09/12/02 中央社会保険医療協議会          第152回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年12月2日(水)9:14〜11:56 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 白石小百合委員       森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員  北村光一委員 高橋健二委員 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <事務局>       外口保険局長 佐藤医療課長 迫井医療課企画官  磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○入院料について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤小委員長  それでは、ただいまより、第152回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委 員会を開催いたします。  まず、本日の出席状況でございますが、本日は全員の方がお見えになっておられます 。なお、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に移ります。  まずは、「入院料について」を議題といたします。  事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  入院料に関しては、お手元に診−1とその参考資料、それから入院料に関する宿題と して、診−2とそれに関する資料という構成となっております。時間の関係もあります ので、一括して説明させていただきます。 まず中医協診−1と参考資料からですけれ ども、「参考資料 入院料(2)」と書いてあるところをごらんください。今日御議論 いただくところですが、入院基本料といいましても、これまで幾つか御議論いただいて まいりました。入院基本料の加算については、個別テーマで御議論いただきました。ま た、施設・人員等に関する国際比較や、入院基本料の中に含まれると考えられるものに ついては、入院料(1)で御議論いただきました。今日はその下の赤い点線で囲みまし たところで、入院料(2)に相当するところです。7対1入院基本料、関連して10対 1についても触れております。それから、13対1入院基本料、15対1入院基本料、 それから精神病棟入院基本料、それから病棟における看護師等の配置の評価について、 これは7対1その他に共通するものです。そして、その他ということです。それから、 右側の特定入院料に属しますけれども、亜急性期における入院についても中で触れる形 としております。  それでは、本文と参考資料とを両にらみしていただきたいと思います。いつも参考資 料のほうから説明していますが、今日は、少し経緯等がありまして、本文を中心にお話 しさせていただきます。  まず、本文の1ページ目では、7対1入院基本料に係る診療報酬上の評価の歴史的な 変遷について書いております。御存じのように、平成18年度の診療報酬改定におきま して7対1入院基本料というものが導入されたわけですけれども、これは実態調査に基 づくものでございました。  真ん中にある表を見ていただきますと、当時は、平均在院日数が28日以内か29日 以上かでT群とII群に分けまして、一般病院入院基本料が1、2、3と設けられていた わけですが、当時の看護配置は今の7対1とかとは数え方が違うわけですけれども、大 体2対1で、現在で言うと10対1に相当するようなところ、それから2.5対1、3 対1、3対1で、調査で実際にどのくらい配置されたかということを見ますと、楕円形 の点線で囲んでおりますように、1.65対1、そのほか、2の部分も3の部分も実態 は診療報酬上の配置基準より手厚い看護配置であったということです。これはたまたま I群とII群の例を示したが、他の区分においてもほぼ同様の傾向であったということで す。  1の(3)になりますけれども、7対1の入院基本料については、当時からもう診療 報酬上の評価水準を上回る看護職員の配置が必要になって、しかも実際にも配置されて いたということだったわけです。こうして設定されましたので、全国的にも短期間に数 多くの届出がなされまして、看護師の需要が急速に逼迫したという副作用的なものも生 み出しました。それから、その流れの中で、実際には7対1入院基本料導入の趣旨に合 致しない、もう少し言いますと、本来は急性期の病棟であったはずなのに必ずしも急性 期でない方が多い病院も届出をしているという指摘もなされた。こうしたことで平成1 9年1月には建議がなされたということです。  次のページをめくっていただきます。こうした中で平成20年度診療報酬改定が行わ れまして、(1)で書いておりますように実態調査を行いまして、その結果が(2)で すが、治療・処置等を考慮した看護必要度の基準を作成いたしまして、平成20年度改 定におきましては、この基準に合致する患者さんを10%以上入院させることを要件と したのです。また、お医者さんが十分いないとだめですということで、お医者さんの診 療体制に係る基準も導入したということです。  こうした平成18年度改定、平成20年度改定の成果を踏まえて、第2の現状と課題 にいくわけですけれども、1に書いてありますように、平成20年度改定からは、先ほ ども申し上げましたけれども、看護の必要度や重症度というものを評価することにいた しました。一般的な状況ですけれども、7対1入院基本料の届出は増加傾向にあります 。また、それは都市部において多いということであります。それから、後ほどグラフも 出てまいりますけれども、7対1から10対1へ落ちてしまう病院もあるし、10対1 から7対1へ上がる病院もあり、それぞれ10%程度の入れかえが起こっているという ことが分かっております。  それから、次の3ページをごらんください。後ほどグラフでも説明いたしますけれど も、4番目が施設の特性、それから5番目がそこに入っていらっしゃった患者の特性と いうことです。それから、6番目はちょっと違ったポイントを書いておりますけれども 、7対1病院というのは、先ほども申し上げましたように、そもそも急性期の患者さん を取り扱う病院ということで、患者2人に対して看護要員1人という体制づくりを目標 としてきたわけですが、現行では、これは10対1も同様なんですけれども、配置する のは別に構わないのですが、看護補助加算を算定できないこととなっております。しか し、近年では、入院患者の高齢化や認知症を併発した患者さんがふえている中で、7対 1や10対1のような、より手厚い看護配置であっても、実際には看護補助者が必要で あるという指摘も出てきております。  第3、現行の診療報酬上の評価は、3ページ、4ページ、5ページと続きますが、こ れは現行の診療報酬の点数の算定の状況や点数そのものですので、省略させていただき ます。  一挙に6ページの論点にいきます。先ほどから申しておりますように、平成20年度 改定後の検証結果によりますと、7対1病院については10対1病院と比較して重症度 ・看護必要度における基準を満たす患者がより多く入院していらっしゃるという傾向は 出ているわけですけれども、こうした重症度・看護必要度を導入したことはよかったか どうかということで、今後の7対1病院についての診療報酬上の評価をどう考えるかと いうのがまず1点です。  2番目に、先ほどから何度も申しておりますように、7対1看護配置は基本的には急 性期の病棟という位置付けをしたわけですけれども、実際には入院患者の高齢化や、認 知症を併発した患者の割合が上昇していく中で、体位変換や食事介助などの療養上の世 話がふえて、結果的に7対1や10対1病院において看護要員が必ずしも十分ではない という指摘があるのですが、今後診療上どう考えていくかということになります。  ここで一つのテーマが終わりますので、参考資料にいっていただきたいと思います。 参考資料の2ページです。ここでは、7対1入院基本料届出医療機関数(病床数)の推 移を見ています。数字がたくさん並んでおりますので、せめてこのぐらいは見てくださ いという意味で赤丸で囲んでいます。18年5月1日、一般病棟入院基本料の病床数で の割合は6.2%程度でしたが、20年7月1日現在では35%と伸びております。合 計、つまり全体で見てみましても、6.6%から36.2%ということで、3分の1を 超える病床で7対1がとられているということが分かります。  それから、3ページは、図も小さいですけれども、こういう基準の届出状況になって いるということで、ごらんください。  4ページと5ページは、赤い下線が引いてありますけれども、これは先ほど申しまし た平成19年1月の中医協の建議です。この中で、「今回の診療報酬改定の趣旨に必ず しも合致しているか疑問なしとしない病院においても7対1入院基本料の届出が行われ ているとの指摘がなされている」というところの引用でございます。  それから、7ページを見ていただきたいと思います。先ほど急性期病院において看護 師等による7対1、10対1の配置と申しましたが、厚生労働省保険局医療課が調査し たものと検証部会の中での結果を並べてみますと、無回答がありますけれども、7対1 病棟でも6割を超える方が65歳以上の患者という実態です。10対1でももう7割近 くが65歳を超えている方ということになります。一方、当たり前と言えば当たり前で すけれども、医療療養病棟のような慢性疾患を扱っていらっしゃる病棟では、65歳以 上の方がほとんど9割に近いということです。それにしても、7対1や10対1におい ても予想以上に高齢の患者さんが多いということがこれで見てとれます。  今の図から7対1や10対1を取り出してもう少し細かく見たものが8ページですけ れども、結果は一緒でございますので、省略させていただきます。  それから、7対1で重症度・看護必要度に係る評価を行うと先ほど申しましたが、A 評価とB評価がありまして、9ページがモニタリングや処置に関するA評価で、ここで 2点以上、それから次の10ページが患者の状況をチェックするB評価で、ここで3点 以上ということになっています。  11ページにそれらをまとめて書いております。看護必要度基準を導入しまして、今 も申しましたように、A得点で2点以上、それからB得点で3点以上の患者が1割以上 入っているようにということです。もちろん、*印に書いてありますように、産科の患 者などは選定から除外するなどとしております。それから、医師配置基準につきまして も、先ほど申しましたが、医師数が当該病棟の入院患者数の10分の1以上でなければ ならないということにしまして、医師配置基準を満たさない場合は準7対1ということ で、7対1から事実上降格と申しますか、グレードが落ちてしまうということになりま す。  それから、12ページは、先ほども示しましたが、7対1の届出がふえています。先 ほどは病床でしたけれども、これは届出医療機関ということで、2割近くになっていま す。  13ページは、都道府県ごとに差があるということです。  次の14ページ、15ページは、先ほど申しましたが、10%ぐらいは7対1から1 0対1に言ってみれば降格する病院があるということで、病床数では3.8%です。  それから、その下は10対1ですが、10対1から10%程度は7対1に昇格すると いうことです。  16ページ以降は、施設のプロファイルといいますか、どんな施設の状況になってい るかということを示したものです。例えば、7対1では、二次救急医療機関として届け 出られたり、DPC対象病院、災害拠点病院、がん診療連携拠点病院などが続いており ます。これに比べますと、10対1は急性期という色合いはやや薄いのかもしれません 。  それから、その下ですけれども、今度は7対1でどんな加算をとっているかというと 、褥瘡から始まって、診療録管理態勢、医療安全対策等がとられています。参考の10 対1と比べましてもさほど差はないんですけれども、このような状況です。  次の18ページも、特定入院料その他どんな点数をとっているかということを見てい ますが、7対1では救命救急入院料や特定集中治療室管理料が多いのに比べまして、1 0対1では療養病床を併設している割合が多いようです。  それから、今度は入院患者さんや平均紹介率などはどうかということを調べておりま す。この中で(1)と(2)は余り差はないんですけれども、(3)1施設当たり1カ 月の平均全身麻酔手術件数は、7対1では152.7件、それに対して10対1では3 9.4件ということですから、ここでは顕著な差が出ているということになります。  次の20ページから24ページまでは、先ほど申しました重症度・看護必要度の基準 を満たす患者の割合をとりまして、それらが10対1とどう違うかということを見たも のです。ただし、御注意いただきたいのは、このデータの見方ですけれども、10対1 は現行では重症度・看護必要度は測定する必要がないということになっていますので、 ここで答えてくれた病院は10対1の中でも言ってみれば7対1を目指して頑張ってい らっしゃる病院であろうということが推定されます。したがって、10対1のデータは 限りなく7対1に近いレベルで頑張っていらっしゃるということですから、単純な比較 は難しいと思います。7対1の数字はそのまま見ていただければと思います。  先ほど申しましたけれども、A得点で2点以上、B得点で3点以上の患者さんが1割 以上ということですけれども、10〜19%というのが73.8%の病院、それからそ れ以上の病院も17.2%程度あります。それに比べると、10対1はやはり9%以下 の病院が多いということになっています。  それから21ページ、点数で比較すると、例えば3点以上、2点以上というところで は余り差がありません。これは先ほども申しましたように、今回の調査にひっかかった 10対1の病院は、エリートというか、7対1に向けて頑張っている病院であるという 可能性がある。  次の最高点時、先ほどのは言ってみれば入院したときにどうだったかでしたが、今度 は一番悪かったときどうでしたかということで比較していますが、ここではちょっと差 が出ています。  それから、退院に近いものでしょうか、退棟日にどうでしたかと聞くと、余り差がな い。  これらをグラフにしたものが24ページで、最高点時ではやや開きがありますが、入 棟時、退棟日では余り差はないということです。  それから、またちょっと違った図になってきますけれども、先ほども申しましたよう に、7対1、10対1等では、看護補助者を配置しても診療報酬上は評価されないとい うことになっていますが、赤い楕円の点線で囲みましたように、実際には7対1でも患 者100人に対して6人ぐらいの看護補助者がいますし、10対1でも7人ぐらいの看 護補助者が配置されているということです。  ここまでが7対1の話です。  次は、また本文の7ページに戻っていただきたいと思います。本文の7ページ、13 対1と15対1の入院基本料でございます。これも本文のほうから話をしたいと思いま す。先ほどから申しておりますように、7対1、10対1は急性期と位置付けておりま すが、13対1、15対1は看護師さんの配置がやや少ないということですから、急性 期よりは亜急性期あるいは回復期といった患者さんが多い病棟だと言えると思います。  ここにつきましては、先に参考資料の34ページの調査のほうを見ていただきたいと 思います。これは、出典のところがちょっと小さくなっていますが、厚生労働省保険局 医療課が「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」や「一般病棟で提供される医療の 実態調査」として調査を行った結果によるものでして、こういう調査をしたということ です。たくさん並んでいますが、これは一度、慢性期分科会とそこからの報告の中でお 示ししたものですので、余り詳しくは御説明いたしませんけれども、施設の特性は35 ページにあるとおりでございました。  それから、36ページにありますように、患者の入院元はどこでしたかということを 聞きますと、100床1カ月当たり入院患者数はこういう状況で、13対1は42.7 6人、15対1は32.75人に対して、7対1は169.14人ということですから 、回転が速いということです。入院元の内訳は、これで見ていただけますように、13 対1はこのくらいの状況ということです。  それから、その下の37ページですけれども、患者の退院先は、「自宅」へ帰ってい く方が64%と59.4%、それに対して7対1は参考でつけていますけれども、75 .2%ということでした。  次の38ページですけれども、91日を超える方が13対1病棟で大体17%、20 %近いのでしょうか。15対1病棟で20%程度です。それに対して医療療養病棟では 91日以上は1年を超える人も含めまして88%程度ということですから、医療療養病 棟に比べると91日以上は多くないということになります。  39ページでは医療区分の構成比も見ています。ここは御注意いただきたいのですが 、13対1も15対1も医療区分というもので評価する必要はないんですけれども、こ の調査のときにはあえてお願いして、医療療養病棟の場合の医療区分に当てはめたらど うなりますかということでお聞きして調査に応じていただいたということになっていま す。それで、医療区分1、2、3で見ますと、当たり前ですけれども、13対1、15 対1のほうが医療区分3、つまり重症の人が多くて、医療区分1、2の人が少ないとい うことですけれども、医療区分1だけで見ますと、それほど変わらないのかもしれませ ん。  さらにここでは、13対1、15対1につきまして、一般病棟に91日以上入院して いる方に特徴的な傾向のある項目を調べておりまして、40ページでは医療療養病棟と 比べてかなり差のある項目を抜き出しております。  一方、41ページでは、一般病棟の91日以上の入院と医療療養病棟にある程度共通 すると思われる項目です。  42ページは、さらに細かな内容についても聞いておりまして、過去7日間における 検査・投薬の実施状況ですが、差があると見るのか、差がないと見るのかはいろいろ議 論のあるところで、実際に慢性期分科会でもいろいろな御意見が出ましたが、こんな結 果でした。  それから、医療区分採用項目の該当状況も、24時間持続点滴の実施では差が出てい ますし、中心静脈栄養の実施でも差が出ています。一方、酸素療法の実施では余り差が ないということになります。  今度は医療区分2相当ですが、肺炎に対する治療では差が出ていますが、1日8回以 上の喀痰吸引の実施では余り差が出ないということになっております。  これが13対1、15対1の基本料の話でございます。それで、本文の7ページに戻 っていただきます。7ページは、今大体13対1、15対1がどういう患者特性・施設 特性かということを医療療養病棟との比較で御説明いたしましたので、省略させていた だきます。  また、8ページ、第3につきましては、点数はこういう設定になっていますというこ とですので、これも省略させていただきまして、精神病棟入院基本料のところだけ説明 させていただきます。精神病棟入院基本料につきましては、10対1から20対1まで の評価を行っております。  これは、参考資料の27ページをお開きいただいたのですけれども、それぞれx軸方 向に一般病棟、結核病棟、精神病棟、専門病院、障害者施設等と並べていまして、y軸 方向に7対1、10対1と並べていますが、見ていただけますように、分かりやすく言 うと、精神病棟は7対1、13対1のところが空白になっております。精神病棟の特性 から7対1という区分が存在しないというのはある程度理解できるとして、10対1と 15対1の間はありませんので、そういったところについてこの表でごらんいただけれ ばと思います。  もう一度本文にお戻りいただきまして、本文の9ページをごらんいただきます。一般 病棟入院基本料の13対1入院基本料、それから15対1入院基本料について、資料を もとに患者さんの動向とか施設の実態をごらんいただきましたけれども、診療報酬上の 評価についてどう考えますかと。ここでは91日超ということでいろいろお示ししまし たが、特に長期の入院を行っている患者さんについて、どうお考えになりますかという のが、1つ目です。  それから、今も申しましたが、精神病棟入院基本料については、13対1入院基本料 という評価の区分がないわけですけれども、これはどうしますかというのが、2つ目で ございます。  今度は、亜急性期の入院医療の評価ということについて御説明いたします。亜急性期 入院医療管理料につきましては、いろいろ飛んで申しわけないのですけれども、参考資 料の46ページをごらんいただきたいと思います。何度も出てきている、病院の機能に 応じた分類で、病院がどういう位置付けにあるかという分類ですけれども、亜急性期と は読んで字のごとくでして、急性期ではないけれども、急性期に準ずるような状態、し かしながら療養病棟・療養病床のような慢性期でもないという、中間的に位置する入院 料が設定されているという区分になりまして、その赤枠で囲った部分ということに位置 付けられます。  47ページに亜急性期病棟入院医療管理料のイメージがありますけれども、その要件 等について48ページで御説明いたします。亜急性期入院医療管理料は、1と2とあり ますが、その違いを中心にちょっと赤字で、分かるようにハイライトしています。亜急 性期入院医療管理料1は、当該保険医療機関の有する一般病床の数の1割以下、一方、 亜急性期入院医療管理料2は3割以下。それから、算定日数の違いはこういうことです 。施設要件で言うと、亜急性期入院医療管理料2は、許可病床数が200床未満、比較 的規模の小さい病院で認められる。その他要件としては、転床または転院してきた患者 さんが3分の2以上ということになっています。  以下、検証部会の検証結果をもとに説明していきます。49ページは、届出病院の数 と届出病床の数。ふえているわけですけれども、急増というわけではなくて、漸増とい うレベルなのでしょうか。  それで、50ページで病床数の内訳を見ると、円グラフの左上にありますように、亜 急性期入院医療管理料は実は全病床のうち0.8%しかないという状況であります。  収支は、51ページを見ますと、改善はしていますが、赤字基調ということです。  つまり、亜急性期入院医療管理料を算定する病院・病床は、増加しているけれども、 そんなに多くはないということが見てとれます。  それから、52ページ以降も、先ほど申しました検証部会での検証データですけれど も、ふやしたい医療機能としては、7対1をとっている病棟でも亜急性期医療機能をふ やしたいと思っていらっしゃるようでして、そしてそれは「地域に十分にない」という 答えが出てきております。  53ページは、検証部会調査の概要ですので、省略させていただきます。  次に、検証部会調査で「今後どうしますか」と尋ねたところ、「亜急性期を拡充する 予定」というところが出てきたということが書いてあります。  55ページは、簡単に説明しますが、65%以上の医療機関が「連携先として増やし たい」と。連携先としては、「もともと自分のところに紹介してきた急性期医療機能の ところにお願いしたい」、あるいはそれ以上に「療養機能」のところに送りたいという ことを言っています。  それから、56ページが平均在院日数で、亜急性期入院医療管理料1では20〜40 日ぐらいのところにありますが、亜急性期入院医療管理料2では30日未満のところに 集まっているということが言えます。  入棟・入室前の居場所は、いずれも「自院」が多いということが言えます。  次に、では在室患者はどこに行ったかということですけれども、「在宅」という人が 亜急性期入院医療管理料1では約74%、それから亜急性期入院医療管理料2でも約7 6%ということですから、それなりに役割を果たしてくださっているということでござ います。  入室した背景は、「急性期治療を経過し状態が安定したため」、「リハビリテーショ ンを行うため」というのが多いということでございます。  それから、60ページがかなり重要なんですけれども、亜急性期入院医療管理料につ いて、一体どういう患者さんが入っていらっしゃるかということで、なかなか明確なデ ータを持ち合わせていなかったのですが、この検証部会の検証結果でよく分かりました 。見ていただけますように、4割ぐらいが骨折や関節症。つまり、骨格系といいますか 、整形外科的疾患で入院されている方が多かったということになります。  一方、その下の横棒グラフで見ていただけますように、リハビリをけっこう一生懸命 やっていらっしゃるということでございます。  これらから見てみますと、繰り返しになりますが、骨折や関節症の患者さんにリハビ リを行っている病院だということが分かります。  それから、どういう処置をしていますかというのが61ページです。  それから、突然話が飛ぶように思われるかもしれませんけれども、回復期リハビリテ ーション病棟では、「重篤な合併症を併発していない」とか「中心静脈栄養をしていな い」ということをある程度受け入れの際に考慮しているようですので、そういう意味で は亜急性期病棟は回復期リハビリテーションよりやや上流に位置して、こうした患者さ んを受け入れるという意味があるのではないかと思われます。  行ったり来たりして恐縮ですが、もう一度本文に戻っていただきます。本文の10ペ ージは、今御説明いたしましたので、省略いたします。  11ページも、先ほどの話に加えて点数の話ですが、省略させていただきます。  それで、論点です。平均在院日数の短縮化あるいは在宅医療の進展というのが医療を めぐる状況ですけれども、先ほど申しました急性期の後方病床ないしは回復期リハビリ テーションとの連携というものがある中で、診療報酬上の評価をどう考えるかというこ とです。特にここでは、点数もさることながら、先ほど参考資料の41ページでお示し しましたように、やや厳格なといいますか、やや細かな管理料算定の基準があります。 先ほど申しましたように、一般病床の数の3割以下とか、算定日数とか、幾つかの基準 がありますので、こうした基準をどう考えるかということです。  それから、先ほども申しましたが、亜急性期病床でけっこうリハビリテーションが行 われております。恐らく運動器リハビリテーションだと思われますけれども、こういう ものについて、診療報酬上の評価をどう考えるか。これが亜急性期の話です。  次はまた少し話が違ってまいりまして、入院基本料を算定する病棟における看護師等 の配置という話でございます。これもなかなか難しい話ですので、参考資料と本文とを 両にらみしていただきながらということになります。  参考資料の66ページを片方の目で見ていただきながら本文の13ページをごらんく ださい。現在の入院基本料は、一連の費用を評価したものであって、看護要員の数、平 均在院日数等により、算定する入院基本料の区分が定められる。これは先ほど申しまし たように、7対1とか10対1とかとなっているわけです。  それで、参考資料の67ページ、本文の13ページの(2)ですけれども、7対1、 10対1入院基本料等の届出区分については、従来より、同一種別、つまり一般病床、 一般病棟ということであれば、一つの病棟を単位として届出をしてくださいということ になっています。ですから、例えば67ページで言うと、Aは7対1、Bは10対1、 Dは13対1というわけにはいかないということになっております。ただし、平均入院 患者数がおおむね30名程度の小規模な結核病棟の場合は、一般病棟と結核病棟を一看 護単位とするという弾力的な運用もしておりますけれども、いずれにしても届出はそれ ぞれの病棟ごとに行うこととなっています。  (3)が非常に重要なんですけれども、届出上は一つの区分であっても、実際には同 日及び同一種別の病棟間で一定の範囲で傾斜配置をすることを認めております。これが 参考資料の68ページになります。ここで見ていただけますように、病棟内での傾斜配 置は、夜勤要件を満たしていれば、1病棟内において、1日のうち勤務帯あるいは平日 と休日など曜日もありますけれども、いずれにしても(1)や(2)の傾斜配置が可能 であり、柔軟に運用できるようになっております。  これをもう少し細かく書いたのが、参考資料の69ページになります。通常ですと、 右側のパターン1というものになりまして、右側のブルーでかいたところで、各病棟に 均等に配置して7対1なりをとってくるということになるわけですけれども、パターン 2では、AとBに少し手厚く配置して、EやFではやや手薄といった感じにしておりま す。ここでは10対1なんですけれども、こういう感じで配置することも運用上は可能 になっているということです。  本文の13ページに戻っていただきますけれども、2、課題です。このような運用と しているわけですけれども、現場では必ずしも十分に対応できておらず、実際には病棟 ごとに厳密に配置しているという声を聞きます。これはさっき申しました参考資料の6 9ページのパターン1のような感じです。これはこの文章の中には書いていませんけれ ども、こういう運用で傾斜配置ができるということが十分に知られていないということ があるのかもしれません。いずれにしても、こうした中で、連携・機能分担する医療機 関が多数ある都市なら1区分1入院基本料でいいのかもしれませんけれども、地方にい きますと、1医療機関で急性期から慢性期まで一医療機関で急性期から慢性期まで多く の機能を担わなければならない場合がありますから、そういう場合を想定してのことだ と思いますけれども、病棟単位の届出についても認めてほしいという要望があります。  それで14ページにいくわけですけれども、(2)、仮に病棟単位の届出を可能とし た場合、実際の看護配置に合った評価が得られるというメリットもあるだろうと思いま すけれども、その一方で、従来の同一種別病棟全体での傾斜配置が制限されたり、もっ と大変なのは、もしかすると届出が煩雑化するかもしれないというデメリットもあろう と思います。こういったところが一つの判断材料になります。  それから、14ページの第2、夜間の看護サービスの評価についてです。歴史につい ては、参考資料の73ページ、74ページに書いてありますが、省略させていただきま すけれども、こういう歴史をたどっております。  そして、参考資料の75ページですけれども、安全な看護サービスの提供については 、看護職員の夜勤の負担の軽減が重要なので、平成18年度改定においては、従来は夜 間勤務等看護加算等々の加算にしておりましたけれども、これをやめまして、月平均夜 勤時間72時間以内という規定を入院基本料の通則にしました。看護職員の夜勤という ものは、加算とかというものではないのだと、月平均夜勤時間72時間以内が入院基本 料の通則、つまり最低限のルールなのだということで、きちんと決めたわけです。  それで、参考資料の75ページにありますように、計算式を設けまして、夜勤時間帯 の従事者数を分母に、当該病棟の看護職員の月延べ夜勤時間数を分子にとりまして、こ こで72時間以内になるようにということにしております。ただ、参考資料に※で書い ておりますように、この分母・分子には夜勤専従者、それから夜勤16時間以下の看護 職員は含めて計算しないということになっています。本文の14ページの(4)で申し ますと、月平均夜勤時間は、こうやって計算するわけですけれども、仮に月夜勤時間1 6時間以下の者を含むとすると、実態よりは月平均夜勤時間が短目に算出されることに なって、結果としては夜勤を長時間しなければならない看護職員がふえるなど、幾つか のデメリットはあると思います。  それから、本文の15ページの課題ということになります。看護職員の確保に当たり まして、最近は短時間正職員制度の普及や短時間の夜勤を行うなど、多様な勤務形態の 導入を進めることが重要とされております。参考資料では79ページから始まりますけ れども、見ていただけますように、看護職員の方の就業者数はブルーで示しましたよう に133万人ということですが、勤務が困難であるということから、潜在看護職員と言 われる方は約55万人いらっしゃるということです。そうした中で、日本看護協会が調 べた多様な勤務形態ということで、短時間正職員制度等を導入しているかと聞きますと 、「導入している」というところは2割前後、多くても3割程度にとどまっています。 一方、「導入を検討している」ところを加えると、5割近くにまでなってくるのではな いかと思われます。  それから、多様な勤務形態の促進で、その下の81ページですが、例えば独立行政法 人国立病院機構のようなところはかなり頑張って短時間正職員制度を導入していますが 、そうでない開設者がいらっしゃいます。  それから、参考資料の82ページは、入院基本料別に見たものです。ある程度想像は つくのですけれども、7対1や準7対1で短時間正職員制度を入れているところが多く 、13対1、15対1となるに従って低くなっているという状況にあります。  それから、もう一度本文に戻っていただきます。本文の15ページの第3ということ ですが、その他としまして、現行の診療報酬算定上の基準の届出の緩和措置について簡 単に触れております。本文の文章にありますように、第1や第2で述べた施設基準、先 ほども申しましたが、7対1とか10対1とか、患者さんの数に応じて看護師を配置し なければなりませんという看護師の数に関する基準、それから先ほど少し長々と説明し ましたが、夜勤の時間に関する基準、もちろん医師の基準もありますが、そうした基準 が、例えば病院を運営・経営していく過程で、届出の内容と異なってくる場合がありま す。看護師さんがやめてしまうとか、たまたま看護師さんが80時間とか、たくさん夜 勤をしてしまった。そういうときには、遅滞なく変更の届出を行うことになるわけです けれども、1日当たりに勤務する看護要員数や月平均夜勤時間数等の基準については、 一定の範囲内であれば、これを一時的な変動とみなして、変更の届出を行わなくてもよ いという緩和措置を設けております。  この話もかなり難しいので、参考資料の84ページと85ページにお示ししました。 丁寧に御説明している時間はないのですが、ポイントだけ申しますと、例えばここでは 月平均夜勤時間72時間を例にとっておりますが、1割を超える評価、1割を超えるよ うな基準の届出との乖離が生じた場合には、赤の部分、つまり2カ月間だけ猶予がある のですが、それを超えると白い部分になります。例えば、水色の部分の7月で7対1や 10対1の入院基本料をとっていたとしますと、10月、11月には特別入院料に落ち てしまうということになります。  一方、その下の85ページの図は、基準超過ないしは基準を満たさない状況が1割の 範囲内ということです。そうしますと、結論から言うと、5カ月間は猶予がある。しか し、6カ月目になりますと、白抜きになっていますけれども、特別入院料まで落ちてし まうということになります。それから、参考までに右下にブルーで12月、1月として おります。例えば、8月から11月まではグリーンで79時間を超過していたけれども 、12月に戻りますと、またもとの点数に戻るということにはなります。しかし、いず れにしても、こういう猶予期間を設けて対応しているということになります。それが第 3のことです。  本文の15ページに戻っていただきまして、第4が論点ということになります。まず 1つ目は、一つの入院基本料に対して一つの届出区分としていますが、これについてど う考えますかということにしております。  それから、それを二つに分けまして、先ほど届出上一つの区分であっても、傾斜配置 ができるという運用にしているわけですけれども、このことについてどう考えるか。先 ほども申しましたが、もしかすると周知が徹底していないのかもしれませんし、周知は されているけれども、なかなか難しいという現場での状況があるのかもしれませんが、 これについてどうお考えでしょうかと。  それから、もし周知が十分できた上で、それでも病棟単位の届出がいいとした場合に 、先ほどある程度、地方と申しますか、都市部ではないところでは、病棟単位にしない と、急性期だけで病棟を運営するといったことはなかなか難しいということがあるかも しれませんから、病棟単位にするメリットもありましょうし、また病棟単位にするデメ リットとしては、届出が複雑になる等の問題があるという話は先ほどいたしましたけれ ども、そういうことについてどうお考えになりますかということです。  それから、その下の2番ですけれども、先ほどから何度も申していますが、多様な勤 務形態を推進するために、夜勤時間の基準を設けまして、その際の計算方法についても いろいろお示ししているのですが、最近の状況を踏まえて、夜勤従事者の取り扱いある いは計算の方法等についてどう考えますかということであります。  次の16ページが最後になりますけれども、ここでは、現行の届出上の緩和措置ない しは猶予措置というものがあるのですけれども、それについてどう考えますかというこ とでございます。  診−1と関連する参考資料は以上でございます。  続きまして、診−2の宿題事項に移らせていただきます。これは、今日は嘉山委員の 分だけでございますけれども、これまで嘉山委員から御質問のあったものについて、本 文と参考資料とでお答えをしているという状況です。  まず本文の1ページ目、入院料にはどのような費用が包括して評価されているのかと いうことです。参考資料では1ページになりますけれども、昔で言う入院時医学管理料 とか、看護料とか、室料、入院環境料といったものが入院基本料という形になっていま すということです。  それから、宿題2は、入院医療費を診療科別に分析することは可能かという御質問で す。現時点では、傷病分類別に計算して分析することは可能ですけれども、内科や外科 あるいは産科、小児科、脳外科といった形で部門別に分析することはできないというこ とを書いております。参考資料では3ページや4ページや5ページといったところで、 入院医療費の1人1日当たりを中分類別に示したものでございます。それから、次の6 ページ、7ページは、レセプト1件当たりでお示ししたものであります。それから、8 ページからは部門別収支でございます。これは、本文では2ページに書いたのですけれ ども、中医協でもこれまで平成15年以来、部門別収支計算を実施したいということで 、5年ぐらいかけて試行的に検討しているところですが、結論から言うと、調査そのも のが非常に複雑で煩雑で、なかなか対応できかねるという病院が多いようでございまし て、今DPC病院を中心に、ごくごく限られた病院で調査をしているという状況です。 それが参考資料の9ページでございます。  そういうデータでございますので、参考資料の10ページでは、一応そういう対応が ある程度可能な病院に限って、診療科群ごとに収支の状況を見ていただいております。  以下、11ページで入院、12ページで外来、それから入院・外来計、14ページで 収支率と続いていくわけですけれども、先ほどから申しておりますように、こういった 計算あるいはデータの提出ができる病院は、ある程度こういうIT化が進んで、経営上 の分析をきちんとやっていこうということで、かなり限られた病院になります。  それから、15ページ、16ページは、この場でも一度見ていただいたと記憶してお りますけれども、それぞれの診療科群、例えば最初のグラフでは、内科群における1人 1日当たりの医業収益と医業費用の分布を見ております。x軸が医業収益で、y軸が医 業費用になっております。そして、赤の丸がそれぞれの病院の入院部門、それからブル ーの三角が外来ということになっております。内科では、医業収益と医業費用が大体y =axといった直線上に乗っていると言えます。この線よりも下にありますと、医業収 益がたくさんあって、医業費用が少ないということになります。上にあると、医業収益 が少なくて、医業費用がかかっているということになります。それぞれの群ごとにその 状況をお示ししております。  次が宿題3です。本文では3ページです。前回は人口当たりの病院従事者数を中心に お話ししたわけですけれども、病床数当たりの医療従事者についても全部出してくれと いうことでございましたので、データがとれる範囲で、参考資料で言うと、左上が病床 当たり、右下が人口当たりという形でお示ししております。ざっとごらんいただきます とお分かりのように、病床当たりでは、薬剤師を除きまして、G7の中では最も少ない 状況ということであります。人口当たりで見ると、薬剤師のみがG7の中で1位という ことですが、それ以外のものは中位あるいは低位にあるという状況です。  ちょっと駆け足でしたけれども、説明は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  それでは、宿題返しについて、何か御質問、御意見はございますか。  では、嘉山委員、手短にお願いします。 ○嘉山委員  手短というか、それよりも佐藤さん、説明はもうちょっと要点をまとめて言ってほし いんだけれども、あなたが30分以上しゃべったから。  まず宿題1のところで、これでは博士論文も通らないのではないかと思う答えなんだ けれども、入院料にはどのような費用が包括して評価されているのかということで、一 番下にキャピタルコストと。これは企業で言うと、開業というか、開店資金です。それ が宿題事項の表のほうには一項目もないんですけれども、これでは整合性がとれないの で、これは答えになっていないのではないかと思います。あなたはどういうことをキャ ピタルコストと考えていらっしゃるのか。企業でもキャピタルコストというのは大事な ことですよね。 ○遠藤小委員長  質問ですか。 ○嘉山委員  宿題に答えられていないので、先生は簡単におっしゃったんですけれども。 ○遠藤小委員長  では、今の質問について。 ○事務局(佐藤医療課長)  参考資料の1ページ目に書きましたところで言うと、室料や入院環境料に相当するよ うな建物設備についてと私どもでは考えております。もちろんこれ以外に、駐車場とか 、いろいろなものもあると思いますが、基本的にはそういうものだと考えております。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  それは、普通の我々大学の特定機能病院では、今1兆円の東大を含めて、借金を負っ ているんです。ですから、教育でやっていないんです。財務省は、大学の特定機能病院 は教育だということで我々に借金をさせているんですけれども、そこには建物とかMR I・CTの購入はすべて我々の労働で払っているという非常に矛盾したことがあるんで す。そういうものも医療費でキャピタルコストの中に入れて配慮していただかないと、 大学はこの前、会長のおかげさまでプレゼンをさせていただきましたけれども、そうい う状況になってしまうので、このキャピタルコストは医療費の中できちんとした項目と して出してもらったほうがいいんじゃないかと私は思うんですけれども。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  これまで何度かこういう質問が出てまいりまして、そのたびにお話をしていたのです けれども、現行の出来高による診療報酬の点数というのは必ずしも完全に一対一対応に なった点数になっておりませんで、妥当な言い方かどうかは分かりませんが、擬似的な 単価積み上げ方式になっております。歴史的には、前年や前々年の状況を見て、それに 何%かを積み上げていくという、前年との比較という形で単価を上げていくという方式 をとっておりましたので、正直申し上げまして、では今この中にどの程度キャピタルコ ストが入っていて、それ以外に看護の部分がどのくらい入っているのかというのは、現 状では明確にお示しできない状況です。しかしながら、この間の議論の中でも、こうし たものについて明らかにしていくべきだという話は何度かいろいろ出てきたと思います 。その先頭を走っているのは前回も議論のありました技術料みたいな部分だと思います から、そうしたところから少しずつ改善していきたいというのが事務局の考えです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  本当に建設的な意見で、ありがとうございます。それを中医協でやっていただければ と思います。 ○遠藤小委員長  それでは、安達委員、どうぞ。 ○安達委員  同種の質問でしたので、結構です。 ○遠藤小委員長  それでは、宿題についてはよろしゅうございますね。  はい。ありがとうございました。  それでは、入院医療について御審議いただきたいと思いますけれども、かなり細かい 内容も含まれておりましたし、4つのテーマが出まして、それぞれに論点があったとい うことであります。  それでは、まず7対1入院基本料から議論したいと思います。論点では、要するにこ こでは重症度・看護必要度によるチェックをかけているわけですけれども、それを今後 どうするかということが一つです。それから、7対1や10対1病院におきましても看 護要員が必要だという声があるので、それに対してどう対応するか。これが事務局提案 の論点でありますけれども、これについて何か御意見、御質問はございますか。鈴木委 員、どうぞ。 ○鈴木委員  何か7対1は10対1よりも重度の方がより多く入院しているということで、7対1 をさらに評価したいように聞こえるのですが、実際は、我々の地域の基幹病院を見てみ ますと、7対1のところと10対1のところとあるのですが、10対1のところを見て も、やっている内容は全く同じで、理由はやはり看護師不足で、それがとれないという ことですので、実際には同じような機能を果たしている病院で、10対1がとれている 病院のほうが幅が広いので、多少その差があるのかもしれませんが、果たしている機能 は基本的には同じだということで、そこで差がつくというのはちょっとおかしいと思い ます。それから、経営実態調査では収支状況は10対1のほうが悪いというデータも出 ているわけですから、7対1というのは理想だとは思うんですが、都道府県による格差 も非常に大きいし、我々の県ではなかなかとれない。  ちなみに、前回話が出ました入院医学管理料をとれている病院は、私が県に問い合わ せたところ、私どもの茨城県では1カ所もないという返事でした。ですから、我々の県 は人口300万人で、医療資源の乏しい県ではありますが、つくばや土浦地区などもあ りますが、そういうところでもとれていないような基準を設けるということはどうなの か。あるいは7対1に関しても、地域においてはとるのが非常に大変で、実際に看護配 置も、こんなところで言っていいのか分かりませんが、病院の看護師全員を病棟配置に して、それから外来に少しずつ回していくという手を使って何とか確保しているような 話も聞いておりますので、私は、現状では全国津々浦々に7対1の病院を普及させるの は非常に無理があると思います。それから、まず10対1を充実させるということを考 えたらいいのではないでしょうか。7対1を充実させるのだったら、ぜひ10対1も充 実させていただいて、そのためには看護補助加算をぜひ7対1や10対1に認めていた だいて、どちらかを優先させるのであれば、私は、10対1のほうが少ない人数で同じ 機能をしているわけですから、10対1を優先していただいたほうが地方の現場は助か ると考えております。 ○遠藤小委員長  ただいまのお話は、7対1と10対1、7対1はなかなか基準が厳しいから、地方に よってはなかなかとれないから、その辺のところも総合的に見直したらどうかという御 提案だったと思いますが、論点に関連するところでは、10対1、7対1に看護要員を 配置することは評価するということについては賛成であると受けとめてよろしいですか 、鈴木委員のおっしゃることは。 ○鈴木委員  そういうことだと思いますが、差があるとおっしゃっているけれども、実際にはこの データを見てもその差がないということです。むしろ、図18では、7対1のほうが重 症度の割合が2.2ポイント低いというデータが出ているのではないですか。ですから 、ましてや7対1が重症であるということは言えないのではないかなと思います。 ○遠藤小委員長  もう一つ確認ですけれども、上のほうの重症度・看護必要度によるチェックを7対1 の条件としてつけているわけですが、これについては鈴木委員はどういうお考えがおあ りになりますか。 ○鈴木委員  看護必要度ですか。 ○遠藤小委員長  はい。論点1です。重症度・看護必要度における基準を満たす患者をより多く入院さ せているという傾向であること、7対1病院についての診療報酬上の評価をどう考える か。 ○鈴木委員  ですから、基本的には、7対1と10対1で、同じ機能を果たしている病院で比べた ら看護必要度には差がないということだと思いますけれども。 ○遠藤小委員長  わかりました。  それでは、順番で、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今の質問に関係するのですが、7対1と10対1では、基本的にはやっている内容は 全然違うと思います。7対1のほうが重症を扱っているのはもう当たり前のことで、地 域によって看護師さんが足りないので10対1の病院が7対1に近いようなことをやっ ているということは、今、鈴木委員のおっしゃったとおりだと思います。  論点の1なんですけれども、7対1で、我々も地方の大学だったので、看護師さんが 集まるかどうか、非常に心配したんですけれども、うちは幸いに7対1ができているの ですが、経済的にはとんとんというよりは、3年目には赤字になります。なぜかといい ますと、邉見先生のところの自治体病院もそうだと思うんですけれども、最初は看護師 さんを非常勤で雇うんです。そうでないと雇えないんです。非常勤で雇いますと、3年 目になりますと、今の労働基準法で、全部座布団をつけなければいけなくなります。そ うしますと、今ついている7対1の医療費ですと、全部赤字です。ですから、看護師さ んの職場環境はよくなっているのですけれども、特定機能病院を含めて、7対1でやっ ている病院はこれから経営的には非常に苦しくなってきます。それで急性期を担ってい るわけですから、そういうところが今の崩壊の最前線にいますので、これはしっかりと 上げていただきたいと思います。  今の鈴木先生の御意見の一つはもっともで、それについて事務局に対して質問したい んですけれども、7対1になったときに、東大でも仙台の東北大学の前に看板を掲げて 「看護婦さん募集」とやったぐらい、東京大学の永井病院長までそれほど必死になって 看護師さんが足りないのではないかということでやったわけで、実際に7対1でやった 結果として、地域によって看護師さんが足りないところがあるのかどうかというのが今 回出てきていないんです。ですから、鈴木先生のところのように、看護師さんが足りな いので、10対1で急性期の医療をやっているところが現在あると思うんです。それは どういうところにあるのかというデータがないので、それを出していただければ非常に よく分かると思うんですが、それはどうですか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医政局の看護課のほうで各都道府県ごとに看護師の需給の状況を調査しておりまして 、今日はちょっと手元にございませんが、次回以降に提出したいと思います。 ○遠藤小委員長  7対1が導入されたときにその議論は十分出ました。それでいろいろな議論が出て、 あるいはほかのところから減っていくか、あるいは訪問看護ステーションで訪問看護師 がなかなか採用できないのではないかといった議論がされました。そのときにデータが 出たかどうか、はっきり覚えていませんが、多分出たような気もしますが、それに関連 して、坂本専門委員、看護協会などではその辺について何かデータをお集めになりまし たか。 ○坂本専門委員  この前、地域格差をドクターと比較して出したと思うんです。今日はちょっと持って きていませんが、地域格差は、90%までは達成していますけれども、90%以上につ いての地域格差というのはデータ的にはそう多くないというのが、看護課で出した資料 だと思います。ドクターに比較してそんなに多くはないと。ただ……。 ○遠藤小委員長  7対1の導入に伴ってということだったですか。 ○坂本専門委員  そうです、はい。 ○遠藤小委員長  はい、わかりました。  関連するデータがありましたら、事務局、またいずれ出していただければと思います 。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  参考資料の13ページ、都道府県別の7対1入院基本料というので、大都市あるいは 都道府県の中でも県庁所在地とか中核都市にほとんど看護師が行っているというのが実 情だと思います、数字は別にして。どこの都道府県の病院長もそう言っておりますし、 私自身、全国1,000ある自治体病院をいろいろ調べておりますけれども、やはりそ のような傾向です。自分の病院も10対1が危ないぐらいになりました。この一番右に 出ています沖縄には沖縄県立中部病院というのがございます。ここは、以前にも申し上 げましたが、研修のメッカみたいなところです。そういうところも10対1がとれなく なりそうになって、看護基準では10対1が研修指定病院の最低要件ですから、それが 危なくなっているという訴えを平安山院長のほうから私は何度も聞きました。だから、 現実的には数字以上に7対1では地方の病院の看護師不足は深刻であるということを申 し上げたいと思います。  それともう一つは、嘉山先生のおっしゃるように、特定機能病院あるいは都道府県の 県立中央病院のような大きな病院では7対1にふさわしい患者さんだけだと思います。 ただ、地方の病院はそのような機能分化ができておりませんので、先ほど鈴木委員がお っしゃったようなことが現実に起こっていますので、先ほどの看護補助者の問題も、あ るいは病棟ごとの傾斜配分というのは、地方の病院あるいは公立病院などは、過去の経 緯もありまして、病棟ごとにしないと、傾斜配分をしょっちゅう変えるとか、そういう こともなかなか難しいですから、どうしても4月に決まったことでずっといくというこ とで、年度予算とかいろいろなことで我々のところではなかなか難しいところがありま すので、これは自分たちも改善しなければいけないのだろうとは思いますけれども、手 挙げ方式でどちらでも選べるようにしていただければいいのではないかと思います。た だ、改定率がどうなるかによって、財源の問題がありますので、そこがデメリットとい うか、主張しにくいところだと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  看護師数の調査については、よく病院団体の会合で話が出るのですが、厚労省から 「足りていますか」という通知が来て、もし「足りていない」と書いたら何をされるか 分からないという感じで、「足りている」と書いて出すしかないというのが現場の声で して、それでもって足りているということになってしまっているから現実とどんどん乖 離しているのではないかと思います。私どものところは、県全体でも看護師がたしか全 国で42位とか44位とか、非常に少ないところです。全国平均の3分の2ぐらいしか いませんが、同じ県の中でも南北格差があって、本当に私どもの二次医療圏は人口37 万人ですけれども、看護学校が1校もない。准看の学校もない。そういうところで7対 1をとろうと思ったら、それこそ大変で、今は無理なわけです。とにかく、地域格差が あって、足りないというのは現実だと思います。 ○遠藤小委員長  それでは、坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  平成20年に看護必要度というのが出て評価をされて、今10対1と7対1とそう差 がないように見えておりますけれども、私は、A評価とB評価については、どこでも寝 たきり、介護的なものをB評価として見ているわけですけれども、急性期病院とするな らば、A評価に対してもう少し繊細に見ていくような形をとっていくのが急性期病院に おける7対1の見方だと思いますので、1年ぐらいですか、その出たデータをもう少し 続けて、継続的に評価をしていかないと、今の状況ですぐ動くと、また現場が……。7 対1をとったときに大変現場が混乱して、必要度をつけるのが大変ということが出てき たわけですから、もう少し落ちついた状況になってきて、必要度も今調査に入ってなれ てきておりますので、もう少しやってみたらどうかという考えです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  それでは、高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  参考資料の13ページで、平成20年の届出医療機関がかなり伸びているのですが、 この主なる要因はどういうことなのでしょうか。ちょっと教えていただきたいんですが 。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  参考資料の13ページで、届出医療機関数が推移している中で、例えば福岡とか大阪 とか北海道といったところが高くて、さらに進んでいるという要因は、結論から言うと 、余りよく分かりません。そういう地域で看護師が集まりやすいのか、あるいは病院を つくりたいという方が多くて、そこに自然と集まってくるのかどうか、よく分かりませ んけれども、結果的にはこういう状況になっているということです。  ちなみに、坂本すが専門委員が前に出された資料で見ますと、都道府県別の看護職員 の需給割合というのは、医師ほどではないけれども、差はあるので、そうしたことの理 由がどうなのかというのは、医師同様、必ずしも十分分析できていないところがあると 思います。 ○遠藤小委員長  高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  そうすると、単純に看護師の皆さんがふえているという理解でよろしいのですか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  数自体は、これまでも質問が出ましたけれども、順調にふえていると言っていいのだ ろうと思います。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。  それでは、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今の、どうしてこんなに7対1がふえているのかということと、看護師の数がふえて いるのかということですが、一つの現象といたしましては、一つの病院で病棟がたくさ んあっても、すべてが10対1から7対1の数にいくまで、大きい病院では、例えば1 00名がふえるまでは点数をとれないということで、一気に100名は入りませんから 、募集していって、そのうちの5割もとれないということで、準備しながらとるために 年数がかかっているということで、そういうことでふえているんだと思います。だから 、とろうという意思の中でふえているということです。  では看護師はどんどんふえているのかというと、北海道でも、札幌とか旭川ではどん どんふえていますが、逆に稚内とかオホーツクのほうでは減っております。ですから、 そういうところでは、10対1をとっていたところが、10対1もとれなくなって、1 5対1あるいは特別入院基本料になっている場合もあるということで、都道府県別に見 るとなかなか見えないんですけれども、そこをさらに医療圏ごとに分析すると、もっと 違ったデータが出ると思います。そういうことで、日本の国民がどこに住んでいようと 、ある程度の質の医療を受けるためには、医師の偏在は非常に問題になっておりますけ れども、看護師の偏在ということも、きちんとしたデータをもとにして議論していただ ければと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今の高橋委員の質問なんですけれども、ベッド数を減らして7対1にしているところ もあると思います。ですから、看護師数はふえているといっても、そんなに楽になるよ うなふえ方ではありません。私は看護師のほうも全部調べていますけれども、ベッド数 を減らしているんだと思います。  あと、参考資料の13ページを見ていただくと、私のいる山形は、機能分化をきちん としているので、7対1がふえていないんです。これはどういうことかというと、急性 期をやる病院と、それを受け取る病院と、慢性期の病院ということで分けていますので 。多分皆さん御存じのように、1人当たりの医療費は北海道と西側では大体倍違うんで す。その辺のこともあって、私は、これは看護師の数でお金をつけてしまったのでこの ようになっているのではないかと思うんです。ですから、我々医療側でも自浄作用をし なければいけないところがたくさんあると僕は思っているんですけれども、これはその 一つのあらわれではないかなと、安達先生には京都で申しわけないんですけれども、医 療の内容で、患者さんを受ける内容でこの加算をつけていくのが基本ではなかったのか なと思います。これはその結果を示しているのではないかと思います。もちろん、看護 師さんの職場環境をよくするために7対1という考えは非常に大事なことではあります けれども、もうちょっと医療の内容でもう一度見直したらいいのではないかなという気 がしています。ただ、7対1はかなり厳しいです。 ○遠藤小委員長  今までいろいろな議論が出ましたので、また続けますが、ちょっと簡単に整理いたし ます。  論点として1、2が挙げられておりますけれども、1の看護必要度のチェックという ことについては、特段反対はなくて、むしろ部分的な修正をしてはどうかという提案が あったということであります。  それから、7対1、10対1に対する看護要員の評価ということについては、2号側 からは、評価するべきであろうといった意見が一番あったということでありますが、論 点の議論よりも、むしろ7対1、10対1の在り方についての議論が主に出ております 。7対1は、基準としてクリアしづらい、とりわけ地方にとってはクリアしづらいもの であるということで、したがって10対1をむしろ積極的に評価するべきではないかと いう意見が一つ出ております。それから、7対1においても、財政的にはなかなか厳し いものがあるといった御指摘が出ていたので、これについて考えるべきだと。さらにも っと幅広い話であるならば、そもそもこういう施設基準で考えているがためにいろいろ な問題が起きるので、医療内容で評価するべきではないか、これは嘉山委員の持論であ りますけれども、そのことをまたお話しされた。このような話にもなっております。  1号側、何か御意見はありますか。勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  平成18年度改定で初めて7対1が入ったときには、医療というのは人間相手の仕事 で、一番患者の近くに来てくれる看護師さんをたくさん入れて、看護の価値を高めてい くということは非常によいということで、いい方向性はとっていったのですけれども、 それぞれの地域の地域医療計画というのか、グランドデザインがない中でそれを自由に やってしまったということで、ここの説明にもあったわけですけれども、例えば東京大 学や京都大学附属病院とかがすごく集めるという話から始まって、看護師さんの需給が いい形で動かなかったという話がいろいろあったわけです。今2号側の先生方のお話を 聞いていても、都市部では、機能分化がきちんとできているところでそれぞれを伸ばし ていくということだったらいいのだけれども、機能分化ができていないところでこの制 度がいい形で反映していくかどうかは怪しいということなので、同じような話になるの ですけれども、地域医療計画と合わせてこのように地域の医療を機能分化していきたい から、こういうところはちゃんと評価してほしいというものが先にないと、診療報酬の ほうで先に点数を決めてしまって何とかなるかというと、今のお話では、都市部では何 とかもうちょっと診療報酬の額を厚くしていくことでいけそうなんですけれども、地方 は診療報酬だけでは非常にしんどいという話なのかと思うので、その点は何とかならな いのかなと思いますが。 ○遠藤小委員長  診療報酬だけでは問題もあるということは、重々皆さん御納得いただいていると思う んです。そうはいいましても診療報酬で議論していかなければならないということなの で、今の勝村委員の御意見は、かつてこの場でも随分議論されました地域特性を少し考 慮したような形で点数とか要件の在り方というものを考慮するといった考えでよろしゅ うございますね。 ○勝村委員  はい、そうです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  ほかに何かございますか。白川委員、どうぞ。 ○白川委員  まず7対1、10対1の話でございますが、7対1という言い方をするものですから 、看護師さんの配置や不足の問題とか、もう一つは病院の経営で、7対1をとらないと 経営的に苦しいとかという話も含まれて、かなり複雑になっているような気もするんで すけれども、重症度・看護必要度で看護師さんの配置、お医者さんの配置を決めると、 それで当然サービスが厚くなるわけですから、診療報酬を厚くするんだという考え方そ のものは、多分皆さん方の意見としては一致しているのではないかと思うんです。私も 珍しくも嘉山委員の意見に同調したんですけれども、(笑)精神はそういうことです。 ただ現実的には、資料を見ますと、既に一般病床の35%が7対1ということで、病院 の経営から見ればこれは100%というお望みなんでしょうけれども、それはあり得な いわけで、病院の機能連携とか機能分化ということをやっているわけですから、勝村委 員がおっしゃったように、地域の医療計画がたしか昨年できたと思いますが、そういっ た中でどれぐらいこういう7対1の手厚い看護が必要な急性の患者さんがいらっしゃっ て、どこがその面倒を見るのかということとの連携をもう少し考えていかないといけな いのかなと思っております。  それから2つ目の介護補助の話でございますが、いろいろな数字はあるのでしょうけ れども、看護師さんがこれから急激にふえるという想定には多分ならない。今、先生方 はみんな不足だ、不足だとおっしゃっておりまして、数字的なものは私もよく覚えてい なくて大変恐縮なんですけれども、少なくとも余るということはないと思いますし、医 療が必要な患者さんはどんどんふえてくるでしょうから、看護補助者をうまく活用する 。もう一つは、医師の先生方の仕事を看護師さんに一部担っていただく。そうすると、 看護師さんの負荷がまたふえますので、その分は看護補助者の方々に手伝っていただく という構図も必要かと思いますので、これはぜひ促進する方向でやっていただければと 思います。ただ、何でもかんでもというわけにはいかないものですから、その辺の要件 については慎重に考えるべきと考えます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  それでは、大体御意見も……。安達委員、初めての御発言ですので、どうぞ。 ○安達委員  地域医療の配分の中でという御指摘が今お二人からございました。私は京都府医師会 の役員でございますから、例えば京都府の地域医療審議会というのがございまして、そ こにもずっと出ているのですけれども、一つは、今、西澤先生がお話しになりましたが 、二次医療圏ごとに病床数の配置をしている。それから、今、白川委員が御指摘になっ たのは地域医療拠点病院のことだろうと思うんですが、この指定もするという機能をそ の審議会が持っております。実情では何があるというと、京都府でも、京都市は政令指 定都市でございますが、勝村委員は割と南部のほうにいらっしゃるわけですけれども、 南部・北部でも拠点病院の条件を満たせる病院そのものが出てこない。それでたくさん の脳外科をはじめとする診療科の医師が足りない。だから、例えば京都南部で起こった 脳卒中は他の医療圏へ移さなければいけないといった現状がありまして、それぞれの都 道府県の中でも二次医療圏間で非常に大きな格差が開いてきてしまっていて、それで医 療を受ける方たちに平等な医療を提供するということで、我々は本当に頭が痛いという か、悩むわけでございます。だから、その地域の病院ということで、ある一種の基幹的 な役割を担っている病院に対する基幹的な評価というものを、きちんとした条件を設け て、限定した形でしないといけない状態にもう日本全体がなっているのではないのかな といった感覚をずっと持っております。 ○遠藤小委員長  貴重な情報をありがとうございました。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  論点2のことなんですけれども、看護要員が十分でないということで、看護要員をふ やす努力はこれからもしていきたいと思っておりますけれども、少子化のことから考え ると、ふえる傾向になるというのは夢のような話になってくるわけですので、7対1に 対しても、10対1に対しても、認知症の方などがおいでになるので、手が大変かかる ということで、看護補助者を考えていくということについては賛成でありますが、この 前、委員長から介護者という質問を受けたのですけれども、介護についても人手不足で あります。だから、急性期病院において介護という考え方は、私は、そうするとまた介 護の職員のとり合いということが起こってきますので、先ほど白川委員が言われたよう に、どのような人たちを看護補助者とするかということについては、慎重に議論しない といけないと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  これも重要な御指摘です。看護補助者とはだれのことを指すのかということです。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今、看護補助者をふやすことには坂本委員も賛成してくださったので、いいと思うん ですが、私としては、今、高齢者がふえている、認知症がふえているということは、看 護補助ではなくて、介護職だと私はとらえております。ただ、今の診療報酬上の言葉の 使い方で看護補助者になっていますが、実態は、うちの病院等々でも、評価はされてい ないんですけれども、つけていますが、介護福祉士を入れております。そのほうがサー ビスは絶対に上がります。そういうことで、介護福祉士の数が不足していることはあり ますが、質を高めるということになると、有資格者、介護の専門家を入れたほうが私は いいと思いますので、そのあたりのこともちょっと御配慮いただければと思います。そ れから、看護補助というのはあくまでも看護師の仕事を補助するという立場ですので、 それよりも、今はチーム医療等と言われております。それぞれの専門職がその専門性を 生かしてチーム医療をやるということになれば、できるだけ専門性の高い職種の方を入 れるほうが望ましいのではないかなと思っております。ただ、私は、加算を介護加算と かにしろというのではなくて、どのような加算をするか、言葉ではなくて、実態として ちょっと提案させていただきました。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  西澤委員のおっしゃるとおりだと思うんですが、急性期病院ということになると、介 護者であるのかどうかということの議論と、それから今病院をずっと見ていますと、看 護補助者の方たちを入れている病院があるわけです。その人たちに対して教育をすると いうことが病院にある程度任されていると思うので、その付近をもう少しシステム化し て入れていくという、これから先どのように看護していくかというところにおいては、 そのようなところも重要だと思います。ある意味では、看護補助者といいながら、教育 をちゃんとしている病院もあるし、西澤委員が言われたように、素人の人を連れてきて 、そのままやってもらうような形をしているところがあるので、そこはきちんとシステ ム化していくということは入れないといけないと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  今の西澤先生の意見には僕は反対なんです。なぜかというと、7対1の病院というの はかなり看護師さんが大変なんです。ですから、介護という概念よりは、今、白川委員 がおっしゃったように、例えば看護師さんが患者さんを運んだり、カルテを運んだりと いったことをしないで済むように、ここに書いてあるような看護要員という概念の人が 看護師さんを助ける。そうすると、医師は絶対数が足りなくて看護師さん以上にへたば っているわけですけれども、現場が本当にファンクションしてくると考えますので、も ちろん病院によっては介護という概念が必要な場面もあるでしょうけれども、基本的な 考え方は看護要員のほうがいいと考えます。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私は、両方必要だと思うんです。折衷案みたいで申しわけないんですけれども、介護 福祉士に限るとなると、介護福祉士自体も足りませんから、確保できるかどうかが心配 だし、実際に重労働です。病棟は大変ですから、患者さんの回転も速いし。ですから、 介護福祉士だけではちょっと不十分かなと。かといって無資格の人だけでも問題なので 、もうちょっと、例えばヘルパー2級とか、ある程度資格は必要でしょうし、そういう 方に対する教育は必要だと思うので、無資格の人を使えばいいということではないと思 うんですが、余り介護福祉士とかに限定すると、今度は介護福祉士不足ということでま た問題になってくるかなと思いますので、両方必要かなと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。では、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  介護福祉士を強調したがためにちょっと誤解を受けたようでございますが、実は看護 師さんが今急性期の病棟でやっていても、認知症とか高齢者の患者さんがふえていて、 介護が必要なんです。本来であれば介護職がやるべきことを看護師さんがやっているが ためにということでございますので、私が言っていることは決して嘉山委員が今言われ たことと相反するわけではなくて、看護師さんがしている中では、介護職がふさわしい ものと、そうでなくて看護師さんの雑用的なものと両方があると思います。そこら辺は バランスよく考えていければと思います。共通しておりますのは、看護職だけではなく て、広い意味では看護補助職という中で介護も含めて必要だということで、そこでは一 致していると思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  北村専門委員、どうぞ。 ○北村(善)専門委員  今、チーム医療の推進に関する検討会という中で、医師と看護師の役割分担、ほかに もいろいろな医療職種があるのですけれども、看護師さんの役割の中で、いろいろな検 査の説明とか、そういうものをどういう形でチーム医療の中で進めていくかということ も含まれていますので、その役割分担の中でチーム医療としての役割をここの中で言っ ていただければいいかなと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  では、勝村委員、最後ということでお願いします。 ○勝村委員  先ほど鈴木委員と同時に手を挙げたのですけれども、鈴木委員と全く同じ意見だとい うことをちょっと言っておこうと思います。嘉山委員のおっしゃる話、西澤委員のおっ しゃる話、どちらも観点としてすごく大事な観点で、両方ともきちんと手当てしていか なければいけないと思いました。  以上です。 ○遠藤小委員長  大体御意見は出尽くしたと思いますので、この事務局提案の論点に沿って言うのであ れば、論点1については、重症度・看護必要度をチェックするという体制は基本的には 継続していくべきではないかというお話だと理解します。ただ、中身については、少し 修正してもいいのではないかという御意見があった。  それから論点2のほうでありますけれども、基本的には、7対1、10対1、看護要 員不足ということをかんがみて、看護補助者を評価するということについては、基本的 には賛成である。ただし、支払い要件等々については十分検討するべきであるというこ とと、対象となる職種をどうするかということについても議論するべきである。こうい うことがただいまの議論のまとめとさせていただきたいと思いますが、よろしゅうござ いますか。  ありがとうございます。  それでは引き続きまして、2番目の課題、13対1と15対1の入院基本料というこ とで、論点は2つ出ております。論点1は、特に長期入院を行っている患者について、 その評価をどうするかという視点から、13対1入院基本料、15対1入院基本料の役 割をどう評価するかということです。論点2は、精神病棟入院基本料については、13 対1入院基本料が抜けているということでありますので、これをどうするか。こういう ことが問題提起として挙げられているわけであります。論点に関連して、あるいはもう 少し違う視点からでも結構ですけれども、御意見はございますか。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  特に会長は論点の順番をつけられませんでしたので、論点2のほうですが、精神病院 協会から御要望をいただいております。確かに今13対1がないのですけれども、前に も同じことを申し上げましたが、精神科の病棟の中で今一番困っている問題の一つが、 精神疾患以外の複合的な合併症を持っている方たちをトータルでどう診るかということ でございます。もし今回、精神病棟入院基本料に13対1をつけるということになると 、恐らくその算定要件等々からすると、他科も併設してある総合病院的なところの精神 病棟というものが算定対象になるのではないかと考えられるわけでございます。精神科 単科の病院はほとんど15対1でやっているわけでございますから、重症度にもよりま すけれども、精神疾患以外のさまざまな合併症を有してその治療を一緒にやる方たちが 、13対1を設定して、それを総合病院的なところの精神科がとることでそちらで受け 入れが可能になるような状況をつくるのが一番望ましいのではないかということが大き な強い要望として上がっておりますので、申し上げておきたいと思います。 ○遠藤小委員長  つまり、13対1の評価を行うべきである。そうすることによって総合病院の精神科 といったところで総合的に診療が受けられる患者さんがふえることはいいことである。 そういう理解ですね。 ○安達委員  はい。13対1をつくって、その算定要件の中に、例えばある程度以上の身体合併症 をほかに持っている方たちの受け入れが、先ほど10%以上とか、いろいろありました が、そういう条件設定をしていただいて、そういう方たちの受け皿をきちんとつくって いただく。今の15対1の単科の精神科病院では本当にそれで困っているわけで、一定 の加算はあるのですけれども、それだけでは到底クリアできない問題があるということ でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  2番につきましては、今、安達委員がおっしゃったようなことだと思うんですけれど も、私も専門ではありませんので、精神科の専門の先生にちょっとお聞きしたことを追 加させていただきます。13対1をとるような病院は、総合病院の精神科のようなとこ ろになるだろうと。総合病院の精神科にきちんとやっていただきたいことは、身体合併 症を持っていて単科の精神病院では診られないような人を診てほしいということです。 現状では、総合病院の精神科には身体合併症を持っている人は2割ぐらいしかいない。 ですから、100%というわけにはいかないかもしれませんけれども、かなり多く、そ ういう人たちを中心に診ていただけるような体制にしてほしいということと、今10対 1には平均在院日数の制限があるのですが、それが15対1以下にはないので、そうい ったものも入れていただいて、13対1をつくった場合には、一定の範囲内で重度の人 を集中的に診ていただくという総合病院の役割を精神科においても果たしていただきた いという要望が来ておりますので、お伝えいたします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  精神病床を7万床減らすという大きな計画がありますが、今減っているのは総合病院 の精神病床がほとんどで、自治体病院も経営のこともありまして減らしているところが 多いんです。それから、大学病院の精神科の病床すら減らそうとしている。教育のため には精神病というのは必ず必要なんですが、そういうところも厳しいということになっ ておりますので、ぜひ13対1を入れていただきたい。これは総合病院精神科連絡協議 会あるいは精神医学講座担当者会議等からの強い要望でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  2号側の御意見ですと、要件等々にはいろいろ議論はあるかもしれませんけれども、 基本的には13対1入院基本料を入れるべきだという御意見ですが、1号側、何か御意 見はありますか。勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  こういう精神疾患ほど、看護師さんとかが本当に生き生きとたくさん仕事をしていた だいてということが、いい医療の実現には欠かせないと思っていますので、こういうと ころほど、いろいろ工夫して看護の価値を高める方向で進めてほしいと思います。これ はその方向だと思いますので、その方向でいってほしいなと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  私のほうは、むしろ13対1を導入しなかった理由というのは何であったのかなと、 それをまずお伺いしてみたいと思います。 ○遠藤小委員長  これは、事務局、13対1が抜けていた理由というのはどういうことなんでしょう か。 ○事務局(佐藤医療課長)  私どもも歴史的に調べてみたのですが、結論から言うと、理由がなかなか分かりま せん。歴史的にも、これまで中医協の中で御議論はあったのかもしれませんけれども 、適当な言い方かどうかは分かりませんけれども、精神科において看護の必要度とい うのは、どちらかというと一般病棟よりもやや低目に設定された中で、10対1を一 つつくれば、もうその下は15対1ぐらいの形で、余り今日のような議論がないまま 今日に至っているのかもしれません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  そうであれば、考慮せざるを得ないような社会状況もあるでしょうし、病床も減ら されるとか、さまざまな要件から見ると、どこかで考慮しておかなければならないだ ろうという案件ではないのかなとは思っています。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そういたしますと、13対1を精神病棟入院基本料に認めるという方向でよろしゅ うございますでしょうか。  はい。ありがとうございます。  論点1についてはいかがでしょうか。鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  少し前に13対1、15対1の一般病床に入院している患者の特性は医療療養病床 に長期入院している患者の特性に似ているというデータが出たときに、これは13対 1、15対1の長期入院されている方を医療療養病床に移そうとする考えがあるのか なという気がしたのですけれども、そういう計画というか、そういうつもりはあるの かどうかをまずちょっとお聞きしたいんですけれども。 ○遠藤小委員長  それは、論点1として出てきた背景にそのような考え方があるのかどうかというこ とですね。医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  わざわざ見ていただく必要もありませんけれども、先ほどの参考資料の40ページ とか41ページあたりから44ページぐらいまででお見せしましたが、一般病棟の1 3対1や15対1のようなところで91日以上入院されている方と医療療養病棟とを 比べますと、差がある部分もあるし、共通する部分もあるということでしたので、慢 性期分科会というものを今年度運営していくに当たりまして、一応そういうところは 見ておきたい、つまり出来高の病棟と比べてどうなのかというのは見ておきたいとい う気持ちがありました。ただ、だからといって、その時点において医療療養病棟をた くさんつくりたい、医療療養病棟に誘導したいという気持ちがあったわけではなくて 、上流と言えるかどうかは分かりませんけれども、仮に出来高で13対1、15対1 のところから患者さんがおいでになるとしたらどういう状況なのかということで、一 度この部分は見ておきたいということであったわけです。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、よろしいですか。 ○鈴木委員  これも地域差なのかもしれませんが、医療療養病棟が非常に多いところでは、ある 程度軽いといいますか、そういう方が長期に入院されているようなこともあるのかも しれませんが、私どものような医療療養病棟も少ないようなところでは、一般の13 対1、15対1の病院というのは地域の急性期を担う病院になっているところもあり ます。例えば、私の病院の北隣の人口2万1,000の県の最北端の町では、50床 ぐらいの病院が3つ、1つは最近、医師不足・看護師不足で有床診療所になりました が、15対1の病院ですが、救急を輪番制でやっていまして、40年間たらい回しな しという非常にすばらしい実績を上げているんです。その近くでは私の町に公的病院 ができましたけれども、そこから30キロありますから、その町の中で救急まで賄わ ないと成り立たないような地域です。そういったところも含めて、13対1、15対 1というのは救急も含めて役割をきちんと果たしている。それから、長期の入院に関 しても、医療療養病棟では診られないような人を診ているということは言えると思う んです。一つは、急性期病院から御紹介いただく方もいるし、病院の中で移られる方 もいますけれども、経管栄養が導入できずに点滴で、しかも感染を繰り返しながら、 抗生剤あるいは抗真菌剤あるいはもう昇圧剤といった薬剤をずっと投与しないと生命 を維持できないような方が一定数いるんです。13対1、15対1も含めて、一般病 床の長期の除外規定に該当するような方がいらっしゃるので、そういうところが医療 療養型ということになりますと、今でもそういった方の御紹介の話があっても我々も 非常に苦慮しているのですが、これからは本当にそういう方の行き場所がなくなりま す。 ○遠藤小委員長  わかりました。まとめますと、要するにこの考え方が将来13対1、15対1を医 療療養型に転換していくということの布石であるのなら反対であるという御意見です ね。 ○鈴木委員  そうです。 ○遠藤小委員長  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  病床の移動も難しい、それから今、鈴木先生がおっしゃるように、急性期を担う1 3対1、15対1であっても、私たちから考えると、90日を超えれば、もう大分急 性期を超えて、亜急性期とか慢性型に近くなるのではないかと思うんです。今先生の おっしゃるとおりであれば、私は仕方ないと思うんですけれども、そうでない、非常 に慢性的な感じか一般療養的な部分があるのであれば、それで病床の移動も難しいと いうことであれば、何か支払い形態で変えることを考えることはできないのかなと私 たちは思いますけれども。 ○遠藤小委員長  つまり、医療療養病床に変えるということではなくて、支払い方式とか点数とかで ということをおっしゃっているわけですね。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  その前にちょっと質問なんですけれども、今回13対1、15対1の調査の中で医 療区分でやってみたということは、データとしていいと思うんですが、片方で今一般 病床の中に特定患者というのがおりまして、さらにその特定患者の除外ということで 12項目があります。これではある意味でこの医療区分の重い方は除外しているはず なので、医療区分の調査とそちらとを合わせたマッピングといいましょうか、そのよ うなデータは今回おとりになったのでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  それは直接にはやっておりません。だけれども、恐らく今先生のおっしゃった除外 項目12の中身をよく読んでみますと、ここでいう医療区分3で示しております病態 なり看護度みたいなものとかなり似ている部分はあるのではないかと思います。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  私も実は、これはかなり、マッピングすればほとんど除外されている方は医療区分 の2・3に該当すると考えております。もしできれば、そのようなデータがあったほ うが分かりやすいかなと。そういうことで、一般病床の中で90日を超えた場合は、 必要がないのにいるのではなくて、今までも、ある程度の基準を設けまして、その患 者に関してはきちんと点数は保障するけれども、それ以外は低くということでやって おります。ですから、そういうことをやっているということで、今後どうするかとい う議論が必要ではないかと思います。  さらには一般病床の長期もあるのですが、片方では療養病床で特殊疾患入院医療管 理料というのも一般病床の中にあります。それから、障害者施設等入院基本料という のがあります。その辺は意外と同じような患者さんがいると思いますので、これをあ わせた議論をして、そこで考えたほうがいいと思います。地域によっては、療養病床 が少ない、でも一般病床の中に特殊疾患入院医療管理料をとっている、あるいは障害 者施設等入院基本料の病院が多いとか、かなり地方性もあります。そういうこともあ わせてしたほうがすっきりすると思いますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  ただいまの議論ですと、13対1、15対1、とりわけ長期入院患者さんと療養病 床の関係というものをもう少しはっきりさせた上で議論するべきだということですの で、事務局としてはそういった種類のデータはございますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  可能な限り準備したいと思います。前々回ですか、特殊疾患療養病棟などについて も御提示しましたし、そういった中での12の除外規定みたいなもの、それから脳卒 中や認知症というものがさらにその中から外されたといった経緯等々も含めまして、 ちょっと別な視点から再整理して資料提出をするという感じで考えたいと思います。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  私はほとんど急性期しかやっていないので、ただ週に1回は10対1とか13対1 の2つの病院を見てきています。そういう中で、今、北村委員がおっしゃったように 、90日を超して、ただ寝ているというか、リハビリは少しやっているのでしょうけ れども、それでかなりの医療費を上げている病院もあることは事実です。私はそうい うものを見ると、同じ医療者で急性期の人間にとっては、これは医者としてのモチベ ーションが非常に落ちるんです。今、医療裁判とか、そういうものがいっぱいあって 、急性期は非常にピンチです。我々が今日も先生方のお話を伺っていると、経営はも ちろん大事なんですけれども、やっている医療の内容で点数をつけるというところに そろそろこの中医協が生まれ変わらないと、今までずっとこういう10対1とか、前 から私が言っているように、箱もので何人医者がいたらとか、そういう医療行為の中 で点数をつけていくほうに徐々に移っていかないと、本当に崩壊してしまうのではな いかという気がします。これはコメントなんですけれども、ただ単に13対1とか、 そういうもので決めるのではなくて、医療行為の中で医療費を決めていくというシス テムに徐々に移行していくという考えはないんですか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療を評価するときに、ちょっと教科書風で恐縮ですが、ストラクチャー、プロセ ス、アウトカムとありまして、我が国ではなかなか病院や診療所におけるデータがと れなかったので、これまでは先生が何度もおっしゃっているようにストラクチャーに 着目して点数をつけてきて、せいぜいプロセス程度だったのですが、DPCが導入さ れて、医療の中身がかなり分かってくるようになりましたので、将来的にはぜひとも アウトカム中心、もちろんストラクチャーがだめだというわけではありませんけれど も、アウトカムというものにも相当軸足を移していくべきなんだろうと考えておりま す。 ○遠藤小委員長  私も一言言いたい。ちょっとすみません。今のはちょっと問題発言でして、アウト カム中心にというのはなかなかコンセンサスが得られていないところがありまして、 そういう意味では今回アウトカムをリハビリに入れるときも限定的に試行的にという 言い方をしています。今、嘉山委員のおっしゃっていることはどちらかと言えばプロ セス評価に近いかなと思いまして、アウトカム評価といいますと基本的には成功報酬 ですから、そういうのはなかなか問題もあるということだと思います。  どうでしょうか、事務局。 ○事務局(佐藤医療課長)  言葉遣いが妥当だったかどうか分かりません。申しわけありません。病院の本当の 評価をするときのアウトカムというのはかなり限定的で、再入院率とか細かいことを 言っていますが、診療報酬の世界では、プロセスとアウトカムのはざまが必ずしも十 分でなくて、本当の意味で診療報酬の世界でアウトカムと言っているのは、この間の 回復期リハビリテーション病棟とか、ごくごく一部の領域で前回試行的に入れたとい う程度でございましたから、そういう意味でも究極のアウトカム、例えば死亡率が減 ったとか、5年生存率が減ったとかというところまではいきませんが、プロセスとア ウトカムのはざまのようなところということでしょうか。何にしても、どなたが発言 されるかによってアウトカムの意味も多少違ってくるようです。僣越な言い方ですけ れども、回復期リハビリテーションがアウトカムというのも、本当の意味でのアウト カムではなくて、途中経過という意味はあると思っています。 ○遠藤小委員長  そういう意見だということでありますが、また大きな話になりますので、余り展開 はしていただきたくないんですが、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  だから、エンドポイントという意味だと思うんですけれども、エンドポイントで病 院を評価することは不可能です。これは世界でどこもやっていません。なぜかという と、各病院に来ている患者さんの病気がみんな違うからです。それによって、ある病 院は死亡率が高いとか低いとかといっても、難しい患者が来ていればそれが低くなる のは当たり前の話で、自然科学を相手にしているのだから、そこは佐藤課長も気をつ けて使ったほうがいいと思うんですが、会長がおっしゃるとおりだと思います。  これを解決するためには、情報開示なんです。我々がやっている医療行為をすべて 情報開示して、そして評価していけば、医療点数をつけるのも国民が納得するような 形態になりますので、そちらで一日も早く電算化、といっても僕は医者と看護師の仕 事がふえる電算化は大嫌いなんですけれども、情報が入ってくるような電算化を進め ていくべきではないかと思っています。 ○遠藤小委員長  では、安達委員、手短にお願いします。 ○安達委員  今の御議論や北村委員の御指摘も基本的には、単語としておっしゃいませんでした けれども、一般に社会的入院と言われるものをどう扱うのかという視点がこの問題に はいつもついて回る。これは療養病床もこの長期入院もそうですけれども、先生方も 御存じのとおりで、かつて医療経済研究機構が出した文書等々の「医師の治療指示の 変更の頻度がどのくらいですか」という設問に対して、「それほど高頻度の指示の変 更は要らない」といったものを強引に「医療の必要度が低い」と読みかえたようなこ とをベースにしてやった改定が医療区分設定などにもあったのではないか。だから、 そういうところは、我々医療者も、それで無理やり入れているんだと言われたら非常 に片腹痛いのと、この制度の上でこういう設定があると非常に心苦しいということは あるので、医師の指示の変更はそう高頻度ではなくても、その内容には非常に重篤な ものがあるというものの評価をどうするか。もう一つは、我々が引きとめて入院の要 らない人を入れているということはあり得ないわけでありまして、帰れない社会的条 件がほかにいろいろ、家族構成その他を含めて、住宅事情も含めて存在している。そ ういうものをどう扱うか。この2つの視点を解決のために入れて、全体的な議論が要 るのではないか、ずっとそう思ってまいりました。 ○遠藤小委員長  そのとおりだと思います。わかりました。そうしますと、論点2については先ほど のような決着がつきましたが、論点1につきましては、13対1、15対1の入院患 者さんの属性とか、どういう医療が行われているのかとか、そういったデータをもう 少し出した上で再度議論するということでよろしゅうございますか。本日は結論には 至らなかったということでございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  それに関連して、先ほど西澤委員からも特殊疾患とか障害者等一般病棟の話が出た のですけれども、私どものところでは多分ほとんどないと思うんです。それはやはり 看護師不足で、そういうことをやりたくてもやれない。療養病床も少ないぐらいです から、ぜひ都道府県別ではなくて二次医療圏別の看護師数と病床の種別の関係みたい なデータを出していただけたら、もう少しはっきりするのではないのかなと私は思い ます。 ○遠藤小委員長  もしそれに類するものがあれば、また事務局のほうでよろしくお願いします。  それでは、まだ2つ残っておりますので、続きまして亜急性期の入院医療の評価と いうことで、論点が2つ出ております。亜急性期病院の機能の評価として、後方病院 としての評価をどう考えるかということが1つ目です。2つ目は、リハビリをやって いて、骨折に対するリハビリがかなり行われているというデータがありますので、そ れを診療報酬上、今後どのように評価するかということであります。ほかに亜急性期 病棟の評価ということで何か御意見があっても結構でございますので、御自由にどう ぞ。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  論点1のほうですが、片方ではここにあるように後方病床としてということで、特 に前回亜急性期入院医療管理料2ができたわけなんですが、病床数もかなり多くとれ るようにということですが、いろいろな縛りがあって、ちょっといきづらいという声 も聞こえますので、若干の要件を変えていただくことは必要かなと思っております。  それと、亜急性期入院医療管理料は、参考資料の48ページに書いてありますとお り、「急性期治療を経過した患者」、これがポストアキュートですが、それだけでは なくて、「在宅・介護施設等からの患者であって症状の急性増悪した患者等」という ことで、ある意味では在宅支援でつけまして、そのような在宅でいて、ちょっと慢性 疾患でかかっている方が急に状態が悪くなった、あるいは初期、中等度の急性疾患を 発症したときも、受け入れるという目的があったのですが、実はそちらのほうではな かなか使われていないんです。それはいろいろな意味で使いづらいということであり ます。そういうことで、今後この亜急性期入院医療管理料を考えたときに、次回改定 では無理だと思うんですが、その役割がこのようにきちんと書いてあるのだったら、 その役割を果たすためにはどうしたらいいかということ、例えば、診療報酬上も今は 包括点数になっていますが、それ一本でいいのか、そのような議論も次回の改定に向 けてしていただければと思っています。  以上です。 ○遠藤小委員長  亜急性期病棟の機能というものが既に議論されているわけですから、それに合うよ うな支払い方式を考えるべきだろうという話ですね。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  日本に亜急性期でやっている病院はあるんですか。日本の中小病院というのはほと んどが慢性期完結型の病院が多いと思うんですけれども、亜急性期型の病院というの を独自に分けるということは現実にエビデンスとしてできるんでしょうかね。私は地 方の中小病院を見ていますけれども、そういうところはその地域で、例えば鈴木先生 の病院がその典型でしょうけれども、時々は救急も診る、時々は亜急性期というか、 それは患者さんの時間の経緯ですから、結局はそこで完結して診ていらっしゃる。で すから、もしも亜急性期にわざわざ点数をつけるのであれば、先ほど鈴木委員がおっ しゃったように、地域によって10対1でも7対1と同じような機能を果たしていれ ば、そこに7対1と同じ点数をつければ、すべて済むことではないかと思うんです。 かえってそのほうが合理的だと思うんですけれども、亜急性期だけでやっている病院 はどのくらいあるんですか、課長。 ○遠藤小委員長  では、事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  参考資料48ページにもありますように、当該保険医療機関の有する一般病床の数 の1割以下とか3割以下と決めていることもありまして、検証部会の検証を受けたも のもそうでしたが、単独では亜急性期だけでやっている病院はないということです。 ○嘉山委員  だとしたならば、亜急性期というのは、私は常に病気を診るのですけれども、要す るに患者さんにとってはあるステージだけですから、病院のことを考えれば、鈴木先 生のところのように、地方で看護師さんも足りないけれども、やっていることは7対 1に近いのであれば、論点1では、そういうところを調べて、その病院の内容は10 対1でも、それには7対1に近いような医療費をつけるという提案をしたほうがいい のではないかと考えます。亜急性期をあえて……。 ○遠藤小委員長  わかりました。ちょっと事務局に確認させていただきますが、要するに亜急性の医 療という医学的な状況というものは当然あるわけですけれども、ここで言っているの は、どちらかというと、そういう患者さんを診る医療体制として、この程度の条件を 整えていれば亜急性の加算がとれますという位置付けの理解でよろしいでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  これは、言ってみれば入院基本料に相当するような一つの点数、形態、類型ですの で、加算ではありませんが、亜急性期というものを想定して、そこの病床については 一定程度そういう別な形態の入院基本料に相当するものをとるとしております。 ○遠藤小委員長  ということがまず大前提なんです。ですから、そういう構造上でまず点数をつける 。つまり、亜急性の患者さんがいるかどうかはともかくとして、こういうところで診 た患者さんはみんな亜急性の患者になるという意味で……。 ○嘉山委員  だから、先生、全くおかしいんですよ。なぜかというと、心筋梗塞でも何でもいい んですけれども、我々が急性期で手術などをして高度医療が終わったら、全部の患者 さんがそこから亜急性期に移るんです。それで結局はそこは慢性の病院なんです。で すから、亜急性期単独の病院というのは日本では絶対にあり得ないんです。そうだと したら、慢性期の病院として、ただやっている内容は、先ほどの最初の鈴木委員の、 地域によって10対1になっているけれども7対1と同じような機能をやっている病 院のほうが分かれば、全部解決することではないかと思うんですが、いかがですか。 ○遠藤小委員長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  ちょっと誤解があるのではないかと思います。先生がおっしゃるとおりです。ただ 、亜急性期入院医療管理料というものをつけたのは、在宅に早く戻っていただくとか ということに努力していただいているベッドについては手厚くしましょうという考え 方で、この考え方自体は私はいいと思います。ただ、ネーミングの問題がございまし て、先生がおっしゃるように、ちょっと誤解を生むネーミングであることは確かだと 思います。言ってみれば在宅医療早期促進管理料とか、そういうニュアンスだと私ど もはとらえておりますが、それでよろしいんですね。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。趣旨としてはそれでよろしいのかどうかということです。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論はそれで結構です。先ほどの会長の言われたことも含めて、御質問について、 もう一度ちょっと丁寧に説明します。そもそも亜急性期入院医療管理料というのは、 恐らくある程度の想定のもとに、つまり急性期から亜急性期あるいは回復期や慢性期 があって、そして在宅ないし介護系へと、順番を追って患者さんが流れていくのだろ うという想定のもとに設けたということです。平成16年に設けて以来、ここにどん な病態の患者さんが入っていらっしゃるかというのは、実は想像どおりかどうか分か らなかった。それで先般検証部会で検証していただいて、意外だと思われた方もいら っしゃるし、想像どおりだと思われた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、筋 ・骨格系の病気がどうも多いようだということが初めて分かってまいりました。恐ら く嘉山先生の御質問は、わざわざ特定入院基本料とは別の体系で特定入院医療管理料 のようなものを設けてここを評価しなくても、恐らく今の7対1、10対1、13対 1の中にその加算を設けても対応できるのかなという御質問であったかと思いますが 、次期改定かどうかは別として、今回の調査をしたことと考え合わせて御議論してい ただければと思います。 ○遠藤小委員長  白川委員のおっしゃったことは非常にポイントをついておられると思いますので、 亜急性という言葉を使ったので、医学的な亜急性という意味合いとは微妙なずれが出 てきているというところですね。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私どもの病院の御心配までいただいて、ありがたいと思いますが、亜急性期医療と いうのは私もあると思うんです。それで、急性期の在院日数がどんどん短くなってき ますと、すぐに慢性期というわけにもいかないし、すぐに在宅というわけにもいかな いし、そういった方々はいらっしゃって、私どもは亜急性期の1という病床を持って おりますし、回復期もあるんです。回復期とはちょっと違った観点で必要な方がいら っしゃるという状況なんですけれども、一つは、私どもの回復期は1日に8.6単位 ぐらい高機能の回復期なので、そういうものに乗らないような方がいらっしゃるんで す。ですから、そういった方、あるいは、回復期の入院は2カ月以内にしていただか ないといけませんから、そういうものに期限切れの方もいらっしゃいます。いろいろ な方がいらっしゃるということで、亜急性期医療は必要だと思うんです。それで、こ の1と2とありまして、2が前回できたわけですが、45施設ですか、ほとんど進ん でいないというのが、私はこれは非常に使い勝手が悪いんだと思うんです。それで、 使い勝手がどう悪いのかということですけれども、患者さんのメインが今は運動器系 のリハビリだということですけれども、回復期リハビリ病棟も発症後2カ月以内とい う縛りはあるわけですが、同じ見方をしますと、亜急性期の2の場合は3週間以内い ということです。ですから、それが非常に短過ぎて、恐らくその間に亜急性期までた どり着くという方が少ないのではないかと思います。もしそういう観点で亜急性期医 療を充実させるということであれば、1に近い、在宅とか介護施設からの入院も2で は認められておりませんし、そういった機能を充実させるとともに、そういう入院ま での期間をもうちょっと長くするとか、そういうことが必要なのかなと。1と2で分 ける必要があるのかなという気もいたしますし、基本的には1のほうが使いやすいと いうのが現場の声ではないかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。これは論点1、2をまぜた形の御意見ということですね。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  先ほど嘉山先生が言われたのはある意味ではもっともなんですが、今は本当に7対 1をとっている特定機能病院あるいは急性期のところは、平均在院日数を縮めるとい うことで、早く帰したいと。そのときに、今の慢性期というのには療養病床が当たる のでしょうから、療養病床はドクターの数も98床で2人しかいない。それから、看 護も20対1しかいない。そういう中に7対1から急に行って診てもらえるかという と、なかなかそうはいかない。とすれば、もうちょっと医師とか看護の基準がある場 所ということでできた。それから、亜急性期という名称がどうこうというのもあると 思いますが、機能としてはやはり必要だと。これがなければ、本当に超急性期という のでしょうか、そちらのほうに患者が詰まって、うまく回らなくなるのではないかと 思っております。そういう機能分担の話はこれからきちんとしていく必要があるかと 思います。 ○遠藤小委員長  そういう観点で論点1、2をごらんになると、何か御意見はありますか。 ○西澤委員  繰り返しになりますが、2つあって、1つは、ポストアキュートという感じであり ますので、それについてはもうちょっと使いやすくということで、2のほうは特に使 いづらいと。先ほど鈴木委員も言われましたけれども、1のほうが要件として緩やか なので、この要件でいいかなと。ただ、1の場合は、病床数が限られているので、そ ちらのほうは2ではかなりふやしてくれましたので、そちらのほうの基準がいいのか なと思っております。  それともう一つの役割がここに書いてあるのは、繰り返しになりますが、今回は無 理であっても、今後の議論に持っていっていただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  あとお手をお挙げになっていた方がいらっしゃいましたが、よろしいですか。  それでは、ただいまの論点1、2に関しましては、基本的にこの要件について少し 見直すべきではないかという議論が出ておりました。なかなか、特にリハビリテーシ ョン提供についてはとりづらいということもあるので、その辺について検討していた だきたいと。そのようなことでよろしゅうございますね。  それでは、4番目の課題に移りたいと思います。これは、入院基本料を算定する病 棟における看護師等の配置についてということになります。説明は既にありましたの で、論点は3つあります。現在、一つの入院基本料に対して一つの届出区分としてい るが、これについてどう考えるかということです。これはある意味でかなり大きな話 になりますから、御意見をちょうだいしたいと思います。ちなみに、2番目は、勤務 形態の多様化に伴います夜勤従業員の扱い方ということ。3番目は、届出上の緩和措 置です。ある程度緩和措置がありますけれども、その後どんと報酬が下がるという仕 組みになっておりますけれども、これについてどう考えるかということであります。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  論点1のほうでございますけれども、11年改定で7対1ができたときも、我々は 病棟単位ということを申し上げたのですが、そのときにマイナス3.16というもの がかかっておりまして、当局も、これをやるとマイナス3.16はとてもできないと いうことで、分かるけれども、できないと、私には言われました。分かっているので あれば、今回はしてほしいと。ただ、傾斜配分もある意味できる。都市などであれば 、そっちのほうがいいところもあるんです。ただ、地域ではもう、先ほど鈴木委員も おっしゃいましたけれども、看護学校もない、あるいは看護師はみんな7対1のほう へ行ってしまうということで、明らかに7対1が入ったことが我々の地域は看護師不 足に拍車をかけているということもございますので、その地域で10対1で頑張って いるようなところにつけていただかないと、私は主に自治体病院を頭に入れているん ですが、1,000余の自治体病院でそういうものがとれているのはごく一部である ということを申し上げたいと思います。 ○遠藤小委員長  病棟単位による届出というのは、従来からここでも随分議論になっていたことでも ありますので、それができるのであれば、ぜひやってほしいという御意見ですね。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  健全性と同じで、今まで病院団体としては病棟単位を目指していたんです。ところ が、もう4年前に入ってしまって、一気にとってしまったということで、これから病 棟単位を求めるということはさらにふえていくことになると思います。否定はしない んですが、ただ今回ここでもう一つの考え方として傾斜配分というのが出ています。 これは今までも運用していいということになっていたのですが、このあたりの情報と いうのがどうもうまくいっていなくて、資料の中にもありますけれども、傾斜配分を やれば、例えばある病棟が10あれば、10対1の中ででも2つのところは7対1ぐ らいの配置とか、自由にできて、これはこれですごくいい方法だなと。だから、この 辺はもうちょっときちんと現場のほうにこういうことができるという情報を流してい ただく。さらに、もし傾斜配分の中で今しづらい何かがあれば、そこを改善するとい うことも必要ではないかなと思っています。  それは2番目の多様な勤務形態とも絡むのですが、夜勤のところをどう取り扱うか ということで、これは短時間勤務の促進等々も全部絡めますと、今の夜勤のカウント の仕方がかなりきついので、そこら辺はもうちょっと緩めていただきたい。要するに 、夜勤時間が少ない人も分母に入れるということも必要だと思っております。  また、今は2人夜勤の72時間ですが、これがかなりきついということもあります ので、特に傾斜配分等をするのであれば、そこら辺も緩めないとなかなか傾斜配分も しづらいということで、前は加算だったのを通則にしたということですが、逆にこれ をまた加算に戻していただくともっと助かると思います。これは恐らく、特に地方の 病院の看護師さんの管理を担っている看護師長さんにとりましては、そのようになっ たらすごくやりやすいということで、現場の看護師さんたちに喜ばれるのではないか なと考えております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私も西澤委員と同じなんですが、病棟単位に関しては、そのほうがいいのでしょう けれども、現実的には、ある程度7対1が進んだ時点でさらに7対1をとる病院がふ えるということは、看護師不足に拍車をかけるということで、地域医療がまた混乱す る可能性があるのではないかということを心配しております。もし傾斜配置という制 度の周知が徹底していないのだとしたら、まずそれが普及しない条件を調べた上でそ れを推進してみて、その上で考えてみたらどうかなという気がいたします。  それと、短時間夜勤勤務等ですが、病棟でも、地域の病院で一番困っているのは7 2時間規制が非常に厳しいということで、これは、どうして現場の看護師たちが、特 に看護師長さんたちが困るようなことを看護協会は決められるのかなと非常に疑問に 思います。現場と乖離したようなそういうことを強制されるのはいかがなものか、見 直されたらいいのではないか、現場がやりやすいように協力していくのがそういった 上部団体の役割ではないのかなと思いますので、ぜひ実態に合わせて見直していただ ければと思います。 ○遠藤小委員長  今のお二方からの御意見、まずは病棟単位の届出ということについては、賛成の方 もいらっしゃいましたが、鈴木委員は必ずしも、それよりも先にやるべきことは傾斜 配分の周知であるというお話だったと、そのように理解してよろしいですか。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  私も、二者択一ではないんです。今やっているところが困るようなことではなくて 、7対1、よそから看護師さんが来ないところを病棟ごとでやればいいのではないか ということでして、私の感じでは拍車はかからないのではないかと思っております。 困った中での知恵ということですので、傾斜配分がいいところはそのようにしたらい いと思いますし、できることをやればいいので、二者択一ではございません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  また、夜勤については、いろいろな面で少し緩和してほしいという要望があったわ けですが。  それでは、北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  企業経営などで考えますと、硬直的な経営よりも柔軟性というのが大変重要な感じ がするんです。これですと、傾斜配分というのは、柔軟性を含むということではない のかなと私は考えるんです。そうすると、厚労省に怒られますけれども、これは大変 貴重なレアな柔軟なシステムではないのかなと……。  以上です。すみません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そうすると、北村委員、もう少しおっしゃっていただくと、したがってこのシステ ムをうまく活用すれば、病棟単位ごとの申請ということは特に必要ないと。 ○北村(光)委員  はい。病院のイニシアチブもしっかりと発揮できるでしょうし、ですから現状の制 度をうまく活用する方策を考えられたらいかがかなということです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ちょっと先ほど看護協会というお話も出たものですから、そういう意味では、お手 を挙げていますから、坂本専門委員、一言。 ○坂本専門委員  例えば、病棟ごとのことですけれども、私も気になるのは、全体的に日本全国でそ れを許してしまうと、恐らくまだとれていないところがあって、それが拍車をかけて くるという気がして、これがどういう動きになるかというのは予想でしかありません けれども、また看護師の獲得ということに対する動きが若干あると思うということ、 それから5カ月間というある程度の猶予期間がありますので、そこを使ってもう少し それをPRしていただければと思います。  それからもう1点、大変苦しい話なんですけれども、72時間の話があります。こ れは現場においても72時間を外してくれという考え方の管理者も若干いたり、それ から、この前ちょっと鳥取で集めて話を聞きましたら、その歯どめはかけておいてほ しいという管理者がいたり、これは経営的に見るのと働く者として見るのとではちょ っと違いが出てくるような気がします。72時間というものが9回夜勤ということで 、ではみんな平等に9回夜勤をしているのかというと決してそうではなくて、半分以 上は夜勤ができる人たちが背負っていくという形になっておりまして、その人たちは 大変疲弊していると思います。中堅の看護師が主になってくるわけですけれども、夜 勤数が多くて、私はドクターの疲弊と同じように、急性期病院などにおける看護師の 疲弊というのも若干考えていただかなければいけないと思います。なぜ疲弊が起こる かというと、患者数が多くなって、在院日数が短くなったために、集中してしまって いるということです。それに対して、夜勤のある程度の上限のたがを外すのかどうか というのは慎重に考えていかなければ、長い目で見たときの看護師の疲弊というもの はさらに増してくると思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  先ほどは嘉山委員でしたか。 ○嘉山委員  基本的には、看護師さんの労働環境を守るというのは、もちろん我々大学はやって いるのですけれども、今の現場を見てみますと、ワーク・ライフ・バランスというも のを考える看護師さんはかなりいます。もちろん今の坂本委員のお考えは原則として は全く正しいと思うんですが、先ほど北村委員がおっしゃったように、そういう働い ている現場の人たちも、あるときはワークして、あるときはライフを楽しみたいとい う人もいるので、それは現場に任せていただいて、とんでもないことをやっていれば もちろん規制はしますけれども、今のところそんなに余っているわけではないので、 その辺は現場の管理者に任せるのがいいのではないかなと大学人としても思います。  もう一つは、今日は入院医療についてなんですが、7対1とか、そういうことが問 題として出てきたのですが、特定機能病院は、この前も発表させていただきましたよ うに、質がもう全然違いますので、今後この診療報酬の中で、DPCのことも問題に なりますが、特別にまた考えていただかないと、日本の医療の根幹が崩壊するという ことをコメントとして出しておきます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  坂本委員の主張していることは非常に理解できます。ただ、坂本委員も、いろいろ な声を聞いて、かなり揺れているなと感じております。実は、現場ではまず労基法が あって、それは絶対に守らなければならないんです。今は数十年前の労働環境とは全 然違う。看護師さんは少ないのですから、そこで無理やりの夜勤が多くなれば、やめ てほかへ行くだけですから、私たちはそれはきちんと守りながらやっていく。ただ、 恐らくこの72時間が外れても、急に現場で72時間以上しろという話ではなくて、 地域あるいは規模が小さくてなかなか無理なところが助かるということで、それはひ いてはそこの病院の看護師さんたちの労働条件がよくなることだと、ぜひそのように とらえていただきたい。私たちもお約束しますが、現場としては本当に看護師さんた ちを今以上に勤務時間を長くして過酷な労働環境に追い込もうという気は全くないと いうことだけは申し上げたいと思います。 ○遠藤小委員長  坂本専門委員、お名前が出てしまったので、どうぞ。 ○坂本専門委員  労働条件を悪化させる気持ちはないということは、よく分かります。しかし、看護 協会がとったデータからすると、9回夜勤ということをある程度は上限にしてやって いるわけですけれども、実は過労死している状況もあったりして、その人たちの夜勤 回数を見ると月17回とか、そういうものがふえているわけです。だから、72時間 で月9回みんなが平等に夜勤をしているかといったら決してそうではなくて、偏って いるということがあって、半分以上は9回以上しているという実態があって、はっき り言うと、私はここは譲れません。労働条件を考えなければ、将来においての看護師 の疲弊はまだまだ増してくる。特に中堅が今大変疲弊している状況から、ある意味で はきちんと守る方向をつくっておかなければいけないと思います。 ○遠藤小委員長  1号側で手を挙げておられましたか。中島委員、どうぞ。 ○中島委員  ありがとうございます。私も、ここのところは非常に慎重に対応していかないと、 ただでさえ人材確保が非常に厳しいというのは、離職率の高さがとまっていないとい うことなんです。私も医療職場の関係で1万人ぐらいの調査なども最近させていただ きましたけれども、多くの方がかなり疲労感あるいは健康不安を持っていらっしゃっ て、さっき労働条件は絶対に悪くしないと、大変ありがたい決意をおっしゃっていた だいたのですけれども、現実には夜勤というのは非常に負担感が強いということで、 もしここを安易にという言い方は語弊があるかもしれませんけれども、緩和いたしま すと、経営上の必要は非常によく分かるのですけれども、私はますます離職に拍車を かけるような気がいたします。先ほど坂本先生がおっしゃいましたように、シフト勤 務であるために、全員公平に、例えば現在9回が8.5回になるとか、8回が8.3 回になるとかということではなくて、どうしても特定の方にしわ寄せがいってしまう ということなどもあるように思いますので、ぜひここは性急な御判断は避けて、もう 少し時間をかけて、データに基づいて慎重に議論していただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  どうも誤解があるようなんですけれども、私たちは、そうしなさいと言っているの ではなくて、現場として、看護師さんが少ない中で、患者さんに質のいい看護を提供 しようとしたときに、もっと柔軟性を持っていただきたい、それだけなんです。です から、現場では本当に、例えばいろいろな事情で夜勤はできないという方もいるんで す。でも、公平にしないとだめだから、そういう人はやめてくださいとは言えません 。そうするとどこかを多くしなければ、夜勤の数が足りなくなりますから、患者さん の看護はできないんです。全部私たちは……。 ○遠藤小委員長  御意見はよく分かりました。 ○西澤委員  いや、ちょっと、ここは大事なところですので。そういうあたりを理解していただ きたい。だから、私たちは患者が第一、それから看護師さんたちが現場でより働きや すい環境ということです。それから、離職率と言いますけれども、離職というのはそ の病院をやめたのであって、ほかに転職しているのも離職で、何か誤解されておりま して、離職というと看護師をやめたように思われておりますが、別なところに移って また看護師を続けているということだと思いますので、そこら辺はちょっと勘違いし ないでいただきたいなと思っています。そのようにカウントしますと、医者の場合は 離職率100%になってしまいます。  以上です。 ○遠藤小委員長  中島委員、どうぞ。 ○中島委員  画一的にということを言っているわけではないんですけれども、柔軟性ということ と、どこかで規制をうまくコントロールできるようにしておかないと……。私も離職 した方が全部潜在看護師になっているとは全く思っておりませんし、今までいろいろ な調査をしていただきまして、移動の傾向が高いということも十分分かっております が、それであっても総体的に必要な看護師さんが現場に十分には出てきていないとい うこともあると思いますので、ここはよりよい方法を何かもう少し慎重に議論してい ただいたほうがいいように思います。そういう意見でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  論点1のほうでもよろしいですか。今論点2のほうはちょっと白熱しているので、 申しわけないですけれども。7対1を病棟ごとにやって御心配の点を二、三お聞きし ました。一つは、全国一律にやって、また7対1の初期のような看護師不足が起こる のではないかということですが、私はそれは要件をつければいいのではないかと思い ます。例えば、日本の医療が非常に厳しいというのであれば、トップランナーの特定 機能病院、この財源は文部科学省とかいろいろあると思いますが、そこをやる。地域 の医療に対しては、茨城県に入院医学管理料をとれている病院が一つもないというこ とと同じように、地域の中である程度の条件をつけて7対1というものも認めるとか 、そのようにすれば少しいいのではないか。画一的に全部やらなくてもいいのではな いか。ちょっと選択するということであれば、財源的にもいいのではないかなと思い ます。 ○遠藤小委員長  少し整理させていただきます。論点3には全く触れていないんですが、論点1、2 につきましては、今のお話で、まず論点1で合意が得られましたのは、傾斜配置につ いてのPRをもっと積極的にするべきだということで、これについては問題ないと思 います。  もう一つは、病棟別の届出制ということについては、多少異議があったということ です。ただいま邉見委員から、条件を、要件をつければ、病棟単位の届出制であって もいいのではないかという御提案があったわけでありますが、これについてはどうお 考えになられますか。白川委員、どうぞ。 ○白川委員  確かにおっしゃることも分かるのですけれども、まず病棟単位という病棟の定義を どうするかというのは、多分先生方と我々でイメージがちょっとずれているのではな いかなという感じもするんです。病床という考え方と病棟という考え方でどんどん細 分化されて、はっきり言って、何が何だか分からないような状況になりはしないかと 。それから、要件を満たさないとどんどん切りかえが起きるわけで、7対1と10対 1のところも10%ぐらい切りかえがあったということですので、どんどん切りかえ が起きて、複雑怪奇になって、私どもがいつも主張していますのは、医療の必要度と か重要度とかサービスの度合いで差をつけるべきだということですけれども、それと は余り関係のないところで病棟単位の入院基本料が変わっていくということにもなり かねないものですから、非常に心配しております。極端な話、ある病院の一般病床に 入院したら入院基本料が違うという事態になるわけです。それの説明がつけばいいで すけれども、説明がつかないケースも考えられるということで、私自身は安易な病棟 別の届出というものは賛成できかねるかという意見です。ただ1点、邉見先生がおっ しゃったとおり、地方によっては一つの病院が急性期から慢性期まで全部担わなけれ ばいけないというケースがあるのもよく分かります。僻地みたいなところですが、そ ういったところは何か別の要件、特例みたいなことを考えるということで措置すべき ではないかなと考えます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  実際には7対1のとれていないほうが日本の医療の中心だと私は思っているわけで す。当院のことを言ってあれですけれども、救急車も大体1日に7台ぐらい来ますし 、手術もいっぱいやっていますけれども、入院時医学管理料のほうも逆紹介率とかと いうことでとれませんし、7対1は看護師不足でとれませんし、いろいろな意味でそ ういうところが困っているから、どっちかというと僻地でなくてもとれないような現 実があるということだけ御理解いただけたらと思います。もうこれ以上は申し上げま せん。 ○遠藤小委員長  何らかの地域の特例を認めるという点では、白川委員は御賛成ということですね。 はい、確認いたしました。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  邉見先生がちょっと変なことを言ったので。邉見先生の自治体病院も、大学病院と いうか、特定機能病院も、財務省が医療費以外でやれと言っているから日本の医療は おかしくなってきているんです。例えば先生のところだったら赤穂市の住民税、市民 税から先生の病院に入れるとか、大学だったら文部科学省からとか、ところが、財務 省はどう言っているかというと、そんなことは関係ないと。大学病院の医療は教育で はないから、さっきからお話ししていますけれども、先生は文部科学省からもらった らとかと変なことを言ったので、そういうのはだめで、健全にやるためには医療費の 中でやるべきであって、僕は財務省が言っていることは完全に税金の不正流用だと考 えているんです。だから、財源はどうするかというのはまた別問題として、きちんと 医療費で自立できるような組織にする。先生の病院には多分地方自治体の住民税を入 れている。これは大きな問題なので、会長、一回ちょっとお話ししたいんです。先生 が言っている文部科学省からというのは……。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、ちょっともう時間がありませんので……。 ○嘉山委員  先生、これは大事なことなんですよ。 ○遠藤小委員長  大事であっても、議論する時間と場所をわきまえていただきたいと思いますので。  邉見委員、言われっ放しもあれなので、一言。 ○邉見委員  それはまた誤解なんです。そういう足りない部分は文部科学省からとかという意味 で、これはすべての医療をやったものに対しては医療費の中から報われるのが当然で すけれども、もし足りない場合には文部科学省ということもという意味です。 ○遠藤小委員長  では、最後に嘉山委員、何か一言で。 ○嘉山委員  だから、健全にしてもらいたい、この中医協から。 ○遠藤小委員長  では1号側、発言が少ないですから、勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  ちょっと確認なんですけれども、論点1の(1)と(2)というのは両立しないコ ンセプトなんですよね。つまり、例えばさっきの看護補助者とか介護福祉士ならば、 両方をうまく活用してという話をしましたが、これは(2)のデメリットで、傾斜配 置の弾力性が失われるとありますけれども、病棟単位にするということは傾斜配置を しないということになって、理屈として病棟単位はやりにくくなってくると思うので 、これはそういう理解でいいのかどうかということです。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  両立という意味は、一つの病院の中で両立するのかと言われると、一つの病院の中 では多分余り両立しないかもしれません。上手にやれば、1,000床ぐらいある病 院で、病棟単位の届出もして、その中でさらにやろうと思えばできるかもしれません 。それから、これは日本の病院全体で両立するかというと、両立すると思います。つ まり、自分のところはもう7対1でしか届け出ないし、10対1とか13対1とかは 別に全然届け出ないけれども、自分の病院・病棟の中で傾斜配置でできるから、別に 病棟の区分などは届け出ませんということですから、両立すると思います。 ○遠藤小委員長  では、鈴木委員、簡潔にお願いします。 ○鈴木委員  論点2については、現在、看護師さんたちも夜勤は本当に大変だと思うんですけれ ども、多様な勤務形態を希望する看護師さんもふえてきておりまして、その中で夜勤 を組んでいくというのは現場の看護師長さんたちは大変苦労していると思います。ぜ ひ柔軟な運営を、そのぐらいは我々現場に任せてほしいというのが本当に言いたいと ころでございますけれども、経営の細かい運用のところまで決められているような感 じがして、現場は非常に不自由に感じているということで、72時間に関しては、ぜ ひ実態をもう一度、日看協でないところで調べていただければと思います。 ○遠藤小委員長  論点2に関しましては、資料の中に、月の夜勤時間16時間以下の看護職員も算出 式に含めたほうがよいのではないかという指摘があるというのが具体的な提案として ありますけれども、これについてはいかがですか。2号側の中からこれは入れたほう がいいという意見が先ほどありましたが、1号側、これについて何か御意見はありま すか。白川委員、どうぞ。 ○白川委員  そもそもの論点の立て方では「多様な勤務形態を推進するための」ということにな っておりますから、夜勤を専門でやっていただける方とか、短時間で看護をやってい ただける方をふやそうということだと思うんですが、それと計算式を変えるというこ との関連付けが私にはどうしても理解できないんですけれども。 ○遠藤小委員長  では、事務局、その確認をさせてください。 ○事務局(佐藤医療課長)  先生方のほうが実態はよく御存じだと思いますけれども、最近は短時間労働、それ も超短時間労働みたいなものもどんどん入ってきている中で、夜勤16時間以上の者 を含むか含まないかということで、計算上の数字はもちろんのこと、また実態として 他の常勤的職員の方の働き方にも影響が及ぶので、そういう意味でここで問題提起を しております。 ○遠藤小委員長  正直、よく分からなかったのですが、白川委員の質問に対して……。 ○事務局(佐藤医療課長)  今も申しましたように、短時間、超短時間で、ではもうちょっと具体的に数字を挙 げて言いますと、例えば16時間未満で働きたい、あるいは逆に、分かりませんけれ ども、夜勤時間を多少延ばしてもいいと思われる方がもしかしたらおられるのかもし れません。そうした多様な働き方がある中で、こういうかたい数字といいますか、7 2時間であったり、さらにその中で16時間という形で、いろいろな側面から数字に よる規制が入ると、自由度は失われるという意味でここに書いたということです。 ○遠藤小委員長  どうぞ。 ○白川委員  すみません、よく分からないんですが、ビジネスの世界でも労働基準法みたいなも のがあって、いろいろな縛りがあります。病院の先生方は、おれたちに任せてくれと いう言い方をされますけれども、ここにいらっしゃる先生方は全く心配しておりませ んが、坂本専門委員ではないですけれども、そうはいっても何らかの制限というのは 必要だと思うんです。それは平均という考え方もあるでしょうし、労働基準法では最 高の時間外みたいな規制とか、あるいは回数がふえたら医師の診断を受けなければい けないとか、いろいろな条件がつくのは今の社会では当たり前だと思いますので、今 の医療課長のお話は何かそういう制限を全部取っ払うというふうに聞こえたのですが 、そういう意味ですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  いえ、全然違います。参考資料の77ページをごらんください。これはこれでちょ っと難しいので説明をはしょりましたけれども、左側のパターンを見てみますと、夜 勤時間が16時間以上の方がいるとしますと、この方を入れて平均の夜勤時間を計算 すると、矢印が薄いグリーンのところまで延びていますけれども、オレンジ色の方を 分母・分子に入れますと、その上の真っ白い部分、これがグリーンの部分で、ほかの 人に乗ります。つまり、分母・分子に入れることで、常勤的に働いている薄水色の人 たちに何らかの形で夜勤の72時間を超えるような形で負荷がかかります。つまり、 アッパー72時間は超えてくるだろうということです。一方で、右側のように、だん だん短時間労働が進んで、16時間以下の方がふえるような状況になりますと、また さらにそれを他の常勤の看護師さんで賄わなければいけないので、これはビルディン グみたいに突っ立ったような形になっていますが、これを横に寝かせてもいいんです けれども、72時間を超える者が多くなるし、また仮に超えるとしても、72時間を 著しく超える方がふえてくる可能性はあるだろうということです。 ○遠藤小委員長  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  しつこくて大変申しわけないんですが、こういう図になるだろうというのはよく分 かります。坂本専門委員も、こういうことになるから反対だとおっしゃっているわけ ですね。これがどうして多様な勤務形態を推進することにつながるのかというのが私 には理解できないと申し上げているんですけれども。 ○遠藤小委員長  どうぞ。 ○坂本専門委員  今までは短時間の人たちが2回夜勤をすることはいいでしょうということにしてい たんです。しかし、本当に看護師不足の中では、もっと短時間で夜勤ができる人たち はいるのではないかということになると、16時間以下でもいいのではないかという ことで、それを入れていったらどうでしょうかという話だと思います。しかし、私は 、そうするとまた、先ほど課長が言われたように、1人だったりすると負担になって くる可能性があるので、72時間と、そこを守っていただければ、こういう短時間の 人たちをたくさん入れてくださっていいのではないかということです。それからもう 1点は、夜勤専従のことがここに書いてありますけれども、夜勤をするだけで昼間は おいでにならないで大学院へ行くとか、そういう夜勤専従の方たちに対しての歯どめ はどうしましょうかということ、その2つのことがこの中には含まれていると思うん ですが。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。わかりました。  そうしますと、論点2については、いろいろな考え方があると同時に、やや理解不 足というところもありますので、今日は結論を出さないということにさせていただき たいと思います。  論点3については、まだ触れていないのですけれども、もし何か御意見があればお 聞きしたいと思いますが、2号側で何か御意見はありますか。嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  現場の人をちょっと呼んでヒアリングを……。私はさっきから皆さんの話を聞いて いると、中島委員もお調べになっているようですので。ただし、色がついていない人 を呼ばないと、坂本委員が怖い人もいるでしょうから、日本看護協会推薦でなくて、 どなたかを会長がお選びになって、何人かから現場の状況を聞いたらいかがでしょう か。というのは、さっきみたいに、今の若い人たちにはかなり自由に自分のワーク・ ライフ・バランスをとる人がいるんです。ですから、夜勤だけという人もいるし、昼 間しか働かないという人もいる。そういう人も入れて一つの職場ができているんです 。確かに白川委員のおっしゃるように、ある法律があって、それ以上を超えたらいけ ないというのは原則なんですけれども、現場が今どうなっているかというのは聞いた ほうがいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  もちろん、現場の意見をできるだけ聞こうと私は申し上げて、幾つかヒアリングを しているわけでありますけれども、問題はその時間でありまして、今後議論するべき 内容と残された時間を考えたときに、果たしてヒアリングする時間があるかどうかと いう問題がありますので、ここで確約することはできません。ただ、御意見としては 承っておきたいと思います。  論点3について、何か御意見はございますか。現行の届出上の緩和措置について。 坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  いろいろな大変な状況は分かっておりますので、これは継続してよろしいのではな いかと思います。 ○遠藤小委員長  現行のとおりということですね。 ○坂本専門委員  はい。ちょっと補足しますと、ナースという職業柄、女性ということもありますの で、結婚されるとかということで突然やめるとか、先の見通しがつかない仕事をして いるナースがいますので、少しそういう変化があるということに対しては受け入れて おく必要があると思います。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  この緩和措置に関しましては、参考資料の最後の84ページに書いてありますが、 実はこれができなくなったら、一気に特別入院料に落ちるわけです。ということは、 7対1であっても特別入院料ですから、五百何点でしたか、3分の1ぐらいに落ちて しまうんです。ですから、これは落ちるところを、例えば10対1とか、そのあたり をもう少し緩やかにしていただければと思います。 ○遠藤小委員長  今のお話は、要するにペナルティーがちょっと厳し過ぎるので、そこまで下げなく ていいのではないかという御提案だったと思いますけれども、それに関連して何かあ りますか。  とりたててないようであれば、そのような方向で少し具体的なことを検討していた だくという方向でよろしいでしょうか。それとも、まだちょっと理解不足ということ でございましょうか。  では、勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  先ほど説明の中にあったのかもしれませんけれども、一つ前の傾斜配分に関しては 、現場にその制度が行き渡っていないのではないかという話があったんですけれども 、この届出の緩和措置についてはどういう状況なのかということと、西澤委員が今お っしゃったことに関しては、確かに現実からするとそうなのかなと思ったということ です。 ○遠藤小委員長  一つは質問ですね。では、事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  事務局から申し上げるのが妥当かどうかは分かりませんけれども、結論から言うと 、さっきの傾斜配分の話、それからこの緩和措置とも、必ずしも十分周知されていな かった面もあるのかなと思います。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。  それでは、届出上の緩和措置については、それはまさに緩和するべきではないかと いう御意見であったわけですので、そういう方向でまた少し議論させていただくこと にしたいと思います。  それで4つのカテゴリーについて一通り議論ができました。どうもありがとうござ いました。本件に係ります質疑はこのあたりにしたいと思います。  事務局におきましては、いろいろ宿題も出ておりますし、本日の議論を踏まえまし て、またより具体的な制度のたたき台をつくっていただきたいと思います。  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会したいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  12月4日を予定しております。 ○遠藤小委員長  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会としたいと思います。どうもありがとう ございました。 【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)