2010/01/25 第15回保健医療情報標準化会議議事録 第15回 保健医療情報標準化会議 日時 平成22年1月25日(月)    15:00〜 場所 経済産業省別館827会議室 ○秋山補佐  ただいまから、第15回「保健医療情報標準化会議」を開催いたします。  本日は皆様、ご多忙のところご出席いただきまして誠にありがとうございま す。会議を公開で行っておりますので、本日の資料及び議事録につきましては、 厚生労働省のホームページ上で公開をいたします。  本日は、稲垣構成員より欠席のご連絡を受けております。また、大変恐縮で はございますが、阿曽沼局長、武田課長は国会対応等のため欠席をいたしてお ります。  続きまして資料の確認をさせていただきます。資料1は「保健医療情報標準 化会議開催要領」。資料2は武隈構成員からの提出資料。資料3は日本HL7協 会からの提出資料。資料4は安藤構成員からの提出資料。資料5は「保健医療 情報−医療波形フォーマット第92001部:符号化規則提案申請書」です。資料 6は「厚生労働省において保健医療情報分野の標準規格として認めるべき規格に ついて」。資料7は土屋構成員からの提出資料。資料8は「地域医療再生基金に おけるIT活用による地域医療連携について」です。  以下参考資料として、参考1「『医療情報標準化指針』提案申請・採択状況」、 参考2「保健医療情報標準化会議平成19年度報告」、参考3「保健医療情報標準 化会議平成20年度報告」、参考4「病院におけるIT導入に関する評価系」、参 考5「第14回保健医療情報標準化会議 議事録」です。  以上がお配りした資料です。資料の未配付等不備がありましたら、事務局に お申し出いただきますようお願いいたします。  また、参考資料につけています前回の会議議事録については、内容をご確認 の上、修正が必要な箇所がありましたら、後日でもかまいませんので、事務局 までご連絡をよろしくお願いします。  それでは、以後の進行を大江座長、よろしくお願いいたします。 ○大江座長  本日の議事に移ります。保健医療情報標準化会議は先ほどもご報告がありま したが、今回より公開で行うこととなりました。それから、本会議の検討事項 につきましては医療分野での情報化推進に欠かせないものでありまして、これ まで非公開で行っていた検討内容については、年度末に報告書という形で既に 公開はしておりますけれども、いま一度、今日から公開ということもあります ので、これまでの検討経緯と本日の検討事項についての説明を事務局からお願 いしたいと思います。 ○秋山補佐  それでは、私、秋山のほうから、本会議の設立経緯と昨年度までに検討いた だいた事項、及び本日ご検討いただきたい事項についてご説明いたします。  本会議初の公開会議ということで、構成員の皆様方には繰り返しになってし まいますが、ご容赦いただきたいと思います。  まず参考資料で付けております参考2の1頁です。はじめに本会議の設立経 緯ですが、平成15年に開催されました「標準的電子カルテ推進委員会」の下に 設置されました「標準的電子カルテ推進ワーキンググループ」にその起源があ ります。  親委員会であります標準的電子カルテ推進委員会は標準的電子カルテに求め られる共通の機能や、基本要件、運用のあり方、適切な普及方策等の検討を行 うため、厚生労働省医政局長の私的検討会として設置されたものです。この委 員会において、平成17年5月に電子カルテシステムの現状と普及のための課題 とともに、課題解決に向けた検討の視点と方向性等を整備し、電子カルテシス テムが継続的・段階的に発展していくための標準的な枠組みや、基盤等につい て、最終報告書を取りまとめていただきました。この最終報告において、ご提 言いただいた事項について、より具体的な標準的電子カルテシステムの開発に かかるモデルや指針等について、平成17年4月より標準的電子カルテ推進ワー キンググループを開催し、研究事業や、経済産業省の相互運用性実証事業等の 成果を踏まえつつ、検討を行ってきたものです。なお、医療のIT化を検討する に当たっては、電子カルテのみならず医療情報システム全般について議論を重 ねていくことが不可欠であることから、より適切な名称として保健医療情報標 準化会議と変更させていただいたものです。  次に昨年度までにご検討いただいた成果についてご説明いたします。2頁の2 平成19年6月に閣議決定されました規制改革推進のための3か年計画の施策実 行ですが、この計画の中では、医療連携のために診療情報を共有化するに当た り、機関ごとに様式が異なることが障害になっていることを踏まえ、医療機関 が他の医療機関など、外部に提供する電子的診療情報については、世界的に普 及しているデータ交換規約に様式を統一することを制度化することについて、 平成19年度中に結論を得ることとされました。これを受け、本会議において、 様々なご議論をいただいた結果、医療情報の標準を制度化していく際には、ま ず関係者の合意を形成しうる団体として、医療情報標準化推進協議会(以下 「HELICS協議会」と略させていただきます。)が適当との結論を得た上で、 HELICS協議会において採択された標準化指針のうち、保健医療情報標準化会 議で認めたものを厚生労働省において、保健医療情報分野の標準規格(通称、「厚 生労働省標準規格」と言わせていただきます。)と認めることにより標準を確立 することが適当とされました。詳細については参考3に示しておりますが、20 年度の議論において、「IHE統合プロファイル可搬型医用画像及びその運用指針 について」は原案のまま。「医薬品HOTコードマスタ」、「ICD10対応標準病名 マスタ」、「患者診療情報提供書及び電子診療データ提供書」、「診療情報提供書」 については、名称を整理した上で厚生労働省標準規格と認めるべきとの提言を いただいております。  「JAHIS臨床検査データ交換規約」及び「DICOM規格」について、規格の バージョンアップがなされていることから、HELICS協議会において最新の規 格が採択されたのちに本会議でご議論いただくこととなっておりました。現在 HELICS協議会の審査状況については、後程安藤構成員のほうからご説明いた だくことになっております。  3頁の上から3つ目、4つ目の「○」に書いてありますが、この厚生労働省標 準規格の採用は、地域医療連携、医療情報連携の推進、人的・経済的負担の低 減のみでなく、保健医療分野の適切な情報化に資するものであるから、医療機 関等がこれを採用すべきであり、また厚生労働省としても関連施策において、 この標準規格を採用すべきである、とのご提言もいただいたところです。  続いて参考2の5頁(3)として、経済産業省が平成16年度から実施いたしまし た、相互運用性実証事業で洗い出された課題のうち、厚生労働省へ付託された 事項についてご議論いただきました。まず3の1として、医薬品マスタの整備 における社会的責任の所在の明確化とその実施主体ですが、現在財団法人医療 情報システム開発センター(通称、「MEDIS」)において、標準医薬品マスタを 公開し、コードマスタとして広く使われておりますが、医療安全に関わる医薬 品の付帯情報、例えば常用量、相互作用、ジェネリックの有無等を含めた整備 が必要であるため、引き続き検討するよう付託を受けておりました。なお、整 備に当たり、マスタの不備により健康有害事象が発生しうるので、社会的責任 の所在を明確化し、どのような機関が主体で行うかという議論が必要、とされ ました。  本会議において、医薬品マスタを開発している民間事業者や、MEDISの担当 者にご出席いただいて、様々なご意見を伺い、公共の信頼に耐え得る開発主体、 免責の範囲、マスタが備えるべき事項等、多くの解決すべき事項についてご議 論をいただきました。  それを受け、平成21年度の厚生労働科学研究費補助金の研究事業において、 医薬品データマスタの作成に関する研究課題を設け、土屋構成員が計画された 課題が採択されております。本研究により、今年度中に医薬品の全件データマ スタのひな形が完成することとなっておりますので、その状況については、後 程土屋構成員からご説明をいただきます。 次に7頁の「医療機関の特性等を考慮し、目的に応じた情報化を評価するため の指標」いわゆる「評価系」の開発についてですが、IT戦略本部から発表され た重点計画においても、医療機関の機能、規模、特性等を考慮し、目的に応じ た情報化の必要性と活用度を適切に評価するための指標の開発が求められたこ とから、本会議の下に、評価系開発ワーキンググループを設置し、病院におけ るIT導入に関する評価系を作成いただきました。これは医療機関が情報システ ムを導入するに際して、自ら導入の効果を評価するためのツールとなるもので、 これに作成の経緯や対象、利用方法などの説明を加えて、各医療機関等に周知 すべく都道府県あてに通知を行ったところです。この評価系については参考4 として資料に添付しています。  さらに今年度において、まずMEDISにメンテナンスを委託しております MEDIS標準マスタについてご議論をいただきました。HELICS協議会で採択 された医薬品HOTコードマスタ、ICD10対応標準病名マスタ以外の9つのマ スタについても厚生労働省標準規格とすべきかどうかについて、国の方でメン テナンス費を補助していることもあり、早急に整理を行う必要があったためで す。前回において武隈構成員よりマスタの現状をご報告いただき、臨床検査、 看護実践用語、医療機器、歯科病名につきましては、HELICS協議会に申請を 行っていただくこととなっておりました。後程状況をご説明いただく予定です。  また、HELICS協議会で審議・採択された規格に関してもご議論をいただき、 規格には基本的にバージョン番号を付けない。使うべきバージョン、許容され る1つ前のバージョンなどについては、説明するレポートを掲載する。HELICS 協議会の標準化指針として審査をしたときは、いつで、どのバージョンだった か等も明確にレポートに記載する。HELICS協議会の定期的な活動として、各 申請団体に対しては、年に1回程度変更があるかないかをご報告いただき、そ れを協議会の中でもチェックをする等のご意見をいただきました。これを受け ての「HELICS協議会の現状」についても、後程安藤構成員からご説明いただ くこととなっております。  加えて、規格作成団体における規格のホームページ上での掲載の仕方や、規 格をタウンロードする際の費用負担等についてもご議論をいただいたとこです。  長くなりましたが以上が本会議の設立経緯及び前回までの議論の概要です。 本日の会議においては、議事次第の資料番号に沿い、MEDISのホームページ対 応等、HL7協会からレターが出ておりますので、それについて、HELICS協議 会における標準化指針の名称統一や、バージョンの件、新たに採択された規格 や申請書の規格について、さらに医薬品データマスタの進捗の報告、そして地 域医療再生基金におけるIT活用に際しての標準化のあり方についてのご議論を お願いしたいと考えております。以上です。 ○大江座長  いまのご説明に対して、これまでの経緯とか整理をいただきましたけれども、 ご質問、再確認したい点などがありましたらお願いします。  よろしいでしょうか。本日の議題についてもご説明がありましたけれども、 よろしいでしょうか。特に何かご意見とかご質問ありますでしょうか。  それでは本日の議論に入りたいと思います。事務局から、いま説明もありま したが、本日皆様にご議論いただく事項のメインは「厚生労働省標準規格につ いて」です。前回の会議で関係の方々にいくつかご対応をお願いいたしました ので、その事項について順にご報告をお願いします。  まず初めに医療情報システム開発センターのホームページ上で掲載されてい るMEDIS標準マスタに関してご対応いただいた結果を、武隈構成員よりご報 告をお願いいたします。 ○武隈構成員  ご報告いたします。前回、ご意見等をいただいた点が4点あります。まず、 第1点について、MEDISが持っていますOIDをホームページ上から公開して ほしいというご要望です。これについては私どものホームページから公開をい たしました。  名称の変更は前年度のときに医薬品と病名について変更するのが適当である ということでしたので、今月の1月15日をもって、医薬品については「医薬品 HOTコードマスタ」、病名について「ICD10対応標準病名マスタ」ということ で、すべての名称をこれに変更させていただきました。  ホームページの各マスタを載せる順番について、まだどれがいいのかという ことが私どもとしてもなかなかはっきりしたのが出ないのですが、一応、各ジ ャンルごとに分けて掲載をしました。これについて、まだいろいろご意見があ りますので、それは今後また検討してまいりたいと思っております。  もう1点は利用状況について、資料2の標準マスタの直近3か月のダウンロ ード数ということで、棒グラフで示してあります。この中で1つだけ違ってい るのが画像検査です。これは私どもJJ1017にリンクしている関係で、私どもと してはアクセス件数はわかるのですが、ダウンロードはそちらのJJ1017の方で しますので、この数字については、いまはアクセス件数ということです。  医薬品と病名と医療機器が月々のダウンロード件数が非常に多いわけですが、 ちなみにこれのアクセス件数はだいたい3倍です。それ以外のマスタについて は、アクセス件数とダウンロード件数はほぼ同じです。特に病名のほうについ て、10月が1,800件近く上がっていますが、このメンテナンスが年4回ですの で、たまたま10月がメンテナンスの更新月になっていますので、以下病名の場 合は年4回の更新月には1,800件近くのダウンロード数が毎回ダウンロードさ れるということです。  あと、私どものほうからMEDISのマスタのほうからHELICS協議会のほう に申請をし、12月18日に歯科の病名と臨床検査と看護、この3つのマスタに ついてHELICSに申請をいたしております。以上です。 ○大江座長  ありがとうございました。早速にいろいろと対応いただき、進捗があったと いうご報告ですが、いまのご説明についてご意見、ご質問などございますでし ょうか。  まず、OIDを公開していただいたということです。それと病名、医薬品の名 称変更をしたということ。いまご説明いただいた資料2の裏側にホームページ の入口のコピーが付いておりますのでそれもご参考にいただけたらと思います が、いかがでしょうか。特段、何かご質問とかございませんか。  それではもしまた何かありましたら後程でもご発言いただきたいと思います。  続きまして日本HL7協会からこの会議へ資料3として文書のご提出がありま したので、木村構成員からご照会をお願いいたします。 ○木村構成員  前回の会議でHL7規格を用いたシステム開発等について、会員になる必要が あるのかというご質問があり、ないということをお答えしたのですが、レター をということでしたので、これを提出しました。要はそれに入ったときに会員 でなければできないというものではなく、むしろ会員であるメリットというの は積極的な規格の策定に関する参加であるというふうに我々は考えており、こ のレターを持って、会員にならなければ開発、販売をしてはいけないというこ とではないと、ご回答いたしました。以上です。 ○大江座長  ありがとうございます。資料3の文書は、日本HL7協会からこの会議あてに 出されているという文書です。この会議の第13回、14回でいろいろ懸念につ いてご意見が出ましたので、この文書で方針をまとめていただき、表明をいた だいたということです。第2段目の8行ほどの部分がその中心部分です。これ は事務局のほうにきちんと一度声を出して読んだほうがよろしいですか。目視 で確認いただくだけでよろしいですか。 ○秋山補佐  はい、結構です。 ○大江座長  いま初めての方がほとんどだと思いますので、少しお時間を取りますので読 んでいただきたいと思います。 (目視確認) ○大江座長  従来からこの会議で何度かご意見が出た懸念に対する回答の骨子の部分は、 この第2段目の最後の3行だと私は思いますが、「日本HL7協会はこれらの観 点から、HL7規格の利用についてはコストを課されないと判断し、また日本に おける規格適応商品の開発、販売について、日本HL7協会は会員であることを 求めるものではありません。」ということを改めて文書でご返事をいただいたと いうことですけれども、各構成員の方々、これでよろしいでしょうかといいま すか、確認いただけますでしょうか。  最後の5行が精神といいますか、普及を推進したいということが書かれてい るということで、この会議はまさに精神を会議としても持っているということ ですので、これで従来からの意見に対しての回答となっていると思います。よ ろしいでしょうか。 ○三宅室長  参考までに、こういう規格は、海外においても無料で維持されているものな のですか。 ○木村構成員  はい。 ○三宅室長  規格の改訂に関わる権利の行使も費用負担の有無を問わないといういうもの ですか。 ○木村構成員  そうですね。真ん中のパラグラフの前半はアメリカにおいてもそうで、した がって日本でもそれでいきます、ということです。現実に、非常に会議への参 加は積極的で、先週あったのですが、毎回600人ぐらい来ますし、それによっ て積極的に制定に参加することにメリットを感じている組織等や企業が多いと いう状況です。 ○大江座長  つまり会員になって、使うことに対する対価で払っているわけではなくて、 むしろ自分たちが使いやすい、そして全体が標準化されていくような規格にど んどん変えていくというか、策定してくことに協力するという形を取ることに、 会員になるメリットがあると、そういう形になっているということですね。 ○三宅室長  このように無料というのはすごくいいと思うのですが、マスタみたいな辞書 代わりに常に人海戦術でやらなくてはいけないものに関して、どうそこを自立 的に利害関係者から変なお金をもらわずにしっかりやっていけるかというとこ ろで、どうしてもある程度の受益者負担など、誰かの負担が必要なわけですね。 それを国が出すのか、それともベンダさんが利用するのだったらお金を負担す るとか、その辺は少しこれだけに囚われずに議論をしておかないと、今後何で もかんでも情報はタダだと、安全と空気はタダじゃないのですが、その辺の議 論をしていたほうがいいのかと思った次第です。 ○大江座長  ありがとうございます。HL7はこういう形を取っているということで、それ がシステム間の連携とか、そういう規約の性格をもっているものですから、こ ういう形でうまくいっているのでしょうけれども、たしかにいまお話にもあり ましたように、マスタの辞書的なものの場合に、それを継続的に維持する経費 をどのように確保していくのか、その場合に利用者は全く負担をなしにしてい くのか、あるいは何か仕組みをきちんと作っていくのかは、この会議でも一度 時間を取って議論をしていただかないといけない問題だろうと、私自身は思い ますけれども。今日のところは時間の関係もあり、それに関して十分にご議論 をいたたくことができませんけれども、次回以降のためにも構成員の方々にも お考えいただけたらと思います。  もちろん辞書であっても、その辞書のアップデートにこういうことを追加し てほしいとか、仕組みがほしいというような要望を出すための会員というよう な考え方はあり得るとは思いますけれど。少し規格とは違う性格をもっている のは事実ですので、その辺り考えていかないといけないですね。  何か一言、二言是非いまの話題に関してご発言されたいという方がおられま したら、ご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。あるいはこ んなことをするやり方もありますとか。 ○上野構成員  土屋先生のマスタの方にも絡むとは思うのですが、例えば薬の添付文書のデ ータベース、全ての保険医療機関が必要とするものはそろそろパブリックドメ インとして国のほうで管理するということが必要ではないでしょうか。1つの最 新のバイブルがそこにあって、皆さんそこにアクセスして付加価値をつけたり 利用したりすると。間違うとまずいものですから、そのような仕組みがそろそ ろあったほうが非常に安心して医療情報のシステムの開発ができるかと、また 普及するのかなと思います。  もう1つは薬だけではなくて、保険者のデータベースです。これは国保です が主に、その保険者が市町村合併なども沢山あったので綺麗にマスタ化されて いないですね。これもたいした話ではないですけれど、やっていただきたいと、 こういうふうに思うところです。 ○大江座長  問題はかかるお金をどのように計画的に確保されるべきか、していくかとい うことですね。 ○上野構成員  特に薬は告示されてから初めて世に出回るという部分があります。それまで は僕らのほうでは手の出しようがないところで動いていますから、認可や告示 とのからみがあり、それもやはり国のところでやっておられるのでというのも あります。 ○大江座長  ありがとうございます。この課題は重要な課題で、そう簡単に一朝一夕で結 論が出るものでもありませんので、次回以降でまた議論をさせていただきたい と思います。  次に「厚生労働省標準規格とすべき規格」の議論に入ります。現在、HELICS 協議会で採択されている規格のうち「医薬品HOTコードマスタ」、「ICD10対 応標準病名マスタ」、「IHEの統合プロファイル可搬型医用画像及びその運用指 針」、それと「患者診療情報提供書及び電子診療データ提供書」、最後に「診療 情報提供書」です。これらについては既に昨年度、厚生労働省標準規格とすべ き規格としてこの会議で提言をいたしました。ただ、バージョンの明示方法や、 名称の変更については引き続き対応する必要があるということでありました。 これについて医療情報システム開発センターと、日本HL7協会にご対応いただ いておりますので、その対応状況について、武隈構成員と木村構成員より、順 にご説明をお願いしたいと思います。まずは武隈構成員、お願いいたします。 ○武隈構成員  私どもとしては、今回、12月18日に歯科病名と臨床検査、看護実践用語標 準、看護については観察編、行為編2つ合わせてですが、3つの申請書を出して います。これについてはそれぞれバージョンは持っていますが、申請されたレ ポートの中でバージョンを明記しているということで、申請書を固定したとこ ろです。 ○大江座長  よろしいですか。 ○武隈構成員  はい。 ○大江座長  続けて木村構成員、お願いします。 ○木村構成員  資料4の受付番号7および8、この2件についてバージョン番号を除くとい う話と、あと、少しわかりにくいので、名前に工夫をしてわかりやすくという ことで、括弧書きの(患者への情報提供)(電子紹介状)と、この2つを付けて 名称の変更をHELICSにお願いし、それはすでにホームページ上もそのように していただいています。ご要望に対応してそのようにしました。 ○大江座長  基本的には、バージョン番号は正式の名称からは取る対応が多いということ ですね。必要があればレポートを付けるということだと思いますが。  これはまた私から確認ですが、資料4の場合、丸括弧書きの部分は、名称の 一部ではなくて、例えば(患者への情報提供)や(電子紹介状)など、これは 名称の一部ではなくてどう考えればいいのですか。説明、別々、これはあとで 出てくるわけですか。 ○安藤構成員  はい。あとでまた説明 ○大江座長  ちょっと見て思ったものですから、失礼しました。続けて、いまご説明いた だいたバージョンの明示方法、名称の変更状況、新たな規格の申請・審査状況、 採択見込みなどが、もしわかりましたら、それについてもHELICS協議会で対 応いただいている安藤構成員からご説明をお願いしたいと思います。よろしく お願いします。 ○安藤構成員  資料4を見ていただきたいのですが、あと参考資料の1にも、現在のHELICS 協議会の指針、提案申請採択状況という一覧があるので、そちらも一緒に見て いただければと思います。資料4ですが、1頁の資料は、1月20日現在でまと めてみました。網の掛かっている部分については、いま改定作業が終わった、 あるいは改定作業をしているものです。いま座長からお話のありました受付番 号1の医薬品HOTコードマスタの下の次の行に、括弧に入って「標準医薬品マ スタ通称HOT番号」がありますが、これは訂正する前の名称を参考までに括弧 付で示してあります。ですから、受付番号1と受付番号5の「ICD10対応標準 病名マスタ」については、訂正前の名前を括弧の中に示してあります。  この表について1から順番に説明しますと、1は先ほどメディスからご説明が ありましたが、名前を訂正しました。「医薬品HOTコードマスタ」と直しまし た。  2と3については、JAHISの臨床検査データ交換規約バージョン2.0とJAHIS 臨床検査データ交換規約オンライン版のバージョン2.0というものですが、これ については現在、変更申請を受け付けており、それの変更申請が受付番号、そ の表の12に書いてありますが、JAHIS臨床検査データ交換規約ということで、 現在、審議中ということになっています。  4ですが、DICOM規格、これも変更申請を受け付け、受付番号11に書いて ありますが、「医療におけるデジタル画像と通信(DICOM)」となっています。  この表で説明を申し遅れましたが、HS001やHS00何番はHELICS協議会 における整理番号ですので、正式な名称ではありません。正式な名称は、HS00 何とかというのを取ったあと、例えば受付番号1で言えば、「医薬品HOTコー ドマスタ」がHELICS協議会の指針の名称になります。  受付番号5ですが、これも「ICD10対応標準病名マスタ」と名称を変更しま した。  7ですが、これも先ほど日本HL7協会から説明がありましたように、「患者診 療情報提供書及び電子診療データ提供書」の第1という部分を削除しています。  同じように受付番号8の「診療情報提供書」のバージョン1.0も取っています。  受付番号9の「IHE統合プロファイル可搬型医用画像及びその運用指針」に ついては、特に変更はありません。  受付番号10の「保健医療情報-医療波形フォーマット第92001部:符号化規 則」で、俗にMFERと呼ばれているものですが、これは去年9月30日付で HELICS指針になっています。  受付番号11が、先ほど説明したようにDICOM、受付番号4の変更申請です。 新・旧バージョンの説明をレポートに記載するとなっていますが、現在、レポ ートがまだJIRAから届いてないということに。いまホームページでレポート が参照できない状況ですので、そこが問題かもしれません。現在、投票中で、1 月末を投票の期限としていて、1月末に指針として採択される予定です。現在、 全会員の投票を待っている状態です。  受付番号12ですが、「JAHIS臨床検査データ交換規約」、これは受付番号2 および3のものの変更申請ということになります。これも現在、審議中で、新 旧バージョンの説明をレポートに記載することになっていますが、これも現在、 レポートが届いてないということで、レポートの提出待ちです。これは新規の 申請と変更の申請では審査の体制が違い、変更の審査の場合は割合速く審査が 行われるので、たぶん12については特に問題がなければ3月末までには審査が 終わるのではないかと思います。  受付13のメディスからの申請のありました「標準歯科病名マスタ」、および 受付番号14の「臨床検査マスタ」、および15の「看護実践用語標準マスタ」に ついては、現在、審査開始の投票中になっています。  資料4の2頁裏を見ていただきたいのですが、参考資料としてHELICS指針 の審査手順を示しました。現在、受付番号13、14、15については、2の審査開 始の投票を理事会で投票中となっています。その投票が終わってHELICS指針 として審議をしなさいという結論になると、審査委員会をつくり、それが(3)で すが、そこで指針として適切であるかどうかの審査をします。審査委員会で結 論が出て指針に適しているのではないかという結論が出た場合は、(4)で、理事 会でまず指針としていいかどうかの投票をする。さらに、理事会で指針として よいという結果が出たら、(5)で指針の審査、今度はHELICS協議会に加盟して いる全10の団体がありますが、そこで投票をする。そこで3分の2以上の賛成 票でHELICS指針となります。受付番号13、14、15については、まだプロセ スが2,3,4,5と流れていかないと指針にならないので、しばらく時間がかかる のではないかと考えています。 ○大江座長  ただいまのご説明について、何かご質問はありますか。 ○中島構成員  名前の変更はいいと思うのですが、括弧の中が旧名称だったり、説明であっ たり、11のDICOMは規格を付けたら4の旧名称だけれども規格を外したら説 明だったり、これは名前ではないということですが、少し統一性がないのかと いう気はしますが。 ○大江座長  そのあたりはどう考えましょうか。 ○安藤構成員  名称の欄に説明が入っているので、これは今日、HELICS指針の審査状況を 皆さまにお知らせしようとして、標準化会議のために作った資料ですので、特 にほかには公開する予定はありませんが、そういう意味で説明が混ざっていた りということはあるので、備考欄を作って、そちらで説明をしたほうがいいか と思います。 ○中島構成員  ここは全部外れるという意味ですか。 ○安藤構成員  そうです。 ○大江座長  確認ですが、資料4の7、8、11については、括弧の中、例えば7ですと「(患 者への情報提供)」とありますが、これは名称の一部ですね。括弧も名称の一部 と。8も名称の一部ですね。11の「(DICOM)」も名称の一部と。それ以外は、 資料のための説明であると、そういうことでよろしいですね。そういう意味で は、参考資料1のホームページがそのように作られていると。 ○安藤構成員  そうです。 ○大江座長  ということのようですが、よろしいですか。確かにDICOMあたりは、これ は「(DICOM)」がないと、何かこれがDICOMのことだとかえってわかりにく くなるでしょうから、こうしていただくことでわかりやすいのでしょうね。  ほかには何かご意見、ご質問はありますか。13、14、15は新規だということ で、いま、その裏側の審査手順の2に入っているというご説明でしたので、そ うすると、これは順調にいくと、あるいは行っても、指針になるまでにはどれ ぐらい時間がかかるものでしょうか。 ○安藤構成員  参考資料1にHELICS協議会のホームページから取った資料がありますが、 申請日と採択日があるので、速いものでもいままでかなり半年以上かかってい ます。最近は少し手続を明らかにし、うちの審議体制も迅速化するようにした ので、1年や2年かかるということは当然ないのですが、たぶん最速でも3カ月 から半年ぐらいの感じではないかと思っています。 ○大江座長  11、12の更新申請は手続が違うので、順調にいけば年度内ぐらいまでには採 択されるだろうということですね。 ○安藤構成員  はい。 ○大江座長  という状況のようですが。あとでまとめて議論しますが、続いて新たに HELICS協議会で採択された規格である保健医療情報-医療波形フォーマット、 先ほど簡単にご紹介はありましたが、これは資料4で言うと10の規格であり、 指針でありますが、これについては資料5が添付されているので、何か追加で ご説明があれば、安藤構成員からお願いします。 ○安藤構成員  資料5を見ていただければと思いますが、MFERと俗に言われている規格で、 ここにあるように心電図、脳波、呼吸波形など、一般的な医療で使われる波形 情報を扱うものです。これはすでにISOになっており、それを参照する形で HELICS協議会の指針となっています。あとは、資料5を見ていただければと 思います。 ○大江座長  新たにHELICS指針になったもの、これはまだ今回新たになったものですか ら、従来の会議で厚生労働省標準規格にしてよいだろうという提言の中には含 まれていないものということになりますが、そういう視点で資料5をご覧いた だいてご議論いただきたいと思います。新たに採択された通称MFERと呼ばれ る規格について、今後、厚生労働省標準規格として認める対象として問題がな いか、あるいは名称も含めて、まずご意見をいただきたいと思いますが、いか がですか。特段、問題はありませんか。そうすると、今後、厚生労働省標準と してこの会議としてはこれを取り上げていいだろうと、提言に含めるという方 針でよろしいですか。 ○木村構成員  すでにうちでも使っているし。92001というのは何だとおっしゃる方がいる かと思いますが、これは事情を知るので。 ○大江座長  お願いします。 ○木村構成員  IEEEの1073というのがもともとの規格で、ISOとIEEEの総合契約で、要 するにカーソトラックで出せると。ISOの側は気を利かせて11073という番号 を用意したのです。IEEEの1073の中には第9部20章第1節なので、そのま まはめることにしたのです。ですから、たくさんあります。11073は大体こう いう5桁が付いて、すでにたくさん規格になっています。9の20の1がこの場 合、波形データのエンコーディングしたということなので、そのままISOにな り、ISOの11073の92001という数字になりました。というので、ちょっと違 和感のある数字かと思いますが、そういうことです。 ○大江座長  補足説明をありがとうございました。よろしいですか。 ○三宅室長  資料5の価格等の欄のことですが、この使用自体にはお金はかからないので すよね。 ○木村構成員  規格書。 ○三宅室長  規格書を買うのに必要な値段として記載されているのですよね。 ○木村構成員  もうISOになっていますから。 ○三宅室長  そうですよね。 ○木村構成員  はい。 ○大江座長  ISOのPSというのは。 ○木村構成員  テクニカル仕様書。 ○大江座長  これは技術仕様書でもいいものですね。 ○木村構成員  はい。 ○大江座長  いわゆるISO標準というものではないと。 ○木村構成員  ISではないです。 ○大江座長  ISではないと。インターナショナルスタンダードではないですが、ISOで技 術仕様書としても制定されていて、これを実費ではないですがこの価格で規格 協会から購入ができると。仕様は別に何かお金が発生することはないと、そう いうことであるかと。よろしいですか。重要なことですので、どうぞご遠慮な くいろいろご確認を、ご意見、ご質問をお願いします。大丈夫ですか。 (異議なし) ○大江座長  それでは、資料4の10が、本会議としては厚生労働省標準規格にしてよいと いう提言の対象に含まれたということにしたいと思います。  11と12ですが、これは前回までのこの会議でこの2つについては、名称、 バージョンアップなどの取扱いを考えた上で厚生労働省標準規格として採択す るかどうかを考えるということで、言わば保留という状況になっていましたが、 今日のHELICS協議会、安藤構成員からのご説明で、すでに投票中で、順調に いけば年度内に指針に採択されるであろう、特段問題はないだろうというご説 明でしたので、もし仮に今後HELICS指針として年度内に採択されたとした場 合に、11と12は厚生労働省標準規格にこの会議として提言に入れてよいかどう かを議論しておきたいと思いますが、何かそうすることについてご異論、反対、 あるいは具体的なご意見がありましたら、お願いします、あるいは質問でもよ ろしいですが、いかがですか。補足します。もともとこれは先ほどご説明があ りましたように、受付番号で言うと2と3がバージョンや何とか版というのが わかりにくいということもあって、修正されて12に出てきたと。4の「DICOM 規格」は、名前などいろいろなカバーする範囲のレポートが必要ということで、 11で再申請されて協議されているということですが、いかがですか。何かご質 問、プロセス、内容はありますか。 ○成松構成員  レポートで新旧バージョンの説明をするということで前回話をしていて、こ こで混乱を来さないような説明の仕方をきちんとしましょうということになっ ていたかと思うのです。ですから、たぶん方向としてはもちろん採用していく 方向にあるとは思うのですが、そのレポートの内容をきちんと把握してからの ほうがいいのではないかと思うのですが。 ○大江座長  これはそうですね。いかがですか。1つは、HELICS協議会でこういうプロ セスが一通りあるので、レポートに関してであれば、そちらのプロセスにお任 せすると、そちらで意見を反映していただくことでよいだろうという考え方も あると思うし、あるいはこのレポートも含めてもう一度再確認をしないといけ ないのではないかというご意見もあるかと思いますが、いかがですか、ほかの 構成員の方で補足でご意見をいただけたらと思いますが。 ○山本構成員  HELICSのプロセスにお任せして大丈夫ではないでしょうかと思いますがね。 いちいちレポートまでこの会議で確認を取る必要はないのではないか。つまり、 こういう定款を改定していただいてここの会議とHELICSの関係も明確になっ ているし、いいのではないかと思いますが。 ○大江座長  それでは、そのような方向で取り扱うということでよろしいですか。もちろ んHELICS協議会で検討される過程の中で、もしレポートの記載をどのように するかということで、何か意見が少し中でも議論する必要が起こった場合には、 一度こちらにご報告をいただいて再協議をするということ、そういうプロセス をできるようにしておくということで、今日、この会議ではレポートは協議会 にお任せするということにしてはどうかと思いますが、よろしいですか。 (異議なし) ○大江座長  ありがとうございます。この協議会としては、10に加えて11、12について も年度内に指針になった場合には、それを踏まえて厚生労働省標準規格の提言 に含めるということで結論を出しておきたいと思います。今後、通知などにつ いてどのようにするかについて、少し事務局からご説明をいただくほうがよい かと思うので、資料6に基づいて事務局で追加でご説明をお願いします。 ○秋山補佐  厚生労働省標準規格については冒頭に説明したとおりですが、保健医療情報 標準化会議より厚生労働省に提言をいただくという段取りになっています。資 料6についてはたたき台で作っていましたが、先ほどご議論いただいたとおり で、年度内にまとまるものも含めてここに書いてあるものを提言いただくとい うことにさせていただきたいと思っております。  いちばん下の所だけ、医用波形フォーマットの規格作成団体のところが日本 画像医療システム工業会になっていますが、これ資料5にあるとおりでして、 日本PACS研究会から提出されておりますので、そのように訂正した上でと考 えております。以上です。 ○大江座長  資料6の案ですが、いかがでしょうか。いま気づいたのですが、この各指針 の下2行目に、それぞれ指針の規格作成団体名というものが書かれているわけ ですが、これはあったほうがよいでしょうか。事務局としては書いておいたほ うがよいということですか。 ○秋山補佐  皆さんでご議論をいただきたいと思います。 ○大江座長  いかがでしょうか。この辺り標準化。 ○安藤構成員  HELICS協議会としては、ここに書いてあるのはあくまでも申請団体という ことで、この団体が規格を作っているかどうかというのは、またちょっと別の 話だと思うのです。いまHELICS協議会としては、どのような団体でも指針と して申請できると、自分が作った規格でなくても申請できる、というようなス タンスになっていますので、できれば名称のみにしていただいて、団体名は特 にいらないのではないかなというふうに思いますが。 ○大江座長  いかがでしょうか。例えばDICOMを挙げてこの工業会だけで作ったもので はないですね。それからMFERについても日本PACS研究会という組織で規格 が作られたという、必ずしも一対一に対応していないものが多くて、とりまと めて申請をいただいたという団体名ですので、1つはそういう申請世話団体みた いなニュアンスのことがわかるように書くのであれば、それを付記して団体名 を書くのが1つのやり方で。もう1つは、これはあくまでもHELICS指針に HELICS協議会が受け取るときの手続上の申請団体なので、こういう形のとき には、この会議としては書かないというのが次の案ですが、いかがでしょうか。 例えば書くとするとそのHELICS指針の番号を書くほうがいいかもしれません ね。 ○大原構成員  気づいたのですが、2番目だけそうするとJAHISという何かが頭に付いてい るので、これがわからなかった。 ○大江座長  それは、でもIHE。 ○木村構成員  IHEは指針の名前の一部ですから、これはいるのですよ。 ○大原構成員  困りました。名称の問題ですので。 ○大江座長  IHEというのはあったほうがいいとか、ちょっと議論を。 ○大江座長  まあ、団体で規約の仕様書ですよね。規約書をお作りになったものもあれば、 一対一に対応していないものもあるということですし、これまでの会議の過程 で、一応この名称はそれぞれこういうふうに直しましょうということで、一度 結論は出ていますが、確かによく見るといろいろ気になるところがもちろんな いわけではありませんが、やはりその標準化をなるべく早く少しずつ進めてい くという視点からしますと、あまり名称に拘りすぎて時間をかけてもどうかと、 座長の立場としては思いますので、一応この団体名は取ると。  これはなぜかといいますと、HELICS協議会のホームページをご覧いただけ ればわかるわけですし、そこが作成したものでないという位置づけのものもあ りますので、団体名はこの会議としては取るということで、今回はこの名称で ご承認いただくということでいかがでしょうか。その後、名称については、時 期を見て変更が必要ということがあれば、変更していくということにしてはい かがでしょうか。事務局のほうはこの名称についてはよろしいですか。 ○秋山補佐  結構でございます。ただ、先ほどもありましたが、診療情報提供書(電子紹 介状)だけだと、何なのかわからないということもありますから、それについ てはHELICS協議会の標準化指針を指すというところを、どういう形で示すか、 これは座長とまたご相談させていただいて、提言にまとめていただけたらと思 います。 ○木村構成員  そもそも座長がおっしゃったように番号を付けるというので、明確になるの ではないかと思いますが。 ○大江座長  頭に番号を付けましょうか、いかがでしょうか。HELICS標準化指針の「HS ○○○」を付けることにしましょうか。そのほうがよろしいですね。ありがと うございます。では、そのようにさせていただくということで、この会議とし ては厚生労働省にこの文案で提言をすることにしたいと思いますがよろしいで すか。ありがとうございました。  続きまして、今年度、厚生労働科学研究費補助金におきまして、土屋構成員 に「医薬品データマスタ」を作成していただいているところです。これはこの 会議の当初からの大きな課題でもありますので、その作成の進捗状況について ご報告を資料7に基づいてお願いいたします。 ○土屋構成員  お手元の資料7をご覧ください。もう一度確認ですが、目的といたしまして は処方時のエラー防止ということ、あるいはこれは後ほど付け加えたところで すが、厚労省等に緊急安全性情報その他、そういう情報が発出されたときに、 処方医にそれが伝わるための仕組みというものも必要ではないかということで、 このようなことをできるようなマスタを開発するということですが、マスタそ のものは最後に当然マスタ化をするわけですが、説明をしたり、これは用法マ スタもそうなのですが、やるときにマスタがずらずら並んでも理解が一般的に し難いということもありまして、あくまでイメージを常に付けながら説明をさ せていただきます。  用法マスタについては前回も少しお話をいたしましたが、少し重なるところ がありますが全体的な話をもう一度やりたいと思います。処方時のエラー防止 ということを考えますと、医薬品の適正使用ということからいくと、処方から 調剤、調製、そして患者への使用。そして、それが評価を受けてという一連の サイクルであるというのが、21世紀の医薬品のあり方に関する懇談会が昔、報 告書を示しました。これに従ってそれぞれのところで、それぞれの職種あるい はそれぞれの人が気をつける。あるいはシステム的に注意喚起を行うことが必 要であろうということです。  3頁、4頁目、一応意味的にいえば、そこの的確な診断とか正確な調剤とかい ったことをまとめておりますが、まず的確な診断の後、患者の症候にかなった 薬剤選択、あるいは剤型・用法・用量の決定ということで言えば、そこに示し たこれだけではありませんが、そこに示したような危険因子があり、そしてそ れがわかるようなデータが必要ということになるかと思います。  その下にいきまして、例えば量ということでいきますと、これにはさまざま なものがあります。用量を計算するのには体表面績からいくものもあれば、体 重からいくもの、あるいは年齢からいくというような、さまざまな計算式がそ れぞれの添付文書によって異なった形で出ていますので、その添付文書に記載 してあるものが、どういう形による表記方法にあるのかということを含めたデ ータとするというところです。ただ、その量といったときに、実は薬価基準の 量と通常処方するときの量とは単位が少し異なっているものがある。例えば点 眼薬でも1ccのものもあれば、5cc1本ということがあるものですから、そのと きの単位あるいはそのケースというものも、そこでは明記しようということで す。  一方で昨年厚労省の医政局で行われました、内服薬の処方せんの記載方法に ついての検討会の結果、ベースとして1回量をどうすると、あるいは看護のシ ステムにおいては1回量をやっていくということが明記されておりますので、 そういったことに対して、ただいま1日量で書いてあるものについては、それ を1回量に直したものと、1回量が最初から書かれていたものとは、そこが区別 がつくようにしたうえで、データを作っているということです。  5頁、6頁はイメージだというように考えていただいて、実はいま忘れるとい けないのでプログラム的にわざと入れたり何とかしたもので精査をしながらや ってきました。その中で1つ提言がありましたのは、いま三文字入力というこ とがされていますが、その略称もこの際このマスタに装備していただけないか というような話がありましたので、そこも入力用の略称という形でやる。例え ばこれは薬価基準の収載名の頭から三文字を取りますと、2mgセルシン錠はニミ リとなるわけで、セルシンではヒットしないということもありますので、ここ の入力用の略称も、今回マスタの中に正式にきちんとやることによって、そこ のところも、そういったデータの齟齬をなくしていこうということです。  2以下、名称変更時の経過措置というのは、実は医療事故防止のための医薬品 の名称の変更が代替申請として行われるというのがあるのですが、これは薬は 使えるのですが、名称が使えなくなるという意味の経過措置でして、昔、経過 措置と言ったら薬そのものが使えない経過措置しかなかったのですが、そこに 名称と混在するようになったものですから、そこは名称変更時の経過措置を書 こうということでして、実はこの9月25日に起きたものを先取りしまして、3 月31日と書いておいたのですが、実際は6月30日の予定になると思いますの で、ここはデータ的には最終的には全部を精査しますが、この辺プログラムで ちょっと入れちゃっていたものですから、こういう形で、少なくともデータ的 には名称変更によって使えないものとし、ものそのものが使えない経過措置と いうものを薬価上でわかるようにするということです。  その下ですが、緊急安全性情報が出た場合には、そこの緊急安全性情報あり、 あるいはPMDAや機能評価から、医療安全性情報が出た場合には、ここの「あ り」がわかって、それがいつのものであるかが示せるようにしておく。もちろ んそのデータそのものは別の所でPDFファイルなりで参照できるようにいたし ますが、少なくともこういうものが出たことを処方したときに、それを毎回毎 回出しては大変でしょうから、その医師が見たかどうかというところまでをや らなくてはいけませんが、現実としてはこういうことがわかるようにすること が、肝炎のチームからも要求がございましたので、そういった意味でそういう ことにも対応できるようにしていくということです。正式にはそういったこと を含めて、いまここではこのように1個1個のデータベースの関連したところ を見やすくするようにしていますが、最終的には一連のマスタにするわけです。  同じように用法は前回お示ししましたが、内服薬の連続で、その投与回数と、 昔投与時期あるいは「個々タイミング」という言い方をしていますが、この辺 はどのようにするか。あるいは8頁に当たるところが、頓服薬のときの痛みで、 「それがどこなの」という形になっている。9頁は外用薬で外用薬の使用方法と 部位がどこであるか。位置、位置とありますのは、これは右、左、両方という ことですが、こういった形でいまは言葉として書いてありますが、最終的には これは当然マスタになるわけですので、マスタの形で文字列であるとか定義と かその辺をきちんとするというイメージです。そういったことを含めて用法マ スタにつきましては、前回医療情報……を基本的には考えていますが、用法マ スタの維持機関ということを考えています。  先ほど上野構成員からもございましたが、薬の部分はこの用法マスタはそう しょっちゅう変わるものではありませんが、やっている最中からどんどん変わ っているのが医薬品のデータマスタでして、これをどのような形にするかとい ったときに、1ついま想定していますのは、最終的なマスタの管理といいますか、 そういったところは医療情報学会かなと考えていますが、そのデータのメンテ ナンスということからいったときに、基本的にはまず製薬会社がその責を負う ということは明確にしておくべきかなと思っています。それは、もちろん承認 事項ですが、例えば添付文書の改訂の指示にしても、全て製薬企業に対して行 われるわけですので、そういったところは少なくとも情報をいち早く入手をし ている。一般には公開されてからしか、先ほどタイミングの問題も出ていまし たが、製薬企業が情報提供の中でどうやっていくかというところで、基本部分 を添付文書に書いてあると同じことを、データとしてきちんとメンテナンスを していただくという責務は一義的には製薬企業にあるのではないかと考えてい ます。したがいまして、そのメンテナンスがされているかどうかがわかるよう なフラグを用意をしておくということになるかと思います。  同じようなことは、実はいま注射薬にバーコードが付いていますが、その注 射薬のバーコードを登録している製品情報マスタがいまMEDISで運用されて いますが、ここでさまざまなことが起きています。例えば先日ある医薬品がメ ーカー、A社がB社に物を移管したのですね。そうしましたら移管されたほう はバーコードの情報を登録するのを忘れていたために、昨日まで読めたバーコ ードが今日から読めなくなってしまったという事例もございます。  そういうこともありますので、製薬会社がどういうものをきちんとメンテナ ンスしていかなくてはいけないかということは、かなり厳しくきちんと言って おかなくてはいけませんが、一義的にはそういったところでメンテナンスする ものだということが、医療安全上も平成14年に出た医療安全対策推進のための 会議の報告書にも製薬会社がこういうことをやるのは責務であるということが 書かれていますので、そういった形でやればこれは製薬企業にとっていえば、 情報をきちんと出すことを形づくる現れではないかと。それをメンテナンスし ていないことは、製薬企業としていかがなものかということにもなるかと思い ますので、そういったことを正確に情報提供を行う1つのツールという面もあ っていいのではないかと、それは個人的にといいますか、少なくともそのよう に考えております。  そうしたときに、最終的にメンテナンスをするのにお金の話は出てくる。こ れは次回以降の話かもしれませんが、少なくともそういった形も1つのやり方 ではないかということでお話をさせていただきました。以上でございます。 ○大江座長  ありがとうございます。現在までの検討状況についてご報告をいただきまし たが、何かご質問とかご意見がございますか。 ○土屋構成員  用法が決まると必ず出てくるのは、何が用法であって、何がコメントなのか というところがあやふやなために、実際起きている事例としてコメントに大事 なことを入れて、それが部門システムに飛ばずに事故ってしまったというよう な例もございます。したがいまして用法マスタは用法マスタできちんと定めた うえ、コメントについては一体誰に対するコメントなのか。これは薬剤師に対 してなのか医師に対してなのか、看護師に対してなのか、患者に対してなのか ということの、誰に対するコメント。あるいはそのコメントがどの単位なのか、 薬剤単位なのか、RP単位なのか、例えば処方せん単位なのかといったこと、そ こはきちんと仕分けをすべきであろうというように考えております。  前回、佐藤構成員からこの用法マスタは処方を出す側のものか、受ける側の ものかということでしたが、それは処方を出す側のものであることはあれから スタンスとしては変わっておりません。そういったことでコメントについても 基本的にいろいろ調べてさまざまなことがありますが、そういう形で整理をし たいと思っています。 ○大江座長  私から確認の質問ですが、いまの資料で医薬品データマスタと言っているも のと、資料の後半のほうに出てくる用法マスタと言っているものは違うものと いう理解でよろしいのですか。 ○土屋構成員  はい、別ものでございます。 ○大江座長  最後のスライドにある用法マスタ維持基盤、それからそれに対して責任をも って製薬企業が登録をしてほしいという話は、これは用法マスタの維持の方法 に関する検討状況。 ○土屋構成員  はい、これは製薬企業は用法マスタにない新たな用法の薬が出来たときには、 必ず事前に登録をすることを義務づけるという話です。先ほどデータマスタの ほうはメンテナンスとして、データ内容は製薬企業がメインとして行うという ことです。 ○大江座長  その場合に、今度は医薬品データマスタの維持管理機関というのは、今後検 討されるということですか。 ○土屋構成員  はい、最終的なところはそのデータのメンテそのものは、製薬企業ですが、 これも医療情報学会が適当かなというふうに思っていますが、最終的には出来 上がったものを含めて、医療情報学会にご相談をというふうに考えております。 ○大江座長  いまのご報告はこの会議の冒頭にも事務局からご説明がありましたが、医療 情報システムにおける相互運用性の実証事業、経済産業省で行われた事業の中 から厚生労働省に対して検討すべきとして付託された事項のうちの1つで、医 薬品マスタの整備における社会的責任の所在の明確化と実施主体を検討せよと いうことで、この会議の課題になっていることに対しての、土屋構成員のほう でやっておられる厚生労働省研究班での検討状況をご報告いただいた、そうい う位置づけだと思います。ご質問ご意見がありますでしょうか。 ○大井構成員  この医薬品データマスタというのは、実際に使う側、特に処方する側の処方 医にとって、どういうメリットがあるかということになると、実際にはここに 示されただけのものではなくて相当のものになるのだろうと思います。そうい うことによって目的に絡む誤作用とか、その他のものを全部払拭できるかとい う大きな問題があって、個々の医薬品によってすごく違いますよね。同一の製 品であっても実は使える疾患が違う場合があります。例えば以前はアルツは肩 関節に使えるけれども、スベニールは使えなかったとか、全く組成は同じなの ですが、そういうような事柄もみんな含まれてくると、えらい大変だなと思う のです。データマスタが処方医にとって有用になるように考えると先生がおっ しゃっていましたので、実際にそういうフォーマットが出来上がってこないと、 なかなかわかりにくいですね。どういうふうにされるのでしょうか。 ○土屋構成員  先生おっしゃったようにまず同一成分であっても、製品によって適応症の違 い、あるいはこれは先発、後発との間の話もございますが、そういうようなこ とがあります。今回は基本的に添付文書に忠実にとりあえず作っておくことを ベースにしております。ただし、そこには成分が同じだとか、そういうファク ターもございますので、そこはどちらかというと、運用でどうされるかという ところを決めざるを得ないだろう。  それから、これは箱だけ用意をして、実はブランクのものにしておきますが、 適応外使用という欄も実は作ってあります。ただし、それは公のところのもの に入れるということは到底出来ないですが、その医療機関が適応外使用につい て、当院においてはこの薬はこの使い方において、適応外使用ちゃんとチェッ クをかけようというようなことをやりたければ、やろうと思えばやれるような 箱は用意をしておく。ただし、そこは自己責任でやっていただかないと、それ はちょっと無理だろうと。  いままで特に量のチェックでいいますと、結局1カ所でしかチェックができ ないために、最大用量でチェックをしていたというのが今まであります。しか し、場所が違えば量が違うとかそういうこともありますので、その辺を今回は 適応症ごとに全部が全部できるわけではないのですが、そういったところを埋 められるだけ埋めるということがされております。 ○大江座長  よろしいでしょうか。ほかにご質問ございませんか。 ○山本構成員  ここに出たデータマスタというのは、全てのデータが入らないにしても、医 療安全上チェックが必要なデータが入っていて、それが責任の所在が明確であ るということは、非常に重要だと思うのです。製薬企業がこのデータをとりあ えずは入力する、メンテナンスするのだということになると、責任の所在が明 確であるということは、その製薬企業が責任を持つということですかね。 ○土屋構成員  まず1つはなるべく入れられるものは入れておきますが、その確定に対して は、実はその解釈をしなければいけない部分がありますが、そこが一律でこち らが解釈をするのがいいのか、製薬企業がちゃんとそこを確認しながらやって いただくのがいいのかということがございます。その場合に私は少なくとも承 認を受けていま製造販売を行っているものは、やはりそこはきちんと責任をも って、こういうデータを見ていただくことが必要ではないかというように思っ ています。製薬企業はその辺について、どちらかというと、いままではわりと 曖昧な形でやってきて、それは何でも自由に解釈できるようにというのがあり ますが、運用はどうするかは別としても、データをきちんとポイントとして示 すことは必要なことではないかというふうに思います。これを言うとすぐ添付 文書を全部記載方法を変えろとか、そういう話になることは避けたいと思いま すが、添付文書と同じ意味をデータとしてきちんと持たせるということが必要 なのではないかと考えていまして、そういった形での責任の持ち方というのは あるだろう。  それから変な言い方ですが、そういうことすらメンテをしないような所は、 少なくともユーザーは使うべきではないだろうという、ユーザーとしての選択 もあって然るべきかなと思いますので、そういうメンテがきちんとされている かどうかというものをも、薬を使うときの重要なファクターの1つになるので はないかと、私はいま思っています。 ○大江座長  たぶん今の山本構成員のご発言は、この医薬品データベースの個々の薬ごと については、この薬はA社のもので、A社が責任だということで、個々の薬の 情報については責任の所在がはっきりしていますが、データベース全体として 見たときに、入れている企業と入れてない企業があれば、結局データベース自 体は使えないということになるので、そのデータベース全体の責任管理はどこ がするのかという問題があると、たぶんそういうご指摘だと思うのですが、そ の辺りはどうですか。 ○土屋構成員  まず個々のデータについてはそうで、全体として、先ほど学会でということ を申し上げたのも、そういう全体的なところはそういう形で責任というか、デ ータベースそのものとして、あるいは構造といいますかデータを変えなければ いけないとか、そういうことが出てきたときには、そこが扱うということで、 私としては医療情報扱いで扱っていただけないだろうかということを考えてい るということ。そういう意味で二面性を持たせる。個々のデータと全体の話と いうように考えています。 ○大江座長  たぶんスライドの最後は用法マスタのスライドなので、用法マスタに関して は、それほど頻度も高くなくて、全体を見渡して維持・管理・責任を持つ団体 として、学術団体である学会なりが維持することも、おそらく可能な範囲だろ うと、私個人的に座長の座を離れて、医療情報の担当をしている人間としては そう感じますが、もう一方の医薬品データベースに関しては、個々の企業が入 力するかしないか、その企業の責任だという状況であると、結果としてデータ ベース全体では入力されているものとされていないものがあって、されていな いものがあるのに全体の責任を持つということは、どこの組織もできないので はないか。もしそういう組織があるとしたら、その組織は全ての企業に入力を 強制する権限を持っていないといけないか、よほどの対価を医療者から得て維 持し続けるか何かしないと難しいのではないかな、という印象を持ったのです が、その辺りが伺っておく必要があるかもしれないですね。 ○土屋構成員  先ほどのまさにマスタのメンテにお金をかけられるのかどうかというところ にも係ってくるのではないか。ただ、そのマスタのメンテにお金があまり出な いというときに、直接的な責任といいますか、そこはどうしてもその物を作っ ている所に持たせるしかないだろうと、ただ、私はできればそういったところ にメンテをチェックするとかいったことがありますので、そこはまさに今後の 費用とかそういうことも含めて検討をすべきかなと。  それと一方で、当然医薬食品局のほうは、添付文書を変える必要はなくても、 ここのデータをちゃんと埋めよということについては、きちんとそこは言って いただかないと困ると思いますし、みんなで少しずつ負担しながらやっていか ざるを得ない部分があります。そこのいちばんかかる大きなところは少し、そ こまでを国とかほかがやるということは到底無理だと思いますので、そこにつ いては個別の企業と、本当に全体のところのバランスをどう取るか。あるいは そこのお金をどうするかということは、大きな課題だとは思っています。ただ、 少なくともその具体的なたたき台を作って、こうなりますよと、だからこうい うことをやりましょうということを、はっきり示すことがまず第一段階として は必要かなと思っております。 ○大井構成員  先ほどの私の質問で土屋先生からお答いただいたので、よくわかったのです が、この医薬品のデータマスタというのは、臨床現場では影響が大きくて、い ろいろ気になるところがあります。1つはこれがきちんと整備されていくと、当 然診療報酬の請求、あるいは査定に直結する可能性がある。すぐにというわけ ではないのですが、ゆくゆくはですね。そうすると適応に規制がかかり過ぎて、 先ほど空欄を作っておいて、それぞれの医療機関で自由裁量で使えるところを 入れ込むと言われましたが、それはどの程度の意味を持っているのか。先ほど 質問をしたのはそういう意味だったのです。  こういう事柄というのは、医療の安全にとってももちろん大切には違いない のですが、逆に言うと、訴訟の材料にもなる。そういうさまざまな事柄が絡む ので大変だとは思いますが、この会議でも慎重な結論を出していってほしいな と希望しています。 ○土屋構成員  それはまさに先生がおっしゃるように、これは極端な話、副作用救済制度を 考えたときに、正確なレポートがこういうものに活かせるとなったときに、そ こがあれはもう適用外使用とか、添付文書のことを守っていなかったら、そも そも対象にもならなくなってしまうというようなときに、では、それは対象に ならないけれども、それは訴訟としては、次は救済制度では救えないけれども ほかでの方法を考えなさいということを、あれは意味しているわけですので、 そういった意味で極めてナイーブな話を含む。  ただ一方で、その妥当性をチェックしなくてはいけない、そして一方、医療 がもつそのアローアンスをどう捉えながらやっていくかということを、これは 本当にそういう意味で、ある意味いままでアナログ的に幅をもってやってきた ものをデジタル化して、いろいろなことをやることのメリット、デメリットが 出てくるのだと思いますが、ただ、それでもデータはまず1回作っておかない と、そもそもたたき台になるデータがないのにその議論をすることもできない だろうということもありまして、あえていまいうところでございます。 ○大井構成員  よくわかりました。 ○大江座長  この会議としては、この厚生科学研究班のご報告の進捗状況を受けて、今後 の議論をご報告いただいて、この会議としてはどういうふうに進めていくのか ということを次会以降またご議論いただきたいと思います。  続きまして1月22日の内閣官房IT戦略本部医療評価委員会において、厚生 労働省に対して地域医療再生基金に関する文書が提出されましたので、これに つきまして資料8を事務局よりご説明をお願いいたします。 ○秋山補佐  資料8をご覧ください。ちょうど本日地域医療再生基金にかかる有識者会議 が開催されているところです。先週22日に開催されましたIT戦略本部評価専 門調査会 医療評価委員会におきまして、地域医療再生基金におけるIT活用に 関しての提言書が厚生労働省に手渡されました。内容につきましては内閣官房 のウェブサイトにももう既に公開されていますが、大きく2つの提言をいただ いており、1つ目はIT導入以前に留意すべき事項として、人的連携であるとか、 現場の負担軽減策等についてまず述べたもの。2つ目がIT活用を具体的に検討 する際の留意事項ということで書かれています。  この中で、まずコストや拡張性等を考えて、いわゆるWeb型の電子カルテで あるとか、システムとの情報交換機能の整備及び診療情報の標準の採用という ことをご提言いただいております。  資料8の最後の頁の後半です。具体的には標準的な出力フォーマットとして、 「患者診療情報提供書及び電子診療データ提供書」を、また標準のマスタコー ドとして「ICD10対応電子カルテ用標準病名マスタ」、「標準臨床検査マスタ (JLAC10)」、「標準医薬品マスタ」を採用するようにご提言をいただいており ます。なお、記載されているマスタ等の正式名称は変更されているところです。  これらにつきましては、いずれも先ほど来ご議論をいただきましたが、厚生 労働省規格として取り上げていく予定のものでして、地域医療再生計画におい てIT活用を行っていく際の留意点として、計画の主体であります各都道府県に 対して、標準化の重要性を踏まえまして周知をしていく予定ですが、本会議に おきましても、今後、地域での情報連携がますます重要となってまいりますの で、標準化の進め方や周知方法、実効性等につきまして、構成員の皆様方から ご意見を賜りたいと考えています。よろしくお願いします。 ○大江座長  これは医療評価委員会から厚生労働省の関係者に対して出た書類のご説明で すが、ただいまのご説明について何かご質問ご意見などございましたら、お願 いいたします。 ○木村構成員  これ非常に結構な内容で、特に1番のほうは以前の話にちゃんと言及されて いるのは素晴らしいと思います。2番の部分で標準の採用が3についてなのです。 以前に電子カルテの半額補助というのをやっていただいた際に、こういった記 述があまり浅かったので、結局ばらばらになってレガシーシステムが広がって、 かつそれが抵抗勢力に現状なっているという観点もありますので、3はもう少 し突っ込んで、せめてこれ厚生労働省から出る文書ですから、厚生労働省の事 業の成果を利用してという、厚生労働省標準的医療情報交換推進事業、SS-MIX ですが、あれの成果を利用してというようなことが、私としてはやはり欲しい ですね。先ほどのお話でPDI、画像の可搬型の部分はお認いただけるようなの でこれも是非。画像も結構いろいろなフォーマットで受け側が困っている現状 を私もいろいろ聞くものですから、それも書いていただければうれしいなと思 っております。  特に先ほど申し上げた3番の部分は、厚生労働省のあれとともに経済産業省 の相互運用性実証事業の成果を是非利用するということを、お書きいただけれ ばよろしいのではないかと思います。 ○大江座長  この書類はこの会議から出す書類ではありませんで、こういうものが出まし たというご説明なので、この文章をいまこの会議がどうこうはできないという 状況にはありますので、ただいまのご意見はこの会議としては何らかの形でど こかに、今後反映させられるようにする必要があるわけだと思いますが。 ○山本構成員  実はこの3頁の紙以外に20頁程度の標準モデルというパワーポイントの資料 を付けて有識者会議にお出ししていまして、その中ではここにとどまらないこ とも結構その望まれるものとしては記載しています。SS-MIXも書いております し、それからHELICSにも触れているのですが、実際はこの計画の状況を見ま すと、本当にさまざまなレベルものがあって、一律にとにかくこれだけはしっ かりやってくれというのを、最最低限のことをここに書いたという次第です。  先ほども有識者会議でこれを私自身が説明をしたのですが、その中ではこれ はもう本当にミニマムなので、厚生労働省で取り組んでいるさまざまな成果が あるから、それをしっかり活用するように指導をしていただきたいということ は、口頭ではお伝えしました。ただ、何分この資料を作るまでの時間が非常に 限られていたのと、もう既に先週の20日ごろには内閣官房の政務官までこれを 説明をしにいったあとでしたので、それから変えるというのは大変だったので、 とりあえずこのままでお出ししたということです。もちろんこれで全部という 意味で出しているわけではございませんので、是非この会議からも積極的にご 提言を願えればと思います。 ○木村構成員  やはり2002年、3年の状況でも、分かっているところは分かっているけれど も、分かっていないところは言葉を弄してひどいものを作るのですよ。静岡県 版のプロジェクトをやったときの経験でも、書類を発行して、それを周知する だけでは十分ではなくて、私はあのときに東部、中部、西部で個別相談会をや ったのですね。ですから、私は例えば医療情報学会などはよろこんで、このた ぶん分からない内容をパワーポイントの内容にしてもですね。場合があれば是 非説明会でもよろこんでやらせていただきたいなというぐらいのことを考えて います。是非工業会さんもそれとお付き合いいただければとも思います。その ぐらいにしないと紙でお送りしたのでは十分ではないというのが過去のプロジ ェクトでの経験ですね。よろこんでそういうことはやらせていただきたいと思 います。 ○大江座長  ありがとうございます。そのときにこの会議としても何らかの形の、それの 根拠になるような提言なり報告を作っておくことをしたいと思います。これ事 務局にお伺いしたいのですが、20年度報告というのはこの会議で一応出しまし たが、21年度報告というのもまとめる予定でしょうか。 ○秋山補佐  21年度について、今回から公開の会議ですので、資料と議事録がすべて出る ので、報告書の形ではまとめる予定はありません。 ○大江座長  ただ会議として、何か今年度の提言ということで、例えば先ほど厚生労働省 標準規格にする提言というのはまとめるわけですが、そこに何らかの形で、書 き方はご検討いただく必要がありますが、例えば地域医療再生基金などを、今 後のさまざまなITに関連するプロジェクトにおいても、厚生労働省標準規格の 採用を積極的にお願いしたいみたいな趣旨のことを出すという、そのような形 は事務局的には可能でしょうか。 ○三宅室長   形は少しご相談させていただきたいと思うのですが、IT活用における提言 を受けて、室から自治体に事務連絡等を出すのは可能だと思います。「地域医療 再生基金」を付けると他課も関係するので、他の課と相談しながらということ になるので、ここで即答はできないのですが、地域医療再生基金は、地方自治 体の実情に応じて計画を立てそのために必要なの資金を支援するためのもので、 どこまで我々が無理矢理やらせるか、無理矢理ではなくて、あくまでも最低限 の、これをやらないと互いに困るのだよというところの提言みたいなものでし たら、地域医療再生基金という名を付けることもできると思います。自治体側 のIT化にかかっては、こういうことに留意してほしいのだと、もちろん最近で は地域医療再生基金という話題があるよねという形でしたら、我々の室で十分 コントロールできる話題だと思っていますので、結論としてはやるべきだと思 います。 ○大江座長  この会議としては、出来る限り医療分野での情報化において、標準化を推進 するのが基本的な趣旨の会議ですので、この会議としては今回こういう文書が 専門調査会からは出ていますが、この会議としても厚生労働省標準規格として、 これこれこれこれのものを提言しているので、地域医療再生基金を初め、さま ざまな活動で使っていただきたいということを、この会議として表明しておく と、あるいは議事録に書いておくというようなことで、何らかの形で文書にな る形で残しておくのがいいのかなと座長の立場としては思いますが、そういう ことについてご意見があれば伺いたいのですが、いかがでしょうか。大井構生 員、もし何かあれば。 ○大井構成員  地域医療再生基金に関しては、病院団体もそれに注目していて、実際に会員 からいろいろな問い合わせなどがあるのですが、IT推進は殆ど入ってこないの ですね。その基金の活用そのものにも、耐震とか、建築とかいうものに関して は、いろいろな問い合わせがあり、そのほかについてもいろいろな問い合わせ があるのですが、ITに関してはあまり話題にも乗ってこないので、あっても極 めて少ないと思います。ですから、この会議でそういうことをきちんと謳って おくことに私は賛成です。というのは、都道府県もほとんど気がついていない のではないかなというふうに私は感じるのです。ですから、座長のおっしゃる ことには賛成です。 ○大江座長  ありがとうございます。 ○三宅室長  医療評価委員会での指導課からの発表だと、この再生基金のメニューとして は、本当に粗い推計ですが約1割ぐらいのお金が、ITに活用されるかもしれな いということなので、そういう意味ではこの委員会のご懸念というのは確かに あるのだな、ということは感じました。 ○大江座長  それではどういう形にするか、議事録の形にとどめるか、あるいはもう少し この会議の提言あるいは報告的なものにまとめられるか、そこは事務局とも相 談をさせていただくとしても、先ほどお話したように、この会議で提言してい る標準規格、それからこれまでのさまざまな標準化の推進活動、具体的には SS-MIXのプロジェクトの成果、そういったものを出来る限り生かすのが、有効 に国民の税金を使って医療の標準化、医療の連携を進すめる重要なことである というような形の趣旨のことを出す、ということにさせていただきたいと思い ますがよろしいでしょうか。何か是非こういうことも一言入れるといいですよ というようなご意見があれば、お伺いしたいと思います。 ○山本構成員  22日の医療評価委員会で、情報化委員会の構成員から出た意見は、まさに木 村先生がおっしゃったように、これたぶん、特にITに関しては、そんなに煮詰 まった計画で出てきていない。そういうことでは、相当きめ細かくサポートす る必要がある。これはあくまでも地域が、その地域の特性に応じて医療再生を 行うので、押し付けるわけにはいかないと思うのですが、かといって、放りっ ぱなしではいけないという意見が、ほぼ、全員の委員から出ております。  そのことはその時点で、厚生労働省医政局指導課にお伝えはしたのです。だ から検討はしていただけるとは思うのですが、その検討の過程の中で、ないし はこの会議なのか、例えば木村先生がおっしゃるように、医療情報学会なのか は分かりませんが、そういう何かを要望するだけではなく、サポートする体制 というのが、若干必要ではないかなという気が私もしています。 ○大江座長  各構成員は、それぞれ所属されている標準化を推進したり、情報を広めたり する組織に所属されておられますでしょうから、そちらのほうでも、この会議 の趣旨が伝わるように、情報提供なり周知のための活動を、一層していただけ たらと、座長としても思いますので、よろしくお願いいたします。 ○篠田構成員(野々村代理)  工業会の方でも協力させていただきます。 ○大江座長  よろしくお願いします。いま工業会のほうとしても取組むというご発言をい ただきました。よろしくお願いします。そろそろ終了時間も近くなってまいり ましたけれども、今日の議題以外のことで、その他で最近の状況とか、何かご 意見がございますか。 ○近藤構成員  確認というか質問です。私前回いなかったせいもあるのですが、今回こう議 論をしてきて、過程を経て、厚生労働省標準規格というのがいくつか大体合意 が得られたわけですが、これらが厚生労働省標準規格であるというふうな、こ の公報はどのようにしてされるのかお尋ねしたいのです。 ○秋山補佐  これは最後にご説明しようと思っていたのですが、まずは、本日いただいた 意見を踏まえまして、資料6の修正を座長と一緒にいたしました上で、一応皆 様方にメール等でご確認をいただこうと思っています。その後に厚生労働省と して周知を行うために、まずパブリックコメントを行いたいと思っています。 パブリックコメントを踏まえて問題がなければ、都道府県のほうに周知すると いう形に考えています。 ○大江座長  いま少し出ましたけれども、それも含めて今後のスケジュールなどについて、 ご連絡をお願いします。 ○秋山補佐  ただいまの厚生労働省標準規格については、いまのようなスケジュールで。 同じように、本日いただきました基金についてのご提言につきましては、どう いう形がいいかということも含めまして、座長と事務局とで相談をさせていた だいた上で、皆様方にメールでご確認いただこうというふうに考えております。  さらに今後の予定ですが、都道府県に周知するパブリックコメントの結果を 含めて周知する前に、さらに次回開催する必要があるということになりました ら、次回の開催の必要性の有無も含めまして、座長とご相談をさせていただき たいと思っております。その後、必要が生じる場合には、年度末で非常に恐縮 ではございますが、3月を目処に次回の開催を考えておりますので、是非よろし くお願いいたします。 ○大江座長  そうしますと、このパブリックコメントのスケジュールより前に、先ほどご 報告いただいた、HELICS協議会の11番、12番の更新の結論が出ていないと いけないということですね。 ○秋山補佐  そうです。 ○大江座長  そういう段取りになりますので、その辺りまたご調整いただきたいと思いま す。ほかによろしいでしょうか。それでは、前回の会議以降、医療情報システ ム開発センター、それからHELICS協議会、日本HL7協会におかれましては、 短期間でいろいろご準備をしていただきましてありがとうございます。本日は 構成員の皆様には熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。本 日の会議は少し早めですがこれで終了いたします。 (了) 照会先 医政局 政策医療課 医療技術情報推進室 企画開発係 山瀬 TEL 03-5253-1111(内 2682) FAX 03-3501-5712