09/11/25 第150回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/11/25 中央社会保険医療協議会          第150回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年11月25日(水)10:26〜12:43 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員       高橋健二委員(代理 清水) 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 歯科診療報酬について       ○ 調剤報酬について       ○ その他 (5)議事内容 ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様御着席ですので、ただいまから第150回中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会を開催します。  本日の出席状況でございますが、保険局長は公務のため御欠席される旨の連絡を受けて おります。また、高橋委員の代理で、全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておら れます。  それでは、議事に移ります。  まず、「歯科診療報酬について」を議題といたします。事務局から説明が提出されてお りますので、説明をお願いします。 ○上條歯科医療管理官  歯科医療管理官でございます。それでは、診−1にお示ししております歯科診療報酬に つきまして、参考資料とともに御説明をさせていただきます。  今回、歯科の診療報酬として上げられております課題は、在宅歯科医療の推進をはじめ、 5つございます。説明の時間を節約させていただくということから、5つのテーマをすべ て説明させていただきたいと思います。例によって現状と課題のところは、参考資料の一 部を用いて説明させていただきます。なお、参考資料のところはページを実際に貼らせて ていただいておりますので、各課題を説明の際にはページまたはナンバー、状況によって は両方を示させていただいて説明させていただきたいと存じます。  初めに、参考資料の表紙にあたる1ページ目の下の写真をごらんください。在宅歯科医 療の推進についてでございますが、在宅での歯科診療というのは、ここにも示されていま すが、持ち運びのできる診療機材、いわゆるポータブルユニットと言っておりますが、こ ういったものを用いたりいたしまして、歯科医師の方などが介護を要する方の居宅などで 行っておりまして、歯科診療所で行われている治療に比べれば、当然のことながら設備や 時間、人的な面での負担がある中で、居宅の制約を受けながら治療が行われているのが実 情でございます。  歯科診療自体が小外科の手術なり処置が主体となって行われておりますので、要介護者 の方の場合は、次の2ページ目の下の図に示されておりますが、基礎疾患を有しているよ うな方も多いですから、主治医との連携により治療がなされている場合もあるのが実情で ございます。有病率を参考までに示させていただいております。  次に、5ページの上のNo9のところをごらんいただければと思います。これは要介護者 の口腔の状態と歯科治療の必要性ということで、ちょっと古い資料でございますが、14年 から15年の厚生科学研究が行われておりまして、その際の調査の結果概要を示させていた だいております。この調査を行いました時も、要介護者の要介護状態が高くなるほど、歯 科疾患の治療の必要の度合いが高くなるとともに、重度となれば当然治療の必要性が高く なっているわけですが、ここのアンダーラインのところでも示されていますけが、要介護 者の75%近く、約4分の3の方が歯科治療が必要な状況となっているんですが、実際に歯 科治療を受診した方はさらに少なくなっております。全体では、下の図に示されておりま すが、訪問歯科診療を実施している医療機関というのが2割前後しかございませんので、 当然のことながら歯科治療が必要な方と実際に受診されている方には隔たりがあるという 結果が示されています。  次に、1ページ戻らせていただきまして、4ページ目のNo7、上の図でございます。要 介護者に対して専門的口腔清掃を行った場合の効果というのが示されておりますが、実際 の治療効果という視点でございますが、要介護者の方の場合、歯科医師、歯科衛生士など が専門的な歯垢清掃を行った場合は、誤嚥性肺炎などの発症率が低下するということが知 られております。また、今ごらんいただいている図の下の図、4ページ目のNo8というと ころですが、要介護者の老人福祉施設での訪問診療の効果を調べてみましたところ、訪問 診療において義歯の使用を継続している方が多くなるということが示されております。で すから、結果的には食物を正しく噛む機能が保持される状況が示唆されるのではないかと 考えております。  また1枚おめくりいただきまして、6ページの上のNo11の図に訪問診療料の算定件数の 推移を示させていただいております。また、このページの下に歯科部門のある病院数の年 次推移を示しておりますが、平成17年の段階で1,200程度、病院の歯科部門があるという 状況になっております。  さらに、参考資料を1枚おめくりいただきまして8ページ目でございます。上のNo15の 図は訪問診療を行う際の患者数と、患者1人当たりの所要時間を図に示させていただいて おります。左の図に示しているとおりですが、在宅では1名程度の患者さんの訪問診療が、 介護老人施設などでは4名程度の訪問診療が行われていまして、診療に要する時間は、右 の図に示されているとおり、1人当たり25分から40分程度かかっておりまして、介護施設 でも20分から40分程度の時間を要しているのが実情となっております。  それから、このページの下にNo16の図を示させていただいていますが、在宅の歯科治療 を受けたことがある患者さんや御家族の方の満足度が示されていますが、約4分の3は 「満足」、「どちらかと言えば満足」との回答をされているのが実情でございます。  次に、9ページの上に示すNo17の図は、一部の歯科医療機関の回答に基づきまして、訪 問診療の課題をまとめさせていただいたものでございまして、こちらで回答の高いものと いうのは、必要な機材の整備に負担がかかることとか、人員確保、診療環境や患者の急変 などの対応が課題として回答されている方の割合が高くなっております。  次に、同じ9ページの下に示すNo18の図をごらんいただければと思います。訪問診療に 関する患者さんサイドからの情報源はどうしているのかというと、一部訪問診療の経験の ある患者または家族の方に回答を求めましたが、知り合いの方からの情報いわゆる口コミ で情報を求めている方が多い状況になっております。実際にはこのほかにも以下の医療機 関なり介護支援の事業者なり、そういった施設からの情報も得られているケースがあると いう実情になっております。  参考資料の説明はここまでとさせいただきまして、文書編に移らせていただきます。  2ページ目をお開けください。第1の課題は参考資料での説明に代えさせていただきま すが、平成20年の改定で行ったこととしまして、上のほうの1の在宅療養支援歯科診療所 の創設を行ったところでございまして、要介護者の口腔機能の管理が行いやすいようにし たところでございます。また、下の2番目ですが、医科と同様に、退院時共同指導料も新 設いたしまして、医療連携の評価を行っております。  1枚おめくりいただきまして、3ページ目でございます。3番目としまして、地域歯科 診療支援病院の施設基準の見直しを行ったことや、4番目として、要介護者の受入れを行 った場合の入院加算を行ったというようなことが示されております。いずれにしましても、 今までも後方支援の機能を一部評価するという取組みを行ってきたところでございます。  次に4ページ目ですが、こちらは参考までに現在行われています歯科訪問診療の際に算 定されています訪問診療料の状況をお示ししております。現在は、ここにありますとおり、 歯科訪問診療料の1、2という2つの診療料に分かれておりまして、実施人数が違う場合 などに訪問診療料の算定の制限がなされる場合もありますし、やや体系が複雑になってい るというのが実情でございます。  4ページ目、第3の論点ですが、1点目としましては、評価体系を実情に合った分かり やすいものにしたらどうでしょうかということでございます。  それから、5ページ目にまいりまして、2番目でございますが、要介護者の歯科治療を 行うにあたりましては、当然、全身管理も必要ですし、治療アクセスの問題などもありま して、歯科疾患が重症化する傾向が患者さんに出てまいりますので、きめ細かに歯科疾患 の管理を行うという面での評価をどう考えるかというのが2点目でございます。  3点目は、在宅での対応ができない患者を受け入れているのが病院歯科になりますが、 こうした病院歯科の評価をどうしたらよろしいでしょうかというのが3点目でございます。  それから、4点目は、地域で在宅歯科医療の情報提供を進めていくということも視点と しては大事なんですが、そういう連携を進めていく方策をどうしていくか、これらが在宅 歯科医療に対する論点でございます。  歯科診療については5点ございまして、参考資料と資料を行ったり来たりしますので、 御容赦いただきたいと存じますが、次に要介護者にもやや関連するんですが、障害者の歯 科医療につきまして、引き続き説明をさせていただきます。また参考資料のほうに戻らせ ていただきたいと存じます。  参考資料の11ページ目をお開けいただければと思います。障害者の歯科医療というのは 一般的には受入れ可能な歯科診療所も対応しているんですが、大体、歯科大学ですとか、 病院の歯科部門、障害者歯科診療などを行っている一部の地域の口腔保健センターなどで 実施されておりまして、特に歯科診療所で対応が難しいような場合には、病院の歯科部門 なり歯科大学の附属病院などが診療に携わっているというのが実情でございます。  参考資料の11ページ目の下に示すNo22の図をごらんいただければと思います。このグラ フは、障害者の場合は通常の方に比べて歯科疾患の状況が悪い状況でます。アクセスとか の影響もあると思いますし、全身疾患の絡みもあると思うんですが、虫歯の処置がよくさ れていないというのが左の図に示しているとおりでございまして、また、喪失している歯 の数も、右の図に示しているとおり多いのが実情となっております。結果的に治療を行っ た後の歯の管理を十分行う余地があるということか示されているところでございます。  次に、1枚めぐっていただきまして、12ページ目の下のNo24の左に示しております図に ついて説明させていただきたいと思います。障害者の場合、最近、歯周疾患が、経年的に みますと、前より重症化しているということがうかがわれております。もちろん人口が高 齢化しているという側面もあるかとは存じますが、経年的に見ますとこういう傾向でござ います。  次に、13ページ目の上のNo25の左に示す図についてなんですが、障害福祉施設の入所者 や通所者の方を調べましたところ、歯科治療では障害者の方というのは何かしらの支援が 要る場合が多く、例えば介護者の補助が必要であったり、いわゆる行動調整というような 視点でみますと、そういった方が3割ございます。また、症状によりましては、全身麻酔 などでの対応を要する場合もあります。  また、1枚おめくりいただきまして、14ページ、No24の図についてですが、病院歯科で の障害者加算を障害者には算定できる制度を設けさせていただいておりますが、最近の傾 向としましては、病院の歯科部門なり歯科病院などで初診の患者さんで障害者加算の方の 割合が増えております。要は、障害者を病院歯科なりで受入れているケースが比較的増え ているのではないかということを示唆しているデータということでございます。  再度、文書の資料に戻らせていただきまして、6ページの第2に示す診療報酬上の評価 についてでございます。障害者の歯科治療について、6ページから7ページに示させてい ただいておりますが、基本診療料なり特掲診療料で障害者の加算というものを設けており ます。また、このほかにも、7ページ目に示すとおり、初診の際、患者さんへの歯科治療 への対応が円滑になりますよう、初診時歯科診療導入加算というのが設定されております。  論点でございますが、歯科疾患の罹患率が通常より高いという障害者について、きめ細 かな口腔衛生指導を行っていることを評価するという視点はどうでしょうかというのが1 点目です。  それから、在宅の要介護者のところでも出てまいりましたが、障害者の受入れを行って いる病院歯科の機能というのが大事になってまいりますが、そちらの評価をどうすればよ ろしいでしょうかというのが2点目でございます。  次に、3点目の歯科診療報酬における患者の視点に立った歯科医療のところを説明させ ていただきますが、再度、参考資料に戻らせていただきます。参考資料の15ページ目をお 開けいただければと思います。患者さんの視点に立った歯科医療という側面でございます が、そういう側面で歯科医療で一つ位置付けされるのは、当然のことながら、患者さんの 情報提供をどのようにしていくかというのは、医療全般で言えることなんだと思いますが、 それが今まで視点として上げさせていただいている点でございます。  15ページ目の下の図には、患者さんにお渡ししている典型的な文書を一例として示させ ていただいております。歯科医療機関によってそれぞれ多様性がありますので、どれを使 っているかというのは一概に言い切れないところがございますが、一例ということで示さ せていただいたものでございます。左側が歯科疾患管理を行っている場合、右側は主に義 歯の管理を行っている場合の文書の例をそれぞれ示させていただいております。20年の改 定の際にもこういった医学管理の部分というのは少し整理をさせていただきまして、歯科 疾患管理料なり義歯管理料というのを新設させていただいたという経緯がございます。  16ページ目に移らせていただきます。そういった観点もありまして、調査を実施したと ころ、歯科疾患管理について情報提供によってそれなりの効果が期待されるわけでござい ますが、患者さんに対しての回答を16ページの下の図に示させていただいております。上 は歯科医療機関の回答でございますが、まず下の図を中心に説明させていただきたいと思 います。患者さんに聞いたところでは、歯科診療に対する満足度が高まっているとの回答 がけっこうございます。どんな視点かというと、ここの枠に書いてあるところなんですが、 歯科診療の安心感が高まったとか、または、口腔内の状況なり治療内容の理解度が高まっ たといったことが8割程度回答されていますし、積極的に受診するようになったり、歯科 医療関係者への信頼関係が高まったといったような回答も比較的高いということが示され ております。  参考までに、同じページの上に歯科医療関係者の回答も示されておりますが、同じよう な回答もあり、患者さんの回答よりは、そういった効果について「ややあてはまる」とい う回答は低い割合になっているのが実情でございます。  それから、17ページ目の上のNo33の図でございますが、これは患者さんが歯科医療機関 から提供してほしい情報について回答を求めたものですが、治療内容や治療方針なり、歯 や口の状態なり検査結果、こういったもので高い回答が得られているという実情でござい ます。  同じページの下のNo34は、歯科疾患管理なり義歯管理で情報提供の際によく渡されてい る文書につきまして、内容の分かりやすさという側面で患者さんに回答を求めたものです が、楕円形のところで触れられている、「歯や口の病気と関連する生活疾患の改善状況な り、義歯を新たにつくった際の取扱いなり、清掃、保管の方法」、これがやや分かりにく い内容であるということが示唆されております。  1枚おめくりいただきまして、18ページ目に示すNo35のところは、中医協でもちょっと 御議論があったかと思いますが、歯科の用語自体、中には患者さんにとって分かりにくい ものもあるのではないかという御発言がございまして、日本歯科医学会が改正を行う場合 の御提案をいただいて、それを資料に示させていただいております。  再度、文書の資料のほうに戻らせていただきまして、9ページ目をごらんいただければ と思います。現行の診療報酬上の評価のところでございますが、ここにもございますとお り、平成20年の改定で歯科の管理料の体系を見直して、ここの点数枠に示されております 歯科疾患管理料と義歯管理料を新設しております。  また、10ページ目の2で、難解であると指摘されている歯科用語の例を示させていただ いております。  それから、3のところでございますが、これは参考資料にはなかった点です。歯科の診 療においてもけっこう見直しはしたんですが、一部、ここに例示されています歯の根の分 岐部病変、これは奥歯のほうで出てくる話ですが、こういった歯根分割を行うというめっ たにやらない処置があるんですが、こういった病変の処置につきまして点数を設定する際、 一番近い点数があるということで、抜歯の点数を準用して点数算定しているという例がご ざいます。これは当然、分かりにくいということになりますから、18年の時に相当見直し たんですが、一部、項目として残っていた項目ということでございます。  そういったことを踏まえまして、論点ですが、1点目は、歯科の医学管理についての情 報提供ですが、診療の実態も見ながらですが、算定要件を明確化するなり、患者さんが望 む情報提供なり、分かりやすい方式によって行われるような見直しを行ってはどうかとい うのが論点でございます。  2点目ですが、こういった難解な歯科用語の見直しなり、臨床内容と不一致の項目、重 要項目についての見直しを行ってはどうかということでございます。  次に、4点目の生活の質に配慮した歯科医療の充実のところ。これにつきまして、参考 資料のほうに再度移らせていただきます。参考資料の19ページ目のところでございます。 下のところにNo38の図を示させていただいています。歯科疾患の状態というのは、以前に 比べますと、残っている歯が増えまして、結果的に喪失している歯が全体的に、年齢区分 だけで見た場合には減少の傾向を示しております。もちろん人口が高齢化していきますか ら、それなりの需要はあるわけですが、高齢の患者さんにとっては、義歯の果たす役割が 重要であることは言うに及ばないというのが実情でございます。  20ページ目の上のNo39の図に楕円で示されておりますが、70歳以上の場合には義歯装着 者、特に取り外しのできる義歯の装着者が多くなるという状況を示させていただいており ます。同じページの下のNo40のところですが、左の図に示しますとおり、義歯の治療経験 者というのは3割ぐらいいらっしゃいまして、この経験のある者のうち、右の図に示して いるとおり約3割の方は入れ歯を壊した経験があるというのが実情になっております。こ れは、取り外しのできる義歯というのはプラスチック製なものですから、落としたりして 割れるケースも多いですし、バネをつけているケースで、それが壊れたりするケースも多 いです。  21ページ目のNo41のところで、壊れた場合は歯科診療所に患者さんが義歯をお持ちにな るわけですが、破損状態がひどい場合はその日ではできないことがけっこう多く、義歯を 預けるということをせざるを得ない状況でして、調べましたところ、壊した場合、4割近 くの方が、上の左の図、No41に示しておりますが、実際に預けた経験があるという状況で す。右の図は、その状況を調べたものなんですが、義歯の破損状態が大きかったり、医療 機関の中に歯科技工を行う体制が十分整備されてないといったことが、こちらはあまり高 い割合ではありませんが,示されたというのが調査の結果でございます。  このページの下の図でございますが、そういった時、患者さんはどうされているかとい うと、短期ではございますが、入れ歯がなくて食事をしたり、古い入れ歯を何とか使った り、食事の内容を変えたりという対応をされているのが実情でございます。  22ページ目の上の図に移らせていただきたいと思います。これは修理に要した所要日数 を歯科医療機関に対して調査したものなんですが、ここで言われていますことは、診療所 に技工室があったり、歯科技工士の方が従事しているというケースがあるわけですが、歯 科技工士がいらっしゃって歯科技工室が整備されている歯科医療機関の場合には、ここに 示すとおり日数が2.2日で、そうではない機関に比べますと、約1日近く短く、義歯の修 理ができているという状況が示されているところでございます。  技工士さんというのは、22ページの下のNo44の左側に示されておりますが、歯科医療機 関に勤めている方も1万人近くいらっしゃるというのが実情でございます。最近は以前に 比べて技工士さんの数は微減で、やや減少していると言いますか、医療機関に勤めている 方の場合はやや減っていまして、技工所の方というのはそんなに変わらないという状況に なっているのが実情でございます。  それから、参考までに、次の23ページ目のNo45のところに示しているものは、咀嚼機能 等が低下した患者さんへの歯科医学的なアプローチということで、義歯(床)型の口腔内 の補助装置を入れることでそういう機能の回復をするという例がこのごろあるものですか ら、その例として図と写真を示しております。  最後、文書編に戻らせていただきます。11ページ目をお開けいただければと思います。 第2の現行診療報酬上の評価では、有床義歯の修理というのを評価しておりまして、1床 で220点の評価を行っております。  また、2番の小児義歯の扱い、これは参考資料で詳しくは説明していないんですが、小 児の義歯というのは、後から永久歯が生えてきますので、原則給付はしておりません。し かし、ここにも示されているとおり、一部、先天性無歯症とか先天的な疾患を持っていて、 後の永久歯が生えてこなくて、小児用の義歯でなければ生活に支障があるというケースに 限っては給付をしているのが実情です。ただ、これにつきましても、準じたような症例で 実際に困っている場合というのが、先天性疾患になられている方であるのが実情であると いうのを現状のところで書いているところで、ここは一緒に説明させていただきます。  それから、3番目でございますが、先ほどの口腔機能の評価ということでは、後期高齢 者の在宅療養口腔機能管理料ですとか、摂食機能療法ということで評価が行われているの が実情でございます。  第3の論点ですが、第1点としまして、義歯の修理につきまして、短期間で患者さんの 機能回復がなされますよう、歯科技工士の技能を活用している機関の評価をしてはどうで しょうかという視点でございます。  2点目ですが、小児の義歯について、ほかにも先天性疾患などにかかっていたり、準じ たるケースがあるわけですが、その取扱いをどうしましょうかという点です。  3点目は、ここにもございますとおり、脳血管障害なり口腔腫瘍なりで咀嚼機能の障害 がある患者さんに対しての機能の改善を行う場合の評価をどのようにしたらよろしいでし ょうかという点でございます。  最後でございますが、歯科固有の技術の評価についてでございます。こちらにつきまし ては、参考資料の24ページの下のNo48の図に示されているとおり、歯科疾患の推計患者数 は、成人なり65歳以上の患者数でやや増加しております。  25ページ目に移らせていただきまして、歯周組織再生誘導手術並びにう蝕歯無痛的窩洞 形成加算、これは新たに20年に先進医療から導入した技術でございますが、こちらを示さ せていただいていますが、一部の施設について限定して実施できるという体制をしており ますが、当然、先進医療として導入しましたので、医療安全上の課題も配慮しなければな りませんので、実際にやられている機関につきましては、5年以上の歯科医師がいるよう な場合に限定しまして、施設基準の届出が認められているというのが運用上は行われてい るのが実情でございます。  こういった評価をしているわけですが、新技術ということで、技術の難易度等がどうな っているかということで調査をかけてみたところ、25ページのNo50に示されておりますが、 こういった再生誘導手術なり窩道形成加算の課題ということでは、設備、機器、材料整備 の負担がかかっていることや、技術の難度が診療報酬上反映されていないなどの意見があ ったのが実情でございます。  26ページ目は、これらの技術の時間なり難易度をNo51と52で示させていただいており ま すが、No51のところは所要時間がかかる技術であるということ、それから、難易度が高い ということが示されております。そして、No52のところは、レーザーを使った窩道形成加 算ですが、時間はかからないようになっている、でもある程度の難易度がかかっていると いうことが示されております。  それから、27ページ目でございます。新たに製作した有床義歯についての患者さんの調 整回数を示させていただいております。今は、新製義歯で2回まで、古い義歯で1回まで、 一月1回の算定ということで包括評価をしているのが実情でございますが、大体2回から 4回ほど、患者さん1人当たりでは調整をしているケースが多いという状況になっており ます。それから、義歯の管理を行う上での課題ということでは、下のNo54の図に示されて いるどおり、義歯の調整回数が診療実態に合っていないのではという意見も3割ほど、回 答が示されております。  28ページ、最後のところでございます。これは、補綴物維持管理と2年以内のブリッジ の再製作ということで、どちらかというと見直しとか適正化対象になるような技術かとは 存じますが、以前も適正化技術として示させていただいたものでございます。2年以内の 場合、歯科医療機関が製作料を算定できない状況で製作をするというふうになっているん ですが、そのかわり補綴物維持管理料というのを固定性の義歯、外れない義歯を入れた場 合に算定できる仕組みになっております。こちらのNo56に示すとおり、届出率が非常に高 い状況でございまして、相当普及している技術になっているということでございます。  再度、文書編に戻らせていただきます。13ページ目からでございますが、実際に評価し ていますのは14ページ目でございます。診療報酬上の評価についてですが、現在はこの歯 周基本治療というのを20年に見直しました。それから、歯周病安定期治療というのが新設 されました。  このほかに、15ページ、16ページのところでございますが、今、話が出ました歯周組織 再生誘導手術と、レーザーを用いたう蝕歯の無痛的窩洞形成加算を新設いたしまして、16 ページ目にございますとおり、有床義歯についての管理料を新たに新設したというのが実 情でございます。  そのほか、17ページ目でございますが、4番目で口腔内写真の検査、これは参考資料で は説明しておりませんが、歯周疾患の際のプラークコントロールの動機付けの一環で、こ ういった口腔内写真検査が相当以前から評価されているという状況です。  第3の論点でございますが、技術の評価、再評価につきまして、当然、評価分科会なり 先進医療の会議での状況も踏まえながらの検討というのが前提になりますけれども、1点 目、歯科固有の技術についての重要度なり難易度、新知見を基に評価の見直しをどう考え ていくか。  2点目ですが、有床義歯の調整を診療実態に見合った評価を行うという視点をどうすれ ばよろしいか。  3点目でございます。今まで既に普及・定着している一部の技術はあるわけでございま すが、こういった報酬体系につきまして、簡素化を図るという視点からどのようにしたら よろしいでしょうかというのが3点目でございます。  4点目は、中には歯科の技術は医科の技能と重複する部分もあるため、医科の診療報酬 の検討と並行して検討していかなければいけないような歯科の医療技術の評価をどのよう にしていくか。これは以前から同じような評価を行っているというのが実情でございます が、こういった状況が論点でございます。  いずれにしても何回かやるのを1回でまとめて、比較的広範囲な内容に触れさせていた だきましたので、説明が長くなりましたが、説明は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  歯科について本格的な議論というのは限られた回数の中でやっておりますので、今回、 全体を網羅した形の議論ということになりました。5つの視点からそれぞれ課題があるわ けでありますけれども、議論を効率化するために、まず最初の在宅歯科医療、論点でいく と4ページ、5ページでありますが、このあたりから議論を始めたいと思います。  御意見、御質問ございますでしょうか。渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  歯科診療報酬について、今回初めて大きく分けて5つの方向または視点、課題が提示さ れて、論点も示されたわけですが、今日は初回ですので、歯科診療を代表する立場として 総論的な話をしていきたいなと。そして、今回こうしてかなり具体的なところまでのもの が出ておりますので、こうしたものを踏まえて、次回、臨床現場を踏まえた提案をしてい きたいというふうに考えております。  そういうことで、今、会長のほうから在宅歯科医療という形でのお話がございましたの で、その点に簡単に触れていきますと、ご存じのように後期高齢者に限らず高齢者が非常 に多くなっていくと、そしてまた、要介護の方々も多くなりますし、その結果、在宅での 療養の患者さんがふえていくというのが社会的な現状でありますし、また、在宅での患者 さんをちゃんと見ていきましょうという大きな流れがあるわけですね。そういう意味で、 在宅歯科医療を一層推進するということは社会的に重要なポイントだというふうに認識し ますので、その方向で進めていただきたいと思っております。  在宅の患者さんの特色としては、今、説明がございましたように、簡潔に申しますと、 非常に必要性が高い。しかも効果がある。その一方、診療の現場での在宅での診療は非常 に困難さがある、あるいは、身体的にも非常に難しい患者さんであると、そういう状況で あるわけですね。そうした点をきちっと解決するための方策が必要であろうというふうに 考えております。先ほどの総会で、北村委員のほうから食べることが重要だというお話が、 別の論議のところで出ましたけれども、本当にそうでございまして。  ちなみに、前の改定の折りに、後期高齢者医療制度の検討の特別部会がございましたね。 その時も歯科のほうからプレゼンテーションがありましたが、そこの場でも、同じものを 食べていてもきちっと噛めているか、あるいは、入れ歯が入らない状態ですね、流動食的 に食べている患者さん、その方の血中のアルブリンと言いますか、栄養素の分析をしてみ ると、入れ歯を入れてきちんと噛めるようになったらそれがだんだん上がっていくという データも示されているということで、きちんと噛んで食べるということは重要ということ からしまして、在宅歯科医療を推進の方向で検討を進めていっていただきたいというふう に考えております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そうしますと、論点に上がっている個々のことについては次回以降コメントされるとい うことでよろしゅうございますね。 ○渡辺委員  はい。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  在宅で歯科の治療が必要な方がふえているという渡辺先生の御意見は、そのとおりだと 思います。ぜひとも力を入れていただきたいんですが、例えば5ページの10番目のシート を見ると、歯科訪問診療を実施している歯科医療機関が、かなり減ってきているというふ うに読み取れますし、その次のページの歯科訪問診療料の算定件数も19年度まではふえて いるんですけれども、20年度になると減っています。何が問題になっているのかというの は、私どもは門外漢でよく理解をしていないものですから、ぜひ渡辺委員に解説をお願い をしたいという、お願いでございます。 ○遠藤小委員長  渡辺委員、よろしいですか。 ○渡辺委員  具体的にこれが原因ということは、その原因調査をしていないのでわからないんですけ れども、少なくとも先ほど説明もありましたように、非常に難しい状況の中で診療という ことですね。それぞれの診療所が精いっぱい、要求があれば極力出向いていってやるとい う姿勢をとっているんですが、先ほど別のデータでありましたように、口コミでの要求が ほとんどだと、要するにそれで分かったんだと。ここの歯科医院がやってくれるんだろう ということが分かったというお話がありましたように、組織的にシステム的に地域のネッ トで、本当に必要なんだという方が歯科医院に情報として入ってこないというのが一番の 原因だというふうに私は感じています。  そういうことで、地域医療としては、医療連携をどう推進するかというところを、その 構築が必要ではないか。説明があったように、在宅歯科支援診療所等もできましたんです が、条件が非常に厳しくてなかなかそれに合致しない診療所、しかし実際には訪問診療し ている診療所もありますが、条件が難しいためにこれに合致しないというようなところも ありますので、そういうところも併せて改善をしていくことで、これをふやしていくこと ができるのではないかというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、併せて事務局の意見も聞きますか、今の問題で。 ○白川委員  はい。 ○遠藤小委員長  それでは、事務局、お願いいたします。管理官、お願いします。 ○上條歯科医療管理官  参考資料の9ページのNo17と18に示している図、主にNo17のところがそれへの回答の 一 つになるのではないかと考えております。歯科医療機関に訪問歯科診療の課題を聞きまし たところでは、ここにあるように、機材なり設備の負担がかかるというのが2割程度回答 されていますし。あと、ここの2つ目ということでは、診療環境なり患者の状態で十分な 治療や全身管理を行えるかの不安。それから、3番目の訪問歯科診療のための人員確保の 負担。それから、4つ目としては、訪問診療を行う時間的余裕がないと。こういった課題 が上げられているところでございます。ほかにも、診療報酬体系がちょっと分かりにくい ということも言われているんですが、こういった点が上げられているということが医療機 関サイドでございます。あとは、患者さんサイドのものは下にも示されておりますが、結 果的には、そういった医療連携の課題ですとか、情報共有、情報収集の課題などがあるの ではないかと考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  ちょっとよく分からないんですけれども、確かにいろいろと設備投資もかかるとか、時 間的な制約がある、あるいは、かなり重症の方もいて歯科の治療をしにくいというような 事情は分かるんですけれども、一方では、訪問を専門でやっている業者さんもかなりいる というふうに聞いておりますし、そちらのほうがいわゆる専門でやっていくというような ケースもあるのではないかと思っております。要するに、今までは訪問診療というのをや っていない歯科医が、こういう算定を受けることになって努力をされるというといろいろ と制約があると思うんですけれども、それを専門でやっている歯科医院もあるというふう に聞いておりまして、そちらのシェアの伸びと言いますか、その辺はいかがなんでしょう か。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○上條歯科医療管理官  最近、訪問診療というのはそんなに伸びていなかったというのが実情です。専門に訪問 診療をやるような機関があるということは聞いております。ただ、大昔、専門の機関によ り訪問診療がかなり普及した時期があったやに聞いてまして、その時に一部、診療報酬に ついてもある程度実態に合わせるということで、相当適正化を行ったという経緯があるや には認識しております。  もちろん何かデータがあれば、追い追い、必要に応じてお示しさせていただきたいと存 じますが、今の時点では特段、問題になるものがないのが実情で、データとしてはとって いないというのが実情でございます。 ○遠藤小委員長  白川委員、よろしいですか。 ○白川委員  結構です。 ○遠藤小委員長  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  論点1ですけれども、歯科訪問診療料、これは体系が複雑で、分かりやすくということ は必要なことだと思いますが、11月11日の基本小委で、在宅の患者訪問診療料について、 同じ場所で複数の患者を診察する場合の診療報酬上の取扱いについては、民間のマンショ ンで複数の患者を診察する場合と、有料老人ホーム等で診察する場合と異なる点数になる という説明がありました。これは歯科訪問診療料の場合においても同様の観点から、平仄 を合わせる形で、同じように見直しをすればいいのではないかと思います。  それから、論点4の地域における在宅歯科医療の情報提供。これは、スライド18を見ま すと、知り合いからの情報、口コミが多いですが、歯科医療機関からとか、県や市町村か らの情報、歯科医師会からの情報、これが低いという結果になっているということが、そ ういった意味では、診療報酬の議論をする前に、こういった関係機関について周知を徹底 していただくような努力がまず重要ではないかなと思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、関連しまして、事務局、どうぞ。 ○上條歯科医療管理官  今の歯科の訪問診療料自体、もちろん医科のほうも訪問診療で近い話があるわけですか ら、それは横並びで見つつということなんですけれども、診療実態が違ったり、評価体系 が違ったりしますので、そこのところはいろんな要素を横目で見ながらという形ではない かと考えております。今までもそのような体系で、ある程度横並びを見つつ整理をさせて いただいたという状況でございます。ですから、共通するような要素というのは当然のこ とながら同じになってくる面があるというふうに考えております。  それから、あとは今の口コミのところですが、これは確かに診療報酬の話かどうかとい うのでは、全然別の議論でございまして、むしろ歯科医療機関サイドで努力していく視点 などもないのかなということも考えつつ、論点として上げさせていただいたところでござ います。 ○遠藤小委員長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  今の点なんですけれども、医科の訪問診療料も歯科のほうも診療料の1というのは同じ 点数ですよね。にもかかわらず、2がちょっと違うとか。小林委員からもありましたよう に、自宅へ在宅で訪問するのか、居住系の施設、有料老人ホーム等へいくのか、マンショ ンにいくのかということでの違いみたいなものは、そろっていたほうが分かりやすいとい う気はするので。どちらもたまたま今回いろんな課題があり、よりよい点数化にという議 論が出ているので、ある程度そろっていたほうが、歯科独特の話はない面ではという気は するんですけれども。 ○遠藤小委員長  よろしいでしょうか。  ほかに御意見ありますか。渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  小林委員からの御質問の中での、地域によりましては、積極的に歯科医師会にセンター をつくって、そこで受けていくという姿勢をとっているところもありますし、市町村によ ってもそういうところはあります。それはこれからますます進めていかなければいけない んだろうと認識しております。  それから、9ページで口コミというところが一番多い。この調査母体が少ない数の中で のものですから、どうとも言えないのかもしれませんが、3番目にある医科の先生方、ま たは介護支援の方々等からの情報というのが、現場におられる方々ですので、その必要性 は十分お分かりになっているので、歯科との連携を進めていきたいなというふうに考えて おります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  歯科医療管理官、どうぞ。 ○上條歯科医療管理官  先ほどの勝村委員からの御指摘でございますけれども、確かにこれは分かりやすさとい う側面で言えば、同じ体系になっていたほうが当然いいのでございますけれども、訪問診 療料1、2というのもけっこう歴史背景がございまして、分けたというのは、当時、施設 と在宅の場合で診療実態がちょっと違ってきている側面を考慮してやったところを、こう いう点数背景に切り換えたというところはございます。ですから、その歴史的背景プラス 今までの方向などを見つつ、どんな方式があるかというのを模索させていただきたいと思 っております。 ○遠藤小委員長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  詳しいことはちょっとあれなんですけれども、11日の時は、マンションは今まで自宅の 扱いだったけれども、どちらかというと居住系施設と同じような扱いにするということも 課題としてあるのではないかというような論点ではなかったかと思うんですが。そういう ことであるならば、1とか2とか点数とか、1は同じ点数になっているとかいうことを考 えると、そのあたりで違う体系になっているふうに見えますので、その点をそろえるとい うことはできないんでしょうかと思ったんですけれども。 ○遠藤小委員長  管理官、どうぞ。 ○上條歯科医療管理官  ですから、そこのところは何で違うかというのは、診療実態が違うからこういうことに なってきたところもあります。共通部分ももちろんありますから、そこはそこで見なけれ ばいけないという視点でないかというふうに思っております。 ○遠藤小委員長  ですから、その違いというものが理解できるような、そういう説明がほしいといことで ありますので、その辺のところをよろしくお願いします。  在宅につきまして、ほかに御意見ございますか。鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  我々の地域も歯科の先生がそんなに多いわけではないんですが、歯科の治療が必要だな と思っても、どこに問い合わせていいか分からないような実情で、口コミというか、個人的 に親しい先生に来てもらっているような状況なので、もう少し連携がとれてもいいのかなと いうふうに思っております。  それと、歯科の先生に聞きますと、護認定などを受けた人の意見書を見ても、歯科に関す る情報が少ないので、歯科の先生から見て、どういう基礎疾患があったり合併症があったり、 その辺がどういう状況なのかがよく分からないということで、重度の方はあまり積極的に見 るのは躊躇される例も多いのかなと思うんですけれども、それをこれから在宅で見ていくた めにはどのように医科と歯科が連携していったらいいのか。  医療と介護の連携という中に歯科の先生方もぜひ入っていただかないと、医科が診ながら 歯科の先生に治療していただくとか、そういうようなこともしないと、歯科だけの先生にお 願いしますよということではなかなか難しいのかなと。そういう方が全部病院歯科みたいな ところに集まりますと、病院歯科も今非常に大変なようで収支も悪いようでございますし、 その辺が少し課題があるのかなと、医科から見てそういうふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  連携の問題は重要だということと、病院歯科の話も出たわけですけれども、課題の3、 病院歯科の診療報酬ということについて何か御意見ございますか。  とりたててなければ、また今後の議論ということにさせていただきたいと思います。  在宅歯科医療につきましては大体よろしゅうございますでしょうか。  それでは、引き続きまして、障害者の歯科医療ということで。論点は7ページ、2つご ざいますけれども、これに関連しまして、何か御意見ございますでしょうか。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  この障害者歯科医療は、先ほどの在宅歯科医療と共通の部分がございます。困難さの点、 それから、患者さんの体の状況もろもろ非常に似たところがあります。しかし、データで もありましたように、実際に受けられている方が非常に少ない。御自身で通ってこられる という方は非常に少ないですね。施設等からつき添われてくるとか、そういう状況の中で 行われるということで、実際の対応、かかられてくるという実数が少ないというのが問題 かなと思っております。  また、診療する側といたしましても、病院歯科が主なところになっていきます。しかも、 専門的なところでやらないといけないというところがあります。そういう意味では、地域 でそういう患者さんが分かった時に病院歯科へ紹介をしていくというような連携を、ある いは、患者の御家族からいただいた情報で連携を図るというところを推進していくという のが非常に重要であろうというふうに認識しております。  そういう意味で、2番の病院歯科の機能についても、その困難さに対しての評価をこれ から十分検討して進めるべきではないかなというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかに御意見、御質問ございませんか。  ただいま渡辺委員がおっしゃられたようなことが全体としての方向性だというふうに思 われますが、これもまた今後議論を深めていきたいと思います。  それでは、3番目の論点です。患者の視点に立った歯科医療ということで、論点は10ペ ージになります。患者に対する情報の提供の話、用語の見直し等々についてということで すが、これについては御意見ございますか。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  患者の視点に立った歯科医療というのは、私たちも常にそれを念頭に置いて進めている ところですが、治療そのものは患者さんとの共同作業ですので、一緒にものを考え、一緒 に状況を認識していただいて進めるという、言ってみれば、よく言われてインフォームド ・コンセントに基づいて診療を進めているというのが実際の現場でございます。  そういう中で、言葉の上でも難しいということについては、確かに前のこの協議の場で も出ておりましたので、学会等から理解しにくい用語については一つの提案がされており ますが、それも踏まえて分かりやすい形での説明ができるように今後進めていくべきだろ うというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  2点質問なんですが、1つは、参考資料の16ページのスライド31番、32番なんですけ れ ども、歯科医師の側と患者の側に同じ質問がされているところがありますよね、満足度が 高まったかどうかということで。ここでかなり両極端な結果が出ているということなんで すが、例えば18年改定の時に文書提供をたくさんしなければいけないということで、歯科 医師から書いてばかりで大変だという反発があったことを記憶しているんですけれども、 そういう文書提供に対する抵抗があるからこうなっているのか、それとも、患者と何かデ ータ的に合わない理由は患者の意識をうまくつかめてないのか、どういうことが考えられ るのかということ。  もう1つは、管理料という形で文書提供、15ページのスライド30番のような文書が今提 供されているということなんですが、この義歯を入れるにあたって、または歯科医療を受 けるにあたって、今はすべの歯科医療機関でこれと同じようなものが出されているんだと いうことなんでしょうか。現状はどんな認識になるのかちょっと教えていただければと思 います。 ○遠藤小委員長  歯科医療管理官、お願いいたします。 ○上條歯科医療管理官  まず一番最初の歯科医療機関と患者さんとの回答がやや乖離しているという課題でござ いますが、これは完全に分析がされているわけではございませんが、勝村委員御指摘のと おり文書提供のことが問題となりまして、検証をしました時も、患者さんと歯科医療機関 の間では回答についても、満足感とかでやや乖離があるという結果が同じように示されて いたという状況でございます。確かにいろんな要因が医療関係者サイドでもあるのではな いかと思いますが、そこまでは今回は分析しておりません。ただ、患者さんに文書提供す るということでの手間とか、いろんな要素はあるのだろうというふうに思いますが、いず れにしても回答はこんな状況だったということでしかないと思います。  それから、もう1つ、例示させていただきました文書の例というのは、主に歯科医療関 係者の間で比較的多く使われていると聞いております文書の例を、あくまでも例として示 させていただいたものでございます。どこまでの普及率かまでは調べておりません。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  16ページの患者さんと医療機関との差なんですけれども、私の感覚としては、実際に治 療するときには事細かな説明をしてから入っているというのがほとんどなんですね。説明 なしにやるというのはこの現在ありません。そういうことでよく説明しているので、これ を出しているからより分かったのかなというところには疑問を持っていると、そういうド クターサイドの認識ではないかなという感じがしますね。  それから、先ほどのお話にありました文書については一つの例でありまして、本会とし ても、本会と言いますか、歯科側の団体としても、現場が混乱しないように1つのパター ンを示しております。しかし、例えば最初の歯科疾患の管理について言いますと、患者さ んは幼いお子さんからお年寄りまで1つの歯科疾患の中での管理なので、御指導する内容、 説明する内容が全く違う場合もあるんですね。そういう意味で、医院によってはそれぞれ に特化した形で説明をされたりしているということはありますが、会としてもこういうの も一つのパターンだという形で示しているものでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  この16ページのスライド32を見ても、患者の満足度が非常に高いということで、「大い にあてはまる」、「ややあてはまる」でほとんどなわけなので、こういうものをどんどん 出していっていただく方向で進めていくべきではないかと思います。  そういう意味で、論点の1番目に関しては、様式がまだ定まっていないであるならば、 スライドの34番のアンケートにもあるように、様式によっては情報提供、文書をもらって も分かりにくいと言っている面もあるわけですから、これだけいろいろ調査していただい ているんですから、どういう様式が一番患者にとってよいのか、満足度が高いのかという ことが分かってくると思いますので、どんな様式でもよいとするのではなしに、満足度の 高い様式でそろえて全患者に渡していくということが進んでいってほしいなというのが1 つです。  2つ目の論点に関しても、患者の立場からすれば、ここに示されている例以上に、算定 項目と名称が一致していないとか、用語が非常に難しいということがあるならば、この論 点に関しても進めていただきたいなというふうに要望しておきます。 ○遠藤小委員長  勝村委員の2つの要望ですが、これに対して事務局あるいは渡辺委員、何かコメントご ざいますか。 ○渡辺委員  特に義歯のほうは非常に限られた内容というか、対象が限られておりますので、よろし いかと思うんですね。歯科疾患管理について、これが一つのパターンでありますが、さら にここには細かく、上のほうに(継続用)とありますけれども、初診はもっと詳しい内容 になっておりまして、それも実質的に発行して使う方はどんどん使ってくださいというこ とでしております。そういう点で、患者さんの満足度が非常に高いところが得られていた のは、こうしたひな型を対象として考えていいのかなというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  それでは、何かありますか、10ページ、論点について。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  今、勝村委員からもお話ありましたように、言葉を分かりやすくしていただきたい。明 細書が出るようになりますので、患者さんからどういうことが行われたかということが分 かるように。そこで、学会から提案されているこの言葉が妥当かどうか私分かりませんが、 いずれにせよ難しい言葉はできる限りやさしくしていただきたい。私のほうからもお願い いたします。  それから、ここの領域ではないですけれども、歯科に関してこういう話があるならば、 歯科以外に関しても難しい言葉があれば検討していただきたいということをお願いいたし ます。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  医科のほうも分かりやすい言葉にしてほしいと、こういうような御要望が出たというこ とであります。  それでは、よろしゅうございますか。  次の4番目の課題、生活の質に配慮した歯科医療の充実ということですが、論点に上が っているのは、内容的にかなりばらついているものでありまして、1つは歯科技工士の技 能の評価ということでありますね。次が小児義歯を診療報酬でどう評価するかという話で あります。3つ目が脳血管障害等で咀嚼機能が障害を受けた場合の咀嚼機能改善について どう評価するかと。ちょっと毛色の違ったことが3つ載っておりますけれども、これにつ いて御意見、御質問ございますでしょうか。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  この有床義歯、いわゆる入れ歯ですね、これは先ほど来話をしていますように、歯をな くした方にとっては、これなくしてはお食事ができない、食べられないということですの で、非常に重要です。それが、事務局のほうからもお話があったように、プラスチック製 のものですので、割れることもある、壊れることがある。その間今までの食事ができない、 大変困る。そういうことをより早く修復してあげることに対しての評価かなというふうに 見えるんですが。  この場合、技工士がいて即対応できるところも、それはそれとして十分よろしいと思う んですが、患者さんの要求に応じて、ドクターが自らできるだけ早い時点で治してまた入 れて上げるという現場があるんですね。そういう意味では、どれだけ早く患者さんに原状 を復帰してあげるかということに対しての評価という方向で進めるのが一つのまたいいイ ンセンティブになるのではないかと感じております。  2番、3番については、こうした方々、お子さん、また疾病の後の後遺症で悩んでいる 方にとっては、しっかり咀嚼して、しっかり食べられるということが重要ですので、こう したことは進めるべきだろうというふうに感じております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  では、北村専門委員、どうぞ。 ○北村(善)専門委員  論点1の件なんですけれども、歯科技工士の技能を活用する件ということで、これは修 理だけではないと思いますけれども、歯科医師が型をとって、歯科技工士が実際に入れ歯、 それから差し歯をつくっているわけでございますけれども、患者にとって痛みが出たりと か合わなくなったりとか、それは技工士の技術がかなりカバーしていると思っております。 痛みがあって外したり使わなくなったりする、そういう意味では歯科技工士の技術の大切 さ、それから、歯科医との連携、チーム医療、これは評価されるべきだと思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  論点の3なんですが、咀嚼機能障害等ということで、摂食機能療法というところにも点 数がついているんですが、これは歯科医師の方が行うものだと思われますが、医科では看 護師等が行っていると思うんですけれども、咀嚼機能だけを見ても十分ではないことが多 いので、摂食嚥下機能というものを見るには歯科だけではなくて、医科の中でも医師、看 護師もありますが、STとか歯科衛生士とか、管理栄養士とか、そういった方々の多職種 協働の取組みが必要だと思いますので、そういったものに歯科の先生が入っていただくほ うがむしろ現実的ではないのかなというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございませんでしょうか。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  事務局への質問ですけれども、論点の2で先天性疾患の小児義歯の方は、件数的にはど れぐらいあるのかという質問が1つ。もう1つは、論点の1に関して、今、渡辺委員から は修復に要する日数ということで考える手もあるのではないかという意見がございました けれども、これは都会と僻地みたいなところとか、そういうロケーションの問題もあると 思っておりますので、日数で差をつけるというのはいかがなものかと私は思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  1つは御意見ということで、渡辺委員のインセンティブということで日数を用いるとい うことに対しては地域差もあるのでなかなか難しいのではないかと、こういう御意見であ ったわけです。もう1点は、先天性疾患等の小児義歯の件数がどのぐらいあるのかどいう ことを、事務局としては把握されているかどうかということです。  事務局、お願いします。 ○上條歯科医療管理官  小児義歯というのはほとんど例がないものですから、今までは社会医療で把握をしてお りません。ただ、関係の歯科医学会等から聞いている限りではほとんどないと。それこそ 100、1000に1、それもないかという程度の頻度だというふうには聞いております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、よろしいですか。 ○白川委員  はい。 ○遠藤小委員長  ほかにございますか。  よろしいですか。それではまた今後議論を進めるということで。  それでは、5番目の課題、17ページに論点が載っておりますけれども、歯科固有の技術 の評価ということであります。これについて御意見、御質問ございますか。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  歯科診療の現場としましては、まず基本的に訴えたいなと思っていますことは、歯を残 す技術の評価をお願いしたいなということと、それから、歯を失った後のお口の機能を回 復・向上させる技術、いろいろありますけれども、それの評価を基本的に求めていきたい というふうに思っております。  もう1点は診療の実態ですね。実際にどういう状況で行われて、どのくらいの時間がか かっているか、あるいは、回数がかかっているかと、そういう点を踏まえた今後の検討を ぜひお願いしたいというふうに思っております。  具体的な内容について、1点だけ触れたいのですが、17ページ、最後の論点の3番にあ ります口腔内写真検査、説明もありましたように患者さんの口の中の写真を撮って、患者 さんというのは自分のお口の中の裏側は見えませんし、本当にケアしなければいけない部 分がよく分からないところがあるんですが、そういうところをしっかり分かるようにお見 せして、モチベーションを高めるということで、非常に動機付けにいいんです。 それか ら、補綴物維持管理料、これについては資料の最後の28ページに記載されておりますが、 補綴物維持管理というのは、この管理料を選定しているところはほとんどなんですけれど も、それをした場合に、上の図にありますように、再製作をやむを得ずしなければいけな いような場合が出てくることは、生体ですので、当然あるんですけれども、そういう時に は、その時の技術料、もろもろの作製にかかわる材料も引っくるめて技術を全部含んでい ますというか、それは算定できないという条件下でこれはあるんですね。そういうことで、 ただこれを見直しあるいは簡素化するということについては、現場としては大変戸惑いが あるということを申し上げたいと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  3番のところですね、簡素化、見直し、見直しというのは減らすという方向のことだと 思いますので、それに対しては現場としては抵抗と言いますかね、違和感があるというこ とでありました。  ほかにございますか。よろしゅうございますか。  それでは、かなり専門的な内容も含まれますので、事務局としましては、ただいまあり ました議論の内容をまた整理をしていただきまして、今後また議論を深めていきたいと思 いますので、資料作成のほどよろしくお願いいたします。  ありがとうございます。  それでは、引き続きまして、「調剤報酬について」を議題といたしたいと思います。  事務局から資料も出ておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○磯部薬剤管理官  薬剤管理官でございます。大分時間も押しておりますので、私からの説明は手短に行い たいと思います。  診−2の資料をごらんいただきまして、調剤医療費の動向とございますが、第2の現状 と課題をちょっと御説明いたします。  まず、1番目として後発医薬品調剤体制加算の問題。これは金曜日にありました基本小 委での後発医薬品でも同じ問題を提起させていただいておりますが、再掲させていただい ております。後発医薬品の調剤率、処方せんベースでは30%を満たしている薬局が80%以 上あると。ただし、数量ベースの調剤率は18%にとどまっているというようなことでござ います。  それから、2番目として内服薬の調剤料、22日分以上は一律の1剤につき77点でござい ますけれども、一包化薬というのがございまして、服用時点ごとに、通常ビニールの袋に 何種類かを1つにまとめて、飲み忘れがないように工夫した調剤のやり方でございますけ れども、この場合については監査や分包するのに手間がかかるということがございまして、 現行では7日間ごとに89点を算定できるというふうになってございます。ただし、その場 合に、一包化薬と内服薬調剤料、ある時点から一包化にしたいというようなケースについ て、長期投薬の場合ですと、かなり点数が上がるということについてどうなのかというこ とでございます。  それから、次の2ページ目にいっていただきまして、漢方薬の関係でございます。漢方 薬はいろいろな形で使われておりますけれども、ここで言っております湯薬の調剤料、こ こに「2種類以上の生薬を適当な大きさに刻み、煎じる量ごとに分包したもの」と書いて ございますが、いわゆる刻みの生薬で、生薬を切って、それを患者さんに直接お渡しして、 御自宅でそれを煎じて服用するという形態のものの調剤料でございますが、これについて は投薬日数にかかわらず1調剤につき点数が設定されているということで、現在、長期投 薬もふえてきておりまして、1回でつくれる量も限りがあるということもございまして、 二度三度調製するような場合について、その手間に見合ってないというような御指摘をい ただいているところでございます。  それから、4番でございますけれども、前回の改定におきまして、入院患者の薬剤管理 指導料については、特に安全管理が必要な医薬品、ハイリスク薬というもの、後でどんな ものがあるかお示しいたしますけれども、そういったものを安全管理、服薬管理をしっか りするべきだということで、その重点的な評価をしたわけでございますけれども、同じ課 題は薬局でも当然あろうかと思っておりますので、そういった問題についてどう考えるか ということでございます。  それから、5番でございますけれども、現在、調剤基本料については40点が基本でござ いますが、経営効率が高いと言われる、いわゆる大きな病院の前で行う薬局さんのケース でございますけれども、現在、処方せんが月に4,000回を超えまして、また、1カ所の医 療機関からくる処方せんの集中率が70%を超えるような場合については、調剤基本の特例 といたしまして、18点の算定をされております。  一方、地方におきましては、病院も少ない、薬局も少ないようなケースで、地域の患者 さんの夜間・休日の対応ですとか、訪問で薬剤管理指導なども行っているにもかかわらず、 こういったことに該当してしまって、基本料が18点になってしまうというようなケースが あるように聞いております。また、この規定があるがために、夜間・休日等の対応をしま すと、処方せんの受付回数がふえまして、その対応がなかなかしにくくなる、こういった 御指摘もいただいているところでございます。そういったことにどう考えていくかと思っ ているところでございます。  データ編をごらんいただきまして、参考資料のほうを簡単に御紹介したいと思います。 1番目のスライドでございますが、調剤医療費の全体像でございまして、平成20年度で5 兆4,000億円、処方せん枚数で7億2,000万枚、1枚当たりの調剤医療費が7,500円程度に なっているというものでございます。  次にいっていただきまして、2ページでございます。2枚目のスライドでございますが、 その1枚の処方せんを分析いたしますと、技術料が26%、薬剤料が73%というような割合 になってございます。  3番目のスライドでございますけれども、処方せん1枚当たり薬剤料でございますが、 内服薬で見ますと、現在4,706円ということでございますが、このあたりのいわゆる3要 素分解、薬剤、種類数、投薬日数、それから、単価、薬剤料ということでございますが、 どういったものが効いているのかということでございますけれども、投薬日数の伸びが薬 剤費の伸びに寄与しているという数字でございます。  続きまして、4枚目のスライドでございますけれども、これは後発医薬品の使用状況に つきまして、全保険薬局の分布をお示ししたものでございます。これについては、平成21 年6月の審査分の調剤医療費の動向を特別集計したものでございます。これでごらんいた だきますと、赤黒くなっておりますのが処方せんベースでの分布でございまして、左側の 薄くなっている青いものが数量ベースでの分布でございます。  それを度数、累積で見てまいりますと、その下の5ページ、5枚目になりますけれども、 先ほど御説明したように、現在、処方せんベースで言いますと、30%を超えている薬局が 82%あるということでございまして、これを数量ベースでごらんいただきますと、平成24 年度の目標で数量ベース30%ということを国は目標に立てておりますけれども、それを6 月審査分で超えている薬局さんが全体の10.1%あるということでございます。数量ベース で見ますと、平均値18.2、中央値16.0と、こういった状況になっているわけでございます。  続きまして、6枚目でございます。これは検証部会での後発医薬品の問題でございます が、説明調剤に関する考え方をグラフ化したものでございます。  それから、7番でございますけれども、なぜ後発医薬品の説明をしなかったかというこ とでございますが、なかなか説明する時間的余裕がないということで、どちらかというと 1人当たりの薬剤師で処方せん枚数が少ないというか、1人当たりの時間がある程度とれ るような形の薬局さんについては、そういった問題点が少ないというような結果が出てい るわけでございます。  それから、8番でございますけれども、後発医薬品を進めるための条件ということで、 ここに書いてございますようなメーカーの対応ですとか、患者の理解ですとか、剤形・規 格の違いに関わらず銘柄変更調剤ができる環境の整備ですとか、調剤報酬上の評価、こう いったものが上げられているということでございます。  9番でございますけれども、先ほど申し上げた一包化薬と内服薬の調剤料の格差がどの ようについていくのかということを図示したものでございます。内服剤については、3剤、 3つ入れたものでございまして、合計しますと、ごらんのように内服薬調剤料については、 22日を超えたものは一律の231点になりますけれども、一包化にしますと、長期になれば なるほど階段的に上がっていくと、差がかなり開いていくという状況でございます。  続きまして、10番でございますけれども、内服薬の同役日数はどうなっているのかとい うことでございます。これも本年6月の審査分の調剤の電子レセプトの100分の1抽出を したものの集計でございますけれども、ごらんいただきますように、14日処方が一番多い 度数になってございます。続いて28日処方、それから7日処方、それから30日処方、こう いった分布になってございます。平均値で19.7、中央値で14.0でございます。  一包化薬も同じような状況でございますけれども、ここに書いてあるとおりでございま す。  続きまして、12番でございます。漢方薬(湯薬)、いわゆる刻み生薬の投与日数の分布 ということで、ごらんいただきますように、これについては日本薬剤師会のほうで調べて いただいたデータでございますけれども、8〜14日処方が一番多く、その次に22〜28日処 ということでございます。そういったかなり長めの投薬日数のものが多くなっているとい うことでございます。  それから、13番でございますけれども、今月になりまして、日本薬剤師会のほうで、ハ イリスク薬の薬学的管理指導をどうしていくのかということで、具体的な内容を薬剤師会 のほうでまとめられております。現実には各薬局さんでいろいろ工夫をされてハイリスク 薬の安全管理をやられているかと思いますけれども、そういったものを具体的に標準化す る目的でつくられたというふうに私どもは聞いてございます。  14番のスライドをごらんいただきたいと思います。どういうものがハイリスク薬かとい うことでございますけれども、現在、薬剤管理指導料におきまして、指定されております のが、ここに書いてございます抗悪性腫瘍剤から抗HIV薬までの12の分類のものが該当 するということでございまして、特にこういったものの薬学的管理指導で注意すべき事項 としてこのガイドラインにございますのは、ここに書いてございますようなことをよく確 認するということがされております。その上で、その下に書いてございますような、薬剤 の効果がちゃんと上がっているのかとか、副作用がどうかとか、服薬の手順や注意事項、 再診の予定など、こういうことをより綿密に確認するということが、このガイドラインの 中では規定されております。  先ほどの診−2のほうに移っていただきまして、2ページ目以降は調剤報酬評価の概要 でございます。ごらんいただきまして、飛ばしてまいりますけれども、論点ということで、 5ページでございます。  全部で5項目上げさせていただいておりますけれども、最初は後発医薬品調剤体制加算 の問題でございます。もう既に8割以上の薬局が算定されているということでございまし て、国の目標でございます数量ベースでの指標をどうするかということも含めまして、こ の算定要求を含めた在り方をどう考えるかということが1つでございます。  2番目といたしまして、先ほどの特に一包化薬調剤料と内服薬調剤料との格差をどうい うふうに見ていくのかということでございます。平成16年以前は内服薬調剤料の加算とし て位置付けられていたわけでございますけれども、患者に分かりやすい点数体系とするこ とについては、どのような形がよろしいだろうかということの御提案でございます。  併せまして、6ページの頭でございますけれども、特に投薬日数が伸びているという状 況を踏まえまして、現行22日分以上は調剤率は一律になってございますけれども、内服薬 調剤料の在り方、日数区分については、どのように考えていったらいいかということの御 提案でございます。  それから、3番目でございますけれども、先ほど言いました刻み生薬、湯薬の調剤料の 在り方につきましても、投薬日数の長いものがかなりあるということで、一度に調製でき る量が限られているということもございまして、その手間がふえるという観点をどういう ふうに評価していくのかということでございます。  それから、ハイリスク薬が処方された患者に対しての、特に薬学的管理の問題について、 そういったものを詳細に行った場合の評価をどのように考えるのかということでございま す。  それから、5番でございますが、先ほどの調剤基本料特例につきまして、先ほどの問題 意識、現状がございますけれども、それですと、時間外加算の処方せんや、在宅の訪問薬 剤管理指導の算定の処方せんの受付回数について、現行はカウントにいれておりますけれ ども、例えばそれを除外するようなことも含めまして、その取扱いについてどのように考 えるかということでございます。  私からの説明は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、ただいま論点が5つ出ておりますけれども、個別個別ではなくて、全部まと めて御意見、御質問を承りたいと思います。また、論点以外でも結構でございますので、 御自由にどうぞ。  それでは、三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  まず論点1のほうからお話をさせていただきます。今お話があったように、政府として の目標が平成24年度までに数量ベースを30%以上にすることであるというふうなことを考 えますと、新たな算定要件について考慮するのは私どもとしても理解できると考えており ます。しかし、現在はまだその途中でありますので、例えばハードルがいきなり、最初か らここまでやりなさいということになると、我々としてもそれをどこまでできるかと。こ の後、現場の状況をお話しますけれども、そういうこともございますので、例えば段階的 な評価についても考慮いただければというふうに考えております。  例えば、後発品と先発品の概念がない漢方薬であるとか抗がん剤、そういうものをかな り多く取り扱う薬局では後発品の使用が数量ベースとしてふえない可能性が出てくる。あ るいは、算定にあたりまして、量ということで考えますと、その基本となる単位でありま すけれども、例えば経管経腸栄養剤エンシュア・リキッドとかラコールとかというような、 例えばエンシュア・リキッドの場合は10mlというのを1つの単位としておりますが、これ については1缶が250mlで、御自宅に持ち帰る時に30缶とか60缶とか、そういう量でお渡 しすることがあります。そういう場合はどうしても先発品としての数量ベースがふえてし まうということがございますので、そういうところも考慮していただければというふうに 考えております。  それから、論点の2のほうでありますが、長期投薬時における一包化薬の調剤料と内服 薬調剤料のことでありますけれども、一包化薬につきましては、もちろん長期間投薬がふ えておりますので、その保存の問題も含めていろいろ考慮するべきこともあるのかなと。 ただ、長期ということで考えれば、内服薬の長期と点数がかなり離れていまして、内服薬 の長期投薬の部分が逆にいうと低いという考え方もできるのではないかと考えております。  現場では、例えば算定要件には達しないんですが、実際に御自身で薬を被包から出すと いうことができないけれども、1種類だけの方、あるいは、2種類だけの方で、1種類が 2錠と1錠の方という方がいらっしゃるんですが、そういうふうに患者さんに応じていろ いろやったり、手間をいろいろかけたりということも実際はやっております。自己負担に するということで、そういうことも自費でということもできるんですけれども、現場では 患者さんにサービスとして渡していることも現実にあります。  それがいかがなものかという指摘もあるかもしれませんけれども、実際にはそういうこ とによって長期投薬の患者さんがどうやってきちっとお薬を飲んでもらえるかということ を含めて、我々もやっておりますので、ぜひ一包化薬に限らず長期の部分についての算定 も、整合性という観点からも御理解いただければというふうに考えておりますので、その 辺の評価もお願いしたいというふうに考えております。そういう意味で、先ほどちょっと 出ていましたけれども、加算にするのか、あるいは、現行の仕組みを手直しするのかとい うことで、方法を検討していただければというふうに我々も考えております。  それから、論点3のほうでありますけれども、湯剤、漢方薬の刻みの調剤でありますけ れども、これについては、場所とか、臭いもしますし、本当は別の部屋でやったりとか、 調剤室をもう1つ用意したりとか、いろんなことをやって工夫しておりますし、かなり手 間がかかります。また、東洋医学を学ばれているお医者さんも少しずつふえておりますの で、いろんなところから若干ずつでも処方せんが出てきているというふうな話も聞いてお りますので、手間という観点からも湯剤の長期についての在り方についても、ぜひ評価を いただきたいというふうに考えております。  論点4のハイリスク薬でございますが、ハイリスク医薬品については、医薬品の適正使 用とか、効率的・効果的な薬物利用の実現ということについては、今までも薬局としても いろいろ説明したり指導したりしておりますけれども、さらに重点的にきめの細かい説明 や服薬指導をしていく上でも、今後、評価されるべきかなというふうに考えております。  それから、論点の5でありますけれども、調剤基本料の特例の18点についてでございま す。これは、地域によっては大きい病院が1つしかなくて、やむを得なくそういう状況に なっている薬局で、それでも、例えば夜間、時間外、それから在宅をやって、その分で枚 数がふえてしまって4,000回を超えるというところについては、それなりの評価を別にし ていただきたいなというふうに考えております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  5つの観点について御議論いただいたわけであります。  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  調剤報酬の第1の調剤医療費の動向についての2番目、「処方せん1枚当たりの薬剤料 は前年度比較で伸びている」ということで、投薬日数の伸びが大きいということになって いるんですけれども、例えば投薬日数は量でありますので、医療費は伸びるのは分かりま すが、そうすると技術料は1回ということですので、技術料がその中で占める割合が伸び てないというか、同じパーセントを保っているというのはどういうことなんですかね。普 通でいくと総量がふえると、技術料の割合は回数ですので、僕は技術料の割合は減るのが 普通だと思うんです、数学的に考えると。そちらは回数、こちらは数量ですから、当然、 回数の占める、1回ですから、当然割合は減るのが普通だと思うんですが、減ってないと いうことはどういうぐあいに分析をされるんですかね。 ○遠藤小委員長  では、薬剤管理官。 ○磯部薬剤管理官  2番のスライドだと思いますけれども、技術料の割合が、実数では若干ふえているとい う傾向はあろうかと思いますが、それよりは薬剤料の伸びのほうが若干多い。17年度から しかありませんので、微妙な差であるのは事実だと思いますけれども、若干低減している ところがあるのと、もう1つは、薬価改定が入りますと、18年ですと6.何パーセントの 改定ですし、20年度も5.2%、単価が落ちますので、日数が伸びて薬剤料がふえる分を、 単価が落ちて少し戻しているところもございます。技術料の割合が、17年度27.2%から、 20年度26.2%になっているのを落ちていると見るのか、ほとんど変わらないと見るのかは ちょっと難しいところだとは思いますけれども、このぐらいの差になっていて、それ以上、 当方で分析したものはございません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  伊藤委員、よろしいですか。 ○伊藤委員  そうすると、薬剤の本体は落ちているという認識なんでしょうか。薬剤の本体は落ちて いるけれども、技術料は一緒になっていると。どうもちょっと理解しがたいんですけれど も。 ○磯部薬剤管理官  そこは分析が十分でないだけでございまして。つまり、薬剤料分については、投薬日数 が伸びている分が寄与度が大きいということが3番のスライドでございますが、単価はこ こに書いてございますように、18年度、20年度と単価が下がっておりまして、技術料の割 合が1%程度落ちてはおりますので、それをどう見るのかということかと思っております が、それを伊藤委員のおっしゃる部分まで詳細な分析が今のところはないということを申 し上げたわけで……。 ○遠藤小委員長  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  詳細というよりも、普通に考えまして、例えば2ページの20年度は調剤医療費が1枚当 たり7,561円であって、技術料が1,984円と薬剤料が5,565円。5,565円の内訳は、さっき 言 われたように実数として配布の日数が伸びているわけだから、こいつは分かるわけですね。 技術料としては1,984円伸びているというのは、回数ですから、これは純粋にこいつが伸 びているのではないかなというぐあいに思うんですが。例えば比例割合、これを反対に言 うと、薬剤料に対する技術料の割合でいったらこれはちょっとおかしいのではないかなと 僕は思うんですが、いかがですか。数学的にいったらどうなんですか。 ○磯部薬剤管理官  これはあくまでも処方せん1枚当たりなんですね。ここで言っている調剤医療費の処方 せん1枚当たりの技術料ということで、若干伸びているとは思いますが、技術料も前回改 定若干のプラス改定でもございましたし、そういったものが若干影響しているとは思いま すけれども。  あとは、投薬日数が伸びた分で、先ほどの日数が伸びた場合の、例えば一包化の場合は、 先ほど言った調剤料は上がっていきますし、そういったことを複合的に見ていかないと、 どれが要因で上がっているのかというのはあれだと思いますが、基本的には技術料の部分 については改定率の問題でございますから、それはまた医療費の動向でも毎月出しており ますけれども、大体そのようなとおりになっているということが、今までの私どもの分析 でございます。  ですから、調剤医療費の中で、日数が上がるごとに上がっていく点数として、例えば一 包化ですとか、幾つございますが、そういったものが算定が若干ふえているということは ありうるかと思っておりますが、どの要因が一番大きいかについてはまだ分析が、今日の 段階で今お出しできるものはないということを申し上げているわけです。 ○遠藤小委員長  伊藤委員がお聞きになりたいことは、この技術料がどのように伸びているということで、 調剤医療費の中でどのくらい上げる要因になっているのかということがよく分かるような 資料がほしい、そういうことでございますね。  そういったようなものというのは出せますか。 ○磯部薬剤管理官  手元にそれはありませんので、どういうものができるかも含めてお時間をいただかない と難しいかとは思います。 ○遠藤小委員長  伊藤委員、いかがですか。  では、少し時間をかけても結構でございますので、目的に即したようなものができれば 提出していただきたいと思います。  三浦委員、どうぞ。 ○三浦委員  私、分析についてはよくわからないんですけれども、現場の感じとしては、例えば14日 分の投薬だったのが21日分というようなことは実際にかなりふえているというふうに考え ていますので、1枚当たりの処方せんの単価の時に技術料の伸びが若干オンされているの かという感じがするんですが、それは正しくないんですか。 ○磯部薬剤管理官  ですから、詳細な分析はないということを申し上げているわけで。 ○遠藤小委員長  そういうことでよろしくお願いします。  ほかに御意見ございますか。鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  1番については、ジェネリックを推進しようと思ったら、以前もお話したことがあるか と思うんですけれども、私どもの地域は所得の低い地域ですので、価格差がどのぐらいあ るかということが患者さんは知りたいと思うので、説明の時には「あなたの場合、どのぐ らい違いますよ」というふうに、価格の差を教えてもらえるようだと大分違ってくるのか なという気がいたします。  2番に関しては、図9を見ると一包化の上がり方が大分激しいようですので、恐らくこ れは昔、手作業で一包化した名残なのかという気もしますので、これを見直すのはやむを 得ないのかなという気がいたします。  それから、漢方のほうは分かりませんが、手間ひまかかれば、それは評価の対象にはな ると思います。  ハイリスク薬なんですが、これは調剤薬局で説明するのも大事だと思うんですが、私ど ものところではハイリスク薬を飲んでいらっしゃる方はできるだけ院内調剤にして、訪問 薬剤師等を入れて直接おうちでの服薬状況とかを調べているんですが、実際おうちに行き ますと驚くべき状況があるということでございまして、山のような薬が家にあって、飲み 方も規定どおり飲んでいない。「どうして飲まないんですか」と聞くと「今日は調子がよ かったから」というようなことで、服薬がいいかげんになっているということで、ここを 放置しては在宅の推進という意味から問題があるかなと思うんですね。  今、訪問薬剤師料の対象が、通院が困難な場合ということになっているんですが、認知 症の方がふえておりますので、そういった方は服薬がいいかげんになっているというよう なこともありますし、かつ、インシュリンやいろんなハイリスク薬をたくさん飲んでいる 方もいらっしゃるので、もう少し訪問薬剤師料が柔軟にいけるようにして、在宅で看れるよ うなことを推進されたらいいのかというふうに考えます。  それから、調剤基本料のことなんですが、病院と開業医さんの外来と同じようなことが あるというふうに私どもの地域では聞いております。大規模な薬局などは18点ということ で安いわけです。そうすると、「あそこの薬局は安い」という評判になって、そこに患者 さんが集中するというようなことも起きているという話も聞いておりますので、そういっ たこともあるということを理解していただければと思います。 ○遠藤小委員長  論点を考える上で重要だと思われる観点を幾つか御提案いただいたということですね。 患者に対する指導では価格差ということも薬局で言っていただきたいという話であるとか、 ハイリスク薬については訪問薬剤師料の要件緩和といったようなことが重要なのではない かというような話だったと思います。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  前回の中医協でも申し上げたので繰り返しになりますが、後発医薬品調剤体制加算につ いての資料でも、説明しなかった理由の中で備蓄の品目数が少ないからというのがありま す。それから、我々の調査でも、前回申し上げましたが、在庫がないということがありま した。それでなかなか変えられなかったということもあるし、在庫管理の負担が大きいと いうことも薬局サイドにあります。在庫管理の負担が発生する部分を適切に評価するとい うことができるのであれば、そういう方向で見直していただけたらと思います。  それから、スライド4の「後発医薬品の使用状況割合の相対度数分布」は処方せんベー スと数量ベースの後発医薬品の取扱いが非常によく分かる大変いい資料だと思います。こ の資料を見る限り、もう既に8割の処方せんが調剤体制加算の体制となっており、在庫負 担を軽減する観点からは、国の目標も数量ベースで30%になっているということでもあ り、数量ベースに診療報酬上の見直しをしていく方向でよいのではないかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  今の話の続きのようなことでが、論点1につきまして、在庫の負担を少しでも和らげた いという意図ももちろんあるのですけれども、80%の調剤薬局がこの加算を受けていなが ら、ジェネリックが計画どおり進んでいない、調剤薬局でジェネリックの説明をする時間 がないとか、受けてないとかいうのが多いというのは、やはり問題だと思いますので、ぜ ひ薬剤師会等が中心になって御指導をいただきたいというふうにお願いをいたします。し たがいまして、加算自体に反対するわけではないですけれども、本当によくやっていただ いている調剤薬局には少し手厚くというふうな段階的にやるということも、おっしゃると おり一つの方法かなと思っております。  それから、論点の5でございますが、調剤基本料の特例18点というのが、処方せんの枚 数とか門前薬局で1病院からの集中率ということで、18点ということになっているわけで すけれども、今、鈴木委員からもちょっとお話がありましたとおり、大規模店と小さなお 店の力関係ということも配慮しているという側面があるのも承知しております。ただ、我 々患者側としてはサービスの高いところに高い点数をつけるというのが基本的なスタンス だと思っておりますので、調剤薬局の経営面だけ考えないで、ぜひとも患者に対するサー ビスの度合いということを診療報酬で反映するというやり方を入れていただければという ふうにお願いいたします。   ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  前半の議論は、在庫負担というものに対して適正な評価をしてはどうかというようなお 話でありましたし、後半はサービスに応じた診療報酬のつけ方というのが適切だろうとい うお話だと思います。  薬剤管理官、どうぞ。 ○磯部薬剤管理官  論点1の関係で今いろいろ御指摘いただいた点でございますが、特に最初に三浦委員か ら御意見があった段階的にというのは、今の白川委員のお話からも理解できるところだと 思うんですけれども、その中で、その他の医薬品というのは、先発医薬品、後発医薬品の 区別ができない、例えば漢方ですとか、古い局包品と言いますか、古い薬で当時は先発医 薬品、後発医薬品の区別がないとか、そういったものがその他の医薬品ということで私ど もは分類しております。それから、後発に変わりにくい抗がん剤、こういったものは除外 してくれないという御意見がございました。  これは基本料に対する加算でもございますので、ほとんどが除外で、後発に変えられる ものが少ない場合に、これは基本料全体にチャージされていく加算でございますので、考 え方として後発に変えうる可能性のある患者さんと言いますか、処方せんと言いますか、 そういったものが少なくなってきた場合に、理屈の上では基本料への加算というのはなか なか厳しいのではないかと考えておりまして。  もし段階的にやるとすれば、例えばスライドの5番をごらんいただきたいと思います。 参考資料の5番でございます。国の目標が数量ベース39%でございますが、仮に数量ベー スのほうに切り換えるとした場合に、現行30%以上の薬局さんが10%しかございませんの で、少し下のほうにいる薬局さんが30%はなかなか届かないので後発にできないというよ うなことを考えるとすれば、例えば段階的的に25%以上をどうするかとか、20%以上をど うするかとか、そういった場合の加算というものをどのように考えるかとか、そういった やり方で下のほうにいる薬局さんも手の届くような目標をつくって、段階的に上げていく ような方策というのは、一つの段階的な方策としてはありうるのではないかというふうに 思っているところでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  補足の説明ということであったと思います。  勝村委員、先ほどお手を挙げられていましたね。 ○勝村委員  スライドの4番なんですけれども、これが電子レセプトと書いてあるので、レセプト電 算処理システム、オンライン化によってこういうグラフが出てくるということならば、エ ビデンスというんですか、議論していく上でオンラインは大事だなと思ったのと、このデ ータを見ると処方せんベースで話をしていることがちょっと違うような違和感を持ちます し、処方せんベースで算定の加算の基準を決めていたんだとしたら、段階を負うのとはち ょっと別の話ですけれども、数量ベースでやるべきだと思います。  それから、論点の5番については、またちょっと別の観点なんですけれども、夜間・休 日とか訪問薬剤管理をするにあたって何らかの弊害があるということであるならば、その 点はどんどん推進されていくような体系にしてほしいなということをお願いしておきたい と思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  論点4番なんですけれども、どういうふうに発言していいのか分かりませんけれども、 これは安全ということで薬剤管理を重点的にというところで、入院患者さんにもそうされ ているからということで、設置するかどうかということなんですけれども、もう少し深く 考えていくと、薬剤師さんの仕事としては本来あるべきことであるにもかかわらず、重点 的に入院中も患者さんもされているからということで、安全管理指導料をまた差し上げる ということなんですけれども、これはもう少し議論していただきたいなと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今の勝村委員の御意見についてですけれども、ここの議論と直接関係ないんですか、デ ータが得られるのは、電子化請求さえできれば同じデータが得られますので、必ずしもオ ンラインが必要ではないという意味では、用語は正確にしたいということが1点でござい ますが、確かに数量ベースでやるべきなんですよね。電算化するとこういうデータはとれ るのでいいんですけれども、そうすると、先ほどの三浦委員が言われたことを皆さん御理 解いただけたかどうか。  先発品の薬剤の単位として、1回に使うものが1回の量で1と計算されないものがある と。例えばエンシュア・リキッドというのは、固形物等がとれない方のための栄養補給で 1缶250ccあるんですね。これを大体1回で1個飲んでいただくわけです、甘いんですけ れども。なのに先発品の単位としては10ccが1単位ですから、1回に飲まれる量が1缶1 単位のはずなのに、1缶飲んだら25単位になってしまうんです。そんな計算をされると後 発品の占める割合というのは計算上減ってしまうわけで、そっちのほうのルールもちゃん と直してくださいと、環境整備してくださいというのが、さっき三浦委員のおっしゃった ことで。これはエンシュアだけではなくて幾つかあります。  何か起こるかというとキットですね。エンシュアというのは固形物をとれない人にとっ ては大変大事な栄養補給で、高齢者の特に衰退した方とか、我々使いたいんですけれども、 このルールのままやると調剤薬局は受けてくれないかもしれないですよね。こんな不合理 な計算で、1回分の1缶なのに25単位になっちゃうと。これで30%後発品を上げようと思 ったら、エンシュア1缶に対して何個後発品に変えなければいけないかということで、受 けていただけなくなる可能性というのは経営上やむを得なく出てくるということは我々は 否定できないので、そこのルールをちゃんと変えてこの数量計算に耐えうるもともとの設 定にしてくださいということが、併せて必要だということをさっき三浦委員がおっしゃっ たので、代わってもう一回ちょっと御説明いたしましたけれども、そういうことがあると いうことだと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。理解が大変進みました。  事務局、何かありますか。 ○磯部薬剤管理官  今の安達委員の御意見に関しまして、確かに安達委員おっしゃるように、例えばエンシ ュア・リキッドも缶で出るわけですけれども、薬価のつけ方が10ml当たりで、数量ベース は薬価比較単位でございますと、分母がふえてしまってそういうことが起こると。これに ついては私どもは数量ベースを導入する際の問題点であろうと思っております。それにつ いて薬価の規格単位を直すという方法もあるんですが、これはメーカーとの協議もござい ますし、メーカーのほうのコストもかけてしまうこともございますので、すぐさまできる かどうかというところはございます。数量ベースはそういう問題があるのは事実でござい ますが、例えば非常に影響度が大きくて、逆に薬局のほうでこれを入れることによって、 いわゆる在宅対応の医薬品でございますので、例えばそういったことを最小限度除外する ようなことを含めて補正するというようなこともひとつ検討課題かと思っております。  どちらにしても、どの指標を使うにしても一長一短ございまして、数量ベースとか金額 ベース、それから、今の処方せんベースといろいろオプションはあるんですけれども、例 えば金額ベースの場合ですと、どちらかというと高めの後発に使ったほうが大きく出ます ので、なるべく安い後発に使っていただくほうがいいわけですが、高めの後発に使ったほ うがいいということもございます。それでも指標としてある程度なじんでいれば、それで もいいことはいいんですけれども、どの指標でも一長一短ございますので、国の目標にな るべく近いほうがいいという1号側の御意見がございましたけれども、実際に導入する際 には、今の安達委員のお話にあった一部補正と言いますか、調整をする必要があるだろう とは私どもは思っているところでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと論点がずれるかもしれませんが、ジェネリックの審査なんですけれども、今と いうか、現在、世界の死亡原因の1番が血管病なんですよ。もうがんではなくなったんで すね。感染症でもなくなった、アフリカを入れても。その中で一番大事なのが血圧のコン トロールが一番大きいんですけれども、ジェネリックを使うと血圧が下がらないというこ とが起きていて、実際に循環代謝学会などで調べた結果では、これは国民の健康にかかわ るので、私言うか言わないかすごく迷っていたんですけれども、血圧の薬を飲んでいると 言いながら、3割しか血圧がコントロールされていないんです、日本は。  今、処方せんから何から医療費をかけているにもかかわらず、インフレンスが出てない んですよ。この前も聞いたんです、国立医薬品・食品衛生研究所で、例えば血圧の薬、カ ルシウムブロッカー1つに対して10とか20あるはずです、ジェネリックがね。それの血中 濃度は調べているんだけれども、薬効まで調べているんですか。要するに同じ成分だと言 ったって、剤形が違えばインターロイキン6がいっぱい出るんだよ、違うのが入れば、体 の中に。僕はそれがすごく不安なんですよ。患者さんの立場に立って。  血圧が一番大事なので、ほかの、今のエンシュア・リキッドもいいんです、あれは多分 お砂糖だから大丈夫だと思いますけれども、血圧の薬はそうはいかない。命にかかわるこ とで、死亡原因の1番ですから。どういうふうな検査の内容にしているのか。前回、学会 発表とか書いてありますけれども、この内容を一度中医協に提示していただけませんか。  会長、すみません、大事なことだったので、ずれているんですけれども。 ○遠藤小委員長  従来からジェネリックの審査の方法という形で説明はあったわけですけれども、事務局、 今の話で何かコメントありますか。 ○磯部薬剤管理官  今のお話で、ジェネリック品質情報検討会、国立医薬品・食品衛生研究所がやっている 内容については、その資料も結果も全部、金曜日の基本小委でお出ししたようにホームペ ージに出ておりますので、それをコピーしてお配りすることは可能でございますので、必 要であれば次の……、ジェネリックの議論をする時がよろしいかと思いますので、その時 にお出しすることは可能でございます。  その中でやっておりますのは、嘉山委員のお話のように、いわゆる臨床試験と言います か、患者を使って実際に血圧がどのくらい降下したかとか、そういった臨床試験をやって いるわけではございません。薬物動態を見たり、品質面で純度の試験をやったり、溶脂性 試験を見たり、こういうことでございます。何でそういうことをやっているかと言います と、基本的に欧米も皆そうなんですが、ジェネリックの問題については先発医薬品のデー タを活用できるかどうかということで、製剤学的に同等性が言えれば、先発医薬品のデー タはすべて活用できると。  言ってみれば、ブリッジング・スタディのようなものでございます。嘉山先生よくご存 じだと思うんですが、外国でやった臨床試験データを国内の医療環境でも同じデータを活 用できるかという時にブリッジング・スタディをやりますけれども、あれと同じような考 え方でございまして、先発医薬品と製剤学的に同等性が言えれば、それは考え方としては 先発医薬品が持っていた効果とか副作用のデータはすべて共有できると、そういう発想に 立っているわけです。その発想のサイエンティフィックな考え方については、欧米では既 に共通のものになっているわけでございます。  ですから、ジェネリックで別途患者さんの臨床試験をやることはやってないと、そうい うことをリクワイアメントを出している国はありませんし、また、何か問題があってそう いう臨床試験をやるようなことをやっている欧米の国はございません。ただ、そういった 御指摘もあるので、いろいろな機関でジェネリックと先発医薬品両方で臨床的な効果はど のくらい差があるかということをいろいろなところで研究されているのは私も承知してお りまして、嘉山委員おっしゃるような差があるという発表もございますし、逆に全く差が なかったという発表もございます。  現実に差があるという発表については、例えば品質上の問題がある可能性もありますの で、そういった発表の内容ですとか、論文の内容があれば、先ほど言った国立医薬品・食 品衛生研究所のほうで精査して、どういうことが原因として考えられるのかということを 対応をとっていくと、こういうスキームになっているところでございます。 ○嘉山委員  そこが一番大事なところでね。現時点ではスニップスを調べて、各民族間、あるいは個 人個人の差まで薬効が違うというふうに言われている時代なのに、「べき論」でやっては いけないんですよ、医療というのは自然現象だから。そういうふうな取り決めがあるのは いいんですけれども、幾らファーモカンチクスで血中濃度が同じでも、剤形が違えば薬効 は違うのがあるので、そういう報告があるのであれば、社会に出していますか。このジェ ネリックは効果がないというような。 ○磯部薬剤管理官  効果がないとまで言っているものはありませんけれども、もう一度試験をやり直したほ うがいいのではないかということ。例えば、イトラコナゾールというような薬がございま すが、これは非常に吸収性が悪い薬なんですけれども、同一プロトコールでもう一度同等 性試験をやったほうがいいのではないかということで、今現在試験をやっているところだ と思います。  ですから、先ほど言ったように、薬物動態が、例えば血中濃度が同じであれば効果は同 じはずだということは、基本的にはこのウンヨウはそうだと思いまして。そうじゃないと、 TDMがあまり意味がなくなってしまいますので。このジェネリックの評価をどうするか ということについての世界的な現時点での常識は、薬物動態をきちっとみれば同等が必ず 言えるはずだということがサイエンティフィックなベースに立っているということでござ います。 ○嘉山委員  いや、そんなことは全然ないですよ。 ○磯部薬剤管理官  いやいや、全くそうなんです。 ○嘉山委員  いや、そうじゃないよ。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、あの……。 ○嘉山委員  先生ね、これは患者のためのこと……。 ○遠藤小委員長  おっしゃることはよく分かります。同じような議論は過去中医協でも行われました。そ こで、ジェネリックの効果について問題があるというような趣旨で書かれている論文を、 過去何年間かにわたって集めまして、ここでそれを整理して公表していただいて、どうい う理由でそうであったのかということ、そういう、現在どういうふうに改良されているか みたいなことを一度ここで議論しています。したがって、その種の嘉山委員のおっしゃっ ていることは、かつてかなりここでも議論になりまして、また承認の仕方についても、基 本的にはユニバーサルな方法を使っているということで、一応我々は納得しているという ところなわけです。 ○嘉山委員  会長ね、私は脳外科だから、脳出血を起こしてくる患者が血圧の薬を飲んでいらっしゃ るんですよ。家族が飲んでいると言っていて、ふだん血圧が下がってないんですよ。だか ら、現場からの声として。現実にデータを出せますから。そのことで、今までにユニバー サルだ、原理だと言っても、人間は雑種なのに、サイトカインだって違うのに、それが本 当かどうかというのはまた別ですよ。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、中医協で薬事承認の話をされましても、ある意味で対応ができないわけです が、御意見としてはよく分かります。また問題が出てくるような論文等があれば、一度や りましたので、また同じようにやっていただくということと、それから、中医協委員の中 から従来の承認方法に対して疑義を感じる委員もいたということはしかるべきところへお 伝えいただければと思います。  ありがとうございます。  それでは、本日の小委員会はこれにて終了したいと思います。  次回の日程でございますが。事務局、お願いいたします。 ○佐藤医療課長  11月27日を予定しております。詳細が決定次第、また連絡させていただきます。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  本日はどうもありがとうございました。         【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)