09/07/29 平成21年度第4回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 平成21年度第4回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会 (1)日時  平成21年7月29日(水) 13:30〜15:30 (2)場所  厚生労働省専用第21会議室 (3)出席者 委員:池上直己分科会長、高木安雄分科会長代理、泉キヨ子委員、        猪口雄二委員、大塚宣夫委員、左桝進委員、武久洋三委員、        三上裕司委員        事務局:佐藤医療課長、佐々木課長補佐、他 (4)議題  1 慢性期入院医療の包括評価調査分科会の課題等について        2 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について        3 平成20年度一般病棟で提供される医療の実態調査について (5)議事内容 ○池上分科会長 それでは、ただいまより平成21年度第4回診療報酬調査専門組織・慢 性期入院医療の包括評価調査分科会を開催させていただきます。  本日の委員の出欠状況につきましては、椎名委員が御欠席となっております。猪口委員 は間もなくいらっしゃると存じますので、始めさせていただきたいと思います。  次に、厚生労働省において異動がありましたので、事務局より紹介をお願いいたします。 ○佐々木課長補佐  保険医療企画調査室長の異動がございまして、7月24日付の異動でございます。城室 長でございます。 ○城保険医療企画調査室長  城でございます。よろしくお願いします。 ○池上分科会長  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第、1枚物と、それから座席表、 そして名簿でございます。それから、慢−1といたしまして「慢性期入院医療包括調査分 科会の課題等について」、これ、中医協に報告した資料でございます。それから、慢−2 といたしまして、7月8日に池上会長から報告していただいたものでございます。それか ら、慢−3といたしまして「第2回分科会での指摘事項」、1枚物。それから、慢−4− 1といたしまして「医療区分1の分類」と書いた横紙でございます。慢−4−2といたし まして、医療区分1の細分類に関する提案に対する分析したもの、1枚物でございます。 それから、慢−5といたしまして、「後期高齢者特定入院基本料のいわゆる『除外対象』 の患者に関する集計」、1枚物。それから、慢−6といたしまして「第2回分科会の資料 の訂正について」という、慢−7といたしまして「第3回分科会での指摘事項」、1枚物 でございます。慢−8といたしまして「レセプト調査集計結果」、共通病院のものでござ います。1枚物です。慢−9といたしまして、これは級地別のレセプト調査の結果、これ も1枚物。それから、慢−10といたしましてコスト調査の集計結果、これも級地別のも のでございます。4枚物です。それから、慢−11といたしまして1枚物ですが、患者さ んの分類を細かく分けたレセプト調査の結果。慢−12といたしまして、一般病棟で提供 されている医療の実態調査。それから、慢−13といたしまして、一般病棟で提供される 医療の実態調査の集計結果と。  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、慢性期入院医療の包括調査分科会の課題等についての議題から行いたいと思 います。  去る7月8日の基本問題小委員会において「平成21年度慢性期入院医療の包括調査分 科会の進め方について」と題した資料で御報告し、分科会における今後の議論の方向性に ついて御提案申し上げました。その際、基本小委から、「慢性期医療の定義や範囲につい て、どう考えるのか」、「慢性期の分科会が考える『中・長期的な課題』がどのようなも のであるか」といった意見が出され、また、それらを資料として提示するようにとの御指 示がありました。そこで、同日開催された慢性期分科会において議論をし、当分科会が考 える課題について改めて整理した資料を準備しました。  それを7月15日の基本問題小委員会で報告することになりましたが、私自身の日程調 整がどうしてもつかなかったため、やむを得ず高木分科会長代理にお願いしました。  まず、事務局よりこの資料の紹介をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、御紹介いたします。資料慢−1でございます。  これは7月15日の中医協の基本問題小委におきまして、今、経緯の御紹介ございまし たが、高木分科会長代理に御出席をいただきまして御説明をいただいた資料でございます。 資料につきましては、まず短期ということで平成22年度診療報酬改定に向け、既存のデ ータを用いて、以下の検討を行うとして、患者分類の妥当性の検証、各医療機関における 分類の適切性の検証、提供されている医療サービスの質の検証ということで、これにつき ましてはもう既に7月8日にございました中医協でもこの内容は既に合意されていたわけ でありますが、中・長期の課題のところについて、より具体的なという宿題がございまし た。  こちらから御提出したものを簡単に御紹介しますと、医療療養と機能が近接している病 床等を含め、慢性期医療に関する調査・分析を行う。その際に慢性期医療の定義・範囲を 明確にしておく必要がある。現時点では、さしあたり一般病床の一部から介護保険施設の 一部までが想定されると。当面は、このうちの一般病床に係る部分を検討するということ としまして、慢性期の医療の定義・範囲については改めて検討ということでございます。 一連の検討結果は、適宜、基本問題小委に報告し、そのやりとりをしながら進めていくと、 大体こういうような内容のものにつきまして提出をしたというところでございます。  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  次に、高木分科会長代理より報告をお願いいたします。 ○高木分科会長代理  それでは、7月15日の基本問題小委に報告しましたことをここで改めて確認したいと 思います。  7月15日の基本小委では、結論から言いますと、短期及び中・長期のいずれについて も、今、佐々木補佐のほうから報告されました資料について承認されましたので、まずこ れを報告したいと思います。  この分科会として、中・長期の課題にどう取り組んでいくかを考えるということも重要 だと思いますけれども、まずは短期の2つの課題に対応する必要があるのではないかと。 中医協の基本小委でも「各医療機関における分類の適切性の検証」、それから「提供され ている医療サービスの質の検証」についても幾つか質問を受けまして、まだ議論を尽くし ていないと思われますので、次回以降、重点的に議論すべきではないかと思っております。  以上、簡単ですが、報告です。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  事務局から補足説明などございますか。 ○佐々木課長補佐  基本小委のやりとりの中でいろいろとございましたけれども、特に短期的なものについ ては、早急に改定に間に合うように結論を出していただきたいという御指摘がありました。  それから、中・長期の部分で申し上げますと、例えば介護施設の言及もございますけれ ども、やはり介護関係の所管する部局、もしくは介護のそういった担当の審議会というの もありますし、そういったものとの調整というのも要るのではないかという御意見もござ いましたし、そこら辺のところも中医協の基本問題小委のほうにいろいろと報告、相談し ながら、いろいろと検討を進めていくというようなことを御指示いただいたのではないか というふうに理解しております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、何か御意見・御質問等がございましたらお願いいたしま す。 ○高木分科会長代理  今、補佐のほうから説明ありましたけれども、中・長期の話と短期の話で2つ分けて報 告したのですけれども、この分科会としてまずは短期の議論を進めるべきではないかと。 したがいまして、先ほど言いましたけれども、分類の適切性の検証、それから医療サービ スの質の検証について議論ができるような事務局からの資料の提出をお願いして、具体的 な検討に入っていったほうがいいのではないかというのが私の考えです。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、本日の議論を踏まえ、事務局は次回までに「各医療機関における分類の適切 性」及び「提供されている医療サービスの質の検証」に資するデータを整理するようにお 願いします。  続きまして、平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査についてを議題とし たいと思います。  それでは、事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、説明をさせていただきます。資料は慢−3からの資料でございまして、一通り関 連する資料といたしましては、慢−11まで関連資料でございますので、そこまで一気に 説明をさせていただきます。  まず、慢−3でございます。これは第2回の分科会におきまして指摘いただいた事項で ございます。このうち白抜きのところは、回答、対応させていただいている、前回の分科 会におきまして提示をさせていただいておりますか、もしくはまだ作業中というものでご ざいまして、今回、灰色のところ、2番目の「医療区分1に該当する患者像について、細 分類を検討すべきではないか」というところと、後期高齢者特定入院基本料の除外対象患 者についてのレセプト枚数、請求総数というところにつきまして、まずまとめております。  続きまして、慢−4−1でございますけれども、横の資料でございますが、これは6月 の第2回の分科会におきまして武久委員のほうから提出いただいた資料の抜粋でございま して、医療区分1の分類について1−1から1−5まで、さまざまな検査結果等々を踏ま えて分類を細分化ということについての御提案ということでございます。  それで、慢−4−2でございますが、そういった御提示がありましたので事務局のほう でいろいろと解析といいますか、してみたものがこの4−2でございます。一番左側の列 が武久委員からいただきました御提案の項目でございまして、2列目のところ、真ん中の ところでございますが、これが今回実施しました平成20年度の患者特性調査、慢性期の 包括の患者特性調査におきまして一番左側の項目に該当する、ほぼ同じ患者さんを指して いるのではないかと思われるような項目が拾えるような調査項目があるものについて抜き 出しておりまして、「−」となっているところはそれに該当するような調査の項目という のがないところでございます。  全部個別に御紹介するのは非常に時間がかかりますので幾つか代表的なものを御紹介さ せていただきますと、まず一番上の重度意識障害の分類を3つにという御提案に関してで すが、これに関しては意識障害者のJCS30以上又はGCS8以下というような項目で 該当すると見ますと、そういう方が現時点でどの区分に該当しているかというのが右の列 2つでございまして、まず医療区分1と書いてあるところに235、16%と書いてあり ますが、この意識障害者の方について医療区分1に該当しておられる方が235というこ とです。医療区分2又は3というところで1,263と書いておりますけれども、これは この意識障害という項目ではなくて、医療区分、さまざまな病像というようなことをとら えて区分設定しておりますけれども、当然合併症とか、さまざまな状態が合併しておると いうことから見て、その意識障害の方について該当しそうな方の84%が医療区分2又は 3に該当しているということでございまして、パーセンテージで言いますと84%の方が 医療区分2又は3に既に該当しておるということでございます。  以下、同様に同じような作業をさせていただいておりまして、例えばCKD(クレアチ ニン6mg/dl以上)ということで9つ目ぐらいのところですけれども、「腎不全」、かつ 治療として「血液透析」というふうに置きかえますと、そういう方はすべて医療区分2又 は3に該当していらっしゃる等々、いろいろな御提案のあった項目について現状の調査と 照らし合わせたところ、かなりの方が医療区分2又は3というようなところにも既に該当 しておられるというような状況と、これはデータを調べてみましたところ、こういうよう な状況になっておるというようなものでございます。これは、そういう解析をしてみたと いう御報告でございます。  それから、もう一つ、第2回の宿題ということで残っておりますが、慢−5でございま すけれども、後期高齢者特定入院基本料のいわゆる「除外対象」の患者に関する集計とい うことでございます。  これは、社会医療診療行為別調査の平成19年6月審査分を用いまして、後期高齢者特 定入院基本料のいわゆる「除外対象」の患者に相当される方についてのレセプト件数及び 1日当たり点数の集計を行っております。  結果といたしまして、19年6月審査分データでございますが、初日より入院期間が9 0日を超えている75歳以上の患者さんにつきましては、その月に一貫して一般病棟入院 基本料を算定しているというレセプトは3万6,352件ということでございました。こ れが件数でございます。患者さんの数ということでございます。それに関して、3万6, 352件のレセプトの1日当たりの点数というものを計算しましたところ、2,070点 ということであったということです。これは集計の結果がこうだということでございます。  続きまして、慢−6は、これは第2回の資料が実は間違いがございまして訂正というこ とでございます。各委員の先生方の机の上には修正版というのを、訂正後というのを既に お配りしておりますけれども、訂正の内容につきましてはnの数がずれていたり、%がず れていたりということで、正誤表という形でつけさせていただいています。  ただし、大きく数字が変わるというようなものではございませんので、前回いただいた 御論議が変わってしまうということではなくて、おおむね1%程度の過誤が生じていると いうことでございます。大変恐縮でございますが、訂正をさせていただくというのが慢− 6でございます。  続きまして、慢−7を説明させていただきます。  慢−7は、第3回の分科会で指摘いただいた事項ということでございます。3つござい まして、レセプト調査についても共通病院のデータを出していただきたいというのが1つ。 それから、レセプト調査、コスト調査についても、級地別集計をしていただきたいという のが2つ目。3つ目がコスト調査の医療区分ごとの収入において9区分、医療区分ではな くて、いわゆる細かく9区分使った場合の出来高・リハビリ分をレセプト調査から算出し てほしいという御依頼がございました。  おのおの資料をつくっておりますので御説明いたしますと、まず右肩に慢−8と書いて おります、その下に共通病院というふうに書いておる資料、1枚物でございます。これは 20年の慢性期の包括の調査の部分の共通病院、いわゆる18年調査と20年調査両方に 参加をしておられる病院のデータでございまして、病院数としては11病院ということに なりますが、まずレセプトの件数としてはここに書いてありますとおり若干ふえておりま すけれども、おおむね同程度ということです。  それから、2番目の5区分の状況ということでございますけれども、図表2でございま すが、まず20年と18年を比較していただきますと、20年のほうが医療区分の1と医 療区分の3が若干減っておりまして、1は特に減っておりまして、その分、医療区分の2 がふえているというような結果になっております。  これ、両面でございまして裏返していただきますと、収入金額について同じく18年と 20年と比較させていただいておりますが、まず入院の基本料というものにつきましては 減少しているのですけれども、入院基本料等の加算、それからリハビリテーション等が違 うというようなことがありまして、結果的に若干20年のほうが収入金額というのはふえ ていると、こういう結果になっております。  それから、続きまして慢−9、10でございますけれども、慢−9はまず級地別に全病 院を分析した調査でございますが、レセプト調査、コスト調査を級地別で分けてみたとい うものでございます。まず、1はレセプトの件数でございますけれども、2を見ていただ きますと、図表2でございますが、これは1−6級地とその他の地域ということで区分を 見ていただきますと、1−6級地のほうが医療区分1が少なくなっておりまして、その分、 医療区分2・3が多いということでございます。  それから、これも両面でございますので裏にいっていただきますと、図表3でございま すが、1−6級地とその他を比較いたしますと、入院基本料は先ほどの医療区分からしま して1−6級地のほうが医療区分の高い方が多いということからも基本料も高いというこ とでございますが、入院基本料等加算、それから出来高の部分に関しましては、その他の 地域のほうが多いという傾向でございます。それから、リハビリテーション等に関しまし ては1−6級地のほうが多いということで、トータルで見ますと収入に関しては1−6級 地のほうが高いという結果でございます。  それから、慢−10でございますが、これも級地別の今度はコストのほうでございます。 これの計算の仕方としまして、まずデータの図表1でございますが、これも細分化しまし て人件費、材料費、委託費等を分けておりますが、人件費は変わらないのですが、材料費 で1−6級地が多いと。それから、その他の費用も1−6級地が多いのですが、その他の 地域のほうが委託費、設備若干、研修費、主に委託費のところですけれども、多いという 結果になっております。ただし、合計で申しますと1−6級地のほうが多いという結果で ございました。  1枚めくっていただきまして、2ページ目は参考としてつけておりますけれども、今回 のコスト調査対象の病院の規模別ということで、1−6級地が青色、それからそれ以外が 黄色ということでございますので、病院規模はほぼ似たようなものが出てきているという ことですが、若干1−6級地のほうがやはり多いというか、倍近く多いという傾向でござ います。  3ページにまいりますと、職種別の人件費の重み付けケア算定ということで、これは前 回も御説明をいたしましたが、平成20年度はいわゆる時間、タイムスタディをしており ませんので平成18年のデータをそのまま使っております。それで見ますと、18年のデ ータをそのまま使うと患者さんの区分ごとのケア時間というのが決まっておりますので、 それに応じまして医師、看護師、准看護師等々、賃金を計算いたしますと図表の5のとお りでございまして、おおむね同様の傾向なのですが、若干、准看護師さんのところで1− 6級地とその他の地域、大きな開きがあるということで、あとは大体同程度の額の開きと いうことでございます。いずれにせよ、1−6級地のほうが高いという結果でございます。  それから、4ページでございます。これは重み付けケア時間を医療区分、ADL区分ご とにしたものでございますけれども、これはどのぐらい時間、手間がかかっているかとい うのを数値化したものでございます。これらを用いまして、今後、全体的な収支の計算を してまいるわけですが、5ページでございますけれども、まず費用の推計というところで 先ほどの4ページにもありましたが、重み付けの時間の人件費、リハスタッフの人件費等 々、さまざま1日当たりの費用ということで推計してまいりますと、全体としては1−6 級地のほうが多いということでございます。これから按分しまして、こういう結果になっ ているということでございます。  それで、6ページはそれを区分ごとにまた置きかえたものでございまして、これも全体 的に1−6級地のほうがすべてのADL区分で高いという結果でございます。  7ページは、点数と、それから既に慢−10で御紹介した収入の部分をある意味一緒に したような資料なのですけれども、これによって医療区分ごと、ADL区分ごとの費用と いいますか収入というのを算出しておりまして、最終的に結果として8ページ、最後のペ ージでございますが、ここを見ていただきますと、説明してまいりました収入と費用の差 し引きしたものを示したものでございます。  前回もお話をしておりますけれども、念のためお話をさせていただきますと、図表の1 4というものがいわゆる重み付けを反映させまして、ADL区分が高い方のところにそう いった費用がたくさんかかっているという推計で計算したもの、そして区分の下のほうは そういう傾斜を特にしていないものということでございますが、実際の費用と収支の差と いうものは図表14から15の間のどこかに来るということを念頭に置いて見ていただき ますと、1−6級地、特に費用最大の場合でありますと医療区分2・3のADL区分3と いうところがマイナスということは出ておりまして、そのマイナスの幅、それから収益を 見てみますと、全体的な傾向といたしまして、その他の地域のほうが収支差というものが 小さいということに、要するに赤字でないということになっております。医療区分1の赤 字の度合いが小さく、そして2・3に関してはプラスが大きいということになっておりま す。これが級地別の調査・分析の結果でございます。  それから、最後、一連の宿題の最後の紙でございますが、慢−11と右肩に書いており ます1枚物でございます。これは患者分類9のレセプト調査の結果を患者分類ごとにさら に細分化した形で、収入をある意味データとして出せないかという宿題に対してですが、 表紙はもともとの点数なり最初にお示ししたものです。裏にいっていただきますと、より 細分化して提示をさせていただいたものでございます。これは入院基本料A、B、C、D、 Eというのがありますが、それごとに基本料、加算、出来高、リハビリテーション等とい うことを示したものでございます。  傾向を見ていただきますと、さほど18、19年度から見まして大きく傾向は変わらな いということですが、1つ、入院基本料Cのところにつきまして20年度のほうが若干高 く、ほかの区分に比べて大きくなっておりますけれども、これはもともと入院基本料Cに 該当する方というのが大変対象としては、下の図表4を見ていただきますと、全体から見 ましても大変小さ目のところでもございますので、若干引っかかってくるレセプトの枚数 なり対象となる方が非常に少なくなる可能性がありまして、出てくるデータに偏りが生じ る可能性があるということも影響しておるかもしれませんけれども、それはどういうこと であるかということにつきましては、分科会のほうで御論議をいただければというふうに 思っております。  資料は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、何か御意見・御質問等がございましたらお願いします。  はい、どうぞ。 ○武久委員  私が前のときに出した資料、慢−4−1ですけれども、これは医療区分1の割合が18 年度と20年度と比べたときに、医療区分1自身は1.2%ぐらいしか減っていなかった んですね。そこで、当初より患者分類というのはモデル事業もやらずにいきなり適用され たというところもありまして、会員からはいろいろ御意見をちょうだいしていたわけです。 これを会員以外でも療養病床をお持ちの病院の先生方からも医療区分についてはいろいろ 御意見を賜っておりますけれども、その中で医療区分2・3以外が医療区分1だというこ と、大まかにその他というか2・3以外となっているので、何か医療区分1は余り下がっ ていないのだけれども、どうも医療区分1の中の手のかかる人が多くなったという意見が あったので、これは当協会で仮にこういう医療区分1というか2・3に該当しない項目に ついて、こういうふうにして会員に調査をいたしましたら、会員のところで区分1で請求 している部分の中でのこの中の割合の1−5という、仮にこういうけっこう手間のかかる ような人に対しての2年間での増加が41%、要するにこういう手間のかかりそうな人の 割合が41%だったという調査事実をこの前に提出させていただきました。だからどうの こうのということではなく、傾向としては医療区分1の中の手間のかかる重度な患者さん を1として請求したという現実でございます。  したがって、4−2の表ですけれども、こういう患者さんは大体いろいろなものが合併 しているから、右側のように大体8割以上の症例については大体2・3以外になっている から、いいのではないのかという感じがあると思うのですけれども、この中でも大体80 %近いところはやっぱり5人に1人は手間がかかりつつ医療区分1でやっているというこ とで、どんな制度でも完璧というのはないわけですから、これはこれで皆さんの御意見を お聞きするということですけれども、例えばCKDなんかはクレアチニン6mgでは透析は まずいたしませんので、透析前の状態の患者さんにいろいろ手間をかけながら見ていると いう状況というのは、多分これは区分1でしか対応できないのではないかというふうに思 っております。  それから、ここにも低栄養とかございますけれども、けっこう病気になること自身に低 栄養が背景にあることが非常に多いので、これを是正することが疾病の回復及び疾病の予 防につながるのではないかということで、こまめに低栄養については多分現場では対応な さっている方が多いということで、正常ではAlb3.5以上が一応の正常としています けれども、3g以下だと例えば胸水とかいろいろなものもたまってきたりして、この項目 にたまたま低栄養がなかったということで、こんなふうにちょっと会員の御意見を入れて やってみたら軽い人が増えるよりは重い人が増えるほうが多かったという現状でございま して、これで直ちにこの部分についてはある程度、現場からは多少見てくれないかという ような意見があったので、私は代表して出させていただいているということでございます。  以上です。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  はい、どうぞ。 ○佐桝委員  いずれにしろ、もう少し包括的にグループ分けしていこうということが1つの本当に大 きな制度的な意義だと私は思いまして、余りにも細分化していろいろな中身を検討してい く過程ではあると思いますけれども、このように部分的なデータを持ち上げてどうなのだ という議論をしていくと、なかなか大きな仕組みをどんなふうに持っていこうかというこ とにはつながっていかないのではないかという気がしました。重症度の高い人がいるだろ うということもよく分かりますけれども、やはりもうちょっと大きな視点でこれは取り組 んでいくほうがいいのではないかなという気がしますけれども。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ほかに御意見ございますでしょうか。  はい、どうぞ。 ○三上委員  後期高齢者特定入院基本料の除外対象が出ているのですけれども、特定入院基本料を取 っておられる方はどれぐらいいらっしゃるのかなと思うのですけれども、分かりますか。 ○池上分科会長  事務局、いかがですか。 ○佐々木課長補佐  今、ちょっと正確な数字というのは不明なのですが、おおむね600から700ぐらい の件数だったと記憶しております。平成19年の社会医療診療行為別調査では、たしか6 00から700ぐらいでございます。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○武久委員  ということは、特定患者はほとんどいなくて、ほとんどが特定患者は除外されていると いうことですね。 ○佐々木課長補佐  おっしゃるとおりでして、つまり特定じゃない方のほうが圧倒的に多いということです。 ○武久委員  ということは、特定患者をつくっても意味がなかったというふうに理解してもよろしい のでございますか。ほとんどが除外になってしまうのだったら特定しても意味がないよう に思うのだけれども、どうなのでしょう。 ○佐々木課長補佐  特定患者の制度については中医協でまた議論していただくと思いますが、今のデータ的 に申しますとかなり数は少ないというのは事実だと思います。 ○三上委員  今のは、基本的には特定入院基本料を非常に低く引き下げたために、そこにいることが できないので、そういう人たちは療養病床なり、ほかのところへ行ったと、除外できる人 たちだけが残ったということだと思います。  ただ、言えるのは特定入院基本料のほうが医療区分1のADL1・2のところよりも高 いというのが非常に不思議な感じなのですけれども、そういうことだろうと思いますから 意味がなかったわけじゃなくて、意味はあったのだろうと思いますけれども。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○武久委員  先ほどの続きです。慢−10の一番後ろの8ページですけれども、ここで1−6級地と その他の地域ということでADL区分3・医療区分1のところがマイナス3,500とか 4,000とか、そのような状況でございますけれども、私が先ほどお話ししたのは、普 通でもこれだけマイナスになっているのに、先ほど言ったような医療区分の中での手間の かかる患者さんがかなり、40何%ふえているということだと実態上はこれ以上のマイナ スになっている可能性があるので、これを例えば医療区分3とADL3のところと相殺し たときに、これだとトータルでマイナスになる可能性もあるわけですね。そういうところ で医療区分1が例えば25%で、2が50%で、3が例えば25%というのが大体のレセ プト上の平均値だとすると、そのとおりだとなかなか医療区分上での費用の差というもの で計算すると実質マイナスになっているのではないかというふうに思いますので、それを 是正するために単に医療区分1・ADL3を上げればいいということよりも、むしろ1の 中の手間のかかる人を少し考慮していただけたらありがたいのではないかなというのが私 の話でございます。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○三上委員  今、基本的には分類の妥当性のところに当たるのですけれども、包括評価の中で分類が 妥当かどうかというのは、いわゆるコストが一定の幅にある人たちを1つの群にして、ま とめて包括の点数を与えるというために正しいかどうかという話なので、これぐらい離れ るとやはり分類がよくないのか診療報酬のほうがおかしいのか、どちらかだということで はないかなというふうに思うのですけれども。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○武久委員  三上先生のお話ですけれども、これは各論ですべてのところが黒字だったらむしろ利益 が出過ぎるのではないかと思うのですけれども、黒い字から赤い字を引いたところが少な くともマイナスにならずにプラスになっておればいいかなと。前のときの分科会でも恣意 的にというか、医療区分1のところは介護のほうへ行くようにという流れをつくるという 意図もあったというふうに聞いておりますので、ここの部分がマイナスだからこれを必ず 黒にしないといけないかということとはつながらないと思うのですけれども、やっぱりト ータルで引いたときに黒字になるように、これは医療区分の制度というよりも診療報酬の ほうのつけ方かなというふうに思いますし、この患者分類というのはどんな形にしても完 璧というのは多分ないと思うので、どこかである程度妥協しながらやっていくものだと思 いますけれども、そこが診療報酬にリンケージしてくるとある程度データとして納得のい くようなデータにできたらというふうに思っています。 ○池上分科会長  これは研究者としての発言ですけれども、もし療養病床を持っている病院の療養病床部 分の収支について見るのであれば、これは医療経済実態調査で確認しないと全体としての 収支はこのデータからはちょっと難しいのではないかと思います。  それから、もしここで慢−4に上がっている項目がこれは9分類として、医療区分の3 分類、ADLの3分類という9分類における妥当性ということを見るのだったら、特に医 療区分として新たに加えるべきかどうかということを見るのであれば、改めてタイムスタ ディなどを行ってこれらの条件に合う患者が一定の域値を超えているという、これまでの 医療区分の項目に選定した作業を再度行わないといけないのではないかと思います。  といいますと、これは事務局のほうで近い項目を挙げていただいて、中には傍線がある ように、例えば自殺企図というのはこちらの患者特性調査票にはなかったので、どういう ところに自殺企図、この定義も難しいかと思うのですけれども、どういう行為を行った場 合に自殺企図に該当するというふうに決めるかということを含めて、コーディングマニュ アルを含めたものを何か用意して改めて検証する必要があるのではないかという気がいた します。 ○武久委員  私どもはそういうことを要求するためにこの資料をつくったのではありませんで、医療 区分1の中でも手間のかかる人が多くなったという会員の意見がございましたので、そう いうふうに協会のほうで独自にある程度つくって、それで協会の中で比較したということ でございますので、こういう結果が出たということをここへ提案するだけであって、項目 をふやしてくれということを提案しているわけではございません。 ○池上分科会長  かしこまりました。  じゃ、高木委員。 ○高木分科会長代理  今の分科会長の慢−4−2の話で武久委員のほうからも出ましたけれども、多分こうい う細かいことを議論すると、例えばアルブミンが3.5と3と2.5で基本的にADL区 分と医療区分のどっちに負荷がかかっているかというタイムスタディをやらなきゃいけな いと思うんですね、これと一緒にやるとしたら。この分類は、そもそもそういう形でタイ ムスタディとコストで全体を9区分で、ざっくり言うとそういう形でつくりましたので、 もし慢−4のことをやるとすると、もっと精緻なタイムスタディをやらないとおかしいと 思うのが1点です。  もう1点は、先ほど来、慢−10で要するに赤字、黒字の9分類の話が出ていますけれ ども、慢−10の一番最後のプラス・マイナスの話を見ると、要するに1つは診療報酬の くくりの問題で、例えば医療区分のADL区分2というのがでかく出ちゃうわけですよね。 僕は、医療区分3なんかはADL区分1が一番プラスが大きいわけですよ。これは要する に、例えば後期、慢性期をやっているスタッフの方々に医療部分は3だけれども、ADL 区分で1が一番もうかるというのが納得できるかどうかということなんですね。やっぱり みんな気持ちよく働いてもらうためにはどういう価格づけが必要かという意味では、どう も私はおかしいと思って、これを1個でくくっちゃったからでしょ。その辺を次の議題と して私が先ほど強調したのは、そういうことを考えていくのが短期の課題ではないかと。  私はね、やっぱりこれを見たら医療区分3はいいけれども、一番軽い人で5,000円 もうかってという、これ、やっぱり現場は納得しないと思っているのですね。そういう意 味では価格づけの僕は失敗だと、基本小委では言わなかったですけれども、そういう課題 をもっと議論していこうというのが先ほどの私の提案です。 ○武久委員  医療区分3のADL1はほとんどいないですからね、実際上、患者さんはほとんど数% なので。それと、私が先ほど言いましたように、こういう項目を追加してくれということ は申し上げておりませんので。  それと、こういう項目を将来検討するとしても、22年改定にはとても間に合わないこ とであって、また1分間単位のスタディですべてを決着させるというのは、私は前回も前 々回も言いましたように、本当は行かなければいけないのに職員のほうが一生懸命行く病 院と行かない病院とがあった場合に、本当に必要があって行っていないのか、その辺のと ころが1分間のタイムスタディがすべてだというやり方もちょっと、今後、将来として、 22年改定について私はこういうように医療区分1はもう余り減っていないのだけれども、 手間のかかる人はふえていますよという現実をお話ししていることであって、とてもじゃ ないけれども、例えば1分間タイムスタディや、またほかのいろいろな手法を使ってこう いう項目をもう1回検証して22年に入れてくれなどということは全然言っておりません し、またいろいろな制度をつくるときにどうしても完璧にというわけにもいきませんので、 多少の抜け落ちる部分というのは当然あると思いますので。  ところが、それをトータルとして最後の8ページの表をやってみたときに、これはこれ で黒字でないと、これ以外の例えばリハビリで収益を上げているからいいじゃないのとい っても、リハビリはリハビリであって、療養病棟入院基本料のところが少々プラスでない と、ほかのところで少し黒字だというのもどうかなというふうには思いますので、一応こ この部分の赤字と黒字のところが診療報酬としては、できれば数を掛けて引いたときにプ ラスになるようにしていただけたらというのは希望でございます。 ○高木分科会長代理  1点だけ反論させていただきたいんですが、ADL区分1・医療区分3は確かに2%程 度で数は少ないですね。でも、例えばICD10の病名はすごい病名が並んでいるけれど も、一生見ることのない病名はたくさんあるわけですよね。でも、医療の中としては入れ ておかなければいけないという、要するに見ておかなければいけないポイントとして、た とえ2%だけれども、でもこういう患者が入ってくる可能性がありますよという提案で考 えていますので、3%とか2%、まとめてしまうというのが逆にこういう逆転現象を生ん でしまうという意味で、私はおかしいのではないかという提案です。 ○池上分科会長  ほかによろしいですか。 ○大塚委員  ちょっと視点がずれているかもしれないのですが、慢−8の2番目に医療療養病棟にお けるこの比率が平成18年度と19年度でどう変わったかという問題ですが、共通病院に ついて見ますと医療区分のADLの3というのは6.4%から5.6%で少し変化しただ けでほぼ同等だというふうに、一方、先ほどから話題に出ています資料慢−10の8ペー ジ目の、これはちょっと必ずしもイコールではないと思うのですが、これで見ますと医療 区分1・ADL3の部分はこれだけマイナスが出ていながら、なおかつこの2年間に患者 の比率が変わっていないということは、経営的な立場から言うと絶えずこういうことを計 算しながらある程度皆さんは行動するのでしょうけれども、そうだとしてもこの人たちを どこかよそに出したくても出せないから、ここにこういう形で残っているのではないかと いうふうに思うのですが、この辺はいかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  それは、ここの対象者の方が例えば退院先とか、そういうことで解析をしてみよという、 逆にそういう宿題ということでよろしいでしょうか。データを解析して医療区分1・AD L3の方の例えば退院の状況、そういうことが解析可能かどうかというデータを次回出す ということでよろしいですか。 ○大塚委員  もちろんそれでも結構ですけれども、これをどのように解釈したらいいのかということ ですね。 ○武久委員  先生御存じのように、医療区分は毎日変わりますよね。例えば、尿路感染症で2週間行 って、次は当然1になっちゃう。それから、経管栄養していても熱が出ていなければ1に なりますから、1カ月間ずっと1というわけでもない方も多いと思うのですね。そういっ た場合には、そういう不安定で月の間に2になったり3になったりする1というのもあり ますから、それを老健へ移すとか、よそへ移すとかというのが難しい患者さんの数の割合 が5、6%と私は見ているのですけれどもね。完璧に1カ月中ずっと1で、3ヶ月もずっ と1だという人は多分出ていると思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○大塚委員  それはどの医療区分についてもというか、この中の9分類のどこの層についても同じこ とが言えるのかなという気がしないでもないですが、いかがでしょうか。 ○武久委員  いや、だから医療区分はいろいろな30何項目ありますので、算定の日にちが限定して いるのもあれば、よくなって治る場合もありますので、2・3も同じことが言えます。3 から2になったり、2から3になったりしていますから、レセプト上の1カ月間の毎日毎 日の区分を集計してレセプトで出していますから、同じ人が1カ月の間に医療区分2が1 0日で、例えば1が5日で、3が15日だったという場合に、そのままレセプトが出てい ますから、それを全部集計したのがこういう形なので、同じ人が1カ月の間に医療区分の いろいろな種類を行き来しているというのが現状だと思うのですけれども、医療区分は非 常によくできているというか難しくて、チェックをしょっちゅうしていないとなかなか医 療区分が上がらないというところがありますので、それをきちっと熱が出たらちゃんと対 応しているかとか、していなければ1になりますので、そういう意味で不安定な医療区分 1とADL3の人がここに5、6%という形であるのでないかというふうに解釈している のですね。本当の意味の医療区分1のADL3というのは、安定している医療区分1のA DL3というのは、多分ほとんどが移されているように思いますけれども。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。これはレセプトのデータで日ごとの医療区分が請求されているわ けですので、月末において医療区分1であった患者さんの中で月内の移動があったパーセ ンテージ、それから同じく医療区分2において月内の変動があったパーセンテージ、医療 区分3の中で変動があったパーセンテージ、それはたとえ1日でも変動があったパーセン テージを出すことによって安定性を見ることができると思います。  ただ、それが不安定だといっても、それをまた加重平均した際には、総体としては病棟 という単位で見た場合には医療区分1・2・3のそれぞれの構成比は安定しているかどう かということもあわせて見ると、患者の状態は先生のおっしゃるように日ごとに変わるけ れども、病棟単位で見た場合には構成比はそれほど変動がないというデータもあわせて見 れば、少なくとも変動の程度は把握することができると思います。その中で医療区分1・ ADL区分3が退院に向かっているかどうかというのは、これはまた別の問題で、なかな かこれは退院調査などを行っても退院の数が余り多くないものですから、そこまで把握す ることが難しいのは現状ではないかと思います。  ですから、まず安定性について追加の調査を、つまり個々の変動のあった患者はどのく らいであったか。次に、変動があったとしても、病棟として見た場合に構成比の変動は月 内でどのくらいぶれるかということをざっくりで結構ですし、あるいはサンプルでも結構 ですので検討していただければと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  今の御指示ありましたデータにつきまして、どのぐらいできるかどうかも含めまして会 長と相談して準備したいと思います。 ○池上分科会長  といいますのは、先ほど私が言いかけたことでありますけれども、慢−10にあった8 ページにある級地別のものですけれども、先ほどADL区分1あるいは医療区分3の中で のADL区分1・2・3の収支というところで見ておりますけれども、確かにADL区分 1の構成比は低いのですが、ADL区分3・2についてはそれなりの構成比がありますの で、逆に言うとこれだけADL区分によって大きな構成比が占めているにもかかわらず、 診療報酬上はAとして均一にくくられているというところに問題があって、たしか一番そ れが極端に見えているのはADL区分1ですけれども、それ以外のADL区分2と3の間 にも費用の面では差があるけれども、報酬としては同じになっているという点は、数の上 では大きな課題だと思いますので、これも点数はどうするかというのはこの分科会の所管 事項ではないですけれども、コストと収益との関係を見る上でやはり医療区分3が一括し ているところに両者の乖離が生じているのではないかという気がいたします。  すみません、ちょっと長くなりましたけれども、ほかの点で何か御質問ありますでしょ うか。  じゃ、どうぞ。 ○猪口委員  この分科会の議題でないことは百も承知で言わせていただきたいのですが、せっかく等 級による差が出てきて、これをさっきから眺めていると、要するに1−6級地では医療区 分1がすごく少なくて、収入が若干平均として多いと。それでいて費用も3%ぐらいなの ですかね、余分にかかっているということで、考えようによっては級がついているところ では医療区分1の人を無理に少なくして、2・3を多くすることによって何とか経営を成 り立たせているというふうにも見えるわけで、同じように慢性期の介護保険の施設の場合 には介護の単価があれだけ地域によっての差がついてきているにもかかわらず、医療のほ うはほとんどわずかな点数しかないというような事実から考えると、これをこのままでい いのかどうか。もちろんこの分科会のマターでないことは分かっているのですけれども、 そういうところは少し気にしなきゃいけない部分になってきているのではないかなという ような気がしましたので、ちょっと言わせていただきました。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○武久委員  猪口先生がおっしゃるのはもっともなのですけれども、例えば慢−9の2の表を見てみ ますと、確かにその他の地域の病院の医療区分1が28.3%で、1−6級が13%、要 するに半分ぐらいになっているということになると思うのですけれども、結局、人口に対 する療養病床のベッド数の差というのがありまして、結局、都会はどんどん人口がふえて いると、その他の地域は人口が減っていって、療養病床の総体的な数は多分1−6級のと ころは少ないために重い人がどうしても優先的に入ってくるというふうに理解していたの ですけれども、もちろんそれだけではないと思いますので、これは多分その他の地域のほ うは医療区分1の患者さんをこのぐらい入れないとベッドが空くのではないかなというふ うな気もしているのですけれども、これは都会と地方との二極分化みたいなものがあって、 大分医療環境というか、そういう状況が違うと思うので、その辺かなというふうに私は理 解しているのですけれども。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○三上委員  先ほどの高木先生のお話でADL1の医療区分3が非常に高くて、職員の人たちは納得 するのかという話もありました。基本的には右上が非常に黒が大きくて、左下が少なくな るようなリニアな形に収支差がばらついているのがいいのではないかというふうに思うの ですけれども、基本的にはADL区分1・2・3というのは、いわば要介護度のような介 護の手間に関するコストを評価していこうと、医療区分1・2・3は医療資源の投入量が どれぐらいかということで、それを足したものが診療報酬として反映されて、その差は微 妙に右上の医療区分3・ADL3のところが一番多くて、医療区分1・ADL1のところ が一番少ないという形で右上が濃くて左下が薄いというふうな形になるような設定がいい というふうに思いますから、基本的に医療区分3のADL1のほうが医療区分2のADL 3よりも点数が低くてもあり得るのではないかという気もいたします。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  点数については、ここでは建議できませんので、収支の差がこのようなっているという ことを指摘したまででございます。  ほかによろしいでしょうか。それでは、次のほうに移ってよろしいでしょうか。  続きまして、平成20年度一般病棟で提供される医療の実態調査についてを議題とした いと思います。  それでは、事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  資料としましては慢−12、13を用いるわけでございますが、ちょっとその経緯とい いますか、今回これを検討いただくに当たった考え方というのを御説明いたしますと、ま ず分科会で中医協の基本小委に対して慢性期分科会の検討範囲について提案すべきである というお話もありまして、その結果、今回の会議の冒頭にもございましたけれども、一般 病床の一部分を含めて慢性期の入院医療ということについての検討を行うというところに ついては、中・長期という中に入っていますけれども、基本小委のほうで御了解いただい ているというところでございます。  実は、そういった中医協の議論とはまた別に、医療課としましては一般病床の状況につ きまして改定の議論を進めていくというためにもさまざまこれ以外にも例年調査をして、 慢性期分科会の御依頼を受けて行う慢性期包括の調査というもの以外にも、次期改定に向 けていろいろな情報を集めるというのは常にしておりました。  20年度に関しまして、慢−12というのを見ていただきたいのでございますけれども、 実は平成20年度の調査、医療課のほうでの委託調査としまして一般病床で提供される医 療の実態ということで、この目的のところに書いてございますけれども、一般病棟入院基 本料のうち、13対1、15対1というものの入院基本料を算定する病院について実態を 把握するということを目的として既に調査を実はしておりました。これは一般病床の状況 を常に情報を把握しながら、さまざま改定の議論に必要なデータを集めるということでや っておったわけでございますけれども、今回、医療病床に加えまして中・長期の課題とい うことでありますけれども、一般病床の一部についても基本小委のほうから検討を慢性期 分科会でしていただくというような付託もあったということもありますので、池上分科会 長と相談の上、このデータについてこの分科会で示させていただいて、そして御審議をい ただき、また中医協の基本小委で議論していただくと、こういうようなことをさせていた だくということをお願いしたいと思っております。ということで、早速資料の説明のほう に入らせていただきます。  まず、慢−12でございますけれども、これが20年度に実施しておりました一般病棟 の調査でございまして、目的のところはもう御説明しましたのですが、調査のやり方とし ましては、実は慢性期の包括評価の調査とほぼ同じやり方をしておりまして、レセプトを いただくというのと施設の特性を調べると。それから、入っている患者さんに対しての基 本属性を調べると。で、コスト調査ということで、ほぼ内容としては慢性期の入院医療包 括の調査と同様のものをやっておりました。  具体的に中身、ちょっと今すべてまとめ切れていないわけですけれども、代表的なデー タを御紹介させていただきたいと思っていまして、慢−13の資料を見ていただきますと、 1枚めくっていただきますと1ページでございますが、集計結果というところでございま す。まず、基本情報としまして一般病棟の13対1というのが上側でございますが、病院 数は33病院でございますけれども、総病床数の平均が120床で、一般病棟入院基本料 算定が56床ということでございます。この下、上下共通でございますけれども、黒く塗 ってあるところが一般病棟でございまして、今回、一般病棟の調査の対象となっている病 床が黒いところでございます。  おのおのの医療機関の状況を見ますと、やはりその他の一般病床であります、特に医療 療養病床、その他の療養病床というものを合わせて持っているような医療機関が大半でご ざいます。下が15対1でございますが、これも施設は47ということで若干多いわけで すが、病院の傾向としましてやはり医療療養とか療養病床と合わせて病床を持っていると いうところが多いという傾向でございます。  2ページ目でございますが、在院期間の状況ということでございます。まず、このペー ジに関しては13対1病棟、15対1病棟、それから常に参考として医療療養病棟に関し ましてのデータをあわせて提示をさせていただいておりますが、矢印が途中で何回か出て まいりますけれども、これは上向きの場合は医療療養病棟と比較して5%以上、上の場合 は上向きの矢印、少ない場合は下向きの矢印という意味でございますけれども、これで見 ますと長期に入院されている方、1年以上入院されている方というのはやはり医療療養と 比べては5%以上少ないということが傾向でございます。それをグラフ化したものが下の 図でございます。  ちょっと表が実は数字が間違っておりまして、後で全体を差しかえさせていただきます。 図のほうを見ていただきたいのですが、図のほうを見ていただきますと13対1、15対 1ともに医療療養に比べればやはり30日未満の方が多くて、それから90日までの方が もう8割ぐらいということですが、ただし90日以上1年未満、1年以上の方もやはりい らっしゃると、こういうような傾向でございます。  3ページ目でございます。3ページ目以降は、実は解析の仕方をちょっと変えておりま して、13対1、15対1の病棟自体はさほど中身に変化がないということもありました ので、とりあえずそれを合わせて集計しておりまして、何を変えたかと申しますと、これ 以降のデータは在院期間が90日以内の患者さんの傾向と、それから在院期間が91日以 上の患者さんの傾向というのを比較した図が続きます。常に参考として医療療養病棟がつ いておりますけれども、こういう分け方をしますと、下の図をあわせて見ていただきます と、ほぼ75歳以上の方、5%は少ないのですが、大体入院している患者さんの年齢分布 というのはほぼ同様ということでございます。  4ページ目でございますけれども、これを医療区分に当てはめてみた場合ということで ございますけれども、これを見ていただきますと90日以内というのが特徴的に言います と、医療区分1に相当するような方が非常に多いということでございます。逆に91日以 上というふうに分けてみますと、医療療養病棟と非常に分布といいますか、医療区分の1 ・2・3の状況というのはかなり似てくるということでございます。  次、5ページでございます。医療区分採用項目の該当状況につきましての項目と、それ からそういう状態の患者さんというものの数をとったものでございますけれども、これも 医療療養病床との比較で見ておりますが、24時間持続点滴の方は一般病床のほうが多い と。リハビリテーションを必要とする方については、90日以内については若干一般病床 のほうが多いと。それから、経鼻胃管・胃瘻等の経腸栄養と、発熱・嘔吐を伴うというこ とになりますと90日以内の一般病棟は少ないということです。それからあと、中心静脈 栄養を実施しておられる方は逆に91日以上の一般病棟の方が一番多いということでござ います。それから、パーキンソン病関連疾患に罹患している方が一般病棟の90日以内は 少ないと。それから、透析を実施しておられる方というのは91日以上の一般病棟に多い と。肺炎に対する治療に関しても一般病棟の91日以上に多いと。1日8回以上の喀痰の 吸引、それから気管切開・気管内挿管の実施(発熱を伴う場合は除く)というものについ ては、90日以内の一般病棟が少ないと。創傷、皮膚潰瘍等の治療ですが、これは91日 以上の一般病棟が多いというようなことでございます。右側は数値化を図示したものでご ざいますので、ほぼ同じ内容でございますので省略いたします。  続きまして、7ページでございますけれども、その他の患者状態像、医療区分採用項目 以外でいろいろな疾患に関してデータをとっておりますけれども、これも5%以外、違う ところだけ御紹介しますと、その他の骨折というところで90日以内が多いと。アルツハ イマー病以外の認知症は90日以内が少ないと。脳梗塞に関しては一般病棟が少ないとい うことで、脳出血、片側不全麻痺、四肢麻痺、仮性球麻痺に関しては90日以内の一般病 棟が少ないと、こういうような傾向でございます。右側もそれを図示化したものでござい ますので省略いたします。  最後、9ページ目でございますけれども、検査の実施状況でございまして、主なものと いうことで御紹介しておりますが、検体検査(尿検査、血液検査等)、エックス線単純撮 影、CTという検査なのですが、これはいずれも一般病棟のほうが多いということでござ いますけれども、やはり90日以内というところに比べますと91日以上のところがエッ クス線、CTに関しては若干少ないというような状況でございます。  そういうような結果でございます。とりあえず、今回御紹介できるデータを中心にまと めたものを御報告させていただいております。  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、何か御意見・御質問等がございましたらお願いします。 ○高木分科会長代理  ちょっと嫌らしい質問をしたいと思うのですが、13対1と15対1でそれぞれ250 施設と500施設で、これ、サンプリングはどうしたのですか。こっちの結果表だとnが 33と47で、全数をばらまいて回収ですか。 ○佐々木課長補佐  すみません、こちらの慢−12のほうの資料を見ていただきますと、調査対象施設とし ては算定している施設が13対1は250で15対1が500なのですけれども、このう ち調査協力依頼というのをしておりまして、その中で実際協力をしていただけたところが この数ということでございます。 ○高木分科会長代理  そうすると、回収率というのはそれぞれ13と19ぐらいなんですよね。ほとんど答え たくなかったという、非常に低いという。 ○佐々木課長補佐  原因はよく分かりませんが、今回いろいろと慢性期の調査そのものも実はかなり病院の ほうからすると手間が多い調査でございまして、特に13対1、15対1の一般病棟でこ のような大規模な調査をするのは初めてだったものですから、かなり病院のほうからの問 い合わせも多く、しかも非常に手間がかかるのでやはりちょっと勘弁してほしいというの もかなり多かったものですから、その中で比較的御協力を積極的にいただけたところが出 していただいていると、こういう状況だと思います。 ○高木分科会長代理  もう1点いいですか。施設特性と患者特性とコスト調査をやっていますよね。今日は結 果の概要ですけれども、調査票がありますよね。患者特性のところをぜひ見たいのですけ れども、どういう調査票で患者特性を図ったのかというのを。 ○佐々木課長補佐  今回の調査に関しましては、実は慢性期の包括の調査と基本的に同じ調査票を使って調 査をしております。 ○武久委員  この結果を見ますと、先ほど佐々木補佐がおっしゃったように、特定患者は数百、そし て特定除外が3万6,000とういように、ほとんどが特定を除外された患者さんの病態 というのを見てみますと、単純に言えば医療療養と非常によく似通っていると。しかし、 出来高なので最後のページを見ると、検査とかレントゲン等は、患者さんは医療療養に似 ているのだけれども、検体検査やレントゲン、CTなどについてはたくさんとっていると いうことであって、果たしてこういう患者さんが急性期病床と言われる一般病床で75歳 以上だけでも月に3万6,000、年齢を問わず言うと約5万近くになるかどうかは別と して、それだけの患者さんが点数から言うと1日2万幾らという、非常に医療療養からす ると大変高い点数で治療されているということについては、同様の1年以上の患者さんが 非常に多いということもありますし、同様の慢性期という意味では病床の種別によって治 療内容がほとんど一緒と仮定すれば、同一のものが違う2つの制度の中でいるということ は不公平ではないかというふうに思いますけれども。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ほかに御意見。  はい、どうぞ。 ○佐桝委員  いろいろなことが考えられると思うのですけれども、今回の調査の対象施設を見ると、 ほとんどいろいろな施設を共通に持っている施設ですよね。ということは、施設の中であ っちへ行ったり、こっちへ行ったり、いろいろ調整はできるというのがここの中に上がっ てきたのだと思うのですけれども、だからそういう意味でいけば、ここで何が見られるか ということがあるのですけれども、本当に適正であるのかどうか、適正な施設にそれぞれ が入っているのかどうかというのはもう少し詳細に見る必要がまずあるのだと思いますね。 その上で、さらに詳細にどこまで見ていくかということも出てくるのだと思いますけれど も、単独施設の場合には確かにいろいろなケースですぐ病床をかえるとか、そういうよう なことはなかなか難しいと思いますけれども、実際にここのデータに出てくる施設自体は、 こういうふうにほとんど両方持っておるという意味ですよね。だから、今おっしゃった話 がそのとおり当てはまるのかどうかというのは、ちょっと微妙だなという気がしますけれ ども。 ○池上分科会長  ちょっとその前に、それにお答えするかどうか、今度改めて差しかえていただいた資料 のほうちょっと見やすくなっていますが、そこの1ページをごらんになっていただくと、 どういう病院に13対1、15対1の病床があって、かつ、また病院全体の規模が棒グラ フの高さとなっております。これで見ますと、このうち白い部分が医療療養病床でありま すが、必ずしも白い部分が多いわけではなく、むしろ比較的規模が小さくて13対1ある いは15対1ですべての病床が構成されている。あるいは、規模が大きくても一般病棟だ けであるという病院のほうが多いのではないかという、そういう印象を持ちましたので、 病院の中での機能分化ということは、どこまで大きなウエートを占めているかということ はこれを見ますと、先ほどの説明では医療療養病床を持っている病院も多いということで したけれども、これを見る限り、この白い部分というのはそれほど大きなウエートを占め ていないような気もいたしましたので、ちょっとその点についてだけコメントさせていた だきました。  武久委員、どうぞ。 ○武久委員  これは佐桝委員の御指摘ですけれども、実を言いますと、この点数から見ても一般病床 において、特定除外で出来高で同様の慢性期高齢者を診たほうが診療報酬は高いんですね。 だから、どちらかというと一般病床に空きがあれば、特定除外の患者さんを一般病床のほ うで診たいというのは診療報酬上当然です。そこがいわゆる新しい急性期患者がどんどん 入るようなところでは、そういう患者は療養病床なり介護療養のほうへシフトしていくの ですけれども、本当の急性期の患者さんが少ないところは、むしろ一般病床の特定除外の 患者さんが一般病床にたくさんいて、そこから医療療養のほうには余り行かないというの が現状であって、ベッド数の種類が、その他の療養というのが多分介護療養だと思うので すけれども、全体を見てみますと特に病床数の、新しい資料の1ページの下のほうを見る と18番まではほとんど100床以下の一般病床が主なところが5、60床のところがあ りまして、現実問題としてはそういう特定除外の患者さんが主に入院している可能性があ るのではないかということを示唆するデータではないかと私は思います。  こういうのをケアミックスと言うのですけれども、ケアミックスの病院は非常に全国に たくさんございまして、いわゆる高度急性期病院とは全く違った患者さんの入れかえをし ておりますので、病床種類は一般病床に入院しているほうが一番高いと、その次が介護療 養か医療療養か、その内容によって変わりますので、佐桝委員の御指摘のとおりではない と思うのですけれども、どうなのでしょうか。 ○池上分科会長  ほかに御意見はございますでしょうか  はい、どうぞ。 ○猪口委員  ちょっとデータが入れかわって非常に安心したのですが、13対1と15対1の90日 を超えている人というのは、合わせても17%とか20%なんですね。あとは30日以内 が過半数もしくは半数近くということですから、かなりある意味では急性期に近い医療を やりながら、一部分が慢性化していって90日を超えているというふうに私には読めるわ けですね。そうすると、たまたまそこの90日超の2割の人たちを抜き出すと医療療養と 似てくる。これはもうやむを得ない話であって、ただ病院の質としては、80%はそうで ない急性期への対応をしているというふうに考えられるので、ここは似て非なるものとい うよりはやっぱり性質の違う病院であって、医療療養は長期に非常に特化しているという ことで、2ページの上の表を見ると明らかに病院の質が違うのではないかという、質とい うか、やっている医療が違うのではないかなというふうに見えます ○池上分科会長  ほかに御意見ございませんか。  今の御意見は、2割に着目すれば医療療養に似ているけれども、8割に着目すると違う という、急性期の病院であるという。 ○武久委員  一般病床は、多くは急性期病床であるということは当然のことであって、問題は20% がトータルボリュームとすると何万人にもなるということであって、その辺の20%の部 分は医療療養の患者さんと変わらないということが問題でないかということを言っている のであって、当然8割の人が90日以内で回るのは当たり前の話ですよね、それはね。だ から、猪口委員のおっしゃるのだったら、こういう人は本来だったら医療療養へ行くべき なのに、特定除外という制度があるから点数も高いので、ここの20%で残っているとい うのが制度上の欠陥ではないかというふうに言っているわけです ○猪口委員  余りそんな言い合いをするつもりはないのですが、それを言い出すと医療療養にも医療 区分1で介護療養に行ってもいい人がいっぱい残っている、もしくは介護施設に行くべき 人がやっぱり2割、3割残っているわけですから、それは思うようにやっぱり患者さんと いうのは施設がどこもいっぱいで流れなければ結果としてこうなるわけで、そこをおかし いと言っても、これは始まらないと思います。そうすると、全体のもっと施設ごとの連携 がもっと進めばいいという話であって、だから13対1、15対1の90日超が悪いとい うことではない。全体のやっぱり患者さんの適した流れがまだまだでき上がっていないと いうふうに考えるべきなんじゃないでしょうか。 ○武久委員  別に言い合いするつもりはないのだけれども、医療療養にいけば医療区分1のところは 物すごく点数が低いですよね。介護へ行っても低いのだけれども、一般でいると出来高で 点数が高いというところだけが、だから問題だと言っているだけのことであって、別に一 般の中で、15対1、13対1の中でこういう慢性期高齢者、特定除外の患者がいたらい けないと一言も言っていない。ただし、それだったら診療報酬体系を同じレベルの人であ れば同じように対処するほうがいいのでないかということを言っているだけです。 ○高木分科会長代理  新しい資料で私も安心したのですけれども、4ページを見ると90日超でグラフが3つ 載っていて、やっぱり90日を超えると医療療養とグラフの形が似てくると。重要なのは、 多分6ページの中心静脈栄養とか、8ページの90日超と90日前で2種類つくらないと 今の議論、結論でとりあえずつくってみないと、これ、一緒につくっているから真ん中が 中心静脈栄養は高くなっちっているので、4を見るとやっぱり90日は似ている部分はあ るなというので、次の作業は90日超で医療区分を見てみるという作業だと思いまです。 そうすれば、今の答えは一定程度出るのではないかという気が私はします。  でも、今のこのミスというのはすごく大きいから、ちょっとひどいと思いますよ。前提 の数字が全然違うでしょ、最初に配ったのと。 ○佐々木課長補佐  それはすみません。もう会議の冒頭に気づきまして、ちょっと今、急いでつくり直させ ますので申し訳ございません。御心配をお掛けしました。 ○高木分科会長代理  もう1点は、やっぱり33病院、47病院を見ると、黒い13対1、15対1の多分使 い方が違うのではないかというね。要するに、びっちり小さいところで使っているところ と、大きいほうで何種類かの病棟を使っているところの使い方が違うのではないかという、 ざっくり見て、これは2つに分けないとちょっと使い方の話かなという気が私はします。 やってみなければ分からないですけれどもね。 ○池上分科会長  ほかに。  どうぞ。 ○三上委員  基本的には、90日超は別に13対1であろうが、10対1で90日を超える人たちが いたとしても、その人たちだけを集めてやれば同じような患者特性の人たちが出てくると いうふうに思いますので、これは90日超がどれぐらいいるのかということが分かったと いうことで、それはそれでいいのではないかというふうに思います。 ○高木分科会長代理  あえて議論を吹っかけると、多分どうして違うかというと、同じ病院の中に医療療養と 介護療養と一般病棟があって、同じような年齢だけれども、慢性期の方たちというのはA DL区分と医療区分でやっているんですよね。そのときの多分療養病棟、一般病棟にいる ナースの忙しさと慢性期の介護療養とかマインドが違うのではないかという気が私はして いまして、ADLを軸に働きぶりを調査するときに、同じ病院で3種類の病棟で、はい、 あなたは介護療養、はい、あなたは医療療養、あなたは一般病棟といったときに、何か働 きぶりが違うのではないかというのがあって、見たほうがいいのではないかというのが僕 の興味です。 ○武久委員  高木先生の言うことはちょっとよく分からないのだけれども、お医者さんも看護婦さん もおる病院によってやる気があるかないかが変わるという意味でしょうか。 ○高木分科会長代理  違います。やる気ではなくて、私が言っているのは医療とADL、手間のかかりぐあい、 ケアのかかりぐあいを考えるときに、慢性期だからちょっとゆっくりやってもいいよとい うマインドがあるのではないかということです。急性期だと、救急なんかはやっぱりばた ばたというマインドでやるのではないかと。 ○武久委員  もちろん救急のばたばたは今問題になっていなくて、この20%が問題になっているの であって、この20%ということは、逆に言うと本当にレセプトが3万6,000ぐらい なのかというのは、20%ということは、例えば一般病床が90万床あるとしたら18万 床あるという、ざっと言って可能性も出てくるわけですから、パーセンテージだけで言う と。実際はそんなにないと思いますけれども、これは非常に大きな問題であって、診療報 酬のトータルで考えた場合に、適材適所に機能に合った病院で行くということだと思うの ですけれども、医療療養の区分2・3の患者さんは、実を言うとめちゃくちゃ忙しいです。 最近、高度急性期病院から割合そういう患者さんをどんどん送ってくれなんて、人工呼吸 器とか、いろいろな状態の患者さんが来て、それを例えば中心静脈栄養をさっと外すとか 人工呼吸をやめるとか、そんなことはできないわけですから、その治療を急性期から継承 するということになっていますから、実際、今は看護婦さんが20対1ですから、これだ と一般は15対1ですから、ほんの少しですけれども、本当はてんてこ舞いしながら看護 婦さんとお医者さんは走り回っているというのが現状です。 ○池上分科会長  ちょっと私、聞き落としたかどうか、高木委員がおっしゃった91日以上のところの医 療区分の構成はというのは4ページに出ていますので。4ページの真ん中に13対1及び 15対1病棟、かつ91日。 ○高木分科会長代理  了解です。 ○池上分科会長  これで見て91日以上に関しては同じであるという。 ○高木分科会長代理  グラフがないということで。 ○池上分科会長  グラフはこれ、下のグラフ。いや、4ページ。だから、医療区分として見た場合の構成 比はほぼ同じであるということで、次にn数が少ないので病院の大小で分けて見るといっ た場合に、病院の大小として見るのか、それとも他の病床があるかどうかということで見 るかによって違って、余り輪切りにしていくと、しまいには2、3の病院しかなくなって しまいますので、これを規模と言われても15対1、13対1の規模ということでなく、 病院全体の規模として見た場合でもほかにある病棟の種類によってもまた違ってきますの で、なかなかこれは2つぐらいにしか分けられないと思うのですけれども、その2つの分 け方もさっきからどういうふうに分ければいいかといって思案していたところでございま す。何かいい知恵がありましたら、教えていただければと思いますけれども。 ○猪口委員  回答率がすごく低いということと病院数が30とか40ですから、余りここから結論を 導き出すのは極めて危険だなと思いますね。先ほどから武久先生が言われている慢性期で も一般病床に残っちゃっている。医療療養でも介護が適しているのかもしれないけれども、 行く先がなくて医療療養に残っていると。必ず現実的にやっぱりいるのだと思いますね。 介護保険のほうでは、本当は医療のほうが適しているのに特養のほうに残っているという 人もいるはずで、やっぱりそこはなかなか難しいかもしれないけれども、また、この分科 会でやれるものかどうかも分からないけれども、やはりそこは日本の医療と介護の実態を きちっと把握するというための横断的な調査をやらないと、わずかなデータから物を言う のはとても危険だなという感じがします。 ○三上委員  4ページの90日以内のところで医療区分1が一番多いというのがちょっとよく分から ないなと思っていたのですけれども、いわゆる入院期間が短い間は急性期で密度の濃い医 療が提供されているのではないかと思いますけれども、短いほうで医療区分1が多いとい うのはどういうことなのか教えていただきたい。 ○武久委員  それは先生、眼科の手術も入るかも分からないし、いわゆる歩いて入ってきて、治療し て歩いて帰る人もいますから、医療区分という形だとADLとかいろいろ入ってきますか ら、多分そういうことではないかと。 ○三上委員  ADLじゃなくて医療区分の1というのは。 ○武久委員  1というのは、結局。 ○三上委員  眼科のオペをやっているのは医療区分2とか3でしょ。 ○武久委員  ならないです。1です。 ○高木分科会長代理  慢性期を見ることしか考えていませんので、多分、今の武久先生の答えだと私も思いま す。やっぱり急性期を診る軸ではないですので、医療区分だけ見るとこうなってしまうの かなという気が私もします。 ○池上分科会長  この取り扱いについては、いずれにしても分科会に提出された資料でありますので、こ れについてのコメントはともかく、分科会の報告書としては、これは報告書の一部として 提示するということではよろしいでしょうか。 ○武久委員  はい。 ○池上分科会長  それは確かに御回答いただいた病院は少ないですが、これが初めて明らかにされたとい うことであって、いろいろ既に努力されたと思っても回収率というのはこの程度にとどま ったと。これをさらに努力すれば上がるというものではないと思いますので、現状で把握 できる限界としてはこういう現状であるという意見を加えて、これは報告書に添えて、そ してそれをどのように中医協で御判断されるかはお任せするということで、さらにこの中 で例えばここでは検査についてはありますけれども、薬剤についてはどうかとか、そうい ったことも追加的な分析を、事実としてのことを追加して、またほかに何か、今日初めて 出された資料ですので追加するべき分析等ございましたら事務局におっしゃっていただい て、それをあわせて次回報告して、そして事実として報告させていただければと存じます けれども、そういう形で。 ○武久委員  その前に、この調査に協力していただいた病院は非常に評価できると思います。実を言 うと、一般病床の中で特定除外の患者さんがいると、私の病院にも現実にいます。そうす ると、はっきり言うと非常に有利なんですね。そうすると、どうしても一般病床の中で特 定除外の患者さんで入院していただいたほうが収入がいいという現実があります。調査の 項目を見た場合に、そのあたりを少し調査しようとする意図があるなと感じた病院は、ひ ょっとしたら協力していただけなかったのかなとも思いますけれども、ここへ協力してい ただいた方は非常に正直で、出していただいたということに私としては非常に評価したい と思うのですけれども、ただ非常に細かいので時間がないというふうになさった病院もい ろいろあると思いますけれども、数が少ないからといって、これが全体を代表していない ということにはならないのではないかと思っております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  いずれにしても、またこれをほかの面で分析する必要があったら事務局にお申しつけい ただければと思います。では、これについては、さらに追加の分析があればおっしゃって いただいて、それを次回、御報告いただくということでよろしいでしょうか。  それでは、この件については、今日のところはよろしいでしょうか。  では、本日の議論は以上としたいと思いますが、事務局から連絡事項などございますで しょうか。 ○佐々木課長補佐  次回の開催につきましては、今、日程調整中でございます。正式な日程が決まり次第、 追って御連絡させていただきます。 ○池上分科会長  それでは、平成21年度第4回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査 分科会を終了させていただきます。  本日はお忙しい中、ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3298)