09/12/24 平成21年度第15回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 平成21年度第15回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年12月24日(木)15:00〜17:00 (2)場所  中央合同庁舎5号館共用第7会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、小山信彌分科会長代理、相川直樹委員、           池上直己委員、伊藤澄信委員、金田道弘委員、熊本一朗委員、           齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、嶋森好子委員、           難波貞夫委員、松田信哉委員、美原盤委員、山口俊晴委員、           吉田英機委員、邉見公雄オブザーバー        事務局:佐藤医療課長、迫井企画官、他 (4)議題  1 MDC毎作業班からの報告について        2 E・Fファイルの様式の見直しについて        3 基本問題小委員会の報告について        4 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまより、平成21年度第15回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催 させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、木下委員、辻村委員、山口直人委員が御欠席と なっております。また、小山分科会長代理、池上委員、それから、山口俊晴委員は少し遅 れてお見えになる予定でございますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、資料を確認させていただきます。  まず、議事次第、続きまして座席表及び委員の一覧表でございます。  続きまして、D−1番、「平成21年度MDC毎作業班における検討について」、D− 2、「Eファイル、Fファイルの見直しについて」、D−3、「DPCにおける包括範囲 の見直しについて」、また、その次が参考資料としまして、平成21年度12月11日と 16日の基本問題小委の資料をお付けしております。お手元に資料がそろっておりますこ とを御確認いただきまして、過不足がありましたら事務局までお願いいたします。 ○西岡分科会長  資料について、よろしいでしょうか。  それでは、審議に入りたいと思います。  初めに「MDC毎作業班からの報告について」、作業班をとりまとめていただいており ます、統括班長の齊藤委員より御説明をお願いします。 ○齊藤委員  診調組D−1の資料に沿って、御説明いたします。  「平成21年度MDC毎作業班における検討について」、これにつきましては、17の 作業班の班長にお集まりいただきまして、これまで検討してまいりました。各領域の意見 を班長は学会等の意見を踏まえてとりまとめいただいております。  22年度の診療報酬改定に向けまして、MDC毎作業班において、以下の項目について 検討いたしましたので、DPC評価分科会に報告させていただきます。  まず、診断群分類の見直しでございます。見直しの考え方につきましては、下の四角に 示しました4つの項目を指針として診断群分類の妥当性の検証及び見直し案を作成いたし ました。これは既に、これまでの当分科会での検討等においても繰り返しお示しした基準 でありますけれども、現時点で改めて大変いろいろ重要な内容を含んでおりますので、少 し御説明いたします。  まず、(1)としては、医療資源同等性が担保されていること。医療資源の投入量が適切に グルーピングされていると。ここで言う医療資源というのは、主として平均在院日数と、 そして包括範囲の点数であります。グルーピングされているということは、例えばX軸に 在院日数を、縦軸に包括範囲点数をとりますと、1つの島としてまとまった群を示すと。 そういう状況でありまして、ばらばらに散らばっているものは、これは診断群分類になじ まないということになりますし、それから、一部が群をなしていても、そこから突出した 細かい島のようなものがまた別にできてしまいますと、それを一括した診断群とは見なし にくいということでございまして、そういう状況になりますと、これはグルーピングが担 保されないということで、診断群分類の見直しの問題が浮上してまいります。  それから、臨床的類似性が担保されていること。これは臨床的な観点から問題・違和感 が少ないということで、グルーピングの点では全く1つに重なるけれども、その中に水と 油のような全く異質な疾病群が混じり合うということも当然あり得るわけです。平均在院 日数と資源量が、包括範囲の点数が同じであれば、1つのグループになってしまうわけで す。だから、その中身においても均質であるということが担保されている必要があります。  それから、分類は可能な限り簡素でやって、コーディングに際して、臨床現場の負担が 少ないと。これは現在コンピューター等がかなり普及してはおりますけれども、やはり病 院の分類作業の非常に大きな部分でありますので、余り複雑なものは現場になじまないと。  それから、制度運用上の問題が少ないと。これもこのようなコーディングの問題もあり ますけれども、これを行うことによって、ある領域について、包括すると過大な出費にな ってしまって、包括点数が実際の出来高に比して余りに低いとか、そういう異常な事態が 発生しないかどうかという制度運用上の問題も大局的見地から検討すると。そういう4つ の基準がありまして、今後、DPCの制度設計において、やはりこの視点は常に担保して いかなければいけないというふうに考えております。  見直しの概要でございますが、まず、(1)として従前からの取り組みとして、高額薬剤に よる分岐であります。高額薬剤というのは常にこのDPCの制度で問題を生じているとこ ろでありますけれども、薬価収載によって高額のものが決められたときに、それを使って いくことによって、特に包括範囲の点数が突出したグループを形成してしまうということ があり得るわけです。それによって、対応するものとして薬剤による分岐、薬剤を使った 疾病群を1つの診断群分類にすると。薬剤を使わなかった群については、ほとんど同じ病 態ではあるけれども、別の分岐になると。そういう構造がやむなくあるということは、既 に今年度何回かの当分科会でも示されたことであります。  これについて、そのときの議論では、「薬剤の数が非常にふえてくると、いたずらに疾 病数がふえ続ける危険性はないのだろうか」という問題提起もあったと記憶しております。  高額薬剤による分類数は、今回の案では129分類から202分類にふえると。約73分類ほど がふえるという形となります。それによって、高額包括点数の歪な構造を抑止できるとい うことであります。  その次、化学療法レジメによる分岐の追加であります。これは今まで高額の化学療法を 1つの分岐にしますけれども、単一薬剤ではなくて、標準レジメというものが分岐を形成 し得るということで、今回は「120010 卵巣・子宮付属器の悪性腫瘍」に対して、 これが標準レジメですが、カルボプラチン+パクリタキセル、あるいはカルボプラチン+ ドセタキセル水和物、そういうものを使ったものについて、これを1つの分岐として認め ようということを案としてとりまとめております。  それから、新たな視点による見直しというものがあります。これまで診断群分類6けた ごとの分岐の対象となる副傷病を設定しておりましたけれども、幾つかの症例について見 ますと、疾病群について見ますと、手術を行った症例と行わない症例で、副傷病の構造が かなり変わってくると。そういうことで、手術があり・なしの分類ごとに、対象とする副 傷病を設定し直すというようなことを幾つかの疾病群について考えております。  従来の副傷病は特に手術あり・なしと、あり・なしを考えていなかったものについて、 今回、副傷病の定義として、手術なし・手術ありを含めた2群に分けていくということで あります。これは一群として、一定数以上の症例数があること、そして、これもまた余り ばらついて、雲のような分布ではなくて、島としてきちんと収束しているという条件のも とで、このような分類をすることが妥当だろうということであります。これを幾つかの状 況について設定していこうということになりました。  これを踏まえまして、現時点の見直しの状況でございますが、12月10日の時点で疾 病の分類数の状況については以下のとおりとなります。現時点で副傷病の分岐が含まれて いないというものでありますけれども、疾患の数としては、平成20年度、昨年度までが 506であったものが、分類見直し案で暫定案として507、1疾病ふえます。  それから、診断群分類の数としては、昨年度の分類が2,357であったものが、2, 460と、少し数がふえてくるということでございますが、数は今後最終的にいろいろな 調整を加えて変わってくる可能性があります。  それから、平成22年度の診療報酬改定に向けた今後の検討でございますが、既に12 月16日の基本問題小委員会において、包括評価対象を見直すということで、人工腎臓及 び腹膜灌流の実施の有無を評価する。包括評価の対象外というような方向が一部出されて おりますけれども、一部の診断群分類において、既にこれを用いた、つまり、人工腎臓と か腹膜灌流を、例えば急性心不全でこれを使っているとか、慢性急性腎不全でこれを使っ ているというように、分岐が既に設定が行われていることから、それらの整合性を調整し て、必要に応じてこの診断群分類の見直しを行うという作業が残されていると理解してお ります。出来高項目の改定内容が今後の診断群分類の設定に影響する場合に、これらを速 やかに対応していくことが必要だろうということになります。  これまでの検討は主として、平成20年度のDPCデータに基づいて行われましたけれ ども、既に21年度のDPCデータも大変膨大なものが各医療機関から提出され、集めら れておりますので、当然これを今回の診断群分類にフィードバックして、最終案にとりま とめたいということになっております。  診断群分類に直接関連したMDC分科会の検討事項は以上でございますが、そのほかに 様式1について、さらにより妥当な形に直すということについて、各班からの検討、提案 等をいただきながら整理を行っているところであります。  また、医療の質の評価にかかわる指標につきましても、MDC作業班において検討を行 いまして、その提案内容について整理を行っているところであります。  これらは当然、将来の病院機能評価係数とか、そういうものにどのように反映されてい くか、22年度はもう既に固まっておりますけれども、24年度以降の診療報酬等にフィ ードバックしていく余地があると考えております。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  山口委員のほうから何か補足はありますか。 ○山口(俊)委員  特にありませんが、粛々と作業は進められていますが、今、ちょっと齊藤先生がおっし ゃった、この見直しの考え方の4つがございますが、分類は可能な限り簡素であるという ことにもかかわらず、高額薬剤による分岐、それから、化学療法剤による分岐で、やっぱ り恐らくこの状況はずっと続くのではないかと思います。したがって、こういうやり方を していると、恐らくどんどん複雑になっていくと考えられます。今日ちょっと討論がある かもしれませんが、やっぱり考え方を少し変える必要があるのではないかなというのが私 の感想でした。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  事務局のほうから追加がございましたら、お願いします。 ○長谷川補佐  そうしましたら、御説明はいただいておりますから、資料4ページ目の2番、様式1の 見直しと質の評価について、再度事務局から補足いたします。  こちらですが、MDC毎作業班におきまして、様式1について幾つか御提案をいただい ております。様式1の見直しに伴って、新たに様式1に追加すべき提案、また、必須化す べきもの、また、削除すべきものといろいろ御提案をいただいております。現在、私ども 整理を行っておりますので、次回以降の分科会において御提案を差し上げたいと思ってお ります。  続きまして、質の評価に関しましても、MDC毎作業班で複数の提案をいただいており ます。これにつきましても、今後のDPC分科会に対しまして、整理案を提示、御議論を いただければと考えております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ただいまの御説明につきまして、議論を行いたいと思います。  御意見、御質問がございましたら、お願いします。  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  今回の見直しで、副傷病については手術あり・なしで分岐することに、見直すことにな ったということですが、現行のルールだと、例えばアルブミンだけ入れて、輸血管理料な んかを入れたものが、いわゆる手術ありというふうに上がってきてしまうわけですけれど も、それを手術ありとしてしまうのは、この分類の考え方からいってもちょっと不適切じ ゃないかなと思うのですが、この辺はいかがでしょうか。前から議論になっているところ だと思うのですが。 ○西岡分科会長  事務局の御意見、ございますか。 ○長谷川補佐  松田先生の御提案ですけれども、私どもも問題と考えておりますので、まず御議論いた だければと考えております。 ○西岡分科会長  このアルブミン投与について御意見。 ○齊藤委員  ちょっと確認なのですが、手術してないのにアルブミンをしていれば手術ありになって しまうような例があるということですか。 ○松田委員  今の分類のルールが、手術ありが、いわゆるKコードが出ていると全部手術ありにして しまいますので、ですから、輸血管理料が入ってしまうと、あれはKで始まります940 ですので…… ○齊藤委員  これはかなり問題ですね。確かに手術ありといえば、日本語のルールに従えば、やはり メスとかそういうものが実際に動かされた局面を指すべきであって、輸血やアルブミンや 周辺のことがあるだけで手術ありに入ると、物事はそこを原点にしてかなりこんがらがっ てくる可能性があるのではないか。ちょっと私もそこの実態を把握しておりませんので… … ○齊藤委員  Kコードをすべて入れているから話がおかしいわけですよね。事情に合った分類を、だ から、Kコード全部じゃなくてというようなことでいいわけですよね。そういう流れです ね。 ○相川委員  今のはまさにこの(2)の臨床的類似性が担保されているというところに引っかかるのであ って、手術というのは外科系の医師が行うことでありまして、アルブミン等を注入するこ とは全く臨床的類似性がないわけですから、それのところは担保されていないということ で、ぜひ御検討いただいたらいかがでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局、お願いします。 ○長谷川補佐  輸血全般がKコードに落ちておりますが、実は輸血の中にも幾つかございます。輸血管 理料をとっているものの中で、特に例えば血友病であるとか、大量に輸血が必要なケース もございますので、その部分については引き続き従来どおりの取り扱いが必要だろうと思 っております。  一方で、アルブミンについては医学的な見地から今日御検討いただければと思いますが、 従来の取り扱いのままでいいのかという疑問は確かにあろうかと思います。よろしくお願 いいたします。 ○西岡分科会長  ではこのアルブミンに関しては、手術なしのほうに入るという形でよろしいでしょうか。  では、皆様方、そういった形の御見解でいいみたいですので、よろしくお願いいたしま す。  ほかに。  お願いします。 ○齊藤委員  これを検討するということですと、いつごろに出ますか。1月中には出ますか。様式1 とか、それから、その最終的な分類の、それはどうですか。なかなか難しいですか。 ○西岡分科会長  今後の作業予定になるのですが、お願いします。 ○長谷川補佐  診療報酬そのものにかかわるもの、例えば先ほど御議論がありましたアルブミン等の扱 いにつきましては、これは基本問題小委で再度御報告する必要がございますので、基本問 題小委に御報告するという形で対応していきたいと思っております。  一方で、先ほど御説明しました様式1と質の評価等については、まだ時間はありますの で、次回以降の分科会で事務局で整理案を提示したいと思っております。 ○齊藤委員  気持は分かりますけれども、結局、確かに3月までは年度内だけれども、やるほうはこ の前のヒアリングで聞いたみたいに、残り1カ月で全部やれというと、パニックになるん ですよね。だから、何とかもうちょっと、もし分かったところからでもリリースしていく とかというような手法をとられていただくと、全部できてからポンっと出すのではなくて、 様式1ができたよといったらば、これでオーケーとしたならば、様式1はこうなりますと いうような情報を出していただくと、現場サイドはもう少し楽になるかなと思うので、ぜ ひそんなところを少し考慮いただければと思います。 ○西岡分科会長  MDCの班からかなりたくさんの候補を出していただけたようにお伺いしているのです けれども、それをまず整理してもらって、できるだけ早いうちにこの会に出していただく という形にすべきかと思います。  どうぞ、池上委員。 ○池上委員  この2と3、様式1と質の評価というのは、これは新年度から適用されることなのでし ょうか。それとも、先ほどの話では24年度以降の点数改定に反映させるという意味なの で、24年度以降、つまり、今年度中に対応しなくていいというふうに私は受け取ったの ですけれども、この様式1、あるいは質の評価を加えたことに対する遵守というのは新年 度から遵守の必要があるかどうかということが課題なので、その点を確認させてください。 ○長谷川補佐  この点でございますが、基本的にはこちらの分科会にお諮りをしまして、分科会で認め ていただいた項目については、次年度以降、正確に言いますと平成22年度以降にデータ 提出の対象としたいと考えております。  なお、今、様式1に関してですが、MDC班会議のほうから追加提案として20近くご ざいますし、削減提案も20近くいただいておりますので、その点を今整理をしておりま す。そのすべてが次回の様式1の中に入るとは考えておりませんので、事務局で、私ども で整理した後、分科会できちんと議論いただいて、採用が妥当だというものについてのみ 次年度以降の採用と考えております。  また、質の評価につきましても、実は60近くの御提案をいただいておりまして、まだ 整理途上でございます。こちらにつきましても、分科会できちんと御議論をいただいた上 で、質の評価について進めていきたいと考えております。 ○池上委員  ではその点、この分科会の議論だけでその結論を出していいものかどうか、実際にフィ ールド調査、あるいはヒアリングなども行う必要が生じるかもしれませんので、診療報酬 の改定にあわせて、新年度と同時にこの分科会でたとえ議論の俎上に上がったとしてもそ のまま新年度から適用するべきかどうかについては、削除する分には構わないと思うので すけれども、追加の分についてはより慎重な議論が必要ではないかと思いますので、その 点を申し上げます。 ○西岡分科会長  この様式1を精緻化すること、それから、医療の質の指標を出して公開するというのが このDPCの新しい係数のところにかかわってくるわけです。ですから、やはり時間を急 いで、それだけのデータが集積できるようにしておかないと、その部分の新たな機能評価 係数というのをいただけなくなってしまうという状況がありますので、そこを加味した上 で事務局のほうでスピードアップしていただくということになろうかと思っておりますが。 ○池上委員  すみません、私の理解では様式1の今現在必須となっている項目は承知しておりますけ れども、その質の評価というのはまだ見ていませんので、これをそのまま新年度から残さ れた時間が余りない中で、分科会として結論を出していいのかどうかというのはちょっと まだ、この質の評価係数に関して、医療機関に提出を求め出ることを新年度と同時にする べきかどうかというのは、ちょっと保留するべきではないかと思いました。現実に…… ○西岡分科会長  質の評価の項目というのはこれまで、今年の夏ごろぐらいからMDCの各班にお願いし て、精査してもらったものを集めていただいたという手順がございます。それで、先ほど お話がありました、60ぐらいのものが出てきたのですが、その中でもっと精査させてい ただいて、本当に実践可能なものをこの会で最終的に選択させていただくと。そして、そ れをそのデータを蓄積していくという手順になるのかなと思いますので、特にこれをさら にヒアリングしてパブリックコメントをもらってということはちょっと時間的余裕はない のだというふうに思っておりますが。  さっき齊藤委員から24年度から入るというふうに、最後でちらっとおっしゃったので そこが…… ○齊藤委員  そうですね。ちょっと誤解を招いたかもしれません。24年度以降もいろいろな機能評 価係数などに使われていく可能性があるのでという意味であって、24年度までは何もし ないということでは全くありませんので、ちょっと誤解のないようにしていただきたいと 思います。もちろん22年度からこのものが入ってくることは当然あり得ると思いますが、 そのアウトカムが何にどういう格好に使われるかということについて、まだはっきり決ま っているわけではありませんけれどもということです。ここは私のちょっと想像が入った ので、池上委員の誤解を招いたかもしれません。 ○池上委員  まだ見せていただいていないものを新年度から必ず導入するということを今の場で確約 することはできないということを申し上げたいと。 ○齊藤委員  もちろん、それはお諮りしているわけでもありません。 ○西岡分科会長  分かりました。それは我々の目標として、あるいはそれをやらなければいけないという ふうに基本小委のほうから要望が出ているわけです。ですから、それを目標として決めて いくということです。「実際にこんなのできっこないよ」ということになってしまえば、 さらに引き延ばされることになるかもしれませんが、 ○齊藤委員  どんなことが視野に入っているかというアバウトな意味で。そんなことは聞きたくなけ れば聞き漏らしていただいていいので。 ○西岡分科会長  これはできるだけ早い時点で委員の方の目に触れるような形で作業を進めていただきた いということで、そこのところでさらに掘り下げて御議論をいただければと思っておりま すが、そういう線で池上委員、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  本来は診調組のD−3のところで後で議論されることなのかなと思いますが、齊藤先生 のMDCの作業班の結果を見せていただくと、今後、高額な薬剤がふえるたびに、分岐が ふえるというような、余りきれいな形とはいえないのではないのではないか。  だとすると、高額薬剤だけ初めからDPCの外に出して、それで分類をすっきりさせる とか、多分松田先生も含めて検討はされているのだろうと思うのですが、そういった検討 はされているのか、されていないのか、今後、そういうふうに考える方向性が出てくるの かを教えていただきたい。また、現場で聞くところによると、例えばラジカットみたいな 高額薬剤を1日だけ使うのと、1週間使うのでは随分点数が違うと思いますが、1日だけ とか、1回だけ使って高いほうにコーディングされるということもなきにしもあらずとい うふうに聞いています。さらに、高額医薬品も後発品があるのとないのとで随分価格設定 が違ったりもしますし、もっと気になるのが、この点数に機能係数がかかりますので、材 料費掛ける機能係数という形で最終的に経費が計上されるというのも、筋が悪いような気 がしているので、そういった高額医薬品を使う群については、例えば医薬品費を外に出す とかというのは考えていらっしゃらないのかを教えていただけますでしょうか。 ○西岡分科会長  これはまた後のところでこの議論をぜひともやっていただきたいと思っていたのですが、 さっき先生がおっしゃったD−3のところなのですが、後で構いませんから、ぜひともそ れを議論してください。今まで齊藤先生からツリー図が汚くなるということで、できるだ け精緻化をうまくいけるようにということでやってきましたので。  それ以外のところで。  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  4ページ目のところに、人工腎臓及び腹膜灌流の実施云々というのがあるのですけれど も、慢性腎不全に関して、いわゆる人工腎臓とかが出来高で算定できるようになったとい うことになるわけですけれども、そうすると、医療資源病名が少し変わってきてしまうだ ろうと思うのですが、そのときには当然その部分を除いたところで包括部分の計算をする わけですね。その場合の医療資源病名というのは何になるのでしょうか。 ○西岡分科会長  事務局、お願いします。 ○長谷川補佐  結論から申し上げますと、現時点のデータでは対応が難しい状況です。そこで、今回は 人工腎臓は外出しとなりましたが、従前どおり、人工腎臓の費用も含めて診断群分類の点 数を選択いただくという形になろうかと思います。  DPCは過去のデータを用いて分析しておりますが、これまでいただいているデータの 中では、人工腎臓等の費用を除外した場合、どの診断群分類を選択すべきか、これははっ きり分かっておりませんので、こちらに関しましては従前どおり人工腎臓等の費用も含め て診断群分類を選んでいただくような対応がよろしいのではないかと考えております。 ○松田委員  ただ、そうすると次年度以降の調査のときには、病名選択に関して何らかのインディケ ーションを出しておかないと、結局データは集まらないと思うんです。何かその辺は具体 的な案はあるのでしょうか。 ○長谷川補佐  先生の御指摘のとおりだと思っておりますので、何らかの対応案をと考えております。 ○西岡分科会長  ほかに御意見ございませんでしょうか。  それでは、こういった形で進めさせていただくということで、今日の御意見も含めまし て、中医協の基本問題小委員会のほうに報告させていただきたいと思いますが、よろしい でしょうか。  よろしくお願いします。  では、続きまして、「E・Fファイルの様式の見直しについて」の議論に入りたいと思 います。  事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、D−2の資料を用いて御説明いたします。  「Eファイル、Fファイルの見直しについて」、これは実は7月24日のDPC分科会 でももうお諮りをしておりまして、了解をいただいている内容でございます。確認を含め、 再度御説明申し上げます。  まず、ファイルの統合ですが、現行のEファイル、Fファイルについては下の図に載っ ておりますが、重複する部分が含まれております。こちらではグレーで示されている部分 が重複されているところでございますが、これについては平成22年度に実施するDPC 調査から、これらを一体化したファイルで提出するという形にしたいということでござい ます。  なお、2点目が新しい情報ですが、現行のEファイル、Fファイルにつきまして、一体 化するソフトといいますか、ファイルを作成するプログラムについて、事務局で作成しま してお配りしたいと考えております。平成22年度6月以降に各医療機関に配布できるよ うに対応したいと考えております。  続きまして、2ページ目でございます。こちらも一度、御確認をこちらでしております が、入力項目の見直しということでございまして、実は特定入院料とした10項目がござ いますが、現行の10項目については、現在、Eファイル、Fファイルの記載が入ってお りませんで、具体的にどのような診療行為が行われたかどうかを私ども、把握することが できておりません。ですので、次期診療報酬改定で特定入院料等々が変わる可能性がござ いますが、その変わった後に、特定入院料の包括されている部分については、中身につい て、Eファイル、Fファイルの提出を今後求めていきたいと考えております。  事務局からは以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  これはどちらもこれまで御議論いただいた部分でございますが、ここで新しいポイント というのは、ソフトを厚生労働省のほうでつくって、各医療機関にお配りいただくという ことになっております。  それから、あと特定入院料に関しましても、これまで御議論いただいたところがここで 上がってきたのですが、これにつきまして、御質問、御意見ございますでしょうか。  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  2ページ目のほうですけれども、Fファイルのほうに出力、特定入院料等に包括されて いるものについてもFファイルに細かく出していくということですが、このときの細かさ の単位というのはどうするかという問題が実はあるのだろうと思っています。  どういうことかというと、ベンダーさんによって全部細かい項目を入れて、それをレセ コンの中で丸めるという場合と、最初から丸めてしまっているものを、丸めの中のちょっ と細かい丸めですけれども、それをFファイルに書き込んでいるベンダーさんと両方ある のだろうと思いますけれども、その辺を何か厚労省として統一するというような指針は出 されるのか、それとも、現行追認でいくのかということは、多分、これは早めに出してお かないと、現場が混乱するだろうと思うので、それも今日でなくて結構なんですけれども、 どこかで指示を出していただけたらと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局、お願いします。 ○長谷川補佐  先生の御指摘のとおりでございますので、現場で混乱が起こらないように、私ども関係 者と意見を密に交換しながら早めに何らかの指針なりをお示しできればと考えております。 ○西岡分科会長  よろしくお願いします。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  プログラムをつくっていただくというのは非常にありがたいのですけれども、そのとき に、これは非常に長い歴史がこれまであって、Eファイル、Fファイルそのものも少し内 容が変わっている部分もあると思うのです。そのかつてのデータについての統合というの ですか、そこまである程度見てつくられる御予定なのでしょうか。それとも、この時点で、 つまり平成21年度のデータさえ変換されればいい、あるいは22年度からのものであれ ばいいというようなあれなのか、ちょっとそこの点を。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 ○長谷川補佐  関係者とも議論をしておりますが、とりあえず今回つくる分につきましては、22年度 分からきちんと統一ができるようなソフトにしたいと考えております。ですが、基本的に はもうEファイル、Fファイルという形で出していただいているファイルが恐らく各医療 機関にあると思いますから、もし各医療機関で過去の分を統合されたい場合は、私どもが 提供するソフトを用いて統合いただいて、各医療機関で御使用いただければと考えており ます。 ○西岡分科会長  よろしいですか。  どうぞ、松田委員、お願いします。 ○松田委員  あくまで各医療機関はEファイルもFファイルも従来どおり持っているので、それを厚 労省の調査に出すときに、それを一体化したファイルをつくるプログラムを厚労省のほう として提供するということだけですので、各医療機関は今までどおりのデータをずっと持 ち続けるわけですから、ですから、今までとの連続性はそこで担保されるということにな ります。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○酒巻委員  それはそうだと思うのですが、厚生労働省としても困ると思うのです。過去のデータが 途中で、今まではEファイル、Fファイルで管理されていたものが、今度は統合ファイル という形でお持ちになるわけですね。そうすると、その物事の継続性というのをどうやっ て、厚生労働省としても担保されていくのかということがあると思うので。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○長谷川補佐  恐らく厚労省のデータのお話だと思いますが、厚労省内は厚労省内できちっと対応した いと思っておりまして、Eファイル、Fファイル、それぞれ持っておりますので、今後デ ータを改修する場合は統合するなり、分けるなり、きちんと対応していきたいと考えてお ります。 ○西岡分科会長  よろしいですか。  ちょっとこんがらがっているみたいで、多分これまでのデータとの整合性が一番問題に なってくるところだろうと思いますが、その部分は操作のできるところということでござ いますので、それでよろしいでしょうか。  ほかにこのEファイル、Fファイルにつきまして、問題点等ございますでしょうか。  では、なさそうでございますので、ありがとうございました。  続きまして、私のほうから議題3になりますが、「12月11日及び16日に行われま した基本問題小委員会の議論の結果について」、御報告させていただきます。  去る12月11日及び16日に開催されました基本問題小委員会におきまして、新たな 機能評価係数の設定、調整係数の段階的廃止、包括対象から除外するものなどに関する当 分科会の検討結果を報告し、概ね了承を得たところでございます。  新しい機能評価係数、これは参考資料のところをごらんいただきたいと思うのですが、 そのときに報告いたしました資料がここについてございます。第1ページ目が私が報告し、 また、それをさらに事務局のほうで精緻化していただいて、2ページ目が基本問題小委の ほうに出てきたものでございます。  この新しい評価係数、我々のほうでは7項目を提案したわけでございますが、そのうち の4項目については問題ないと、これまでにもお認めいただいております。さらに、これ について実際はどういうふうな形になるのかシミュレーションをすべきであるというのが 基本小委から出てまいりました。  さらにこの救急医療に関する評価、それから、地域医療にかかわる評価というものに関 しましては、このシミュレーション結果を眺めながら検討することにしてはどうかという ことになりました。  さらに、チーム医療につきましては、これは出来高との関連性がございますので、その 議論とあわせて引き続き検討をするということになりました。包括対象から除外するもの に関しまして、これらは1つ、基本問題小委員会の委員から御質問があったのですが、悪 性腫瘍に対する治療薬、これも包括から除外してはどうかというお考えが出てまいりまし た。この件につきましても、当分科会で検討することということになりました。  あとは事務局のほうから御説明をお願いします。 ○長谷川補佐  再度、参考資料に戻っていただきまして、3ページ目でございます。こちらは事務局か ら基本問題小委に御提案をしましたが、22年度を含めて、現行の調整係数については激 変緩和をということで、4回の診療報酬改定を経て廃止することとしてはどうかというこ とを御提案申し上げております。  また、2点目、重みづけにつきまして、それぞれの機能評価係数の重みづけにつきまし ては、引き続き検討するということになりました。実は重みづけにつきましては、実際の 数字を見てみないとなかなか分からないという基本問題小委の御意見がございましたので、 事務局で複数案提示したいと思っております。  また、参考資料の最後のページでございます。別紙2でございます。  別紙2の1ページ目、上の図でございますが、こちらに調整係数の段階的廃止の概念図 を載せておりますが、こちら、一番左の図でございます。調整係数による上積み相当部分 というのがございますが、こちらを今後置きかえていくものと考えておりますが、この上 積み相当部分のうち、どの程度の割合を今回の機能評価係数に割り当てるのかと、要は診 療報酬上、どの程度の割合を新たな機能評価係数に割り当てるのかということに関しまし ては、事務局から御提案をしてございまして、そちらは2ページでございます。  診−1−2の2ページでございます。この資料で言いますと、ちょうど2枚目の裏側に なりますが、2枚目の裏側、2番、設定方法の(1)の中で示しておりまして、「上積み 相当部分のうち25%相当を新たな機能評価係数に置きかえてはどうか」という御提案を しております。これにつきましても、基本問題小委で御議論をいただいた結果、実際のシ ミュレーション結果を見ないと分からないので、複数案、25%前後の複数の案を準備し て次回以降、基本問題小委に報告し、議論するということとなっております。  続きまして、本日の資料D−3の「包括範囲の見直しについて」でございます。こちら につきましては、先ほど西岡分科会長からも御説明がありましたが、今回、分科会のほう から御提案のありました、1ページ目の一番下の3つ、包括外とすべきとした薬剤、HI V、血友病、慢性腎不全等々の薬剤については御了解をいただいております。包括外とす べきということで御了解をいただいておりますが、御意見として、要は抗悪性腫瘍剤につ いても包括対象から除外すべきだという御意見がございまして、この取り扱いについては DPC分科会においてさらに検討するようにという宿題が出ております。  包括範囲の見直しについての議論ですが、これまで3回にわたって、平成21年度の第 5回、第7回、第14回と、3回にわたって議論をしてまいりました。その中で、高額な 投薬や処置等を長期継続的に実施している疾患の患者がその患者とは直接関係のない他疾 患の治療のために入院して、当該疾患を主病とする診断群分類点数表で包括点数を算定し た場合には、高額な薬剤等が十分に反映されていないのではないかという御指摘がござい ました。  このような状況を踏まえて、前回、3つ御提案しておりますが、そのいずれもが高額療 養費制度における長期高額疾病であるということも参考にしながら、事務局としては御提 案した次第であります。  次、2ページでございます。  基本問題小委からの宿題として、恐らく2点の論点にまとまるのかなと考えております。  まず、1点目でございますが、この扱いですが、この3つの包括外に外したものと抗が ん剤に限らず、要は包括評価の対象外とする薬剤について、どのように考えるのかという 全般的な議論が必要かと思っております。あくまで私どもでお示しした例でございますが、 例えば包括支払い方式の在り方との関係、また、調整係数の段階的廃止との関係も整理が 必要だろうと思っております。  さらに2点目でございますが、今回、宿題となっております、抗がん剤の取り扱いにつ いて、どのように考えるのかと。議論の視点といたしましては、注射薬と内服薬で随分異 なるだろうと。また、他の薬剤、疾患の取り扱いとの整合性も必要だろうと考えておりま す。こちらも含めまして、本日御議論をいただければ考えております。  事務局からは以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ただいまの御報告につきまして御意見、どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  今回の議論の発端は恐らく基本問題小委で内服の抗悪性腫瘍剤について、包括対象外か ら除外すべきという御意見が一つの発火点だろうと思います。多くの場合、今まで薬剤を 包括対象外に外すというのは、余りに高額であって、今までの従来の方式と比べても、総 括点数が突出して高いグループを形成してしまうと、そういう状況があって、緊急避難的 にある時期それを包括対象外とするけれども、それもできる限り、本日も議論になったよ うに、使った疾病という、診断群分類の中の位置付けというふうにとりまとめてきたよう な経緯もあるわけです。  今回、基本問題小委でこのような御意見をお出しいただいているというのは、どういう 視点なのでしょうか。御意見の視点がはっきりしないと、なぜ悪性腫瘍の内服薬を外出し にすべきか、例えば抗悪性腫瘍薬の内服薬というと、もう50年前から慢性骨髄性白血病 で使われているブスルファンとかミレランとか多種多様で、ウレタンとか幾らでもあるわ けですよね。それをすべてひっくるめて出してしまえという話なのか、内服しているもの について、ある種のものを出すことを検討してはどうか、あるいは、内服以外にも注射薬 についても出すことを考えてはどうかと、これは今まで随分リツキシマブとか、いろいろ な悪性腫瘍薬について既にやってきたことなわけですよね。やってきたことと違って、新 たに今回基本問題小委で御提案いただいたというのは、どういう視点に由来するのか、ま ずそれがぜひ知りたいなということです。 ○西岡分科会長  先生、どうぞお願いします。 ○邉見オブザーバー  私も基本問題小委に出ておりましたので、私の間違いでなければ、最近、がんの方が長 く生きられると、そして、そういう方がほかの別の病気になって入院されると、そうする と、例えば外来でやっている高額な注射剤も含めた化学療法が中断してしまうと。使いに くいということですね。使ってもいいわけですけれども、使いにくいという、そういうふ うな意見だったと思います。そうですね。 ○西岡分科会長  どうぞ、企画官、お願いします。 ○追井企画官  説明をした者としまして、その前提の御説明もさせていただければ、なお理解していた だけると思います。  もともと今回、資料を御提出させていただいたときに、包括するには少し課題があると いう御指摘があって、非常に簡単に御説明をした関係で、実は今日、整理をさせていただ いておるような、こういう議論がありましたという前提を十分に実は時間的制約もありま して御紹介をできていなかったというのが、正直事務局として反省があります。  一応そういう前提でお聞きをいただきたいのですが、包括の範囲からこういう御指摘が ありまして、除外すべき項目として、御指摘がありましたと、分科会のほうから。それが この3つですというふうに御説明をしましたところ、これで邉見委員の御説明になるので すが、ややそれは例えばがんの患者さんが最近こういうことがありますよねと、特にがん 対策、随分いろいろ手厚くしてきている中で、こういう取り扱いが本当にいいのかという 御指摘があったものですから、正直申し上げまして、議論が十分かみ合っていないかもし れないのですが、いずれにいたしましても、改めてそこも含めて再整理をしてほしいとい うのが基本小委の御認識だったものですから、少し重複した議論になるかもしれませんが、 改めて整理をしていただきたいという、こういう趣旨でございます。邉見委員、よろしい でしょうか…… ○齊藤委員  今度は逆の立場でどういうものを外出しにすべきかということで、DPCの発足時から 1,000点以上の処置であるとか、手術であるとか、主として医師の技術、ドクターフ ィーにかかわるような部分が外出しされてきたという経緯があるわけです。その後、いろ いろなものが外出しということになったのですが、このDPCの包括評価、包括支払い方 式というもののコンギに立てば、これも外出しにしたい、あれも外出しにしたいとどんど ん本体から外していって、本体がやせ細っていくようなことは、これはもう構造的にDP Cを揺るがすことになるわけで、当分科会としては少なくとも私としては到底容認できな いという心境であります。  どうしてもDPCではやり切れないからという医療機関があれば、それは今度は抜ける 基準というのも示されておりますので、医療の質が変わってきたので、DPC病院として はやっていけないので、退出したいという申し出があれば、しかるべき手続を含めて、出 来高のほうへ戻ることも可能なわけです。  だから、DPCというのはいろいろ損をする部分もあり、得する部分もあると、そうい うものを病院全体としても包括して、しかも調整係数とか機能評価係数で温かく緩衝系を きかせているわけです。だから、一挙手一投足、これは損をするから出ようとか、これは 損をするから外出しにしようとか、それを言い出したら、僕はDPCの制度そのものがも う成立しなくなると思いますね。  そういう点で、先ほどのこの議論と、どういうものを診断群分類に入れるべきかという 最初の4点の議論に戻るわけですけれども。 ○邉見オブザーバー  ちょっとそこまでは激しい話ではないと思うのです。そこまでやると、少し感情論的に なってしまうというか、やっぱりがん患者の方が長く生きられると、また次の違うがんに なるというと、また別の抗がん剤を病院の中で使って、院外のも使うと、つまり外来でウ ィークリーとか、やっていたやつを。  それから、発言者の名前を言ったらいけませんが、ちゃんとした特定機能病院、すぐ分 かってしまうと思いますが、そういうふうなところでちゃんとした医療をやろうと思った ときに、やっぱりそういうふうな高額なものが外出しでないと躊躇してしまうと。高額な 抗がん剤を。これは明らかに、今、経営も悪いですから、どこの病院も大変な経営の中で そういうのを使うと損をすると分かっていたら、患者さんのためには使いたいけれども、 やはり躊躇してしまうという、若い先生方が困るという、そういうふうなことです。 ○齊藤委員  これは非常にDPCの根幹に触れる、やっぱり大事な問題を含んでいて、DPCの包括 が始まったときに、医師会の先生方がまず粗診粗療になるのではないかと、必要な医療だ けれども高いから使わないということがあるのではないかと、そういうふうに言われたわ けですよね。  だけれども、実際に動かしてみると、必ずしも粗診粗療にはならないというのが最終的 な、現状ではあるわけなので、そういう抗がん剤の長く使っている人の再入院のときの問 題について、どう対応するかということはこれは大人の知恵で、感情論では全くないので あって、いろいろ情報交換しながら考えていくのがいいと思いますので、短絡的にこれを 外出しにしてしまえというほど簡単な問題ではないということだけぜひ御理解いただきた いと思います。 ○山口(俊)委員  これに関して今まで随分議論がありましたが、私はもう外出しにするしかないという主 張です。というのは、今がん専門病院がなかなかDPCに入らない原因の一つがこういう ところにあるということもぜひ御理解いただかないとまずいと思います。  それともう一つは、まず基本的に高額のものが非常に多いわけです。ですから、平均し たらいいのではないかというような議論にはちょっとついていけないということが一つ。  もう一つは、今、入院医療をどういうものをやるべきかということが論議されています けれども、例えば入院してやるべきものでも、これは高額の抗がん剤を使うと合わないと いうことだと、これは外来で無理してやろうと、こういうふうなことが行われる可能性が あります。実際に病院の首脳部からしたら、「こんなもの入院でやってもらったら困る」 という実態があるわけですね。ですから、齊藤先生は質が落ちないとおっしゃいましたけ れども、これはまだ分かりません。実は陰ではそのようなことが起きているかもしれませ ん。そういう非常に大きな矛盾をはらんでいます。  それともう一つは、通常の薬剤と違って、抗がん剤というのは外出しにしてもそのため に医療費がふえるようなものでは決してございません。例えば利益が高いから倍量投与す るというそんなばかげたことはないわけです。ですから実際には適正に行われるはずです し、僕はこれはぜひ外に出されるべきだと思います。  もう一つつけ加えれば、抗がん剤は最近進歩していて、理想的には1つのレジメに収束 していけばいいわけですけれども、実際には例えばファーストライン、セカンドライン、 サードラインのほかに、副作用の出方によって適用が変わってきますので、1つや2つの レジメではおさまりません。それを分岐をふやすことで対応しようと今していますけれど も、新しい薬剤が出てきている上に、その適用も変わって、どんどん複雑になっています。 齊藤先生はDPCの美しさを主張されますが、分岐をレジメごとにどんどん増やすことこ そ、まさにそのDPCの美しさを損なうことになるわけです。このような対応がDPCの 美しさの、根幹にかかわるとすれば、これは出来高払いにしたほうがよほどいいのではな いかというのが私の意見です。 ○齊藤委員  おっしゃることはよく分かるのですが、それと類似のことというのは、医療界のいろい ろな病気と治療と慢性疾患の中でもないのかどうか、全くそのがんの内服治療にだけ突出 して発生していることなのかどうか、もしそういうことがいたるところに、いろいろな病 気で多数あるとすれば、それを敷衍していくことは再びDPCの在り方を揺るがすことに なりかねないわけですよね。だから、その辺の検証は十分にすべきかなと。先生のおっし ゃる意味は、その局面についてはよく理解できます。 ○伊藤委員  抗がん剤だけではなくて、生物製剤一般にかなり高額であって、しかも生物製剤で明ら かに有効性が高いものがあるのですけれども、入院で治療しなければいけないとなると、 持ち出しになるとかいう意見も言われたりすると思うのです。そのためすべて分岐をつく るような形になれば、齊藤先生がお考えになっている、生物製剤を使う製剤が全部分岐と してふえてしまって余りきれいではないのではないかという気がいたします。  一番の問題点は患者さんによって投与量が当然違ってくる代物を一律に評価ができるの かなと。  それから、調整係数を掛けることでその薬剤の費用が不当に高い施設も出てくるし、安 く出てくるのもあるとか、その後発品と先発品との価格差も大変大きい部類ですから、そ ういったことも含めて平等性を削ぐのではないかという懸念があるだろうと思っておりま す。 ○西岡分科会長  ほかに御意見ございますでしょうか。  松田先生、お願いします。 ○松田委員  高額薬剤の問題というのは、もういろいろな国で、出来高であろうと、包括であろうと、 一つ悩んでいるところでして、基本的にはもう2つのやり方でやっています。  1つはある一定のレベル、クライテリアをつくって、それを全部出来高にしてしまうと いうやり方で、これはフランスですとか、ドイツなんかはそういうやり方でやっています。  それから、もう一つはレジメを明確にしていって、レジメごとにグループをつくってい って、分岐で分けるというやり方、これはオーストリアなんかがそういうやり方をやって います。  ただ、全般的には多分、ある基準をつくってそれをポジティブリストで出来高にしてい くというやり方が国際的には一般的であるように思います。  ただし、そのときにやはり前提となってくるのが、薬の価格を決める、いわゆる医療経 済性評価がきちんとしたベースとしてあるということと、それから、もう一つは、薬の使 い方に関するきちんとしたレビューがあるという、モニタリングができているということ、 多分それが一つの前提になってくるのだろうと思います。  例えばその関連で言うと、例えばもう既にかなりエビデンスレベルのしっかりしている ものでジェネリックがあった場合に、ブランド薬のほうはすごく値段が高い、ジェネリッ クがすごく低いといったときに、それをどういうふうに評価するかとか、多分そういうと ころがきちんと議論していかないといけないと思うのですけれども、世の中的にはこの2 つのやり方でやっているというのが一般的だろうと思います。 ○西岡分科会長  齊藤委員。 ○齊藤委員  山口先生のおっしゃることもそうだし、それから、基本問題小委で出されたことも、確 かに重要な中身を含んでいることは事実だと思います。だからそこだけを、悪性腫瘍の内 服薬を外出しにとやぶから棒に言われると、何のことだか、はっきりいってよく分からな かったのですが、山口先生の御説明とか、それから、松田先生のお話も伺えば、やっぱり これは制度設計として、高額薬剤、特に長期に使っている高額薬剤をDPCの中でどう生 かしていくかと、そういう課題表示だろうと思うのです。  私はそういう点では前向きにとらえて、制度設計をほかのいろいろな薬剤とか、ほかの 慢性疾患とか悪性の疾患、進行性の疾患、難病と言われるものも多々ありますよね。そう いうもので高額の薬を使っている例も少なくないわけですね。そういうものをどう考えて いくのかということは、例えば炎症性腸疾患、クローン病だとか、潰瘍性大腸炎なんかに、 レミケードのような免疫抑制剤を使うとか、多々あるわけですよね。  だから、あるものだけ切り離して1人歩きさせてしまうのは、ちょっといかがかなとい う気がします。 ○西岡分科会長  今までの流れとしては、新しい高額の薬剤が出たときは次の改定までの間はデータ取り で外出しにするということで、データを集めていって、先ほど齊藤委員から御説明があり ましたように、きっちりした医療費の分布図を出してもらって、その分布図に合わせて1 つのDPCの枝としてつくるという形で来ていたわけです。  これが今までの基本だったのですが、この基本的な考え方をさらに変えてしまうのかど うかというところが検討の余地があるかと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。  制度設計の上でどう取り組むべきかというのは、やはり我々の分科会で検討しなければ いけないと考えておりますが。  どうぞ、小山委員。 ○小山分科会長代理  やり方とすると、やっぱり今の意見だと外出しという形になってくると思うのですけれ ども、1,000点以上の検査が外出しになっているのと同じような形のラインを引いて、 外に出すのがいいのかなという感じがいたします。  ただ、この包埋されているがゆえに、ある意味、臨床現場では「適応症がなくても使っ てもいいんだよね」みたいな話も出てきて、そういう意味での治療の幅というのが広がる ので、余りがんじがらめにしてしまうと、かえって使いにくくなってしまう点があると思 います。  それから、先ほど山口先生がおっしゃっていましたけれども、がんセンターが、いわゆ るがん専門病院がこの制度に入りにくくなるというようなお話ですけれども、もともとこ の制度そのものがいわゆる急性期の医療をという感じで言ったときに、果たしてがん専門 病院をこれからどんどん包埋していくのか、これは山口先生、やっぱりがん拠点病院とい うか、がんの専門病院も全部DPCの包括評価に入っていったほうがいいのですか。それ とも、別のほうがいいのか、そこら辺はいかがなのですか。 ○山口(俊)委員  はっきり言って、今、手術のかなりの部分ががんの手術ですよね。そういう意味ではや はり急性期病院の代表選手ではないかと思うのですけれども、つまらないところで困って いるというのが今の実情だと思います。 ○小山分科会長代理  であれば、がんだけではなくて、例えば今だと我々のところ、膠原病とか、べらぼうに 高い薬を使わざるを得ないのがあるんですよね。しかも、いわゆる2SDを超えたものだ といいのだけれども、その中間のところでみんな苦労していると思うんですよね。だから、 あそこのルールをもうちょっと下げる、ハードルを下げるというような方式で、基本的に は何でもかんでもつけていってしまうと、先ほど先生がおっしゃったみたいに、DPCの 根幹を揺るがしてしまうことになってしまうので、なるべくそこには触れないほうがいい と思いますので、1,000点以上のというルールがありますので、そのルールの中でこ の高額の薬剤を考えていったらいかがでしょうか。抗がん剤に限らずすべての薬剤という 考え方をしたほうがよろしいかと思いますけれども。 ○伊藤委員  やっぱり今回包括内とすべきとされた薬剤が、HIV、血友病、慢性腎不全といった領 域で出来高にするというルールをつくってしまったわけですから、例えば1日薬価で換算 して、1,000点以上とか、1万円以上のものに対しては、分岐ではなく、外に出して もいいとか、そういったルールづくりのほうが、個別に例えば内服の抗悪性腫瘍薬という ような形をするよりは妥当なのではないかという気がいたします。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○相川委員  私も今の意見に賛成で、確かに齊藤先生のおっしゃるようなDPCの根幹に、DPCが 崩れていってしまうということはありますけれども、この特定の疾患だけに限るというこ とはなかなか難しいと思います。  例えば、セピスなどでも新たに、かなり高額な新規の薬剤が出て、それによって生存率 が改善するというようなエビデンスも出てきて、外国などであるわけですけれども、その ようなものが開発されたときに、それでは中に入っていると使いにくいと。助かる可能性 が高いのにというようなことにもなってくる。  ですから、やはり値段と、それから、私はその中にはやはり新規性ということもある程 度考慮をするべきかなと。そうすると、値段と新規性はどうするのだということもありま すけれども、全く新たな治療法の開発というような薬剤があった場合にもそれは考慮して、 そういうものが使いやすくなるようにしてもいかがかなと思っています。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○小山分科会長代理  ちょっと今、伊藤先生の意見の中で気になったのが、このHIVとか血友病とか腎不全 というのがもうルールができているというふうにおっしゃいましたけれども、これはちょ っと違うんですよね。つまり、普通の患者さんがたまたまHIVであった、あるいは、こ の血友病の患者さんが手術を目的に入院してきたというとき、腎不全も腎不全の患者さん を手術でもって入ってきたというような、構想上考えているので、これがあるからもうル ールができたというのはちょっと違う認識なのではないかなというふうに思いますので、 ちょっとすみません。 ○伊藤委員  誤解していたとすると、すみません。ただ、薬剤とか併存症をどっちでコーディングす るのかという議論だろうというふうに思いますが、もちろんそういう持病を持っている方 をディスクリミネートするような診療というのは行われていないというふうには思うので すが、ただ、特に治療法の選択のときに、例えば「ITPでガンマグロブリンを使ったほ うがよさそうなのにな、でも、とても高額でDPCの中では使えないし、どうしよう」と かと悩んでいる現場もあるので、そういった悩み方をしなくて済むようなシステムができ るほうがいいのではないかというふうに思っている次第です。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○池上委員  ちょっと別の観点で、まぜ返しのことを申し上げて恐縮なのですけれども、先ほどは人 工腎臓、腹膜管理を外出しにした場合に、それが主要な疾患である場合にはどうするかと いう問題があって、これはもし抗がん剤を外出しにした場合に、ではその外出しにした患 者はどこに分類されて、そしてその場合の検査等はこの高額な薬剤に対応してより頻回に 行う必要も生じるわけですので、その場合、外出しした結果として、ではその患者はどこ の分類に分類されるかということについては、どう考えたらよろしいのでしょうか。 ○西岡分科会長  松田委員、どうぞ。 ○松田委員  すごく似たような議論なのですけれども、別の議論だと思います。慢性腎不全、ほかの 病気で来た患者さんというのは、そもそも毎日、3日おきに透析しなければいけないとか いう、そういう状態があって、それに加えて別の治療をする、例えば心筋梗塞の治療をす るとか、狭心症の治療をするということですので、そのベースのところにある慢性の疾患 をどうするかという議論であって、それを除いたらということなのですけれども。  先ほど邉見先生のほうから御指摘があったのは、ほかの病院で来た患者さんが、たまた ま抗がん剤も投与しなければいけないということであって、それはまた違うと思うのです よね。 ○池上委員  それはおっしゃるとおり。ですから、山口先生のお話からすると、併存症で、入院時点 において抗がん剤を既に飲んでいる方ということだけではなく、まだ規定されていないも のを使う場合の問題点を御指摘されたというふうに私は解釈したのですが、山口先生…… ○山口(俊)委員  ちょっと僕、気になって、これは内服の抗悪性腫瘍剤ではなくて、問題になっているの はむしろ注射薬のほうだったんですね。その辺ちょっと意見が、何で内服になっているの かちょっとおかしいなと思ったのですが。むしろ内服は外来でやっていますから。 ○池上委員  事例がちょっと違っていたのだと思います。 ○山口(俊)委員  多分注射薬のほうが問題になると思います。  ですから、入院して初めてやるような治療のことだと理解しています。 ○池上委員  私は入院して初めてやる場合にはどこに分類されるかを問題として挙げて、最初は邉見 先生がおっしゃったように、長期投与されている方がどうのこうのというのは松田先生が 御指摘のとおりで、それは対応可能だと思うのですけれども、新規に開始した場合に、ど この分類に分類するかという課題です。 ○西岡分科会長  これは前の改定のときに、大腸がんの場合のレジメを導入いたしましたよね。あれもか なりデータをとって、確かにその部分を分岐してつくったというような、分岐してつくっ てから、かなりいろいろなところで本当にやりにくいという声が起こっているのかどうか、 申しわけないのですけれども、本当に医療の現場で皆さんがすごくマイナスになっている のかどうかというのが、ちょっとそこら辺の事情をもし事務局、分かりましたら教えてい ただければ、この議論を進めやすくなると思うのですけれども。  お願いします。 ○長谷川補佐  私ども、残念ながら関係者から特にそういう事例があるとはお聞きしておりませんので、 むしろ現場の先生が今日いらっしゃっておりますので、先生方のほうから御意見いただけ ればと思います。 ○山口(俊)委員  前に来ていただいたときは、フォルフィリとフォルフォックスという2つのレジメをや って、これを片方だけたくさんやっているのは、おかしいという指摘がありました。しか し、あれは副作用のプロファイルが違うので使い分けているのであって、効果同等性とい うこと、そういうレベルでしたけれども、その後、アバスチンとか、抗体薬剤がそれに加 わるようになって、そこで非常に苦しくなってきたというのが実情で、皆さん、抗体薬を 使うときは本当に苦しいのではないかというように理解していますが。 ○西岡分科会長  多分この抗体薬は今、現時点では外出しになっていると思います。ですから、それで、 1年ないし2年間のデータを集めていって、さらにそれが分岐になっていく、データが集 まれば分岐ができるようになっていくということになるかと思うんです。  ですから、薬剤が出てすぐのときは、いろいろな分野の方が「これではどうにもなら ん」というので我々のところに文句を言いにこられるのですけれども、一応新しく出た薬 剤については次の改定までの間は外出しにするというルールがもう最初からあるわけです ね。それでやって、出てきていますので、後遅れになるのですけれども、新たな薬剤もそ れで包括できるというのが今までルールです。包括にしてしまったところからは余り御不 満は聞いていないのですけれども、確かに新しいお薬は先生がおっしゃるような御不満は お伺いするのですが、それでないところはちゃんと費用の中に入っていると思うのですけ れども、松田先生、何かそういうことに関してお聞きになっていらっしゃいますでしょう か。 ○松田委員  すみません、私たちは研究班のデータしかいじっていないので、研究班のほうでいじら せているデータで見たことで少し気になっているのは、新しい分岐が入ってくると、薬の 使い方がそれにざっと引っ張られてしまうという現象がけっこう観察されます。そうする と、それは臨床家の判断としては本当に正しい、妥当なことなのかということは少し考え る部分があります。  あとはそういうレジメンがしっかりしたものがあって、それに追加で何かを行おうと思 った場合の使いにくさみたいなのが少しあるのかなと。その辺のところは少しデータを見 ていて気になるところです。  ですから、もしレジメンでしっかり分けていくということであれば、オーストリアがや っているような感じでレジメン全体を見て、それを大きなグループに分けていくわけです けれども、そういう形でレジメンの処置化ということをやる必要があるのかなというふう に、今、部分的にしかレジメンが入っていないという問題がありますので、それがやはり 現場の先生方の処方をもしそれで変えてしまったのであれば少し問題かなというふうな感 じはしております。 ○相川委員  誤解のないようにちょっと、前に私が新規の薬剤と言ったところのその新規というのは、 例えば抗がん剤が、Aという抗がん剤があって、それよりもいいBという抗がん剤が出て きたときに、Aを使わないでBにすると、そういうものの新規ではなくて、全く新しい治 療法という意味の新規でございますので、それに関して誤解のないように追加発言してお きます。 ○齊藤委員  この話の発端は基本問題小委員会で、今日幸い、西澤先生、邉見先生が出ておられるの で、こういう雰囲気を基本問題小委の先生方にお伝えしたらば、「なるほど、よく分かり ました」と言っていただけるかどうか、基本問題小委と事を構えるのは全く本意ではござ いませんので、どんな認識になりそうですか、こういう議論を基本問題小委にフィードバ ックしたときには。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○邉見オブザーバー  一つは、先ほど追井さんのほうからありましたように、ちょっと時間が急いていました ので、説明が少ししかなかったので、突然出てきたからというところはあったと思います。 消化不良はあったと思いますし、それから、今までの流れが少しまだ分かっていない方、 委員におられますので、今度、大幅に委員が変わっていますので、そういうこともあると 思います。  それから、雰囲気がやっぱり国民の視点ということに今なっていますので、抗がん剤が うまく使えないようなものはいけないのではないかというふうな、公益委員の中にもがん の経験、12回手術を受けたという方もおられますので、そういうふうな流れもありまし て、そういう話が出たのではないかというふうに思いますし、また、やっぱり第一線の病 院、先ほど山口委員がおっしゃいましたように、苦労したのではないかと思うのです、い ろいろ。私たしはどちらかというとガイドライン的なものが出て一般の地域の病院という か、地方の病院をやっておりますので、余り先ほど言ったように不満というのは少ないと 思うんですが、第一線でやられている方はそういうところがあるのかなと、私はそういう ふうに思いました。 ○小山分科会長代理  それがある意味DPCのとてもいいところで、2年たつとその間のマイナスの部分を補 填しようとする動きがあるわけですよね。ただ、中医協の中の委員で「やりにくいから」 という発言が出たというのは少しちょっと、大変残念ですけれどもね。DPCトータルに すれば、出来高に比べればどこも数パーセントは高くなっているわけですよね。そこに幅 があるわけだから、やはりちゃんとした治療をし続けることはとても大事なことであって、 それをし続けることによって、2年後にまた再評価されて、そうであればこうしようとい う、それがここで議論しているわけですから、そのやり方があるのだから、余り1個1個 全部あれもこれもという話になってしまうと、先ほど齊藤先生がおっしゃったみたいに、 DPCの根幹がおかしくなってしまうので、余り細かな枝葉のことよりも、DPC全体の、 医療費全体をどうするかということの考え方の中で言っていけば、余り、物すごいマイナ スは別ですけれども、マイナスはもうここで議論しているわけですから、余り細かく詰め ないほうがいいのではないかという気はいたします。 ○山口(俊)委員  ただ、化学療法は例えば胃がんであれば、胃の全摘術をするか、幽門側をやるか、それ で終わりですけれども、やった後にセカンドラインをどうするかとか、いろいろな問題が 出てきて、結局、レジメンは非常に多数のものになります。  しかも、先ほどちょっと抗体薬のことだけを言いましたけれども、分子標的薬という、 小さなモルキュールのものがたくさん出てきて、じゃあ、2年ごとに、レジメが採用され た途端にそれがもう過去のものなっているということは実際に起きているわけですね。で すから、それをやっていると、いつまでたっても分岐がふえていくだけで、使わない分岐 がふえていくだけで、これこそ制度の根幹にかかわる重大な問題で、大変取り扱いにくい のではないかというのが私の意見です。 ○西岡分科会長  邉見先生、どうぞ。 ○邉見オブザーバー  いろいろなご意見を、公開の場では言えませんので、事前レクとか個人的に説明してお きたいと思います。 ○西岡分科会長  よろしくお願いいたします。  どうぞ。 ○小山分科会長代理  今、山口先生がおっしゃったこと、とても大事だと思いますけれども、マイナスになっ てしまうと大変だというのですけれども、結局は、今回の参考の資料の一番後ろに書いて あるとおり、この基礎係数というのを残すことになったので、かなりそこら辺の裁量権は 出てくるのではないかなという感じは持っているのですけれども、いかがですか。 ○山口(俊)委員  それは具体的にどのようになるのかわかりませんので、ちょっと私には答えかねます。 ○西岡分科会長  ちょっとそこのところ難しい問題があるので、山口先生、確かにいっぱい樹形図の枝が ふえていくということになるのですが、実際には使われない症例が出てきたら、全部消え ていくんですね。それはDPCの奨励数が、30例か40例ぐらいにも満たないと、その DPCは消えていくことになっています。だから、ちょっと遅れはするのですけれども、 1、2年遅れの中でリニューアルされていくという方式になるので、どうしても全部外出 しにしなければいけないというのはなかなか難しいかなという気がしているのですけれど も。 ○山口(俊)委員  今、実は例に出た大腸がんというのは、最も標準化の進んでいる分野です。それでさえ そういう状況ですので、ほかの分野のほうがもっと混乱しているところに、そう簡単に分 岐をつくれるものか、つくれない分岐はできないということですから、そこで現場が困っ ているのだと思うのです。  ですから、これはもう氷山の一角で、むしろ大腸がん、私は近い将来、むしろ分岐をつ くることで解決するフィールドだと思うのですけれども、そのほか、たくさんの腫瘍がご ざいますから、それぞれにみんな悩みを抱えているというのが現実だと思うので、ぜひが ん専門病院のがんの化学療法の専門家に一度ここに来ていただいて、やっぱり聞くべきだ と思いますね、一度。そういうことを1回も聞いていませんので、ぜひお願いしたいと思 います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ぜひともそうすべきだと思います。  どうぞ、企画官。 ○追井企画官  非常にいい御議論をいただいていると思いますので、引き続きこの御議論をいただきた いと思います。その上で、少し実務的な観点で御相談といいますか、ある種の御提案かも しれませんが、実際には平成22年の改定を対応しなければいけないという時間が刻々と 経過をしておりますので、例えば今日基本小委でお示しをして御了解を得られた3つの薬 剤等、これについては今の時点でやはり対応させていただかないと実務が回りませんし、 現場にも御迷惑がかかりますと。  一方で、今日の御議論を聞いておりますと、なかなかこれは奥の深い話でございますの で、私といたしましては、この議論をヒアリングも含めまして、ぜひやっていただきたい と思っておりますし、継続していただくということをむしろ次の基本小委で、今日の、多 分この御議論はあと2時間、3時間は平気で続くのではないかなと思いますので、徹夜も 構わないのではございますが、一定程度、今のような22年の改定の対応についてこうい うふうにしたらどうかということを分科会長のほうから御報告いただく形で、さらに抗が ん剤の扱いも含めまして、引き続き検討していくということを御報告いただければ、基本 的には22年の改定については対応ができますし、それから、中医協の委員の皆様方も基 本的にはそれでやってくれという話にされるのではないかなと理解しておりますので、そ ういったことも念頭に御議論を続けていただければなと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  やはり、本当のところがどうなのかというのをきっちり我々は認識しなければいけない と思いますので、抗がん剤に関しては、どんどん新しいものが出てまいりますので、それ にどう対応できるかということも含め、実際の臨床の場でどれだけの御苦労が起こってい るのかというのを、もう決まってしまったような治療法の場合はいいのですけれども、新 しい治療法の導入ということで、ヒアリングも含めた形で今後さらに議論させていただく ということにさせていただきます。ただ、先ほどのこの3つのものに関しましては、これ は既にこの会で皆さんに御了解されてございますので、これについてはほとんど問題にな らないと思います。  ですから、今回は抗がん剤についてが新たな問題点として提起されたということ、ちょ っとこれは時間をもらって検討を続けるということにさせていただいて、山口先生、よろ しいでしょうか、そういう姿勢で。これはもう絶対だめだというわけでなしに、ちょっと DPCの本当の骨格そのものを変えなければいけないということまで含まれてまいります。 そこも含めて御議論をいただければということにさせていただきたいと思います。  その点でよろしいでしょうか。  ありがとうございます。  どうぞ。 ○佐藤委員  少し戻って、新しい機能評価係数の件でもよろしいですか。  今日の資料で見ますと、項目7のチーム医療について少しお話ししたいのですが、この 項目7については、診療報酬全体の議論と整合を図りながら、今回のDPCでの対応につ いて引き続き検討という、一見、玉虫色的なお話になっております。私としては、今まで このDPCでいろいろ議論した中でもやはり、この項目7のチーム医療システムについて も、項目5とか6のように、算出法のシミュレーションなどの具体化作業に着手していた だいて、導入の可否を含めて速やかな検討をいただきたいというのが趣旨でございます。  というのは、今日も中医協の委員の先生がいらっしゃいますが、DPC評価分科会から の報告でも、病棟におけるこの看護師、薬剤師、MSW、社会福祉士などのサポートが医 療安全、勤務医の負担軽減、医療の質の向上につながるというようなことがデータで出て きていて、その評価をしたらどうかという議論をされたと思います。  また、特に病棟の薬剤師の常駐化によって、その働きが非常に重要で、医療の質ですと、 医療安全を含めて5つぐらいございますが、その中のやはり医療安全にも非常に資するた めに、ぜひこの体制整備としての係数として導入してほしいというようなことが出たと思 います。  特にこの医療安全というものは、我々、病院にもおりますけれども、非常に重要な業務 でありますが、実はバックヤードの業務というようなことで、病院としてもなかなか人員 配置等を含めても議論がしにくいということで、それがうまくいっていないということが あります。やはりそういう中でも人員配置をすることでの体制等の整備というのは係数と して評価してもらえというような、多分こういう議論だったと思います。  ですので、例えば今回の試案の中でも6番目ですと、例としては、救急医療での受け入 れ体制の評価という場合に、医師、看護師等が専従であって、そして、薬剤師、臨床検査 技師、放射線技師が常に専従または専任という配置みたいな、そういうセット法があるの であれば、例えば病棟の薬剤師の場合ですと、この病棟の専従とか専任の配置をすること での体制の係数で評価するというのがやはり必要ではないかなというふうに思います。そ の他、少しデータ的にはMSWとか、社会福祉士以外、なかなかこの前の7月調査でもな いのですが、当初のDPC評価の指数の案として出た、勤務しているコメディカルの人数 を分子として、DPC対象患者数を分母に除するとか、いろいろなやり方が多分あると思 うのです。そういうことをやはりしていかないと、実際、なかなか医療安全等の病院に対 する評価とか整備はできないのではないかと思います。ぜひこの算出方法についても、例 えばこういうような例を見て、シミュレーションなど具体化作業に、もう時間もございま せんので、できれば着手していただいて、この導入の可否も含めて速やかに検討していた だきたいと思っています。  といいますのは、私も国立大学病院の一薬剤部長ですが、つい先週、緊急に国立大学病 院の全体に病棟薬剤師が配置されることによって、それは6割とか8割とかですが、どれ だけ病棟にインシデントがあるか、そして薬剤インシデントについて、その配置に応じて、 どれだけのそういうインシデントが減っているかみたいな緊急調査がありました。アンケ ート調査期間がたった1日半ぐらいのデータ収集で、42大学中37大学から回答があり、 データ的には有意差が出る0.05より少し上ぐらいの数値で、まだ有意差は出ないけれ ども、傾向としては薬剤師を病棟に配置するほうがインシデントは減っているというよう な調査結果を出すぐらいに、全国の、特に地方の医療を支えている大学病院の人たちもこ ういう問題について、非常に関心が高いということもございます。こういう係数化という 議論については、ぜひ、今回の診療報酬について対応していただきたいと思います。  以上です。 ○小山分科会長代理  今、初めて見たのですけれども、この7が離れてしまっているのは何か特別な意味があ るのですか、これは。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 ○追井企画官  これは私ども事務局がお答えをするのかどうなのかというのがあるのですが、事実関係 として御説明させていただきますと、こちらの分科会での御議論は基本小委のほうに資料 も添付をして御紹介しております。  ただ、このチーム医療に関する評価で課題といいますか、論点になっていますのは、チ ームに係るさまざまな専門性が多岐にわたっておりまして、それをどう評価するのかとい う具体的な指数が、さまざまな御意見がある、御指摘あるというのが一つ。  それから、もう一つ、DPCのほうは御議論を中心に行っていただいておりますが、こ れはDPC算定病院に限った話ではないと。医療全般、なかんずく、急性期医療全般につ いて少しそういった専門性を評価して、あるいは、チームワークを評価してという議論が 出ている中で、出来高のほうの議論ともやっぱり一体的にしないとバランスがとれていな いのではないのかというのが、これは多くの方が指摘をされている点でございます。  そういったことから、我々としましては、受けとめとしましては、基本小委でそもそも 出来高の話も含めて一体的に議論をしていただかないと、あるいは極論すれば、基本小委 の結論としてこれをやるというふうに言っていただかないと、作業としては、作業を進め るのは構わないのですが、ただ、それが実際に評価につながるかどうか、まだ確たる方針 が定まっておりませんので、そういった意味ではほかの6項目とは違うのかなという意味 で分けて整理をさせていただいたというのが事実関係でございます。 ○小山分科会長代理  いろいろなデータが出てきているのは、薬剤師のところが出てきているわけだから、薬 剤師のところだけでもこのシミュレーションを入れるようなデータを出すようなわけには いかないのですか。全体のバランスが大事と言われてしまうと、確かに全部が全部という ことになってしまうのですけれども、特にDPCの急性期の病院においての薬剤師の役割 は非常に大きくなっているので。  最初、事務局案では7番は外れていたのですけれども、やはりここでチーム医療はぜひ 評価に入れたほうがいいという経緯がありましたよね。1回落とされたけれども、この会 議の中で上げたという経緯もありますので、何とかこれ、格上げはだめですか。 ○追井企画官  ありていにもっとストレートに申し上げますと、前回の基本小委でこれはさまざま御議 論がございました。その中で22年度の対応についてはこういう形でやっていこうという ふうになっておりますので、この場の議論でもってそれを少し変更するようなことは我々 としてちょっと御提案しづらいというところでございます。 ○西岡分科会長  一応、私のほうから説明をさせていただくときには、この問題に関しても係数化して何 とか採用していただきたいという要望は出したのですが、基本問題小委員会のほうでは今 企画官がおっしゃったような形で、特にDPC、特異なものという点から問題点としてピ ックアップされておりますので、今のような形になっているということでございます。  ですから、これに関してはさらに我々のところでデータを集めて、ちゃんとそれに倣う 指数みたいなものをつくり上げていくというのが必要ではないかと思います。  前回、集めさせていただいたアンケート調査のデータから、これをというふうな指数に はなりにくいところがまだあったものですから、確かにこれは我々自身に対する宿題にも なるのかなというふうに認識しております。  美原委員、どうぞ。 ○美原委員  チーム医療に関しましては、前回もお話しいたしましたようにぜひ、なかなかいろいろ 大変だろうと思いますが、何か評価していただければ、それが十分にペイするものでなく ても、評価していただくことによって多くの病院で実際にチーム医療に取り組むようにな る可能性があるので、コストのかかるものですから、そんなにお金もつけなくてもいいか もしれない、僕はよく分からないですが、ただ、そういうことがもう世の中が求めている ということを点数に、この評価に入れるということで世の中にさらにチーム医療が広がっ ていく可能性はあると僕は思うのです。  ですから、ぜひこれは何とか入れていただければいいかなというふうには考えておりま す。 ○西岡分科会長  どうぞ、金田委員。 ○金田委員  チーム医療に関しては、大学病院の先生方の御意見が主になっておりますけれども、我 々の中小病院の立場から見ても、ともすれば方針決定に医師の意見だけが大きく反映され る中で、例えばNSTから始まって、幾つもの委員会ができていますけれども、もう医療 に革命が起きていると言っても過言ではありません。医療安全、医療の質、さまざまな面 で革命が起きているぐらいの、中小病院にこそ良い影響があるというふうに考えておりま す。加算になるか、DPCに入るかということに関しては、広く加算されるのが望ましい と考えます。 ○西岡分科会長  今までもNSTの加算だとかというのがありますが、そういうのも兼ねて見直していた だきたいということになるのかなというふうに思います。やっぱりDPCだけ特異という ことではございませんので、これはDPCでない急性期医療をやっていらっしゃる病院で もやはり同じことがありますので、そういったものをぜひとも評価してもらうという形に、 要望させていただくということでございます。  どうぞ。 ○熊本委員  今日の参考資料を見ていまして、ちょっと分からないことがあって、図の見方等があっ たものですから、御質問させていただきますけれども、この参考資料の2ページ目の機能 評価係数の導入の案の中の2の(1)で、上積み相当部分の25%相当を置きかえるとい うことで、別紙2ということがあります。それとともに、3ページには調整係数の第2、 調整係数の廃止に向けた対応についての(1)で、平成22年も含めて4回の診療報酬改 定を経て廃止することとし、ということがあって、私がちょっと誤解したのかもしれませ んけれども、25%というのは4回だから25%かと思って、最後の図を見ますと、最初 の図では確かに4分の1、上に書いてあるのですけれども、最終的に落ちつくところも何 かちょっとそれに近いようなところになっていますので、25%というのは初めに決めた 部分の25%であって、毎年それがふえていくとか、そういうわけではなくて、もう固定 的に25%を機能評価係数で置きかえるということの文言なのかと、ちょっと、私、誤解 している可能性があるものですから、ちょっとそれを確認したいと思いました。 ○長谷川補佐  実はその点、なぜ25%なのか、なぜ4回なのかということは、基本問題小委員会でも 随分御質問をいただきました。私ども、あくまで、まず、大体4回ぐらいに分けて調整係 数を段階的に廃止してよいのではないかということで、単純に100割る4の25%とい う形でお示ししています。その25%は先生がおっしゃったとおり、現在ある調整係数、 上積み部分から25%という解釈でございます。「24年度以降はどうなのだ」と聞かれ ましたが、それについては現在未定でございますので、それは今後、基本問題小委のほう で御議論が進んでいくものと思われます。 ○西岡分科会長  これもいろいろなパーセンテージでどうなるのかというのを例示しろというふうに基本 問題小委員会のところでそういうお話が出ておりましたので、必ずしも25%であるとい うわけではないのだそうでございます。  どうぞ、邉見先生。 ○邉見オブザーバー  話をまたもとに戻して悪いのですけれども、薬剤の件ですけれども、議事録を後で確認 したいのですが、ほとんどみんな肯定的な話でやったのですが、それは今、金田委員がお っしゃったように、全体的にもうそういうのだから、DPCだけでなく、出来高も含めて 検討しようとなったように思いますけれども、ちょっと記憶が定かではなくて。今、西岡 委員長がおっしゃったとおりだと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、美原委員。 ○美原委員  また別の話で申しわけないのですが、診断群分類のカバー率の問題です。前回の会議で、 専門病院はどうなるのだろうかというお話をしたときに、基本入院料で、それはちゃんと 専門病院としてあるというようなことで、「ああ、そうなのか」というふうに思ったので すが、診断群のカバー率が高い病院は、やはりそれなりの医療機能として僕は高いのは当 然のことだろうと思います。当然それは大きな病院だろうと思います。  一方、専門病院、もちろん整形外科の専門病院もありますし、心臓の専門病院もありま すが、そういうような病院で、では専門病院って一体何なのだろう、それは基本入院料で カバーされているというお話で、後で気がついたのですが、その基本入院料で、特定機能 病院と専門病院と一般入院料があって、その専門病院というのは、がんと、それから、循 環器の問題であって、がんは200床以上の病院でないと選べない。それから、循環器の 病院というのは、ICUがないといけない、いずれも、どちらにしてもかなり大きな病院 が主体になっている。カバー率を広くするというよりも大きな病院がいいよということで すし、その専門病院というのもある意味専門病院だけれども、それも大きな病院だよとい うことで、では、実際に専門病院というのはがんと循環器だけなのでしょうか。うちは脳 卒中ですけれども、これは専門病院に入っていませんね。整形外科の立派な病院もありま すが、それも専門病院に入っていない。やはり診断群分類の中で、専門病院というカバー 率だけで物を申した場合に、やはりそれはどうしても大きな病院がいいということになっ てしまわないか。  今回は、専門病院ということが外れたということは十分承知しておりますが、今後はや はりその辺をもう一度考えていただきたいなというふうに思っています。  それから、もう一つお願いなのですが、僕も余りこういうのを勉強していないものです から、今日この場でポンっと出されても、「ああ、専門病院ってそうなのか」というふう に、うちに帰って見ると、全然それは、もう大病院志向のものだというのが初めて気がつ くようなことがあるので、もし可能であるならば、1日でも2日前でも、今日の議論の議 題というのが前もって知らせていただければ、僕らもここに来たときにもっと意味のある ディスカッションができると思うので、ぜひよろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  どうぞよろしくお願いします。  このカバー率についてはやっぱり基本問題小委員会のほうでも「反対だ」という御意見 もいただきました。そのとき、私のほうでお答えさせていただいたのは、図を見ますとち ょっと縦軸の単位がすごく小さいのを大きくしてしまっているものですから、大型病院だ けすごく得するのではないかというふうな印象を、散布図から与えてしまったことがある のですが、実際にはあの中で効率性、それから、複雑性、それから、医療の質というふう なところで見ていったときに、大型病院が必ずしも得をするということはないのですね。 むしろ中小病院のほうが有利になる係数が多いです。例えば整形外科などの専門でやって いらっしゃるところの効率性指数というのは非常に高くなるのですね。そういった意味で、 大きい病院もある程度得をするし、専門にやっていらっしゃる方も得をするようになり、 全部の係数で100点をとるというのは、それは起こらないと考えています。その組み合 わせの中ででき上がるのですという御説明をさせていただいたのです。  ですから、これがまず実際に行われてみて、本当に専門病院が非常にマイナスになるの だったら、そこをまたやりかえなければいけないということになろうかというふうに思っ ています。ちょっと図の示し方がカバー率のほうだけすごい傾斜の高いものになってしま ったのですが、横の実際の縦軸の数値を見ていただきますと、ほんの小さな差なのです。  ですから、そんなに大きな差はつかないということでございますので、ちょっとそうい った意味で御了解をいただきたいというふうな形で説明させていただきました。  これも実際にシミュレーションのものが出てきたところでいろいろまた御議論いただけ るのだろうと思っていますが、ほかに御意見ございますでしょうか。  では、抗がん剤に関しましては、これは宿題の部分を含めて今後この委員会で検討させ ていただくというお答えをさせていただくということと、今日の議論も一応事務局のほう でまとめていただきまして、私のほうから基本問題小委員会のほうに報告させていただき たいと思います。それでよろしいでしょうか。  それでは、本日の議題は以上としたいと思います。事務局のほうから連絡事項がござい ましたら、お願いします。 ○長谷川補佐  次回の開催につきましては、追って連絡させていただきます。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第15回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させ ていただきます。  皆様方、よいお年をお迎えください。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3289)