09/12/04 第155回中央社会保険医療協議会総会議事録 09/12/04 中央社会保険医療協議会          第155回総会議事録 (1)日時  平成21年12月4日(金)12:07〜13:08 (2)場所  九段会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員       北村光一委員(代理 藤原)高橋健二委員(代理 清水) 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員       <参考人>       加藤治文薬価算定組織委員長       <事務局>       佐藤医療課長 迫井医療課企画官 渡辺保険医療企画調査室長        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 医薬品の薬価収載について       ○ 在宅自己注射について       ○ 平成22年度診療報酬改定について       ○ その他 (5)議事内容 ○遠藤会長  それでは、全員の委員が御着席ですので、これより第155回中央社会保険医療協議会 総会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告をいたします。  本日は藤原専門委員が御欠席です。また、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さ んがお見えになっておられます。また、北村光一委員の代理で日本経団連の藤原清明さん がお見えになっておられます。  なお、保険局長及び審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に移ります。  まず、医薬品の薬価収載について議題といたします。薬価算定組織の加藤委員長より御 説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 ○加藤薬価算定組織委員長  薬価算定組織の委員長を務めております加藤でございます。今回検討いたしました新医 薬品の算定結果について御報告申し上げたいと思います。  資料の中医協総−1をごらんください。今回報告をいたします品目は、資料の1ページ の一覧表にありますとおり12成分、23品目であります。  それでは、算定内容について説明します。  まず、アドシルカ錠でございますが、資料の2ページをごらんください。  本剤は肺動脈性肺高血圧症を効能・効果とする内用薬です。  資料の3ページをごらんください。  本剤は効能・効果、薬理作用などが類似するシルデナフィルクエン酸塩を最類似薬とし た類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判断しました。また、補正加算につきまし ては、いずれの要件にも該当しないと判断しました。  したがいまして、資料の2ページに戻っていただいて、本剤の算定薬価は最類似薬であ るレバチオ錠20mgとの1日薬価合わせを行い、20mg1錠、1,769.70円となり ました。  次に、アサコール錠でありますが、資料の4ページをごらんください。  本剤は潰瘍性大腸炎を効能・効果とする内用薬でありまして、既存の製剤に比べて大腸 に効率的に薬物が届くように製剤設計されたものであります。  資料の5ページをごらんください。  本剤は同一成分の既収載品でありますペンタサ錠250を最類似薬とした類似薬効比較 方式(I)による算定が妥当と判断しました。補正加算につきましては、いずれの要件に も該当しないと判断しました。  したがいまして、資料4ページに戻っていただきますと、本剤の算定薬価は最類似薬で あるペンタサ錠250mgとの1日薬価合わせを行い、400mg1錠、89.10円となり ました。  次に、イメンドカプセルについて説明します。  資料6ページをごらんください。  本剤は抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状を効能・効果とする内用薬であります。  資料7ページをごらんください。  本剤は効能・効果が類似するインジセトロン塩酸塩を最類似薬とした類似薬効比較方式 (I)による算定が妥当と判断しました。また、本剤は新規の作用機序を有しており、遅 発期の悪心、嘔吐に対する有効性が認められることから、有用性加算(II)、加算率A= 25%を適用することが妥当と判断しました。  この当初の算定案に対して不服意見が提出されましたが、この不服意見について第2回 目の算定組織において検討いたしました。その結果、臨床試験における標準治療の違いか ら、外国の試験結果をもって国内でも同様の効果が得られるとは明確に言えないと判断し たため、当初の算定案どおりとすることにいたしました。  したがいまして、資料6ページに戻ってください。本剤の算定薬価は最類似薬であるシ ンセロン錠8mgと通常投与日数当たりの薬価を合わせた上で、有用性加算にA=25%を 適用し、80mg1カプセル、3,380.90円となりました。  それでは次に、ジャヌビア錠、グラクティブ錠について説明いたします。  資料の8ページをごらんください。  本剤は2型糖尿病を効能・効果とする内用薬であります。  資料9ページをごらんください。  本剤は効能・効果などが類似するピオグリタゾン塩酸塩を最類似薬とした類似薬効比較 方式(I)による算定が妥当と判断しました。また、補正加算については、いずれの要件 にも該当しないと判断しました。  この当初の算定案に対してメーカー側から不服意見が提出されましたが、この不服意見 について第2回目の算定組織において検討いたしました。その結果、体重増加の抑制につ いては英国NICEの治療ガイドラインにおいても評価を受けていることなどから、本剤 は有用性加算(II)を適用することが妥当と判断いたしました。ただし、加算率について は国内で比較薬との直接的な比較試験を実施しているわけではないことを考慮して、A= 10%を適用することが適当と判断しました。  したがいまして、資料の8ページに戻り、本剤の算定薬価は最類似薬であるアクトス錠 15との1日薬価合わせに有用性加算(II)A=10%を適用し、50mg1錠、185. 70円などとなりました。  なお、本剤の用法・用量から見た通常用量は1回50mgでありますが、臨床試験や医師 に対する調査結果に基づき、1回100mgまで増量される患者割合の推計を加味した実質 的な通常最大用量は58.4mgと考えられたため、この点を踏まえて比較薬との1日薬価 合わせをいたしました。  次に、オゼックス細粒小児用について説明します。  資料の10ページをごらんください。  本剤は肺炎、中耳炎などを効能・効果とする内用薬であります。  資料の11ページをごらんください。  本剤は効能・効果などが類似するテビペネムピボキシルを最類似薬とした類似薬効比較 方式(I)による算定が妥当と判断しました。また、補正加算については、いずれの要件 にも該当しないと判断しました。  したがいまして、10ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は最類似薬であるオラ ペネム小児用細粒との1日薬価合わせを行い、150mg1g、580.90円となりました。  次に、ラスリテック点滴静注用について説明します。  資料の12ページをごらんください。  本剤はがん化学療法に伴う高尿酸血症を効能・効果とする注射薬であります。  資料の13ページをごらんください。  本剤につきましては、既収載品の中に同様の効能・効果を持つ類似薬がないことから、 原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率につきましては、既存 の治療法では管理が不十分な患者に対しての有効性が期待できる一方で、急性腎不全の発 症抑制効果の点で既存治療法との差異が明確でないことを考慮し、平均的な営業利益率プ ラス10%の営業利益率を用いることが適当と判断しました。  したがいまして、資料の12ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は1.5mg1瓶、 12,689円などとなりました。  次に、ミリプラ動注用について説明します。  資料の14ページをごらんください。  本剤は肝細胞がんにおけるリピオドリゼーションを効能・効果とする注射薬であります。  資料の15ページをごらんください。  本剤は効能・効果、薬理作用などが類似するシスプラチンを最類似薬とした類似薬効比 較方式(I)による算定が妥当と判断しました。また、補正加算につきましては、いずれ の要件も該当しないと判断しました。  したがいまして、資料の14ページに戻り、本剤の算定薬価は最類似薬である動注用ア イエーコールとの1日薬価合わせを行い、70mg1瓶、47,827円となりました。  次に、ミリプラ用懸濁用液について説明します。  資料の16ページをごらんください。  本剤はただいま説明したミリプラ動注用70mgの懸濁用液であります。  資料の17ページをごらんください。  本剤は同一成分である、かつ本剤と同様に肝動注用抗がん剤の懸濁用に用いられるスマ ンクス肝動注用懸濁用液を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判 断しました。また、補正加算については、いずれの要件も該当しないと判断いたしました。  したがいまして、16ページに戻ってください。本剤の算定薬価は最類似薬との1日薬 価合わせを行い、4mL1管、361円となりました。  次に、ベネフィクス静注用について説明いたしますが、資料の18ページをごらんくだ さい。  本剤は遺伝子組換えの血液凝固第IX因子の製剤であります。  資料の19ページをごらんください。  血液由来の第IX因子製剤は薬価収載から18年が経過しており、最類似薬として選定す ることは適当でないことから、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。  したがいまして、資料の18ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は500国際単 位1瓶、54,654円などとなりました。  次に、エリザスカプセル外用について説明いたします。  資料の20ページをごらんください。  本剤はアレルギー性鼻炎を効能・効果とする外用薬であります。  資料の21ページをごらんいただけますでしょうか。  本剤は補正加算の要件に該当せず、かつ薬理作用、類似薬が3つ以上あることから、フ ルチカゾンフランカルボン酸エステルを最類似薬とした上で類似薬効比較方式(II)によ る算定が妥当と判断しました。  資料の20ページに戻っていただき、薬価算定ルールに定める3つの場合について1日 薬価を計算した結果、最も1日薬価が低いのが過去6年間に薬価収載された薬理作用類似 薬の最低1日薬価、具体的にはアラミスト点鼻液の1日薬価であったことから、これを選 択して算定することにしました。したがいまして、本剤の薬価は400μg1カプセルが1 39.10円となりました。  次に、シムビコートタービュヘイラーについて説明します。  資料の22ページをごらんください。  本剤は気管支ぜんそくを効能・効果とする外用薬です。  資料の23ページをごらんください。  本剤は効能・効果などが類似している、資料に記載の配合剤を最類似薬とした類似薬効 比較方式(I)による算定が妥当と判断しました。また、補正加算につきましては、いず れの要件も該当しないと判断しました。  したがいまして、資料の22ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は最類似薬であ るアドエア100ディスカスとの1日薬価合わせを行った上でキット特徴部分の原材料費 を加えて、60吸入1キット、6,013.60円などとなりました。  最後に、バンコマイシン眼軟膏について説明します。  資料の24ページをごらんください。  本剤は、MRSA等による結膜炎などに用いられる外用薬であります。  資料の25ページをごらんください。  本剤については既収載品の中に同様の効能・効果を持つ類似薬がないことから、原価計 算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率につきましては、従来院内製 剤で調剤されていた眼軟膏を製剤化したものであり革新性が高いとは言えないことなどか ら、平均的な営業利益率マイナス5%の営業利益率を用いることが妥当と判断しました。  したがいまして、資料の24ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は1%1g、5, 036.90円となりました。  なお、本剤は投与形態の異なる同一成分の既収載品がある新薬に該当するため、既収載 の内容薬及び治療薬との間で1日薬価比と含量単位薬価比がどのようになるのか資料に記 載してございます。  以上で報告を終わります。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  事務局、何か補足はございますでしょうか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  前回までの資料の書き方に若干今回記載を追加したところがございますので、それの御 説明をしたいと思います。  例えば2ページをごらんいただきたいと思います。タダラフィルという薬がございます が、会長の御指示がございまして、ごらんいただきますと、2ページの外国価格の一番下 のところをごらんいただきたいんですが、最初に承認された国(年月)と書いて、米国で この場合は2009年5月と書いてございます。薬価部会のほうでドラッグラグの問題が いろいろ議論がございますので、今回出た品目にすべてこの外国価格の欄の一番最後のと ころに世界で最初に承認された国とその時期を記載をさせていただいておりまして、これ らの薬がどのくらいドラッグラグが起きているのかということの情報を加えさせていただ いております。  あと、先ほど算定組織委員長からもお話しございましたけれども、資料の24ページを ごらんいただきたいと思いますが、バンコマイシン塩酸塩につきましては注射剤や内服剤 がございます。それの関係で、同一成分の既収載品で投与経路が違うものがございますの で、それにつきまして、これまで薬価部会で議論がございましたトレリーフの問題なんか も踏まえまして、こういった同一成分既収載品の薬価との比較表を24ページの下のほう に加えさせていただいております。  そういった点、資料の記載の追加をさせていただいておりますので、説明させていただ きました。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいま薬剤管理官から説明がありましたように、外国価格の欄の一番下に、外国で最 初に上市したときの月日を書いていただきました。これを見ることによって、どのぐらい ラグがあるのかということが一目になりますので、御参考にしてください。  それでは、ただいま12成分について御報告があったわけですけれども、御質問、御意 見ございますでしょうか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  すみません、手短に申します。1つだけ教えてください。  原価計算算定をやったところでそれぞれの項目が挙がっているんですが、流通経費に関 しては算定方針が全部7.6%で同じ、営業利益のパーセンテージが品目によって違うん ですけれども、これは何の理由によるんですか。 ○遠藤会長  それでは、薬剤管理官、お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  それでは、少し例を見ながら簡単に御説明をしたいと思います。  例えば12ページ、13ページのラスブリカーゼのケースを見ていただきますと、特に 営業利益率、13ページをごらんいただきます。  実は原価計算の場合に、ある一定の利益がなければ供給はできないという理解でござい ますけれども、製薬企業全体の平均の営業利益率につきまして、13ページに書いてござ いますが、日本政策投資銀行から出ておりますハンドブックがございます。これで現在1 9.2%ということでございます。  原価計算の場合には、企業のほうから、うちの会社は非常に高い利益率が平均なんだと いっても、それを認めるのはなかなか難しいので、平均的な利益率で原価計算の場合は算 定するとなってございますが、前回の改正のルールのときに、原価計算方式の場合の革新 性の評価をどうするかということを議論しておりまして、つまり非常にリスクは高くて、 他剤に比べても非常に革新性が強く高いものも、低いものもあると、そういったものの部 分の補正について、この営業利益率にプラスマイナス50%の範囲内で補正をするという ルールをつくってございまして、例えばラスブリカーゼのケースですと、営業利益率19. 2%に10%足すということで21.1になってございます。それがないものについては、 平均的な19.2を使うとなってございまして、それで若干の差がついているところでご ざいます。流通経費につきましては、実際にこれは経済課のほうの産業実態調査の結果か ら、その平均値を使わせていただいているところでございます。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  安達委員、よろしいですか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  18ページのベネフィクスなんですが、血友病の患者団体の人たちからすると、使う製 剤の選択肢がふえるということで、待望されていた感じがありますので、今日は承認をす ることはもちろん思っておるのですけれども、やや患者団体の何人かの人たちが想像して いた額よりもちょっと高いのかなという気がするので、1つ質問なんですが、現に今使わ れている血液製剤が18年経過したから類似薬がないとして原価計算になったんだという 御説明だったんですけれども、このあたりのルールがそもそもどうなっているのかとか、 今現に患者さんたち皆さん使っておられるわけですが、その額が今幾らになっているのか、 もしそれが類似薬であるとしたのならどんな値段になったんだろうかとか、承認はぜひす ることでいいと思う程度の額ではあるんですが、やや想像より高くなっているのではない かということでルールなどについて、ちょっとお願いします。 ○遠藤会長  わかりました。これは事務局にお尋ねしたほうがよろしいですね。類似薬、ここではな いわけですけれども、実際に使われている類似薬の薬価、その辺について。  それとついでですけれども、恐らく勝村委員は患者さんの自己負担の問題について触れ られていると思いますので、血友病患者さんの自己負担はどうなっているのかということ についても関連してお答えいただければと思います。  薬剤管理官、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  現在、使われております人の血液由来の第IX因子製剤がございます。これが2製品ござ いまして、汎用の1,000単位、今回の遺伝子組換えのやつが汎用の1,000単位が 10万円ちょっとでございますが、現在の生血のものが1,000単位で6万1,659 円になってございます。それと比較しますと、この10万7,000円は約1.74倍と いう比較になってございまして、若干単位数で違いますが、500単位で見ますと、血液 由来のものが3万4,965円で、比べますとこの本剤とは1.56倍の差があると、1. 5倍から1.7倍ぐらい高くなってございます。そういった点が今の勝村委員からのお話 かと思います。  実は、多分そういった御意見がありますのが、類似のものとして血液凝固第VIII因子製 剤というのがございまして、これはかなり以前に生血から遺伝子組換えでもう出ておるん ですが、これが実はほぼ同じ価格に設定されておりまして、血友病の患者さんから見ます と第VIII因子の場合ほぼ同じ価格なのに第IX因子の場合に遺伝子組換えが非常に高いと、 それで勝村委員の御指摘になっているのではないかと思っておるんですが、私ども、患者 さんからそういう御指摘がいろいろあろうかと思っておりまして、どうやったら査定がで きるかということを、これについてはかなり企業ともいろんなデータをとりまして、やら せていただいたところでございます。  実際の申請も、途中のいろんな議論の中で変わってきておりますが、最終的にはこの1, 000単位でも大体これよりも2万円ぐらい高い金額でなければできないということがあ ったんですけれども、外国価もいろいろ参考にいたしまして、外国で売れているのであれ ば日本でなぜできないのかということをずっとやり続けまして、結果的に外国の平均価、 これはアメリカはほとんど高くありません、ドイツのほうが高いんですけれども、ごらん いただきますとこのような価格で、平均以下には一応なったという形で、これ以上安くす ると安定供給に支障が生じると、こういったことのメーカーの主張もございまして、やら せていただきました。  それで、第VIII因子のときには、類似薬のとり方について薬価収載後10年以内という ルールはございませんでしたので、それ以後、日本は薬価改定で薬価が大分下がるという ことから、こういうルールを前回入れたところでございますけれども、そのルールの変更 の影響もあると思っておりますが、実質的にこのぐらいはどうしてもかかるということで、 このような薬価算定になったという次第でございます。 ○遠藤会長  血友病患者さんの自己負担については、何か保険上の手当は。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  申しわけございません。  血友病患者さんの場合については、特別の高額療養費制度がございまして、月1万円が 上限になってございますので、そういった点からいきますと、患者負担にはほとんど影響 を与えないのではないかというふうに思われるところでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、よろしいでしょうか。 ○勝村委員  第VIII因子との違いの仕組みがよく分かったので、そういう説明をいただけたら、患者 さんにとってもわかりやすかったのではないかと思います。ありがとうございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかによろしゅうございますか。  それでは渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  1点教えていただきたいんですけれども、10ページ、11ページで、オゼックスです が、今回、同一成分既収載の部分が何点か出ましたけれども、これもそうかと思いますの で、これの現在一般的に使用されていた場合の薬価はどのようになっていたか、ちょっと お教えいただければと思います。  それからあと、もう一点、同じ成分で他社の成分がありまして、たまたま私もそれを使 っておりました関係上、ちょうど昨日、その会社からの連絡で、同じようにその会社も、 オゼックスについてのそういうのが、ここに記載あるように、10月に認可を得たので、 その会社でも新しく申請をして、同じように小児用に可能になったという連絡が、たまた ま案内があったものですから、そういう同一成分で他社のものもこういう認可が出たのを 追って追加認可を得てそれが認められるという、そのシステムをちょっとお教えいただき たいなと思いますので、お願いいたします。 ○遠藤会長  事務局、今よろしいでしょうか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  すみません、今のオゼックスでございますが、これは今回、小児用の製剤が出ておりま して、現在、成人用の製剤がございます。成人用の製剤については150mg1錠で113 円40銭になってございます。そういう意味では、小児用の製剤についてはそれの5倍以 上の金額になっていることが事実でございます。  小児用の製剤につきましては、小児用の治験が非常に大変なこともございまして、そう いった経費をどう見るかということでございますけれども、ほかの小児用製剤の金額も見 まして、最終的にはこのオラペネムが一番見方としては適切だろうということで判断をし たところでございます。  実は、確かに同一有効成分が入っております製剤で価格がどうかと、先ほどバンコマイ シンのケースをお話しいたしましたが、小児用の場合どういうふうに見るかというのがい ろいろ我々も悩ましくて、本来その考えからいけば、小児用の場合もどう見るかはあるん ですけれども、これまでちょっと議論になっていなかったこともございまして、このオゼ ックスについては、そのような数字をこの資料にお入れしておりませんでした。また必要 であればそういった情報も入れるようにはしたいと思いますけれども、成人と小児の場合 は、またちょっと特殊な事情がございますので、またそれをどう見るかということがあろ うかと思っております。  あとすみません、最後の質問をもう一度教えていただければ。 ○渡辺委員  同一成分で他社で出しているほかの製剤がございますね。それがたまたまこの新しい小 児用の認可を得たということで、追加指定をその会社でも申請を出したという連絡が入っ て、たまたま昨日あったものですから、そういう流れについて、どういうシステムでそう いうことが、すぐそういう形でできるのかどうか、その点をちょっと御質問させていただ きました。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  他社品についての小児用製剤ということだと思いますが、小児用製剤をつくる場合には、 小児での用法・用量がどのくらいが設定になるのか、どのくらいで効果が出るのか、この 用法・用量の設定が一番大変でございまして、副作用の程度もよく見なきゃいけませんの で、そうやって治験をかなり積み重ねてやりますので、その上で新薬としての申請になろ うかと思います。つまり、他社に同一有効成分のものがあったとしても、小児用製剤を他 社で出す場合には、基本的には新薬としてもう一度算定をし直すという形になろうかと思 っております。 ○渡辺委員  わかりました。ありがとうございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  今回の薬価収載については何ら異存ありませんけれども、その上で1点、3番目の、6 ページですか、イメンドカプセルについてなんですけれども、これは80mgと125mgの 2種類のカプセルがそれぞれ収載になっておりまして、それに加えましてもう一つ、セッ トとして80mgの2カプセル、それから125mg1カプセルがセットになったという製剤 が同時に収載されております。  この3日分がセットになった製剤というのは、服薬管理という観点では利便性は高いと は思いますけれども、その一方で、医療機関とか薬局の在庫負担がちょっと過大にならな いかなという懸念もありますので、こうした点についても何らかの御配慮ができればとい うふうに思っております。 ○遠藤会長  御意見として承りました。事務局から何かありますか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  このイメンドにつきましては、資料の6ページでございますけれども、確かにこの用法 ・用量はちょっと特殊でございまして、1日目が125mgで2日目以降、基本的には3日 目までなんですが、80mgを1日1回で3日目まで飲むという、これが基本の飲み方でご ざいまして、3日飲むんですけれども用量が途中で変わるというものでございます。  そういったところで、こういったセットの需要が現場からあるということで、メーカー はこれを供給するということになりましたけれども、通常はこのシスプラチン等の抗がん 剤、嘔吐が非常に多く強く出るような抗がん剤の点滴注射の場合に、点滴注射をする前に このイメンドを1日服用して、2日目、3日目と飲むという形でございますので、院内で の処方が通常であろうかと思っております。  院内での処方の場合については、実際どういうふうにこのレジメンを考えるかというこ とでございまして、医療機関側のほうで、80mgのほうのばらで買ったほうがいいのか、 こういった1セットでそろえたほうがいいのか、それは選択肢がふえたというふうに思っ ていただくのが結構かと思っておりまして、その中で適切に、その病院の使い方に応じて 選んでいただければいいと思っております。ただ、外来で全く出ないかというのも、それ は確証はございませんので、そういったことについては私どもも気にしながら、メーカー のほうの指導も考えていきたいというふうに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、12成分について専門組織から案が出ておりますけれども、これにつきまし て中医協としてお認めするという方向でよろしゅうございますでしょうか。ありがとうご ざいます。  それでは、中医協としてお認めいただいたということにいたします。  加藤委員長につきましては、長い間ありがとうございました。大変お待たせして申しわ けありませんでした。  1つ事務局、医療課長ちょっとよろしいでしょうか。次が、在宅自己注射の予定になっ ておりますが、これを次回の総会に移行させることは可能ですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  これは適用の話になりますのでやらせていただければと思うのですが。 ○遠藤会長  そうですか、わかりました。  それでは、「在宅自己注射について」、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  ごくごく簡単に申し上げます。先ほどベネフィクスの薬価が了承されましたが、これに 伴います事務的な手続でございます。  御存じのように、このベネフィクスは在宅自己注射として使用することが想定されてい るわけですけれども、総−2の資料にありますように、在宅自己注射については必要な薬 剤ごとに限定的に認めております。これは病状の急変とか副作用への対応の遅れという問 題点があるからでございます。  具体的には何かといいますと、1ページ目の真ん中あたりから下に参考というのがあり まして、インスリン製剤から始まって、次のページにかけてアダリムマブ製剤まで、19 ほどあります。この中の1ページ目の上から7つ目に乾燥人血液凝固第IX因子製剤があろ うかと思います。そして、その上を見ていただきますと、今度は同じ乾燥人血液凝固製剤 で第VIII因子がありますし、またその上に遺伝子組換え型の血液凝固第VIII因子製剤があ ります。このように限定的に認める中で、血液凝固製剤については乾燥人由来のものなの か、それとも遺伝子組換え型なのかを明確に明示をしてここにリストアップしております ので、今回、ベネフィクスが遺伝子組換え型ということで認められました。さっきのとこ ろで言いますと、乾燥人血液凝固第IX因子製剤というところに加えまして、遺伝子組換え 型ということで追加をしたいということでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  確かに先ほどの薬の承認とペアで議論しなければいけない話ということでありますが、 あの薬を在宅で使用する場合には改定が必要だということでありますので、よろしゅうご ざいますでしょうか。  それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。ありがとうございます。  続きまして、「平成22年度の診療報酬改定について」を議題といたします。  本件につきましては一号側、二号側から御意見をいただきまして、公益委員を中心に事 務局の協力を得ながら厚労大臣に対して進言する意見の素案を本日作成してお持ちいたし ました。これにつきまして事務局よりまず御説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  それでは、お手元の中医協総−3をごらんいただければと思います。  今回の審議報告でございますが、大きく4つのパーツに分かれております。まず1ペー ジ目の最初の3つのパーツですが、これにつきましては、これまで事務局から御紹介して まいりました医療経済実態調査、それから賃金・物価の動向、それから薬価・材料価格調 査の結果について、事実関係をまとめさせていただいております。  次の2ページからでございますが、2ページが主でございますが、ここが中医協として の意見に係るところでございまして、意見の一致を見たところ、そして意見の相違が見ら れたところという形で整理をしております。かなめの部分でございますので、ざっと読み 上げさせていただきます。  「4.平成22年度診療報酬改定について。  我が国の医療は極めて厳しい状況に置かれているが、国民・患者が望む安心・安全で良 質な医療を受けられる環境を整えていくことは重要な課題であること、とりわけ、勤務医 等の負担の軽減や、産科・小児科・救急等を積極的に評価していくことは重要であり、平 成20年度診療報酬改定においても重点的な評価を行ったところであるが、次期診療報酬 改定においてもこれらの分野を支える地域の医療提供体制の確保を含め、更なる取組を進 めていくことが必要であること、という基本認識については、意見の一致を見た。  しかし、このような基本認識の下で、どのように平成22年度診療報酬改定に臨むべき であるかについては、次のような意見の相違が見られた。  まず、支払側は、賃金の低下や失業率の上昇など、国民生活が大変厳しい状況にあり、 また、保険財政もいまだかつてない厳しい状況にあること等を踏まえれば、保険料引き上 げに直結するような診療報酬の引き上げを行う環境にはなく、限られた財源を効率的かつ 効果的に配分するよう見直していくべきであるとの意見であった。  一方、診療側は、病院はもちろん、地域医療を支える診療所、歯科診療所、薬局の経営 が厳しい状況にある中で、国民の生命及び健康を守るためには、過去のマイナス改定を回 復し、病院の入院基本料を初めとする診療報酬の大幅な引き上げによる医療費全体の底上 げを行うべきであるとの意見であった。  本協議会としては、厚生労働省が、平成22年度予算編成に当たって、平成22年度診 療報酬改定に係る改定率の設定について、本意見の趣旨を十分に踏まえて対応することを 求めるものである。  また、我が国の医療が抱える様々な課題を解決するためには、診療報酬のみならず、幅 広い医療施策が講じられることが必要であり、この点についても十分な配慮が行われるよ う望むものである。」  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  改定率につきましては、前回総会で御議論いただいたとおり、一号側、二号側の意見の 相違がかなり明確に見られたということでありますので、共通する部分と、それぞれ意見 が分かれたところの両論併記という形にさせていただいております。それはむしろこれを 何らかの形でまぜ合わせるというようなことは事実上不可能であるということと同時に、 一号側、二号側の思いがかえって伝わらなくなるということも考えまして、公益としては 共通部分とさらに両論併記部分という形にさせていただきました。これは原案でございま すので、御意見をちょうだいしたいと思います。  それでは、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  昨日の医療部会、すなわち医療部会といいますのは本中医協の基本方針を決める場所で ございますが、そこで基本方針を決める議論をしたときにやはりいろんな意見がありまし て、最初はこのように、特に支払い側サイドのほうは上げる状態でないという意見と、ま た私たちは大幅に上げるべきだというのがありました。  議論した末、一致したのは、今回は医療部会では医療費底上げに力点を置いた記述にす るということで、出ていた委員の一致を見たところでございます。そういうことでは、こ の中医協のほうでも一号側の意見を、同じ団体から出ている代表の方々がそういうふうな 認識でございましたので、少し変えていただければ一致することも可能じゃないかなと思 っておりますが。 ○遠藤会長  どういうふうな変更を要望されますか。 ○西澤委員  同じように、今回は医療費底上げということで認識が一致したということでもよろしい んじゃないかなと思います。昨日の医療部会ではそのような位置付けになるという…… ○遠藤会長  医療費底上げというのは改定率を引き上げるということでありますよね。ただ、それに ついては、明確に一号側は反発していると我々は理解したんですが。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  今、会長がおっしゃったとおりで、私どもは底上げに合意をしたという気は毛頭ござい ませ。医療部会でそういう議論が行われたということは私も漏れ聞きましたけれども、医 療部会で意見が一致したというふうに西澤委員はおっしゃいましたが、私はそういう認識 はしておりません。支払側からはそれについてはいかがなものかという意見が出たように 聞いておりまして、部会長預かりになっていると聞いております。一方、医療保険部会で も同じような提案がなされて、診療側と支払側の意見を併記するという書き方について、 医療保険部会では特に御意見、御異論はなかったというふうに聞いております。  ということで、私どもとしてはこういう意見の一致した部分と意見が一致しない部分を 書き分けるという、公益委員の先生方、御苦労いただいたこの形でよろしいかなというふ うに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  白川委員の認識ももっともだと思うんです。医療保険部会のほうが先に開かれておるん ですね。そこではそのような両論併記なんですね。昨日開かれました医療部会は、やはり 底上げが必要であるが、昨今の失業率の増加とか保険財政の悪化とかいうので、前と後ろ が逆になっているんですね。私はまくら言葉じゃないかと、底上げが。逆にしてほしいと いうふうなことを言って、大体7対3ぐらい、構成がそうなんですね、医療保険部会は支 払い側の方が多くて、それから医療部会はどちらかというと現場の人が多いと、診療して いるほうが多いということで、一番初めに私、医療部会のほうへ行かせていただいたとき、 どなたかが医療保険部会と医療部会が違う結論を出した場合はどうするのかと聞きまして、 今まではできるだけ、過去2回は一致しているけれども別々になってもいいと、そのとき の責任の方がおっしゃいましたけれども、今回もそういうふうになるのかなと。それであ れば、医療保険部会がどちらかというと支払い側に重きの記載をするのであれば、医療部 会のほうは今回はできれば診療側のほうに重点を置かないと、ほかの財政等審議会とかい ろんなところで、どちらかというと支払い側のほうの意見のほうが強いのが出ているので、 今の医療崩壊の現況を救うには、ここはそのようにしていただいたらどうかというふうな 意見を申し上げました。  大体そういう意見が続出して、部会長預かりもそのような方向でというふうに私どもは 理解しているんですけどね。 ○遠藤会長  ですから、ここはそういう意味では人数バランスはちょうど均等になっておりますので、 社保審に別に引きずられる必要は全くないのでありまして。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  新米でございますので、こういうものを初めて出すということになって、まず基本的理 解としては、これは事務局が読まれましたけれども、前回の審議で一号側と二号側の意見 が合わないということで、公益委員のほうで裁定をしていただいた結果がこれであると、 そういう理解でよろしいんですか。それはよろしいんですか。  そうすると、公益裁定というものの…… ○遠藤会長  裁定ではありません。つまり、あくまでも原案をつくって、皆さんに諮っているわけで あります。 ○安達委員  その意見の違いを踏まえて公益のほうで意見をつくっていただいたと、そういうことで すね。わかりました。  それで両論併記になったと。今それに遠藤会長の御説明では、かえってミックスすると 両方の言い分というか、意見がちゃんと伝わらないだろうからということをおっしゃって いただいたんですが、例えば2ページの4番の丸の2つ目、支払い側のほうの御意見から ある、今上げる環境にないということで、また保険料引き上げに直結するような引き上げ を行う環境にないと、こういうふうな御意見、確かに前回そういう御意見でございました。 私どもはそれについては、必ずしも保険料引き上げを伴わない方法もあるのではないかと、 要望の仕方もあるのではないかということも申し上げたわけでございますが、それでもそ のまま両論併記案を公益のほうでおつくりいただいたということはどういうことなんです か。 ○遠藤会長  それは簡単なことでありまして、これは2つの意見があったということでありますので、 特にこれは支払い側の意見としてのパートに書いてあるわけでありますので、支払い側と しては、要するに現在の診療報酬の引き上げは保険料の引き上げにつながるという御認識 をお持ちであるので、そのまま書いたということになります。 ○安達委員  続けてもう一つだけ御質問してよろしいですか。  この両論併記をした結果、丸の3つ目として、本協議会は厚生労働省が平成22年度予 算編成に当たって、平成22年度診療報酬改定に係る改定率の設定について、本意見の趣 旨を十分に踏まえて対応することを求めるものであるという文章になってございますね。  簡単に言うと、上げるべきであるというのと上げてはいけないというのとの意見が2つ ございまして、それを両論併記した上で本意見の趣旨を十分踏まえてという要望は、一体 何を踏まえろと言っていることになるということでございましょうか。 ○遠藤会長  意見が不一致であったということですな、言ってみれば。事実としては、そういうこと でしかない。1つ私、提案であります、今、二号側が、要するにもう少し底上げという点 で、少しその辺に力点を置いてほしいと。多分、安達委員の御発言も基本的にはそういう 内容だということだと思います。  そこで、一号側にちょっと確認をしたいのですけれども、一号側から出ている資料を拝 見いたしますと、平成22年度診療報酬改定においては、保険料引き上げに直結するよう な診療報酬の引き上げを行う環境にはないと言わざるを得ないと書いてあるわけですが、 その場合、例えば共通認識というところの中に、「本体部分についてはマイナス改定を行 う状況にはないこと」ということを共通部分に入れることは容認可能ですか。  つまり、引き上げることについては反対であると明示してあるのですけれども、引き下 げることについては何もおっしゃっていないということで、今私、妥協案を探っているん ですよ、一生懸命。したがって、共通部分に「また、本体部分についてはマイナス改定を 行う状況にはない」ということで共通認識を得たということは妥協できますか。御相談い ただいても結構です。 ○白川委員  ちょっと相談します。 ○遠藤会長  入れる場所とするなら、「更なる取組を進めていくことが必要であること」と書いてあ りますね。その後に「また、本体部分についてはマイナス改定を行う状況ではないことと いう基本認識について」でどうかですね。  二号側にもお聞きします。仮にここに「本体部分についてマイナス改定を行う状況には ない」ということを入れるということは望まれますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  そこのところだけに言えば、本体じゃなくて、ネットにおいての、要するに全体におい てマイナス改定を…… ○遠藤会長  薬価も含めてということですか。 ○西澤委員  はい、含めてです。含めてトータルでということです。本体だけと言われた場合には、 例えば本体が余り上がらなくて、片方で薬価等々で下げられると、ネットでマイナスとい うことも考えられますので、全体でやはりプラスということを…… ○遠藤会長  わかりました。そうすると、本体部分についてはという議論はやっても無駄だというこ とですな、そうすると。全体でなければ。わかりました。調定不能ですので。 ○西澤委員  それと、できれば、一号側の意見は「保険料引き上げに直結するような」と書いてござ います。ですから、片方では、上記の基本認識だと、やはり底上げしなければならないと いうふうに読めます。しかしながら、保険財源が厳しいからということであれば、例えば この現状を見ると、医療費の底上げをしなければならない。しかし、保険財政が厳しい中 では、上げる環境にない、あるいはそこら辺を考慮していただきたいとか、そのような記 述の仕方はできないのかというふうな案でございます。 ○遠藤会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  いやいや、今西澤委員がおっしゃったのは、「保険料引き上げに直結するような」とい うところを中心におっしゃいましたけれども、私どもは、それは修飾語で、基本的に、診 療報酬の引き上げを行う環境にないということを申し上げているわけでございます。 ○西澤委員  一号側で出した真ん中のところには、明確に「保険料引き上げに直結するような診療報 酬の引き上げを行う環境にない」ですから、保険料引き上げに直結しなければ上げてもい いというふうに私はとらえたんですが。 ○遠藤会長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  お言葉を返すようですけれども、それはどういう意味でおっしゃっているのか、私には 理解できないのですが、診療報酬が上がれば保険財政に影響を与えますので、保険料を引 き上げせざるを得ない、これは全部を上げるという意味ではないですけれども、それに結 びつくというのはごく自然の論理だというふうに私は思います。 ○遠藤会長  別に紙に書いたものに拘束されるということでなくて、あくまでも御意見が重要視され ますので。  それでは、実はこれからここの会場は社会保障審議会が開かれるということで、どんな に遅くても1時までには終わらせろという指令が出ているものですから、本日は一応、公 益が出しました草案を皆さんにお示ししたということにさせていただきたいと思います。  そこでもし、一号側についてはこれでいいとおっしゃっているんですが、二号側につい ては修正をおっしゃっているわけなので、具体的にどういうような修正にしたいのかとい うことを文章にして出していただきたいと思います。それで一号側とどこまで調整がつく かを考えたいと思いますので、次回総会のときには、そのような御準備をいただければと 思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  渡辺委員。 ○渡辺委員  この後、医療保険部会に私は出るんですけれども、医療部会、また医療保険部会で中医 協における基本方針を決めるという従来の流れの中でやってきているわけですね。ですか ら、その方針は変わらないと私は思っておりますので、やはりそれを十分に尊重した形で さらに中医協におけるここの協議が進むということを改めて、それは当然だろうとは思う んですけれども、確認したいなと思っているんです。 ○遠藤会長  個別の診療報酬改定についてはもちろんその流れは変わっていません。ただ、今回申し 上げているのは単なる改定率に対する意見具申の話ですから、それは基本的に各社会保障 審議会の意見とは独立にやって構わない話で、もともと権能ではないわけですから、こち らとしては。決められないわけであります。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  2つあるんですけれども、1つは、我々というか安達先生の名前から三浦先生までの補 足は可能ですね。 ○遠藤会長  補足って。 ○嘉山委員  この中身に補足をちょっとしたいことがあるんですけど。 ○遠藤会長  出されるものについて、既に出してあるけれども修正を加えたいということですね。  ちょっと一号側にお聞きします。  提出書類がもともとあったわけで、それについて公益案を出したわけですけれども、そ れをもう少し修正したいというお話であります。一号側がお認めになれば、基本的に一号、 二号の議論ですので、いかがでしょうか、白川委員。 ○白川委員  十分かどうかは別にして、お互いに意見書を出しましょうという準備期間を置いて提出 し、しかもそれについて意見交換までしたわけですから、言い方は失礼かもしれませんが、 今さらこれを修正と言われても、私どもはちょっと応対しかねるんですが。 ○嘉山委員  修正ではなくて補足です。 ○遠藤会長  補足も含めてです。 ○白川委員  補足も同じだと思いますが。 ○遠藤会長  その補足の内容がよく分からないということもあるんですけれども、まさに補足を安達 委員、してください。 ○安達委員  すみません。これが新しい体制の問題点の1つであるかと思いますけれども、我々でま とめます。それで、先ほどの例えば「保険料の引き上げに直結する」というところが、直 結しない方法もあるんじゃないですかというふうなことを前にもちょっと議論で申し上げ ましたけれども、そういうことも含めて、こう変えていただければどうかということの案 を我々はまとめて提出をさせていただきますということで、そういうことでよろしゅうご ざいますでしょうか。 ○遠藤会長  そういう11月の何日かに出てきたものを少し修正したいと、それと同時に、この公益 案に対しても修正を加えるということ…… ○安達委員  基本的にお出しした意見が全く違っていて、違うことを申し上げたいということでは全 然ございませんので。 ○遠藤会長  では、それは提出することをお認めいただけるかどうか、私は一号側の御意見を尊重し たいと思いますが、いかがでしょうか。 ○白川委員  私どもとしては次のステップに進んでいると思っておりますので、会長がおっしゃった とおり、中医協としての意見をどう修文するかということに集中したいと思っているので すけども。 ○安達委員  すみません、私が申し上げた意味が多分、正確に伝わらないと、言い方が悪くて申しわ けないんですが、最初にお出しした意見に何かをしたいということでまとめたいと今私は 申し上げたのではございません。最終的に今、御裁定をいただいている案について、私ど もはもう少しこういう案にしていただきたいという意見があるということをお認めいただ いたので、そのところでそのことを述べさせていただくという意味でございます。だから、 資料として変えたいということでは…… ○遠藤会長  わかりました。公益案に対してそちらのお考えを修正案として出したいと、文書で。そ れは当然だと思います。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  2番なんですけれども、公益案の。やっぱり中医協というのは日本の医療を、白川委員 とも先ほど立ち話をさせていただいたんですけれども、よくしようということですので、 保険側の支払いの問題もあるんでしょうけれども、医療費を上げるということが、どうも 社会では医師の収入が上がるようにお考えになるかもしれませんが、現時点で日本の社会 の中で賃金・物価の動向が、問題があるとしてもデマンドは間違いなくふえているんです よね。そのデマンドに対して中医協は、これだけの医療がやっぱりかかりますよと。これ はチーム医療の中で、事務職の雇用とか、そういうことも全部含んでの、先ほど西澤委員 が我々の意見として言った、全体としてはやっぱり上げざるを得ないというのは、中医協 としての意見で当然だと思うので、この2番が、どうしてこれが、賃金・物価の動向をし なきゃいけないのかという、公益側のちょっと教えていただきたいなと、これが2番目な んですけども。  何でこれ、わざわざ賃金・物価というのを出さなきゃいけないの。どこの国だって、確 かに保険者側の支払いの問題がありますので、賃金・物価は出すんでしょうけれども、あ る国の何かの、医療だけじゃないんですけれども、デマンドがあったときに、中医協とい うのはそのデマンドを出すところじゃないかと思うんですが、これを出すというのは何か、 これは事務局が出したんですか、それとも公益…… ○遠藤会長  これはもともと一号側の文章の中に入っていた言葉であって、一号側の意見をそんたく するのであるならば、要するにここで引き上げを行うということは、保険料が上がるなり 何なりという形、あるいは税かもしれないので、そういう何か…… ○嘉山委員  わかりました。でもそれを、いろんな意見が一号側、二号側という意見として出たとし ても、それを中医協の公益委員はどういうふうに判断されるかというのが僕は大事だと思 うんですね。ですから、公益委員の先生方は、賃金・物価とやっぱり医療のデマンドとい うのはパラレルでなければいけないというふうにお考えになって2番を入れたんですか。 そうすると僕は、非常に公益委員というのは一体何なんだろうというような疑問が…… ○遠藤会長  わかりました。そういう議論はかなり大きな議論になると思いますので、それについて は1時までにあけろということで何度も事務局から言われたので、次回この問題について 議論させていただきたいと思いますので、二号側はそれなりの御準備をいただければとい うふうに思います。  それでは、本日の総会はこれにて終了いたしたいと思います。事務局から何かございま すでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  次回は12月中旬を予定しております。決定次第、連絡を差し上げます。 ○遠藤会長  それでは、これをもちまして総会を終了したいと思います。どうも長い間ありがとうご ざいました。         【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)