10/02/03 第6回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会議事録                  (照会先)健康局総務課がん対策推進室                      内線 2945、4603、4604 第6回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会  日  時:平成22年2月3日(水)9:29〜18:00  場  所:三田共用会議所1階 講堂  出席委員:石川委員、内田委員、垣添委員、佐々木委員、関原委員、富樫委員、       宮城委員、宮崎委員、山口委員、若尾委員 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、定刻より若干早いですが、委員の先生方が皆さんそろいましたので、ただ今 より第6回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会を開催します。  本日、事務局を務めさせていただく厚生労働省健康局総務課がん対策推進室長の鈴木で ございます。どうぞよろしくお願いいたします。  開会に当たり、上田健康局長よりご挨拶申し上げます。 ○上田健康局長  おはようございます。健康局長の上田でございます。  本日は、第6回のがん診療拠点病院の指定に関する検討会でございます。開会に当たり、 一言ご挨拶を申し上げたいと思います。  委員の皆様方におかれましては、本日は本当に大変お忙しい中ご出席をいただいており ます。ありがとうございます。また、平素よりがん対策の推進にご尽力を賜りまして、こ の場をかりて厚く御礼を申し上げます。  さて、がん対策推進基本計画は放射線療法及び化学療法の推進、治療の初期段階からの 緩和ケアの実施、がん登録の推進、この3つを重点的に取り組む課題としておりますが、 この基本計画に基づきまして、がん対策を総合的かつ計画的に実施していくことに当たっ て、がん診療連携拠点病院は極めて重要な役割を担っているところでございます。がん診 療連携拠点病院の指定要件を定めておりますがん診療連携拠点病院の整備に関する指針は、 平成20年3月に改訂されました。改訂前の指針に基づいて指定された病院は、その指定が 今年度末までの間に限られてございますために、今回の検討会におきまして全てのがん診 療連携拠点病院において新たな指針に定められた要件を満たすことが求められるわけでご ざいます。指定の検討を行う病院数が350近くに上りますことから、本日は予定としては午 後6時までと大変皆さん方には長時間に及ぶご議論をいただくことになります。本当にお 疲れさまでございますけれども、何とぞよろしくお願いをいたしたいというふうに思いま す。  新政権におきましては、コンクリートから人へ、これを掲げております。患者中心の医 療を全国どこでも提供できるよう、今後ますます拠点病院の機能に期待が高まっていくと 考えております。がん診療連携拠点病院の整備につきましては、各委員の皆様方におかれ ましても、忌憚ないご意見をいただきまして、本日の検討会が滞りなく進みますよう、重 ねて申し上げまして、日ごろの御礼とご挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしく お願いを申し上げます。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、まず、委員の方々におかれましては、お忙しい中ご出席を賜り、この場をか りて厚く御礼を申し上げます。  本日お集まりいただいた委員をお手元の名簿の順に沿ってご紹介させていただきます。  国立大学法人群馬大学理事・病院長の石川委員でございます。  社団法人日本医師会常任理事の内田委員でございます。  財団法人日本対がん協会会長の垣添委員でございます。  続いて、委員の交代がありました広島県健康福祉局長の佐々木委員でございます。  財団法人日本対がん協会常任理事の関原委員でございます。関原委員は遅れて来られま す。  続きまして、あけぼの会副会長の富樫委員でございます。  医療法人浦添総合病院理事長の宮城委員でございます。  前橋赤十字病院院長の宮崎委員でございます。  静岡県立静岡がんセンター総長の山口委員でございます。  国立がんセンターがん対策情報センター・センター長補佐の若尾委員でございます。  続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。  先ほどご挨拶申し上げました健康局長の上田でございます。  大臣官房審議官がん対策担当の麦谷でございます。  健康担当参事官の塚原は、公務のため欠席をさせていただいております。  健康局総務課長の鈴木でございます。  最後に、がん対策推進室長補佐の高岡でございます。  それでは、以後の進行を垣添座長にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いい たします。 ○垣添座長  皆さん、おはようございます。座長を務めさせていただきます垣添です。  本日は、朝から全国からお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。局長の ご挨拶にもありましたように、非常に長丁場でお茶も2本用意されていますが、よろしく お願い申し上げます。  この検討会は、平成20年3月に見直されましたがん診療連携拠点病院の整備に関する指 針に基づいて、がん診療連携拠点病院の指定のために議論を行う場であります。  がん医療水準の均てん化の推進に資するがん診療連携拠点病院の選定のために活発なご 議論をいただければ幸いです。  では、まず議事に入ります前に事務局から資料の確認をお願い申し上げます。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、資料の確認をさせていただきます。  お手元の資料でございますが、資料番号1番といたしまして、資料番号4番までが一括 でとじられていると思いますが、資料番号1、新要件に基づくがん診療連携拠点病院の指 定の考え方について、それから資料番号2、第5回がん診療連携拠点病院の指定に関する 検討会での指摘事項というものがあると思います。それから資料3、がん診療連携拠点病 院の指定の推薦についてということで一覧表と、あと資料4でこれは表形式になっており ます都道府県2次医療圏別の推薦状況というものがあると思います。それから、別冊にな っておりますが、資料5−1として、まず22番静岡県と銘打っているもの、それから資料 5−1の続き、資料5−2、資料5−2の続きというものの厚い4冊になっていると思い ます。  それから、最後に参考資料というものが別添で付けさせていただいているところでござ います。  資料の確認につきましては、以上でございます。 ○垣添座長  よろしゅうございましょうか。  では、カメラ撮りを終了します。  それでは、議事1、がん診療連携拠点病院の指定の考え方についてご議論いただきます。  まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、説明させていただきます。  資料1をご覧いただきたいと思います。新要件に基づくがん診療連携拠点病院の指定の 考え方という1枚のペーパーになっております。これは前回の第5回のときにもご提示を させていただいたものをそのまま今回もご提示させていただいておりますが、内容につき ましては、3つの大きなことから構成されております。  1つは指定要件の充足状況ということで、当然のことながら指定に当たっては、「がん 診療連携拠点病院の整備について」、いわゆる新指針に定める必須要件を充足しているこ ととするということが大前提ということになっております。  それから、前回の会議の中でもご議論していただきましたが、2番目にあります2次医 療圏を超える数の医療機関ががん診療連携拠点病院に指定されることとなる場合、概ね基 本的にはがん診療連携拠点病院にあっては、2次医療圏に1カ所整備するというものが指 針の中に書かれているところであります。しかしながら、その下の丸ポツにありますとお り、2次医療圏を超える数の医療機関ががん診療連携拠点病院に指定されることによる当 該医療圏や都道府県のがん診療体制における相乗効果、それから都道府県の推薦意見書に 数値目標などを用いてきちんと記載されている。もしくはここの2ポツにありますが、単 に人口が多いということだけではなくて、がん患者の通院医療圏ですとか、そういった機 能分担、隣接する医療圏との関係等について都道府県において十分な説明があること。そ れから、3点目といたしまして、都道府県は拠点病院の運営が適切に行われるための体制 を確保するよう努めること、こういったことが条件となってこれまで2次医療圏の中に複 数の医療機関が認められたことがございます。  それから、3番目にありますが、2医療機関が今度は地域ではなくて都道府県のがん診 療連携拠点病院に指定される場合、そういった場合につきましても、アンダーラインを引 いておりますが、両医療機関の機能分担、それから相乗効果等についてきちんと都道府県 から説明があることが前提になっているということが前回の会議の中でも統一したご意見 として合意されたというふうに聞いているところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。ただ今の説明について何かご質問とかご意見とかありますで しょうか。  どうぞ、宮崎委員。 ○宮崎委員  この資料を見させていただいて、のっけからこういうことを申し上げて申しわけないで すけれども、2次医療圏を基に1つの指定ということですけれども、県の状況、2次医療 圏の数が余りに考え方が違い過ぎるというのがあります。これについてはどうなのかなと いうことを感じました。というのは、医療圏というのは生活圏で成り立っているものです から、同じような規模の県でも医療圏が少い県と多い県がありまして、その中で全部1つ ずつ用意するのがいいのかどうかと思います。今回見てみますと、かなりのところで1つ の医療圏に2つも3つもあって、またかつ、空白な医療圏が随分あるということを考えま すと、この2次医療圏に1つというのは、ある意味では仕方がないところも理解できます。 けれども、この考え方はちょっと疑問があるかなというふうに感じました。 ○佐々木委員  医療圏の考え方ということでしたが、私は、県の立場ですので、自治体は実際にどうい う検討を経て計画や今回の推薦書を出しているかということも絡めて意見を述べます。  ご指摘のとおり、2次医療圏、またそれに関連する医療計画、そして今回恐らく47全て の県ががんの推進計画を定めているものと思います。2次医療圏は確かに自治体ごとにそ れぞれの規模、人口も面積も異なっていますが、それらも含めて各都道府県はそれぞれの 県の医療計画、それぞれの県の実情に応じて医療進計画を定め、それに応じて各県のがん 推進計画の中で今回推薦書を提出されたと思います。その点は宮崎委員ご指摘のとおり、 2次医療圏はベースにしつつも、例えば隣の医療圏との連携等をかんがみて、その医療圏 になくても隣の医療圏がカバーする。1つの医療圏の中で複数あっても、それは状況によ って各都道府県が判断することを尊重するということにおいて判断すれば、恐らくこの資 料1のこの文言の解釈の中で宮崎委員のご指摘の部分は読めるのかなと私は思っておりま す。 ○垣添座長  ありがとうございます。事務局、何かありますか。 ○鈴木がん対策推進室長  宮崎委員のご質問でございますけれども、今回のがん診療連携拠点病院につきましては、 そもそも連携拠点病院というものの在り方でございますけれども、指針の中にも示してお りますが、専門的な医療の推進等を行う医療機関であり、かつ、がん診療に関する連携協 力体制をきちんと整備するということ。それから、がん患者に対する相談支援及び情報提 供を行うというこの3つが非常に役割としてあるわけで、治療が中心というわけではなく て、やはり地域の中での連携をどうするかということががん診療連携拠点病院に求められ ているものであると解釈しているところでございます。  その中で、概ね2次医療圏に1カ所整備ということとしておりますが、今回の先ほど示 させていただきました、佐々木委員からもご発言がありましたが、資料1の中にも書いて おりますけれども、これはベースとし、やはり県できちんとした合理的なご説明をいただ くという中で、ご判断をしていただくというのが妥当ではないかと考えているところでご ざいます。 ○垣添座長  ありがとうございます。2次医療圏というのは完璧なものではありませんけれども、こ れまでのこの検討会でも時々そうした議論がありますけれども、この資料1の考え方に沿 って、柔軟にご審議いただくということでこの場はおさめさせていただきます。  ほかによろしゅうございましょうか。  では、先に進みまして議事2、第5回の検討会において特に指摘を受けた都道府県につ いてご議論いただきます。事務局からまた資料の説明をお願いいたします。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。  第5回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会での指摘事項ということで、前回ご 議論していただいたときに、指定に当たって都道府県によりましては、いろいろと今後き ちんとフォローアップするようにというようなご指摘を踏まえて指定されたという病院も しくは県があります。したがいまして、それをもう一度おさらいという意味で、今回知2 というふうにまとめさせていただきました。詳細につきましては、説明は割愛させていた だきますが、実際にこれらの県のプレゼンテーションの際には、ここをご覧になりながら ご議論をしていただきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  前回問題になっていた部分を書き抜いていただいておりますので、これから進みますプ レゼンテーションの際にこれを参考として聞いていただきたいということでございます。  では、先に進みまして、議事3、各都道府県の拠点病院の指定についてご議論いただき ます。事務局からまた資料の説明をお願いします。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、資料3に基づいてご説明をさせていただきます。がん診療連携拠点病院の指 定の推薦についてという資料でございます。  今回、都道府県からの指定をしていただきました医療機関につきましては、全部で348医 療機関になっております。その内訳でございますが、その下に書いております総数は今の 現在のトータルであり、数は385になります。新規推薦が29、指定更新が319、それから現 況報告による指定の継続、つまり昨年度指定されたというものが37、今回みなしで行って おりましたが、現況報告のみで最終的には要件を満たすことができず、もしくは県の中で のご議論の中で今回指定から外れてしまうという病院が全部で15ございます。  参考までですが、昨年度、つまり今現在のがん診の連携拠点病院の数は375ということに なりますので、今回全ての医療機関がお認めいただくことになりますと、375から385にな ります。  その中でいろいろなケースがございますので、今回の審議の流れの効率化も考えまして、 カテゴリーを分けさせていただいているところでございます。  まず、1番でありますが、空白の医療圏から新規推薦があり、最終的には2次医療圏の 数を超えて指定が行われる病院というところが1県ございます。  それから、2番といたしまして、空白の医療圏、また既に指定されている医療圏からも 推薦があり、医療圏数を超えてしまう医療機関ということで、福島県が該当するところに なっています。ここで訂正がございます。福島県について、いわき市立総合磐城共立病院 で括弧書きになっておりますが、これ2病院から3病院というところを1病院から2病院 に、訂正をお願いいたしたいと思います。資料の訂正となり申しわけございません。  続きまして、3番といたしまして、既に指定されている医療機関から推薦があって医療 圏を超えてしまうところが7都県ございます。  それから、2枚目、次のページに行きまして、既指定の医療圏から新規推薦があるけれ ども、医療圏数を超えないという場合でございます。それが7道県ございます。  それから、医療圏数を超えているけれども、新規がなく入れ替えを行うというところで ございます。数は超えませんけれども、入れ替えによって新規の病院が発生するというと ころが1府あります。  それから、医療圏数を超えていないけれども、入れ替えをするというところがございま す。それは1県あります。  それから次のページに行きまして、7番でございますが、医療圏数を超えますけれども、 指定の更新のみ、つまり今回はみなしも更新のみで新しい病院が増えないというところで ございます。  それから、8番が医療圏を超えず指定更新のみというところが10県ございます。  それから、最後になりますが、22年3月末に指定の効力を失う拠点病院があるというこ とで、拠点病院の数が減ってしまうというところが7県ございます。  こういったカテゴリーに分けて、それぞれ審議をしていただくということになっており ます。改めてご説明させていただきますが、今回、平成21年10月末までに新規指定、指定 更新もしくは現況報告というものについて事務局に書類を提出していただいております。 その時点では、実は基準を満たしていない、つまり、指定要件を満たしていないけれども、 平成22年3月31日までにその指定要件を全て満たすということで指定更新をお願いしてき た医療機関がございます。そういった医療機関につきましては、今回の指定につきまして は平成22年4月1日から効力が発生するものでございますので、ご提出していただきまし た推薦書に基づき、事務局のほうで確認はしておりますけれども、最終的には今回の資料 の中にはそういった医療機関も全て含めて審査をしていただきたいと思っております。し かしながら、指定の効力の発行につきましては、全ての要件を満たしたということを、座 長と事務局の一任という形にさせていただき、指定要件を充足したことを確認してから指 定を行うということで取り扱いをさせていただければと思っているところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。何かご発言ありましょうか。よろしいですか。  では、先にまいります。  これから各都道府県からのプレゼンテーションに入ることになりますが、そのやり方に ついて事務局から説明をお願いします。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、ご説明させていただきます。  プレゼンテーションにお使いいただける資料につきましては、資料4と、それから資料 5というその2つをお使いいただければというふうに思っております。  資料4につきましては、今現在の都道府県、2次医療圏別の推薦状況を一覧に並べてお ります。並び方は今回の審議順ということになっており、都道府県順になっておりません ので、ご了解いただきたいと思います。  それから、都道府県からのプレゼンテーションに関して、今回非常に時間がタイトでご ざいますので、都道府県からの説明時間は5分以内とさせていただきます。4分経過時に 1回、5分経過時にベルを2回鳴らせていただきますので、説明が途中でも5分過ぎた場 合については説明を取り止めて、審議に入っていただきたいと思っております。  それから、審議の進行については、先ほど資料3で申しましたカテゴリー別、つまり(1) ですとか(2)、(3)というようなカテゴリーを分けさせていただきましたが、その順番に従っ て行いたいと思います。また、カテゴリーの中で複数の都道府県が入っている場合、つま り例えばカテゴリー3は複数の都道府県が入っておりますが、そういった場合につきまし ては、まず、最初に全ての都道府県にプレゼンテーションをしていただき、一括審議とさ せていただきたいと思います。  それから、審議におけます公平性の担保ということで、各委員が所属する医療機関のあ る都道府県の審査中においては、発言をお控えいただきたいと思います。  具体的には静岡県の審議に際しましては山口委員、広島県の審議に際しましては佐々木 委員、群馬県の審議に際しましては石川委員・宮崎委員、それから沖縄県の審議に際しま しては宮城委員のご発言をお控えいただきたいと思います。  以上でございます。 ○垣添座長  事務的なご説明ですが、よろしゅうございますね。  山口委員、どうぞ。 ○山口委員  議論が進む前に1点だけ、資料4に誤りがあるようです。昨日ずっと見ていましたら、 8ページ、愛知県で、愛知県の方から訂正がなかったのかもしれませんが、藤田保健衛生 大学病院が新規指定で尾張西部になっていますが、尾張東部ではないかと思います。 ○鈴木がん対策推進室長  委員のご指摘のとおりでございまして、資料の訂正をお願いします。藤田保健衛生大学 病院につきましては尾張東部でございますので、ご訂正をお願いしたいと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。  では、カテゴリー順にこれからプレゼンテーションしていただきますが、最初はカテゴ リー1、空白の医療圏から新規推薦があり、2次医療圏数を超える都道府県拠点病院の増 加ということで、静岡県磐田市立総合病院の新規推薦に関して、審議に入りたいと思いま す。よろしくお願いします。 ○静岡県(竹内)  おはようございます。私は静岡県厚生部疾病対策室長の竹内でございます。  ただ今から静岡県の説明を始めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、座って失礼させていただきます。  資料は7ページと17ページ以降をご覧いただきたいと思いますが、資料1をご覧いただ きたいと思います。  静岡県は、現在8つの2次医療圏で10施設が拠点病院に指定されております。これまで は2次医療圏のうち4つが空白の医療圏でしたが、伊豆半島の賀茂、熱海伊東の医療圏は 両方に隣接する駿東田方医療圏が、また県西部の中東遠医療圏は西部医療圏がカバーして きました。なお、県東部の富士医療圏では医療圏内で集学的治療ができる2施設を中心に、 一部が隣接する医療圏の拠点病院を受診しております。なお、県拠点病院は(1)の県立静岡 がんセンターです。  めくっていただいて、資料2をご覧ください。  今回これまで空白であった中東遠医療圏から11の磐田市立総合病院を初めて推薦するこ ととなりましたが、ご覧のとおりの治療実績を上げております。  資料3をご覧ください。  今回の指定推薦と予想される受療動向ですが、来年度以降も当面は大きな変化がないも のと見込まれます。なお、新規推薦施設のある中東遠医療圏につきましては、医師不足が 著しく、地域医療再生計画が終了する平成25年度末までは引き続き西部医療圏への依存度 が高いものと見込まれております。一方、西部医療圏は市町村合併に伴い、2次医療圏が 1つに統合された地域ですが、4つの拠点病院が協議会を設置・運営しながら、左下に示 すように患者の受療動向に基づく地域分担や施設ごとの成り立ちあるいは特徴を生かした 機能分担により、全体として1つの大きな拠点病院群を形成しております。  次のページに行っていただいて、資料4−1をご覧ください。  静岡県では、今回の指定推薦に当たり、指定要件を満たす12施設のうち志太榛原医療圏 の1施設の指定推薦を見送り、11施設を推薦することとし、がん患者さんあるいはご家族 の方の委員5名を含む静岡県がん対策推進協議会の了承をいただいて推薦しております。 また、推薦の理由として3に示した拠点病院の役割のうちでも地域連携及び緩和ケアの推 進が大変重要であると考えております。特に(3)の緩和ケア医師研修については、西部 医療圏の拠点病院を中心に本県統一の単位型プログラムを開発し、今年度は全県下で活用 しているほか、4つの拠点病院が合同で一定期間毎週研修会を開催することにより、2日 間まとめて休暇がとれない医師でも参加しやすく、他の2次医療圏よりも多くの参加者を 得ている状況であります。  資料4−2をご覧ください。  また、地域連携については(1)のとおり、静岡医療圏における医師会を中心としたイ ーツーネットと呼ばれる2人主治医制の取組などのノウハウの共有、活用によって機能分 担による地域連携のさらなる推進が期待できます。さらに西部医療圏では4つの拠点病院 と医師会を中心に平成19年度より国の第3次対がん総合戦略研究事業として緩和ケアの地 域介入研究、OPTIMプロジェクトが進められておりますが、この成果は本県のみなら ず全国のがん医療の均てん化に大きく寄与することが期待できます。  なお、静岡県では拠点病院以外に県単独で推進病院等を指定し、がん医療の均てん化の さらなる推進を図るとともに、全ての2次医療圏に相談支援体制を整備して、これらの運 営を適切に行うための体制を確保しているところであります。体制につきましては、資料 4−2の右側をご覧いただきたいと思いますけれども、県立静岡がんセンターを事務局と する静岡県がん診療連携協議会の中で国指定の拠点病院あるいは県指定の推進病院、がん 相談支援センター、医師会、病院協会、患者さんの代表あるいは県が入った協議会の中で 医療体制の確保、地域連携の確保を図っているところであります。  以上で説明を終わります。よろしくご検討のほどお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。これが最初の審議になりますので、この結果がこれから以降 の審議のベースになりますから、慎重にご議論いただければと思います。今ご説明いただ きましたように、これまで空白の医療圏をカバーするために隣の西部医療圏に複数医療機 関が指定されていたわけですが、今回空白だった医療圏に新たに拠点病院が管理指定され れば、西部医療圏の整理が必要になるわけですが、何かその辺りの具体的なご意見、ご質 問などいかがでしょうか。委員の皆さん、いかがですか。  これは県のほうではどのように考えておられますか。 ○静岡県(竹内)  今回、空白の地域の中東医療圏、資料3をご覧いただければと思いますけれども、空白 の県西部のうち東側にあります11の磐田市立総合病院があります中東遠医療圏新規推薦と いうことですけれども、先ほどお話ししましたように、ここは人口当たりの医師数が全国 の平均の半分以下という状況でございます。非常に公立病院が疲弊している状況で、依然 として地域連携を中心に建て直しを図っているところでありますけれども、西部医療圏へ の依存度が高いと。一方、西部医療圏はこれまでカバーをしてきたわけですけれども、引 き続き先ほどお話申し上げたように、4つの病院がそれぞれ地域を分担しながら、あるい はそれぞれ聖隷三方原病院であれば緩和ケアを中心、あるいは聖隷浜松病院であれば手術 を中心とした総合的な診療あるいは臨床試験、そして浜松医大は県ただ一つの医学部とし てのがんプロフェッショナル養成プランを含めた人材育成、それから県西部医療センター はもともと医師会立病院という基盤を生かしまして、昭和48年度から全て全病床オープン 化ということで、診療所の先生方との共同診療を行っていると。それぞれ特徴を有してい る病院ですので、総合的に研修等もこの4病院の協議会の中で地域をカバーしているとい う状況ですので、一つの病院群という形の機能として成り立っているというふうに理解を しております。 ○垣添座長  委員の皆さん、いかがでしょうか。  はい、どうぞ、佐々木委員。 ○佐々木委員  空白だった地域が埋まるということで、患者さんの利便性が高まるということを考えれ ば、非常に喜ばしいことだと思っております。  参考に伺いたいのですが、この新たに新規指定することによって、例えば通院時間等が どれぐらい改善されるのかというのを教えていただきたいというのが1点。  県全体のことで、例えばほかの既に複数ある医療圏で、その中で指定要件を満たしてい るけれども、複数あるから見送ったという医療圏があるのかあればその理由がもう一点、 この2点について教えていただきたいと思います。 ○静岡県(竹内)  まず、1点目、中東遠医療圏にできることによって通院時間がどれぐらい短縮されるか ということですけれども、概ね30分程度ということで、余り時間的には非常に東名あるい は東海道線ということで、東海道筋ということでアクセスとして短縮時間が圧倒的にすご いというわけではないです。30分から多くて1時間程度かなというふうに考えております。  それから、もう一つの点は先ほどお話ししましたけれども、その隣の志太榛原医療圏、 6の藤枝市立総合病院がある圏域ですけれども、この圏域はもう一つ、焼津市立総合病院 が今回新たに指定要件を満たしました。しかしながら、この圏域では隣接の医療圏にまだ 患者さんが受診をしている、あるいは2つ指定をするだけの、例えば2つ指定することに よって全県にどれだけのメリットがあるか等々を考えたときに、この圏域では今の段階で は1つということが妥当ということで、県の段階で協議会の了承もいただいて1施設のみ 推薦とすることにいたしております。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょうか。  はい、どうぞ、内田委員。 ○内田委員  全体の審議を進める上で確認させていただきます。1つは人口集中地域では要件を満た す病院、施設はかなり出てくる。医療圏の数をはるかに超えて出てくる可能性があると。 その場合に条件さえ満たしていれば認めていくのかという方向性の問題が1つ。  それから、医療圏に複数医療機関を指定したときに、補助金の上限というのは、補助金 を出す基準がどうなのか確認させてください。 ○垣添座長  事務局からお願いします。 ○鈴木がん対策推進室長  まず、1点目でございます。人口が多いところで大都市圏は特にそうだと思いますが、 要件を満たしている病院について認めていく方針なのかというお話でございますが、冒頭 申しましたとおり、がん診療連携拠点病院のそもそもの考え方につきまして、1つはやは り専門的な医療の推進等を行うということ。それから、2点目といたしましては、がん診 療の連携体制がきちんと確立しているということ。それから、がん患者に対する相談支援 及び情報提供を行うという、この3つが非常に重要でございまして、つまり治療ができる 病院を指定するというだけではなく、やはり連携をどうしていくかというところが非常に 重要だと考えているところでございます。  したがいまして、そういったところを加味してがん診療連携体制について、どういうふ うに、県のがん対策推進計画の中でご考慮いただいているのかというようなことが重要で はないかと考えているところでございます。  それから2点目、補助金の関係でございますが、今現在、補助金につきましては、要綱 上、厚生労働大臣が認めた額ということになっておりまして、上限等については、実は設 定されておりません。しかしながら、県の予算、いわゆる積算もしくは、私どもの積算の 関係上、一定程度の単価はつくっておかなければいけないということで、一応目安として 各都道府県拠点病院もしくは地域拠点病院の積算上の目安となる額はつくっております。  また、複数指定された場合についての補助金の在り方ということですけれども、それに つきましては、今現在につきましては、複数あっても補助金は県のほうの申請もしくは病 院のほうの申請額の中で、厚生労働大臣が認めた額については補助金の交付を行っている ところでございます。将来的にどうなるか分かりませんけれども、今の現段階ではそうい う状況にあるというのが現状でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  よろしゅうございましょうか。  はい、どうぞ、佐々木委員。 ○佐々木委員  その意味では、今の静岡県さんのように、熟度の高い議論を踏まえて出てきたものかど うかを我々委員が見きわめるべきだと思っておりますが、ここで先ほどの宮崎委員のご指 摘にありましたように、各都道府県でも2次医療圏の状況に応じてよく議論されていると ころだと思いますので、その意味では補助金の考え方ということもありますが、まずはど れだけ都道府県が熟度の高い議論を経て、かつ実態をよく分析した上での推薦かというと ころで、そこは是々非々で議論して、その上で仮に医療圏の中に病院が複数であっても、 我々がよいと認めればよいのではないかと思います。 ○垣添座長  そのとおりでしょうね。今のご説明からいきますと、今回申請されている11番の磐田市 立病院は、条件的には指定に見合うと思いますが、ただ、そうしますと、浜松周辺の西部 医療圏が4病院になりますので、これを3病院にすべきかどうかといったことはもう少し 整理する必要があるんじゃないかなと私は感じて聞いておりましたけれども、いかがでし ょうか。  ですから、仮に磐田市立病院を新規に認めるということであれば、1年くらいのうちに 西部医療圏の4病院をプラス・マイナス・ゼロにするように、1減らすかどうかというこ とをもう少し検討して、ご検討いただきたいということですが、いかがでしょうか。そう いう条件付き指定ということでよろしゅうございますか。  ありがとうございます。では、静岡県の11番、磐田市立病院に関しては、条件付きで指 定ということにさせていただきます。  では、2番目の福島県についてお願いいたします。 ○福島県(長澤)  福島県でございます。私は保健福祉部で健康衛生を担当している次長の長澤と申します。  座って説明させていただきます。  それでは、国の資料の23ページでございます。  資料1でございますが、本県は大変広い面積を有しておりまして、本州では岩手県に次 いで2番目の面積があって、2次医療圏は7カ所でございます。がん医療に関しましては、 がん診療連携拠点病院の空白医療圏が3カ所ございます。一番東部の相双医療圏、それか ら一番南にあります県南医療圏、それから西のほうにある南会津医療圏と3つの空白医療 圏がございまして、がん患者の受療動向を見ますと、かなり圏域を超えた動きとなってお りまして、がん診療体制が比較的充実している医療圏に拠点病院を複数確保して、空白圏 域をカバーするなど複数の医療圏における連携体制を構築することが県全体のがん医療の 均てん化を図る上で不可欠というふうに考えております。  各医療圏について少し説明しますと、一番北の県北医療圏、ここは(1)の病院が都道府県 拠点病院の県立医大でございますが、前回指定していただいたのはもう一カ所、民間の病 院が地域拠点病院として指定いただいておりましたが、平成20年度末にその拠点病院を辞 退したために、それ以降はがん患者の一部は県中医療圏の(2)から(4)の病院に依存せざるを 得ないという状況になっております。その県中医療圏でございますが、これは人口最多の 中核的医療圏でございまして、県内で最もがん診療体制が充実した医療圏です。相双医療 圏のがん医療をカバーするとともに、隣接する複数の医療圏のがん患者の通院圏域となっ ております。  県中の3病院は、がん医療に関しましては、それぞれ特徴的な医療機能を活用した役割 分担をして、がん診療に当たっておりまして、平成20年にはこの3病院が協力してがん診 療連携フォーラムを立ち上げて、さらなる連携体制の充実を図っております。相双医療圏 は南北に長く広い圏域でございまして、拠点病院の空白地域のため、がん患者の医療につ きましては、北部は県北の(1)の病院、それからあと、20年度末に辞退した民間病院が担っ ております。それから中南部、これは県中の(2)から(4)の病院と、あといわき医療圏の(7)の 病院がカバーしております。会津医療圏は、広大な面積を有する上に、他圏域との間に山 脈が連なり、過疎中間地域を抱える豪雪地帯となっておりますことから、拠点病院の空白 圏域である南会津医療圏を含めたがん医療を完結していかなければならないということで、 (5)と(6)の2つの拠点病院体制でそのがん医療を担っているということでございます。  いわき医療圏は(7)の病院1カ所でございまして、相双医療圏の中南部をカバーしており ます。県南医療圏は拠点病院空白地域のためにがん医療は県中の(2)から(4)の病院がカバー しているという状況でございます。  次に、24ページの資料2をご覧いただきたいと思います。  実績はこのようなことでございます。内視鏡的手術等、早急がんに対するQOLを重視 した治療件数については病院によって差がございますが、最近高度医療機器の整備や専門 医の確保が図られつつありまして、今後はこの件数は増加する見通しとなっております。  それから、25ページの資料3、それで今後の考え方でございますが、県北医療圏では(1) 病院に都道府県拠点病院としての役割を十分に発揮してもらうために、今後は県中の(2)か ら(4)の病院と、さらに連携を図っていく必要があると。相双医療圏は依然として空白地域 でございますので、地理的利便性を向上させるためにはいわき医療圏との連携を強化する ことにしたいと思います。県中医療圏ですが、これは新たに県北の一部をカバーしなくち ゃいけないということで、この3病院の体制を維持していきたい。それから、いわき医療 圏については相双のがん医療の一部を一層カバーするために、新たに(9)を指定していただ きたい。会津医療圏については引き続き2カ所を維持していきたいと。それから、県南に つきましては、これは空白地域でございますので、新たに(8)を指定していただきたい、こ れが以上の県の考え方でございます。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。福島県に関してご議論いただきたいと思います。  どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  資料を見せていただきますと、面積も非常に広いということと、それから、ここにも書 いていますように、高地や山でさえぎられているというふうなちょっと特殊な地勢的な場 所じゃないかと思うんですが、今現在、この南会津から会津圏に行くのには時間はどのぐ らいかかるんですか。 ○福島県(長澤)  ちょっと場所によって違いますが、南会津の奥のほうですと2時間近くかかりますし、 かなり会津に近いほうでも1時間は見なくちゃいけない、そういう状況でございます、地 理的に。 ○宮城委員  この南会津というところは、人口はどのぐらいですか。 ○福島県(長澤)  3万程度ですね、ここは。非常に過疎地域でございます。 ○宮城委員  それともう一つ、空白地域のこれは相双と読むのですか。この医療圏の方はいわき医療 圏のほうに行っていらっしゃいますけれども、これもそんなに時間がかかったりするので すか。 ○福島県(長澤)  はい。これ南北に長い地域でございまして、県北に行くにも、いわきのほうに行くにも 1時間ぐらいかかります。さらに相双の一部は県中に行っている方もいるのですが、これ はなかなか山脈を越えていくし、交通の便も悪いところでございまして、さらに時間がか かる。そういう地理的条件にあります。 ○垣添座長  まず、山口委員、それから若尾委員。 ○山口委員  今後の議論のこともありますので、まず、空白地域に一生懸命定義を満たせるような努 力をされており、均てん化を図るという意味でも、この新規の空白医療圏は、私はぜひ認 めていただきたいなと思います。もう一つの磐城のほうは、最初のご議論にもありました ように、既に1医療圏に1個指定されているところに、さらに追加して新規指定を望むと いう場合には、その2番目以降の病院の質というのはかなり慎重に見る必要があるんじゃ ないかなと思います。一番最初に考えなければいけないのは、磐城を入れるのであれば労 災病院を外すというのが当然考慮に入れる点ではないかと思うのですけれども、その上で、 磐城のほうがいいのかという観点で数字を眺めてみますと、患者数は磐城のほうが多いの ですね。しかし一方で、過去の状況も多分関係しているのでしょうが、労災病院は相談支 援の例数が圧倒的に多い。これは拠点病院にとって非常に大事な機能です。私は1医療圏 への複数指定の場合、新たに指定しようとする病院はかなり良質のしっかりした病院でな はないと困ると思います。磐城はその点はクリアしていると思うのですけれども、一方で、 では労災病院との比較云々ということになると、そのまま労災病院でいいのではないかな と考えます。福島県の方に伺いたいんですが、磐城をこの1医療圏にさらに同じ地域に指 定するということが相乗効果がしっかり出てくるという点がプレゼンでは明確でなかった ので、その点をお聞かせいただきたい。 ○福島県(長澤)  福島県はがん医療にかかわらず、なかなか医師の専門医の確保というのが非常に厳しい 状況にある中で、国の指定要件を満たしているとはいえ、今ご指摘のあったように、病院 によっては特異というか特徴があると。例えば労災病院ですと確かに相談機能は非常に発 揮されているけれども、例えば肺がん関係は専門医が中にいなくてやれない。あるいは婦 人科関係のがんについても、磐城共立病院のほうと一応連携をとってやらないと、なかな か対応が難しいと、そういう事情がございます。ですから、我々としてはここ2カ所をや っていただくことによって、この地域の集学的ながん治療体制を築いていける、そういう ふうに考えた次第でございます。 ○山口委員  そうすると、多分相加的じゃないかなと思うんですね。こちらの病院の弱いところを別 の病院でカバーする。だから2つ認めようというお話だと思うんですけれども、私は拠点 病院の趣旨から言うと、それは拠点病院が中心になって、この場合、労災病院が中心にな って磐城にもお手伝いをいただくという形で、その圏域内をまとめていただくというのが 本来の趣旨ではないかと思いますので、今のお話を伺った上で、この磐城のほうは新規を 認める必要はないのではないかと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。若尾委員、どうぞ。 ○若尾委員  山口先生と同じところをちょっと確認したかったので、結構です。 ○垣添座長  ほかにご意見は。  それでは、白河厚生総合病院の新規推薦は認めて、それから、もう一つの新規推薦であ るいわき市立総合病院に関しては、これまでに指定された労災病院その他の機能分担で対 処していただくという考え方でよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。白河厚生総合病院を新 たに指定し、いわき市立総合病院の指定は、今回は認めないということにさせていただき ます。  では、続きまして栃木県、お願いいたします。これからは栃木県から広島県まで、7つ の県を順次ご説明いただいて、一括して議論したいと思います。 ○栃木県(児玉)  それでは栃木県、私は県のがん総合対策検討会の座長をしています県立がんセンターの 所長の児玉と申します。よろしくお願いします。  まず、資料1ですが、これは平成21年4月1日現在の県内の拠点病院の指定状況と患者 の受療動向を示しております。栃木県は5つの医療圏からなっておりますけれども、現在 県立がんセンターが県の拠点病院、2番から6番の5つの病院が地域がん診療連携拠点病 院に指定されております。なお、現状では県西医療圏、県の西になりますが、これが空白 の医療圏となっております。栃木県ではこの6つの拠点病院を中心としてがん診療連携協 議会を立ち上げておりますが、さらに地域の中核拠点病院というのがありまして、現在で は9つの病院も含めてがん診療連携協議会に参加していただいて、相互の連携あるいは様 々な診療補助等を行っております。  それらのうち、資料2ですが、これらは今回新規に指定申請が出ました7番目、8番目 の医療機関と1つ辞退した医療機関がありまして、それら8つの診療内容の状況を示して います。なお、今回辞退をしております大田原赤十字病院ですが、これは今回、リニアッ クが整備されていないということで指定基準から外れております。大田原赤十字病院は3 年先に新しいところに新規移転するということで、現在あるコバルトの施設を現状ではリ ニアックに差し替えられないということで辞退をしております。  それで、資料3ですが、これは今回申請させていただいた7医療機関の県内での状況を 説明しております。今回は県北医療機関、大田原赤十字病院が辞退いたしましたため、空 白の医療圏となっております。さらに特徴といたしましては、県内医療圏、3番と4番、 3番が自治医科大学、4番が獨協医科大学ですが、実は自治医科大学は茨城県との連携が 非常に強くて、自治医科大学受診患者数の25%は茨城県の患者さんというデータが出てお ります。さらに両毛医療圏では今回7番の足利赤十字病院を新規に申請しておりますが、 足利赤十字病院も受診患者の15%が群馬県からの患者さんという形になっております。  資料4ですが、これは当県の今回の指定推進に関わる考え方について整理させていただ いております。  まず、1番目として交通事情及び人口規模から県内に7つから8カ所の拠点病院が必要 であると考えております。本県は地理的に県内外からの交通アクセスが非常によくて、県 内の医療機関には医療圏域や県域を超えてがん患者さんが受診しております。しかし、人 口規模が同じ200万人程度の他県と比較しますと、1医療圏当たり及び1拠点病院当たりの 人口が平均を大きく上回っておりまして、がん医療の均てん化を推進するためには、人口 25万から30万人当たり圏域に1カ所、すなわち県全体で七、八カ所の拠点病院が必要では ないかと考えております。  さらに2番目としては、この資料4の下段を見ていただきたいんですが、県の拠点病院 及び2つあります特定機能病院と、さらに地域レベルの医療を推進するという地域拠点病 院との重層的な整備を行っております。特に都道府県拠点病院や特定機能病院は全県的な 機能として、がん診療に携わる医療従事者の育成、がん専門医の派遣、高度先進医療の提 供、がん治療の研究等を行っておりますし、地域拠点病院は地域レベルの機能として地域 におけるがん医療の提供、放射線療法、化学療法、緩和ケアの推進等を重層的に整備して、 相互の連携の下でその機能を効果的に発揮しております。  各圏域を担当する拠点病院の考え方は先ほどお示ししましたけれども、県北の空白医療 圏を県立がんセンターが補てんするということ。県南医療圏には2つの特定機能病院があ りますが、これは全県的な機能上、必要であるということ。あと両毛医療圏は群馬県と隣 接しておりまして、群馬県の患者さんも来られるということで、足利赤十字病院と、さら に佐野厚生総合病院は地域及び隣接の医療圏との連携を重要として考えております。  このような考え方で、今回の拠点病院の選考に当たりましては、がん総合対策検討会、 これは患者さんの代表等も入っていただいていますが、そこで検討した上で、このような 形で申請させていただきました。  以上です。 ○垣添座長  ありがとうございます。  では、続きまして、東京都、お願いします。 ○東京都(椎名)  着席したまま失礼いたします。東京都福祉保健局医療政策部副参事の椎名でございます。 よろしくお願いいたします。  資料をご覧ください。  東京都は都道府県拠点病院として都立駒込病院、癌研有明病院の2病院を推薦するとと もに、概ね2次医療圏ごとに地域の拠点病院を14病院推薦いたします。都では拠点病院の 整備により、人口やがん患者の受療動向など都の地域特性を踏まえた整備を行い、拠点病 院を充実することにより、都における様々ながん医療ニーズに対応すること。拠点病院間 の連携や地域への支援などにより、がん医療水準のより一層の向上を図るため、力のある 病院が中心となって都全体をカバーする網目状のネットワークの構築を目指しています。  資料1をご覧ください。  現在の指定状況ですが、都道府県拠点2カ所、地域拠点12カ所が指定されています。概 ね医療圏ごとに指定されていますが、地図右上の区東北部医療圏につきましては、区中央 部にございます4番の日本医科大学附属病院が、また、区東部医療圏につきましては5番 の聖路加国際病院がカバーしています。また、地図中ほどの北多摩南部・北部・西部の3 医療圏につきましては、13番の武蔵野赤十字病院と14番、杏林大学医学部付属病院の2病 院がカバーしています。拠点病院の指定を受けてから、いずれの病院も患者数や相談支援 センターの相談件数など前年を上回る実績となっております。  資料3をご覧ください。  今回の推薦につきましては、現在指定されている拠点病院に新たに区中央部に15番、順 天堂大学医学部附属順天堂医院、区南部に16番、昭和大学病院の2病院を加え、都道府県 拠点2カ所、地域拠点14カ所を推薦いたします。区中央部の推薦理由でございますが、都 内外の多くの患者に対して2病院の連携により高度ながん治療、特に放射線治療の提供、 がん専門医の養成、相談支援体制の充実などがん医療提供体制の整備を図ります。区南部 につきましては、2病院の特徴を生かし、効果的な連携により広がりのあるがん診療を行 うほか人材育成、緩和ケアの地域への普及促進など区南部を中心としたがん医療の充実を 図ります。  資料4をご覧ください。  今回新たに2病院を加えて推薦する理由として、東京都のがん医療の状況、地域特性に ついてご説明いたします。  左上をご覧ください。まず、拠点病院の患者さんの約4割が他県からの流入患者であり、 都内の拠点病院は他県のがん患者、がん医療をも支えているということ。次に、右上をご 覧ください。医療機関数や交通網の発達により診療圏域が交錯しており、必ずしも2次医 療圏という枠組みにとどまらない患者の受療動向があること。続いて、左下をご覧いただ きたいと思います。人口は1,300万人と全国の1割、推計がん患者数は約13万5,000人であ ること。2次医療圏の平均人口は97万人と全国平均の約2.6倍と人口、患者数ともに全国的 に突出していることなどがあり、拠点病院としての役割を十分に果たすことができるよう、 地域特性を踏まえた指定が必要と考えます。  また、追加推薦を行い拠点病院の整備が進むことによる相乗効果として、地域のがん医 療水準の向上、地域連携の推進などさらなるがん医療の充実が図られます。具体的には東 京都がん診療連携協議会における様々な課題の検討、医師緩和ケア研修の充実とともに、 現在14の拠点病院及び都独自の東京都認定がん診療病院10カ所、国立がんセンター中央病 院、そして東京都医師会の協力の下、総勢150名もの委員にご参加いただき検討している都 内共通の地域連携パス、こちらでございますけれども、このパスの整備を進めておりまし て、拠点病院を中心とした取組が進むことによりがん医療の充実が図られます。  また、各病院の特徴を生かした診療連携、人材育成等によるがん治療の充実、緩和ケア や医療連携室の情報共有、診療ネットワークの活用によりまして医療圏内での連携、また 個別具体的な病院間の連携も図られ、広域的ながん医療の均てん化、レベルアップにつな がると考えております。さらに院内がん登録の拡大によりまして、現在東京都では行われ ておりません地域がん登録の実施に向けた取組が推進すると考えております。  以上から、2次医療圏を単位としたがん医療連携を基本としつつ、都内共通の地域連携 パスを活用するなどして、力のある病院を中心とした圏域を超えたネットワークを構築し てまいりたいと思います。都道府県拠点2、地域拠点14病院を推薦させていただきます。  以上でございます。 ○垣添座長  では、どうぞ続けて。どうぞお願いします。 ○新潟県(村山)  座って失礼します。新潟県福祉保健部医務薬事課の参事の村山と申します。よろしくお 願いします。  私のほうから新潟県の推薦概要についてご説明させていただきます。  まず、資料1をご覧ください。  平成21年4月1日現在の指定状況でございますが、7医療圏のうち4医療圏に8病院指 定されています。拠点病院が指定されていない県央、魚沼、佐渡の3医療圏については患 者がそれぞれ隣接する医療圏に受診する傾向がありますので、隣接する医療圏に拠点病院 を複数整備することによりカバーしているところです。  続きまして、資料2をご覧ください。  今回推薦する病院は、指定更新として7病院、新規指定として済生会新潟第二病院を推 薦しております。それぞれの病院のデータにつきましては、時間の都合上、割愛させてい ただきます。  続きまして、資料3をご覧ください。  今回、1病院を新規で推薦しておりますが、従来どおり隣接医療圏に拠点病院を複数整 備することで空白医療圏をカバーするという考え方を基本とし、さらに患者や医師等が集 中している新潟医療圏に1病院新規の推薦を行うものでございます。  続きまして、資料4をご覧ください。  指定推薦等に係る考え方ですが、まず、医療提供体制や相談支援等の充実という観点か らは、政令指定都市である新潟市を中心とした新潟医療圏に県全体の4割弱の人口が集中 している上、さらに患者の受療動向では同圏域内の医療機関を受診する患者の3割弱が他 の医療圏から流入しています。また、連携協力体制等の推薦という観点からは、地域拠点 病院が支援すべき病院数や医師数についても新潟医療圏が非常に多くなっています。その ため新潟医療圏や隣接する空白医療圏に所在する医療機関では、緩和ケア研修の実施に遅 延が生じるなどの問題があります。  このような状況の中で、県として最善と考えるがん診療体制は、下の3、指定後の新潟 県のがん診療体制のとおりとなっております。当県におきましては、推薦病院の決定に当 たり、原則2次医療圏に1カ所、空白医療圏は隣接医療圏でカバーするという基本的な考 え方の下で、1圏域で複数の病院を選定する場合は集学的治療の状況、医療従事者の配置、 緩和ケア体制等を考慮した県独自の評価基準により優先順位をつけています。特に新潟医 療圏においては新たに1病院を追加して推薦させていただきましたが、当県独自の評価基 準によれば、地域がん診療連携拠点病院として新潟市民病院が最も評価が高く、続いて新 潟大学医歯学総合病院、済生会新潟第二病院の順となっております。こうした状況の中で、 消化器がんの鏡視下手術や緩和ケアに実績のある新潟市民病院、高度医療や先進医療に実 績のある新潟大学医歯学総合病院、肝がんのラジオ波焼灼療法に実績のある済生会新潟第 二病院、この3つの病院を県がん診療連携拠点病院である県立がんセンター新潟病院とと もに拠点病院として指定していただき、各病院の診療機能を生かした連携体制の構築や緩 和ケア研修体制の推進などを図ってまいりたいと考えております。  最後に現在指定要件の原則規定を満たしていない長岡中央綜合病院ですが、当該病院と しましては、放射線治療に携わる医師の早期の常勤化を目指し、新潟大学に働きかけを行 っているところでございます。  以上で新潟県の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、続きまして愛知県。 ○愛知県(吉田)  愛知県の健康対策課長の吉田と申します。よろしくお願いいたします。  資料1よりご説明いたします。  平成21年4月1日現在、愛知県では都道府県拠点病院1病院と地域拠点病院13病院を指 定していただいております。名古屋医療圏では指定されている各病院が機能分担するとと もに、それぞれの得意な分野で県全体のがん医療の拠点としての役割を担っております。 また、尾張中部医療圏と知多半島医療圏の2つの空白医療圏をカバーしております。なお、 愛知県の東に位置します東三河北部医療圏につきましては、(14)の豊橋市民病院がカバーし ております。  資料2−1,2−2は今回推薦させていただきました15病院の治療件数等を記載してお ります。  資料3につきましても、同様に15病院について記載しております。なお、資料1の14病 院に加え、新規に1病院を推薦しております。  次に、資料4によりまして今回の指定推薦に係る愛知県の考え方についてご説明申し上 げます。  都道府県がん診療連携拠点病院としては、引き続き愛知県がんセンター中央病院を推薦 いたします。地域がん診療連携拠点病院としては14病院を推薦いたします。複数指定の名 古屋医療圏の連携体制については、大変申しわけございませんが、資料4−2、左側に記 載しております。220万人を超える人口を持つ名古屋医療圏につきましては、2大学病院に ついては都道府県拠点病院を補佐し、ほかの病院は名古屋医療圏を東西南北の4地域に分 けた各地域を担当します。  (2)の名古屋医療センターは科学療法、小児がんの拠点としての役割を担います。また、 空白医療圏である尾張中部医療圏をカバーします。  (3)の名古屋大学医学部附属病院はがん専門の人材育成の拠点とします。(5)の名古屋市立 大学病院は精神腫瘍学の教育・普及と政令指定都市である名古屋市のがん対策の拠点とし ての役割を担い、さらにこの2大学病院につきましては、人材育成・診療支援の観点で都 道府県拠点病院を補佐いたします。  (4)の中京病院は五大がんの愛知県統一クリティカルパスの開発に中心的に関わっており まして、愛知県の地域連携クリティカルパスの開発・運用、そして相談支援の拠点といた します。また、空白医療圏でございます知多半島医療圏をカバーしております。  (6)の名古屋第一赤十字病院は国内トップクラスの骨髄移植を実施し、また県内最多の病 床数の緩和ケア病棟を有しておりますので、本県の血液腫瘍、特に骨髄移植と、緩和ケア 病棟の拠点といたします。  高精度放射線治療センターを有します(7)の名古屋第二赤十字病院は、愛知県の放射線治 療、都市型医療連携、血液腫瘍、特に悪性リンパ腫の新規治療法と新薬開発の拠点といた します。  続きまして、尾張東部医療圏の連携体制につきましては、資料4−2の右側に記載して おります。2病院が連携してがん診療の向上を図ります。  (9)の陶生病院につきましては、地域の3師会からもこの医療圏のがん患者のよりどころ として信頼が非常に厚く、がん性疼痛認定看護師が室長を務めております相談室では、地 域の相談機能の強化を図ります。この取組は地域医療機関の相談支援室の支援モデルとし まして、ほかの拠点病院の取組の参考とします。  (15)の新規でございますが、藤田保健衛生大学病院につきましては、地域拠点病院として の役割にとどまらず、県拠点病院を補佐し、さらに低侵襲治療と緩和ケア医療教育の拠点 として本県全体のがん医療の拠点としての役割を担います。安全かつ精度の高い低侵襲治 療を提供し、特にハイリスクのがん患者を受け入れます。また、平成15年より緩和ケア医 学講座を開設しておりまして、緩和ケアの人材を育成します。その他の医療圏では、推薦 する各病院が地域がん診療連携拠点病院の役割を果たし、併せまして県内全域でがん診療 の均てん化を実現するためのネットワークを構築します。さらに県内のがん診療連携拠点 病院が愛知県とともに取り組むべき課題を愛知のがん診療連携拠点病院の取組として明確 にいたしましたので、この取組を今後も推進し、愛知県のがん医療のさらなる均てん化を 図っていきます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、三重県。 ○三重県(古元)  それでは、座って失礼させていただきます。三重県健康福祉部医療政策監の古元と申し ます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、早速説明に移らせていただきます。  資料1をご覧ください。  三重県では現在、南北4つの保健医療圏がございます。そちらに5つの拠点病院が指定 されているという状況でございます。そのうち中勢・伊賀保健医療圏、こちらに2つ指定 されておりますが、そのうちの1つ、(2)三重大学医学部附属病院につきましては、こちら は県拠点病院として県内全域をカバーするといった位置づけでございます。また、南勢志 摩保健医療圏の2つのうち(4)松阪中央総合病院につきましては空白医療圏である東紀州を カバーするといった位置づけでございます。  資料2をご覧ください。  まず、一番下の6番、鈴鹿中央総合病院につきまして今回新たに新規推薦をさせていた だきたいと考えております。この病院を含みます6病院いずれもが新たな整備指針の基準 を満たした病院でございます。  続きまして、資料3をご覧ください。  この図は、北勢保健医療圏におきまして、(6)鈴鹿中央総合病院が新たに指定された後の 姿となります。この結果といたしまして、北勢保健医療圏のがん患者さんにつきましては、 通院圏域などに応じまして、1番もしくは6番の病院を受診することとなります。  詳しくは次の資料4に基づきまして、ご説明をさせていただきます。資料4をご覧いた だきたいと思います。  今回の指定推薦等に係ります三重県の考え方についてでございます。今回、新規推薦を いたします鈴鹿中央総合病院のございます北勢保健医療圏を中心に、本日お配りいただき ました資料1に掲げられた3つの論点に沿ってご説明したいと思います。  1つ目の論点、がん患者の通院圏域並びにがん診療連携拠点病院間の機能的役割分担等 についてでございます。  まず、がん患者の通院圏域につきまして、こちらの北勢保健医療圏は人口約84万人、三 重県人口45%を占めるという非常に大きな地域でございまして、県立総合医療センター、 こちらは既に指定されておりますが、ここには、そのほとんどが四日市市以北の住民が受 診をされております。それに対しまして、今回新規に推薦いたします鈴鹿中央総合病院に つきましては、そのほとんどが鈴鹿市、亀山市の住民でございます。このように通院圏域 は明らかに異なっているというのが現状でございます。  続きまして、病院間の機能的役割分担につきまして、右のグラフでございます。  まず、主な手術の実績につきましては、そちらに記載をさせていただいているとおりで ございます。また、放射線治療、化学療法などにつきましては、その下の表でございます が、鈴鹿中央総合病院が化学療法につきまして、より手厚い体制を有していること、また、 地域医療支援病院として地域の医療機関との連携に力を入れておるという状況。また、そ れに対しまして、県立総合医療センターは放射線照射回数が多く、また、救命救急センタ ーを有する。こうしたそれぞれの特徴を有した病院が相互補完的に地域のがん診療を支え る体制をつくり上げているという状況でございます。  次のページをご覧いただきたいと思います。  論点の2つ目、2次医療圏を超える数の医療機関が拠点病院に指定されることによる相 乗効果につきまして、まず、1つ目の丸でございますが、県のプランではここに掲げてご ざいます2つの目標を掲げております。均てん化のさらなる推進によりこれらの目標に向 けた取組を加速させたいというのが基本的な考え方でございます。具体的にはその下の丸 でございますが、地域拠点病院が増えることに応じまして、プランの目標数値を見直すこ ととしております。こちらは三重県がん対策推進協議会において了承済みでございます。  次に、3つ目の論点でございます。拠点病院の運営が適切に行われるための体制の確保 に向けた都道府県の取組について。まず、1つ目の丸でございますが、財政支援等につい てはきっちり県としても予算を確保してやっていきたいということ。また、ITネットワ ークの整備なども今回の鈴鹿中央を含めて県を中心に推進しているところでございます。 また、指定された後のフォローアップ、前回、第5回の本検討会においても様々なご指摘 がございましたが、フォローアップ並びに評価をきっちりやっていきたいと考えておりま す。  以上、三重県のご説明をさせていただきました。ご審議のほど、どうぞよろしくお願い いたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、兵庫県。 ○兵庫県(太田)  兵庫県の医監を務めております太田でございます。説明させていただきます。  資料の61ページでございます。平成21年4月現在、兵庫県は1の県立がんセンターを初 め、14病院が指定をいただいております。本県では2次医療圏域は10圏域ございまして、 全ての医療圏域で拠点病院の指定を受けております。2次医療圏域に複数の指定を受けて おります圏域の役割分担でございますが、左側の中播磨医療圏、これは姫路を中心とする 地域でございますが、肺がんの全県的役割を持つ9番の姫路医療センター、大腸がん等の 全県的役割を持つ10番の姫路赤十字病院が指定を受けております。右側の阪神南圏域につ きましては、尼崎、西宮、芦屋というところでございますが、いわゆる中皮種の全県的役 割を持つ関西労災病院、大腸がん、血液がんの全県的役割を持ち、またがんプロフェッシ ョナルの実習を行っております6番の兵庫医科大学病院が指定を受けております。その下 の神戸医療圏、これは神戸市でございますが、肝がんの全県的役割を持ちます神戸大学附 属病院、先端医療分野等の全県的役割を持ちます神戸市立中央市民病院、胃がん等の全県 的役割を持ちます神戸医療センターが指定を受けております。  その下の資料2でございます。  現在、指定を受けております14病院及び新規指定をお願いしております2病院の実績に ついて説明をいたしております。都道府県拠点病院でございます(1)のがんセンター及び2 次医療圏に複数指定を受けております神戸圏域の3病院、阪神南圏域の2病院、次ページ の中播磨圏域の2病院につきましては、入院患者数等から見て拠点病院の役割を果たして いると考えております。  めくっていただきますと、62ページでございますが、上の資料2の続きでございます。 2次医療圏で単独の指定を受けております5病院、7の近畿中央病院、(11)の赤穂市民病院、 12番の公立豊岡病院、14番の県立淡路病院は入院患者数等から圏域内のがん治療に十分な 役割を果たしていると考えております。8番の西脇市民病院及び13番の経済率柏原病院に つきましては、近年肺がんの手術実績は劣っておりますが、近隣医療圏の拠点病院がカバ ーをしておると考えております。  その下の資料3でございます。  今回、13病院の更新に加えまして、15番の県立尼崎病院、阪神南医療圏域、16番の市立 伊丹病院、阪神北医療圏を申請いたしております。阪神南医療圏には現在2病院、(5)の関 西労災病院と(6)の兵庫医科大学病院が指定を受けておりますが、このたび15番の県立尼崎 病院を推薦いたします。その理由といたしまして、尼崎病院は肺がん、中皮種の胸部がん 検診診療において既に阪神南圏域のみならず、阪神北圏域をも広くカバーする役割を担っ ております。阪神北医療圏には現在(7)の近畿中央病院が指定を受けております。これに加 えまして、本県の血液がんネットワークの一角を担ってもらいたいということで、16番の 市立伊丹病院を新規に推薦いたしました。  資料4−1でございます。65ページ、今回新たに推薦をいたしました県立尼崎病院、市 立伊丹病院について簡単なご説明を追加させていただきます。  兵庫県におけるがん対策の課題として、肺がん、中皮種の胸部のがん、血液がん対策が ございます。肺がんの死亡率は全国33位、また中皮種の死亡数は全国2位の多さでござい ます。このような状況を改善するために以前より肺がん、中皮種の治療実績に定評のある 尼崎病院の役割は重要でございます。圏域内のがん拠点の分担は以下のとおりでございま すが、県立尼崎病院が拠点病院として指定を受けることによりまして、全県的な肺がん、 中皮種の診療評価は大きいと考えております。また、血液がんについては早期に診断し、 最適な治療、移植へと引き上げることができる体制の整備を掲げております。  めくっていただきますと、すみません、最後の資料4−2でございます。いわゆる兵庫 県がん対策推進計画における圏域を超えた役割を担っている拠点病院についてご説明をい たします。  縦軸には対がん戦略項目、横軸には同一医療圏に複数推薦をしている病院を挙げており ますが、丸印、二重丸は近畿圏内トップクラス、丸は兵庫県内トップクラスの実績を有す る病院を示しております。こういうものでネットワークをつくりまして、体制を強化して いきたいと考えております。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、最後に広島県。 ○広島県(津山)  広島県の医療政策課長の津山でございます。  資料1をお願いいたします。  広島県は既に中国地方では人口も面積も最大の県となっておりますけれども、7圏域の 全てに拠点病院が指定されております。表の左上を見ていただければと思いますが、この うち広島市を含む広島医療圏では県内トップレベルの医療機能を持つ4つの基幹病院が指 定を受けておりますが、ネットワーク型がんセンターとして、それぞれの特色を生かしな がら先進的な医療機能の強化とともに、人材育成についても連携の強化を進めているとこ ろでございます。  次のページ、2−1でございますが、既に指定されております10の病院におきましては、 ご覧のように全病院で指定要件をクリアするとともに、集学的な治療が適切に実施されて いる状況でございます。  次のページ、お願いをいたします。  2−2でございますが、今回の指定に当たりまして、既に指定されております10病院の ほかに指定要件を充足している3病院から申請がございました。広島県ではがん計画のア クションプランの策定も含めて、大学、医師会、患者代表などで構成される検討会等で6 回にわたりご議論をいただきました。患者団体からのヒアリング等も行って見直しの検討 を行ったところでございます。その結果、表の11の病院につきましては、患者の利便性の 確保の観点から、地理的に不便な圏域の解消、表の1から4までの4病院につきましては 医療機能の集約により、さらに高度な医療提供体制を、表の9と12の病院につきましては、 連携による高度で専門性の高いがん医療提供体制の構築をというめり張りのきいた推進を 行うよう議論が集約されたところでございます。  県といたしましては、10病院に加えまして2病院を新規に推薦させていただくこととし、 1病院については推薦を見送ることといたしました。  資料3でございます。  具体的な配置は図の3のとおりとなっております。広島圏域については広大な土地を有 しておりますので、そこが課題となってございます。  資料4−1でございます。  1つ目の広島医療圏でございますけれども、この地域は神奈川県ほどの面積がございま す。海に近い既存の4病院と山で隔てられている北部の地理的な問題が大きな課題となっ ております。  まず、4病院は指定以後、がん計画にネットワーク型がんセンターと位置づけ、より高 度な医療や人材育成機能を発揮されるよう取組を進めてまいりました。その中で、機能連 携の具体的な例として図に示しておりますとおり、4病院の高度な放射線治療機能を再編 集約し、平成26年度をめどに新たに高精度放射線治療センターの整備を行うこととしてお ります。引き続き継続して指定していただきますようお願い申し上げます。  新規の広島市立安佐市民病院でございますが、人口急増地域でございまして、広島市北 部の交通の要所に位置してございます。島根県の一部を含め、北部地域での基幹的病院と して機能しております。医療機能の面におきましては、手術件数等も県全体で上位5位に 入る病院になっており、県内有数のがん治療病院でございます。このため、全ての基準を 満たしております安佐市民病院を新たに拠点病院に指定されるようお願いしたいと思って おります。  次に、4−2でございます。  2つ目の府中、福山医療圏でございますけれども、がん医療機能の連携によるがん難民 の防止が課題となってございます。既指定の福山市民病院のがん医療については、胃、大 腸、肝がんなどに強く、また、圏域で唯一の緩和ケア病棟を有しています。しかしながら、 県民から婦人科がん、小児がん、肺がんへの対応を求められております。肺がんのほかに 圏域の唯一の周産期母子医療センターとして小児がん、乳がん、子宮がんなどの婦人科系 のがんに強い福山医療センターを新規に推薦を行うものでございます。これらの病院では 増加別の手術件数のばらつきはございますが、トータルとして入院数、手術件数等、十分 な実績を上げてございます。2病院が対等な立場でそれぞれの特徴を生かし、相互に補完 しながら機能・分担を推進することで、県東部地域においてもより高度な専門性の高い医 療体制が可能になるものと考えております。  以上、既10病院と2の新規の推薦をよろしくお願いしたいと思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。カテゴリー3ということで、既に指定がされている医療圏か ら新たな新規の推薦があって、医療件数を越える都道府県ですか。拠点病院数が増加する グループに関して、栃木県から広島県まで7つの都道府県のご紹介をいただきましたが、 これ順次議論をいただきたいと思います。  まず、栃木県、足利赤十字病院と上都賀総合病院の2つが新規に推薦されたわけであり ますが、この2病院に関していかがでしょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  上都賀病院は空白への指定ですので、ぜひお認めいただくのがよろしいのではないかな と思うんですけれども、問題は足利日赤で、既に1つ定められているところにもう一つと いうことで、機能的には今まであったものよりも逆に強いので、先ほどの議論ではないで すが、既指定のものを落とすという考え方と、両者並列というのと、新規を落とすという のと、あともう一つは静岡の例であったように、1年間両者を置いて1年後に整理をして いただくと、こういう4つぐらいの選択肢の中からどれかということになると思うのです が、足利日赤に関して、この書かれている資料の中でも資料の4の足利日赤のところに圏 域を超えた広域的な患者及び救急医療云々と書いてあります。この地域はたしか隣の圏域 といっても群馬県で、群馬県立がんセンターがある地域だと思いますので、がんの患者さ んがそういう意味で群馬県から栃木県に移動しているのかというところは、明確に見えな いところがあります。ですので、その点がしっかり説明できないのであれば、私は上都賀 病院を認めて、足利日赤は今回は認めないというのが一つの方法かなというふうに思いま す。 ○垣添座長  ありがとうございます。ほかにご意見はありましょうか。  はい、どうぞ。 ○内田委員  今、山口先生のほうから上都賀のほうが空白地域だから認めるというお話がありました が、従来のこの空白地域を抱えたところでの拠点病院の指定に関しては、隣接の医療圏で それを補完するような指定をしてきたという経緯がございます。今回、この上都賀の内容 を見ますと、件数や医療内容が少し少ない、補完している隣接の病院に比べて少ないとい うことが1つと、それから、実際にこの場所をプロットしてあるところを見ますと、かな り隣接する医療圏に近いのかなという印象を持ちますが、その辺についてのご説明をいた だけますか。 ○栃木県(児玉)  先ほどちょっと説明し忘れましたけれども、この上都賀総合病院がある県西医療圏とい うのは栃木県でも一番広い医療圏であります。日光市と鹿沼市という2つの市からなって いまして、日光市は日本でも一番広い面積を持った市ということで、非常に交通の便上、 かなり山間部と僻地を抱えているということがあります。それともう一つは、上都賀病院 の医療患者の分布を見ますと、かなり高齢者が多いと。やはり地元からの非常に密接した がん患者さんの緩和ケアを含めてやっているというところでして、がん患者さんのターミ ナルケアも含めますと、なかなか都会に移送してという状況は難しい状況がある。そのよ うなことがあるので、やはりぜひ上都賀総合病院については地域で重要な位置づけでない かなというふうに思っております。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょうか。  それでは、大田原赤十字病院が取り下げになって、それで新たに2病院が県から推薦さ れましたけれども、空白地域を埋めるという意味で上都賀総合病院を新規に推薦し、足利 赤十字病院に関しては、今回は見合わせていただくということでいかがでしょうか。よろ しゅうございますか。  では、そのようにさせていただきます。  では、次は東京都ですね。順天堂大学と、それから昭和大学の2つの大学病院を新規に 推薦された東京都に関してご意見、いかがでしょうか。  若尾委員、どうぞ。 ○若尾委員  すみません、その順天堂と昭和の前に昨年からの指摘事項である都道府県拠点が2つあ るその相乗効果あるいは連携、役割分担について先ほどご説明がなかったように感じたん ですけれども、そこをもう一度教えていただけますでしょうか。 ○東京都(椎名)  現在東京都におきましては、都道府県拠点病院といたしまして、駒込病院とがん研有明 病院の指定となっております。この駒込病院には都道府県がん診療連携協議会の事務局、 そして院内がん登録データの収集分析や地域連携の推進など、東京都におけるがん医療ネ ットワークの中心的な役割を担っていただいております。一方、このがん研有明病院につ きましては、高度の専門医療の提供を行うとともに、がん専門医等の教育機能やがん医療 従事者の質の向上など主に人材育成の指導的役割を担っていただいております。  この東京都がん診療連携協議会の中でのそれぞれの取組ということになるわけですけれ ども、先ほど申し上げましたように、例えば地域連携クリティカルパス部会、それから研 修部会、がん登録部会、相談情報部会と4つの部会をこの協議会の中には設置しておりま すけれども、特に今回お示ししましたこのパスですとか、それから研修につきましては、 東京都の場合、非常に病院さんが多いということもございまして、研修の日程自体を非常 に組むことが難しくなっておりまして、実際に研修部会の中で特に癌研有明さんが中心に なりまして、日程の調整ですとか病院さんの各分担などにつきましてかなりご検討いただ いております。こういったものにつきましてかなりご検討いただいております。ことしは 特に緩和ケア小委員会というものを設置いたしまして、この医師向け緩和ケア研修を推進 するということを取り組んでいただいております。また、がん登録部会、相談情報部会に つきましても、協議会の中でそれぞれお取組を今いただいているというところでございま す。2病院の中で役割分担と連携を図りながら、様々なお取組をいただいているというと ころでございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。  はい、どうぞ、山口委員。 ○山口委員  国立がんセンターの独法化に伴って、今回この拠点病院としてしっかりした位置付けに 今後なっていくのではないかと思うんですけれども、そうしますと、順天堂を認めようと しているところに現実には今も国立がんセンター、中央病院が動いているわけですね。そ の辺りは東京都としてこの絵の中でどうお考えなのでしょうか。 ○東京都(椎名)  国立がんセンター、中央病院につきましては、今現在診療機能として、私どもの理解と いたしましては、やはりセンター・オブ・センターといった役割を果たされているのかな というふうに思っております。今回、区中央部にこの順天を推薦という理由は、資料4の ほうをもう一度ご覧いただきたいんですけれども、非常に区中央部につきましては、この 圏域の外からの患者さんの流入が大変多うございます。実際に区中央部の患者さんは東大 病院と順天さんの中で1割程度ということで、他県も含め非常に多くの他の地域からの流 入が一つあるということ。それから、それぞれの病院さんに高い診療実績があるというだ けでなく、それぞれ例えば東大病院さんですと再発がんですとか、そういった非常に高度 ながんの取組、それから緩和ケアに対する地域への支援といった特徴、さらに順天におき ましては、女性のがんの実績、そしてまた、患者団体との連携といったそれぞれ独自のお 取組もいただいているところです。そういった特徴も生かしつつ連携を図る中で、東京都 全体のがん医療の水準を向上していただくという考え方で推薦させていただいております。 ○垣添座長  はい、どうぞ、内田委員。 ○内田委員  今のお話の東大、順天堂がある地域に関しては、医科歯科もあれば日大駿河台もあるし、 杏雲堂もあるし三楽病院もあると。大きい病院がすごく集中しているんですね。ですから、 今後これをどういう方向性で検討するのかということを東京都としてはっきり方向性を見 せていただかないと。 ○東京都(椎名)  その区中央部に多数の病院、医療機関があるというのはそのとおりでございますが、や はり国からお示しいただいているこの指定要件、これをまずきちんと充足している病院と いうことが重要ではないかと思います。  そしてまた、東京都全体を考えましたときに1つの医療圏の人口が大体国全体の人口の 2点数倍というか3倍弱というところになっておりますので、拠点病院を医療件数だけで 割り返していくというのはなかなか厳しいものがあるかなと思っております。それは実際 には、連携の核となるということ、そして、その地域だけでなく広域の患者さんを受ける という意味で、一つ一つの病院さんの非常に負担が大きくなっているというところもある と思います。ですので、今後の考え方によりますけれども、私ども認定病院という独自の 制度もございますが、こういったものも含めまして、医療圏の数だけでなく、増やしてい く必要があるのかなというふうには考えております。 ○垣添座長  宮城委員。 ○宮城委員  実際に都の拠点病院は研修をしなきゃいかんですね。それはとても今、日程調整なんか で難しいということをおっしゃったんですけれども、実際に年間どのぐらいやっていらっ しゃいますか。 ○東京都(椎名)  今後でございますけれども…… ○宮城委員  いや、これまでは。 ○東京都(椎名)  これまで各拠点病院、認定病院それぞれ年に1回以上、また複数行っていただいている ところもございます。 ○宮城委員  1回。 ○東京都(椎名)  はい。医師向け緩和ケア研修でございますよね。 ○宮城委員  いや、いろいろな研修をやらんといけないですよね。医療従事者に対してもやらないと いけませんから。 ○東京都(椎名)  それにつきましては、いろいろな研修をそれぞれの病院さんのほうでお取組いただいて おります。 ○宮城委員  今、数字を出せませんか。 ○東京都(椎名)  申しわけございません。今、手元にございませんで。 ○垣添座長  宮崎委員。 ○宮崎委員  先ほどの東京都にたくさんの患者さんが集まるということなんですけれども、これは確 かに事実であって、群馬県辺りからも行っていますから。これが多いからといって認めて しまうと、その均てん化ということとちょっと逆行する、やはり格差といいますか、どん どんそこに集まればいいんだということを助長してしまうような面もありますので、必ず しもそれを大きな理由にはできないんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○垣添座長  今のご指摘あるいは先ほどの内田委員のご指摘も同列のご質問かと思いますが、その辺 り、委員の皆さんからご意見はありますか。  はい、どうぞ、富樫委員。 ○富樫委員  よろしいでしょうか。患者の立場から言いますと、拠点病院になったからといって治療 の差が出るわけじゃないので、拠点病院の先ほどから言っていますけれども、いろんな指 導と連携と相談支援という3本立てをちゃんと考えると、もう拠点病院というのはそんな に多くなくてもいいかなという感じがします。ただ、本当に患者としては、意見というの はいろんな要望がありますけれども、最終的にやっぱりいい治療を受けたいというのがも う根底にありますので、拠点病院に外れたからそれをしないということではないと思いま すので、拠点病院さんが指導と連携と相談支援をしっかりできるところが東京の場合は今 2つあるわけですし、2次医療圏にそれぞれありますし、先ほども今の順天堂のところも 複数ありますので、患者としては増えればいいかなとは思う考えもありますけれども、拠 点病院としてたくさんある必要はないかなとも思いますが。 ○垣添座長  ありがとうございました。結局東京は巨大な都市ですし、人口も多いということで独自 の考え方として基幹施設を2つ、有明病院と駒込病院をつくって、それから拠点病院を既 に12指定していて、あと認定病院という独自の制度で10病院を指定されているわけですね。 今、それ以外にもいっぱい候補の病院があるというお話で、今2つ大学病院が上がってい るわけですが、今後の考え方としてどうするかというときに、どんどん数を増やしていく のは問題じゃないかという意味のご発言が幾つかいただいているかというふうに思います が、さて、戻りまして、この順天堂大学と、それから昭和大学病院の指定をどうするか、 最終的にご意見をいただけますでしょうか。 ○若尾委員  今ご指摘がありましたが、やはり人口が多く、病院が多く、患者さんが多いことは事実 だと思いますので、今指定を満たすのがどんどん拠点になるということは問題だと思うん ですが、その中で幾つか絞っていただいて出してきたということで、もともと13の医療圏 に対して16ですので、そんなにオーバーしているという感じはなく、逆に東京都の場合は 地域がん登録をやっていないんですね。そのためにがん患者さんの把握ができない状況で、 拠点病院でカバーする率をやっぱり上げないといけないという事情もあると思いますので、 今回の2病院は認めていただいてもよろしいのではないかと思います。 ○垣添座長  非常に個人的な事情をお話ししますと、私、東京都のがん対策推進協議会の会長をやっ ていますが、東京都はこれまでがん登録はまず不可能じゃないかと言われていたのがこの 2つの基幹施設と、それから12の拠点病院、それから都の認定病院が中心になってがん登 録がかなり動き出してきているので、今、若尾委員がご指摘のように、もう2つかなり強 力な病院が加わることによって、東京都のがん登録が本当に動き出すと。それからもう一 つ、先ほどご説明いただいた地域連携パスがかなり地元の医師会と一緒になって動き出し ていますから、これが動き出すと東京都が1つの全国に対するモデルになるんじゃないか なと私は大変期待しているんですが、そういうような事情から、もし委員のご反対がなけ ればこの挙がっております順天堂大学と昭和大学を認めるということでいかがでしょうか。 よろしゅうございますか。  ありがとうございます。では、両病院を指定ということにさせていただきます。  では、続きまして、新潟県はいかがでしょうか。  済生会新潟第二病院が新規に推薦されているということですが。  はい、どうぞ、山口委員。 ○山口委員  これも幾つか既にもう例が出てきたケースだと思うんですが、同一医療圏に新たに済生 会を認めるかという問題で、それは圏域ないしは新潟県全体にとって相乗的な効果を発揮 するのかという点でちょっとご説明から読み取れませんでした。  それから、新たに指定しようとする病院もそれほど強力ではない、数値的に見ましても。 幾つかのがんは数も非常に少ないとか、それであれば同じ圏域に指定されているどれかの 病院を1つ減らして入れ替えかなという観点から言いますと、それで、新潟市民病院の660 という非常に少ない数字は、これはもう入れ替えていいのかなと思ってずっと見ていたん ですが、かえって手術件数などは今度新規指定を求めようとしている病院より多いという ようなことがありまして、なかなかこの席でこちらをやめて、こちらに新規を認めるとい うことが言いにくいと思いますので、これ先ほどにもありましたように、1年かけていた だいて、今回は新規指定を認めて、それで1年後にどちらかをなくすというようなことで どうかなと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。ほかにご意見ありましょうか。  若尾委員、どうぞ。 ○若尾委員  一応これは確認なんですが、この4番の新潟市民病院のがん患者さんの割合が4.6%、こ れは間違いではなくて、これほど少ないということなのでしょうか。 ○新潟県(村山)  はい、そうなっております。先ほど入院患者数660というお話しでしたけれども、訂正さ せていただきたいと思いますが、これ660という数字が五大がんに限定した数字でしたので、 訂正させていただいて、966ということでお願いしたいと思います。  あと、割合はこのようになっております。なぜ新潟市民病院がほかの病院に比べてこれ だけ少ないかと申しますと、こちらは救命救急センターを持っておりまして、やはり後方 ベッドを確保しなくてはならないということもありまして、若干待機の患者さんがいると いうこともあります。 ○垣添座長  それでは、済生会新潟第二病院が新規に推薦されておりますが、今のご意見を踏まえま すと、ここを認めるけれども、新潟医療圏に既に3つ病院があるということで、この間の 整理を今後1年ぐらいかけてしていただいて、またご報告いただくということで、条件付 きの承認ということにいたしましょうか。よろしゅうございますか。  では、そのようにいたします。  どうぞ、宮崎委員。 ○宮崎委員  ちょっとここの病院のことではないですけれども、先ほど数字がちょっとおかしいので はないかと思います。がん患者さんの割合が少ないのではないかということですけれども、 私のところでもデータを外部に出すときに、実際かなり変な数字が事務から上がってくる んですね。そうすると、その統計を出させるときの定義をかなり細かくやっていただかな いと、例えば単に、患者さんの数と出されると、実人数とか出てきてしまいます。最近は きちんとやっていらっしゃるのかもしれないですが、特に初期のころはそういうことがあ りまして、我々もこれを見てもよく分からないと思います。そうすると、先ほどの五大が んに限ってしまうことが起こるので、データをもって比較するときに使われる場合には、 定義をかなり細かくしていただいたほうが分かりやすいかなとふだん感じておりますので、 よろしくお願いしたいと思います。 ○垣添座長  その点に関して、事務局からいかがでしょうか。 ○鈴木がん対策推進室長  先ほどの患者さんのところもですが、求めているデータについて、注意書きなどの説明 がなされております。がんを主たる病名に確定診断されたものについて計上することとい うことで、逐一そういった疑義がありましたら、説明の中に入れていきたいと思っており ます。 ○宮崎委員  これだけのことでは、ほかの面もかなり細かい定義をしていただきますと、1人を複数 に数えるということもありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょうか。  はい、どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  この新潟労災ですけれども、数がさらに少ないんですけれども、これ一応数は1,200ぐら いいるんでしたか、あることが望ましいということなんですけれども、ちょっと少な過ぎ るんじゃないですか、これ。これはちょっと更新は難しいんじゃないですかね。これは、 私はそう思います。 ○垣添座長  県のほうから何かお答えはありますか。 ○新潟県(村山)  資料4をご覧いただきたいと思いますけれども、新潟労災の位置づけとしてアスベスト 疾患センターを持っておりまして、この関係で指定しております。若干そういった関係で 患者数が少ないということもあります。それと、一般病床が並べてあります病院の中で最 も少なくて361床ということも関係しております。しかしながら、私どもとしては県のがん 計画の中にも位置づけておりますように、全県的にアスベスト疾患に対応する病院として 位置づけておりますので、非常に重要な病院という認識をしております。 ○垣添座長  年間にアスベストの数はどのくらい受けられているかというのは今お分かりですか。 ○新潟県(村山)  例えば相談件数でいいますと、平成20年度は131件、19年度は133件というふうな相談件 数がございます。あと、検診の件数はそれほど多くないんですけれども、20年度が12件、 19年度が13件、そういった形になっております。 ○垣添座長  そのような委員からのご指摘もあったということをちょっと病院にお伝えください。  では、新潟県に関しては条件付きで済生会新潟第二病院を承認するということでよろし くお願いします。  続きまして、愛知県はいかがでしょう。藤田保健衛生大学が新規に推薦されています。  山口委員。 ○山口委員  今回、新規の指定を求めている藤田保健衛生大学は、実力からいって問題ないと思いま すし、では公立陶生というのはたしかこれ位置関係が随分離れていて、名古屋圏の中では そういうことも含めて、それから機能が全く違うという点でよろしいのではないかなと思 います。一方で指摘されておられますように、全体の数が15になる、11医療圏に対して15 になると。一番最初、宮崎委員のご意見もございましたけれども、多分この委員会では様 々な事情に応じて厳重に医療圏数ということでもなくやってきているとは思いますが、私 自身は大体圏域数の2倍は幾らなんでも多過ぎると。1.5倍ぐらいがざっくり言えば限界か なという気はして、ずっと考えてきたんですが、それにちょっと近づくということで、要 は藤田保健衛生を認めるにしても、1年後ぐらいに名古屋の医療圏の今7つ、県拠点も含 めて。この辺りの整理をするお気持ちがないのか。特に第一日赤、第二日赤のいずれかは 規模的に言っても、件数から言っても指定更新を今回しないという議論はなかったのか。 その辺りをちょっとご確認させていただきたいと思います。 ○垣添座長  どうぞお願いいたします。 ○愛知県(吉田)  ありがとうございます。名古屋医療圏につきましては、ご説明も申し上げましたけれど も、全国的に見ても相当大規模な病院でございまして、がん医療もそれぞれ言ってみれば 県の拠点病院に準ずるような、補佐するような役割を担っていると。名古屋大学病院と名 市大病院の大学病院はもちろんですけれども、ほかの4病院につきましても東西南北の地 域を分担しておりますし、尾張中部医療圏と知多半島医療圏という空白の医療圏も担当し ているということで、割とすみ分けもしっかりしているといった状況でございます。私ど も闇雲に推薦しているわけではございませんで、名古屋医療圏でも厳密にいろんな議論の あった中で、残念ながら涙を飲んでいただいた病院も複数あったといったことは申し添え ておきます。  委員さんにご指摘いただきましたように、尾張東部医療圏につきましては、1つの医療 圏ではございますが、先生にご指摘いただきましたように、割と地域間の陶生病院が北の ほう、藤田のほうが南部ということで、割と地域間の距離もございまして、十分すみ分け ができるといったふうに考えております。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  はい、どうぞ。 ○山口委員  他の特に大都市圏で1つの医療圏に数カ所指定されているという圏域は幾つかあると思 うんですが、その多くがやはり拠点病院ですので、単なる診療ではなくて患者さんへの対 応とか相談支援センターとか、そういったものをしっかり運営するあるいはコメディカル の連携を保つとか、そういうことをやりながら複数指定の意義が十二分に出ているんです よという説明をされていると思うんですが、さっき聞いていてちょっとその辺が特に名古 屋圏については分からなかったんですが、その辺りはいかがですか。この7つ指定されて いる意義の相乗効果がしっかり出ているというようなことは何か教えていただけますか。 ○愛知県(吉田)  先ほどちょっと時間の関係で説明不足でございましたが、ちょっと繰り返しになります けれども、機能面でも例えば血液腫瘍に特化する病院、割と力を入れている病院あるいは 放射線治療に力を入れている病院、あるいは中京病院なんかの例でもございますけれども、 地域連携クリティカルパスで愛知県がんセンター、県拠点病院を補佐して頑張っている病 院で、今指定していただいている地域の名古屋圏域における病院についても非常に指定し ていただいて安心しているわけじゃなくて、本当に競合する病院もいっぱいいる中で指定 していただいた責任を十分果たしながら、名古屋医療圏のがん医療のさらなる発展、しい ては名古屋圏に、東京都さんも同じだと思いますけれども、周辺からも患者さんが十分流 れてきますので、愛知県全体のがん医療の推進にも十分寄与した体制になっていると、こ のように考えております。 ○垣添座長  ありがとうございます。先ほど山口委員ご指摘の名古屋第一、第二日赤の関係なんかも この資料を見ますと、やはりかなりの規模で動いていますし、それから、名古屋という巨 大な都市ということから考えると、これは一応理解できるんじゃないかなというふうに思 いますが、今議論いただいております藤田保健衛生大学を新たに愛知県として拠点病院に 指定することに関して、これ承認するということにしてよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  では、続きまして、三重県、鈴鹿中央総合病院が新規に推薦されておりますが、この件 に関していかがでしょうか。 ○若尾委員  この三重県で鈴鹿の北の地域ですね。鈴鹿総合病院が新規に指定推薦されたところは、 既存のものとして三重県立総合医療センターという病院があって、規模は鈴鹿のほうが大 きくて、さらに三重県立総合医療センターで非常に気になることとして、相談支援センタ ーが2カ月で4件しか相談を受けていないという状況で、拠点病院として相談機能を十分 果たしていないのではないかと思うんですが、この辺は何か情報がありますでしょうか。 ○三重県(古元)  ありがとうございます。よろしいでしょうか。  こちらにつきましては、私どもも大変気になりまして、直接病院に確認をさせていただ きました。そうしましたところ、実は病院の中の体制といたしまして、看護師が中心でや っておりますがんサポート室なるものが別に設けられており、そちらのほうをこれまでの 経緯から多くの方が利用されているということで、今回の数字がこのような形で上がって きたのが実情のようでございます。ですので、今後がんサポート室と相談支援センターの 役割を少し整理をするように県のほうからも病院とは相談をさせていただいているところ でございます。 ○垣添座長  院内の体制でそういう数字になってしまったということで、相談は行われているという ご説明かと思うんですが、ほかにいかがでしょう。  特にご異議がなければ、それでは三重県では鈴鹿中央総合病院を承認としてよろしゅう ございましょうか。今の指摘されました三重県立総合医療センターの相談支援のことに関 しては、引き続き病院に関してきちんと指導をしていただければと思います。  では、続きまして兵庫県、いかがでしょう。これは県立尼崎病院と市立伊丹病院が新規 に推薦ということで上がってきておりますが。 ○山口委員  兵庫県は第1回のときからいろいろ意見を申し上げた経緯がありますので、ちょっと責 任をとって。先ほどから申し上げているように、この県立尼崎並びに市立伊丹をあえて複 数圏域にもう一つずつ指定する必要があるのかという観点で眺めさせていただくと、他の 今まで指定されている圏域の病院並びに周辺の病院と比べましても両病院とも能力的には 低い部分に属するんじゃないかなと思うんです。それから、ご説明の中でこの2つを指定 して相乗効果が出るという意味合いから言うと、ある部分の診療科にとっては強化される かもしれないけれども、それほど大きな効果は出ない。むしろその圏域の中で拠点をしっ かり強化、さらに既に指定されている今回更新を受ける拠点病院を強化していただいて、 その連携拠点の下に活動していただく、特に拠点とは指定せずに。それで十分活動してい ただけるような2病院じゃないかなと思いましたので、私はこれを今回、指定を見送ると いう考えでいかがかなと思っております。 ○垣添座長  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  兵庫県は認定病院とか協力病院とか、それぞれ都道府県によってそういう拠点病院以外 の指定をして、それに若干の補助をするような体制をとっているところがありますけれど も、兵庫県はそういうことはなさっておられない。 ○兵庫県(太田)  基本的にまず、最初の山口先生のご質問に少しお答えをさせていただければと思うんで すが、基本的に阪神南の近畿中央病院、例えば伊丹病院、それから阪神南の兵庫医科大学、 医科大学は別にございますが、病院のいわゆるがん医療のレベルでは余り遜色はないので はないかというデータを一方でございますが、例えば近畿中央病院についてはやはり非常 に地域連携とかしっかりやっておられたというようなことで、当面選ばせていただいたと。 今回、伊丹病院についてはやはり血液の疾患についてのきちんとした兵庫県ネットワーク をつくりたいということで、今回申請をさせていただいたものでございます。  それから、阪神南につきましては、ご存じのクボタの問題がございまして、兵庫県はあ の辺りが中皮種なり肺の疾患の現在患者が非常に増加しております中で、県立尼崎病院が 呼吸器について、この部分について、労災とか兵庫医科大学はもともと先ほどもお話がご ざいましたように、アスベストセンターというのが労災病院として持っているということ でございますが、地域も若干違いますので、そういう点で強化をしたいということで、資 料4−2はこれがもし認めていただければ、兵庫県の拠点病院の完成形かなと思って出さ せていただきました。  今の座長のご質問でございますが、もし今回、今のところ例えば兵庫県独自のシステム というようなものは、過去にそういうものはつくっており、いろんな誤解も与え、ご迷惑 をおかけした時期もございましたが、まだ座長がおっしゃったところは今後の検討課題と いうことにしております。 ○垣添座長  山口委員、今の県のご説明を聞かれていかがでしょう。 ○山口委員  やはりアスベストは労災病院のネットワークの中で非常にしっかりやっておられる中で、 ここの同じ圏域に関西労災ですか、ございますし、ちょっとやはり元の意見は変わらない です。 ○垣添座長  変わらないということですね。ほかにご意見ありましょうか。  はい、どうぞ、内田委員。 ○内田委員  私も山口先生と同じ印象を持ちました。 ○垣添座長  ありがとうございます。それでは、この兵庫県から上がっております県立尼崎病院と、 それから市立伊丹病院に関しては、今回は非承認ということにさせていただきたいと思い ます。よろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  兵庫県として、やはりここも人口が多くてあれですから、何か独自のシステムを考えら れるとか、何かいろんな工夫をしていただければというふうに思います。よろしくお願い します。  では、続きまして広島県。これは広島市立安佐市民病院と、それから国立病院機構の福 山医療センターの2つが新規に推薦されておりますが、いかがでしょうか。 ○山口委員  ご説明の資料の中で、まず安佐のほうなんですが、資料の中で同一医療圏を強化しなが らネットワークでという絵の中にやっぱり入ってきていないとか、何かせっかく今まで広 島モデルとしてこの4病院が手を携えながら行くという説明でずっと来ていたと思うんで すけれども、そこに今回ポツンと病院の診療実績とかいっても少し弱いところが単なる利 便性で出てくる。そして、その広島県の考え方の中でも、その新しい絵の中にもちょっと それが入っていないとか、説明も非常に淡白で、この複数圏域という説明にしては弱いの かなという気がしました。それが安佐についての印象です。  それから、福山の圏域ですが、既にこの地域で1カ所指定されておりますので、それの 診療の補完という形でもう一カ所というのは少しなじまないのではないかなといった気が いたしました。 ○垣添座長  ありがとうございます。両病院に対して否定的なご発言でありますが、ほかにご意見は ありましょうか。  はい、どうぞ。 ○石川委員  県の方にお伺いしたいのですけれども、安佐市民病院の方が中心となっている広島市内 の4病院へ行くのにどのぐらいかかるのですか。 ○広島県(津山)  時間ですか。30分ぐらいだと思います。安佐市民病院と市内の病院ということになると、 30分ぐらいだと思います。 ○石川委員  そんなに遠くないんですね。 ○広島県(津山)  そんなに遠くないんですけれども、安佐市民の今の医療を担っているところがそれ以降 の奥の北部のほうが中心になりますので。 ○石川委員  僕がお聞きしたのはそういう意味です。先ほど島根の何とかというかなり奥のほうから いらっしゃると。 ○広島県(津山)  はい、奥のほうから来ておられます。 ○石川委員  その方が広島市の中心の病院に行くのにはどのぐらいかかるんですか。 ○広島県(津山)  中心部までですか。島根からですと約1時間半ぐらいかかると思います。 ○石川委員  大体1時間を超えるというぐらいですか。 ○広島県(津山)  はい、そうです。 ○石川委員  その大体人口はどのぐらいあるのですか。安佐市民がカバーする。 ○広島県(津山)  安佐市民がカバーする、ちょっとお待ちください。安佐市民がカバーしている患者数で すけれども、広島医療圏は面積が広うございますが、130万の広島医療圏でございますけれ ども、人口割合は県内の半分ぐらいでございます。その中で安佐市民が年間のがんの患者 を県内の中心部からは34名、圏域の北部というのが2,300名ぐらいですので、ほぼ全体の90 何%がそういう北部の対応ということになっております。 ○石川委員  ここにある県立広島病院とほぼ同じぐらいの患者さんを受け入れているということです が、ある意味、こういったところに私は指定をすることによって、よりレベルが上がって いくことも期待できるので、ここはお認めしてもよろしいんじゃないかと、こちらに関し ては。そう思いました。 ○内田委員  先ほど人口急増地域というようなお話もちらっとあったような気がするんですが、私も 石川先生と同じ意見なんですが、ただ、認めるに当たっては広島の中心部の4病院の当初 連携と機能分担ということがしっかりしていたんですけれども、そこのところをもうちょ っと整理して、ここのところを5つ認めるのであれば、中心域の4病院でもう少し整理す るとか、その辺の方向性がないのかと。 ○広島県(津山)  4病院でございますけれども、県立広島病院は緩和ケアというのを中心にやっておりま す。日赤は血液がんということで、大学は全般でございますけれども、市民病院は乳がん 等、がんに強い医療機関として4つが補完しながらネットワーク型がんセンターを運営し ているということでございます。それで、その中で先ほども少し説明をいたしましたけれ ども、人材育成などコメディカルの研修も相互派遣を今年度から具体的に実施しておりま すし、4病院については、それをさらに拡大するということで、広島県圏域の全圏域に波 及するようないろんなプログラムを提出していただくというのがネットワーク型がんセン ターの位置づけであるというふうに認識をしております。  安佐市民につきましては、がん全般で地域の医療をきちっと担っていくというすみ分け をしていきたいというふうに、県の検討会の中ではそういうすみ分けをきちっとしていく ということで整理をされました。 ○垣添座長  よろしいですか。ほかにご意見ありましょうか。安佐市民病院に関してほかの委員は何 かご意見ありますか。  それでは、反対もありますけれども、地理的な条件とか患者さんの流れとか、そういう ことを考えて、広島市立安佐市民病院のほうは承認し、福山医療センターのほうは、今回 は見合わせるということにさせていただいてよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  そうしますと、ブロックの3といいましょうか、複数の既指定の医療圏から新規推薦が あって、医療圏数を超える7都県の議論は一応これで終わったわけでありますが、これ取 りまとめをしないといけないですかね。 ○鈴木がん対策推進室長  この後も議論は続きますので、最終的な確認は全ての議論が終わったときに一括で行い たいと思っております。 ○垣添座長  休憩に入ります。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、ここで午前の部につきまして終了させていただきます。  委員の皆様方におかれましては、昼食をご用意しておりますので、お荷物を置いていた だきましたお部屋のほうに移動していただきたいと思います。  なお、午後の再開につきましては、13時からとします。13時から午後を再開させていた だきますので、よろしくお願いいたします。  あと、傍聴の方々におかれましては、ご持参していただいております昼食等がございま したら、昼休み、昼食の時間のみこの講堂の中でご飲食が可能となりますので、ご利用く ださい。また、受付において近隣のランチマップも配布させていただいておりますので、 それをご利用ください。  なお、昼食以外、休憩時間であっても講堂内、廊下、ロビー等は飲食禁止ですので、ご 協力をお願いします。  それから、最後になりますが、審議の公平性を担保するため、審議前の都道府県のご担 当者と拠点病院の関係者におかれましては、昼食時間におけます検討委員の方々の接触は ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、休憩に入ります。 (休憩) (再開) ○垣添座長  それでは、午後の部を再開したいと思います。  これからご審議いただきますのは、既指定の医療圏から新規の推薦があって、医療圏数 を超えない都道府県ということで、7道県をご審議いただきます。一応数の上では条件に かなっているけれども、果たして本当にそれでいいかどうかと、そういう視点からご議論 いただければと思います。  まず、北海道からお願いいたします。 ○北海道(田中)  北海道保健福祉部健康安全室、田中でございます。早速ご説明申し上げます。  初めに、74ページ、資料1でございます。平成21年4月1日現在の指定状況と患者受療 動向についてでございます。  道内には2次医療圏が21設定をされておりまして、これに対しまして拠点病院は現在、 都道府県拠点病院として北海道がんセンターの1カ所、地域の拠点病院として市立函館病 院を初め19カ所、合わせて20カ所が指定をいただいております。  21の医療圏のうち、拠点病院が整備されている圏域は地図でいきますと、実線で囲んで おります9つの圏域になっております。面積が広大である本道におきましては、札幌市な ど都市部への医療資源の偏在が著しく、拠点病院が未整備の圏域、これは点線で囲ってお ります12の圏域になりますが、これらの圏域からのがん患者の受療動向、これにつきまし ては、矢印でお示ししているとおり、札幌市を含む札幌圏を初め、函館市を含む南渡島圏、 旭川市を含む上川中部圏、そして釧路市を含む釧路圏域へとそれぞれ流出をしております。 こうした受療動向を踏まえまして、これらの4つの圏域に複数の拠点病院を整備している ところでございます。  なお、この20カ所の拠点病院は先ほど申し上げましたとおり、新しい指定要件を満たし ている病院として昨年度指定更新、それから新規の指定の推薦を行ってご指定をいただい ているところでございます。  次に、資料2でございます。  現在指定されている20カ所の拠点病院につきましては、全て指定の継続を予定しており まして、各拠点病院の現況報告に基づきまして、それぞれ手術、放射線治療、薬物療法、 緩和ケア、こういった実績を2枚にわたって取りまとめをしております。  また、76ページになりますが、2枚目の一番下の欄でございます。今回新たに地域拠点 病院として推薦をしております函館病院の実績をお示ししております。函館病院は設置主 体が独立行政法人国立病院機構でございまして、年間の受診入院患者数は1,272人、新入院 患者全体に占める割合としては41.7%という状況になってございます。  次に、資料3でございます。  今回、21番目の拠点病院として推薦をしている函館病院につきましては、2次医療圏で いきますと、ちょうど地図の左下にあります南渡島圏域にございます。この圏域で既に指 定をされております2カ所、市立函館病院と函館五稜郭病院でございますが、この2カ所 の病院との連携あるいは役割分担などを図りながら、地元の南渡島の圏域のほか、隣接を しております北渡島檜山及び南檜山も含めまして、3つの2次医療圏をこれら3つの拠点 病院でカバーする体制を今回構築しようというものでございます。これによりまして、こ れまで札幌圏などに流出していたがん患者さんに対しまして、より身近な圏域において高 度ながん診療や相談支援サービスなども提供することが期待されるものでございます。  次に、資料4でございます。  北海道がん対策推進計画におきまして、拠点病院の整備目標というものを定めておりま すが、この目標では都道府県拠点病院1カ所、地域拠点病院20カ所の21カ所、2次医療圏 と同数の箇所数を整備目標としているところでございます。現在、この目標に対しまして、 地域拠点病院が1カ所未整備の状況となっております。今回、函館病院の指定によりまし てこの整備目標が達成されまして、北海道がん対策推進計画の計画期間における本道のが ん診療の均てん化を推進する体制が構築されるということが大きな効果となっております。  なお、次の79ページにつきましては、指定要件の未充足についての説明でございます。 昨年指定要件を満たしておらず、確約書を提出しました都道府県のがん診療連携協議会に つきましては、指定をいただいた後の昨年3月に設置済みでございます。また、今回の都 道府県の拠点病院の現況報告におきまして、指定要件であります各拠点病院が作成してい る地域連携クリティカルパスの一覧表を作成・共有するという指定要件が充足しておりま せんが、これは経過措置期間内におけます各拠点病院の整備状況等を把握しながら、23年 の10月末までに充足する予定となっております。  以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○垣添座長  ありがとうございました。北海道のご説明をいただきましたけれども、現在20拠点病院 で、今の新規の国立函館病院が認められれば21で、21医療圏に対して21病院ということで ありますが、今のご説明に関して何かご質問、ご発言がありましたらお受けしたいと思い ます。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  ここからは各都道府県として総数の点では問題がなくなりますので、先ほどのような厳 しさとは違う形で多分議論は進むんだと思うんですけれども、ただ、やはり拠点病院とし ての格というのはどうしても必要になってきますので、要件は満たしているが、今日ご推 薦のある函館病院は、例えば2カ月間の悪性腫瘍の手術件数が39ということで、多分今日 出てきた新規で一番少ないんじゃないかなと思うんですね。かつ既に2カ所指定されてい るところの3カ所目という観点から言うと、少し慎重に見る必要があるんじゃないかなと 思うんですが、一番気になるのは、この北渡島檜山という診療圏をカバーするのが今まで は札幌でカバーしているというご説明の中で、今回急にその函館病院で、近くで診ると。 近くで診るということは患者さんにとって大変すばらしいことだと思うんですけれども、 そこで、データでぜひ示してくださいというお願いをしている以上、今までこの北渡島檜 山圏の患者さんの何名が札幌に行っていたのか。そして、それの多くの部分が多分この函 館病院を中心とした南渡島に移ってくるのだろうなと思うんですが、そこの数値を教えて いただけますか。 ○北海道(田中)  申しわけありません。今日具体的な受療動向の患者の数のデータ、ちょっと持ち合わせ ておりませんが、これらの圏域、北渡島檜山あるいは南檜山の圏域からは一番流出してい るのはやはり札幌圏でございますが、その次としては南渡島の圏域に患者さんが流れてい るということで、傾向としては札幌ですけれども、2番目に南渡島ということで、この札 幌に向かっている人をできるだけ地元の南渡島のほうで対応できるような体制を構築した いということで、今回3カ所として推薦をしているところでございます。 ○山口委員  この医療圏の人口は何人ぐらいおられるんですか。北渡島檜山のところは。そうすると、 大体患者数は推定できると思うんですけれども。 ○北海道(田中)  北渡島檜山の人口は平成20年2月末現在で4万2,612人ということになっております。 ○山口委員  分かりました。 ○垣添座長  宮崎委員。 ○宮崎委員  札幌に出るのにはどのぐらいの時間がかかっていますか。函館のほうに行くのはどのぐ らいの時間がかかるのですか。 ○北海道(田中)  この南渡島函館が一番大きな都市なんですけれども、JRの特急で、最短で札幌まで3 時間かかります。ですから、幹線から外れているこうした南檜山ですとか北渡島檜山、公 共交通機関で行くとなると、さらに1時間、さらにそれ以上。車で移動する場合も高速を 使って大体一定の何時間という単位での時間を要することになっております。 ○宮崎委員  函館にはどのぐらい。 ○北海道(田中)  南檜山、それから北渡島檜山から函館までは、この辺になると大体車での移動が中心に なってしまいますので、大体1時間から1時間半ぐらいということになります。ですから、 札幌に行くよりも半分の時間でこの病院に到着できるという位置関係になってございます。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょうか。  はい、どうぞ。石川委員、それから若尾委員。 ○石川委員  この函館病院を指定することによって、札幌に行っていた方がここに移るという根拠が この文からは見えてきません。患者のシフトが起こるという根拠がないんですね。もしこ こに書いてあるとおりに高度のがん医療を提供するということであれば、既に札幌ではな くて函館のほうに行く患者さんの流れができているはずではないでしょうか。 ○北海道(田中)  診療の部分だけに着目しますと、既に体制が整備されているところを推薦しているとい う現状でございますので、確かに一定の患者さんはもう既にこの3病院で受け入れをして いただけるんじゃないかというご指摘もある意味、そのとおりかなという感じはしますけ れども、拠点病院として今回体制を整えて、それを対外的に発信することによって、診療 機能以外に例えば緩和ケアの研修を行うとか、相談支援体制の充実を図るということで、 住民サービスのより充実を図るというところも大きな効果であるというふうに考えてござ います。 ○垣添座長  若尾委員までご発言ください。それで私、うっかりしていましたが、一括でご説明いた だいて、最後に審議するということで、若尾委員までご意見を伺って先に進みます。 ○若尾委員  今既に南渡島には市立函館、それから五稜郭があるんですが、今回の函館病院が加わる ことでこの既存の2施設にとってのメリット等について、あるいは連携体制、それから役 割分担等についてご説明いただきたいと思います。 ○北海道(田中)  具体的に3病院がどのような連携を図っていくかというのは、指定をされた後に21の医 療機関が集まりまして、北海道がん診療連携協議会の中でいろいろ議論を深めていくこと になろうかと思いますが、例えば緩和ケアの研修を1つ開催するに当たりましても、それ ぞれの医療機関の専門のドクターの連携協力を得ながら、円滑な研修が開催されると、そ ういったいろんな連携による効果というものを期待しているところでございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、新たに推薦された函館病院をどうするかに関しては、 最後に一括して審議したいと思います。  説明を続けてください。次は山梨県ですね。お願いします。 ○山梨県(市川)  山梨県でございます。  81ページでございます。本県の実情と今回の指定推薦の基本的な考え方等につきまして、 お話をさせていただきたいと存じます。  資料1でございます。ご覧のとおり、本県には4つの医療圏がございます。すなわち左 の上隅の甲府市周辺からなります中北医療圏というところ、その下の静岡側に接しており ます峡南医療圏、中北医療圏の右隣の峡東医療圏並びに首都圏に接しております富士・東 部医療圏という4つでございます。本県の特性といいますと、大きく2つのポイントがご ざいまして、まず、1つ目はこの中北医療圏、甲府市並びにその周辺の地域に医療資源が 集約をされておりまして、具体的に言いますと、医師の7割がこの中北医療圏で勤務して いるということでございます。翻って言えばほかの医療圏の医療提供体制というのは今現 在、極めて脆弱な状況になっているということもございまして、その下の峡南医療圏につ きましては、6の病院がありますけれども、全て常勤の医師数が一けた台という状況にな っております関係上、実態的にはこの峡南医療圏では指定ができずに中北医療圏の病院で カバーしているという実情になっております。  2つ目の特性でございますが、首都圏に接しております富士・東部医療圏でございます が、ここはほかの医療圏と峠によりまして境を画されておりまして、また、その先進的な 医療ができます中北医療圏に最も遠いということもある関係で、この中で完結をしなきゃ ならないという実情がございます。ほかの医療圏の病院ではなかなかカバーできないとい う地勢的な状況というのがございまして、後でご説明しますが、この富士・東部医療圏に あります富士吉田市立病院はがん患者の受入数からいきますと、極めて数が少ないんです が、こういった実情を踏まえて指定をしているということで、以上の特性を踏まえまして、 現在では中北医療圏に県の拠点病院であります県立中央病院並びに峡南医療圏に接してお りまして、峡南医療圏の患者さんを主に受け入れております山梨大学医学部附属病院、そ れから峡東医療圏の山梨厚生病院、それから富士・東部医療圏の富士吉田市立病院という 4つの指定をいただいているところであります。  次の82ページでございます。  今回、その指定を推薦しております病院でございますけれども、山梨県立中央病院と山 梨大学医学部附属病院、これは本県を代表する2つの病院でございますので、引き続き更 新をお願いしたいというふうに考えております。それから、峡南医療圏の山梨厚生病院並 びに富士・東部医療圏の富士吉田市立病院につきましては、新しい指定要件でございます リニアックが現状配備されていないということもございますので、辞退をさせていただく ということでございます。それから、新規で同じ中北医療圏であります市立甲府病院の推 薦をしております。当然のことながら、指定の要件はクリアしておりますし、がん患者数 につきましても、県立中央病院と引けを取らない数があるということもございまして、新 たに市立甲府病院を推薦するということでございます。  最も今回ご説明しなければならない点がこの病院の辞退に伴って空白となる医療圏が2 つ存在してくると。峡東医療圏並びに富士・東部医療圏、ここを今後どうしていくのかと いう問題が1つ。それから、市立甲府病院を新たに指定することによりまして、中北医療 圏に3つの病院が存在するというこの2つの問題につきまして、ご説明をいたします。  資料3以降でございますけれども、先ほど来お話ししておりますけれども、中北の医療 圏でカバーするということで、引き続き山梨大学にしていただくと。それから、峡東医療 圏、空白になりますけれども、新しく市立甲府病院というのが峡東医療圏に接していると いうことと、実態的にも山梨厚生病院に次ぐ受け入れをしていると。リニアックにつきま しても、放射線治療を峡東医療圏の病院の70%近い患者を受け入れているということもご ざいまして、ここを指定するということでございます。富士・東部医療圏につきましては、 今回辞退ということになりますけれども、この地域にリニアックがないということは大変 問題でございますので、知事におきましては今回補正予算でリニアック配備について財政 支援するという決断をして、現在設計に入っているところでございます。今後、今回の国 の地域医療再生基金計画にもこの富士・東部医療圏を選んでおりますので、がんの体制と いうのをさらに強化して、ゆくゆくはまた再指定ということでお願いしたいというふうに 考えております。  以上、るる説明いたしましたことにつきましては、資料4並びにその下でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、滋賀県、お願いいたします。 ○滋賀県(角野)  滋賀県健康推進課長、角野でございます。  資料87ページからお願いいたします。  まず、本県の指定状況でございます。医療圏は7医療圏ございますが、左側の湖西医療 圏、そして真ん中右側の東近江医療圏、この2カ所が空白ということでございます。また、 (2)の滋賀県県立成人病センター、ここが昨年4月から都道府県型の拠点病院となったとこ ろでございます。  続きまして、資料2、診療実績等でございます。  今回、1番の大津赤十字病院、3番の公立甲賀病院、5番の市立長浜病院が更新、そし て6番といたしまして滋賀医科大学附属病院の新規として挙げさせていただいております。 公立甲賀におきましては、年間新入院がん患者数が本来1,200辺りを一つの基準としている わけですが、若干それを下回っている状況にはありますが、ここは消化器のほうを熱心に やっておるところでありまして、県内でも大腸がん等のリーダー的な病院として位置づけ ております。また、滋賀医科大学付属病院につきましては、昨年、都道府県がん診療連携 拠点病院に滋賀医大と県立成人病センターの両者が手を挙げた訳ですが、結果的に滋賀県 といたしましては、県独自の指定という形で、滋賀県がん診療連携拠点病院という位置づ けを既にしておりまして、実績も大学病院であることもありますが、しっかりした実績を 残しております。  続きまして、患者受療動向でございます。  湖西地域におきましては、ここは湖西線というのがありまして、この地域は実際、がん 患者に限らず、多くの患者は大津赤十字病院のほうに受診しております。また、東近江医 療圏につきましては、ここは名神高速道路のインターがあり、また滋賀医大もすぐ近くに あるということで、高速を使って患者さんが行かれる。また、JR琵琶湖線を使って約1 時間ぐらいで大学のほうへ行けますので、多くのがん患者の方が滋賀医大のほうに受診さ れている状況にあります。  続きまして、本県の考え方でございます。91ページ、資料4になりますが、今現在、今 申しましたように、2カ所空白であります。今回ここの東近江医療圏域をカバーするとい うので滋賀医科大学を新規としてお願いしたところです。ここの東近江圏域は地域医療再 生計画でも指定されておりまして、今後国立滋賀病院がありますが、ここが今、病院とし ては非常に低迷しておりまして、ここに滋賀医大の主力を注いでやっていこうということ で、こことの連携を今後さらにこの圏域とは密になっていくということで、滋賀医大がカ バーするというふうに考えております。  また、先ほどの公立甲賀病院ですが、この地域は人口もそんなに多くないんですが、こ この肺がんの院内がんクリティカルパス、これが未整備でありましたが、昨年4月に呼吸 器外科医を配置することによって、院内のパス委員会において検討し、これから運用する という状況になっております。  また、この湖西圏域については今後とも大津赤十字病院がカバーするという形を考えて おります。また、先ほどの資料2ところで地域連携、ここの数字が非常に悪いわけですが、 県では昨年12月に五大がんについての県統一のパスを作成いたしましたので、今後このパ スを運用することによって、地域連携というものを密にしていきたいというふうに考えて おります。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、山口県をお願いいたします。 ○山口県(門田)  山口県健康福祉部地域医療推進室の門田と申します。よろしくお願いいたします。  早速でございますが、ご説明を始めさせていただきます。  まず、資料の93ページ、資料1の指定状況と患者受療動向についてです。  本県では、がんが死亡原因の1位を占めておりまして、平成20年3月に策定しました山 口県がん対策推進計画に基づきまして、がん医療の均てん化や質の向上に努めているとこ ろでございます。がん診療連携拠点病院につきましては、各地域において等しく質の高い がん医療を提供するため、この資料にありますとおり、県内8つの医療圏の中で7病院が 指定を受けているところでございます。このうち、山口大学医学部附属病院につきまして は、県拠点病院として各地域の拠点病院と緊密なネットワーク網を形成するなど本県のが ん診療連携における中核的な役割を担っているところでございます。また、長門医療圏と 萩医療圏につきましては、拠点病院のないいわゆる空白の医療圏でございますことから、 平成20年度におきまして、旧整備指針を満たしております病院を県独自にがん診療連携推 進病院として指定しまして、隣接医療圏の拠点病院との連携を図りつつ、がん医療の向上 に努めているところでございます。  続きまして、資料2、94ページの推薦病院の概要についてでございます。  まず、更新病院についてでございますが、年間入院患者数はいずれの病院も整備指針で 望ましいとされています年間1,200人を上回っております。また、治療実績につきましては、 全体に見ますと、胃、大腸がんなどの消化器系がんの実績が上がっており、乳がんはほぼ 均一に対応、肝がんは周東総合病院、徳山中央病院、山口大学医学部附属病院での実績は 上がっていますが、総じて肺がんへの取組を強化することが望まれます。こういった意味 で、新規の推薦病院であります山口宇部医療センターについては、本県のがん死亡で一番 高い死亡率の肺がんに関し、取組実績が顕著でありまして、今回の指定によって肺がん治 療について他の拠点病院との診療連携が十分に可能になるというふうに考えております。  続きまして、資料3、95ページでございますけれども、推薦の状況についてご説明しま す。  更新分に当たっては、本県のがん対策を推進する上からも引き続き8医療圏の7病院を 拠点病院として推薦するとともに、新規分にありましては、山口大学医学部附属病院と連 携して、拠点病院のない医療圏である長門医療圏の補完や本県のがん死亡率1位である肺 がんに係る高度な医療の提供等に努めております山口宇部医療センターを推薦し、本県の がん対策の一層の強化を図りたいと考えております。  なお、更新、新規ともに指定要件はいずれの病院も充足していることをご報告いたしま す。  最後に資料4、96ページでございますが、指定推薦に係る考え方についてでございます。  本県では、県施策の実行計画の重点事業としてがん対策推進計画を踏まえたがん対策の 充実を掲げており、がん診療連携拠点病院等の全医療圏での整備やその機能強化により、 がん医療水準の向上を図ることとしております。この重点事業の実施に当たりましては、 山口大学医学部附属病院を中心として、各拠点病院でのより緊密なネットワーク網を形成 し、全ての県民がいつでも、どこでも安心して質の高いがん医療が受けられる体制を構築 することが重要であり、暮らしの安心が実感できるがん医療体制を継続するためにも引き 続き現拠点病院の全てについて更新の推薦をお願いしたいと考えております。  続いて、資料4の97、2ページ目でございますけれども、新規推薦であります山口宇部 医療センターについてでございます。  同病院は、特に肺がんに関しまして手術件数で全国トップクラスの実績を有しておりま して、これまでも県内医療機関と連携し、患者を受け入れる。これは年間約700名程度です けれども、とともに、各種研修の実施や腫瘍内科医及び呼吸器系外科医を県外から確保し、 がん拠点病院等との診療連携に強化するなど、県内での呼吸器系がんの医療水準の向上に 大きく貢献しております。また、緩和ケアに関しても、県内初の緩和ケア病棟を平成10年 に整備、これは25床ですけれども、緩和ケアチーム、緩和ケア外来などの充実を図るとと もに、県内の医療職全体を対象とした独自の緩和ケア研修会を定期的に開催するなど、本 県の緩和ケア診療体制の充実を図っているところでございます。  以上のことから、本県のがん対策の充実のためには不可欠の病院であるということであ りますことから、山口宇部医療センターを新規の推薦としたところでございます。  以上、よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、徳島県、お願いいたします。 ○徳島県(石本)  医療健康総局次長の石本でございます。  まず、99ページ、資料1をご覧ください。  平成20年3月に策定した徳島県がん対策推進計画では、がん診療連携拠点病院を平成22 年度末までに2次医療圏に概ね1カ所整備することとしておりますが、現在6つの医療圏 のうち4圏域で未整備となっております。ご覧のように東部I医療圏に県拠点の徳島県立 中央病院と地域拠点の徳島大学病院、南部I医療圏に地域拠点の徳島赤十字病院の3病院 が指定されております。  資料2にお示ししていますように、今回は都道府県がん診療連携拠点病院を県立中央病 院から徳島大学病院に変更し、県立中央病院を地域拠点にすること。徳島赤十字病院を更 新することに加えまして、徳島市民病院と健康保険鳴門病院を新規推薦させていただいて おります。徳島大学病院は、年間新入院患者数、手術総数等から見ましても本県のがん医 療の中心的な役割を果たしており、また、拠点病院のない空白の医療圏への医師派遣機能 も併せ持っております。こういった状況を踏まえ、県拠点を県立中央病院から徳島大学病 院に変更したいと考えております。また、健康保険鳴門病院の年間新入院がん患者数が971 人と望ましいとされる1,200人には満たない状況ではございますが、指定要件の必須事項に つきましては全て満たされております。  資料3をご覧ください。  本県の今回の指定に係る考え方ですが、本年度策定しました徳島県地域再生医療計画に おきまして、医師の地域や診療科の偏在を是正し、補いながら県下のがん医療の均てん化 を図るための方針を定めました。現在、拠点病院のない4つの医療圏では、指定要件であ る高度医療機器の整備や専門医師の配置などを近年中に行うことは困難であると考えます。 そこで、拠点病院に準ずる病院を整備し、東部I医療圏に設置するがん対策センターから これらの圏域を支援することといたしました。がん対策センターは、隣接している徳島大 学病院と県立中央病院の地理的特性を最大限に生かし、連携して県下の診療、教育、研究 の発展に寄与するため、平成17年8月に協定が結ばれた総合メディカルゾーンに設置する こととしております。がん対策センターでは、高度先端医療機器や専門職の相互活用など 協力してがん先端医療を提供するとともに、拠点病院のない地域を支援するなど本県のが ん医療をリードしてまいります。  また、西部II医療圏に位置する県立三好病院は拠点病院に準ずる病院、がん診療連携地 域センターとしてがん対策センターの協力を得ながら、西部I、II医療圏のがん医療の水 準の向上を図ってまいります。  資料4の103ページの2の東部I医療圏において複数の病院が指定されることの効果につ いてですが、東部I医療圏は徳島市を初め、人口増加傾向にある地域であり、県人口の約 57%を占めております。現在、既に徳島大学病院と県立中央病院が指定されておりますが、 この2病院はがん対策センターとして拠点病院のない地域におけるがん医療を支援するこ ととしておりますので、圏域内のがん医療提供体制をさらに強化するためには、患者の受 療動向に対応して県の中央を流れている吉野川の北岸と南岸にそれぞれ位置します健康保 険鳴門病院と、徳島市民病院を拠点病院として充実し、がん医療を支援する必要がござい ます。両病院はともに徳島県保健医療計画で定める専門診療医療機関として、そのほかの 医療機関との連携体制を構築し、検診から在宅医療まで切れ目のない医療提供体制を推進 するなど中心的役割を担っております。このため、この両病院が拠点病院として指定され ることにより、県内のがん医療体制のさらなる強化が図られると考えます。  最後に指定要件に係る補足説明でございますが、徳島大学病院はがん診療連携協議会を 平成20年3月19日に開催する予定にしております。  以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、熊本県、お願いします。 ○熊本県(岩谷)  熊本県健康づくり推進課の岩谷でございます。日ごろから本県のがん対策の推進に当た りましては、ご指導いただき感謝申し上げます。  熊本県には11の2次医療圏がございます。現在、8つの拠点病院の指定を受けておりま すが、今回はこの8つの医療圏と新たに1つの医療圏を加えました9つの医療機関につい て拠点病院の推薦をいたしております。  105ページ、資料1、現在の指定状況と患者受療動向でございます。  地図の中央部分の熊本医療圏に都道府県拠点病院を含む5つの拠点病院が立地しており ます。熊本医療圏の周辺に住むがん患者は熊本医療圏で受療する割合が高うございまして、 熊本医療圏内の各拠点病院が隣接する2次医療圏のがん患者を受け入れている状況でござ います。このように、熊本医療圏内の各拠点病院が隣接する医療圏の拠点性を担っている という現状を踏まえまして、各拠点病院は当該医療圏の医療従事者の研修と診療連携の充 実に努めている状況でございます。  以上のほか、番号を記しておりますが、(6)の北部にあります有明、それから(7)、南部の ほうの八代、(8)、球磨の3医療圏につきましては、各圏域にある医療機関が拠点病院の役 割を担っております。残る県南部の芦北、天草の2医療圏につきましては空白部分となっ ておりまして、がん診療の均てん化が課題となっておるところでございます。  106ページ、資料2についてでございますが、熊本大学医学部附属病院の薬物療法の患者 数が未記入となっておりますが、件数をカウントする体制がとられていないためでござい まして、実態把握に努めるよう体制整備を促していきたいと考えています。退院時共同指 導料の件数が余り上がっておりませんが、こちらにつきましては、今年度策定いたしまし た熊本がん対策アクションプランにおいて、これまでの実績を平成24年度までに倍増する 目標を掲げておりまして、一層の連携強化に努めていきたいと考えております。  続きまして、107ページ、資料3でございますが、この資料は資料1を基にしまして、熊 本医療圏における熊本中央病院、(9)と番号を付けておりますが、熊本中央病院の新規推薦 を加えた状況をお示ししたものでございます。  108ページ、資料4でございます。  熊本県の各2次医療圏の状況をお示ししておりますが、本県の人口と医療資源は熊本医 療圏に集中しておりまして、資料1の配置図でもご説明しましたように、各拠点病院を中 心にしまして、隣接の医療圏に放射線状に広がる医療連携体制が構築されている状況でご ざいます。  109ページ、2の担当医療圏としまして、さきにお示ししました推薦病院ごとの担当医療 圏をまとめております。ここで熊本市民病院と熊本中央病院は担当する医療圏が同じとな っております。熊本市民病院は乳がん、熊本中央病院は肺がんについての手術件数等が県 内トップの実績を有しておりまして、それぞれの特徴を生かした機能的役割分担がなされ ている状況にございます。また、熊本中央病院は五大がんではありませんが、前立腺がん における手術件数が県内全ての拠点病院の手術件数の8割ほどを占めておりまして、県全 体の前立腺がん、治療水準の向上についても役割を担うことが期待されております。この ようなことから、今回熊本中央病院を追加しまして、拠点病院の推薦を行っております。  説明は以上でございます。ご検討をよろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、この最後、大分県、お願いいたします。 ○大分県(荒金)  福祉保健部医務課の荒金と申します。  では、説明させていただきます。  111ページ、資料1をお願いします。  大分県では6つの医療圏が設定されております。そのうち拠点病院が指定されているの は箇所図の上、右側の東部医療圏、1の別府医療センター、その下、中部医療圏、星印2、 大分大学医学部附属病院、3、大分県立病院、4、大分赤十字病院、左側に移りまして西 部医療圏、5、済生会日田病院が指定されております。残りの北部、豊肥、南部医療圏の 3つが空白医療圏となっており、がん診療の支援につきましては、北部については東部の 1、別府医療センター、豊肥、南部の2つの医療圏につきましては中部の3、大分県立病 院が支援をしております。結果として、現在6医療圏に対して5病院が拠点病院として指 定されております。  次に、112ページ、資料2をお願いします。  更新の5病院に今回新規のアルメイダ病院を加えた数値資料です。6病院とも必須要件 は満たしております。そのうち、上から2番目の県連携拠点病院の大分大学附属病院は医 療の質・量とも県下最大規模を誇っており、国で採択された九州がんプロフェッショナル 養成プランに参画し、がん医療に関する医師等を養成するとともに、九州地区における質 の高いがん医療の均てん化に寄与しております。  5番目の新規推薦であります大分市医師会立アルメイダ病院については、新規病院でも あり、同じ中部医療圏の推薦病院の中では数値的に低い箇所もありますが、各種のがん手 術については他の病院と互角の数字を残しており、県立病院と同じく豊肥、南部医療圏の がん診療を支援する役割を求めております。  次に、飛びまして申しわけありません。資料4を先に説明させていただきます。114ペー ジをお開きください。  今回の指定推薦の考え方、大分県の現状であります。本県では、県民の死亡原因のうち、 がんによる死亡原因が3割に加えて、全国平均より高い高齢化率となっており、がん患者 がますます増えることが予想されます。そのような中、6医療圏中3医療圏が空白状態、 中部医療圏、東部医療圏の人口・医療資源の集中化、加えて東部・中部医療圏への患者流 入化が促進されており、特に空白の豊肥・南部の医療圏については中部医療圏の中心地の 大分市との高速道路網の整備が進んだこと等により、がん患者の大分市の受療が進んでお り、現在支援している大分県立病院では、両医療圏からの入院がん患者は平成20年は前年 との比較で150名ほど増加しており、今後もさらに増加することが見込まれます。  次のページをご覧ください。  大分県の対策であります。大分県がん対策推進計画の全体目標の下、個別目標の中に県 内どこでも質の高いがん医療を受けることができるよう拠点病院を整備と明記しており、 これらを踏まえて県の審査会の審議を経て知事が推薦させていただいております。空白の 3医療圏については、残念ながら今回も指定要件を充足する病院はありませんでしたが、 今後もこれらの拠点病院の指定に積極的に取り組むとともに、個別目標の達成に向けて今 回の推薦に当たっては、豊肥・南部医療圏についてがん患者の中部医療圏への受療増加へ の対応、中部医療圏自体についても人口だけでなく、医療資源も集中しており、中部医療 圏のがん医療の均てん化が県全体の医療の向上につながるという観点から、拠点病院の量 的なものも必要と考えております。  以上のことから、更新の5病院に加えまして、中部医療圏について新規のアルメイダ病 院を推薦しておりますが、その理由といたしまして、1、病院の特色として全病床を開放 病床としており、大分市の医師会会員のみならず、その他の医師、南部・豊肥の医療機関 もアルメイダの施設が利用でき、さらに検査、治療に一緒に参画できるため、かかりつけ の医師とがん治療が一貫してできるという他の推薦病院との体制が違っており、がん診療 のノウハウのフィードバックが容易で、がん医療の均てん化が図られやすい。2に地域の 医療機関と地域連携パスを作成、活用しているほか、平成24年には国の地域医療再生計画 により緩和ケア病棟を建設する計画であり、今後もがん診療に熱心に取り組む姿勢である など、中部医療圏のみならず、県全体のがん診療の向上につながることが期待できるとい うことです。  以上のことから、今回の推薦状況を箇所図で落としたのが戻りまして113ページ、資料3 になります。  今回の推薦の変更点は中部医療圏に新規の6、アルメイダ病院が追加されたこと、豊肥 ・南部医療圏の支援が大分県立病院とアルメイダ病院になった点です。今回、6つの医療 圏に対して県連携拠点病院1、地域連携拠点病院5の6病院の推薦となっております。  以上で説明を終わります。ありがとうございました。 ○垣添座長  ありがとうございました。  それでは、戻りまして北海道から順次まいりたいと思いますが、先ほど少し議論が始ま ってしまいましたけれども、北海道に関して、いかがでしょうか。  国立病院機構の函館病院が南渡島に新たに推薦されたということでありますけれども、 既に指定されている函館病院と、それから五稜郭病院との関係とか、あるいは札幌との患 者の移動のことが議論されてまいりましたが、この函館病院の新規推薦に関して、ほかに ご意見ありましょうか。  委員の皆さんは先ほどの北海道の説明では必ずしも納得しておられないんじゃないかな という感じを受けておりましたが、いかがでしょうか。  一応医療圏の数に合う拠点病院の指定、そういう予定で北海道は推薦されたんだとは思 いますけれども、幾つかちょうだいしたご意見からすると、必ずしもここの南渡島という ところに3つ目の病院としてこれを認める必要があるかどうかというちょっと皆さん、疑 問を持っておられるんじゃないかという感じを受けておりますが、いかがでしょう。よろ しゅうございますか。  では、北海道に関しては、残念ながらこの国立病院機構の函館病院は、今回は推薦を見 合わせるということにさせていただきたいと思います。  では、続きまして山梨県、市立甲府病院を新規に推薦されたということであります。そ れと、これまで指定されていた山梨厚生病院と富士吉田市立病院が辞退されたということ でありますが、この新規の市立甲府病院に関して、いかがでしょうか。 ○若尾委員  この市立甲府病院の資料等を拝見すると、単独では非常に厳しい状況だと思うんですが、 県内の全体の状況を考えまして、今回2つの辞退があって、今既存のものが2つになって しまうというような状況も踏まえて、これから市立甲府病院に拠点となって頑張っていた だくということが望ましいのではないかと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  どうぞ。 ○関原委員  これは事務局にお尋ねします。私は午前中は出席出来ず大変失礼しました。あるいはも う議論が尽くされているかも分かりませんが、この山梨にしろ、徳島にしろ、熊本にしろ、 大分にしろ、結局この2次医療圏に1つというこの仕組み自体がやっぱりなかなか合わな いんじゃないかなと。にそういうところが限られた県ということであればいいのですが、 基本的にはみんな半分は空白圏とか、あるいは人口なり医療資源が県庁所在地に集中して いますという説明の中です。こういう現実の中で同一基準でやっていくということについ て、勿論何か基準は要るんでしょうけれども、このがん対策推進計画の中で2次医療圏に 1つという基準の見直しも含めて、どこかで基準の見直しをやらないと、ワークしにくい んじゃないかなというのが今伺った7つ県の中に共通にあるなという気がしたのですが、 その辺は室長にちょっとお話を伺いたいのですけれども。 ○鈴木がん対策推進室長  それにつきましては、資料の1番にもありますが、ちょっと重ねてになるとは思います けれども、基本的には2次医療圏に概ね1カ所という縛りはございますが、2番のところ の丸のところにあるとおりなんですけれども、当該医療圏や都道府県のがん診療体制にお ける相乗効果が都道府県の推薦意見書に数値目標などを用いられて記載されていること、 もしくは単に人口が多いというわけではなくて、がん患者の通院圏ですとか、そういった がん診療連携拠点病院の機能的役割分担、そういった隣との隣接の関係もしくは拠点病院 の運営が適切に行われるための体制を確保すると、そういった条件があれば、これまでど おり2次医療圏に複数のところが指定されておりますので、原則はありますけれども、そ ういった県からのプレゼンテーションの中で、きちんとした合理的なご説明があればこれ までも認めているということがございますので、そこは一概に機械的にやっているわけで はないというふうに私どもは考えているところでございます。 ○垣添座長  関原委員、けさ実はこの会の冒頭にやはり2次医療圏の考え方が宮崎委員からご提示い ただいて少し議論をしたのでありますが、現状としては一応この2次医療圏に原則として 1つという考えで進めていくけれども、地域の状況とか患者さんの移動の状況とかいろん なことを考えて、多少柔軟に考えるということで臨むということで一応整理しております。  ただ、今回が第6回目でしたか、この協議会は。これまで繰り返しやっぱり2次医療圏 の考え方そのものがなかなか現状に合っていないんじゃないかというようなご議論もあり ますので、これは引き続きやはり将来を見据えて少しがん対策推進室のほうで何か少し考 えていただく必要が恐らく出てくるんじゃないかなというふうに思います。  ということで、この問題はこれで終わらせていただきますが、山梨県に関して、いかが でしょうか。  はい、どうぞ、佐々木委員。 ○佐々木委員  指定とは直接関係ないのかもしれませんが、4つの2次医療圏のうち、3つ2次医療圏 が空白というのは、均てん化ということからすれば、余りに対策が遅いのではないかとい う印象も受けますが、そこは県でどのような議論をされていますか。 ○山梨県(市川)  ご指摘のとおり、基本的にはがんの均てん化といったものを最重要ということでござい ますが、そこと実態面での乖離ということがございまして、先ほど申し上げた峡南医療圏 では常勤の医師が一けた台ということもありますので、実際上は、そこはもう拠点病院と なり得る病院がないという状況でございます。したがいまして、そこに隣接する中北の病 院がカバーをするという実態。それから、今回の峡東ないし富士・東部の医療圏につきま しては、リニアックといったものの整備といったものがされていなかったということでご ざいまして、これを遅かったというご指摘というのはもっともだと思うんですが、なるべ くそういった意味で峡東医療圏をカバーする市立甲府病院というのを今回新規にさせてい ただいたということと、富士・東部医療圏の富士吉田市立病院につきましては、なるべく 早くまたリニアックを配備していただいて、指定していただくように県としても財政的な 支援をしているということでございます。 ○垣添座長  では、いずれまた再申請は条件が整えばあるということであったと思いますが、一応現 況から考えますと、空白圏が大分出てきておりますので、この推薦されました市立甲府病 院、これに先ほど若尾委員からもご指摘がありましたけれども、頑張ってもらって、全体 の条件が整うのを待つということで、この推薦されました市立甲府病院に関しては承認と いうことにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  では、続きまして滋賀県に関して、いかがでしょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  これも既に規定の病院があるところにもう一つ大学病院をということなんですが、私、 このケースは賛成で、むしろそういう形で滋賀医大附属病院が拠点病院に加わることで、 これは非常に大きなポジティブな効果があると思うんですね。こういうのは積極的に認め ていきたいと思いますし、あえて言わせていただければちょっと遅きに失した感があって、 これからこの滋賀県全体のがんの均てん化が医療従事者の養成も含めて進むのではないか なと思います。ですから、賛成です。 ○垣添座長  ありがとうございます。ほかにご意見ありましょうか。  これまでの議論で滋賀県は滋賀県立がんセンターと、それから滋賀大学との間でいろい ろな議論がありましたけれども、今回これが承認されれば、一応全部決着がついて、滋賀 県のがん対策がかなり強力に進むのではないかというご意見でありますが、承認、よろし ゅうございましょうか。  ありがとうございます。では、滋賀県立医科大学の附属病院は承認とさせていただきま す。  続きまして、山口県。  はい、どうぞ。 ○関原委員  さっき出ましたこの山口宇部につくられる医療センターですが、結局これ、肺がんセン ターみたいなご説明で、事実そうなっているわけで、どこかとこれ、拠点病院とセットの 話ですね、これはある意味では。これを独立した形のこういう拠点病院ということで認め るということは、何かやっぱり拠点病院というものの概念が相当違うのではないかなとい うふうに私は思うんですね。やっぱり単独で相当やっていて、あるところの部分を連携で 補うというのはいいんだけれども、五大がんのうち、1つだけ拠点でやっていますという ふうなコンセプトをどう考えるかというのがちょっと私は疑問に思ったわけです。ただし、 この肺がんが大事で、ここがあるのは非常に大事だということはよく分かるんですけれど も、この制度との整合性というのをどう考えるかということなんですが。 ○山口県(門田)  確かに肺がんがこれは顕著ですけれども、それ以外のがんにつきましても、放射線認定 医、それからマンモグラフィーの認定医など乳がん、それから消化器がん、大腸がん、さ らには造血腫の診断、そういった治療の体制が可能となっております。また、緩和ケアの 指導医もおりまして、がんの予防を初めまして、緩和ケアまで一貫したがん診療ができま す。ですから、そういった形で今は肺がんに特化して、特化といいますか、肺がんの実績 が顕著ですけれども、がんの拠点病院をいただければ当然それ以外のがんについても全て 対応できるという体制を整えておりますので、こういう形でがんの専門病院ということを アピールすることによって、がん拠点病院としても十分やっていけるということでござい ます。 ○垣添座長  やっぱりがん手術ゼロとか肝がん手術ゼロというのはちょっと気にはなりますよね。い かがでしょう、ほかにご意見ありましょうか。  若尾委員。 ○若尾委員  確かにこの県内で肺がんの診療は非常に大事だと思うんですが、現行の拠点病院の制度 に基づくと、五大がんについて集学的治療を行うということで参考資料にもございますが、 そうすると、少しやっぱり外れるのかなという気がいたします。だから、そこは非常に判 断が難しいところだと思います。 ○垣添座長  どうぞ、内田委員。 ○内田委員  これは恐らく今後のほかの地域でも非常に特殊ながんに特化した病院をどうする、病院 の申請が出た場合にどうするかという話になってくると思います。今回のこの現状の要件 の中では、やはりこれはちょっと外れるという印象を私も持っています。 ○垣添座長  ありがとうございます。ほかに、特にご意見がなければ、一応確かに肺がんは頑張って おられるけれども、ほかのがん…… ○山口県(門田)  すみません。それで、この山口宇部医療センターにつきましては、肺がんも含めまして、 それから緩和ケア、それからその他のがんにつきましてもいろいろ連携を図って県内の地 域の医療連携を進めていくということもしておりますので、ぜひここでお認めいただいて、 本県のがん診療の連携につきまして、さらなる強化をしていきたいというふうに考えてお ります。 ○垣添座長  県のご意向はよく分かりますけれども、今の、富樫委員、何かありますか。 ○富樫委員  すみません。本当に頑張っていらっしゃると思うんですけれども、やっぱり今の指定か らいくと、ちょっとこの胃がん、肝臓がんがゼロというのはすごく気になるんです、本当 に。この表が六、七月の集計となっていますけれども、この件数は。ちなみにですけれど も、年間では何件ぐらいあるんですか。胃がんと肝臓がんの手術。 ○山口県(門田)  胃、大腸がん合わせて52件、それから肝がんが13件、乳がんが21件、そういう形でござ います。 ○垣添座長  年間の数をお聞きしても、肺がんに突出して、あるいは緩和医療にこれから力を入れて いかれる病院という感じがしますが、今のこの拠点病院の考え方からすると、ちょっと難 しいんじゃないかなという感じがしますね。将来的には確かにご指摘のように、幾つかの 突出した機能を持っている病院をこの拠点病院としてどうしていくかというような議論は 必要かと思いますけれども、現状ではこれまでずっと指定とか更新をしてきたという関係 からすると、この病院は非承認とすることでよろしゅうございますか。県には申しわけあ りませんけれども、一応そういうことでご了解ください。 ○関原委員  只今あとで数字をおっしゃって、年間にすれば件数はあるという話になると、この資料 で議論する意味は余りないわけですよね。今数を聞けば、1番の岩国医療センターは、こ れとは別に胃と大腸を合わせて、この2カ月で十四、五件だと。そうすると、さっきの今 年9カ月で50何件というのはそれなりの数じゃないかという話になってくる。私としては 基本的にはこの提出データをベースにしてしかここでは判断できません。しかし、それが 本当にフェアな判断なのか私には疑問が残るんですけれどもね。 ○垣添座長  今後の考え方として、例えば6月、7月の2カ月間の数字を上げてもらって、括弧で前 年度の総数とかを付記してもらうというようなことも考えられるかもしれませんけれども、 一応現在はこのやり方で議論してまいりますので、今の山口宇部医療センターは非承認と させていただきます。  では、次は徳島県、どうぞ。 ○若尾委員  まず、ちょっと資料の確認なんですが、この資料4の一覧表で新規指定の徳島市民病院 と鳴門病院が東部IIになっているんですが、これは東部Iが正しいということですか。 ○徳島県(石本)  はい、東部Iでございます。 ○若尾委員  東部Iに4病院を指定ということですか。 ○徳島県(石本)  はい。 ○垣添座長  山口委員。 ○山口委員  ちょっと戻りますが、先ほど関原委員が手術件数のことを気にしておられたので、私も この資料を静岡がんセンターとして書かせていただいたときにちょっと気になったことが、 この数字を見る上で2点ほどありましたので、委員に医師でない方もおられますので、一 応申し上げます。また、都道府県の説明者の方も、その数字に関してプレゼンのときにゼ ロという数字の時は注意された方が良いと思うのですが、まず、胃がんについて、胃がん の開腹手術とEMRだけの数字出ているのですが、最近はECDが主流になってきました。 都道府県から情報を得たときにはEMRとECDを分けているのでが、ECDの数字はこ こには記載されていません。したがって、静岡がんセンターを例にとるとEMRはゼロで すが、ECDが60以上あります。しかし、この表では内視鏡手術はゼロになっています。 肝臓がんについては、手術とラジオ波治療が出ていますが、肝動脈塞栓術が入っていませ ん。もし、胃がんや肝臓がんの数字が少ない場合は、県の代表の方がプレゼンするときに 少しおっしゃるといいと思いますし、そういう誤解が避けられるんじゃないかなと思いま す。  それから、関原委員がおっしゃった2カ月と1年の差は、さすがにこの拠点になるよう な病院で2カ月ではゼロで、1年になると100になるということは普通ないので、おおよそ 傾向はわかると思います。そのうえで、徳島県に関しては、若尾先生が話されましたが、 もう少し追加します。まず、県内の拠点病院のほとんどを1医療圏に指定してしまう。そ れも鳴門病院は拠点病院としてレベル的にそれほど高くないが、それをあえて4番目の拠 点として指定する必要があるのか?私は鳴門の指定は反対です。  それから、徳島県に伺いたいのは、都道府県拠点を変更するというお話なのですが、最 近、大学病院に指定を変えるケースが増えている。多分この後も一、二県あったと思うん ですけれども、考え方はいろいろあると思います。どういう考え方でそういうふうになさ ったのか。大学病院は独法化の後、随分変わってきた大学もありますけれども、やはり教 育、研究、研修、その辺りが中心で、拠点病院の趣旨である患者さんに寄り添ったがん医 療の均てん化は、大学病院としてはなかなか難しい課題があると思います。新たにという ことであれば結構だと思うんですが、あえて県立中央病院を外して大学に変えるというの がどういう理念に基づいているのかということを聞かせていただきたいと思います。 ○徳島県(石本)  各五大がんプラス子宮がんにつきまして、徳島県のほうではそれぞれ部会を持って検診 だけじゃなくて医療連携のこと、あるいはクリティカルパスのことについて、連携体制の ことについても協議しているところですが、各部会の部会長さんは大学の先生方になって いただいておりまして、地域の県下全体の連携体制をどうしていくかということも協議し ていっていただいております。  それと、先ほどご説明しましたように、がん対策センターというのを県立病院と大学病 院の共同の総合メディカルゾーンに置くのですが、大学病院のほうが中心になって、そこ はより高度な医療以外にも患者さんの相談支援の拠点だとか、それから県下の緩和ケアの ネットワークの拠点とかいったことの連携体制をもっと具体的に進めていこうということ にはなっているんですけれども、その点でも大学が中心になっていただいております。  また、がんプロフェッショナル養成プランのほうも大学が実施しておりまして、その空 白地域のほうへの医師の派遣とかいったようなこともやっていただいておりますので、患 者に寄り添うということも含めながら、がん医療の連携体制の構築ということも大学が中 心になって進めていっていただいておりますので、大学が拠点になるほうが今後連携体制 を進めるのにはいいのかなと思っております。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょうか。  どうぞ。 ○徳島県(石本)  すみません、いいですか。健康保険鳴門病院のことについてなんですけれども、説明の ほうにも申し上げましたように、先ほど言いました五大がんプラス子宮がんのそれぞれの 部会で、医療計画の中で専門診療医療機関と標準診療医療機関を定めておりまして、昨年 度の手術件数とか化学療法件数とか放射線療法件数等から判断しております。健康保険鳴 門病院のほうもほとんどのところで、肝がんについては若干うちは人口が少ないものです から、実績が少ないんですけれども、ほとんどの疾患、がんの分野で専門診療病院として 県の協議会のほうで指定しているところではございますので、できましたら新規指定のほ うをよろしくお願いできたらと思っております。 ○垣添座長  石川委員、お願いします。 ○石川委員  この鳴門保険病院をなぜ推薦なさった理由がいまひとつ理解できなかったのでお聞きし ようと思いましたが、今の説明ですと、余り私は説得力がないなと思いました。 ○垣添座長  それでは、今のご議論を通じて結論として、鳴門病院は承認しないと。それから、徳島 市民病院は承認しようと。それから、徳島県立中央病院から徳島大学に県の基幹施設が移 るということ、これを承認するということでよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  では、先に進みます。次は熊本県。熊本中央病院が新規に推薦されておりますが、これ に関していかがでしょうか。  山口委員。 ○山口委員  今までの流れと同じ議論なんですが、同一医療圏の複数指定で、この熊本中央病院をあ えて指定せねばならない理由がちょっと弱いと思うんですね。胃がんがゼロで、肝臓がん がゼロで、乳がんが2カ月間で1という数字を見ると、ちょっと否定的だと思います。 ○垣添座長  多分皆さんもそんなふうに感じているんじゃないかと思いますが、ほかにご意見ありま しょうか。 ○熊本県(岩谷)  説明をよろしいでしょうか。  肺がんがこの熊本中央病院は多かったものですから特に強調させていただいたんですけ れども、平成20年7月から12月までの半年でございますけれども、それの患者数としまし ては胃がんが51、大腸がんが50、直腸がん14、肝がん10、乳房11というふうに五大がん全 てに対応している病院でございますので、患者の診療件数からしましても熊本県でもトッ プレベルの数に対応していただいている病院でございます。 ○垣添座長  ほかにご意見ありましょうか。  多分委員の皆さんは今の県の方のご説明には納得されないんじゃないかなという感じが いたしますが、熊本医療圏にこれだけの病院が集中して、特色を持った病院の在り方に関 してはこれまで何度か議論がありましたが、それはちょっと別にして、今の診療機能から 考えると、あえてここで新規に熊本中央病院を指定するのは、ちょっと皆さん躊躇してお られるんじゃないかという感じはしますが、承認しないということでよろしゅうございま しょうか。  ありがとうございます。  大分県、お願いいたします。大分医師会立のアルメイダ病院が新規に推薦されておりま すが。  内田委員、どうぞ。 ○内田委員  これは開放型病棟であるとか、連携パスの取組とか地域医療連携の非常に大きなモデル ケースになるというふうに思っています。特にがん診療の均てん化という点で連携を進め るというところでの先進的な取組というのは評価されてもいいのかなというふうに感じま した。 ○垣添座長  ほかのご意見、ありましょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  同じ論理でいくと多分厳しいという判定になるんだと思うんですけれども、さっき1点、 ご説明の中で緩和ケア病棟をこの病院が考えておられるとおっしゃったんですが、それは まず、大分県として何カ所目の緩和ケア病棟なのかということと、それが実現すれば同一 医療圏の中であっても大きながん医療の展開になるんじゃないかなと思うんですが、その 辺りはいかがでしょうか。 ○大分県(荒金)  緩和ケア病棟については、県内では3つ今、指定されています。ただ、その3つとも民 間の病院でして、規模が小さいということがあります。今アルメイダがその国の地域医療 再生計画で考えているのは、20床の開放型の病床ということで、当然どこの医療機関も依 頼があれば、その病床があいていれば使えるということになっておりますので、大分市で そういった病床が20床あるというのは非常に緩和ケアについて有力なことになると思いま す。そういうふうに判断しております。 ○山口委員  ですので、私はそれができたからと来れば即認めていいと思ったんですが、いつごろの 完成の予定なんですか。 ○大分県(荒金)  24年で国のほうから計画の承認をいただいているということです。 ○垣添座長  ちなみにあと2つの私立の病院で緩和医療施設を持っておられるのは、この地図の上で どこになりますか。 ○大分県(荒金)  1つが別府市というところになりますので、東部医療圏のほうになります。もう一つは 中部医療圏のほうですけれども、どちらかといったら、はっきりはちょっと私も把握はし ていないんですけれども、(2)の県連携拠点病院の近くのほうになると思います。 ○佐々木委員  念のため確認ですが、これは大分市医師会立のオープンホスピタルで、事前にいただい た推薦書の中で、医師会員を対象にしているとありましたが、一方で、医療圏を越えて地 域医療に貢献とあります。これは大分市の医師会以外にも開いているという解釈でよろし いんですね。 ○大分県(荒金)  それは確認しまして、大分市の会員以外にもちゃんとできるということで確認をしてお ります。 ○関原委員  よろしいですか。これは今の大分のこの病院もそうですし、さっきから幾つか認めない というのがあったんですが、またそもそも論に立ち返るんですが、要するに国のがん対策 基本計画ができて、都道府県にもしっかりしたがんの対策をつくってくださいということ になりました。都道府県としては医療資源を下にこういうふうにしたら一番よくなるとい う計画案をつくって、それでもって申請を出す。個別の病院としてはここにリストアップ されているのは、一応厚労省もてそういう資格があるというふうに判断してこの場に出て きているわけです。それをこの場でここは駄目だというならそのガイドラインのような物 をある程度やっておく必要があるのでは。確かに予算とか補助金は病院が多過ぎたら、国 のほうで出せないというのがあっても、それは県でちゃんとお金を用意するとか、夜間診 療報酬で増やして、県が独自にしかるべき対策をつくって、知事の下で承認して厚労省に 出した計画案を個別にいい、悪いというのはどういう基準によるのかをある程度やってお かないと、余り整合がとれなくなってくるんじゃないかなというのを私はちょっと危惧し ているわけです。  これは少なくとも県でこういうふうに、徳島は拠点病院のある医療圏は1つだけです。。 しかし、他の医療圏と連携し、こういうふうに回したら、これがベストソリューションで すという提案であって、その中で一つだけが駄目だというためには、基準には満たしてい ないという話であれば一つの理由なんだけれども、ここに挙がっている以上は一応厚労省 でチェックはされているということなので、そのチェックを越えてその指定は出来ないで 終わってしまう。申請してきた人も欲求不満のような顔をしておられる様子が見えますの で、そこら辺はどういうふうに考えたらいいかというのが私の言いたかったことです。 ○垣添座長  これは県の方が全力を挙げてここに臨んでおられますから、否定されれば不快に思われ るのは当然だと思うんですね。でも、関原委員のご懸念もよく分かりますけれども、そう いう考え方を今度進めていくと、この検討会といいますか委員会は要らないんじゃないか なということにもなるんですよね。いろいろお聞きして、それでもちろん条件にかなうよ うに様々な説明をされていますけれども、それでもこれまで過去5回検討されてきた委員 の皆さんのいろんな視点から見て、やっぱりこれは無理があるということで承認とか不承 認とかということをやっているわけで、私は確かに中には整合性の欠ける部分が出てくる ことが時にはあるかもしれませんけれども、当面はこの形で進めていいんじゃないかなと いうふうに思いますが、ほかの委員の皆さん、何かご意見。  山口委員、どうぞ。 ○山口委員  関原委員は、今日午前中の議論に出ておられないので、その影響が少しあるのかもしれ ませんけれども、私は、垣添委員長とともにこの在り方のところから約10年、この会議に 参加してきた経験があります。そういう視点から言うと今、委員がおっしゃったように、 何かてんでばらばらにやっているということは決してなくて、一見厳しい場合と厳しくな い場合があるのは、やはり地域事情をある程度配慮しながら、それから同一医療圏の複数 の場合と空白に1個出てくる場合と、それから複数で追加する場合にはかなりレベルの高 い病院でないといけないんじゃないかとかという意味では、決してダブルスタンダードに はなっていないと思うし、大体皆さんの意見が一致するようなところで整合性はかなりと れているように思います。県には県なりに、私も静岡県ですのでいろんな事情がございま して、判断に迷うこともきっとあるんだと思います。したがって、委員会としては全国共 通の一つの基準で、それで地域事情を県の方のご意見を伺って配慮しながら取捨選択を行 っているということで、私も委員長と同じように、かなり整合性はとれている委員会では ないかなと思います。 ○山口県(門田)  山口県でございますけれども、先ほどちょっと不承認ということでございましたけれど も、実際に適用症例を調べてみますと、がんについても山口宇部医療センターにつきまし ては、ある程度の症例はこなしていますし、体制も整っております。ですから、例えばそ ういった条件付きといいますか、計画にもこれ当然、我々としてもある程度盛り込みなが らやろうというふうな形も考えておりますので、例えば条件付きで1年後にもう一度とい うふうなよく状況を見て、そこで駄目だったらと、そういったいわゆる条件付きとかとい う形では認めていただけないんでしょうか。 ○垣添座長  熱意は大変よく分かりますけれども、これは議論が終わったところですので、もしそう いうことであればさらに今の新規に求められた病院の機能を充実されて、来年考えていた だければというふうに思います。  それでは、アルメイダ病院のことをまだ決めていなかったですね。大分県のアルメイダ 病院をどうするかに関して、最終的に意見を求めたいと思いますが、いかがでしょう。医 師会立の新しいオープン型の病院として新たに推薦されるということでありますが。  はい、どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  これ今、平成25年とおっしゃったんですが、できるのが。 ○大分県(荒金)  平成24年です。 ○宮城委員  24年、できてからでいいんじゃないですか。何も今、指定しなくても。いや、これがで きたら確かに認めていいと思いますね。 ○山口委員  病院は開設されており、緩和ケア病棟は平成24年。 ○宮城委員  いや、それは分かりますけれども、特に今ここで強調しておられるのは緩和ケアといい ますか、だけれども、それは現在ないわけですね。 ○大分県(荒金)  それは現在ないんですけれども、私の言い方が悪いのかもしれませんが、一応今、アル メイダ病院は既に開放型の病院ということで、385床あるんですが、それが全て開放という 形でかかりつけの医師と共同で診療とか施設利用とか、そういった診察に関われると。こ こががん連携拠点病院に指定されれば、そういったノウハウをさらに地域の医師がフィー ドバックできるという体制が既にできますので、ぜひことしお認めいただければ、それだ け早くがん治療の均てん化に寄与されるというふうに判断しておりますので、お願いした いと思います。 ○石川委員  今おっしゃった病院の医師と地域のかかりつけ医とのリレーションで、入院しているが ん患者さんというのは実績としては今までに年間どのぐらいあるのでしょうか。 ○大分県(荒金)  アルメイダ病院に確認しまして、一応医師会の会員の関係では大体一月平均53件という ことで、それ以外に先ほど言いましたように、ほかの医師会の会員以外も利用できますけ れども、それは医師同士での話でそういうふうに共同診療されるということですので、今 の件数は一応共同指導という保険診療の点数からカウントしているということで、それは 医師会の会員でできると。ですから、最低一月大体平均53件、プラスそれ以外の地域の医 師の先生も共同で入っていただけるというふうに聞いております。 ○宮崎委員  非常に開放型で医師会との関係でよくやっていらっしゃるということは分かるんですけ れども、その割にはこの緩和ケアチームに対する依頼だとか相談件数が少ないんですけれ ども、これについてはどういう理由なんでしょうか。 ○大分県(荒金)  地域の連携拠点病院を目指すという体制が決まって、それに対しての緩和ケアとか相談 支援センターの立ち上げになりましたので、やはり更新の病院と比べると、件数はちょっ と少ないんですけれども、もうそれは既に立ち上がって動いていますので、来年以降はち ゃんとした数字がもっと上がるというふうに判断しております。 ○垣添座長  内田委員。 ○内田委員  規模としてはやはり小さいんですよね、アルメイダは。ただ、特色がそういうふうにす ごくあるというふうに私は考えますので、実はこの表を見ますと、6番目の済生会病院と いうのが同じような規模で見られるので、一応今回の特色を判断すると、両方をお認めし て、1年後に評価するということと、もう一つはその緩和ケア病棟について24年というこ との予定を前倒しで対応できないかということをご検討いただくということで、今回はご 承認、1年後に見直すということでいかがでしょうか。 ○垣添座長  どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  相談支援センターの中にこれは国立がんセンターのがん対策情報センターの研修を受け た人間が専従としておるということになっていますね。これ、ちゃんとおられますか。 ○大分県(荒金)  おります。それは確認しております。 ○宮城委員  いいんじゃないですかね、それでは。 ○垣添座長  それでは、大分ご議論いただきましたけれども、新しい試みが進みつつあるということ と、幾つかの問題はありますけれども、とりあえず先ほど内田委員からご指摘のように、 同じ地区内にもう一つの病院は何でしたか、済生会と同規模の病院があるので、一応今回 はこのアルメイダ病院を承認しておいて…… ○大分県(荒金)  済生会日田病院は西部医療圏のほうになりますので、医療圏はすみません、ちょっと違 うんです。 ○鈴木がん対策推進室長  すみません、申しわけございません。多分資料3の地図の番号が逆になっておりまして、 西部医療圏にあるのが6番の済生会日田病院になっていますので、ちょっと場所的に勘違 いされるかと思いますけれども。 ○大分県(荒金)  すみません。 ○垣添座長  済生会病院の話はちょっと抜きにして、アルメイダ病院を一応承認するけれども、緩和 ケア病棟の設立をなるべく前倒しにするということと、それから、相談支援センターなど の活動を1年後に評価するということで、これは条件付きになりますか。条件付き承認と いうことでよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  では、この次は医療圏の数を超えていて、入れ替えのある都道府県の拠点病院、拠点病 院の数として増減はないけれども、入れ替えのある都道府県ということで大阪府のご説明 をいただきたいと思います。お願いします。 ○大阪府(山本)  大阪府の健康づくり課、山本と申します。  本日は府議会等の会議がありまして、課長が参りませんので、私のほうからご説明をさ せていただきます。  まず、117ページ、資料1をご覧ください。  大阪府の平成17年がん年齢調整死亡率は依然、全国最悪レベルでございます。がん対策 推進計画の策定時に行いましたパブリックコメントでは、全国で最も多く意見をいただき、 その中でもがん医療についての意見が7割、117件を占めました。また、今日も大阪から多 くの患者会の皆さんが来られております。大阪府民のがん医療の充実に期待する声という のは非常に高いと言えます。  さて、大阪府の2次医療圏数ですけれども、8でございます。しかし、大阪市には4つ の基本保健医療圏がありまして、実質的には11ブロックという考え方に立って、がん登録 の成果を活用しながらがん診療体制を整備しております。なお、1医療圏当たりの人口は 全国平均の約2.2倍となっておりまして、がん患者さん、ご家族、がん診療について実績の ある医療機関、医師が多く、がん対策基本法にうたわれているがん医療の均てん化、それ にがん対策推進計画の目標を達成すると。そのためには拠点病院の複数指定が必要である と考えたものであります。  昨年、4つの病院を指定いただいたことによりまして、現在11ブロックに15の拠点病院 が配置されております。追加指定を受けました拠点病院には、その特定機能病院としての 機能を生かし、人材派遣、高度先進医療の提供などで近隣圏域も含め、拠点病院を支援す る役割も担っていただいているところでございます。この15拠点病院体制によりまして、 緩和ケア研修の修了者、これも全国で最も多く、また、地域連携パスにおきましても、先 導的な取組がなされるなど診療機能のみならず、成果を上げておると考えております。  資料3をご覧ください。  推薦した11の病院を指定いただきますと、拠点病院数は引き続き15となります。左下に ありますように、複数配置圏域の6つの特定機能病院は、隣接する2次医療圏など複数の 圏域の患者さん、住民、医療機関を対象とし、引き続き広域的に機能を発揮していただく ことを私ども大阪府等で構成します大阪オンコロジーセンター会議において確認をしてお ります。  また、これらの病院には隣接府県からの患者さんも受療されております。拠点病院を複 数配置している医療圏におきましては、拠点病院と府でワーキング会議を継続して運営し、 地域連携を主に担う一般病院と、高度先進医療の提供を担う特定機能病院といった役割分 担を行っております。例えば南河内医療圏では地域医療支援病院の大阪南医療センターが 地域医療連携や患者支援活動を担います。特定機能病院である近畿大学病院が高度先進医 療の提供を担うことで、我が国に多い5つのがんの年齢調整罹患率が高いこの圏域におき まして、診療体制の強化を図っていきます。  また、相談支援や緩和ケアの普及なども進められております。さらにはがん検診分野で の共同事業の実施など具体的な取組を行うことで、医療水準の向上に貢献し、府民に質の 高い医療を提供していきたいと考えております。  続いて、資料4−1です。  1につきましては、解説をさせていただきました。3の推薦へのプロセスにつきまして ですが、医療関係者や患者会などの方で構成します大阪府がん診療拠点病院選定委員会に おきまして、国の指定要件に府独自の基準を付加した推薦基準と、推薦ルールを決めまし て医療圏ごとに絞り込みのご議論をいただいた上で推薦をしております。その結果、資料 2の推薦区分欄に辞退とあります5番、15番の病院は国の指定要件を満たしながら入れ替 えとなったものでございます。  4のその他でございますけれども、大阪市大病院の必要な相談支援センターの職員です けれども、2月1日に配置をいたしまして、指定要件を満たしたものと考えております。  資料4−2でございます。  ご説明させていただいた大阪府におけるがん診療連携体制のイメージ図ですが、がんの 種別により生存率、診療件数に一定の傾向があることなど、全国に先駆けて実施した大阪 府がん登録から見た実績や機能から見ましても、現在のところ拠点病院の配置としてはベ ストのものであると考えております。この構想に基づいて推薦をしております。よろしく お願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。大阪府に関して、いかがでしょうか。  どうぞ、若尾委員。 ○若尾委員  まず、大阪は2つ辞退があって、三島で1つ、高槻赤十字……。 ○大阪府(山本)  すみません、辞退としては3つでございます。 ○若尾委員  ごめんなさい、3つありまして、あと北河内で星ヶ丘厚生病院、それから大阪市で急性 期総合医療センターと。三島はそのまま2つが1つになる。北河内については1つ辞退に 対して2つ推薦がある。それで、大阪市については1つ辞退について1つ推薦があるとい うことで、最初の三島とこの大阪市については特にそれにかわる病院を推薦していただい てよろしいと思うんですが、北河内について1つの辞退に対して2つ推薦いただいていて、 その2つのうち、やはり診療実績を見るとちょっと差のある施設が推薦されているという ことと、地理的配置を見ても、この松下記念病院は市内に近いほうにあって、ほかの市内 の昨年3つか4つ多く指定された特定機能病院などでカバーできるものではないかと思い ますので、松下記念病院につきましては、今回は指定しないという形で、今まで1カ所だ ったところがより機能を持った病院に変わりましたので、それで様子を見ていただいて、 さらにこの北河内地区が必要だということであれば、また来年度新たに推薦していただく というのがよろしいのではないかと思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  資料2に出てくるんですが、前年度大阪府の病院を認めるに当たっては、今年度にしっ かり既存の病院を整理した上でということで、条件付きの決定になっておりました。それ で、今回ある程度やってきていただいていることは認めるんですけれども、私も若尾委員 と同じ意見で、新規の3つの中の関西医大、それから大阪医療センター、大阪医療センタ ーは全がん協という全国のがん専門病院団体の一つという実績もございますので、その2 件は病院の格としても大変結構だと思うんですが、松下記念病院は肺がんがゼロ、それか ら肝がんが1という2カ月間の手術件数を見ても、大阪府の病院にしては少し寂しいとい う観点から、若尾委員と同じ意見を申し述べさせていただきます。 ○垣添座長  ありがとうございました。ほかにご意見ありましょうか。 ○大阪府(山本)  すみません。今回、2カ所を挙げています北河内の医療圏ですけれども、人口が118万と いうことで大阪市以外の医療圏としましては、府内で最大ということになっております。 こういった人口を抱えるところで、がん登録から見ますと、この地域では胃がんと乳がん について年齢調整罹患率が高いと、そういう傾向の見られる地域でございます。そういっ たところから、松下記念病院につきましても、胃がん、この数字については少ないですけ れども、早期胃がんに対する腹腔鏡補助幽門側切除術にも対応できる病院ですし、乳房の 手術にも対応できる病院ということでございます。  また、昨年の12月からは高精度放射線治療装置を稼動させまして、これまで手術対応だ った症例についても、放射線治療で対応していこうということで、さらなる治療成績とい うか治療能力が高まっていくというふうに判断をしております。 ○垣添座長  ありがとうございます。県のお立場としては食い下がっておられますけれども、いかが でしょうか。委員の皆さんの感触では、私は確かに前年度の指摘に併せて、幾つかの病院 の辞退をされて、新たに3つを推薦されましたけれども、いろんな資料の内容から考えま すと、関西医科大学と、それから大阪医療センターの2施設を承認して、松下記念病院を 今回は承認しないというのが妥当ではないかと思います。それで今、県の方も…… ○大阪府(山本)  すみません。ちょっと1つ補足、結論ではなくて、ちょっとだけ誤解のないように。今 辞退3カ所ということですけれども、1つはおっしゃるように、指定要件を満たしていな いものがございました。そのうち2つにつきましては、指定要件を充足していながら選考 の結果、推薦できなかった、入れ替えをしたということでございます。 ○垣添座長  それはよく分かっております。ですから、前年度指摘されたことに対する努力は、よく 皆さん認めておられると思います。ただ、今申し上げたように、関西医科大学と大阪医療 センターを承認して、松下記念病院は、今回は非承認とさせていただきます。それで、先 ほどご指摘の幾つかの点に関して、もし次年度再度ご申請いただければ、改めて審査させ ていただきます。  次は、(6)で医療圏数を超えていなくて、入れ替えのある都道府県ということで、佐賀県 ですね。拠点病院数の増減はないけれどもということで、佐賀県の説明をいただきたいと 思います。 ○佐賀県(藤井)  佐賀県の健康増進課の藤井と申します。よろしくお願いいたします。  資料124ページをお願いいたします。  本県の医療圏の構成でございますけれども、中部医療圏を中心にしまして東部、西部、 北部、南部の5つの医療圏からなっております。拠点病院の指定状況でございますが、中 部医療圏に都道府県がん診療連携拠点病院でございます佐賀県立病院好生館、(1)でござい ます。それと、地域拠点病院として指定しております(2)の佐賀大学医学部附属病院の2拠 点病院がございます。また、北部医療圏のほうでは(3)の唐津赤十字病院、それから南部医 療圏のほうでは(4)の嬉野医療センター、この合わせて4拠点病院がございます。東部と西 部の2医療圏につきましては、拠点病院のない空白の医療圏でございますが、東部医療圏 につきましては、中部医療圏の2拠点病院とともに、隣接する県外の医療圏にある拠点病 院でカバーしております。そして、西部医療圏につきましては、中部医療圏の2拠点病院 とともに、隣接する北部、南部の2拠点病院でカバーをしているというような状況でござ います。  続きまして、125ページの資料2番でございます。  入院患者数、それから治療件数等の状況でございます。上から番号1番と2番が中部医 療圏に所在します県病院と佐賀大学附属病院でございます。県内最大の医療圏でございま す中部医療圏は、本県の人口の約40%を占めておりますけれども、この2拠点病院は県内 でも最大規模の病院でございまして、入院患者数、治療件数等、他の病院に比べまして上 回っているというような状況でございます。  なお、退院時共同指導料、2番につきましてですけれども、各病院とも診療報酬として 設定はされておりませんけれども、かかりつけ医からの求めがあれば随時説明を行ってい るということでございまして、また、各病院とも地域の医師が参加する合同カンファレン スが実施している状況でございます。  続きまして、資料3番のほうをお願いいたします。  平成22年度の指定推薦等の状況でございます。今回、中部医療圏の県立病院好生館と佐 賀大学附属病院の2拠点病院につきまして、新規で指定の推薦をさせていただいておると ころでございます。推薦の内容につきましては、現在、都道府県拠点病院として指定をし ております県立病院好生館、これを地域拠点病院として、また、現在地域拠点病院でござ います佐賀大学附属病院を都道府県拠点病院として指定の入れ替えをお願いするものでご ざいます。佐賀大学附属病院につきましては、特定機能病院としての機能とともに、大学 医学部の附属病院として特に医療資源が不足しております本県としましては、医師の育成、 それから医師の派遣といった役割を今後大いに期待しているところでございます。また、 県立病院好生館につきましては、平成22年度から地方独立行政法人へと移行が予定されて おりまして、3年後には同じ市内へ再築・移転の計画でございます。移転に伴いまして、 特にがんを初めとしまして、救急、循環器医療の機能強化が図られる予定でございますけ れども、今後とも地域に根づいた高度な診療機能の提供を期待しているところでございま す。この中部医療圏の2拠点病院が役割分担をしながら、県全域をカバーしていくという ことで、佐賀県のがん医療の均てん化の推進につながるものというふうに考えております。  北部医療圏と南部医療圏の2拠点病院につきましては、引き続き地域拠点病院として指 定更新の推薦をお願いしているところでございます。  資料の4番目をお願いいたします。  都道府県がん診療拠点病院につきましては、先ほどご説明しましたように、入れ替えて 推薦をお願いしているところでございます。それから、空白の2次医療圏の取り扱いにつ いてでございますけれども、これも現在の状況と変わらない見込みでございます。  最後に、未充足要件への対応でございますけれども、佐賀県がん診療連携協議会の設置 につきましては、4月1日に設置予定で準備を進めておるところでございます。それから、 地域連携クリティカルパスの一覧提示でございますけれども、現在、医師会主導で作成中 でございまして、本年4月には完成予定でございます。クリティカルパスを導入後、速や かに一覧を提示する体制を整える予定でございます。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。佐賀県は県の拠点病院を現在指定されている佐賀県立の病院 好生館から佐賀大学医学部の附属病院に移したいというご希望ですが、何かご意見ありま しょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  先ほど別の県の方にご質問したのと全く同じ質問なんですが、あえてこの段階で県拠点 を変更する理念は何かということで、ちょっとご説明がよく分からなかった点と、それで、 その佐賀大学医学部附属病院の実績を見ますと、例えば胃がんの手術が前年度5件、開腹 手術が。それから、今回の申請に用いるデータではゼロになっているとか、それほどアク ティビティが高くないような数字に残念ながらなっています。ですので、理念の問題と、 このあえて県拠点に変更しようとしている病院のアクティビティについてご質問したいと 思います。 ○佐賀県(藤井)  今回の入れ替えの推薦の理由でございますけれども、前回の指定時には医療政策の観点 からも県病院が県拠点であることが妥当であるというような整理で推薦をしたところでご ざいますけれども、今回の指定におきましては、両病院は診療面では遜色がございません けれども、医療資源の乏しい本県としましては、県拠点病院として求められている機能の 一つでございます医師の派遣調整、それから人材育成面などを勘案の上、佐賀大学医学部 附属病院が県拠点病院として指定されることで、より県のがん医療の均てん化が推進され るものというふうに判断したところでございます。  それから、地域に寄り添う医療ということでございますけれども、相談支援センターの 実績が昨年65件から159件というふうに増えております。県病院と比較しますと数は少ない ですけれども、県病院のほうは以前から先に相談支援センターを設置した、取り組んだと いう実績がございまして、数字としてこういう形であらわれておりますけれども、佐大の ほうでも相談支援の充実がされてきておりまして、今回数字として出ております。さらに 今後、県指定を踏まえて人的施策も充実させて取り組んでいくということで予定がなされ ているところでございます。さらに、佐大は医師の派遣や人材育成の面で優れているとい うことは明らかでございまして、九州がんプロジェクト養成プランにも参加をして、人材 育成面での強化を積極的に取組を進めているところでございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  どうぞ、山口先生、続けて。 ○山口委員  あえて県拠点に変更しようとする大学附属病院で、胃がんの開腹手術がゼロというのは ちょっと普通だと認められないようなアクティビティなので、そこを確認したかったんで すが。 ○佐賀県(藤井)  すみません。この統計が6月から7月の2カ月間と非常に短期間の集計期間ということ で、統計上の誤差といいますか、そういうものが出ているんじゃないかというふうに考え ています。 ○山口委員  昨年1年間の実績がもしあったら、教えてください。胃がんの開腹手術でお願いします。 ○佐賀県(藤井)  申しわけございません。今、手元にデータを持ち合わせてございません。すみません。 ○垣添座長  これはなかなか難しい問題ですね。人材育成と、県内の医療施設に人を配るという点で がん医療を進めていく上で、この大学病院を県拠点にしたいというお気持ちはよく理解で きますが、それにしては診療実績がちょっと伴っていないんじゃないかという委員の皆さ んのご感触ではないかと思いますが。  どうぞ、若尾委員。 ○若尾委員  ちょっと今日の資料には含まれていないんですが、現況報告のデータで見ますと、確か に開腹はゼロなんですが、腹腔鏡下の手術が9件あります。それから、EMRはゼロなん ですが、ESDが11件あるということで、データのちょっと出し方に問題もあるというこ とではないかと思います。 ○垣添座長  それでは、佐賀県に関しては、この県立病院好生館と佐賀大学の医学部附属病院との県 拠点の入れ替えは承認としてよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。 ○佐賀県(藤井)  ありがとうございます。 ○垣添座長  ここで休憩ですか。 ○鈴木がん対策推進室長  ここでいったん休憩にさせていただきたいと思います。休憩時間はちょっと時間を押し ておりますので、すみませんが、5分間でお願いしたいと思います。ですので、開始はあ の時計で大体五十二、三分のころということになります。すみません、よろしくお願いい たします。 (休憩) (再開) ○垣添座長  それでは、お疲れだとは思いますが、議事を再開いたします。  今度は7番目のグループで、医療圏数を超えるけれども、指定更新のみの都道府県とい うことで、つまり拠点病院数の増減がないという12府県で、青森県から福岡県までですが、 まず、青森県からお願いいたします。 ○青森県(嶋谷)  青森県でございます。それでは、資料に従いまして、ご説明させていただきます。  資料129ページからとなっております。私ども青森県は、がんの年齢調整死亡率は男女と も全国最下位ということで非常に厳しい状況の中、一方でがん医療の中核となります医師 数につきましても、人口10万人当たりの医師数が全国でも最下位水準ということで、非常 に厳しくなった困難な課題に立ち向かわなければいけないという状況となっております。  資料130ページ、資料1をご覧くださいませ。  青森県につきましては、医療圏6カ所となっております。この地図でいいますと、(1)、 (2)、(3)の病院のございます青森、津軽、八戸、この3カ所につきましては人口にして約30 万から30数万人、比較的県内では大きい医療圏となっておりまして、医療資源も比較的整 っております。一方で(4)の上十三につきましては人口約18万、(5)の下北につきましては人 口約8万、現在未指定となっております西北五につきましては約15万ということで、比較 的人口規模の大きい3カ所と少ない3カ所というふうなグループに分かれております。  現在の都道府県拠点病院の指定状況につきましては、(1)青森地域の青森県立中央病院、 こちらが平成17年に地域拠点病院と指定され、20年都道府県拠点病院として指定していた だいております。(2)津軽地域につきましては、弘前大学医学部附属病院、こちらは平成19 年の指定でございます。(3)八戸地域、八戸市立市民病院、こちらは平成17年に指定いただ きまして、20年指定更新していただいております。(4)上十三地域、三沢市立三沢病院につ きましては平成19年、(5)下北地域のむつ総合病院については平成20年それぞれ指定してい ただいておりまして、いわゆる現在の新整備指針以前の指定でございまして、全病院、今 回いわゆるみなし指定から指定の更新という時期を迎えております。  なお、現在指定されておりません西北五地域、こちらの地域につきましては、医師数に ついて全国的にも厳しい本県の中でも最も医師数の少ない地域となっております。現在、 自治体病院の機能再編、それから老朽化している中核病院の新築計画、そういったものを 進めてはおりますけれども、現行拠点病院の指定要件を充足できる病院がないというふう な状況になっております。現状では隣接しております青森、津軽の県立中央病院及び弘前 大学医学部附属病院がカバーしております。それぞれ西北地域の中核となっている病院の 所在する場所から自動車で約1時間程度というふうな地理的な状況にございます。  資料2でございます。  件数等につきましては、ちょっと時間も限られておりますので、患者数のところで見て いきますと、やはり1、2、3、先ほど申し上げました人口規模の大きな圏域、こちらの ほう、特に県立中央病院、1番と3番、八戸市立病院、こちらは患者数にして2,000人を超 えるというふうな状況となっております。2番の弘大附属病院は人口規模に比較してまい ります若干少なくはなっておりますけれども、津軽地域につきましては医師数が少ない本 県の中にあって、唯一全国平均を上回っている地域でございまして、市立病院であるとか 国立病院、その他民間病院もございまして、特定のがん治療等についてはそういった病院 も活用されていると。一方で、手術件数を見ますと、県立中央病院、それから八戸市立市 民病院に比べてとても手術件数も大きく、放射線治療の件数も大きくなっておりまして、 そういった意味で特定機能病院でもある弘大附属病院、こちらは高度ながん医療を提供し ていただいているものと考えております。  4番、5番の三沢病院、むつ総合病院それぞれ1,000件弱ということでちょっと少なくは なっていますけれども、管内人口が少ないせいというふうに考えております。  資料3でございます。  今回の指定推薦でございますけれども、現在指定されている5病院いずれも指定要件を 充足していることから、引き続き更新していただきたいということで推薦させていただい ております。  資料4でございます。  本県のがん診療連携体制でございますが、全県的には都道府県がん診療連携拠点病院で ございます県立中央病院、それから、特定機能病院であり、医師養成機関でもある弘大附 属病院、こちらがそれぞれの機能を果たしながら全県的ながん診療体制を維持しておりま して、県立中央病院が設置しておりますがん診療連携協議会につきましては、地域拠点病 院のみならず、各地域でがん診療を行っている病院、こちらにも参加を働きかけておりま して、ご参加いただいております。それで、各2次医療圏につきましては、各地域の拠点 病院が中心となってがん医療に取り組んでいると。県としましても、地域連携とその構築 に対して、県として支援するとか、地域での受け皿づくりのための診療所、訪問看護ステ ーション、薬局等の連携体制構築の事業を県医師会に委託するなど、県拠点病院と協力し てがん対策に取り組んでいるところでございます。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。青森県から5つの拠点病院の更新の申請が出ておりますけれ ども、いかがでしょうか。  間違えました。失礼しました。 ○鈴木がん対策推進室長  実は、青森県はこの後のカテゴリーだったのですが、ちょっと1件だけ順番を間違えて しまいました。申しわけございません。 ○垣添座長  では、青森県だけちょっとご議論いただけますか。今のご説明で若干、市立三沢病院や むつ総合病院の患者さんの数が少ないけれども、地域の特性を考えればやむを得ないので はないかという感じを受けますが、よろしゅうございますか。  では、この5病院の更新を承認とさせていただきます。  それでは、これから山形からスタートして連続で説明をいただきます。 ○山形県(武田)  山形県健康福祉部保健薬務課の武田でございます。  資料1、135ページでございますけれども、山形県の2次保健医療圏は地理的条件、交通 体系及び歴史的・文化的生活行動圏から4つに分けております。医療圏の区域は広く、住 民の移動手段は自家用車中心であり、住民が医療圏を超えて移動することは少なく、地域 内で完結する傾向にあります。このようながん患者の通院圏域の特徴及び隣接する医療圏 との関係から、各地域のがん患者へ等しく高度な医療を提供するために、本県では最低限 各2次医療圏に1カ所の拠点病院を配置する必要があります。しかしながら、最上、置賜 及び庄内医療圏に住むがん患者がより高度な、あるいは稀少がんの治療が必要な場合、1 の県拠点病院である県立中央病院及び2の特定機能病院である山形大学附属病院を受診す る状況にあります。そのため、1、2及び3の山形市立病院済生館が連携して村山医療圏 のがん患者とその他の医療圏のがん患者の一部をカバーすることを意図して配置しており ます。  次に、資料2でございますけれども、6病院とも指定更新要件を満たしておりますので、 今回、指定更新の推薦をさせていただきました。その中で、年間新入院患者数及び手術件 数について、県立新庄病院が減少傾向にありますが、昨今の医師不足もありますし、地域 の人口的な問題もございまして、減ったということで原因を聞いております。最近、知事 が新庄病院を訪れまして、機能強化についていろいろご認識をいただいておりますので、 今後改善していくのではないかというようなことを思っております。  それから、退院時共同指導料についてなんですけれども、20年度算定している病院はあ りませんでしたが、21年度については2病院が算定をしておりまして、地域連携の観点か らほかの病院でも算定できるよう、指導等をしてまいりたいと考えております。  それから、資料3につきましては、全ての病院を推薦するということで、21年4月1日 現在の指定状況と変更はございません。  それから、資料4−1でございますけれども、村山2次医療圏に3拠点病院を推薦する 理由について説明いたします。  村山医療圏は、山形市を中心に14市町にまたがり、圏域人口も56万7,000人と県全体の半 分を占め、病院数も県内68病院のうち半数の34病院が設置されております。資料2でも示 したように、全拠点病院の新入院患者数の半数は村山地域の拠点病院の患者となっており、 資料1でも説明しましたが、他医療圏に住むがん患者の一部を村山地域の拠点病院がカバ ーしているためでございます。今回、推薦する3拠点病院につきましては、県立中央病院 が早期から進行期までの標準的治療と3次医療機関としての高度な医療を、また、山形大 学附属病院は稀少がんや特殊高度ながんを中心に、また、3の山形市立病院済生館は村山 医療圏唯一の地域医療支援病院として村山圏域の医療機関と連携してがん医療を提供する というように、既に役割分担が明確にできております。これらの役割分担を堅持しまして、 県立中央病院が都道府県拠点病院としての役割を担い、さらに拠点病院間の連携を深めて まいりたいというふうに考えております。  それから、資料4−2でございますが、このたび県立中央病院の指定更新におきまして、 地域連携パスの一覧を作成・共有していることについて未充足とのご指摘を受けましたの で、その対応状況について説明したいと思います。  本県では、昨年6月に発出されましたがん診療連携拠点病院の指定更新等に向けた留意 事項に基づきまして、地域連携パスの整備については平成23年9月の整備を目標に設定い たしました。その手段として、個々の拠点病院が地域連携パスを作成するよりも、県がん 診療連携協議会に地域連携パス部会及び胃、大腸などの5部位に対する小班を設置し、協 力して作成するほうが効率的との方針に基づいて、取組みを開始しております。これまで に3回の検討会が開催され、平成23年9月までに(1)医療機関の役割分担表、(2)共同診療計 画表、(3)私のカルテ患者用並びに(4)医療連携のポスター(病院広告用)が整備されること を目標として活動スケジュールに従って作業を進めております。  今後の予定としては、県医師会に協力を依頼し、県内医療機関がどのような病診連携に 関われるかを把握するためのアンケート調査の実施と、開業医に対する地域連携の必要性 に関する啓発活動として研修会を開催し、協力を依頼することとしております。  なお、地域連携パスの作成に関する役割分担としては、(1)及び(2)については小班ごとに 作成し、(3)及び(4)については都道府県拠点病院である県立中央病院が県内共通版を作成す ることとしております。  以上でございます。ご検討、よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、続きまして、千葉県、お願いいたします。 ○千葉県(山崎)  千葉県健康づくり支援課の山崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  資料のほうは140ページからですけれども、資料1が141ページでございます。  千葉県につきましては、県の人口が610万を超えておりまして、9つの医療圏を持ってお ります。千葉県におきましては、この図にも示しましたように、千葉医療圏95万、東葛南 部医療圏168万、東葛北部医療圏132万と1医療圏の人口が大変多いところがございます。 こうした大人口の地域をカバーするために、概ね人口50万人に1カ所という考え方に基づ きまして、現在、県の拠点であります千葉県がんセンターを含めまして、13の拠点病院の 指定をいただいているところでございます。  次に、資料2−1でございます。  こちらは各拠点病院の要件につきまして、2−1、2−2と分けて記させていただいた ところでございます。年間の新入院患者数で見ますと、県拠点であるがんセンター、千葉 大学医学部附属病院、また、2−2にまいりまして旭中央病院、亀田総合病院、また成田 赤十字といったところが多くなっているところでございます。  次に、資料3をご覧ください。  現在9つの医療圏がございますけれども、この九十九里に面しています山武長生夷隅医 療圏というところに現在拠点病院がございません。こちらについては、現時点で拠点病院 の要件に該当する病院がございませんけれども、ご覧いただきますように、この医療圏は かなり長い形で多くの隣接医療圏に接しております。ですので、その交通の便に応じまし て、この山武長生夷隅の患者さんは近隣の医療圏の医療施設でカバーをするということで 対応しているところでございます。  次に、資料4−1をご覧ください。  複数の拠点病院の指定を受けている医療圏の考え方でございますが、先ほど申し上げま したように、千葉医療圏が県の拠点病院、県がんセンターを含めて3施設、東葛南部の医 療圏にやはり3施設、東葛北部医療圏に2施設ということで指定を受けているところでご ざいます。これらの病院につきましては、それぞれ五大がんについては診療を行っている のはもちろんでございますけれども、それ以外に例えば千葉大学でございますと、稀少が んあるいは人材育成といったようなことで、左下の一覧にお示ししましたようなそれぞれ の特色のあるがんというものを五大がん以外にも行って、拠点病院間の連携による医療の 確保に努めているところでございます。  最後に、資料4−2でございますけれども、県のこの拠点病院の連携でございます。  千葉県がん診療連携協議会を県がんセンターに設置しておりまして、ここにございます 5つの部会を設けて拠点病院の連携に努めております。特にこの一番右に書きました地域 連携・クリティカルパスの専門部会ですけれども、千葉県におきましては、地域連携パス を今、全県共用で使うものをつくろうということでやっております。実はがん以外にも脳 卒中、糖尿病、心筋梗塞について同じ取組を行っております。がんについては五大がんプ ラス子宮がんを加えました6つのがんについて、さらにそれぞれの部位ごとの部会をつく りまして、13の拠点病院、またかかりつけ医が参加する形で検討を進めております。今年 度中にそれぞれパスを作成し、来年度早々から共用の地域連携パスを運用していきたいと いうふうに考えております。  2のがん診療連携拠点病院の指定要件の未充足の現況でございますけれども、亀田総合 病院、こちらにつきまして、肺がん院内クリティカルパスの作成が遅れておりましたけれ ども、昨年の11月30日に作成いたしまして運用を始めているところでございます。また、 国保市立松戸病院につきましては、地域の医療機関も参加する合同のカンファレンス、こ れが未実施でございましたが、こちらも昨年の11月19日に病理学的診断についての公開カ ンファレンスを開催いたしまして、それぞれ要件を充足したところでございます。  以上でございます。どうぞよろしくご審査をお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、神奈川県、お願いいたします。 ○神奈川県(志賀)  神奈川県でございます。私は神奈川県保健福祉部健康増進課、志賀と申します。どうぞ よろしくお願いいたします。  それでは、神奈川県のがん診療拠点病院の推薦状況につきまして、ご説明させていただ きます。  資料は148ページからでございます。  神奈川県は、人口が昨年の7月に900万人を突破しておりまして、全国2番目、東京に次 いで2番目の大きな県になってございます。神奈川県内には今現在、11の2次保健医療圏 がございます。横浜を見ていただきますと、資料1の2、3、4のこの横浜の医療圏につ きましては、2は150万というところがございますし、3につきましても110万の医療圏人 口でございます。南部につきましても、4ですけれども106万という大きな人口を抱えてお ります。ただし、神奈川県の西湘圏域につきましては35万というような地域になってござ います。  平成21年4月現在の状況でございますが、都道府県拠点病院として1カ所、それから地 域の拠点病院といたしまして11カ所を指定しておりまして、合わせて12の病院を指定して おります。国の整備指針に基づきまして、基本的に地域拠点病院を2次保健医療圏に1カ 所ずつ指定をしております。また、こちらの資料1の真ん中にございます空白の医療圏で ございますけれども、こちらの県央医療圏につきましては、まだ指定はできておりません けれども、このちょうど上にあります相模原医療圏に2カ所を指定しておりまして、両病 院が連携することによりまして、相模原医療圏と、それから県央医療圏の2カ所の圏域を カバーすることとしております。  次に、資料2をご覧いただきたいと思います。  神奈川県の特徴といたしましては、4つの大学病院、こちらは特定機能病院でございま すけれども、1つのがん専門病院がございまして、これらの病院への新規の入院患者さん が比較的多くなっております。また、全ての拠点病院におきまして、我が国に多いがんに 対する標準的・集学的治療が行われております。また、都道府県の拠点病院であります神 奈川県立がんセンターにおきましては、相談事業に力を入れていることもありまして、相 談件数が多いという状況になっております。  続きまして、資料3でございます。  神奈川県では、今までに指定されました12病院を今回も更新させていただきたいと考え ております。先ほども申し上げましたけれども、県央地区の空白となっている圏域につき ましては、従来どおり相模原医療圏に2カ所指定いたしまして、両病院が連携することに より相模原医療圏と県央医療圏の2医療圏をカバーすることとしております。また、神奈 川県の場合には大変交通網が発達しておりまして、県内の端から端まで約1時間あるいは 1時間半で行けるような距離になっておりますし、東京ともかなり近いということで、一 応カバーできているかと思っております。  続きまして、資料4をご覧いただきたいと思います。  神奈川県のがん対策推進計画でありますがんへの挑戦10か年戦略に基づきまして、県内 のがん医療を担う病院のネットワークを構築することにより、がん医療の推進を図ってい るところでございます。がん診療拠点病院の選定に当たりましては、国の指定要件を満た すとともに、神奈川県の指定要件でありますがん医療の実績が多いということ。地域の医 療機関との連携件数が多いといった地域がん医療の中心を担っている病院を選定しており ます。  続きまして、資料4をご説明いたします。  このたび、更新するに当たりましては、県知事を本部長とする神奈川県がん戦略推薦本 部会議で推薦する病院を決定しております。推薦理由につきましては、国及び県の指定要 件をより充足しているということでございます。未整備地区であります県央医療圏につき ましては、相模原医療圏の2病院が連携して2つの医療圏をカバーすることというふうに しております。  なお、現在、横須賀共済病院でリニアックが未整備の状況にございますが、3月29日に 治療を開始する予定となっております。  以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。ありがとうございました。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、富山県、お願いいたします。 ○富山県(宮本)  富山県厚生部次長をしております宮本と申します。よろしくお願いいたします。  資料155ページからです。  富山県は8つの病院の指定を現在いただいております。各病院が県全体の治療水準の向 上のために役割を分担いたしまして、ネットワークをつくる体制としております。また、 各病院で生存率の公表、緩和ケア外来の設置、敷地内禁煙の実施、ケーブルテレビによる 医療情報提供など独自の取組を行っておりまして、そういった点を評価いただいたという ところでございます。  資料2です。  全病院が必須要件を全て満たす予定としております。3番目の富山労災病院ですけれど も、年間新入院患者数が1,200名未満となってございますけれども、これはアスベスト疾患 センターとしまして、労災病院として指定を受けているものでございます。治療実績の中 では、五大がんの手術について一部ゼロの項目もございますけれども、年間を通して見て まいりますと、全て手術の実績がございます。放射線療法ですけれども、労災病院につい ては今年度中にリニアックの整備を進める予定としております。薬物療法、緩和ケア、相 談支援センターについては全ての拠点病院で実施しております。地域連携につきましては、 年間を通じますと全病院で退院時共同指導料の実績がございます。  続きまして、資料3をお願いいたします。  現在と同様に、8カ所の病院の更新をお願いしたいと考えております。  資料4−1をお願いいたします。  これまでの体制を継続いたしまして、各拠点病院が治療、患者の相談支援、研修、情報 発信を行いまして、がん医療の均てん化と水準向上に取り組みたいと考えております。  資料4−2をお願いいたします。  具体的に数値で評価するようにというご指摘でございましたので、連携体制の強化、が ん医療の均てん化、先駆的な取組の状況についてまとめております。各拠点病院が県がん 診療連携協議会の下に3つの作業部会、研修、相談支援、がん登録部会をつくりまして、 各病院が参集いたしまして様々な取組を行っております。これによって、全体の連携が強 化されているというふうに考えております。具体的には各病院が分担した分に応じまして 研修会を開催し、年間2,000人以上が参加しております。また、病院間の研修の調整も各病 院が中心となって行っているところです。情報発信については、各病院が医学講座番組を 作成いたしまして、540回ほどケーブルテレビで放映しております。クリティカルパスにつ いては、各病院が幹事となりまして作成・運用を図っておりまして、昨年12月より一部試 行的に運用を始めておりまして、来年度修正し、来年度中に全県で運用したいと考えてお ります。  がん医療の均てん化です。化学療法や放射線療法の体制が充実したことによりまして、 集学的治療を受けられる体制が整備され、手術療法のみならず化学療法、放射線療法の実 施回数が大幅に増加しております。3年間で1.5倍から1.9倍という伸びになっております。 また、緩和ケア病床についても大幅に増加しております。コメディカルケアのスタッフの 充実についても、計画的な研修の結果、認定看護師や学会認定等の薬剤師が増加している ところです。また、各病院によってキャンサーボードを実施されまして、院内の医療スタ ッフの研修が強化されているところでございます。  先駆的な取組といたしましては、緩和ケア外来の開設、専用療法室を設置しての外来化 学療法、敷地内禁煙など今回の指定要件に追加されたところでございますけれども、富山 県においては全拠点病院において先駆的にこれまで取り組んできたところでございます。 胃・大腸・乳がんについては、全ての病院で同じ基準、様式において5年生存率をホーム ページに公表しております。  未充足項目ですが、富山労災病院については放射線機器については現在整備中でありま して、本年3月中に稼動を開始予定としております。放射線治療並びに病理診断の常勤医 師については平成23年4月を目途に確保する予定としております。このように私どもとし ましては、各病院がそれぞれの役割を果たし、成果が上がってきていると考えております。 今後ともこの体制を維持して、より一層の水準の向上を図ってまいりたいと思っておりま す。ぜひご審査のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○垣添座長  どうもありがとうございました。続きまして、石川県、お願いいたします。 ○石川県(菊地)  石川県の健康福祉部健康推進課長の菊池と申します。よろしくお願いいたします。  資料は160ページからになります。  資料1になりますが、石川県では平成19年1月に県拠点病院として1カ所、地域拠点病 院として4カ所の指定をいただいております。今回の指定更新における推薦につきまして は、現在指定を受けている病院の更新でございまして、各病院いずれも新指針による指定 要件を満たしているところでございます。  石川県におきましては、北から能登北部、能登中部、石川中央、南加賀の4つの2次医 療圏を設定しております。この中で人口も医療資源も石川中央医療圏に集中しておりまし て、その他の医療圏には拠点病院の指定要件を満たす医療機関がないか、あるいはあって も診療機器や人的スタッフ等につきましては、単独でがん診療の核になるには十分と言え ないと、そういった状況にございます。こういったことから、地域がん診療連携拠点病院 の指定推薦に当たりましては、各医療機関の体制整備の状況や患者の受療動向等を総合的 に勘案いたしまして、医療圏内に所在する医療機関にこだわらず、がん診療の核となり得 る複数の医療機関が相乗的に複数の医療圏のがん診療を担う、そういった体制の構築を目 指しているところでございます。  具体的でございますが、まず、能登北部、能登中部医療圏におきましては、がん拠点病 院の指定要件を満たす医療機関はなく、患者さんは高速交通網がつながっております石川 中央医療圏に受診する方が多くなっております。特に能登北部の方は(2)にあります石川県 立中央病院に受診する方が多く、また、能登中部医療圏の方は(4)の金沢医科大学病院に受 診する方が多く、能登中部・能登北部医療圏につきましては、この2つの病院がお互いに カバーしながら診療を行う体制としているところでございます。また、金沢医科大学病院 が能登地区のがん診療連携協議会を主催しておりまして、能登地区のがん医療の向上に努 めているところでございます。  次に、石川医療圏につきましては、人口70万、県人口の6割強の人口集中地域でありま して、(3)の金沢医療センター及び(2)の石川県立中央病院が共同で診療に当たっております。 特に金沢医療センターにおきましては、がん総合診療部を開設し、集学的ながん診療の推 進あるいはチーム緩和ケアの充実に努めているところでございます。  南加賀医療圏でございますが、これにつきましては(5)の小松市民病院が指定要件を満た しているところでございます。がん拠点病院といたしまして、地域の医療圏内の患者さん 方のがん治療を提供しています。しかしながら、他の拠点病院と比べますと、スタッフ等 十分とは言えず、(2)の県立中央病院から診療支援を受けるなど密接に連携をとって、がん 医療に当たっているところでございます。また、この小松市民病院におきましては、緩和 ケア病棟も21年に開設いたしまして、緩和ケアの提供にも努めているところでございます。  そして、県拠点であります(1)の金沢大学附属病院につきましては、がん高度先進医療セ ンター内に化学療法や放射線療法などの専門部署を置きまして、がんの集学的な治療を行 うとともに、がん診療連携協議会を主催いたしまして、各連携病院との密接な連携の下、 医師やコメディカルスタッフを対象とした専門知識、技術の研修あるいは情報提供、ある いは大学として医師の供給源であるのはもちろんでありますが、そういった研修計画の作 成調整等に努めております。各拠点病院間の連携は非常によく診療連携協議会も円滑に回 っているところでございます。  県立中央病院につきましては、県唯一の県立総合病院といたしまして、県内の病院に対 し、手術や治療等に係る診療支援を幅広く行っておりますほか、拠点病院共通の地域連携 クリティカルパスの導入に向けまして、その調整役を担っているところでございます。  資料2につきましては、一応数字的なものを載せてございますが、入院患者数も各病院 とも1,200名を超えているところでございます。  資料3につきましては、現状と同様の形になりますが、推薦状況でございます。  資料4につきましては、今説明申し上げた内容を記載しておりますので、またご参照い ただきたいと思います。  以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、福井県、お願いいたします。 ○福井県(一戸)  福井県の健康増進課の一戸と申します。よろしくお願いいたします。  資料は167ページをご覧ください。  資料1でございます。現在の指定の状況と患者の受療動向についてご説明いたします。  ちょっと資料のつくり方が悪くて、医療圏を色で区分けしたんですけれども、ちょっと 薄めで見分けがつきにくいんですけれども、福井県は2次医療圏が4つございまして、左 上の数字が集まっているところが福井・坂井医療圏、それから右側の真っ白に抜けていま すけれども、まさに空白の医療圏の奥越医療圏、それから黒くなっているところ、丹南医 療圏と嶺南医療圏ということで4つございます。  平成19年1月に福井県立病院を県の拠点病院として、そのほかの病院を2次医療圏の拠 点病院としてご指定いただきました。福井県の特徴といたしましては、この福井・坂井医 療圏に人口の5割以上が集中しておりまして、400床以上の病院はもうほぼこの福井・坂井 医療圏にしかないという状況でございます。その中で、その空白の医療圏になってござい ます丹南医療ですとか奥越医療圏につきましては、平成19年に福井県で患者調査を実施し まして、それぞれ63%ですとか72%の患者が福井医療圏の医療機関に通っているというこ とから、この地理的に近い丹南医療圏については(4)の福井赤十字病院、それから奥越医療 圏については(3)の福井県済生会病院を拠点病院として指定しているところでございます。 あと、嶺南医療圏については、その嶺南医療圏にございます国立病院機構福井病院を指定 しているということになってございます。  続きまして、168ページの資料2をご覧いただきたいと思います。  それぞれの医療機関の実績でございますけれども、手術件数につきましては、それぞれ の病院に満遍なく、それぞれのがんについて手術して患者を受け入れているということで ございますけれども、特に県立病院は消化器系のがんが強いと。それから済生会病院は肺 がんのほうが強いといったような特徴はありますけれども、それぞれ受け入れているとい うことでございます。この1、2、3、4の病院につきましては、指定要件をほぼ充足し ておりまして、国立病院機構福井病院だけ放射線治療の実績がゼロになってございますけ れども、この機器の整備を今進めているということで、これは後でご説明させていただき たいと思います。  続きまして、資料3をご覧いただきたいと思います。  こういったことも踏まえまして、現在平成20年3月に策定しました福井県のがん計画に 基づきまして、がん医療の引き上げというのを行っておりまして、今後もこの体制でがん 診療を続けていきたいということを考えてございます。  資料4をご覧いただきたいと思います。  こういった中で、福井県のがん医療体制というものについては連携して行っていくこと になっておりますけれども、これも資料の印刷が悪いんですけれども、右側の大きな枠は がん診療連携協議会そのものをあらわしておりまして、県拠点病院であります福井県立病 院と唯一の大学病院であります福井大学医学部附属病院が連携いたしまして、高度な医療 の提供と人材育成、それから人材の提供といったものをほかの医療圏の医療機関に提供し ていくという形で体制をとっております。県立病院については平成23年の3月に陽子線が ん治療施設の稼動も予定しておりまして、今後も県の中心としての役割を担っていくとい うことを考えてございます。  続きまして、171ページをご覧いただきたいと思います。  国立病院機構福井病院につきまして、指定要件が欠けるものについて今後の充足状況と いいますか、目標といいますか、そういったものをご説明させていただきます。  放射線治療機器につきましては、昨年厚生労働省からの放射線治療機器の緊急整備事業 の適用を受けまして、整備中でございまして、今月中に放射線治療を再開する予定でござ います。それから、放射線治療医の専門医の雇用につきましても、大学病院と連携いたし まして、放射線治療の専任で行う体制をとることとしております。病理診断医につきまし ては、非常勤医師を増やしまして3名体制で週4日ということで動かしていきたいという ことでございます。国立病院機構福井病院が存在します嶺南医療圏につきましては、右側 にございますけれども、福井を中心とした嶺北地方との高速交通体系の格差がありまして、 高速道路も通っていなくて新幹線もないということで、大体福井まで2時間半程度車でか かってしまうということで、この地域での完結した医療を引き続きこの病院を中心として 担っていくということで、県も応援をさせていただきたいというふうに考えております。  以上、ご審査よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、岐阜県、お願いいたします。 ○岐阜県(岡田)  私、岐阜県健康福祉部保健医療課の岡田と申します。本日はよろしくお願いいたします。  資料は173ページをご覧ください。  資料1におきまして、岐阜県の現状をご説明させていただきたいと思います。  岐阜県は人口210万人、また、面積は全国7位ということでございます。医療圏としまし ては、5医療圏ございます。特に飛騨医療圏は広大な面積を有するということで、いわゆ る僻地医療というものに該当するということで、県としても政策的に取り組んでいるとこ ろでございます。現状の指定をいただいている状況といたしましては、左側にございます 1番から7番の病院をそれぞれ1番の岐阜大学医学部附属病院は平成18年に、2番から7 番の医療機関については平成20年2月にご指定をいただいたという状況でございます。そ のうち1、2、3の医療機関は岐阜圏域における医療機関ということで、現在役割分担、 また連携を図って診療を行っているところでございます。中身といたしましては、1つ目 の岐阜大学医学部附属病院は人材育成、また疫学研究や県下のがん医療の連携推進、また、 圏域の中での中心的な役割とともに、全県的に人的・技術的支援も行っておるところでご ざいます。また、2番は県の総合医療センターでございますけれども、診療面でいいます と食道がん、前立腺がん、婦人科腫瘍に強みを発揮しておりまして、3つ目の岐阜市民病 院は血液がん、小児がんにおいて強みを発揮したという中で役割分担をしております。  続きまして、資料2で現状の7医療機関の概要でございますけれども、いずれも新指針 による指定要件を満たしておるところでございます。7番目、高山赤十字病院は先ほどの 飛騨圏域の地域拠点病院ということで、飛騨圏域のがん医療の砦という活動をしておると ころでございます。  続きまして、資料3をご覧ください。  これは私ども県としましては、平成22年度も更新の指定をお願いしたいということでご ざいます。岐阜医療圏にございます3医療機関の先ほど診療面のお話をさせていただきま したが、地理的な面の役割分担というのも行っておりまして、岐阜医療圏には周辺、飛騨、 中濃、西濃からの患者も受け入れておるところでございます。1つ目、岐阜大学は主に西 濃、中濃、飛騨満遍なく県下からの患者を受け入れていると。2番目の県総合につきまし ては主に中濃からの患者、3番の岐阜市民病院につきましては西濃地域からの患者が多い ということで、周辺圏域からの患者も受け入れつつ、分散をしてがん医療を行っていると いう状況でございます。  資料4をご覧ください。  5つの2次医療圏に7つの拠点病院の指定をいただきたい理由ということでございます が、1つ目、県内隅々に至るがん医療の均てん化ということで、先ほども申し上げました が、非常に面積が広いと。特に飛騨医療圏は石川県さんや徳島県さんの広さに匹敵する広 さがあると。中山間地域や過疎地を抱えておるという状況がございまして、各医療圏に少 なくとも1つの拠点病院がないと、これは患者さんの診療に大きな支障を生じるという状 況がございます。多くの患者さん7割、9割が住所地の2次医療圏内に通院をされている というのが下の図でございます。  1枚目おめくりいただきまして、資料4の続きでございますが、2としまして岐阜圏域 に3つの指定をいただきたいということで、岐阜圏域は人口80万人でございますが、先ほ ど申しましたように、他の圏域の患者さんも含め、患者の分散をしているということ。ま た、機能分担とありまして、食道がん、女性がん、小児がんなどの役割分担を図っている ということ。また、地域連携クリティカルパスの運用などの事務局として先ほどの強みが 発揮するがんの部分で事務局を担当して進めていると。また、地域医療再生計画で医師の 人材育成等を3医療機関で連携して育成して、それを他の飛騨圏域、東濃圏域などに広げ ていくという計画も今立てておるところでございます。こういった取組を通じまして、岐 阜圏域の3医療機関のほか、7つの診療拠点病院が充実をした協力体制を築き、病院協議 会の開催や緩和ケア研修会の開催、また相談支援センター連絡会の開催等に取り組んでお るところでございます。  以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、京都府、お願いいたします。 ○京都府(川野)  京都府の健康対策課の川野でございます。  資料のほうは179ページからお願いします。まず、資料1でございます。  京都府におきましては、2つの都道府県拠点病院と7つの地域拠点病院ということで、 合計9つの拠点病院の指定をいただいております。  まず、医療圏ごとの患者の受療動向等でございますが、そこに地図がございます。一番 上の丹後医療圏、これはここにありますように、空白の医療圏でございます。この丹後、 中丹、この京都府北部、いわゆる日本海に面した地域でございますが、人口的にも減少地 域、過疎地域、過疎が進んでいる地域でございまして、特に医師不足など医療体制の医療 過疎が深刻な地域でございます。この地域におきましては、8、9の市立福知山市民病院、 それから国立舞鶴医療センター、この2つの拠点病院において患者の対応をしていると。 この2つの圏域をカバーしていると。この2つの病院以外にまだ放射線治療のできる病院 がないということもございまして、ここが拠点になっております。京都市内の医療支援の 集中した地域からもかなり遠いということで、患者は一応圏域内での完結をするという状 況でございます。  その次の南丹医療圏、ここも空白でございます。ここにつきましては、京都市内、京都 ・乙訓医療圏、ここに7つの拠点病院が集中しておりますが、この中の国道9号線、京都 府を循環する主要国道でございますけれども、国道9号線なり縦貫自動車道等で結ばれて おります4、7の京都市立病院と桂病院、この2つがこの道沿いにあるということで、基 本的にはこの2つの拠点病院がこの南丹圏域もカバーする状況にございます。さらに京都 ・乙訓を飛ばしまして、南のほうです。山城北医療圏、ここも実は空白でございます。こ こにつきましては、交通網でいきますと、どちらかというと私鉄沿線、私鉄が2本、近鉄 と京阪が通っておりますけれども、こういう私鉄の交通網等を利用しまして3、5、京都 第二赤十字病院あるいは5の京都第一赤十字病院がカバーするというような状況になって おります。さらに山城南、これも空白でございます。奈良県に接する地域でございますけ れども、ここも医療過疎の地域でございます。ここにつきましては、6の国立京都医療セ ンターがJRでつながっているということもございまして、主にカバーするという形にな っております。  なお、京都市内につきましては、また後の資料3で説明させていただきますけれども、 非常に人口が集中している地域ということもございまして、今申し上げましたように、周 辺の地域へのカバーも含めて7つの拠点病院を指定いただいているところでございます。  それから、資料2でございます。がん治療の数値の資料でございます。  基本的には9つの拠点病院それぞれ治療実績を上げておりますが、特に一番下、8、9 の先ほど申しました北部の人口減少地域、過疎地域の病院につきましては、若干患者数が 少ないという状況でございます。これはほかに代替がないということで拠点として機能さ せているところでございます。  資料3につきましては、基本的に資料1と同じ状況でございます。全て更新あるいは継 続の病院となっております。  資料4をお願いします。  先ほどの資料1で説明させていただきましたものの若干詳しくなりますが、各拠点病院 の機能分担でございます。  まず、中丹医療圏の2つの福知山市民病院と舞鶴医療センターでございます。これにつ きましては、先ほど申しましたように、それぞれ血液がんとかIMRTとか小線源等の治 療の特徴を持っていると同時に、北部をカバーするということと、南丹につきましては京 都の特に医療圏の2つの病院がカバーすると。山城医療圏、山城南医療圏につきましては、 それぞれ市内の病院が先ほど申しましたような状況でカバーしています。特に昨年度指定 いただきました京大医学附属病院、人材育成の配置とか先進的放射線治療、がんプロフェ ッショナルの人材、この辺で特徴のある機能を有しております。  なお、空白の医療圏につきましては、京都府独自に協力病院という形で、この拠点病院 の支援を受けて地域のがん医療を支えていくということで、空白の4医療圏について4病 院を府独自に指定させていただいて、支援体制をつくっております。  それから、183ページでございます。  資料番号はついておりませんが、がん診療連携拠点病院の支援・連携の取組ということ で、時間がございませんので、京大と府立、2つの都道府県拠点を指定いただいていると いうことで、特にこの2つの病院の連携協力と、それから、拠点病院協議会そのものの運 営をスムーズに行うために連携推進の項でございますけれども、戦略会議という形で設け ております。これを中心にしまして、全体の人材育成、人材の配置、それから研修、教育、 そういうようなものをより効果的に進めていくという体制で現在進めているところでござ います。よろしくお願いします。 ○垣添座長  ありがとうございました。鳥取県、お願いいたします。 ○鳥取県(藤井)  鳥取県福祉保健部の藤井でございます。よろしくお願いいたします。  184ページ、31番、鳥取県でございます。  資料1でございますが、鳥取県は東部、中部、西部の3つの2次医療圏からなり、それ ぞれにがん診療拠点病院を指定しております。地域がん診療拠点病院として東部は2番の 県立中央病院と3番、鳥取市立病院の2病院、中部は4番の県立厚生病院、そして西部は 県の拠点病院であります1番の鳥取大学医学部附属病院と地域拠点病院である5番、米子 医療センターの2病院を指定し、県全体では県の拠点病院1病院と、地域の拠点病院4病 院を指定しております。東部、西部の2次医療圏ではそれぞれの役割分担や主に担当する 圏域等の観点から、複数の病院を指定しております。鳥取県の人口は全国でも最も少ない 約60万人ではありますが、医療に関しては、隣接県からの患者を受け入れておりまして、 東部では兵庫県北部地域から、西部では島根県東部地域からの患者流入が見られます。こ のほかにも岡山県北部からの流入があるなど、鳥取県内の医療機関がカバーしている人口 は県人口を大きく上回る状況にございます。  資料2でございますが、資料は現在指定している5つの拠点病院の診療実績を記載して おります。全ての拠点病院について、指定更新として今回申請を出させていただいている ところでございます。平成20年、21年それぞれ2カ月間のデータのため、ばらつきはござ いますが、五大がんを中心に幅広く診療をいただいております。なお、先ほど来お話がご ざいます県立中央病院のところの肺がんがゼロ、ゼロとなっておりますが、年間にいたし ますと、開胸9件、胸腔鏡の手術が35件、それから肝臓がんの米子医療センターのところ がゼロ、ゼロになっておりますが、年間では開腹が9件、ラジオ波1件ということでござ います。また、外来の化学療法につきましては、平成20年の実績は内服薬だけの治療を含 めて数字を上げさせていただいておりまして、21年が少なくなっているように数字上は見 えますけれども、外来化学療法の実施数はいずれの病院でも増加しているということをご 説明させていただきます。  続きまして、資料3をお願いいたします。  拠点病院につきましては、現在の拠点病院を全て更新として申請させていただいており ますので、平成22年度の診療体制、患者受療動向につきましては、基本的に現状と変わり ません。東部の2の県立中央病院は、東部医療圏北部及び兵庫県北部を、3の鳥取市立病 院は東部圏域南部をカバーしております。中部の4の県立中央病院は中部圏域のほとんど をカバーしているほか、岡山県北部からの患者受け入れもございます。また西部、1の鳥 取大学医学部附属病院は、西部圏域のみならず、島根県東部、松江医療圏からの患者受け 入れもしております。西部の5の米子医療センターの患者につきましては、ほとんど西部 圏域の住民ではございますが、地域に密着した診療、相談支援を行っているところでござ います。  資料4でございますが、拠点病院指定についての鳥取県の考え方を示させていただいて おります。  基本的には県拠点病院1病院、各2次医療圏に地域拠点病院を概ね1病院指定すること としておりますが、隣接する県の医療圏からの患者受け入れや病院間の診療機能の分担の 上から、圏域によっては複数の地域拠点病院を指定することとして、今回申請をさせてい ただいたところでございます。東部圏域は県立中央病院と鳥取市立病院の2病院を指定し たいと考えておりますけれども、中央病院は医師数も多く、血液がんを含めた幅広い診療 を行う高度先進型、市立病院は地域と連携し、在宅ケアを含めた緩和ケアの充実を図る地 域密着型であるとともに、放射線治療やPET検査においては中央病院を補完し、役割分 担、連携を図っております。また、がん患者の診療圏域についても、先ほど申し上げまし たように、それぞれ分担をしているところでございます。  一方、西部圏域におきましては、県の拠点病院としてがん医療に関わる人材の育成や県 全体のがん医療をリードする立場の鳥取大学医学部附属病院と、在宅診療に向けた研修や 地域住民を対象としたフォーラムを開催するなど、地域と密着した診療相談支援体制を備 えた米子医療センターの2病院を指定したいと考えております。  なお、推薦書の一部に不十分な記載があったところにつきましては、資料に付けており ますので、ご覧いただければと思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。岡山県、お願いいたします。 ○岡山県(原)  岡山県の健康対策課の原と申します。では、岡山県についてご説明申し上げます。  資料の191ページ、資料1のところをお願いいたしたいと思います。岡山県は大体正方形 の県になってございまして、5つの医療圏がございます。その資料1にございますように、 岡山を中心とする県南東部という圏域と、倉敷を中心とする県南西部、それから上のほう に行きまして、左から高梁・新見圏域あるいは真庭、あるいは津山・英田と、こういうふ うなことになってございまして、現在1つの県拠点病院と6つの地域拠点病院の指定をし ていただいております。このうち、左上の高梁・新見という圏域と、その右でございます けれども、真庭という圏域が空白ということで拠点病院のない地域になってございます。  各病院の詳細につきましては、その次の資料2というところをご覧いただけたらと思っ ておりますが、資料2のところにございますように、現在の7つの病院につきまして状況 を掲げてございまして、若干例外はあるものの、20年と比べて21年度、伸びている数字が 多いのではないかというふうに分析をいたしているところでございます。  次に、資料3のほうにお進みいただきたいと思っておりまして、資料3のところが患者 さんの受療動向について整理したものでございます。  この7つの病院なんですけれども、今申しましたように、左上の高梁・新見あるいはそ の隣の真庭というところには拠点病院がございませんものですから、それぞれ県南西部で ありますとか県南東部を中心に患者さんのほうの受療というものの動向をまとめてござい まして、この7つの病院につきまして引き続き指定ということでお願いをできたらという ふうに考えてございます。  次に、資料4というところで194ページのほうに進んでいただけたらと思っておりますが、 資料4のその1ということで、今回の推薦に関わる考え方を整理したものでございます。  県内のがん医療の推進というものは、県拠点病院である岡山大学病院を中心といたしま して、6つの地域がん診療連携拠点病院がそれぞれの特徴を生かしまして、得意分野など で県全体をリードし、高いレベルでの均てん化を貢献していこうと。それで、圏域の枠を 超えて相互に密接に連携をいたしまして、一丸となってがん医療の充実に努めていきたい というふうに考えてございます。そこの資料4のその1というところの下にちょっと図が ございまして、上にありますのが県拠点病院であります岡山大学病院、その下に地域がん 診療連携拠点病院ということで、左のほうにございますのが県南東部の2つの拠点病院で ございまして、倉敷中央病院は県内最大規模の病院でございまして、圏域を超えての紹介 患者が非常に多くございまして、地域連携パスについては県内で初めて作成をし、県全体 をリードしております。次に、それをこの川崎医科大学附属病院につきましては、ドクタ ーヘリの活用による医療連携を推進しているほか、がん専門医あるいはコメディカルの生 涯教育、あるいは高度な乳がん治療ということで提供いたしております。  その右の3つにあります病院が岡山市を中心とする県南東部の3病院でございまして、 国立病院機構岡山医療センターは、交通の要所にありまして、県北部との連携を推進し、 あるいは血液がんとか小児がんで全県の中心的役割を果たしております。真ん中の岡山赤 十字病院につきましては、特にがんに特化したような相談支援センターを設けておりまし て、相談支援で中核的な役割を果たしていただいております。一番右の済生会総合病院に つきましては、胃・大腸・肝臓がんを専門といたしておりますが、緩和ケア病棟を唯一県 内の拠点病院で有しておりまして、緩和ケアに関しては県内をリードしております。それ から、その上にいきまして、津山・英田圏域では津山中央病院が県北部の中核病院という ことで指定をいたしております。  以上のような内容を最終的に取りまとめたのが最後の資料4のその2ということで、県 南東部圏域については、県拠点病院1病院と地域拠点病院3病院、県南西部については2 病院、津山・英田については1病院をお願いしたいということでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、愛媛県、お願いいたします。 ○愛媛県(金子)  愛媛県医療対策課の金子と申します。よろしくお願いします。  資料は197ページ以降、始まりますが、201ページをお開きいただき、併せて位置関係と いうことで隣の199ページも見合わせながらご説明をさせていただけたらと思います。  201ページに総括というペーパーがございます。ご覧のとおり、愛媛県ではがん診療連携 拠点病院ということで、都道府県の拠点として四国がんセンター、地域拠点としてご覧の とおりの6病院の指定を受けさせていただいております。今回の指定の更新に当たりまし ての県の整備の考え方でございますけれども、本県、左の199ページの表にございますよう に、6つの2次医療圏がございます。この中で宇摩医療圏、それと八幡浜・大洲医療圏に ついては拠点病院としての要件を満たす医療機関がございません。このため、201ページの 下のほうに地域拠点病院の表の中にがん医療圏という欄を設けておりますけれども、がん 診療につきましては、それぞれ隣接する新居浜・西条あるいは松山医療圏と一体的な診療 体制を整備するということで、県内に4つのがん医療圏というカテゴリーを導入しまして、 集約化を図った上で各圏域に拠点病院を配置すると。それで、県内全域をカバーする体制 を整備するという考え方に基づいております。こういう考え方に基づきまして、今回にお きまして同様に7つの病院を拠点病院としてお願いしたいということが基本でございます。  それで、具体的に言いますと、新居浜・西条、今治、宇和島につきましては、従来の病 院を各1カ所拠点病院として整備するということでございます。それと、新居浜・西条圏 域に立地する住友別子病院でございますが、ここにつきましては、隣接する宇摩圏域の拠 点病院としての機能役割も担うということでございます。それと、県人口が147万あります が、60万規模の人口を持っています松山医療圏につきましては、県拠点として四国がんセ ンターを1つ整備するとともに、高度医療機能が集積していること、あるいは全県のがん 入院患者の6割弱がこの圏域に集中しておりまして、他圏域からの流入も多いという状況 を踏まえまして、3カ所の地域拠点を併せて整備するということでございます。  それで、松山圏域になぜ4病院を整備するかということでございますが、資料4のほう に戻っていただきまして、中ほどに松山圏域に4病院を整備する理由ということが書いて ございます。宇摩圏域、新居浜圏域の患者のそれぞれの約2割が松山圏域に流入している ということ。それと、八幡浜・大洲圏域の患者の約4割強が隣接する松山医療圏に流出し ていると。それと、今治圏域は離島が多い等の地理的条件を考慮して、ここには1つ拠点 病院を整備しますけれども、より高度な医療を行うためには松山圏域の拠点病院との連携 が不可欠であるということがございます。こういう患者の動態に加えまして、県内のがん 医療の均てん化を推進する観点から、他の圏域を支援する体制を構築することが必要でご ざいまして、資料3の図に示しましたとおり、拠点病院間の連携体制を構築するというこ とでございまして、住友別子病院については新居浜・西条に加え、宇摩も担当することか ら、愛媛大学附属病院が主にカバーに回ると。今治圏域においても、済生会今治病院がご ざいますけれども、規模的に非常に小さいということもございまして、同じく愛大医学部 にお願いしてカバーする体制をすると。それと八幡浜・大洲につきましては、県立中央病 院、それと松山赤十字病院のほうが支援に回るというような相互協力関係を担っていると いうことでございます。  それと、各病院の医療機能ですけれども、四国がんセンターは全県的な機能もしますし、 愛媛大学については特定機能病院としての人材養成機能、県立中央病院についてはPET −CTセンター等で検査の支援でありますとか、そういうことを行いますし、松山赤十字 については地域医療支援病院として在宅医療の充実についても先駆的な役割を果たすと、 それぞれ役割分担を図るようなことにしております。  最後に未充足要件への対応でございますが、資料を戻っていただきまして、資料2のほ うにデータがございますけれども、済生会今治病院でございますが、年間1,200人の要件を 満たしていないということでございますけれども、リニアックの整備とか新規の医師確保 を次年度以降行うことによりまして、患者数の回復が見込まれるということと、もう一つ は今治圏域の3割以上の面積が島嶼部ということでございまして、そこの交通不便地域の ケアということでも、ぜひともこの圏域には1カ所拠点病院が必要であると判断しており ます。  それと、市立宇和島病院でございますが、緩和ケアチーム等の精神科医の配置というこ とでございますけれども、これにつきましても、同じ圏域内の病院から医師派遣の話が進 んでおります。それに加えまして、愛媛大学医学部からも精神科医の派遣について話が進 んでおりまして、4月以降、その体制は確保できるという状況になってございます。  以上でございます。よろしくお願いします。 ○垣添座長  ありがとうございました。では、説明の最後、福岡県、お願いいたします。 ○福岡県(中原)  福岡県の中原です。よろしくお願いいたします。  まず、203ページの資料1、現在の指定状況でございます。  本県では13カ所の2次医療圏がございますが、2次医療圏を基準としながらも、2次医 療圏内に指定要件を満たす医療機関がない場合には、患者さんの受療動向等を勘案して、 県内を4つのブロックに分け、各ブロックごとに整備を現在行っているところです。現在、 2カ所の県拠点病院と13カ所の地域拠点病院を指定していただいております。実際、空白 医療圏も医療圏単位で見ればございますが、こういったブロック単位での整備ということ で、ブロック内の医療機関によってカバーすることによって、医療の均てん化を図ってい るところです。  それから、204ページ、205ページの資料2に現在の15医療機関の診療実績をまとめてお ります。  それから、次に206ページの資料3でございます。  現在と同様に、県拠点を2カ所、地域拠点病院を13カ所の指定更新の推薦をさせていた だいております。  それから、次に207ページの資料4−1、併せて208ページの資料4−2のほうにまいり ます。  本県の整備に対する考え方ですけれども、本県についてはがんの診療及び連携体制を効 果的に推進するために、九州がんセンターと九州大学病院の2カ所を県拠点病院として推 薦しております。2カ所を推薦する理由でございますけれども、両病院とも県拠点病院と しての要件は十分に満たしております。しかし、例えばがん診療情報ネットワークについ ては九州がんセンターがより優れた機能を持っており、一方、高度で専門的な医療の提供 や専門医師の育成等には大学病院の主体的関与が必要であり、福岡県では県に4つの医学 部を持つ大学がありますけれども、県内4大学が九州がんプロフェッショナル養成プラン として共同で実施することになっており、九州大学病院はその代表としてほかの3大学病 院から推薦を受けております。実際指定を受けて以来、両拠点病院は相互に協力しながら、 拠点病院の指定を受けて間もない医療機関も本県は多かったんですけれども、先駆的・指 導的役割を果たしていただいております。また、連携協議会においては、事務局は九州が んセンターで行っていただいており、また、役割分担をしながら3つの専門部会を設置し、 それぞれ得意分野である教育・研修専門部会を九州大学病院、それから地域連携・情報専 門部会、それからがん登録専門部会を九州がんセンターが運営しているところです。  県拠点として例えば医師を初めとする専門従事者の育成やいわゆるがん診療に関する医 師の派遣といった診療の支援体制については、主に九州大学病院が担っており、実際数多 くの研修会の開催や県内の幅広い地域の病院への医師の派遣を実際行っていただいており、 これによりがん医療の水準の向上を図っているところです。  また、緩和ケアの推進においては、県内の研修会開催の調整や管理、その部分は九州大 学病院が担うと。一方、緩和ケア医療を進めていくための緩和ケアの依頼書の統一様式の 普及と、そういった部分は九州がんセンターが積極的に行っているところです。  そのほか、がん登録の推進においても九州大学が運営する連携協議会の研修教育専門部 会において、拠点病院以外で標準登録様式に基づくがん登録を実施している医療機関から 登録データを収集する一方、九州がんセンターにおいては、拠点病院の登録データの分析 ・評価を行うこととしております。このように両病院が互いに協力しながら指導的役割を 果たすことによって、本県のがん医療提供体制が確立できると考えております。  地域拠点病院につきましては、全ての医療機関において指定要件を満たしており、指定 更新の推薦を行っております。  以上でございます。よろしくご検討のほどお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続けてご説明いただきましたが、戻りまして、順次検討して まいりたいと思います。  最初が山形県ですね。どうぞ、山形県に関して、何かご発言ありましょうか。6つの病 院の指定更新の要請でありますが、何かありましょうか。  よろしいですか。  では、この6つの医療機関の指定を更新することにいたします。  次は千葉県ですか。13の医療機関が指定更新ということでありますけれども、いかがで しょうか。  千葉医療センターは、肺がん手術がなかったのかな。千葉医療センターは肺がんの手術 がゼロですが、これは何か説明がありますか。 ○千葉県(山崎)  千葉県でございます。ちょっとこの六、七月の数字は今ここに示したようにゼロ、ゼロ なんですけれども、ちょっと通年の数字が今、手元にないところではあるんですが、さき の連携パスの部会なんかにも13病院でやっておりますので、特段の今事情、状況は聞いて おりません。 ○垣添座長  いかがでしょうか。特にご意見がなければ、千葉県もこの指定更新を求められた13病院 を認めたいと思います。  それでは、ちょっと時間が押しているそうなので、まとめてまいりたいと思いますが、 今は千葉が終わりましたね。あと神奈川、富山、石川、福井、岐阜、それから京都、鳥取、 岡山、愛媛、福岡までのプレゼンをしていただいたわけでありますが、これに対して何か。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  富山県について教えていただきたいんですが、富山県の富山型がん診療体制というのは、 この委員会も含めて一般の方が聞くと非常にすばらしいモデルと。医療関係者の我々は本 当にそんなことができるかなという疑問を持ちながらずっと見せていただいてきたところ なんですけれども、今後もこういう方向で行くということはよく分かったんですが、現実 問題として、非常にうまくいっているのか否かという辺りをちょっと伺っておきたいんで すが、例えば数字上で重箱の隅をつつくようなことかもしれませんが、肝がんを積極的に やるという市立砺波はゼロに近い数字になっておりますし、それから、例えば胃がん・大 腸がんを中心にという富山市民病院の数も決して多い数字ではないというか、かなり少な いと言ったほうが正しいと思うんですけれども、最初のモデル、その診療を分担するんだ という形から情報関連だというふうに少し軌道修正されてきているとは思うんですけれど も、ずっと伺った中で。現状、富山県としては、このモデルはもともと考えていたとおり に動いているのか、あるいは今後かなり修正をかけなければいけないのかという辺りを教 えていただけますでしょうか。 ○富山県(宮本)  今ご指摘いただきましたように、私ども現在の体制としましては、役割分担としてそれ ぞれの担当しております部位ですとか治療法の研修ですとか、地域連携クリティカルパス の取りまとめですとか、情報発信ですとか、そういったところをまず中心に行っておりま す。その上で、診療についてもそういった取組の結果という側面もあると思うんですが、 徐々に患者さんが増えてきているところがございまして、今ご指摘のありました砺波総合 病院におきましても、肝がんの患者さんというのは徐々には増えてきておりますし、富山 市民病院についても大腸がん、肝がん等の患者さんというのも紹介が増えているというふ うに聞いておりますので、全体としては全く患者さんを診ないという意味での直ちにがん の診療が分担されるということではないんですが、当初考えていたとおりに進んでいる部 分は大きいのかなというふうに思っております。 ○垣添座長  ほかにご意見ありましょうか。  どうぞ、若尾委員。 ○若尾委員  京都府で180ページ、京都大学なんですが、昨年の推進協議会で京都大学の相談支援セン ター、相談件数がゼロだということで、進めていただくということで、1年後9件に、ゼ ロから9に増えているといえば増えているんですが、大学病院としては、これ相談体制が 余り整備されていない状況だと思うんですが、その後どのような状況か分かりますでしょ うか。 ○京都府(川野)  京都府です。京大病院につきましては、現在は地域連携室の中でその相談センターを設 けて進めておりますが、この5月にがんセンターを整備する計画になっておりまして、そ の中に専用のがん相談支援センターをつくって、人だけではなくて、設備全体も充実して 取り組むという方向で現在進めているところでございます。 ○若尾委員  すみません、がんセンターは今の時点ではなくて、ことしの5月にできるということで すか。 ○京都府(川野)  がん専門の病棟の建設は今現在建設中でございまして、それが5月にオープンする予定 で進んでおりまして、その中に専門の相談センターという形で設備的に整備していきたい。 ○垣添座長  分かりました。ほかにいかがでしょうか。  それでは、ちょっと時間が押しておりますので、申しわけありませんが、今プレゼンテ ーションしていただいた医療機関全て……。どうぞ、関原委員。 ○関原委員  この九州大学というのは日本で一番手術の件数が多いんですか。年間のこの2カ月の手 術が1,387件とあって、がん研や何かよりよっぽどたくさんあるんですけれども、これはそ ういうことなんですか。この資料2−1の204ページの九州大学の手術の総数は2カ月で 1,387あると。これ実は福岡県だけが非常に内訳がほかの県と違っているんですね。合計を 足してもギャップが大きいんですけれども、この数字は大丈夫なんですか。国立がんセン ターより多いと思うんですよ、これ。これ足しても100ぐらいしかないんですけれども。 ○垣添座長  何か違いそうですね。少し。 ○福岡県(中原)  手術総件数の……。 ○垣添座長  2カ月じゃなくて総件数を出しているのかな。それにすると、今度は小さいですね。 ○福岡県(中原)  一応それぞれの五大がんの分の足し算ではなくて、悪性腫瘍手術総件数ということで九 州大学病院さんが1,387件と。 ○垣添座長  それにしても多いですね。ちょっと調べていただけますでしょうか。基準が同じでない と、ぐあいが悪いと思いますので。 ○福岡県(中原)  分かりました。確認をしておきます。 ○垣添座長  それでは、山形、千葉、神奈川、富山、石川、福井、岐阜、京都、鳥取、岡山、愛媛、 福岡県から指定更新の願いがあった全ての病院を認めたいと思いますが、よろしゅうござ いますか。  ありがとうございます。  では、続きまして……。 ○鈴木がん対策推進室長  すみません、今から席をまた入れ替えますので、少々お待ちください。 ○垣添座長  それでは、よろしゅうございますか。  先ほど青森県を済ませましたので、岩手県からお願いいたします。 ○岩手県(野原)  岩手県でございます。岩手県医療国保課、野原と申します。どうぞよろしくお願いいた します。  資料は209ページからでございます。  まず、210ページにまいりまして、21年現在の本県の指定状況と患者受療動向でございま す。  本県は、9つの医療圏がございますが、現在8医療圏、9病院が指定されているもので ございます。このうち、県庁所在地がございます盛岡医療圏が県の拠点病院でございます 岩手医科大学附属病院と地域の拠点病院でございます県立中央病院の2病院が指定されて いるところでございます。  この岩手医科大学と中央病院の役割分担でございますが、岩手医大に関しましては、文 部科学省のがんプロフェッショナル育成プランに基づきまして、がん医療を担う人材の養 成といった点が大きな視点と考えてございます。また、テレビ会議システムによりますが んのテレカンファランスをこれ拠点病院間を結びまして、定期的に開催するなど連携を推 進しているものでございます。  中央病院でございますが、本県はご案内のとおり21病院、5診療所と全国一の県立病院 のネットワークを持ってございますが、そのネットワークのセンター的機能としての各圏 域の病院への支援といった機能を持ってございます。また、地域病院といたしまして、県 の人口の3分の1が盛岡医療圏にございますが、盛岡医療圏域のがん患者への標準的治療 実施を担っているものでございます。  なお、空白の圏域、沿岸の釜石医療圏がございます。こちらは中核病院の県立釜石病院 が放射線治療設備がないためにこのがん患者さんの放射線治療につきましては、近隣の医 療圏または盛岡圏域のほうでカバーしているといったような状況でございます。  次に、ページをおめくりいただきまして、資料2に本県の9病院の状況をお示ししてご ざいます。入院患者並びに手術総数等の治療の実績でございますが、指定病院の指定に併 せまして患者さん、手術等の実績も概ね増加しているというものでございます。なお、昨 年指定をいただきました4番、県立胆沢病院、6番、県立大船渡病院、8番、県立久慈病 院につきましては、昨年の本検討会におきまして新入院のがん患者数、相談支援センター の相談件数につきまして把握するようにという意見をいただいたところでございます。こ ちら入院患者、胆沢病院は大幅に増えてございます。県立大船渡病院も倍増してございま す。県立久慈病院、若干減ってございますが、これは医師の退職等の状況がございまして、 直近の指定をされました平成21年1月から12月に関しましては1,062名と増加をしているも のでございます。  また、相談支援センターの相談件数でございますが、大船渡、久慈辺りが若干実績が少 ないというものでございましたが、両病院とも住民、患者さんへの周知、また院内体制の 整備に努めまして、大船渡に関しましては直近11、12月で53件、久慈病院に関しましても、 4月からの実績で71件とそれぞれ増加を認めているものでございます。  次に、資料3でございます。  本県の22年度の指定状況でございますが、21年度と基本的には変わらないものでござい ます。なお、この空白の圏域でございます釜石医療圏に関しましては、本年策定をしてご ざいます地域医療再生計画、本県は盛岡医療圏と釜石医療圏を設定し、過日内示をいただ いたところでございますが、この釜石圏域の計画におきまして、放射線治療設備につきま して盛り込みまして、釜石圏域におきましても、指定病院整備に向けて取組を進めている ところでございます。  続きまして、資料4でございます。  本県のがん診療連携拠点病院の整備方針というものでございます。基本的考え方といた しましては、当県のがん対策推進計画に基づきまして、9圏域全てに地域がん診療連携拠 点病院の整備を目指すものとしているところでございます。支援の取組といたしましては、 補助支援などのほかに医療計画、こちらの4疾病、5事業について各保健医療圏ごとに医 療連携を推進するプランを策定いたしました。がんにつきましても、この圏域ごとのプラ ンに基づきまして、連携の取組を推進することとしてございます。  また、難治がん、進行がん、再発がん等につきましては、県の拠点病院との連携、また 圏域間の連携も進めていくということにしてございます。  最後に、指定要件未充足事項の対応状況でございます。こちらは9月時点で磐井病院、 大船渡病院、宮古病院それぞれ指摘をいただいたところでございますが、こちらにつきま しても、年末から1月にかけまして、対応について進められているところでございます。  当県の状況は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。宮城県、お願いいたします。 ○宮城県(平山)  宮城県疾病・感染症対策室の平山と申します。よろしくお願いいたします。  それでは、説明をさせていただきます。  216ページ、資料1をご覧ください。  現在、当県では7つの医療圏に対して7カ所の病院が指定を受けております。特徴とし ましては、仙台医療圏に5カ所の拠点病院が集中している一方で、県南部と北部の合わせ て4つの医療圏では拠点病院が未指定という状況にあります。この背景としましては、左 下の表にあるとおり、当県における人口や患者が仙台医療圏に集中していることが挙げら れます。患者受療動向につきましては、1つとして空白医療圏の患者を隣接する医療圏の 拠点病院がカバーする役割を担っており、この動向は白抜きの矢印で示しております。ま た、仙台医療圏に県全体から患者が集中する傾向があり、5つの拠点病院を中心とした仙 台医療圏の病院が県全体のがん医療を支える役割を担っております。こちらの動向は黒の 矢印で示しております。  次に、資料2をご覧ください。  今回指定推薦する7病院のがん医療に関する実績ですが、県立がんセンターと東北大学 病院が県全体のがん医療の中心として多くの患者を受け入れ、治療実績を上げております。 県立がんセンターの肝臓がんのところの実績がゼロになっておりますが、年間の実績とし ては20件程度というふうになっております。  次に、資料3ですが、今回は既に指定を受けております7つの病院の指定更新で、資料 1で説明した現状と同じ体制を想定しておりますので、説明は省略させていただきます。  次に、資料4−1、ここで宮城県の拠点病院の指定推薦に関する考え方についてご説明 いたします。  資料4−1をご覧ください。  当県のがん医療の現状・特徴としては、過半数の4つの医療圏において拠点病院が未指 定であることが挙げられますが、その背景としては先ほど申し上げた人口の集中に加え、 医療資源や社会資源が仙台市周辺に集中していること、地方部の医療圏に指定要件を充足 できる病院がない現状が挙げられます。こうした状況において、当県では仙台医療圏に集 中するがん患者への対応と空白医療圏のがん医療体制に対する支援、連携という2つの視 点を柱とし、全県的なカバーを重視したがん医療体制の整備を行っております。具体的に は仙台医療圏に空白医療圏の分も含めた5つの拠点病院を指定することにより、仙台医療 圏の診療機能を整備し、さらに全県的ながん医療体制構築のため、県立がんセンターと東 北大学病院を県拠点病院に指定し、相互に役割分担してリーダーシップをとる体制を整備 しております。2つの病院の特徴と役割分担のイメージは左下の図のとおりになります。  次に、資料4−2をご覧ください。  2つの県拠点病院の指定による取組の方向性とこれまでの取組をご説明いたします。  まず、放射線治療や化学療法、人材育成、教育といった分野では大学病院の特徴を生か し、東北大学病院が医療水準や人材の均てん化に向けた指導やネットワークづくりを積極 的に進め、県内だけではなく、東北地域においても先導的な役割を担っております。一方 で、緩和ケア、患者支援や情報提供、がん登録といった分野ではがん専門病院である県立 がんセンターが中心となり、拠点病院以外の病院も含めた全県的な連携体制の整備と情報 の均てん化を進めてきております。  また、地域連携、ネットワーク分野では東北地域のがん医療の均てん化を目指した東北 がんネットワークの設立に参画するなどそれぞれのネットワークを活用し、相互協力の下、 県内外で取組を進めております。地域連携パスにつきましては、現在検討を重ねており、 一部については今年度中に作成、五大がん全てについては23年9月末までに作成すること としております。  以上のように、当県では県のがん医療を牽引する両病院が県拠点病院として分野ごとに 役割分担をし、明確なリーダーシップをとって取組、その結果、全県的な連携によるがん 医療体制の整備が各分野において大きく進められたところです。今後も現在の協力体制を 継続させることにより、県全体のがん医療体制の均てん化が一層推進されるものと考え、 現在の指定の更新を推薦いたします。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。次は、茨城県、お願いいたします。 ○茨城県(青山)  茨城県の保健予防課長の青山でございます。  本県の拠点病院の現況と推薦に対する考え方についてご説明をさせていただきます。  資料1でございますけれども、本県は300万弱の県民でございますが、9つの医療圏がご ざいます。そのうち6つの医療圏で8病院が指定を受けており、3カ所の医療圏が空白の 状況となっております。限られた時間ですので、同一医療圏に2カ所の病院が指定を受け ている医療圏の状況についてご説明をいたします。  まず、古河医療圏でございますが、(7)の友愛記念病院と(8)の茨城西南医療センター病院 が指定を受けておりますが、これは上のほうにあります筑西・下妻医療圏に指定要件を充 足する病院がなく、この医療圏の患者さんをこの2病院でカバーしております。また、緩 和ケア研修会などの各種の研修会についても、この2病院が筑西・下妻医療圏の医療従事 者も含めて実施をしております。  次に、つくば医療圏でございますが、(4)の筑波メディカルセンター病院と(5)の筑波大学 附属病院の2カ所の病院が指定を受けております。筑波大学附属病院は、がん診療教育の 拠点として総合がん診療センターを設置し、県内全域を対象とした従事者の教育や拠点病 院等への医師の派遣を行っております。このような形で全体での人材育成に筑波大学附属 病院は寄与してございます。また、筑波メディカルセンター病院は11年に茨城県の独自の 方法でございます分散型がんセンターの一つとして茨城県地域がんセンターを整備しまし て、地域に密着した診療機能や相談支援機能を有し、きめ細かながん医療を提供しており ます。特に本県の緩和医療を推進するための中心的な役割を担っている病院でございます。  続きまして、資料2をご覧いただきたいと思います。診療実績でございます。  診療実績についても記載のとおりでございますが、各病院とも望ましいとされている指 定要件の年間入院患者の1,200人を超えており、前回指定を受けた後でも地域のがん診療の 機能向上に努めております。なお、表の一番下に茨城西南医療センター病院が記載されて おりますが、この病院につきましては、放射線治療装置を現在整備しているところでござ います。本年3月に設置する予定でございまして、後ほど詳細にご説明をさせていただき ます。それ以外につきましては、各病院とも指定要件を充足しております。  資料3でございます。  推薦状況でございますけれども、今回はこれまで指定を受けている8病院全ての更新を お願いするものでございます。指定の考え方につきましては、これまで同様、がん診療連 携拠点病院が空白である筑西・下妻医療圏を(7)の友愛記念病院、(8)の茨城西南医療センタ ー病院でカバーする体制を継続してまいりたいと考えております。また、つくば医療圏は 2病院が指定を受けておりますけれども、人材確保や緩和ケアの推進には欠くことのでき ない病院ですので、引き続き両病院を指定していただきたいというふうに考えております。  資料4でございます。連携体制でございます。  全県レベルの機能としましては、筑波大学附属病院と県立中央病院が連携し、ともに県 内の多臓器にわたる難治性がん等々について治療を行っております。本県におきましては、 県内4病院に既に茨城県地域がんセンターを整備してございます。これを中心にがん診療 連携拠点病院が治療を行っております。  連携体制でございますけれども、各拠点病院で構成する診療連携協議会の中で研修部会、 相談支援部会、緩和ケア部会、がん登録部会の4部会を設置し、各種研修会や相談支援セ ンターの運営、院内がん登録の体制や分析評価を行っております。  最後に資料5でございます。  先ほど申し上げました茨城西南医療センター病院の放射線治療装置の未充足の理由と今 後の見込みでございます。  茨城西南医療センター病院では、放射線部と検査部の老朽化が著しく狭かったために、 検査棟を改築し、地下にリニアックを整備する予定でございました。ところが、耐震設計 のやり直しという問題が生じまして、これにより着工が平成19年から本年度へ変更になり ました。20年8月に売買契約を締結いたしまして、1月に使用許可を受けております。3 月に設置する予定でございます。治療医は筑波大学から派遣が決定しておりまして、専従 で治療に従事することになります。診療放射線技師は常勤で専従として3名配置すること としております。  以上でございます。本県としてはぜひこの8つの病院の指定をしていただきたいという ふうに考えております。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。長野県、お願いいたします。 ○長野県(村山)  長野県医療政策課、村山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、228ページ、資料1をご覧ください。  本県には10の医療圏がございますが、都道府県の拠点病院は(5)の松本医療圏にございま す信州大学医学部附属病院でございまして、他の地域拠点病院の総合調整や人的な支援等 を行っているところでございます。そのほか地域拠点病院といたしましては、北のほうか ら申し上げますと、長野・北信医療圏、佐久医療圏、諏訪医療圏、上伊那医療圏、飯伊医 療圏に7つの拠点病院がそれぞれ1医療圏に原則として1カ所指定を受けてございます。 また、10の医療圏のうち、北のほうから申し上げますと、大北医療圏、木曽医療圏、そし て東の上小医療圏の3つの医療圏が空白の医療圏となっておりますけれども、これらの医 療圏につきましては、近隣の医療圏と連携し、カバーをしている状況でございます。今回 は(3)の上伊那医療圏にございます伊那中央病院を除く7つの拠点病院について審査をお願 いいたします。  続きまして、資料2をご覧いただきたいと思います。  年間入院患者数、それから6月から7月の治療件数、放射線治療の年間患者実数、薬物 療法の延べ患者数等につきましては、ご覧のとおりの状況となってございます。  続きまして、資料3をご覧いただきたいと思います。  平成22年度の指定推薦状況でございますけれども、現在の指定の状況と変更はございま せん。空白の3医療圏を除きます7つの2次医療圏では原則1カ所のがん診療連携拠点病 院を整備しております。その中で、長野医療圏と北信医療圏につきましては、長野市中心 部にございます長野赤十字病院と長野市の北部地域にございます長野市民病院の2つの病 院で2つの医療圏をカバーするということにしてございます。空白の医療圏につきまして は、長野県のがん対策推進計画に基づきまして、平成24年度末を目指して拠点病院整備を 進めているところでございます。  続きまして、資料4をご覧いただきたいと思います。  本県では、昨年の9月21日でございますけれども、都道府県拠点病院でございます信州 大学医学部附属病院の病院長を会長といたします10名の委員から構成されます長野県のが ん診療連携拠点病院整備検討委員会を開催いたしまして、今回の更新の対象となる7つの 拠点病院について審査を行いました。その結果、これらの7つの拠点病院につきましては、 指定要件の全てを満たしていると判断され、今回の申請に至った次第でございます。  次のページをお願いいたします。  本県では、平成20年度から独自の取組として、既に指定を受けたがん診療連携拠点病院 を対象といたしました機能評価を現地調査を踏まえまして実施しておりまして、拠点病院 のがん医療の質の確保を図っているところでございます。また、この機能評価につきまし ては、ピアレビューということで一般に公開されておりまして、拠点病院を今後目指す病 院や医療関係者など幅広い方々の参加で行われております。また、今年度から県内の20の 患者会と拠点病院が集まりまして意見交換を始めてございます。今後も患者会の意見を踏 まえて、がん医療の質の向上を図っていくこととしております。  説明は以上でございます。審査のほうをよろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、和歌山県、お願いいたします。 ○和歌山県(堂代)  和歌山県健康づくり推進課長の堂代と申します。よろしくお願い申し上げます。  このたびのがん診療連携拠点病院の推薦に関しまして、ご説明申し上げます。資料は234 ページでございます。  まず、和歌山県の地理とがん診療連携拠点病院の指定状況についてご説明させていただ き、その後で推薦に当たっての本県の考え方、最後に各拠点病院の特色などをご説明させ ていただくということでお願いいたします。  資料1でございますけれども、詩人、佐藤春夫の望郷五月歌という歌に「空青し山青し 海青し日はかがやかに南国の五月晴こそゆたかなれ」というふうな一節がございますが、 和歌山県紀の国を望郷した歌でございます。この歌で和歌山県をイメージしていただける のではないかと思い、紹介させていただきましたけれども、和歌山県は山と海に象徴され る自然豊かな県でございます。和歌山県の総面積の8割は山林でございまして、山間部か ら河川が太平洋に向かって流れる。それぞれの河川に沿って集落がございまして、川下に 当たる海に面して地方都市が形成されています。日本最大の半島である紀伊半島の西側に 位置しておりまして、大阪府の南側、この和歌山医療圏、那賀医療圏、橋本医療圏の上が 大阪に当たりますけれども、交通面では海岸沿いの地方都市を結びまして、JR西日本き のくに線が海岸沿いを走り、また、国道42号線がきのくに線に併走する形で走っています。  今申し上げましたような地理、それから日常生活圏の状況などから和歌山県には7つの 2次保健医療圏がございます。和歌山県の人口は101万人でございますが、そのうち和歌山 医療圏が44万人、他に、那賀、橋本、有田、御坊、田辺、新宮の各医療圏につきましては 7万から14万の医療圏でございます。がん診療連携拠点病院につきましては、県拠点であ る2番の和歌山県立医科大学附属病院を初め、6病院が指定を受けております。有田、御 坊、新宮医療圏につきましては、空白の医療圏となっております。  次に、指定推薦に関する考え方でございます。  資料4でございますけれども、和歌山県は平成20年、がんの75歳未満の年齢調整死亡率 の都道府県別の順位で申し上げますと、平成20年度においてワースト9位、高水準で推移 していると、そういうことから、がん対策を主要施策と位置づけて、その中で重点課題と して拠点病院を整備していくと。そして機能向上を図るということで、住んでいる地域に かかわらず、質の高いがん診療を受けることができる体制を進めていきたいと考えており ます。今回の指定推薦につきましては、6病院全てが基準を満たしているということから、 引き続き指定を受け、がん診療の連携体制を進めていくこととしております。  空白の医療圏におきましても、がん診療向上に努めておるわけですけれども、指定を受 けるには不足する部分がございますので、その各地域の医療資源の状況等、実情も勘案し ながらがん診療体制の整備を進めている状況でございます。指定後の患者受療動向につき ましては、現在と同じと考えております。  次に、推薦しております各病院の特色などについて、資料2に基づき、ご説明させてい ただきます。  まず、2番の和歌山県立医科大学附属病院でございますけれども、有田、御坊医療圏、 それから県外も含めて年間約3,900人の新規入院患者がございます。県内唯一の特定機能病 院として高度な医療技術の開発評価並びに研修を実施するとともに、地域の医療機関への 専門家派遣、技術支援などを行っておりまして、和歌山県のがん医療の推進に多大な役割 を果たしていますので、県拠点としてふさわしいと考えております。  次に、1番の日本赤十字社和歌山医療センターにつきましても、御坊や有田医療圏だけ でなくて、県外も含めてカバーしております。県で一番新規入院がん患者が多い。年間 4,300人を超えているという状況でございます。呼吸器疾患における治療に関しては、本県 髄一の水準でございます。公立那賀病院につきましては、がん患者サロンがございます。  また、社会保険紀南病院、それから国立病院機構南和歌山医療センターにつきましては、 田辺医療圏にございますが、新宮保健医療圏を含め、紀南地域を全部カバーしているとい う状況でございます。  よろしくお願い申し上げます。 ○垣添座長  ありがとうございました。香川県、お願いいたします。 ○香川県(佐々木)  香川県の健康福祉部医務国保課の佐々木といいます。  資料に沿って説明させていただきます。資料のほうは238ページからです。  まず、県の2次医療圏の状況ですが、平成元年に策定した県の保健医療計画において5 圏域、東のほうから大川、島嶼部の小豆、県中央部の高松、中讃、三豊の5圏域を設定し ています。県の面積は全国で一番小さい約1,800平方キロで、人口は約100万、病院数は96 となっています。このうち、大川圏域については人口が8万余りで病院数は5、小豆につ いては人口が3万余りで病院数が4、高松圏域については人口が44万余りで病院数が42、 中讃圏域については面積が一番広く589平米で29万人余りで、病院数は31などとなっていま す。拠点病院の整備状況についてですが、平成15年の12月にまず、三豊医療圏で三豊総合 病院の指定を受け、20年2月に更新したところです。その後、17年1月に高松医療圏で県 立中央病院を20年2月更新、その後、18年8月に中讃医療圏で香川労災病院、19年1月に 大川・小豆両医療圏に候補となる病院がないということから、大川、小豆、高松の隣接す る医療圏を対象とした拠点病院の数を求めざるを得ないこととか、面積、人口の過半数を 占め、既に指定を受けている三豊、中讃に比べて負担が大きいということで、高松医療圏 で日赤病院を指定、その後、最後に20年2月、同様に香川大学附属病院を指定されており ます。同病院については21年2月に県拠点病院に指定されたところです。  資料2ですが、20年9月1日時点と21年9月1日時点の診療実績比較ですが、いずれの 病院も年間入院患者数は1,200人以上となっております。  続きまして、資料3ですが、今回更新を推薦するものはいずれも更新で、香川労災病院、 日赤病院、それから三豊総合病院、県立中央病院の4病院となっています。ここにも記載 しておりますように、大川、小豆医療圏については高松医療圏の3病院で3医療圏をカバ ーするということとしております。  続きまして、資料4で今回の指定推薦に係る県の考え方ということですが、推薦の理由 の2のほうになります。がんは、本県において昭和52年から死因の第1位となっていまし て、平成18年のがんによる死亡者数は2,879人と全死亡者の28.1%を占めています。高齢化 が全国平均を上回っている本県では、がんによる死亡者数は今後とも増加していくと推測 されることから、県の医療計画及びがん対策計画でがんによる死亡者をできるだけ減少さ せることを目標として、がん診療の体制の整備・充実について、拠点病院を核に個別の目 標を定めているところです。  各病院の特徴を言うと、香川労災病院についてはがん診療の多くの専門分野で集学的治 療等が実施されており、指定要件を満たしているところです。また、高松赤十字病院につ いては同様に指定要件を満たしている上に、人間ドックや市の一般検診、乳がん検診につ いても十全から意欲的に担任し、治療だけでなく、がんの予防にも努めています。三豊総 合病院についても同様に指定要件を満たした上で、特にかかりつけ医と連携して、外来、 化学療法の安全管理も含めた連携パスを作成することによって、継続医療の充実に取り組 むとともに、緩和ケア病棟で様々な症状の患者に対して種々の取組を行っています。県立 中央病院についても同様に指定要件を満たしているところです。特に内視鏡下の手術につ いて豊富な経験があって、ラジオ波による腫瘍焼灼術を積極的に取り入れ、高度ながん医 療に取り組んでいるところです。  高松医療圏に3病院を整備する必要性と考え方については、先ほど申し上げましたよう に、大川、小豆の2医療圏に候補となる病院がないことから、隣接する高松医療圏に整備 する3病院に対して、3医療圏を対象とした拠点病院の数を求めざるを得ないものです。  なお、高松医療圏にある3病院の役割分担につきましては、今後県拠点病院に設置され ている県がん診療連携協議会について協議してまいりたいと思っております。  よろしくお願いします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続いて、高知県、お願いします。 ○高知県(篠崎)  高知県健康づくり課の篠崎と申します。よろしくお願いいたします。  資料のほうは244ページからお願いいたします。  高知県は現在、指定をいただいています3つの医療機関の指定更新をお願いいたします。 医療機能の中央医療圏への集積の状況と、患者の受療動向、また、地理的な条件などを踏 まえまして、県として設定しました2つの診療圏域の考え方による整備方針の下に、いず れも指定要件は充足しまして、県内のがん患者に対する医療サービスを担う意欲を持つ医 療機関でございます。  資料1のほうで医療圏、21年4月現在の指定状況と患者受療動向でございますが、高知 県には4つの医療圏がございます。県の東部から安芸、中央、高幡、そして西の端が幡多 圏域となっております。現在、拠点病院の指定をいただいております3つの医療機関はい ずれも人口の約7割を抱えます中央医療圏にございます。(1)が県拠点病院の高知大学医学 部附属病院、(2)が地域拠点病院の高知医療センター、高知医療センターは高知県高知市病 院企業団立の自治体病院でございます。そして、(3)が地域拠点病院の高知赤十字病院でご ざいます。患者の受療動向につきましては、安芸と高幡の圏域には放射線治療を行える医 療機関がないことから、入院が必要な患者の半数以上が中央医療圏に集中しております。 また、外来患者につきましても、安芸及び高幡医療圏に在住の患者のおよそ30%が中央圏 域で受療しております。以上のことから、中央医療圏は安芸と高幡医療圏をカバーしてい ます。  また、県西部の幡多医療圏の自県内での受療率は、入院、外来ともおよそ8割と高くな っております。これらから、がん診療体制につきまして高知県では県全体を中東部圏域と 幡多圏域という2つの診療圏域と設定しまして、拠点病院の整備を進めてまいりました。  資料が飛びますけれども、246ページの資料3でございますが、平成22年度の指定推薦状 況と想定される患者受療動向をお示ししております。想定されます患者の受療動向は先ほ ど申し上げました状況と同様でございます。県西部の幡多圏域は、地理的な条件も考慮い たしますと、集学的治療が実施できます一つの医療機関につきまして、今後拠点病院とし て指定をいただけるよう検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、資料は戻りますけれども、資料2のほうをお願いいたします。  資料2は、指定更新をお願いしております3つの医療機関のがん診療の現況でございま す。  年間の新入院がん患者数は、県拠点の高知大学医学部附属病院で3,497名、高知医療セン ターで4,028名、高知赤十字病院で1,389名となっております。以下、治療件数につきまし ては、2カ月間の集計という形で記載のとおりでございます。  次に、資料4をお願いいたします。  資料4のほうの右側になりますけれども、がん診療連携拠点病院の整備方針としまして は、本県の医療集積状況等によりまして、高度ながん診療のみならず、症例の少ないがん 治療や遠隔画像システムの活用、人材の育成など県全体のがん治療水準の向上と治療連携 体制を構築していくため、特定機能病院かつ大学病院であります高知大学医学部附属病院 を都道府県がん診療連携拠点病院として整備し、中東部の地域拠点病院としまして高知医 療センター及び高知赤十字病院を引き続き整備したいと考えております。今のところ、こ の3施設以外に指定要件を充足する医療機関がないということでございます。  拠点病院間の機能分担としましては、資料4−2です。右側の中ほどに(2)としまして、 主要ながん治療実績としてお示ししております。大学病院は幅広く対応し、高知医療セン ターでは胃、大腸、肝臓、胆のう、すい臓に、高知赤十字病院では胃、大腸、子宮の対応 と機能分担がされています。  以上のことから、高知県としましては、高知大学医学部附属病院を都道府県拠点病院に、 高知医療センターと高知赤十字病院を地域拠点病院に推薦するものでございます。よろし くお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続きまして、長崎県、お願いいたします。 ○長崎県(長田)  長崎県医療政策課、長田と申します。よろしくお願いいたします。  それでは、250ページからの資料になります。250ページのこの地図を見ていただきます とお分かりのとおり、本県は本土地域と大きく分けますと、離島地域に分かれます。左側 の上のほうに対馬医療圏とございますが、これは本来もう少し上にあるんですが、紙面の 都合上、ここに書いております。この離島地域はそれぞれ壱岐、対馬、上五島、五島とそ れぞれの医療圏を設定はしておりますが、ここは拠点病院に該当する要件を満たす病院は ございませんので、全て空白の医療圏ということになっております。本土地域が5つの医 療圏を設定しております。上のほうから県北医療圏、そして佐世保医療圏、県央医療圏、 長崎医療圏、県南医療圏となります。一番上の県北医療圏が空白の医療圏ということにな っております。今申し上げたとおり、トータルで9カ所の医療圏がございまして、今回指 定の更新をお願いする病院は、これまでと同じ6カ所でございます。  この地図にありますように、五島、上五島につきましては長崎医療圏にございます長崎 大学病院、そして長崎市民病院、日赤長崎原爆病院、特に市民病院と原爆病院のほうと密 接に連携をとっていただきまして、がん診療の質の向上に努めているところでございます。  申し上げるのを忘れましたけれども、壱岐、対馬、上五島、五島にはそれぞれ県がお願 いをしております離島がん診療中核病院というのをお願いしております。その4つの病院 それぞれと拠点病院に連携していただきまして、それぞれの地域のがん診療の向上を図っ ているところです。  次のページをお願いいたします。  上の段、それぞれの6つの病院のデータを書いております。全般的に見まして、括弧内 の前の年と比べれば、全体的に少し筋はいい方向、件数が上がる方向になっているのかな と思います。上のほうの1、2、3、この3つが長崎医療圏にございます。下のほう、4、 5、6は、それぞれ佐世保は佐世保医療圏、あと長崎医療センターは県央医療圏、一番下、 島原病院は県南医療圏ということになっています。  下の段です。ここは、今回は全く同じ病院を更新でございますので、先ほどの表と全く 同じになります。  右側のほう、253ページのほうになります。  ちょっとすみません、印刷というかパワーポイントが少しずれてしまいまして、改行が うまくいっておりませんが、先ほど申し上げましたように、空白の医療圏につきましては、 五島地域については、長崎市民病院のほうが、上五島病院については原爆病院のほうが原 則としてカバーしていただくということで、がん診療、いろいろな研修会とかそういった ところで医師あるいは看護師を派遣して、研修会をしていただいております。ほかにその 下の段がありますが、それぞれの医療圏ごとにがん診療連携協議会をつくっております。 これもそれぞれの病院に担当を決めておりますので、それぞれで連携してやっていただい ているということです。  最後の資料4−2のほうですが、本県は長崎県の計画の中で離島のがん診療を全体の目 標の一つに掲げております。そういったことで、本県の計画の中でそれぞれの病院の役割 というのは大変重要になっておりまして、既に一定の活動をしていただいておりますので、 この6カ所の病院を今回また引き続き更新をしていただきますよう、よろしくお願い申し 上げます。 ○垣添座長  ありがとうございました。このグループの最後に鹿児島県、お願いいたします。 ○鹿児島県(中村)  鹿児島県健康増進課の中村でございます。  鹿児島県からは今回都道府県がん診療連携拠点病院として1機関、地域がん診療連携拠 点病院として6機関の更新の指定を推薦しております。  本県は、人口は170万人、高齢化率25%ということもありまして、昭和58年よりがんが死 因の第1位、全死亡者数の3割近くを占めておりまして、高齢化率の伸びから見ますと、 今後もがん患者、罹患者の増加が見込まれるところでございます。平成20年3月に鹿児島 県がん対策推進計画を策定いたしまして、平成22年度末までに1または複数の二次保健医 療圏において地域がん診療連携拠点病院を整備するという目標を設定しております。この 計画策定時点で256ページにございますように、今回推薦しております県拠点1、地域拠点 6が旧指針による指定をいただいておりました。  なお、空白圏域についてでございますが、出水圏域につきましては、新指針を充足する 医療機関がございませんが、隣接の川薩医療圏の済生会川内病院や鹿児島県独自に指定し てございます県がん診療指定病院であります阿久根市民病院、出水総合医療センターとの 連携により、圏内のがん患者に対応できると考えております。曽於圏域につきましても、 新指針を充足する医療機関はございませんが、隣接の肝属医療圏域にございます鹿屋医療 センターや、隣接する宮崎県の医療機関への流出もございまして、そちらでのカバーがな されているところでございます。  離島でございます熊毛圏域には、新指針の要件を満たす医療機関がございませんが、比 較的本土に近く、航空機、高速船、フェリーといった複数の交通機関がございます。また、 便数も多いことから、鹿児島圏域の医療機関の利用が多く、鹿児島圏域内で新指針の要件 を満たす医療機関を熊毛圏域をカバーする地域がん診療連携拠点病院として今後推薦をお 願いすることを検討してまいりたいと考えております。  今回の更新推薦に係る本県の考え方でございますが、平成20年3月に県保健医療計画を 見直して、二次保健医療圏域をこれまでの12圏域から9圏域に再編するとともに、4疾病 5事業に関する全県的な取組方針や対策を策定いたしました。これに基づき21年3月、二 次保健医療圏域ごとに4疾病5事業に係る医療連携体制を主な内容とする地域医療連携計 画を策定したところであります。現在は、がんも含めまして、医療連携の構築に向けた具 体的な取組を行っているところでございます。  今回推薦しております拠点病院は、全て指定要件を充足しております。付け加えますと、 実績の部分で、部位によりまして実績がゼロとなっておりますところもありますが、病院 にそれぞれ確認してみましたところ、どの部位についても手術の実績は年間を通してはあ るということでございました。  以上で鹿児島県の説明を終了いたします。よろしくご審議ください。 ○垣添座長  ありがとうございました。グループ8として医療件数を超えないで指定更新のみの都道 府県、つまり拠点病院の増減のない10件で、最初に青森県だけ別途承認をいたしましたけ れども、残る岩手県から鹿児島県まで一括して審議をいただきたいと思いますが、何かご 発言ありましょうか。  はい、どうぞ。 ○石川委員  高知県の方にお伺いしたいんですが、幡多地区の空白の地帯なんですが、幡多県民病院 というのは何が足らなくて、いつごろそれが申請可能になるかという見通しがまずおあり でしょうか。 ○高知県(篠崎)  高知県がん対策推進計画、がん対策の計画のほうでも記載しておりますんですけれども、 計画策定が20年3月でございました。5年以内に幡多圏域に整備する検討を進めるという ことでございますけれども、新しい要件になったことで医師の専任、専従というような診 療体制の部分が大きいというふうに聞いております。 ○垣添座長  どうぞ。 ○石川委員  あと、気がついたこと。これは認めるとか認めない問題ではなくて、和歌山県とか香川 県の病院は総じて相談件数ですね、患者さんの。支援センターの、これが非常に少ないと 思います。あとでご検討ください。また、鹿児島大学附属病院も大学病院の割には非常に 患者さんの支援の相談件数が少ないです。ですから、今後ご検討ください。 ○垣添座長  ありがとうございました。ほかに。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  私も高知県の方に伺いたいんですが、もともとこの在り方委員会、拠点病院の中で議論 されてきた中の一つになかなか小さな医療圏で指定が厳しいところに、この要件とはまた 別な、少しランクは下がるけれども、B級とかC級とか言っちゃいけないんでしょうけれ ども、そういうものを指定する可能性はないのかという議論があり、結論的には今のよう な形で、都道府県拠点と地域拠点という2つに分けた形に今なっているんですね。  それで、将来いろんな課題が出てくると思うんですけれども、こういう状況の中で、今 の指定要件は満たせなくても、ランクを少し下げたものを指定できてば国の補助金が出せ るのでそういうものを作れないかという議論があったことは事実なんですが、今は認めら れていません。結局このまま行くと、さらに格差が広がっていくという心配があって、そ こは各都道府県の一部は県の指定をして、それで機能的には劣るかもしれないが、相談支 援とか、それから緩和ケアとか、せめてそれを地域で頑張っていただくというような形で 来ている県も結構今、増えていると思います。高知県の場合は、幡多県民ができ上がるま では、非常に典型的な旧来型の県の中の一カ所に病院がドンと置かれ、均てんがなされて いない代表的な例になってしまうと思うんですが、そういうご努力というのは、がん対策 計画の中などでは書かれているんでしょうか。 ○高知県(篠崎)  例えば高知県として準じるような形の何がしを設けるというようなこともあったやに聞 いておりますが、そのお話をしている間に要件がまた上がってしまったということがござ いまして、ちょっとかなり苦しい状態になっているという現実がございます。ただ、今お っしゃられましたように、できる部分から例えば相談支援センターを設けるですとか、緩 和ケアに関する部分をアップさせるとかというふうな考え方でもって検討していくべきで はないかという内部の話ではございますけれども、そういった考え方が出てきてはおりま す。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょう。  宮崎委員。 ○宮崎委員  同じようなことですけれども、やはりどの県でも医師の不足ということが大きく放射線 についても同じことが言えます。相談支援センターだとかあるいは緩和ケアは多少医師の 力も必要ですけれども、支援センターなどは看護師だとかほかの方でもかなりできるわけ ですから、医療技術を上げるだけではなく、支援センターなどを進めていくということが 必要です。やはり医療レベルですと、遠い病院に受診するということが可能ですけれども、 日々の痛みだとかでは、なかなかそのために遠くまで通うということはできませんので、 ぜひそういう努力をしていただきたいというふうに思っております。 ○垣添座長  ありがとうございました。幾つか全体に係るご指摘をいただいたと思いますが、それぞ れの県でご考慮いただければと思います。  それでは、もしお差し支えなければ岩手県から鹿児島県までの9県を一括して承認とし てよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  では、9番目のグループ、平成22年3月末に指定の効力を失う拠点病院がある都道府県、 つまり拠点病院の数が減少する7県に関して、秋田県から沖縄県まで順次ご説明いただき ます。  まず、秋田県、お願いいたします。 ○秋田県(中野)  秋田県健康福祉部、中野でございます。よろしくお願い申し上げます。  秋田県は、がん死亡率では粗死亡率を見ますと全国1位をずっと走っているところでご ざいまして、このたびよろしくお願いしたいと思います。  まず、資料1でございますけれども、現在県の拠点1、地域拠点が8ということで9病 院が指定を受けてございます。県内8の医療機関がございまして、そのうち人口集中地は 秋田市のあります秋田周辺医療圏でございます。人口110万のうち3分の1が集中している という状況でございます。  それで、空白地域についてでございますが、北秋田医療圏、ここでございますけれども、 人口4万人のところでございます。ここにつきましては、高齢化率36.6%と急速に進行し ている過疎地というところでございまして、その中にあってことしの4月になりますけれ ども、厚生連を指定管理者といたします公設民営の北秋田市民病院がオープンする予定で ございます。しかしながら、ご多分に漏れず医師不足ということでございまして、がんに 限らず十分な医療を提供できない状況ということで、片肺飛行でのオープンというような 状況でございます。この地域の患者さんにおかれましては、疾病によっては隣の医療圏に 受療するという状況であります。  さらに、一方では秋田周辺医療圏、これで(1)、(4)、(5)と書かれている地域でございます けれども、ここにつきましては、地域拠点といたしまして(4)の秋田組合総合病院、これは 厚生連関係でございます。(5)の秋田赤十字病院の2病院が指定を受けてございます。この うち(4)の秋田組合総合病院につきましては、この医療圏のやや北部にあるということでご ざいまして、先ほど申し上げました空白地域の北秋田医療圏の診療機能をカバーするとい う役割で、この地域につきましては2拠点病院ということで指定を受けているわけでござ います。  それから、資料2でございますが、診療実績でございます。治療件数、患者数ともども 見ますと、県拠点であります秋田大学の附属病院が圧倒的に多いと。次いで秋田赤十字と いう状況でございます。この表では特に(9)、雄勝中央病院ですが、ここにおきましては放 射線治療を実施していないという状況でございます。さらに7番の仙北組合総合病院につ きましては、集計期間の一部がリニアックの更新時期だったということで、放射線治療の 実績は減っているという状況でございました。  資料3でございます。指定状況と患者の受療状況でございますけれども、先ほど申し上 げました北秋田医療圏につきましては、空白地域ということであり、引き続き(4)の秋田組 合総合病院が医療連携を行うということになります。それから、先ほど雄勝中央病院、放 射線治療を実施していないと申し上げました。南の地域、一番南になりますが、湯沢・雄 勝医療圏でございますけれども、ここにつきましては、雄勝中央病院については医療の中 心として位置づけられている総合病院でございますので、がん診療は担うという位置づけ ではありますが、放射線治療につきましては隣接いたします(8)の平鹿総合病院、それから 県拠点であります秋田大学附属病院の支援を受けて診療を進めるということにしていきた いと思います。それから、秋田周辺地域につきましては、(10)、(11)を新たに県指定というこ とで位置づけて、がん診療体制に位置づけていきたいというふうに考えております。  資料4でございますけれども、今後の方針ということでございます。  大変県土の広い秋田でございますので、この物理的条件、交通的な状況を勘案し、たと え過疎地域でありましても、均てん化が必要というふうに考えております。その観点から、 県の指定の病院を含め、整理していきたいというふうに考えておりまして、その結果、下 にございますけれども、湯沢・雄勝医療圏につきましては、雄勝中央病院はこのたび辞退 させていただく状況でございますけれども、引き続き医療圏の中心として位置づけていき たいと思っております。  それから、秋田周辺医療圏につきましては、人口集中地域ということでありまして、市 立秋田総合病院、中通総合病院につきましては県の指定病院として位置づけ、県全体のが ん診療水準の向上を図りたいというふうに考えております。  ご審議よろしくお願い申し上げます。 ○垣添座長  ありがとうございました。群馬県、お願いいたします。 ○群馬県(高橋)  群馬県健康福祉部保健予防課、高橋と申します。よろしくお願いいたします。  資料268ページ、資料1でございます。  左半分に地図が書いてございますが、群馬県には2次医療圏が10ございます。右側の四 角の中に現在の指定病院が書かれてございまして、11カ所でございます。地図の真ん中の 前橋医療圏には県の拠点病院である群馬大学病院と地域の拠点病院でございます前橋赤十 字病院がございまして、地図の前橋の1つ上の沼田医療圏には沼田病院と利根中央病院の 2カ所がございます。その左隣、吾妻医療圏には現在病院はございません。ということで、 ほかの医療圏につきましては1カ所の拠点病院がございます。  269ページ、資料2をご覧ください。診療実績でございます。  それぞれ書いてございますが、申請につきましては縦の列、左から3番目のところをご 覧ください。先ほど申し上げました利根中央病院と沼田病院が辞退でございます。そのほ かにつきましては、更新というふうにさせていただきました。沼田医療圏の利根中央病院 につきましては、現在のところ、放射線治療施設がないということで辞退であります。沼 田病院につきましては、年間の新入院がん患者数が少ないということと、緩和ケアに関わ る職種が幾つか確保できないということで辞退であります。3番の高崎医療センターは、 年間新入院がん患者数が992でございますが、この高崎・安中医療圏と申しますのは、人口 が40万ちょっとありまして、人口割合で県200万の20.1%を占めているということと、それ から、病院自体が昨年の11月に改装といいますか、新しい病院ができまして、機能として は高まっていると。そこの表の中で肝臓がんの治療がゼロになっておりますが、肝臓内科 の専門医の方も赴任されたということであります。ということで、270ページの資料3に指 定推薦状況を改めて書かせていただきましたが、北の沼田医療圏と吾妻医療圏では空白に なっておりますが、そこでがんにおかかりになった方につきましては、前橋医療圏でカバ ーしていただく。特に群馬大学附属病院でお願いしたいというふうに考えております。  271ページ、資料4−1でございますが、これが指定更新に係る考え方の図でありまして、 群馬大学附属病院には県全体をカバーしていただくような働きをしていただきたい。かつ、 空白となっております2医療圏については、その診療をカバーしていただきたい。それぞ れの医療圏の拠点病院につきましては、それぞれの医療圏で特色を持った活動をしていた だきたいということを書いてございます。  その次の272ページの資料4−2につきましては、改めまして群馬大学医学部附属病院と 前橋赤十字病院が前橋医療圏の中で複数指定になりますので、その機能的役割分担と相乗 効果ということについて書かせていただきました。  簡潔ではありますが、以上であります。よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。続いて、埼玉県、お願いいたします。 ○埼玉県(河野)  埼玉県医療整備課の河野と申します。よろしくお願いいたします。  まず、資料1でございますが、平成21年4月1日現在ということで、埼玉県は9つの医 療圏がございまして、12の拠点病院の指定をいただいております。本県の特色といたしま して、人口が716万人と全国第5位というところでございますが、都心へのアクセスがよい 県の南部に人口が集中している傾向がございまして、資料1の医療圏で申し上げますと、 中央医療圏、西部第一医療圏、東部医療圏、この3つの医療圏の地域に県内の75%、約530 万人ほどの人口が集中しているという特色を持っております。人口が多いこれらの医療圏 に複数の拠点病院を配置させていただいているというところが本県の特色でございます。 逆に人口が少ない地域、具体的にはこちらの資料1で申し上げますと秩父医療圏、児玉医 療圏、比企医療圏、こちらにつきましては、病院数が少なく指定要件を充足する病院がな いことから空白の医療圏ということになっております。しかしながら、こちらの空白の医 療圏に隣接いたします各医療圏に拠点病院の指定を受けている病院がございまして、各空 白の医療圏をカバーしている状況でございます。  続きまして、資料2をお願いいたします。  各拠点病院の状況でございまして、本県では県の拠点病院でございます県立がんセンタ ーが県内でも唯一のがん専門病院ということもございまして、入院患者数、診療実績とも に他の病院よりはかなり多い状況でございます。  ここで1つお詫びと申しますか、1番の県立がんセンター、6番の川口市立医療センタ ーでございますけれども、前年の新入院がん患者数に比べまして、かなり3倍ぐらいに増 えているようなイメージがございますが、両病院に確認いたしましたところ、昨年度の報 告で延べ人数ではなく実人数で報告してしまったということでございまして、延べ人数ベ ースで考えますと、両病院とも昨年度、今年度ほぼ同水準だということでございます。  続きまして、資料3をお願いいたします。  22年の指定推薦状況でございます。埼玉県は新規の推薦がございませんので、残り11病 院につきまして継続及び更新ということでお願いしたいというところではございますが、 右上の利根医療圏にございます12番、行田総合病院につきましてはリニアックが未整備と いうことでございまして、今回推薦を見送ったものでございます。しかしながら、こちら の行田総合病院につきましては、リニアックの導入を早々に実施したいというふうに考え ておりまして、ここ2年ないし3年のうちには指定要件を充足してくる予定でございまし て、改めてその際に指定の推薦を挙げさせていただきたいと考えております。行田総合病 院が指定要件を充足し、指定を受けるまでにつきましては、行田総合病院で対応できない がん患者につきまして、隣接する3つの医療圏、特に交通のアクセスが比較的よい、また 県の拠点であります県立がんセンターを有する中央保健医療圏、こちらを中心にこの医療 圏をカバーしてまいりたいと思っております。  続きまして、資料4をお願いいたします。  本県の特徴といたしましては、先ほど申し上げたとおり、人口717万人ということで全国 第5位の人口規模を誇っており、人口100万人を超える2次医療圏が3つ存在しております。 本県といたしましては、この人口のほかに日常生活圏ですとか交通条件等の整備状況の観 点から勘案しまして、4つの2次医療圏にそれぞれ2つの副次圏を設定しております。保 健・医療・福祉の地域の中間機関でございます県の出先機関、福祉保健総合センター及び 保健所、こちらもこの副次圏ごとに設定をしておりまして、拠点病院につきましても、2 次医療圏内において1つの医療機関では対応することが難しいと考えられるような場合に は、この副次圏を単位として設定しております。  資料4の2枚目でございます。  済生会川口総合病院につきましては、現況報告ということで今回報告させていただいて おりますが、がん対策情報センター、相談支援センターの相談員、基礎研修会(1)、 (2)の修了者が未充足であったことから、22年3月に基礎研修会の(1)、(2)の修 了者を新たに採用予定としておりまして、もうめども立っております。したがいまして、 充足予定ということでお願いしたいと思います。  以上、説明を終わりにいたします。ありがとうございました。 ○垣添座長  どうもありがとうございました。奈良県、お願いいたします。 ○奈良県(杉中)  奈良県地域医療連携課の杉中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、281ページ、資料1のほうで奈良県の地理的な面と併せまして、受療動向につ いてご説明を差し上げたいと思います。  まず、奈良県の地理的な面なんですけれども、北西部の奈良盆地に人口が集中している という特徴がございます。奈良盆地地域、奈良県内のほぼ3割の面積なんですけれども、 その3割の面積に142万人の県民のうち、9割の人口が集中しているという特徴がございま す。逆に東部及び南部につきましては、山間地でございまして、非常に人口が少ない。全 国でも可住地面積ということでいいますと、一番小さいというような特徴がございます。 それとともに、この北西部につきましては、京都でありますとか大阪といった大都市に隣 接しておりまして、住民の多くが大阪などで就労をしております。県外におけます就労率 も全国で一番高いというような状況がございます。こういう特徴から、多くのサラリーマ ンが就労先であります大阪とか京都のほうで検診を受けて、引き続き治療も県外で受けら れるといった傾向もあるというのが本県の特徴でございます。  こういった状況から、医療機関に関しましても、県の北西部に集中しておりまして、が んの拠点病院に関しましても、その地域に集まっております。県内で6つの拠点病院を現 在指定いただいているというところでございます。空白の医療圏としましては、南和の医 療圏に拠点病院がないという状況にございますけれども、これは他の地域の拠点病院が連 携してカバーするというような形になっております。ちょうど平成18年に県の南北を縦貫 する京奈和自動車道の主要部分が開通しまして、南北の人や物の流れが格段に向上したと いうところもこういったカバーがしやすくなってきているというような状況で、プラス面 になっているというふうに考えております。  資料2の各拠点病院の状況でございますが、県の中では県拠点病院となっております県 立医科大学附属病院、それから東和医療圏にございます天理よろづ相談所病院、この2病 院に県内の患者が集中しているというような状況がございます。  次に、それぞれの状況と指定更新等の考え方につきまして、283ページの資料3及び資料 4でご説明をいたします。  今回、奈良県では6つの拠点病院のうち5つの病院で指定を継続いただきまして、1つ の病院が指定辞退という形でお願いをしたいと考えております。  まず、都道府県拠点病院でございますが、5番の中和医療圏に位置しております県立医 科大学附属病院を継続して指定をお願いしたいと存じます。ここは従前から県内の医療の 中核を担ってきたわけなんでございますが、医育機関として人材養成を担うとともに、県 内医療機関への指導的役割も果たしているということで、引き続き県拠点病院としての指 定をお願いしたいと存じます。  次に、北部の地域でございますが、1の市立奈良病院、2の県立奈良病院、4の近畿大 学奈良病院、これが地理的にバランスよく配置されております。最も人口の多い地域でご ざいますが、現在奈良医療圏では2つの拠点病院がございますけれども、それぞれ県立奈 良病院は消化器系、市立奈良病院は乳がんというところに強みもございますので、そうい ったところを生かして北部のがん拠点といったところを担っていただきたいと考えており ます。真ん中の東和、中和につきましては、(4)の国保中央病院が放射線治療を持たないと いうことで、今回辞退ということでございますけれども、現在県内で唯一の緩和ケア病床 を持つ病院でもございまして、今後相談支援や緩和ケアにも積極的に取り組みたいという 意向もお伺いしております。そういったことから、県としましては独自に県の準拠点病院 というような位置づけを持たせまして、来年度予算では財政的な面も含めまして支援をし てまいりたいと考えております。  最後の空白の医療圏となっております南和医療圏でございますけれども、他の医療圏の 拠点病院がカバーするということで、特に県立医大附属病院ですとか、あるいは今まで僻 地医療拠点病院として南和地域への医師派遣等を行っておりました1の奈良市立病院なん かが連携してカバーしていきたいと。南和の中心的な病院となっております県立五條病院 と市立奈良病院が連携して、南部地域での相談支援にも取り組むということも今進めてい るところでございます。  以上、よろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。島根県、お願いします。 ○島根県(小豆澤)  失礼します。島根県医療対策課の小豆澤と申します。よろしくお願いいたします。  お手元の資料の286ページをご覧ください。資料1でございます。  島根県の地理的状況と指定の状況についてご説明いたします。  島根県は人口が約72万人でございまして、ご覧のように東西に長く、離島を抱えている 県でございます。現在、2次医療圏は7つございまして、そのうち拠点病院は6カ所が4 つの医療圏域で指定を受けております。現在、資料の地図の右のほうに3つの医療圏域が ございますけれども、こちらの松江医療圏域と出雲医療圏域、雲南医療圏域で人口のうち の約7割が集中しているというまさに人口における東西過疎が著しい県でございます。今 回、表の6番目にございます益田赤十字病院について指定を辞退ということで、取り下げ をいたしました。  次のページの資料2をご覧いただきたいと思います。  資料2は、6つの病院の現在の状況を記載しておりますけれども、左のほうに番号を振 っておりますように、6番目の益田赤十字病院については放射線機器、リニアックが未整 備だということで、今回辞退をさせていただきました。あとの5つの病院につきましては、 指定要件をクリアしておりますので、今回申請をさせていただきましたので、よろしくお 願いをしたいと思います。  資料3につきましてでございますが、今回左端の(6)益田医療圏域ですけれども、6 番と書いてあります益田赤十字病院が指定更新いたしませんので、ここの圏域の人口が約 6万8,000人ほどございますけれども、これが全て隣の5番の浜田医療圏域、浜田医療セン ターがございますけれども、こちらのほうでカバーするというような格好になります。  それから、右のほうを見ていただきますと、松江医療圏域に(1)、(2)とございますように、 松江赤十字病院と松江市立病院の2カ所がございます。お隣の出雲医療圏域には島根大学 医学部附属病院と島根県立中央病院の2つがございまして、2つの医療圏域にそれぞれ2 つずつの病院が従来から指定を受けておるという状況でございます。  それで、次のページの資料4をご覧いただきますと、現在の状況でございまして、患者 さんの受療率について表をつけております。医療圏ごとに書いておりますけれども、星印 のところに雲南圏域と大田圏域、益田圏域、隠岐圏域と4つございますけれども、今回こ の圏域ががん拠点病院がなくなる地域でございまして、ご覧いただきますと、人口10万人 当たりの患者割合が他の医療圏域と同じか、多いというような状況になっておりまして、 引き続き隣接する医療圏域で患者さんをカバーしていきたいというふうに考えております。  下の表を見ていただきますと、例えば松江市立病院については松江圏域から86%の患者 さん、雲南圏域、これは空白圏域でございますけれども、約11%の入院患者さんを受け入 れているというふうにご覧いただければと思います。  それから、下の2つ、星印は県拠点病院であります島根大学医学部附属病院でございま すけれども、これを見ていただきますと、地元は出雲圏域でございまして、患者さんの46 %を受け入れていて、雲南圏域から13%、大田圏域から15%というふうに読んでいただけ ればというふうに思いまして、今回5病院について指定更新の申請をさせていただきまし たので、島根県は非常に東西に長うございまして、高速道路網も西部圏域は全く発達して おりませんので、ぜひこの5病院で3医療圏になりますけれども、5病院で引き続き質の 高いがん医療を提供していきたいというふうに考えておりますので、よろしくご検討いた だきたいと思います。  ありがとうございました。 ○垣添座長  ありがとうございました。宮崎県、お願いいたします。 ○宮崎県(瀬戸口)  宮崎県の瀬戸口です。  宮崎県の推薦意見書について説明をさせていただきます。  まず、資料1の現在の指定状況ですが、宮崎県は2次医療圏を7つも受けていますが、 がん医療圏につきましては、県内を4つのブロックに分けています。これは地域分散型の 宮崎の周産期医療システムと同じです。平成6年に全国ワースト1位となりました周産期 死亡率を減少させるため、県内を4つのブロックに分け、各拠点病院の機能強化と地域内 の連携を図り、平成16年に全国ベスト1位に改善しました。がん医療につきましては、4 つのがん医療圏にそれぞれ1つの地域がん診療連携拠点病院が指定され、宮崎大学医学部 附属病院が都道府県がん診療連携拠点病院に指定されています。  各病院の診療実績は資料2のとおりです。いずれも県内4つのがん医療圏で最もがん診 療の実績がある医療機関です。  資料3に平成22年度の指定推薦状況を示しています。  (1)の宮崎大学医学部附属病院については都道府県の拠点病院として、(2)の県立宮崎病院 については県央がん医療圏の地域拠点病院として、(5)の国立病院機構都城病院については 県西がん医療圏の地域拠点病院として指定更新を推薦しています。括弧でくくっています (4)の県北がん医療圏の県立延岡病院と(3)の県南がん医療圏の県立日南病院については指定 要件を満たすことができないため、今回の推薦を断念しました。この結果、県北と県南の がん医療圏に拠点病院の空白が生じることになりますが、それぞれのがん医療圏には現在 のがん診療連携拠点病院以外にがん医療の中核を担える医療機関がないこと、隣接するが ん医療圏との交通インフラが脆弱であること、県南地域と県北地域には高速道が全くござ いません。引き続き辞退する2つの病院を含めた5つの病院を中心にがん医療に対応いた します。  資料4に今回の指定推薦に係る宮崎県の考え方を示しています。  県土が南北に長く、高速道路などの交通網が未整備という地理的な制約、脆弱の医療体 制と医師の不足、これが宮崎県のがん医療均てん化の制約条件です。そのため、宮崎県と しては今後とも7つの2次医療圏の枠を超えた4つのがん医療圏の5つの病院ががん医療 の中核を担うことが必要であると考えています。空白となる2つのブロックにつきまして は、再指定を目指していきますが、他県と違いまして、ほかの地域でカバーすることがで きない地域でありますので、例えば緩和ケア病棟のある医療機関との連携など、代替措置 による指定の可能性も今後ぜひ検討していただくようお願いいたします。  資料の最後には、今回推薦しました3つの病院について必須要件の未充足状況を記載し ています。宮崎大学附属病院につきましては、今後示された期限までに地域連携クリティ カルパスの作成・共有を行います。県立宮崎病院の緩和ケアチームの専従看護師につきま しては、22年4月から定員枠を増やして専従体制を確保します。専従相談員の研修受講要 件につきましては、受講要件を満たしている相談員を兼務体制からどうしても外すことが できないため、現在の専従相談員に来年度の研修を受講させて、遅くなりますけれども、 要件を充足します。  宮崎の県立病院は公立病院として多くの役割を担う一方で経営改善を求められており、 医師以外についても厳しい定数管理等を行わざるを得ない現実があり、専従要件の充足に 時間を要したところであります。また、都城病院につきましては、常勤の専従医師の確保 のため、九州内の6つの大学に院長が足を運び、繰り返し病理医の派遣をお願いしたとこ ろですが、病理医師の絶対数が足りないという現実から、常勤の医師の確保のめどを立て ることができませんでした。このため、22年4月から非常勤医師をさらに1名追加するこ とにより、術中迅速病理診断等にも不足のない体制を構築することとしました。  以上、宮崎県の地域医療が抱える問題や地方における深刻な医師・看護師不足などの事 情を斟酌いただき、がん医療の格差がこれ以上広がることがないよう、指定更新について ご配慮いただけますようよろしくお願いいたします。 ○垣添座長  ありがとうございました。最後に、沖縄県、お願いします。 ○沖縄県(大城)  沖縄県医務課の大城と申します。私が最後でございます。  資料は298ページでございます。  沖縄県におけるがん診療連携拠点病院の指定状況についてご説明いたします。  本県は全国でも有数の離島県で、東西約1,000キロ、南北約400キロ。1,000キロと申しま すと東京から鹿児島の距離でございます。このように広大な海域に点在する多くの島々か ら成り立っております。その中で保健医療圏の設定につきましては、沖縄本島の北部、中 部、南部地域を主とする3医療圏、それから離島地域であります宮古、八重山地域、2つ の医療圏、この合計で5つの2次医療圏を設定しております。がん診療連携拠点病院の指 定につきましては、2次医療圏に概ね1カ所を目標として整備を進めておりますが、これ まで都道府県がん診療連携拠点病院として琉球大学医学部附属病院、地域がん診療連携拠 点病院としまして中部保健医療圏に沖縄県立中部病院、南部保健医療圏に那覇市立病院、 北部保健医療圏に北部地区医師会病院が指定を受け、地域のがん診療の中核となってがん 医療の均てん化を推進しているところです。  本県の離島地域であります宮古、八重山につきましては、県立病院が中核となってがん 診療を行っておりますが、地域診療拠点病院の指定要件の充足には厳しい状況であります。 沖縄本島のがん診療拠点病院の専門的ながん医療機関と連携をとりながら、がん医療の充 実を図ることとしております。  また、北部医療圏につきましては、リニアック等の放射線治療機器の整備がないため、 中部及び南部地域のがん診療連携拠点病院などと連携をとりながら、集学的治療の提供を 行っているところでございます。  次に、299ページの資料ですが、各拠点病院の診療状況を記載しております。  4カ所の拠点病院は、県内のがん診療の中心的な役割を果たしてきております。この中 で、琉球大学の相談支援相談件数が5件ということで、少ない数字になっておりますが、 再調査をしましたところ、21年度6月が4件、7月が17件の計21件です。21年度4月から 12月の相談件数は91件となっております。  次に、300ページ、資料3の平成22年度の推薦状況をご説明いたします。  指定更新の推薦に当たっては、各2次保健医療圏におけるがん診療医療連携体制及び指 定要件の充足状況を勘案し、引き続き都道府県がん診療拠点病院として琉球大学医学部附 属病院、地域がん拠点病院としまして中部保健医療圏におきましては沖縄県立中部病院、 南部保健医療圏におきましては那覇市立病院を推薦しております。なお、北部保健医療圏 につきましては、現在地域がん診療連携拠点病院のみなし規定となっておりますが、当病 院における治療手段としてのリニアックなど高額医療機器が整備をされておりません。こ の必要性につきましては、緊急に整備する必要性が高くないと判断をしております。また、 拠点病院の整備が厳しい宮古、八重山につきましては、沖縄本島内のがん診療拠点病院と 連携をして充実していくこととしております。空白の3医療圏につきましては、平成22年 度から県単独の補助事業を開始する考えでございます。従事者の研修、がん登録、相談支 援などの充実を図っていきたいと考えております。  最後の301ページ、それから302ページの説明になりますが、こちらには県の基本的な考 え方と、それから推薦する拠点病院の概要を書いてございます。  これら拠点病院が現在中心となりまして、沖縄県がん診療連携協議会を設置しておりま す。他の医療機関や団体と協力をしまして、従事者の研修、緩和ケア、それからクリティ カルパスの導入、相談支援、がん登録、普及啓発について協議をする場を設けて推進をし ているところであります。  以上で終わります。 ○垣添座長  ありがとうございました。以上が平成22年の3月末に指定の効力を失う拠点病院がある 7県、拠点病院の数が減少する7県のご説明をいただきました。秋田県から沖縄県まで7 県ですが、宮崎県のように大変悲痛な、要するにがん医療の充足の前に地域医療が崩壊し ているというような話はあちこちで聞きます。つまり医療従事者の数が足りなくて、どう しても充足できないということで、やむなく指定をおろさなくちゃいけないというような 事情もあるんだと思いますが、そういうことを踏まえた上で、この7県に関して、何か一 括してご議論がありましたらお聞きしたいと思います。  まず、関原委員、それから山口委員。 ○関原委員  今、垣添先生がおっしゃったように、宮崎県は2次医療圏に1つはそもそも無理という ことで、勝手にといいますか、自ら新しい宮崎コンセプトをつくって、そこで充足すると いうことにしています。私はこれは非常に現実的だなと思います。この計画には原点であ る2次医療圏というのが全く地図にも出てこないという大胆な考え方は、どういうふうに これを考えたらいいのかというのが私の実は質問といいますか、疑問なんですけれども。 ○垣添座長  2次医療圏の考え方は関原委員が一貫して主張しておられますし、にわかには結論が出 せない問題だとは思いますけれども、承っておきます。  山口委員、どうぞ。 ○山口委員  拠点病院が辞退をするということは、患者さんあるいはそのご家族にとって大変心の痛 むことだと思うんですね。それで、今後できるだけそういうことを避ける、あるいは代替 処置ということは先ほどから申し上げているのですが、補助金との関係で埼玉県の方と宮 崎県の方に伺いたいんですけれども、埼玉県はたしか47都道府県の中で一番補助金が県と して出している額が少なくて、結果的に国の補助金も同額になってしまって、総額で400万 とか200万とかというレベルになってしまっている代表的な県だと思うんですが、そもそも 補助金は診療報酬で見ていない院内がん登録の人件費とか相談支援センターの人件費に当 てるということになっていると思うんですけれども、この埼玉の各病院は、それはもう完 全に病院の持ち出しでやって努力をしておられるのかどうかという点と、それから、補助 金を今後どうされるのか。この2点をちょっとまず埼玉の方に伺いたいのですが。 ○埼玉県(河野)  埼玉県でございます。  毎日新聞なんかの報道でもございましたとおり、埼玉県は都道府県で一番交付金額が少 ないというところで、その辺につきましては、本県といたしましても十分認識しておりま して、来年度予算につきましては、その辺を考慮いたしまして、今編成をしているところ でございます。したがいまして、実情といたしましては今、病院側の持ち出しで事業を実 施していただいているというのが現状でございます。 ○山口委員  宮崎県もたしか補助金という意味ではそれほど多くなかった県だと記憶しているんです が、もし間違っていたら訂正してください。それが辞退につながっている、一因になって いる可能性がないのかどうか。 ○宮崎県(瀬戸口)  正直申しますと、県立病院の存続そのものが今、宮崎県で非常に検討されていまして、 県立病院に対する国からいただいている、県のほうからお出しする補助金につきましても、 病院の経営とは全く切り離されております。と申しますのは、県のほうからの拠出金を総 額で決めておりますので、その中できちんと経営改善を図っていくというような考え方に しておりますから、各病院の現場にとりましては、がんの補助金は国のほうが一生懸命い ろいろ手厚くしていただいても、県立病院の現場には響かないという現実があります。で すから、診療報酬以外の部分が補助金なんだよということでありますけれども、それがな かなか現場では人の確保、医師以外の人材がどうして見つからないのかと先ほど言われた んですけれども、看護師につきましても県立病院、看護師長を入れましてぎりぎりの人数 で回しております。それに宮崎病院では年間30名から40名常時産休、育休が出ます。補充 職員については一般職員と同様の夜勤が組めない。それで、8日に抑えたい夜勤が12日ま で達している職場が出てくる。そうなってくると、そこに対する手立てをまず優先せざる を得ないという状況があります。そういうこともありますので、なかなか厳しいんですけ れども、今後まだ現段階で国の補助が当然外れるわけですから、では県単独でどうやって いくかということは、県単独で何とかしのいでいこうというよりも、やはり宮崎の場合に はこの4つのがん医療圏にそれぞれ地域で完結させるシステムをつくるしかないわけです から、国がしていただくのと同様のものを何とか県単独、それから国の指定につながるよ うに今後考えていかなきゃいけないと思っております。 ○垣添座長  ほかにありますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、この秋田県から沖縄県までの申請に関しては、承認してよろしゅうございま しょうか。  ありがとうございます。  これで一応予定された議題は全部終わりまして、あと最後の議題、(4)に入ります。 これはこれまでみなし拠点病院としてされてきた国立がんセンターがこの4月1日から独 立行政法人化いたしますので、今後の取り扱いについて事務局から資料の説明をお願いい たします。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、資料5−2の続きというふうに書いてあるものの一番最後になると思います。 資料6というのが1つ、1枚でございます。  国立がんセンターの独立行政法人化によるがん診療連携拠点病院としての取扱について という1枚紙でございます。一緒に張り付けてしまいましたので、これを見ていただきた いと思います。簡潔に申しますと、今までの国立がんセンターにつきましては、2番にあ りますが、がん診療連携拠点病院の整備についての中では、がん診療連携拠点病院とみな し、特に他のがん診療連携拠点病院への診療に関する支援、がん医療に携わる専門的な知 識及び技能を有する医師、その他の医療従事者の育成等の役割を担うものとすることとい うことで、拠点病院をサポートしていただくというような位置付けであったところでござ います。  実績についてもそういったところで実績が積み重なっていたところでございますが、今 回、これまでは国立がんセンターにつきましては国のナショナルセンターという位置付け でございましたが、独立行政法人化するということで独法化されることになりますので、 改めて役割というものを再確認させていただきたいと思います。また、その役割の位置付 けについてきちんとがん診療連携拠点病院の整備についてということの中で位置付けたい と思います。  事務局の考え方としまして、2番に、今後の取扱についてとありますが、国立がんセン ター(中央病院、東病院等)につきましては、平成22年度から独立行政法人化されること となっているが、これまでの業務実績を勘案し、従来どおり我が国のがん対策の中核的機 関としての役割を継続して担うという方針ではいかがかとご提案させていただきたいと思 います。  以上でございます。 ○垣添座長  もしご異論がなければ、国立がんセンターの今後の取り扱いについては、基本的には今、 事務局から提案されたとおりとしておいて、今後の詳細については事務局で整理していた だき、私にお預けいただくということでよろしゅうございましょうか。  どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  今までがんセンターのほうで全国からがんに携わる医師、その他の人たちの研修をやっ ていましたよね。九州にもがんセンターがありましたから、九州に行ったりすることもあ ったんですけれども、そういうものはどういうふうになるんですか。 ○鈴木がん対策推進室長  これまでの補助金との関係がありますけれども、これまでドクター、緩和ケアですとか 化学療法、その他も含めて、あとコメディカルも含めて。それからあと、さらにがんの登 録の関係の事務補佐員の方々、そういった方々につきましては、一応国のほうから補助金 という形で研修費用が出ておりまして、それががんセンターの情報センターが中心となっ ていただいて研修を行っておりました。  今後の取り扱いでございますが、そういったものについては引き続き国立がんセンター のいわゆる業務として取り扱うということになっておりまして、補助金との関係でいいま すと、補助金ではなくて本来業務というふうにありますので、運営費交付金というがんセ ンターに一括で行く交付金がございますが、その中で全て対応していただくということに なっております。 ○垣添座長  それでは、今日午前中に審議をいただきました新規に推薦されて承認された病院を最後 に確認を事務局からしていただけますでしょうか。 ○鈴木がん対策推進室長  それでは、確認させていただきます。  資料4をちょっとご覧になりながらお話をさせていただきます。  まず、静岡県でございます。磐田市立総合病院は指定ということでございます。ただし、 来年度までにこれまで中東医療圏をカバーするとされた西部医療圏の4病院について整理 を行うことというお話。あと、そのほかの指定更新については全て認めるということにな っています。  福島県でございます。厚生連白河厚生総合病院は指定、いわき市立総合磐城共立病院は 指定の見送り、その他の更新につきましては全て更新が承認されています。  栃木県、上都賀総合病院は指定、足利赤十字病院は指定見送り、そのほかの指定の更新 については全て認められております。  東京都です。順天堂大学医学部附属病院、昭和大学ともに指定。ただし、東京都全体的 に既存の拠点病院との関係をきちんと整理することと。今後の拠点病院との関係をきちん と整理することという付帯意見がついております。  それから、新潟県になります。済生会新潟第二病院は指定になります。ただし、新潟医 療圏内の既存の拠点病院との関係を来年度までに整理することということだったと思いま す。  愛知県でございます。藤田保健衛生大学病院は指定、その他はそのまま指定更新でござ います。  三重県、鈴鹿中央総合病院は新規指定。ただし、三重県立総合医療センターの相談支援 センターの実績について把握し、検証することという附帯意見がついております。  それから、兵庫県。県立尼崎病院、市立伊丹病院は指定の見送りという結果で、それ以 外の指定更新については全部認められております。  それから広島県。広島市立安佐市民病院は指定、独立行政法人国立病院機構福山医療セ ンターは指定の見送り、それ以外の指定の更新は全て認められております。  続きまして、北海道。独立行政法人国立病院機構函館病院は指定見送り、そのほかは現 況報告ですので、それ以外はありません。  それから、山梨県。市立甲府病院は指定、それからそのほかの指定更新の病院について も更新を承認されています。  それから、滋賀県。滋賀医科大学医学部附属病院は指定、そのほか指定更新の病院は指 定更新で認められております。  山口県。独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センターは指定見送り、そのほか指定 更新の病院につきましては、指定更新を認められております。  徳島県。徳島市民病院は指定、健康保険鳴門病院は指定の見送り、それから徳島大学病 院は地域拠点から県拠点病院へ、また、徳島県立中央病院は県拠点から地域拠点へそれぞ れ入れ替えが認められております。  続きまして、熊本県です。国家公務員共済組合連合会熊本中央病院は指定の見送り、そ のほか指定の更新は全て認められております。  大分県大阪医師会立アルメイダ病院は指定の承認。ただし、緩和ケア病棟の設置につい て、前倒しができるよう徹底し、かつ相談支援センターの活動を1年後に評価することと いうことで附帯がついております。  続きまして、大阪府でございます。関西医科大学附属枚方病院と独立行政法人国立病院 機構大阪医療センターは指定です。松下記念病院は指定の見送り、そのほかの指定の更新 は全て更新を認められております。  続きまして、佐賀県。佐賀県立病院好生館につきましては県拠点から地域拠点へ、佐賀 大学医学部附属病院は地域拠点から県拠点へそれぞれ入れ替えが認められております。ま た、指定更新につきましては認められているところでございます。  そのほか、青森県以下でございますけれども、これらにつきましては今回、指定更新に つきましては全てお認めいただいているというところでございます。  以上でございますが、そうしますと、最後になります。今回の新規指定につきましては、 19病院、これは検挙点日と地域拠点病院の入れ替えがあった4病院もカウントしておりま すけれども、全部で19病院、それから指定更新が319病院、指定継続37病院ということで、 このままですと、平成22年度に指定を予定する病院は計375病院となるということになりま す。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。これで全ての予定された議事は終わりますが、事務局から何 か。 ○鈴木がん対策推進室長  特にございません。 ○垣添座長  ありませんか。では、長時間のご審議、ありがとうございました。麦谷審議官にご挨拶 をいただきたいと思います。 ○麦谷審議官  朝から長時間にわたり、委員の先生方、誠にご審議ありがとうございました。また、都 道府県の方々も長い間、プレゼンテーションをしていただき、ありがとうございました。  私はがん対策を担当するのは、実はこれで3回目でございます。最初が約20年前で、が ん対策というんでしょうか、研究費を担当しておりました。2回目が老人保健課長として がんの予防というんですか、検診を担当しておりました。今回3回目ですが、最初の研究 費を担当していた約20年前、杉村隆先生という方がおられまして、今もおられるんですが、 そのときはもう既に総長を引かれておられたと思いますが、しかし、がんの研究費の委員 会には出てこられて、非常に何回も発言をされて、ただ、私ども役人はどうしても木っ端 役人なものですから、3年で研究費の成果が出ないと、これを切りたいとか、無駄を排除 したいとかということをすぐ申し上げていたのですが、そのとき杉山先生が私を呼ばれて、 麦谷君、研究とか学問というのは9割が無駄だと。成果の出ないものが圧倒的に多いんだ と。ただし、その無駄の9割がなければピカピカの1割は出てこないと、こう言われたの を非常によく覚えております。その後も木っ端役人ですから何かいろんなことを言うんで すが、それがいつも心に残っていて、課長になったときはとにかく金は出し続けろと、研 究費は。もう目をつぶって出し続けろと言って指示した覚えがあります。  その同じ時期に、実は同じ時期というと20年前ですが、全国のいろんな患者さんから患 者紹介というんでしょうかね。医療機関の紹介を頼まれて多くの患者さんが国立がんセン ターで受診したい、治療したいと言われても、当然国立がんセンターのキャパシティは限 りがありますし、遠くの方を運ぶこともできないので、そのとき私どもが考えたアイデア が「あなたの町にも国立がんセンターを」というキャッチフレーズの下、もちろんがんセ ンターはつくれませんので、国立がんセンターと同じ水準の医療機関を全国津々浦々につ くろうと、こういうアイデアだけですけれども、言ったのを覚えております。それが形を 変えて、そのとおりにはいきませんが、こういうがん診療連携拠点病院という形になって、 実現したとまでは言いませんけれども、ほぼそれに近いような形になったのは、今日も47 都道府県の方々の話を聞いて、非常に一生懸命そういった水準の高い医療機関をつくろう とされているので、感慨深いものがありました。  したがって、私どもブレーンストーミングでいろんなことを考えますが、その中には10 年、20年たって実現するものが結構あるのかなと。ほかにもたくさん実はあるんですが、 役人になって30年ですが、そういうものがたくさんありますので、いろんなことを今は非 常に非現実的ですが、いずれ日の目を見たり、種が生まれたりすることがあるというのを 痛感いたしました。  今日は本当に長い間、ありがとうございました。 ○垣添座長  どうも麦谷審議官、ありがとうございました。  では、これで閉じさせていただきます。  委員の皆様方、本当にありがとうございました。 (了)