09/12/04 第153回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/12/04 中央社会保険医療協議会          第153回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年12月4日(金)9:00〜11:57 (2)場所  九段会館 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 白石小百合委員        森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員        北村光一委員(代理 藤原) 高橋健二委員(代理 清水) 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <事務局>       外口保険局長 佐藤医療課長 迫井医療課企画官 磯部薬剤管理官       上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 後期高齢者に係る診療報酬について       ○ 介護保険との連携について       ○ 専門的入院治療について       ○ その他 (5)議事内容  ○遠藤小委員長  定刻になりましたので、ただいまより第153回中央社会保険医療協議会診療報酬基本 問題小委員会を開催いたします。  まず、本日の出席状況ですが、本日は高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんが お見えになっておられます。また、北村光一委員の代理で日本経団連の藤原清明さんがお 見えになっておられます。また、森田委員は遅れて出席される旨の連絡を受けております。 なお、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に移ります。  まず、「後期高齢者に係る診療報酬について」を議題といたします。  事務局から資料を提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  中医協の診−1という資料と、それから参考資料と書かれたものとがいつものようにワ ンセットになっております。  診−1の本文のほうですけれども、そもそもこの後期高齢者に係る診療報酬についてと いう、診療報酬ができた背景等々について簡単に書いております。  第1の1の(1)ですけれども、75歳以上の方を対象といたしまして、独立した医療 制度である後期高齢者医療制度というのが、御承知のように、平成20年4月に創設をさ れたわけです。その際、後期高齢者医療の診療報酬体系ということに関しましても、別途、 社会保障審議会の中に特別部会を設置いたしまして、この同部会から後期高齢者にふさわ しい医療ということで報告がなされまして、次のような視点が示されたわけです。もう読 み上げませんけれども、こういう視点が示されました。こういうことから、平成20年度 の診療報酬改定におきましても、いわゆる医療制度と呼応する形で点数を設定いたしまし た。合計でいいますと17項目ということになります。  参考資料のほうで見ていただきますと、ちょっと字が小さくて恐縮ですが、スライドの 2、それから3といったところにその一覧を書いております。そしてそれらの、2と3の 文字面だけを見ても何に着目したものかどうかがよく分かりませんので、スライドの4の ほうに入院に関するもの、それからいわゆる外来に属するもの、それから入院と外来の連 携、つまり退院調整とか病診連携をするものという形で、模式的に図であらわしておりま す。  もう一度本文、診−1のほうにお戻りいただきたいと思います。行ったり来たりします けれども、もう一度、診−1のほうにお戻りをいただきます。その1ページ目の2ですけ れども、このように75歳以上の方のみに適用される17の診療報酬項目ということは、 一定程度の趣旨・目的があって設けられたものでございますけれども、私どもの周知不足 もあったのかもしれません、国民の皆様方の理解が必ずしも得られませんで、実際に中医 協が検証部会その他で実施をしてみますと、必ずしもそういった診療報酬の項目の活用が 進んでいないという実態も明らかになっております。  こうしたことから、過去数カ月にわたって議論されました社会保障審議会医療保険部会 におきましても、3に書きましたように、75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系 については先行して廃止することとなるだろうと。しかし、このような診療報酬が設けら れた趣旨・目的には十分配慮をして、次の改定では具体的な診療報酬の設定等を検討する べきだと、こういうことになりました。  めくっていただきまして、2ページ目からですけれども、現状と課題が始まっておりま して、この中では、先ほど御説明しました17の項目のうち、重立ったものについて簡単 に説明をしております。  まず最初のお話は後期高齢者診療料ということで、2ページ目の第2の2になります。 後期高齢者診療医療につきましては、もう既に御存じと思いますけれども、高齢者御自身 が選んだ高齢者担当医というのが外来で心と体の全体を見まして、他の医療機関での診療 スケジュールも含めた治療計画を作成するということで、一定程度の包括が行われている わけですけれども、そうした報酬体系であるということなんですけれども、やはり75歳 以上という年齢に限定をしたということで批判がございました。  実際、検証部会において調査も行っているわけですけれども、例えばスライドで言いま すと6番とか7番とかということですけれども後期高齢者診療料の算定状況を見てみます と、6番目のスライドですけれども、例えば算定ありというのが10.5%とか、それか ら算定後のよかった点というところを見てみますと、治療方針など分かりやすくなったと いう人と、あるいは医師から受ける病状などの説明が分かりやすくなったという人が30 %台にとどまっているということでございます。それが後期高齢者の検証の結果でござい ます。  それからもう一度、スライドと本文と両にらみで、今度は本文の2ページ目の3、後期 高齢者特定入院基本料と呼ばれるものです。これも参考資料で言うとスライドの9番目に なるんですけれども、一般病棟に90日を超えて入院をされる高齢者のうち、密度の高い 医療を必要としない患者については、9番目のスライドで言いますと、点線のように階段 状に点数が設定されているわけですけれども、90日を超えますと、普通ですと低い点数 になるわけですけれども、一定の基準に合致すれば、引き続き入院基本料を算定すること となる。このグラフで言いますと実線のまま、フラットのまま算定をするということがで きるわけです。  それで、10番のスライドを見ていただきたいんですけれども、じゃその一定の基準は 何かといいますと、スライドの10に示しましたような一から十二までという基準という ことになるわけです。平成20年度の診療報酬改定においては、本文の(2)にあります ように、病棟機能を一層明確化するという観点から、「一定の基準」の対象者を見直しま して、こういう中で頻回の喀痰吸引等のない脳卒中の患者さんとか、あるいは認知症の患 者さんといったような方については、この12の区分の中には入らないんだよということ を明確にしまして、通常の患者と同様に減額対象とした。つまり、フラットのままじゃな くて、点線のように下がっていくということをしたわけです。  ただ、実際の運用に関しましては、本文の3ページの(3)になりますけれども、半年 間の猶予期間をまず設けました。つまり、10月からの実施ということにしたわけですけ れども、さらにいろいろと御意見がありましたことから、退院支援状況報告書というのを 提出いただいて、実際に医療機関が退院や転院に向けて努力をしているということがはっ きり分かれば、機械的に減額の対象とすることはしませんという、さらに経過措置を設け て対応をしているところです。  次に、3ページの4番ですけれども、診療所後期高齢者医療管理料というものです。こ れは、在宅療養計画を策定して、その計画に基づき在宅での療養を行っている者の適切な 在宅医療を確保するための診療を目的として入院させた場合、いわゆるショートステイの 点数でございましたけれども、(2)に書いてありますように、介護保険制度における短 期入所と機能が重複しているというような指摘がありました。  それから、少し飛ばしまして、3ページの5番ですけれども、後期高齢者終末期相談支 援料というものでございます。これも御存じのように、末期のがんその他、終末期にある 患者さんに対しまして、患者本人や家族、医療従事者とが十分話し合いを行って、その内 容を文書等にまとめた上で患者に提供することを評価したというわけですけれども、結果 的には国民の方に十分周知されませんで、御存じのように、平成20年7月1日からは算 定が凍結されて現在に至っているわけです。  検証部会におきましてもいろいろと御議論いただきました。参考資料のスライド番号で 言いますと17番から始まるスライドがそれでございますけれども、話し合いの結果、よ かったかとか、家族の様子はどうだったか等々について聞いているわけですけれども、実 際には、かなり終末期の治療方針について話し合いを行いたいと考えていらっしゃるわけ ですけれども、本文4ページの(2)の(1)にありますように、しかしそれは年齢を問わな いものであるということです。  それから、公的な医療保険から医療機関に相談料が支払われる、末期の相談をするとい うことについて、お金まで払ってなのかみたいな形で、なかなか意見が拮抗してまとまら なかったということです。  なお、そもそも終末期における医療の在り方をどうするかということにつきましては、 厚生労働省の医政局におけます終末期医療のあり方に関する懇談会において議論が続いて おりまして、まだ意見の集約には至っていないと承知をしております。  ここまでが17の項目のうち重立ったものです。  第3からは、先ほどから何度も申し上げました17の項目について、点数、それから算 定の状況について書いたものでございます。  それでまず、第3の1つ目は高齢者の生活を重視した医療ということで、先ほど図や一 覧でもお見せしました後期高齢者総合評価加算、それが5ページです。  それからめくっていただきまして、今度は入院医療や在宅医療に関する評価ということ で、先ほども御説明しましたので省略をいたしますが、6ページの枠の中にありますのが 後期高齢者特定入院基本料。  それから、次の7ページですけれども、後期高齢者処置、それから後期高齢者精神病棟 等処置料というものになります。  このあたりももう余り丁寧に説明はしませんけれども、これらも、もともと昭和61年 ごろに老人処置料として新設されたものですけれども、平成20年の診療報酬改定時に名 称のみ変更して現在に至っています。この17の中には、もともとあったもので、こんな 感じで平成20年度の特別部会でお考えいただいた方向に沿って名称のみ変更したという ものがこのあたりからだんだん多うございます。  それから、次の8ページの(3)ですけれども、在宅療養支援歯科診療所による口腔機 能の管理の評価ということで、老人訪問口腔指導管理料というのを廃止しまして、こうい う名前で新設をしたということです。  以下、9ページはスキップさせていただきます。  10ページですけれども、後期高齢者については、外来の院内投薬の場合の評価という ことで評価を引き上げております。それが11ページの本文です。  それから、12ページが、他の診療報酬の項目と関連の深いということで、先ほど御説 明しました後期高齢者診療料、それから外来患者緊急入院診療加算、それから外来継続指 導料等について触れております。  それから、13ページの下は入院中に指導された栄養管理ということです。  それから、14ページは診療所後期高齢者医療管理料です。これももともと平成8年に 診療所老人医療管理料として創設され、平成20年度に名称のみ変更して現在に至ってい るというわけです。  それから、次の15ページはガイドラインに沿った終末期における十分な情報提供等の 評価ということで、先ほど御説明しましたものです。  ずっとめくっていただきまして、こういうものが続きまして、最後の16ページですけ れども、第3の論点です。高齢者の生活を重視し、今17の項目があると申しましたが、 その中には、まず1つとして高齢者の生活を重視する、介護・福祉サービスとの連携を図 っているという取り組みが考えられるわけですけれども、こういった診療報酬上の評価に ついてどう考えるか、例えばで言いますと、後期高齢者総合評価加算とか退院調整加算と かについて想定しております。  それから、他の診療報酬項目で評価しているものと関連の深い診療に関する診療報酬上 の評価についてどう考えるかということで、これは例えば後期高齢者診療料、あるいは栄 養・食事管理指導料、あるいは後期高齢者医療管理料みたいなものを想定して、論点を構 成しております。  それから3番目ですけれども、現行では後期高齢者ということで年齢を区切って着目し ているわけですけれども、他の年齢層にも結局のところは共通する課題だろうということ で、これを診療報酬上どう評価していくかということです。例えば特定入院基本料である とか、処置であるとか、あるいは退院時の薬剤情報提供料、こういったものについてどう 考えますかと。  それから、やっぱりこれも他の年齢層にも共通する課題なのかもしれませんけれども、 特に終末期に関しましてはこれまでいろいろ議論があったところでございますので、今後 この相談支援料や相談支援加算についてどう考えていくか、こういったことで論点を挙げ ております。  以上です。 ○遠藤小委員長  資料及び論点ですけれども、大変分かりづらいですね。もう少し議論ができるようなも のにしていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、17項目ある中でどうする かということを議論しなければならないわけであります。  後期高齢者医療制度ができまして、同時に後期高齢者を対象とした診療報酬体系をつく ったわけでありますけれども、事務局に1つ確認をしたいのですけれども、名称のみ変更 して内容は変えていないというものはこの中のどれでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  けっこうあるんですけれども…… ○遠藤小委員長  それではちょっと調べておいてください。すぐでなくて結構です。  なぜ聞いているかと申しますと、この中で、非常に重要なものできちんと議論しなけれ ばいけないものとそうでないものが渾然一体となっています。時間の関係上、重要なもの からやっていきたいと思いますので、名称変更というのはある意味で一番軽いものであり ますので、それは後に回そうと思っておりますので、ちょっと調べておいていただきます。 後ろに論点はあるのですけれども、ややこの論点が分かりづらい点もあるものですから、 論点に沿っての議論でももちろん構いませんけれど、むしろ重要なものについては個別に どうするかということを御議論いただいたほうがいいかなと思います。  基本的にどういう議論になるかといいますと、選択肢としては、廃止である、凍結する、 あるいは名称を変える。名称を変えた場合でも中身を変えないで名称のみを変える、中身 も変えると。このぐらいが恐らく選択肢としてはあり得るんだろうと思います。できれば 今回、ある程度方向を固めていきたいと思いますので、皆さんの御意見をいただきたいと 思います。  そこでまず、私なりに勝手に議論の順番をつけさせていただきたいと思いますが、まず 2ページになります。後期高齢者特定入院基本料、これから少し御意見をいただきたい、 今後どうするかを決めていただきたいということであります。  もともと老人長期入院医療管理料という形であったわけですけれども、その中で、一定 の基準の対象患者を少し変えたということで、脳卒中患者、認知症の患者さんですね、特 に頻回の喀痰吸引等がないという条件はつくわけですけれども、こういうふうにして条件 をある意味少し厳しくしたということに対してはいろいろと批判があったものでありまし て、現状では退院支援状況報告書というものを提出していただくという状況にあるわけで あります。これをどうするかということについて、まず皮切りにお話をしていただきたい と思いますが、御意見いかがでしょうか。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  最初に後期高齢者医療制度そのものについてですが、私たち茨城県医師会は、後期高齢 者医療制度は年齢によって一律に高齢者を差別するものだということで反対してきたわけ ですが、この廃止が決まったということは、私たちは非常によかったと思っています。  ただ、実際に廃止の過程が現実的にされるということになりましたが、それも実際の現 場の混乱を考えますと、ある意味ではやむを得なかったことだと思っております。  また、後期高齢者の診療報酬についても、これは制度が廃止されるわけですから、基本 的には段階的に廃止されるべきだろうと思いますが、やはり内容によって分けて考える必 要があるのではないかなと思っております。  今、話が出ました後期高齢者特定入院基本料ですが、これも基本的にやはり75歳以上 だけ厳しく退院を迫るというような考え方の制度はよろしくないと思いますので、これは 廃止すべきだろうというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  廃止という意味合いなんですけれども、この場合は、もともと平成10年に老人長期入 院医療管理料として75歳以上の人たちを対象に行っていたことを、後期高齢者医療制度 が導入されたときに、その緩和措置を一部厳しくしたという形なんです。ですから、廃止 と言われるのは、平成10年の老人長期入院医療管理料のレベルに戻すのか、そもそもそ れも年齢で分けているわけなので、それすら廃止するべきだと、どちらの意味をおっしゃ っているのか、ちょっと確認したい。 ○鈴木委員  後期高齢者に限るというものはもちろん廃止すべきだし、もとからあった制度に戻すこ とになるということではなくて、やっぱり患者の実際の状態によってそれは決めるべきで あって、一律に90日をもってそういう退院を迫るようなものは、受け皿がない時点で非 常にそれは問題があるというふうに、もともとの制度自体が、思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。そうすると、平成10年に設立した老人長期入院医療管理料と言われる ものも基本的には廃止の対象と考えるべきだと、こういう御意見だと。当然のことながら 20年度以降のものについても廃止であるということですね。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  これも会長が御指摘になっていますその前のも、基本的に一つの意味は、いわゆる社会 的入院みたいな形で、よく議論の中で一くくりにされるものを、急性期病棟に置いておく ことはいろんな意味でよろしくないでしょうということが趣旨で、早く退院をしていただ きなさいという点数設定だというふうに私は理解しておりまして、それは急性期病棟の機 能を考えますと、それはそうあるべきだという点はあります。こういう方たちがふえてこ られると、そもそもの急性疾患の受け入れのベッド数が十分に確保できないということが ある。  それから、この前申し上げましたように、こういう方々が入院されると、急性期病棟で あるにもかかわらず、介護要員を複合してお持ちになると、そこのところの病院職員・看 護師等々の仕事にも支障が出てくるという面がある、両方の面があると思います。  現実にどうなっているかと申し上げますと、例えば私の近くで、京都市とお隣の滋賀県 の大津市、これは全然違いまして、何が違うかというと、大津市のほうは、例えば日赤、 市民病院等々、こういう対象になられる方たちがかなり急性病棟におられます。京都市内 のほうは割とそれは少なくなっています。この違いは、いろいろあるんでしょうけれども、 1つは医療系療養病床の数の差である可能性が非常に大きくなっておりまして、滋賀県大 津市のほうはその数が少ない。ですから要するに受け皿がないんです、出ていけと言われ ても。何とか受け入れるところがあるところは何とかなっている。  ですから、受け皿がないという中で、数が少ない中で、余計に受け入れてくれないとい うのが医療系療養病床の例の医療区分1なわけでありますので、こういう12の対象以外 のいわば軽症と認定されている方たちの受け皿というのは、医療系療養病床へ行くと大半 が区分1に入るわけでございますので、余計に受け皿がないということが出てくる。  だから、これをやめて区分1を見直すということで、ちゃんとしっかりした受け皿の体 制をつくるということをしないと、この問題は解消しないのではないのかなというふうに 理解をしております。 ○遠藤小委員長  そうすると、安達委員のお考えとしては、区分1を見直すことを前提に、この基本料に つきましては廃止をするという意味合いでしょうか。 ○安達委員  はい、そう申し上げました。 ○遠藤小委員長  その場合は、平成10年の老人長期入院管理料のときの規制は維持するということでよ ろしいんですか。 ○安達委員  これよりは緩いんですよね。 ○遠藤小委員長  これより緩いんです。脳卒中とか、認知症とかいうのが今回追加されているわけですか ら。 ○安達委員  そうですね。そこのところはちょっと、手続上というか議論上は細かい詰めが必要だろ うというふうに思いまして…… ○遠藤小委員長  とりあえず20年制定の分については廃止をするべきだと、療養病床医療区分1の見直 しもするということも同時に行う必要があると、こういう御意見ですね。 ○安達委員  はい、さようでございます。 ○遠藤小委員長  わかりました。ありがとうございます。  それでは、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  実は今の議論というのは前回の13対1、15対1の90日後の患者さんと一致すると ころなんですね。同じことといいましょうか、似たようなことが、ちょっと場所を変えて 議論するとやはり混乱するので、あわせてデータを出していただかなければ、議論しづら いと。片方では、こっちのほうは特定除外対象患者というので12項目の別項目がありま す。今言った医療区分というのはまた別な区分だと思いますので、そこら辺の関係もちょ っと明確にしていかないと、議論がおかしいんじゃないかなとも思っております。 ○遠藤小委員長  もちろん療養病床の医療区分1の議論というのはまた別途するのですが、余りその話を やり、またこの後期高齢者の話に戻るというようなことをするのでしょうか、つまり今お っしゃっているのは、療養病床の区分を見直すというところのデータの提出と今回の話と を一緒にやる必要があるのではないかと理解したんだけれども、違いましょうか。 ○西澤委員  前回、13対1、15対1の議論をして、そのときには一般病棟の入院基本料の13対 1をとっている病院、それから15対1をとっている病院の中で90日超えがかなりいる と。それが一般病床にふさわしいのかということで議論したと思います。その患者層と後 期高齢者の今言っているこの特定患者というのは、実はデータ上ダブっているはずなんで すよね。  この間も質問しましたけれども、今回アンケートで一般病床におけるこの長期患者の医 療区分の調査をしたはずなんですが、片方でその中は、後期高齢者がほとんどだと思うん ですが、その方々については医療区分とは別な、今回の基準に基づいて、特定患者になっ たり除外したりということもしているということだと思いますので、そこら辺のことをま とめて議論しないと分かりづらいんじゃないかなということなんですが、事務局のほうで そのあたり、ちょっと補完をお願いできればと思います。 ○遠藤小委員長  事務局、西澤委員の御質問の趣旨を理解できましたでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  要するに全体としてはこういうことだったんでしょうか、この12区分というのは、も し仮に今、療養病床・病棟で当てはめている医療区分でやれば、医療区分2か、あるいは 3ぐらいになるんでしょうと。そういうことで点数をつけているという話と、またこれは これで、こういう後期高齢者特定入院基本料ということで、フラットにならずに一段低い 点数になっていくんだけれども、もしこれを仮に廃止するのであれば、先ほどの療養病床 の区分の2とか3とかとの兼ね合いをどう考えるかということをもう少し整理しないとい けないと、そういう意味でございましょうか。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  前回、13対1、15対1の病棟のところでの90日超えの患者さんということで、医 療区分に当てはめたアンケートをしましたよね。その議論が前回あったと思うんですが、 その患者層と今回の後期高齢者の今話題となっている患者層というのは、これは同じとい うか、ダブっているんじゃないかということですが、いかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  患者さんに着目するとダブっているかどうか分かりませんけれども、この12区分はど ちらかというと病気に着目をしていますので、病気と必要とされる処置がセットになって 書いてあります。  一方、医療区分のほうは病気というよりは病状のほうなので、クライテリアだけ確認す るとダブっていると思います。ただ、個々の患者さんについて見たときに、この12区分 と医療区分2と3がぴったり合っているかというのは、ちょっと検証のしようがないと思 います。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ちょっと説明しづらいんですけれども、ですから今回これで例えば12項目があって、 それに脳卒中患者や認知症の患者について、前回一時除外して、また入ったということが あります。それをどうするかここで決めても、片方で、また別なところで13対1、15 対1の議論をもう一度したときに、長期90日超えの患者を医療区分で分けたときに、例 えば一般病床に入院する必要のない患者、例えば医療区分の1の患者は一般病床にふさわ しいかどうかという議論をすると思うんですけれども、同じ患者について2つの基準でも って議論を今しているような気がするんですが。 ○遠藤小委員長  関連で。では、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  やはり私、西澤先生がおっしゃるように、13対1、15対1の部分とダブる部分があ ると思うんですよ。そのときにもお話しさせていただいたんですが、その中にいる90超 えの患者の中には、安達先生がおっしゃるように、次の受け皿が充実しているかしていな いかで、かなりやっぱり違ってくるんですね。1つはやっぱり医療区分1に相当するよう な比較的軽い方ということもあるんですが、前回もお話しさせていただいたように、これ は医療ですから、医療がずっと必要な方という方がいらっしゃるわけですね。そういう人 たちが療養型で引き続きふさわしい医療が受けられるかどうかというのが一番問題だと思 うので、その人たちの受け皿がないんですよ。そこが私は一番問題だと思いますので、そ ういったことを含めた調査をされるんだったらしていただかないと、医療区分というのは 病気で分けているわけじゃありませんので、そこはあくまでも医療の必要性、治療の継続 の必要性、そういった観点から分けるというか、データをとっていただかないと、なかな か見えてこないのではないのかなという気がいたします。 ○遠藤小委員長  ちょっと混乱しているんですけれども、そうすると、鈴木委員はどういう御意見なんで しょうか。要するにそういうデータがない限りはどうだということですか。先ほどおっし ゃった後期高齢者特定入院基本料については廃止するべきだというお話だったんですけど。 ○鈴木委員  ですから、廃止ですけれども、要するにするかどうかという議論には、私はそう思いま すけれども、データを出してみたらこの制度の問題点が出てくるんじゃないかという意見 です。 ○遠藤小委員長  というと、現状既にとっているデータがない限りは不可能ですね、今年度改定は。今デ ータがないわけですから、事務局、今、鈴木委員あるいは西澤委員からおっしゃられたよ うな目的にかなうような調査というのはございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から言うと、ないと思います。つまり後期高齢者特定入院基本料を算定している方 とか、あるいは後期高齢者特定入院基本料なんかをいろんな理由で免れた方の個々の患者 さんのデータは持っておりません。まずそれが第1点です。  それから2つ目は、先ほどから何度も言っておりますように、13対1、15対1の9 0日超えというのも、あくまで療養病床・病棟の患者さんと一般病棟との患者さんの違い を見るためにとったものでありまして、じゃこの13対1、15対1の90日超の患者さ んを調査したときに、この人のとっている基本料が後期高齢者特定入院基本料かどうかと いうことについては、11番のスライドですけれども、あくまで参考程度ですけれども、 例えば(2)のところですが、一般病棟入院基本料算定患者のうち平成19年5月に入院 期間が90日を超える患者の内訳というのは、一般病棟入院基本料を算定し続けている明 細書が2万5,471、総数ですね。90日を超えて移行したレセプトは460というこ とで、非常に少ないわけですけれども、いずれにしても、そうした方に具体的に医療区分 を当てはめたらどうかというところまでは調査をしておりませんので、現時点で明確な調 査ということは、繰り返しになりますが、ないということです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今、課長の答えは、私が前回同じ質問をして、同じ答えをいただいていると思います。 言いたいのは、今回も2ページのところに書いてありますとおり、一般病棟に90日を超 えて入院する高齢者のうちということで、対象がこの方々についてどう考えるかというこ とで、中では一般病棟の機能が適切に発揮される観点と、それから療養病床との整合性と いうことで考えています。  前回の資料で、13対1、15対1も同じように、その入院基本料の役割にかんがみ、 特に長期の入院、すなわち90日以上の入院を行っている患者について、その評価をどう 考えるかですから、実は対象患者が、13対1、15対1の議論のときは年齢区分がない、 すべての90日超え患者であって、今回はその中の後期高齢者のことを言っていると。す なわち、今、同じ患者の議論を別なところでしているということを申し上げたかっただけ です。  ただ、これには非常にまだデータもなくて、時間がかかりますので、今後、今回の改定 は無理ですが、その後で整合性を持った議論をしていただきたいと思います。  それと、後期高齢者のこの点数につきましては12項目で、一時、脳卒中患者と認知症 の患者は前回、除外規定から抜いたわけなんですが、やはり現場のことを考えて、また復 帰したという経緯がございますが、前回の改定から2年たちましたので、かなり周知して おりますので、一般病床にふさわしいかどうかということから言うと、脳卒中患者と認知 症は除いても、そう今は現場では困らないんじゃないかなと。長期必要な患者はこの12 項目の中で拾っていると思いますので、とりあえず今回はそれぐらいのことはしておいて もいいんじゃないかなと思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  わかりました。したがって、この入院基本料については現状のままでいいのではないか という、そういう御意見だということですね。ありがとうございます。  一号側は何かございますか。白川委員、どうぞ。 ○白川委員  そもそも後期高齢者だけを対象にした年齢による報酬体系がおかしいという御指摘があ って、こういう議論になっているわけですけれども、この特定入院基本料について、確か に運用上いろいろ今までも問題があったと思いますし、安達委員や鈴木委員がおっしゃる とおり、受け皿の問題もあるというのは十分承知はしております。しかし、そういう話を 全部総合すると、簡単に言えば、年齢による差というものをつけてはいけないというので したら、高齢者だろうと構わず全部同じ制度にしろというのが簡単な結論だとは思うんで すけれども、現実は、やはり高齢の方はどうしても独特の病状といいますか、厚い診療が 必要だという特性もございます。私どもとしては余り重い大きな診療が必要のない方まで が長期に入院するということは、やはり理念としてはおかしいというふうにいつも主張し ておりますけれども、重篤な患者さんについては当然90日という枠にとらわれず、治療 を続けられるべきだと思っております。  したがいまして、ちょっと長くなりましたが、結論としては、これは今の形で残すべき ではないかというふうに思っております。この12項目については、私どもは専門家では ないので、この項目がいいかどうかというのは判断しかねますけれども、西澤委員はこれ でいいのではないかという御意見でございますので、そうであれば、私は西澤委員と同じ 意見です。 ○遠藤小委員長  わかりました。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ありがとうございます。  それと今、後期高齢者医療制度の中で話していますが、実はこの点数は平成10年から 入った点数で、老人保健制度の中でもやはり高齢者の特質を考えてついた点数ということ でございますので、それなりに今までも疾患の内容なんかは考えながらしてきたと思いま すので、白川委員がそうおっしゃってくださったことをありがたく思います。 ○遠藤小委員長  区分が適切なのかどうかという問題と同時に、受け皿がどのぐらいあるかということが むしろ、安達委員あるいは鈴木委員から出てきた話なのであります。また、一時期これは、 この制度ができたときには、当時野党だった民主党などはこれは凍結すべきだということ で、今の厚労大臣なども明確に反対をされていたという、そういう案件であるということ でありますが、受け皿等々についての視点から何かありますか。  それでは、西澤委員、1つお聞きしますが、受け皿問題というのは一方であるわけです けれども、これについてはどういうふうにお考えになりますか。この制度をそのまま存続 させた場合に。つまり受け皿の問題があるので、むしろ現行制度は変えるべきだというよ うな話が安達委員や、あるいは鈴木委員から出てきたわけであります。つまり脳卒中、認 知症の患者に対する規制を強めたわけですね。そういうことについての受け皿の問題につ いてはどのようにお考えになりますか。 ○西澤委員  これは、平成10年にできたときは、まだ療養病床が整備されていなくてできておりま して、それから前回のときも、特殊疾患療養病棟の患者の対象者も変えたりしていまして、 その一連として認知症と脳卒中を外したということでございますので、ここだけでの議論 で外したわけじゃなかったと思っています。そういうことで、療養病床の対象患者とか、 ほかのところをにらみながらやっていくべきじゃないかなと思っています。  それから前も言いましたように、一般病床の中には特殊疾患療養病床と、それから障害 者施設等の点数がございます。前回も言いましたけれども、そこら辺のこともあわせて議 論しないとだめじゃないかなと思っています。  それで、認知症と脳卒中の後遺症は前回抜いたけれども、その時点で入っている方は経 過措置にもなっておりますので、既に対象者である人をそこからすぐ出すというふうなこ とは前回もしておりませんので、今入っている方に対しての受け皿という心配では全くな いと思ってございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  意見が多少分かれておるわけですけれども、ほかにこれについて御意見ありますか。で き得れば本日これをまとめたいと思ったんですが、なかなか難しいかなという気になって まいりましたが、御意見。  では、勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  機能を分化していくとか高齢者の医療の生活の質というのを高めていくというコンセプ トというか、介護保険が導入されてからの、そういう方向性というのはもちろん必要なこ とで、それがなかなかうまくいかないのは、皆さんも御指摘のとおりの受け皿がないとい うことで、こっちでこういう患者さんはこういうところへ進んでいければよいと思うけれ ども、その受け皿が実はないということから、その理由でこの中医協が決めたことが批判 されているという構造だと思うので、2年後の同時改定に対する期待が非常に高まってい るということだと思います。じゃ2年後を待たなきゃ何もできないのかというところで、 論点の1でも介護・福祉サービスとの連携を推進するとか書いてあるし、今、西澤委員か ら、2年前よりは少しはそういう形も進んでいるという趣旨の話があったかと思うんです けれども、やはりあくまでもここで議論して、とにかく今回の改定で議論するときには、 今回の改定でまた受け皿がなくなってしまうような人が出てくるということがないのか、 そのあたりがどんな見込みで、つまり同時改定のときだと本当にいろんな議論ができるん だと思うんですけれども、今回の議論ではどの程度までそういうことがあり得るのかとい うこと。この論点の1、ちょっと先ほど具体的な説明もあったんですけれども、受け皿に 対する心配とか、その辺は事務局としてはどう考えておられるのか、ちょっとお聞きした いと思うんですけど。 ○遠藤小委員長  この後期高齢者特定入院基本料に伴って退院させられるような人がいて、その受け皿が どうなっているのかというようなことについて何らかのデータがあるか、あるいは見通し のようなものがあればそれを知りたいということだと思いますので、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  どういうふうに見直すかということによると思います…… ○遠藤小委員長  現状としてこの制度が今あるわけですね。それによって退院勧告者がふえて、その受け 皿があるとかないとか、そういうようなことについて何か参考になるものはないかと、こ ういうことだと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  まず、そもそもこの制度自体で90日を超えて老人特定入院基本料に移行したレセプト というのは非常に少のうございますし、また、そういう場合にあっても、退院支援その他 ということで状況報告書を出していただければ一定程度の救済をするということで考えて おりますから、もし仮にいろんなことをして変えたとしても、こういうような暫定的な緩 和的な措置を設けたりしますし、それから介護保険のほうのショートステイ等々があった り、その他いろんな工夫をして受け皿、それから療養病床の1についても点数が低いとい うようなことでいろいろと御批判がありましたけれども、療養病床の医療区分1のような ところで対応できるのかどうかについても、先ほどから西澤先生の話にありますように総 合的に、今回はそれぞれの項目ごとに出していますけれども、横断的にそういう部分はま た考えていきたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  わかりました。ほかに御意見ございますか。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  論点3のほうの意見でもよろしいですか。 ○遠藤小委員長  ただいまこの入院基本料についての話を固めたいと思いますが。 ○三浦委員  わかりました。後ほどにします。 ○遠藤小委員長  そうしますと、診療側のほうでも意見が分かれるというようなのが現状……、西澤委員、 どうぞ。 ○西澤委員  分かれているんじゃなくて、特定入院基本料を置くことは全部一致していて、ちょっと 意見が違うのは、脳卒中患者や認知症の患者についての取り扱いだけがちょっと分かれて いるというだけです。  ですから、この点数をそのまま置くということは一致していると思っていたんですが… … ○遠藤小委員長  いや、廃止という御意見は鈴木委員からはありましたね。 ○鈴木委員  要するに、次の受け皿がない限りはその人たちがいられないという制度は、やっぱり続 けられないと思いますので、そういう意味ではそういうことになりますが。だからあくま でも、これこそやはり医療と介護の連携もかかわってくるし、それから医療の治療がずっ と必要な方というのが、少ないんですけれども、いらっしゃるんですよ、実際。その人た ちをどこで見るのかという問題も解決していただかないと、進まないんじゃないかなと思 うんですけども。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  1点だけお話しをしておきます。鈴木邦彦委員が御提起になっている廃止という意味な んですが、廃止をするということはむしろフラットになる、点数はフラットのままという ことですから、受け皿に困るどころか、むしろここに、高いかどうかは別として、今の点 数のまま居残れるということですから、受け皿の問題は実はそんなに、むしろ今までより はよくなるという方向だと思います。何度も言いますが、廃止ということはフラットのま ま、つまり居残りやすくなるということは御理解ください。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、何かありますか。 ○鈴木委員  もともとの制度自体から問題があるとは思うんですけれども、そういう意味では、治療 がずっと必要な方、そういった方の受け皿をぜひつくってほしいということだと思います ね。介護系の受け皿以外に、医療型でも見られない人というのがいるんですね。やっぱり そこに看護も含めて、差がありますのでね、看護体系についても。 ○遠藤小委員長  わかりました。要するにそのような受け皿の議論をしなければ、この入院基本料につい ては今どうこう言えないということ、あるいは現状のままでいいという、そういう理解で しょうか。ちょっとよく分からなくなってきてしまいました。 ○鈴木委員  廃止するにはやっぱりそこら辺をはっきりしてほしいということでもありますね。 ○遠藤小委員長  廃止というのは…… ○鈴木委員  廃止じゃなくて、続けるのであればね。 ○遠藤小委員長  一番簡単なのは要するに、話をもとへ戻しますと、20年に名称を変えたと同時に、一 定の基準を見直したわけです。その一定の基準を平成10年度にやった老人長期入院管理 料のレベルに戻すのかどうかというところが一番簡単な話なわけでありまして、それにつ いても先ほどお話を聞いて、西澤委員は戻す必要はないのではないかというような御主張 のように聞こえましたけれども、そうではないのですか。 ○西澤委員  平成20年ですか。 ○遠藤小委員長  平成20年です。平成20年で一定の基準を厳しくしたわけですね。つまり脳卒中、認 知症の患者というものを除外したと、通常の患者と同じように扱うようにしたということ があるわけです、20年の改定で。それを前の一定の基準にするというレベルと、さらに 前というのは平成10年の老人長期入院管理料ですから、それすらなくすという議論と少 し混乱しているんですが、まずは20年の基準をどうするのかということなんです。  西澤委員は、それは今のところは手をつけないほうがいいんじゃないかというふうに受 けとめたんですが、それはどうなんでしょうか。はっきり言ってしまうと、脳卒中患者、 認知症の患者を通常の患者と同様に減額の対象とするというようなことはこれから続けて いいですか、いけませんかと、そういうことです。 ○西澤委員  資料の3ページに書いてございますが、実は今届け出をした場合にだけ続けられるとい うことで、その患者が21年6月で1,484ということで、徐々に減ってきています。 その現状を考えると、もう現場は分かっているので、脳卒中と認知症は外しても、そう現 場には僕は混乱がないと、そのように考えております。 ○遠藤小委員長  わかりました。私もそのような御発言だと理解しておりますので、ちょっと確認させて いただきました。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私は20年の改正というか、それをどうするかという議論だけについて言えば、それは もとのほうが緩やかなわけですから、そちらがまだましだということだと思います。 ○遠藤小委員長  ですから、20年の改定についてはもとに戻すべきだという、そういう御判断なんです ね。そういう意味で、一致していないというふうに申し上げたのはそういうことなんです。  ということで、なかなか話がまとまらないわけですけれども、この議論は、事務局にち ょっとお尋ねしますけれども、今後のスケジュールからいってまだできますか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  できます。まだ少し時間はありますし、先ほどからおっしゃった特殊疾患療養病棟みた いなものの話と整合性をとれということもありますから、別途設けることはできます。 ○遠藤小委員長  わかりました。  それでは、ただいまいろんな議論が出ましたので、それと関連するような資料がもしあ れば、そのときにまた出していただきまして、続いてまた議論をしたいと思います。これ はかなり、いろいろな意味で社会的にも大きく問題になったことでもありますので、慎重 な議論をしていきたいと思います。  それでは、2つ目の課題ですが、後期高齢者診療料につきまして、これをどうするかと いうことですね。2ページであります。これにつきましても検証部会で評価をしておりま すし、あるいは一部の医療団体からは、慢性疾患の場合には複数の診療所にいた場合の算 定ができないといったようなことが議論されていたり、いろいろこれも議論されていると ころであります。一方では、保険者団体の中には、むしろこれをもう一歩進めるべきだと いう考え方も、特にこれを導入するときには強くあったというような、そういう背景があ る話でありますけれども、これについてはどのようにお考えになりますか。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私は、後期高齢者診療料という制度こそ廃止すべきだと思っております。これは後期高 齢者医療制度にかかりつけ医制度を紛れ込ませたような話になっておりまして、そのかか りつけ医制度も診療所の1人の内科系の医師というようなことで限定したような、かつて のイギリスの古いタイプの、1人で24時間カバーするようなGPのような制度を入れよ うとしているとしか思えないような内容でありまして、これは現実のイギリスですらそん な方は山奥にごく少数しかいないような状況で、みんなもっと多人数の診療所で日中だけ 診ているような形に変わってきておりますので、やはりこれは非常に開業医の方に負担を 強いるような制度でございますので、これは私はよろしくないし、かかりつけ医というこ とはまた別に議論をきちっとすべきだと思いますので、こういう形で後期高齢者医療制度 の中に紛れ込ませて、なし崩しに導入しようというようなことはやっぱり問題だと思いま すのでこれは、一旦廃止して、ほとんど実際には使われていないようでもございますの で、また改めてしっかりと議論をして、どのような形がいいのか、これはかかりつけ医制 度の視点もぜひきちんと議論しなければいけないし、同じかかりつけ医制度にしても、イ ギリス型だけじゃないフランス型のような開業医でも、専門医でも勤務医でもだれでもな れるような、日本により近いような形もございますし、今の制度のもとですと、今病院に かかっている患者さんが主治医を変えなきゃいけないという非常に非現実的な制度になる ところでございましたので、これは非常におかしいと私は思っておりますので、これこそ 廃止すべきだと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ただ、この制度をつくったときに、イギリスNHSのGP制度とはかなり違って、非常 に緩い規制にしておるわけなんですが、それでも現場では混乱が起きているというふうに 理解してよろしいわけでしょうか。 ○鈴木委員  約4割ぐらいが民間病院とかの外来に通っているわけですから、そういった人たちが1 人の診療所に移らなきゃならないということは非常に非現実的な話でありまして、こうい うことがなぜ決まったのか、私は到底理解できない話でございます。 ○遠藤小委員長  つまり診療所に限定しているということが大きな問題であると、そういうことですね。  安達委員、どうぞ、 ○安達委員  この問題は以前からずっと議論があって、決着しておりませんが、つまり制度をおつく りになるほうと我々現場にいて診療する者との間で意見の一致を見ないということでござ いますけれども、一番の根本のところの、主病は1つだと、医療をお受けになる方お一人 お一人に、主たる病気は1つであるというのが制度をおつくりになるほうの基本的な考え 方の流れとしてあって、我々は現場から見ると、特に御年齢がいかれますと、どっちを主 病だと言われても、それは並行じゃないですかという現実の問題はある。  それを、遠藤小委員長が今、緩くしたというのは、それはそのとおりなんですが、GP に比べれば。しかし、やはり主病は1つという基本概念の中でかかりつけ医を決めましょ うということが、高齢者にだけはっきりとこれを出したというところに私は一番大きな問 題が、さまざまな憶測を除いて言っても、あるのではないかというふうに思っております。  社会保障審議会の、この後期高齢者医療制度をつくるに当たっての部会を特別におつく りになって、そこの答申の最終項目の前文の一番下のほうに、当然のことながらこの本制 度において、医療提供が75歳という年齢を区切って差がつくようなことがあってはなら ないということが書き込まれたわけで、これは至極当然のことでございますので、そうい う点から言うと、ここのところだけ長年論争のある主病が1つというところに、主病を1 つにしてかかりつけ医を決めなさいということをつくってしまったという点で、非常に大 きなまず高齢者の人に差別感を与えるようなものになっているんじゃないか。  2番目ですが、長くなって申しわけございません、個々のケースを言うと、これを算定 しないで出来高にしたほうが医療経費は安いかもしれないというところも、私は実際には 思っております。現場でやるいろんな検査等々の積算をした結果、600点との比較とい う点では、そういう面があるのでもないのかなということも感じておりますので、そうい う点からすると、やはりこれは一度やめていただいて、考え直していただくということが いいのではないか。  最後にもう一つだけ申し上げますが、これについては非常に多くの科に高齢者の方がか かられると、複数の重複受診があるということでございました。これは厚生労働省の調査 課のほうにデータがあるはずだと思います。そんなに多くなかったですよね、1人当たり 平均2医療機関か3医療機関でした、平均はですね。どんどん多いのはもうほんのわずか になっていく。しかも、その2つ3つという重複は、内科の中での重複というのはほとん どなくて、内科と眼科とか、内科と皮膚科とか、そういう重複であったと。このデータは もう厚生労働省の調査課の中にあるはずでございますので、だから重複他科受診があると いうことも含めて、高齢者の特性としてそういうことがあるから、かかりつけ医を1つに しようと、そういう考え方も実態には合っていないんじゃないかと。  以上の3つを反論点として、廃止するべきだろうということを意見として申し上げます。 ○遠藤小委員長  わかりました。基本的には制度の設計がおかしいところがあるので、そういうことをも う一度きちんと考え直すべきであって、そのために一たん廃止をするべきだと、こういう 御意見ですね。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  いろいろこれが問題があって進まないということを言われておりますので、見直しは必 要なんだろうなと思っています。  ただ、前回のときには、特に高齢者の方々は複数疾患を持っていて、やはりそれをどこ かでコントロールできるような医者が必要じゃないかと。そして継続的にその方が管理し ていくということが必要じゃないかということで、ある程度、高齢者の病気の特性といい ましょうか、生活の特性といいましょうか、そういうものに関してつくられた点数だと思 っています。その理念は私は悪くないと思いますので、ただ、今、非常に使いづらいので あれば、もうちょっと使いやすいように変えていただければいいんじゃないかなと思って います。  前回の改定のときに特に私たちが言いましたのは、鈴木委員と同じですが、どうして診 療所だけなのか、この役割を民間の中小病院がかなり担っているとすれば、やはりそこら 辺にもこの点数といいましょうか、同じようなものをつけていただければ、よりよくなる んじゃないかということを申し上げたつもりでございます。  ですから、もう少し、どうして伸びないかというあたりを少し検証していただいて、よ り使いやすいものにして、そしてできれば中小病院を含めた中で、新しい形でこのような 評価をする点数をつくっていただければと思っています。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  安達委員の先ほどの御発言ですと、やはり制度の設計上に現実と乖離するところがある というお話だったのですが、そのときに一たん廃止にするのか、あるいは西澤委員の言わ れるように、支払い要件を大幅に変えることによって続けてもいいのではないかと、こう いう意見もあるかと思いますが、それについてはどんなお考えでしょうか。 ○安達委員  それぞれ我々の中で特に私、意見が違うと思ってはおりませんけれども、西澤委員が言 われたもう一つのこと、鈴木委員もおっしゃっていること、つまり地域の特性や在り方に よっては、病院の外来診療科でもこれが認めるべきであろう、もしやるのならばというこ とですね。それはそうなんですけれども、そもそもセッティングに私は賛成できないと申 し上げたわけでございまして、包括をすることの弊害というのは非常にたくさんあると思 います。  いろいろな制度上の運用の追記みたいなものは後から出てくるんですが、例えば月半ば で急性転科されたときにどうするかというような問題が出てきたり、それから場合によっ ては包括医療の中で、非常に軽微な検査だけが短期間に必要なものについては、本当は医 療費からいうと、それは医療費を上げる結果になっているかもしれないということも含め てでございます。  だから基本的に、最初に申し上げましたように、75歳以上の方の医療が75歳未満と の間で差をつけることがあってはならないというのが答申書の前文の規定でございますか ら、それは全体を規制している私は前文だと思っておりますので、そういう中で言うと、 やはり同じように提供するということであれば出来高に戻したほうがいいのではないです かと、私はその意見は変えられないと、自分ではそう思っております。 ○遠藤小委員長  年齢区分を拡大するかどうか、年齢区分をつけるかどうかという問題は一つあると思い ますが、全年齢に拡大したとしても、これは包括と組み合せの報酬体系ですから、包括で あるということが問題であるという御意見なわけですね。わかりました。ありがとうござ います。  一号側、何か御意見ございますか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  言い方は丁寧さを欠くかもしれませんが、いろいろな医療機関で本来やっていただかな くてはいけないことだというふうには思っているんですけれども、特に高齢の方はさっき のGPでもないですけれども、主治医をきちっと決めて、全体的な治療の調整をお願いし たいということでこの点数がついたというふうに理解をしております。ただ、現実に機能 していないというのは診療側の体制の問題もあるのだというふうに思っております。診療 所のほうは診療科ごとに分かれておりますし、病院のほうまで広げたらどうかという意見 もありましたけれども、病院に行くと、外来で下手すると数時間待たされるような状況も ありますから診療所にお願いしたいということに多分、2年前にしたのだと思います。  ただ、実態的に、二号側の先生方がおっしゃるとおり、機能していないということは、 多分そういう体制ができていなかったのかなというふうに思われます。もう一つは、年齢 が75歳ということで区切ってはいたんですが、そういうニーズは別に年齢にかかわらず 高齢の方々はみんな必要なわけですので、そこのところが誤解を生んだということだと思 いますので、この際これはもう廃止するということで割り切ったほうがいいのではないか と思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  いずれにしても、うまくワークしていないというのは共通認識だと思いますので、制度 をそれなりに変えることは必要なわけであります。それを廃止をしてきちっと議論をし直 してやるという考え方と、現行の制度を、マイナーな修正になりますね、これは22年改 定に入れるとするならば時間もありませんので―で入れるのかと、大体その2つの話に 議論は終着しているような気がいたします。  ただいま白川委員から、もし報酬の体系を変えるにしましても、かなり大きな議論にな らざるを得ないというので、一たん廃止して、その間議論を進めるというような考えが提 示されたわけですけれども、二号側はいかがでしょうか。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私はそれが、1回仕切り直ししかないと思います。 ○遠藤小委員長  ほかの委員はいかがですか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  御提案の御意見に私も賛成でございます。それから、白川委員が御指摘いただいたこと で1つだけ私が申し上げたいのは、なぜうまくいかなかったのかなと。これは確かに我々 現場でしか分からない話なので、少しお話をさせていただきますけれども、本当に手短に です。  先ほど申し上げましたように、複数受診の医療機関数というのは皆さん非常にデータ的 には少ないんですが、例えば内科的にしても、非常に専門的に重度の糖尿病と重度の腎臓 疾患や高血圧あるいは気管支ぜんそくというようなことになると専門性が違うので、両方 かかっていらっしゃる方はいらっしゃいます。  そのときに、それぞれの開業医というのは自分の専門性を持って御指摘のように今開業 している状態で、しかしながらゼネラルフィジシャンとしてその地域に根差す以上は、そ れだけでは患者さんのニーズにこたえられませんから、一生懸命勉強して、ゼネラルフィ ジックスを上げているというのが実態で、その中で実際に我々は1回経験がございまして、 外来総合診療料というのをつくりましたときに、複数の医療機関が算定を上げて、診察機 構のほうで両方がバッティングをして、どっちにしますかというようなもめごとがいっぱ い起こりまして、そのことの非常に苦い経験もある。そのことのすべての根本は、先ほど 申し上げましたように、主病は1つという考え方で現実に対応していけるかということに 意見が帰着するわけでございますので、そういうところでやはり今回、その苦い経験もあ って算定しなかったということと、後期高齢者医療制度そのものに批判的な意見が医療側 にもたくさんあって、その象徴的な問題として算定をしなかったと、そういう複合的な原 因だというふうに私は理解しております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そのような現場の御意見も踏まえながら、少し時間をかけて、もう一度制度設計を行う というようなことでよろしいかと思います。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  スライド番号の6、7、8、もう既に皆さん参照されたと思いますけれども、検証部会 に参加した1人として、こういう結果が出たということを改めて参考にしてお決めくださ いと、それだけ申し上げておきます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、後期高齢者診療料につきましては、新たな制度設計を考えるということで、 今回は廃止という形にさせていただきたいと思います。よろしゅうございますね。ありが とうございます。  それでは、3つ目の課題で、後期高齢者終末期相談支援料、これをどうするか。3ペー ジでありますが、これは現在凍結されているものでありますけれども、これについてどう 考えるか。後期高齢者という名称の変更は恐らく必要になると思いますが、凍結を維持す るのか。廃止するのか、その他いろいろあると思いますが。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  凍結の答申のときにも意見を申し上げましたが、何かの時点で、この後期高齢者に限ら ず、終末期医療をどうするかということはやはり国民一人一人が考えていかなくてはいけ ない問題だろうと思います。  特に我々地方の病院で終末期の患者さんを診ておりますと、都会に行っている子供さん とか家族が集まるまで、かなり延命的というか、無駄なと言ったら問題があるかも分かり ませんが、無意味に近いような延命処置にかなりの医療のマンパワー、あるいは医療資源 を投入しているような気がするんですね。だから、そういうことも含めて、やはり終末期 にどのような対応をするかというのは国民一人一人が、我々医療側もそういうことはある わけですね、自分がどうなったらという。こういうのを移植とかにも絡めまして、自分が そういうふうな状況になったとき、どのようにしてほしいかというのは、40歳がいいの か成人式の20歳がいいのかというような問題もありますけれども、そんな若いときには 考えられないかも分かりませんが、どこかでそういうふうな、医療の中で考える機会は必 要であろうと。ただこれを、料金の問題もいろいろあったり、検証ではしていますので、 難しいですけれども、何かの形で議論する。ただ、後期高齢者終末期相談料というのはも う凍結でなく、廃止したほうがいいと思います、結論から言えば。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  検証部会のほうでも、公費を使ってこのような相談をするということについては利用者 としても意見が分かれたというようなことになっているわけでありますが、邉見委員のお 話ですと、この内容は、結局何らかの形で終末期の相談をするということは重要ではある けれども、現行制度は廃止したほうがよいのではないかということですね。  終末期医療のあり方に関する懇談会というのが開かれているようでありますが、現時点 では意見の集約には至っていないということでもありますので、またその結論なども出て きて、また新たに考えるべきだと、そういう御意見だと理解いたしました。ありがとうご ざいます。  ほかに。坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  後期高齢者という全般的なことですけれども、いろんなケアというのは、年齢にかかわ らずあるわけで、まず後期高齢者という言葉は廃止していただきたいというふうに思いま す。  それから、今、邉見委員が言われたように、例えば二十歳の人にだって終末期はあるわ けですので、そういうことにおいては、後期高齢者のみに限定とかそういう話ではなくて、 もう少し議論をするべきであり、年齢的なものについては撤廃していただきたいというふ うに思います。 ○遠藤小委員長  年齢的なものだけでということですか。年齢を変えて対象を変えれば、これを凍結のま までいいという、そういう意味でしょうか。 ○坂本専門委員  年齢を変えるというよりも、終末期医療に関しましては、もっとあらゆるところから検 討しなくてはいけないということです。 ○遠藤小委員長  ということは、現行制度は凍結状態になっておりますが、廃止をして、またゼロから考 えると、このように理解してよろしいですか。 ○坂本専門委員  はい。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  邉見委員や坂本委員と基本的には同じなんですが、やはり後期高齢者に限ったというと ころで大きな反発を招いたと思いますので、まず後期高齢者を外して、終末期は全年齢層 にあるわけですから、これはやるなら全年齢層に対象を広げるべきだと思いますし、一方 では、この規定の中で連続して1時間以上にわたりという規定があるんですが、これはや はり、1回1時間以上話せば決まるというものじゃありませんから、実際の現場では、1 時間かけなくても、そのかわり頻回に、なかなか重要というか、とにかく逆に我々が終末 期医療をあおっているということは全くなくて、逆でありまして、御家族がもう本当にあ れもこれもとおっしゃるのを、何回も何回もお話しすることによって、穏やかな看取り をさせていくようにお話ししていくのが普通でございまして、そのためにはやはり時間1 回というのが…… ○遠藤小委員長  わかりました。ということで、鈴木委員としては、現行制度は廃止ということで…… ○鈴木委員  廃止して、やっぱりこれも見直すべきだろうというふうに思います。 ○遠藤小委員長  そういうことですね。見直しを前提に廃止をされるということで、そのときに今、鈴木 委員がおっしゃられたような時間制約のようなものにも十分配慮、現実に合うように考え るべきだと、こういうことでよろしゅうございますか。 ○鈴木委員  はい。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  じゃ、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  我々は急性期の病院なので、後期高齢者を診ないというわけではなくて、ちゃんと患者 さんが急変したときには診ているわけですけれども、ちょっと僕は違和感があるんですね、 皆さんの議論に。患者さんからの視点が完全に抜け落ちているんじゃないかという気がし てしようがないんですね。  この後期高齢者制度をいろんな本を読んで勉強してみたんですけれども、やっぱり10 年、20年前の老人病院がひどかったというところから議論が始まって、何とかそれをよ くしようという制度の、これがいろんな矛盾はあるんでしょうけれども。例えば今のみと りなんですけれども、後期高齢者と若い人の亡くなることは、家族にとっても社会にとっ ても全然意味が違うんですよね。後期高齢者が亡くなるときはやっぱりこれは大往生とい うか、そういうときに、今の現代医学ですと、1週間とかその辺は延ばすことはできるん ですけれども、その大往生と若い人が急に亡くなったという場合は、みとりという言葉は なかなか使えないですよ、若い人の場合は。人生若いときに終わられる方もおるわけです から、まだ未来があるのにね。ですから私は後期高齢者というのはきちんと、廃止でもい いんですけれども、やっぱり別にみとりの場合はきちんと考えないと、若い人のみとりと は全く違いますよ、これは。先生方は同じだとおっしゃったんですけど。  それからあともう一つは、今日のデータで出てきていないのは、本当に受け皿がないと いうふうにおっしゃっているんですけれども、実際に困っている後期高齢者の患者はどの くらいいるのかというデータを出していただきたいと思うんですね。それが患者からの、 あるいは国民からの目線の、僕は今日の議論はそれが一番欠落しているなと。今日は経営 のことばかりお話しになっているので、ちょっと僕は違和感を感じたので。  ちょっと事務局に、どのくらい例えば後期高齢者で保険が不払いになっているのか、そ ういうデータはありますか。 ○遠藤小委員長  申しわけありません、後期高齢者の保険料の未払いの話ですか。そうすると、直接この 終末期相談料の話とは関係がないと思いますが。 ○嘉山委員  関係ないけれども、実際にどのぐらい困っていて払えない人がいるのか…… ○遠藤小委員長  どのくらい高齢者が困っているかということですね。高齢者の受療の実態というような ことも関係するだろうということの御質問だと思いますが、何か分かりますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  今日この時点では分かりませんけれども、恐らく未収と保険料の話だと思いますけれど も、ちょっと保険局の他課と相談をして。 ○遠藤小委員長  私もちょっと知りたいところがありますので、ぜひ調べてみてください。 ○嘉山委員  今年の3月に山井議員が、そのときは野党ですけれども、質問主意書を出していて、未 納率は1.1から1.3%です。ということは、かなり後期高齢者の方も払えない人がい ないということを示しているんじゃないかと思うので、あとは後期高齢者の方の要するに 病状で困っている人がどのくらいいるかというのをちょっと出していただけたら、この制 度が本当にいいのか悪いのかというのをやっぱり患者の目線で議論していただきたいとい うふうに私は思うんですが。 ○遠藤小委員長  今、指示をしましたので、それを出していただくことにしました。  そこで確認ですが、嘉山委員としては、今後このような終末期に関する相談ということ を何らかの診療報酬の中へ入れるとしても、後期高齢者とそうでないというのはやっぱり 状況が違うので、それを分けたような視点の制度設計が必要であると。現行制度はそうい う意味では廃止ということについては御同意いただけると。 ○嘉山委員  それは結構だと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。確認させていただきました。  先ほどから西澤委員が手を挙げられているので、西澤委員からいきましょう。 ○西澤委員  この点数について賛成か反対かというのは、ちょっと意見を差し控えさせていただきた いと思いますが、そもそもどうしてこの点数ができたかということをやっぱり、私たちだ けじゃなくて、国民の方々にもよく考えていただきたいと思っております。  後期高齢者医療制度ができたところに、やはり後期高齢者の尊厳ということがありまし た。ですから、やっぱりお亡くなりになるときも高齢者の方の尊厳ということをどう考え るかと、そのためにやはり本人の意思あるいは家族の意思をしっかり聞いて、私たちが終 末期の対応をしなければならないということだと思います。  そういうことを現場は非常に重要に考えてやっておりまして、悩みながらやっておりま す。そういう中で、本当に医師、看護師、その他職種が協力しながら、常に患者さん、あ るいは家族の方々といろんなお話をして対応してきたんですが、それでもなかなか御希望 どおりにいかないということで、今回はこの点数がついた、中に書いてありますが、本当 に多職種ですね、医師、看護師だけじゃなくて、多くの職種が、しかも1時間以上にわた り話し合いを行ったということで、実は点数200点です。たかだか2,000円という 額から見ると、それの何十倍もの労力を現場はかけています。これは点数が欲しいからす るとかそういうことではなくて、現場がやっていることを評価していただく、それから、 これからは私たちとやはり患者さん、家族の方が一緒になってこういうことを進めましょ うよというアナウンスだったと思うんです。  ですから、この点数が残る残らないはどちらでもよろしいんですが、そのような議論を もっと一緒にやっていく場というものをつくっていっていただきたいと。本当に後期高齢 者の場合、今、嘉山先生が言ったように、若い方が亡くなるときとは違うんですね。やは り本当に人生を全うした方、その方々が人生を終わるときにどのように私たちがその方の 尊厳というものを尊重しながら考えていくか、そういうことだと思いますので、そのあた りのことをちょっと一言言わせていただきました。 ○遠藤小委員長  もし今後検討するということで御同意が得られれば、そういう検討の中で、またそうい う御意見を承りたいと思います。  一号側から何か御意見ありますか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  2年前に後期高齢者の医療制度ができたときに、西澤委員がおっしゃったとおり、高齢 者の方々の尊厳とか高齢者ならではの身体の特性などに着目していろいろな診療報酬上の 評価をしてきたと思います。したがって、病院等あるいは診療所等でやられていることを 高齢者の特性に着目して加点したということだと理解をしておりますけれども、そういう 意味では、終末期の相談支援料というのは、別に点数をつけたから、あるいはつけないか ら、やりますとかやりませんとかいう種類の話ではないというふうに理解しております。 アンケートの結果を見ても、患者側としても話し合いはぜひともやりたいという希望がも ちろん圧倒的ですし、診療側のほうもそれに随分時間をとって相談に乗っていただいてい るというのは理解をしております。  ただ、評価の仕方が確かに難しくて、75歳以上だけなのかとか、時間の要件とか、何 かそういったことで非常に決め方が難しい問題です。私の意見としては一旦廃止をして、 現在、別の会議でもいろいろと検討を進めているようですし、邉見委員もおっしゃったと おり、この終末期をどうするかというのは国民的な課題で、いろんなところで議論をして いかなくてはいけないと思いますので、その辺の状況を見ながら診療報酬上の評価を決め たほうがよろしいのかなと考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  これが凍結されるときに、たしかこの場に当時の舛添大臣が来られて、僕はその場でも 発言させていただいたと思うんですけれども、この目的というのは、大切なことで僕はも うここはかなりきっちりしなきゃいけないことだと思っています。しかし、やはり手法に いろいろ問題があって、年齢で区切っているとか、僕も当時、後で気づいたようなところ があったんですけれども、これの見本となる様式もたしかに粗いなと思ったりもしました。  このあたりのことは、ケースによっては物すごく過剰な医療になってしまっているよう に見えるケースもあれば、ある意味、物すごく患者の尊厳が奪われたように見えるケース もあるでしょうし、先ほどの話では、救急で若い人がたいへんなときには心臓マッサージ をするでしょうけれども、本当に大往生と呼べる人にどれほど心臓マッサージをするべき なのかという医療現場の苦悩もあるでしょうし、しっかりと今検討会で進められていると いうことなんですけれども、そのあたり、かなりやはりこれは時間をかけて議論されてき たテーマだし、非常に人権の侵害、患者の尊厳を奪われる、権利が奪われることがあって はいけないし、かといって医療側が非常に疲れてしまう形になってもいけないし、すごく 難しいことだと思うので、やはり早くきちんとしたガイドラインとかそういうものが出て、 それに合った、だれもが納得できる、こういう形で全員が相談してもらえるんだったらい いなと思えるようなものを、一定ちょっと時間とか手間のかかる部分だと思うので、それ だけにきちっと整理をして、それを支援していけるという形に早くならないといけないと 思います。ちょっとそのあたりがいい加減なままで先走ってしまったような面があったん じゃないかと思うので、議論の方向としては今の方向でいいと思うんですけれども、その 点をお願いしておきたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  私も、個人的に申し上げますと、つい最近、93歳の母親をみとりまして、家族として いろんな悩みを持ったときに、お医者さんなどに相談をいたしまして、そのときのアドバ イスがやはり物すごく私には参考になりました。嘉山先生がおっしゃるとおり、まさに9 3歳で大往生ということでありましたが、では、75歳のときならどうだったのか、85 歳のときならどうだったのか、あるいは93歳のときはどうだったのか、そのときそのと きで状況が違いますし、家族の考え方も違うということだと思います。やっぱりそういう 意味では、高齢者の特性という意味からすると、終末期、ターミナルケアでいろいろと相 談をいただけるということは非常にありがたいことだと感じました。  鈴木先生がおっしゃるとおり、これは1時間も必要なくて、家族はいつもどうしたらい いか考えておりますので、わずかな時間でも本当にいいアドバイスをいただけるわけです ね。この問題は大変大事なことで、必要なことだと思いますので、ネーミングの問題だと かいろんな問題もあるでしょうから、一たん廃止をするということでよろしいかと思いま すけれども、内容についてはもう一度じっくり見直して、再度これは考えていく必要があ るのではないかと思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、手短にお願いします。 ○鈴木委員  今のままの形だったら廃止するしかないと思うんですけれども、この問題は非常に重要 なので、年齢の差というのはなくすべきだと思うし、全年齢層にわたって終末期について 語るということは、私はむしろそういう大幅な見直しができるんだったら継続して話をし てもいいと思っているぐらいでして、ここはぜひ重要に考えていただいて、75でも現役 の人もいらっしゃるし、やっぱりそこで区切るということはおかしいというのがあります。 ○遠藤小委員長  わかりました。そうしますと、ほとんど両側の意見としましては、この制度の見直しを 検討するということを前提に、この後期高齢者終末期相談支援料は廃止するということで よろしゅうございますか。ありがとうございます。では、そのように対応させていただき ます。  それでは、大どころの3つが終わりまして、そのうち2つが廃止ということになりまし た。先ほど事務局にちょっとお尋ねしましたけれども、名称の変更だけというのがどれに 当たるかというのを教えていただけますか。ページ数を言っていただきながら教えてくだ さい。 ○事務局(佐藤医療課長)  参考資料の2と3のスライドですけれども、後期高齢者特定入院基本料、A100です ね。それから、A316の診療所後期高齢者医療管理料。それから、その下のスライドで すけれども、後期高齢者処置。それからその下の後期高齢者精神…… ○遠藤小委員長  全然分からないので、項目番号を言ってください。できれば議論をしたいので、中に入 っているほうがすぐ議論に移れますので、そっちで指摘していただいたほうがいいかなと 思うんですが。 ○事務局(佐藤医療課長)  A100、それからA316、J001−5、J001−6、これが改です。それ以外 は新です。 ○遠藤小委員長  ごめんなさい、もう一回言っていただけますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  改を先に申します。要するに点数や条件を変えたものが改。A100、A316、J0 01−5、J001−6。それ以外は新です。ただ、新と申しましても全くの新というわ けではなくて、ワコード等に根っことか参考になるような点数があって、それを参考にし ながら新でつくったということです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そうすると、それ以外で、先ほどやった3つ以外のものというのもあるわけですね。そ ちらのほうをつぶしていくのが先決ですかね。  それでは、例えば診療所後期高齢者医療管理料というのが3ページにございます。これ は名前が変わっただけですか。そうですか、失礼しました。  それでは、名前が変わったものということで、診療所後期高齢者医療管理料、これにつ いてどうするかということをお聞きしたいと思います。名称の変更だけにするか、内容も 変えるか、あるいは廃止・凍結も含めてですけれども、そういう意味では昔からあるもの でありますけど。何か御意見ございますか。 ○西澤委員  今のはどれですか。 ○遠藤小委員長  失礼しました。3ページ、診療所後期高齢者医療管理料。  名称変更というものではありますけれども、これについて何かお考えありますか。実態 はこのままにしておいて、名称だけを変えるということも考えられるわけでありますが、 後期高齢者という言い方をどうするか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  これはどうなんでしょうか、一号側の皆様方もどうお考えになるかなんですけれども、 非常にマスコミ的なあれが先行して、非常にそこで区切る区切ると年寄りをばかにしてい るとか、いろいろおっしゃるコメンテーターもおられたし、司会者もおられたわけですけ れども、老年医学的には老年医学会はここで区分しているはずですよね、純医学的にでご ざいます、それぞれの身体特性に合わせて。  それから以前の資料で、今そうなっているかどうか分かりませんが、診療報酬の点から いうと、ここのところあたりで入院医療費と外来医療費が逆転するというところでもある だろうと思うので、仕分けたことはどうなんだろう、問題があるんだろうかと思います。  もう一つ言うと、75歳よりももっと以前から日本では、退職をされて、いわゆる現金 収入にあわせての保険料支払いですから、そこのところの保険料は減ってきているけれど も、身体的特性、生物学的特性によって年齢とともに故障箇所がふえるということで、必 要な医療給付費はふえるということのアンバランスの問題というのが一緒にあると。そう いうところですから、どうもマスコミの皆さんがお騒ぎになって、一部悪のりした人もい るかもしれないけれども、「後期」というのがイメージ悪いんじゃないんですかね。医療 制度としては前期というのはありますよね、今調整金を健保組合も払わなきゃならないの で大変なんですけれども。前期だと御異論ないけれども、「後期」をとって「高齢者医療 制度」にして、内実は75歳のまま残すと、そういうことぐらいで私はいいのではないか なと思っています。 ○遠藤小委員長  わかりました。在宅医療を支援するという意味合いでは、有床診の機能として意味があ るということで、その場合、年齢も75というのは医学的に見ても妥当であろうと。ただ し名称上の問題なので、名称変更、内容は変えないと、こういう御主張だったと思います。  これについてほかに。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  要するにやっぱり後期高齢者医療制度の「後期」という名前が入ったがために、何もか も悪いことになっているんですが、この点数も平成8年からあって、老人保健制度の中で できていて、そのときからすでに年齢区分はあったわけですよね。ですから何ら変わって いないんですね。名前が「後期」と入っただけで非常にアレルギーを起こしたというだけ ですので、そのあたりはきちっと考えないと、「後期」が入っているから何もかも悪いと いうふうな議論はやはりおかしい。これは平成8年からやはり必要だということで、年齢 は徐々に上がっていきましたけれども、直近では75歳以上の方の点数としてそのままあ ったわけですから、これはそのまま継続でよろしいんじゃないかなと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  内容的には変えないで、名称は変えるというようなことでいかがかということですけれ ども、それでよろしゅうございますか。  藤原さん、どうぞ。 ○北村委員(代 藤原氏)  すみません、ちょっと質問なんですけれども、ここの(2)のところが意味が私にはよ く分からなくて、もう少し詳しく御説明をいただければと思うんですが、保険診療上の意 義が明確ではないというのはどういうことなのか、それからショートステイと機能が重複 しているというのはどういうことなのか、要するにこれはショートステイに変えてしまっ て構わないという意味なのか、ちょっとここを教えていただけますでしょうか。 ○遠藤小委員長  わかりました。じゃ、事務局お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  まさに今、御質問の中にも一部まじっていましたけれども、診療所における後期高齢者 医療管理料と介護保険における短期入所療養介護で、特に基準適合診療所という区分があ りまして、これがかなり似通っていて、事実上近い、点数なんかでは少し差はあるんです けれども、似通っているというのが一つのポイントです。これはスライド番号の15でも 見ていただけますけれども。  そうなると、実際そこに入院している患者さんにそんなに差があるのかどうかというこ とにもなりますので、正直に申しますと、私どもとしては介護と整合性をとって、むしろ 介護に一本化するとか、医療保険のほうでは廃止するということもあるのかなということ で御提示をさせていただきました。 ○遠藤小委員長  よろしいでしょうか。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  後期高齢者というのは「後期」が悪いというようなことを安達先生はおっしゃったんで すが、生物学的には、もちろん社会的年齢と生物学的年齢は年齢を経れば経るほど差があ るんですけれども、やっぱり若い人でも元気な人と元気でない人がいるので、それを言っ てもしようがないので、やっぱりある年齢で分けなきゃならないんですね。  来年、私、日本脳ドック学会の会長をやるんですけれども、やっぱり生物学的には、ス タンダードで見ると、やはり75歳で分かれます、明らかに。あと老年医学会でも75歳 をサイエンスでもって分けているんですね。元気な人もいますけれども、平均化した場合 では、やっぱり75は一つの目安になると思います。  英語で言った場合は、高齢者というのはaged patientというんですよ、要するに高齢者 の患者さんを。このaged patientを、これを75以上と以下で分けた場合には多分、high aged patientとlow aged patientなので、この辺をちょっと英文学者にでも、老人に優し い受け取り方ができるように訳していただければいいのではないかというふうに、ちょっ とこれはコメントなんですけれども。あと生物学的には、75でやっぱり現時点では分け るのは妥当だと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  皆さんのお話を承っていますと、名称の変更ということで、内容はこのままでいいので はないかというのがマジョリティーだと思いますけれども、そのような対応でよろしゅう ございますでしょうか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  (2)の今質問があったことで、重複しているということに関して、どちらか一本化で もいいんじゃないかという課長の話もあったんですけれども、二号側の先生方からすると そのあたりはどういうふうに受け取っておられるのか、お聞きできればと思うんですが。 ○遠藤小委員長  どなたかコメントございますか。ここに書いている介護保険のショートステイとの機能 重複であるということですが。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  これは有床診療所の件なので、私たちは直接その方々の意見を聞いていませんので、そ の件については今回コメントできませんので、後ほどお時間いただいてと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。勝村委員、よろしいでしょうか。  それでは、藤原さん、どうぞ。 ○北村委員(代 藤原氏)  もしそういう先生方のほうの判断がまだないということでありますと、マジョリティー であったかもしれないですけれども、判断はもう少し後にしていただければなというふう に思います。私も同じように先生方の御意見を聞きたいなと思っていたので。 ○遠藤小委員長  ちょっと事務局にお尋ねしますが、これをまだ議論する時間はございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  あります。ありますし、ちょっと今日は資料を提出すればよかったなとちょっと反省を しているんですけれども、介護保険のほうに短期入所療養介護という制度がありまして、 この中で、ほとんど同じような場所で、同じような体制で、それで介護保険と医療保険と 実施がされておりまして、その比較表がありますので、こうしたことも含めて、次回にな るか次々回になるかわかりませんが、ちょっと整理をして、御議論が進むような形で資料 を準備したいと思います。 ○遠藤小委員長  そうですね。実際には医療機能が短期入所のほうにはないわけですから、その辺の役割 分担がなされているのか、されていないのかというところは知っておきたいところであり ますので、それでは、そのような資料が出てからということで、引き続き検討をするとい うことでさせていただきたいと思います。  それでは、次でございますけれども、5ページに、これは高齢者の評価でありますけれ ども、後期高齢者総合評価加算、それから退院加算というのが2つございます。要するに スムーズな退院ができるようにと、こういう目的でつくられた一連の点数でありますけれ ども、これについてどういう対応をするかということです。  では、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  これもやっぱり75歳で分けるというのは問題あると思うんですよね。介護福祉サービ スとの円滑な連携の推進というのは必要だと思うんですよ。ただ、例えば介護保険に移行 するにしても介護保険は65歳以上、あるいは特定疾患は40歳以上ですから、もっと年 齢層が実際そういうものを必要にする方はひどいわけですから、そういうことで、例えば 対象を75歳以上じゃなくて介護保険の対象者、要介護認定者、要支援認定者とか、そう いうふうに広げることであれば、連携を推進するという意味ではいいんじゃないかなと私 は思っております。 ○遠藤小委員長  対象者を拡大するということと、言外には、対象者を拡大しますから当然、後期高齢者 という名称も変えるということになるわけですね。そういう御提案であります。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  4ページの図を見ると一番よく分かると思うんですけれども、やはり高齢者の方が治療 を受けているときに、例えば外来で治療を受けていて、そしてそれがある程度ほかの病気 が発症した、あるいは治療している病気が急性増悪したということで入院が必要になった ときには、やはりそういう情報というものを入院する病院に出していただくというのは非 常にありがたいと思っておりますし、またそこで治療が終わった方々は、退院したときは、 その後治療を一切必要ないんじゃなくて、もとの主治医の方にお返しする、あるいは介護 サービスが必要なときには介護サービス事業所へのつなぎが必要だと、そういうところを 全部評価した点数ということで、これは在宅と入院とのお互いの行き来を円滑に行うとい うこと、それから医療から介護へもまた円滑に行うということで、かなり考えて、幾つか の形でつくられた点数だと思っています。これは一つ一つも意味がありますが、総合的に これが全部そろっているということも非常に意味があるということですので、ぜひここは 残していただきたい。  ただ、名前をどうするかとか年齢をどうするかというのは、また後で議論させていただ ければと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  今、240と241をワンセットで御発言いただいたと、そういう理解でよろしいわけ ですか。本文5ページのA240後期高齢者総合評価加算と後期高齢者退院調整加算の両 方のことをおっしゃったというふうに理解してよろしいですか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  その2つプラスここに書いてあるほかのも含めて言わせていただいたつもりでございま す。例えば栄養食事管理とかすべてのことを含めて…… ○遠藤小委員長  ごめんなさい。ほかのというのはどこ。 ○西澤委員  参考資料のほうのスライド4です。これが一番分かりやすいと思っています。 ○遠藤小委員長  わかりました。失礼しました。  そうしましたらスライドの4を見ていただきまして、それの上のほうにある退院調整・ 病診連携のところに出ております5つの加算等に関しての御意見だということで、基本的 には年齢をどうするかということはともかく、これは継続するべきではないかと、このよ うな理解でよろしいわけですね。  年齢をどうするかということですが、現時点では拡大するという、全年齢を対象にとい うそういうイメージをお持ちですか、まだそこまでは判断がつかないという。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  判断ついていません。先ほど嘉山先生もおっしゃったように、75歳ということでかな り変わるということもありますので、やはり年齢は75歳のままでいいか、あるいはもう ちょっと年齢を下げて、例えば前期高齢者の年齢まで含めるかぐらいが議論だと思ってお ります。 ○遠藤小委員長  わかりました。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  私は、訪問看護の人たちの仕事ぶりを見ていると、やっぱり年齢は撤廃すべきだなとい うふうに思います。後期高齢者の方たちのところに算定が集中しているかもわかりません けれども、鈴木委員がおっしゃられたように、もっと違う患者さんもいらっしゃるので、 このシステムは大変賛成ですので、年齢を撤廃していただいて続けていただきたいなとい うふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  年齢を拡大するかどうかには多少、意見の違いはありますが、それにしてもこの5つの 制度については残すべきであるということなんですが。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  基本的には参考資料の4番目のスライドの緑の部分を残すというのは、そうだろうと思 います。これが全く機能していないということでしたら、もちろん廃止ということでしょ うけれども、今回は後期高齢者の診療報酬項目のうち、年齢で区切っていておかしいと言 われるものについては見直すべきだと思いますけれども、十分に機能しているものであれ ば、名称の変更等で残すべきだというのが基本スタンスだと思っております。  ただ、これに乗じてといったら大変申しわけないですけれども、年齢を拡大するとかい う話はまた別の話ですので、それは資料等も準備していただいて論議をさせていただかな いといけないと考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  したがいまして、年齢区分をどうするかということについてはまだ意見の集約は得られ ておりませんけれども、この制度を存続させるということについては御同意が得られたと いうふうに思います。事務局としましては、年齢を考えるときに何か役に立つようなデー タ等があれば提出していただきたいと思いますけれども、何かございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  その方向で考えます。  それから委員長、大変差し出がましくて申しわけありませんが、私どもの本当の今日の 気持ちとしては、大どころを御議論いただければ、それを基本に進めていきたいと思って おりました。今の御質問も関連するわけですけれども、この4つ以外の残りの13につき ましてはかなり細かい部分もありますし、先ほど新のところで申しましたけれども、ワコ ードにある程度根っこがあって、その根っこの上に後期高齢者という名前をくっつけて少 し点数を上げたり下げたりして調整しておりましたので、繰り返しになりますが、残りの 14については少し、今日は、大変申しわけありません、準備が不足しておりますが、整 理をしまして、何かもっと分かりやすく、今後本当にどうしていくのかということも含め ました表の形で表示をして、御提示をしたいと思っております。 ○遠藤小委員長  わかりました。ありがとうございます。  私の不手際もありましてかなり時間をとっておりますが、重要なところはそういう意味 では先ほど来の結論が出ておりますので、残りのところについてはもう一度事務局から資 料が出てくるということでありますので、そのときに改めて議論をさせていただくという ことにさせていただきたいと思います。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  本日ここに出ています内容で、歯科については1点ありますので、その点だけちょっと 触れさせていただきたいなと思います。  8ページ、9ページに記載してあります後期高齢者在宅療養口腔機能管理料でございま すが、8ページにありますように、従来ありました老人訪問口腔指導管理料を廃止して、 この新しい制度にしたわけなんですが、そのとき、今議論されておりますとおり、年齢で 後期高齢者に区切ったというところが一つの問題であって、これはそれを廃止して、前の 老人訪問等と同様に、特に後期高齢にかかわらず、在宅療養の患者さんに対しての口腔管 理という位置付けが妥当ではないかと思います。  それから、9ページの上に書いてあります算定要件の中の最初のところに、在宅療養支 援歯科診療所に限る形になっておるんですけれども、実際に訪問して在宅で患者さんを診 ておられる診療所というのは、多数、またこれの何倍かあるわけですので、そういう意味 では、ここに限ってしまったというところもこれが伸び悩む、そしてまた在宅での療養を 受けている方に対してのこうした位置付けというのが弱くなったというところがあります ので、支援診療所に限るというところも検討を再度すべき内容だというふうに考えており ますので、本日はその点だけ触れさせていただきました。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ただいま渡辺委員に御指摘いただいた内容につきましては、次回にまた議論する中に含 まれているということでありますので、本日はその頭出しのような御意見をいただいたと いうことであります。  それでは、非常に白熱した御議論をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。  それでは、後期高齢者に係る診療報酬についての議論はこれまでにしたいと思います。  次に、「介護保険との連携について」を議題といたします。  事務局から資料が提出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  関連する介護保険との連携ということですけれども、中医協の診−2と、それから参考 資料がついております。実はタイトルは介護保険との連携ということで、かなり大上段に 振りかぶっておりますけれども、ここの項目では3ページの第4の論点をごらんいただき たいと思います。  御記憶あるかと思いますけれども、例えば老健施設や特養に対する保険診療がどうある べきかという話はこれまでたくさんしてまいりまして、そういったところで介護保険との 連携というのはもう見ていただいたんですけれども、今日御議論いただく介護保険との連 携という点では、この2つに絞り込んで、資料その他を準備しております。  論点の1でございますけれども、入院後早期から退院後の生活を見通し、適切にケアマ ネージャーと連携を行う取り組みについて、診療報酬上の評価をどのように考えるかとい う点。  それから2つ目が、老人保健施設ががん患者をより積極的に受け入れやすくする取り組 みについて、診療報酬上の評価をどう考えるかということでございます。  それで、もとに少し戻る感じになりますが、まず1つ目の入院後早期から退院後の生活 を見通しマネージャーとという話は、1ページに戻っていただきまして、1ページ目の第 2の現状と課題というところですけれども、入院患者のスムーズな在宅復帰を可能にする ために、地域の事業者等について、もう入院したときから連携をしておくことが重要であ るということです。特に入院前から在宅で居宅系サービスを利用している患者の場合、そ のケアプランの作成を担当していたケアマネージャーと入院早期から適切な連携を図ると いうことになります。  資料の中にも出てくるんですけれども、ケアマネージャーの調査によりますと、他機関 との連携に関する悩みのうち、主治医との連携がとりにくいという回答が57.2%を占 めております。こうしたことがあるということですから、早い段階でケアマネージャーと やっぱり主治医等々とが話し合いをしたり、緊密に連携をとっておくことが重要だろうと いうのが1と2です。  それから3番目ですけれども、これもかなり狭い領域について御相談をいたしておりま すけれども、老健施設入所者においても、最近はがん患者等が入所しているという例が見 られるということです。現状では内服の抗がん剤というものは医療保険から算定可能とし ておりますけれども、注射の抗がん剤というのは算定できないこととしております。近年、 外来化学療法の安全性が向上して外来化学療法等が増加する傾向にありますので、今後、 老人保健施設への入所の場合にもこういうことについて保険から出していけるように、保 険からの算定ができるような形で考えてはどうかというポイントです。  それで、参考資料のほうをごらんください。  1番から4までのスライドはもう省略をいたしますけれども、先ほども説明した5番の スライドですけれども、介護支援専門員の悩みというのを聞いてみますと、赤い枠で囲っ ておりますけれども、主治医との連携がとりにくいという方が5割を超えているというこ とがあります。  それから次のページ、スライドの6ですけれども、主治医意見書を入手していますかと いいますと、ほとんど入手していないということも含めて、大体25%から30%ぐらい のところで入手している割合だということです。  それから、ケアマネジメントの業務プロセスに関して、介護支援専門員がほぼ全員にで きているという回答をした例で見ますと、ケアプラン内容のモニタリングなんかはかなり 高いんですけれども、やっぱり医療機関や主治医との連絡調整がうまくいっていないとい うことですから、こうしたことが今後の課題であろうということです。  それから、一挙に飛びまして9ページ目のスライドです。  私どもメディアス等でチェックをしたりしていますと、大学病院の外来というのの点数 が非常に上がっているんですが、その理由を大学関係者に聞きますと、外来化学療法や外 来放射線療法が影響しているというお話を聞きます。ごらんいただきますように、平成1 8年から20年にかけまして、社会医療診療行為別調査で見てみましても急増していると いうことです。それから、75歳以上で見ましても、75歳未満に比べると少ないんです けれども、やはり75歳以上でも率で言うとかなりの増加を示しているということが言え ます。  一方、10番のスライドをごらんください。  グラフの表記がおかしいのでちょっと読みづらくて申しわけないんですけれども、老健 施設入所者に占める悪性腫瘍患者の割合はどのくらいいるかというのが左上なんですけれ ども、見ていただきますと、ここで調査したところでは3,163人、つまり1%の方で 悪性腫瘍の患者だと。これを少ないじゃないかと見るのか、100人に1人はこういう悪 性腫瘍の患者と見るのかというところはありますけれども、こういう形で確かにがんの患 者さんがいらっしゃるということです。  それから、その下を見ていただきますと、老健施設入所者の医療処置で見てみましても、 点滴とか膀胱カテーテルといったようなところは少ないですけれども、ここにありますよ うにドレーンだとか、モニター測定だとか、じょく瘡の処置、さらには疼痛管理、一番多 いのは服薬なんでしょうけれども、そういったところで、これを多いと見るか少ないと見 るかは別ですけれども、こういったような処置をしている例も多少ふえてきているという ことです。  それから、11番と12番のスライドは、これはもうこの基本小委では3回目ですので 御説明しませんけれども、先ほど申しましたように、介護老人保健施設入所者に対して医 療保険から算定できる医療サービスについて整理をしたものです。13ページ、14ペー ジまで続いております。  いずれにしましても、こうした中で、現行では、先ほどから申しておりますように、内 服に限っていた抗がん剤ですけれども、今後は注射薬によるものについても認めていく方 向でどうかなというのが論点に戻ってまいります。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  どうもありがとうございます。  介護保険と医療保険の連携の問題は、これは24年度改定の大きなテーマということに なりますので、本日事務局から出てきたものはそういう大きな話ではなくて、足元でいろ いろ問題が起きているということについて、論点が2点出されているわけです。  この論点1のケアマネージャーのほうからいきましょうか。要するにケアマネージャー と主治医との調整といいますか、カンファレンスで出たことに対する評価ということであ りますけれども。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  これも連携という意味で非常に重要だと思います。早期からやはり連携を図りませんと、 例えば介護保険の認定を受けていないような場合は、やっぱり認定結果が出る場合に一月 以上我々の地域ではかかりますから、退院するときに結果が出ていないというようなこと もよく起こることでございますので、やっぱり入院早期にそういった取り組みを始めるこ とは必要だと思うんですが、そこでやっぱり医療は医師が中心ということになると思うん ですが、介護はケアマネということになるんですが、お互いにお互いのことを知らないと。 医師は介護やそういう状況を知らないし、ケアマネは医療のことを知らない。そこは今後 の大きな議論の課題になるかと思うんですが、とりあえず取り組みをする場合には、医師 とケアマネということなんですが、やはり医師は非常に忙しいので、なかなかケアマネさ んの希望のようにじっくり話しする機会はできませんので、私は医師の意向を受けた、今 ほとんどの病院にはメディカルソーシャルワーカーがいると思うんですよね。そういった 職種を活用して、そういった職種とケアマネさんが連携する、話し合いをするようなもの に評価する形にすれば、とりあえず進むのではないのかなという気がしております。 ○遠藤小委員長  医師あるいはMSWであってもいいという、そういうお考えですね。 ○鈴木委員  それと、医師も診療情報を出した場合には、意見書以外に、そこも評価すればやっぱり インセンティブにはなるかと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  具体の内容は鈴木先生がおっしゃったところに、現場にございますけれども、その前に 事務局にお伺いすればいいのかどうか、この論点の設定は何が論点なんですか。ケアマネ ージャーさんが医師とコンタクトをとる体制をなかなかつくりにくいから早期にやろうと いう視点は分かりますし、それについては鈴木委員が申し上げられたとおりだろうと思い ますけれども、一方、医学的な要点から言うと、入院早期から設定せよといっても、退院 する時点でどの医学的必要度が残って、だからどういう主治医が在宅で必要であって、ど ういうコントロールをしなきゃならないかということは、そもそも退院の時点でないと分 からないことが多い。  それから入院時に、もちろん退院に向かわれての目標点設定はすると思いますけれども 入院医学管理料の算定等もあって。その目標点のところまでは病院のほうが面倒を見るの かということとの整合性ということもあるので、この早期にというのがどういう設定なん ですかということがそもそもよく分からないんですが。 ○遠藤小委員長  わかりました。事務局、お聞きのとおり、早期に関与するということの意味ですね。  事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  やっぱり最近、平均在院日数が短くなっていますので、退院ということがはっきり分か ってから、またケアマネージャーさんを呼んで、その人が来るか来ないかなんて言ってい ると、だんだん遅くなってしまうので、ポイントだけ言うと可能な限り早く、ある程度め どが立ったらケアマネージャーさんと協力をして、そして退院をにらんだ共同指導につな げていくということだと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  坂本専門委員、関連ですね。お願いします。 ○坂本専門委員  やっぱり退院が決まりそうになってからというのは、急性期病院等においては遅いとい うふうに思います。できるだけいつもコミュニケーションできるような形で持っていくと いうのが一番いいと思うので、私も入院のときにいつもケアマネージャーさんが行き来し ているような状況がいいと思うんですが、訪問看護ステーションをぜひ使っていただきた いと思います。病院と診療所の看看連携は既に算定可能となっておりますけれども、ドク ター全てに関わるような状況は大変忙しいわけですので、ソーシャルワーカーさんや、在 宅ケアを指導したり、退院支援をしているナースたちがかかわって、ある程度決めておき ながら、ドクターとかかわっていくというようなやり方をつくっておかないと、ケアマネ ージャーに、何とかしてもらいたいというだけではなかなか難しいと思いますので、ぜひ そこを考えていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  これも次の同時改定のときが一番大きな議論だと、会長御指摘のとおりだと思います。  前から私ども申し上げておりますように、この議論をやるときは受け皿のほうがチーム にならないといけないので、大きく言えば、地域全体がもう病院だというふうなことで、 在宅に戻られるときもそれぞれの必要度に応じて専門医がチームを組むということをやっ て、病院の側が今のケアマネージャーさんも訪問看護師も含めて、チームに対してセット アップをどうするかということを、御相談そのものを受ける受け皿が必要なんだろうと現 状は思っておりますので、地域のいわゆる個人診療所等々、有床診療所も含めたところが 全体としてチームをつくって情報を持っていると。その情報の中で、対応する患者さんに ついて必要な医療をどういう提供体制をつくるかというところの連携のシステムをちゃん とつくらないと、これは本当は解決しない問題だろうということを感じております。  それから今、坂本専門委員が訪問看護センターを使えとおっしゃったんですが、我々も 使いたいんですが、現実には、この前の資料も出てきましたように、それは非常に小規模 なところが多くて、例えば京都では、市内でも在宅支援診療所を申請しようとするときに、 連携をとりたい、とらないと条件を満たさないんですが、受けていただけないんですよ。 という実態があって、それは必要だろうとは思いますけれども、そういう点からの、利用 せよという御意見ならば、もう少し規模を大きくしていただいて、在宅訪看をふやしてい ただかないと、現実には対応できていないというのが実態だろうと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、一号側で。中島委員、どうぞ。 ○中島委員  ありがとうございます。  私も基本的には同時改定を目指して、もう少し受け皿の在り方というところが根本的な 議論だろうというふうに思います。  それで、評価していただく分には、より早期からということでいいと思うんですが、先 ほど御指摘がありましたように、やっぱり入院の当初ですと、これはケアマネージャーの 側からいっても、治療の進捗ぐあいとか御本人の状況とかによってかなり変わってきます ので、そんなに簡単に逆にプランが立てられない、本当にコミュニケーションという形に なるので、現実的には、今限られた資源でなかなか早期からは難しいという状況があるの も事実なので、これはあくまで情報提供でございますけれども、やはりケース・バイ・ケ ースで、受け皿のところを基本的には整理していくことが肝要かというふうに思っており ます。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  先程、論点のつくりが分からないという御意見もありましたけれども、私も同じなんで すが、ケアマネージャーが、早期かどうかは別にしても、お医者さんとコンタクトをとり にくいので、それを促進するようなことをしたいんだという意図だと思います。ただし、 それを実現して本当に患者のケアの向上に結びつくのかどうかということが分からないま まその分は負担するのかという話になるわけで、私どもとしては実際に手厚い介護も含め てですが、そうしたサービスを受けたから、それは診療報酬上も高く評価されるんだとい う形でないと、その形をつくるためにお金を払えというのはちょっといかがな提案かなと 思います。これをやるとしても、そういう意味では非常に算定の仕方が難しいのではない かなと。外来管理加算の5分要件でもないですけれども、形よりはやっぱり中身に着目し た診療報酬のつけ方を基本的にすべきではないかと考えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  じゃ、医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  スライドで言うと4番になりますけれども、結局、発症して入院して、そして最終的に は地域の介護サービスへと行くわけですけれども、白川委員からはそうした流れというこ とでしたので4ページ目のスライドをごらんいただければと思うんですけれども、私ども としては、平均在院日数が短くなって、できる限り在宅や、在宅でなければ居宅系へとい うことですから、そうなりますと、この中にも書いてありますように、早くケアプランを つくっていただいて、要介護認定をしていただくということが必要になってまいりまして、 先ほどから繰り返しておりますように、平均在院日数が短い中でこうした一連の作業をし て要介護認定を早くするということで介護系の施設や、あるいは在宅へのサービスが流れ ると思っておりますので、数値で示すことはできませんけれども、概念としては、これは ある程度確立した概念なり流れなんじゃないかというふうに考えおります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  ですから、それを促進するような制度はいろいろありますよね。上のほうにも重なりま すし、先ほど話が出た医学管理加算みたいなものも、在宅を促進するためのいろんな制度 がありますが、ケアマネージャーさんが早くお医者さんとコンタクトをとれるようなこと を評価したいというふうにこれは読めるものですから、それはちょっと違うのではないで しょうかと申し上げているのですけれども。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  退院と一言で言ってもいろんな退院がありまして、単純に退院をすればいいということ であれば、恐らく、先ほどから何度もお話のありますように、看護師さんとかお医者さん でいいのかもしれませんけれども、それをさらに介護サービスへつなげていくためにはM SWの方、そして究極はやっぱりケアプランをつくっていただいて介護認定という流れに なりまして、それはやっぱりケアマネじゃないといけないと。ここはもうケアマネじゃな いとという話でありましょうから、そういう意味では、同じ退院でも普通に退院する、あ るいは診療所に結びつけていくというものと、今度は別個に介護サービスをということに なると、やっぱりそこは餅は餅屋といいますか、そういうケアマネさんの関与が必ず必要 だという認識でこういう構成等にしております。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  やはり高齢者の場合、歩いてすたすた帰れる人は全然そういうことは要らないんですが、 軽い方は介護サービスだけで帰れる方もいらっしゃるんですが、重度になってきますと、 やっぱりいろんな医療サービスを入れないと在宅に戻れない方がふえてきておりまして、 そういう場合にケアマネさんだけで、特に介護系出身のケアマネさんだと、なかなか医療 系のサービスをどのぐらい入れたらいいのかわらないということがありまして、やっぱり 医療系との連携が必要で、具体的にはですからケアマネと医師ということなんですけれど も、医師がそういうわけで、なかなか忙しいので、それを促進するために、さっき私は医 師にもインセンティブを、あるいは医師のかわりにその意向を受けたメディカルソーシャ ルワーカーみたいな人とか、臨床経験豊富な看護師さんでもいいんですけれども、そうい う人たちが間に入って、医療と介護を結んでいくということが、在宅においては医療系の サービスも介護系のサービスも必要だし、これから重度の人の在宅を推進するためには医 療系のサービスをより入れていく必要があるので、そういうために早期からの連携が必要 だということだと思うんですけども。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  私はこの点数はいいなと思っています。早く在宅で、やはり患者さんも帰りたいわけで すから、それをスムーズに早期からやることは大事だと思っております。  もう一つは、今いろんな、ほかの訪問看護等々もありましたが、片方でたしか退院時共 同指導料というのがございまして、その中には歯科医師、薬剤師、訪問看護ステーション、 それからケアマネージャーのうち3者以上と共同して指導を行った場合ということで、退 院時にはこういう点数もございます。  ぜひ次資料を出すときにはそこら辺の、実際絡んでいる場所もありますので、含めて出 していただいたほうが分かりやすいと。ある意味で、ですから医療系のところもきちっと やっていますし、ケアマネージャーも退院時にはある程度相談するものはあります。今回 はそうじゃなくて、もっと入院の早めからやったほうがスムーズにいくんじゃないかとい うことで、それとは違うと思います。そういうことで、もうちょっと事務局の資料を丁寧 にしていただくと御理解いただけると思います。 ○遠藤小委員長  関連なんですけれども、従来あります退院時共同指導料の場合は、ケアマネが単独でと いうのは認められないわけですよね。ですから、そういう意味合いもあるわけですね。今 はケアマネが病院の職員と面談を行う場合は評価できるわけですけれども、医師と会った 場合には評価できないということなので、単独でケアマネが医師と会った場合に評価をす る、しかもそれは早い段階からやったらどうかという提案だということなんですね。ただ、 そのパフォーマンスがよく見えないというのが白川委員のおっしゃっていることなので、 その辺について何か資料等々があれば、次回また出していただきたいんですが。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  私も西澤委員と全く同じで、私も家族として経験しましたけれども、ケアマネージャー さんのかかわりが遅くて、結局は連携というのが途切れてしまうんですね。そこに対して 随分いろんな負担が家族に多くなってきます。早期にどのような人たちがかかわっている かということを明らかにしていただいて、そこを強化していくというような形で考えてい ただきたいと思っております。  ソーシャルワーカーさんでもいいし、看護師でもいいし、それからケアマネージャーさ んももちろんですし、ドクターも含めて、もっといろんな職種もかかわれるんじゃないか と思いますので、そこを重点的に早く、切れないような、そういう連携をやっていく必要 があると思っております。 ○遠藤小委員長  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  先ほども安達委員がお話しになったように、チーム医療、それから地域がチームをつく って、そして情報を持って当たるということでありますので、今訪看のお話も出ましたけ れども、外来化学療法の件数もふえている、あるいは老健施設においてもですが、薬剤の 服薬指導についても非常にふえているという状況もありますので、薬剤師の活用もチーム 医療の中にぜひ今後も推進していただければというふうに思っております。 ○遠藤小委員長  現行でも退院時共同指導料の中の退院時のカンファレンスには薬剤師さんも入るという ことは認められているわけでありますね。  じゃ、坂本専門委員、手短にお願いします。 ○坂本専門委員  その中で、やっぱり訪問看護ステーションがなかなか増えないという問題も抱えており ますが、多くなるよう誘導するような施策もしていただきたいなと思っております。連携 して退院指導したときに、医療機関のところに訪問看護ステーションとの連携においても 退院時共同指導料を算定可能とするような仕組みをつくっていただければと思います。 ○遠藤小委員長  御要望としてお聞きしました。  勝村委員、手短にお願いします。 ○勝村委員  患者の立場からすると、やはりお聞きしていると、退院が来ているのに要介護認定がさ れるのが遅れているということは非常に不都合だろうし、医師とケアマネージャーの間で 連携がとられていないために適切なケアプランができていないということはもちろんよく ないと思うので、その2つが、チーム医療なりMSWなりいろんな形で結果としてとれる ということがやっぱり患者の立場からは大事だと思うので、やはり何らかの連携をとるこ とを評価するということ以上に、その2つがより担保されるような形というのをお願いし ておきたいと思います。 ○遠藤小委員長  大体御意見を承りましたので、もう少しまた資料をいただきながら、次回、議論を深め ていきたいと思います。  引き続きまして、論点2ですけれども、老健施設のがん患者さんに対する化学療法の注 射を算定できるようにしたらどうかという、そういう原案でありますけれども、これにつ いて御意見ございますでしょうか。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  老健施設は本来在宅復帰施設ということでスタートしたんですが、やはりなかなか在宅 に帰れない方がふえておりますし、それから終末期の方も高齢化に伴ってふえてきており ますので、今では全老健としましてもターミナルの場所としても認めるというのが中心的 な考え方になってきていると思います。  そうすると、要するにがん患者の方も当然入ってくるわけでして、今、内服薬は認めら れているということですが、注射が認められていないということで、主に私どもの老健で 問題になるのは、前立腺がんのリュープリンの筋注かと思うんですけれども、注射という 場合にはぜひ筋注まで含めて認めていただきたいということと、人によってはちゃんとし た診断がなされているのかというような話もあると思いますが、ほとんどすべての例は他 科受診で受診した方で、専門医の方針に従って、注射も全部で専門医で行うということが 注射なんかの場合は特に通常でございますので、それに関しては問題ございませんので、 ぜひ認めていただきたいということだと思います。 ○遠藤小委員長  現場の状況からすると認めていただきたいという、そういうお話であります。  何かほかに御意見ございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  簡単にします。現場にそういう医療ニーズがあることは確かでございますので、この方 向は必要な方がおられて、ホスピスとの間を埋めるという意味でも大変大事な視点だろう と思っておりますので賛成でございますが、ただ、確かに点滴抗がん剤、化学療法剤の使 用の仕方、量あるいはタイミング等々も含めて、こういうものが専門医療機関の専門外来 で決められて、そのレジメンに従って老健施設へ入られて、それを受けていかれるという ことになるのが一般の流れになるだろうと思うんですけれども、そういうものを変更しな ければならない、あるいは特殊な急な病変が生じた、化学療法剤等々によると考えられる というときに、外からのいわゆる専門の医療者の対診というものも含めて認めるという、 これは視点としてここに入っているということでよろしいんでしょうか。 ○遠藤小委員長  専門医の対診ということで対応できるのかどうかということですが、事務局、お願いい たします。  医長課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  先ほど11番のスライドを、これはもう3回ぐらい出したのでスキップしますと言って スキップしましたが、そこに表で整理をしておりまして、併設している病院・診療所の場 合は、初・再診料、外来診療料、往診料、診療情報提供料は取れませんけれども、併設し ていない病院・診療所の場合では取れるということになっております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  安達委員、よろしいですか。 ○安達委員  おおむね結構でございますが、併設している場合は取れないという規定の根拠が、簡単 にもし説明できるなら説明してください。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  老健マターですけれども、併設をしているということで、医師等が特定の関係にあって、 ある程度同一のお医者さんによって管理をされているだろうということで、老健のほうで こういう形で整理をされているということです。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今、日本癌治療学会では、日本のがん医療のレベルを上げるためにいろんな努力をして いるんですけれども、老健施設でむやみやたらと抗悪性腫瘍剤を使って、それに診療報酬 をつけることは非常に危険だと思います。  そういう患者さんはいらっしゃると思うので、そういう場合、もしやるのであれば、今、 安達先生がおっしゃったように、専門医のきちっと処方を、あと今大学でも外来で抗がん 剤は打つようにしています。そういうことを担保しないと、ただ少ない量の抗がん剤をや れば副作用もないし、副作用がないということは、反対に言えば効かないんですよね。抗 がん剤は非常に高価ですから、そういうような無駄な医療につながらないような制度設計 をしていただかないと、私も癌治療学会のこういうきちんとしたことをやろうという委員 会の委員なものですから、その辺の担保はどうなっていますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  ちょっと話を整理しておきますと、想定している姿で言いますと、これは老健施設にお いて実施はするんですけれども、ここで想定している抗がん剤の投与をする医師というの は、だめだとはいいませんけれども、老健施設の医師は余り想定をしておりません。むし ろ外来に行って抗悪性腫瘍剤をレジメンに沿って投与されて、こういう方法でといって持 って帰ってくるわけで、そこへ場合によっては往診をしてきて実際の投与もしてもらうか もしれない、あるいは簡単だから老健施設の医師でやってくださいということもあるかも しれませんけれども、全体の抗悪性腫瘍剤の投与の計画や最初の導入の部分は、基本的に は専門医の方がおやりになるものと考えております。 ○遠藤小委員長  ですから、その担保をどうするかというお話だと思います。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ですから、そのときに一番担保というのは何かというと、ただ打つことはだれでもでき るんですよ、注射打つことはね。そのときに病状が変わったり、あるいは副作用といいま すか、そういうのが出たときの対応がやっぱりプロとアマでは全然違うというのは明らか になっているんですよ。ですから、専門医制度をそろそろ標榜してもいいんじゃないかと いうようなことが話題になっているぐらいですから、その担保を、担保というのはつまり 専門医が経過を見られるかどうかですよ。経過を見ながら老健施設で抗がん剤を打てるよ うな診療報酬のシステムにしてあるかどうかということを聞きたいんですよ。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  診療報酬というよりも、老人保健施設療養費と老人保健施設の世界において、抗がん剤 にかかわらず、11番のスライドにありますけれども、抗がん剤以外にも、やや高度と思 われる医療を外部のお医者さんの力をかりながら実施していくわけですけれども、そうい う場合については老健施設の世界のほうで適宜適切に対応されていると思います。  ただ、その中で、今専門医という話が少し出てまいりましたが、そういう方でないとで きないのかどうかということはまたちょっと別な話かもしれませんけれども、現時点にお いては、老健施設というのは関連する協力医療機関というのを決めて、協力医療機関のサ ポートがあるという前提で医学的な常識の範囲内で、うちの老健施設ならできると、ある いはうちの老健施設ではこれは無理だねということを判断して実施されているものと承知 しています。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  だから、そういうきちっとした担保をとらないでやると、やっぱり人間、僕は性善説を とることもあるし、性悪説をとるときもあるんですけれども、そういう制度を使って何か が起きると、国民がまた医療を信頼しなくなるということになるので、制度上きちっと担 保がとれるような制度にすべきだと思うんですね。でないと、まともにやっている医師が、 反対に非常に被害をこうむる、国民から信頼を失うことになるので、制度の上でできませ んか、そういうことは。ただやるというだけでは、僕はちょっとこれは…… ○遠藤小委員長  今、老健の話も出ましたけれども、これは医療保険のほうの診療報酬でありますから、 そこの支払い要件の中で何か担保する仕組みというのはここで決めればいいような気がす るんですけれども、それはいかがでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  担保というものについて、これこれこんな医師でなければならないとかいうのは、かな り明確なものというのは難しいかもしれませんけれども、こういう項目に限らず、十分な 経験や知識を有する医師とか看護師がいること、あるいはそのアドバイスが得られること みたいな、いってみれば心構え的なことはこれまでもいろいろ形で通知で書いていますか ら、その程度であれば十分できると思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうでしょうか。 ○嘉山委員  がん対策基本法では、北海道から沖縄まで均てん化ということが行われているわけです よね。その均てん化の骨格は、抗がん剤の専門医と、あと放射線治療の専門医を、私は専 門はがんなんですよ、脳のがんなんですけれども、それでもやっぱり抗がん剤の内科の専 門医に相談します。それでもって抗がん剤の使い方を今決めているんです。それは常識で すよ、今。それをこういう老健施設でそこまでできるかということですよ。 ○遠藤小委員長  わかりました。御趣旨は分かりましたので、それを何か担保する仕組みを考えて、それ が十分かどうかも含めて、ここでまた今後議論していきたいというふうに思います。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  私も嘉山委員と同じです。腫瘍科とかいろんな専門のドクターが外来化学療法を行って いるわけですけれども、看護師も随分勉強をして、副作用を24時間体制で見るというこ とが大変重要で、相談体制もとってやっているわけですので、もう少し慎重に議論してい ただいたほうがいいというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ちょっと僕、嘉山委員にお聞きしたいのですけれども、既に内服薬については認められ ているわけなんですが、注射薬と内服薬では危険度は大分違うものなんでしょうか。 ○嘉山委員  種類によって違うと思います。注射薬でも安全なのもありますし、内服でも副作用が強 いのもありますので、それは事例事例によって違うと思います。ですからこそ、専門医が 今必要になってきちゃっているんだと思います。  簡単に言うと、抗がん剤は今効く薬がかなり出てきているので、以前と違って。数年前 と違って効く薬が出てきているからこそ、適切な医療をやるべきじゃないかと思うんです ね。 ○遠藤小委員長  そういう意味では内服薬の使用についても何らかの担保が必要だと、そういう視野に入 れた議論だと、そういうお話ですね。  ほかに御意見ございますか。  今のお話ですと、基本的には老健でも注射薬は認めるべきではないかということですが、 しかし質の担保は必要であろうということが出ているわけであります。今後もう少し詰め た議論をしていきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。ありがとうござい ます。  それでは、引き続きまして、次は「専門的入院治療について」を議題といたしたいと思 います。  資料が出ておりますので、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  資料診−3、それから参考資料がついています。  専門的入院治療、ちょっと言葉使いがなかなか難しいのですが、参考資料のほうのスラ イド番号の1をごらんください。  だんだん診療報酬、この基本小委での議論も進んでまいりましたので、そういう意味で はかなり特別なといいますか、患者さんが必ずしも多くない、あるいは余り知られていな い分野というものも一通りは御議論いただく場面が出てまいります。そういう意味で今日 御議論いただくのは、スライドの1に書きましたようにアルコール依存症、それに摂食障 害、それから昨日の社会保障審議会の医療部会でも御意見が出ましたけれども、強度行動 障害を伴う知的障害・発達障害、こういったある程度限定された、患者さんもそれほど多 くはない分野について御議論いただきたいと思います。  それで、今も繰り返しておりますように、必ずしも十分知られていない分野でもありま すので、参考資料のほうでちょっとごらんをいただきたいと思います。  まずスライドの3番ですけれども、アルコール依存症の患者数、それから専門病床数の 状況を見ていただきますと、男性患者、女性患者ともに漸増傾向にあると言えます。それ から専門病床数についても、はっきりしたことは言えませんが、むしろ漸減傾向にあるの ではないかというふうに思われます。  4番のスライドですけれども、アルコールの使用と自殺というものがある程度関係があ るというようなことが出ておりまして、4番目のスライドにありますように、自殺総合対 策大綱とか、あるいは自殺対策の加速化プランにおきましても、うつ病対策をする中でア ルコール依存症も重要なんだと、こういうことが言われております。  5番目はアルコール依存症の診断ですので、スキップさせていただきます。  それで6番目ですけれども、実はアルコール依存症というのは非常に専門的な治療が必 要でございます。精神科だけではなく、もともとアルコールを飲んでいて肝臓が悪い等々 の問題がありますので、内科の診療も重要になってまいります。  それから、やはり依存ということがありますので、精神的な療法だけじゃなくて、やっ ぱり集団精神療法、それから認知行動療法、酒害教育、これは家族会などもあるんですけ れども、そういった形で活発に会話をさせたり議論をさせながら、その中で自分を見つめ 直すみたいな、そういうことをやっております。  そうしたことを薬物療法とあわせてトータルでやっていかなければいけないということ で、専門病棟が必要だし、先ほどから何度も言っておりますように、精神科医だけではな くて、身体的な問題についてもきちっと診られる内科医が必要。それから家族会や断酒会 のような形がありますけれども、そういった会話あるいはディスカッションみたいなもの を支えるスタッフが必要ということになります。  7番がそういう実際のアルコール依存の専門的治療ですけれども、ここにはリハビリ治 療の具体的内容ということで、大体8週間ぐらいかけて断酒あるいはお酒の離脱へ向けて のメニューが書かれております。  8番目のスライドになりますけれども、現状ではこれまでのアルコール対策というのは 依存なんだと、一種の精神的な病気なんだという治療的な視点が乏しくて、十分な治療を 受けないままアルコールに依存してしまうという状況があったけれども、今後は、取り組 みの中にありますように、1つのシリーズで多面的に対応していかなければならないとい うことが取り組みの中に書かれております。  それから、次は摂食障害でして、10番目のスライドをごらんください。  摂食障害と申しましてもいろんなパターンがあります。ここでは大きく3つに分けてい ますけれども、神経性食欲不振症と言われるやつで食べない、食べてもすぐ吐くというよ うな形で、結果的にはやせていってしまうというもの。それから一方で、過食症と呼ばれ るもの、それからいずれにも属さないような非定型のものということで区分をされており ます。  それで、転帰ですけれども、全快するという人も半分近くはいるんですけれども、部分 回復や摂食障害のまま、あるいは特に神経性食欲不振症などでしょうけれども、死亡する という例もふえておりまして、いわゆる難病の研究班においても研究がなされている、こ ういうかなり難しい病気ということです。  ところが、12番目のスライドを見ていただきますように、平成11年度と19年度を 見ていただきますと、年間患者数がなしとか10人未満というようなこともありまして、 なかなか受け入れてくれるところが少ないということです。これが摂食障害です。  それから、次が強度行動障害を伴う知的障害・発達障害ということで、次の14番のス ライドを見てください。いわゆる知的障害者・発達障害者あるいは発達障害児とも言いま すけれども、そういった方の中で、特に行動障害が激しい方を強度行動障害基準によって 判断をしまして、こういうふうに分類をしているわけですけれども、頭部が変形するほど 自分をたたいてしまうとか、つめをはがすとか、こういう行動ですね。しかもそれらが突 発的に発生するということで基準が決められております。  それで、15番目をごらんいただきますと、もともとは重症心身障害児施設というもの が誕生したので、重心施設と呼んでおりますけれども、こういったところで受け入れてい ただいていたんですけれども、この中で、昭和42年には児童福祉法が改正されまして、 重症児の定義が変わり、その中で強度行動障害児あるいは強度行動障害者という定義も決 まったという流れでございます。  それで、次の16番からですけれども、強度行動障害を満たすお子さんとか、大人でも そうですけれども、こういった方は対応困難ということですので、継続的・重点的にお薬 を飲んでもらう必要があるし、また先ほどの話でありましたけれども、自傷みたいな行為 がありますので、けがをした、あるいは注射をする、あるいはお薬を飲ませるということ が非常に大変でございます。それから単純に精神科病院というわけでは実施できませんで、 発達のレベルあるいは異常のレベルに応じた療育が必要ということになります。  17番目のスライドをごらんください。これは学会等で調査をされたものですが、ここ で8病院581名となっております。もちろん全国でももう余り多くはございませんで、 20病院程度しかないと聞いておりますけれども、こうしたところで見てみますと、男性 がやや多いという形でございまして、年齢構成についてはこういうような感じになってお ります。40歳、50歳以上というのも多少いらっしゃるということです。  それから、18ページ目は何が原因でしたかということですから、これはごらんいただ ければと思います。  それから、19ページのスライドですけれども、こういう強度行動障害児の患者さんと いうのはどういうところが大変なんでしょうという、これはもう容易に想像がつくと思わ れますけれども、患者さんからの自覚症状の訴えが余りない、あるいはほとんどない、こ ういうことですから非常にスタッフの方もお困りになるということです。先ほども申し上 げましたけれども、採血のときにも数人で押さえつける、拘束ということですから、数人 で動かないように押さえておいて、鎮静下で採血をしなければいけないなど、大変な問題 があるということです。  それから、20番目のスライドですけれども、看護師さんやスタッフがいつも見ていな いと自分で自分を傷つけてしまう、あるいは周りの物品を壊してしまうというようなこと になります。患者の特性はさまざまですので、個別の治療が必要ということです。これが 今回の専門的入院治療の概要になります。  本文に戻っていただきますけれども、1番目につきましては大体参考資料で説明しまし たので省略をさせていただきます。  それから、2ページ目から3ページ目にかけて現行の診療報酬上の評価を書いてありま すが、アルコール依存症の患者さんで算定できるようなものは、入院集団精神療法とか通 院集団精神療法とか、通常の精神療法のものを使うということになります。  同様に摂食障害についても、摂食障害ということに限定しているわけではなくて、一般 的な心身医学療法の点数で算定をするということになります。  それから、やはり次の3ページもそうですけれども、強度行動障害を伴う知的障害・発 達障害児についても通常の障害施設等入院基本料の中でと、こういうことになっておりま す。  それで第4の論点に行くわけですけれども、結論を先に申しますと1、2、3にほぼ共 通するわけですけれども、現状では一般的な精神療法とか一般的な心身医学療法というよ うなものを準用する形でケアといいますか、治療を行っているわけですけれども、場合に よってはこういう方の特殊性、今参考資料でごらんいただきましたように、非常に特殊で すので、そういった特殊性にかんがみて、例えば特定入院料のような形で、通常の入院基 本料と別の特定入院料のような中で、ある程度点数は包括されるわけですけれども、そう したものの中で専門的な治療を行う、スタッフも十分につけて実施をしていただくという ようなことについて評価をしてはいかがかというのが論点に共通する部分であります。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  論点1、2、3と出ておりますが、アルコール依存症、摂食障害あるいは重度の行動障 害等々を専門的に治療、入院させた場合には、現在の点数よりも高く評価したらどうかと いう意図の原案だったと思いますけれども、いかがでございましょうか。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  当院は精神科を持っておりませんので経験は少ないのですが、こういう方は夜間に来る ことが多いんですね。3は分かりませんが、1、2のほうは、アルコール、摂食障害は夜 間とか全く時間外に突然来ることが多くて、対診や入院をお願いするのも相手の精神病院、 専門病院的なところは少ないんですけれども、あちこち電話するんですが、なかなか難し いんですね、収容とか。恐らく低い点数設定もある程度影響しているんじゃないかと思い ますので、さらなる評価をお願いしたいと。 ○遠藤小委員長  わかりました。ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  これについても日本精神科病院協会から御要望をちょうだいしておりますので、簡略に 申し上げます。  1番、2番、3番、会長がおっしゃいましたとおり、それぞれに精神科病棟に入院する ケースがふえている。ふえているといっても、数はさっき統計に出たくらいですから、そ んなに多くはないんです。実際にやっていることが、今事務局の御説明のように、例えば アルコール依存症だとアルコールプログラムに乗っかってやられることが多いんですが、 そこには看護師さんや精神科療法士さんたちもかかわる、人員がたくさんかかるというこ とがあります。  摂食障害は、やはりこれも精神疾患と今認識されていると思いますが、この入院治療に ついても臨床心理士や管理栄養士等も一緒にかかわるというようなことで手間がかかって おります。  重心につきましては、障害者施設等入院基本料の15対1に相当する点数は954点で すが、15対1の精神科病棟は800点であります。先ほど御説明があったように、それ ぞれに手間がかかる。症例数はそう多くないんだけれども、今、邉見委員が御指摘のよう に、なかなか受け皿がないというのは、正直本当にこれは多分、この症例それぞれについ てだけ言うと、簡単に言えば、足が出てしまうような形になっているのではないかという ことであると認識をいたしますので、何でもかんでも上げろ上げろというと、そのたびに 白川委員のお顔がゆがむような気がするんですけれども、数は多くないのと、それから実 態に今まで合ってない包括点数というのが多いので、その分は御評価いただくことが必要 なのではないかと、私はそういうふうに思って、精神科病院協会の意見を代弁させていた だきます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  大学でも夜間に救急で精神科の患者さんがいらっしゃるんですが、1番と3番ですね、 2番はちょっと、私は摂食障害というのはよく分からないんですが、あと精神科の病院が 病床をかなり占めているのは、やはり急性期に業務内容の質と量がかかるからなんです。 質と量というのはどういうことかというと、人手がかかることと、あとリスクです。部屋 の設計も、こんなことを言うとあれなんですけれども、入り口を2つ、出口と言ってもい いんですけれども、1つの部屋じゃ無理なんですね、急性期は、精神科は。  そういうようなことがありますので、1番と3番については私もう絶対に診療報酬の評 価は高くしなきゃいけないと思うんですが、事務局にちょっと聞きたいんですが、摂食障 害で、業務内容が質と量でどういうふうに要するに手間がかかるのかちょっと教えていた だきたいんですが。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  恐らくおっしゃっているのは、1と3では手間がかかったり、人手がたくさん要るだろ うということは分かるということでございましょうけれども、それに比べて摂食障害は難 しいんじゃないかということなんですけれども、治療拒否的な病態のために医療事故のリ スクが非常に高いとか、かなり心理療法をする上で御本人様がなかなか納得をしないので、 疲労してしまうみたいな形のことをおっしゃっております。  それから、一番大きいのは、専門の臨床や研究施設が全くないために、適時適切な診断 や治療が行われていないということを挙げられております。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  摂食障害で、うちの大学で、医療事故と今おっしゃったんですけれども、経験がありま せんが、どういうふうな医療事故でしょうか。 ○遠藤小委員長  医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  最終的には死んでしまうというケースがあります。要するに特に…… ○嘉山委員  それは食べなければ死んでしまうんだけれども、だけどそれは精神科がちゃんと治療を するという普通のことじゃないかと思うんですけど。1番と3番は、これはもう完全にリ スクも高いんですよ、すごくリスクが高い。人手もかかります。だけど、2番がどうして か分からないんですけどね。 ○遠藤小委員長  わかりました。それでは先ほど手を挙げていた順番で、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  ここは私、専門ではないので、専門家の先生にも聞いたんですが、1番に関しては、や はりこういったものが必要であって、現状が安いのでそれは引き上げてほしいということ なんですが、さらに患者さんだけじゃなくて、治療にも書いてありますけれども、家族へ の教育というのも大事だということで、大体暴力を振るったり何かして家族に見捨てられ るというか、非常に冷たくされている方も多いようなので、家族にやはり教育しないと、 なかなか家庭復帰も難しいということですので、ぜひ家族への集団療法というんですか、 そういったものを認めてほしいということでございました。  それと2番についてなんですが、専門的な入院治療を提供する医療機関とありますが、 これは精神病院を想定しているのか、その他一般病院の特殊な心療内科とかそういったと ころを想定しているのか、それをちょっとお聞きしたいと思いますけれども、いかがでし ょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  もう一度、すみません、大変失礼しました。 ○遠藤小委員長  もう一度、質問を簡潔にお願いいたします。 ○鈴木委員  2番の摂食障害における専門的な入院治療を提供する医療機関というのは精神病院のこ となのか、それ以外の心療内科のある病院みたいなことを想定しているのか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  たくさんあると思います。実際、もともとこういうものを難病の研究班でやっていたの は心療内科なんかでもやっておりましたので、精神科でもあるし、内科の中でも心療内科 分野もあるし、さまざまだと思います。取り扱われている場所はさまざま。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  最初、嘉山委員がおっしゃったこと、私も現場の人間でないので全く説得力がございま せん。精神科病院協会からの御意見の中身にそれがあったということで御報告いたします が、摂食障害も、参考資料にもあるとおり、相当のパーセンテージで自殺企図がある。そ の部分の見守りということにも通常以上の人手は要るんだということの御意見がございま したということをお伝えします。  御質問というか意見なんですが、今、鈴木委員が言われたことで、精神科の病棟に入院 すると心身医学療法の算定対象になりませんよね、重複するから。それ以外の病棟に入院 された場合は、心身医学療法の算定で行っているんですね。そこのところの兼ね合いと精 神病棟と一般病棟との入院基本料とのバランスというのか、同じ疾患を診るんだから、そ れについてのトータルでの診療報酬上の評価ということについては整理されているのか、 ちょっと教えていただけますか。 ○遠藤小委員長  事務局、よろしいですか。それでは医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  そういう意味では、必ずしも整理ができていなかったからこそ、今回御提示をさせてい ただいたということです。そういう意味で、こういう摂食障害というものをとりたてて取 り上げて点数を設定していなかったので、今おっしゃったように、精神科に入ったときに は精神療法のようなものでやるし、それ以外のところでは心身医学療法でとっていたと思 いますので、そういうところで整理はしたいと思っています。 ○遠藤小委員長  安達委員、よろしいですか、御質問。 ○安達委員  ありがとうございます。  確認したいんですが、整理したい方向というのは当然、同一疾患を診療するということ ですから、限りなく整合性のある同じような評価にしていくという方向だと、そう理解し てよろしいんですね。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  基本的にはその方向です。それで、何度も申しておりますように、これまでは摂食障害 という疾病名に着目をして点数をつけておりませんでしたので、もし本当にそういうふう にするのであれば、摂食障害という限定をつけた点数にするのか、あるいは摂食障害の場 合はこういう点数にすると注をつけるのか、そういういろんな方法がありますけれども、 いずれにしても整理をしたいと思います。 ○安達委員  ありがとうございます。 ○遠藤小委員長  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  2つ目の摂食障害なんですけれども、これはかなり手間が要ります。嘉山先生は分から ないとおっしゃっていましたけれども、私は専門でないんですけれども、数件というか、 かなり田舎のほうですので、何でも診なければいけませんので、夜なんかしょっちゅうで すね、家出とか、川のふちにおるとか、自殺企図だと思うんですけれども、そういうのも ありますし、若い女性に多くて、割と高学歴というか裕福な家の方に多くて、複雑にだん だんと家族も絡んできまして、かなり手間のかかる状況のことが多いです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、大体、二号側の御意見は評価をするべきだろうという意見ですが、嘉山委員 どうぞ。 ○嘉山委員  こういうこと言うと全部終わりになっちゃうんですけれども、こういうレベルで言った ら、外科なんてもう手間がかかるなんてとんでもないですよ、こんなの、そんなこと言う んだったら。ここまで医療費をつけるのであれば、もうこの100倍かからないと日本の 医療なんてやっていけないですよ、というふうに私は思います。先生がおっしゃるように、 だったらエビデンスとして摂食障害はどのくらい手間がかかっているか、1回出していた だけませんか。そんな感想文ではなくて。 ○遠藤小委員長  摂食障害に関する手間、コスト、そういったものについて何か参考になるようなデータ があるかどうかということですが、事務局、いかがでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  嘉山委員に御納得いただけるレベルかどうかは分かりませんけれども、心身医学会等か らはこの程度の手間といいますか、そういうものがあると、あるいは効果はこのくらいと か、費用はこのくらいとかいったようなことについての要望書に近いものはいただいてお ります。 ○遠藤小委員長  わかりました。そのような内容について、またこれは出していただくことにしたいと思 います。  嘉山委員、じゃ手短にお願いします。 ○嘉山委員  ただ、私は、要するに精神科の先生方を何とかと言うんじゃないんですけれども、この レベルというか、この業務内容でやっていくとやっぱり大変だなという思いをしたもので すから、彼らも頑張っているのはよく分かるんですけれども、やっぱり優先度というのが あると思うんですね。その優先度を抜きにして何でもかんでもというのではやはり困るな と思ったので、お話しさせていただきました。後でエビデンスをきちっと出していただき たい。 ○遠藤小委員長  その手のものを出していただくということになっております。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  1点だけ申し上げておきますと、第4の論点の1、2、3をまとめて共通する部分があ るのでということで御説明したので多少混乱があったかもしれませんけれども、1と2と 3の点数なりが設定されるときに、それを同一にするという意味ではありませんで、ある 程度、特定入院料というようなものを考える、そのときは1は1の点数だし、2は2の点 数だし、3は3の点数だし、それはやっぱり手間のかかりやすさ、スタッフの配置の状況 等々に応じて、1、2、3が同じではないということだけは申し添えて…… ○遠藤小委員長  もちろんそのように理解しております。  それでは、勝村委員、お待たせしました。 ○勝村委員  僕は摂食障害の生徒は何度か見てきていて、本当に大阪府全体を見渡しても非常に医療 機関の数も限られていて、その中でも質もまだ標準化されていない感があり、非常に一人 一人に合う医療機関をうまく選ばないと本当に、助かりたいと本人や家族は思っておって もなかなかうまくいかなくて、摂食障害という病気に関する医療の質や研究というのを高 めてほしいなという経験をしています。  手間がかかるからとか、家族を教育するという言い方は、今風で言うと上から目線っぽ くて、少し違和感を感じるんですけれども、結局やはり患者本人とか家族のケアとか、や はりそういうことまで必要であるという意味では、この3つは本当に家族も不安で、仕事 をやめて摂食障害にかかわるという御両親も多いですし、家族もケアし、家族や本人も含 めてチーム医療を進めていかなければいけないという意味で、質を上げていくためにはす ごくいろんなことが必要になってくるとか評価されるべきだということはよく理解できる ので、逆に言うと、十分な質を高めたいのに、評価がないから質も量も細ってきていると いうことであるならば、僕はこのあたり、本当に家族や患者本人の視点に立った医療とい うのがここで実現していくための評価というものをきちんととっていってほしいというふ うに思います。 ○遠藤小委員長  恐らくまだ御意見はあるかと思いますが…… ○嘉山委員  先生、ちょっと最後。 ○遠藤小委員長  じゃ手短に。 ○嘉山委員  勝村委員、何か勘違いしていないですか。家族とかに何とかというんじゃ、これは医療 費の問題ですから、医療をやっている精神科の先生に対するものですから、何も摂食障害 の学問だとか診療をなけなしにするなという意味では全然ないですよ、私は。その辺をず らさないでいただきたいんです。 ○勝村委員  もう一度言い直しますけれども、摂食障害の家族や本人の方々と僕は会ったこともある んですが、確かにこれ以上量が減ってしまったら本当に都会でもしんどいなという経験も しましたし、質とかそういうところでも本当に今、試行錯誤されていて、個々の患者さん からすればぎりぎりだなという印象を持ちました。そういう摂食障害の患者の立場に立つ と、やはりこのあたりの医療というものがもっと評価されていって、より質や量が高まっ て研究も進んでいくという感じであってほしいのではないかという実感をしたということ であります。 ○遠藤小委員長  わかりました。ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  多分、嘉山委員と同じことを申し上げるんですね。この分だけで議論すると、診療報酬 の点数を上げればその分の研究者がふえるかとか、その分の体制ができる、決してそうは 絶対にならないと思います。やっぱりその分の研究者がふえ、その分の体制ができていく というのは、対象患者数の多さということもあるわけで、それだからどうしても専門にや る人は限られてしまう。限られてしまうけれども、患者さんはおられる。その中でそうい う人たちが働く手間については一定の点数の設定があったほうがいいのではないですかと いうことを申し上げている、そういうことです。 ○遠藤小委員長  わかりました。この話はここで終わりにします。個別の議論になっていますので。  基本的に今大体お話を伺いました。この3点については大筋では上げるべきではないか という意見が二号側を中心に強く出たと。ただし、摂食障害につきましては、やや疑義が あるという状況に今なっておりますので、また事務局からこれに関連しましたデータ、資 料等を出していただきまして、この論点についてまた再度議論したいと思います。  それでは、用意いたしました案件はこれですべて終了いたしますが、資料に事務局から 宿題というものがついておりますので、事務局、これについて何かあれば。 ○事務局(佐藤医療課長)  もうごくごく簡単に。中医協の診−4で北村委員と勝村委員からの質問に対するお答え です。  まず1つは、在宅患者連携指導料、在宅患者緊急時等カンファレンス料をつけたんだけ れども、その評価はどうですかという御質問でございました。評価ということですけれど も、評価の中身についてはC010、C011に示しました。  それから、問題はその算定状況です。平成20年度につくったものですので、過去と比 較をするわけにはいかないんですが、実施件数が603、それから緊急時等カンファレン ス料の件数は50ということです。これが多いか少ないかというのを判断するのはなかな か難しいんですけれども、在宅患者訪問診療料や往診料などと比べてみますと、けたが幾 つか違うということで、必ずしも十分にこの意義が理解されていない、あるいは算定され ていないということだろうと思います。  それから、その次が訪問看護の宿題としまして、そもそも今週3回以内と回数制限を設 けていますが、その理由は何ですかとか、それから1利用者の訪問看護ステーションが制 限されているんだけれども、その理由は何ですかと確認したいということです。  次のページにスライドがついていますので、スライドの2番なども見ていただきたいん ですけれども、訪問看護療養費の制度が創設されるときに算定は週3日を限度としていた んですけれども、これはある程度、実際に提供されている実態というものから必要日数を 見込みました。例えばスライドの2で見ますと、これは年齢にもよりますけれども、見て いただきますように、健康保険のほうからの訪問看護ステーションは5.7回ということ でしたので、これから見ると、週3日ということですと12回ぐらいは行けるということ なのではないかなというふうに考えたということです。  それから、これは原則でございまして、実際には末期のがんの患者さんとか人工呼吸器 を使用している方とか、そういう方では1月に14日間、状態によっては最長28日間に 限るわけですけれども、こういう方は事実上、訪問看護の算定日数制限を設けていないと いうことです。  それから、1利用者への訪問看護ステーション数が制限されている理由の2のほうです けれども、基本はやっぱりお医者さんで、妥当な言い方かどうか分かりませんけれども、 かかりつけ医がいるように、訪問看護ステーションもある程度、1つの訪問看護ステーシ ョンということがいいんだろうとは考えました。  ただ、少し前の議論でもありましたように、訪問看護ステーションは必ずしもスタッフ も多くないし、そもそものステーションの数も多くないので、そういう状況では2カ所の 訪問看護ステーションからの訪問看護は必要だろうということでやはりこれも末期のがん の患者さんとか人工呼吸器を使用している患者さんについては2カ所というものも認めて いるという現実です。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  恐らくこれに対して御意見、御質問あるかと思いますけれども、時間も迫っております ので、次回、基本問題小委の資料の中にこれをもう一度入れてください。もし御質問、御 意見があればそのときに承りたいと思います。ちょうど質問者のお一人である北村委員も 本日御欠席でありますので、そのときにまとめてやりたいと思いますので、以上でござい ます。  それでは、本日の基本問題小委員会はこれにて閉会したいと思います。次回の日程等に ついて事務局から何かありますでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  最後に正誤表をつけておりますので、正誤表だけごらんいただきたいと思います。  11月27日の基本問題小委員会の提出資料で間違いがありまして、本来「救急科」と すべきところを「外科」としてしまいましたので正誤表をつけて、その裏に訂正した後の 部分だけ書いております。  また、次回は12月9日を予定しております。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会としたいと思います。         【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)