09/09/30 第2回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会議事録 第2回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会議事録 1.日時及び場所   平成21年9月30日(水)15:30〜   航空会館(7F)702・703会議室(東京都港区新橋1丁目18番1号) 2.出席委員(9名)   ◎相澤 好治(座長)、漆原 肇、鍵 直樹、武田 繁夫、土肥 誠太郎、内藤 恵、   中原 富美子、福島 葉子、望月 友美子(50音順、敬称略)   欠席委員(2名)   沢田 純一、三柴 丈典(50音順、敬称略) 3.行政機関出席者   高崎 真一(計画課長)、鈴木 幸雄(労働衛生課長)、亀澤 典子(環境改善室長)、   徳田 剛(副主任中央労働衛生専門官)、木村 博承(健康局生活習慣病対策室長) 他 4.議題   1.労働安全衛生法体系に関連しての論点について   2.その他 5.備考   本検討会は、公開で開催された。 (※累乗については、「m^3」のように「^」で表記している。) ○徳田副主任中央労働衛生専門官 ただいまから、第2回「職場における受動喫煙防止対策に 関する検討会」を開催いたします。本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうご ざいました。本日の検討会は公開で行われ、議事録は厚労省のホームページで公開されること になっています。また、本日は沢田委員、三柴委員が御欠席との御連絡を頂いておりますので 御報告させていただきます。  初めに、前回の検討会後に事務局の異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。 平野安全衛生部長、高崎計画課長が出席の予定ですが、急遽、公務が入りまして遅れる見込み となっております。労働衛生課の永田主任中央労働衛生専門官、環境改善室の亀澤室長、健康 局より生活習慣病対策室の木村室長です。  次に資料の確認をさせていただきます。ホチキス留めの次第を含むものと、参考資料の2部 を御用意させていただいております。まず、次第を含む冊子ですが、1頁目が資料1として「第 1回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会議事録概要」、5頁資料2は「労働安全衛生 法体系に関連しての追加論点(案)」、6頁がその別添として「労働安全衛生法における規制体系 について」です。  参考資料1の表「喫煙対策の取組の有無及び取組内容別事業所割合」です。前回、委員から 取組の状況について規模別、業種別の資料があったら提出してほしいとの御意見がありました ので、お付けしております。参考資料の2は「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告 書」です。前回受動喫煙の健康リスクについては、その報告書に記述されているものをベース にという御意見がありましたので、健康の影響に関するところにアンダーラインを引いたもの をお付けしています。9頁参考資料の3は「受動喫煙対策に係る基準について」です。職場に おける喫煙対策のためのガイドラインと分煙効果判定基準を参考までにお示ししております。 10頁参考資料4は分煙効果判定基準を定めたときの報告書を参考にお付けしています。資料と しては以上です。落丁等がありましたら、お気付きになり次第、事務局にお知らせください。  それでは座長お願いいたします。 ○相澤座長 お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。早速議事に入 らせていただきます。議題1の「労働安全衛生法体系に関連しての論点について」を御審議い ただきたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いします。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 それでは1頁目の資料1「第1回職場における受動喫煙防 止対策に関する検討会議事概要」について説明をさせていただきます。これは第1回の検討会 において委員から出された御意見を概要としてまとめたものです。1については、資料を使っ て受動喫煙の防止対策の現状と問題点について説明をした後に出された御意見ですが、受動喫 煙の健康リスクについて、共通の認識の上で検討を進めたほうがよいのではないかという御意 見があり、これに対して健康局の検討会報告書で示されている現状認識がベースラインになる のではないか。したがって、受動喫煙による健康障害のリスクはあるという前提で進めること になりました。  次に2の論点についてですが、事務局より論点について御説明した後、御議論を頂き、およ そ論点順にまとめたものです。論点1の(1)現行の「職場における喫煙対策のためのガイドライ ン」等による自主的な取り組みの効果と限界についてですが、たばこの煙は事業活動に伴って 生じる有害物の発生とは異なるが、職場で発生しているという点では同じで、事業者として何 らかの対応が必要ではないか。また、以前の簡易包装の事例から、受動喫煙防止対策も国が率 先して取り上げることで、企業も対策が取りやすくなる。職場が禁煙になることが動機付けと なって禁煙が進むのではないかといった御意見がありました。  続いて、(2)一般的な労働衛生対策における有害物へのばく露防止と、職場における受動喫煙 防止の相違点についてですが、健康リスクという観点では、有害物質のばく露とたばこの煙の ばく露は本質的に同じである。さらに安衛法の適用の議論がいくつかありまして、安衛法22 条、23条で考えた場合では、23条のほうが適当ではないかといった御意見がありました。  次に論点2の(1)、職場において喫煙を制限する空間的な範囲についてですが、現在の職場の 状況を踏まえると喫煙できる区域を設けざるを得ないが、それができない場合は全面禁煙、も しくは受動喫煙対策としては、全面禁煙が適当であるが、一定の喫煙できる区域を設けること もあり得るとの御意見でした。その場合に、屋外で喫煙する場合は、建屋の距離が短いと、建 屋に流入することがありますので、一定の距離を保つといったことや、喫煙室等の喫煙区域の 設置は次のステップへの一時的な措置と位置付けることで対策が進むのではないかといった こと、禁煙に関しての職員の指導の必要性について御意見がありました。  次に(2)の喫煙制限についての労働者・関係者への周知方法等についてですが、測定に関して 浮遊粉じんの0.15mg/m^3という指標は、たばこを吸わない空間では高濃度であることや、喫 煙の影響を評価するということも考えられますが、いずれにしても測定は簡便なほうがいいと。 また、喫煙室の機能を有さない個室については、外部に煙が漏れるので認めるべきではないと いった御意見がありました。表示に関しましては、禁煙が一般的な場所については喫煙できる 場所に表示することでよい、とともに禁煙区域の表示も必要という御意見がありました。  論点3の「たばこの煙の存在する場所に労働者が立ち入ることがある事業場における顧客の 喫煙と労働者保護のあり方」の(1)論点2で整理した基本的な対策の適用のあり方についてです が、レストラン等においては、喫煙区域で配膳する労働者が受動喫煙を受けるので、その対応 を検討する必要がある。そのような場合、マスクを付けて配膳することは現実的ではないが、 ばく露時間を短くする等の対策が必要ではないかといった御意見や、喫煙室の清掃員がマスク を着用することが可能で、接客業だからやむを得ないということではなくて、健康リスクを低 減する方向性を示すべきとの御意見がありました。  一方、顧客の喫煙を労働安全衛生法で制限することは困難であり、安衛法体系の中で現実に 則して議論する必要があるとの御意見もありました。  次に論点4の(1)地域保健における受動喫煙防止対策の連携についてですが、論点2の(1)から の再掲ですが、地域保健との関係という点では必ずしもないのですが、職場で喫煙できなくな れば公園等で喫煙が増えて地域に影響があるといった御意見がありました。  (2)の受動喫煙防止対策に関する支援についてですが、支援については分煙に当たっての測定 方法等についてのサポートが大切といったことや、分煙のためよりも禁煙化のためのインセン ティブになるものがよいという御意見がありました。また、国民の理解を得るための啓発キャ ンペーンも必要との御意見がありました。  (3)喫煙による健康障害に係る教育についてですが、他国と比較して喫煙によるリスクについ て一般への周知が足りないのではないかという御意見がありました。概要としては以上です。 ○相澤座長 ありがとうございました。前回から少し時間が経ちましたが、大変活発な御意見 を頂きまして、これを事務局でまとめていただきました。何かお気付きの点ありますか。 ○武田委員 4頁目の上から3つ目の○ですが、啓発キャンペーン等による禁煙に関する考え 方の醸成と書いてあるのですが、私は喫煙に関する考え方の醸成と話したと思うのですが、議 事録にはそう書いてあるかと思います。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 喫煙に関するというのは。 ○武田委員 喫煙する場所を決めてそこで喫煙するとか、喫煙方法の問題です。今回の委員会 自体が受動喫煙を防止するということで、禁煙を進める委員会ではないので、そういう意味も 含めて喫煙と考えています。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 失礼しました。修正させていただきます。 ○相澤座長 ありがとうございました。そのほか何か。 ○望月委員 今のところと多少関連するのですが、パブリック・キャンペーンについては私も 述べておりまして、そこでの趣旨は喫煙の仕方についてのキャンペーンというよりも、たばこ の有害性や依存性とか、もっと総合的に一般の国民の方々に理解していただくためのキャンペ ーンというのがまだまだ日本では足りない。諸外国で進んだ国は、やはりそこに対しての十分 な予算とか専門家だけではなくいろいろな方が加わって、社会の合意形成に努めていますので、 もし論点の整理の中で、キャンペーンというところがここだけですと、武田委員の意見ももち ろん入っているのですが、私も前回そのような趣旨でキャンペーンについては触れましたので、 それを反映させていただくことが必要かと思います。  もう1つは、1頁論点1の(1)最初のところなのですが、「個人の嗜好によって発生するたばこ の煙」とありますが、それも私が述べたことが反映されていると思うのですが、私が前回述べ た趣旨は、今、たばこの問題についていうと、嗜好という中に押し込められて整理をされてき たという過去について述べてあるのであって、例えば嗜好品という言葉は法律の中にもありま せんし、たばこの害については、特に受動喫煙の問題については昨年度の厚生労働省の検討会 の中でも他者被害ということを言っているのです。個人の嗜好という前提で、この検討会でそ ういう議論を進めたわけではないので、文言をどう変えるかというと、私が前回の議事録を中 心に再現しますと、人が吸うたばこという、発生源としての人について述べたのです。だから、 有害物質の発生源が装置であろうと人であろうと、有害物質の存在やリスクについて同じでは ないか。だけれどもたばこについてなぜ遅れてきたかというと、それが「嗜好」という中で概 念的に整理されてしまったから遅れているのだということを指摘したつもりなのです。ですの で回りくどいのですが、「嗜好」という言葉はできれば避けていただきたいと思います。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 今の御趣旨に沿った形でまた修正させていただきます。 ○相澤座長 ありがとうございました。言葉というのはなかなか難しいですね。ほかにはござ いませんでしょうか。よろしいでしょうか。うまくまとめていただいたと思いますが、前回の 議論はそういうことでしたが、もう少し労働安全衛生法の体系の中で受動喫煙防止対策を検討 するに当たって、これらの論点に加えて御意見を今回伺ったほうがよいのではないかと考えま して、事務局に「追加論点」の提出をお願いいたしました。それが5頁の資料2ですが、これ について事務局から御説明をお願いします。 ○亀澤環境改善室長 それではお手元の資料2について御説明します。今座長からお話があり ましたように、御指摘いただきまして、4点ほど追加の論点として挙げさせていただきました。  まず第1点目は、職場における受動喫煙防止対策は、労働者の健康障害を防止する観点から、 事業者の責務とすべきか否かということですが、前回の検討会で、先ほど望月委員からも御指 摘がありましたが、そこは御意見が出つくしているのかなと思うのですが、確認の意味で、も う一度出発点でもありますので、御議論いただきたいと思っております。前回は受動喫煙によ る健康障害のリスクがあるという前提で進めるべき、今望月委員からもお話がありましたよう に、他の有害物質と同様にその発生源は人であるけれども、事業場で発生をしているというこ とで、このような御意見がありましたので、たばこの煙は、人が発生源だということ、現在報 告されている有害性の程度などを考慮に入れて、事業者の責務をどのように整理すればよいか について御議論いただきたいと考えております。  2点目ですが、労働安全衛生法における規制有害物質との関係を書いています。この規制有 害物質に係る健康障害防止対策の基本は、当該有害物質へのばく露を低減させることであるが、 受動喫煙に対するばく露防止対策としては、事業場の実態に合わせた対策をどのように講じれ ばよいかということですが、6頁に別添として労働安全衛生法における規制体系についての概 要を記載しています。全体については後ほど御説明しますが、法におきましては、化学物質に 係る健康障害の防止対策の基本は、ばく露をゼロにすることも含めて低減させることです。  また、労働安全衛生法の対象は、単なる事務所だけではなくて、様々なタイプの事業場があ りますので、全面禁煙または喫煙室設置とすることが困難である事業場が現状ではあるのでは ないかと考えられます。そのようなことを考慮に入れて、受動喫煙に対するばく露防止対策と して、事業場の実態に合わせた対策をどのように講じていけばいいかということについて御議 論いただきたいと考え、このような論点といたしました。  3点目ですが、2番とかなり関連がありますが、労働安全衛生法における健康障害防止措置 は、労働災害防止のための最低基準として、事業者に一律に措置を義務付けているものである が、受動喫煙防止措置を労働安全衛生法上どのように位置付けるかということです。ここに書 いてありますとおり、労働安全衛生法は事業者に対して求める最低基準としての措置を書いて います。衛生管理者の選任など、一部の規定は事業場の一定規模以上に規制をかけているとい うものですが、有害な化学物質を取り扱う場合のばく露防止対策は、事業場の規模などによら ず一律です。また、一定の事業場を例外とすることはありません。このようなことを前提とし て、受動喫煙防止対策を法にどのように位置付けるのかということについて御議論いただきた いと考えております。  4点目ですが、全面禁煙又は一定の要件を満たす、喫煙室の設置が困難とされる職場におい ては、どのような具体的対策を講じればよいかということですが、前回の論点3で、たばこの 煙の存在する場所に労働者が立ち入ることのある事業場、飲食店のような事業場ですが、そう いうようなところについて、具体的な対策はどのようなものが取り得るのかということを御議 論いただきましたけれども、それをもう少し深めて、実際にそのような事業場において、どん な措置を講ずることができるのかなどについて、御議論いただきたいと思います。  引続きまして別添について徳田から御説明します。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 それでは安衛法における規制体系について、安衛法に規定 されている労働衛生対策について簡単に御説明します。この図は安衛法における労働衛生に関 するものを抜き出したものです。図の上から2段目の枠に左から「基本的対策、職業性疾病予 防対策、健康確保対策、快適職場づくり対策」とあり、一番右側の「快適職場づくり対策」の 下に快適職場の形成促進、その下に職場における喫煙対策とありますが、現行の受動喫煙防止 対策はこの安衛法体系の中に位置付けられて、快適職場形成の一環としてガイドラインに基づ く指導が行われています。また、労働衛生対策の3管理と言われる重要な対策がありまして、 一番左の「基本的な対策」の中に位置付けられている、作業環境管理、その隣の作業管理、健 康管理の3つですが、作業環境管理その下に書いてありますように、作業環境測定の実施評価 とそれに基づく改善、左から3番目の枠の作業管理では、健康影響や身体的負担を軽減するた めの作業方法等の改善、喫煙に有害な場所への立ち入り禁止、関係労働者に必要な情報を周知 するための掲示、ばく露防止のための保護具の使用といった規定がありまして、4番目の枠も 健康管理では健康診断等の規定があります。  このほかに、一番左の労働衛生管理体制では、一定規模以上の事業場に、衛生委員会の設置 が義務付けられて、労働衛生上の重要な事項について附議をして調査・審議することとなって おります。また、労働衛生教育のところでは、雇入れ時の教育等が規定されています。真ん中 に「職業性疾病予防対策」というのがありますが、その下に化学物質による健康障害防止対策 があります。化学物質のばく露防止対策がここで規定されていますが、職場で取り扱われる化 学物質を例に挙げますと、化学物質の有害性の強さとか、使用のされ方等によって矢印で一番 下に示していますが、規制の強いものから製造や使用の禁止、製造の許可、ばく露防止のため の局排の設置とその性能の確保等が規定されていまして、これらについては罰則つきで義務付 けられています。仮にたばこの煙が化学物質と同様の有害性を有するというものとしますと、 有害性の強さを法令上どのように評価するかによりますが、こうした規定の対象になるという ことです。  以上が安衛法の労働衛生対策に関しての概略ですが、該当する作業等がある場合には、こう いった規定が先ほど室長からもありましたように、最低基準としてすべての業種の事業場を対 象に、一律に義務付けられるということになります。以上です。 ○相澤座長 ありがとうございました。安全衛生法における規制体系についてお話を頂いたと 思います。何か、今のお二人の御説明に、委員のほうから御質問はございますか。よろしいで しょうか。  それでは、亀澤室長からまとめていただいた資料に従い、御意見を頂きたいと思います。番 号順に行きましょうか。1が「職場における受動喫煙防止対策は、労働者の健康障害を防止す る観点から事業者の責務とすべきか否か」ということです。前回も御意見いただいて、何とな くまとまってきたかとは思いますけれども、大事なことですのでもう一度確認をしたいと思い ますが、いかがでしょうか。たばこの煙は普通の製造業等のものとは違って人が発生源になる ということ、有害性については参考資料にもありますが、健康障害がある、リスクを上げると いう前提ですので、有害性はある程度あるということで議論を進めていただきたいと思います。 いかがでしょうか、土肥委員、現場の叫びとして。 ○土肥委員 ここで言う「責務」というのは、いわゆる「しなければならない」ものという考 え方と、「するように努めるものとする」という2つの考え方があると思います。これは両方 をもって「責務」だと考えてよろしいのでしょうか。 ○亀澤環境改善室長 いろいろ書き方はあると思います。例えば法律に規定をするとして、ど ういうように規定するかということは、また技術的な話でもありますので、少しよく事務局の ほうで検討したいと思っています。 ○土肥委員 併せて、通常の健康増進に関しては、労働者にも健康の保持努力義務があるとい う理解を労安法上しています。受動喫煙に関しては事業主のみに責務を負わせるのか、労働者 に対しても何らかの努力義務を負わせるのかという議論も一部にはあるかと考えますが、それ はここでは議論しないという前提でよろしいですね。 ○亀澤環境改善室長 労働安全衛生法の中では非常に多くは事業者の責務を規定しています。 ○土肥委員 責務に対して、労働者は努力義務を規定しているという条文が多いと思います。 ○亀澤環境改善室長 受動喫煙の場合、事務局では、ならば労働者はどういうことをすべきか ということに、思いが至っていませんでした。労働者の立場で、それを促進するためにするこ とが有効であるものがあれば、是非、御指摘を賜りたいと思います。 ○相澤座長 たばこをやめるのが努力義務であって、受動喫煙をしないようにするのがやはり 努力義務ですね。 ○鈴木労働衛生課長 もちろん、そういう意味です。 ○相澤座長 それは先生の御意見としてはあったほうがいいと。 ○鈴木労働衛生課長 委員の皆さんの意見次第だと思いますので、そういう議論があるのかど うかということを確認したかっただけです。 ○相澤座長 これは自由に御意見を頂いているので。先生は今の論点についてはどうお考えで すか。 ○土肥委員 私の意見としてですか。当然、受動喫煙すること自体、労働者も一部は煙、副流 煙を出したりするわけですから、事業者だけに責務を負わせて、労働者に何ら努力義務を負わ せないということ自体は、法律の考え方、平等性の考え方、パブリック・ヘルスとしての考え 方からは、何らかの努力義務があってもいいのではないか。禁煙という観点ではなくて、受動 喫煙防止という観点では、何らかの努力をすべきだということが妥当だというように私は考え ます。 ○亀澤環境改善室長 今の点、「労働者も副流煙を吸うのだから」とおっしゃっている労働者 は、実際に喫煙をしている労働者のことを想定していらっしゃるのですか。 ○土肥委員 そうです。 ○亀澤環境改善室長 全く喫煙しない労働者についての努力義務というのはどのようなこと が考えられるでしょうか。 ○土肥委員 それは通常、当然、受動喫煙防止に関する努力義務ですから、喫煙をしない労働 者については努力義務はありません。つまり、健康状態が良い方がさらに健康を増進しようと いうことを確保する努力義務があるという考え方と同じですから、その中のリスクを発する人 に対して努力義務があるということは労安法上、普通の考え方かなと思っています。それは法 律の解釈に基づくものです。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 具体的に例を挙げていくと、例えば喫煙室があるにもかか わらず、そこでなくて事務所の机の上で喫煙しているというケースだということですか。 ○土肥委員 はい。それは従業員、また働く人がちゃんと喫煙室でたばこを吸う努力義務を持 っているという解釈をすべきではないかと思っています。 ○相澤座長 大事な論点だと思いますが、これについて何か御意見はありますか。「事業者の 責務」ということについてはいかがでしょうか。 ○中原委員 私もここについては非常に悩んでしまいました。よくわからないのですが、「安 全配慮義務」というのはどうなのかなと思いまして、やはり事業者は、責務を負うべきであろ うと思いました。 ○相澤座長 「安全配慮義務」と言うと民法上の。 ○内藤委員 今日は頼みの綱の三柴委員がいらっしゃらないので戸惑っています。法律の立場 から申しますと、「安全配慮義務」とは、実際の裁判例などの中では、もう少し固まったもの として、かなり思われているものですから。前回の会議でも出てきたように、これはむしろ職 場環境配慮義務という、ある意味では、まだ「安全配慮義務」ほどには法律上の概念としてま とまってはいないと思います。マージナルな部分としてはあるのかもしれない。ただ、個人的 な意見としては、将来的にそういったものも必要になるであろうと思います。  ただ、それを現行の労働安全衛生法の中で使用者の義務として、23条の解釈としてできるだ ろうかと考えていました。どうも、お話ですと、現行解釈として23条をそこまで拡大するこ とに、多少反対意見もあるようで困難がつきまとう。もし、そうだとすると、政策として将来 何らかの形でそちらに動かすということが、例えば5年後、10年後あるとしても、現段階で一 体何を使うかという点では、もし労使間の義務としてとらえるならば、安全配慮義務という概 念よりは職場環境配慮義務という形で、少しマージナルなものになりますし、今度、それを労 働安全衛生法に依拠して即座に義務付けられるかというところに、多少議論の余地があると思 います。ですから、そこをどういう形でまず政策的に一歩進めるか否か。法律の解釈で急にそ こまで行かれないのだとすれば、まずその下に位置するような形で規則を動かすか、あるいは 少なくとも告示を出していただくか。少なくとも、その辺りの御議論を先生方から御意見を伺 いたいということではないかと私は理解したのですが。 ○望月委員 内藤委員に御質問なのですが、23条ですと、反対があるというのは、具体的にど こからどういう反対が。 ○内藤委員 その辺、もしよろしければ、現行の解釈・通達等がどのようになっているか、厚 生労働省のサイドで御説明いただけると大変ありがたいのですが。 ○相澤座長 第22条、23条は前回だいぶ議論したのですが、それは法律を作るほうで、こち らではそこまでは議論しなくてもいいということでした。事業主にそれだけの責任があるかど うか、もし「ある」というように、この委員会で皆さんの同意を頂ければ、それから厚生労働 省のほうで考えるということで、そこはあまりちょっと。望月委員、よろしいですか。 ○望月委員 先ほどの論点4にもかかるところなのですが、今の「責務」と言った場合、喫煙 室の設置が困難とされる職務として、例えば接客業、「利用者」が出てきますよね。その利用 者というのは国民であって、健康増進法で国民の責務として、いろいろたばこの害についても ということがかかってくる。例えば、労働安全衛生法の体系の中と健康増進法がかみ合わさっ たような部分というのが多分あると思います。それが先ほど、土肥委員がおっしゃっていたよ うな喫煙者自身、喫煙する従業員だけでなく、利用者というのがそこで対象になるわけです。 そこについては今後、局は違いますけれども、どういうパッケージで厚生労働省として考えて いらっしゃるのでしょうか。 ○武田委員 従業員が発生源であれば、先ほど言われたように労働者の責務として当然かかっ てくると思います。やはり、飲食業のような所でお客様が吸われる場合、お客様に対して労働 安全衛生法で責務をかけるというのは無理だと思います。 ○望月委員 ですから健康増進法があるわけですし、従業員の保護とお客様の喫煙というのは どちらが優先するのでしょうか。こういう労働衛生の体系のときに。 ○相澤座長 顧客の場合、例えば事業主がいて、お客が飲食店で吸うのを「やめなさい」とい う責務をかけるのは難しいですよね。でも、事業主としては、労働者を守らなければいけない という立場でもある。 ○望月委員 その場合、顧客の利便性とか、顧客の喫煙と従業員の健康保護というのはどちら を優先するものと通常考えられているのでしょうか。 ○相澤座長 それがここの議論かと思います。労働者の健康を守るということが労働安全衛生 法の基本ですから、たばこを吸うのを止めろとは言わないけれども、喫煙室で吸ってもらうと か、分煙するとか、そういったことは設備として作ってもらう。 ○鈴木労働衛生課長 先ほど来、22条、23条の話が出ています。今の御議論は若干、追加の 論点の2にもかかわるところなのですが、1に関して言いますと、資料1に戻って恐縮ですが、 2頁、上から2つ目、前頁から途中になりますが、それを除くと1つ目の○と2つ目の○にこ のような御発言があり、「事務局から23条からの対応は現実的ではないか」というようなこと も申し上げました。  今日はそこを一歩戻って、そもそも追加論点の1に関してどう考えるか。責務と言っても、 ただ責務があるとかないとかだけではなくて、その程度とか、あるいは、今ほど言われたよう に労働者であれば、事業者が強制的に喫煙しないように遵守させることもできると思うのです が、飲食店のような場合があるので、責務と言っても考え方に幅があるのではないかというこ とを御議論いただく。また、それを頂いた後に、次回以降、そうするとそれは法令上このよう に位置付けられるのではないか、というのが提示付けられると思います。今日はそういう意味 では幅広に御意見を頂ければいいのかなと思います。 ○相澤座長 そういうことで、1については、責務というのも先ほどお話があった努力義務、 責務の中でも罰則があるものもあります。それがないものとあるものとあります。努力義務で はなかなか実行が難しいという感じでしょうか。 ○土肥委員 私個人としては、全体に一律に何かの責務をかけるとすれば、現状は少なくとも 努力以上の義務をすべてにかけるというのは、非常に難しいお話ではないかと考えています。 ただ、努力義務の中でもどこかで線を引くというのは考え方としてあるだろう。ここまでは必 須の義務で、ここから上は努力義務だという線の引き方はあるとしても、包括的には努力義務 にしかどう考えても労安法上はならないのではないかと私は思います。 ○相澤座長 その点、武田委員、いかがですか。 ○武田委員 私も同じように考えます。労働安全衛生法はやはり、「事業者に一律に措置を義 務付けて」と書いてあるとおり、規則として書いてしまえば適応除外となりにくいので、広く 努力義務をかけるという形のほうがいいのではないかと思います。 ○相澤座長 中原委員、努力義務でよろしいですか。 ○中原委員 はい。 ○相澤座長 望月委員はちょっと。 ○望月委員 例えば、従業員というのは、その労使の関係とか、選択できない状況に置かれて いるわけです。だから、一般の国民や事業者がいろいろ選択できるというのと状況が違うので、 もっと保護されるべき対象なのではないか。それが今までほとんどされていない状況から、果 たして努力義務ということで進むのだろうか。本当に理想的な保護の環境を作れるのであれば、 それに対して何が必要なのか。利用者も、従業員も、事業者も、すべての人がたばこの害を、 他者危害としての受動喫煙の害を認識して、「これは我々が努力して守らなければいけない」 というところまでの世論をどれだけの短期間で醸成されるか。そのためにはさまざまなコスト が発生すると思いますし、それによって進めるという方策もあると思います。だけれど、それ だったらもっと進んでいるはずだと思います。  先ほど、参考資料でいろいろ職種別のたばこ対策の状況を拝見しました。特に一次産業に近 い方々とか、肉体労働に近い方々はほとんど野放し状態で、本当に取り残されている状況です。 そういう現状を目の当たりにしてしまうと、やはり今ある労働安全衛生法を徹底的に使えるも のは使って、もう一段引き上げなければいけないのではないかと思います。努力義務ではなく て、もっと厳しい書きぶりの中に入るとしたら、その具体的なものが一体どういう規制が必要 なのか、ということを考えてもいい時期ではないかと思います。今まで、あまりにもほとんど 手付かずであったという状況から見ると、それをどうやって加速化していくのか。努力義務と いう選択肢で行くならば、相当きめ細かく、徹底的な対策が必要だと思うし、非常に莫大なコ ストや効果など勘案すると、本当にそれで有効な状況が作れるのかという懸念があります。 ○相澤座長 福島委員、どうでしょうか。 ○福島委員 すごく難しいと思います。確かに、望まないところで、たばこの煙に遭うことを 何とか防がないといけないというところがある。その一方、たばこを吸えるということを前面 に言っているわけではないにしても、そういったことも含めてその場の雰囲気を提供するとい う仕事もあるかと思います。そのような中で、もちろんたばこを皆さんが吸わなくなればこの 問題はなくなると思うのですが、それをまずやろうという状況にない以上、受動喫煙の害など もまだ十分知っていないような状態の中では、どのような対策ができるのか。私もいろいろ思 い当たらないなりにも、イメージ、時間で区切るとかいう方法があるのかどうなのか。あと、 接客で直接顔を合わせて話をしなければいけないときは別なのだけれども、ただ片付けるだけ だったらマスクをしてもいいのではないかとか、そのようなことを考えています。たばこを吸 うということを含めて、場の提供が仕事になっている部分があると思います。働く人自身もそ れを有効にしたいという思いも一方ではあるので、健康被害ももちろん防がないといけないの ですが、具体的には細かくなりますけれども、それらをうまく両立させるような内容かと思い ます。 ○土肥委員 そういう意味では、受動喫煙の防止を推進することが責務だと思います。ただ、 受動喫煙そのものをゼロにすることが責務だと言われると非常に難しい問題で、そこはやはり 努力義務という範囲で考えないと現場では無理なのではないかと思います。したがって、包括 的には努力義務になってしまうと申し上げたのは、そういう意味で包括的には努力義務になる のではないかという理解をしています。 ○望月委員 低減というのも入っていますよね、「ゼロにするもの」のところからさまざまな 段階があると思います。ゼロにすることを責務とすべしと言っているわけではありません。 ○土肥委員 はい。受動喫煙が下がる方向に向かうということは当然責務であると思いますが、 ゼロにすることが責務だというわけではないという意見です。 ○望月委員 ゼロにするのは望ましい、次のステップだと。 ○土肥委員 望ましい方向だということです。 ○鍵委員 同じようなことなのですが、分煙室なりを設置したというところで終わりかという とそうではなくて、その維持管理とか、漏れがないかどうかというのも引続きやるとかやらな いか。どこまでを具体的に指定して、それを責務と言うのかというのは非常に難しいところで、 今後考えていかなければいけないのかなと感じました。 ○漆原委員 やはり、受動喫煙の対策をしなければならないというのは責務にしておいて、例 えば気流の関係などを勘案しながら濃度のレベルを下げるとか、そういったところにある程度 取り組む必要があるのかなと思います。  出していただいた参考資料1のところ、例えば望月委員の指摘された林業、建設業が多分取 り組んでいる率が低いことを指摘されていたと思います。これはやはり屋外の作業ということ で低いのかなというイメージで見せていただきました。電気・ガスがちょっと高いとは思うの ですが、それ以外、室内でやっている事業のところはそれなりに高い数字が出ているのかなと いう感想です。ですので、ある程度、室内で作業されている方は、少なくとも7割以上はもう 取り組んでおられるということで、努力義務をまず課してという方向がいいのかなと思います。 ○相澤座長 わかりました。責務はあるけれども、推進することを責務として、結果としては いろいろなケースがあるのでということだと思います。1はそういう御意見がほとんどだとい うことでしょうか、望月委員はちょっと物足りないみたいですが。  2番目は「労働安全衛生法における規制有害物質にかかわる健康障害防止対策の基本は、有 害物質へのばく露を低減させることになりますけれども、受動喫煙に対するばく露防止対策と しては事業場の実態に合わせた対策をどのように講じたらいいか」という文章です。先ほどの 亀澤室長のお話ですと、全面禁煙、あるいは禁煙室というものを設置することが困難である小 規模飲食店のところもあるということでした。いろいろな職場がありますので、それに合わせ てどういうように対策をしていったらいいかということです。飲食店のようなイメージを考え ていただいて、いかがでしょうか。大規模事業所ではかなり進んでいるのでしょうね、武田委 員のところとか。小さい所とかはどうでしょうか。 ○内藤委員 私は残念ながら飲食業について詳しく知っているわけではありません。お教えい ただきたいのですが、言わば1番の理念のようなもの、方向性という議論ともかかわってきま す。今、諸委員がおっしゃいましたように、最終的に受動喫煙を全くゼロにするということを 今回の改正等によって、そこまで一度に行ってしまうことは無理かもしれない。ただ、少なく とも、何らかの形で1歩、2歩とステップを進める必要性はあるだろうという同意は取れたの ではないかと思います。  そう考えますと、例えば現行で特に中小企業の飲食業等に代表されるような分煙化、あるい は受動喫煙対策が取りにくい、悪く言えば遅れているような業態です。例えばの話、非喫煙者 であるところの従業員が、煙がモウモウとしているような場所に入らざるを得ない時間帯を制 限するとか、少なくともそういった形でいくらか受動喫煙の被害を減らすような対策というも のは取り得るものでしょうか。  よくわかりませんが、一応分煙はされているはずだと思うので。そうすると、分煙をした後、 スモーキング・ルームのほうへ入る時間の制限とかいうことをせめてすることは可能でしょう か。例えば、8時間労働の8時間吸うのではなく、そのうちの4時間をシフトさせるという形 で。せめて低減させるという点を考えますと、法律的には時間であるとか、あるいは何か数値 化できるようなメルクマールを立てることは可能でしょうか。 ○相澤座長 どうでしょうか。 ○内藤委員 難しい議論をしてしまったかと思うのですが、つまり私が申し上げたいのは、こ れは本当に希望になってしまうかもしれません。今、そういった対策が取りにくい業態がある のはよくわかります。ただ、その業態があるからといって、悪い言い方をすると、一番フォア ランナーではなく、バックランナーに合わせていてはいつまでも進まないのだと思います。そ うしますと、最終的にそこに対して何らかの形での金銭的な補償、あるいは保護といったもの を必要とするかどうかという議論は後にして、できるものは何なのだろうか、ということをも しできれば教えていただきたいなと思ったのですが。いかがでしょうか。 ○武田委員 有害物でも局所排気装置を設置するところや全体換気を設置するところなど、そ ういった考え方でいけば可能ですね。小さいところでは、換気扇を付けて、たばこを吸う人は そこの下でへ行っていただくとか。 ○内藤委員 少なくとも有害物質というか、煙の量、密度を落とすわけですね。 ○武田委員 喫煙室というのは、発生源を閉じ込めてしまうわけですが、それが狭くて設置で きないようなところだったら全体換気で行うこともあるでしょう。また、設備的には大変です が部屋を区分けしなくても、そこだけ換気をできるような方法とか、いろいろな方法はあるこ とはあります。ただ、それが必ずしも零細なところまでできるかというと難しいので、そうい う手法があるということを紹介して広げていくことは可能かと思います。それを全部一律に皆 さんにということは難しいかと思います。 ○内藤委員 例えば多くの場合、有害物質の規制等についても、大企業ですと、例えば「来年 の何月施行」という形で先に発表する。中小企業ですとその後、例えば2年、あるいは3年と いう形、一種の段階的な制限をしていく場合が多いように私は思います。そういった形であれ ば導入する可能性はありますか。 ○武田委員 当事者ではないのでちょっとわからないですね。 ○内藤委員 すみません、武田委員にお聞きしてもわからないですよね。失礼しました。申し 訳ございません。 ○望月委員 今の御指摘と関連するのですが、それから先ほど来の「努力義務」にするのか「責 務」にするのかとも関連するのですが、例えば法律の中で3年後の改正や見直しというものを 入れ得るとしたら、段階1としては現状でできる限りのことはやりましょう。だけど、次のス テップでよりリスクを低減する方策、今喫煙率もずいぶん下がっているし、顧客や国民全体の 理解も進んでいけば次の選択肢として、コストもかからず、リスクも少なくなるようなことと いうのが見えてくれば、投資として不十分な方策は取り得ないわけです。  先ほど来言っている、健康増進法のほうとどういうパッケージで段階的に、日本社会全体に おいて受動喫煙対策を進めていくのかという1つのロードマップ的なものが見えてくれば、将 来的に高価な分煙の装置を作る必要もないかもしれないし、もうちょっとその先が見えてくる のかなと思います。その辺のロードマップもこの検討会の中で厚生労働省として考えていらっ しゃるのかどうか、おそらく健康局との関連もあるのではないかと思うのですが、それも是非 お聞きしたいと思います。  先生がおっしゃっていた時間的な制限、だいぶ前にやっていた時間分煙とか、いずれにして もリスクの高いところに行くわけですから、危険手当みたいな発想になるのかどうか。それは ずいぶん時代錯誤的だし、その財源はどうするのか、誰が負担するのかということにもなりま す。なので、先生の言わんとしていらっしゃることは非常にわかるのですが、今出来ることと しての時間を区切るというのは、全体的、世界的なたばこ対策の流れの中では日本の現状より も少し後ろに下がってしまうのではないかと思います。 ○内藤委員 時間対策と申し上げたのは決して「過去の」という意味ではありません。中小企 業の場合、おそらくはまず人手が足りない。嫌な言い方をすると、分煙をしても、例えばその 方がアルバイターであるかどうかはわかりませんが、労働者はどちらでも働かねばならないと いうのが現状なのかなと思ったので一言として。何も時間を限るというだけではないのですが、 何か少なくとも現状よりも低減させる方策のレイトはないだろうかという意味で申し上げた 次第です。  もう1つ、ついでに発言します。望月委員のおっしゃるパブリック・キャンペーンの重要性 というのは本当に感じています。先生方も御存じのとおり、外国の空港などいらっしゃいます と、まさにたばこの箱に半分ぐらいの大きな文字で"Smoking Kills"と書いてあるわけです。 あれを常に目にする環境と我が国のような環境ですと、かなり違うかなという気がいたします ので。それはもちろん労働安全衛生法の範疇の話ではありませんが、望月委員がおっしゃると おり、たぶんそういった意味合いでの意識の喚起も必要なのかなという気はしております。 ○相澤座長 今日は木村室長が来られていますので、いかがでしょうか。 ○木村生活習慣病対策室長 今、労働安全衛生法と私ども所管の健康増進法とのそれぞれの役 割についての話がありましたが、まず、私どもの健康増進法は国民一般に対する努力規定です。 一方、今御議論されているのは労働安全衛生法という特定の目的を持った法ですから、一般国 民の中にあって労働者と事業者という関係について論ずる場合には、そちらの方の法律がより 優先されることになるのではないかと思います。  私どもは、今年の3月に一般国民を対象とした受動喫煙に関する検討会において報告書をま とめさせていただいたところですので、それを基に、受動喫煙に関する事務連絡について、現 在、検討しているところです。今後とも情報提供をさせていただきたいと思います。 ○亀澤環境改善室長 事務局から申し上げたいと思います。まず、私どもがこの検討会におい てお願いしたいことは、前回からも申し上げておりますが、私どもとしては、先ほどからも議 論がございましたが、少しでも今の現状よりもよくする、受動喫煙による健康リスクを少しで も減らしていく、そういうことの対策を進めていきたいということがまず1点です。そこは全 く変わっていませんので、そういう視点でさまざまな業種、規模の違う事業場をどうやって進 めていけばいいのかということを御指摘賜りたいと思います。  2点目です。私どもは、いろいろ難しい問題を抱えていると思っております。その30年遅れ ているとおっしゃっているものを進めていくには、たぶん段階的に進めていく必要があるのだ ろうと思いまして、とりあえず今は何ができるのか、その先に、またこうやって見直しをして いくというようなところも含めて、将来を見据えたものが出来ればと、そのような御意見も頂 戴したいと思っております。今ロードマップは何かあるのかという話ですが、そこは私ども、 具体的にはまだ描ききれておりませんので、いろいろな御意見を頂きながら、健康局とも御相 談をしながら進めていきたいと思っております。  それから、いろいろな取組の例がある中で、進んでいるところは全館禁煙にされています。 私どものところですと、喫煙場所が建物の近くにあって、そういうところで喫煙をして、建物 自体、中では喫煙していないという状況です。そういう喫煙する場所を設置して、ほかは禁煙 している、そのような取組もあると思います。悩ましいのは、今それができないのではないか と思われるところをどのようにするのかというようなところで、そういういくつかの業態とい うか、現状を見て、メニュー方式と言うと変ですが、それぞれのところから一歩進めるために どのような方策が提示できるのかということを御指摘賜りたいと思います。  最後、4点目です。健康増進法との関係でいきますと、健康増進法では施設管理者に対する 努力義務を規定していますが、建物管理者がそのままその事業者である場合もおそらく重なり ますが、テナントで入ってくる場合に施設管理者の取組が非常に重要だと思いますので、労働 安全衛生法のほうでも事業者の責務として進めていきつつ、建物を管理しているほうからも健 康増進法で推し進めていただく、両方から攻めていくと言うと変ですが、そのようなうまい取 組ができたらと安衛法の観点からそのように思っておりますので、また健康局とも相談をして いきたいと思っています。 ○相澤座長 ありがとうございます。2については、委員が現状をすべて把握しているわけで はありませんので、ヒアリング等で現状を聞きながら、最終的には議論していったらどうかと 思うのです。  3番目に移らせていただきます。「労働安全衛生法における健康障害防止措置は、労働災害防 止のための最低基準として事業者一律に措置を義務付けているものであるが、受動喫煙防止措 置を労働安全衛生法上どのように位置付けるか」、そういう問題です。先ほど別添の6頁のと ころにきれいな図を作っていただきましたが、現在は、一番右の「快適職場づくり」の職場に おける喫煙対策というところでガイドラインとして示されているということです。前回いろい ろ議論があった第22条等は、職業性疾病予防対策の化学物質による健康障害防止対策という ところに入るわけです。受動喫煙の防止対策がこれのどの辺に入るかということについても御 意見を頂ければと思うのですが、これはどうでしょうか、土肥委員。基本対策ではないですし、 健康確保だけでもないですね。 ○土肥委員 すみません、この第23条は、事務所則等はどこの位置付けに入ってくるという 理解をすればよろしいのでしょうか、こういう位置付けの中に書きますと。 ○鈴木労働衛生課長 事務所則は、根拠条文としては、第22条と第23条のどちらにもぶら下 がっているのです。 ○土肥委員 両方にぶら下がっているのですか。 ○鈴木労働衛生課長 と思います。ほとんどが第23条のほうだったと思いますが、一部、第 22条に根拠を持つものがあって。 ○土肥委員 出てきますよね。 ○鈴木労働衛生課長 はい。 ○土肥委員 第22条に根拠を持つ部分は主にどういう部分になるのでしょうか。つまり、第 23条。 ○亀澤環境改善室長 第22条に根拠を持ちますものはここの職業性疾病予防対策というとこ ろに入っております。 ○土肥委員 わかります。事務所則の中で第22条に該当するものにはどういうものがあって、 第23条に該当するものにどういうものがあるのかということですが。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 例えば、換気などで事業者は室における一酸化炭素、二酸 化炭素の含有率をそれぞれ100万分の50、一定以下にしなければいけないというような規定が ありますが、これの根拠は第22条と。 ○土肥委員 それは第22条なのですか。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 第22条はいくつかありますが、多くの部分のそういった 規定は第23条を根拠にしていると考えていいと思います。 ○土肥委員 第23条ですか。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 ただ、第23条のほうが規制が弱いというか、罰則が軽い のではないかと思われているところがあるようですが、第22条も第23条も同じ罰則の強さで す。 ○相澤座長 第23条は、「事業者は、労働者を就業させる建設物その他作業場について、通路、 正面、階段等の保全及び換気、採光、照明、保温、保湿、休養等、必要な措置をその他で労働 者の健康、風紀及び生命の保持のために必要な措置を講じなければならない」です。第22条 がいわゆる有害物ということです。そうすると、一酸化炭素は第22条と。 ○鈴木労働衛生課長 化学物質という側面が強いからかなと。 ○相澤座長 そうですね。 ○鈴木労働衛生課長 座長、ちょっとよろしいでしょうか。 ○相澤座長 はい。 ○鈴木労働衛生課長 この論点はちょっと難しいと思いますので。例えば別添の体系図で言う と、どのように位置付けるかという意味では、分野別が上の四角に4つありますが、誤解を恐 れずに言えば、快適職場というのは非常に軽めで、かつ、より快適というか、そういう感じが して。健康確保はもう少しきつめと、あるいは有害性が少し高い分というか。職業性疾病は、 当然、この体系で言えば一番厳しいものであります。こういう3つがあるとすると、受動喫煙 はどの辺に位置付けられるのかみたいな御意見ともう1つ。これが分野別の縦の対策とすると、 基本的対策は横と言いますか、総論的なものですから、さっき言った3管理、作業環境管理、 作業管理、健康管理、それぞれについて受動喫煙対策にはどんなものがあって、それは一律に とか、でも、業態によってはなかなか難しい、そんな御意見を頂ければ議論がしやすいのかな と思います。 ○土肥委員 そういう意味でいけば、やはり健康確保対策の中に入ってくるのだろうと思って。 実は、正直に言えば、職業性疾病と健康確保対策の真ん中辺にくるものだろうと思うのですが、 どちらかに入れるとなると、今までの議論で典型的な有害物質のばく露というものとは、一線 を画しておいたほうが法律体系上、将来、もう少し時間が経って受動喫煙対策が非常に周知さ れた段階では、それは当然安全配慮義務を含めて職業性疾病対策の中に入ってくるのかもしれ ませんが、現状は中間的な位置付けで、どちらかと言うと健康確保対策の中にあるのではない かと私は思いますけれども。 ○相澤座長 そうですね、この健康確保と。職業性疾病ではないですね。その間ぐらいという ことですね。 ○武田委員 職場で発生する有害物質ではあるのですが、業務を通じて出てくるものではない ので、職業性疾病予防対策と言われると少し違和感がありますが、職業性疾病予防対策と健康 確保対策の間に入るのであれば、それはそれでいいと思います。ただ、事務所則が職業性疾病 予防対策の中に含まれている部分があるということであれば、こちらに近い部分があることも 理解はできます。 ○土肥委員 ただ、事務所則の場合は、基本的に設備管理として事業者がすべてコントロール できるという前提に立ったものですから。そうすると、職業性疾病予防対策の中に入ってもい いかと思うのですが、その部分がない、すべてコントロールできるわけではないという前提に 立つと、中間的なというのが一番妥当かなと思います。 ○相澤座長 中間という御意見でしたが、いかがでしょうか。 ○望月委員 今の御議論がおそらくたばこ問題のユニークなところを突いているのではない かと思います。もう1つは、もちろん基本的対策にも入るだろうし、健康の保持・増進という ところであれば、これだけいろいろ言われていても職場でどうしても吸わざるを得ないという のは依存性の問題があるので、極論ですが、もしかしたらメンタルヘルス対策的な側面も持っ ている。なので、いろいろ跨るということを基本的な認識として、例えば、仮にどこに置いて その法律を解釈していくかという制御のほうがたばこ問題の特徴をよく表すし、一足飛びでは なしに、既にいろいろなものに対して、職場においてさまざまな規則や規制があるという中で、 たばこをもう一度位置付けることでさらに理解が進むかなと。ですから、受動喫煙の問題の被 害の大きさとか、要は、遍く被害が及ぶ、広く薄く及ぶ、時には死亡するということがわかっ ていることから言うと、リスクの大きさから考えれば、当然、もっと非常に厳しいところです よね。ですから、それが周知徹底の中でうまく伝わっていけば、さらに進むのではないかと思 います。ですから、たばこ問題のユニークなところをもう一度理解するために、是非テイクノ ートしていただいて、もし既存の条文の中に収まらなければ、将来的には、あるいは今1本立 てるとかということも必要かなと思います。 ○土肥委員 今の労安法の体系の中と言いますか、考えますと、職場のメンタルヘルス対策に 非常に近い部分があります。職場のメンタルヘルス対策も、本人以外の従業員が何をするかと いうことも関与してくるわけで、本人だけの問題ではないと。そういう意味では、例を挙げれ ば、職場のメンタルヘルス対策も一部はきちんとした義務として書いてあって、それ以外の部 分をガイドラインの努力義務として示しているということなので、やはり健康確保対策と職業 性疾病の間ぐらいにいて、将来、それがもっと上がること自体は一向に構わないと思うのです。 そのような位置付けにはなるのかなと。メンタルヘルス対策も同じような考え方をされている のではないかという気がいたします。 ○相澤座長 そうですね、職業性疾病が一番重いということで、健康確保がその次なのですが、 かなり重いところにあるということになりますので。位置的にはこういうことでいかがでしょ うか。 ○中原委員 私も、どこにも入るので非常に頭が痛かったのですが、今望月委員がおっしゃっ たように、後々は既存になければ別に何か作らなくてはならないのかなというか、勉強不足で あまり詳しくわからないのですが、世界的なところの動きを見ていると、全面禁煙を後々ねら った上で、そこまでいくのに流れを止めずにやっていくというのがまず大事ということが、先 ほども話にありましたが。  あと、法律がこのように、どこに入るかは別にして、新しい法律が出来るにしても、それを 知っているのかどうか。周知するということとそれを徹底させるためにどうするかということ が後々難しくなるなということをちょっと考えたときに、先々どうしたらいいのかなと悩みつ つ、今のところ、どこというのは、私自身はアイディアがないのですが、どちらかと言うと、 既存のものになければ別のものをというのを、将来的な希望だけあります。 ○内藤委員 私、法律が、決して勉強家というわけでないのですが、今の諸先生方の御意見を 伺っていて思ったのです。これは、まず、必ずここに掲げてくださいました労働安全衛生法に おける規制の体系に載せなければならないものですか。つまり、今の御意見を伺っております と、職業性疾病の予防対策か健康確保対策のちょうど間辺りの位置付けではないかというお話、 これはとてもよく理解できたのですが、これ、ある意味ではこの規制をする行政サイドのクラ スフィケーションであって、あえてこのどこに位置付けるかということはそれほど重要なのだ ろうかと、私、ちょっと考えたのです。  というのが、健康管理にも入れば、先ほど土肥委員から職場におけるメンタルヘルス対策に 近いのではないかという御意見がございました。私は決してそれに反対するものではありませ ん。しかしながら、実際に労働安全衛生法の審議会、分科会、実はこのメンタルヘルスに少し 関わっている者の1人として申しますと、通常、この場合は、例えばうつ病に代表されるよう な精神疾患的なものをやはり念頭に置いて考えています。  そうしますと、それと一番リンクするのが長時間労働であろうということで、そういった御 議論があったように理解しております。そうしますと何か、私は知識が足りないのかもしれま せんが、むしろメンタルヘルス以上に、一種の化学物質というか有害性の問題になっているだ けに、私としては、メンタルヘルスよりも何らかの形での職業性疾病の予防にもう少し近いの かなと、物理的な因子があるのかなと感じていたものですから、逆に、あえてこのどこかに分 類をする必要があるのだろうかと、むしろいっそのこと、何人かの先生方がおっしゃったよう に、何になるのかわかりませんが、新しい対策を立てるわけにはいかないのだろうかと思った のです。 ○相澤座長 そういう御意見だと思うのですよね。この中のどこかに入れるのではなくて。 ○内藤委員 それでよろしいのでしょうか、入れるというわけではないのですが。 ○相澤座長 入れるのではなくて、この位置としては職業性疾病予防対策と健康確保の間ぐら いですね。 ○内藤委員 そうしますと、職業性疾病と健康確保対策ですと、規制のかけ方とかコントロー ルの重さというか、厳しさという点に違いがあるという理解ですか。 ○相澤座長 それも先ほどの課長の話と。 ○内藤委員 そういう話でよろしいですか。 ○相澤座長 そうですね、職業性疾病が一番重たくて、健康確保がその次ぐらいということで すね。 ○内藤委員 はい。 ○相澤座長 それはまたちょっと別の、重さというのはまた法律のいろいろな罰則規定とかが ありますから。 ○内藤委員 最終的にどういう規制をかけるかというのは最後の段階であって、規制をかけら れるか否かという辺りの議論であれば今はよろしいわけですね。 ○亀澤環境改善室長 今のは、むしろ、どういう規制、規制をするのがよければ規制をするこ とになると思うのですが、どういう対策を講じなければいけないかという、そこをより具体的 に御意見を賜って、そこをまとめていくという、そういう作業をまずは考えていきたいと思い ます。 ○内藤委員 もしそうであるとするならば、これは、私が思いましたのは、先ほど先生方が位 置付けのお話をなさっていましたが、逆に、先ほど、望月委員でしょうか、どなたかがおっし ゃいましたように、3管理の中の健康管理のほうからも1つ何か入れられるでしょうし、かつ、 また健康の保持・増進にももちろん関わりますでしょうしという形で、必要なものをいくつか 挙げていって、最終的に振り分けていくほうが議論としては立てやすいのかなとも思ったので すが、いかがでしょうか。 ○望月委員 さっき跨ると申し上げたのは、たばこ問題はどれもこれも当てはまってしまうと いうユニークなものであるという認識を前提にしていったらどうかと。 ○内藤委員 議論を進めるわけですね。 ○望月委員 ええ。そうすると、理解がしやすいのではないかと。 ○内藤委員 はい。 ○相澤座長 ありがとうございます。 ○福島委員 今受動喫煙自体の対策の話をしていますが、それも当然大事です。ただ、この体 系の中で見ると、今現在やっている喫煙対策というのはこの快適職場の形成促進の中でやって いるというところですが、それのさらなる徹底みたいなものが必要ではないかと思うのです。 と言いますのは、身の回りで確かに受動喫煙の、現状でまだまだ問題があるのは間違いないの ですが、少なくとも分煙がある程度できているところではあまり切実な部分はないわけです。 ですから、むしろ問題なのは、既に快適職場という提起がされているにもかかわらず、まだ取 り組んでいないというところが多いという話を先ほどされていました。ですから、その辺のと ころを、まずしっかり取り組むというか、できない、できないではなくて。できない事情にさ らに手を打とうというのが今回の議論だと思うのですが、悪い言い方をすると、まだやってい ないというところをきちんとさせるところが必要なのかなということを思いながらお話を聞 いていたのです。 ○亀澤環境改善室長 おそらく第1回目のときにお話を申し上げたと思うのですが、今現在、 確かに快適職場づくり対策の一環としてやっております。確かに職場の快適の一要因ではある のですが、それだけで進めていいのかという問題があると思うのです。望月委員が再三御指摘 になっているように、受動喫煙による健康影響は条約にも明らかに書いてありますので、そう いう状況でその対策を進める根拠が快適職場の形成促進という切り口なのかと言うと、それは そうではないのではないかと。むしろ労働者の健康障害のリスクをどう下げていくのか、健康 障害を発生させる要因であるということを前提にしてどういう対策をとるのかということだ ろうと思います。  1つの方法としては快適職場の今の取組。結局、それに沿っていないのは指導が不十分だか らではないかという御指摘もおそらくあるとは思うのですが、それを一歩進める必要があるの ではないかと私どもは思っております。それはこの快適職場という枠組みの中に入れておくと いうことではなくて、別のところに置いて進めていく、では、どこにどう置いてどうやって進 めていくのかということではないかと思います。 ○相澤座長 よろしいですか、今のお話。 ○福島委員 実際上、すっかりもう分煙が出来ていればそんなに困ることはないです。ですか ら、私たちにしてみると、今、事務所で同じ仕事をしているところで隣の席の人がたばこを吸 っているという状況があるとしたら、それはものすごくおかしいことだと思うのです。対策が 打てていないというところには、中身には幅はあると思うのですが、おそらくそんなところも あると思うのです。それは、どう考えても論外だと思います。ですから、そういうのは早くな くさなければいけないと思います。 ○漆原委員 職業性疾病の予防なのか健康確保なのかと言うと、確かに微妙なところもあるの ですが、具体的な対策としてとられるのは、結局、換気とか粉じんの低減とか、そういったと ころは、そこの下の括弧書きにあるように、化学物質のところに近いものが確かにある、実際 の対策としては近いものがあるのだろうと。ただ、職業病とも言えないところもあるのでどこ に入れるかと言うと、個人的にはここのところで、確かに大気の化学物質ではないので、そこ のところは化学物質のばく露対策と直接はなかなかきついところはあるとは思うのですが、盲 腸のようにここにくっつくような形で何とかそういうものが出来ないかなという気がしてお ります。 ○相澤座長 盲腸のどこに付くのですか。 ○漆原委員 化学物質のところです。 ○相澤座長 この下ですか。 ○漆原委員 はい。 ○相澤座長 そうすると、職業性疾病のあれの中で。 ○漆原委員 必ず、100%そこの中とは言えないですが、具体的な対策は、たぶんそれに近い ものが出てくるのではないかと思うのです。 ○相澤座長 対策としてはそうですよね。 ○土肥委員 ただ、具体的な対策というのは、いわゆる健康管理5管理とか3管理と言われる 対策のどこを重点として書くかという問題であって、対策がここだから職業性疾病はここに入 れるべきだというのは、議論が逆ではないかとは思うのです。 ○漆原委員 確かにそういう気もするのですが、どこかに馴染まないものを入れるというと、 どうかなというところで考えたのですが。 ○武田委員 そういう意味では、先ほどから意見がある新しく章立てしてというほうが素直な ような気はします。実際の対策としては、作業環境管理と、作業管理ぐらいまでがあると思っ ています。健康管理は、労働安全衛生法上では健康診断をしてその事後措置をするという流れ なので、健康管理を入れることには違和感があります。  それよりも予防のほうが大事ですから、やはり作業環境管理として、密閉化するとか、局排 を付けるとか、それができなければ全体換気をするとか、あるいは、作業管理として先ほどか ら保護具の話が出ていたのですが、保護具を使うとか、あるいは労働時間を短縮するとか、そ ういったところが主な対策だという気はします。 ○鍵委員 たばこの煙をどうやって管理して、それをどう評価するかというところも難しいと ころだと思います。結局、粉じん濃度とかCO濃度を測る、気流を測るというのは間接的に見 ているだけであって、実際、たばこのリスクとなる化学物質を測っているかと言うと、そうい うわけでもないような気がしますので。そこで、この化学物質のばく露の防止対策のところに 直接入れるのが妥当なのかどうかというのは議論をしていただくところかなというような気 がしています。ですから、たばこに関してはほかとは違うというような位置付けが自然なのか なと感じました。 ○相澤座長 ありがとうございます。先生方の御意見はこの中に入りにくいので、別に立てて いったほうがということです。ありがとうございました。  それでは4番目、最後ですが、「全面禁煙または一定の要件を満たす喫煙室の設置が困難と される職場においてはどのような具体的な対策を講じればよいか」と。先ほども御議論いただ きましたが、飲食店のようなところで、あるいは禁煙室の中に入って仕事をするような方にど うしたらいいかということです。先ほども御議論いただきましたが、現状を全部把握している わけではありませんが、どんなことが考えられるかですね。 ○土肥委員 難しい議論だなと思いますが。いずれにしても、分煙をするという前提はあって 然るべきだと。分煙をしてばく露濃度を減らして、もし喫煙スペースを設けたとしたら、そこ のばく露濃度を下げる努力をするということがあって、その上にそこに入っていく労働者に対 して何をするかという議論だということでよろしいのでしょうか。 ○相澤座長 はい。 ○土肥委員 ですからそこまでは必ずやる、そこまではというか、分煙をして、喫煙をするス ペースのばく露濃度を下げる努力はやるのだということは求めるべきで、その後に入っていく 労働者に対してどうするかという話になると、方策はかなり限られてしまうかと思うのですが。 その後を考えるのは非常に難しいかと思います。 ○武田委員 今の議論で、分煙が必ずしもできないところもあるので。今のお話は分煙をした 場合の話ですね。 ○土肥委員 そうです。 ○武田委員 例えば分煙した部屋の掃除などで入るときは喫煙中はやらないとか、作業方法で ある程度コントロールできる部分もあるのではないかと思います。 ○土肥委員 実際には、飲食業で何らかの形で分煙したとしてもどうしてもそこに入らない人 たちがいるという実態があるので、そこは空間的な配慮、空間的なというか、作業環境として の濃度の低減というようなことを十分にしていただく、努力義務の中で対応するしかないと思 います。 ○相澤座長 喫煙室というのはかなりお金がかかるわけですよね。それが中小企業ではできな いという。 ○土肥委員 ここで言う一定の要件を満たす喫煙室をつくることはお金がかかりますが、一定 の基準から少し外れてもよければ、することが全く不可能かと言われれば、それぐらいはやっ ていくという方向性がないと、実際には前には進まないのではないかという気がいたします。 ○相澤座長 2段階方式ですね。 ○土肥委員 はい、何らかの対策はとるべきだという前提で進めると。 ○相澤座長 全面喫煙というのは。 ○土肥委員 それは事業者の選択なのかと。 ○相澤座長 どちらかと言うとですか。 ○土肥委員 であって。もちろん、全面禁煙をすべての原則と考えて例外を作るのか、分煙か らスタートするのかというのは、これは議論の余地があるところだろうと考えます。 ○相澤座長 ありがとうございます。 ○武田委員 できないところばかりを考えていてもしょうがないので、いろいろな方策を例示 して、どれかを選択するという形がいいのかなと思っています。分煙できるのであれば分煙を するし、それができないのであれば換気もするし、あるいは作業時間を短くするとか、いろい ろな選択肢を示した上で、事業者にできるところから低減措置を計画的にやってもらうという ようなことでいいのではないかと思います。 ○相澤座長 という御意見ですが、いかがでしょうか、今の御提言は。 ○望月委員 今回の参考資料の2に添付されています健康局の報告書をもう一度読み直してい るのですが、局は違えど厚生労働省の受動喫煙対策に関する検討会の報告書として一応クリア されていると思うのです。この中で今後の、原則、公共的な空間というのは職場も含まれる非 常に大きな概念だと思うのですが、その原則全面禁煙という方向性は打ち出されているわけで すよね。現状、いろいろな業態があるので、暫定的に喫煙可能区域というのはさっきおっしゃ っていた分煙だと思うのですが、この検討会の報告書の中ではやはり分煙という言葉は、私、 実はさっき使ってしまいましたが、なるべく排除して、暫定的な措置として喫煙可能区域と、 その中でどのように従業員がばく露を低減させるかという方策だと思うので、厚生労働省の検 討会の報告書ですので、リスクにかかわらず、対策の方向性としても、やはりこれをベースに していただかないと齟齬が起きるのではないかと思います。  その中で、暫定的な措置として喫煙可能区域を出た場合にどういう具体的な低減措置がある かという中で、物理的な方法、時間的な方法、防毒マスクとか、諸々あると思うのですが、そ の中で一番、なかなか避けがたいというのが接客業というところだと思うので、その辺の整理 をしていただかないと、また各論で少し後戻りした議論になってしまうかなと思います。  そう言いながら具体的なことは全然申していないのですが、もう一度この従業員について見 ればというところで、その方策がもしかしたら、とり得る方策というのがどこまであるのかと いうのは、もう一度想像力を高めて。例えば喫煙所の中の清掃員の方々は思いもかけないばく 露に遭うということもあり得ますし、そういう極端な例について何ができるのかと。たぶん、 私たちが普段接している業態以上の高濃度ばく露というのは実際にあるわけですよね。ですか ら、それをどうやって排除したらいいのかということも是非検討に含めていただけたらと思い ます。 ○相澤座長 そうすると、顧客がいる職場と顧客がいない職場、いないということもないかも しれませんが。 ○望月委員 だいぶ違うと思います。国によっては飲食業に対しての、実際としてレストラン 等の中に喫煙可能区域があっても、そこで飲食の提供サービスを行わないということで従業員 の健康を優先して守るという措置もあるので、例えばそういう選択肢も、今後、念頭に置いて いただけたらと思います。  もう1つは、従業員そのものがその枠のリスクの大きさをほとんど御存じない場合もありま すので、それもやはり併せて。対策の中には、全体的なキャンペーンだけでなく、ほかの有害 物質の汚染と同様、ばく露と同様、あるいはそれ以上のリスクがあるということも徹底してい かないと、どちらかと言うと、非常に過小評価した形での対策しかとり得ないのではないかと 思っています。 ○内藤委員 今、ちょうど諸先生方の御意見にありましたように、先ほど土肥委員がおっしゃ ったように、ここで全面禁煙を最終的な目標として、それに対して、では、何か例外を認める か、あるいは、最初から分煙さえすればいいのだとお考えになるかで、落差がかなりあると思 うのです。ですからその意味では、全面禁煙とまでの表現を使うかどうかはともかくとして、 どちらかにウエイトを置いて。個人的には、それこそ職場内の禁煙を前提として、今望月委員 がおっしゃった喫煙可能区域をつくるということをまず何らかの形で徹底させる、その方向へ いくのに、私、個人的には来年していただきたい、あるいは1カ月後にはしていただきたいな どと思いますが。だからといってそれは無理でしょうから、どのくらいのスケジュールでやる か、その辺りのことを、まず前提問題としてどこまでならば例外を作っていけるか、実際のヒ アリングをしたときに分煙室でさえ、分煙でさえ無理だというような御意見があまり多数だと しますと、今度、それを、理想をそのままに具体化したときに、規制をかけたときにどうして も、嫌な言い方をしますと、脱法と言いましょうか、法が法としての効果を持たなくなります。 ですから、その意味で、理想は最終的には禁煙としても、どこまで例外が認められるのか、ど こに線を引くべきか、それが課題かなという気がしております。 ○中原委員 今お話を伺っていて、とにかく実効性を伴う施策とは何なのかとちょっと考えて おりました。全面禁煙を最終の形にしたとして、いつまでに何をやるのかというところで、今 の時点では何を必ずやらなければいけません、次、時間を置いて、いつまでには何をしなけれ ばいけません、その中で各職場が、例えば就業時間だけは吸わないでください、喫煙時間は何 時から何時までですなどと時間や区域を制限しながら、吸えない環境と言うのですか、吸わな い環境を少しずつ、そして、労働者がばく露を受けないものを作っていくという、事業者がそ のことについてもっと一生懸命に考えて、それぞれが計画を立てていくような働きかけも、法 律だけではなくて、サポートしていく何かが必要なのかなと思いました。  きれいにやっても、たぶん事業所が、うちはできないからと諦めてしまって、またできない というところがあるので、実行するのはなかなか、対策。やはり事業場が一番自分のところに 相応しいものを考えられると思いますし、そのことをきちんとやるのだよということを周知徹 底させることと。後、先ほど望月委員がおっしゃられたように、従業員一人ひとりが受動喫煙 というものに対して、たばこの害に対して知識をもっと持つ必要があるのかなということでは、 社内の教育も十分にやっていく。後は、吸いたくない人には何か支援を差しのべるというよう な健康管理上のサポートも必要なのかなとちょっと思いました。お話が少しずれるのですが。 ○相澤座長 ありがとうございます。 ○福島委員 いま中原委員もおっしゃられましたが、受動喫煙もそうですが、たばこにまつわ るものについての害はやはり知られていないというところがあります。先ほど喫煙室の掃除の 話が出ましたが、喫煙室を設けていなくても、喫煙スペースの片付けみたいなものを吸わない 人が担当していることがあるのです。それも吸う人の責任にしてくださいというようなことで 話が決まって吸う人がやることになっているのですが、灰皿などを洗うと、結構、手に臭いが 付いたりして、何か大変毒々しいと思ったりするのです。その灰皿を片付ける、洗うというよ うな簡単なことについても、もしかして、これ、害があるんじゃないのというようなことも何 も考えずにやっています。たばこを吸う人の責任だからということでやってもらっているので すが、もしかしたらそれはものすごく危ないことではないかというようなことも実際は想像す ればあるのですが、そんなことは通常、職場などでは全く考えられていません。ですから、そ んなことも含めて、たばこの煙を避けないといけない、怖いということが知れ渡っていないと なかなか、対策だけやれと言っても、面倒くさいなという形にしかならないと思いますし、う ちだけは平気だろう、自分だけはいいやという形になってしまうと思うので、その辺とうまく 組み合わせなければいけないのかなとは思っています。ですから、たばこを吸う人にも責任が あるというか、それをきちんと果たしてもらえるような、自分からきちんと配慮してもらえる ような、そんな内容もうまく盛り込んでいけたらと思います。 ○相澤座長 ありがとうございます。 ○漆原委員 何か、全面禁煙も無理で、しかも喫煙室の設置も無理というところの対策となる と、かなり難しいところがあるなと思います。そうは言っても、そのばく露濃度を下げるとか、 ばく露する時間を低減するということを前提としつつ、例えば専門家による好事例をまず出し て、こういうやり方があるからこうしてくださいと。そうは言っても、飲食店にしてみれば、 店舗とかクーラーの配置とか、いろいろな条件によって気流も違いますし、一概には言えませ んが、そういった専門家のいろいろなデータとか資料を基に、できる限りのことをやっていた だく。しかも、できるだけコストのかからないことの議論を専門家でしていただいて、そうい うところで何ができるかと。例えば、空気清浄機ひとつでこれだけ効果がありますねというと ころから始まって、できる限りのことは提示する必要があるのではないかと思います。 ○相澤座長 その専門家でおられます鍵委員。 ○鍵委員 例えば、保健所の職員の方などがそういう相談を受けて、いろいろとその場所、そ の場所の対策を、指導とまではいかないのですが、提示するという職員の方もいらっしゃるの ですが、何かしら対策の具体例を提示していただくということがやはり一番いい情報源になる のかなと。実際にそれがうまくいくかどうかは、その建物あるいはその職種によって、規模に よって変わってくると思いますので、それはその社内でまた検討して変えるようにするのか、 それとも専門家の方が乗り出すのか、わからないのですが、そのようにしてうまく流れを作っ ていって、ステップを踏んでいくというのがやはりよろしいような気がします。 ○相澤座長 ありがとうございます。 ○亀澤環境改善室長 ここの4番は、私ども、一番悩ましい問題で、そういう点で一生懸命に 御意見を伺っていたのですが。土肥委員、望月委員からも、基本は禁煙、できないところは禁 煙室の設置を認めた分煙、あるいは、その分煙も無煙管区域の設定も暫定的な措置として認め るということを前提として認めるべきだというようなお話があったかと思うのです。4番に書 いていますのは、言ってみれば、薄くばく露を受けるということを認めざるを得ないような気 がするのですが、それでいいのでしょうかということと、そういうときにどれだけ、薄くばく 露してしまうかもしれない人たちの健康リスクをどう下げていったらいいのかということで すが。そこは、鍵委員からもお話がありましたが、事業場の大きさとかいろいろな条件によっ て違うだろうというお話があったのですが、考え方として、まずは検討をすることができるの かどうか、そういうことの検討を進めることがこの委員会として適当だとお考えになっている のかどうか、たぶんいろいろな御異論があると思いますが、そこはいかがなのかということを ちょっと伺っておきたいと思います。 ○相澤座長 先生、今までにそういったことはやられているのですか。 ○鍵委員 各自治体の報告書等で出ているところもあるのですが、どういう対策をするかは、 当然、その場所によって変わってくるということなので、一般論としてどのような具体策を講 じればよいかと言って、1つ答えが出る話ではないような気もするのです。薄くばく露するの がいいかどうかという議論はあるのかもしれないのですが、それはやはり段階的にその流れを 作って、ゆくゆくは、また全面禁煙が最終目標かどうかというお話があったように、何かそう いう流れをつくっていくことを目標にしながら、これでは完全ではないけれどもやっていくと いうのが手法としては1つあるのかなと感じています。 ○相澤座長 例えば、換気扇を付ければ、小さい部屋だったら相当の効果があるとか、そうい うデータはありますね。 ○鍵委員 そうですね、例えば換気扇を増設するという対策も1つあるかもしれません。それ は、対策としてはまだ弱いかもしれませんが、まずは、1つのステップとしてはあると思いま す。もちろん基本的には発生源をなくすか、発生源を空気清浄機等で取り除くか、それでも駄 目なら大量の空気で希釈するかということになってしまうので、そのぐらいしか対策はたぶん ないとは思うのですが。 ○相澤座長 空気清浄機は、粒子状のものは除去されますが、化学物質も。 ○鍵委員 化学物質は取れない可能性が非常に多いので、効果は薄いというのは、共通した認 識であるとは思います。でも、それを設置しないとするとでは、したほうがいいという。それ も、段階的な努力目標ということでは必要かなと。 ○相澤座長 空気清浄機でも、活性炭を使うものだとかなり吸収されるような気がするのです が。 ○鍵委員 それも、メンテナンスをしっかりするとかしないとか、そういう話もあります。そ れだったら局所排気をしてくださいということになってくる。それだと、設備的にも非常にコ ストもかかりますし、エネルギー的にもロスが大きくなるということです。 ○相澤座長 そういう段階的なあれということですから。望月委員はそういう流れでいいです か。 ○望月委員 何か、1人抵抗勢力ですよね。 ○相澤座長 いや、正論を言ってください。 ○望月委員 空気清浄機については、過去の厚労省の分煙基準の効果判定のところで効果がな いという方向が出ているので、それをもう一度出すのはやはり不適切かなと思います。換気が、 原始的だけれども最も効果があるということもわかっています。ですから、それは選択肢とし て置いておくべきなのだろうと思います。具体的な対策はおそらく事業所単位でどういうこと が必要かという問いかけではないかと思うのですが。 ○亀澤環境改善室長 何か、基準というのは決めることができるのでしょうか。 ○望月委員 基準について言うと、基準は設けないほうがいいと思います。今の基準はなかな かコントラバーションな部分があって。ですから、汚染の目安としてどういう指標が必要かと いう観点から見直す必要はあるのではないかということは前回も御指摘したとおりですが、環 境基準の考え方を適用して汚染度を測って、何らかの対策を打ったときの効果を見てみるとか、 あるいは、これだけ汚染しているのだよということでリスク・コミュニケーションの手法とし て使っていくというものはありかなと思っています。  前回、頭出し的に環境基準のPM2.5のことをチラッと申し上げましたが、9月に環境省から 方向性が出ていて、それを踏まえて、役割というのは、事業者とか個人だけでなく、いろいろ 専門の学会の役割というものもこういう問題について必要なのかなということで。今禁煙推進 学術ネットワークという、公衆衛生学会とか、私も所属している日本癌学会とか、いくつかの 学会が国に対して要望書をまとめていると聞いております。おそらく次の検討会までには事務 局に届くのではないかと思いますので、そういう専門家の意見も勘案しながら、もし何か指標 を設けるとしたら何が一番適切なのか、簡便に測れるものは何なのかということを考えていっ てもいいのかなと思います。あまりギリギリ、テクニカルなディスカッションというよりは、 今の基準が、リスクを反映しているわけでもなし、それを満たすような装置などというものの 実現が難しいということであれば、代わりの目安としてどういうことが国際的にも議論されて いるかとか、あるいは、国内の対策で環境基準ではどういう考え方があって、それが屋内に適 用できるのかどうなのかというものも参考意見として聞いていく必要があるのかなと思いま す。 ○相澤座長 ありがとうございました。ということで、よろしいですか。大変貴重な御意見を 頂きまして、ありがとうございました。今日の御議論をまとめていただいて、次回、それを基 にヒアリング等をやる予定ですが、これからの予定は。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 次回ですが、第1回、第2回で御議論いただきましたもの を整理いたしまして、それをベースにまた御意見を伺えればと考えております。ヒアリングに ついてはその次ぐらいを考えております。現在、各委員に日程等の調整をさせていただいてお りますが、その調整がつき次第、次回の御予定については、また御連絡させていただきたいと 思います。 ○高崎計画課長 安全衛生部長は所用がありまして、今日、来られていないのですが、私は、 夏の異動で安全衛生部の計画課長になりました高崎でございます。どうぞよろしくお願いいた します。 ○相澤座長 今日は活発な御意見をどうもありがとうございました。時間になりましたので終 了いたします。 (照会先)  厚生労働省労働基準局安全衛生部  労働衛生課環境改善室  03−5253−1111(内線5506)