09/10/01 第22回未承認薬使用問題検討会議議事録 第22回未承認薬使用問題検討会議議事録  日時:平成21年10月1日(木)14:02〜15:14  場所:はあといん乃木坂 フルール  出席委員:堀田座長、岩砂構成員、川西構成員、浜田構成員、樋口構成員、       藤原(久)構成員、藤原(康)構成員、大津構成員 ○堀田座長  それでは、時間もまいりましたので、第22回の未承認薬使用問題検討会議をただ今から 始めさせていただきます。  本日、実はこの会は前回の6月に、いったんここで閉めて発展的解消をするというお話 であったのですが、もう1回だけ追加という形でご参集いただきました。その経緯は、ま た後でご説明するといたしまして、本日の出席状況を事務局のほうから確認してください。 ○事務局  委員の先生方におかれましては、ご多忙のところ、ご出席いただきまして誠にありがと うございます。  お手元の委員名簿をご覧いただければと思います。  本日のご出席を確認させていただきましたところ、本日は井上委員、大塚委員、久保委 員、後藤委員、佐川委員が欠席とのご連絡をいておりますが、全委員13名のうち8名の先 生方にご出席いただけるというご連絡になっていまして、現時点でちょっと岩砂先生と大 津先生が遅れているということでございますが、委員定足数としては過半数を超え、会議 が成立していることをご報告申し上げます。 ○堀田座長  それでは、続きまして配布資料の確認をお願いします。 ○事務局  それでは、お手元の配布資料の確認をさせていただきたいと思います。  議事資料を1ページめくっていただきましたところに、配布資料一覧がございます。議 事次第、座席表、委員名簿がございます。資料1、資料2、資料3につきましては1から 13ございます。参考資料は1から11、ご用意させていただいております。  資料3−1から3−11につきましては、関係企業への調査回答書となっておりますが、 現時点で開発企業名等を公開してほしくない、あるいはまだ調整中の部分があるというこ ともあって、非公開の資料とさせていただきました。また、経費の詳細につきましても、 各社のノウハウということになりますので、非公開資料としての位置付けとして、委員の 先生の机上のみに配布させていただいております。会議終了後には回収させていただきま すので、お席に残しておいてください。決して持ち帰らないように、よろしくお願いしま す。また、会議は公開会議とさせていただいておりますので、会社を特定できるようなご 発言、あるいは経費の詳細につきましては、会議の場でもご発言にならないようにお願い したいと思います。  過不足等ございましたら、お知らせいただきたいと存じます。 ○堀田座長  ありがとうございました。  それでは、先ほど冒頭で申し上げました、本年6月の第21回以降の情勢の変化について、 事務局からご説明いただきます。 ○事務局  座長のご指摘のとおり、前回第21回会合で未承認薬使用問題検討会議は終了し、新たな 有識者会議を設置する方向で検討しておりましたが、新たな有識者会議を設置する準備作 業が少々遅れている状況もございます。  一方で、本日、資料1においてご説明させていただきますが、平成21年度補正予算事業 である未承認薬等の開発支援事業の円滑な実施を図るために、開発支援品目の内定を一日 も早く行うことが必要であるということになりました。  このような中で、今般、支援対象候補品目としております14品目の選定に当たっては、 まさに未承認薬使用問題検討会議の先生方にお願いしてきた経緯もあり、開発支援するこ との妥当性及び開発計画の内容のご確認をお願いしたいと考え、急でございますけれども、 今回、第22回の会合を開催させていただくこととさせていただきました。よろしくお願い いたします。 ○堀田座長  ありがとうございました。  新たな会議を立ち上げて、そこでまた一から話をすると、どんどん話が遅れていくので、 我々のこの検討会議の流れの中で、整理をまずしておくということでの会議のもう1回の 延長ということにさせていただきたいと思っております。  それでは、本日の会議の進め方について、これも事務局からお願いします。 ○事務局  先ほど、会議開催の趣旨をご説明させていただきましたが、資料1におきまして、未承 認薬等開発支援事業についてご説明させていただき、資料2において、具体的な開発支援 の手順についてご確認いただき、開発支援品目の選定方法についてご検討いただきたいと 考えております。  資料2の検討結果に基づきまして、資料3−1から13の個別の品目について、順次、審 査をお願いしたいと存じます。 ○堀田座長  それでは、資料1について説明してください。 ○事務局  それでは、お手元の資料1をご覧ください。未承認薬等開発支援事業についての説明に なります。  これまで、国内患者数が少ない希少疾病、いわゆるオーファンの治療薬の開発支援制度 として、オーファンドラッグ開発支援制度等によって、開発を支援してまいりました。ま た、海外では承認されているものの国内では承認されていない、いわゆる「未承認薬」に つきましては、未承認薬使用問題検討会議における検討を初め、医師主導治験等の枠組み によって対応してきたところでございますけれども、本年4月1日現在、14品目につきま しては開発が進んでいない状況にございました。  このような既存の枠組みでは開発が進まない未承認薬及び対応できなかった適応外薬等 の開発支援を行うための方策として、本年5月29日に平成21年度補正予算事業として、未 承認薬等開発支援事業が認められたところでございます。  当事業は、開発支援が必要な品目の開発に要する治験等の開発にかかる経費を支援する ことをもって行うものとさせていただいております。  事業の概要については、2番に書いてありますけれども、基本的にはがんや小児用の医 薬品など、海外では承認されているけれども、日本では未承認の医薬品、あるいは適応外 の医薬品といったものにつきまして、このまま製薬企業の自主的な開発に委ねていたので は開発が進まない品目について、厚生労働大臣が指定する医薬品の品目の治験等に対して 助成を行う基金として造成して支援を行うというものでございます。  現在、補正予算の基金につきましては、政府における見直しが行われている状況でござ いますので、最終的にどのような形になるか分かりませんけれども、結果が出るまで待っ ていては、本年度より3年度の事業計画ということでございますので、医薬品の開発期間 を考えますと、未確定であることを明確にした上で、粛々とできることを進めていきたい というところでございます。  資料1については以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございました。  この支援事業の説明をしていただきましたが、ここで何かご質問はありますでしょうか。 このこと自体は、もう既にオープンになっている話で、報道あるいは厚生労働省の発表と して既に流れているものです。したがって、これに則ってということで、ことの是非は問 わないということで進めてまいりたいと思います。よろしいでしょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  それでは、開発が進まない医薬品の開発を国が全面的に援助するという形で、我々にと っては大変よい枠組みができたように思いますけれども、何せ予算に限りがありますし、 未承認薬あるいは適応外の医薬品について、全部を網羅するというわけには当然いかない わけであります。その点を含めて支援対象といったものがどの範囲に今回のこの枠組みと して行うかということについて、事務局のほうから説明してください。 ○事務局  経緯に記載させていただいていますように、企業の自発的な開発に委ねていては開発が 進まない、いわゆる不採算品目についての開発支援を行ってきたわけでございますが、そ れでも開発が進まなかった品目については、これまでの枠組みでは対応できなかったもの に限り、政府による全面的な開発費の負担ということが認められるというものになります ので、未承認薬については、これまで未承認薬使用問題検討会議においてご尽力いただい た結果、多くの品目の開発が進んできた経緯がございますが、それでも本年4月1日現在、 開発が進まなかった品目という14品目については、今ご説明しました既存の枠組みでは対 応できなかったものとして、その妥当性を確認した上で、当該事業により開発支援ができ るものと考えております。  したがいまして、14品目以外にも未承認薬は存在しますけれども、当面、開発候補支援 品目としては14品目に限定されているとお考えいただければと存じます。 ○堀田座長  大変重要なポイントだと思いますけれども、この検討会で21回を重ねてまいりまして、 実際に承認に至ったのが約半数ぐらいあって、ただし、ある意味、手つかず、もしくは積 み残したケースがあったわけですね。これは、再三、当局のほうから開発企業に折衝ある いは募集したんだけれども、十分そこに至らなかったというケースが14品目あったという ことになります。まずここを対象にしたいということなんですが、先生方のほうから何か ご質問、あるいはご意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。  今さら「もっとこれがいいぞ」とかという話は、基本的にしないということでないと、 もう収集がつかない。我々も21回を重ねて検討してきて、必要だということで皆さんのご 意見をいただいた上での積み残した14件を、この際、やはり私どもの会議としては、これ を重視したいというふうに思っております。  何かご質問、ご意見、岩砂先生、何かこの点に関してはよろしいでしょうか。 ○岩砂構成員  特にございません。 ○堀田座長  ほかの先生方もよろしいですか。 〔「はい」と呼ぶ者あり〕 ○堀田座長  分かりました。ありがとうございます。  それでは、6月から8月までに行われた意見募集について、当該事業の関係がどうなる か説明してください。 ○事務局  前回の6月の会議のときにご紹介させていただきましたけれども、6月の意見募集につ きましては、未承認薬だけではなくて、これまで未承認薬使用問題検討会議での検討対象 ではなかった適応外薬まで範囲を広げて検討していただくための調査を行ったものでござ います。直接的には、6月の調査と当該支援事業は直結しておりませんけれども、この調 査結果のうち適応外薬につきましては、これまでの枠組みでは開発できなかったものとし て、当該開発支援事業の対象範囲になり得るものと考えておりますので、今後の検討と考 えてございます。  資料2の内容に入ってきている話題になりますので、資料2の中で、順次、ご説明させ ていただければと存じます。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。当該事業の支援対象というのは、適応外薬については6月から8 月17日を締め切りにして、各団体、学会、あるいは個人から意見募集しまして、その中か らということになります。一方、未承認薬については、先ほど申し上げたように14品目の 中から妥当性を確認して決定したいというふうに思っておりますので、最大でこの14とい うふうになります。大変重要な決定でありますので、皆さんの忌憚のないご意見をいただ きたいと思います。  それでは次に、資料2のほうの説明をお願いします。 ○事務局  それでは、資料2をご覧ください。「未承認薬の開発支援品目の選定について」でござ います。  1.の事業概要につきましては、先ほど資料1でご説明したとおりでございます。  2.の開発支援候補品目の範囲についてからご説明させていただきたいと存じます。  開発支援候補品目の内容は、大別して未承認薬と適応外薬に分類してございます。この うち開発支援事業による開発支援候補となり得る範囲は以下のとおりを考えてございます。  未承認薬につきましては、ただ今ご紹介させていただいたように、この会議において検 討されてきた44品目のうち、平成21年4月1日現在、開発者(社)が決まっていない3品 目を含む、開発に着手されていない14品目の範囲で決定する。適応外薬につきましては、 平成21年6月18日付けで厚生労働省のホームページ等で募集させていただいた、その募集 に応じて、同年8月17日までに提出いただきました適応外医薬品につきまして、その中か ら選んでいく。未承認薬、適応外薬の定義につきましては、この四角囲みであるところの 中の定義に基づいて調査をさせていただいたところでございます。  今般、先生方にご審議いただく開発支援品目の選定方法につきまして、未承認薬と適応 外薬に分けて考えていくわけでございますが、今般考えていただくのは、未承認薬につい てでございます。  ページをめくっていただきましたところに、別紙1として未承認薬の開発支援品目の選 定基準の案を提示させていただいてございます。順次、ご説明させていただきます。  44品目のうちの14品目が候補対象品目として、このリストに記載しております。この品 目につきまして、それぞれ開発者(社)が決まっている場合と決まっていない場合に分け て、案をご説明させていただきます。  まず、決まっている場合についてです。現時点で決まっている品目については、開発者 (社)が支援の希望をどう考えているのか、今後の開発計画をどう考えているのかといっ たものを調査させていただき、その調査結果に基づいて、有識者会議において支援品目の 妥当性、開発の必要性であるとか、開発必要経費と収入見込みのバランス等をご審議いた だいて評価いただく。  一方、開発者(社)が決まっていない場合につきましては、まずは開発予定者を調整を 行い、開発予定者(社)のめどが立った段階で、開発者(社)が決まった段階と同じよう なスキームで流させていただいてはどうかと考えております。また、この開発支援が妥当 だと御評価いただいた場合におきましては、今後の開発申請パッケージについてどう考え ているかというのも併せて調査させていただきましたので、併せて先生方にこの調査計画 につきましてご確認いただきたいと思っております。  次のページに、実際にこの開発支援品目につきましての今後の開発の流れというイメー ジ図を付けさせていただいております。現時点では、一番上の未承認薬の品目の「開発者 あり」と「開発者未定」の部分で、今回、資料としてお配りさせていただきましたのは、 14品目のうち、開発者がほぼ内定できた13品目分、要するに、オレンジの部分の13品目分 について、資料としてご用意させていただきました。1品目につきましては、現在調整中 でございますので、いずれ右のほうに流れたところで、支援品目の要望書の作成をお願い できるところまで来るのではないかと考えてございます。  本日は、この赤の点線で囲んでおります支援品目の指定の意見を聴取することと、想定 されている申請パッケージの確認をお願いしたいと考えてございます。この後、先ほど来 の今後の予定が決まり次第、治験相談等で実際のプロトコル等の確定を図っていき、それ に基づいた収支の計算を行っていただいた結果、再度、支援額の決定をした上で、基金管 理団体にその旨の通知を行い、開発資金の支払い・管理をお願いしていくことを考えてご ざいます。  資料については以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございました。  それでは、皆様からご意見をいただきたいと思います。まず今の14品目の選定につきま してですが、現在の10月1日ではなくて、4月1日現在で手つかずのものという整理をさ せていただきました。21年度の補正予算でありますので、そこでどこかに区切りを付けな ければいけないということで、そのような対応にしたいということですが、この点につい ていかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ○樋口構成員  教えていただきたいのですが、これまでに14品目については、開発する企業等がまだ決 まっていないものであったわけですね。それが、今回、14のうちの13品目は開発社ありと いうふうになったのは、これはこの新しい制度、要するに支援事業というものを前提にし て開発社が決まったというふうに理解してよいのでしょうか。 ○事務局  全てが全てそうではございません。既に、開発してもよいというお話をいただいて、調 整に入っていただいたところもございますし、今回、この補正予算の話が固まってきてか ら手を挙げていらっしゃったところもございます。  ですから、全てが全てどうということはないのですけれども、当該事業については報道 されていますので、この資金をあてにされていることはあろうかとは思います。 ○樋口構成員  分かりました。 ○堀田座長  ほかの先生は、ご質問、よろしいでしょうか。もしなければ、個々の評価に入ってまいり たいと思います。資料3−1から13まであると思います。最初にお断りしたように、この 資料はちょっと微妙なところがありますから、お持ち帰りにならないことと、それから企 業名、あるいはその金額等、そういったことについては触れないで議論していただきたい というふうに思っております。 ○事務局  それでは、資料3のご説明に入ります前に、利益相反の取扱いについて、若干ご説明さ せてください。  今回の検討会の開催に当たりまして、各構成員における利益相反を防ぐため、候補品目 の開発に対する各構成員の関与と開発費用からの寄附金、研究契約金等の需要について、 各構成員から申告いただいております。  その結果、資料3−8のルフィナマイドの審議におきましては、浜田構成員と藤原康弘 構成員におきまして、開発企業からの資金供与額が50万円を超え500万円以下に該当すると の申告をいただきましたので、当該品目の議決には参加されないことといたしたいと存じ ます。その他の品目には、議決に参加されない委員はいらっしゃいません。  それから、個別の審議に入っていただく前に、見ていただくところを若干ご説明させて いただきたいと思います。  資料3−1の見開いたページの調査票をご覧ください。  先生方にご確認いただきたいと考えているのは2点ございます。開発の妥当性と、もう一 つは今後の開発計画の確認ということでございます。妥当性につきましては、この品目の 必要性と同時に、開発にかかる経費の見積もりの欄、それから承認取得後に見込まれる承 認収入の見積もりの欄を比較していただいて不採算性の確認をいただくとともに、当該品 目の必要性を考えていただく。また、今後の開発計画の妥当性につきましては、参考資料 として、先生方におつくりいただいたワーキンググループの検討結果報告書を付けさせて いただいておりますので、随時、対比していただきながら、今後の開発申請パッケージの 妥当性についてご確認いただければと存じます。  資料につきましては以上でございます。 ○堀田座長  ありがとうございました。  個々の議論に入っていってよろしいでしょうか。  それでは、まず最初に、添付資料の一覧にありますように、資料3−1のストレプトゾ シンです。膵島細胞癌に対する化学療法薬ですが、これについて進めてまいりたいと思い ます。どうぞ、簡単にご紹介をお願いします。 ○事務局  では、資料3−1の調査票をご覧ください。  まず、開発の妥当性、必要性とともに、収入のバランスでございますけれども、開発に かかる経費の見積もりの欄のところに必要な合計額が記載されてございます。その下のカ ラムに、承認取得後に見込まれる収入の見積額、年間売上額として計上されています。し たがいまして、このバランスで最終的に収支が合わないために、基本的には開発支援をお 願いしたいということの支援要望書が来ております。  また、具体的な開発計画につきましては、3枚目以降の別紙のところに申請パッケージ の構成として計上されてございます。そこのところをご覧いただければと存じます。 ○堀田座長  小さい字で書いてあって、ぱっと見にはなかなか分かりにくいですが、この開発の治験 に関しては、フェーズI、II、IIIのどれかではなくて、その他という形にここでは書いて ございます。申請のパッケージが後ろに載っているということですが、どうでしょうか。 あと、開発にかかる費用の見積もりと、実際にそれがどのくらいの売り上げとして見積も れるかというところを見ていただいて、これがマイナスであるということが大事だという ふうに思っています。  いかがでしょうか。藤原先生、一言。 ○藤原(康)構成員  ワーキンググループで担当したので。  事務局にお聞きしたいんですけれども、これはワーキンググループでいろいろ報告書を つくるときに、私どもの病院の先生方とか使っている人たちに聞いてみた話なんですが、 なかなか権利関係とかが複雑で、患者さんは、一時は個人輸入でうまくやっていたんです けれども、その後、何か個人輸入に回す薬も調達できなくなりつつあるということでした。 本当に、治験までやって申請までいけるような権利関係の整理というのは、うまくいきそ うなんですかね。 ○事務局  難しいご質問です。私どもも必ずうまく行くとご確約はできませんが、今回の支援がも し可能であれば、単なる治験費用だけではなくて、一部、開発契約金といったようなもの までカバーすることが可能になりますので、そういう意味では開発されるとおっしゃって いただく企業の方からすると、かなり開発の初期の負担が小さくなると考えられますので、 あとは開発者のご努力に頼るしかないのでございますけれども、そういう意味では、かな りの程度開発のための支援金が投入できるのであれば、そういった具現性はより高くなろ うかとは思います。 ○堀田座長  どうぞ、続けて。 ○藤原(康)構成員  それであれば、全然問題ないと思います。 ○堀田座長  そうしますと、この申請のための治験の計画であるとか、あるいはその費用の見積もり、 あるいは収入に関してのバランスについては、特に問題ありませんか。もしなければ、こ れは採用ということにしたいと思います。よろしいでしょうか 〔異議なし〕 ○堀田座長  ありがとうございます。  次は、クロファラビンですね。これは、小児急性リンパ性白血病の治療薬であります。 小児に対して、有効な治療薬がなかなかないという現状の中で、これはぜひ進めるべきだ というふうにされたものだと思いますが、これについても事務局から何かコメントはあり ますか。 ○事務局  いえ。基本的には、見ていただきたい表のカラムについてはどの品目においても同じで すので、先ほどの品目と同様のカラムを御参照ください。具体的な数字は読み上げられま せんので、開発にかかる経費の見積もりの欄と、あと承認取得後に見込まれる収入の見積 もりの欄の比較。それから実施予定の治験の概要部分、それから添付されている後ろの計 画資料をご参照いただければと思います。参考資料2が、該当するワーキンググループ結 果報告となってございます。 ○堀田座長  いかがでしょうか。このケースも、ぜひ国内において開発を進めるべきだということで、 もう2年、もうちょっと前になりますか、かなり早期にこの検討会でリコメンデーション したんですが、その後、進んでいないという品目の一つであります。  これによりますと、この開発を予定しているのはフェーズIの段階までということのよ うですが、これは「小児」とここに書いてありますが、成人も基本的には有効な薬だろう と思っています。  大津先生、何か。 ○大津構成員  小児はなかなか企業が動かないので、ぜひやっていただきたいとは思うんですけれども、 このフェーズIというのは、要するに、恐らくもう海外では普通に使われていますよね。 ○堀田座長  そうですね。 ○大津構成員  だから、それは要するに、日本人とのPKが中心のスタディというふうに考えてよろし いんですか。ぜひ進めていただきたいと思います。 ○堀田座長  クロファラビンにつきましては、ワーキンググループの検討では、むしろ難治性の小児 の急性リンパ性白血病に対しては第1選択薬に入ってきているということが言われており ますので、そういう意味では大変重要な薬だろうと思っております。よろしいでしょうか。 ○大津構成員  結構です。 ○堀田座長  では、藤原先生。 ○藤原(康)構成員  がんセンターの藤原です。調査票の開発にかかる経費の見積もりのところで、成人のフ ェーズIも何か書かれているんですけれども、これは成人も対象になるんですか。 ○堀田座長  それは気になったところなんだけれども、「これもやりますよ」という話? ○事務局  小児の治験を実施する上で成人の治験を実施することも必要だろうというような、開発 計画の議論の中で付け加わったと聞いておりますけれども、ここは不適切だということが あれば、除くことになるかもしれませんが如何でしょうか。基本的には小児で治験を実施 する前に成人の治験を行うという話は、論理的にはありえる話であると思っておりますけ れども。 ○堀田座長  この辺は難しいですね。小児から先に開発する薬というのはほとんどないものですから、 それだけで治験ができるかという話だろうと思います。この辺について、ご意見はありま すか。どうでしょう。  これは、やはり適応は小児ということで、この検討会としては進めるという話だったの で、小児に一応限定した形で検討していただくということになりますか。 ○藤原(康)構成員  この後、医薬品医療機器総合機構の治験相談とかを受けられるんでしょうから、そのと きに早く承認が流れるように整理していただければ、私はよいと思いますけれども、今の 時点ではあまり……。 ○堀田座長  ここでは、このクロファラビンを今回のスキームの中で取り扱うということで整理させ ていただくということでよろしいでしょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  ありがとうございます。  どうぞ。 ○大津構成員  ちょっと今回のこれとはまた別になるかもしれませんけれども、よく成人で承認された 後に小児の適応をとるためにというのが、我々が院内の受託審査をやっているとよく出て くるんですけれども、そこのクオリティというのがかなりいろいろばらついて、非常に悪 いところもあって、昨日もちょっと1回、RAで保留したものがあるんですが、要は、あ る程度そういう場合の基準というか、どのような治験をやれば通るのかというのは、もち ろん小児が、非常に症例数も少ないですし、やりにくいというのはよく分かるんですけれ ども、そこの成人で承認をとった後の小児への適応拡大というものの、ある程度、標準化 というものを、ぜひ考えていただけるとよいのかなと。多分、企業はかなり、ばらつきが 非常に多いので、その点を是非ご指導いただければと思います。 ○堀田座長  ご意見としては承っておきます。たしか、小児治験活性化検討会議とか何か、そんなも のがありましたよね。 ○治験推進室長  小児薬物療法検討会議で。 ○堀田座長  薬物療法の小児への開発、あるいは成人から小児という流れをどうしたらよいかという ようなことは、議論されているのでしょうか。 ○事務局  小児薬物療法検討会議において、小児医療に必要であって適応が承認されていない部分 について、これまで検討が行われています。今後については、未承認薬使用問題検討会議 と小児薬物療法検討会議を発展的に改組した会議で、未承認薬・適応外薬の解消に向けて 取り組むこととしております。 ○堀田座長  ということですが、大津先生、よろしいですか。 ○大津構成員  はい。 ○堀田座長  ありがとうございます。  それでは、その次の3番目です。ペグアスパラガーゼであります。L−アスパラギナー ゼというのは、急性のリンパ性白血病にはキー・ドラッグの一つなんですが、これに過敏 症の方が時々あるということです。その過敏症の方に対するということですから、間口は かなり狭いという状況で、開発が進んでいないということだと思いますが、これについて も、何か事務局のほうからコメントはありますか。 ○事務局  いいえ、特にありません。記載内容については読み上げることができませんので、先ほ どのご説明させたいただいた該当部分をご覧いただければと存じます。 ○堀田座長  予定している開発の概要といたしましては、別紙のほうにフェーズIIということで出て おりますけれども、症例数としては15例以上というような形で2年間というふうになって おります。  費用の点の経費の関係、それから収益についてはいかがでしょうか。これも、特に問題 はないかと思いますが、ご意見があれば。  藤原先生、いかがですか。よろしいですか。 ○藤原(康)構成員  がんセンター、藤原ですが、承認取得後に見込まれる収入の見積もりのところで、ほか の今までのものを見てみると、市販後にかかる経費とかが書かれています。多分、市販後 のほうが、結構、安全対策とかでお金がかかると思うんですけれども、ここは計上されて いないので、計上したほうが赤字になるということがはっきり分かるかなと思うので、調 べられておいたほうがよいのではないかと思います。 ○堀田座長  そこは書かれていないということで、売上高しか考えていないけれども、実際、市販後 の経費もかかるという話です。  どうぞ、事務局。 ○事務局  先生のおっしゃるとおり、承認後に見込まれる支出としては、ビジランス等の市販後安 全対策費が必ず計上されることになるとは思いますので、調査票作成時に記載をお願いは しました。  誤解のないようにお話ししておきたいのですけれども、今回の支援開発費は承認取得に 向けての開発支援ということで、承認取得後の市販後経費については支援できません。そ のため、必要な経費ではあるものの、申請前の経費と市販後に係る経費が分かるようにし っかり区別してくださいとお願いしました。このような状況にあって、今回のケースでは、 市販後の部分は載せてこなかっただけであると思っております。市販後に必要となる経費 はあると思いますが、申請前の必要経費だけでも不採算の説明が十分できると考えたのか もしれません。 ○堀田座長  そこを書かれればもっとマイナスになる、そういう話ですよね。  特に問題がなければ、では、これも採用というふうにさせていただきたいんですが、川 西先生、よろしいですか。 ○川西構成員  ええ、問題ないと思います。 ○堀田座長  浜田先生も、よろしいですか。 ○浜田構成員  はい。 ○堀田座長  それでは、4番目にまいりたいと思います。フェニル酪酸ナトリウム、尿素サイクル異 常症でありますが、これもちょっと字が小さくて見にくいかと思いますけれども、大変希 少疾患でありまして、現在6名の患者に対して、コンパッショネート・ユースで臨床研究 という形で、1例1例の積み重ねをやっているという状況だと思います。これについては いかがでしょうか。ワーキンググループとしては、個人輸入が非常に高額になるというこ とで、我が国での早期の開発が必要な薬品であるということでありますが、米国での臨床 試験データや国内での使用症例に関するデータを利用して早期の承認申請がなされるべき だという内容になっております。  どうぞ。 ○事務局  今、先生からご紹介があった、このフェニル酪酸ナトリウムでございますが、開発費の 支援の希望というところの欄をご覧ください。  「開発費がかかっても自分で開発します」という品目については、あえて支給しますと いうことにはならないので、支援の希望欄を設けました。、その欄については全て「支給 してください」という支給希望が来ると想定しておりましたが、この品目については、希 望で「あり」が付いていない状況でございます。ちょっと字が読みにくいのですが、「現 時点では希望したくてもできない」とあります。要するに、開発支援金が出たとしても開 発はできないという意思表示をされていると考えられます。このため「確かに採算はとれ ない品目だけれども、開発費が支援されれば開発します」とまでは宣誓していただけなか ったということなので、本品目は現時点において、開発支援品目として是とするのはなか なか難しいのではないかと言う点について、先生方のご審議をいただければと思います。 ○堀田座長  いかがでしょうか。支援してもらっても、なかなか現状は厳しいと、こういう会社の判 断があるということですね。  これは、ワーキンググループの回答にあるように、国内の使用症例で、あるいは海外の データを含めて、それで承認申請に持っていって、国内ではきちんとした安全性を確認の ための治験を同時に進めるというような、そういうスキームはありですかね。 ○事務局  いろいろな開発計画はありえると思います。要するに、治験でエビデンスを作るという 方法もあるし、市販後で、そこは今後PMDAの相談を受けてということになろうかと思 いますが、いろいろな試験や調査を通じて確認していくということはあるとは思いますが、 いろいろ検討した結果として今回の調査票においては、「現時点では希望したくてもでき ない」というご回答をいただいたと考えております。したがって、候補品目範囲内ではあ るものの、現時点ではこの状態でこれを支援することが適当であるするのは難しいのでは ないかと考えますが、これは決して永久的に開発しないと言っているのではなくて、状況 が改善すれば、その時点で再検討であると考えられます。先ほど藤原先生からお話があっ たように、「今後、開発は大丈夫なんですか」というご質問に対しては、この品目につい ては「この状態ではできない」と回答されているので、現時点では、このまま開発をお願 いしますと言うことは、なかなか難しい状況ではないかと思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。  樋口先生、何か今の件で。 ○樋口構成員  今の事情を伺って、よく理解しました。やはり、それはこういう条件が整ったらできる という、その条件が今回合えば、ぜひこれはやる筋の品目だと思うんですが、今のような お話であれば、ちょっと現段階では難しいというふうに思いました。 ○堀田座長  岩砂先生はいかがでしょうか、今の件に対して。  よろしいですか。 ○岩砂構成員  いや、特には。 ○堀田座長  ほかの先生はいかがですか。浜田先生、川西先生。 ○川西構成員  今の事情を伺えば、やむを得ないと。 ○堀田座長  ぜひ必要な薬だけれども、今のところ、その開発する条件が整っていないということで、 支援したからといってできるものではないという判断の中で、これを現段階で採用するわ けにはいかないということでよろしいでしょうか。 ○藤原(久)構成員  お聞きしたいのは、こういう利用者が非常に少ないために開発できない薬の場合、開発 されたら、薬の値段を高くして、それでペイできるようにはできないのでしょうか、ほん の少数の薬ですので特別に扱うということですけど。要するに、市販後のコストを高くす ることで治験しやすくできないかという問題提起です。 ○事務局  すみません。その辺は勉強不足で、あまり細かいことをご紹介できないのですが、オー ファンドラッグみたいな希少疾病の場合には、そもそもそういった加算がされているよう に聞いておりますけれども、先生のご指摘のように採算がとれるぐらいものすごく値段を つり上げるということができるのかどうなのかはわかりません。今まではなかったのでは ないかと思いますが。また、逆にあまりお高くなってしまうと、今度は患者様のほうが払 いきれないということも生まれるでしょうし、その辺は医薬品の開発経費とは別にまたい ろいろな検討すべき点があるのかもしれません。 ○藤原(久)構成員  もちろん患者の負担は適当にということで、その分、残りは公費で負担するというよう なことはできないのでしょうかという意味ですけれども。 ○事務局  すみません。現時点では、そういう枠組みはないというところまでしかお答えできませ ん。 ○堀田座長  全般的に、薬価の今の付け方がよいのかというのは、また別の議論とさせていただくと しまして、今回、これをどう進めるかという点で申しますと、企業が今、開発のできる状 況にないということであれば、今回はともかく対象外とさせていただくということでよろ しいですか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  ありがとうございます。  それではその次ですが、アレムツズマブですね。これは、B細胞性の慢性リンパ性白血 病に対する抗体医薬であります。慢性リンパ性白血病自体が非常に日本では希少疾患の中 に入ってしまうものですから、なかなか開発が難しいということです。抗体医薬ではない んですが、化学療法薬自体は若干あるという状況でございます。いかがでしょうか。  この書類によりますと、フェーズIを予定しているということでありまして、海外では もう普通に使われている薬の一つのになっています。いかがでしょうか。 〔発言する者なし〕 ○堀田座長  特別に問題はないかというふうに思いますが、特にご意見がなければ、採用ということ にさせていただいてもよろしいでしょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  ありがとうございます。  その次は、タルクですね。これは、今、医師主導治験が計画されているところだと思い ます。これは癒着を起こさせて胸水をたまらないようにするという薬でありますが、がん 性胸水の治療薬ということでありますね。これはいかがでしょうか。  フェーズIIの予定ということで、30例を目標とするということであります。これも、対 象の経費の見積もり、それから収入の見積もりについてはいかがでしょうか。  川西先生、いかがですか。 ○川西構成員  これも、お薬としては必要な薬だというふうに考えられますし、費用的にもこういう見 積もりであれば、この対象として当然のような気がします。 ○堀田座長  浜田先生、いかがでしょうか。 ○浜田構成員  特に、やはり必要な薬ではないかと思いますので、これも検討対象にしたほうがよいと 思いますが。 ○堀田座長  ほかはよろしいですか。大津先生も、よろしいですか。 ○大津構成員  はい。 ○堀田座長  それでは、皆さん、特に反対意見もございませんので、このタルクについても採用とい うことにさせていただきます。  その次ですが、スティルペントールですね。これは、乳児の重症ミオクロニーてんかん に対する治療薬ということであります。申請のパッケージとしては、一般試験と長期投与 試験の2つを考えているということのようであります。  費用の見積もりはいかがでしょうか。これも実際は、かけた費用が収入でカバーできな い状況はあるようであります。添付資料もご覧いただきたいと思います。いかがでしょう か。  これは、樋口先生、いかがでしょうか。 ○樋口構成員  小児の重症てんかんであって、既存の薬剤というのは限定的な効果しかないということ からすると、当然、未承認薬として、この検討会でも重要性は認識されたものでございま すので、これは対象にしてよいのではないかというふうに思います。 ○堀田座長  ほかの先生は、特にご意見ありませんか。よろしいでしょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  それでは、これも特にご異議がございませんので、採用とさせていただきます。  次ですが、ルフィナマイド、レノックス・ガストー症候群であります。これについては いかがでしょうか。  これですね。開発フェーズはフェーズIIIの予定ですが、それぞれプラセボを対象とした 比較試験で20例を予定しているということが書いてございます。申請パッケージは、国内 と国外のものを利用して行うということで、費用の見積もり、それから見込まれる収入に ついても、かなり細かく書いてございます。開発支援の希望がありということになってお りますが、いかがでしょうか。 ○樋口構成員  こういう場合の開発にかかる経費の見積もりと、その市販後の収入というのを、例えば このレノックス・ガストー症候群だと、比較的最近、承認申請で承認された薬がございま すよね。そういったお薬は、一応、市販後は何とか経済性といいますか、これまでにかか った経費をリカバーできるようなことを想定して開発してきているんだと思うんですが、 そういうものと同じレノックス・ガストー症候群であって、この品目に関しては、逆にそ れが回収できないんだという、何かそういう根拠みたいなものは説明できるんでしょうか。 ○堀田座長  それは、何か事務局のほうでコメントはありますか。 ○事務局  精緻なお話はできませんが、一般論としてご説明させていただきます。基本的に効能追 加をする場合には、その効能を取得するために実施される治験の経費、それから効能ごと に再審査期間が設定されますので、市販後安全対策についての調査も、基本的には効能ご とに追加されてくるので、それについての経費というのは、別途かかるかと思います。ま た、薬価につきましては、先行する効能で薬価が付いてしまうと、その後については、普 通、変更されることはないので、特に調査費が非常にかかるんだけれども、そこの患者群 については、フォローの割には儲からないということは、論理的にはあり得るかと思いま す。追加効能を取得するための開発費が追加されるということでそれまでの開発費と合算 したときに、当該製品トータルでの資源回収が可能となっているのかどうかという議論に はなろうかと思いますけれども、そこまで具体的に分析することは、この資料からではち ょっと難しいかと思います。 ○堀田座長  ほかはよろしいでしょうか。  中には、適応対象が急に大きくなって、化けたりするのもあるかもしれないけれども、 それを言っていても仕方がないですから、現時点でやはり開発に対して収入が見込めない ということを、無理に治験をやっていただくということだろうと思います。よろしいでし ょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  ありがとうございます。  それでは、このルフィナマイドについても採用としたいと思います。  その次です。メサドン、これはがん性疼痛であります。特にモルフィネ耐性に対して有 効性があるということで、特に必要性が強調されている薬であります。いかがでしょうか。  この辺は、大津先生とか藤原先生の得意な分野なので、いかがですか、大津先生。 ○大津構成員  現場としては、非常に使いたい薬剤ではあると思いますけれども、見積もり等々に関し てこのぐらいが適正なのかどうかというのは、ちょっと読めないですね。 ○堀田座長  これは、フェーズI、II、III、長期投与試験まで全部やるという話ですかね。これ全部 に印が付いておるのは、そういうことですよね。これで費用がこれだけで済むのかなとい うふうに思ってしまうけれども、長期投与試験でも30例で、フェーズIIが20例という費用 計算になっていますね。いかがでしょうか。  これも、がん対策基本法に基づいて、がんに対するQOLを高めるということからいえ ば、モルヒネが耐性になった場合の疼痛のコントロールということでは、大変重要な薬か なと思っておりますが、よろしいでしょうか。 ○岩砂構成員  私もそう思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。  それでは、この薬、メサドンも採用とさせていただきたいと思います。  その次ですが、ヒトヘミンです。これは、ポルフィリン症の治療薬ですね。ポルフィリ ン体が体の中にたまって光線過敏症とかを起こす、これも小児から大変重篤な障害を出す 可能性もある病気であります。これに対する会社側からの概要といたしましては、フェー ズIとフェーズIIを予定しているということで、急性のポルフィリン症に対する治験を予 定しております。開発の費用の見積もり、それから収入の見積もりがここに書いてござい ますが、そんなに収入を見込めないという形にはなってございます。したがって、開発の 支援を希望するという形になっておりますが、これはいかがでしょうか。  藤原先生。 ○藤原(康)構成員  市販後安全対策費用がけっこうな額になっているんですけれども、ほかの品目はそんな 高額ではなかったので、ちゃんと算定しているのかなと思いましたが。 ○堀田座長  これはどうでしょうか。実際に費用の根拠については、何かスクリーニングはかけてい るのでしたか。 ○事務局  いいえ。各開発者のもともと持っている社員構成、例えば、市販後安全対策の要員がも ともと充実しているところと充実していないところ、あるいは、既存の承認を持っていて 運用しているところ、していないところといった差が出てきますので、なかなか額面だけ をもって「こっちが多いからだめ」という話はなかなか難しいところが正直ございます。  それから、会社の持っているノウハウもあると思います。資料作成においても、既に先 生方、見た瞬間に分かると思うのですが、濃厚さが違うことがございまして、各社への説 明内容は全く同じにしているところでございますけれども、提出された資料においてはか なりのバラツキの違いがございます。このため同じレベルにそろえるとなると、相当な時 間がかかってしまうところがあって、短時間でとりまとめて会議を開くとなると、そこま ではできないというのが実情でございます。 ○堀田座長  藤原先生がおっしゃるように、「これだけの費用がかかるんだったら、本当に開発する のか」という感じですね。 ○藤原(康)構成員  大変だなと思って。 ○堀田座長  だけど、要するに市販後ではなくて、開発のためだけでもかなりマイナスになるという 計算になっているので、そこだけ見ても妥当かなというふうには思いますが、いかがでし ょうか。よろしいですか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  では、特に問題がこれ以上なければ、これも採用とさせていただきたいと思います。  次です。  テトラベナジン、これはハンチントン舞踏病に対する治療薬であります。これも見てい ただきますと、フェーズIを予定しております。それで、20例程度で安全性と有効性の確 認をしたいということでありまして、日本人と欧米人でそれほど差がないということを確 認した上で申請するという話だと思います。開発に対する経費、それから見込まれる収入、 かなりラフには書いてありますけれども、いかがでしょうか。  これも、樋口先生が得意なところかな。 ○樋口構成員  ハンチントンの治療薬というのは、今まで日本で使われているのは、ドーパミンのアン タゴニストを使うなど、非常に限定的で、かつ、副作用が強い薬だったものですから、既 に欧米でこのテトラベナジンは10カ国以上で使われているという薬剤でありますし、この 専門家のワーキンググループのコメントにもありますように、やはり役割は非常に大きい ということが言えますので、これはぜひ承認していただいたほうがよいのではないかと思 います。 ○浜田構成員  開発に関する費用の見積もりなんですけれども、大ざっぱな数字しかないんですが、詳 細な内訳とかというのは、情報はないんですか。 ○事務局  いえ、いただいておりません。 ○堀田座長  ほかはいかがでしょうか。  川西先生。 ○川西構成員  薬としての有用性といいますか、その部分はもう十分によく分かりますけれども、やは りこういう公的な場でそれをリコメンドするという立場からすると、やはり開発に関する 経費の見積もりをもう少し、見込みがなかなか立ちがたいことは分かるにしても、分かり やすい形で提供していただいたほうが、その条件でしたらこれでよいと思います。 ○堀田座長  これはどうしましょうか。 ○事務局  もしそういうご指摘をいただけるようであれば、会議終了後に申請者のほうに追加資料 の提出要請をして、先生方にご送付申し上げることでよろしいでしょうか。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。薬の位置付けとか必要性については、もうここで十分、今までも 議論してまいった品目でありますから。  岩砂先生。 ○岩砂構成員  今、川西構成員が言われましたように、今後のデータを集積するためにも、やはりある 程度の数字を出していただくことによっていろいろなことが推測できますので、ぜひでき るところはやっていただきたいと思います。 ○堀田座長  企業に対して説明は同じようにしたんだけれども、実際に出てくる書類としてはかなり ばらつきがあるということです。非常に詳細に、もう見えないぐらい小さい字でびっしり 書いているところもありますし、こういうふうにラフなかきかたになっているところもあ ります。ここはやはり判断できる経費の積算を出して提示していただくということを条件 に採用という整理でよろしいでしょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  ありがとうございます。  それでは、これも採用ということにさせていただきます。  次ですが、システアミン、シスチノーシス(シスチン蓄積症)ですね。これは、いかが でしょうか。これも、書類が割とラフに書いてあるとは思いますけれども、フェーズIIIが 予定されています。といっても、国内の服用者は2〜4例ということで、こういうのをフ ェーズIIIというのかどうか僕は知りませんが、有効性、安全性に関する治験を予定してい るということであります。そういうわけですから、経費の見積もりも割と小さく書いてご ざいます。いかがでしょうか。これまでのデータしかないものですから、これでご判断い ただくことになるかと思います。  どうぞ。 ○事務局  冒頭にちょっと触れたのですが、資料3−12と13に対応する参考資料はございません。 これは、ご承知かと思いますけれども、ワーキンググループが結成されていなかった、要 するに、開発者(社)の見込みが立たなかった状態からこちらのほうに移行しているもの でございますので、参考資料がないということをご了承ください。 ○堀田座長  そうですね。ですからワーキンググループからの報告もないという状況です。そこまで おろさなくても、当然これは開発すべきだろうという判断だったということだと思います。 いかがでしょうか。十分な資料にはなっておりませんけれども、こういった蓄積症の患者 にとっては大変重要な薬ですし、代替医薬品もないということは、もう十分分かっている ものであります。いかがでしょうか。よろしいですか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  それでは、これも採用ということにさせていただきます。  その次です。最後でありますが、経口リン酸塩製剤です。原発性低リン血症性クル病に 対する治療薬ということでありますが、いかがですか。資料の少し詳細なものが付いてご ざいます。フェーズIIIが予定されておりまして、20例程度のオープン試験を予定している ということでありますが、患者数としては250名くらいということのようになっております。 いかがでしょうか。  岩砂先生、いかがでしょうか。 ○岩砂構成員  特に問題はございません。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。ほかの先生はいかがですか。  藤原先生、よろしいですか。 ○藤原(康)構成員  問題ないと思います。 ○堀田座長  大津先生も、いいですか。 ○大津構成員  はい。 ○堀田座長  では、皆さん特にご異議がないようでありますので、この経口リン酸塩製剤についても 採用とさせていただきたいと思います。  そうしますと、まとめますと、1つが今回は不採用ということになりますが、ルフィナ マイド、それ以外は採用ということにさせていただくということになるかと思います。事 務局として確認していただけますか。 ○事務局  整理しやすいように、配布資料一覧のほうで、順次確認したいと思います。3−1から 3−13までございます。3−1から3−3までは採用。3−4については、まだ開発者が 準備段階にないということで不採用。3−5から3−10までも採用。3−11につきまして は資料が足りないので、より詳細な資料を提出することを条件として採用として、後日、 提出を求める。3−12、3−13は採用というようなことだったかと思いますけれども、よ ろしいでしょうか。 ○堀田座長  という、この会の結論でよろしいでしょうか。 〔異議なし〕 ○堀田座長  それでは、特にこれ以上、ご異議がなければ、今まとめていただいたような形で今後進 めていただくということで、この会の結論としたいと思います。  それ以外に、何か先生方からご意見はありますでしょうか。  藤原先生。 ○藤原(康)構成員  利益相反のところで、私、タルクの医師主導治験の治験アドバイザーをしておりますが、 金は日本医師会治験促進センターからの研究費で運営されており企業さんは治験役を提供 しているだけですけれども、問題ないでしょうか。 ○事務局  利益相反のルールについては、今回、薬事分科会を参考にしたルールで調査させていた だいているので、特段問題はないかと思います。しかし、心配であると言うことであれば、 今回、先生が当該品目の審議から抜かれたうえで、再度、残りの先生方でご審議いただけ ればよいと思いますが。そういう理解でよろしければ、藤原先生が当該品目の議決に参加 されなかったとものとして、改めて残りの先生方において当該品目の審議結果に変わりが ないかどうか確認させていただければと存じますが、如何でしょうか。それでも大丈夫だ と思いますが、それでよろしゅうございますか。 ○堀田座長  かなり大きなお金がこれは動く話ですので、利益相反についてはかなり慎重に取り扱っ ているところであります。よろしいですか。 〔異議なし〕  そのほかに、何かご意見はありますでしょうか。  大津先生、何かよろしいですか。先ほどの小児の問題等は、また別途ありますが、何か この場で言っておきたいことがあれば。 ○大津構成員  1つだけ聞きたいんですけれども、さっき不採用になった3−4、この場合というのは、 結局、個人輸入を続けざるを得なくなるわけですかね、実際の患者が発生した場合には。 ○事務局  現時点では、そうせざるを得ないのかもしれません。一応、開発会社が交渉権も含めて 調整を進めていると思います。開発計画をつくったときにこのような状況ということであ って、もしかしたら別の会社が開発計画を立てたら、あるいは時期が違ったら別の状況に なるということはあるかもしれませんが、現時点で私どものほうで「こういうのはどうす る」ということは、言えないところです。 ○大津構成員  そこのサポートというのは、何かできないものでしょうかね。 ○堀田座長  それは何か分かりますか。この時期を外した場合に、こういう検討の機会がまたあるか という話になりますね。そういうことでしょう。 ○事務局  現時点で政府の方針としてどうかというのは、なんともいえませんので、お約束はでき ないかと思いますが、ただ、こういう支援に関しては、いろいろな機会をとらえて、きっ かけとなるようなものがあれば、そのきっかけを利用して検討していきたいと思っており ます。  今回の3−4の品目につきましては、かなり制度改正の根本まで踏み込んだ形のものが ないと開発ができないというところがございましたので、ちょっとそこまでのことを、我 々、今の段階で直ちにやるということは難しいものですので、こういう形で出させていた だいたわけでございます。  今後につきましても、未承認薬、今回14品目のうち12品目につきまして支援をさせてい ただく。さらに、1品目につきましてはまだ交渉中というところでございますけれども、 それ以外に、今回不採択とされた3−4を含めまして、今後の状況に応じまして、機会を とらえてあらゆる可能性をさぐっていきたいと思っております。 ○藤原(久)構成員  要するに、3−4が開発不能という理由はこちら側が開発資金として幾らぐらい支援で きるかということがはっきりしていないという面もあるのではないかということです。。 ○事務局  個別に話を伺ったときには、問題は開発資金だけではないということはおっしゃってい ました。というのは、開発支援金というのは、基本的には治験であるとか、あるいは申請 資料の作成であるとか、まさに申請までのお手伝いはできるのですが、その後の薬価であ るとか製造コストであるとか、あるいは市販後の安全対策費用であるとかは支援対象にな りません。医薬品の開発という意味では、研究開発費補助では支援できない領域の部分の 支出も含めた総支出とのバランスが入ってきます。そういう研究開発費以外の費用のこと を大きく言われていたかとは思っております。そのため、市販後に大きな市販後調査をし て確認するよりも、できるだけ、治験の中で申請前に確認すれば、承認後に確認すべきこ とが少なくなる。逆に承認前に確認することが少なくなれば、市販後の課題が多くなると いうバランスシートもありますので、「こういった契機にできるだけ前倒しして、開発時 に治験等でのエビデンスをつくって、市販後のオブリゲーションを小さくすることも考え ください」とはお話ししましたけれども。 ○藤原(久)構成員  いずれにしろ、何とかなるような制度をつくる方向でやられたらと思いますね。 ○堀田座長  貴重なご意見、ありがとうございます。  藤原先生、どうぞ。 ○藤原(康)構成員  今の制度について言えば、既に有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会でも 言及されていますけれども、コンパッショネート・ユースという仕組みが日本だけないん ですけれども、海外ではあって、この資料3−4にはコンパッショネート・ユースという のが書いていますけれども、薬監証明に頼った個人輸入などではなくて、ある程度、政府 の側がコントロールするコンパッショネート・ユースという仕組みを欧米並みに日本に入 れれば、解決するのではないかと思いますけれども。 ○大津構成員  例えば、日本の海外の企業、外資系の企業の場合にもそういうのは可能になるんですか。 ○堀田座長  それは、コンパッショネート・ユースのことを言っておられる? ○大津構成員  ええ、コンパッショネート・ユースですね。 ○藤原(康)構成員  企業がやる仕組みはなくて、国が持っている制度なので、FDAだとsingle patient INDという仕組みなどを設けていますし、EUでもCompassionate Useというのはそれぞれ の政府が制度として持っていますので、外資系企業とか何とかというのではなくて、一応、 税関を通すところを国がフォローして、個人で薬監証明を持っていけばもらえるというの ではなくて、ある程度、チェックした上で、この薬は国がお墨付きを与えて患者さんに流 しますという仕組みだと思うので、多分、企業がどうのこうのではなく進める仕組みだと 思います。 ○大津構成員  実際上、企業が出さないことには薬が入ってこないですよね。 ○藤原(康)構成員  そこは、EUなどでも問題になっていまして、薬物を入れるときに、その薬物の導入経 費を企業が払うのか、国が払うのか、あるいは患者が自腹を切って払うのかというのは、 例えばEU25カ国それぞればらばらです。日本にもこの制度が導入されるときに、誰が費 用負担するのかは考えればいいとは思うんですけれども、仕組みとしてそういうものがな いと、議論にはならないと思っています。 ○大津構成員  それであれば、こういった不採用でも、ほとんど非常にまれな疾患というものに関して は、何かそういった仕組みが国としてできれば、それは非常にありがたいのではないかと 思いますけれども。 ○堀田座長  そういうご意見は再三あって、迅速に薬を提供するための検討会というのがあって、そ こでは議論されていて、必要だという認識はあると思うんですね。だから、問題はその仕 組みをいかに今の保険制度との関係、あるいはそこから離れると思いますけれども、どう いう枠組みにしていくかを詰める必要があるとおもいます。もし何か有害事象等が起こっ たときに、どういうふうにそれを取り扱うかということが、多分、一番大きな問題かなと 思っています。  恐らくその辺は、議論としてはかなり進んでいると思いますが、どなたか情報をご承知 の方おられますか。研究開発新興課ですか。 ○治験推進室長  今、その直接のところをお答えできる担当者はおりませんが、迅速検討会のときには、 かなりコンパッショネート・ユースについても時間を割いてご議論いただいて、検討の一 つとしていきましょうというところになったかと思います。 ○事務局  迅速検討会のその後の検討等ですけれども、肝炎検証検討委員会でもコンパッショネー ト・ユースについて、話合いが行われております。状況のみお伝えいたします。 ○堀田座長  ぜひこういった非常に稀少で、しかも代替治療がない、治験もやれるだけの患者数もい ないという状況の中で、そういう人たちがいつまでも置き去りにならないように、ぜひ枠 組みを検討していただきたいと思います。、ここで今回ある程度救われたものはいいんだ けれども、必ずしも全部を網羅したわけでは当然ないわけで、そういう意味ではそういっ た枠組みをぜひ進めていきたいと思います。  ほかにご意見はございますか。よろしいでしょうか。 〔発言する者なし〕 ○堀田座長  それでは、本日予定した議題はここまででありますが、何分、今、政権が交代して、こ の枠組み自体がどうなるかというのは実は不透明なまま、議論だけはきちんとしておこう ということで開催させて頂きました。この会というのは、どちらかというと国内未承認薬 について疾患の重篤性と緊急性のあるものを着実に拾ってきました。総論をやって、その まま各論なしというのではなくて、各論から入るという具合の会でありました。そういう 意味では、十分ではないにしても、一つ一つ拾ってくる成果はあったと考えております。  それでは、事務局のほうからまとめをしてください。 ○事務局  本日は、お忙しい中、また遠方よりご参加いただきましてありがとうございました。  冒頭にご説明しまして、また、委員長からもお話しいただきましたけれども、補正予算 の執行については、まだ政府の方針が示されておりませんので分かりませんけれども、本 日いただきましたご意見に基づいて開発支援を行ってまいりたいと存じます。  最後に、繰り返しになりますが、資料3−1から3−13につきましては、机上に置いて いっていただければと思います。全て回収させていただきたいと思います。  また、事後に確認・照会資料の送付につきましても、また別途ご案内させていただきま すけれども、機密の保持についてご協力いただければと存じます。  ありがとうございました。 ○堀田座長  それでは、本日は大変遠くから、また予定外の会を招集させていただきまして、大変ご 苦労さまでございました。  本日は、これをもって第22回の未承認薬使用問題検討会議を終了とさせていただきます。  どうもありがとうございました。 (了) 照会先 厚生労働省医政局研究開発振興課 03−5253−1111