところで箇条書き でわかりやすくすべきだというふうなお話がありましたけれども、これは別に非常に わかりやすい形で何ページかわかりませんが、まとめて、本当の提言というのは、こ ういうことを我々としては政府に提言するという提言集というか提言書ですかね。そ ういうものを別につくる。これに関しては我々の方でワーキンググループ何人かでそ れを抽出してつくっていただくと。そして、もう一つは、堀内研究班を始めその関係 等もありますし、様々な資料がございますので、それはまたもう一つ別につくるとい う3つの形でやるしかないのかなと私は今思ったんですけれども、いろいろな意見が あると思いますけれど、いかがでしょうかね。提言書というのは確かに必要だと思う んです。厚いものを渡したって、確かによく読んでくれないし、理解してくれないの で、その中でこういうことを是非実現してもらいたいということをかなり強く主張し ていいと思うんですね。そういうものをもう一つつくる。そして、それはこの全体の 提言集を見ながら、我々のワーキンググループでそれはつくり上げるというふうな形 でどうでしょうか。  事務局の方、それは可能ですかね。 ○医薬品副作用被害対策室長 ちょっとクリアにしておいた方がいいと思うんです けれども、事務局の方でたたき台をきょうの御議論を踏まえて用意すると。 ○寺野座長 一次提言と同じような形のをね。 ○医薬品副作用被害対策室長 ええ。それに何か追加したものをつくると。それが水 口委員の目次で言えば、第4とか第5の部分が見直しということになると思われるの ですけれども、それと、今おっしゃった提言集なり何なりはどういう関係になるのか と。最終提言なり、提言そのものがいわば今後の方向をあらわすものですので、それ とは別に、今座長がおっしゃったような形ですると、それは要約版のようなものなの か、何か別の形で整理されるのかというところが、どういうふうに理解させていただ いたらよろしいでしょうか。 ○寺野座長 水口委員のつくった第4というパートが、そういうふうに非常にわかり やすく提言書という形の形態をとっていれば、その部分はそれに書いていいし、その 点に関しては、これはワーキンググループでやるべきであると。それはどちらでも僕 はいいと思うんですよ。長いのをつくっても。 ○水口委員 最終的には、私もできるだけ頑張ってやるつもりですけれども、今は、 要するにたたき台をつくっていただきたいということを言っているわけですよ。そし て、皆さんも、前の第一次提言のときに随分細かく、私も随分細かく、この文章をこ こに入れてくれとか、物すごく具体的な意見を言わせていただいた。私だけでなく、 いろいろな方が意見を言っていらしたことも承知しています。私のイメージとしては、 きょう既に、ここで右と左に2つに分けたものを出してくださっていますよね。これ を一体の文章にする。恐らくこれはたたき台をつくるといっても、それは議事録を見 ていただいて、今年度になってから出た議論を拾ってくださってこの中に入れている という理解でいるわけです。そういう作業を前のときもしてくださったし、今回もそ うしていただいているわけで、それをやっていただいたものをいただければ、それぞ れまた委員が調整を最終的にしていく。今度は最終ですからと、委員も、前回以上に いろいろそこのところに責任を持ってやっていくのは当然の話です。でも、それは今 座長がおっしゃった提言の部分がまさにこの第4です。それとは何か別に、もう一つ コンパクトな、ちょっとわかりやすい短いものをつくる。それはまさに提言部分の要 約版という位置づけになるのではないでしょうか。提言部分の要約版をつくるのは、 本体の提言が基本的にまとまれば、それを圧縮するなり、優先順位をつけるなりとい う作業になるわけです。まず基本は、この本体の提言部分をきちっとつくるというこ とになるのかなと考えています。そうしないと二重の作業になって、ものすごく大変 か思いますけれども。議事録から拾っていただいて、今年度議論したことをこの中に 当てはめていくという作業をやっていただければ、それぞれ委員が、もちろん私もで きるだけ具体的な文案として、書面を出させていただくつもりではいますけれども。 そういう進め方になるんだろうと思います。 ○寺野座長 一次提言と最終提言をどういうふうに組み合わすかは、これは一緒に行 きましょうということで。ただ、最終提言の議論に資するための参考資料として、今 2つに分けて出されているその参考資料の方は、これはまだ十分じゃないですよね。 まだこういう形の材料、本当の資料だと思うんですけれども、これを更にブラッシュ アップするというか、付加していくんだと思うんですけれども、それの中で、水口委 員のこういう目次を参考にしますと、第4のところで、将来のこれから政府に対する 具体的な提言を出すという形で考えていいんですね。  この中に関しては。全体の要点をまとめたものは、最初から一次提言から全部含め たものとして出てくるわけで、提言というよりも、このことも含めてまとめになって しまう。ただ、その中でこれだけのことをやってもらいたい、こういうふうにしたい という具体的な提言は、この水口委員の言われる第4のところにあらわされるのであ るとすれば、僕はそれはそれで一つのやり方だと思います。委員会としての政府に対 する提言は必要なわけですからね。ただ、全体としてこの1年間やってきたことを、 どういうことをやってきたかということをまとめてもらうのは、このたたき台はやは り事務局でつくっていただかないと。今から1、2か月の間にそれをやるのは、我々 の方としては、多分エネルギーはないだろうと思いますね。  そのほかの意見をどうぞ出してください。これもそろそろ時間が来ているんですけ れども。 ○小野委員 ですから、エグゼクティブ・サマリーと割り切って、提言部分をわかり やすく、お忙しい方に見てもらえる形にするということですよね。それなら、それを やればいいということで、反対されている方は恐らくいないような気がするんですが。 ○寺野座長 多分矛盾するという内容にはならないと思うので。ただ、ここで言われ ている、トーンダウンしているとか、いろいろな意見も出ていますのでね。もうちょ っと強い形での提言が必要なのかという問題もあることはあるんですよ。そこを我々 の中でワーキンググループの何人かでそこをもっと積極的につくってみようという。 森嶋先生の意見は僕はそういうものかなと思って聞いたんですね。単なるまとめでは なくて。 ○小野委員 単なるまとめではないと言うと、反対される方が出てくるような気がす るんで。よく広報の人がやるエグゼクティブ・サマリーをつくるという感覚なら、我々 はそれでいいんじゃないかと思うんですが。 ○水口委員 座長、まとめは、今までみんな提言をつくるために議論してきていると 思います。 ○寺野座長 勿論。 ○水口委員 だから、第4は提言集なのですよ。 ○寺野座長 第4はね。 ○水口委員 ただ、分厚いから使いにくいと言うなら、わかりやすく短くしたものを もう一本つくるのはいいでしょうという、そういう理解じゃだめなんですか。 ○寺野座長 いやいや、それはいいんですけれども、全体としてのまとめという形で やるのか、この第4の提言を、これがどれぐらいのあれになるかわかりませんが、そ れを抽出した形でわかりやすくするということで、どっちを理解すればいいんでしょ うか。第4だけ切り離せば、それが具体的な提言として、政府の方も非常にわかりや すいと。何と何をやってもらいたいのかがわかるということになれば、それはそれで そのままでいいんですけれども。  私の言っていることもちょっと混乱しているのかもしれませんが。ともかくこの短 い期間にまとめなければいけないということがありますので、森嶋先生が言われたよ うに、我々で全部を書き起こしてまとめましょうかというのは、これは恐らく不可能 ですよね。 ○森嶌座長代理 この検討会は今まで何をやってきたかということですけれども、そ れはともかくとして、ここに書いてあるいろいろな、これは第一次提言も含めてです けどね、これはこの検討会が薬害の再発、拡大を防止する観点から、基本的に、根本 的に何が重要かという点よりも、各委員から、こういうことがあったらどうだ、ああ いうことがあったらどうだというののいわばメニューが並んでいるというところが あって、今回のもそういうところがありまして。そういうものもあります。また怒ら れるかもしれませんけれども。  というときに、そういうのがザーッとあったときに、私は法律家ですから、常に逆 の側からも言いますけれども、それを受け取った側は、例えばこういう学科のコース を拡充したらどうか、こういう学科をつくったらどうかとか、それから、先ほどあり ましたけれども、公的なあれにしたらどうか、しなかったらどうかというような、ザ ーッと並んでいったときに、こういう意見もある、ああいう意見もあるというふうに 受け取ってくれるだけなら、それでいいんですけれども、そうすると、どうしてもや ってもらわなければならないというのはどこにあるのかということをここで検討し たのかどうかということも一つ問題ですが、私は先ほどから、我々がやらなくてもい いのかと申し上げたのは、これは例えば坂田さんや泉さんなんかにも伺いたいんです けれども、これはやらなければだめじゃないかということを例えばアンケートなんか から出てきたところを我々としては拾い上げて、それをきちっと出すということはで きないのだろうか。それをたたき台に、みんなから意見が出てきたから、それを役所 に並べてくれと言うので我々はいいんだろうかということを申し上げているのです けれども、私はこのぐらいで止めておきますけどね。  座長は非常にあれされますけれども。私も場合によっては、忙しいですけれども、 やってもいいんですけれども、せっかく2年間もこれだけやってきて、何とかしたい というふうに皆さん言っておられるわけですから、少なくとも私はこれをこう見て、 私が仮にこれを受け取る側だとしたら、何を本当にこの人たちというのは我々ですね、 我々が。確かにこれはみんないいことなんですけどね。本当にこういう施策をとって ほしいと言っているのかということをですね。 ○水口委員 提言は、どれも相互に関連していて、重要なことなんですよ。だから、 もし座長代理が優先順位をつけろということでおっしゃっているなら、それは議論を する必要はあると思うんですけれども、それはそれで議論するけれども、とりあえず まず基本の提言きちっとつくると。それと何かちょっとずれていると思うんです。今 お願いしているのは、事務局に、議事録から討議したことが漏れないように拾ってい ただいて、たたき台を用意していただきたいということを言っているわけで、何か丸 投げをしようというようなことは全然言っていないわけですよ。 ○森嶌座長代理 あと2回ですよ。 ○水口委員 ええ、そうですよ。ですから、それは早めにいただければ、ここの文章 はこうするというようなことは、私だけじゃなくて皆さん言うと思います。私も勿論 言います。それは文章を具体的に提案させていただきますよ。その前提作業をお願い するというだけの話です。あと、もう一つは、優先順位をつける必要があるというこ とであれば、それはアンケートの中にも、優先順位をつけてくれという要望は来てい るので、それは検討する必要はあるかもしれませんが。でも、それもまたなかなか議 論が要るところですよね。 ○泉委員 森嶋先生の発言に私の名前が出てきたので、意見を言わさせていただけれ ば、この2年間の取りまとめは、一つのいわゆる取りまとめとして出すべきだと思い ます。そして、小野先生がおっしゃられたように、サマリーをつくること自体は何の 問題がないはずですし、更に言えば、どれが重要かどれが重要でないかと言えば、私 たちはこの2年間で、事務局がよくまとめてくださったものを一つ一つ全部重要だと 思って議論してきましたので、最後に残れば優先順位をつけることはできるかもしれ ないけれども、一つの取りまとめの冊子として、そして、それをサマリーとしてとい う、こういう形はできるのではないかと。そして、やらなければいけないというふう に思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○小野委員 森嶋先生の御懸念は、私が先ほど申し上げた、例えばどういう因果関係 があってどうしたのか、それで、なぜ起きたのか、それは今後おきるのか起きないの かという、その大事な点を一つずつ検討していかなければ。それを空白にしているの は何事だという、まさにおっしゃるとおりの御意見だと思いますので、そこを少し細 かく今回の報告書の中の記載に一つずつちょっと丁寧に見ていくような形で埋め込 んでいくということで御対応できるのではないかと思うんですけれども。 ○寺野座長 なかなか議論をよくまとめ切れないんですが、基本的には、最終提言と いうもの自体が第一次提言と同じように、今までの全体の議論を事務局の方でまとめ ていただかざるを得ないというふうに思います。そして、それに関して、これを一つ の提言としてまとめるかどうかということだと、まとめるべきであるという意見が大 勢です。ですから、そうしましょうということで、一次提言もかまいませんが、最終 提言を事務局の方でたたき台をつくっていただいたものを、あと2回しかやりません けれども、その中で第一次提言をやったときと同じように細かく議論をしましょう。 そして、議論をして、修正すべきところは修正していただくということで、あと、そ れが大部になるので、それをまとめるというような形でサマリー的なものは、これは また改めてつくろうと思えばつくれるわけでありますので、矛盾しない形でつくろう ということと。堀内委員会とかアンケートとかはまた別個のものとしてつくると、そ ういう形でいいんでしょうか。 ○医薬品副作用被害対策室長 では、事務局の方ではこういった作業をさせていただ きたいと思います。一次提言と組み合わせた形で一連で流れるような形にして、追加 部分はこうこうですというのをこれまでの議論から整理させていただく。追加部分に ついては、前回お出しした部分と、それに関して委員の方々からいただいている意見 ということになると思います。前回お出しした資料にも書いてございますとおり、議 事録から一つ一つすべては立てていませんので、主に議論になったこと、事務局の方 でそう思われるものしか整理していませんので、この中に入ってないもので大事だと いうところは委員の皆さんから改めていただきたい。これまでに意見としていただい ているものは、そういう意味でいただいていると思っています。そういう形で整理を させていただきたいとというふうに思います。 ○寺野座長 そうですね。 ○医薬品副作用被害対策室長 それから、検証部分の第二のところについては、これ は研究班の方で作業をしていただいていますので、そちらでの議論のアウトプットを 材料としていくということになろうかと思います。 ○寺野座長 時間があまりないので、事務局の作業も大変だと思うんですけど、これ をできるだけ早くしていただいて、それを前もって皆さんに配付しますので、それに 関しての意見を出してもらうということにしないと、あと2回ではできそうもないで すね。 ○医薬品副作用被害対策室長 そういう意味では、私どもの方で整理させていただく ものは、ここでの議論を整理させていただくということになりますので、現にきょう の資料も、2−2でお配りしているものに対して、もっと追加するとか、修正すると か、こういうことを入れるべきだというところを、事務局からお出しする前にむしろ いただいた方が作業としてはやりやすいと思います。 ○寺野座長 これをいかに一緒にするかというのは、それはテクニックの問題ですか ら、矛盾しているところは訂正するとして、この段階ではこれは分かれた形で出され て、これにこういうものを加えた方がいいよということの方がわかりやすいかもしれ ないですね。最終的に一緒にするということでいけば、皆さんの意見を今もうできて いるわけですから、これを皆さんは持っておられるわけで、それに皆さんの意見を加 えていただいて、そして、事務局に提出していただく。事務局の方でそれをまとめる ということですね。最後にまとめる作業はできると思いますよ。そんな形で進んでよ ろしゅうございましょうか。まとめというのはまた後で。 ○間宮委員 意見を出してもらうのは当然いいんですけど、ちょっと心配なのは、今 まで話し合ってなかったじゃんというのは、結構ボコッと委員の御意見というのを採 用して入るというのは今までもあったように私は思うので、そういうのはあんまりな いようにしていただきたいなと思います。 ○寺野座長 それは少し紳士協定的なところが必要だと思いますし、間宮委員、それ はまたここで議論しますので、議論して、それは言ってないじゃないかという話は提 出いただいて結構だと思うんですね。 ○間宮委員 事務局から出てきたものについて、「何、これ」というのは、事務局が 勝手に書いているわけじゃなくて、委員の意見を反映させるためにどうするかという ことで御努力いただいて作文した結果そういうふうになったものが「何、これ」とい うふうに言われちゃうんだと思うんですよ。私としてはそういうふうに思うので、そ ういうことがないようにという意味で言っているということです。 ○寺野座長 それでは、時間もだいぶ過ぎましたので、基本的にそういう形で事務局 の方にお願いするとして、皆さんの方も、今の間宮委員の意見を参考というか、重視 して、それに加えていただきたいと思います。意見はどんどん出していただいて結構 だと思いますが、新たな意見が出て、これからもっと議論が必要だなどという話にな ってくると錯綜しますので、御協力をお願いしたいと思います。  それでは、中身について、内容についての議論も必要なんですが、それは今の事務 局からの配付、それに対する皆さんの意見ということで。期間的にはどうしますかね。 きょうが8日。この対照表は皆さん持っていらっしゃるわけですよね。これを読んで いただいて、意見を出していただくのは、16日と書いてあるけれども、どうですかね。 ○医薬品副作用被害対策室長 一つの目安として、1週間くらいいただければ有り難 いと思います。 ○寺野座長 まず第一次ね。そのほかの意見もまた。 ○医薬品副作用被害対策室長 勿論、その後に出てきたものはそれはそれで。 ○寺野座長 では、16日ころまでに御意見をメールでもFAXでもいいですから出し ていただいて、それを参考にして事務局の方でたたき台をつくりますということで、 そのたたき台ができた段階で、また皆さんにお送りいたしますので、それに対する御 意見をいただいて、そして、次の回でということにしたいです。 ○水口委員 むしろ逆算して、要するに事務局でまとめて通して書いていただいたも のに、具体的にここの文章をこういうふうにしてはどうかという意見を次回の会議に 配付できるようなスケジュールで私たちがいただくとすれば、逆に言うと、私たちは 追加すべき意見をいつまでに出したらいいかというです。例えば、次は3月8日です よね。この3月8日には、私としては、事務局が通して書いてくださったたたき台に 対して、ここのところをこういうふうにしたらいいということで具体的に更に意見を わかりやすい形で整理したものをこの会議に出せるように出したいとすると、8日の 1週間前にはいただかないと、私も仕事があるのでなかなか。そうすると、今言った 16日に、私たちが追加すべきものを出すというので間に合いますかね。 ○医薬品副作用被害対策室長 今申し上げた趣旨は、一つのものにして委員の先生方 にお送りするわけですが、その材料は、きょうお配りしている資料2−2でほぼ網羅 されているんじゃないかと思いますので、あらかじめ早めにいただいて、それを盛り 込んだ形でおお送りするのがいいかなというふうに、順番として思います。具体的な 日程については、もうちょっと早いが方がいいとか、遅い方とかということがあれば、 後で寺野座長と御相談して、御連絡をさしあげたいと思いますが、順番について、先 に事務局から一つにまとめたものをお出ししてから、意見をいただく形にするのか。 それとも、それを待つのではなくて、あらかじめもう委員からいただけるものはいた だくような形でできるのかというところです。 ○寺野座長 事務局として用意したいというふうな内容は、ここの参考資料の中に出 ているということですね。それを出していくと。それに対して、各委員からそれに対 する意見を出していただいて。これは一緒にすることですよね。矛盾しているところ を除けば、そう難しいことじゃないので、そういう形で進めば、来月8日までには。 ということは、その1週間前にはできたものをお配りできるのではないかということ でいいですか。 ○水口委員 私は、8日に出すためには、遅くとも1日には。26日にいただけるとも っと有り難いですけど、難しければ。いいです、最悪1日で。 ○寺野座長 16日から1日の間ですね。  では、そういうことにしたいと思います。傍聴の方、形式論ばかりで誠に申しわけ ないと思うんですけれども。  それでは、次に「医薬品行政組織のあり方」ということで、先日、PMDAと厚労 省の医薬食品局職員にアンケート調査をいたしました。その結果について御報告をい ただきたいと思いますが、水口委員お願いします。 ○水口委員 資料7−1と7−2をごらんいただきたいと思います。前回にも一部御 報告させていただいておりますが、アンケート調査を実施しまして、そのまとめの報 告をさせていただきたいと思います。  改めまして、御協力いただきました職員の皆様には、心よりお礼を申し上げます。  このまとめの報告書は、前回時間がなくて、一部出しましたけれども、それを統合 した報告書です。7−1をごらんいただきたいと思います。  まず、構成としましては、「第1 はじめに」ということで、このアンケートの目 的とアンケートを取ることになった経過等について記載させていただいております。 第2は、「調査要領」、そして、第3が「調査結果の概要」です。第2の調査要領等に ついては、前回御説明させていただきましたので割愛させていただきます。第3の「調 査結果の概要」のうち、回収率等についても前回御報告させていただきましたので割 愛させていただきます。回答の内容です。このうち集計が可能な分析結果につきまし ては、これは前回、山口委員の方から御説明させていただいております。この集計が 可能な選択式の設問につきましては、第4として、再度、この報告書にまとめて掲載 させていただきまして、これについては椿委員が御担当いただきましたけれども、こ このところについても、前回、山口委員から細かく御説明させていただいております ので、割愛させていただきたいと思います。  きょう新たに皆様にお配りしたものが、「全回答一覧表」と「回答要旨概要」でご ざいます。この「全回答一覧表」というのは、このお手元のところにございます資料 7−2ということで、これは当初この調査をやるときから、回答は、全回答を、個人 が特定される情報を除いて公表する予定であるということを明示して実施させてい ただきましたので、お約束どおりこのような形で公表させていただいております。小 野委員、山口委員は、大変御苦労なさって作成いただきました。  この中で1つきょう御説明をしておく必要があるのは、個人の特定との関係でマス クをした部分があるということです。この個人の特定というのは、具体的に申し上げ ますと、回答者御本人、それから、回答の対象となられた方、両方ございます。個人 の特定というものをどのレベルで見るかということなんですが、特定の方のお名前が なくても、内容から大体非常に限られた人数に絞られてしまうということ、その中で 中身を見れば、大体この人とこの人とこの人辺りに絞られてしまう可能性があるよう なものはマスクをさせていただきました。ただし、マスクの基本的姿勢としまして、 回答の対象となっている、問題提起の対象となっている方、管理職の方の場合には、 回答者御本人が特定できないようにするということよりは、ある程度人数が絞られて しまっても、これは公的責任が高いということでやむを得ないという判断をしており ます。  それから、回答者の特定を避けるという点では、先ほど言いましたように、かなり 小さいグループに絞られてしまう場合にはマスクをいたしましたが、それは結局、内 容との兼ね合いがあります。そして、この結果、かえって回答をなさった方の意思に 反するようなマスクになってしまったのではないかという部分が生じました。それで、 チームの中で非常に呻吟しまして、この対応をどうするかということになったんです が、結論としては、確かに「公開します」とは書いてあったんですが、どの程度そこ を御理解いただいて回答していらっしゃるのかというのがわからない部分がござい ますので、とりあえず特定を避けることを優先して対応させていただきました。  そのフォローとしましては、回答者御本人の特定を避けるために行ったマスクにつ いては、当該の回答者の方が「いやいや、構わないんだ。そのぐらいのことは承知で あえて意見を言っているのに、こんなところを隠されては言った意味がなくなるじゃ ないか」と、こうおっしゃる方がいらっしゃるかもしれないので、一応2月26日ま での期間を区切りまして、その方御本人から「マスクを取ってくれ」という御要望が ありました場合には、私どもが再考して、マスクを取るという対応をさせていただく ということにして、その連絡先を明記させていただきました。  それから、安全部か審査部かとかそういう辺りがわかるということは、これはもう やむを得ないということで考えております。  それから、回答者の所属部署及び行政経験年数等については、集計表で眺めてみる と、だいぶ絞られて回答者の特定につながりやすいので、今お手元にある7−2から は外しましたけれども、先ほど申し上げましたように、量的な分析のところで使用さ せていただくということにいたしました。  前回申し上げましたように、生の回答は、本当に真摯に書いていただいて、これを 読んでこそわかるということがたくさんあるんですが、これを読まないと何もわから ないということだと、とても時間がかかるので、当委員会で議論をするために、少し 使いやすいようにということで、第5として、9ページ以下ですが、この中から要旨 をピックアップして、少し論点を意識して、項目に分けて整理をさせていただきまし た。これは大変難しい作業なんですね。もう一遍見直すのも、またすごく時間がかか るというようなものなので、要旨の作成概要ということを3ページに書かせていただ きましたけれども、要旨抽出要領としては、回答の中にある多様な意見を反映させて 討議の資料にするということを考えまして、同じ意見が何回も繰り返し出ているもの は、もう繰り返して記載はしていません。ただ、スラッシュでニュアンスが違うもの を少し御紹介することとしていますので、数は反映していないということを御理解い ただきたいと思います。  それから、整理は、設問ごとに整理するのが普通なんですが、自由記載であるため に、同じような論点が、違う設問の回答にまたがって出てきて、設問ごとの整理はほ とんど無意味という感じでした。第一次提言についてはかなりまとまっているんです が、そうでないところはあまり設問毎の整理は現実的ではないので、この会議の討議 資料とするという観点から項目ごとの整理をさせていただくことといたしました。  あと、要約それ自体については、書いた御本人にとっては不満はあると思います。 しかし、正確にしようとすると、何のために要約をつくっているかわからないという ことになるので、そこは限界がありますし、また、漏れが生じている可能性もありま すので、この点については、あくまで便宜上つくったということを御理解いただきま して、回答全文を公表しているということで御容赦いただきたいと思っております。  以上のような形でごらんいただけましたでしょうか、この第5で要約をまとめさせ ていただいております。前回、少し議論の論点がわかるように出してほしいという御 要望がありましたので、これだったら、ちょっと読めば、大体全体はつかめるかなと いうことで用意させていただきました。  それから、委員の方に1つお願いしたいんですが、前回の委員の方には、マスクを したのを「委員限り」ということでお配りしていますが、その後マスクをもう一遍見 直して、更にマスクをかけたものがありますので、きょうここで御議論いただくとき は、前回の資料ではなくて、きょうの表でお答えいただかないと、マスクをしたとこ ろについて言及してしまうということが起こり得ますので、是非、そこのところを御 注意いただきたいと思います。  チームとしましては、ワーク・ライフ・バランスがもともと全く悪い委員が、更に これをやって、もう限界というような感じで、不十分なところはあると思いますが、 一生懸命やりましたので、御理解いただければと思います。  ワーキングチームとしてのとりあえずの御説明は以上のとおりです。  あと、まとめまでに時間がかかってしまって、ここから更にもっと論点を抽出する というところまで、とてもチームとして議論をまとめる余裕がなかったので、私が個 人として、少し論点を抽出したペーパーをきょう用意させていただいて、先ほど申し 上げましたように出しましたということを付け加えさせていただきます。  あとは、チームの委員の方、補充があればどうぞ。  それと、もう一つ是非お願いしたいのは、アンケートはすごく短い期間で回答して いただいたんですね。その後も、委員も本当に一生懸命やったんですが、何せ時間が なくて、今日になりました。アンケートに答えてくださった方が、あの後どうなっち ゃったんだろうと思っていらっしゃると思いますので、理事長にお願いしたいのと、 厚生労働省の責任のある立場の方にお願いしたいのは、これを是非フィードバックと いうか、お礼の文章をお手紙でつくりますので、それぞれの職員の方に戻していただ くということをお願いしたいと思います。特に、さきほどのマスクの解除の部分もご ざいますので、よろしくお願いしたいと思います。  すみません、駆け足で、形式的ですが、報告させていただきました。 ○寺野座長 大変すごい作業を短期間で御苦労様でした。本当に大変だと思うんです ね。僕なんか、この資料7−2は字が読めないんですけれども、まとめていただいた ので、それを読ませていただいて、大体理解できましたが、様々な意見があるなとい うことは確かなんですけど、これを何らかの形で解析・抽出する作業をする時間がな いことは大変残念ですけど、これはこれとして重要な資料になると思います。  ほかの委員の方、何か御意見はございますか。 ○大熊委員 今ワーク・ライフ・バランスのことを言われましたけど、この5人の中 の若手の水口、山口さんは本当に睡眠時間削りながらの大変な作業だったので、どう ぞ皆様からも感謝していただきたいと思います。  それから、とても大事なことを言っておられるけれども、そのことがもとで御本人 に被害が及んではいけないということで、その人がもし実名で言ってくださっている のだったら、その人に返して聞こうと思ったんですけれども、実名ではないので、こ ちらで推測して、あの中の3人の誰かかもしれないから聞いてみようというようなこ ともできず、このような形で、非常に過老婆心的につくってあります。ですので、も っと厳しくこれを公表したかったのにという方は、そこを汲んで山口先生のところに 申し出ていただければ有り難いと思います。  それから、天下りのことについての批判が随分あるんですけれども、どの天下りの 方もひどいというわけではなくて、ある程度集中したりしておりますので、その天下 った皆さん全般を非難の目で見ないでいただきたいなというふうに思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  そのほかはありませんか。 ○水口委員 第5自体が、議論の資料となるように、項目だけは工夫して論点抽出し て再整理していますので、これを見ていただくと、問題点がおのずと各委員の方に伝 わるようにというふうにできていると思うんですが、更にもっと圧縮するとどうなる かということで、これはワーキングチームとしてはまだ議論未了ですけれども、今日 ペーパーを出していますので、2、3分よろしければ簡単に御説明します。 ○寺野座長 はい、どうぞ。 ○水口委員 きょう配付させていただいた小さい字の委員から提出のあった資料と いう番号が付いてない「アンケートを踏まえた検討用メモ」というペーパーです。こ れは本当にできるだけコンパクトにするということを念頭につくったメモなので、私 自身としてももうちょっとちゃんとしたものを出したいのですが、時間がなくて申し わけありません。まず、ちょっとだけ全体を指摘させていただきます。  まず、第一次提言については、先ほどから議論があったように、具体化に対する関 心を皆さんが持ってくださっているということが印象的で、優先順位をつけてくれと か、タイムスケジュールとか、プロセスをもっと明確にしてほしいという指摘があり ました。あと、「薬害」の定義を明確にというのは、ここは実はいろいろ昔から議論 があるところでなかなか難しいところです。  第三者機関は、今の議論を進めていけばいいと、私は意見を見て感じました。賛否 両論です。  それから、行政組織については、今まで私どもが議論してきた論点のいろいろな視 点がもう一度繰り返し指摘されているということがあります。ただ、これについては、 むしろ、今までの議論のほかに、厚労省とPMDAの関係や人事システムについての 意見がかなり具体的に出ていましたので、これを今後、最終的にA案、B案と議論を したわけですけれども、組織のあり方の議論の中に反映させていかなければいけない と思っています。  あと、提言で個別課題がずっと書いてある中で、今まで私たちの提言になかったり 不十分だったもので指摘があるもので、これは提言に反映させていったらどうなのか なと思われるものをそこにずっとピックアップしておきましたので、見ていただきた いと思います。さっきの添付文書のことについても、強制的に定期的に見直す制度を 入れるべきという意見があったりして、なかなかおもしろい意見がありました。  それから、組織文化のことですが、まず厚労省とPMDAの関係についてアンケー トだからこその指摘が随分ありました。こ1つは、PMDAの方からも厚労省の方か らも、役割分担が不明確だというような指摘がありました。その一方で、今のままで いいという指摘も勿論あります。それから、PMDAの方からは、厚労省の下請なの ではなくて、独自性や独立性を確保したいという意見が見られました。あと、人材交 流や情報共有をもっと強化した方がいいとか、交流はあるけれども、若い人の間の交 流は乏しいんじゃないかという指摘とかですね。  それから、ちょっと気になったのは、PMDAの方から、専門的知識をもとにした 結論が科学的とは言えない観点から覆されて失望しているという趣旨の指摘があり、 表現は違うんですが、そういったニュアンスの指摘が複数あったということです。そ の一方で、厚労省から、PMDAは、行政の考えをわかっていないという意見があっ たりして、ここを一つどう見るかというところがあると思います。  それから、出向のことについて、それが非常に非生産的だという指摘がありました。  それから、人事システムの中についての指摘も、かなりリアルな指摘がたくさんあ りました。2年での異動が専門性確保という観点からは問題があるとかですね。それ から、幹部が厚労省の出向者で占められているとか、プロパー職員の管理職登用が狭 いとか、キャリアパスがイメージできないとかといった意見があったのは気になりま した。  あとは、PMDA内での異動が少ないんじゃないかという指摘もあったり、専門性 が生かされていないというような指摘もございました。  あと、企業や医療現場との交流の関係については、これまで議論した論点が出てい ます。特に医療現場との交流について、医療現場を知らなくてこの仕事をしているこ とに不安を感じるという指摘がありました。  それから、企業出身者の採用については、人材が足りなくて、非常に現状が厳しい ということの裏返しとして、この採用を求める意見が多かったように思います。  それから、業務内容等については、アンケートの中で、本来の仕事じゃないと言っ たらおかしいんですが、国会対応とかそういったものにとても時間を取られて、本当 の国民のためと自分が思える仕事に割ける時間が少ないという指摘が複数あったり しました。  それから、PMDAの幹部の方の組織目標の設定に無理があって、そのしわ寄せが それぞれの職員の方の自分の時間的要領を超えた作業過重になっているというよう な指摘がございました。  あとは、教育と研修の重要性。そして、それと関連して、非常に多かったのは、労 働時間、労働環境、やりがいに関する御意見で、要するに、ワーク・ライフ・バラン スが最低であると。それで、もう限界状況に来ているという指摘。これでは、国民に なることを考える余裕がないくらい疲弊しているとか、重要なことを見逃してそうだ とかという非常に深刻な指摘があったということは、私たちアンケートをしなければ わからない部分だったんじゃないかと思います。  その一方で、仕事の負担が均一でないと。集中する人とそうでない人がいるという 指摘もありました。  原因としては、人員不足を挙げる意見は圧倒的に多かったんですが、無駄な仕事が 多いとか、マネジメントの問題についての指摘。それから、新人は採用したけれども、 そのことがかえって業務効率を下げていると。指導しなければいけないというところ もあるわけですね。という指摘などもあって、この辺は単純に一筋縄ではいかないと いうか、きちっとよく見ないといけない非常に複雑な状況にあるなという感じを受け ました。  あとは、激務に耐えてやっているのに国民から理解されないという悲痛な声。ここ については、マスコミの対応を指摘する声が多かったのですが、本当にそれだけなの かということはきちっと議論しなければいけないのではないかと。要するに、一人一 人の職員が物すごく一生懸命やっていることと、組織として行動できていることに、 私は、何かギャップがないんだろうかという素朴な疑問を抱きました。  そういうことで物すごく駆け足で、時間がないのでざっと見ましたけれども、この 指摘を、組織論を最終提言に書き込むときに、きょう皆さんまだ十分ごらんになって いらっしゃらないと思うのですが、次回の委員会で受けとめて、少し議論をして、提 言の中に反映させていければいいなと思っております。  非常に簡単で駆け足でしたけれども、補足させていただきました。 ○寺野座長 非常に要領よくまとめていただいてありがとうございます。  途中ですけれども、ただいま、大変お忙しいところ、長妻厚生労働大臣と山井政務 官に来ていただきました。大変お忙しいようなので、すぐ出られなければいけないの ですが、長妻大臣から一言お願いします。 ○長妻厚生労働大臣 どうも皆様こんばんは。会議の途中で恐縮でございます。今、 予算委員会がちょうど終わりまして、こちらに駆けつけてきたところでございます。  本当に寺野座長を始め毎月毎月長きにわたり精力的な御議論をいただきまして、い よいよ最終報告が間近というふうになっておりまして、私どももそれを受けとめて再 発防止、薬害のこういう悲惨な問題が起こらないように全力を尽くしてまいります。  また、昨年5月この委員会でヒアリングをいただいた平井要さんがお亡くなりにな ったということで、心より御冥福をお祈り申し上げます。  そして、肝炎対策協議会もいよいよスタートしますので、また、皆様の御指導も賜 りたい。  今の説明は、PMDA、独法のアンケートだと思いますけれども、これもきょうマ スコミも含め世間に公開されたわけでありますので、世間の皆様も含めて議論を深め ていただきたいということと。  あと、同時に、薬害肝炎の患者さんの実態の調査も私も拝見いたしまして、大変本 当につらい厳しい状況であるということを改めて認識をさせていただいたところで ございます。  第三者監視組織のあり方等々を含めて、是非、あともう数回ということでございま して、最終版で、これまで長きにわたり議論をいただいた御労苦を感謝をすると同時 に、提言を我々もきちっと受けとめていくということをお誓い申し上げまして、私の あいさつといたします。どうもありがとうございます。 ○寺野座長 大臣、どうもありがとうございました。大変お忙しいときに時間を割い ていただきまして、大臣の関心の深さがわかりました。  だいぶお忙しいようですので、退席されますが、どうもありがとうございました。 よろしくお願いいたします。 ○長妻厚生労働大臣 じゃ、どうもすみません。先に退席いたしますが、よろしくお 願いいたします。 (長妻大臣退席) ○水口委員 座長、1つだけいいですか。 ○寺野座長 はい、どうぞ。 ○水口委員 ペーパーの余裕と時間がなかったので、このアンケートに対する御意見 の部分はちょっと紹介できなかったのですが、非常に一生懸命答えていただいた一方 で、このアンケートに答えたことをつまみ食いされて、また批判の材料にされるので はないかという、そういう指摘があったんです。このアンケートに自分たちが一生懸 命答えたことを制度の改革に本当に生かしてほしいという声があり、そういうことに 私たちは応えなければいけない。このアンケートの中には、物すごく多様な回答があ るんですね。ですから、一部だけ変に引っ張ってくると、それこそ極端な話、何か仕 分けの話に直結したりと。そういう妙なつまみ食いのアンケートの使い方は絶対にや めてほしい。私たちワーキングチームで議論をしていて、そういう共通した認識を持 っていますので、そのことは公の場でもう一遍お願いしておきたいと思います。 ○寺野座長 わかりました。大変難しいですね。アンケートそのものが非常に短期間、 しかも、それを十分検討する時間がないままにということで、アンケートに応じてい ただいた方も、ある程度の不安感がないわけではないだろうと。それはそのとおりだ と思います。ですから、ここに出席している者は十分理解しますが、これは公表され ますので、どういう形で使われるかということについてはなかなか難しいところがあ るんですが、関係者から質問があったり、いろいろ意見があったら、今、水口委員が 言われたようなことを我々委員として責任を持ってお答えしておく必要があるだろ うと。厚労省の方でも、そういう御認識を持ってもらいたい。そういうことでしょう かね。  それでは、前に水口委員から、厚労省とPMDAの人事交流、今もちょっと出まし たけど、御質問があったということで、事務局から説明があるということです。どう ぞ。 ○総務課長 総務課長でございます。  前回の委員会の場におきまして、水口委員の方から、厚生労働省とPMDAの人事 交流のあり方とか、考え方というのでしょうか、御質問がありまして。これは厚労省 とPMDAだけではなく独法の話にもつながりかねないので、人事当局ともいろいろ 話をさせていただいて、大体このような感じなのかなということで取りまとめました ので、御回答をさせていただきたいと思います。  厚労省と独立行政法人の人事交流につきましては、法人の業務内容とか性格とか、 いろいろ様々ケース・バイ・ケースなので、一様には申し上げられないのですが、基 本的には、相互の意向により決定されるものであるということになっております。  PMDAについて申し上げますと、それまで国が直轄で行ってきた業務の一部をP MDAによって行ってもらうというような形になったものでございまして。医薬品行 政自体、厚生労働省とPMDAが連携をとりながら一体となって遂行していく必要が あるというふうに考えております。PMDA設立の際は、さような経過をたどったと いうことがございまして、業務だけじゃなくて、職員も厚生労働省からPMDAに移 っているというような部分がございます。厚生労働省の人事ローテーション、経験と か、あるいは人材の育成というのでしょうか、そういった観点からも行う必要がある わけでございまして。大体2年程度が一般的でございますけれども、PMDAとの人 事交流においても、お互いの相互理解が前提になっていますけれども、同様の期間と いう形になっているというところでございます。 ○寺野座長 ありがとうございます。それはよろしいという問題でもないんだけど、 そういうこといいですか。 ○水口委員 御説明は御説明としてお伺いして、また、それを全体としてどう評価す るかということは、この委員会として、意見を言う必要が私はあると思います。また 別途議論は必要かと思っております。 ○寺野座長 それでは、皆さんの御意見も伺いたいんですが、時間的なことがありま すので、厚労省の医薬食品局とPMDAのアンケート結果をお読みいただいたと思い ますので、高井局長御意見がございますでしょうか。 ○高井医薬食品局長 簡単にさせていただきますけれども、まず感想といたしまして は、率直に書いていただいたなということでございます。その中でも、やりがいを中 心に、国民の健康、命を守るという役割をそれぞれが意識しているなと思いつつ、勤 務環境とか、労働環境について、ワーク・ライフ・バランス等の指摘があるというこ とについて、どう対応していくのかと。  それから、きょうワーキングチームの方がまとめていただいていますけれども、こ の後段の部分ですね。厚労省とPMDAの関係、人事システム、医療現場、企業等の 外部との関係、それから、業務内容、理念と、この辺につきましては、様々な意見で あり、厳しい意見もいただいていると認識しておりまして。私としては、機構との連 携をしつつ、どう応えていけるのかなということを考えていかなければいけないなと いうことで、きょうのところは、そういうふうに申し上げたいたいと思っております。  以上でございます。 ○寺野座長 近藤理事長、どうぞ。 ○近藤理事長 まず冒頭申し上げますけれども、このようなアンケートに本当に真摯 に答えていただきまして、非常に参考になる意見で感謝しているところでございます。 また、小野委員、水口委員、山口委員は、本当に忙しい中でこれだけのことをやって いただいたのは本当に大変なことだと思って、改めて感謝申し上げます。3点ほどち ょっとお話しさせていただきたいと思います。  まず、このような意見を厚労省とか我々とか幹部だけでディスカッションするので はなくて、若い将来のある人たちを含めてチームをつくって、議論を重ねていい方向 に持っていきたいと思っています。もともと理念をつくったときには、まさにそうい うやり方でやってまいりましたので、みんなが納得する格好で議論を重ねていって、 持っていきたいと思います。  第2点は、マネジメント、ガバナンスに関するいろいろな様々な御意見がありまし た。こういった問題は単純ではございません。例えばPMDAは、どういう業務が国 民の中で置かれているかとか、将来どういう方向に持っていかなければならないかと、 こういったことは非常に知恵の要る話でございます。それから、人事についても、ま さに同じであります。そういう仕事をやっていく上において、その方々が意欲的にで きるような環境、ただ奴隷のごとく働くわけではなくて、夢を持って働かなければな らない環境をつくっていかなければならない。そういう人事の問題。それから、もう 一つは経済的な問題ですね。ただで仕事をしているわけじゃありません。この3つの ことがバランスをとれてやっていかなければならない。これこそまさにレギュラトリ ー・サイエンスでありますけれども、そういうことを改めてみんなで偏らないような 考え方でやっていかなければいけないと思っております。  第3点でありますけれども、これは人事交流の話でございますけれども、この中で、 例えばPMDAに就職なさったような方々の意見が特に強いと思いますけれども、閉 塞感が非常に強いと。外部の意見を聴くチャンスが少ない。また、このまま行ってど うなるかということが随分あるだろうと思います。こういったことを考えると、私自 身ここに来たときに思ったことは、流動性を確保しなければいけない。つまり、この 組織は、人材がいつまでたってもいるというのはよくないだろう。レギュラトリー・ サイエンスということを今は非常にいろいろな角度で研究中ではございますけれど も、それを多くの方々と一緒に考えて、常々考えているような組織としていくために は、新しい人材が次から次に入って来てもらわなければならない。また、同時に、そ ういう方が大学なり、それから、役所なり、厚生労働省であるとか、それから、企業 であるなり、病院であるなり、そういうところに出かけて行って、そういうところが 常々一体化してやっていかなければいけないんだろうと。これはコンスタントにそれ は当たり前の組織にしていかなければいけないのではないか。これは役所自体もそう なんじゃないかなと思いますけれども、そういうことによって常に物を考える人たち が流動的に動き回って、活性化された日本社会を形成されるんじゃないかなと思うわ けです。そういう意味で、特に企業からの就職をなさった方々に対して業務制限、業 務禁止があったりします。また、逆にPMDAから企業に行くことが、基本的に2年 間の猶予がなければいけないといった、いろいろな制限がかかっているような状態で あります。実は、FDAなんかだと、どんどん行っているんですね。ただ、約束事が 明確にございまして、「接触禁止」という明確な言葉があります。そういう厳格なル ールに基づいて、利益相半を確認しながらやっていけば、そういうことも突破できる のではないかと思うわけであります。  そういったわけで、ガバナンスが重要であって、楽しく仕事ができ、生き生きとで き、また、将来は発展ができるような環境づくりを、そういう人事交流という方法を 用いても、絶対重要ではないかと思ったところであります。このアンケートは非常に 参考になったと思います。どうもありがとうございました。  それから、水口委員から御依頼いただきました、職員に対する感謝状、本当に私も そう思いますので、是非、これはお配りさせていただきたいと思います。どうもあり がとうございました。○寺野座長 どうもありがとうございました。  いろいろ御議論もあるかと思うんですけれども、時間がありませんが、どうしても 発言したいという方はいらっしゃいますでしょうか。 ○水口委員 理事長、私は、感謝状だけではなくて、このアンケート自体を職員の方 に返していただくことを先ほどお願いしたんですが、それはよろしいでしょうか。 ○近藤理事長 勿論、そうです。 ○水口委員 それから、今回のアンケートのことが、今、企業との人事交流の話に何 だか随分と収斂してしまっていったということは、私としてはとても残念です。勿論、 そういう御指摘も多かったとは思うんですが、そこについては、改めてというか、も う既に私どもは議論をしましたけれども、そんなに単純な話ではないと私は理解して いるということをちょっと申し上げておきたいと思います。 ○近藤理事長 私は、透明性の確保ということが結局一番大事なことなんだろうかな と思うわけです。それを確保することによって、そういったことも突破できるのでは ないかと思うわけです。正直な社会をつくっていければと思うわけで、そういう工夫 でそういうことが可能かどうか、皆さん御議論いただければ有り難いなと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  先ほど、水口委員の方から言われたように、このアンケートの扱いは非常に難しい 面があると思います。しかし、これは公開するということで、誰でも見れるわけです が、先ほど言いました、その中の一部分をつまみ食いというんですかね、そういうこ とをするとか、都合のいいことに使うというようなことがないようにお願いしたいと 思いますが、少なくとも、今ここにいらしている方にお願いするしかありません。よ ろしくお願いします。 ○堀委員 水口先生にちょっとお礼を申し上げたいなと思ったのは、このアンケート は私自身は3回ぐらい読んで、すごい時間がかかったんですけど、資料番号が付いて いる資料を拝見したときに、ワーキングの方には申しわけないんですが、だいぶ丸ま ってしまったりとか、いろいろなのを入れるばかりにポイントがわかりづらいという のがあって、やっぱり原文を読まないと厳しいのかなという感想を持ってきょう来た んですね。きょう水口先生につくっていただいた番号がないペーパーなんですけど、 私が水口さんとまた別の立場から読んでも、かなりニュートラルにいろいろな論点が きれいに書かれているので、本当にこの点は有り難いなと思いました。  また、つまみ食いという話がありましたけれども、特に、今人事のところで、企業 だけとの問題ではないと思うんですが、ここに関しては、是非、委員の先生方は勿論 ですが、傍聴の方を含め、また、フィードバックがあったら機構の職員も読むと思い ますけれども、是非、原文の方を皆さん読んでいただきたいと。その迫力に勝るもの とか、数の多さというのはないので、そこはお願いしたいというふうに感じました。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○高橋委員 企業との人事交流という問題については、水口委員のまとめでは、議論 をしたと、こう書いてあるんですけど。今の最終提言の報告の内容についても、両論 併記の形で書かれています。どちらがいいかというのは、確かに難しい点はあるかと は思うんですけど、PMDAの職員なり、かなりの意見として、企業だけじゃなくて、 医療機関も含めて人事交流というものは必要なのではないかということは強く言わ れていますので、企業だけに言及するというわけではないにしても、人事交流という 面で、もう少し柔軟に、先ほど言われた透明性も確保しながら、それから、しっかり したルールをつくりながら、交流というものをもう少し進めていく必要があるんじゃ ないかなというふうには思っています。 ○水口委員 今の点なんですが。もう少し申し上げますと、今回私がずっとこの回答 を読んでいて、仕事量にはばらつきはあるかもしれないけれども、PMDAの中で本 当の戦力になる方にすごく仕事が集中していて、新人の方ではない、即戦力になる、 中堅の力量のある方を求めているという状況はすごく明確に出ているわけです。その 切実さが、企業の方の採用という話に現実につながっていると思うんです。ここで、 FDAのことを書いていらっしゃる方は、たくさんいます。でも、FDAとどこが違 うかというと、FDAは、企業以外にアカデミアとかいろいろなところからの人材が 入っているんですよ。そこを無視して、今物すごくつらいここのところで、企業から 人材を供給すれば即戦力となるから、苦しい状況を抜けられるから、ということで行 ったとき、前からちょっと議論している、本当にアカデミアからのきちっとした人材 の供給がいつまでたっても育ってないところで、企業からの人材供給に解決策を求め て、そこにずっと寄りかかっていったら、一体この組織はどうなるのか。FDAとは、 基礎となる環境が大きく違うということを十分考えて議論しなくては。私はすごく危 ういものを感じるということをちょっと申し上げておきます。  それから、中には、FDAは問題起きてないじゃないかという指摘もあったのです が、じゃ、何で「FDA再生法」をつくっているのかというところはあるわけですよ ね。ちょっと古い話で恐縮ですけれども、薬害AIDSのとき、生物製剤をつくった 部署のFDAの方たちには、元生物製剤企業の方がたくさんいて、あのころ、FDA は「回転ドア」と言われていたんですよ。だから、そんなにシンプルにはいかないと いうことを十分考えて議論しなければいけないんじゃないかと申し上げておきたい と思います。 ○泉委員 企業からの人材をどうということよりも、是非、理事長に考えていただき たいのは、夢のある組織にするために、どういう教育、訓練をして、新しい人材を育 てていくかということをまず考えていただきたいなと。皆さん閉塞感があるというこ とであるので、是非、そちらの方を。新人をどうやって育てていくか。これ、とても 大切なことではないかなというふうに思います。 ○寺野座長 それはそのとおりですね。 ○間宮委員 企業から人が来ちゃいけないということを言っているわけじゃないん ですが、ルールというのをきちっと守っていきつつ、その透明性というのを確保しつ つやっていくというのは大事だと思うんですけれども、現状では、数百人人数を増や したばかりなので、その中でまずはやってみて、それでも、なおかつ問題であるとい うことであれば、また、次の手を考えるべきであって、このアンケートによって企業 からの人材の登用を加速させるということについてはちょっとどうなのかなという ふうに思います。 ○寺野座長 では、この議論はここまでにしたいんだけど、どうしても言いたいなら 一言だけ。 ○堀委員 さっきから企業の話ばかりになっているんですけど、原文を読んでもらえ ばわかるし、水口さんも別に企業のことばかり今までも書いていませんけど、別にア ンケートの結果で、企業から入れるべきだみたいなのは、それがマジョリティの議論 にはなってないんですよね。そこも含めて、先ほど泉先生がおっしゃったような内部 の教育も含めて、確かに人事システムとか、中のマネジメントの問題がメインであっ て、そこから発生する各論が出ていますけど、別に企業の話ばかり出ているわけじゃ ないので、ここで企業のことばかりをあたかも取り上げられているように思われると、 それはちょっと誤解があると、3回読んだ私としては思います。 ○寺野座長 わかりました。  また、次回にでも、お気づきになったところは御発言いただきたいと思います。  次に、第三者監視・評価機関に関するワーキンググループからの中間報告というこ とで、森嶌主査からお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○森嶌座長代理 先月も報告をいたしましたけれども、先月御意見を伺った上で、今 日、資料8に出ておりますような形でまとめました。  先月も申し上げましたけれども、ワーキンググループで結論のまとまっていないの は、今日のあれですと、2ページ目の3.の「第三者組織の仕組み」であります。念 のために申し上げますけれども、「1.第三者組織の目的と特性」、「2.第三者組織 の権能」、「4.委員及び事務局」については、細かい文言はともかくとして、ほぼま とまっていると思いますので、これは前回も申し上げましたので、簡単に申し上げて おきます。  まず、「1.第三者組織の目的と特性」です。目的は、薬害の発生・拡大を未然に 防止するため、医薬品行政機関とその活動に対して監視及びほかを行うということで ありまして。そのためには、厚生労働省や医薬品企業、あるいはその他の利害関係者 から独立性を保つということ。それかから、監視・評価を行うために専門性を持って いなければならない。それから、薬害の発生、特に拡大を未然に防止するために、機 動性を持っていなければならない。独立性・専門性・機動性を持つような、そういう 組織でなければならないということであります。  そこで、どういうことをするのかということでありますが、第三者組織の権能とい うことですけれども、これは医薬品安全行政の全体について監視・評価を行う。それ から、個別医薬品の安全性に対して監視・評価を行うということであります。  そのために、次の(2)でありますが、そこで、1つは[1]で、定期的に厚生労働省・ PMDAから情報の提供を受ける。それから、患者等からの医薬品の安全性に関して 情報を収集することもできる。  それから、[2]でありまして。そこで問題があると判断するときには、行政機関に対 して資料の提出等を命じることができますし、それから、行政機関でないものに対し ては、資料を出してくれという協力を求めることができるということにしております。 そして、そういう情報に基づいて、必要があるときには、[3]で、調査・分析をする。 そして、評価をするということでありますが、自分のところでできないときには、そ れを委託したりすることもできるということになっていると考えております。  それから、次のページ、[4]でありますが、そうした調査・分析・研究に基づいて評 価をして、そして、その結果、医薬品の安全確保のためにこういうことをする必要が あるという場合には、関係行政機関に対して一定の措置、施策を講ずるように、提言・ 勧告を行う権限を有する。これに対して、関係行政機関はこういうことをしましたと いう対応を講じた上で、こういうことをしたということを通知をするということにし ております。  3.はちょっと置きまして、4.でありますが、そのためにどういう委員・事務局 ということでありますが、機動性を持たせるために、あまり大きくない合議体の委員 を置くわけでありますけれども、委員は独立性を持っていなければなりませんで、そ こで、(4)でありますけれども、委員は、自ら審議事項を発議することができ、独 立して調査し、審議・議決に参加するということでありますが、その構成メンバーの 数は10名ぐらい((1))です。構成メンバーとしては、(2)でありますけれども、 ここに書いてあるような薬害被害者、それから、その他の専門家となっております。 そして、選任権者としては、(3)で、これはどこにどういう組織とするかによりま して、総理大臣あるいは厚生労働大臣ということになろうかということであります。 そのためには、これは原則として非常勤になると思いますけれども、その委員が活動 をするために、然るべき専門性を持った事務局を置き、そして、適切な予算を措置す るということにしております。  そこで3.に戻ります。3.については、これは独立して権限を持って行動をする という意味では、例えば公正取引委員会などというのがありまして。これは、独立の 行政機関として、自分で行政権限を持っているという、これは「三条委員会」という のですけれども、こういうような委員会もあるわけでありますが、これは内閣府とか、 あるいは、場合によっては省に置かれることがありますけれども、庁という形のもの と同格のものであります。独立性を持っているという意味では理想的だということに なります。これをこういうような委員会にすべきだという意見もワーキンググループ の中にはあります。  ただし、現在でもこういう委員会は非常に少のうございますし、現下の行政改革の もとでこれを新しくつくることは実際には非常に可能性は高いとは言えないという ことで、最近できました消費者委員会も「三条委員会」ということにはなっておりま せん。通常の委員会・審議会である「八条委員会」ということになっております。こ れは所管省庁の内部に置かれるものであります。  しかし、厚生労働省から独立した存在である必要があるということから、そこで、 厚生労働省とは別の省庁に置いた方がいいのではないか。この場合、内閣府に置くこ とが考えられるわけでありますけれども。ただ問題は、医薬品行政及び医薬品の安全 性を監視・評価するという、そういう委員会でありますので、それでは、医薬品行政・ 医薬品の安全性ということは、一般的に考えると、厚生労働省の所管事項であります ので、そこで、なぜ内閣府に置くのかという積極的な理由を考えなければならないわ けでありますけれども、ここに書いてありますように、先ほども議論がありましたけ れども、医薬品評価に関する人材の育成とか、あるいは、医学、教育とか、そういう ことにもかかわっているから、文科省の所管事項にもかかわってくるとか、あるいは 消費者一般の方にもかかわっているからというようなことで、他の省庁にもかかわっ ているではないかということになりますが、そうなってくると、既に置かれている消 費者委員会とどういう関係にあるかとかいろいろなことを、ここでは細かいことは申 しませんけれども、そういう議論をさらに検討をしなければならないという問題があ ります。  そこで、第三者組織を厚生労働省に置く。しかしながら、厚生労働省に置くとして も、その独立性を確保するという方法を講じなければならないということで、そこに 書いてありますのは、3ページに書いてありますけれども、それに対して可能なあら ゆる方策を講じる。1つは、大臣官房のようなところに置くということでありますし、 それから、人材の配置とか、予算の確保などにおいて、特別の措置をとる。それから、 従来の審議会とは別の新たな審議会をという形で設置をするということで、少なくと も薬害発生防止のための監視・評価を行う第三者組織は、従来の薬事・食品衛生審議 会とは別個のものとして新たに設置すべきであるということで、現時点では、どうい うものを現下の状況で設置をすると考えるか、それとも、より理想を追うということ で考えるかということで議論をしておりますが。そこで、5.にかかわってくること でありますけれども。5.で「第三者組織の見直し」が3ページの最後にあります。  現下では、例えば三条委員会というような形でつくることはかなり難しそうだと。 だとしても、今までの2年間我々が議論したことから考えれば、できやすいから、で は、従来の審議会のようなものにしてくださいというのではなくて、少なくとも、我々 の基本的な考え方はこうだと言った上で、ともかくつくるということを考えて、そし て、将来にわたって、新たにつくられたそうした第三者組織がどう動いていくかとい うことを評価をしながら、ここでは、例えば3年ごとに評価をしながら、それに対し て、これでは十分ではないとして、また、新たな組織にするか、あるいはその中の運 営を変えていく。あるいは予算とか、委員とか、そういうもののやり方を変えていく ことをしていかなければいけないのではないかということで、ここでは、現在ともか くこういう第三者組織をつくるということがこの検討委員会の一つの役割という観 点から考えたときに、そのつくらなければならないという役割と、それから、我々の 考え方との間に、現実との間のギャップをどういう形で埋めつつ将来を見据えるのか という観点から、今、3.ではまだ議論が決着つかず、そして、5.で、それに対す る一つのいわばブレークスルーを考えようという考え方で、今回、この間のここでの 検討会の議論の後、5.というものが入りました。  なお、この私のまとめをするに当たって、水口委員の御意見も伺いましたし、それ から、その後、椿委員からの御意見も出ておりまして、それは資料9に出ております。  意見をお出しいただいて、あるいは私のまとめ、最後の方で、私の方で、水口さん の御意見を伺って、最終的には水口さんにも了承をしていただいたのですけれども、 ご意見があれば。それから、椿委員にも。 ○寺野座長 ありがとうございました。  椿委員と、多分水口委員も意見があるとは思うのですが。山井政務官何かございま すか。 ○山井政務官 結構です。 ○寺野座長 それでは、ただいまの森嶌主査の御報告について、これは意見が資料と して配付されている椿委員から何かございますか。 ○椿委員 既に森嶌先生からかなり御説明があったところですけれども、私としては、 この第三者組織に関して最終提言ではある一つの固まった方向性を示すことがいい のではないかというのが、私の資料9の趣旨でございます。  基本的に、あまり曖昧性を残さず、厚生労働大臣ないしは厚生労働省のトップの 方々が実現をすると、ある意味では来年度の概算要求に盛り込むことがコミットメン トできることをできるだけ優先していただければと考えていることです。勿論、今回 のワーキンググループの議論の中で、独立性を担保するために内閣府につくる、さら に強力な権限のある三条委員会というものをつくることに関しては、十分勉強させて いただきまして、勿論、それが理想に近いという形であることも承知したところでご ざいますけれども、まず一歩を実現することを優先することがここではあってもいい のではないかということです。  この一連の中で、いわゆる大臣官房の中につくって、中立性ないしは機動性のある 事務局をつくるという御意見があったわけですが、これが私自身が、実は今後予想さ れる安全対策の中で、レセプトの情報とか、あるいは患者調査等の個人情報等を有効 に活用するときに、官房における調整機能という話もワーキンググループの中ではあ ったところでございまして。こういうある種のまず省庁全体で特別なことが起きたと きに、直接患者さん本人にリスクコミュニケーションができる体制をつくっていただ く可能性という意味で、幾つかある案の中で、官房の中に事務局を持つ独立性を当面 支持したいと考えているところです。  その上で、今日既に、森嶌先生の方で十分出していただいたわけですけれども、第 三者組織の見直し自体を、この第三者組織のミッションとしていただいて、これもあ る程度年限を切って、今回いろいろ水口先生をはじめ西埜先生も参考になることをや っていただいたわけですけれども、今後あるべき姿について、第三者組織をさらに強 力なものにすることを、先ほど森嶌先生がおっしゃられたように、3年以内、ないし はそれが必要だとした場合には、さらに5年ぐらいの段階で政府全体で実現していた だくようなこと、その手続自体をこの最終報告の中で明確にして、厚労省のトップの 方々に、それを「努力します」ではなくて、「やります」という形のことで言ってい ただけると非常に有り難いと考えているところです。  私自身は、勿論、今日の薬害は、明日はもっと非常に慢性化した食品ないしは環境 化学物質で起きることではないかと思いますので、将来、この健康リスクの問題全体 を扱えるような組織が政府の中で検討されることが望ましいとは常々思っています けれども、今回に関しては、厚労省の方が「やれます」「やります」ということを重 視して最終提言をまとめてはという考え方でございます。 ○寺野座長 ありがとうございます。  この第三者組織監視・評価機関について、いろいろ森嶌主査を中心として検討をい ただいたのですが、これを本日取りまとめ案という形で提出していただきました。こ れを最終提言にどういうふうな形でと、こういう形で出すということなんですが。水 口委員。 ○水口委員 私の意見を、先ほど森嶌座長代理から御案内がありましたように、かな り大幅に取り入れていただきまして、ありがとうございます。  この前の検討会があった後にワーキングチームの会合があって、そこでの到達点は、 三条が理想であるということの確認と、それから、八条の委員会をつくる場合にも、 そして、それが仮に厚労省につくるという場合にも、それが既存の審議会と同じよう なものであってはいけないということ、ここだけは確認でき、その他の部分はまだ議 論が確定的に決まっていないという状況を反映させていただいたのがこの取りまと めで、独立性の高い順番にずっと書いてあります。理想から現実になだれ込んでいる 書き方で。では、一体どこのところでこの委員会がこれだという形にするのかという ところまではこのまとめは踏み込んでいないのですが、そこまでが今の到達点という ことです。ただ、順番がわかるので、これで頑張って上からやっていくという選択も あるかなと思っていますが。  それと、ここに入っていないことで、1つ提案として、もし皆さんの同意が得られ たら加えていただきたいのは、この組織の権限や設置については必ず法律で定める。 ここをこのまとめの中に入れてはどうかという。これは提案です。  私の理解としては、今までそういうことが議論の中で当然の前提として議論をされ ていたかなと。どのみち法律はつくらなければいけないのだからという議論はずっと してきたので、そういう前提があると理解していたのですが、ちょっとそこが明確で ないという部分があります。要するに、既に基本の法律はあるわけで、その中の政令 に委ねているところで書こうと思えば書けるけれども、そうなると、権限等について 非常に不安定になってしまう。そこで、私はこれを設置するに当たっては、その組織 の設置の根拠や、その権限や意義について、きちっと法律という形で明確に書き込む ことは、この中でもう一つ取りまとめの中に確認事項として入れていただいたらどう かということを今日提案させていただきます。 ○寺野座長 はい、どうぞ。 ○森嶌座長代理 今日は、この3.のということでこう書いたのですけれども、私自 身は、この検討会で三条委員会か八条委員会かなんていうことを書くこと自身は、あ まり適当ではないと考えております。  それから、これだけのことを書いて、これは何法でやるかはともかくとして、法律 をつくらないでこれができるはずがないんですね。それほどやわじゃありませんし。 ですから、これは当然法律を。今までの審議会の中に分科会みたいのですと、これは 知りませんけれども。だから、予算をこうしろとか、事務局を入れろとか、それは法 律の中で措置しなければならないことは当然のこととして、私は法律家としてそう書 いているわけで。そのときに、こういう中に、法律であれをしろというようなことを 書くとするとというか、書いても構いませんけれども。だとすると、ほかのところの 提案もみんな政令でそういう措置をするのか、法律でやるのか、これとこれの関係は 何で決めるのかという、まるで役所みたいなことをやらなければならないので、我々 としては、きちっと中身をこれでやれと言えば、私はそれでいいのではないかと思い ます。  なお、皆さんの方で、先ほどの椿先生のようなラインで書くということであれば、 少なくとも理想はこれであるけれども、この検討会としては、独立のあれで。大臣官 房に置くかどうかはともかくとして、そのような調整機能を持った部局に置いてとい うことを書き込んで、それで提案をして、そして、第三者組織の見直し。これは、こ こでは例えば3年程度と書いてありますけれども、その先の法律の見直しというよう なものも入れてもいいですけれども、そういう形で、私は提案というものはそう書く べきで、いろいろなものはあるけれども、その中から提案を受けたやつが適当なやつ を選んでくれというのは、提案としては適切ではないのではないかと思いますので、 むしろ、私はここに冒頭に書いてありますように、検討会で検討していただきたいと 思います。前回もそういう同じようなことは申し上げました。 ○寺野座長 このワーキンググループは、今後はどうされますか。 ○森嶌座長代理 もう一回やりますので、今日、皆さんの御意向を聞かせていただけ れば、検討会の御意向を聞かせていただければ、少なくともワーキンググループに入 っておられない方の御意向を聞かせていただければ、なお有り難いです。ワーキング グループに入っておられる方は、もう一回ありますので、そこでも結構ですけれども。  少なくともここでは、何となくあれしたらそれでいいとかということではなくて、 3.については、私としては、これも繰り返しますが、法律家の私としては、こうい う提案を書くときに、八条委員会とか三条委員会というような書き方をするのではな くて、実質的にはそういうことを書くけれども。しかも、中身として、理想的にはこ ういうものだけれども、少なくともこういうことを確保したものはちゃんとつくれと。 それは、なぜならば、こういうことがあったからだということをきっちり書き込んで。 そして、しかし、理想はこちらなんだから、こういう見直しを何年でおやりなさいと いうことを書く。そういう書き方をさせていただければ、ワーキンググループとして はもう一回やりますので、それでつくって、この次の検討会に出すと、そういう方針 でやってもよろしいかどうかということをお伺いしたい。 ○寺野座長 もう一度おやりになるそうなので、(ワーキンググループの)委員の方 は意見を控えていただいて、そのときに出していただくということで、最終提言に間 に合うようにまとめていただきたいということに思いますが、それ以外の方で、どう しても発言しておきたいという方はいらっしゃいますか。  もし、いらっしゃらないようでしたら、時間的にも随分過ぎましたので、このワー キンググループをまた次回の委員会にお任せするとしてですね。 ○森嶌座長代理 そういう方向でやってもいいですか。 ○寺野座長 ということなのではないでしょうか。皆さんから御意見がないので。 ○森嶌座長代理 黙っているということは、よろしいということですか。 ○寺野座長 はい。  では、よろしくお願いします。  研究班から、医師へのインタビュー結果とか、行政関連の検証とか、それから、患 者実態調査についての報告があるんですが、ここであわててやるよりは、次回最優先 させることをお約束して、そのときに少し時間を取って御報告していただければと思 うんですけれど、せっかく準備してきたのに何だと思われると思うんですけど、よろ しいですかね。次回出られますか。 ○医薬品副作用被害対策室長 高木研究班員が出られない場合が多いので。 ○堀内委員 高木研究班員が臨床、その他がありまして、必ずしも出られないので、 ちょっと御都合を聞いていただいて。 ○寺野座長 それでは、高木研究班員の医師へのインタビュー結果ということ、これ はフィブリノゲン製剤の使用に関する医師の意識調査についてということなんです が、これは10月委員会でインターネットアンケート調査の結果を伺ったわけです。 今回、インタビューの結果をお伺いいたしますので、時間がなくて誠に申しわけない のですが、よろしくお願いします。 ○高木研究班員 すみません。お疲れのところで。簡略にしたいと思いますけれども。  インターネットのアンケートは集計が出されたと思いますけれども、具体的に医師 の話を聞いたらという意見がありまして。ここには、3例のどちらかというと推奨派 の医師、それから、2番には、反対の意見の方に意見を。その先生たちを抽出した方 法は、最初のお三方の方は、日本医学会の方から御推薦いただいて、順次お話を伺っ たのですけれども、お二方は直接、お一方は文書ですけれども、いずれも推奨されて いる方であるということで、反対の意見を持っていらっしゃる方に聞くということで、 それ以外の意見を求めたのですけれども、なかなか抽出できなかったということで、 クチコミと、あと個人的に探したお一人の方ということでまとめてあります。  1番には、推奨されている方たちの意見を書いてありますけれども、それぞれ年代 が70代の方、50代の方、60代の方と書いてありますけれども、実際に使用されたA 医師で、B医師はお使いになってはおりませんけれども、実際に危機的な患者を多く 診療されています。C医師に関しては、60代の方ですけれども、先天性無、低フィブ リノゲン血症だけは使用された御経験があるという方であります。特定されないよう な形で記載してありますけれども、産科出血というのは、通常のDICに比べると、 非常に急激に起こり得る疾患である。特にフィブリノゲンの低下が顕著であるので、 それを使うことによって疾患が改善するということについてお三方とも口を揃えて おっしゃっておられました。以前、今日の治療指針の中で、御意見が変わられた方が いるんじゃないかというお話もいただいたので、そういうようなことで伺いましたけ れども、御自身としてはフィブリノゲンの効果が減弱したということではないけれど も、当時の内科の医者たちの議論に流されて変節して医師の意見を書いたようなとこ ろもあったかもしれないということをおっしゃっておられました。  お三方ともおっしゃっておられるのは、当時は、血液の製剤がそんなに簡単に手に 入らなかった。出血性の分娩がかなり多かった。それに対応するためには、フィブリ ノゲン製剤でないと限界がある。この製剤は保存が効くというふうなことをかなり強 調されておられました。現在は、そういうものがなくても十分対応できているのでは ないかというお話に対しても、それでも、危険な状況の患者さんが今でもなくなった わけではないので、この製剤があれば対応しやすくなるということをおっしゃってお られました。  その下線が引いてあるのは、個人的にこういう意見もあるのかなということで。こ れは最初におことわりしなければいけないのですが、生の意見をそのまま記載してあ りまして。これはと思うようなことをちょっと省いてはあるのですけれども、実際に 検証して、一部これはもしかすると間違っているのではないかなと思われるような記 載もあるのですけれども、最終的には全部検証して、正しいものを、あるいは御本人 に確認をしてからまとめるようにしたいと思っておりますけれども、この製剤が、日 本では使用は勿論制限されているわけですけれども、世界的にその使用が拡大してい く傾向にあるんだということを強調されておられまして、今でも、使えないから使っ てないだけであって、あれば非常に有用なものであるということをおっしゃっておら れます。  と同時に、反省すべき点ということで、3ページの下の方に記載してありますけれ ども、医療現場、行政、企業ともに対応が遅れたことによって、その被害が拡大した ことは間違いないだろうというようなことで、その適用を厳格に考えないで使った医 者がいたことは、恐らく間違いないだろうというようなこともおっしゃっておられま した。そういうものを反映して、実際に当時の医者たちは、肝炎や一時的な肝障害が 出るというようなことが将来的に、肝炎や重篤な肝がんということについての認識が 非常に足らなかったので、それは救急現場をしのぐために、仕方なく使っていたとい うところに対してのexcuseにはならないのだと思いますけれども、実際は重篤だと いうことの情報はまだまだ十分伝えておられなかったということが反省点として、皆 さん挙げられておられました。これからも、この製剤がもう一度製剤として使えるよ うになってほしいというようなことをお三方とも口を揃えておっしゃっていました。  それについてのまとめと感想みたいなことを書きましたけれども、確かに、当時使 われてしまったことによって、実際に使った医者たちは、それによって随分患者たち は救われたんだということと、その反面として、肝炎の危険性が当初から叫ばれてい たにもかかわらず、それを当時あまり重篤でないということで使ってしまったことに よって被害が拡大したということについても、お三方ともある程度認識はされておら れたようであります。  さらに、現在に至っても、今においてもこれは、そういう危険性がなくなれば、使 用されるべき薬剤として、もう一度きちんとして使いたいというようなことで、一番 後ろにも、産科のガイドラインみたいなことを載せてありますけれども、これは「産 科危機的出血への対応ガイドライン(案)」の最新版の案が今産婦人科学会のホーム ページに載っておりますけれども、そこの3ページに、「凝固障害の回避」というと ころで、フィブリノゲン製剤を投与するみたいなことも記載されております。ただ、 これはパブリックコメントを今求めている段階で、恐らく削除されることになるんじ ゃないかというふうにおっしゃっておられました。  というようなことで、これは推奨派の方の御意見なんですけれども、それと全く相 反するような形で、これはお二方の意見で、40代の方と50代の方、D医師とE医師 であります。D医師に関しては、フィブリノゲンを使ったことがない。実際に、そう いうものが使えない時代に臨床をやっているので、それがなくても実際に何とか今は やっている状態です。この製剤がなければ臨床に差し支えるということは実際あまり 実感していないということをおっしゃっておられました。  E医師に関しては、この方はかつて産科的出血に関して研究をされておられたとい うことで、現在は産婦人科の開業をされておられますけれども、この方は、当時、フ ィブリノゲンが実際に使われていた時代にも、自分はそれを使わないで、6ページの 一番下にも書いてありますが、200例以上の産科DICを経験したけれども、フィブ リノゲンは使わないでほとんどの場合救命してきたということで、実際にフィブリノ ゲン製剤が有用であるかもしれないけれども、自分としては、肝炎などの副作用を考 慮してのことではなくて、実際に効果がないと考えたから使わなかったというふうに 断言されておられました。  ということで、全く相反するような形で意見が出されたわけですけれども、当時の 医療事情をかんがみれば、何とかして止血したいんだという気持ちで使われたという ことに対しての同情が働く面もありますけれども、かなり危険性が言われていたにも かかわらず、それが長期的な肝がんになってしまうようなことにも重症度が知識とし て行き渡っていないために、急場をしのぐために使われていたという点が大きかった のだろうということを意見の中で汲み取ることができました。  ですので、最後の8ページに総括として書きましたけれども、かたや、当時は肝炎 の危険性が多少なりともあるという状態で使ってしまったけれども、今でもその危険 がなければ、薬剤としては十分有用性のある薬だという意見と、全くそういうものを 現場で感じなかったという医者が現にあるわけでありまして。学問的にはそれはエビ デンスとして使用群、非使用群と分けて論じたような論文は実際にはないということ で、今後、この薬剤がどういう形で再度登場するかわかりませんけれども、そういう ことを十分検討する必要はあるだろう。なおかつ、やらなければいけないのは、保険 適用の薬剤として使うことが認められるということがありますので、現場の臨床の医 者は、ほかになかなかチョイスがなかった状態でやらざるを得なかったこともあるの かなということと、それから、社会情勢ということで、血液がすぐに手に入らなかっ たというようなところもあったという産科の医者が使うことに関しての促進を促し てしまったのではないかということを挙げられます。  最後に、参考資料で、日本産婦人科学会が参考2です。参考1の方には、麻酔科学 会と輸血・細胞治療学会からのガイドラインが載せてありますけれども、麻酔科の方 のガイドラインに関しましては、そのガイドラインの2つ目のところ、1ページのと ころに、新鮮凍結血漿を使うというところについて記載されていますけれども、これ は適用については、フィブリノゲンの濃度の記載はありますが、しかも、新鮮凍結血 漿を450mlはフィブリノゲン1gに相当するので、30mgぐらい上昇するんだというこ とが書いてありますけれども、ただ、これがあるからといって、フィブリノゲンを使 えと言っているわけではなくて、モニタリングとしての重要性を言っているというこ とになるかと思います。  もう一つ、最後に、「Williamsの産科学」という教科書を載せましたが、これは最 初の推奨派の方が外国では、昔から今まで重要性は言われているんだということを盛 んにおっしゃっておられましたので、この教科書は一番産科領域ではバイブルに使わ れている教科書だと言われていますので、内容はまとめましたけれども、フィブリノ ゲンは、一番古い教科書の段階で、既に肝炎の問題があるので使えないんだというこ とが書かれており、使うことは有用であるということが85年の17版から一番新しい ところまで記載はされています。ですので、そういうことを考えると、この製剤とし て、フィブリノゲンを含んだ製剤がある程度求められていくこと自体はある程度求め られていることなのかもしれない。ですが、肝炎の危険性に関しては当初から言われ て、フィブリノゲンの薬剤についての否定はなされていたにもかかわらず、10ページ の下に書きましたけれども、今日の治療指針を見てみると、そういうことを言われて から5年以上経過する段階まで使用して構わないというようなことが書かれていま すので、そういうところに対応が遅れたための被害の拡大があったことは免れないだ ろうと思います。  以上です。 ○寺野座長 高木先生どうもありがとうございました。フィブリノゲン製剤について の非常に重要なポイントについての現場の医師の意識調査についてと、学会等の動き について御説明いただきました。大変難しい点だと思うんですけれども、時間の関係 がありますので、それほどできないのですが、どうしてもお聞きしたいというんだっ たらどうぞ。これはもうちょっと早い時期にやっておくと非常に参考になったと思い ますが、ちょっと今の時期になってしまって申しわけないのですが、非常に貴重な御 意見、資料だと思いますので、これはまた、最終提言の資料として重視したいと思い ます。  清澤先生はよろしいですか。 ○清澤委員 よくやっていただいたのですが、結局、いまだに産科の緊急のDICの ときの治療方針が定まっていないというのを聞いて、私ちょっとびっくりした、感想 ですけれども。 ○寺野座長 実態はこういうことで、そういうことも一応念頭に置いた上で判断しな ければいけないのですが。しかし、薬害肝炎は、それはまた別の話でございますので、 参考にするということになります。  では、「医師へのインタビュー結果」についての高木研究班員からの御報告ありが とうございました。非常に参考になりました。  それでは、あとの坂田委員の報告と、片平研究班員は、誠に申しわけないのですが、 次回最優先ということでお願いしたいと思いますので、御了解をお願いします。  時間が過ぎてしまいまして、私の座長としての力量が問われるような会議になって しまいまして、途中で、提言の点について、私もちょっと混乱したところがありまし て、迷惑をかけました。そういう形で進めていきたいと思います。  最後に、山井政務官から一言お願いします。 ○山井政務官 本日も長時間にわたりまして、精力的に議論をしていただきまして、 誠にありがとうございます。  先ほど、長妻大臣とも一緒に出させていただきまして、本当でしたら、大臣も一緒 に戻って来れたらよかったんですが、今、首相官邸でまた財務省についての会議があ るということで、長妻大臣も中座して申しわけございませんでした。  先ほど大臣もお話しになりましたけれど、平井要さん、薬害肝炎の東京原告、実名 を公表して訴訟を戦われた勇気ある平井さんが、残念ながら、若くして先日お亡くな りになってしまいました。2年前に薬害肝炎一括救済法成立ということで、もしかし たら、世の中的には薬害肝炎の問題は解決したというふうに国民の多くの方は思って おられるかもしれませんが、その被害者の方々は、本当にまだ多くの方々が肝炎で苦 しまれ、これからも発症される方がどんどん残念ながら増えてくるのではないかと思 っております。  昨年、肝炎対策基本法ができまして、それに基づいて近々肝炎対策の協議会もスタ ートしたいと思っておりますが、やらねばならないことは非常に多いというふうに思 っておりますし、また、B型肝炎の予防接種の、これは薬害とは勿論違いますが、補 償も、これまた薬害とは10倍ぐらいの大きな規模でまだこれからも被害の問題が議 論されていくのではないかと思っております。このことについても、薬害ではありま せんけれど、厚生労働省としてどうするのかということが今まさに問われているとこ ろであります。PMDAのこのアンケート調査、私も読ませていただいて、本当に心 が痛んだという感じであります。本当に現場の職員の方々が疲労困憊しつつ、しかし、 残念ながら十分な社会からの評価を受けるどころか、非常に厳しい視線を浴びておら れることに関して、私も責任を感じましたし、また、もう一つの薬害肝炎の被害者の 実態調査、そして、御遺族のアンケート調査ということも読んで、改めて本当に深刻 な痛ましい事件であるということを改めて痛感しております。  先ほど、第三者組織の議論もありました。そして、今、高木先生からも御報告をお 聞きしました。厚生労働省には厚生労働省の立場があり、医師の方々には医師の方々 のお立場があり、また、被害者には被害者のお立場もあろうかというふうに思ってお ります。こういう本当に重要な再発防止の議論を2年間もずっと続けていただいてい ることに、本当に改めて敬意を表したいと思っております。  私も、非常に謎としてというか、釈然としない思いがしますのが、初期に青森で集 団感染というものが起こったと。あのときに迅速な対応が図られていたら、薬害肝炎 の被害はもっと早期に最小限に食い止められたのではないかというような思いが私 自身はしております。そういう意味では本当にこのことの反省をもとに、薬害という ものが二度と再発しないような、その取り組みを厚生労働省としてもしていかねばな らないと思いますし、きょうも少しだけしか出席できませんでしたが、あと2、3回 ではないかと思いますが、3月末までの最終提言まで、寺野先生を始めとして委員の 先生方、取りまとめはなかなか本当に大変な作業ではないかと思っておりますが、こ れから、薬害が再発しないように、そしてまた、先ほども申し上げました肝炎対策協 議会などを通じて、すべての肝炎患者の方々が十分な医療を受けられる体制をつくる ために、全力で頑張ってまいりたいと思います。今後ともどうかよろしくお願いしま す。ありがとうございました。 ○寺野座長 山井政務官、どうもありがとうございました。大変心強いお言葉をいた だきました。  以上で、本日ちょっと残した議題があって、誠に申しわけなかったのですが、本日 はこれで終わりたいと思いますが、次回の予定について事務局からお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 次回が3月8日(月)15時、それから、もう一回、3 月30日の15時にお願いをしておりますので、3月30日も開催を予定するというこ とで準備をさせていただきたいと思います。 ○寺野座長 よろしくお願いします。  では、そういうことであと2回ですね。 ○泉委員 すみません、最後に、1つお礼と、それから、1つお願いです。  政務官に。まず、レセプト問題が通過いたしました。政務官が、厚生労働委員会で 民主党の委員のときに、質問に取り上げてくださったものがようやく使われた薬がわ かる状態に持っていくことができたんですが、どうぞ、これを止めないで続けて、風 通しのいいような形にやってもらうのは厚労省のお仕事だと思いますので、これはお 願いとお礼で1つです。  そして、先ほどの御意見で、反省をしなければいけないというお話がありましたけ れども、私どもは第一次提言で、資料館の検討を考えております。そのときは、是非、 また、お話を厚労省に持って行きますので、散在している資料を集めて、これを反省 と未来のために残さなければいけないということをやりたいので、よろしくお願いい たします。 ○寺野座長 よろしくお願いします。  では、よろしいでしょうか。  それでは、本日は委員会はこれで終了します。御協力ありがとうございました。 (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)