09/11/16 第18回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会 (第18回)議事録 日時:平成21年11月16日(月) 15:00 〜 17:30 場所:専用第18〜20会議室 ○寺野座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第18回の「薬害肝炎 事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」を開催します。  委員の皆様には、大変お忙しいところ、御出席ありがとうございます。  今日は、山井政務官に御出席いただく予定ですが、遅れて来られるそうです。そ のときに御発言いただきたいと思っています。  それでは、最初に、会議の開会に当たりまして、資料確認をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。  まず、今日の御出欠ですが、委員のうち、西埜委員、堀内委員、森嶌委員が御欠 席と伺っています。  お手元にお配りしている資料ですが、今日は資料の1−1から資料8まで、資料 番号を振ったものをお配りしております。資料5については、添付の資料もありま すので、クリップで綴じたものになっています。  そのほかに3つございまして、水口委員から、“The Informed Prescriber”とい うタイトルのペーパーを2つお配りしています。  それから、ワーキンググループの第1回の資料を一つに綴じたものをお配りして おります。  お配りした資料のうち、資料8と番号を付けてございますものは、第一次提言に 対する意見、パブリックコメントとして最近寄せられたものですので、御参考まで にお配りします。  足りないものがありましたら、お知らせをいただければと思います。よろしくお 願いします。 ○寺野座長 資料、よろしいでしょうか。  それでは、本日は17時半ごろまでということで、2時間半になりますが、時間を 守って進めてまいりたいと思います。  今日は、この間に、適応外使用、これは患者団体の方からのヒアリングが入って おります。それから、臨床試験、PMDAの組織文化といいましょうか、組織や職 員のアンケート調査についての御説明があります。  それから、第一次提言を受けた取組・検討状況について、いろいろ御質問に対し て、事務局から説明があります。  堀内研究班の進捗状況ですが、今日は堀内班長がお休みなので、泉委員から御説 明があるということですけれども、泉委員も来ておられないですけれども、多分そ こまでに来られると思います。  それから、第三者監視機関のワーキンググループの第1回が開かれましたので、 その状況について御報告いたします。  そしてまた、今後の議論の進め方ということ、こういう議事を予定しております ので、御協力をお願いいたします。  それでは、議題の1ですが、まず、適応外使用についてであります。  このテーマは、これまでの第一次提言にも入っておりますけれども、御議論いた だいているところなんですが、本日、まず、患者さんの立場から御意見を伺うとい うことで、卵巣がん体験者の会スマイリー代表の片木さんにお越しいただいており ます。さきに本委員会への要望書もいただいております。そこで、15分くらいにな るんでしょうか、まず、片木さんのお話をお聞きしたいと思いますので、よろしく お願いいたします。 ○片木氏 こんにちは。卵巣がん体験者の会スマイリーの片木と申します。 (PP)  今日は、ドラッグ・ラグ被害者として、皆様にお願いしたいこととしまして、少 しお時間をいただいて発言させていただきたいと思います。今日はこのような貴重 な場で発言する機会をいただきまして、ありがとうございます。 (PP)  まず、はじめになんですけれども、私たち卵巣がん体験者の会スマイリーは、ド ラッグ・ラグ解消の働きかけを2006年9月から始めてきました。その際に、厚生労 働省の方からもマスメディアの方からもよく聞かれたのが、薬害被害者の方に対し てどう思いますかとか、彼らが薬の承認を妨げているというような話を聞いて、ど うしてかなと思うようなこともありました。また、薬害に対する浅はかな知識をひ けらかして、ドラッグ・ラグ解消の動きを反社会的というふうに非難されることも しばしばありました。これに関しては、今になっては、こういうことを言った人た ちの方が不勉強じゃないのかなと思っています。 (PP)  私たちはその発言に対してとても疑問に感じましたので、薬害肝炎に関する新聞 記事を過去にさかのぼって読んだりとかしました。そのときになんですけれども、 薬害肝炎に関して私が感じたことなんですが、海外では、治療薬の中止によって助 かっている命が、日本では使用され続け、被害者が生まれているのではないかとい うこと、副作用被害という薬害ですね、出さないために対策をしてほしいというこ とを訴えられているのではないかと感じました。  また、薬害肝炎の被害者の方々は、とても辛いインターフェロン治療を受けられ ているということを知りました。でも、インターフェロン治療に関しては、副作用 に関して、薬害とか被害を訴えていられないということを知りました。  私たちドラッグ・ラグの被害者に関しては、海外では治療薬が承認されて助かっ ている命が、日本では承認されないために亡くなっている人がいる。そして、副作 用に対しては、情報を速やかに出してほしいという思いは一緒であること。そして、 薬である以上、副作用はゼロではないということはよく分かっています。それでも 治療できるのであれば、効果があるのであれば治療したいと願っているというので、 どうも対立軸ではないのではないかと私は感じています。 (PP)  極論ではあるんですけれども、例えば薬害をゼロにしたければ、医薬品というも のをこの世の中から消し去ってしまえばいいと思います。ラグをゼロにするのであ れば、薬を何でも認めてしまえばいいと思うんですけれども、私たちドラッグ・ラ グの被害者も、きっと薬害被害者の皆さんも、そういうことを望んでいるわけでは ないのではないかと私は思っています。 (PP)  実際、着地点というのは似ているのではないかと感じています。例えば、薬害被 害者の方々は人為的であり、また、対策が正しくされなかった不作為によって、薬 事行政とか企業の対応が悪くて多くの人が苦しんでいる。薬害が起こらないために、 命が軽視されないように、今、努力をされているのではないかと感じました。  そして、私たちドラッグ・ラグの被害者も、作為により対策がきちんと取られな いことによって、医薬品承認のプロセスが時代に合っていないから、多くの患者さ んが適切な薬が届かなくて苦しんでいる。私たちも薬害が起こることは何も望んで はいません。命をつなぐために、エビデンスのある正しい治療を受けたいと望んで います。 (PP)  第一次提言に対する要望に入るんですけれども、ここで少し考えてもらいたいん ですけれども、皆さんは、がんになりますか。今、日本人の2人に1人はがんにな ると言われています。お隣の方と顔を見比べてもらったら分かると思うんですけれ ども、隣の人とどちらか1人が将来がんになるという状態です。 (PP)  がんになったときに病院をどうやって選びますかということで、これはスマイリ ーの会員にアンケートをとったんですけれども、最初に診断を受けた病院から紹介 された病院で治療を受けている、近くの大きな病院、余り考えずに病院を選んだ、 インターネットで評判がいいところを調べた。ということで、患者さんのほとんど は、自分が将来末期がんになるとか、治療の方法がなくなって、適応外処方を受け る事態になるということを想定して病院を選んでいないことが分かりました。 (PP)  実際にこれも相談があった内容なんですけれども、これは、岩手県の地図なんで すが、簡単に大きな病院に通えない患者さんもいらっしゃるんですね。がん対策基 本法が2007年に施行された後、地域に指定されたがんの拠点病院というのが多々あ るんですけれども、いまだにこの拠点病院というのを知らない患者さんも多数いら っしゃいます。岩手県では拠点病院というのが画面では紫色の病院になっているん ですけれども、このように点在していて、通いたくても通えないという状態の人が います。特に、適応外処方、治療の選択肢がなくなってくる患者さんであればある ほど体調が悪いわけですから、100キロ離れた大きい病院に通いなさいといっても無 理な現状。我が町で治療を受けたいと望んでいる率が高くなっているという状態で す。 (PP)  続いてなんですけれども、実際、卵巣がん患者が望んでいる治療として、私たち 卵巣がん患者は、プラチナ製剤という、シスプラチンとかカルボプラチンというも のが標準治療の中に組み込まれているんですけれども、それに耐性、効果が見られ なくなったときに、選択肢がなくて困っています。  アメリカNCCNのガイドラインにも、日本の婦人科治療ガイドラインにも、両 方とも、ドキシル、ジェムザール、トポテカンというお薬がプラチナ抵抗性の再発 卵巣がんに使うことが勧められますと掲載されているにもかかわらず、2009年4月、 今年の4月にドキシルが承認されるまで、いずれもが適応外ですね。ほかの病気で は承認されているのに、卵巣がんには使えない状態でした。  トポテカンに関しては、ラグが13年という状態になっています。 (PP)  私たちがこういった治療をしたいという思いはわがままかということで、まだ承 認されていないジェムザールの状況なんですけれども、世界で赤く塗りつぶした、 地図で塗りつぶした地域では承認されています。一覧表にも挙げてみました。日本 での承認ですけれども、非小細胞肺がんをはじめ、いろいろながんで承認されてお り、ガイドラインにも載っていて、そして無作為の公表論文なんかもインターネッ トを検索するとたくさんあります。 (PP)  私たち卵巣がん患者はまだ標準治療というのがあるんですけれども、私たちスマ イリーに在籍している卵管がんと腹膜がんの患者さんに関しては、適応症をとって いるお薬がないということで、卵巣がんに準じた化学療法を行っています。私たち と一緒に臨床試験というのも受けている状態です。  また、民主党だった山本孝史先生も胸腺がんということですけれども、この病気 も肺がんに準じた治療というのを行っているということで、適応外しか治療方法が ないがんもあって、こういうほかのがんに準じている治療、特に患者が少ない病気 に関しては、準じた化学療法というのが行われている状態です。 (PP)  私たちの理想も、もちろん薬が承認されることを望んでいます。実際にドキシル に関しては、早く承認してほしいということで、2007年4月と2009年1月に合わせ て18万筆以上の署名を提出しています。それぞれの署名を集めた期間も2カ月半と か3カ月半という短い期間にこれだけたくさんの方が早く薬を承認してほしいとい うことで署名してくださいました。  でも、今のドラッグ・ラグの現状を見ると、承認されるべきということではラグ はどんどん広がっていくということで、「承認されるべき」という言葉自体がきれ いごとになってきているのではないかなと感じています。こういうきれいごとでは 患者さんが救えないのではないかと思っています。 (PP)  第一次提言についてなんですけれども、先ほど紹介いただきました資料にも要望 書を付けて、実は7月に私たちの要望を出しています。  第一次提言の38ページに、医療機関の倫理審査委員会などへの報告及び定期的な チェックを受けるべきであるというふうに適応外使用に関しては記載されているけ れども、私たちがん患者からすると、拠点病院すら知らない現状があるのに、倫理 審査委員会が頻繁に機能しているような病院を患者さんが果たして選ぶことができ るであろうか。特に、末期がんとか、手が尽きてしまっているような患者さんに関 しては、そういう病院へ通えるだろうかというところが私たちは疑問を感じていま す。そして、地域で治療を受けたい患者さんにとっては、病院がなければ、とても 治療へのアスを妨げる高いハードルになりかねないのではないかなと感じています。 (PP)  そして、もう一点、29ページに速やかに保険診療所を認められるシステムを整備 するとともに、最終的には適切な承認手続のもとで承認を得られるような体制を整 備するべきであるということで、これも私たちの視点からすると、ドラッグ・ラグ を解消するためにとても重要な提言であるということで、こういう問題を書いてく ださったことに感謝するとともに、でも、これまでのドラッグ・ラグの歴史を顧み ても、保険と薬事の連携がない。これは小野先生に聞いていただいた方がより詳し いんじゃないかなとは思うんですけれども、そういうことによって、この提言が果 たして実行されるかというと、物すごくハードルが高いんじゃないかなと感じまし た。  そして、薬害防止の視点で大切であると認識しているんですけれども、こういう 提言を出す上では、私たちラグの被害者のことも知ってもらった上でとか、そうい う立場の人間もできれば関わって考えたら、国民のためにはよりよい提言になるん じゃないかなと感じました。そういう意味で、私たちは声を聞いてほしいというこ とで要望書を出させていただいています。 (PP)  抗がん剤なんですけれども、承認を取ってから後々になってエビデンスが分かる ことがあります。例えば、今年のASCO、アメリカの学会なんですけれども、乳 がんに対して、トリプルネガティブというハーセプチンとかが効かないタイプの乳 がんなんですが、そういう乳がんに対しては、カルボプラチンなどの併用療法が効 果があったという報告がされています。でも、カルボプラチンというのは、1990年 代に承認をとったような古いお薬なので、もうとっくに特許の方が切れているとい うことで、患者さんは、カルボプラチンが効果があると言われてもどうしたらいい んだということで大変困っておられます。  また、ゲムシタビンと書いてある。これは、ジェムザール、先ほど紹介した卵巣 がんに聞くジェムザールですけれども、去年の日本がん治療学会で有用性があると いう報告もあります。ジェムザールも特許がとっくに切れています。特許切れの抗 がん剤でもがん領域では後々になってその部位に効果があると分かる場合もある。 こういう病気があるということを知っていただけたらと思います。 (PP)  薬が医療現場で使えることによって救える命というのがあります。例えば、最近、 ドラッグ・ラグでよくテレビに出られている小倉恒子先生、御自身も耳鼻咽喉科の お医者さんですけれども、乳がん患者さんです。今まで薬をあれこれ承認薬をやり くりして治療してきたけれども、もう治療の手がないということを訴えられていま す。  そして、彼女が求めるジェムザールも、アバスチンもカルボプラチンも適応外と いうことで、もう私には治療方法がありませんということで、実際に適応外治療を 受けられて、これが効かなかったら、それこそ個人輸入で打つしかないんだろうと いうところまで追い詰められていらっしゃいます。  そして、私たちスマイリーの会員であるニイハラなんですけれども、今年の5月に亡 くなりました。彼女に関しては、実は国立がんセンターで適応外でジェムザールを 投与しました。彼女には残念ながら奏功しませんでした。でも、彼女は新聞の取材 で、ドキシルが欲しい理由の1つに、ジェムザールが私には奏功しませんでした。 でも、奏功しなかったのと、治療が受けられなかったのとでは意味が違う。ジェム ザールに私はチャレンジできてよかったと言っていました。患者にとっては、有用 性があるというお薬を打ちたいという気持ちは何にも代えがたいものではないでし ょうか。 (PP)  実際に適応外治療が受けられずに悲劇も起こっています。これもスマイリー患者 のエピソードなんですけれども、今、外来化学療法というのが病院では増えてきて います。ですので、いろんながん患者さんがベッドを隣同士にして治療を受けてい るんですけれども、隣のベッドの人は、肺がんだからジェムザールを使っている。 私は卵巣がんだから、幾らお願いしても適応外だからと打ってもらえないというこ とで、隣の国どころか、隣のベッドの人が薬を打っているのに治療できないなんて ということで、泣きながら電話をかけてこられました。この方は、この電話をかけ てこられた1カ月半後に亡くなっています。とても無念だったんじゃないかなと感 じています。 (PP)  こういう患者さんというのは、結局、やがてどんどん難民化していって、エビデ ンスのない個人輸入をしてみたりとか、高額なエビデンスのない治療に走ってみた りということをしていくように、私は患者会をしていて感じています。  こういうエビデンスのない治療とか自費診療が、診療の名のもとに治療を求める 患者さんの心の痛い部分をくすぐるように行われていることの方が私は危険じゃな いかなと思っています。ある患者さんは、私は自分で人体実験をしているような気 がしてならないとおっしゃいました。そういう状態なのではないかなと感じていま す。 (PP)  限られた時間ですので、私たちの現状を簡単ではありましたけれども、御説明さ せていただき、ありがとうございました。私たちラグ被害者にとっても、この委員 会が出される提言というのは大きな影響がある提言です。どうか私たちと一緒に医 薬品行政について考えていただけたら、私たちの声も聞いていただけたらうれしい かなと思います。ありがとうございました。 ○寺野座長 片木さん、どうもありがとうございました。大変分かりやすい説明で した。  それでは、この論点に関して、事務局からの資料もありますので、添付されてい ると思います。説明をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 先に政務官の方からお願いしていいですか。 ○寺野座長 ごめんなさい。話に夢中になって聞いていまして。山井政務官がお忙 しい中を来ていただきました。一言お願いいたします。 ○山井政務官 大切な検討委員会の途中で申し訳ございません。政務官の山井和則 です。  ただいまは、片木さんのお話を聞かせていただきまして、ありがとうございまし た。私も今までから、ドラッグ・ラグという問題、非常に重要な、そして人の命を 大きく左右する問題だと関心を持っていましたので、お話をお聞きできて非常によ かったと思っております。  6ページ目にも書いてありますけれども、薬害が起こることは望んでいないが、 命をつなぐためにエビデンスのある治療を受けたい。まさに当然の思いであると思 いますし、私も多くの相談をお聞きしたことがあります。翻ってみれば、薬害肝炎 の場合は、アメリカで、逆にこの薬を使うと、この血液製剤を使うと肝炎になって しまうという恐ろしいマイナスのエビデンスがあるにもかかわらず、それを日本で 使ってしまったという、本当にあってはならない痛ましい事件であったと思ってお ります。ドラッグ・ラグの患者の方々の声もこれからも聞きながら検討させていた だきたいと思います。  さて、本当でしたら、10月29日も長妻大臣と私、来させていただきたかったんで すが、最初に一言おわびをせねばなりませんのが、来させていただく予定だったん ですが、実はあの日5時半から、ほかでもない肝炎患者の方々との面会が入ってお りまして、その面会のための打ち合わせを首相官邸と40分ぐらいずっとやっている うちに、結局、この会に来ることができませんで、本当に申し訳ございませんでし た。  そのときに参加をされた方々も一部今日おられますけれども、あの日、長妻大臣 が山口美智子薬害肝炎原告代表の求めに応じて、一緒に鳩山総理のところに行かせ ていただきますという返事をさせていただきまして、そして先週、薬害肝炎の原告、 B型肝炎訴訟の原告、日肝協の皆さん方総勢三十数名で、鳩山総理、長妻大臣、松 野官房副長官に面会をさせていただきました。私も立ち会わせていただきました。  その中で、鳩山総理からも、命を大切にする政治という、一つのまさに大切なテ ーマとして、薬害肝炎基本法の早期成立に向かって自分も努力をしたいというお話 がありました。また同時に、山口美智子原告代表から、それだけでなはなく、B型 肝炎に効果がある抗ウイルス剤、そして、インターフェロン治療の更なる自己負担 の軽減の要望もありました。そのことについても、鳩山総理、最大限努力をすると いうことをおっしゃいました。  この肝炎対策基本法案、11月30日まで会期が残りあと2週間となってまいりまし た。もちろん議員立法でありますから、厚生労働省の立場として言うのははばから れるわけでありますけれども、やはりここは何としても肝炎対策基本法を与野党合 意という形でこの国会で何としても成立させるために、厚生労働省としてもできる ことは全力でやっていきたいと思っております。  同時に、やはりより多くの方々が抗ウイルス剤の治療、そしてインターフェロン 治療を受けるためには、自己負担が安くならねばなりません。10万人がこの治療を 受けられるといって始まった医療費助成、ふたを開ければ年間4万6,000人。残念 ながら半分にも至らずに、結果的に60数億の医療費助成のお金を、予算を国庫に返 すという、非常に大失態という結果になってしまいました。その反省を生かして、 より多くの方々が医療費助成を受けるために、自己要求になっております。財務大 臣は、事項要求は基本的には予算がつかないと思ってくださいという厳しいことを おっしゃっておられますけれども、まさに命を大切にする1丁目1番地がこの肝炎 対策だと思いますので、このことに関しては、皆さん方の応援をいただきながら、 一緒になって、何としても命を作る政治を実現していきたいと思っております。  更にもう一つは、この肝炎に関しましては、B型肝炎訴訟、薬害とは離れますけ れども、予防接種によって起こったB型肝炎訴訟がまだ残っているわけです。薬害 肝炎の問題が1つ提起をしたのは、医療行政の被害者である方々当事者が、本当に 肝炎や肝臓がんという病に闘いながら、裁判に訴えなければ十分な医療が受けられ ない。そういうことは二度とあってはならないということが薬害肝炎訴訟の教訓で あったわけであります。その思い、教訓をしっかり受け止めて、このB型肝炎の訴 訟というものに関しても、ずっと永遠に闘い続けることがないようにしていかねば ならないのではないかと思っております。  厚生労働省は言うまでもなく国民の命を守る役所であるということを国民から望 まれているわけであります。今日のドラッグ・ラグの片木さんのお話もしっかり受 け止めながら、救える命を一日も早く救っていく。そのために、検証検討委員会で 御議論をいただきたいと思っております。どうか皆さんよろしくお願いいたします。 ありがとうございます。 ○寺野座長 山井政務官、どうもありがとうございました。時間は。 ○山井政務官 これからまた事業仕分けの。 ○寺野座長 仕分けの仕事がありますね。そういうことで、ありがとうございまし た。では、政務官公務のため退室されるということで す。ありがとうございました。 (山井政務官退室) ○寺野座長 そういうことで中断いたしましたけれども、それでは、ただいまの件 に関しまして、事務局から資料があるということでございますので、御説明をお願 いします。 ○審査管理課長 資料の2をごらんください。未承認薬・適応外薬解消に向けての 検討状況でございます。  未承認薬・適応外の解消に向けまして、海外で承認されているようなもので日本 で承認されていない未承認薬、それから欧米、海外で承認されていないんだけれど も、公的医療保険制度の適用を受けているようなものということで、関係団体等か らの御意見、御要望等を6月から8月にかけまして募集させていただいております。 その結果、左の下の方にございますけれども、約200の団体・個人から600の要望 をいただいております。重複等をまとめますと、今のところ376の要望、未承認薬 が92件、適応外薬が284件となっているところでございます。適応外薬につきまし ては、同じ成分でございますけれども、薬効分が違えば、それはそれぞれカウント しております。で、284件ということでございます。  これに関しまして、関係の企業等に見解、開発状況等について意見を求めており まして、一応11月6日までということで締め切っておりますけれども、先週くらい までに大体集まってきているところでございますので、今それを集計中でございま す。今後、未承認薬の使用問題検討会、それから承認薬物療法検討会議を発展的に 改組いたしました有識者会議におきまして、これらにつきまして、開発支援をどう するのか、評価報告書等の作成による支援、あるいは必要な試験等の指導というよ うな振り分けのための検討を勧めていきたいということで考えております。  以上でございます。 ○寺野座長 それでは、ただいまのドラッグ・ラグ並びに適応外使用について片木 さんのお話と、ただいま報告のありました資料に基づいて御討議をお願いしたいと 思いますが、御質問なり、御意見なり、ありましたら、お願いいたします。いかが でしょうか。どなたからでも結構です。では、間宮委員。 ○間宮委員 お話どうもありがとうございました。  はじめにの次のページで、薬害被害者の方がいるから薬の承認は進まないですよ というのは、一体だれが言っているんだと聞きたいですね。そういうことを言って いる人は本当にいると思うんですよ。だけど、本当の意味的のドラッグ・ラグにつ いては解消させるべきだということは、被害者の我々も言っている話であって、そ うじゃなくて、何もかにも一緒くたで同時に発売するんだということが問題だとい うことを言っているわけであって、ちっともこういう承認を早くすることについて 被害者が文句を言っているということはないということは一言申し上げておきたい と思います。  実際、サリドマイドの問題についても、我々サリドマイド被害者は関わったわけ ですけれども、このときも決して遅らせようというつもりは全くなくて、むしろ協 力したんですけれども、なかなか製薬会社の動きが遅くて、結果的に2年以上もか かったと我々は認識しています。  あと、後半の話なんですけれども、適応外治療が受けられずに起こった悲劇とい うところは、委員の皆さんの中ではお医者さんがいらっしゃいますので、ちょっと 聞きたいなというところなんですね。どうなっているのというところで。これはド ラッグ・ラグというよりも、要は、適応外使用の問題ということだと思います。保 険の問題にも関わってくる話だと思うんですけれども、そのあたりを、もちろん片 木さんご本人からでも構いませんし、更に補足して専門家の委員の先生にもお話し いただきたいなと思います。  以上です。 ○寺野座長 片木さん、何か御意見ありますか。 ○片木氏 まず、早速、私もずっとこれまでにかなりいろいろ薬害被害者の方とわ ざわざ対立させよう、させようと引っ張ってくださるよけいな外野の方々がいたん で、この場でそれを否定できたことはとてもいい一歩だったなと思うんですけれど も、ありがとうございます。  悲劇の面なんですけれども、医療機関で私たちが適応外の治療を受けようと思う と、適応外だからということで混合診療という問題になってくるんですね。なので、 先生たちは結局それに踏み込めないというんですかね、じゃ、全額自己負担させる のか、それまでの治療の分も返還させるのかというような混合診療の問題になって きたりとかということで適応外治療ができないんです。  実際に適応外治療をしている先生たちはどうしているかというと、例えば臨床試 験という形でやってみたりとか、あとは裏技があるとお医者さんはおっしゃるので、 その裏技は何なのかはよく分からないですけれども、そういう形で患者の命のため に先生方があの手この手でやってくださっていると認識しているんですけれども、 やはり多くの医療機関は、これは承認されていないから、自分たちは混合診療をも しやって、医師には療担規則という規則があるらしいんですけれども、それに違反 して罰せられたら困るからとか、患者さんはいいと言っても、その後、遺族が訴訟 を起こしたら、やはり自分が負けてしまう。じゃ、だれが守ってくれるんだ。死ん だ患者は守ってくれないだろうということで、先生たちが踏み込めないというよう な現実があって、スマイリーの中にもジェムザールを実は打っている患者さんはい るんですけれども、打てていない患者さんは、あの人は打てているのに、私はなん で打てないんだというような、特に卵巣がんは婦人科がんの中でも予後が悪いので、 こういう話はしょっちゅう、しょっちゅう起こっています。それが現状です。 ○寺野座長 ありがとうございました。  適応外使用とドラッグ・ラグ、ちょっと一緒になっているところがあるかなと思 うんですけれども、若干それを区別しながら、清水委員、どうぞ。 ○清水委員 2点あるんですが、確かに混合診療との関わり合いというのは非常に 大きな問題があると思うんですね。医者の世界でもいろんな人がいますから、それ を使ってむだな利益を稼ごうという、もちろんそういう人もいますけれども、多く は非常に良心的な医者の方が圧倒的に多いということは承知しておいていただきた いと思うんですね。ですから、そういうようなどこの部分を信頼するのかというこ とによる。私は原則的には、混合診療は認めるべきではないか。そうすると、ある 部分は解決がつくと思うんですね。しかし、お金の問題がちょっと絡んできますか ら、保険診療で認められませんと、なかなか使いにくい。承認は受けても、保険で 認められなければなかなか使いにくいという現実はあります。  それから、もう一つは、既に保険診療がされていましても、患者さんによっては、 この薬とこの薬を併用する方がいいんだといっても、それが保険上認められないと いう組合せもあるんですね。ですから、今の片木さんの御提案というのは、非常に 広い意味での根本的な解決を図る部分の中でも議論していっていただかないといけ ないのではないかなと思います。  1つのこの問題に対する提言なんですけれども、一番我々が、私も新薬というか、 アール機器の開発等にかつては携わったこともあるんですが、一番イライラさせら れるのは、何でこの新薬や機器が今この時点でまだ承認がなぜ受けられないかとい う、その理由が分からないんですね。  そういうことが1つと、それから、もう一つは、こういう新薬が外国で承認され ていると。日本ではなぜそれが承認にならないのか。それは製薬企業が取り扱わな いということもあろうかと思うんです。そのときはなぜそれを取り扱わないのか。 取り扱うんだけれども、それを今度は承認申請に持ち上げていくときに、どういう 問題が今上がっているのか。実際に承認にこぎ着けて、これは近藤先生がいらっし ゃいますけれども、受け付けたときに、どのような段階で今プロセスが進んでいる のか。毎回毎回でなくてもいいんですけれども、年に1回とか2回とか、この薬は 何で承認されないのかという理由をはっきりと提示していただくということが非常 に大事ではないかなと思うわけです。そして、それを踏まえてもっと広く議論をす る。新しい基準を作ったりする必要があるならば、そういうことに踏み込んでいく とか、そういうようなことをしませんと、この問題に対する解決策は見出せないの ではないかと思う次第です。 ○寺野座長 堀委員、どうぞ。 ○堀委員 片木さん、ありがとうございました。また、清水先生が今御指摘の点も、 私もいろいろ日頃から問題意識を持っているところです。先ほどお医者さんでとい うお話もあったので、特に私もがん治療をやっているものですから答えると、恐ら く保険の話のところは、仕組み、システムの問題においても、あるいは個別の患者 の治療においても、現時点は結構グレーゾーンで何とか、みんながリスクを負って やってしまっているような状況だと思います。個人の診療に関しては適応外である というようなこと、抗がん剤は事前に計画的にやって十分説明してやっていきます から、そういう時間があるという面もあるんですが、適応外であるということを患 者さん、あるいは家族に説明をして、同意を得てやっていくという場合もあります。 個人においては、それを症状詳記とか、ああいうところでいろいろ頑張って書いて いくことで何とか個別個別でやっているというところで、グレーゾーン、悪く言え ばごまかしているというところになるわけですね。  一方、仕組みで言うと、薬事上の承認、添付文書で出てくる承認というのは、私 の理解では、ある程度一定のハードルがあると。ちゃんと効能、効果、用法、用量 を決めれるようなデータがあるものが薬事上の承認になっていくわけなんですが、 そうなると、当然ストリクトにやるわけなので、日進月歩で治療の仕組みが変わっ ていくような世界においては、抗がん剤なんかは、これとこれの併用がいいとか、 そういうこともどんどん出てきますし、そうなると、薬事上の承認を次々とタイム リーにこなしていくというのは現実的にかなり難しいだろうと思います。  そう思うと、恐らく片木さんがおっしゃっているのは、そういった薬事の承認を 最終的に取ることが目標だけれども、医療の現場では、怪しい利益のためにやって いるようなものは別として、十分、ある程度だれもが納得できるような治療であれ ば、保険の仕組みに入れていくような仕組みを考えていかなければいけないんじゃ ないかということだと私は思って聞いていましたし、私の意見は以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  そのほか。友池委員、どうぞ。 ○友池委員 友池です。  今、御説明があったとおりだと思うんですけれども、いろんな言い方で御説明し ないと多分御理解いただけないところがあるので、私は循環器の立場から申し上げ ますと、適応外と言ったときに、ある疾患では使えるのに別の疾患では使えないと いうのが適応外と。1つの面ですけれども、それについては、確かに保険で決まっ ている以外のものを使うと、先ほど出ました療担規則違反とか、あるいは特別共同 指導とかで摘発されますと、医療機関自体が失格ということになりますので、そう いう意味で、適応外はかなり厳密に審査されています。  ただ、保険診療では認められていなくても、自己負担であれば、あるいは全額何 らかの形で研究費等で支払うことができれば、その場合は薬剤だけでなくて、医療 費全部に及ぶんですが、使えない方法はないわけではない。  それから、承認の問題も出ましたけれども、一番最初に承認されるときは、二重 盲検法で検討しやすいところから適応が決まっていきますので、その周辺の病態に 対しては適応外ということになります。ただ、これは非常に早い時期に市販後調査 等が行われて、適応拡大というプロセスがございますので、適応拡大のプロセスは、 最初の承認よりも短い期間でそれは完了しますので、確かに時間的な差はあります けれども、私たちは一番最初に承認された時点から拡大する方向で、拡大という意 味は、無作為二重盲検法の場合には、どうしても限られた病態だけしか扱えない。 狭い範囲の患者さんだけしか適応にならないわけですけれども、病気の本質からい くと、実はその周辺にもっと適応の患者さんがおられるわけで、それは市販後の段 階で適応拡大という作業ができます。ですから、問題は、時間的な問題だけで、そ こだけ解決すれば、適応として使える。現時点でも適応として使える道は残されて いると思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  では、堀委員。簡単ですか。 ○堀委員 適応拡大の問題は、現状では会社が薬事上で承認を取るという判断がな いと進まないという、そこの問題も絡んできているので、ただ会社が何らかの理由 でその適応については追加の開発をしない場合に、そこに落ちてしまった患者さん たちをどうするかという視点で私は議論する必要があると思います。市販後のデー タだけで新たに薬事の承認を追加することはできないので、そこをその薬を扱って いる医薬品なり医療機器なり、そういった会社が申請をしないと承認ができないと いう仕組みになっているので、そこも含めて議論しないといけない。だから、保険 の枠組みに薬事の承認と別の枠組みで入れていくかどうかとか、そういった視点で 議論しないと、市販後だけではだめだと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  水口委員、どうぞ。 ○水口委員 水口です。今日はどうもお話ありがとうございました。  片木さんのお話の中に、エビデンスのある正しい治療を受けたい、一方で、今い ろいろな矛盾の中で、エビデンスのない治療、人体実験を実際されている方がいる という状況を何とか解消したいということがありました。そのことはまさにおっし ゃるとおりで、結局、エビデンスのある正しい治療が何かということをどうやって 見ていくのかということだと思うんですね。私どもの委員会は、とにかくエビデン スのあるものは承認を得て行けるようなシステムをきちっと作っていくべきだと考 えています。これは大原則です。先ほどおっしゃったように、その原則だけではど うにもならない現実があるということも承知していますが、基本はちゃんと掲げて 確認していかないと。というのは、救済の制度も、いろいろな他の制度もすべて承 認されていることを一応原則として成り立っているからです。抗がん剤は今不幸に も救済制度がないので、私はこれにも救済制度の適用をするべきだと思っています が、ほかの薬については、適応外等であっても、一部救済の対象になるものもあり ますが、やはりそこは議論があって、副作用被害に遭ったら必ず救済制度が適用さ れるということではないですよね。そういう意味で、適応外のお薬を使う場合とい うのは非常にリスクを患者さんがかぶるということになっているわけですね。  それと、今言ったエビデンスがどのレベルなのかということも、実は患者さんに はよく分からない場合もあります。実際、自分が今処方されている薬が適応外なの かどうかということ自体も、がんの患者さんがいろいろ時間の中で勉強したりなさ る方もいらっしゃるかもしれませんが、一々これは適応外ですとちゃんと説明して もらわないと。知らないうちに適応外処方がされ、そして、何か起きたときには、 実は救済の対象じゃないと言われてしまうようなことがあってはならないと思うん ですね。  結局、エビデンスのある治療というのが何なのかというのを見ていくうえで、こ の委員会が提案したのは、学会がしっかり役割を果たしなさい、専門家集団が役割 を果たしてくださいということなんですね。そこがなかなか進まないというのは、 非常に私は問題があるだろうと思っています。  それと、個々の医療現場での問題ですが、『日経メディカル』という雑誌があっ て、その雑誌が最近2009年に、適応外処方についてウェブで843人の医師にアンケ ート調査を行ったという非常に興味深い記事がありました。私が注目したのは、そ の記事の中に、適応外処方を行う根拠というのは何だったのかということを聞いた アンケートがあって、その中で一番多かったのは、先輩、仲間、医師に処方経験が あるというので、これが61.4%だったんですね。一方、エビデンスというレベルで 言うと、例えばランダム化比較試験による有効性の確認、これが根拠ですと言った のは37.1%で、学会のガイドラインによる推奨というのは43.1%という数字が出て いるわけです。エビデンスを求めるということよりは、ちょっと言葉は悪いけれど も、口コミ的なものの方がパーセントが高いというこの現実というのは、治療を受 ける側にしたら、ちょっとそれでは困るでしょうという部分はあると思うんですね。 ですから、そこのところを、エビデンスがちゃんとあるものなのかどうかという情 報も含めて、きちっと提供できるような環境になっていかなければいけないのでは ないかと思っています。  それで、私は、厚生労働省に、今回このことを議論するに当たって、日本の適応 外処方の実態をちゃんと最近研究したデータ、検証したデータというのがあれば、 今日の議論の資料に出していただきたいということをお願いしたんですが、そうい うもの自体がないということでした。要するに、片木さんも先ほどおっしゃってい たけれども、実態をちゃんと見て検証していくという議論の仕方が重要なのです。 私が知っているのは、厚生科学研究でちょっと前に津谷先生などがおやりになった 研究ですが、それは結構古かったんですね。ですから、もしそういうものがあれば 出していただきたいし、ないんだとしたら、それは国の責任としてしっかりやって いくべきことなんじゃないかということを改めて思っております。  私は、実は薬害肝炎弁護団ではないんです。私は弁護士の強制加入団体である日 弁連の推薦でここの委員になっておりますが、今日、その日弁連からも意見書が出 ています。結局、厳密に言うと、適応外の部分というのはある種人体実験になって しまう部分があるので、そこはインフォームドコンセントをきちっととっていくと か、ヘルシンキ宣言の原則にのっとって、それは患者さんを保護するためにできて いるルールですので、そこを念頭に置いていくということは、やはり必要なのでは ないかと思っています。  いずれにしても、適応外処方と一口に言っても、エビデンスのレベルは段階的に 結構あるので、それに併せて分けて議論していかないといけないんだろうと考えて おります。そこはこの委員会の共通の理解であると私も認識しております。 ○寺野座長 ありがとうございます。  水口委員はいろいろ資料をたくさん付けていただいているんですけれども、それ は参考にしていただくということですね。  では、片木さん、どうぞ。 ○片木氏 私も今の御発言に関しては物すごく同意できる部分もあるんですけれど も、薬なんですけれども、薬事法上の適応病名というのは、その時点で医薬品がそ の病気にとって有効であるということで、その病気にしか有効ではないということ ではないんですね。ほかの病気にも有効であるかもしれない。じゃ、そのエビデン スはどこなのかというのは、よく議論しなければいけないのかもしれないんですけ れども、実際、その時点からさまざまな科学、情報が積み重なっていくので、エビ デンスのある適応外というのはどうしても出てくるものだと思っています。そうい うものがどうしても一定期間存在するということで、適応外使用に何らかの制限を 加えようとする場合であれば、現状のエビデンスのある適応外がどれほど世の中に 存在して、適応取得までその薬がどれだけ時間がかかっているかというのをある程 度明らかにしないと、実際にエビデンスがあるのに使えないというようなものはど んどん増えていくと思っています。どんどん治療を受けたいけれども、適応外で受 けられないというような患者さんが増えてくるんじゃないかなと思うので、そうい ったデータというのは、私たちも知りたいと思います。  あと、『日経メディカル』のアンケート、実は私も以前拝見したことがあるんで すけれども、これというのは、先輩医師からのアドバイスというのもあったんです けれども、これが1つの回答であれば、1つしかチェックボックスを選んではいけ ないというものであれば、とても問題だなと思うんですけれども、複数回答可とい うアンケートなので、実際、ガイドラインを参考にしたり、ほかのものを参考にし たり、その上で先輩ドクターにもアドバイスを請うて適応外使用しているんじゃな いかなと私は考えたので、そういう論文などを読んで身近な人にアドバイスをもら ったとポジティブに、私は『日経メディカル』の記事を読んで、私は評価しました。  以上です。 ○寺野座長 清水委員、どうぞ。 ○清水委員 適応外使用については、一般論としては水口委員が言われるように、 エビデンスのレベルというのがありますから、それに基づいた評価をしたアンケー トをとる必要が絶対あると思うんですね。ただし、片木さんがおっしゃっているの は、外国ではちゃんとしたエビデンスがあって、実際に使われているではないかと。 それが日本ではなぜかというものの方が非常に大きな問題ではなかったかと私は拝 聴したんですけれども、外国と日本で、外国でやられていたものは、日本人の場合、 ある程度薬用量とかいろんなことが違うことがあり得るということで、そういうス タディはやる必要があるのではないかと。これはある程度分かるんですけれども、 そこら辺のタイムラグの方が一番大きな問題提起ではないかなと今私はお聞きした んですけれども。  ただ、一般論としましては、水口委員の言われた先輩医師に聞いたりというとき も、これは患者を目の前にしたときに、何とかしようとしたときにどうしようかと いうことがしばしば起こり得るんですね。それが結果として害を及ぼすようなこと があるならば、これは論外だと思うし、薬害肝炎の問題も場合によってはそういう ニュアンスが多々原因としてあったのではないかと。そういうものについてはきち っと検証していく必要があるんですけれども、対象とする患者のあり方ということ もある程度踏まえてやりませんと、私は『日経メディカル』のアンケートは見てい ませんけれども、安易にそういうアンケート調査を信用して議論の土台にするとい うことには私は賛成しかねます。 ○寺野座長 大平委員。 ○大平委員 片木さん、ありがとうございます。  私はHIVの原告になった者なんですけれども、間宮委員がおっしゃったような 話というのは、よく、薬害被害者の方がいるから薬の承認が進まない。それはいろ んなことでお聞きします。多分それはどういうふうな形なのか分かりませんけれど も、薬害訴訟というものに対して快く思っていない人たちのエールかもしれません。 ただ、私たちは1つ大きな問題として、そのために薬の問題としての事件が起きて、 そして人為的又は作為的なのかな、そういう形で倫理性を超えた非常に事件性のあ る形で私たちの命が妨げられたという事件について、私自身は薬害ととらえている んですけれども、そういう問題と、ドラッグ・ラグの問題とはかなり距離が問題だ ろうと思っています。  というのは、ドラッグ・ラグの問題については、私たちもHIVの問題以前の血 友病の問題でしたら、血液製剤の問題として、そんなには緊急性のある、代替性の ある製剤もあったところでの事件が起きていて、安全な製剤の供給とか、そういう のも私たちの選択肢としてはあったわけなんですけれども、それが作為的に妨げら れたということもありました。ですから、今、片木さんのおっしゃっているタイム ラグの問題とかというのは、かなり命とのせめぎ合いの中で行われている選択肢の 問題だということで、それについては、私たちも全面的にそういう問題については 応援したいなと思っています。  HIVの方の問題については、タイムラグという形よりは、独行で、欧米で承認 されてすぐに入ってくるような形をとってほしいということを強く要望して、そし て今は約2カ月のタイムラグぐらいのところで入れていただいています。これは、 代替性のない、そしてまた、その薬がないと生き続けていけないという、短期間の 問題としての生命の問題で、それを、先ほど政務官もおっしゃいましたけれども、 命を大切にする。その大切にするというところでの一番患者として何とか生きたい という思いが実現する1つの大きな糧になるんだろうと思います。それを多分ここ で委員会でいろいろな客観的な物の見方の中で進んで議論はしておりますけれども、 じゃ、いつになったらそういう問題が解決していくのかというのは、患者の立場と して大変勝負の問題、焦っているというふうに、私自身もそうですし、片木さんの 立場としてもそうだろうと思っております。ですから、そこはここの委員会の議論 と並行して、どういう問題点があるのか。どんどん羅列していって、その問題点を 解決していく。そういう作業も本当は進んでいないと、私たちの命というのは守ら れていかないのではないかと思います。  先ほど水口委員のおっしゃられたように、適応外の薬の処方については、私たち も肝硬変ですとか静脈瘤の問題で、先生方から声が通らないんだよねという、それ は、何年もお願いしていても通らない。そういうようなことをよくお聞きします。 ですから、そういう問題というのは、じゃ、どういう薬が問題になっているのか、 それは当局、研究開発課とか、そういうところは多分知っておられるんだろうと思 います。いろんな形で意見が上がってきていると思いますので。患者の方も要望を どこに出したらいいのかという窓口も現在はありませんし、そういう問題を受ける 窓口、そしてまたそれを処理している窓口はどこなのか。そして、それがどのくら いの規模でかたまっているのか、そういう問題をどんどん解決といいますか、同時 進行で図っていかないと、患者の命というのはどんどん距離が離れていってしまう 危惧があります。ですから、そこはここの委員会でも行いますし、それからまた、 同時に、ここからの問題提言をどんどん適正に処理していくということが一番大切 な問題ではないかなと思っています。 ○寺野座長 ありがとうございます。  水口さんも。では、できるだけ簡潔に。 ○水口委員 今のお話とすごく関係して、先ほども私も申し上げた。その実態の把 握というか、調査とか、この適応外処方の問題について、特に、トータルに実態把 握も含めて検討しているという場所があるのかどうか、その2点について教えてい ただけますでしょうか。 ○寺野座長 どうですか。答えられますか。 ○審査管理課長 資料の2で御説明させていただいておりますけれども、海外で承 認があってという前提付きではございますが、そういう適応外処方については、意 見を、御要望をいただいて、集計をさせていただいて、それはどのようなそれぞれ がレベルにあるのかというところをこれから検討させていただくことにしておりま す。  もちろん、これはドラッグ・ラグの話とも密接に結び付くんですけれども、これ だけの件数を処理するためには、やはりPMDAが最終的には承認の資料を作りま すので、そういう意味では、これだけの処理のための体制整備が必要だということ もございまして、そういうのも御支援をいただいて一緒にやらせていただきたいと 思っております。 ○水口委員 今のはパブリックコメントをとった、その回答のお話ですよね。 ○審査管理課長 はい。 ○水口委員 私が申し上げている実態というのは、パブコメの回答のレベルを超え て、本当の意味での実態を把握するための何か検討がされていらっしゃるのかとい うことなんですけれども。 ○寺野座長 どうぞ。 ○安全使用推進室長 事務局から補足をいたします。  本日、国会等の用務がありまして、研究開発振興課が欠席してございますけれど も、適応外使用に関する適応拡大その他の御要望については、医政局の研究開発振 興課及び審査管理課が窓口となっておりまして、各学会ですとか、場合によっては 患者団体から御要望いただくケースもございまして、これまでもそこが窓口になっ て、御要望なり、そういった現場の実態、これは外国で承認されているものに限ら ずいただいている格好になってございます。そういったものについて、どういう形 で整理をさせていただくか、またここでお示しするかというところも含めて、少し また事務局の方で持ち帰らせていただきたいと思っております。 ○寺野座長 いいですね。 ○水口委員 雑誌を使わなければならない現実というのはおかしいと思うので、是 非そこはお願いしたいと思います。 ○寺野座長 高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 未承認のやり方というのは、各会社の取り組み方とか、各やり方によ っても変わってくるとは思いますけれども、資料2にあるように、これから承認の あるものを含めて、学会で要望されているものについての未承認薬の解消から行動 の拡大の解消というものをしていこうという動きを見て、こういう中でどのぐらい のものが解決されていくのかというのは、確かに調べなければいけないんですけれ ども、少なくともこれからはこういった未承認適応外のものについての考え方をも う少し企業としても考えていかなければいけないという時代になっていると思いま す。  特に、がんの開発についてはいろいろ難しいところもあって、必ずしもこのがん に効くからといって、ほかのがんに効くというエビデンスもないわけなので、エビ デンスのあるものについて、いかに適応外、患者さんが少なくても、開発費が見合 わなくても、やはりやっていかなければいけない時代にだんだんなってきているか なと思っています。今まではどうしても、そういう点では、そのものがもう特許が 切れているとか、開発の問題としていろいろ企業的な判断というのがあったと思い ますけれども、やはりそういう点を考えていかなければいけないものだろうと考え ています。  ただ、こちらでお願いをしたいのは、有識者会議等でこれから検討されていくと 思いますけれども、エビデンスをどこまで求めるのかというところがこの適応外の 効能拡大を認めていくところのポイントになってくると思います。これから一から 十まで資料を整えてやることを要求するのか、どこまでエビデンスとして求めて認 めていっていただけるのかというところを、是非この有識者会議では議論していた だいて、少しでも患者さんにそういったものが投与できるような、適応拡大を認め ていただくような手段をとっていただきたいとお願いしたいと思います。 ○寺野座長 友池委員。 ○友池委員 高橋委員の意見に追加させていただきたいんですが、先ほど水口委員 も言われたように、適応外は様々なものがありますので、その定義も併せてやって いただきたい。というのは、症状詳記で私どもお願いして通る部分もあるんですね、 適応外といっても。ですから、適応外といったときも、ある程度カテゴリー分けを して、それも含めて検討していただければと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  時間が大分過ぎたので、専門の小野委員、結論めいて話してください。 ○小野委員 結論ではないですが、短くやります。  そもそも資料2で解決すると思っておられるのかということなんですけれども、 一番究極を言いますとですね。どうして簡単に「解消」なんていう言葉を使うのか というところが、私は片木さんとかが怒るところではないかと思うんですが、前回 説明しましたけれども、これは解決しないですね。解消とか、解決という問題じゃ ない。これはなぜかというと、先ほどの清水先生のお話で、どこなのか、清水先生 がどこが原因かと言われましたけれども、企業の行動、ここにほぼ尽きると私は思 います。金のあるところとか、申請が早くできるところとか、そういうところに企 業は来るわけで、そこのところの行動が、100%とは言いませんけれども、ほとんど なわけですね。これは前回示したところです。繰り返しては説明しませんけれども。 そういう意味で考えて、解消すると言っているところが大きな見解の相違で、それ に基づいて、公共工事みたいな、治験をやるだとかなんとかをやるという形で、こ ういうスキームで大きく解決ができると思っているところが何か変なんじゃないか と。  例えば、今日、片木さんはおっしゃいませんでしたけれども、もうちょっとやわ らかい解決ですね。コンパシネットユースだとかエビデンスが来るまでの時間の遅 れを埋める、患者さんの命に優しい方の作戦だとか、そういうものを持ってきてほ しいと思っておられますよね。  そのときに、今、医薬局が中心になって、この会議なんですけれども、厚生省の 構造を簡単に申し上げると、医薬局というのは薬剤師の人たちが働いていますよね。 保険局というところがあるんですね。一方の保険側の話。あっちは、事務系の方と かお医者さんとか、薬剤師さんよりは偉そうにしている方々が働いておられて、解 決策がすぐ医薬局の公共工事型の治験をやれ、治験をやれという方に落ちてくるん ですね。それに我々自身が洗脳されて、こういう解決にはこういう解決しかないと。 資料2ですね。これが典型なんですけれども、そう思い込んでいるようなところが あるんじゃないかと私は思うんです。ですから、できればこの場に保険局の方を次 回例えば呼んできていただいて、医薬局の側の人たちも困り果てているわけですか ら、何年も何年も。そういう解決を、あるいは議論をここですべきではないかとい う話と。  それから、もう一点、済みません。データがないというのあれですよね。ずっと 水口さんがおっしゃっているのは、建前であっちゃいけないことだからデータはな いんでしょうということですよね。適応外使用の実態調査なんて。建前でないデー タはないと言っていたら、物事というのは永久に解決しないというか、そういう話 なわけで、悪いことをしているのは分かりますけれども、今、とりあえずアンケー トに協力してくださいというようなことを、お医者さんにちゃんと調査してデータ を集めないとどうにもならないんじゃないですかということを私は申し上げたいと 思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  清水委員。簡潔にお願いします。 ○清水委員 製薬企業にかなりディペンドするということになりますと、国のお金 で治験をやるということも考える必要があるのではないかということです。 ○寺野座長 ありがとうございます。  本問題に関しては非常に問題が大きいわけでありまして、時間がとても足りない わけですね。今日は片木さんに来ていただいてお話を伺ったんですが、これはもと はというと、本委員会がある意味で誤解を受けているところもあったのかな。私も インターネットを拝見して、これは何か変な対立構造になっちゃったなとちょっと 心配していたんですね。それで今日も来ていただいたわけですが、ここにお書きに なっているように、私たちは本当に対立軸なのでしょうかということで、結論的に、 そうではないということだけはお互いに理解、完全ではないけれども、一定の方向 で理解できて、一番最後に言われたように、この委員会の提言というのがラグ被害 者にとって大きな影響がある提言だ。どうか私たちと一緒に医薬品行政について考 えていただきたいという御要望がありましたし、それは本委員会としてもドラッ グ・ラグの関係の方たちといろいろ対話をしながら進めていきたいと考えています。  ですから、今日来ていただいて、お話をお聞きしたことは大変よかったと思いま すし、また、今後とも御協力をお願いしたいと思います。今日はどうもありがとう ございました。 ○片木氏 ありがとうございました。 ○寺野座長 どうもありがとうございます。  それでは、またこの問題は今日提案もありましたし、整理いたしまして、可能な ことは、時間の許す限り図っていきたいと思っています。ただ、全部できるかどう かというと、余りに問題が大き過ぎるような気はいたしますが、本委員会としても この問題を常に背景に考えながら進めていく、取りまとめていく必要があるという ことだけは確認していただきたいと思います。  それでは、次に、議題の2でありますけれども、時間が大分過ぎましたが、まず、 臨床試験についてということなんですね。再発防止対策についてということで、臨 床試験とPMDAの組織文化という2つの問題を取り上げますが、臨床試験につい ては、水口委員から、公的基金に関する資料が提供されているということで、これ を御説明いただいて、御議論をお願いしたいと思います。資料3です。水口委員、 お願いします。 ○水口委員 この検証委員会の第一次提言の中に、臨床試験のための公的基金の創 設を検討すべきであるという、非常に短い文章が入っております。それで、もう少 しこれを具体化するために、少し意見交換をさせていただいた方がいいのかなとい うことで資料を提出させていただきました。  資料は、資料3というものです。「臨床研究及び薬剤疫学研究のための公的基 金」という標題が付いております。それと、もう一つの資料は、「正しい治療と薬 の情報誌」で、独立した、製薬企業からの寄附を受けないで運営している医学雑誌 を配付させていただいております。  臨床試験にはたくさんの課題があって、私としてはこの問題のほかに、被験者保 護法をきっちり制定するという課題も非常に大きい論点としてあると思っているん ですが、今日は、公的基金に絞ってお話をさせていただきます。  私どもの第一次提言は、臨床試験のための公的基金というふうにしか言わなかっ たんですが、その後、パブリックコメントをいただいたり、あるいは薬剤疫学会の 専門家の方々の御意見などを伺って、改めて、これは臨床研究だけではなくて、薬 剤疫学研究というものにきちっとお金を出していけるようなシステムがなければ絶 対にいけないと強く今は感じている次第で、是非最終提言にはこの基金の話をもう 少し間口を広げて、薬剤疫学研究のための公的基金もカバーする基金というような 形で盛り込めればいいなと考えております。  資料3に、なぜそういったものが必要なのかということで、簡単なメモを付けさ せていただきました。本当は、必要性をもっと具体的に学術的にきちっと説明する とどうなるかというと、それがまさに今お配りしたインフォームド・プレスクライ バーの記事であります。この講演をしたシルヴィオ・ガラティーニという方は、要 するに、イタリアで資料3のところに参考ということで書きましたように、製薬企 業のプロモーションのお金から5%を拠出してもらって、公的な基金を作られた方 です。、先ほどからいろいろ出ているように、製薬企業がやる臨床試験というのは、 どうしても利潤を追求するという基本的な製薬企業の使命というか性格があります ので、本当に必要な臨床研究が行われない、穴が開いてしまうということが起きる わけですね。しかし、それは患者さんのためにとっては非常に不幸なことで、そう いったものについて公的な基金できちっと研究ができるようにするために、プロモ ーションの費用の5%を拠出してもらうというスタイルで基金を立ち上げて、それ を運営している方の講演録が、今お配りしたこの雑誌です。  これは1つの形ですが、ほかにもあります。2枚目に、海外における臨床研究支 援のための基金や組織がどうなっているかということを、私が全部カバーし切れな かったので、私が所属するNGOのメンバーの人に全部調べて表にしてもらいまし た。要するに、それぞれの国は、そういったものをきちっと持っているということ なんですね。イタリアのほかにスペインがやはり企業からお金を何%という形で拠 出してもらって、ファンドを作って、そして意義のある研究に役立てていくという スタイルをとっていて、私どもの国でも、先ほどでた適応外処方のこともそうです が、企業資金にだけ研究を頼っているということには大きな限界があるということ は非常にはっきりしているのではないかということです。そこで、薬害防止という この委員会の使命としても、こういったものを作っていくということを改めて提案 したいと思います。  具体的に言えば、もう少しイタリア方式ならイタリア方式も十分考慮に値すると か、そして、対象を薬剤疫学研究にまで広げるといったあたりをきちっと最終提言 に盛り込みたいと私は考えて、皆さんに御提案する次第です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  先ほど清水委員の方からも最後に言われましたけれども、臨床試験に関する公的 な基金、資金といいますか、ちょっとニュアンスは違うんでしょうけれども、そう いうことを考えるべきではないか。本委員会としても提言としてはその中に入って きてもいいのかなと思うんですが、今、水口委員の方から、臨床試験について、イ タリアの例を挙げながら御説明いただきましたが、御意見をどうぞ。清水委員。 ○清水委員 この提言のこの資料の中には、いわゆる従来企業がやってきている治 験を行うというようなことはあり得るんですか。入っているんでしょうか。それは 除けられているのか、その辺はどうなんでしょう。 ○水口委員 私も詳細は分かっていないんですね。希少疾病用薬というのは、まさ に企業がなかなか開発したり治験したりしないものをここでサポートしていくとい う形ですから、形としては、ここで研究して、それを更に実際の実用につなげてい くということはあり得るのではないかと理解していますが、現実にこの表に挙げた いろいろなことがどこまでそれを具体的にカバーしているかということは調べ切れ ていないんですね。ちょっと限界はあります。しかし、新しい制度を作る提案をこ この委員会でしようというわけですから、そこはこの委員会としては、そういうこ とも含めて、こういうスタイルではどうかということを言えばいいのかなと思って おります。 ○寺野座長 堀委員、どうぞ。 ○堀委員 この問題を議論する上で、日本では何がネックになって未承認薬のドラ ッグ・ラグだったり適応外の問題が出ているのかという、そこの議論をしないと、 国によって解決策が違う可能性もあるだろうと思っています。そういう意味で、先 ほど高橋先生が製薬会社の代表というお立場があるのは重々承知しておりますけれ ども、患者さんのために頑張りますということだけではなくて、なぜできないのか。 日本の企業から見たときに、なぜこの適応外の部分が、申請ができないのか、ある いは市販後に係る部分のお金が大変なのかとか、そういった、なぜできないのかと いうところの本音というか理由を、会社さんの方側からもどんどん言ってもらわな いと、治験をすれば解決するんだというだけでは、私はそこまではとても楽観視で きないなと思っています。 ○寺野座長 どうぞ、友池委員。 ○友池委員 友池ですけれども、御提案には賛成なんですが、的を絞った方がいい のではないか。薬害防止、適応拡大、希少疾病用薬という3つの柱ぐらいに絞って はいかがかと。というのは、私ども、希少疾病用薬の医師指導治験をしたんですが、 莫大なお金がかかって、一医療機関ではできない。その費用は製薬会社が当然出し てくださいませんので、そうなると、希少疾病とか、薬害防止、あるいは適応拡大 というのは、恐らく企業レベルからいけば、圧縮の方になる可能性があるので、そ ういうところに光を当てていただきたい。ある定義付けの上で、そういう薬事に承 認、保険適用というそこのところについては、いわゆる企業開発型の治験と、医療 の過程の中で必要になったものとは、判断基準といいましょうか、審査プロセスを 工夫していただく必要があるのではないか。そういう意味で、こういう公的基金が 役に立つのではないかと印象として持ちました。 ○寺野座長 高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 企業の方からというのはなかなか難しいんですけれども、こういう形 の適応外を解決するなり、少しでも患者さんに投与できるものを増やすという形の 努力というのはしていかなければいけないと思います。ただ、これを全くゼロにす るというのは難しいと思うんですけれども、公的資金でどこまでを、どこを対象に するのかというところをしっかり見ていただかないと、企業でやる、今、オーファ ンについても、オーファンの方の開発支援というのはされていますので、そういう もので企業としても開発しているものもあります。それ以外のものも当然あるわけ なので、そういった企業でやるべきこと、公的資金でやらなければいけないものと いうのはしっかり区別してやっていかないといけないだろうと思います。それは、 比較的企業では全くできない。かなり特許も切れて古いような薬剤で、どうしても 患者さんのために適応を取らなければいけないようなものとか、かなり絞った形じ ゃないと、これはどの品目を選ぶかというところにもかなり影響しますので、今、 水口委員のお話で、イタリア方式になると、企業がまた出さなければいけないとい うことになるわけなので、企業としてもこれ以上出費をどういう形で必要なものを 出すのかというところにかかってきますので、すべてこれでというわけには当然い きませんので、かなり絞った形でこういうものを公的資金を使う。できれば国の費 用でというのが私たちの方の気持ちです。 ○寺野座長 小野委員。 ○小野委員 水口先生、これ、公共事業のようにはまた国がばらまくスキームはど こかで出てくるかもしれませんが、患者の側の支援を組み合わせて、何かまた気持 ち悪い公共工事で、そこに有識者という人を招いて、その有識者がここの試験とこ の試験をやるんだという、そんなことで決められてはかなわんという見解がどこか で起きるわけですけれども、そうではなくて、そっちの方をかませた、つまり、保 険の側ですとか、点数ですね。点数の側への支援だとか、そういうやわらかいスキ ームにはならないですかね。 ○寺野座長 どうぞ。 ○水口委員 おっしゃっている意味がまだひとつよく飲み込めていないんですけれ ども、この対象をどうするのかということの議論ではなくて、こういう公的基金と いうスタイルではない、違うやり方ということをおっしゃっているんですか。 ○小野委員 公的基金で、これだとどこにお金が、飯を食う人はだれかというと、 治験をやる人だとかですよね。CROだとか製薬企業だとか、そういうところに直 接的にお金がいくと思うんですけれども、そうではなくて、患者の側に行くスキー ムを組み合わせていった方が、やわらかくて優しい行政になると思うんですけれど も、公共工事の匂いがプーンとするのはどうもうまくいかんというのが私のいろん な意味での実感なんですけれども、どうでしょうか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○水口委員 どういうものを対象にしていくかとか、何を選定していくかというこ とは、多分委員会みたいなものを作って、患者さんも入ったり、いろいろな形で検 討していくという、私はイメージでいるんですね。  もう一つ、治験で食べている人云々とおっしゃいましたけれども、私はさっき言 ったように、まさに薬剤疫学研究、このものには企業はお金を余り出しませんよね。 すごく大事だけれども、私もこの委員会の委員になっていろいろ勉強したら、本当 にやられるべき研究がやられていない。やるべきことはいっぱいあるけれども、で きないと言っている薬剤疫学の専門家ははたくさんいらっしゃるわけで、そういう 部分に是非、臨床試験だけじゃなくてお金をちゃんと出していけるというものが必 要なんじゃないかと、そういう問題意識もあるんです。  ですから、公共工事っぽく、先生がおっしゃる公共工事って何なのか、大きな箱 物を作ってお金を分配すればいいという、そういうふうにならないような工夫とい うのはやはり必要だと思うけれども、企業資金に頼らないと研究ができないという 現実に風穴をあけていくということは必要なのではないかなと思っております。 ○寺野座長 山口委員。 ○山口委員 臨床試験の議論が結構出ているので、疫学研究の方を少し補足させて いただきます。  企業側じゃなくて、企業と離れた第三者ですね。特にアカデミアなんかが実際こ ういう医薬品の市販後の研究とか安全性の研究をやる意義というのはやはりあると 思いますので、ただ、今の現状ですと、資金がない。企業も金を当然出さない。そ ういうことも含めて、水口先生、さっきおっしゃっていますけれども、疫学研究、 安全性研究に少しお金を出せるような、やり方はちょっと考えなければいけないと 思うんですけれども、そういう仕組みを是非作っていただきたいと思います。 ○寺野座長 大平委員、簡潔にお願いします。 ○大平委員 水口委員の公的基金の提案というのはとても私は進めた方がいいので はないかなと思います。イタリアの例で(4)の希少疾病薬に対する保険償還とか、 そういうのもその中に含まれておりますけれども、この財源とかそういうものを考 えますと、臨床試験、それからまた治験とか、そういうのに参加する患者のある程 度の負担というのも本当は考えた方が、全体としてみんなでこういう新しい治療に 向かって進むというところの姿勢が出てくるのではないか。どのように徴集するか というところは全く分かりませんけれども、患者の方の少しそういった意識という ものをきちっと持った形というのは、こういうところで打ち出してきてもいいので はないか。その中できちっと消費者としてのこういう基金の参加意義といいますか、 そういうものに対しての意識付けにもなるのではないかと思っていまして、前から よく希少薬の臨床試験とかそういうものに対して、保険の救済の問題としては、製 薬会社だけではなくて、患者もある程度負担して、そしてまた、国の方もどういう 形か、三者で負担し合うような形というのも、1つは形としてはあり得るのではな いかなと思っています。ここの委員会は、そういった大変先進的な意見を提出して もいいのではないかなと思いますので、かなり大雑把な青写真になるかもしれませ んけれども、そういうものも提案して、そして将来につなげていくということも大 切なのではないかと思います。 ○寺野座長 花井さん、まだ言っていないから一言。 ○花井委員 水口委員の提案についてなんですけれども、先ほどの適応外使用との 関係の文脈でこれが議論されるとややこしいのではないかと思っていて、水口委員 が言っているように、いわゆる薬剤疫学研究的な部分について主眼を置いて、かつ、 一部ウルトラオーファンの部分についてエビデンスを独自にやるというぐらいのイ メージでやるのであれば、公的資金はよくて、さっきからここで公的資金で適応外 なり希少薬オーファンの推進なりが治験できると、そういうイメージになると、訳 の分からんものになっていくのではないかと。1の議題とは切り離して、薬剤疫学 研究を主眼に置いた基金。ただ、そうなると、メーカーが自分のあら探しをされる お金を出す必要があるのかとか、あると思うんですが、そういうところであれば非 常にいいのではないかと。こういう基金によってドラッグ・ラグの解消がなされる などという短絡は割けるべきというのは、ほかの何人かの委員から出たとおりだと 思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  泉委員、簡潔にお願いします。 ○泉委員 済みません。山口先生にお伺いしたいんですが、薬剤疫学に関しては非 常に興味を持って去年からずっと資料を集めているんですけれども、アカデミアで これを置いているところは、今、東大と京大以外にもあるんでしょうか。 ○山口委員 薬剤疫学講座ということでございましょうか。 ○泉委員 そうです。 ○山口委員 私も詳しく調べているわけじゃない。薬学部に実態として薬剤疫学と いう名前が付いているかどうかちょっと分からないんですけれども、薬剤疫学的な ことをやられているところもありますし、あるいは、医学部とかの公衆衛生とか、 疫学講座でこういう薬剤疫学的な研究をやられているところはあるかとは思うんで すけれども、薬剤疫学と名前がきちっと付いている講座なり分野というのは、もし ほかの先生御存じでしたら教えてほしいんですけれども、東大。ただし、東大は寄 附講座なんですね。だから、企業から寄附がもらえなくなっちゃったらもうおしま いという状況なんですけれども、京大の方は、泉先生、よく御存じだと思いますけ れども、パーマネントなきちんとした講座で、私は、済みません、正式にはその2 つぐらいしか存じ上げておりません。 ○寺野座長 どうぞ。 ○泉委員 水口先生のおっしゃったように、この学問に関しては、健康科学とか公 衆衛生とか、ウイルス対策とか、副作用、市販後の副作用に対して、どういうふう に統計データをとって解析をしたりする、そのすべてが入っているようなことだと 思うんですね。専門的には私もよく分かりませんが、大学でアカデミアにされてい ても、結局は臨床と比べるとどうしても、本当は物すごくもっと大切な位置付けに ならなければいけない学問だとしんですけれども、どちらかというと軽く扱われて いて、現実はそんな軽く扱われる内容のものでは全然ないように思うので、是非こ れは厚生労働省と文部科学省の方でも一度こういう中身に関しての、これからの時 代にこういうものが絶対に必要だということを前提とした話し合いを始めていただ きたいということを思います。そして、今、公的基金の話が出ましたけれども、あ る程度国の施策としてこれは絶対に必要だという前提としたら、当然として公的資 金は使ってしかるべきであろうと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。  椿委員。 ○椿委員 基本的には今の考え方にすべて賛成なんですけれども、公的資金が導入 されて、それなりの試験なり調査が行われるという場合には、それなりのリスクと かエビデンスがどれくらいのものが上がるか、それによって得られる価値がどれく らいかということがきちんと評価されている必要、その意味のガバナンスは必要に なってくると思います。小野先生、先ほどからいろいろ意見をおっしゃっているこ とだと思うんですけれども、本来は、むしろ試験なしにでもある種のディシジョン を使うようなものにする。つまり、海外のエビデンスをもって承認するということ があるレベル、それから、一定の規模の調査、つまり、試験ではなくて、疫学的な 調査という、少しエビデンスレベルは落ちると言われているものであっても、それ をやればもう十分であるというレベル、それから小規模な試験が必要、臨床試験が 必要である。あるいは、全くまだエビデンスが不足しているので、大規模な臨床試 験が要るという、どういうレベルに今現在この分野が置かれているかということを、 恐らくこれはむしろ行政の方々は専門家が多いと思うので、むしろ今までの新薬品 の許認可のような意味での専門性を発揮するだけではなくて、この薬を承認する場 合、しない場合、どういうレベルで承認する場合、しない場合における、ある意味 で国民の福祉と福利厚生に関する経済的な効用とか、価値の効用ということを評価 していただくような専門家を同時に育てて、この分野はこういう形の公的資金とい う制度をうまく作っていただいたらいいなと思っているところです。 ○寺野座長 ありがとうございます。  ちょっと時間がなくなってしまいましたので、この臨床試験の問題というのは、 水口委員の方から提起されたんですが、これはもちろん一次提言にもございますけ れども、非常に大きな問題で、これだけで1つの一大テーマとして大変なんですね。 薬害防止の観点から一応アプローチをするつもりですけれども、これは取りまとめ に向けて、更に1月以降の中でも議論しなければいけないテーマだと思いますので、 今日のところは水口委員の提案と、そして皆さんの御意見をまとめたところで、こ のところを終わりたいんですが、最後に清水委員、どうしてもということですから、 一言お願いします。 ○清水委員 今の議論をお聞きしていまして、新しく作るのもいいかと思うんです が、これ、PMDAの中の副作用調査の中の一環というか、あるいはそれを取り込 むような、あるいは関係付けるような形で仕事をするということはできないんでし ょうか。独立した新たなそういう組織を作る必然性があるのか。今の議論を聞いて いて、若干疑問に思ったので、後で結構ですけれども、一応そういう疑問だけ提示 しておきたいと思います。 ○寺野座長 もし近藤理事長、御意見があるんでしたらば。後の方がよければ後で 結構ですが。 ○近藤理事長 済みません。 ○寺野座長 では、後でまたこの点に関してはいろいろ御意見をお聞きすることに します。  では、これまた、先ほど言いましたように、取りまとめに向けての議論の中で討 議していただきます。  それから、次の議題なんですが、これもちょっと大変なんですけれども、PMD Aの組織文化ということで、前回、PMDA、あるいは厚労省職員へのアンケート 調査を行うことについて合意いただきまして、具体的な方法を5人の委員の方に御 検討いただくようにお願いしました。その状況について、資料もございます。資料 4に基づきまして、山口委員から御説明をお願いします。 ○山口委員 では、手短にいきたいと思います。  資料4をごらんください。1ページ、2ページ目が方法の概略です。3ページ目 から8ページ目までが、PMDAの方に考えている調査票の案でして、9ページか ら最後までが厚労省の方に送りたいと思っている調査票の案でございます。  1ページ目の方に戻っていただきまして、大熊先生、小野先生、椿先生、水口先 生と私で、私が代表して説明させていただきますけれども、そこに挙げたような形 で、前回、水口先生の方から御提案がありましたアンケートの方を是非進めたいと 思っておりますので、内容の御確認等をお願いいたします。  まず1番目、対象ですけれども、総合機構の方は、職員、役員、嘱託等で、全部 で640人ぐらいですかね。厚労省の方は、医薬食品局、ただし、食品安全部を除く 職員の方、約160名ぐらいを対象にしたいと考えております。それから、調査票、 アンケートお願いの文書と、あと、実際の調査票ですね。それから、返信用封筒を 入れた封筒を対象職員の方に配布するような形でやりたいと思います。調査票の案 につきましては、3ページ以降にあります。後で簡単に説明いたします。  それから、御回答いただく方法ですけれども、一応2通り考えておりまして、ウ ェブを使っていただく方法と、あとは調査票に直接御回答いただく、いずれかで御 回答いただければと思っています。ただし、当然両方回答していただくのは不可と いう形になるかと思います。  ウェブを使う調査につきましては、後でちょっと出てきますけれども、サーベイ モンキーという、調査をやるときによく使われるソフトウェアがあるんですけれど も、信頼性が高いということで、それを使わせていただきまして、基本的にSSL 対応ですので、送信するときに情報が漏れたりということはございませんし、それ から、実際、御回答いただく職員の方々は、アクセスするときに、アクセス元が同 定されないような設定にしております。  パスワードを配布させていただきまして、これは配布先の職員の方々に絶対他言、 外に漏らさないようにしていただきたいと思いますけれども、そういう形でログイ ン時にパスワードを入れていただいて御回答いただくような形を考えております。  一部から御指摘というか、御注意しろと言われたんですけれども、ウェブに関し ては、実際、同じPCですと2回回答するというのは不可能なんですけれども、P Cを変えますと、同じ人が2回とか3回回答することが実際に可能です。ただ、紙 を使った場合でも同様に2枚とか3枚送れるというのは同じことですので、一応そ ういうこともありまして、ウェブと紙の両方、どちらかお好みの方で御回答いただ くということを考えております。  実際、直接調査票に御回答いただく場合には、最初に配ってあります返信用封筒 に調査票を入れて送付していただくような形になります。  送付先ですけれども、手前味噌で申し訳ありませんけれども、私の研究室を考え ております。調査票等の保管につきましては、十分留意したいと思っております。  それから、6番目、回答の内容ですけれども、先ほど名前を挙げました5人の方 で整理した上で、その結果を委員会に報告して、討議の資料としたいと思います。  特に自由欄に回答していただきました内容につきましては、基本的に加工しない で、そのままの形で報告書に掲載するような、あるいはホームページにて公開する ようなことを考えております。時間的な問題もありまして、そういう形でお願いで きればと思っております。  1から6につきましては、この委員会で内容を御確認いただいて、可能であれば、 明日発送準備で、明後日には配送するようなことを考えております。  回答期間は12月4日までに御回答いただいて、次回の12月4日のこの委員会で、 途中まで収集された調査票に関しての進捗状況等の中間報告をさせていただきたい と思っています。最終的な結果につきましては、1月の委員会にて報告したいと考 えています。  それで、めくっていただいて実際の調査内容ですけれども、機構さんの方と本省 さんの方に送る方、基本的には内容は一緒です。なので、PMDAさんに送る方だ け見ていただきますと、3ページがお願いの文書でして、4ページ目が実際にこう いう形で回答してくださいという回答方法になります。  それから、5ページ目以降が、実際の御質問でありまして、5ページ目の1番目 は、我々がまとめました第一次提言に関する内容に関しての御質問です。  それから、6ページ目が、前回近藤先生の方にPMDAの行動理念について御説 明いただいたと思いますけれども、この辺の話を絡めて、いわゆる機構での組織文 化のあり方とか環境の整備等に関する自由回答が6ページ目になります。  それから、7ページ目が、機構でのお仕事に関する満足度とか、あるいは4番目 がこういうアンケートすることが実際どうなのかということですね。どういう回答 が返ってくるか、ちょっと楽しみですけれども、もし返ってくればですね。  あとは、御氏名。一応匿名ですけれども、御氏名を書いていただいても結構だと いうことと、あと、勤務年数につきましては、説明が悪くて、基本的に医薬品行政 に携わってからどれぐらいお勤めですかというような形で、少し文言を変えたいと 思います。いつから医薬品行政に関わっているか、御自分の判断でいただければと 思っております。  あとは、9ページ目以降は、本省さんの方に送る用のものですが、基本的に内容 は一緒ですので、省略させていただきたいと思います。  以上、御検討よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。  今、先ほどのアンケート、PMDA職員並びに厚労省の医薬食品局、医薬局の全 員、合計800名に対するアンケートということで、その内容を報告していただきま したが、これはもうすぐ出すんですね。ですから、今日、委員の方の御意見を聞い て、若干の修正をした上で出していただくことになりますが、御質問、御意見あり ましたら、どうぞ。清水先生。 ○清水委員 こういう調査は是非多くの方に答えて記載していただくことを期待し たいんですけれども、実際のこういう調査票を受け取った立場で考えてみますと、 非常に回答しにくいということが1つあると思うんですね。したがって、回収率が 非常に悪いということがちょっと懸念されるんですね。それはいろいろあると思う んですが、私はいろいろアンケート調査した、山口委員もいろいろされていると思 うんですけれども、やり方とか、設問の順序によって結果がかなり左右されるとい うことがありますものですから、私は、できれば○×式が本当はいいと思うんです けれども、こういう問題について回答する、しない、保留というような選択肢を設 けて、意見を書いてもらうというような形が、回答者の、中身はともかく、実態を かなり把握できるのではないかと。  それで、全部にそれをやるのはなかなか難しいと思うので、一番最後のところに ついては、このようなアンケートに賛成だ、反対だ、保留だと、何かそういうよう なことだけでもやっておいていただいた方が、アンケートの質を評価する上で、回 答者が非常に少なかったような場合においては、やっぱりそうかというようなこと を判断する材料として価値が出るのではないかなと思うんですけれども、PMDA、 あるいは厚労省の職員の方たちのメンタリティがどういうことになっているか、私 はよく分からない部分が非常に大きいものですから、ただ、一般的な調査としては、 そういうようなことが必要ではないかなと思うんですけれども、絶対そうでなくて はだめだと言っているわけではございません。ただ参考までに。 ○寺野座長 何か意見ありますか。山口先生でもだれでもいいですけれども。小野 委員。 ○小野委員 今の御提案は、最後に、4番のところに、例えば、あなたはこのよう なアンケートの実施に賛成ですか、反対ですかというのを、その上に3−1から3 −2で書いてあるような四角で設けておけばいいんじゃないかという御提案ですか。 ○清水委員 そうですね。できればそういうことがあった方が、回答者のメンタル と、あと、理解する上において役に立つかなという。 ○小野委員 一言、それを入れるかどうか、ちょっと置いておいて、これは、アン ケート、別に全部埋めないと先に進めないような仕組みにはなっていませんので、 好きなところだけ埋めてもらって、という仕組みにはまずなっている。ウェブの方 も。それは申し上げておきます。 ○寺野座長 水口委員。 ○水口委員 このアンケートは、要するに私どもが気づいていない視点や、実際に 関わっていらっしゃる方の御意見を伺うということに主眼があって、数を見る、そ れによって実態を把握するというような目的のアンケートではないと思うんですね。 そういう観点から全体を作ったと私どもは理解しておりまして、今の4番の、確か に清水先生のおっしゃる御趣旨も分からないではないんですが、これは要するに、 何かおっしゃりたいことがあればどうぞという感じで、組織文化等について、この アンケートで得ようとしているそのものと直結するという質問設定ではないので、 できればこのままにさせていただけたらと思っておりますが、どうでしょうか。 ○清水委員 私もあえて反対する理由はないんですけれども、ただ、せっかく我々 が気がついていないことを思っているんだけど、こういうことには書きたくないと か、書けないとか、書くと何とかあるんじゃないかというようなことが大いにあり 得るんですね。ですから、その辺のところで、今、水口委員が言われたようなこと が出てくるなら大変結構だと思うんです。ですから、やってみること自体は反対で はないんです。ただ、質を評価するときにどうなのかということだけです。 ○寺野座長 今、4番で清水委員の言われることは、書く人は最初から書いて、ほ かは何も書かないという人も、こういうアンケートは意味がないとか、書く人は、 そう書いちゃうんじゃないかなと思うので、それはよろしいですかね。一応原案と いうことでお願いしたいと思います。  どうぞ、間宮委員。 ○間宮委員 せっかくこういうアンケートをやるんですから、やはりPMDAであ ればPMDAのトップが答えましょうねと。ちゃんとそれは言っていただきたいし、 厚生労働省の方も、ちゃんと答えてねということを職員の方に言っていただきたい。 結果的に、数多くの回答が返ってくるということを望みます。  あと、3番のところの仕事にやりがいを感じますか、はい、いいえ、どちらとも 言えないというのがあるんですけれども、理由も知りたいなというのもありますね。 はい、いいえ。いいえが多い場合に、何で? ということになると思うので、その あたり、1、2、3、全部。全部にかかるような形で理由を差し支えなければ書い てほしいという欄があってもいいのかなということと、あと、複数回答しちゃうと かというのを防止するための何か方策はないのかなと思って、例えば、ジュースと かの懸賞、プレゼントの応募のやつで、番号がアトランダムにシールみたいに張っ てあって、それを入力して答えるとかというのが、もちろん個人の特定はできない ような形ですよというのを断っておくのは当然ですけれども、実際に個人の特定と いうのはできないような方法というのはあるので、そういったものを検討してみて はいかがかなと思いました。  以上です。 ○寺野座長 余り複数回答するような内容ではないのかもしれない。  近藤理事長、お願いします。 ○近藤理事長 このアンケートに関しては、前回申し上げたように、非常に興味を 持っていますし、全面的に賛成いたします。サポートします。  ちょっと間宮委員がおっしゃられたこと、特に3番の項の1、2、3であります けれども、仕事にやりがいを感じるかとか、勤め続けたいとか、後輩に勧めたいと か、いいえとか、どちらともいえない、こういう意見というのは僕は当然あるだろ うと思うので、どうしてかというのは私も知りたいです。ですから、是非これは追 加していただければありがたいなと思うところです。  以上です。 ○寺野座長 それは、こういうアンケートですから、どうなんですかね。1つ1つ について理由を付けるのは大変だから、1つ四角を作っちゃえばいいんじゃないで すかね。 ○小野委員 自由項目欄を1つ付けるという形で対応いたします。それでよろしい でしょうか。 ○寺野座長 4番は少し狭くなってもいいと思うんですよ。 ○小野委員 場所は大丈夫です。紙の上の話は。 ○寺野座長 清澤委員、どうぞ。 ○清澤委員 7ページと一番最後の13ページですが、3−3ですが、「あなたの大 学の後輩などにも勧めますか」と書いてある。これは大学とあえて書く必要がある のか。高卒はいないんですか。就職している方で皆大学卒ですか。 ○小野委員 いや、おられると思います。ですから、適切に後輩でよろしいですか ね。 ○寺野座長 いるかどうか、ちょっと疑問なんですけれども。  大熊委員、どうぞ。 ○大熊委員 作った方の者なので恐縮ですが、重複というのは、それほど神経質に なることはなくて、これはアンケートとはあるけれども、御意見拝聴でいろんなこ とを私たちに教えてねということですから、1個送って、また思い付いて、また送っ てくれても、そんなに神経質にならなくてもいいかなということを思いました。  それから、匿名性を担保するために、手書きじゃなくということを御提案して、 ウェブというふうになったんですけれども、サーベイモンキーのシステムなので、 SSLで対応で大丈夫ですという、これは普通の人には余り分からないので、もう 少し分かるように、大丈夫なんだということの言い回しを工夫していただけると。 でも、専門家が書くとこうなっちゃうのかなとは思うんですけれども、コンピュー タに習熟していない方もいるかもしれなくて、これは絶対自分であるということは ばれないということを回答する人が信じるように書くことがとても大事だと思いま すので、もう一工夫お願いしたいと思います。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 近藤理事長の方から、PMDAは是非、理事長自身も知ってみたいとい うお話がありましたので、次は、厚労省の方の医薬食品局長はいかがでしょうか。 御協力を、私たちも知りたいですし、是非御協力の段のお言葉をほしいと思うので すが。 ○高井医薬食品局長 職員に協力するように言いたいと思いますけれども、いろい ろと課題を抱えていると思いますので、知りたいという気持ちよりも、非常に職員 が苦労しているというのを皆さんに知っていただきたいという面が強いというとこ ろがございます。  以上です。 ○泉委員 それも1つだと思いますし。 ○寺野座長 そうですね。近藤理事長、局長、よろしくお願いします。  そのほかはいかがでしょうか。これは問題は多分、僕が質問しちゃいけないんで すけれども、6番といいますか、結局、結果の解析方法というか、そういうのはた だ単に並べるというだけなんですか。 ○小野委員 これは、とりあえず時間が限られている中でということなので、まず はきちんと結果をほぼ、中に個人攻撃ですとか、小野死ねだとか、山口死ねだとか、 そういうのがあるはずなんですね。それは削除させていただく。むしろ載せた方が いいのかもしれませんが、そういうのは削ると。個人攻撃みたいなのも削ると。た だ、それ以外は、基本的には何とかです、何とかでありますまで含めて、全部見え る形にすると。その先、きちんとしたこういう声が多いなですとか、何%ですとか、 代表値にかかるような話ですとかは、その先ですね。先生方の全体を見ての御意見 も踏まえて、どういう解析が必要かというのを一度御議論いただいて、またそれが 1〜2カ月で済むような話か、もう少し時間がかかって、例えば来年度の別の研究 班でやるような話なのかというのは、また御議論いただければいいのではないかと 思っているんですけれども、いかがでしょうか。 ○寺野座長 ここに、匿名でも結構ですが、差し支えなければ記述してくださいと いうことがほかのところでも、原則としては氏名を書くのが原則で、匿名が例外的 な扱いのような気もするんですが。 ○小野委員 我々は逆です。匿名です。基本は匿名で。変えましょうか。匿名で結 構ですと書いておく。 ○寺野座長 書き方がちょっと変だなという。そうしないと、しかも、氏名を書か れた方はオープンにしないというんでしょう。 ○小野委員 いや、そこは、この調査に書かれていることは、基本的には報告書に すべて出しますという基本スタンスです。一番表に書いてあるとおり、個人が特定 される情報等をすべて除くとした上で、すべて報告書に記載させていただきますと いうのが前提なので、声を載せてほしくないという人は書かないということですね。 ○寺野座長 原則としてはすべて出すけれども、個人特定されるような情報に関し てのみ除くと、こういうことですね。 ○小野委員 (うなずく) ○寺野座長 分かりました。私の読み違いですね。  どうぞ、花井委員。 ○花井委員 でしたら、氏名は聞かない方がいいんじゃないですか。部署はちょっ と聞きたいというのがあって、部署は差し支えなければ部署を言ってねという話で、 氏名は聞かないというふうにした方がすっきりすると思います。 ○小野委員 そうしましょうか。 ○寺野座長 部署と年齢を入れると分かるような気もしないでもない。 ○小野委員 近藤理事長の名前でこういうメッセージを出したいということでした ら、またそれは別に考えるということで。 ○寺野座長 大平委員。 ○大平委員 極めて体裁的な話なんですけれども、ちょっと文言としては高圧的な 感じがするんですね。上から見た感じの。そこは注意された方がいいのではないか なというのと、それから、あと、この取扱いについて、記入する方の人たちに大変 強く、情報を漏らさないようにとか、そういうことはうたっているんですけれども、 逆に、こちらの調査する方のきちっとしたプライバシーの管理とかそういうものに ついては余り触れていないので、普通のアンケートですと失格なんじゃないかなと 思うんですね。ですから、そこは何か形式があるので、それをそのとおりという感 じでやっていただいた方が、多くの人たちにとってはいいのではないかと思います。 ○寺野座長 かなり厳しい御意見がありましたので、よろしくお願いします。  よろしいですかね。今言われたところを注意していただくということで、このア ンケートは、11月18日、明後日を目途に配布をして、回答期限は12月4日とする ということで、最終結果について1月18日の委員会で報告するということです。よ ろしくお願いします。大変だと思いますけれども、よろしくお願いします。  それでは、時間がどんどん過ぎていきますので、その次に、第一次提言を受けた 取組検討状況についてなんですが、これは10月、11月の本委員会におきまして、こ の取組の状況について事務局から説明いたしましたところ、委員から質問がござい ました。再度事務局に整理していただきまして、テーブルになっておりますけれど も、これらを含めて、資料5に基づいて事務局から説明をお願いします。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。議題3でございますけれども、資料5 の第一次提言に対する対応状況でございまして、前回17回委員会、10月29日に追 加で御質問いただいた件に対する対応でございます。その中でいろいろと資料の御 要望をいただいたものを横表形式のものの後ろに項目番号と併せて本日は御提示さ せていただいてございます。事前に各委員の先生方にはお送りしている資料でござ いますので、またこの後議題もつかえてございますので、特段の詳細な説明は省略 させていただきたいと思っております。この中でも、今日御提出できる回答と、次 回12月4日の例えばリスクコミュニケーション等において、事務局の方で整理をし てまた御回答申し上げるところでございますので、よろしくお願いをしたいと思っ ております。  あと1点、82番でございますけれども、82番の回答が81番と同じものが記載さ れてございまして、ここは26番と同じ回答を入れるべきところを誤って81番と同 じ回答になってございます。ただ、このあたり、適応外使用につきましては、本日 もいろいろな実態調査等の御意見をいただいているところでございますので、また 事務局の方で改めて整理をいたしまして、次回以降の検討にお示しさせていただく かどうか、また座長とも相談しながら議題として考えさせていただきたいと思って おります。  事務局からは以上でございます。ありがとうございました。 ○寺野座長 非常にたくさんの質問をいただきまして、それに前回、前々回、対応 できなかったので、こういう形でまとめさせていただいたということなんですが、 必ずしも満足のいく回答であるかどうかは疑問な点もあるかと思いますけれども、 何かこれに関して御意見がありましたら。坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 今回、回答を本当にありがとうございました。次回もまた出していた だけるということですので、それに付け加えて、済みません、私も追加でお願いし ます。  まず、6番なんですけれども、どのような内容でしょうかという問いに対しての 答えになっていませんので、そこをお願いします。それと、薬剤師以外はどうなっ ているかを教えてください。  17番ですけれども、これは、するんですか、しないんですかの回答でよろしくお 願いします。  19番です。ほかの学会にも広げるべきであり、なぜ働きかけをされないのか。一 部の学会にしか依頼していないのはなぜでしょうかということで、これも回答をお 願いします。  26番ですけれども、中に入れていますけれども、1列目の事柄の欄に「速やか に」という意向が削除されていますけれども、それに対してなぜですかという問い ですので、それに対しての答えがありませんので、そこも付け加えてください。  27から29ですけれども、委員会が今年度で終わりなら、報告することとしますと ありますけれども、だれに、どのような形で報告される予定か、教えてください。  35番ですけれども、既存のPMDAの職員のことしか回答されていませんけれど も、大学でのことはどのように考えられているかをお知らせください。  66番ですけれども、今年度は品目を何に指定されたのか。どのような結果が出て いるのか、その2点を教えていただきたいと思います。  医療現場ではなくて本社の立ち入りのみで、本当に実態がつかめるのかがとても 疑問に思いますので、ここはいかがでしょうか。  78番ですけれども、回答が「御指摘のとおりです」となっていますけれども、で は、具体的にどのようなことを厚労省として行うような予定か、教えていただきた いと思います。  82番ですけれども、先ほどの皆さんで討議した内容ですけれども、実態把握が先 ではないのかなと思います。質問に対して答えになっていませんので、実態調査を する必要があると思っておられるのかどうか、そこを教えてください。  最後ですけれども、85番。「御指摘のとおりです」とありますけれども、今後ど のようにしていこうと考えられているのかを教えてください。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。  今の内容、分かりましたね。整理して、可能な限りお答えさせます。  82番は、先ほどちょっと注意がありました。よろしいですね。  友池委員、どうぞ。 ○友池委員 ちょっとよく分からないのでお尋ねするんですけれども、49番なんで すが、ガイドライン、エビデンス、すべて臨床研究から出てくるものなんですけれ ども、その場合の基本はインフォームドコンセントをとるということです。行政研 究の場合にはインフォームドコンセントを要しない。ですから、行政研究の過程で 臨床研究からデータを取り寄せる取り寄せ方というのは、それなりの整合性といい ましょうか、何か仕掛けが要るような気がするんです。ですから、49番の記載につ いては、その辺についてもどういうふうにとらえたらいいのか、行政研究と臨床研 究はインフォームドコンセントの観点で本質的に異なるものですので、データを両 者の間でコンパチブルにすることは現在大変難しい問題ではないかと感じています。 ○寺野座長 ありがとうございました。その点はまた考え方を次回にお示しします。  そのほかはよろしいでしょうか。  非常にたくさんの御質問をしていただきまして、それに一応当局としても最大限 努力したつもりですけれども、今の追加の御質問をまた次回に回答させていただく ということでよろしいでしょうか。  それでは、また質問がありましたら随時出していただければ結構だと思うんです が、では、この質問も含めまして、最終の取りまとめに向けまして論点を絞ってい きたいと思います。  では、次に、研究班の進捗状況ですが、本日は堀内班長がお休みなので、今日は C型肝炎患者実態調査の予定等について御説明いただいて意見交換をしたいと思う んですが。研究班、どなたかございますか。 ○医薬品副作用被害対策室長 今日は委員の方々が泉委員と坂田委員しかいらっし ゃらないので。 ○寺野座長 坂田委員でも泉委員でも可能な限りで。また堀内委員が来られたら御 説明いただくので、お願いします。 ○泉委員 それでは、たしか先週でき上がったばかりのアンケート調査に関して、 まず2つ。1つは、患者、生存されている原告本人のものと、そして、遺族に対し ての質問、中身が一緒のものと分かれているものがあります。ここに至るまでのア ンケートに関しては、数カ月を要しております。班会議でいろいろかんかんがくが く話し合いまして、1つ1つ拾い合わせていって、ようやく先週、最終にでき上が りました。このアンケート調査は、当然としてアンケートを解析する、結果を出す ものでありますので、ただ回答がどういう項目が何点というようなことではなくて、 最終的には解析をしていくところまでを、東大と東洋大学の片平先生と山本研究協 力者の方、お二人でやってくださいます。  私的には、中身に関して細かいことは、本来であれば片平先生から御説明があっ た方がいいかと思いますので、今日は、このアンケートができたいきさつのところ まで話して、それと、総体的に配布されるのは薬害と今されている千四百何名の方 です。この中に遺族原告が六十数名いらっしゃいます。来週以降に各地の弁護団か ら一斉に発送されて、約3週間から4週間で回収を求めることになっておりますが、 このアンケートを実際にやってみると非常に大変です。というのは、原告はその当 時を思い出し、もう答えたくない気持ちと、怒りと落胆とかいろいろな思いがあっ て、すんなり回答しても約小一時間、早ければ40分ぐらいですが、皆さんに聞くと、 やはり一気には回答できないだろうと。場合によっては、途中まで書いて伏せてし まう。そして、明日また取り出すというような作業が続く内容であって、非常に辛 いものがあります。ですが、原告弁護団に対しては、この調査が薬害C型肝炎の実 態調査として厚労省にきちんと残る調査になるので、是非協力してもらいたいとい うお話をして、全面的に協力してくださるという回答をいただいております。  以上です。 ○寺野座長 本件に関しては、それでは、また被害調査の内容が出ておりますけれ ども、その結果等々について、堀内委員が次回出られると思いますので、委員長の 方から御報告をいただくということにとどめたいと思いますが、何かここで言って おくべき御質問等ございますか。よろしいでしょうか。  それでは、次に、時間も大分過ぎましたが、前回の委員会で報告しましたとおり、 第三者監視評価機関におけるワーキンググループが設置されまして、去る11月10 日に第1回会合が開催されました。本日、ワーキンググループ主査の森嶌委員が御 欠席なんですね。ただ、私も出席いたしましたので、詳しくはまた森嶌委員の方か らありますので、簡単にお話をさせていただきます。また追加がありましたら、水 口委員初めお願いしたいと思います。  まず第一は、この第三者組織の目的ですね。これがどういう形のものかというこ とが議論をされました。これについて、確かに監視チェックなんですけれども、い ろんな厚生科学審議会とか、薬事食品衛生審議会等々、あるいは消費者委員会等々、 食品安全委員会等々を参考にしながら、どういう形で、目的でやるべきかというこ とが議論されました。  それから、その次に、どのような権限、機能を持つべきかということであります けれども、これについても調査・審議するんだ、勧告をするんだ、あるいは資料提 出の請求をするんだとか、行政調査をするんだとか、そういういろいろな意見が出 ました。  ただ、この日は最初の顔合わせの会合でもありますので、フリートーキングとい うことでいろんな意見が出たので、まとまりはちょっとつかないんですが、一つ形 式、仕組みという問題に関して、審議会とか委員会、そういう形にするのか。それ から、一番盛り上がったと言うと語弊がありますけれども、一番議論のあったのが どこへ置くべきかということですね。厚生労働省内に置くべきなのか、それ以外、 例えば内閣府に置くべきなのかということ。それについて性格も変わってくるだろ うということで御議論いただきまして、一応水口委員の方で、内閣府に置いた場合 にどうなのかということを次回報告していただくことになっておりますが、厚労省 の場合にはどうなのかということも森嶌先生の方からお話があると思います。  それから、今後、現行の仕組みとの関係をどういうふうに整理していくか。PM DAの中でのいろんな委員会もあるわけでして、オーディットの委員会もあるので、 それとの関係をどうするかということ等が議論されまして、そして今後、先日はフ リートーキングでしたけれども、12月に2回行いまして、大体の方向性はそこで出 していこうということで、少なくとも本委員会のプロダクトというか、成果として、 このワーキンググループで討論する第三者組織の監視組織は具体的にしていこうと いうことでは意思が一致しました。その後は、森嶌主査のリードで12月3日と12 月21日に議論し、まとめていくということになっています。また、もちろん1月か ら2月に関しても、その内容について議論していこうということで、そのたびに本 委員会の方に報告をしていくということになっています。  そういうことにしまして、詳細については、また次回、森嶌委員の方から詳しく お話があると思います。  水口委員、何か追加はありますか。 ○水口委員 どこに置くかということが今一番の課題であると認識しております。 事務局の方に余り御負担かけないということで、詳細議事録は作らないけれども、 メモのようなものは次回間に合った方がいいかなと思います。よろしくお願いいた します。 ○寺野座長 大変やさしいお言葉が出ましたけれども、そういうことで、議事録そ のものは大変なので、メモといいますか、概要、概略は出しましょうというお話で すね。これは私の方から答えるというより、森嶌先生の方からお答えいただくとい うことでよろしいでしょうか。  それでは、次に、毎度のことですけれども、今後の議論の進め方ということにな ります。資料の7について室長の方から説明をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 お手元の資料7の1枚です。次回、12月4日、あと、 年が明けて1月から3月を予定しておりますけれども、次回御議論いただく予定に なっているテーマを上の方に挙げております。これまでにいただいた意見を含めた 形で上げております。研究班の報告とワーキンググループの報告のほかに、添付文 書のあり方等というのが1つ、それから、今日御議論いただいた組織文化、アンケ ート調査、PMDAだけではなくて、厚労省も調査の対象になっていますが、これ と併せて人材育成。今日も宿題をいただきましたけれども、第一次提言に向けた取 組等。医薬品行政組織については、ワーキンググループで第三者組織の議論をいた だいていますけれども、それとは別に、本体組織の方についても最終的な取りまと めの中でどういうふうに整理をしていただくかというところもあろうかと思ってい ます。その他のところには、まだもっと議論すべきじゃないかというような御指摘 があったということで整理をしています。  以上です。 ○寺野座長 12月4日ということで、余り時間はないんですけれども、今のワーキ ンググループの報告とか、いろいろございますし、来年の1月から3月に、本委員 会の提言の取りまとめという方向に移ってまいりますので、どういう形でやってい くかということも一次提言を踏まえて御議論いただければと思っています。  そういうところで、大分大詰めにはなってまいまりしたけれども、今後とも御協 力をお願いしたいと思います。  時間が大分珍しく2時間半ということで、珍しく大体の時間で今日は終わります が……。 ○水口委員 座長、ぴったり終わりそうなのに邪魔して。 ○寺野座長 全然早くはないんですよ。 ○水口委員 次回の討議の準備で是非事務局の方にお願いしたいんですが、リスク コミュニケーションですが、医療機関との関係もあれば、実際、薬を使う患者さん との関係も大きな課題だと思うんですね。それで、実際、今、どういう部門でどの ぐらいの人数の方が特に患者向けの薬品ガイドとか情報提供の作業に関わっていら っしゃるのかというようなことも含めて、現状に関する資料をできるだけ御用意い ただけるとありがたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。じゃ、そういうことですね。  では、次回の説明をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 次回、12月4日ということですが、同じこの場所を 予定しておりますので、お願いします。  それから、前回この場でCROの視察についての御意見もいただいているので、 今、別途皆さんにそれぞれ日程について御意見を伺っているところですので、その 状況を踏まえてセットさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○寺野座長 ありがとうございます。  座長がもうちょっとやりたいような、そういうことじゃないので、時間どおり終 わりまして、御協力ありがとうございます。  それでは、また次回よろしくお願いします。どうも御苦労さまです。ありがとう ございます。                                   (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)