09/12/02 第154回中央社会保険医療協議会総会議事録 09/12/02 中央社会保険医療協議会          第154回総会議事録 (1)日時  平成21年12月2日(水)09:00〜09:11 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員 伊藤文郎委員 安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員      邉 見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       藤原忠彦専門委員 北村善明専門委員 坂本すが専門委員        住友雅人専門委員       <事務局>       外口保険局長 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        渡辺保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○薬価調査及び特定保険医療材料価格調査について       ○その他 (5)議事内容 ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第154回中央社会保険医療協議会 総会を開催いたします。  まず、委員の出席状況でございますが、本日は全員の方がお見えになっておられます。  なお、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  まず、「薬価調査及び特定保険医療材料価格調査について」を議題といたします。  事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(木下経済課長)  おはようございます。経済課長でございます。  医薬品価格調査(薬価本調査)と特定保険医療材料価格調査(材料価格本調査)の速報 値についての御説明をいたします。資料は、中医協総−1−1と1−2でございます。  まず1−1のほうをごらんください。医薬品の価格調査でございますけれども、今回、 平成21年9月取引分につきまして、速報値は販売サイドから10月26日までに報告が あったものの集計結果でございます。  平均乖離率は、注2にございますように、現行薬価と販売数量の総和から実販売価格と 販売数量の総和を引いたものを分子としまして、分母が現行薬価と販売数量の総和で計算 される数値でございます。平均乖離率は約8.4%という結果が出ました。前回の平成1 9年9月調査のときには6.9%でございましたので、それよりもかなり上回っていると いう状況でございます。逆に平成17年の調査のときが大体8%でございましたから、大 体それに等しいレベルの乖離率が生まれております。  2つ目には、後発品のシェアにつきましてもこの調査で把握いたしておりまして、数量 ベースで20.2%でございます。前回の平成19年9月の調査で18.7%でございま したので、約1.5%上昇しているということでございます。金額ベースでは7.7%と いうことでございます。  内容的に少し分析したものが裏側の資料に出ております。1つ目が、投与形態別でござ ます。内用薬につきましては8.7%、注射剤で7.9%となっております。  主要薬効群別で見ますと、それぞれ取引量の大きなものから並べておりますけれども、 内用薬では、血圧降下剤が9.4%となっておりまして、この中で一番高かったのが血管 拡張剤、高血圧とか狭心症の薬でございますけれども、10.8%の乖離ということでご ざいます。それから注射剤につきましては、他に分類されない代謝性医薬品ということで、 関節リウマチなどの薬でございますけれども、11.2%の乖離でございます。外用薬に つきましては7%台ということでございます。歯科についてはかなり低くて1.2%とい う状況でございます。  それから、総−1−2、特定保険医療材料価格調査でございます。この調査期間は、医 薬品と若干違いまして、レンジを少し広くとっておりまして、平成21年5月〜9月の5 カ月間の取引分、ただし、取引量の多いダイアライザー、フィルム、歯科材料、保険薬局 調査分につきましては9月取引分のみということでございまして、11月13日までに報 告があったものの集計結果でございます。  平均乖離率は、先ほどと同じような式でやっておりまして、7.0%の乖離ということ でございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいまの価格調査、薬と特定保険医療材料の速報値でありましたけれども、御意見、 御意見はございますでしょうか。安達委員、どうぞ。 ○安達委員  すみません、数字だけの話ですが、まず薬価の後発品シェアのほうの数量ベースの平成 19年の数字は教えていただいたのですが、金額ベースは平成19年9月と今回とはどう 違っているのか、それが一つでございます。  それから、特定保険医療材料につきましても、平成19年とか過去のものと比較できる 数字がもしあれば、教えていただきたい。 ○遠藤会長  では、経済課長、お願いいたします。 ○事務局(木下経済課長)  後発品のシェアの平成19年9月でございますけれども、数量は先ほど申し上げました 18.7%でございますが、金額で6.6%でございます。それから、その前の平成17 年9月ですと、数量シェアが16.8%でございまして、金額が5.9%でございます。  材料のほうは、平成19年の調査でございますと、全体が8.93%の乖離幅でござい ます。 ○遠藤会長  安達委員、よろしいですか。 ○安達委員  はい。ありがとうございました。 ○遠藤会長  ほかに御意見、御質問はございますか。よろしいですか。  この数値は、今後の価格の決定あるいは診療報酬の本体部分の改定率等々の議論とも関 連してくる重要なデータだと思いますので、本年度はこのような結果だったということで あります。それでは、この件につきましてはこのあたりにしたいと思います。  引き続きまして、議題、「その他」につきましては、鈴木委員から資料が提出されてお りますので、鈴木委員、この件について何かコメントがあれば、お願いいたします。 ○鈴木委員  前回小林委員より、病院の経営の経年的な変化のデータがあったらということでしたの で、医療法人の一般病院のデータがありますので、それをもとに経営について分析してみ たので、簡単に御紹介させていただきます。  本文のほうをごらんいただきますと、今、一般病院の診療報酬を上げるとすれば、その 適正な比率はどのぐらいかということですが、「救急を行う一般病院では大幅な診療報酬 の引き上げが必要である」と書いてありますが、実際にキャッシュフローベースをマイナ スからゼロに戻すために約6%、さらに経営を安定化させるためにはさらに4%、計10 %の診療報酬の引き上げが必要であります。  理由としましては、近年の診療報酬の連続的な実質的引き下げにより、平成19年度決 算ベースで、一般病院の経常利益率は0.0%でありました。資料1をごらんください。  (2)、民間病院の場合、建物や医療機器類を長期借入資金で調達しており、その借入金元金 償還をしなければなりません。これが一般病院の事業収入の7.8%となっております。 なお、この割合は損益計算書のみでは算出できません。資料2をごらんください。  (3)、その財源は、当期利益の税引き後利益と減価償却費を加えたキャッシュフローであ ります。仮に直近での医療機器更新等のための留保分をゼロとしたとしても金融機関への 元金償還分と減価償却費との差額分を税引き後利益で捻出する必要があります。その利益 が最低確保利益(事業を継続していく上で最低限必要となる金額)であり、その最低の利 益を確保するために必要な診療報酬の引き上げ幅が必要であります。  現在、民間医療機関では、長期借入金償還がキャッシュフローの中でできないために、 短期借入や積立金型保険の解約あるいは固定資産の売却等でしのいでいる状況であります。 これが続けば、いわゆる民事再生法やM&Aということになっていってしまいます。  2、仮に診療報酬の引き上げが最低価格利益以下である場合、民間病院はどうなるのか。 また、その結果、国民に影響が及ぶ可能性はあるのかということですが、民間の一般病院 は、今申したように、事実上倒産するところが続出いたします。その結果、救急車の搬送 受け入れ先がなくなり、国民生活に甚大な被害が発生いたします。  その理由としましては、(1)、キャッシュフローがマイナスに陥っている私的病院は、平 成20年で27.6%となり、短期借入や自己資本を毀損して資金繰りをしております。 資料4をごらんください。  (2)、既に自己資本を毀損している病院が一般病院には多く、元金の償還支払いの遅れや 利払いの遅れを起こしており、運転資金の新規調達に民間銀行が難を示しているため、経 営に苦しんでいる私的病院が東京都で76%、全国的にも63%に上っております。字が ちょっと違っておりますが。資料5をごらんください。  (3)、我が国の救急搬送先の54%は民間病院であり、公立病院の23%、公的病院の1 3%を大きく上回っています。特に大都市では、民間病院での搬送受け入れが70%を超 えており、50%以上の都道府県を合わせますと、我が国の人口の3分の2に及びます。 仮にこのように経営危機に瀕している一般病院が、事業のうち最も収支バランスの悪い救 急事業を切り捨てたり、倒産したりすると、我が国の救急医療は危機的状況になります。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいまの鈴木委員から提出されておりました資料及びその御報告、コメントに対して、 何か御意見はございますか。よろしゅうございますか。  ありがとうございました。  それでは、本日の総会はこれにて閉会としたいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かあれば、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)   12月4日を予定しております。決定次第、また連絡させていただきます。 ○遠藤会長  はい。よろしくお願いします。  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。         【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)