09/12/9 第60回中央医療社会保険協議会薬価専門部会議事録 1 日   時  平成21年12月9日(水)11:38〜12:58 2 場   所   全国都市会館 第2会議室(3階)  3 出 席 者  遠藤久夫部会長 牛丸聡委員 関原健夫委員          小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員           北村光一委員           安達秀樹委員 邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員           長野明専門委員 禰宜寛治専門委員 松谷高顕専門委員           <日本製薬団体連合会>          竹中登一意見陳述人 庄田隆意見陳述人 澤井弘行意見陳述人          <米国研究製薬工業協会>          関口康意見陳述人          <欧州製薬団体連合会>          加藤益弘意見陳述人          <日本医薬品卸業連合会>          別所芳樹意見陳述人 内匠屋理意見陳述人                 <事務局>          外口保険局長 佐藤医療課長 木下経済課長 迫井医療課企画官           磯部薬剤管理官 他                 4 議   題   ○関係業界からの意見聴取について ○遠藤部会長  それでは、大変予定より遅れまして申しわけございません。  ただいまより、第60回中央社会保険医療協議会薬価専門部会を開催いたします。 ○安達委員  会長、すみません。先ほどの総会で一言申し上げようと思ったら終わってしまいました ので、少しだけ、ほんのちょっとだけアナウンスさせていただきたいと思います。  今回、私どもがこういう引き上げの方針を中医協として合意したいという御提案をした、 それが調停できなかったということは、大変私どもにとっては残念なことでございます。 本来でありましたらば、その後でお示しをいただきました公益からの調停案というものに ついて、これをこの会議にお示しいただいた上で、私どもとしては遺憾の意を表して退席 をするというような形の処置もあったかというふうに私どもは考えておりますけれども、 それにつきましては、日程等々も混雑しております中、私どもとしては苦渋の選択として 調停不成立という裁定にしていただくということを了解をさせていただいたということで ございますので、私どもとしては、私どもがなぜこれを申し上げたかということについて は、しっかりと国民の皆さんにもお伝えをしたいという思いがございますので、この本日 の会議が終わりました後、この会館の向かいの合同会館の2階の会議室におきまして、記 者会見を設定して、そこで私どもの考えを表明させていただきたいと思います。  以上でございます。 ○遠藤部会長  了解いたしました。特に1号側はよろしゅうございますね。  それでは、本日の薬価専門部会、委員の出欠状況について御報告をいたします。  本日は、森田委員、白石委員が御欠席です。  また、関係業界から意見聴取を行うこととしておりますので、日本製薬団体連合会、日 薬連から、竹中登一日本製薬団体連合会会長、庄田隆日本製薬工業協会会長、澤井弘行日 本ジェネリック製薬協会会長、続きまして、米国研究製薬工業協会(ファルマ)から、関 口康ファルマ在日執行委員会委員長、また欧州製薬団体連合会(エフピア)から、加藤益 弘エフピア会長、日本医薬品卸業連合会(卸連)から、別所芳樹日本医薬品卸業連合会会 長、内匠屋理日本医薬品卸業連合会常任理事の皆様に御出席をいただいております。  本日は大変お待たせをして申しわけございませんでした。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、前回ご議論いただきました、「平成22年度薬価制度改革に向けた全体的な論 点整理」について、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。  順番でございますけれども、日本製薬団体連合会、ファルマ、エフピア、日本医薬品卸 業連合会の順でお願いしたいと思います。  日本製薬団体連合会におかれましては、15分程度で、それ以外の3団体におかれまし ては、7分程度でそれぞれ御説明をお願いしたいと思います。  質疑、意見交換につきましては、一通りの御説明をいただいた後に、まとめて行うこと とさせていただきます。  それではまず、日本製薬団体連合会からよろしくお願いします。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  日薬連の会長を務めています、竹中でございます。  本日はこのような意見陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。  また、今日まで日薬連が提案しました、薬価制度改革につきましては、度重なる御審議 を賜りまして感謝をしております。  薬価制度改革につきましては、先週のこの会におきまして、新薬創出、適応外薬解消等 の促進加算の創設の論点を提示していただきました。本日はこの論点について意見を述べ させていただきます。  日薬連の資料、お手元の意見書の1ページをごらんいただきます。  製薬産業は、患者国民の皆様から、ここに述べている点で期待されています。  1つは、アンメット・メディカル・ニーズ、すなわち未充足の医療ニーズに対した革新 的新薬、ならびに新型インフルエンザなどの新興感染症や、結核などの再興感染症に対す る、ワクチンや治療薬の開発です。  もう一つは、ドラッグ・ラグとも言われております未承認薬、未承認適応の解消でござ います。こうした課題に対して、患者、国民の皆さんからの期待こそ、日薬連が薬価制度 改革を提案するに至った背景でございます。  次に、1ページの中段をごらんください。日薬連提案の目的と意義について述べさせて いただきます。日薬連提案では、特許期間中に前倒しして収益が得られ、研究開発費の回 収は現状よりも早くなります。  一方、特許満了後は研修開発費の回収はほとんど不可能であります。したがって企業は、 次の新薬創出に向けて迅速に研究開発の再投資を行い、新薬創出のスピードアップをしな ければ、存続は困難となります。  新薬の創出が活力的に促進され、患者・国民の皆さんが期待する、アンメット・メディ カル・ニーズを充足することが可能となります。  また、投資回収に時間がかかりすぎると言われております、現在の日本市場の問題点が、 本提案で改善され、日本企業のみならず欧米企業にとっても、投資先としての日本の魅力 度、優先度が上がり、未承認薬や未承認適応の開発が促進し、ドラッグ・ラグの解消に向 かうと思います。  2ページをごらんください。  未承認薬、未承認適応の問題でございますが、投資回収の前倒しにより、企業の対応が 迅速となり、さらに近々設置される、有識者会議の運用によって、間違いなく解消される ものと確信をしております。  もし、万が一、不適切な対応がございましたときには、その企業には新薬創出・適応外 薬解消等の促進の加算を不適用とされてもやむを得ないと考えております。  また、医療上不可欠で、採算性の低い基礎的医薬品なども、日薬連の提案により、安定 した供給が確保されるものと考えています。  こうしたことから、日薬連提案の意義は、2ページの中段にございます、3点に集約で きます。  第1は、未承認薬・未承認適応、すなわちドラッグ・ラグの解消です。この解消には、 短期的に実行でき、かつ、継続すべき課題と認識しております。  2つ目は、革新的新薬やアンメット・ニーズに対して新薬開発の促進でございます。  研究期間が長いので、ドラッグ・ラグの解消よりは、本課題は、中・長期的であると認 識しております。  3つ目は、医療上不可欠な基礎的医療品等の安定供給でございます。  これらを通じて、我が国の薬物療法を進歩させ、医療、医学の発展に寄与し、患者・国 民の皆さんの期待にお答えすることを最終目標と考えています。  中でも、未承認薬・未承認適応の解消は、国会において政府側から全力を尽くすとの答 弁が重ねられており、今や国家レベルの喫緊の課題となっております。  製薬業界を挙げての取り組みは、本年5月に未承認薬等開発支援センターを設立して、 既に開始しています。この動きを後押しして加速させるためにも、薬価制度面での施策と しての日薬連提案の導入をぜひお願いを申し上げます。  3ページをごらんください。  先週提示いただきました平成22年度、改革に向けた論点整理の中の新薬創出・適応外 薬解消等の促進加算の関連について、お願いを申し上げます。  この加算につきましては、その設定の趣旨や考え方、適応して得られる結果につきまし ては、日薬連案とほぼ同じでございます。私どもは同意するとともに、本提案がされたこ とに、深く感謝をしております。  幾つかの点について、意見を申し述べさせていただきます。  まず、(1)としまして、この加算が今回限りの措置とされている点でございます。企業に とりましては、長期間にわたる新薬の開発や、治験が必要な適応外薬の開発に着手して、 そして続けていくには、この加算が継続実施されることが不可欠でございます。  そのため、次回以降の薬価制度改革においてもこの加算が実施される方向で、ぜひ御検 討いただきたいと思っております。  次に(2)としまして、今回は不採算品目等は、この加算の対象にしないとされております が、こうした品目は放置しておきますと、通常の薬価改定を受けて、薬価が下がり、安定 供給が危うくなるおそれがございます。今回はやむを得ないとしましても、次回以降の薬 価制度改革では、こうした品目も対象にする方向で御検討賜りたいと思います。  4ページの上段をごらんください。  (3)として、制度導入時の財政影響の緩和策という位置付けで、後発品のある新薬につい て、2%の追加引き下げをされるとされています。一方、通常の薬価改定の引き下げも、 平均で約6%を超えると見られています。新薬創出・適応外薬解消等の促進加算を受けら れる品目がない企業の場合、合計8%に上る引き下げを受ける場合もございます。これは もはや限界に近いものでございますので、追加引き下げ率は、ぜひ2%を限度にしていた だきたいと思っております。  4ページの中段をごらんください。  (4)としまして、未承認薬・適応外薬への企業の対応についてまとめてみました。これに つきましては、開発の工程表の作成や取り組み方などは、ある程度企業に任せていただき、 有識者会議では、それらをチェックして必要な場合には指示を出すことなどで、進めてい くのが適切と考えています。  なお、新薬創出・適応外薬解消等の促進加算を適応しないケースは、次のようなものが あると考えます。  公知の事実によって、承認申請ができるにもかかわらず、正当な理由もなく、有識者会 議から開発要請をいただいても、半年以内に申請を行わないケース、さらには治験から開 発を実施できるのにもかかわらず、正当な理由もなく有識者会議からの開発要請をいただ いて、1年以内に治験に着手しなかったようなケースでございます。  このほかにもいろんなケースが想定されますので、今後、有識者会議で詳細を御検討い ただきたいと存じます。  5ページに入っていただきます。  (5)として配合剤についてございます。薬価収載後15年を超えた成分あるいは後発品が 出ている成分を含む配合剤には、この加算を適用しないとされていますが、配合されたど の成分も持っていない、新たな適応症を得た場合、あるいは有用性、加算などの要件を満 たした場合には、医療上での革新性が非常に高いので、この加算の適用をいただきたいと 思います。  5ページ中段をごらんください。  後発品の使用状況と先発品のある後発品の特例引き下げについて意見を申し述べさせて いただきます。  一般論としましては、先発品と後発品の間の薬価の格差は大きいほうが後発品の使用が 進むものであると思っております。  11月4日に開催された薬価専門部会では、後発品が収載された後の日本の先発品の薬 価は少なくともイギリスやフランスと同程度下がっていることが示されています。  先発品と後発品の間の格差を縮小させる先発品の特例引き下げルールは、後発品の使用 促進を妨げる可能性がございます。また、先発品の薬価は外国並みに下がっています。と は申せ、実際には後発品の使用が余り進んでございません。したがって前回改定値と同じ ように、4%ないし6%の引き下げ率で、先発品の特例引き下げルールが今回存続するこ とはやむを得ないと考えてございます。  なお、診療報酬や調剤報酬での後発品の使用促進策、あるいは先発品の薬価改定の在り 方、後発品自身の薬価設定、薬価改定の在り方など、総合的に御検討いただきたいと考え ます。  6ページをお願いいたします。  そのほかの事項について、意見を申し述べさせていただきます。  1.再算定でございます。類似薬効方式で当初の薬価が設定された新薬の市場拡大算定 につきましては、適用の考え方とプロセスを改めていただきたいと思ってございます。単 に市場が拡大した品目を取り上げるのではなく、最初に薬価を設定したときの前提条件、 そして市販後の実態を開示し、その結果として市場が拡大した品目で適用することが公正 かつ合理的と見られるケースに対してのみ適用されるのが妥当と考えてございます。  次に6ページの中段に示しました2でございます。小児適応や希少疾病への適応、真の 臨床的有用性を検証した場合の加算についてでございます。  この場合については、追加した適応の医療上の必要性、検証された有用性の程度、ある いはエビデンスの強さに基づいて加算するかどうかを判断していただきたいと存じます。  3といたしまして、外国平均価格について述べておりますが、今回の見直しには同意し がたく考えております。その理由はここに述べておりますが、ここの発表では割愛をさせ ていただきます。  7ページをごらんください。  4として、バイオ後続品の薬価算定ルールを示しました。  現行では先行品の薬価の0.7倍で薬価が設定されています。御存じでいらっしゃいま すように、バイオ医薬品は通常の後発品と異なり、治験等が必要で、後発品では生じない コストが必要となります。外国での状況でも参考にしていただき、先行品の薬価を0.7 倍した額に、10%を上限として加算した方式が妥当ではないかと考えてございます。  なお、別紙1、新薬薬価算定ルールの見直しに関する要望や意見、別紙2に薬価算定ル ールについて日薬連、当団体の傘下の各団体より寄せられた要望・意見をまとめてござい ます。それぞれの内容について御配慮のほうをお願い申し上げます。  以上、日薬連の意見陳述をさせていただきました。どうもありがとうございました。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  それでは引き続きましてファルマからもよろしくお願いいたします。 ○ファルマ(関口委員長)  米国製薬研究工業協会、ファルマの委員長を務めております、関口でございます。この たびはこうした発言の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。  それでは、これより新薬創出・適応外薬等解消促進加算の案につきまして、私どものフ ァルマの考えを述べさせていただきます。  お手元の資料にしたがってお話しさせていただきますが、一部時間の関係から説明を短 くするところもございますので、御理解をいただきたいと思います。  まず、6月3日及び8月5日に開催された、中医協のこの場におきまして、私のほうか らも御説明させていただいておるとおり、近年の新薬開発が非常に難しくなり、開発費が 高騰するという中で、我々外資系企業は、その開発拠点を日本に置き続けることの必要性 や妥当性について、例えば中国等のエマージングマーケットとの比較の中で、非常に厳し い状況に置かれております。そして、日本への開発投資をこれからも継続・促進していく ためには、日本市場が非常に魅力的であるということが不可欠になっているということを 申し上げてまいりました。  どれほど革新的で、医療現場で高く評価される新薬であっても、2年に1度は必ず薬価 を切り下げられるという、世界的に見て極めて特殊な薬価制度が日本の市場の魅力を大き く失わせてきたことは事実であり、今回、中医協の事務局提案の中に、薬価維持加算の創 設が盛り込まれたことは、非常にありがたく思っております。これで、私ども外資系日本 法人といたしましては、本社に対して対日投資の価値、それから需要性を説得しやすくな ることは間違のないところでございます。  私どもといたしましては、この薬価維持加算の導入が、ドラッグ・ラグや未承認薬、未 承認効能の解消をはじめとする日本の医療環境の改善につながることを、きちんとした結 果でお示しできるよう、全力で取り組んでまいる所存です。来年度からの試行的導入はも とより、その後の制度の恒久化と、安定的な運用につきまして、ぜひとも前向きに御検討 いただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。  さて、この薬価維持加算が導入された場合、各企業は経済、合理的な行動として必ず新 薬の開発により多くの資源を投入することになります。薬価維持加算で、前倒しされた収 益を配当に回すのではないかという御懸念も耳にするところですが、長期収載品の後発品 への切りかえが加速される中で、次々に新薬の開発を行っていかなければ、経営が行き詰 まることは明らかでございます。企業としては、その収益を新薬の開発に投資する以外の 選択肢はございません。したがって、薬価維持加算のこの制度を導入すれば、アンメット ・メディカル・ニーズを満たす革新的新薬や、ドラッグ・ラグの解消が進むことは間違い ありません。  とはいえ、こうした開発投資、特に未承認薬・適応外薬問題の取り組みがきちんと行わ れることについて、制度上の担保が必要ではないかという御意見に関しては重々理解でき るところでございます。  2ページのほうをごらんいただきたいと思います。  現在、事務局から提案されている仕組み、スキームによりますと、私どもはこれから発 足すると理解しております、有識者会議からの未承認薬や適応外薬の開発要請を受けて、 有識者会議と御相談しながら開発工程表を作成することになります。  ただ現在、当局から伺っている開発要請品目の中には、そもそも海外においても当該適 応が存在しないものや、ライセンスの面で当該企業に開発の権利がないものも混じってい る状態でございますので、要請を受けた企業が現実的に開発が可能であるかどうかについ ては、当該企業と有識者会議との間できちんとした議論をさせていただく必要があろうか と考えております。  いずれにせよ、有識者会議との間で誠実に協議を行わない等の理由により、合理的な期 間内に工程表が作成されない場合や、正当な理由がなく合意された工程表から大幅に遅滞 するような場合には、薬価維持加算の対象から外されることもやむを得ないというふうに 私どもは考えております。  このように、私ども企業側といたしましても、未承認薬・適応外薬問題の解消に全力を 尽くすことをお誓い申し上げるところですが、この問題は企業側の熱意だけによって迅速 に解決できる問題ではないということも御理解いただきたいと思います。  本件に関する、審査当局への各種相談事項に速やかに御対応いただくことはもちろん、 既存の国内外のデータが十分ある場合には、公知申請を柔軟に認めていただくとか、市販 後調査の負荷を軽減していただくとか、あるいは速やかに承認が得られるような申請パッ ケージを御考慮いただくとか、審査当局との御姿勢とも分かちがたく結びついている問題 だと思います。  本日、この場にはいらっしゃらないのではないかと思いますが、審査当局の方々にも、 私どもと同じ方向を向いて、これらの問題の解決に向けてともに汗をかいていただけるも のと確信しておりますので、御当局におかれましても、どうかこの件に関するお取り計ら いをよろしくお願い申し上げる次第でございます。  次、3ページをお願いいたします。  配合剤についてだけ一言申し上げさせていただきたいと思います。事務局提案では、薬 価維持加算の適用においては、配合剤のうち薬価収載後15年を超えた成分、または後発 品が上市されている成分を含むものは除くこととされていますが、先ほど日薬連さんのほ うからもお話がございましたとおり、この御提案に関しては、私どもとしては反対でござ います。  例えば、そういう例でも非常に極めて革新的な薬剤がございます。具体的な例としまし て、この8月に徐放性のモルヒネ製剤と、モルヒネの効果を打ち消す薬剤を特殊な製法で 配合して、正しく服用すると普通に効果をあらわしますが、かんだり、砕いたりして不正 使用を試みると、そのモルヒネを打ち消す薬が今度は効いてきまして、モルヒネの不正使 用を抑えるような、極めて革新的な薬品がFDAで承認されてございます。  御案内のとおり、モルヒネという薬剤は非常に古い薬剤でございますので、先ほどの提 案でございますとこれは薬価維持加算の対象にならないということになるのですが、これ はやはりおかしいのではないかというふうに思うわけでございます。  私どもといたしましては、配合剤であっても、どちらかの配合成分が新規有効成分や、 新規投与形態であるケースや、単に服薬コンプライアンスの向上にとどまらず、配合によ る相乗効果で、画期性加算や有用性加算の対象となるようなケースについては、薬価維持 特例の対象としていただけるよう、強く要望いたしたいところでございます。  最後に、外国平均価格算定についてお話しさせていただきたいと思います。  その他のことに関しましては、後ほど資料を御参考にしてお読みいただければ、大変あ りがたいんですが、この外国平均加算点につきましては、9月18日の中医協資料で明ら かにされていますが、日本の薬価というものは、この過去1年半に承認されたものの価格 を類似薬効比較方式で算定された価格を外国と平均価格を比べますと、約90%、1割も 低くなってしまっているというのが現状でございます。事務局から提案されている、5倍 以上除外を、2倍以上除外にするというルール変更は、まずこれは引き上げのことは考慮 しないで、引き下げだけを目的としている不公平なものというのが1点ございますが、さ らには従来引き上げ対象となっていた品目の約半数に影響を与えます。  そういうことによって、この価格ギャップをさらに拡大させるものであり、日本市場の 魅力を減らしてドラッグ・ラグ縮小への取り組みに逆行するものと言わざるを得ないと思 います。ぜひ、御再考いただけるよう、お願い申し上げる次第でございます。  以上が、ファーマからの意見陳述でございます。どうもありがとうございました。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  引き続きましてエフピアからお願いします。 ○エフピア(加藤会長)  欧州製薬団体連合会、エフピア・ジャパンの加藤でございます。よろしくお願いします。  本日はスライドの形式で皆さんに資料を御提示させていただきました。  中医協薬価専門部会の委員の皆様におかれましては、医薬業界からの薬価維持特例の導 入に関する提案に関し真剣に御検討いただき、まことにありがとうございます。幾多の議 論を経る中で医療改正案に御理解を賜り、このたびの「平成22年度薬価制度改革に向け た全体的な論点整理について」におきまして新薬創出・適応外薬解消等促進加算として、 盛り込まれましたことにつき、深く感謝申し上げます。  2ページをごらんください。  エフピア・ジャパンは当加算制度の導入により、外資系医薬品企業が日本への投資を促 進し、それによって短期的には未承認薬・適応外薬問題が解消され、中・長期的にはドラ ッグ・ラグの解消、そして革新的新薬の日本へのより早期の導入を加速することにつなが るものと確信しております。  まず、短期的には未承認薬・適応外薬問題が解消されると考えております。エフピア・ ジャパンは、有識者会議により医学的ニーズ、エビデンスに基づきその重要度に従って厳 正に選定された未承認薬・未承認効能に関しましては、開発の可能性につき、真摯に検討 し、未承認薬・適応外薬問題の解決に取り組みます。  なお、未承認薬・適応外薬につきましては、企業に蓄積された情報や経験を活用すべく、 その選定に協力させていただく所存でございます。  当加算制度のもと、各企業の取り組みを確固たるものとするため、エフピア・ジャパン は、事務局より提案されている今回の製造導入による適応外薬等の開発促進スキームを導 入するとともに、正当な理由なくこのスキームへの取り組みが不適切である企業、例えば 適正な期間内に工程表を作成しない企業、工程表に定められたスケジュールを著しく逸脱 して、遅滞する企業などに対して、この加算制度を適用しないことに賛同いたします。  次に、なぜこの加算制度がドラッグ・ラグの解消、革新的新薬の早期導入につながるか を御説明いたします。  次のページ、3ページをごらんください。  当加算制度により、その導入直後から外資系企業における日本への投資判断に対してポ ジティブな影響が出るものと考えております。その理由は以下のとおりです。グローバル 企業が日本への投資を行うか否かは、開発プロジェクト、新薬・効能追加等ございますが、 それごとに検討されますが、その検討におきましては、常に世界の他のプロジェクトとの 間で、創生価値の高さが比較され、企業内の厳しい競争にさらされております。  現在、グローバル企業の新規投資は、特許期間中の投資回収が早期に行われる、欧米先 進国、及び市場の伸びが著しい新興諸国、例えば中国、インド、ブラジル、ロシアが優先 され、日本はときとして優先順位が低くなることがあります。そのような中、当加算制度 が導入されれば、日本におけるプロジェクトの現在価値、ネット・プレゼント・バリュー は改善し、企業内で競合状態にある他国・他地域における開発プロジェクトに対して優位 に立つことができます。その結果、企業内の競争に勝ち、革新的新薬が欧米諸国に遅れる ことなく、より早く日本に導入することが可能になります。  さらに、私たちは世界同時開発を積極的に展開し、日本の患者の皆さんへ革新的新薬を 世界に遅れることなく届けるよう最大限の努力を払います。  昨今の新薬は、エビデンスレベルが高くなっており、その早期導入は具体的に医療の質 の向上につながるため、当加算制度導入のメリットは、製薬企業にとどまらず、広く患者、 医療従事者に行き渡るものと考えます。  以上から、革新的新薬の早期導入を確実なものとするためには、2年間のみの薬価維持 では不十分ですので、試行期間中の未承認薬・適応外問題への取り組みを検証していただ いた上で、当加算制度を恒久的なものにしていただきたいと強く要望いたします。  次に4ページをごらんください。  その他の論点につきましては、重複をしておりますので簡単に申し上げます。  市場拡大再算定につきましては、前段の御意見と一緒なので割愛させていただきます。  次に外国平均価格についてをお話しします。  7ページをごらんいただきたいと思います。  現行ルールでは、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのうち、最高の価格が最低の 価格に比べて5倍を上回る場合に異常値として、当該最高価格を除外しておりますが、そ もそも以下の点で著しく、公平性、公正性を欠いていると考えております。  現行ルールによりますと、1カ国のみが著しく低く、異常値と認められる場合であって も、それを基準として最高の価格が除外されます。図の左側の例でございます。また、2 カ国しか外国価格が存在しない場合で、その価格の間に乖離がある場合、いずれの価格が 異常値であるのか、機械的に判断することができないにもかかわらず、必ず高い方の価格 が除外されます。このような現行ルールの問題点を改善しないまま、異常値であると判断 する基準を2倍に縮小する提案には断固反対いたします。  仮に異常値を排除する必要がある場合には、最低の価格を基準に判断すべきではなく、 高いものも低いものも入れて計算された平均値、あるいは中央値を基準にして異常値であ る階高の判断を行うべきだと考えます。  最後に5ページにお戻りください。  小児適応または希少疾病の効能追加等、及び市販後に真の臨床的有用性を検証したデー タの評価について意見を述べさせていただきます。  大学等の研究期間で独自に真の臨床的有用性のデータを検証した場合や、公知申請のよ うに臨床試験を行わず、既存の文献等を使って承認を取得した場合などを加算の対象外と することが提案されておりますが、そもそも医薬品の有用性は、企業の負担や労力により 評価するものではなく、医薬品の臨床上の価値に基づき評価いただくものと考えます。  小児適応や希少疾病の効能追加等及び市販後に真の臨床的有用性を検証したデータは、 薬剤に価値を付加するものであり、提案されているような大学等の研究機関によるもの等 であっても、加算の対象とすべきであると考えます。  エフピア・ジャパンからは以上でございます。御清聴ありがとうございました。 ○遠藤部会長  どうもありがとうございました。  引き続きまして卸連からよろしくお願いします。 ○日本医薬品卸連合会(別所会長)  日本医薬品卸連合会会長を務めております、別所でございます。  本日は意見を申し述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。  時間の関係で、簡単に御説明を申し上げます。2ページ目をごらんください。  初めに医薬品卸の機能について申し上げます。  医薬品卸なりの医薬品の流通は、我が国の国民医療の基盤を支えております。品質の面 で、安全な医薬品をあらゆる医療機関、薬局に安定して正確、タイムリーにその需要に応 じ、多品種、少量、多頻度供給をこなしています。  3ページをごらんください。  現在、新型インフルエンザが猛威をふるっておりますけれども、医薬品卸は自らを省み ず、医薬品を医療現場に確実に届ける気概を持って業務に励んでおります。地震等の災害 時にも夜を日に継いで奮闘いたしました。危機のときにもその社会的使命を十分に果たす ことこそ、医薬品卸の存在意義であると考えます。  医薬品卸としましては、今後とも安心・安全・信頼の流通体制の維持・充実に努めてま いります。  4ページをごらんください。  薬価基準制度については医薬品流通の中核を担う医薬品卸として、その適正運営に可能 な限り協力する方針です。  この観点から平成19年9月に厚生労働省の流通改善懇談会が取りまとめた緊急提言は、 大変重要であると考え、その実現に卸業界として真剣に取り組んでいるところでございま す。未妥結仮納入を解消し、取引価格が未決定のために薬価調査の対象から漏れているケ ースを少なくすることによって、薬価調査の正確性を高めなければならないと考えており ます。  また、取引価格が製品価値に見合った価格でなければ、公定価格である薬価の信頼性が 失われます。製品価値の異なった医薬品の価格を、同一の値引率を適用して、値決めをす る総価取引を是正し、製品価値に見合った取引価格を決める単品単価取引を行う必要があ ると考えております。  5ページをごらんください。  未妥結仮納入の解消につきましては、平成20年度の妥結率を同じ薬価改定年でござい ました、平成18年度の妥結率と交渉期間6カ月経過後の10月について比較してみます と、全体で18%ポイント近く改善しており、一定の成果があったと考えております。  しかしながら公的な病院グループの妥結率が未だに低迷していることは、残念に思って おります。  6ページをごらんください。  これは、総価取引の改善状況でございます。平成20年度は前年度に比較しまして、2 00床以上の大病院、20店舗以上のチェーン薬局とも、単品単価契約が増加し、製品価 値にかかわらず一律に値引きを行う全品総価契約が減少してきております。  7ページをごらんください。  このように流通改善懇談会、緊急提言の実現の取り組みは、昨年度一定の成果を得るこ とができました。しかし、卸企業といたしましては、大変苦しい状態に陥りました。未妥 結仮納入の解消のために早期妥結を目指した結果、売上総利益率は1%ポイント以上下が り、営業利益率はようやく赤字を免れる程度の水準となりました。今後、価格の軟化に耐 えきれず、早期妥結の努力を放棄する卸企業が出てくることを憂慮しております。  昨年度の流通改善1年目を総括した流通改善懇談会の席上で、期せずして3人の有識者 の委員の先生方から、早期妥結を促進するインセンティブが必要であるという御発言がご ざいました。私ども、卸企業としましては、傾聴すべき御意見であるというふうに思って おります。  8ページをごらんください。  メーカー提案の新薬価制度案につきましては、その早期導入を支持いたします。また、 新薬価制度は流通改善と表裏一体の関係にあると考えております。つまり、新薬価制度案 の実現に当たっては、薬価調査の補足率を高めるための未妥結仮納入の解消、個々の品目 の製品価値を正しくとらえるための総価取引の是正が必要であると思います。  9ページをごらんください。  平成22年度の薬価改定について、意見を申し上げます。  調整幅につきましては、薬価が1錠あるいは1カプセルあたりの価格を定めております ために、包装容量の違いによって、流通コストに差違が発生します。調整幅はその差違を カバーし、逆ざやの発生を防止するために設定されたものでございます。したがって、少 なくとも現在の2%の水準はぜひ維持していただきたいと、このようにお願いを申し上げ ます。  また、今回の診療報酬の改定に当たりましては、医療機関等から経営原資に充てるため の薬価差益を要求されてきた医薬品卸といたしましては、薬価の引き下げにより生ずる資 金をその全額を、診療報酬引き上げ財源に充当していただきたい、このようにも考えます。  以上、医薬品卸業界の意見を申し上げました。よろしく御検討のほどお願い申し上げま す。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ただいま、お聞きのとおり4つの関連団体から意見の陳述があったわけでありますが、 何か御質問、御意見ございますでしょうか。また、御質問であれば、どなたに対する御質 問なのか明確にしていただきたいと思います。御自由にどうぞ。  安達委員どうぞ。 ○安達委員  エフピアのプレゼンテーションに対して、1つだけ御質問させてください。  4ページに外国平均価格の御意見をいただいております。この中で異常に低いのが1つ あっても、それを基準に最高価格が除外される、あるいは2カ国でしか外国価格が存在し ない場合、その乖離に価格差が異常であるときに、どちらが異常であるか判断できないの にもかかわらず、高いほうの価格が除外されるということの問題点を御指摘になっていら っしゃるのですが、実際に製薬業の立場として、そういうふうに価格差がありましたとき に、その価格差が何によるものであるのかということは、判断が難しいものでございまし ょうか。  つまり、非常に安いと言われていても、安いからといって採算割れしているわけではな いから、それが市場に供給されているのだろうと私どもは理解するわけで、であればどう してその安い価格で採算割れせずに供給できるのかということは、ある程度は製薬業の常 識からいえば、判断がつく話なのかどうかということをお伺いしております。 ○遠藤部会長  それでは、エフピア、加藤会長お願いします。 ○エフピア(加藤会長)  私どもは各国の薬価はそれぞれの国の制度に基づいて、設定されております。したがっ て今御質問にありましたように、最低価格がその採算割れをするというようなことは、必 ずしもございません。その各国によった制度、薬価制度によって薬価が決まっているもの と考えております。  ただ、私どもは参照4カ国、この価格の中で日本の価格はどのぐらいが適正であるかと いうことを、全体像を見ながら御判断いただきたいと、いうふうなことでお願い申し上げ ているところでございます。 ○遠藤部会長  安達委員、いかがでしょうか。 ○安達委員  ちょっとなんかお答えいただいたのか、お答えいただいていないのか分からないような 感じがあるんですが、製造原価等々からして、あるいはその後の市販の調査というのも国 によってはいろいろあるでしょうが、そういうことでなぜ異常に安いか、異常に高いかと いうことについて、判断できる材料がございますかということを1つお伺いした。  もう一つさらに言えば、今、各国の医療制度の中で薬価が決まっているという御説明で ございました。そういう意味で言うと、基本的には米国の薬価だけが突出して高くなると いうことがよくあるわけでございます。平均をとるとそれに引っ張られているということ がある。米国のほうは、そういう決め方をしていないという特殊性があると思いますけれ ども、それについて、それを平均から外したほうがいいのではないかということも、場合 によっては我々は考えるべきだと思いますが、それについてどういう御意見でございまし ょうか。 ○遠藤部会長  それでは、ファルマのほうからのお答えでございますね。  では、ファルマ、関口委員長どうぞ。 ○ファルマ(関口委員長)  アメリカは御案内のとおり、薬価を企業がある程度自由に決められるという制度でござ います。その中で企業といたしましては、その薬の価値等を判断して、最も適切であろう という値段をつけて、そういう形で薬剤の供給、そしてそこからもたらされる収益を使い まして、さらに新しい新薬の開発ということをやっておるわけでございます。  アメリカの値段が非常にやはり高いということに関しましては、それでここも除外した ほうがいいのではないかということに関しましては、私どもとしては、やはりそれに関し ては、同意する立場ではございません。やはりそのアメリカの価格というものも、それを つける形において、その根拠をもってしてやってございますので、それに関して、それだ け外したほうがいいのではないかということに関しては、やはりバランスを欠いてしまう のではなかろうかと。  で、その結果として、先ほど申しましたとおり、今の日本の薬価というものは、世界の 薬価の平均から1割安いというのが現状でございます。やはり、ここら辺がドラッグ・ラ グの問題にもつながっているというのが、るる述べてきたような次第でございまして、ぜ ひとも御理解をいただければありがたいと思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  先ほどの安達委員からのもう一つの質問ですけれども、2つしか上市されているものが ない場合に、そのときの価格はどちらのほうが適正なのかというようなことが分かるよう な材料というようなものは、メーカーとしてはお持ちではないのですかと、こういう御趣 旨だと理解してもよろしいですか、それについての明確なお答えをいただいていないよう なので、その感想も含めて何かあればお聞きしたいと思いますけれども。これは加藤会長 でも関口委員長でもどちらでも結構でございます。 ○ファルマ(関口委員長)  ファルマのほうからお話をさせていただきますと、確かにその加藤さんがお話になられ たとおり、その国それぞれにとって薬価制度というのがございまして、その中で値段は決 まっていきます。その中でそれぞれの国の状況等に応じて、その値段が決まっていくとい う中で、我々はグローバルの市場の中で、事業展開しているということでございまして、 それぞれの国に応じてさまざま状況が違う中で、その価格づけが変わってくるということ でしか、私どもはちょっとお答えができないように思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  安達委員、よろしいですか。どうぞ。 ○安達委員  もう一つお伺いします。最初の日本製薬団体連合会からの御意見についてでございます。  5ページの(5)、配合薬適用について、新たな適用を有する対応薬はその対象にすべきで はないという御意見でございました。それは基本的にはそうだろうと思いますが、先ほど ファルマのほうから御紹介いただいたようなケース、つまりモルヒネとその効果の解毒剤 というか除外剤、これを併合させるというのは画期的な考え方だと思いますけれども、そ ういうことは普通ないのではないか。我々の認識では、配合剤というのは両方とも薬剤効 果があるものを2つくっつけるというのが普通なのではないかと、そうするとこういうも のがさらにその効果が2つあるものにつけることで、新たな適用が出てくるというような ものがあり得るとお考えになっていらっしゃるということでございますか。 ○遠藤部会長  では、日薬連。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  日薬連の竹中でございます。  あり得ると思っています。特にがんの研究が今進んでございます。そうしたときのアプ ローチとして、2つある場合に新しいがん腫に効く可能性を示唆されているペーパーなど もございます。しかしながら実際的にそれが臨床上でまだ証明はされていません。今後、 そういうアプローチ、と申しますのは、単剤でがんの治療が限界に来ているところもござ いまして、そうしますとカクテルのような形で総合的にアプローチをしようという動きが 出ております。これは、期待値でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。 ○安達委員  もう一度だけ重ねてお伺いします。配合剤の件でございます。  我々はちょっと頭が古いのかもしれないんですけれど、今のお話のように2つあるいは 3つの薬効を重ねて治療結果を期待するというときには、普通はその個々の患者さん方の 個体の条件を勘案しながらその配合量を、簡単に言えばほとんど個体ごとに変えていくよ うな作業をして、臨床の治療に当たっていくというのが基本的な考え方だったんだろうと 思いますが、配合剤はコンプライアンスも確かにいいかもしれませんけれども、そこでの 2剤あるいは2剤以上の複数剤のそれぞれの薬用量が1つに全部決まってしまっているも のでございまして、こういうものを私が今申し上げたような観点からすると、新しいタイ プのお薬としてつくっていかれるということの、基本的なコンセプトがちょっと、ひょっ としたら医療現場で困ったことが起こることがあるのではないかなということも危惧する のですが、その点はどういうお考えでこの配合剤をつくるということになったということ でしょうか。 ○遠藤部会長  その種の議論は過去も薬価部会で出ておりまして、要するに単剤ずつであるならば自由 度は高いはずなのにそれを配合するということは、せいぜいコンプライアンスが高まると いうことは分かるけれども、それ以上でどういう意義があるのか、それに対する製薬会社 の開発のポリシーとか考え方みたいなものはどうなっているのか、そういう御主張だと思 いますけれど、よろしくお願いします。  では、竹中会長でよろしいですか。お願いします。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  単なるコンプライアンスを得るとは考えておりませんでして、まず配合剤をつくる場合 のこうしたシナジックな効果を出すには、どういう比率の配合が一番適切で、全く新しい 薬効が出るかということを見つける検証をしなければなりません。  それをいたしました上で、その治療法を確立的にしていただく、これが一つの、もちろ んその2つ実際に既に薬がございますので、それを医師の指導、医師の御経験と、それか ら単剤同士のエビデンスでお使いいただくのも結構でございますが、非常に多くの治験を 行い、確定的な安全でかつ有効性で、そして全く新しい適応症を見つけるという、そうし た場合にはそのドーズは固定して、そして復旧させることが一番安心で、かつ治療効果を 高める方法だと私は思っております。  これは非常に企業にとりましても、医学にとりましても大変に難しい問題であることは 存じております。しかしながらこういう努力で全く新しい治療を、きちんとした固定治療 法ができることを、私は一つの将来の方向であると思いますので、ここにその可能性にチ ャレンジすることも含めて書かせていただきました。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  安達委員、よろしいですか。 ○安達委員  抽象的なお話なので、全く新しい適応症を見つけようとするトライアルということであ れば、それは私どもとして1点の理解をすることはあるかもしれないなというふうに思い ます。ただ、末端で今起こっていることはどういうことかといいますと、配合剤の開発競 争みたいになってきまして、おいでになるMRの方々は何をおっしゃるかというと、他社 のに比べてこっちのほうがドーズがこっちが多くて、こっちが少ないからとか、そういう ようなレベルでの御説明でございますので、今おっしゃったような趣旨のことは、末端に は全く、つまり我々医療機関においでになるMRさんに伝わっていないような、今のお話 との乖離を私は非常に強く感じましたけれども、そういうことを少し明確にしていただい た上で、こういうものの開発ポリシーというものを出していただければありがたいと、こ れは御要望でございます。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  かしこまりました。 ○遠藤部会長  ほかにございますか。  白川委員どうぞ。 ○白川委員  日薬連さんの資料の5ページに、後発品の使用促進の項目がございまして、その最初の 行に、先発品と後発品の薬価格差について、一般論としては格差が大きいほど、後発品の 使用が進むというふうに書かれておりますけれども、これは過去4年間近く、こういう形 でやってきたにもかかわらず、残念ながら後発品の使用が計画どおりに進んでいないとい うのが現状だというふうに認識をしておりまして、極端な話、後発品が出たときに先発品 の値段を後発品まで下げてもらえれば、後発品も先発品もないわけですから、患者負担と してはそれが一番望ましいというふうに思うんですけれども、現実はそういうことをやり ますと、ジェネリックの開発力を減じるということにもつながるので、そんなに極端なこ とを言うつもりはないんですけれども、質問としては、これはどういう根拠でそういうこ とをおっしゃったのかというのを会長にお伺いしたいのと、今日、ジェネリックのほうの 澤井会長もいらっしゃいますので、ジェネリック側としてはこれはどう考えていらっしゃ るのかを教えていただきたいということでございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ジェネリックと新薬などの価格差と、ジェネリックの普及との関係はどのように考えて いるかということを、これは新薬のほうとしまして竹中会長でよろしゅうございましょう か。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  ここに私書かせていただきましたのは、現状のプロセスの中での私どもが得た形で、検 証といいますか、実際にやはり先発品と後発品の価格に差がない場合に非常に浸透が遅く なっているなという感覚を1つまず書かせていただいております。  それにもかかわらず今、後ほど澤井さんにお話をいただくわけですが、なかなか20点 ちょっとしか進んでいないという現状を考えますと、ここに書かせていただきました、ち ょっと委員の御質問から飛んでしまうのですが、診療報酬あるいは調剤報酬面からも促進 策を考えなければいけないのではないか、このように日薬連の傘下のジェネリック協の澤 井さんたちと議論した結果、ここに書かせていただいております。  澤井さんのほうからちょっとお願いできますか。 ○遠藤部会長  澤井会長、お願いします。 ○日本ジェネリック製薬協会(澤井会長)  澤井でございます。  基本的には、日薬連の竹中会長の冒頭に述べられたとおりでございます。  ただ、現在ジェネリックを選ぶのは、必ずしも患者さんではない、医療機関が選定する 場合が多いわけでございます。そういうときに、現行の薬価制度のもとにおきましては、 やはり竹中会長がさらっと言われましたが、診療報酬あるいは調剤報酬で手当てし、医療 機関の経済的インセンティブを追加するということをさらっと言われたんですが、大部分 は新薬維持の話でかき消されようとしていましたので、強調するわけでありますが、とに かくやはりそこのところをしっかり診療報酬、調剤報酬等で医療機関に対する経済的イン センティブを追加してほしい。  つまり、経営の厳しい医療機関は、後発品をやればやるほどさらに経済的に不況になる ということでは、後発品のシェアは伸びないと思います。それは一番根本的なことだと私 は考えております。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  後発品、ジェネリックが計画どおりに進んでいないのは、薬価の問題だけではないのは 承知しております。逆に言うと、薬価の問題でないのであれば、今おっしゃるように、い ろんな加算をつける診療報酬上の評価をつけるということで、そちらに重きを置くのであ れば、薬価については違う考え方もあるんではないかと、薬価差という意味ですが、とい うふうに私は考えておりますが、その辺はいかがでございましょう。 ○日本ジェネリック製薬協会(澤井会長)  薬価差というのは、もう長年論議され、アルファは2%ということ…… ○遠藤部会長  その意味の薬価ではなくて、先発品とジェネリックの価格差という意味です。 ○日本ジェネリック製薬協会(澤井会長)  8.何%と薬価調査の結果が出ておりますので、薬剤8千何億に対して、8兆に対して、 6,000億程度の薬価差があるわけですから、ジェネリック医薬品につきましては、平 均、4割ないし5割の単価でございますから、その辺は低いという面があります。しかし、 先ほど申しましたように、診療報酬、調剤報酬のほうで御苦労いただければ、カバーは十 分できると思います。また、患者さんにとっても安いと、薬価差がある、価格差があると いうことは、非常にシェアが拡大の一つの理由にもなっております。 ○遠藤部会長  白川委員、よろしいですか。 ○白川委員  質問は結構です。 ○遠藤部会長  澤井会長がお話をされましたので、引き続きまして、実は前回の会議でしょうか、薬価 維持特例に伴って、ジェネリックの促進が行われるというのであるけれども、ジェネリッ クメーカーの声が十分聞こえていないという意見が、どなたかからの委員からありました。 薬価維持特例によって、ジェネリックの使用促進がされるんだというふうに言いますが、 その辺のところがよく聞こえないということですので、ジェネリックメーカーから見て、 その薬価維持特例とジェネリックの推進ということについて、どういうふうにお考えにな っているか、もしお考えがあればお答えいただきたいと思います。 ○日本ジェネリック製薬協会(澤井会長)  薬価維持特例につきましては、基本的に賛成でございます。  ただし、その前提として、特許が切れた後に速やかに後発医薬品に変わる仕組み、先ほ ども申しましたような診療報酬、あるいは調剤報酬あるいは、薬局の在庫負担に対するも のとか、そういった具体的な経済的インセンティブが入ることによりまして、その薬価維 持特例につきましては、賛成しております。 ○遠藤部会長  ということが、ジェネリックのメーカーの方のお考えがあるということでありますので、 どなたかの質問か忘れましたが、代表して私が聞かせていただきました。  先ほど、北村委員がお手をお挙げになっていました。 ○北村(光)委員  日薬連の竹中会長にお伺いしたいんですけれども、私どもこの場で薬価制度の改革につ いて、何回か論議をさせていただいてまいりましたけれども、その中でやはり私なんかは、 日本市場が無視されたり、あるいは日本の先端技術が海外に流れちゃうということを大変 危惧しております。そして、そういうものの防止策あるいは日本の国のためになる薬価制 度改革ということで議論をさせていただいて、その中で業界のほうから新薬の創出とか、 ドラッグ・ラグも含めた適応外の対応について、積極的な御提案をいただいておりました。  ただここで、いろいろ議論を進めてまいりますと、業界のそういう積極的な提案は大変 評価できるんだけれども、本当にそれができるんだろうかという、その担保に対する不安 が随分ここで論議されました。それで、そういうのがここで促進加算という形で提案され てまいりまして、それについて、業界のほうでも大変厳しい、有識者からの対応にできな かった企業へのペナルティ的な大変厳しい対応も織り込まれております。ですから、これ も大変評価できるんですが、本当におできになるのかどうかという、ここのところをちょ っと御決心のほどをお伺いしたいんです。 ○遠藤部会長  竹中会長お願いします。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  かしこまりました。  私自身は、実は研究所をずっと歩いて来て、ずっと創薬をやってきた人間でございます。  御存じのように1960年度、その国民皆保険以降、日本の製薬企業は国内に研究所を つくり、そして創薬を始めました。この50年間に、非常に短い期間なんですが、世界で 新薬をつくった国というのは、7カ国か8カ国しかございませんが、その中で創薬が非常 に伸びました。この背景は、この国にあった、有機化学、発酵工学、あるいは生理学、薬 理学、生化学、これが企業に取り入れられて、そして研究ができました。その結果、現在 では日本では毎年、創薬創出量というのを調べてみますと、米国それからイギリス、そし て日本という順番になります。事実、今世界の市場に約1,000億円以上売れるような 新しい薬、ブロックバスターと言っておりますが、日本初が13から14品目ございます。 こういうことで、私たちは非常に多くの成功体験を持っております。  それから、この国におきましては、例えば最近におかれましては、一例を出させていた だきますと、京都大学の山中先生のつくられたiPS細胞、こういうものがいち早く、人 間の細胞ですので、薬効をスクリーニングするには最適の細胞、こういうものを御一緒に 共同で今開発をさせていただいておりますので、今後、他の国よりもそういう面で、産官 学が連携していくこと、あるいは企業間が競争することによって、新薬はできるものと、 こういうふうに私は思っております。  私自身もそういう確信といいますか、自信は持っておりますので、絶対にこのこういう 目標をつくり、そうして自分たちを高めていくことをやっていきたいと思っておきます。 ○日本製薬工業協会(庄田会長)  ドラッグ・ラグとかは…… ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  座長、よろしいでしょうか、庄田会長からもちょっと。 ○遠藤部会長  お願いいたします。 ○日本製薬工業協会会長(庄田)  日本製薬工業協会、製薬協会長の庄田でございます。  北村委員の御質問にお答えする前に、一般的な少し意見を述べさせていただいてよろし いでしょうか。  この薬価専門部会に今年の6月3日に業界代表として意見陳述をさせていただきました。 その際に御質問がございましたのは、なぜ業界が今特許期間中の医薬品について、ある一 定条件下で薬価を維持する制度を、なぜ今提案するんだと、こういう御質問がございまし た。  そのときにお話を申し上げましたのは、例えば今、澤井会長からお話があったように、 後発医薬品の使用促進と、薬剤費の効率化・抑制と、これは当然車の一つの輪であろうと、 もう一つ日本において、我々研究開発型の企業が、いわゆる未充足の医療ニーズに満たす 疾患に対する医薬品の研究開発をさらに進めていく、あるいはドラッグ・ラグ、残念なが ら世界中で使われているのにもかかわらず、日本の患者さんの手元にまだ届いていない医 薬品が日本にあると、それはいろんな理由があるわけでございますけれども、その中には 薬価制度も関係をしております。さらに今、喫緊の問題として、未承認薬・未承認効能の 問題があると、こういうものについて解決をするためにも、ぜひとも業界提案の制度をお 願いしたいということを申しました。  その後、今日促進加算というような概念、しかしながらその精神は変わらないものがこ の薬価専門部会で御議論していただいていると、大変、部会の先生方、委員の皆様の大局 的な御議論に敬意を表したいと思っております。  今の御質問については、日薬連の資料の別添がございます。別添の資料の5ページが、 現時点で日本において、未承認薬使用問題検討会議で対応が必要とされた成分でございま す。一番下に3品目調整中とございます。しかしながら、この3品目についても含めて、 製薬協でも会員会社が会費を出し合ってつくりました、未承認薬等開発支援センター、こ ういう仕組みをつくって、その上で我々としてはしっかりと対応していくとこういう考え でございます。対応が本当にできているかどうかは、また都度、中医協でも御検証いただ ければというふうに思います。  以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  小林委員どうぞ。 ○小林(剛)委員  日薬連の竹中会長にお聞きします。資料の4頁の(3)、導入時の財政影響の緩和策につい て、中に最初のポツで、「後発品のある新薬の薬価の2%を追加で引き下げるとされてい るが、そもそも通常の改定での引き下げも平均6%を超えると見られる」とありますが、 この6%というのは、実勢価格に基づくもので、市場取引価格と公定価格の差を埋めるも のであって、必ずしも政策的に引き下げるというものではないのではないか。それから次 のポツで、「8%程度にのぼる引き下げを受けることになって、これは限界に近い」とあ りますが、これは業界の御意見、御希望としては理解できないわけではありませんが、前 回事務局から、後発品のある先発品を2%引き下げるという案は過去最大の下げ幅との説 明がありました。これは逆に裏返せば過去に実績があるということです。  前回も申し上げましたが、財源が無く、保険者の財政あるいは医療の現場が非常に厳し い中で関係者の納得を得ながら新しく今回加算制度をつくるという意味からすると、業界 全体としても、もう一段と身を削って、2%を超える引き下げが必要ではないかと考えま す。これは意見でありますが、業界としてはどうお考えなのか、その辺をお聞きしたいと 思います。 ○遠藤部会長  それでは、竹中会長お願いします。 ○日本製薬団体連合会(竹中会長)  かしこまりました。  ここに書きましたのは、委員御指摘のとおり政策的なものでございませんで、現実を述 べさせていただきまして、また、私どもの日薬連傘下の企業が、もし加算がない場合、何 %でやってくれるのだろうと、そうすると全部足しますと8%超しますと、それが最高に なるとかなり打撃を加えて、なかなかやれないというこういう現状から、こちらの後発品 のある新薬の薬価の引き下げを2%、これを上限にしていただきたいと、こういう希望を 述べさせていただいたものでございます。 ○遠藤部会長  先ほどの順番からいきますと、三浦委員のほうが先なので、三浦委員どうぞ。 ○三浦委員  この促進加算についてでありますけれども、エフピアの資料の何ページか、これをやる ことによって、革新的新薬が欧米に遅れることなく、より早く日本で発売できるようにな るというふうに記載されておりまして、もしそうであればこの国民や患者にとっても大変 に利益のあるということであることは期待できると考えております。  しかし、この今回の加算については、先ほど北村委員の話があったんですが、開発や未 承認薬の取り組みをどう担保していくかというところが、もう一つ見ていく必要があると いうふうにも思っています。有識者会議などの取り組みを検証できる仕組みをさらにきち んとした上で、制度をより納得できるようなものにしていっていただきたいというふうに 考えております。  また、もう一つ先ほど、医薬品卸さんの話が出ていましたけれども、卸さんの機能とい うのも、我々にとっては医薬品の安定供給という面では大変重要なものだというふうに考 えております。流通改善を含めた努力を引き続き求めていきたいなというふうに考えてお ります。  以上です。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  長野専門委員どうぞ。 ○長野専門委員  業界代表の意見陳述の場で、専門委員の立場で御発言いたします。申しわけありません。  先ほど小林委員から、追加引き下げについて御指摘がございました。私、専門委員とし てこの1年半、本件でいろいろ御議論いただいた立場で、これを各企業に当てはめて類推 をいたしたものがございます。しかしながらこれは資料として提出いたしますと、すべて が上場企業でございますので、株価に非常に影響すると、これは私個人としてもとてもで きないことで、口頭で御勘弁をいただきたいと思います。  今回の薬価改定見込みを企業ごとに当てはめるとどうなるかということでございます。  特に新薬開発型製薬企業の大手から中堅、三、四十社で見てみますと、それらの売上高 のうち、後発品がある先発品の占める比率は、高いところが95%程度から、低いところ が5%程度まで、非常に大きな格差がございます。  とりわけ、これらの企業のうち、海外進出がまだ途上にある、いわゆる準大手さんから 中堅どころの企業群では、この比率がおおよそ約70%平均値ございます。後発品のある 先発品の売上げに占める比率でございます。  で、これらの引き下げが仮に2%でありましても、当然通常改定も込めて今回の改定の 影響度を粗々類推いたしますと、大体10%から15%の引き下げ率になります。一方で これらの企業の営業利益率は、5、6%から10%程度の営業利益率の企業群でございま す。すなわち、営業利益がすべてこの改定で吹き飛ぶ様相が見て取れます。  しかしながら、他方これらの企業群は今回の適応外効能の要請対象をほとんどの企業が 複数持っております。これも先ほど会長が宣言されてましたように、各社きちんと期限を もって取り組むという覚悟でございます。  この、双方よく御賢察賜り、御判断いただければ幸いでございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ただいまの……安達委員どうぞ。 ○安達委員  別件ですが。 ○遠藤部会長  結構です。 ○安達委員  先ほどの澤井会長のお話についてでございますが、後発医薬品の使用を促進するために、 医療機関のインセンティブを上げる必要があるのかとおっしゃっていただいた、それは後 発品を処方したら点数を上げる、今でもありますけれども、それをもっと上げるのかとい うふうなお話だったのかというふうに私には聞こえたんですけれど、上げると言っていた だいているものを要らないというのも変ですが、少しその辺は筋の悪い話かなというふう に私たちは思う。  つまり後発品を促進していくことの一番基本的な問題は以前から議論させていただいて おりますが、政府・国家としてこの安全宣言みたいなものをきちんと国民にも、それから 中間ユーザーである我々にもしていただくということであって、それができていくと、最 終的に我々が診療をさせていただいている患者さん方の経済的な負担に関することであり ますので、それができていれば後発品を使うことの促進というのはできると思うんです。  その中で、1つだけ澤井会長にお願い申し上げたいのは、そのときに先ほど在庫等々の お話がございました、これは調剤薬局も我々医療機関で出す場合もそうでありましょうが、 今現在非常に一つの品目に対してものすごい数の後発品がある。これのために在庫の調整 が大変しんどいことになるということがあるわけで、あわせて非常に価格差も後発品間で もそういうものが大きいということがある。この辺の調整としては業界としては、現在す ぐじゃなくていいんですけれど、将来的にはしていただけないものなのでしょうか。 ○遠藤部会長  澤井会長お願いいたします。 ○日本ジェネリック製薬協会(澤井会長)  今から20年あるいは、30年、40年前、ノイキノンとかそういうものが商品になっ た当時は、1つの製品に60社とかあったんです。最大、非常に多かったんですが、現在 は最大では二、三十社ということで、かなり淘汰されてきております。  現在厚労省のほうも、承認基準を厳しくし、ハードルを上げ、かつ全規格をそろえると いうようなことで、ますます全製品を承認とる会社は少なくなっており、共同開発によっ て、1社がつくって、あと、他の二、三社に出荷しているという場合も多くて、現在はか なり淘汰されつつあると思うんです。  今後も我々はジェネリック薬品の信頼性の確保、品質・情報・安定供給を確かめて、厚 労省指導のアクションプログラムを着実に実行することにより、期待に応えていきたいと。  また、ハードルが毎年目標を決めておりますので、既に2007年の目標も達成し、2 008年の目標も達成しております。2009年の目標を今やっておりますが、ハードル がどんどん上がっていきますので、先生のおっしゃるようにそれについていけない会社は、 退場を余儀なくされるということもやむなしということで、我々も望んでおります。どう ぞよろしくお願いします。 ○遠藤部会長  安達委員よろしいですか。  ほかにございますか。  それでは、松谷専門委員どうぞ。 ○松谷専門委員  今、ジェネリックの種類の話がありましたけれども、ジェネリックは先発メーカーさん が出していらっしゃる規格を全部そろえるということになっておりますので、我々卸業で も配送センターの中がジェネリックでいっぱいになっちゃって、薬局さんからの需要に、 自分の扱っているものはできますけれども、なかなかできないと。その意味ではもう少し そのジェネリックについては汎用規格だけでいいとか、少し緩めてもらわないと、全規格 ということになると、メーカーさんも大変ですし、卸の流通管理上も非常に大変なので、 そのことを考慮していただけたらと思っています。 ○遠藤部会長  御意見ということになりますけれども、何かありますか、よろしゅうございますか。  ほかに何か御意見、よろしゅうございますか。  それでは、時間の関係でこのぐらいにさせていただきたいと思います。  本日は、日本製薬団体連合会、ファルマ、エフピア、卸連の皆様、随分お待たせいたし まして申しわけありませんでした、貴重な御発言をいただきましてどうもありがとうござ います。  次回、12月11日を予定しておりますけれども、そこではこれまでの御議論を踏まえ まして、平成22年度の薬価制度の骨子案について、再び御議論をいただくということに したいと思います。  それでは本日の薬価専門部会はこのあたりで終了いたしますが、事務局から何かありま すか。 ○事務局(佐藤医療課長)  特にございません。 ○遠藤部会長  それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会させていただきます。  どうもありがとうございました。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第二係 代表 03−5253−1111(内線3276)