09/10/26 平成21年度第12回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録 平成21年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年10月26日(月)15:00〜17:00 (2)場所  全国都市会館第1会議室(3階) (3)出席者 委員:西岡清分科会長、小山信彌分科会長代理、相川直樹委員、        池上直己委員、伊藤澄信委員、金田道弘委員、木下勝之委員、        熊本一朗委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、        辻村信正委員、難波貞夫委員、藤森研司委員、美原盤委員、        山口俊晴委員、山口直人委員、吉田英機委員        事務局:迫井企画官、佐々木課長補佐、他 (4)議題  1 事務局からの報告について        2 新たな機能評価係数に係る特別調査について        3 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまより、平成21年度第12回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会を開催さ せていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、嶋森委員が御欠席となっております。また、松 田委員が体調を崩されたということで、かわりに藤森研司委員に出席していただいており ます。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、厚生労働省におきまして異動がございましたので、事務局のほうから御紹介をお 願いします。 ○長谷川補佐  それでは紹介させていただきます。  10月20日付で大臣官房総務課企画官・保険局併任として着任いたしました迫井正深 でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは、審議に移りたいと思います。  まず、資料の確認を事務局からお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、お手元の資料を確認させていただきます。  一番上ですが、議事次第でございます。次が座席表、続きまして委員の一覧でございま す。これ以降本日の資料でございますが、まずD−1、療養病棟からDPC算定病棟に転 棟した際の診療報酬上の取り扱いについて(案)、次のページがD−2、効率性指数等々 に関するデータでございます。次の資料でございます。D−3、新たな機能評価係数に係 る特別調査でございます。  続きまして参考資料がございます。参考資料の1、新たな「機能評価係数」に関する基 本的考え方、参考資料の2、これ前回お示ししたものでございますが、平成21年度調査 新たな機能評価係数に係る特別調査の速報でございます。続きまして参考資料の3、こち らですが、日本病院薬剤師会から御提出いただきました、DPC病院における薬剤師の病 棟業務に関する実態調査結果概要でございます。  以上、そろっていらっしゃることを御確認いただき、過不足ありましたら事務局までお 願いいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。資料についてよろしいでしょうか。  それでは、初めに10月5日の分科会におきまして、小山分科会長代理から御発言のご ざいました、療養病棟からDPC算定病棟に転棟した際の診療報酬上の取り扱いについて、 事務局から御報告をお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、資料D−1をごらんください。こちら療養病棟からDPC算定病棟に転棟し た際の診療報酬上の取り扱いについて、これ前回小山委員のほうから御指摘いただいた事 項でございます。こちら、私どものほうで確認させていただきました。  まず現状の取り扱いでございます。実は療養病床に入院している患者については、急性 増悪等により一般病棟へ転棟または転院を行った場合は、転棟または転院前の3日間に限 り、療養病棟において行われた診療行為について、出来高による評価を行い、入院基本料 Eを算定することとなっております。これは確認できました。  簡単に申し上げますと、療養病棟から一般病棟に移った場合、3日間さかのぼって出来 高で算定ができるというものでございます。  この規定ですが、療養病棟からDPC算定病棟へ転棟する場合にも適用されるものでご ざいます。  以下、参考で告示等記載してございます。  まず入院基本料Eと、750点というのを算定できます。こちら入院基本料AからEま で並んでおりますが、療養病棟におきましては点数は医療区分、ADL区分で決まってお ります。入院基本料Eでございますので、一番低い点数をとるというものとなっておりま す。  次に、注の事項が並んでおりますが、注の3でございます。療養病棟における包括の考 え方が記載してございますが、療養病棟入院基本料を算定する患者に行った第3部検査、 投薬、注射、病理診断、画像、処置については、当該入院基本料に含まれるものとすると なってございます。  それ以降でございます。ここが今回と関連するところでございまして、ただし、患者の 急性増悪により、同一の保険医療機関の一般病棟へ転棟または別の保険医療機関の一般病 棟へ転棟する場合には、その日より起算して3日間までの間、3日前までの当該費用につ いては、この限りではないということで、除外の規定となっております。この結果、急性 増悪時3日間さかのぼりで検査・処置等の出来高を算定ができるとなっております。ただ し、入院基本料は最も低い点数となっております。  こちら、小山先生からの問題提起でございましたが、通常一般病棟、療養病棟両方お持 ちのケアミックス病院等々におきまして、これまでリセットの問題であるとか、あと出来 高の問題がございました。その中で、このような療養病棟に移る際に出来高3日間になり ますと、MDC点数表等々に影響を与えるのではないかという御懸念かと思います。こち らについて事務局のほうで関係者などにお尋ねをいたしました。情報収集もいたしました が、今のところこのような懸念する事態は確認ができておりません。  今後の対応案でございます。対応案として2つほどあろうかと思っております。これ、 本日御議論いただければと思いますが、1つは療養からDPC算定病床へ移る際、3日間 さかのぼりの出来高の算定をできないというふうにルールを変えてしまうという方法でご ざいます。新しいルールをつくるというものでございます。ですが、まだ実態把握ができ てないのが一つ問題かと思います。  もう一つの事務局で考えている案でございますが、DPCにつきましてはデータをほと んどすべて提出いただいておりますので、いつでも分析が可能であります。今後の病院に おける療養病棟とDPC算定病棟の関係につきましても分析可能でございますし、ヒアリ ングも可能でございます。そこで、まずは実態把握をした上で、今後の対応を御検討いた だくという2通りがあろうかと思います。  1つはいきなりルールをつくってしまうという方法、もう一つは実態把握をし、ヒアリ ング等を行った上で対応を今後検討していくという2つあろうかと思いますので、これ以 外の案も含めまして先生方、御議論いただければと思っています。  事務局からは以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。貴重な御指摘を小山委員からちょうだいいたしまして、調査 していただきました結果が以上のとおりでございます。  これにつきまして、新たなルールを決めてしまうのか、あるいはまだ実態が十分把握さ れていないということで、さらに調査をしながらヒアリング等で全体の状況を見て、それ からルールを決めるということにするのかというご提案でございますが、御意見等ござい ましたらお願いいたします。  どうぞ、齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  一般にルールというものは、現行のルールで弊害が顕著であるとか、弊害が目前に迫っ ているとか、そういうことが明らかになったときに手直ししたほうがいいんで、実態も分 からないままころころ変えるというのは、余り時期尚早に過ぎるのではないかなという気 がいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。  美原委員、この件に関して何か御意見ございますでしょうか。 ○美原委員  今、齊藤先生のおっしゃったことに同意します。実態も分からないうちにどんどん変わ られると、現場は非常に混乱すると思いますので、やはりもし変えるというようなことが あるんであれば、実態把握をしていただければと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  もう既に今年の調査の中ではある程度の数は集まるような状況ですよね。それはそれを 見てということでいいように思うんですけれども。とにかく数字も何も分からないところ では、さすがに何も言えないと思います。 ○西岡分科会長  よろしいですか。  小山先生。 ○小山分科会長代理  どうも、詳細な御報告ありがとうございます。  私も今、委員からの発言のとおり、すぐルールを変えるというのは拙速だというふうに 考えておりますので、データはこれから蓄積されてくるわけですから、その中でもう一回 分析して、あるいはヒアリングをするということで、十分よろしいかと思っています。 ○西岡分科会長  いいですか。委員全体の方がやはり、これから実際の調査成績を見て、それでなおかつ ヒアリング等をしながら、対処していくというふうな形での対応でいいんではないかとい う御意見でございます。  じゃ、そのような形で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。ありがと うございました。  続きまして、効率性指数及び複雑性指数についての御報告をお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、D−2でございます。  実はこれ、修正が今回ございました。おわびして修正さしあげたいとおもいますが、効 率性指数と裏のページ、複雑性指数、2点につきまして私どもの計算に一部手違いがござ いました。  まず効率性指数のほうでございます。両方とも関連するものなんですが、効率性指数、 これ全DPC対象病院の平均在院日数を、当該医療機関の患者構成が全DPC対象病院と 同じとした場合の平均在院日数と、割ったものでございます。簡単に言いますと、平均在 院日数が短い医療機関で上昇するような、高くなるような指数でございます。  こちらにつきまして下と、修正後と見ていただきますとお分かりのとおり、若干、特定 機能病院のところですね、一番左の1の特定機能病院のところであるとか、あと3番の右 の効率性指数のがん専門病院のところ、こちらばらつきが小さくなっております。  実は私ども、裏のページの複雑性指数も同様のものでございます。こちらもちょっと先 に御説明します。  複雑性指数は、もう簡単に申し上げますと、難しい、要は平均在院日数が長い疾患を多 くお持ちになっている医療機関で高くなる数字でございます。こちらのほうも、2番のD PC算定病床割合のところが、75%から25%のタイル値の範囲が、例えば2番のDP C算定割合で言いますと一番右の60%未満、また一番右の3番の専門病院等々の指標で 見ますと、がん専門病院のところで若干広がっているという結果でございます。  実は、双方の計算式におきまして、私ども計算の手違いがございまして、全DPC対象 病院の平均在院日数の計算方法を誤っておりました。通常は、全患者の延べ在院日数を全 患者数で割ったものを平均在院日数として求めておりますが、これを誤りまして、この2 つの指数に関しましては、当該医療機関で出現したMDC別在院延べ数を、当該医療機関 が出現したMDC別全患者数の合計で割ってしまいました。その手違いがございましたの で、2点御修正をさしあげたいと思います。  これ以外の指数につきまして確認いたしましたが、特段間違いございませんでしたので、 この2点おわびして修正いたします。よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  今の御説明でございますが、何か御意見等ございますでしょうか。ちょっとややこしい 数値でございますが。 ○長谷川補佐  1点言い忘れておりました。  数字、一部変わりましたが、傾向としては特段変わっておりませんでしたので、この点 補足させていただきます。 ○西岡分科会長  一応上下の図を比べていただきまして、余り大きな違いは起こっていないのではないか と思われます。計算式をもう一度修正して出したというのがこれでございます。これに関 してはよろしいでしょうか。ありがとうございます。  この効率性指数、複雑性指数に関する資料は、中医協の基本問題小委員会に既に報告を 行っているところでございますが、今回基本問題小委員会で訂正の報告もさせていただき たいと思っております。  それでは続きまして、新たな機能評価係数に係る特別調査についてにつきまして、佐藤 委員より関連する資料が提出されております。そこで、まず事務局より資料の説明をいた だき、その後佐藤委員から提出された資料の説明をいただき、議論に移りたいと思います。  では事務局から説明お願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、資料D−3をごらんください。  こちら、新たな機能評価係数に係る特別調査というもので、7月末にDPC対象病院、 準備病院に対しまして実施しましたアンケート調査を取りまとめたものでございます。前 回DPC分科会でお示しした調査結果の速報値の続報でございます。なお、前回お示しし た速報値につきましては、本日参考資料の2としてお示ししておりますので、あわせてご らんいただければと思います。なお、アンケート調査につきましては、こちらお手元のフ ァイル、DPC分科会資料集の中にも入ってございます。  まず、調査対象期間、以下に書いてございますが、期間と調査対象施設、それと対象の 病院でございますが、こちらのほうは特段変わっておりません。  あと、次のページ、3ページでございます。パワーポイントの3ページ目でございます が、箱ひげ図の見方ということで、これ、毎回同じものをおつけしております。  まず4ページ、救急医療の提供体制でございます。こちら次のページ、5ページ、医療 計画における役割につきまして解析してございます。  まず1番、DPC対象患者のうち救急車搬送ありの患者割合でございます。下の軸でご ざいますが、一番左から初期救急、二次救急、三次救急、それとその他となっております。 なお、アンケート用紙のほうでは、対応の救急に関しましては、初期、二次、三次の中か ら複数回答をいただくことになっておりましたので、複数選択した施設につきましては、 上位の提供体制を用いて集計しております。  縦軸のDPC対象病院のうち、救急車搬送ありの患者数でございますが、これは昨年度 の7月から12月の退院患者調査データより集計しております。これを見ますと、左の図 に関しましては、救急の次元が上がれば上がるほど救急車搬送ありの患者数がふえておる というものでございます。  次に、右のページでございます。こちらは横軸は同じでございますが、縦軸はDPC対 象患者のうち、救急車搬送ありの患者割合で見たものでございます。こちら、初期救急で は低くなっておりますが、二次、三次ではほぼ同じ値となっております。  次、6ページ、救急医療の提供日数でございます。こちら1番でございますが、横軸が 救急医療の提供日数ということで、これは平成21年7月における体制をアンケートでお 聞きしております。毎日提供しているのが一番左、輪番日のみがそれ以降続いております が、10日以上の欄、5〜10日未満、あとは5日未満、あとは救急医療提供体制なしと なっております。なお、気をつけていただきたいのはn数でございまして、毎日提供の医 療機関がほとんどを占めております。  これで見ますと、左の患者数で見ますと、毎日提供と10日以上のところでほぼ同じ値、 輪番日の日数が減るに従って徐々に減っておるというのが見てとれます。  次、右でございます。患者割合で見た場合は、毎日提供から輪番日5〜10日未満のと ころがほぼ同じ横ばいとなってございます。  次のページでございます。7ページ。こちら救急医療従事者(医師)に関しまして解析 した結果でございます。  こちら左の図、横のカラムでございますが、IからV番までローマ数字が打ってござい ます。まずI番のところでございますが、注の2のところに御説明しております。まずI 番が平日準夜、平日深夜、休日日中のすべての時間帯において専従の従事者がいるという ところでございます。II番、こちら3つの時間帯のうち、1〜2の時間帯において専従の 従事者がいるケースがローマ数字II番。III番、こちら3つの時間帯のうち、専従の従事者 はいないが兼任の従事者がいるというものでございます。恐らく、こちらは病棟当直との 兼務だろうと考えております。次IV番、IV番は専従、兼任もいませんがオンコールの従事 者がいるという場合がIV番。V番が救急医療の従事者はいないというものとなっておりま す。  これで左の図を見ていただきますと、左、患者数で見ますと、専従のところにつきまし て最も多い数字、またII番とIII番、1つから2つの時間帯において専従、兼任の従事者が いる場合はほぼ同じ値、さらにIV番オンコールになりますとさらに少なくなっておるとい うのが現状でございます。  右、割合で見たほうでございますが、割合見ますと、IとIIIがほぼ同じ値、II番が若干 下がっておるという数字となっております。  この下が看護師でございます。看護師につきましても同じIからVでとっておりますが、 こちら、ほぼドクターと同じ傾向となっておりまして、専従の従事者がすべての時間でい るところで最も多く、II番とIII番の1から2の時間帯で専従または兼任の場合がほぼ同じ 値でわずかに低い値、でIV番、V番がさらに低くなるというものでございます。右の患者 割合も同様の傾向です。  次のページごらんください。9ページ、薬剤師でございます。  こちらも、先に申し上げますが、実はこの資料に放射線技師と臨床検査技師、臨床工学 技師が、それぞれ12ページまで続いておりますが、これ、ほとんど同じ傾向でございま す。  薬剤師を代表して御説明いたしますが、まずI番の専従のところの数は患者数としては 一番多くなっておりますが、II番、1〜2の時間帯において専従の従事者がいるケースが 少なくなっております。一方、すべての時間で兼任の従事者がいる場合がI番とほぼ同等 の数、あとIV番、V番の状態は低くなっております。  一方で患者割合で見ますと、IからIVのカラム、いずれも同じような値となっておりま す。これが以下放射線技師、臨床工学技師まで続いております。  次、飛びまして13ページでございます。こちら、救急における診療科の対応状況につ いてお調べしたものでございます。  まず、13ページは基本データとして、その病院でどのくらいの数の診療科があるかど うかお聞きしたものでございます。この図を見ていただきますとおり、17診療科がピー クとなりまして、ほぼこのような分布となっております。  これ以降が救急との関連でございます。診療科の数でございまして、14ページ、平日 の準夜、専従ありの診療科数というものでございます。  これで見ますと、診療科数がゼロのところが最も多く、その後1、2、3と診療科数が ふえるに従って少なくなっております。ですが、左側は専従の診療科ということでござい ますので、恐らく救急であれば救急専従でされていると思います。外科の場合、専従でさ れている場合は、病棟の当直医以外に救急外来のみ対応される外科のドクターが専従でい らっしゃるという体制となろうかと思います。この場合は徐々に減ってまいりますが、右 のカラムは兼任までは含めたものでございますが、兼任まで含めますと徐々に1から横軸 がふえるにつけ減っておりますが、なだらかな減り方となっている次第です。  次、15ページ、16ページが各時間帯、平日深夜、休日日中の専従診療科の数を調べ ておりますが、こちらにつきましては先ほど御説明した平日準夜と同じ傾向でございます ので、割愛いたします。  次、17ページ、初期救急患者数というものを見てございますが、先ほど初期、二次、 三次という切り分けをしてございました。初期の救急患者数を横軸にとりまして、縦軸が 救急搬送ありの患者数で見ております。これで見ますと、ほぼ正の比例で見てとれます。  一方右側、患者割合で見ますと、20人未満から60人以上にかけて、ほぼ同じような 傾向となってございます。  続きまして、二次の救急患者数、18ページでございます。  18ページも同じ傾向でございまして、二次救急の患者数がふえるに従って患者数はふ える、一方で患者割合についてはゼロ人を除きまして同様の傾向であるというものでござ います。  次、19ページでございます。  三次救急患者数との関係を見てございますが、こちら三次救急の患者数がふえるに従っ て、救急車の搬送ありの患者数ふえておりますが、先ほどの初期と二次と異なる点は、ゼ ロ人のところ、三次救急患者が受け入れゼロのところであっても救急患者は受けていると いう数が一定程度あるというものでございました。一方、割合で見ますと、ゼロ人から2 人までほぼ横ばいとなっております。  次、20ページでございます。救急外来におけるトリアージ体制をお尋ねしております。  最初にお断りしておきますが、アンケート調査を調査票ファイルのほうにとじておりま すが、見ていただきますと分かるとおり、トリアージの定義につきまして、優先的に診察 する患者を判断する機能を設けているかどうかと。優先的に診察する患者を判断する機能 を設けているかどうかをお聞きしておりまして、職種についてはそのトリアージに関しま しては問うておりません。  まず、1番のトリアージ体制の有無ですが、失礼しました、トリアージ体制の有無のと ころでは職種は問うておりません。こちら、初期から三次まで見ていただきますと、その 次元がふえるに従って、トリアージ体制をとっている医療機関がふえてきております。  次、右でございます。こちら、職種のほうの調査でございまして、DPC対象患者のう ち救急搬送ありの患者数でございますが、横軸が医師のみが判断、看護師のみが判断、医 師と看護師ともに判断、あとその他、あとはトリアージ体制なしというものでございます。  これで見ますと、医師と看護師ありのところで、救急車搬送が患者数が多いところが多 くなっておりますし、一方でトリアージ体制なければ患者数少なくなっております。なお、 その他につきましては、nが16となってございますので、このあたり統計的な処理をし ておりませんので、注意してごらんいただければと思います。  次、21ページでございます。こちらが横軸が同じとり方をしておりますが、縦軸が患 者の割合で見たものでございますが、これで見ますとほぼ横ばいと、差が見てとれないと なっております。  次、右でございます。右も横軸が同じ、あとは初期救急患者の平均で見ておりますが、 このような傾向となっております。  次、22ページでございます。二次救急、三次救急でもはっきりとした傾向が見てとれ ませんでした。  次が23ページでございます。診療ガイドラインを考慮した診療体制確保に関してでご ざいます。  24ページ、医療の標準化を進めるため取り組んでいることということでお聞きしてお ります。横軸を見ていただきますと、診療ガイドラインを利用しているか、院内クリニカ ルパスを利用しているか、診療ガイドラインの利用プラス院内のクリニカルパスの利用、 またその他の項目で分けております。  これで横軸、平均在院日数でとっておりますが、これで見ますとほとんど横ばいの傾向 となっております。  それで、次、横の、どの程度診療ガイドラインを重視しているかとの関係でございます が、病院として推奨している、診療科の判断に任せている、特に考えていない、あとその 他でとっておりますが、平均在院日数との関係はこのようになっておりまして、特に考え ていないところではわずかに長くなっているのかなと、ですがわずかな差であるというこ とが見てとれます。  次、25ページでございます。  こちら、横軸が診療ガイドラインに沿わない資料を行う場合の適否の判断方法でござい ます。横軸が病院が設置する委員会において判断、複数の診療科によるカンファレンスに よる判断、単独の診療科によるカンファレンスによる判断、担当医師の判断、特に決めて いないというものですが、こちらについては、複数の診療科によるカンファレンスがわず かに短いかなと見てとれますが、大きな傾向は見てとれないというところでございました。  次が院内クリニカルパスの利用状況ということで、27ページをごらんください。  27ページ、横軸が医療者用クリニカルパスの数を件数ごとに割ったものでございます。 縦軸が平均在院日数で見ておりますが、こちらについては150件以上のところでわずか に短いかなというところでございます。右のほうが患者用のクリニカルパスの数でござい ますが、こちらも左と同じ傾向でございます。  また、このあたりはもうDPC分科会でも随分御議論があって、先生方御承知のことだ と思いますが、これニワトリの卵の関係と申し上げますか、どちらが結果でどちらが原因 かがなかなか難しいところでございます。仮の話でございますが、例えば要はクリニカル パスが整備されていれば平均在院日数が短くなっているのか、それとも、もともと平均在 院日数が短い病院がそういう体制をとる病院が多いので、その結果としてクリニカルパス の数が多くなっているのかと、このあたり、原因と結果については今後の御議論が必要か と思います。  次、下の欄でございます。医療者用のクリニカルパスの対象となった患者割合で見たも のでございます。左側が医療者用クリニカルパスの対象となった患者割合、縦軸が平均在 院日数と、これについても6割以上使われているところにおいて、わずかに平均在院日数 短くなっているかなというところでございます。右の患者用クリニカルパスにおいても、 4割以上のところで同様の傾向となっております。  次、29ページ、人員配置とチーム医療でございます。  30ページ、診療科単位のカンファレンスに関してでございます。  これ、ローマ数字IからIVで書いてございますが、ちょっと難しくなっております。I 番がカンファレンスがないところでございます。II番が医師と看護師、あと看護師以外の 3職種以外のカンファレンスを行っている場合。III番は医師と看護師、看護師以外の専門 職によるカンファレンスはないが、医師と看護師によるカンファレンスはあると。つまり、 医師と看護師の2職種によるカンファレンス。IV番が、これが資料の後半を見ていただけ ればいいんですが、医師と看護師以外の専門職によるカンファレンスを行っている場合が IV番となっております。  こちら、すみません、アンケート調査のほうのとり方でもこのような表現になっており ましたので、ちょっと分かりにくいんですが、このような分類にしております。繰り返し になりますが、II番が3職種、III番、IV番は2職種でございますが、III番のほうが看護 師と医師、IV番のほうが看護師以外の専門職とドクターとのカンファレンスとなっており ます。  これで見てみますと、I番のなしに比べるとII、III、IVについてわずかに短くなってい るのかなというところでございました。左側が診療科単位、右側が病棟単位となっており ますが、同様の傾向でございます。  あとは次のページ、31ページ、薬剤師の病棟勤務時間との関係で見たものでございま す。  こちら、1病棟当たりの薬剤師の……つまり1病床です、失礼しました。1つのベッド 当たりの薬剤師の勤務時間で見たものでございますが、ごらんのとおりでございまして、 ほとんど差がないのか、わずかに右下がりになっているのかというところでございます。  一方で、後発品の使用割合で見てみますと、DPC算定病床当たりの時間が多いところ、 0.6時間以上のところにおきまして、後発品の使用割合が増加しておるというところで ございます。こういう意味では、私、これまで平均在院日数のみを縦軸でいろいろお話を してまいりましたが、もしかすると、縦軸をほかのもので見たほうが適切な評価になる可 能性はございます。  下の図でございます。一方、その次でございますが、カルバペネム系等の抗生物質を投 与した患者割合で見ますと、薬剤師が全く病棟で働いていないところにおいて、カルバペ ネム系の抗生剤投与の患者割合が多くなっております。こちらは前々回のヒアリングにお きまして随分議論になったところでございまして、薬剤師が病棟にいると適切な抗生剤の 使用が促進される可能性があるというのを示唆したものでございます。  次、4番、右でございますが、こちらは薬剤師の勤務時間と薬剤管理指導料算定割合を 見たものでございますが、これは病棟に薬剤師が入れば入るほど、当然指導料は算定され るという傾向が見てとれます。  次、33ページでございます。こちらは管理栄養士を見たものでございますが、管理栄 養士、こちらも薬剤師と同じような結論かと思いますが、差がわずかな差になっておると いうものでございます。  右のページでございますが、こちら管理栄養士の病棟勤務時間と入院栄養食事指導料と の算定割合ですが、比例の関係になっております。  次、34ページの左下でございます。こちらは社会福祉士、MSWと、ソーシャルワー カーとの関係を見たものでございますが、ほぼ横ばいとなっておるというものです。  次が右でございます。これ病棟での勤務状況でございまして、横軸が勤務状況、縦軸が DPC算定病床数となっております。こちら、例えば一番右の10割の職員がいるという ことでございますが、これは病棟に100%勤務している職員が1人でもいる場合に一番 右のカラム、一番左から2番目の2割未満に関しましては、2割を超える薬剤師が病院内 で1人もいない場合がこちらのカラムとなっております。  これで見ますと、算定病床数がふえるに従って、100%従事できる薬剤師が出現して おるというのが見てとれるかと思います。  次でございます。35ページでございます。最後のページでございますが、こちら管理 栄養士に関しまして見たものでございますが、こちらは100%の職員がいるところを除 きますと、ほぼ右肩上がりの傾向となっております。また、社会福祉士に関しましてはそ の傾向が見てとれないというものとなっております。  なお、繰り返しになりますが、縦軸に平均在院日数を多くとっておりますが、こちらに ついては、平均在院日数のみでよいのかということは当然の議論でございますので、係数 の議論にもかかってまいりますので、先生方からどのような指標がいいのか御提案いただ ければと思っております。また、繰り返しになりますが、要因と結果といいますか、原因 と結果につきまして、こちらそれが明らかになる資料ではございませんので、このあたり も御議論いただければと思います。  次に、参考資料の1をごらんください。  参考資料の1、これまで機能評価係数に関する基本的考え方、何度もお示ししておりま すが、これ1から7まで再度お示ししたもの。  次、2ページ目でございますが、絞り込みに当たっての考え方、再度お示ししておりま す。  最後のページでございます。こちら現在の機能評価係数の絞り込みの案でございます。 先生方御承知のことだと思いますが、再度ご説明いたします。  まずローマ数字I番、次期改定での導入が妥当と考えられた項目ということで、こちら 1から4の数字につきましては、基本問題小委のほうでもほぼ導入が妥当という結論をい ただいております。ですが、右側の評価指標の例につきましては、具体的な評価指標につ いては今後の議論が必要となっております。  次に、ローマ数字II番、次期改定での導入を検討するために、更にデータ分析や追加の 調査を実施すべきとされた項目でございますが、こちら、項目につきましては、まだ導入 が妥当かどうかの結論を得られておりません。まさにこの分科会で御議論いただくものと 思っております。さらに、右側の指標の例、一応お示ししておりますが、具体的な指標に ついても、今後DPC分科会の中で御議論いただくものと思っております。  なお、今回アンケート調査の結果としてお示ししたものは、御承知のとおり黒丸のとこ ろでございます。黒丸のところの、例えば1番の救急のところの複数の診療科による24 時間体制の調査、また診療ガイドラインの(1)から(3)、あとはチーム医療の(1)から(2)、あと は医療の質に係るデータということで、この関連を今回特別調査として実施した次第でご ざいます。このあたりを中心に御議論いただければと思います。  事務局からは以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。続きまして佐藤委員のほうから御説明をお願いします。 ○佐藤委員  まず初めに、このたび日本病院薬剤師会によるDPC病院における薬剤師の病棟業務に 関する実態調査をお示しする機会をいただきまして、ありがとうございます。  今回の調査は新しい機能評価係数候補として、医師、看護師、薬剤師等の人員配置(チ ーム医療)による評価に関するものであり、6月8日のDPC評価分科会で報告いたしま した3月における調査に引き続くものとして、今回の厚生労働省による特別調査の調査対 象期間及び調査内容にあわせて、薬剤師の部門についてさらに詳細な調査分析を行ったも のであります。今日の参考資料の3の12ページにわたる資料をもとに、その概要を御説 明いたしたいと思います。  1ページ目は要点をまとめたものでございます。  続きまして、2ページですが、調査の概要としては、同じ調査期間であり、また回収率 というのも3月と同様、約70%でございました。  続きまして、3ページ、4ページ、5ページが1つのカラムでございますが、就業中に 病棟に勤務している割合別の薬剤師数ということでございます。これは一応厚労省と類似 してはございますので、細かいところは次の4ページ、5ページを見ていただきたいと思 います。  4ページの図1は、1施設当たりの薬剤師数を縦軸に、病床規模と特定機能病院をあら わしております。また、図については、これは今度病棟業務の100床当たりの薬剤師の 時間でございます。  これらを見ますと、病床数が小さいほうから400床、さらに特定機能病院と増すごと に、図1でございますが、病棟勤務8割以上の黒いカラムの、薬剤師が積極的に配置され ているというデータでございます。図については、さらにその中で、規模の大きな施設ほ ど、病棟に勤務している割合が高い薬剤師が行う病棟業務比率が大きくなっているという ことも示すデータです。  5ページはそれをプロットと箱ひげ図にあらわしておりますが、これの意味するところ は、病棟勤務の割合で区分しますと、特定機能病院というものは、病棟勤務8割以上の薬 剤師による病棟勤務は常に一定でございますが、この200床の左側のほうを見ていただ くと分かるのですが、区分別の中央値というのは実はゼロでございます。ということはど ういうことかといいますと、ある少数の施設が特に積極的に病棟業務を行っているという ことで、かなりばらつきがあるということを示しておりますので、必ずしも平均値があて にならないということでございます。  続いて6ページでございます。この6ページは6、7、8ページが1つの対でございま すが、今度は病棟の診療科目別の薬剤師数でございます。病棟薬剤師が内科、外科とか薬 を使うところだけ配置されているのではないかという御議論もございましたので、全診療 科及び歯科でしょうか、を対象に調べたものでございますが、その結果としては、表3の ほうにも書いてありますが、診療科目によらず、100病床当たり約0.85人程度の病 棟薬剤師が配置されているところでございます。  そして細かいプロット図としては、図4−1が内科、小児科、精神科、外科、8ページ 目の図4−2が整形外科、産科婦人科、眼科、耳鼻科、皮膚科、歯科、その他でございま す。このプロットの1ポイントが1施設でございます。  続きまして、3番目、9ページでございますが、在院日数と病棟薬剤師数との関係、こ れも先ほどの厚労省のほうのデータにも出ておりますが、このものは、やはり在院日数の 指標が大きい施設というのは100床当たりの病棟薬剤師数が多い傾向にあるということ と、特に施設規模の大きければ大きいほど顕著になっているということを示しております。  続きまして10ページでございます。10ページは先ほどの厚労省の御報告にあります 救急体制のことと類似しておりますが、オンコール体制とかいわゆる専任、専従に対して も、基本的にはどちらかをやっているというものが小さい病院でも80%以上、大きな病 院ですと95%以上は、何らかの形で夜間の処方に対応しているということの指標でござ います。  実は最後の5番目、11ページと12ページが多分一番新しいデータで、少しこれは詳 しく御報告させていただきます。病棟薬剤師が本当にどの程度貢献しているのかというこ とに対して、今まで我々もデータを持っていませんでしたので、病棟薬剤師の医療の質と か安全に貢献したケースというものとか、もしくは入院患者さんやその御家族もしくは医 療スタッフ、医師とか看護師にいろいろ対応して、感謝とか評価された事例を求めました。 1,102施設のうち742施設から6,621事例という、我々の想像を超えるような 回答がございました。  そして、その中から薬剤とか病棟業務に関する事例をキーワードとして検索を行い、出 現頻度が1%以上のキーワードを、12ページの表に示してありますが、その中でまず、 この回答事例の具体例として、典型的なものでございますが、6例ほど御紹介したいと思 います。  1番目が、医師の手術の指示(白内障)は、右目で出ていたが、実際に治療が必要なの は左目だった。術前日、入院してきた患者の薬剤管理指導を行ったところ、処方されてい る薬剤の指示などがすべて右目に入っていたので、患者さんに確認したところミスが発覚 し、指示の出しなおしをして事なきを得たというものが1つ。  2番目は、肝移植を行った患児さんのことですが、薬剤師は、手術前後の患児管理プロ トコルの作成から協力し、医師、看護師、移植コーディネーターなどとともに、チームを 組んで患児の管理に取り組んだ。術後は連日約1時間のカンファレンスに参加、薬剤師は 処方薬の提案、用法用量の設定、副作用モニタリング、TDMなどを請け負った。現在も 入退院を繰り返し、難渋する際はチームで対応している。これまでの患児の治療に対する 貢献を各スタッフから感謝されるとともに、その患児は将来薬剤師になることを希望して いるというようなことでございます。  また3番目は、抗血栓作用を持つ薬剤の手術に対しての影響に関して、術前の休薬期間 がどの程度必要かを検討した。その薬品ごとに休薬日数を決めて、表にして配布したとこ ろ、術前の中止薬が確実にできるようになるということで、医療スタッフから高い評価を 得たというものです。  次は、注射薬で多剤併用している患者さんのルートをどのようにしたらいいかというこ とで、これは看護師さんからの相談ですが、同時に点滴静注していいかとか、別ルート、 配合変化等のためのほうがいいかということを、やはりすばやく情報提供することで医療 の効率化とか質の向上に貢献できた。  次は典型的でございますが、心電図上、PVCが多発、痙攣の患者が夕方緊急入院にな った際、病棟にいた薬剤師が過去のその患者の入院時の処方歴を覚えていたということで ございます。直ちに持参薬を確認したところ、ジゴキシン製剤のラニラピッドが持参され ていたので、すぐに主治医にジゴキシン血中濃度の測定を提案した結果、何と3.18 ng/mLと高値であったため、すぐに服薬中止を指示し、また対処療法を提案したということ です。  最後に、入院患者に対しては、病棟常駐ですと入院当日もしくは翌日に、薬剤師が初回 面談を行うということが多くて、それが現在では入院患者当たり80%となるというもの です。ところがそれをやる前は46%だったということで、非常に効果が上がるというこ とでございます。  それでは最後でございますが、12ページでございます。これは4つのカラムがござい ますが、その3つは縦軸に、左の上から御説明いたします。病棟業務に関する事例として は、情報提供、中止、持参薬、ずっとございまして、キーワード出現頻度が横軸でござい ます。この情報提供と中止と持参薬がほぼ2割以上ということで占めています。この中止 というのは、薬の副作用とかいろんな問題点、抗菌薬の問題等の中止を指示しているとい うことでございます。それが大きい。あと順次追って……。  右側は、実際そのキーワード出現する薬剤でございますが、先ほどのカルバペネムのお 話もそうですが、やはり一番上位が抗菌薬、そして抗悪性腫瘍薬、抗血栓薬、以下でござ います。  左下のカラム、職種のキーワード出現です。本来薬剤管理指導業務は患者さんのみに対 応して、なかなか医師、看護師へのサポートがないじゃないかという御批判に対して調べ ましたところ、これは感謝されたとかそういう事例でございますが、医師がやはり50% を超え、また看護師も20%ございます。  最後、この薬剤師の病棟配置が多い施設ということについて御説明します。これは1と いうものがこの全事例のキーワードのベースでございますが、実は、やはり病棟に8割以 上常駐するということが多ければさらによくなるかどうかということを調べるために行っ たものでございまして、これは8割以上いるというようなものを、全事例が1に対して、 8割以上病棟配置ということをした場合に、1.5倍以上さらにキーワードがふえた、つ まりそれで貢献したと思われるものをあらわしたものでございますが、これを見ますと、 100床当たりの病棟薬剤師数が多く、かつその業務の大半が病棟勤務の割合が8割以上 の薬剤師で行われた場合には、通常の病棟業務よりも薬剤の適正管理、例えばこの場合で すと配置薬とかOTCですね、これらの適正管理ができるし、また薬剤の適正投与、この 場合ですと剤形、薬疹、薬歴、与薬もでき、また医療の質の向上としてはQOLとか感染 症について、また、さらに医師、看護師の負担軽減という面では、ミキシングとか混注に 関するキーワード出現頻度が高いということで、やはり薬剤師の病棟常駐の比率を上げる ことは、それだけ医療の質とかがよくなるということでございます。  ということで、以上、全体をまとめますと、1ページ目のこの要点に書かれております ことでございますが、DPC関連病院では、薬剤師が全体の60%近く常駐していること であり、特に8割以上の薬剤師が9%ですが、その薬剤師の全病棟業務が約35%だった ということ。そしてあとは、1つ飛ばしますが、病棟薬剤師が勤務する病棟においては、 診療科目によらず、100床当たり0.85人程度の薬剤師がいるということです。そし て、在院日数もやはり100病床当たり、病棟薬剤師が多いほうが在院日数の指標が大き いということでございます。  ということで、以上、これらの結果を勘案しますと、DPC関連病院では病棟に薬剤師 が常駐することにより、医療の質向上や医療の効率化に貢献することが調査からも示され たということでございます。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明につき議論を進めたいと思います。  まず最初に、新たな機能評価係数に係る特別調査のところで、まず救急医療の提供体制 というところで、こういった形で分析すればいいのではないかということも含めて、御意 見をちょうだいしたいと思いますが。はい、どうぞ。 ○齊藤委員  ちょっとその前によろしいですか。  基本的なことなんですけれども、厚労省でこの機能評価係数に関する特別調査、箱ひげ 図にまとめていただいたのですが、意外と横軸の指標を振っても縦軸にほとんど変動がな いと。独立変数を変えても従属変数のyのほうはほとんど変わらないというものも多々あ りますよね。そういうものは評価係数に落とし込むということは意味があるんでしょうか。 それとも、どっちにxがどう振れてもyが全然変わらないんなら、これは評価係数にはな じまないなと、そういう考え方になるんでしょうか。ちょっとその基本的なことがいまい ち飲み込めないもので。考えを教えていただきたいです。 ○長谷川補佐  私もうまく表現できるか分かりませんが、つまりx軸、y軸をどのようにとるかは、ま さにこの分科会での御議論だと思います。 ○齊藤委員  だから、仮にここで幾つかx軸を振ったけれども、yが全然変わらないというものもた くさんありますよね。そういうものでも、そのまま評価係数に落とし込むという余地もあ るんですか。あるいは、xを振ってもyが全然変わらないものは、まあ評価係数にはなじ まないから、xのとり方やyのとり方を考え直しましょうと、そういう別の次元を求める のかですね。その辺の考え方はどうでしょう。 ○長谷川補佐  そのあたりについては、実は今日、参考資料でお持ちした参考資料1ですね、1の2ペ ージ目のところで、今後機能評価係数で採用したほうがよいんではないかという項目が、 1から7まで並んでおります。  基本的にはこの項目に沿ってDPC係数を採用していこうということで意見の一致を見 たと思いますが、その観点から評価すべきであるんですが、必ずしもこの1から7が今回 お示ししたx軸とy軸に反映されているわけじゃございませんので、そういう意味では今 回、こちらの3ページに一覧表ございますが、その一覧表を今後絞り込むに当たっての参 考として、こちらの本日お示しした調査結果を見ていただければと思います。 ○齊藤委員  1から7はこういう箱ひげ図を全然どなたも見ない段階で決められた指標ですよね。だ けど見てみたら、このxが仮にゼロであっても10であってもyのほうは全然変わらない んだということなら、これは評価係数に落とし込んでも余り意味のある数字にはなりにく いなと、そういうふうにつながることでよろしいんでしょうか。考え方としては。 ○西岡分科会長  どうぞ、この件に関することですか。どうぞ、お願いいたします。 ○相川委員  確かに、齊藤委員のおっしゃるようなこともありますね。これはy軸のとり方にもよる かとも思いますけども、一方、y軸の中央値あるいは平均値は変わらなくても、レンジが 非常に開いているものに関しましては、機能係数に落とし込めるものもあるんではないか と思います。  例えば、救急のところでいいますと、5ページの左の図ですけれども、三次救急を標榜 している230の施設のうちで、実際に救急車搬入ありの患者数が、6カ月について1, 500ということですね。だから6カ月について1,500を超える施設もあれば、6カ 月で100を割っている施設もあるということです。  一方、三次救急施設に関しましては補助金が出ているわけですけれども、このように、 三次救急を標榜していながらもかなりレンジが開いている場合には、やはり、救急車搬入 ありの患者をある程度以上とっているところにはその機能を評価するというようなことも あり得るのではないかと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  齊藤委員、今のような御説明でよろしいでしょうか。 ○齊藤委員  はい、よろしいんですが、例えば箱ひげ図で平均値が少し上がっているように見えても、 非常に高いものがあって少し上に引き上げているけど、全体として見れば、やっぱりそん なにxを振ってもyは変わっていないなという指標も多々あるわけですよね。それを、た だxが、その評価係数に落とし込んで、yにして、例えばある係数にして掛けていくとか 足していくとか、そういう作業というのはあり得るのかなという基本的な疑問があるもん で、ちょっと伺ったんです。 ○西岡分科会長  それに関して事務局、何かコメントありますか。よろしいですか。  確かにそこが非常に重要な問題で、私たちもこれがどうして機能係数に変えられるのか ということなんですが、今の相川委員のような御説明のところをうまくピックアップして いければ、いけるのかなというところですが。 ○齊藤委員  相川先生言われたような部分をね、えぐり出すような指標であればとてもいいと思うん ですよね。だけども、ただ漠然と何人来たからどうかというのを見ると、ゼロであっても 100人であってもちっとも変わらないというんなら、みんな一律にげたはかせてみても 余りややこしくなるだけじゃないかなという、非常に素朴な疑問があったもので伺いまし た。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。全体的に、できれば順番に個々のケースで議論さ せていただくといいかなと思うんですが、まず全体的なこと。どうぞ。 ○山口(俊)委員  今、救急の関係でいいですか。救急の話で。 ○西岡分科会長  ああ、救急。じゃ、救急のほうで御議論お願いいたします。 ○山口(俊)委員  このy軸はDPC対象のうち、救急搬送というところにずっと来ているんですけども、 救急車で運ばれていることが本当にしんどさをあらわすのでしょうか。何か僕ら外科医か ら考えたら、手術をしたのかどうかとか、むしろそういうものを指標にとられたほうがよ いように思うんですけど。私救急は素人ですけども。いかがでしょう。 ○西岡分科会長  何か事務局のほうでお答えございますか。 ○長谷川補佐  一応オペ数は確かに御指摘のとおりにとれます。  あとは時間外受診なのかどうかという点もとれます。さらに言いますと、予定入院でな かったと、緊急入院も確かにデータとしてお示しは可能でございます。 ○西岡分科会長  美原委員、どうぞ。 ○美原委員  今、先生おっしゃったんですが、救急医療をやっている現場の意見としては、救急とし て実際にオペするかしないかというよりも、その体制を整えておくことが非常に重要で、 それに大きなマンパワーとかコストもかかっているのが現実です。  例えば、今t−PA加算がついておりますが、t−PA実際にした人だけにお金がつく わけですから、実際にt−PAのシフトを引くわけですね、救急隊からこの人t−PAか もしれないよ、そうするとドクターと放射線技師と検査技師をぱっとそろえて、実際にt −PAになるのは10%いっていない。その分は全部チャラになるんですね。  それから、もう一つこういうような救急医療の数を考えた場合に、やはりかなり地域性 というものを重視しないといけないと思うんです。大きな都市ではたくさんの数があって、 大きな病院があってたくさんの数が来るかもしれない。地域においては、それほど大きな 病院でなくても、かなり地域の中に貢献しているという病院もたくさんあると思うんです ね。  ですから、じゃ、一体どういうようにしたらいいのかなといったときに、やはり実際に 救急入院というのは、病院運営側とすると非常に割の合わない、予定入院のほうがとても いいんです。私どもは脳卒中やっておりますので、どうしても検査が入ってしまいますの で、それでも救急医療をやっていかなくてはいけない。  つまり何が言いたいかというと、救急医療を考えたときにやはりその体制、患者様が幾 ら入ったかというよりは、その体制にある程度評価することが、より地域における救急医 療の充実につながるんではないかなというふうに思います。その辺を考えていただければ と思います。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  ここに出ている5、6、7、8ですかね、8は別として5、6、7という、このページ のところに出てくるのは、縦軸はDPC対象患者のうち救急搬送ありの患者というもので すけど、横軸はいろんな切り方をしているわけですね。  これ、こういう資料を出したときに何を評価するかということを考えなくちゃいけない わけでして、例えば、この7ページのところにある救急体制というのが例えば話題になっ たときに、I、II、III、IV、Vという分け方を評価するのかどうかということになってく ると思うんですね。  物すごく、これ見ていると日本の救急医療というのはこういうものなのかって思っちゃ うんですけど。III番目が最も多いわけですね。つまり、病棟で働いていて、患者さんが来 た場合に駆けていくという。それをどんなふうに評価するのかということにしないと、縦 軸の高いところを評価するんだという意味ではなくて、こういう、どの体制を評価するの がよいのかというふうに考えていかないと、何か係数を考えていくときに非常に見誤って しまうんではないかなというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  既に救急の各論になっていますので、私も今の御意見には賛成ですし、また美原先生の 御意見にも賛成です。  既にこのことに関しては、幾つかは具体的な議論が進んでおります。また、特にある専 門性に偏った、ある専門をやっている場合、例えばがん専門の病院、救急患者の数という のはこれまた違うことでありますけれども、そのようなことも忘れないようにしつつ、参 考資料の1のめくった次のページ、ローマ数字のIIの次期改定での導入を検討するための さらにデータ分析が云々というところでは、分母と分子に関してはいろいろな検討が既に なされております。美原先生の御意見に多少関連するかと思うのは、この上から3番目の (1)−3ですかね、2次医療圏の人口を分母にした場合ということもあるかもと思います。  また、先ほどの御意見で、救急車で搬送されて入院し、DPC対象になった患者という ことに関しましては既に議論がありましたけれども、これ分子ですね、救急車で搬送され たということを将来的に機能の係数の一つの指標にするとなると、救急患者が目の前にい ても「救急車呼んでください、自力では来ないでください」ということもありうる、ある いはタクシーで来た人はどうなのかというようなことも起こり得ますので、この辺のとこ ろも、やはり救急車で搬送されたものだけを対象にすると幾つかの弊害が起こり、はっき り言えば消防署が忙しくなる。このようなことも考える必要があるんですけれども、今回 の調査でかなりのところが、おさえられてきたのではないかなと思います。  先ほどの意見に関しましても、例えば今度は資料のD−3の7ページを見てみますと、 例えば分子を救急車搬送ありの患者、あるいはこれにプラスアルファして、救急車ではな いけれども休日や夜間に来た患者をプラスアルファとしてもよろしいんですけれども、7 ページの左の図ですけれども、ローマ数字のIのところ、これは専従の救急に対応する外 来の医師がいると。それからローマ数字のIIIは病棟の医師が何かあれば降りてきて診ると。 これで、縦軸のyの数を同じところでとった場合、やはり機能としてはローマ数字Iが確 実にいいですし、そのために病院も人件費を払っているということですから、その辺のと ころはこれを関連づけて、単に先ほどの参考資料のところにあった分母、分子だけではな くて、機能を評価できるようにかなり絞り込まれてきたと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。酒巻委員、そういった形での評価をしたらどうかということな んですが、よろしいですか。  どうぞ、池上委員。 ○池上委員  ちょっと全体として確認させていただきたい点は、このx軸についてなんですね。  それぞれ箱ひげ図の値を示していますけど、これはカテゴリカルな量について、例えば 診療科とか、それは診療科の数ということで連続で出ているんですけど、17ページの初 期救急患者数としてゼロ人とか20人未満とか、20〜40人未満。  これは、すみません、調査票を記憶していないんですけど、あらかじめこういう区分に なっているんでしょうか。あるいは集計の過程でこういうふうにしたんでしょうか。  といいますのは、ほかの、例えば32ページのカルバペネムについての患者割合につい ても、これは最初からこの分岐点は提示されているんでしょうか。なかなか、ものによっ ては、例えば33ページ見ますと、平均在院日数が0.2、DPC算定病院当たりの病棟 勤務時間割合で、0.2未満ってほとんどの病院が入るわけですよね。ですから、その箱 ひげ図でx軸がこういうふうに、たとえ中央値が並んでいるとしたとしても、数で全然違 うわけですので、まずこのx軸の分岐点というのは、当初からアンケートにあったものと ないものとがあれば、それを教えていただきたいという点と。  それから2点目は、もし仮に質問票にそうなっていたとしても、n数が例えば10%に 満たないようなグループで見ても余り意味ないんじゃないかという気がいたしますが、い かがなものでしょうか。 ○西岡分科会長  よろしいですか。お願いします。 ○長谷川補佐  調査票につきましては、お手元のファイルが、先生方お持ちだと思いますが、その前回 10月5日の資料の参考資料1のほうに調査票をおつけしております。  ですが、私も口頭のほうで御説明いたしますが、x軸につきましては、連続の数字でと れるものと、区分でお聞きしているもの、両者がございます。  最初、先生の御指摘の救急の患者数ですね、例えば17ページのところに関しましては、 横軸、確かに実数の数でとっておりますので、連続した分布でも、散布図等々でもお示し することはできております。  あと、一番最後に御指摘のあった33ページあたりですか、管理栄養士の横軸ですね、 ゼロ、0.2とか分けておりますが、n数がそれぞれ均等になっていないということなん ですが、実は最初の薬剤師のところの分布のところでn数が均等になるようにx軸をとっ たものですから、それが引きずられて管理栄養士、後ろの社会福祉士のところもその横軸 としてとっておりますので、このあたりは先生、御指示いただければ、適正に書きかえる ことは可能でございます。 ○池上委員  薬剤師においてはこういう区別は適切であったかもしれないですけれども、こういった 分布が極端に偏ってきますと、余りx軸としての意味がないんではないでしょうか。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  それぞれ薬剤師として区分を分けられたということで、それぞれの職種のところで均等 に分けるような形にするということの御提案でございますけれども、よろしいでしょうか。 ○長谷川補佐  細かく示せということで、実はこの、事務局のほうで申し上げるのも何なのですが、け っこう作業が大変でございまして、一応この区分にしたのは、実際の係数にするに当たっ てこれに類した基準で係数化されるのかなと、事務局が勝手に想像したものでこういう割 り振りをしておりました。可能な範囲で対応はいたしますが、もしかするとなかなか難し いこともあろうかと思います。 ○池上委員  それでしたら、まず散布図を提示していただいて、こういう段階に区切ることがどんな 意味があるか。つまり、グループとして分かれるようなのかどうかということを確認しな いと、これはこの中でどこを分岐点にするかという非常に難しい問題があって、その難し い問題を考える上で、まず全体の分布を見てからでないと難しいんじゃないかと。 ○長谷川補佐  努力して出すようにいたします。 ○酒巻委員  とりあえず、今日出ている資料について、十分吟味して何が言えるのかということを検 討したいと思うんですけれども、こうして見ますと、やはり医師だったらば専従とそれか ら兼任の人数というのをどんな割合で評価していくのかですね。それから看護師や薬剤師 や放射線技師、こういういろいろな職種の部分について、やはり専従や兼任というものに ついて評価していくかどうか。そこが非常に重要だと思うんで、これ見ると、やはりどう しても、しっかりした体制のところに救急車は集まっているというのが、まあ、ざっと見 た感じの雰囲気なんですね。ですから、やっぱりそういう人数を配置するということをき っちり評価することがいいのではないかなと私は思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ、金田委員。 ○金田委員  今の御意見ですけれども、きちっと体制がとれているところに救急車が集まる、それを 評価するという意見の一方では、大病院のない二次医療圏、そういう体制がとれないけれ ども重症者を受けざるを得ないし、そこで頑張って積極的に受けている現状が地方には多 々あります。さらにその中には、応急処置の後医師・看護師が同乗して往復何時間もかけ てより高次の病院に転院搬送が必要な場合は少なくありません。そういう場合の評価も是 非必要ではないかと考えます。 ○西岡分科会長  そういったところは、例えば先ほど相川委員が御指摘いただきました、例えば二次救急 をこれぐらい受けると、三次救急施設じゃないんだけども、救急車もこれだけ入れている といったような形のところで評価していくという指標も出てくるんじゃないかと思うんで す。一つだけの指標だとかなり難しくなりますので、幾つかの指標を並べるということに なるかと思いますが。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  今の私の発言についても、当然二次救急、三次救急、あるいは初期救急、そういう数に ついては十分評価をした上での話です。 ○西岡分科会長  ほかに、救急についての御意見はいかがでしょうか。  救急の受け入れの数、それからどういった形で受け入れているかということと、あと美 原委員からの御指摘もありますように地域性の問題、それからあとは体制ですね。どうい う体制で受け入れているか。この体制の部分がいろんな、医師、看護師、薬剤師等の配置 というところで評価できるのではないかと、そういったものをうまく組み合わせるという ことが必要じゃないかという御意見でございますが。  そういうところでよろしいでしょうか。またここに戻っていただいてけっこうなんです が。救急の次の課題のところに移らせていただきたいと思います。  そうですね、救急、トリアージ……。 ○酒巻委員  ちょっといいですか、救急のところまだ、トリアージ……。 ○西岡分科会長  救急のトリアージ。お願いします。 ○酒巻委員  トリアージも大変重要な考え方で、こうしてデータを見せてもらうと、ああ、こういう 実態だったんだなと改めて分かったんですけれども、非常に贅沢な体制ですよね、トリア ージというのは。しかし、救急医療というものの質を考えていくとトリアージをしていく ことが非常に重要だと思いますので、体制はやはり推進していけるような形にしたほうが いいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  これはかなりの施設で行われているというのが実態ですが、そうでないところも一部あ るというところでございます。一応このトリアージのところで、大体救急の数の問題と体 制の問題と、それからトリアージに対しての御議論をいただきました。  その次に、診療ガイドラインに関するところの御議論をお願いしたいと思います。  はい、どうぞ。 ○山口(直)委員  事務局に質問ですが、縦軸が平均在院日数という形でまとめてくださったんですが、こ の平均在院日数をもって何を表現しようとしているのかが、私にはちょっと理解ができな かったんで、その辺をちょっと御説明をいただけないでしょうか。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。 ○長谷川補佐  あくまで一つの代表例としてお示ししたもので、私どももいろいろ考えたんですが、な かなか思いつくものが、例えば薬剤の投与であるとか、いろいろあろうかと思うんですが、 いろいろ御提案をいただければそのとき作業させていただければと思います。 ○西岡分科会長  お願いします。御提案を。 ○山口(直)委員  提案はないんですけど、平均在院日数はちょっと違和感があるなと。要するに診療ガイ ドライン等々活用しているというふうなことと平均在院日数は、そもそも結びつかないも のではないかなと。提案はちょっと今から考えますが、とりあえず平均在院日数は違うん じゃないかと。 ○西岡分科会長  これはその次のクリニカルパスのときには、医療の効率化というふうなところで在院日 数が効いてくるんだとは思うんですが、もし山口委員のほうで、こういった指標で分析す べきであるというのがあればぜひとも御提案いただきたいと思います。  どうぞ。事務局どうぞ。 ○長谷川補佐  実はその平均在院日数も一つそうなんですが、この縦軸に当たっては、個別のケースが どうだとかそういうものではなくて、要は病院における患者全体を反映する何らかの数字 じゃないと不適切かなと思っておりますので、その辺も考慮いただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ガイドラインに関しましてはいかがでしょうか。自己申告で、実際にはデータとして出 てきておりますので、なかなかこれを指標にするのは難しいところもあるのかなというの があるんですが、もし何か御意見ございましたらぜひともお願いしたいんですが。  よろしいでしょうか。もしそうでございましたら、ちょっと山口委員のほうから縦軸、 y軸のほうの指標を御提案いただいて、これが病院全体の機能というふうな、今事務局か らおっしゃられた形での観点からの指標がうまく合えば、それを出していただくという形 で進めさせていただきたいと思いますので。  はい、どうぞ。 ○酒巻委員  これ、縦軸は連続数でないといけないんですか。縦軸をカテゴリー化していくというよ うな考え方はございますか。 ○長谷川補佐  対応としては可能でございますが、個別具体的に御提案はまた後ほどいただければと思 います。  あと、なおですね、ちょっと補足になるんですが、院内クリニカルパスとガイドライン なんですけど、24ページのnの数を見ていただければ、診療ガイドライン利用が62、 クリニカルパスが272、両方利用が1,200ということで、ほとんどの医療機関で何 かこういう対応をしているというお答えでございますので、恐らくここに差がつくような 評価方法を、何か導入するんであれば考える必要があろうかなと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。 ○池上委員  現実にこれは係数に反映させようとした場合には、それぞれの定義をもう少しきちっと しないといけないと思います。例えばトリアージとは何かとかですね。 ○西岡分科会長  それは先生、もう決まっています。トリアージとは何かというのは。 ○池上委員  いや、でもこれは診療報酬に規定する場合のトリアージというのを決めないといけない んで、これで係数がつくとなると、極端な話何でもトリアージということになりかねない ですし、カンファランスといっても何をもってカンファランスというのかという、じゃ、 その議事録があるのか、どういう担保があるかということを規定しないと、このアンケー トにおける結果と実際に係数として反映された場合の実態とは乖離する可能性は十分ある と思いますので、もし係数にするんだったら、これは分科会として何をもってトリアージ とするか、何をもってカンファランスとするかと、そしてまたその担保をどうするかとい うことについても十分に検討する必要があると思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。御指摘のとおりだと思います。  じゃ、この問題は、さらに御意見があると思いますのでいろんな御意見を出していただ くということで、本当に機能係数にできるかどうかというのはそれからまた考えていくこ とになろうかと思います。そんなところでよろしいでしょうか。  それから、あと人員配置とチーム医療のところでございますが、御意見をお願いいたし ます。  どうぞ、美原委員。 ○美原委員  チーム医療って非常に重要だろうと思うんですが、これがどのように医療の質を上げて いるかという指標を求めるのが非常に難しいと思います。現場ではチーム医療をやってい ると、確かに質は高いんだなというような実感はあるんですが、なかなかそれを数値化す ることができないというのが僕自身の悩みでもありました。  そうしたときに幾つかやってみたんですけど、今の診療報酬体系では看護基準だけで点 数が決まっているわけですね。そこに栄養士さんがいる、MSWの人がいる、薬剤師の方 がいるといっても点数に反映されない。じゃ、同じ7対1看護の病院で、いろいろな業種 の人が、各職種がいることによって何が違うんだろうかということを、実はちょっと調べ てみたんです。ところが、余り出てこないんですね、思ったほど。思ったほどというのは、 数値化、見える化がなかなかできなかった。例えば、僕は直接看護時間が非常に重要じゃ ないかと思ったんですが、余り差がなかったんですね。  で、カンファレンスというのがありました。先ほど池上先生、カンファレンスとは一体 何ぞやといったときに、実はカンファレンスは病棟からナースがいなくなっちゃったり、 患者様のそばにいなくなるほうがよっぽど問題なわけです。僕がやはり一番、実際にチー ム医療として本当にチーム医療が重要だなということは、スタッフがそこにいてくれるこ とだろうと思います。例えば、先ほど薬剤師の方からのお話がありまして、そこですぐ問 題が聞けるだとかすぐ分かるというのは、薬剤師の方が薬局にいるんじゃなくて病棟にい ることによって初めて事ができて、そこのところであえてカンファレンスじゃなくていつ もいるということだろうと思うんです。  ですから、いろいろやってみたんですが、例えばMSWの人がいると何がなるかという と、うちの場合は取りっぱぐれがなくなるということなんですね。未収金が少なくなると いうことです。それから、栄養士の人がいると何がよくなるかというと、経口摂取の始ま る日にちが早くなりました。とかとか、それぞれ一つ一つはあるんですが、それを全体と してどうやって見える化しようかといったときになかなか難しいなと。  ただ、一つ言えるのは、恐らくは、いろいろ今まで僕らもチーム医療、チーム医療とい って、病棟に行くんだよといっても、本当に初めてそこに行くことによってしか、そこに スタッフがいることによってでしか、なかなか実感としてのチーム医療ができたという感 じはしなかったと思います。  以上、何が言いたいのかというと、やはりチーム医療というのはそれなりに評価してい ただきたいように思います。というのは、やはり看護基準だけではなくて、本当にチーム 医療というのはやはりいいものだろうと思うんですが、ただ、それをどうやって、アウト カムを見える化するのは難しいなということです。  以上です。 ○齊藤委員  この機能評価係数をどう決めるかというのは、なかなか今日のデータ見てもすごい難し いなという気がするんですよね。だけども、僕ら日本病院会なんかでもいろんな調査して、 やっぱり当選確実というか、必ず反映させるべきだというのは救急なんですね。地域医療 に対する貢献、救急における貢献というものは評価係数に落とし込む。今は補助金とかそ ういうものにすがってやっている部分が非常に多いけども、補助金というのは非常に流動 的なものだから、救急を評価係数に落とし込むべきだというのは、最大公約数というか当 選確実ラインだと思うんですね。  それをどう考えて、どういう指標でその救急の中身をきちんと評価できるのか、あるい はその地域に対する貢献度というものが評価できるのかということを、まずやっぱり、今 日のデータでも最初にありますけど、決めていって、そういう視点でほかのものを、xが こうならyがこうなるかどうかということを見ていくと。  だから、相川先生にできればぜひ教えていただきたいんですけどね、救急についてxを どうすればyがどういうアウトカムとして掌握できて、それを評価係数にどう落とし込む ことが可能だろうと。そういうプロセスが救急でなければ、ほかのものはクリニカルパス であってもガイドラインであっても、それをとるということは一体何になるとかという、 必ず批判にさらされることになると思うんですよね。  だから、ここはやっぱり相川先生の救急のとらえ方ですね、そこら辺がなければこの評 価係数そのものが揺らがざるを得ないなというぐらいの感じがしますね。ただこれを落と し込めばいいという、例えば基本問題小委なんかの考えがあったとしても、ただその指標 を突っ込めばいいってものじゃなくて、突っ込んだら何が分かるからと、そういうことを しっかり説明できることにしなければ、DPCの体系としては成立しないと思うんですよ ね。こういうものを突っ込んだらこんな数値になったって漠然と言ってみても、これはだ れも納得できなくて、制度設計としては非常にお粗末なものにならざるを得ないですね。  だから、やっぱりフォーカスはまず救急ですね。ここ。 ○西岡分科会長  相川委員、お願いします。 ○相川委員  救急に関して、まさにおっしゃるとおりですが、なかなか難しいですね。  というのは、私は主に大学病院の現場にいましたが、医師によっては、自分は救急の専 門医でなくても当直はしっかりやっているよと考えている、またそういう人たちだけで支 えられている施設もありますし、また自分は救急科専門医の資格を取ってやっているんだ よということもありますが、救急そのものの定義というのが非常に漠然としている。  前にも言いましたけれども、時間外診療と専門性のある救急医療とは似て非なるもので す。その辺のところも含めて、かなりデータは出てきてはいると思います。公平、公正に 指数をつくっていくという意味で、どこを反映するかということは、既に分母、分子にも ついて言いましたし、横軸についても少し、x軸の別のデータも出てきていますけども、 一部に関してはやはり分布なども調べるなり、三次元的な検討もしていかなければいけな いと。  国民が何を求めているかというと、まずはたらい回しが、まあ、たらい回しという言葉 はないんですけども、救急患者が発生したときに、なるべく迅速に受けていただく。今度 は、ただ救急の患者をいっぱい取っていればいいかというとそうではなくて、それに対応 する機能も備えていると。アウトカムで見るというのはなかなか難しいので、やはりその 辺のところかなと。機能で見るということは、結局は人をどのぐらいそろえているかとい うことかなと思います。  それからもう一つは、先ほど山口先生がおっしゃったように、緊急手術をしているかど うか。これも前に私は分子のところで緊急手術ということを言いました。予定手術でなく て緊急手術というのは、これはそもそも救急であって、特に時間外、夜間や休日でなくて も、普通に来た患者さんが急に、これはすぐ手術しなければいけないということもあるわ けです。そうすると、これは救急というカテゴリーではなくても、救急には重複しますけ れども、緊急手術もそれをはっきり定義できれば、機能係数として挙げられるかなと。緊 急手術が必要になったらほかの施設に送るという施設もあるでしょうし、そういうものを 引き受けて緊急手術をやっていると、これが救急という解釈になるかもしれません。  そのようなところはやはり幾つか分子が出てきましたので、分母と分子を調整して、1 つの指数じゃなくて幾つか、それぞれに係数を掛けて、例えばzイコールα1プラスα1 の指数プラスα2のような形で持っていければいいのかなと。最初のα1の係数を掛けた ところは例えば患者数、α2を掛けたところは例えば救急に要員がどのぐらいいるか、α 3のところは緊急の手術をやっているか、α4のところは平日でもどのぐらい受け入れて いるかというようなところも含めて、一つのイメージとしては浮かんできたなと思ってい ます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  大変おもしろいデータだろうというふうに思います。特に薬剤師の人の病棟での張り方 というのが、いわゆる薬剤の管理料とまさにパラレルになっているし、それから管理栄養 士の人たちも入院栄養食事指導料という出来高の部分とパラレルになっているんだという のが分かるんだと思います。  ただ、薬剤の管理指導料が本当に必要、病棟の中で求められていることなのか。例えば 医師のサイドから言えば、抗がん剤の調製だとかリスクの高い医薬品の管理をきちんとし ていることのほうがより重要で、それについてはお金の取り方がついていないからこそ、 佐藤先生が出されたデータの中に余り強く出てきていないような気がするので、もう少し 見える化という意味では、現在必要とされているんだけれども点数化されていないものを 見るとか、それから、あと今の救急医療をやるときに、医師と看護師だけがいればいいと いうことではなく、緊急の検査ができる放射線技師がいたりとか、臨床検査技師がいたり とか、それから薬剤師がいたりという、そういう常に、患者さんがいるいないは別にして、 用意をしておかなければいけないところにコストがかかっていて不採算になっているとい うことを、もう少し評価をしないといけないのかな。  だから、薬剤師数の評価にしても、その薬剤師が病棟に行っていることではない別の評 価指標が正しいんではないかというような気がしました。 ○佐藤委員  伊藤先生の御指摘ありがとうございます。  まず最初の抗がん剤の件でございますが、まさにそのとおりでございまして、実は特定 機能病院等含めてDPC病院に関しては、実は無菌調製が非常に重要だということになっ ておるんですが、実はやはり診療報酬上のフィーが丸められているということで、そうい う面でどうしてもなかなか業務が進みません。本来は病棟に行って、できれば専従したい ということが大きい病院ではあるのですが、無理をして配置して、その結果、その人員を 薬剤部から病棟に取られてしまいながらも、でもその評価がされていないので、継続的に 余り人が出せないという、そういう泥沼に入っているということございますので、ぜひ何 らかの形で、出来高払いの外出しでもいいんですが、評価していただければと思っていま す。  あと、最初のほうの薬剤管理指導業務については、やはり伊藤先生、薬剤部長を御経験 されたことでの御批判と思うんですが、私個人としては、この20年間ぐらい薬剤管理指 導業務というものを一応推進しておりますが、やはりその問題点としては、単に薬の管理 とかそういう、副作用チェックだけという部分だけに偏った部分のところが、実は小さい 病床数の病院では多くて、本来はそこではなくて、病棟にいることによっていろんな、先 ほどもお話したようなリスク管理等するのが本来ではないかというふうに思っております。 大きな病院と特定機能病院については、多少そういう面の人的余裕を置いてそこに設置を しています。ただ、それもやはり私立大学病院では、通常でも病棟常駐の配置ができると かがあり、例えば、小山委員の大学病院もすぐにできますが、やはり我々大学病院でも、 少し病院経営が、厳しいところはやりたくともできないというところがあります。したが って、多分このような経過措置が、今回お示ししたデータになっているのではないかと思 っております。ぜひそういう面では、薬剤管理指導業務、全体的な病棟業務に関して、個 人的な意見でございますけど、常駐化するというような面のほうに、本来は転換してもい いのではないかと思っております。診療報酬の問題は、日本病院薬剤師会のほうの問題で ございますので、そちらの御意見もいろいろ聞かなくてはいけないと思いますが、一応、 提言としては、そうでございます。 ○山口(俊)委員  チーム医療は非常に重要だと思います。やっぱり非常に機能の高い有効な、効率のいい 質の高い医療を提供するために絶対必要だと思います。  その前提として人員配置が必要だということもよく分かるんですけれども、ただ人を張 りつけただけでいいとは必ずしも思いません。やっぱりそこでコミュニケーションがない とだめです。  もう一つは、じゃ、この配置したところをどう評価するか。チーム医療をどう評価する かということですね。私自身は、私は外科医ですので、手術がいかにうまく効率よく多数 行われて、外科医が満足する手術処理を行えたかというところに重きを置いています。例 えば外科医が今まで1週間に2件手術ができたのが、チーム医療をやることで、例えば薬 剤に関する余計な相談がなくなって手術に専念できた結果、3件できるようになったとか。 つまり、外科医がこなせる件数を指標の一つにするとか。  あるいは、手術室を各病院持っていますけれども、それがどれぐらい稼働しているのか。 せっかく医療資源として投資したのに、実は手術室がほとんど使われていないとか、そう いう事情もあるかと思います。それがどのようにチーム医療をやったことで改善されたか とかいうこともぜひ視点に入れていただければ、今の外科医不足もかなり改善されると思 いますし、外科医の満足度も非常に上がるんじゃないかと思います。  以上です。 ○長谷川補佐  さまざまな御意見ありがとうございます。  実は今御議論いただいた内容で望ましい医療の在り方、チーム医療の在り方等々含めて 御議論いただいたと思うんですが、実際に係数に落とし込むに当たっては、私ども持って いるデータとしてはEFファイルですね、出来高の細かい項目のデータ。あと、それと今 回調査いたしましたアンケート調査のこの結果をうまく活用して、いかに係数化していく という議論でございますので、恐らく望ましい部分につきましては、恐らく次の次時の改 定等での議論においてさらにされると思うんですが、とりあえずは次回の改定において、 具体的にどういう係数を落とし込むのかというところに、ちょっと若干焦点を絞っていた だければなと思う次第でございます。 ○伊藤委員  そういう点では、今のデータの中で、例えば救急をやっているときにその他のコメディ カルな人たちが配置されている施設について、重点的な機能というか、点数的な機能係数 をつければいいというふうに、このデータからは読めるんではないでしょうか。 ○酒巻委員  それは恐らく病棟においても、本当のチーム医療ではないとはいいながらも当てはまる んじゃないんでしょうか。 ○熊本委員  今事務局からお話があったように、今回の資料、特別調査というのは、参考資料の1で いけば絞り込み案の3ページのところですけれども、救急といえば、救急の白抜きの(1)か ら(4)までのことと、例えば今日出されているような体制ですね、それとか、例えばクリニ カルパスとか薬剤師の配置とか、そういったものとクロスで見るといいですね。そうする と救急のところがもっと出てくるという可能性があるかと思うんで、もちろん今の段階で 平均在院日数とか努力していただいたんですけれども、そちらの救急を明らかにするのに も使えるんじゃないかなという気がいたしますんで、白抜きの(1)から(4)も、これは今御議 論の中でも大分出てきました、緊急手術とか、または救急車で来ただけじゃないものがか なりあるんじゃないか。ですからそういったクロスで見るということをしていただければ、 あるデータの中で出てくる、見える化ができる可能性があるものという意味での提案でご ざいます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  今日藤森委員来ていただいているんですが、先生の研究班のところでいろんなこういっ た資料を御検討いただいていると思うんですが、今日の出されたデータに関してコメント をお願いしたいと思うんですけれども。 ○藤森委員  今日の救急がらみのところは余り検討は進めていないので、もっと手前の、次期改定で の導入が妥当と考えた項目の件でもよろしいでしょうか。  実はその効率性、複雑性、あるいはカバー率というものが、確かにこれ、なかなかその 病院の一つの診療の力というのをあらわしているんだろうなと思うんですが、やはりその 計算のときに、すべての症例を入れて計算したほうがいいのか、それともある程度で、あ る一定数以上の症例のあるDPCに限定する、あるいは基準となるDPCを選定して計算 するという、ちょっと技術的に少しクリアにしておかないと、少ない1例、2例のところ で引っ張られて非常にばらつきが大きくなるということがございますので、そこもぜひ検 討していただきたいと思っております。 ○齊藤委員  複雑性指数とか効率性指数ですね。これがなかなかちょっと、その算定方法からいえば それなりに納得できるのですが、それが例えば高いものはなぜ病院として評価されるべき なのかとか、そういうエビデンスというか、データというのはあるんでしょうか。つまり、 x軸の横軸に効率性指数とかそういうもの、複雑性指数をとったときに、縦軸に何をとれ ばはっきりした差として出てくるのか、そこが知りたいんです。 ○藤森委員  これは恐らく、すべての項目に関して共通する課題だと思うんですが、何を目的変数と しておくのかというところ、余りはっきりできないままにここまで来てしまっている部分 という部分もあるのかなというふうには。  すみません、生意気言いました。ただ、その中で、やはり例えば一つの効率性というも のに関しましては、これはやはり効率性が高いという形で、早期に退院をして社会復帰さ せると、これも急性期病院の医療のミッションでございますから、こういうものは恐らく そのまま評価できるのではないのかなと考えています。 ○齊藤委員  ちょっとよろしいですか。だから、入り口として重要そうに思えるというものは、この 基本問題小委で出した7項目とか、いろいろあるわけですよね。だけど本当にそれが、じ ゃ、病院の機能をしっかり反映しているのか、地域医療に対する貢献度を反映しているの かということがないと、やっぱりいまいち精度としては納得しにくい面もあるのかなとい う気がするのです。  それに関連して、今までは例えば縦軸に平均在院日数とったりしているけど、もっと要 素をたくさん入れて、いわゆる多変量解析、重回帰分析のようなものをして、寄与率の高 いのは何なのかとかそういう、少し、専門家の御意見も必要でしょうけど、突っ込んだ解 析するという余地がないのかなという気もしないではないのです。 ○西岡分科会長  こういった面に関しては、最初の複雑性指数、効率性指数のところでは、先生方の班の ところで多変量解析を最初におやりになっていらっしゃるように記憶しているんですが。 ○藤森委員  ええ、かなり早い段階でfn化させていただいて、評価の軸というものを松田委員のほ うから御説明があった、あれがそのままになってしまっている部分もあるのかなと思いま すけども、そのような視点が非常に大事だというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。池上委員。 ○池上委員  まだ私は効率性指数の意味が、どういうことを評価するのかという、よく分からないん ですよ。というのは、病院に対する経済的評価という観点からすると、効率性指数が高い と入院期間1あるいは2の範囲で退院している患者が多いということは、1日当たりの、 同じDPC分類に対しての報酬額が多いわけですね。既に効率性という観点からすると、 入院期間1、2で退院している割合が高いと、経済的な評価は既に得ている。それにさら にプラスアルファの評価をするという意味はどこにあるかという点と。  それと、もし、じゃ特定のDPC分類だけに限って効率性を評価するとなると、一層そ ういうことが生じるわけで、かといってすべてにするとランダムに長くなった患者の影響 を受けることになるので、どっちに転んでも余り意味がないんじゃないんでしょうか。 ○西岡分科会長  ちょっとこれ、誤解があると思うんですね。全国平均の医療費は入院期間2までいかな いととんとんにならないんですね。ですから、1の期間で早く退院されると、病院として は収入は実際は減ってしまうんです。 ○池上委員  それはDPC分類にもよると思うんです。 ○西岡分科会長  表向きのところで入院単価は高くなるんです。1日の医療費単価は高くなるんですが、 トータルの医療費としては決して高くなっていないんです。だから、それだけ入院はマイ ナス収益になっているということに考えているんですが、事務局どうでしょう。 ○池上委員  必ずしもそうではない……。 ○伊藤委員  取り扱い患者数がふえる可能性があると。 ○西岡分科会長  取り扱い患者数がふえた場合に、それで、例えば特定機能病院で取り扱い患者数がずら っと並んでいるときには、それでプラスになるんですが、個々の患者で見たときには、そ れがないところでは空きベッドがいっぱいできてしまって、逆にマイナスになっちゃうん です。 ○伊藤委員  空床になればマイナスになりますけど、だから空床率との関係なんで。 ○西岡分科会長  稼働率が実際には、都市部の病院ではそれでうまく成り立つんですが、それ以外のとこ ろでは逆に成り立っていないんですね。それが現状です。  ですから、ちょっとその効率性指数のところの考え方というのは、ちょっと誤差がある んじゃないかなと思うんですが。 ○池上委員  すみません、ちょっとその点だけ。それは病院経営としての判断であって。ここで言っ ているのは効率性ということを言っているわけですので、病院経営としての病院の収支に いいか悪いかということとは別の観点で、全体として効率的に医療を提供しているかどう かということを言っているわけですので、ちょっとそれは病床利用率とか病院経営の点と は別次元ではないかと思いました。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○池上委員  それから、いわゆる外科系の場合には、包括部分と出来高部分が大体半々ぐらいになり ますので、それによってもまた変わってくると思いますので。つまり、内科系の場合はあ る程度の日数、先生がおっしゃるような入院期間にまでいかないと病院の実コストと対応 できないということがあるんですけど、外科系のように出来高部分が大きい場合には、必 ずしも入院期間にまでいないと収支が合わなくなるということではないと思いますので、 いずれにしても病院経営上の観点と、それから病院の効率性に対してプレミアムをつける ということとは別問題だと思いまして、この複雑性指標ですね、そもそもどういう観点か ら御提案されて、そしてなおかつそれは、今おっしゃったように特定のDPC分類に限る となると、いよいよその意味がよく分からなくなります。 ○西岡分科会長  ちょっと議論がこんがらがって、混線しているように思うんですけども、実際の医療費 としては入院期間にまで、包括の部分は全国平均値が包括の入院期間2までいったところ が全体の平均値になっているわけです。それを短い期間で退院させてくれるということは、 患者さんにとってもメリットがあるだろうということが一つと、それから医療費全体の、 それだけで同じ疾患一個をとったときですよ、たくさん並んでいるときの話じゃないです が、一人の患者の一疾患をとったときには、やはり医療費としては効率化しているという 考え方が成り立つんじゃないかと思ったんですが、事務局どうでしょうか。 ○長谷川補佐  西岡先生の3点と、さらに追加するとすると、要は平均在院日数どんどん短くしますと、 病院にとって手間が非常にかかってまいります。次々患者さん変わってきますので、その たびにカルテ一式そろえたりとか、いろいろ問題があると思いますので、その部分につい ても評価はすべきじゃないかというように記憶をしております。  ですが、この1から4については、もうDPC分科会で御議論いただいて、基本問題小 委のほうで項目化するということで御議論いただいておりますので、どうぞよろしくお願 いいたします。 ○西岡分科会長  池上委員がおっしゃるのは、ちゃんとした意味づけをつけておかないと宙に浮いてしま うかもしれないということでございますよね。 ○池上委員  それとさっき、特定のDPC分類に限って複雑性指標を再計算されるということをおっ しゃったので、なお説明責任が難しくなる。 ○西岡分科会長  質問しますが、特定のDPC分類に限ってだけやるということじゃないですよね。むし ろ症例数の少ない事例も全部入れると。 ○藤森委員  2つの考え方があると思うんですね。やはりある一定のボリュームがないと、特にカバ ー率がそうなんですけども、1例あっても100例あっても同じ重みづけになってしまう と少し問題だろうということで、こういったものは多少やはりどこかでラインを引くとい うことは必要かなと思います。  また一方で、複雑性、効率性というのは、もともと1症例ごとの重みづけが入っていま すので、そのままでいっても構わないわけですけれども、一般にケースミックスで考える 場合に、コアとなるDPCというのは、やはり患者分類は設定していくというのは世界的 な流れになっていますので、オールでいくのか、ある程度、例えば500とか600とか 絞ってやるのかというような議論しておく、計算しておく必要はあるのかなというふうに 考えています。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○齊藤委員  この参考資料1のところに7項目あるわけで、これ基本問題小委から投げかけられてい るんですが、例えば皆検討するべきではないかとか、そういう質問調で諮問を受けている わけですよね。検討したけれども評価係数にはなじまないと、そういう答申があってもも ちろん構わないわけでしょう。それは医療の質を的確に評価しているというエビデンスは 得られなかったので、今回外しますと、そういう答申があっても構わないわけですよね。 ここに載っているから、何が何でももぐり込まなきゃって余りあせる必要はさらさらない のではないかなという気がするのです。 ○長谷川補佐  すみません、あと、ローマ数字I番の項目もちょっと私一部言い過ぎまして、基本問題 小委において時期改定の導入が妥当ではないかという答申をいただいているのみで、まだ 最終的には採用が決まっているわけじゃございませんので、その部分についてはこちらの 議論を経て、もちろん基本問題小委のほうに御意見できるという状況ではございます。 ○木下委員  事務局からいろいろと考えてくださいというお話もございましたけれども、これだけの 時間をかけてパラメータを選び、縦軸、横軸も何にするかを考えても、例えば平均在院日 数等でやってみても余り変化が出てきませんと、逆に言えば、どの施設でもある一定の機 能を持ちつつあるのではないか、あえてそれ以上に評価をしていくべき項目があるのかと 感じてしまいます。  先ほど池上先生が効率性だ、複雑性といっても、どういう意味があるかという話になっ てまいりますと、ある一定以上のレベルの病院では、一々評価しなくてもみんな同じでは ないかということになってくるとすれば、機能評価係数など包括点数を上げることのほう がもっと合理的なのではないかなという気がいたします。  そういいたいぐらい、本当に差をつけるのは難しい。齊藤先生は、確かに最終的には救 急のほうだと言われましたが、そのとおりかなということも思ったのですが、しかし、ど んなにやろうと思っても実は人がいない問題があり、なかなか実は難しい。現実的なこと は難しい。  また、美原先生が言われたように、体制もチーム医療も大事なのはよく分かっているけ ど、実際に、それに張りつけるとすれば、人を多く雇って本当に有効な、チーム医療をし ようとしても、やりたいんだけど実はできないんだというところもあるというような現状 を考えますと。チーム医療ができるくらいの点数を張りつけるほうがどれほど有効か分か りません。包括医療の点数を上げたほうがもっと現実的で有効なことができやしないかと 思います。  議論を何回もやってきて、最後になってまた考えてくださいということになりますと、 一体どういうことかということになってしまいます。実はこれだけ議論してきて、なぜ具 体的に機能係数が出てこないかというと、実際には当然計算したけど、本当はいいデータ が出ていないのではないかなという気がします。そうだとすれば、事実はこうだったと開 示して、機能係数ではない形の在り方というのも考えたほうがいいのではないかと思いま す。事務局はこれがいいというのならそれをお示しいただいて、皆が納得すれば、より生 産的ではないかなと思います。これだけの多くのデータが出てきても、何かどれもこれも 似たようなものでありますし、それこそ本当に意味があるものかなということになってし まいます。ちょっと突飛な話をしておりますけども、今までの御議論を伺っても、何か明 確な、一歩進むような議論がなかなか聞こえてこないので、別の視点からお考え願いたい と思います。 ○西岡分科会長  実際には木下委員のおっしゃるとおりでございまして、うまく差が出ないものを、むし ろこれは出ないから無理なんだというふうな答えが出ればそれでいいんじゃないかなと。 ○齊藤委員  今僕も木下先生が言われたとおりだと思うんですよね。  それで、さっき僕が救急って言ったのはね、外側から見れば救急というものは評価にな じむであろうし、という議論が長くあったことは事実なんです。だけどそれでさえもね、 指数化できないならば、他はましてや益々難しいのかなということで、救急を何が何でも 評価係数にして突っ込めと言っているわけではさらさらなくて、その辺、相川先生にさっ きちょっときつく振ったわけなんだけども、やっぱり相川先生の目からごらんになっても、 救急ってものを指数化することは意外と難しいんだよという話なら、それすらできないの であればほかのはますます困難じゃないかなという気もいたします。 ○西岡分科会長  ただ、余り否定的な話をされると困ってしまうんですが、少なくとも先ほど相川先生の お話にありましたように、救急に関してはある種の項目は指数化できそうであると。それ を、ただ1つだけとるんじゃなしに幾つかとって、合わせた形で出していけばいいんじゃ ないかというのが出てきていますし、それと同じような観点で、ほかのところでも指数化 できそうなものを指数化しようではないかというのがこの目的でございますので、よろし くお願いします。 ○齊藤委員  ちょっとよろしいですか。だから救急がうまくいけば、それを軸にしてほかのものも同 じような視点で数値化、それはさっき僕が言ったことで、救急がだめだから全部蹴ってし まえと言っているわけではさらさらないので、その辺はこの委員会の役割からいっても慎 重に考えるべきだろうとは思います。 ○池上委員  たびたび恐縮です。この効率性指数に対して、このx軸として挙がっているものとして は、病床規模、特定機能病院、DPC算定病床割合、それから3番目は総合病院、専門病 院、がん専門病院ということで、どういうことからこのx軸を選ばれたのかよく分からな くて、これで見る限り何かx軸で効率性で意味があるのは、がん専門病院だけのようで。 これはがん専門病院が効率性が高いんでしょうかという。ちょっと疑問に思いますので。 ○長谷川補佐  この資料は6月にお示ししたものですが、そのとき御説明したと思いますが、あくまで この横の病床規模については先生方に、この病床規模だとこれぐらいの数字だと、例えば 専門病院等々で切り分けるとこれぐらいの数字ですよということをお示しするために示し たものであって、別にx軸で何らかの基準で係数化していくという、事務局のほうにはそ ういう意図はございません。 ○池上委員  ですから、逆にx軸として何をとるかを決めていただかないと、もし係数にするんだっ たら難しい。何を反映するか分からないという気がします。  それから、複雑性指数についても、これも特定機能病院とがん専門病院が高くなってい ますけど、これのほうがまだ実感を反映しているような気がしますけど、それ以外のとこ ろは、必ずしも病床規模が小さいから、少ないからどうということでもないように見える ので、これは大体そう予測された結果なんでしょうか。それか、実感としてこういうもの。 ○西岡分科会長  今回出てきたのは計算式が間違っていたので訂正だけだということで、既にお認めいた だいたものなんですが、中央値で差がないから係数にとれないというものではないと思う んですね。多分ここでは、真ん中の図では、DPCの算定病床数がどのくらいの割合であ るかといったようなもので切り分けてみたということで、こんな傾向だということで出て いるわけです。これを全部一列に並べてしまってやれば、横軸と縦軸を、横軸をグレイデ ィエントで病床数をとり、それから縦軸をこの複雑性指数でとりというふうな形でとって いけば、先生のおっしゃる分布図が出てくると思いますので、そんな中で係数を構築する ということもあり得るんじゃないかと。だからこれは一つの、大体こういう傾向ですよと いうことでお出しいただいたものというふうに御理解いただけたらいいと思うんですが。 それで事務局よろしいでしょうか。 ○長谷川補佐  すみません、事務局からですけど、効率性指数については、要は、先ほども出ています が、平均在院日数の短い医療機関を評価するということで、どちらかというと政策的意味 合いを持って評価すべきというところから出ているかと思いますので、特段横軸、どこか の医療機関を評価するためにこれを導入という、そういう議論ではないかと思います。  ですので、最初に私申し上げましたが、政策的意味合いの数字もあるでしょうし、あと 実態の、先ほど絞り込みに当たっての考え方もいろいろ出ていますが、DPCにおいてD PCゆえに評価できていないところを評価すべきと、この両面があろうかと思いますので、 今後御議論いただければと思います。 ○木下委員  具体的に機能評価係数に関してお話を伺っていて、例えば特定機能病院である大学病院 等で、救急一つとりましても、そういうところの三次救急と、金田先生がたびたびお話に なるような、地域において、それこそ、三次救急ができないけれどもすべての救急を担っ ているような病院と、同じ救急でも全く意味合いが違うと思います。それを救急という1 つのパラメータだけで、もちろん幾つか変えるとおっしゃっていますけれども、やっぱり 病院の背景や、病院の性質も含めて、そういったところを非常に重要な機能を持っている とするならば評価するという意味では、一律に一つのパラメーターで決めていくのではな く、何かある種のカテゴライズした中で、こういったところではこういった機能を評価し て、その意味で点数をつける。地方として特殊な、救急の役割を持っているならその機能 を評価して、そういう形の機能係数の張りつけ方はできないのかなと思います。一律に評 価すると無理があり、それこそEFファイルからしか計算できないんだとおっしゃいます と、これなかなか難しい話であって、それだけでないファクターを入れなければ機能が評 価できないものがあるのではないかと思います。  どうも今までの議論から、皆様方がこれでいきましょうというのが出てこないというの は、そういったところに問題があるのではないかという気がします。例えばチーム医療に 対して、いろんなファクターを大きく2つか3つに分けて、こうやっていったら具体的な 機能評価係数ができるんだというようなことを示していただけないでしょうか。今までの ように一律にというふうなことになりますと、同じことの議論の繰り返しになるような気 がしますので、ぜひその辺のところも、それが無理なら無理として、こういう分け方は無 理だというお話をいただきたいと思います。  さらに、一歩進めていきませんと、どうも何か議論だけで終わってしまうような気がい たします。 ○相川委員  今おっしゃるところ、全くもっともなところで、今回機能係数をどうするかということ ですけど、機能係数の中には救急の機能係数とか、場合によってはチーム医療とか、クリ ニカルパスとか、いろんなものを足すなり引くなりしてトータルの機能係数が出てくるの かなと、私はイメージを持っていますし、かつ、その救急の機能係数におきましても、先 ほど言ったように、αの係数幾つかを足し上がってzというようなものが出てくるという 中に、例えばですけれども、三次救急というのは、これははっきりと申請されて決まって いますので、三次救急施設には最後にマイナス0.幾つとか、あるいはプラス0.幾つと か、そのようなことというのもイメージとしてはあり得るので、必ずしも救急に関しても 単一のものでなくて、かなり複雑にはなるけれども3つか4つの項目を考え合わせたもの を、まず救急の部分の機能係数として出し、それが全体の機能係数の一部となるというよ うなのが、私が持っているイメージです。それは先生がおっしゃったようなところともか なり含めて、地方、地域のことも含めて、それから、施設の規模も含めて、できないこと はないかなというのが私のイメージです。 ○金田委員  情報提供として申し上げます。今月号の「病院」という雑誌に載っていますけれども、 救急に関する平成19年の総務省消防庁のデータですが、救命救急センターに搬送されて いるのは全救急搬送の3%である一方、二次救急までのものが97%です。また一次搬送 のうち、57%は民間医療機関に搬送されているという事実があります。それだけ救急も 積極的に受け入れて重要な役割を果たしている民間病院が経営危機に瀕しているという状 況はぜひ改善しなくてはならないと思います。 ○西岡分科会長  医療政策上、前回の診療報酬改定のところで、三次救急のほうには手厚くされたんです が、実際一番必要とされている二次救急のところには手当てされていなかったということ もあるわけですね。  そういったことで、できればそれらを引き上げるような形で、それで相川先生がおっし ゃるような係数のAxプラスByプラスというふうな形でつくっていける指数としては、 ここでかなりのものは出していただいていると思うんですね。これが全く意味ないんだと 言われてしまいますとできないんです。やはりそういった係数化できるものが出されてき ておりますので、その中で係数化していって、それを全体に足した形で新たな機能係数、 とにかく次期改定における、まだまだいっぱい問題があると思いますけども、そういった ものをまずつくっていくというのがこの分科会の作業ではないかというふうに思っており ます。  ですから、そういった、その意味で、さらに解析すべきものがあれば言ってほしいとい うのが事務局からの御提案でございますので、実際にはかなり資料は出ているというふう に理解していいんじゃないかというふうに思いますが。  酒巻委員、どうぞ。 ○酒巻委員  今、最後のほうで出てきた議論のほかに、施設としてのカテゴライズをするかですね、 あるいは地域の特殊性というのをカテゴリーで分けて係数をつくっていくのかというとこ ろが、恐らく、そうすることもやむなしというふうに皆さん思っているのかどうかという ところだと思うんですよね。  私はやっぱり、それは幾らなんでも一本棒の尺度のところに全部合わせていくのは難し いと思うので、ある程度のカテゴリー分けは仕方がないんじゃないかと思うんですが、そ の辺の合意が皆さんの間でないと、多分なかなか出しにくいんじゃないかと思うんですが、 いかがですか。 ○西岡分科会長  結局そこのところは、特に救急に関してはDPC特異なものとしての検討をここでやる ということで、それ以外の地域性その他の問題点は、基本問題小委員会のほうでも議論す るということになっております。多分、各委員の先生方、やはりいろんな病院、施設の状 況で差があるんだろうということを御認識されていると思いますが、我々としてはそれを 指標にとるというよりも、基本問題小委員会に投げかけて、こういった解析あるいはこう いった形での評価をお願いしたいという形になるんじゃないかというふうに理解しておる んですけれども。 ○酒巻委員  そのことも含めて、ある程度はやはり、しかしこうカテゴライズ分けをするとこんな形 になりますよというのをある程度見せないと、多分基本問題小委員会にしても判断の方法 がなくなってしまうと思いますので、そういう意味でカテゴライズもやむなしということ を、ちょっと私としては思っています。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  その1つがかつて出ました、二次医療圏での状況とかというふうなデータがもう既に出 されているわけでございます。  私が余りしゃべってはいけないのですが、少しまとめるという形で、やはりせっかくこ こまで出てきたデータを、どの側面からいかに使えるかということを分析していただいて、 それを整理していただくということ、それから、もし今まで御議論いただきましたように、 こういった側面で分析してはどうかという御提案がありましたら、事務局のほうへぜひと もお願いしたいと思います。せっかくやった調査でございますので、できるだけ機能係数 に結びつけるような形で取り組んでいこうというふうな形で御提案いただければありがた いと思うんですが。  そんなところでいかがでしょうか。  事務局のほうから何か、御要望。 ○長谷川補佐  今日多くの宿題いただきましたので、私どもでちょっと解析をいたしまして、次回以降 お示しできるような形でと思っております。  それで、今後議論はしばらく続くと思いますので、またおいおい私どものほうに御指示 いただければ、そのとおり作業いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ではちょうど時間となりましたので、ただいまいただきました各委員の御意見を整理さ せていただきまして、これを次回の基本問題小委員会のほうに私のほうから報告させてい ただくようにします。よろしいでしょうか。 ○長谷川補佐  私どもその他のところで1点ございまして、先生方に、基本問題小委のほうでも中心に、 DPCから入退出の議論が随分進められております。前回の基本問題小委で決まったこと ですが、通知を先週発送いたしました。10月末までに次期改定の際に退出される際は、 今月中に地方厚生局のほうに届け出を出すことになりますので、その点本日、ちょっと周 知させていただきます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。  事務局のほうから事務連絡等がございましたらお願いします。 ○長谷川補佐  次回の開催につきましては追って連絡させていただきます。本日はどうもありがとうご ざいました。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第12回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会を終了させて いただきます。  本日はお忙しい中ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内線3278)