10/01/18 第1回訪問看護支援事業に係る検討会議事録 第1回訪問看護支援事業に係る検討会 日時 平成22年1月18日(月) 15:00〜17:00    航空会館702・703会議室 ○小林老人保健課長補佐 それでは、定刻となりましたので、「第1回訪問看護支援事業に 係る検討会」を開催させていただきます。  私は、老人保健課の小林でございます。座長が選出されるまでの間、進行を務めさせて いただきます。  それでは最初に、宮島老健局長からごあいさつを申し上げます。 ○宮島老健局長 老健局長の宮島です。  本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。介護保険制度の開始 は平成12年4月ですが、それと同時にケアマネジャーのケアプランに基づいて、訪問看護あ るいは訪問介護が介護保険の在宅のサービスとして位置づけられたということでございま す。  介護保険の在宅部門というのは、うたい文句は365日・24時間ということでございますけれ ども、現在までのところ、そういうものが実現している地域は全国的に余りないと思っており ます。平成18年に在宅療養支援診療所の制度ができましたが、医師が担当する役割、そ れから本日の議題であります看護師が担当する役割、そして、ケアマネジャーの役割、ヘル パーの役割、最近は、訪問リハビリということでOT・PTの果たす役割というようなものが出 てまいりましたが、それぞれがしかるべき役割を果たすことが在宅ケアの充実には必要だと いうことでございます。また、事業体としても、それらが一体的に供給できるシステムを目指 していかなければいけないと思っております。  完成した形というのは、ある一定のエリアについて、今申し上げた5者が、チームを組んで カバーできることだと思うのですが、そこまでにはまだ、現行の介護保険制度では到達して いないということでございます。  また、最近の高齢化の状況を見ておりますと、これからは、地方よりも東京周辺や都市部 での高齢化が急速に進むということでございます。都市部では土地の値段の問題もあって 施設ができないというような状況がありますから、在宅ケアの領域を伸ばしていくことは、喫 緊の課題になりつつあると思っております。  この検討会は主に訪問看護支援事業実施状況と課題を踏まえた上で、今後の訪問看護 の安定的供給のための方策ということで議論をしていただくということでございますが、是非、 委員の皆様方におかれましては、少し視野を広げていただくような議論をいただきたいと思 っております。訪問看護については質の向上の問題もありますが、私どもとしては、もう少し 拡大を図らなければいけないようなレベルだと思っております。何とぞ、よい御示唆をいた だければと思います。  簡単でございますが、あいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○小林老人保健課長補佐 続きまして、老人保健課長の宇都宮より、本検討会の委員をご 紹介させていただきます。 ○宇都宮老人保健課長 老人保健課長の宇都宮でございます。よろしくお願いいたします。  委員の皆様におかれましては、大変御多忙のところ委員の就任を御快諾いただきまして 誠にありがとうございました。  以下、着席で失礼させていただきます。  それでは、委員の皆様を五十音順で御紹介させていただきます。  まず、上野桂子聖隷福祉事業団理事でございます。  宇梶孝茨城県保健福祉部長寿福祉課介護保険室長でございます。  川村佐和子聖隷クリストファー大学大学院教授でございます。  木村隆次日本介護支援専門協会会長でございます。  野中博博腎会野中医院院長でございます。  吉田一生三重県健康福祉部長寿社会室長でございます。  本日は、委員全員の御出席をいただき検討会を開催させていただいております。  それでは、座長の選出に移りたいと思います。  本検討会の座長は委員の互選により選出することとなっておりますが、どなたか御推薦い ただけますでしょうか。野中先生お願いします。 ○野中委員 野中でございますけれども、訪問看護にずっと長く携わっていらっしゃる川村 先生が一番適任だと思いますので、川村先生を推薦申し上げますので、よろしくお願いした いと思います。 ○宇都宮老人保健課長 ただいま川村委員を御推挙いただきましたが、ほかに御意見は ございますでしょうか。  では、特にございませんようですので、川村委員に本検討会の座長をお願いするというこ とでよろしゅうございましょうか。 ○宇都宮老人保健課長 それでは、川村委員、よろしくお願いいたします。  では、座長席の方にお移りいただき、以降の議事の進行をお願い申し上げます。よろしく お願いいたします。 ○川村座長 川村です。御推薦いただきまして、この検討会の座長を務めさせていただき ます。どうぞよろしくお願いいたします。  時間が限られておりますので、早速議事に入らせていただきたいと思います。  まず、事務局から、本日の資料の確認をお願いいたします。 ○八田看護専門官 老人保健課の八田でございます。よろしくお願いいたします。  お手元の資料について御確認させていただきます。  まず、議事次第が1枚。  座席表に続きまして、資料1「訪問看護支援事業に係る検討会開催要綱」と「検討会委員 名簿」。  資料2「訪問看護の現状等について」。  資料3「平成21年度 訪問看護支援事業の実施状況」。  参考資料1としまして、上野委員提出資料。  参考資料2で、訪問看護支援事業実施要綱でございます。  資料等に不足や落丁がございましたら、事務局までお願いいたします。 ○川村座長 ありがとうございました。皆様、大丈夫でしょうか。  よろしければ、まず、訪問看護支援事業についての説明を事務局からしていただきたいと 思います。よろしくお願いします。 ○八田看護専門官 議事に先立ちまして、本検討会の趣旨、運営等について御説明させて いただきます。  資料1、開催要綱をごらんください。  まず、本検討会の趣旨につきましては、平成21年度より、都道府県、政令都市において、 訪問看護支援事業を実施し、訪問看護サービスの安定的供給体制の整備を進めていると ころでございますが、各自治体での実施状況等を踏まえまして、今後、多くの自治体に御参 加いただき、訪問看護支援事業の一層の推進を図ることを目的といたしまして、このたび有 識者の方々にお集まりいただき本検討会を開催することといたしました。  検討会の主な検討事項といたしましては、訪問看護支援事業の実施状況及び課題から、 今後、更なる訪問看護支援事業の推進に向けての方策と、今後、訪問看護サービスの安 定的供給のために必要となる追加支援等について御検討をいただきます。  また、本検討会の議事運営につきまして、議事及び議事録につきましては、原則公開とさ せていただきます。  以上でございます。 ○川村座長 ありがとうございました。  ただいまの事務局からの御説明を受けまして議事に移らせていただきたいと思います。  訪問看護支援事業について、事務局から御説明いただきたいと思います。よろしいでしょ うか。 ○八田看護専門官 訪問看護の支援事業について、資料2を用いまして御説明させていた だきたいと思います。  まず、訪問看護についてですが、訪問看護は、主治医の指示に基づきまして提供され、介 護保険から提供されるもの、医療保険から提供されるものがございますが、介護保険の訪 問看護は、要介護者等について、その居宅において看護師等により行われる療養上の世 話、また必要な診療の補助を行うものでございます。  また、介護保険の給付は医療保険に優先することとしておりまして、要支援、要介護者の 給付に関しましては、原則介護保険で行われますが、要介護者等であっても、がん末期、 難病等特定疾病、急性増悪による主治医の特別指示があった場合は、医療保険の対象と なります。  高齢化に伴う要支援、要介護の高齢者の増加により、今後ますます在宅での看取りを初 めとした在宅医療の推進が求められているところでありますが、その中心的な役割を担う訪 問看護の充実は不可欠でございます。しかしながら、全国的に見た訪問看護の利用者及び 事業所の状況は、資料の3枚目を見ていただきますと、訪問看護ステーション数は約5,500 カ所程度、ここ数年で横ばいの状況でございまして、利用者数、従業者数に関しましても微 増な状況です。  また、介護保険の訪問看護の1月当たりの請求件数につきましては約26万人ということに なりますが、その約6割は要介護3以上の中度者の方になります。  続きまして、資料の4枚目になりますけれども、訪問看護の利用状況と自宅死亡の割合 の関係でございますが、こちらの図の横軸は、総死亡者数に対する自宅死亡の割合という ことになりまして、縦軸を高齢者1,000人当たりの訪問看護利用実人数とした際に、都道府 県別の訪問看護の利用者数には約4倍の開きがございます。訪問看護の利用者数が多い 地域では、在宅においての看取りも多い傾向にあるという結果が出ています。  また、訪問看護ステーションの規模につきましては、看護師5人未満の少人数で運営され ている事業所が半数以上でございまして、1事業所当たりの平均看護職員数は、平成19年 の介護サービス施設・事業所調査で4.3人というところになります。  また、訪問看護におきましては、利用者宅への訪問時間以外の準備ですとか移動、記録、 カンファレンスなどに多くの時間を要しておりまして、こちらのグラフで見ていただくと、訪問 時間1時間に対しまして、それと同等程度の周辺業務に関する時間を要しているということ になります。このように少ない職員数で業務が行われておりますことで、事務処理や連絡調 整など職員1人当たりが担う業務負担が大きいことが考えられます。  更に、7枚目以降、7、8、9ページに共通してになりますが、事業所規模別に見た看護師 1人当たり訪問件数、在宅看取り件数、夜間・深夜・早朝訪問件数、これらいずれにおきま しても、看護職員数が2.5人から3人未満といった小規模な事業所ほど、非常に訪問件数が 少なかったりといった傾向がありまして、職員が多くなるほどこの数が増えているという現状 にあります。小規模な事業所ではなかなか効率的なサービスが提供できていないという傾 向がございます。  このような背景から、平成20年度に老人保健の健康増進等事業の中で訪問看護事業所 の機能集約及び基盤促進に関する調査研究事業というモデル事業を実施いたしまして、訪 問看護の事業者の大規模化及び請求業務や相談業務の集約化等、モデル事業を実施い たしました。モデル事業の詳細につきましては、後ほど上野委員より御報告いただくことにし ておりますが、これらモデル事業の結果を踏まえまして、訪問看護サービスの安定的供給 を維持する体制を整備し、在宅療養の充実を図るため、平成21年度から訪問看護の支援 事業を実施いたしております。  訪問看護支援事業の事業主体といたしましては、各都道府県、政令指定都市としており ます。自治体ごとの実施期間は2年間、補助率10分の10の事業でございます。  事業内容といたしましては、資料の10枚目、訪問看護支援事業のスライドをごらんいただ きまして、まず、都道府県ごとに訪問看護推進協議会を設置いただきます。そこで、地域の 実情に応じた広域対応型ネットワークセンターの運営方法を含む訪問看護の安定的供給 のための方策の検討、計画立案、評価及び支援をいただきます。また、訪問看護推進協議 会は、訪問看護に関する同様の協議会が設置されている都道府県においては、既存の協 議会をもって本事業における訪問看護推進協議会を兼ねることができるものとしておりま す。  広域対応型ネットワークセンターで行う事業といたしましては、訪問看護事業所の業務を 集約化、効率化いたしまして、訪問看護の安定的供給を図ることを目的としたものであり、 事業例としましては、そちらに記載がございますように、請求業務等支援事業、コールセン ター支援事業、医療材料等供給支援事業、その他の事業というものを実施していただくこと になります。これら事業を実施いただくことにより、訪問看護を必要とする方に必要な訪問 看護を提供する体制を整備することにより、在宅療養環境の充実を図ることを本事業の目 的といたしております。  詳細につきましては、参考資料2、訪問看護の実施要綱についてもごらんください。  続きまして、この訪問看護支援事業の各都道府県の実施状況でございますけれども、資 料3をごらんください。  平成21年度訪問看護支援事業を実施していただいています都道府県は11道県であり、事 業の内容といたしましては、請求業務支援事業の実施が4件、コールセンター支援事業及 び相談窓口の設置等の事業が7件、医療材料等供給支援事業が4件、その他事業8件で ございます。  各都道府県の11月時点の事業実施の内容につきましては、北海道では、保健所が中心 となって二次医療圏域の訪問看護にかかわる実態把握や課題解決に向けた取組み及びリ ーフレット等の作成等が行われております。  茨城県では、訪問看護サポートセンターを設置いたしまして、訪問看護の相談窓口の設 置、訪問看護の新規の利用者の導入調整、訪問看護の周知、ネットワーク化の推進等を 行っていただいております。また、訪問看護マニュアルや訪問看護の記録の統一化の検討 も行われております。  千葉県では、請求業務支援事業を行い、レセプトの作成、利用者への料金請求等のネッ トワークシステムの構築、コールセンター事業といたしまして、相談窓口の設置や中核病院 との連携体制の推進が行われております。  静岡県では、コールセンター事業といたしまして、一般住民の方を対象といたしました訪 問看護の相談窓口の設置及び利用の促進のための事業といたしまして、普及啓発のため のパンフレット等の作成等の共同実施が行われております。  三重県では、請求業務等支援事業、コールセンター事業、医療材料等供給支援事業、普 及啓発事業について検討、実施をいただいております。  滋賀県においては、利用者、家族、医療機関を対象といたしました相談窓口の設置や医 療材料等供給支援事業、訪問看護従事者の共同募集などを行っておられます。  兵庫県では、請求業務等支援事業で、御利用者様への料金請求等のシステムの整備と 医療材料等供給支援事業を行っておられます。  島根県では、その他事業といたしまして、退院時連携体制強化事業、訪問看護管理業務 支援事業、マニュアル等の標準化事業を検討いただいております。  香川県につきましては、看護計画、看護記録、報酬請求事務、統計等、一体的な処理が 可能なシステムを独自に開発し、また、そのシステムの中で掲示板等を開発し、各ステーシ ョン間での情報交換を可能にするとともに、各種マニュアル等の掲載をそのシステム上に行 っていく予定で検討中です。  福岡県におかれましては、コールセンター事業で訪問看護事業所や住民、医療機関を対 象とした相談、助言を行っていただいております。  鹿児島県は、相談対応支援事業で、訪問看護に係る相談対応等の共同化、訪問看護の PR、パンフレット、マニュアル等の作成を行っておられます。  各都道府県の具体的な事業実施の状況は、次回以降、また詳しく御説明いただく予定で ございます。今回は、概要についてのみ御説明させていただきました。  事務局からは以上でございます。 ○川村座長 ありがとうございました。  事務局の今の御説明に対しまして何か御質問があるかと思いますが、中身に密接に関連 がありますので、次の上野桂子委員からの御説明も続けていただきたいと思います。事務 局の質問につきましては、また後で、両者をまとめて時間をとらせていただきますので、よろ しくお願いいたします。  では、上野委員、よろしくお願いします。 ○上野委員 それでは、参考資料1−1を先に御説明させていただきます。  これは、全国訪問看護事業協会が20年度厚生労働省老人保健健康増進等事業の研究 費の委託を受けまして研究事業を行ったものです。訪問看護ステーションの現状として経営 が困難、人員不足、休廃止の問題等があり、この「訪問看護事業所の機能集約及び基盤 強化促進に関する調査研究事業」が開始されました。  3枚目のスライドですが、この研究事業の概要は機能集約及び基盤強化促進に関する研 究調査を聖路加の山田雅子教授と、もう一つの研究班としてクリストファー大学の川村先生 の方にお願いして、それから、訪問看護事業業務のIT化の研究は東大の山本隆一先生に お願いしました。今回の機能集約及び基盤強化の促進に関する研究に関しては、山田先生 と川村先生の分を一括のモデル事業として報告させていただきます。  5つ目のスライドを見ていただきたいのですが、モデル事業の実施パターンには、大規模 化とネットワーク化とIT化と大きく分けてあります。大規模化に関しては、実は、訪問看護ス テーションは、先ほど来ありました半数以上が5人未満の職員で行っているという小規模な ステーションが多いため大きくすることのメリットがあるのではないかということで、大規模化 のモデルを1つ、それからネットワーク化とIT化とに分けました。大規模化は、今回の支援 事業にはないのですが、一応、モデル事業で行いましたので、説明をさせていただきます。  6枚目の資料を見ていただいて、大規模化の場合は、どちらかというと同法人の場合は非 常にやりやすいのですが、訪問看護ステーションは幾つも法人が違うところで事業を行って いますので、違う法人が一つの大きいものになるということは非常に難しい問題があります ので今回の研究事業では同法人の場合のモデルに取り組みました。  4ページの下の大規模化モデルの実際をごらんください。これは1つの大きな法人で、Aと Bのステーションがありまして、Aのステーションは、職員数11.5人、利用者は介護保険、健 康保険を合わせて124名の比較的大きなステーションです。もう一つの同法人のBステーシ ョンは、利用者が71名でステーションの職員数は6名弱で、非常に効率が悪いということで、 このAとBを統合してCステーションができました。結果Cステーションは職員数15名、利用者 数も180名と非常に大型になったわけです。  大型になったメリットは新規利用者が非常に増えたこと、連日の訪問が難しかったのが可 能になったこと大規模でスタッフが多くなったということで、小児とか神経難病や終末ケアを 要する利用者等いろいろなところに行けるようになった。それから、訪問看護の依頼を断ら ないで行えるようになった。それから、新たに療養通所介護ができたということや、療養通 所介護では、まだ法的には定まっていないのですが、ショートステイもできるのではないかと いうようなことが今、意見として上がってきている。それから、職員が多くなったので、研修に 出る機会ができたり、お休みをとる、有給休暇を消化できるようになった。それから、一番 大きなメリットが、先ほど局長がおっしゃった24時間の問題があるのですが、訪問看護ステ ーションは24時間・365日支援するというのを今、全国では全体の80%ぐらいのステーション が行っていますが、例えば弱体の2.5人ですと月に半月以上、15日以上も携帯当番をしなく てはいけないですが、大規模になったために、月に2回〜5回で済んでいるという、精神的 に非常に楽になったというようなところが出てきて、経営的にも収益が上がったというような 大規模化モデルの効果が出ております。  ただ、その次のスライドですが、統合によってメリットはありますがが、デメリットもあるとい うことで、スタッフの管理とか、それから、主治医とかケアマネジャーとの連携に時間がかか ったり、看護計画の修正とか調整に時間がかかるというようなデメリットもできてきているん ですが、このデメリットをまた克服していくことが大事だというようなことが言われています。  次に、ネットワーク化ですが、今回のモデル事業は、法人が異なるステーションのネットワ ークを考えました。ネットワーク化では、現状と課題のところに書いてありますが、小規模事 業所のために、運営に係るさまざまな諸業務、管理業務、事務業務、電話対応、物品調達、 人材確保・研修。訪問看護ステーションは、小さくても大きくても1つの事業所ですべて事を なさなくてはいけない状況ですので、職員の負担が非常に大きく、経営や運営の効率が悪 いということです。このモデルは共通的な業務を切り出して、地域の訪問看護事業者同士が、 効率化のために一元化して共同して実施できることは何だろうかということを考えました。  次のスライドなんですが、このA、B、Cの図にあるようないろいろなステーションがネットワ ークを組んで、右側にセンター業務と書いてありますが、センターを介して例えば24時間電 話対応であったり、コンサルテーションであったり、ツールの開発であったり、ニーズ把握で あったり、研修、衛生材料の供給等々のことができるのではないかということを考えました。  それで、モデル事業としては、まずは請求事務支援の事業です。これは、山本先生のITの 事業もあるのですが、モデル事業としても行いました。訪問看護ステーションの事務は、パ ソコンを使っているところもありますし、手書きのところもあったり、繁雑な事務処理を事務 職でない看護職がやっているということで、非常にロスを来しているということや利用者のお 宅にカルテを今は持って行かないので、メモ書きを持って行って、持ち帰ってステーションで 転記して、それを入力して、また報告書、計画書に出すという、同じ情報の転記が非常に多 いということと、それから、事務員は雇用してもステーションの報酬に入ってこないのに、事 務員の雇用をすることで事務処理の経費が高くなるということがあります。  それを何とか外部委託をしながら効率的に事務処理ができないだろうかということで考え たのが、このネットワークセンターにおける請求事務等の支援事業のイメージです。これは、 同法人でもできるわけですが、法人が違っていても、ネットワークセンターにおいて診療報 酬と介護報酬の請求集計事務等々ができないだろうかということで考えました。  次のページに昨年度のモデル事業の事例というものがありますが、それは、同法人の中 でのネットワークです。1つの大きな法人でステーションが13カ所ありました。そのステーショ ン13カ所の中の事務業務の効率化とか法人内のステーションの質の向上のことを考えて、 ネットワークができないかということで、本部機能を利用して、本部で報酬請求とか契約書 や会計事務等々の事務、それから訪問管理部門というところで看護師の研修等々を行った ということですが、これは非常に効果がありました。同法人だからできたと言えばそれまでで すが、個々の事業所の効果としては、請求事務等々をしなくて済んだので、訪問看護業務 へ専念できるようになったこと、13カ所に1人ずついた事務員を5人に集約したことで人件 費の削減ができたこと、事務センターの職員が報酬請求のプロになったというので、返戻が 少なくなったこととか、訪問看護に専念できることになったので訪問看護師の1人の訪問件 数が4.2回に上がったというところとか、それから研修等々を行って、訪問看護ステーション の看護師の質の向上につながったというような、同法人内のネットワークの効果があったと いうことです。  ただ、もう一つ、次のページですが、請求事務等支援事業を行う上での課題もありまして、 どうしてもこれは、同法人ならまだセキュリティはいいと思うんですが、他法人同士がやる場 合には、個人情報の保護を保障するセキュリティの問題や、自分たちのステーションに不利 益にならないことを保証する必要があるとか、もしこうした事務センターのようなものである とすれば、実施主体は公的な性格を持った組織であることが望ましいのではないかというよ うな課題がわかりました。  次に、コールセンター支援事業ですが、コールセンター支援事業は、今年度の各都道府 県の中でも実施する都道府県が多いのですが、訪問看護師は、訪問看護業務だけではなく、 ステーションにいるときにはほとんど電話の応対に追われていますし、それから、例えばス テーションを留守にするときには、電話を携帯に転送するようにして訪問に行くわけで、訪問 中でも電話がどんどんかかってくるという状況があります。そこのところで、電話対応などで 周辺業務にかかる時間を削減して本来業務に専念できないだろうかということで、この分析 を行いました。  電話の内容を対応別でとったところ、外部のセンターで受けられるものと直接ステーション が受けられるものと分かれまして、半々なんですね。外部で受けられるものであるとすれば、 それはコールセンターにお願いしてもいいのではないかと。直接ステーションで受けられるも のに関してはステーションが受ける。利用者からの病状変化であったり、それから主治医と の緊急連絡であったり、ケアマネジャーからの利用者に関する病状の変化であったりするも のは、ステーションのナースが受けなくてはいけないけれども、それ以外の、時間の確認で あるとか、会議日程のことであるとかということであれば、それはコールセンターで伝達して もらってもいいのではないかということで、半々に分けられたというものです。 次のページに実施上の課題が載っていますが、コールセンターをもし行うとすれば、あらか じめステーションと利用者の情報や、訪問予定、訪問看護師連絡先等々の情報の共有が 必要であるし、それから、電話の内容がどうしても利用者からの電話になりますので、看護 師の資格を有するスタッフが必要ではないかということや、利用者・家族等が安心して電話 できるような、個人情報が守られて、利用者・家族の不利益にならないことを保証する必要 があるというような課題が挙がりました。  次に、医療材料の供給支援事業ですが、衛生材料の円滑な供給体制については、薬事 法によって訪問看護ステーションに衛生材料の管理ができないというところがありますので、 例えば、カテーテルの閉塞とか、点滴のつまりとかのトラブルのときに、訪問看護師の迅速 な対応が非常に困難であるという問題、それから、在宅療養指導管理料の算定者には、医 師から衛生材料・医療材料が提供される仕組みになっているのですが、実際には、脱脂綿 であるとか滅菌手袋等、日常使うささいなもの、消毒綿とか、そういうものに関しては、利用 者の個人負担であったりステーションからの持ち出しになっていることが多いという状況です。 衛生材料や医療材料が量・質ともに適切に供給されるシステムづくりがされていないので、 これが不可欠ではないかというようなことで、その次に書いてあるネットワークセンターという ものをつくって、医療材料等の供給支援事業ができないだろうかということを考えました。  ここには必ず、勿論、医師も関係しますが、薬剤師とか薬局が関係してくると思います。そ このところに一緒になってこのネットワークセンターができないだろうかと考えましたが、これ は、昨年度のモデル事業では、6カ所ぐらいのステーションで、1つのステーションがキーに なったモデル事業を行いました。本来は薬剤師さんが入っていないと医療材料は扱えませ んので、これはこれからの課題だと思います。  次のスライドに書いていますように、この支援事業を行うためには、参画ステーションと医 療機関・薬局との連携と協働が不可欠であるということと、それから衛生材料・医療材料の 供給を一括して行う体制の構築が必要である。それから、ステーション間の取決めが必要 だというようなことが挙がってきています。これは本当に喫緊の課題だと思いますが、今回 のモデル事業でも幾つかの県が医療材料のところで上げていますので、どこの県にも、薬 剤師さんたちと一緒にやるようにというようなアドバイスはしているところです。  それから、その次のマニュアル類共同作業の支援事業ですが、マニュアルとか看護記録 ですね。訪問看護ステーションは、情報の公表だけではなくて、いろいろなマニュアルが整 理されていないと、やはり均一したサービスを提供することはできませんので、いろいろなマ ニュアル類を整備しているのですが、そのマニュアルを一つつくるにも非常に時間を要する ことや、それから記録様式について、厚生労働省が提出しているモデル記録用紙があるの ですが、それをステーションなりにいろいろ様式を変えていますので、それをできれば地域 内で同じものにしていきたいというようなニーズがあって、それをすることによって業務の効 率化ができるのではないかということで、このマニュアルや様式等の検討が行われていま す。  次の次に、31ページですか、昨年度モデル事業の事例で災害対策マニュアルの例という ものがあります。これは、あるステーションが実際に行ったもので、幾つかのステーションが、 災害時に災害マニュアルを自分のところでつくるのは大変なので、ステーション間で集まっ て共通のマニュアルを作成しました。これをつくるのと一緒にいろいろな記録様式もつくって、 非常にいい成果を上げております。  その次のページにモデル事業の事例が載っていますが、Fステーションというところですね。 ここのネットワーク間による効果のところに、結局、マニュアルとか記録類をつくるために集 まることに要する時間を、自分のところであると、4人で何時間とかかってくるすごい時間に なるわけですが、幾つかのステーションで共同して作ることによって677時間短縮できた。そ れを、人件費で考えると725万円が削減できたということで、その削減できたことによって利 用者の訪問回数が増加したことや、それから、合同で行うことでスタッフの教育に非常に効 果があったというようなことが上がっております。  それから、その次の34ページの夜間・休日の訪問分担支援事業ですが、訪問看護ステー ションでは、先ほど、24時間・365日の24時間は80%とお話ししましたが、20%は、どうしても 24時間の体制が組めないというステーションがあります。これは、24時間体制が組めないス テーションが、24時間の体制を組んでいるステーションとネットワークを組んだというもので す。  その次の次、37ページに昨年度のモデル事業の事例というものがありますが、a町とb町 というのがあって、a町とb町は道が1本しかつながっていないんですね。ですから回り道が できないということで非常に不便。距離は15キロぐらいあって、往復すると40分必要。b町は 山の上にあるというような状況で、b町は、ステーションの規模が小さくて、職員2.5人で、土 日・祭日・夜間は訪問していないという状況です。  それから、a町のところでは、b町のところまで訪問に行っていたという状況ですね。そこで、 b町のところの夜間と日祭日をa町のステーションがカバーしましょうということでネットワーク を組みました。それをするには、b町の居宅介護支援事業所に2つのステーションが連携し ますよということのPRをしたり、医師にお話をして、介護保険では2カ所のステーションはオ ーケーですので、指示書を2カ所に書いていただく。それから、a町のステーションがb町で 訪問するには事務所が必要になりますので、b町のステーションの事務所の一角をお借りし て、休憩とか記録をする。そこで連携した利用者の記録様式も統一して情報交換を行うとい うようなことを行いました。  その結果、b町の利用者が非常に増えたんですね。実際のところのネットワークの効果の ところを見ていただければいいのですが、a町とb町とのステーションのネットワークを組むこ とによって、新規利用者が増加したと。b町の利用者にとっては、休日・夜間に安心して訪問 看護を受けられるという状況ができ、退院して在宅療養を利用する人が増えた。それから、 いろいろな疾患の方が訪問看護を受けられるようになったということや、お互いの施設を利 用することで、移動時間が短縮し業務効率が向上した。それから、記録様式の共同利用と いうことで、カンファレンスも一緒にするようになり、訪問看護の質の向上にもつながったと いう評価が得られています。  ただ、その次のページに書いてあります分担における課題のところでは、2カ所のステー ションでかかわるときには、報酬上の制約もありまして、例えば医療保険の場合は2カ所か ら訪問ができない場合もありますので、それから、介護保険の中でも、加算の種類によって は2カ所のステーションが訪問しても1カ所しか算定できないというようなこともあるのですが、 そういうことは今後考えていかなくてはいけないということがあります。  次に、パンフレットの作成・PR支援事業における課題ということで、パンフレットも今、共同 してつくるということがたくさん出ています。次のページは、久留米市内の訪問看護事業所 が共同で作成したものですが、このパンフレットを1,000部つくって、病院や診療所、医師会 等々に配布して、それで訪問看護ステーションのPRを行う。このパンフレットの中には、事 業所の特徴や体制、得意分野、営業時間、職員の数等々を盛り込んでいますので、これを 1枚見ると、あそこのステーションにお願いできるかなということで、非常に利用者の獲得に つながってきているという成果が出ております。  非常に早口でわかりにくかったと思いますが、18地域、ステーションの数で言うと50ぐらい のステーションが行ったモデル事業の結果でございます。  以上です。 ○川村座長 次の参考資料1−2はいかがですか。 ○上野委員 では、続きまして、参考資料1−2「訪問看護支援事業」の支援のあり方につ いてということで、これは、平成21年度厚生労働省老人保健健康増進等事業の補助金の研 究事業でございます。  これは、全国訪問看護事業協会が受託しまして、訪問看護支援事業の支援評価とその普 及のための事業ということで、クリストファー大学の川村先生に主任研究者をお願いして実 施しているところです。  目的としましては、「訪問看護支援事業」に参加する都道府県・政令指定都市を支援する ということと、訪問看護支援事業に関する事前調査・中間調査を実施し、評価データを作成 して、厚生労働省の検討会に提出予定ということで、研究を今進めているところでございま す。  3ページを見ていただきたいと思います。この基盤強化に関する調査研究事業の支援概 要、相談フローと書いていますが、都道府県の訪問介護支援事業担当者等から厚生労働 省や事業協会の方に問い合わせがありますので、事業協会に問い合わせがあった場合に は、厚生労働省の担当者と打ち合わせをしたり相談をしながら回答していくという支援体制 をとっております。  支援の実際ですが、活動内容というところですね。4月11日に全社連で先ほどお話しした 20年度のモデル事業の報告会を行いました。そのときの参加者が162名おりまして、その後 に意見交換会を行いましたが、意見交換会には各都道府県の方が50名ほど参加し、そこ でさまざまな疑問であるとか、これからの支援事業をするのに当たってのいろいろな質問 等々がたくさん出まして、1時間半ぐらいとったと思いますが、ぎりぎりまでいろいろな質問 等々が行われました。それから、そのときにモデル事業概要版を作成して配布啓発活動を おこないました。 もう一つは、都道府県の支援事業のパンフレット、このパンフレットを1万 部つくりまして、全国の都道府県にある訪問看護ステーション連絡協議会、それから都道府 県担当者、都道府県看護協会と全国訪問看護事業協会が行う研修会等々でこれを配って PRを行っているところでございます。  それから、訪問看護支援ツールというものを作成しました。この訪問看護支援ツールとい うのは、「訪問看護支援事業の実施に向けて」というものですが、これは、実は各都道府県 がこの支援事業を行いたいために、例えば説明に来てほしい等々の要請がありますので、 そのときに、私ども研究に当たる者たちが説明に行ったときに、同じ文言で説明しないとい けないということで、支援ツールをつくりまして、この支援ツールに基づいて説明を行うように しているところです。  今まで支援を行った県というのは滋賀県です。滋賀県には2名で県庁訪問いたしました。 そのときの参加者は各ステーションの代表10名の方々と看護協会の方、県と担当者の方 で、そこで事業の説明を行って、質疑応答を受けて、その後、実際のワーキングのところに 一緒に参加して、作成するプロセスに少し質問があればお答えするというような支援を行っ てきました。  島根県は、島根県の訪問看護支援検討会という会議に3名で参加いたしまして、ここでも 事業説明等々を行ってきました。  それから、鹿児島県では、訪問看護支援事業の事前説明会で、実は、訪問看護ステーシ ョンの県内のステーションの方々を全員呼んでおりましたので、そこに4名で伺いまして、そ こで訪問看護支援事業についての説明や講演を行って、その後、各ステーションの方々と グループワークを行いまして、そのグループの中に研究者が入って、具体にどんなふうにす るかというアドバイスを行ってきました。  それから、福井県に関しては、今年度はないのですが、訪問看護ステーション連絡協議会 の定例会がありまして、そこに川村先生が特別講演で、この訪問看護支援事業についての 講演を行ってきたというのが今までの支援状況です。  それから、今依頼のある県は香川県と千葉県と北海道です。山形県はモデル事業の説明、 これは3月13日にステーション協議会がステーションの人たちを集めるのでということで説明 に来てほしいという要請がありますので、2名で行く予定です。それから、6月5日は、長野 県のステーション協議の総会のときに来てほしいという依頼がありますので、そこにまた行く 予定になっております。  それから、次に書いてあるのは、たまたま支援事業に委員会の委員として参加していると ころですが、鹿児島県は、検討委員会のメンバーから1人入ってほしいという要請がありま して、川村先生にお願いしてあります。それから、茨城県は、推進協議会がつくられたとき に、今、私どもの研究会の委員になっていただいている方々が、山田雅子先生と川上先生 と柏木先生と村田昌子さんという形で、茨城県の重鎮の方々がちょうど私どもの検討会のメ ンバーになっているということもあって、そこに参加しているということです。  次のページですが、今後に関しましては、2月26日に、品川の全社連の研修センターで、 中間報告会を行う予定です。この中間報告会は、今年度事業を実施している、先ほど八田 専門官がおっしゃった都道府県の方々に報告していただくという計画でございまして、都道 府県の進捗状況を報告していただいて、その後に、相談会とかグループワークを企画して おります。ですから、このときには、今、実際行っていない都道府県にも、勿論連絡をいたし まして、来ていただくというように考えているところです。  もう一つは、『訪問看護支援事業』の評価というところで、資料1−3と1−4というものがお 手元にあると思うのですが、これは事業の評価で、評価書の作成をいたしました。事前評価 と中間評価、事後評価と分かれていまして、事前評価は、今、支援事業が始まっているとこ ろにお渡ししていまして、これから、今年度行っているところにヒアリング調査で中間評価を していこうということになっていまして、その結果を次回の検討委員会に間に合えば出そうと いう予定になっているところでございます。  それから、次のページに書いてあります質問・問い合わせへの対応というのは、都道府県 に、積極的に支援内容に関しては相談に乗りますと言っておりますので、各都道府県から いろいろな問い合わせがあります。そこに関しては、先ほど話したような厚生労働省と相談 しながらお答えしていくということですが、最も多いのは、どんなふうに進めていったらいいか とか、支援事業の説明に来てほしいというような問いがあります。あと、それ以外にも、この 支援事業は事業協会のホームページに載せておりますので、そこでインフォメーションを行 ったり、講師の依頼が来て、講師の派遣を行ったりということを行っているのが、今、実際行 っている支援内容になります。  最後になりますが、訪問看護支援事業を推進するための活動課題としましては、都道府 県及び政令市自体の取り組む姿勢にばらつきがあるので、それぞれの進行に合った支援 が必要なのではないかということとか、訪問看護支援事業の周知をすることが、まだ不足し ているのかもしれないということです。看護協会や訪問看護ステーション協議会等々、もっと もっと周知をしていかなければいけないだろうと思っていまして、いろいろ御意見を聴いてい ますと、やはり看護協会と自治体がタッグを組むと非常に強みが出るんだなということが非 常に見えて、茨城県なんかもそうですよね、非常にいい結果が出ていますので、やはり看護 協会にも働きかけをしていく必要があるだろうと思っています。  それから、訪問看護自体の知名度が非常に低い。これは、訪問看護ステーションの私た ちの責任かもしれないのですが、本当に訪問看護は知名度が低いということが、ネックだと 思います。それから、事業終了後の、今2年間ですので、2年終了後どうするのかという課 題も挙がっているように思います。  今年度の老健事業の研究事業として行う中での、実際の支援状況をお話しさせていただ きました。  以上です。 ○川村座長 ありがとうございました。大変内容が細かくたくさんありましたので長い説明に なったかと思います。それでは、事務局及び上野委員からの御報告につきまして、御質問、 御意見をお願いしたいと思います。今日は、ここのところが重点になると思いますので、どう ぞ忌憚のないお話をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○木村委員 まず、確認からしていった方がいいと思いますので、参考資料2があって、21 年4月8日にこの訪問看護支援事業の実施ということで、47都道府県にたしかこれが通知さ れて、その47都道府県の中で、ここの参考資料2の中にある通知の内容で検討して、事業 に取り組むところと取り組まないところがあると。それで、取り組んでいるところは今日報告 のあった11県であると。  そこで伺いたいのですけれども、これは都道府県の金銭的負担はあるのでしょうか。 ○八田看護専門官 先ほど説明の中でもお話を一部いたしましたけれども、補助率10分の 10ということで、都道府県の御負担は今回ありません。 ○木村委員 ないですよね。とすると、この11県は手を上げたけれども、ほかのところがな ぜやらないのかという情報があったら教えていただきたいんですが。特筆的なところでいい んですけれども。 ○川村座長 よろしいですか。お願いいたします。 ○八田看護専門官 先ほど上野委員の御説明の資料の中にも一部出てきたところではご ざいますけれども、2年間の事業でございますので、参考資料2の方にも、事業終了後のこ とも計画をいただきたいということを書いてございますので、そこまで考えて事業を行うとい うと、初年度でなかなかそこまでの準備ができなかったという都道府県もいらっしゃるようで す。平成23年度からは実施を検討したいといった都道府県、政令市の方も、本年度より若 干増えている状況ではございます。 ○木村委員 私は地元が青森県ですが、県庁の方からこの事業の相談が、薬剤師会もそ うですが、看護協会にもあって進むのかなと思ったんですが。今日こう見ていて、看護協会 さんが本格的にやるという気持ちになっているかどうかというのはちょっと薄いように感じる んですが、その辺の動きはどうなんでしょうか。これを読んでいれば、県庁さんが看護協会 さんにアプローチして協議会を立ち上げていくというステップに行くと思うんですけれども、11 以外のところは協議会もないんですかね。設置状況はどうなんですか。細かくて済みません が。入り口がすごく大事だと思うので。 ○八田看護専門官 協議会自体の設置は、医政局の方でも訪問看護の推進ということは 行っておりまして、そちらの方での設置、同等のものがあれば兼ねることはできるというふう にしておりますので、37都道府県ぐらいは現在あると思います。 ○木村委員 そうですか。では、37の県の協議会はあると。それで、この具体的に取り組ん でいるか取り組んでいないかということですよね。ちょっと入り口のところの確認でした。各 論は後でまた伺いたいと思います。 ○川村座長 今のことですか。よろしいですか。どうぞ。 ○吉田委員 補足しますと三重県ではこの訪問看護支援事業を積極的にやっているのです が、木村委員がおっしゃられたように、入り口が大事でございまして、三重県は何で進んだ かといいますと、医師と看護師とケアマネを初めとする介護職の連携がどうしても大事だと 思っているときに、三重県は1人当たりの訪問看護の供給量が非常に少なかった。どうに かしないといけないなと県庁が思っているときに、この事業があるよというのが平成21年度 の予算の概算要求のころから見えていましたので、非常に渡りに舟だなと思っておりまし た。  県内にステーションの大多数が参加する訪問看護ステーション連絡協議会というものがご ざいまして、三重県の看護協会が二枚看板でやっていたのですが、ここが形骸化していっ たのですが、ここをてこ入れして、県庁のスタッフも入る、実際、私が理事として入りまして、 更に三師会にも加わっていただいて、ケアマネ協の会長さんにも入っていただいて、まず体 制を強化した。看護協会だけでやっていくとなかなか厳しいので、いろいろなメンバーに入っ てもらって取組みをしました。その結果がこういうところになっているかなと思っていますので、 一つのリーディングケースになるのではないかと思います。  以上です。 ○宇梶委員 やはりドクターの協力というのが不可欠だと思います。実は、茨城県の場合に は、訪問看護ステーションの協議会が医師会を中心につくられておりまして、その中心メン バーの中には、勿論お医者さんでケアマネ協会の代表もやっていらっしゃる方も入っていら っしゃるという状況でございます。  一方、本県看護協会の会長さんが、この事業の情報を入手して、ぜひやろうと積極的に 動いていただいて、医師会とうまく調整をしていただき、始められたと思っております。  医師会さんとの連携は、欠かせないような気がいたします。 ○川村座長 ありがとうございました。  ほかに何かこの件で御意見ありますか。 ○野中委員 今、木村委員の発言のように、入り口が大事と思います。三重県や茨城県の ように行政が理解されて応援されれば、そして当然、医師会も応援すれば実現できると思 いますが、訪問看護事業協会がいくら頑張っても、地域の行政が理解を示さなければ実現 できないと今の報告を聴いていると思います。しかし、介護保険の訪問看護サービスを行政 が中心となって進める意義に対する理解が大事なのではないでしょうか?つまり、またいつ もの話になってしまいますが、訪問看護サービスの重要性がまだまだ理解されていないとい うことに現状が起因していると思います。  自分の考え方を述べますが、訪問看護がなぜ理解されていないか。まだまだ、看護は医 療機関の中で提供されるものであり、地域で提供される意義に対する認識が不十分なので す。さらに医療者には現場で必要なことはわかっていても、まだまだ医療以外の他職種の 人々に、特にケアマネも含めて、ヘルパーさんや介護サービスを受ける利用者さんにはま だまだ理解されていないことが、私は大きいと思います。  上野委員の先ほどのこの事業の説明会には、看護協会や訪問看護のスタッフが参加す るのは当然として、さらに介護サービスの他職種の人が説明会に参加される事が大切と思 います。例えば三重県や茨城県では行政や介護サービスの様々な職種の人々が参加され ているのではないでしょうか?想像での発言で申し訳ないですが、その違いでもと思いま す。  看護という仕事は医療が提供される際にはとても重要なのは当然です。看護の役割には 療養上の世話と診療の補助がありますが、特に療養上の世話が、看護本来の重要な意義 があります。特に病院等の医療機関における療養上の世話が地域においてどの様に継続 されるかが大切であり、この事に対する理解がもっと拡大される必要があると思います。そ のためには地域の行政も含めて、介護保険サービスの他職種の人たちに、この訪問看護 の療養上の世話があらためて認識される必要があると思います。  しかし、病院や施設の中での看護が地域につながる必要性は今まで多く語られてきました。 我々医療専門職としては、在宅医療には訪問看護が必要ということは十分理解しておりま すが、残念ながら他の職種の人々やサービスを受けられる人にとって訪問看護の意義へ の理解はまだまだ少ないと思います。  今回の訪問看護支援事業の中で私が一番注目したのは、島根県の事業です。退院時連 携体制強化事業をあげているのはこの島根県だけです。上野委員から請求とかネットワー クとか、いろいろな事業が報告されましたがこれは、ある面では、訪問看護ステーションの 実務を支援するためには大事と思います。確かにその実務を支援することが、結果的には 訪問看護を受ける人にとって大事だという意味としては理解しますが、その前に患者さんが 病院から退院をして、そして地域で安定した生活をするためには、訪問看護が大事だという ことが理解される事が最も重要と考えます。また、訪問看護事業協会の提案するネットワー ク、大規模化など、そういうことの大事さは、訪問看護サービス提供者側は理解できますが、 サービス利用者側にとって十分理解できる事ではありません。  ですから、訪問看護が病院の療養から地域の療養にとっていかに必要であるかを、やは りきちんと利用者さんや地域の介護サービス事業者に理解してもらう事が大切と思います。 つまり、病院の看護師さんから地域の訪問看護師さんへの情報伝達システムこそ大切と考 えます。  病院の医師と診療所の医師の連携については、現状では当然のこととして理解されてい ますが、同様に医師以外の職種でもすなわち病院内の看護師・薬剤師等さまざまな多職種 がつながっていくか必要ですが、残念ながら現状ではまだまだ不十分です。  先ほど局長の冒頭のご挨拶でも言及されたように、365日・24時間の体制にも、訪問看護 体制も大事と思いますが、今回の報告では十分に語られていなかったような気がします。  先ほど木村委員の発言のように、入り口論が大事なのは当然ですが、そこには、看護協 会も医師会も同じと思いますが、訪問看護の大事をまだまだ十分理解していないところに、 この事業がなかなか展開されない原因があると皆さん方の御意見を聴いて思いましたので、 改めて原点に戻って事業展開をお願いします。 ○川村座長 実際にモデル事業の中での話もあったと思いますが。 ○上野委員 今日の報告には載せていないのですが、実際、モデル事業では、地域の訪問 看護ステーションが、病院から全然訪問依頼がないということがありまして、そこの地域は、 大きな病院が1個しかないんですね。そこをどうしようかということで、病院の中の訪問看護 部門とその地域のステーションの方々が集まってお話をしまして、病院の中の訪問看護の 方がコーディネーターの役をとって、訪問看護ステーションの管理者が週に何回か病院の 中に入って、それでそのセクションをもらって、それで退院の橋渡しをする。それから、病院 の中にラウンドに行くというようなことを実際行ったモデルケースがあります。それで、病院と の連携がうまくできて、今はそのコーディネーターがうまく橋渡しをしてくれているというふう に発展していったのですが、そういった事例はモデル事業で1件行いましたね。  確かに、先生がおっしゃるように大事なことだと思います。 ○川村座長 どうぞ。 ○野中委員 済みません、この事業が、訪問看護がいかに大事だと、看護師にとってでは なくて、介護を必要とする患者さんにとって、いかに必要であるかどうかを中心に展開すべ きと思います。 医師会で話題になる言葉に「訪問看護は介護保険に優先する」との言葉があります。医師 会で介護保険の話をすると、訪問看護が、介護保険が優先するために非常に使いにくいと 言われます。  この問題は、もう一つには、訪問看護サービスはケアプランに沿って提供されるとの意味 が十分に理解されていないことに起因すると思います。看護師さんも同様に考えている方も 多い。  先日、要介護認定の委員会がありました。その委員会で、介護の手間の大事さについて 厚生労働省から提案がありました。非常によかったと思います。患者さんの介護の手間を 多職種が協働して見つけ出す事こそ実は療養者さんの生活を支えることと思います。しかし、 現状では訪問調査員も特記事項欄に介護の手間を余り書いていないと報告されていまし た。  そこで本来は病院とか医療機関の看護師さんはもっと患者の介護の手間を知っているわ けです。しかし、この介護の手間に対する医師の記載が不十分な事は医師と看護師間の情 報共有が少ないことを意味します。在宅医療や介護の現場では調査員だけではなく、ケア マネジャー等様々な職種がいます。その職種みんなが集まって、そこで介護の手間を共有 することが大事であり、その作業を行うのがサービス担当者会議なんですよ。  同様に病院から退院するときには退院前カンファが必要でありそれは患者さんの介護の 手間を院内の職種で理解する事です。つまり、その介護の手間の把握こそが、現場で大事 と認識すべきと思います。今回の支援事業においても、この介護の手間を協働して見詰め 直すことを、支援事業の中心とされることも大事と思います。  冒頭からこんな提案までしてしまって申し訳ありませんが、なかなかこの訪問看護が進展 しないことが、残念でたまらないのです。 長くなって本当に申し訳ないです。すみません。 ○川村座長 別に、いい御意見をいただいておりますので、長くなったことを叱責するとか そういうことは全くなくて、ありがとうございました。  ちょっと司会者が意見を言っては申し訳ないのですが、例えば、具体的には参考資料1− 1の20ページの上のところなどですと、実際にサービスができるという条件になりましたら、b 町の方では、こんなに大勢、14人という人数の利用者さんが1カ月もたたないうちに手を上 げてこられたというような事実があります。ですから、この事業の趣旨としては、訪問看護が もっとサービスをできるように、自分たちの努力をした場合には、こういった効果があり、そ のことによって住民の方々にもっと理解していただけるのではないかというような、非常に地 道な努力というところかと思います。  それから、その同じ資料の最後の久留米市内の訪問看護ステーションの紹介というパン フレットなのですが、これは、ケアマネジャーの方々に、皆さんにお配りしまして、ケアマネジ ャーの方たちからも大変評価していただき、訪問看護ステーションは、どういう有効な手段 を持っているのかということをすぐ、一目でわかるということで、とても好評をいただき、その 後、具体的な説明をしに来いということで行っておられます。  先ほどのa町、b町のステーションの中でのことも同じようなことがあります。  それから、同じ資料の17ページのところにマニュアルをつくったというのがありまして、16ペ ージの下のところに、災害対策マニュアルの例という、これは例えばというもので、こういうも のをつくられました。これもケアマネの方にも配りましたし、利用者の方々にも配って、訪問 看護ステーションが具体的にサービスをしているだけではなくて、緊急・災害時にどう備えて いてくれるのかを示しました。実際に災害が起こったときには、自分の近隣のステーションで は同じように災害を受けているのでだめだと思って、どうしたものかと思っていたのが、その 隣の地域にも同じものを使ってくれているということが理解できたので、そのネットワークを 感じて、自分たちののっている訪問看護の広さというものを感じてよかったというようなこと を利用者の方にも言っていただいております。  先生方に御指摘いただきましたところも確かだと思いますし、それをどんどん進めていか なければいけないというのも十分やらなければいけないことだと思いますけれども、この事 業としてそこにどうリンクしていけるかというと、今のような具体的なところが、モデル事業と しては効果を持っているところとして御紹介させていただきました。追加です。  ほかに何か御意見があるでしょうか。どうぞ。 ○吉田委員 いろいろな取組みをやっていただいていると思うのですが、訪問看護の供給 を増やしていくためには、私は、行政の意識をどうしても変えないといけないと思っているの です。この事業が進むためには、実施主体は都道府県ですから、都道府県が訪問看護の 重要性を、まさに野中先生がおっしゃられるようなことを認識できるかどうかだと思うので す。  この事業自体は非常に重要なのかもしれないですが、そもそも論を言って恐縮ですが、ず っと老健局にはこれは言い続けているのですが、特に保険者である市町村が、その地域、 具体的には日常生活圏域で、在宅療養支援診療所を含めて訪問看護がこれだけ欲しいん だというようなまずビジョンが全くないのです。都道府県、市町村の計画を見ても、言葉は悪 いですが、福祉・福祉したような、介護の計画というと、在宅三本柱の昔のようなことばかり 認識しているような計画が多い。ここは絶対改めていかないと。まず問題意識を持ってもら うためには、もう第5期の計画のころから、在宅医療と訪問看護の供給目標を入れてほしい と、老健局にはずっと言っているのですが、そういうことでもやってもらいながら、都道府県 また保険者の意識を変えていかなければいけないのではないのか。  ちょっとモデル事業からはかなり離れるかもしれませんが、このそもそも論を変えていかな いと、いい事業かもしれないのでこれはやっていけばいいとは思うのですが、本質論に行か ないのかなと思っていますので、ちょっと補足させていただきます。 ○川村座長 ありがとうございます。何か御意見おありになりますか。 ○八田看護専門官 意見と申しますよりも、今回、47都道府県と一部政令市の方にも御参 加をお願いしたところでありますが、やはり市の方の御意見としては、次年度以降、県の事 業の進捗を見ながら市としても取り組んでいきたいというような御意向はありますが、市単 独でということではなかなか難しいとうかがっています。 ○吉田委員 今、モデル事業の話はどうでもいいです。市町村の個別の計画の中に、個別 の計画というのは、介護保険事業計画の中に、介護の色彩のみならず、在宅医療、在宅看 護の話をきちんと市町村が認識しながらやっていかないと、幾らやっても、訪問看護、在宅 医療は進まないと思います。 ○川村座長 どうぞ。 ○宇梶委員 ちょっと後ろ向きで大変恐縮でございますが、茨城の場合に、私どもが取り組 んでいるわけではなくて、看護協会さんと医師会さんに動かされてこの事業をやっていると いうのが実情でございます。茨城県44市町村のうち、不正確ですが、数カ所の市町村で訪 問看護ステーションゼロというところがございます。したがいまして、もともと一部地域におい ては、訪問看護というツールといいますかサービスを選択できないという現状があるのでご ざいます。そういう中で茨城県の場合、訪問看護ステーションが漸減している状況でござい ます。  看護協会長も私どもも、とにかくこのままポシャってしまっては大変なことになるということ で、何とか訪問看護を少し元気づけて、そして、やはり委員の皆様が仰っているように、訪 問看護が必要だという、需要の増加に結びつけていく方にというようなイメージで今やってい るというのが、私どもの実情でございます。 ○川村座長 どうぞ。 ○野中委員 だから、それは吉田さんが言うように、やはり地域の行政が、利用者さんに訪 問看護が必要でも、訪問看護が提供できない状況であれば、それは本当は行政の責任で すよ。そんな状況であれば行政は財源を用意してでも行政は訪問看護の看護師を集め住 民が地域で生活できるようにする発想が必要です。これは訪問看護だけではないですよ。 それは医療だって同じですよ。住民の安心と安全に地域格差があったら困るわけですから、 それは行政が、本当はそこで最終的にはどうにかしなければならないという視点が大事だと 思います。  だから、そこが、まさに吉田さんが言うように介護事業計画であり、地域医療計画ですよ。 これらの計画が住民のニーズと合致していないところに、本当は問題があるのと思います。 当然、茨城の方でも、そうやってそこで御苦労されていることは十分理解できますが、本当 はそこが大事であって、そこは各々の関係団体が、住民のニーズに対して意見具申する事 が必要で、その住民のニーズに対する供給をきちんと計画を持って、行政に提案していくこ とが大事と思うんです。  ちょっと発言した次いでにもう一つ僕がお聴きしたいのは、実はこれは衛生材料の話で、 これは上野さんといつも議論しています。衛生材料は本来は、ここに課長がいるからあれだ けれども、本来は、在宅療養指導管理料算定者である医療機関が、その材料を訪問看護 ステーションに対して提供していくことになっています。しかし、現実にはその様に実行され ていない、これはある面ではまだまだ十分にこの仕組みが理解されていない事を示してい ます。自分の診療所でも訪問診療を実施していますが、訪問看護ステーションに対して、い ろいろな材料を用意するのですが、うちの診療所の看護師が用意してくれるので、材料の セットには困りませんが、普通の診療所では困難な現状もあります。  だから、今後は訪問看護ステーションが用意すべきなのか、あるいはどこが用意すべきは、 僕はきちんと整理する必要があると思います。課長としてその辺の答えができるかどうかは 別としても、この医療材料が、医療機関が十分に提供していないという現実もあって、その 現状では訪問看護ステーションが迷惑している体制を続けて良いのかどうか検討する必要 もあると思います。  その辺について、何かお考えがありますか。 ○宇都宮老人保健課長 そうですね、突然振られてしまって、余り答えも用意できないんで すが、野中先生の問題意識は非常によくわかるんですけれども、今のお話は、どっちかとい うと、今の法制度を超えてみたいなお話になってくると思うんですね。ちょっと役人くさく言え ば、今回の検討会は、そこまでは踏み込まずに、とりあえず既存の枠の中でどこまで支援 が可能かということについて、まず御検討いただきたいという趣旨ですので、問題意識は勿 論わかりますし、そういう課題があるということでしょうけれども、ちょっとその辺については、 申し訳ございません。 ○野中委員 一応、この上野さんの報告の11ページの医療材料等供給支援事業に関して は、少し、それをどうやってサポートするかというか、具体的なことまでではなくて、支援する 必要があるかどうかという理解でいいですか。 ○宇都宮老人保健課長 そうですね。制度変更というところまで行かずに、既存の制度の 中でどこまで支援できるか、あるいはいい方法は何があるか、そういうことを御議論いただ きたいと思います。 ○木村委員 今の関連で、三重県と滋賀県で薬剤師会、もっと言うなら、薬剤師会の会員 薬局等々で、この辺を具体的にやろうとしています。また、日本薬剤師会も、まずモデル的 にやっていただいた後、課題等を抽出し支援していく方向で検討しています。それは、薬事 法上、この扱いは、薬局の責任であるということもあるからです。だから、次回、別な研究班 でトライアルをやったものがあるので、ここで報告をしなければならないと考えています。ま た、今、この支援事業で走っている三重県さんとか、滋賀県さんとか、兵庫県さんとか、そこ のところを見守るだけでなく、少しかかわりながら、現状の薬事法の中でどこまで支援でき るのかということを、具体的に次回お話ししなければならないと思っているところです。薬剤 師としてです。  先ほどの上野委員の説明の中で私がちょっとわからないというか、ちょっと違うのではな いかというところを質問させていただきたいんですが。同じこの参考資料1−1の5ページの 大規模化モデルで統合しての統合のデメリットがあって、その中に、スタッフの管理が大変 になったというのは何となく理解できますが。次の「主治医とケアマネジャーとの連携に時間 がかかる」というのはちょっと理解できないんですね。 ○上野委員 それは利用者が多いから。利用者が多くなれば、それだけ時間がかかるわけ でしょう。だって、180人も利用者があれば、それぞれのケアマネジャーが全部同じ人ではな いので、そこのところの時間がかかる。 ○木村委員 そういう意味なんですね。そうすると、ネットワークがうまくいっていれば、それ はもう。 ○上野委員 だから、それはシステムをつくっていくんだというふうに思います。 ○木村委員 そうしたら、そこは解決できますね。 ○上野委員 そうです。そういうことです。 ○木村委員 それからもう一つ、次のページに、ネットワーク化のモデルで、センター業務と いうのは、ハードの意味でのセンターと、それから中心という意味のセンターとあると思うん ですけれども、先ほど野中委員と吉田委員からの提案で、このネットワークを組むエリアを どのぐらいの範囲でいけばよいのかなと。今やっている途中かもしれませんけれども、日常 生活圏域と先ほどの市町村介護保険事業計画のところはそれでいいと思うんですが、実際、 経営ベースから考えれば日常生活圏域では狭過ぎるのではないかという気がしています。 ですから、日常生活圏域向こう3軒両隣とかのエリアで見る、また人口当たりで見るとか、エ リアをどう広げていくのかということで、そういうパターンを何個か提案していただいた方が いいかなと思って話を聴いていました。 ○上野委員 昨年のモデル事業なんかで、大阪なんかは区ごとみたいな感じでしたね。大 阪の区がどれぐらいの人口かちょっとわからないんですけれども。 ○木村委員 たぶん10万人とか20万人単位でしょうね。 ○上野委員 多分ステーションがある、何キロ圏内というのはないですね。調べなかったで すね。どうだったでしょうか。 ○木村委員 今すぐということではなくて、段階的に調査していただければと考えます。 ○川村座長 それは、結局、訪問できる距離ですね。 ○上野委員 あと、ネットワークの内容にもよると思うんですよ。例えば、請求事務のような ものは、離れても全然関係しないと思うんですけれども、そうでないものは、ある程度近回り、 例えば、今回は出てこないんですが、例えば24時間のネットワークを組むとしますよね。そう すると、5つぐらいのステーションのネットワークであるとか、それは利用者の把握の問題が あるので。そうすると、例えば5キロ圏内とかというふうになるのかもしれないですね。そのス テーションがあれば。 ○木村委員 それから、医師会立の訪問看護ステーション、それから看護協会立の訪問看 護ステーションについてですが、今、各職能団体が公益法人改革をやっていますので、一般 社団法人に行くのか、公益法人に行くのかというのがあるかもしれませんけれども、公益事 業としてこういうネットワークの支援をするという、このモデル事業にトライアルして、ある程 度、スケールメリットを出して地域住民のためにやっていくというような提案をしてもらっても いいのではないかと思っています。民間というか、多分、医療法人かどこかの大きなところ をモデルとしてやっているかもしれませんけれども、こういう、言葉はちょっと不適切かもしれ ませんが、半官半民的なところでエリアを1つ決めていただいて、核になるものをつくっても らうというモデルがないと、弾みがつかないと思います。特に、私は、看護師が集まらないと いうことを聴いていますと。看護協会にはナースバンクもあるわけです。ただ、夜間の勤務 をやりたくないとかそういう話は聴いていますけれども、人材バンクと看護協会立とセットで 各県最低1個ぐらいやってみるみたいな、そうしないと進まないのではないかと思うんです ね。 ○上野委員 多分、おっしゃるように、センター機能を持つところは医師会立のステーション であったり、それから大型のステーションであったり、それから協会立のステーションであっ たりという形になるのかなと思っているんですね。  多分、茨城が非常にいい動きをしていらっしゃるのは看護協会が拠点を持ちながら進め ているからだと思います。ですから、そういうふうに強力に推進してくれる、例えば都道府県 看護協会なり医師会なり、そういうステーションを持っているところが中心になると比較的事 業を進めやすく、どこかの法人がやりますというと、やはり利害関係ではないんですが非常 に難しいかもしれないですが、やはりそういう半公的なところがやるということは、センター化 するときに非常にいいのかなと思います。それから、人材確保をするにしても、コールセンタ ー事業をするにしても非常にいいのかなとは思っています。  それと、済みません、もう一ついいですか。先ほど木村委員がおっしゃっていた、野中先 生がおっしゃった医療材料のところも、たしか厚生労働省より1回文書が出ましたよね。そ れから医師から衛生材料が供給されるようになってはきていますが、やはりタイムリーにと いうわけにはいかない。例えば利用者がカテーテルを必要になったから、はい1本カテーテ ルというのは、先生の方も大変なんですよね。1本だけ購入するわけにいかないので、ロッ トで購入しなければいけないという問題があります。それがいつも引っかかるところです。で すから、そういうことを解消するために、このセンター化があって、センター化したときには、 そこにきちんと薬剤師がいなくてはいけない。それが薬局なのかどこなのかわからないです が、こういった供給システムができて、スムーズに配信できれば、先生方も助かるし、かつ ステーションも助かるしということができるのではないかと思っているんです。 ○野中委員 だから、それは、変な言い方だけれども、倉庫としての意味、在庫する場所と しての意味でしょう。 ○上野委員 そして配達をするというような感じです。わかりませんけれども。 ○木村委員 そこは、薬事法上の問題がありますから、いわゆる野中委員がおっしゃった 倉庫の感覚ではなくて、地域の薬局が医療材料等の流通をやると言うことです。しかし、現 状では、薬局全件の対応は無理です。在庫の関係とか、カテーテル一つ一つの管の太さと かが違い、物すごい種類を用意するといったら採算ベースに合わないのです。ですから、薬 局側も、中核となる基幹薬局的なものを、エリアをある程度決めて整備していくということで 協力していかなければいけないと考えます。エリアとエリアがうまく重なっていけばいいです けれども。 ○川村座長 ちょっと余談に入るかもしれませんけれども、木村先生、宮崎県のつばめ薬 局さんなどは、なかなかそこのあたりを具体的にうまくやろうとしてくださっていると思うので、 是非ああいうやり方でも広がっていくといいなと思っております。 ○野中委員 そういう話がされるのは行政が訪問看護を支援する必要性が理解されない事 と思います。ですから、ややもすると行政は、やはり訪問看護を支援するということに対して 抵抗感があると思います。むしろ訪問看護を通じて住民を支援することへの意義を理解し ている行政と、理解しない行政との違いが、支援事業が広がらないという理由ではないのか なと思います。  だから、今の話も、在庫もそうですし、ネットワークの話だって、それはいわゆるネットワー クでなくて、最後のa町とb町の件だって、ある面ですれば、介護保険では2つとか3つとか やることは、ケアプランできちんとやればできるわけですから、実際的に患者さんが適切な サービスをつくるための話になればいいが、どうもそうではない形として理解されているので はないのかと説明を聴いていて思いますので、改めて、やはり地域住民が安心して地域で 住める事を支える事業として説明される必要がると思います。 ○木村委員 これは、私の立場で非常に言いにくいんですけれども、やはり利用者さんを支 えていくときに、訪問看護で、それから訪問介護でといったときに、1割負担のことを考えて いって、本当に医療上の補助とかそういうことはちょっと置いて、例えば入浴とかそういうと ころを考えたときに、訪問介護の方にどうしてもシフトしてしまうんですよね。これは、値段の 問題、値段というか、評価の問題はちょっと置いておいて、ずばり訪問看護と訪問介護の違 いがわかるようなパンフレットをもっとはっきりくっきりつくって啓発しなければいけないと思う んです。それは、どっちがいいではなくて、両方なければだめだと思っているんです。  というのは、局長は帰られましたけれども、本当にこれからひとり暮らしの在宅での看取り ということを考えていくと、訪問診療と訪問看護と、それから訪問介護、そこにケアマネジメ ントが入ってこなければいけないという形になるので、両方必要なんですよね。ところが、ケ アマネジャー側からいくと、いろいろ話をしていくと、では、訪問介護でいきましょうねというよ うな格好にどうしても流れはなっているんですけれども、やはり訪問看護の特徴というので はないですね、業務独占的なそこが何なのかというところをもっと明確に出したパンフレット もつくっていただいて、ケアマネジャーだけではなくて、利用者さんに啓発していくというよう なこともやっていただければと思います。 ○川村座長 ありがとうございました。  ほかに。時間も少ないのですが、もう一つ、どうぞ。 ○上野委員 済みません、この検討会は、支援事業をある意味、普及させていくという目的 もあると思うのですが、問題は今年度実施しているのは11県で次年度は3県ぐらいしか手あ げしていない状況ですので、47都道府県が皆さん手上げするためにはどうすればいいかと いう点です。例えば、よくステーションの方からは、自分たちはやりたいと思っても、県が手 上げしてくれないと耳にします。実際やっていらっしゃるところは本当に一生懸命やってくだ さっているので、今度の中間報告会で、報告していただくものをまだ実施していない都道府 県に聴きに来ていただきたいと思って計画しているわけですが、まだ手上げしないところに 関して、どういうアプローチをしていけばいいかということです。 ○木村委員 すごいシンプルに、都道府県の看護協会さんと訪問看護の組織が県庁さんに 行って、やるので申請してください、こういうアクションを本当に起こしてもらいたいと思いま す。例えば、私どもが情報を持っていて、いい事業だからやりましょうよと言うよりは、やはり 当事者の組織が動いてくれないと支援もできないと思います。やはり訪問看護というものは すばらしいんだ、だから、これを振興するためにということを是非、都道府県の看護協会さ んと訪問看護の組織と連携を取ってやっていただければと私は思います。 ○吉田委員 これは、国10分の10の事業なので、そのようなアクションを起こしてもやらない 都道府県は、要はやる気がないだけなので、まずはしっかりアクションを起こしてもらえれば と思うんですが。  三重県は、我々、行政から、また医師会も入ってもらいながら、これは絶対やらなければ いけないといって動き出して、逆に看護協会を動かした部分がありますが、是非、地域には 看護協会があるわけですので、やりたいと思っているステーションがあるようであれば、そ れを地元の行政に言っていくということがまず大事だと思うのです。  我々言われたら動きますけれども、それでも動かない都道府県があるのだったら、逆に厚 生労働省に言って、厚生労働省から県名を公表してもらったらいいのではないですか。 ○宇梶委員 私どもは、木村委員が仰られたように、看護協会さんに動かされたのでござ います。平成23年度からということであれば,予算要求にゆっくり間に合いますので、吉田 委員の仰るとおり、いろいろな方がやれとかということのアクションを起こすということなのか なと思います。 ○吉田委員 ちょっと使いにくいのが、2年間、2年間でやるんですかね。22年度、23年度で やるという都道府県も認めてあげたらいいのではないかと思うのと、もう1個、前もちょっと お話をさせていただきましたが、三重県は早く動いたんですけれども、1年目、結局、準備で ほとんど終わってしまっていたというのがありますので、もし可能であれば、やる気のある都 道府県だったら3年目も可にしてもらえると本当はうれしいというふうに、これは要望を言わ せていただきます。 ○八田看護専門官 平成22年、23年というところも、当初は21、23という方針でおりましたけ れども、御紹介しましたように、本年度に11県というような状況もありまして、できればたくさ んの都道府県、取り組みやすい時期に取り組んでいただきたいということもございまして、 22年度からの開始もお願いしたいということでしております。 ○川村座長 大変ありがとうございました。予定の時間までに7〜8分というようなところに なってしまいました。最初は余り御意見がないだろうからというような不安も漏れ聴いてはい たのですけれども、大変に強い御参加をいただきまして心強く、うれしく思っております。あり がとうございました。  本日は、何かをまとめるということではなくて、現状を理解していただくということと、この支 援事業の中身について御理解をいただくということ、そして、皆様方からの差し当たっての 御意見をいただくというようなところでございましたので、2回目につきましては、もう少し焦 点をつくって議論をさせていただきたいと思っております。  では、本日はこれで終わりにしたいと思いますけれども、何か事務局からお話があるでし ょうか。 ○小林老人保健課長補佐 次回の日程、それから場所等につきましては、委員の先生方 には、追って調整の上、御連絡させていただきます。  本日は、お忙しい中どうもありがとうございました。 ○川村座長 お忙しいところ、どうもありがとうございました。 照会先  老健局老人保健課 橋本  連絡先:03−5253−1111(3989)