10/02/05 第166回中央社会保険医療協議会総会議事録 10/02/05 中央社会保険医療協議会          第166回総会議事録 (1)日時  平成22年2月5日(金) 9:00〜15:40 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻里委員 関原健夫委員        白石小百合委員 森田 朗委員        小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員        北村光一委員 高橋健二委員(代理 清水) 伊藤文郎委員        安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員        渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員        北村善明専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員        <事務局>        外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官         渡辺保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官        上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について        ○平成22年度診療報酬改定について         ・パブリックコメントについて         ・DPCにおける新たな機能評価係数の導入に関する対応について         ・診療報酬において後発医薬品調剤体制加算等の算定対象となる後         発医薬品の考え方について         ・明細書発行の促進について         ・平成22年度診療報酬改定における個別改定項目について        ○その他 (5)議事内容 ○遠藤会長  只今より、第166回中央社会保険医療協議会・総会を開催する。本日も平成22年度 診療報酬改定についてご議論いただきたいが、その前に総会の定例案件であるDPCにお ける高額な新規の医薬品等への対応についてについて議論したい。   ○医療課企画官  (資料「総−1」に沿って説明) DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について <参考> ジェムザール注射用200mg、同1g(ゲムシタビン塩酸塩) ・追加となった効能・効果:手術不能又は再発乳癌 ・用法・用量:  通常、成人にはゲムシタビンとして1回1250mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回 投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患 者の状態により適宜減量する。  なお、当該治療では、タキソール(パクリタキセル)を併用して投与するのが一般的で ある。 ・薬価:   200mg1瓶 5,450円   1g1瓶   25,421円      (タキソールの薬価)   30mg1瓶 13,283円   100mg1瓶 39,089円 ・標準的な費用:   218,951円   ※ 該当診断群分類の平均在院日数は、13.9日   ※ 標準的体表面積を1.5m2として算出 ・当該医薬品を使用するDPCでの診断群分類:   MDC09 乳房の疾患(090010xx99x30x、090010xx99x31x、090010xx9703xx) ・当該医薬品を使用していない症例の薬剤費(平均+1SD):   21,046点   ○遠藤会長  ルールどおりの適用ということであるが、ご意見等が無ければ、説明のあった件につい て中医協として承認することとする。  続いて平成22年度診療報酬改定について議題とする。先ずは、先日実施したパブリッ クコメントの結果について事務局より報告いただく。   ○保険医療企画調査室長  (資料「総−2」に沿って説明)  1月15日に本総会において承認いただいた現時点での骨子をパブリックコメントと いうことで、1月15日から22日まで意見募集した。具体的にはHPにおいて告知して、 意見提出は電子メール、郵送いずれでも可とした。寄せられた意見の総数は2,938件 である。意見者の属性としては、年齢については40〜64歳までが全体の70.5%、 性別では男性が82.5%、職業別では医療関係者の方が94.7%と多かった。2p〜 4pが現時点での骨子の重点課題、4つの視点に沿ってそれぞれの論点についての意見件 数を纏めている。受付件数は約3,000件と申し上げたが、述べ件数としては4,62 3件であった。具体的なご意見については5p以降で、それぞれの柱について同じよう な内容を集約するとともに、件数の多いご意見のみを取り纏めている。全体としてみると 総じて、これまでの総会において出されてきた論点や方向に沿ったご意見を多数いただい ている。これからの取り纏めに当たってのご議論の中で、貴重なご意見であるので参考に していただければと思う。   ○遠藤会長  個別内容については時間の関係上質疑はしないが、今後の議論に十分有用な内容もある かと思うので参考にしたい。ご意見・ご質問がなければ、引き続いてDPCにおける新た な機能評価係数の導入に関する対応について議題としたい。事務局より資料説明をお願い する。   ○医療課企画官  (資料「総−3−1、−3−23−3」に沿って説明)   ○遠藤会長  前回、事務局からシミュレーション結果を報告いただいてご審議いただいたが、私の理 解では概ね、置き換え率については25%、重み付けについては各項目等倍ということで 凡その理解を得たと思っているが、一部の委員からもう少し地域での貢献については違う 指標があるのではないか、あるいは置き換え率についても25%以外についても検討して はいかがかとのご意見が出された。それらの意見に基づいて、短い時間ではあったが事務 局で再シミュレーションを行ったというのが今回の報告の一つ目である。二つ目は細部に ついて詰めなければいけないことがあるので、確認の意味でこの内容で良いかということ を皆さんにお諮りしたいということである。先ず前半についてご意見等あるか。   ○西澤委員  二つ質問である。一つ目は、3pの第3の1−(1)で「地域医療への貢献に係る評価」 については平成22年8月からということであるが、これは年度の実績で見るので当然だ と思うが、この係数は22年8月から23年7月までで、23年度はまた22年度の実績 をみて23年8月から変わると考えてよいのか。二つ目は(2)の「救急医療の入院初期 医療に係る評価」について、例えば年度の実績で見れば遅れるのではないかと思うが、平 成22年4月から導入されるということはどの期間の実績をもって係数を算出するのか 教えていただきたい。   ○遠藤会長  確かにちょっと分かりづらかったので、もう少し分かりやすく説明いただきたい。   ○医療課企画官  地域医療に係る評価の基になる届出は、4月1日現在、年度の頭の状況を届け出ていた だくということを今回は想定している。来年度以降については年度ごとの評価をさせてい ただきたいと思っているので、4月1日に間に合うように逆に遡って届出の調整をさせて いただきたい。救急医療に係る評価は、DPCの診断群分類ごとの点数設定と同じように、 そのデータを使って評価するので今回はこのような形であるが、来年度以降は10月まで のデータを元に活用し、評価することになると思う。   ○鈴木委員  確認である。2pの「地域医療への貢献に係る評価」の評価事項(1)のへき地の医療 の評価要件ついて、以下のいずれかの要件を満たした場合とあるが、(1)「へき地医療拠 点病院」に指定されていることか、(2)社会医療法人認可におけるへき地医療の要件を満 たしていることのいずれかを満たしていることで良いのか。また、(2)の二つの・に関し ては社会医療法人の要件であるが、これをへき地医療拠点病院においても適用されると理 解して良いのか。   ○医療課企画官  分かりにくい表現で申し訳ないが、2p(1)は分かりやすく申し上げると、3つの要 件のどれかを満たしてくださいということである。すなわち、へき地医療拠点病院として 指定されているか、あるいはそれとは別の話として、二つの・のいずれかを満たしていた だければということである。   ○鈴木委員  前回、重み付けを変えるべきということと、最初はできるだけ影響を少なくするために 置き換え割合を15%とするべきとの意見を申し上げたが、考え方は変わっておらず、中 小病院や専門病院に不利にならないようにして欲しいと思うが、私のみの少数意見と言う こともあり、実際にやってみないと分からない面もあるので、今回は多少の修正もしてい ただいたので原案の通りで導入いただいて構わない。その上で附帯意見としてそういった 病院に対して不利益が生じないかどうか検証をしっかりすることを入れていただければ よろしいかと思う。   ○遠藤会長  整理すると、置き換え率は25%、重み付けは救急医療以外の5項目は等ウェイト、地 域医療への貢献については前回ご指摘のあった部分を組み入れるということで原案通り の形で対応することでよろしければそのようにしたい。  次いで、3pの第3のその他についてであるが、これは確認事項でもあるが、新たな提 案も入っているのでご質問等あるか。   ○嘉山委員  4pの※印でICD10コードについて、実施は平成23年4月からということである が、現在、ICD11の策定が進められており、私もそのメンバーの中に入っているけれ ども、苦労して色々なコードを変更しているところである。これはWHOの要請で世界的 に患者の病名をコード化して、どのような疾病が多いかとかしっかり把握するというもの であるが、ほとんど完成に近い状況にある。 そのあたりはどのように考えているのか。ICD10に基づいたレセコンを作って、それ をまた代えなければならないとなると経費が掛かるので、そのあたりの先を読んでやった ほうが良いのではないか。国民の医療費節減のためにも、いかがか。ICD11が目の前 に見えている。   ○医療課企画官  DPCの診断群分類のコーディングに用いるコードは、歴史的にも欧米のDRG制度も 含めてICDコードの進展に伴い随時新しいものを導入している。DPCの議論を始めた ときにはICD9であったが、ICDが10に移行したことを踏まえてDPC実施時には 10を採用している。将来的にICD11が実施された場合には、関係の学識者や病院等 のご意見をいただきながら、また実態を踏まえながら、必要な時期にICD11に変更す ることは当然検討していくべきものと理解している。   ○嘉山委員  ICD9から10のときも現場では周知するのに大変であった。そのあたりがスムーズ に運ぶよう、工夫をお願いしたい。先を読んでお願いしたい。   ○遠藤会長  直接、DPCには関係ないが、ICD11の周知について、厚労省としても積極的にや っていただきたいというご意見である。   ○牛丸委員  名称について意見を述べたい。これまでも私は名称について拘ってきたが、DPC分科 会、事務局、そしてこの場で決められているので、専門の方が良いというのであればそれ で結構であるが、患者の立場から考えるとなるべく分かりやすいほうがいいだろうと思う。 以前から良く分からないのは3番の複雑性指数である。また、2番目の効率性指数につい ても、経済学をやっているものから見ると、効率性というのは非常に重要な概念であり、 在院日数が短いということは勿論であるが、他の要件が変わった場合には短ければよいと いうものではないので、もし最終的にこの名称が採用されるのであれば、5p<参考>に 考え方が出ているが、それなりの説明を付けていただきたい。私の判断では、意味が分か るのは5と6で、なんとかわかるのが1と4である。2と3は読んでも分からない。素人 から見ると説明になっていないと思う。もし、このまま名称を採用するのであれば、もう 少し分かりやすい説明を付けていただきたい。   ○遠藤会長  5p下の<参考>の部分はこれまで出てきたものであって、今回の事務局案は2p〜3 pの2.評価項目の名称ということで<参考>でいえばそれぞれ一番上の名称である。そ の中で項目2の効率性指数が、説明としては効率化に対する評価とあるが、それだけでは なかなか分からないので改善の余地があるということかと思う。それと、項目3の複雑性 指数についても意味が分かるようにして欲しいということである。   ○牛丸委員  1と4についても、もう少し分かりやすい説明を書いていただければありがたい。   ○遠藤会長  効率性と複雑性の話はずっと以前から議論されていたが、名称はこのままでも説明書き が付されていれば良いということであるが、事務局いかがか。   ○医療課企画官  基本小委、総会、DPC分科会との間で何度かやり取りをさせていただいた。一般の患 者から見て分かりやすいとの視点で項目の名称と考え方をどのように変えていくかとい うことかと思う。DPC分科会では名称について基本的には色んなご意見があったが、専 門の方からのご指摘としては表のそれぞれ一番上の名称を選んだということであるが、名 称については拘らないので中医協で決めて下さいということであった。もし変えるとすれ ばということで事務局が無い知恵を絞って幾つかお示ししたのが、<参考>の部分である。 あくまで専門の方々は、それぞれの項目について一番上の名称が良いが、それにはあまり 拘らないということと、その横にある考え方や定義からイメージされる内容として事務局 が何とか絞って出したのが各項目の括弧書きである。いずれにしても事務局としては強い 拘りはない。   ○牛丸委員  専門家が判断したことなのでこれで良いと思うが、大事なことは一般の患者が何を表し ているかが分かることである。名称よりも説明がしっかりなされていれば良いと思う。   ○邉見委員  私もDPC分科会にはオブザーバーとして出席している。やはり専門家は事務局案のほ うが良いとのことであるが、表の下の名称を項目の名称の右に書けば意味が分かるのでは ないか。例えば、効率性指数の右に相対平均在院日数と書いて、さらに細かい説明を書く のはいかがか。どのようにするかはこの場で多数決で決めてはいかがか。   ○遠藤会長  事務局はない知恵と言ったが、なかなか良いセンスだと思う。   ○勝村委員  専門家が拘らないというのであれば、私は<参考>に書いてある名称の中では全て一番 下が良いと思う。   ○遠藤会長  名称を少し変えたほうが良いのではないかということで意見が幾つか出ている。勝村委 員からは具体的な意見が出されたが、反対の方はおられるか。   ○西澤委員  国民がより分かるというのであれば良いが、我々専門家から見ると、例えば3番目の複 雑性指数は分かりづらいが、その下の患者構成指数だけでは誤解される面もあるのではな いか。これだけでは不十分な気がする。   ○遠藤会長  実際には複雑なことを考えているので、その意味ではきちっと意味を表すものはなかな かないと思う。いずれにしても説明書きが必要になると思う。それにしても名称はどちら が良いかということであるが。   ○西澤委員  1号側、公益委員がこちらが分かりやすいと言うのであれば構わないが、説明を付けて も誤解される恐れがあるのでもう少し配慮が必要かと思う。事務局のほうでどちらかに決 まった場合には、より実態を分かりやすくするような工夫をしていただきたい。   ○牛丸委員  私が申し上げたのは、一般の患者に分かるものということである。一番重要なことは説 明であるので、意図が分かれば良い。名称は専門家が良いというものであれば、それで構 わない。   ○遠藤会長  下の名称を使うことで逆にミスリードするものはないか。   ○鈴木委員  例えば、5番目の地域医療指数をその下の地域貢献指数にすると、それがないところは 地域貢献していないのかということになりかねないが、我々としては名称は何であれ、決 まったことをやらなければならないので、早く決めていただきたい。   ○遠藤会長  牛丸委員が言われたように、主に項目2と3が問題だと思うのが、名称はこのままにし て説明書きを丁寧にするのか、各項目の下の名称にするのかであるかと思う。   ○勝村委員  一番上の名称と下の名称とではコンセプトが違う。何が軸なのか、軸の方向性を示して いく必要がある。上の名称はX軸が何の軸であるかしか書いていない。下の名称は軸と方 向性まで示している場合があり、そのほうが良いと思う。   ○遠藤会長  具体的な提案ということで解説は付けることになるが、2と3については下の名称にす るというご意見である。反対意見はあるか。   ○西澤委員  正直をいえば、DPC自体をしっかり理解している医療関係者は少ない。できればDP Cそのものをもう少しわかりやすく国民に知らせるようなものが、大元にあったほうが良 いのではないかと思う。 それは時間をかけなければならないので、そういうことを我々も事務局も努力するという 前提の下で今回決めていただければと思う。   ○遠藤会長  あまりここに時間をかけるつもりはない。例えば、2番の効率性指数と相対平均在院日 数指標とでは、確かに下のほうが何を見ているのか良く分かるというのはあるが、なぜ平 均在院日数が短いとそこに加点されるのかが分からない。上の名称にはそれが入っていて、 つまり効率化されるからだというのが分かる。そのような微妙な言葉の言い回しがある。  異例ではあるが、多数決はいかがか。かつてやったことはないが時間をかけたくない。 説明をもう少し付ける前提で事務局原案で良いと考える方は挙手をお願いする。(多数の 委員が挙手)。   次いで、項目2と3について下の名称にする勝村案がよいと思われる方はいるか。  それ以外のお考えの方はおられるか。(挙手確認できず)  おられないか。ということは、(挙手されなかった委員は)棄権ということであるので、 どうでも良いということかと思う。   ○勝村委員  私は全部下の名称にすべきと思う。   ○遠藤会長  全部下の名称というのが勝村委員である。多数決はおそらく今回のみである。非常に軽 いテーマであるのでそうさせていただいた。軽いテーマといっては失礼であるが・・・。 多数決の結果では原案通りということであるが、中身がもう少し分かるような説明書きを 付していただきたい。他にご意見等がなければ、基本的には事務局提案に従う形で実行し ていきたいと思うので、よろしくお願いしたい。  次に診療報酬において後発医薬品調剤体制加算等の算定対象となる後発医薬品の考え 方について議題としたい。事務局より資料が提出されているのでご説明をお願いしたい。 ○薬剤管理官 (資料総4−1、4−2に沿って説明)  まず資料4−1について説明したい。今回議論いただく診療報酬上の後発医薬品の考え 方について、水曜日の総会において特に先発医薬品より高い後発医薬品があることに関し てどう整理をするか議論いただいたところである。それについて整理したペーパーを出し て欲しいという意見があったので、関係の資料を提出させていただいている。総4−1 のP1をご覧いただきたい。まず、後発医薬品というのはここに記載しているように生物 学的同等性試験の結果等から、品質、有効性及び安全性について先発医薬品と同等である ことを確認して薬事法に基づいて承認されるものというのが定義である。後発医薬品につ いては、開発に要する費用が先発医薬品よりも少なく、その結果、先発医薬品の薬価より 低いというのが一般的である。そのため患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資すると いう点から、診療報酬上の評価をしてきたということである。これまで診療報酬において そういった一種のインセンティブをどの品目に対して与えるかということについて、それ をリストにしたものが前回お示しした診療報酬上の後発医薬品のリストである。P1の 3に記載している評価項目で使用している。  第2であるが、平成22年度診療報酬改定における対応ということであるが、先ほど申 し上げた先発医薬品よりも後発品の薬価が高いものが一部ある。事務局からはこれら薬価 が高くなる品目について、あくまでも後発医薬品ではあるが、診療報酬上の評価の対象に することについては、先ほど申し上げた患者負担の軽減等に繋がらないことから、ここ に記載している加算等の算定対象となる後発医薬品のリストから除外して、診療報酬上の 評価の対象にはしないということを提案している。前回の議論において、特に薬局におい てこれまで数量ベースでの評価をするということも議論にあり、色々な準備もしてやって きたところ、この段階でこのような対象範囲が変わるということについては非常に問題 ではないかという意見もあった。確かに薬局での対応については、考えないといけないと ころがあろうかと思っている。そのためP2の2番において、一生懸命努力をされて対応 された場合については、1月から3月の調剤数量の実績で要件を満たす薬局については、 平成22年9月末までの半年間、要件の一割以内の変動の範囲の実績で加算の算定を認め るような扱いで経過措置を設けてはどうかということでお示ししている。  また、どういう品目が対象なのかということもあるので、P3、4に亘って、現時点で 先発医薬品と後発医薬品の薬価が逆転すると見込まれるものについて掲載している。例え ばバルプロ酸ナトリウムというてんかんの薬であるが、該当する後発医薬品、つまり先発 医薬品より薬価が高くなる見込みの後発医薬品としてハイセレニン細粒40%というシェ リングプラウの後発医薬品があり、先発医薬品がデパケンということである。以下、同じ ような記載をして、どれが具体的に先発医薬品より薬価が高い後発医薬品となることが見 込まれるか品目名を記載している。全部で8成分ある。P4をご覧いただきたい。まだ薬 価改定の作業中であることもあり、若干の変動がある可能性があるので、その際には薬 価改定告示に併せて、最終的な除外品目のリストについて公表させていただくことでいか がかと思う。  このような整理をさせていただき、総4−2について説明させていただく。水曜日に出 させていただいた短冊を修正するとすればこのような形かと思う。特に、後発医薬品とい う言葉が多数出ているので、ここで記載している後発医薬品が元々の薬事法上の後発医薬 品を言うのか、診療報酬上の評価の対象となる後発医薬品のことを言うのか、どちらな のかはっきりさせて欲しいという意見もあったので、P1に記載のとおり、今回、診療報 酬において加算等の対象となる後発医薬品という趣旨で記載しているものについては、網 掛けして*をすることで明示させていただいている。P2をご覧頂きたい。数量ベースで の評価については、この新しい後発医薬品の範囲でカウントしていただけないかという ことである。P3をご覧いただきたい。含量規格違いで類似した別剤形への変更調剤につ いても同じである。P3の類似した別剤形について、少し違う話であるが水曜日の議論に おいて特に外用剤についてはいくら類似していると言っても治療上の使い分けを医師の ほうでかなりしているという意見があり、そういったものを薬局で変更されるのはいかが なものかといった指摘もあった。その結果、後発医薬品への変更不可が非常に増える可能 性があるのではないかという指摘もあったところである。事務局としてはその指摘も踏ま え、「なお、外用薬については、処方医への確認を要しない変更調剤の対象外とする。」 と変更させていただいたところである。P4についても先ほど同様、後発医薬品について 網掛けをしている。また、医療機関における後発医薬品使用体制加算についても、診療報 酬上の評価の対象となる後発医薬品でカウントするということで記載している。P5であ るが、療養担当規則についても、同じものということで記載している。P6、7には同じ 品目のリストを掲載し、前回の議論を踏まえ事務局から提示させていただいている。以上 である。 ○遠藤会長  前回までの指摘に対応して修正したものが提出されているということである。ご意見等 はあるか。 ○三浦委員  まず、短時間でこれだけ資料をきちんと準備いただき、詳細についてもわかるように修 正いただいたことについてありがたく思う。また、対象となる品目についても具体的に挙 げていただいたこと、経過措置の期間についても具体的な内容を明示いただいたというこ とで、大変感謝申し上げたい。  しかしながら、資料にも記載のある通り、対象となる品目数については前回説明いただ いた時より増えているように思う。また、なお書きの部分にも説明があるように、最終的 にはもっと増える可能性があるということも書かれている。それを考えるとむしろ不安も 増すような気持ちになるのも現場としてはあるという気がしている。  もう一点、調剤報酬や診療報酬に影響する部分が出てきたということで、これを検討し て行く時間が必要ではないかと思う。そういったことを考えると、今回の件について、元々 薬価制度上の問題であるが、それが診療報酬や調剤報酬において吸収するというか、そち らに持ってこられること自体がなかなか難しい気がしている。そもそも薬価の値付け、算 定ルールの見直しをきちんとしていただかないと、この根本的な問題は解決しないのでは ないかと考えている。  この問題については元々骨子等において、今まで触れられていないし議論もされていな かったと思う。ましてこのタイミングで突然こういった提案をされてもなかなか検討でき ないのではないかという点もある。このことが現場に与える影響というのを私自身心配し ている。従って、この部分の提案については、再度、次々回の改定において改善すべき問 題として、今回は見送っていただき、今後さらに検討いただくというかたちとしていただ きたいと感じているところである。 ○白川委員  三浦委員の仰る通り、この時期になって突然この話が出てきたことについては私どもも 驚いている。ただ、少なくとも後発医薬品で先発医薬品よりも値段が高いものを加算の対 象に入れるということ自体は本末転倒であり、やはり分かった時点で外すべきと考えてい る。確かに薬価の算定ルールの問題、根本的な問題があるというのも理解できるが、それ が故に2年間、我々としては納得のいかないかたちで加算の対象になるということは認め ることはできない。  指摘された問題については今後検討しなければならないと思うが、この時期であるので、 今回は6ヶ月間の経過措置で現場の皆様方の混乱を少しでも緩和しようという提案にな っているので、経過措置というかたちでご納得いただき、今後、きちっと検討するという ことでいかがかと考えている。 ○三浦委員  白川委員の話はもっともである。例えば後発医薬品に変えたから値段が高くなるといっ た時の評価の問題点は今ご指摘があった通りかと思う。なぜ検討する時間が必要かという ことを申し上げると、具体的に様々な問題があるというように考えている。例えば具体的 には3番目にあるテオフィリンについて、テオドールが先発医薬品であるが、テオドール 錠の50mg薬価が1錠8.9円であり、2錠×1で服用すると17.8円である。薬局 においてテオロング100mgの在庫があった場合、テオドール50mg2錠をテオロン グの100mg1錠に変えることを考えると、現時点ではテオロングは後発医薬品なので 変更できるが、今後は後発医薬品にならないということで変更できなくなる。 しかし、実は100mg1錠に変更すると13.9円と安くなるということがある。こう いったものが変更できなくなるなど、一見して問題点があると思ったので、そういったこ とが出来ないということであれば、仕組について検討を要するのではないかという意味も 含めて、今後、検討したほうが良いのではないかという意見である。 ○安達委員  薬剤管理官を困らせるつもりはないが、後発品の使用促進は何度も議論してきたが、同 一の成分であって同一の生物学的効果が保証されているものについて、そちらのほうが安 価であることが患者負担や医療保険財政の改善に資するということが目的であるかと思 う。つまり、世の中一般には先発品が高くて後発品が安いが、同じ薬効であり同じ成分の ものが2種類存在している。こんなことは今から面倒だろうが、目的が財政改善であるな らば、本当は高くなっている後発品を調剤薬局の加算の対象となる品目から外すだけでは なくて、現実に2つあるなら既収載の安いほうを品目の候補に入れるべきである。そうで ないとこの考え方は矛盾があり成立しないと思う。品目数が少ないしあまり影響はないの かもしれないが、本来はそう有るべきかと思う。つまり先発品と後発品の価格が入れ替わ っていること自体の構造的問題は議論しないといけないか、現状においてそれがある中で この制度を設定するのなら、本来はそういったかたちであるべきだと思う。意見として申 し上げる。 ○牛丸委員  総4−2の後発医薬品の使用促進についてであるが、3pの(2)には処方医に改めて 確認することなく変更出来ると記載されているが、4p(3)には、※「当該処方せんを 発行した医療機関に情報提供することとする。」とある。これは事前に確認する必要はな いが、事後的に情報提供する必要があるということか。 ○薬剤管理官  まさしくその通りであり、事後的に連絡するということである。 ○牛丸委員  事後的に連絡するというのはあまり意味がないのではないか。処方せんの銘柄を変更し たときにその情報は医師ではなく医療機関にいくので、結局チェックなどはされないと思 う。そこまでするものなのか。 ○薬剤管理官  その点は議論があり、特に普通の患者さんの場合は継続的にかかられている方が多いと 思うし、また、薬が変わったり医療機関が変わったりもするので、その点についてはきち んと処方医に連絡して確認できるようにするというのが大事だということである。検証の 結果でもそういった情報をきちんと処方医にフィードバックしてもらいたいという意見 が多かったし、また、中医協でも基本小委であったと思うがそういった意見もあり、この ような記載となっている。 ○遠藤会長  他にご意見はあるか。大体出尽くしたように思う。1号側、2号側の意見は非常によく 理解できる。基本的には価格が逆転しているということは想定していなかったわけである が、それがもっと早い段階でわかっていればそれなりの対応、議論ができたわけであり、 その辺りは大変残念だと思うが今更いっても始まらない。先発品より高い価格のジェネリ ックの使用をジェネリック使用促進のインセンティブの対象とするということについて は基本的な方針と合わないと私は思う。品目数も多いというわけではないし、私としては どちらかというと白川委員のご発言が全体のスキームから考えると共感を持つところで ある。そういう意味で一定期間の経過措置も設けられている原案があるので、一部修 正があるにしてもこの事務局案で纏められないかというのが率直な気持ちであるがいか がか。公益委員としては少し踏み込んだ話をしている。 ○三浦委員  後発医薬品に変えて薬価が高くなるということについて、現場でそういったことをした 場合に薬剤師からも説明が付かないし、実際にはそういったことはないというように考え ている。基本的にこの品目名が表に出れば、その時点でそういったことにはならないと考 えている。それよりも先ほど申し上げたような様々なマイナス面も出てくるのではないか という懸念があるわけであり、少なくともこれについてさらに精査させていただく時間を いただきたいという考えで意見を申し上げている。 ○遠藤会長  それは十分に理解している。なぜこのような逆転が起きるのかということについてまさ に薬価制度の問題点を、次年度以降、薬価制度を考える中でもちろん精査していかないと いけないが、それを待つというよりも今回は事務局原案で行くべきではないかということ を申し上げたわけである。 ○嘉山委員  私は白川委員と同じ理屈で、結論は白川委員と反対である。現場からの声が三浦委員よ り出ているわけである。元々後発医薬品のほうが高くなるような、薬価制度の仕組の問題 がある中で突然出てきた話であり、さらに影響が0.数%ということであれば、現場が非常 に問題であるというのであれば却下しても良いのではないかと思う。先生は突然出てきた があまり影響がないのであれば入れて良いのではないかということだが、逆にあまり影響 がないのであれば、現場が困っているのであれば却下しても良いという理屈も有るかと思 うがいかがか。 ○白川委員  私は影響が小さいからこれで良いのではないかということは一言も申し上げていない。 理屈として価格の高いものを加算の対象にするということについては反対であると申し 上げたところである。現場が混乱するということもわかるし、新たな患者さんが見えたと きにわざわざ高いものを推奨することはないという三浦委員の話ももっともだと思う。た だ、例えば慢性疾患の方で急に薬を変えられないという方もいるだろうし、簡単に言うと 薬局の在庫の問題も恐らくあるのだろうと思う。20mgと40mgで片方は値段が高く、 片方はそうでないといったこともあるということは理解する。  ただ、そうは言っても原則は曲げるべきでないと思う。現場の混乱を防ぐために6ヶ月 間の経過措置を設けることが、私としては妥当な線ではないかと思っている。 ○嘉山委員  白川委員の話について私に誤解があった点については訂正させていただく。ただ、先生 が仰るように全て原則でこの委員会が議論しているかというと、私は入ってまだ10月か ら1月の4ヶ月であるが、この間中医協の議論を聞いていてこれ以外にも原則どおりでな いものも沢山あるように思う。現場の三浦委員の意見をご理解願えないのかと思う。全て 原則どおりであれば我々も言いたいことが沢山あり、積み上げればアメリカの医療費と同 じくらいに積み上げてしまう。 ○白川委員  原則どおりという言葉にこだわるなら、本年4月からということになる。ただ、現場の ことを考えて6ヶ月の経過措置を設けることについては仕方がないというように申し上 げているところである。 原則、原則と錦の御旗のように振り回しているわけではない。 ○三浦委員  私も中医協のルールはまだ良く分からないが、突然今日パッと出てきてかなり字も増え ており、これについてすぐに反対、賛成というのではなくもう少し検討する時間をいただ きたいと思う。白川委員の仰った通り、私どもも思いはまったく同じである。現場を代表 する身としてはこれについてどういった対応をしていかなければならないのか、先ほど申 し上げたような具体的な現実があったときに、どのような説明をすれば良いのかといった ことを検討するためにも、少し時間をいただけないかということを申し上げている。 ○遠藤会長  確認するが、先ほどの三浦委員の意見は、次年度以降その辺りを検討したいという話で あったが、次年度にこのルールを修正するかたちで入れるとした場合に、三浦先生が検討 する時間は非常に短くなるがそれで対応可能なのか。つまり、本案の修正、なんらかの意 見を短期間で纏めることは可能か。 ○三浦委員  原則であればやはり白川委員の仰る通りかと思う。実際には先ほど申し上げたとおり、 こういった現実は少ないだろうと、ましてや繰り返しになるが品目が出てくればそれを変 更するということはないというのが実態であると思う。それにも関わらず今までずっとこ れを後発医薬品だということで在庫したりしてきたものが、毎回毎回の薬価の改定で変わ るということについて我々としては現場の声としてわかりましたというわけにはいかな い。 ○西澤委員  これについては確かに後発医薬品が先発医薬品より高いものがあるということ自体が おかしいということかと思う。今回は薬価改定における算定ルールがおかしかったのかと 思う。そのあおりを受けて我々が議論をしている。その点を事務局としてしっかり認識し ていただきたい。  一つの考え方として確かに高いものを加算の対象に入れるのはルールとしておかしい のでこれは変えるべきだと思う。ただ、今すぐ変えるかどうかについては、三浦委員の言 うように急に出てきて判断しろと言われても、三浦委員の背中には色々な方を背負ってい ると思うので気の毒な気がする。三浦委員に少し時間を与えて欲しいということで、今回 は止めるということまでではなくても、どこかで妥協案を得る時間を与えていただければ と思う。  原則論で言うと、後発医薬品は安いという誤った情報の中での原則論である。やはり今 回それが変わったわけなので、原則論から言うとおかしいというのは少し違うのではない かという気がする。 ○遠藤会長  嘉山委員、手短にお願いする。 ○嘉山委員  会長、直ぐに手短というが大事なことである。やはりこの原則は白川委員の仰ることが 原則だということは我々もわかっている。なぜ高いのかということも問題であると思う。 現場が一番困るということで、うまくみんながハッピーになるためには期間が問題ではな いかと思う。我々としては6ヶ月というのを9ヶ月などであればいかがなものかと思う。 それが現実的ではないかと思う。 ○遠藤会長  前向きな意見であった。経過措置を伸ばすとういかたちで妥協を図ろうという極めて中 医協らしい話であった。例えば具体的に9ヶ月というのが出たが、1号側はいかがか。 ○白川委員  そういうことであれば原案と違う話なので我々は相談する必要がある。ただ、正直言っ て私が一番心配しているのは在庫である。その点については薬局にかなり負担をかけるこ とになるのではないかと思う。その状況は私どもはまったく承知していない。従って6ヶ 月が良いのか、9ヶ月が良いのか、3ヶ月が良いのか、正直言って判断できない。その辺 りの感じは率直なところ三浦委員はどのようにお考えか。 ○三浦委員  もちろん2年間というのが一番良いが、そういうわけにもいかないという事情もよくわ かる。実際に最近長期処方が増えている。必ずしも患者さんご本人が処方せんをお持ちに ならないこともある。ご本人を確認してこういった説明をした上で、薬を渡す際に、実際 には3ヶ月分の処方、6か月分の処方に対応することが沢山ある。そういった意味も含め て、在庫のことも大変心配していただいてありがたいが、なんとか1年ということであれ ばどうかと思う。私の一存で怒られるかもしれないが。 ○北村委員  仰ることはわかるが、これが出た瞬間に世の中にオープンになるかと思う。そうすると やはり高い方は普通選ばないと思う。これは素晴らしい薬なのか。使わないといけない薬 なのか。 ○鈴木委員  商品名を見ると、これは病院で多く使う薬である。在庫を多く抱えているところもある だろうし、 長期処方等のことも考えると、三浦先生が現場に近いのでそのご意向を尊重したいと思う。 ○北村委員  そうだとすると診療報酬の成果を優先するか、患者さんの負担を優先するかという原則 論かと思う。 ○森田委員  素朴な質問である。提案は、後発医薬品のほうが薬価が高い場合には加算をしないとい うことだと思うが、その場合後発医薬品が使われたとしても、患者さんは加算の部分だけ 安く薬が買えるということになり、調剤薬局にとってはその分だけ収益が減ることになる と思う。患者さんの利益を考えた場合に加算を残したほうが良いといった意見があったが、 それは少し違うのではないかという印象をもった。   ○三浦委員  その通りかと思う。今までこれを後発医薬品だとしてずっと在庫して、薬をお渡しして きている。その在庫が4月1日で突然後発医薬品でないということになった時に、これだ けではなくて沢山後発医薬品の在庫が薬局に増えている中で非常に困ると思う。例えば全 て100錠ずつで購入しているわけではなく、1,000錠で買っているものも現場では ある。そういった場合に1,000錠も買ったのに、といったことが実際に起きるのでは ないかと心配している。 ○森田委員  どちらが買うのか。患者さんが1,000錠買うのか薬局が買うのか。結論としてはそ の部分のコストを薬局が負担するのか、患者さんないし保険者側に負担させるのかという 話になると思う。その場合に確かに薬局側がコストをすべて背負い込むのは多いとしても、 経過措置期間でその分だけはリスクを分担しましょうというのが提案と思う。経過措置期 間がどのあたりが適切かについては議論があると思うし、公益委員であるのでどちらかは 申し上げないが、問題の整理としてはそういうことかと思う。 ○遠藤会長  率直な話をすると。結局こういった具体例が出てしまった以上は経過措置期間が半年だ ろうが一年だろうが売れないことは同じだろうということで、在庫の処分というのはあま り関係ないのではないかというのが北村委員のご意見かと思う。 ○三浦委員  突然のルール変更は困ると申し上げている。 ○森田委員  在庫処理に関して突然のルール変更で生じる調剤薬局側の負担を、患者さんと保険者の 側に負担してもらおうという意見と理解して良いのか。 ○三浦委員  そういったことではなく、今まで薬事法上の後発医薬品と診療報酬上の後発医薬品とい う考え方がなかったわけである。その点を突然出されてルール変更がなされることについ て、いかがかと思っている。 ○遠藤会長  三浦委員の意見はある意味で非常にはっきりしており、当然売れると思っていたのによ り売れづらい状態が突然出てきた。従って一年間の間に対応を考えるので施行しないでい ただきたいということかと思う。 ○北村委員  有効期限はどのようになっているのか。いつも人気の高い薬なのだと思うが、だから在 庫も沢山抱えているということかと思う。購入する時にはすでに先発医薬品より高いとい う事実は診療側の皆さんもご存知だったのだと思う。しかしそれがジェネリックの使用促 進ということで非常に手厚く扱われていたということがあるのだと思う。 ○三浦委員  有効期限は3年などあるのでその点については問題ないと思う。むしろ何度も申し上げ ているように今まで後発医薬品だということで一生懸命推奨してきた中で、急にルール変 更があったということをどう考えるかということだと受け止めている。 ○勝村委員  あくまでもこの医薬品を処方したときの加算をなくすということであって、処方は継続 して良いということだと思う。そうすると今までこの薬を処方されていた患者さんからす ると、このまま続けてもらっても、加算分がなくなるので、大きな戸惑いというよりは少 し安くなるような感じになるわけで、もし急に4月に加算をなくしたとしても急に売れな くなるとか、使用していた患者さんが使うのを嫌がる、ニーズが低くなるというようには ならないのではないかと思う。  また、皆さんが仰るように一定の期間を設けることについてはどのくらいが適切なのか わからないが、その点は三浦委員のご意向をある程度尊重すべきだと思っている。ただ、 後発品のほうが高い場合があったというのは、私からすると普通の感覚では非常に衝撃的 な話であり、あってはならないことでびっくりする話である。後発品のほうが安いからこ そ後発品の使用に加算をつけたのであるから、根本的な議論をする必要がある。それと同 時に、急に道で倒れたようなものなので、応急処置も絶対に必要だと考える。猶予期間が あるにしても今すぐに何らかの応急処置が必要でありそれは決めておくべきだと思う。 ○三浦委員  仰っていることはもっともである。加算についてそれを外すなと言っているわけではな い。例えば後発品に変えたときの加算について、今回それを付けてさらに先発品より高い 後発品をお渡しするということについては確かに私どももどうかと思う。  もう一点の問題は、後発医薬品調剤体制加算は全体の数量で何%となっていることが問 題点としてあり、その点についてもこういったものが外されるということになると一つ大 きな問題である。分母と分子から外すのであれば良いのかもしれないが、その点も問題と してある。現場で患者さんに値段が高いのに加算を取るのはいかがかということについて は十分に理解するが、それは良いとしても全体で計算するときに今までやってきた考え方 が急に変わるということはいかがかと申し上げている。 ○遠藤会長  1号側、2号側の意見は非常によくわかった。事務局にお聞きするがこのような状態で あり1号側、2号側の考え方が一致していない。これをもう一回議論をする時間はあるの か教えていただきたい。後一回くらいは可能なのか。 ○医療課長  あると思う。 ○遠藤会長  そうであれば次回、本日の意見を踏まえ、また事務局で案を作っていただきたい。そこ でもう一度議論をしていただき、合意が形成されなければ両側からの付託をいただいて公 益から案を出すという段取りにするしかないかと思っている。1号側、2号側ともそれで 良いか。それではそのような段取りで進めたいので、事務方にはよろしくお願いしたい。  次に、明細書発行の促進について議題とする。まずは事務局からの説明をお願いする。 ○保険医療企画調査室長 (資料 総−5−1、総−5−2、参考資料に沿って説明) ○遠藤会長  前回の議論を踏まえて若干の修正が行われたものである。 ○白川委員  明細書の発行については、我々1号側は何年にも渡り議論を重ね、明細書の無料発行を 訴えてきた。前回も2号側から問題点の指摘があったが、今回は何とか決着をつけていた だきたいというのが我々の気持ちである。事務局にご苦労頂き、修正案を出していただい たが、この修正案について1号側は意見が一致しており、是非2号側に了解いただきたい というのが我々共通の気持ちであるため、まずは冒頭にて説明させていただいた。 ○渡辺委員  小規模な歯科診療所の状況を理解し、今後そのあたりを調査、検討することを実施いた だけるのであれば、原則として明細書発行については賛同することとしたい。 ○嘉山委員  全体的に我々も賛成する。ただし、国家が制度を作った際に、その責任を個人に押し付 けることは止めていただきたい。先ほどの診療報酬上の後発医薬品の定義に関する議論と 同様、国家の制度が間違ったにもかかわらず、個人に押し付ける。そこが日本のダメなと ころである。中医協がちゃんと対応しなければ、いつまでたっても問題が起きる。要する に、ここで国家として決まった以上、我々は協力する。ただし、明細書を出した医療側で はなく国家が責任を負うような形にしていただきたい。 開業医の先生方も明細書を出すことになるので、その先生方に責任を問わないということ をお願いしたい。そうすれば医療側の不安も取り除けると思う。 ○邉見委員 私もこの案に賛同する。しかし、今後のことを少し申し上げる。  まずは診療報酬点数表の簡素化である。国保の審査委員を18年行ったが、分からない ことがたくさんある。診療側でさえわからないようなものがたくさんある。パブコメの意 見の中にも12pに記載されているように、「医療機関は医療内容を患者に説明する義務 はあるが、複雑で説明が困難だ。診療報酬の内容、仕組みを患者に説明する義務は無い。 これは保険者、国に説明責任がある」と書いてある。保険者は難しいと思うが、国や都道 府県がホームページなどを活用して、患者がすぐに相談できるような体制を整えるべきで ある。忙しい現場の医療機関に負わせるのは無理である。明細書発行については、告知問 題と簡素化と説明に対する医療機関の負担軽減をやっていただきたいと思う。私自身外科 医であるが、外科の手術がこんなに安いのかということが国民にわかっていただき、内外 価格差についても、医療機器は外国が安い日本が高く、手術は日本が安く外国が高いとい う図式が良くわかるので良いと思うが、課題もあると思う。 ○鈴木委員  文言が修正されたので基本的に同意したいと思うが、制度がスタートした後に問題が発 生する可能性もあるため、今後は見直しを含めた議論を行うことを含めた実施ということ でこの案に同意したい。 ○三浦委員  賛同する。もともと薬からの被害である副作用等がないように人を守るのが薬剤師の役 目である。そのような意味では勝村委員と同じスタンスである。問題は明細書のわかりに くさであり、今後どのようにしたら患者さんが明細書を理解しやすくなるのかを検討して いく必要がある。 ○小林(剛)委員  2ページの正当な理由の考え方については、基本的には例外規定であり限定すべきと考 えている。イの「画面切替え等に一定の時間を要するレセコン」という部分については、 前回の議論で安達委員から削除しても良いとのご発言があったが、発行を希望しない患者 には発行せず、希望する患者は30秒以上かかっても待つであろうから、私自身もこれは 削除して良いと考える。 ○安達委員  個人診療所に関しては私から回答させていただくが、そのご提案どおり、削除していた だいて結構である。私自身、全国の診療所で使用されているレセコンを全て把握している わけではないが、画面を切り替える場合にはレセプトを出さなければならない。それには 膨大な時間がかかる。このような対応をしなければ明細書が出せないレセコンは無いと認 識している。  次に経費の話であるが、ソフトを新たに導入しなければならないケースが出てくると思 う。明細書発行が原則義務化になればソフト制作会社はそのソフトを開発する機会が生ま れるが、一方でそのソフトは我々からすればなぜこのような高い価格になるのか理解しが たい代物であるので、この場で発言させていただければその価格も配慮いただけると思い あえて発言させていただいた。  もう一つは、邉見委員もおっしゃった診療報酬点数の中身の簡素化についてである。輸 血は手術コードで運用されているが、そこがおかしい。輸血を受けた患者からすれば、私 は手術を受けていません、となるため、そのあたりを簡素化と含めて検討する必要がある。  最後は嘉山委員が仰った責任の所在の点であり、病院ならまだしも、診療所であれば医 師一人が責任を背負うことになるため、それはお考えいただきたい。胃がん患者がいて、 病名が無くても明細書の内容からわかってしまう可能性があり、明細書の発行を時系列的 に見た場合には、本人への告知タイミングと逆になることもあるので、何かしらの措置は 講じていただきたいと思う。 ○遠藤会長  2号側から大変見識のあるご意見があった。2号側からは今後明細書発行に伴い、様々 な課題が生じる可能性があるため、次年度以降も継続して検討していただくことを条件に 内容について了解いただいたとのことである。1号側何か意見はあるか。 ○勝村委員  1号側の総意にご理解いただき、感謝申し上げる。我々も明細書発行に伴って発生する 問題があれば配慮する必要があると考えているので、今後も検討していきたいと思う。 ○清水代理人(支払側・全日本海運組合)  前回、公益の小林委員がご指摘された点については全く同感であり、それに尽きると思 う。今回の取り纏めは、そういう意味では非常に大きな一歩だったと思っている。そこで 周辺的なことで恐縮であるが、厚生労働省にお願いしたい。明細書を患者が希望しない場 合は発行しなくて良いことになるが、明細書がどういうふうに必要になるのかということ について、是非、国民に情報提供していただきたい。と言うのも、傷病によって、あるい は患者の持っている情報の量によっては年金の障害給付の請求が10年も20年も遅れたり することが、よくとは言わないまでも割りとある。そうなった時に、初診日における傷病 名や治療内容の事実が確認されないと需給に結びつかないことがある。あるいは再発した り、事後重傷請求する時に、初診時にどうであったかということが給付する場合に大きな 問題になることがある。何年も経つとカルテの保存期間の問題もあり、また、医療機関そ のものが廃院になっているということもあって、なかなか証明が難しい。このような明細 書が発行されることになると、こういった問題に際して証明できる可能性が広がるという ことが期待できる。全てのケースでと言うことではないが、どういったときにこの明細書 が活用できるのかということについても、ここにおられる方の直接のご担当ではないかも しれないが、そういった周辺的なことにも取り組んでいただきたい。お願いである。   ○嘉山委員  少し誤解があるようである。明細書には病名は書かないので診断書とは違う。   ○清水代理人  カルテがあれば一番良いが、今の状況では例えば診察券であるとかそれに付随する何か 書類があれば、診療があったという事実を判断する一つの材料にされているので、傷病名 の記載がなくてもどのような薬剤が出されているのか、どのような治療がなされているの かといったあたりのことが分かれば、判断するときに活用できる。   ○嘉山委員  そうであれば国民のためになるので良いことである。   ○遠藤会長  事務局から何かコメントはあるか。それでは、このスキームは2号側の了承を得たとい うことである。先程、小林委員から削除してはどうかという案があったが、これについて 事務局からお答えいただきたい。   ○調査室長  安達委員からの意見もあったので、具体的には2pの「イ」の付与されていても画面の 切り替え等・・・の表現については削除した形で最終版で整理させていただく。   ○安達委員  それでよいと思うが、一応確認していただきたい。私の知る限りでは無いが、今使われ ている機種でそのようなものがあったときには非常に気の毒である。細かい話であるが。   ○調査室長  細かい部分については実務の段階で通知や疑義解釈を整理する際に十分配慮していき たい。   ○遠藤会長  そのような配慮で宜しいか。   ○渡辺委員  現時点ではそれで良いが、この「イ」に類したものとして時間を要するということは、 機械そのもののハードの動作時間ではなく、人がつかなければならないであるとか、アシ ストする方からすると発行に時間を要するといったイメージもあるのではないか。   ○安達委員  基本的にそれは織り込み済みであろうかと思う。その点に関しては、「総−5−1」の 1の3つ目の・がそのことを申し上げている。この意見に沿って我々は色んなところで意 見を申し上げなければならないということがあるかと思う。   ○渡辺委員  これからその別添が検討課題であるということか。   ○安達委員  この案件については、私は検討していただく必要はないと思う。別のところで若干関係、 影響することがあるとは思ってはいるがということだけである。   ○渡辺委員  論点整理の中で、今後の対応に書いてあることを今後対応するという確認である。   ○遠藤会長  他にご意見等がなければ、次に平成22年度診療報酬改定における個別改定項目につい て議題としたい。これから短冊の議論に入るが、今後の議論の中で付帯意見にすべきとい うものがあればご指摘いただきたい。それでは資料が提出されているので事務局に説明を お願いする。 ○医療課長  (資料「総−6−1」について説明)  資料は「総−6−1」「総−6−2」がある。この資料の性格付けについてまずご説明 する。これまではどちらかというと入院を中心にご議論いただいていたが、「総−6−1」 はどちらかというと外来を中心にご議論いただくものである。 それから入院にも外来にも共通するものであるが、いわゆる技術に該当するものは「総− 6−2」ということで整理している。差しあたって「総−6−1」を説明させていただく。 (以下省略) ○遠藤会長  それでは議論に入りたい。議論は少し分けたほうがよいかと思う。まずは1p〜17p の在宅における専門医療の評価までを行いたい。これについて何かご意見あるか。 ○安達委員  6pの肝炎治療の推進について、前回様々な意見を申し上げた。この考え方について改 めてまとめて申し上げたい。基本的には肝炎治療の対策は重要なことと医療側としても認 識している。この肝炎治療を推進するに当たって一番大事なことは、助成対象の拡大と患 者自己負担の軽減である。これは診療報酬の外の話である。現に1月の国会において鳩山 首相の施政方針演説に中でわざわざ具体例として取り上げている。実行すると名言をして いらっしゃるので、大いに進むであろうと我々は理解して喜ぶべきものと思っている。そ れで実際に医療現場はどうなるのかと言えば、病院や基幹病院におられる肝炎の専門家の 先生方がその病態を把握された上でIFNを注射するが、その後数時間にわたって発熱、 全身倦怠感の副作用が生じる。朝にIFNを打つと日中の活動時間帯にそれが起こり、患 者のQOLは著しく損なわれるので、夜打つのが一番いい方法である。病院は朝の診療だ けで夜の診療がない場合が多いので、その場合には当然個人診療所が受けることになる。 月に何回もやることであるので、それが一番患者の利便性がよいことになる。その時に付 随的に個人診療所が受ける場合に、レセプト点数が平均より高点数となると、集団的個別 指導の対象となりそれがネックになると申し上げた。レセプトの内容で高点数となるのは 何もIFNだけではない。集団的個別指導がスタートして10年くらいになると思うが、 この間に外来で行われる診療内容は変わってきている。そういうことを含めて改定後 にどこかで審議していただきたいという要望をさせていただく。  実際の加点についてであるが、病院や診療所のそれぞれ計画料は、検査等は包括しない で診療情報提供料に加算するという話であるか。 ○医療課長  包括は全くしていない。単純な加算の形である。 ○安達委員  そうだとすると、ではこの加算をつけると何が肝炎治療の推進になるのか。この前にも 申し上げたが、強いて言えば加算がつくと患者も負担になり保険者も支払うことになるの で、そのことの重みを病院・診療所がさらに受け止めて、より丁寧な診療情報提供書を書 くことくらいしか思い至らない。反対するわけではないが、何せ外来は400億円の財源 と限られている。このようなものがなくても根っこに診療情報提供料がある。肝炎に関し てやりとりする際に、加算が検討されていない他の疾患よりも手間がかかるわけではない と思っている。加点するとすればそれほど大きな規模の点数は要らないという意見である。 ○遠藤会長  事務局に確認したい。肝炎インターフェロン治療連携加算により、何が肝炎対策の上で 期待できると考えているのか。 ○医療課長  一般論的なことで申し上げると、これまでの社保審であるとか骨子の中でも各疾病対策 が重要だということで、具体的に名前も挙げられている。肝炎対策は非常に重要であった と認識している。一方でまた肝炎対策の一環として、健康増進法に基づく検診などにおい て、検査が実施されていると聞いている。そうした方がスムーズに的確な治療を受けてい ただくことが非常に重要である。しかも政策誘導的な面もあってこの点数をつけていくと いうことである。それからもう一つは肝炎IFNに慣れていらっしゃる先生、あるいは本 当に専門的に長い間治療に携わっていただいた先生にとってみれば経験や知識でやって いけるということかもしれない。しかし、元々副作用の面で、発熱があったり、具合の悪 い方があったりとIFNが発売となり治療に使われるようになってから、種々問題視され ていた。従って適宜専門病院と連携を取りながら、治療方法はこのままでいいのかどうか、 キャッチボールをしながら患者のフォローをしていくことが重要である。これも一般的な 話となるが、医療機関毎の連携・分化を進めていく上でも、病院だけで治療を完結するの ではなくて、地域に帰って通いやすいところで治療を受けられるというようないわゆる連 携システムの政策誘導的なもので推進していると考えている。 ○遠藤会長  その中で安達委員においては、あまり必要性は感じない、高い点数は必要ないだろうと いうご意見であった。もう一つ集団的個別指導の解消の方法については、中医協で議論す る内容か。 ○医療課長  結論から申し上げると、中医協でご議論いただく問題かどうかということはあると思う。 勿論最終的には良い医療を提供する、あるいは健康保険法に基づいて良い医療を行う上で、 指導監査というものが大いにネックになっているという場合にはご議論いただいてよい。 一般論で申し上げると、今回の場合は監査におけるルール大綱についてもう少し柔軟な考 え方とかあるいはもう少し現状にあった在り方があっていいのではというご指摘であっ たと思う。別な場面で検討し、必要に応じて中医協に報告するという形なのではないか。 ○安達委員  それで結構である。境目のような話であり、必ずしも中医協での議論を要望したという わけではない。   ○遠藤会長  貴重なご意見であった。他に何かあるか。 ○鈴木委員  4pの外来化学療法加算であるが、これは包括病棟に入院されている患者に対しても認 められるのか。 ○医療課長  DPCは入院ということになっている。包括されている部分は入院に係るものであり、 こちらは外来化学療法で外来である。包括病院といえども外来は包括されていないので加 算は算定できる。   ○鈴木委員  療養型、回復期、亜急性期というところではどうか。 ○医療課長  算定できない。これは複雑化・高度化した外来化学療法ということで、基準は見ていた だく必要はある。 ○安達委員  要するに外来ということなので、在宅や住まいという観点に類似したところにいるとい う考えなのか。入院は不可ということであるか。   ○遠藤会長  どういう時に算定できるのか、整理して教えていただきたい。 ○医療課長  おそらく今のご質問は、どこかに入院している方が通ってくる形でお出でになって、そ こで外来化学療法が算定できるかというご質問と理解した。それは対診のところで整理を した考え方に沿ってということになる。但し、この加算は取れないということで宜しくお 願いしたい。 ○安達委員  9pの確認である。居住系施設等訪問診療料の見直しということで、従来あった居住系 施設入居者等だけで制限したものが、これの範疇には入らないものが出てきたということ で、同一建物に直されたと思う。その主旨と理解したので、例えば同一建物というと、老 夫婦お住まいの一つの家というのは当然別個になるという確認である。通知で記載するこ とだとは思うが。 ○医療課長  今仰ったような事例に関する考え方については、従来どおりの考え方であり、そのとお りである。それ以外でもし混乱するようなことがあれば別途通知等で整理をしていきたい。 ○嘉山委員  まず2pについて、地域の小児科の医師が協力し合って夜間・休日の診療をしているこ とは私もよく知っている。例えばある地区の夜間診療所は普通一人しかいない。これで院 内トリアージというのは具体的にどういう事例を指しているのか教えていただきたい。 ○医療課長  現状だけで申し上げる。地域連携小児夜間・休日診療料をとっているところの実態をみ ると、医師が必ずしも一人だけとは限らない。シフトを見せていただいたことがあるが、 二人とか三人いらっしゃるところがある。2つ目はそういうところには看護師や他のメデ ィカルスタッフもいる。3つ目は、そういうところに患者が一度期に押し寄せてこられた 場合、そういう時に医師が手一杯ですぐに見て差し上げられない場合を想定している。 ○嘉山委員  医師としては当たり前のことをやっていることになるわけであるが、わざわざ点数を付 けてくれるのか。どうもありがとう。5pの放射線治療室の管理加算の引き上げであるが、 この放射線治療室というのはどういう治療室か。 ○医療課長  基本小委の際にご説明したと思うが、甲状腺がんの患者に対してRIの治療をするとい うことで、一定期間遮蔽されたようなところと聞いている。 ○嘉山委員  5p、30分という時間についてはわざわざ記載する必要はない。時間を制限するとい う自然科学と合わないことを作るのかよくわからない。いい加減にしてほしい。これは悪 徳何とかがいるからなのか。 ○医療課長  検証部会の検証結果を紹介しながら基本小委で説明したと思うが、勤務医に対してどう いうところが困っているか質問したアンケートがあった。患者に対して丁寧に時間をかけ ているというのが心理的な負担になっているということがあった。2つ目は、がんの患者 のカウンセリングというのは指導の中でも一番神経を使いになるということを考えた。3 つ目は、がんと名前がつき少しお話すればカウンセリング料になるというわけにはいかな い。目安として何がいいのかというのがあるが、ここでは告知を行う際という非常に重要 なところをポイントにおいて時間の要件を設定している。 ○嘉山委員  これはプロとして許せないことである。我々は時間で行っているわけではない。これは 取り払ってもらいたい。何故ならこれによって却って医師の精神的な負担が増える。もっ とやっている場合が多いので、却っていらないのではないか。実際に緩和ケアを本当に患 者に納得させて、それに協力するためには30分以上は絶対かかる。負担を減らすという ことは30分に止めますよとも聞こえる。 ○遠藤会長  30分以上という要件はなくしてはどうかというご意見であるが、これに関してどなた かご意見はあるか。 ○坂本専門委員  指導とか外来における時間制限は多いが、結局30分以上行っている患者もいれば、あ る意味では30分以内で濃厚にやられる患者の場合もある。計算してみると、損益がマイ ナスになる場合がある。廃止することに賛成である。 ○安達委員  この時間要件は違和感が強い。ご承知のように概ね5分ということに我々は非常に苦し んできた。話すスピードによっても時間は違ってくるわけであるから、時間要件は止めて もらいたい。医療側全体としてはそのような認識は強いと思う。 ○遠藤会長  2号側からそのようなご意見があるが、1号側はいかがか。 ○勝村委員  時間要件に対する違和感は理解した。しかし何らかの質を担保する要件というものがい るのではないかと思う。 ○遠藤会長  従ってそれについては研修などが記載されている。それが質を担保する要件であり、そ の中で時間というものが必要かどうかということになっている。概ね必要ないというご意 見であるが、30分以上を削除するということでよろしいか。 ○邉見委員  私も時間要件は必要ないと思う。いろんなことをきくので、必ず30分以上かかってい る。がんについては、いろんな定義、見込み、治療法などいろいろ話さないといけない。 ○白川委員  5分要件の時にも申し上げたが、主旨は先生方が仰るとおりで、患者が納得するまで十 分に説明いただくということは、ほとんどやっていただいていると思う。私も時間にこだ わっているわけではない。中身が大事であり、特にこだわりはない。 ○遠藤会長  それでは30分の要件というところは削除という形で対応していただきたい。よろしく お願いする。 ○坂本専門委員  居住系施設等訪問診療料の見直しについてであるが、先程事務局から、高齢者専用の居 住に対する改定であるとの説明があったが、良く目を通すと一般のマンションに住んでい る患者さんに対しても介護施設に住んでいる患者さんと同じように改正する考え方とも 見ることができるが、そういうことなのか。 ○医療課長  基本小委の時にも話しをしたが、そういう考え方である。 ○坂本専門委員  これに対しては納得できない。ある程度同じような患者に対して訪問する点ではある意 味で効率的な場合もあるが、居住系の施設については患者の生活を見守る介護職員がおり、 マンションと一戸建ての住宅の場合はそれぞれの入り口が違うし、それぞれの状況が変わ ってくる。また並んで住んでいると考えて、同じ屋根の下に沢山患者さんが住んでいる場 合は分けて考えようという発想で分かり易いとの説明であったが、実は訪問看護ステーシ ョンのナースに聞くと、マンションであったとしても並んで住んでいる患者さんを訪問す るわけではなく、患者さんのニーズに応じて色々な患者さんに看護を行うのであり、果た して同じ屋根の下に住んでいるということだけで、一戸建てと差を付けて分けて点数を付 けていくということはいかがなものか疑問がある。 ○医療課長  個々の事例は沢山あるので言い出すときりがない。現行の診療報酬点数をみても分かる ように、通常の在宅と居住系施設入居の患者ではっきりと診療報酬を変えていたことが理 由の一つであり、そういう考え方はある程度是とされてきたのではないかと思う。そうし た中で居住系施設と老人が住んでいる民間マンションとを見比べた時に実態としては変 わらないかという意見があり、基本小委でも概ね合意が得られたのでこのような形で提示 を行った。もちろん個別に見ていくと、ああいう事例がある、こういう事例があるという 話しが沢山出てくるかも知れない。これまでの考え方の延長線で行けば、限られた財源を 有効に配分するという観点から、こういう所も考えて行かなければならないのではないか と思う。   ○坂本専門委員  高齢者専門マンションとか、ナースが配置されているアパートなどであればすごく理解 できるが、一般のマンションに住んでいる患者さんへの訪問と一戸建てに住んでいる患者 さんへの訪問では、負担も変わらないので本当にそこで分けてよいのか、またナースたち の訪問の仕方も一般のマンションと一戸建でそう変わるわけではないということなので 納得できない。   ○安達委員  坂本専門委員の話はまじめにやっているところが、やっていられなくなるというまとも な話である。事務局の話は前回の改定から抜け落ちていたので、なるべく規制できるよう にしようという案である。この2つの議論をやってもまとまらないので、通知の書き方で どのような工夫ができるかと考えている。そのような工夫で坂本専門委員が言っているケ ースがどう救えるのかという方法でしか解決できないと思う。 ○遠藤会長  坂本専門委員は、そのような対応の仕方ではどうか。 ○坂本専門委員  患者のニーズに応じてやっているにも拘わらず、一戸建とマンションを何故分けるのか 納得ができない。   ○遠藤会長  事務局はどうか。 ○医療課長  沢山マンションがあり、例えば7割は老人が住んでいるところといった通知で分けられ るかどうかということか。 ○遠藤会長  どういうふうにして分けられるかと聞かれても困るのだが、通常普通の人が住んでいる マンションと老人専門のマンションを診ている場合とでは同じように扱うべきではない という意見があったので、そのような境目をどのようにするかということである。また、 そのような境目を議論する必要があるのではないかと思う。 ○医療課長  何かクライテリアを付けないと分からないオートロックが一軒一軒付いていて確認し て入らなければならないので、訪問するのが難しいということなのか、その辺の大変さが よく分からない。往診であれ訪問看護であれ時間と手間を掛けて行くということを想定し て点数が設定されているので、こういう事なので困るとか、どこが違うということか、基 準をお示しして頂かないと分からない。 ○坂本専門委員  高齢者専用マンションとしているところとは分けてもOKであるが、普通のマンション と何故一緒にするのか分からない。 ○医療課長  昔のように一個一個独立していて一つ一つ時間と手間を掛けて訪問や往診をしていた 時代と、現状の集合住宅となった時代とでは変わるのではないかという事で点数設定が変 わっても良いのではないかと基本小委でもその方向で議論が進んでいたと思う。   ○坂本専門委員  それならば、どうして普通の一軒家で並んでいるところに行っているところとマンショ ンに行っているところとは違うと言うのか ○医療課長  今のご質問の趣旨がよく分からない。二軒が隣同士でくっ付いている場合を言われたの かも知れないが、この世の中の出来事、個々の事例を言いだしたらきりがない。一応診療 報酬というのは、全国統一的なルールなのでどこかで線を引かないといけないと考えると 時間や手間に着目して点数を考えて・・・ ○審議官  ちょっと話をやめて、どういう居住形態を言うのか、複数の患者というのは何人ぐらい の患者を指しているのか整理をしていただけないか。 ○医療課長  整理をするにしても時間は限られているし、やるとすれば昼休みの時間に対応するしか ない。一応基本小委でも点数を変えても良いという方向で議論が進んだので、何処がどう 違っているのか、対案とかを示して頂かないと困る。もう一度基本小委の中で議論するこ とはできない。   ○坂本専門委員  何度言っても伝わらないのが悔しいけれども、マンションは並んで訪問看護しているの ではないといっている。   ○審議官  昼休みに一度整理してから議論を頂きたい。 ○鈴木委員  今の話は都会だけの話である。地方では一軒一軒回るのに5km、10km、15km ととにかくものすごく時間をかけて回る。そういうことを言われると地域によって一軒一 軒でも地域によって違うという話になる。どこかで訪問看護は自転車で回れるという話し を聞いていいなぁと思っている。こういう話は上にとっても下にとっても厳しい話である ので、その辺りを考慮いただきたい。 ○小林(剛)委員  前々回だったか、がん診療連携拠点病院に準ずる病院の数とそれを決める主体、及びそ の基準についてお聞きした。それをお聞きした上で、入院における緩和ケア診療加算の算 定の対象では、がん診療連携拠点病院に準ずる病院が含まれているが、3ページのがん治 療連携計画策定料の対象については、がん診療連携拠点病院に準ずる病院は含まれていな いのか。がん診療携拠点病院に準ずる病院が含まれるケースと含まれないケースでは、考 え方の違いがあるのかどうか伺いたい。 ○医療課長  前回の意見がここには反映されていなかったかもしれないと打ち合わせをして思った 次第である。前回そういうことで入れたとするならば、ものの考え方は基本的に同じであ ろうから、県立がんセンターなど独自に指定されているところだろうと申し上げた。検討 はして見るが、恐らく同じレベルだろうと考えられるので同一の整理にするのが良いかと 思う。 ○鈴木委員  地域性に関連するが、10pで地域性に配慮するということで、今回、離島しか記載さ れていないが、今後、付帯意見でも結構であるので、次回に向けて地域性の先日私が申し 上げた特別豪雪地帯といった国民皆保険制度の下での平等な医療が少子高齢化の中で壊 されようとしているので、これに対してどう考えるべきか是非ゆっくり検討いただきたい。 ○遠藤会長  付帯意見の中で地域性のことを考えるということかと思う。 ○坂本専門委員  2pの院内トリアージについて、役割分担に関連して申し上げたい。急性期病院の中で 高齢者の慢性患者が大変増えており、救急車に乗って来るケースが多いということが、事 務局から示された資料で10年間の推移が分かったかと思う。それに対して急性期病院の 中では、最終的にはみんな診ることになるが、どのようにして患者さんに優先順位を付け て行くかということで取り組みが行われている。今回は小児に対して加算が付くというこ とになるが、急性期病院においてもナース等がトリアージを行っており大変効果を上げて いるので、そういった点についても今後の課題として検討いただきたい。 ○嘉山委員  今の坂本専門委員の意見に付け加えさせていただく。例えば高齢者で心臓のところに行 くと心臓しか見ないという医者がいる。そういうところで看護士がチームを作っていると、 現場の勤務医の負担も減る。将来の話であるが事務局で今後お考えいただきたいと思う。 そうすると ○遠藤会長  今後の検討課題とさせていただきたい。他にP17までで何かあるか。特段ないようであ ればお昼も回っているのでここで昼食休憩としたい。13時から再開ということでお願いし たい。  (休憩)   (休憩後) ○遠藤会長  それでは中医協を再開したい。始めに午前中の議論の中で同一建物に居住する複数の患 者に対して訪問診療を行った場合というところで、事務局案を修正するかどうかが課題と なっていた。それに関していかがか。   ○坂本専門委員  先ほど事務局から説明を受けて課題としては残ると思っているが、本件については次回 の課題という事で結構である。   ○遠藤会長  了解した。そのような対応をさせて頂く。それでは患者のニーズに応じた訪問看護の推 進から後期高齢者医療の推進について、中医協資料の18ページから最後までということ になるが、この内容についてご意見はあるか。   ○鈴木委員  3点ほど確認したいことがある。まず、18ページで末期の悪性腫瘍等の方が訪問看護 を利用する事であるが、こういう方というのは最近増えていて、癌の基幹病院から転院し て来られる方も多いが、退院ができなくとも疼痛が落ち着いている方も多いので、在宅を 進めている。そうすると結構在宅に移る方も多いが、結果的にご本人の満足度も高いので あるが、在宅にいられる時間は限られるので、要件3だけでなく介護系のサービスも同時 に各課集中で利用する場合がある。その場合に医療系ザービスではすぐにいれられるので あるが、介護系のサービスは前にも話したように介護認定の申請が遅れる。癌の末期の方 などは直ぐに利用できるように同時改定にむけて要件を繋いでもらいたい。   ○遠藤会長  次回の診療報酬、介護報酬の同時改定に向けて重要な検討課題を指摘されたと思う。   ○鈴木委員  それと21ページであるが、第2の具体的な内容のところの文章で、死亡診断を目的と して医療機関に搬送されるというのは、いかにも死にに行くような感じで、ちょっと文章 が良くないので見直したらいかがか。   ○遠藤会長  ここのところはちょっと、確かにおっしゃる通りなのでマイルドに書き直していただけ ればと思う。   ○鈴木委員  24ページで、末期の悪性腫瘍等の対象となる利用者に対して、看護職員が同時に複数 の看護職員と指定訪問看護を行うということで、最初の看護職員は保健師、助産師、看護 師、准看護師で、次の看護職員は看護師等で保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業 療法士又は言語聴覚士という理解で良いか。   ○医療課長  看護師等のところは、保健師、助産師に加えてここに書いてある理学療法士、作業療法 士又は言語聴覚士である。   ○鈴木委員  具体的にはどういう場面というか、状況を想定してリハビリ等を加えたのか教えていた だきたい。   ○医療課長  取りあえず今日この時点で例示として挙げているのが25ページになる。例えば(1)〜(4) に掲げる中で、OTPTが行かないと絶対ダメなものはどれかは解らないが、敢えて言う のであれば(1)、(2)の中に一般的にリハビリが必要な方がいるのかなと考える。   ○鈴木委員  例えば、凶暴というと失礼であるが、乱暴されるような方がいた場合、男性が結構若く て女性が1人で或は複数で行っても心配だという場合には男性のセラピストが同行するよ うなこともあるのかなと思った訳である。悪までもリハビリということでなく、状況に応 じて柔軟に考えて良いのではないか。   ○遠藤会長  その辺はどういう考え方かということだが、何かあるか。   ○医療課長  結論から言うと柔軟に考えて良いと思う。1人目が看護職員いうことであるので、それ にくっついて行って、具体的に先ほど25ページで表現振りが良いかという事を言ったが、 暴力行為とか著しい迷惑行為とかやや広げた感じで書いているので、理学療法以外では絶 対行ってはいけないということではないのではないかと現時点では考えている。   ○鈴木委員  了解した。   ○安達委員  前にも申し上げたので簡単に、18ページのこの考え方はこれで問題ないと思いますが、 基本的な考え方の1.に「小規模な訪問看護ステーションが未だ多く」とある。これはで きるだけ規模が大きくなって頂きたい。多分看護師さんの方も共通の課題であり、望みで ある。特に在宅療養を支援するという時に、連携は一つの要件である。それが無い為に取 れないところもいくつもあるということも、地元にはあるので、どうやったらという具体 的な提案は出来ないが、大規模になれる方向へ誘導できるインセンティブがどうやったら 作れるかということは、今後の課題としてお考えいただければということで要望したい。   ○遠藤会長  重要なご指摘であると思う。今後の課題として大規模化を促すような方法を考えるとい うことである。他にあるか。   ○白川委員  30ページの後期高齢者診療料関連であるが、年齢による項目は廃止ということで同意 しているので、それに代わるものとしては今のところ生活習慣病管理料しかないというこ とは理解するが、ご承知の通り、本来の主旨は生活習慣病だけではなくて、いろんな意味 で病気を一元管理しようという主旨である。特に後期という事は別としてかなり高齢の 方々にとっては、一元管理・かかりつけ医といった考え方は非常に重要だと思う。今回と いう意味でないが、引き続き次回以降検討していくべきと思う。それから事務局への質問 であるが、実は後期高齢者診療料というのは算定が少ないと聞いているのだが、生活習慣 病管理料というのはどの位発生すると考えているのか。   ○医療課長  生活習慣病管理料の要件等を見ると、ここで後期高齢者診療料を算定していた方が全て 生活習慣病管理料へ行くとも考えている。また、一方で要件が厳しいものは生活習慣病管 理料を高くしているので、正確には申し上げられないが恐らく財政中立になるようなレベ ルではないかという事で提案している。   ○遠藤会長  白川委員宜しいか。また、白川委員の前半のご発言についても、今後の検討課題とさせ ていただきたい。 ○安達委員  白川委員のご質問に一部補足させていただく形になるが、私も財政中立でよいと思う。 その理由は我々個人診療所として生活習慣病管理料は取りにくい点数である。点数が高い。 高血圧、高脂血症、糖尿病とあるが、どれも慢性的な疾患であるため、我々も1ヶ月単位 で指導箋を出すがそれほど指導内容が変わるわけではない。患者さんの支払いを考えると 非常に説明もしにくく、取りにくいので、現時点であまり算定も無いだろうと私どもも理 解している。 ○遠藤会長  他にあるか。嘉山委員。 ○嘉山委員 18pの患者ニーズに応じた訪問看護について、訪問看護ステーションの数の緩和はよ いが、実質上訪問看護した方への業務に対する診療報酬の考えが全く無いと思う。以前私 自身中医協で発言し、その時は納得いただいたと思っていたが、その部分が全く抜けてい ると思う。むしろ入れていただきたいのだが。 ○遠藤会長  ただ今の嘉山委員の発言に対して事務局より説明をお願いする。 ○医療課長  現状では末期の悪性腫瘍、神経筋難病の患者さんで訪問看護が必要な方については、1 日に2回訪問できることになっており点数も算定できる。嘉山委員のご提案を入れなかっ た理由は、基本小委の議論の中ではそこまでの提案がなかったためである。 ○嘉山委員  看護に関する情報を現場から得ることができるのは坂本専門委員と私しかいないが、2 3pに記載のある褥瘡の患者さんを例に挙げると、例えば自己注射の方も訪問看護が必要 である。そのような情報を現場からくみ上げる必要があると思うが。 ○医療課長  嘉山委員のご指摘された点は、23pから24pに記載されているように、現行でも既 に入っているということでご理解いただきたい。 ○嘉山委員 注射、経管栄養も入っているが、在宅自己注射は入っていないのではないか。 ○医療課長  失礼した。いわゆる在宅ものを並べているので、この中に入っていると思ったが、おそ らく重症の方を念頭に置いたので在宅自己注射の方を除いているようである。少し調べて みるが。 ○嘉山委員  例えば脳卒中で糖尿病を合併している方がいて、自分では注射できない、家族も対応で きない場合にどうしても必要な方がいらっしゃるので、現場から意見をくみ上げていただ かないと、実際にやっているにもかかわらず診療報酬が支払われないケースとなり、最も モチベーションが落ちる要因になる為、お願いしたいと思う。 ○医療課長  事実関係だけお伝えする。23pから24pにかけては重度の方、ここではたまたま褥 瘡だけを取り上げているが、一覧をご確認いただくと極めて重度の方については、根っこ の部分、すなわち基本料が出た形で更に加算するという枠組みである。そのように自己注 射の方は枠組みには入っていない。 入っていないから訪問診療や訪問看護の基本料も支払われないというわけではなく、評価 はされている。しかし、重症者管理加算や在宅自己管理加算の対象になるほどの重症な状 況ではないということでご理解いただきたい。 ○嘉山委員  遠藤会長、基本的に私が申し上げたいのは、他にも同様にケースがあると思うが、今年 はこれでよいと思うが、今後は現場からの意見をくみ上げていただくようにお願いしたい。 ○坂本専門委員  先日の公聴会で訪問看護ステーションのナースが話されたと思うが、回数が制限されて いることがまだ問題として残っており、それに対して現場が困っている話だったと記憶し ている。その後随分整理していただき複数回数を可とするなどの対応をしていただいたが、 まだひとつ残っている問題が厚生労働大臣の定める疾病は可とされ、急変した場合も開業 医の先生の指示があれば対応可とされたが、慢性で継続的に行う必要がある方はその狭間 に陥っており対処できない。可能であれば、慢性的ケアをしなければならない患者さんを 何とかするために、厚生労働大臣の定める疾病の中の「その他」の部分に、「慢性継続的 な処置が必要な患者」と記載していただければ、回数制限が無くなり、ナースの判断で対 応が可能となるため、記載を変えていただきたいと思うがいかがか。 ○遠藤会長  平成22年度改定の中に盛り込みたいということを前提におっしゃっているのか。 ○坂本専門委員  はい。 ○遠藤会長  おそらくデータ等を見ない状況である為、どうなるかわからないが、事務局としては今 のご発言についてどのように考えるのか。 ○医療課長  何度も同じような言い方を繰り返すことになり恐縮であるが、基本小委の中で資料も提 出させていただき、医療保険と介護保険の訪問看護の対象者を並べる形で対象者の状況を ご提示させていただいた。その際には坂本専門委員から照会のあった対象者、神経筋難病 を中心とする患者などがどのような状況にあるのかもお示しさせていただいた。議論の流 れで言うと、基本小委で一応ご議論いただき、ご納得の上、ここまで来たと思う。  2つ目のご提案の点は、慢性で経過した患者を本当に入れるのであれば、ほぼ全員が該 当してしまい、結局のところ訪問看護の回数制限を事実上なくすことになるに等しいため、 本日この時点で検討をして欲しいと言われても、財政影響を含めて相当な検討が必要であ るため、その点だけは今の時点でお伝えしておく。 ○遠藤会長 基本小委のところで坂本専門委員はそのことをおっしゃったのか。 ○坂本専門委員  提案した。 ○遠藤会長  一応提案はされているが、今の段階では財政影響がどの程度見込まれるのかということ がわからないため、入れるのは難しいのではないかという事務局の意見ということである。 ○鈴木委員  嘉山委員のおっしゃった糖尿病のインスリン自己注射ついては現場で非常に問題とな っている。インスリンの在宅自己注射を代わりに打ってくれる方がいない為、在宅に移行 できない患者がたくさんいる。本人はできない、家族もできない、あるいは朝は出来るけ どお昼はできないなど、様々な理由があって、その為に在宅にいけない方がいるので、同 時改定に向けての課題かもしれないが、この問題も解決しなければならない問題である。 ○遠藤会長  ただ今の議論について何かお考えのある方はいるか。  ご意見の中では、現場の必要性を重視することに対する考え方はほぼ共通していると思 われるが、この段階で財政影響が見込めないので、入れることが難しいということなので 平成24年度改定の同時改定を見込みながら検討を継続していくということを、付帯意見 の中に盛り込むという対応をさせていただきたいと思うが、それでよろしいか。他にある か。  それでは次に技術についての議論を行うこととする。事務局より資料の説明をお願いす る。 ○医療課長  (資料「総−6−2」に沿って説明) ○遠藤会長  只今の一連の技術の評価についての原案であるが、ご意見、ご質問はあるか。 ○嘉山委員  大変ありがたいことである。医療というのはもちろん医薬品も機械もあるが、人が一番 大事である。 医師にしても看護士にしても薬剤師にしても放射線技師にしても、その人の技術が一番患 者さんにとって重要である。物を売っている世界とは違う。人件費率というと鈴木先生に しかられるので言わないが、手術料はE1、E2という高度な医療技術に付いているので 鈴木先生に関係ないと思うので言わせてもらう。医療崩壊が起きているのはそういう外科 医がやっているような場で起きている。勤務医の負担の改善は最初大きなタイトルで出て きたがだんだんと霞んできている。この手術料の適正な評価の部分で、一応皆さんに賛成 いただいたので、文言を入れていただきたい。どういうことかというと、「勤務医の処遇 改善を考慮した場合」というような文言を入れていただければ、医療崩壊が防げる。ほと んど私以外の医療側の人はE1、E2はやっていないので関係ないと思う。ここで私が存 在しないと安達先生と同じように存在している意味がない。初めて私のことのマスメディ アは悪口を書いても結構であるが、勤務医を守るために、「勤務医の処遇を考慮した場合」 と、そこまで激しい言葉じゃなくても結構であるので入れていただきたい。鈴木先生も勤 務医のことを良く考えてやっているというのであれば問題ないし、西澤委員もやっている というのであれば入れても全然論理的に破綻がないので入れていただきたいと考える。も う少し言うと、一番悲惨なのは東京の私立大学である。神奈川県にある大学も含めてであ る。夜勤、超過勤務をやっても一円も出していない大学もある。そういう医療の最後の砦 を守っている人たちのために、手術の技術料に関しては、診療側は皆さん賛成してくれた ようなので、「勤務医の処遇を改善した場合」などと入れていただきたいと思う。 ○遠藤会長  少し整理をすると、今回、手術の既収載技術についてほぼ半分くらい大幅な引き上げを するということである。外保連が評価した難度の高い技術について50%増あるいは3 0%増上げるということで、恐らくこういうことは今まで例がなかったと思うが、そうい う意味では非常に画期的なことかと思う。  さらにその中で勤務医の処遇改善というものを算定要件として入れるということに、非 常に価値があるというご指摘であった。まずは事務局からコメントをお願いし、その後各 委員からご意見をいただきたい。 ○医療課長  意思としては嘉山先生の気持ちと通じるところはあるが、手術は先ほど紹介したように 1,800あり、今回見直しの対象としたものだけでも900ある。仮にそのそれぞれに ついてそういった処遇が云々といった要件を入れるということであれば、実際には医師不 足に悩んでいるところや、急には改善できないところがあるだろうから、全国的に大混乱 が生じ手術料そのものが算定できないということになってはいけないと思う。  私どもとしては今般の診療報酬改定の答申書が出る時点では付帯意見等が付くので、例 えば外科の増点があった趣旨はこういうものであるといったことに触れるといった取扱 いなどが考えられるのではないかと思う。 ○遠藤会長  算定要件には入れないがその趣旨が分かるようなことをなんらかのかたちで開示する ということかと思う。 ○嘉山委員  佐藤課長は霞ヶ関文学がお得意であろう。なんとか入れていただかないと、全国の最先 端で働いている若い医師が希望を失うことになる。ここでその文言を入れなければ入れる ところがない。先ほどから話にあった通り中小病院も頑張っているし、開業医の先生方も 頑張っているが、やはりこれからの医療を背負って行く連中はそういうところで修行して いるのが大部分である。その人たちのモチベーションを下げないために、そこの委員長が、 例えば私立病院の経営者がやるかやらないかはその人たちの判断でも良いが、処遇を考え なさいということについて何としても文言を入れていただきたい。会長が仰ったような趣 旨で結構であるが文言を入れていただきたい。 ○遠藤会長  算定要件にまで入れるとなると色々と問題が起きる可能性もあり、少し調べて見る必要 があるが、そうではなくて趣旨が伝わるようなかたちで盛り込むということである。他の 委員の方々はいかがか。 ○白川委員  嘉山先生のお気持ちは重々わかっている。ただ、手術の問題だけではなく、広く勤務医 全体の処遇を改善していくということで、これは1号側、2号側、公益関係なく意見が一 致していると思う。その中で適切なものについては算定条件に入れると言うことで同意し てきた。手術だけに算定要件云々を入れるというのは客観的に見ると少し無理があると思 う。全体として処遇改善というのは文章の中に入れたし、最終的に答申があると思うが、 そういった時に全体としてそういう気持ちを織り込んだ答申を出すということがむしろ 適切ではないかと考えている。 ○嘉山委員  白川委員にご理解いただいて感謝申し上げる。ただ、他の分野に入れるとこの方々が全 部反対をするので具体的にはE1、E2しか入れられない。他の分野で処遇をというとみ んな前回もわぁっとなった。なんとか白川先生には現場の最先端の若い先生たちの状況を ご理解いただきたい。ここに入れることは具体的には何も問題にならないのではないかと 思う。算定要件にはしないので、言葉だけでも入れていただかないと本当に若い人たちが 希望を失ってしまう。トップランナーを目指なくなり、一番難しいことが日本で出来なく なると、追いつくのに10年20年かかる。従ってこのE1、E2のところだけは勤務医 の処遇云々という一言で良いので、それをどうするかは後は経営者の考え方だが文言を入 れていただきたい。一つのポイントになるのでご理解願いたいと思う。 ○遠藤会長  外科医の置かれている環境を考慮することは重要であるので、算定要件という厳しい条 件ではないが、今回引上げたことの意味がわかるように何らかのかたちで対応して欲しい という意見かと思う。 ○勝村委員  日本の医療については救急やハイリスクを担う勤務医が増えて欲しいという願いがあ るので、是非そういう趣旨で病院に手厚くして欲しいといっているわけである。病院に手 厚くしても結局勤務医の負担の軽減にならなければ意味がない。どこにどういう表現で盛 り込むかはわからないが、そういう趣旨を表現してアピールしていくことは大事なことだ と思う。 ○遠藤会長  もちろん全体として勤務医の負担の改善というのは重要なわけであるが、新たに外科医 バージョンというようなかたちで文言を入れて欲しいということである。もしそういうか たちでご理解が得られるのであればなんらかのやり方を事務局に指示したいと思う。 ○白川委員  嘉山先生の熱い思いが、30%、50%増という数字になって現れているし、私どもも 上げ幅について異論があるわけではない。様々な先生方からヒアリングでもご意見、実状 を伺ったので、これについてはまったく賛成をしている。事務局が心配している通り、下 手な条件をつけると折角上げたのに算定できないとか、そういう制限が生じると少し藪蛇 になる感じもするので、やるとしてもあまり制限を加えないようなかたちにしないといけ ないと思う。 ○遠藤会長  元より算定要件としては入れないということである。 ○嘉山委員  白川先生にご理解いただき本当にうれしく思う。算定要件ではなく、ただ経営者がどう するかは病院の判断で良いが、外科医が減っているエビデンスがあるので、勤務医、外科 医に対して中医協は見ているよということを中医協で表現して欲しいと思う。 ○遠藤会長  そういう表現を入れることを事務局にお願いしたいと思うが、ご同意を得たという理解 でよろしいか。反対の方はいるか。(反対なし)  それでは、今の議論を聞いたとおりであるので、事務局にはそれが反映できるようなか たちの表現の仕方を考えていただきたい。  他にあるか。別件で結構である。 ○安達委員  今の大変重大な議論があった後に、小さなことをお聞きするが4つほどある。お疲れの 事務局をいじめるつもりはないが明確にしていただきたい。外来について、再診以外の部 分は全て止めろ、下げろというわけではなく、中には上げたほうが良いと思う部分もある のでそれについても申し上げる。 まず12pである。エックス線撮影料のアナログ撮影 及びデジタル撮影の新設についてである。要するに平たく言うと、今まで撮影料が一定で あったものをアナログとデジタルに分けて、アナログ撮影のほうは下げ、デジタル撮影に ついて点数を上げ、その代わり15点加算を止めるということと理解した。それをやる中 で事務局のお話としては、デジタル撮影の普及を一層促進するという視点があると仰った。 デジタル撮影を普及させたほうが良い医学的な理由について、事務局はどう考えているの か。 ○医療課長  私の拙い医学知識では、被曝線量が減るのではないかと理解している。 ○安達委員  その通りである。具体的に聞くがアナログ撮影を下げる理由はどこにあるのか。財政中 立なのか。前回、一昨日に歯科も同じような処置をされたが、歯科の場合はアナログが据 え置きでデジタルだけ上げられた。それとの違いは何なのか伺いたい。 ○医療課長  歯科と医科の場合は一部違うところがあると思う。歯科の場合は半分以上がまだアナロ グ撮影のままであり、デジタル化がなかなか進んでいかないという現状がある。そういう こともあり、歯科についてアナログ撮影は据え置きのままとしたが、医科については被曝 線量の低下等々もありデジタル撮影に移行いただきたいという意図があり、こういう方向 で提案している。 ○安達委員  そこは、それ以上は申し上げないでおく。14pの磁気共鳴コンピューター断層撮影に ついて、1.5テスラ以上の点数を上げて、1.5テスラ以下の場合は下げるという提案 と理解して良いのか。   ○医療課長  その通りである。   ○安達委員  1.5テスラ以上を上げる根拠を教えていただきたい。   ○医療課長  学会から聞いているところでは、1.5テスラ以上で診断価値が高まるとのことである。   ○安達委員  それは理解しにくい。診断価値が高まるのは当然である。この場合は機器の価格とか人 件費ということではないのか。診断価値が上がるものだけは高い点数を付けて、それ程高 度の診断価値がないレベルの機能を持っているものでも一般の診断には十分供されてい る。そちらは引き下げるという話になるのか。   ○嘉山委員  日本の医療の一番悪い部分が出ている。0.4テスラであるとか、非常に性能の悪いも のを病院が入れて検査しているのは日本だけである。診断能力が全く違う。私は明日、脳 卒中についての講演を行うが、今のことを話す予定である。1.5テスラと0.4や0. 5テスラとでは脳梗塞の診断率が全然違う。日本だけが機能の低い機械を使って、診断を 見逃している。学会としては医療の質を上げるために1.5テスラでちゃんとした診断を しようと言っている。医療の質を高くするのは医学的にも患者の面からも統廃合のために も良いのではないかと考えている。   ○安達委員  事務局の代わりに嘉山先生にご説明いただいたと思う。つまり、そのような説明をしな いと特に引き下げられるほうは納得しない部分があるだろうということでお聞きした。  もう一点確認であるが、17pの内視鏡的大腸ポリープ切除術について、内視鏡的止血 手術を併施したときには算定できないということであるが、内視鏡的止血手術のほうが点 数が高いので、併施というのは同日一連のポリープ切除のときには取れなくて、例えば、 ポリープ切除が終わって翌日あるいは翌々日に出血が起こったときには当然、止血術は取 れるということでよいのか。   ○医療課長  その通りである。   ○安達委員  最後に一つだけ確認したい。18pから医療機器の価格に基づき検査及び処置の適正化 とあるが、適正化とは引き下げるという意味かと思う。外科手術は適正に評価するから引 上げであるが、変な日本語である。ということは、これまでずっと基本的に診療報酬体系 の中で技術料込みで、機器の価格が上がったり下がったりしたら、それについて評価を上 げたり下げたりしてきたということか。   ○医療課長  基本的にはそのような方向である。   ○安達委員  ただし、機器の価格が上がったということで点数を上げていただいた記憶は私にはない。 実例はあるか。   ○医療課長  一般論で申し上げると、同じ性能で機器の価格が上がる、例えば、ある製品があってそ の後に高い製品が出てきたときに、市場の中で高い製品が売れるというのは、余程のこと でないといけないので、もしそのような製品があって、その製品が相当に性能が良かった り、これまでの検査・診断能力を超えるものであれば、通常企業は別立ての評価をしてく れというような形で対応されるものと思う。単に能力等が同じまま価格だけを高くすると、 市場の中ではそのようなものは淘汰されていくと思う。今は一般論で申し上げたが、それ 程でもないがどうしても高くなっているとか、医療の水準の変化に伴って、こういうもの でないとだめだというものについては、その都度評価できる場合には評価していると思う。 今般は下げる話だったので上げるときには上げてくれるのだろうなと釘を刺されたと理 解した。 ○安達委員  具体的に言うと医療技術評価分科会に上がらないもの、つまりメーカーが上げてくれな かったという点ではメーカーにクレームをするべきことかもしれないが、具体的に言えば、 皆さんが胃カメラという名称で理解されている内視鏡について、かつては光学内視鏡とい うものであった。これはファイバースコープが中に入っていて先端からの光を手元に持っ てきて小さい画面で見ていたものである。それが電子スコープに変わった。これはグラス ファイバーが入っているのではなく、赤と黒と緑の3原色を出してその反射光を拾って電 子的に合成した画像を大きなテレビ画面に出しているというものである。一番安いもので 従来の光学型のスコープに比べて倍くらいになった。機能がさらに付加されているものは 3倍くらいになった。検査点数は同じであったが実質は下がった。なぜかというと光学 内視鏡の場合はフィルム代も造影剤代も入っていた。電子化してそれを保存するというこ とについては保存に関する何の点数も付かなかった。現実にそういうことがある。これは 今更言っても仕方がない話であるが、そういうことは公平にやっていただきたいと思う。  具体的に一つ眼科のことでお聞きしたい。実は眼科については2回前の改定であったと 思うが、初診料の扱いについて特にコンタクトレンズ診療所と言われるものの一層のため に特殊な扱いをした。これで通常の眼科の診療の中でコンタクトも扱っている一般の診療 所がある意味大きな不利益を受けた部分である。それに加えて、また今回こういうかたち になり、あるいは有床診療所も取扱いを変えたので、そこのところも例えば**手術に関 する入院などの点数は下がるのだと思う。何かダブルパンチ、トリプルパンチのように眼 科の方々は思わざるを得ないのでないかと思う。これはやはり事業仕分けの影響かと我々 は思わざるを得ない。事務局は否定されるかもしれないが、もう少し考えていただきたい ということを要望したい。 最後のいぼ燃灼法の話は機器ではなくて、恐らく使うのは液 体窒素であったかと思うがその価格が下がっているからという理解で良いのか。 ○医療課長  冷凍凝固のほうは液体窒素である。 ○遠藤会長  ご意見をお聞きしたが、一つ具体的なところでは引き下げるという意味の適正化が書か れている場合にはそれなりの根拠を書いて欲しい。書いているものもあるがはっきりして いないものもあり、そこは明確にして欲しいという要望があった。今後で結構であるので 対応いただきたい。他にあるか。 ○北村専門委員  先ほどの安達先生の意見と関連するが、エックス線撮影料について、まず訂正していた だきたいのは、デジタルエックス線撮影になって患者の被曝が下がるかというとそういう わけではない。ただ、エックス線量が少なくなると情報量が減り診断率が悪くなるという ことがあるので、そこの管理をしっかりしないといけないということである。アナログ撮 影については中小病院や診療所が多いということもあり、かなり影響が出てくるかと思う。 現在のエックス線撮影装置も更新の時期がかなり延びている。そういう意味で安全管理や 機器の保守管理、人件費等もあり、アナログ撮影が下がることによってそういう意味で影 響が出てくると思う。ただ、デジタル映像化加算の廃止部分がどういうかたちで振り分け られているかということで少し違ってくるかと思う。 ○遠藤会長  北村専門委員のご懸念について、事務局として何かお考えがあればコメントいただきた い。 ○医療課長  特にないが最初にご指摘いただいたことについては、被曝線量が少ないというと誤解を 招くので、12pの1行目に記載のあるように被曝低減が可能であるといったほうが正確 かと思う。   ○嘉山委員  北村専門委員のおっしゃる通り被ばく線量はほとんど減らない。反対にイージーになる ので増えるかもしれない。精度で診断率が高くなるいことは合理的で良いが、ただアナロ グが減った時にどうなるかということは実は問題となる可能性が高いと考える。この点に ついては本日回答できないだろうから、この議論については継続として次回に回答して頂 きたい。   ○遠藤会長  継続としてというのはどういう意味のことなのか ○北村専門委員  先程の話だとアナログを下げてデジタルを上げる方向の話であった。アナログを下げて デジタルも下げるという形ではちょっと、中小病院などではまだまだ、一般撮影、アナロ グ撮影が多いということが考えられる。その影響についてどの程度なのかということであ る。 ○遠藤会長 影響についてどの程度だと考えているのかという事務局への質問である。   ○医療課長  正確な推計や類推というのは難しく、促進的な点数を付けたりすると、推計に頼らざる を得ない。ただ、実態としては診療所のデジタル化は比較的進んでおり平成20年で6 8%位である。またフイルムレスでも平成21年度で約61%である。これでどのような 方向に行くと思うかという実態と、またこれによって算定件数・回数がどう変化し医療が どうなっていくかという点については、現状をもとに点数をこうした時に、現状も改定後 も変わらないという仮説をおいてしかできない。本当に検証するのであれば、社会医療診 療行為別調査においてアナログとデジタル撮影がどのような件数になっていくのか見て いくしかない。 ○遠藤会長  具体的にアナログ撮影の点数を引き下げるという方針に対してまだ結論を出すべきで はないという意見が出ているが、これについて何かご意見はあるか、  今の事務局の話では、たとえもう一回議論を行うとしても追加的な情報が出てくるとは 思えないので、今決めても次回決め手も内容はほとんど同じことになると思う。 ○白川委員  先程のCT、MRIの話もそうであるが、そもそもアナログ撮影の診療報酬に何が入っ ているのかという、ここまで遡るような話だと思う。何が言いたいかというと、古くから 使われている機器はある意味で減価償却が終わっていると我々の世界では考えるもので あり、そういう意味から言えば、アナログがいつから入ったか知らないが、かなり使い込 まれた機器であろうから、その分ある程度の引き下げがあっても基本的におかしくないと 考える。 ○北村専門委員  エックス線装置というのは、ディテクターがフィルムかフラットパネルかそれともFC Rなのか、そういう意味でディテクターが変わるだけでエックス線装置自体は同じである。 この装置をできるだけ早く買い換えないと医療被曝の問題などの管理ができなくなる。買 い換えることによって、保守点検を行って安全な検査ができるという形になるのが理想な のである。 ○嘉山委員  アナログが電球だと思ってもらいたい。普通の白色電球だと芯が焼き切れた場合、一回 買えばそのままで良いというものではなく、減価償却が終わるわけではない。アナログか らデジタルに変更するには環境を変えなければならないが、その環境を変えるのが凄く高 いのである。我々でも頭部単純写真を必ず撮るので、アナログが必要な医療機関はある。 それに付いているお金が全く付かないというようなことは困るということである。 ○北村専門委員  アナログでもデジタルでも画像がどう表現されて出てくるかの違いだと思う。しかし、 デジタルだと画像処理が出来るので色んな情報を引き出せるという意味ではデジタル撮 影料というものが、今までと深く意味が違ってくるということは皆様もお分かりだと思う。 ただ、アナログはフィルムを使うので、フィルムを使った場合には現像する必要がある。 そういう事もあって装置の買い替えができるかどうかであるが、アナログ点数の評価が低 くなってきていることから、デジタルへの買い替えが伸びてきているのが現状である。 ○西澤委員  議論が行われている方向性としては問題ないと思うが、まだ現場にアナログが残ってい るということであるのならば、アナログの点数の下げ方というのにはもう少し工夫があっ ても良いのではないかと思う。 ○遠藤会長  基本的にアナログの点数は下げるという方向性は認めるが、今までのような議論があっ たので、点数の上で今までの議論を反映して頂きたいという事でまとめて良いか。それで はそうしたい。  他にご意見はないか  それではいろいろな議論があったが、基本的には事務局原案を了承する。これでひと通 り短冊の議論が終了した。  その他として、再診料、外来管理加算の議論が残っている。これは時間がかかるので早 い段階から始めていたが外来の財源400億円が決まっている中で、ある程度他の項目を 固めて財源を確保した後でないと議論できないということであった。今日の議論で短冊を 終えたのでそれぞれ上げる下げる方向は固まった。早速議論を進めて行きたい。  そこで事務局にお願いしたいのであるが、財源の配分が分からないと議論が出来ないの でその辺りを整理して、それをベースにこれから議論したい。大まかで良い、配分につい て資料を作れるか。 ○医療課長  いろいろな意見があったのでこれでfixということではないが、概ね議論いただいたの で15分くらい時間があれば相談をして準備できる。 ○遠藤会長  では、それまで小休止とする。 (休憩) ○遠藤会長  再開する。事務局より粗々の財源に関する資料の説明をしていただき、その後で議論を おこなう。    ○医療課長  (資料 「外来に関する財源」に沿って説明)   外来プラス財源 400億円     新たに評価 約650億円       適正化 約400億円    ○遠藤会長  これについて議論をしたい。    ○白川委員  急に資料を提出いただいたので粗々なのは承知しているが、全体で800億円の財源に 対して新たな評価は650億円なので、差し引き150億円の余裕があることになる。前 回の議論で焦点になったのは外来管理加算の件であり、5分要件を外すということは双方 で合意をしていると認識をしている。5分要件を外したときの影響度合いがどれくらいな のか。これが大きく影響するということは共通の認識としてもつ必要がある。  前回、白石委員が質問した5分要件を外したときの影響額について、年間1,300億 であると説明があった。以前の議事録を読んでいると旧委員の日本医師会の方は5分要件 をつけたことで外来管理加算が800億円減ったと発言をされていたようである。いった い5分要件を外したときの影響はどれほどなのか。この数字が明確に出てないと議論が進 まない。この数字の提出は可能であるか伺いたい。  また、安達委員からお薬受診の制限を設ければ財政中立で済むのではないかといった趣 旨の発言があったと記憶している。根拠として日医で行ったアンケートがあるということ だが、影響はどれぐらいか。安達委員の仰ったお薬受診の制限を設けた場合の財政影響は どの程度に収まるのか詳しく説明いただきたい。    ○遠藤会長  外来管理加算は金額的にも大きいので、この辺をどう見込むかが今後の議論に大きく影 響する。事務局、説明をお願いする。    ○医療課長  一度質問をいただいたので、その時もお答えしている。単純に点数で比較をすると社会 医療診療行為別調査平成20年度分と19年度分とでは総数で1,300億円まではいか ないが、それに近い額である。診療所だけでみても1,200億円前後であるとの影響が 出ている。ただしこれは先般も説明したが社会医療診療行為別調査のデータを使うときは メディアス等で補正をすることが必要であり、今回の外来管理加算であると再診料にとも なって算定される点数である。19年から20年にかけて再診料の算定回数を見てみると 実は算定回数は落ちている。こうしたことを様々考慮して、仮に試算をしてみると診療所 分で700億〜900億であり、先程、日医のデータの紹介がされたが800億円前後が 本当の意味での影響額ではないかと考えている。    ○安達委員  一点確認である。参考資料の外来管理加算の総額約2,700億円(病院約500億、 診療所約2,200億円)はいつのデータであるか。   ○医療課長  ここは推計をした数字である。少し整理すると、平成19年の社会医療診療行為別調査 で2,754億円であった。20年の社会医療診療行為別調査で1,681億円と下がっ ている。この下がっている原因は再診料の算定回数が減った影響やメディアスでの補正が 必要であり、これらを考慮すると20年で約2,700億円であると類推したものである。    ○安達委員  数字を詳しく見ないと分かりにくいところがある。外来管理加算と再診料の議論はセッ トであると前回申し上げた。外来管理加算の算定を止めた理由としては、日本医師会のデ ータがあるので提出したい。67.5%が算定要件に合わないからとして、算定すること を止めている。日本医師会の診療報酬検討委員会および京都府医師会の内部においても、 多くの診療所の皆さんから疑問や怒りがあり大半が減った要件の話であったと理解して いる。前提として従来診療所は再診料と外来管理加算を併せて両方が検査をしない場合の 基本診療料であると理解していたからである。精密な診療を行わないのに患者に薬を出す のは我々にとってもリスクが高い話しであり、実質算定できない要件を設けたにもかかわ らず、責任の所在には何の議論も無かったのはおかしいと申し上げた。いまでもそのよう に思っている。白川委員の発言は本当にそうかといったご意見であるが、それは医療課に も資料はないし、検証部会の資料にも項目が入っておらず、また、アンケートを取る暇も ないので分からない。ゼロにはならないが過大な評価にはならないと考える。むしろ、「概 ね5分」などというようないい加減な考え方より、ハッキリと「患者の未受診投薬要請に 対する簡単な確認で薬を出している場合」とQ&Aや療養担当規則に記載すれば、この場合 は算定されなくなると私は考えている。これは個人診療所の医師らに石を投げられるかも 知れないが、私からのメッセージでもある。このような実態にそぐわない診療報酬の算定 は止めて医師法20条に基づいてキチッとした診療形態になるようなより一層の努力をし ようというメッセージである。  白川委員のご質問に前回申し上げたことにさらに加えて答えることがあるとすると、外 来管理加算の算定は内科の個人診療所が圧倒的に多く、内科の個人診療所の医会である日 本臨床内科医会があり、私はそこでも介護保険、社会保険を併せた統合委員会の委員長で もある。前回の中央社会保険医療協議会での私の発言以来、非常に多くのご意見を臨床内 科医会からいただいた。皆さんの仰っている意見の総意を取り纏めると、私が発言した趣 旨に賛成をしてもらっている。発言内容は苦渋の選択であるが君の言った趣旨は正しいと。 また、我々も一層の努力をするので、その条件で良いと賛同のご意見をいただいた。反対 であるとの強烈な意見は聞こえる限りひとつもなかった。  また、他の科の先生方からも意見をいただいたが、その中には、例えば皮膚科で水虫を 治療している患者が、治癒しないので薬をいただきたいと受診したようなケースには、薬 剤のみを出すケースがあるという意見があった。これは再診料と外来管理加算をあわせて 従来、基本診療料であると考えてきたということである。私は外来管理加算の趣旨からし て、もともとは内科加算であったわけであり、もともと算定すべきではないとコメントを してご了解をいただいたと理解をしている。いずれにせよ前回の発言以降の多くのご意見 の中に、この条件以外に外来管理加算を算定しない理由があるという具体的なご指摘や意 見は一件もなかった。今、事務局の提出してくれた数字とは若干の乖離があるので10 0%ゼロであるとはとうてい言い切れるようなデータをもっていない。戻りがあるとして も過大な評価はいらないであろう。この議論をする上で出来上がりが400億円になると きに、他のところを減らし過ぎたとして、この戻りを過大に見積もることで数字あわせを するようなことだけは止めていただきたい。   ○白川委員  前回も申し上げたが、現在の外来管理加算の財政規模がMAXであると考えている。算 定方法がもともと曖昧なので再診料を含めて将来整理する必要があると思う。従って心配 なのは、いま150億円の余裕があると言ったが、外来管理加算が現在の財政規模で収ま るかである。私は厳しいと思っている。確かに検証部会でのデータもないし、難しい問題 だと思うが、出来れば事務局の方で何らか工夫しておおまかな数字を示して欲しい。そう でなければ得心が行かない。 ○安達委員  白川委員の意見に何の反論もない。しかし数字を事務局に求めても試算のしようがない。 一番大切なことは前回改定の後、外来管理加算については継続審議であったのに議論でき ていない。私もこれは是非やっていただきたいと思う。  それと再診料の件も続けて発言するが、これまでの中医協で私は個人診療所の立場だけ で議論して来た訳ではない。しかしこの部分は私が発言しないと個人診療所の代表は私し か居ない。ここからは個人診療所の立場を代表して発言する。  外来管理加算の戻りがどのくらいかという議論もあるし、中医協の場以外での議論でも あるが、政権公約として外来管理加算5分要件を外すとしたその時点で、多くの診療所の 医師たちが思ったことは平成19年度に戻れるのだということである。それに比べたら、 影響額がどの程度かは別にして、非常に抑制的な枠組みにするという提案をしているので ある。そこを勘案いただきたいというのがひとつである。  その前提で個人診療所の立場だけで発言すれば、71点は増点要求ではない。何の原資 もいらない話である。それを下げようという意見には納得いかない。基本診療料の中でも 再診料というのは、個人診療所の診療点数の8%以上を占めている大切な原資である。こ こが動くのは非常に大きな影響がある。加えて言えば、年々医療機関の倒産の数が増えて きている。倒産の半数以上は個人診療所である。71点であるなら統合しようと要望書に 書いた。現状維持である。それに関わる外来管理加算については財源移譲を自ら申し出て いるのである。 ○遠藤会長  白川委員から事務局に要望があった点について、外来管理加算5分要件を外した場合の 財政影響について試算できないか事務局の意見を聞きたい。 ○医療課長  結論は先ほど安達委員からあったとおりである。検証部会でも検証されていないし、お 薬受診というものの存在について、検証部会も含めてこれまで議論したことがないと思う。 客観的なデータは現時点ではない。 ○白川委員  何度も財源の話で恐縮であるが、800億から650億を引いて150億の余裕がある と発言したが、逆に150億しかないとも言える。安達委員が外来管理加算と再診料をセ ットで考えるべきと発言したが、私も賛成である。そうした場合に診療側は71点で統一 ということであるので、病院の再診料を引き上げるための財源が資料によると220億必 要になる。この分は外来管理加算で賄えるのですかという話になる。安達委員は若干増え るだろうとのことであるが、財政中立を言うのであればこの枠内で考えるしかない。 ○安達委員  だから私はこの件に関しては個人診療所の立場で申し上げている。病院は11点の引き 上げであるが我々は現状維持である。そのふたつが一緒になっている。病院側の委員にも 意見があるのではない か。 ○西澤委員  以前、概算の金額を見ながら議論するという意見に反対したことがある。こういった試 算がでると最初から150億円しかないという話になり、220億円必要だといっても議 論にならない。71点に統一することに関する議論が事前にあるべきであった。数字が出 るとその議論は出来ない。それで発言を控えていた。こういったものが出てきて私はどう したらよいのか悩んでいる。我々の主張は71点である。 ○安達委員  だから短冊のところで点数幅を含めて優先順位があるだろうと発言してきた。この資料 にある新たな評価に当てる650億円が絶対なのかということも議論されなければおか しい。優先順位の低いものがあるのならここから外すかあるいは点数を下げるか。そうい う議論も一緒にないと150億で固定した議論というのは我々としては辛い、不本意だと いうことを西澤委員が発言した。同意見である。 ○遠藤会長  再診料の議論をするときに、どのような財源があるのか分からないと議論が進まないと いう意見があったのでこの資料を事務局に出してもらった。他に意見はあるか。 ○北村委員  再診料71点統一の議論はなかなか難しい。我々としては400億のなかで考えないと いけない。 ○白川委員  安達委員、西澤委員が650億に言及していたので意見を述べる。社会保障審議会で方 針が示されており、小児、産科、救急といったところが重点項目としてあげられており、 今回はここが優先課題と認識している。逆に650億円で足りるのですかと言いたいぐら いである。必要なら膨らませてもいいと言うのが社保審の方針であると理解している。 ○安達委員  重点課題であるというのはその通りである。その幅のことを申し上げている。もう一度 言うが、診療所の再診料71点は増点要求ではない。基本診療料は重点課題と並んで大切 であると認識している。しかし財源が足りないというので、そのために外来管理加算の算 定方法が元に戻ることについて枠を嵌めようと自ら言っている。これでは議論は平行線で ある。4,400億円と400億円という枠が嵌った中で、この制約が最初からある中で の議論である。これが新政権の意向である、財務省主導の事業仕分けも大きな影響を与え ている。この新政権への反論は中医協以外の場所でやりたいと思っている。この枠が嵌っ た段階で我々は白旗を揚げているのである。 ○鈴木委員  今回の改定は枠が嵌められた異例の改定である。私は今回の改定の精神は皆で医療崩壊 を防ぐことだと考えている。勤務医と開業医の間に溝を作るような、禍根を残すような改 定にはしたくない。 ○安達委員  点数の決着がどのようになろうと診療所と病院が反目する構造になるということはな い。この枠の中でやっていくしかない。ただこういった枠を設定したことに対しては、そ ういったことを感じざるを得ない。これも中医協の議論ではないのでこれ以上申し上げな い。枠の中で議論するしかない。 ○白川委員  我々も診療所の先生をいじめようとして言っている訳ではない。今回の政府や社会保障 審議会の方針の限られた枠の中で財源配分をしなければいけないということである。優先 順位を付けてやるしかない。結果的に診療所に不利な結果になることも有り得ると言わざ るを得ない。 ○安達委員  確認であるが、1号側の要望書の診療所を下げて病院を上げるという主旨は財源論を考 慮してこのような要望になったのか。 ○白川委員  2回目の意見書提出の際には400億の枠は決定していなかったがそのように書いた。 重点課題に優先順位を付けてと考えている。その当時71点に揃えると220億必要だと いう認識はなかったが、かなり財源が必要だろうとはわかっていた。だから、60点から 71点という考えを示した。 ○安達委員  今回、何が何でも統合しなければならないという考えは我々にはある。しかし診療所の 71点は現状維持である。本当は今回統合したいが財源の問題があるので今回は途中まで やって、次期に財源を得て統合するという考え方もある。これは議論の有り方としても可 能性があるはずなのに、今の議論ではその部分が飛んでいるのではないか。 ○白川委員  何度も申し上げるが、我々は一物一価という考え方をしている。同じ医療サービスなら 同じ価格であるべきである。過去の中医協の議論をみても、初診料も再診料も少しずつく っついたり離れたりをしている。初診料は幸い統一された。次は再診料の統一というのが 我々の願いである。 ○安達委員  平成14年度改定で再診料の格差を縮小する方針が中医協で出て、現在に至っていると 思う。財源の問題で今回の改定では再診料の統合までには至らないが、統合の方向で診療 所は71点で現状維持し、病院を途中まで上げるということも選択肢の一つとしてあるの ではないかと申し上げた。最終的に一物一価であることに異論は無い。 ○鈴木委員  外来管理加算の5分間ルールを廃止することによりどの程度財源が増えるのかという ことと、お薬受診では算定できないことを要件に入れることでどの程度抑制できるかが分 からないと、財源を配分する話にいかないのではないか。 ○遠藤会長  そのような情報があればいいが、なかなか難しいという話になっている。 ○安達委員  平成19年の外来管理加算の算定回数に比べて、5分要件導入後の平成20年の算定回 数は、単純計算でどの程度減ったのか。 ○医療課長  確認するので、少し時間をいただきたい。 ○北村委員  今回、新たに評価して増える額が約650億円、適正化により減る額が約400億円と 示されたが、その内訳は今後示されるのか。 ○医療課長  答申書ではその内訳は出ずに、各項目の点数が出てくることになる。 ○北村委員  金額換算は出ないのか。 ○遠藤会長  分野別の配分金額換算は出て来ない。数値は事務局が持っている。 ○北村委員  項目ごとのプライオリティの議論をどのように行うかだと思う。 ○遠藤会長  最終的にどの程度の内容を出すかについて、この場に諮ることは吝かではない。いろい ろな考え方があると思うが、通常は個別の点数しか出ていない。  先ほどの安達委員の質問について、事務局より回答をお願いする。 ○医療課長  外来管理加算の算定回数について、平成19年度の社会医療診療行為別調査を100% とすると、平成20年度は61%となる。 ○安達委員  個人診療所の再診料の算定回数が減っているので、Mediasのデータで補正すると、 平成20年度は8割5分程度となると理解しているがいかがか。 ○医療課長  そのような視点でデータを分析していない。おそらく、次回も議論があると思うので検 討したい。 ○安達委員  承知した。大まかに言うと外来管理加算の算定回数が5分ルールの導入で30%前後減 っており、これが全て未受診投薬かどうかということだと思う。私の診療所では患者に診 察をきちんと受けたほうがよいということを説明しているが、9〜10人に一人が未受診 投薬であり、そのような説明をしていない診療所ではその倍近くになると思う。算定が減 った理由の全てが未受診投薬ではないということは合意しているが、補正して考えると、 5分間ルールを止めて未受診投薬では算定できないこと要件にすることで、増加分はそれ ほど過大にならないことは間違いないと思う。今後医療課からデータを出していただける のであれば議論したい。 ○遠藤会長  他に意見等あるか。なかなか歩み寄りが難しい。 ○鈴木委員  今回はこれまでと違って外来の財源の枠が400億円と決められているので、積み上げ てオーバーした部分について優先順位を決めて削るということを行わないと、決まらない のではないかと思うがいかがか。 ○遠藤会長  先ほどの白川委員の意見では社保審等の方針で決まっている項目を優先しており、そう いう意味で優先順位は考えているということである。今回示された新たに評価する項目の 額を減らし、適正化による額を増やすということを行うべきという主張か。 ○鈴木委員  きちんと議論するためにはそのようなことを行うべきではないか、もし行わないなら、 最後はエイヤーで決めることになるのではないかということである。 ○安達委員  社保審の重点項目を優先するということはその通りであるが、診療所の再診料の71点 を現状維持することについて最重要事項と考えているので宜しくお願いしたい。  個々の点数については一定の根拠を持って評価や適正化を行っていると思うので、大き く動かす作業は出来ないと思う。各項目の点数について事務局の方が昼夜を問わず作業さ れており、それをこの場で細かく検討しだすと莫大な時間がかかると思うので、現在その 点について深く言及し、要望するつもりはない。 ○遠藤会長  他にご意見等あるか。ほぼ出尽くしたということで良いか。  それでは今回の議論を踏まえ、追加的に出せる情報があるか等について、事務局よりコ メントをお願いする。 ○医療課長  少なくとも、社会医療診療行為別調査と再診料の算定減等の影響を精査したものについ て準備したい。また、未受診投薬要請では外来管理加算をとれないようにすることで、5 分要件を単純に外したときの影響はかなり緩和できるという安達委員の発言に対し、白川 委員からその影響額は実際どの程度になるのかという発言があったと思う。この点につい て、現時点では該当するデータを思いつかないが、これまでの調査等を確認して、類推程 度は可能かどうかについて検討したい。 ○遠藤会長  なかなか難しい課題で時間も限られているが、宜しくお願いする。 ○安達委員  事務局は大変ということは承知しているが要望を述べておきたい。  5分要件については、午後6時以降の夜間診療、標榜時間の拡大について点数をつける という観点からの調査で、標榜時間を単純に患者数で割ったデータにおける5分間以下の 割合から財政影響を出したという経緯がある。この調査で一番割合が高かったのは1人あ たり60分で、閑散とした外来が多いということを示しているデータであり、これを5分 要件の財政影響に用いたことについては非難轟々であった。基となるデータを出すのは大 変だと思うが、実態に近いデータを用いて試算を行っていただきたい。 ○遠藤会長  なかなか難しい点であるが、事務局何かあるか。 ○医療課長  要望ではなく皮肉を言われたのかなと思う。今言われたデータの妥当性については置い ておくが、改定後の検証部会などのデータを振り返ってみて、外来管理加算の要件変更に よる影響について検討したい。 ○遠藤会長  宜しくお願いする。  今回の件について、現時点で1号側と2号側が十分に歩み寄れる状況では無いが、いく つかの意見が出され、ある程度歩み寄れるパターンがあるかなという印象を個人的には持 った。ただ、本日は変にまとめないほうがよいと思う。私としては1号側と2号側が出来 るだけ歩み寄っていただきたいという気持ちを持っており、本件についてもう少し考えて いただき、今後出される新しい情報も踏まえ議論を継続したい。  ただ時間的余裕はあまり無い。次回の日程等について事務局よりお願いする。 ○医療課長  通常、建国記念日の前後に答申書をいただいている。本日の議論を踏まえた事務局とし てのたたき台などを示して集中的に議論いただく必要があると考えているが、水・金では 日程的に間に合わないので、委員の皆様の日程も確認させていただき、来週月曜日の午後 ぐらいに開催させていただければと思う。 ○遠藤会長  詳しい時間帯、場所については追ってご連絡いただき、2月8日(月)の午後に再度議 論したいと思うので宜しくお願いする。また、答申書につける付帯意見の作成も行う必要 もあるので、8日にその内容を整理したものを事務局に出していただき、それをたたき台 に議論したいと思う。  それでは、本日の総会を閉会としたい。 【照会先】  厚生労働省保険局医療課企画法令第1係  代表 03−5253−1111(内3288)