09/11/11 平成21年11月11日中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 09/11/11 中央社会保険医療協議会          第146回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年11月11日(水)9:02〜12:22 (2)場所  全国都市会館 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 白川修二委員 中島圭子委員 勝村久司委員 北村光一委員       高橋健二委員(代理 清水) 伊藤文郎委員       安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 三浦洋嗣委員       北村善明専門委員 坂本すが専門委員        <事務局>       唐澤審議官 佐藤医療課長 迫井医療課企画官 磯部薬剤管理官       上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 認知症対策について       ○ 入院料について       ○ 在宅医療について       ○ 訪問看護について       ○ その他 (5)議事内容 ○遠藤小委員長  それでは、定刻になりましたので、ただ今より第146回中央社会保険医療協議会診療 報酬基本問題小委員会を開催したいと思います。  まず、本日の出席状況でございますけれども、本日は、高橋委員の代理で全日本海員組 合の清水保さんがお見えになっておられます。それから、中島委員及び西澤委員が少し遅 れる旨の御連絡をいただいております。なお、保険局長は公務のため欠席される旨の連絡 を受けております。  それでは、議事に移りたいと思います。  まずは、「認知症対策について」を議題といたします。  事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療課長でございます。  いつものように、本文本体と資料という構成になっております。前回積み残しの認知症 の治療についてということで、診−1と資料で御説明いたします。  まず、資料を先に見ていただきます。今日もたくさんありますので、ポイントだけかい つまんで御説明いたします。  いきなりスライドの4を見ていただきます。認知症の外来患者数の年次推移ですが、ブ ルーで書きました血管性及び詳細不明の認知症の年次推移がこんな形、それからアルツハ イマーが相当に増えているというのが見てとれます。また、その下は精神病床における認 知症入院患者数の年次推移ですが、同様に血管性及び詳細不明の認知症がこういうような 感じで増えている一方、アルツハイマーが増えております。これは単純に年齢構成の高齢 化とともに増えたという見方もできましょうし、また診断ができるようになった、あるい は診断の機会が増えたということも関係しているのかもしれません。  めくっていただきまして、今度はスライドの6番と7番を両方にらんで見ていただきた いと思うんですけれども、よく知られているように、認知症の症状には、物忘れや判断力 の低下など脳機能の低下を直接示す症状である、いわゆる中核症状と呼ばれるものと、そ れから中核症状に伴ってあらわれます精神・行動面の症状であります周辺症状とに大別を されるというわけです。この周辺症状とほぼ重なる概念として、最近、BPSDと呼ばれ るものが知られるようになりました。その中には、大きく分けて行動症状と呼ばれる暴力 に始まる行為、それから心理症状と言われる抑うつ、不安から成っているというわけです。  次に、スライドの8を御覧ください。これは、老健局が中心になって作成した図でござ いまして、細かなところを見ていきますと必ずしも正確でないところがありますが、認知 症をめぐる全体の感じと申しますか、サイズと申しますか、そういうものを理解していた だく上では重要な図だろうと思います。  左側を見ていただきますと、ベージュあるいはピンクで塗られているところが介護の世 界で把握しているものということで大体169万人、右側のブルーに近いところが医療と 呼ばれる分野で大体32万人です。先ほど必ずしも正確ではないかもしれないと申しまし たのは、それぞれ医療の側から見たとき、介護の側から見たときということになっていま すから、左側で言うとピンクの一番濃い部分、介護のはずなんですけれども、ここに医療 型療養病床の話や一般病床、精神病床の話が入っていて、介護保険の適用という意味では なくて、介護保険の側からこういうところに入っていることが確認されたと、こういう意 味です。同様に医療の側も、ブルーの濃いところの一番右下のほうには療養病床という分 野があって、医療型以外に介護型も書いてありますので、一部オーバーラップするという ことです。  しかしながら、これを見ていただきますと、大体どういうところで生活していらっしゃ るのか、また治療を受けていらっしゃるとしたら、どういうところでどの程度かというの が見てとれます。専ら、認知症の場合は介護系のところが多いということが言えますし、 外来もかなりいる。それから、先ほどBPSDのところでも申しましたが、周辺症状等々 の治療が必要になってまいりますと、精神病床のようなところにもかなりいらっしゃると いうことが見てとれます。  以下、認知症の患者の入院期間や残存曲線等ありますが、これは見ていただければ概ね 分かるので、省略をさせていただきます。  それから、14番のスライド等にもあります。これは前回の精神疾患のときもそうでし たけれども、やはり単に診療報酬あるいは介護保険というだけではなくて、その連携ある いは公衆衛生的なサポートが必要だということになります。  資料は以上でございます。  もう一度、診−1の本体に戻っていただきます。  1ページ目から2ページ目にかけての現状と課題その他については、今もう説明をいた しましたので省略をさせていただきます。  第3ですけれども、先ほども申しましたが、精神病棟において認知症病棟入院料という のを設けております。名称も20年度の改定で変わりましたけれども、認知症病棟入院料 といって、わずかに点数も上がっているということです。  次の3ページを御覧いただきますと、これも前回からおつけしておりますが、社会医療 診療行為別調査での算定の状況です。先ほど、入院患者がこの数年間で急激に増えている というお話をしました。社会医療診療行為別調査は、これで見ていただきますと、特に9 0日以内の認知症病棟入院料1で、件数、回数ともに増えております。もちろんこれも、 社会医療診療行為別調査はそのまま経年変化を見ることは難しいわけですけれども、これ で見る限りは、回数、特に1の90日以内で増えているということが分かります。  また、その下ですけれども、認知症病棟以外では精神療養病棟、あるいは疾病をあまり 特定をしない通常の療養病棟に入院していらっしゃるだろうということで、その点数、そ れから算定の状況というものを示しております。  それから、3の一番下ですけれども、療養病床に関する調査をしたんですが、この中で 見ますと、アルツハイマー型の認知症が療養病床入院患者全体の6%ぐらいいらっしゃる ということです。  次の4ページですけれども、外来医療もやはり重要ということになりまして、在宅や居 住系の施設にいらっしゃる方が多いので、かかりつけ医が認知症の疑われる患者を早期に 発見した場合に加算がありますということ。  論点にまいりますけれども、認知症に係る入院ですけれども、在宅あるいは介護保険と の連携というのが非常に重要なので、認知症に係るネットワークの体制整備を進めていく 必要があるだろうということです。  2番目ですが、一般の療養病棟については、御存じのように、医療区分やADL区分に 応じて9区分に分け、支払いは5区分となっております。精神療養病棟をいきなりそうい うところまではなかなか難しいと思いますけれども、今一定の評価、フラットな評価とな っておりますが、今後どういうふうに対応していくのか。特に濃厚な支援が必要な方、あ るいはBPSDみたいなこともあるわけなので、そういうことにどういうふうに対応して いくか。  それから、先ほど申しました外来医療ですが、専門医療機関、特に、先ほどは説明しま せんでしたけれども、スライドの1枚目の左のほうにありますように、認知症疾患医療セ ンターというようなところで鑑別診断や周辺症状の急性期対応が大変重要ですので、こう いったところとの連携が重要ということになります。  説明は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、ただ今の報告につきまして御意見、御質問あれば御自由にどうぞ。  小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  認知症の方が増えている中で、早めに専門医療機関に紹介するというのは非常にいいこ とだと思います。前回、外来医療の評価ということで診療情報提供料が新設された方向は 非常にいいと思いますが、算定件数200件は、やや少ないような気がします。これは、 現場での点数の算定要件、これの受け止め方、あるいは認知症疾患医療センターとか専門 医療機関の数が不足しているのか、その辺のデータとか考え方、これについてお聞かせい ただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  事務局、よろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  ちょっと私どもの直接の担当ではないので難しいところもあるんですが、算定要件云々 というよりは、認知症疾患医療センター、全国150カ所と言っておりますが、今実際に は50ぐらいしかまだできていないということのようですから、先ほどスライドの1のと ころで最後に触れましたけれども、こういったものがもう少し目標どおり整備されるとい うこと、そしてその下にかかりつけ医の先生の絵がかいてありますけれども、かかりつけ 医の方がこういうところに一遍きちっと相談をして、鑑別診断もしてもらって、あるいは 細かな、具体的な治療法や診断法についても相談をすると、こういう体制がまだまだ十分 ではないので、むしろシステムの側というか、体制整備のほうがこれから重要だと思いま す。 ○遠藤小委員長  それでは、安達委員、どうぞ。 ○安達委員  日本医師会として、精神病院協会にこの論点について御意見を伺いまして集約をしてお りますので、まとめて申し上げさせていただきます。  まず、1番の退院可能のお話なんですが、平成19年の調査で50.5%ぐらいは退院 可能だろうというデータがあるんだろうと思います。問題は、退院した後どうするかとい うことで、介護難民のような形が出ないようにするためには、やはり24時間とか、利用 したいときは365日というような介護サービスの提供がなければ、在宅生活というのは 大変難しいのではないかという御意見をいただいております。  それから、2番目のADL区分評価の話ですが、通常の療養病床のADL区分評価と違 って、認知症というのは症状の変動が非常に大きいので、固定的なADL考課というのは 現状難しいだろうということがあります。でありますので、その観点から認知症入院病棟 等をどう考えるかということを考えていただきたいというのが御意見でございます。  3番目は、今の御質問にも関連いたしますが、認知症患者の医療センターというのは、 全国、今51カ所の指定だろうと思います。150が目標ですが、到底まだそこに到達を していないという現状がありますので、ということになると、地域のいわゆる精神科のか かりつけ医との連携をどうするか、そういうことでないと患者さん方のケアができないわ けでございますので、そこのところを診療報酬上どういうふうに手当てをしていくかとい う観点をお願いしたいと。  この3つが御意見でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  認知症疾患医療センターですが、全国51カ所しかないということですけれども、それ もかなり都道府県によって偏りがありまして、1つの県に何カ所もある県もあれば、私ど もの県のようにゼロの箇所もありまして、紹介しようにも紹介先がないということであり ますが、やはり認知症の方を遠くのそういうセンターまでお連れして通わせるというのは 大変なことでございまして、実際は近くの精神病院さんとか、そういったところで診断、 治療をしていただくのが実情でございますので、やはり高度医療という感じとは若干違う と思うので、もうちょっと気軽に、御本人もどこに連れていくんだみたいな感じになりか ねませんから、もうちょっと近くの精神科の病院あるいは専門のクリニックとか、そうい ったところに行けばちゃんと情報提供料がとれるような仕組みにしたほうが、普及しやす いのではないのか。この200件というのは、いみじくもそういう問題点をあらわしてい るのではないのかなと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  論点の2の件につきまして、安達委員からも固定的なADLは難しいという御指摘もご ざいましたけれども、同じように医療区分のほうもなかなか区分が難しいのではないかと 思うのですが、ちょっと厚労省に問い合わせたところでは、区分をするにしても、症状の 区分がどういうことになっているのかという調査が行われていないというふうに聞いてお りますので、方向としては、精神療養病棟も医療区分、ADL区分を設けたほうがいいと 思いますが、ぜひ実態を調査していただくようにお願いしたいと思います。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。まだ調査が進んでいないということですので、その辺のところ もよく検討してくださいということですが、ただ今、白川委員から、論点2のほうについ ては方向性としてはいいというようなお話だったわけですけれども、それに関しては、2 号側、何か御意見ありますか。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  ここに書いてある「ADLへの濃厚な支援」というのは、具体的にどういうものを意味 するんでしょうか。 ○遠藤小委員長  それでは、事務局お答えください。 ○事務局(佐藤医療課長)  まだ、先ほどからお話がありますように、通常の療養病床にいらっしゃる患者さんほど 調査もできていませんし、恐らくは次期改定というより、またそれ以降の話もあるのかも しれませんけれども、もう少し丁寧に病状、病態、それからケアの必要度みたいなものも 見ていかなければいけないということがある中で、私どもが幾つか考えているのは、AD Lといっても、通常のお年寄りの患者さんのように、単に起こしてあげるとか食事を介助 するというだけではなくて、先ほどスライドの中でも御説明しましたように、いわゆる周 辺症状のようなものがあるときに、監視というような部分もあるかもしれません。見守る とか監視という部分もありましょうし、もう少しいくとせん妄などで不穏な行動をとられ るということもあるんでしょう。そういったことに対する広い広い、通常のADLといっ ても、もう少し広い概念があるのじゃないかというふうにとらえております。 ○遠藤小委員長  恐らく鈴木委員の御質問は、ここで「ADLへの濃厚な支援が必要との指摘もあるが」 というので、どういう指摘なのですかということを、多少具体的な例としてあったのでは ないかということで、それをお聞きになったのだと思うのですけれども、何かそういう具 体的な指摘というのは、今、課長の言われたことは一般論なことをお話しされたのですけ れども、特段この指摘というのが具体的なものとしてあるということではないということ ですか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  いや、今の繰り返しになりますけれども、周辺症状としてのスライドの7にありますよ うな暴力、暴言、徘徊も含めた、いわゆる広い意味でいうBPSDみたいなものについて、 それにある程度、ちょっと言葉が適切かどうか分かりませんけれども、手間がかかる、世 話がやけるというような部分について評価してほしいという意味に理解しております。 ○遠藤小委員長  わかりました。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  白川委員が先ほどおっしゃった調査のことなんですが、かなり科学的に、私、認知症の 専門もやっておりますので、かなりきちっとできるようになりました。ですから、先生の 御要望は簡単にできるんじゃないかと思います。つまり区分けですね、病気の区分けはで きます。脳循環を測ったり遺伝子を調べたりすると、これはクリアになります。ですから、 先生の御要望にこたえられると思います。  ただ、診断した後、高度医療はもちろん大事なんですけれども、今、鈴木委員がおっし ゃったように、その後は、精神病棟に入っちゃう人もいるんですけれども、二次医療圏に 行っている方が多いんですね。前回のNICUのときに、NICUが詰まっていると、あ れは、要するに次に行くところがないからなんです。つまり、日本の今の医療体制の中で 一番の問題、地方の医療が崩壊していっている一番の理由は、三次救急、もちろん高度医 療は大事なんですけれども、それを支える二次医療が疲弊しているからだと思うので、今、 白川委員が論点の2をお話しされましたけれども、医療費をどうするのかと、診療報酬上 どのような対応が考えられるかというところから私の意見を申し上げれば、やはり二次医 療圏に診療報酬を厚くしないと、つまり診断はしたけれども、その後何もできないという ようなことになってしまうと、NICUと同じように、高度医療の病院にそういう人たち がずっと入院せざるを得なくなって、結局三次救急まで疲弊してしまうと。これは医療崩 壊の悪循環なんですね。したがいまして、二次医療をつかさどっている地域の中小病院で すね、そういうところに、私は手厚く診療報酬上対応するのが患者さんのためになるとい うふうに考えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  この認知症の問題は、やはり退院されてからの対応というのが大変重要だと思うんです けれども、私、詳しくありませんが、ほかのあれと違って、認知症特有のものというのは、 ボランティアの方々がかなり関与されているのではないかと感じております。ですから、 この後方の、例えば連携担当者とか、こういう実態がどういうふうになっているのか、分 かれば教えていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  この辺の治療、介護に関する実態というようなものについて、事務局、何か分かるもの はありますか。  事務局、どうぞ。 ○事務局(福田精神・障害保健課長)  精神・障害保健課長でございます。  まず、全体的な医療の流れを申し上げますと、先ほどから話題になってございます認知 症疾患医療センター、こちらのほうは、やはり早期に適切な鑑別診断をして、要するに治 療がきちっとできるものとなかなか難しいものとをまずきちっとやりたいと、そういう意 味が1つ。それからもう一つは、やはり周辺症状とか、先ほどBPSDというお話がござ いましたが、そういったものの非常に激しいもの、こういったものについて、ある程度落 ちつくところまできちっと対応してほしいと。それから、認知症の方は高齢者の方が多い ので、そういった方について、やはり身体合併症を持っておられることが多いと。ここで はちょっとデータありませんけれども、大体4分の1くらいの方が身体合併症を持ってお られるというようなデータもございまして、そういったところにきちっと対応してほしい とお願いをしているものでございますが、先ほどもございましたけれども、まだ数が目標 値の3分の1くらいしかいっていないと。  その後どうなるかというと、先ほども御説明の中でありましたけれども、認知症の病棟 という形で、平成20年度の改定から認知症病棟入院料という形でまた新たに評価が上が っておりますけれども、そういった形で地域の医療機関におかれましては、いわゆる精神 症状が中心の患者さんについては対応していただいているという形になるということでご ざいます。そこから後、落ちつきますと、医療のほうからの流れといたしますと、一般の 外来のほうに行っていただいたり、または症状に応じて介護施設のほうにお願いをしてい ると、そういう流れになっているということでございます。ちょっと御質問に直接の形で はないんですけれども、そういうような文脈の中でそれぞれを位置付けさせていただいて いるということでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。北村委員、大変重要な御指摘をされたと思いますので、今のよ うな一応の返事ですが、もう少し詳しく調べていただく必要がありますか。 ○北村(光)委員  結局、私が伺っているのは、家族のコミュニケーションとか対応、あるいは肌に触れる とか音楽治療、動物との触れ合いというのが非常に効果があるというふうに伺っています。 でも、そういうのは結局、ボランティアの人たちがやったり家族がやったりしているんだ ろうから統計にもなかなか出てこないでしょうから、そういうところが医療にどういうふ うに関係してくるのかと、素朴な疑問を持ったものですから。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  事務方が全くずれた答えをしたので、多分、北村委員はびっくりされたと思うんです。 そのボランティアの件は、私もよく存じ上げていまして、福祉大学系あるいは看護系の人 たちが、ボランティアの人たちをうまくそういう施設に引き入れて、進行を止めるという 意味ですね。なかなか治りはしないんですけれども、進行を止められますので、そうする と日常生活でかなりいいクオリティーが得られるので、それは大事な指摘で、看護協会と か福祉系の方々のお話を伺えると、その実態が出てくると思います。  それから、先ほどの白川委員の早期の診断なんですけれども、今かなり早く、これはち ょっと話題がずれますが、早期診断をすると進行がかなり早く止まりますので、そういう 医療もこれからこの会で評価していくと。ここにいる全員が、先ほど佐藤課長が年齢が高 齢化になったからとおっしゃったんですが、そのとおりで、それまでに例えば脳卒中です とか、がんで亡くならない方は、大部分の方は認知症になりますので、我々自身の問題で もあるわけです。ですから、ちょっとずれましたが、早期診断も大事だということで参考 に意見を言いました。  ボランティアのことは、看護系と福祉系に話を聞くとよく分かります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  北村委員、御指摘のとおりだと思います。私ども京都府医師会で今、医療推進協議会と いうのを立ち上げておりまして、医療の団体ばかりじゃなくて、患者さん方の団体もたく さん入っておられます。その中に認知症の会の方もおられます。現状はもう皆さん御理解 のとおりで、1つの家族に認知症の方が発生することで、多くの家族がそれに時間を費や されて、その方々の社会的活動力も落ちていかざるを得ないというような状況があるわけ で、その一つの提案が、先ほど申し上げました日精協の言われるのは、介護サービスの充 実なんだろうと思います。プラス、ボランティアの方の手助けが欲しい。つまり、認知症 というものを一つの発生した家族だけの問題として放置することじゃなくて、社会全体で 見ていくという体制をどうやってつくるかということが、これは診療報酬体系の問題だけ ではないんですけれども、必要なんだろうということを実感しております。  それから、今、嘉山委員が御指摘になった早期発見は、嘉山先生御存じであえておっし ゃらなかったと思うんですけれども、FDG−PETという今がん検診に使っている、糖 の変異体に弗素の短半減期同位元素をつけて、それを静脈内に入れることで糖代謝の亢進 している細胞の中へ取り込まれていって、がん細胞は糖代謝が亢進していますからそこへ 集まるので、がんの疑いを確認できるということで開発されたものでございます。この方 法が、脳細胞の中でやはりエネルギー源として糖を必要とする。だから、逆に取り込みが 落ちてくると認知症の可能性が高いということで、非常に早期発見に有効だということは 米国でもデータがあるんじゃないのかなと思うんですけれども。 ○嘉山委員  先生、私、専門なので。それはちょっと違います。 ○遠藤小委員長  脳外科医のコメントを。 ○嘉山委員  脳外科医じゃなくて、私は脳科学全般やっています。がんから血管障害、全部やってい ますが、FDGは確かにがんには使うんですけれども、今は特異的なトレーサーがあるの で、ちょっとそれは議事録から外して……。PETは有用であるよというのはいいんです けれども、トレーサーはちょっと違います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  北村委員の御指摘のボランティアなんですけれども、ちょっと関連していますので、こ の討議には余り関係ないかも分かりませんが、兵庫県は、阪神・淡路大震災の後、ボラン ティアマインドが非常に高まりまして、震災の後の独居老人、そういう方が認知症になる とか、あるいは子供がPTSDでひきこもりになるとか、そういう人たちのためにホース セラピー、これを淡路島でやっています。つまり、乗馬セラピー、それから音楽療法、芦 屋音楽療法友の会とか、北のほうの八鹿の辺では神経内科医がハーモニカを吹きながら音 楽療法をやっているとか。近藤先生という方ですけれども、実は私事になりますが、私、 ペッツ・フォー・ライフ・ジャパンの理事長をしておりまして、ドッグセラピーですね。 ドクタードッグ、いやし犬を使って、子供の精神障害と大人の認知症には、私自身は非常 に効果があると思っています。いろんなお薬よりもいい顔になります。ちょっとそういう ことだけ報告させていただきます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  私は精神科医じゃありませんけれども、認知症のグループホームとかも持っておりまし て、患者さんもいらっしゃるんですけれども、私も最初は、ケアでかなり周辺症状が落ち ついて、そういう点はかなり見られるんじゃないかと思っていたんですが、やはりそれだ けではどうしても見切れない方がいらっしゃるんですね。そういう方は、やはり専門医に 診ていただいて治療していただかないと、落ちついている方まで一緒になってこうなって しまって、非常に難しい方がいらっしゃるので、診断も昔は脳血管かアルツハイマーかと いう感じでしたけれども、今はレビー小体だとか前頭葉、側頭葉型とか、そんなのが出て きましたし、やはり診断一つ、全部PET/CTをやらなきゃならないというのも、ちょ っと私は行きすぎかなという気もしますが、そういった診断が必要で、治療法というのは、 今治療薬がまだ十分じゃありませんから限られますけれども、やはりそういう意味で、急 性期の症状というか、そういう周辺症状を抑えるのには、激しい方は医療機関に入院が必 要だし、落ちついた場合にそういう施設とかに戻れる人は戻れる。  ただ、精神病院の先生にお聞きしますと、やはり戻そうと思ってもなかなか戻せない、 あるいは自分たちでグループホームみたいものを周辺にやろうと思っても、新設の規制が あってつくれないというようなこともあるようですので、総合的な対策が必要だし、やは り家族の無理解というのも大きいんですね。認知症の症状に対する理解がないと、そうい った一定以上の症状が出ますと、家族の方がもう見切れないということで、施設なり病院 なりに行ってくれというようなこともございますので、いろんなサポート活動等、100 万人キャラバンですか、そういったものもやっているようですけれども、まだまだ一般の 方の理解が少ないと思いますので、そういったことを含めた取組が必要かなというふうに 現場として考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかにございますか。嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  ちょっと話が広がっちゃったので、もう一回、診療点数の白川委員のところへ戻ったほ うがいいと思うんですが、結局、精神病院が今満杯です、どこでも。それで、認知症の患 者さんを診る場所がどうしても中小の病院にならざるを得ないんですね。したがいまして、 中小の病院での認知症の加算というのが今のところあるのかどうか、ちょっと私、そこま で詳しく分からないんですが、ないとすれば、それはつけないと、中小の病院がそういう 患者さんを受け取りにくくなりますので、中医協としてはそういう結論を出すことを提案 したいと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。  坂本委員、関連でよろしいですか。では、お願いします。 ○坂本専門委員  今回、精神療養病棟の話をナースさんたちに伺ってきたのですが、認知症の患者さんと 今までの精神科にかかっている患者さんとは、ちょっとケアの仕方が違うということを言 っておりました。やはりいつまでも入院しているというのではなく、退院支援を強化しな くちゃいけないということにおいては、精神科の看護においてもう少し手厚くしていかな いといけないと考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  勝村委員、お願いします。 ○勝村委員  この認知症の問題も含めて、介護保険との関連が非常に大きいものがあるわけですが、 過去に、リハビリのときに介護保険と関連付けて議論したんだけれども、そこがうまく移 行できなかったということがあって、結局元へ戻さなければいけなくなったことがありま した。精神疾患にしても認知症にしても、今度のその次の改定が同時改定だということな んですけれども、それを待ってしまうと、確かにそれをある程度待たざるを得ない面もあ るんでしょうけれども、そこを同時改定までほうっておくと、やはりどうしてもそのこと でうまくいかない面が出てきてしまうんじゃないかという心配をしています。認知症につ いては、今のお話を聞いたり、僕は専門医に質問しようかと思っていろいろお聞きしたと ころ、論点の一つに、医療で随分診断ができるようになった、その中にはお薬で治るもの も出てきたと。一方で、薬よりも看護とか介護とかそういうところのほうがよりよいんだ という部分もあるということですから、そっちの、看護とかのほうがよりよいという部分 が広がるように何とかうまく、もちろんこの中医協だけでは解決できない問題があるにし ても、何とかうまく論点に挙げて、そっちも進めるような診療報酬の提案みたいなものが できないものなのか、検討をお願いできたらというふうに思います。 ○遠藤小委員長  では、坂本専門委員、関連ということでよろしいですか。 ○坂本専門委員  今、勝村委員が言われたように、お薬だけということではなくて、生活を思い出してい くこととか、そういうところにかかわっていくとすごく安定すると伺っております。やは りケア的なものを充実させていくことが重要だと思っております。 ○遠藤小委員長  1つ、質問とおぼしきものが出ましたので、中小病院で認知症の患者さんを受け入れた 場合に何らかの加算等々というのは、現状ではどういう状態になっているのかということ ですが、医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から言うと、病院の規模に応じて加算をしているということはありません。むしろ 看護配置だとかそういったものに着目をして点数が変わっているというのはありますけれ ども、病院の規模に応じてというのはありません。 ○遠藤小委員長  認知症の患者さんを受け入れた場合にということですが、それでよろしいですね。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員   嘉山委員の御希望はよく分かりますが、今の仕組みとしては、どういう病院が手厚いケ アや人手がかかるか、医者や医療チームの手間がかかるかということを評価する仕組みが 基本だというふうに思っておりますので、医療区分とかADLの区分というのは非常に難 しいとは思いますが、区分けをして、医療サービスが必要な部分には手厚くすべきで、そ うでもないところは少し我慢していただくと、そういう構造にしたらどうかという意味で 私は申し上げたつもりでございます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  認知症の方で身体合併症を持っている方をどこで診るかということにもなると思うんで すけれども、1つは精神病院で身体合併症を診られるような体制を整えるということと、 民間の中小病院等でそういう認知症の方も診られるにするという意味で、高度・急性期の 病院と言われるようなところは認知症の方は非常に苦手のようでございまして、治療以前 に送り返されてきたり、あるいは早々に私たちの役割ではありませんみたいな感じで送り 返されてきたりといった形で、やはりどこかで診なければなりませんから我々が診させて いただいているということで、そういう意味では非常に手間暇かかりますので、そういっ た加算みたいなものがあるといいと思うし、見方としては、精神病院で診る場合と一般病 院で診る場合と、両方あるかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  専門家として白川先生にお答えしますと、区分といっても、ダブっているところがかな り多いんですよ。いわゆるフィジカルに、肉体的な、例えば脳卒中で麻痺が出ているとい うのとまた違う病態を、先ほど周辺症状というお話が出ましたけれども。ですから、多分 先生おっしゃるような区分をきちっとしたとしても、ダブっているので、中小病院の規模 が小さくても診ざるを得ないところがありますので、そこは、例えば先ほど手間がかかる というお話がありましたけれども、看護の面でかなり手間がかかるんですね。そういう面 で、私は医療費を厚くしないと、そういうところが受け取ることができなくなって難民に なる可能性があって、我々全員が将来的には認知症になる可能性が非常に高いですから、 2030年に一番ディマンドが高くなりますので、それに向けて、まだまだ増え続けます ので、その辺を今整備しておかないと、とんでもない社会問題になる可能性がありますの で、そこを先生、御理解願いたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、一通り御意見を承りました。この3つの論点をベースにしながら、かなり現 状の課題、問題点というのが浮き彫りになってきたと思いますし、従来、認知症の問題と いうのは、どちらかというと介護保険のほうでは積極的な議論が行われておりましたけれ ども、医療保険のほうでは、それに比較するとそれほど積極的ではなかったかなという印 象もありますので、今回、中医協としてもこの認知症の問題をかなり専門的に、積極的に 御議論いただいたということで、非常に喜ばしく思っております。今はまだ議論は1つに 収斂しておりませんが、問題点はかなりクリアになったかと思いますので、今後また継続 的に議論をしていきたいと思っております。  事務局としましては、ただ今出た様々な御意見を整理して、次回また議論できるような 状態にしていただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは、引き続きまして次の課題に移りたいと思います。  「入院料について」を議題とします。  事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  これも同様に、本文と、それにつながりまして参考資料と参考資料2というものと資料 が2つございます。  まず、入院料(1)と書いた参考資料のほうから御覧をいただきたいと思います。今日は、 診療報酬の検討の中でも最も重要な分野の入院料についての御議論をいただくわけですけ れども、入院料といいましても余りにも広いので、今日やる入院料はどういう部分かとい うのを見ていただくために、スライドの1枚目を準備いたしました。  色分けをしておりますけれども、入院基本料といっても大きく3つに分かれます。言う までもないことですが、入院基本料と言われる分野で、一般病棟、療養病棟、結核、精神 と幾つかありますし、特定機能病院、専門病院で入院基本料がありますけれども、そうい う分野が1つでピンク色の部分。それから、特定入院料と呼ばれる分野があります。これ がオレンジ色の分野になりますけれども、救命救急入院料に始まりまして、特定集中治療 室管理料、ハイケア、脳卒中ケアユニット、この間もお話が出ましたけれども、NICU のようなところ、こういうような分野があります。それから水色の部分に書きましたけれ ども、入院基本料の加算ということで、小児だとか救急だとかに着目して加算が入る分野 があります。  このうち、水色を中心に点線をかけております。点線がL字型がひっくり返ったような 形になっておりますけれども、この部分というのは個別テーマで議論をしていただくこと としておりまして、もう既に小児とか救急の一部で御議論いただきましたし、また今後個 別の分野のところで議論いただくと思います。  今日御議論いただくのは赤い点線が囲まれた部分でして、分かりやすく言えば、入院基 本料の基礎と申しますか、入り口論というところになります。それで、恐らく来週になる と思いますけれども、入院料は少なくともあともう一回はやりたいと思っておりまして、 そこでは、まさに病棟における看護師等の配置の評価や、もう少し細かな、例えば夜勤の 72時間問題でありますとか、そういったことも含めまして細かな議論をしていただきま すが、いずれにしましても今日は入院料の議論の基礎になる部分を御検討いただきたいと 思います。  時間も限られておりますので、早速スライドを見ていただきますが、スライドの2番目 以降は、入院という視点で見たときのマンパワーあるいは箱という視点になっております。 もうほとんど御覧いただいたような資料ばかりだと思いますので、余り細かく説明はいた しません。4枚目のスライドまでは、人口当たりの医師数がどういうことかというのを国 際比較でお示しをしておりまして、巷間言われておりますように、OECD、あるいはこ こではG7に限定をしてやっておりますけれども、G7各国の中でも少ないほうだという ことです。  一方、スライドの5枚目ですけれども、看護師不足と言われますが、就業看護師数は、 実は人口当たりではそれほど少ないわけではないということです。  以下、次のスライドから薬剤師、理学療法士、作業療法士と出てまいりまして、薬剤師 が多いということを除きますと、理学療法士、作業療法士ともに少ないということが見て とれます。  それから、9ページ目から箱の分野になりますけれども、人口当たりの総病床数という のは日本は飛び抜けて高いということが見てとれます。また、急性期病床だけで見ても同 様でして、よく言われることですが、11番のスライドにありますように、病院単位で見 てみますと、平均在院日数は、ドイツ、フランスと比べて国立の某病院でこんなような状 況。それから、病棟にいる看護師、医師の配置の状況を見ていただきますと、日本は配置 の状況は手薄ということになるんでしょうか。  またもう一遍、箱に関するパフォーマンスの話ですけれども、12、13とこういうと ころを見ていただきますと、平均在院日数、あるいは急性期医療に限ったときの平均在院 日数を見ていただきますと、日本も頑張って減らしてはいるんですが、世界の水準から見 ると高いということです。  以下14番以降のスライドも、もうよく見ていただいたところだと思いますので飛ばし ますけれども、改めてまた16番、17番のスライドで看護師の状況、それから18番で 看護師・准看護師学校養成所における新卒の就業者数の推移、これは養成課程ごとにその 数を出しております。その下ですけれども、看護職員における就業者数の増加ということ です。これももう御覧いただいたものだと思いますので詳しく申しませんが、就業者数が 約133万人と言われておりますが、右下のほうにありますように、潜在看護職員、要す るに今は働いていないという方が、平成14年の統計でちょっと古いんですけれども、約 50万人を超える方がいらっしゃるということになります。  20からが、いよいよ基本診療料がどういうふうにでき上がっているかということです けれども、先ほど申しましたように、入院基本料があり、特定入院料があり、また入院基 本料の上に入院時医学管理加算のような加算がありますということを示しています。  それから、21番のスライドも何度も出てきております。かなり複雑なので分かりづら いかと思いますけれども、病棟と、それから病棟でとれる特定入院料なんかとも関連する んですが、診療報酬上かなり細かく複雑な分類ができるということです。  22、23は歴史ですので、今日は細かく説明しませんけれども、平成11年以前は、 入院時医学管理料、看護料、室料という大きく3つから成り立っていたんですが、12年 以降に入院基本料ということで包括と申しますか、統一をされたということです。22に あるスライドを今度は点数風のものに置き換えてみると、室料の上に看護料が乗り、看護 料の上に入院時医学管理料が乗りという構造であったものが、一番下の赤い図にあります ように一本化されて、あとは期間ごとの加算がつくかつかないかということ。24、25 は歴史ですので、省略をいたします。  それから、参考資料2は今年の春に一度お出ししておりまして、今申し上げましたこと を、入院基本料、特定入院基本料別に模式化したものでありまして、一度出してもおりま すので、説明はもういたしません。  それで、本文に戻っていただきますが、1ページの入院医療の現状その他につきまして は今説明をいたしましたので、省略をさせていただきます。  現行の診療報酬上の評価ですが、今日は入り口論だとは申しましたけれども、入院基本 料の代表的なものを少し御紹介するということで、7対1入院基本料から15対1、そし て15対1も満たせない特別入院基本料まで、こういう構成になっておりますというとこ ろをお示ししております。  3ページに入っていただいて、社会医療診療行為別調査で算定の状況を見ていただくと いうことです。特にコメントもありませんけれども、3ページの一番上の7対1のところ で見ていただきますと、これは正確に比較できるのかどうかは難しいところですけれども、 実施件数で見ると7対1がやや増加をしているし、算定件数においても同様の傾向が見て とれます。それから、ちょっと特殊な分野ですけれども、特定機能病院や専門病院入院基 本料の14日以内の期間に係る加算をさらに評価をして、点数を少しですが上げたという ことです。  次の4ページ目は、特定機能病院一般病棟入院基本料の7対1、10対1別の算定件数、 算定状況です。  それから、恐らく昨日実施しました検証部会の結果もそのうちまた出てくると思います けれども、急性期治療を経過した患者に対して亜急性期入院医療管理料というのがあるん ですけれども、20年の改定ではその2というのがつきまして、それにつきましても算定 の状況とか実施件数とかを御紹介いたしております。  論点になりますけれども、何度も繰り返しておりますように、今日は入り口に近いもの なので、やや抽象的な書き方をしておりますけれども、施設ごとに医療機能を分化させる という視点から今点数設定がなされておりまして、DPCに代表される急性期、今も説明 をいたしましたけれども、急性期治療を経過した患者に対する亜急性期、それから療養病 棟・療養病床に代表される慢性期ということで、病院・病床の区分が分かれております。 また、これ以外にも「超」という言い方で言えるのかどうか分かりませんけれども、シン ボリックには救急医療みたいな分野に代表される超急性期というような分野も考えられる のかもしれません。そういった話です。  2番目は、またここもやや抽象的な表現になっておりますけれども、病棟の区分、ある いは医療機能の分化というのを一方で目指しているんですけれども、医療の必要度が必ず しも高くないという長期入院者がおいでになりますので、こういった問題を今後、来週以 降になると思いますけれども、慢性期病棟の話なんかもまた提示させていただきますが、 そういったこととも絡めながらどうしていくのか。  大きく2つの話題を論点として掲げております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  入院基本料で本日はどの領域を議論するのかということですが、なかなかそこの区分け がよく分からないのですが、要するに論点というのが出てきましたので、基本的には、入 院基本料の基本的な考え方といったようなことについて議論をしてほしいと、多分そうい うことではないかと理解をしたのですけれども、いろいろと御意見あるかと思いますが、 御意見、御質問をどうぞ。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  昨年、私が舛添ビジョンの会の審議委員に選ばれた後、勉強させていただきました。日 本の医療制度の大きな問題点が、この診−2の中に全部出ているわけです。それは、先ほ ど勝村委員がおっしゃったように中医協だけでは解決できない問題がたくさんこの中にあ って、ですから中医協として医療費を決めるときにも、全体的なことを考えて医療費の配 分をしないと、医療の崩壊が一気に進む可能性がありますので、意見を言わせていただき ます。  まず、最初の入院料(1)のところの1番、医療従事者が薄い配置となっているのはなぜか というと、病院以外の、先ほど北村委員がおっしゃったようなボランティア組織が、アメ リカなんかと違いまして、患者さんあるいは身体に少し障害があるような方々を受け入れ る施設がないんですね。ですから、ベッド数が多くなるのは、これは原因ではなくて結果 なんです。つまり、福祉政策の後れがベッド数が多いという結果になっているだけで、こ れは原因ではありません。  それから、看護職に関しても、職場の環境が非常に悪いものですから、いわゆるプロの 学校、例えば医学部を出て離職者が10%といったら大変なことになります。看護の学校 を出ても、たしか6%から8%の間の離職率だと思いますが、これは普通の大学を出た方 よりは低いんですが、プロの学校を出た職種としては世界と比べると非常に高い。これは 職場環境の問題で、これも原因ではなくて結果なんですね。つまり、今の日本の社会制度 の欠陥がこれに如実に出ているということです。  例えば、さっきの参考資料の中で言いますと、なぜ日本で急性期病床が多いかといいま すと、会長、やはり中医協で決めてきた医療費の配分が、急性期病院でないとやっていけ ないというところがあるからこそ急性期病院が増えて、これも結果なんです。つまり、医 療費が誘導されてこういう結果が出ているのであって、これがあるからどうしようという ことで壊すと、一気に日本の医療崩壊は進むということを佐藤課長は十分に分かっていて 出していらっしゃると思うんです。  ですから、医療費で言いますと、亜急性期、急性期、高度先進医療をやっているところ ももちろん大事なんですけれども、これでおかしいじゃないかと、社会的入院が多いんじ ゃないかということは言えないので、社会的入院がなぜ多いかを我々は考えていかなきゃ ならないんじゃないかと思います。簡単に言うと、日本は福祉政策がかなり遅れたと、そ の結果がここに出ているので、今この福祉政策が遅れている中で、医療難民ですとか、弱 者をどうやって難民にしないかということをこの会で議論すべきだというふうに、私は去 年、舛添ビジョンの会で勉強したときに、すごくそういうふうに感じました。  人口で出すと中位とか佐藤課長はおっしゃいますが、実は患者さんにとっては、ベッド 当たりで数字が出なければ、自分が患者さんになった場合に、そのサービスはそのベッド に来るわけですから、どうしても患者満足度というのが低くなるのは当たり前で、この場 で患者さんを中心に、あるいは国民を中心に議論するのであれば、人口当たりでは現場を あらわしていません。したがって、ベッド当たりの数字もここにきちんと出さなければ、 また間違った議論が誘導される可能性がありますので、会長は早く早くと、多分会長は責 任感が強いので急がなきゃならないというお気持ちがおありでしょうが、ここはじっくり と議論しないと間違った方向に誘導されると思いますので、コメントとして申し上げまし た。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。議事の運営についてもコメントがありましたが、私は、デッド ラインは限られているということはあると思いますけれども、時間は十分とりたいと思っ ておりますので、現在週2回やっておりますが、それが今のままかどうかも分かりません ので、時間だけは確保したいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。  ほかに御意見ございますでしょうか。 ○嘉山委員  先生、ですから佐藤課長に、ベッド当たりの数字もきちっと出してほしいという私の要 望ですけれども、委員としての要望です。 ○遠藤小委員長  はい、わかりました。ベッド当たりの数字はいろんなところでもう既に出ておりますけ れども、そのような資料を出していただくということですので、佐藤課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  ベッド当たりの数を国際比較して、年次までは出ていませんけれども、スライドの2枚 目がそうでして、右から2つ目のコラムがそうでして、看護職員数(病床百床当たり)と いうのを日本からアメリカまで並べております。医師数についても同様です。それから、 11番目のスライドでも軽く触れましたけれども、具体的に個別の病院を聞き取り調査し て、病床を示した上で医師や看護師やコメディカルがどのくらいいるかという調査をして おります。  それから、国際比較にはなっておりませんけれども、スライドの17番目が病院の10 0床当たりの看護職員数で、保健師、助産師、看護師、准看護師という形で調査をしたも のがあるので、御提示をしております。  以上です。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  一番の問題は、スライドの3です。要するに前々回でしたか、北村委員からクラークが どのくらい効果を上げているんだというような話がございました。日本の医師は、一昨年、 我々頑張りまして、福田総理と舛添大臣のおかげで、去年ですか、閣議決定外れて、医学 部定員が増になりましたが、まだ時間がかかります。その間に我々が日本の医療をどうや って守るかということなんですが、今全ての医師が、開業の先生も含んで、医師だけがで きる仕事をすればいいんですけれども、そうじゃない仕事をしなきゃいけないという現状 は、この3のスライドに出ております。これは人口当たり病院従事者数の国際比較で、こ れで出すと分からないんです。やはりこの数字をベッド当たりで出さないと、この前、北 村委員がおっしゃったクリニカルクラークがたくさんいて、医師が書類書きだとかそうい うことをやらなきゃいけないというのは、ここに出さなきゃいけないんです。  ですから、佐藤課長、この3番のところの数字を出していただければ現状が分かるとい うふうに私は考えます。これは非常に誤解を生むデータです。 ○遠藤小委員長  今のことでちょっと1つ。先ほど、その1つ前のスライドの病床100床当たりの医師 数の国際比較が出されているわけですが、それでは今の嘉山委員のあれとは違うのですか。 ○嘉山委員  医師が足りないのはもう当然なんです。ただ、その少ない医者が、さらにクラークが欧 米と比べて少ないので、医者を助ける人が少ない上に医者が少ないんですから、医者が事 務の仕事もやらなきゃいけないというふうになっていますから、3番のスライドをきちっ とベッド当たりで出さないと、医者がどのくらい崩壊していっているかというのが見えて こないんですね。  これは、私は雇用にもつながると1回目に言いましたが、経済的にも、ここで人を雇い ますから、結局人に投じれば、その人は物を買うわけで、そうすると社会が非常によくな っていくと私は考えているんですよ。ですから、それでなくても疲弊している医療界を防 ぐためには、ここで医者以外の人をたくさん雇って医療崩壊を防ぎたいというふうなこと で、この3番を訂正してほしいというふうな…… ○遠藤小委員長  わかりました。ここでいう病院従事者数というのは、事務局にお聞きしますが、これは 全員入っているわけですね、いろんな職種。 ○事務局(佐藤医療課長)  具体的に言うと、看護職員以外の理学療法士、作業療法士みたいなものも入っていると いうことです。 ○嘉山委員  だから、ベッド当たりでやってほしいんです、これは人口1,000人当たりでやって いますから。 ○遠藤小委員長  わかりました。そういう資料はありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  でき上がったものはありませんけれども、計算は簡単ですので、次の機会に。 ○嘉山委員  いや、計算は簡単じゃないですよ。私は、医療政策学講座でアメリカのハーバード大の ホームページに全部入り込んでいますが、なかなか出すのは大変です。なぜかというと、 アメリカの場合には保険会社が事務を出していますから、そうするとその数は病院が雇っ たことにはなっていないんですよ。実際より少ない数が公的には出てくるだけで、保険会 社が保険診療の計算をしています。それが全部事務として病院で働いて、例えばアメリカ のM.D.アンダーソンで何人いると思いますか。日本の320倍いるんですよ、事務職 員が。行って、あなた視察してくればよく分かりますよ。そのくらいの事務がだあっと並 んで、医者が書かなきゃいけないいろんな仕事をやっています。それが実態が出てこない。 そのことを先生、お願いしたいんです。 ○遠藤小委員長  わかりました。  1つ確認、病院従事者数って何ですか。医師、看護師全部含めてということですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  はい。 ○遠藤小委員長  その中で、分離してメディカルクラーク的な人とかそういうことですね、嘉山委員のお っしゃっているのは。 ○嘉山委員  メディカルクラーク、これはどういうふうな数字を出しているのか、もうちょっとOE CDのヘルスレポート、どこの部分だか教えていただければ。 ○遠藤小委員長  そうですね。これは何から出てきた…… ○事務局(佐藤医療課長)  インターネット上に数年前からもう全て公表されておりますので、それからもとれます すし、本でもとれるということになっています。 ○遠藤小委員長  それは細かく分かれて出てきているわけですか。それともこういう形で病院従事者数… … ○事務局(佐藤医療課長)  私が見た範囲では、これは固まって出ていまして、例えば理学療法士が何人、作業療法 士が何人、今おっしゃったようにメディカルクラークみたいなものが何人というところま では出てきていなかったように思います。 ○嘉山委員  いずれ先生には時間をいただきましたので、その正確なデータはきちっと出させていた だけますか。これでは現状が出ていないです。 ○遠藤小委員長  わかりました。  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  今のことに関連するのかもしれませんけれども、確かに先生おっしゃるとおり、病院従 事者数でこのグラフを見させていただければ、全体の雰囲気というのは私たちでも分かる んですが、入院基本料を支える最大のベースは、こういう人員の構成だろうと思うんです が、その中でもやはりお医者さんの数というのが、私、最大のテーマというか項目だろう と思うんです。  一時、お医者さんが大変多いというふうに言われた時代がありましたが、今はもう確か にお医者さん……。これで、例えば2ページの医療提供体制の各国比較と、11ページの 具体的な国立T病院とフランス、ドイツの病院との比較、この対比は単位人口当たりのお 医者さんの数が余りにも違い過ぎるので、今私たちは日本のお医者さんの数というのは、 客観的に見てどういうところにあるんだろうかということを私は伺いたい。この数字だと、 病床数はほとんど同じか日本がちょっと多いくらいで、お医者さんの数は何と4分の1だ と。そうすると、2ページの表とはまるっきり違う雰囲気が出ていますので、どういうふ うに理解したらいいのか分からないんですが、要は、今の現状のお医者さんの数というの はどういうふうに私たちは理解させていただいたらいいか、そういうのが入院基本料とか いろんな論議のあれになると思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。  嘉山委員、関連でお願いします。 ○嘉山委員  簡単に言いますとベッド数です。ベッド数が日本は多いと、これはエビデンスです。た だし、先ほどお話ししたように、そのエビデンスの理由は、ただ単に我々がベッド数を増 やしたんじゃなくて、必要があるから増えていっちゃったんですね。それはどういうこと かというと、福祉がまだ、先生は経団連ですから、経団連のほうで少し福祉のほうにお金 を回してもらえればいいんですけれども、その福祉が遅れているから、多分ベッドが増え たということ、これはエビデンスですから。 ○遠藤小委員長  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  これで、経団連というふうにおっしゃられたのは、たしか3度目なんです。実は私、こ こに座っていますのは、経団連の立場で物を申しているわけじゃなくて、そういう立場か ら選ばれた人間ですが、やはりここで論議されるものを客観的に、それから国民の立場、 患者さんの立場、あるいは医療に携わる方の立場、そしてそれを支える経済全体を含めて、 何もあれですが、そういうことが発言できないかなと思っておりますので、ぜひそういう おっしゃり方だけはやめていただきたい。よろしくお願いします。 ○嘉山委員  わかりました。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、よろしくお願いします。これまでの北村委員の御発言を伺っておりましても、 決して一部の経済団体の考え方を代弁しているという御発言ではないと私も理解しており ますので、ひとつよろしくお願いいたします。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  話を全体に戻してよろしいですか。  恐らく今、この間の医療経済実態調査でも、15対1以外は全部赤字なんですね、入院 基本料。一番赤字幅が多いのが10対1で、マイナス7.4%かな。これはどういうこと かといいますと、初めから入院医療というのが置き去りにされてきたんですね。日本の医 療の診療報酬設定の中で、手術とか救急とか入院とかがちょっと置き去りにされてきたと。 その結果として今の医療崩壊、特に病院の急性期医療の崩壊がひどくなっているわけです ね。病院で働く人は、医師や看護師だけでなく、臨床工学士とか、今のメディカルクラー ク、事務系の人も含めて、たくさんの資格職が増えたんですね、種類も数も。そういう人 たちがほとんど評価なくずっと増え続けてきたんですね。世間からは、感染症対策、院内 感染防止とか、あるいは個人情報保護とか、昔の病院で我々が医師になったときには考え られないようなこと。あるいは防犯も、院内で暴力とか、ひどいときは殺人まで起こると、 そういうことに対してガードマンを置くとか、いろんなことに投資してきたわけですね。 それから、当然患者さんのアメニティのために、いい部屋をつくるとかいろんなことを考 えてきた、そういうものがほとんど評価されてきていなかったから、こういうことになっ ているわけですね。  だから、余り個々のことよりも全体的に、今度政権交代もあって、マニフェストには病 院の入院基本料を1点11円にするとか、そういうふうな発想でないと、細かく医師がど うだとか看護師がどうだということになっていくと、4月の改定に間に合わなくなってし まうので、これはやはりもう、えい、やあで決めたほうがいいんじゃないかなというのが 私の意見ですし、病院団体にもそういう意見が多いように思います。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  資料の内容で質問が1点、あと意見が1点あるんですけれども、まず、18枚目のスラ イドで看護師の新卒就業者数が減っているというデータなんですが、養成数はどうなのか ということを教えてもらいたいと思っております。  それからもう一点ですが、22、23の資料ですが、入院基本料というのが12年以降 全部包括されてこの点数になったと、それまでは入院時医学管理料、すなわちこれはある 意味で医師の技術料、看護料、それから室料、入院環境料、これは固定費ですよね、当然 施設とか。それが全部入って入院基本料だと。まとめられたがゆえに、今は意外と皆さん 方は何となく、入院基本料といったら全部看護料のような錯覚を持っている方もいらっし ゃるわけですが、実は看護料はその一部であるということで、この辺りは、やはり何が入 っているかと、それぞれにかかるコストを分析して、ぜひ入院基本料の議論、あるいはこ れから点数付けをしていただきたい。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  図の10を見て、日本の急性期病床数が多いということを何か問題であるかのようにお っしゃいますが、日本の医療費というのは、対GDP比で先進国中最も低いわけですね。 それで入院日数、急性期病床数の少ないアメリカが最も高いわけですね。ですから、病床 数が多ければ医療費が多くなってもおかしくないはずなのに一番安くて、どうして少ない、 短い国アメリカが断トツに高いのか、我が国の倍ぐらい対GDP比の医療費があるわけで すから、そこを考えていただきたいと思います。  私は、日本の医療が世界一と言われた、まだ言われているわけですけれども、それはや はり気軽に外来医療あるいは入院医療を受けられるフリーアクセスとか、あるいは公的皆 保険制度の下に、民間の病院が頑張って、経営実態調査にもあるように経営努力をして公 的病院とともに頑張ってきた成果だと思っておりますが、それをどのように変えていこう としているのか。外国のようにすればいいのかというようなことも考えられますが、しか し入院されている方々をどのようにして診ていくのか、そこがしっかりできませんと次の 在宅医療にもかかわってまいりますが、やはり在宅でもちゃんと看ようと思ったらお金が かかるんですね。ある意味では、下手したら入院以上にかかるかもしれません。  ですから、中福祉中負担でいくのであれば、どういうものが我が国においていいのか。 せっかくいい日本型のシステムを、欧米型にすればいいということではないということで、 日本型のよさ、世界一の安くて充実した医療を実現してきた日本の医療をどう維持発展さ せていくかという視点で考えていただかないと、多いから減らせというふうにすれば医療 費が下がるかというと、逆に上がる可能性もあると私は考えておりますので、そこら辺は 慎重に議論いただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、白川委員、どうぞ。 ○白川委員  邉見委員、西澤委員の御議論も、病院の経営という意味ではもちろん理解はできるので すけれども、ただ当然のことながら、全体を一律に上げるということは、我々としては、 患者の負担が当然増えるわけですので、慎重にやらないといけないというふうに思ってお ります。  入院基本料単独で議論ということになりますと、今の制度ですと、看護師の配置がどう か、医師の配置がどうかということ、あとは病棟の種類とかでしか差がつかないのですけ れども、やはり入院基本料加算や特定入院料ということもセットで病院経営は成り立って いると思いますし、DPCということもあるわけですから、そうした全体を考えて、メリ ハリをつけていくべきではないかというのが私の考えでございます。 ○遠藤小委員長  関連ですか。西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ありがとうございます。  当然のことながら全部を総合的に考えるのは当たり前ですが、今のテーマが入院基本料 だからそこだけ申し上げたのであって、余り議論が広がると焦点が見えなくなるというこ とですので、そこら辺は理解していただきたい。  それから、患者負担もある、それは当然、白川委員の立場からはそうだと思いますが、 しかしながら今までの医療費抑制でもって何が起きたかということを考えていただきたい。 国民は、これ以上負担することは大変だというのは分かりますが、しかしもっと大事なの は、質のいい医療をしっかり私たちが提供して、国民に安心してもらいたいと。医療費を 削減するがゆえに国民が安心できないというような現状をどうとらえるか、そちらの国民 の視点というものもぜひ考慮しながら議論していただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  まず、入院基本料については、以前に、看護基準の7対1などをやりましたが、やはり 病院に入院していると看護師さんがたくさんいてくれたほうがうれしいというような感じ があって、そういう医療にもうちょっとなっていかないのかということで、こういうこと が入ってきたと思うんですけれども、この点数の評価については、どこかにありましたけ れども、ある種そういう目的があったと思うんですけれども、それはどう実現できている のか、どういう評価なのかということが1つ質問です。それから今、邉見委員のお話をお 聞きしていますと、お医者さんの話はちょっと置いておいて、入院しているときには看護 師さんがたくさんいてるほうがいいなということ以外に、邉見委員のお話ですと、それ以 外のスタッフもいろいろ必要なんだと。聞くところによると、病棟の中をきちんと動き回 ってくれるような薬剤師さんというのももっといてもいいんじゃないかと。病院の薬剤師 さんというと1つの場所にいて、なかなか患者の前には来ないと。そういう話とかも含め た、何か入院に関する新たな価値観みたいなものを入れていくような論点も、邉見委員の お話を聞いていると、あったほうがいいのかなということもちょっと感じたので、その辺 りはどうなのか。  それから、先ほど資料の話が嘉山委員から出ているんですけれども、短期的には病床当 たりというのは非常に大事だと思いますが、一方で長期的なビジョンも必要なので、そう いうときには、やはり人口当たりの資料も必要なので、やはり両面絶対必要だということ と、この資料の6番で薬剤師数が出ているんですけれども、病院・診療所で就業している のは0.38人ですよというコメントが載っていますけれども、これは海外と比べて薬剤 師さんが日本は多いというグラフだと思うんですが、病院ではどうなのか、診療所はどう なのか、それ以外でどうなのかみたいなのが海外と比較できるデータがもしあるんだった ら、そういうのも見せていただきたいなと思います。以上です。 ○遠藤小委員長  事務局、今の御要望について答えられるものはありますか。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  今の薬剤師数の話でございますが、実はこの資料をつくるに当たりまして、まさしく勝 村委員と同じように考えまして、薬剤師はいろいろな職場がございますので、どこにおら れるのかというのが国際比較ができたらいいなということで、実はあちらこちら探して、 医薬局に聞いたりもしたんですが、ちょっといい資料がございませんで、そこの点での外 国比較が今できるものがございません。  実は、このデータ的には、いわゆる常勤、非常勤が全部1カウントになっていると聞い ておりまして、日本の場合、薬局ですとパートの薬剤師さんとか、いわゆる非常勤の方も かなり多くなっておられますので、そういう部分をどういうふうに見るのかというのがご ざいますが、そこまでいくとまた海外比較もできませんので、どういうふうに見るのか、 ちょっと難しいところだなというふうに思っているところでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  私、経済学が専門ですが、経済学では、費用として固定費用と可変費用というのがあり ます。固定費用の場合には、仮に売れなくてもそれだけ販売量に関係なくかかる。医療の 場合にも、病院にしても、診療所にしても、患者さんが来たら治療をすると、そのときに 当然両方の費用がかかっているわけですけれども、今日の資料で22ページ、これまでの 入院基本料の変遷というのを教えていただきましたが、少なくとも現在の入院基本料、あ るいは前回、私、大学に用があってお聞きできなかったのですけれども、外来に関する基 本診療料もそうですが、こういう設定において固定費用とか可変費用とか、その辺の考え 方がなされているのか。固定費用だとすれば、それが入院基本料とか基本診療料に入って いるのか、それともほかの加算のほうにも振り分けて入っているのか、その辺の考え方み たいなものがあったとすれば教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  過去の算定の過程においてということ…… ○牛丸委員  要するに診療報酬を設定するときの基本姿勢。 ○遠藤小委員長  私は答えを知っていますが、事務局お答えください。 ○事務局(佐藤医療課長)  まず、答えやすいほうからいきますと、固定費用は含まれていますし、また加算の中に も、人手を必要とする、つまり職員の数を増やしたりした場合に加算がついてくるという ようなことになりますので、そういった部分も含めますと加算の部分にも入っているとい うことが言えます。  それから、もう少しありましたね…… ○牛丸委員  入れ方というのは、何か特に考え方があって、分散して…… ○事務局(佐藤医療課長)  現実は、昭和58年、平成10年、12年と、このスライドの中にも書いてありますよ うに、過去どうであったか、それから物件費や人件費がどういうふうに動いてきたか等々 を見ながら、前年あるいは過去と比較をして積み上げていくという方式になっておりまし て、じゃ、今この瞬間に、これがキャピタルコストも含めた本当のコストに見合ったもの かどうかということをその都度検証しているわけではありません。  であればこそ、部門別収支計算のプロジェクトということで5年前からやっているわけ ですけれども、なかなか病院の御負担が多いということがネックになっておりまして、次 のステップでは、もう少し簡便化した調査ができないかどうかというのをやっているとこ ろですけれども、いずれにしても病院の真のコストというもの、特に固定費も含めた部門 別の収支がきちっと出るというところが、次のステップの診療報酬項目の検討のキーにな るんじゃないかと思っています。 ○牛丸委員  会長、御存じなら補足してください。 ○遠藤小委員長  固定費ですから、本来ならば診療報酬という形態で補てんするのはある意味ではおかし なわけなのですけれども、しかし基本的には固定費も含めた形で、主に基本診療料の中に 入っている形にはなっているんですけれども、それは具体的な数字を計算してやっている わけでもないわけでありますし、かつてはそれなりに病院の収益は悪くありませんでした から、この種の問題はそんなに大きな問題ではなかったわけですけれども、こうなってく るとどうなのかというのが議論が出てきているというのが現状なわけです。  固定費であるならば、本来ならば、患者さんが何人来たら幾ら払うという支払い方法が いいのかどうかはまた別問題になってきますので、支払い方法の話も絡んでくると、なか なか複雑な問題だと思います。  申しわけありません、ちょっと時間が……。小林委員、どうぞ。 ○小林(剛)委員  入院基本料というのは、診療報酬の中で非常に重要な部分だというお話がありまして、 今日が入り口論だということですけれども、病院の収入だとか、あるいは医療費全体に占 める入院基本料の割合だとか総額、これがどのぐらいのものか。それぞれどういうふうに つけるかによって違ってくるんでしょうけれども、邉見委員がおっしゃるような、えいや でやったときに、全体の診療報酬にどれだけの影響を与えるのかというのが分かれば教え ていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  それでは、今探っておられるようなので、今のに直接絡む話をまず優先したいと思いま す。話を絞らせていただいて、後でまたしかと薬剤からまたお話を伺いますので。  とりあえず、今こういう問題提起だったわけですね。入院基本料を引き上げると、これ はある意味一律という意味合いが非常に強いというわけですね。それに対して白川委員は、 上げることに対して賛成、反対の御意見はなかったんですけれども、一律に上げるという のではなくて、むしろ何らかの基準に基づいた加算というような形で引き上げるというふ うに考えるほうが適切なのではないかと、こういう御意見だということで、一律にもし上 げるとするならば、小林委員から、大体どのぐらいの費用が必要なのかというような質問 が出ている、こういう状況であります。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  どういうことかといいますと、今まで一つ一つのところに評価してきたわけですね、何 々加算、何々加算と。そうすると、田舎の中小病院は、つけたといったけれども、実際は とれていない加算ばかりで、絵にかいた餅みたいになって、田舎の中小病院がつぶれてい くというか、かなり疲弊していっているわけですね。そういうものを救うためには、何々 加算、ハイリクス分娩加算とか急性期入院加算とかつけたのでは、ちょっとおっつかない というか、うまくいかないような気がするので、全体的な底上げという意味で、えい、や あと、乱暴な言い方ですが申し上げたわけです。  先ほど勝村委員の、チーム医療、薬剤師とかいろんなことを言いましたが、例えば昔は、 病棟はナースステーションといっていました。今は、ほとんどの病院がスタッフステーシ ョンといいます。例えば食道がんの手術をしますと、主治医、プライマリーナースという 受け持ち看護師、それ以外に抗がん剤とかの受け持ち薬剤師、さらに食道がんをしますと 流動食から始めなくてはいけませんので栄養士がつきます。さらに、食道がんは首と胸と 腹とあけますので非常に痛い。いろいろあって呼吸ができないですから、呼吸のリハビリ の理学療法士もつきます。いろんなものがついてやっているんですけれども、そういうふ うなものはほとんどみんな持ち出しなんですね。そういうふうなことから言えば、個々の 診療報酬のものにつけるよりも、全体につけていただいたほうが、日本の医療の崩壊とい うか、今の現状を打破というか、脱却するのには、もうそれしかないんじゃないかという 意味で申し上げているんです。 ○遠藤小委員長  はい、了解いたします。つまりもっと厳しく言えば、加算のつけ方が適切でなかったと いうことですかな。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  別に反論するわけではないのですけれども、私の言いたかった趣旨は、入院基本料加算 とか特定入院料もそうなんですけれども、7対1とか10対1というのが今の区分になっ ておりますので、そこで意識的に15対1のところは厚くしようとか、そういうメリハリ のつけ方があるのではないですかと、一律ではなくてですね。そういう意図もあって申し 上げたわけでございます。 ○遠藤小委員長  なるほど、加算ということだけではなくてということですね。 ○白川委員  はい。 ○遠藤小委員長  わかりました。  では、順番で西澤委員からどうぞ。 ○西澤委員  幾つかありますが、牛丸委員が言った固定費用、それから可変費用はどうなっているか というのは非常に大事な問題だと思います。今は入ってはいるが、なかなか見えない形に なってしまっていると。これは大きな考え方、例えば今、公的保険で全部やっているとす れば、設立母体が公立であろうと民間であろうと、ある意味では公的医療機関という言い 方もできるんじゃないかと思います。そうすると、それは一つの大事な資源だと思います。 その資源を大事にするのであれば、固定費用というものは別な形できちっと出すと。例え ば出来高のように、患者が来て初めて積み重ねるんじゃなくて、最初から存在するところ につけるというやり方もあるんじゃないかなと。プラスで、患者が来て幾らかという今の 支払い方法でいくというような形もあるんじゃないかということで、今後の検討として非 常に大事な視点だなと思っております。  もう一つは、今の、どうして入院基本料か。加算というのは、何らかの要件があっての 加算なんです。今私たちが要求しているのは、まず全体的に医療機関が大変だから、全部 を底上げといいましょうか、全医療機関が取れる点数ということになりますと、まず病院 では入院基本料だろうということで、ぜひここをお願いしたいと。ある意味で、さっき牛 丸委員が言った固定費用みたいなものをきちっと一部ここで見られるんじゃないかという こともあります。  それともう一つですけれども、お金の計算は単純なんですけれども、一律何点というや り方は乱暴かもしれませんが、平均で今の入院ベッド全部に例えば100点上げたらどう なるかというのは出ると思うんですが、私の試算では大体3,000億円から4,000 億円であって、医療費のアップ率で言えば1.5%前後じゃないかなと思っています。  以上です。 ○遠藤小委員長  それは今計算してもらっていますので、もう出ていると思いますけれども。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  私も白川委員と同じ、基本的にはプリンシプルでこの医療費は決めるべき、つまり一つ 一つの医療業務について積算していくと。ただ、従来の医政局は我々に対して、さっき邉 見先生がおっしゃったように栄養チームを置けと、それから患者さんにクラークをつけな さいとか、そういうような通達は、今日は戸口さん来ていないんですけれども、外口局長 が、医政局はどんどん出してくるんですよ。どんどん出してくるんですけれども、その裏 に、白川委員が、何かやったらそれにちゃんとつけたらいいんじゃないかと言うんですが、 後ろを見ると真っ白なんです。つまり企業で言えば、何かを指示したらば、そこに資金と 人材を投入するのが当たり前なのに、日本の医療がなぜ崩壊してきたかというと、指令だ けは出してきたんだけれども、ですからそういう意味では、医政局は本当に立派だと思い ます、患者さんを守ってきたと思いますが、そこに働いていた人間たちを全く無視して、 戦前の陸軍と同じように、命令はするけれども、そこに物資は送らない、インフラを送ら ない、そこで現地調達しろということで。ですから。持ち出しになったんですよ。  したがって、本来であれば、一つ一つ重点的に積算していけばいいという先生のお考え に僕は大賛成なんですけれども、現実にはそれがされてきていなかったと。ですから、こ こで一気に、えい、やあという言葉で邉見先生はあらわしたと思うんですが、一律に上げ ないと、大学病院だけでなくて、やはり中核病院あるいは中小病院がないと医療は全部成 り立ちませんので、そこを上げる必要があるというふうに考えます。1個1個、今まで本 来ならやってくるべきことがやられていなかったんですから、ここで一気に上げるという こと、一括で上げるということが必要だと思います。 ○遠藤小委員長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今のお話の、えい、やあはそのとおりでございまして、各論的につける前のベース面等 を共通して上げていただきたい。これは、1つは日本医師会の診療報酬検討委員会でも委 員全体の委員会意見として、基本料の全体的な引き上げをお願いしたいということを申し 上げております。  1つだけ先生方に数字を申し上げて、お考えいただきたいと思います。1カ月でも1年 でもいいんですが、日本全体で出てくる診療報酬のレセプト、ちょっと老人分はややこし いので抜きますけれども、全部を、請求点数の一番高いものから一番安いものまでずらっ と並べていきますと、枚数で言うと当然三角形になります。つまり一番高いところが少な くて、だんだん裾野が広がってくるという形になります。その中で、枚数の高いものから 上位1%だけを取りまして、数年前で総医療費の27%ぐらいでございました。一番直近 のデータは昨年のデータだと思いますけれども、上位1%で請求点数にすると34%ぐら いになっております。このデータを耳にしたときに、私も実際思いましたが、その1%に 入っているのは非常に請求点数の高いレセプトが多いんだろうと感じておりました。  ところが、実際にその点数を見てみますと、上位1%のボトムライン、つまり上位1% でできる三角形のボトムの一番多いところ、1%を形成している中の一番多いところの点 数というのは、これはほとんど全部入院医療なんですけれども、月間でいうと3万8,0 00点ぐらいがボトムラインです。これは西澤先生にお聞きしたら分かると思いますが、 通常の急性期医療で、中小病院で普通に出る点数だろうと思います。3万8,000点、 点数です。38万円。 ○鈴木委員  それは一月。 ○安達委員  一月です。国保なんかのデータだとそれが出ているので、私、資料もお出ししますけれ ども、必要ならば。 ○鈴木委員  300万円…… ○安達委員  いいえ、3万8,000点です。だから、通常急性期医療で出てくる普通の点数だと思 うんです。こんなものが上位1%を形成しているということですから、当然病院の経理が 苦しいというのは、実際そうならざるを得ないということだろうと思っております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  とりあえず2号側、ドクターの方々の意見では、基本的にはベースラインを上げるとい うような御発言だったかと思います。  先ほどの質問ですけれども、入院基本料を上げた場合の費用というのがどのぐらいにな るのかということ、概算、推測で結構ですけれども、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  費用というか、割合とおっしゃったような気がするので、まず割合から申しますと、前 回の診療報酬基本問題小委員会の資料がございますので、御覧いただける余裕のある方は 御覧いただきたいと思いますが、診−2の資料の初再診料の8番目のスライドの中に、 「医科総医療費に占める初再診料の割合」と書いてありまして、入院基本料が18.1%、 特定入院料が5.2%、それから入院料等加算が2.1%、要するに25%程度となって おります。これを25兆円ベースで考えますと、大体6兆円から7兆円ぐらいに相当する ということであります。ですから、仮にこれを1%上げたりすると、当たり前ですけれど も、700億円程度上がるということになります。 ○遠藤小委員長  今の数字について、西澤委員、邉見委員、何かありますか。 ○嘉山委員  そこまでいくと、OECDの平均値を超えますね。5兆円というと、OECDの平均値 になるためには、わずか4兆14億円でいいはずなんですが、ちょっと高すぎるんじゃな いですか。 ○事務局(佐藤医療課長)  もう一度整理をします。  入院基本料、特定入院料、入院料等加算を合わせまして大体25%ぐらいでして、これ を25兆円ベースで計算しますと、大体6兆円から7兆円ですので、歯科とかは入ってお りませんのでね。これから、例えば1%上げるのに700億円ですから、さっき10%と 間違えましたけれども、1%上げるのに700億円ベースということになります。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  我々は、医療の無駄も、仙石大臣がおやりになっているように、やはり刷新しなきゃい けないと思っていますが、それすら今の医療体系ではできません。例えば、日本が今一番 遅れているのは何かといいますと、RHIOといいまして、先生御存じのようにregional (地域)、要するに患者さんの情報を病院から病院へつなぐときに、CTやMRIを無駄 に撮らない、そういうようなことができないんですね、今の足腰の弱い中小病院では。で すから、もう一度撮り直すとかそういうことをやらざるを得ないので、韓国なんかのほう がずっとそれは進んでいるんですよ。ですから、そういう無駄を我々が省くためにも、こ れは世界でビリから何番という医療費ですから、普通に国際的にしていただければそうい う無駄も省ける余裕ができますので、あとITを入れて、患者さんにも、国民にとっても 非常にいい医療の質になりますので、ここはOECD並みにしていただければというふう な感じがします。OECD並みにしたって、わずか4兆円です。  あと、先ほど白川委員のほうから国民の負担も増えるというふうなお話がありましたが、 これは政治マターだと思います。国が決めることだと思いますが、公費が日本は6.6% です。すごく安いのにもかかわらず6.6%。アメリカはすごく高いのにもかかわらず、 個人が7.3%払っておりますので、これは比率を変えれば、国民の個人的な負担は変え ることができます。これは政治マターでやればできることじゃないかというふうに思いま すので、これは我々の決定権はなくて、国の決定権だと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。  それでは、どうぞ。 ○北村(光)委員  今、改定原資の話が大分出ておりますけれども、えい、やあというお話もありましたけ れども、これは遠藤会長にお伺いしたいんですが、私、こういう具体的な診療報酬、2年 に一度の改定に臨むのは初めてでございます。経験ございません。したがって、ちょっと お聞きしたいんですが、こういう個別のテーマをいろいろ議論しますね。そうすると、例 えば○○加算というのは必要だなとなります。そういうのを数十項目ずっと論議を重ねて まいります。そうすると、この加算については必要、これは必要じゃない、これは必要、 それからベースアップ。トータル、中医協としてはこういう論議をした結果、こういうテ ーマについて総額このぐらいの原資があれば、論議した内容の改定はできるということに きっとなるのかなと。  だけれども、当然最終的に政治的な問題だとかいろいろございましょうから、そういう のは最後に判断することでよろしいんですか。 ○遠藤小委員長  今後の議論ということで非常に重要な課題なのですけれども、改定率が決定しませんと、 使える財源の額というのは基本的には分からないというわけであります。そういう意味で、 実は中医協は公定価格を決めているのですが、本当の公定価格をにらんで検討する時間と いうのは極めて少ないのです。というか、事実上もう難しいのです。  ですから、そこがある意味、問題なのかもしれません。ただ、なぜそうなのかというと、 改定率が出て、原資がはっきりしてきて、その中で具体的に何点をつけるかという話にな ります。改定率が決まりますから、何かを上げれば何かを下げると、こういう微調整が必 要になるために、どうしてもぎりぎりになるということなので、それが出るまでの議論と しては、こういう分野を引き上げよう、あるいはこういうような要件を緩和しようとか、 そういう話。場合によっては、前回の改定のときはどうでしたっけ、幾ら幾ら動かすとい うような話は、これは改定率が決定してからの話ですね。  ということなのであります。そこのところは、ある意味で構造的に問題はあるかなとい うふうに私は思っています。これを回避するためには、改定を4月じゃなくて6月とかに ずらせばできる話なのだとは思います。ここは、ある意味で非常に問題といえば問題です、 構造的な部分。ですから、そんな形で進んでいくということであります。  それでは、新たに発言される方でお願いしたいと思いますので、それでは、渡辺委員、 どうぞ。 ○渡辺委員  今協議されていた内容については、さらにまた詳しくされると思うんですが、2号側の 一員として、基本的には賛成しております。かつて、前回もそうでしたけれども、ここで まとまった意見を、具体的な改定率が決まる前にですね、中医協の意見として出したとい うふうに考えておりますので、そういう中医協でまとまった意見として出していく、それ がまた改定率に影響ということあろうかなというふうに思いますので…… ○遠藤小委員長  はい、その質問、関連で出ましたので。  改定率についての意見具申は中医協として出すことができます。したがって、それは老 います、どういうふうにするかということでは。  渡辺委員、続けてどうぞ。 ○渡辺委員  それから、今日の参考資料の次回予定している中に、入院の(2)というところがあります ね。これを拝見しておりますと、(2)の入院料にかかわるところでは、病院内のいろいろな 体制等について詳しく検討されるというふうに見えます。1つには、いわゆるチーム医療 という形がここでも出てくるのかなというふうに、看護師の配置等もろもろひっくるめて そうであろうかなと思っておるんですね。  そのときに、私、歯科の立場でひとつ申し上げたいのですが、今日の診−2でも出てお りますように、あるいは資料にも出ておりますように、入院日数が長いということが非常 に際立って記載されておるんですけれども、私としては、結果的に患者さんが快適になっ て回復して早期に退院できる状況になる、それがより好ましいことだと思うんですね。そ のために、実は病院によりましては積極的に、例えばがんの手術をすると、その前にきち っと口腔の管理をして、お口の中がきれいな状態、そしてしっかりと咀嚼できる状態にな って、そこで手術すると。そうすると、結果的に体力の回復も早く、病気の治癒も早く、 栄養価も高く食事もしっかりできるという形で、退院も結果的に早くなるという結果を出 しているところもあるというふうに聞いておりますので、できましたら次回の(2)をやられ るときに、資料としてそういうものがあれば、まさに病院内でのチーム医療、特に急性期 はそういう形で院内に歯科の口腔外科等がある病院等、あるいは歯科衛生士がきちっと管 理しているという病院、そういうところのデータ等があればお願いしたいし、あるいはそ ういう情報があればお願いしたい。  もう一つ、慢性期においては、これは地域の私たち開業医が病院との連携の下に必要な 入院中の患者さんに口腔内の管理、あるいは治療をして、しっかり咀嚼できる、機能回復 をすると、それによって退院が結果的には早くなる、快適な口腔内の回復によって早くな るということが言われております。私たちもそれを訴えております。そういうことで、前 回の改定のときに病院との連携等も入ってまいりましたけれども、なかなかそれが実質的 にまだ進んでいない状態。また、今後の課題にも出てくると思いますが、そうした連携を より促進するという視点からも、ぜひそうした見方を理解していただきたいと、患者さん のためにお願いしたいというふうに考えています。 ○遠藤小委員長  渡辺委員、もしそちらで何らかのデータがあれば出していただいても結構ですので、事 務局のほうにもお願いしますけれども、その辺のところも何かあればよろしくお願いしま す。 ○渡辺委員  例えば、静岡のがんセンターでそういう試みをしているというお話を聞いておりますの で、こちらとしても調べてみたいと思います。 ○遠藤小委員長  では、事務局としては、もしそういうようなデータがあれば、次回出すということでお 願いします。  三浦委員、お待たせしました。 ○三浦委員  私も、ベースの議論もこの場で大切な話かなと思っております。先ほど個別の話として 勝村委員のほうから、病棟で薬剤師をもうちょっと使ったらどうだというお話をいただき まして、例えば病棟業務については、TDMなどを通じた処方設計に、一種の役割分担と いう意味において、やはり積極的に活用していただければなというふうに思っていますし、 今回入院の話をしておりますので、入院病棟、先ほどスタッフステーションというふうな 名前になってきているというお話も伺いましたけれども、どんどん積極的に薬剤師を、薬 にかかわるものは全て使っていただいたらよろしいかなと、そういうところも含めて評価 をいただければというふうに考えております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  勝村委員、関連ですか、今の話と。そうでなければ、2つほど触れたいことがあるので、 最後にもう一度勝村委員に、関連でなければ後にお願いしたいと思います。  実は事務局のほうから、5ページに2つの論点というのが出てきております。本日のお 話の中で、多少これに触れている部分もあるのですけれども、こういう案も出ております から、これについてもし何か御意見があればいただきたいと思います。  機能分化を進めるという意味で、現行の診療報酬の仕組みを変える必要があるか、ある とすればどういう方向で考えるかというのが1番ですね。  2つ目は、機能分化をした場合に、そこに本来想定している患者さんではない方がおら れる場合、それをどういうふうに考えるか、こういうことだと思いますけれども、何か御 意見ございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  まず、1点目の「分化の観点から」とありますが、超急性期、急性期、亜急性期、慢性 期と、今の現場を見た範囲内では、とりあえずはこの分類でいいと思いますし、それぞれ がやはり大事だと思いますので、それぞれの特性に合った評価というものはすべきだと考 えております。個々の項目については、例えば亜急性期あたりには意見があるんですが、 それはまたこの次ぐらいにしたいなと思います。  それからその下のほう、「各病棟における患者像に合致しない」、これもやはりデータ がないと議論しづらいということで、たしか一部調査したデータがあると思いますので、 それを一度出して議論したいなと思っています。そのときに気をつけなきゃならないのは、 日本全体を見てここで議論するんですけれども、やはりかなり地域によっての事情がある ということが非常に大事なので、できればそういうデータも併せて出していただければと 思っております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  本日出されている資料には、実はこれを議論するためのデータが不足しておりますので、 もし事務局がお持ちであれば、それを次回出していただくということでありますので、よ ろしくお願いします。  何かありますか。医療課長、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  昨日実施しました検証部会の結果がありますので、その中で7対1、それから急性期に ついては分析をしておりますので、これが提示できると思います。ただし、n数といいま すか、回答数がそう多くはございませんので、今御質問のありました地域差まで見られる かどうかというところはちょっと問題がありますが、そういう状況です。  それから、ついでといっては恐縮ですが、先ほど西澤委員から御質問がありましたので、 それも簡単にお答えをしておきます。  先ほど、看護職員の数、資料でいうと18番のスライドについて、新卒就業者数が漸減 しているんだけれども、養成数はどうなのかというお話でした。ちょっと養成数はないん ですけれども、看護師の国家試験の受験者と合格者数がありましたので、それでお答えを して、ニアイコール養成数と理解いたしますと、受験者数、合格者ともに、平成11年2 月の国家試験をピークに漸減をしております。数字で申しますと、看護師の合格者数5万 3,821人が、20年の2月には4万6,342人に減っております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ありがとうございます。できれば併せて出していただいたほうが理解できたと思います。 これを見ると、養成はされているんだけれども、卒業して仕事に就いていないというふう にもちょっと見えるので、そうではないと。養成数が減っているんだと、だから就業者数 は少ないということを確認させていただきます。 ○遠藤小委員長  では、資料としてまた出していただくということでお願いします。  この2つの論点について、ほかに何か御意見、御質問ございますか。よろしいですか。  この問題につきましては、また今後ほかの問題とも絡めながら議論を続けていきたいと 思います。  勝村委員、先ほど私、遮りましたのでどうぞ。 ○勝村委員  一律にとか、えいやあ、とか、底上げということに対してちょっと不安があるので、邉 見委員のおっしゃる方でいうと、田舎の病院というものは、やはりすごく大事だなと思い ますし、嘉山委員がおっしゃるように情報のインフラも大事だと思いますから、そういう のが担保されるという形の努力も粘り強くしていきたいと思うので、一律に上げておけば 何とかなるだろうということにならないようにすべきではないかと思います。つまり、で こぼこの形のものを相似形で大きくしてしまうと、辺の格差というのがさらに大きくなっ てしまうわけなので、そういう格差をなくしていく仕掛けの議論こそ今は大事だと思うの で、田舎の病院を守るために、一律というだけでいけるのかどうか。特に入院料というの は一部分ですから、テクニカル的にここはそれでもいけるという話なのかもしれませんけ れども、診療報酬全体に一律に上げてなんとかなるとはとても思えないので、そういう観 点もぜひ提案していただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、鈴木先生。 ○鈴木委員  私の病院は地方で、頑張って10対1とかDPCをとっていますが、10対1の収支が 一番悪いということなんですけれども、10対1の病院がなぜ悪いかというと、一所懸命 何とか急性期の医療を地方の実情から受けて診ざるを得ない。だけれども、加算方式です となかなかそれがとれないんですね。ですから、事務補助加算にしろ、患者の内容が変わ るわけじゃありませんから、13対1、15対1はつくわけですから、そういうものがな くなっても、実際その人たちを置いたまま看護師をさらに上乗せしていくということで持 ち出しが増えるわけですね。そういったことで、地域の病院を守るということであれば、 やはり加算じゃなくて一律にベースを、本当に日本の入院医療は安いので、まず上げてい ただいて、その先にまたそういった議論を新たにしていただければというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  上げるという一律ならいいんですけれども、一律に下げるというんだと困るんですよね。 それはどういうことかというと、高度先進医療をやっている我々としても、二次医療圏が 崩壊すると、三次医療というか、要するに高度先進医療をやっているところもつぶれてし まうんですよ。したがいまして、看護師さんの配置ですとかそういうことで点数をつける というよりは、一律に上げるということであれば、私は二次医療圏が守れるんじゃないか と。  それから、あと1つだけ。実際7対1の点数を上げたというふうになっていますが、3 年過ぎると赤字になります。つまり、看護師さんの給料が最初は非常勤で雇いますので、 定員数がないですから。ですから、正規の点数はないんですね。それで7対1にはするん ですけれども、最初看護師さんは非常勤で雇われますが、3年目から正規の職員になりま すので、そこからは厚生労働省が言っていたような7対1で楽になるよというのは、エビ デンスとして全くのうそです。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  加算をつける一つのフィロソフィーとしては、どちらかというと、いい医療をしている ところにつけましょうということですから、そのためにはリソースが必要だということで すけれども、実際地方などに行くと、努力はしてもなかなかマンパワーを中心としたリソ ースが集まらないというようなことが、結果的に加算の恩恵を受けられなかった地方の病 院が多いのじゃないかと、こういう御指摘なので、それで底上げという話になっておりま すので、この問題、大変重要だと思いますので、本日時間をたっぷりとりました。また引 き続き御議論いただきたいと思います。 ○安達委員  会長、1つだけお願いします。 ○遠藤小委員長  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  問題の議論ではございません。議事録に残ると思いますので、申し上げます。  邉見委員が、えい、やあとおっしゃいましたときに、例えば病院だけ1点11円にする かという御発言がございました。これは、私はやらないほうがいいんじゃないかと。簡単 に1点の点数を動かすと、いろんな動かし方ができてしまう。だから、1点10円を11 円に上げるという考え方は、点数を動かさなくても10%上げれば同じですので、点数を 動かすことには安易に賛成はできませんということだけ申し上げさせていただきたいと思 います。 ○遠藤小委員長  はい、わかりました。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  例でして、実際にあれで書いていましたので、マニフェストに。そういうことだけちょ っと申し上げます。  それと、1つだけ申し上げたいのは、今まで取り残されてきた分を、「えい、やあ」と いうので、今後ずっとということではないんですね。今回は、そういうふうにしてもいい のではないかと、今回に限りですね、そういうふうな意見です。  それから、最後に1つだけ。渡辺委員に失礼なことをしたんですが、食道がんのときは、 術前に口腔ケアを、歯科衛生士あるいは歯科の医師がやって、術後は大体やせますので、 さらに入れ歯の再調整とかいろんなものをしております。 ○遠藤小委員長  非常に積極的で活発な御意見をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。  議論は、まだ幾つか議題があるのですけれども、2時間続けてやっておりますので、こ こで10分ぐらい休憩を入れさせていただきたいと思いますので、11時5分から再開と いうことにさせていただきたいと思います。  では、しばし休会ということにしたいと思います。 午前10時55分 休憩 午前11時05分 再開 ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様御着席なので、基本小委、引き続き開催したいと思います。  次の議題は、「在宅医療について」でありますけれども、その次に「訪問看護につい て」というのがありますので、これは似ておりますので、事務局から一度に報告をいただ きまして、その後、我々の議論も在宅医療と訪問看護をまぜた形の審議をしたいと思いま す。  それでは、事務局、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  それでは、本文は診−3と診−4、それからそれぞれに参考資料がついておりますので、 御覧ください。  まず、在宅医療ですが、参考資料のほうから御説明いたします。1枚目のスライドに少 し細かく書き込んでおりますが、要は、在宅医療と一言で言いましても、幾つかのルート があるということです。メインのルートは、左側の緑色で書きましたように、病院や診療 所から在宅で療養していらっしゃる患者さんに訪問をしていただくというルートでしょう が、最近は、左側の水色の部分がありますが、訪問看護ステーションからの流れ、それか らその下にまいりますと黄色い流れで、薬局から訪問薬剤管理指導があったり、あるいは 右側の紫色の部分ですが、歯科のほうから訪問歯科があったりということで、ルートが多 様化しているというのが在宅医療の図でございます。  それから、在宅医療の希望、どういうときか、それからイメージについて、このスライ ドに書いてあるとおりでございますので、もうこれ以上余り申し上げませんが、「家族の 負担が増えそう」という不安がある一方で、「住みなれた場所で医療を受けられる」とか 「通院が困難でも医療を受けられる」ということで、期待をするイメージも持っていただ いているようです。  在宅医療に係る患者数ですけれども、患者の年齢構成、施設の構成はそういう形です。  訪問診療を行っている施設数ですが、病院、一般診療所別に書きました。ちょっとデー タは医療施設調査ですので古いんですけれども、それぞれ漸増といったところでしょうか。  それから、在宅医療の提供体制のスライドが続きまして、10枚目のスライドが患者の 意識、どう考えているのかと。自宅で最後まで療養するために必要なのは、そこにありま すように83.9%ですけれども、往診や訪問診療をしてくれる医師が必要ということで す。  11枚目のスライドは、ちょっと違ったニュアンスの話ですけれども、在宅療養者にお ける褥瘡の実態、最近、在宅療養患者において褥瘡が問題になっている。有病率、発生率 だけを見ると少ないように見えますけれども、病院、介護保険施設における有病率から見 ますと、むしろ在宅のほうが高いということが問題になっているようです。発生場所はこ んな感じ。深達度で見ますと、赤い部分が全層ですが、41%ということですから、かな り深い褥瘡があるということです。それから発生時期については、1カ月未満や3カ月未 満が多いということです。そこにまとめを書いておりますけれども、在宅療養患者の褥瘡 のうち、約90%は在宅療養を始めてから発生をしている。全層欠損が41%もある。そ れから、先ほど短い期間で発生しているものがあると言いましたけれども、逆に1年以上 経過している褥瘡が18.6%あるということです。  それで、次の12番目のスライドですけれども、深い褥瘡の局所管理をだれがやってく れているかということですけれども、家族や、訪問看護でやっていただいているケースも あるようです。それから、そういう深い褥瘡は、褥瘡担当の診療科で見ますと、皮膚科、 形成外科で過半以上を占めておりまして、内科やその他の診療科で診ていただいているケ ースもあるということです。当たり前のことですけれども、皮膚科医師が早期に介入する ことで、褥瘡がより改善するということです。  それから、13番目からはまた別な観点のスライドになっておりまして、前回小児のと きにも少しお話をしました。簡単ではないんですけれども、小児の在宅医療というものも テーマになっておりまして、13番目のスライド、14番目のスライドを見ていただきま すように、小児在宅医療について、十分かどうかとか、ニーズがあるかとか、連携をどう いうふうにとっているかというのがあります。先ほども申しましたように、小児在宅医療 というのは簡単ではありませんで、小児においては急性増悪が多いとか、一番下のほうに ありますけれども、小児在宅医療のほうがむしろ大変なんじゃないかというような答えも 出ている。  16番のスライドは、ちょっとまた意味の違うスライドですけれども、今、病院や診療 所から訪問をしていただく場合に、一番左が自宅ですけれども、自宅で1人目の患者さん を診る、例えばおじいちゃんを診る、それからおばあちゃんまで診るという場合とか、あ るいは自宅が2つ並んでいるということもあるでしょうけれども、こういう場合。それか ら、居住系の施設、有料老人ホームのようなところで、個室かどうかは別としまして、お じいちゃん、おばあちゃんがたくさんいらっしゃるというようなときに1人目、2人目と とっていくと、マンションの場合もこういう形でとっていくということです。このものの 考え方については、後ほど本文のほうでも説明いたします。  それから、在宅といいますと在宅療養支援診療所というのが非常に重要でございまして、 24時間の往診、訪問看護等、必ずしも24時間365日全部往診をしなければいけない ということではないんですが、24時間の対応も含めた往診や訪問看護等が提供できる体 制を構築ということで、以下のような評価を充実しているところです。  18ページ目は、その在宅療養支援診療所の実績なんですけれども、在宅患者の受け持 ち数別に見た在宅療養支援診療所数の割合です。ブルーのところは20人までということ ですので、20人までのところが70%を占めているということになりまして、せいぜい 40人までというところが大多数ということのようです。しかしながら、経年的に少しず つ受け持ちの患者さんも増えてきていると、これが在宅医療でございます。  それで、本文のほうを見ていただきますと、第1、それから第2の現状と課題のところ は概ね御説明いたしましたということにして、診療報酬上の評価ですが、先ほども申しま した平成18年度の診療報酬改定において創設されました在宅療養支援診療所についてで ございます。要件は、枠囲いのところに書いてありますけれども、基本は診療所としてい て、それから24時間連絡を受ける医師又は看護職員を配置しているということ、それか ら連絡先を文書で患家に提供しているというようなことになっております。  以下、医療サービスと介護サービスとの連携を担当する介護支援専門員等と連携をして いるということ、それから在宅看取り数を報告すること等の条件もあります。  それから、その下ですけれども、在宅時医学総合管理料ということで、在宅療養支援診 療所及び支援病院の場合はこういう点数がついているということです。  めくっていただきまして4ページ、在宅における透析医療や人工呼吸を行っている患者 については、いわゆる在宅ものというものです。今日は代表的なものしかお示しをしてお りませんけれども、たくさんの項目があります。これ以外にも、ここに載っていませんけ れども、在宅酸素療法ですとか在宅中心静脈療法指導管理料とかあります。ここに書いて あるのは、御注意いただきたいのは管理料ということですので、退院していくときに病院 その他で指導をすることもありますし、また、時折外来で診て、指導したとおりに行えて いるかどうかのチェックをするということもあります。  それから5ページ目、最後のページになりますけれども、先ほど申しましたが、後期高 齢者が多く生活する施設等に居住する患者に対して、前回の改定で新たな評価の部分を新 設いたしました。これはどういうことかといいますと、居住系以外の施設を訪問する場合 には830点ということなんですけれども、先ほど申し上げましたような、高専賃と申し ますが高齢者専用賃貸住宅だとか有料老人ホームその他の場合には200点と。要するに 1回の訪問でたくさんの患者さんを診察できるということもありまして、200点という 点数設定をしております。  第4が論点になりますけれども、先ほどから申し上げております在宅療養支援診療所等 における24時間体制あるいは緊急入院体制の確保について、診療報酬上どう考えるかと いうことが1つ目です。  2つ目は、先ほど申し上げました褥瘡や褥瘡に対する皮膚科や形成外科医の関与等のス ライドをお示ししましたが、質の高い在宅医療という意味で、こういった部分の評価をど う考えていくかということです。  3番目も先ほど説明しましたが、子供さん等で、なかなか簡単ではないんですけれども、 条件が整えば、NICU等から在宅に移行する患者さんがいらっしゃるということは前回 の資料でも御説明しましたが、そういう方について、子供のケアの大変さというものに着 目してどうしていくかということです。  4番目は、簡単な話ですけれども、先ほど申しました複数の患者を診察する場合の診療 報酬上の取り扱いについてどう考えるかということです。  次が診−4、訪問看護になります。訪問看護につきましても参考資料がありますので、 これで説明をいたします。  先ほどのスライドの1の中から、訪問看護ステーションを中心に、目立つように書いて みたんですけれども、病院や診療所からの訪問看護と併せまして、病院や診療所から訪問 看護の指示がありますと、左側にありますブルーのところですけれども、訪問看護ステー ションから訪問ができるということになります。  2番目のスライド、ちょっと複雑に書いてありますのでなかなか難しいと思いますけれ ども、実は病院や診療所、それから訪問看護ステーション、こういったところから訪問に 行く場合に、赤い矢印、つまり医療保険から給付する訪問看護というものと、介護保険か ら給付される訪問看護と2種類があると。それで行き先も、理念的には、ブルーの行き先 は要介護・要支援者ということになりますし、赤い矢印というのは理念的には小児など、 要介護・要支援者に行っちゃいけないということではないんですが、基本的には要介護・ 要支援者以外の方についても赤いほうは行けると、こういうことになっております。  次の3番のスライドと4番のスライド、5番のスライドというのは、要するに訪問看護 と一口に言っても、介護保険の場合と医療保険の場合とで幾つか要件が異なるということ です。例えば4番のスライドで言いますと、対象者一つとりましても、医療保険の場合は、 むしろ少し広いぐらいですけれども、介護保険の場合はある程度対象者が限られていると いうことです。それから5番目のスライド、ちょっとこれも字が小さくて読みづらいかも しれませんけれども、似たような訪問をしていても、算定の方法に差があるということで す。例えば真ん中辺りの赤い字で書いてあるところに「長時間訪問看護加算」とあります けれども、医療保険の場合は週1回で5,200円ということになっておりますし、医療 機関の場合520点、同じ費用ですけれども、それに対して介護保険の場合は1回につき と、こういう算定になっておりまして、逆に点数は300点ということで下がっていると いうことです。こういうように、似たようなサービスですが、保険の種類によって報酬体 系が微妙に違っているということです。  それから、6枚目のスライド以降は訪問看護ステーションの業務時間や実態について例 示をしたものです。  8番目のスライドを見ていただきます。実績ですけれども、病院が水色、診療所が赤、 それから参考として訪問看護ステーションを書いております。平成12年度の介護保険精 度の導入前後は一定の数はあったんですけれども、やや漸減傾向ないし横ばいの傾向にあ ると見てとれるのではないかと思います。  訪問看護ステーションの従事者の推移を9番目のスライドの左と右に書いております。  10番目のスライドは、非常に重要なスライドなんですけれども、赤いところが利用者 数でして、30万人ぐらいというところで伸びがやや鈍っているというような傾向が見て とれますし、また事業所数も5,000カ所前後でやや伸びが止まっているというふうに 見られます。その下のところに書いてありますように、「ゴールドプラン21」、平成1 1年につくったものでは、平成16年度の訪問看護ステーション数は9,900カ所と見 込んでおりましたから、目標にはまだ達していない。それから、在宅で療養されている患 者さんの数から数えると、利用者数の30万というのもまだ非常に少ないということが言 えるんだろうと思います。  11番目のスライドですけれども、今度は在宅療養指導管理料もの、訪問看護と一遍切 り離してデータを見ていただきたいと思います。さっき申しましたけれども、中心静脈栄 養だとか酸素だとかいろいろあるんですけれども、その中で見ますと、在宅で医療機器な どを装着して在宅療養を行うわけですけれども、人工呼吸器の指導管理料がやや増えてい る、それから悪性腫瘍患者に対する指導管理料も増えている。一方、中心静脈栄養法指導 管理料は横ばいか漸減傾向というのが見てとれます。  次の12番のスライドですけれども、訪問看護事業所の設置状況で見てみますと、人口 3,000人未満で訪問看護ステーションがない市町村数が97.3%ということですか ら、やはり小さな市町村ではなかなか訪問看護ステーションは設置できないということが 見てとれます。  13番目のスライドですけれども、規模で見てみますと、赤い楕円で囲っていますけれ ども、ブルーのところが3人未満、赤いところが5人未満ですから、合わせて見ますと5 人未満のところが60%ぐらい、ざっと言えば3分の2は5人未満の中小規模で、さらに 15%近くが3人未満の非常に少ない数でやっていただいているということになります。 実際そういうことですので、職員1人一月当たりの訪問看護件数も、規模に応じてかなり 低いレベルにとどまっているということが言えます。  次の14番目のスライド、これも当たり前のことですけれども、規模が小さいと24時 間対応もなかなか難しいですし、それから24時間連絡体制加算などの加算が設けられて いるんですけれども、医療保険利用者に占める割合も、やはり規模が小さいと小さくなっ てしまうということです。  それから、15番目はまたちょっと趣旨の違うスライドになっておりますが、難病の患 者さんなどで同一月に訪問看護を何回もやっていただきたいというわけですけれども、現 行では、ここにありますように週3回以内及び特別訪問看護指示書による訪問看護の利用 者の場合は訪問看護ステーションは1カ所ですし、また末期の悪性腫瘍や、今申し上げま した神経難病等の週4回以上の訪問看護の利用の場合は、訪問看護ステーションは2カ所 ということになっておりますけれども、訪問看護ステーションそのものが小規模であって、 そうたくさんないという中で、2カ所だけじゃなくて、もう少し増やしてほしいという声 があるということを説明するための図でございます。  16番では、どんな傷病で訪問看護ステーションを利用されているかということ、17 番目は訪問看護利用者数、18番目が訪問看護ステーションの利用者1人当たりの1カ月 の平均訪問回数となっております。  それから、先ほど褥瘡の話をいたしましたけれども、重症者管理加算の内容ごとに1週 間にかかった時間を見てみますと、人工肛門から重度の褥瘡まで並べますと、やはり重度 の褥瘡だとか気管カニューレといったようなところで患者のケア時間が長くなっていると いうことです。  20番目ですが、最近、看護職員2人以上で訪問看護をしたいという声があります。そ れは20番のスライドの左下のほうにありますけれども、独居で寝たきりの方、あるいは ALSの患者さん、処置が多くて1人では利用者に負担がかかるとか、入浴を希望すると か、点滴静脈注射で安静が保てないので保持をした状態で針を刺したいと。それから、最 近は暴力行為だとかそういったものもあるということなので、看護職員2人以上の複数名 の訪問看護というのが非常に重要なんだそうですけれども、なかなか2人以上というのも 難しいということが20番と21番のスライドです。  それから、先ほど在宅のところでも御説明をしましたけれども、必ずしも訪問看護ステ ーションが重症児への訪問看護ができるというわけでもないんですけれども、それなりに 能力を持っているところはあるようでして、また患者さんの団体等からも、もし可能なの ならば重症児訪問看護について一定の評価をしていただきたいということがあるようで、 22番、23番のスライドです。  24番、最後のスライドですけれども、訪問看護ステーションにおける重症児や重症者 への訪問看護の実施状況ですけれども、やはり実際には重症児への訪問看護を担当できる 職員がなかなかいないということが実態のようです。  もう一度、本体、診−4に戻っていただきます。  今、第1、第2については御説明をしたということにさせていただきまして、第3の現 行の診療報酬上の評価の概要について御説明をいたします。  訪問看護ステーションが主治医に訪問看護計画書等を提出して、計画的な管理を継続し て行った場合に訪問看護管理療養費が設けられているということで、そこに示したような 点数です。  それから、先ほども申し上げました時間のかかる方、気管カニューレの話とか褥瘡の話 をしましたが、そういう方など特別な管理を必要とする利用者に対し計画的な管理を行い、 かつ一月に4日以上の訪問看護の場合には重症者管理加算等々が出るということです。そ の算定回数等についても、社会医療診療行為別調査等でお示しをしております。  3ページ目が、介護報酬改定においては複数名訪問の評価が新設されて、ターミナルケ ア加算とか特別管理加算の要件緩和の見直しが行われているわけですけれども、ここでは 書いていませんけれども、医療保険のほうの診療報酬改定についても、それなりに評価を してほしいという声が高いということです。  それから、その下ですけれども、24時間緊急時訪問看護を必要に応じて行える体制に ある場合の評価とか、訪問看護が2時間を超える場合の評価を新設しましたが、これにつ いても今後充実していくということだろうと思います。  最後のページ、論点ですけれども、医療保険と介護保険の制度の違いによる要件等の相 違をどのように考えるか。ずばっと書いておりますけれども、実際には先ほどのスライド の3、4、5で見ていただきましたように、両者を次期改定で完全に一致させるなんてい うことはなかなか難しくて、それぞれの制度の成り立ちが違っていたりして簡単ではあり ませんけれども、今回の改定の中でも、できる範囲では整理をしていけるのではないかと いうことで論点の1を書いております。  それから、患者のニーズにより対応するため、先ほど申しましたが、悪性腫瘍の患者さ んとか神経難病の患者さんのような頻回、そして高度のニーズに対応するため、訪問看護 ステーション同士が、まあ2カ所だけじゃなくてそれ以上というのもあるのかもしれませ んけれども、そうした連携が必要なんじゃないかと。  それから、繰り返しになりますけれども、医療処置等の多い利用者や重症児への訪問看 護について、全ての訪問看護ステーションができるわけではないですけれども、できると ころについては、それなりに評価を与えてはどうかという論点でございます。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  在宅医療は非常に重要な領域なんですけれども、御報告ありましたように、在宅療養支 援診療所のほうも伸び悩んでいると、また訪問看護ステーションのほうも伸び悩んでいる と。そういう環境下の中で診療報酬でどう考えるかということでありますが、はい、鈴木 委員、どうぞ。 ○鈴木委員  なぜ我が国において在宅医療・看護が進展しないかということですけれども、1つは、 安くて充実した入院医療があるというようなこともあると思いますが、患者さん御家族の お話を聞いても、入院や、施設でもいいんですけれども、やはり24時間365日の安心 があると。ところが、在宅にはそれがないということで、在宅を推進するのであれば、在 宅でも24時間365日安心のシステムをつくる必要があると思うんです。  そういった在宅重視という考えでいきますと、例えばホームヘルパー一つにしても、そ のほかのスタッフにしてもそうですけれども、今よりもかなり人手を入れないとできない。 私が数年前訪問したデンマークのある市では、私の市と同じぐらいの人口なんですが、ヘ ルパーの数で6倍です。我々の市が70名ぐらいのときに、420〜430名のヘルパー が3交代で24時間体制で在宅を回っている。あるいは訪問看護も3交代制で、そういう 形で、やはり昼間働いている医師に夜も診させようとか、昼間働いている看護師に夜も看 させようという形で24時間365日の安心というのはかなり無理があると思います。  そういう意味で、在宅療養支援診療所も1人の医師で24時間カバーしなさいというこ とになっていますが、私の知る限り、世界じゅうの先進国を見ても、今、1人の医師に2 4時間対応させようというような国はないと思いますね。私、6月にイギリスに行って、 GPの方の診療所を詳しく、3カ所ぐらい見て話をしてきましたけれども、昔は確かに、 1人のGPが24時間対応していたんですが、それでどんどんGPが逃げ出しちゃって医 療崩壊ということになったわけで、GPの収入も、最高2,000万円ぐらいの年収があ るんですね。そして夜間は選択制で、ほとんどの人は夜間は希望しないということで、夜 間は夜間専用のGPクリニックに行くような形になっていまして、イギリスのGPがそう いう形に変わってきている。  そういう中で、どうして我が国において在宅支援診療所で昼間働いている医師に夜間も 対応させようとしているのかなと思いますが、一方では、24時間365日の体制をつく っていくためには、民間の中小病院を中心とする在宅療養支援病院というのが、今半径4 キロ以内に医療機関がないところという極めて限定的な形になっていますが、私は、民間 中小病院というのは、日本の安くて充実した医療を実現してきた一つの核になる存在だと 思っておりますが、これを活用して、やはり在宅で心配な24時間365日の不安ですね、 これは昨日の日経の夕刊に載っていたんですが、自宅で最後まで療養することが難しい主 な理由という調査が2004年にありまして、1番は「介護してくれる家族に負担がかか る」ということなんですが、次が「症状が急変したときの対応に不安がある」、次が「症 状急変時すぐに入院できるか不安である」、こういったことが大きな不安になっていまし て進まないということで、在宅療養支援診療所もいろんなタイプがあって、都市部とかそ ういうところでは在宅専門の先生とか、24時間対応しますというところもあるでしょう が、全国津々浦々カバーしていくには、私は、やはり入院機能のある民間中小病院を中心 とした医療機関を活用していくのがよろしいかなと思いますので、ぜひそういった方向で 24時間在宅でも、できるだけコストをかけないで365日の安心を確保できれば、さら に在宅が進んでいくのではないのか。  しかし、医療費が安くなるかどうか、私は分からない。在宅にかなり人手とお金をかけ ないと、在宅の安心は確保できない。そういう意味では、日本型の病院でも介護施設でも そうですけれども、重度の方はある程度施設で看たほうが実際は安くて安心ということが 言えるのではないのかなと。軽度、中度等の人はどんどん在宅で看たらいいと思いますが、 みんな在宅で看るというのは非常に高コスト、デンマーク、スウェーデン型ですから、こ れは非常に高コストの原因になるので、日本型のよいところを残しながら、あるべき姿を 考えていったらいいのではないかなと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  具体的な診療報酬上の課題としては、在宅療養支援診療所の要件、1人というところを もう少し緩めるべきではないかということと、在宅療養支援病院の半径4キロ以内に診療 所がないという要件をもう少し緩めるべきではないかということと、さらにもう少し幅広 い御議論としては、そもそも在宅医療を進めても、それなりのクオリティーを維持するた めには高コストになる可能性もあるということで、そういう意味で入院医療といったよう なものをもう一度考え直したらどうかと、そういうお話ですね。  白川委員、どうぞ。 ○白川委員  鈴木先生のお話、ごもっともだというふうに伺ってはいるんですけれども、前々回の改 定で、在宅療養支援診療所をつくったのは、診療所のほうでもぜひ在宅に取り組んでいた だきたいという意図を込めてこういう制度をつくったと思ういます。しかし、手を挙げた 診療所はかなりの数と聞いておりますけれども、実際に本当に機能しているかというと、 いろいろ問題があると。その解決策について、鈴木先生は、中小病院が担うべきではない かという御意見で、それもそのとおりだと思います。  要は、言いたかったのは、診療所とか病院ということでなく、ぜひとも全体で取り組ん でいただきたいというふうに思うのです。一方、診療所が地域に根づいているということ も事実でございますし、特に、僻地とは言いませんが、病院まで距離のある地域もありま すので、診療所の役目も重要かというふうに思うのですけれども、そのときに、単に在宅 療養支援診療所として認定するだけではなく、例えば往診の回数そのものによってインセ ンティブをつけるとか、そういう形で診療報酬として支援をしていくという方法もあるの ではないかなと。現実にこういう在宅療養を専門でやっていらっしゃる診療所もあると思 いますけれども、そちらを助けるという意味合いも込めて、そういうインセンティブ的な 診療報酬のつけ方もあるのかなというふうに考えております。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今、鈴木委員と白川委員が言ったこと、それぞれもっともだと思います。この在宅医療 を支援する医療機関が必要だということで、前回に創設して点数をつけたんですが、この 資料の3ページを見ても数が伸びていないと。やはりやろうと思っても、なかなかできな いということで、診療報酬でいじっても限度があるのかなと。特に診療所の数を増やすの は難しい。  とすれば、やはり病院のほうも、さっき診療所は地域に密着したといいますが、病院も 当然地域に密着してございますので、診療所だけではできないのであれば、病院も当然お 手伝いしなきゃならないと思います。前回そういうことで、私、中医協委員をその当時も やっていましたので、病院も入れてほしいということで何とか在宅療養支援病院というの も入ったんですが、半径4キロ以内という要件がありまして、実際7病院しかとれていな いと。これでは病院を認めたということにはならない。病院を認めるのであれば、やる気 がある病院が参入できるようにしてもらわなきゃならない。とすれば、やはりこの辺りの 要件は撤廃していただいたほうがいいのかなと思います。住民の方は、できるだけ在宅に いたいと。在宅にいるためには、やはり在宅医療・介護が充実していなければ、そこを充 実するのが私たちの役目だと思いますし、そういうことで今回この要件の緩和というのを ぜひお願いしたいと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  春に、在宅療養研究会というのが名古屋でありまして、発表している人の8割は病院の 関係者です。実際にやっているところはみんな、困っている診療所を助けようと、一緒に やろうと、共同ということでやっているわけで、実際にやっているところに評価をある程 度するのも大事じゃないかなと思います。診療所の先生は1人とかでやっていますので、 24時間の縛りがきつすぎるというか、実際には抜け道というか、頼んでもいいとかいう ことはあるみたいですけれども、なかなか実際に自分が診ている人をほかの人に急に頼む ということは、医師の気持ちとしても難しいし、診療所の先生もなかなかとりにくいとい うことになっていますので、そこを少しでもカバーというかサポートできるようにすれば いいんじゃないかなと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  他の医療機関と連携することもできるということになってはいるのですけれども、そう はいってもなかなか難しいだろうということと、それから4キロメートルという病院の制 約についても、これは前回改定のときに西澤委員を中心に非常に強く主張されたのですけ れども、基本は診療所だというような考え方がありまして、4キロというようなこと、要 するに診療所がないようなところだけを選んでという形になったわけなのですけれども、 それに関連しまして、白川委員、ちょっと確認したいのですけれども、病院の現在の要件、 これを緩和するということについては、白川委員としては何かお考えはございますか。 ○白川委員  いや、特に突き詰めて考えたわけではないのですけれども、要するに実態がそうだとい うのは承知はしております。実際、4キロという制約があるために病院の認定が7施設し か受けられないという実態がありますが、在宅療養の支援は病院のほうがむしろ、かなり やっていらっしゃるという現実は承知しております。  ただ、現実を認めるという話と、そうは言いながら、前回決めた診療所を中心にやって いくというところのバランスをどうとるかという話だというふうに思っておりますので、 意見としては、4キロはとるけれども、逆に診療所については、往診の回数が多いところ については若干配慮するというバランスが必要ではないかというふうに個人的には思って おります。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、安達委員、どうぞ。 ○安達委員  個人医療機関の立場からすると、現実は、自らが診療を担当している患者さん方が通院 ができなくなって、在宅療養へ移行されるいろんな要因があります。あるいは、その方々 の急性変化の問題もある。そういうことも含めて、自分たちの担当している患者さん方に ついては、基本的にほとんどの医師が、それは当然のこととして受け入れてやっているわ けでございます。  ただ、今、鈴木委員の御指摘にもありましたように、非常にたくさんの人手がかかる、 手間のかかる状況になってきますと、それは当然個人の医療機関ではある意味限界がある。 ですから、それは4キロという縛りじゃなくて、つまり過疎地での受け方ということ以外 に、状態による受け方という意味で、人的支援をしっかり確保できる点数をつけていただ いて、支援病院のほうにお願いしなければならないケースというのも出てくるんだろうと いうことがまず1つでございます。  それから2つ目は、多数の医師のかかわりについてです。これは、大学病院をはじめ基 幹病院のほうから退院をさせるときに、実際にその地区での主治医を決めるのに病院のほ うが大変苦労しておられるという現状がございます。個々の病院でその対応をネットワー クをつくってやっておられます。これには限界がございます。京都府医師会としては、一 昨年から在宅医療サポートセンターというものを立ち上げました。モデル地区をつくって、 例えば京都市内なら市内の左京区、右京区、そういう区単位での医師会がございますから、 そこに個人医師の診療の技能と範囲を集約して、病院のほうが退院をさせるときに、こう いう病態の方々を退院させるんだけれども、どう受けてくれるのかということを医師会の レベルで把握をして、じゃ、この医師とこの医師とこの医師のチームでこれは担当できま すねというようなネットワークをつくろうとしております。モデルケースはもう既に始ま っております。  だから、そういうことに対する、先ほどの論点で言えば、複数の医師がかかわる場合の 点数ということを、在宅支援診療所とは関係なくしていただく必要があるのではないか。 実態に即してやろうとすればそうだろうということであります。  3番目の在宅支援診療所は、我々もアンケートをとりましたけれども、やはりこの算定 に腰が引ける最大の理由は24時間対応です。つまり、これは夜間というよりは、まあ、 夜間が増えれば相当健康的にも疲弊するんですけれども、これを患者の皆さん方にお渡し するわけですので、条件として。何が起こるかというと、例えば午前中、我々は外来診療 をやっているわけですが、そこでもすぐ往診の要請が来る。その一部は、確かにすぐ行か なきゃならないもので、これはもう従来から診療の中でもやってきたことです。ですが、 これを患者さんにお渡ししますと、例えば御不安とかが非常に強くて、病態としてはすぐ 行かなくてよくても、そういう御依頼が来てしまうということに対する、非常に不安感が 強いということが実態だろうと思います。  最後に申し上げますが、京都府の療養病床協会が、ある試算をしております。問題は、 そういう方々が在宅に移行していただいた場合に、介護保険等の横出しの自己負担請求等 々も含めて、ある条件設定をして計算すると、療養病床におられるときよりも、患者さん のほうの自己負担が非常に高くなるというケースが多々出ております。つまり、療養病床 でお預りしていますと、家族の方々の御負担は比較的軽くて済むわけです、身体的な御負 担等ですね、介護にかかわる、療養にかかわる。退院されると、非常にそういう負担が重 くなります。にもかかわらず、そちらのほうが経済的な負担も重くなるというようなパラ ドックスのような現象も起こりますので、そういうことの考え方も併せて必要なのではな いかと。  以上の4点を申し上げます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  最後の問題は、まさにそうなんですね。在宅医療の持っている一つの課題なわけであり ますね。  坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  在宅医療と訪問看護のこと2点ですけれども、2〜3回前からずっと話し合われてきた 救急医療のこととNICUのこと、それから今日話し合われた認知症の患者さんのこと、 全てを病院で診ることはできません。だから、救急医療に対してもNICUに対しても、 出口といいますか、最終的にはきちっと在宅を整えなければいけないと思っております。  それに対しまして、今、訪問看護ステーションの伸び悩みとか、在宅ケアに関しての連 携とかいろいろありますけれども、まずは、訪問看護ステーションの動き方の効率の悪さ というのは何とかしていただきたいと思います。全てがドクターの指示をいただかなくち ゃいけないわけですが、見方として2点あると思います。  1つは、患者さんのリスクを早く発見する予見性、それに対してドクターにちゃんと連 携をとる仕組みと、普通に安定して過ごしているときには、ある程度ナースに任せて看て いただくというようなシステムを効率的にしてていただきたいと思います。全てがドクタ ーに指示をもらうというやり方ではもう疲弊してしまうと思います。  それで、包括的に指示を出してくださるドクターが若干増えてきているというふうに聞 いておりますが、それは大変仕事がしやすいと思います。1回1回お願いをして、ドクタ ーのほうから動いていただかなければ訪問ができないような状況になると、大変効率が悪 いということを、すごくよく分かっていただいているドクターだと思います。それから先 ほど在宅医療に関しましての回数が、たくさんやっているところには評価しようというお 話がありましたけれども、訪問看護ステーションは、なぜか回数の制限がございます。こ れも、重症化しているにもかかわらず回数を制限するということで大変動きづらい。だか ら、在宅における医療の在り方について、やはり効率化と動きやすいようにしていかなけ れば、頭打ちになっていくというふうに思います。  それからもう一点は、ナースの仕事の仕方をいろいろ聞いてみますと、やりがいは感じ ております。だから、訪問看護ステーションにおける能力とやりがいを感じているという ことは、恐らく先は明るいということも考えております。そういう意味でサポートしてい ただくということをお願いしたいこと。また、大変重症な患者さんが増えてきているにも かかわらず、1つのステーション、数人しかやっていないステーションが看るということ においては限界があります。そういう意味では、複数の状況でミックスしながら看ていく というシステムににいても、少し考えていくということをやらなければいけないのではな いかと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ちょっと今のに関連して御意見をお聞きしたいと思うのですが、効率性の悪さ、医師の 指示を包括的にというのは、これは直接診療報酬上の問題に絡みますか。要件があるんで すか。 ○坂本専門委員  絡ませてほしいなというふうに思います。しかし先生方してくださいと言っても、なか なかそれがうまくいかないので、できればシステムのほうに乗せていただくようなことが できないかどうかというのを検討していただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。あと、回数制限と複数の訪問看護ステーションが看るというのは、これ は今の制約条件の中に入っている、支払い要件の中に入っているので、それを改善してほ しいと、そういうことですね。 ○坂本専門委員  はい。 ○遠藤小委員長  何かこれに関して御意見ございますか。  北村委員、どうぞ。 ○北村(光)委員  在宅療養支援病院というのは、大変これからの後方対応で重要だと思うんですけれども、 今のお話を伺っていると様々な難点がおありのようですが、前回のあれで創設されたとき に、在宅患者連携指導料とかカンファレンス料だとかも、たしかつくられているようです ので、難しいか、手間がかかるのかしれませんけれども、前回の改定でつくられた項目の 検証というのはできないんでしょうかね。 ○遠藤小委員長  件数の推移は分かっておりますよね。これは今、分かりますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  今日はありませんが、次回以降、職種の連携その他ありますので、そこで機会を見つけ て準備できればと思います。 ○遠藤小委員長  じゃ、そのときまでに準備をお願いしたいと思います。  安達委員、どうぞ。 ○安達委員  今の北村委員の御指摘と会長のお尋ねの件の代表的なものが、前回新設された在宅患者 連携指導料だろうと思うんですね。今、私が申し上げたようなことを取組としてやろうと したときに、このコンセプトは大事なんですが、今回設定されたこれだと、ほとんどとれ ませんので、社会医療診療行為別を見ても分かるのかもしれませんが、非常に算定は少な いんじゃないかと思います。様々な制約があります。例えば在宅医療が必要な多くの方々 は高齢者であって、若年の人も含めてですが、要介護要因を含んでいる方が非常に多いん ですが、そこのところの制約があったり、先ほど申し上げましたように加算がたくさんつ くので患者さんの自己負担が増えたり、そういうことがあって、これは非常に算定しにく い条件になっている。これを実態に合わせたものにしないと、今のようなチーム型の受け 皿というものも非常につくりにくいというのが地域の実情なんだろうというふうに理解を しております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そうすると、今後の議論の中でどういうような形が実情に合っているのかというような ことも含めて、また御発言をいただきたいと思います。  ほかにございますでしょうか。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  この間のお話を聞いておっても全部納得のいくお話ですし、事務局の資料の論点という ところでも、こうやっていろいろ問題が出てきているから、その辺、改善していくべきじ ゃないかという論点だと理解しますので、全部その方向で進めていったらいいと思うので すが、1つ、要件というのを定めることの必要性というのは、一定、医療の質を担保する という趣旨があると理解しますが、ちょっと僕も当時委員だったのかもしれませんが、こ の看護ステーションの要件の中に、回数制限があるとか、複数はだめだという要件が出た 理由はどうだったのかなと。今、この辺りの要件を変えるべきじゃないかという話になっ ているわけですが、もとの要件がつくられた理由というか観点はどんな感じだったのか、 教えていただけたらと思います。 ○遠藤小委員長  それは、もしかして今事務局が調べているかもしれませんが、要件の考え方は、質の担 保というのがもちろんあるわけですけれども、一方で、医療費の増加の歯止めという点も 否めない事実としてあるわけですね。その2つが絡み合ってでき上がっていると思います。 ○勝村委員  この件については、どうだったのでしょうか。 ○遠藤小委員長  この件はどうだったかということですね。この件はどういうあれで出たのか、ちょっと 議事録でも読まないと分からないんじゃないかと思うんですが、何か分かりますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  調べてみますが、一般的には遠藤委員長にお答えいただいたような内容だろうと思いま す。また、補足になりますけれども、訪問看護のところのスライドの4枚目でも書きまし たけれども、恐らく要件の中で重要になってくるのは、先ほど坂本専門委員からもありま したけれども、回数制限というようなことになるかと思いますけれども、回数制限のある 対象者は、40歳未満の者とか40歳以上の要支援者・要介護者でない者になっていまし て、回数制限のない対象者も一定程度選定をしておりますので、こうしたところで御議論 があれば、また将来的に改善ということはあると思います。それからそれ以外にも、一番 下の段ですけれども、症状の急性増悪等により一時的に頻回の訪問看護が必要であると認 めた者については、こういうような算定もできるということです。こうしたことが要件の 一部として、もしかしたら議論になっているのかなと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  関連ですか。 ○嘉山委員  関連です。 ○遠藤小委員長  では、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  坂本委員がおっしゃったことが、今の在宅と訪問看護の本質というか、問題点をあらわ していると私はずっと思っていたんですけれども、それを解決するために、1つは在宅療 養支援病院の今までかなり厳しかった縛りを外せば、地域の二次医療をやっている病院も 活性化しますし、先ほどの看護師さんが、いろんな指示を受けるのに日常の業務の中で、 これが一番、実は患者さんにとって困ることなので、在宅療養支援病院を活性化するよう な医療費の体制にすればいいと思います。  そのときに、個人でやっている方々、私、脳外科なので、神経内科なんですよ、神経病 で在宅にいる人が多いんですよね。聞くと、さっき鈴木委員がお話しになりましたが、2 4時間はきつすぎるということがありますので、やはり在宅療養支援病院を活用すれば、 先ほどの坂本委員の問題点が解けます。  それから、訪問看護のほうで、私は訪問看護をやっている人に昨日直接聞いてきたんで すけれども、回数が、午前中行って午後に行くと値段が違うということ、これはもう完全 に白川委員がおっしゃったように業務内容で決めるということとは反していますので、多 分昨年度医療費を削減するためにそういうふうな点数になったと思いますので、患者さん のためにもこれは撤廃すべきだというふうに考えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  まず、在宅医療の資料のスライドの4番を見てみますと、ここで在宅医療を受けている 患者さんの施設別の割合がありますが、歯科診療所4%という非常に少ない数字ではあり ますが、4%の在宅の方は受けているという形になっております。実は、在宅にいらっし ゃる患者さんの口腔内、お口の中の状況というのは非常に厳しい状況でありまして、これ がきちっと診療、また専門的なケアをすることによって、生きがいがまた戻ってくると。 まさに私たち歯科としては、生活を支える医療だというふうに考えております。QOLを 高めるということで非常に効果がありますし、しっかり食べられることによって、先ほど もちょっとお話ししましたけれども、生きがいと同時に、体力、気力、そして楽しく人生 が送れるというところまでつながっていくというふうに思います。  そこで、実は本題の在宅医療の3ページに、新しくここには支援診療所の数が書いてあ りますが、18年度からスタートしております。20年度のときに、在宅支援歯科診療所 という形もとらせていただきました。その中で積極的に在宅に出ていく歯科診療所の立場 をお認めいただいたわけですけれども、この診療所になっているところ、あるいはそれ以 外でも在宅をしている診療所に対して、なかなか患者さん方、在宅で歯科の先生に来ても らうのはということで遠慮されている方が非常に多いのが現状であります。そこで、ぜひ それぞれに担当されておる支援診療所あるいはそれ以外の診療所からも、在宅の患者さん を診られている先生方の、歯科との連携に対するインセンティブをつけることによって、 しっかりと在宅患者さんのさらに健康状態が上がると、治療効果が上がるということが期 待できると思います。  この本題の2ページの上の在宅支援診療所の要件のところにありますけれども、その上 にも説明がありますが、「他の病院、診療所」と記載してありますが、診療所の中に歯科 診療所も含められておるのかもしれませんけれども、もう少し歯科診療所との連携に対し てのインセンティブがつけられると非常によろしいのではないかなと思います。  といいますのは、一般の先生方、なかなかお口の中を見て、状況が厳しいとかどうとか という判断はされにくいと思うんですね。そういう意味で、患者さんからの訴えでもって 歯科診療所との連携をとるドクターの先生方はいらっしゃると思うんですけれども、そこ にインセンティブをつけることで、この連携がさらに進むのではないかというふうに思っ ております。  それからまた、退院時の共同指導料、これも医科と歯科と同じ形で20年度で入りまし たけれども、この場合も病院からのなかなかアクセスが、要望がございませんので、ここ についても、やはりそうした歯科診療所と共同指導されるというときの呼びかけに対して の何らかのインセンティブが必要なのではないかなというふうに感じております。  それからもう一点、訪問看護関係のスライドの1枚目に、歯科の訪問診療という形があ りますが、当然このときに、実は訪問看護ステーションとの連携がここには書いてありま せんけれども、やはりここは歯科の訪問診療をされている近くの診療所との連携というの が非常に重要になってきておりますので、積極的にされているところもありますけれども、 そうした位置付けを明確にしていただければと思います。  ちなみに、介護保険のほうで新しく入りました口腔機能向上指導ですか、これなどはま さに歯科の専門的な、患者さんの口腔内の状況を踏まえて看護の方々に、あるいは介護さ れる方々にその後のケアをしていただくと、そういう意味合いが強くありますので、そう した連携をさらに強める形をとっていただければというふうに思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。今後の審議の過程で、また深めた議論をしていきたいと思いま す。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  訪問看護ですが、先ほど坂本専門委員おっしゃった医師の包括的指示ということ、これ は非常に大事なことですが、なかなか診療報酬上の評価というと難しい。これは医師法、 保助看法絡みますので、医政局マターできちっとその辺り、在宅医療を推進するためには、 医師が包括的指示を出して、その中で訪問看護師さんが自由度を持ってその範囲内ででき るということを、やっていただければと思います。その範囲内でそういうことをきちっと することに関して、もし診療報酬で何か考えられるのであればと思います。  それと、参考資料の5ページですけれども、医療保険と介護保険の訪問看護があって、 これは恐らく利用者の方も分かりづらい。恐らくここにいる中医協委員の中でも、これを 見て理解できる方は、失礼ですけれども、なかなか理解できないんじゃないかと思います。 特に、この単位ですが、私たちは今医療保険でやっていますから、何点という言い方でや っているんですが、よく見ると、訪問看護ステーションは何円になっていますし、介護保 険は何単位になっています。こういう辺りから分かりづらい。それと、中身も同じような ことでどうして表現がこんなに違うのか。医療保険と介護保険との整合性といいましょう か、そこをはっきりする必要があると。どうして訪問看護ステーションが伸びないのかと いうのは、この辺りにも大きな原因があると思いますので、ぜひ老健局のほうとすり合わ せながら、要するに患者さん、利用者も使いやすい、また私たち医療機関、訪問看護ステ ーションも非常にやりやすい、そのようなものにしていっていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  従来から指摘されている課題ですね。介護保険と診療報酬との関連ということで、リハ ビリと訪問看護のところはよく出てくる議論でありましたけれども、22年の同時改定の ときに、その辺の整合性というのは積極的に詰められると思いますが、今年度どこまでで きるかというところは、多少時間的制約があるかと思いますけれども、重要な視点である と思っております。  ほかに。坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  この中医協の議論をずっと見ていますと、1つの施設で何かを完結するということはな かなか難しいので、やはりネットワークといいますか、システムをどのように組んでいく かというのが大変重要であると思います。そういう意味では、在宅ケアとか訪問看護とか 在宅医療、それから病院それぞれについて、IT化を進めてゆく必要があると思います。 訪問看護ステーションを見ていると、なかなかIT化もできないだろうとは思いますけれ ども、手作業ですごく効率悪い事務作業もいっぱいやっています。できるだけその連携す るシステムを考えていくような方法で、医療を提供するようにかんがえられないでしょう か。先ほど嘉山先生おっしゃったようにIT化を進めていくことをして、情報を早く共有 して、人間を無駄に動かさないような方法というのは何かないのか提言ですけれども、そ ういうようなことはどうでしょうか。 ○遠藤小委員長  わかりました。御提案ということで、また今後の議論の参考にさせていただきたいと思 います。  ほかにございますか。事務局から幾つか論点が出ていますが、今回触れなかったものも たくさん……  中島委員、どうぞ。 ○中島委員  それでは、まだ触れられていない部分で、1つだけ質問をさせていただきたいと思いま す。  在宅医療の論点の4のところに書いてございます。スライドでいくと16ページになる かと思うんですけれども、前回改定をいただいた居住系の施設への在宅の訪問診療ですね、 この際の取り扱いなんですけれども、実際にやられてみてどうだったかということで、幾 つか私どもも現場から聞いていることがございます。例えば居宅系の施設と、それから特 に最近増えております高齢者の専用賃貸住宅等で、ほとんどが高齢で一定のケアなり医療 が必要な方がいらっしゃるという場合の評価が、どういう具体的な結果を生んでいるか、 もし分かれば教えていただきたいと思います。やはりその評価のバランスが、無理がある んじゃないかということなどが耳に入ってきていますので。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  今の御質問の趣旨はお分かりになられましたか。今すぐお答えできる体制でしょうか、 それとももしできなければ、また資料をまとめてということで。 ○事務局(佐藤医療課長)  スライドでいくと16が、事例という形にしていますが、恐らくこういう形だろうとい うことです。つまり自宅の場合ですと、訪問診療1があって処置料等になり、2人目から は初再診料と処置料ということになります。それに対して居住系の施設、居宅系の施設で すと、訪問診療料の2のほうをとって、2というのはさっき言いました200点というや つですけれども、200点をとって処置料や、まあ、検査まではないと思いますけれども、 処置料等。2人目も同じ。それに対しまして、いわゆる居住系の施設と認識されていない マンション、特に最近は老人が中心になって住んでいらっしゃる、いわゆる完全に民間型 のマンションがあるようですが、そういうところでは、訪問診療料という830点のほう でとられるということで、1が続けてとられるというのが見てとれますけれども、そうい う実態にあるという情報を得ております。 ○遠藤小委員長  中島委員、今の回答でよろしいですか。 ○中島委員  はい。 ○遠藤小委員長  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今、中島委員から、現場の声を聞いたら無理があると言いましたが、その無理があると いうのを具体的に教えていただけますか。 ○遠藤小委員長  中島委員、どうぞ。 ○中島委員  無理があるという評価にするのが適当かどうか、ちょっと私もよく分からないんですけ れども、患者さん、あるいは御家族のニーズに合わせて質と量を担保しようというふうに、 限られた財源の中でやっていくとすれば、どこにそれを集中したらいいかという意味です。 例えば居宅系の施設に行かれて診るときと、共同賃貸住宅のような形で、大きな建物の中 にたくさんのケースがいらっしゃる場合と、結果として積算していった場合に合理的かと、 そういう話だと思います。単純計算の話なんですけれども。 ○遠藤小委員長  西澤委員、いかがでしょうか。 ○西澤委員  すみません、ちょっとよく分かりませんでした。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。  それでは、嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  取り上げられていない問題で論点の3なんですが、NICU等から在宅に移行した患者 を地域で支えるための診療報酬上の評価について、どう考えるかというのは、事務局では 何が論点だと思われているのか教えていただいて、私は現場を知っているので、ちょっと その…… ○遠藤小委員長  では、事務局、まずお答えいただけますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  前回も御説明しましたが、小児に対して、いわゆる広い意味での訪問診療等で実施して いただく場合に、小児ならではの問題点、手間のかかりぐあいとか、患者さんの家族の不 安感とかがあると聞いておりますので、そうしたものについて特別な評価を与えるかどう かというところになると思います。 ○遠藤小委員長  嘉山委員、どうぞ。 ○嘉山委員  この前、会長が参考人をお呼びになって、海野君とかのいろんなお話を聞いて、皆さん お分かりになったと思うんですが、NICUから在宅にというのは、確かに希望はあるか もしれませんが、NICUからすぐに在宅になんていうのは、これは医学上から見れば不 可能に近いんですよ。患者さんのために全くなりません。かえって非常にリスクが高くな って、命を失う状況になりかねないので、診療報酬上でこれを問題にするぐらいであれば、 NICUから出た後の病院の評価を診療報酬で評価してあげれば、そちらのほうが患者さ んのためにも非常になりますし御家族のためにもなるので、論点がちょっと違うような気 がして、そちらのほうの論点はいつするつもりなのか。これは非常に少ない例で、医学上、 患者さんにも無理がある論点なので、別の切り口から見た論点をいつ事務局では上げてく るつもりなんでしょうか。 ○遠藤小委員長  つまり、これはもう小児のほうの議論ということですね、在宅でなくて。 ○嘉山委員  でも、先生、NICUに入っている子供というのはちょっと違いますので、これはかな り重症な神経疾患を持っている患者さんが多いんですよ。ですから、それはもう在宅では ほとんど不可能に近いと私は思うので、それよりは特別な施設に診療報酬を高くしたほう がみんなハッピーになります。 ○遠藤小委員長  わかりました。周産期に関しての議論はまだ継続でありますから、その過程でまた御発 言をいただくという形にしていただきたいと思います。  事務局から何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  嘉山委員のほうから2つポイントがあったと思いますが、最初のポイントは、要するに 小児のNICUの患者さんの後方施設や後方でのケアということを考えたときに、これが 必ずしも中心じゃないだろうという御意見だったと思いますので、それは私どももそう思 っておりますし、先ほどから何度もスライドの中でもお示ししたように、なかなか難しい んだと、手間がかかるんだというようなことは書いておりますので、中心かどうかという 点では、必ずしもそうではないかもしれませんが、訪問看護ステーションのほうもそうで したし、それから小児在宅医療の分野でもそうですけれども、それなりにやりたいし、や れるとおっしゃっているので、幾つかの組み合わせは必要だろうと思っていますので、非 常にニーズと申しますか、量的には少ないものであっても、それなりに評価をしていくと いう方法はあるのではないかと思います。  それから、今、委員長からもお話がありましたが、産科も含めました小児科あるいは救 急といったような分野は、もう一回ぐらいは議論する場面もあろうかと思っております。 ○遠藤小委員長  もう1回ぐらいって、全然まだ決まっていないですから、当然議論しなければなりませ ん。 ○事務局(佐藤医療課長)  はい。  それから、これも少し前の議論でして、基本問題小委の9月30日の議論の中でも、小 児のNICUその他に関して、今後、後方施設も含めてどういうふうに対応していくかと いうような議論があったので、必ずしも在宅は駄目だということではなかったというふう に記憶をしております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  それでは、鈴木委員、どうぞ。 ○鈴木委員  16で、本当にすごい高層マンションがあって、都市部の話だと思うんですけれども、 一方で、私たちの病院のある過疎地では、同一市内といえども、20キロも30キロまで いっても市内というようなところもありまして、逆に効率が悪いんですね、訪問系のサー ビスをするには。こういう方々をお考えいただけるんだったら、ぜひそういうですね、僻 地の加算みたいのもあるみたいなんですが、それをとっているところもあるんですけれど も、かなり限られたところになりますので、合併で今地方の市はどんどん面積だけ広くな っていまして、非常に効率が悪くなっておりますので、そういったところもぜひ併せて、 逆の場合も考えていただければと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ほかにも御意見はあるかと思いますけれども、大体御意見を一通り伺いましたので、在 宅医療、訪問看護の問題は非常に重要な課題ですけれども、なかなか思ったほどには進ん でいないという前提の下での議論ということになりますので、本日は非常に生産的な議論 ができたと思います。引き続きましてこの議論につきましては、事務局のほうでまた本日 の議論をまとめまして、継続に審議していきたいと思います。  それから、その他なんですけれども、実は1つ、皆様に運営上のやり方についてお諮り したいことがあります。  検証部会なんですけれども、検証というのは、大きな改定を行ったもので、重要なもの については幾つかピックアップをしまして、それをアンケート調査を中心に検証して、そ れを検証部会でまとめて、実は今までは検証部会でまとめたものを、検証部会としての評 価をきちっとして、それを総会に上げたと。なぜ総会に上げるかといいますと、総会で前 回改定は決めたものですから、総会に上げて、総会で、そこから何か問題があれば今度は 基本小委に、この辺のところを調べるべきだという形で振ってきたと、こういうようなや り方でやってまいりました。  ただ、今回はちょっと時間の制約があるものですから、きちっとした最終報告案、つま り委員の意見が入ったもの、評価が入ったものを出すのではなくて、ただ統計的に出てき たものですね、これは実は昨日検証部会でやっております。この速報値を即、検証部会の 議論の中で必要であるものは適宜使う。つまり総会の承認はまだ得ていないのですけれど も、それを使わせていただきたいというふうに思います。実質的には何の問題もないかと 思うんですけれども、総会の承認を得ていない検証部会のデータを基本小委の議論の中で 適宜使わせていただきたいと。当然、最終報告書は一方でつくりますので、これは大分時 間がかかりますから、それができた段階で総会に上げますけれども、そういう段取りでや らせていただいてよろしいでしょうか。  はい、ありがとうございます。それが1つであります。  あと、もう一つその他の関連でありまして、先日の医療経済実態調査に関しまして…… ○牛丸委員  ちょっとよろしいですか。 ○遠藤小委員長  はい、どうぞ、牛丸委員。 ○牛丸委員  そうしますと、検証部会としてまとめた意見というのはもう出さないという…… ○遠藤小委員長  いやいや、私の説明は、同時並行に検証部会として意見をまとめていただいて、最終報 告を作成します。それは大分後になりますので、それを総会に出します。したがって、そ の総会での承認なしに使うということを御承認いただいたと、そういうことであります。  それと、前回の医療経済実態調査につきまして、安達委員より資料が提出されておりま すので、御説明をお願いしたいと思います。 ○安達委員  前回、実調のデータの特に個人医療機関分の収益ということについて、我々の実感とは かなり合わないんですということを申し上げまして、それを検証しようとすれば、こうい う方法があるんじゃないですかということを申し上げました。口頭で申し上げましたので、 白川委員にも御指摘いただきましたとおり、お分かりいただきにくい点があったかと思い ます。申しわけございません。  それで、会長から御指示があって、文書に捨ておくようにということでございましたの で、前回申し上げたのはこういうことでございますと。検証のやり方として、要するにピ ックアップした医療機関全体にバイアスがかかっているかいないかということの検証。そ れから2番目として、回答した医療機関の中に特殊なバイアスのかかる可能性のある医療 機関が含まれていないかどうかということの検証。そして最後が、最初に申し上げました 平均収入が実際の平均値よりも高いものがピックアップされている可能性がないのかどう かということの検証と、そういうことでございます。  事務局の皆さんからもいろいろ御説明をいただきましたけれども、このうちの1番と2 番につきましては、基本的には、やはりレセプト枚数を把握することが基本だろうと思い ますが、これがなかなか難しいというようなこともあるようでございますので、今後の課 題としてこれはお考えいただきたい、御検討いただきたいということで、今回のものをと るのは難しいだろうと。  あと、一番大事なのは3番でございまして、回答のところで高いものだけが集まるとい うようなバイアスがかかっていませんかということの検証をお願いしたいということで、 これは1つは「メディアス」のデータがございます。参考資料に前回も出されましたスラ イド13だったと思いますが、個人医療機関の年間の医療費というのが出ております。全 体の集計があって、各診療科ごとのものが出ている「メディアス」がございます。これを 出していただきたいことをお願いしたいと思います。  それから、実調の146ページに個人医療機関の全般というのが載っております。そこ のところに平均した、年間統計のほうのデータでございますが、やはり年間の総請求点数 というものが平均で出てまいります。このデータをお願いしたい。  3番目ですが、この2つのデータを比べますときに、御承知いただいていますとおり、 今の個人医療機関というのは、処方せんを発行している医療機関と自院で投薬をしている 医療機関がございまして、これで大きく総請求点数というのは変わります。自院で投薬し ていれば、その分高くなりますし、処方せんを出していればその分は低くなる。この2つ を併せて考えないと正確な比較ができないので、1つは、全国の今の個人医療機関での調 剤化率、処方せんを出すようになっている率というのは数字があると思いますから、それ をぜひ出していただきたい。  一方、実調の対象になりました医療機関については、実調データの81ページに処方せ んを出している医療機関の数と自院で投薬している医療機関の数が出ております。270 と720幾らと、そういう数字だと思いますが、81ページです。これで回答した医療機 関の調剤化率が分かります。そういうデータを中心した比較検討をお願いいたしたいと思 います。現在、いろんな処理を会長の御指示でしていただいていると思いますので、出す ときには、その4つのデータは最低限必要なのではないかということでお願いをいたした いと思います。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。 ○安達委員  すみません、会長。  この間から、私の立場が何なのかというのがややこしくて、白川委員にもいろいろ御質 問いただきましたけれども、日本医師会の出しました「中医協・医療経済実態調査の分 析」、これは記者会見をして、各委員にも日本医師会はお送りはずであるということを前 回申し上げましたが、やはり分析をしておりますので、中医協の資料としてここに改めて お出しさせていただきたいということでつけさせていただいておりますので、どうぞよろ しくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  前者の御発言は、基本的に医療経済実態調査が必ずしも十分な代表性を持っていないの ではないかと、そういう御懸念の検証ということでありまして、「メディアス」は全数調 査でありますので、「メディアス」と比較可能なものがあればそこを比較して、少し検討 したいということであったわけですけれども、事務局から何かコメントありますか。  はい、どうぞ。 ○事務局(渡辺保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  ただ今の安達委員の御指摘の趣旨、承りました。今御指示いただきました資料、それか ら前回のときに会長のほうから、主なものについての中央値をというような御指示もござ いましたので、いずれまたここの場所で医療経済実態調査について御議論いただく回があ ると思いますので、その際にまとめて事務局より補足資料という形でお出ししたいと思い ます。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  用意いたしました案件は以上でございますが……。  はい、小林委員、どうぞ。 ○小林(麻)委員  せっかく安達委員から提出されましたので、先ほどの入院基本料の関係のところで1点 だけコメントさせていただきたいと思います。  損益分岐点比率というのが16ページにございまして、非常に高くなっているというこ となんですけれども、この高くなっている要因というのが、やはり先ほど議論に出ました 固定費部分ということだと思うんですね。固定費部分というのを、例えば民間企業ですと、 在庫を管理したり資産を圧縮したりなどして下げるという努力をするわけですけれども、 安心な医療を提供するということから、固定費部分で削減できない部分が非常に多いと。 ここで固定費と変動費というのをどういうふうに分けているのか、その分け方というのは いろいろ議論があると思うんですけれども、その辺の御説明といいますか、今、固定費部 分を削減できない医療経営なんだということについては、いろいろ御議論をこれからもい ただきたいというふうに思います。 ○安達委員  ありがとうございます。今のは私の資料の14ページのことでございますね。その後、 またこの議論をされるときにさせていただきたいと思います。かつて、前回の改定が終わ った後の5月でしたか、日本医師会の中川常任理事と当時の原医療課長との間で大変な激 論があったということも承知をしておりますので、そこら辺も含めて、私どもの見解はま た述べさせていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。会計学者の小林委員からの御発言でありました。  ほかにございますか。よろしゅうございますか。  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会いたしたいと思います。  次回の日程等につきまして、事務局から御連絡をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  11月13日を予定しております。詳細はまた改めて連絡をさせていただきます。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。  それでは、本日の小委員会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございまし た。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)