09/11/18 第148回中央社会保健医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/11/18 中央社会保険医療協議会          第148回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年11月18日(水)10:40〜12:41 (2)場所  はあといん乃木坂 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員       高橋健二委員(代理 清水)伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員       邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <参考人>       吉田英機医療技術評価分科会長       <事務局>       唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 医療技術の評価について       ○ リハビリテーションについて       ○ 医療安全に関する体制について       ○ その他 (5)議事内容 ○遠藤小委員長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第148回中央社会保険医療協議会診 療報酬基本問題小委員会を開催いたします。  まず、本日の出席状況ですけれども、本日は高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保 さんがお見えになっておられます。また、保険局長は公務のため欠席との連絡を受けてお ります。  それでは議事に移りますが、その前に一言なんですけれども前回の基本小委などもそう でありましたけれども、我々大変短い時間の中で診療報酬を決定していかないといけない という状況にあるわけでありますので、できるだけ効率的に議事を進めていきたいと思っ ております。  その中で直接診療報酬とは関係のないようなお話であっても、診療報酬を考える上では 必要だと思われるようなお話をされた場合に私はあえてお話をとめないできております。 しかし、余りに関係ないような話、あるいは事務局に対する質問も保険局医療課に聞いて もとても答えられないような話、そういうようなことはちょっと控えていただいて、ぜひ 議事運営の効率化のために御協力をいただきたいと思います。決して言論を抑制するとい う意味合いではありませんけれども、その辺の御配慮をいただければなと思っております のでよろしくお願いいたします。  それでは、早速議事に移ります。まずは、「医療技術の評価について」を議題といたし ます。  本日は、医療技術評価分科会の吉田分科会長に御出席をいただいておりますので、吉田 分科会長から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○吉田分科会長  よろしくお願いします。  分科会で基本問題小委員会から委託されまして今回も医療技術の評価をしろということ で、今年の3月ぐらいから準備を始めました。6月中旬ぐらいに各学会から出ます提案書 を締め切って、9月にかけてワーキンググループで検討いたしました。メンバーが変わり ましたので、ワーキンググループの選んだ背景についてちょっと説明いたします。  実は平成15年にこの分科会ができまして、厚労省のほうからワーキングとして専門医 として各大学の教授を集めろと言ったんですが、医学と保険診療は全然違うんですね。最 も保険診療を分かっていないのが医学部の教授ですので、それはまずいだろうということ で、実は私はたまたま審査委員会の委員長をやっていましたので、毎回毎回審査員の中に 平等に見る人、不平等の人、よく分かるんですね。それで、東京を中心にして審査員経験 者で各大学の講師以上あるいは大病院の医長以上の人を集めまして、それから予算があり ますので、遠方から来ますと旅費がかかっちゃうというんで、できるだけ東京近辺で東京 だけですと偏在しますので、東京近辺の神奈川、それから埼玉、千葉の審査員を中心にし て集めました。  それで、この審査員は各医療機関のよしあしもよく分かっていますので、それから医学 と保険医療は違うということをよく分かっていますので、ちょうど適任者ということで選 びました。  このように6つのワーキングをつくりました。1は眼科、耳鼻科、歯科、皮膚科、それ からワーキング2は循環器系の外科・内科、それから救急、麻酔、放射線科です。それか ら、ワーキンググループ3は消化器内科・外科、肝胆膵、それから乳腺、呼吸器外科・内 科、今回新たに在宅医療をここでやれというんでワーキンググループ3に入れてございま す。それから、ワーキング4は泌尿器、産婦人科、小児科、ワーキング5は内分泌、血液 内科あるいは免疫、臨床検査ですね、それから調剤と看護師、それから病理が分離しまし たので病理を入れました。ワーキング6として精神、神経科、それから整形外科、こうい うワーキンググループで検討をしました。  このワーキンググループは時間ありません、皆さん夜集まってもらうんですね。7時か ら10時ぐらいまで毎日集まっていただいて、各専門家が議論を交わして今回の提案書を 検討しました。2枚目にありますように、今回731件ございました。これは重複するの がいっぱいあるんですね。各学会によってはガイフラ、ナイフラに複数入っていますので、 いろんな同じ技術をいろんな学会から出してくるんです。それを整理しますと、731件 が新しい提案書でした。  このワーキンググループで2次評価、要するに分科会に提案してもらいたいというやつ が344件ございました。そのうちの新規の技術が159件、既存の技術で、もう要らな いというやつもございます。要らないというやつを点数が非常に低過ぎるというやつ、そ ういう既存の技術が185件ございました。それで、審査員ですので提案書の中に当然不 自然というやつがけっこうあるんですね。というのはべらぼうに高い点数をつけろとか、 それからこれを保険で運用すると性悪説で悪い医療費が出てくるというよくあるんですね。 そういうものは優先的に審査員をやっていますので分かりますので、それは省きました。 それが304件ございました。  それから基本診療料等、この分科会で言われました検査イコウですので、指導料とか初 診、再診料というやつはこの分科会にはなじみませんので、それは小委員会にお返ししま す。  それから、薬事法上の承認が得られていない技術がいっぱいあるんですね。それは19 件を除外しました。それから、先進医療専門会で導入するやつが19件ございましたので、 それも除外してこの結果になりました。  参考までに前回は提案書が681件ございまして、2次評価に出しましたのが233件、 それから基本診療料とか指導管理料については103件を排除をいたしました。  あと、今後のスケジュールですけれども、今日説明いたしまして明日分科会始めます。 そこで今日言われた御意見を参考にして明日の分科会で検討して、できれば昨年みたいに 1月中旬ぐらいには2次評価を出してこの小委員会へ出したいと思っています。  簡単ですが以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  事務局は何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  ございませんが会長の背中のほうにありますが、それがいただいた資料で今要望書の束 でございまして、こういうものを吉田先生以下やっていただいたという証拠でございます。 ○遠藤小委員長  わかりました。回しますか証拠、よろしいですね。  新しい技術あるいは既存の技術でも保険の適用等々を変えるというような場合には、医 療技術評価分科会を通じて出てきます。新しい技術が保険収載されるには基本的に3つの ルートがあるわけで、一番多くが入ってくるのがこのルートでありまして、申請者は各学 会でこういう新しい技術なので保険評価してほしいと言いますと、分科会の中のワーキン ググループがチェックをして分科会としてまとめてそれを中医協に報告すると、こういう 仕組みになっております。  ほかには先進医療という流れから保険に入ってくるものが若干あるのと、それからもっ と少ないケースですけれども、新しい医療機器の中で新しい技術が必要な場合にはそれが 入ってくるという3つぐらいの系統があるわけでありますけれども、新しい技術が保険に 入ってくるプロセスの中では、これはメインストリームの流れということです。  今年は731の申請があったわけですけれども、ワーキンググループの評価で344に ついては今後保険収載に向けて検討していいだろうと評価されたということで、逆に30 4は[2]の理由でだめだと、ほか[3]、[4]、[5]の理由で省いたと、こういうことです。  去年よりも1次評価で省かれた理由がかなり細かく書かれておるかなという感じがしま す。それから730に対して344がとりあえず2次評価に残っています。去年は681 に対して233残っておりますので、恐らく比率は今年のほうが高いのですかね、それで も半分近くが落ちてしまうというようなことです。それが本日御説明いただいたことです。  はい、邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  質問なんですが、まずあんな膨大なことをよくやっていただいた吉田分科会長に感謝い たします。  以前から思っていたんで、分科会で議論することかどうか分からないんですが、技術と ものの分離なんですね。例えば我々外保連あるいは外科学会も今縫合糸、糸が非常に高く て吸収糸とか血管吻合であれば物すごい細い糸で高い糸とかそういうのがみなあるんです が、技術とものの分離というのは分科会でお決めになるんでしょうか、それとも我々こっ ちで議論するんでしょうか。 ○吉田分科会長  一応、これは毎回その問題出るんですね。前回も外科系から縫合糸の非常に高いやつが 出てくる。それで、外保連に対して保険改定の直前に依頼があったんです。ですから、今 外保連から高い糸の技術を集計しているんですけれども偏っているんですね、形成とか心 臓外科だけ。全科けっこうあるんです。ですので、この会で決まって外保連に命令されま すと今回間に合いませんけれども、次回の改定のときには全科平等に高い糸を使っている 技術を集計させていただきたいと思うんです。  今回間に合いませんので、高い糸については特に医療科長から今回ドクターフィーとい うことで手術点数をあげたい、大学病院とか大病院が疲弊していますので手術点数として 反映してあげたいというので、できるだけ手術に関するものは評価したものですからちょ っと数が多いんです。糸に関してはあと事務局からも話があると思うんですが、毎回乗り ますのでこの場で決めていただいて、分科会では別にあくまで参考ですので、この場で決 めていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  前回の改定のときに私しつこく、基本問題小委員でなかったものですから、ほかのとこ ろでちょっとお願いしたんですが、女性の係官の人ですが、いと難しと言われました。そ れでもうおしまいだったですね。そのままで終わってしまいましたので、本当に難しいん だろうとは思うんですけれども、ぜひよろしくお願いしたいということです。  ここで、そういうふうなわざとものの分離は、基本問題小委員でその方向で行くという のをぜひお決めいただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  御意見承りました。事務局、何かこれに対してありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  御意見があったことを踏まえて、分科会長とも話しながら検討してまいります。ちなみ にですが、前回改定で8つの項目については特殊縫合糸が評価されておりますので申し添 えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかに、安達委員どうぞ。 ○安達委員  吉田先生ありがとうございます。  日本医師会の診療所検討委員会のほうでもお世話になっておりますので、我々の議論も よくお聞きいただいていると思うんですが、今のものと技術の分離ということは積年の課 題でありますし、我々の積年の願いでございますので、この縫合糸だけにかかわらず、特 に次新しく収載していくものというのが材料等も非常に高価なものが含まれたりする。こ れを収載するときに、その中でのものと技術のパーセンテージの表記ということを分科会 ではなくて、これは事務局のお仕事かもしれませんが、最終的にこの中医協で決めるとき に出せるのなら出したほうがいいんじゃないのかなと思うんですけれども、それはできる んでしょうか。 ○吉田分科会長  一応、外保連で全技術をドクターの給料とか看護師さんの給料とか全部計算しています よね。この間調べましたら、例えば遠藤会長が前言われたんですけれども、手術点数がだ れがどこで決めたか分からないわけですよね。外保連でもって非常に苦労しまして第7班 ですか、苦労して前回調べたデータがあるんです。よく見ますと、科によっては顕微鏡の 値段を入れてみたりばらばらなんですね。ここでもし決定いただいて外保連に対して適正 な公平な医療費の表を出せと言えば2年かかってつくれますので、ぜひそれをやっていた だきたい。  それから、縫合糸に関しても前から縫合糸を含めた医療技術を上げてもらったんですけ れども、今回基本にすると、すごく高い縫合糸の医療技術を上げていただくとか、そのた めに手術に関して言えばすべて削除しないで残ってありますので、よろしくお願いします。 ○遠藤小委員長  安達委員、よろしいですか。  北村委員どうぞ。 ○北村(光)委員  一つ教えてください。  もちろん、2次評価について進むのが345件、これは個別にはもう私なんか何も分か らないわけですから、吉田分科会長のお話に信頼を申し上げるという以外にないんですけ れども、733件申請されて345件、残りの部分はこの[2]から[5]のそれぞれ理由があっ て2次に進まないわけですけれども、そうしますと733件というのは現在も専門家の先 生方の御判断で医療現場で使われている技術だと思うんですね。そうすると、2次に行か ないこのような理由がついた技術は今後どうなるんですか。 ○遠藤小委員長  吉田分科会長、お願いします。 ○吉田分科会長  分科会には上がってきませんので、これはすべて無視といいますか削除になりますね。 見ていますと、平成15年からやっていますから各学会から毎回同じような技術がいっぱ い上がってくるんですね。それを我々審査員ですので、この技術を保険通しちゃうと一号 側が困っちゃう、非常に高い点数を希望しているんですね。それだと患者負担も増えます し、保険者サイドに対しても何でこんな高い点数つけるんだとなりますので、そういうの は優先的に外しています。それがけっこうあるんですね。  それで、もう一つはこの技術として新規は今回159、既存の技術が185でこの中に はもう使っていないよという技術がいっぱいあるんですよ。特に臨床検査ですね、それが 優先的に上がってきていますのでそういう入れかえをしていくのがこの分科会の仕事かな と思っています。  ですので、評価を打ちますとなかなか日の目を見ませんけれども、我々専門家としてこ れは保険導入に合わないよという意見があって決まっています。 ○遠藤小委員長  はい、北村委員どうぞ。 ○北村(光)委員  保険収載がふさわしくないということでなった技術は、なおまだ現場では使われるわけ ですよね。 ○遠藤小委員長  分科会長どうぞ。 ○吉田分科会長  そのほとんどは新規です。既存のやつの場合にはできるだけ見直しをしていますので新 規の場合だけです。その新規の中でこれはどうしても医学と保険違いますので、医学的な 判断で学会が来ますけれどもこれは保険医療とは違うよというのが入っているんです。 ○遠藤小委員長  新規は基本的にここに申請するためにはデータが必要なわけですから、自費診療なり研 究費なりでやっていたものがあって、これが上がってくるわけですけれども、その段階で 保険収載に適当ではないという御判断ではじいているということで、そうするとそのはじ かれたものはその後どうなっているんですかというのが、北村委員のご質問ですけれども、 そこはよく分からないということなのかもしれないですね。個別個別なのではないか。た だ、再チャレンジは可能なわけですか、多少条件を変えて。 ○吉田分科会長  2年おきにはちゃんと提案書を提出できますので2年おきに判断します。 ○遠藤小委員長  嘉山委員どうぞ。 ○嘉山委員  今の北村委員の御質問なんですが、大学におりますので先端医療をやっております。私 自身も脳の中に内視鏡を使うという日本で最初の先端医療の申請をしました。そのときに やはり患者さんの負担を常に考えて、病気はお金持ちもお金のない人も同じですから、そ うするとお金のない方にその負担を負わした場合にはとんでもなくなるということで、今 吉田先生おっしゃったように申請しないという例は我々が……研究費も実は来ない、会長 は研究費が来るとおっしゃったけれども、研究費は一切来ませんからそういうのには。医 療の中で報酬のような形でやっているというのが現状だと思います。それを今吉田先生が 要するにそれを入れちゃうと大変な医療費になっちゃうということでおっしゃったんだと いうふうに思います。これは現場からの声でございます。説明になったと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかの御質問、御意見ございますか。よろしゅうございますか。  そうしますと、今大変御苦労されながらスクリーニングをされておられるわけでありま すので、あとは今後のスケジュールに沿ったような形で引き続き作業を進めていただけれ ばと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○嘉山委員  先生、では、吉田先生の技術料と同時に私のほうの今日の資料の。吉田先生にまだいて いただいてアメリカの制度、先生も御存じだと思いますが、私の資料を見ていただきたい んですけれども、「医師の技術料〜米国のRBRVSの場合〜」ということでございます。  会長が端的に短くしろというので本当に端的にお話しします。  日本とアメリカの違いはもう保険制度が全然違いますので、ここに例えば保険制度はど うなっているかといいますと、スライド4のマネージドケア、出来高払い、メディケア、 メディケイドと、この4つで行われている。ですから日本とは全く違う保険制度になって おりまして、無保険者が大体4,000万人いると言われておりまして、その方々は2日 間だけ病院では見るけれども後は見ないというような悲惨な国家であります。  そういう国家ですけれども一応技術のことはきちっとやっておりまして、最初のページ の2ページにありますように、医療費がどうやって使われているかといいますと、経常的 費用と資本的費用の2つに分かれておりまして、日本の場合には病院からドクターフィー というのはありません。アメリカの場合には病院からも要するに基本的な給料としてのド クターフィーがあるんですが、そのほかに保険会社からドクターフィーが払われておりま す。  吉田先生がいらっしゃるので、じゃなぜ技術料を決めなきゃいけなかったかといいます と、6番のスライドを見ていただきたいんですが、従来ですとアメリカの医師は各手術が 終わったり何か検査が終わったりしたときに、ドクターフィーという欄がありまして自由 自在に書いていたんですね、この方はお金持ちだとかまるで昔の赤ひげみたいに書いてい たわけです。人によってかなり個人差があったということで、それでこの制度を持ってき たわけですね。ばらつきに対して政府側も医師側からも上がったんですね。同じ外科手術 でも二、三倍の差があったということでございます。  それで、ハーバード大学がどういうふうにやったかといいますと、吉田先生とやり方ほ とんど同じでございますが、やり方としては電話をかけて、スライドの8番なんですが、 先生もいろんな先ほど講師の先生とかそういう先生方を入れたというふうにおっしゃった ように、8番にありますように「基準となる診療内容を1.0とした場合に、その診療内 容が総合的にみて何倍負担になるかを医師パネルに尋ね」と、このパネルというのは2, 000名の医師に個別に電話インタビューをハーバードはやったわけです。その回答結果 を平均して相対的な負担度を算出したと。  異なる専門領域間の調整、専門が違えば例えば脳外科と心臓外科とあるいは泌尿器科等 々違いますので、専門領域間の調整を10名程度の医師からなる医師パネルで協議によっ て行ったと。  例えば一番最初にお話ししましたが、ドクターフィーを入れるときに子宮のヒステレク トミー、つまり子宮全摘出手術は45分間でいいますと、トータルでいいますと4.99 倍の仕事量であるというようなことが、吉田先生と同じです、聞き取り調査をして医師の 間では大体分かっていますから、これだったら僕でも簡単にできるよとか、これは大変だ なというのは分かりますので。その内容としては1番として技術提供にかかる時間、技能 や身体的な労力、それから判断に伴う精神的労力、それから医療事故に対する心理的スト レスというのを総合して4.99倍というふうに出しております。  その結果は9番にありますように、例えば日本では余り多くないんですが米国では椎間 板ヘルニアはもう非常に患者さんが多いわけですが、891ドルであるということですね。 それから、脳動脈瘤の手術は4,082ドルであると。  これが日本ですと4,082ドル、僕は脳外科なんでよく分かっていますが72万円で す。すべて入れて72万円です。技術料という意味ではなくて、要するに脳動脈瘤手術、 材料から人間の人件費からすべて入れて72万円です。それが米国ですとドクターフィー だけで4,000ドル、ですから40万円ぐらいですか。それから、冠動脈の心臓の循環 系で見ますと847ドルであると、それから心臓血管外科のCABGというのはこれはア ナストモズです、アナストモズというのは血管吻合術です。それが1,939ドル30セ ントというようなことが出ております。  それで、米国の専門医の平均年収をここで提示させていただきますが、平均ですこれは。 脳外科が大体5,000万円、心臓内科が5,000万円、整形が5,000万円という ようなことが米国では計算されておりまして、したがいまして日本をこれにするなんてい うようなことは私は全然考えてもおりませんが、多分この中医協のお医者さんの中で私の 収入がもちろん図抜けて低いわけでございますが、今後会長には許可を願っておりますの で、ナショナルセンターを含めた特定機能病院の現状を御紹介させていただきますが、こ れがアメリカの医療技術の要するに外科系の技術料の算定の仕方で、吉田先生がおやりに なったのとほぼ同じだというふうに考えます。値段の多寡は国の社会の相違がありますの で違いますが、やり方は同じだというふうに考えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  技術料の評価の仕方ということで、今嘉山委員から出されたわけでありますけれども、 ちょっと補足をいたしますと、RBRVSというのはResource-Based Relative Value Scaleということでありまして、基本的には専門家が個々の医療行為ごとの相対的な重みづ けをするというものです。その重みづけの中身については先ほど言った負担だとか、難易 度だとかそういったものでやるということで、これはアメリカの公的医療保険のメディケ アのPartBの出来高部分のところに使われているということで、当然公定価格がつく のでこういう方法で公定価格をつけている。公定価格のつけ方にこういうものを使ったと いうことです。  5ページに、支払い額はRVU掛ける転換係数と書いてありますが、ここがポイントで ありましてRVUというのはお医者さんがAという技術とBという技術がBはAの1.5 倍ぐらいの価値があるというふうに判断するわけですが、幾らだということはお医者さん は判断しません。最後にこの転換係数というのが言ってみれば日本で言うならば1点10 円というようなものです。ここの転換係数を調整するのは議会です。これは財源がありま すから、その中で調整をするという形で金額に換算する。医者は要するに個々の技術の相 対評価をみずからやると、それを社会が認めているというやり方を御紹介をされたという ことですが、せっかくこの御紹介をいただいているわけなので、先ほど吉田先生のお言葉 の中にも出てまいりましたけれども、外保連が手術と検査と処置について試案というもの を出しておるわけでありまして、特に手術についてはきちっとしたものであります。これ はどういう内容かというと、手術にかかる時間と難易度といったようなものを、これは医 師が判断して絶対額をつけてきているわけなんです。実際の金額を言ってきているわけな んで、そういう意味ではRBRVSとは違うんですけれども、実際私が伺うところによる と、医療課は医療価格の設定に際して一部外保連試案の絶対額ではなくて相対的な価格、 こちらが5,000円でこちらが1万円だったら2倍だと、こういうようなものは適宜参 考にしていると聞いておるわけですが、まずその実態としてどのように使われているか事 務局お答えできますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  今、お話のありました外保連の要望書につきましては、技術評価分科会の後ろにありま すが提案書で提案されまして、そして検討の対象に含まれている要望事項というものと相 当程度重複をしておりますので、実際吉田先生に御議論いただく上でも参考にさせていた だきます。  もちろん今遠藤委員長からありましたように、点数設定の際の最終整理においても参考 とさせていただく。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  吉田分科会長、今のことについて何かコメントございますでしょうか。 ○吉田分科会長  先ほど言いましたが外保連試案、まだ完全じゃないんですね。それで、科によっては偏 っているのがありますので、もしここで会長から外保連に対してきちんと2年をめどにし て平等なものを出せと言えば早速作業に入りますので、今現在ですとちょっと不公平があ ります。 ○遠藤小委員長  嘉山委員どうぞ。 ○嘉山委員  吉田先生にお願いしますが、公平できちっとしたのを出していただけると、科の偏在が、 科の偏在はこれだけではないんですけれども、ドクターフィーを入れることによって外科 医が盲腸切る人がいなくなるということが現場では本当に語られています。  したがいまして、なるべく早急にドクターフィーを導入しなければ日本の医療は崩壊し ますのでよろしくお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  ドクターフィーというのはちょっとまた違った話になります…… ○嘉山委員  この前、でも先生最後の議事録を読めば、ドクターフィーのことに関してはここで議論 を続けるということは書いてありますので続けていかなければならないとって。 ○遠藤小委員長  ただ、今は診療行為ごとの価格の相対的な位置付けをはっきりしていないので、せっか くRBRVSのコンセプトを今いただいたので、外保連試案を使うことによって相対的な 位置付けとして技術の価格の格差をできるだけ補正したらどうかというようなことの議論 に今少し進んでいるということです。 ○嘉山委員  わかりました。ただ、中医協ですからこれもできると思うんですが、法律を変えなきゃ いけないとおっしゃったこともあって、それも分かっているんですが、法律は間違ってい れば変えればいいわけで、医療崩壊を防ぐためであれば法律を変えればいいわけですから、 技術評価をしていただいてその中からドクターフィーというのを書いていただければ、現 場のモチベーションは今の少ない人数でも何とか崩壊を防げるんじゃないかと。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。つまり、ドクターフィーというのは何らかの形で直接医師のほうに お金が行くという意味合いで使われていると理解しますが、それについてはまた改めて議 論をさせていただくということで、今回は技術の評価の話でありますので。  ただ今の吉田部会長のお話しですと、RBRVSと類似の機能としては外保連試案はあ るけれども、外保連というのは複数の学会の連合でありますから、それぞれの学会によっ てやり方が違っているということで、今の状態では全体としてこれを使って補正するとい うことはできないというのが分科会長のお考えでしょうか。 ○吉田分科会長  ええ、そうです。といいますのは、先ほど出ました糸の問題ですね、高い糸を含めてい る学会と全然含めていない学会、それから大型機械を使うのに1個買えば何かに使えるん ですけれども、全部それは含めていると、1台の2,000万という値段を含めている学 会とかばらばらなんです。ですから、ここで命令されれば外保連の会長にお願いして多分 2年ぐらいかかりますので、2年間に各科平等の技術評価の一覧表を出していただきたい と、そう願いたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  という状態になっております。外保連試案も何回もバージョンを変えていてかなり精度 の高いものになっていると私は理解しておりますけれども、学会間の調整はかなり十分で ないというお話もありましたので、特に手術についてはかなり細かくやっておりますから、 手術の報酬について外保連の試案によって相対評価をつけていくと、そういうような方向 性で点数調整をしていくという方向でよろしいというのであれば、外保連に対し外保連試 案についての要望をこちらとしても出したいと思いますが、邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  ぜひその方向でお願いしたいと思うんですが、やはりたくさんの学会が入っていまして、 みんなおれがおれがとおれが一番というふうな皆職人かたぎの人が多いものですから、か えって逆に吉田分科会長のほうから、こういうふうなところこういうふうなところという、 ある程度のポイントを言っていただいたほうが、自主的にやるよりはかえってまとまりや すくて早く作業が進むような気がするんですがいかがでしょうか ○遠藤小委員長  分科会長どうぞ。 ○吉田分科会長  そういう権限が私にはございませんので、あくまで小委員会の下部組織としてあります ので、やはりこの中医協の場で遠藤会長から正式にこういうものをつくれと言われたほう が動きやすいと思いますけれども。 ○邉見委員  それではぜひお願いします。 ○遠藤小委員長  嘉山委員どうぞ。 ○嘉山委員  邉見先生には申しわけないんですが、最近のもう若い人たちはそんな先生たちの、そう いうことまた問題になるので言いませんが、時代と違ってよこせよこせではなくて、やっ ぱりどこが大変かどこが大変じゃないかというのはかなり素直に言いますよ。だからこそ 科の偏在が起きたんですから。  ですから先ほどの白川委員がお渡しになった整形ですとか皮膚科ですとかというのを、 ああいうところの方々もやっぱりこの科は大変だなとか、この手術は大変だなというのは かなり素直に言って評価できますので、ですから吉田先生にお願いしたいのはアメリカの この聞き取りでもいいんですけれども、こういうことを早急にこれはできますのでやって いただいて、2年とは言わずに本当に早急にやらないと本当に崩壊します。外科系がこの 前も産婦人科とかみんないらしていましたけれども入りたがらないんですね。よろしくお 願いします。 ○遠藤小委員長  わかりました。  今、ちょっと嘉山委員誤解があるかもしれませんが、金額を上げるとかそういう話では なくて、相対的な位置付けだけをプロの集団ではっきりさせてくださいと、そういう御要 望をしているわけでありまして、上げるかどうかはまたここで議論すればいいだけの話な ので、邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  ちょっと名前が出ましたのであえて言わせていただきますと、現実がやはり学会がいろ んな自分たちの考えで出しているんですね、いろいろ。そういうことは若い先生はそうで あってもやっぱり全体の学会としてはそう出ていますので、そこの辺をやっぱり整合性と いうかだれから見ても当たり前の相対的評価が必要だろう、そういう意味です。 ○遠藤小委員長  それは邉見委員は現状の外保連では、例えば中医協で今後外保連試案の相対点数に基づ いてやりますよというメッセージを出した場合に、外保連の中で学会間はちゃんと調整で きないかもしれないという心配ですか。 ○邉見委員  いやいや、少しでもスムーズにいくためには吉田分科会長には権限がないとおっしゃい ましたので、遠藤会長から一言そういうふうな方向性をしていただけると、嘉山先生の言 うとおり若手も含めてスムーズにいくのではないかということです。 ○遠藤小委員長  了解いたしました。  嘉山委員、手短にお願いします。 ○嘉山委員  ですから、吉田先生このハーバードの方法論を利用されてやっていただければと思いま す。でないと本当にお金を上げる上げないは別だとおっしゃったんですけれども、それが やっぱり一番の彼らの、アメリカほどのお金なんか要らないんですよ。やっぱり自分の技 術を認めるということが職業の天職感ですから、それをお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。勝村委員どうぞ。 ○勝村委員  今、吉田分科会長さんが言っていただいたことはすごくやっぱり大事なことだと思いま すんで、そろえるというのは、専門的なことは分からないので、吉田分科会長さんの頭の 中にイメージがあると思いますので、やっぱり決めるのは会長とかが一緒に最終的にはや ればいいんでしょうけれども、こういうルールでそろえたらいいという原案みたいなもの を、吉田分科会長のほうから出していただいてやっていくような方法というのはとれない んですか。だから、それで割と邉見委員がちょっと危惧していることなんかもいけるとい うことはないんですか。 ○遠藤小委員長  方法論に今なっておりますので、基本方針をまず固めたいと思うんですけれども、今回 改定で現在あります外保連試案を使ってすべての手術の点数を補正するということは、ど うも難しそうだというようなお話しだったわけでありますので、ただし、将来的にはそれ をベースにしながら各技術の点数評価をしていきたい、これは相対評価ですね、絶対額で はありません、ということをまず御了承がいただきたいと思います。御了承がいただいた ということでよろしいでしょうか。そうであるならばそれに耐えるようなものにしてほし いということを、外保連に要求するという形になるかと思いますが、勝村委員どうぞ。 ○勝村委員  ほとんど同じかもしれないのですが、一応論理としては逆で、みんなが納得できるきち んとした相対評価を作ってもらえるということであればそれを使っていこうということだ と思うんですよね。 ○遠藤小委員長  なかなかモチベーションは動かないですな、そうなってくると。安達委員どうぞ。 ○安達委員  やはり会長から分科会長に中医協の総意としてお願いをして、そういう努力をしていた だくという方向は出していただいたほうがいいんじゃないですか、この方法を使うという ことも一つの方法ですけど。  というのは、また別の機会にも申し上げることがあるかもしれませんけれども、前回に 診療報酬の請求点数を高いほうからずらっと並べていくとというお話をいたしましたが、 あの切り口でいくと診療報酬の1枚当たりの点数がずっと上へ上がっていくと、極端に今 の段階で外科の手術料とかの技術料の占める割合というのがどんどん落ちていくわけでご ざいます。つまりそのところはレラティブなバランスがちゃんと技術料評価としてとれて いないのではないかということがあると思いますので、それはぜひ中医協からはお願いを したいという視点でいくべきだろうと私は思いますけど。 ○遠藤小委員長  分科会長、何か御意見ございますか。今までのお話を承って。 ○吉田分科会長  前、遠藤会長からも言われていましたので外保連の手術点数を全部見たんですね。それ で、現在の保険点数と比較しますと大体平均が外保連の試案の25%です、保険点数。た だ、各科見ていきますと必ず1回に100%超すやつが1個あるんですね。産婦人科にも ありますし、整形にもありますし、ですから非常にばらばらなんです。平均的には外保連 試案の大体保険点数は25%から30%という点数になっているんですね。  今回、この命令を受けましたらきちんと各科平等な点数設定し直しして全額欲しいとは 多分言いませんけれども、ただどうしても今外科医が減っちゃって疲弊していますので、 できるだけ手術点数を上げていただきたいということで分科会ではお願いしたいと思いま す。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そうしますと基本小委としては将来的に非常に公平で利用できるというものが出てきた 場合には、外保連試案によって特に手術の相対点数をつけるという方向で考えていきたい と、こういう決定をしたということでよろしいですか。  それでは、そういうふうに中医協として決定をいたしましたので、外保連試案について はその精度をぜひ高めるようにということで、これはどういうふうにいたしましょうか。 分科会のほうから伝えていただきますか。 ○吉田分科会長  どうしましょう、今日は分科会長に命令下れば私のほうから外保連に言いますけれども。 ちょうど分科会のメンバーに外保連の会長が入っていますので明日会いますから。 ○遠藤小委員長  そうですか。では、そのようなことが中医協で決まったということでお伝えいただけれ ばと思いますのでよろしくお願いします。  嘉山委員のRBRVSの紹介から、日本の技術料の評価についての一つの大きな参考に なったということであります。どうもありがとうございます。  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。吉田分科会長におかれま しては本当に長い時間ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。  それでは、次の議題でありまして、「リハビリテーションについて(疾患別リハビリテ ーション・回復期リハビリテーション病棟)」、これを議題としたいと思います。事務局 から資料が出されておりますので、説明のほどよろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  リハビリテーションでございますが、事前にお渡しをしました資料とは構成が違ってお りますが、内容的には基本的に一緒でございますのでよろしくお願いいたします。本文が 診−2、そして参考資料がつくという構造になっております。先に参考資料から御説明い たします。  今から御説明する部分は、まず1つ目の疾患別リハビリテーション料と回復期リハビリ テーション入院料とからなっております。  まず、1つ目の疾患別リハビリテーション料ですが、ブルーの字で書いておりますよう に、回復期リハビリテーション病棟だけでなくリハビリテーション料を包括していない入 院外来においても算定が可能だということが一つです。  それから、回復期リハビリテーション入院料は読んで字のごとくでして、回復期リハビ リテーション病棟において算定する入院料ということになります。リハビリテーションの 費用は別に算定できるということですから御注意いただきたい。  スライドをめくっていただきまして、4番から6番のスライドにかけてちょっと過去の 経緯を書いております。非常に重要なところですので多少時間はとって御説明したいと思 います。  まず、平成18年度の診療報酬改定時の疾患別リハビリテーションのイメージですけれ ども、標準的算定日数、脳血管疾患の場合はリハビリテーション180日ですが、それ以 外の場合は150とか90とかいう標準算定日数があるんですが、この間は1日6単位ま でというそういうことになっておりますし、1単位当たり250点ということで点数、脳 血管リハビリテーション(I)の場合を提示をしております。  ところが、この標準的算定日数を超えますと高次機能障害や重度の頸髄損傷等で治療を 継続することで改善が期待できると判断する場合については、疾患別リハビリテーション 料が従前どおり算定はできるわけですけれども、状態の維持を目的とする、一般には維持 期のリハビリテーションと申しておりましたが、そういうものについては点線で囲ってお りますが介護保険のリハビリテーションへ移行、つまり医療保険から支払われなくなると いう意味で点線で囲ったわけでございます。  このときの診療報酬につきましては、いろいろと意見が提示をされましてスライドの5 にありますように改善といいますか、とりあえず手直し、見直しがなされたというわけで あります。ごらんいただきますように、標準的算定日数の中で後期に逓減制というものを 入れまして、財源を一定程度確保した上で下側を見ていただきたいんですけれども、ちょ うどくしの歯状に緑色の棒グラフが並んでおりますけれども、医療保険では全くもう算定 できないとされていた状態の維持を目的とする維持期のリハビリテーションにつきまして も、月2回440点という点数を設定をいたしまして、これで何とか医療保険の中でもで きますよということになりました。  次のスライド6を見ていただきますが、それでもなおいろいろな意見、患者さんや国民 の皆さんあるいは医療界からの御意見も踏まえまして平成20年度につきましては改めて 手直し、見直しをしております。  まず、丸の1つ目に書いておりますように、医師が改善が期待できると判断する場合に は基本的に従来どおり、つまり分かりやすく言うと平成18年以前とほぼ同じような形で、 標準的算定日数内外にかかわらず1日6単位まで算定可能ですよということですし、また 改善が期待できない、維持期のリハビリテーションと言われる場合であっても標準算定日 数を超えてリハビリを評価しますよという形になっております。  これはごらんをいただきますと、標準的算定日数の範囲内では早期加算、点数は18年 や19年に比べるとちょっと下がったんですけれども、逆に早期加算をつけるということ。  それから、緑色の部分を見ていただきますと今までくしの歯状に月2回までの算定だっ たんですけれども、いわゆる13単位算定ということで1単位235点の点数がついた。 これで一応患者さんも含めて御理解を得られたのではないかというふうに思っております。  それから7枚目のスライドですが、これもちょっと重要ですので少し説明をさせていた だきますと、先ほどから緑色のくしの歯だとか緑色の部分、維持期のリハビリテーション について御説明いたしましたが、もともとは18年の改定で介護保険のほうで連携をとっ てシームレスにリハビリテーションをやっていただけるものと思っていたわけですけれど も、必ずしも十分でなかったということが言えます。あるいは、なかなか利用しづらかっ たということがありまして、21年4月の改定で介護保険サイドで幾つか見直しをしてい ただきました。  最初の話は受け皿の充実ということですが、医療保険でリハビリテーションを受けてい る利用者が同じ施設で引き続き介護保険によるリハビリを続けられるように、現に医療保 険においてリハビリテーションをやっていただいているところでは、介護保険の通所リハ ビリテーション事業所であるということで、ほぼ自動的にみなし指定をしていただけるよ うにということでお願いをしたので、受け皿が広がったあるいは医療保険の世界の時代を よく覚えていらっしゃる方が介護保険の世界でもやっていただけるということで、シーム レスになったという。  それから、ともすると集団的リハビリテーションが多いと言われていました介護保険の 世界ですが、短時間・個別というようなもの、あるいは短期集中リハビリテーションとい うことができましたので、質的にも充実をしたのではないかと。もちろんそれぞれの使い 勝手ですとか、いろいろな点でまだまだ完全ではありませんでしょうから、次次期改定に 向けては、やはり医療保険と介護保険とで連携をとりながら質や量の確保を図っていくこ とになるだろうと思います。  それから、スライドの8、9につきましては疾患別リハビリテーションの点数、人員配 置、あるいは施設基準について書いております。8番のスライドは単に心血管から呼吸器 まで1、2、3と並べただけではなくて、それぞれごとにPTとOTのスタッフがどのく らいいるかということで整理をしております。  例えば運動器でいいますと、運動器の(I)は170点ですけれども、PT、OTのス タッフで言うと2名ということですから心大血管疾患の(I)と同じ、脳血管疾患の(III) と同じということになりますが、こういうこと。  それから、算定日数の上限についてもさっき言いましたように脳血管疾患は180日で すがそれぞれに算定日数の上限があると。  9番は先ほども申しましたが施設基準。  次の10番のスライドにかけて施設基準ですのでこれをごらんいただければと思います。  それから、11番のスライド以降は届け出の施設数の推移でございまして、これは見て いただくとおりで順調に増加をしているということ。  脳血管疾患については微増という形になっておりますが、よりレベルの高い方向へシフ トをしている。運動器疾患については微増、それから呼吸器についても微増、漸増という ような形で続いております。  それから、リハビリテーションの算定件数、回数ですが、これももう見ていただくとお りですが、これを読んでどう理解するかというところはありますけれども、ポイントを1 つだけ言うと、運動器のリハビリについては診療所の寄与が大きいということであります。  それから、先ほど20年の改定のところで早期のリハビリテーションという話をいたし ましたけれども、脳血管疾患、運動器のリハビリテーションで1件当たりの早期算定回数 がどのくらいかということをお示ししたものが16番目のスライドです。  それから、ちょっと細かな話になりますが、今脳血管疾患等リハビリテーションの中に 廃用症候群に関するリハビリテーションも、言葉が妥当かどうか分かりませんけれども、 ひっそりと位置付けられておりますが、それらについて回復期リハビリテーション入院料 1算定患者で理学、作業、言語療法の1人当たりの実施単位数がどうかということで見て おりますし、また同様に入院料2でどうかということも見ております。  それから、心臓リハビリテーションにつきましては最近効果があるというデータが出て いるということを紹介をした上で、普及状況について書いております。  22番目のスライドを見ていただきますと、リハビリテーションがなかなか普及しない 理由として設備が足りない、それからそれと関連するんでしょうが、リハビリ認定施設要 件を満たさないというようなお話が出ております。  それから、続きましてそのままもう回復期リハビリテーションのほうに入ります。先ほ ども申し上げましたように、回復期リハビリテーション病棟は、寝たきり防止と家庭復帰 を目的としたリハビリテーションを集中的に行う病棟を指します。そこに要件があります けれども、患者さんが常時8割以上入院していること。それから、病棟に専任のお医者さ んが1名以上常勤配置されている、それから理学療法士、作業療法士の常勤配置、こうい う形になっています。  入院料の概要について次の25番のスライドに書いてありますが、平成20年の改定の 状況をよくあらわしているのが26番ですので、ここをちょっと丁寧に説明させていただ きます。  旧点数は左側ですけれども、新点数で1、2とつきました。さらに重症患者回復病棟加 算がつきましたので、数えようによっては3つの区分に分かれたということが言えると思 います。点数の差はこれはごらんいただけますように、専従を専任にしたということで新 点数の2ではやや下げておりますし、新点数の1ではわずかですけれども点数を上げてお ります。上げた理由としましては下のほうに三角の吹き出しがありますけれども、新規入 院患者のうち、1割5分以上が重症患者であること。それから、在宅復帰率が6割以上で ある。これらの基準が満たせれば新点数1が出るということで、効果判定みたいなものを するということになった、あるいは質の評価をするということになったわけです。  さらに、重症患者回復病棟加算においても重症の患者の3割以上が退院時に改善してい ることという基準をつけたということです。そういうことをやったのが前回の改定でござ います。  それで、次の27番目は順調にふえております。順調にふえている中で回復期リハの1 という高い点数をとるところがふえておりますということをお示しをしております。  それから、28番目は検証部会でやっていただいたデータをそのままつけております。  次のスライドはちょっと番号が見えづらいんですけれども、29番以降は先ほど質を評 価するあるいは結果を検証するというような点で申しますと、在宅復帰率でございますけ れども、入院料1で重症者の加算をとっている病棟ととっていない病床というところでデ ータをとっています。本当は、在宅復帰率は60%未満があってはいけないんですけれど も、どうも回答の過程でこういう60%未満というのが回答されていますけれども、実際 には60%以上の在宅復帰率がないといけませんので、これは調べているところでござい ます。それから、入院料2についてもこういう状況です。  総じて言えることは、入院料1と2では算定の要件が違いました。さっきの三角の吹き 出しのところで言いましたように、新規入院患者のうち重症患者であること、つまり患者 さんが重症だからといって、悪い言葉かもしれませんけれども、患者選別が行われないよ うにとか、在宅復帰率6割ということでやったんですけれども、在宅復帰率だけで見るな らばいずれの累計においても6割というところをかなりのところで超えている。もちろん、 入院料2になりますと60%未満も多少はありますけれども、平均だけで見ますとある程 度クリアをしていただている。  それから、重症者の改善の状況、先ほども重症者の在宅復帰率6割と合わせて、重症の 患者の3割以上が退院時に改善していることということでしたけれども、在宅で見ていた だきますと入院料1から2、それで加算があるかないか、それからこの点数ができる前か らあったのかそれとも新たに入院料2をとるようになったのかということも含めてデータ をとっていますが、平均で見る限りはさほど差がないというデータが出ております。  それから、31番のスライドは先ほども申し上げました、重症者を一定程度きちっと受 け入れていただいているかということですが、入院料1の算定病棟では29.3%という ことですし、入院料2は見ていただきますように27.2%、継続算定つまり前からやっ ているところは16.5%、ちょっと低くなっております。  重症患者の回復率でございますけれども、3ポイント以上上がったかどうかというとこ ろですけれども、平均で見てみますと56.2%から54.7%、入院料2はやや低いか もしれません。47.9%と45.5%。  それから33番も簡単に御説明をしておきます。  入院患者の1人1日当たりのリハビリテーションの実施単位数を見ていただきますと、 先ほど入院料1でも2でも一定程度の成果を上げていただいているようだとお話をしまし た。例えば、在宅復帰率だとか重症患者を受け入れている率では一定程度の成果を上げて いただいているようだと申しましたけれども、しかし細かくどういう実施状況ですかと聞 きますと、2単位未満というところも一定程度ありますし、3、4単位までとると相当数 に上るということですから、きちっとリハビリテーションの単位数をやっていただいてい ますかというと、必ずしも十分でないところもあるかもしれません。  それから、改善の状況についてもこういう形でお示しをしています。  それで、最後の35番のスライドをごらんいただきますけれども、しばしば専門家から お伺いするところでは、平日はいいんだけれども土日になるとお休みするところが多いん じゃないかというような話がありましたので、検証部会の中でも調査をしておりますが、 結論から言うと土曜日はそれぞれの職員の出勤状況から見ると黄色い枠で囲っております が、平日の出勤者数に対する割合というところで見ていただきますように医師で6割以上、 それから看護師その他で7割から8割ぐらい出ていただいているということで、日曜にな ると看護師が多少出ていますけれども、それ以外のところはちょっと手薄なのかもしれま せん。土日のリハビリテーションの提供としてはこういうことでございます。  それで、本文にお戻りいただきたいと思います。  本文、診−2の1ページ目から2ページ目にかけましては、もうおおむね御説明をいた しましたのでもう余りくどくどと申しませんし、第2の現状と課題、3ページからずっと 続いてまいりますけれども、これも算定件数や算定回数でございますから、余りもうくど くどと時間も限られておりますので申し上げません。それから、6ページにかけましても 今参考資料のところでおおむね御説明いたしました。  7ページに論点がございますが、先ほど申しましたように平成20年に発症後早期のリ ハビリテーションということで、30日ということで算定の期間を設けて評価をいたしま したが、これについてどうお考えでしょうかということです。  それから、急性期の運動器リハビリテーションですが、一番高い1につきましてもPT、 OTの配置人数はこういう状況で先ほどお示ししたような状況でしたので,患者の必要に 応じてもっと充実してやっていただいている場合について診療報酬上の評価をしてもいい のではないかと考えまして、こういう論点の書き方にしております。  それから、先ほど触れましたけれども、現行では廃用症候群は脳血管疾患等のリハビリ テーションの中にひっそりと存在しておりますけれども、脳血管疾患全体のリハビリの中 でややちょっといたし方ないと思いますけれども、運用上こういう形にしておりましたが、 こうした廃用症候群というのはまた現在でもそれなりに問題化しておりますので、ニーズ に応じたリハビリテーションを提供していくべきじゃないかと考えますがどう考えましょ うか。  それから、心大血管リハビリテーションにつきましては、やはりリハビリテーションの 途中に生命の危険等々もありますので、設備基準あるいは医師を中心とする人員配置基準 についてかなり厳しいものにしておりますが、こういう診療報酬上の評価についてある程 度緩和も含めて評価をどう考えるかということになります。  それから、先ほど診療報酬改定の際に維持期のリハビリテーションについても、医療保 険のサイドからも一定程度の評価をしたと申しましたが、21年度介護報酬改定でさらに 改善をしたということですから、そういうこともにらみながら維持期のリハビリテーショ ン13単位というところについて、診療報酬上の評価をどう考えるかというところが7ペ ージになります。  それから、続けて8ページの回復期リハビリテーション病棟ですが、これも先ほど御説 明をしましたので8ページ、9ページは省略をさせていただきます。  それから、届け出の状況ですが、新しい区分ができましたので単純に19年と20年で は比較できませんが、グラフでも先ほどお示ししましたのでそれとあわせて参考にしてく ださい。それから、算定の状況はごらんのとおりです。  それから、検証部会における調査結果、10ページ目の一番下のところは資料のほうで 御説明をしましたので省略をさせていただきます。  それで、もういきなり11ページの第3論点にいきますけれども、調査検証結果で回復 期リハビリテーション病棟入院料は1と2、さらに加算も含めると3つぐらいの区分にな ったわけですけれども、その中で質の評価というのも行いまして、こういう結果が出てま いりましたが、点数の設定や質の評価の妥当性等についてどうお考えになるでしょうかと いうのが論点の1。  それから、回復期リハビリテーション病棟において、患者の回復に必要なリハビリテー ションを十分に提供される体制の担保、先ほど申しましたがやや少ない単位、2単位未満 というようなところもあったり、あるいは土日に必ずしも十分やれていない部分もあると いうことですから、そういったことも含めて診療報酬上の評価をどう考えるかということ で御議論いただきたいと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  リハビリテーションでありますけれども、日数制限の問題であるとか、あるいは試行的 なアウトカム評価を入れたというようなことで、いろいろと御意見のあった改定項目の一 つでありますけれども、事務局からこのような現案が出ております。御意見、御質問いた だければと思います。  鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員  私のところで回復期リハビリテーション病棟を持っておりまして、いろんな施設団体の 介護等であるいは石川誠先生なんかのお話なんかも伺いますと、それを踏まえて回答させ ていただきたいと思いますが、まず疾患別リハビリテーションの位置について発症早期の リハビリテーションについてですが、これは重要なのは言うまでもないんですが、民間で は当然積極的に取り組んでいると思うんですが、なかなか進まない理由の一つとしては、 急性期の医療のかなりを担う国公立そういった病院においては、セラピストの定員が決め られていてなかなか手厚くするためにセラピストをふやせないというようなこともあって、 なかなか普及しないということもあるようでありますので、その辺は診療報酬以外の問題 ですから、それをどう解決するか、あるいはそういった場合には早期に回復期のほうに移 していただくということもあるかと思います。  それから、急性期の運動器リハビリテーションについてですが、これは非常に点数が下 げられてしまって、我々回復期で総合的にリハビリテーションをしている者としては非常 につらいところなんですが、整形外科の診療所の運動器のリハビリテーションは多いわけ ですけれども、診療所で整形外科を中心として行われる比較的簡単といいますか単純とい いますか、そういったリハビリと回復期リハビリ病棟を持つ病院、あるいはかなりリハビ リを充実させて診療所等で行う総合的なリハビリでは、やはりちょっと内容が違うんでは ないのかなというふうに思います。  例えば、大腿骨頸部骨折を見ても60代ぐらいまでの比較的若い方ですと、本当に運動 器のリハで済んじゃうんですけれども、80代以上ぐらいになってきますともうすぐ廃用 が入ってきますし、あるいは認知症が急性期入院中に進んでしまったり、あるいは場合に よっては本当に摂食嚥下障害なんかも出てくることもありますので、PTだけじゃなくて OT、ST、そういったものを総合的なリハビリが必要になってまいりますので、やっぱ り運動器を一つで見るというのはちょっと無理があるような気がしますので、今あるもの はそのまま疾患別は残すとしまして、石川誠先生などは上に総合リハを復活してそしてそ れを病院版と診療所版と分けるというようなことを提案されておりますので、私もそうい った形がよろしいんではないのかなというふうに思っております。  それから、2番に関しましては廃用症候群というのは、これは非常に重要な、リハビリ は位置を占めおりまして、それをちゃんとしないと本当に病気は治っても寝たきりになっ ちゃうとかそういうことがどんどん続出するわけで、ここはきちっと評価していただきた いと思うんですが、単純に若い方が手術して術後に廃用というわけではないと思いますの で、その辺は一定の条件は必要かとは思いますが、廃用症候群のリハビリというのはぜひ 脳血管と同じ点数で下げないで、これは在宅復帰、社会復帰の特に高齢の方には重要なポ イントになりますので、これは十分に行えるようにしていただきたいと思います。  それから、3番目心大血管系のリハビリですが、これは私どもでは行っていないので必 ずしも十分に把握しているわけではありませんが、やはりハードルが高いということが問 題になっているようでございますので、これはもう少し緩和する方向で実際に行っている 機関等と御相談いただければというふうに思います。  それと、4番目の介護報酬を踏まえての維持期のリハビリテーションですが、これは介 護保険で確かに短時間・個別リハというのができたんですが、実際は普及していないんで すね。1割ぐらいということだそうですが、これは私どもでも検討したんですがまず一つ は点数が違うということもあるんですけれども、患者さんにとりましてもリハビリをでき る時間が介護保険ですと個別リハが20分以上ということで、大体それは20分というこ とになるんですが、点数から見まして、私どもですと外来リハビリですと2単位40分を やっておりますので、やはり患者さんは今まで同じ場所だよと言っても外来リハを希望さ れる方が多いということもありまして、やはり13単位というものは現状では引き続き継 続していただく必要があるのではないのかなというふうに思います。  2年半後の診療報酬、介護報酬同時改定ではどうなるかということですが、そのときに 総合的に検討していただければいいかなとは思うんですが、その場合にでもやっぱり同じ 条件でやれるようにしていただけませんと、なかなか移行が進まないんではないのかなと いうことと、やはり少数ながら介護保険の該当にならない方が維持期のリハビリを受けて いる方もいらっしゃいますので、そういった比較的お若い方ですが本当にリハビリを支え に社会復帰されているという方もいらっしゃいますので、全部それをなくすということは 2年半後になってもやっぱり難しいのではないのかなという気がいたします。  それから、回復期リハビリテーションを続いてよろしいでしょうか。 ○遠藤小委員長  お願いします。 ○鈴木委員  1番ですが、この質の評価の導入というのは非常に私どもにとりましては厳しいハード ルではございましたが、結果的にはみんな頑張ってクリアしたということで、これは楽々 クリアしたんではなくて、非常に努力した結果であるというふうに御理解いただきたいと 思います。  一方、そのために回復期リハビリ病棟に入院していらっしゃる患者様が、毎年毎年重度 化しておりまして、高齢化、重度化ですね、ですから非常に手がかかる方の在宅復帰率を 上げなければならないということで、これはほかの病棟でも同じだと思うんですが、やは り人手を15対1にはなっていますが、看護師を余分につけたり看護補助を加算はないで すが、それからクラークもないですが、そういったものをつけて持ち出しでやっていると いう状況で、収支もかなり悪くなっているということはそういったことも反映している。 そういった単価が下がった分もあると思うんですが、そういったことだと思いますので、 質の評価については一定の評価をすることができると思いますが、ぜひそういった経営が 悪化しているということを考えて、診療報酬上で入院基本料あるいは加算の部分での配慮 をお願いできればと思います。  それから、2番のリハビリの提供体制でございますが、これも私どもでも当初日曜日は していなかったんですが、それから現在は365日体制ということになったんですが、日 曜日をやるかやらないかでえらく人手のかかり方が違ってまいります。土日祝日休めば多 分50床で15人ぐらいでいいのかもしれませんが、私ども今365日、1日8.6単位、 平均してやっておりますが、そうすると50床で30人以上セラピストを入れませんと回 らないということで、そのかわり平均在日数が短縮し在宅復帰率が上がるという効果も出 ておりますので、ぜひそれなりに努力しているところはセラピストをたくさん入れまして、 いろんな単位の管理だとか人の管理だとか非常に難しい問題も出ておりますが、皆さん苦 労されて単価が下がった中で収益を確保するために懸命に努力されておりますので、そこ はぜひ評価していただければというふうに考えております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  鈴木委員のほうからもございましたけれども、公立病院はこれは中医協の話とは関係あ りませんが、骨太の方針で5年間で公務員の総数を5.8%削減ということの縛りが、新 政権はどうされるか分かりませんがまだありまして、もともとPT、OTもいないんです けれども、例えば昨年のように年末年始が9日間連続休みというふうなときに、やはりこ れはリハビリがすとんと落ちてしまうということで、リハビリ部門を勤務にしようとする んですけれども、今度は労基法との関係とかいろいろございましてなかなか無理なんです ね。35番の土曜日も72%やっておられるとか、日曜日も36.6%、これは民間病院 が物すごいリハビリは頑張っていただいているんだと私は思います。  自治体病院、リハビリテーション部会もなくて今年やっとつくったんですけれども、今 後ぜひこういうふうなものに力を入れていくとなれば、総定員法から病院、消防は抜いて ほしいと私総務省へずっとかけ合っているんですけれども、聖域なき改革であるといって 総定員法から外れないんですね、病院が。そうするとなかなかこういうことができない。 しているところにはぜひつけてあげてほしいと、つけてあげてほしいって人ごとみたいに 言ったらいかんですが、つけてほしいというふうに私は思います。  土日あるいは3連休が最近多いですから、ハッピーマンデーで。そうするとせっかく行 っていたリハビリがすとんと落ちてしまうんですね。だから、家族に病院に来ていただい てボランティア的にやったりはしていますけれども、なかなか体制としては労基法との関 係でできないというふうな現状もございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  民間病院のお立場といいますか、ご経験から鈴木委員がおっしゃられまして、また公立 病院の置かれているお立場から邉見委員からの御意見を承りました。  嘉山委員どうぞ。 ○嘉山委員  私は脳卒中が専門なので急性期脳卒中やりますが、皆さんイメージしていただきたいん ですが、長嶋選手があそこまで回復するとは私は病態から思いもしませんでした。これは 日本のリハビリテーションがかなりのところまで来たんだなというふうな感じがしました。 リハビリは私の専門ではないんですけれども。  今、脳卒中学会ではもう急性期の治療が終わったらば即翌日からでも足を動かしてリハ ビリを始るということが、科学的にそれが患者さんにとっていいことになっておりますの で、参考資料の8枚目の疾患別リハビリテーションの点数と人員配置のところで、10名、 4名、2名、1名で点数が違うんですね。  これはやはり中小病院でも今急性期脳卒中やった後は、すぐにそういう病院にリハビリ テーションにお願いするんですけれども、やっぱり事務局多分根拠がないと思うんですけ れども、1、2、4、10というのに、根拠は4と10が何の根拠があるんだと言われて も科学的には何もないと思うんですが、いわゆる医療費の問題でこういうふうにしたんだ と思うんですが、何としても患者さんのことを考えれば4名とか10名をとっぱらって、 同じ点数で業務内容は同じですから、同じ点数でここの4名のところを、235点という のは僕はどのくらいのお金かよく分かりませんけれども、これは取り払うべきだとそのほ うがリハビリテーションは進むというふうに考えます。  患者さんにとっても地方の中小病院であれば10名雇っているというところはもうそん なにありませんので、4名でも235点でやれば、患者さんにとっては本当に社会復帰率 がぐんと上がると思いますので、ここは中医協で変えていただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  地方の場合どうするかという議論とも関連する話ですね。ある特定の条件を満たせばこ の算定要件を少し緩和するのかどうかと、そういうような話とつながる話だと思います。  それでは、坂本専門委員どうぞ。 ○坂本専門委員  論点2の廃用症候群のところですけれども、今嘉山先生もおっしゃられたように急性期 で廃用症候群を起こさないためのリハというのが、積極的に行われてきていると思います。 例えばICUの中に理学療法士さんが入り、手術の次の日からすぐにリハが始まります。 そういうことに対してやっぱりよく考えていかなければいけないと思います。  廃用症候群を起こしてしまってからそういうことをやっていることに対しての診療報酬 ではなくて、起こさないためのリハに対しての診療報酬というのを、私は必要だというふ うに思っておりますのでぜひお願いいたします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。北村委員どうぞ。 ○北村(光)委員  回復期のリハビリテーションはもう大変重要なことはよく分かりますが、前回の改定で 行われた要件を検証を見させていただきますと、70%近くの方が在宅へ移行されたり届 け出の施設数の推移も順調とか、一応成果が上がっているように私ども評価できるように 感じるんですけれども、現場の方々の実感からいくとどうなんでしょうか。それをちょっ と教えていただければと思います。 ○遠藤小委員長  どうですか、鈴木委員ですか、先ほどは大変な努力の結果なんだということをおっしゃ っておられましたけど。 ○鈴木委員  ええ。本当に大変な努力でございまして、やはり今坂本委員が急性期からリハビリをど んどんやればいいんじゃないかとおっしゃったんですが、やはりどうしても急性期は一時 期安静にしようというのがありまして、高齢の方なんて本当にその間に歩けなくなっちゃ うというようなことがありまして、その後すぐリハビリをすれば戻るんですよ、そういう 場合は。ですから急性期でもいいかもしれないけれども、本格的なリハビリってなかなか しづらいと思うので、ぜひ回復期に早く送っていただくのがいいかなと思うんですけれど も。  やはり前回の改定をクリアするにはみんな苦労して頑張ったというか、初めてのチャレ ンジということもあって、非常にいろんな批判もあったんですけれども、それを乗り越え て皆さん成果を出したということはぜひ認めていただければというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  北村委員どうぞ。 ○北村(光)委員  それからもう一つ休日対応の件なんですけれども、企業なんかですとウイークデー一生 懸命労働密度上げたりしてシフトを組んだりして休日というようなことを考えますけれど も、これはリハビリですし大変なところなんですけれども、そういう休日対応を内部の体 制の変化で対応できるというのはもう無理なんでしょうかね。 ○遠藤小委員長  鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員  人をふやさないでということですか。 ○北村(光)委員  そうです。 ○鈴木委員  1人当たりのセラピストの取得単位数の上限が決められおりますので、それはだから難 しいんですね。ですから、365日ということになりますと、かなり人をふやさないとそ れはできないという現状があります。1人当たりの単位数をふやしていいんだったら可能 ですけれども、かなり今単価が下がったもので、その分はセラピストの方々にも御苦労を かけておりますので、さらにそれ以上今の人数でというのは、単位の上限も決められてい ることからも難しいというふうに思います。 ○遠藤小委員長  坂本専門委員どうぞ。 ○坂本専門委員  今のことですけれども、恐らくは理学療法士さんたちは、土日や休日に休むことによっ て患者さんが大変後退してしまうということは分かっていらして、積極的に出てきていま す。そして土日はナースが患者さんを搬送できないため、病棟のほうに理学療法士さんた ちがおいでになって、リハをしようという動きを、私は目で見ております。  しかし、土日出てこられたら、その方たちにお休みをあげなくちゃいけないわけですの で、土日も恒常的にやろうとしたら、今いる人数で何とかしようとしても、恐らく無理が くるというふうに思います。  それから、成果は実感としては大変出ているというふうに私は思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  たまたま今の検証部会の結果の話になっておりますけれども、実はこれは試行的に導入 するということであったわけなのですけれども、試行的にということは、ある意味今後も 継続するかどうかということもここで決めなきゃいけないわけでありますけれども、少し 内容を変える、条件を変えるというようなことはあってもいいわけですが、基本的にこれ は継続するという方向でよろしいのかどうか、その辺をお諮りしたいと思いますが。  もちろんいろいろと要件を変えていくということはあり得る話でありますけれども。ア ウトカム評価であるということで随分いろいろなところから肯定的、否定的いろいろな御 意見を承っているものですから、これについて何かお考えありますか。  鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員  導入のときにいろいろ議論があったのは承知しておりますが、結果的に皆さんの努力に より、日本人ってそういう目標が決まると達成しちゃうというところがあるんでそういう ことになってはしまったんですが、だからさらにそのハードルを上げられると言われると ちょっと厳しいかなという気はいたしますし、それから在宅復帰の中に老健施設が広義の 連携の中には入っているんですけれども、前回の議論で老健の入所を入れるなら90%だ というような意見が出たというようなことを聞いておりますが、その辺が認められますと もう少しやりやすくなるのかなという気はいたしますけれども、成果として上がったので これをじゃやめましょうということにはならないのかなという気はいたしますが。ただ、 強化されるのは困るということです。 ○遠藤小委員長  わかりました。よく理解いたしました。  ほかに何か御意見ございますか、勝村委員どうぞ。 ○勝村委員  特に異論はないんですけれども、やっぱり昔、廃用症候群というのが問題になったころ というのは、昔の話ですが、ひどい話だなと思っていたことがあったので、これはぜひ手 術は受けたけれども生活の質が落ちてしまうというようなことは、やっぱりぜひ直す、そ ういうことが起こらないように努力をしていただいているということで、これは非常に価 値が高いと思いますし、同じように土曜日曜の問題なんかも、もう患者の立場からしたら 当然そういうものに価値をつけてやっていくべきだと思いますので、その点はぜひお願い したいと思います。  一方で、佐藤課長のお話の中にありましたけれども点数の低いところの医療機関もある ということなので、そのあたりも課題なのかなということが感想です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  リハについて何か言い足りない方いらっしゃいますか。  白川委員どうぞ。 ○白川委員  トライアルの件でございますが、結果を見ても確かにいい結果が出ておりますし、鈴木 先生とか坂本先生の御意見を伺っていても、かなりこの制度によってリハビリがいい方向 に向かっているという御意見でございますので、トライアルをあと1度ぐらい続けてやる べきではないかなと思います。  要件は確かに、鈴木先生の立場だと今以上に苦しめないでというのはよく分かるんです が、私もまだ要件について云々というところまではいっていないと思いますので、方向と してはその方向で中身を詰めるということかなというふうに感じております。  それから、ちょっと話がずれるんですが疾患別リハのところの資料で、状態の維持を目 的とする場合、本来は介護保険で見るべきところを暫定的に診療報酬で見ていると、これ が論点4になるんだと思いますけれども、鈴木先生からもこの辺については、次の次の診 療報酬と、介護報酬の同時改定までは続けるべきではないかという御意見がございました けれども、私もそうせざるを得ないと思います。介護保険が21年度改定でもう少しやっ ていただけるかと思ったらどうもそうでもないようでございますので、とりあえずはそう せざるを得ないかなというふうに思っております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  小林委員どうぞ。 ○小林(剛)委員  今の点に関連いたしますが、やはりさっきの御説明ですと医療保険と介護保険は今まで シームレスではない部分がちょっとあったと。ある意味医療保険のほうではシームレスを なくすような手当てをしているということで、これは現状はそれでやむを得ないのかなと 思いますが、本来この辺はどういうふうに理論上考えていくものか、本来であれば介護保 険でやらなくてはいけないということであれば、次々回の改定、これは同時改定ですね、 もっと早めに議論してこの辺は整合性をとっていく必要があるのではないかという感じが いたします。  それからもう1点、回復期のリハビリの質の問題ですが、質の評価を行っていくという ことについては医療の質の向上ということで、いい方向ではないかと思っております。  そういった意味で、効果のあるものを評価することについては方向性としては非常にい いと思いますし、日曜日の問題がさっきありましたけれども、日曜日にリハビリを行って いるところとそうでないところの評価を変えるということは、特に異論ございません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかにございますか。よろしゅうございますか。  それでは、リハビリテーションにつきましてはまた今後議論を深めてまいりますので、 本日は非常に建設的なご意見をいただきましたので、その辺をまとめてまた事務局のほう で整理をして出していただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。  それでは、引き続きまして「医療安全に関する体制について」を議題といたします。事 務局から資料が出ておりますので説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  これも同様に診−3が本文になっておりまして、それに参考資料がつく形になっており ます。  医療安全について、まず参考資料の1枚目のスライドからですけれども、これまで院内 感染を中心に医療安全というのは非常に重要だということで進められておりましたが、法 的にも整理をされたのが平成18年6月の医療法改正でございまして、それ以降こういう 形で進んでおります。  左側の枠で緑色で囲んでおりますけれども、医療法施行規則の中ではこういう4つの分 野について、それぞれの安全や院内感染の定義的なことをやっております。これに対しま して右側にブルーが伸びていくような形にしておりますけれども、これがそれぞれ診療報 酬上どう評価しているかというのをあらわしたものでございます。  ここでちょっと簡単に触れておりますと、院内感染に関しましてはこれらの中では比較 的早い段階に取り組まれまして、加算のような形でスタートをしたんですけれども、ある 時期やらなければ減算するよというような形になり、今では基本診療料等の中に組み込ま れているという形になっております。そうした経緯がありますが、いずれにしても医療法 の施行規則に合わせて点数が設定されるということになっています。  次の2番目のスライドは規定でございますので省略をさせていただきます。  それから、3番目のスライドは入院基本料の通則、今度は保険の世界の中で通則の中で 院内感染防止対策や安全管理対策をどうすべきかということを、もう本来医療機関たるも のこういうことはきちっとやってもらわなければいけませんということで書き並べており ますのでごらんください。  それから、スライドの4、5、6、7、8、9といったところは、院内感染に対して現 状でどうなっているかというところを、厚生労働科学研究などを引用しているものでござ いますので御高覧いただければと思います。今日はもう詳しくは御説明しません。  それから、11番目のスライドからは医療機関における医薬品の安全管理に係るものを 書いております。やはりこれも医療法施行規則等々が中心になっておりますが、一方でこ の出典のところに書いてありますように、薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬 品行政のあり方検討委員会というようなところでの提言も参考になっておりまして、医療 機関の取り組みの強化やチェック体制の構築というのがなされております。  12番のスライドですけれども、先ほどから何ども繰り返しております医療法における 医薬品安全管理責任者の業務については、医政局長通知の中でも明確にされております。  13番以降はイメージ、それから14から15番目のスライド以降については、事例で ございますので省略をさせていただきます。  それから、20番目も新たな安全性情報を踏まえて今後迅速に対応していく上で必要な 要素ということで、医薬品安全使用実践推進検討会資料から出てきたものを一部整理をし たもの。  それで、もう一度本文に戻っていただきます。1番目について御説明をしましたので第 2からお話をさせていただきます。  第2の前段の1の部分は先ほど申しましたが、入院基本料通則において、病院たるもの 入院患者を受け入れるところはこういうことは守らなければならないと通則に書いてあり ますということです。  それから、医療安全対策加算については入院初日に50点とれますということで、その 算定の状況は漸増といったところでしょうか。  それから、次の3ページ目ですけれども、医療安全対策の実施件数、算定回数。  それから、資料の中では余り細かく丁寧に説明しませんでしたけれども、生命維持装置 あるいは放射線治療機器といった機械の安全管理については、現状ではここにありますよ うに医療機器安全管理料という形で臨床工学技士が配置されて生命維持管理装置、人工心 肺のようなものですけれども、そういったものを用いて治療を行う場合に一月につき50 点が算定できますし、放射線治療機器の保守管理等々については放射線治療計画を策定し た場合に1,000点が算定できることとなっております。  それから次の4ページ目、先ほども説明しましたけれども、入院患者に対する薬学的管 理や指導ということで薬剤管理指導料、入院患者に対する薬剤管理指導料というのが設定 をされておりまして、点数も一部引き上げているというところでございます。  最後の5ページ目ですけれども、届出医療機関数は漸増といったところでしょうか。そ れから算定状況も同様と。  第3.論点ということになります。  冒頭にも御説明しましたように、院内感染についての診療報酬上の評価というのは、や やいろんな時期に加算をしたり減算をしたり組み込んだりと、こういうことにしておりま すけれども、院内感染は引き続き重要な課題、いろんな安全ということを考える上でも非 常に重要な課題でございますので、一遍チーム医療のところでもお話をしましたが多職種 による回診を行っていたり、徹底的なサーベイランスを行っているというより手厚い管理 については、それなりに診療報酬では評価をするということも考えるべきではないかと思 います。  それから、先ほどから申し上げました医薬品、安全管理、その他、必要な措置を速やか に講じる体制については、診療報酬上の評価をこれまでもやってきているところですが、 今後どうしていくかということで論点を上げさせていただいております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  論点としては院内感染対策と医薬品の安全管理ということが上がっておるわけでありま すけれども、これにつきまして御意見、御質問ございますでしょうか。  はい、邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  院内感染が久しぶりに論点に入って非常にありがたいと思っております。当然、病院に 来られる方は安心と安全を求めてきているわけですから、院内感染とか医療事故とかない のが当たり前で二重評価というふうなことも以前の論議ではあったと思いますね。  初診料、入院基本料に入っているんではないかというふうな話であったんですが、以前 の感染対策とか医療安全と今の病院における状況がもう一変しているわけですね。各部屋 の入り口に消毒剤を置くとか、今のような新型インフルエンザに対するものであれば、も う部屋でなく病院の入り口にもいっぱい置いてあるわけですね、ここのホテルもそうです けれども、そういうものがいっぱいありまして、もう少々の点数では賄えないぐらいのい ろんな感染症対策をやっていますので、ぜひこれは評価をもう一度復活するという方向で お願いいたしたいというふうに思います。そういう考えです。   ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員  医薬品の安全管理も院内感染対策もこれは絶対必要だと思うんですが、前の医療安全管 理対策加算、これは非常に高度な研修を終了した方が専従でつきませんととれないという ことで、これを見ても1,500ぐらいの医療機関しかとれていないということなんです が、やはりかなり大規模な病院じゃないととれないということで、それと同じようなこと がまた医薬品安全管理あるいは感染対策においても行われますと、やはり中小病院が特に 地方では本当に10対1だけじゃなくて、13対1の病院でも救急を担ったり地域医療の 中核になっているところもございますので、そういったところはなかなかそういった方を 資格を取らせる余裕はないし専従で配置する余裕もないということで、ただ患者さんは同 じでございますから急性期の大病院からどんどん紹介されてきます。  私どもの病院でもMRSAも多剤耐性緑膿菌も皆連携している急性期病院さんから持ち 込まれたものでございますが、それをとどめることはできません。ですから、ただやらな ければならないことは同じなんでございますので、ぜひその多少点数は低くてもいいです から、その加算1、2にみたいにして、例えばそういう専門看護師じゃなくても研修を受 けた経験のある看護師とか、そういったものがいれば加算を低くても専任でつけていただ くとか、そういうことで同じことは実際やらなければならないということをぜひ御理解い ただきまして、やはり大病院にしかつかないという加算だと結局私どもにはとれないとい うことで、実際はその対策を医療機能評価機構を受けてもやらなくてはなりませんから要 するに余分につけなくてはならない、そういったことで10対1の病院経営が悪化してい るということにもなっているかと思いますので、基本料とともに加算も段階をつけていた だいて、そういった地域の病院でもとれるようにぜひ配慮していただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  薬剤の安全管理にしろ院内感染にしろ、中小病院でも必要なことであるから要件を緩和 して普及をしてほしいというこういう御要望だったわけですけれども、西澤委員どうぞ。 ○西澤委員  今、鈴木委員が言ったことは全くそのとおりでお願いしたいと思います。  特に専従要件というのがかなりきつくて、これは医療安全だけじゃなくてほかのところ にも専従というのはあると思いますが、やはり専従というものの見直しというのも別なと ころで議論していただければと思います。  それと今回、医療安全に関して多職種による回診と出てきまして、この間はチーム医療 のほうで出てきました。これらすべて当然のことで、これは私たちもぜひ進めていくべき だと考えておりますが、違った項目の議論の中でそれぞれの回診をやっているかとかにな るとまた変なことになりまして、NSTの回診はやったかだとか、感染症の回診はやった かとなるので、これは総合的に考えていただいて、例えばチーム医療のほうあるいは安全 のほうそれぞれで出てきたものをまとめて、そして病院のほうではやっぱり効率的に例え ば1回でできるわけですから、そのようなところの評価というものも考えていただきたい と思います。  今までも細切れになるがゆえに、例えば委員会の数なんかでもうちみたいな100床未 満の中小病院でも何十かの委員会があるんですね。それも一つ一つ決められていて、非常 にそれでかえって効率悪くなっている、そういうあたりのことも踏まえてぜひお願いいた します。   ○遠藤小委員長  重要な御指摘だったと思います。  それでは、白川委員どうぞ。 ○白川委員  今の議論は少し逆ではないかなと思うことがございまして、確かに先生方も御存じのと おり安全というのは、ある経営をしている限りはどういう経営体であっても責任を持たな くてはいけないものでございますけれども、特に病院の場合はそれ以外の要素、患者さん が来られるとかもともと病気の方が来られるとか、非常に安全面で特別の配慮をしなくて はいけないということは御指摘のとおりでございまして、それだからこそ御苦労いただい ていると思うのです。こうした安全に関する加算をつけたのは、だからこそ専門家を雇用 して、徹底していただきたいという意図でこういう加算をつけて、それが算定要件になっ ているわけで、こういう算定要件になると加算はもらえないという理屈は、私は逆ではな いかなというふうに思います。  それぐらいこの安全については配慮をいただきたいと、人を専従で雇ってでもやってい ただきたいと、こういう意図だというふうに思っておりますので、逆ではないかなという 気がしております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員  白川委員がおっしゃることはよく分かるんですが、例えば今ある医療安全対策加算とい うのを見ましても入院初日に50点なんですよね。そうすると、これで専従の人を、専門 家を雇えということになりますから、大病院ですと例えば500床の、そうするとそれは 掛ける入院される患者さんも多いですから1人分の人件費が出るとしても、例えば100 床の病院ですと、その分同じ人を雇えと言われたら持ち出しになっちゃうわけですよね。 そこをただやることは同じなんで、要するに実はやっているわけなんでそれを評価してほ しいということなんですね。  全部、医療安全も専従でそれから医薬品の安全管理も専従でとなると、本当に非常に経 営が厳しいので、もっと加算を上げていただけるんだったらそういうことも可能かもしれ ないんですけれども、現実的にはそういったものをやる場合、全部持ち出しになってしま うということで、実際は内部でいろんな委員会をつくって経験ある看護師が研修を受けた り、連携している大病院から専門の看護師を呼んで研修を受けたり、そういうことをしな がらやっていますので、ほとんどかわらないことができていると私は思っておりますので、 ぜひそういった現実もぜひ認めていただければというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます  小林委員どうぞ。 ○小林(剛)委員  医薬品の安全対策とか院内感染防止を進めるという取り組みは非常に重要なもので、法 令上求められているということでもあり、やはり当然進めなくてはいけないと考えており ます。その取り組みを定着させるために診療報酬で評価するということであれば、最終的 には定着したときには入院基本料の中で評価するということを前提で、ぜひ評価されてい る期間中に現場での取り組みが定着できるようにしていただけたらと考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  坂本専門委員会どうぞ。 ○坂本専門委員  ここの感染対策チームにおきましては、病院の質を上げるということには大変貢献して おりまして、医療材料やMRSAの発生率、抗生剤の使用の仕方など随分変わってきてい ます。そういう意味におきましては、今白川委員がおっしゃられたように質を上げるとい うことにおいて、先ほど鈴木委員は遠慮されましたけれども、私はこういうところにやは り加算をして効果を出していきながら医療費を下げるほうに持っていくべきだと思います。  そういうところでないと感染してから抗生剤を使うとか、それからMRSAが発生して から医療費を使うというようなやり方ではなくて、サーベイランスということを大変みん な努力してやっていらっしゃるわけですから、そこに関しましてはやはり評価を上げてそ ちらのほうに誘導していくというほうがいいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  北村専門委員どうぞ。 ○北村(善)専門委員  医療機器の安全管理という意味で、臨床工学技士さんが配置されるということで事故防 止にかなりつながってきていると、それは生命維持管理装置というわけでございます。  ただ、平成19年に医療法を改正されて、すべての医療機器、それを保守点検管理しな さいということがありまして、生命維持装置だけではなくて臨床検査部門であれば検査の 精度管理、それから我々放射線機器だと高額医療機器と言われているものを使ってやって いるわけです。その精度管理もしっかりしなくちゃならないということを、今人員のやは りそれにかかわる時間、それから手間もあります、そういう意味では、すべての生命維持 装置だけじゃなくて、そういうものも含めていただきたいということもあります。  それから医療安全という意味では、今の日本の医療の中で画像診断、特にX線検査、放 射線を使った検査がありますので、それの放射線管理という法規制の中ではかなり厳しい 規制はされていて、それに人員、時間をさかれているわけですね。それに対する評価が何 もされていないということもありますので、それについても考えていただきたいと思って おります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、三浦委員どうぞ。 ○三浦委員  完全制御についても医薬品安全管理についても、かなり専門的な知識を有する必要があ るということと、それから実際に今お話が出ましたけれども、人員管理、それから時間も かなり割く必要があるということで、そこのところをやはり重要なポイントだというふう に考えております。  今、手元にある資料が、これは山形大学医学部の感染対策委員会というところで、やは り感染制御の専門の薬剤師が3名配置されているということがあって、その活動内容も非 常に充実しているということも我々報告を受けておりますし、また医薬品の安全管理に対 しても、そういう医療関係者に対してもきちんと安全管理の周知をしていかなければなら ないというそういう作業もありますので、ぜひ専門性が必要であるということと時間を割 かれるということで評価をしていただければというふうに考えおります。   ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員どうぞ。 ○西澤委員  先ほど一号側から、加算というのはこういうことをしてもらいたいからだと言いました けれども、実は医療安全は非常に大事なことで私たちはもう取り組んでおります。持ち出 しで取り組んでおります。  ここに書いてありますけれども、こういう取り組みがしていることをどう評価するかな んです。加算という考え方が今していないこれからしてもらいたいからつけるのが加算だ というんであれば、私たちは医療安全の点数を加算じゃなくて基本料として要求したいと 思います。 ○遠藤小委員長  それでは、嘉山委員どうぞ。 ○嘉山委員  大体こういうのは医政局から指示が出てきて医政局はお金つけませんから、大体我々は 持ち出しなんですよ、すべてスタートは。今日外口さん来ていないので寂しいんですけれ ども、外口さんが医政局のときにすごいいっぱい、僕は当時病院長だったのでいっぱいこ ういうのはやりなさいやりなさいとは来るんですけれども、それでこの中医協であとづけ でお金がついてくるんですが、白川委員のおっしゃることは私はもう白川委員のおっしゃ るとおりだと思うんですが、ただ例えば医療安全、加算入院50点というのを実際計算し ますと全くの持ち出しになっちゃうんですこれ。ですから白川先生が患者さんのためにこ ういうことを現場でやりなさいということを効果を上げるんであれば、この50点を見直 さない限り、例えば鈴木先生のところで人を雇うことができないというようなことで結局 できなくなっちゃうと、これは患者さんのためにもならない。  先ほど坂本委員がおっしゃったようにやっぱり予防なんですよね。起きちゃってからだ ともう大変な、企業でも公害つくったら後、大変なお金かかると同じように公害をつくる 前にやっぱり予防するというのは医学でも大事なところなので、ここは私は白川委員のコ ンセプトは全く大賛成です。基準がなくてただやっているのかどうか分からないところに お金をつけてもしょうがないというのは私もそう思いますし、ただし点数さえ上げていた だければ、多分地域の中小病院でも全部できるようになって医療の質が上がるというふう に思いますので、この50点というのを何とか中医協で変えていただければ、変える必要 があるんじゃないかというふうに思います。  それから、あと院内感染はやっぱり専門看護師がいますのでそういう人たちも、実は皆 さん御存じないかもしれませんが150万円ぐらいかけて自腹で看護師さんがそういう講 習を受けているんです、自腹で、自分のお金でですね。そういうことが評価してあげない と、やっぱり人間というのは評価というのは大事なんですね。よくやったねというのは大 事ですから、それは今までは現場に任しておいたんですけれども、やはりこういう中医協 で認めてあげることが必要だと思いますので、その辺も会長よろしくここで決めていただ ければと思います。 ○遠藤小委員長  ドクターズフィーと似たようなコンセプトですね。基本的な考えとしては。いずれにし ましても要件緩和というよりもこの件に関してはむしろ点数上昇のほうが効果があるんで はないかと、そういうふうなお話だと思います。  はい、それでは伊藤委員どうぞ。 ○伊藤委員  先ほども申しましたが、やはりこれは病院としては我々住民も全部これは必要な条件で ありますので、マストの条件でありますので、これを診療報酬だけで見るというのは非常 につらいものがあるんではなかろうかなというぐあいに思います。  医療機関のそれぞれのセーフティーネットは上げていただく、経営上のセーフティーネ ットを上げていただくのも、診療報酬だけでやりなさいというのもいささか乱暴なような 気がするんでありまして、診療報酬全体の値上げという形ではなくて、これは医療機関で ある以上やはり地域がこれを支えていくという姿勢になってきませんと、今回の診療報酬 改定は間に合いませんけれども、将来にわたってはそういう形にしていきませんと、地域 のやはり医療機関に対してある程度の責任を持っていくという形にしていきませんと、医 療機関の努力だけではちょっとなかなか難しいんではなかろうかなということを思ってお ります。  今回、今ここの点について評価をしてほしいという診療側からの御意見は、十分私にも 分かりますのでこれは十分理解ができるところだなと、ただ将来的にわたって私はそれだ けではちょっと申しわけないなというぐあいには思っておりますので、もっと定期的に安 定的に支援ができるような形がよろしいんではないかなと。診療は診療でちゃんと評価を すると、そういう形にしていかないと多分いつまでたってもいたちごっこでなかろうかな ということを思います。 ○遠藤小委員長  鈴木委員どうぞ。 ○鈴木委員  そういう考え方をとっていただければそれはそれでいいんですけれども、ぜひその際に は官民格差をなくしていただいて、同じことをやるんだったら民間にも補助を出してほし いというふうに思います。  ちなみに、先ほどの今ある医療安全対策加算ですけれども50点、うちの病院で一月や っても3万5,000円にしかならないんですね、これで1人専門家を雇えというのは無 理なんですよ。坂本専門委員にちょっとお聞きしたいんですけれども、感染、管理認定看 護師って今何人ぐらいいらっしゃるんですか。 ○遠藤小委員長  坂本専門委員どうぞ。 ○坂本専門委員  ちょうど用意しておりました。大体900人から1,000人です。 ○鈴木委員  まだまだ我々のような病院にはなかなか回ってこない。いずれぜひ取らせたいという気 持ちはあるんですよ。ただ、専従と言われると困るんで、何かちょっと専任ぐらいでやら せてもらえると知識を持った人がふえるのはいいことなんで、そういうのはぜひ認めてほ しいなと思うし、まだ900人、1,000人ではなかなかまだ回ってこないし余裕もな いけど、でも何とかそういう人たちをふやしていきたいと思っています。 ○遠藤小委員長  坂本専門委員どうぞ。 ○坂本専門委員  今、看護協会の認定のお話しされましたけれども、実は大学院でもふえてきておりまし て、そういうところの方で、ドクターもそうですけれども受けられた方も認めていくよう な形でもよろしいかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、白川委員どうぞ。 ○白川委員  すみません、私の発言が多少誤解されているようなんで申し上げたいんですけれども、 私が申し上げたかったのは、安全で今非常にお金がかかるので加算で面倒を見られないの かというように聞こえたものですから、それでは安全加算でついたものは全部安全に使う んですかという1対1の関係かというと決してそうじゃないと思うんですね。  今御苦労されているのは分かりますけれども、さらに安全にしていただくためにインセ ンティブとして加算ということがあるわけですから、そういう考え方で議論しないとおか しいんじゃないですか、考え方が逆じゃないですかというふうに申し上げたわけで、何も 私はこれを否定しているわけでも何でもございませんので誤解なきようにお願いしたいと 思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  まだまだ御意見はあるかと思いますが、勝村委員何かありますか。安全というと一言何 かあるかな。 ○勝村委員  一応、小林委員とか先ほど西澤委員の発言の中にちょっとあったと思うんですけれども、 やっぱりコンセプトとしては、医療機関ごとに機能が違いますというのはもちろん理解で きるわけです。施設の大きさが違います、規模が違います、とか、役割が違いますとかは よく分かるんですけれども、この安全とかこういうことに関してはやっているところとや っていないところがありますということではやっぱり理屈上おかしと思います。ただ、だ けど現に今、そういう取り組みをやっているところとやっていないところがあって、やっ ているところを広げていかなければというんだから、今はインセンティブとして診療報酬 で見ていくということで普及がされていくんだということは一定理解できるので、それは いいと思うんですけれども、ゆくゆくはこれはやっぱり基本料なり何か伊藤委員がおっし ゃる通りで、そういうところにきちんとやっぱり入っていくということをコンセプトとし ては持ってやってほしいので、安全対策の普及は本当に一気にやってほしいなというふう に思っています。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  まだ御意見あるかもしれませんけれども、基本的には医療安全を進めるということにつ いては一号、二号側は全く異論はないわけでありますが、その評価の方法あるいは普及の 仕方についていろいろと御意見があったということでありますので、事務局としてはただ いまの御意見を整理した形で次の議論につながるようにお願いしたいと思います。  それでは、その他なんでございますけれども、実は私のほうから一つ提案がございまし て、先日産科、小児科あるいは救急についてヒアリングを行いましたけれども、同種のこ とを手術、外科ですね、手術についてやりたいなと、現場の先生からまた御意見を拝聴し たいというふうに思っておりますので、その辺についてお諮りしたいと思いますが、よろ しゅうございますでしょうか。よろしゅうございますか。  嘉山委員どうぞ。 ○嘉山委員  私も脳腫瘍の外科学会の理事長をしておりますので、外科といってもこの前は産科とか そういうところだったんですが、やっぱり代表的には消化器外科の方をお呼びするのが一 つと、あとは非常に特殊なところでは、心臓か脳外科かどちらかのお二人をお呼びすれば いいのではないかなというふうに提案をさせていただきます。 ○遠藤小委員長  わかりました。  基本的にどなたをお呼びするかということについては御一任をいただこうと思っており ましたけれども、ただいま重要なアドバイスをいただいたということで、消化器外科とあ と胸部外科ということですか、脳外科?。 ○嘉山委員  脳外科、どちらかです。 ○遠藤小委員長  なるほど、というような内容でというアドバイスを承りましたので、また適任者がいる かどうかも含めて検討いたしますので、それでは外科医をお呼びして手術についてお聞き するということでよろしゅうございますでしょうか。じゃ、そのように進ませていただき たいと思います。  それでは次に、嘉山委員から資料が提出されておりますので。 ○嘉山委員  前回の仕分け作業が非常に乱暴で、中医協の委員の先生方にはぜひとも役割上見ておい ていただきたかったんですが、見ていらっしゃらない先生方もいらしたので、何か文書は ないのかというようなことだったんです。公的な文書はなかなかまだ来るまで時間がかか ると思いますので、一つの乱暴だと言ったデータの使い方を一つ提示させていただきます が、左側はワーキンググループで整形外科と眼科ですか、それが非常に云々でそこを勤務 医に持ってくるというのは非常な乱暴な仕分けをされたわけですが、あのときに使ったデ ータが厚生労働省医政局がやっぱりつくっている勤務時間なんですね。  これは従業時間でありまして、これをもってがんがんあの委員が働いているとか働いて いないとかということを決めつけたわけです。この中身は医療の中には下に書いてありま すが、患者さんが来たときのお話を十分に聞くとか、手術をするとか検査をするとか手術 をするときの研修をするとか病状を観察する、これはもう一番大事なことで1時間後にき ちっと例えば血圧が落ちついているかどうかはやっぱり観察しているわけですね。  それから、この待機というのはいつ例えば急性腹症が起きるか分からないということは 常態化しております。私なんて1年じゅう昔はポケットベル、現在は電話が海外にいても なるわけですね。そういう非常なストレスがあります。それから患者さんに関する例えば 抗がん剤の使い方をもう一度きちっと確認するとか、非常に珍しい病気であればそれにつ いての世界的なトップクラスの文献を閲する、これはもう大仕事ですね。これが入ってい ないんですよ。  一方、右側は厚生労働省が出している普通の労働時間です。もうこれは一目瞭然で勤務 医の先生方もこの前のワーキングで出した70歳代は働いていませんが、厚生労働省の医 政局が発表したのでは労働時間の中にかえって勤務医の先生方は70歳代のほうが働いて いるようなことが出ています。  左側のこの表は例えば全く合うかどうかは分かりませんが、いわゆる軍隊で言えば軍隊 が戦争している状態ですね。患者さんを触ったりメス持ったり、ただしそのほかの準備状 態がもちろんあるわけです。そうなりますと、日本の自衛隊は1回も働いていないことに なりますから、労働時間はゼロというふうにそういうふうな恣意的なデータと呼べなくも ないわけですね。したがって、もしもきちっとあの仕分けをやるんであれば1時間なんて いう短い時間ではなくて、データも検証したデータでするべきだというふうなことを私は 申し上げたいわけです。  そのことはこの一つの厚生労働省を対象とした仕分けだけでなくて、ほかの省庁の方々 も皆さんそうおっしゃっていますので、非常に恣意的であるというようなことを私はあれ から見ましたので、見ていらっしゃらない先生方もいらしたのでデータもこういうような データを使われているので、これは厚生省もなかなかあのとき答えるの大変だったと思い ますけれども、声明を出すべきだというふうに申し上げたわけでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  これについて何か御意見、御質問ございますか。よろしゅうございますね。そういうタ イプのデータであったということであります。  あと、嘉山委員もう一つよろしくお願いします。 ○嘉山委員  中医協に、従来ナショナルセンターを含んだ特定機能病院の状態といいますか現況とい いますか、日本医師会がそういうことをやってまいりませんでしたので、大学を含む勤務 医の生活といいますか、医療の内容を次回会長の許可をいただきまして…… ○遠藤小委員長  いや、そうではなくてこれでお諮りをしますので皆さんに。 ○嘉山委員  ああ、そうですか。 ○遠藤小委員長  はい、そういうことです。ここでそれを持ち出すことを許可したということであります。 ということで、嘉山委員から特定機能病院についての状況といっても基本的には財政状況 とかそういうところが中心になりますかね。 ○嘉山委員  財政だけではなくて医療内容とかそういうものも含まれると思います。 ○遠藤小委員長  今まで特定の医療機関について、どういうタイプの医療機関でどういうことをやってい るのかというようなことを、この場で聞くということはなかったわけなのですけれども、 特定機能病院というのがある意味特殊な立場であるということと、それから実はその財政 内容とかどういう仕組みになっているかということも余り理解されていないところもある ので、もし皆さんのお許しがあれば時間を限りますけれども、特定機能病院の実態につい て御報告をいただくということはいかがかなということでお諮りをしたいと思います。い かがでございましょうか。  邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  ぜひお願いしたいと思います。大学病院はやはり日本の医療、医学のトップランナーの 一角であると思っていますが、最近10年間ぐらいの様子を見ますと教育費と医療費がか なり削減されて、その2つをやっている大学病院が一番疲弊していると私は考えおります ので、ぜひお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  一号側はどのような、よろしゅうございますか。 ○白川委員  特に異存はございません。 ○遠藤小委員長  はい、わかりました。それで、私のほうから一つ、特定機能病院を取り上げましても非 常に多様な取り上げ方がありますので、あくまでもこれは中医協の議論ということであり ますから、最終的には診療報酬と関連づけるようなその周辺を中心にお話しいただければ と思います。時間も限定させていただきますので、よろしくお願いします。 ○嘉山委員  先生の御命令はちゃんと聞くようにしますのでよろしくお願いします。 ○遠藤小委員長  では、御準備のほうよろしくお願いいたします。  以上が用意した議題でありますけれども、これをもちまして本日の小委員会は終了いた したいと思います。事務局から次回の日程等について何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  日程の前に訂正がございますので1枚ものをおつけしております。単純ミスをしており まして、往診料(対診も含む)600点というところがありましたが、これは650点の 間違いでございまして正誤表をつけて、そして訂正した後どうなるかということで資料も 差しかえのものを準備しております。申しわけありませんでした。  それから、次回は11月20日を予定しております。よろしくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。それでは、本日の小委員会はこれにて閉会いたしたいと思いま す。どうもありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)