09/12/24 第7回今後の看護教員のあり方に関する検討会議事録 第7回今後の看護教員のあり方に関する検討会         日時:平成21年12月24日(木)10:00〜12:00         場所:厚生労働省共用第7会議室 ○島田課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第7回「今後の看護教員 のあり方に関する検討会」を開催いたします。  委員の先生方におかれましては、御多用のところ、年末の差し迫ったときに委員会に御出 席いただきまして、誠にありがとうございます。  本日、全員の御出席という予定でございますけれども、澤本委員、羽生田委員は少し遅れ て御到着かと思います。よろしくお願いいたします。  次に配付資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、座席表をお配りしており ます。  その下、資料1「今後の看護教員のあり方に関する検討会報告書(案)」。  参考資料といたしまして「指導医講習会の開催指針について」を配付しております。不足 しているものなどありましたら、事務局の方にお申し付けください。  それでは、永山座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。 ○永山座長 おはようございます。本日でこの検討会の報告をとりまとめたいと考えており ます。本日も活発な御議論をどうぞよろしくお願いいたします。  それでは、先ほど説明がございましたように、事務局より議事次第に従いまして、「今後 の看護教員のあり方に関する検討会報告書(案)」について検討を進めてまいりたいと思い ます。  それでは、まず事務局より、今までの委員の意見を反映して作成されました資料1の報告 書(案)についての御説明をお願いいたします。 ○島田課長補佐 資料1でございます。今回、報告書のとりまとめということでございまし て、前回お示ししましたこれまでの議論のまとめを、前回いただきました御議論を踏まえま して、このような報告書(案)の形にまとめております。  目次がございますけれども、「はじめに」から「おわりに」といった構成でつくっている ところでございます。「はじめに」と「I.看護教員の資質・能力に関して」、「II.看護師 等養成所における看護教員養成のあり方について」につきましては、前回お示ししたものを 中心に先生方の御意見を反映させて作成したものでございますので、重ねて本日読み上げ等 はいたしません。  6ページが「III.看護教員の継続教育について」というところでございます。ここの部分 につきましても、前回大枠お示ししておりましたけれども、御議論を踏まえまして若干中身 を強化させているところでございます。  IIIとIVにつきまして、読み上げをさせていただきたいと思います。  「III.看護教員の継続教育について  1.看護教員の継続教育・評価について  1)現状と課題 ○現在、看護教員の継続教育を実施する上で教員の配置数、臨床現場との連携、新人教員へ の支援が課題となっている。 ○看護師等養成所では、設置主体や養成所ごとで経験年数に基づく段階別の看護教員に対す る研修を体系化しているところがある一方で、小規模独立型の養成所では、教員数やノウハ ウ等の問題から研修の体系化が困難となっている。 ○都道府県では、国の補助事業として、看護師等養成所の専任教員再教育事業を行ってきた が、実施しているのは一部の都道府県のみである。また、その実施内容や回数は様々で、ト ピックを取り扱った単発の研修が大半を占めており、この研修だけでは、十分なキャリアア ップが困難な状況となっている。 ○このように、看護教員が看護師等養成所で能力を発揮しながら教育にあたるという環境が 必ずしも十分に整っていないことから、大学院修了等によりキャリアアップした看護教員た ちは、看護師等養成所から大学へ移動する傾向がある。 ○一方、大学や大学院では、教師教育という意味でファカルティ・ディベロップメント(以 下FDという)の取り組みが義務づけられており、教育実践能力や研究能力の向上のための 研修、教育方法改善のための授業検討会の開催等といった活動を実施している。 ○教育機関の中には、臨床現場との連携を図るために、病院と教育機関のユニフィケーショ ンを行っているところもあるが、身分の保障や給与の関係などの問題で十分に実践できてい ないところも多い。 ○新人教員については研修の有無に関わらず、入職後すぐに一人の教育としての実践が求め られるという過酷な現状があるため、指導教員や助言システムを整えているところもあるが、 すべての看護師等養成所で整えられているわけではない。特に、新人教員が1人のみの場合 では、1人で不安や悩みを抱えることになり、バーンアウトにつながる傾向があるとの指摘 もある。 ○教員の自己評価、学生等や保護者による他者評価システムは全体的に浸透しつつあるが、 組織全体の教育環境に関する評価・改善システムにつながっているところは看護師等養成所 においては少ない状況である。 ○幹部看護教員養成課程で実施されている教育内容は、看護師等養成所の運営上、大きな役 割を果たしており、継続教育の中に養成所の運営に関わっていく幹部看護教員を対象とした 研修を位置づけることは重要である。  2)当面の改善策 ○どのような要件で看護師等養成所の教員になったとしても、教員としての基礎がつくられ る新任期の研修が重要である。そのため、新任期の研修体制を構築し、看護教員の質の確保・ 向上のための財政支援を含めた方策を講じることが必要である。 ○新人の看護教員を支えるためには、メンターやスーパーバイザーの設定など多様なフォロ ーアップ体制が考えられるが、新任期の研修体制構築と併せて検討することが求められる。 ○一部の看護師等養成所で行われている体系化された看護教員の継続教育研修や、大学で行 われている看護教員向けの公開講座などを他の小規模独立型の養成所でも活用できるよう にするため、それぞれの地域において、大学等関係機関の協力を得ながらブロック毎にネッ トワークを作り、その継続教育プログラムを部分的に受講できる仕組みづくりを検討するこ とが望まれる。 ○看護教員の継続教育は、行政を主体とするよりも、学会を主体として展開することも効果 的であり、学会の中で看護教員の継続教育カリキュラムを複数組んで、多様なプログラムが 展開できるよう国の働きかけが必要である。 ○国の補助事業として、一部の都道府県で実施されている看護師等養成所の専任教員再教育 事業の中で、看護教員の成長段階別など個々のキャリアアップにつながる内容も行われるよ う検討すべきである。 ○小規模な看護師等養成所の看護教員が一定期間の研修に参加できるようにするために、代 替教員を派遣する仕組みが必要である。 ○一方で、看護教員の継続教育は、看護師等養成所内においてFDの一環として、教員相互 の授業参観による教育実践能力の向上などといった能力開発に取り組むことが必要である。 ○看護教員が運営管理に関する知識の修得等を通じ、看護師等養成所において管理的役割を 果たすなどといったキャリアアップを図るために、大学院を活用することも考えられる。  2.今後の看護教員の継続教育について ○看護師等養成所の看護教員も職位の違いだけに留まらず、魅力的な専門職業として、キャ リアアップしていく仕組みをより多彩に整備する必要がある。 ○個々の看護教員のキャリアアップを考える際に、例えば看護師の成長段階別モデル(ラダ ー)と同様に、看護教員にいても新任、中堅、ベテランといったラダーを作成し、看護教員 自らがキャリアアップできるシステムを整備すべきである。 ○看護師等養成所においても、大学や大学院のように看護教員のFDの義務化について検討 する必要がある。また将来的には、看護教員の教育実践能力の向上のためのFDが、設置主 体の異なる看護師等養成所間で連携して行われることが望まれる。 ○看護教員が生涯を通じてキャリアアップを重ね、モチベーションを維持していくためには、 教育の成果や専門性を自己点検・自己評価できるようなシステムと組織全体の教育環境に関 する評価・改善システムの整備が看護師等養成所には必要である。 ○看護教員の看護実践能力の向上を図るために、将来的には看護師等養成所と臨床現場の連 携によるユニフィケーション等のシステム化を推進するための検討が必要である。  IV.学生等の看護実践能力の向上を図るための教育体制について  1.臨床現場で看護を実践している看護職員の活用と臨地実習の指導体制について  1)現状と課題 ○臨地実習指導に関わる看護教員や臨床の実習指導者が不足していることから、学生等が患 者へ直接的な看護を実習の中で十分に行える環境が整備されていない現状がある。 ○臨床の実習指導者は、配属先の通常業務との兼務で指導することが多く、学生等が実習指 導者から十分な指導を受けられる実習環境が整っていない現状がある。 ○実習施設によって実習指導者の配置数には差があり、実習施設で職員を実習指導者講習会 へ派遣する際は、施設側の負担で行われている。 ○看護教員が看護実践能力を維持するためには、臨床現場で看護を実践する必要があるが、 その立場と責任の所在が大きな課題となっている。 ○臨床現場で看護を実践している看護職員の活用の例としては、専門看護師が主に大学院教 育で、また認定看護師が看護師等養成所や大学の教育に活用されており、学生等に最新の知 識や技術が提供できるだけでなく、職業人モデルとして看護職への動機付けを与える効果が あるとの指摘もある。  2)当面の改善策 ○学生等の実集の質を上げるためには、学生等が行う学内演習時から臨床の実習指導者が関 わることのできるシステムや、高度実践能力を持つ看護職員(専門看護師や任意看護師等) を教員として活用するシステムを作る必要がある。また、高度実践能力を持つ看護職員を地 域内にある複数の教育機関で広く活用するなどの仕組みも求められる。 ○さらに、学生等の看護実践能力の向上のため、臨地実習の際には実習指導者の専任配置又 は看護教員や実習指導教員もしくは実習指導者のいずれかが、直接実習の指導ができる体制 整備を推進する必要がある。 ○その際には、学生等が効果的な実習指導を受けられるよう、同一レベルの指導が継続的に 行われる体制を作ることが重要である。 ○看護教員と臨床の実習指導者は、患者を尊重する立場と学生等の教育者としての立場との 調和を保つことが重要で、協働する中でうまく役割分担をしていくことが望まれる。さらに は、看護教員と臨床の実習指導者が同じ目標に向かって学生等の達成度合いを評価しながら その結果を共有し、指導していく体制を作ることが重要である。  2.今後の学生等の看護実践能力の向上を図るための教育体制について ○看護学生が受ける看護基礎教育の質の充実を図るには、臨床現場で看護を実践している看 護職員の活用が促進されることが望ましい。そのためには、臨床現場での指導体制の充実が 可能となるいわゆる臨床教員制等の導入が、付属病院のない学校養成所でも進むような体制 整備が必要である。 ○また、そういった体制を整えて医療人材の育成に貢献している実習施設が、教育に熱心な 施設として社会的に評価される仕組みを検討する必要がある。 ○学生等の看護実践能力を向上させ、臨床現場との乖離を少なくするためには、教員に対す る研修や臨地実習の指導体制の充実などを促進することが重要な課題であると言われてい る。しかし、看護基礎教育の質の向上を目指すには看護教員の現在の配置人数では外部研修 の受講や臨地実習における学生等への十分な指導などに限界があることがこれまでも指摘 されており、今後、現行の配置基準の引き上げを検討することが望まれる。  おわりに  看護基礎教育の充実に向けた様々な方策を進める上で、看護教員の質の向上を図ることが 重要であることから、今回、初めて看護教員の今後のあり方も含めた検討を行ってきた。  検討を重ねた結果、看護教員や看護基礎教育の現場をめぐる多くの課題が整理され、それ らを改善するための方向性が示された。今後は、これらの改善策を看護教員、看護師等学校 養成所、看護教育に携わる団体や学会、都道府県、国が連携・協力して着実に推進していく ことが重要である。  看護教育については、現在、厚生労働省の他の検討会で議論されているところであるが、 看護教員にかかる中長期的な視点に立った改善策についても、これらの検討会における議論 を踏まえ、看護の質の向上と確保を図るため、連動性を持った効果的な政策を検討すべきで ある。  一方、改善策の具体的内容にまで結論が至らなかった事項についても、一定の方向性が示 されており、看護教員の質の向上を目指して、継続的な検討や所要の対応がとられることが 望まれる」。  以上でございます。 ○永山座長 ただいま事務局から「III.看護教員の継続教育について」の内容、更に「IV. 学生等の看護実践能力の向上を図るための教育体制について」、「おわりに」と全体の構想に ついて説明がございました。  それでは、ただいまよりそれぞれの項目に沿って追加等の御意見を伺ってまいりたいと思 います。  それでは、6ページへ戻っていただきまして、看護教員の継続教育につきまして、まず教 育並びにその評価、今後の看護教員の継続教育という視点からおまとめいただきましたけれ ども、追加等よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。  林正委員、どうぞ。 ○林正委員 追加というよりも恐らく欠字だろうと思いますが、検討してみてください。6 ページの下から3つ目の○のところですけれども、「新人教員については研修の有無に関わ らず、入職後すぐに一人の」と書いてありますが、これは恐らく一人前という意味でわざわ ざ漢数字を使ったのではないでしょうか。一人前というのが1字「前」というのが欠字して いるのではないかと思います。 ○永山座長 いかがでしょうか。IIIの1番、6ページです。お願いします。 ○島田課長補佐 意味的にはそういった意味でございますので、前後のつながりを考えて修 正したいと思います。 ○永山座長 それでは、一部文言の修正というところで、「一人」というところを「一人前」 にするか、妥当な表現があればそのような表現に表記を変えていただきたいと思います。  林正委員、それでよろしいでしょうか。 ○林正委員 はい。 ○永山座長 ありがとうございました。  それでは、羽生田委員、どうぞ。 ○羽生田委員 現状という中で上から4つ目のところに「大学院修了等によりキャリアアッ プした看護教員たちは、看護師等養成所から大学へ移動する傾向がある」とあるんですけれ ども、これはどの程度の実例があるのか、私は全く実例を知らないんです。 ○永山座長 御返事はどうしましょうか。 ○羽生田委員 どなたかの大学なり養成所で実際に教員がキャリアアップしたことによっ て大学に移ったという実例がどの程度あるのかなという。その辺がわからない。 ○永山座長 実態ですね。  それでは、どなたか。事務局からどうぞ。 ○島田課長補佐 ここのところは現状と課題という部分でございまして、この部分は委員か らの御発言でそういった傾向があるということを踏まえて掲載しております。そのときに数 値的なものを特にお示しではなかったかと記憶しておりますけれども、どなたか先生方、何 かデータがあれば補足でお願いいたします。 ○永山座長 羽生田委員、どうぞ。 ○羽生田委員 大学へ移動する傾向があるということは、1人か2人移ったのでは傾向があ るとは言えないので、そういった実例がもう少しあるのであればこういうふうに表現しても いいと思うんですけれども、私は実例として全く知らないので、実際に皆様方の大学や養成 所でそういう例がどの程度のあるのかわかれば教えていただきたい。 ○永山座長 安酸委員、お願いいたします。 ○安酸委員 数でははっきりは言えませんが、大学が180校以上になってきている状況で、 例えばうちの大学は福岡なので都内から外れております。  今、教員公募をしますと、看護学校で教員をしていて修士を取った人の応募があります。 うちの大学でも何人かそういう先生が教員として来ておりますし。現在は、看護系大学で基 礎教育を受けていない先生方でも、大学院に入れる状況がございます。  大学院を出るということを今は夜間でもできるので、働きながら社会人として修士を取る 学生は多くいます。看護学校で働きながら修士を取った後、公募があったときに大学に移る ということはかなり聞く話です。そこは何人とか何%とかということは言えませんが、特に 地方の方はそういう傾向があるかなと感じてはおります。 ○永山座長 ほかにこの件につきましていかがでしょうか。  岩本委員、どうぞ。 ○岩本委員 私が発言したと思います。私は国立病院機構におりますが、国立病院機構の教 員の中には看護教員養成課程の研修を経て、教員として何年か経ちますと、今、安酸委員が おっしゃったように大学院に行きたいということで大学院に行く教員がおります。その後大 学院修了後に戻ってくる教員もいますが、そのまま大学の職員として大学に移るという教員 も結構多くいます。数として何%ということは言えません。  さらに幹部看護教員養成課程を修業して、教育主事など管理職にあって大学院を修了した 教員に関しても、明確な数字を挙げることはできませんが、今、大学で看護系学部が次々に できている状況の中で、大学への移動が結構あると考えております。 ○永山座長 ほか、御意見はいかがでしょうか。  齊藤委員、どうそ。 ○齊藤委員 都立看学でも大学院に行っている方は相当多いんです。行き始めている方も多 いので、今、調査をかけているところなんですけれども、その結果を考えると修士が修了し た段階で大学に持っていかれるという危機感は都立看学の中で大いにあります。  ですが、日々の教育活動の中で、大学教育でやれる内容と専門学校でやる内容と特色があ ると思いますので、専門学校の魅力を一生懸命言いながら引き止めているという現状はあり ます。ですので、修士に行った人は引き抜かれるという意味で要注意と考えています。 ○永山座長 微妙な発言がありましたけれども、羽生田委員、よろしいでしょうか。傾向に あるということで、確実な数値は出ていないということです。 ○羽生田委員 わかりました。ただ、今、感じたのは、養成所でもある程度の大きさとか勤 務上の余裕があるとか、そういう方々は大学院に行く余裕がある。その結果、大学院を修了 すると大学の教員に行きたくなるというのはわかりました。  医師会立などの養成所ではそこまでの余裕もないので、なかなか大学院も地方では定員も 少なかったり、そういうところに行くチャンスが少ないんです。だから、私は実態としてよ く知らなかったのはそういうことだなということがわかりましたので、ありがとうございま した。 ○永山座長 それでは、文言どおり傾向にあるということでよろしいでしょうか。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員 今の御意見に対して、事実と違うのではないかなと思うことがあります。教員 養成に行っている段階でかなり目からうろこの経験をする、学習に動機付いた人たちという のは、時間がなくても通信教育とかいろいろな方法をとってやっていくんです。今は専門学 校でも大学でも単位認定がかなり進んでおりますので、4年行かなくても2年で済むという ことがありますので、その2年間は覚悟を決めてやるという方がかなりおられるのではない かと思います。 ○永山座長 補足の説明がございましたが、よろしいでしょうか。  それでは、この文言はこのままで訂正はしないでいきたいと思います。よろしいでしょう か。ほかはいかがでしょうか。  野本委員、お願いします。 ○野本委員 質問というかどういう意図でこういうふうに書かれているのかをお伺いした いんです。  7ページの「2.今後の看護教員の継続教育について」というところで、看護師等養成所 の看護教育にも職位の違いだけに留まらず、魅力的な専門職業として、キャリアアップして いく仕組みをより多彩に整備する必要があると書かれているんですけれども、いろんなとこ ろにキャリアアップという言葉が出てはくるんですが、職位の違いだけに留まらないキャリ アアップの仕組みというのは想像がつかなかったんですけれども、どういうことをこれは意 味しているかということを教えていただけますでしょうか。 ○永山座長 いかがでしょうか。 ○島田課長補佐 キャリアアップという言葉がもしかするとあいまいな表現になっている のかもわからないですが、今、職位の違いというのはいわゆる専任教員と教務主任、あるい は副校長というのはあります。そういった違いだけが明確にされていて、それ以外の違いが 余り明確ではないという中で、その下の2つ目の○にも関係するところですけれども、成長 段階別のラダー的なものも御発表の中で示され、そういった段階を踏んで教員のさらなる能 力開発やキャリアアップを進めておられる養成所なども事例として紹介していただきまし た。そういったものも今後つくっていく必要があるのではないかという意図でキャリアアッ プしていく仕組みをより多彩に整備する必要があるという表現をしております。 ○永山座長 野本委員、どうぞ。何か補足等ございましたら、お願いいたします。 ○野本委員 この辺りは、多分この報告書だけを読まれる方にとってみるとわかりにくい表 現になっているのかなと思ったので、キャリアアップという言葉がどういう意図で使われて いるのかということがどこかに書かれるか、少し整理をした方がよいのかなという印象を受 けました。  それと違うことでもよろしいですか。 ○永山座長 はい。それでは、1点、キャリアアップの定義といったらいいでしょうか、少 しあいまいな包含されている内容がいろいろあるのではないかという野本委員からの御意 見ですので、そこのところはもう一度考えてみるということで、もう一点、どうぞ。 ○野本委員 もう一点は8ページの今の続きの中ほど少し上のすき間があいているところ の上ですけれども、看護教員が生涯を通じてキャリアアップを重ね、モチベーションを維持 していくためにはということの続きは、自己評価のことがすごく書かれているんですけれど も、私はこれに関連して発言したことの中には、自分自身が評価して自分自身を発達させて いくこともすごく重要なんですけれども、もう少し客観的に他者評価を取り入れつつ自己評 価ができるようなシステムが必要なのではないかなと思って発言をさせていただいたので、 そういう意図。例えば自己点検・自己評価にできるようなシステムに加えて、他者評価のシ ステムと組織全体のというのは、組織を評価するという意図で書かれているんだと私は読ん だんですけれども、自分自身を評価しつつ、他者からも評価を受けるシステムというのが必 要ではないかということで、そういう文言を入れていただいた方がいいのではないかと考え ました。 ○永山座長 具体的には外部評価等々というようなことでしょうか。 ○野本委員 施設の中でも教員の点検評価というのをしていくと思うんですけれども、看護 専門学校の中でどういうふうになされているかというところは私自身よく知らないんです けれども、自己評価だけだと基準というのは非常にあいまいで、モチベーションを維持し続 けるというのはかなり難しいところがあるのではないかなと思って、やはり他者からの評価、 組織とかそのほか先生がおっしゃった外部を含めて評価というのは必要ではないかと考え ています。 ○永山座長 ありがとうございました。それに関連して、どなたか。事務局から何かありま すか。ほかの御意見を聞いてみましょうか。  まず事務局からお願いいたします。 ○島田課長補佐 6ページの継続教育・評価の現状と課題のところで、下から2つ目の○の ところに他者評価システムと明記しております。今、御指摘がありましたように、他者評価 につきましても今後の継続教育についての部分に含めた方がいいかと思いますので、明記い たします。 ○永山座長 ありがとうございました。ほかの御意見はございますか。  石渡委員、どうぞ。 ○石渡委員 その点を確認させていただきたいのですけれども、先日、看護専門学校の他者 評価に関して、第三者機関というのがないので自己評価に留まるしかないようなことを聞い たんですけれども、その点はいかがなのでしょうか。 ○永山座長 今、大学等では確実に第三者評価が導入されていますが、養成所関係ではいか がでしょうかという御意見ですが、お答えいただけますか。  後藤委員、どうぞ。 ○後藤委員 看護学校も専修学校としてやっているところについては、正確な名前はあれで すけれども、東京都で専修学校等評価機構という第三者評価機構が立ち上がっています。東 京都からも補助金が入って、もう3年ぐらい経ちますか。その中で手を挙げて評価をお願い したいといえば評価されるような仕組みになっていまして、まだ今整備の途中のところはあ るんですけれども、一応機構は立ち上がっています。(特定非営利活動法人 私立専門学校 等評価研究機構)  これは東京都のお金が入っていますけれども、一応全国の専修学校協会のところにも適用 しようというような動きになっております。 ○永山座長 情報をありがとうございました。  ほかはいかがでしょうか。これは東京都ということですので、全国レベルでは。 ○後藤委員 展開しようとこれから。 ○永山座長 これからということですね。ほかはいかがでしょうか。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員 第三者評価については、努力義務になっていると思います。この努力義務の範 囲ですけれども、かなり費用が高額と聞いているんです。大体1回に200〜300万と聞いて いますので、これは一養成所でそういうものを本当にやっていけるのかというのもあって、 なかなか進んでいないのではないかと思います。 ○永山座長 ということで経費のこともあり、手を挙げないと外部からはなかなか評価を得 られないというのは現状だということですので、今回の文言に入れるかどうかということで すけれども、外部評価は望ましいという表現で、どうでしょうか。  では、野本委員、どうぞ。 ○野本委員 勿論、そういう第三者評価を受ける、外部からの評価を受けるということも1 つの手として考えておく必要があると思うんですが、やはり組織の中でも自分が研修とかそ ういう継続教育を受けてきた成果というものが評価されるシステムとして他者評価という 表現を入れた方がいいのではないかなと私自身は考えていて、物すごくお金をかけて第三者 からの評価を受けることを意味して言ったわけではないんですけれども、それも含めて組織 の中で自分の受けてきた継続教育の成果とかそういうものを評価できるようなシステム、自 分だけの評価ではなくて、組織からとか他者からの評価というのが必要ではないかという意 味です。 ○永山座長 済みません。少し拡大をしてしまったのですが、8ページの上から1つ目の○ の文言について、できれば組織内における他者評価という文言を考えていただきたいという 御意見ということで承っておいてよろしいでしょうか。それでは、お願いいたします。ほか にありますか。  佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 細かな字句の件で、2点ほどですが。  ひとつは7ページの下の方の「2.今後の看護教員の継続教育について」のそのすぐ上の ○「看護教員が運営管理に関する知識の修得等を通じ」のところの、修得の「修」ですけれ ども、学問を修める、あるいは単位を修得するのはこれ(「修」)ですが、知識や技術は「習 (ならう)」ではなかったかどうか、今お答えはいいので、確認をお願いいたします。  つぎに9ページの「2.今後の学生等の看護実践能力の向上云々」の項目の最初の○の1 行目に「看護基礎教育の質の充実」とあって、その3つ目の○の上から3行目「しかし、看 護基礎教育の質の向上」とあります。「充実」と「向上」、それぞれ言葉の微妙な意味の違い、 ニュアンスの違いによって使い分けされていると思いますが、もしそうでなければどちらか に統一されてはと考えます。感想ということで申し上げました。  以上です。 ○永山座長 ありがとうございました。IVの方へ行ってしまったんですけれども、それぞれ の意図があろうかとは思いますので、III.看護教員の継続教育につきましては打ち止めとい うことでよろしいでしょうか。  羽生田委員、どうぞ。 ○羽生田委員 各地域で養成所の集まりというのが恐らくあるんだろうと思うんですけれ ども、そういったところで、お互い自分はこうしてほしいと言うとか、そこまでの議論とい うのは余りないのではないかと思います。  だれか講師を呼んで講義を聴くというようなことは恐らくあるだろうと思うんですけれ ども、実際に自分が教えてこういう問題点があるとか、私がこういうふうに教えたら非常に 学生が理解したとか、いわゆる学会発表的なものが少ないのではないかと。ですから、そう いった形での養成所なり学生たちを教える教員の集まりというものを利用した形で、お互い の評価にも通じる、キャリアアップにもつながるということで、その辺をもう少しきちっと 有効に使うような文言が1つあってもいいのかなと思っています。  やはりそういう集まりというのは大学院に行くとかそういったものと違ってお金もそう かかりませんので、学校として全体として複数ですが対応もできるということで、何か地域 の取組みというものの1つとして、そういったものをきちっと活用してキャリアアップにつ なげてほしいというような文言をどこかに入れていただけるといいかなと思います。 ○永山座長 林正委員、どうぞ。 ○林正委員 そういうふうな意味合いで、6ページをごらんください。6ページの上の「1) 現状と課題」の3つ目の○です。都道府県では云々と書いてございますけれども、これは実 際にこういうことをするのは各都道府県にある主に専修学校の先生方の集まりの会なんで す。実際に行われていますけれども、担当の方にお尋ねしたところ、予算の消化が余り芳し くないということだそうですから、ここにちゃんと入っていると思います。 ○永山座長 貴重な御意見ありがとうございます。ブロック別まではいかなくても、各都道 府県で実施されているのは事実でございます。それを発展させていくというのも1つの方向 性ではないかという御意見でございます。よろしいでしょうか。 ○羽生田委員 ですから、こういったものが私はそう活発に行われていないという印象を持 っておりますし、行われるのであればやはりキャリアアップにつながる内容をもう少しそう いったものにつながる内容に変えていくというか、そういったものを是非もう少し具体的に こういうことをしろとか書いてもいいのではないかと思う。  東京都の看護学校はお互いに先生方のいろんなつながりを持って、お互いに人の振りを見 てという形を取っているようなものがこういった中で十分機能していくというのは、地域と しては非常にやりやすい大きなことではないかなという意味で、その辺をもう少し書き込ん でいただければと思います。 ○永山座長 ということでよろしいでしょうか。  安酸委員、どうぞ。 ○安酸委員 今の件に関して、6ページの現状と課題の5つ目のところの、大学ではファカ ルティ・ディベロップメント(FD)というのは義務化しているけれども、義務化に向けて したらどうかと書いてある文言があって、ここにFD機能、ブロックごととか協議会とかで はなく、施設ごとでFDの強化をする、そこを看護学校等でも義務化の方向に向かったらい いのではないかというところで、内容をもし必要であればもう少し書けばいいのかなと思い ます。 ○永山座長 具体的な内容まで下りていきますと、そこら辺りは今の安酸先生の意見等々で も出てきていますので、特段入れないで内容の充実を図るというようなことでよろしいでし ょうか。  「IV.学生の看護実践能力の向上を図るための教育体制について」の追加の御意見をいた だきたいと思います。よろしくお願いいたします。  先ほど佐藤委員の方から、2番、質の充実と質の向上の文言について若干の御意見がござ いましたけれども、そのほかいかがでしょうか。  安酸委員、どうぞ。 ○安酸委員 9ページの一番上の○なんですけれども、ここは「学生等の看護実践能力の向 上のため、臨地実習の際には実習指導者の専任配置又は看護教員や実習指導教員もしくは実 習指導者のいずれかが、直接実習の指導ができる体制整備を推進する必要がある」と書いて あって、これは勿論そうなんですが、ここのところでは、将来的にでも義務化に向かってい く必要があるともう少しここを強く書いていただきたいと思っています。  というのは、その現場での教育というのはとても意味のあるところですけれども、そこに 直接指導の人が関われない状況がまだまだあるので、そこは教える側が全部出るというのは 難しいとしても、何らかの形できちんと臨地実習指導者の配置とか、それも例えば1人だけ いて三交代勤務に入っているのでいないときがあるとかということではなく、学生がいると きには確実にきちんと指導する人がいる必要がある。それを今の段階でも義務化ということ を書ける方がいいとは思うのですが、それが難しいのであれば、確実にその方向に向かって いるということを書き込んでいただければと思います。 ○永山座長 ありがとうございました。それは大きな数字の2番とも関連がありますので、 どうしましょうか、少しほかの委員の御意見をいただきましょうか。  それでは、羽生田委員、どうぞ。 ○羽生田委員 言われている意味は非常にわかるんですけれども、義務化という方向に行っ たときには、やはり実習病院の人員的な問題、養成所、専修学校でも、学校側の人員の問題 を義務化という形でやられた場合には、とても人数的にそこまでの対応はできない。ですか ら、義務化をするということであれば、それなりの国がきちっとした担保をするとか、そう いうものの裏付けがなければ義務化はできないです。  そういう方向に向かうべきであるはまだいいですけれども、現状からして義務化は実際の ところは無理です。 ○永山座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。  井部委員、どうぞ。 ○井部委員 今の文言はどういうふうに読むんでしょうか。長い文章ですけれども、9ペー ジの一番上の○です。「さらに、学生等の看護実践能力の向上のため」まではいいんですが、 「臨地実習の際には実習指導者の専任配置又は看護教員や実習指導教員もしくは実習指導 者のいずれかが」というのは、1つは実習指導者の専任配置、「又は」というのは専任配置 でなくてもということになるでしょうか。看護教員や実習指導教員もしくは実習指導者が専 任配置でなくても置くというような意味にとれるでしょうか。  専任配置でなくても置いて、直接実習の指導ができる体制を整備すべきだと解釈できるの か、この長い文章をどこで切ったらいいのか説明をお願いします。 ○永山座長 では、よろしいでしょうか、お願いいたします。 ○島田課長補佐 専任配置もしくはいずれかどなたかが直接指導できる体制を推進する必 要があるという文章構成になっております。 ○井部委員 専任配置でもいいし、専任配置をしない場合は、教員とか実習指導教員とか、 この看護教員や実習指導教員というのは教員が2回出てくるんですね。もしくは実習指導者 という人のいずれかということは、看護教員と実習指導教員は違うわけですね。ここはいろ いろあってわかりにくいです。 ○永山座長 林正委員、どうぞ。 ○林正委員 例えば私が勤めております大学ですと、専任教員だけで足りないときには、非 常勤の職員として採用した方がおられるわけです。その場合はこういうふうな表現になりま す。看護教員や実習指導教員という区別になるわけです。  もっとはっきり言いますと、看護教員の場合ですと、講義もする、実習も担当する。実習 指導教員の場合は、実習のみ、講義は担当しないということです。 ○永山座長 追加発言で石渡委員、どうぞ。 ○石渡委員 今の件で読み込み過ぎなのかもしれませんけれども、多分またはという前段の ところ、臨地実習の際には実習指導者の専任配置というのが最も望ましい体制なんだけれど も、そこまでいかないときには看護教員といった人たちが直接指導できる体制を推進すると いうところなのかなと思ったんです。その辺りのところがもう少ししっかり。  実際のところは実習指導者の専任配置というのが現場であれば一番最も望ましいという 辺りの議論だったのではないかなと思うんですけれども、それを現場で専任配置ということ を考えますと、これが病院で1人とかというわけではないので、各実習場で1人ずつという ような形になると、今厳密に言うと非常に難しいというところがありますので、それを例え ばどういうふうに考えるのかとか、そういう専任配置の体制をとるとすると、どういう担保 をしていただけるのかなとか臨床の現場としては考えます。 ○永山座長 実はその議論の中で、マンパワーの問題と財源の問題のことが絡んできていた だろうとは思いますので、そこら辺りはいかがでしょうか。すぐには答えが出るとは思えな いんですけれども、そういう中でどう工夫をするかとか、何が大事かというところを議論し なければならないんだろうと思うんです。いかがでしょうか。  お願いします。 ○島田課長補佐 事務局からでございます。まず表現の部分ですが、8ページの現状と課題 のところの上から2つ目の○のところで、臨床の実習指導者がフルコミットできないという 現状であるといったことを御指摘いただいたところでございます。それに対応する形で9ペ ージの一番上の○のところで、実習指導者の専任配置またはここに掲げられている少なくと もだれかが指導するような体制を確保するといったことを改善策として掲げているところ であります。  今お話のございました財政支援につきましては、直ちにということではなかなか記載する ことは難しいかと思っております。 ○永山座長 ということで、義務化というのはいかがかということなんですが、まだ段階的 には難しいというような状況なんですけれども、いかがでしょうか。 ○安酸委員 義務化が今すぐでなくても、その方向に向かっているということをもう少し明 記していただきたいというのが私の発言の意図だったんです。その方向に向かっているとい うことでは羽生田委員もOKと言われたので、その形で書いていただければうれしいなと思 います。 ○永山座長 どうぞ。 ○島田課長補佐 先生の御意見を踏まえまして、文言は座長と相談させていただきたいと思 います。実習体制につきましては、現在、この報告書の後半の方にも書きましたけれども、 厚生労働省で設置しています別の「教育内容と方法に関する検討会」を行っており、その中 でも効果的な実習の在り方について今後検討するような側面もございます。したがいまして、 実習体制についてここで書き切るには、議論が十分にし尽くせていないかと事務局としても 思っています。ただ、そういったことが方向性として望ましいといった御意見は反映できれ ばと思います。 ○永山座長 独自に教育内容と方法に関する検討会も走っているということですので、それ と連動してということで表現を若干変えていただければという御意見でございます。  ほかはいかがでしょうか。  井部委員、どうぞ。 ○井部委員 この報告書は全体的に現状と課題、「当面の改善策」と「当面ではない改善策」 に分けてわかりやすく整理していただいていると思います。構成を見ますと、第1章は看護 教員、つまり養成所、看護系大学、すべての看護教員を対象にしているように読めますが、 第2章が看護師等養成所を対象にして論じられています。第3章にいきますと、看護教員全 体について論じられているように思うんですけれども、第4章も看護系大学と養成所のすべ ての看護教育体制ということで論じられています。第2章だけが対象が限定されていて、ほ かの章は養成所も大学も網羅しているんだというようなことがわかりにくいのです。  先ほどのように大学の実習指導教員は大学では置いたりしますけれども、養成所では余り そうした体制がないというので、全体を論じようとするといろいろ無理が生じてくるような 感じがあります。そこはなかなか難しいところですけれども、養成所に対してメッセージを 発信しているところと、すべての看護教員に向けたメッセージとわかりやすくしていただく といいなと。どういうふうにしたらいいかというのははっきり言えないんですけれども、こ こはすべての看護教員に向けています、ここは特に養成所の教員について言っていますとい うことがわかるようにした方がいいと思います。 ○永山座長 この検討会が始まりました冒頭からの大きな課題でもあったわけなんですけ れども、時間の制約ですとかということでこういう形で今日はまとめが出ました。  事務局の方から何か今の御意見に対してございますでしょうか。 ○島田課長補佐 今、井部委員から御指摘のありましたように、2章の部分は教員養成の在 り方ということで、看護教員の養成について規定していますのが厚生労働省の指定する看護 師等養成所についてのみですので、そこの部分は3ページの下の注書きにございますように、 厚生労働大臣の指定する看護師等養成所の看護教員養成ということで限定的にしておりま す。  それ以外のところにつきましては、厚生労働省の検討会でございますので、主としては、 いわゆる養成所の看護教員ということかと思います。この検討会の冒頭に座長もおっしゃら れたように、大学や短大などで看護師養成に関わっておられる先生方と共通する課題を抱え ているということだと認識しておりますので、他の部分には双方についての議論が含まれて いるものと思っています。  そのまとめ方として、少しわかりにくいというところは何らかのくくりが必要なのかもわ かりませんので、御意見をいただければと思います。 ○永山座長 そういう意図で一応まとめましたという事務局の御意見ですが、井部委員、ど うでしょうか。 ○井部委員 そうしましたら、「はじめに」のところに少し章の持つ意味を入れていただい た方がわかりやすくなるかと思いました。 ○永山座長 それでは、まとめの「はじめに」の項目の事項のところに、さまざまな養成の 機関があり、本年、保助看法等の一部が改正されたところもありますので、文言に若干補足 説明を入れていただければという御意見ですが、いかがでしょうか。 ○島田課長補佐 それでは、文言を修正して加えさせていただきたいと思います。 ○永山座長 調整をするということで。  石渡委員、どうぞ。 ○石渡委員 9ページの○の2番目と3番目のところですけれども、同じような中身のとこ ろで言われていると思うんですが、同一レベルの指導が継続的に行われる体制をつくること が重要であるということとか、3の最後のところは、達成度合いを評価しながら結果を共有 し指導していく体制をつくることが重要であると書かれているんです。  その前の現状と課題のところでは、体制づくりができていないというような表現がなくて、 突然これが出てきているような感じがするので、一体これはどういうことなのかなというこ とが1つ。  この会議全体が看護教員の在り方に関しての検討ですので、その臨床実習の現場において 看護教員がどういう役割を果たすということが望ましいのかというような方向性でこの表 現を考えていった方がよりわかりやすいのではないのかなと思いました。 ○永山座長 ありかとうございました。役割の部分の表現では体制ということだけに限定さ れているので、役割を達成するための体制というような表現に若干文言を変えられるだろう かという御意見ですが、いかがでしょうか。  それと同じような御意見をお持ちの方はおいででしょうか。違う意見でもいいです。  羽生田委員、どうぞ。 ○羽生田委員 この看護教員の在り方に関する検討会というものが立ち上がった最初のと きの話で、いわゆる看護教育の充実に向けていろいろなことが言われたわけです。勿論、カ リキュラムを含めいろんな形の中で、1つには看護教員が臨床の場面との乖離が大き過ぎる のではないか。  ですから、学生が卒業してきて現場に出たときに、それこそ全然学生時代とえらく違って、 むしろ戸惑いを持ってしまうというようなことが非常に言われました。  もう一つは、看護教育自体を学生のレベルアップをするためには、看護教員のレベルアッ プをしなければ無理だろうというようなことから出てきたわけです。  ですから、その辺どこかに確か臨床との関係でいろいろ臨床実習、実習指導あるいは専門 看護師なり認定看護師を利用する、来てもらってという話も入っていますけれども、専任教 員自体が臨床の場面にもう少し行くとどこかに書いてあったような気がするんですけれど も、それが少し少ないような気がするんです。  もう一つは、「はじめに」というところに書くには、勿論、看護教員が学生を教えていく 中で看護師という職業の魅力というものをきちっと教えて、看護を目指す人が増えてくれる ということが非常に大事なわけで、それは質も高めなければいけないけれども、もう量的に は全然看護師不足で足りないわけですから、看護師を目指すというためにはやはり看護とい う仕事の魅力をアピールしていかなければいけない。その辺も「はじめに」のところに是非 書き込んでいただきたいと思いました。 ○永山座長 今、御意見が出ましたけれども、そもそもなぜ始まったかというようなところ からまた議論が元へ、確認の意味もあり、御意見を今ちょうだいしております。それに関連 して。  澤本委員、どうぞ。 ○澤本委員 関連はしていないんですが、IVのところでよろしいですか。 ○永山座長 どうぞ。 ○澤本委員 ちょうど私、国際医療センターでの副看護師長クラスの国立病院の、今は独立 行政法人になりました方たちの実習生の受け入れと、初任の看護師の教育に当たる予定の方 と既に当たっている方の研修を済ませてきたところなんです。  そのときの声を毎回必ずリフレクションシートで出してもらうんですが、そのときもらっ たもので大変印象深かったのが、1つは指導を終えてからこの講習を受けるのではなくて、 する前に受けたかったというのがありました。  今の子どもがどういう実態かというのをお伝えすることをまずやったんですけれども、か なりカルチャーショックで、そういうことから考えると、1つは臨床現場で優秀な実績を上 げている看護師の方たちにやっていただくことはとても意味があると、研修でもいつも切実 に思うんです。すばらしい方たちがたくさんいらっしゃいまして、真剣ですし熱心ですし、 それは学生や初任者にとっては大変すばらしいことだと思うんですけれども、そのためのカ リキュラムというか、1つは事前にすることと、実際は指導が始まったら多分てんやわんや で無理なんでしょうけれども、せめて終わってからそのことについて合意形成をするという か、少なくとも次回に向けて今回の問題はどういうことで、どういう点についてはどうする かということ。  結局、同じナースステーションの方たちは話ができても、病棟が違うと文化も違うという ようなお話もそのとき伺いましたので、同じ病院の中でもかなり対処方法が違うようなこと があるようなんです。ですから、そうすると看護大の学生などは結局行った先々で学ばなけ ればいけないということになるので、基本的なことは例えばそこで看護の実践している看護 職員の方たちの合意形成がある程度できていれば、もう少し円滑な対処の方法があるのでは ないか。  もう一点は、瑣末な問題でどう言っていいかわかりませんが、例えば日誌1つもちゃんと 出すことをするように指導すること自体が今非常に困難だという。期限どおりに出たら褒め るというお話だったんです。これは記録からは取ってもらいたいんですけれども、そのよう な非常に困難な事態の中でいろいろ頑張っていらっしゃるので、ただもう一方では学校自体 が崩壊状態なところは8校に1校ぐらいあるわけですから、そういうことで考えると、相当 数の看護学校生や初任の方たちはそれに近い経験をしてきているわけです。  そういうところでコミュニケーションをどう取るんだとかということについては、指導す る方たちは余りにもまじめで優秀なのでカルチャーギャップが大き過ぎるとかというよう な話もいっぱい出てきまして、何にしても事前の理解と指導後の次回に備えての合意形成が 指導者間でも必要なのではないかなというのが今回の生々しいところの感想なものですか ら、活用は賛成なんですけれども、その方たちのための何か研修、カリキュラムが必要だと いうことです。 ○永山座長 貴重な現場の声を聞かせていただきました。モデルにしろ、新卒を育てていく にしろ、いろんな工夫がされているかと思いますけれども、さまざまな課題も見え隠れして いるという実態でございます。  そのほか。岩本委員、どうぞ。 ○岩本委員 石渡委員のご意見は「臨床現場で看護を実践している看護職員の活用と臨地実 習の指導体制」の『現状と課題』と『当面の改善策』が対応していないのではないかという 意見だと理解しました。8ページの『現状と課題』の4番目の「看護教員が看護実践能力を 維持するためには臨床現場で看護を実践する必要性があるが、その立場と責任の所在が大き な課題となっている。」はこの表現だと、1ページのI「看護教員の資質・能力に関して」 の課題としてとらえることできると思います。  9ページの2番目の○と3番目の○に対応する『現状と課題』は学校と臨床の連携の問題 ではないかなと思います。今おっしゃっているように、学生の状況も変わってきていますし、 病院の状況も変化し、たとえば在日数も短くなっていて、受け持ち患者さんが次から次に変 わるというような状況とか、患者さんの権利意識も大分高くなってきますので、学生が実習 をする臨床の学習環境を整えるためには、学校と臨床、教員と臨床実習指導者がどのような 連携を図るかが非常に重要で、そのための体制と教員にはそのための連携能力が今まで以上 に求められていると思います。  ですから、そのような文言にすれば、8ページの『現状と課題』と『当面の改善策』であ る9ページ目の2番目と3番目が一致するのではないかなと思います。キーワードは「連携」 ではないかなと思いました。 ○永山座長 今、岩本委員から出ましたことは如実でして、それと関連した発言。  安酸委員、どうぞ。 ○安酸委員 私もそのことはすごく思っています。大分前に戻りますが、1ページのところ のIの「1.看護教員の資質・能力に関する課題」ということで、これはこの報告書を見る 人が最初のページで見るものなんですが、ここの3番目のところで、これは勿論意見もあっ たと最後のくだりにはなっているんですけれども、2行目のところで「看護教員は、自らの 看護実践能力を維持することが優先されるのではなく、臨床現場で誰に学生等を委ねたら優 れた指導をしてもらえるかを見極め、臨床実践の状況を教材として学生等に説明できる能力 が求められる」とあります。教員は、看護実践能力と教育実践能力のどちらも必要でそのバ ランスがとれている必要がある。どちらも重要であるが、教育実践能力をより高める必要が あるとは思うんです。  看護教員が看護実践能力を維持あるいは向上するということが現状で極めて難しいとい うことがまず現実としてあります。しかし、とにかくこの現場で見極める能力みたいにここ に書いてあるのですが、見極めてだれかに委ねるといったときに、看護実践能力がないと協 働はできにくいんです。  だから、少なくとも臨床現場で実践能力のある人と協働できる力は、ここは意見というこ となのでこの○の中には書き込めないとは思うんですけれども、最初に読んだときに看護実 践能力の維持は優先しなくてもいいと読まれてしまうことは若干危険かなという気はした ので、ここは改めて読んで気になったところです。 ○永山座長 いかがでしょうか。  どうぞ。 ○島田課長補佐 今の安酸委員からの御指摘ですけれども、現場と協働して臨床実践の現状 を教材として学生に説明できる能力が求められるといった、恐らくそういう趣旨での御発言 なのだと思います。特に先生方からこの場で異論がないようでしたら、そういった趣旨で書 き加えたいと思います。 ○永山座長 ということで、少し修正ということでよろしいでしょうか。  どうぞ。 ○羽生田委員 今の文言なんですけれども、自らの看護実践能力を維持することが優先され るのではなくではなく、維持することも必要であるがと、必要だけれども、こういった現場 のあれでこちらがもっと必要だという。  優先されるのではなくと言うと、えらく消極的な感じがする。維持することも必要である がとか、その程度の文言に変えていただければと思います。 ○永山座長 それでは、どうしましょうか。文言について御意見を承って。  井部委員、何かありますか。 ○井部委員 看護教員がどのくらい看護実践能力を維持するべきかという論議は、十分にさ れていないと思います。この看護実践能力、つまり臨床能力というのは、臨床で仕事をして いるからこそ磨かれていくわけでありまして、たまにぽっと行った人がどのくらい看護の実 践能力、基礎的なことは違う安楽とか清潔の保持とか、そういう看護の基礎、そのレベルと ここで言う看護実践能力は急性期医療にも対応できるような実践能力ともし考えられてい るとすると、それは非現実的でして、そうした能力を常に維持するということは限界がある と思います。  ですので、この看護実践能力のレベルがあるということをもう少しちゃんと議論しておく とよかったなと思います。一言で看護実践能力を維持すると言われても、いろんな段階があ るでしょうと思うわけです。どのレベルを維持するというのが「維持する」ことになるのか という議論が十分されていない。これは私の反省ですけれども、一言で片付けようとするの は無理があります。 ○永山座長 安酸委員、どうぞ。 ○安酸委員 関連で、今、臨床現場で認定とか専門看護師を活用すると出ていますけれども、 うちは教員として専門看護師を雇用したんです。臨床実践能力を維持するということで1週 間に1回出張の形で現場で専門看護師として有償で活動できると保障したんですけれども、 それでもやはり専門看護師としての能力維持には限界がある。結果として辞めることになっ て、現場にまた戻って臨床をもう少しやりたいということです。  高度専門家を教員として抱え、より高度な看護実践能力を維持させるというのは今は極め て難しい。週1回出張として出るのを許可するのもなかなかできにくい。その体制を何とか したんですけれども、それでも限界がある。  井部委員が言われるように、看護教員が全て例えば週に1回は臨床現場に出るというよう な体制を整えることは、現実的に無理だと思うんです。しかも、それで看護実践能力が維持 できると言えるかというとそれも何とも言えない。現状では多分休みのとき、あるいは研究 に絡めて出るというようなことをしているのだと思うのですけれども、そういうことをここ に一言で書き込むのは確かに難しいと思います。 ○永山座長 ありがとうございました。  野本委員、どうぞ。 ○野本委員 この表現のことについてなんですけれども、私自身も1ページ目に一律にと書 かれている一律というのが何なのかというのが少し引っかかるなと思っていて、もしかしす るとここは臨床看護師と同等の臨床能力とかという表現の方が妥当なのかなということを 感じたことと、それと関連しているんですけれども、先ほどから話題になっています9ペー ジのところも、同一のレベルとか同じ目標にということで同じということがすごく強調され ているんですけれども、全員が同じではなくてもよくて、やはり最低限必要な指導のレベル というものがあって、それ以上のレベルを確保するというような表現とか、目標を共有しな がらとか、協働して目標をとかという表現で、同じということを強調しない方がいいのでは ないかなと全体的に報告書を読みつつ感じたところです。 ○永山座長 澤本委員、どうぞ。 ○澤本委員 今の御意見の後半のIVの(2)の御意見は賛成で、シェアリングということな のです。教員間の合意形成をしていくということだと思うんです。  前のところですが、これはたたき台ですけれども、修正案をつくってみましたので、また それを更に直していただければと思います。  こんなふうに今、先生方のお話を伺って、とりあえずあちこち直してみましたが、その一 方で看護教員が看護実践能力を維持することには困難が伴い、臨床現場を離れている看護教 員に複雑多様な看護実践能力を一律に求めるのは限界も認められる。  看護教員は自らの看護実践能力を維持する努力は必要であるが、臨床現場でだれに学生等 を委ねたら優れた指導をしてもらえるかを見極め、臨床実践の状況を教材化して学生等に説 明・指導できる能力が求められるという意見もある。恐らくそういう内容ではないかと思い ます。 ○永山座長 即座に書いていただいたんですが、もう少しいかがでしょうか。  安酸委員、どうぞ。 ○安酸委員 今のは非常によくまとめていただいていると思います。今の中に先ほどの議論 の中では協働してということを入れようということだったので、実習指導者と看護教員が協 働して教育できるというか、そこを加えたらいいと思います。 ○永山座長 佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 ほかのところでもいいですか。 ○永山座長 少し待ってください。少し煮詰まってきておりますので、一応これについてほ かは御意見ございませんでしょうか。  石渡委員、どうそ。 ○石渡委員 関連してというか、2ページの求められる能力のところで、[1]看護実践能力と いうところに私はずっと引っかかっていたんですけれども、これだけでいいのかというよう なことと、先ほどの井部委員の発言にもありましたけれども、これを維持するというのはす ごく大変なのではないかという2点があるんです。  今までの話をお聞かせいただくと、現場でやっているいろんな業務を随行する能力と看護 実践をする能力というのが一緒になってしまっているような思いがあるんです。  看護実践というと、やはりラダーとかで考えていくときには、看護過程を展開するという ことの能力が基本にあるのかなという辺りで、そこはしっかり高めていただきたいですし、 それは別に臨床の現場に出てこなくても、あえてずっとそういうことをしなくても、例えば 学生とともに看護過程の展開をしていくわけですから、その中でも磨いていくことはできる のではないかと思うんです。  そういったことがあるので、看護実践能力もたたきとして挙げられているところですけれ ども、修正していただくとすると、やはりきちんと看護過程が展開できる能力というのは常 に持っていてもらいたいと思います。 ○永山座長 ありがとうございました。それでは、これについては御意見も大分出てまいり ましたので、事務局の方でもう一度修正をかけていただきまして、皆さんにお諮りをして最 終ということにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。また途中でも御意見があ ればいただいて、盛り込んでまいりたいと思います。  井部委員、どうぞ。 ○井部委員 石渡委員の発言はもっともなところもありますが、看護実践能力は看護過程の 能力とは一概には言えないのではないかと思います。看護過程はいわゆる実践の方法論の概 念ですから、それができるということと実践力とは必ずしもイコールではないと思います。 看護実践能力に一人ひとりが違う考えを持っているかもしれないということがわかりまし たので、ここは「看護実践能力」をもう少しきちんと説明しないと、この報告書全体がおぼ つかなくなると改めて思いました。 ○永山座長 それに関連して、安酸委員。 ○安酸委員 それに関連して、看護実践能力といったときに確かに井部委員の言われるよう に、看護過程の中でも対人関係能力的な看護過程のとらえ方と、看護診断を強化した考え方 があって、看護診断だけにとられる傾向が今は非常に多いので、そのことで看護実践能力と いうことを言われると、極めて難しいなという気がして、本当に看護過程といった言葉一つ でも、看護診断を知っていなければ教員として務まらないみたいになると、本来的な議論と 違うなと。  看護実践能力が教員に必要だと思う根拠としては、教員の教育実践能力の中の教材化能力 といったところに関連して、現象を見たときにそれを説明できるとか、学生に教材化できる というような、自分が業務を遂行できなかったとしても、現象を見て解釈できるのは実践能 力に極めて関連したところで、そこは教員としては評価されるべきところだろうと思うんで す。  だから、多分2者に分けたときに、看護実践能力がこの1行ではほかの人にも非常にわか りにくいということは同意です。 ○永山座長 ありがとうございました。それでは、ほかはよろしいでしょうか。  それでは、少しまとめて、事務局はよろしいですか。 ○島田課長補佐 いろいろ教員にどういった能力を求めるのかといったことを御議論いた だいていて、事務局でもなるべく今までの議論を反映させて書いているところですけれども、 1ページの下のところに今お話ししていただいています資質・能力に関してのまとめとして 注釈的に、2.看護教員に求められる能力と向上すべき資質の一番初めの○ですが、重要な ものを本検討会の議論から抽出したということで、もしかしますと井部委員からもおっしゃ られたように、検討会の中で必ずしもし尽くせていない部分もあろうかとは思いますので、 これまでにいただきました御意見を踏まえて、2ページに書いてあります能力、向上すべき 資質というのはまとめておりますし、今いただきました御意見の中から、ここにまとめられ るものはまとめたいと思っております。  ただ、これは全部教員として求められているものをすべて出し尽くせていないのかもしれ ませんけれども、議論としては今まであったものをここにおまとめしているところでありま す。 ○永山座長 ということでございます。  それでは、佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 何件か細かな点があります。まず1ページのところで、先ほど問題になってい た「看護実践能力を維持する」の文面ですが、上の「はじめに」のところでは「維持」では なくて「保持・向上」という使い方になっており、これもニュアンスの違いでよいとは思い ますが、少し気になるところです。  2ページですが、「[1]看護実践能力」の説明文は、「最新の医療に関する技術や知識云々」 とありますが、これだけだと教員の在り方ではなくて臨床看護師の在り方になってしまうの で、もしこの文案を生かすとすれば、例えば「看護の基礎・基本から最新の医療に関する知 識や技術などを幅広く有し、看護を実践できるとともに学生に適切に教えることができる能 力」としてはいかがでしょうか。教員の在り方ですから、学生に適切に教えることができる というのがないと臨床ナースの能力になってしまいます。  教育はよりベーシックであり、スタンダードであるべきということもありますので、学生 にきちんと基礎・基本を教えるということも大切だと思います。  その下[2]の「教育課程」のところ、「時代の要請に合ったカリキュラムを作成する能力」 とありますが、カリキュラムをつくるだけでは教員にならないので、それは次の項目につな げて例えば「時代の要請に合ったカリキュラムを作成し、授業を展開し、それを評価し、そ れに基づいて改善していける能力」としてはいかがでしょうか。授業改善とかカリキュラム 改善までいって初めて現場の教員の能力ということになるのではないかなと思います。  「学生等指導・評価」のところの2つ目の「・」の真ん中から後ろの方に「定性的に評価」 とありますが、これは「形成的評価」ではないでしょうか。これは御発言された先生に確認 申し上げたいと思います。  [3]の「コミュニケーション能力」の3番目の「・」の文案で「教員と実習先の看護職員間 の調整能力」とありますが、これは実習先の「看護職員」に限定しないで、広く「実習施設 との調整能力」としてはいかがでしょうか。  2ページの末尾の1行の「人間として云々の魅力」について、これは前にも御指摘いただ いておりますが、これでいいのかどうか。「魅力」という2文字が気になるところです。こ この意味は「人間」としても「看護職者」としても「教員」としても、学生に信頼や尊敬さ れ、学生の目標となる人格を有していること、その3つが三拍子そろっていなければなりま せんよという意味です。それを「魅力」の2文字で集約したのですが、文面全体の流れから すると違和感があるような気もしますので御検討いただければと思います。  それからこの報告書の内容ではないのですが、5ページの下から2つ目の○の2行目の 「専任教員の再教育研修」について、これは固有の名称ですからこの報告書ではこの名称を 使用するわけですが、この「再教育」という3文字からくるイメージには違和感があるので、 他に適切な名称がないものかどうか。「再教育」というとやり直しとか学び直しというイメ ージがありますし、行政処分を受けた医療者の教育も「再教育」という名称を使用していま すから混同されないように いずれは別の名称にされてはと思います。  以上です。 ○永山座長 重要な視点の御指摘をいただきまして、ありがとうございました。  今いただいた御意見も参考にして、つくらせていただきたいと思います。  それでは、最後になりますが、「おわりに」と全体につきまして、構成も含めて追加の御 意見をちょうだいしたいと思います。重複しても構いませんのでよろしくお願いいたします。  石渡委員、どうぞ。 ○石渡委員 少し戻ってしまいますけれども、今の資質の求められる能力というところなん ですけれども、その中の向上すべき資質の中に入れていただきたいと思うんですが、看護師 ですので看護観をきちんと持っていただきたいというところがどこにも文言として入って いないので、2番のところ、人権意識とか看護観、倫理観といったような辺りのところで入 れていただきたいと思います。 ○永山座長 という御意見でございます。ほかにいかがでしょうか。  井部委員、どうぞ。 ○井部委員 「看護観」は嫌いです。看護の価値とか、倫理とかとした方がいいと思うので、 「看護観」をそのまま入れるには私は疑問があります。非常にあいまいで多義的な言葉であ ると思います。 ○永山座長 ということで、またそれだけやると何か月もかかるような気もしますが、これ はオフレコで。  ほかはいかがでしょうか。先ほどから全体の構成の中で少し内容と見出しとの整合性等々 のことで井部委員からも御意見がございましたけれども、そういうことにも関連して御意見 をいただきたいと思います。いかがでしょうか。  羽生田委員、どうぞ。 ○羽生田委員 今、さんざん議論されました看護実践能力の保持・向上という話が、「はじ めに」とその次と2ページ目と表現が一致しない。ですから、これは保持・向上をちゃんと しなければだめだと「はじめに」には書きながら、次には無理だと書いているわけですから、 その辺の表現を全体的に出てくるときには同じような表現で矛盾のないようにしていただ くということ。  ヒアリングで幾つか具体的な話を聞いたので、もし書ければ例えばこんなようなやり方が あるというような、実際にこれを読んだ人がでは何をすればいいのかと考えると思うんです けれども、今までヒアリングでそういういいのがあるんだということを聞いてきたわけです から、こういうことについては例えばこんなようなこととか、具体例を少し入れていただけ るとありがたいということです。 ○永山座長 それは可能でしょうか。事務局、いかがでしょうか。報告書としてということ になりますので、いかがでしょうか。 ○島田課長補佐 御指摘のようにヒアリングをたくさんしてまいりましたので、どの部分を どこにといったことをまた座長と御相談して委員の先生方に最終的には御確認をいただき たいと思います。  井部委員から御指摘のありました「はじめに」のところの看護実践能力を保持・向上する ための機会の確保といったようなことのくだりがございますけれども、それ以降の部分の文 言とのそごは検討したいと思いますが、ここはさきに行われました看護の質の向上と確保に 関する検討会での議論を踏まえた表現という書きぶりになっていますので、実際に議論して いただいた結果、やや違う御意見があったといったことは事実でございますので、そこは事 実として報告書は構成したいと思います。 ○永山座長 ほかはいかがでしょうか。  野本委員、どうぞ。 ○野本委員 これは私の個人的な感想としてなんですが、最後の「おわりに」の2段落目の ところに、今後はこれらの改善策をという後に、看護教員から国まで多様なレベルで並んで いて、連携・協力してとなっているんですけれども、教員から国までが並んで連携するとい うのはどういうイメージかなと思ったりして、もしかすると連携していくところと本人とか 努力すべき、協力すべき内容と少し分けて書いた方がわかりやすいのではないかなという感 じを受けました。 ○永山座長 10ページ目の1〜3行目までの内容でございます。今、さまざまな検討会も 出発しておりますので、そこら辺りの含みもここには入っていると考えたんですが、いかが でしょうか。そういう理解でよろしいですか。  安酸委員、どうぞ。 ○安酸委員 別なところ、これも10ページのところですけれども、下から5行目のところ です。これらの検討会における議論を踏まえ、看護の質の向上と確保になっているんですが、 ここは看護教育なのか看護教師なのか、看護と大きくしないで、ここは看護教員の在り方検 討会だったので看護教員の質とか、看護教育の質の方がいいのかなと思いました。 ○永山座長 では、事務局、どうぞ。 ○島田課長補佐 安酸委員からの御指摘は見直したいと思います。先ほど野本委員からあり ました10ページの頭のところの連携・協力してといったところですけれども、御指摘のよ うに共通して認識をすべき人たちと連携・協力する人たちというのがやや雑然と並んでおり ますので、ここは整理をしたいと思います。 ○永山座長 澤本委員、どうぞ。 ○澤本委員 まとめの最後の終わりのところで書くのがいいのかどうかわからないんです が、教員の仕事の中核は現代の複雑、多様化した社会の中での教師の一番専門性はコミュニ ケーション能力と考えています。  そう考えたときに、戻ってしまいますが、1の2の1)の[3]のコミュニケーション能力の ところで、主にここで意識されているのは恐らく学生と実習先との調整みたいなことなんで すが、ここの記述の仕方としては大づかみにもしするんだったら、学生とのコミュニケーシ ョン、学習生同士がコミュニケーションをするのを支援するコミュニケーション能力とか、 教員間のシェアリング、合意形成の能力とか、外と交渉したり提携していく能力とか、幾つ かコミュニケーションも対応があるので、その辺を整理した記述にしていただけるといいか なというのが1点。  情報の受け渡しということでは勿論伝えるべき看護実践能力という知識、技能、人間観ま で入るんでしょうけれども、そういうものと守るべき情報、教師というのは必ず学生の秘密 を知るわけですから、それをキープしなければいけないということもあるわけで、伝えるべ きことと守るべき秘密というようなことの情報処理能力ということも含めてのコミュニケ ーション能力というような形でエキスパートだという認識でここを整理していただけると いいかなと思いました。  その場合、最初に学生等が抱えている精神的、身体的な課題に対応できるカウンセリング 能力というのが一番目に来るのがいいのかどうかということなんです。これは非常に具体的 な話になってしまっているので、もう少し大枠の話から始めて中にこういうものが入ってく るような書き方にできたらいいのではないかと思います。  多分現場の先生になったら一番悩むのはコミュニケーションのことなんです。ですから、 ここはあくまでも現職教育も含めて教員の養成のことでしょうから、そういうふうに考える と前言かまとめかわからないですが、どこかでコミュニケーション能力に触れていただくこ とが必要ではないかと。このボーダレスの多様化した価値観の混沌としている社会の中で、 看護ということについて教える専門家としてやはりそういう自分の見識を持って立ったと ころの考えをきちっと伝えられるというか、そういう能力と説明がどこかで入るといいかな と思いました。 ○永山座長 御意見ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。  井部委員、どうぞ。 ○井部委員 9ページの最後の行に検討を重ねた結果、課題が整理されてよかったと書いて あって、その次の次の段落で、一方、改善策の具体的な内容にまで結論が至らなかった。課 題もまだあるということを言っているわけです。この中で最後の3行ですが、結論には至ら なかったけれども、一定の方向性が示されていて、看護教員の質の向上を目指して継続的な 検討や所要の対応がとられることが望まれるというのは、この検討会がどこに継続的な検討 とか所要の対策をとることを望んでいる、あるいはどのような継続検討がなされるのでしょ うか。それを教えていただきたいと思います。 ○永山座長 それでは、いかがでしょうか。 ○島田課長補佐 検討会のまとめとしては、立場としては厚生労働省に対してこういったこ とを望むという趣旨でおまとめいただければと思っております。  この継続的な検討や所要の対応というのは、具体的に次に検討会を設置するといったよう な明確なものがあるわけではありませんけれども、これを踏まえて次年度以降、行政として どういう対応策をとるべきかといったことを考えていくための材料としたいという位置づ けかと思っております。 ○永山座長 井部委員、よろしいでしょうか。 ○井部委員 ここを少し力強く書いていただくと。例えば人員不足で教員の養成にも出せな いといったような構造的な問題が潜んでいるわけですので、単に教員の質の向上だけではだ めだということが全体的なトーンとしてあったと思いますから、それらを含めてこれだけで は終わらないということをきちんと示していただくとよろしいのではないかと思います。 ○永山座長 ということで、重要な意見だということです。提示された命題については議論 してきましたけれども、そのほかにもこの問題を解決するにはまた違う大きな課題が浮き彫 りにされたのも事実だという御意見かと思いますので、ここの文言に載せるかどうかという のは、表現はなかなか難しいと思うんですけれども、少し強調をした方がよろしいという御 意見でしょうか。どちらに聞けばいいでしょうか。  井部委員、どうですか。 ○井部委員 私は答えられないです。 ○永山座長 という意見だということでよろしいでしょうか。  それでは、もう瞬く間に時間が来てしまったんですけれども、ありがとうございました。 時間がまいりましたので、これで一旦議論の方は終了させていただきたいと思います。  本日、微細にわたりまして御意見をいただきました。それを反映させて報告書として完成 させていきたいと思っておりますので、あとはまた御意見をちょうだいしたりする可能性は ありますけれども、一応座長等に御一任をいただけますでしょうか。どうでしょうか。 ○島田課長補佐 今、いろいろ御意見をいただきましたので、座長と御相談させていただい て文言の整理をしまして、追加、修正をしたいと思います。  その後、若干委員の御意見がそのままニュアンスがとれているかといったようなことも御 確認いただいた方がよろしい部分もあろうかと思いますので、一度委員に御確認をいただき まして、その後に完成ということで座長とまた話したいと思います。そういった手続でよろ しいでしょうか。 ○永山座長 という事務局からの提案でございますけれども、それでよろしいでしょうか。 異論があり、もう一度絶対開くべきだというようなことがあれば再度ということですが、す ごく建設的でいい意見が出たかと思いますので、最終案がよりいいものになることを期待し たいと思っております。  それでは、ほかに。  佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員 この検討会との関連で、1つ要望があります。22年度に都道府県が実施する 看護教員養成講習会の情報がどこかで一元化されていると非常にありがたいのですが。そこ に他県からの受講者の受け入れの可否などの情報も盛り込まれていればと思います。理由は、 22年度実施を予定していたところで実施のとりやめや規模を縮小して実施する情報が数件 寄せられております。実施都道府県、受講定員、他の都道府県からの受講受け入れの可否な どの情報が一元化されていると非常にありがたいのですが。これは22年度だけではなくて、 今後そういった実施の情報の一元化を1つ当面の改善策ではなく、喫緊の課題としてお願い したいと思います。 ○永山座長 それでは、それにつきましては事務局から御返事はいかがでしょうか。 ○野村看護課長 22年度に開催される養成講習会につきましては、どの県が開催するかと いうのは11月に開きました都道府県の担当者会議などで公表しております。  また、どの程度ニーズがあるのかですとか、養成講習会を実施する県がどの程度の規模で というような情報もこちらで検討収集をしております。  必要な情報は、それぞれ都道府県を通じて御連絡いけるようなことを現在考えておるとこ ろでございます。 ○永山座長 そういう情報発信並びに若干制度も変わりつつあるようですので、よろしく御 協力のほどをお願いしたいと思います。  それでは、最後になりますけれども、中尾審議官よりごあいさつをお願いしたいと思いま す。どうぞよろしくお願いいたします。 ○中尾審議官 せっかくでございますので一言ごあいさつを申し上げます。本検討会、実は 8か月にわたりまして7回、貴重なお時間をいただきまして御議論いただきましてありがと うございます。  看護教育につきましてはいろいろな形で議論を重ねてきたわけでございますけれども、本 検討会は看護教育に携わる教員の質の向上という観点から、看護教員の養成、継続教育また 臨床現場との連携という幅広い点につきまして御議論いただきました。御議論を伺っており ますと、それぞれの委員の御見識に基づきまして、幅広い観点から詳細にわたる御議論をい ただきました。  本日いただきました御議論もございますので、まだ報告書につきましては調整をさせてい ただきますけれども、厚生労働省といたしましては、報告書がまとまりましたら、これを基 にいたしまして、関係者とも連携、協働しながらその改善につきまして実現を図ってまいり たいと考えております。その節にはまたお力沿いをいただきたいと思います。  誠にありがとうございました。 ○永山座長 それでは、これで「今後の看護教員のあり方に関する検討会」を閉会したいと 思います。皆様、長期間にわたりまして熱心な御検討をいただきまして、本当にありがとう ございました。  どうもありがとうございました。 照会先 厚生労働省看護課 関根(2594)島田(4167)