09/12/22 第62回中央医療社会保険協議会薬価専門部会議事録 1 日   時  平成21年12月22日(火)15:00〜15:18 2 場   所   全国都市会館 大ホール(2階)  3 出 席 者  遠藤久夫部会長 関原健夫委員          小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員           北村光一委員           安達秀樹委員 邉見公雄委員(代理 西澤) 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員           長野明専門委員 禰宜寛治専門委員 松谷高顕専門委員                      <事務局>          外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 木下経済課長            迫井医療課企画官 磯部薬剤管理官 他                 4 議   題   ○平成22年度薬価制度改革の骨子(案)について ○遠藤部会長  定刻になりましたので、ただいまより、第62回中央社会保険医療協議会薬価専門部会 を開催いたします。  本日の出席状況について御報告をいたします。本日は牛丸委員、森田委員が御欠席です。 また保険局長と審議官は公務のため御欠席の旨の連絡を受けております。また邉見委員の 代理で全日本病院協会の西澤寛俊さんがお見えになる予定でありますけれども、西澤委員、 ちょっと遅れるという連絡を受けております。また同様に、安達委員も少し遅れる旨の連 絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、これまでの当部会での議論を踏まえまして、「平成22年度薬価制度改革の骨 子(案)」が事務局から提出されております。  この説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  私のほうから資料中医協、薬−1に沿って簡潔に御説明をさせていただきたいというふ うに思います。  平成22年度薬価制度改革の骨子(案)でございます。  まず、基本的考え方といたしまして、冒頭書いてございますけれども、平成20年度薬 価制度改革と同様に、特許期間中の革新的新薬の適切な評価に重点を置きまして、特許の 切れた新薬については、後発医薬品への置き換えが着実に進むような薬価制度としていく ということを置きまして、これまでの現行の薬価改定方式を基本としまして、これからの 事項について改革を行いまして、22年度薬価制度改革を行うということでございます。  具体的内容でございますけれども、まず、既収載医薬品の薬価改定ということでござい ます。  これまで、大分薬価部会で御議論いただいたところでございますけれども、特許期間中 または再審査期間中の新薬の薬価改定ということでございます。  これにつきましては、書いてございますけれども、喫緊の課題になっております、適応 外薬等の問題の解消の促進、それから、革新的な新薬の創出の加速、こういったことを目 的に後発医薬品が上市されている新薬のうち、その乖離率が全既収載医薬品の加重平均乖 離率の範囲内の新薬につきまして、現行の基本的な改定方式でございます、市場実勢価格 加重平均値に調整幅2%で算定される薬価に、その加重平均乖離率から2%を引いた額を 加算すると。なお改定前薬価を上限とすると、こういう制度を盛り込んではどうかという ことでございます。  また、実施方法については、別紙をまた後ほど御説明をしたいと思います。  それから、1ページの下の再算定でございますけれども、これ以下、簡素にちょっと御 説明していきたいと思いますが、最初に市場拡大再算定についての補正加算の適用のルー ルの話が、まず(1)でございます。それから(2)でございますけれども、用法用量変 化再算定についての副作用問題等の場合の対応の問題、それから(3)でございますけれ ども、不採算品再算定についての修正の問題で、後発医薬品のみが不採算になった場合の 対応の問題。  それから、3.その他でございますけれども、(1)でございますが、今回から行うこ とにしております、小児適応や希少疾病の効能追加、用法・用量追加、また市販後の真の 臨床的有用性を検証したデータが公表された場合の加算でございますけれども、それにつ いての詳細な運用方法。  それから、3ページの(2)でございますけれども、最低薬価についての見直しという ことで、ここに書いてあるとおりでございます。  それから、新規収載医薬品の薬価算定ということでございますが、最初に類似薬効比較 方式でここに書いてございますような抗菌薬等のこういう問題についての比較薬の取り方 の問題。  それから、3ページの下でございますが、外国平均価格についての、特に1カ国のみが 非常に高額な場合の取り扱いについての改正の方法でございます。今のところは、そこは 特に変更ございません。  それから、4ページでございますけれども、その他、配合剤の取り扱いの問題、それか ら、(2)でございますけれども、いわゆるトレリーフ錠に端を発しました議論としまし て、同一成分・同一投与形態で効能・効果が異なる既収載品がある新薬の薬価算定につい ての問題。それから、いわゆるバイオ後続品の薬価算定の取り扱い。  それから、続きまして別紙でございますけれども、先ほど申し上げた新薬創出・適応外 薬解消等促進加算の具体的な実施方法ということでございます。ここについては、少し文 言を書き加えているところがございます。  2番の具体的な仕組み、それで、(1)で当該加算対象となる新薬の範囲ということで ございますが、それの2行目のところでございますけれども、いわゆるその先ほど言った 配合剤で、基本的には0.8倍の価格にして、補正加算がされないものということがござ いますが、既に既収載品におきましても、これまで薬価部会でいろいろ問題提起されまし た薬が幾つかございます。  具体的には、降圧剤のARBという降圧剤に加えて、利尿剤を加えた配合剤、これが4 品ほどございます。そのほか、降圧剤と高脂血症剤を配合した薬、こういったものなどは、 この、先ほど言った0.8掛けの算定をしたわけでございませんけれども、それに相当す るものと、相当する既収載の配合剤であるということで、こういったものにつきましては、 同じ扱いをするということを明記させていただいております。  それから、(2)の2)のところでございますが、ただし、有識者会議による評価結果 等を踏まえと書いてございますが、少し明確にするために、少し書き加えさせていただい ておりまして、次回の薬価改定時までに、当該加算対象品目を有する企業について、要請 を受けた適応外薬等の品目の開発・上市状況を確認し、以下の場合には云々と書かせてい ただいていまして、そこの点について明確にさせていただいております。  続きまして、実際に開発が行われなかった場合については、ここに書いてあるようなル ールに従いまして、加算の不適用等の判断をするということでございます。  それから、(4)のところでございますけれども、ここも少し文言を書き加えてという か修正をさせていただいております。  (4)の2)の[2]でございます。前回の資料2は、実際に適応外薬等の開発、国が要請 したものをやらない場合についての扱いについて、簡単に記載をさせていただいておりま したけれども、その際の取り扱いにつきましては、ここに書いてございますように、その 加算によって得られた販売額相当の分については、次回改定の際に、それを差っ引いて引 き下げるということでございますが、その際の一定の利率というものについては、5%で どうだろうかということでございます。これについては、参考にいたしましたのが、民法 にございます法定利率年5分というのがございますけれども、それを参考に5%というの を入れさせていただいてございます。  なお、これ追加して引き下げるわけでございますけれども、販売額相当分を、その中立 に当該企業の全既収載医薬品から差っ引く場合については、1回その改定から改定まで下 げまして、その次、またその次の次の改定のときには、その分を戻さないと、実際にはそ れが、相当額が合いませんので、その分を明記させていただいてございます。  続いて7ページでございますけれども、若干文言をシンプルにさせていただいたものが ございます。(8)でございますけれども、いわゆる後発医薬品使用促進との関係、導入 時の影響ということにつきましては、実際にやる内容が後発医薬品のある新薬の薬価引き 下げでございますので、ここに記載してございますように、シンプルにやるべき項目を書 かせていただいておりまして、市場実勢価格に基づく算定値から、さらに2%引き下げる ということを書かせていただいております。  あと、全体としまして、本措置は平成22年度限りの措置として試行的に導入というこ とは、そのままの記載にさせていただいております。  私のほうの説明は以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  それでは、この骨子案につきまして御審議いただきたいと思いますけれども、この後、 総会に報告する内容でありますので、基本的に網羅的に見ていきたいと思います。  まずは、この基本的な考え方第1ですね、1ページ。及び、第2のこの1の特許期間中 又は再審査期間中の新薬の薬価改定というところと、ただいま御説明のありました別紙、 これは一部、前回と文言が修正されているということでありますが、この別紙を含んだ新 しい薬価改定の方法についてということで、この再算定の前まで、これについて御意見、 御質問ございますでしょうか。別紙を含んだ御意見、御審議いただきたいと思いますが、 いかがでございましょうか。  小林委員どうぞ。 ○小林(剛)委員  加算制度についてですが、これは前回までも、何度か繰り返し申し上げてきましたが、 後発医薬品のある新薬の薬価について、2%追加引き下げ、これをもう少し何とか御努力 いただけないだろうかという話を申し上げたのですが、前回と変わっておりません。この 部分について、前回の会議から、その後の検討結果、検討経緯について再度教えていただ けたらと思います。 ○遠藤部会長  それでは、事務局お願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の小林委員からの御質問に対しまして、事務局のほうではどういう対応が可能かとい うことを鋭意検討してまいりました。なお、この部分のさらなる引き下げの部分、それか ら、また加算率についても前回も御指摘があったところだと認識をしております。  そういった点については、全体として現在政府の中で、予算編成作業を鋭意しておりま して、当然、これも含んだ診療報酬改定の部分についても、当然議論をしておりますので、 そういう中でどういう対応が可能かということを、財政当局も含めて議論をさせていただ いているところでございます。  その点、現時点でまだ結論が出ておりませんので、今時点におきましては、前回のまま 記載をさせていただいているというのが現実でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  小林委員いかがでしょうか。 ○小林(剛)委員  結構です。 ○遠藤部会長  ということで、まだ決まってはいないということでございます。  ほかに御質問ございますでしょうか、御意見、御質問。よろしいですか。  それでは、この加算については別紙を含めて、この表記のとおりお認めいただいたとい うことにさせていただきます。  それでは、引き続きまして2番の再算定及び3のその他、ここについて御意見、御質問 おありになればちょうだいしたいと思います。  松谷専門委員どうぞ。 ○松谷専門委員  その他の部分の(2)の最低薬価のところでございますけれども、最低薬価商品という のは、基本的には基礎的医薬品が非常に多いということで、この商品は、やはり安定供給 ができないと非常に困る商品だと思います。この最低薬価をさらに下げるということにつ いては、もちろん乖離率が高いということもあるのですけれども、取引でこの前もちょっ と説明いたしましたけれども、今、我々流通業者とメーカーさんも含めて、医療機関も含 めて、流通改善をやっているのですけれども、総価取引等がありますと、そういうベーシ ックな薬まで一緒になって総価の中に入ってしまうと、高い乖離率が出るとか、こういう こともありますので、それぞれの薬の特性を生かして、もう少し細やかに見ていただきた いと、特に補液類であるとか局方品であるというのは、ほとんど専業メーカーがつくって おりまして、余り採算の合わない商品、大手のメーカーさんがほとんどつくってらっしゃ らないような商品が多いというような観点から、この最低薬価については、もう少し細や かな検討をしていただけるほうが、安定供給等については、非常に役立つのではないかと、 こんなふうに思いますので、意見を述べさせていただきました。 ○遠藤部会長  御意見承りました。  この骨子(案)そのものを修正ということではなくて、この運用においてそのような視 点で注意をしてほしいという御意見だと、そのように受けとめましたけれども、よろしゅ うございますか。 ○松谷専門委員  結構でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ほかにございますか。  それでは、この再算定及びその他の内容については御承認いただいたということにさせ ていただきたいと思います。  引き続きまして、新規収載医薬品の薬価算定でありますが、ここは類似薬効比較方式、 外国平均価格、3番のその他、これをすべて含めて、御意見、御質問いただければと思い ます。これは従来議論されてきた内容が反映されているわけでありますけれども、御意見、 御質問があれば承りたいと思います。  よろしいでしょうか。ありがとうございます。  それでは、この部分もお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。  以上で、この骨子(案)につきましては、すべてお認めいただいたということでござい ますので、これにつきましては、この後に開催されます総会で報告をするという形にさせ ていただきますが、ただ、先ほど小林委員から御指摘がありました内容で、現在、政府全 体の予算編成作業の途上でありまして、まだ確定していない分、先ほど薬剤管理官から説 明された部分を含めて、ありますので、その点において、この多少の修正が求められる可 能性がございます。  そのような可能性があることも含めて、この後に開催されます総会で、この骨子(案) を報告したいと思いますけれども、そのような手続についても御承認いただけますでしょ うか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。  それでは、そのようにさせていただきますので、よろしくお願いします。  それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会としたいと思います。  どうもありがとうございました。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第二係 代表 03−5253−1111(内線3276)