09/10/05 平成21年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成21年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年10月5日(月)15:00〜17:00 (2)場所  厚生労働省共用第8会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、小山信彌分科会長代理、相川直樹委員、        池上直己委員、伊藤澄信委員、金田道弘委員、木下勝之委員、        熊本一朗委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、        嶋森好子委員、辻村信正委員、難波貞夫委員、松田晋哉委員、        美原盤委員、山口俊晴委員、山口直人委員、吉田英機委員        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 保健医療福祉情報システム工業会について        2 平成21年DPC評価分科会における特別調査結果について        3 新たな機能評価係数に係る特別調査の結果について        4 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまより、平成21年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催 させていただきます。  本日の委員の出席状況ですが、全員出席されております。なお、企画官は少し遅れてお いでになるということでございます。よろしくお願いします。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、資料を確認させていただきます。  まず1枚目、議事次第でございます。次めくっていただきまして、委員の名簿。続きま して、座席表です。これ以降が本日の資料でございます。まず右肩上、「保健医療福祉情 報システム工業会提出資料、JAHISのDPCに関する活動について」というパワーポ イントの資料でございます。次の資料がD−1「平成21年度DPC評価分科会における 特別調査結果について(案)」でございます。続きまして、D−2「平成21年度調査新 たな機能評価係数に係る特別調査」の資料でございます。  続きまして、参考資料でございます。まず、参考資料1がこの調査の病院票、参考資料 2が医師票でございます。  資料については以上でございます。 ○西岡分科会長  資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、保健医療福祉情報システム工業会からのヒアリングを行いたいと思います。  初めに、本日御出席いただいております代表者の方の御紹介をお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、紹介させていただきます。  保健医療福祉情報システム工業会、コンピュータ部門、DPC委員会委員長の真野誠さ んです。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  真野です。よろしくお願いします。 ○西岡分科会長  本日はお忙しい中、当分科会に御出席いただきまして、ありがとうございます。どうぞ よろしくお願いいたします。  それでは、ヒアリングを行いたいと思います。時間も限られておりますので、まず提出 されている資料について5分程度で御説明いただいて、その後、各委員からの質問をお願 いしたいと思います。  それでは、説明のほうお願いいたします。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  その前に、このような発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。  では今回、まずはこの資料において、DPC制度とコンピュータシステムの関連につい て、まず御説明させていただきます。  1枚目下なんですが、JAHISの紹介ということで、JAHISという、ベンダーの 集まりなんですけれども、標準化とか、産業界の健全な発展、これを目的として設立され、 今、会員数が大体338あるような集まりになっております。  次のページへまいりまして、標準化とかいろいろな委員会がある中で、医事コンピュー タ部会というのがありまして、その下に医科とか歯科とかいろいろある中にDPC委員会 ということで、DPCに関することについての各ベンダーの集まりということで活動を行 っております。  下のほうが、会社数51社の会員数77名で行っているという状況です。  DPC委員会なんですけれども、やはりDPCというのはコンピュータを前提としてい ろいろな仕様が決定されているという点がありまして、制度の実現手段とか調査とか改正 においていろんな方々と調整を行って、各ベンダーに情報をアナウンスして徹底するとい う活動を行っています。特に(1)から(3)にありますように、点数の制度の設定です ね、そういう点。それからあと調査ですね、様式1、それからEFファイル、ここら辺の 調査。それから改定という、3つにおいて大きく取りまとめの活動を行っております。  その次から資料が大きく変わりまして、病院様で動いているシステム例ということです ね。電子カルテを中心として、左側にオーダリングですね。右側のほうには地域連携とか、 下に医事部門、そのほかにいろいろな部門のシステムが動いているのが今の病院様の現状 であります。  次、行きます。各部門でドクターの方がどのようなすシステムを使っているとか、看護 師さんがどのようなシステムを使っているというのを一応まとめておきました。  では、DPCにおいてコンピュータがどのように利用されているかという、ここの本論 になってきますが、それが下からです。一般的な流れということで、オーダリングシステ ム前提ということで書かせていただいております。  まず、ドクターの方がDPCを決定していただくわけなんですが、そのときの入力とし て、病名とかICD、それから手術、処置、様式1のデータ、こういうものを入力してい ただいてDPCを決定するというような操作をしていただきます。その後に、病院さんに よっては診療情報管理士の方が内容をチェックするとかいうような形で14桁コードを決 定して、それが医事システムに伝達されるというような仕組みをとっております。医事シ ステムのほうではその決定された14桁に従って、点数計算を行って患者請求、レセプト 請求。それとEFファイルのデータは医事システムから通常つくっております。  様式1のデータに関しましては、オーダリングのシステムから出す病院様、それから医 事へ伝達してから医事のほうで編集して様式1を出すというような両方の仕組みが今のと ころあります。さらに現在では、その決定されたDPCを含めて入力された情報を電子カ ルテとか退院サマリのほうへ連動するというような仕組みをとっているというのが一般的 な流れになります。  その次のページに行きまして、ところが、成り立ち上、1つのベンダーでオーダリング の中にDPC登録を行ってはいるんですが、初期の段階でなかなか機能的に充足されてい ない部分がありまして、DPC決定システムを別に持っているという病院様もあります。 さらに、このDPC決定システム、それからオーダリングシステム、医事システム、それ ぞれが別のベンダーという場合も考えられるというような複雑な関係で運用されていると いう病院様もあります。  その下が、じゃ、ドクターの方がどのように運用されているかという中では、まずドク ターの方が左側にあるんですが、上の入力というところで、まずオーダリングシステムに 入院の登録を行う。それから当然、病名の登録を行います。それから、手術とか処置の予 定とか実績なんかを入力するんですが、そういう入力を行うと。それをDPC決定のシス テムに渡して、その情報をもとにドクターの方がDPCの決定登録を行うと。それで最終 的に14桁のコードが決まるという形をシステム上とっております。さらにドクターの方 で、14桁とちょっと関係ないデータとして調査のために様式1のデータというものも登 録していただいているというような現状があります。  今、説明したところまでが大体オーダリングシステムが入っている病院様でして、次の ページへ行きますと、オーダリングシステムが入っていない病院様もあります。  パワーポイントのページで11となっているページになります。  DPC決定システム利用例(2)というやつなんですけれども、ドクターの方が伝票で入れ るようなイメージなんですね、この場合には。ドクターの方が伝票で手術とか病名とかを 指示されると。それを診療情報管理士の方、もしくは医事課さんがDPC決定システムに 病名とかそういうものを登録して、DPCの決定登録を行うと。それに対してドクターの 方が内容を確認して承認するというイメージの運用になります。  その承認された内容が同じように医事システムのほうに渡りまして、医事のほうで点数 算定、患者請求、レセプト請求、EFファイルというものをつくるというような流れをと っております。大きくは小さい病院さんでも大体こういう流れ。先ほどのオーダリングが あるような大きな病院さんですとオーダリングを介しての入力というような運用をとって おります。  その下の12ページのほうに行きまして、コンピュータシステムで利用される資料とか データというのがありまして、この12ページのところは告示とか通知で提示されている ものとしてはこういうものがあります。特に点数表なんかは点数をとるためには不可欠で すし、あと留意事項とか記載要領というのはやっぱり算定上及びレセプト請求上必要なも の。それから定義テーブルですね。ここら辺を見ております。  ただ、これだけでは実はコンピュータシステムをつくれませんので、次のページにあり ますような、13ページですね、対応テーブル、それから使っちゃいけないICDを決め ている使用不可のICD一覧とか、あと医療資源を最も投入した傷病の書き下しとか、副 傷病の書き下しとか、そういうものを利用して最終的にDPCの電子点数表、これを使っ てコンピュータシステムというのがシステム化されているというふうにお考えいただけれ ばと思います。  各ベンダーが苦労した制度と書かせていただいたんですが、苦労するということは費用 もかかるというイメージなんですが、3日以内の再入院というのはこの前の改正であった んですが、やはり医事システムだけで済む改正であれば費用はそんなにかからないんです が、オーダリングとかDPCの決定システムのほうに影響が及ぶものになると、システム 全体に影響があるというものはかなり大きいのかなと。それから、DPCというのは1入 院単位にDPCは決まるという大前提であったと思っているんですが、それに対してこの 3日以内の再入院では一連のものとして算定しなさいと、決定しなさいというふうなお話 になりましたので、その一連の概念をつくるのにやっぱりコンピュータをかなり直さなけ ればならなかったというようなところがあります。  もしも前回入院分はやっぱり1つのDPCで確定して、3日以内に再入院した場合は別 のDPCはつけてもいいんだけど日数は継続するよ、というぐあいにしていただけると、 その医事システムのみで変更は済むという形になりますので、ベンダーとして苦労したの は、3日以内の再入院なんていうのはちょっと苦労したというような状況にあります。  最終ページの15ページなんですが、我々としてもただ単純に言われたことをやってい るわけではなくて、費用がかからないように、やはり要望とか提案させていただいたよう な項目も幾つかあります。特にコンピュータに必要とされるテーブルなんかはこういうも のがあるのでぜひ整備をお願いしますとかいうこと。  それからあと、改正に関しては、やはり機能評価係数とか調整係数が月途中で変わると もう点数計算がまるっきりできないような形になっておりまして、変わらないような要望 を上げさせていただいております。  さらに、なるべく早期の仕様決定というのを要望させていただいているんですが、改定 直前に仕様が決定しますと、どうしてもリスクが大きくなりまして、その分に関して積み 上げとかしちゃうことになるんですね、費用とかを。そういう点を含めて、なるべく早期 の仕様決定を要望させていただきたいなということを常々医療課さんには差し上げており ます。特にやはり3カ月ぐらいは見ていただきたいな、なんていうふうにベンダー内では 申し合わせております。さらに、もし改正とかが延びるのであれば、やっぱり年内ぐらい には決定していただきたいなというぐあいに我々ベンダーのほうとしては考えております。  それからあと、コーディングデータに関しましては、レセ電と紙レセの病院さんがまだ ありますので、そこら辺の仕様の統一とか、それからコーディングデータの内容をEFに 合わせるような、内容はこんなふうなものでどうですかみたいな提案をさせていただいて いるというふうな現状にあります。  以上、JAHISとしてはこのような活動をさせていただいていることを報告させてい ただきます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして議論を行いたいと思います。  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  私たち一番関心があるのは、診断群分類のコーディングが適切に行われるかどうかとい うことで、それによって診療報酬が非常に変わってまいりますので、例えば特にDICで すね、播種性血管内凝固症候群の診断がつきますと一気に点数が上がってくるわけなんで すが、その診断がなかなか微妙で、例えば研究班の診断基準で、点数制ですが、7点まで はDICにならないけれども、8点になるとDICの診断がついて、それで非常に高い診 療報酬がつけられるというので、ともすればアップコーディングというような傾向も起こ りがちでなしとしないというところがあるわけです。その辺の判断はあくまで医師ないし 医事課の判断であって、JAHISさんの中にいろんなソフトだとかオーダリングシステ ムを持っていらっしゃるので、そのオーダリングシステムがコーディングないしそういう ものを決定するという余地はあるんでしょうか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  いや、JAHISそれぞれのベンダーのシステムは、入力された病名とか処置とか手術、 重症度、そういうものを組み合わせて、こんなものがありますよというのは全パターンつ くれます。その中から選んでいただくのは、あくまでドクターなり病院の方ということに なっています。 ○齊藤委員  だから、これだけ情報があれば、DICをコードできますよというようなことが気安く ひょいひょい出てくるようなことはないんですね。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  いや、それは……、医学的観点はSEでは分からないものですから。 ○齊藤委員  コンピュータでどんどんコードされたんじゃ、とてもたまらないわという気がしたんで すが、そういうことはないんですね。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  はい。そこまでは、お墨つきでもない限りは、そんなことはSEの立場ではできないも のですから。 ○齊藤委員  どうもありがとうございました。 ○西岡分科会長  多分、今の御質問は非常にこの分科会で重要なポイントなんですね。よくヒアリングで お伺いいたしますと、DPC決定システムのところでそういったものが入ってしまうので、 それでアップコーディングになってしまうんだというふうなお答えをちょうだいしたりす るんですが、そのあたりについて何か情報をさらにお持ちでしたら教えていただけるとあ りがたいですけれども、どこか特別のベンダー云々ということじゃなしに、一般論的に、 JAHISでおつくりになっているシステムがありますのと、そこへまたサブシステムが 加わったりしております。そういったところで複雑になってきて、私たちがお伺いする分 では何となく首をかしげるコーディングになるということが起こっているんですけれども。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  一般的に言いまして、まずSEの立場ではそういうようなことはちょっとできない、そ ういうような頭まで回っていないという言い方が正しいと思いますが、やはり病院様の要 望に従ってというのが大きい中で、DPCだとやはり、ちょっともうかるという話も何か ちまたにあった場合もあるので、やはり少しでも高い点数をとりたいからという御要望を 聞いた話はあります。ただし、JAHIS全体とか、ベンダーでもやっぱりDPCを知っ ている人間は、そういうことはまず考えない。やはり正しくコーディングしていくという ことが制度の発展につながるものですから、そういうことはやっていないと私は信じてい ますけれども、ちょっと末端まで行くと分からない部分もちょっとあるんですけれども、 やっぱり各病院さんの要望とそこを対応しているSEとの間でやってくれと言われたとき には、もしかしたらやっている可能性はゼロではないとはちょっと思います。すみません、 そこら辺は、素直にあれですと。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  素直な御意見だと思いますが。よろしいですか。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  スライドで示していただいた、11番目、コンピュータシステムで利用される資料、デ ータ等ですけれども、こういうものは告示として示されているものですよね。これが正し くすべてのシステムというか、すべてのベンダーさんが正しく使って、正しい定義上でデ ータを吐き出しているということについてはどの程度JAHISとしては管理されている んですか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  定義テーブルに関して、載っている内容をまずは入力できる。それに対して、組み合わ せをつくれるということはまず保証できると思います。そこをどういうぐあいに優先順位 をつけ、例えばお見せするか、それからその中からどうやって選んでいただくかというの は病院様の御要望との間で決めているものというふうに認識しています。  ですので、そのお答えになったかどうか、ちょっと申しわけないんですが、コンピュー タでできるのは、あくまで入れられたものに対しての組み合わせで14桁コードの表をつ くるというのはできます。 ○池上委員  様式1の作成についてですけれども、これはオーダリングシステムと医事システムと両 方あるという御提示ですけれども、これは1つの病院に両方の方法を伺うのと、ある病院 では一方だけということもあるんですけれども、まず質問は、これは大体どんな割合でし ょうかということと、それから2つ目の質問は、この様式1のデータを病院が活用しやす いようなソフトというのは開発されて、またそれはどの程度利用されているんでしょうか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  まず、1点目のどちらでつくるのが多いかという点では、やはりオーダリング、もしく はDPCの決定システム、ここからつくるというほうが多いと思います。最終的にだれが 内容を確認するかというところで、医事課さんが確認するよとなっているベンダーさんは 医事課さんで出すという運用をされていますけれども、様式1の内容ですと医事課さんが 分からないほうが多い項目なので、どちらかというとオーダーとかやっぱりDPCの決定 支援システムのほうから出しているというふうに認識しております。  様式1の情報を、じゃ、どの程度コンピュータシステムで利用しているかという点です と、様式1の情報を何か取り込んでやっているという例はありますね。ベンダーによって は当然あります。それがどの程度使われているかというのは、ごめんなさい、シェア的に は把握していないんですけれども、EFファイルを使って出来高の点数との比較というの は全ベンダーが大体やっているんですよ。ところが、様式1を使ってとなると、医学的な 観点がけっこう入ってくると思うんですよね。そういうものですと、やはり病院様の要望 によってちょっとそこをつくっているという例になってきて、なかなかそこの横展開はで きていないようなふうに私には見受けられますので、それほど使われてはいないんじゃな いかなというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○小山分科会長代理  お話を聞きまして、最後のほうの診療報酬改定3カ月間ぐらい猶予というのは、もう本 当に我々も切実な思いでやっているんですけれども、それはこちらにいらっしゃるのであ れですけれども、そこはさておき、ちょっとお聞きしたいんですけれども、スライドの1 4のところの意味というのは、これはある意味で提案的な意味合いでこれを出されている わけですか。結局、考えるとすれば、ただ点数調節じゃなくて、日数を引き継ぐだけとい うような感じで僕らは思っていたんですけれども、そんなに何か全部変えなきゃならない ほどの改定だったということですか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  はい、そのとおりなんです。一番大きいのは、一連になっちゃって、この両方あわせて DPCを決めなさいとなった瞬間に、例えばですよ、退院サマリは入退院ごとに皆さんつ くられているんですよね、病院ごとに。それでDPCのデータが連動していたのが、まず 連動できなくなるとか、そういうのを含めて一連でDPCを決定するとなると、なかなか データ連動がまずできなくなるというのが一番大きいものになります。それぞれDPCは 1入院単位に決めて、日数はここから計算するんだよとしてくれると、ドクターの方はあ わせて頭を悩ませてDPCをつける必要はなくて、それぞれ今までどおり入退院ごとにD PCをつけていただければ全然運用は変わらなかったんですよ。ところが、運用面を含め て入退院を1つにまとめろとなったので大きくなったんですよ、あの改正では。 ○小山分科会長代理  これは長谷川さん、どうなんですか、そこら辺は。  僕らの認識とすれば、ただそこのところは再入院じゃなくなって、ただ入院が外泊だけ だよというような認識の中で動いていたので、そんな大げさな話なのかなと思ったので。 わかりました。これは後でいいです。  それで、我々ユーザー側として一番不満なのは、何しろ高いということなんですよね。 病院は今、霞を食って生きているような状況なんですよね。その霞から上前をはねて食べ ているのはそっちだと言っても言い過ぎでないくらいの状況の中で、やっぱり一番不満が 多いのは、いろんな契約の仕方があると思うんですけれども、改定するたびに100万円 単位のお金を必要とするんですよね。それが我々の場合、全然評価されていない中で、あ くまでも今までの中でやっていかなきゃならないので、改定するときには同じ改定を全部 にするのに、何でそれぞれのところにお金の費用が発生するようなやり方をしているのか。 改定するといっても根本的な技術とかはそんなに変わっていないんだから、最後の詰めの ところだけの請求だったら分かるんだけれども、全部改定をするような請求を出されると いうことに対して何か非常に不満があるという話を実は我々の会の中で聞いたので、その お値段のほうが少し何とかならないのかという意見が出たんですけれども、いかがなんで しょうか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  まず、費用については、ベンダーで何か共謀してとか、そういうことはまずないです。 まず一つ言っておきますけれども。後ろに手が回っちゃいますので、それは法律上、当然、 価格カルテルみたいな形というのは当然やっていませんので。  そのような中で、高くなっている理由と申しますと、先ほどの3日以内の再入院もあり ましたように、やはりオーダーとか決定システムのほうに大きな影響がありますと、オー ダリングって実は個別につくられている病院さんが多いんです。やっぱり運用に合わせて という部分がありまして、その部分に影響が出ますとかなり大きいと。特にDPCは決定 を実はドクターがやられている病院様、それから診療情報士がやられている病院様、もし くは医事課さんがやっている病院さんも実はあるんですよね。ここら辺を含めて運用がそ れぞれに変わってきて、そこら辺、オーダリング含めて、決定支援システムとの連携含め て、あとそれから退院サマリとかそういう連携を含めると、そういうところに影響が出る ような改定ですと、それぞれの病院様にそれぞれ個々に見積もりを出しているというよう な現状があるかと思います。ですので、医事システムだけで終わるのであれば横展開で終 わります。 ○小山分科会長代理  ただ、もう一つ問題なのは、この電子カルテが導入している病院でもDPCは手書きと いうところがあるんですよね。そんなことあり得るんですか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  いや、それはごめんなさい、初めて聞きました、私も。 ○小山分科会長代理  この前ヒアリングでそうでしたよね。手書きと言わないけれども、連動していないとい うのはね。 ○西岡分科会長  そうですね。某病院ですが。 ○小山分科会長代理  別に文句を言っているつもりはないんですけれども、3ページの組織図を見たときに、 あくまでも医事コンピュータの下部組織としてこれは入っていますよね。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  そうですね。 ○小山分科会長代理  だけど、DPCの考え方からすると、その横の医療システムのかかわりも入ってこない から、そういうことが起きるのかなという感じもしたんですけれども、どうなんですかね。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  それは多々あるかと思います。最初につくられたのがここにつくられて、点数計算から 始まったのは事実ですので、今は、ただ、オーダリングのとか様式1の話も含めて話をさ せていただいたのは、ベンダーが持って帰って社内で調整しているというような状況にあ ります。ただ、確かに委員会としてもちょっと連携をすべきかな、というふうには今感じ ております。 ○小山分科会長代理  最後にもう一個だけ。お金のことばかり言って申しわけないんだけれども、我々の考え 方からすれば、やっぱり変更するたびに非常にお金がかかるので、そのお金をかからない ようにする提案か何かありますか。こうすると絶対にコスト安いよというような。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  ぜひそこは相談させていただきたいと我々も思っているところでして、例えば仕様的に こんなふうに変えたいよと。そんな中で、その目的を達成するために、でも安くするには こうしたほうがいいですよという言い方を我々は提案させていただきたいなと常々ちょっ と思ってはいたんですけれども、皆さんやはりコンピュータのシステムはなかなかお分か りにならない部分もあるかと思いますので、目的がどうであれば我々としてはこうしたら 安くなるということは分かるので、ぜひ相談していただけると我々としてもありがたいか なというふうに思っております。 ○小山分科会長代理  ありがとうございます。 ○西岡分科会長  熊本委員、どうぞ ○熊本委員  同じくスライド14の、3日以内の再入院が大変だったということで、これはシステム 的に大変で、あとは費用がまたかかったのかもしれませんけれども、そのほか、20年度 の診療報酬改定では様式1の作成変更というのがございましたね。先々週、病院のヒアリ ングを行いましたところ、やはり正確なデータを出すということが難しかった病院の中に は、やっぱり様式1の変更に戸惑ったというか、それが思ったよりも大きくて、エラーデ ータやデータ変更に時間がかかったというお話があったんですけれども、JAHISとい うか、そういうグループから、この診療報酬改定は2年に1度、大きなのがあるわけです けれどもその際、DPCもあるわけですけれども、どういうところが大変で、どういうと ころはということをやっぱり病院に教えていただきたいと思うんですけれども、そういう コンピュータ上のことでの、お金だけじゃない見積もりというか、そういったこと等もや っていただいているんでしょうか。ちょっとそのあたりをお伺いしたい。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  運用をこうしなければならないというのを、例えば平成20年の様式1ですと3日以内 の再入院とともに、その他病棟に転棟したときにレコードを3つ出すというのが出てきた んですよね。あれはけっこう厳しいですね。ああいう点を我々ベンダーのよく知っている メンバーだと理解して、さらに病院さんにもよく伝えられるんですけれども、やはり我々 ベンダーも、だんだん下に行くほどそういうのを分からない人間が多いものですから、な かなかそういうSEが病院さんのところに行っても話せないというのがあったりして、我 々よく分かっていて、じゃ、そのときはこうやればいいよとかいろいろ言えるんですけれ ども、なかなか短い期間の間にそれを浸透させるのはちょっと難しい。病院さんもなかな か分からない中で、SEも分からない。分からない同士でしゃべってもさらに分からない というような状況を生んだかなと、ちょっとあのときの改正は思っております。 ○熊本委員  恐らく、やはり様式1の特に転棟のところが難しかったと思うので、予期してちゃんと したところはあったと思うんですけれども、それができなかったためにそういうデータの 提出が遅れたりエラーが多かったところがあるかと思うんですね。ただ、先ほどのお話を 聞いていますと、DPC決定と医事とオーダリングはそれぞれ別の会社だというところも あると。1つだとやりやすいかもしれないけれども、あえて言うと1つであるべきという わけでもないわけですね。いろんな意味でいろんなメーカーがあってもいいと思うんです ね。  そのときにやはり標準化というか、そういうところのデータの移行、連携というのをう まくやるという必要性があって、そこに手間暇かけない、お金がかからない、時間がかか らないということが必要かと思うんですけれども、それに対してJAHISからいろいろ な提案というか、病院に対する提案だけでなくて、先ほども3日以内の再入院のところで お話がございましたけれども、何かいい方法というのはあるんでしょうか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  1つは、病院さんに対してなんですけれども、だれがDPC決定するかというのがばら ばらなんですよね。当然、もしかしたらそれが正しいのかもしれませんけれども…… ○小山分科会長代理  そりゃまずいな。それはまずいんじゃないですか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  いや、けっこうばらばらなんじゃないかなと、ちょっと見ていて思うんですね。特に、 例えば転棟したときに、じゃ、だれが決めるのというは、よくあるのが最後のドクターと いうのが1つあります。そのほかに、協議して決めるとか、それによっても運用とか入力 をだれがするとか、そういうところでオーダリングのシステムを調整しなきゃならなくな ってくるんですね。そういう点を含めて、ただ、それはどっちが大事と私も言えないんで すけれども、言えない問題がけっこうDPCにはあるのかなと、これが正しいなんていう 決定方法はないのかなとちょっと思っているところがあるんです。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○相川委員  今の点に関してなんですけれども、先ほどもちょっと御発言があったんですが、スライ ドの右下の番号で11、左上の番号で10のDPC決定システム利用例(2)というのがあり ますが、これは比較的小規模、中規模の病院がこのような流れをとっているという御説明 でしたが、この場合、伝票の内容にもよりますけれども、医師から伝票をもらった医事課 が入力して、その後で内容の確認を医師がすると。それが医事システムのほうに流れて、 様式1、EFファイルができるということになっていますが、これは医師の内容が確認さ れなければその先に進まないようなシステムになっているんですか。医師が確認しなけれ ば。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  いや、これは、まずDPC、医事課さんなり診療情報管理士が入れたときに、まずこん な内容でこういう14桁になりましたよという紙が必ず出るんです。その紙が必ずドクタ ーのところに回って、それに対して承認が来ないと次には進まないというような形を……。 ○相川委員  そうですか。じゃ、それはチェックできているわけですね。次には進まないと。入力し たまま、入力して紙はどこかに打ち出してあるけれども、医師は見ないで。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  いや、それは絶対かと言われると……。 ○相川委員  いや、それはだからおたくの問題ではなくて、医療機関の問題だとは思うんですけれど も、一応は紙が出てきて、それを確認した後で次に進んでいくというシステムにはなって いると。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  そういう、人も含めてのシステムであれば、確実にそうなっているはずです。 ○相川委員  わかりました。 ○西岡分科会長  さっきの標準化という問題なんですが、今JAHISの中で幾つかのベンダーの方たち が参加してやってくださっているんですが、実際の病院の場では、例えばあるAという会 社のシステムを入れたら、ずっと未来永劫、Aという会社になっちゃうんですね。これで はやはり本来の競争というか、標準化というのか、かなり外れてしまうということで、や はりいろんなところでその接続の部分、これは先ほど1つだけスライドをお出しいただい たんですが、違う会社のを組み合わせてもいいという、違う会社を組み合わせたときにエ ラーが非常に発生しやすくなっているんですね、現場では。そういうことがありますので、 やはりJAHISとしては、DPCに関しては共通化、標準化というのをもっと進めてい ただけると非常にありがたいと思っているんですけれども。そうしたら経費も安くなるだ ろうというふうに思うんですけれども、いかがなものでしょうか。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  標準化はぜひ進めさせていただきたいと思っておりますし、DPCは多分かなり進んで いるほうだと実は思っています。コードづけが大体されていますので、病名もすべてIC D10でコーディングと、そこの病名とICDが全部そろっていないなんていう話はありま すけれども、それにしても整備されていると思っております、その中では。今後とも他社 との接続も含めて、ちゃんと調整できるようには我々としてもやっていきたいというふう に思っております。 ○西岡分科会長  よろしくお願いします。  ほかに御質問は。どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  手術のKコードですけれども、これにはいくつか問題があります。今、外保連の手術委 員会で東大の大江先生と一緒にコーディングの作業は大分進んでいて、ぜひ一度そちらの 観点からちょっとアドバイスをいただけたらありがたいと思いますので、よろしくお願い します。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  ごめんなさい、どのようなあれか分からないんですけれども、一応Kコードに関しては 一通りレセ電のマスターからつけているとみんな思っていますので、そこで何かいろいろ な間違いがあるのであれば、またオーダリングとの絡みなのかなとちょっと思うところが ありますけれども。 ○山口(俊)委員  というのは、改定のたびにKコードがいろいろ複雑になったり、空のがあったり、いろ んなことがあって、あのままではもう立ち行かなくなってきているんですね。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  ぜひ御相談させてください。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  松田委員、どうぞ。 ○松田委員  ずっと今いろんな委員の先生から出たように、やはりソフトの標準化というのは重要だ と思うんです。でも、多分そのためにはやはり病院側のほうで、今いろんなところでばら ばらにやられているこのフローをどこかでそろえてあげないと、それに個別に対応してい くのはJAHISの会員企業も大変だと思うんですね。例えばフランスなんかですと、コ ーディングのところのプログラムというのはもう標準化して、フローも標準化しているわ けです。要するに各病院に必ず医療情報部門等の設置が義務づけられていて、そこで連結 なんかも全部やるようになっているんですけれども、やはり病院会側として何か、やっぱ りフローの標準化ということはどこかでやっていかないと、なかなかベンダーさんのほう も標準化は難しいと思いますので、ぜひそこのところを、小山先生がいらっしゃっていま すので、病院会のほうから御提案いただけないかなというふうに思います。  その上でやはり、今、標準化したものをだれが提供するのかということも考えないとい けないと思うんですね。今は仕様自体もある程度ざくっとしたものはあるんですけれども、 その中身自体はベンダーさんが個々に開発している状況ですので、やっぱりそこのところ は何か標準化して、ソースが全部オープンになって、それをみんなが共有するという仕組 みをつくっていかないと中長期的に経費が安くなっていかないと思いますので、ぜひそう いうような取り組みも官民挙げてやっていくことが必要じゃないかなというふうに思いま す。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見でございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。  それでは、本日のヒアリングは以上とさせていただきたいと思います。JAHISの方 々におかれましては長時間ありがとうございました。 ○真野(保健医療福祉情報システム工業会)  どうもありがとうございました。 ○西岡分科会長  ぜひともまたいいシステムを開発していただければと思います。  では、続きまして、私のほうから、8月5日に行われました基本問題小委員会の議論の 結果について御報告させていただきたいと思います。ここでは、この間分科会のほうで決 めていただきました支払い方式についての2種類の、合計3種類になるんですか、これを 提案させていただきました。  実際の医療資源の投入量に合った診断群分類点数表とするために、現在の診断群分類点 数表の設定方法を見直すことというふうに決めていただきました。また、これに従いまし て、これまでございました悪性腫瘍の化学療法でございますが、これの5パーセンタイル 値でもって決めるというのを廃止するということに決めていただきました。  それから、基本問題小委員会のほうから、新たに設置する2つの診断群分類点数表、こ れについて適用する際の基準を示すようにというふうに御命令をいただきました。また、 現行の5パーセンタイル値及び25パーセンタイル値となっている診断群分類の数を示す ようにという御意見をちょうだいしております。これにつきましては、新たな資料が集ま ってまいりましたところでそういったものの詳細を出して、再度、基本問題小委員会のほ うに御報告するという形になろうかと思っております。  ほかに何か追加をお願いします。 ○長谷川補佐  すみません、ちょっと若干補足をさせていただきます。  点数表のうち、前寄せにするバージョンがあったかと思いますが、先生は25%プラス と御説明でございましたが、これは入院期間1のところで実際の資源投入量と今回の点数 設定のほうをそろえる診断群分類を設定するということでございますので、どうぞよろし くお願いいたします。 ○西岡分科会長  ごめんなさい。実際には最終的にこれだけ上がるのと、上がりが少ないのというものの 形でございます。それに関しまして、この分科会で御了承いただいていたものでございま すが、それを承認いただいたということでございます。  ほかに補足はよろしいですか。 ○長谷川補佐  ありません。 ○西岡分科会長  それでは続きまして、平成21年DPC評価分科会における特別調査結果について (案)の議論に入りたいと思います。  事務局のほうから御説明をお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、右肩D−1、「平成21年度DPC評価分科会における特別調査結果につい て(案)」を説明させていただきます。  このペーパーでございますが、9月24日、25日、当分科会において実施いたしまし たヒアリングの結果についてまとめたものでございます。  まず、簡単に御説明いたします。  1番、再入院及び再転棟でございます。  まず、(1)の3日以内及び4〜7日以内の再入院の割合については、これはアンケー ト調査のみを実施とさせていただいております。  (2)再転棟の割合が多い病院。これにつきましては、青森慈恵会病院に来ていただき ました。こちら、医療機関からの主な意見として取りまとめをしております。4点ござい まして、まず、(1)回復期リハビリテーション病棟や認知症病棟を併設しており、高齢者等 の入院期間が長い患者が多く、入院中に肺炎や転倒による骨折等で、一般病床に転棟する ことがあった。(2)リハビリを目的とする患者については、直接回復期リハビリテーション 病棟に入院する症例がほとんどで、肺炎等があった場合のみ、一般病床に転棟している。 (3)本来は一般病棟へ入院すべき患者であっても、病棟が満床で回復期リハビリテーション 病棟に入院せざるを得ない場合がある。(4)軽症であれば、そのままそれぞれの場所で治療 を行うが、人工呼吸器や中心静脈注射を行うなど、濃厚な医療を提供しなければならない 場合はDPC病棟に転棟することがあるということが先方の御意見でございました。  一方、ヒアリングで委員の先生からいただいた主な指摘事項等々でございます。まず、 (1)DPC算定病棟と回復期リハビリテーション病棟等との入院の基準について、病院の方 針はどのようになっておるのかという点をお尋ねしております。(2)急性期の病棟と回復期 の病棟が同一施設内にあって、その間を頻回に行き来することは好ましくないのではない かでございます。  以上でございます。  次のページをごらんください。2ページ目、2、診療内容について。(1)特定の診断 群分類において、診療内容が他の医療機関と比べて大きく異なる病院をお呼びしておりま す。  まず、(i)、診断群分類、DICの出現割合が他の病院と比較して多い病院をお呼び いたしました。来ていただいた医療機関は上都賀総合病院、あとは埼玉医科大学総合医療 センターでございます。  医療機関からの主な意見でございます。まず、(1)高齢者の患者が多いため、DICの患 者も多かった。(2)総合周産期母子医療センター等を併設しており、重症患者が多いため、 DICの症例の割合が多かった。(3)改めて症例検討を行った結果、コーディングが適切で ないという事例があった。(4)毎月コーディング委員会を開催し検討を行っているが、DI Cについて問題点が指摘されたことはなかった。  ヒアリングでの委員の主な指摘事項でございます。まず、(1)レセプトや様式1等におい て、診断根拠が分かる情報を入力することを求めるべきではないか。その場合、臨床現場 の負担も考慮すべき。(2)当該診断群分類について、ある程度重症の症例と、重症でなくて も早期から積極的に治療が行われた症例を適切に評価する方法について検討する必要があ る。  次は(ii)でございます。次は敗血症の出現割合が他の病院と比較して多い病院をお呼 びしておりまして、徳島市民病院、鈴木病院にお越しいただきました。  医療機関からの主な意見でございます。まず、(1)必ずしも感染を特定できていなくても 全身状態が悪い場合に、臨床的な判断から敗血症と診断していた。(2)改めて症例検討を行 った結果、コーディングが適切でないと考えられる症例があった。(3)重症患者や合併症の ある患者について、他院からの転院を多く受け入れているため、敗血症の症例が多くなっ た。  ヒアリングでの委員の指摘事項でございます。まず、(1)DICや敗血症は重症になる可 能性がある疾患であり、必ずしも診断基準に合致していなくても早めに判断して治療する 場合もあり、こうした場合も配慮して評価方法を検討するべき。(2)敗血症については、小 児科の症例とそれ以外でやや異なる面もあると考えられるので、データを分析し、必要に 応じて診断群分類点数表の見直しを検討するべき。  次が(2)でございます。後発医薬品等の薬剤の使用状況が、他の医療機関と異なる病 院をお呼びしております。  まず、(i)平成20年度の使用割合が平成19年度と比較して大きく上昇した病院、 (ii)使用割合が全国平均と比較して非常に多い病院をお呼びしております。  ヒアリング対象医療機関としては、あづま脳神経外科病院、防衛医科大学校病院をお呼 びしております。  医療機関からの御意見でございますが、まず、(1)患者の経済的な負担を軽減したいと考 え、病院として後発医薬品の使用を進めている。(2)製薬会社の担当者からの薬剤情報の提 供の際には、ドクターのみではなくて必ず事務の関係者が入ることとしており、各医師と の直接的なかかわりは極力排除している。(3)国の直接の機関であり、病院として国が推奨 する目標値を達成するために努力している一方で、予算上の制約もあって進めざるを得な かったという面もある。(4)安定供給、安全性の確認、情報提供の迅速性、他の大学病院で の納入実績等も考慮しながら、採用する薬剤を選んだ。  ヒアリングでの主な指摘事項です。まず、後発品の導入の際に苦労した点は何か。これ につきましては御回答として、医師の理解を得るのに苦労した。中長期的な計画を立て、 医師の理解を得つつ、毎年少しずつ導入を図った。(2)先発医薬品から後発医薬品に切りか える際に、患者とのトラブルはなかったか。これにつきましては、特段問題事例はなかっ たというお答えでございます。(3)非常勤のドクターが診察する際に、類似の名称の医薬品 と取り違える等の問題は起きなかったか。これにつきましては、外来等で一覧表を製作す るなどありまして、問題事例はないという御報告でございました。  次、(iii)使用割合が全国と平均して少ない病院をお呼びしておりまして、山形大学医 学部付属病院と聖麗メモリアル病院に来ていただきました。  まず、医療機関からの御意見としては、(1)安全性が確立されていないため、すべてのと ころに統一的・積極的には導入していない。(2)安全性にかかる情報が十分ではなく、後発 医薬品の安全性が信頼できない。(3)個人的に副作用がふえた経験があって、使用に消極的。 (4)後発医薬品を導入しなければならない理由が分からない。(5)後発医薬品の採用について は各診療科の裁量に任せている。(6)DPC対象病院となってから周囲の医療機関での採用 状況を確認しつつ、安全性や供給確保などを考慮しながら後発医薬品の採用割合をふやし ている。  次が、ヒアリングでの委員の主な指摘事項でございます。まず、(1)医療費は限られてお り、必要な部分に医療費を配分するために節約可能な費用については節約するという考え 方から、国として使用を促進している。(2)後発医薬品については、治療学的に同等である ことを証明することで認可しており、欧米においても考え方は同様である。(3)医薬品に問 題があった場合、その原因を究明しなければならないので、厚生労働省に報告してほしい。 (4)医師への教育的観点からも、特に特定機能病院で使用を進めてほしい。(5)安全性につい ての公表データもふえてきている。(6)各診療科に判断をゆだねるばかりでなく、病院全体 として使用に関する方針を定めるべきとなっております。  次、5ページでございます。(3)DPC導入前と導入後で、診療内容が大きく変化し た病院。  (i)現出来高実績点数が、現支払い点数に比べて非常に小さな病院。要は効率化が非 常に進んだ病院でございますが、こちらとして埼玉病院、洛和会音羽病院に来ていただい ております。  医療機関からの主な意見でございます。まず、DPC導入後に後発医薬品の採用や、外 来で実施可能な検査や画像の診断を外来で行う等の効率化を進めた。(2)研修医に医学的に 必要のないセット検査を安易に行わないよう指導し、検査の件数が減ったことが影響して いる。(3)抗生物質の選択を適切に行うため、細菌検査室の充実を図ったところが結果とし て抗生剤の使用量の減少につながって効率化になった。(4)調整係数が比較的高かったため、 計算上は出来高実績点数が現支払い点数に比べて非常に小さくなっている。  ヒアリングでの委員の指摘事項です。まず、DPCに参加する前であっても、効率化を 進めることは可能だったのではないかという御指摘でございました。(2)効率化することに より、医療の質や患者の利便性について何か問題は起きていないかという御質問に対して は、医療機関から特に問題ないという御回答でございました。次が(3)、持参薬を用いるこ とは多いと考えられるが、医療安全等に配慮すると薬剤師への加重が大きくなると考えら れると。これにつきましては安全性や病棟運営のために、薬剤師による確認や電子カルテ への入力等の対応を行っておって、薬剤師の負担は増加しておる。  次は、(ii)現支払い点数が大きい病院でございますが、こちらについてはアンケート のみを実施いたしました。  次、6ページでございます。(4)データの質に関して確認が必要であると思われた病 院。こちら、データ提出期限を守れなかった病院といたしまして、日立総合病院、千葉医 療センターをお呼びしております。  医療機関からの御意見としては、医事会計システムとコーディングシステムが連動でき ておらず、手作業で作業しており、8人で対応しているが締め切りに間に合わなかった。 (2)担当者に任せ切りになっていた。(3)20年度の診療報酬改定で様式1の作成方法の変更 があって、システムの切りかえを行っていたが、対応に時間がかかった。(4)データ作成に ついて、担当者1人で対応していたが、対応し切れず、今年度から4人に増員しておると いう点でございます。  ヒアリングでの主な指摘事項でございます。DPC制度においては期日までにデータを 提出することは基本的なこと。(2)データが非常に重要であり、不測の事態への対応も想定 し、病院組織として全体的な十分な体制をとるべきである。(3)DPCでは提出されるデー タは標準化されているが、元の電子カルテや退院サマリが標準化されていないという問題 点があるというものでございます。  次、7ページでございます。その他の事項といたしましてこちら、今回、抗生物質を取 り上げさせていただきました。カルバペネム系や第4世代の抗生剤の使用割合が多かった 病院といたしまして、大和病院、田園調布中央病院、苫小牧東病院、河村病院に来ていた だきました。  医療機関からの主な意見でございます。前立腺の生検の際に使用していた。(2)病院とし て余り意識しておらず、今回の指摘で初めて認識した。(3)患者に高齢者が多く重症な肺炎 も多いから、こういう抗生剤を使用する割合が多かった。(4)特定の診療科において、特に クリニカルパスにおいて、特定の抗生剤を投与することとなっておった。(5)多剤耐性緑膿 菌の感染が院内に認められたこともあり、本年から見直しを行っておる。  ヒアリングでの委員の先生方の指摘事項です。(1)指定抗菌薬の届け出制度を行うことで、 適正使用は図れたのか。ただ届け出制にすればよいというわけではなくて、指定抗菌薬を 投与する際に、届け出を書くことが意識されるような工夫が必要であるという御回答でご ざいました。(2)クリニカルパスの内容については適切にレビューを行うべき。(3)今回は抗 生剤についてヒアリングを行ったが、医療の標準化や質の向上の観点から、各医療機関で 他の診療内容についても検討を進めてほしいという御意見でございました。  次のページ、8ページでございます。以上を踏まえまして、それぞれの項目についてま とめを記載させていただいております。  (1)再入院及び再転棟でございます。再入院については3日以内及び4日から7日の 以内の再入院の割合が大きく変化している医療機関が認められたが、調査票において患者 の不利益が懸念されるような事例は認められなかった。一方で、再転棟の割合については 非常に多い医療機関があった。再入院及び再転棟についての調査の結果も踏まえつつ、今 後もこれらの動向について注視していくこととしてはどうかという御提案でございます。  次、(2)特定の診断群分類のコーディングです。DIC及び敗血症については全DP C対象病院の平均に比べて、軽症な症例で算定されている事例があった。これらの中には 不適切なコーディングも指摘されたが、一方で患者の状態によっては、軽症でもこうした 疾病に準じた治療が実際に行われており、必ずしも不適切とは言えない場合がある。これ らを踏まえ、これらの診断群分類においては適切な分類方法について検討した上で、例え ば必要に応じて臨床上の負担の過剰にならない範囲において、様式1及びレセプトにおい て診断根拠や重症度が分かる指標を入力することを検討してはどうかと提案してございま す。  次、(3)後発医薬品の使用状況です。後発医薬品の取り組みについては医療機関によ り大きな差があったが、病院として積極的に取り組んでいる病院では導入が進んでおり、 各医師にゆだねている病院では導入が進んでいないと。また、取り組みが進んでいない医 療機関からは薬品の品質等について不安感が示された。こうしたことを踏まえて医療機関 としての取り組みを進めることが重要であり、厚生労働省の担当部局より後発医薬品に関 する啓発と情報提供を進めつつ、DPCデータにおいてその動向を注視してはどうかとな っております。  次、(4)DPC導入前と導入後での診療内容の変化についてでございますが、こちら、 大幅に効率化を進めた医療機関があったが、医療の質については特に問題とならなかった。 計算上は現出来高点数が現支払い点数に比べて非常に小さくなっていたが、調整係数が比 較的高いことによる影響が大きかったとなっております。  次、9ページでございます。(5)データの質について。データの提出を再三にわたり 遅滞している病院がある。その原因としては、院内のITシステムや意識の問題もあった が、一方で、データの質の確保のためには病院としてマンパワーを含めた体制を整える必 要があるとの指摘があった。  (6)抗生剤の使用状況です。これらの薬剤について、適切ではないと考えられる使用 が行われている。一方で、こうした状況について他の医療機関と比較したことはなく、自 院での状況を実際把握できていなかったという意見もあった。こういうことを踏まえまし て、現在新たな機能評価係数の議論において指摘されております医療の質に係るデータを 公開していることの評価の議論に合わせて、病院として医療の標準化、質の向上の取り組 みを推進していくことについて今後検討していくこととしてはどうかという御提案でござ います。  事務局の説明は以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして議論を行いたいと思います。御質問、コメントございま すか。1つずつ行きますか。 ○小山分科会長代理  1番の再転棟から。あちこちに話がいっちゃうから。 ○西岡分科会長  わりました。じゃ、御提案によりまして、1つずつ項目でまいります。最初、再入院、 再転棟についてのところでございますが、これに関しまして御意見ございますでしょうか。  どうぞ。 ○小山分科会長代理  ケアミックスの病院のところの何が問題なのか、何が一番こういうようなことをさせて いるかというところをちょっと見てみたんですけれども、一つは慢性療養病床へ入ってい る患者さんが一般病棟に戻る場合に、戻った日から換算して3日間さかのぼって出来高に なるんですよね。これを余り利用されてしまうと本来のDPCの目的がだめになっちゃう ので、提案ですけれども、もし出来高にするんじゃなくてDPC病棟へ転棟するんだった ら、その3日間の算定を出来高じゃなくてDPC算定するというようなことが必要なのか なと。これがいろんなところに知れ渡ってしまいますと、全部そういうような形になっち ゃうので、ちょっとDPCそのものの根幹が揺らいでしまうかなという感じがしたんです けれども。 ○西岡分科会長  これは事務局、どういう決まりになっておるんでしょうか。ちょっと御説明をお願いし ます。 ○長谷川補佐  すみません、実はその3日前までの入院に関して、私どももちょっとまだ確認できてい ないんですが、一応3日前までの間はその日ごとに入院基本料Eと、療養病床の点数なん ですが、一番低い点数を算定することができるという記載になっておりまして、ちょっと 確認をさせていただければと思っております。 ○小山分科会長代理  そうなっていなければいいんですけどね。 ○西岡分科会長  実際のケアミックスのところで請求されている形は、急性期病棟へ移られたときにはど ういう請求になられているんですか。  美原先生、何か。 ○美原委員  うちは回復期リハ病棟から急性期病棟に入院するケースというのはごくごくまれなんで すね。この間もお話ししましたように、よほど本当の急性期という意味ではないとやって いないので、だから恐らく、詳しい保険点数の請求上の問題は分かりませんけれども、例 えば回復期リハ病棟の方が心原性脳塞栓を再発したというケースがあります。そうした場 合には、その日から僕はDPCになっているんだろうなというふうに理解しておりました けど。ただ、その割合というのは、うちは再転棟率というのが0.7%なんです。これは 一般病院から見ると、全部データをもう一度見直したんですが、一般病院が0.05%だ とか0.1%というのに比べると、多少多いかなという印象は持ったんですが、そこの中 のある3カ月間を見たんですが、たった3例なんです。それは全部、脳梗塞とか脳出血だ とかの再発でしかないんですね。ですから、肺炎等々は全然なかったのが事実です。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  前に短い退院期間で再入院することがリセットに利用されるというので、3日以内の再 入院は一連の入院とみなすということで切り抜けようとしたわけですよね。今度は転棟で 3日以内に再入院というか再転棟したようなものの取り扱いは、これはリセットになるん ですか、今の制度では。 ○長谷川補佐  その点についてはリセットになりません。 ○齊藤委員  一連の入院とみなされるわけですね、転棟であってもね。なるほど。  そうすると、今の問題はどういうことになるんですか。転棟を利用してリセットが頻繁 に行われるとぐあいが悪いなということがあるのか、それはないんですか。 ○小山分科会長代理  そうじゃなくて、ちょっと僕も慢性期の療床が専門じゃないので、いろいろ話を聞いて みましたら、慢性期療養病床へ紹介で入院しますよね。そうすると、慢性期の点数ですよ ね。急性期だったらまだ、いわゆる亜急性期だとすると、DPCの病棟へ入院しますよね。 だからこれはそれぞれいいんですけれども、慢性期療養病床に入っている患者さんが急変 したということでもって一般病床へ戻すときの得点として、転棟した日からさかのぼって 3日間はどうも出来高で算定できるというようなふうに読み取れるような保険制度になっ ているんです。それは僕の勘違いかな。 ○西岡分科会長  よろしいですか、お願いします。 ○長谷川補佐  恐れ入ります、実は先生御指摘の点ですが、私ども次回までにちょっとある程度調べさ せていただければと思います。特に回復期リハビリテーション、療養型病床等々、あと認 知症もありますが、それらの転棟に関して支払い上何らかの問題がないかどうか、ちょっ と確認をさせていただければと思います。後日御報告いたします。 ○西岡分科会長  じゃ、次回に御報告をお願いします。ちょっと複雑で、多分我々自身も知らなかったポ イントではないかと思いますので。 ○美原委員  よろしいですか。この問題に関しては、我々の病院もヒアリングを受けたので非常に気 にしておりました。すなわち、ケアミックスの病院において不適切な転棟が行われて、ア ップコーディングが行われているのではないかというようなことが問題になったと認識し ております。我々、データを見直して、決してそのようなことはないと思っておりますが、 この間の再入院とか再転棟のお話をお聞きしたときに、グループ内の病院間で再入院をし ているというのは、それは病棟別のアップコーディングではなくて病院間のアップコーデ ィングにもつながるのではないか。  そのときにちょっとお話ししたのは、その慢性期の患者様、例えばある病院では、この 間のお話も、地域の急性期の病院で十分に治療ができなくなって、それを受け入れている から非常に重症患者様が多い。それは考えてみれば、それは本来もともとの急性期病院で 長く入院してきちんと直すべきものを受け入れている。では、そこの病院は本当の急性期 の治療をしているのかというと、ちょっと疑問に思うわけです。ですから、やはり悪い患 者さん、悪いというかかなり体力を落とされている患者様だとか、そういう患者様をどこ まで治療するのかいろいろ議論のあるところだろうとは思うんですが、本当の急性期って 一体何なんだろうかということを非常に僕は疑問に思っているわけです。ですから、その 辺のある程度目安が出されるといいかなということを思います。  つまり、いわゆる悪い患者様は、もともと体力の悪い方がどんどんどんどん入院してき て、ある程度よくなったら、そうすると医療費はどんどん上がっていってしまうのではな いかなと思って、そういうようなもののために、もしかしたらいわゆる地域一般病棟とか そういうのがあるのかなとも思ってはいたんですけれども、その辺がなかなか難しいと思 っています。 ○西岡分科会長  これは確かにヒアリングも通して、それからDPCを通して、実際にDPCに参加して いる病院というのはいろんな種類があるということが初めて出てきたんだと思われます。 前回のときに、松田委員からも御指摘がありましたように、急性期後、本来は後方病院に なるべきような施設も全部DPCに入ってしまっているということで、実際にはこれは大 きなところでもっと病院の機能の整理というものにつなげていただくことが必要なんじゃ ないかというふうに思っております。  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  このDPC評価分科会はDPCの制度設計改善の委員会ですよね。そうすると、この間 のこの部分のヒアリングで提示された制度上の問題というのはつまり何なんですか。今の 制度がどういうふうだからどういう不合理や不都合が発生してくるということが提示され たのかなと思うんですが、それは事務局としてはどんなふうに掌握しているんですか。特 に問題ないというのか、こういう問題が発生し得るから制度上の手直しを検討しないとい けないんじゃないかという問題提起なのか、そこがちょっとはっきりしないと議論の進め ようがないですね。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○長谷川補佐  実はその点はまさに分科会の先生方に御議論いただく点だと思いますが、現在の点数表 のつくりの上では、病名が決まれば、急性期の病床だろうが、亜急性の病態の方であろう が、慢性の病態の方であろうが、同じ点数の分類群に入ってしまうと。それが問題なのか、 問題ないのかも分からないという点で、そういう分類について御議論いただければと思い ます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○池上委員  慢性期のほうの分科会でも、何が急性であり何が慢性であるかという議論が行われまし て、結局これは結論が出ない問題でありました。もともとは、慢性期の包括評価が導入さ れる前は、ケアミックス病院であれば、肺炎の患者であれば一般病棟に入って、肺炎が落 ち着けば療養病棟に移るというのが一般的であったんですけれども、慢性期において包括 評価が導入されて、医療区分という医療のニーズに従って点数が変わるという制度が導入 された結果、従来であれば一般病棟で転棟して対応するような患者もそのまま入院する、 あるいはダイレクトに地域から療養病棟に入院してくるようにもなった可能性があります。  そもそも当初、医療区分の中に肺炎を入れるべきでないという考えもあったんですけれ ども、慢性期の病院に対してアンケート調査を行った結果、肺炎に対する対応は十分行っ ているし、今後も行いたいという希望が圧倒的に多かったものですから、肺炎という状態 を医療区分として評価した経緯がございます。  したがいまして、慢性、急性とは何かというと、入院期間というとらえ方もあるでしょ うし、あるいは医療的密度という考え方もあるんですけれども、なかなか単純な結論、明 確な結論というのは難しい問題であって、慢性期の分科会でも今後検討する予定となって おります。御参考までに申し上げました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、金田委員。 ○金田委員  2点あるんですけれども、やはり急性期病院イコール大病院ではないということが一つ 言えると思う。だからこそ私たちが呼んでいただけたんだと思います。例えば岡山県では 5つ医療圏がありますけれども、500床以上の大病院があるのは3つだけです。我々の 真庭と隣の新見・高梁医療圏には大病院が全然ありません。しかも真庭医療圏は、人口5 万2,000人ですけれども、当院が受け入れている救急の約20%は重傷者です。圏域 内への救急搬送の40%を受けています、わずか177床ですが。したがって、大病院だ けが急性期病院ではありません。中小病院しかないところでは、中小病院が助け合いなが ら地域の急性期医療が成り立っているということが1点。  それともう一つ、2つ目ですけれども、これは岡山県内の都市部の中小病院のケアミッ クスの病院の院長から聞いたんですけれども、大病院からケアミックスの中小病院、例え ば回復期リハ病棟に受け入れると。例えば大腿骨頚部骨折の術後の方を受ける。すると高 齢者が多くて、合併症をいっぱい持っておられます。表現は悪いですけれども、半生の方 を受けないとまた紹介していただけないという現実があるということ。そこで合併症が悪 くなると、今度はその病院のDPC病棟に移って、落ち着いたら回復期リハ病棟に戻って 再びリハビリするというようなことがやはりどうしてもやむを得ず発生しています。そう いう方を受けざるを得ない現状があることをお伝え願いたいということでありました。  以上です。 ○西岡分科会長  この分科会で、それを受け入れるのが悪いというわけではございません。そこのところ で今DPCの制度のもとで支払われる対象というのがどういうふうに切り分けるべきかと いうのをお考えいただいて御意見をちょうだいできればというふうに思っています。確か に今までの調査でも大きい病院だけがDPCであるという形のデータではございません。 いろんな救急患者にいたしましても、200床ぐらいのところでもかなりたくさん救急患 者を受け入れてくださっているという現状がございますので、ちょっとそこはまた違う問 題になると思います。御意見はちょうだいしたいと思いますが。  ほかによろしいでしょうか。どうしてもDPCが扱うべき疾患、あるいは病態というの を、かつて急性期を定義していただいたんですが、あの定義自身がかなり広かったという ところでいろんなものが入ってきて、それが少し広すぎるのではないかというのが、実際 のお話を伺ったところで問題点として上がってきたんじゃないかなと思っているんですけ れども、これは今後の宿題にもなろうかと思っております。  企画官、一言。 ○宇都宮企画官  もともとこの話は資料の1ページの最初の再入院で始まっているわけですね。つまり点 数が高くて、階段状になっていますから、低くなるときに一回退院させて、もう一回再入 院させて、それで高い状態をキープするという、それが不適切だということで、最初は再 入院の調査が行われたと。これについては、先生方にルールをつくっていただいて、3日 以内の場合は一連の入院とするということにしたわけですけれども、ケアミックスがたく さん入ってきたということで、退院ではなくて転棟という形で同じようなことが行われて いるのではないかというのがそもそもの発想だったと思います。  ですから、どういう患者を受け入れるか受け入れないかというよりは、まず最初の趣旨 としては、そういった同じような高い点数のみを維持するような、そういうことが行われ ていないかというのが本来の趣旨で調べたところでありますけれども、実際調べてみると、 それとはまた違ったタイプの余り適切でないと思われるような事例が出てきたと。  ただ、昨年も再転棟を調べて、そのときでしたか、あるいはその後の基本問題小委でし たか、中医協の西澤委員もおっしゃっていましたけれども、実際、再転棟を繰り返してい る割合というのは実は非常に少ないんです。ただ、一部ちょっと目立つ病院があってとい うことなのです。ですから、私が言うのもおかしいかもしれないんですが、客観的にデー タを見ると、ケアミックスの病院がみんなこれをやっているという感じではなくて、ただ、 一部不適切な例が出ているようなので、またそれに対してどういうルールづくりが必要な のかとか、何かそういう防止策について検討しようと、そういう趣旨だということを御理 解いただきたいと思います。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  それでは、次のページに移りまして、診療内容のDIC、敗血症の問題ですが、これに 関してはいかがでしょうか。  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  3ページの上から8行目のところ、(2)のところですけれども、「敗血症については、小 児科の症例とそれ以外で」というふうにまとめてありますが、議論の中では主に新生児の 敗血症、NICUでの敗血症というのが問題になったかと思いますので、もちろん書きぶ りとしてはこれでよろしいんですけれども、「データを分析し」というところに新生児の 敗血症と分けて、小児科ですと随分年齢の範囲が広いものですから、その辺のところはし っかり分けて分析していただきたいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  この前もちょっと議論があったんですが、DICの評価が前から問題があるということ で、吉田先生なんかの委員会でそういうDICかどうか判断できるような資料を提出する ような仕組みに変えたらいいでしょうというのが恐らく2年前だったと思うんですが、そ れが必ずしもDICかどうかを審査員のレベルでジャッジするように機能していないのが 現状だということなんでしょうか。  DICは、例えば出来高のときでも、いろんな高額なお薬を使えば、これが本当にDI Cなのかというのは、審査員はチェックするわけですよね。そのために症状詳記とかいろ いろなものがあったので。それに類したものがDPCの制度でも審査員の先生方の参考に なるデータとして提出されればよいのだということで書類提出という制度ができたんです が、それがうまく機能していなかった、あるいはどのようにすれば機能するのかというこ とを、吉田先生、ちょっと教えてもらえますか。 ○吉田委員  ほとんど症状詳記を書いてくるのが多いんですね。それで詳記を見て、本当にこれDI Cかという判断をされる人もいるんですよ。ですから、医療機関は大変でしょうけれども、 全例詳記は大変でしょうけれども、ある程度高いですからね、値段が。だからDICとか 敗血症の場合にはできるだけ説明をするという、義務じゃないですけれども、やっておか ないと、野放しになっているんですよね。審査の段階では検査したことは分かるんですけ れども、データは分からないですね。だから主治医の判断したデータがつけてこないと分 からないんですね。ですから、例のDPC以前の場合でもやっぱり前から問題になってい たんです。実際には出来高のときだって、何でもかんでもDICというのをつける病院が 多いものですから、あくまでその内容を見て判断したわけです。今回DPCになってから は表に見えていないんですよね。だから、あくまでも詳記を見ていないと判断できないと いうのが現状です。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○齊藤委員  僕が座長をしたDPCの学会で、DICの診断は8点以上があれば評価できるけれども、 7点までだとアンチトロンビンIIIを使ってもDPCとして申請できないので、病院として はとてもつらいと。つらいというプレゼンテーションなんですが、そういうふうにDIC については診断基準である点数をきちんと求めると。それで、それが書いていないものは 返戻すると。それぐらいのシステムに変えることはできないんですか。くどくど書いて、 血沈が遅かったとか、血小板が少なかったとか、そういうことを羅列しても、DICの診 断にはならないわけですよね。これはもう診断基準のポイントがあるわけですから、ポイ ントが幾つだったですかと、そう聞いて返戻していただいたらどうかなと思いますが、い かがですか。 ○吉田委員  わかりました。 ○西岡分科会長  ほかに。  どうぞ。 ○小山分科会長代理  確かにそうなんですけど、DICで結局問題になった病院というのは多くないわけです よね。多くないところのために、ほかの一生懸命まじめにやっているところが、また症状 詳記を全部書かなきゃならないというところは何とかならないんですかね。ほとんど9割 以上、9割5分とも言っていいんじゃないかと―は、普通のDICの発生程度と同じな わけですよね。ほんのわずかなところの病院が非常に高いわけですよね。そこの病院に合 わせて新たに症状詳記を書けだの、検査データを出せということになってくると、ますま す何か遠のいちゃうような気がするんですけれども。  一つの提案としては、去年、この前ですか、前の課長さんがやはりこのDICのところ で発言されたのが、このデータはすべて社会保険庁にも公開されていますというようなこ とを最後おっしゃったんですよね。そのような形でもって、そちらの監査するもとの資料 として、このデータは公開されているはずですから、それで余りDICの高い病院にはそ こを重点的に監査するとかというような方向をとっていただいたほうが、まじめにやって いるところはほとんどがまじめにやっているわけなので、そこら辺、何とか工夫はできま せんかね。 ○吉田委員  これは指導監査室にも関連するんですけれども、確かにレセプトをずっと何十年も見て いますとね、そういう病院はあるんですよ。絶対怪しいと。だけど、詳記を求めても、そ れが本当かどうか分からないですよね。つくってきますので。だから、なかなかそういう のは指導監査室で権限を持って調べないと分からないと思いますね。 ○齊藤委員  この問題は出来高のときでも、もう50年以上続いている問題で、ほとんどの病院が良 心的な病名をつけており、適切な請求をしているわけなので、その少数例の扱いというの は構造的な課題ではありますよね。確かに1人のためにみんなが苦しむというのは、僕が プレゼンテーションした学会の演者の方は7点で泣く泣く断念したと、8点あればDIC で要望できたのにという、大変良心的な病院の代表で、ほとんどがそうなんだろうと思い ます。 ○小山分科会長代理  そう、ほとんどがそうなんですよね。だから、そうじゃないところのためにまた書けと か出せと言うのはちょっとつらいですよね。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○木下委員  同じことを繰り返すようですが、例えば、産科の場合ですけれども、常位胎盤早期剥離 であるとか、多量の出血があったというようなときには、血小板が下がり始めた段階でD ICにならないようにDICの治療薬を予防投与し始めないと助からないこともあるので す。本当に先生おっしゃるように、確実にDICの診断を待って、診断を確実にしなけれ ばDICと診断してはならないということになりますれば、助かる患者も助からないこと になります。施設によりましてはそういう病態の患者が多く、集まるところがあるわけで す。したがって、そういう施設では、DICはオーバーな診断であるというふうなことに はなりません。従って、症状詳記でもいいですし、松田先生はEFファイルにデータも少 し加えたらどうかというお話がありましたけれども、そうしてでも認めていく方向であっ てほしいと思います。 ○西岡分科会長  松田先生に伺いたいんですけれども、EFファイルを今オープンにされているわけです が、あれを見ると大体どっちかというのは判定できるようになっていますよね。吉田先生、 実際にはEFファイルを見ながら審査してくださっていますので、あの中でこれはという のが分かってくるような形になっているのかなと思うんですけれども。 ○松田委員  と思うんですが、がんにしても、それからDICにしてもそうなんですけれども、木下 委員がおっしゃられたように、ただ単にその請求の妥当性を評価するということ以外に、 その病院がどのぐらいの重症度の患者さんを受けているのかということはやはりきちんと やらなきゃいけないのかなというふうに思っています。ただ、そのスコアで7点か8点か という問題もありますけれども、全体として平均的に何点ぐらいのDICの患者さんを受 けているのか、これはある意味でその病院は非常に重症の患者さんを受けているというこ とですので、何か臨床現場で負担にならない程度で何か様式1につけ加えるものがあれば、 何かそれだけでも入れていただければ、その病院がどのぐらいの重症度の患者さんを受け 入れているのかという評価にも使えると思いますので、そういう点でも議論していく必要 があるんじゃないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。大体今のお話で結構かと思いますが、次、後発医薬品の話で、 これはかなり紛糾してしまったところがあったんですが、もうこれはよろしいですかね。 この間ちょっと紛糾してしまったところがあったので、申しわけなかったんですが。  それから、これは5ページ目になるんですが、DPC導入前と導入後での診療内容が大 きく変化したというところでは何かございますでしょうか。  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  では、一言。DPCというのはやっぱりとっても重要なインセンティブを持っていると 思うんですよね。私がその発表をなさった方に、そういう変化だったらDPCとは関係な く5年前、10年前からでもやろうと思えばできたんじゃないんですかと聞いたら、言わ れてみれば本当にそのとおりですというお話があって、そして、DPCが、でもきっかけ になってやりましたと。やっぱりこういうインセンティブというのは医療政策の中で非常 に重要なので、大事な役割をとっているのかなという気がしました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかに。どうぞ、佐藤委員。 ○佐藤委員  今回の件もそうですし、前の後発品についてもそうなのですが、やはり医師への何か広 報とか教育とか、もしくは薬局の薬剤師へのいわゆるインセンティブとか、そういうもの への手当てがやはり必要という問題になっています。きのう、神戸のほうで厚生労働省の 医政局との共催セミナーで邉見先生にも御講演いただいた中でもやはりそういう議論が出 ておりました。もう少し医療の中の教育とか、薬剤師ですと6年制教育の中にそういう講 義形態を入れていったらいいのではないかということです。また、ジェネリック医薬品、 これは学会の方の問題なのですが、ジェネリック医薬品の専門薬剤師みたいなものを少し 学会で考えたらいいのではという意見もでております。ともかくいろんな面でもう少し基 本的な医薬品に関する教育が必要かなということが出ていますので、抗生物質の件も含め て議論が必要かなと思っております。  以上です。 ○西岡分科会長  多分、前回のときにかなりこの部分でヒートアップしたんですが、これはやはり医学教 育という面がかなり重要な役割を持つんじゃないかというのでヒートアップしたのではな いかと思っております。また、先生がいろんなところで講演会などをやられるときに、こ ういった意味での啓発をお願いしたいと思っておりますが。  どうぞ。 ○小山分科会長代理  結局1つの大きな問題は、この調整係数が一番最初の試験期間のときのデータがもとに なっているわけですよね。だからやっぱり一回リセット、毎年リセットしていく必要があ るんじゃないですかね。だから、改善したのが確かに既得権としてとれるんですけれども、 とれないところもあるわけですよね。そういう意味では、調整係数もなくすという方向で 動いていますけれども、調整係数はまだ、でもあと少なくとも2年、場合によっては4年 残るわけですから。 ○西岡分科会長  期待値としまして。 ○小山分科会長代理  はい。2年は残るわけですね。だから、この次の計算のときにでもやるのかどうか分か りませんけれども、なくなるならこのままでもいいかもしれないけれども、一回やっぱり リセットしていかないといけないのかなというような感じはちょっと持ちますけどね。 ○西岡分科会長  実際にはこれ、導入時に調整係数が決まって、それから以後はその決まった調整係数を 動かしているということだけですので、導入してから後の調整係数というのもかなり重要 になってくるんだろうという御指摘だと思うんですけれども。一応これは廃止するという ことになっておりますが。  どうぞ。 ○嶋森委員  5ページの下の(3)ですが、持参薬を用いることで薬剤師の負担が大きくなっているとい うことに対する、答えのところですが、ニュアンスがちょっと違うように思います。薬剤 師の負担が大きくなっているので積極的に薬剤師が介入しているという意味でお答えにな ったような気がします。つまり、効率化を進めていくには、やはり薬剤師がきちっと介入 していることが重要だというようなことのお答えだったような気がします。そういう事か らニュアンスが少し違うと思います。 ○佐藤委員  確かに今の嶋森委員のご発言は、そのとおりだと思います。また、ここで言っていいか どうか分かりませんが、次の議題の中にもあるような、厚生労働省特別調査結果が今回出 た段階で、病院薬剤師会のほうでもいろいろその点についての特別調査をやっておりまし て、そのデータの中にもかなり持参薬というものに対して、病院薬剤師によるいろいろな 貢献度とか、そういうエビデンスらしきものがどんどん出ています。従って、そういう形 での評価というものをしていただければ非常にありがたいかなというふうには思っていま す。 ○西岡分科会長  多分、今新しい電子カルテのところでは持参薬の管理システムというのまでもう導入さ れているんですね。それでそれをもとにしてかなりいろんな病院では持参薬を利用すると いう形は行われています。御指摘のような形で修正をお願いします。  それで、ちょっとこれで余り時間をとると、次のやつが。はい、どうぞ、お願いします。 ○伊藤委員  持参薬は大変気にはなっているんですけれども、患者さんに自分で、自分の薬代を持っ て来いと。それで、その分は病院がもうかるというのは、これ果たしてこういう形で推奨 していいものなんでしょうか。何か戦時中の、料理屋に行くのに材料を持って行けという のを、こんな形でオーソライズしていくということが果たして正しいのかどうかというの が気になるので。 ○西岡分科会長  おっしゃるとおりです。 ○嶋森委員  私もそれは気になりました。 ○西岡分科会長  すごく重要な御指摘だと思います。ただ、先生、これでルールをつくっちゃうと、また 大変なことになると思うんですけれども。  どうぞ。 ○齊藤委員  ここでの議論は、DPCから見えてくることまでにして、その中身の是非とか、改善の 方法とか、医療政策への展開とか、それを言い出すとこれはすべてになってしまうので、 何が見えてきたかと、なぜかと、そこまでに。これからまたいろんなヒアリングがあると 思いますけれども、持参薬の問題にしても、後発医薬品けしからんとか、そういう議論は ここではそんなに深入りしないほうがいいと思うんですよね。医療の価値判断をする委員 会ではありませんので、DPCの制度設計に役立つ意見をまとめていくというふうにされ たらどうかなと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ。 ○山口(俊)委員  ちょっと戻るんですけれども、小山先生の先ほどの御意見で、一度リセットしたほうが いいんじゃないかと。全くそのとおりで、先ほど何かインセンティブがあっていいんだと かいう話が出ていましたけれども、建前上はそうおっしゃるでしょうけれども、最初から 計画的にそういう仕組みをつくってやったところが、いつまでもいつまでも高い点数のま まあるというのは、やっぱり合理性がないと思います。ですからやはりリセットをする方 向でぜひいったほうがいいと思います。 ○熊本委員  同じことになるので、齊藤先生がおっしゃったので、もうやめようかと思ったんですけ れども、持参薬というのは単にコスト面で見るとDPCの中で議論すべきことかもしれま せんけれども、医療安全とかいろんなことと考えると違った側面もあるのかなと、そうい う面も思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  では、次に行かせていただきたいと思います。データの質。ここに書いてあるとおりだ と思います。  それからあと、抗生物質の使い方のところですね。  どうぞ。 ○相川委員  これ、やはり今回のレビューで幾つか診療の質に関係することが出てきたということは、 かなりいいことだったと思いますが、7ページの中段の(4)のところですけれども、これも はっきりと特定の診療科といっても、この場合には眼科の白内障の手術という、完全に無 菌手術に使われていたということをここに書いておきませんと、例えば大腸の手術ならば 使う可能性もありますので、特に(1)では前立腺というふうにはっきりと病名が書いてあり ますので、これを書かれたほうがいいんじゃないかと思います。そのことは小さいことな んですが、このようにやはりクリニカルパスにおいてそういうのが入っていたと。間違っ て入っていたわけですね。というと、前に議論したクリニカルパスが幾つあるかと。幾つ あれば機能がいいというような議論もありましたので、間違ったクリニカルパスでもカウ ントされてしまうというようなこともここでちょっと浮き彫りになりましたので、その辺 のところも今回参考になるのではないかと思っています。 ○西岡分科会長  全体のまとめのところで何かお気づきのところございますでしょうか。  相川先生、先ほどこのカルバペネム及び第4世代を使うということが、非常に盛んに使 うということが医療上どういうふうな意味があるかというのは、今日多分来られている方 々が、この間の議論のときにはうまく御理解していただけなかったように思うんですが、 先生、簡単に、これがどうして問題なのかというのをちょっとお話しいただけますか。 ○相川委員  まず、世界的に見ていますと、日本の抗生物質の使用で、カルバペネム及び第4世代の セフェム系の使用される頻度というのは非常に高いということで、なぜならば、この両者 の薬は多くの細菌を広くカバーするので、原因菌が特定できなくても軽症の場合でも使っ ていれば安全だろうということで選択されがちであるということでありますが、それは値 段が高いこととともに、もう一つの大きな問題は、MRSAをはじめ、MRSAには効き ませんので、そのような菌、耐性菌が蔓延するということにもなると。その辺のところで コストの問題のほかにも注意をするべきであると、そういうことであります。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。 ○小山分科会長代理  吉田先生にちょっとお聞きしたいんですけれども、眼科の白内障のときにカルバペネム、 通るんですか。査定されませんか、普通。 ○吉田委員  これ、DPCですので、出来高じゃないですよね、抗生物質は。 ○小山分科会長代理  いや、これ手術だから出来高で出ているはずなんです。 ○吉田委員  そうですね。いや、気がつかなかったですね。調べてみます。 ○小山分科会長代理  本来だったら査定されますよね。 ○吉田委員  と思いますけどね。この間ヒアリングをやった病院が特殊なんですかね。東京ではそう いうことは聞かないですね。 ○西岡分科会長  いや、これ手術は外へ出ていますが、手術後に使っていらっしゃるんですよね。 ○小山分科会長代理  いやいや、術中なんです。術中に1回しか使っていないという、投与回数は1回だけだ とおっしゃっていましたよね。 ○西岡分科会長  わかりました。  じゃ、全体を通じましてこれでよろしいでしょうか。ありがとうございました。  それでは、続きまして、新たな機能評価係数に係る特別調査集計結果(速報)の議論に 入りたいと思います。  まず、御説明をお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、資料D−2をごらんください。これは、あわせて後ろに参考資料1、2とい たしまして、病院票と医師票をつけてございます。そちらもあわせてごらんいただければ と思います。時間が限られておりますので、本当にごく簡単に。  あと、最初にお断りしておきますが、これはあくまで簡単にまとめたものでございます ので、今後恐らく機能評価係数の御議論の中でもこのデータは使われていくと思います。 その際にはどういう切り口でデータを解析したほうがいいのか等々につきまして先生方か ら御意見をいただきましたら、私どもで作業をいたします。  まず、2ページですが、調査の期間と対象等々を書いてございます。こちらは説明を割 愛いたします。  3ページ、病院票、問1、救急医療の提供体制ということで、その病院が複数回答あり で初期、二次、三次とその他という点でお答えいただいておりますが、三次救急に関しま しては、病床規模が大きければ大きいほど対応できる医療機関はふえておるという状況で す。  その下の図でございますが、救急医療の提供体制で、病床規模が大きいほど毎日提供し ている医療機関がふえてきておる状況です。  4ページの上は輪番制をとっている場合の輪番日の日数でございます。こちらの説明は 割愛いたします。  その下、問3、救急医療の従事者数、医師の数でございます。こちらにつきましては時 間帯による大きな差は特になかったというところでございます。なお、補足でございます が、この中の兼任といいますのは、ドクターに関していいますと病棟の当直との兼任等々 が含まれるとなっております。  次が、5ページから7ページにかけまして、それぞれ職種別の勤務状況を調べてござい ますが、こちら割愛いたしまして、次、8ページをごらんください。こちらは調査票に協 力いただきました医療機関に対して、その診療科があるかないかをお聞きしております。 こちら、割合の多い順番に並べておりまして、このような状況となっております。これは 実はすべての基礎資料となりますので、後ほど診療科別のデータが出てまいりますからそ ちらとあわせて御参考ください。  次、9ページでございます。こちらは診療科「あり」の場合に、救急医療の提供体制で ございます。こちら、下に書いてございますように、各診療科ごとに専従なのか、兼任な のか、オンコールなのか、それとも対応がないのかという記載をしてございます。主に大 きな医療機関ほど専従、兼任が多くなっておるという傾向でございます。例外的なところ といたしましては、上から5つ目、麻酔科がオンコールがふえておると、これは当然のこ とかなと思っております。あとは小児科と救急部が専従が多くなっておるという状況でご ざいます。  次、10ページでございます。10ページが、先ほどが平日準夜でございまして、こち らは平日の深夜でございますが、これも同様の傾向でございました。次のページも休日日 中でございますが、同様の傾向でございました。  次、12ページでございます。12ページは曜日ごとの救急の患者の数を示しておりま す。まず、12ページの左上が初期の救急患者、左下が二次救急、右上、13ページの上 が三次救急でございます。それぞれ見ていきますと、まず初期の救急に関しまして、土日 において患者数がふえております。また、こちら、大規模な病院ほど多くを引き受けてい らっしゃるという状況が出ておりました。次、二次救急に関しましても、初期に比べます と若干数は少なくなりますが、それでも大規模な病院において増加しておるという傾向が 見てとれます。  次、13ページ。一方、三次救急でございます。高度の救急になりますと、こちらは曜 日ごとの変化はございません。ほぼ横ばいでございまして、土日の増加が確認されていな いと。またこちらになりますと、特定機能病院でございますが、先ほど、左の一次・二次 救急においてはそれほど割合が大きくありませんでしたが、こちらにおいては多くの患者 を引き受けていらっしゃって一定の役割を果たされているという状況でございます。  13ページの下でございます。救急外来におけるトリアージの体制でございますが、こ ちら、病床規模が大きければ大きいほどトリアージの体制ができておるという状況です。  次、14ページ。トリアージにおいて、医師と看護師のトリアージの体制についてお聞 きしております。ドクター、看護師ともほぼ同様の状況でございます。  次、14ページの下。救急医療に係る補助金の有無でございますが、約3分の2の医療 機関で補助金をお受け取りになっておるという状況です。  15ページ、こちら補助金の交付金額でございます。数が多かったのは上から3つ目の 輪番制に関する利用型に関する補助金でございますが、多いんですが、金額は1,000 万円未満が大多数、ほとんどであったというものでございます。一方で、件数は少ないん ですが金額が大きいものとしては、救命救急センター運営事業ということで、数は少ない ですが5,000万円以上のところが半数以上となってございます。  次、16ページでございます。こちら、病院票の問8、医療の標準化を進めるために取 り組んでいることでございますが、こちら主に診療ガイドラインの利用、院内クリニカル パスの利用との病床規模が大きければ大きいほど増加しておりまして、また、その下の診 療ガイドラインを重視しているかどうかについても同様の傾向でございます。  次、17ページでございます。17ページが各診療科の責任者に判断を任せていると選 択した場合お聞きしてございまして、外科と内科が多くなっております。ちょうど先ほど の診療科「あり」というのでは1位が内科でございましたが、逆転現象を起こしている状 況です。ここは1点、修正がございまして、下から3つ目、「診療内科」の「診」の字が 間違っております。「心」でございますので訂正いたします。  次、18ページでございます。問の10、診療ガイドラインに沿わない診療を行う場合 の診断適応可否についてでございますが、おおむね大きな病院におきまして何らかのカン ファレンス、または委員会が開かれておるという状況です。  その下の問11でございますが、ガイドラインが閲覧できる体制かどうかということに 関しましても、特定機能病院を除きまして病床規模が大きければ大きいほど閲覧できる体 制となっております。  19ページの上でございます。こちらは閲覧できる対象の方でございますが、職員に対 しましてはほぼ100%でございます。また、患者、一般の来院者に関しましてはこのよ うな状況となっております。こちらのほうでは特定機能病院が最も高くなっておる状況で す。  次、19ページの下、院内クリニカルパスの数でございます。こちら見ていただきます と、多くの医療機関でクリニカルパスを導入されていたんですが、件数としては150件 を超える診療クリニカルパスをお持ちの病院もあったという状況でございます。  次、20ページです。こちら、クリニカルパスを利用している場合に、クリニカルパス の対象となった患者の割合でございます。大半の医療機関が4割以上の患者さんを適用と してございました。  次、その下でございます。病院全体の職員を対象としたカンファレンスの実施状況でご ざいますが、ドクターとナースのカンファレンスを開かれているところが約3割、ドクタ ーとナース以外の専門職とのカンファレンスを開かれているところが24%。あとこれは すべてのカンファレンス合計でございますが、全体に関しましては約6割の医療機関で何 らかのカンファレンスが開かれております。  次、21ページでございます。こちら、カンファレンスの平均回数、これ診療科単位で 見たものでございます。図表のとおりでございます。その下のほうが病棟単位で見たもの。 回数については以上でございます。  次、22ページをごらんください。病院全体の職員数でございますが、病床規模別に職 員数を見たものでございますが、こちらの説明は割愛いたします。22ページの下は常勤 換算したものです。  23ページは看護師の数、24ページが薬剤師、25ページ、管理栄養士、さらに26 ページが社会福祉士となってございます。  次、27ページでございます。こちら、職種別病棟勤務時間でございます。各職種ごと の勤務時間を見ておりまして、薬剤師の方は50時間以上が大半。また、管理栄養士につ いては約3割の方が50時間以上、また、社会福祉士に関しては約3割が50時間以上と なっております。  その下の図でございます。こちらは延べの病棟勤務時間、これは常勤及び非常勤を合わ せたもので、同様の傾向でございました。  次、28ページでございます。こちらは職種別病棟に勤務している割合でございます。 こちら薬剤師の方については半数の約50%の方が病棟に2割以上働いている職員である というものでございます。管理栄養士に関しましても約半数以上の方が2割以上病棟で働 いておると。社会福祉士に関しましては8割近くの社会福祉士さんが2割以上病棟で業務 をしておるという状況でございました。  次、29ページでございます。こちら医師票というものをつくっておりまして、上位3 診療科のドクターの責任者に対しまして診療ガイドラインに関する御質問をしたものでご ざいまして、回答のあった診療科を順番に記載してございます。  次、30ページでございます。診療ガイドラインに関しましてドクターの理解度をお聞 きしておりまして、このような状況でございまして、診療科全体で言いますと8割のドク ターがほとんど理解しておって、約半数のドクターが理解しているのを合わせますと、ほ ぼ98%近くの方が理解しておるという状況でございます。  次、31ページでございます。診療ガイドラインを理解している医師の診察でございま して、診察状況、全体の診療科に関しましては78%の数字におきまして、ほとんどのド クターが診療ガイドラインに沿った診療を行っておるという結果が出ておりました。  ちょっと注意でございますが、下から6つ目、小児外科とか、割合が非常に小さくなっ ておりますが、これはnの問題がありまして、標本数が非常に少なくなっておりますので こういう極端な例が出ているものと考えております。  次、32ページでございます。こちらは参考としている診療ガイドラインでございます が、やはり学会の診療ガイドラインを参考にしている事例が多く、次が海外、最後にMi nds、こちら厚生科学研究費により公開しておるデータベースでございますが、こちら のガイドラインを使用している割合という順番でございました。  次が34ページでございます。これはガイドラインの選択基準をお聞きしてございます が、病院としての選択基準を設けている医療機関はほとんどありませんで、診療科ごとの 選択基準と、選択基準がないというのが大体半々近くでございました。  次、35ページでございます。診療ガイドラインに沿わない診療を行う場合の診療の適 否でございますが、8割近くの診療機関におきまして何らかの院内のカンファレンス、ま たは委員会が開かれて治療の方針が決まっているという状況でございました。  最後、36ページでございます。問6、診療ガイドラインを患者の説明に使用する頻度 でございます。大体2割程度が文書またはパンフレットを用いてガイドラインの説明もあ わせてやっておると。また6割近くの患者さんが口頭で説明。それで特に使用することは ないと、その他に関しましては大体20%近くという状況でございました。  早足でございましたが、以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  今の御説明に関しまして、御質問、コメントをお願いします。  どうぞ。 ○相川委員  12ページの病院票の問の5、初期救急患者数、二次救急患者数に関してですけれども、 曜日ごとに出ています。これは月曜日から金曜日までに関しては準夜、深夜だけというこ とですか。つまり、救急患者の定義にも来るんですけれども、例えば月曜日の午後2時に 二次救急でお腹が痛いと言って手術になりそうだというようなのは入らない。というのは、 大体発生数に関してはほかの曜日でも同じなんですよね。急性疾患、救急の治療が必要に なる患者さんの発生数は曜日にかかわりませんので、恐らく初期救急と二次救急に関して も土日が多くなっているというのはそのような影響があるんじゃないかと。土日だけ急に けがが多くなるとか腹膜炎が多くなるということは余りないので。そういうことでよろし いんですか、そういう理解で。決してこれが悪いというわけじゃなくて。 ○西岡分科会長  お願いします、事務局。 ○長谷川補佐  実は病院票の参考資料1でございますが、そちらの6ページをごらんください。6ペー ジの問5から拾った数字でございます。このようになっていまして、これは時間で分けて おりませんで、医療機関が救急患者であると判断した方の人数を入れていらっしゃるとい うことでございます。 ○相川委員  なるほど。そうすると、医療機関の救急患者の判断によってこういうふうになってくる と。わかりました。ありがとうございました。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  山口直人先生にガイドラインのことを、非常に今度調査が進んだわけなんですが、調査 の前からガイドラインとはそもそも何なのかという疑念が私にはございまして、例えば各 病院の診療チームで、僕らはこういう方向で診療しようと。それで自分たちの力量とか病 院の施設の状況とか、そういうものを考えたチーム内のガイドラインというのもあってい いのかなという気がいたしますし、ここにも海外のとか学会のとかいろんなガイドライン が出てきておりますけれども、仮に病院機能を評価係数に落とし込むとしたときに、そう いうときのガイドラインというのはどういう性格のものであるべきなんでしょうか。 ○山口(直)委員  私が理解しています診療ガイドラインというのは、施設とかチームとかというレベルで はなくて、少なくとも日本という国のレベルでどういう診療があるべき姿かというものを 示すのがガイドラインで、それぞれの施設でどうするかというのは診療ガイドラインを絶 対に遵守しなきゃだめだというふうなことではなくて、それを参考にしつつ、それぞれの 施設の特徴とか制約を生かした診療をするというのは先生のおっしゃるとおりなんだと思 いますが。 ○齊藤委員  ガイドラインという言葉には当てはまらないのではないかということですよね。医療と いうものはできるだけ施設あるいは個人の力量や何かをきちんと反映したプログラムで展 開されるのが妥当なので、自分たちのところでガイドラインをつくれれば、それこそ理想 的ではないかなという気もしないではないのですが。 ○山口(直)委員  私はクリニカルパスはそんな専門というほどのことではないんですが、先生がおっしゃ るようなそれぞれの施設で独自性を十分加味してというのは、むしろクリニカルパスを診 療ガイドラインをベースにしつつ整備していくということなのではないかなというふうに 思います。 ○西岡分科会長  ほかに御質問。どうぞ、難波委員。 ○難波委員  31ページでガイドラインの使用ですか、小児外科のことで、nが少ないこともあるの かもしれませんが、この科の特徴で、大きな疾患だけはガイドラインがありますけれども、 大体ガイドラインの数が少ないために、みんないろいろ工夫して治療しているということ があるかと思いますので、そういうのは考慮する必要があるかと思います。  以上です。 ○西岡分科会長  どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  がん研では、胃がんについて、基本的にはガイドラインに沿っています。例えば腹腔鏡 の手術を、早期がんには我々は適用していますが、そういうことをやる場合も必ず基本的 にはガイドラインに従えばこれは開腹手術ですということを御説明した上で、なぜ我々は これをお勧めするかということを御説明する必要があると思います。  それから、例えば内視鏡治療も、未分化のがんは今適用になっていませんけれども、が ん研独自のデータがありますので、1、一部でやっております。ただこれはなぜほかで行 われないかというと、症例数がまだ少ないからという御説明をして、それでも望まれるの であればやっていただく。ですから、やはり無視してはいけなくて、基本はガイドライン だということをやっぱりぜひ理解して説明しないといけません。自分たちがいいと思って いるからと勝手にするとガイドラインの意味がなくなるというふうに理解しています。  それから、32ページのところに、参考としている診療ガイドラインとありますけれど も、Mindsのガイドラインは学会のガイドラインですよね。ですから恐らく誤解され て、Mindsで見ても学会ということで答えをしたかもしれないので、実はMinds はもっと見ている可能性があるというふうに思います。  以上です。 ○西岡分科会長  どうぞ、熊本委員。 ○熊本委員  ガイドラインじゃないですけれども、27ページ、28ページの病棟での薬剤師さん等 の勤務時間ですけれども、これは佐藤先生にお伺いしていいのか事務局か、ちょっと表の 見方を含めてなんですけれども、延べ時間やDPC算定病棟で割った病床数とか、薬剤師 さんの時間数はかなり大きいと思うんですけれども、28ページでは、病棟に勤務してい る割合というこの意味がよく分からなかったんですけれども、nがやっぱり同じく1,6 08なものですから、これで見ると管理栄養士さんや社会福祉士さんも同じように3%に 近い理由があって、なっています。これ、私の解釈では薬剤師さんが、病棟に行く薬剤師 さんが多いという意味合いに読むのか、10割いる人がほかの職種と同じなのか、ちょっ と分からなかったものですから。 ○佐藤委員  では、まず最初に先生へお答えですけれども、28ページの部分については25.8% が病棟に行っていないというようなデータになっておりますが、病院薬剤師の場合は、い わゆる外来に院外処方を出していても、入院の処方箋が、非常に病床稼働率が上がってい ますのでその発行が多いということと、さらに、それ以上に、注射薬の個人セットという 調剤についても、すべて病院の薬剤師業務でやっていますので、それらの業務が膨大にな ってきているということが背景にあります、従って、この部分の25%がその業務のため に手当てしなければならず、病棟に薬剤師が行きたくても行けない状況になっております。 ですからこれを抜いた場合の比率ですとかなり病棟業務の部分が上がってきているという ことです。 ○熊本委員  10割病棟にいるという薬剤師さんはこういう調査から、どういう人数いらっしゃるか というのは分かるんでしょうか。 ○佐藤委員  分かります。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○長谷川補佐  実は病院票のほうの質問票を見ていただければお答えになるかと思うんですが、13ペ ージでございます。今御質問の10割の方が何人いらっしゃるのかということは実は問の 19のほうのとり方を見ていただきますと分かるようになっておりまして、要は各個人が 何割病棟で時間を費やしているのかというのをそれぞれの項目でお聞きしているのが数字 となってございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○佐藤委員  実はこれに関連して、いろんなお話をいただいた段階で、今回の厚労省のデータも非常 に興味あるなと思った訳ですが、もう少し我々病院薬剤師としては、いろんな診療科別で の病棟活動は、どうなのだろうかとか、先ほどの実態把握に関してもそうですが、病棟で の薬剤師の役割というのが、医療の質とか効率性にどう係るかというのについては、少し まだデータが足りないかなということを思いました。日本病院薬剤師会のほうで、今回の 厚生労働省のこの新たな機能評価係数にかかわる特別調査と同じ対象病院と準備病院に、 同じ調査対象時期でこの調査の内容、項目を含めて、さらに詳細な項目を調査して、DP C病院における薬剤師の病棟業務に関する実態調査というのが大体でき上がってきている ということを聞いておりますので、前回も6月8日にプレゼンテーションを私のほうから させていただきましたが、この調査結果について委員である私のほうからこの分科会に御 提出させていただければ、その辺の細かいものはもう少し説明ができるのではないかと思 います。ぜひその辺のことを、次回でもいいし、次々回でもいいのですが、ご報告する機 会が得られますように、よろしく御検討いただければと思います。 ○西岡分科会長  わかりました。  どうぞ。 ○嶋森委員  13、14ページのトリアージ体制の有無のことですが、全体で6割近くトリアージ体 制があって、医師、看護師ともに1人の体制が多いようですが、3人とか4人とかけっこ うたくさん置いているというようなデータが出ています。このような体制をきちっと整え て、優先度の高い患者を先にきちっと診るということは評価ができると思いますが、この 調査結果では実態がまだよく分からないので、今後もう少しきちっと調べる必要があると 思いますが。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局。 ○長谷川補佐  申しわけございません。実はこの点については、質問票のほうの問のほうが7ページで ございますが、病院によってはちょっと質問を誤解されていまして、要は一日、その日の ある一日で何人の方が担当されているのかというふうに思われた方もいらっしゃいますし、 また逆に常時何人の方がそのトリアージにかかわっていて、その日は1人しか担当されて いないんだけれども、トリアージ要員としては複数いらっしゃると、そういうケースもご ざいますので、ちょっと今回この質問票の質問の範囲ではそういうのが読み取れませんで、 ちょっと私ども事前のチェックが甘かったなと感じているところでございます。ちょっと またデータをまたスクリーニングいたしましてお示しできればと思っております。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○池上委員  これ、病床数は把握されているんですか。病院票にはないんですけれども。 ○長谷川補佐  こちらのほうで把握してございますので、病床数で割ってみたりとか、いろんな切り口 が可能かと思います。 ○池上委員  このレンジでやると、200床から400床というのでやると、従業員が倍いても同じ ことになるわけですね。1床当たりにすると。ですから、この比較は余り意味ないと思い ますので、病床数当たりにしないと、これは非常に幅があるレンジでこれを比較しても意 味がないと思いますので、ちょっと誤解を招くプレゼンテーションだと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○長谷川補佐  冒頭、御説明しましたとおり、これはあくまで速報でございますので、今後こういうデ ータをどういうふうに切り口で分析するかを本日御指示いただければ解析いたしますし、 これが終わった後でも結構でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  実際にはこれ、ざっとまとめてもらった段階でのデータでございます。これが新たな機 能評価係数につながるのかどうかという解析をこれからやっていかなければいけませんの で、こういう切り口でデータ解析すればつながるかもしれないというようなお考えがござ いましたら、ぜひとも事務局のほうに御提案いただければ、今でも結構なんですが、ある いはこの会が済みましてからでも結構ですので、御提案をぜひともお願いしたいと思って います。  ほかに、よろしいですか。松田先生。 ○松田委員  今の池上先生の質問というか御意見に関連して、ベッド数で割るのもいいと思うんです けれども、やはり救急患者数当たりでどのくらいトリアージされているのかというのが必 要だと思います。それとあと、ぜひ救急外来の数をとられていますので、DPC入院のほ うで、調査票のほうで救急か救急じゃないかというのは一応データとっていますので、そ れとの、一応裏をとるということもありますけれども、関連性をちゃんとチェックされた ほうがいいのかなと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、金田委員。 ○金田委員  救急に関しては、やはり医療圏内に大病院があるのか、中小病院しかないのか、すなわ ち医療圏の評価に基づく必要があると思うんですね。大病院があるところの中小病院の悩 みは、なぜこんな重症を我々中小病院に送ってきたのかという悩みなんですね。我々中小 病院しかないところは全部受けているんですね。対応困難な重症者は往復3時間ぐらいか けて県南の病院に転院搬送している、医師とナースが同乗してですね。そういう医療圏ご との評価をお願いできればありがたいなと思います。 ○西岡分科会長  可能な限り、御検討を。 ○長谷川補佐  させていただきます ○西岡分科会長  ええ、ちょっとそこまで持っていくというのは非常に難しい分析になるかとは思うんで すが、検討させていただきたいと思います。  ほかに何か。  どうぞ、美原委員。 ○美原委員  今の救急患者様のもので、先ほど齊藤先生がDPCのデータから見えるものと見えない ものがあると。僕これを見ていまして、様式1をもう一度見直したら見えないものがあり ました。それは何かというと、救急患者あるいは救急患者様がどこから来たかというのが 見えないんです。すなわち、大学病院や大きな病院の先生は救急外来は全部外の病院から 来ると思います。ただ、先ほどちょっと議論のありましたいわゆる病院グループでは、関 連施設から来たものや、関連の病院があったら、それ以外は全部救急として入ってきてい る可能性があると思うんです。ですから、救急なのか、以前、紹介率というのがありまし た。紹介率は、関連する医療機関からの紹介は紹介率としては計算してはいけないという のが以前の保険点数のときにあったわけです。今DPCはそういう紹介率というのは関係 ないですが、そのデータが漏れているので、いいことか悪いことか分からないですが、い わゆる病院間のキャッチボールというのが今のデータからでは見えてこないなということ が見えてまいりました。ですから、様式1に救急あるいは紹介の先が施設なのか一般病院 なのかということぐらいは入れてもいいのではないかなというふうに思いました。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な御意見です。  どうぞ。 ○池上委員  もう一点、診療科で分析される場合に、特に問題となっている産婦人科と精神科に関し ては、もう既に調査票が固まった段階で御提示いただいたので、もう修正がきかなかった んですけれども、例えばここでは産婦人科と産科は別に掲載されているわけですね。それ から、神経科というのは、これは精神科という内容の診療をなさっているかどうか分から ないので、精神科救急ということを取り上げる場合に、実態としてこれは数が少ないので、 後追いで確認できるかもしれませんけれども、私は診療科群という形であらかじめ規定し た基本的な診療科名に合わせて調査したほうがよかったと思うんですけれども、もうそれ は手遅れでございますけれども、少なくともここで言う産科と産婦人科は合わせるとか、 神経科の扱いをどうするかということは、今後それらの診療科における対応が課題となっ ておりますので、御検討いただければと思います。 ○長谷川補佐  わかりました。可能な限り集計の場において配慮したいと思います。 ○西岡分科会長  ほか、御質問、コメントよろしいでしょうか。  それでは、今日、もしこういった切り口でというふうな御提案がございましたら、ぜひ とも事務局のほうに御提案をお願いいたします。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。  そのほか、事務局のほうから連絡事項等ございますでしょうか。 ○長谷川補佐  次回の開催につきましては、追って連絡させていただきます。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させ ていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内線3278)