09/11/25  第35回社会保障審議会医療保険部会議事録     第35回社会保障審議会医療保険部会 議事次第                   日時:平成21年11月25日(水) 16:00〜18:04                   場所:全国都市会館3階 第1会議室 ○糠谷議長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第35回「医療保険部会」を 開催いたします。委員の皆様には、本日は御多忙の折、お集まりをいただきまして、御礼を 申し上げます。  本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は岩村委員、岩本委員、岡崎委員、神 田委員、山本委員、和田委員より御欠席の連絡をいただいております。  続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたします。神田委員の代 理として岩田参考人の御出席につきまして、御承認いただければと思いますが、いかがでし ょうか。 (「異議なし」と声あり) ○糠谷議長 それでは、そのように取り扱わせていただきます。 (報道関係者退室) ○糠谷議長 それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、平成22年度診療報酬改定の基本方針(案)についてを議題といたします。  これまで3回にわたり、平成22年度診療報酬改定の基本方針に盛り込むべき論点につい て御議論をいただいてまいりましたが、前回申し上げましたとおり、本日はこれまでの議論 を踏まえた基本方針の取りまとめをいたしたいと思っております。  本日の議論にもよりますが、そろそろ予算編成が本格化の時期を迎えることを踏まえます と、本日できれば部会としておおむねの取りまとめができればと考えております。  それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○佐藤課長 医療課長でございます。資料は1という資料を使います。それから、関連しま して参考資料の1として、医療保険部会における各委員の御発言の要旨、それから同様に、 参考資料2としまして、医療部会における各委員の御発言の要旨をつけておりますので、適 宜それらもごらんいただきながらお聞きいただきたいと思います。  資料1でございますけれども、平成22年度の診療報酬改定の基本方針の案ということで 準備をいたしました。まず、構造ですけれども、3部構成からなっておりまして、まず1つ 目が基本的な考え方。それから、ページをめくっていただきますと2ページ目の中ほどから、 その基本的考え方に沿った方針、具体的には2つの重点課題と4つの視点ということ。それ から、3つ目が4ページ目の後段から始まりますけれども、後期高齢者医療の診療報酬につ いてと、こうなっております。  基本的な構造等につきましては、前回、前々回をほぼ踏襲をしておりますが、今般はお気 づきのとおり、第3番目の後期高齢者医療の診療報酬についてという言及があるというとこ ろが今回の特徴であります。  余り量も多くありませんので、ちょっと読み上げをさせていただきたいと思います。まず、 1ですけれども、平成22年度診療報酬改定にかかる基本的考え方、1、基本認識・重点課 題等からです。 (資料1 平成22年度診療報酬改定の基本方針(案)朗読) ○糠谷議長 読み上げだけで、特に補足はないですね。 ○佐藤課長 はい。 ○糠谷議長 ありがとうございました。  それでは、御質問、御意見等ございましたらばお願いをいたします。どなたからでも御自 由にどうぞ。  高原委員。 ○高原委員 前回から参加させていただいております。開業医の高原でございます。  まず、全体のお話の内容からいくと、今回も内容が余り変わりませんので、個々のことは 後で申し上げますけれども、まず一番最初にお尋ねしたいことは、この医療保険部会という のと、それからもう一つ医療部会というのが、平成18年から診療報酬に限ってお話をする という会になったようでございますけれども、同じような内容のことを2つやって、なおか つ中医協の方に提案をするといいながら、中医協の方が先に話が進んでいる。その後からこ の上流のはずの審議会があっているという状況なんですけれども、これはこれからどうなる んでしょうか。  今回は確かにもうすぐ診療報酬改定が始まりますので、時間的に仕方がないということが ございますけれども、この審議会の役は一体何でしょうか。もしこのままいくのであれば、 そして12月の4日でもう終わりであれば、この会の意味は余りないんではないかと思いま す。  特に話の内容はどんどん出てきますけれども、保険者側はとにかく金がないというお話で すし、医療側からいうとそんなことを言っていたら次本当に崩壊するぞという、そこのとこ ろを何とか話をして、次の保険に持っていくのが本体の意味だと思うんですけれども、しか しそういう話は一個もなく、勝手に言って、しようがないので厚労省も並立して意見を書い ていると。これではほとんど意味がなくて、それこそ刷新会議でこの会議自体が仕分けされ てしまうんではないかというような形での危惧を持っております。これから先どうなさるん でしょう。この審議会は12月8日に終わった後、あとまた休眠の状態になるんでしょうか。 まずそこのところを厚労省、それからあと議長にもお尋ねしたいと思います。  もうほとんど意見の羅列ばっかりで、最終的にまとめるのは今日かもしれないんですけれ ども、今までもずっと聞いていると、お話の内容は重複しますし、それから新参者でござい ますけれども、一応前回、前々回の審議録は読んできております。そうすると、全く同じ内 容の発言しかなさっておられない方もいらっしゃいます。その発言を受けて、一歩次に進む のが次の会議だと思うんですけれども、今日の話の内容もほとんどそうですし、それから次 回も恐らくまとめるといいながら、ほとんど期待できないんではないかと思います。いかが でしょうか、厚労省。それからあと議長、それからできれば委員の皆様方からもこういう形 でしたいんだとか、そういう形のことがないと、もう僕は自分の患者さんほっといてここに 来ているんですもんね。丸一日無駄です。  今、医師不足ですので、休診してもだれも先生来ません、こんな会議に来ても。そうする と、うちは無償の診療所で私1人ですので、病院完全にあけてまいります。こういう状況が 一般の開業医の姿でございます。2,700万円の収入云々というのを言う前に、もう少しそこ ら辺のところも考えて、本当に来てよかったか、非常にほかのところから期待されて、いろ んな関連からお話を持ってこられて、いろんなお話聞いてここに出てきました。でも、何に も言う機会ないです。もう初めからある程度まとまったお話で来ておって、とにかく金がな いというのと、何とか金出せという、それだけの話ですもんね。  次のあれを、22年は、今度のはあれかもしれませんけれども、あとの2年間の任期の間 に何をしていくのかということを考えたときに、非常に前回落胆いたしました。厚労省の人、 どうぞお願いいたします、答えを。 ○糠谷議長 それでは、まず事務局からの今の御意見に対するお話をしていただいて、それ から今おっしゃった御意見については、それぞれ委員の皆さん方も、いや、私もそう思うと いう方もおられるかもしれませんし、せっかくの問題提起ですから、もし御意見があったら ば言っていただいて、最後といいますか、それも頭に置いて私の考えを述べさせていただき ます。 ○神田課長 まず、医療保険部会の位置づけでございますけれども、基本的にはこの社会保 障審議会の医療保険部会というのは、医療保険制度ですとか医療保険財政について本来議論 するべき場でございます。あと、その委員今御指摘されました医療部会というのは、主とし て医療提供体制のあり方を議論する場ということでございます。  従来は、その中医協でそういった診療報酬の方針ですとか、点数配分などについてもみん な議論をしておったわけでありますけれども、ある事件をきっかけにいたしまして、中医協 のあり方の改革をするということから、診療報酬の改定の基本的な方針については、これは 医療保険制度を扱う観点から医療保険部会で、またその医療提供体制のあり方を議論する立 場から医療部会で、それぞれ社会保障審議会の担当の部会で議論をしていただいて、その基 本的な方針を中医協の方にお示しをして、これは通常1月の中旬に診療報酬の改定について 大臣名で諮問をいたすことになりますけれども、その際に、この基本方針を踏まえて、中医 協の方で具体的な診療報酬の設定等について検討していただきたいという形で諮問をする ということになっております。  あと、全体の役割分担でいいますと、改定率については、これは内閣が責任を持って決め るということになっております。したがいまして、委員はこの途中で任期ございまして、新 しく御就任いただいたということでございますけれども、前回お示しさせていただいた基本 的な考え方ですとか、重点を置くべき分野というのは、それまで7月、8月に会議がござい まして、基本的にはその委員の方々からいただいたものを中心に、前回取りまとめの視点と いうことで、今日も示させていただいておりますが、基本認識ですとか重点課題、それから 4つの視点ということについて、7月から議論を重ねてきたということで、若干政権交代も ありまして、間があきましたけれども、基本的にはそういう位置づけでございます。  それから、この部会そのものとしては、この診療報酬の改定の基本方針以外に医療保険制 度についての議論をする場でございますので、この後また今日も議題がございますけれども、 各医療保険制度の財政ですとか、あるいは給付のあり方などについてもこの場の重要な議題 であると。今後医療保険制度の改正その他があれば、この場で御議論をいただくべき問題だ というふうに考えております。  それから、中医協の方で先行しているではないかということでありますけれども、中医協 はその点数の配分をするという立場から、重要な課題について先行をして議論をしておきま せんと、具体的に1月に諮問があった段階で、初めて個別のテーマについて議論をしたとい うことでは、個々のテーマについての点数配分等についての議論が不十分になるということ で、それはその早い段階からテーマを取り上げて、先行して議論をされているというふうに 認識をいたしております。 ○糠谷議長 ちょっとお待ちください。こればっかりを今日議論をすると、これは大議論で 時間が恐らくたくさんあっても足りないぐらいと思いますので、委員の皆様でやっぱりいや、 私もそうだとか、いやというようなことで、特に御発言をしておいた方がという方がおられ れば言っていただきまして、その後私やります。  それでは、どうぞ。 ○大谷委員 私も高原先生と全く同感でして、前回本当に初めて出させていただきましたが、 患者の代表ということでということでお声がけをいただいたので言わせていただきました し、医療の中で患者がいないという医療は存在しませんので、これは本当にすごく責任を負 わされ、そしてすごい重責だと思って参りました。しかし、その後いろいろメディアのイン タビューも受けましたが、私正直に言いました。もう二度と行きたくないと思うぐらいの、 本当に何のために1日使ったんだと思うぐらいの、がっくりいたしました。  でも、今日また心新たにして来ましたのは、いや、そういうことで怒っていて逃げても仕 方がないと思いましたので、本当にもっと建設的に、そして意見を言いっ放しで終わるんで あればメールで十分だと思いますし、もっとこう、ではこう言えばこうなっていくだろうと、 だれかの意見があったり、ではここがこうだろうというのが全くない会議というのは実は初 めて出ましたので、今後もこうなっていくのであれば、この何日かの間に卵巣がんの患者さ ん、腎臓がんの患者さん、あちこちからいろんな情報が送られてきて、これも言ってくれ、 あれも言ってくれと来ているんです。これは私返事できないんです。こんなふうに期待され るんだったら、私も困りますし、自分が反対の立場だったらきっとやるだろうし、だからこ う負わされている以上は受けざるを得ません。  でも、これ以上何も建設費のことがなければ、社会に向かって済みません、患者の代表で 行っておりますが、何の役にも立ちませんので、一切これから卵巣がんの人も腎臓がんの人 も言ってこないでくださいというぐらいに言っていかないと、私としても責任は負えないと、 そう思いました。 ○糠谷議長 今の御意見も承りました。  それで、特にせっかくの問題提起ですから、この際という方は。特によろしゅうございま すか。  どうぞ、それでは。 ○藤原委員 藤原です。今回政権交代という、ある意味ではちょっと特殊なことがあって、 中医協の議論が先行しているように見えますけれども、基本的にはある部分では先行すると ころがあってもやむを得ないと。ただ、それはここで基本方針とか、あるいは骨格をきちっ と決めていただいて、それをまた中医協で反映すればいいんではないかという意味であって、 私も長く委員をしているということではないんですけれども、多少の前後はあったにせよ、 これまでの議論といいますか、ここの中の議論をある程度まとめて、あとそれが中医協に反 映されていくと。  中医協でもこのことについては私一度質問したことがあるんですが、それは中医協の方か らもっと積極的に上の社会保障審議会で提言することはできないかという趣旨のものでし たけれども、ここの議論がやはり一番重いんだというような考え方の中で中医協は動いてい ると私は認識しております。確かに政権交代ということがあり、混乱しているところもあり ますけれども、それはそれで踏まえていかなければいけないという、やむを得ない状況では なかったかと思います。 ○糠谷議長 それでは、対馬委員どうぞ。 ○対馬委員 私も中医協の委員を6年間やっていましたので申し上げますけれども、やはり ここで議論されていることは非常に抽象的で、今大谷委員の方から言われたように、具体的 な形で患者さんのことを、例えばこういう疾病にというのはちょっと胡乱のような議論に思 えるかもしれませんけれども、中医協はここで決めた診療報酬改定の基本方針に示された視 点、カテゴリーごとに議論を詰めていって、最終的な形に仕上げるということですから、や はりここでの議論というのは非常に重要だというふうに思うんですね。  それで、各委員が全員一致すればそれにこしたことはないですけれども、やはりいろいろ な立場、意見があるわけですから、そこはやはり各々の役割分担の中で、ここできちっとま とめて、更に中医協で掘り下げていって、最終的には点数まで固めていくと。各々の役割が 非常に重要だろうというふうに思います。 ○糠谷議長 ありがとうございました。  今日は本来の議題がございますので、とりあえず皆様方の御意見、特におありの方の御発 言をいただきましたが、私の感想といいますか、考えておりますのは、やはり今対馬委員も おっしゃいましたし、もう1人の方もおっしゃいましたけれども、やはり医療保険部会の役 割は、基本的な考え方、方向を提示をすると。それで、中医協の方で具体的な議論が行われ る。今年の場合、若干そこの前後でどうだったのかという御議論はあるいはあるのかもしれ ませんけれども、考え方としてはそういう整理でやっているのではないかと思うんですね。  それで、実際私経済企画庁という役所の出身で、経済審議会という、格だけは物すごく高 い審議会ですけれども、総論をやる経済運営の基本的な方向、中長期の方向を示すというん で、その担当も何度かやりましたけれども、そういう議論をしていって、実際のあれとどう なんだという議論はやはりよくあったんです。ただ、やはり総論といいますか、枠組みとい いますか、それがしっかりしていないと幾ら各論をやっても、結局はどういうつながりかと いうのがうまくいかないということで、私はやはり総論というのは大事だと思っております ので、若干事柄の前後ということで、御不満といいますか、何となくどういう順序立てなの かなということで御疑問をお持ちになったところもあろうかと思いますが、それにつきまし ては今後私も気をつけたいと思っておりますので、とりあえず今日のところはそういうこと で、本来の議題を進めさせていただければと思いますが、よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○糠谷議長 それでは、そういうことで先ほどの説明に対する御意見等々おありの方、続け ていただければと思います。  どうぞ。 ○横尾委員 全国後期高齢者医療の広域連合の協議会の会長をしています横尾といいます。 都合で今日初めて参加させていただいて、冒頭からなかなか大きな議論だなと思ったところ でございますが、いただいた今の御説明、読み上げていただいたものに関して御質問と意見 を申し上げたいと思います。  まず最初のページでございますが、最初の基本認識、重点課題のところで、最初の2行が ありますけれども、文章でいいますと、「医療を適切に受けられる環境を整備するために、 ふだんの取り組み」ということになっているのですが、できれば私はここに「国民すべての 自覚とふだんの取り組み」としていただけないかなと思っています。  理由は、勤務医の方や深夜夜勤の勤務医、救急医の方に聞きますと、やはり一般の方がか なり過大な要求をされて、いわゆるモンスターペイシェント、ペアレンツになることがある らしいのです。その際に、「ありがとう」の一言がほとんどなくて、医師は本当にもう心身 ぼろぼろになっているような状況をよく聞いたりいたしますので、やはりこれは一方的なこ とではありません。ドクターがいらっしゃって、ナースがいらっしゃって、サポートするス タッフがいて、初めて病院は機能するわけでありますし、また我々も必要なとき、疾病にな ったときに駆け込むわけでありますが、是非国民すべてが問題を自覚をしながらやはり努力 をすべきではないかなということです。精神論かもしれませんが、入れていただくとありが たいと思っています。  2点目は、その次のところなのですけれども、この3行だけの文言だけを読みますと、医 師不足などの課題についていろいろやってきて、それで、診療報酬改定やってきたというこ とですが、このトーンでいきますと、診療報酬改定をしていけば、何とか医師確保できるの かなというふうな期待もあるかもしれませんけれども、現場はなかなかそうではないと思う のです。例えば医師の方及び家族の方の理解が大変必要だと思います。医師が、例えばへき 地や過疎地、離島に行きたいと思っても、家族がなかなか御理解が難しいところがあるとも 思います。そういったときに、やはり崇高な使命ですとか、そういったことも御理解をいた だきながら、そういった医師不足のところに力を尽くしていかなければなりません。またそ ういったところに行かれて努力いただいている医師の方の話を聞きますと、例えば研修に行 く機会もないということがあるわけです。たった1人、先ほど高原先生からお話がありまし たけれども、動くことすらままならない、しかし、最先端の医療についての学びは必要であ ると。ですから、最近ではネットを使って研修ができるシステムとかも出てきておりますけ れども、そういったものもサポートしながら対策をしていかなければならない。だから、単 純に診療報酬は勿論重要なのですけれども、それ以外のこともありますよということは是非 発信をしていただく必要があるのではないかと感じています。  あと細かいこともあるのですが、ちょっと大きいところだけ言いますと、あと最後のほう で、後期高齢者医療のところであります。是非説明いただきたいのですが、4ページ目、丸 が2つあります。前半の方はわからないでもないのですけれども、「必ずしも活用が進んで いない実態等も明らかになった」ということはどういった意味なのか少し解説いただくとあ りがたいと思っています。  そして後段でありますが、やや二律背反のように聞こえる部分があります。簡単に読みま すと、診療報酬体系については、先行して廃止する。でも、具体的な報酬の設定を検討する ことを今後すべきですよと書いてあるのです。これは、どういうメッセージなのか、どうい うスタンスなのか、そこら辺を明確にしていただいた方が、関係する専門の方々や関係の団 体も力も尽くせるし、協力もしやすいのではないかと感じます。多分補足があると思います ので、説明いただくとありがたいと思います。 以上です。 ○佐藤課長 医療課長でございます。2つ質問をいただきまして、まず最初の話ですが、も うポイントだけお答えしますと、必ずしも活用が進んでいないというのは、要するに診療報 酬でいうならば算定をされていないということです。具体的には例えば後期高齢者診療料み たいなものの算定が進んでいない。これは実際に診療所の先生方にこの診療報酬の項目が十 分に御理解いただけなかった面もあるだろうと思っておりますが、そうしたことで算定され ていないという意味です。  それから、2つ目は具体的な報酬設定を検討と、こう書いてありますが、趣旨や目的は必 ずしも間違っていなかったんだろうということで、前回部会長からもお話がありましたけれ ども、そういうことなので、基本的に廃止としているけれども、名称は勿論のこととして、 項目やその精神まで全部なくしてしまうという意味ではないということですので、今日具体 的にはお話できませんが、例えばで申しますと、年齢を拡大するということもあるかもしれ ないし、あるいは完全に廃止もあるかもしれないし、要件を変えてしまうということもある かもしれませんし、そういう形で現行のように75歳ということに着目をして項目をつくる ということはやめてしまうけれども、その精神は生かしつつ、全年齢に拡大するという幾つ かの方法があるんではないかということで、ちょっと迂遠な言い方ですけれども、こういう 表現としております。 ○糠谷議長 関連でよろしいですか。 ○横尾委員 その関連で2点でございます。  1つは、この「廃止すること」と後半の前段部分に書いてあるのですけれども、これはい つごろを想定されているのかというのが1つ。もう一つは新政権は75歳以上に関する後期 高齢者医療制度については廃止すると明確にマニフェストにうたい、今月末に会議もいよい よ改革検討会でスタートしますので、もう改革が射程に入ってしまっているわけです。そこ で、あえてここに項目として後期高齢者医療の診療報酬ということでやはり書いておくべき なのか、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。 ○佐藤課長 医療課長でございます。いつごろということについて言えば、特段のことがな ければ次期改定、つまり次の4月1日の他の診療報酬の項目もあわせたいわゆる診療報酬改 定の中でやるのが一番スムーズだと思っておりまして、そう考えております。  質問の後半の方にありましたものは、確かに後期高齢者医療制度本体の見直しというのは あるんだと思いますけれども、その全容がはっきりしてくるのには、来年の4月1日よりは まだ先になるだろうという予想でございますので、そういう意味では完全に廃止をして、新 しいスタイルになるのはこちらの方が先だというような意味でございます。 ○糠谷議長 よろしいですか。ほかに。  大谷委員どうぞ。 ○大谷委員 先回なんですけれども、これが一方通行だといったんですけれども、患者の負 担軽減に関して、基本方針の中に1項目入れてほしいと申し上げたんです。これ議事録にも 残っておりますけれども、今2人に1人ががんになる時代で、本当に医療費に苦しめられて いたり、ドラッグ・ラグの問題で苦しめられている患者さんがとても多くて、そのことを患 者の負担軽減という項目とか、病院勤務医の負担の軽減という文言があるものですから、そ れと韻を踏むわけではありませんけれども、患者の負担軽減に関して基本方針の中に1項目 入れてほしいと言ったんですけれども、そのときに、その前にグリベック、白血病の患者さ んの一生飲み続けなければならない薬の医療費のことを申し上げたもんですから、それで消 えてしまったかなと思いましたら、ありがたいことに議事録には、ちょっと間違ってはいる んですけれども、白血病に関しては患者の負担が大変重く、高額療養費の特定疾病の追加な どさまざまな要望をしていると私が書いて言ったようになっておりますけれども、これは白 血病に関してはと、すべて一くくりにされてしまったら困るのであって、グリベックという 1つの薬を例に出して言ったことであって、これはちょっと誤解を招くので変えていただき たいと思いましたが、ここから考えて患者の負担軽減という話に持っていったつもりだった んですね。説明も悪かったと思いますが、その基本方針の中に入れられない理由があるのか、 忘れたのか、もしくは今後つくった文章には足していくことはできないのか。  そういう議論が全くなく終わってしまったので、何という会議だと思ったんですけれども、 かといってちゃんと議事録には載っているので、言った証拠は残っているので、ちょっと一 言言わせていただきました。これは今後も患者の負担軽減に関して、基本方針の中に1項目 も入れる余裕、言葉として文言を入れることは未来永劫ないんでしょうか。それから、理由 が何かあるんでしょうか。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○神田課長 今回御議論いただいております議題が診療報酬改定の基本方針ということで ございますので、基本的には診療報酬改定の中で、先ほど申しましたように中医協において、 こういう方針のもとに具体的な診療報酬点数の配分をしてもらいたいという、そういう趣旨 をこれは取りまとめるという考え方で議論をしていただいているというふうに理解をいた しております。  したがいまして、大谷委員がおっしゃったことは議事録にも残っておりますし、我々も問 題意識としては持っておりますので、おっしゃられた意味での患者負担の軽減等については、 また議論する必要があるということであれば、別途議論をする必要があるというふうに考え ています。  この中に、その診療報酬の改定という形で解決をするという形で、中医協に基本的には投 げる、方針の中に入れるというものになじむかどうかということで、この中には今回修正は いたしておりませんけれども、問題意識としては私どももそういう問題があるということ自 体は十分認識をいたしております。 ○大谷委員 ごめんなさい。余り賢くないから理解ができないんだと思うんですけれども、 患者が払うお金とか、診療報酬というものは私たちが払うお金のことですね、最終的には。 それを軽減してほしいという要望は全然的外れなことなんですか。 ○神田課長 御存じのことかとは思いますけれども、診療報酬というのは1つ1つの医療行 為に、基本的には1点、この診療行為をしたら幾らというような形で値づけをすると。その 値づけの仕方について、どのような基本的な考え方でやっていただきたいかということを取 りまとめたのが。 ○大谷委員 だから、それをできる限り、患者さんの負担を軽減をしてほしいという一言ぐ らいは入らないんですか。 ○唐澤審議官 よろしいですか。 ○糠谷議長 はい。 ○唐澤審議官 実は大谷委員の御指摘は非常に重要な御指摘なんですけれども、グリベック のようなお話ですとか、それからあるいは高額療養費がございますね。高額療養費について のもう少し負担軽減の工夫ができないかというような御指摘も実はいろいろございます。ほ かにもいろんな患者さんの負担がある。  それは中医協ではなくて、この部会で御議論して決めていただくことなんです。だから、 これは中医協の方に診療報酬の改定、これやってくださいという、これが重点だよと、ここ に書いてあるものを尊重して個別の点数やりなさいということなんですが、今お話のことは、 この医療保険部会でまさに決めていただくという、そういう事柄なんです。だから、ここで それはこれとは別に、また年末これは会長と御相談していくことになりますけれども、審議 が必要ということであれば更に審議続けるということで、ここで議論をして決めることです。 ○大谷委員 では、今後に期待したいと思います。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○齊藤委員 私経団連ですけれども、基本認識は特にここに書かれているとおりでいいんで すけれども、重点的に取り組む課題という中で2点。  1つは、是非病床数の適正化とか、入院日数の短縮というような課題に引き続き取り組む というようなことは、少し書いていただけないかなと、こういうふうに思います。特にこれ が医療関係者のマンパワーが分散して、勤務医の方々の負担につながっているというふうに 我々考えておりますので、いわゆる病院勤務医の負担の軽減というようなところに少し入ら ないかなと思いますのと、もう一点は同じところなんですけれども、病院、診療所の再診料 の是正格差について、ここに書かれていないんで、この辺はどうかなと。我々としては少し 言及していただいたらと、こういうふうに思います。  以上です。 ○糠谷議長 事務局、何かありますか。 ○神田課長 結構です。御意見を踏まえて。 ○糠谷議長 それでは、御了知ください。ほかに。  それでは、どうぞ。 ○藤原委員 入院日数の短縮というのが、勤務医の負担軽減になると私は思っていません。 短縮が進めば進むほど勤務医の過重労働といいますか、負担がふえてくるんではないかと。 といいますのは、それはもう病気だから予測がつかないところもありますが、それなりの一 定の回転というのは必要だと思います。しかし、回転を早くすればするほど、また病床があ くということにより、経営的な観点が恐らくそこに働いてくるという面があって、そこのと ころはバランスの問題だとは思いますけれども、必ずしも入院日数の短縮が負担軽減になら ないというベースのところは御理解いただきたいと思います。  それから、診療所と病院との配分の問題ですけれども、このことはここでももう何回も申 し上げましたので、あえて言いません。 ○糠谷議長 それでは、対馬委員どうぞ。 ○対馬委員 ちょっと個別の問題で恐縮ですけれども、4ページ目の「(4)効率化余地が あると思われる領域を適正化する視点」ということで、○の1点目はそのとおりなんですけ れども、具体的にということになりますと、○の2点目に医薬品と医療材料を中心にしか書 かれていないんです。やはり医療の本体でも、例えば新技術を開発したことで旧来技術が陳 腐化するといいますか、適正に評価しなくてはいけないということもあれば、診療科の実態、 バランス、こういったことも気になるところがありますので、効率化の余地があるというと ころに入れていただければありがたいと、こういうふうに思います。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○横尾委員 横尾ですけれども、一昨日だったと思いますが、立花隆さん、作家であります が、大変な膀胱がんを患われて、自分の発病からドキュメント的に番組になっていまして、 私自身も市長として市民の健康とか、いろんなことに責任の一端を担うと思って注意をして 見ました。がんの細胞がかくも生命の神秘とかかわり、本当にすごいものだなと思ったので すが、その最後のところで、実は鳥取市にある野の花診療所のことが出ておりました。私は その状況を見ながら、いわゆる看取りに近い、終末期の医療の部分あるいはこの今日の話の 題材になる、本日の基本方針でいいますと2ページ目、3ページにあります急性期後の受け 皿としての有床診療所あるいは有床診療所を含めた地域の医療機関ということで書いてあ るので、配慮があるのかなと思いますが、まさにあのような形で、身近なところでホームド クター的に、あるいはファミリードクター的に存在をしていく、あるいは最終的にその人の 人生とかかわるという意味での、やはり配慮等をしていかないと、これは大きな病院だけと か、専門病院だけではなかなか多分間に合わないのではないかなという危惧を持ちますので、 この部分の記述にはそういったことも含まれていると理解してよろしいのでしょうか。 ○佐藤課長 医療課長でございます。結論から言うと、そういう御理解でよろしいと思いま す。少しだけ補足しておきますと、一時的に有床診療所というのは役割を終えたんではない かと思われた時期があったようです。ところが、この間高齢化が進み、また先ほどから何度 か話題になっていますけれども、急性期病院で平均在日数が短くなっていく。その過程で、 つまり在宅へとか、あるいは慢性期の病棟へ、あるいはもしかすると居住系の介護系施設へ ということがあったとしても、やはり相当に医療の必要度が高い人が病院から退院して、地 域へ出ていかれるというケースがふえているように聞いております。そうした中で、むしろ 有床診療所の役割というものが再クローズアップされてきたんだろうというふうに私ども は理解をしております。  そうした中で、平成18年6月の医療法改正で、従来ありました48時間条項、つまり有床 診療所は基本的には48時間までお預かりをして、それから先は基本的にはよほどのことは ない限り、入院というのは継続しないということだったんですけれども、その条項も廃止を されまして、有床診療所の新たな位置づけが、再スタートしたと思っておりまして、そうい う意味で今の御質問のとおりだと思います。 ○糠谷議長 そのほか。  それでは、樋口委員どうぞ。 ○樋口委員 私も比較的新しいので、いろいろ遠慮をしているところはございます。でも、 1つぐらい何か実現すればと思っておりましたところ、4のところで、医療と介護の機能分 化と連携の推進ということを入れていただけましたことは大変ありがたいと思っておりま す。私はほとんど介護の分野でこうした会議に出てまいりましたが、介護の世界からは医療 というのがとてもよく見えるのです。医療がなければ在宅介護もできない。看護もそうです けれども。  ところが、この部会におきまして、介護というものがあまり語られず見えてこない。特に 地域でこの老いを迎えている人々にとって、もちろん医療は絶対必要なんですけれども、一 方で介護がなかったら現実に在宅でやれっこないんです。  それで、今一番高齢者が今何に悩んでいるか。私どものNPO(高齢社会をよくする女性 の会)で最近、47都道府県からアンケートとった回答の中で多いと思われるのは、ひとり 暮らしや老老介護になってしまっているもので要介護の人が病気になる。そこで通院に困っ てしまっているんです。  今介護保険では、この通院についてヘルパーの仕事は病院の入り口のガラス戸1つ、その 前で終わるんです。ここまでは介護保険、病院へ入ったら医療保険の中で、病院の側が引き 回してくれることになっているんですけれども、診療所でも、少し大きな病院でも、引き受 けて下さっているでしょうか。大きな病院になりましたら、検査を受けて、あっちへ行って 血液検査を受けて、こっちへ行ってCTとって、こっちへ行ってレントゲンとって、小さい 町の中を歩くぐらいのことがかかります。今ここで医療と介護の連携と入れていただきまし たことの中に、ガラス戸の前で戸惑い、ヘルパーはその間空き時間で働くこともできないと いう介護の世界との連携を視野に入れていただきたいと存じます。    以上です。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○高原委員 開業医の高原でございます。  樋口委員が言われた今の問題で、介護と医療が途中でシームレスではかってというのは、 どうも都会の方ではないかと思うんです。同じくかかりつけ医の問題が前の議事録にも書い てありますけれども、よっぽど都会ってかかりつけ医がいないのかと。正直言って今のお話 は、それは大きな病院ではあるかもしれないけれども、1つはやはり介護は中まで入ってく れていますもんね、田舎の方では。  そして、あとかかりつけ医の問題も、かかりつけ医がみんな見ていると。そして、なおか つ最後の在宅末期も見ておりますし、それから田舎では訪問診療というのもちゃんとやって おります。だから、行けない人はこちらから行くと。定期的に見ていくというのが訪問診療 であって、在宅での病診連携、それから診診連携、あるいは介護との連携、そういうあるい は病院の看護師と、それからあと在宅で見ていく訪問看護師の連携、比較的中小都市ではう まくいっているのではないかというのが実感でございます。  ずっとこの話を前から見ていますと、どうも都会のところの問題が非常にしわ寄せになっ て、そっちの方が人数が多いので非常にクローズアップされるんですけれども、意外と田舎 ではうまくいっているんではないか。有償診療所の問題も同じでございます。やはりそこで 大きな病院に行かなくても、そこまで行かなくてもすぐいつでも入れる、あるいはそこでの 診療で事足りるという方たちもいらっしゃいますし、それから皆様方が問題になっている社 会的な意味もありますけれども、やはり有償診療所というのは田舎の方ではすごく役に立っ ているんです。都会で有償診療所がないから有償診療所は必要ないんだという考え方がどう もあるようなあれがあります。  もう少し話をするときに、皆様方も非常にそれぞれの現場にいらっしゃると思うんですけ れども、今度は地域的な差ももう少し見ていただいて、どこでどういう形のことができてい ないのか、もう一回検証していただきたいと思います。救急でもいわゆるたらい回し、本当 はたらい回しではなくて、救急車がとまっていろんなところの病院を探すんですけれども、 それは都会が多いですね。所要期間も、救急車呼んでから病院に入る期間も、実は都会の方 が非常に長いと。そこのところの問題ももう一つ、これから次のいろんな話をするときに、 身の回りのこともあれですけれども、もっと今度は自分の職業、職域とまた別のところで、 地域間というのももう一回頭の中に入れてから、いろんな話をしていただきたいと思います。 ○糠谷議長 承りました。  あといかがでございますか。  どうぞ、紙屋委員。 ○紙屋委員 看護師の紙屋でございます。今回の方針は、私ども看護界が期待していた部分 がざっくりと盛り込まれてきている印象を受けましたが、もう少し中医協の方で詰めた議論 をしていただくために、前回の私の意見に少しつけ加えさせていただきたいと思います。前 回は病院、あるいはいろいろな組織の中で、看護職は最大集団でございますので、この最大 集団である看護職の能力を有効に発揮できるような、さまざまな取り組みを具体的に提案さ せていただきたいと思っておりました。  在院日数が大変短くなり、その中で急性期のベッドサイドでナースが行うリハビリテーシ ョン看護で合併症や廃用症候群の重症化を予防していきたいと思うわけです。在院日数が非 常に短くなったために、急性期から回復期リハビリ病棟に行く患者さんの状態が重症度の高 いまま移行しています。ところが、回復期リハビリ病棟の看護職の配置は、患者さんの生活 支援の看護量が少なくてよいはずだという大前提から配置数が少ないのです。  このため、患者さんはリハビリの効果が低くても、そのまま在宅や地域に押し出されてい ます。具体的な話で恐縮ですが、一例を挙げさせていただきますと、心臓疾患で治療中の 40代の男性が心肺停止になりました。心肺停止による低酸素脳症で、意識障害が長期化(所 謂、植物状態)したこの男性は「治療法がありませんので、帰って下さい」と言われ、回復 期リハビリも受けられず、在宅療養になり、2年が経っていました。  患者さん胃瘻(PEG)で、経管流動食をしているのですが、ここで何が起きたかといい ますと、妻が朝7時に経管流動食を入れて、仕事から帰宅する19時までの12時間をヘルパ ーさんが担当するのですが、胃瘻(PEG)は医療行為なのでヘルパーさんは法律上、操作 してはいけないのです。40歳の男性の身体には12時間、水1滴、入らないという状況が生 じていました。妻から相談でこの実態を知り大変驚きました。  それで、我々看護職がお引き受けして、4週間で経口摂取(口から食べること)を可能に し、おむつを外して、便座に座って、腹圧をかけて排便ができるようにしてあげました。結 果、胃瘻ではなくなったので、ヘルパーさんがお昼御飯を食べさせてあげられることになり ました。このような制度の谷間に落ちてしまう患者さんがいます。また、回復期リハビリ病 棟ではもう生活の支援は少なくていいのだから看護職の配置が少なくてよろしいという大 前提のもとでは、最近の在院日数の短縮化の中で継続医療という所期の目的がほとんど達成 されていないように思います。  つまり、私がお話ししたいのは、2ページ目の、患者さんから見てわかりやすく、納得が できて安心、安全で、高い生活の質というところです。これこそ看護職が十分に担うことの できる部分ですので、是非ここを具体的に評価していただきたいと思います。更に4ページ のところに在宅医療に加えて訪問看護も入れていただけましたので、大変嬉しく思います。 こういう言葉が1つ入るということで、職種のインセンティブも上がりますので、我々看護 職としてはありがたい提案だと思います。ヘルパーさんと看護職の機能分化というところで も、十分に連携とり合って、患者さんの在宅での生活の質の向上に貢献できるよう努力した いと思います。  最後に、3ページの上から3行目のところ、医療クラーク等の配置の促進がありますが、 これも大変重要な提起で、私自身、看護管理を担当していた頃の経験からも言えることです が、看護職あるいは医師が本務に専念するためには、こういう職種がきちんと渉外部分それ からさまざまな書類やレセプト整理などの対応をしていただくと、有資格職が本務に専念で きるわけです。クラーク等の専門職以外の配置を評価するということについても、詰めた議 論をしていただければと思っております。 ○糠谷議長 承りました。  それでは、樋口委員どうぞ。 ○樋口委員 高原委員から御指摘いただきました地域差の問題ですけれども、日本列島は本 当に緯度からいっただけでも非常に広くて、それから100年先に進んでいるところと100年 前がまだ多少生きているところと、非常に地域間格差の大きい列島でございます。でござい ますから、さまざま地域による違いというものを私たちは日本のことを論じているんですか ら、よく見ていかなければならないのは当然と思いますし、特に地方におきまして、開業医 の方々がかかりつけ医として一生懸命取り組まれ、非常にいい実践例があるということは私 もおぼろげながらは承っております。と同時に、今これから高齢化が最も急激にかつ大量に 進んでいくのは、これから20年間でどこかというと、大都市です。  その大都市におけるここ10年間の家族の変化というものに、ずっと目を凝らしていたつ もりの私でさえ、あっと言う間のお一人様の増加、介護保険はもうお一人様仕様にしなけれ ばという声が、これは地方の人からもどんどん出てきている状況に、息を飲んでおります。 それは地方からも出ております。地方でも孤独死もそれなりにふえておりますし、完全に地 域全体が老化していくときに、一体医療や介護、行政はどういうふうにかかわっていくかと いうのは、これはもう大変な大問題だと思っております。私は都会の問題だけで言うつもり などは毛頭ございません。都会と地方と合わせて日本です。地方でうまくいっているものを、 都会に取り寄せるためにはどのような方法があり得るかと。東京とか大都市において行われ ている変化で、なおかつやはり過疎と言われるような地方においても共通する部分は何なの か。全く違うものは何か。そういう風に考えたいと存じます。恐らく手術一つとっても家族 の同意が必要となりますが、具体にはだれに同意をとったらいいのか。地方よりは確かに都 会の方が、そういう場合は非常に難しい。そして、そういう人口がどんどんふえていくとい うことに、私はもう少し医療の世界も日本全体として御配慮いただきたいと思っております。 地域間格差があるのはある意味では当たり前のことだと思っております。 ○横尾委員 もう一点よろしいですか。 ○糠谷議長 はい。 ○横尾委員 済みません。多久市長の横尾でございます。どうしようかと思っていたのです が、やはり言わなければいけないなと感じましたので。  例えばこの一、二年で特定検診や健康関係を高めていこうという動きを、我々自治体も巻 き込んでしているわけでありますが、2ページ目の上から、その丸ぽつのところなのですけ れども、患者の視点に立った場合というくだりです。3行あります。できれば次のようにし ていただくことを検討いただけないかなと感じました。患者や国民の視点に立った場合、 日々の自己健康の維持や質の高い医療をより効率的に受けられるようにすることも求めら れるが、これを実現するためには医療だけでなく、健康を保つ介護や保険を含めた機能分化 と連携を推進していくことが必要である。このため、まずというか、一緒でいいのですが、 突然言うことなので遠慮しているのですけれども、要するにこれは診療報酬ですから、病気 になってからの話でございますけれども、実はできれば病気になりたくないというのが率直 な皆の願いでもありますし、そのためには日々の自己健康管理は極めて重要です。そのこと が高まっていけばいくほど、国民的な課題にもなっている医療財政に関しても改善も図られ るでしょうし、あるいは御家庭単位で見ても、元気な家族の団らんの方がよほどいいわけで す。そういった健康ということをこの際少し発信をしていただいて、今回の改定に生かされ るほどの時間があると思いませんけれども、今後のさまざまな医療制度改革の中の議論の中 に、やはり健康を高めていく、病気になってからの対策も重要だけれども、その前の予防と か日々の管理とか、そういったことを高めていくことも少し色を出していただくと、今後の ためになるのではないかと感じております。 ○糠谷議長 事務局何かありますか。よろしいですね。 ○佐藤課長 特にありませんが、御提案の趣旨を生かしたいと思って聞いておりました。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○大谷委員 今の横尾さんの意見にとても賛成するんですけれども、生活習慣病とか、私た ちの自治体でもとにかく医療費を、先ほどのモンスターペイシェントではありませんけれど も、病気になると更に文句言うんですけれども、みんなが。その前に、例えば絶対自分の責 任でないがんも、白血病とかありますけれども、明らかに自分の生活習慣病から来るがんも あると思うんですね。それで医療費軽減をというのも本当に甚だ矛盾しているとは思ってい ますので、そこら辺の先ほどもちょっと意見を言ってしまったんで、すごいたばこ吸ってい るんですね、そこで。もう受動喫煙するのもやめさせてくれと言ってしまったんですけれど も、そういう生活習慣病に関してとか、喫煙に関してとかも、それを皆さんが考えることで、 医療費全体が長い時間はかかるかもしれませんけれども、すごく長い時間はかかるかもしれ ないけれども、長い目で見たら医療費の軽減になっていって、本当に国を苦しめている医療 費の軽減になっていけばと思いますので、何かそういう提案がこれからできていけたらなと 今横尾さんの話聞いて更に強く思いました。 ○横尾委員 ちょっといいですか。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○横尾委員 たまたまこちらへ来るときに機内で読んだ新聞ですけれども、今日のどこかの 新聞ですけれども、例えば子宮頸がんの方も非常に注目されているし、我々も自治体として 啓発とかしていますが、やはり全然受診率が低いのですね、日本国は。やはり欧米では7割、 8割行ってみんな安心しているということです。また、ワクチンもだんだん出てきて、ヒト パピローマウイルスが原因だということも特定できている。だったら、それをどうするかと いうことも今後の課題ですし、それはもう先々はこの診療報酬改定にも関わってくると思う のです。ですから、健康の保持や維持ということも、大谷委員ですか、おっしゃっていただ いたので、是非今後入れていただければと思います。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○藤原委員 ちょうどいいところを指摘していただいたので、私としてはこの医療と介護の 機能分化と連携の推進を通じて、質が高く、これ平成15年の3月28日に閣議決定された健 康保険法の一部改正の法律というのがあって、その中の診療報酬体系の基本方針が出されて いるんですけれども、そのときに最適の医療という言葉がこの文脈の中にきちっと入ってい るんですね。できたら、私の希望としては最適の医療という言葉を是非入れていただきたい なと思っていますけれども。 ○樋口委員 質問ですけれども、よろしいでしょうか。 ○糠谷議長 はい。 ○樋口委員 今の話に関連して、おっしゃっていることは全部賛成なんですけれども、実は 今介護保険を議論する中で、介護予防という言葉について、先日も大議論になったんですけ れども、「介護予防」、大体こういう言葉がおかしいという声が出ました。病気の予防ならい いけれども、介護という状態を予防するなんていうのはそもそも発想がおかしいと。介護は 悪いことなのか、今日、今皆様がおっしゃったような健康の維持、それはとても大事なのだ けれども、ここから先が保険の問題になってくるんですけれども、介護保険制度の中に介護 予防的なものは余り入れるべきでないという意見もかなり強くあるわけです。つまり介護報 酬の中に予防的なものは余り入れるべきではないと。こういうことは、ヘルス事業として公 費でなすべきではないかというような議論をしてきたところです。医療の世界では、診療報 酬の中にそのヘルスを入れて、そして健康が維持されていけばいいということなんでしょう か。 ○糠谷議長 では、事務局答えてくれますか。 ○神田課長 今の保険の考えで、その国々によっても成り立ちが違いますので、保険的なも のを入れている国もございますけれども、日本の今の健康保険法の中では疾病または負傷に かかったときに、保険医療機関から直接療養の給付という医療サービスを提供しますという ふうに書いてございますので、保険事項というのが疾病と負傷と死亡、出産というふうにな っていまして、死亡と出産というのは葬祭料とか出産育児一時金というのが別途にございま すけれども、今の医療保険の射程にしているのは、病気になったことを保険事項として医療 サービスを提供するというのが今の基本的な考え方になってございます。  ただ、先ほどからございますように、生活習慣病の予防が大事だということで、これは 40歳から74歳までの方については各医療保険者の方でこれを実施することが義務づけられ ているということでございます。したがって、健康保険法本体の保険事項として、やはり疾 病と負傷になっているけれども、生活習慣病を別途の形で、これは主として補助金も一部入 れまして、保険料財源とあわせて今実施をしていただいているということでございます。 ○糠谷議長 よろしゅうございますか。  それでは、どうぞ。 ○岩月委員 今、横尾委員から子宮頸がんのワクチンの話がありましたが、私どもは、薬剤 師ですけれども、いわゆる小児科とか産婦人科の医師の方がそのワクチンの説明をするにも なかなか手間がとれないということもありまして、薬剤師がそういった患者さんに対する啓 発もしていこうということを考えています。勿論これは保険とは全然関係なくて、私どもワ クチンを接種することもできませんので、全くの無償行為でありますけれども、医療等の質 を高めることに関しては、保険の、報酬のいかんにかかわらず、やれることはやるという状 況にあると思います。  その中で、今日はたまたま診療報酬の話でありますので、この部会は、保険にかかわらず 医療全般の活動をしていくためにはどういう診療報酬が必要なのかということを、ここは議 論する場所と理解しています。従って、議論の項目の中に保険の適応の範囲を入れるか入れ ないかということは皆様方の御議論に任せたいと思いますが今後の中医協の議論で行われ る22年改定の中の論点で、例えば、今とにかく医療が疲弊しているので医師を増やすこと が対策になるわけですが、そうかと言ってすぐに医師が大量に間に合うわけでもありません。 今回の議論では、まず不足している勤務医対策として、医師をヘルプできるような看護師や 薬剤師等の医療従事者をふやしましょうということが項目になっていると理解しています。  したがって、私はここに書いてある勤務医の負担軽減に関する重点項目については賛成を したいと思います。その上で、中医協ではこれを具体的にどう評価していただけるのかとい うのをここの部会は、見守っていくべきだと思いますし、それが例えば守れないような議論 の結果であるならば、この部会はもう一度文句を中医協に対して言うべきだろうと思います。 是非そういう観点でここでは議論をしていただいたということであります。その上で確認で すが、こういった診療報酬改定の項目の評価をする場合に、先日の中医協でも議論がありま したが、例えば施設的なものを評価するのか、あるいは職業の能力を評価するのかという議 論がありましたけれども、そういった評価の仕組みについても、もしここでどういう評価の 仕方がいいのかその方向性について是非話し合いをしていただきたいと思います。更に、3 ページのイノベーションのところでありますけれども、医療技術や医薬品等についてのイノ ベーションの項目では、これもいろんな方々が御指摘されておられる未承認薬の問題ですと か、あるいは未承認適応症の問題についても、こういったことが具体的に文字として書かれ ていないんだけれども、大丈夫ですよねということはやはり確認をしておきたいと思います。   ○糠谷議長 どうぞ。 ○見坊委員 いろいろ御議論があるわけでありますが、大谷委員が最初におっしゃったこと は、私実によくわかります。非常に期待して部会に参加して議論しても、なかなか話がかみ 合わないということがあります。私どもも十数年来審議会に参画をしておりますが、医療関 係のこの部会には、最近になって途中から入りました。やっと今回が3回目か4回目という ところですが、いきなりもう診療報酬改定のまとめの段階に入っているということでありま すので、余り余計なことを言って差しさわりがあってはいかんと遠慮しております。  大谷委員がおっしゃったことは、私もかつてそのような経験をいたしまして、もう何の役 にも立たないと思ったことがありました。極端な言い方でありますが、議論の場で、ここは 保険を論ずる場であって、福祉を論ずる場でないというふうに決めつけられまして、私は発 言できない状況に陥ってしまいました。その審議会は老人保健福祉審議会だったんです。し かし、医療やら介護やら福祉、それらは相互の関連が非常に重要であるのに、縦割りで論じ られることが多い。そういうことでありますので、大谷委員、せっかくこういう参画の機会 持たれましたので、是非頑張って、そして発言していただきたいと期待しております。  御議論の中で、医療施設の偏在、都市と地方の違いでお話がありましたが、都市部は非常 に医者も多くて病院も多いように見えるんですが、人口比から見ますと少ないんですね。地 方の方が場合によっては行き届いている。そういう状況があります。そして、介護と医療と が非常に連携しやすい。お互い顔を見て、そして連絡し合う、そういう有利な点もあります。 ですから、都市か地方かという言い方で、余り決めつけないでいただきたい、こう思ってお ります。  医療と介護の関係ですが、私も今90歳になりまして、家内が認知症で要介護3。老老介 護をやっております。やればやるほど介護と医療との緊密な連携といいますか、両者の関係 というのは非常に重要であると切実に感じておりますが、介護保険の部会の方に出たり、こ の医療保険の部会に出たときに、それぞれが縦割りで、余りに議論がない。極端に言います と、介護の方の関係者は医療を排除するような雰囲気さえある。無駄な医療をやっているた めに、それでかえって介護状況が悪くなると、そういうふうな間違った認識が広まっている 点もあるように思います。  樋口委員から繰り返しお話がありましたが、そうした点でこれからの部会の検討、今回は もう無理でありますが、特に事務当局がその担当の部局相互の連携を持って、それぞれの課 題、それから視点、そうしたことを事務レベルで十分に調整しながら、そして両方の意見を 進めるようにお願いしたいと、こう思っております。  今回のこの基本方針、これは最初のまとめとしてはこういう表現になるのは仕方がないん だろうと思っておりますが、前々回も発言いたしましたとおり、もっとわかりやすい、患者 サイドにも理解できるような事例を示して、また議論をして、それを資料にして配付してい ただきたい。高齢者の心身の特性、この表現だけでは、具体的にどういう特性があるのかと いうことになると、わからないんですね。その特性を踏まえて、高齢者に対する診療報酬、 医療のあり方というものが議論されておるというようなことがありますが、私はこの点は非 常に疑問に思っておるところであります。医療は提供する側と受ける側との共同作業、言う までもないところですが、医者の方にも反省するべき点があると思います。最近いろいろ病 気になりましたから、大きな病院あるいは診療所、そういうところに行っておりますが、患 者の顔を見ないで、患者が訴えていることを判断するんですね。画面を見て、検査の結果で 異常がありませんと。そういうことが非常に多い。私のかかりつけ医は画像も重視しますが、 顔色を見て、そして体にさわって、痛いとなるとどういうふうに痛いのか、実際に確認しな がら診断してくれる。それは1回だけでは判断つかないでしょう。2回、3回と見ながら、 観察しながらやらないと。ところが、画像だけ見て判断する医師が非常に多いんです。患者 との共同作業といっておりますが、説明がない、対話がない。訴えておってもそれは問題あ りませんよというふうに片づけてしまう。そういうことが何か多くなっているような感じが しております。そうした点では、患者サイドも勉強しなくてはならないのでしょうが、お医 者さんの方ももっと親切に患者と話し合う、あるいはそういうことの必要性を勉強する場を 設けると、そのようなことが必要ではないかと思います。  中央のこの部会を国民は注目しております。今回は特に患者サイドの委員が2名、3名、 入るようになってまいりました。これから私どもも勉強いたしますが、是非専門家の方々も 単なる財政論議だけではなくて、そういう医療のあり方というものにも目を向けていただき たいと思っています。   ○糠谷議長 ありがとうございました。  確認をしておきたいと思いますけれども、私議事運営をするに当たっては、何かこれはも う議論の範囲でないからだめだどうだと、そういうつもりはありません。勿論全く関係のな い話は別ですけれども、いろんな、これはもう医療の幅を外れているからどうだこうだとい うことで議論を制限するといいますか、そういうつもりはございませんので、そこは自由度 高く御発言をいただければと思います。  それで、まだ後の議題もございますので、もしよろしければ取りまとめというと、またい ろんな議論があったのをまとめてしまうのかという御意見があるかもしれませんけれども、 一応事務局で最終的な文章をつくっていくということになりますので、今日の御議論を伺っ た上で、こういうふうにしていきたいと、こういうことでとりあえずのまとめをさせていた だきたいと思いますが、よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○糠谷議長 本日いただきました御意見等につきましては、もう議論の中でも事務局の方も わかりました、取り入れますというのがほとんどだったと思いますけれども、私事務局と相 談の上、今日お示しをした分に修正を加えていきたいと思っております。また、必要に応じ まして委員の皆様方に御確認をいただくという必要が出てくれば、そういうこともさせてい ただきたいと思います。  それから、また医療部会におきましても、12月3日に診療報酬改定の基本方針の取りま とめの議論が行われるというふうに伺っておりますけれども、今後医療部会との調整が必要 になるということも考えられます。これらの調整も含めまして、最終的な基本方針の文案に ついては、部会長、私に御一任をいただければありがたいと思いますが、いかがでございま しょうか。 (「異議なし」と声あり) ○糠谷議長 よろしゅうございますでしょうか。  それでは、そのように取り扱わせていただきます。  それでは、行政刷新会議からの指摘事項についてを議題といたします。  事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○吉田課長 保険課長でございます。お手元の資料の横紙で、資料の2と3、そして参考資 料の3「行政刷新会議事業仕分け第2ワーキンググループ評価コメント抜粋」と書いたもの、 この3枚を使って御説明をさせていただこうかと思います。  行政刷新会議における御議論の中で、今日御報告を申し上げますのは参考資料の3にござ いますように、去る11月11日に第2ワーキングとしてお取り上げいただきました入院時の 食費、居住費のあり方についてというテーマと、市販類似薬と類似した医薬品についてとい う項目についての評決結果及びそれらに基づく現状説明をさせていただきます。  参考資料の3にございますように、この2つの項目につきましては、それぞれそこに書い てございますようなワーキンググループ、現場においてのコメントがなされたということに なっております。このコメント抜粋につきましては、行政刷新会議の事務局がホームページ において、事務局の責任においてまとめられているもののうち、本日取り上げます2つの項 目の該当部分をこちらの方に転載をさせていただいておりますので、私どもとしてはその事 務局の方で取りまとめられたコメントというものを利用しているということをまず御理解 いただきたいと思います。  その上で、資料の2ということで、まず1つ目のテーマでございます、入院時の食費、居 住費について御説明を申し上げます。結論を先に、この表の一番下、(4)というところにござ いますように、事業仕分け時の主な指摘事項、評決結果としては、そのワーキングにおいて は「入院時の食費、居住費の見直しについて、見直しを行う」ということが評決の結果であ り、具体的にその下にございますように「一般病床に入院されている方、あるいは療養病床 に現在入院されている65歳未満の方についても調理費、調理員の方々の人件費であります とか、光熱水費である居住費を負担していただくべきではないか」というのが評決結果でご ざいました。  現行制度あるいは現状でございます。その上、(1)のところでごらんいただけますように、 現在の医療保険制度におきましては、まず必要な食費、居住費に提供する額を基準額として、 この2色に塗っております棒グラフ全体の基準額を設定した上で、網かけになってございま す下、標準負担額、患者さんに御負担いただく額を決めた上で、その残り部分を保険から給 付をするという構成、考え方になってございます。  これまで経緯といたしましては、平成6年までは、食事につきましてはすべて医療の一環 ということで保険給付がなされておりましたけれども、食材費につきましては実際に入院さ れている方であっても御負担をいただこうということで、平成6年の制度改正から食材費に ついて負担をいただくことになり、その負担額につきましては、その下にございますこれま で当初1日600円で始まりましたものが、その時々の実際の家計での負担状況に応じまして、 現在1食当たりで260円という水準になっているところでございます。  また、先ほど来医療と介護というお話が出ておりますけれども、介護保険法の議論の中で、 平成17年に介護保険における在宅と施設の間のバランス、あるいは介護保険の対象であり ます方々が一方で公的年金で必要な生活費について給付を受けておられる。その上で、施設 入所の場合に食費あるいは光熱水費のコストが生じているということのバランスをかんが みまして、17年10月から介護保険施設に入っておられる方については、単に食材費だけで はなくて、それにプラスして調理費あるいは光熱水費を御負担いただくようになったという 経緯がございます。  医療保険のサイドでは、介護保険サイドにおけるこのような動きを踏まえて、18年10月 から療養病床に入院されている65歳の方について、調理費及び居住費を負担いただくこと になって現行に至っているということでございます。それを(3)でマトリックスのように整理 をさせていただきました。縦が65歳以上の方、65歳未満の方、そして横に入院されている 方の中でも一般病床に入院されている、いわば急性期を念頭に置いた患者さん方と、療養病 床に入院されている方、この2掛ける2の図の中で、65歳以上の療養病床に入院されてい る方について、その一番右にございます介護保険施設で負担いただいておりますもの、介護 は1日単位、医療は1食単位となってございますが、同額の御負担をいただくように18年 にして、それ以外の療養病床の65歳未満の方、あるいは一般病床に入院されている方々に ついては、現在食材料費相当ということで、260円の御負担をいただいているという現状で ございます。  この上で2点申し上げたいのは、1つは、今65歳以上の療養病床に入院されている方に つきまして、食費で言えば460円の御負担をお願いしておりますが、米印で欄外に書かせて いただいておりますように、難病等の入院医療の必要性の高い方、より実務的には療養病床 において、医療区分が患者さんごとに定められておりますが、その医療区分の2、3という 医療程度が非常に重い方、あるいは中程度以上の方につきましては、この460円という御負 担ではなくて、ほかと同じような食材費料の260円という形の御負担をいただいている。そ ういう意味では、医療の必要性のある、高い方については、現時点においても260円だとい うのが1点。  それと、このマトリックス表にございます全体の負担額においても、例えば所得の低い方 につきましては、それぞれ所得の水準に応じまして御負担額を下げております。例えば今 260円となっております1食当たりの負担につきましても、例えば住民税非課税の方につい て言えば210円、あるいはよりまた所得の低い方につきましては100円という形で、それぞ れ御負担に配慮をさせていただいているのが現状でございます。  このような状況の中で、冒頭申しました(4)にありますように、刷新会議でのワーキングで の御議論は現在こんなふうになっている中、高齢者の方に御負担いただいている水準を若人 の方々についても同様な負担をという議論などがあって、最終的に「見直しを行うべし」と いう評決結果になったと理解をしております。まず1点目につきましては以上でございます。  続けて、2点目について御説明させていただきます。 ○磯部管理官 医療課薬剤管理官でございます。  資料3の方を御説明させていただきたいと思います。今の入院時の食費、居住費と同日に、 同じく行政刷新会議のワーキンググループで議論されたテーマでございます。  1番に書いてございますけれども、ここに市販薬と書いてございます。大衆薬といったり、 一般用薬品といったりも申し上げますけれども、薬局やドラッグストアなどで患者さんが買 われる一般のそういう薬でございます。実際に医療用医薬品として保険の償還の対象になっ ています医療用薬品の中には、その市販薬と同じような成分が含まれているものがございま す。当日の議論の中では、湿布薬ですとかうがい薬ですとか漢方薬、こういったものが例示 をされて指摘がございました。  行政刷新会議ワーキンググループの方ではいわゆる公的医療保険の対象として、こういっ た市販薬と類似した医療用医薬品については、もともとが薬局でも市販されているものと非 常に類似していることもありまして、保険の給付外としてはどうかという論点でございまし て、ここに現行では当然それは治療に必要なものということで、医師が診察をし、処方され て保険の給付の範囲内になっているわけでございますけれども、先ほど申し上げました薬局 で市販されているものと同じような成分があるというものを考えた場合に、見直すべきでは ないかという議論がありまして、最終的にここに、最後に書いてございますけれども、保険 給付の対象外とすべき、ただし、具体的に対象外とする範囲については、今後議論が必要と。 実際にどういう薬を対象にするかについては、いろいろな薬もございますし、どのような方 に御負担がいくかということもございますので、そういった具体的な範囲については十分な 議論が必要というようなことで結論になったわけでございます。  以上でございます。 ○糠谷議長 説明はそれでよろしいですか。  どうぞ。 ○神田課長 現状を申しますと、これはいずれも行政刷新会議のもとに置かれましたワーキ ンググループにおける評価の結果ということでございまして、正式な行政刷新会議そのもの の決定にはまだ至っていないと。現状で申しますとそういうことでございます。  いずれにしろ、その行政刷新会議で正式な決定がされますと、それを踏まえまして予算編 成過程で政府としては具体的に検討するということでございますので、まだ途中であるとい うことだけは御理解をいただきたいというふうに思います。 ○糠谷議長 ただ、こういう形で出た以上は、その行政刷新会議の意見としても、いや、あ れは下部の意見だから、そんなことはないよという話になるようなものでは多分ないでしょ うね。ですから、そのときに厚労省としてどうするかというのはこれからの話だと、こうい うことですか。 ○神田課長 最終的には行政刷新会議でどのような判断がされるかというのはいろんな要 素が勘案されると思いますし、それを踏まえまして予算編成過程で担当省庁と財務省との間 の予算折衝ということになろうかと思いますけれども、当然行政刷新会議の結果を踏まえて、 予算編成は行っていくということになろうかというふうには思っております。 ○糠谷議長 何かこれに関して御意見等。  それでは、高原委員どうぞ。 ○高原委員 高原でございます。ここに出てくる痛みどめ、湿布というのは、結局一番使わ れるのはお年寄りなんですね。御高齢の人たちにまた自己負担をするのかというと、かなり 抵抗があるんではないかと思います。一応それだけでございます。 ○糠谷議長 どうぞ。 ○見坊委員 事業仕分けの報道を見ておりますと、無差別じゅうたん爆撃をやっているよう な感じがいたしまして、これで済むかというと、今度は年末の予算編成で財務省が更に査定 するわけですね。しかし、この成り行きを見ておりまして、国民が意外に高い評価を与えて いるということがありまして、はて、厚生労働省の事務当局はまだ途中段階だから決まった わけではないとおっしゃっているけれども、私はちょっとそれは甘いんではないかなという ような感じがしております。  一体これに対してどういう反論をされたのかということも聞きたいところですが、患者サ イドから見まして、まず食費、居住費の経過なんですが、これは介護保険の方で先に進めて いって、そして重い負担をかけた。そうしたら医療の方が負担が軽いということで、今度は 医療の方を上げる。介護保険と医療保険の間でシーソーゲームやっているような感じがして おるのですが、もともとこの食材料費と調 理員の人件費まで入れての食費の負担というも のには、当時私どもはみんな反対しておったんです。これだけの費用を食事にかけていない ということも示したんですが、結局介護保険のサービスを受けるのにはこれを負担しないと どうにもならんというようなことになって、現在介護保険施設に入所している者は月に5万 1,000円、食費と居住費の負担をしているわけです。これは、私はここで議論してどうにも なるとは必ずしも思ってはおりませんが、一応意見としては再検討していただきたいと思い ます。  それから、薬の問題ですが、これは非常に問題があると思います。結局患者はちょっと風 邪だとか、頭痛だとか、腹痛だとか、そうしたものはその辺のドラッグストアで薬を買って 治しなさいと言わんばかりの方向ですね。しかし、もともとドラッグストアで売っている家 庭常備品の薬品にいたしましても、効能書きを読めば、医師の診断を受けて、相談をして使 えと、こう書いてあるんです。本来はやはり医師の診断と処方によって、薬が投薬されるべ きだと思います。無駄な投薬がされているというのなら、医者の方の処方に問題があるんだ ろうと。患者サイドが自分で薬を要求して、そのとおりに医者が出すとは考えられません。 この点で、事業仕分けは非常に荒っぽいやり方で今回の医療用医薬品というものをやり玉に 上げていますが、これは医療のあり方として納得できないと。そういうことを一応申し上げ ておきます。 ○糠谷議長 ありがとうございました。  どうぞ。 ○藤原委員 先ほど議論の中で、患者負担の軽減を視点に入れてはどうかという意見があっ たぐらいで、この2つともこれは患者負担を強いるもので、反対したいと思います。  まず、最初のこの入院時の食費、居住費の問題ですけれども、現役世代の方々の社会的環 境といいますか、失業率の悪化とか、あるいは非正規雇用の増加という極めて不安定な状況 にある中で、訴えはあるけれども、受診を我慢しているという方がふえてきております。こ れは特に現役世代は国を支えている方々ですので、そういった方々の入院の機会を奪うよう なことになるということも考えられますので、反対します。  それから、このワーキンググループの中の文言を見てみますと、小学校の給食でさえ360 円程度払うとかいうようなことが書いてあるんですけれども、入院の食事というのは、あく までもこれは治療の一環ですし、それと要するに健康な方々と一緒にするのもちょっと筋違 いではないかなと私には思いますけれども。  それから、もう一つの市販品の類似薬の件ですけれども、日本はもともと窓口負担率がも う世界で突出して高いというデータがあります。これを保険から外すということになれば、 更に自己負担がふえるわけで、一層の患者の受診抑制につながることを懸念します。  それから、薬の副作用については、これはもう言うまでもなく、結構危険な薬もあって、 特に使い方によっては高用量で使用されることもあり得るわけですので、こういった面から も非常に問題があると思います。  もう一点は、薬価収載のインセンティブが市販薬という形で外していくと働きにくくなっ て、医薬品の価格が製薬企業により自由に決められると、そういったことも起こってくるん ではないかなと思っております。そうなると、高所得者しか医薬品を買えなくなる、そうい った状況も起こり得る問題であって、このことについてはよく検討していただきたいという か、反対の立場です。  以上です。 ○糠谷議長 それでは、どうぞ。 ○樋口委員 病院の食費、居住費についてですけれど、食費というのは今もご発言がありま したように、治療的目標があるでしょうし、何よりも居住費という言葉に物すごい違和感を 覚えました。病院の病室って居住費なんですか。恐らく特養の1人当たりの多床室の面積と、 病院の多床室ベッドとでは基準面積がかなり違うと思います。それから、特養に関しまして は、居室と、それから娯楽室あるいは食堂、などが分かれている方が当たり前で、一定の基 準があると思います。病院にもあるのだろうとは思いますけれども、一般的に見る限りにお いては、病院はやはり病気のための一時緊急避難所であって、居宅ではないと。そこに居住 費などという言葉は間違っても使っていただきたくないぐらいのことをおっしゃってお返 ししていただきたいと思います。 ○糠谷議長 ほかに、何か。 ○吉田課長 まとめて、では。 ○糠谷議長 いいですか。  それではどうぞ。 ○岩月委員 薬剤師の岩月でありますので、保険適応が外れれば薬局で売れることになるか らこのことに賛成するのではないかと誤解されてはいけないので発言をしておきますけれ ども、勿論この2つとも患者負担の増大につながりますので、これは反対であります。  ただ、その反対とここで言ったことが、どういう形でこの行政刷新会議に伝わるのかとい うことを事務局に確認をしたいと思います。 ○糠谷議長 それでは、事務局。まとめて。 ○神田課長 国会でも事業仕分けの結果について、どのように扱うのかというようなのを質 問、やりとりがされておりますけれども、私どもの大臣も最終的には私が責任を持って判断 をいたしますというふうに答えておりますので、最終的には先ほど申しましたような予算編 成方における折衝ということでありますので、当然政務3役も含めて、政治的な判断も含め て決定されるものというふうに理解をいたしております。 ○糠谷議長 それでは、どうぞ。 ○吉田課長 保険課長です。私の方からは見坊委員をはじめ事実関係で、省はどんな反論を したのかという御指摘がありました。1時間のやりとりですので、端的にちょっと順不同で 申し上げますと、まず1つ目の食費、居住費の関係につきましては、先ほど来御指摘ありま すように、これまで病院における食事というものは治療の一環であるということが基本であ って、これを介護施設と並べて、介護療養の部分についてはバランスということで負担をお 願いしたという経緯はあるけれども、一般病床というところは違うのではないかというのが 1点。  また、2点目にそれを波及して、一般病床の場合の平均在院日数、これなかなか年齢別に 出ませんので、刷新会議の場で申し上げましたのは、一般病床の平均在院日数は19日、療 養病床の平均在院日数は177日ということで、それ1つとってみても病態像といいましょう か、入っておられる方の状況というのは違うのではないかということを申し上げました。  それと、負担増ということで、私どもとしてもこれまで窓口負担という形での御負担をお 願いした中でのさらなる負担増だということは申し上げたところでございます。 ○横尾委員 関連でいいですか。 ○糠谷議長 それでは、時間もあれですので簡単にお願いします。 ○横尾委員 横尾です。参考資料3のコメント抜粋ですけれども、2項目めにある給食でさ え360円程度の材料費が必要ということですが、仕分け会議ではこれに反論はされていない のですね。実はその後のくだりの、調理コスト、人件費、その他がかかっている。給食でも 実はそれらの費用がかかっていて、それは別途自治体が負担したり、いろんな形もあります し、360円ではない、もっと安いところもありますから、そういうところはちゃんと説明さ れなかったのですか。 ○吉田課長 まず事実関係から言うと、そこの部分については言われっ放しという形であり まして、幾つかおっしゃったのに対して、そこの点に関しての反論はしてございません。  ただ、いろいろと申し上げましたけれども、この刷新会議の参考資料にございますコメン トにありますように、ワーキンググループの場における御議論は、多くが勿論厳しい中であ っても、やはり食費の御負担というものをある程度お願いせざるを得ないのではないかとい う御議論が非常に多かったということは、その場にいた当事者として実感をした次第でござ います。 ○磯部管理官 済みません。資料3の市販薬と類似した医療用医薬品の方で、先ほど食費、 居住費についての当省の説明についてお話がありましたけれども、この点についても少し補 足をしたいと思います。  この点については、先ほど簡単に申し上げましたけれども、薬によって負担される方がい ろいろ異なってくるということで、先ほどお話申し上げましたが、例えば湿布薬のケースで すと、特にお年寄りの方が非常に実際に処方されているということでございますので、特に お年寄りでも女性の方が多いんですけれども、そういう方々の御負担がふえ、どの程度ふえ るのかということをよくよく精査をして、どのレベルになるのかというのを見きわめないと なかなか簡単に判断できるものではないでしょうと。漢方薬についても、これは中高年の女 性がかなりお使いになっておられまして、不定愁訴ですとか、更年期障害ですとか、そうい った場合にお使いになっているケースが多くて、私どもが申し上げたのは薬によって市販薬 類似品と十把一からげでいいますけれども、薬によっていろいろな方々がいろいろな目的で 実際に医師が診察された処方されておりますので、どの程度の負担がどういう方々にいくの か、そういうことを精査をした上で慎重に考えなければいけない問題ではないかということ をるる申し上げた次第でございます。 ○糠谷議長 ありがとうございました。  それでは、よろしければ本議題につきましてはこれまでとさせていただきたいと思います。  今後行政刷新会議における議論も踏まえて、政府において予算編成過程において検討され ることになると伺っております。必要な場合にはこの部会にもそれを御報告をいただければ と思います。  最後に、議題のその他といたしまして、小林委員、対馬委員、柴田委員より資料が提出さ れておりますので、それぞれ御説明をお願いをいたします。  時間の関係もございますので、簡潔にお願いしたいと思いますが、まず小林委員から、そ れでは。 ○小林委員 全国健康保険協会、協会けんぽの小林でございます。  前回の医療保険部会におきまして、22年度の保険料率の見通しについて御説明させてい ただいておりますが、そのときに、足元の保険料収入が悪化しており、22年度の保険料率 については、近く精査した上で見通しの修正を公表予定であると御説明申し上げました。  お手元の資料4の真ん中より少し上の1つ目の丸のアンダーラインを引いております箇 所に記載しておりますとおり、保険料率については、現在平均保険料率が8.2%であります が、前回の医療保険部会では9.5%に引き上げる必要があると。大変大幅な引き上げの必要 があると御説明申し上げましたが、これを更に9.9%に引き上げないと財政を維持できない 見通しになったという旨、17日の日に発表をしております。  このような料率を大幅に引き上げざるを得ない見通しとなったことを受けまして、既に 10月の初めに厚生労働大臣に要請をいたしておりましたが、現在の健康保険法上の暫定補 助率、これは13%でありますが、本則上の補助率に戻して16.4%ないしは20%に改定して ほしいという旨、再度厚生労働大臣に要請いたしました。この9.9%という保険料率は、真 ん中より下のグラフにありますとおり、今年度、単年度の収支は6,000億円の赤字、準備金 は4,500億円の赤字ということになりまして、来年度中にこれを返済し、かつ来年度中に単 年度収支を均衡させるということになりますと、保険料率が、暫定補助率13%を前提とし た数字で9.9%、真ん中の本則16.4%にしたときには9.7%、それから20%に引き上げても らったときには9.4%ということで、いずれにしろ大変厳しい財政状況になっております。  背景を簡単に御説明させていただきたいと思います。次のページ2の上の(1)にありま すとおり、協会けんぽの保険財政上の赤字、これは平成15年度、これを1とした場合、医 療費というか保険給付費はずっと上昇し続けている。その一方で、保険料収入というのはそ のときと殆ど変わっていない。むしろ21年度は15年度より下がっているということで、言 ってみれば構造的な問題であって、一時的な問題ではないということであります。  その上で、今般保険料率にかかる見通しを修正した理由、2ページ目の(2)の下ですが、 これも前回御説明申し上げましたけれども、保険料収入、中小企業の加入者は従来ですと8 月、9月は標準報酬月額は上がっているというのが例年のパターンですが、今年度について は経済の悪化を受けまして、8月も9月も賃金が下がっている。  それから、修正した理由の第2は、これは3ページ目の(3)にございますが、今年度に ついては例年になく秋以降のインフルエンザが大流行しているという、こういった要因であ ります。  (4)のとおり、18年度には準備金が約5,000億円あったわけですが、19年度以降につ いては、これを取り崩しながら運営してきている状況でありまして、これも枯渇し、今年度 中には4,500億円の借入れをしなければいけない、こういった状況に直面しているというこ とでございます。  以上でございます。 ○糠谷議長 ありがとうございました。  それでは、次に対馬委員、お願いします。 ○対馬委員 健保連の対馬です。簡単に御説明いたします。  今、協会けんぽの方からお話がございましたけれども、我が方もそれ以上の厳しさになっ てございます。委員の皆様方には色つきの資料が配られていますので見やすいかというふう に思うんですけれども、右上に経常収支の状況がございます。平成21年度は6,150億円の 赤字ということですけれども、財政規模が大体6兆円ですから、赤字率が大体1割ぐらいと いうことです。  ただ、直近の状況、先ほどお話ございましたけれども、健保組合の方も大変厳しゅうござ いまして、保険料収入が大体1,300億から1,500億円ぐらい収入減になるというのが今現在 の見通しです。ですから、単純にその分を足しますと七千数百億円の赤字と、こういう状況 でございます。  時間がありませんので、るる説明しませんけれども、納付金・支援金、これが大変な比率 でございます。左側の真ん中あたり、私どもが被保険者の皆様方からいただいている保険料 のうち、45%が納付金・支援金に持っていかれると、こういった状況です。ですから、1,484 の健保組合のうち約3分の1の組合が50%を超える、つまり現役世代のためではなくて、 高齢者等々のための支出が半分以上を占める組合が3分の1ぐらいあると、こういった状況 であります。  また、11月19日、全国大会を国際フォーラムで行いまして、こういった決議をしたとこ ろであります。私どもも協会けんぽ以上に厳しいと、こういった状況でございます。  ありがとうございました。 ○糠谷議長 それでは、柴田委員、お願いします。 ○柴田委員 資料の6をごらんいただきたいと思います。時間がないんで、簡単に申し上げ ようと思います。  資料の6の下の表を見ていただきますと、これは市町村国保の収支状況の経年変化でござ います。今一番新しいのが、間もなく20年度出ると思います。まだ19年度までしかちゃん と出ていませんので、19年度で見ますと単年度の収支差引額、これは国庫負担の精算後の 額でありますけれども、要するに上から5番目ですが、1,290億の赤字だということであり ます。  更に市町村は保険料を上げるのを抑えようということで、いろいろ四苦八苦しておりまし て、赤字補てんを目的とした一般会計繰入金というのを入れているわけです。これは2,600 億ほどあります。ですから、それが仮にないとしますと、赤字の実力というような言葉は悪 いですけれども、3,846億というような形になってございます。非常に財政状況厳しゅうご ざいます。  そういう中で、更に最近の失業者が増加しているということもあります。今の医療保険制 度は、最終的には失業者の方も国民健康保険で支えるという形になっております。ですけれ ども、そういう失業者の方はやはり負担能力ということを考えますと、非常に厳しいものが あるわけですから、保険料の収入という見地からすると、非常に厳しい状況が続いていると いうことがございます。もう上の表は言わずもがなですから今さら申し上げることもないと 思いますけれども、仮に診療報酬の引き上げがあるということになりますと、全体的に患者 負担、公費負担、保険料負担と、これふえていくわけであります。今の国保の厳しい体質の 中でいうと、かなり厳しいということを申し上げざるを得ないということでございます。  それから、この裏のペーパーを見ていただきますと、健保連と同じ日に全国大会をやりま した。これは、今の国保関係者の関心事項が掲げられているわけでありますが、項目4つ目 の診療報酬のことはもう申し上げませんけれども、この3番目の高額医療費の共同事業、保 険基盤安定制度、財政安定化支援事業、これは皆保険者が例えば負担をならすと。高額な医 療費が出たときの負担をならすとか、あるいは保険料の軽減の対象者がふえるということで、 保険料収入が少なくなってきている。そうしますと、全体的に中所得者の負担がふえるとい うようなことがあると。あるいは保険者努力ではどうしようもない要素と。例えば過剰病床 とか、年齢構成要素とか、こういうことに着目しまして地方財政措置をするということにな っているわけですが、これが今年度で切れるということでありますので、関係者は是非これ を継続してほしいと。継続されないと、要するに保険料負担にまたはねるということがあり ます。これも国保の厳しい状況の中での関係者の切なる願いだということでございます。  お願いでありますけれども、このような暫定措置というのは制度の問題でもありますから、 できれば国保の問題もこの場で御議論をいただければというふうに思っております。  以上でございます。 ○糠谷部会長 ありがとうございました。もう時間がほぼ18時に近づいておりますが、特 にどうしてもという方がございましたらお受けいたします。  どうぞ。 ○逢見委員 保険財政が非常に厳しいという報告がございまして、私も協会けんぽの中で運 営委員をやっていて、先週、この保険料率の見直しが9.5から9.9に修正されたというのを 見て大変ショックを受けたんですが、この保険制度の安定的な運営のためには、ある意味、 保険料率の引き上げというのは避けられないと思いますが、ただ、このまま9.9というよう なことをやろうとすると、今の家計の状況から言って、特に中小企業の従業員を中心とした 制度を変えると、大変大きな負担を強いることになる。  協会けんぽの中でも議論をしているのは、できるだけ保険料率の引き上げの幅を圧縮する ために、1つは国庫補助率、暫定を本則に戻すということをお願いしなければいけないし、 それから、中期的な財政見通しの中で、単年度で問題を解消するということではなくて、中 期的な見通しの中で考えていくということと併せて、財政調整についても論点があって、こ れは前回も議論になりましたけれども、平成19年のときには国庫負担部分を保険者同士で 肩代わりさせるという考え方が出て、これは廃案になったわけですが、広い意味の財政調整 で言えば、後期高齢者の支援金について現行加入者割というふうになっているものを、例え ば総報酬割というふうに変えることによって、財政力の弱いところについて少しそういった 部分の負担の軽減というのはあり得るのではないか。  こういうようないろんな知恵を出さないと、せっかく健保として安定的な運営をするため に政管健保から協会けんぽにしたわけですけれども、それが1年で破綻しかねないという状 況になっておりますので、そういった保険の制度を、安定的に運営するために共通の問題と してどういうことを考えたらいいかということも、是非、検討すべきではないかと思います。 ○糠谷部会長 ありがとうございました。ほかに、特に御発言という方はいらっしゃいます か。  それでは、どうぞ。 ○岩田参考人 済みません、神田委員の代理でございます。  地方から一言、柴田委員の追加でございますが、先ほどの財政措置、4年間で1,000億円 の市町村に対する地方財政措置が今年度で切れるものですから、それは全国知事会としても 国に対して強く要望をしたいと思います。  以上でございます。 ○糠谷部会長 わかりました。  大体、よろしゅうございますか。もしよろしければ、予定の時間を少し過ぎておりますの で、本日はこれまでとさせていただきます。  次回は、12月4日14時からの開催を予定しております。場所につきましては追って事務 局より御連絡を申し上げます。  本日は御多忙の折、お集まりをいただきましてありがとうございました。これにて散会と いたします。  どうもありがとうございました。                                        (了)                             【照会先】                              保険局総務課企画調査係                              03-5253-1111                              (内線3218)