09/07/22 第3回労働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会議事録                     日時 平成21年7月22日(水)                        17:00〜                     場所 厚生労働省仮設棟第3会議室(2階) ○計画課長補佐  ただいまから、第3回労働安全衛生法関係試験制度等の見直し検討会を開催いたします。 本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。本日、漆原委員は所用 のためご欠席されるというご連絡をいただいております。  第3回検討会においては、これまでの検討会の意見交換の結果等を踏まえて、検討項目案 にこれまでいただいたご意見と、(追加的論点)を追記したもののほか、いただいたご意見 に関連する資料を新たに配布させていただいております。労働安全衛生関係試験制度等の見 直しについては、引き続き忌憚のないご意見をいただきたいと考えておりますので、よろし くお願いいたします。  以降の議事進行については、平野座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたし ます。 ○平野座長   最初に、資料の確認をお願いしたいと思います。 ○計画課長補佐  いちばん上が議事次第です。2枚目が資料一覧となっておりますので、そちらをご覧くだ さい。資料1-1が、試験制度等の見直し検討会における論点整理のペーパー案で、前回のも のにこれまでの議論において、いただいたご意見、及びそれを踏まえて事務局のほうで作成 した(追加的論点)を追記しております。資料2-1が、前回ご意見のあった特級ボイラー技 士に関する資料です。資料2-2が、高圧室内作業主任者に関する資料です。資料2-3が、労 働安全・労働衛生コンサルタントに関する資料です。資料3-1が、労働安全衛生法以外の主 な国家資格の受験料及び試験内容についての資料です。また参考として、現在作成中の第2 回検討会議事録の未定稿版を配布させていただいております。その他、前回までの資料を綴 ったファイルを、お手元のほうに置かせていただいております。資料についての説明は以上 です。 ○平野座長  たぶん1週間とか2週間ということになると思いますが、前回の議事録は今日お持帰りに なってお見通しいただいて、もしご意見があれば、事務局のほうにお申し出いただくことに したいと思います。それでは本日の議事に移りたいと思います。最初に補佐から話があった ような進め方をしたいと思います。まず最初の議題は、論点整理の案についてです。これま で2回にわたってご議論いただいたところですが、本日はこれまでご議論いただいた所も含 め、論点ごとに順番に議論していただこうと思います。これまで出た意見でもよろしいと思 いますので、お気付きの点があったらよろしくお願いします。それでは、最初に事務局から 説明していただきたいと思います。 ○計画課長補佐  それでは資料に沿ってご説明いたします。まずは資料1-1のうち、1の「適正かつ合理的 な試験制度のあり方」について、ご説明いたします。まず「受験資格の見直し」についてい ただいたご意見と、(追加的論点)を加えさせていただいております。いただいたご意見と しては、「高圧室内作業主任者については受験資格に実務経験を求めているが、現在無人化 が進んでおり、実務経験を得る機会が少ないのではないか」といったご意見をいただいてお ります。また(追加的論点)として、ボイラー技士等の一部の免許については、受験資格に 実務経験を求めておらず、免許交付のみに実務経験を求めているものがありますが、これに ついてどのように考えるかという点をあげており、また、実務経験の要件を一定の講習等に 置き替えることについて、どのように考えるかといったことを(追加的論点)として記載さ せていただいております。  2頁の(2)は、「技術の進歩等に応じた免許区分の見直しについて」です。いただいたご意 見としては、「高圧室内作業主任者については試験項目が潜水士とあまり違わないため、統 合してはどうか」「特級ボイラー技士免許が必要な大型ボイラーは、かつてほど頻繁に設置 されているわけではなく、当該資格の必要性がほとんどないため、特級ボイラー技士免許を 廃止してもよいのではないか」「現状施設については、国と公益法人のねじれになっている ようなので、例えば公益法人に資格付与の権限を与え、公益法人でやってもらうというやり 方もあるのではないか」といったご意見をいただいております。免許区分の見直しの(追加 的論点)としては、「申請者は少ないけれども、引き続き就業制限が必要なものについて、 免許試験でないということであれば、能力の認証をどのように図っていくべきか」という点 を掲げております。  3頁の(3)は、「試験方法について」です。いただいたご意見としては、「コンサルタント 試験におけるコミュニケーションの資質等の検証については、資格を取った後の話だとは思 うが、資格試験である程度担保するためにも、コンサルタント試験に口述試験は必要だと思 う」「国家資格として残すものは残し、そのほかの一部のものについては、何らかの認証機 関等での講習を受けていれば免除する等のシステムを検討してもよいのではないか」、とい ったご意見をいただいております。これについての(追加的論点)は記載しておりません。 検討項目の大きな1つ目、「適正かつ合理的な試験制度のあり方」について、いただいたご 意見と(追加的論点)を整理したものは以上です。  1の関連として前回ご意見のあった資格については、資料を作成しておりますので、担当 のほうからそれぞれご説明させていただきたいと思います。まず、特級ボイラー技士の関係 についてご説明いたします。 ○主任中央産業安全専門官  私のほうから特級ボイラー技士の関係について、資料2-1でご説明いたします。資料2-1-1 にありますように、ボイラーについては伝熱面積が大きくなるほど規模も大きく、蒸気が高 温・高圧化するということで、複雑な制御機構や機能が備えられており、運転管理に高度な 知識・技術が必要です。このようなことから、資格を3段階としています。  特級ボイラー技士が作業主任者とならなければならない、伝熱面積が500u以上のボイ ラーは、主として鉄工業、石油コンビナート、化学工業等の大規模な製造業で使用されてお り、生産管理上、多くの蒸気量を安定的に供給すること、あるいは質の高い蒸気と申します か、高温で安定している蒸気の供給が求められているところで使用されているというのが実 態です。1級ボイラー技士が必要な、伝熱面積が25〜500uまでのボイラーについては、 中規模の化学工業、食料品製造業などの工場で使用されています。そして2級ボイラー技士 が操作することができる25u未満のボイラーについては、ホテルや事務所ビルなどの給 湯・暖房といった所で使用されています。  次の頁に2級ボイラー技士、1級ボイラー技士、特級ボイラー技士の使うボイラーの大体 の大きさを書いております。2級ボイラー技士が運転できる、伝熱面積20uの炉筒煙管ボ イラーは2、3mぐらいの大きさがあります。1級ボイラー技士の水管ボイラーですと5m で、高さが10mぐらいですが、特級ボイラー技士が運転している水管ボイラーですと、高 さが18m、長さが12m、幅が12mということで、この会議室よりも非常に大きなものにな っています。  次に15頁を見てください。これがボイラーの伝熱面積別の設置基数の推移です。平成19 年と、いちばん右側の昭和59年の数字を比較していただきたいと思います。特級ボイラー 技士が必要な500u以上、特に大きい700u以上の数字を見ていただきますと、632が514 というように2割ぐらいの減少にとどまっているのに対して、2級ボイラー技士が運転する 給湯や暖房に使われる10u以下のものについては、3万9,200だったのが1万2,785とい うように、3分の1以下になっています。先日、山口のホテルで修学旅行時の事故がありま したが、あそこで使われていたボイラーも、私どもの労働安全衛生法の適用のあるボイラー から、適用のないボイラーに交換していたということで、先日、梅原委員からもビルでは大 きなボイラーはほとんど使っていないというお話がありましたが、給湯や暖防に使用されて いたボイラーが、確かに大きく減っているということです。ただ、質のよい蒸気を安定的に 供給するためには、大きなボイラーが必要であるということで、石油精製や石油化学といっ た大きな事業場では、引き続き使用されるのではないかと考えているところです。以上です。 ○計画課長補佐  それでは高圧室内作業主任者の関係について、引き続きご説明をさせていただきます。 ○調査官  私のほうからは資料2-2、17頁の資料でご説明いたします。まず、高圧室内作業主任者 については、この資料の左側の上段に書いてありますように、施行令第六条で、潜函工法そ の他の圧力工法、圧気工法により大気圧を超える気圧下の作業室又はシャフト、これは作業 室に通る通路となりますが、これらの作業である高圧作業について、具体的な作業主任者の 業務は中段の第十条第2項に書いてあります。具体的には、例えば作業方法を決定し、作業 者を直接指揮するなどの仕事を職務といたしております。  一方、潜水士などの潜水業務ですが、同じ頁の上段のいちばん左の施行令第二十条にあり ます。潜水器を用い、かつ空気圧圧縮器若しくは手押しポンプから給気を受けて水中に行う 業務です。また、いちばん下の高圧則第十二条ですが、潜水士免許を受けた者でなければ潜 水業務に就かせてはならないとされております。このように両者の業務自体は異なっていま す。  試験については18頁をご覧ください。これが具体的な両資格の試験免許規程、試験科目 の中身です。ここにありますように、高圧室内作業主任者の免許のほうは圧気工法、送気、 排気、高気圧障害、関係法令です。一方、潜水士の免許のほうは潜水業務、送気、潜降及び 浮上、高圧障害、関係法令で、両者の試験科目は一部類似しておりますが、異なっている科 目も多いという状況です。  また、この両資格の合格者数ですが、従前の資料にもありましたが、潜水士約5,000名に 対して、高圧室内作業主任者は約50名というように、一方の資格取得者が極端に多いとい う状況にあります。こういう状況の中で資格統合を行った場合、大部分の免許申請者が従事 する業務に必要のない試験科目の受験と、そのための学習が必要になるという状況があり、 潜水士と高圧室内作業主任者の免許自体の統合というのは、非常に困難な状況にあると考え ております。以上です。 ○平野座長  ただいまの2つの説明について、何かご意見、ご質問がありましたらお願いします。 ○計画課長補佐  資料の説明は以上ですが、本日ご欠席の漆原委員のほうから、この論点に関するご意見を 事前にいただいておりますので、事務局のほうからご紹介させていただきます。まず(1)の 「受験資格の見直し」に関しては、「受験資格に実務経験を求めているものについては、受 験時に実務経験がなくとも、免許交付時までに必要な実務経験があればよいのではないか」 というご意見をいただいております。  (2)の「技術の進歩等に応じた免許区分の見直し」については、「受験する人が少なくても 受験する人がいる以上、統合はしないほうがいいのではないか。また特級ボイラー技士につ いては、その資格が必要なボイラーを持っている所にはすでに免許所持者がおり、年齢にか かわりなく働けている状況にある。受験者が少ないからといって廃止するのは適当ではない のではないか。受験者数が少なく、コストがかかるというのであれば、試験の回数を2年に 1回にするということも考えられるのではないか」というご意見をいただいております。  (3)の「試験方法」については、「コンサルタント試験の口述試験は残したほうがよい。論 文はうまいが、現場で説得力のある指導ができないというのでは困る」というご意見をいた だいておりますので、ご紹介させていただきます。 ○平野座長  皆さんのほうからご意見をいただく前に、ちょっとだけ申し上げます。資料2-2の17頁 の2段目、第十条の2-二に炭酸ガス及び有害ガスということが書いてあるけれど、いまの 炭酸ガスは致死量まできちんと決まっている有害ガスですよね。厚生労働省だけではなくて、 ほかの所もそれはあるのですが、出所が厚生労働省ですよね。ですから、ここは直しておか ないと。炭酸ガスは今、有害ガスの中に含まれていると思います。ただ、致死量が非常に多 いのです。10何パーセントということで、一般的にそんなものは「有毒ガス」とは言わな いのかもしれないけれども、とりあえずは薬事審議会でも審議をして、これは入っているは ずですので、ひとつよろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。 ○渡邉委員  まず「受験資格の見直し」の実務経験に関してです。実務経験の定義というのがわからな いのです。出願の願書に、そういった定義が書いていないような気がするのです。「何々に 関する実務経験」というのは載っているのですが、では、その範囲は一体どこなのかという のがわかりません。私も国家試験を受けたことがあって、そのときに実務経験が書いてあり ました。しかし、その実務経験が自分がやっている仕事に該当するかどうかというのを、い ちいち調べなくてはいけないというか。例えば大学は実務経験として認められるのかどうか、 連絡を取って問い合わせなくてはいけないのです。ですから、もうちょっと細かく実務経験 は書いておいたほうがいいのではないかという気がしました。  あと、実務経験がなくてもいいような資格もあるのではないかという気がします。例えば 衛生管理者などは、実務経験1年などと書いてあったのですが、大学で衛生管理者の試験を 受ける人がいて、大学は実務経験として認められているのかどうか、その辺もわからなかっ たのです。「衛生管理に関する実務経験」と書いてあるだけで、大学の仕事は衛生管理に関 するものなのかというような疑問点があったものですから、実務経験に関しては少し見直し をされたほうがいいのではないかという気がしました。 ○平野座長  実務経験について、皆さんはいかがですか。実務経験というのは実際に免許がなくてはで きないはずなのに、「実務経験」と言っているのです。少し細かく書いてある所もあって、 例えば助手として勤めたら、そういうものを実務経験の中に入れると書いてある所もありま すね。自動者運転の仮免許みたいに、誰か経験のある人が付いてなければいけないものもた くさんありますよね。 ○渡邉委員  技術士などはそうですね。1次試験における習修技術士というのがあって、技術士の下で 4年間勤めると、技術士の2次試験を受ける資格がもらえるといったものはあります。 ○平野座長  いかがでしょうか。それでは全般について、何かご意見はありますか。 ○熊田委員  1点目の「受験資格の見直し」については、(追加的論点)で書いていただいているので すが、受験資格に実務経験を求めていなくて、免許交付時に実務経験があればいいのではな いか、という漆原委員のご意見があったと思うのです。私もここのところは現行の制度を確 認したいのですが、実際に今のところは資格を取って、免許交付時までに実務経験を積むと なると、例えば資格取得時から1年以内に実務経験というように、やはりある程度は免許交 付までの期間を何年間というように区切っていないといけないのではないか。2年以内に何 カ月間の実務経験を積むとか、そういうものを定めている資格というのは現行ではあるので しょうか。現行ではないですよね。あるのですか。 ○平野座長  自動車講習だけではないですか。自動車は仮免を取って何教程かやらないと本免許が受け られないとか、取れないというようになっていますよね。ほかのものはあまりないのです。 ですから実務経験とはよく言われるけれど、不思議だと私も思っているのです。どうですか。 ○熊田委員  逆に、その辺は実務経験がなくても資格が取れる、しかし免許の交付までに実務経験を積 むとなると、その期間をどれだけに設定するかということだと思うのです。実務経験を積ま なければならないというのを、3年以内にするのか2年以内にするのか。ただ、この資格と いうのは、それぞれに特別ないろいろな専門的な業務に跨る資格ですので、それぞれの資格 によって細かい知識が必要なものについては、できるだけ早く実務経験を取得しなければい けないのではないでしょうか。  例えば今ご説明いただいたボイラーでも、特級などは大きな設備で、特別な知識もあると 思います。それを資格を取ってから免許交付まで、そのうちに経験を積んでおいてくれれば いいというように、あまり長い期間を設けてしまうと、それも制度としてはあまり意味がな いということになるのではないかと思うのです。逆に、免許の交付時までに経験を積めばい いという仕切りは、実際には定めが難しいのではないかと思います。 ○平野座長  やはりほかに決まりをたくさん作らなければいけないので、なかなか難しいと思います。 特にボイラーの話が出ていて、小型と大型とだいぶ違うというのは事実です。大型というと、 この建物ぐらいのものがありますから。そこの本館ぐらいのボイラーは、どこにでもありま すよ。北アメリカ以外の大きなボイラーは、ほとんどが日本製です。発電などに使うのは、 ほとんどが日本製です。それを動かそうとするには、相当の知識がないと動かないと思いま す。小型ボイラーなら、免許を取ったら1人でできるというのですが、大型ボイラーはたぶ ん、チームワークでないと駄目だと思います。どうでしょうか。 ○主任中央産業安全専門官  そうですね。チームワークで運転するということでないと。 ○平野座長  よろしいでしょうか。見直し検討会は詰込み主義かもしれなくて、いろいろ説明していた だいて、後でよく考えろというものが随分あると思いますが、今日ご説明いただいた所も、 ちょっと間を置かないときちんとした意見が出せないかもしれませんので、間を置くことと いたします。それでは、今の資料1-1の説明を続けていただけますか。 ○計画課長補佐  それでは資料1-1の4頁以降の大きな2番目、「受験者の視点に立った免許試験の実施」 について、ご説明いたします。まず(1)の「安全衛生技術センターの老朽化への対応を含め た試験会場の確保について」です。いただいたご意見は、4頁の下のほうに書かせていただ いております。  「筆記試験のみの試験については、アクセスのよい都市部で開催したほうが、申請者にと っても利便がよいと考えられるのではないか」「例えば中部センターの管轄は東海・中部・ 北陸になるが、例えば石川の場合、受験のために中部センターへ行くには、片道の旅費だけ で受験料並みの出費になるので、せめて四半期に1回程度の割合まで出張試験を増やしてほ しい」「センターのある都道府県とそれ以外の都府県とは、現状で試験の回数に格差がある ので、改善を図る必要がある」「クレーンの場合、実技教習を受講することによる実技試験 免除者が多数いるが、他方、実技試験受験者も相当数おり、そういったことも含めて制度を 考えていかなければならない」「センターは立地の悪い所にあり、駐車場や宿泊施設などが センター内やセンターの周辺にあったほうがよい」「特殊な試験については、ここで毎年や るといったやり方も考えられ得る」「試験会場を借りる場合でも、使用料が安い所を借りれ ばよいのではないか」といただいたご意見を記載させていただいております。  これらの論点に関しては、センターの保有を必ずしも前提としないで、試験の設定を考え 得る必要があるのではないかという点を、(追加的論点)として掲げております。  6頁をご覧ください。(2)の「適切な試験手数料のあり方について」です。いただいたご 意見は、真ん中から記載させていただいております。「申請者数が少なく赤字であったとし ても、安全のためには必ず免許を取っていただきたいということもあるのではないか」「こ れまで受験料については、概ね3年に一度見直しを行っているということだが、受験料決定 に係る明確なルールが策定できるとよい」「コンサルタント試験については、就業制限によ る免許の取得と異なり、個人の資質向上の要素が強いことから、試験手数料が少々高くても よいのではないか」「試験手数料全体では黒字になっていることから、コンサルタント試験 単体での収支により手数料の改正を検討するのではなく、試験制度全体での収支を踏まえ、 手数料を検討してもよいのではないか」「国の施設を無償貸与していることにより、本来計 上されるべき支出が計上されていないので、収支から手数料を検討するに当たっては、実際 の収支ではなく、施設の借用にかかるはずの費用を加えたもので検討することが一般的であ る。その上で、財団の運営にコスト削減の余地があるのかどうかを確認した上で、手数料を 決めるべき」というご意見を記載しております。  この論点に関しての(追加的論点)としては、1点目が「手数料の算定の前提として学科 試験、実技試験、口述試験について、一定の免許区分ごとに収支の透明性を確保する必要が あるのではないか」、2つ目として「コンサルタント試験については筆記試験免除者と全科 目受験する申請者が、手数料が2万4,700円ということで同一でよいか」、3点目として「コ ンサルタント試験の手数料については、どの程度までなら適正と考えられる額と言えるか」 という論点を掲げております。  これについては資料3-1として、前回の検討会において他の国家資格についてどうなって いるのかといったご意見もいただきましたので、主な国家資格で受験料の高いものを例示と して挙げております。21頁をご覧ください。「主な国家資格の受験料及び試験内容」という ことで、最も高いものとしては下から4番目にある義肢装具士の学科試験で、6万5,900円 です。また、下から2つ目の原子炉主任技術者については、筆記試験と口頭試験があります が、受験料は5万2,100円です。核燃料取扱主任者は学科試験が試験内容で、4万7,700円 という状況です。そのほかに言語聴覚士が3万5,700円、臨床心理士が3万円、美容師につ いても実技と筆記を両方合わせますと3万円という状況です。以上、受験料の参考として資 料3-1をご説明させていただきました。  資料1-1に戻って、8頁をご覧ください。(3)の「試験の実施について」です。これに関し て前回までの検討会でいただいたご意見を真ん中に書いております。「出張試験を増やして ほしい、日曜日の試験を行ってほしいとの意見を聞く」「多くの人がどこに住んでいても、 比較的リーズナブルな頻度で受験できるようにすることが必要ではないか」「発破技士試験 等、一部の試験は申請者の数に見合った試験回数になっていないような気がする」というご 意見を記載させていただいております。これについての(追加的論点)としては、「試験の 内容を実務的なものにすることにより、実務経験を短くする等の対応が可能か」「試験の回 数など、試験の実施について実態や利用者の要望等を反映させるような仕組みが必要ではな いか」という点を掲げております。  大きな2番に関する資料の説明は以上ですが、この点に関してもご欠席の漆原委員のほう から、事前にご意見をいただいておりますので、ご紹介させていただきます。まず大きな2 番目の(1)の試験会場の関係ですが、「技術の進展等により、新たな実技試験が必要となった 場合に、広い場所が必要になるということもあるのではないか。すべてを民間に任せてしま うというのでは、そういう状況に対応できないことが考えられる。いくつかのセンターは残 しておいて、修繕等の問題は試験協会にセンターを譲渡するということも考えられると思 う」というご意見をいただいております。  (2)の試験手数料に関しては、「学科試験については受験者数にかかわらず、現在のまま一 律とするのがよいのではないか。またコンサルタント試験については、受験者数と試験の難 易度、試験作成費用に加え、他の国家試験の金額相場を勘案して決定してはどうか」という ご意見をいただいております。  (3)の試験の実施に関しては、「試験によっては平日のほうがいいという意見もあり、日曜 日の試験があってもよいが、それで平日の試験回数に影響が出るというのは困るという意見 もある。また、どの地域で何回実施するかということも、他の同様の試験との横並びを見る 必要があるのではないか」というご意見をいただいておりますので、ご紹介させていただき ます。 ○平野座長  それでは、この件についての皆さんのご意見を伺いたいと思います。 ○渡邉委員  (3)の「試験の実施について」の学科試験の内容です。第1回目の資料を拝見しますと、 合格率が試験によってかなり違うのです。90%を超えているようなものから20%まで、か なり差があります。その差というのは一体どこから出てきているのかという疑問が1つあり ます。やはりその差は、なるべくなら少なくしたほうがいいような気がするので、その辺を 検討いただくといいと思います。90%というのは、試験を受けたらほとんどが合格だとい う感じに取られますし、逆に合格率が低ければ、それだけ難易度が高いので、資格を取った ときにその受験生としては「ああ、取ったな」というような価値観が上がるのではないかと いう気もするのです。その辺をどう考えるかということです。 ○平野座長  試験というのは大抵、実施したところが保証するわけでしょ。ですから、ものによっては そう簡単に保証できないものもあるのです。私たちはいつも言うけれど、安全に関する民間 組織だと、受験した人に全部出すものがあるのです。これは何の資格にもならない。それに 対してやはり3、4割ぐらいの人しか合格できないとなると、それではその人に仕事を任せ ようかという気になるでしょう。見せていただいたほかのものでもそうです。公認会計士や 1級建築士というのは、すごく信用度が高いけれども、合格率はそんなに高くないですよね。 だから食べていけるというのもあるのです。 ○竹内委員  私は試験手数料について、頭を整理してみました。一般的に試験手数料とか価格の設定の 考え方というのは、サービスに市場があるようなケースでしたら、その相場を勘案して、こ ういう試験であればほかの資格を参考にしてという考え方もあるのかもしれないのですが、 行政サービスにおいては、そういった市場がありませんから、基本的にコストの収支均衡で コストを算定します。それに利潤という概念も行政サービスにはありませんから、コストを どう把握するかというところが非常に重要になってくると思うのです。  では、この試験の開催に当たってコストはどのぐらいあるのか。試験を1回やるごとにか かってくる経費ないし、募集してくる方が1人当たりいくらかかるかといった変動費です。 大まかに言うと、要するに人数や回数が増えていくと増えていくコストと、一旦造ってしま った施設の維持や、減価償却のコストといった固定費に分かれてくると思うのです。  実際にこの試験にどういうコストがあるかというと、いちばん参考になるのが財団の決算 書です。正味財産増減計算書ないしは収支計算書を拝見すると、事業費と管理費という形で 2つに分かれています。第1回の検討会から話が出ている免許試験については黒字だけれど、 コンサルタントないし測定士の試験については大幅な赤字になっているというのは、そこの 公益法人が事業費を3区分しているのです。そのコスト、事業費がこの3区分にかかるコス トだと。管理費についてはダンゴで、その財団の運営に当たる経費ですので、それを一定の 基準で按分すると。認証の決算書もそういうように作っていて、一定の按分計算があるとい うのが前提になっています。ですから、この手数料が適正であるかどうかといったことを議 論する前提として、コストがその区分ごとに適正に集計されているのか、管理費であれば按 分基準が適正であるのか、そういったところは詳細な検討が必要になるところかと思ってい ます。  今、この3区分でコストが集計されていますが、さらに各試験ごとにコストが集約できる のであれば、そのコストに見合った手数料という設定が可能になります。試算では7,000 円と7万円というように、10倍ぐらいの差が出ていましたが、そういったコストの区分の 考え方は細かい設定をして、手数料を検討する余地があるのかどうかというところ、要する に一つひとつの資格ごとでコストを集計するのか、今試算されている3区分で考えるのか、 それとも全体で考えてもいいのではないかという考え方もあるので、そこはコンセンサスが 必要になってくる話だと思います。可能な限り透明性の高いコストの集計単位を設定し、そ れを示して、こうだから手数料はこうなっているのですという仕組みがあるのがいいのでは ないかと思います。  そのコストを集約計すると、今度はそれを誰が負担するかという話が出てくると思います。 前回も申し上げたように、財団のコストとして集計されているものには、国有財産の設備に 関する部分というのが入っていませんから、その影響かどうかは結論づけられませんが、そ の部分で余剰が出ていると。ですから固有財産の部分のコストというのは、その試験を受け る人などが負担すべきではないという考えになると思うのです。例えばそのセンターを廃止 して、もっと利便性の高い場所でやっていくというときに、また廃止のコストというのが出 てきますから、そういったものを誰が負担するのかといったコンセンサスが必要になってく ると思います。ですから議論の前提としてコストがきっちり集計できているというのは、非 常に重要ではないかと思います。 ○平野座長  いずれにしても重要度と言うのですか、これは国でどうしても免許を出さなければいけな いというものを含めて、ランクや仕分けをするのも、この検討会でやらなければいけないか もしれません。仕分けごとに一般の免許を持っていれば、持っている人が非常に有利になる というのだと、委員がいま言われたようなコストパフォーマンスで、たぶん片が付くのだろ うと思います。しかし、あるものについては国で、ある資格を持った者以上にやらせなけれ ばいけないという国のための免許や資格だとすると、それはある程度採算に合わなくても、 どうしてもやらなければいけないという話になると思います。  そういうように考えてみると、ここに挙げられたすべてのものが同じレベルで考えられる わけではなくて、やはりある程度仕分けをして、その上で考えていかなければいけないとい うことになるのではないかと思います。9月の中間報告までにそれができるかというと、問 題点としてそういうことがあるねというのはあったとしても、具体的にどういうように考え ましょうかという考え方の基準みたいなものは、多分できないのではないかと思います。時 間が短かすぎます。  いまの免許や資格についても、これはどうしても必要だからお金がかかってもいいものも ありますというのもあると思います。この中にも含まれていると思います。しかし、それが すべての代表値ではないと思うのです。ですから、それは会計上の仕分けや安全上の仕分け とか、国としてのステータスの仕分けといったことも含めて、いくつかに分けてみる。そん なにたくさんの種類があるとやりにくい。本当は一つひとつ違うのですが、それによって難 易度も含めて考えてみる。先ほどの何割を合格にするかということも含めて、すべて決まっ てしまうような気がするのです。その仕分けをどこで誰がやるかというと、今のところは見 直し検討会だから、ここでやるしかないですよね。  そういうことで、非常に大きな宿題がこの見直し検討会の宿命ですかね。宿題が大きいの です。例えば今日、渡邉委員が最初に言われたことですぐに話合いが着いてしまうかという と、多分そんなことはなくて、だいぶ長引きますよ。そのために委員からも新しい意見を出 してもらわなければいけない。問題点があるという指摘は今日当たりに出しておいていただ かないと、後で検討するわけにはいかないと思います。問題点があるというところを主な論 点として挙げていただくと、非常にありがたいと思います。いまの試験料についての問題点 というのは、大体そのようなところですか。まだありますか。 ○竹内委員  今おっしゃった資格の仕分けというのは、いろいろな仕分けがありますので、必要な資格 が伴ってくると思います。結局、その資格の受益者は誰なのか、広く国民が負担すべき資格 であるのか、企業が負担すべきであるのか、一種の個人に帰属する資格であれば、それは個 人がなるべく負担する資格なのか。会計士試験などは、本来そういうものだと思うのです。 この受益者が誰なのかというところで、また仕分けの仕方というのが変わってくると思いま す。 ○平野座長  いまの疑問点に回答が出ると、コンサルタントの問題は全部解決してしまうのです。誰が 受益者で、取った人がどういう利益を得たかということがわかれば、その受験料も決まるし、 全部解決してしまうのですが、なかなか。法律の中に一部書かれているという話は聞いてい ます。だからといって例えば1級建築士や公認会計士みたいに、生活というか社会の重要な 仕組みの一部になっているのかどうか。公認会計士が判を押すと、税金の報告などはそのま ま通ってしまうということがあるでしょう。 ○竹内委員  そちらは税理士に……ですからね。 ○平野座長  労働安全衛生コンサルタントはどうかというと、今のところ、そこまではちょっとという ような感じですね。しかしコンサルタントのサインが必要だということで、サインをしなけ ればいけないものもあるのですよ。 ○渡邉委員  各試験ごとに問題を作成する委員会というのはあるわけですか。そういう委員会があって 問題が作成されていて、その委員会はそれなりに何かフィロソフィーを持ってやっているわ けですよね。それを出していただかないと、これは重要か重要でないか、どう考えて問題を 作っていて、どうやって合格を出しているのかというのがわからないと、ここではランク付 けもできないのではないですか。 ○平野座長  どのような人が作っていて、どのぐらい難しいか、委員は見てみたいですか。 ○渡邉委員  あまり踏み込みたくはないのですが。 ○平野座長  見れば当然、責任ができますよ。 ○渡邉委員  そういうものがわからないと、仕分けをするといっても何か。 ○平野座長  例えば先ほどの、日曜日に試験をやるか平日に試験をやるかというのも、会社では講演会 などをやるでしょう。「ただ」と言うと派遣してもらえないのです。なぜかというと、役に 立つものならお金を取られるだろうと。それで受講料を設定したとたんに参加者が増えると いうことがあるのです。そういうことも含めて、日曜日にやるか平日にやるか、平日でちゃ んと出張として扱ってもらえるかとか。 ○渡邉委員  そういうのはあるでしょうね。 ○平野座長  あとは梅原委員辺りに、実際に現場におられる方からの意見を伺いたいのです。 ○梅原委員  前回お話した内容で、私の言い方が悪かったので、「特級など要らないや」みたいなこと になっていますが、本来そうではないのです。当然それで用をなしている方がおられるわけ で必要なのです。ただ、あまりにも試験を受ける人数に違いがあります。なぜ1級が多くて 特級が少ないかというと、特級というのはごくごくわずかな部分で、おそらく決められた工 場の中の人間がということです。1級というのは我々の現場で言うと、例えばボイラーの関 係で作業主任者を雇おうとすると、1級がなかったら、そういう管理をする会社にはまず雇 われないですよね。  1級を取るためにはまずは2級で、その2級を取るために実務経験があって、実務を踏ん だ、2級を取った、それで1級を取って、一般のボイラーなどの管理の会社に初めて採用し てもらえるわけです。新卒の人は別としても、途中で入る人は今のボイラーなど、1級がな ければおそらく採用してもらえないのです。そういうことで1級のボイラーの試験を1万人 近くがワーッと受けていると思うのです。そういうことが現場ではあります。我々は「現場」 と言っていますが、そういう職場で働く者が生きていくために持っていないと生きていけな いものと、前回もお話があったように、持ったらただお飾り的に自分のためだけになるもの とがあって、やはりその内容は違うかと思います。  おそらく試験を受けている人数がワッと減っているのは、あるいは少ないまま横移動でそ んなに減っていないものは特殊ですよね。我々現場から言うと特殊で、特殊ながら人間がい るので、なくすことはできないでしょうけれども、試験の回数を考えてみるとか、そういう ことはやはり必要かと思います。我々がどうしてもいろいろなことを聞こうとすると、自分 の職場仲間に聞くわけです。先ほどのボイラーの件も、25〜500uという数字があります。 例えば510uのものは、499uを管理する人間には見られないかといったら見られないこ とはないですよね。両極端にバーンと開いてしまうと、当然扱いは違いますが、500という 数字を仕切ったものがどこにあるのか。  容量が違うわけですから、当然扱うものは多少違うのでしょうけれども、作業主任者とい うことで考えたら、500uを管理できる人間は600uもできるのではないか、800uもでき るのではないかというオーダーからすると、特級という資格に必要性がないと言ってはいけ ないでしょうね。当然あるのですから。その辺の数字の500というのがどうなのだろうか と。作業主任者という名前として、その数字が切られている500というのが、どこに意味 があるのだろうかということです。 ○平野座長  いまのお話にちょっと付け足すというか。例えば工法の率が変わったら、試験の内容が変 わるわけですよね。そのときに同じように特級だからといって、昔の人と同じように扱って もらえるかどうかというのは、ちょっと疑問ですね。そういう話になってくると、ここで見 直しをやるけれども、どうしても過去の実績みたいなものに基づいて議論をしなければいけ ないというところが出てきてしまうのです。もう1回やりましょうということでもいいとは 思うのですが、産業構造上難しい問題があります。 ○梅原委員  私もボイラーのことは詳しくはわからないのですが、生活をするためには2級を取って1 級を取ったら、もう大体いいやというのがほとんどらしいのです。当然、特級を必要とする 仕事もあります。しかし、いま一般的にボイラー管理をしている人からすると、もう特級な どは眼中にないのです。1級を取れば十分生きていけるというのがある。もし、1級を持っ ている人と特級を持っている人の技量がどれだけ違うのかといったら、我々の抱えている下 請の業者からすると、そんなものは大して変わりはしないよ、1級で作業主任者ができれば 特級はいいんじゃないのというのが一般的な言い分です。数値が違うのですから、本当は違 うのでしょうけれども。ですから受けている数の多さからしても内容にしても、本当になく すことはできないけれど、違う方法でということはないのか。  その根底に戻って言うと、最初にお話があったいろいろな試験ですごく数多く受けている 試験と、受けていない試験とがあって、ましてや1個の試験の中で単価で換算してみたら、 安いものと高いものとがあるわけです。そういうものを見たら、試験の方法を変えたら、も うちょっと安く済まないのかということですよね。当然、今あるもので必要なものをなくす ということは、多分できないと思うのです。  もう1つは資格の話です。特に発破などは実務をしようと思うと、資格がないと発破の実 務に就けないのに、実務経験が必要だという話があるのです。先ほどもお話があったように、 発破技士を受けるために、いま受験資格で言っている発破の実務経験というのは何を指して いるのか。 ○主任中央産業安全専門官  補助の業務みたいなものだと思います。いわゆる発破技士がいれば、そこで発破ができる わけですが、発破技士が全部の作業をやるのかというと、そうではないかと思うのです。補 助の業務を発破技士の指示の下にやるというのが、実務経験になるということです。 ○竹内委員  いま梅原委員のおっしゃった、免許試験の中での1人当たりのバラつきですが、いま現在、 免許試験という枠でコストを集計している以上、やはりバラつきにある程度の上限というか、 下限を設けると。要するに1回当たりがあまりにも大きい所については、開催回数を見直す、 この枠を設定することが、やはり必要かと思います。  もう1つは手数料の関係でちょっと申し上げたかったのが公益法人、財団の試験の運営コ ストについてです。財団のコスト自体が、試験制度を運営するに当たって適正な規模のコス トであるかどうかというのは、やはり常時ウォッチしていかなければいけないし、国として も見ていかなければいけないと思います。逆にいま余剰を持っておりますから、ご意見の中 にもありましたように、センターについて必要な部分があれば、それは公益財産として譲り 受けるとか、そういった選択肢もあるのではないかと私は思っております。 ○豊島委員  私がわかるのは、労働衛生コンサルタントと衛生管理者のところしか、実際に自分で関係 したことがないので、そこの話しかできないのですが、労働衛生コンサルタントに関しては、 資格が二重になっているのです。すでに何らかの形の国家資格、あるいは何らかの資格をす でにお持ちの方が、実務経験を積んでいただく資格という感じです。それに比べてその他の 危険物を扱う仕事に関しては、ベースになる資格というのがなくて、いきなりの資格のよう な気がして、そこがまずとても大きな違いのような気がします。  ですから、労働衛生コンサルタントの場合は、実務経験というのが比較的スムーズなので す。つまり、資格を持っている人の下でサブの業務をするとしても、実際に何らかの資格を すでに持っているわけです。具体的に言うと医師や看護師、薬剤師、歯科医師という資格を すでに持っているので、安全な形でサブの仕事ができて資格が取れるのです。そういうこと を含めても、座長も先ほどから繰り返し言っておられるように、コンサルタントに関しては 全く異質な気がして仕方がありません。  先回の会議のときに座長がおっしゃいましたが、コンサルタント試験に関しては、果たし て他の資格試験と一緒に国家資格という形で一並びにしておく必要があるのかどうかとい うのが、私の疑問です。ほかのものはその資格を取るための勉強をしっかりしなければ、非 常に危険を伴うし、それがない方に仕事をしていただくということは、とても危険極まりな い話です。しかし労働衛生コンサルタントに関しては、そういうわけで、すでに何らかの資 格を持っている方たちなので、それがなかったらどうかといった場合に、危険性が伴うとは、 なかなか考え難い部分があります。  前回、座長がおっしゃったように、私もコンサルタントという資格に関しては、国家資格 としてはいいのかもしれませんが、それを出す場所を国家ではなくて財団に移してしまって もいいのではないかと考えます。これは非常に狭い世界の話で、私どもの仕事の世界の話に なってきてしまいますが、私たち医師は厚生労働省の医師国家試験の資格を取ります。いま の決まりの中では、その資格だけで食べていくのは、実はちょっと難しいという現状があり ます。その更に上に、それぞれの専門の領域の専門医という資格を取らなければならなくな っています。  では、専門医というのはどこが出しているかというと、財団に該当すると思われる、それ ぞれの学会が出しております。学会がそれぞれの領域に関して、筆記試験と面接試験、場合 によっては実技が加わるケースもありますが、ほとんどが筆記と口述で、それを通して、こ の人はこの領域の医師として大丈夫だと思った人間に、さらに上の専門医という資格を出し ています。労働衛生コンサルタントというのも、それに準ずるような資格ではないかという 気がいたします。であれば、専門医などと同じような形で、財団にお願いする資格という形 でやってもいいのではないかと思います。  そうしますと、先ほど来問題になっていた試験料を一並びにするという問題になったとき に、コンサルタントだけは別に離せるので、コンサルタントだけが受験料が高くなっても、 それは他との整合性は問題がないと思います。先回、先々回、他の委員からたくさん意見が 出てきたとおり、やはりコンサルタント試験における口述試験は必須で、なくてはならない ものだと思います。そのコストを考えた場合に、やはりほかの試験と一並びにして試験料を 一律にしたときにはとても無理が生じると思いますので、それも含めて別にすることが好ま しいのではないかと思います。  それから、コンサルタント試験に関しては、試験回数は現行は年1回です。これもこれで 十二分だと思います。受ける者たちは1年間を通して一生懸命勉強して、これを狙ってやっ ていますので、そんなにしょっちゅう試験があっても十分な準備が足らず、試験回数は1 年に1回で十分のような気がいたします。また試験会場も現行は2カ所でしか行われていま せんが、1年に1度そのためにと思って、みんな準備していますので、2カ所でこれも十二 分ではないかという気がします。  衛生管理者に関してですが、衛生管理者も非常に重要な資格です。私はほかの試験内容は よくわかりませんが、試験自体もほかのものに比べると、比較的コストが低い形で行うこと が可能な試験ではないかと考えます。ですから、衛生管理者に関しては、これを国家資格の まま省庁で管理していただくべきなのか、あるいは財団に移すべきなのかというアイディア は、いまのところはわかりませんが、これに関してはコストはほかに比べるとかからないは ずだというプレゼンテーションが初回のときにありました。安いのであれば安いままにして いただいて、試験回数をどんどん増やして、職場にこういう資格を持っている人間をどんど ん増やしていただくのが好ましいことかという気がします。  ただ、そうした場合に、これだけ受験料が安くて、断トツ試験回数が多いということにな ると、ほかのものとの整合性を維持するのが難しくなるかなという気がするので、国家資格 として同じ一並びで残していいのかということに関しては、私自身非常に迷いが大きいです。 ○熊田委員  まず免許の区分の関係ですが、これについては私は申請者数が少ないからといって、その 資格をなくすことはできないと思っています。それは先ほどから話が出ている実施方法とい うことで実施の回数と実施の場所の調整で解決できる話で、資格とか、免許そのものをなく してしまうことにはならないと思います。  具体的には、この検討会の第2回目に「手数料の試算」というところで提供していただい た資料の中で今日も話が出ていますが、資料を見ますと、平成20年の実績で1回当たりの 申請者数が10人台という資格が4つあって、高圧室内作業が11人、林業架線作業主任者 が12人、発破技士が17人、特別ボイラー溶接が13人です。今日の話のなかでは、林業だ けは出ていません。1回当たりの申請者数はそれだけですが、例えば、今日も出ている発破 の技術士というのは実施回数は1年間で21回です。これを例えば10回にして、実施の場 所もコンサルタントのご意見でも出ましたように、現行2カ所で十分というご意見もありま したが、例えば十名台に絞るとか、そういうことで回数と場所を少し工夫すれば、現行の1 回当たりの負担額も含めて、問題は解決できるのではないかと。実際にそういう特殊な技術 なり知識が必要とするものは厳然としてあるわけですので、それをなくしてしまうのは、元 に戻れば危険が野放しになる、安全が確保できないという、もともとのところに支障が出ま すので、その免許をなくすということにはならないと考えています。  ちなみに私どもは民間企業ですので、10人だけの資格というのが、私たちの会社ではど うなのかと思って、人事のデータベースで拾ってみました。ご参考までに私どもの会社は6 月末現在で、社員は5万1,000人おります。実際には高圧室内作業は5万1,000人の中で資 格取得者は1人です。林業架線作業はゼロ、発破技士もゼロ、特別ボイラーが1人というこ とで、私ども5万1,000人の母数の中での傾向も申請者数が少ないというところと傾向的に は同じなのかと思います。ただ、なくすことはできないと考えます。 ○渡邉委員  試験の申請手続の件ですが、私は個人的には電子申請にしていただくとありがたいのです。 なぜかというと、普段からパソコンを使っていますので、電子申請にしていただいたほうが、 郵送するお金もかかりませんし、非常に楽でいいのです。ただ、普段パソコンを使っていな い方も多々いらっしゃいます。そういったときに電子申請だけにしてしまうのはまずいと思 います。ただ、電子申請も一部あってもいいのではないかという感じはします。ですから、 電子申請をできる人はしてもらって、できない人は郵送にしてもらう。それで除々にパソコ ンが普及していって、電子申請だけに持っていけると非常に楽といえば楽です。いまの段階 だと電子申請がトラブったときに大変になるかもしれませんので、一部だけでもいいですか ら取り入れていただけると、電子申請ができる人は非常に楽になります。 ○平野座長  いまの方々の話の中で、特別なもの、例えば発破を必要とする企業があります。そういう のは日本の企業の割合で何百あるかという程度ではないかと思います。トンネル工事やダム 工事などは発破技士がいないと進まないと思います。特定の企業で、それがどうしても必要 で何とか技術を試してみてくれということだと、そういう所にある程度費用分担をさせても いいのではないかということだと思います。それが必要で、その人がいないとどうにもなら ないというのがあるのでしょう。例えば、林業などもそういう傾向があって、従業員は非常 に多いのだが、全然必要のない所と、従業員は少ないが、そのうちの半分を持っていなけれ ばいけない所があると思います。  発破というのはちょっと難しい話で、我々の大学をつくるときに専門の先生がいて、発破 の免許というのは、これを持っていたら、いくら年をとっても食べていけるという種類の免 許らしいのです。それはそれで大事なものだと私は思っています。  最近はまた発破の現場で、昔、私がやらせていただいたじん肺などの危険もあるというの で、新しい知識も必要になってきているのではないかと思います。発破をやったら何分間は 近づくなとか、そういうのも新しいので入ってきているわけで、そうなると、ますます資格 というのは重要だなという気がします。ただ、受益者が誰かをよく調べろと言うのですが、 受益者が偏っているものというのはあるのではないですかね。国全体が受益者だと見なけれ ばいけないのですかね。  本当に特定な企業しか必要がないというのがあります。特に大型ボイラーなどは大型化学 工場や発電所では絶対必要です。しかし、一般的な企業で必要かというと、一般的企業だっ たら500uなどというボイラーは持っておらず、もっと小さいもので10uとか、15uぐ らいのものしかないので、そういう資格を持っている人さえいればいいという話になるので す。ある意味で稀少種よりは、高い受験料を課してもいいのですかね。それは暴論ですね。 いま言ったのはコンサルタント以外で、コンサルタントといいうのはごく一般的なのですが、 そうではない稀少種というのは、稀少企業しか必要ではないのです。経済的にはどうですか。 ○竹内委員  その企業にコストを負担していただくときに、その企業がそれを自分の売上げに転嫁でき る業種かどうかにもよります。 ○平野座長  そういう見方をするのですか。 ○竹内委員  それで成り立つのがあるかと。成り立たないビジネスでも、国にとって必要なものがあり ますから、そこの総合的な判断というのはどうなのかというのはコンセンサスになってくる ような気がします。行政の判断という部分もあります。売上げに転嫁できるのであれば、そ れがいちばんわかりやすいと思います。それがいま民間の企業活動だと思います。 ○平野座長  日本の場合には組織そのものが安全法については国がちゃんと規制をやっているという のが必要です。そういう外から見たらそう見えるようにという話ではないものですから、そ れだったら国の予算でどれだけ補助できますがというのも、この辺に書いておいていいので はないですか。それは駄目ですかね。  先ほど公認会計士とか、ほかの例がありましたが、原子力施設用のが2つありましたね。 あれはまさしく原子力産業以外は必要のない資格なのです。厚生労働省といえども原子力産 業には口を出せないところもあるかもしれないので、そこはあまり議論しないほうがいいの かもしれません。本当だったら原子力保安院できちんとした資格制度を持っていてくれても いいのですよね。  9月に中間報告程度のものを事務局が苦労して作るのだろうと思いますが、そのときに参 考になりそうなものは、いまのうちにどんどんみんなに聞いておいてください。 ○計画課長補佐  もう1つ資料を用意しておりますので、ご説明いたします。1-1の論点で、最後に「その 他」ということで9頁に入れております。「コンサルタントの資格保有者の活用について検 討すべき」というご意見をいただいております。この関係の資料として資料2-3の19頁に、 労働安全・労働衛生コンサルタントについて、資格創設の経緯等、どんな業務を行っている かをまとめた資料を付けておりますので、ご説明いたします。  まず労働安全・労働衛生コンサルタントについては、資格創設の経緯として、事業場内部 に安全衛生についての専門的なスタッフ部門を設けることが難しい中小企業等に対して、企 業外の民間有識者の安全衛生についての知識を活用することによって、事業内の安全衛生上 の問題点を把握して、それに対する対策を促進するために設けられた制度です。  開業しているコンサルタントの行う業務として、労働安全衛生に関する顧問として日常的 に相談に応じる業務。また作業現場の危険性等について指摘をし、改善方法について指導す る業務。また労働安全衛生マネジメントシステムの構築・評価・監査、リスクアセスメント の実施の業務。また労働安全衛生に係る改善計画、管理規定、作業手順書の策定、労災調査 報告書再発防止策の作成等に係る業務、安全衛生教育に係る業務。また労働安全衛生法第 88条1項で計画を届け出なさいということになっていますが、その但書において、計画届 の提出免除ということが書かれています。この免除を受けるための監査の業務を行っていま す。  現在のコンサルタントを取り巻く情勢として3番目に掲げていますが、昨今、生産工程の 多様化・複雑化が進展し、新たな機械設備・化学物質が導入されている状況もありますので、 労災の原因が多様化し、その把握が難しくなっている状況です。こういった現状において、 事業場の安全衛生水準の向上を図っていくためには、最低基準としての危害防止基準を遵守 するだけではなく、事業者が自主的に個々の事業場の危険性又は有害性等の調査を実施して、 その結果に基づいて必要な措置を講ずることが必要であるということで、平成18年4月1 日からこのような調査を努力義務として規定をしているところです。  こういった調査の実施には労働安全衛生マネジメントシステムやリスクアセスメントの 実施について知識・経験を有する専門家が必要で、コンサルタントについては、この分野で の活躍が期待されているところです。  なお、先ほど申し上げた労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出に当たっては、調査 を適切に実施した事業者については届出の免除を認めていますが、事業場のこうした取組へ のインセンティブを与えてコンサルタントの活用の後押しをしているという状況です。  また「その他」ですが、コンサルタント有資格者については労働安全管理者、衛生管理者 等になれるものとして法令に明記をしておりますし、また技術試験の一部試験の免除など、 他の国家資格の受験免除が受けられるという状況にあります。資料については以上です。 ○平野座長  これを読んで、すぐに気が付くことが1つあります。いま労働安全衛生マネジメントシス テムの審査委員会は私もやらせていただいています。そこは評価委員が評価したものを持っ てくるのですが、評価委員の資格としては、その会社のコンサルタントをやっていてはいけ ないというのが必ずあります。そうなりますと、その会社のコンサルタントをやっていない 人、全員別の会社だったら評価をしても構わないのですが、自分の会社、自分の頼まれる会 社は評価してはいけない。ほかでもそうです。JAMの制度はほとんどそうで、コンサルタ ント業務をしてはいけない、関連会社ではいけないとか、非常に厳しい制限が付いているの です。  このように書いていただくと、何となく労働安全衛生マネジメント実施もコンサルタント の資格を持っていれば評価してもらって、一般に認められるかというと、それは全然違いま すという話になるのです。ですから、制度の中に組み入れていることと、ここに書いてある ことは少し違う、ずれていると私は認識しています。  そうであれば、例えばコンサルタントの資格を持っている人が来た場合には、評価員が来 たときに、その人と話し合ってもらって、その会社の全容を説明できるようにしてもらえれ ば、もっと仕事も増えると思います。例えば評価員が来ても1回見てもらって問題点を指摘 してもらうだけです。それに対してコンサルタントの中に常駐していただいて相談に乗って もらい、場合によっては評価員が来て、変なことを言ったときに、ちゃんと説明してくださ るのだったら、本当に大切な存在になります。これは内部の問題でもあります。  内部の問題というのは、安全衛生そのものです。外郭団体としての中災防が、安全衛生シ ステムの審査をやっています。昨年度策定した労働安全衛生政策の中に、安全の増進という のがあります。その中には労働安全衛生マネジメントシステムを取り入れなさいと。そうい う意味でいうと、コンサルタントがこれにうんと組み入れてもらっていれば、もっと日本は 安全になるのではないかと思います。ですから、ある意味での欠格条項が付いていて、自分 の会社については意見を差し挟めないというか、そのような傾向にあるように思います。 ○豊島委員  労働衛生のほうですが、2の(1)〜(5)の仕事が、実は産業医の仕事とほとんどかぶってい て、産業医を置くことは義務づけられていて、コンサルタントに相談するとは努力義務です。 そうすると、ほとんどの企業において産業医が全部これらの仕事をするから、それより上の 人に相談する必要性を認識しないとか、コストの関係で「いいよ、産業医がいるから」とい うところで止まってしまったり、1の中小企業等に関することは、地域産保センターに相談 するシステムになっています。  確かにそこに労働衛生コンサルタントがいるのですが、その方がその地域の大半の中小企 業の相談を十二分にこなせるので、その地域に住んでいる労働衛生コンサルタントに仕事が 回ってくることはまずありません。一応資格を取ったときに事務所を設立するようにと言わ れて、コンサルタント資格を持った人間はみんな看板を持っていますが、そこに仕事を依頼 してくる企業は1つもありません。あとは産業医で足りているという形なので、屋上屋を築 いているみたいな状態で、労働衛生コンサルタントに関しては仕事がないというのが正直な ところのような気がします。 ○平野座長  横暴だと言われるかもしれませんが、各会社で安全衛生コンサルタントを1人か2人を雇 っているのだったら、安全衛生マネジメントシステムの評価のときに、その人を陪席させれ ばいいのです。もしいたら陪席して構わないということになれば、トップの負担も減るし、 いいのではないですかね。会社の内容もよく知っているし、特にこのマネジメントシステム は安全志向なのです。安全にするにはどうしたらいいかというので、コンサルタントがやっ ている仕事と全くオーバーラップするのです。それはどのようになりますか。  中間報告の中に入れておいてもらいたいのですが、結局、見直しの枠組みというのか、何 と何をやらなければいけないかを、きちんと中間報告にできたら書いてほしい。書けなかっ たら、そういう必要性があるということだけでも書いておいてほしいと思います。これは中 間報告の段階から公開ですか。 ○計画課長  そうですね。皆様方からさまざまな意見が出ましたので、もちろん相矛盾する意見もある でしょうが、問題点の指摘としては中間報告になるべく幅広く盛り込んで、それを実際に試 験を行う試験協会もありますし、さらに詳細な専門的な検討が必要な場合もありますので、 とりあえずそこで行政のほうに投げかけていただくというスタイルをとっていただいて、さ らに個別の点について検討する。年末になるかいつになるかわかりませんが、私どもが一旦 受け取ったものをここにお返ししてどうするかと。もちろんその段階でも宿題として残る部 分はあるのかもしれません。 ○平野座長  おっしゃるとおりだとすれば、我々は張り切りますよ。問題点をもっと指摘しておいて、 皆さんの意見を聞けるのだったら、そんないいことはありませんから、フィートアップして 我々も勉強になります。私などは勉強をしてもしょうがないのですが、皆さんのためには是 非意見を出していただいて、端のほうにでも言葉が出てくれば検討してもらえると思います ので、皆さんが問題だと思っているところを。意見として話にならなくてもいいのです。断 片的な言葉だけでも結構ですから、出していただくとありがたいと思います。 ○熊田委員  いまの労働安全コンサルタントの活用についてですが、企業の立場からすると、例えばマ ネジメントシステムとか、リスクアセスメントの具体的な実施のやり方などについては、先 ほど話が出ましたように、現実的には中災防が開催されている講習会に参加して、いろいろ な資料を見ながらやり方を教わるということでやっているわけです。  もしそこで労働安全衛生コンサルタントの活用ということを考えると、私が中災防の講習 を受けたときでも、その講習は例えば50人なら50人、100人なら100人に対しての一括 の講習ですから、各参加者の、特に中小企業の方などは、その内容を聞いた上で「うちの会 社では具体的にどのようにやったらいいのかな」とか「ここはこのようにしていいのだろう か」などという個別の質問は講義が終わったあとに、その先生の所に行って質問をするのは、 かなり勇気が要ることで、実際にはできません。  例えば中災防の講習のときに自分の会社でやったらこのようなことができると思うとか、 やっていいのだろうかといった個別の質問の相談については労働安全衛生コンサルタント のヘルプデスクとか、フリーダイヤルでここにご照会いただければということで、参加者が 講習が終わったあとに、自分の会社でやるときに、どのように具体的にやったらいいのだろ うかという個別の相談に乗れるようなしくみを作ると良いと思います。例えば多重債務者が 自分に付いた弁護士の相談デスクみたいな所に行くのと同じような感じで、もう少し労働安 全コンサルタントと、自分の会社でどうしたらいいのかわからない人をつなぐようなチャン ネルというか、そのようなヘルプデスクなり、例えば講習のときにPRのための紙を配って いただくのもいいですし、あるいはここにフリーダイヤルがあって、ここに電話をしていた だければ個別の相談には乗れますとか。そのときに労働安全コンサルタントとつながりを作 って顧問になっていただくという活用のチャンネルを設けていただければ民間企業のほう も、もう少し安全衛生コンサルタントとの距離が縮まるというか、いろいろ質問しやすくな るし、関係も作りやすくなり、活用の場が広がるのではないかと思います。 ○平野座長  まさにそのとおりというか、マネジメントシステムの全体の機構の中にコンサルタントが 全然見えないのです。それを見えるようにするのはいいことではないかと思います。事実、 私の知っている人でも看板に掲げて、この人に見てもらったらという人が何人かいます。 ○渡邉委員  個人的な意見ですが、国家資格には大きく分けて2種類あると思います。1つはその資格 がないと仕事ができない。もう1つはあるレベルに達しているのを証明する資格です。今回 のコンサルタントは、もしかすると後者に該当するのかと思います。技術士などはどちらか というと後者で、技術士でないとできない仕事というのはありません。ただ、ある技術レベ ルに達しているという証明にはなります。ですから、コンサルタントもそういう位置づけで あるとすれば、それでいいのではないかという気がするのです。 ○平野座長  変なことを言って怒られるかもしれませんが、コンサルタントも1級、2級、3級ぐらい 作ってほしいですね。1級コンサルタントだったら、サインすれば何でも通る1級建築士み たいなもので、1級建築士はコンクリートの建物でも彼らのサインが必要です。木造だった ら2級でいいというのがありますしね。  私がもっと要求したいのは、コンサルタントを再教育したいのです。折角これだけの地位 があるのにどうして使ってくれないのですかと。私たちだって、これだけの場所を設けます というのを設けておいて、再教育というか集まっていただいて、それこそ試験の足しになる かもしれないが、少しずつお金をいただいて。厚生労働省の横暴などと言われるかもしれま せんがね。その人が出てきたら、何か特別なことができるというような資格、先ほどの産業 衛生コンサルタントなどというのは欲しいですよね。民間に広く認められているのもあるし、 そうでないのもあって、この場合には折角、昔の労働省で作った資格だから、労働省の受益 の範囲で活用する。前から活用活用と言われていますね。  ちなみに怒られない程度に言いますと、こういう枠組みの安全とか、品質管理とか、例え ば通産系の外郭団体だと1,000社ぐらい持っているのです。私がいまやっている中災防のだ と、大体その半分ぐらいです。だから、2年に1回ぐらい見直すとして、100社あれば1カ 月に10ぐらいずつやっていかないと駄目です。  ほかにまだたくさんあると思いますので、予定の問題まではまだありますし、折角皆さん ご都合を考えて、見直し検討会を設けていただいたのでお願いします。何か知りませんが、 非常に大きくて多様性のあるものが、我々の対象ですから、整理をして、形からかたづけて いかないと絶対片付かないと思います。それは最初の会から私は申し上げていたつもりです が、結構な所まで行っていると思います。ですから、それをどのように片付けていくかとい うことが中間報告に盛り込まれれば、後半で1つずつできるところまでというか、できるま でというか、最後は見直し検討会は5時間になるか2時間になるかは、皆さんの努力次第で す。いま言っていただかないと検討から外れてしまうことがあるので、是非お願いします。 ○梅原委員  発破のほうですが、民間の施設を借りて火薬の講習をやっておられるという情報がありま す。火薬協会で火薬の講習をしているのですが、こういう所で、例えば午前か午後に講義を して、試験をするということで一緒に行うことができませんでしょうかと。いま実際に先ほ どから話が出ていますが、試験の時期の拡張を希望する。会場が遠くて経費がかかりすぎる という意見が出ています。私も品川区の火薬協会と一緒に場所を借りたときに一緒に講習を 受けて試験ができないのだろうかという話でした。  ○主任中央産業安全専門官  それはたぶんいろいろな団体がこの試験のための準備講習ということで、準備講習的にや られているのだと思います。その協会は私は直接の関係のある団体ではないと思います。 ○平野座長  火薬というのは労働者の立場だと、データ的には通商産業省のエネルギー調査会の中に高 圧ガス・火薬審議会というのがあって、そこでやられているのです。取扱いは労働安全衛生 の関係ですから、こちらなのですかね。向こうの仕組みはよく知らないので何とも言えない のですが。しかし、怖い道具ですよ。私は火薬関係の人で手がなくなっているとか、指がな くなっている人をたくさん知っています。ときどき事故があって、事故のあった部屋には何 も残っていなかったというのもありますね。私の知っている範囲だと、昭和40年代の最初 にあったのは、何もなくなってしまいました。それだけに資格としては、かなり貴重な資格 だと思います。何をやってはいけないとか、安全に対してはかなりきちんとしたストーリー がありますね。ほかには何かありますか。 ○豊島委員  6頁の労働衛生コンサルタント試験の筆記試験免除者と全科目受験をする申請者で手数 料が同一でよいかということに絡めてですが、免除者というのは、大半が日本医師会の講習 会を修了した者ということです。しかし、労働衛生コンサルタントを受ける人は、もっとた くさんいろいろな経歴の持主に受験資格があるわけです。資料40頁の1〜9まである中で、 私がこういうことを言っていいのかわからないのですが、医師免許を取っている人だけが日 本医師会の講習会を受けることで免除されているのか。ほかの受験者は免除される道はない のかというのが、まず最初の疑問です。何となく平等でないなと自分で感じています。それ をそのままにしておいていいのだろうか。もし医師会でそういう講習会を受けることで免除 される人たちがいるのであれば、例えば薬剤師会や看護師会でも同等に講習会をやって免除 される人が出てきても当然ではないか。そこに対してちょっと疑問があります。  そういうわけで私が知っている範囲では、もしかしたら日本医師会がやっている講習会し かないのなら、何となく口述試験しか受けないにしても、同じ金額を払っても然るべきでは ないかという気がします。しかし、今後そのような他の学会、他の組織で事前講習会をきち んと催すことになって、それも筆記試験免除ということで認定されるようになったら、その ときには筆記試験免除者に関しては、受験料を少し安くするように考えていかなければなら ないのではないかと思います。 ○平野座長  ほかにありませんか。 ○渡邉委員  受験資格の欄で、いくつか挙げられていますが、andですかorですか、それとも複合で すか。その辺がわからなかったのです。いまの衛生コンサルタントで受験資格が29ありま すが、29を全部クリアしなければいけないのか、それとも1つでいいのですか。 ○中央主任産業安全専門官  1つでいいのです。 ○渡邉委員  その辺のことも書いておいていただけると。いずれかを満足した場合としないと、全部か と思ってしまう人もいるのではありませんか。  受験料に関して、この場で発言するのが適切かどうかわからないのですが、世の中には資 格マニアの方々がいらっしゃいます。その方々からすると、受験料は多少上がっても受験し てしまうと思うのです。それ以外の方は個人で払う方もおりますし、企業で払う方もおられ ます。企業の場合には会社が出してくれますから、多少上がっても問題はありません。そう すると、受験料は別に安くする必要はないのではないかというのが私の意見です。それで黒 字がでれば、改修工事に充ててしまえばいいのではないかという最初の議論に戻ってしまう のですが、そういう考えはいけないのでしょうか。 ○平野座長  選択肢の1つだったのです。 ○渡邉委員  決まりだからできないと言ってしまえばそれまでですが、そういうのを改善できれば非常 にいいと思います。 ○平野座長  いま言われたことはそのとおりです。マニアの方だと会社でどうしても取ってこいと言わ れる。最悪なのは会社で取ってこいと言われるのに、受験料は全然負担してくれない。なぜ かと言ったら「あなたはそれで資格を取ってくれば、給料を少し上げてあげるよ」とか、そ れで済んでしまうというのもあります。難しいですね。でも選択肢の1つだから。ある意味 ではそのとおりだとすれば、受験料というのは変な値でなければいいと。ある程度算定基準 などがきちんと決まって、それによって算出するのなら文句を言われる筋合いはないという 開き直った態度をとるのもあります。  それにしてもコンサルタントは難しいですね。誰が受益するのか、どの程度の受益がある のかというのは、個人によってだいぶ違うだろうし。コンサルタントは面接があるのでした よね。面接のいい、悪いで受験料を変えるなどというのは怒られますかね。 ○熊田委員  いまのコンサルタントの手数料ですが、資料の6頁の(追加的論点)で、コンサルタント 試験の手数料については、どの程度までなら適正と考えられる額と言えるのかという書き方 がしてあります。今日の21頁の各、ほかの資格の試験内容を見ると、コンサルタントも筆 記と口述があります。司法書士などは筆記と口述があって6,600円、臨床心理士は筆記と口 述試験で3万円です。構成要素としては同じように筆記と口述がありますが、資格によって も6,000円だったり、片や3万円ですし、コンサルタントは2万4,700円です。これだけば らけていると、どの程度までならという横並びの意識というか、それは必要なのではないか と思います。同じ筆記と口述があるのに司法書士は6,600円、臨床心理士は3万円、弁理士 は1万2,000円となると、先ほど先生も言われましたが、ある程度値段の根拠というのがあ れば、ほかの資格なり、どの程度までならというものは考慮しなくてもいいのではないかと 思います。 ○平野座長  リーズナブルな範囲ならね。私も賛成というか、むしろ受験者の立場に立つと、例えば司 法書士とか、公認会計士などは、あると仕事がたくさん来るから絶対欲しいのです。そうす ると、少しぐらい高くても、取るか取らないかのほうがずっと重要事項なのです。1万円か 10万円かよりも、取るか取らないかのほうが重要であるとすごく感じますね。 ○熊田委員  どの程度までならというのはあまり考えないで、ある程度の根拠がしっかりしていれば、 この金額と決めていいのではないかと思います。 ○平野座長  そうですね。それは中間報告のどこかに書いておいてもらって、検討してみましょう。で も、いずれにしても根拠らしきものを策定しなければいけませんね。 ○竹内委員  このコンサルティングの手数料の話が出ていますが、例えば、公益法人で資格事業を行う と。公益法人が公益法人として認めていただくためには、そこには収支均衡というのは必須 の概念になってきますので、そこに利潤的なものが開けてくる、概念として入れられる。当 然それを設備に充てるとか、何か特定の運営上の積立てをするのであれば、それは結構です が、理由のわからないプラスの部分はあり得ないと思います。 ○平野座長  まだ議論の足りないところがありまして、こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、 皆さんのほうでお気づきの点がありましたら言っていただいて、よほど無理なものがあった ら、たぶん私の所に相談に来るでしょう。そうしたら○×を付けますから。かなりきつそう なものでも、もし思い付きましたら、言っていただきたいと思います。今日はあと残り少な いものですから、事務局にバトンを渡して締め括っていただきたいと思います。もし確認事 項があったら、確認するようにしてください。 ○計画課長補佐  次回についてご説明します。次回は9月ごろの開催を考えております。その際には事務局 から中間とりまとめ案を提示したいと考えております。後日、日程については調整したいと 考えておりますが、よろしくお願いします。  座長からお話がありましたように、この会のあと、お気づきになられた点等がありました ら、事務局までご連絡いただければと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○平野座長  それだけでよろしいでしょうか。先ほど課長からもお話がありましたように、我々の意見 やここで出た発言は、もしかしたら皆さんの目にさらされることになるかもしれません。そ れはこちらとしては、かえって思う壷だというところがあるかもしれませんので、何かあり ましたら、皆さんを驚かすような意見がありましたら出しておいてください。私のほうはこ れは目玉としていい例と言うのだったら三重丸を付けますし、ちょっとこれはというのだっ たら、バツを付けさせていただきます。それでは、よろしくお願いします。  こういう検討会はどうしても後半だれますが、何とか皆さんからご発言いただいて、私も 感激しています。普通はどんな所でも6時以降まで義務づけた労働はないのです。いちばん 嫌うのが厚生労働省ですが、そういうことをやってはいけません。私の進行役はこれで終わ りということでよろしいでしょうか。皆さん、ご協力ありがとうございました。議事録等が いっていると思いますので、皆さんにお目通しいただいて。 ○計画課長補佐  7月29日までに修正等がありましたら、ご連絡をいただければと思っておりますので、 よろしくお願いします。 ○渡邉委員  議事録に関してですが、発言内容がそのまま書いてあるので、全部読むのは大変ですので、 要約はないのでしょうか。要点だけまとまっているのがあると非常にいいのかなと思ったの です。 ○計画課長補佐  議事録に関してはホームページに公開をすることになっておりまして、そのためにご発言 いただいた皆様に事前にチェックをしていただきたいという趣旨でそのようになっていま す。資料と議事録をそのまま載せて公開をしていくというルールになっております。公開用 を前提でご確認いただければと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○渡邉委員  議事録というと、議事内容がまとまっていて、すぐわかるものかなと思ったのですが、そ ういう理由があったのですね、わかりました。 ○計画課長  いまはオープンにしていますので、会議もオープンですし、議事録もオープンということ です。 ○渡邉委員  そういうことですか、わかりました。 照会先 労働基準局安全衛生部計画課企画係 TEL 03-5253-1111 (内線5478)