09/12/11 第154回診療報酬基本問題小委員会議事録 09/12/11 中央社会保険医療協議会          第154回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年12月11日(金)11:06〜13:44 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 関原健夫委員        白石小百合委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員       伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <関係者ヒアリング出席者>       山口俊晴 癌研有明病院消化器センター長 兼 消化器外科部長            兼 副院長            外科系学会社会保険連合会 会長       岩中督  東京大学大学院医学系研究科小児外科学教授            日本小児科外科学会理事長            外科系学会社会保険連合会 会長補佐、手術委員長       <参考人>       西岡清DPC評価分科会長        <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○手術等について       ○DPCについて (5)議事内容  ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様おそろいのようですので、ただいまから第154回中央社会保険 医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催いたします。  まず、本日の出席状況ですが、本日は、森田委員、高橋委員が御欠席です。  それでは、議事に移らせていただきます。  まず初めに「手術等について」を議題といたします。  当部会では、重要な領域につきましては、現場の先生方からヒアリングを行って、今後 の点数評価に反映させようという試みを行っておりますが、本日は手術ということで、外 科の先生お二人をお招きしましてヒアリングをさせていただくということになっておりま す。  お二人を御紹介いたします。  お一人目が山口俊晴癌研有明病院消化器センター長兼消化器外科部長兼副院長、外科系 学会社会保険連合会、いわゆる外保連の会長でいらっしゃいます。それから、岩中督東京 大学大学院医学系研究科小児外科学教授、日本小児外科学会理事長、外保連会長補佐、手 術委員長の岩中督先生でいらっしゃいます。お二人の先生、御出席どうもありがとうござ います。  それでは、ヒアリングの進め方でありますけれども、まず御説明をいただきまして、そ の後質疑に移るという形にさせていただきたいと思います。  また、大変恐縮ですけれども、時間の関係もございますので、15分程度をめどという ことでプレゼンテーションをお願いしたいと思います。  それでは、説明をお願いいたします。よろしくお願いします。 ○山口氏  本日はこのような発表の機会を与えていただきまして、心から感謝申し上げます。  一外科医として、あるいは外保連の会長として、外科の現状とこれを打開するためにど うしたらいいかということについて御報告したいと思います。  今日の内容としましては、最初にここでも縷々議論されたことと思いますが、外科の実 情をちょっとお話ししまして、それを打開するために医療技術の適正評価、特に手術をき ちんと評価するということが問題の解決に大きく役立つということをぜひ御説明したいと 思います。  今日のお話は、我が国の外科の技術レベルが国際的にどうかということをまず御説明し たいと思います。外科の手術に関しましてはいろいろ誤解もございますので、国際的に我 が国の手術がどういうことにあるかということをまず御説明します。  それともう一つ、現在非常に重要な問題の一番の根幹は外科医の数が減っているという ことでございます。それから、負担は日々増加しているということで、我々の主張は適切 な医療評価、外科医の減少を防ぐということをお話ししたいと思います。  最後に、適正な評価について外保連が今までやってきた流れを、それから今後の展望に つきまして岩中先生のほうからちょっとプレゼンテーションをしてもらいたいと思います。  これは胃がんの手術成績でございます。胃がんは日本に大変多い疾患でございますので、 日本の成績が大変いいということは何となく皆さんも想像しておられたと思うのですが、 この赤いバーは手術をしたときに亡くなってしまう率でございます。日本は大体全国で1 %以下、100人手術すると1人亡くなるという、そういうレベルでございますが、英国 とかオランダは、日本のような手術をしますと大体10%ぐらい亡くなるということでご ざいます。しかも、その結果、5年後に生き残っている確率、つまり助かる率というのは オランダで47%、英国で33%、日本は約7割でございます。  したがいまして、もし日本にこういう英国とかオランダのような病院があったらこれは 成り立たないということになります。これは日本に胃がんが多かったということもござい まして、研究が進んで技術的なレベルが高いということが恐らく多くの方が納得されると 思うのですが、大腸がんは皆さん御存じのように欧米にも大変多うございます。大腸癌研 究会の先生に、日本の胃がんの手術成績が大変よろしいと、でも大腸がんは余りよくない のではないかと言ったら、いや、そうではないということで見せていただいたのがこのデ ータで、これは米国にナショナルキャンサーデータベースというものがございますが、日 本の大腸癌研究会と成績を比較してみました。  このゼロからIVというのは、左に行くほど早期のものです。ゼロとかIというのは早期 の大腸がんと考えていただいたらよいと思います。日本では早期の大腸がんは手術したら ほぼ100%近く治る、90%以上治ります。ところが、米国では早期のがんでさえ70 %程度しか治らないということでございます。  ステージII、III、IVといきますと、同様にやはり差がございます。特にステージIIIは 日本では71%助かっていますが、米国では44%しか助からないと、全体としても71 対47ということで、大腸がんの手術についてもやはり日本は極めて高い技術レベルにあ るということがこういう多施設の検討でも分かります。  これは、肝門部胆管がんと申しますのは肝臓の手術の中でも最も難しい手術でございま す。これは北海道大学の近藤先生がまとめていただいたのですが、日本で3つのグループ がございます、川崎先生と長谷川先生。それで、やはり同様に手術の死亡率を見てみます と、ゼロから2%でございますが、イタリアとか米国を見ますと、一番いいところで3%、 ひどいところになると11%のやはり死亡率、先ほどの胃がんの死亡率が決して変なこと じゃなくて欧米では常識ということで、かなりの方が手術のときに既に亡くなると。しか も、5年後にどれぐらい生き残っているかというと、日本はくしくも3つの施設に一緒で 40%ぐらいの方が助かる。まだまだ難しい病気であるということは分かりますが、米国 で1カ所だけ40%のところがありますが、そのほかのところはやはり手術成績が悪いと いうことで、こういう非常に難治のがんに関する手術成績も大変日本はすばらしいものが あるということが言えると思います。  それから、この腹部大動脈瘤、心臓とか血管外科に関しては何となく私たちも卒業した ころには日本は遅れているのではないかと思っていましたけれども、これは日本血管外科 学会が腹部大動脈瘤の手術、これも大変恐ろしい病気でございますし、手術死亡率も高い ものでございますが、まずこの多施設の比較を見ていただきたいと思います。これは複数 の施設を集めた大きなケーススタディーですけれども、手術の死亡率は大体欧米、英国、 オランダ、カナダすべてです、大体4%から5%でございますが、日本の血管外科学会の 集計によりますと1%ということで、かなりよいということになります。  この単施設というのは比較的腹部大動脈瘤の手術で有名なところでございますが、そこ は比較的よいのですが、それでも2.1%とか1.2%ということで、日本の平均レベル に負けているということでございます。つまり、何を言いたいかと申しますと、1つの施 設がよいわけじゃなくて、日本は押しなべて欧米の有名施設よりも手術成績がいいという ことで、大変日本の外科の成績はよいというふうに理解されます。  ところが、最近マスコミなんかを見ていますと、これは当然なのですけれども、心臓外 科の心臓移植は外国に行ってしまうとかいうことで、何となく日本では難しい手術ができ ていないのではないかという誤解があるわけですけれども、それは制度の問題であって、 きちんとこちらで手術させていただければちゃんとした医療を提供できるということを強 調したいと思います。  ところが、こういうすぐれた外科医療に崩壊の兆しがあります。崩壊してしまってから ではこれはなかなか回復が難しいということが言えます。つまり、我々が一旦メスを捨て ますと、1年もしたらもうたちまちもとに戻らない状態になります。それが顕著にあらわ れていますのは外科志望者の減少です。つまり、我々の後を継ぐ者はいなくなっていると いうことでございます。  この外科の志望者の減少ということは、実は外科医療だけじゃなくて、救急医療も崩壊 に導きます。と申しますのは、救急医療の底を支えていますのは外科の若手の医師でござ います。それから、病院の医療の根幹をなしますがんの治療も、外科が手術がなくなりま すと大変なことになるということで、何よりも恐れますのは今現役でやっているドクター がリタイアしていくに従って、医療の質が低下していくということが非常に懸念されます。 私も61ですが、この団塊の世代が今疲れ果ててきてだんだんリタイアの時期になってい ますので、その後をやってくれる人がいなくなるというのは我々としても大変不安な状況 にございます。  これは、事実医者の数はふえていますが、婦人科と外科は減少傾向がとまらないという 状況でございます。先日もさる地方大学へ行きましたら、6年間消化器外科の教室に1人 も入局者がないということで、入局者がいないどころかやめていく者も多いということで、 結局関連病院に人が送れないというで、関連病院のドクターもどんどんやめていくという ことで、共倒れになっているという状況が日本のあちこちで起きているのだろうと思いま す。  外科の志望者がなぜ減ったのかというと、これは我々も反省しなくてはいけませんが、 外科学会がアンケート調査を行いました。要するにこの(1)、(2)は労働時間が長いというこ とに尽きます。つまり、長い時間働かされている、これが7割、それから訴訟のリスクが 高い、それから医療事故のリスクが高い、訴えられるということがやっぱり7割、大変こ れはつらいと。賃金が少ないということもありますけれども、やはり(1)から(4)が私は大変 今のこのストレスの中の一番の主体じゃないかというぐあいに考えています。  手術の件数は、この棒グラフですが、やはりふえております。これは高齢者がふえて、 がんの年齢の方がふえるということによるかと思われますが、手術をできる施設は減って きております。こういう状況にあります。  それから、当直明けで手術に参加する、これは私の常識から言えば当たり前で、卒業し たときから当直明けで休んだことはありません。恐らく我々の世代の方はみんなそうだと 思います。当然やるのだと。ところが、今患者さんのほうから見たら、先生、ろくに寝て いないのにあなたが手術するのですかと言われるわけですね。何か起きたらどうするので すかと。でも、実際には20代、30代、40代、50代はもう恒常的に働かざるを得な いという状況になっています。60代になってもまだやっておられる先生もいます。です から、60を過ぎないとこういう状況から逃れられないと、70になってもやっている人 もいるというところにぜひ注目していただきたいと思います。  それから、実際に働いている時間を見てみますと、外科医の週平均勤務時間は大体60 時間ですが、病院勤務者に限ると68時間、つまり70時間近い、これは週平均ですから、 働いているわけであります。ですから、これは過剰に間違いなくて、こういう状況がいつ までも続くはずがないのであります。  しかも、医療訴訟というのが大変多くなって、これは医師1,000人当たりの訴訟数 ですが、産婦人科と外科がやっぱり断然多くて、整形も多いですけれども、こうやって長 いこと働いていて、常に厳しい目で見られて、たまに訴えられるという状況になっている わけであります。  外科医が現場からいなくなる理由はやはりこの激務、訴訟、低収入ということですが、 ちょっと視点を変えますと、私は3つ理由があると思います。やっぱり外科医の社会的な 評価が低くなったと、それから家族の評価も低くなりました。それから、医療におけるジ レンマですね。社会的な評価というのは、昔は何となく新聞に出るときは、こんな画期的 な手術ができたとか、こんな小さな赤ちゃんが助けられたということで出て、我々の評判 はよかったのですけれども、最近出るのは、患者さんを間違えたとか、切る場所を間違っ たとか、訴えられるという、そんな話ばかりで、この外科医というのは本当に怪しげな人 物だというぐあいに思われているわけですね。  昔は家に帰ると家族から御苦労さんでしたと、うちのお父さんは偉いのだと、何となく そういうプライドがあってよかったのです。最近は遅くまで働いている割には給料も低い し、新聞に出ているのは悪いことばかりで、あんたも大丈夫かと言われて、大変評価が悪 くなっております。  それと、もう一つ一番大事なのは、診療の場におけるジレンマにやっぱり苦しんでいる ということをちょっと強調したいと思います。と申しますのは、こういうのには我々にも 責任があると思うのです。例えば社会的評価が低くなったことに関しては、やはり昔はき ちっとした説明がされていませんでした。とにかく任せておけとか言って切って、何か事 故が起きたら仕方がないよという、そういう態度です。それはやはり反省すべきで、これ はそういう名誉挽回はできると思うのです、我々の努力で。つまり、きめ細かい対応、つ まりきちっと説明する、それから技術を磨くということで、こういう社会的な評価を挽回 するチャンスがきっとあると思います。これは改善可能だろうと思います。家族の評価も、 家に帰ったら当たり前のような顔をしていないで、遅くまで待っていてくれてありがとう とか、食事がおいしいとか、そういうことで努力すれば私は改善可能だろうと思います。 家にも患者がいると思ったらいいわけで、これは努力である程度できますから、これはや っぱりやるべきだと思いますし、私も最近はやっています。ですから、こういうものも改 善可能なのですが、この改善が大変難しいのは実は診療におけるジレンマです。  病院からは、患者さんから不評が出ないように時間をかけて説明しなさいと言われて、 しかも手術は早くやれと、手術材料はなるべく使うなと、特に高いものは使うなというこ とで、保険で償還されない材料はもう使用してはいけないと。それを使わないと実は出血 もふえたり、時間が長くなったりして大変疲れます。時間外勤務をすると、時間外勤務が 長過ぎるから減らせと、場合によってはもう払わないということもたくさんあると思いま すが、要するに長時間働いてクオリティーをよくすればするほど自分たちのクオリティー が悪くなるということで、これは外科医が一番ストレスに感じているところではないかと 思います。  これを解決する方法は、やはり我々の技術を正当に評価してほしい、もっと具体的に言 えば、手術料は我々のシンボル的な技術評価だと思いますので、それを適正に評価してい ただきたいと思います。  では、それでよくなるかというと、私はよくなると思います。適正な技術料を評価して、 例えば材料と技術料をきちっと別々に評価していただければ、本当に適切な医療材料を使 えて、効率的で、しかも患者さんにいい医療ができると思います。収入がふえることによ って雇用者からも余りひどりことを言われなくて、よく頑張っているねと、それだけでい いのです。雇用者によっては、少し給料を上げてくれるかもしれません。それは大きな問 題ではないです。それよりもやっぱり上部から、外科は大変よくやっていていいよと言っ てもらうそういう外科医としてのプライドが回復するということが今一番大事で、これを 早急にやっていただかないと外科医の減少は難しいのではないかと、防止は難しいのでは ないかというぐあいに考えます。  この適正な評価ということが一番問題だと思います。これは皆さんに納得していただけ るようなものをやっぱり考えなくてはいけないということで、実は我々が外保連というも のを組織していますが、これは1967年に、手術料は一体学問的にどれぐらいであれば 正しいのかということを決めるためにこういう学会が集まって結成しました。現在87の 学会が集まって、いろんな手術について、この手術は幾らぐらいが妥当じゃないかという ことを決めています。これは3つの要素がありまして、手術についてはどれぐらい難しい 手術だろうかということが1つ、それから何人ぐらいでやるのか、1人でやるのか5人で やるのか、1時間で終わるのか5時間かかるのか10時間かかるのか、この3つをもとに 算定しているわけであります。  技術というのは、難しい手術は長いトレーニングが必要だということで、5年間トレー ニングしたらできるもの、10年間トレーニングしたらできるもの、15年やったらとれ るものという評価をしているわけですが、皆さん御存じのように、5年間ぼさっとしてい ても5年たてばいいのかという問題が必ず出てまいります。したがって、今まだ整備され ておりませんが、いずれ各領域の専門医に相当する資格に対応したこういうランク分けに なるべきだと考えております。今のところこういうものを想定して、技術分類はB、C、 D、Eと分けて評価しています。  例えば、これは今、外保連試案で食道がんの手術は175万円であるべきだという主張 ですけれども、現在いただいていますのは88万円でございます。しかも、こちらの点数 は技術料だけですけれども、こちらのほうは材料もかなり含まれていて、例えばこの大動 脈切除が先ほどありましたが、この中には8万円ぐらいは糸代が入っていま。糸代だけで も8万円含まれています。ですから、結局これだけいただいていますけれども、それでも 少ないのに、それよりさらに少なくなっているという大きな問題がございます。  それから、生体部分肝移植、これも日本が誇るべき技術だと思いますが、わずか63万 円であります。食道がんの手術と同じでいいのかというやっぱりおかしな点はあると思い ます。我々の試算では236万円ということで、十分その価値はあるのではないかと、い ろいろまだ十分ではないところがあります。  外保連の試算と今のいただいている診療報酬が相関するかというと、実は非常にきれい に相関しています。ある程度相対係数としては外保連の試案はいい場所にあるのではない かと理解しています。  ところが、実際の価格は、いただいているのは外保連試案の半分以下です。ですから、 現在の診療報酬の2.6倍とか2.7倍ぐらいの我々は試算をしていますが、相対係数と してはよいですけれども、実際にいただいている額がやはり少ない。少なくとも倍ぐらい になればよいなというのが実際の現場の感覚です。  試案の意義というのは、初めて学問的、合理的に根拠を持って診療報酬を決めようとし た試みです。これはコンセンサスベースですので、外科系に関連のある学会がすべて集ま って相互に決めたというところでよいと思いますが、問題もございます。と申しますのは、 今の外保連の時間とか人件費というのは、これはコンセンサスベースでした。つまり、お およそ胃がんは3時間ぐらいかかりますとか、割とラフな決め方で、ただお互いの学会で 相互に、いや、そんなにかかるはずがないということで調整はしてきたのですが、これは 定期的に実態を調整する必要があります。と申しますのは、手術は最初の開発された時期 には5時間かかっても、10年ぐらいたつと3時間で終わる手術もあります。ですから、 これはやはり定期的に調べるべきである。  それから、診療科間のバランスがおかしいものがある。それと、専門医制度がまだきち んとそろっていませんので、これとの整合性がとれていない。一番大きいのは技術と物と の分離評価ができていません。我々は技術についてやっていますが、診療報酬は実は技術 と一部の物が入っていますので、それぞれの技術について実際に材料はどういうものが使 われるかということが全く調査されていませんでしたので、これは後で岩中先生から話し ていただきますが、これは調査中です。  それから、最近、各学会から、こういう技術度、時間、人数以外に社会的な意義だとか そういうものについてもやはりある程度評価してほしいといういろんな問題点がございま す。  まず、我々がやりましたのは、コンセンサスベースからエビデンスベースドに行こうと いうことで調査を行いました。これは平成16年に行いまして、これは平成18年に中医 協に報告されたデータがあると思いますが、723の施設で22万件の手術データを集め て調査してみました。そうしますと、試案で2時間かかると言っていた手術が実際は20 分で終わっているとか、いろんなことが分かりました。我々としては、やはり調査の結果 を尊重しようということで、基本的に調査結果に従って試案を改定するという努力を行い ました。  ところが、既得権を得た学会からはものすごい反対が起きて随分もめたのですが、外保 連が存在するためにはこういう調査結果をやはりきちんと尊重しなければだれからも認め られないという結論になりました。どうしても納得できない学会はもう一回調査してくだ さいということで、1年間調査していただきましたけれども、最終的にはこの精緻化調査 と同じ結果になりました。  今の試案はこの精緻化調査の結果に従ってできている。この外保連の試案が、じゃ国際 的にどういう位置付けにあるかということを考えてみますと、米国にRBRVS、 Resource Based Relative Value Scaleというものがございます。これは、外保連は技術度、 協力者数、所要時間で決めていますが、RBRVSというのは医師の仕事量、これは外保 連の試案に似た部分かもしれません。それから、診療の費用、オフィスの費用とか、それ からおもしろいのは、海外は医療保険、これがものすごく大きいので訴訟も多いし、この 費用を3つ合わせたものを算出しています。それをちょっと比較してみました。  まず、消化器の手術について見ますと、診療報酬と試案は先ほど申しましたように高い 相関を持っています。これは特に0.9という極めて高い相関がありますが、このRBR VSと比較してどうかといいますとけっこういい相関があります。つまり、今の診療報酬 が国際的に見て妥当じゃないかなという結論です。じゃ、外保連試案はどうかというと、 今の診療報酬よりもさらに高い相関を持っていますので、この外保連試案は必ずしもとっ ぴなものでもなくて、国際的にもやはりある程度アクセプトされ得るものじゃないかと思 います。ただし、臓器によってはこれが非常に相関の悪いものもあることも事実ですので、 我々としてはその原因をはっきり確認して、なぜ違うのかということを御説明するという ことが必要かと思います。  要するに、米国のこういう技術評価と比較しても我々の試案はそれほど悪くないという ことに思っております。今後、米国のRBRVSは技術料と材料費は明確に区分されてい ますけれども、ここのところが今よくできていないということが一番問題ということで、 これを改善すべく努力しています。これは例えば肝胆膵の手術で糸代がどれぐらいかかっ ているか、糸代というのは実は今の診療報酬では技術料の中に入っているわけですけれど も、何と生体部分肝移植だと手術料の4分の1が実は糸代になっているということで、つ まり実は100もらっているつもりが75%の評価しか受けていないと。ほかの手術もそ うであります。こういう問題を解決するために今我々もいろんな作業を進めていますので、 そのあたりについて岩中のほうから引き続き説明したいと思います。よろしくお願いしま す。 ○岩中氏  外保連の手術委員長の岩中でございます。  もうお時間もありませんので、二、三分ほど今の外保連の活動をちょっと御紹介させて いただきます。  ちょっと明かりをつけていただけますでしょうか。私の資料はちょっと細かくて恐縮な ので明るくしてください。お手元にお配りしましたA4判の資料で1枚目に書いてありま すのが、これが今山口が申しました外保連の手術試案の第7版でございます。こういうふ うに一つ一つの連番につきまして、一つ一つの手術がどれぐらいの技術度の手術で、何人 の医師が何人の看護師と技師を使って、どれぐらいの時間をかけてやっているかという一 覧表でございます。  左半分が一覧表で、右半分に大体よく使う材料等の大ざっぱなものが書いてございます。 この材料に関しましては後で御説明申し上げますが、1ページめくっていただきますと、 先ほど山口が申し上げました実態調査の件を1つ例を挙げて申し上げます。  大変細かくて恐縮でございますが、実際の試案はA3判でございますのでもう少し見や すいのですが、中ほどに1334番という左側のほうにある番号を見ていただきますと、 胸腔鏡下肺切除術というふうに書いてあります。それをずっと右にたどっていただきます と、技術度がDといいまして、専門領域の専門医がやるべき手術であると。その後、右へ 5つぐらい行っていただきますと、2時間半ぐらいの時間が実際に試案に載っております。 実際にこれを実態調査いたしますと、めくっていただきまして、同じように下のほうに1 334番というのがございます。これは呼吸器外科学会にちょっとおかしいので調査をし なさいと言って指示したものでございます。  そうしますと、1334番のところに287件の手術を集計して、外保連試案では15 0分かかっていると言っておりましたが、実際には72分でございます。したがいまして、 そのあたりを補正させていただいて、とりあえずまず30分減らして120分にしますと いうことで、追補版といたしまして次のページにお示ししました上から2番目の列でござ いますが、こういうふうな形で、技術度は同じですが、時間が2時間に減らしました。そ のために、手術料が30万円ぐらいが相当と言っていたものが24万円になると、実際の 調査のたびにこういうふうなことをやって補正をしております。  今の山口が申し上げました実態調査というのはこういうふうにして試案を適宜実情に合 わせて直しているわけですが、現在は今来年1年かけましてこの中に外保連試案は実は現 在の試案が二千数百項目あるのですが、E群と申しまして、極めてプロ中のプロがやらな きゃいけない手術というのが実は500近くございます。決してそんなにあるわけではご ざいません。ですから、この1年かけてすべての学会にE群の技術の評価を再評価してい ただこうと思っています。すなわち、実際に日本全国でどれぐらいの施設で何人ぐらいの 患者さんにやっている手術かということで、普遍的な手術か特殊な手術かというのが分か りますので、一定の基準を設けまして、そのE群手術をこの1年かけてすべて見直そうと いうふうに考えております。  その次のページの5ページでございますが、これが実際今、外保連が精力的にやってお ります活動ですが、ちょっと御紹介させていただきますが、この二千数百項目の手術試案 第7版も実は中にはまだかなりきちんと整っていない、例えば食道がんの手術をしますと、 食道をとった後に、じゃ何でつなぎましょうかというときに、胃をつないで、胃を持ち上 げてつなぐ場合であったり、小腸を持ってきたり、大腸を持ってきたり、いろんな術式が ございます。その術式に従って手術時間も当然違いますし、使う材料も全く違います。縫 合機の数も違います。したがいまして、それを同じ枠の中で実際に調査をいたしますとや はりかなりばらつきますので、現在そういう手術をすべてコード化しまして、およそ今月 いっぱいから来月早々に二千数百だった手術を4,500ほどにまで精緻化いたしまして、 その手術に7ページにありますようないろいろな番号をつけまして、一個一個の手術にす べてのコードを振ろうというふうに考えております。  そのコードを振りますと、大体今年度末ぐらいにはおよそ4,500ぐらいの手術で各 学会が納得できるコード表ができる。そのコード表ができますと、かなりそれぞれの手術 がみんな必ずどこかに該当する手術があるというふうになります。その状況に持っていき まして、9ページにごらんなっていただきますように、医療材料入力マニュアルというの を今つくっておりまして、2ページほどめくっていただきまして11ページを見ていただ きますと、実は私たちは医療材料というのはいろんな医療材料を使います。例えば私たち が手術室に入って手術をするためには当然帽子やマスクをつけなきゃいけませんし、滅菌 されたガウンを着ます。手袋をはめます。そうしますと、これはコストがあるわけですね。 こういうものはどの手術にでも必ずあるもので、そういうものを私たちは11ページのお 手元の医療材料1という枠に全部まとめてくくることにいたしました。余り10円、20 円のものを細かく全部羅列しますとかえって精緻化ができませんので、お隣の次のページ をめくっていただきますと、主な手術に分けまして、全部で29のセットをこういうふう につくりました。この29の種類の一般的な手術にどうしても必要な基本的なガーゼであ ったりとかというのはやはり手術によって違いますので、その手術に応じて29のセット の中から自分たちの担当する手術がまず基本的な材料として何が必要なのかというのをま ず全部当てはめなさいという作業をいたします。例えばこの左上にあります外科基本とい うのは、右に書いておりますこういうような手術がこの外科基本セットでできますよとい う一覧表でございますが、その外科基本が実はどういう構成になっているかと申しますと、 13ページにありますように、こういう材料でずっとこういうものが外科基本に入ってい ます。それぞれの単価が幾らで、何個使って、合計で、12ページの真ん中ほどの一番上 の行でございますが、定価で2万5,050円の材料を使うとこれぐらいの手術が基本的 にできるようになりますということになります。  ちょっと戻っていただきまして11ページですが、ただ手術はこの基本材料だけではで きませんで、それぞれの手術に応じていろいろな材料が必要です。特殊縫合糸も必要です し、特殊な縫合機、消化管をつなぐ機械であったり、マイクロ用の顕微鏡であったり、い ろいろなものがございますが、それを医療材料2というふうに分けました。  先生方御存じのように、医療材料の中には保険で償還される、すなわち使ったら支払っ ていただける特定保険医療材料というのがございます。これを2−aとランクしまして、 それぞれの手術で支払ってもらえる材料をまず一覧表として抽出いたします。全く支払っ ていただけないものを2−cと分類いたしまして、中には特定保険医療材料の中で2個ま では認める、でも4個使ったら2個は自腹ですよというものとか、この手術には認めるけ れども、この手術にはこの特定保険医療材料は認めませんというものがございます。そう いうものを2−bと3種類に分けまして、そのそれぞれの手術、四千数百の手術に対しま して、最後のページでございますが、こういうふうなリストをつくりまして、その四千数 百の手術にすべてこの欄を埋めていらっしゃいという指示をこのコーディングで手術項目 が全部できました折に、各学会にこの春先ぐらいには指示を出そうと思っております。  今の第7版に載っております手術の医療材料というのは、実はこれは各学会の保険担当 委員がこんなものですねと書いたコンセンサスで、エビデンスのないデータでございます。 今回のこの医療材料は、少なくともそれなりのデータ数を集めて中央値で書くようにと、 しかもかつ価格が出せるようにそのすべての商品にカタログの製品番号をつけなさいとい う指示を出そうかと思っております。これを来年1年かけて、平成22年度中にほぼこの 調査をさせていただいて、24年の改正に間に合わせるためには、23年の春にこの資料 ができておりませんと厚生労働省に出す提案書に正確なデータが書けませんので、23年 春には手術試案第8版というかなり精緻化されたものを先生方のお目に触れていただける ような形にさせていただこうと思っております。  外保連は、こういう作業は実は行政の担当者や医療クラークには全くできませんで、こ れは外科医ならではできる仕事でございます。先ほど山口が申しましたように、外科医は 手術は好きなのですが、雑用等は余り得意じゃないのですけれども、今回に関しましては、 これは我々の身にはね返ってくることなので汗を流しなさいということで各学会に指示を させていただこうと、こういうふうな活動をしておりますので、この外保連の手術試案を 含めまして、ほかにも処置試案、検査試案がございますが、どうぞ中央医療協議会を含め ましていろいろな部分で活用していただいて参考にしていただければと思います。  どうもありがとうございました。 ○遠藤小委員長  どうもありがとうございました。  我々の今後の議論に非常に参考になるお話だったと思いますが、嘉山委員から関連資料 が提出されておりますので、まずそれの御報告をいただきまして、後に嘉山委員を含めま したお二人の先生方の御発言に関する議論をしたいと思いますので、嘉山委員、よろしく お願いいたします。 ○嘉山委員  山口先生はじめ、外保連の先生方、丁寧な発表をしていただきましてありがとうござい ます。  では、中医協の委員として我々のところでやっている工夫と限界をちょっとお話しさせ ていただきます。  私自身は03年に医療崩壊と科の偏在が起きるということを大学自体が実感しておりま したのでいろんな改革をやってまいりました。  まず最初に、大学改革というのはやっぱりいろんなことがきっかけになるんですけれど も、1996年の医療事故がきっかけになりまして、当大学でも医療事故問題が起きまし て、私がそのとき調査委員長になりまして、これは医療事故隠ぺいであると断定した調査 報告書を出しました。それを世間に公表もしました。そこから内部から自浄作用をしよう ということで、いろんなことが始まったわけです。1つはもう明細書を全患者に無料で発 行しております。これによって今の先生方お話しになった材料がこれだけ高いのかという のも分かりますし、そこに外科医の技術料が幾らというのはないんですね。ですから、み んな患者さんはかえってびっくりしたと。ですから、私は情報開示が一番いいと思ってい るんですけれども、現場の実態を示すにはいろんなイメージがありますけれども、明細書、 要するに薬が幾ら、何が幾らというのを全部出ているのを今全部渡しています。もちろん 意識がない患者さんとか、プライバシーがある場合には出しませんけれども、そうでない 場合には、本人の同意を得た場合には明細書を全部出している。  こういうことをやってきまして、最初は、文部省が法人化したものですから、いろんな 頑張れ頑張れでやってきたんですけれども、この前お話ししたように、今、国立大学は法 人になって、要するに診療報酬以外のお金で大学病院や運営をしてきたというお話ししま したけれども、それが崩れてきたわけですね。やむを得ないので従来の管理当直、実はあ の当直は私どものところは17科ありますけれども、17科でずっと17人泊まっていた んですね、内科、外科全部入れて、耳鼻科も。あれは労働基準で言いますと、管理当直で すから電話当番です。1晩のうちに何度も起こされる科と、もうほとんど寝ていてもいい 科があります。最近ではそういうことも余りないんですけれども、それを半分の1万円に して、これを原資にしたんですね。つまり、今の外保連と同じように、業務料とリスクが 大きく違って、見直しをかけまして、それは半分の9人体制にしました。ワンフロアに1 人ということです。なぜかというと管理当直だからですね。時間外、これが労働基準法に 当たるので、この前はうちのデータを出しましたけれども、これは時間外はすべて手当と いうことで出しました。これは、外科医は実はお金ではなくて自分の、外科医というか医 者は技術を認めてもらう、自分のやった医療行為が誠意であるということを認めてもらえ るということが一番プライドになるんですね。ですから、わずか5,000円なんですけ れども、車を駆けて出てきて処置をした場合には5,000円を出すということをやって おります。  それから、オンコール手当というのは勤務時間外に所定休日における救急外来患者及び 病状が急変の入院患者のために待機を命じられた医師です。これがいわゆる従業時間では なくてやっぱりこれは勤務時間になるんですけれども、オンコール手当、これはよく北村 委員がおっしゃいますが、民間企業では当然の要するに手当でございまして、これを今ま ではやっていなかったわけですが、うちではこれを始めました。  大学院生に対しても、彼らもやはり診療に従っているわけですから、時間外手当を1回 5,000円を出すと。それから、救急に関しましても、宿直を1回やると2万8,00 0円、日直が1万4,000円、これが高いか低いかは別にして、彼らの心意気に応じる ということです。  技術料の概要の(1)なんですけれども、先ほど外保連のほうから詳しい説明がござい ましたが、現時点では基準がないので、手術点数に応じて、つまりリスクが高い、あるい は手間がかかるというもので、原資があるわけでないので、3万5,000点以上、つま り先ほど技術料という話がありましたが、技術料では実はなくて、あれは手術料で、材料 がほとんどを占めているわけですが、その3万5,000点、つまり35万円以上の手術 料のうち10%を当該支出の麻酔あるいは術者に支払うということにしました。  あと、分娩リスクに関しましても、産科と小児科、これは小さい赤ちゃんが生まれれば 小児科もそこで一緒にいなければなりませんので、難しいお産は大学では大体多産とか、 あといろんな難産が多いので、小児科が一緒についているわけですね。従事医師について これだけの手当を出しております。  時間外技術料の具体的な例としては、従来は最初はすべての手術に1割出したら、やっ ぱり外保連がたどった経過と同じように、かなり現場の医師の間に心の葛藤が出まして、 あれだけリスクがない手術に出すのはいかがなものかというようなことがありまして、ハ イリスクのものに出すということにしました。執刀医が12分の5、第一助手が12分の 4、それから麻酔医にも当然これを出したわけであります。  ですから、一つの例として心臓血管外科手術で冠動脈バイパス手術、いわゆる心筋梗塞 になったときによくやられる手術ですけれども、7万8,000円出るんだと。78万円 出て、この中には材料が大体半分以上になるわけですが、手術時間は15時間59分です。 全身麻酔が前後がありますから、導入と覚せいがありますので麻酔時間は17時間、18 時間近くかかるんですね。18時間すごいリスクの高い手術をして、欧米で言えば冠動脈 バイパスと収縮性心膜炎手術だと大体500万円ぐらいの、米国だとこれは500万円で す。日本だと78万円ですが、その少ないお金を7万8,000円を案分と、麻酔科医に は4万6,000円を案分するということですね。  時間外手術が、じゃどのくらい当たるかといいますと、うちの病院では大体15.1% ぐらいで、つまり全体の6分の1から7分の1が今の高度技術料の対象になっております。  技術料の平均額は1件当たり4万9,000円ぐらいでそんな高くないんです。ですか ら、これを3人、4人で分けるわけですから、しかしながら外科医のモチベーションを上 げるために、昔は山口先生おっしゃったように、うちの父さんは今日も帰ってこないけれ ども、えらいことを病院でやってんだから我慢しなさいというのがあれだったんだけれど も、最近の若い奥さんたちがそれを許さないんですね。この子の幼稚園代どうしてくれん のよというのが大体今の現場ですから、そうするとやっぱり我々が統制経済の中にいなが ら、実は実社会では資本主義の中にいるわけですから、これはクラッシュになるのは当た り前ですよね。  大学病院の今の医療費の中で占める割合は、これはうちの大学病院の附属病院のあれで すけれども、大体医療費の1.4%、あるいは技術料に関しては0.2%、つまり外科の 技術料に対してはわずか0.2%で大体外科医のモチベーションが上がってくるのではな いかというふうに思っています。  そういうことをやっていないところは、こういうふうに残業代の不払いで勧告を受ける わけですね。これは私の母校も入っているんですけれども、その轍を踏まないように山形 大学では先に残業代を全部払っています。  ところが、これは我々だけじゃなくてすべての開業の先生も努力して企業努力とこの前 話がありましたが、企業努力をしました。これを全部の病院に拡大しますと、日本の大体 503億円で、米国とは全然額が違いますが、1けた違うんですけれども、0.15%で すが、これをやった結果、山形大学でどうなったかということなんですが、一つは科の偏 在が解消したかどうか、それから外科医、産科医の減少が防げたかどうか、若い人たちが どういうふうに見たかなんですが、まずは山形大学の卒後臨床研修マッチ者数は40人で、 これはいわゆる地方大学としては多い方です。80大学ある中で100人のうち40人が 大学で残るということは、東北のほかの大学がこのような数値でありますので、こういう ふうな若い人たちを我々が、トップが見ているよと、病院長が見ているよということが非 常に大事な要素じゃないかというふうに思います。40人も生んで、県内にあと30人ぐ らい残りますので、地域医療も崩壊せずにいいんじゃないかと思っているんです。  あと、科ですね。科の偏在でも、全国平均が外科系が10%ぐらいしか残らないところ、 うちは24%だとか、小児科、産婦人科にしても全国平均を上回る人がそちらに向かって いると。これは額の問題ではなくて、先ほど山口先生おっしゃったように、やはりみんな が評価しているよというそれが一番大事なことじゃないかと思います。  その他の職場環境改善としては、これは特に女医さんが多いので、短時間労働制度をし いておりまして、これは出産、子育てで当直や長時間労働ができない、つまり座布団がな い非常勤としてであった女性医師等を正規職員として雇用しております。あの人は当直も しないで子育てのために帰っちゃうというような先生方を正規職員として雇用しまして、 そこに退職金も全部つけております。こういうことをやりまして、現在では17名がこの 制度を利用しておりまして、非常に女医さんが今ふえている、半分近くになっている大学 があるわけですから、こういう制度を工夫してやっているんです。  それからあと、これは企業が見に来てくれるぐらいに珍しい24時間の保育所をやって おります。これは大赤字です、実は。しかしながら、セーフティーネットというのは10 0%でないとだめなんです。最初24時間じゃなくて、事務系は、先生、とても赤字にな るからだめだと言ってきたんですが、それを24時間でなくすことができるのは、看護師 さんは勤務表が1カ月前にできるんですよ。したがいまして、入っている人の子供が何時 から何時までいないという時間を計算上はできるんですが、患者さんは常に急変する可能 性があるので、そうすると私の子供は6時までですとそこから追い出されちゃうというふ うな不安になります。それはセーフティーネットじゃないんですね、社会の。セーフティ ーネットは100%じゃなきゃいけないということで、その前に全国で初めての24時間 のコンビニを設置しまして、そのときも事務系は赤字になるということで反対したんです けれども、ただ私は朝早く行って、6時には大学に行って若い人が来るのを見ていますが、 大体コンビニのお弁当を、外科医は特に時間が非常に不規則ですから、お弁当を持ってき て食べているんですね。それを24時間にしました。今現在山形でこの系列では最も売り 上げが高いコンビニになっておりますが、その黒字を、財団ですけれども、病院が直接管 理しているすくすくのほうに還元していただいていると、これでとんとんでやっていると いうことであります。  ですから、大学も今はここまで企業努力をしているということをお考えになっていただ きたいと思います。  ところが、原資となっている運営費交付金は激減しております。60円でやれていたの が今は20円ですから、法人化も、これはできなくなるのは当たり前でありまして、それ から大学で先ほどEの話が出ましたけれども、難易度が高い手術はDPC対象病院を含め まして大学の附属病院でございます。  今のようなこの企業努力は私が病院長のときに例えば16種類あった胃袋に入れるチュ ーブを2種類にして在庫を減らして、薬剤も似たようなものはすべて機能で分けまして、 在庫を減らしてというようなことをやりまして、本当に足腰の強いということをやったん ですが、先ほどのような原因がありまして、原資がもう枯渇しました。そのために過日お 話し申し上げたように、大学病院で頑張っても頑張ってもどの病院でも全部同じだと思い ますが、大学だけでなくて開業の先生方ももうぎりぎりだと思います。何しろ診療報酬に 技術料というのはないんですから、ついに赤字に転落ということになります。OECDの 平均値の4.1兆円上げてくれなんていうことは言いませんけれども、先進国で最低の医 療費で先ほど外保連の先生方もおっしゃったように世界で最高の医療をやっているわけで すね。これはもう各分野でAランクです。これは内科、外科含めてなんですけれども、C ランクなんですが、そのほかはAですね、全部。これは全部病気ですから。トータルでも 2009年でも総合1位なんですね。したがって、日本は最低の医療費でやれているのは、 つまり人間の技術料を一切認めていないんですね。私の恩師がもやもや病という日本人が 唯一脳外科領域で世界に通じる疾患を発見した恩師だったんですけれども、イタリアから 患者さんが来まして手術を受けました。そのレセプトというかレシープトですね、もらっ たときに、どこにプロフェッサースズキの技術料が書いてあるんだということを言われま して、我々もびっくりしたんですが、欧米ではそうだったのかということで、ただ我々も 丸めて全部入っちゃっていてそこが見えなくなっているんですね。ですから、今後はやは り材料と技術をきちっと分けた形で評価していかないと外科医は絶滅する。ちゃんとやっ てあげればやってあげるだけ若い人たちは反応はします。ただし、現在のように企業努力 をここまでやったんですが、企業努力といっても我々の場合には価格を上げられるわけで もないし、統制経済の中でやっているわけですから、これだけの最低の医療費で最高の医 療をやってきたというのは、日本の医師のやはり犠牲の上に成り立ったんじゃないかとい うふうに考えています。  やればやっぱり若い人は反応するよと、技術料ですね、それが結論なんですが、それも もやは限界に来ているというのが現時点だというふうに思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、この後議論をしたいと思いますけれども、公益委員がもとの席に戻りますの でしばしお待ちください。 (公益委員移動) ○遠藤小委員長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  関連しまして、中医協の診−1という資料を準備しております。もう長々と説明する時 間はありませんので、簡単に御紹介だけさせていただきます。  先ほどから診療報酬における医師の技術や能力の評価についてプレゼンがございました けれども、いろいろ御指摘がありましたように、必ずしも定量的に特に技術だけを取り出 して評価しているということではないのですが、幾つかの診療報酬項目の中に包括する形 で医師の配置だとか技術について評価したものがございます。  事務局のほうで、これまで幾つか御議論がありました。恐らくはドクターズフィーみた いなものも念頭に置いての御議論だったかと思いますが、そうしたことがありましたので、 宿題報告的に事務局のほうで整理をしてみました。  便宜的に分解してみますとこの3つが考えられました。まず、医療法に定める人員標準 に着目したものという(1)のカテゴリー、それから2つ目が、特に要件はつけていませんが、 どう見ても医師の技術に着目してつけているという点数です。それから3つ目が、医師の 配置や技術というものをある程度明確に明示をしているものです。  それぞれに注1から注3までついております。ちょっと字が小さいので見づらいかもし れませんけれども、注1は簡単でございまして、医師とか歯科医師の医療法標準の基準を 満たしているか満たしていないか、100分の50と100分の70で分けまして、また さらに離島などに所在するのかそうじゃないのかに分けまして、それぞれを満たさない場 合に例えば100分の90とかいう形の減額した点数を払っているということです。  それから、注2は、先ほども申しましたが、明確に医師と書いておりませんけれども、 検体検査判断料やあるいはその下にあります生体検査のように、どう考えても医師以外の 人がやるということは想定していないという点数がございます。  それから、注3がかなり重要でございまして、医師の配置や技術料等が明示されている 要件となっている診療報酬項目です。注3をさらに幾つかの視点で分解をしてみますと、 こういう形で150件が出てまいりました。まず、医師の単独の要件が79件、それから 医師を含めた複数の職種、今風に言うとチーム医療になるのでしょうけれども、複数の職 種の存在も評価したもの、例えば経験を持っている看護師とともにみたいな形で書かれて いるものについては71件ということになります。  それから、医師単独の要件も見ていただきますと医師数を評価したもの、例えば2名以 上ということで評価したもの、それから経験年数を評価したもの、経験の症例数、それか ら診療科を限定して評価したものと、こういう形になっております。  それで、その後、配置要件の例ということで幾つか2ページ下に書いておりますが、3 ページをごらんください。  ここも本当に参考までですけれども、今の診療報酬の項目というのはAの基本診療料か らNの病理までAからNまで分かれておりますが、それぞれごとに、じゃ今の150件を もう一遍分類し直すとこういう分布をしているということです。比較的基本診療料に多く て、それから手術の中に医師の経験や数を規定しているということになります。  今申し上げました注3に書きましたものをリストにしたものが参考資料と言われるもの でして、Aの100の1の一般病棟7対1入院基本料から17ページのNの006病理診 断料まで一応点数と、それから医師の配置や技術の要件、例えば経験年数、数、専任、専 従、その他の要件についてリストアップしております。これは時間のあるときに御高覧く ださい。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、議論に移りたいと思いますけれども、まず山口先生、岩中先生から外科の置 かれている状況を踏まえまして、さらには外保連の試案の中身あるいは今後の取り組みに ついての御説明がありました。まずはその辺を中心にひとつ御意見をいただいて、その後、 嘉山委員から御報告があった内容、これは実は最も嘉山委員がおっしゃりたいということ はドクターズフィーをどう考えるかということであったと思いますので、それについてま た御審議をいただきたいと思います。そのときに、今事務局から出されておりました医師 による何らかの評価ということが既にあるので、それと絡めながらお話をしていきたいと 思いますので、それではまず山口先生、岩中先生の御報告に対して何か、邉見委員、どう ぞ。 ○邉見委員  まず外科、特に手術のことをヒアリングに呼んでいただいてありがとうございます。  私は5年おりましたけれども、初めてです。今回の改定だけでも製薬業界はもう5回以 上ヒアリングを受けていると思いますが、一番困っている手術のところは初めて呼んでい ただいて本当に感激しております。また、山口先生、岩中先生、御丁寧な説明ありがとう ございました。  御承知のように、先ほどもお二人からお話がありましたから、外科がどれほどきつい状 況にあるかというのは皆さん御承知だとは思うんですけれども、なかなか産科、小児科の ほうにマスクされまして、外科は今40代以上の人が頑張っているんですね。30代はめ ちゃくちゃに減っておるんですが、外科医というのは一人前になるのに10年かかります ので、10年たたないとなかなかそれでもまだ分からないということです。  それと、やはり外科医は忙しいので、こういうようにみんなに知らすような努力も余り しなかったと。ずっと大体手術室におるのがもう仕事場だと、ほかのところで院内会議を しても、外科の先生が一番集まり悪いんです。だから、外科に不利なようなことばかり決 まっていくわけですね。だから、ここ中医協もそうだと思うんです。一番初めにやっぱり 外科の手術料が余りにも下についてしまっているから、一遍に上げるということはできな いから少しずつ上がっているので、もう世界水準から見たら非常にクレージーな、私が青 本を外国の外科医に見せますと、クレージーの一言でした。そういうふうな点数に残って しまっているんですね。  さらにそれなのに、技(わざ)、技術と物との差別、分離ができていないと。手術料の 中にたくさんの物が入ってしまっていると。だから、この国は物にはお金を払うけれども、 技術には余りお金を払わないという特性のある国ですから、やっぱり見えるものにしか余 りお金を払わないということで、まず2つの事を言いたいと思います。  まず技(わざ)、手術料をやっぱり適正なところまで上げてほしい。2つは、先日、医 療技術評価分科会、吉田会長のほうに2年間の調査の後で物を分離するというふうな確約 を得ていますので、それをぜひ実現してほしいということでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  何かございますか。白川委員、どうぞ。 ○白川委員  どうも御丁寧な説明を大変ありがとうございました。  今、邉見委員がおっしゃったとおり、外科医が大変な状況だというのは私どもも認識を しておりまして、その辺の詳しい内容をお聞かせいただきまして、非常に参考にさせてい ただきたいと思います。  特に社会的な評価が低下したということは、そういうことはないと私は思っております し、家族の評価の低下は医師だけではなくて、世の中の亭主族は共通の悩みですが、ただ それをしっかりと調査分類され、ある思想に基づいて評価をしていくという方向について はそのとおりだと思いますので、大いに賛成をさせていただきたいと思っております。  1点質問ですが、具体的には山口先生のほうのパワーポイントの資料の20ページに、 医療技術再評価の提案で外保連試案というところに具体的な点数が書かれておりますが、 これの基本思想は理解いたしましたけれども、具体的にどうやって出されたのかというと ころの説明がなかったかと思いますので、その辺ご説明いただけますでしょうか。 ○遠藤小委員長  山口先生、お願いいたします。 ○山口氏  外保連の試案は、先ほど申しました技術度とそれから人数と時間を計算しまして、国家 公務員の俸給表からこれぐらいの数字だということで計算しております、基本的にですね。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  時間のところはそれで私も理解できるのですけれども、技術度といいますか、同じ手術 でも難度とか、失礼ですが、腕前みたいなものが多少関係するのではないかと思いますが、 その辺をどういうふうにされたかというのが私の質問でございます。 ○遠藤小委員長  山口先生、どうぞ。 ○山口氏  そこのところが外保連が結成されたときから一番大きな問題で、例えばある科の手術は そっちよりずっと難しいんだといういろんな主張でなかなかかみ合わないということで、 最終的にはやはり何年やったらできる手術かというところにおさまりました。ですから、 最初の試案というのは、1年目でできる手術、2年目でできる手術というふうな分け方に なっていたんですけれども、やっぱり最近は専門医制度というものができていますので、 一生懸命努力して獲得したもののほうが正しいんじゃないかということで、A、B、C、 Dというふうなランクで、年限というのはそれの一つの目安というぐあいに考えています。  実際、例えば今、日本外科学会の専門医制度の中では外保連の技術度を採用して、外保 連の技術度のこういうものをやったら専門医とれますとか、そういうぐあいにリンクし始 めて、共通の尺度になれば一番いいんじゃないかなというぐあいに理解しております。 ○遠藤小委員長  白川委員、よろしいですか。その絶対額についてはともかく…… ○白川委員  失礼しました。  AからEまで経験年数をベースに区分けされたということは理解しておりますけれども、 例えば具体的に言いますと、Dに分類された方とAに分類された方がどれぐらいの技術料 の差があるかということをどのように設定しているのでしょうか。 ○遠藤小委員長  白川委員、ちょっと誤解があります。個々の医師ごとにこれは分けているのではなくて …… ○白川委員  個々でないのは分かっておりますが、分類をして、その中でこの手術についてはAラン ク、Bランクでできるという判定を下されるわけですよね。ですから、それに基づいて技 術料を計算されているというふうに理解しましたけれども、その場合に、例えばAとDの 技術料の差というのはどういう考えで設定されたのかというのが私の質問なんですが。 ○山口氏  岩中のほうからお答えします。 ○遠藤小委員長  お願いいたします。岩中先生、どうぞ。 ○岩中氏  この技術度をどれぐらいの割合で上げていくかということに関してはなかなか議論の難 しいところでございますが、基本的にはまず平成16年度の国家公務員の医師俸給表の (一)で一番レベルに低いところの初任給で最初に決めまして、それから順番に、医師の 場合は1年経験したら普通の会社で1年分の昇給というわけではなくて、1年目の医師と 2年目の医師はかなりの技術の違いがありますし、2年目と5年目ではやはりもう全くレ ベルが違います。これは実際の外科の世界で働いていますと、かなりの持たされる責任の 重さだとかそういうものがございますので、基本的に約1年で技術度が0.5ずつぐらい ふえていくんではないかというふうに概算をしております。  これに関しましては、例えば処置に関してはそんなにふえなくてもいいだろうというの で、処置に関しては6年間で倍ぐらいの技術料でいいんじゃないかとか、その辺は一応外 保連の多くの委員たちで各領域でコンセンサスを得て、外科医の技術料がどれぐらいのレ ベルで上がっていかないきゃいけないかということで、そういうふうな評価で国家公務員 の俸給表を基本にして検討させていただいております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、よろしいですか。  それでは、関原委員、どうぞ。 ○関原委員  私の感想を述べさせていただきます。  私はアメリカで先程説明頂いた大腸の手術をしまして、帰国後国立がんセンターで5回 の肝転移と肺転移の手術を受けました。その後、榊原記念病院でバイパス手術もやりPD CAも受けました。それから、虎ノ門病院で正月に心筋梗塞を起こして運び込まれてやり ました。そういう意味で患者としては相当外科医療の現場を体験してまいりました。  今、山口先生がおっしゃったのは、私は120%アグリーです。つまり、私はそれまで 銀行で働いておりまして、相当よく働くビジネスマンだと思っていましたが、国立がんセ ンターや虎ノ門病院の先生方の時間と密度に比べれば大した働きではなかったのです。そ れからアメリカの医療費を自分で実際払いましたから、余りも大きな差があります。25 年患者をやっていてもその印象というのは全く変わりません。物事や現場というのは少し ずつはよくなってきていると思いますが、この病院の現場の状態だけは全然よくなってい ないというのが、これは公益委員というより一患者としての確かな印象です。  以上です。 ○遠藤小委員長  ほかにございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  山口先生に1つ御質問させていただくんですけれども、技術料の評価のところで、結果 だけじゃなくてその他のファクターを織り込んでほしいという幾つかの学会からの要望が あったという御説明でございました。この中身は、具体的に言いますと、手術をやったこ とのキュアまでの評価以外に、キュアをした結果としてその方が社会復帰をされる。その 中で社会のいわゆる生産労働力としての復帰をされることの社会に対する貢献度、経済効 果、そういうようなものもこの試算に入れるべき手術分野があると、そういう御主張があ るというふうに理解してよろしゅうございますか。 ○遠藤小委員長  山口先生、どうぞ。 ○山口氏  そのとおりでございます。要するに、その手術をやった結果、どういうメリットが得ら れて、例えば聴力が回復するとか生命的な予後がよくなるとか、そういうことを計算して という議論が起きていますが、外保連全体として基本的な方針がまだできていません。こ れは大いに議論すべきことだと理解しています。 ○安達委員  それが計算できる分野と計算しにくい分野があるので、部分的な御意見だから今抽象的 におっしゃったんだろうというふうに私は理解しておりますが、もう一つは、前から私ど もは申し上げてきたことですが、今、関原委員の御指摘にもあったのかもしれませんが、 私はやはり日本の医療費というのが対GDP比でこれだけ低くて済んできている最大の要 因が今の話なんじゃないかと思っているわけでございまして、外科手術が特に主ですが、 20世紀の後半に大きな進歩をした部分の点数評価というのをちゃんとしてこなかったツ ケを今払わせられようとしているのではないか、日本全体がというふうに思っているんで すけれども、国家公務員の医療職別で計算をされても点数になる。国家公務員医療職って、 私も国家公務員医療職だったんですけれども、ほかの国家公務員と比べて医療職手当とい うのは3,000円とか4,000円と、要するにほとんどついていないに等しいという ようなことでやってきた。そこで計算してもあの数字になるということの御指摘だと思い ますが、その計算で例えば今の日本の外科手術の全体像からして外保連の試算のとおりに もし上げたとしたら、現在の日本の国民総医療費というものはどのぐらい上がるというふ うな御試算というのはございますか。 ○岩中氏  かわりに答えさせていただきますが、現在、医療費の中で手術と言われるレセプト番号 で50番に相当する部分の医療費がおよそ1兆円でございます。今、外保連の手術試案と 診療報酬表の手術料とをそのままどちらも人件費だと考えてざっくりと比較しますと、大 体その間に2.6倍の差がございます。  ですから、基本的に手術料の50番のところ、材料費を置いておいた上で2.6兆円に していただければ、外保連試案にかなり近いお手当になるのかなというふうに考えます。 ○安達委員  わかりました。ありがとうございます。 ○遠藤小委員長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  山口先生、岩中先生のお話、よく分かりましてありがとうございました。  特にこれまでの点数というのはどちらかといえばエビデンスがなかったかもしれないの で、来年3月までに、いろいろ大変な中ですけれども、きちんとエビデンスに基づいたデ ータにしていっていただけるということで、それは非常に期待をするべきことだと思いま すし、ありがたいことだと思います。  もう一つ、やはり専門医制度というか、認定医とかいろいろあるんだと思いますけれど も、中医協としてはよく議論の中で施設基準とか要件として、こういう専門医が、こうい う認定医が、というのが出てくることがあり、そのたびに時々、では、その専門医と認定 医という人はどういう要件の人なのかということを僕は質問させてもらったりしてきたわ けなんです。あわせてだれが手術しても同じ値段だとか、だれでもどんな手術でもできる んだということよりは、何か工夫が欲しいし、だけどその手術はかなり遠くに行かないと できないんだというのも困るわけですけれども、今回の議論と同じように認定医とかその あたりの整備なんかもあわせて一定お願いできれば本当に良い形になるんじゃないかと思 いますので、そういう感想というか要望というかお願いできればと思います。 ○遠藤小委員長  勝村委員のおっしゃっていることは幾つかのことがあると思うのですが、恐らく同じ手 術であっても人によって報酬額も違えるというようなことについてどのようなお考えです かと、専門医制とかそういったものを絡めてどのようにお考えですかということが一番お 聞きになりたかったことかなと思いますが、勝村委員、そのように私は翻訳してよろしい でしょうか。 ○勝村委員  1つはそういう論点です。もう一つは、専門医、認定医というものが患者から見てこれ だけの要件を兼ねた人なんだなということが、どの科の人であってももっと分かりやすく、 納得ができる形にできないか、ということです。本当にこのような、手術を何件という数 字で決めたらいいのかもしれないけれども、認定医とか専門医というと数がどうも多過ぎ るんじゃないかとか思ってしまう現状よりは、そういう形で本当にエビデンスのある専門 医や認定医の形という仕組みが工夫してもらいたいなということの2つです。 ○遠藤小委員長  本当に臨床の腕を評価する指標として適切なのかどうかというようなことが少なくとも 一般の人に分かるようにしていただくべきではないかと、こういう御意見だったわけです。  では、山口先生、お願いします。 ○山口氏  ありがとうございました。  まず最初の論点ですけれども、技術度が人によって違うので、そのあたりをどう評価す るかということですが、例えば盲腸の手術を大外科医がやっても、やはりそれは盲腸の手 術ですから、その値段でよいと思います。  逆さまに物すごく高度の手術を駆け出しの医者はやるべきでないと、そういう考え方で よいのであって、自分が大外科医だから易しい手術も高いという考え方はおかしくて、患 者さんのほうから見たら、そういう手術の代価として払うわけですから、そういう視点で いくべきであるのではないかなと思います。  それから、専門医につきまして私が言う立場にはないかもしれませんが、やはり共通の 尺度がないということと、ちょっと御指摘がありましたように、学会員をふやすための専 門医みたいな視点があったり、本当にそういう資格だけでみんなが納得できる資格かとい うことに非常に疑問があるものが多いと思います。ですから、できればもし外保連のそう いう技術の評価が共通の指標になれば一番いいと思います。  それともう一つは、最近、内視鏡外科学会なんかも非常に厳しい実技の検定をやってい ますので、ああいうものを見ていると一つのお手本になるのではないかと理解しておりま す。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  では、勝村委員、手短に。 ○勝村委員  ありがとうございます。よく分かりました。  特に専門医に関しては、今のお話ですと、科によっては非常にきちんとした専門医の尺 度でやっているところと、やはりちょっと簡単に専門医を出しすぎているかもしれないと いうところがあるということですので、中医協でもこの間やはり施設基準など、要件に専 門医であることみたいなことを入れてきた経緯もあったかと思いますし、今後そういう形 でしていくことによって地域の医療とかもつくっていくことができると可能性もある思い ますので、そういうふうにぜひ使いやすい形にしていただくこともお願いできたらなと思 います。 ○遠藤小委員長  恐らく施設基準に専門医という形では入れていなかったと思いますけれども、ちょっと 事務局に確認しますが。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から言うとそう多くはございません。例えば、7ページの一番下のほうにあります E000みたいなところで、施設基準というよりは算定の要件という形でE000という のが4つ並んでいますが、その中に日本医学放射線学会が行う医師の専門性に関する認定 を受けたというところがありますし、それからまた8ページの真ん中あたりにE200の 4、E202の4とありますが、そこにやっぱり同様の認定を受けたというのがあります。 それ以外のところでは余り認定医、もちろん麻酔標榜医とか精神保健指定医というのはち ょっと別格だとしまして、そのようなところで余り認定医という要件は……。 ○遠藤小委員長  わかりました。  という状況でありますが、そのときの議論も常にそうあったわけで、個々の学会の認定 率の差をどう評価するか、あるいは臨床の技能を本当に評価しているのかという議論が常 に出たためにそれをしていなかったということがあるわけで、今後どうなるかということ ですね。  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  本日の説明どうもありがとうございました。  私は余りほかのまだ外科の病院に私自身はかかったことないんであれなんですけれども、 大変御苦労されている日常よく分かりました。本当にどうもありがとうございます。  その中で、いろいろ議論している中での最大のポイントというのは、お医者さんの個人 の技量の差をどのように評価するかというところが非常に大きな問題であろうと思うんで すね。それで、日本の診療報酬制度は全国一律の公定価格になっているわけですから、そ ういう中でこの問題をどういうふうにするか、仮にもし企業なんかですと、それは企業内 の評価でそれぞれの人の能力を定めていったり適正に査定したりということで、一定の納 得をいただいて組織で動いているわけですけれども、ですからそういうところとの兼ね合 いというのも大変どうしたらいいのかという難しい問題かもしれませんが、もし仮に先生 がおっしゃったようにお医者さんの技量の差をある一定の基準でつくって国の制度とした 場合、それは当然オープンにしなくちゃいけませんね、国民に。そうすると、あの病院に はこういう先生がいらっしゃって、この病院にはああいう先生がいらっしゃらないとなり ましたら、大変もっと今度国内が、ですからその辺をどう考えるかというのが私はちょっ と素朴に疑問を感じるんですけど。 ○遠藤小委員長  関連で、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  私、日本脳神経外科学会の脳腫瘍の外科学会の理事長をやっておりますし、(社)日本 脳神経外科学会の専門医の認定の副委員長をやっておりますのでお答えします。  勝村委員も北村委員もちょっと誤解をされているんじゃないかと思うんですが、なぜか というと、我々が治している病気は、私は2,000例以上脳腫瘍を自分で手術していま すけれども、一例一例違います。ですから、腕がといっても、そのときの結果でこの人が 腕がいいとかということは我々は考えていないんですよ。例えば、先ほどの内視鏡学会が 技術認定をしているというのは、ある決まっている缶詰工場と違うので、だけど実際には どのぐらいの腕かというのは見ることはできないです。なぜかというと一人一人みんな病 気が違うからです。  ただし、我々が技術認定をやっている基準というのは、あるところまでは技術がきちっ と、例えばキャダバーといって御遺体を、アメリカなんかではそれが普通なんですが、そ れを使わせていただいて内視鏡を入れていって、それではさみを使えるとか、それができ れば技術認定として認定はするんです。  ただし、勝村委員は誤解されているのかもしれません、専門医がやればすべての手術が 結果がいいわけではない。なぜかというと相手が全部違うからです。ですから、どんな名 人がやっても、名人というか、北村先生、確かにそのとおりです、先生は仏師だそうです けれども、腕が違うのは分かりますけれども、腕が違うというのは技術ですからあります けれども、ただし先生がおっしゃるように国民皆保険の中で我々が技術を認めるというの はどこまでが獲得されているかで見るんであって、例えばスーパーマーケットの同一の品 を扱っている事とは事情がちょっと違うんですよ。ですから、結果がすべていいことじゃ ないということを誤解しないでおいていただきたいんですけど。 ○北村(光)委員  私は仮にそういうことが制度としてできたらどうなるのかなと申し上げているんです。 ○嘉山委員  わかりました。それで、先ほどの胃がんの結果でも全部出ましたように、僕もがんセン ターの研究機関の運営委員をやっていますから、本当にアメリカと比べたら日本の外科医 の腕は、特に消化器外科、脳外科もそうなんですけれども、やっぱりトータルであの数字 ですから、あと私が出しましたように地域の差もないんですよ。つまり、北海道から沖縄 まで、東京も含めましてリストリビューションに差がないというのはWHOがちゃんと評 価していて、それも世界3位なんです。  つまり、アメリカですと州によってすごい差があるんですけれども、つまり米国は外科 医がお互いに競争相手です。ところが日本の場合には積み上げ式の教育をやっていますか ら、教授が助教授を教える、あるいは先輩が教えるというようなことをやっていますので、 何年生がやってもやっぱりトップレベルの成績が出ているのはオーバーオールの結果だと 思っていただければいいんじゃないかと思います。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、よくわかりました。 ○北村(光)委員  嘉山先生、そうすると一切差がないということをおっしゃっているんですよね。 ○嘉山委員  ほとんど差がないというふうに、アメリカではホスピタルボリュームといって、症例数 によって差があるということは動脈瘤なんか出ているんですけど、日本の場合、日本の脳 神経学会でそれをやってみたら、地方で年間に30とか40の病院も200やっている病 院も死亡率はほとんど変わらない。 ○遠藤小委員長  何かありますか、山口先生あるいは岩中先生、今のようなお話。  それでは、委員から質問が出ましたので、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私は内科医なので、外科系の先生の話は最近勉強するようになったんですけれども、例 えば糸代なんかも、我々はそんなに高いものかというのは医者でも分からなかったけれど も、すごい値段なんだなと。やっぱり技術にこだわる方ほどいいものを使おうとすると確 かに高くなってしまうんですが、その技術料の中に医療材料も一部含まれているというこ とですけれども、それは技術料を上げることによってある程度吸収されると考えがほうが いいのか、それとも技術料を上げた上で医療材料はまた別にしてほしいというふうにお考 えなのか、ちょっと御意見をお聞かせください。 ○遠藤小委員長  では山口先生、お願いいたします。 ○山口氏  やっぱり理想的にはきちっと明確に分離するべきだと思います。  ただ、その作業がなかなか大変なので、差し当たって手術料を上げていただければ、そ ういう配分はできるというぐあいに理解しています。 ○遠藤小委員長  岩中先生、何かありますか。 ○岩中氏  先ほど申し上げましたように、今の試案の第7版ではまだ医療材料のところは網羅して おりませんし、まだ精緻化されておりませんので、ただ私どもが第8版でこれだけの汗を かいて調査表をつくろうとしておりますのは、各施設すべての医療材料を載せようとして いますのは、その技術と物との分離に向けた作業でございますので、きちっとしたデータ を出しますのでぜひ御評価をいただきたいなと。 ○遠藤小委員長  ちょっとそれに関連しまして、実は外保連試案を個々の技術の相対評価として全面的に 採用したらどうかと皆さんにお諮りしましたのは、それなりに外保連試案、手術について はずっと改定のたびにブラッシュアップがされまして、かなり精度の高いものになってい るだろうというふうに理解をしたことであります。  現実にはまだ各学会間の調整等々があるということなので、これを2年間の間でどこま で精緻化していただくかということなのですが、それにしましても、実は特に山口先生が 会長になられてから、内容的にはコンセンサスベースからエビデンスベースでということ で、先ほど御説明があったように、測定をし直すなんていうこともやっておられますし、 それからそれまでは資本費の部分も入っていたわけですけれども、資本費は非常に地域に よってばらつきもあるということで、もう技術のところだけに絞られたということもされ ておられますね、たしか。  さらに、先ほど言ったデータベースで本当に材料と技術のところを分離できるようなデ ータを今集めておられるということで、非常に精度の高い、恐らくRBRVSも、あれは コンセンサスベースですから、あれよりもかなりエビデンスベースでしっかりしているの ではないだろうかと私は思っておりますので、次回改定に向けての精緻化ということも大 変中医協としても期待をしているということを一言申し添えていただければと思います。  ほかにどなたかございますか。  それでは、邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  ぜひそういうふうな方向で合意をいただけたらと思います。  それともう一つ、ちょっと北村委員と勝村委員の話で、ある数以上の手術をすればそこ が成績がいいというので、以前、その一定を満たさなければ3割カットという手術の施設 基準というのができて、それを再評価して実際は検証した結果、1つだけということで今 また調査中ですけれども、先ほど嘉山委員がおっしゃいましたように、日本はやはりチー ムでやっていますので、カリスマ的な外科医が1人あっち行ったりこっち行ったりという んでなく、上の人が2番目を教え、2番目が3番目を教えているので、ちょっと弱いなと いうところはだれかがまた行くというふうなことで、おおよそ同じような結果が出ている んですね。これは不思議と思うかもわかりませんが、実際にちゃんとしたデータで出てい ますので、その辺のところはお認めいただきたいと思います。そうしないと、同じ手術を しても7割の評価しかなければ、田舎へ来る医師はどんどん居なくなりますので、田舎の 病院がどんどん困りますので、ぜひその辺のことは御理解いただきたい。 ○遠藤小委員長  では、手短にお願いします。 ○勝村委員  僕の先ほどの意見は、まさに、邉見委員がおっしゃった以前の、何件以上の数が集まっ たらという議論があったことを思い出していて、そのときは、目的は良くても、手法とし てはよくなかったということになったんだけれども、極端なことを言えば、どの外科医の 人もどんな手術もやってもいいということよりは、そのときはそういうチームの専門性と いうのを高めてそういう医療者を地域ごとに集めていったほうがいいだろうというコンセ プトでやったけれども、手法がだめだったということでそういう方向に進められなかった 経緯があったので、今回のいろいろ努力していただいている中で、手術とかが非常にいい 形でなされていくために、そういう方向においても一つ何かよい形でやっていただければ という趣旨で御発言させていただいたということです。 ○遠藤小委員長  それでは、引き続きまして、嘉山委員からの御提案あった内容について御審議をしたい と思いますけれども、もしよろしければ、山口先生、岩中先生、外科の話でございますの で、お時間が許すのであればいていただいたほうがいいかなと思いますけれども、お時間 が許さないようであれば途中で退席していただいて結構でございますので、それでは嘉山 委員からは山形大学のケースでありました。  特に今回のお話と絡む内容は、外科医に対する手当を支給しているということでありま して、嘉山委員は以前より、ドクターズフィーという診療報酬を直接医師に払う、このよ うな仕組みが重要ではないかということをおっしゃっておられるということでありますの で、その絡みの話をここでちょっとさせていただきたいと思いますが、まず基本的な制度 から申し上げますと、我が国の制度では保険者から保険医に対して直接報酬を支払うとい う仕組みにはなっておりませんので、保険医療機関に支払い、保険医療機関が給与という 形で支払うと、こういう形になっているわけでして、したがって中医協の議論として、こ れを直接保険者から保険医に対してお金を流すということを議論するのはちょっと難しい と。これは法律改正そのものが必要だということなので、ここでの議論ということになり ますと、そうでなくて、なおかつ嘉山委員のおっしゃっているようなことが実現可能なよ うな仕組みで少し議論しなければいけないかと思います。  それはどういうことかというと、例えば手当を出すというようなことを一つの算定要件 にして報酬に加算をつけるとか、そういうようなことであれば中医協の議論として成立し ます。それがいいか悪いかはまたここでの議論ですけれども、したがってドクターズフィ ーというのは要するに医師に対して何らかの加算をその病院が出した場合にその病院に対 する報酬をふやす、その出すことをふやすことの支払い要件にすると、こういう仕組みで あれば類似の機能が現行のシステムの中でも達成できるわけなのですが、そういうことに ついてどうお考えになりますかと、こういうことであります。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  二号側の中で御質問と変なんですけれども、その今のお考えのベースになると思うんで、 私はドクターズフィーという将来的な移行ということは基本的に大賛成でございますけれ ども、保育所とコンビニがとんとんは分かりましたけれども、あれで手術の要件に応じて それぞれの個々の医師あるいは関連の医療従事者に支払いを独法化の中で山形大学がおや りになっています。これは嘉山先生も当然十分でないと思うけれども、医師のモチベーシ ョンをそこに上げると、評価してくれたということを明示するということでおやりになっ ていると思うんですけれども、現在の病院のトータルの診療報酬の中であれをやって、先 生、ペイしているんですか。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  法人化後だんだんと運営費交付金が減らされてきましたので、医療費はもちろん手術の 数もふえましたし、これは文部科学省が2%ずつ診療報酬を上げなさいということを目標 に掲げましたので、そのかわり運営費交付金を減らされたということで、結局材料がそれ だけかかっちゃったんですね。人件費としては入っていませんので、つまり、今から5年 ぐらい前は山形大学医学部附属病院は日本一足腰の強いというふうに評価をされたんです けれども、今ではやっぱり限界に来てしまったということであります。  それは来年度の国立大学、私立大学もそうですが、全部赤字にキャッシュフローで転換 しますので、同じような波にのまれたということで、ですから企業努力としてはかなりや ったんです。でなければこういうことできませんから、かなりやったんですけれども、や はり公定価格の中でやるのはなかなか難しいということであります。 ○遠藤小委員長  少し問題点を整理させていただきますと、今せっかく手術の話になっておりますので、 外科の崩壊を回避するためには手術料を今例えば上げるというときに、手術料をそのまま 上げるというのと、そうではなくてその中で外科医に対して何らかの手当をしていれば手 術料を上げる、こういうふうにする。したがって、病院には残らないわけです。病院には 残らずに外科医に、しかしその分だけ金額がふえますからね、そういくのか、病院にふえ た分もいくと、あとは病院の配分でやればいい、これは従来のやり方です。嘉山委員の言 われるのは、もうダイレクトに医師にいくような引き上げの方法という形で考えれば、手 当をすれば、その分だけ報酬を引き上げるというような、細かい制度はいろいろまた議論 しますけれども、そういう発想がどうかということをお諮りしているわけです。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  嘉山先生が山形大学でやっていることは非常にすばらしいなと評価しているんですが、 今の会長からの提案ですが、実はこれは大学病院あるいはそれに類したところが全くどの 科の医者であっても同じ給与であって、または時間外も出さないとか、いろんなことを認 めていないがゆえに変な状況が起きて、それを嘉山先生が直そうとしたんだと思いますが、 特に民間病院におきましては、科によって医師の給与も差をつけておりますし、当然、当 直などの手当も出しておりますし、そういうことではもう既にそういうことを評価してお ります。  ですから、設立母体とか医療機関によってはきちっと対応しているところと対応してい ないところで差があると、そういうことを議論していただいて、していないところはきち っとすべきですけれども、してあるところに対して更にということになると、また話はこ じれてきますので、そのあたりの議論を慎重にしていただきたいなと思っています。  ただ、何らかの形でやはり医師にふさわしい処遇というのは絶対していただきたいと思 っております。私としては、全体で診療報酬の底上げをする中で、各医療機関がきちっと 配慮していただくと、即ち医療機関の中で配慮するのが一番いいんじゃないかなと思って います。 ○遠藤小委員長  というと、そのような仕組みは特につくらなくても現状の方法で、ともかく底上げさえ すれば配分原資も出てくるからと、そういう考え方ですね。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  確かに嘉山先生、大学病院としては画期的なことをされていると思うんですけれども、 民間の病院はやっぱりそういうコスト意識はもっと厳しくとらえていますので、そういっ たことも含めて実際に行われていることも多々含まれているのではないのかなと思います。  それと、第一線のそういう病院に勤務されている専門医の方のお話を今回何人かお聞き しましたけれども、やはりドクターフィーみたいなものを最優先に考える意見はちょっと少 ないような気がいたします。一番多かったのは、やはり病院の経営を何とかしてほしいとい うことで、病院全体の経営が危機的であるということは勤務医の方も意識を持っていらして、 入院基本料のような底上げするような措置をとってほしい。  それからその次が、自分たちが専門の治療に専念できる環境をつくってほしい。やはり これは医療事務補助者とかそういったものをもっともっと充実させていただいて、治療に 専念できるような環境をつくってほしい、そして、訴訟のリスクをなくしてほしい、お金の 話というのはその次のような感じで、しかも余りそれは最優先の話ではないというような印 象でしたので、やはりそれは病院の経営全体を改善する方向で、その中で各医療機関が考え て対応すれば、おのずとそういう方向に行くのではないのかなと。今全然余裕がないですか ら、やりたくても十分にできないという状況ではないかと思います。 ○遠藤小委員長  ですから、もし増額をするという場合も、医師にある部分がいくというようなやり方と、 そうではなくて、病院に出せばそれは医師に配分することもできるし、場合によってはメ ディカルクラークを採用することによって、その分だけ環境がよくなるので、それで外科 医の負担の軽減につながる、むしろそういうような方向性のほうがいいのではないか、そ のように受けとめられましたけども。 ○鈴木委員  そうですね、それともっと言えば訴訟リスクを軽減してあげるという、そういう大きな ことにも取り組みたい。 ○遠藤小委員長  実は、救急とか小児あるいは産科の先生方もヒアリングさせていただいたときに、嘉山 委員からお一人ずつどう思うかということをお聞きになったという経緯がありまして、そ のときの結果では、賛成するという方としないという方がまざっていたという印象だった のですが、今突然のお話で恐縮ですけれども、そのように診療報酬が一部が必ず医師に、 特に外科医に配分されるような仕組み、こういったようなことについて何かお考えがござ いますか。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  あのときはお一人以外は賛成…… ○遠藤小委員長  ああ、そうでしたでしょうか。 ○嘉山委員  医療メディアでは全員賛成というふうに書かれていますからね。半々みたいなことを言 わないでください。あのときに出てきた方は全員ドクターズフィーは賛成でした。 ○遠藤小委員長  ほかの先生方が何を言っているかはともかくとしまして、岩中先生、山口先生、何かお 考えがあればお聞かせいただきたい。 ○岩中氏  今、外科医が非常に少なくなっている現状で、外科医がやりがいを持って医療をやって いこうと思うのは、やはり職場環境の整備というのは一つ非常に大きな問題であると思い ますし、今おしゃっていただきました医療クラークの問題であったり、雑用が少なくて自 分が本当にやりがいのある医療に専念できる環境というのはまずつくっていただきたいと 思いますが、先ほどからの議論にもありますように、山口が報告いたしましたように、外 科医一人一人が報酬の面でも決して恵まれている状況にはありません。その分、重いもの をいっぱい背負っているのですが、多分評価はかなり低い。ですから、それをどういう形 ででも結構なのでが、特に外科医に限らず専門の医療に専念している者に対しては病院の 本来の経営、外科医に払ったお金が別の病院の経営のほうに行かないで、頑張った人には きちんと手当が出るという仕組みがきちんと整備できるのであれば、それにこしたことは ないと考えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  山口先生、何かございますか。 ○山口氏  基本的には今の制度の中では難しいと思いますが、ただ自動的に渡るようになると、こ れは病院によってそれぞれいろいろな事情がありますので、それが果たして公平かどうか ということがありますし、それを外科医が望んでいるかどうかということも私は疑問に思 います。  嘉山先生のような先生がおられる病院であればそれは極めてうまくいくと思うので、つ まり直接いかなくても病院長とかに理解があればちゃんとやっていただけますので、そこ でよい医者がそういう病院に集まるようになれば、ほかの病院も嘉山先生のところのよう にやらなくてはいけないのだということで、あえて制度を変えなくても、手術料を上げれ ばその後の配分はお任せしていいのではないかと私は思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  一号側は何か御意見ありますか。特になければ結構ですけれども。  では、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  私も山口先生の御意見に近いのですけれども、確かに介護報酬を上げたときにそれが介 護職員の待遇改善に結びつかなかったという反省もありましたので、委員長がおっしゃる こともよく分かるんですけれども、ただ診療報酬体系全体のつくりにかなり影響を及ぼす のではないかと考えます。また、診療報酬のつくり方としては、いろいろな要件あるいは サービスの度合いに対応した診療報酬という形になっていますけれども、確かに例えば宿 直をやっていただく、時間外勤務をやっていただくというのももちろんサービスがプラス になっているのですから、それは手当てをしなきゃいけないと思いますが、宿直すると幾 らというふうに、本来であれば経営者が労働基準法とかの絡みで払わなくてはいけない部 分を診療報酬で固定で払っていくということは、労働基準法との関係からいっても少し問 題があるのかなというのが私の意見でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ちょっと追加ですが、こういう議論すると、何となく医師個人にいくよりも病院の懐み たいに対比でとらえられると私たちはちょっと困ります。私たちとしては今当然医師の職 場環境の整備を含めた処遇改善は絶対していただきたい、そのためには診療報酬を上げて いただきたいということですので、そのあたりのことは誤解されないように。経営者と医 師とを対立軸で置くような議論は余りしてほしくないと考えております。よろしくお願い します。 ○遠藤小委員長  では、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  白川委員の固定して支払っているわけじゃなくて、何度か変遷をしています。原資が限 られていますので、1万円とかああいうのは、今落ちついているのはあの金額で、その前 はもっと少なかったときもあるし、もっと多かったときもあります。  ですから、やっぱりその病院、病院で経営改善しているところとしていないところは差 はありますから、それはお金を固定するという意味ではなくて、私としては若い人たちに モチベーションとプライドを持ってもらいたいんですね。ですから、何らかの、幾らとい うことじゃないんですよ、制度としてあなたは頑張ったねというのを診療報酬の中に認め ていただければ、外科医が現実に今減っているんですから、内科の先生も、心臓内科が幾 らいたって、心臓外科医がいなければそこには心臓の病気の患者さんは集まりません、内 科医だけがいても。最後いざとなったらということがありますから、したがってそういう 若い人たちのモチベーションを上げるために、会長が一番こういうことはお詳しいので、 会長のここで知恵をおかりして、先生はすごくこの辺を御研究されているので、何とか入 れていただければ、明日からまた医学生が、外科医は認めてもらえるんだというようなこ とになるので、その辺は御勘案願いたいと思います。 ○遠藤小委員長  制度のスキームを現行の枠組みの中で議論するためにはこういうやり方があるのではな いかという形で、嘉山委員の御発言を私なりに翻訳させてここに今諮っておるというとこ ろで、私の力はそこで使い果たしていますので、あとどうするかにつきましては皆さんの 御意見という形…… ○嘉山委員  それから会長、あと私どものところは外科だけじゃないんです。やっぱりリスクに応じ て、例えば心臓カテーテルとか、あれは内科の先生がおやりになります。それから、内視 鏡でもかなり難しい内科医がやる、そういうようなハイリスクのものにはやはりこういう 手当を出していますので、でないと医療が萎縮してきているんですよね。要するに、高度 なことが一度その国で枯れますと、20年、30年かかっちゃうんですよね。技術の伝承 ができないと。ですから、外科だけではないということ。 ○遠藤小委員長  わかりました。  本日、初めてこういう形でお諮りしましたので、結論をここで求めることは避けたいと は思いますけれども、もう少しこの議論をさせていただいて、今年度中に一つの区切りを つけたいと思っておりますが、そのようなやり方でよろしゅうございますか。ありがとう ございます。  それでは、本当に本日は長い間お待ちいただきまして、また非常に貴重な情報を提供し ていただきました山口先生と岩中先生、本当にどうもありがとうございました。長時間ど うもありがとうございました。  それでは、また本日の話を踏まえまして、新しいたたき台、考えられるものをつくって いただきたいと思います。 (山口氏、岩中氏退席) ○遠藤小委員長  引き続きまして「DPCについて」に移りたいと思います。  DPCの議論につきましては、診療報酬の調査専門組織のDPC分科会…… ○事務局(佐藤医療課長)  委員長、北村専門委員から資料が出ておりまして…… ○遠藤小委員長  失礼いたしました。  北村専門委員から資料が出ておりました。 ○北村(善)専門委員  資料の提出をさせていただきましてありがとうございます。チーム医療推進協議会とし て資料の説明をさせていただきます。  この資料は、現在厚生労働省で行われているチーム医療の推進に関する検討会、その資 料として準備を進めている一部でございます。チーム医療推進協議会は、スライド2に示 すとおり、現在12団体と患者会、病院会、またメディアの方々で構成されております。 この協議会の目的は、スライド3のとおり、一人一人の患者さんに対してメディカルスタ ッフがそれぞれの職種を尊重し、さらに専門性を高めて、それを発揮しながら患者が満足 できる最良の医療を提供するという、このようなチーム医療の体制を推進して全国に普及 することを目的に協議会を発会させていただきました。  スライド5にあるように、今年当初に発会の準備を進めて2回の準備会を開催し、協議 会を発会させました。今後の協議会の活動は、1つ戻りましてスライド4のとおりでござ います。最終的には、チーム医療に関する提言を出すことによって全国にチーム医療を普 及することにあります。  スライド6ですが、これまでのディスカッションの中で、この職種から役割と各職種が 抱える課題が提示されました。それをまとめますと、人員数や適正配置の問題、それから 法制度上の役割や業務の解釈、それから専門技術やチーム医療に対する評価、この3点に 集約されてきました。スライド7、8、9が課題に対する解決策の提案をあらわしていま す。特にスライド7ですが、チームを構成するための人員の問題があります。多くの職種 において1人職場などが多く、そのために適正な人員配置を含めた体制を整備する必要が あるとしています。  また、スライド8が教育問題でございます。現在の養成教育の修業年限、それから内容 が現在の医療の進歩に追いついていないことが課題の1つでございます。  スライド10が今後の検討課題としてまとめております。  また、スライド11にチーム医療を推進するための必要条件として運用上並びに診療報 酬上の必要条件を示しています。  スライド12については、以前に示しました代表的なチーム医療の構成職種の例を示し ています。  このように多くの職種がチーム医療にかかわっていることが分かると思います。  スライド13以降については、各協会、団体の現状、課題などを示しています。1つの 職種について4枚ずつスライドにあらわさせていただきました。  資料として提出させていただきます。ありがとうございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  申しわけございません、スキップしてしまいまして失礼いたしました。  これはある意味で非常にこれまで余り中医協に出てこなかったタイプの資料であります ので、そういう意味でチーム医療を考える上でも非常に重要な資料だと思いますので、た だいまの御報告内容、もし何か御意見、御質問があれば受けたいと思いますけれども、何 かございますか。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  これも今会長おっしゃいましたように、今まで議論から取り残されてきた部分の1つだ と思うんですね。手術もそうだったと私は認識しておりますけれども、やはりぜひこれは 大きなこれからの日本の医療の在り方としていろんな議論をしていただきたい。 ○遠藤小委員長  私もそのように思います。北村専門委員が専門委員としてお入りになった理由というの もそこにあるということで認識しておりますので、それでは今後の議論の中でこのような コメディカル全般についての議論も十分するというようなことでよろしゅうございますか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今、医療が複雑化または高度化してまいりますと、このチーム医療はもちろん御発表に なった内容のとおりなので、何とか診療報酬で反映させるような方向に持っていっていた だければと思います。 ○遠藤小委員長  御意見として承りました。  それでは、このような資料を御提出いただいたということで、今後の診療報酬の決定の 中で反映していくということにさせていただきたいと思います。  それでは、DPCにつきまして議論していただきたいと思います。DPCにつきまして は、機能評価係数等々につきまして調査専門組織のほうで御議論いただきまして、本日そ の資料も提出されておりますし、また西岡DPC分科会会長の御出席も賜っておりますの で、資料の説明を事務局と西岡分科会長よりしていただきたいと思いますのでよろしくお 願いします。 ○鈴木委員  すみません、その前にこのDPCはかなり時間がかかると思うんですけれども、どのぐ らいまで時間をとる予定でいらっしゃいますか。 ○遠藤小委員長  DPC以外にがんがあるので、私はこのままでいけば2時かなと思っていますが。 ○鈴木委員  DPCだけで2時間はかかるんじゃないかなと思っていますけども。 ○遠藤小委員長  1回で固めるつもりはありませんが、そうですね、どのぐらいになるかは皆さんの意見 次第ということですけれども、参考の情報として、DPCとしては最終的にあと何回ぐら いやるつもりですか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  今回以外に少なくとも1回は御議論いただくつもりでおります。 ○遠藤小委員長  わかりました。では、かなり今回議論をしていかなければいけないということになりま すね。2時ぐらいです。できるだけ早く終わらせようと……、では1時間ぐらいかかると おっしゃるのであるならば、現在12時50分ですので、できるだけその辺は効率的に運 用したいと思います。  何か鈴木委員、時間的なことで……。 ○鈴木委員  委員の先生の中に次の予定が迫っている先生もいらっしゃるんですけども。 ○遠藤小委員長  わかりました。それであれば、DPCは途中になってしまう可能性もあるかもしれませ ん。2時というのは難しゅうございますか。 ○西澤委員  できれば、次の予定があるので、1時半までに終わっていただければと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。そうなるとDPCは頭だけ出したという感じになりますが、御欠席でそ のまま続くというのはちょっと難しいですね、西澤委員のお立場からいって。わかりまし た。それでは、効率的に始めたいと思います。  では、DPCの説明をお願いいたします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  それでは、手短に御説明させていただきます。  まず、私、事務局のほうも御説明を2部に分けまして、前半1ページ目だけ御説明した 後に分科会長に御説明をいただき、その後、残りを私が説明させていただきます。  診−2−1、1ページ目でございます。  3部構成でまず現行の点数設定、それから課題、それから最後に論点とさせていただき ます。  まず1ページ目、現行の点数設定、これはもう細かく説明は省略をさせていただきます が、1のところに現在こういう形でDPC、急性期入院医療の診断群分類に基づく日額包 括評価、こうなっていますという話です。  計算をする過程で医療機関別係数というものを日額の定額に掛けて、在院日数を掛けて おりますが、その医療機関別係数というのが真ん中の模式図でございますが、一応機能評 価係数プラス調整係数となっております。  2番の文章のところですが、この調整係数の役割、これはこれまで御議論いただき整理 されております。2つの役割があります。出来高から包括制度に移行する際の激変緩和と しての前年度並みの収入確保、どうしてこういうことが必要かというのがイに書いてある のですが、その評価で十分でないということの理由の1つに重症者への対応能力・高度医 療の提供能力等の診断群分類に基づく評価だけではどうしても評価できなくて、その分の 差があるということを評価するための係数ということでございます。  それで第2、課題でございますが、ここのDPC関係で課題をここで整理させていただ いております。4つございます。まず1点目が今日の御議論の中心の1つですが、新たな 機能評価係数の導入でございます。今御説明しました役割につきまして、前年度並みの収 入確保という単純なこういう形の役割については漸次廃止をいたしまして、かわりにもと もとの役割でございます評価ができていない部分、対応できていない部分、ここについて 機能評価係数ということで段階的に移行したらどうかということで…… ○遠藤小委員長  その辺はもう分かり切った話ですからいいです。今回、ここで議論することだけ言って ください。 ○事務局(迫井医療課企画官)  では、機能評価係数の具体的な案ができておりますので、後ほど御紹介いただきまして 御議論いただければと思っております。それが1点と、2点目は段階的な移行ということ でございますので、具体的にどういう形で段階的に移行していくのか。これは一番下に診 −1−2となっていますが、これは誤植でございます。診−2−2でございますが、西岡 分科会長に御説明いただきますので、よろしくお願いをいたします。 ○遠藤小委員長  それでは、西岡分科会長、よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  西岡です。  では、既に新たな機能評価係数に関しましてはここでも御議論いただいたところだと思 いますので、簡単に説明させていただきます。  まず、参考資料2というのをごらんいただきたいと思います。  ここに新たな評価係数として上がったものを列挙してございます。第1ページ目の4つ の項目はもう既にこの場で決定していただいたものでございますが、その計算式が右端の 欄に並べられてございます。それともう一つ、医療の質に関するものをどうするかという ことを御質問いただいておりましたので、これは1の項目の中で医療の正確なデータを出 すということで、しかもこれはデータの中から医療の質に関するデータを毎年報告させて いただいています報告書に掲載するといったような形で公表したいということでございま す。  それから、この欄の2列目の名称というのがございます。これも宿題をいただいており ましたものでございまして、これに関しまして、ここに挙げましたような名称を候補とし て挙げさせていただきました。これを決定していただければというふうに思います。  それから、ページをめくっていただきまして2枚目の5、6、7でございますが、特に 5で救急医療の入院初期診療に係る評価ということで、これは2つの案が出てまいりまし て、1つは全DPC患者に対する受け入れ救急患者数の比率を評価してはどうかというも のと、もう一つはそれぞれの疾患について初期の医療資源の多くかかったものを加算とし て追加してはどうかということだったんですが、これに関しましてはDPC分科会では、 むしろ案の1が適当ではないかというふうに議論されてございます。  それから、6の医療計画に定める事業についてでございますが、これは一番最初の医療 計画、4疾病・5事業について地域で一定の役割を担っていることを評価するということ で、がん、それから5事業についての活動を評価してはどうかということになっておりま す。  それから、2つ目は救急の受け入れの体制ということで、これは右の欄にございますよ うに、受け入れ患者数とそれからそのときの専従、専従というのは救急患者に対して直接 それにかかりっきりの医者あるいは看護師といったような形です。専任というのは、病棟 の患者も診ますが、救急が来たときにそれに対応するといったような方を指してございま す。あるいはオンコールと、こういったものを組み合わせた形で評価してはどうかという ことでございます。  それから、先ほど話題に上りましたチーム医療に関しましては、これはまだ細かいとこ ろは決定しておりませんが、このチーム医療に関しまして医療安全、勤務医の負担軽減等、 それらを指標とした形での計算式をつくってはどうかということで議論しております。こ れが評価係数でございます。  それから、現在行われておりました包括の中身を見直すということで、その中で包括に はなじまない項目があるんではないかということで出てまいりましたものが、この4ペー ジ目にございます検体検査管理加算でございます。これは出来高での表がこの4ページ目 の下のところに上げられておりますが、これはDPCの急性期病院では検査をしないとこ ろはどこにもございませんので、これはすべての患者に係るものだということで、機能係 数としてはどうかということでございます。  それからもう一つ、包括の中に含まれているもので、これは包括になじまないのではな いかということで、これは参考資料3というのがございます。ここにございます最初の無 菌製剤処理料、それから術中迅速病理組織標本作製というのは、これはすべてのDPC病 院の患者さんに係るものではなく、個々の患者さんを対応としたものでございますので、 むしろ外出しにしたほうがいいのではないかということです。  それからもう一つ、2のところにございますHIV感染症、血友病、それから慢性腎不 全等におけます薬剤あるいは人工透析等でございますが、これは慢性的にずっとそれを投 与しなければならないということになりますので、そのときに例えば骨折で入院された方 がすべて慢性腎不全となってしまうといったような不具合が起こってまいりますので、こ の3つの項目に関しては外出しにしたほうがいいのではないかという、出来高のほうに回 したほうがいいのではないかということでございます。  ただ、慢性腎不全と急性腎不全とは全く異なりますので、急性腎不全のほうはいろんな 薬剤、それと個々の症例によって材料、薬剤の使い方が異なってまいります。それは包括 の中で検討するということでございます。  それから、最後に調整係数の段階的廃止に関することでございますが、これは分科会で 検討いたしました結果、今回の調整係数、新たな機能係数というのはごく一部でございま して、実際にはまだ積み残しているものがたくさんございます。それを新たな機能係数と して追加していくためには、最低2回の改定時での検討が必要ではないかという考えが分 科会の結論でございます。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  事務局から何かありますか。 ○事務局(迫井医療課企画官)  特にございません。もし本日御議論いただきたいということであれば、もう一言だけ説 明をさせていただきますと、本体の資料に戻っていただきまして、論点というのがござい ます。論点のところに掲げております3つ、1点目は今御紹介いただきました論点でござ います。2点目も同様でございます。それから、3つ目は課題のところに書かせていただ いたもののうち点線で囲っておりますけれども、さまざまな算定上のルールにつきまして 2点ほど検討していただく必要がございまして、具体的に言いますと(1)の先ほど御説 明がありました包括評価対象の見直し、それから(3)のその他のところのルール、この 2点、以上この論点3つが本日御議論いただきたいところでございます。  事務局からは以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  かなり押し迫ってまいりましたけれども、機能評価係数の候補がかなり固まってきてい るということであります。  それでは、御説明のありました順からまず機能評価係数について御審議いただきたいと 思いますが、基本的に項目としては既にここで議論をいただきまして方向性は固めたわけ でありますけれども、名称及び具体的な計算方法について原案が出ているもの、あるいは 原案が分かれたもの、こういったものが出されておるわけですけれども、御意見ございま すでしょうか。まず名称についてはまだよろしいかと思いますので、中身についての議論 を少しさせていただきたいと思いますけれども、効率化の話、それから複雑性指標につい てなどというところがよく議論になったところでありますけれども、よろしいですか。複 雑性指標による評価の指数というのが具体的に出ておりますけれども。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  複雑性指標とそれから診断群分類カバー率の指標がどうして入ったのか、理由を教えて いただけますでしょうか。 ○遠藤小委員長  最後まで残った理由ということですか。 ○鈴木委員  はい。 ○遠藤小委員長  西岡分科会長、どうぞ。 ○西岡分科会長  この複雑性指数、それから効率化の指数というもの、これは実際には今までずっとデー タを出してきておるものでございます。一つの医療の質の指標としてもこれは毎年データ が出てきておりまして、その中で各施設がこれに対して努力されてきているという経緯が ございますので、採用させていただきたいということでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  複雑性を評価するということですけれども、ホスピタルフィーが高い疾患を多く扱うた めに重装備であるということがコストの面で非常に不利であるというような証拠というか、 そういうものはあるんでしょうか。 ○西岡分科会長  ここで出てまいりましたのはホスピタルフィーなんでございますが、実際にはこの指標 が出てまいりましたときには、同じ疾患でありながらかなり手がかかるような疾患、重装 備だからいいというわけではございませんで、実際には合併症を伴ったりとか治療に抵抗 性の疾患を扱ってくださっている施設に対してこれを評価しようではないかということが もともとの考えでございます。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  複雑性指標に関してはどういう病院を想定しているのか、診断群分類カバー率とも管理 すると思うんですけれども、何かそういう大規模な総合的な病院を有利になるような診断 報酬にさらに傾斜していこうという気がするんですが、そもそも最初なんでちょっとお話 しさせていただきますと、DPCが導入されたことによって、本当に一般の急性期病院は 高度急性期から一般の地域の急性期病院までみんな経営が悪化しているんですね。ですか ら、これは今度見直しするということであれば、調整係数があって初めて経営が何とか維 持されている状況ですから、これを見直すということはよほど慎重にしていただかないと、 一般の地域で急性期を担っている病院が、その経営が維持できるような、そのためにはむ しろ報酬をふやしていただかないといけないわけですから、そこを何か大病院優先のよう な、さらにそれを強化するような方向というのは私は間違いだと思いますので、やっぱり 安易に大病院優先のような指標を入れるべきではないというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  これまでの中医協での議論で、ここに出ていた指標については基本的には、最終結論に はもちろん達していませんが、おおむねこの方向でよいだろうという形で議論を進めてい るという、そういう前提があるわけですが、今の鈴木委員のお話ですと、はっきり言うと 複雑性指標は要らないと、こういうような意見だというふうに…… ○鈴木委員  複雑性指標、そして診断群分類カバー率、これも問題が大きいと思います。やはりこれ だと専門病院とかが評価されないし、カバーしていること自体がなぜその指標として高い 評価を必要とするのか、それもちょっと理解できないということで、地域において専門病 院も大事だし、それから医療機関は今機能分化しておりますから、急性期医療が非常に充 実している地域では急性期病院同士が機能分化をしておりますし、あとは我々のところの ような医療資源の非常に乏しい地域では、今度は補うためにお互いを機能分化しようとし ているわけですよね。そういったものを阻害するような要因にもなりかねないと思います ので、これは非常に問題だと思いますので、この2つどちらかと言われれば診断群分類カ バー率、これは本当に問題だと思いますので、これはもうやめるべきじゃないかなと思い ます。 ○遠藤小委員長  わかりました。  ほかの方、西岡分科会長、どうぞ。 ○西岡分科会長  このカバー率ということが出てまいりましたのは、これはむしろ地域の中心として頑張 っていらっしゃる施設からのお考えとして出てきているものでございます。これはもとも と確かに特定機能病院のような場合はどのような疾患でも扱うことは可能なんですが、む しろ医療施設の少ないところで中核となって頑張ってくださっている施設がいろんな疾患 を受け入れてくださっているということに対する評価ということです。  実際には、ここについてございます、私ちょっと説明を飛ばしまして、参考資料7とい うのがございますが、参考資料7のところ、今までは何となく箱ひげ図だけで出させてい ただいておりました。これを実際にはプロット、散布図で出してございます。これを見て いただきますと、決して大病院だけがいい評価がされるということにはなっていないとい うのをごらんいただけるんじゃないかというふうに思っております。むしろ今までの議論 ではそういったものが排除されるような形で議論が進められてきております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  どういった病院の意見を聞いていらっしゃるのかは分かりませんが、地域の中核という のはどの程度の中核の病院のことを言っていらっしゃるのか分かりませんが、日本の救急 医療も含めて地域医療を支えている一般のDPCをとって地域で急性期を担っている病院 がやはり経営ができるような体制にしていただかないと日本の医療は崩壊しますので、そ の点がちゃんと議論されているかどうかが非常に私は心配をしております。 ○遠藤小委員長  その議論ということで、先ほど西岡分科会長からこの診断群分類のカバー率の評価のグ ラフが出ておりますので、こういうことから議論をしてほしいということですね。例えば これを見ると、やはり小さいところのほうがカバー率は低くなるという傾向はこの程度は 見られるということですが、これでも問題だということでしょうか。 ○鈴木委員  ええ、本当に地域で医療を支えている病院の経営が成り立つものでないと地域医療が崩 壊してしまうということを心配しておりますし、それから専門病院とか機能分化を進めて いる病院、私はそちらのほうが時代の流れだと思うんですね。総合とつくのは何でもやっ ぱり総合のデパートとかスーパーとかみんな不振でございますから、やはり世の中は専門 化のほうに行っているわけですから、その中で何で病院だけ今さら総合化のようなものを 求められるのか、それはあってはだめとは言いませんけれども、非常に限られているわけ です。  前回もお話ししたように、入院時医学管理料を取れている病院というのは私どもの県に は1個もないと、そういうようなところに加算をつけるよりも、やっぱり地域の救急を支 えるような一般の普通の病院、それでも我々の地域ではDPCをとっている急性期病院と いうのは質の高い病院で努力している病院なんですよ。そういうところが不利になるよう なものは、これはもともとが医療費抑制の考え方が最初に入ってしまっているからそうい う集約化みたいな形になっているのではないのかなと思うんですけれども、それではやっ ぱり日本の医療は崩壊してしまうと。やはり医療費をふやすという中でそういったものを 解決していかないと物事は進まないと思います。 ○遠藤小委員長  はい、了解いたしました。  事務局、何かありますか。 ○事務局(迫井医療課企画官)  この論点につきましては分科会のほうでも随分さまざまな御議論がございました。今回、 最終的に7つの評価の指標を御提案しておりますけれども、例えば今御指摘の点について 言いますと、参考資料7の5ページにつきましては、鈴木委員御指摘のとおり、大きな施 設のほうがカバー率はある程度高くなるというのは確かでございます。ですが、今回の御 提案は7つの指標を組み合わせてということでございます。例えば、同じ参考資料7の4 ページを見ていただければと思いますが、複雑性指標というふうな指標について言います と、必ずしも大きな病院が有利ということではなくて、やはり医療資源を投入しているケ ースを見ておられるところが病床規模にかかわらず一定程度の評価を得られるというよう なことでございますので、トータルで今回調整係数を解消するに当たってさまざまな尺度 を総合的に組み合わせていきましょうと、こういう考え方でその一つの指標としてカバー 率、複雑性指数が御提案されているということでございます。 ○遠藤小委員長  どうもありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  複雑性指数に関しては、配分を非常に薄くするとか、そういうやり方はあると思うんで すけれども、私は診断群カバー率というのは、機能分化とかそれから専門病院の問題とか、 そういうことを考えるとやっぱり医療の流れに逆行するような指標だと思いますので、こ れは廃止すべきだと思います。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。ほかにカバー率について何か御意見ございますか。  それでは、カバー率以外のことでも結構です。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今、鈴木委員からかなり地域医療を考えた意見が出たんですが、この1から4までは以 前の中医協でこの4つはいいだろうと一応了解した立場からすると、鈴木委員のおっしゃ ることはもっともなんですけれども、黙って廃止というのは無責任かなと思いますので一 言申し上げますが、今言ったようにいろんな指数を使うことによって、あるときは大病院 にとって非常に有利、あるときには小さいところに有利、あるときには地域医療をやって いるところに有利の組み合わせなので、そのあたりをもう一回うまく組み合わせて、それ ぞれをバランスとっているんだというあたりを説明していただいたほうがよろしいんじゃ ないかなと思います。 ○遠藤小委員長  では、事務局としてはそのような説明の仕方をいずれ必要になりますので用意をしてお いてください。  嘉山委員。 ○嘉山委員  全く同じ意見なんですけれども、要するになぜ従来の指標を示して、こういう病院はこ ういう指標だよということではだめで、わざわざこういうような新たなシステムを導入し てきたのかを教えていただきたいと思うんですけども。がんを重要視するとか、いろんな ファクターがふえたというのはありますけれども、でもそれは一つの指標でがんをやって いるからこれは指標を高くするよとか、非常に目に見えるような形にすればいいのではな いかなと思うんですが、どうしてこんな複雑係数なんていう複雑なものを入れてくるのか。 ○遠藤小委員長  わかりました。では、西岡分科会長、お願いいたします。 ○西岡分科会長  これは、こういった形のものを考えろというのはこの委員会から出されました。私たち がやったわけじゃございません。宿題をいただきまして、これまであります調整係数とい うのは、廃止するということがもともと決まっているものなんです。そこで、既にこの中 医協の基本問題小委員会で、調整係数を廃止して新たな機能係数にするということで決め られたものを受けまして、我々分科会がやらせていただいたという経緯がございます。  その中でいろんなものが出てきたんですが、これは約35項目ぐらいかつてピックアッ プしていただきました。その中で直近で、しかも今度の改正に間に合うようなデータのあ るものだけを取り上げていこう、その中で今、鈴木委員から御指摘がございましたように、 あるものはかなり大病院が得する形のデータが出るもの、それからあるところで例えば効 率性のところなんかは専門病院が有利になってまいります。ですから、そういうのをうま く組み合わせた形で評価係数、それの重みづけはまたこの場で決定していただくことにな ると思うんですが、それでその方法としてはこの全部で10項目上がりましたうちの今回 7項目がまず適切ではないかという流れになっております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  事務局、追加でお願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  細かくは時間がないと思いましたので御説明しておりませんでしたが、参考資料5にご ざいます、今回の御議論いただきたい論点の1つにもかかわるのですが、調整係数という ものが、本体の資料の診−2−1の真ん中の説明とあわせて見ていただきたいのですが、 現行これはあくまでイメージでございます、参考資料5の上半分でございますが、調整係 数というのはこのブルーでお示しをしたような診断群分類に基づく点数表で評価をいたし ますと、従来、出来高で制度に入る前の診療報酬のレベルのイメージとどうしてもそこの 間に格差が生じております。このままですとDPCはなかなか参加しづらいということで、 そこの部分を文字どおり調整ということで調整係数をつけております。  ただ、ここの部分は単純に上乗せというよりは、本体資料2−1のイのところにござい ますが、どうしてここにギャップがあるのかというと、さまざまな御議論がございまして、 実はDPCの評価のそもそもの限界がさまざまあると、あるいは対応能力、高度医療の提 供能力等にさまざまあって、そこの差があるんだという御指摘もございました。そこで、 ここの白く抜けているようなイメージの部分を段階的に議論をしていって整理をしていき ましょうということで、今回、平成22年についてはこの黄色のイメージですけれども、 一定程度御議論いただいた指標に基づいて再配分をしましょうと、そういうようなイメー ジでございます。  下半分はそれをさらに個別病院で具体的に見るとこんなイメージですと、そういうこと でございます。 ○遠藤小委員長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  私もオブザーバーとしてDPC評価分科会に行っておりますので、ちょっと御説明させ ていただきたいと思います。  これは、やはり調整係数を22年度を目途に廃止するという閣議決定がありますので、 これをしなくてはいけないと。私自身は残したほうがいろんな議論をするよりもいいんじ ゃないかと、いろんな出来高のほうのところの調整でいいんじゃないかと思っているぐら いですが、やはり議院内閣制ですので、閣議で決まっていることは、これは守らなくては いけないと。その中でやっぱり現場が混乱するようなことはいけないということで、初め は1回と言っていたのが2回、3回とかだんだんと段階的に調整係数をなくしていく。そ の調整係数をなくす中で、大きい病院もつぶれてはいけない、地域で頑張っている中小の 病院も不利になってはいけないということで、例えば2番の効率性と3番の複雑性なんか は、どっちかであればどっちかがつぶれてしまうというのをわざわざ相反するようなもの をつけているわけですね。だから、こういうふうなことで、ちょっと時間的なものがなく て事務局のほうも説明が難しかったかと思いますけれども、いろんなことを考えて、あと は重みづけはここで決めたらいいだろうというふうなことで、そういうことですね。 ○遠藤小委員長  補足をありがとうございます。  いずれにしましても、そういう意味で1番から7番までの新機能係数についてここで結 論を出すことがちょっと無理だと思いますので、今もし何か御意見があれば。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  例えば分からない大きな理由は、参考資料4なんですけれども、このカラーの、僕は数 学が余り不得手ではないんですけれども、どっちかというと理系なんで数学が得意なんで すけれども、係数が面積になることはないんですよ、絶対に。こんなの西岡先生も大阪大 学御出身ですから、数学は得意だと思うんですが、こういうことを書かれると、イメージ としては何となくボリュームが減っていかないような感じが見えますが、実はボリューム 掛けるAXですから、係数だけだったらせいぜい点になるだけですよね。面積にはならな いので、これは非常に誤解を与えるような、だから余計に私これは何となくインチキに見 えちゃったんですよ。数学的な表現でこういうことはあり得ないんですよね。 ○遠藤小委員長  グラフの読み方ですね。では、事務局、お願いします。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。実際には係数ですから、先生おっしゃるように面積にはならない のですが、本体部分がございまして、包括部分があって、係数をかけた分の点数がプラス になる。もし本体部分が、係数が1であったとしますと、1.19とかという場合の0. 19をかけたものが面積になってくると、そういうふうにとらえていただけると面積であ ってもいいのかなという、私も数学ができないから医者になりましたので細かいことは言 えないですが、申しわけありません。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(迫井医療課企画官)  御指摘のとおり、分科会で御議論いただいたときに、参考資料4に基づいて議論をさせ ていただきました。  これは御指摘のとおり、これを出したときのイメージは、係数という数字をイメージす るために出したのですが、実は早速そういう御指摘がございましたので、今回の資料であ くまで係数を掛けた結果として生じる点数とそれから係数というものは別だということで、 参考資料5の上半分と下半分で、下半分は特に係数は線といいますか、そういう形で掛け 算にさせていただいております。御指摘のとおりです。ただ、もともと参考資料4を出さ せていただいたときの理由は、全体を平均したときにこういうふうなイメージになります よということをお示ししたかっただけでございます。ですから、御指摘を踏まえて参考資 料5に修正をさせていただいております。 ○遠藤小委員長  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  今、参考資料4の図で議論になっておりますが、ちょっとそれでお聞きしたいんですけ れども、これは将来的に一番右の平成何年という基礎係数というのがこれは各個別関係な くて平均的な姿だと思うんですね。その上側のところが結局機能係数でやるということで、 それはよろしいですね。それで、今回の改正で上のところをやっていくというんでしょう けれども、もともとの機能係数は平均的なところと各機能のこれとの割合というんですか、 これを本元を決めないで上側のところだけごまかしていくというのはどうなのかなという、 まずここの割合というか、ここをまず決めて、そして上側のところはどうしましょうかと いうそれが順序じゃないですか、という御質問です。 ○遠藤小委員長  基本的にそれはここでの議論なんです、と思いますが…… ○西岡分科会長  むしろお決めいただけますと、私たちも議論をすすめやすくなるのではないかというふ うに思っております。 ○遠藤小委員長  今の話はいろいろ混乱していますので、ともかく医療費の配分に関する話になりますの で、それをどうするのかというのはここで決める話で、そこまでは専門組織にはある意味 依頼事項ではないわけであります。したがって、専門組織に対してはあくまでもどういう のを機能として持ってくればよいかということを主に議論していただいていると、そうい うことであります。  ですから、我々の宿題なのです、それは、何%ぐらい。ゼロにしたっていいわけです、 極端な話。 ○牛丸委員  そうしますと、今年の改正でもここで言う平成何年の基礎係数と上側の割合を決めなき ゃならないと。 ○遠藤小委員長  今年の場合決めようとすれば暫定調整係数の割合ということになると思いますね。基礎 まではまだいっていませんから。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  私は開業医でございますが、日本医師会の委員会のほうでもこの議論を一部はしており まして、報告も受けておりますので、従来の御議論の経緯も理解しているつもりでござい ます。  今、皆様方の御意見が出ている基本の整理だけちょっとさせていただきたいんですが、 基本的には診−2−1の2の調整係数の役割というところにアとイが書いてある。この激 変緩和として前年度並みの収入確保をするという観点で医療機関ごとの調整係数を決めた わけですよね。決めたときに、イに書いてあるようなものが評価必ずしもされなかった調 整係数がついた可能性があるんじゃないか、一部はということが根本になって見直しの機 運で閣議決定まで行っていると、私はそう理解しておりますので、イの状態、きれいごと と言ったらあれですけれども、非常にきれいな文章で書いてありますけれども、こういう ことではないのに、簡単に言うと高い調整係数がついた場合があるとすれば、それを是正 するという観点から、この分科会のほうで診−2−2の新たな考え方としての7項目とい うのを御提案いただいているということだと思いますから、この7項目でそういう不適正 な調整係数がもしついた部分があるとすれば、それがこれで改善できるのかどうかという ことの視点が一番議論の中心なのかなというふうに私は理解しておりますけれども、それ は間違っておりますでしょうか。 ○遠藤小委員長  これは、では分科会長に今の。 ○西岡分科会長  おっしゃるとおりでございますが、私たち付託されてございますのは、とにかく今まで あります調整係数によって、本来の病院の機能のうちいわゆる不採算になる部分をカバー してきたということがございます。この調整係数がなくなってしまうというふうなことに なってしまいますと、全DPC病院が赤字で倒産するという形になるんですが、そうでは なくて、その中に本来病院としてそれぞれの機能があるだろうと、その機能をすべて出し てしまうというのはなかなか難しい操作がございますので、まずできるものを新たな機能 評価係数として、しかも直近でできるものを新たな機能評価係数として出していくという 操作を今まで行ってまいりました。  ですから、まだ今回の7項目だけで新たな機能評価係数すべてではございません。まだ きっちりとしたデータが整っておりませんので、さらに検討しなければならない項目がた くさんございます。それは今回の改定では間に合わないということで、7項目だけに絞ら せていただいたところでございます。 ○遠藤小委員長  西岡先生、ありがとうございます。  事務局、何か補足ありますか。 ○事務局(迫井医療課企画官)  補足をするとすれば、経緯のところで、それから閣議決定ということではございません で、あくまで中医協の決定でございますので、その点申し述べさせていただきます。  その上で、安達委員が御指摘の点でございますが、もともとDPCの制度を創設するに 当たりまして、出来高からこの算定法式のエントリーをしていただく、特に初期は特定機 能病院でございましたので、そこは選択の余地はございませんでしたので、診療報酬を一 定程度やはり確保しませんと運営ができないと。その場合に、例えば出来高と包括評価の 在り方それぞれ裏表で一長一短ございますので、例えば包括評価を今回疾病ごとにやると、 そうしますと例えばですが、よく議論になるのは救急入院で入ってきた場合とそれから救 急入院で入ってこない待機手術で入ってきた場合には、事前に外来でいろんな検査が算定 できるにもかかわらず、救急で入院してきた場合には入院した後にいろんな検査をやって、 それで診断群を確定すると、これは明らかに診療報酬上、算定上のルール上しようがない のかもしれませんが、評価できていない医療がある。あるいは、診断群分類に基づくとい うことになりますと、主傷病が1つだけ明確にクリアに決まればいいのですが、いろんな 合併症を持っている、あるいは複数の疾患が関連している、そういう場合に今のDPCの 制度ですと副傷病をある程度緩和できますが、完璧には緩和できません。したがいまして、 どうしてもそこに報酬上評価できていない部分がある、そういう診療報酬上の評価の限界 をトータルで補完するために調整係数というものを設けています。  ですから、これが単に何か余剰の利益のように誤解をされている部分がないわけではな いので、そのあたりは慎重に議論しなければいけないと。それで、本体資料の2−1のと ころに書かせていただいているんですが、アとイの役割、これは両方まざっていると思わ れるんですが、少なくともアに記載されているように、単純に、ただ単に機械的に前年度 並みというのはおかしいじゃないですかという議論がある。そこで、イのような機能に注 目をして置きかえていきましょうと、それがこの基本小委でいただいたミッションといい ますか課題、それを解決するための今プロセスにいるものと事務局では理解をいたしてお ります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。   ○鈴木委員  このDPCの問題はずっと前政権から長く続いている問題だと思うんですが、私が理解 するに、前政権はあらゆる部門において医療費抑制政策を進めてまいりましたので、DP Cにおいても質の向上と効率化の両立というような形で、やはり医療費を下げながら質を 上げろというような無理難題を言われているような気がする。それにチャレンジした勇気 ある病院たちが全部今苦戦しているわけですね、非常に。  ですから、今回、診療報酬を我々も上げなければ地域医療というか日本の医療は崩壊す ると言っているわけですが、そういう仕組みが変わったことを政権交代も踏まえて受けて、 やはり地域の一般病院が成り立つような経営を確保した上で、さらに高度医療とかなかな かほかではできない機能を果たしている病院を評価するというような基本的な考え方を変 えてというかいただいて、そこから議論をしないとなかなか進まないのではないのかなと いうふうに思います。 ○遠藤小委員長  そうすると、基本的にはそのために新しい機能係数を考えろと、22年改定に向けてと いうことですか。不可能です、それは。 ○鈴木委員  ですから、今あるものを使うんだったら、それは廃止も含めて、それから重みづけも含 めて考えるということですね。 ○遠藤小委員長  不可能ですと申し上げたのはちょっと軽々しかったかもしれませんが、相当な議論をし た中の集約ということでありますので、新たに中堅の病院をさらに評価できるような指標 をつくるということになりますと、これまでの分科会の経緯を多少私は知っておりますけ れども、それから見て、新しいミッションに対して分科会として新しい提案をするだけの 時間的余裕はあるかどうかというと甚だ疑問です。  これは西岡分科会長、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  時間的に不可能だと思います。 ○遠藤小委員長  こういう事情にあることは事実です。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私は必ずしもそういうことを要求しているんじゃなくて、地域の一般の急性期病院が成 り立つようなものを前提に議論を進めていただきたいと。さらに、高度な機能を果たして いる病院にはそれがどんどんプラスになるような、そういう新しい機能係数にしていただ きたいということを言っているわけです。 ○遠藤小委員長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  別に地域の病院を苦しめようとして我々も議論しているわけでございませんで、何とか したいということで前向きに議論をしているつもりなんですが、DPCの考え方は、鈴木 委員も今いろいろおっしゃいましたけれども、私どもは医療を日本全体で標準化するとか、 治療を標準化するだとか、そういう意味合いが強いということで、ぜひとも進めていただ きたいというふうに私どもの立場としてはお願いしているものでございます。  それが高いか低いかという話はまた別の話だと思いますので、この制度そのものは私ど もは賛成の立場でございます。  それからもう一つ、少し議論が混乱していると思うのですけれども、今日はこの新しい 機能評価係数のアイテムがいいかどうかという話ですので、それについては分科会でやっ ていただいたやり方でいいと思っております。あとは、ウエートづけでありますとか実際 に適用した場合に問題がないかということを検証しなければいけないので、これは私ども 中医協の仕事だというふうに思っております。  ただ、心配なのは、DPCについてあと1回しかないと事務局がおっしゃったが、その 1回でDPC病院に混乱を起こさないだけの検証ができるかどうかというのがちょっと不 安で、できればもう一回やりたいなと思っております。 ○遠藤小委員長  白川委員、事務局は少なくともあと1回とおっしゃったので、当然これは1回で決着が つくとは思っておりませんので。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  まず2つあるんですけれども、1つは西岡先生にお聞きしたいんですが、先生も今でも 病院長ですけれども、私たちはやっぱり開業から始まって特定機能病院から全部ワンセッ トだと思っていますので、どこが倒れても、例えば開業の先生が倒れれば我々の急性期病 院に患者さんが来てまた疲弊してしまうと、完全にサイクルですからね。地域の中核病院 がやっぱり倒れると今度急性期の病院から行く病院がなくなっちゃうということになりま す。ですから、何を聞きたいかというと、この方法をとったときにいわゆる地域の中核病 院は大丈夫なんでしょうか。それが第1点。  それからもう一つは、白川先生にはDPCのことなんですけれども、DPCは、先生の お考えは標準化というのはいいんですけれども、本当は実は違ってボトムアップです、こ れは。それを特定機能病院からやったのは情報がとりやすいからであって、私はこの日本 の方法論は逆なんだというふうに思っています。実は、ボトムアップをして均てん化する という意味だったらいいんですけれども、ただ日本の場合は大学からやったので、それは 方法論はちょっと違うかなというふうに思っていますが。 ○遠藤小委員長  それでは、事務局でなくていいですか。じゃ、西岡分科会長、お願いいたします。 ○西岡分科会長  地域の中核病院に関しまして、これは私たちいろんな地域の中核病院の方に来ていただ きまして、その実情をヒアリングさせていただいています。その中で、地域中核病院が、 委員がおっしゃるように、壊れるともう日本の医療が崩壊してしまいますので、その方た ちの機能をいかにうまく評価できるかというところで、先ほどありましたように、地域で の4疾病・5事業の取り組み方だとか、あるいは救急に対する体制のとり方だとかといっ たようなことをむしろ地域の方々のほうはとりやすいような形での項目というのを設置し ているのが実情でございます。  実際にこれで重みづけをしていただきまして、その中での実際の形とどういうふうな平 行線になるかというのは、この場で検討をいただきましてその調整をお願いするというこ とになろうと思っております。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  先生、そのときにヒアリングした病院というのはどの規模の病院でしょうか。 ○西岡分科会長  大きな500床以上の病院が1つございますし、200床ぐらいの病院もございますし、 実際には100床弱の専門病院の方も来ていただきまして、それぞれのお立場で、しかも 周りに医療施設のないようなところの病院の方にも来ていただいてお話を伺ってございま す。 ○嘉山委員  ちょっとしつこいんですけれども、その専門病院の100とか200ベッドでこのカバ ー率なんて入っていますね、この評価の中に。それでも大丈夫だというような…… ○西岡分科会長  その方の場合には、確かにその方からの御意見として、このカバー率では非常に不利で あるという御意見をいただきました。ところが、その病院の実際の活動内容を見ますと、 効率性のところで非常に有利になっています。ですから、そういった形で、よく7つの指 数というものを全部とらなきゃいけないというふうに皆さんはお思いになるんですが、大 病院は大病院でとる指数がありますし、小さな規模の病院は小さな規模の病院でとれる指 数が入っているということで、それ全体を加味していただきますとうまくバランスがとれ るんじゃないかというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ちょっとよろしいですか。事務局にお尋ねします。  今出ているお話の中で、要するにそのような意図でつくっていたとしても、結果として 中堅の地域の病院に与える影響がどうなのかというのを我々は知らないと重みづけがなか なかできないということでありますので、その辺のところは資料として出てくるわけでし ょうか。ある種のシミュレーションですね。  事務局、どうぞ。 ○事務局(迫井医療課企画官)  実は、今回の資料を御説明したときも同様な指摘がありました。つまり、鶏と卵の関係 になっておりまして、参考資料5を見ながらお聞きいただきたいのですが、牛丸委員から の御指摘に対して遠藤委員長がお答えになりました、つまりその指数なりどういう影響が あるかということをある程度シミュレーションするためには、前提といたしまして今回こ の機能係数にどれぐらいのボリュームを投入するのかということを決めていただかないと その数字は出せません。逆に言いますと、その数字が出れば、どういった形でどう評価す ればどうなるのかというのは当然これは大きな影響がありますので、当然御議論いただく ための最低限の資料は用意させていただくつもりで考えております。 ○遠藤小委員長  今、事務局でおっしゃったことは御理解できましたか。よろしゅうございますか。要す るに、機能係数としてのある意味で財源みたいなもの、それは暫定調整係数を決めないと 出てこないということでありますので、それもある意味で決めればシミュレーションは可 能であると、こういうお話でした。よろしゅうございますか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  それでよいかと思うんですけれども、今日の議論を聞いていて感想なんですけれども、 今までは調整係数といって、本当に経営を補完するためのような名前だったのが、機能評 価係数ということで名前を変えて、より本当にそれぞれの医療機関が患者や地域にとって よいことをしているところにきちんと評価されるようにという形で僕は変わっていくんだ という理解をしていましたから、だから鈴木委員の御心配とかいうのは、これがこの方向 で進んでいくとDPC病院の経営が悪くなるんじゃないかというイメージで思っておられ るかと思うんですけれども、僕が今まで思っていたイメージというのは、よりよい取り組 みをしているよりよいDPC病院が、より評価されていくということになっていくという ことじゃないかと思いますので、今までのような一律の調整というよりも、そういう方向 でこの議論を進めていっていただきたいなというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  恐らくまだ議論はこれから本格的に始まるということだと思いますけれども、時間がか なりオーバーしておりますので、本日はDPCにつきましてはこのぐらいにさせていただ きまして、積み残しの課題がたくさんありますし、また本日皆さんから新たに出された課 題もありますので、それにつきましてはまた次回以降議論していきたいと思います。よろ しゅうございますか、そのような進め方で。  事務局、何かありますか、進め方について。 ○事務局(迫井医療課企画官)  また委員長と御相談をさせていただきながら考えていきたいと思っております。 ○遠藤小委員長  できれば今日じゅうにある程度固めたいと思いましたけれども、ちょっと時間の都合で 難しいので、そのようにさせていただきたいと思います。  それでは、どうも長時間ありがとうございました。これをもちまして……   ○事務局(迫井医療課企画官)  失礼いたしました。  1つだけ退出の関係がございますので、この御説明だけさせていただければと思います。  診−2−3でございますが、今回DPCの退出を希望いたします病院がございましたの でその御説明でございます。  診−2−3に掲げてございますように、三浦市立病院がここの退出理由、これは原文の ままでございます。これをお読みいただければと思いますが、こういった理由でDPCか らの退出を希望しております。  退出に際しまして、裏面でございますが、これは御議論いただきました後に退出の手続 を定めております。下線で書いてあるようなことでございまして、今回、医療課長に提出 がございましたので御報告をさせていただきます。  事務局からは以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  退出につきましては報告するということになっておりますので、御報告があったという ことであります。  また、当初の予定ではがん対策等につきましてもありますけれども、これも次回以降に 回させていただきたいと思います。よろしゅうございますね。ありがとうございます。  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会したいと思います。  次回の日程等につきまして事務局から何かございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  12月16日を予定しております。決定次第、また連絡させていただきます。 ○遠藤小委員長  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会したいと思います。どうもありがとうござい ました。  【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)