09/07/29 第139回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録          第139回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年7月29日(水)11:30〜12:08 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 庄司洋子委員 白石小百合委員       森田朗委員       対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員 高橋健二委員 伊藤文郎委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本すが専門委員        <参考人>       田中滋医療機関のコスト調査分科会長        <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 診療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会からの         報告について       ○その他 (5)議事内容 ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様御着席でございますので、ただいまより、第139回中央社会保 険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催いたします。  本日の出席状況について御報告をいたします。本日は小林麻理委員が御欠席です。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「医療機関のコスト調査分科会からの報告」についてを議題といたします。診 療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会の田中分科会長より御説明をお願いいた します。よろしくお願いいたします。 ○田中分科会長  コスト調査分科会の田中でございます。お手元の中医協 診−1−2に基づいて説明さ せていただきます。医療機関の部門別収支に関する調査の調査結果に関する報告です。  初めに1ページをごらんください。平成15年度から19年度にかけて、医療機関の部 門別収支に関する調査研究を実施してまいりました。病院の医業経営の実態を診療科別に 把握するために、計算手法の確立・検証を行うことが任務でありました。一応確立したと 思われましたので、平成20年度ではその計算手法を用いて試行的に調査を実施いたしま した。  調査の対象としては、主に一般病床で構成されるDPC対象病院・DPC準備病院のう ち、レセプトデータをレセプト電算処理フォーマットで提供できる病院または準備病院の うちDPC導入の影響評価に係る調査のEファイル、いわゆる診療明細情報ファイルを提 供できる病院を対象といたしました。  調査の種類ですが、19年度までの調査研究と同様に、一般原価調査と特殊原価調査の 2種類の調査を行いました。一般原価調査とは、病院の診療科別収支を算定するための調 査であります。また特殊原価調査とは、病院での手術・検査・画像診断などの中央診療部 門における費用を各診療科に割り振るための係数、これを等価係数と呼んでおります。そ ういう等価係数を作成するための調査で、たくさんの病院ではなく、大変細かいデータに なりますので、一部の病院に御協力をお願いしています。  それぞれの調査の対象病院数と、その中で実際に計算を終了できた病院数、途中で手を 挙げてしまった、あきらめてしまった病院もあるものですから、最終的に計算を終了でき た集計対象施設は1ページから2ページに記載されているとおりであります。20年度は 最終的に127病院の一般原価調査の結果を集計したものを報告いたしますが、開始当初 には190病院が参加されておられました。63病院が途中で辞退というか脱落というか、 何と呼ぶかは別ですけれども、辞退されたことはここでちょっと覚えておいてください。 また、等価係数のほうは14病院のデータを集計して作成しております。  これらの集計対象病院の開設者別、DPC対象かDPC準備かの別、病床規模別の内訳 は、一般原価調査については2ページ、特殊原価については3ページに載っています。  次に4ページをごらんください。診療科別の収支は従来とおり、19年度までに確立し た方式に則りまして、階梯式配賦という原価計算、管理会計の手法を用いております。  手順としては、まず病院の診療科や部署を、入院部門、外来部門、中央診療部門、補助 ・管理部門の4部門に分けます。そのうち、中央診療部門と補助・管理部門の収益費用を 順番に入院部門、外来部門の各診療科に配分し、最終的に入院と外来の診療科別収支を算 定しております。  次に、計算の単位ですが、この部門別調査では従来からレセプト診療科単位で収支を計 算しております。さらに本年度では、レセプト診療科に加えて、類似するレセプト診療科 をまとめた診療科群という単位を設定しています。その診療科群単位でも集計を実施しま した。  各診療科群にどのレセプト診療科を含めるかついては、あらかじめ設定例を例示し、そ れを参考に個別の各病院が自院の診療内容により診断して設定するという方法をとってお ります。診療科群とレセプト診療科の例示は5ページに載っています。これは例示であり まして、具体的にはこれに基づいて各病院が実際に選んでいただいたわけですが、実際に 病院が選んだ診療科群は13ページに記載されております。  次に本調査の計算結果を見るに当たっての留意事項を御説明いたします。  まず、7ページに病床規模別、開設者別の病院数や平均病床数、患者数等を記載してあ ります。これを見ると、比較的大きな規模の病院が多い傾向にあることが分かります。  また統計処理ですから当然異常値の処理が必要です。本年度は平均値等が外れ値に影響 を受けることを避けるために、8ページに書かれているような方法で、収益規模や収支差 額比率等が極端に大きい、あるいは極端に小さい病院を除外しました。右側のひげ図のと ころで一定の枠から外れたものについては計算から除外しております。  9ページからは計算結果でございます。9ページからの計算結果の概要をごらんくださ い。  9ページ目には主要なレセプト診療科、主要とは入院・外来計で病院数が50以上あっ たものについての入院・外来合計の医療費収支差額が記載してあります。1段目が入院、 2段目が外来、3段目が合計値です。  収支差額の医業収益に占める割合、収支差額比率を見ていただくと、全体として外来の 収支に比べ入院の収支のほうがプラスが大きい傾向にあります。  また、入院・外来合計で収支差額比率を見ると、特にマイナスが大きい診療科は皮膚科、 プラスが大きい科は眼科であることが分かります。  10ページには、類似するレセプト診療科をまとめた診療科群別の収支が記載してあり ます。先ほども説明いたしました診療科群別です。入院・外来計の合計、合計が一番意味 があると思うのですが、合計の収支差額比率を見ますと、マイナスが2桁に達しているも のが精神科群、皮膚科群となっております。またプラスが2桁の診療科は眼科群というこ とになりました。  11ページには全診療科を合計した開設者別の収支、病床規模別の収支が記載してござ います。医業収支の差額で見ると、開設者が医療法人の病院のほうが国公立やその他の病 院に比べて若干ですがプラスが出ている傾向があります。  また、レセプト診療科別、診療科群別、主要なレセプト診療科別と開設者別に見たもの がずっと並んでおりまして、14ページから24ページまで続いています。  18ページをごらんいただくと、18ページが診療科群ごとの医業収支で、プラスに出 ているのは外科、産婦人科、眼科。内科がほぼ0、あとはマイナスとなっております。  申しわけありません、少し戻っていただきます。12ページに戻ってください。12ペ ージは全診療科合計のDPC対象病院かDPC準備病院かに分けた収支が記載してありま す。対象病院のほうが準備病院よりも収支がよいことが分かります。対象病院、準備病院 の診療科別の内訳が、25ページから30ページに載っております。  次に31ページに飛びます。31ページには、レセプト診療科と同じ方法で計算した透 析部門、健診部門の収支を記載しています。ただし、これらはすべてのデータが正確に調 査できた病院のみについて集計しております。したがって対象病院数が少なく、透析です と12、健診ですと9病院にすぎません。これをご留意ください。また、健診部門の費用 には材料費が含まれていませんので、それをあらかじめ御注意の上ごらんください。  32ページからは図が載っております。これはレセプト診療科と診療科群ごとの1人1 日当たり医業収益・医業費用の病院別の分布を示しています。小さくてよく見えませんが、 ●印が入院、△印が外来です、斜め45度に線が引いてあります。斜め45度線の右下に は収益のほうが上回る、つまり黒字の病院、左上には費用が収益を上回っていますので、 赤字の病院を示しております。診療科別に見ると、この左上が多いか右下が多いかで、赤 字・黒字病院のどちらが多いかの傾向が分かります。  41ページから54ページまでは、今度はレセプト診療科と診療科群ごとの収支差額比 率の分布を10%区切りで示しています。それぞれ上段の図が入院、中段の図が外来、下 段の図が入院・外来計を示しております。合計が一番右にありますので、合計を見ますと、 大ざっぱに言って収支差額0%付近の中央値が多く、まあ山型になっている分布が示され ているのが、内科、循環器科、外科、脳神経外科、泌尿器科などであります。それから収 支差額の左側のほうに寄って、つまりマイナスの多いほうに寄っている科が、精神科、小 児科、皮膚科であります。また右側に寄っている診療科が眼科であることがこの統計から 分かります。  55ページからは、基礎データである手術・検査・画像診断部門の費用を各診療科に割 り振る際に使用する等価係数の値を示しています。等価係数の値は、要は真ん中が1にな るわけですが、それに比べてどのくらいの費用がかかるかを示しております。1つの手術 に費やす資源投入量の平均値を算出し、それをある診療行為を基準として相対化したもの です。例えば55ページの手術であれば、(参考)平均投入量の医師数、看護師数、執刀 時間などから導き出される診療行為当たりの給与費を計算し、それらの平均値を相対化し ています。図表の中の等価係数(平均値の比)と書いてあるところになります。最後のほ うに行くと、何が1.00であるかというのが後ろの方に載っています。  以上が今年度の結果です。  コスト調査分科会を開いたところ、私たちの意見といたしましては、この調査結果につ いて、調査研究の開発当初、最初のころに比べますと、15年度のころに比べますとかな り精度が高くなったと思っております。  それから、この調査は入院・外来を分けて見るよりは、診療科別に見ることに力点を置 いており、入院・外来別で見たほうが統計の読み方としてはより意味があると私たちは思 っております。  なお、調査に最後まで参加できた医療施設には、急性期医療を中心とした大規模病院が 多く、中小規模病院、慢性期の病院が少ないという意見が出されました。  以上が調査結果の報告であります。  あわせて、医療機関の部門別収支に関する今後の方針について私どもが考えております ことをこの委員会に報告いたします。中医協 診−1−3をごらんください。  I−3ですと、これは平成20年度医療機関の部門別収支に関する調査の結果は、19 年度までの研究での成果と概ね同様の傾向を示すなど、調査結果も安定しており、精度の 高い調査となったと評価することができると思っております。ただし、これまでの取り組 みにおいて、先ほど申し上げたように190病院のうち63病院が途中で辞退したことに あらわれているように、調査客体となり得る医療機関が結果的にDPC対象病院、準備病 院に限られている。また調査項目によってはふだんの業務では取っていないデータを本調 査のためにわざわざ別途取っていただくなど、調査客体となる医療機関の負担が大きいと いった課題が生じていることも分かりました。  そこで、コスト分科会は、この小委員会でご了承いただけるならば、平成21年度にお いては、平成20年度調査に参加した医療機関を対象に、本調査における負担や問題点等 を調査し、その結果を参考に、一回でき上がった精緻な調査をもとに調査が簡素化できる かどうか、多くの病院が最後までできるとか、多数の病院が使えるかどうかの簡素化の方 向の検討を実施したいと考えております。  以上が医療機関の部門別収支に関する今後の調査の方針案でございます。  御報告は以上でございます。   ○遠藤小委員長  どうもありがとうございました。  非常に詳細な、かつ精緻な分析をしていただいたわけでありますけれども、1つはそれ の御報告ということでありまして、またそれを反映して今後の新しい提案を提起されたと いうことでありますが、19年度に同様の調査結果を御報告いただきまして、基本問題小 委の中で御議論いただきましたけれども、そのときにさまざまな御意見も出まして、その ときに言われたことは、主としてこの調査はあくまでも調査手法の開発であって、代表性 は必ずしもあるとは言えないので、その調査の結果そのものはどれほど代表性があるかど うかということははっきり言えない、あくまでも分析の方法を考えているのだということ で20年度も調査が行われたということであります。したがいまして、同じような調査方 法でまた新たに御報告いただいたということであります。  それで、その後の御提案でありますけれども、やはり精緻な調査であるがゆえに被調査 主体には負担がかかるので、なかなか数をふやすことができないので、いつまでたっても 代表性がないという状態になりますので、ここはどこまで簡素化できるかという調査を2 1年度やりたいということが御提案だということです。  そうなりますと、当然それ以降はその簡素化された調査で、それこそ代表性が保てるよ うな調査を行うということになるかと思いますけれども、そういうことの第一歩というこ とで、21年度の提案が出されたということであります。  今回の20年度の調査結果の内容についての御質問でも結構でございますし、まずそち らから行きましょうか。藤原委員どうぞ。 ○藤原委員  まず基本的なことなんですけれども、今回の調査で入院は黒字、外来は赤字ということ がかなり鮮明に出されております。外来部門を今後どういうふうに経営として考えるかと いうことになると思いますけれども、1つの考え方として機能分担を進めていくのか。あ るいは今回のデータというのは非常に精緻ではあるのですが、配分の方式がよかったかど うか。例えば中央診療部門等の配賦によって相当外来・入院のニュアンスも変わってくる のではないかというふうに思うところもあるのですけれども、そのあたりについてはいか が考えたらいいでしょうか。 ○遠藤小委員長  まず一言、ここの結果そのものが代表性が乏しいということが前提になりますので、日 本全体の病院についてこれが言えるのかどうかというのは今後の調査を待たなければなら ないということは大前提だと思います。ただしここの中の調査についてはそういう結果が 出たということでありますので、その中で藤原委員は、費用の配賦について適正であった のかどうか。恐らくその議論は、先ほど分科会長からお話がありましたけれども、分科会 の中での委員の発言ということで、この調査は診療科間の収益の差を見るのが主眼であっ て、入院と外来を分けて見るよりは、そちらの方、診療科間の差を見てほしいといった主 張があったということなんで、それはどうしてなのだろうかということも多少絡むのかも しれませんが、その辺について何かあればお答えいただきたいと思います。 ○田中分科会長  会長が言われるように、基本的にこの調査は診療科別にどうなっているかを見ることが 主眼です。おっしゃるとおり入院と外来の収支は、入院部門と外来部門に分ける配賦の比 率を変えれば多少変わります。どの比率が一番いいかは別に全国的には言えません。これ は管理会計なので、個別の病院の意思決定の問題として言えば、どのくらい自分が外来を 重視するか、自分の病院が入院を重視するかにかかわる意思決定によって変わるものです。 ただ、現在の配賦比率を使ってみると、日本の急性期のDPC病院について言うと、入院 のほうが黒字である。それは一般に外来のほうが新たな収入は得ているかもしれないけれ ども、実は費用も多く割り振られているこの数値の結果であります。別な言い方をすると、 同じ時間ドクターが働いても、入院収入のほうが当然大きいわけです。5時間外来をした ときと5時間手術をしたときでは手術点数のほうが高いですからこういう結果が出と言え るかもしれません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  藤原委員よろしいですか。 ○藤原委員  そういうことを踏まえながらも、病院として外来部門をどうするかということに考え方 としてつながるかどうかということではいかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  それは少し私のほうから付加させていただきますと、多分こういうことじゃないでしょ うか。今後もう少し代表性のあるような質問をつくっていくという中で、本当の意味で外 来部門と入院部門の収支が明らかになるような形に精度を高めるというのか分かりません けれども、そういう修正を考えていかれるのかどうかという御質問なのかもしれませんで すね。 ○田中分科会長  これはあくまで標準的な数値を使った標準原価ですので、個別の病院でどういうふうな 意思決定をするかまでは言えません。このデータをもとに全国の標準原価に基づいた値で、 ある科がマイナス、診療科がマイナス、あるいは入院部門がプラスだとかマイナスかによ って意思決定することはなくて、御自分の病院の数値で判断すべきです。  それから、管理会計、つまり経営の観点からすると、健全な赤字部門がないといけない ことがしばしばございますので、赤字、黒字とは1つの判断指標で、それによってすべて が決まるものではないと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  竹嶋委員どうぞ。 ○竹嶋委員  客体といいますか、今お話ありましたように少ないですよね。それで、やはり外れ値に 対してもいろんなことがなされておりますけれども、中医協のこういう場で資料として本 当に使うとすれば、もう少し、診療科にしても、病床数にしても多いほうがいいと思うの です。これは病院というか、医療側の我々ができるだけそれに協力するという形に持って いかなければいけないのでしょうが、そのあたり病院のほうの考えはどうなんでしょう。 ○遠藤小委員長  西澤委員どうぞ。 ○西澤委員  まさしく今まで私たちが診療報酬でいろんな要求をするときに、そのもととなるデータ がなかったということが非常に問題でした。今回きちっとコストを反映できる診療報酬を つくっていただきたいということで、そのためにした調査だと思っています。ただし今回 の調査結果は、そのコストを反映して議論のもととなるデータじゃなくて、それ以前に、 ここに書いてあるとおり計算手法を開発するということで、こういう方式はどうかという、 それを示されたにすぎないということだと思います。そういうことで、今回の内容をもっ てどうだというのはまだ早い。とりあえず手法としては確立したという段階だと思ってい ます。ですから、そういうことで、今後この手法が確立するために、一部の病院しか参加 できない、これでは困るから、すべての病院が調査に参加できるようなものにしていただ いて、そしてさらに今の調査の中で、手法としてはほぼ確立したけれども、まだ配賦の問 題とかいろいろあると思うので、さらにそこを精緻化して、そして私たちがこの中医協の 場で議論するときに、きちっと本当のコストを反映しと、だれが見ても納得できるような データに早くしていただいて、そしてそれをもとに私たちが主張できるようになればと思 っております。  そういうことで、今回のこれは計算手法がかなり確立したということでは非常に評価し ております。 ○遠藤小委員長  そういう御意見でありますので、対馬委員どうぞ。 ○対馬委員  2つほど質問ですけれども、1つは調査対象がDPCの対象病院ないしは準備病院だけ になったというのはよく分かったのですけれども、この本文の調査報告書の1ページ目の 調査の対象のところを見ると、最初からDPC対象病院、準備病院に限定して実施したよ うな書きぶりになっているのですが、これはちょっと誤解を与えやしないのかなと思いま す。DPC以外の病院も含めて実施したのだけれども、結果的にというのがないとちょっ とどうかなというのが1つ。  それからもう1つは、確かに手法の開発とありますけれども、このあたりはどう考える かなんですが、自由診療も恐らく入っているのだろうというふうに思うのです。介護のほ うは入っているかどうかは私もよく分かりませんけれども、特に自由診療が入っています と、特定の診療科、例えば産科あたりですと当然ながら影響が非常に大きいということも ありますし、眼科も最近レーシックとかいろいろあるようですので、今後中医協の中でコ ストを議論していくときには、当然ながら保険診療を中心に議論していくわけですから、 そのあたりを今度どう考えていくか、この2点をちょっとお伺いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  それでは、これは事務局にお聞きした方がよろしいでしょうね。事務局お願いいたしま す。 ○事務局(城保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  対象病院につきましては、もともと19年度までの調査研究におきましては、DPC病 院、DPC準備病院等でないところもお願いをしておりましたが、20年度につきまして はなかなかそういうところの御負担が大きいようなところもありますので、今回のものに ついて言えばDPC対象病院、DPC準備病院でお願いをした。これは手法の開発という ことでございますので、ある程度対象の偏りもあるかということはありますが、手法の開 発という観点でそのようにさせていただいたということでございます。  それからもう1つ、対象というか、収支の範囲でございますが、介護については今回は 外すようにということでお願いをして、外すということでやっております。自由診療につ いては、これは含まれるということで整理をお願いしております。 ○遠藤小委員長  そうしますと、今後の調査につきましては、その自由診療と保険診療が明確に分かれる ような聞き方をしなければいけないということになるわけですかね。対馬委員のおっしゃ っている内容につきましては。 ○対馬委員  全体的には恐らく自由診療がそれほど大きく影響するということはないのだろうという ふうに思うのです。ただ、各診療科別のコストを比較していくといった場合には、やはり 特定の診療科についてはそこをよく見ておく必要があるのだろうと思います。 ○遠藤小委員長  ほかに何かございますでしょうか。山本委員どうぞ。 ○山本委員  データを出す側も、それを集計をされ、分析される側も大変お手間もかかる仕事ですの で、余りいろいろと申し上げるのも心苦しいのですが、4ページのところに、具体的にこ うした調査をして、最終的に入院と外来に分けて報告書が作られています。薬を扱ってい ますと医薬品の動きは収支には極めて大きな影響が出ると思っております。しかし中央部 門あるいは管理部門というところがそれぞれ按分されてしまい具体的に姿が見えてきにく い。最終的な報告書はそれでよろしいとは思いますけれども、もしデータをお持ちであれ ば医薬品関連は途中こんなふうだったというような経過についてお示しいただけないもの でしょうか。 ○遠藤小委員長  山本委員、確認ですが、それはこの調査の中でということですか、それとも今後の調査 の過程でということでしょうか。 ○山本委員  まとめの段階になればこの報告書になると思うので、参考でも結構ですけれども、こん なことがあったというようなものをお出しいただけるのであれば、そうしたものを参考資 料にお出しいただければありがたいと思っています。 ○遠藤小委員長  つまりこの分類とは違うような分析の仕方が、オーダーを出した場合にそれに対応して いただけるかどうか、いただきたいということですね。事務局いかがですか。 ○事務局(城保険医療企画調査室長)  今回のものにつきましては、先ほどから御議論ありますように調査手法の開発というこ とでございまして、結果を持ってということで、こういう形にまとまってまいりまいたの で、ちょっとお許しをいただければというふうに思います。  それで、今回の目的が、請求が発生する各診療科とか、そういうところで収支コストを きちんと見られるようにということのものでございましたので、中央部門は極力割り振る という方向でございますので、御承知のようにそういう形でございましたので、途中段階 というものをどのようにしていくか、お求めでございますので、どういった形がいいか、 精査をさせていただかないとちょっとお答えしにくいと思います。ちょっとご相談させて いただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  山本委員、したがって今回につきましてはこのままで、今後の過程において違った分析 の仕方が必要であるということがもし基本小委で明らかになれば、これはまた専門組織に お願いして、それをまた別途分析をしていただくという形にしたいと思います。  ありがとうございます。それではとりあえず今回調査の中身についてはよろしゅうござ いますでしょうか。牛丸委員どうぞ。 ○牛丸委員  今回対象となったというか、データを出してくださった病院が限定されてしまったとい うことですが、ですから代表性がないわけですけれども、ただ今回対象となった病院に限 るならば、ここで出てきた結果というのは非常に正しいというか、そう考えてよろしいわ けですか。そのためにかなり細かいことをなさったわけでしょう。こういう細かいことを やれば、少なくともデータがこれだけ出ていれば、正確な認識ができるというよう、結論 に解釈してよろしいですか。 ○遠藤小委員長  分科会長どうぞ。 ○田中分科会長  おっしゃるとおりです。代表性はないかもしれないけれども、調査対象となった病院の 実態はかなり正確に反映できていると言えます。 ○牛丸委員  今回、データを提出する手間とか、それから集計の負担とか、両方を考えますとかなり 大変なので、簡素化したいということ、それは代表性を求めるためにそうなのでしょうけ れども、その場合には、これだけ細かいものを簡素化することによって、求めていた精度 というものが阻害されていくわけですね。そこをどこまで、その兼ね合いというか、それ を今回、次に求めたいという、こういうことでしょうか。 ○遠藤小委員長  分科会長どうぞ。 ○田中分科会長  牛丸委員のおっしゃるとおりで、調査したいことは簡素化しても精度を失わないかどう かを調べることだと思います。単に簡素化して新たな指標をつくるのでは、今までの研究 成果が全部消えてしまいますので、今までのものからどこを落としても、いわばデータは もとので、同じデータを使って検討して、変わらないで、しかし書き込める病院がふえる かどうかという調査になります。簡素化したものともとのデータとのずれが少ないような 簡素化の方向を探していきたいと考えております。 ○遠藤小委員長  事務局どうぞ。   ○事務局(城保険医療企画調査室長)  ちょっと補足をさせていただければと思います。  番号を打っておりませんが、先ほどの診−1−3の後に横紙で参考として1枚資料を入 れさせていただきました。これはどれぐらい今回の調査において負担があったかというこ とを、幾つかの病院にお願いをしてアンケートをさせていただきました。1ページ目の一 番上にありますように、数は少のうございます。回答いただいたのは、調査票が順調に出 てきた病院が2つ、提出に時間がかかった病院が2つ、途中で辞退された病院が1つとい う結果でございますが、そこで定性的にちょっと見ていただければと思いますが、下の回 答内容をごらんいただきますと、この調査の項目、レセプト調査から下まで、医師の勤務 調査までございますが、既存のデータをそのまま使えた部分というのも出てきたところに ありますが、やはり既存のデータを加工して利用したというご回答をいただいたところも、 項目によって相当数ございます。特に、下のほうの実施場所の調査であるとか医師の勤務 の調査であるとか、この辺の勤務時間割合、検査の実施場所の割合、こういったものは既 存のデータでは使えなくて、ということで、このBとかDとかのこのあたりの病院、Eと かの病院になりますと、既存のデータの加工でもなく、別途新たに調査をしなければなら なかったというようなこともございます。  こういった関係で、裏に2ページがございますが、調査の依頼をして、それから追加依 頼をして、最終応諾病院が190病院になり、その後最終的に集計ができたのが127に なったという経緯もございますので、こういった意味で極力簡素化できるところがどこか という調査をさせていただくというお話になってきたということで紹介をさせていただき ます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、2番目の新たな調査をすることについての御提案ですけれども、これについ て何か御意見、御質問ございますか。  これは具体的に脱落した63病院を対象とするというふうに理解してよろしいのでしょ うか。事務局どうぞ。 ○事務局(城保険医療企画調査室長)  すべてちゃんと出していただけたところも御負担はあったと思いますので、そういった ところも含めてということで考えております。 ○遠藤小委員長  それでは、21年度そういうところから情報を得て、精度を落とさないで簡素化すると いう方法を確立したいというのが21年度のあれだということですね。よろしゅうござい ますでしょうか。できれば22年度に入ったら、その代表性がとれるレベルの調査をでき るだけ早く完成して、実行していただきたいというふうに思っておりますので、よろしく お願いいたします。  それでは、御提案につきましては、中医協としてはお認めいたしたということにさせて いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  田中分科会長におかれましては、長時間どうもありがとうございました。  最後に「その他」でありますけれども、事務局から説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  それでは、中医協の診−2の資料をごらんください。報告でございます。  先般、社会医療診療行為別調査の検証に関してお諮りをいたしまして、その場でワーキ ンググループを設置するということで御理解をいただいたと承知をしております。今般こ ういう形で設置についての案をつくりまして、またその診−2の裏のページにありますよ うに、メンバーについてもお諮りをして、概ねこういう形で案をつくりましたので御報告 をする次第です。  もう少し補足をいたしますと、もう一度1ページ目に戻っていただきますと、先般もお 諮りしましたとおり、検討内容については社会医療診療行為別調査と最近の医療費の動向、 先ほど調査課長からお話をしましたMEDIASとの乖離があるとすればその程度がどの 程度か、その原因はどこにあると思われるかということの検証をするということになりま す。それから裏のページをごらんいただきますと、今4名の方をお示ししておりますけれ ども、1号側、2号側、それに公益の先生方ともお話し合いをしまして、概ねこういう方 ならということでしたので、これでよろしければというふうに考えております。  なお、これで御異議なければ近々ワーキンググループを発足させて作業に着手したいと 考えております。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  メンバーにつきましては私預かりということにさせていただきましたので、このような 方を選ばせていただきましたけれども、よろしゅうございますでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、本日用意いたしました案件はすべて終了いたしました。本日の小委員会はこ れにて閉会としたいと思います。  次回の日程等につきまして事務局から何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  8月上旬を予定しておりまして、詳細が決定次第またご連絡をさせていただきます。 ○遠藤小委員長  それでは、本日の小委員会はこれにて終了したいと思います。ありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)