09/07/29 第6回小児薬物療法検討会議速記録 第6回小児薬物療法検討会議議事録  日  時:平成21年7月29日(水)12:31〜14:47  場  所:九段会館 鳳凰の間  出席委員:藤村委員、伊藤委員、岩田委員、大澤委員、大濱委員、奥山委員、       小高委員、田中委員、中川委員、中村委員、橋本委員、古澤委員、       宮坂委員、村山委員、横田委員 ○事務局  定刻になりましたので、ただ今より第6回小児薬物療法検討会議を開催させていただき ます。  議事に入ります前に、委員の先生方の出欠状況についてご報告いたします。  本日は秦委員、五十嵐委員より欠席の連絡をいただいております。また、櫛田賢次委員 に代わり、櫛田委員の後任として国立成育医療センター病院薬剤部長にご就任されました 小高賢一先生に、当検討会の委員としてご参画いただくことをお願いしております。小高 先生、よろしくお願いいたします。  また、本日は参考人として、日本小児リウマチ学会から横浜市立大学の森先生、日本未 熟児新生児学会から香川大学の大久保先生、日本小児染症学会から慶応義塾大学の新庄先 生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。  議事に先立ちまして、前回平成20年2月の第5回検討会議以降、事務局に人事異動がご ざいましたので、ご紹介いたします。  大臣官房審議官の岸田でございます。 ○審議官  岸田でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局  医薬食品局審査管理課長の成田でございます。  ○審査管理課長  成田と申します。よろしくお願いいたします。 ○事務局  それでは、本日の座長を藤村先生にお願いしたいと存じます。藤村先生、以降の議事進 行をよろしくお願いいたします。 ○藤村座長代理  藤村です、よろしくお願いします。  今日は秦委員長が出席できないということで、私がピンチヒッターでさせていただきま すので、不慣れと思いますが、どうか皆さん、ご協力よろしくお願いいたします。  それではまず、事務局のほうから配付資料の確認をお願いいたします。 ○事務局  お手元のほうに資料をお配りさせていただきましたが、資料1といたしまして、「「小 児薬物療法検討会議」において検討を開始する薬物療法」、資料2から4といたしまして、 フレカイニド酢酸塩、シクロホスファミド、アシクロビルの報告書案、フレカイニド酢酸 塩、シクロホスファミドについては、使用実態調査結果を添付してございます。  そのほか参考資料といたしまして、開催要項、委員リスト、報告品目の添付文書、未承 認または適応外薬の意見募集の実施、新たに設置する有識者会議の位置付けについて等を お配りしております。  以上でございます。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。よろしいですね。  それではまず、ワーキンググループの検討状況、これについて、成育医療センターの中 村先生からご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○中村委員  成育医療センターの中村でございます。  前回の検討会議以降の動きについて、ご説明いたします。資料1をご覧ください。8品 目の検討が開始されたという資料でございますが、まずA型ボツリヌス毒素でございます が、前回第5回の検討結果を受け、薬事・食品衛生審議会における評価も終え、本年2月 に2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足の効能について承認されまし た。  また、フレカイニド酢酸塩、シクロホスファミド、アシクロビルについて、ワーキング グループでの検討が終了しまして報告書案がまとまりましたので、今回、それの詳細につ いて、ご報告させていただきます。  以上でございます。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。今の中村先生のご報告に何かご質問ございませんでしょうか。  特にないようでしたら、個別の課題について、検討を進めたいと思いますので、よろし くお願いします。  それでは、フレカイニド酢酸塩について。これは中川先生から、ご報告よろしくお願い いたします。 ○中川委員  日本小児循環器学会の中川でございます。この品目につきましては第3回の本検討会議、 2007年2月に開催されましたが、そのときに一度、報告書案を上げさせていただきまして、 国内における用法・用量、それから安全性に関する情報が少ないということで、国内にお けます小児の使用実態調査を実施すること、そしてそれを本報告書に反映することをこの 会議でご了承いただきました。それを今回の報告書に反映いたしましたので、今までの概 略と併せまして、限られた時間ですので、その使用実態調査の部分を中心にお話しさせて いただきたいと思います。  まず、この品目を小児循環器学会として選択させていただきました理由は、この医療上 の必要性1のところに記載しております。要するに、子供さんに使える抗不整脈薬としま しては、ジギタリス製剤のみですが、これが決して十分な疾患範囲を網羅できていないと いうこと。それから、大きな子供さんではカテーテルアブレーションという治療法が最近 普及しつつあるのですけれども、小さい子供さんではこれができないということで、乳幼 児、新生児も含めまして、不整脈の治療が実施できていないということで、この医薬品が 必要であるということで検討対象とさせていただいております。  2番目の我が国で必要とされる具体的処方等に関する概要ですが、ここが前回と大きく 変わりまして、前回は日本の小児不整脈治療のガイドラインにのっとって、体重キロg当 たりの用法・用量という格好で記載させていただいたんですけれども、今回は米国の添付 文書に倣いまして、体表面積当たりの用法・用量ということで記載させていただいており ます。これにつきまして、後ほどの使用実態調査の結果をここに反映したということをご 説明させていただきたいと思います。  それから、かいつまんで言いますと、6カ月以上の乳児におきましては、頻脈性不整脈、 発作性心房細動・粗動、それから心室性不整脈、それと発作性上室性頻脈という全てにお きまして、6カ月以上の乳児、幼児及び小児には、フレカイニド酢酸塩として1日50ない し100mg/平米を1日2ないし3回に分けて経口投与するということ、それから最高用量を 200mg/平米とするということです。  それから、6カ月未満の乳児には、フレカイニド酢酸塩として1日50mg/平米を1日2 ないし3回に分けて経口投与する。同じく最高用量は200mg/平米とするという格好の記載 になっております。  海外の承認状況と文献情報ですが、小児の適応を取得しております国は米国のみでござ いまして、そこの添付文書を今回、ここに反映させていただいております。  それから、文献情報、これも前回お話しさせていただいたんですけれども、RCT (Randomized Controlled Trial)の論文は、全く英語、日本語の文献上はございません で、結局エビデンスレベルとして高いところを見出しますとレビューであったということ です。その9つのレビューが英語で出ているのですが、そのうちの代表的なものが6ペー ジから7ページに記載させていただいていますものでございます。これは血中濃度の測定 も含めまして、小児におけるフレカイニド酢酸塩の有効性、安全性を用法・用量も含めて 記載しているという代表的な文献として挙げさせていただきました。ちょっと時間の関係 で詳細は省略させていただきますが、70%以上の有効性を上室性頻脈性不整脈、心室性不 整脈、房室結節回帰性不整脈で認めたということと、安全性に関しても特段の問題はない と。ただし、器質的心疾患を有している子供さんと、それから乳児ですね。ミルクを飲ん でいる子供さんに関しましては、哺乳をやめると血中濃度が上昇して有害事象が出る可能 性があるので注意をするということが、この3つの文献に書かれておりました。  問題となりますのは国内の文献が、ほとんどエビデンスレベルの高いものがございませ んで、結局、国内における用法・用量、安全性を文献レベルで見出すことはできなかった ということが今回の使用実態調査を実施した理由となっています。  それが、16ページですね。国内の使用状況についてというところから記載させていただ いております。  上の(1)の下の4行のところに、2006年12月1日から2008年11月30日の2年間でこの使用 実態調査をやったということと、その組み込まれた子供さんの概略が書かれております。 15歳以降の子供さん53例で、男の方が28例、女の方が25例。年齢は6カ月未満が24例で、 うち28日未満の新生児が11例含まれております。6カ月以上は29例。  疾患名としましては、発作性上室性頻脈が33例、心房頻拍が10例、心房粗動4例、心室 頻拍3例、その他としましては接合部異所性頻拍症であるとか、術後の不整脈がございま した。  国内での使用実態に基づく用法・用量の情報ですが、これも(2)の3つ目のパラグラフか らが今回の使用実態調査の状況を書いたものでございます。  体重当たりの初期投与量としましては、平均値で体重1kg当たり3mgという、これは mg/kg表示でいくとこういう表示になるんですが、実はこれでいきますと、ガイドライン に記載されております1-4mg/kg、これは最初にこの報告書に書かせていただいた小児で の投与量と考えたんですけれども、これを超えて投与している症例が10例あったというこ とで、それが今回記載を変更した理由の一つでございます。  17ページのところに、今度は体表面積当たりの初期投与量のことが記載されています。 2つ表がありまして、その下ですが、53例の体表面積当たりの初期投与量の平均値が 66.6mg/平米で米国添付文書の記載の50ないし100mg/平米未満の投与の症例数は27例ござ いました。ただし、これをもう少し詳しく見てみますと、6カ月未満で50mg/平米以下と いう投与の記載があるんですけれども、それが24例中12例、それから、半数以上が添付文 書の記載よりも多めに使われていたということになります。  それから、6カ月以上で50ないし100mg/平米、これが添付文書の記載なんですけれども、 これも29例中17例になっていたわけですが、最大推奨用量とされます200mg/平米を超えた 症例は1例もございませんで、一応は添付文書の記載より若干多めの投与量ではあります けれども、安全域を見込まれた範囲での投与量であったということで、今回、米国添付文 書の投与量、用法・用量を用いたということです。  それから有効性ですけれども、有効性に関しましては、1例が有効性の判定が不能とい うことで今回の解析対象から外れたんですが、52例のうち、有効性ありなしの分類で有効 性ありの比率を出しますと、76.9%という有効率で、大体4分の3以上の症例で効いてい るということでした。  ただし、有効率が少なかった疾患名も層別解析すると出てくるのですけれども、これは、 大まかに言いますと、小さい子供さんで心房粗動という非常に難治性の不整脈が有効性が 低かったということになります。  それから、21ページに行きまして安全性ですが、これも今回プロスペクティブにこの調 査をやった一つの大きな理由です。要するに、安全性に関しましては有害事象レベルで見 たほうがいいだろうということで、最初の使用実態調査のときにそのことをお願いしたわ けです。要するに、新たに使用する患者さんにおいて問題が起こったかどうかを報告して くださいということで調査を開始したわけです。  この2年間、調査の間に出てまいりました有害事象が6例7件、副作用としましては4 例4件で、それが(4)のところの表に出ているとおりでございます。重篤なものは、横隔膜 神経麻痺で、これはちょっと合併症といってもいいのかも分からないですけれども、とり あえず投与してから出てきたということで、有害事象として挙がっていますが一応関連な しということになっています。  これがどういう症例に多いかということをちょっと詳しく見てみたのですが、投与量と は全く関係ございませんでした。6mg/平米という投与量から、50mg/平米の投与量の間で 起こっておりまして、100mg/平米を超えた症例では起こっているわけではございませんし、 用量が増えたからといって多いわけではありませんし、それから年齢もちょっと気になっ て見てみたんですけれども、一番下は1カ月、上は8歳という格好で、年齢による分布の 偏りもなかったと思います。唯一あったのが1日2回投与より3回投与のほうに多い傾向 があった。これも数が少ないので、統計的な処理ができませんでしたので、そういう記載 にさせていただきました。  ということで、対象疾患治療における位置付けは、先ほどお話しさせていただいたとお りで、有効性の総合評価ということになりますと、本薬は、この使用実態調査も含めまし て、大体今までの海外での文献も含めまして、70%から100%の有効性を持っているとい うことで、小児の頻脈性不整脈に対してはある程度のエビデンスが得られたというふうに 解釈いたしております。  それから、安全性の総合評価につきましても、今回の使用実態調査、それから器質的心 疾患の方も今回含まれていたのですが、大きな有害事象は出ておりませんし、安全性に関 しましても、今までの海外でのエビデンスとさほど国内での使用実態調査には差がなかっ たというふうに考えました。  ただし、一番大きな問題は症例数が少ないということですので、やはり今まで言われて います器質的心疾患のある子供さんとか、乳児で哺乳量が低下したりミルクをやめたとき の血中濃度については、やはり十分注意しておかないといけないということを注意喚起し ておこうというふうに考えています。  用法・用量の妥当性、6になりますが、これに関しましては、体重当たりと、それから 体表面積当たりと、どちらが国内の臨床現場でよく使われているかということをかんがみ まして比較したわけですが、利便性から言いますと体重当たりの投与が患者さんを目の前 に置いてお医者さんがよくやっている方法なので、それがどの程度の今回の添付文書の範 囲に入ってくるかということを、標準体表面積と標準体重から投与量を割り出して示した ものでございます。  これから言いますと、完全に入るわけとは言い切れないところがあるのですが、標準体 表面積当たりの投与量のほうが、標準体重で1ないし4mg/kgというガイドラインに書か れています投与量の表示でいく部分をほとんど含んでおりますので、この添付文書の記載 で、体重1ないし4mg当たりでガイドラインで出された場合でもいけるんではないかとい うふうに判断いたしております。  そういうことで、今回の使用実態調査とその結果をこの報告書に反映させていただきま して、一番大きな問題となりましたのは、やはり乳幼児ですね。乳幼児の使用に当たって、 ミルクを飲んでいる子供さんにどういうふうにして注意をしていくか。結構、今回も新生 児で多く使われているということが使用実態調査で明らかになりましたので、ミルクを飲 んでおられる子供さんがミルクをやめたときの血中濃度の推移等を見ていかないといけな いということと、もう一つは粉砕化が今回の使用実態調査でも53例中34例に行われていた ということがございます。現在のところ、錠剤の剤形しかございませんので、これに対し て粉砕処方されるのはやむを得ないと思うのですけれども、粉砕処方した場合でも有効性、 安全性に大きな問題はなかったということを、ここに記載させていただきました。  あとは使用実態調査に関する概略を資料2−2に添付させていただいていますけれども、 これのポイントとなりますのは、用法・用量と、それから安全性を見るという意味ではレ トロスペクティブよりもプロスペクティブにやったほうがいいだろうということで、2年 間に限りまして、使用した患者さんを登録していただきまして、個人情報に注意しながら ウェブ登録して解析したということでございます。  時間の関係でかなりはしょってお話しさせていただきましたが、以上です。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。フレカイニドの以前議論されたところに、さらに今回調査を 前方視的にされた内容も踏まえて、用法・用量、安全性等、報告いただきました。  全体としてご討議いただきたいと思いますので、ご質問等ありましたら、よろしくお願 いします。 ○田中委員  今の説明の中で、ミルクをやめたときのということなんですが、これはミルク中心から 離乳食に移ったときというような意味合いなんでしょうか。 ○中川委員  はい。哺乳中は、このお薬の吸収が阻害されるようで、血漿中濃度が余り上がらないん ですね。ところが哺乳をやめてしまいますと、吸収率がよくなってしまって血漿中濃度が 高くなってしまいますので、そのときにいろいろお薬の問題が生じる可能性があると。実 際そういう症例報告がありますので、そういう意味なのです。  ですから、例えば離乳食に切り変えるだけじゃなくて、肥厚性幽門狭窄の子供さんで、 嘔吐しているというような場合でも起こりますので、とにかくミルクが飲めなかったら起 こってくるということです。 ○伊藤委員  投与時期との問題なんですか。要するに、ミルクと一緒に飲まなかったときに起こるの ですか。 ○中川委員  要するに、哺乳直後に飲むか、その間に飲むかという、そういうご質問でしょうか。 ○伊藤委員  そうです。 ○中川委員  その記載は実は余りございませんで、血漿中濃度も文献的なレベルでいいますと、明確 な哺乳後何時間での血漿中濃度の測定という記載がございませんので、分からないんです。 とにかく哺乳をしている時期のお薬の吸収が阻害されるということしか、今のところは言 いようがありません。 ○伊藤委員  それは特定薬物治療管理料が算定される薬ですね。この薬自身が適応症を得ていればで すが。 ○中川委員  だから、小児適応がありませんので、それは全然。 ○伊藤委員  ただ、この薬は血中濃度が一般的に測定できますね。 ○中川委員  成人でもはかれると思いますし、はい、依頼すればはかれると思います。 ○伊藤委員  これは調査されている時に、測定された例は無い訳ですね。 ○中川委員  はかっているんですけれども、そういう血中濃度の測定時期ですね。そのタイミングと か、いつ飲んで、哺乳の何時間後にその薬を服用したとかいう情報がないんです。 ○伊藤委員  そうですか。日本でのこの調査をしている時に、それを決められなかった訳です     ね。 ○中川委員  いえ、今回の使用実態調査でそこまで調査の対象としなかったんですね。今お話しさせ てもらったのは、文献レベルの話です。申しわけありません。 ○宮坂委員  宮坂です。よく調べられています。前回と大きく違うところは国内の実態調査のところ だと思うんですけれども、その中の21ページの横隔膜神経麻痺というのが気になります。 関連ないとは思いますが、恐らく基本的に機械的な理由以外で起こらないわけですよね。 ですから、先ほどこれを除外した理由が気になります。例えば心拡大が強いとか、分娩麻 痺があったとか、手術とかの可能性があるのであればいいんですけれども、全くそうした 可能性がなくて青天の霹靂で横隔神経だけがおかしくなったとなると、薬の影響を除外す ることができなくなると思います。その辺の説明は何かありますか。 ○中川委員  すみません、全然情報がございませんで、横隔膜神経麻痺という有害事象が挙がってい るだけで、実際にそこまで、それ以上のことは担当のお医者さんには聞きませんでした。 ○藤村座長代理  宮坂さん、今のはそうしたら、どういうふうにしたらいいでしょうか。 ○宮坂委員  これは調べていただいたらいいんじゃないでしょうか。何かほかに説明できる理由があ ればいいです。 ○中川委員  因果関係は全然なしという格好では、担当医の報告では出ているんですけれども、例え ば、先生もご存じのように横隔膜神経麻痺って、心臓の術後とかにはよく起こるんですけ れども、そういう情報が全くないもので、一体どういうことがあったのかと。 ○宮坂委員  調べれば、恐らく分かると思うんですね。 ○中川委員  ええ、それは分かると思います。これは同じ方で2回起こっていますので、情報を入手 しようと思えばできると思いますが。 ○宮坂委員  できると思います。何かそういう機械的な理由がなくて薬剤との関連なしということは 言いにくいです。機械的な可能性があるのであれば関連なしで全くいいと思っていたんで す。 ○中川委員  一応、登録が終わって、個人情報についてどこまで提供いただけるか分かりませんけれ ども、確認してみます。 ○藤村座長代理  ほかにございますか。  中川先生、そうしますと、このご報告から、最終的に添付文書で最後はそこへ戻ってい くとしたら、どこをどういうふうにしたらいいかというのは、ちょっとお考えいただいて いますでしょうか。 ○中川委員  すみません、ご質問の意味は、今の議論をどうするかということでしょうか。 ○藤村座長代理  先生の報告書から、用法・用量と安全性と、いろいろまた新たに分かってきた面がある として、現在の添付文書をどのように改訂するかということです。 ○中川委員  それが反映されていますのは、この予定用法・用量のところと予定効能・効果が、発作 性上室性というのは結構この実態調査でも、この疾患に対して使われていたということで、 それを組み込ませていただいたということと、参考情報のところですね。先ほどの器質的 心疾患の子供を含めて、やはり小児循環器に熟練したお医者さんが使うことという、これ はほとんど小児循環器の施設を対象にした調査ですので、そういうことでこういう参考情 報として書かせていただいたということになります。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。じゃ、下線部分を追加ということですね。 ○中川委員  そうです。ここは、前回と変わったところです。 ○藤村座長代理  変更部分と追加部分です。大体まとめていただいたらそういうことになるんですが、ほ かに議論は。  はい、どうぞ。 ○宮坂委員  これも小さなことかもしれないんですけれども、2ページの参考情報のところで「小児 等」という「等」をわざわざ付けられているんですけれども、この検討会自体が小児薬物 療法ということで、全部を含んでいるというのを前提にして、「等」はわざわざ付ける必 要がないのではないかなと。 ○中川委員  すみません、小児の言葉の定義だと思うんですけれども、要するに、この小児という言 葉に乳幼児を含めるかどうかが定かではないので等という記載にしています。 ○宮坂委員  アメリカのほうは小児になっているわけですよね。 ○中村委員  添付文書上の用語として、小児・乳幼児とかいう用語が切り分けられていることから、 「小児等」という記載振りにという、ちょっと記載整備ということなわけです。 ○宮坂委員  後の議論にもなると思うんですけれども、これだけ子供の薬の認可が、遅れていますよ ね。こういうふうにまた小児の中を3つも4つも分けていくという方向よりは、まとめて やる方向をここで出さないと、日本はとても大変になるんじゃないかなと思います。余計 なことかもしれませんけれども。 ○伊藤委員  確認ですが、添付文書のところで小児等への投与のところで、「小児に対する安全性は 確立していない、使用経験がない」は、これは削除でいいんですね。 ○中川委員  これは、私たちがというよりも、審査管理課の方に。 ○伊藤委員  削除の要望はされるんでしょうか。要するに、ここだけだと参考情報、これを足すだけ なのか、この削除を希望されるのかというのはどうですか。 ○中川委員  希望としては削除していただきたいというふうに思います。この文言が生きていると、 なかなか適応外使用であるというイメージが払拭できませんので、できれば削除していた だきたいというふうに思っています。 ○藤村座長代理  ここら辺りはこういう使用上の注意を記載する必要条件なりが一般的にあると思います ので、事務局のほうのご意見はいかがでしょうか。 ○審査管理課長  どうもありがとうございました。この書き方につきましては、今までもいろいろ未承認 薬とかいろいろございますので、そのときに出していただいた報告書と添付文書の書き方 の関係があろうと思いますので、その関係を参考にして、実際に承認する際のときの添付 文書の形にさせていただきたいというふうに思っております。 ○審議官  今の添付文書で、小児に対する安全性が確立されていないというのは、基本的には、小 児の用法・用量、効能・効果がない場合にこういった書き方をしているわけですので、今 度、小児の用法・用量、効能・効果を追加すると、こういったような、調べていただいた エビデンスに基づいて追加するわけですから、基本的にはこの部分はなくなると、こうい うふうに思いますけれども、表現については、また別途整理したいと思います。 ○中村委員  小児ワーキンググループでの検討の中で、どうしても剤形変更のところに、この検討会 議ではなかなか踏み込めないという形で、今回の報告書も強く剤形をということを言って いないんですが、ただ、また今年度8月締め切りの開発の要望というふうなことも審査管 理課から出されておりますし、それを踏まえて、やっぱりこの薬は、先ほどのミルクの件 も含めて、もし薬剤部で粉砕をするんであれば粉砕するなりのきちっとした評価、こうい うふうな形で調製したら吸収がこうだとかというところは押さえないといけないし、一番 理想的であるのは、製薬企業が新しい小児用剤形を開発していただくというところで、そ こ辺りは多分、要望の強さによって変わるんだろうなと認識しておりますけれども、そこ 辺りをぜひこの委員会での見解を決めていただけたらなと、ちょっと思ったんですが。 ○小高委員  全体のことでなくて、フレカイニドだけに的を絞りますと、これの有効成分のフレカイ ニドは、かなり過酷な試験で、3年、36カ月ぐらいそのままで安定なようですので、それ からこの錠剤自体が裸錠、素錠ですので、つぶしたときに、若干固めるための少し添加物 が入っておりますが、多分、余りひどい変なことをしなければ普通に効くと、このフレカ イニドだけでは言えると思います。 ○中村委員  剤形の開発はやりやすいと。 ○小高委員  これはですね。と思うんですけれども。 ○村山委員  昭和大学病院の村山でございます。今、小高先生からご発言ございましたように、この フレカイニド酢酸塩の錠剤は裸錠ですので、基本的には粉砕して使用しても、今回の実態 調査から見れば副作用等々、急激な不整脈が、血中濃度が上がったための不整脈等々がな いように見受けられましたし、海外の例を見ても、ほとんどそういう副作用がないので安 心だとは思うんですけれども、ただ、児によってはそのアベラビリティに変化がある可能 性があるので、今後、剤形についての粉末自身への何らかの加工等々も含めて、剤形をお 考えいただきたいなと思いますが、現在の結果から見る限りにおいては、影響は余りなか ったんではないかというふうに拝察しております。  それとともに、小児使用への選択基準、あるいはミルク等々のこともありますけれども、 内容についても禁忌症等に当たるようなものがこちらのほうに、注意書きのほうにされる というような印象がありますので、用法・用量も含めて、ワーキングの先生方にはよく調 べていただいたなというふうに印象を持っております。  以上でございます。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。  中川先生、調査された対象はほとんど粉砕されて投与されているわけですよね。 ○中川委員  粉砕しているかどうかは、記載していただきました。それで、53例中34例が粉砕であっ たということです。 ○藤村座長代理  それで有害事象等については、効能・効果等、きちっとできたということで理解してよ ろしいですか。 ○中川委員  はい。 ○藤村座長代理  そうしたら、この委員会としては、1つは、この薬については少なくとも粉砕しても安 全に使用できているようだということですね。  それと一般論としては、中村先生の要望提起されたのは、やはり小児のこういう錠剤に ついて、実際投与するときは剤形変更を自ら薬局でしないといけないので、この薬の結論 としては、散剤の開発を要望するということを付記しておくということにしましょうか。 全ての薬で、そういう要望がついていくことになると思うんですけれどもね。  そうしたら、この薬については、報告を中川先生のほうから一応いただきまして、ご討 議いただきまして、特に議論の中では大きな問題というか、この報告内容に異議はなく… …。  はい、どうぞ。 ○伊藤委員  血中濃度の記載順や単位の書き方がまちまちなので、報告書を提出する場合には統一し てもらったほうがいいんじゃないですか。 ○中川委員  すみません、ご指摘のとおりなんですけれども、これは原典をそのまま使っております ので、そこは変えませんでした。変えたほうがよろしいでしょうか。 ○伊藤委員  非常に分かり難い感じがします。 ○藤村座長代理  原典を変えられなかったら、換算表を別に付けておくとかいうことですかね。ちょっと その辺、ご要望があったということで。  それから、伊藤先生から先ほどあった参考情報の使用上の注意については、審議官から も少しご発言ありましたんで、現在のままの小児については安全性は未確認というふうな 記載は、少し変更するということでお願いしたいということです。  以上で、フレカイニド酢酸塩の審議、ご討議を終わらせてもらってよろしいでしょうか。 これは基本的にご承認いただいたということで、ありがとうございました。  それでは、2つ目の課題ですね。シクロホスファミドについて、これは森先生に報告書 を作成いただいておりますので、ご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いしま す。 ○森参考人  小児リウマチ学会の森です。よろしくお願いします。  今回、この検討会議に提出させていただいたのは、シクロホスファミドの静注薬です。 今、手元にあります資料3−1及び資料3−2に即してお話をさせていただきたいと思っ ています。  まず「1.医療上の必要性」について説明させていただきます。このシクロホスファミ ドの静注療法は成人のリウマチ性疾患での投与が1980年代の後半から認められていました。 ループス腎炎や血管炎に対する有効性は既に確立されています。独・英・米・仏の4つの 国の中では、ドイツで成人及び小児の両方で承認がされております。びまん性の増殖性ル ープスに関しては絶大なる効果があるということで、ステロイド薬の単剤との比較もされ ておりますし、有効性は広く周知されていると思います。小児に関しては、データとして の報告は余りないのですが、教科書的にも一般的な実際の使用現況でも標準治療薬として 使われており、単剤あるいはステロイド薬との併用で有効ということが、すでに認知され ております。ドイツでは、進行性の自己免疫疾患で適応が取れていまして、これをどう解 釈するかということが今回のワーキンググループでも問題になりました。小児リウマチ性 疾患の中で、やはり血管炎が絡んでいるという疾患をこのほうで検討事項に挙げさせてい ただきました。例えば全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、全身性の血管炎、そ して難治性のリウマチ性疾患ということで、結節性多発動脈炎を含めた血管炎、若年性皮 膚筋炎、混合性結合組織病などがこの範疇に入ると思います。これらの記載については後 程述べさせていただきます。我が国の全国調査ですと、SLEの患者が小児10万人当たり に4.7人、それから若年性皮膚筋炎は1.7人、混合性結合組織病は0.3人ということで、希 少疾患には違いないですが、エビデンスレベルの捉え方が小児ではとても難しいと考えて います。  次ページをご覧ください。副作用が、シクロホスファミドの場合にかなり大きな問題に もなるということでしたので、こちらに注目してデータを集めてみたのですが、小児に特 別多いという副作用というのはございませんでした。副作用の報告は少ないのですけれど も、米国の添付文書にも記載されておりますように、小児では安全性のプロフィールは成 人と同様と考えられているというところがあります。ですから、結論としては、疾患の重 篤性、それからよりよい代替の治療がないということでリスクベネフィットを勘案した上 で、臨床的にその必要性は極めて高いと考えております。  「2.わが国で必要と考えられる具体的処方等に関する概要」に関しては、以下をまず 説明申し上げてから元に戻らせていただきます。  「3.海外の承認状況及び文献情報等」ですが、先ほども申し上げましたように、ドイ ツで小児でも適応が取れております。多剤併用または単剤での使用ということですが、適 応疾患のうち「進行性自己免疫疾患」の中に、関節リウマチ、乾癬性関節症、全身性エリ テマトーデス、強皮症、全身性血管炎の記載があり、これらの疾患にネフローゼ症候群を 伴っても伴わなくても良いということでした。今回は「進行性自己免疫疾患」に注目して の報告書となっております。  次に二重盲検の比較ですが、小児の二重盲検の比較試験の公表論文はございませんでし た。成人での二重盲検の試験は、ここに述べさせてもらいましたように3つございまして、 1つは重症の結節性多発動脈炎、それから顕微鏡的多発動脈炎に対するコルチコステロイ ドとシクロホスファミドパルスの比較、2つ目がループス腎炎に対するメチルプレドニゾ ロンパルス療法とシクロホスファミドパルス療法との比較試験、3つ目はループス腎炎に 対してのメチルプレドニゾロンパルス、シクロホスファミドパルス、両者併用群における 比較試験報告になっています。体内動態に関する文献も、やはり小児の体内動態に関する 公表論文はございませんでした。成人ではシクロホスファミドの吸収分布、代謝、排泄に ついての一般的な解析がなされております。シクロホスファミドは肝で活性型の代謝物に 変化しまして、量依存性に副作用の出現を見ることが明記されています。次は有効性を示 す文献ということになりますが、やはりエビデンスレベルの検討という面で非常に難しか ったのですが、後方視的な研究、それからケースシリーズ、ケースレポート、これを海外 それから国内で報告されたものを全部集めて、ここに記載しております。基本的には、小 児の中でも年齢が高い患者さんがこういう疾患での適応になることが多いものですから、 成人との疾患病態は基本的に同じと考えて、成人での代表的な報告を併せて有効性につい てまとめてみたのが、以下の記載内容となります。SLEに関しましては、小児での報告 で後方視的研究が2件あるということで、いずれも有効性が示されております。また、強 皮症、全身性血管炎、それから難治性リウマチ性疾患、こちらに関しましても有効性が示 されております。次は副作用・毒性についてです。先ほど申し上げましたように、小児に は特別強い副作用がないということでしたが、やはり成人で大きな問題になってくるのが、 卵巣機能不全ということでしたので、卵巣機能不全の項に関して参考文献を集めておりま す。 結論から申し上げますと、2つの論文から、高年齢の成人女性に比べて、25歳もし くは31歳以下、つまり低年齢の女性では、この卵巣機能不全に陥るリスクが低い可能性が 示唆されておりました。それから、悪性腫瘍の発生に関しましては、成人と同等、もしく は小児のほうが報告がございませんので、検討の課題としてはこちらに挙げておりません。  Peer-review journalおよびメタ・アナリシスですが、「Cochran Review」でも小児に 対する評価がございませんので、成人での評価となります。そこには、関節リウマチ、中 枢神経性ループス、それからループス腎炎についての3つの評価が纏めてありました。教 科書等への標準的治療の記載状況ということでは、小児リウマチでの代表的なテキストか ら必要事項を抜粋しここに整理してございます。SLE、強皮症、全身性血管炎を幾つか のテキストでどのように記載してあるかをまとめておりますが、概して小児でも一般的に 使われているということはご理解いただけると思います。  また、学会もしくは組織機構の診断ガイドラインへの記載状況ということですが、米国 の小児リウマチ専門医であるレーマン先生から提案され、現在世界的に広く施行されてそ の投与方法が確立されているガイドラインが存在しております。これは専門家からの支持 が得られており、その方法に即して我が国でも投与を行っております。ここで、「2.わ が国で必要と考えられる具体的処方等に関する概要」に戻らせていただきますが、我が国 で必要と考えられる具体的な処方等に対する概要にある「予定効能・効果」については、 ドイツの書き方に準じて、我が国の現状を踏まえ実態調査を行った結果に基づいて考える べきだろうという結論になり、このように記載させていただきました。   今度は続きまして、「4.国内での使用実態」をご覧になっていただきたいと思いま す。こちらは資料3−2という別添資料がございます。概略を読ませていただきますが、 国内では、前述しましたように小児リウマチ性疾患の難治症例を中心に本剤が投与されて おりまして、症例報告として有効性を示唆するものが存在します。今回新たに行ったIV CYの使用実態調査は、小児リウマチを専門にしている3施設で行い、鹿児島大学16例、 大阪医科大学5例、私たちの横浜市立大学83例、このうち15歳未満の92症例について検討 を行いました。診断名はSLE40例、それから強皮症が7例、血管炎の症候群が13例、血 管炎を伴う難治性リウマチ性疾患(若年性皮膚筋炎、混合性結合組織病を含む)症例が32 例ということでした。投与量はほぼ全例が500mg/m2/回ということで、投与回数は5〜10回 が66.3%で、投与間隔は投与開始から6カ月までは3〜5週未満が95.7%を占めていまし た。一番関心がありました安全性に関しましては、92症例のうち、発現した有害事象が37 例、40.2%の62件でしたが、このうち嘔気・嘔吐の出現頻度が最も多くて62件中29例でし た。有効性に関しては主治医の判断で96.7%が有効性であったと報告されています。その 他詳細はこの添付資料に記載してありますので、ご覧になっていただければと思います。  続きまして、「5.全体的な有効性の総合評価」ということですが、先ほども申し上げ ましたように、小児での、特に難治性の小児リウマチ性疾患に対して、やはりステロイド と並ぶ標準治療薬に位置されているということで、有効な治療としての位置は変わってご ざいません。ドイツでの適応を参考に本邦小児について適応を考えておりますが、私たち が治療を行った患者さんの実態、それから使用実態調査でのデータも鑑みますと、有効性 は高いと判断しております。結論としましては、有効性としましては難治性の小児のリウ マチ性疾患にはとても有効であろうと考えております。  それから「6.安全性の総合評価」に関しましては、先ほどからも何回も繰り返して申 しておりますように、副作用の報告は小児では少ないのですが、米国の添付文書にも記載 されていますように特に成人と比べて小児で問題になるものはないと考えております。で すから、リスクベネフィットを勘案しまして、副作用の発現に十分注意して使用すること により、臨床上の問題はないと考えております。  「7.用法・用量の妥当性」に関しましても先ほど申し上げたとおりで、もう世界的な ガイドラインとして使われている方法に即して、私たちも認可がとれれば記載した用法・ 用量で使用したいと考えております。再び「2.我が国での具体的な処方案」に戻らせて いただきますが、ここに挙げさせていただいた疾患全て私たちがこの実態調査の中で必要 不可欠と思ったものです。用量に関しても、この使用実態調査を踏まえて考えております。 ですから、これに関しては、その記載は今までのデータに基づいたものと考えていただき たいと思います。  実は、大きなこの薬に対しての問題点がございます。本剤はドイツでの認可がとれてお りますので、ここで検討していただくに値すると考えているのですが、我が国では成人の 適応がまだ取得できておりません。この点については後で厚生労働省の方からお話がある と思うのですが、今秋からの、成人を含めた未承認薬・適応外薬会議につながるような方 向性がきちんとみえているのであれば、小児の適応をここで考えていただいて、そちらに つなげていただきたいと考えております。小児のみではなかなか難しいということと、小 児では本剤を使用している患者さんの年齢層が成人年齢層にまたがっている事実がありま すのでいきなり16歳以上になったら本剤が使えないという事態だけは避けていただきたい という点で、成人の認可につながるような形がとれればと強く思います。  以上です。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。非常に難しい解析といいますか、調査を進めていただきまし て、今ご報告いただいたような内容でまとめていただいております。  最後におっしゃいましたように、この薬が今までのこの委員会の検討の中で、今までも なかったわけではないということですが、成人適応も今のところリウマチ性疾患ではない ということで、そういう辺りを踏まえて、いろいろ考えていただかないといけないかなと 思いますので、議論をお願いしたいと思います。ご意見等、よろしくお願いします。  そしたら、事務局のほうから、今のお話、少し追加でご説明をお願いいたします。 ○事務局  ありがとうございます。  森先生、ありがとうございました。ただ今の森先生からのご説明をいただきましたシク ロホスファミドの報告書案の取り扱いにつきまして、事務局から補足を申し上げさせてい ただきたいと思います。  本検討案の対象疾患といたしまして挙げられておりますリウマチ性疾患は、先生もおっ しゃったように、小児と成人における病態の切り分けというものが難しく、用法・用量に おきましても、小児と成人における同じ設定が提案されております。本報告書案に記され ておりますとおり、臨床現場での混乱の可能性や、成人における使用実態をかんがみまし て、小児と成人を併せた適応拡大が必要とされておりまして、事務局として成人の適応拡 大をどうするのかということを検討していきたいと考えております。  そこで、詳しくは後ほどご説明いたしますけれども、今年の秋より設置予定の有識者会 議におきまして、未承認薬と適応外薬につきまして検討するものですが、そこで小児と成 人を含めての適応追加について検討が可能な枠組みを考えてございます。そちらにおいて、 成人も含めた本適応の必要性やエビデンス等の追加的な評価を行いまして、その結果にお きまして小児と成人をそろえるか、あるいは別に切り離して対応したいというふうなこと を考えております。  したがいまして、この場におきましては、この内容で一変申請するべきか否かという結 論までは至らずにとどめておきまして、本報告書におけるエビデンスの評価等についてご 意見、ご提案をいただければと思っております。  以上です。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。新しい検討会が予定されて、考えられているということで、 この薬は特に森先生からもご説明あったとおり、成人適応も含めて一体的にやろうという ことです。  どうぞ。 ○審査管理課  さらに申しわけありませんけれども、追加で事務局からご説明させていただきます。  流れから言うと、ちょっと途中で挟んでしまうのですけれども、今申し上げました秋以 降、10月から11月以降に有識者会議を立ち上げて云々、小児に限らず全体の検討をしたい というふうに申し上げました。その点について説明させていただきたいと思います。  お手元に参考資料6というのと、参考資料6−2というカラーのものがついております けれども、参考資料6というのは、厚生労働省のホームページに今実際、載っているもの でありまして、ちょっと細かく書いてありますので、参考資料6−2という、カラーの横 の1枚紙に基づいて、説明させていただきたいというふうに思います。  この未承認薬、適応外薬解消のためのご意見募集という標題がついておりますが、この 未承認薬、適応外については従来からいろいろと問題が指摘されていて、この小児の薬物 療法の検討会というのは、小児に限定した適応外の部分をどう対応するかということで検 討がされてきたということでありますし、もう一方で、未承認薬使用問題検討会議という のが既に厚生労働省のほうで立ち上がっていまして、そこでは未承認薬についての検討と いうのが進められてきているところであります。  そういった流れで、我々としても、未承認薬、適応外については、これまで先生方のご 協力も得ながら検討してきたというところでありますけれども、一つの契機として、今年 度5月に成立しました補正予算で、適応外が中心になると思いますが、未承認薬、適応外、 両方についての公的な支援もしながら解消できるような予算措置がされたということがあ って、この際に、その公知というようなものでまとめられるものも含めて、適応は小児だ けではなくて、全体として、全領域のところからどういったものが要望として強くあるの かと、それに対して優先順位はどう付けられるのかと、その優先順位の高いものから公的 な支援といいますか、資金の面での支援をしながら開発を進めるべきものであるとか、あ るいは公知というような文献とか、いろいろ学術情報というようなもので説明が可能なも のがあるのかどうかということを精査するという、それを全体としてやろうという流れで 検討を進めているというところでありまして、今この横表の一番下の有識者会議、まだ仮 称として有識者会議としてありますけれども、ここがいわば、これまでで言うところの未 承認薬使用問題検討会議と、この会議であります小児薬物療法検討会議が発展的に統合さ れていくというイメージで考えていただければいいと思いますけれども、そういった形を とりながら、未承認薬と適応は小児だけではなくて全体という形で考えた上で、どういっ た開発が進められるかということを検討していきたいというふうに、この後、10月、11月 以降、有識者会議を立ち上げて進めていきたいというふうに考えているところであります。  現在はどうなっているのか、今はどうなっているのかということでご説明させていただ きますと、この有識者会議にかけるために、欧米では使用は認められているけれども国内 は承認されていないという医療上必要な医薬品とか適応がどういうものがあるのかという ことを、一般に公募する形で厚生労働省のホームページに募集をかけているという状況で あります。それが参考資料6の五、六枚あるでしょうか。これが実際に載っています。  これについて6月18日から公募をかけていまして、8月17日までの2カ月間、公募を募 集しているという状況であります。実際は、この要望を出していただける一番の中心とな るのは各学会の方々だというふうに思っています。あと患者団体の方もおられると思いま すけれども、そういったところからの要望が中心になってくるものと思われますが、今実 際に要望を受け付けている状況であるということであります。  一応、公募する要望の条件としましては、まずは欧米で使用が認められているというと ころにできるだけ追いつきたいというところで、未承認薬としましては、欧米4カ国、米 ・英・独・仏のいずれかの国で承認されていることという条件、あと適応外医薬につきま しては、特にアメリカではFDAでの承認はないけれども、公的保険制度に適用されてい るので標準的な療法になっているというものもかなりあるということですので、そういっ た公的医療保険制度の適用も含めて、欧米4カ国のいずれかで承認されているということ を前提とさせていただいております。  さらに右の欄で医療上の必要性が高いということで、適応疾病の重篤性が高い、あるい は医療上の有用性が高いというような条件に合致するものについて選定して、それについ てどういった開発が進められるかということを有識者会議で検討しようということで今、 話が進められているということでありまして、まさに今、話題でありますところの小児だ けでなく成人の適応もということを含めますと、この秋以降の有識者会議というところで 小児、成人問わずに最終的な結論を得るという形をとりたいということで今、話をさせて いただいております。  以上であります。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。  今ご説明いただいた件については、この検討会のあと残っている議題を済まさないとい けないわけですが、とりあえずご質問に少し時間をとってご理解を深めていただけたらと 思いますが、何かございますでしょうか。 ○横田委員  ちょっと質問させていただきます。  今のお話なんですけれども、医療上、その必要性が高いという部分は、左側のピンクで 囲われた部分との関係はどうなっているんですか。 ○審査管理課  左で、これは一応、一定の未承認、海外で欧米4カ国で承認されているとか、公的保険 制度があるということを一つのラインとしますとよ。どこまでの要望の受け付けの一つの ラインとしますよということでありまして、そこで受け付けられたものについて、こうい った医療上の必要性がやはり高いものかどうかということを有識者会議で評価して優先順 位、学会からも要望で出していただきますが、その優先順位が医療上の必要性という観点 からも妥当なものかどうかというようなことも含めて、検討するという意味であります。 ○横田委員  なぜお聞きしたかというと、基本的に小児の薬剤は非常に希少疾患が多いと思うんです ね。それで、その希少疾患でも超希少疾患で、10例とか20例とかいう疾患がある。そうす ると、欧米でも同じように少ない。そうすると、欧米での認可も通っていないし、日本で も、そうすると認可が通りにくい状況に、この中ではあるだろうと。そういうものは別に して考えるということを中村先生は以前言われていたんで、もしそういうものもこの中に 入れて考えられるんだったら、お願いしたいなという部分があるんですね。  分かりますでしょうか。欧米でも希少疾患であるために子供の治験が行われていない、 しかし大変有用な薬剤が幾つかある。そういうものも、この新しくできる会で検討の中に 入る状況が出るんでしょうかということなんですが。 ○審査管理課  一応、検討の前提となるのは、ここの欧米4カ国での承認、未承認薬の場合は承認と、 あと適応外の場合は承認ないし保険適用、公的保険が適用されているかどうかというとこ ろを見させていただくというところですけれども、そこのいずれかに該当しているという ところであれば、検討の土俵としては、まず上がるということであります。 ○横田委員  分かりました。  もう一点は、昨年、先ほどのIVCY、シクロホスファミドの件と関わることなんです が、昨年の9月の段階で、ここでは欧米4カ国で英・米・独・仏と書いてございますが、 このうちのヨーロッパ3カ国はEUとして、ある意味で一体化したものが進んでいるんで すね。したがって、今回のIVCY、シクロホスファミドに関しては、ドイツでの認証し か通っていないということなんですが、ヨーロッパ全体の流れというのは、EUを1カ国 として進んでいく傾向が出ているんだと思いますし、症例の調査もそういうふうに進んで いるんです。  それで、非常にホットな話は、例えばIVCYは、この秋から成人と一緒に行われると した場合に、シクロホスファミドが検討が秋から成人と一緒に行われるということになっ た場合に、欧米での昨年の9月の段階で既に二十歳前の人間と、それから青年期、それか ら成人期、それから老齢期、3つに分けた調査がされていて、若ければ若いほど副作用が ないんだというのがはっきりと出てきているんですね。そうすると、成人と一緒に認可さ れること、効能の上で認可されることはいいと思うんですけれども、年齢による副作用の 違いというのがいろいろある薬剤もあるんだということになります。そうすると、そこを どういうふうに書いてといいますか、周知していくのかということが問題に出てくると思 うんですけれども。 一緒にやるのはそれは構わないことだと思うんですが、だけど、いろいろな問題をクリ アしなくちゃいけないだろうと思うんです。 ○審査管理課  成人の問題でそういう問題もあるよということも含めて、この秋以降の検討会議でやは りしっかり検討はしなきゃいけないんだろうということですが、今日はこの話というより も、今回のシクロホスファミドの小児に対する、こういういろいろと集めていただいた、 報告をまとめていただいた結果についてまずはそのご意見を皆様からいただくと、それに 基づいて秋以降につなげていくという形で進めさせていただければというふうに思います。 ○奥山委員  成育医療センターの奥山でございますが、未承認薬使用問題検討会議におきましても、 小児の希少疾患、超希少というような疾患についての薬剤がかなりクリアになったという 事実もございますし、こういう小児に特殊な検討会議も設けられていたということなんで すが、それが引っくるめて有識者会議ということで、大人と一緒になったときに一番恐れ るのは、子供のための薬というのが何か薄まってしまうというか、後退してしまうという ようなことがもしあるとすれば大変困ったことではないかと思いますので、その辺をぜひ よろしくお願いしたいと思います。 ○審査管理課  はい、その点は十分認識しているつもりであります。未承認薬使用問題検討会議も、こ の有識者会議の中において、その検討する内容というもの引き続きやっていきたいと思っ ていますし、まさに小児薬物療法検討会議のような位置付けも、基本的には有識者会議の 中では統合的にやりますけれども、この中には当然ワーキンググループのようなものを複 数設置せざるを得ないというふうに思っていますので、実質としてはこの小児薬物療法検 討会議におけるワーキングがそのまま移行していくというような、まだ決定ではないです けれども、そういうイメージではないかという状況ではあります。  ですから、決して縮小させていくというイメージではありません。 ○宮坂委員  私の領域は麻酔なんですけれども、この中で欧米において標準的医療に位置付けられる というのが書いてあります。今の横田先生、奥山先生は、非常に希少疾患の話をしたんで すけれども、小児麻酔ではほとんどが日常的な疾患です。標準的に行われているものです。 欧米どころか、日本でも標準的に使われているけれどもオフラベルというのがあって、そ れ等を解消するのも大事な仕事だとというふうに思っています。 ○審査管理課  繰り返しになってしまいますけれども、一応その線引きとしては、まずそういう欧米で の承認とか保険適用というところで線引きはします。ただ、それがあれば、あとは医療上 の必要性がしっかりあるのかということ、今はまさにあるようなお話だと思いますけれど も、あるのかということと、あとその承認に至るだけのエビデンスというものが世の中に どれだけあるのかということ、まさに今、小児療法問題検討会議で、薬物療法検討会議で いろいろと公知の面で苦労していただいていますけれども、それと同じような取組みとい うのをやらざるを得ないんではないかというふうに思います。 ○伊藤委員  これに問題があるのは、日本で開発された薬が一番、これは全く関係なくなりますよね。 要するに、日本で開発された薬で小児の治験をやっていなければ、もうそのままになると いうのが結構問題になると思うんですよ。だから、これから開発されるものに関しては、 小児の治験をやるのを強められるかどうかというのが一つ。要するに、そういうものの日 本で開発される薬に関してどうするかということをしていかないと、これはまたそれが多 くなって、そういう適応外使用医薬品がどんどん多くなる可能性を秘めていることだと思 うんです。これはこれとしてだと思うんですけれども、日本で開発される薬をどうするか というのも、ちょっと一つ考えていただかないといけないんではないかなと思います。 ○審査管理課  今回はまず、これだけで全てが終わるわけではないと思っておりますし、いろいろと問 題はあると思いますが、まずはここで挙げられたようなものについて、どれだけ取組める のか、最大限どれだけ取組めるのかということを、まず一歩を踏み出したいということで ありますので、いろいろとその他の問題というのはまた継続してあると思いますが、そこ はまたその後の問題として継続的には検討していきたいというふうに思っております。 ○藤村座長代理  この議論は一応これぐらいで置きたいと思いますが、今ご意見がいろいろありましたよ うに、この小児薬物療法検討会議が「小児」というものが前についているところに、の意 味が非常に大きかったと思いますし、今後、今ご説明ありましたように有識者会議におい ても、その小児のいわゆるその中でのアイデンティティーをきちっと確保いただくという のは、ぜひお約束いただきたいと思っております。  小児のオフラベルは、日本小児科学会の調査でも、実際に薬の種類の6割か7割は少な くとも未承認薬として、オフラベルとして処方されているわけです。これは成人の処方と は大分違うと思いますので、そのことが特に意識されて、この数年、審査管理課のほうに おかれましても小児を集中的にやはり取組まないといけないと、その流れを今回有識者会 議においても続けて強調していくということは、ぜひお願いしたいと思います。  そしたら、最後の課題に移ってよろしいでしょうか。 ○事務局  シクロホスファミドについてご意見を。 ○田中委員  シクロホスファミドの件でいいですか。  今回の実態調査の中では性腺に関する有害事象というのは全然入っていなかったんです が、性腺の場合には、すぐ出るということよりも、白血病なんかの場合でも、晩期障害み たいな形で出るようなことがあるかと思うんですけれども、そういうことに関して、何か ホルモンの検査とか、そういうのはやっぱり今でもやられているんでしょうか。 ○森参考人  今のご質問に対してですが、実際に患者さん皆さんの無月経とか月経過多等の性腺機能 に関する調査を、小児リウマチ学会の中で引き続き行っております。  私たちは、産婦人科のドクターと共同して内分泌的検討を行っておりまして、結果がま とまりました際に機会がありましたら公表したいと考えているのですが、現段階ではこの 程度だとご理解いただければと思います。 ○田中委員  血液のほうで随分やられていると思いますので、そちらのほうのデータを少し参考デー タとして集めていただければと思いますけれども。 ○森参考人  分かりました。ご参考意見、ありがとうございます。今後の検討事項とさせていただき ます。 ○横田委員  追加でよろしいですか。  先ほどちょっとお話しした昨年秋のヨーロッパの学会では、20代までと、それから50歳 までと、それから50以降の年齢で、この薬剤の副作用をずっとチェックしていて、性腺機 能についても全部調べてあって、特に8年間かな、ずっと調べてあって、我々が関与する 二十歳以前の年齢に関しては全く問題がないというのが出ているんですね。2つぐらいし かなかったので、全般的に言えるかどうか分かりませんが、そういう情報は蓄積してきて います。 ○田中委員  本当に生理が始まる低年齢のほうにやっても、全然問題ないということですか。 ○横田委員  低年齢のほうが問題ないですね。 ○伊藤委員  男性の方はどうなんですか。もう一つの副作用として、早期がんの問題がありますね。 早期がんの発症の問題はある程度解決しているでしょうか。尿路系のがんや白血病の発症 について、報告書の中にはっきり書いてありません。こどもに使用した方が成人に比べて 低いというデータは出ているでしょうか。 ○森参考人  私たちのデータとして今ここでお話しできることはありません。米国の添付文書では、 小児の方が副作用として高いということはございませんでした。ただし、小児が逆に少な いというデータもありませんでしたので、同等程度ということでしかここでは申し上げら れません。  それから、SLEという病気も女性がとても多い病気ですが、男性に関しては泌尿器の 先生とも相談させていただいたんですけれども、一番確実な診断法は精巣を生検する方法 らしいのですが、やはりそうなってくると倫理的な問題もございますし、現在検討課題と しております。  女性の場合は、前述いたしましたように、問診がたやすいのでデータが収集できている というのが現状です。 ○伊藤委員  この薬は、小児のネフローゼ症候群において適応外で多く使用されています。その場合 でも、早期がんの副作用の問題がクローズアップされますがあいまな形で終わっています。 やはり早期がんの発症については、一般的にその年齢で発症しないがんが発症することが 問題になります。そのことが、こどもへの使用で一番問題になると思います。 ○森参考人  恐らく今後の成人を含めた検討会議の中ではかなり大きな問題になってくると思います。 ここでは小児のデータがございませんので、小児期に使った人がその後どうだったかとい うデータはこれから蓄積されていくものだと考えています。 ○岩田委員  年齢によって、がんの出方が違ったら非常におもしろいかなと思うんですけれども、そ の辺はどういうスペキュレーションがされているのでしょうか。 ○森参考人  残念ながら、私が取り寄せた参考論文の中には、スペキュレーションに関しての記載が 一切ありませんでした。これからデータが集まってきてから考察することができるように なるのではと考えております。申しわけありません、これ以上分かりません。 ○岩田委員  例えば、血中濃度などが違ってくるとか、何かそういうのがあるかと思いまして。 ○森参考人  そういうのもあるかもしれません・・・。 ○岩田委員  ありがとうございました。 ○藤村座長代理  ほかにございますでしょうか。  幾つか森先生のほうからも質問に対するお答えということで出されました。今日の会議 でどこまで次の有識者会議にこの検討会議からの申し送り事項として、この報告書の全般 を申し送って、それでいいかどうかを集中してまとめていただけたらと思いますが。  今までのご説明から言いますと、全体的に全ての報告、各セクションについて、ここは 問題じゃないかというご発言はなかったように思います。た成人適応との関係で、これは 大人のほうで一緒にやろうということですから、それは一つの問題として次へ送ると。あ と、長期の影響ですね。発がん性ないし不妊、この辺については、やはり次の有識者会議 に検討を送るということでここでは結論を出さないということでよろしいでしょうか。  ほかにこの報告書全体について、一応この小児薬物療法検討会議としては、この内容で 承認して、次に送るということでご了解いただきたいと思いますが、何かそれについてご 意見がありましたら。  はい、どうぞ。 ○村山委員  先ほどから議論の中に入っていることなんですけれども、やはり年代別、年齢層別のい ろいろな事象が起きてくるということを考え合わせますと、今後の新たな会議の中で小児 という領域と切り離して成人と考えないと薬として取り扱えなくなるんじゃないかという、 私は薬屋としてそういう印象を持ちます。  添付文書錠で小児と成人の用法・用量が一緒になるようにしていくということはすごく 大事なんですけれども、今回のこの報告書の中で21歳かという区切りがあって、21歳 以上は明らかに副作用等々が出ている。こういったところを小児の承認として具体的に切 り分けて書けるかという危惧があります。今後の検討でも、小児適応として一つ区切りを つけて考えていただきたく思いますが、いかがでしょうか。 ○藤村座長代理  事務局のほうは、どういうおつもりで対応いただけるかということですが。 ○審査管理課  秋以降、継続ということで申し上げましたけれども、その中でも、あくまで成人に対し てはやはり難しいのではないかとか、あるいは成人に対してどういう注意喚起をすればそ れでいいのではないかとか、そういった議論はあり得ると思います。  ここの場では、まずは小児に対してのエビデンスレベルというか、そういった意味では、 この小児薬物療法検討会議の方々から見てエビデンスレベルとしても十分あるんではない かという結論が出せるかどうかというところで、今日はご意見をいただければというふう に思いますが、その後の取り扱いといことでは我々、座長と事務局のほうに任せていただ ければというように思いますけれども。 ○村山委員  エビデンスレベルという点では、まだ不足する部分があるとは思いますけれども、現状 で例えば児にステロイドパルスをするほうがいいのか、このシクロホスファミドを使った 治療がいいのか、結果はどっちがいいのかというのは出たわけです。だから、このエビデ ンスを具体的に掘り下げるべきなのか、症例数を集めるべきなのかが大きな課題になると 思います。その課題をどう考えてゆけばよいのか自分でも困惑しているところです。だけ ど、今回の報告から、シクロホスファミドの小児への効果はステロイドより高いと印象を もちました。 ○森参考人  先生に今ご指摘いただきました点ですが、私も実際に使っている者として、やはりこの リウマチ性疾患の中でも重症度が高い症例にとても有効だという実感を持っています。リ スクベネフィットの点から考えて本剤を使う症例の選定は必要だと思いますけれども、患 者さんを救うという点で申し上げれば、やはり貴重な薬だと考えております。  ですから、単に比較というよりも、そういう対象患者さんを選んでいくということで比 較を行い、さらに成人も含めて検討しないといけないのではと考えております。 ○藤村座長代理  今のご指摘も含めて、ほとんどRCTもないこういう薬で、今後もそういう見通しも少 ない場合、どういうふうにして子供たちに使っていくかという、そういう戦略、考え方自 身を私たちは問われていると思うんですが、一応この検討会でのこの薬については、次の 有識者会議に送るということにさせていただきたいと思います。  以上で、このシクロホスファミドについては終わらせていただきます。  そしたら、最後は……。 ○中村委員  先生、ちょっとよろしいでしょうか。  これは、公表論文としてではなくて、ドイツで承認されていて、基本的に報告書のつく り方自体がドイツで承認されている適応というもので、それが残念ながらちょっと古い承 認になると公表されていない。別の薬で私どもがトライした際には、もうアーカイブ部門 に行っていて、それがどこにあるか分からないから資料出せないという薬がかつてありま したけれども、恐らくこの薬もそういったものだろうということで、実際のドイツの承認 の際のもとになったデータが見つからなかったということで、文献検索をしてみた論文で はこういう情報しかなかったと。  ただ、この検討会議でのもともとの扱いというものが米・英・独・仏で承認されている というものを一つの鍵にして、次の有識者会議でもそうですけれども、米・英・独・仏で の承認というものを一つの鍵にして検討が進んでいると考えますので、その中で、その枠 組みの中で今回の報告書の形を作成し、それから、それが実際に世界での専門家の先生方 の使用実態にはそぐわないことはないといいますか、実態に合っているということで、実 際に現場で使われている選択薬ですよということが大事だという形の報告書のつくりにな っておりますので、そこは何かエビデンスがないといいますか、論文として成人領域の症 例数が多い疾患であれば比較試験がいっぱいあるべきだとかいう話になるかと思いますけ れども、これについては切り分けていきますと、血管炎の中でも切り分けていきますと、 それぞれの症例が数十例しかないという状況になりますので、そこはご理解いただきたい と思います。 ○橋本委員  橋本ですけれども、今の点は非常に重要な点だと思います。特に今後、成人との両方で の有識者会議に資料を提出するということで考えますと、この報告書の中でも特に非常に 希少の疾患であるということと、そのためにエビデンスはそれほどないんだけれども、教 科書であるとか、あるいは学会のガイドラインであるとか、そして実際の使用実態調査と してこういう形になっているんだとか、そちらのほうで支えることによって、文献的なエ ビデンスがほとんどないにもかかわらず公知と認めていいんだと、そういうところをはっ きりその報告書に書いていただく必要があるんじゃないかと思います。 ○審査管理課  すみません、これは今ドイツだけで、承認はドイツしかないということでしたけれども、 教科書的な記載にもあるとか学会のガイドラインにもあるということで、一応これは欧米 といいますか、欧米では広く一般的な療法としての位置付けはあるというふうに思ってい いんでしょうか。 ○中村委員  今の質問、横田先生とお話しされていましたけれども、ドイツでしか承認がないけれど も、教科書に載ったりガイドラインに載ったりということで、欧米では一般的に認められ ている治療法と考えてよろしいのでしょうかという質問ですか。標準的な治療法ですね。 ○森参考人  私たちはそういう位置づけで考えております。報告書にも記載しておりますが、レーマ ン先生が提唱され、この治療法の意義を専門家の皆さんに認めてもらっています。ですか ら、ドイツの適応のみではありますけれども、私たちの認識としては、標準的な治療とし て全世界で広く使われていると考えております。 ○藤村座長代理  今、最後で出されている議論は、こういう検討会議でいろいろな一定のスタンダードの 基に判断していくというやり方よりも、少し研究班的に、もっとしっかりと方法論を確立 すべきである。しかし子供において希少疾患などRCTができないような場合に、今の薬 事の枠組みをきちっと承認に持っていけるような仕組みをつくるというご発言だったと思 いますので、その点も今後ぜひ、小児のグループでは考えていかないといけないと思いま すし、有識者会議で成人の嵐に巻き込まれないように、ぜひお願いしたいと思います。  そうしたら、よろしいでしょうか。 ○大澤委員  参考資料6−2のほうの公募する要望の要件の未承認薬の定義の中に、「欧米4カ国い ずれかの国で」というふうにきちっと書いてありますけれども、全ての国で承認されてい なくてもいいはずで、これは今までもいずれかの国で認められていればよかったと思いま す。  そして、実際に私はかつてちょっとある薬に関わったことがありますが、ドイツで承認 されていた薬剤で、それがEUが統合した段階で今度EUの承認をとらなければいけない ということで、元の製薬企業がお金がかかるし、そんなにもうからないからといってあき らめちゃった、そのドイツで認められていた承認が落ちてしまったという、そういう薬剤 もあるんですね。ですから、ある意味では余りもたもたしていると、ますます可能性は減 ってしまうので、私としては、秋以降の有識者会議に送るのも結構ですけれども、小児は 小児として認めて、例えば1年後に見直しとして成人がどうかとか、そういう形で追加と か、そういうふうに、もうちょっと実質に合わせたことをしていただいたほうがいいんじ ゃないかなという気がするんですけれども。 ○藤村座長代理  最後にそういうご提案がありましたので、座長としてはちょっとまとめにくくなりまし た。  はい、どうぞ。 ○中村委員  私も同じ意見でして、有識者会議に最終判断をゆだねるというよりも、小児については この検討会で、今最後の幾つか大事なコメントもありましたけれども、こういう根拠で、 基本的に小児についての適応拡大はこの委員会の枠組みでは認めるのか認めないのかとい うことを踏まえた上で、秋の有識者会議に送っていただいたほうが。  そうしないと、小児をご存じない先生方が、何じゃこりゃというふうな、ひっくり返す 議論になると、また最初からの議論を延々とし続けないといけなくなることも危惧します。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。小児についての適応拡大はこの委員会の枠組みでは認めるそ ういうふうにまとめさせていただければと私は思っていたんですが、特にご異論ございま せんでしょうか。  繰り返しになりますが、今日のご報告の内容で承認させていただいて、それで、しかし 成人、有識者会議のほうの会議へ小児の結論としてこれを送るということでご承認いただ くということで。 ○伊藤委員  確認ですけれども、最初のところの成人のところは抜くんですね。要するに、最初に書 いて、要望のところの、「成人及び小児には」というふうにこれは書いてありますよね。 だから「小児には」と。 ○森参考人  先生のおっしゃるように、ここは成人の部分を切る形にやはり対応するしかないかなと 考えてはいるのですが・・・。 ○藤村座長代理  少し今日の結論で、微修正はあると思います。  はい、どうぞ。 ○審査管理課  すみません、これは効能・効果を成人を切るとかなると、結局また、この報告書の中で も最後に問題として指摘されているように、いろいろ現場としては混乱するというおそれ があると思うので、小児のこの検討会においては、その小児の部分については、皆さんの 意見としてはもう結論は出たというふうに整理をさせていただきますが、我々としては基 本的には成人と併せてできるものかどうかという検討もさせていただくような流れにさせ ていただきたいというふうに思っていますけれども。 ○藤村座長代理  特に問題はないですね。まだほかにご意見をお持ちの方ございますでしょうか。  では、先ほどまとめたように結論させていただきます。ありがとうございました。  次の課題に移ってよろしいでしょうか。  そうしましたら、次の案件はアシクロビルですね。それでは、検討委員であられます大 久保先生と新庄先生、ご報告よろしくお願いします。 ○大久保参考人  よろしくお願いします。資料4のほうのアシクロビルのほうの報告書案です。日本未熟 児新生児学会の大久保です。  初めに、アシクロビルの注射剤に関しまして私のほうから説明させていただきまして、 その後から、経口剤のほうに関しましては、小児感染症学会の新庄先生のほうから報告さ せていただきたいと思います。  まず1ページ目です。アシクロビルの注射剤に新たに新生児単純ヘルペスウイルス感染 症という効能を追加させていただきたい、そう要望をさせていただきたいと考えています。  この新生児単純ヘルペスウイルス感染症は、適切な治療がなされないと致死的もしくは 後遺症を残すことの多い疾患であります。米・英・独・仏の主要4カ国で既に承認されて おります。米・英・独におけます用量は、プロキロ10ミリの1日3回でありますけれども、 中枢神経型や全身型におきましては、その倍量でありますプロキロ20ミリの1日3回の高 用量の使用で予後が有意に改善されることが示されております。  フランスの添付文書や、その各種成書、ガイドラインにおけます記載でもプロキロ20ミ リの倍量投与が推奨されております。なので、そちらの用法・用量を含めた、この新生児 単純ヘルペスウイルス感染症の効果・効能の追加をまず要望したいと。  次に2番と3番のほうの免疫機能の低下した患者に発症した単純疱疹・水痘・帯状疱疹、 さらに単純ヘルペスウイルス及び水痘・帯状疱疹ウイルスに起因する脳炎・髄膜炎に関し ましては、既に効能・効果があるんですけれども、そのいずれの疾患におきましても重篤 でありますし、早期に強力な抗ウイルス療法が必要である。海外におきましては、先ほど 説明しましたプロキロ20ミリで、今の現在の添付文書の倍量の用法・用量で投与すること が推奨されておりますし、本邦におきましても十分な臨床効果を得るために、新たに最高 プロキロ20ミリの1日3回までの用法・用量を要望したいと考えております。  続きまして、2ページ目の、我が国で必要と考えられる具体的な添付文書の改訂をする 欄ですけれども、その変更予定としましては、まず効能・効果に関しまして、新たに新生 児単純ヘルペスウイルス感染症を追加すると。その用法・用量としましては、プロキロ10 ミリの1日3回を10日間と。必要に応じて投与期間の延長もしくは増量ができ、ただし上 限はプロキロ20ミリまでとするという記載で、さらに、現在の効能・効果にあります脳炎 ・髄膜炎等に関しましては、今の記載の倍量のプロキロ20ミリが使用できるように改訂し たいと考えております。  なお、新生児単純ヘルペスウイルス感染症を効能・効果として追加すると、現行の使用 上の注意の慎重投与の項に関しまして、「小児に対しては必要最小限の使用にとどめるな ど、慎重に投与すること。特に新生児、低出生体重児に対する安全性は確立していないの で」という、そういう欄に関しましては削除することを要望したいと思います。  続きまして、4ページ、実際の海外の承認状況を記載しております。その上部の表です けれども、アシクロビル注射剤に関して。新生児単純ヘルペスウイルス感染症に関しまし ては、米・英・独がプロキロ10ミリ、フランスがプロキロ20ミリの1日3回になっており ます。脳炎・髄膜炎だとか、免疫機能の低下した患者さんに対しましてはプロキロ5ミリ から20ミリの幅で、海外の添付文書では用法・用量の記載がされています。  5ページ目に入ります。重要な論文、公表論文に関しましてですけれども、まず新生児 単純ヘルペスウイルス感染症に関しましては、ランダム化比較試験としてアシクロビルの 注射剤の有用性が報告されておりますし、従来の投与量でありますプロキロ10ミリの3回 という、1日パーキロ30ミリの投与と、パーキロ60ミリの投与を比較検討した報告では、 致死率が有意に倍量投与のほうが減少すると、効果があるという報告があります。  国内に関しましては、症例報告だけなんですけれども、従来はプロキロ30ミリから45ミ リまでの報告だけだったんですけれども、近年、ここ数年では倍量投与のプロキロ60ミリ の投与例も報告されておりまして、それらの投与期間中に好中球減少だとか、腎機能の悪 化だとかの副作用を認めておりません。  続きまして、6ページの脳炎・髄膜炎とかに関してですけれども、現在の本邦の用法・ 用量で治療した場合に、十分な抗ウイルス効果が得られない場合があるという報告が散見 されておりますし、海外では、重篤な疾患に対して、より高用量の投与で致死率の有意な 低下が報告されております。  続いて、教科書とかガイドラインの記載は10ページ。表が横になりますけれども、10ペ ージの欄で、新生児に関して別途教科書を6つほど、Nelsonだとか、Oski's、Averyだと か挙げていますけれども、いずれもプロキロ20ミリの投与の記載がしっかり書かれており ます。  11ページのガイドラインのほうに関しましても、脳炎に関しまして、プロキロ10から20 ミリの投与、新生児ヘルペスウイルスに対して、プロキロ10から20ミリの投与という記載 が推奨されております。  13ページの有効性の総合評価ですけれども、アシクロビルの注射剤の用法・用量につい て、本邦の承認用量では重症もしくは新生児のヘルペスウイルス感染症の有効率が50%か ら70%程度と、十分な効果が得られない症例も存在することが示されており、高用量を投 与した場合に、より強い抗ウイルス効果が得られることが示唆されています。よって、致 死的になり得る新生児単純ヘルペスウイルス感染症や脳炎・髄膜炎に関して、最高プロキ ロ20ミリまでの増量が認められるべきじゃないかとまとめております。  安全性のほうですけれども、安全性のほうに関しまして14ページのほうに記載していま すが、特に新生児のほうで一部に好中球減少症の報告がされておりますけれども、それら は中止後に速やかに改善することが多く、重大な転帰には至っていないことが報告されて おりますし、実施に本邦でプロキロ60ミリの高用量の投与をされた新生児例の報告でも、 それらの大きな副作用は起こらなかったと報告があります。ただし、新生児に関しまして は腎機能が未熟でありますし、高用量の投与、静脈内投与の場合は腎機能障害や好中球抑 制に十分な留意は必要じゃないかと考えております。  最後になりますが、用法・用量の妥当性に関しましてですけれども、新生児単純ヘルペ スウイルス感染症におきましては致死的で重篤な疾患でありますし、フランスの添付文書、 また教科書、成書、ガイドラインにおきましても、プロキロ20ミリの1日3回投与という のが広く推奨されておりますので、腎機能障害や好中球抑制に留意しながら、その用法・ 用量で使用することを要望したいと考えております。  以上です。 ○新庄参考人  続きまして、経口投与のほうを新庄が担当させていただきます。  もう一度、資料の1ページに戻っていただきまして、一応今回はアシクロビルの経口薬 で、最初は単純疱疹だけという話だったんですが、諸外国の適応とか、日本ではバラシク ロビルも使われているとか、あとは成人でも幾つか疾患が通っているということで、アシ クロビルとバラシクロビルについて、単純疱疹、骨髄移植の予後、それから帯状疱疹、性 器ヘルペスというふうに対応を検討してまいりました。  今回はアシクロビルということだったので、これのその4つの適応について考えたいと いうふうに思っております。  まとめますと、安全性と投与量については、水痘で日本ではしっかりと適応が通ってい るので、それ以上に使う必要が恐らくないだろうということで、これを安全性と投与量の 担保としているというふうに考えています。  1ページ目から2ページ目にわたりまして、その4つの適応について重要性が書いてあ りまして、3ページ目がその経口薬の投与量です。今申しましたように、水痘の量を基準 としていて、最大量は成人で使っている量というふうにしております。それが3ページ。  4ページ目の下の段がアシクロビルの経口剤の諸外国でどう適応が通っているかという ものを書いたものでございます。  単純疱疹については、英、ドイツ、フランス、骨髄移植についても同様で、帯状疱疹に ついては眼部ということで、フランスで適応が通っております。水痘は、実は日本、英国、 米国。性器ヘルペスの再発抑制はフランスで6歳以上で通っております。  続きまして、5ページ目は無作為化などの試験なんですけれども、経口薬については6 ページからになります。ランダマイズドは、口腔感染症に対してアシクロビルの経口投与 がよかったというものが1報あるだけであとは、あとはケースレポートなどなどでござい ます。  ただ、論文によって、いろいろ投与量が違うということがここにも書かれているように、 ただ、効果としてはあると。それが1番ですね。  2番目は、骨髄移植における単純ヘルペスウイルス感染症の予防ということで、これは 少し古いですが、7ページに行きまして、1987年の本邦のレポートなどが報告されており ます。  3番目は帯状疱疹ですが、帯状疱疹については、しっかりした論文はありません。ごめ んなさい、帯状疱疹のところの「また」というところから34番、小児自体が入っていなか ったので、ちょっとこの3行は割愛させていただきます。  4番目の性器ヘルペス再発抑制については、5歳、6歳という方は別として、思春期の 方については、こういったものを勧めるというふうに書いてあるものがありました。  次、8ページへ行きましてPeer-review、メタ・アナリシスでは、特に眼部帯状疱疹で すとか、免疫抑制下にある患者さんの帯状疱疹などについても書かれているということで ございます。  次のページへ行きまして、9、10は教科書等への標準的治療でございます。こちらは適 応を4つ今回申請しておりますが、そのうち単純疱疹、造血幹細胞移植、それから性器ヘ ルペスの再発抑制などについて書かれてございます。  飛びまして、12ページ目は国内での使用状況でございます。国内の使用状況は、12ペー ジの下3分の1にアシクロビル経口製剤がありまして、単純疱疹、それから骨髄移植の予 防、それから帯状疱疹については国内の調査、これは論文というよりはGlaxoなどの社内 調査などを参考にしておりますが、こちらでも有効性等が認められております。  次、13ページ、有効性の総合評価ということですが、以上のように論文と、それから成 人データと、それから諸外国のデータなどを併せまして、これらの効果が期待されるとい うことが言えると思います。  それから、13ページ下のほうの安全性の総合評価でございますが、先ほど申しましたよ うに水痘で安全性が担保されているというわけで、それ以上に使うことがないはずだとい うことで、安全性はしっかり担保されているというふうに考えております。  14ページは、最後は用法・用量の妥当性ですが、論文によって、かなり投与量が違うの で、しっかりとした投与量は決められないということで、我々の考えとしては、水痘で通 っている投与量をベースにして、ただし上限はやはり成人の量を上限にすると、そういっ た考えで投与量を決めさせていただきました。以上です。 ○藤村座長代理  ありがとうございました。非常に分かりやすいおまとめを、両方の製剤で示していただ きまして、添付文書でもこのように改訂していくべきと非常にクリアに示していただきま した。それでは、ご質疑をお願いいたします。 ○横田委員  このアシクロビルは大人でも一般の小児にも認可が下りているけれども、未熟児新生児 について下りていないからお願いしますという感じでよろしいですか。  それで、大変難しい質問で、お答えないと思うんですけれども、特に新生児期あるいは 乳児期についてのPK/PDはとれている薬剤ですか。 ○大久保参考人  報告書にも14ページに少し記載させていただいたんですけれども、 欧米人の小児と日 本人の小児とのPK比較は行われておりませんが、成人においては、日本人と欧米人の間 でこの薬剤に対するPKの類似性が示されておりますし、公表文献等におきましても、特 に小児のPKにおける人種差を示唆するものがないということから、海外と同じ用法・用 量で妥当じゃないかという報告書案にさせていただいています。 ○横田委員  伊藤先生、こういうのは、やっぱり今後考えていかなくちゃいけない問題で、例えば昨 年厚労省から承認いただいたアクテムラという薬剤がありますが、この薬剤の、今、欧米 での治験が進んでいるんですね。それで、日本では成人と全く同等に8mg/kgということ の投薬で小児の承認もとれたんですけれども、欧米での治験が始まりましたら、3歳以下 と3歳以上では全然その排泄濃度が違うということで、3歳以下に関しては12g/kg、それ から3歳以上に関しては8mg/kgということでの今、治験が進んでいるんですね。そうい う意味では、小学校以降、それから幼児、乳児、新生児、こういうところでの薬物動態と いうのは物すごく違うんだということが分かってきているんで、これは今回の会とは余り ないかもしれませんけれども、ぜひそういう志向を持ってほしいなというか、そういうこ とをやれるような環境というのが欲しいなというふうに思うんですね。 ○岩田委員  岩田です。まず注射剤のほうですけれども、大久保参考人も報告書の中で新生児、未熟 児に高用量を投与するときには骨髄抑制とか腎障害には注意すべきだということをおっし ゃっていますが、この点について特に高用量を投与するときに、そういうことに注意する よう添付文書に加えるというようなことは必要ないでしょうか。 ○大久保参考人  もちろんそうすべきかなと考えておりますけれども、ただし今現場の、実際、未熟児新 生児学会でも、その使用実態調査を行い始めているんですけれども、その用量を少ない投 与量から始めて後遺症を残している報告だとかがあると、添付文書にプロキロ20ミリまで 使えるという記載がないところで治療のスタートが遅れたりということがあるので、まず は高用量の投与量は記載させていただいて、実際の管理上は、そういう腎機能の障害だと か好中球のことについては留意してもらうという、参考としては載せたいなと考えており ますけれども。 ○岩田委員  もちろん、適応はこれでよろしいかと思うんですけれども、高用量を投与したときには そういうリスクが高くなるというのは、もしエビデンスがあるのであれば、添付文書に記 載したほうがいいのかなと思ったので発言させていただきました。  それからもう一つ、経口薬のほうですけれども、いろいろ新庄先生に調べていただいて、 単純疱疹あるいは帯状疱疹への適応拡大ということでお話ししていただきました。今回は アシクロビルの話なので余り適切ではないかもしれないのですが、先生もお話の中でおっ しゃっていたように、アシクロビルのプロドラッグで吸収されればアシクロビルになるバ ラシクロビルは、暴露量がアシクロビルより多いこと、投与回数が3回で済むということ で、4回投与しなきゃいけないアシクロビルよりはコンプライアンスがよいと考えられる ことから、現在水痘にしか適応が通っていないと思うんですけれども、こちらのほうも同 じように単純疱疹あるいは帯状疱疹で使えると便利なのかなというふうについ思います。 この会の趣旨から少しずれるかもしれませんが、その辺をもし検討していただけると、と てもありがたいと思います。その辺はいかがでしょうか。これは事務局のほうに聞いたほ うがいいかもしれません。 ○新庄参考人  コンプライアンスも全くアシクロビルと違うので、バラシクロビルは場合によっては2 回で済みますので、アシクロビルは論文とか読むと5回というのも結構ありますので、そ の辺を考えると、効果等々を考えれば、バラシクロビルを優先していただいたほうが、個 人的にはいいのかなと思いました。 ○事務局  ワーキンググループにおきましても、バラシクロビルが有用ではないかという議論があ りまして、その辺、新庄先生にも非常にたくさん調べていただいたところがあったのです けれども、バラシクロビルについては、海外でもこの辺りの適応がそろっていないという のと、まだ国内でも新しい薬で、小児の水痘における用法・用量が平成19年の承認で再審 査期間中といったこと等から、今回の小児の検討会の範囲からは外れたものとなりました。  実際には、一部の適応では海外で承認されている部分もありますので、次の予要望集の 範囲になるところもあるかとは思います。 ○岩田委員  今回除外されたのはもちろんよく理解できるんですけれども、今後ぜひ、また考えてい ただければというふうに思います。 ○藤村座長代理  ほかにございますか。  用量について、少しコメントが出ましたけれども、新生児ヘルペス、脳炎・脳症の場合 の怖さというのは、新生児を診ている人たちは骨身にしみて知っていますので、まず効く 用量をやるべきだというのはどうしても専門家の間では出てくると思います。  そうしたら、アシクロビルはきれいにまとめていただいていますし、余り大きな議論、 問題点もないように思いますが、この内容でご承認いただいてよろしいでしょうか。  じゃ、ご討議どうもありがとうございました。大久保先生、新庄先生、本当にこのレポ ートの作成ありがとうございました。  はい、どうぞ。 ○横田委員  今のはアシクロビルの未熟児新生児への適応拡大ということでのお話だったと思うんで すが、特に事務局にお尋ねしたいんですが、今のアシクロビルの問題を(仮称)有識者会 議へ持ち出したときに、例えば出さないで、小児に特有のものは小児特有でやるんですか。 ○審査管理課  アシクロビルについては、ここの場で検討は終了という扱いでいきます。 ○横田委員  例としてこういうものとか、それから先々回のアセトアミノフェンとか、ああいうもの が出てきたときに、それは成人との両方で未承認であるとか、そういうものは扱おうとい うことなんですね。小児のは小児ので、別々にやりましょうということですか。そういう ふうには理解できなかったんですけれども。 ○審査管理課  それはケース・バイ・ケースだと思っておりまして、今回のようなシクロホスファミド のような場合は、たまたま成人についても未承認であったということなので、そういった ものは両方併せてやれるならやったほうがいいという判断をしておりますけれども、今度 の検討会議は、あくまで今これまでと同様に各、例えば抗がん剤とかいろいろな分野別に グループで検討するのとともに、分野横断として小児分野というのを設けて、今のワーキ ングのような活動をしていくつもりですので。 ○横田委員  それから、先ほど伊藤委員が言われたことの話なんですけれども、日本で開発される薬 剤について、ぜひ国際治験に持っていくとか、それから成人での治験と同時にメーカーに やらせるとか、そういう方向をぜひ進めていただきたいと思います。  実はカナキヌマブという薬剤が今、治験に入ろうとしているんですけれども、この薬剤 は、今、欧米で治験が進んでいるんですね。それで、私たちも国際治験に入れてくれとい う形で話をノバルティスにお願いしたんですが、タッチの差で始まっちゃっていたんです。 それで、それは困ったという話で、それではということで、これは欧米のメーカーですか ら、小児治験もやらなくちゃいけないというのはもう骨身にしみているわけで、それでは 日本で小児の独自の治験をやろうじゃないかと。プロトコール等も欧米の治験とすり合わ せて、遜色がなくて、最後にはまとまるような形にしようという話で今進んでいるんです ね。  それを見ても分かるとおり、欧米の製薬会社は成人と同時に小児の治験もやるというの は常識になっているわけで、我が国でなぜそれができないのかということが、僕は非常に 疑問です。よろしくお願いします。 ○審査管理課長  どうもありがとうございました。国際共同治験の推進につきましては昨年ですか、通知 を出させていただきまして、かなり治験相談も含めまして、国際共同治験の割合が増えて いる状況でございます。さらに、今の段階ですと日本が後から加わるような感じですけれ ども、できますれば本当に共同、あるいは日本が先にして国際共同というような形にぜひ 持っていきたいと思っております。  その際に、小児用量について、適応について、どう考えるかというところでございます けれども、なかなか実際上、開発者の考えもございますとは思いますし、どのような形で そのインセンティブも含めてやっていけばいいかというところにつきましては、ぜひ先生 方のアドバイスをいただいて、よりよい形でなっていけばいいかなというふうに思ってお りますので、ぜひいろいろご指導いただければというふうに思っております。 ○中川委員  すみません、1点だけ、ちょっと話を蒸し返すようで申しわけないのですけれど、バラ シクロビルの話で、多分これは同種同効薬で、しかも海外で適応がないということであれ ば、有識者会議にさっき話がありましたけれども、そこで検討される機会がもうなくなっ てしまうだろうというふうに思っているんですね。実際、臨床現場でこの2剤を両方とも 入れている病院、医療機関は余りなくて、どちらか1剤だけということが結構多いと予想 します。そういうことを考えると、やはりここでそれを抹殺してしまうのはどうかなとい うのは、実際、臨床現場で見ている者の率直な意見なんですよね。その辺は、先生方はい かがお考えかなと思いまして。 ○藤村座長代理  何かご意見ございますか。 ○審議官  今の小児の薬物療法検討会議は欧米4カ国で承認されていると、こういう枠組みでもっ て適応についてもやってきているわけですね。今度の有識者会議も一応そこに基本を置い ているんで、そこはまずは優先的には、まずそこは進めたいと。  先ほど事務局から申し上げましたように、それに合わないところ、そこはその次の段階 かなと。  それからもう一つは、海外で小児はないにしても保険適用していると、こういった事例 があるのかどうかと、そういうところを調べるというところも一つのポイントかなと、こ う思っております。  それからまた、これはここの検討会の場の話ではありませんけれども、やはり医療上必 要な適応についての承認取得を進めると、こういう意味での製薬企業に対する厚生労働省 からのアプローチと、こういったものは当然のことながらあると思いますので、そういっ た先生方からの、あるいは学会からの要望、そういったものを十分に参考にしていきたい と思っております。 ○藤村座長代理  この検討会以外の小児の医薬品、特に新しく開発される薬、先ほどから出ましたが、日 本小児学会では前から主張しているのが、一般企業から申請があったときに、小児で使わ れる可能性があれば、小児も同時に臨床試験を始めるよう指導していただきたいと。要す るに最初から小児も治験というものの枠に入れると、これをぜひ進めないと新薬の話は片 づかないと思いますが、いかがでしょうか。 ○審議官  先ほども横田先生からも同じような話があったと思うんですけれども、できるだけ行政 側としては、小児も一緒に開発してほしいと、こういった意味での指導もしていきたいと 思うんですが、企業側からの言うなれば意見としては、なかなかその症例が集まりにくい ですねと。したがって、欧米と一緒にやろうと思っても、なかなか後回しになってしまい ますので一緒にはできませんねと、そういったような答えが返ってきてしまうわけなんで す。  そういう意味で、国内開発のものも含めてもそうなんですが、いかに小児の適応につい ての臨床例を早く集める体制といいますか、そういったものが必要なんだということを感 じております。そういう意味でいろいろと先生方からも、これからいろいろサジェスチョ ンをいただければありがたいと思っております。 ○藤村座長代理  今のお話を何遍も繰り返しているんですが、はい、どうぞ。 ○宮坂委員  多分、藤村先生もおっしゃりたかったのかもしれませんけれども、やはり小児と大人と 同じ感覚でいるところが一番違うんじゃないかなというふうに思いまして、今回、今、小 児科領域では6割が未承認、追加領域では恐らく9割以上がこれに適応する、これが毎日 行われていると。それを解消するというのが、これが本来のスタートだったと思うんです よね。だから、企業が小児は症例が集まりにくいからと、それは当たり前で、小児に向け たその承認の仕方を行政のほうも考えるとか、そういうふうにしていただかないといけな いかなというふうに思います。 ○藤村座長代理  皆さんいろいろきっとお話ししたいことがあると思うんですが、この検討会議が、一応 今日で発展的解消というか、発展になるかどうか非常に問題なんですけれども、というこ とで、次の小児のワーキンググループでぜひ頑張っていただかないといけないと思います。 ○中村委員  先ほども中山補佐のほうから紹介いただいた8月締め切りの要望の募集締め切りの件で、 これはもともと小児の薬物療法検討会議に挙がっていた薬のリストがありまして、その中 で我々、成育医療センターのメンバーではある程度、剤形変更のところが引っかからなく ていけるものが少なくとも二十何品目あるかなとは考えていたんですけれども、もう次の 委員会、有識者会議に引き継がれてしまうので、その中で、もう一度、小児薬物療法検討 会議にかつて5年ぐらい前に出されていたリストがあるんですけれども、それについては もう一度見直して、新たに8月締め切りに向けて出し直すということでよろしいですね。 ○審査管理課  それに優先順位をつけて出していただきます。 ○中村委員  優先順位を再確認した上で、もう一度出すということですね。 ○審査管理課  ここで検討されたものはいいですか。 ○中村委員  ここで検討されたものは、必要ないということで。 ○宮坂委員  ここで検討されたものもありますよね。それの資料作成。 ○中村委員  そうですね。学会によっては、本当にエクセルの表だけ出していて、それの、この要望 書の中にはエビデンスがどの程度ありますかという資料を入れてくださいというふうにな っているんですけれども、学会によっては前の検討会議でもリストだけしかお出しいただ いていないところもあって、残念ながらそこは全く検討対象になっておりません。  なので、そういうところはそういうところを少し、やっぱり優先順位が高いものについ てはしっかり要望書の中身を埋めていただく作業が必要だと思いますし、それから、ちょ っと昨日経験したんですけれども、学会の中でも検討するメンバーは変わっていて、5年 前に出されたものが、いや、これはもう今回候補の必要がないということで、本来、すみ ません、僕の目から見たら検討課題だと思うものが外れたりといったことが起きています ので、ちょっと時間がたっていますので、それぞれの学会でまたきちっと引き継ぎも含め て検討いただいて、もう一度お出しいただかないと、前に出していたじゃないかというこ とにならない可能性にありますので、ということでよろしいですか。 ○審査管理課  今言っていただいたとおりでありますが、ただ、何かここは不合理じゃないかというよ うなことがあれば、いろいろ言っていただければ、できるだけ対応させていただきますの で。 ○森参考人  5年前に出させていただいたリストは、先生のお手元に全てお持ちでいらっしゃるので すか。もう一度検討するときに、分科会の先生に戻されたほうが良いと思いますが。 ○中村委員  審査管理課に提出されているはずですので、それが私どものところに全て届いていれば 全部来ていますけれども、時間がたっておりますので、確認してみないと分からないとい うのが回答です。 ○森参考人  そうしましたら、確認を審査管理課にさせていただくという形でよろしいでしょうか。 ○中村委員  どうですかね。 ○審査管理課  それはまた、別途相談して……。 ○森参考人  ご連絡をお待ちしています。もう余り時間がないものですから、しっかりやりたいと思 いますので。 ○中村委員  1回目の検討会に出ているリストがあるんですけれども、ただ、途中で訂正の要望が出 されているものがあって、それがどこまで正式に受理されているかというところが、事務 局もメンバーが変わっていますので。あと、事務局的には余り五月雨で出されても困ると いうところもあって、どこまでが正式に受理されているかというのは確認が必要かもしれ ません。  一番いいのは……どうするんですかね。私が答えるとおかしいので、事務局の。 ○藤村座長代理  ですから、もう前に出したからというんじゃなしに、また出してくださいでいいんじゃ ないですか。 ○中村委員  そうですね、基本的にはそうです。 ○事務局  第1回の資料としてあります表につきましては、手元にございますので、その第1回の 資料当時の表は。 ○伊藤委員  チェックリストの作成されている品目につきましては、IT上に公開しています(注: urlはhttp://health.med.kagawa-u.ac.jp/jdpt/reguratori/check/index.html)のでそれ を利用していただけると良いと思います。 ○審査管理課  今回は申しわけありません。今回いろいろ、ちょっとまた要望の様式というのがここに 最後についているのを見ていただくと分かるんですが、以前出したものだけではちょっと 不足する部分もありますので、そこを追加していただく形で、ちょっといろいろお手数か けて本当に申しわけないんですけれども、これは今回、小児だけじゃなくて全体の学会に 対して我々も要望を受け付けているという事情もあって、相当学会の皆さんのお力をかり ないと、私どもも手に負えない状況になり得るので、小児についてはいろいろ重複する部 分も出てしまうかもしれませんが、重複する部分は単純な機械作業でコピー・ペーストし ていただくような形になるかもしれませんが、ぜひご協力をお願いしたいというふうに思 います。すみません、お願いします。 ○森参考人  すみません、もう一度しつこいようですが、要約表と一括表の両方を出す形になるので しょうか?確認させてください。 ○審査管理課  どうもすみません、それは検討会議の話とちょっと違うので、また事務局的に、後で相 談させてください。 ○森参考人  分かりました。後日連絡をいただきたいと思います。 ○藤村座長代理  ありがとうございます。今日ご検討いただいたフレカイニドとアシクロビルは、最終的 にはこの検討会の役割として、事務局のほうに一部変更の手続の作業のほうに進めていた だくということでよろしいですね。よろしくお願いいたします。  それから、これはシクロホスファミドにつきましては、先ほどから確認いただいたよう に、この内容で有識者会議のほうに伝達していただくということです。  それから最後に、この報告書をまとめていただきました森先生、大久保先生、新庄先生、 またワーキンググループの先生方、本当に大変だったと思いますが、私が非常に心残りな のは、こういう報告書に一切そういう努力されたお名前が残らないということです。お役 所の常だとは思うんですが、一体だれがこの努力をしたのかというのが後に残らないのは 非常に残念なので、1つ質問なんですが、この基本的な内容は学会誌に薬事委員会とか、 そういうふうな名前とか、この会の名前では出せないと思うんですが、会員に周知させる ためにも非常に有益な知識であると思うんですが、それは公表できるものでしょうか。今 すぐ即答でなくてもいいんですが、これはぜひ検討いただきたいと思うんです。  つまり、非常に重要な、一つの知識ですから、会員に広く伝達するというのが、国の一 つのお仕事でもあると思います。薬のことを理解を得るという意味でも、非常に有用な資 料だと思いますので、ちょっとご検討いただきまして、次の機会にでも回答いただけたら と思って。何か。 ○審査管理課長  先生、ありがとうございました。  この報告書については、ご指摘いただいたとおり修正していただければということで、 そもそも公表資料でございますので、これを各学会の先生方で、あるいは解説を付けてい ただくとか、そういうことで使っていただく分には別に。大変ありがたい話だというふう に思います。 ○藤村座長代理  早速回答いただきましたので、先生方、ご努力いただいた方を中心に、各学会でそれを ぜひ活用いただけたらと希望します。どうもご協力ありがとうございました。  それでは、最後に岸田審議官からご挨拶があるということで、よろしくお願いします。 ○審議官  この会議ができたのが平成18年3月の第1回目ですか。それから3年半、6回の会合を 開き、これまでにアセトアミノフェンとメトトレキサート、それからA型ボツリヌス毒素、 これが承認されてと、こういう成果をいただいたわけでありますし、また今日もいただい たことを基にその後の手続を進めていきたいと、こう思っております。  今、座長からも言われましたが、本当にこの報告書をつくる際に実際に調べて書かれた 方、大変ご苦労が多かったと思いますし、ワーキンググループの先生方にも深くお礼申し 上げたいと思います。  この検討会ができるきっかけといいますのは、小児科学会の方々から小児の適応がない ということによる非常な現場での不便さ、そういう切実な声を基にできたわけでございま すので、今後この秋にできる有識者会議と、こういうふうに申し上げましたが、その中で は小児の問題というものは非常に私としても重要だと、こういうふうに受け止めておりま す。したがいまして、先生方が成人と一緒になるから負けてしまうんじゃなかろうかと、 こういう心配のないように、私もしっかりと見ていきたいと思っております。  また、いろいろそのエビデンスが少ないところに対して、こういう試験が要るんじゃな かろうかとか、調査が要るんじゃなかろうかとか、そういったような課題というものも今 後出てくるかもしれません。こういった場合にその財政的な支援をすると、そういう仕組 みも検討しておりますので、そういったものも併せながら、小児の適応、先ほどいろいろ 厳しいことを言いましたけれども、そういったところをできるだけ拡大するような方向に、 行政としても力を注いでいきたいと思っております。  今回でこの会議も発展的解消ということでございますが、今後とも、今後この秋以降に できるであろう仕組みに対しまして先生方のまたお力添えをいろいろといただくことにな ると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  どうもありがとうございました。 ○藤村座長代理  それでは、これでこの検討会を終わらせていただきます。ありがとうございました。 (了) 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課 03−5253−1111