09/10/14 第49回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録       第49回 労働政策審議会 職業安定分科会 雇用保険部会 日時 平成21年10月14日(水)17:00〜                          場所 厚生労働省職業安定局第1会議室 ○岩村部会長代理 ただいまから第49回雇用保険部会を開催させていただきます。今日は 清家部会長がご都合がつかないということでご欠席でいらっしゃいます。そのため部会長代 理である私が議事の進行をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。今 日の出欠状況ですが、清家部会長がご欠席のほか、林委員、豊島委員、坪田委員がご欠席で す。坪田委員の代理として、日本商工会議所の佐藤産業政策第二副部長がご出席と承ってい ますが、遅れていらっしゃるということです。また、資料の関連もありまして、職業能力開 発局能力開発課の小野寺課長補佐にご出席いただいております。  それでは議事に入ります。今日の議題は「雇用保険制度について」です。最初に雇用保険 の給付についてご議論をいただき、その後「緊急人材育成・就職支援基金」について、前回 に引き続き再度状況のご報告をいただき、それを受けてご議論いただきたいと思います。そ れでは事務局から資料1と2「雇用保険制度について」をご説明をいただきます。 ○篠崎雇用保険課長補佐 事務局より資料の説明をさせていただきます。まずお手元の資料 の確認をお願いいたします。本日は資料1〜3です。資料1が雇用保険の給付関係資料です。 資料2が雇用保険の給付に関する論点です。資料3が「緊急人材育成・就職支援基金関係資 料」です。資料のほうはよろしいでしょうか。  まず資料1と2をご説明させていただきます。1頁目をお開きください。こちらは雇用保 険制度の概要です。ここにありますように雇用保険制度は大きく失業等給付と、雇用保険の いわゆる二事業ですが、給付の関係ですので、今回は失業等給付の関係をご説明することに なります。全体増ですが、真ん中に「求職者給付」とありますが、求職者給付の中に、一般 求職者給付、高年齢求職者給付、短期雇用特例求職者給付、日雇労働求職者給付というもの があります。そのほかに求職促進給付、教育訓練給付があります。雇用保険給付の内訳とし まして、高年齢雇用継続給付などがあります。これが大きな体系です。  以下、具体的な論点に資するような資料を用意させていただいていますが、先に資料2 をご覧ください。資料2で給付に関する論点を掲げています。1つ目の「基本手当のあり方」 は、離職前賃金に基づき決定される給付額について上限・下限額及び給付率の水準をどう考 えるかということについて、この関係として、現在の給付額について、上限・下限、給付率 がどうなっているかという資料を別途用意させていただいています。  2つ目が失業中の一時的所得保障を通じて、再就職を支援する雇用保険制度において、給 付額と再就職時賃金とのバランスをどのように考えるかということで、再就職時賃金などの データを取っておりますので、資料を用意させていただいております。  3つ目が再就職の難易度を勘案し、年齢、被保険者であった期間などに応じて設定されて いる給付日数についてどのように考えるかということで、雇用保険制度におきましては、年 齢と被保険者であった期間に応じて、給付日数が違いますので、それも別途資料を用意して おります。  4つ目の○が、平成21年の雇用保険法改正により創設された個別延長給付についてどの ように評価すべきかということで、施行状況の資料を用意させていただいています。  2つ目の大きな論点としては、高年齢雇用継続給付のあり方ということで、1つ目が平成 19年の1月9日の雇用保険部会における「今後の課題」で示された方向性を受けてどのよ うに対応すべきか。2つ目が改正高年齢者雇用安定法の施行状況を踏まえどのように対応す べきかという論点です。3として「その他」ということで、教育訓練給付、その他の給付の あり方についてどのように考えるかというような論点を掲示させていただいておりまして、 それに対応した資料の説明をさせていただきます。  資料1の2頁をお開きください。こちらは必要給付の概要ということで、表になっており ますが、給付日数につきましては、倒産、解雇等による場合、自己都合による場合、就職困 難な場合に分かれておりまして、それぞれ年齢や被保険者であった期間に応じて日数が変わ る。また、解雇・倒産の場合には手厚く、自己都合のほうが若干少ないということになって います。全体像はそのような形ですが、また詳しく2頁以降で説明させていただきます。  3頁です。こちらは基本手当日額ということで、具体的に基本手当の年齢別ではどうなっ ているかということで、(1)年齢別の上限額です。上限額につきましては(1)30歳未満の場合 の賃金日額上限額が12,580円ということで、これに対応して実際に受給できる金額が、基 本手当日額の上限ということですが、これが6,290円となっています。以下、年齢に応じて 45歳から60歳未満までは高くなり、その後は若干低くなるというような金額の設定をして おります。  (2)の給付率ですが、実際の賃金日額に給付率を掛けた額が基本手当になるわけですが、そ の給付率がどうなっているかというものです。これも60歳未満と65歳以上で違いがあり ますが、まず60歳未満の場合については、賃金日額が2,050円から4,040円、いわば低い 方については給付率80%、間の方は80%から50%となっておりまして、賃金日額が高い 11,680円から15,370円の方は給付率が50%ということで、賃金日額が低い方により手厚 いというようになっております。これが60歳以上65歳未満の場合は、若干率が変わって おりまして、日額の低い80%は一緒ですが、日額が高い方は給付率は45%というようにな っております。  続きまして4頁です。これは、いま申し上げたのを図示しているものです。縦のラインが 賃金日額ということで、例えば2,050円の方については、80%の給付率で実際受給できる 額が1,640円という形になります。賃金日額が高い方になりますと、11,680円の方は給付 率が50%で5,840円となっています。  5頁につきましては、60歳以上65歳未満の方を示しています。上限額の給付が45%に なっているということが違いです。  続きまして6頁です。論点のほうで給付額と再就職時の賃金のバランスをどう考えるかと いうように記載させていただきましたが、6頁は基本手当日額と再就職時賃金日額の状況と いうことで、全年齢を平均的にとってみたものです。下の四角の点が重なっているところは 基本手当日額です。その上の再就職賃金日額ということですので、どの基本手当日額を見て も、平均的に見れば、再就職賃金のほうが高いというような状況です。  7頁です。基本手当の給付日数の状況です。冒頭ご説明しましたが、倒産、解雇等の場合 は手厚く、それ以外の自己都合などの場合は、若干低い形になっています。具体的に申し上 げますと、(1)ですが、解雇、倒産等の場合については、30歳未満の方は、6カ月以上1年 未満の場合は90日、1年以上5年未満の場合も90日ですが、5年以上になると120日にな り、10年以上になると180日となっておりまして、全体的に見ても、年齢、被保険者であ った期間が長いほど手厚い。ただ、60歳以上の場合は少し低くしています。  (2)の有期労働契約が更新されなかった等による離職者の場合は、10年未満については90 日、10年以上が120日、20年以上が150日となっておりますが、これについては現在雇用 情勢が厳しいということで、平成24年3月までの措置として、暫定的に(1)の倒産、解雇等 と同じ給付日数にしています。(3)が一般の離職者ということで、いわゆる自己都合の方等で す。(4)は就職困難な方ということで、障害者等の方については、給付日数も若干手厚くして います。  続きまして8頁です。こちらは基本手当支給終了者の推移ということで、(1)初回受給者数、 (2)支給終了者数を並べて、年度ごとに支給終了率を掲載しています。これを見ますと、14 年度につきましては支給終了率が80%を超え、若干高目になっています。平成20年度は、 62.9%となっておりますが、初回受給者と終了者数というのが、明確に個人個人に対応して いるものではありませんので、タイムラグがあります。20年度につきましては、雇用情勢 の悪化を受けまして、初回受給者数が増えたということで、その影響で若干低目になってお りますが、今後は雇用情勢が厳しい中で、支給終了者数が増えてくるということも傾向とし てはあるのではないかということです。  9頁です。こちらは雇用保険受給者のうち支給終了後に就職した者の就職時期ということ で、支給終了後に就職した方を100として、どの期間に就職したかというものを示しして います。1カ月以内に就職した方が44.6%と最も多く、2カ月以内が9.7、3カ月以内、7.2、 6カ月以内が13.4%となっておりまして、6カ月以内に就職した人の割合が、約75%とな っております。  10頁です。こちらは基本手当の受給資格要件について整理をしたもので、倒産・解雇等 の場合については被保険者期間は離職前1年間で6カ月以上必要、雇止めの場合についても 6カ月以上必要、それ以外の自己都合等の場合については、離職の日以前で2年間で12カ 月以上必要になっているということです。給付日数についても、この表にあるように解雇・ 倒産等の場合については90日から330日と手厚くなっているのに対して、その他の場合に ついては90から150というのが基本になっています。  11頁です。こちらは受給者実人員ということで、これまでも出したものですが、8月の直 近の状況をご紹介しております。8月は96万2,206人ということで、依然として高い水準 で、前年度比では60.0%の延びということで、前月比と比べれば若干減少をしています。  12頁です。こちらは受給資格決定件数ということで、新たに受給資格を得た方というこ とで、8月が16万670人ということで、こちらも前月比では若干減っておりますが、対前 年度比では15.4%の伸びということになっています。  論点の中で21年改正により創設された個別延長給付についてというものがありますので、 個別延長給付関係の資料を用意しております。13頁は概要です。個別延長給付については、 特定受給資格者等のうち、年齢や地域を踏まえて、公共職業安定所長が就職困難であると認 めた方につきまして、60日まで延長するという制度です。対象者は2に書いてありますよ うに、45歳未満の方、一定の基準に該当する地域ということで、具体的には*で書いてい ますが、10月現在では35の道府県が指定されており、そこにおられる方です。(3)としま しては、公共職業安定所長が、特に再就職のための支援を計画的に行う必要があると認めた 方となっています。こうした方について個別延長を行っています。  その施行状況が14頁です。こちらに4月〜8月までの累計で、合計23万6,654人の方 が延長給付を受けています。  15頁は21年の改正の全体像ですので、説明は省略します。  16頁です。高年齢雇用継続給付の概要です。高年齢雇用継続給付につきましては、支給 対象者は60歳時点に比べて賃金額が25%を超えて低下した状態で、雇用を継続する高齢者 ということで、その給付額は60歳以後の賃金の15%ということです。ただし、賃金と給付 の合計額が60歳時点の賃金の一定割合を超える場合、一定の範囲にある方については逓減 した額ということで、この表にありますように合計額が70.15%になるまでは賃金の15% を補填すると。それ以上、75%までの方については、徐々に逓減した額を給付する。75% を超えた方については給付はされないというような仕組みになっています。  17頁です。こちらが高年齢者雇用継続給付の支給状況で、年度を見ていただきますと、 18、19、20ということで、直近は支給が伸びています。  18頁はこれまでも参考で添付しておりますが、過去の雇用保険部会の報告書です。以下 19頁〜21頁はこれまでも出したものですので説明は省略させていただきます。  22頁です。こちらは高年齢求職者給付金の支給状況です。こちらの制度につきましては、 同一の適用事業所に65歳以前から引き続いて雇用されていた65歳以上の被保険者の方が、 離職した場合に一時金が支給されるというもので、被保険者であった期間に応じて、1年未 満の場合は30日分、1年以上の場合は50日分が支給されます。支給状況ですが、20年度 の支給状況としては前年比17.3%ということで、最近は若干、支給が増えているという状 況です。  23頁は教育訓練給付の概要です。1教育訓練給付の趣旨は、労働者が主体的に能力開発 に取り組むことを支援するということで、労働者が負担した費用の一部に相当する額を支給 するものです。具体的な支給要件としては、2厚生労働大臣の指定する教育訓練を受けて終 了した場合であって、支給要件期間が3年以上のときに、当該教育訓練に要した費用の20% 相当額、ただし上限は10万円の教育訓練給付が支給されるというものです。※で「ただし」 と書いてありますが、初めて受給する場合は、支給要件期間が1年以上であってもいいとい うことで、若干緩和されております。  教育訓練給付の支給実績が24頁です。支給実績は、16年度から20年度にかけて、前年 度比では減少を続け、20年度においても前年度比17.8%のマイナスという実績になってお ります。  25頁です。短期雇用特例求職者給付金の支給状況です。概要は季節的に雇用される方が 失業した場合において、離職の日前1年間に被保険者であった期間が6カ月以上ある場合に おいて、公共職業安定所において、失業認定を行った上で、基本手当日額の30日分の一時 金が支給されるという制度です。ただし、現在当分の間ということで、その一時金は40日 分になっております。実績は年度ごとの推移にありますように、受給者数、支給金額とも、 対前年度比では若干の減少を続けています。  26頁です。日雇労働者求職者給付金です。この制度は日々雇用される方又は30日以内の 期間を定めて雇用される方に対する制度で、その方が失業の日の属する月の前2カ月におい て、通算して26日分以上の印紙保険料を納付されていた場合については、安定所において 必要認定を行った上で、給付金が支給されるというもので、認定日ごとに現金で支給される という仕組みになっています。具体的な額としましては、賃金日額によって違いますが、第 1級とされた場合については7,500円、第2級の場合は6,200円、第3級の場合は4,100 円となっております。  27頁は、日雇労働求職者給付金の支給状況です。被保険者数は16年度〜20年度は若干 減少傾向にあります。これに併せて、受給者実人員支給金額についても前年度比では若干減 少しています。以上が資料の説明です。 ○岩村部会長代理 ありがとうございました。ただいまご説明いただきました資料につきま して、ご意見あるいはご質問をお願いしたいと思います。資料1を説明していただき、資料 2で論点の案が示されています。そこで順序を追いつつ、ご意見、ご質問をいただきたいと 思います。最初に基本手当のあり方ということで論点が4つ出ていますので、これについて ご意見やご質問をお願いしたいと思います。 ○栗田委員 基本手当のあり方ということで、(2)の給付額と再就職時の賃金とのバランスを、 どういうふうに考えるかの論点についてですが、ここで書かれている論点は、再就職時の賃 金が高いのか低いのかによって違うと思います。そもそも給付される給付額というのは不慮 の事故とか、就労していたときの生活を補填するというか、それを支援するための給付額に 近い形が本来の姿だと思います。その額と実際にまた新たに就職をしたときの賃金が、結果 的にいまの日本の賃金体系からすると、勤続的な賃金が比例して、当然水準が上がっている わけですけれども、そこのところで不慮の事故が起きて離職したとなったときに、そのとき の賃金が保障されていることが必要で、ギャップというよりは、むしろ生活給的なものを補 填したほうが、いいのではないかと私は思います。  以前、平成15年か12年でしたか、改正のときに給付額の引下げみたいなことが改正さ れたわけですが、実際には就労していたときの賃金水準に近い、少なくともいま50%、60%、 さらには80%と、賃金の低い状況になってくると80%までとなっていますが、その状況に 近い、当然高い水準であるべきではないかと思います。 ○岩村部会長代理 事務局から何かありますか。 ○坂口雇用保険課長 いま、栗田委員からありましたとおり、雇用保険の関係で基本手当を 何で支給するかは、いまもお話があったとおり不慮の失業という事故でということもあるの ですが、いろいろ失業という事故が倒産・解雇の形で発生する方であったり、定年や自己都 合で発生する場合も含めて、全体として失業という事故に対して再就職を支援するために、 一時的な生活保障をどういう形で設定するか。さらには受給に至った方の早期再就職を、ど ううまく進めていくかという形で、いろいろ労使の皆さん方もご議論いただいて、この日額 あるいは給付率の設定をしていると考えています。  その観点からいくと、おっしゃるとおり従前の賃金をできるだけ保障するということは、 一方でそういう考え方もあるのだと思いますけれども、一方で、働いて得られる賃金と失業 した場合に支給される基本手当日額が、あまりにパラレルな関係になってしまうと、逆に言 うと離職を誘発してしまうのではないかということも、ひとつあります。また一方で、先ほ どおっしゃった勤続的な賃金というのは、離職時の賃金の問題だと思います。資料1の6 頁で集計の状況なども見ていただいたと思いますが、ここでの再就職時の賃金より基本手当 の日額が逆転して高くなってしまうことになると、逆に言うと基本手当の日額が高い分、再 就職についての意欲が薄れてしまうのではないかということで、全体の制度設計をする必要 があると考えているところです。  いま、ご指摘があった過去の改正の中でも、特に平成15年の雇用保険法改正の中で給付 額についても改正を行っているのですが、そのときの改正は特に賃金の高い層で、ここの再 就職時賃金と基本手当の日額で、逆転が起こってしまっていることもあり、そういった層に ついての基本手当日額の上限を引き下げたり、あるいは給付率について高い層がいまは 50%で、これが従前は60%であったところを引き下げたということはありますが、全体と しては特に低い賃金の方について、一定の配慮をしながら全体を設計しているということで、 現在の制度になっていると考えています。またいろいろご議論をいただければと思います。 ○栗田委員 ということは、この論点で示された部分は、離職前の現行の基本手当額が妥当 だろうということで議論されるのか、そうではなく、さらに給付水準を下げる必要がある視 点があるのかどうか、少し聞きたいのです。 ○坂口雇用保険課長 事務局としては、今般、いろいろな角度から委員の皆様方にご議論い ただくための材料という形で、ご提供させていただいているわけですが、先ほど来ご説明さ せていただいているような資料から見ると、いまの段階で上限額等を上げたり下げたり、給 付率を上げたり下げたりということが、必要である状況とは考えていないということです。 ○岩村部会長代理 栗田委員、よろしいですか。そのほか、いかがですか。 ○長谷川委員 いま栗田さんが言った基本手当をどう考えるかですが、例えば私どもの構成 組織は、いちばん低いところの最低保障みたいなものを考えたらどうかと。要するに失業し たときに次に就職するまでの間、生活しなければいけないので、そのときに今のこの制度で いくと生活するというふうにならない。したがって、雇用保険の中で最低保障みたいなもの を考えたらどうかという意見があって、それは私も前に言ったような気がするのです。それ が1つです。  それと上限で言うと、50で切るわけですから今までの賃金の50なのです。ある意味、こ れまでの社会はみんなが正規雇用というか、期間の定めのない正規雇用で働いてきて、雇用 保険制度もそういうところで制度設計され、失業期間がそんなに長くもなく、大体次の就職 先が見つかる社会だったのです。私は連合に10年いますけれども、この間、こういう景気 の状況を2回経験したわけですが、ITバブルの崩壊のときと今回です。  そうすると、ある意味でこの社会の中で失業というのは起き得ると、本当に誰でも経験す るという前提の中で、こういう雇用保険の基本給付というのは、これまでの考え方でいいの かどうなのか。ある意味では就職までの期間も長いし、生活もしなければいけないとなると、 50%ということで本当にいいのかどうなのか。だから上限も上げるべきだという意見は私ど もに寄せられているわけです。だから基本手当の上限ももっと上げる。それから最低保障み たいなものを考えるということについて、少し検討しなければいけないのではないかという のは、この間言ってきた話なのです。今回、こういう資料を出していただきながら、基本手 当のあり方について議論するというのは、私は重要ではないかと思っています。  失業のない社会だったらいいですよ、それで1カ月ぐらいでパッと見つけられるのだった らいいですが、いまの状況はそうではないですね。大体10年に一遍ぐらい、こういうのが ある。今まではラッキーだ、大丈夫だと思っていたら、やはり失業してしまう。こういう社 会をどう考えるかということだと思います。事実を踏まえて、雇用保険、失業給付を今まで とは違う視点から議論することが必要なのではないか。労側は、そういうところで最低保障 の設置と、上限を上げるべきだということを、この間主張してきた内容です。  それともう1つ、6頁の表ですが、失業する前の賃金の50%で、基本手当の日額がこれ で、再就職賃金がこれだということは、結局、再就職するときは前にいた所よりも賃金の悪 い所と、そういうことでしょう。だから失業なき労働移動だとか、これから流動化だと言っ てきた割には、結局、何でそこが進まないかというと、次に就職するときに全部労働条件が 悪い所しかないからでしょう。この表の見方というのはそういうことで、だから失業したら 次にいい所なんか絶対ないよと、みんな賃金が悪い所だと、そういう表だということも言え るのではないかと思います。 ○岩村部会長代理 今のはご要望とご意見ということで、よろしいですか。ほかにいかがで すか。 ○遠藤委員 いま、労側のご意見、それから課長サイドのご意見等々が出てきましたように、 雇用保険の目的というのは単に生活支援ということではなくて、再就職にどうつなげていく のかという話で、ここは一致していると思います。そういった中で、水準を上げたり給付日 数を伸ばすことが、本当に再就職につながっていくのかというところを考えていくと、繰り 返し使側の意見で言っていることですけれども、就職をしていこうという意識や行動の部分 に少なからず影響が出てくるだろうと。だから言葉として適当かどうかは別として、いわゆ るモラルハザード的なことがあり得るのではないか等々を考えていくと、上げるという議論 については、慎重な議論をしていくべきではないかと考えています。 ○岩村部会長代理 三木委員、どうぞ。 ○三木委員 先ほど、モラルハザードを含めて慎重な議論をというお話がありましたが、今 日の状況はかつて経験したことのない、さらに厳しい雇用・失業情勢があると思います。そ ういう状況の中で、実は私どもでも倒産閉鎖だとか、やむなく職場を去ったところでは、雇 用保険が切れたら、希望する再就職先あるいは生活できる水準を確保委するというのは、特 に地方へ行けば行くほど厳しさを増してくるわけです。結局、最低賃金すれすれのような所 で、やむなく食いつなぐしかない状況が、現実にもう出てきている状況があるのではないか。 ましてや今、非正規の方が非常に困窮化している状況の中で、いま長谷川委員が言われたよ うに、最低保障の考え方としての生活保障、そして所得再配分的な機能を含めて考えた場合 には、一定の水準がどうあるべきか考えるべきではないか。  年齢と被保険者期間による区分がされているわけですが、この問題についても実情を踏ま えて、本当に再就職の難易度をもって、当初は区分けしたわけです。ところが、いま高齢者 にしても若年層にしても非常に厳しい状況というのは、あまり差が無くなってきているので はないか。そういうところも含めてシステムを変えて、いまの給付日数、あるいは給付日額 のあり方も検討していく必要があるのではないかと思っています。そういう意味での議論の 進め方をお願いできればと思っています。 ○岩村部会長代理 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。今日ご紹介があ った中で、支援の中では個別延長給付についても紹介があったところです。 ○長谷川委員 私は、今回の個別延長給付は本当によかったと思っているのです。90+60 の150日で結構救われたと思います。雇用保険の議論は非常に難しいのですが、普通の経 済が安定しているときの議論と、10年に一遍ぐらいドカンときて失業期間がすごく長いと きで、いろいろな問題点が違うのだと思います。景気がいいときだって企業によっては倒産 や解雇はあるし、そのときは意外と移動がスムーズにいくので、この期間は短くて次の仕事 が見つかるのだと思います。ところが、いまみたいなときだと有効求人倍率がすごく悪いわ けですから、どこもないわけです。今回、延長給付してそこで救われて、そういうときに緊 急的な措置をやったのは非常に機動的でよかったのではないかと思います。  今まで何回かこういうのを経験したわけですから、延長給付がこんなふうに早くやれたこ とはよかったと思いますが、年齢区分や被保険者であった期間、上限や最低というものにつ いて、もう少しトータルな議論が必要なのではないか。だから今回の経済不況と、ITバブ ルのときのこの辺を考慮しながら、失業給付についてどうあるべきなのかは、もう少し一般 論から踏み込んだ議論をしてもいいのではないか。その代わり柔軟な対応も必要なのではな いかと思います。  今回みたいなときに、年齢区分が必要なのかどうか。何で年齢で区分しなければいけない のか。何で被保険者であった期間をこんなふうにしなければいけないのかは、ちょっと理解 できないので説明してほしいのです。何で年齢をこんなふうに細かくするのか。何で被保険 者であった期間を、こんなふうに作らなければいけないのか少し説明してください。 ○岩村部会長代理 それは基本手当についてですか。 ○長谷川委員 はい。 ○岩村部会長代理 雇用保険課長、お願いします。 ○坂口雇用保険課長 年齢と被保険者であった期間に応じて、いろいろ給付日数の区分を設 けているわけですが、先ほど委員からありましたとおり、若年層がいろいろ厳しい状況にあ ることは、確かにそういうことはありますけれども、全体として求人の状況等々を見ても年 齢不問求人になったとはいえ、全体の雇用環境から高齢者層と若年者層で見ると、再就職の 環境に違いがあるので、一定の給付日数についても、準備がないままで失業された方につい ての再就職に向けての給付期間については、差を設ける必要があるのではないかということ が1点です。  もう1つは、これは労使の皆さん方の保険料共助の世界で、この給付を行っていますので、 給付に対する反対給付という意味での財政的な基盤の確保も含め、あるいは言葉としてなか なか難しいのですが、循環的に離職を繰り返す、短い雇用期間で離職を繰り返すことを予防 する意味合いも含めて、被保険者であった期間に応じた給付日数を設定しているということ です。 ○岩村部会長代理 長谷川委員、どうぞ。 ○長谷川委員 35〜40は10歳ですが、30〜35は何で5歳区分なのですか。 ○坂口雇用保険課長 これは明確に、今のいろいろな失業率の区分とはまた違う形での区分 けになっているのですが、従前の失業保険から雇用保険に移ったときの状況も含めて、そう いった刻みごとに、特に雇用環境の違いがあるのではないかということで、若干、5歳であ ったり15歳という刻みの違いはあるのですが、このような刻みで給付日数を定めていると いうことです。 ○長谷川委員 もう1つ意見で、雇用保険のときの最低保障みたいなものを作ったらどうか と前から言っているのですが、例えば雇用保険部会でいつも議論になるマルチジョブホルダ ーの人たちというのは、いつも議論がいかなくて、結果的にずっと先送りされてきたのです。 最低保障みたいなものを作ることで、例えばそういう人たちだって救済されるかしれない。 そういう最低保障みたいなものがないと、結局、3カ所で働いている人たちは永遠に手が付 かないでいってしまうのではないか。なかなか補足するのが難しいとか、どっちが使用者な のかなど、さまざまな議論が結局はいつも迷走し、そこは手付かずです。本当は救済されな ければいけない人たちが、全然救済されないでいってしまうと思うのですが、制度設計にお いては最低保障を作ることで、そういう人たちは救済される可能性ですね、具体的な制度設 計はしていないですが、そういう可能性だって私はあるのではないかと思いますが、どうで しょうか。 ○坂口雇用保険課長 いま、長谷川委員がおっしゃったとおり去年の議論も含めて、最低保 障額のご意見があったことは承知しています。いまもご議論の中にあったマルチジョブホル ダーについての問題の解決というのは、前回もご議論いただいたように適用と給付の両面か ら、どういう設計をするかということで、いま、まさしく長谷川委員がおっしゃったとおり いろいろ難しい面もあるので、引き続きいろいろな形でご議論いただく必要があると思いま す。  雇用保険の世界の中で、最低保障額を一定の額以上の形に設けようとなると、冒頭、栗田 委員に申し上げたことの繰り返しになるので、あまり詳しくは申し上げませんが、離職時賃 金との関係であったり、再就職時賃金との関係があるということ。もう1つは、これまた適 用の議論との裏腹が出てくるのですが、雇用保険の適用で、この失業給付の網に掛かる可能 性がある方とすると、週20時間という形で短時間で働く方もおられるので、そういった方 の、先ほど申し上げたような離職時賃金とのバランスを、どう考えるかの設計も含めて、そ の議論はしていただく必要があるのではないかということです。 ○岩村部会長代理 もしよろしければ、まだあと2つほどありますので、高年齢雇用継続給 付のほうについて、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。古川委員、どうぞ。 ○古川委員 高年齢雇用継続給付ですが、過去の雇用保険部会での報告書の(5)に書いてある のですけれども、これが出た当時というのは、いろいろ財政難の状況で緊急的な措置が必要 であり、こういう議論も出たかと思います。たしか平成18年4月から改正高年齢者雇用安 定法ですか、その改正が行われ、その改正によってもこれは廃止してもいいという資料も出 ました。そのときも言ったのですが、改正法が出たからといって、すぐその改正法が定着す るわけではないので、改正法が出てしまったから、この制度は廃止すべきだというのは考え 方が早すぎると思います。  そのときも、たしか雇用保険二事業、当時は三事業でしたか、それで定着助成金か何かが あったのです。それは60歳以上の継続雇用、定年延長を行った事業主に対し、たしか助成 金が出たのですが、それも18年4月に改正高年齢者雇用安定法が出たと同時に、それが65 歳以上になってしまって、そのときも「そんなに早く変えてしまうのですか」「法律改正し ないで年齢を変えられる」と、たしかその当時おっしゃっていました。改正法ができたから といって、もう一方の制度が要らなくなるというものではないと思います。  ですから、この高年齢雇用継続の制度というのは、公的年金制度とも非常に関わりが深い と思います。いろいろ政権交代があって、年金制度もこれからどうなるか分からないと思い ますし、年金制度と併せてこの制度は考えなければならないと思うので、過去の雇用保険部 会での報告書は重要ですけれども、今、ここで、これを踏襲する必要はないのではないかと 思います。 ○岩村部会長代理 ほかに、いかがでしょうか。 ○遠藤委員 いま、ご指摘がありましたように当時と比べると、いまの経営環境と大きく異 なって、まさにご指摘のとおりだと思っています。ですから、もしできれば当面はこの給付 制度を維持していただいて、もう少し状況が落ち着いてから、また精査して今後の対応を考 えていくことも、考えられ得るのではないかと思っています。 ○岩村部会長代理 ありがとうございます。 ○西馬委員 前回も申し上げたのですが、先ほどから出ているとおり、厚生年金の支給との 関係が非常に大きくて、逆に厚生年金の支給が報酬比例部分も後ろにずれるのに、これもな くなるということであれば、逆に受給者側からいくと、そのときに景気がいまのように悪く て賃金が上がらなかったらということですが、こういった給付を、失業給付側から増やして ほしいということが、出てくることもあり得るということだと思っています。これは慎重に 考えないと、すぐに廃止というのは、例えばそのときに景気が悪くて雇用調整みたいなこと が起こることがあるとすれば、高齢層のところは、もう生活が落ち着いてくるであろうとい う意味において、そういった雇用調整の対象になりやすい層であると思いますので、このあ たりは総合的に判断してやらないと非常に危ないかなと思います。  逆に、話は先ほどの話になってしまうのですが、先ほどの個別給付の年齢の区切りみたい なものも、本当に年金の受給年齢が上に上がってきたときに、59歳までと60歳と分けてい ますが、そういうので本当にいいのか。そのときに60歳以上の所帯の生活設計はどうなっ ているのか、よく見ないといけないのですが、ああいう括りそのものにも影響するような話 だと思っていますので、総合的に慎重に議論する必要があるのではないかと思います。 ○岩村部会長代理 ありがとうございます。部会長代理があまり喋ってはいけないのかもし れませんが、理論家の目から見ると、実は高年齢雇用継続給付というのは他の在職老齢年金 や賃金制度との関係があって、その調整がものすごく複雑で、要するにどの程度この高年齢 雇用継続給付というのが、政策目的との関係で実効性があるかというのは、実は計測が非常 に難しいのです。ですから、何か少し制度の整理ができないかというのは理論的な観点から はあるのです。あまり複雑な制度なので、どれが、どういう効果を果たしているのか、よく わからない問題はあるのだろうと思っています。そのほか高年齢雇用継続給付については、 何かございますか。事務局から何かありますか。 ○坂口雇用保険課長 我々としては、特に前回の当部会のご議論が、いろいろな経緯から相 当短期間で詰めた部分について、ご議論いただいたこともありました。今次はご提示してい るような19年改正時の報告で今後の課題に挙がっていたことも含めて、それも参考にご議 論いただくということでしたので、そこは当部会として19年度部会報告にとらわれずと言 うと、事務局として言いすぎなのかもしれませんが、そういう形で改めてご議論いただけれ ばということで考えていますので、引き続きご議論いただければと思います。 ○岩村部会長代理 そうしますと、教育訓練給付、その他の給付というのが、もう1つあり ますけれども、これについてはいかがでしょうか。 ○西馬委員 教育訓練給付ですが、導入時には結構、こういうのが入りましたということで 華々しく宣伝されたと思いますが、これが本当に有効に機能しているかどうか。これは、お そらく失業なき労働移動というか、それを促進するために雇用能力を自分で高めましょうと、 そのために失業給付から入っていると私は理解しています。これは先ほどの数字でいっても 人数は減っていますし、有効に機能しているかどうかの検証が、いま一度必要かなと思いま す。もしそんなにということであれば、失業してからのこういう教育のところに金を使う。 同じ金を使うならそちらのほうに持って来るとか、そういったスクラップアンドビルド的な ところが、必要かどうかの検証が必要ではないかと私は思っています。 ○岩村部会長代理 もし引き続きご意見があるようでしたら、それを頂戴してから事務局か ら何かお答えがあればと思います。 ○長谷川委員 いま、使側が言ったように、これができた時は活用しましょうというので活 用されて、あの当時、30万円ぐらいだったのですが、実際は10万円ぐらいでした。要する に労働者の教育訓練がどうあるべきなのかというのは、もっときっちり議論したほうがいい と思います。この雇用保険からの教育訓練費給付10万円で、どういう教育訓練ができるか。 どう労働者の能力開発ができるのかというのは、もう少し私は能力開発についてきっちり議 論したほうがいいと思います。そういう意味では企業が、この間、能力開発を企業内訓練で やらなくなってきて、ある意味では労働者自らが能力開発しなければいけないということで、 自分のスキルアップをしましょうとこの制度ができたのですが、いま言われているのは、企 業のほうでも仕事を通じながら能力開発しなければいけない、企業内訓練が重要だという反 省も出てきたわけです。  そういうときに、もう1つは、労働者自らが教育訓練していくのと企業内の訓練というの は、どういうふうに併せていくのかだと思います。そのときにこの教育訓練給付10万円が 本当にいいのかどうなのかは、もう少し労使が具体的な例や検証をしながら、考えていった ほうがいいと思います。 ○岩村部会長代理 事務局から何かありますか。 ○坂口雇用保険課長 いま、両委員からご意見をいただいたわけですが、今日も資料の24 頁に実績を付けていて、平成16年からという形にしていますが、この教育訓練給付を導入 したのが平成10年の改正で、先ほど西馬委員が言われたようにいろいろな経過、考え方が あって導入したわけです。ここで平成16年度の支給金額が237億円強と出ていますが、た しか平成13、14年ぐらいは、700、800億円ぐらいの支給金額の総額だったと記憶してい ます。これは先ほど西馬委員がおっしゃったように、受給者が減っているということでもあ るわけですが、実際上、最初に制度設計したときは支給の割合も8割で、上限額も20万円 とか、途中で30万円に引き上げたりという形で、厚めの給付の設計をしていたこともあっ て、平成15年の段階でいろいろ改正し、給付率も2割に落としたりという形で支給の絞り 込みをして、やや濫給的なことになっていないかも含め、徐々にこの受給者数や支給金額が 減ってきている背景はあるわけです。それが1点です。  あと、いま西馬委員あるいは長谷川委員からもご指摘があったとおり、こういったものが 本当に在職者の方の雇用の安定、あるいは離職者の方の就職の促進に役立つ形になっている のか。先ほど説明した23頁2の支給要件の注書き(注1)ですが、対象講座数が今年10 月1日現在、5,400講座になっています。この対象講座は厚生労働大臣のほうで指定するこ とになっていて、いろいろな形でそういう効果が出るようにということ。あと途中で教育訓 練機関の不正受給的なものもあったので、そういったチェックをしっかりしようと努めてい るのが現状です。  端的に、いまこういうものが就職にどううまくつながっているか、計数的に表すのはなか なか難しいのですが、ただ、この講座指定に当たっては私ども担当部局のほうでも、単に入 門的なものは排除するとか、こういう指定講座の訓練目標や資格につながる目標を明確にし てもらわないと指定しないとか、あるいは、これは3年に1回、再指定を申請してもらって するのですが、そのチェックのときには、そういう目標達成度合いとか資格の取得状況をチ ェックする形で、過去のいろいろな問題を解決すべくやっているのが現状です。  いま両委員もご指摘になったとおり、この給付を労使の保険料で行っているのが、本当に 趣旨に沿った形なのかは、もう少し我々の手元に材料が不足している部分もありますので、 そういったものについては、また精査していくことが必要だと思います。 ○長谷川委員 私は過去に、この審議会で育児休業給付について指摘してきましたが、どう 見ても育児休業給付は、この制度の中で座りが悪い。育児休業給付については基金を作って 別立てがいいと労側はずっと言ってきたので、あえて今回も言わせていただきますが、育児 休業給付については雇用保険から外に出して、基金か何か新しい制度をトータルでやるべき だと思います。前も言ったように、育児休業給付と産休とのバランスの悪さです。そういう ことも是正しながら、別枠のほうがいいのではないかということは、意見として申し上げて おきたいと思います。 ○岩村部会長代理 この給付に関する論点については、大体、このくらいでよろしいですか。 ほかにご発言がありますか。なければもう1つ議題がありますので、そちらに移りたいと思 います。2番目の議題は、その他ということになっていますが、先ほど申し上げたように緊 急人材育成・就職支援基金関係についてということがあります。これについて、これは9 月16日の部会で概要を報告いただいたところですが、今日、もう少し詳しい資料を事務局 に用意していただいています。そこでまず事務局から資料3に沿って説明をしていただきた いと思います。よろしくお願いします。 ○篠崎雇用保険課課長補佐 では、資料3をお開きください。まず、1頁目です。9月16 日の部会でも説明した全体像ですが、若干、実績のほうが伸びてきておりますのでそこを紹 介をさせていただきます。この図の1は、職業訓練中の生活保障で、雇用保険を受給できな い方が職業訓練を安心して受けられるようにという事業で、この枠の中の実績をご覧くださ い。訓練につきまして認定済みの定員が18.130人ということで、前回の9月16日のご報 告のときには8.866人でしたので約9.000人ぐらい伸びております。また、受講者について は(予定者含む)ですが、9.935人で、これも前回のご報告時よりは6.000人ぐらい増えて おります。それから、給付のほうで受給資格認定申請件数ですが、これも6.458件で前回よ りも約4.000件ぐらい伸びています。これが10月13日現在の数字です。  続きまして、2頁目は前回も入れた資料です。これは事業概要の全体像で、右の方に求職 者、その左下ですが訓練実施機関、専修学校等々ありますが、そういったところに受講申込 をして訓練を受ける場合に、左上の中央職業能力開発協会から訓練・生活支援給付を受給す ることができるというものです。  3頁以降が今回追加した資料です。「基金職業訓練の種類」で具体的にどういう訓練を行 っているのかということです。まず、1としては職業横断的スキル習得訓練コースで、これ は3カ月を想定しておりますが、具体的には文書作成、表計算等の職業横断的、どの職業で も使うような情報処理技術が不十分な者に対して訓練をしていくコースです。いわば、基礎 的なものです。それから、2としては新規成長・雇用吸収分野等訓練コースで医療、介護・ 福祉、IT等の新規成長分野や雇用吸収が見込める分野の人材について基本能力習得のため に、次の(1)、(2)のような構成により実施する訓練ということです。(1)として6カ月の基礎演 習コース、具体的には若年者等に配慮し、就職に必要な基礎力の養成、それから主要な業界、 業種に係る短期間の体験等の提供等を内容とし、実践的演習に向けたレディネス(職業準備 性)の付与、それから具体的な職業選択に向けた動機付けを支援するコースです。それから (2)は実践演習コースで3カ月から6カ月を想定しておりますが、新規成長分野や雇用吸収力 のある分野の職種について座学形式、あるいは座学と企業実習を組み合わせたいわゆるデュ アル形式、それから事業所における、より実習形式等によりまして実践的な能力の習得を支 援するということです。  こういった訓練の大きく種類がありますが、それを具体的にイメージしたものが次の4 頁です。これらの訓練は場合によってはいくつかの訓練を合わせてということもありますの で、そういうイメージ図ですが、例えば左のほう、基礎演習コースを6カ月受けていただき、 その上で実践的な演習コースに移る。そこで各業界、職種で求められる知識を身に付けた上 で就職に結び付けていくというもの。それから、場合によっては基礎演習コースではなくて 左の下ですが、そもそもの職種横断的なスキルが不足している方については、ITスキルで あるとか会計簿記等について、どの職種でも使えるような横断的スキルを3カ月訓練した上 で実践的な演習コースに移るということも想定をしております。この実践的な演習コースと しては具体的な例が右のほうにありますが、情報処理、情報通信の分野であればプログラム、 ソフトウェア等、それから介護福祉であれば介護職員基礎研修やホームヘルパー2級、医療 であれば医師事務作業補助者、いわゆる医療秘書等、そういったものが実践的なコースとし て想定をされているところです。  5頁です。基金訓練につきましてはいま申し上げましたように基礎的な部分からやる部分 ですので、直ちに就職と結び付かない場合もあり、こういった訓練を複数受講するというこ とも想定しております。そのパターンの例です。(1)としてまず、IT等の横断的スキルのコ ースを受講していただいて、その後、新規成長・雇用吸収分野の実践的なコースに移ってい ただく、その上で更にということでやや右に行くに従って高度な訓練にいくイメージですが、 既存の公共職業訓練を受けるというパターンもあります。  それから(2)は、まず横断的スキルは省略いたしまして、新規成長・雇用吸収分野の基礎演 習コースで業界の状況等について学んでいただいた上で、真ん中の実践演習コースに至る。 あるいはそれでまだ、もうちょっとということであれば公共職業訓練にいくというパターン。 それから(3)、(4)につきましては同様にちょっとパターンは違いますが、(3)では実践演習コー スからいきなり入って公共職業訓練、(4)では橋渡し訓練という公共職業訓練でを受けた上で 実践演習コース等に移っていくということを想定しております。これは必ずこういうコース をたどるということではなくて、そういう選択肢もあるというご紹介です。  続いて6頁です。この緊急人材育成・支援事業の職業訓練が全国的にどのように行える状 況にあるかということです。10月13日現在で全国では1.326件、これは認定申請受理件数 ということで、訓練のコースの申請をしている件数ですが、全国では1.326件です。各県ご との件数も示しておりますが、若干大都市では多く、その他の都市では少ないとなっており まして、例えば13の東京では168件の申請が出てきておりまして27の大阪では193件と いう多いところがある一方で、少ないところでは18の福井では3件、次頁の32番の島根 が4件、36番の徳島が4件、1つ飛ばして愛媛が2件と、若干のバラツキがありますが、 いまこの認定訓練については随時募集をして増やす努力をしているところです。  続きまして8頁、訓練・生活支援給付の具体的な支給要件で、基本的には雇用保険を受給 できない方に対する給付ということですが、具体的な支給要件をこの概要に掲げております。 主な要件として、以下の何れにも該当する方ということで、(1)から(6)まであります。(1)公共 職業安定所のあっせんにより訓練を受講する方であること。(2)雇用保険等を受給できない方 とであること。(3)原則として申請時点の前年の状況で世帯の主たる生計者であること。(4)年 収が200万円以下であり、かつ、世帯全員の年収が300万円以下であること。(5)世帯全員 で保有する金融資産が800万円以下であること。(6)現在住んでいる土地・建物以外に土地・ 建物を所有されていない方となっています。(2)は具体的な給付金ですが、これまでもご紹 介したように単身者の場合は10万円、被扶養者を有する方については12万円が給付をさ れる。その他に本人の希望に応じてということですが、貸付制度も準備をしておりまして、 単身者の方は上限5万円、被扶養者を有する方は上限8万円という貸付制度も別途用意され ているところです。  9頁は訓練を受講する流れを示したもので、訓練を受講される方は、まずハローワークへ 求職申し込みをしていただく。ハローワークでは職業相談やキャリア・コンサルティングを 受け、各訓練機関にご本人が直接受講の申し込みをする。その上で訓練実施機関による、場 合によっては選考がありますが、受講が決定したらそれをハローワークへ申し出ていただき、 その後、ハローワークの受講あっせんを行うというのが(5)までです。その後、具体的に受給 資格の認定申請をしていただきます。  (7)は貸付を希望する方ですので、人によってはということです。8頁にありますように、 中央職業能力開発協会による受給資格認定の審査を経まして、受給資格の認定がされます。 その後、実際に、(11)として給付金の支給申請をしていただきます。その上で審査を経まして (13)の給付金が支給されるということになっております。ただし、(13)の上にありますように出 席日数が8割未満の場合は以後の支給が停止されるという形になっております。  以上が流れです。前回の概要に続きまして現在の状況を報告させていただきました。 ○岩村部会長代理 どうもありがとうございました。では、いまご説明いただいた資料3 について、ご意見あるいはご質問がありましたらお願いしたいと思います。 ○古川委員 3頁の基礎演習コースの(i)で、「就職に必要な基礎力の養成」というのがある のですが、具体的にはどのようなことをやるのですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 基礎力の養成というのは、メインはヒューマンスキルのよう なもので、コミュニケーション能力とか、職業意識自体を深めていただくワークのような演 習も含めて内容としております。 ○古川委員 現場では、履歴書の書き方や面接のやり方といったニーズも高いのではないか と思うのです。 ○小野寺能力開発課課長補佐 ここの例示には載っていませんが、就職力を付けるという意 味で、ガイダンスや履歴書の書き方、面接の練習なども基礎力の養成の内容として含まれて おります。 ○岩村部会長代理 そのほかにいかがですか。 ○長谷川委員 最近、少し相談されているのです。4頁の基礎演習コースを6カ月やって、 実践演習コースを6カ月やって12カ月できるのか、それから5頁にある横断的スキルを3 カ月やって、その次に基礎演習コースを6カ月やって、実践演習コースを6カ月とすると、 3、6、6ということが可能なのかどうかということです。 ○小野寺能力開発課課長補佐 最初にご質問いただいた4頁の、基礎演習を6カ月受けた後 に実践演習という流れについては、おそらくメインとなるような流れになるかと思うのです。 ○長谷川委員 6、6で1年ですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 はい。ただ、隙間なくピッタリ付いた形で設定されているか どうかというのは、当然その地域によって違うと思います。基礎演習を受けた後、自らどの 分野にということが決まれば、次に実践演習という分野を限ったような、実践力を付けてい ただくメニューに移っていただくことは可能です。 ○長谷川委員 3、6、6は。 ○小野寺能力開発課課長補佐 2つ目は5頁に書いてありますように、先ほどもご説明の際 に申し上げましたが、基本的な基金訓練の受講の流れとしては、レベルのわりと低いところ、 基礎の部分から徐々にレベルを上げていくという流れになっております。そういう設定で考 えておりますと、横断的スキルの部分とITの3カ月というのは、実は中身的には若干重複 いたします。また、レベルとしても基礎の基礎ということで、両者がほぼ一致しています。 これを重複して受けるというのは、ご本人にとってもどうなのかということで、基本的には 想定しておりません。 ○長谷川委員 今回のこの制度では、訓練と生活給付がセットですよね。そうすると訓練で 6、6で12カ月だけれども、生活給付の10万円も12カ月と見ていいのですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 基本的には訓練期間中お支払いすることになりますので、そ ういう感じです。 ○長谷川委員 そうすると、最大でどのぐらいになるわけですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 一応給付自体は、2年を上限としております。 ○長谷川委員 2年ということは、例えば6、6やって6、6やって公共訓練に行くでしょ。 そうしたら公共訓練のときには生活費が2年、24カ月、あと12カ月分出ると考えていいで すか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 そういうことです。 ○長谷川委員 あと、これも意見です。8頁の主な要件、世帯全体の年収が300万円以下で あるということですが、今回派遣というか、非正規で働いている人を見ると、妻と夫が働い て、夫が職を失った例があります。雇用保険にも入っていないでこの制度を使うときに、こ れに抵触するような人が出てきます。例えば、妻が301万円というような場合はどうです か。 ○小野寺能力開発課課長補佐 世帯要件の300万円以下という部分に合致いたしませんの で、奥様のほうに301万円の収入があれば、この制度自体は使えないと思います。 ○長谷川委員 今回、若い30代の非正規の人たちというのは、そういう人が多いですよね。 そういう所に対応していないのではないかという意見が、私どもにも寄せられています。も う少しここの制度設計の見直しをしたらどうかという意見というか、要望です。  それから(5)の金融資産800万円以下であることというのは、最初からすごく不評なので す。これを撤廃するという考えはあるのかどうか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 現時点での制度の中においては、一旦、要件としてはこれで 整理をさせていただいております。この後、情勢が非常に激変しない限り、この要件につい て見直すことは、当面は考えておりません。800万円以下についても一応、自己申告でお出 しいただくものです。そういう意味で、手続的には若干ご負担がかかるのかもしれませんが、 ここはやはり本当に支援を必要としている方ということで、対象者を決めていく上でやはり 見させていただきたいと思っております。 ○長谷川委員 青森から来て静岡で働いていたのですが、今回解約されたので青森に帰って 親の所で暮らしていると。そうすると(4)(5)に引っかかってしまうのです。こういう場合はど うするのですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 どの件で引っかかっているかというのが、具体的にはわから ないのですが、派遣切りなどで離職とともに今まで主たる生計者であった方が、親元のほう にお戻りになるという一時的な状況については、一応過去に主たる生計者であった状態を確 認させていただいて、救えるような運用改善を図らせていただきますので、ある程度は過去 の状態をきちんと見るということで、支援対象者の拡大はしているかと思うのです。 ○長谷川委員 たまたま持ち家とか自分の家があった場合、どこかに引っかかるのですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 実際に住んでいらっしゃる持ち家については、特に要件には 該当しません。 ○長谷川委員 意見と、ちょっと見直したらどうかという点でしたが、もう1つあります。 この流れがどうしてもわからないのです。受給の流れ、9頁です。例えば、私がハローワー クへ受講申込みに行きますよね。この(3)まではわかったのですが、受講申込みをして訓練受 講決定がきて、その次に受給資格の認定申請を出しますよね。これはやはり訓練の受講決定 を受けてから、受給資格認定の申請書を出すのですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 そうです。ここにも書いてありますように、実施機関のほう で選考が行われますので、申請をしていただいても、残念ながらその後、選考に落ちてしま うという場合もあります。基本的に受講が予定されて決定したた方に対して、申請の手続を していくということになります。 ○長谷川委員 かつ、例えば労金の貸付けがありますよね。そういうものが必要だったら、 貸付けを希望する人は次の頁の10番で、新たに今度は貸付けは貸付けで労金に行けという ようになるわけですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 貸付けの要件については、受給資格の認定の要件確認でほぼ クリアできるのですが、いまの手続では貸付額をお振込みする口座を、労金のほうで開いて いただくといった手続がありますので、一度は労金のほうの窓口にご足労いただかなければ ならなくなっております。 ○長谷川委員 ハローワークで全部1回にできないのですか。 ○岩村部会長代理 私も全く同じことを思っています。 ○長谷川委員 なぜ、あちらこちらに行かなければいけないのか。 ○岩村部会長代理 なぜこんなに複雑な手続になるのだろうかと。これを見ただけでやる気 がなくなるという気がするのです。 ○長谷川委員 そうでしょう。私だったら途中で嫌になって、「もう嫌だ」と言ってしまい ます。 ○小野寺能力開発課課長補佐 そういったご指摘を各方面でもいただいておりますので、今 後は使いやすい制度ということを念頭に置きながら、改善すべき点については改善を図って いきたいと思っております。 ○岩村部会長代理 財源が税なので、公金なものですから、当然厳格な手続が必要であるこ と自体はよくわかるのですが、もう少しわかりやすく、かつ、もう少し親切な手続になるも のかどうか、是非改善の点をご検討いただければと思います。 ○小林委員 質問です。資料の1頁にありますように、訓練で認定済定員が1万8,130人 という形で増えたのですが、これは受講コースの定員数ですよね。受講者数というのが、予 定者を含めて9,935人あるということは、各専門学校などでの受講コースの定員数が1万 8,130人という理解でいいのですか。もう1つの6頁の全国のところで、1,326件というの があります。この認定申請受理件数というのは、専門学校のコース数と理解してよろしいの ですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 はい、こちらの件数はコース数です。 ○小林委員 ですから1校で4コース持つとか、そういう形も含めての件数ですね。 ○小野寺能力開発課課長補佐 そういうこともあります。 ○小林委員 例えば1万8,130人をそのコース数で割ると、定員は1コース大体13人ぐら いということでいいわけですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 1頁の実績で載せているもの自体は認定済みということで、 最終的に中央協会のほうで計画を認定して、訓練としてすでに設定されたものです。6頁に ある認定申請受理件数というのは、計画の申請自体が行われている件数ですから、認定はこ れからということになります。ですから、こちらのほうがちょっと大きな数になっています。 ○小林委員 ということは、1コース当たりの人数というのは何人ぐらいですか。 ○小野寺能力開発課課長補佐 10〜30人ぐらいでということで、設定をお願いしておりま すが、実態としては今のところ、大体20人強ぐらいだと思います。 ○小林委員 そのようなものですか。 ○岩村部会長代理 適正でしょうね。それ以上大きくなると、ちょっと効果が怪しくなると いうことだと思います。 ○小林委員 わかりました。それと、これは税金で賄われている事業で、ここは雇用保険部 会ということで、似たようなと言ってはいけないのですが、職業訓練の部分でいけば、雇用 保険の二事業でやっている部分を今回、セーフティーネットという形で税金で新しくつくっ た事業でもあります。いろいろな意味でのセーフティーネットの機能強化というのが言われ ていた部分ですので、今後これが有効に機能するか、是非とも頑張っていただきたいという お願いが1つあります。  それとともに雇用保険二事業でやっているのは、雇用能力開発機構が中心になって、いろ いろな形でできない部分については、専門学校等に職業訓練をお願いして、委託事業でやっ ている部分もありますよね。それとの住み分けと言いますか、どう違うのですか。確かに雇 用保険二事業のほうでいけば、雇用保険の受給者等があるわけです。受給者で期間満了が近 くなって訓練を受ければ、また延長というような形の制度ができているわけです。こちらの 基金事業については、もう受給者でない方々が再度研修等をやっていただくということはわ かるのです。  正直言って、景気がよくなれば雇用に結び付くわけですから、こういう訓練から早く就職 していただいて、企業側の採用につながっていくとは思うのですが、5頁を見ていると、最 終的にはこの基金で研修を受けてまた公的職業訓練というと、まさに雇用保険二事業でやっ ているものですよね。現実的には違いがあるのか。その部分も含めてしっかりした形のもの をつくっておかないと、同じものがまた1つできたではないかという形になるのではないで しょうか。  逆に言って去年、機構はいろいろな形でバッシングを受けましたよね。景気のいいときは、 確かに職業訓練はバッシングを受けると思うのです。それで役に立った部分というのもあり ます。まさに職業訓練の重要性というものが認められていて、その重要性、必要性も評価さ れたと思うのです。さらに充実した職業訓練をということで、いろいろな形で専門学校でも やってくださいということになっているわけです。しかし、いま見ていると申請件数も少な いという状況があります。これには期間的な問題もあるとは思います。その辺で基金事業と 雇用保険二事業の住み分けと、対象者も含めて職業訓練自体のあり方というのは、やはり整 理しておいたほうがいいのではないかという感想です。 ○岩村部会長代理 それはご意見ということで、能開局のほうでまたご検討いただければと 思います。そのほかにいかがですか。よろしいでしょうか。そのほかにこの際、ご意見ある いはご質問等はありますか。 ○長谷川委員 この間も言いましたが、私が勝手に「第2のセーフティーネット」と言って いる訓練と生活給付を、もっと伝えてほしいのです。こういう制度があるということを、あ らゆる場を通して伝えてほしいのです。非正規の人たちが派遣切りや雇止めなど、いろいろ なことで全国に散らばっていると思うのです。そういう人たちがこういう制度を使って訓練 を受けて、もう1回働くことにチャレンジできるように、厚生労働省はあらゆる手段を使っ て、こういう制度があるということを教えていただきたいと思います。周知されていないと いうことがあるのです。  それと、こういう制度はやはり休むことなく、ずっと継続してきちんとやることと、いま 国の施策と県の施策がいろいろドッキングしていますので、これは国の施策だから、これは 県の施策だからということではなくて、国と県が協力し合いながらワンストップサービスな ども進めて、この時期を乗り切っていただきたいと思います。 ○岩村部会長代理 ほかにいかがでしょうか。特にないようでしたら、今日はここまでとい うことで終了したいと思います。次回は雇用保険の財政運営について、ご議論いただきたい と考えております。その点については事務局のほうで資料をご用意いただいて、議論を進め ていきたいと存じます。次回の日程については、事務局のほうで改めて各委員にご連絡いた しますので、よろしくお願いいたします。以上をもちまして第49回雇用保険部会を終了い たします。今日の議事録の署名委員ですが、雇用主側は西馬委員、労働者側は古川委員にお 願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは委員の皆様、お忙しい 中どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係     03−5253−1111(内線5763)