09/12/25 第54回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録        第54回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 日時 平成21年12月25日(金) 17:00〜 場所 厚生労働省6階共用第8会議室 ○清家部会長 委員の皆様がお揃いですので、ただいまから、第54回雇用保険部会を開催 いたします。本日の出欠状況ですが、西馬委員がご欠席です。なお、事務局に異動があり、 吉田課長補佐が就任されていますのでご紹介いたします。  また、本日は資料の関係で、職業能力開発局能力開発課の小野寺課長補佐にご出席いただ いております。  本日の議題は、前回に引き続き、「雇用保険制度について」です。本日は報告事案につい てご審議いただいた後、緊急人材育成支援事業の最新の状況について事務局にご報告いただ きます。報告書案につきましては、前回の議論を踏まえまして、私と事務局とで相談し、修 正したものを準備していただいておりますので、修正点を中心に事務局からご説明をいただ き、その後、質疑に入りたいと思います。 ○篠崎雇用保険課課長補佐 それでは資料の説明をさせていただきます。資料1をご覧くだ さい。修正点ですが、資料の3頁目をお開きください。(2)の遡及適用の記載の部分ですが、 前回、表題として「雇用保険に未加入であった者への対応」というように記載しておりまし たが、遡及適用される場合というのは、労働者の意思ではなくて、事業主が手続をしなかっ たことにより起こっていることですが、労働者の意思のように見えてしまうのではないかと いう趣旨のご指摘がありましたので、「であった者」というのを「雇用保険に未加入とされ た者への対応」というように表題の修正をしております。  続きまして5頁です。5頁目の○の1つ目ですが、「こうした中で」としていましたのを、 「また」というようにしています。  1つ目の○の3行目ですが、「財源不足を解消するための方策を検討する」としていまし たが、「早急に検討する」というようにしています。  前回の資料のあとには、1つ目の○のあとに、もう1つ○がありまして、「失業等給付が 増加していて、取り崩す状況にはなっているけれども、積立金残高も約4兆8,000億と見込 まれる」ということで、失業等給付の積立金の残高について記載をしておりましたが、こう いった記載があると、積立金があれば貸せるのかと思われるのではないかという趣旨のご発 言、ご指摘がありましたので、積立金についての記載の部分は落としております。  その上で5頁目の2つ目の○ですが、積立金があるから貸すということではなくて、ごく 例外的に今回は貸し出しをするということ、その前提として、失業等給付の財政の安定的な 運営が妨げられないことを、もう少し明確にしたほうがいいのではないかという趣旨のご発 言がありましたので修正をしております。  具体的にご説明いたします。「こうした状況や国の厳しい財政状況」と書いておりました が、ここを「きわめて厳しい」というように言葉を修正しております。  この4行目ですが、「暫定措置として」の前に「失業等給付に係る財政の安定的運営が妨 げられないこと及び早期に返済がなされることを前提に、緊急的かつ例外的な暫定措置とし て」というように修正をしております。修正した部分を通して読ませていただきます。「こ うした状況や国のきわめて厳しい財政状況を勘案すると、雇用保険二事業の財源不足の解消 にあたっては、失業等給付に係る財政の安定的運営が妨げられないこと及び早期に返済がな されることを前提に、緊急的かつ例外的な暫定措置として、雇用調整助成金等のために必要 な額について、失業等給付に係る積立金から借入れを行うことはやむを得ないものと考える」 以上が修正点の説明です。 ○清家部会長 事務局から前回読み上げていただきました部会報告(案)の中で、前回のご 議論を踏まえて、今回修正をした点を中心にご説明をいただきましたが、何かご意見はござ いますでしょうか。 ○長谷川委員 前回指摘した表題のところを直していただきまして、どうもありがとうござ いました。この報告(案)は、ほぼ概ねこれまでの審議の状況を反映していると思っており ますので、私どもはこれで良いと思います。 ○清家部会長 ありがとうございました。使用者側は何かございますか。 ○遠藤委員 使側としてもこれまでの審議状況を十分踏まえた報告書の取りまとめになっ ていると思いますので、了承致したく思っております。 ○清家部会長 ただいま労使双方から、基本的にこの原案に了解をいただきましたので、雇 用保険部会の報告はこのように取りまとめることとしまして、今月の28日の職業安定分科 会にご報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。                 (了承) ○清家部会長 ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます。  今回は7月から雇用保険部会の議論を開始していただきましたが、皆様のご協力を得られ た結果、このような形に取りまとめることができまして、本当にありがとうございます。部 会長としても厚く御礼を申し上げます。  事務局から何かございますでしょうか。 ○森山職業安定局長 一言御礼のご挨拶をさせていただきます。皆々様には、いま部会長か らもありましたように、7月以降、精力的にご議論を賜りまして、また今日は報告として取 りまとめていただいたところでございまして、あらためて御礼を申し上げたいと思います。  今回の見直しに関しましては、非正規労働者が増大をし、また大変厳しい雇用情勢の中で、 非正規労働者に対するセーフティネットの強化、あるいは雇用保険財政の強化につきまして 方向を示していただいたところです。政府としましても何よりも雇用対策は重要で、重点を 置き、スピード感を持って対応をしていきたいと思います。これから必要な関係法律の整備 をやってまいりますが、年明け早々にもこの法律案要綱としてまたご議論いただきたいと思 います。  今日ものちほどご説明させていただきますが、訓練期間中の生活保障制度の恒久化につき ましても、本日の報告を受けまして、年明けに具体的な制度設計につきまして、またご議論 をいただきたいと考えています。引続きでございますが、ご指導のほどをよろしくお願い申 し上げます。以上簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。 ○清家部会長 ありがとうございました。ほかに事務局からありますか。 ○篠崎雇用保険課課長補佐 繰り返しの部分もありますが、進め方について1点補足をさせ ていただきます。今回取りまとめていただきました報告書につきましては、部会長からお話 がありましたとおり、28日の職業安定分科会に報告をすることを予定しております。また、 年明けには、この報告を基に作成いたしました法律案要綱の諮問という手続きを予定してお ります。雇用保険部会におきまして、法律案要綱についてご審議をお願いすることとなりま すので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○清家部会長 では、そのような取り計らいになりますので、よろしくお願いいたします。  次に緊急人材育成支援事業につきまして、11月の当部会の際にご指摘があった、事業実 績などのデータについて、事務局に資料を準備していただいておりますので、資料に沿って 説明をお願いいたします。 ○篠崎雇用保険課課長補佐 資料2をお開きください。資料2の全体構成ですが、1頁〜4 頁までが制度の概要的なものです。5頁〜7頁が訓練コースの関係の説明資料、8頁目が応 募状況、9、10頁は給付の状況を示しています。11頁が、この給付制度と併せて融資制度 の説明です。  資料の1頁目から簡単にご説明させていただきます。資料の1頁は、緊急人材育成・就職 支援基金の事業を概要図で示しているのですが、網掛けになっている実績の部分です。訓練 の認定済み定員が50,226人、受講予定者を含む受講者ですが、36,494人、給付の関係で受 給資格を認定した件数が13,584件ということで、12月22日現在の数字を記載しておりま す。  2、3頁は既存の資料で、コースの概要を示しています。  4頁はこの給付制度のあらましということで、単身者であれば10万円、被扶養者を有す る方は12万円という制度の概要を示しています。  5頁です。訓練のコース設定の関係です。12月22日時点で、12月のコース数が609コ ース、12月の定員数が12,503定員ということで、合計がコース数が2,374、定員数が50,226 人ということで、定員数で見ていただくとわかるように、7月以降、順調に定員数も伸びて います。  6頁です。これは認定した訓練にどういうコースがあるかということで、実践演習コース の内訳について、また細かく出しています。実践演習コースの内訳といたしましては、多い ものとして、介護福祉分野が157コース、定員数は4,018人、医療事務が148コース、定 員数が3,506人、IT関係が153コース、3,383人となっております。  7頁です。こちらは都道府県毎のコース設定、定員数を示しています。  8頁は基金訓練の応募状況です。月毎に7月から12月までのコース数、定員数、応募者 数、入校者数、応募倍率、定員充足率を記載しています。まず合計で見ていただきますと、 職業横断的ITスキルコースは、応募倍率としては0.91倍、定員充足率が72.4%となって おります。その下の基礎演習コースは、応募倍率が0.80倍、充足率が66.5%、実践演修コ ースにつきましては、応募倍率が1倍を超えており、1.17倍、定員充足数は79.7%となっ ております。実践演習コースの内訳を見ますと、介護系がいちばん高い倍率で、1.51倍、 充足率が89.5%、医療事務系が応募倍率が1.20倍、定員充足率が82.2%、情報系が応募倍 率が1.19倍、定員充足率が83.3%となっております。合計としましては、応募倍率0.99 倍、定員充足率が74.3%となっております。  これを月毎に見ますと、充足率の小計欄を見ていただくとわかりますように、7、8月は スタートしたばかりということで、定員充足率が54.9%でしたが、9月は73.8%、10月の 小計が79.2%、11月が73.8%、12月の小計が77.8%ということで、順調に推移をしてい るのではないかと思います。  続きまして9頁です。訓練・生活支援給付の受給資格認定件数です。これも7月から12 月まで記載しております。全体としましても、7月の34件から12月の4,502件まで、順調 に伸びており、合計で13,584件の受給資格の認定をしております。そのうち基金訓練を受 講した方と、従前から設定されているような公共職業訓練の受講者です。その内訳を見てい ただきますと、トータルとして、基金訓練受講者が7,211人、公共職業訓練の受講者が6,373 人と、概ね同程度になっております。推移としましては、当初は公共職業訓練の受講者数が 若干多い状況でしたが、12月だけで見ると、基金訓練の受講者が3,050人に対して、公共 職業訓練の受講者は1,452人ということで、基金訓練の受講者が多くなっています。  続きまして10頁です。訓練・生活支援給付・受給資格認定者年齢別分布です。単身、扶 養者ありと分けていますが、合計で見ていただきますと、年齢層でいちばん多い者が30か ら39歳が4,737人、40から49歳が3,902人、20から29歳が2,209人というようになっ ています。単身と扶養者ありの区分で見ますと、単身の場合が9,119件、扶養者ありが4,465 件ということで、単身のほうが倍ぐらいの数になっています。  11頁です。訓練・生活支援資金融資実施件数です。8月が59件、9月が158件、10月が 353件、11月が367件、12月が431件、合計で1,368件と、融資につきましても、月を経 る毎に増加をしている状況です。以上が資料の説明です。 ○清家部会長 ありがとうございました。ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問 等ございましたらお願いします。 ○野川委員 この基金事業で行われている基金訓練の実施主体がいくつかあると思います が、実施主体毎の実施運営の状況について、何かいまわかっていることがあったら、教えて いただきたいというのが1つです。まずそれをお聞きしたいのですが。 ○小野寺能力開発課課長補佐 実施運営状況といいますと、具体的にどういうことでしょう か。 ○野川委員 例えば、どういう実施主体が多くて、どれがそういう所に集まっているとか、 どういうところが円滑に運営しているのが目立つとか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 いま、手元に整理したものがないのですが、もともとの細か いデータは蓄積しております。学校法人上の教育訓練機関や、株式会社系、NPOや個々の 事業主といったようなある程度の分類は可能かと思いますので、できましたらお時間をいた だいて、また報告できればと思います。 ○野川委員 これは希望ですが、もちろんこの報告書の内容それ自体に対する要望というよ りも、「訓練期間中の生活を保障する制度の恒久化について」のところのいちばん最後の○ に、「このため、給付対象者の範囲、給付の内容をはじめとする制度の基本的な仕組みにつ いて、早期に具体的な検討を進めていく」とありまして、もちろんこの制度の基本的な仕組 みの具体的な内容として、給付対象者の範囲、給付の内容を最初に挙げていることには、異 存はありませんが、「をはじめとする」とありますので、その中身として実施運営の主体に ついて、恒久化に当たって、もう少しきちんと精査をして、効率的に、また成果が十分にあ がるような、どういう対応の仕方があるといったことも、この中に含まれていると私は理解 したいと思いますので、そういった観点での対応を、お願いできたらと思います。 ○坂口雇用保険課長 先ほど局長からありましたように、具体的に雇用保険法の法案のご審 議をいただいた後に、訓練期間中の生活保障制度の具体的な制度設計についてご議論をいた だくわけですが、それに当たりましては、前回以来、いろいろデータ的な材料等を示すよう にというご指摘もいただいておりますし、いま野川委員のご指摘も含めまして、できるだけ 私ども能力開発局も含めてご提示できるようなものを精査した上で、ご議論に資するような 形で準備させていただきたいと思います。 ○清家部会長 ではそのようによろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。 ○豊島委員 いまのことに関して、それぞれ事業主体が受けていただいて、訓練を始めてい ただいていると思うのですが、その出口といいますか、成果がやはり大事だと思うのです。 この緊急人材育成支援事業の対象者と、一般的に職業訓練を受けた離職者訓練の皆さんとは また少し層も違うのかもしれませんが、それぞれの事業主体で訓練をしていただいて、それ がどのように就職に結びついたかというチェックがとても大事になるのだろうと思います ので、それもよろしくお願いしたいということが1点です。  もう1つは、この資料を見せていただきますと、特に4頁で「訓練・生活支援給付のあら まし」ということで、訓練を受ける方に対する給付についてはよくわかるのですが、一方で 実施していただいて認定されたところに、奨励金が支給されるというように聞いています。 そのこともちゃんと制度の中に見えるようにしておく必要があるのではないかと思います。 もちろん新しくやっていただくわけですから、インセンティブというのは当然必要になって くるのだと思いますが、やはりこれを機会に1つお金儲けでもしてやろうかというようなこ とを思う方がいないと思いますがゼロではないと思います。そういうことについても、あま りチェックが厳しいのではないかと思うと手を挙げる方がいないというのもまた困るので すが、やはりこの目的がちゃんとまっとうされるようなチェックシステムが大事になろうと 思いますので、その辺についてもご考慮いただければと思います。これはお願いでございま す。 ○清家部会長 事務局から何かありますか。ご要望ですので。 ○坂口雇用保険課長 いま豊島委員がおっしゃったとおり、法律でどこまで書くかというの とは別として、事業全体としてどのような制度設計をするかということは非常に重要で、そ の点では最終的にこういった方の訓練というのが、就職にどう結びつくのかという観点は、 制度設計の上でも重要な観点かと思いますので、そういったところにつながる資料も精査し たいと思いますし、いまご指摘のありました、訓練実施主体に対する奨励金も、今日お出し したものは、11月にご指摘があった点を中心にお示ししておりますので、省略をしていま すが、データ的なものはお示しできていませんが、9月頃にお示しした資料には、訓練実施 機関に対して、初期費用の助成をしたり、訓練実施に係る受講生一人当たりの助成をすると いうようなスキームも載せさせていただいておりますので、そういった状況も含めて、また ご議論していただければというような形で準備したいと思います。 ○小野寺能力開発課課長補佐 就職率については前回もご紹介したところですが、基金訓練 においては、公共訓練とは違って、連続受講という可能性がありますので、まず修了時点で 引続き訓練を希望しているかどうかという確認も含めまして、一旦就職状況を把握しており ます。それと併せて公共職業訓練と同様に、訓練修了後3カ月の時点までに就職をされたか どうか、その2段階で把握をしております。いちばん新しいデータとして取り揃うのが年明 け早々なのですが、事業開始から11月に修了した訓練までの修了時点での状況が取りまと められていますので、また近いうちに報告できるかなと思います。  7月29日と8月3日に開講いたしました、いわゆる立ち上げ時の訓練につきましては、 修了時点の状況について、全数ではないのですがざっと見た限りでいいますと、大体12% ぐらいの方が就職していると。いわゆる公共職業訓練ですと、公表ベースとしてのきちんと した数字はないのですが、これもいくつか聞いた感じですと、修了時点で9%ぐらいという ことなので、逆に公共よりは修了時点での就職支援は若干高いという状況になっておりまし た。また正式に11月末までの部分が出揃いましたら、ご報告申し上げたいと思います。 ○長谷川委員 いまの基金事業を恒久法にするときに、いまだと能開協会に委託しているの だと思うのですが、今後の制度設計というときに、それをどうするのか、今日の資料では見 えないのです。したがって次回から議論するときに、もう少し能力開発分科会で議論をして いるような資料もここに出していただきたいと思います。やはり能開協会が駄目だという意 見もあって、では、どこがやるのかというのと、どういうことをやるのかということと、社 会的事業、企業というか、NPOというのか、そういうのもいろいろと言われているような のですが、社会的な事業をするNPOだとかというのがどういうものなのか、具体的にもう 少しここで議論できるような資料を是非出していただきたいと思います。能力開発分科会と 同じような資料がないと、実際ここの議論がかみ合わなくなるのではないかと思います。そ れと、この分科会で議論するのと、能開分科会の議論は、どういう関係があるのかも教えて いただけますか。雇用保険部会で何をやって、能力開発分科会で何をやるのかも教えてくだ さい。 ○坂口雇用保険課長 まず全体の給付金に関わる制度設計そのものについては、当部会でご 議論をお願いしたいというのが基本ですが、いまもご指摘ありましたように、公共職業訓練 との関わりでいまも基金訓練をやっているような部分を、どういう形で今後民間の力を使い ながら、訓練の実施主体としてこの給付金のスキームの中に位置づけていくかというような ことについては、能力開発分科会でもご議論をされるということになってくるかと思います ので、その点について、いまの段階でどういうオーバーラップと申しますか、それぞれの議 論をフィードバックしながらというのは、まだ整理できていませんけれども、能力開発分科 会のほうでも、今後いろいろな訓練の実施主体の問題も含めてご議論がされると聞いており ますので、事務局のほうでそちらのほうの議論の状況を、うまくキャッチしながら、こちら のほうにもお伝えするというような形でご議論していただければと思います。 ○長谷川委員 あと、能力開発分科会が職業訓練の議論をするときに、私も東京に住んで、 東京の空の下で考えるのですが、やはり全国規模で考えると、北海道から沖縄まで入れて、 47都道府県で漏れなく同じようなサービスが受けられるような制度設計をすることが必要 なのです。以前、能力開発分科会で能力開発についていろいろな議論をしたときに、東京は 何でもありますし、ほぼそれに近い形で大阪もあるのですが、例えば、地方に行くと、なか なかそういうことをやる機関や施設がないということも、能力開発分科会でも言われていた ことがあるので、やはり議論するときに、もう少し事務局も、全国北海道から沖縄までやる のだという資料を意識して作ってほしいのです。東京はとにかく何でもある。ないものはな い。民間のいろいろなコンサルティング会社もあるし、様々なものがあるし、地方自治体な んかも、力があって何でも東京や大阪はできるのですが、47都道府県を見ると、そこは凸 凹があるので、全体的な議論ができるような資料の提出をお願いしたいと思います。 ○清家部会長 では事務局にはそのようにお願いいたします。ほかに何かありますか。 ○岩村委員 先ほど豊島委員が言ったことと同じで、やはり次の訓練のための訓練にならな いように、就職にいかに結びつけるかというのは、よく考えなくてはいけなくて、例えば、 いまやられている実践演習系も、これが本当に就職に結びつくかというのは、検証しながら 取捨選択していくということがどうしても必要なので、その辺をうまく制度設計なり、動か していく上で、何か工夫が必要なのかなと思います。  もう1点お聞きしたいのですが、今日出ている数字の中で、後ろから2枚目ですが、訓練・ 生活支援給付・受給資格認定者年齢別分布というのがあって、単身者がかなり多い。比較的 単身者も30代がいちばん多くて、50代まで広がっているというのが出ているのですが、難 しい質問だろうと思うのですが、こういう分布が出てくるというのは、この制度を立ち上げ たときのイメージと合っているのか、それとも違っているのか、そこがどうなのかという気 がするのですが。というのは、このイメージが狂っていると、たぶん制度設計自体を考え直 さなければいけないという気がするので、作ったときのイメージと合っているのかどうかと いうのを、もしわかればということなのですが、お聞かせいただければと思うのですが。 ○小野寺能力開発課課長補佐 まず年齢分布で申し上げると、おそらく30代から50代層 ぐらいまでの方ということで、特にどの層を意識しているような訓練設定にはなっていない のですが、比較的若い方向けの訓練もあれば、実践演習のように年齢を問わずにする訓練も あります。そういう意味では年齢の分布については特段設定時と、特に大差はないと思って います。  ただ、1点、実際集計してみて感じたのは、単身か扶養者があるかどうかというところで 給付の実績を見たときに、制度設計のときには、扶養者がある方の割合が多くなるのではな いかというような想定に立っておりましたので、そこは若干実態との乖離があるのかなと。 そこについてはどういうことでそのようになっているのか、ニーズについても精査していか なければいけないかなというようには思っております。 ○清家部会長 ありがとうございました。よろしいですか。それではほかに特にご質問がな いようでしたら、以上をもちまして本日の雇用保険部会は終了させていただきます。本日の 署名委員は、雇用主代表は遠藤委員、労働者代表は三木委員にお願いいたします。それでは 委員の皆様、お忙しい中ありがとうございました。 照会先:厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係     03−5253−1111(内線5763)