09/08/25 平成21年8月25日薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会議事録 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会 議事録 1.日時及び場所    平成21年8月25日(火) 14:00〜    厚生労働省共用第8会議室 2.出席委員(12名)五十音順    赤 堀 文 昭、 天 笠 光 雄、 新 井 洋 由、 奥 田 晴 宏、    木 内 文 之、 北 田 光 一、 中 島 恵 美、 中 村   洋、   ○橋 田   充、 花 田 賢太郎、◎早 川 堯 夫、 四方田 千佳子    (注) ◎部会長  ○部会長代理    他 参考人2名   欠席委員(2名)五十音順    大 石 了 三、 木 津 純 子     3.行政機関出席者    成 田 昌 稔(審査管理課長)、  宇 津   忍(審査管理課企画官)、    豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、   松 田   勉(独立行政法人医薬品医療機器総合安全管理監)、    廣 田 光 恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構品質管理部長)  他 4.備考    本部会は、公開で開催された。 ○審査管理課長 定刻になりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会日本薬局方 部会」を開催させていただきます。委員の先生方には大変お忙しい中御出席いただきまし て誠にありがとうございます。現在のところ、当部会委員数14名のうち12名の委員に御 出席をいただいており、定足数に達していることを御報告させていただきます。大石委員、 木津委員より欠席の御連絡をいただいております。  7月24日付けで事務局に人事異動がありましたので御紹介させていただきます。独立 行政法人医薬品医療機器総合機構品質管理部長の廣田です。ごあいさつが遅れましたが、 私は厚生労働省医薬食品局審査管理課長の成田でございます。  本会議は基準に関する審議ですので、公開により開催させていただきますことを御承知 おき願いたいと存じます。また本日は、日本薬局方の一部改正について御審議いただく予 定です。参考人として改正案に携わっていただきました国立医薬品食品衛生研究所生物医 薬品部長の山口先生と川崎室長に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいた します。  それでは部会長の早川先生、よろしくお願いいたします。 ○早川部会長 本日は、委員の先生方におかれましては大変お忙しいところ、日本薬局方 部会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。それでは議事に入りたいと思 います。最初に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。 ○事務局 配付資料の確認をさせていただきます。事前に先生方には、資料No.1、資料No. 2、参考資料No.1-1、参考資料No.1-2の4種類の資料を送付させていただいております。 本日の配付資料として議事次第、座席表、委員名簿、別添として議題1の諮問書、資料No. 3-1、資料No.3-2、それから事前にお送りさせていただきました議題1の資料No.1に訂正が ありましたので、資料No.1(改)として差し替えをお願いいたします。以上が本日の資料で ございます。 ○早川部会長 先生方、資料はおそろいでしょうか。それでは審議議題に入りたいと思い ます。審議事項1「日本薬局方の一部改正」にかかわる案件について、事務局から説明を お願いいたします。 ○事務局 資料の説明の前に、本日お配りしております資料No.1(改)の1ページの2.「医 薬品各条の改正」の(2)ヘパリンカルシウムのところの修正をお願いいたします。修正部 分は、「純度試験の項類縁物質の目を追加し、確認試験の項」の後に「及び純度試験の項 過硫酸化コンドロイチン硫酸の目について、改正を行う」というふうに修正をお願いいた します。  引き続き資料の説明をさせていただきます。「第十五改正日本薬局方の一部改正案の概 要」について御説明いたします。まず一般試験法の改正についてですが、資料No.1(改) の1ページ及び2ページです。今回改正する溶出試験については、2008年11月の日米欧 三薬局方で調和合意された内容を反映するというものです。溶出試験法の中のフロースル ーセル法の装置部分の改正についてです。具体的には、脈流のある送液用ポンプの使用及 び送液速度と脈流の有無の規定について記載整理を行うものです。  続いて、医薬品各条のヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウムの確認試験及び純度試 験について御説明いたします。一昨年12月以降、アメリカを中心として異物混入、ヘパ リンによる有害事象が多発したことを受け、昨年7月に緊急対応として、我が国において も国立医薬品食品衛生研究所において、調査・研究を進めていただき、ヘパリンナトリウ ムの局方各条を改正し、プロトンNMRを用いた過硫酸化コンドロイチン硫酸の限度試験 を規定したところです。  また、当時ヘパリンカルシウムについては局方に収載されていなかったため、同様の措 置を講じて品質に係る規定を改めたところです。今般、海外情勢及び国内情勢にかんがみ、 国際的な医薬品等流通の中で、このような事態の再発を避けることを目的といたしまし て、応急対応した試験法について、より適切な確認試験及び純度試験を設けることにより、 チェック体制の強化を図ることができるものと考えまして、日本国内においても、欧米並 みの規制を設けることとし、日本薬局方に収載されておりますヘパリンナトリウム、及び 収載作業中のヘパリンカルシウムに関しまして、国立医薬品食品衛生研究所等において調 査・研究を進めていただき、資料にお示ししましたように、確認試験及び純度試験に係る 規定について、その設定を行うものです。  具体的には、ヘパリンナトリウムの純度試験(5)の見直しを行ったほか、確認試験及び 純度試験(6)として過硫酸化コンドロイチンを含む過硫酸化物を類縁物質とし、これらの 混在を液体クロマトグラフィーで確認する方法を、また純度試験(7)として、前回昨年7 月の改正の際に課題となっておりましたデルマタン硫酸の限度試験について今回新たに 設定いたしました。  ヘパリンカルシウムについては、同じく純度試験(8)として過硫酸化コンドロイチン硫 酸の混在を核磁気共鳴スペクトル法により確認する方法について見直しを行いました。そ のほか確認試験(2)として、ヘパリンカルシウムを液体クロマトグラフィーにより確認す る方法、純度試験(9)として過硫酸化コンドロイチンを含む過硫酸化物を類縁物質とし、 これらの混在を液体クロマトグラフィーで確認する方法を新たに設定しております。以 下、試験方法や試験条件の詳細については総合機構から御説明いたします。 ○機構 総合機構品質管理部基準課から、ヘパリンナトリウムとヘパリンカルシウムの改 正案について、機構に設置された局方審議委員会における検討の結果を踏まえて御説明い たします。資料No.1(改)の4ページです。ヘパリンナトリウムについては、先ほど審査管 理課から説明がありましたように、昨年7月に主な混在物である過硫酸化コンドロイチン 硫酸が検出しないことを確認するための純度試験として、核磁気共鳴スペクトル法による 試験を追加したところです。  今回は、より適切なものとするべく4点の見直しを行いました。なお、過硫酸化コンド ロイチン硫酸は、英名がOver Sulfated Chondroitin Sulfateですので、この場ではOS CSと略させていただきます。  一点目は、今回新たにヘパリンナトリウムの確認試験について設定したことが挙げられ ます。二点目は、中ほどやや下に純度試験(5)とありますが、OSCSの核磁気共鳴スペ クトル法について、検出限界を上げるなど、精度を高める方法に見直しを行っております。 三点目は、次のページの中ほどやや上に、純度試験(6)として類縁物質、すなわちOSC Sを含めた過硫酸化物が検出されないことを確認する液体クロマトグラフィーによる純 度試験を新たに設定しております。四点目は、下の方に(7)ガラクトサミンと規定してお りますが、これは昨年7月の改正の際に、規格設定にはさらなる調査が必要ということで 設定を見送りましたデルマタン硫酸について検出されないことを確認するための試験で す。これも、液体クロマトグラフィーを用いた方法を新たに設定いたしました。  なお、今回の改正案については、厚生労働省からの委託を受け、国立医薬品食品衛生研 究所が、国内のヘパリンの製造販売業者と実施いたしました、共同研究の報告を参考とし て、機構の局方審議委員会の一つである生物薬品委員会において検討したものです。  それでは、4ページで規格設定の要点について御説明してまいります。一点目の、新た に設定した確認試験ですが、弱陰イオン交換液体クロマトグラフィー(HPLCと略す) を用いたヘパリンナトリウムの確認試験です。試料中のヘパリンナトリウムの溶出時間 が、ヘパリンナトリウム標準品の溶出時間に一致することを確認するものです。ヘパリン ナトリウムには二糖単位当たり平均2〜2.5個の硫酸基が結合しておりますので、本試験 はムコ多糖を二糖単位当たりの硫酸化の違いにより分離できる陰イオン交換HPLCを 用い、試料中のヘパリンナトリウムの溶出時間が、ヘパリンナトリウム標準品の溶出時間 と一致することを確認するものです。  試験条件のうち、カラムについては、日本において一般的に入手可能なものとするよう、 日本国内において汎用されているカラムを用いる試験方法を設定しております。システム の性能の確認ですが、硫酸化の異なる三つのムコ多糖が分離することを確認することと し、共同検定の結果に基づき、デルマタン硫酸エステルと、ヘパリンの分離度は1.0以上、 ヘパリンとOSCSの分離度は1.5以上としました。OSCS以外に、デルマタン硫酸エ ステルとの分離度を規定しましたのは、ヘパリンに混入している工程由来不純物として最 もよく知られているものであるためです。  なお、確認試験として設定した陰イオン交換HPLCによる試験法は、USP(米国薬 局方)でも採用されている方法です。EP(欧州薬局方)はまだ採用はしておりませんが、 EPの担当者からの情報では、採用を検討しているということです。今回の改正案におい て使用するカラムですが、先ほど一般的に入手可能なものと申し上げましたが、USPの ものと異なっており、USPは強陰イオン交換カラムを使用しております。日本国内では、 このカラムが入手困難であることから、日本において一般に入手可能なものとするよう、 日本国内において汎用されているものを用いる試験方法を検討いたしました。改正案の方 法では、汎用性の高い弱陰イオン交換カラムを用いた方法として、弱陰イオン交換HPL Cでも三つのムコ多糖の分離度はほぼ同じであること、ピーク形状がシャープであるこ と、及び分析所要時間が短いことから、同等の性能を持っていることが確認されました。 これらのことから、この方法が最も適していると判断しております。  二点目の改正事項は、純度試験(5)です。OSCSの核磁気共鳴スペクトル法の改正を 行いました。大きな改正点としては、試験条件の中の下から2行目の積算回数について、 ヘパリンのN-アセチル基に由来するプロトンのシグナルのS/N比です。現在の設定は 200以上と規定されております。これを1,000以上に変更いたしました。これによりOS CSの検出限界が0.5%〜0.1%に改善されております。試験条件の上の2行目の記載に、 「シグナルを認める場合には13Cをデカップリングして測定するとき、そのシグナルは消 失する」という記載を追加しております。これは、核磁気共鳴スペクトルによる測定で、 OSCSによるシグナルと重なる位置に13Cのカップリングに由来するサテライトピー クが現れるということがありますので設定したものです。  すべての機器で見られる現象ではないため、昨年7月の改正には盛り込まず、9月に厚 生労働省の審査管理課から事務連絡としてNMR全般にわたる操作法に関するQ&Aを 発出し、そこで説明を追加するということで対応しておりましたが、今回、より適切に情 報提供をする観点から、局方の改正案の中に規定することといたしました。  次のページで三点目の改正事項について御説明いたします。純度試験(6)として類縁物 質を新たに規定いたしました。OSCSを含む過硫酸化物を類縁物質と項目立てし、過硫 酸化物の混在を網羅的に確認する方法として、陰イオン交換HPLC法を設定いたしまし た。これは、確認試験の20倍の量のヘパリンを用い、確認試験の試験条件で試験したと きに、ヘパリンよりも硫酸化度の高い多糖が検出されないということを確認するもので す。  四点目の改正事項として、純度試験(7)ガラクトサミンを新たに規定いたしました。こ れは、デルマタン硫酸の混在量を規定する方法として、その構成糖であるガラクトサミン の純度試験をHPLC法により確認する方法を設定したものです。ガラクトサミンを純度 試験の対象といたしましたのは、ヘパリンナトリウムが硫酸化物又はグルコサミンの構成 アミノ糖であるのに対し、デルマタン硫酸エステルやOSCSは、ガラクトサミンを構成 アミノ糖としていることを利用しており、ガラクトサミンの混在を測定することにより、 デルマタン硫酸エステルやOSCSの混在を推定する方法です。  ガラクトサミンの純度試験は、加水分解により生じたアミノ糖を測定したとき、グルコ サミンのピーク面積に対するガラクトサミンのピーク面積の比率が1.0%以下であること を確認するもので、試験条件には6ページの上の方に示されております。システム適合性 の検出の確認の項の7〜8行目に記載しておりますが、共同検定の結果により、グルコサ ミンのピーク面積に対するガラクトサミンのピーク面積の比が0.7〜2.0%であることを 確認するものといたしました。システムの性能では、グルコサミン、マンノサミン、ガラ クトサミンが分離することを確認し、分離度は共同検定結果に基づき、それぞれ1.5以上 といたしました。  ガラクトサミンの純度試験は、USPも採用していますが、これも特殊なHPLCを用 いております。このHPLCは米国メーカー1社のみしか販売していないという事情があ ります。原案とした試験法の方が汎用性は高いと判断いたしました。USPの方法と同じ 設定としております。以上がヘパリンナトリウムの改正点です。  6ページの中ほどからヘパリンカルシウムの改正案を掲げております。基本的にはヘパ リンナトリウムと同じ考え方で改正案を検討いたしました。確認試験として(2)に陰イオ ン交換HPLC法を規定しました。7ページの純度試験(8)としてOSCSの核磁気共鳴 スペクトル法を設定しました。これは、ヘパリンナトリウムと同様に、試験条件の中の積 算回数及びサテライトピークについての変更を行っております。7ページの下の方の純度 試験(9)ですが、これもOSCSを含む過硫酸化物を類縁物質として、液体クロマトグラ フィーで測定する方法を設定したものです。  9ページは、今回のヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウムの改正に伴い、必要とな りました標準品、試薬、試液について追加したものです。以上がヘパリンナトリウムとヘ パリンカルシウムの改正点の説明です。  最後に、機構における生物薬品委員会の意見を付け加えさせていただきます。OSCS は、製法由来でも、製品由来の不純物でもない、意図的に添加されたものであるが、本来 意図的に混入された異物を対象とした純度試験の設定は、薬局方各条の設定項目としては そぐわないと考えられます。OSCSの純度試験の規定については、危機管理のための緊 急対策として講じられたものであり、このような状態が収まった後には、時期を見て再度 ヘパリン各条を、より普遍的で科学的合理性のある試験法を設定するよう改正する方向が 検討されるよう希望いたします。 今回の弱陰イオンHPLC法の設定は、OSCSも含め、ヘパリン以外の広義の類縁物質 を包括的にコントロールできるものですが、これは普遍的なものとしていくための第一歩 と考えています。必要に応じてさらなる改善、あるいはより適切な試験法の設定を検討す ること、併せて高分子多糖類の本質について、どの程度の理化学的な解析が各条において 適切であるかについても検討することが望ましいと考えます。  以上、ヘパリンナトリウムとヘパリンカルシウムの改正点について御説明いたしまし た。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○早川部会長 ただ今の内容に関し、御質問、コメント等がありましたらお願いいたしま す。 ○木内委員 資料の5ページの頭のところの「システム適合性」のところの最後の方に、 「核磁気共鳴スペクトル測定用重水溶液に溶かした液に」とあるのですが、これは重水に ただこれを溶かすだけだったら、単に「重水に溶かした液」という形にすべきだと思いま す。ほかのところでは、溶かす重水の中に内部標準が入っているので、「その内部標準の 重水溶液に溶かす」という表現になっています。ここの場合は、ヘパリンナトリウムを溶 かす溶液には内部標準は入っていなくてよろしいのでしょうか。 ○早川部会長 機構あるいは参考人からコメントがあればお願いいたします。5ページの 一番上の「測定用重水溶液に溶かした液に」というところの表現ですね。一つは内部標準 だし。 ○木内委員 内部標準が入っていなければ、ただ「溶液」というのを取ればいいだけなの です。 ○早川部会長 おっしゃっている意味は、溶液というのは何か別のものが入って、別途調 製したようなものが存在しているときに「溶液」というのだろうと。純粋に溶かすだけな ら「溶液」は要らないのではないかという趣旨ですね。 ○木内委員 ちなみに、内部基準物質は後で入っているので、ここに入っていなくてもい いとは思うのです。 ○機構 内部基準物質は、そこに記載されている3-トリメチルシリルプロピオン酸ナト リウム-d4が内部標準になります。 ○早川部会長 ここは「溶液」を取ればいいということですね。 ○木内委員 そういうことです。 ○早川部会長 ここで定義された溶液はありませんので、「溶液」を取ればいいという御 意見だと思います。 ○木内委員 それで、内部標準の量が足りるかどうか。 ○機構 「溶液」を取るということですが、これは先ほど言いました内部基準物質を含ん だ液ということですので、この場合は「溶液」という言葉が必要かと思います。 ○木内委員 これ自体には入っていないわけでしょう。もしこれ自体に入っているのでし たら、そこにも3-トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウムの重水溶液という表現をし ないと。 ○早川部会長 別の試薬・試液の規定が必要だということです。溶液というのは、何かを 溶かした液という意味になります。 ○機構 「核磁気共鳴スペクトル測定用重水溶液に溶かした液に」のところですね、承知 いたしました。訂正いたします。 ○早川部会長 多分取ればいいのだろうと思いますが、しっかり確認をして、取ることで あれば取るということだと思います。 ○木内委員 もう一点は、純度試験(6)のところで、「ヘパリンのピーク以降にピークを 認めない」ということなのですが、測定範囲が「ヘパリンの保持時間の約2倍の範囲」と なっているのですが、これは少しあいまいなのではないでしょうか。 ○早川部会長 例えば「約」を取ればいいという意味ですね。これも同じことですから取 りましょうか。 ○機構 「約」を取って、「2倍」と修正したいと思います。 ○早川部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○奥田委員 純度試験(6)ですが、記述の趣旨は追加の生物薬品委員会からのコメントで 理解できたのですが、最終的にはこの文言で世の中に出ていくことになるのだと思いま す。そうすると、ヘパリンのピーク以降にピークを認めないということの趣旨は、過硫酸 物を認めないということなのだと思うのですけれども、そのように読んでもらえるかどう か。何があってもいけないのだというふうにも読めないこともない。私は生物薬品のこと は分からないのですが、化学薬品だと、特定しない不純物というのは、普通は0.05%か 0.1%以下というような形で設定して、ある量までは認めています。この場合は、毒性の 強いOSCSだからあってはいけないというのは分かるのですが、拡大解釈をすると、そ んなに毒性のないものについても、とにかく何かのはずみでポコッと出たら駄目になって しまうというふうにも取られかねないと思うのです。 ○山口参考人 これは、衛研で解析したのは3ロットしかありません。それ以外にもし出 る可能性があったとしたら、今奥田先生もおっしゃられたような危惧があります。これは、 パブリックコメントで各企業が調べるということもあるし、そこからのコメントも来ると 思います。我々が把握しているのはそれだけのデータなので、それ以外のデータがあれば、 考慮すべきことになるのではないかという気がいたします。今持っている3ロットぐらい のデータではピークは出ていません。 ○奥田委員 それは、各社それぞれのものについてということですか。 ○山口参考人 そうです。ですから広範に調べたわけではなくて、非常にわずかなロット についてのみ確認をしております。 ○奥田委員 これも確認なのですけれども、恐らく分析計のシステムそのものでノイズが 出たりするものについては、あらかじめキャンセルできるということが前提と考えてもい いのですね。 ○山口参考人 当然空打ちした上での話ではあると思います。それ以外に製品の中にOS CS、あるいはそれに関連するようなもの以外のもののピークが出るかどうかについて十 分な検討はできていないかもしれません。 ○早川部会長 関連して何かございますか。 ○中村委員 液体クロマトグラフィーのカラム、あるいは充てん剤の問題なのですけれど も、OSCS用に「合成高分子」という表現があります。我々の感覚でいうと、シリカゲ ルはほとんどの場合天然はありませんので合成高分子になってしまいます。ポリマーベー スを意識しているとすると、「有機合成高分子」と特定する方がベターであるという意見 です。ですから、質問としてはシリカゲルでもいいのかどうかということです。DEAE さえ付けていれば、分離度で規定できるのかどうか、そうではなくてポリマーベースでな くてはいけないのかどうか、その辺がこれだけでは分からないです。 ○早川部会長 カラム自体の問題と、あとはシステム適合性で試験の目的を果たせるかど うかと、両方の絡みの話だろうと思います。カラム自体として、この書き振りでいいのか、 中村委員がおっしゃったのは、例えば「有機合成」というように「有機」を付けた方がひ ょっとしたらいいかもしれないということですね。 ○中村委員 多分そうなのだろうと思います。 ○早川部会長 その辺はいかがでしょうか。 ○川崎参考人 試験いたしましたのは合成ポリマーで、シリカゲルに関してはやっており ませんので、分離できるかどうかは分かりません。 ○早川部会長 あとは分離度というか、システム適合性という縛りがあるので、それに見 合わない樹脂は所詮使えないということではあります。これはいかがいたしましょうか。 システム適合性のところで一応チェックするのだから、ここは一般的なこういう書き振り でいいとするか、特に「有機合成」という文言を付け加えるかというところですが、もし 中村先生から「まあいいでしょう」とおっしゃっていただければ。 ○中村委員 いいえ、そうは言わないです。やはり、厳密にすべきだと思います。 ○早川部会長 ほかのクロマトに詳しい先生方で、何か関連して御意見、コメントはあり ますか。参考人としてはいかがですか。 ○山口参考人 確認ができていないので。もしシリカゲルのが使えるとなったときに、そ れを否定するのはどうかということは危惧いたします。 ○早川部会長 これは、パブリックコメントで結果を待つことにいたしますか。それで、 我々はシリカゲルか何かで使ったけれども、このとおりにはいかない、もっと厳密に書い てほしいというようなことがあれば、それは取り込んでそのように書くという扱いにさせ ていただきたいと思います。 ○中村委員 はい。 ○四方田委員 先ほどの奥田先生のと同じなのですけれども、ピークを認めないというの が非常に気になります。拡大すればピークは見えてしまいますので、やはりどこまでとい うのをある程度示していただかないと問題になることがあるのではないかと思います。例 えばS/N比3なのか10なのか分かりませんけれども、どういう記載がいいのか分からな いのですけれども、とにかく最低ラインを決めていただかないと具合が悪いことがあるの ではないかと思います。 ○早川部会長 5ページの(6)のところですが、どこかで検出の確認をやっておりますの で、いわゆる検出感度を示すものではあるわけです。 ○奥田委員 これは、検出の確認は0.1%でやっています。NMRによる試験の数字とも 合っている検出の確認のレベルです。実際に検出が0.1でピークが見えるというと、多分 それの半分とか1/3でもピークとしては認識すると思います。結構厳しいとは思います。 ○早川部会長 これは考え方として私が申し上げるのもなにかと思いますけれども、ピー クは認めないというのは、今のヘパリン以降に出てくるピークです。典型的にはわざわざ 過硫酸化したOSCSというものですけれども、また別のそういうものに見合うようなも のが出てきても駄目ですよと。OSCSだけ縛れば、それはそれだけが駄目で、ほかはよ ろしいという話になります。ピークは認めないということは、先ほどの御懸念はあります けれども、これからこういうものについては、ヘパリンの後に出てくるようなものは認め ないという精神で、業界としてもきちんと作ってほしいという趣旨です。ですから、OS CSだけにフォーカスを当てると、それだけの縛りになってしまいますけれども、ピーク は認めないということで、もっと大きなメッセージを発しているということです。OSC Sのみならず、ほかのものも駄目ですよと御理解いただければいいのかと思います。いろ いろな規定の仕方に関しては、今後はそこのところのメッセージをきちんと示せるような 方法を改善・改良していく、その第一歩であるという位置付けで考えていただければよろ しいのではないかと思います。  それから、わずかなピークを認めたときに、その認めたピークが本当に無害なものなの かどうなのかはだれも分からないので、そこは今の段階から本体以外の、しかも過硫酸化 したようなものは認めないという精神で包括的に縛っていきたいということです。 ○木内委員 認めないということなのですけれども、生薬ではアリストロキア酸をサイシ ンの中に認めないというのがあるのですが、そこではきちんとS/N比を規定して、検出 感度といいますか、ピークの大きさを規定しています。ですから、そういう考え方もある のではないかと思うのです。 ○早川部会長 そこのところは、これからの改善・改良ということで、現時点ではNMR もありますから、ダブルのチェックになっております。ですから、そこはこれからの改善 ・改良ということで措置していけばいいのではないかと思います。 ○赤堀委員 議題から少し離れますが、記載振りについてお尋ねいたします。参考資料 1-1の1ページ、2ページ、3ページのところですが、特に3ページのところでお尋ねい たします。同条基原の項を次のように改めるというところで、「本品は、健康な食用獣の 肝、肺又は腸粘膜」と書かれております。次のカルシウムでは「食用ブタ」となっており ます。これは何か特別な意味があって分けているのか。それから「食用獣」という、その 「獣」というのは20年、30年前には使っておりましたけれども、今は「食用動物」とい う表現を使っております。そういう意味で最近の呼び方に変えていただいた方がいいと思 います。  もう一点はそれの最後で、「本品は原料に用いた器官名を表示する」となっております。 この器官名とは臓器名でしょうか、それとも消化器だとか、呼吸器といった器官名での表 示ということなのでしょうか。  これについては、次のカルシウムのところにはこの記載文がないので、ナトリウムの方 はあるけれども、カルシウムの方はなくてもいいのかということについてお尋ねいたしま す。 ○早川部会長 三点あったかと思います。最初は、「本品は健康な食用獣」のところが、 「動物」あるいは「ブタ」という方が適切ではないかということ。 ○赤堀委員 カルシウムの方は食用ブタになっていますから、動物の種類がブタだけであ れば結構ですけれども、ブタ以外にも食用としてはウマもありますし、ウシもありますし、 場合によってはヒツジ等も食用です。 ○早川部会長 そこの実態を機構では何か把握しておりますか。 ○機構 カルシウムについては、調べた結果では食用ブタの腸粘膜からのものしかなかっ たということで、器官を限定して記載させていただきました。ナトリウムについては、い ろいろな動物由来のものがありましたので、食用獣という記載になっております。その際 に、使った部分については器官名を表示するということを、基原のところで記述しており ます。 ○早川部会長 現在出回っているもので、どういう動物から来ているのかを確認していた だいて、その動物名をここに書く。「動物」と書いてしまうと、何でもいいという話にな ってしまいますので、現在市販されているというか、出回っているものの由来をここに正 確に書くということでよろしいですか。 ○赤堀委員 はい。 ○早川部会長 カルシウムについてはブタしかないということなのでブタと。「本品は原 料に用いた器官名を表示する」という、この「器官名」についてはどういう書き振りとい うか、レベルの話をしているのか。 ○機構 上の一文に「肝、肺又は腸粘膜」と三つの部位が記載されており、それぞれの由 来を表示するということだと思います。 ○赤堀委員 臓器名ということですか。 ○機構 臓器名です。 ○早川部会長 「器官名」という言い方でよろしいですか。「肝・肺・腸粘膜」というこ とで、「粘膜」がちょっと微妙で結局「器官」になってしまうのかもしれないのですけれ どもよろしいですか。 ○赤堀委員 幅広く考えれば間違いではないかと思いますが、ただ肝臓、肺というと、こ れは臓器名と入れたいと思います。器官名になると消化器であるとか呼吸器であるという ことになってくると思います。 ○早川部会長 折衷案みたいですけれども、「臓器・器官名」なら一番正確かもしれませ ん。器官でもよろしいですか。 ○赤堀委員 サッと読んだときに、私はこれは臓器かなと思ったのですが、特に違和感が なければ結構です。 ○早川部会長 これは書き方の問題ですので、これは名称委員会で議論しないといけない のですか。そうではなくて、今の御意見をいただいて、それをベースにして、薬局方です ので法規的なこともあるかもしれないので、それも含めてお任せいただくということでよ ろしいですか。 ○赤堀委員 はい。 ○機構 今の基原の箇所なのですけれども、生物薬品の場合、この部分は生物薬品委員会 で検討することになっておりますので、生物薬品委員会で意見をまとめ、修正するか否か を検討したいと思います。 ○早川部会長 いずれにしてもここは部会ですし、これからこの案についてのパブリック コメントというか、整理して出さないといけませんので、先ほどのような考え方でここで 整理して出すということにさせていただきます。それでよろしいですか。 ○赤堀委員 はい。 ○橋田部会長代理 溶出試験の方で質問させていただきます。三局の調和ということでい ろいろ御配慮いただいているということだと思います。今回ここに新しく「フロースルー セル法による溶出試験操作は、送液速度と脈流の有無で規定されなければならない」とい うことで、操作が主語で規定されなければならないという文章だと思います。ここだけ読 むと少し分かりにくい感じがしましたので御説明いただければと思います。  それから、溶出試験法全体の構造でいいますと、これは装置の中の文言ですけれども、 この後に操作という項目がありまして、その中にフロースルーセル法が規定され、さらに 製剤ごとに規定されているという構造だと思います。そこでいうところの「操作」という 言葉と、ここでいうところの「操作」を規定するということの関係を少し御説明いただけ ますか。 ○機構 新しく追加された部分は、調和文を和訳する際、直訳が良いのか、それとも、具 体的に書かなければいけないのかなという議論に一度なりました。ただ、現段階では調和 文を直訳したような形で載せております。この部分について、もう少し分かりやすくとい うことであれば、前後関係を考慮し、新たに和文を作成することも考えなければいけない かと思います。 ○橋田部会長代理 今言ったような意味で、後ろの方で操作の定義がずっとありますの で、その辺との整合性だけ御確認いただければと思います。 ○機構 分かりました。 ○早川部会長 そういうことでお願いいたします。新たに付け加わった操作というところ で、別の適切な言葉はありますか。 ○橋田部会長代理 私は元の英語が分かりませんので。そこから考えれば、少し意味を広 げて書くことも可能かと思います。 ○早川部会長 そこは検討していただきます。ほかにいかがでしょうか。 ○中島委員 本質的ではないのですけれども、完成度の高い文章にしておかなければなら ないかと思いまして。例えば単位についてですが、「μL」という単位が、ヘパリンの4 ページの確認試験の上から2行目の「20μL」という表記が、そのテーブルの下の流量の 下に「システム適合性」とあるのですけれども、この辺で使われている「μ」というのと 単位の表記が混同されているところがあります。  それから、数値と単位で、例えば確認試験の条件ですけれども、カラムの移動相の表記 のところで、「リン酸二水素ナトリウム二水和物0.4g」となっているのを一つ空けると か、そういう書き方が全体にわたって混同しています。これがこのまま正規になるとは思 わないのですけれども、ちょっと留意していただけたらと思います。 ○早川部会長 ここは表記上の問題なので、「μ」が斜めになっていたり、縦になってい たり、数字とのスペースの問題とか、これは見直して整理してください。 ○機構 はい。 ○早川部会長 その他特に御意見がないようでしたら議決に入ります。今いろいろ御指摘 いただいた点について、表記上の問題等々については整理することを前提にして、その中 身について日本薬局方の一部改正について、この案のとおり改正するということでよろし いでしょうか。  ありがとうございます。御異議がないようですので、改正して差し支えないものとし、 薬事分科会に報告とさせていただきます。 ○早川部会長 次は、審議事項2「日本薬局方の新規収載候補品目」にかかわる案件につ いて、事務局から説明をお願いいたします。参考人の先生方どうもありがとうございまし た。 ── 川崎参考人、山口参考人退席 ── ○事務局 それでは、今後日本薬局方へ収載すべく審議を行っていただきたいと考えてお ります、新規収載候補品目(案)について御説明させていただきます。資料No.2です。本日 御審議いただく新規収載候補品目は、平成21年1月〜平成21年3月までに、製造販売企 業から独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して新規収載の要望がありました7品 目です。  これら7品目については、総合機構の日本薬局方原案審議委員会の総合委員会におい て、第十六改正日本薬局方作成基本指針に基づき審議いただき、その結果、有効性及び安 全性に優れ、医療上の必要性が高く、国内外で広く使用されているものであることなど、 保健医療上重要な医薬品であり、すべての品目について収載することが適当と委員会にお いて御了承いただき、本省に御報告をいただきました。総合機構からの報告は、資料No.2 の3ページの別添以降のものになります。  今後の予定として、本日この新規収載候補品目について御了承いただきましたら、近日 中にこの新規収載候補品目を公表いたしまして、その後総合機構において日局収載に向け て審議を行っていくことになります。以上日本薬局方新規収載候補品目として7品目につ き御審議をお願いいたします。 ○早川部会長 ただ今の内容に関しまして御意見、御質問がありましたらお願いいたしま す。 ○奥田委員 内容についてではないので恐縮ですけれども、別紙の案のところで「なお」 以下です。前にも言ったことがあるのですけれども、「なお、本収載候補品目の名称は別 途、日本薬局方」、すいません、これは原案審議委員会になっているのですね。分かりま した、結構です。勘違いでした。 ○早川部会長 ほかにいかがでしょうか。それでは議決に入ります。日本薬局方新規収載 候補品目については案のとおりとすることとしてよろしいですか。  ありがとうございました。御異議がないようですので、差し支えないものとして薬事分 科会に報告とさせていただきます。  以上で本日の審議事項は終了いたしました。次に報告事項に移ります。報告事項1「第 十五改正日本薬局方第二追補について」、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 第十五改正日本薬局方第二追補について御報告させていただきます。第十五改 正日本薬局方第二追補については、本年4月21日に当部会において御審議いただき、御 了承いただいたものです。その後、厚生労働省のホームページにて、4月30日〜5月30 日の間まで意見募集を行いまして、寄せられた御意見について検討をいたしました。第二 追補原案を修正した箇所について御報告させていただくものです。  その際に寄せられました御意見について、本日お配りさせていただきました資料No.3-1 の1ページより、パブリックコメントの結果として取りまとめております。この中で意見 番号1〜10までのものは、第二追補原案を修正するとしたものです。意見番号11〜25の ものについては、第二追補原案のままとしたものです。  修正する箇所については、資料No.3-2のとおり、パブリックコメントの結果を受けて修 正した箇所として、修正する箇所を見え消しにて記載しておりますので御確認いただけれ ばと思います。以上、第十五改正日本薬局方第二追補について御報告させていただきまし た。なお、この第二追補につきましては、現在事務手続を行っておりまして、本年9月下 旬に告示し、10月1日施行を予定しております。以上です。 ○早川部会長 ただ今の報告事項1について御質問、御意見等がありましたらお願いいた します。 ○中村委員 資料No.3-1の3ページの11番のたんぱく質のアミノ酸分析法に関する日本 語表記法なのですけれども、原案のとおりとするものと。結果はこれでよろしいかと思い ますけれども、回答案の「原案のとおり、審議の結果、修正の必要はない」、を読みます と、どういう根拠の下に、こういう結論が出されたかというのが分からないです。現実に 大学等での表記法というのは、パブリックコメントにあるような方法を採る教科書等が多 いのが現実なので、私どももこれを読むと、果たしてその根拠はどこにあるのかという気 がします。この結論を得るに至ったエビデンスは何なのでしょうか。 ○機構 この件については、確かに御意見のように、「アセテート」や「カルバメート」、 「カルバマート」というように、使っている点は実際にあります。ただ、どちらかにまと める、統一するということが困難であります。実際に「カルバメート」として使われてい るものも多々ある中で、どちらかに局方の中で統一することが、この時点ではできないと いう判断をいたしました。一般試験法でこの試薬名を載せるに当たり、ここを現段階で統 一するとほかにも影響が出てきますので、修正をしないということで検討いたしました。 ○早川部会長 今のようなことを、ここに少し説明的に増やしていただければいいのでは ないでしょうか。 ○中村委員 そうです。説明を増やしてもらうといいかもしれません。 ○早川部会長 最終的にはそういう御意見だと思うのです。どちらかが100%いいという 話ではなくて、一種の相半ばしている状況、あるいは他に及ぼす影響もあるということで すので。これは、今から多少手直しは可能ですか。難しいですか。 ○事務局 可能です。 ○早川部会長 それでは、そのような方向で少し丁寧に説明していただくということでお 願いいたします。 ○審査管理課長 名称のところの表現振りの御意見をいただきましたが、取りあえずこれ は第二追補なので、これはこういう形にさせていただきます。これは、やはりどちらかに した方がよろしいという御判断でしょうか。そういうことであれば、全面改正のときにや るということもあり得るのですけれども。 ○早川部会長 局方の中では統一されていた方がいいのだろうと思うのです。ただ、必ず その正解ができていると。正解というか、こちらが正しいとか、こちらをほとんどの人が 使っているとか、どちらかに寄せるにはかなりの理由が必要なのかなと。そこは、いろい ろな意見がまだ混在している状態であれば、従前どおりいくということもあるかもしれま せん。私は、法律のことは分からないのですが、従来法律的に薬局方の告示ということで ずっと来ていますから、そことの関係でも余り齟齬、矛盾が起こらないようにしなければ いけないのかと思います。大変厄介な問題ですね。 ○奥田委員 名称委員会の委員をやっていますので一言申し上げます。今、試薬・試液は 3,000あります。こういうものまで含めると数千という数になります。今それについて将 来的にどうするか議論しているのですけれども、いざ始めるとなかなか大変な作業になり ます。  先生がおっしゃられたように、アートと読むのは音訳の基本です。文科省の訳語の基準 では、慣用的に使っているものはそれでいくというケースもあります。別途字訳基準で何 とか酸というケースもあります。したがって、それを統一的に全部見直した方がいいので すが、審査管理課長がおっしゃったように、今度の第十六改正でというのはなかなか厳し いスケジュールになってしまうことを一言言わせてください。 ○審査管理課長 基本的には物が特定できればいいことになっておりますので、混乱がな いということであれば、最低限は確保されるということかと思っています。 ○中村委員 いろいろな学会がありますから、「たんぱく質」そのものも平仮名で書いた り、片仮名で書いたりということがありますのでそういうことも含めて。化学会などはこ れと違うシステムを使っています。薬学会が学会のソサエティの中の方言を使っていると いうようにならないように、いずれは整合していただくことをお願いしておきます。 ○早川部会長 局方方言にならないようにという、そこだけに偏在した話にならないよう にというメッセージだと思いますので、できる範囲で。方言でなければ、今のままでもい いということでもありますので、その辺は全体の状況を見ながらよろしくお願いいたしま す。 ○奥田委員 このままでいいとは思っておりません。 ○中村委員 よろしくお願いいたします。 ○早川部会長 ほかにいかがでしょうか。それでは特に御意見はないようですので、現行 のものについては、先ほどの説明をもう少し厚くするということはありますけれども、そ れ以外のところについては御了承いただけたということにいたします。以上で、本日の審 議、報告事項は終了になりますが、事務局から何かありますか。 ○事務局 本日御審議いただきました、日本薬局方の一部改正につきましては、今後パブ リックコメント、WTO通報等を行い、手続が済み次第一部改正を行い、平成22年1月 末までに告示を行う予定といたしております。次回の部会の日程等については、事務局の 方で調整させていただきまして、改めて先生方に御連絡させていただきます。以上です。 ○早川部会長 それでは本日はこれで終了といたします。委員の先生方には、活発な御意 見、御議論をいただきましてありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 化粧品専門官 鷲田(内線2743)