09/08/10 平成21年度第5回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 平成21年度第5回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 (1)日時  平成21年8月10日(月) 17:00〜19:00 (2)場所  中央合同庁舎第5号館共用第8会議室 (3)出席者 委員:池上直己分科会長、高木安雄分科会長代理、猪口雄二委員、        大塚宣夫委員、左桝進委員、椎名正樹委員、武久洋三委員、        三上裕司委員        事務局:佐藤医療課長、佐々木課長補佐、他 (4)議題  1 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について         (1)各医療機関における分類の適切性の検証         (2)提供されている医療サービスの質の検証        2 平成20年度一般病棟で提供される医療の実態調査について        3 その他 (5)議事内容 ○池上分科会長  どうも、遅れて申し訳ありません。  それでは、ただいまより、平成21年度第5回診療報酬調査専門組織(慢性期入院医療 の包括評価調査分科会)を開催させていただきます。  まず、8月10日付で当分科会の委員の交代がありましたので、御紹介をお願いいたし ます。 ○佐々木課長補佐  名簿を御参照いただければと思いますが、資料3つ目のほうに名簿がついておりまして、 泉キヨ子委員にかわりまして、千葉大学大学院看護学研究科看護システム管理学専攻ケア 施設看護システム管理学の教授であられます酒井郁子委員が任命されております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  なお、本日の委員の出欠状況につきまして、酒井委員がご欠席となっております。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○佐々木課長補佐  はい。では資料でございますが、まず議事次第が1枚でございまして、座席表、それか ら、今引用いたしましたが、名簿でございます。  それから、慢−1という両面のものが1枚。  それから、慢−2−1という資料、ホチキス留めのものがございます。  それから、慢−2−2といたしまして、ホチキス留めで2枚ものでございます。  それから、慢−3といたしまして、これも1枚ものでございますが、各医療機関におけ る分類の適切性の検証というもの。  慢−4といたしまして、提供されている医療サービスの質の検証というもので2枚もの でございます。  慢−5といたしましてQIに対する提案(案)と書いたもの、両面のものでございます。  それから、A3サイズの資料、これはちょっと資料番号を振っておりませんが、たたん であるものが1つございます。  それから、別紙1と書いたもの、それから、裏面ですが、別紙2、それから、もう一枚 別紙3と書いてあるものがございます。  それから、慢−6としまして、一般病棟で提供される医療の実態調査というものでござ います。  それから、慢−7といたしまして、実は、袋の中に入っていたものといいますか、お手 元に実際先に配っておりましたものがちょっと裏面が抜けておりましたので、別途追加で 配付されたもの、慢−7ですけれども、両面のものが正式資料で、片面のものがもしござ いましたら、それはいわゆる破棄といいますか、取り除いていただければと思います。  それから、参考資料1というものでございます。医療区分の変化というものです。  それから、慢−8としまして、報告書骨子(案)。  それから、参考資料2、参考資料3といいますのは、療養病棟の入院基本料の告示通知 抜粋。それから、参考資料3が一般病棟入院基本料に関する告示通知抜粋でございます。  資料は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。では、資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査についての議題から行 いたいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  はい。ではご説明をいたします。  資料といたしましては、今の議題に関しては慢−1から慢−5までのところを使わせて いただきます。  まず慢−1の資料、1枚ものでございますけれども、まず見ていただきますと、まず第 4回までの指摘事項というのが上に3つ書いてございます。  まず1つ目が、医療療養病床の分類の適切性、それから質の検証に資するデータという のを提出してほしいという御指摘でございます。これは今の議題ではございませんので、 後ほど御説明いたします。  それから、医療療養病床の区分、変動のあった患者の割合と、病棟として見た場合の医 療区分の構成割合の変動についての分析というもの。これも資料2−2ということで御説 明いたします。  それから、今の議題に関連では、その他の指摘事項のところで、4のところでございま すが、患者特性調査でQIを算出したが、はずれ値であった病院に関しての記載間違い等 でないかどうかということにつきまして、これらにつきまして今回一括して御説明をさせ ていただきます。  まず資料の、今回関連します調査に関してのちょっと基本的な情報ということで、診調 組慢−2−1と右肩に打っております資料をごらんいただきますようお願いいたします。  これは、今回、医療区分・ADL区分に関する調査票、いろいろと後ほど御説明の中で 言及させていただきますが、どういうものが収集されておるかというのをあらわした模式 図でございます。  まず今回の調査に関しましては、一番左上の図のところで、医療療養病棟を有する病院 というものから、さまざま調査のデータを出していただいております。  まず一つの流れが診療報酬のレセプト関連でありまして、上のほうに審査支払機関と、 白い矢印が向かっておりますが、これは通常の診療報酬請求をしているということで、こ れは今回の調査から直接、今回以降説明するものとは関係ございませんが、実は病院から 2種類の調査、データの御協力をいただいておりまして、まずレセプトのところと近いと ころから出ています調査協力という矢印、これは、医療療養病棟を有する病院から審査支 払機関に提出をしたレセプトというものの複写、写しをいただきまして、平成21年1月 分ということになっておりますが、これをいただきました。  その際に、これは義務というか、任意で御協力をいただけるところはということで、後 ほど御説明をいたします医療区分・ADL区分に関する調査票というものを添付していた だいておりました。これが一つのデータでございます。  それからもう一つが、左下のところに患者特性調査票というのがございますが、これは 病院のほうに、先ほどの医療療養病棟を有する病院にお送りをいたしまして、患者さんの 特性を踏まえて個別に記入していただくということ。これは、記入を病院にお願いをして おると。それがまた提出されてきていただいておりまして、この2つのルートで医療区分 ・ADL区分に係る関係するデータというのが集まってきていると。  それはどちら由来かということをできるだけ細かくご説明をしながらお話しさせていた だきたいと思いますので、一応こういう流れでデータが集まってきているという前提条件 でございます。  この2−1の資料を1枚めくっていただきますと、先ほどありましたレセプトに添付を 今回任意でしていただいたものでございまして、医療区分・ADL区分に係る調査票とい うことで、これは各病院が、これはもともと請求に添付するというのが義務付けされてお りませんで、患者さんの資質の評価といいますか、状態の評価をするために使っていただ いているというものでございます。  その4ページ目といいますか、2枚目の裏側からこの記載要領といいますか、この評価 票の記載の仕方がずっと書いておるというものの資料でございます。一応こういうような ものを使っているということをまず御紹介いたします。  それを踏まえまして、さまざま御宿題をいただいておりますので、回答させていただき ますと、まず順番からいいますと、2番目のところでありますけれども、医療区分の安定 性について、各医療区分において、変化、変動をちょっと見てみたらどうかというところ の御宿題でございまして、慢−2−2の資料でございます。  これを見ていただきますと、まずこれは個々の患者さんの1カ月の医療区分の変動とい うことで、評価票でございます。今御紹介しました票を使いまして、記載区分とかを分け てみたというものでございます。  これを見ていただきますと、医療区分の欄、列を見ていただきますと、新規の入院の患 者さん、転入の方というのは14.5%。それから、区分が変わらない方が66.4%。 区分が変わる方が13.2%。それから、退院、転院、また死亡、そういう方が8.4% ということでございまして、66%の方は区分不変ということでございます。  右側の療養病棟入院基本料によるものでございますが、これはパーセンテージが違うと いうふうに、区分不変と区分変化ありのところが違うというふうに見えるかもしれません が、これは医療区分は3つ、1、2、3ということですけれども、基本料の点数の区分と いうのが5つ分かれておりまして、医療区分としては同じですけれども、基本料の区分が 違う部分の動き、例えばBからCというふうに変わられたところが3件ございましたので、 変動があったというふうに言っているということでございます。  それから、同じ2−2の資料をちょっとあけていただきますと、これが8病院の医療療 養病棟、25対1配置基準における1カ月の医療区分変動というもの。それから、2ペー ジ目のほうが4病院の20対1の1カ月の医療区分の変動というものをあらわしたもので ございます。  これを見ていただきますとおり、これは患者さん個人というよりは、この医療療養病棟 に入院されている患者さんの全体としての医療区分の変動ということでございますが、ざ っと見ていただきますと、例えば25対1のほうは、大体医療区分2が50%ぐらいのと ころで一定しておりまして、医療区分1が30%ぐらいと。それから、医療区分2が20 %ぐらいということで、ずっと1カ月間安定したような区分と。基本料も、区分と当然同 じように動きになっておると、こういうものでございます。  もう一つの20対1のほうでございますが、これも大体に似たような傾向になってござ いますけれども、やはり医療区分2が大体50%ぐらい。それから、医療区分1が、これ は30%後半あたりでキープといいますか、同じ状態と。それから、医療区分3ですね、 すみません。医療区分3が30%の後半と。それから、医療区分の1が10%から20% の間のところにとどまっているといいますか、ずっと一定しているというような状況とい うことでございまして、そういうような変動に関しては以上のような状況でございます。  これが第4回指摘事項の2に対するお答えでございます。  続きまして、第4回の御指摘事項の4といいますか、1の各医療機関における分類の適 切性、それからサービスの質の検証に関しての関連データということでございますけれど も、それをまず御説明をいたします。  まず慢−3の資料、右肩に慢−3と書いてありますけれども、これに関しましての調査 の結果でございます。  これは、オレンジといいますか、上の段、(1)と書いてありますが、先ほど慢−2− 1の資料で御説明しましたこの(1)のほうがレセプトに添付されていた評価票を使って の集計というものでございます。  それから、(2)、下の段のほうに書いてありますのは、これは各医療機関に患者特性 調査票をお送りしまして、その記載の内容からこちらのほう、調査の結果を分析して記載 したものということでございます。  これを見ていただきますと、まず上の段、請求の際に明細書と一緒に添付を今回任意で お願いしたものにつきましては、医療区分に採用されています項目というものの記載が1 個、1つどれか記載をされているというものが69.1%。それから、2個以上のものが 30.9%という結果でございました。  この1個、2個といいますのがどういうことかと申しますと、1個というのは、下の例 の1に書いてありますけれども、医療区分2に該当します酸素療法というものが1つ、ず っと31日間すべてチェックがあるというのが例えば1個という意味でございまして、2 個というのは、尿路感染症に対する治療を実施している状態という欄に14日間チェック があって、かつ褥瘡に対する治療を実施している期間という欄には31日間すべてチェッ クがあるということで、要するに2つの該当項目にチェックがあるというようなことが2 個、それが3つあれば3個ということで、2個以上ということで3割ということでござい ます。  これは病院が実際に記載をされているものということでございまして、(2)のほうが 患者特性調査で御協力いただいた内容をこちらのほうで分析したものでございます。それ を見ますと、医療区分該当項目が1個というのが46.1%、2個以上が53.9%とい うことでございまして、患者特性調査によるもののほうが2個以上というものが多いとい う傾向でございます。これはまた原因については御議論いただければというふうに思いま すけれども、やはり1個でも該当すればとりあえずは区分という、医療区分2になればい いという項目が1つついていれば、いわゆる請求といいますか、そういう管理上は問題な いということもありますんで、2個以上ある方がいても、必ずしも記載をされていないと いう可能性があるのではないかというふうに見受けておりますが、そういう分析といいま すか、考え方で正しいかどうかは後ほど御議論いただければと思います。  それから、慢−4と右肩に打っております資料の関係でございます。  これは、以前、QIに関しまして、はずれ値が顕著であった病院というものが幾つかご ざいまして、それに関して、調査内容を誤解している可能性があるのでよく確認をするべ きではないかという御指摘があったことを受けまして、実際回答を寄せてきました医療機 関に確認をしたということでございます。  まずはずれ値としまして、代表例としまして、今回は身体抑制と尿路感染について特に 御議論がありましたので、その2つについて、関係する2施設ずつ、非常にパーセンテー ジの高いところについて聞き取り調査を行っております。その結果が(2)のところでご ざいます。  まず施設10と言われるところが身体抑制が80%ということでございましたので、こ れについて内容を確認したところ、ベッド柵を使用しておって、調査票記入には間違いな いということで、これはいわゆる誤解をしているとか、そういうことではないような状況 でございます。  それから、施設12というところは、身体抑制が100%というようなことでございま したので、これも確認をしたところ、患者の安全を考慮して4連のベッド柵を使用という ことで、これも記載に間違いはないというような回答でございました。  それから、尿路感染に関しましては、施設18というところに尿路感染が6割、18は 4割でございますね。41%、すみません、ちょっとこれは記載ミスでございます。施設 18のほうが41%でございます。失礼いたしました。それで、発熱時に必ず検尿してい る、一度でも症状が認められると調査票上カウントしているということで、調査票記入に 間違いはないということでございました。  それから、施設14、これが41%ではなく60%でございますけれども、おむつの利 用が多いからかもしれない。調査記入には間違いないということで、尿路感染に関しては 間違いないというような回答でございました。  それから、めくっていただきまして、裏面でございますけれども、もう一つ調査票、こ の調査票というのはレセプトに添付をされて出していただいた評価票のことでございます けれども、これから試算したQIと、患者特性調査、個別に病院にお送りをして回答いた だいたもの、それの比較によるQIの比較をしてみたものでございます。  まず左側の(1)のほうは、これがレセプトに添付して出していただいた評価票を用い たQIの算出法でございます。  項目としましては、現行の評価票から試算可能なQI項目と算出方法ですけれども、褥 瘡ハイリスク、褥瘡リスク、尿路感染、ADLの低下というものが評価票から算出可能と いうことになっております。分子・分母、書いてありますとおり定義づけをしておりまし て、その結果、この下の表、評価票からのQI試算結果ということで、今回参加をいただ いた病院からの回答を分析した結果でございますけれども、このような形になっておりま す。  一方、患者特性調査票から出したものが(2)でございまして、これはQI算出がかな り複数の項目で算出可能でございまして、痛み、褥瘡ハイリスク、ローリスク、身体抑制、 留置カテーテル、尿路感染症、ADLの低下というものが算出可能というものになってお ります。  これを計算してみました結果というのが下の表でございまして、痛み、褥瘡ハイリスク 等、以上のような状況でございますけれども、ここで実は同じような分子・分母の関係と か、そういうものから見まして、この異なるデータから出てきた結果で比較ができるのを 唯一黒で囲っておりますけれども、尿路感染につきましては、両方の方法で同じ分子とい うことでございますので、評価してみますと、評価票では、例えば尿路感染症の平均値が 6.2%ということでございますけれども、患者特性調査という、各病院に記載をお願い した調査票から見ますと7.4%ということで、若干高めに出ているというようなことで ございます。  ほかの部分もかなり数字がほぼ同じ、もしくは違うところがあるのですが、そもそも片 方にはなくて片方にはあるというものであったりとか、分子・分母のある意味過程が同等 ではないというようなこともありまして、参考までにしていただければということでござ います。  そういうようなものを一応データとして出させていただきまして、今回、関連で池上分 科会長とも相談をさせていただき、慢−5の資料でございますけれども、そのある意味提 案といいますか、御議論いただきたい材料として慢−5というのを用意いたしております。  これは、評価票、この評価票というのは、繰り返しになりますが、レセプトに添付をし て今回提出を任意にしていただいたものですが、病院では現場で患者さんの資質の評価と いいますか、管理に使っていただいているというものでございます。それによりQIを算 定するというようなことをやってみてはどうかという提案でございます。  御紹介させていただきますと、本分科会は、中央社会保険医療協議会の基本問題小委か ら、医療療養病床で提供されている医療サービスの質の検証を行うよう付託を受けている と。  これに対し、本分科会では、既に慢性期入院医療の包括評価に関する調査のうち、患者 特性調査を用いて、治療・ケアに問題のある可能性の高い患者を把握して、分野ごとにQ Iという方法の提示を現在しておりますと。  本分科会の提言に基づきまして、平成20年の診療報酬改定よりQIのうち4分野が一 部修正の上に導入され、現在、現場でその活用をされているというところであります。  実際に活用していただいているものというのが、この慢−5の資料の後ろのほうにちょ っとばらばらとついて恐縮ですけれども、別紙1というもの、治療・ケアの内容の評価表 という、横のものがありますけれども、これが病棟で導入していただいております。病棟 ごとの評価ということで導入していただいておりまして、その確認リストというもの、治 療・ケアに問題のある患者さんについてはさらに別紙2というものの確認リストに基づい て治療・ケアの内容を確認するということが求められております。その記載内容とか方法 については別紙3というものを御参照いただければと思いますけれども、そういうものを 今現場の療養病棟では取り組んでいただいておると。  一方、本分科会で行ってきたQIの算出については、患者特性調査の結果に基づいてい るわけですけれども、これについては今回の分科会でも再三話題になっておりますけれど も、この患者特性調査自体に御協力いただくというのは、多大な医療機関に対する御負担 ということもありまして、また任意のアンケートということでありまして、若干何らかの 改善というものが必要ではないかというような状況だと思っております。  それにつきまして、その提案といいますか、検討内容といたしまして、まず(1)とい うところですけれども、医療区分・ADL区分に係る評価票について、現行の診療報酬に おける医療区分・ADL区分の確認を行うための任意のチェックリストから、該当する項 目のチェックを必須とするように改め、あわせてレセプトへの記載を簡素化と。レセプト に現在幾つかの項目について備考欄に書いていただくようなことをやっておりますんで、 そういうものにつきまして整理整頓するというのが(1)でございます。  それから、医療区分・ADL区分に係る評価票にQIを算出するために必要な項目を追 加して、あわせてこれらの項目からQIを算出できるよう新たな算定方法を検討してはど うかということ。  それから、(3)としまして、医療の質は大きな課題ということで、分科会で提示して きたQIに新たな分野を加えてはどうかということが御議論いただきたい内容でございま す。  なお、具体的にどういうような項目を新たな評価で加えるかというのが、今御説明した 慢−5の裏面でございまして、現行のものが左の列でございまして、右側の下線部が新た な提案の案ということでございます。  例えば身体抑制のところで、ミトンの着用とか、自分の意思で開けることの出来ない居 室等への隔離等を追加と。それから、ADLの低下のところで、ADL区分の変動という もの、それから留置カテーテル、3日以上連続した痛みというものを加えるということで ございます。  それで、大きなA3の表がございますが、これも参考までに御紹介させていただきます と、これが一番左の列が分科会で提示したQI項目及び算出方法ということで、過去の分 科会で中医協のほうに、基本小委のほうにこういうQI項目を導入してはどうかという御 提案をいただいたものが一番左の列でございます。  真ん中の(2)と書いてある平成20年度診療報酬改定で導入された「治療・ケア内容 の評価表」の項目、算出方法でございますが、これは実際に現在導入をされております評 価表の項目と、それから計算方法ということでございます。  それから、一番右側の列、(3)の慢性期医療の質に関する新たな評価方法(案)と書 いているところですが、これは今御紹介しました慢−5の裏面に書いてあったもの、これ をおのおのの項目に対応する形で並べたものということでございます。  以上のようなもので、宿題としていただいておりました質の評価等につきましてのもの、 それからQIに関するデータに関して提示をさせていただきました。  関連する資料は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  では、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等がございましたらお願いい たします。  どうぞ。 ○武久委員  診療の質を見るのは非常に難しいと思うのですけれども、この診療の質、20年4月か ら書類がふえたわけですけれども、現実問題として、各病棟で集計をしてこういう書類を つくるというのはけっこうな事務量になります、確かに。  そこから診療の質が公平に出てくるかということなのですけれども、我々のほうも出し てみて、個別の症例の推移ではなく、マスとしての推移なもので、重症の患者さんがどん どん入ってきたりすると値が悪くなるということもありますし、余り新しい患者さんが入 ってこなければ褥瘡の軽いのはどんどん治っていくかも分かりませんが、栄養状態が悪か ったり、脱水の人とかがかなり入ってきますと、入院時は褥瘡がなくとも、その後に褥瘡 ができるということは十分考えられるわけですので、できたからそこの病院は機能が低い のだというにはちょっと無理な面も出てくるかなと思いますので、後で私どもの慢性期医 療協会が調査いたしました調査項目について、3つぐらい後でお出ししますので、あわせ て検討していただければと思います。  以上です。 ○池上分科会長  それについては、本来、分科会長としての意見ではなく、研究者としての意見と、それ と、これまでの経緯を申し上げますと、ここで褥瘡あるいは脱水があるということで、も ちろんそれが直ちに質が低いということでは決してありません。そのような患者であれば、 別紙2にあります治療・ケアの確認リストに沿ったケアが行われていることが確認された ら全く問題がないわけでございます。  したがって、先生がおっしゃるように、褥瘡患者が入院した場合に、入院した当月は対 象でなく、翌月においても褥瘡に対する確認リストの治療・ケアが行われていれば、それ で質は担保されるという考えに基づいております。この数値自体を問題視しているわけで はなく、該当した場合には確認リストによるケアの確認を平成20年度の診療報酬の改定 にあわせて御提示した次第でございます。 ○武久委員  この別紙のようなものを毎月我々のほうの現場で書いておりますけれども、これをどう いうふうに集計して、どういうふうに診療の質として今後、将来何かの評価の項目にする かということはまだ決まっていないということでよろしゅうございますね。 ○池上分科会長  ほかに御意見ありましたら。  資料を順に確認するということでもよろしいですか、それでは。  慢−2−2について、これは一言で申せば患者ごとには3分の1の方は医療区分の変動 があっても、病棟全体としては大体一定の割合をこの歴月間保っているということでござ いますけれども、これについて何か御質問、コメントございましたら。  どうぞ。 ○武久委員  慢−2−2と慢−3ですけれども、特に慢−3の場合、今御承知のように、委員の方、 御承知だと思うのですけれども、評価票で毎月、毎日医療区分を評価するときに、例えば 医療区分2とか医療区分3の該当する項目が1つでもあればそれでいいということで、実 は3つも4つも該当する人もあれば、全然該当しない場合もあると。そうすると、評価票 の上でこういう統計をとっても、該当する項目をすべて書かないといけないという制度に なっていない以上、この慢−3のオレンジのところとか2のところにつきましても、これ は本当にこうだったのかというと、実際はそうでないということになりますので、要する に2つ以上書いてあるのはこれだけだったという事実だけでないかと思います。  私は、この診療の質の、褥瘡とかいろいろな尿路感染症等もありますけれども、一応現 場での事務量は少ないほうがいいのですけれども、区分2、区分3に該当する項目をむし ろすべて書いたほうがデータとしては非常にクリアになるのではないかというふうに思い ます。  ただ、私現場は大変しんどいのですけれども、この表で出ているような全体としての平 均値というよりは、個別の患者さんの毎日の変化として項目に該当するのが、極端なこと を言えば、4つも5つもある場合もあれば1つの場合もあると思うので、それはたちまち その患者さんの重症度をあらわすし、該当項目がどんどん減ってくるということは軽快し てきているということが個別に非常に分かりやすくなりますので、この慢−3のような統 計のとり方を今後していくのであれば、いっそ、大変だけれども、そのかわりこっちのほ うはちょっと、どちらかは簡素化していただいて、個別のほうはそういうふうに書いてい くようにすれば、この評価票が全部集まってきたときに、非常にクリアに出ますよね、確 かに。だから、その辺は、ちょっと我々の現場も大変ですけれども、該当項目が非常に多 い場合は当然手間も多くかかるのは、普通に考えればそのとおりでございますので、そう いうことから評価していただけるということであれば、そういう詳しく記載するというこ とにやぶさかではないのではないかと思いますけれども、ちょっと現場でもまた聞いてみ ないと分かりませんけれども。  以上です。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○三上委員  今の話で、きちんとあるものはすべて書くほうがいいとは思うんですけれども、非常に 手間がかかるということは一つあります。  ただ、以前から言われていますが、幾つか重なってある場合に、医療区分2に該当する 項目が例えば3つ、4つある場合には、手間としては医療区分3と同じぐらいかかるので、 それは複数ある場合の評価はどうするのかということは以前から慢性期医療の中では言わ れていましたので、インセンティブがあれば、例えば4つ以上重なれば、医療区分2の項 目が4つあれば医療区分3にするとか、そういったようなことがインセンティブとしてあ れば、書くほうについても負担にならないのではないかというふうに思いますけれども、 その辺の提案をしていただければと思いますけれども。 ○池上分科会長  ほかに御意見ございますでしょうか。  どうぞ。 ○武久委員  この医療区分で、各項目において決めるときに、1分間タイムスタディを2回かなんか でやったと思うのですけれども、その前にも私言いましたけれども、1分間タイムスタデ ィというのは、病院の看護婦さんやお医者さんの資質にもよりまして、重症であるけれど も、行かなかったら行かなかったということになって、行く必要がなかったというふうに なっちゃうという危険性もはらんでおりますので、もし1分間タイムケスタディをするの であれば、自他ともに許すある程度のレベルの均一化した病院を選んでやらないと、そこ で例えば医療区分3の項目が3つか4つあるのも、1つあるのもほとんど1分間タイムス タディじゃ行っていなかったから変わらなかったと言われても、常識的に考えて、酸素だ けの場合とIVHをやっている場合と、いろいろな人工呼吸器つけている場合とか、いろ いろ気管切開で発熱したということになれば、当然見にいかなければいけない機会はふえ ると思うのですけれども、それが前のときには余りクリアに出ていなかったということで、 評価が得られなかったというふうに聞いておりますけれども、私は出ておりませんでした ので。そこで何もかも1分間タイムスタディで決めるという手法に対しては少し問題かな と思います。  ただ、各項目に該当するのをすべて書くというふうにすれば、すべての資料は1カ月間 の評価票の中へ凝縮するということになりますので、その他の書類は書かなくていいと、 逆に言うと。全部そこで凝縮されてくるから、むしろ現場の手間は大変だけれども、その ほうが私はいいのではないかと思う。  それから、将来監査になったときに、その項目がカルテ上で記載されているかどうかと いうものと見比べることも非常に簡単にできるのではないかというふうに思うので、これ は私のほうから、現場からの提案というわけではないのですけれども、いろいろなものに、 いろいろな書類にいろいろ書くよりは、いっそ自己評価票にまとめていただいたほうがむ しろいいかなという感じはしております。  以上です。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ほかにはよろしいですか。  慢−2−2に関しては、こういう患者ごとには変動はあっても、病棟としての医療区分 の構成比はほぼ一定であるということでよろしいですか。  この慢−3については、武久先生から御指摘があったように、これは任意の記載ですか ら一致しないのが、全くそれについては、そもそも必須でないわけですから、一致しない のはむしろ当たり前であるという御指摘で、それはそのとおりであるかと存じます。  次に、慢−4については何か御意見。 ○椎名委員  医療区分・ADL区分に係る評価票は、任意でレセプトに添付されているものを分析す るという調査設計になっているようですけれども、任意で添付した病院が全体の病院の中 でどれくらいあるのか。あるいは、できたらどういう性格の病院だったのか、そういうデ ータがあるのかどうか。  あと、具体的な評価票のボリューム、添付された評価票のボリュームはどれぐらい、何 %ぐらいあるのか、その辺のベースになるようなデータをお知らせいただきたいと思いま す。 ○佐々木課長補佐  慢−3の資料の上のほうに点線でちょっと囲って……すみません、ちょっと御紹介が漏 れてしまって恐縮でございますけれども、どういう評価票を使ったかというのをここに書 かせていただいておりまして、レセプト調査において収集した2,980枚のレセプトの うち、2,026件に評価票が、これは任意の提出でつけていただいておりました。この うち、全数というわけではないのですが、無作為で抽出した560件、抽出率27.6% でまとめたというものがこの上の(1)の結果ということでございます。  ちょっと病院がどういうものが当たっているかというのは、もし必要ということであれ ば、時間をいただければつくってお示しはできます。 ○池上分科会長  任意といった場合、2つの任意があります。1つは、病院として、この評価票を添付す るかどうかということの任意であります。次に、この評価票に該当する医療区分項目のう ち幾つつけるかというのも任意でありまして、1つ以上つければいいということでござい ます。  したがって、これは先ほど申しましたように、患者特性調査票の該当2個以上の割合と 評価票に基づく割合が一致しないというのは、武久先生が御指摘のように当然であるとい うわけでございます。 ○武久委員  ということで、医療区分2に該当する項目が1つであっても、5つであっても、これは 2にしか今現在ならないわけですから、当然1つ書いたらいいじゃないのということにな るわけで、本当、事務手続も大変なのだと。  だけれども、1つの項目に該当するよりも、3つとか4つのほうに該当するほうが当然 患者さんは重体であって手間もかかると思うのが普通でございますけれども、それが例え ば項目が幾つも重なっていた場合はそれなりに重症度を評価するということになれば、多 分現場は全部書くのではないかと思いますので、そういったインセンティブを図ることに よって、評価票を調査統計すると、非常に明らかな患者像が今どのような状態で推移して いるかということも分かりますから、むしろそういう点数で、診療報酬でインセンティブ をつけていろいろなデータを集めたほうが、私はよりクリアな結果が出てきていいのでは ないかというふうには思いますけれども、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  よろしいですか。  DPC評価分科会においても、包括評価である以上、患者特性にかかわるかなり詳細な データを病院に提出を求めておりますので、ここは包括評価という観点からも適切な治療 処置がなされているということを裏づける。質の評価という観点からも求められているの ではないかという気がいたしまして、それに関連して、次の慢−4について、質の評価と いうことが付託された当分科会の案件でございますが、まずここのQIとして、直ちに質 ということではないが、一応チェックするべきものとして、非常に高かった病院について、 これは誤った記入かどうかということを確認した次第でありまして、それに対して実際に 事務局のほうで確認をしていただいたところ、これは相違なく実際にそうなっていたとい う御回答をいただきました。  そういう状況、今後とも質を評価するということが付託された事項でありましたので、 事務局とともに、慢−5にあります、算定する場合にはどのように対応したらいいかとい うことで事務局と一緒に作成した内容となっております。  まず、直ちにこれは質ということではないのですけれども、少なくとも分子・分母の計 算の方式においていろいろな方式があるということは少し混乱するんではないかというこ とで、これもまずは整理してはどうかと。できるだけ平成20年度に既に導入された方式 に統一し、かつ評価票に基づいて算定できるようにしてはどうかということが趣旨でござ います。  そして、武久委員からも御指摘いただいたように、この評価票に患者の特性が集約され ますと、それに基づいて患者の特性が明らかになるということは、質の評価はそのまま、 特に手間暇かけずにこれは単に分子・分母で割ることによって得ることができますので、 今までですと、病院はこのQIを、つまり治療・ケアの内容の評価表というのをわざわざ 計算しなければいけなかった。というのは、見たいと言われたらこれを提出する義務があ ったので、わざわざこれを計算しなければいけなかったわけです。  ところが、そうした手間を効率化する意味で評価票に一元化することができれば、それ はすぐに対応が可能になるのではないかということでございます。そのために、平成20 年度に導入されたやり方に若干の修正をこの際あわせてしてはどうかということで、長い ほうのB4の紙をごらんいただきますと、基本的には、上のところは既に導入された算定 方式と同じでございます。この新しい方式にした場合の、当然ながらQIの値も同じにな るわけです。  赤字で異なるところは何かといいますと、身体抑制については平成20年度と異なると ころは赤字であります。ミトンの着用と自分の意思で開けることのできない居室等への隔 離の2つだけでありまして、これはなぜこの2つを追加したかと申しますと、既に御指摘 もありましたが、同じ病棟に介護保険の療養病床と医療保険の療養病床がある病棟もあり まして、介護保険においてはカ、キの基準が適用されておりますので、同じ病棟で異なる 身体抑制の基準がなされるというのは余り適切ではないので、この際統一してはどうかと いうことでございます。  それから、ADLの低下につきましては、2点以上が増加したというのは、つまり悪化 した場合というふうに書いてございますから、これはなかなかADLの点数を個々に計算 するのも大変ですので、分かりやすい医療区分の低下ということに改めてはいかがかとい うことでございます。  なお、これはすべて継続入院している患者に限られておりますので、新規に入院した患 者あるいは退院した患者は対象外となります。  それ以外の留置カテーテルと痛みに関しては、これは従来、当分科会で行ってきたQI の項目にあった枠でございますが、今までは評価票になかったので、当然ながら平成20 年度の診療報酬改定には対象となりませんでしたが、この際、質の評価というのは非常に 重要な課題でございますので、留置カテーテルと痛みを加えてはどうかという御提案でご ざいます。  どうぞ。 ○武久委員  多分、18年7月からこの医療区分が導入されまして、20年3月までの間に、先ほど 申しましたように、医療区分2の項目が幾つあっても2、3が幾つあっても3だというこ とで、この評価票からいわゆる池上先生がおっしゃるような診療の質がなかなか読み取れ ないということの代償として、こういういろいろな書式を使って病院全体としての、団体 としての平均値を求めることによって大体の診療の質を推測するというか、推し量るとい う意味でつくられたのではないかと思うのですが、私はそのときおりませんで、当協会の 前会長の木下が一緒に参加してやられたと思いますけれども。  先ほどの先生のお話の状況から聞きますと、推測しますと、評価票のほうに詳しく書い てくれれば、この様式にこだわらないでもいいのではないかというふうにはちょっと聞こ えたのですけれども、ただ、医療区分については非常にはっきり出るのですが、例えば身 体抑制とか、バルーンが入っているかというのは、この医療区分の中ではありませんから、 そういうどっちかというと、慢性期医療の現場では余り推奨したくないような行為を行い ながら医療区分が高いというような病院は、むしろバッテンというか、余り評価はされな いのではないかというふうに思いますけれども。  ただ、前からも資料を出しておりますけれども、確かにこの2年、3年間で医療区分が 重くなって、しかも急性期病院から長年たまっていた人工呼吸器やいろいろな重症の人を 医療療養で引き受けるようになって、現場は大変疲弊しているというのが現状です。そし て、IVHをしているような人を引き抜くことによって大量の出血が起こったとか、例え ば胃瘻をつくってまだ気管がないときにそれを引っ張って抜いて腹膜炎になったとか、胃 瘻を形成してしまえば短時間に抜いてもすぐ入れられるというのはありますけれども、現 実としては、この医療区分が導入された18年7月以前の15年から検討されてきた時代 の患者の病態とは本当に全く異なったような重度の方を持っています。  これは介護療養型にも同様のことが言えますけれども、医療療養はもちろん医療区分の 重い人が圧倒的にありますので、この身体抑制がこういう細かくいろいろにされてしてい る割合が多いから、直ちに減点だと言われても現場のほうは大変困るかなと。  しかし、我々も、介護のほうもやっておりますので、できるだけ抑制はしないでやると いうのが基本だと思うのですけれども、その辺のジレンマがあるのと、我々のところでは、 急性期病院からバルーン、留置カテーテルが入ってくるんですね。それが来たら直ちに抜 くのですけれども、長期間に入っている場合には、当然尿閉が起こりますから、そうする と、現場はやはり出ませんから入れますというふうに言われると、いやいやそれはやはり 訓練しないと、訓練には片麻痺でも何カ月もかかるように、やはり膀胱訓練はやり何カ月 かやってくださいというようなことを言うのですけれども、時間を要して手間がかかると いうふうなことで、なかなかその辺がうまくいかない面もあるのですけれども。  医療区分の評価票が各項目に該当する場合にすべて書いていただければ、この慢−4の 尿路感染症の経過とか褥瘡の経過とか、そういうものもそこの評価票ですべて分かるので はないかというふうに思いますので、診療の質を評価するやり方を来年度からは少し変更 してやっていただけると、我々のほうとしても協力したいというふうに思いますけれども、 いかがでしょうか。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ほかに御意見ございませんか。どうぞ。 ○三上委員  これは全体を見ると、慢性期医療というより、やはり介護の質というか、介護療養型の QIに近づけているという状況だと思うのですけれども、特に身体拘束については、認知 症患者さんに対する医療の在り方という場合にどういうふうにするかということで、どち らのほうが質が高いのか、いいのかという話で、先ほどIVHのある患者さんが目を離せ ば抜いてしまうというか、大量出血するというぐあいに、それを防ぐ手段をするほうが本 来は質が高いわけで、ほったらかしのほうが多分悪いわけだと思うのですけれども、その 辺のところは、認知症の状況の中での医療ということに対する質をどう評価するかという ことは、ちょっとこれとは難しいのではないかというふうには思いますので、この新しい 項目を入れられるのかどうかなという気はしたのですけれども。 ○池上分科会長  これは、治療・ケアの確認リストというのは、当然これに対応して今後作成をしていく 必要があるかと存じます。そして、例えば身体抑制に関しては、身体抑制が直ちに悪いこ とであるという観点に立っていなくて、この確認リストにありますようなことがなされて いれば、質においては問題がないという立場でございまして、それに医療病床にふさわし い確認リストにするように今後一層努力する必要があるかと存じます。  御意見、どうぞ。 ○大塚委員  ちょっと些末なことで申しわけないのですが、この新たな評価項目、慢−5の裏側です けれども、ADL区分の低下というところで、ADL区分が1から2となった患者及び2 から3となった患者数の和とありますが、これは1から3となるということもあり得るん ですよね。 ○池上分科会長  そのとおりです。では、それを加えておいてください。  それでは、時間の関係もございますので、とりあえず今日初めて事務局と一緒に作成し た案を御提示しましたので、また御意見がございましたらお知らせいただければと思いま す。  それでは、一応御提示した資料についてはありますが、この一般病棟に移る前に、私か らちょっと前の資料、前に配付いただいた資料を確認して、疑問の点がございましたので、 私からコスト調査関係で御提案がございますので、申し上げます。  第3回の分科会で提出いただいた資料では、コスト調査の収入部分では、レセプト調査 の結果を用いていますが、その際、レセプト調査とコスト調査の両方に参加した病院だけ を用いて分析する必要があると思います。  そこで、対象病院をそろえて分析し直すべきだと考えますが、いかがでしょうか。それ はよろしいですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  それでは、ありがとうございました。  それでは、コスト調査について、事務局で対象病院をそろえて集計を行っていただき、 次回の分科会で集計結果を提出いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありが とうございます。  それでは、続きまして、平成20年度一般病棟で提供される医療の実態調査についてを 議題としたいと思います。  それでは、事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、資料慢−6、それから7を用いまして御説明をいたします。  これは、最初の宿題事項をまとめた慢−1もあわせてごらんになっていただきたいので すが、一般病棟の関係では、宿題が3つございました。  まずは第4回の指摘事項というものの3番ですけれども、13対1または15対1病棟 と医療療養病棟における薬剤の使用状況についての比較というもの。それから、その他の 指摘事項のところの5番目と6番目ですが、一般病棟で提供される医療実態調査の集計結 果について、これは宿題事項というよりは、これは事務局からの訂正に近いものですが、 データクリーニングをさせていただいたので、その資料を御紹介すると。それから、これ は宿題事項でしたが、特定患者及び特定除外対象患者の内訳、これは91日以上の中での 内訳というものでございます。  まず、慢−6というもの、資料でございますが、これがその他の指摘事項の中のデータ クリーニングをさせていただいた結果というものでございます。これは、前回出させてい ただいた表紙に書いておりますけれども、前回の7月29日の後、改めて調査対象病院へ の調査の照会といいますか、要するに無回答とか、そういうものがまだけっこう残ってお りましたので、追加の確認を行った結果、集計対象件数が前回よりも573件多い5,4 61件ということになりましたので、集計結果を再提出するというものでございます。  これ、資料としては1ページ目、2ページ目とどんどんめくっていただきますと、結果 から申し上げますと、無回答のところを減らしましたが、傾向としては全く変わっており ません。  例えば2ページ目ですけれども、13対1、15対1の入院期間ですと、療養病床と比 べましても明らかに入院期間、療養病棟は1年以上が多いのに対して、13対1、15対 1とも30日とか90日までのところが多いということ、これは変わりません。  それから、3ページ目、4ページ目ですけれども、これを年齢区分で分けても、これも 前回の傾向と変わらず75歳以上が多いと。  それから、4ページ目、前回ちょっと誤りがいろいろございましたけれども、今回も9 0日と91日のところで分けてみますと、医療区分の状態で見ると、医療療養と91日以 上が多いと、これはまた前回と全く変わっておりません。  それから、5ページ目以降も、詳細は省略いたしますが、前回の傾向と変わっておりま せんので、これはまことに恐縮でございますが、前回の資料、差し替えるといいますか、 というような形になりますが、再提出ということでございます。  慢−7でございますけれども、まず薬剤の使用状況に関してでございます。  この資料をごらんになっていただきますと、ゼロから、1から3、4から6ということ で、薬剤の種類ごとに階層化いたしましてその比較をしております。  13対1、15対1で医療療養との比較をしてみますと、4から6種類、医療療養は4 から6種類というのが一番多いということです。そういうような傾向がございます。  また、入院日数といいますか、90日以内と91日以上ということで分けてみますと、 91日以上のところの一般病床では、9種類以上のところは医療療養と、それから90日 以内の一般病棟に比べて9種類以上のところが多いという傾向が出ております。  それが薬剤のところでございまして、それから、特定患者及び特定外対象患者のほうは この慢−7の裏面でございます。  この特定患者、特定除外対象患者の医療区分の比較ですけれども、まずかなりn数が少 ないのでございますけれども、特定患者、これは91日以上のところの方、いわゆる低い 点数を算定している方、後期高齢者特定入院基本料を算定している方が16人いたわけで すが、あえて比率を出してみますと、下の図にもありますが、医療区分1が一番多くて、 次が医療区分3、医療区分2という、そういう順番になっております。  それから、特定除外対象患者、これは例外を設けて、91日目からも90日目と同じ点 数が算定できるというふうにした方でございますけれども、そういう方を見てみますと、 医療区分2が4割近く、医療区分3が35%、医療区分1が25%ということでございま して、医療区分2が一番多いと、こういう傾向でございます。  一般病棟の関係の宿題事項は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明について何か御意見、御質問等ございますでしょうか。  これは再提出資料でございますので、特に追加になったのは慢−7の薬剤の種類の箇所 だけかと存じます。あとは、その裏にございました特定患者と特定除外対象患者の関係で ございますけれども、ほとんどが特定除外対象患者であったということでございました。 これについていかがでございましょうか。どうぞ。 ○三上委員  これの見方というのはなかなか難しいのですけれども、基本的には一般病床におられる 方の医療区分1、2、3の割合というのは、医療療養の場合よりも医療区分3が非常に多 いというのが分かったわけですね、これで。医療療養病床は医療区分3が19.7%であ って、一般病床は特定患者、特定除外を合わせても35.1%ということで、医療区分3 が非常に多いということが分かったということ。  それともう一つは、投薬の内容が一般病棟に入っておられる方のほうが多い、投薬数が 多いということと、検査が多いということが分かったのですけれども、状態としては、医 療区分3が多いということであれば、投薬や検査が多いということの妥当性もその中には 含まれるのかもしれません。療養病床の包括であれば投薬検査が少なくなるという傾向は あるかもしれませんが、状態像として医療区分3が多いということであれば、それは一概 に言えないのではないかというふうに理解すべきかと思いますけれども。 ○池上分科会長  それを解明するためには、この検査や薬に関して、あるいは画像に関して医療区分ごと の実施率を新たに提示していただくということは可能でしょうか。 ○佐々木課長補佐  対応可能でございます。 ○池上分科会長  つまり、13対1、15対1の91日以上の、数がかなり減ってしまいますけれども、 そうした場合には、それでも一応医療区分3及び2における割合と、それに対応する医療 療養病床における医療区分2及び3における割合と対比のデータが出れば、この医療区分 3が多いことによる相違を反映しているかどうかが確認できるかと存じますので、これは 次回までに御提出いただけますでしょうか。ありがとうございました。  どうぞ。 ○武久委員  慢−6の最後のページを見ますと、一番上のグラフで見て、参考、医療療養病棟7,9 26、91日以上1,121、90日以内4,340ということで、今三上先生がおっし ゃいましたけれども、医療区分の3、すなわちちょっと重症の人の割合が13対1、15 対1のほうが医療療養より少し多いというのは当然のことと思いますが、13対1、15 対1のところは出来高払いでございます。医療療養は包括でございますけれども、これか ら見ると、60数%と80数%で3分の4ですかね、多いぐらいであって、これは医療区 分3の割合からすると、むしろ医療療養は包括の割合によく検査をしているというふうに 私は見たのですけれども、ということは、包括でありながら、やはり重度の人を見れば、 医師の良心としてきちんと治療をするためにはやはり検査もしないといけない。  次のX線のことについて言いますと、単純撮影は包括されておりますけれども、CTに つきましては出来高払いになっておりますので、医療療養でも。しかし、このX線とCT の傾斜のグラフを見ますと、ほとんど出来高で請求できるけれども少ない、包括だけれど も少ないと。要するに、包括だからといってレントゲン撮影を抑制しているという傾向は この2つからは見られないと思いますので、私は医療療養をやっている病院の皆さん方の 良心はかなり高いのではないかというふうに思っております。しかもこれは、我々の協会 が独自にしたものではなしに、協会以外の病院も入った、厚生労働省の担当局が調査した ものですから、信頼性は非常に高いのではないかというふうにして、私は医療療養、もち ろん病院の先生方の努力に評価をしたいと思っております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ほかに御意見がございましたら。  それでは、これについてはよろしいでしょうか。追加の集計については次回御提出いた だくということで。  続きまして、武久委員より資料が提出されていますので、説明をお願いします。 ○武久委員  参考資料1をごらんになっていただきたいと思います。  この20年10月から21年3月までに行いましたデータでございますけれども、この 2ページ目を見ていただきますと、よくなっている、医療区分が軽くなっている人と現状 維持と悪くなっている人の割合を示してございます。  3ページ目、その次のページですけれども、軽快率として、よくなっている人の患者さ んの数と悪くなっている人の患者さんの数を比較割合をしますと、50%というのは横ば いになりますので、50%以上のところはよくなっている。これ、グラフを見ますと、9 1%以上のところとゼロから10%未満のところが奇しくも同じようなデータになってお りますけれども、いいところではかなりよくなっていると。  それの個別のデータが次のページにございまして、病院ナンバーを全部で153プロッ トしておりまして、そこで軽快の人数と悪化の人数等を割合して、このブルーの網かけを しているところが現状維持の50%よりよかった病院の場合でございます。  これを見ますと、よくなった人の割合が多いところが約50%近く、悪くなったところ もけっこうあるということでございますので、これは当然人数が少ない場合には誤差範囲 になる場合もありますけれども、当然月によっては、よくなるところの病院は、必ずしも いつもよくなるわけではないと思いますので、変動もするでしょうから、3カ月とか半年 とか、そういう過去1年のものを出すことによって、軽快する人の割合が悪化する人の割 合より多いということは大いに診療の質として評価していいのではないかと。  と申しますのは、医療区分2から医療区分1になったら、13,000幾らから8,0 00円そこらになっちゃうわけですから、あえてそういう非常に診療報酬が少なくなるこ とであるにもかかわらず、よくしていっているということは、私はこれは非常に評価でき るのではないかというふうに思います。3から1になりますと、実に1万円以上の差にな ってくるわけですから、月に30万も違うのにどんどんよくなっていって退院していると いうことが前出したデータからも分かりますので、私はこれは診療の質に評価票とともに 使えるのではないかというふうに思っています。  その次のページで、食事形態に関するアンケートというのがございますけれども、これ を下のグラフで見ていただくと一目瞭然でございまして、普通食を食べられる人が2割い ないですね。これは介護療養も医療療養もそうですけれども、もう普通の病院で病院食を 普通に食べられる人はほとんどいない。そして、刻み食やペースト食、これは介護療養病 棟のほうにむしろ多いわけですけれども、医療療養では30%、そして流動食、これは経 口流動ですけれども、これは非常に少ないですが、経鼻栄養につきましては13.5%と 12.0%です。  ところが、胃瘻に関しましても25%と24.3%、これは非常に介護も医療も共通で すが、次の経静脈栄養、中心静脈栄養も含めますと、これは医療療養が圧倒的に4倍ほど 介護療養より多いということで、絶食も当然ながら医療療養のほうが多いということで、 このような食事形態でありますと、夕食の時間は6時から食べなさいという、普通の人並 みにやりなさいという決まりが果たしてこれの状態の病院で適切なのかどうかと思います と、とてもじゃないけれども、介助をする人がたくさんいれば、6時からはじめてもなか なか7時には終わらないという現状がございまして、経管栄養なりペースト食なりを注入 するにしても、一どきに一遍にたくさんの人数をやるということは非常に不可能だという ことでございます。  その次は、維持期リハビリテーションに関するアンケートを今年6月30日にやりまし た。先ほどの食事形態も6月30日でありまして、慢性期医療分科会が行われた過程にお きまして、このような資料をできるだけ出していただけたらということで緊急にやったも のでございます。  回答では、病院は263、これはこの右側、2ページ目の一番上の右側の表で、医療療 養病床を持つもの263病院、病床数は2万3,706。あと回リハとかいろいろありま すけれども、今回は医療療養に限って263でやっております。  そうすると、100床あたりのリハスタッフが、PTが8.7人、OTが5.9人、S Tが2.3人。これは昔に比べると非常に整備されたなという感を持っております。20 0床だとこの倍ですから、実に20人近いPTがいて、12人のOTがいて、STも5人 近くいると。すばらしいリハ機能が上がったなという感触でございます。  取得しているリハに関する施設基準も46.7%が脳血管リハのIでありまして、この 脳血管リハのII、IIIを足したものとほぼ等しいと。  また、運動器リハはIが圧倒的であると。呼吸器リハもあるということでございます。  その次の4ページでございますけれども、入院患者の医療区分につきましては、先ほど のデータとは違いまして、医療区分1と医療区分3がほぼ同じで、医療区分2が2分の1 を大体占めているということが分かりました。これは、本年1月から6月30日までの調 査対象期間でございます。  そこで、調査対象となる医療療養病床の入院患者の実数と、このリハをやっている患者 の数ということで、対象になっていないのが約3割、3分の1いると。7番はリハの対象 となった患者さんについて統計を出しておりますが、脳血管リハのほうが運動器リハの3 倍ございます。これで見ますと、診療実日数が88万1,064、総単位数147万7, 247ということで、1人1日当たり1.7、それから運動リハは2.9というふうにな っておりまして、大体1日2前後の単位をやっている現状、慢性期医療の場合でも現状が 見られます。これは回リハとは違いますので、医療療養の場で行っている単位数でござい ます。  それから、(8)の表ですけれども、標準的算定日数を超えてリハビリを継続した患者 さんはどのぐらいありますかというと、リハの対象になったのが1万6,549人ですか ら、それに対して脳血管でいいますと9,800人ということで、約3分の2強が日数を 超えてリハビリをしております。  その中で、算定数以内でリハビリを終えた患者さんというのは2,800人ということ でございまして、算定日数制限のためリハを継続できなかったという患者さんは非常に少 ない。すなわち、算定日数内に終了したか、算定日数を終了しても継続してリハビリをし たと。その中で医師によって治療の継続により改善が見込まれる、また治療上有効である と判断して行った患者さんはちょうど9,800人のうちの約半分ぐらいでありまして、 医師がよくなるという状態であったのは1日に1人当たり1.9単位ということでありま す。  それから、最後のページでございますけれども、それでは、算定日数を超えても、大き く改善の見込みはないけれども、医師が維持期のリハの継続が必要と判断してリハを継続 した患者さんにつきましては、脳血管障害で0.8、うち疾患別リハをしているのが0. 9、運動器リハは1.4というふうに、やはり維持期リハでも1日1人当たり1ないし1. 4ぐらいの維持期のリハビリテーションを行っているということは、1カ月13回と制限 されておりますけれども、この中の相当数は制限された13回以上にリハビリテーション を行っている例もあると考えられまして、算定日数で切られたものの、現場では必要に応 じてリハビリを医療療養病床では適宜に医師の判断によって継続して行っているというこ とが分かります。  また、最後の11ですけれども、標準的算定日数を越えてリハを継続できない理由とし て、189の施設が回答しておりますけれども、リハスタッフが少ないためということ、 それから、治療を継続しても回復が見込めないため。それから、回復は見込まれるが算定 ができないからというのもありますし、治療を継続すると回復は見込まれるが書類が多い ためというのも一部あります。また、患者本人や家族の同意が得られないということもあ りますけれども、やはり医療療養の現場では、3年前に比べるとリハスタッフが格段に整 備され、また算定日数以内で適切にリハビリが行われ、またそれ以上に算定日数を超えて もリハビリは継続して行われているという現状は、この1月から6月末までの新しいホッ トな資料として提出することができました。よろしくお願いいたします。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明についての何か御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。  すみません、私から1つよろしいでしょうか。  これ、3カ月間に患者一人一人について病院単位で足していくわけですね。 ○武久委員  この最初はですね。はい。 ○池上分科会長  その間に、一回改善してまたもとへ戻ったとかいう場合には、それはどちらにカウント する。 ○武久委員  これは、月間平均医療区分、医療度で出しているわけです。したがって、最初の月が2. 6だって、3カ月後に1.8であれば改善になります。だから、毎日毎日の評価票を足し ていって、それを30で割ったのがその月の平均医療区分ですから。それが1カ月目と3 カ月目でどうなったかによって、その区分の差がよくなった人はよくなったというふうに 計算しております。 ○池上分科会長  そうすると、その3カ月間継続入院しているという患者に限るわけですか。それとも途 中からでも日数であれしているわけですか。 ○武久委員  それは3カ月たった人ですね。 ○池上分科会長  じゃ3カ月継続…… ○武久委員  以内で書いた人は入っていないです。 ○池上分科会長  つまり3カ月継続入院している方で、その月ごとの平均を出して、そこで最初の月と3 カ月目。 ○武久委員  そうです。 ○池上分科会長  そうすると、細かいことで恐縮ですけれども、1月目と2月目では、2月目はよくなっ たけれども、3カ月目には再び1カ月目と同じになったという場合には。 ○武久委員  十分そういうことも考えられますし、それはいろいろなとり方がありますけれども、当 然1カ月以内でよくなって帰られる人もいますし、1カ月以内で悪くなって亡くなる人も いますけれども、一応継続して3カ月というインターバルで調査の基準を制限した上でや っております。だから、これは、先生おっしゃるように、評価票が毎月提出されれば非常 に明らかになると思います。 ○池上分科会長  すみません、私の質問は、3カ月にわたって一貫して医療区分の平均が上がる、改善す る場合もあるし、中間の月はよくなったり悪くなったりするけれども、最終的には最終月 と最初の月を比べていらっしゃるのかどうかということなんです。 ○武久委員  そういうことです。 ○池上分科会長  じゃ最初の月と終わりの月を比べて、真ん中の月が上がったり下がったりするというこ とは、これは…… ○武久委員  当然それは調べれば分かりますけれども、基本的にこの表としては、一応3カ月ぐらい、 90日と計算してやっておりますので、途中でよくなってまた悪くなった例も、途中で悪 くなってよくなった例も含まれております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。どうもすみません。  これについては、ほかに御質問ございますでしょうか。  これについても、ちょっと時間の関係で、恐縮です。もし何か御質問、コメントござい ましたら、事務局を介して武久先生にお願いしたら、次回までに御回答いただけるという ことでよろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。  では、続きまして、事務局より平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査結 果について、報告書骨子(案)が提出されております。  それでは、事務局から説明をお願いいたします。 ○佐々木課長補佐  では、慢−8の資料、1枚ものでございます。  これは、次期改定に向けまして、前回20年改定の際にも18年の慢性期調査という結 果をまとめていただき、それは基本問題小委のほうに報告をしていただいておりますので、 今回も分科会での議論をまとめていただいて、報告書としてまとめていただくというよう なための骨子ということでございます。  目次のようなものでございますけれども、これまでの経緯とか調査対象。調査対象とい うのは、基本的に、慢性期分科会でございますので、医療療養の慢性期の調査の部分につ きましての議論と。それから、結果概要としまして、さまざまな分析、宿題等いただきま したので、それらの結果を踏まえて、患者分類の状況でありますとか、医療療養病棟の入 院料の算定の状況、それから1人当たりの費用、職員配置、病床転換の状況、入退院患者 の状況、提供されている医療サービスに関する状況など、こういうものにつきまして取り まとめをさせていただくと。  それから、その他ということで、前回の分科会から御議論といいますか、していただい ております一般病棟の一部のということで、そういった議論も今回の分科会で議論いただ いたことについてまとめていただくというようなことでございます。  今後の課題ということで、例年このような形で今後の課題というようなものを最後提案 していただいておりますので、大体ここにお示しさせていただいたような骨子でよろしい かどうかということについて本日御議論いただきまして、次回以降、この骨子に基づく報 告書(案)の御議論ということをお願いできればということを思っております。  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  では、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。 ○武久委員  このその他のところですけれども、一般病棟の一部における慢性期入院医療の状況とい うのは、前回のときにも、今回もちょっと修正して結果が出ましたけれども、慢−6です けれども、これを見ると、一般病棟の13対1、15対1の患者さんであるのに、医療区 分をちゃんと計算しているのですね。 ○池上分科会長  いや、これは違います。これはこの医療課で行った調査票に基づいた結果だと思います。 ○武久委員  もちろんそうですけれども、医療区分の1、2、3を判定できるのですね。ということ は…… ○佐々木課長補佐  それにつきまして、ちょっと補足で御説明をさせていただきます。  今回の一般病棟の調査では、基本的に慢性期の入院医療包括評価の調査と同じような様 式を用いて調査をしておりますので、ある意味それを用います医療区分とすればこうこう ということで算出できると、こういうことでございます。 ○武久委員  ということは、要するに一般病床の方が協力してその患者さんは医療区分の何に当たる かを推定して出していただいたということですね。 ○佐々木課長補佐  こちらのほうは調査票を、慢性期の患者調査と同じようなものを送っておりますので、 それを埋めていただいて、それをもとに事務局のほうで患者調査の結果を踏まえれば区分 はどこということで判定して分けていると、こういうことでございます。 ○武久委員  ということは、元資料を書くことはできているわけですから、一般病床の90日以上の 約20%いる慢性期入院患者さんの病態は、医療区分、医療療養病床とよく似ているとい うことですから、それを医療区分を適用しても、別に現場ではそれに対応することはでき るというふうに私は理解したのですけれども、それであれば、池上先生がお考えになった 医療区分、患者分類を、慢性期医療分科会ですので、医療療養だけに限定して使うよりも、 同じような患者さんであれば、一般病床でも使っても、調査をしたらちゃんと対応できる 能力もあるし、またそういう協力体制にあるということですから、そういうこともちょっ と考慮していくということも一つの方法かと思います。 ○池上分科会長  という御意見をいただきました。それに対していかがでしょうか。  どうぞ、猪口委員。 ○猪口委員  基本的にね、医療療養が例えばああいう形の医療区分が導入されるといったときに、や はりじゃ自分たちの仕事がこう変わるよといって、医療区分1が50%から30%、20 %と減っていっているという事実があるわけですね。それは、物事が決まるときに対象者 をこういうふうに絞り込もうという行動が起きているわけですよ。  だから、もしそういうようなお話をするのだとすると、医療療養で医療区分を入れたと きのように、もっと大々的に一般病床における慢性期の在り方とか、中長期入院のどうい うものがあれなのか。除外規定を入れたときのことを今ちょっと思い出していたのですが、 余りきちんとした調査を行わずに除外規定の項目が決められていったように思います。や るのでしたらそこのところにやはり振り返って、きちんとした除外規定というのはどうい うものであるべきなのか。  それから、やはり今は一般病床で除外規定になるとこういうことだということで、そこ の病院さんはそういう患者さんに対応しているわけですから、やはりそこの前提をもう少 しきちんと。だから、やるならば除外規定を今後どういうふうに見ていくのか。この間も 除外規定をちょっと、脳卒中とか認知症でそれを外そうとして、それを外さなくなったと か、そんな過程もあったように思いますので、ですから、そこのところはもう少しデータ をちゃんとそろえて、それで、ひょっとすると13対1、15対1じゃなくて、7対1、 10対1だってやはりどうしても出せなくて入院している患者さんもけっこういるはずで すよ。  だから、そういうところも考えて、それで、ひょっとすると、じゃ一般病床って何なの という話にもなるかもしれない。だから、急性期なの、一般病床は急性期かというと、多 分法的にいうとそうではないので、だから、そういうところから少し議論しないと、今1 3対1、15対1のこの一部分の20%があれだからそこは変えとけと、そこはちょっと 議論が違うのではないかと。やるならもっと大きい議論に持っていくべきだと僕は思いま すけれども。 ○武久委員  いやいや、私が言っているのは、15対1、13対1の20%のところを医療区分入れ てほしいとか、入れるべきだなんていうことは一言も言っていない。ただ、能力的に、ち ゃんと医療区分1、2、3が判定できるような資料をちゃんと誠実に出していただける協 力があるし、また現実にそれを判定できる能力があるということを言っているだけであっ て、だからといって、直ちに22年度から医療区分を一般病床のそこに導入するべきだと いうことも言っているわけではありません。そこのところは間違わないようにですね。そ の請求にそこまで持っていくのが適切かということもありますし、また先ほど猪口先生言 いましたけれども、特定除外については、昨年10月からは出すということが決まったと きに佐藤課長がちょうど就任されましたけれども、退院を前提とした状況をつくってやっ ていけば経過措置をするというただし文があったと思いますので、そのただし文のままで ずっといくのかですね。  むしろ私は、そのただし文をのけて、猪口委員がおっしゃったように、一般の中にそう いう慢性期高齢者がまざってくるのは当然だと。私も当然だと思うし、まざっていたらい けないこともないと思うのですけれども、それであれば、そういうただし書きをのけて、 むしろ医療区分を導入するなり、ただし、導入しても看護婦さんの割合が多いわけですし、 医者も多いわけですから、それは当然同じ点数じゃなしに、当然傾斜はつくと思うのです けれども、そういう形にしたほうがむしろ堂々と見られるのではないかというふうに思い ますし、また逆に医療区分2、3が多いということになれば、医療区分1で一般病床でい る人がミスマッチングということでだんだんに介護保険施設のほうへ移っていくというこ との傾向に進むのではないかというふうにも思いますので、より一般病床がより一般病床 らしくなるというステップになるかというふうに理解しているのですけれども、直ちに2 2年がどうのこうのということを私は言っているわけではありません。 ○池上分科会長  ちょっとその前に、この議論は、これは一般病床に対する扱いをどうするかというのは この分科会で議論しても、これはそもそも分科会で議論すべきことではなくて、基本問題 小委員会で議論することであって、今検討いただいておりますのは、こういった内容の報 告書(案)として提示した内容のものを報告書に入れていいかどうかということについて の議論で、これについてはよろしいでしょうか。すみません、ちょっとどうあるべきかと いうことについてはここの分科会では結論といいますか、提言も難しいのではないかと思 いますので。  どうぞ、すみません、椎名委員。 ○椎名委員  先ほど来からの議論についてですが、一般病棟で提供される医療の実態調査の集計結果 につきましては、前回私欠席して、議論には参加できなかったのですけれども、後で調査 票と資料等を見せてもらって、これはまた非常に意外な調査だという感じがしたわけです ね。  この分科会との関係で、こういった調査がやられていて、この分科会に提示されたと。 医療課独自でやられた調査なのでしょうけれども、この分科会との関係性、それが今ひと つ分からなかった点と、統計的にきちんとしたことが言えるような調査になっているのか どうか、2つちょっと疑問に思いました。  したがって、基本的に一般病床にどんな患者さんが入っているのかと、それに関しては、 一連で同じスケールで調査してみようと。それに関して基本問題小委員会の意見をもらお うということで挙げて、それで基本的に中長期的な課題としてオーケーと、そういう整理 になっていると思うのですよね。  ですから、今回この一般病棟の調査に関しては、この分科会としては、載せるにしても、 あくまでも前提を置いた参考のデータとしての扱いであるべきでありますし、今後、一般 病床にどんな患者さんが入っているのかと、それは先ほど猪口委員が言われたように、き ちんとしたデータをそろえた上で議論する必要があると。ですから、これは次年度以降の テーマになるのかなと、そういうふうに思います。  結論から申し上げますと、この分科会の報告書に載せるのは構わないけれども、あくま でも前提として参考データという位置付けで載せる必要があると思います。 ○池上分科会長  すみません、ちょっとその参考データというのについて、言ってみればこれは全部参考 データでありまして、これで政策が決定されるわけではないので、もう少しそれはどうい う観点か…… ○椎名委員  ですから、今いみじくも分科会長が言われたように、この20年度の慢性期入院医療の 調査、この辺についてもきちんとした、これはIのこれまでの経緯の中でいうのかどうか 知りませんけれども、あくまでも分科会としては関知していなくて医療課が独自にやった 調査を分析した結果こうだったと、そういう前提を置くべきだし、また一般病棟の調査結 果も同じような前提で、同じ延長線で記載して分科会長報告にすると、そういう必要があ ると思います。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○武久委員  だから、これは慢性期医療分科会は、医療療養病床の診療報酬についてのみいろいろな ことを検討するというのから、一般病床や介護保険施設も含めて、慢性期医療の全体を見 るということで、池上先生と高木先生が基本問題小委員会にお話しにいって、今回は一般 病床について検討してみようということになった経過の上での結果ですので、要するにこ ういう結果でしたということをそのまま、参考であろうとなかろうと出されればいいので はないかと思いますけれども。 ○池上分科会長  私が申し上げたことは、医療療養病床に関する調査も当分科会の指導のもとに行われた 調査ではありませんので、これも医療課の独自の政策的判断でなされた調査ですから、い ずれにしても参考の値になるのではないかということを椎名委員に申し上げた次第です。 ○椎名委員  両方ですか。 ○池上分科会長  ですから、一般病棟の調査が参考で、療養病棟が参考というわけではないということを、 それは両者ともそういう観点からすれば参考であるし、この分科会で議論したという点か らすれば、両方ともこの分科会の報告書に掲載してよろしいのではないかと私は判断いた しますが、そういうことでよろしいでしょうか。  どうぞ。 ○三上委員  これの主な結果というのは医療療養病床のデータですね。その他のところが一般病床の データですね。この一般病床のデータでも、いわゆる提供されているとか、あるいは患者 特性であるとか、そういったものが出てくるわけですけれども、患者1人当たりの費用の 状況も、一般病床のも出ればありがたいなと思うのですけれども。 ○池上分科会長  それは事務局、いかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  今回、一般のほうは、コストという意味では、全く同じような形でやるためには、実は タイムスタディということでどのぐらいのお医者さんなりスタッフがどう働いているかと いうことのデータがないと、今慢性期のほうは同じように出していますけれども、そうい うものを出すためにはちょっとデータが若干不足しているかもしれませんので、ちょっと どこら辺までできるかどうかというのはございますけれども。 ○三上委員  医療区分に当てはめたのでしょう、これはレセプトから。だから、そのときにはどうい う行為をしているかということで医療区分に当てはめたのではないですか。 ○池上分科会長  レセプトではないですね。 ○高木分科会長代理  コストデータがないんですよね。一般病棟の13対1、15対1はやっていいませんか ら。慢性期は2年前ので強引にやれるけれども、一般病棟はできないという話でしょう、 今のは。ですよね、多分。なら分かります。 ○池上分科会長  そういうことでございますけれども。  どうぞ。 ○高木分科会長代理  最後、時間があるので。確かに、この調査に僕らはかかわっていないのですけれども、 医療課がやって、お金をかけているのだから全部公表してほしいと私は思いますので、こ ういう形で載せることの意味はないと私はつけ加えたいと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、今日初めて骨子(案)が出ましたので、また意見等ございましたら事務局へ お寄せいただくということで、これをもとに報告書の作成に入っていただきたいと思いま すが、よろしいでしょうか。 〔「結構です」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、本日の議論は以上としたいと思います。  事務局から連絡事項などございますでしょうか。 ○佐々木課長補佐  次回、また日程調整、追って調整をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○池上分科会長  それでは、平成21年度第5回診療報酬調査専門組織(慢性期入院医療の包括調査分科 会)を終了させていただきます。  本日はお忙しい中ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3289)