09/07/31 第2回障害支援区分の在り方等に関する勉強会議事録 第2回障害支援区分の在り方等に関する勉強会議事録 1.日時 平成21年7月31日(金)13:00〜15:00 2.場所 三田共用会議所3階A・B会議室(東京都港区三田二丁目1番8号) 3.出席者 全国身体障害者施設協議会 真下 宗司構成員 日本知的障害者福祉協会 小板 孫次構成員 日本精神科病院協会 花井 忠雄構成員 全国精神障害者社会復帰施設協会 高橋 忍構成員 全国社会就労センター協議会 阿由葉 寛構成員 全国地域生活支援ネットワーク 田中 正博構成員 日本身体障害者団体連合会 松井 逸朗構成員 日本盲人会連合 笹川 吉彦構成員 全国脊髄損傷者連合会 大濱 眞構成員 全日本手をつなぐ育成会 大久保常明構成員 九州授産施設協議会 佐多 京子構成員 DPI日本会議 尾上 浩二構成員    全日本ろうあ連盟 小中 栄一構成員 日本障害者協議会 石渡 和実参考人 全国精神保健福祉会連合会 良田かおり構成員 日本発達障害ネットワーク 山岡 修参考人    【事務局】    木倉障害保健福祉部長 藤井企画課長 中島障害福祉課長    福田精神・障害保健課長 他 4.議題 障害支援区分開発の考え方について 5.議事内容 ○林課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第2回「障害支援 区分の在り方等に関する勉強会」を開催いたします。  御出席の皆様におかれましては、御多忙のところ、また暑い中、お集まりいただき まして誠にありがとうございます。  本日の出席予定者につきましては、座席表と出席予定者の表を配付いたしておりま すので、時間の関係もございますので、これをもって御紹介に代えさせていただきま す。  なお、本日は、日本発達障害ネットワークの田中構成員の代理として山岡参考人に、 日本障害者協議会の佐藤構成員の代理として石渡参考人にそれぞれ御出席いただい ておりますので、その旨、御報告をいたします。  また、大濱構成員におかれましては、少し遅れていらっしゃいますけれども、追っ て御到着と伺っております。  事務局の方から御報告がございます。7月24日付で人事異動がございました。  まず、福島精神・障害保健課長の後任として福田祐典課長が着任をしております。 ○福田精神・障害保健課長 福田と申します。よろしくお願いいたします。 ○林課長補佐 続きまして、藤井障害福祉課長の後任の中島誠課長でございます。 ○中島障害福祉課長 中島でございます。よろしくお願いいたします。 ○林課長補佐 また、蒲原企画課長の後任には、藤井前障害福祉課長が着任いたしま した。 ○藤井企画課長 引き続きよろしくお願いいたします。 ○林課長補佐 本日からこのメンバーで進めてまいりますので、どうぞよろしくお願 い申し上げます。  お手元に資料をお配りいたしております。議事次第の下に配付資料の一覧を掲載し ておりますけれども、議事次第に続きまして、出席予定者名簿、構成員名簿、資料1、 資料2、参考資料1をまとめて綴じたもの、参考資料2花井構成員資料、参考資料3 として第1回の勉強会議事録、このほかに、尾上構成員から2枚の紙を構成員の皆様 には先ほど配付させていただいたところでございます。資料の不足、落丁等がござい ましたら、事務局までお申出ください。  それでは、議事に入りたいと思います。まず、事務局から提出させていただきまし た資料1、資料2、参考資料1を通して説明させていただきました上で、その後、質 疑応答、また意見交換を行えればと考えております。  それでは、資料1「障害程度区分の見直しの進め方について」という表紙の資料に 3つまとめて綴じておりますので、それを基に御説明をさせていただきたいと思いま す。  前回の勉強会におきまして、さまざま御意見をちょうだいいたしました。障害程度 区分の見直しの進め方についての御意見、あるいは制度論全般、障害程度区分の使い 方についての御意見、いろんな御意見をいただいておりますけれども、この勉強会に つきましては、障害支援区分、もしくは障害程度区分の見直しをどう進めていくか、 特に調査をどう進めていくかを中心に議論をするという位置づけでございますので、 その部分についてどう進めていくのかということを中心に資料をまとめさせていた だいております。  まず、1ページ目「基本的な考え方」といたしまして、前回、口頭でも御説明させ ていただいた内容でございますが、改めてここに明示をさせていただきました。  まず、障害程度区分につきましては、介護保険との整合性を考慮することなく、さ まざまな障害特性を反映するものとなるよう、抜本的な見直しを行うこと。  2つ目に、障害程度区分は心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を 示すものであって、個々の障害者のニーズは障害区分程度のみによって決められない こと。  障害程度区分には限界がございます。したがって、障害程度区分は、今後とも支給 決定における勘案事項の1つとして用いる。また、障害程度区分のみによるサービス の利用制限は行わない。こういう前提で新しい障害程度区分の開発を行う。こういう 考え方でございます。  続いて2ページ目、それでは、障害程度区分ないしは障害支援区分をどのように開 発を進めていくかということでございますけれども、まず1つ目のポツでございます。 障害程度区分の認定においては、障害者の心身の状態像を測定して支援ニーズを推計 するという方法。これは、現場で市町村が認定を行うときには、支援ニーズを直接計 測するということではなくて、心身の状態像を現場で測定していただいて、そこから 支援ニーズを推計するという方法を取るという意味でございます。  現場でそのようなやり方を取っていただくためには、国のレベルでは、心身の状態 像から支援ニーズを推計するというツールが必要になります。このために、一次判定 方法の開発を国で進めていくに当たっては、障害者の状態像、支援ニーズ及び両者の 関係を多くの障害者の方々に関して調査をさせていただいて、その関係を測るための ツールをつくっていく、こういうことが必要になるわけでございます。  2つ目、支援ニーズの調査におきましては、ここは今回大きく抜本的に見直すとこ ろでございますけれども、「時間」で測定できる実際の支援量とともに、「時間」で は測定できないと考えられる支援ニーズについても測定をして、この両者と状態像と の関係を明らかにすることによって、一次判定方法に反映をさせるという考え方でご ざいます。  したがって、「時間」では測定できないと考えられる支援ニーズについて、どのよ うに測定していくのかということが大きなポイントであるわけでございますけれど も、これについては、本日、この後の資料で提案をさせていただきたいと考えており ます。  3つ目に、多様な障害特性を反映できるよう、支援ニーズの把握に当たっては、さ まざまな支援領域、ここで例示として挙げておりますものは、ADL、IADL、社 会生活、発達の支援、行動関連、精神症状への支援、コミュニケーションへの支援な どがございますけれども、その障害特性を反映できるようなさまざまな支援領域につ いて、きめ細かく把握していってはどうかと考えております。  また、施設における支援だけではなく、在宅における支援ニーズについても把握で きるよう、在宅で生活される障害者についても調査を実施したいと考えております。  最後の5個目ですけれども、一次判定方法の開発には試行も含めて約3年の時間が 必要と考えております。できるだけ早期に開発のための調査に着手することとし、実 際にこの調査が終わって、分析をして、一次判定方法を構築していくときには、調査 結果の分析を踏まえた上で、節目節目で皆様方を含め関係者の御意見を伺いながら実 施をしていきたいということでございまして、この勉強会では、どうやって調査をす るかということをまず御議論いただければと考えておる次第でございます。  これを踏まえて、3ページ目に「障害支援区分・一次判定方法開発調査について」 というペーパーでございます。これは、市町村でどういう認定調査を行うかという紙 ではございませんで、その判定方法を開発するに当たって、国のレベルでどういう調 査をまず行うかというものでございます。  1つ目に、調査対象となった施設入所または在宅等の障害者等に対して、大きく分 けると2つの調査、1つは障害者の状態の調査、1つは支援の実態の調査を行うとい うことでございます。障害状態調査は、状態調査票によって、その対象者の状態を調 査するもの。イの支援実態調査につきましては、中でも大きく2つの調査を考えてお りまして、1つ目に、実際に提供されている支援量を把握する調査。仮に「支援量実 測調査」と呼ばせていただきたいと思います。もう一つが、時間で測定することが困 難な支援を含めた支援のニーズを把握するための調査。これを仮に「支援ニーズ推定 調査」と呼ばせていただきます。  この「障害状態調査」、そして「支援実態調査」、こちらの中には2つありますけ れども、この両者の調査結果を突き合わせることで、障害者の状態と支援との関係に ついて、その相関を分析するというものでございます。  この調査を用いて、障害者の心身の状態から推計できる部分の標準的な支援の度合 を推計できる、そういうツールの開発を進めていくわけでございます。  3枚目の下のところに「心身の状態」から「標準的な支援の度合」という矢印がつ いておりまして、少し誤解を招いているところもあるようでございますけれども、前 回の資料でもお示しいたしましたように、障害者のニーズというのは心身の状態だけ で決まるものではないということを私どもは十分認識しておりまして、障害支援区分 の定義としては、障害者の障害の多様な特性、その他の心身の状態に応じて必要とさ れる標準的な支援の度合を総合的に示す区分ということで、今回出させていただいた 法案の中でも定義をさせていただいております。心身の状態以外にもいろんな要因が あるわけでございますけれども、その中でも心身の状態から推計される部分の必要な 支援の度合の目安というものが、この障害程度区分ないしは障害支援区分に反映をさ れるものだと考えております。  4ページ目「障害特性に応じた一次判定方法の開発に向けた調査における課題と対 応」でございまして、実際に調査を進めるに当たっては、前回、皆様方にいただいた 御意見も踏まえて、どのようにこの区分の開発を今あるものよりよくしていくために 対応していかなくてはいけないのかということを、私どもといたしましても、方向性 というところで少し考え方を練らせていただきました。  まず、判定方法の枠組みについて、介護保険の要介護認定を基礎とした判定方法で は、十分に障害特性が反映されていないのではないかという御意見をいただいており ます。  これにつきましては、介護保険の判定方法を用いず、根本的に見直して、独自の判 定方法を開発することが必要だと考えております。  次に、状態像の調査手法について、これは1つ前のページで言うとアの障害状態調 査に対応するものでございますけれども、主な課題としては、介護保険の状態調査項 目を基礎とした現行の調査項目では、障害者の特性を十分に把握できていないのでは ないかという課題がございます。  対応の方向としては、開発の段階におきましては、国で調査を行う段階においては、 障害者の特性を把握できますように、状態調査項目の選択肢や把握の方法を見直す。 例えば、今、全面介助、一部介助というふうになっている部分を、障害者の特性によ っては、ときどきできるという特性が反映できないという御指摘があるわけでござい ますけれども、そういった選択肢をつくっていくといった意味でございます。そうい った選択肢、把握の方法を見直すといったこと。また、新しい状態調査項目の候補と なる項目を現在の106項目に追加して調査をすること。こういったことを行って、そ れらの項目が支援ニーズの大きさに関連があるかどうかを調査の中で調べていきた いと考えております。  その上で、新たな一次判定に用いる状態調査項目を多くの調査項目の中から選んで、 本当に支援ニーズの大きさに関連がある項目を新しい一次判定に用いるということ で、項目自体が増えるかどうか、あるいは減るかどうかということは、また分析をし た上でということになりますけれども、新たな一次判定に用いる状態調査項目を選ん でいきたいと考えておるところでございます。  5ページ目「支援ニーズの調査手法について」です。これは、3ページで言うとイ の支援実態調査に対応するものでございます。主な課題として、皆様方からも述べて いただいている課題が幾つかございます。社会生活の支援やコミュニケーションの支 援なども含め、障害者のさまざまなニーズを把握すべきであるといったこと。  特に精神障害・知的障害では、障害を代替するニーズだけではなくて、障害者を支 持するようなニーズ、また、障害者の発達を促すようなニーズについても評価をすべ きではないかといった御意見がございます。  支援実態調査においては、これらの支援にもしっかりと着目をして、その実態や、 必要とする支援の度合を把握することが必要であると考えておりまして、例えば、支 援の分類にきちんと位置づけて、そのような支援に着目して計測をするといったこと が必要になると考えておりますが、それをどのようにやっていくかということについ て、本日もディスカッションができればと考えております。  更に具体的な御意見について、下の欄を御説明いたしたいと思います。施設におけ るタイムスタディという手法では、支援のニーズが過小評価されることがあるのでは ないかという御指摘がございます。  例えば、施設においては、多くの障害者の方がともに生活をしていらっしゃいます ので、1人で数人の見守りをするとか、何十人の見守りをするといったように、支援 のスケールメリットがある場合がございます。これまでの手法によりますと、1人で 数人の見守りをしていた場合の支援の時間というのは、数分の1という重みをつけて 計上されておりますので、仮に1対1で見守りをした場合と比べると過小評価をされ ているということでございます。  また、在宅ではケアが実施されるけれども、施設では実施する必要がない場合、例 えば、戸締りをするかどうか、施設では見る必要がないといったことがございます。 施設の現行の人員配置を前提とするため、障害者のニーズを満たすサービスが提供さ れていないような場合があるのではないか、こういった御意見もいただいているとこ ろでございます。  これらの点につきましては、まず、施設だけではなく、在宅の障害者についても調 査を行うことによって、在宅における支援量と支援ニーズについて調査を行っていき たいと考えております。  また、実測された支援量だけではなく、専門家によって推定される支援ニーズにつ いても調査を行うこと。  これらの調査を比較検討して、例えば、在宅で生活した場合の支援ニーズについて もきちんと反映されるように工夫をできないかと考えているわけでございます。  3つ目の欄に、見守りや環境調整等の予防的支援についても把握して評価するべき ではないかという御意見を掲げさせていただいております。  これにつきましても「支援量実測調査」及び「支援ニーズ推定調査」の両者におい て、見守りや環境調整等の予防的支援、こういったものもきちんと着目をして、その 実態やニーズを把握していきたいということでございます。  続きまして、6ページの主な課題、あと2つございますが、現に実施されていない が、行うことが望ましい支援についても把握すべきではないかといった御意見がござ います。  今回、「支援量実測調査」だけではなくて「支援ニーズ推定調査」を御提案させて いただきまして、この中では、どれぐらいの支援ニーズかということを専門家のお考 えに基づいて推計をするという調査を提案いたしておりまして、評価をされる専門家 の皆様が必要だと考えられるものについては把握ができると考えております。したが って、その評価をされる方がたくさんになると思いますけれども、その方々が皆さん、 コンセンサスを持って必要だとされる支援ニーズについては、この調査の中で把握で きるのではないかと考えております。  なお、専門家の方々がそのように考えていらっしゃらないものについては、調査を しても確かに出てこないということになるのではないかと考えます。  最後に、支援の量だけではなく、人件費に反映されるような支援の質も把握すべき ではないかという御意見をちょうだいいたしております。これにつきましては、職種 ごとの人件費、例えば、看護師であるとか、あるいは福祉系の職種もさまざまござい ますけれども、そういった職種ごとの人件費によって支援量の重みづけを行うことに ついてどう考えるか、これについては皆様方のお考えもお聞かせいただければと考え ております。事務局としては、どういった職種が提供されているのか、あるいはその 職種の人件費がどうであるのかといったことを調査に組み込むことについては、技術 的には難しくないと考えておるところでございます。  資料1を御説明させていただきましたが、資料1の3ページの中で大きく2つの調 査、細かく分けると3つの調査を御提案いたしておるところでございますけれども、 本日はこの中で「支援実態調査」の中の[2]の「支援ニーズ推定調査」という部分につ いて、これは新たな御提案になりますので、少しその骨格をお示しをさせていただい て、皆様の御意見を伺った上で、更に具体的なところを考えていきたいと考えており まして、資料2を御説明をさせていただきます。  「支援ニーズ推定調査(仮称)の実施方法について(案)」というペーパーでござ いますけれども、まず「概要」として、障害者が受ける支援を把握するに当たり、現 に行われている支援量の測定以外の方法により支援ニーズを推定するため「支援ニー ズ推定調査」を実施するというものでございます。  「2.評価者」は、どういう方がこの支援ニーズを推定する、評価をするのかとい うことでございますけれども、障害者特性に応じた支援に知見を有する外部評価者が、 障害者御本人の状況をアセスメントするとともに、例えば、家族とか、施設の職員と いった支援者の方とも面接をしていただいて、その意見を十分に聞いた上で評価して はどうかというものでございます。  3番目に、何を評価するのかということでございます。支援のニーズを評価するわ けでございますが、その方の支援ニーズを総合的にまとめて評価をするだけではなく て、多様な障害特性をきめ細かく反映できるように、さまざまな分野に分けて、どの 程度のニーズがあるのかということを評価していただいてはどうかと考えているも のでございます。  例えば、右に掲げさせていただきましたように、ADL、IADL、社会生活、健 康管理、発達・学習支援、行動関連、精神症状への支援、コミュニケーション支援、 これはたたき台として出させていただいているものでございますけれども、こういっ た領域に分けた上で、それぞれのニーズがどれぐらいかということを推計していただ くというのはいかがでしょうかというものでございます。  また、この領域につきましては、更にこういった領域があるのではないかといった ことを細分化する必要があるか、これらの評価領域があるか、あるいは似たものは統 合すべきではないかといった御意見があれば、ちょうだいできればと考えております。  3ページの「評価スケール」でございます。そういった領域ごとに支援ニーズの大 きさを評価していただくわけでございますけれども、最終的に標準的な目安を見るた めのツールに反映させていくという目的を考えると、これを点数化していただくこと が必要になってまいります。どのようなスケールで評価を行うこととするか、また、 これらを包括的な指標であらわすことができるかといったことがポイントになりま す。  これまで、皆様方の御意見の中で、評価をすべきではないかという内容については、 例えば、例1の支援の頻度であるとか、例2の支援の1回当たりの時間であるとか、 例3の支援の種類、見守りであるか、身体介助であるかどうかとか、あるいは例4に ありますように、部分的な介助か全面的な介助か、あるいは一般的な介助か専門性の 高い介助か、そういったことで支援のニーズの大きさが決まってくるといった御意見 をいただいております。  これらを総合的に、例5にありますように、支援ニーズの大きさとして、例えば、 何点満点で何点といったような測り方をしていただくことが考えられるわけでござ いますけれども、この部分についても皆様方の御意見をいただければと考えておりま す。  最後の4ページが「支援ニーズ推定調査」で、今、申し上げたことをイメージ図に あらわしたものでございます。当該障害について知見を有する評価者が障害者や支援 者に会っていただき、また話を聞いていただいた上で、領域ごとに支援ニーズの大き さを点数化していただいてはどうかということでございます。また、見守りとか、予 防的なかかわりについても、各領域の支援ニーズの中に含めて計測をしていただくこ と。また、これとは別に、その方の総合的な評価、どれぐらいの支援ニーズがあるか ということについての総合評価を、領域ごとの点数とは別に計測をしていただくこと。  このような調査を数千人規模で実施することによって、多様な障害特性に応じた支 援ニーズを調査してはどうかと考えております。この調査については、施設、在宅、 いずれの障害者についても実施することで、在宅の方の支援ニーズについてもしっか りと把握をしていきたいということでございます。  資料の御説明は以上でございまして、参考資料1としては「現行の障害程度区分の 開発の経緯」ということで、どういうふうに開発をされたのかという資料を付けさせ ていただいております。これにつきましては、これまで構築してきた障害程度区分の 判定方法がどういったものであるかということを御紹介した上で、今後、どういった ところを直していくべきかということを一から考えていただくための御参考として いただくために添付をさせていただいているものでございます。  資料の説明は以上でございますが、これからの時間、御質問、御意見など、ディス カッションができればと考えてございます。  本日、マイクを皆様のお手元に置かせていただいておりますが、マイクの真ん中の ボタンを押すと赤いランプが点きます。そうするとマイクが入ります。御発言のとき にはボタンを押していただいて御発言いただき、終わったら同じスイッチを押してい ただいて切っていただければと考えております。  それでは、御質問、御意見などございましたら、挙手をお願いいたします。  どうぞ。 ○花井構成員 日本精神科病院協会ですが、2点について御意見を伺いたいと思って います。  1つは、介護保険との整合性を考慮することなく抜本的に見直すということになっ ているんですが、整合性を考慮することなくということは、考え方も含めて、介護保 険のときの発想を転換する必要があるんではないだろうかと思っているんです。とい うのは、介護保険の場合には高齢者介護中心ですから、状態像がある程度あって、そ れに対して必要な支援量というのは、ある意味では比較的近似的に、パラレルになる 可能性があると思うんですが、その介護保険と全く無関係に障害者の支援像を考える 場合には、心身の状態像が比較的同じであっても、そのニーズは個々によって全く違 うわけです。ですから、個々の状態像と支援の必要度、ニーズというのはパラレルに なるという前提を一回払拭していく必要があるんではないだろうか。それをパラレル にしようという前提は、やはり介護保険の整合性というか、そういう考え方がそのま まきているんではないかという気がしてならないんです。ですから、精神だけではな くて、障害福祉の場合には、心身の状態からニーズを推定するというのはちょっと難 しいんではないだろうかと思っているので、その点がどうなのかというのが1点です。  もう一点は、我々が今まで考えてきた中で、特に区分の利用がどういうふうにされ るのか、いろんな議論がありましたけれども、我々が一番よくわからないというか、 ああ、そうなのかなと思ったのは、実際、国費として支給される福祉サービス費とい うんですか、サービス単価というんですか、それを計算する根拠になるんだ、だから タイムスタディでもって時間で測って積算根拠を明らかにする、区分はそういう役目 を持っているんだというふうな説明をずっと我々は受けてきたんです。その考え方を 今後も踏襲していくとするんであれば、今、説明をされた総合ポイントとサービス単 価の積算根拠がどういうふうに結びついていくのかがわからなくなってくるという 現状だと思うんです。だから、その辺の説明を2点、お願いしたいと思います。 ○林課長補佐 まず、1点目、心身の状態からニーズを推定するのは難しいのではな いかという御指摘でございます。今回の資料は障害程度区分そのものについての資料 だけに絞らせていただいているので、今回の資料については給付決定の見直しの資料 は入れておりませんけれども、前回御説明をさせていただいたように、給付決定にお いて心身の状態から考えられる、その目安以外に、環境要因であるとか、利用意向で あるとか、さまざまな要因があることは私どもも当然認識をしておりまして、心身の 状態とニーズをパラレルにとおっしゃいましたけれども、そういうふうに考えている ものでは決してないわけでございます。あくまでも心身の状態から推計できる部分の ニーズを障害程度区分に反映させる、そして、どれだけサービスを提供するかという ことについては、障害程度区分と、それ以外のさまざまな要因をすべて勘案して決め るということでございます。  したがって、ニーズを推計する上で、心身の状態が全く関係ないということであれ ば要らないことになるのかもわからないわけでございますけれども、そうは言いまし ても、ニーズを考える中で、心身の状態がどうであるかということが大きな部分を占 めているということではあるんだと思いますので、そういう意味で、心身の状態を反 映した目安が必要なのではないかと考えております。 ○藤井企画課長 それから、報酬の定め方との関係は、確かに今の報酬は、すべてで はありませんけれども、幾つかの局面で、区分で分けたような報酬の単価を設定をし ているわけです。ただ、単価そのものの設定の仕方は、御案内のように区分だけでも って決めるものではなくて、もともとの配置基準ですとか、そういったものも勘案し て決めておりますので、それだけでもって決めるというものではないと思っておりま す。次回の報酬改定の際には、報酬の決め方そのものもいろいろ御相談しながら、御 意見を伺いながら、また考えていくんだと思います。 ○林課長補佐 ほかにいかがでございますでしょうか。  どうぞ。 ○小板構成員 今回、1つ、支援ニーズの推定調査ということで新しい提案があった わけなんですけれども、その前に身体の状態調査と支援実態調査、支援の実測調査、 この3つの調査を合わせたいということが書かれてあるわけです。  状態調査については、従来の身障手帳とか、療育手帳とか、そういったものが利用 できないかということが1点。  それから、実態調査については、推定調査をすればいいのではないかと思います。 最終的には支援ニーズを推定するということが最大の課題だろうと思いますので、そ んなふうな格好でいかがかと思いますが、いかがでしょうか。  もう一つは、資料2に評価者についてということがありますが、障害特性に応じた 支援に知見を有する外部評価者とは、どういった人を想定されているのかをお聞きし たい。  もう一つ、評価領域ということで、作業とか、生産活動というのは全くないわけな んです。実際には、今、現行の障害程度区分については、介護給付を必要とする人だ けを調査をしている。訓練等給付をする人については、その人の希望によって、そち らへ行きたいと言えば、それをやっていないという実態があるわけです。これはどう も納得がいかない話なんです。言ってみれば、この支援ニーズというものはすべての 人にあるわけであって、そこのところはきちっと、すべての人を対象にすべきだと理 解をするわけです。そうしますと、結果的には、例えば、訓練等給付とか、あるいは 介護給付というのは自立支援給付になっていかざるを得ないことになってくるわけ ですが、その辺もいかがでしょうか。  もう一つは、障害者のライフサイクルというのは、非常に今、いろいろ言われてき ているわけです。このときに、評価領域の分野の中で、高齢期の話は全くないわけで す。今、施設現場においても、高齢者対策というのは非常に緊急の課題になってきつ つあるということなので、この辺のところは配慮しなければならない必須要件だろう と理解しますが、いかがでしょうか。  以上です。 ○阿由葉構成員 共通の質問ですので、よろしいですか。 ○林課長補佐 どうぞ。 ○阿由葉構成員 セルプ協です。  今、小板委員がおっしゃったとおり、障害者の働く場における支援というものが、 この領域の中に非常に欠けているのではないかと見ています。私どもは以前から、障 害者の働く場における支援に非常に強く意見を出してきました。生産活動や就労移行 支援ということでも、そういった支援の内容をきちんと把握する必要があるというこ とを意見として出させていただいています。今回の提案の中に、支援ニーズ実態調査 において、働くための支援のニーズが果たしてどの程度含まれているのかが見えない ということがありますので、ご確認させていただきたいと思います。 ○林課長補佐 お答えできる部分についてお答えをしたいと思います。  まず、状態調査について、身障の等級とか、療育手帳の情報を用いてはどうかとい う御意見がございました。そういった情報も使うということについては、私どもとし ても全く否定するものではございません。ただ、その一方で、その情報で十分かとい うこと、手帳が何級だということだけで支援のニーズを決めてしまっていいのかとい う問題があると思いますので、もう少しきめ細かく状態を調査する必要がないのかど うか、そういった観点からも御議論いただければと考えております。  続いて、実態調査はニーズ推定調査だけすればよいのではないかという御意見がご ざいました。この辺りも御議論いただければと思っておりますが、この分野の支援ニ ーズの推定がどれぐらいの客観性を持って行われるのか、調査を行うまでは、私ども としても未知数なわけでございます。実際にどれぐらいの支援が行われているかとい う、比較的、客観的な調査と、この支援ニーズ推定調査を両方やることによって、仮 に結果的に支援ニーズ推定調査を中心に用いて一次判定方法を形成するにしても、そ れが実際に測定されている支援量にも十分な関係があるんだということがわかれば、 非常に説得力を持つと思います。そういった意味で、支援量の実測調査と支援ニーズ 推定調査、今の段階で、片方だけやれば、多くの方が納得できる調査になるというこ とではなくて、両方をやることで、また、両方をやって、それぞれの領域についての ポイントのつき方がどういう関係があるのかということを調べていくことで、この調 査の意義が増すのではないかという考え方でございます。  それから、外部評価者とはどういう方かという御質問でございまして、ここもまさ に今日、論点として提起させていただいているものでございますので、ほかの皆様方 の御意見もちょうだいできればと考えておるところでございます。3障害共通の評価 者で、しかもすべての障害に通じた方がいらっしゃれば一番いいのかもわかりません けれども、実際、そういう方をたくさん確保することも難しいのではないかと思って おりますし、やはりそれぞれの障害者の特性に応じた支援を十分知っていらっしゃる 方ということが重要であると思っておりますので、それぞれの障害者の支援に通じた 方ということだと思います。  他方、障害者御本人であるとか、あるいはその御家族であるとか、余りに近い方が 評価をするということでは、やはり客観性を持ちにくいということもありますので、 そこの施設といったことではなくて、外部の方ということは必要なのではないかと考 えて、このような提案とさせていただいておりますので、この辺りも御意見をちょう だいできればと思います。  あと、2人から御質問いただきました作業、生産活動といった部分につきましてで ございます。御承知のように、現行制度においては、訓練等給付の中でこういったも のが位置づけられておりまして、これをこの調査に入れるということ自体は、調査す るだけですから、別に差し支えないかとも思うんですけれども、他方、これを障害支 援区分ないし障害程度区分に反映させるということは、訓練等給付にも程度区分が必 須になるといったこと、そういう制度論と並行して考えていく必要があるのではない かという点が1つ。  あと、先ほど花井構成員からも御指摘があったように、果たして、そういう訓練の ニーズも含めて考えたときに、それが心身の状態に応じて必要なものなのか、あるい はむしろ心身の状態にかかわらず、その方の御利用の意向とか、さまざまな状況に応 じて必要とされるニーズなのかといった議論が出てくるのではないかと思います。ど んな軽い場合であっても、訓練の、あるいは生産活動のニーズというのはあるのでは ないかといった御意見もあると思いますので、調査に組み込むかどうかということ、 更には、障害程度区分、障害支援区分の領域として組み込んでいくべきかどうかとい うことについては、これも皆様方の御意見をいただきたいと考えております。  最後に、評価領域について、高齢期の話が不足しているのではないかということで ございます。私どももそこは全く入れないというような意向が入っているわけではご ざいませんので、この中で具体的に高齢者も含めて考えたときに、どんな支援があっ て、どんな領域を設定した方がいいというような具体的な形で御意見をいただければ、 非常にありがたいと考えております。 ○藤井企画課長 若干補足をさせていただきますと、先ほどの訓練等給付の関係です けれども、結局、障害者の皆さんの持っているニーズというのは、本当にいろんなニ ーズがございます。その中で、障害程度区分であらわすべきニーズというのは、こう いう区分でございますので、できるだけ客観的な整理ができるものなんだろうと思っ ています。したがいまして、心身の状態をベースに置いて、それに基づくようなニー ズについては、ある程度客観的に測定できるんではないかということで、障害程度区 分という形で整理をする。  そうではない、心身の状態に必ずしも結びつかない、結びつかないわけではないん ですけれども、パラレルに結びつきにくいような、例えば、訓練等給付などですと、 心身の状態は勿論あるんですけれども、それ以外に御本人の就労に対する意欲ですと か、それまでの経験ですとか、そういったものにかなり大きく左右されるんではない かとも思いますので、そういう意味では、心身の状態だけでロジックをつくって区分 の中に入れていくというのは、なかなか難しいんではないかと考えていますので、今、 こういうような整理にしてございます。そこは先ほど林補佐が申し上げたように、勉 強会ですから、いろんな御意見をいただければありがたいと思います。 ○林課長補佐 どうぞ。 ○田中構成員 全国地域生活支援ネットワークです。よろしくお願いします。  障害支援区分の一次判定の開発調査についての案の3ページのところになります が、障害状態調査のところで、手帳云々の話がありましたけれども、今回は手帳によ らない障害特性を踏まえた方たちも、発達障害や高次脳機能で取り入れるというよう な方向感で今、状況が進んでいると思いますので、手帳については、後で重ねること があっても、事前にフィルターとするということは余り適当ではないんではないかと 思っております。  そして、支援の実態調査になりますが、支援量の実測調査が多分、時間軸によって の量の調査ということになると思いますので、施設での計測はしやすいと思うんです が、在宅での計測がしにくいという先入観があるとすると、これは取り払っていただ いて、方法においては、在宅でも施設でも同じ方法を取っていただきたいと思ってお ります。難しいと思われる部分があれば、工夫をして、同じ対応にしていただきたい ということになります。  そして、支援ニーズの推定調査が質の部分になると思いますが、前回話題にもなり ました、環境によってこのニーズは随分変わってくるだろうと思いますので、特に施 設の環境と在宅での環境、在宅においてもサービスがある、なしによっては、同じ地 域支援といっても雲泥の差がありますので、そういったことも踏まえて、施設よりも 在宅での生活、地域での生活をしている方が多いので、サンプル数を比較するとすれ ば、施設よりも地域の方を多くしていただきたいと思っております。  そして、報酬の部分が量とニーズに現状では重なっているので、どうしても混乱し がちなので、まず、そこは明確に、冒頭に説明がありましたような、今までの仕組み とは違うということで進めていくことが前提になっているので、ここでも1、2の調 査がすぐ報酬に結びつくというような固定的な考え方ですと、調査方法に歪みを生じ るんではないかと思いますので、私としては、それは外して考えるということを前提 に、皆さんと共有した価値観を持てればと思いました。  以上です。 ○林課長補佐 どうぞ。 ○山岡参考人 日本発達障害ネットワークの山岡でございます。  支援ニーズ推定調査ですが、前回、私の方で似たような調査をお願いをしたんです けれども、それに非常に近い調査をしていただくということで、ありがとうございま す。  それで、幾つかありまして、特に私どもは発達障害の団体を代表しておりますので、 今、田中委員もおっしゃっていたんですけれども、評価スケールについてのお願いで す。評価領域として例を5つ出していただいていますけれども、できるとか、できな いとか、ランクづけだけではなくて、特に発達障害、あるいは精神障害の方も同じと ころがあるかもしれませんけれども、むらがあったり、波があったり、環境とか条件 によって、できる、できないがあったりということをどこかのところで見られるよう にしていただきたいというところが一点です。  それから、さっき評価スケールが幾つかあって、最終的に総合ポイントとして評価 が出るのだと思うのですけれども、総合ポイントだけで判断していただきたくないと いうことです。例えば、発達障害の場合、できることや能力にむらが非常に大きいと ころが特徴でありまして、全体が60点という場合に、10項目が6×10とか、大体5 〜7がそろって全部で60点とかいうのではなくて、2点もあれば10点もある、ひょ っとしたら12点もあるみたいな人たちなので、総合評価だけではなくて、個々のポ イントみたいなものと、そこにある、さっき言った環境とか条件によってむらがある という点も含め、総合的な点数だけではなくて、下位の点数や定性的な面も見ていた だきたいということが二つ目です。  もう一点は、これは大事なところだと思っているんですけれども、第三者の専門家 の方の評価は必要なのですが、参考でもいいんですけれども、本人とか家族の要望と かニーズも参考として是非調査結果の検証の中に入れていただきたいと思っていま す。  以上でございます。 ○林課長補佐 佐多さん、お願いいたします。 ○佐多構成員 九州授産施設協議会の佐多でございます。  今、皆さん、おっしゃっていただいて、非常にうれしかったんですが、状態調査の ところも、手帳がない方がいらっしゃるというのを私はやっと気がついたんです。も ともと身障も精神も知的も手帳があったと思うんです。それを全部使えという意味で はなくて、参考にしていただいて、あれもかなり専門的に分析して出た手帳の結果で すので、それプラス、何か必要であれば足してということにしていただけたら、非常 に自然な形で評価が出てくるんではないかと思いますので、今までの手帳の利用法も 是非考慮に入れていただきたいと思います。  それと、訓練給付のことなんですが、それから、評価のときに、本人と家族ととい うのがありました。客観的な結果が必要だというのはわかりますけれども、すべてが 客観的でいいのか、それが本当の客観的なことになるのかなと思います。その点では、 障害者とか、家族とか、感情が入っていたとしても、ずっとその人たちを見てきた施 設の職員とか、そういう人たちの経験から出る意見というのは無視できないんではな いか。そしてまた計算で数字で出てくる結果よりは、ある意味、重みがあるんではな いかと思いますので、是非その辺は考慮の中に入れていただきたいと思います。よろ しくお願いします。 ○林課長補佐 尾上さん。 ○尾上構成員 とりあえずのメモをつくって、今日、お配りをしています。誤字脱字 等も含めて未整理のもので申し訳ないんですけれども、団体としての意見は、今日の 会議での説明を受けて改めて整理・提起をさせていただければと思っています。その ことを前提に、今後、意見提供を正確に行うために質問項目を中心に記しますという ことで、4項目記しました。  1つは、先ほどの参考資料の中に、現行の障害程度区分の開発の経緯があったかと 思います。現行の障害程度区分について、どういう問題があり、なぜそうしたことが 生じたと考えておられるのか、そこをもう少しお聞きしたいと思います。  というのも、もう一つ、別紙の資料でお配りいたしましたが、この勉強会に参加さ れる方は御存じのことばかりだと思いますが、新ロジックを導入した場合の一次判定 結果という表は、2005年の施行事業調査の表でございます。上の要介護認定の79項 目で行った場合は、80.5%が要支援というか、19.5%が非該当だったけれども、新ロ ジックだと、非該当は6.8%まで減るんですよ、だから十分使用に耐えるんですよと いうふうな感じの資料が障害者部会に出ていた。実際にこれで使われたと思っている んです。  ただ、実際にやってみると、裏側のページにあるとおり、何度かこの手の資料が出 ていますけれども、課長会議に出ていた資料では、実際に支給決定をした16万ケー スの中で言うと、知的障害で二次判定で上位変更したものが43.8、精神で言うと55. 0という数字が出ています。なぜ施行事業調査が、これで十分だというふうな形の資 料が出て、実際にはなぜこんなふうな状況になってしまったのか、なぜこういうこと が起きたというふうに事務局としては考えておられるのかをお聞かせ願えればとい うのが1点でございます。  2つ目なんですが、私、学生時代に、調査というのは作業仮説というのが大事なん だということを先生に厳しく言われたことを思い出します。その点からしますと、今 日の資料の3ページ目なんですが、障害支援区分・一次判定法開発調査に関して、率 直に言いまして、事務局から示されている調査についての作業仮説が不明であると思 っています。  というのは、ほかの方もおっしゃられていましたけれども、障害者の心身の状態か ら標準的な支援の度合というふうに、障害の状態が標準的な支援の度合と1対1対応 しているかのような絵が描かれているわけなんですが、それはなぜそう言えるのか。 つまり、こういうふうにやっていくためには、これが一定作業仮説として妥当である ということが確認できないと、調査をしても、こういうことにならないんだろうと思 うんです。たくさんの方に協力をしていただいて、それなりの税金を投入して行うと いうことですから、そういう意味では、作業仮説として妥当なのかどうなのかという 議論が、この勉強会としては要るのではないかと思っているところです。  そう考えたときに、標準的な支援の度合の「標準的」というのは一体何を指すのか が私にはわかりません。嫌味でも何でもなくて、正直わかりません。というのは、心 身の状態と、この文章では支援の度合と書いてあるんですが、実際の支援の度合との 間には、住環境や、同居家族がいるのかいないのか、あるいは社会参加の度合、今後 の希望、そういったことを含めて、さまざまな要素が含まれると思うわけなんですけ れども、そういうことに左右されない標準的な支援の度合、いわばそういう要素を捨 象するという場合の標準的な支援の度合というのは何を指すのか。例えば、在宅でひ とり暮らしの状態が標準的な支援の度合なのか、介護に当たれる家族が同居している 状態を標準的な支援の度合とするのか。つまり、心身の状態だけで、ほかの要素に左 右されない状態の支援はどういう状態をモデルとして想定しているのかを作業仮説 としてちゃんと詰めていかなければだめなのではないかというのが質問でございま す。  その上で、3点目が、ちょっと長くなって申し訳ありませんが、非常に大切な点な ので申し上げますと、DPIとしましては、前回のヒアリングでも提起をしましたと おり、現行の障害程度区分を軸にした支給決定の仕組みから、本人中心の協議調整モ デルに変えていく必要があると思っています。ただ、この前も私の方で補足をいたし ましたけれども、説明が不十分だったところがあるとしたならば、当然、その者が障 害ゆえに社会参加上の制約を受けているかどうかを確認する。確認することは当然必 要なわけです。  そういう意味で、現行の障害程度区分のような使われ方ではなくて、その者の社会 参加制約も含めた障害の状態を把握できるように、何らかの聞き取り項目やガイドラ インは必要なわけです。  しかし、それが障害区分という形になる必要性はないというのが、この前、申し上 げたかったことです。そういう意味では、障害程度区分の使われ方の問題以外にも、 その方の状態像を把握していくということからしたら、今の障害程度区分は多様な障 害特性を捨象しているという問題点があると思っています。  そういう意味で、今日説明いただいた資料の中の2ページ目の開発の進め方の3項 目目の部分「多様な障害特性を反映できるよう、支援ニーズの把握に当たっては、さ まざまな支援領域について把握する。」これはすごく大切なことだと思っています。 そう考えたら、多様な障害特性を含む、その者の状態像を確認できるような項目なり、 私たちは聞き取り項目と思っていますけれども、何かということで、それがあった上 で、セルフマネージメントも含めた本人中心計画に基づいて協議、調整が行えればと 思うわけなんです。  支給決定の仕組み全体の見直しはこの勉強会のマターではないということですが、 それはともあれ、もう一度申しますと、多様な障害特性を含む、その者の状態像を確 認できる項目は何なのかを検討していくことが求められていることなのかなと思っ ています。勿論それと並行して、是非、別の場ででも支給決定プロセス全体を見直す 作業は行っていただきたいと思っています。  そう考えたら、あちこち飛んで申し訳ありませんが、今日いただいた資料の3ペー ジ目のところですが、事務局案では、左側の障害状態調査と右側の支援実態調査を突 き合わせることによって、標準的な支援の度合を導き出せるんだという作業仮説に立 っているんですが、先ほど申し上げたとおり、その前提になっているロジックが不明 だということです。  この資料をずっと見ていたんですけれども、その2つの調査を突き合わせることに 何らかの意味があるとしたら、右側の方で、支援量の実態調査なり、支援ニーズ推計 調査なり、その方がどういう支援が要るかということを把握することによって、現行 の聞き取り項目で抜けている多様な障害特性に対応した項目としてどんなことがあ るかを検討する。もし2つの調査を突き合わせて意味があるとしたら、どういう項目 が抜けているかということは出てくるでしょう。  でも、もう一度申しますけれども、なぜこれで標準的な支援の度合が導き出せるの かは、やはりわからないというのが重ねて思うところです。つまり、その疑問の前提 の上であえてこれをやるとしたら、多様な障害特性を含めた、そのものの状態を確認 できる項目は何なんだろうということを明らかにしていくことに意味があるんでは ないでしょうかと思うところです。  最後ですけれども、先ほど障害手帳の有無という話がありました。そういう議論が 出てくるというのは、法律事項が確定していないからという部分があると思うんです。 つまり、前回も申し上げましたけれども、障害者の範囲を確定することが調査の前提 ではないかと思っています。多様な障害特性を含む、その者の状態を確認できる項目 というためには、その対象になる人がどんな人なのか、それこそ障害の範囲というの は法律事項なので、国会で決めることなので、私たちで決められることではないです けれども、例えば、こういう項目で、いわば状態像に波のある方も含めて確認できる よねということになれば、それが確認できた人はサービスを出さなければいけないね というふうになっていけば、今の法律の中で言えば、難病と言われている人たちの部 分に対しても、どういう調査項目が要るんだろうか、そのためにはどういう領域があ るんだろうか、あるいはそのための把握の仕方はどうあるんだろうかみたいなことは 当然出てこざるを得ないわけです。そういう意味で、前回も申し上げましたけれども、 この調査、後先が逆さまのような感じがしていまして、もう一度重ねてお聞きします が、障害者の範囲と本調査の関係、あるいは実施時期などを事務局としてはどう考え ておられるかをお聞かせ願いたいと思っています。  以上、質問なんですが、最後、団体として是非意見をこれからまとめていきたいと 思っているところなんですけれども、「支援ニーズ推定調査(仮称)の実施方法につ いて(案)」の2ページでは、評価領域だけが項目として挙がっているんですけれど も、今の介護保険をベースにした障害程度区分というのは、実は、介護保険というの は居宅内のサービスを前提にしていますから、社会参加、つまり、家の外に出たとき にどういうニードが出てくるかということは聞かれないと基本的に思っています。  例えば、ADLの中で1つ例をとりますと、車いすとベッド間の移動というのがあ ります。今の調査では、基本的には家の中の、一番よく使うベッドとの移動を基本に 聞くことになっているんですけれども、例えば、私のある知り合いの脳性麻痺の方は 20年間ぐらい自立生活をしていますから、ベッドに自分で飛び移る。ベッドの高さも 合わせて、その横にプラットフォームのような板をつけて、手すりをつけて、そうす ればえいやっと飛び乗れるわけです。でも、その彼女は、外に出れば、例えば、映画 館のいすに乗り移るのは1人では絶対できないです。全面介護が要ります。  つまり、どういう場面でこういうことができるかどうか、これはADL以外のとこ ろもそうですけれども、社会生活で言えば、初めて行く場所と行き慣れている場所で は全然違ってきます。そういう意味では、居宅内、居宅外、あるいは行き慣れている 場所、初めての場所でどうかというような、評価領域だけではなくて、どういう場面 で、どういう支援が要るかみたいな評価領域以外に、その生活場面での評価という、 もう一つの軸が要るんではないか。特に社会参加との関係で、その点を押さえていく 必要があるんではないかと思います。  ちょっと長くなりましたけれども、以上です。 ○林課長補佐 御質問の部分だけ、まず、お話をさせていただきたいと思います。  現行の障害程度区分について、一次判定と二次判定の差が大きくて、変更の割合が 高いという御指摘でございます。私ども、まさにこれが障害程度区分を早急に見直し ていかないといけない原因というか、今、早急に手当てが必要な理由だと考えており ます。過去、そのとき、そのときで最大限の努力をして、今の障害程度区分というの は形づくられているわけで、参考資料1にもお示ししているように、当時あった要介 護認定の調査と、その判定方法を流用しつつ、できる限りの範囲で、区分が実際必要 なものよりも低く認定されるような方については上乗せをするという仕組みも導入 したわけでございますけれども、もともとこれは要介護高齢者の調査であったわけで ございまして、その状態の調査項目も、そしてまた支援の量を実際に測る場面におい ても、高齢の要介護者の支援や、その状態を反映したような項目に着目をして測って きたということでありますので、これを障害者の多様な特性に当てはめた場合には、 十分に支援量の推測の中に反映できないようなものがあったということは、これは私 どもとしてもそのように考えております。  皆様方の御意見を伺っておりましても、どういった多様な特性があったり、どうい った多様なニーズがあるのかということがたくさん出てきておりますので、今日は資 料1の中で、特に4ページ、5ページ、6ページといったところに、これまでのやり 方の主な課題と、それに対してどういった対応が考えられるかということを資料とし ておまとめさせていただいたところでございます。  2つ目の御質問で、障害者の状態と標準的な支援の度合があたかも1対1で対応し ているように見えるという御指摘で、これは非常に言葉をはしょって模式的につくっ たために、そう見える資料にたまたまなってしまったということでございまして、花 井先生からも最初に御指摘がありましたことを重ねて御説明をさせていただきます けれども、今度の自立支援法の改正の中で出させていただいた条文としては、障害者 等の障害の多様な特性、その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度 合を総合的に示すものという定義をさせていただいているものでございます。支援の 度合に影響する要因はたくさんある。それはまさに御指摘のとおりでございます。  その中で、心身の状態というのも支援の度合に影響する1つの大きな因子であるわ けでございます。したがいまして、障害の多様な特性、その他の心身の状態から支援 の度合に影響を与える部分が大きくあるわけでございまして、心身の状態に応じて必 要とされる部分についての標準的な支援の度合、要するに、標準的なというのは何か という御質問のお答えとしては、目安といいますか、心身の状態から推計される部分 についての支援の必要性の目安を示しているものでございますけれども、それを推計 するというものでございます。  したがって、心身の状態から、多目の支援の必要性のある人、少な目の支援の必要 性のある人といった分類がこの区分ではできるわけでございますけれども、それによ って個々の支援ニーズが決められているというふうには私どもも全く思っておりま せんで、今日の資料1の表紙のところにも、障害程度区分は心身の状態に応じて必要 とされる標準的な支援の度合を示すものであって、個々の障害者のニーズや障害程度 区分のみによっては決められないということをはっきりと今日の資料にも書かせて いただいておるところでございます。  それから、質問いただいた紙の3つ目の項目の支給決定プロセスそのものについて は、制度論として議論する範疇としては、この場での議論よりは広いお話であると思 うんですけれども、3つ目の項目の一番下の現行の聞き取り項目では抜けている多様 な障害特性に対応した項目としてどんなことがあるかを検討する。これはまさにおっ しゃるとおりだと考えております。今日は、資料1の3ページの3つの調査の中で、 イの[2]の支援ニーズについて調査の部分をまず御議論いただいておりますけれども、 障害状態調査の調査項目として、どういった項目が必要か、これについてもこの先の 議論の中で私どもからも提案させていただき、また、具体的な御意見を皆様方からも いただきたいと思っておりますので、重ねて御協力をお願いしたいと考えております。 ○藤井企画課長 時間の制度に係るところを私の方からコメントさせていただきま す。  支給決定プロセスそのものは、まさに制度論ですので、この勉強会の範疇ではない と思っています。ただ、このペーパーも見させていただいて、尾上さんの御説明も聞 かせていただきますと、1ページの下から4行目に「現行の障害程度区分を機軸にし た」とありますけれども、障害程度区分の位置づけというのもなかなか微妙なところ がございまして、私どもはあくまで法制的には、支給決定に当たっての勘案事項が幾 つかある中の1つだと考えて、そういう意味では、決して機軸だとか、それを中心に 判断するとか、そんなふうな認識で法律自体もできているわけではないと思っていま す。自治体の運営面などでそういった問題点、課題があるとすれば、そこは私どもか らも改めて周知徹底をしていきたいと思っています。  逆に、下から3行目「セルフマネージメントも含む本人中心計画に基づき協議・調 整する仕組み」云々というところは、これは言うまでもないことでありますけれども、 先般、国会の解散に伴って廃案にはなってしまいましたけれども、自立支援法等の改 正案におきましては、まさにこういったセルフマネージメントも含めて、サービス利 用計画をまさに支給決定の勘案事項としてきっちりと位置づけるような法改正もし ようとしておったところでございますので、正直、さほど認識の違いはないのかなと 考えたりもします。その点だけコメントをさせていただきたいと思います。  それから、最後の障害者の範囲ですけれども、今の法律の対象になっている障害者 の中で、どの範囲かということではなくて、そもそもの自立支援法が対象とする障害 者の範囲を確定する、そういう意味なんでしょうか。勉強会ですから、ざっくばらん に言わせていただきたいと思います。 ○尾上構成員 こういう場ですので、どこまでお話をした方がいいか考えあぐねたん ですが、例えば、ある政党のマニフェストには総合福祉法をつくる、その際には難病 も含めた人たちをサービスの対象にするということも書かれたりしています。別にど っちがいいとか悪いとかという議論ではなくて、つまり、そういったことの方向感と して、政治の場では出てきている中で、例えば、もし政治の場でそういう決定になっ たときに、とりあえず3月31日に閣議決定をされて廃案になった範囲を前提に今回 つくられていると思うんですけれども、またそれで、この秋以降、そこの範囲が変わ ったら、それは追加をするんですか、どうするんですか。そこが確定をしないと、こ の勉強会自身がすごく落ち着きが悪いなという感じが正直言ってあります。 ○藤井企画課長 そこまで考えると、正直、いつまでたっても勉強会ができないみた いなことにもなりかねないので、あれなんですけれども、そういう意味であれば、私 どもとしては、厚労省、行政でありますので、現行法をベースにして考えざるを得な いというのが率直なところでございます。それ以上でも以下でもないということだと 思うんです。政治状況に限らず、当然政策論というのは常に進んでいく、進化してい くものですから、その中で何がしか変わってくるところがあれば、その際にそれに応 じた対応を考えていくんだというふうに思います。 ○尾上構成員 今日やっと評価領域の話になっているので、いつぐらいにというのは あるんですけれども、あえて質問いただいたので、先ほど言ったような状況もあるの で、今回出ているものが確定ということではなくて、そういう状況も含めて、新しい 状況が生まれてくれば、例えば、追加調査するとか、あるいは追加の項目を出してい くとかも含めて、フレキシブルな対応を少なくともしておかないと、勉強会だけ先に 決まったから、これでいくよという話ではないだろうと思うんです。それが1つです。  もう一つ、先ほどの課長補佐さんからの説明からすると、3ページ目の資料の上の 罫線で囲っているところ、あっ、視覚障害の方がいるのに申し訳ございません、障害 状態調査と支援実態調査を突き合わせて相関分析する、ここまではいいんだろうと思 うんです。つまり、そのことによって、どういう項目が要るのかどうかということと、 相関関係を分析をするということをやってみようということはいいんですが、その後 の、もう一度言いますけれども、調査をやるためには、作業仮説がないとできないと 思っています。相関分析して、現在、多様な障害特性を踏まえていく上で足りない項 目は何かを検証していくという作業仮説だったら、私はこの調査ありだと思っている んですけれども、心身の状態から標準的な支援の状態が推計できるというふうなロジ ックで調査というと、それはできるとなぜ言えるんだろうと思うんです。  もう一度言います。上に書いている、障害の状態と支援との関係について、相関分 析するのは非常に大切です。そのことによって、多様な障害特性に対応した項目をつ け加えていくということで、そこまでは私、作業仮説として自分の中ですっきりいく んです。ところが、下の2行が、なぜこう言えるのかが、今、説明を聞いてもわから ないんです。 ○林課長補佐 誤解に基づいてやっていても仕方がないので、もう一度重ねて御説明 をさせていただきますけれども、標準的な支援の度合を推計できるようにするという、 ここの文字は、ほかのところから一部分だけを切り取ってしまったので、誤解が生じ ているんだと思います。したがって、3ページの下の2行は資料から外しても全く構 いません。むしろ見ていただくべきものは、この資料で言うとすれば、1ページの総 論の2つ目のポツのところでございまして、心身の状態に応じて必要とされる標準的 な支援の度合を示すんだということでございます。  支援の度合の中にもいろんな要素があって、心身の状態に応じて決まるような部分 と、その他のさまざまな要因によって決まるような部分、その他といっても、利用意 向とか、環境とか、それは軽い要因ではなくて、非常に重たい要因がたくさんあると 思いますけれども、そういったさまざまな要因があると考えておりまして、心身の状 態に応じて必要とされる標準的な支援の度合、この部分が障害程度区分であるわけで ございますので、その部分については心身の状態から推計できると考えておりますし、 そういうツールをつくっていく必要があるんではないかということでございます。 ○尾上構成員 では、この資料の下の2行目は、私たちもこれを見て、構成員として 納得したのかというと、わからないから、賛成も反対も言いようがないわけです。な ので、2行は削除した上での調査のスキームという理解でいいんですか。 ○林課長補佐 少なくとも言葉が不足しておりますので、そこで誤解が生じるとすれ ば、そこの2行は見ないでいただければと思います。  松井構成員、先に手を挙げてらっしゃいましたので、どうぞ。 ○松井構成員 私は、今日、この場でいろんなことを思い起こしながら皆さんの話を 聞いておりました。18年に自立支援法が始まって以来、1つは、国においても、ある いは地域においても、利用料のありようが非常に問題にされてまいりました。もう一 つは、事業所への支援がこれでいいのかというのも大きなテーマでありました。更に、 同じようなレベルで私どもが議論してきたのが区分認定の在り方でありました。だか ら、私ども、身体障害者団体連合会は、事あるごとに区分認定の見直しをお願い、あ るいは提言してきたわけであります。  その問題点は、将来、介護保険との統合ありきのような感じがあることと、何回も 言われているように、介護保険の調査項目がそのままたくさん利用されていたことに 違和感があって、その中ではどうしても障害の特性を正しく把握することができない のではないかということを指摘をしてきたわけであります。そういう意味からすると、 今日、提示された内容は、全く介護保険と決別と言っていいような状態で提示されて おりますので、私たちはこれを大いに評価をしたいと思っています。  手帳の話をどなたかおっしゃっていましたけれども、私は、実測の部分を手帳でと いうことは、やはりちょっと無理があるんだろうと思います。というのは、根本的に 手帳交付のありようを変えないと、それを即利用することはやはり困難だろうと思っ ています。それと、ニーズ調査だけでどうなのかという話もありましたけれども、や はりこの制度が公平に運営され、しかも、いつまでも持続可能な制度であるためには、 実測と、プラス今度新たに出してもらったニーズ推定調査を加えたものが、今までの ことを思えば、うんと幅広い皆さんの希望が取り入れられるような結果になるんでは ないかということで、大いに期待をしたいと思っています。細かい点について、私ど もも団体に持ち帰って検討委員会で更なる議論を重ねていきたいと思っていますけ れども、今の段階ではそのように思っております。  以上です。 ○林課長補佐 先に挙げていらっしゃいましたので、どうぞ。 ○小中構成員 全日本ろうあ連盟の小中です。  ちょっと考えながら話をするので、声でやってみますが、今回の話の中で、例えば、 資料2の中の「評価領域」というのがありますけれども、この領域の考え方で、コミ ュニケーション支援というものが出されていますけれども、手話、発声できない者へ の会話支援が感覚支援というくくり方になっていることの意味がよくわからないで す。このような感覚支援というくくり方では、ろう、聴覚障害者の実態というものが 見えないのではないかという不安があります。また、コミュニケーション支援という 領域だけで見ることができるのかどうか、そのほかの領域すべてにおいて、聴覚障害 ということがどのくらい支援の量に影響しているのかどうか、そういう考え方がある のかどうかということを確認したいと思います。  例えば、ADLの食事とか、あるいは移動にしても、声かけしながら食べるとか、 移動するとかということは普通にできることであるかもわかりませんけれども、ろう、 聴覚障害者の場合には、それができないために、移動したり、食べたりしながらのコ ミュニケーションがかなり難しいです。ですから、それぞれの領域においてコミュニ ケーションというものが大きな負荷になっており、支援増につながっているのかとい う観点があるのかどうかということです。それをもっと見ていく必要があるのではな いかと思います。  また、もう一つ「障害者特性に応じた支援に知見を有する外部評価者が」という言 い方がありますけれども、客観的に評価できるという意味の回答があったかと思いま す。聴覚障害を持った人に対して聞くときに、手話できちんと通じる、また、コミュ ニケーションというものが単に会話が難しいという意味ではなくて、その背景にある、 さまざまな物の見方や考え方、いろんな面での影響、それをきちんと理解した上で見 ていくような人が必要です。そうなると、外部評価者というのは非常に慎重に導入し ていく必要があるかなと思います。例えば、それぞれの地域に手話のできるといいま すか、ろうあ者相談員、または聴覚障害者の情報提供施設で聴覚障害に関する専門の 相談員がいるとか、そういう人がかかわれるとか、そういうことを想定しているのか どうかということです。  あと、もう一つ心配なのが、調査するに当たって、身体障害者という言い方の中で、 聴覚障害、視覚障害、いろんな障害者があるわけです。それぞれの区別のところを見 ていくことは、バランスの面でも難しいというような感じを受けていますけれども、 今後行われる調査において、聴覚障害者が何人ぐらいといいますか、ある程度のきち んとした区別での調査は非常に大事ではないかと期待はしているんですけれども、身 体障害というくくり方もきちんと分けてみていただければいいかなと思っています。  そういう意味で、最後に1つ聞きたいのは、すぐに調査を始められるかどうか、予 備調査的なものがあればどうかなと、今ちょっと思ったんですけれども、そういう面 についての考えはどうなのかというところです。  以上です。 ○林課長補佐 ありがとうございます。  御質問の部分だけ少しお話をさせていただきたいと思いますが、まず、資料2の2 ページの「評価領域」について御指摘をいただきました。コミュニケーション支援の ところは、私どもも、さまざまな障害特性に応じた、どんな支援領域があるかという ことで、幾つか過去の文献等も見せていただきましたけれども、コミュニケーション の支援をどう分類していくのかというところについては、参考となるものを見つけら れなかったので、是非ともここは、当事者の方々も含め、いろいろ御指導いただきた いところだと思っております。  右側に幾つか例を書いてございますけれども、あくまでも例でございまして、コミ ュニケーションの支援の中には、もっとさまざまなものが含まれてくると思いますし、 そういった例についてもきちんと増やしていきたいと思っています。その上で、コミ ュニケーションの支援と一くくりにできるものではなくて、もっと分けた方が把握を しやすい、あるいは後から一次判定の方法の開発のときに検討がしやすいというもの であれば、これを分けて把握するということも含めて考えられると思いますので、御 指摘、御意見いただければと考えております。  それから、外部評価者につきましては、今回、骨格として提示をしておりますので、 では、どの人が外部評価者になり得て、どの人はなり得ないといったことを具体的に 考えを持っているわけではありませんけれども、それぞれの障害者特性に応じた支援 に知見を有する方であるということは必要だという考え方を書かせていただいてお りますので、それぞれの特性に応じて、どんな方に評価していただくかということを これから詰めていかないといけないと考えております。  それから、身体障害の中にさまざまな特性があるということはおっしゃるとおりで ござまして、評価領域を考えていく中でも、そういった考えを少しでも取り込めるよ うにと思って、今回、資料を準備させていただきましたけれども、重ねていろいろな 御意見をいただければと考えております。  あと、予備調査をするかどうかとか、今後の進め方については、実際にこういう方 法でやっていくのかどうかといったことをここでまず勉強した上で、どうするのかと いうことを考えていきたいと思っております。  大濱構成員、最初から挙げていただいていて、遅くなりまして申し訳ありませんで した。 ○大濱構成員 先ほどの「標準的な支援の度合を推計」を省くということですが、そ うすると、資料1の最初の「障害程度区分は、心身の状態に応じて必要とされる標準 的な支援の度合を示すもの」という意味合いに直しますよということですね。 ○林課長補佐 直しますというか、障害程度区分はそういうものであるというふうに 定義をされているものでございます。 ○大濱構成員 そういう定義に戻した場合に、本来だったらここに入るべきものだと、 先ほどの説明はそういう意味合いですね。 ○林課長補佐 この定義に戻って、まず誤解を解きたいと思っております。 ○大濱構成員 そうすると、標準とか、客観的とか、ここにいろいろ並んでいますが、 たとえば標準というのは、グラフで言うと、一番多いという方の標準でしょうという ことはある程度言えると思います。ですが、標準からはみ出した人たちをどう評価し ていくのか、それは勘案事項で対応しますということが今、考えられていることなん でしょう。けれども、そこの部分で、今、一番気になるのは、先ほどから皆さんがお っしゃっている支援ニーズの推定調査についてです。資料6ページ目に「支援ニーズ の調査手法について」とありますが、「実施すべきことについて専門家のコンセンサ スがある支援のニーズについては、『支援ニーズ推定調査』において、把握できるの ではないか。」という建前になって、「支援ニーズ」という言葉を使われています。 しかし、実際に本当に推定される支援ニーズを推定するとなると、相当幅広いと思い ます。そこで専門家のコンセンサスを本当に得られるのか、そういう専門家がいるの かということは非常に疑問です。なおかつ先ほどサービス利用計画については勘案事 項を入れますということを課長がおっしゃいました。しかしサービス利用計画のうち セルフケアマネージメントについては、個人が出したものだから客観的なものではな い、相談支援事業所の専門家が作成したものは客観性があるから勘案事項として十分 であると判断される事態も考えられます。このように、障害の多様性を評価するため の勘案事項であるのに、あまり専門性が十分でない専門家によって定型化されたもの でない評価されないということで、支給決定プロセスの中で将来的に矛盾が生じてく るのではないか。  結局、私たちは何を言いたいかというと、支援ニーズの推定といっても、これは個 々人によって相当量違うと思います。障害によっても違うし、同じ障害状況でも盲導 犬を持っているかどうかによって全く違います。数千人の調査対象者の多様な障害特 性を評価するために把握すべき支援ニーズを専門家のコンセンサスによって絞るの は基本的に不可能だと私は思っています。ここに書いてあるコンセンサスのとれた幾 つかのニーズだけ反映するんだということは、採用されなかった支援ニーズはどうな るんだとか、同じ支援ニーズでもその個人によって違う場合はどうなるんだとか、区 分認定で採用されなかったニーズは主観的なもので客観性に乏しいから、その次の支 給決定のときでも非常に低くされるとか、そういうことになると非常に困ります。で すので、支援ニーズの推定調査というのは非常に重要だと思うんですけれども、この 位置づけ、だれが判定するのか、どういう項目にするのか、こんな簡単に決めていい のかなという気が非常にしていて、このあたりについては、もうちょっと検討を要す るのかなと思っています。  以上です。 ○藤井企画課長 評価者をどうしていくかというのは私どももなかなか悩ましい課 題だと思っていますので、なお検討もしなければいけないですし、あるいは皆様方、 それぞれ現場からの御意見とかをいただければありがたいと思うんです。  1つだけ、今の大濱さんのお話にコメントさせていただきますと、障害程度区分は、 支給決定に当たっての幾つかある勘案事項の1つだということは申し上げたんです けれども、さまざまな障害者の方のニーズがある中で、心身の状態に基づいて、客観 的に整理ができるような目安をつくろうということではあるんです。  ただ、客観的な目安をつくるからといって、それがほかの勘案事項よりも上位にな って、それが中心になるとか、機軸になるとかというものではもとよりないので、そ こが頭を切り替えていきたいと思うんです。確かにこれまで、自立支援法ができてか ら数年間のいろんな議論の中で、障害程度区分だけでおおよそ支給決定されるような イメージを持たれてきたような経緯もあるのではないかと思いますけれども、法律上 の位置づけからして、もとよりそうではないので、そこは改めてコメントをさせてい ただきたいと思います。 ○大濱構成員 確かに課長が言われるように、法律上の位置づけはそうではありませ んし、最初の1ページにまた戻りますが、「障害程度区分のみによるサービスの利用 制限は行わない」ということが再度掲げられています。けれども、実際に現場の市町 村でどういうことになっているかといえば、例えば、訪問系サービスの利用を申請し たときに、障害程度区分5であれば国庫負担基準額が幾らだと決まっています。結局、 小さな市町村だと、 時間数に対して勘案事項を加味しなければならないのに、国庫負担基準額が上限にな ってしまう。それで、あなたの場合は国庫負担基準がここまでだから、私どもの市町 村ではここまで出せませんというような自治体が全国的に圧倒的に多いわけです。  確かに、課長が言われるように、障害程度区分イコールサービス量ではないですよ と国では考えていますが、実際、現場の市町村に行くとそうではないという実態に私 たちはしょっちゅう触れているわけです。そのあたりは、今回の区分認定の見直しを 機にきちんと整合性を持たせないと、また同じことの繰り返しになるのではないかと 懸念されるという意味合いです。 ○藤井企画課長 そういった御懸念は、私どもとしてもしっかり受け止めているつも りでありますので、そこの周知徹底は引き続き頑張ってやっていきたいと思います。 ○林課長補佐 まだ発言されていない方から、よろしいですか。 ○阿由葉構成員 先ほどの質問の回答について確認をしたかったんです。 ○林課長補佐 どうぞ。 ○阿由葉構成員 先ほど質問させていただきました、働くための支援ニーズの把握の 視点は含まれているのかということについて回答いただいたんですが、併せて小板委 員の方からも、介護給付、訓練等給付は自立支援給付として一本化するという障害程 度区分を反映させることについてという質問が出されたと思います。そのことについ ての回答が、林補佐の方からは、組み込むかどうかということについては、意見をい ただきたいという回答だったのですが、その後の藤井課長さんからの回答が、ロジッ クの作成は難しいと考えているというようなお話でしたので、これは藤井課長さんの 回答が全部ということで、林課長補佐の御意見をいただきたいということについては、 そこで終了ということでしょうか。 ○藤井企画課長 私も別に言い訳をするつもりはありませんが、難しいと考えている と申し上げた後に、それはあくまで私どもの考えでございまして、こういう勉強会の 場ですから、御意見をいただければありがたいというふうに申し上げたつもりです。 ただ、先ほど小板会長のおっしゃったこととの関連で言いますと、少なくとも介護給 付と訓練等給付の分類を見直すというのは、これは法制度の問題ですから、ここで議 論するマターではないと思いますけれども、今回の障害程度区分程度をめぐる調査を どうするかという意味においては、それぞれ御意見いただければありがたいと思いま す。 ○阿由葉構成員 ということは、訓練等給付についても、必要があれば判定をすると いうことは入っていますので、そこは考えていてよろしいということですね。 ○藤井企画課長 ですから、具体的に心身の状態との結びつきで、どういう調査の仕 方とか、入れ方があるのかということだと思うんです。私どもとしては、心身の状態 をベースにして、客観的にロジックが構成されるようなものでないと、なかなか障害 程度区分になじまないと思っていますので、そういった中で、訓練等給付のニーズに 関して、組み込めるようなやり方があるのかどうか。これまでの議論の中では、私ど もとしてはなかなかそれは難しいんではないかと考えているということなんです。た だ、訓練等給付の中でも、就労の訓練そのものについてはなかなか難しいと思うんで すが、それに付随するような生活支援的なところは、今の評価項目の中でも、ところ どころに入っていくことは間違いないとは思うんです。その限りにおいては、入り得 るとも言えるんですけれども、就労支援そのものについては、なかなか難しいのでは ないかと正直考えています。 ○小板構成員 実際には、この障害計画区分を構うことによって、さまざまな制度が 変わってくるはずなのね。また変えなければいけないし、その目的があると思うので、 そこも並行して議論をすることになっていたはずだと思うので、そこもきちっと話を、 例えば、報酬の話がありますし、なぜ訓練等給付と介護給付があるのかという部分の 中身というのは、おたくの方で言えば、今までは障害程度区分の中には訓練等給付は 入っていなかったわけですから、それはだめよと言えば言ってしまえるんです。そう でしょう。制度的にいけば、言えるわけでしょう。そういうことでしょう。障害程度 区分には外れていますから。  だけれども、現実に同じ障害を持った人たちである限りにおいては、それはちょっ とおかしいということもあるわけです。ですから、今回の障害程度区分の見直しにつ いては、そういう部分も含めて議論をしていって、すべての人たちが恩恵にあずかる ような方向性というのが絶対必要だと思うので、そこのところはきちっと議論をやっ ていただきたいと思います。だから、障害程度区分の利用について、どうなのかとい うことも並行してやるということは言われておりましたので、よろしくお願いします。 ○藤井企画課長 決して、その辺りの議論をあれするわけではないんですけれども、 この勉強会でお願いしたいことの中心は何かと言いますと、まずは最初にお願いしま したように、とにかく調査を始めないと次のステップへいつまでたっても行けません ので、調査を具体的にどうするかというところを御意見をいただきたいというのがこ の勉強会の議題の中心であることは間違いないと思いますので、そこは是非御理解を いただいた上で御議論いただければと思います。 ○小板構成員 今回、こうした形で、一応は推定調査ということが出てきているから、 皆さんは新しい意味合いなんだなと思っていると思うんです。もしこれがそういう方 向で行くとすれば、当然新しいものがどう使われるのかということは、次に来ている と思うんです。ですから、そういう意味からいけば、使われ方について、きちっと議 論すべきです。それによって調査の方法は変わってくるはずだと理解するんですけれ ども、どうでしょうか。 ○藤井企画課長 そこはどうですか。 ○田中構成員 介護給付と訓練等給付の位置づけについてを議論して、その見通しが ないと調査ができないとなると、今、日常活動だけでこれだけ議論がありますので、 その分野だけではない介護給付、訓練等給付の分かれ目がありますので、それのため だけに時間を相当費やさないと先に進めないんではないか。見直しは必要だと思いま すけれども、調査をかけながら見直すというのは、また同時並行になるんではないか と思いますので、私としては、調査を考えるということと、訓練等給付、介護給付の 在り方を考えるというのは、その先を、介護給付、訓練等給付を整理しないとだめだ というふうな立て方は建設的ではないと思っています。 ○小板構成員 それだけではなくて、先ほどの報酬の絡みとか、そういうものもある わけですから、その辺のところは整理すべきだと私は思います。 ○林課長補佐 時間も迫ってきておりますけれども、どうぞ。 ○真下構成員 まず、確認をお願いしたいと思います。「基本的な考え方」の総論の ところで新たな障害程度区分の開発にあたっての考え方を整理しているわけですが、 そこにもあるとおり障害程度区分は、今後とも支給決定における勘案事項の一つであ るとし、障害程度区分のみで支給決定され、サービスの利用制限が生じてしまうこと がないようにするということがまず前提として重要であると思います。現在は、障害 程度区分によって、報酬だとか単価が決まっています。そのために、障害程度区分と いうものにすごく敏感になっているところがあるのは否めないと思います。ただし、 それはちょっとおかしいなというのが私の個人的な意見なんです。障害程度区分の見 直しにあたって、まずこの前提を確認していただきたいと思います。  次に、調査案の内容についてです。施設等では個別支援計画を立てていますが、個 別支援計画に具体化できない、つまり、現状では応えられないニーズもあるわけです。 これを把握して個別支援計画とともに適切に障害程度区分や支給決定に反映してい ただきたいというのが身障協としてお願いしてきたことです。これは地域生活におい ても同様のことが言えると思います。個別支援計画具体化されていないということは、 地域社会に資源がないためであり、これをどう認識するかとか、具体化されなかった ニーズを含めて個別支援計画を立てたときにその方の本当のニーズがわかるわけで す。ニーズがあるけれども、地域性だとか、環境だとかの様々な要因で具体化できて いないということを捉えることも重要であると思います。この点も含めて今後さらに 検討をお願いしたいと思っています。そう考えると、今回の調査案にあるとおり支援 ニーズ推定調査をするとこれらの課題も見えてくると思われるので、調査は早く進め る方が私はいいと思っています。申し上げた点を踏まえて議論をしていただけるので あれば、今回の支援ニーズ推定調査というのはすごく評価ができるなと考えています。  それと、もう一つ、外部評価者についてです。現時点で考えられるのは相談支援事 業者の相談支援専門員等となるわけですが、施設・事業所側から考えると、同じ1人 の利用者に何年も関わりをもった専門職がその方のニーズをもっとも把握している ともいえます。そのように考えると現行の相談支援専門員等を含めて誰がこの評価を 担うのかというのはかなり難しい課題ではないかと思うのです。一方で、調査を進め る上で、現時点において誰であれば対応できるのかといった現実的な視点も必要であ り、専門家のイメージや例を厚労省の方で具体的に出してもらって、その上で改めて 議論ができればいいのかなと思っております。  それから、最後に、改正法案が廃案になってしまったのですけれども、支給決定プ ロセスにおいてサービス利用計画書(案)も支給決定の勘案要素とされるよう見直さ れますが、先程も申し上げたサービス利用計画案に具体化されないような部分もあり ますので、最終的にそういうことも勘案をして支給決定をできるような仕組みに見直 していただければと考えています。そういう整理ができると、身障協のこれまでの意 見との関係においてもすっきりすると思いますので、よろしくお願いします。 ○石渡参考人 関連していますので。日本障害者協議会の佐藤構成員の代理の石渡と 申します。  今、真下委員もおっしゃっていた評価者のことが1点と、もう一点。  まず、評価者の話なんですけれども、先ほど大濱構成員もおっしゃっていましたよ うに、こういう評価ができる専門家というのは、今の日本には養成できていない、い ないというふうに思います。相談支援事業者がかなりそれに近い、ニーズ把握をする 人というふうに位置づけられていると思うんですけれども、課題が非常に多いと思い ます。  今、この提案の中で、専門家のコンセンサスというような視点を出されていること もとても重要だと思います。そのときに、ちょっと抽象的ですが、私はやはり生活実 態が見える専門家というのが非常に大事だと思います。心身の状況というような医学 的な面ではなく、暮らしが見える、そういう視点からすると、先ほどからセルフケア マネージメントの話なども出ていますけれども、コンセンサスを得るという段階で、 障害当事者とか家族に入っていただいて、どう支援ニーズの調査項目をつくるかと検 討することは必要なのではないか。そこに専門家との、どんなコンセンサスが得られ るかという辺りが大事になってくるかと思いますので、是非、評価者をどんなふうに 位置づけるか、そこの前提としてのニーズのコンセンサスをどう得るかという辺り、 それにつきましては、佐藤構成員から資料として出していただいていると思うんです が、イギリスのシステムなど、そして、この中でニーズというのを、ちょっとまた違 う視点でとらえていると思いますので、御検討いただければと思います。  それから、2点目は、評価と違うんですけれども、確かに行政としては制度の枠組 みの中で実施しなければいけないことだとは思うんですが、先ほどから出ている障害 の範疇にまだ入っていない、発達障害、高次脳機能障害の方への配慮とともに、心身 のインペアメントから生活上の困難を抱えていらっしゃる難病の方を、やはり視野に は置いていただきたいと思います。  以上です。 ○林課長補佐 ほかに挙げていらっしゃったのは、良田さん。次に大久保さんにお願 いします。 ○良田構成員 私も、今回、支援ニーズの推定調査が入ったのは非常に前進だと思っ ているんですけれども、外部評価をされる方によって全然結果が違ってくるというこ とを心配しております。特に精神の人は、外部の人が入ってくると非常に緊張してし まいまして、本当のことが全然出てこないということもありますし、聞き方によって も全く違った結果が出てくるんです。ですから、どういう方が調査されるんだろうと いうことが大変関心がありますし、神経質に考えていただきたいということなんです。  もう一つは、心身の状態というとらえ方を、精神の場合、もう少しきめ細かくとら えていかないと、例えば、4時間働ける人がいたとします。でも、その方は4時間で 疲れ果てて、あとのことが何もできないということがあるわけです。過度の疲労感と いうのは、多分、この評価の領域の中には入っていなかったと思うんです。過度の疲 労感ということは、精神の方にとってはすごく切実な問題でして、非常に支援の必要 性が大きくなるんです。ですから、心身の状態が、例えば、幻覚・妄想状態がすごい とか、そういう状態ではないものがあるんです。そこら辺をもっと私たちは研究して いかなければいけないんではないかと思います。  それから、てんかんの方のことも考えていかなければいけないと思います。てんか ん発作を起こしたり、てんかん性精神障害の方もたくさんおられるんで、その方もこ の領域の中に入っていないという気がしますので、もうちょっときめ細かくしたいな ということと、それから、何回も申し上げますけれども、外部評価者に精神の人たち が本当のことが言えるのだろうかということ。ここのところをもう少し研究したいと 思います。  以上です。 ○大久保構成員 育成会の大久保です。  もう皆さん、いろいろお話しになっているので、そんなに申し上げることはないん ですけれども、重要だと思いましたので、資料の3ページの一番下は誤解するのでと りあえず外すというふうなお話だったんですけれども、これがいい悪いではなくて、 これは非常に重要なことなんです。何をこの調査で目的とするか。つまり、この資料 がちょっとわかりづらいということが問題だったんではないかという感じがするん です。どこがわかりづらいかというと、障害者の心身の状況、この言葉云々というよ り、これ自体がどういうものを指しているのかということなんです。  項目にしてもそうです。例えば、具体例でも何でもいいんですけれども、恐らくこ れは単純にインペアメントだけを指しているんではないと思うんです。そうすると、 どういった内容でもって、こういうところからどういった標準的な支援の度合、これ も説明があってもいいんですけれども、支援ニーズ推定調査の資料はありますけれど も、状態調査に関する中身が欲しかったかなという感じがあります。そうすると、こ の辺が少しは、いわゆる作業仮説として、幾らかは見えてくる可能性はあるかなとい うことですので、次回は是非ともその辺の資料をいただければ、もう少しわかりやす い内容になるんではないかということです。  それと、もう一点は、皆さんのお話の中でやはり感じたのは、これまでの経緯で障 害程度区分を異常に大きくとらえている。お金も意味でもですね。最初のページに一 応書いてありますので、方針は変わっているということだと思います。あと、例えば、 発達支援とか、就労支援とか、こういったところをどうやって盛り込むかというのは 非常に難しいと思います。入った方がいいというのは、報酬の問題とも関連している んではないかという感じがするんです。今、いろんな加算措置をやっていますけれど も、ひょっとしたら、それは別個に考えればいいのか。ですから、それは切り離した 方がすっきりするんではないかという感じがするんです。そういったサービスの種類 とか質の問題、こういうところは切り離した方がすっきりする。  それと、もう一点、前も申し上げましたけれども、個別性の問題については、最終 的にケアマネージメントというものを片方にしっかりと据えた上で、こちらはこちら としての議論をしていくのが整理しやすいのかなと思います。  以上です。 ○林課長補佐 ありがとうございます。  おおむね時間がきておりますけれども、特に御発言のある方はいらっしゃいますで しょうか。それでは、議論は尽きないところではございますけれども、定刻となりま したので、本日の勉強会はこの程度としたいと存じます。  次回の勉強会でございますけれども、ただいま日程調整表を御提出いただいている ところでございまして、ほとんどの方に御提出いただいておりますけれども、まだの 方は是非御提出いただくとともに、事務局の方で日程調整の上、改めて次回の勉強会 の日程を御案内いたしたいと考えております。  これをもちまして本日の会議を閉会いたします。どうもありがとうございました。  はい。 ○尾上構成員 事務的な質問をしようと思ったので、最後になって申し訳ありません が、今日配っていただいた参考資料3の議事録は、いつぐらいにインターネットで掲 示される予定でしょうか。あるいはどこのページを見ればいいか教えていただければ と思っております。 ○林課長補佐 皆様方にも原稿を御確認いただいておりますので、できるだけ速やか に掲載をしたいと思っております。省として非常にお恥ずかしいんですけれども、今、 ホームページの入替えをする仕組みが少し遅れ気味です。普段だと数日以内に載せら れるんですが、何日とお約束できないんですけれども、できるだけ速やかに載せたい と思っています。場所につきましては、これは正式な検討会ではございませんので、 検討会のページというよりは、私どもの自立支援法のページの中の障害程度区分のペ ージの中にそういったセクションを設けることを今、考えております。 ○尾上構成員 わかりました。どうもありがとうございました。 ○林課長補佐 どうぞ。 ○大濱構成員介助者 この議事録というのは、修正の依頼は来ていましたでしょうか。 ○林課長補佐 メールで送らせていただいておりますけれども、もし更に御確認いた だける部分がありましたら、速やかにお願いできればと思います。もう1日、2日お 待ちいたしますので、よろしくお願いいたします。  どうもありがとうございました。 <照会先> 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課 障害程度区分係 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2 TEL:03(5253)1111(内線3026) FAX:03(3593)2008 - 1 -