09/12/11 平成21年12月11日介護職員のキャリアパスに関する懇談会議事録 介護職員のキャリアパスに関する懇談会 日時:平成21年12月11日(金) 10:00〜12:00 場所:厚生労働省共用第8会議室 ○土生振興課長 それでは、ちょっと交通事情で若干遅れられている先生方がいらっしゃいます が、定刻となりましたので、「介護職員のキャリアパスに関する懇談会」を開催させていただき ます。  本日は、御多忙のところ、また、お足元の悪い中、御出席を賜りまして誠にありがとうござい ます。  本日でございますが、急遽、山井厚生労働大臣政務官が出席させていただいております。議事 に入ります前に、まずごあいさつを申し上げます。よろしくお願いいたします。 ○山井大臣政務官 皆さんおはようございます。今日は、本当に足元も悪い中、大変御多忙の皆 さん方、このキャリアパスの懇談会に御参集いただきまして誠にありがとうございます。ただい ま御紹介いただきました政務官の山井和則と申します。  今もお話がありましたように、私の方から、冒頭だけなんですが、是非出席をさせてほしいと お願いしまして来させていただきました。といいますのが、私がこういう政治や福祉に関心を持 ったきっかけが、私のおばあちゃんが長年ずっと寝たきりでありまして、そして、そういう家庭 に育ったものですから、本当に小さいときから、もう小学生のころから、高齢化問題というのは、 これは大変やなと。介護する方も大変だし、寝たきりのおばあちゃんも大変だしということでず っとそういう思いを持ち続けて、私は大学まで化学の研究をしていたんですけれども、大きく転 換して、やはりおばあちゃんの姿を思い出すにつけ、何とか老人福祉をよくしたいなと思って福 祉に転換しまして、全国の老人ホームや、当時は老人病院ですが、実習をさせていただきました。 入浴介助、食事介助、おむつ交換、いろいろなことをやって、とにかく腰痛になりまして本当に 大変な思いをしました。  しかし、その中で、老人福祉の研究者となって全国を回っている中で、やはり一番言われたの が給料が安いと。これだけ大切な仕事をしているにもかかわらず給料が安いということ、そして、 本当に当時から離職率が非常に高かった。その後、私は2年間スウェーデンに留学させていただ きましたが、やはり考えさせられたのは、日本の介護職員の方々は非常に忙しく走り回っておら れるけれども、スウェーデンとかでは非常にゆったりと仕事をされている。やはり人員配置基準 が非常に高いということと労働条件について非常に守られていると。  それと、やはりそこで考えさせられたのは、スウェーデンでは、キャリアパスというんですか、 そういうしっかりと仕事をしていった人が、着実にというか賃金が上がっていって、そして本当 にうらやましいなと思いましたのが、やはり人生のライフワークとして誇りを持って、プロフェ ッショナルの仕事として介護の仕事をされているという安心感を私は非常に感じました。勿論、 スウェーデンという国の中でも介護職員の賃金はそれほど高い方ではないのですけれども、それ でも、このキャリアパスということや労働条件がいいということが日本との違いだと思いました。  その一方では、こう言ったら差しさわりがあるかもしれませんが、私は、スウェーデンの老人 ホーム、イギリスの老人ホーム、アメリカの老人ホーム、シンガポールの老人ホーム、デンマー クの老人ホームと、全世界でボランティアをしたり、その老人ホームに寝泊まりをしながら勉強 させてもらいましたが、私は本当につくづく感じましたのは、さまざまな国があるけれども、お 年寄りに対してこれほど温かい、愛情を持った、敬老の心を持った国民というのは、私は、日本 が世界一ではないかと思います。勿論、最近の私も含めた高齢でない世代の者は、敬老の心が足 りないとか、いろいろおしかりを受けたりもするわけですけれども、それでも私は、諸外国に比 べると、特に日本で介護という仕事をされている方々というのは、こう言ったら何ですが、お金 のことは二の次、三の次に差し置いて、本当に、先ほど腰痛の話をしましたが、労働条件もいま 一つということもあろうかと思いますが、賃金が低い中、また将来が見えない中、本当にすばら しい仕事をしてくださっていると思っていますし、私もこういう政治の仕事をしておりますが、 時々介護現場に行ったり、介護職員の方々と接しさせてもらうと何か心が洗われるような気持ち で、すばらしい仕事をしてくださっているな思っております。  しかし、今、例えば男性の介護職員の寿退職というようなことで、いざ家庭を持とうとしても、 介護の仕事では無理だと。私も今でもよく老人ホームに行きますが、20代の女性の介護職員も、 必死になって老人ホームなどで働いているけれども、結婚したらこの仕事は辞めたいと思う。体 がもたない、あるいは収入的にも、20代の賃金と30代の賃金と40代の賃金というのが、伸びてい くという将来的なイメージがつかめないという中で、本当に志を持って、おじいちゃん、おばあ ちゃんからも好かれている方々が、介護という仕事が大好きなのにもかかわらず泣く泣く現場か ら離れていかざるを得ないという状況もあると思います。  今回、介護職員処遇改善交付金ということで全国平均で1万5,000円の基金を積ませていただ きました。残念ながら、現場から非常に厳しい批判を得ておりますけれども、なぜ介護職員だけ なんだ、チームで介護しているにもかかわらず、なぜ介護職員以外の賃金は上がらないんだとい うことで、本当にこれはもうお叱りの嵐をいただいておるのですが、限られた財源ということで、 そのことも重々承知しながらも、現時点においては介護職員だけということで大変申し訳なく思 っておりますが、それでも、この交付金というのは、1回予算を取ったら、使わなかったら逆に 国庫に返ってしまいかねないものでありまして、介護職員の方々の賃金を引き上げるためにせっ かく必死になって予算を取ったのに、余って返すというのは、これは本当にもったいなさ過ぎる 話ですので、そういう意味では、私も政務官に就任してから、古川介護保険計画課長にもお願い しまして、とにかく広報と、そして申請率の引き上げをということで、10月上旬48%でしたが、 10月末には72%に上がりまして、これはもう長妻大臣も先頭に、とにかく100%を目指すと。  先ほど言ったような問題点がありながら100%を目指せというのは非常に酷なお願いかもしれ ませんが、やはり介護職員の方々の賃上げを全力で図っていきたいと思っておりますし、このこ とについては、長妻大臣も記者会見で、2年半のこの交付金の期限がなくなっても、当然、はし ごは外さず、それ以降もそれ以上の交付金を積むなり介護報酬の引き上げを通じて、一たん上が った賃金がまた下げろということにはならないように手当てをしていくということを大臣も明言 されております。その意味では、日本の国のすばらしい介護職員の方が、これからも夢と希望と 働きがいを持って働き続けていただくためには、車の両輪として、賃金の引き上げ、それととも に、もう一つは、今日、御議論いただきますキャリアパスというものの道筋をしっかりつくって いって、人生の仕事として、誇りを持って、プロフェッショナルの仕事としてこの仕事をやって いけるという道筋をつけることが何よりも大切だと思っております。  私も老人ホームで実習させてもらったことはかなりありましたけれども、つくづく思いますが、 やはり社会に貢献されてきた、そして地域や家族のために精いっぱい働いてこられた、そういう お年を召した方々の人生の最後をお支えする仕事というのは、私は、日本中に多くの仕事があり ますが、介護というのは人間として最も尊い仕事であると。尊い仕事であるならば、それに合っ た賃金、そしてキャリアパスというものをつくっていかねばならないと思っておりますし、介護 というのは、やはり最後は人でありまして、いい職員と人生の後半というかに出会ったお年寄り は、やはり幸せです。  その意味では、本当に介護事業者の皆さん方におかれましては、まだまだ、私も含めて厚生労 働省の取組み、政権交代していろいろ大きなことを言っている割にはまだまだ不十分な部分もあ るかと思いますが、皆様方が本当にお年寄りの方々をサポートしていけるように私たち厚生労働 省も全力で頑張らせていただきたいと思います。これからも全力で介護施策の充実のために皆さ んの応援団として働かせていただきたいと思います。  本日は誠にありがとうございます。 ○土生振興課長 どうもありがとうございました。  政務官におかれましては、他の公務がございますので、ここで退席させていただきます。どう ぞよろしくお願い申し上げます。 ○山井大臣政務官 申し訳ございません。 (山井大臣政務官退室) ○土生振興課長 それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきたいと思います。よろし くお願いいたします。  本来であれば、議事に入ります前に、お一人お一人御出席の方を御紹介すべきところでござい ますけれども、時間の都合もございます。後で御紹介いたしますとおり、本日の出席者という資 料を配付させていただいておりますので、名簿の配付をもって御紹介にかえさせていただきたい と思います。  なお、事務局側でございますが、老健局のほか、社会援護局、職業能力開発局からも出席させ ていただいております。  まず、本日の懇談会の進め方でございますけれども、まず、事務局から資料の確認と説明をさ せていただきたいと思います。その後、事前に資料を御提出いただいている団体がたくさんいら っしゃいますので、順に御発言をお願いしたいということでございます。その後、有識者の先生 方も含めまして意見交換ということで進めたいと思います。  なお、御発言の中で御質問にわたる部分があろうかと思いますけれども、運営の都合もござい ますので、どこか切りのいいところでまとめて御説明するようにさせていただきたいと思います。  それから、会場の都合で、定刻、12時には終了したいということでございますので、皆様方に は御協力をよろしくお願い申し上げます。  それでは、まず、お手元の資料の確認でございますけれども、座席表の後に議事次第でござい ます。それから、先ほど御紹介申し上げました本日の出席者ということで、関係団体の代表の方、 それから有識者の先生方のお名前と肩書を五十音順に整理させていただいております。次に、事 務局提出資料でございますが、資料1から資料2、資料3まででございます。それから、各団体 の方から御提出のございました資料が、提出資料1から提出資料12まででございますけれども、 提出資料11につきましては、11−1と11−2、いずれも全国老人保健施設協会から御提出いただ いた資料ということでございまして、合計13部あるということでございます。  もし遺漏等ございましたら、お申しつけいただければと思います。  それでは、早速でございますが、私の方から、事務局から提出させていただいている資料を簡 単に御説明させていただきたいと思います。  まず、資料1でございます「介護職員のキャリアパスに関する懇談会の開催について」という ことでございます。  趣旨につきましては、既に御案内しているところでございますけれども、ただいま政務官から もごあいさつ申し上げましたとおり、介護職員のキャリアパスの普及・定着ということは、非常 に重要な課題ということでございます。本懇談会では、関係団体、それから有識者の先生方にも 入っていただきまして、公開の意見交換の場を設けるということで、キャリアパスの仕組みの普 及・定着に向けて関係者の取組みを促進することがまず第一の目的ということでございます。  併せまして、介護職員処遇改善交付金につきましては、来年度以降、一定のキャリアパス要件 を導入するということを従前から御説明させていただいております。この要件につきましては、 基本的には厚生労働省において決定するということではございますけれども、本日、せっかくの 機会でございますので、そのあり方につきまして、御意見、御要望、御質問等ありましたらいた だきまして、私ども十分に参考にして検討させていただきたいということでございます。  したがいまして、4のところでテーマということで整理しておりますけれども、後ほど御発言 をお願いいたしますが、団体ごとのキャリアパスの取組みの状況でございますとか、あるいは個 別の事例ということもあろうかと思いますが、そうした事例の紹介、あるいは課題といったとこ ろが意見交換の主なテーマになるのではないかと考えております。  続きまして、資料2でございます。開催趣旨等は、今申し上げたとおりでございますけれども、 2枚目で、若干それを図解といいますかポンチ絵にしたものということでございます。下から2 つのところ、介護サービス事業者のキャリアパスの取組みということでございまして、勿論こう したことは、個々の事業者ごとに相当事情が異なるわけでございますので、そこで自主的に取り 組んでいただく、あるいは労使で協議していただくことが当然必要なものということでございま す。  この懇談会では、先ほど申し上げました意見交換ということを通じまして、そうした取組みの 意識の向上あるいは機運の情勢、普及・啓発ということを図っていきたいということでございま すし、また、関係団体代表の方が、個々の事業所レベルとは違う形で意見交換していただくとい うことも大変意義があることではないかと考えているわけでございます。  他方、一番下の交付金でございますけれども、これは、交付金の給付要件として策定するとい うものでございますので、先ほど申し上げましたとおり、当懇談会での意見も参考にしながら厚 生労働省において決定するということでございまして、一定の動機づけを行う機能があるのでは ないかという整理でございます。  3ページでございますが、これまで交付金につきまして私ども何度か御説明する機会がござい ましたが、ポイントを整理したものでございます。  まず、一番上の5月の課長会議の資料でございますが、アンダーラインのところ、キャリアパ ス要件のイメージということでございますけれども、一定のポスト・仕事、それに対しましてど ういう能力・資格・経験等が必要なのかということをあらかじめ明確化するということ。それか ら、それに応じた、例えば手当ですとか本俸の水準ですとか、いろいろやり方はあろうかと思い ますが、給与水準を定めると。こういうことがキャリアパス要件の基本的な要素であると考えて いるわけでございます。  この要件につきましては、その下の通知にもございますとおり、一定の要件を追加しまして、 これを満たさない場合には一定程度、交付金を減額するということを予定しているということで ございます。  それから、先月、全国地域包括ケア推進会議の第1回が開催されましたが、その席上、御説明 させていただいた点でございますが、小規模事業者でも十分対応できるようにすべきといったよ うな御意見を前々からいただいております。私どもも十分留意してまいりたいということでござ います。  キャリアパス要件の設定のスケジュールでございますけれども、4ページをごらんいただきま して、平成22年度、これは会計年度区分の都合上、22年2月分から22年度分という整理になるわ けでございますが、その要件につきましては、直ちに適用することはしないということでござい ます。4月以降、一定の労使交渉が必要になる事業者さんもあるわけでございます。それから、 当然のことながら、周知期間というものも必要になるわけでございます。その点を十分配慮いた しまして適切な周知期間を設けたいということでございます。  併せまして、手続につきましても、できるだけ簡素なものにすべきという御意見をいただいて おります。その点も十分配慮してまいりたいと考えております。  5ページ以降は、参考でございますので、説明は省略させていただきます。  続きまして、資料3でございますけれども、本日の懇談会の趣旨とは若干、直接は異なる面が ございますが、「介護分野の人材確保・育成支援事業の概要」ということで、この機会をおかり して配付させていただいております。  中をごらんいただきますと、まず、「緊急人材育成・就職支援基金」の実施状況ということで ございますけれども、1番のところ、職業訓練、訓練期間中の生活保障ということで、生活費の 給付を受けながら職業訓練を受けるプログラムということでございます。  また、2つ目のところ、中小企業等における雇用創出ということでございますけれども、技能 や経験を有する指導者のもとで指導を受けながら、実習、座学を通じて必要な技能、知識を身に つけ、やがて正規雇用につなげるという、これは雇用が前提でございますけれども、実習型雇用 ということでございます。  2枚目につきましては、先ほど申し上げました1番のイメージということでございます。  3ページ目、4ページ目でございますけれども、「働きながら資格をとる」介護雇用プログラ ムということでございます。これは、離職者等が、雇い入れられながら、資格取得のため、外部 の研修も含めて研修を可能とするプログラムということでございます。  厚生労働省としましては、関係部局連携いたしまして、このような介護分野の人材確保・育成 支援策を強化してきているということでございます。改めまして御活用のほどをお願いする次第 でございます。  事務局からの御説明は以上でございます。  先ほど申し上げたとおり、質問につきましては、後ほど整理をして回答させていただきたいと 思いますので、次に、事前に御登録のありました団体から資料番号の順に御発言をお願いできれ ばと思います。時間の関係もございますので、5分以内ということで厳守ということでお願いし たいと思います。意見交換の時間もとりたいと思いますので、その点よろしくお願いいたしたい と思います。なお、マイクでございますが、据え置き式のものも使っていただいて結構でござい ますので、その場合はボタンを押していただいて御発言をいただきたいと思います。  それでは、トップバッター、恐縮でございますが、馬袋様から、提出資料1の方でよろしくお 願いしたいと思います。 ○馬袋委員 おはようございます。  それでは、トップバッターということですので、5分、チャレンジしてみます。  私ども、「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会、通称「民介協」と呼んでおりま す。その民介協の内容について御説明させていただきます。  まず、当協議会について、設立は記載の通りです。会員数が480社、全国、北海道から沖縄ま でございます。特徴は、全国で訪問介護事業等をやっている事業者で、中小規模の事業者が多く 加入しているというのが団体の特徴です。全国を8つの地域に分けながら、そこで経営者、管理 者または各職務に応じたメンバーたちの研修を頻繁に行っています。  2番目に、本題であります介護職員のキャリアパスに関する取組みについてです。私ども民介 協の事業団体の会員は、先ほど申しましたように、中小の訪問介護事業を中心に行っている事業 者が多いということで、介護職員そのものが少数であり、20名から100名規模で非常勤者が多い というのも特徴であります。その中で、キャリアパスについては、各経営者または経営幹部が、 その事業の業績とかといった内容の中から采配をしているのが実態であります。特段に定めて、 また規定をもってやっているところもありますが、基本的には、年齢であるとか経験年数という ところを加味しながら、業績に応じて配分しているのが実情です。  その辺では、私どもの民介協として、中小の事業者から大の事業者まであるという中で、団体 の一本的なキャリアパスをつくるのは難しいのではないかということもありまして、今、そのと ころを議論しているところでございます。今般の交付金について検討して、新しい人事制度等の 運用をスタートした事業者等もあります。  では、このキャリアパスにおける課題を私どもの協議会の中で議論したところ、まず、導入そ のものは必要だという認識は持っています。しかし、その理解と制度というところが、事業者の 規模に応じて非常にむずかしいことや、制度の理解不足というところもあります。マニュアルの 作成であるとか公平な運用というものをどのようにつくるかとか、または自力で開発できない、 またはどのような支援を考えて運用すればいいのかというような事業者もありますので、十分な 教育の機会と運用を設ける必要があると思っています。特に経営者がそのことを実践するんだと いう強い意思を持って取り組むことが重要であると思っています。  もう1点は、キャリアパスを導入するということは、継続的に運用できるというもので、今年 だけ導入して来年はなしというわけにはいきませんので、継続的運用というものが基本であるこ と。すなわち、事業が安定し、または新しい事業にチャレンジしていく、そういうところも人に 対していろいろなキャリアパスであり、成長させる機会をつくることが最大のキャリアパスであ るということを議論しています。そのためには、その事業が継続し、発展できる裏づけがあり、 それは介護報酬等の裏づけが必要であるということだと考えています。  3番目の今後の課題では、先ほども申しましたように、さまざまな内容について、やはり整理 をして、経営者自らが勉強していくというところに向けて、団体として積極的な研修、導入への 支援をしていきたいと思っています。  2ページ目にイメージとして記載しております。ある事業者の事例でありますが、この1ペー ジ目のところで、今までは資格と職位というところであったのですが、やはり職能ということで、 本人の能力をどのように評価し、成長の機会として位置づけるかということが必要であることを 目的にした人事制度の例であります。  3ページ目でございますが、職能ということで、一般職から経営補佐職までのキャリアをアッ プしていく。そこに求められる要件、等級というものを定め評価をしていく。  下が、その各階のゾーンです。一般職、現場職と言われるところですが、1〜47までゾーン、 ランクをつくり、そこで成長の機会を評価していく。そして、右にマネジメントの管理職として キャリアをアップしていくという考え方の職能等級制度の例でございます。  4ページ目でございますが、昇給・昇格のイメージは、一般職での評価、資格を取り、経験を 積み、そして次の管理者の手当等をもって成長していくというイメージであります。  下にありますのは職務と職能の給与体系のイメージです。例えばヘルパー2級の資格をもって 職員として入った場合に、介護福祉士を取り、そして提供責任者をやり、訪問介護の管理者をや っていくという、その部門によるマネジメントの成長と、各職務においても評価されます。提供 責任者で1年から、5年の経験での評価もあるという、その2つの評価を合わせたキャリアパス というものを考えて、検討していきたいと思っております。  以上でございます。 ○土生振興課長 どうもありがとうございました。  続きまして、稲葉様からお願いいたします。 ○稲葉委員 日本在宅介護協会です。よろしくお願いします。  当協会は、全国で小規模から大規模までの主に在宅介護事業を行う民間事業者から構成されて おります。  それでは、提出資料2をごらんください。  当協会の取組みとしまして、厚生労働省職業能力開発局委託事業の事業主団体による能力評価 制度の整備事業を受託しており、介護従事者の能力評価及びキャリアパスについて、今まさに検 討しております。今回つけさせていただいている資料1から4は、そこから抜粋してまいりまし た。  キャリアパスに関する課題といたしまして、キャリアパスの導入に当たっては、事業経営の安 定化、将来性が図られることが必須条件であると思います。これは、先ほど山井政務官もおっし ゃられましたけれども、スウェーデンではプロフェッショナルとして安心して働ける環境があり、 長期的なプランが立てられるということです。キャリアが上がっていくに従って、これは、賃金 等の上昇がついていかなければ意味がない。そのためには、介護事業者がそれをしてでも安定的 に経営ができる環境が必要であると考えております。  それで、離職防止、人材確保の観点からも、職員が自らの将来像が描け、それに向けた目標が 見える道標であることが大事であります。  そして、次の資料1に書かれておりますこのキャリアパスモデル例でありますが、まず、規模 の小さな法人については、単一の志向でしかキャリアを形成できない場合も想定されております。 ですが、恐らく小規模でありますと、ここにある教育志向、熟練志向、マネジメント志向、職種 転換志向といったものの1人2役・3役をこなす立場の人が現実にはいる。そして、本当に小規 模の最初の段階では、経営者がそれに当たっているという例があると思います。規模が大きくな るに従って、これらの役割を担う人が1人ずつ出てくるのではないかと思っております。  法人の規模によって、相互間の転換が可能な場合とそういう組織の規模にない場合もあります。 相互の転換が図られる方が、個々のスキルアップ、組織の強化という点からも望ましいのではな いかと思っております。  また、資料のページ数からいきますと3ページ目、ここにも介護職のコース別・レベル別役割 期待というものが示されております。これは、前の2ページ目のものをそれぞれの立場ごとに説 明しているものです。特徴としましては、この介護業界の特徴として資格や経験というものが任 用の資格になっております。これは制度上決められたことであって、職員も、多くはそれを意識 してキャリアを積んでいこうとするわけです。それで、事業者の評価がそれに伴って高い評価が 得られ賃金が上がっていけばいいのですけれども、実際のところは、事業者側は資格や経験とい った専門性以外のマネジメント能力であるとか社会性であるとかといったものも、当然考課の対 象に入れるわけで、そのシステムを明らかにし、職員と会社側がそのシステムを共有し、進むべ き方向性、努力するべき方向性といったものを職員に意識してもらうことが大事ではないかと思 っております。  この2ページや3ページにある表は、最初はケアスタッフの初級といったところからスタート し、資格や経験を積む中で、中級、上級、あるいはサービス提供責任者やチームリーダーに進む 方もいます。その上では、更に、マネジメント能力が認められる方、あるいはそういったものを 求めている方は、こういった方向に単一サービスの管理者、複数サービス、複数事業所の管理者、 部門の管理者といった進み方もあります。それ以外では、教育者として職場の中で力を発揮する タイプ、あるいは熟練の介護技術者として職場を引っ張るタイプというような進み方は用意され ています。というよりも、現実にはこういった形があるのではないかと思っております。  それでは、4ページ目をごらんください。これは、介護職のキャリアアップに対応した教育テ ーマと人材育成の施策、マネジメント志向等の例が書かれております。それぞれの立場の期待さ れる基準、そしてどういった教育をすればいいのか、具体的に社内研修、OJT等が書かれてお ります。  また、その次のページは、これは、同じように熟練志向や教育志向についての例が書かれてお ります。こういった形で進めばいいのではないかと思います。  更に1ページ進んでいただいて6ページをごらんください。これは、会員でありますある会社 の介護スタッフの評価というものを書いています。これは、自己評価と上司、面接者の面接から 成る面接評価にて、技能、介護スキル面における相互間での統一意識を持ち、更に専門知識の確 認を目的とした筆記試験を導入しております。評価対象者の業務内容を振り返り、上司や部下と の間でのコミュニケーションを図り、業務遂行上のお互いの考え等をそれぞれの立場で確認する という場に位置づけております。そして、統一した方向への軌道修正を可能とするのではないの かと思います。介護サービスの質の向上、スタッフのモチベーションアップに有効である、そし て優秀な人材は、正規職員への道も開かれ、キャリアを積むことができるということになってお ります。  続いて、7ページをごらんください。ここも、同様に会員であるB社のキャリアアップ計画例 と報酬制度のイメージを書いております。これは、勤続年数によって求められるスキルを表した ものです。新卒者と中途採用者、おおむね2年程度の介護経験者を想定しております。これら2 通りのものによって、若干ではありますけれどもスピード感が異なります。他社同様、昇給や昇 格には人事考課等の規定が設けられております。この右の報酬制度、年収のイメージというとこ ろ、これはあくまでもイメージでありますが、こういった職位と賃金の体系図や人事制度をオー プンにし、職員のモチべーション向上やキャリア形成の道筋を示しているということですし、そ れが必要と感じております。  当協会からは以上であります。ありがとうございました。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  続きまして、中尾様、よろしくお願いいたします。 ○中尾委員 全国社会福祉協議会の代表の富山県氷見市社会福祉協議会でございます。よろしく お願いします。  提出資料はナンバー3でありまして、社会福祉協議会は全国に1,900余りありますけれども、 介護保険の従事者数は6万7,000人を超えておりまして、全職員の4割程度になっております。 その中でも正規職員は4分の1、非正規が4分の3という状態であります。  社会福祉協議会という組織の特徴から、全国的には訪問介護事業に取り組んでいるものが75%、 それから通所介護が54%となっております。  資料の3ページですけれども、全国社会福祉協議会では、地域福祉推進委員会の取組みとして、 市区町村社会福祉協議会のキャリアパスの取組みの指針を現在策定している最中でございまして、 年度内に取りまとめることとしております。  具体的な例として氷見市の例を紹介いたしたいと思います。3ページの下の方ですけれども、 氷見市は、職員数が約120名おりまして、そのうち正規職員は15名しかおりません。これは法人 全体ですけれども、介護職で正規職員は3名しかいないというような実態であります。  5ページ目の図で説明させていただきますけれども、キャリアパスというほどではありません が、法人としてキャリアアップシステムも決めておりまして、ヘルパー2級の資格を持っていれ ば、氷見市民であればだれでも登録できる、訪問介護員として活躍できるということになってお ります。その中で、登録ではなくて非常勤のパートで働きたいという方がおられれば、通所介護 事業や他の介護事業に働いていただくということになっておりまして、ヘルパー2級では、登録 か非常勤パートかということで、それは本人の希望でなっていただくということになっています。  介護福祉士資格を取られると常勤パートあるいは準職員ということになるのですけれども、右 の方の昇格要件がありますが、職務の姿勢や、毎月1回研修会を開催しておりますが、その研修 意欲を見たり、上位の資格取得の意欲を見たりということで、非常勤パートの中から、常勤パー トはいかがですかということで法人から働きかけています。それから、常勤パートの職務の状況 を見て、準職員に昇格するという実態であります。少し年齢制限を設けておりますけれども、以 上のことでキャリアアップシステムを導入しております。  ただ、課題のところに書かせていただきましたけれども、今回のキャリアパスを導入されると いうことであると、介護職員だけではなくて法人全体にそのことが必要だろうということとか、 職種の均衡をどうするのかということが課題でありますし、組織内の人事異動もありますので、 介護職から企画職に移った場合の対応をどうするのかということと、新規採用者、中途採用の 方々の前職歴をどう判断するのかということも課題であります。それから、人事考課の客観的指 標をまだ私どもでは持っておりませんので、それをどうつくっていくかということは、厚生労働 省のキャリアパスの仕組みを見てつくっていきたいと思っております。  以上、具体的な取組みとしてはこのようなものなのですけれども、キャリアパスの要件ですが、 今回の年度途中に入ってきたものですが、なかなか取組みにくいということは実際ありました。 先ほどおっしゃっておられるように、介護職だけということではなかなか取組みにくいと思いま したが、私どもでは、そういう政策なので、とにかく介護職の人の賃金を上げようということで あります。  簡単なのは一時金で出すということだろうと思いますけれども、職員のモチベーションを高め るとかということであると、資料の5ページにありますように、訪問介護員と介護職だけに今回 は時間給の増額をいたしました。これで私どもに交付される交付金の全額がこのような形で、こ れの数字をはじき出すまでに数カ月かかっておりまして、百数十人の職員一人一人に見たもので すから、どうすれば職員みんなが納得できる上げ幅になるのかということを考えてみました。今 回では、介護職員の位置づけですけれども、一番大切な職員、法人ではそういうふうに考えてお りまして、この時間給でいきますと年間の所得は正規職員よりは高い実態でありますし、ちょっ と賞与で年間所得は調整するのですが、そんな形になっております。ただ、現実としては、氷見 市内での資格を持った職員が、自分の働きたい働き方、登録やパートで働きたい働き方で働いて いただいておりますので、それで賃金も時間給にすると高いということでは、皆さんとても誇り を持って働いていただいているというのが、私は実態だと考えております。  以上です。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  続きまして、山際様、よろしくお願いいたします。 ○山際委員 提出資料の4番になります。日本生活協同組合連合会の山際と申します。よろしく お願いいたします。  私どもは、全国の生協の連合会ということになります。約500の会員生協さんで成り立ってお る組織でございます。うち、福祉・介護事業を展開している会員生協さんは、医療生協が約110、 地域購買生協が約50の160会員が福祉・介護事業に取り組んでいるという状況でございます。  会員生協さんの規模はかなり大小がございますので、既にこの介護職員のキャリアパス制度を 導入している会員生協もございますが、小さな生協さんのところでは、これから導入ということ で検討中のところもございます。  また、生活共同組合、主に事業としましては小売の事業に取り組んでおりますので、そちらと は異なる介護・福祉職の専門職用のキャリアアップ制度を今つくっているという状況になってお ります。  それから、介護職員のキャリアアップについて理解しておりますところを若干申し上げたいと 思いますが、目的として、御説明がありましたとおり、やはり介護人材の確保・定着の推進を図 るということと、介護職員が将来展望を持って働き続けることができるということが1つあろう かと思いますが、併せて、提供するサービスの質の向上と業務水準のレベルアップを図っていく 必要があるのだろうと考えておりまして、この2つのことが実現できることが、魅力ある職場あ るいは業界につながっていくのであろうと考えております。  一方で、この交付金の要件と考えた場合には、そうした方向性を目指しつつ、交付金の要件、 その趣旨、目的から考えて、多くの介護従事者にこの交付金が行き渡ることが必要だと思ってお りますし、そういう意味では、小規模の事業者でも申請ができる、そうした可能性のあるものに つくっていく必要があるだろうと考えております。そういう意味では、あるべき目指したい姿を つくりつつ、当面の内容という2段階で考えていく必要があるのではないかと考えております。  それから、現在、各会員生協さんとも相談をしておりますが、生協のところで検討を進めてお りますキャリアパスのモデルの事例ということで若干御紹介申し上げたいと思っております。  資料の1ページで、改めてキャリアパスの位置づけということで目的について触れさせていた だいております。こちらについては、お読み取りいただければと思っております。  2ページのところでございますが、キャリアパス制度を構築していく前提として、介護の業務 の整理、明確化をしていくことが必要かと思っております。1つは、標準化と、それから頻度の 問題ということで、日常業務、非日常業務、それから定型・非定型というような形で業務整理を していく必要があるだろうと考えております。ここに2つの一般的非正規職員と正規職員という 2種類の職員を描いておりますが、一般的に言いますと、非正規職員については非常勤、それか ら正規職員については常勤の職員と御理解いただければと考えております。  それから、資料の3ページでございますが、組織の方針であるとか、あるいは組織の実態に応 じたポストの設定等々が必要かと考えております。特に小規模の事業者になったときに、こちら のポストは、やはりかなり限定されてくるだろうと考えておりますので、介護従事者が幾つかの 道を目指していくことができるという複数の道を開いていくことが必要かと思っております。1 つは、例示として書いておりますが、管理職を目指す組織志向、2つ目は、それぞれの事業者内 で、例えば人材育成であるとか専門性の高い内容を担う教育志向に対応したもの、それから現場 のスペシャリストとしての熟練志向というような幾つかの道を描いておくことが必要ではないか と考えております。  それから、4ページでございますが、キャリアパスに盛り込むべき要件、素案という段階です が、幾つか掲げさせていただきました。中身としては、職能等級制度を導入するということを前 提に考えておりますが、各等級に応じた能力、それから賃金レンジ、育成の計画等々が必要にな ってこようかと考えております。  それから、実際には、規模によってこの中身は若干変わったものになろうかと思っております が、5ページ、6ページ、少し小さな資料で恐縮ですが書かせていただきました。5ページが小 規模事業者、6ページが大規模、中規模の事業者ということを想定しておりまして、等級のラン クが違うということになりますが、いずれにしても共通しているのは、こうした等級と等級の定 義を明らかにすること、それに見合った職務、それから必要な要件ということをまとめていくこ とが必要かと考えております。  私どもからは以上でございます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  次に、山本様、お願いいたします。 ○山本委員 資料ナンバーの5であります。JAグループということなので、簡単に言うと農協 です。私どもJAの方では、ちょっと資料にないんですが、全国に370ぐらいのJAが介護保険 事業をやっております。事業所数にすると1,057ほど、平成21年4月時点で事業所があります。 訪問、通所、居宅、それから福祉用具貸与と、大体これらの事業が中心で展開しております。職 員数は、従事しているのが1万2,000〜1万3,000人ぐらいになりましょうか。そのうち大体6割、 65%ぐらいがヘルパー、7,500人ぐらいがヘルパー、こんなような事業規模になっております。 JAグループの特徴としては、農協ですので、介護保険事業以外に金融事業もやっておりますし、 農家の指導、営農事業もやっていると。そんな中の一部門、こういう位置づけになります。  そういう意味で、1ページ目に取組みの概要とありますが、そこの正職員の基準項目例とあり ます。大体、JAグループではいろいろな職務がありますのでこういったキャリアパスに関する 仕組みについては従前のものを持っているわけです。これに新規に採用あるいは中途に採用した 職員を乗せられるかどうか、これが我々のグループにおける焦点になるんだろうと思います。そ ういう意味では、正職員の基準項目例にありますとおり、等級、在職年数に応じて評価し適用し ていく。そういう意味では、ある程度キャリアパス的なものは用意されていると見ることもでき るのだろうと思います。それを常勤あるいは非常勤の職員の、ちょうど下の表の上のあたりにあ りますが、正職員登用の試験制度をフェアに適用できるかどうかということが課題になっている のだろうと思っています。  このキャリアパスの取組み以前に、そこの下に基本教育、専門教育、階層別研修とありますが、 この研修にいかに取り組むか、取組みをさせるかということがまず大前提だろうと思っています。 すなわちキャリアパスを構築する以前に個々の介護職員の評価、今日もお見えですが、堀田先生 のヘルパーの評価の制度、個々のヘルパーの能力評価をいかに全国のJAのところに適用させる か。それをまず定着させた上で、キャリアパスの適用ということになるのだろうと思っています ので、JAグループとしては、個人別の介護職員の評価ができることが一番最初の今の課題だろ うと思っています。  2ページ目には続きがありますが、課題、問題点と書いてありますが、JA管内の基本的な課 題と特徴と書いてありますが、いろいろ申し上げましたが、JAグループは非常に小さい事業所 が多いということでありますので、キャリアパスを構築するのにも、規模が小さくて定期的な異 動も困難だとか、そういった課題を持っています。それを順次、今、手をつけているところであ ります。  当面する問題点というところに、最後、2つほど・があります。先ほど交付金事業の要件の戸 惑いということで、我々としては、今回の交付金が制度を整備する上での後押しになったと非常 に感謝申し上げます。我々の方からは、交付金を使ってこのキャリアパス、それから処遇改善を しろということで370のJAを後押ししているところであります。しかしながら、最後の・にあ りますが、これが、この交付金で永続的に、処遇改善した後、介護報酬等が下がる等で大丈夫か、 こんなような声が聞かれまして、それを乗り越えてやっていってほしいということで我々は指導 しているところです。今現在、資格取得を奨励し、体制強化に向けた取組みの促進とありますが、 簡単に言うと、介護福祉士等の資格取得者を増やすというような体制整備を今図っているところ ということであります。  非常にわかりづらい説明で恐縮ですが、JAグループとしては以上であります。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  続きまして、島津様、お願いいたします。 ○島津委員 今、御紹介いただきました市民福祉団体全国協議会の代表理事をいたしております 島津と申します。  まず、NPO法人による介護事業所の主な特徴を申し上げたいと思います。初めに、NPO法 人と申しますのは、やはり地域密着型で比較的小規模、居宅系のサービスを提供している事業所 が多いというところでございます。例えば小学校区、広くても中学校区をテリトリーとして活動 しているところが多いと思っております。年間予算としても4,000万円から5,000万円ぐらいの仕 事量ではないでしょうか。非常勤職員としては、管理者、社責を含めて3〜4人、それから非常 勤ヘルパーが20名から30名の規模で働いているところが多いというところでございます。  2つ目に、制度上のサービスとインフォーマルサービスの両立を図る事業所が多いと書かせて いただきましたが、これは、制度上のサービスだけでは独居高齢者は生きていかれません。そし て、介護保険の制度は、家族がいることを前提としてプログラムされていると思っています。な らば、地域のふれあい活動とかインフォーマル活動が非常に重要なサービスになってきます。例 えば独居の認知症の方とか、退院して間近の方。退院なさった方というのは、1月以上病院に入 院していらっしゃると、退院なさってから入院モードから在宅モードになかなか切り替わらない。 例えば、自分のうちなのにおトイレの場所がわからなくなったり、お湯を沸かす方法がわからな くなったりする。それも含めて、そんなサービスは、夜のお泊まりから始まって、それの見守り から回復を見届けるまでがインフォーマルのサービスとして重要なところかと思っております。  3番目ですが、制度開始以前から介護に携わっているという部分でございますが、これは、私 どもは介護が措置の時代から地域で活動しているNPOが非常に多うございます。行政のサービ スでは足りないサービスまたはできないサービス、その谷間を埋めてきたのはNPO活動であっ たと思っております。  4番目でございますが、新卒者の採用が例外的と書かせていただきましたが、これは、在宅で のヘルパーと申しますのが、非常勤では主婦がほとんどでございます。主婦がほとんどであると、 やはり高齢者とはなじみやすい。新卒者ですと、例えばごはんの炊き方も知らないというような 若者に、家庭には入っていただきづらいというところがございます。  5番目ですが、成果主義を入れた評価制度はなじまないと書かせていただきましたが、私ども は、やはり勤続年数とか経験年数を重視しておりますし、介護技術、コミュニケーション能力、 協調性、各種研修、助け合い活動、問題解決能力、マネジメント能力等々を総合いたしまして人 事考課を行っている事業所が多いということでございます。この中でキャリアパスを考えるとい うことは、やはり介護技術について、身体介護や生活援助の作業の職業能力の評価を初級、中級、 上級ぐらいに分けまして、自分の能力を確認させることも必要なことではないかと考えておりま す。そして、管理者の評価をつなぎ合わせて時間給に反映させていくというのは、小さなNPO でもできるものではないかと思っておりまして、市民協といたしましても、それぞれのNPO法 人に対して指導もできるのではないかと思っております。  大体、常勤で働きたいという人は、それなりの勉強をしてくれています。ちなみに、私のとこ ろも小さい事業所ではありますが、5人いる常勤者は、全部、介護福祉士を持っております。そ んな感じで、2級の非常勤ヘルパーがどれだけ研修を受けてくれるかにかかっていると思います。  6番目に、中間管理職を置く事業所が例外的でと書かせていただきましたが、普通の会社のよ うに係長から課長から部長、こういうふうに上がっていく昇給制度というのはちょっとなじまな い。NPO法人は、みんな平等よという感じで働いている人たちが多いところでございます。  次に、事業者におけるキャリアパス、おおよその目安と書かせていただいたのは、(1)から(7)ま でずらずらと並べましたが、常勤職員としてどのような立場で働いているかというものを並べた ものです。それで、(7)の初心者を底辺といたしまして3段階ぐらいに分けて昇進ができるのでは ないかな、昇進システムをつくれるのではないかと考えております。  結論を申し上げますと、小さなNPO法人でもキャリアパスの取組みは必要です。そして、で きると思っております。また、市民福祉団体全国協議会というのは、全国にNPOの会員を持っ ておりまして、それの中間支援をやっているところでございますから、指導もできるのではない かと考えております。  以上でございます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  次に、長井様、よろしくお願いいたします。 ○長井委員 日本認知症グループホーム協会の長井と申します。今日は、代表の木川田にかわっ て私の方がキャリアパスについて説明をさせていただきます。  まず、認知症グループホームは、皆さん御存じのように、人員配置、日中3対1、夜間1人と いうことで配置要件が決まっております。研修に関しても、実践者研修あるいは管理者研修が義 務づけになっております。それが特徴ではないかと思います。  次のページから、協会が実施した平成20年度認知症グループホーム実態調査の一部が載ってお ります。  まず、2ページ目をお開きください。まず、本体施設があるかないかというところの調査でご ざいます。これを見ていきますと、持たない、持つという形で、単独型が54.5%を占めています。  次のページ、職員配置の状況でございます。ここを見ていきますと、1事業所当たり13.4とい うことで、1事業所当たりの介護職員の平均人数は11.3人となっています。このことからも、事 業規模はとても小さいというのが特徴でございます。  今回、認知症グループホームにおける介護職員のキャリアパスについて考えてみますと、多様 な法人が参入しているということと、あと規模もまちまちである、そして職員もまちまちである。 そして、研修の受講とか経験年数とか勤務評価などを勘案して、キャリアパスということを考え ていかなければいけないということになりますと、もう少し時間をかけてきっちりと体系づくり をしていかなければならないということで、協会としては、今、スタートを切ったばかりでござ います。  1ページ目のところ、認知症グループホームのキャリアパスということで、1つの例として職 位を考えてみますと、管理者と中堅介護職員と新任介護職員、大きくこの3つに分かれるのでは ないかと考えています。研修に関しては、新任介護職員に関しては、経験年数2年未満の者、こ れに関しては、各法人あるいは事業所団体等が実施するということで研修が必要ではないかと考 えています。中堅介護職員に関しては、主任、ユニットリーダー、計画作成担当者などがこれに 当たるのではないかと考えています。管理者においては、実践者研修、更に管理者研修を受けた 者でなければなれませんので、これが相当するのではないかと考えています。  キャリアパスと考えていくと、職員、職位と、あと研修と賃金体系、これがセットになって初 めてキャリアパスが有効になると考えていますので、これらに関しては、時間をかけて協会とし ても検討していきたいと考えています。  以上でございます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  次に、長田様、お願いいたします。 ○長田委員 特定施設事業者連絡協議会の事務局長をしております長田と申します。  特定施設事業者連絡協議会は、介護付有料老人ホームであるとか、ケアハウスの介護付のタイ プであるとか、そういった特定施設の事業者団体として、350弱の法人、施設数としては1,000を 切るぐらいの事業者団体の規模になっております。  特定施設事業者連絡協議会の取組みとして提出資料1ページにまとめておりますが、今年度、 厚生労働省の職業安定局の介護雇用管理推進委託事業を受託させていただきまして、特定施設入 居者生活介護における介護従事者定着率向上事業に取り組んでおります。  資料1ページ右側に記載していますとおり、介護労働安定センターの調査では、特定施設入居 者生活介護の離職率というのは業界の中でもトップクラスになってございます。こういった実態 を把握しまして、その下に記載しています(1)、(2)、(3)の事業をセットで行っております。今回は、 雇用管理モデル・キャリアアップモデル普及事業の御紹介をさせていただきます。  今年の7月から株式会社野村総合研究所の協力を得まして、特定施設の小規模な事業者に役立 つ雇用管理モデル・キャリアアップモデルというものを検討しております。検討方法としては、 当団体の事務局の会社7社の協力を得て、具体的には、3,000から5,000人規模の従業員がいる大 手2社、それから、中小5社の資料提供、ヒアリングなどに基づき検討しております。内容とし ては、等級制度、評価制度、給与制度を検討しております。  これに対して、当団体の理事会での役員の意見を聴きますと、資料1ページ右側にありますと おり、肯定的な意見として、漫然と仕事をするのではなく、目標像を示して、目標を持てる成長 できるような仕組みということは重要なことだ。あるいは、社員の成長によって生産性の向上、 例えば入居率の向上につながる。それから、3つ目としまして、長く勤続した職員に報いるため の制度を提示したいという肯定的な意見がありました。  一方、課題として、特定施設について、1法人1施設のような小規模な事業者も多いこともあ りますので、そういう事業展開を考えていない事業者にとっては、単純な人件費増になるのでは ないかと。また、ポストというものも不足してくるのではないかということ。  それから、2つ目として、小さな事業者に限らないところではありますが、等級、評価、給与 という制度を一度に導入するのは大変難しいのではないかということと、介護現場は、評価する 側も評価される側も、まだそういう経験が少ないので、導入に対して十分な対応が必要ではない かという意見が上げられています。  これに対して、対応としてその下に書いておりますが、介護従事者の定着・能力向上によって、 事業拡大あるいは事業効率化につながる。それによって人件費増にも対応できるということを経 営者層にしっかり理解してもらうことが必要ではないかと考えております。  また、この制度の導入のための支援を丁寧に行うということであるとか、制度導入に当たって は準備期間を十分に取るということが必要であると考えております。  このモデルにつきまして、2枚おめくりいただきましたところに現時点での概要版をつけさせ ていただいております。冒頭部分は、必要性であるとかの総論についてまとめております。  通しのページ数で4ページの下の段、雇用管理モデル・キャリアアップモデルのモデルの内容 の概要というところですが、今回のターゲットとしていますのは、職員をどのように位置づける、 格付けるかという「等級制度」と右下の職員を法人内でどのように評価、育成するかという「評 価制度」、それからどのような処遇をするかという「給与制度」、その3本柱で準備をしており ます。  また2枚おめくりいただきまして、通しのページ数で6ページの下の段ですが、その「等級制 度」については、このようなイメージでモデルを提案しております。6等級に分けまして、職務 遂行能力に基づいて等級を位置づけております。ちょっと特徴的なものとしましては、4等級の ところを2つに分けて、フロアリーダーというマネジメントラインに携わる者と高度専門職員と いうことで、マネジメントには就かないけれども専門的な職員を処遇する方法を検討しておりま す。  1枚おめくりいただきまして、「評価制度」については、7ページ上段ですが、1等級から3 等級は行動を評価する、4等級から6等級は、行動の評価とプロセス・成果評価、目標を設定し てそれを評価するという仕組みを考えております。  7ページの下で「給与制度」については、給与の体系を示すとともに、それに対して昇給の仕 組み、評価に対する昇給、評価に対する昇格というものをどのように位置づけるかということを 検討しております。  資料の表に戻っていただきまして、1ページで、7社のヒアリングを行ったと申し上げました が、3施設ぐらい持っておられる事業者さんが、ちょうどこのような仕組みを考えておられると いう状況で、導入して2年であるとか、来年から導入するといったところがあります。  一方で、1法人1施設の事業者さんでは、経営者が施設長であって全職員を見渡せるというこ ともあって、なかなかフルサイズの人事制度の導入の取組みが難しいのかなと思っております。  2ページに行きまして、処遇改善交付金に対する意見というものをまとめております。今回、 キャリアパス要件に絞ってと思っておりますが、キャリアパス要件の設定に当たっては、(1) (1)、(2)に記載しておりますとおり、要件については簡素化をしていただきたいと考えております。 人事制度というのは、経営者から職員に対するメッセージであると考えております。そのメッセ ージがその会社、会社によって明確でないと、単に形だけを入れても意味がないと考えておりま す。そのためには、経営者あるいは管理職、それから社員の意見を聴くというためには、時間も かかりますし、導入のための準備というものも必要かと考えております。こうしたことから、今 回の処遇改善交付金の要件としては、キャリアパスに対する具体的な取組みが見られれば要件を 満たすという形にしていただければと思っております。  また、手続の側面では、都道府県の判断基準がまちまちになっているところが見られますので、 厚生労働省として具体的な基準を示していただきたい。それによって都道府県のばらつきがない ような形をお願いしたいと思っております。  また、対象者についてはいろいろな議論がありますが、今回、やはりキャリアパスということ を考えたときに、介護職員がケアマネ業務に就いたり、相談員の業務に就いたり、管理者になっ たりといったときに、この交付金の対象外になるということは、キャリアパス要件を設けた趣旨 と齟齬が出ているのかなと考えておりますので、処遇改善交付金の対象者については御検討いた だくとともに、そもそも年度内に使い切る交付金ではなくて、事業展開に応じて職員に処遇でき るための介護報酬の増額ということをお願いしたいと思っております。  私からは以上です。ありがとうございました。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  次に、廣江様、お願いいたします。 ○廣江委員 全国社会福祉施設経営者協議会の介護保険を担当しております廣江でございます。  私どもの全国経営協におきましては、7月からワーキンググループをつくりまして、キャリア パスガイドラインについての検討会を結成しまして今やっているところでございます。本来なら ば、今日に中間報告を持ってくる予定にしておりましたけれども、ちょっと間に合いませんで、 後で皆さん方のところにお送りさせていただくということで御理解いただけたらと思っています。  一応、今の段階のものにつきましては4ページ以降におつけしております。我々としましては、 一応2月中にこの報告書を完成しまして、2月末で厚生労働省から出たキャリアパスの要件等が わかりましたら、それをもとにして研修会等も開いて会員に周知徹底していきたいというような 方向で考えております。  4ページからにつきましては、まだこれは一部修正がありますので今日はちょっと割愛させて いただきますけれども、11ページの方に一応キャリアパスの図表として老人ホーム版というもの を載せておりまして、補助業務から管理職、経営職まで段階的にこのような条件を付加しながら キャリアパスを行っていくというようなことで、それぞれの細目につきましては、今、最終的な 検討をしておりますので、またお送りさせていただくということで御理解いただきたいと思って おります。  意見につきましては、3ページをごらんになっていただけたらと思いますけれども、今まで出 たことと同じようなことがたくさんですが、やはり小さい法人等が我々の会員の中にも、1法人 1施設というものも特に特養等でございますので、過度な要件を課さない制度にしていただきた い。それから、要件に対応するためにキャリアパスのコンサルを使うとかいろいろなことをやっ ていきますと、かなり負担が多くなって、費用対効果といいますか、費用の方が非常にかかって くるようなことがあったりして大変だということがございます。小規模のことは、先ほど申し上 げたとおりでございます。それから、冒頭、土生課長の方からスケジュールについては配慮する ということをおっしゃっていただきましたので、この点につきましてはよろしくお願いしたいと 思っております。  その次に、平成22年以降(キャリアパス要件施行後)の経営的見地からの意見ということで、 これも何回も出ていることでございますけれども、法人内の職員の不均衡といいますか、我々と しましては、介護職だけが給料が低いのではなくて、医療職と比べても看護職も給料が低いとか、 そういう問題が出て、なかなか看護職は集まらない、介護職以上に看護職が集まらないというよ うな現象もございますので、こういう点についても、今後につきましてできれば配慮いただけれ ばと思います。  それから、介護事業が介護職員のみでなく多職種共同ということが前々回ぐらいからの介護報 酬でもしきりに言われておりますけれども、これになると多職種共同がなかなかやりにくいよう な、差別化されていくような感じがするということもございますので、是非御理解いただきたい と思っております。  (3)の2年半後は、先ほど政務官が力強く継続してやるとおっしゃいましたので、我々はそれを 信じるしかございません。  それから、いわゆるパートの人を上げますと、扶養控除の範囲内を上がってしまうと労働時間 を削らなければいけない。そうすると、職員の足りないところでは、時間数を削られるというこ とは経営に直接影響する問題になってくるんですね。この辺が、このやり方が非常に難しいとい うことで我々としては今思っております。  もう一つは、1万5,000円というのが全国に響きわたって、まだやはり末端に行きますと、1 万5,000円上がるんだという御意見がたくさんあるということが、私どもとしては非常につらい ところでございます。その辺で、再度これは、必ず1万5,000円ではないというアナウンスメン トは、是非何らかの形で厚生労働省からも出していただけたらいいのかなと思っています。  それから、3番目のその他といたしまして、地方自治体ごとの申請手続の相違ということで、 写真を張って、事業所ごとに掲示したものをきちんと持ってこいとか、いろいろそこに書いてあ る事例が各都道府県で起こっておりまして、是非、できるだけ簡素化と言いながら、そういう手 間のかかることがどんどん増えてくるということで、非常に問題があるのではないかと思ってお りますので、よろしくお願いしたいと思っております。  それから、介護と障害の両方を、例えばヘルパーステーションで、Aさんは介護のヘルパー、 Bさんは障害のヘルパーというと、片一方はたしか4%で、片一方は15%上がるんですね。こう いう整合性がなぜ局の中でできないのか。こういうことをやってもらったら本当に現場は壊れて しまうんですね。これは是非御検討いただかなければならない重要な問題点ですし、それから、 事務的にいいますと、この人たちが、またミックスでやっている現場があるんですね。今日は障 害を何人、介護保険が何人と。すると、それを細かく分析して、精査して出せと言われると、事 務が非常に繁雑になってきますので、この辺の事務的な手続を簡素にしていただきたいというこ とが1点でございます。  それから、もう一つは、今ここで言うべき問題ではないかもわかりませんけれども、私どもと しては、何回も厚生労働省にお願いしていますが、これから本当に介護職をどういうキャリアパ スにしていくのかということが明確に見えないと思っています。例えばホームヘルパーをなくす のか、なくさないのか。やるのだったら、本当に今のホームヘルパーという名称から始まって、 それから時間数とかそういうものも含めて、障害とか認知症とか、いろいろな時代に応じたカリ キュラムをつくっていって、そして、3年後にはなめらかに、ずっと1つずつステップアップし ていくことによって600時間がクリアできて、無理なく600時間がクリアできていけるように、こ の会で何回かあるうちに是非決議していただいて、至急にそういうシステムをつくる委員会なり 何なりの意見を聴いて、是非、厚生労働省の部局挙げて、そういうきちんと、我々法人内のキャ リアパスはこれとして、制度としてのキャリアパスを明確にしていただかないと、本当に、せっ かく今、来かけた、今、不況とかでたくさん来てくれた人たちがまた逃げてしまうんですね。今 の280時間研修なんかが入ってきますと非常に難しくなってきます。  それから、もう一つは、せっかく来たヘルパーさんが、130時間で、私たちはこれでヘルパー でずっと行けるかというと、将来に物すごく不安を感じています。その点も含めて、ストレート なキャリアパスを是非早急に実現していただきたいということを一番強くお願いしたいと思いま す。  以上でございます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  続きまして、桝田様、お願いいたします。 ○桝田委員 公益社団法人全国老人福祉施設協議会の桝田でございます。よろしくお願いします。  まず、キャリアパスという問題点と、今回は介護職員処遇改善交付金がセットになっている。 キャリアパスというのは、当然、各事業体で、自分たちの行っている事業をより有効に、より高 品質なサービスを提供するために築き上げなければいけないものだと。それがなぜ、いわゆる国 の方が音頭を取ってしなければならないかという今の現状ですよね。  全国老施協の場合は、ほとんどの事業体が社会福祉法人なんですけれども、やはりその中で1 法人1施設という形態が非常に多い。そうすると、介護職員さんの人数というものも20〜30人と いう規模のところが非常に多い。そこでキャリアパスを築けるのかと。実際問題としてなかなか 難しい問題が出てきます。それが今回セットになってくる。キャリアパスが組めなければいわば マイナスになる、処遇改善交付金の減額が行われる。まず、当初につくられた制度では、キャリ アパスが構築できればプラスにしますよというのであれば、皆さん非常に助かるわけですけれど も、今回は逆に、今、1万5,000円平均の処遇改善交付金がいただけるようになってきたと。そ れで、次の段階にキャリアパスができなければ減額しますよと。  事業者の、いわゆる社会福祉法人の場合は、経営者の理事長さんあたりは、ほとんど給与が困 る方はおいでにならんのですよね。実際に困るのは、現場で働いている介護職員さんが、いわゆ る処遇改善交付金でいただける金額が減ってしまう。どうも今の実態を見ますと、一時金処理に よって今年度は交付金を出されるところが多いと。では、来年度減ればその減った分に合わせれ ばいいよという考え方になってくる。ですから、キャリアパスと処遇改善交付金のセットという ものをうまく考えていただかないとマイナスの要素になる。キャリアパス自身は、やはり法人単 位でつくるべきものなんですけれども、根幹となる社会福祉法人のいわゆるガバナンスの問題に 少し踏み込んでいただかなければ、なかなか対応ができないのではないかと。形だけのキャリア パスをつくっていっても、本当の意味に介護職員さんのいわゆる待遇改善とか、いろいろなやる 気につながっていかない部分がある。  キャリアパス自体は、介護職員さんの場合は、少し本人によっていろいろな意向が違ってきま す。管理職を目指したいと思っている人もおれば、そんなものはいいんですよ、私は、現場でず っと利用者の方と交わって、いわゆる介護サービスの提供をしていきたいと思っている方と、そ ういう部分でいろいろ分かれてきます。ですから、そこらの部分で内容的な部分というのは築か なければいけないのと、それと、やはり介護保険に今携わっている事業体のほとんどが、一般的 な事業体から見ると零細企業の部類に入る事業体だと思うんですよね。そこでキャリアパスをど うしていくのかというのは、やはり余り理想的なことを言っても現実不可能と。逆に言うと、介 護職員処遇改善交付金のキャリアパス要件ではどの程度の事業者までは条件を課さないというの を早目に出していただかなかったら、いわゆるキャリアパスに対する、全国老施協としては、ひ な型的な分をお出しするにしても出せない。規模によってやはり違っているし、規模の大きいと ころは、もう既にそれなりのことは対応されている。小さいところは、したくてもできない実態 があるというのをお考えいただきたいと思います。  あと、一番危惧するのは、いわゆる今回の処遇改善交付金でも、取扱いについて都道府県のい ろいろな温度差が出ている。申請書類の量の問題もありますけれども、精算段階になるともっと いろいろなことが出てくるだろうと。それで、このキャリアパスの導入に関して、いわゆるオー ケーかオーケーでないかの判断というのは非常に違いが出てくるおそれがある。そこをどうにか していただかなければ大変なことが起こってきます。  あと、提案書の中の2枚目に書いていますけれども、できる限り事務の簡素化をしていただき たい。その中には、例えば一例として情報公表制度の中で今行っている事業の中で、例えば研修 であれば、研修を行っている云々というのが、きちんと情報公表でチェックされたものが出てい ます。そういうものを活用していただいて、一々書類を出さなくてもいいように。それと、実績 報告のときに事務量が多大にならないような御配慮をお願いしたいと。キャリアパス自体は、全 国老施設協でも取り組んでいろいろやっています。ただ、やる気のある法人はそれなりのことの 対応をしていくけれども、全部が全部そのつもりではないと。特に今回の処遇改善交付金が絡ん でくると、やる気のないところは何にもしなくて、困るのは、介護の現場で働いている人たちの 処遇改善、賃金改善が、逆にマイナスになって弱いものいじめが起こってしまう。それだけは申 し上げたいと思います。よろしくお願いします。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  次に、平川様、お願いいたします。 ○平川委員 全国老人保健施設協会の平川でございます。  お手元に今日は資料11−1と2と用意しました。  私ども全国老人保健施設協会、全老健は、会員施設数が約3,400、ベッド数として31万ベッド を擁しています。組織としての特徴は、老健施設の92%が会員として加入しており、組織加入率 が高いと言えます。我々の会員施設では、12万人前後の介護職が働いています。よって協会とし ても、この12万人の方々を初めとして、職員達をどう育てていくか常に考えております。  特に、老健施設の介護職は、医師、看護師、PT・OTといったリハ職が提供する医療系サー ビスと、それから、ケアの中心であります福祉系のサービスの両方を睨みながら日々仕事をして います。そういった意味では私は、老健施設の介護職を介護の総合職と考えています。それだけ に協会としても、研修事業を初めとし、職員を育成することについて力を入れてまいりました。  また、介護職員等の処遇改善についても積極的に活動しております。協会としては、平成19 年より、この分野の専門部会を立ち上げ取り組んでとおります。御案内のとおり、昨年は介護職 員の処遇改善を求める署名を行い、166万人の署名が集まりました。更に6月には、日比谷の野 外音楽堂で3,000人を集める集会を開きました。このように厳しい処遇環境の中でも、何とか職 員の方々のモチベーションが下がらないようにと活動してきました。  キャリアアップで大切な研修につきましては、1年間に約30本、協会本部が主催する研修を開 催しておりまして、その参加者数は1年間で約5,000人、それから年1回行います老健施設大会、 いわゆる学会ですが、この学会には毎回5,000人を越える方が出席されて、発表演題も1,100を 超えています。この結果、1年間に研修という名目で参加される職員の方は、1万人を超えてい ます。このように老健施設の職員達が研修に対して熱心なのは、とりもなおさず、先ほど言いま したように、老健施設の介護職には介護の総合職としてのスキルが求められます。その結果、ご 存じのとおり、老健施設の介護職は、常勤雇用率、介護福祉士免許所得率とも全ての介護サービ スの中で最も高いものとなっています。  そのような中で、私どものスタッフのスキルアップの一つの試みが、お手元の資料11−1、平 成20年度に報告しました全老健版の実践型の人材養成システムです。  時間もありませんのでかいつまんで説明します。17ページになりますが、これは、各施設でO JTを行うのですが、それを均一化するためのマニュアルです。最低限押さえて欲しいものをマ ニュアル化しました。  それから、35ページは、心得、37ページは評価のマニュアル、43ページ以降は、実践型の対 象者は、全くの無資格の方ですので、週ごとの研修スケジュールのマニュアルです。以上が全老 健版実践型人材養成システムです。  続きまして、11−2ですが、これは、まさに今日の議題でありますキャリアアップのシステム マニュアルです。介護労働安定センターと全老健のコラボレーションでつくり上げた今年の報告 書であります。この手のマニュアルは、絵だけ描いてもしょうがありませんので、できる限り具 体的で、現場に結びついたものにしました。かといって細かいことを気にしすぎるとなかなか先 に進まないので、ざっくりと、どの施設でも取組みやすいようにつくり上げました。  資料11−2の4ページに、これまでなじみの薄かったキャリアアップという言葉の意義をまず 先にわかってもらわなければならないということで、このシステムについて説明しています。更 に、6ページには、大雑把なキャリアアップの仕組みというものを示しています。  最後のページから2ページ目を開いていただきますと、このキャリアップシステムの全体図で す。この図を参考にして説明いたしますと、まずスタートして、無資格者ないしヘルパー2級の 方が入職して、どのような研修や業務経験を経て上に上がっていくかということがここに書いて あるわけでございます。幸い先ほど言いましたように、老健施設協会では、かなり濃密な研修プ ログラムを持っておりますので、図の右3分の1ぐらいにキャリアアップに必要な研修項目が書 かれております。これを受けることによって、身分・資格が上がっていきます。  戻っていただきまして、人事考課についての査定の方法が16ページ、17ページ、18ページ、 19、20ページと書かれております。当然ながら、雇用のコンプライアンスは極めて重要です。形 だけになりやすいものですから、このあたりをきちんと定めることがキャリアアップをする上で、 事業者側の責務にもなりますし、雇用側、被雇用側ともお互いを確認する意味で重要か考え項目 立てました。  一応このような全老健版キャリアップシステムを作り会員施設3400に配布し、これに関する 報告・研修会も開催しました。今年度は、これをさらに発展させるため、先ほどのキャリアアッ プモデル表でございますけれども、実はこの表には右側半分がかけています。それは賃金体系と いいますか賃金表です、職員は5年後、この研修を受け、資格を取って、この身分になればこれ くらいの給与がもらえるよと説明できるものが、現状では作れないのです。賃金の欄がないとい うことを非常に気に病んでおります。そこで本年度のキャリアアップ構築の事業として、すでに 出来上がっています表の左半分内容を更に具体的にするため、各施設の実地調査を行いながら、 最初に言いましたように、多くの施設でも取組みやすいような仕組みをつくっています。それと 同時に、問題の右半分のモデル賃金表というものを今検討しています。これにつきましては計算 をするパソコンソフトも製作中です。このソフトは利用する施設がキャリアアップモデルの段階 に置き換えていくと、その施設で年間どのくらいの原資が必要かとか、あるいはベースアップで このぐらいになるということが、予測提示できるものです。クリアすべき課題が多いのですが、 来年3月までには作り上げたいと思っています。  以上のように、老健施設協会といたしましては、介護職のキャリアアップについては研修事業 を中心に以前から積極的に取り組んでまいりました。私自身、10年以上この老健施設の研修を 担当してきましたが、その経験の中で、一生懸命研修のプログラムを考案して、施設が研修経費 を出して、その結果毎年1万人の方に受講しても、その後現場に戻っても、その方々の賃金には 全然反映していかないということが、非常に不合理に思っていました。やりっ放しの受けっ放し ではいかんのではないかということです。まるで浪費になっています。研修もきちんと受ける、 職務の経験も積む、そして評価もきちんとするということを組み合わせながら、5年先、10年 先の自分の姿が見えるキャリアアップのシステムを具体的につくっていきたいと思い調査研究事 業を進めているところです。  今回の交付金につきましてはいろいろ言いたいことがありましたが、この順番になるとほとん どで出尽くしてしまって、重複することも多いので割愛させていただきます。最後に、是非、先 ほど言いましたキャリアアップ表の右半分の賃金体系があって、初めて、職員も、あるいは施設 側にもこのキャリアアップが生きてくるわけですので、その点について格段の御配慮を重ね重ね よろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  最後でございますが、富家様、よろしくお願いいたします。 ○富家委員 日本慢性期医療協会、富家でございます。  日本慢性期医療協会は、去年の平成20年に、日本療養病床協会から改称いたしました、全国 836の療養病床、介護保険の医療療養病床や医療保険の療養病床を含む836の病院から成る団体で ございます。  何らかの施設ごとのキャリアアップシステムというものは独自であるようですけれども、協会 としてのシステマチックなキャリアパスのシステムというものはないのが現状でございます。  先ほどの山井政務官のお話をちょっと具体的な数字につけさせていただくような形になります が、資料の2枚目を見ていただきますと、A病院、B特養と出ていますが、A病院の介護職員デ ータが、平均年齢が44歳、平均勤続年数が9年、介護福祉士資格保有率が9%、ヘルパー2級が 41%となっていますが、これは、もともと病院というのは、付き添い婦というものがあった名残 から平均年齢が高いと考えております。  次のページで、B特養の介護職員データ、このB特養というのは、設立してまだ3年というと ころから、病院よりも平均年齢が若くて39歳、介護福祉士資格保有率24%、ヘルパー2級資格保 有者が15%になっております。  3ページの下に大卒、高卒、中卒者の厚生労働省から出していただきました平均年収を書かせ ていただきました。中卒者が384万円です。これを覚えておいていただきたいのですが、そして、 ちょっとずれて、介護職の業務内容、先ほど山井政務官、非常に誇りのある業務だと。人のうん ちやおしっこを毎日替えて、嫌な顔をせず、笑いながら、ほほ笑みながら、愛を持って、慈愛を もって替えている職業ですし、認知症の方に殴られそうになりながら、引っかかれながら入浴介 助、着替え等を行っている業務内容でございます。  そこで、A病院における介護職員の給料、これは実は私の病院なんですけれども、平均年収が 320万円と中卒年収よりも低い金額になっている現状です。しかも、この介護福祉士手当という ものが1万5,000円とついていますが、これは交付金が出ると言われて、しかもこれは介護保険 の施設しかつかないんだよと言われて、そちらの老健とか特別養護老人ホームとかに大事な介護 職員が流れてはいけないと危惧してあわててつけたのが、この介護福祉士手当でございます。  次の特別養護老人ホームの給与に至りましては、平均年収270万円と非常に低くなっておりま す。また、A病院、B特養のパートの時給も載せておりますが、A病院が時給1,000円、B特養 が800円、都内ですと、お弁当を温める仕事をされているコンビニの職員より安い給料がこのパ ートの時給になっております。  最後のページですけれども、日本慢性期医療としましては、去年から慢性期医療認定講座とい うものを開講して、医師、看護師、コメディカルを対象とした人材育成を始めております。お手 元の資料に第4回慢性期医療認定講座の資料があると思いますけれども、慢性期医療というもの の概論から、身体抑制、排せつ、そしてターミナルケアまで、ひいては人口呼吸器の管理まで、 慢性期医療に必要な知識をお伝えするという目的で認定講座をやらせていただいております。  第5回から、これに介護福祉士を対象とした講座を行っていく予定になっておりまして、医療、 介護福祉士、メディカルケアワーカーというものを協会として創設していこうと。というのも、 現在、当院や慢性期医療協会の中での施設で自然にできたキャリアパスでは、年数を経た介護士 がケアマネジャーや准看護師に流れる傾向があります。経験年数、実務年数を超えると、一生懸 命勉強してケアマネジャーを取った方が、そういった実務、腰が痛くなるような実務から離れて、 デスクワークができて、そして結婚して、子どもがつくれてというような給料をいただけるので、 ケアマネジャーや、そして2年間准看の学校に行って准看護師になろうという方が増えてきてお ります。そうなると、年数を経て技術、キャリアが非常によくなった介護士がいなくなるという、 空洞化が起こる懸念性がありましたので、これを介護福祉士というものを准看護師と同様、それ 以上の給与体系で見ていけないかということから、当会が創設していこうと考えているのが現状 でございます。  交付金の問題に至りましては、当協会からは、部署が違うからと言われてしまえばそれまでで すが、この交付金は医療療養病床の介護職にはいただけないと。同じ病院で、隣の病床は介護保 険で、こっちは医療保険で、向こうは1万5,000円もらえて、こっちは1万5,000円もらえないん だと、異動願が非常に殺到した病院もあるそうです。だったらデイケアに行かせてほしいとか、 そういうお話もよく聞こえております。  何より今、介護保険、介護医療療養病床が瀬戸際になってきておりますけれども、何とぞ医療 療養病床にも一般病床にも介護職員がいるというのは、是非覚えておいていただければと思いま す。  ありがとうございました。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  交付金その他、関連施策に多数御意見、御要望をいただいたところでございます。冒頭、政務 官からも、使途の問題、それから24年度以降の問題を御説明させていただきましたので、ちょっ と時間の関係もございますので、キャリアパス要件その他につきましては、本日の御意見を十分 受け止めさせていただいて今後の検討に生かすということで、今日のところはお許しいただけれ ばと思います。  それでは、ちょっと時間も押しておりますけれども、今日はせっかく有識者の先生方にも御出 席いただいておりますので、これまでの御説明あるいはやりとりをお聴きいただいて、御意見あ るいは御示唆いただける点等ございましたら、どなたからでも結構ですのでお願いしたいと思い ます。よろしくお願いいたします。では、吉田先生。 ○吉田委員 事前に発言を登録してもらいたいんですけれども、いいですか。 ○土生振興課長 では、挙手の順番にお願いいたします。 ○吉田委員 すみません、労働組合の連合で社会保障政策を担当しております。  ずっと事業者団体の皆様の発言を聴いていたのですけれども、企業内の経営努力という枠組み の中で、勿論この交付金というものを活用してではありますが、職員の処遇改善をいかにしてい くかということを一生懸命考えられていることに対して、まず敬意を表したいと思います。その 上で幾つか提言を差し上げたいと考えております。  この介護労働者のキャリアパスを考えるときに、やはり介護分野の特性、1番に挙げられるの が、非常に流動性の高い労働市場ということが挙げられると思うのですが、この高い流動性とい うものを前提に、やはりキャリアパスを検討するべきであると考えております。  例えばデンマークの例を取りますと、黄金の三角形と言うのですが、非常に寛容な社会給付と 職業訓練などの積極的労働市場政策、それと柔軟な労働市場によって、仕事がかわるたびにどん どん賃金が上がっていく。例えば年間、就労人口の3分の1ぐらいが転職しているという状況で、 雇用保障と処遇の改善を同時に実現しているというような例もございます。  これを例えば日本の介護労働市場に置き換えるならば、どういう条件が必要なのかということ を少し考えてみました。まず、いろいろお話を聴いていますと、小規模事業所が多いということ もありまして、企業内での取組みだけでは限界があると感じました。国が主導して外部労働市場 を整備する必要があると。具体的には、訓練とか研修コストを国、行政が負担していくべきでは ないかと考えております。  今回、一般的な雇用対策として、期限限定つきですが、就労支援と生活保障、訓練中の所得保 障を同時にやるというような制度、いわゆる第2のセーフティネットが確立されたわけですが、 そのような制度を介護の中にも、言ってみれば研修と訓練の外部化、社会化というものを検討し ていくべきではないかと考えております。その場合は、やはり制度をつくるからには、ある程度、 国としてキャリアパスのモデル、例えばあるべきふさわしい賃金水準なども含めて示す必要があ るのではないかと考えています。  2番目ですが、外部労働市場を整備するという点では、1つの企業で経験を積んできた職能を 社会的に評価する制度が必要になってくると思います。具体的には、横断的な介護業界での認証 制度みたいなものを確立する、構築する必要があるのではないかと思います。2年半後の心配を されている方が非常に多いと思うのですが、例えば、今回の交付金制度を介護保険制度の内部に 入れて、税財源によって、その認証制度とリンクして報酬を出していくというようなことも考え ていくべきではないかと思います。  3つ目ですけれども、少しキャリアパスという考え方からは離れるのですが、やはり職務と賃 金を直接的に連動させていくためには、資格というものをより重層的にしていく必要があるので はないかと。具体的には、今の介護福祉士の上位資格、例えばレスパイトケアとか認知症ケアな ど、そういう専門職にふさわしい社会的な地位を資格ということでつくっていく必要があると考 えております。  以上が提言なのですが、やはり今回の交付金というのは、介護保険制度が、失敗とまでは言い ませんが、うまく機能していかなかったというあらわれではないかと考えております。究極的に は、成熟した労働市場の中で労使自治によってきちんと適正な賃金を決めていくというのが理想 の形ではあると思うのですが、やはりもうちょっと制度を改正する、改善する必要があると思い ます。その意味では、2年半後、この交付金の期間内に介護保険法の改正も見据えて、やはり制 度改革の議論を早急に進めていただくことをお願いしたいと思います。  以上です。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  それでは、先生方の方から。では、千葉課長どうぞ。 ○千葉委員 福祉医療機構の千葉でございます。経営指導等をやっている関係で、医療福祉の現 場、特に介護等について関与している立場から一言お話し申し上げます。  私の方からは、2点。キャリアパスとはそもそも何かという話と、今回のキャリアパスの意味 というものを踏まえて今後何をしていくべきかについて、皆さんから伺ったお話から考えたこと を申し上げたいと思います。  そもそもテキスト的に言うと、キャリアパスというのは、組織にとって必要な人材像をまずは 明確にする。その人材像とは何かというと、キャリア、つまり職務経験や能力、スキルです。そ ういうものについて、職位・職階・経験年数などの段階をつくって把握、設定する。職員は、そ れぞれのキャリア段階に求められる能力を獲得するために頑張る。その結果、組織も、サービス の質を上げたり、いろいろな組織目標が達成したりできるし、職員も、設定した目標を達成する ことで、職業での自己実現をしていく。更には、それに伴って出てくる給料等の処遇にもつなが る。職員・組織双方にとってのウイン・ウインの戦略だろうという位置づけで思っています。特 に今回、この処遇改善交付金でキャリアパスの要件入ったというのは、冒頭、事務局から話があ ったように、職員の定着ということに大きな目的があったのだと思うので、キャリアパスを定着 のためにいかに運用するかということが本当に重要だと思います。  その際に幾つかポイントがあるのと思います。やはり何においてもキャリアパスというのは運 用が命だということです。いろいろ形でなキャリアパスの表や図表をつくられているところが多 いと思うのですが、要は、それを所轄庁に提出して、交付金をもらえば終わりでは意味がない。 何のためかというと、やはり定着のためとすれば、それを生かす運用がどうしても必要になって くる。  そうなってくると何が問題になるかというと、キャリアパスシートに書いてあることと、現実 の職員の能力・スキルの水準とのギャップを常に組織として、また経営者として把握し、管理し ておく必要がある。これは何かというと、評価制度に他ならないわけです。人事考課制度だった り、人事評価制度だったり、人材育成評価制度だったりと名称はいろいろだろうと思いますが、 キャリアパスは評価制度と不可分の制度のはずだと思います。その辺の重要性も、多くの団体の 方からの御指摘があったと思います。  もう一つ、運用の面で誤ってはいけないのは、ポストとの関係です。これも多くの方がおっし ゃっていましたが、介護という分野は、小規模零細なところが多い。従ってポストは限られてく る。今いる若手の全員を、将来管理職、中堅幹部にできるかというと、それは難しい。キャリア パスとポストをどう工夫するかも要検討です。  キャリアパスの運用を誤ったときの危うさというのは、もう一つある。このキャリアパスのシ ートを職員に示すわけですが、そこに書いてあることを昇進の要件だとしてしまうと、それを満 たすと機械的に上のポストに登用しなければならなくなる。そういう運用ではなくて、職員の目 から見たときに、「あの先輩、すごいな」と思う人がいる。その人は、具体的にはどこがすごい かというのを具体的に表にしたもの。それがキャリアパスシートなのだと思います。つまり、ク ラス別の能力要件とそれを実現するための研修プログラムを用意する。それがキャリアパスシー トであるべきです。上の職位に登用するかどうかはあくまで結果だということです。そういう形 でキャリアパスシートを使わないと、ポストがあっという間になくなってしまうのではないか。  それから、先ほどもどなたかがおっしゃっていましたが、上のポストに登用していけば、当然、 人件費負担も重くなる。だから、それは同じ人事評価制度でも能力評価とは別の目標管理制度の 中で、現場の課題としてコストをどうしていくかという目標を設定し、改善の取り組みを行い、 効率化を図っていくという方法もある。つまり、キャリアパスを運用するということはマネジメ ントシステムそのものだということです。キャリアパスシステムというのは、人材管理という側 面があるのですが、実は経営管理そのものだととらえていくことも必要だと思います。特に、介 護というのは人・スタッフが命ですから、このキャリアパスが経営管理の中心に置くということ は理にかなったことなのではないかと思います。  最後は、このキャリアパスシートは、そもそもポストと能力の関係の表です。多くの方が、そ こに給与とか、目安の年収とかと書かれるというお話がありましたが、それはそれでまたキャリ アパスの外の別の次元のものであってもいい。ただし、今回所轄庁などに提出する書類の要件を 決める際には、給与の記載まで求めなくてもよいのではないかと思います。  長くなりましたが、以上でございます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  次の御予定があるとのことですので、村川先生、堀田先生、それから藤井先生の順で御発言を お願いしたいと思います。 ○村川委員 今日は、各団体・グループのお話を伺いまして、介護保険10年の成果と課題という べきか、初期においては、多様な事業体の参入、いわば競争・競合的な面が強調された面はあり ましたが、しかしながら、これまで介護の分野が広がってきたという成果をやはり確認すべきで あります。  言ってみれば、結論先取りということではありませんが、やはり介護人材確保のための政・ 労・使のよい意味での合意を是非形づくっていく上でも、次期介護報酬改定等に向けて、まだ少 し時間はありますが、最低賃金を含めた、スタッフの方々が安心できる給与ベースというものを 一つの土台として改めて確認をしながら、その上でこのキャリアアップシステムというものを構 築していく方向性ということは、やはり必要なことではないかということで、既にいろいろと模 索される中で、このキャリアアップシステムの意義、展開、あるいはモデル的に展開なさってい る事業体もあるわけでありますので、そうした経験交流の中から、規模の大きな、かなり立派に 経営的な方向を目指されているところもございます。しかしながら、現実は、小規模な事業体が 多いという面もございますので、そうしたところでも、やはりキャリア形成といいましょうか、 山井政務官もおっしゃったように、介護を人生の仕事として進め得る、そういう成り立ちという ものを是非確立するために、やはり、これは規模の小さなところでも成り立ち得る、そうしたキ ャリア形成、これはもう今日のいろいろな御発言を踏まえて進めば必ず描けるものではないかと いう気もしております。  ただ、小規模グループの場合には、それぞれのグループの代表の方もおっしゃっておりました が、やはりよい意味での提携・連合関係をつくって、経験交流なり、研修システム等、御努力い ただく部分もありますし、また、先ほど連合の方のお話もありましたが、基本的な人材形成につ いては、事業体サイドの努力とともに、この初発の基盤整備の段階においては、公的資金導入と いいますか、公費助成といいましょうか、特に介護福祉士の制度と2級ヘルパーの制度、これは いろいろな沿革があってそうなっておりますけれども、そうしたところをなめらかに進める。こ れはスタッフの方々も量として扱われるお立場ではない、やはり生きがいを持った職業人として この分野で活躍いただくためにも、そのキャリアアップの根拠として、そうした研修費用等を、 これは御自身も努力して一部負担はあるんだろうと思いますが、しかしながら、これは公的助成 によるもの、あるいは事業体の側も重要な必要経費として執行できる、そういう環境づくり、例 えば、研修費用の負担軽減、500〜600時間研修の簡素・短縮化、高等職業訓練校6ヵ月コースの 活用、専門学校及び高校福祉科卒業生の雇用開発「緊急経過措置」、eラーニングシステムの開 発・導入・普及などということが必要ではないかと感じた次第であります。  以上です。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  堀田先生、お願いいたします。 ○堀田委員 今日は、交付金の要件と結びつけてお話しくださったところが非常に多かった印象 がありますが、まず、キャリアパス要件から離れて一般的にキャリア開発支援を考えると、現段 階で要件として想定されていると説明されたポストと仕事、能力、資格、経験、給与水準の結び つきの明示にとどまらず、いくつかの団体ももう既に取り組まれているとのご報告がありました が、職員の方々のキャリア志向を醸成する、振り返る、確認する機会としての面談等や、御指摘 もあったとりわけ業界として何らか標準化した能力評価尺度の確立、それを使った自己評価と上 司評価のつきあわせ、その上で、就きたい役割に求められる要件のギャップを埋められる能力開 発機会、OJT、0FF-JT、資格取得支援といったことが提供される必要があると思います。総合的 に取り組まれることが重要でしょう。  次に、こういったように、キャリア開発支援には考え方も要素もいろいろとあるわけですが、 交付金の要件として定めるのであれば、極めてシンプルであるべきです。そもそも規模や業態等 によっても従事者のキャリア志向はさまざまであって、ポスト、仕事、能力、資格、経験、給与 水準の結びつき、あるいはキャリア志向の振り返り、能力評価、伸ばす機会の提供といったもの をパッケージでというよりは、キャリア開発支援について、労使の納得度を高めながら取り組も うとしていることさえわかればよいのではなないかと。使われない資料をたくさん作らせること、 同じような要件の書類のコピーが氾濫するといったことは避けた方がいいと思います。  それから、能力を伸ばす機会を提供するというときに、その時間と機会と費用の確保のいずれ においても、とりわけ小規模の事業者では、仕事を通じた能力の向上についても、職位も職場も 限られるというところも含めて、どうしても制約を受けてしまうところがあると思います。小規 模な事業者にも配慮した形で、業界全体として従事者の能力を伸ばす時間、費用をどう捻出する か、機会をどう提供していくか、それを国としてどう支援していけるか。今後も検討を進める必 要があるのではないでしょうか。  もうひとつ、今日皆さんが示されたようなキャリア開発支援を充実させると、人件費等の負担 増の面だけをイメージされる事業者もあると思いますので、こういった取組みや事例を普及する というご説明が最初にありましたけれども、キャリア開発支援の制度や取組みの内容だけではな くて、それによって定着が促された、採用や訓練のコストが結果的には下げられた、サービスの 質の向上にも結び付いたといったような効果もセットで示していくことで、多くの事業者が取り 組もうという意欲を持たれるのではないかと思います。  最後に、介護の仕事に就く方々のキャリア開発支援を業界全体として進めるためにも、やはり 今、混乱している介護職にまつわる資格の位置付けと接続、それぞれの時間やカリキュラムをも う一回整合性がある形できちんと整理していく場を、必ず設けるべきだと思います。  以上です。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  藤井先生、お願いいたします。 ○藤井委員 手短に申し上げさせていただきます。  3つほどですが、前提として、キャリアパスが何で入るんだという趣旨の御意見の委員があっ たので申し上げますと、単に給料が低いというだけではなくて、先が見えないということが問題 になっているんだと思います。ですから、一時金であげるというのは、現状でしようがないにし ても、先が見えないということを変えていないわけですから、やはりキャリアパスというものは、 当然セットだと御理解していただくべきなのではないかと思っていたりします。  1点目ですけれども、今申し上げたとおり、メッセージ、皆さん方がおっしゃったように、こ ういう人を求めているとかということと生活がやっていけるということを実現しなければいけな いのでしょうが、日本の社会で、幾つか御発言あった職能等級制というものをやってきて、これ がもううまくいかなくなってきていると。今、これは日本全体の公務員以外の問題になっており まして、これをどうするかという現状にあるわけですから、そもそも非常に難しい問題、ある種 の経営ノウハウであるということですから、余りこれはリジットに考えられる問題ではないので はないかという気がしております。そのあたりを事業者団体の方が何を示されるか、役所が何を 示されるかと。モデル賃金表みたいなものを示すということが果たしていいのだろうか。20年、 30年やっておられるところであれば、モデル賃金表で回りますというのを示せますが、そうでは ない新規のところだと話が違いますので、そのあたりの示し方というのが1点目です。  2点目、いろいろな方の御指摘があった、事業者内部でのキャリアパスという話と、これは言 葉の整理なんですが、アメリカで言うようなキャリアラダー、行政側が資格としてつくっている もの、事業者団体がやるものの整理という中で、特に廣井委員がおっしゃっておられた介護福祉 士という基盤資格をどういうふうに取れるのかということを制度側としてしっかりしていってい ただきたいと。とにかく新卒で介護福祉士をつくっていくというのはとても難しい状況ですから、 きちんと介護福祉士を取れる、更に宇都宮委員がいらっしゃっていますけれども、その上、専門 介護福祉士であるとか、ファーストステップ、セカンドステップをどうつくっていくか、これと 連動した社内のキャリアパスというのはあるんだろうと思います。  3番目、小規模の問題ですけれども、やはり小規模では大規模なところでやっているようなキ ャリアパスはつくれないと思うんですが、ある程度のネガティブセレクション的なものになると 思うのですが、根っこは一緒で、やはり権限が非常にあいまいで、あの人が全部決めていると思 ったら急に任されるみたいな、これが困るわけですから、そこを明示する、あるいは自分の給料 がどうなっているかわからない、就業規則があるのかないのかわからない、こういう状況をやめ なければいけないということはあるのだろうと思うんです。  それ以外にも、労働基準監督署が入ると介護の現場というのは指摘されることが非常に多いと いったようなことも、直接関係ないかもしれませんが重要だろうと思いますし、非正規常勤の話 がどこかで出ていましたけれども、これが非常に不安定な雇用の温床になっている、こういった 問題はやはり入れるべきだろうと思います。零細でもやれるようにしようというのはいいのです が、職員の雇用とか質に問題がある零細の問題を許しておいてはならないと私は思います。少数 精鋭で、いい質を提供しておられる方々の小規模がやれることにしようということですから、小 規模をみんな救おう、弱いものいじめになるのはよそうといって、一番弱い高齢者がいじめられ ているのでは、これは話になりませんので、そのあたり、ある程度もうそろそろ小規模という、 すべて生き残っていきましょうという考え方は捨てた方がいいのではないかと思います。  以上です。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  時間も過ぎておりますけれども、御発言をまだされていない方を中心に、どうしてもというこ とがございましたらお願いいたします。では、因さま。 ○因委員 日本ホームヘルパー協会です。  まず、キャリアパスですけれども、言葉は先行していますが、現場では、キャリアパスとは何 かということがわかっていないと思います。今日もこの議論の中でもすれ違いが見られたと思い ますので、キャリアパスとは何かということを早目に示していただきたい。現場が混乱すると思 いました。  もう1点ですが、福祉人材確保指針の中で、今日も給与表のことが出ておりましたが、給与に 関しては、公務員の福祉職俸給表を使うのが望ましいと書かれているはずです。その整合性をど うするのかというのが大変気になっているところです。  まだありますが、時間の関係で2点お願いしておきます。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。 ○高橋委員 全国ヘルパー協議会でございます。  私も現場で働いておりますので、確かに、因さんがおっしゃったように、キャリアパスの部分 は、本当にまだまだ現場ではわかっておりません。少しずつシステムがつくられることは望まし いことだと思っております。何年働いても同じ状況というのは、やはり定着率には欠けると思っ ております。是非、有効な状況でシステムを構築していただきたいと、現場に見合うような状況 でお願いしたいと思っております。  ありがとうございます。 ○土生振興課長 高橋様ありがとうございました。  ほかに。宇都宮さん。 ○宇都宮委員 日本介護福祉士会です。お世話になります。  私ども、2年置きに定められた調査をやっています。その調査の中で、離職の理由はどういう 理由で辞められたかとか、転職されたかという結果が、給与の水準の低さ、それから、職場の人 間関係の悪化、仕事にやりがいが持てない、昇進等、将来の見通しがないというような結果が出 ています。それで、このキャリアパスをそれぞれの団体さんで今、御発表あったような取組みを 積極的に進めていただき、厚生労働省も基準を決めて取り組んでいただけば、この今言った理由 はほとんど解消されるのではないかと思います。  それから、藤井先生がおっしゃっていたように、レベルアップが必要だということで、私ども の会では、会員に対して、会員でない人も参加できるようなシステムにもなっていますけれども、 キャリアアップの研修をやっています。それは、平成18年度に生涯研修ということで、介護福祉 士さんが、年齢を重ねていくにつれて、こういう研修、こういう研修ということで生涯研修制度 というものを構築しました。それに参加した受講者にはポイントを与えるというようなことで、 会員には全員、生涯研修手帳を持っていただいて、研修参加ごとにポイントをきちんと与えて本 部の方で一元化管理をしております。会員の○○さんは何ポイントを取得しているというような ことがすぐわかりますので、このキャリアパス制度の中にいろいろな基準を取り入れていくとき に、日介の50ポイントを受講したら係長にはなれるのではないかとか、それは具体的な例ですが、 そういう活用をしていただけたら、だんだんいろいろな制度が進んでいくのではないかというよ うなことを考えています。  それから、今、初任者研修というものをやった次にファーストステップ研修に進んでいくとい うように生涯研修制度の中で決めてあるわけですが、その全体計画がまだ構築されていません。 それで、厚生労働省とも相談しながら、専門介護福祉士はどうあるべきかとか、いろいろなこと を今検討しているところです。  以上です。 ○土生振興課長 ありがとうございました。  では、最後に。 ○廣江委員 今日、今言った質問の返事がいただけないので、次回までにまとめて案内のときに 送っていただきたいということなんです。 ○土生振興課長 先ほど申し上げましたとおり、交付金のキャリアパス要件につきましては、今 後の検討でございますので、今日、小規模事業者への配慮ですとか、あるいは手続の簡素化の問 題、さまざまな御意見をいただきましたので、そこで検討した結果をもって、それをまた見てい ただいて、御意見をいただくということになるのかなと思っております。  それから、介護福祉士の資格、研修その他、早く結論を出すべきと、おっしゃるとおりだと思 っておりますので、それも紙でやりとりするというよりは、早く結果を出すということによって お答えをしていきたいと思います。  また、個別に御質問がありましたらいただきたいと思いますし、また、モデル的なものは、私 どもの方で取りまとめて順次公表したいと思っております。その点につきましても、逐次、御連 絡を取らせていただくということで御理解いただければと思います。  それでは、最後になりますが、宮島局長から一言ごあいさつ申し上げます。 ○宮島老健局長 本日は長い間どうもありがとうございました。  いろいろ皆さんからお聴きしましたが、私が思っている以上に、皆さんが積極的にこの問題に 取り組んでいただいているなと思っておりまして、今日は、ある意味では心強い思いをしました。 というのも、皆さん御存じのとおりですけれども、介護報酬というのは、実際にかかった経費を 反映しますから、この介護交付金、これはやはり使ってもらわないと次のステップが踏めないと いうようなことになりかねないんですね。そこは十分御理解いただいて、いろいろ難しいような お話を今日お聴きいたしましたけれども、また、私どもともいろいろお話しいただいて、工夫を 出し合いながら何とかやっていけたらと思っている次第です。  それから、今日は、そういった交付金以外にも、介護福祉士のあり方の問題、ヘルパーとの接 続の問題、研修の体制の問題、それからこの労働市場に合ったシステムの問題、いろいろ問題が、 制度的な問題も提起されました。それぞれについても、私どもまた十分考えさせていただきたい と思います。  今日はどうもありがとうございました。 ○土生振興課長 本日はこれにて閉会させていただきます。  ありがとうございました。 照会先:老健局振興課 連絡先:03-5253-1111 担 当:法令係(内線3937)、基準第一係(内線3983)