09/07/29 第147回中央社会保険医療協議会総会議事録          第147回総会議事録 (1)日時  平成21年7月29日(水)10:00〜11:27 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 白石小百合委員 森田朗委員       小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員 伊藤文郎委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       大島伸一専門委員 坂本すが専門委員 住友雅人専門委員       <事務局>       外口保険局長 唐澤審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        城保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○ 医療機器の保険適応について       ○ 先進医療専門家会議の報告について       ○ 平成22年度診療報酬改定について       ○ 医療費の動向等について       ○ その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第147回中央社会保険医療協議会 総会を開催したいと思います。  まず、委員の出席状況について御報告をいたします。本日は、小林麻理委員、庄司委員、 藤原専門委員が御欠席です。  次に、厚生労働省におきまして異動がありましたので、事務局より報告をお願いしたい と思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  それでは、7月24日付けの異動がございましたので御紹介させていただきます。  外口崇保険局長でございます。   ○外口保険局長  外口でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  唐澤剛大臣官房審議官(医療保険・医政担当)でございます。 ○唐澤大臣官房審議官  唐澤でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  それから、吉田学保険局保険課長でございます。    ○吉田保険課長  吉田でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  伊藤善典保険局国民健康保険課長です。 ○伊藤国民健康保険課長  伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  それから、城克文保険局医療課保健医療企画調査室長です。 ○城保険医療企画調査室長  城でございます。よろしくお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  御紹介は以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは、早速議事に移らせていただきたいと思います。  まず、「医療機器の保険適用について」を議題といたします。区分A2(特定包括)及 びB(個別評価)について、事務局から資料が出ておりますので、報告をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料、中医協 総−1をごらんいただきたいと思います。7月1日付けで保 険適用が開始されたものでございますが、まず1ページ目、区分A2(特定包括)(特定 の診療報酬項目において包括的に評価されている区分)ということで、最初は医科でござ います。1ページ目、2ページ目、ごらんのとおり62件ございます。  続きまして、3ページ、区分B(個別評価)(材料価格として個別に評価されている部 分)ということで、ごらんのとおり24件、合計、医科は86件でございます。そして、 この3ページ目の上から4段目、ONYX液体塞栓システムLD、それからその下のVE PTRシステム、それからもう1つ下のPDA閉鎖セット、この3つにつきましては、6 月24日の総会でC1としてお認めいただいたものでございます。  続きまして、4ページ、歯科でございます。ごらんのとおり2件、区分A2、2件ござ います。  それから、区分B(個別評価)でございますが、これもごらんのとおり12件でござい ます。  医科、歯科、合計で100件でございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ルールどおりの適用でありますけれども、何か御質問、御意見ございますか。よろしゅ うございますか。  それでは、本件に係る質疑に関しましてはこのあたりにしたいと思います。  続きまして、「先進医療専門家会議の検討結果について」を議題といたします。事務局 より資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料、中医協 総−2をごらんいただきたいと思います。  まず、1ページ目、第2項先進医療、これは薬事法上承認を受けた機器のものでござい ます。整理番号148番となってございますが、無拘束型多点感圧シートセンサを用いた 検査(閉塞性睡眠時無呼吸症候群が強く疑われる症状等)ということでございます。  1枚おめくりいただきまして、次の2ページ目をごらんいただきたいと思います。こち らの先進性のところに書いてございますが、睡眠時無呼吸症候群につきましては2種類の 検査がございます。[1]番の簡易検査、[2]番の確定診断用精密検査ということでございまし て、いずれも保険適用されてございます。このうちの[1]番は、各種センサ類を装着した状 態で、鼻呼吸・気道音・動脈血酸素飽和状態を終夜連続して測定するため、簡易検査とは いえ患者さんにとって拘束感が強い。その結果、患者さんが入眠困難に陥ったり、無意識 にセンサを外したりということで、4〜24%の頻度で検査が十分に遂行できない状況が 発生しているということでございます。  これに対しまして、今回の技術は、こういった各種センサ類を装着せず、呼吸に伴う身 体下の微妙な圧力変化をベッドパッド状の検査機器で測定することによってスクリーニン グを行うということでございまして、具体的には、ちょっとおめくりいただきまして、5 ページに写真がございます。こういったシート状のものをベッドの上に敷いて、その上に 寝るだけということで、非常に簡単な検査となっているところでございます。こういった 非常に簡易にできるということで、患者さんに対する拘束感などもなく、検査のミスも非 常に少ないということで、スクリーニングには非常に適した検査であるということで、3 ページ目に技術の適格性ということが書いてありますが、一番下の総評のところに適とな ってございます。従来の簡易検査法に比較して感度が高い、患者の不快感がほぼなくなり、 記録の失敗もほぼなくなる、さらに安価で行えるといったメリットについて書かれてござ います。  そして、4ページ目に、要件が書いてございますが、呼吸器内科、循環器内科、神経内 科等、睡眠時無呼吸を扱う診療科の先生がいられること、それから一番下のほう、その他 でございますが、院内で終夜睡眠ポリグラフィーによる精密検査を実施する体制が整備さ れていること、こういった条件が設定されてございます。これが1つ目の技術でございま す。  続きまして、2つ目の技術は、6ページをごらんいただきたいと思います。こちらは第 3項先進医療、下の備考に書いてございますが、今回、薬事法上未承認の機械を使う、そ ういったものでございます。内視鏡下手術用ロボット支援による冠動脈バイパス移植術と いうことで、このロボットにつきましては、ダビンチというロボットでございますが、以 前前立腺で先進医療でお認めいただいておりますが、今回は心臓に使うということで、改 めて申請が来てございます。  次の7ページのところに説明がございます。先進性のところでございますが、冠動脈バ イパス術、心臓を栄養する大きな太い血管でございますが、その血管が狭窄、閉塞を生じ たときに別の血管をつなげる、そういう手術でございますけれども、従来の手術法では、 [1]胸骨正中切開法による心臓への到達、[2]内胸動脈を含むグラフトの採取、内胸動脈とい うのは肋骨の裏側を縦に走っている動脈ですが、これを用いてバイパスを行うということ でございます。そして[3]冠動脈病変抹消側へのグラフトの吻合といった3段階から成りま すが、[1][2]の手術操作に伴う術後の疼痛や感染等によりQOLが著しく低下し、長期入院 を要する点が課題とされてきた。そこで、胸骨を切らずに肋間小切開、肋骨の間を小さく 切る、こういう侵襲性の少ない術式も提唱されましたが、[2][3]においてより高度な技術を 要して、多枝病変、血管が何本か病変があったとき、こういったときに対応が困難である こと等から普及性に限界があった。こういったものを克服する手術であるということでご ざいます。  具体的には、13ページに写真が出てございます。こちらの上のほうのサージカルカー トという、ここのベッドに患者さんに寝ていただいて、左側のサージョンコンソールとい うところで人が画面を見ておりますが、こちらのほうで遠隔操作的に手術を行うというも のでございます。  この手術につきまして、今回2段階に分かれてございます。すみません、また7ページ に戻っていただきたいと思いますが、7ページの概要のところをごらんいただきたいと思 います。  まず、術式Aといたしまして、ロボット支援下冠動脈バイパス手術の、まずロボットを 使用して内胸動脈のグラフトを取る。その後、次はロボットを使用せずに肋間開胸でグラ フトを冠動脈に吻合するという、こういったものをまず連続30本行い成功率100%の 有効例ありという、この状態に達した場合に術式Bに進むという条件をつけてございます。  術式Bにつきましては、同様にロボットを使用して内胸動脈グラフトを取りますが、さ らに、動いている心臓へ血管を吻合するというところまで行うということでございます。  術式BもB−1とB−2に分かれてございますが、まずB−1で1枝だけ、1本の動脈 だけを吻合する、これを5症例完遂すればB−2、多枝吻合、2本以上の血管を吻合する という技術へ進みたい、こういった申請が来てございました。  それに対しまして、8ページをごらんいただきたいと思いますが、先進医療専門家会議 の評価でございますけれども、これにつきまして、まず社会的妥当性のところにBで倫理 的問題等があるというような評価になってございます。最終的には条件付き適となってご ざいまして、コメントに書いてございますように、術式Aに関しては相当数の症例経験が あるが、術式B−1の国内実施例は1例である。また申請時に術式B−1を5症例完遂す れば術式B−2に進むとされていたが、術式B−2にあっては実施例が報告されていない。 ほかに確立された手術法がある上、命にかかわり得る心臓の手術法であることにかんがみ、 第3項先進医療としては、術式B−1までに限って承認すべきと考える。なお、その前提 として、あらかじめ高度医療評価会議で求めた要件を遵守し、適切なトレーニングを積ん でから術式B−1に進むことが重要であるというように、先進医療専門家会議のほうでは、 今回はB−1までのみ認めるという結果でございました。  すみません、また7ページの一番下でございますが、今回申請してきた医療機関、東京 医科大学病院、それから協力医療機関金沢大学附属病院、この2施設のみについて認める ということでございます。  9、10、11ページは、高度医療専門家会議のほうで出された評価でございますが、 この不適等となってございます部分につきましてはすべてその後クリアされて、高度医療 評価会議のほうで確認されております。ということで今回先進医療専門家会議のほうに来 たということでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長 中身については分かったのですけれども、費用面についての御説明はお願い できますか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  失礼いたしました。  費用面につきまして、まず最初の第2項先進医療のほうの148番につきましては、先 進医療の費用、自己負担分については3,000円、それから保険給付分の保険外併用療 養費については16万2,000円ということになってございます。  それから、2つ目の第3項先進医療のロボット手術につきましては、6ページに書いて ございますが、先進医療費用として234万4,000円、それから保険外併用療養費と して62万1,000円というようになってございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいま御報告ありました先進医療専門家会議から出されております2つの評価結果で ございますけれども、これにつきまして何か御質問、御意見ございますでしょうか。小島 委員どうぞ。 ○小島委員  2つ目の第3項のほうのロボットを使ったバイパス手術の件です。費用のところが、7 ページのほうに術式Aまでの場合とBまで行う場合があり、今回B−1までということに なっています。Aのところまでの費用としては、これは自己負担あるいは保険外療養費、 ここについては記載されてないのですけれども。 ○遠藤会長  事務局お願いいたします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  Aの部分については大体190万円ぐらいとなってございます。 ○小島委員  自己負担分が190万ですか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  自己負担分についてでございます。 ○遠藤会長  そうすると、234万というのは、Bまで含めてという意味なんですか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  234万というのは、今申し上げました190万にさらにB−1を加えた分でございま す。 ○遠藤会長  分かりました。ありがとうございます。  ほかに御質問ございますか。よろしゅうございますか。  それでは、ただいま御報告ありました2つの技術につきましては、保険給付との併用を 認めることについては中医協として特段の意見はないということにしたいと思います。あ りがとうございました。  引き続きまして、「昭和22年度診療報酬改定について」を議題としたします。  事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  それでは、中医協 総−3に沿って説明をさせていただきます。平成22年度診療報酬 改定について、最近の動きについて簡単に御報告をするという趣旨でございます。  総−3の(3)にございますように、診療報酬改定をめぐりましては、改定率を除きま す診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議については、厚生労働大臣の下に置かれる 他の諮問機関に委ねるということになっておりまして、ここで診療報酬改定に係る基本方 針を定めるということになっております。中医協はここで決められた基本方針に沿いまし て、具体的な診療報酬点数の設定に係る審議を行う、こういうふうにされているわけです が、その場合の診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議を行う場ということでは、社 会保障審議会の医療保険部会、それから医療部会が考えられる、こうなっておりまして、 これまでもこういう形で基本的な方針についてご検討いただいてきたわけでございます。  2ページ目をお開きくださいませ。そういうことで、下の段が平成20年度の診療報酬 改定のスケジュールでして、上の段が平成22年度の診療報酬改定に向けたスケジュール になるわけですが、黒太枠で囲っておりますように、先ほど申し上げました基本方針につ いての審議をする社会保障審議会がどういう位置付けにあるのか、どういうタイミングで 審議をするのかということを図にしたものでございます。  具体的には、3ページ目から始まるのですけれども、医療部会が7月9日、医療保険部 会が7月15日にそれぞれ開催をされました。  まず、3ページ目からごらんいただきますと、社会保障審議会の医療部会委員の名簿が ございまして、4ページ以降、きょうは時間の関係もありますし、報告という趣旨ですの で読み上げてご説明をするということはいたしませんけれども、当日あった主なご意見に つきまして、4ページ以降羅列というか、整理をしてお示しをしております。  それから、10ページ以降が同様に医療保険部会でございまして、医療保険部会の委員 の名簿、それから11ページ以降13ページまでが、同様に部会における主な御意見を羅 列の形で記述して御提示をしているということでございます。前回の例に倣いますならば、 年内に数回開催をして基本方針をまとめていただくということですが、いずれにしまして もそれぞれ第1回目が開催された。言うならば診療報酬の基本方針に係るキックオフがな されたということを報告する次第でございます。  よろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  基本方針は基本的には社保審の両部会で決めて中医協で個別の議論をするという形にな っておりますので、そのような社保審の両部会が開催されたということの御報告だったわ けです。中医協の委員の皆さんの中には両部会の委員を併任されている方もいらっしゃい ますので、動きはお分かりになっていると思いますけれども、3回から、何回ぐらいか分 かりませんけれども、終了した段階で方針が決定します。また、我々中医協としましても、 恐らく問題になるだろう内容につきまして、例えば救急等につきまして既に議論を開始し ているということは御承知のとおりであります。ただいま御報告ありましたことについて 何か御質問、御意見ございますか。藤原委員どうぞ。 ○藤原委員  この意見の取りまとめは、事務局の責任において取りまとめなんですかね。私はこの社 保審の医療保険部会のほうに出席させていただいておりますけれども、この取りまとめを 見ると、私がメモをしたのと相当、1つひとつの○が個人の意見だとしたら、大体見える のですけれども、この取りまとめ、私のメモとこれとは相当印象が違うように思うのです が、かなりバイアスがかかった取りまとめをされているのではないかなと。  例えば、4番のところなんですけれども、これはこういう取りまとめなんですが、私が まとめたものと恐らく、私メモってきていますけれども、読み上げたら多くの方が違うの じゃないかというふうな思いをされると思いますので、できれば、これはなかなか面倒な ことかも分かりませんけれども、議事録なり速記録なり、バイアスがかからないように示 していただければ、より正確に内容が把握できるのではないかと思いますけれども、いか がでしょうか。 ○遠藤会長  前者はこのメモの内容がどういう位置付けであるのかということ、それからどういう形 で取りまとめたのかということの御質問であったと思います。それから後段につきまして は、議事録がまとまったならばそれを出したほうがいいのではないか、こういうことであ ります。2つについてお答えをお願いします。どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療部会、医療保険部会における議事というのは、これはそれぞれの部会が、部会長や 事務局が相談をして最終的にはフィックスするものだろうと考えておりますが、今日御紹 介しました趣旨は、7月9日、15日にあったものを紹介するという趣旨で、事務局の判 断でこういう形で取りまとめをいたしました。もちろんその間、御発言をいただいた方に はこんな感じでまとめますよということで事前には連絡をして、この形でまとめておりま す。しかしながら、冒頭にも申し上げましたように、正式な議事録はそれぞれの部会で改 めて作成されるものと承知をしております。繰り返しになりますが、これは中医協の議論 に資するためということで暫定的に取りまとめたものであるというふうに御理解いただけ ればと思います。 ○遠藤会長 分かりました。  藤原委員どうぞ。 ○藤原委員  私が危惧するのは、まさに今初めに医療課長が言われたように、キックオフであると。 年末に向けての取りまとめのキックオフが始まったのだと。要するにこれは今後の議論を ミスリードする可能性もある、それだけに一言一句が重要な意味を持っているのだろうと 思いますので、厚労省のほうで多少、こういう方向にしたいという意図が働けば、やはり そういうふうな取りまとめになるというふうに見えますし、私が実際その場で得た感触と も違うわけですから、それほど重要だということ、そういった意味合いからやはり、特に 私が気になる点は4の項目でありました。どうしても全体はなかなか大変だというのなら 4の項目だけでも出していただきたいと思います。 ○遠藤会長  ただいま内容につきまして、事務局として暫定的に、議事録を待てばかなり後になると いうことで、どういう審議がされているかということの概要について報告した。それは医 療課としての責任でまとめたのだということだと理解をいたしました。  小島委員どうぞ。 ○小島委員  事実関係についてです。私が医療部会に出席して発言したものについては、主な意見の 概要版ということで、事前にこうように取りまとめて今日の中医協に報告しますというこ とでした。私は若干手を入れて、私が言った趣旨に合うような最低限の修文をして送った ところ、一応それが反映されています。 ○遠藤会長  では、対馬委員どうぞ。 ○対馬委員  医療保険部会についても全く同様な手続きを経てこういった形になっているということ です。 ○遠藤会長  分かりました。そういうことで、発言者のチェックが既に入った形のまとめになってい るということでありますので。 ○藤原委員  私どものところには来ましたかね。これを修正してくれというのは来てないと思うので すが。 ○遠藤会長  医療課長どうぞ。   ○事務局(佐藤医療課長)  お届けしております。具体的には竹嶋委員からも修正のコメントが来ていますので。確 実に。 ○遠藤会長  竹嶋委員どうぞ。 ○竹嶋委員  私は医療部会のほうに、中川委員と出ています。医療部会のほうは間違いなく回ってま いりました。それは全体を見せていただくし、私の発言したところはそれなりのて、に、 を、はの修正とかも入れました。医療保険部会のほうは、これはちょっと私分かりません が。 ○藤原委員  いや、仮に修正を入れたとしても、そのときの発言がすべてであるわけですから、その 発言と大いに違っておるという感触が私にはありますので、そうだとしたらやはり速記録 なりを出していただくのが筋じゃないでしょうか。 ○遠藤会長  いや、ですから先ほどの話では、事前チェックをお願いしたということなので、それは 恐らくそちらにだけ行っていないということは通常あり得ない。 ○藤原委員  いや、そのことじゃなくて、今[4]の話を。私には来ていませんよ。それは医療部会です から、私は医療保険部会ですので、私はチェックしていません。 ○遠藤会長  ですから、恐らくそれはかなり個別の話になるのだと思うのです。つまり修正がされる ようなちゃんとチャンスがあったわけですが、そこで修正していれば、藤原委員の御発言 とここに書いてある内容が大きく乖離するということがなかったわけですよね。そうする と別に議事録を出すというようなことも必要性もないということになるのだと思うのです けれども、その手続きが不備だったのじゃないかということをおっしゃっているわけです けれども、それは違うと事務局は言っているわけなので、恐らくこれは今後、2回、3回 続けられますので、そういう段階で御発言を今のような形で御本人のチェックを入れてま とめていくというのは、タイミング的には適切なやり方だと理解しますけれども、それで も藤原委員は議事録を出すべきだというお考えでしょうか。 ○藤原委員 いや、余りにも違うと思いますので、例えば最初の2段というのは私の記憶 というか、メモではありませんし、中身は相当違っているような。 ○遠藤会長  それでは、どういたしましょうか。藤原委員は、これは実はチェックをしていないとい うことですので、この内容が正しいのかどうか、私は全く分かりませんけれども、この内 容について修正をしたものを中医協で新たにお出しいただくかどうかということですね、 今の話では。どうぞ。 ○神田総務課長  医療保険部会の事務局として、医療保険部会自体は審議も公開でありますし、議事録は いずれ発言者御本人に御確認いただいた上で当然公開するということにいたしております。 ただ、中医協にその途中経過を御報告するということで今回暫定的に発言した御本人には 御確認をいただいた上で、趣旨が違っていないかということは確認をしてこの場にお出し 申し上げておりますので、申しわけございませんが、御自分が受けられた印象と違うとい うことはあるかもしれませんけれども、発言者御本人には皆確認をさせていただいており ます。中途半端な形で御本人の確認をいただけない段階で不十分な議事録を速記録的な形 でお出しするのはいかがなものかというふうに考えておりますので、きちっと精査した段 階で議事録全体をオープンにさせていただきたいというふうに思っております。 ○遠藤会長  基本的なその枠組みについて私申し上げたのではなくて、今回はこのようなサマライズ したものに対するチェックをしなかったということをおっしゃっておられるものですから、 それが事務局の問題なのかそうでないのかもよく分からないので、新たにサマライズした 内容についてチェックを入れてここで出していただくような措置をとるか、それともそれ はそこまでする必要がないかということを皆さんにお諮りしている、そういうことであり ます。何かありますか。対馬委員どうぞ。 ○対馬委員  これはあくまで概要で、できるだけ早くに出したいということですから、いずれ議事録 がしっかりした形で出て国民全員がアクセスもできるわけですから、それはそれでよろし いのではないか。特に今回、これが最終報告書といいますか、そういうことであれば非常 に気になさるのも分かりますけれども、そうではないし、また予算と診療報酬のところで、 2つ目のポツの「予算で対応しているところ、診療報酬でみるところの役割分担も考える べき。」というのは私が申し上げたことで、それをサマライズしていただいたということ ですから、ちょっと言われている点は私にはよく理解しかねますけれども。 ○遠藤会長  分かりました。 ○藤原委員  もう一言。 ○遠藤会長  藤原委員どうぞ。 ○藤原委員  今後また詰めていくのだというお話もあるのですが、しかしここに明確に、この中の雰 囲気を感じると、明らかにこれは、例えば今、先ほどから何回も言っているのですけれど も、「全体の引き上げが必要という話があったが、救急や産科」云々の2行のところ、こ れはどう見ても、私のメモではありません。だからこういったところがしっかり後に残っ て、これだけ見て判断される方が多いと思うのですけれども、そうした場合は、やはりそ れが独り歩きする。要するにこの医療保険部会の結論としては、これはやはり選択と集中 で、こういったところに皆さんの意見が集中したのだという話になるわけですから、これ は極めて重要なことだと思います。だからそこのところがあいまいな形でそのまま記録と して残されて、話が、また議事録が出ればいいのではないかという話には決して私はなら ないと思うのですけれども。 ○遠藤会長  西澤委員。 ○西澤委員 私は医療部会の委員ですが、前もって事務局から意見メモが送られてきまし て、発言のところに名前が入っており、先生の発言はこれでいかがですかと言ってきまし た。ですからすべてこれはどなたかの発言だと思います。今藤原委員が言ったのもそうだ と思います。そういうことで各委員から、このとおりである、あるいは修正したものを出 して、今回は名前を消して出したということですから、事務局が勝手にまとめたのではな い。少なくとも医療部会ではそうなので、医療保険部会も同じ扱いだと思います。違った のであれば、藤原先生と事務局のほうでお話しして、実際言っているのか確認していただ ければと思います。 ○遠藤会長 だから、かなり個別な問題だと私は言っているわけで。 ○竹嶋委員  私もそうだと思います。ただ医療保険部会のほうから来てないという発言がありました。 そこだけはやはり確認してもらったほうがいい。あとはそれぞれに来て、それ自体はおか しくはないと思いますので、個別にやっていただきたいと思いますけれども。 ○遠藤会長  ありがとうございます。医療保険部会でも、先ほど対馬委員のお話のように一応チェッ クはしているということでありますので、そういう御意見でありますので、まだ社保審の この審議は始まったばかりでありますから、決して独り歩きをするということもないとい うふうに思いますので、今回はこのような形で、また藤原委員の御発言については議事録 に残すというような形にさせていただいて、次回以降じっくり吟味をしていただく、チェ ックをしていただきまして、またこのような形でスピーディに内容をここで報告いただき たいと思います。そういう扱いでよろしゅうございますか。ありがとうございます。  牛丸委員どうぞ。 ○牛丸委員  別のことですが、1つ教えてください。  総−3で、中医協が社会保障審議会の医療保険部会、医療部会の提示した基本方針に基 づいて行う、それは分かりました。そこで、恐らく多くの方々はもう既にご存じだと思い ますが、改めて教えていただきたいと思います。  医療保険部会と医療部会の管轄といいますか、重なっている部分もあるかと思いますけ れども、それぞれが何を対象としているか、それを教えてください。 ○遠藤会長  社保審医療部会と医療保険部会、それぞれの審議する内容についてということでありま すけれども、厳密ではなくて結構ですので、ある程度理解ができることでお願いしたいと 思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  まず医療部会ですけれども、基本的には、一言で言うと医療の提供体制にかかわること ということになります。提供体制の中では、分解しますと人と箱ということになると思い ます。人というのは、例えば医師・歯科医師その他身分法に関すること、それから箱につ きましては病院や診療所の構造設備、そういったこと、それからそこに置くべき人員、大 きくは人と箱、場合によってはそこにお金、つまり補助金のようなことについても議論さ れることがあるかもしれませんけれども、いずれにしましても医療の提供体制ということ について御議論いただく場と理解しております。  一方、医療保険部会につきましては、1つは財源の話、つまり各保険者がいて、その保 険者からどういう形で保険料を徴収するのか、またどういう形で給付していくのかという ことが基本だろうというふうに理解をしております。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。私のほうも似たような認識でありますけれども、牛丸委員い かがでしょうか。 ○牛丸委員  結構です。 ○遠藤会長  森田委員どうぞ。 ○森田委員  私も参加させていただきましてまだ期間が短いものですからよく分からないのですけれ ども、今両部会ということでございましたけれども、この基本方針は一本化される形で出 されるのでしょうか。先ほどお話がございましたけれども、両部会におきまして少しトー ンも違っている、それ自体がどうかというのは今確認すべきだという議論があったと思い ますけれども、一本化されませんと中医協のほうでそれをどう受けるかということについ て解釈の幅が生じると思います。 ○遠藤会長  了解いたしました。その辺についてお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  今牛丸委員にお答えをした内容とも関連してまいりますけれども、現時点で決まりはあ りませんので、どうしても一本化できないということであればそれぞれ御議論いただけれ ばいいし、結果的には一本化できるということであれば一本化でもいいし、そのあたりに ついては現時点では決まりはないということです。 ○遠藤会長  よろしいでしょうか。 ○森田委員  ということは、可能性といたしまして、2つの基本方針が出てくるということもあり得 るということかと思いますし、両者の間に必ずしも整合性がとられていないこともあり得 ると理解してよろしいのでしょうか。 ○遠藤会長  事務局どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  これも決まりはありませんけれども、基本方針の中でもしかすると医療部会と医療保険 部会とで意見が分かれることもあるかもしれません。またそれをじゃ具体的に点数に落と し込むときに、ご議論いただいたことをすべてそのまま点数に落とし込むということはで きないこともあるかもしれません。ですから、可能性の話だけで言いますと、例えばいわ ゆる両論併記のような形で幾つかの議論が出ることもありましょうし、あるいは上手に一 本化できて、しかも意見が集約されて、しかも点数にそのまま反映されるということもあ りましょうし、さまざまだと思います。 ○遠藤会長  審議官。 ○唐澤審議官  前の総務課長でございます。すみません、私が発言するのはよくないのですが、これま では両部会を一本にいたしまして基本方針をいただいております。これはそれぞれ議論が ありますけれども、同じ案をつくって御議論をいただいて1つにまとめていただいている というのがこれまでの経過でございます。 ○遠藤会長  2回このやり方でやっているわけですね、18年改定と20年改定で同じような案件を 両部会で出して議論をしていってだんだん集約をしていくというプロセスで最終的には中 医協に出てくるという形になっておりましたので、統一はされている、そういう努力はさ れている。ただ医療課長がおっしゃったのは、万万が一そこが収斂できないことも全く排 除できないということをおっしゃったのだと思いますけれども、基本的には一本化された 形で出てくると思います。  中川委員どうぞ。 ○中川委員  いい機会なのでお聞きしますが、医療部会と医療保険部会の守備範囲、これは区別、線 引きできないところのほうが多いと思うのですよ。それで、両部会の事務局はどうなって いますか。 ○遠藤会長  医療課長どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  医療部会が医政局、それから医療保険部会が保険局ということになっております。 ○中川委員  そうしますと、基本方針の取りまとめはどちらでしますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  これまでの流れですと、先ほど唐澤審議官からお話がありましたように、上手に一本化 できましたので、両局が話し合って調整を図るということになります。 ○中川委員  建前はそうでしょうが、上手に一本化し過ぎているような気もするのですよ。例えば両 論併記とか、そういうこともあり得ますし、この改定に向けた基本方針というのは中医協 にとって非常に重いものですから、今年は極めて慎重にやっていただきたいなと。必ずし もまとまらなくても、両論併記ということも十分選択肢として残していただきたいなとい うことをお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  そのようなご意見は、中川委員は医療部会の委員でもいらっしゃいますから医療部会で ぜひそういうお話を強くご主張いただければと思います。 ○中川委員  わかりました。 ○遠藤会長  ほかにございますか。勝村委員どうぞ。 ○勝村委員  総−3の2ページに今後のスケジュールが案として書かれていますけれども、私が以前、 できるだけ早く次回の改定に向けた大体のスケジュール感の原案をちょっと見せてもらえ ないものかとお願いしたのがこれという感じなのでしょうか。 ○遠藤会長  スケジュールについての御質問ということですね。医療課長どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  勝村委員の御質問があったから、そのためだけにおつくりを申し上げたというわけでは ないのですけれども、勝村委員の御意見も含めて、やはり夏前にある程度スケジュール感 みたいなものを御提示した方がいいだろうということで作成をいたしたものです。 ○勝村委員  ちょっと自分の言葉足らずだったかも知れないので申しわけないのですけれども、前回、 もっと前かな、前々回ぐらいだったかもしれませんがお願いした趣旨は、例えば検証部会 の結果とかが出はじめている段階ですから、大体ここに出してもらったスケジュール感は 理解しておるつもりなのですけれども、直前になると本当にとても大事な議論がたくさん 出てきて、時間が足りないなという中で、だけど限られた時間でまとめることも大切だと いうことで非常に苦悩しながらの議論になっていく。そう思うと、振り返ってみればもう 少しあのときにこういう議論ができておればとかいうことを思うこともあったということ があるので、その点何か少しでも改善できないものかなという思いが少しあったのでお願 いをしたという思いがあります。もちろんここのスケジュールにあるように、一定の基本 方針が出ないととか、ある時期にならないとできない議論というのはあると思うのですけ れども、その前に一定できる議論もやはりあり得ると思いますので、事務局のほうでも会 長のほうでもそのあたりも模索してやっていただいていると思っているのですけれども、 そのあたりの今後のイメージを一度出してもらうことで、例えば検証部会というところで、 検証しているのはやはり中医協で検証しているのですから、その検証結果が出れば、それ に関してやはり一定の次回の改定に向けた議論がある程度やっておくとかいうこととかも あらかじめやり得るかと思いますし、限られた9月、10月、11月とたった3カ月ぐら いの話であるということもあるかと思うのですが、それにしても一定の、9月、10月、 11月への腹案みたいなものをお持ちではないかとも思いますので、私としては例えば公 聴会とか、国民の意見を聞くパブコメとかも含めそれぞれがどう生かされていくのかとか、 検証部会の結果がどのように次の改定の議論に生かされたかということを考えると、今回 の議論のスケジュールはどういうふうになっていくのかなという関心がありまして、でき れば次回の、非常に難しいことかとは思うのですけれども、総会にでも、9、10、11 月の大体の予定、あくまでも予定なので変更になるかもしれませんけれども、こんな形で このテーマを議論するとかいうようなことがあれば出していただきたいなというのが趣旨 だったのですが。 ○遠藤会長  分かりました。総会で、基本方針が両部会で決まることが大前提とは言いながらも、や はり焦点となるべき課題というのはある程度分かっておりますから、そのものについては 中医協として独自に議論をしていいのではないかということだったものですから、既に救 急等々についての議論を開始しているところであります。それから、両部会の開催時期が 早まっているということがそういうことを反映しているのだと思いますので。確かに我々 の認識としましても、大きな課題を抱えておりますのでできるだけ早めに対応していく必 要があるだろうと思っております。  そういうことがこのスケジュールにあらわれているのだと思いますが、勝村委員はさら に細かな今後の中医協のスケジュールを明らかにできるかどうか、こういう御質問だった わけですね。事務局いかがでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  今遠藤会長がおっしゃったことの繰り返しになってしまうようでちょっと恐縮ではあり ますけれども、今日2ページ目にお示ししたものは、どちらかというと勝村委員の御要望 というよりは、中医協とその関連する組織、社会保障審議会であったり、あるいは内閣で あったりというものとの関係を整理してスケジュールに落とし込んだものですので、むし ろ今勝村委員のおっしゃったことは中医協本体のほうの議論のスケジュールのような感じ かなと思いましたので、今日はそういう意味で準備をしておりませんでした。  この時点でちょっと事務局のほうで多少恐れますのは、テーマみたいなものを事務局で 決めてしまいますと、かえって何で事務局が決めたのだということがあります。これは先 ほど勝村委員からありましたように、基本方針が出てないのに何でそんなことになるのだ ということでございましょうけれども、お許しをいただけるものならば、例えば仮置きで こんなテーマがあるのじゃないでしょうかということを事務局が多少差し出がましいとい うか、書かせていただけるということならば、何度も言いますが、多少テーマを幾つか挙 げて、そのテーマがいつごろ議論されれば大体12月なら12月、11月なら11月まで に一通り議論できるでしょうねというのはつくれるかもしれません。ただ何度も言います ように、テーマについては先ほど中川委員からもありましたようにまだ両論併記もあるの じゃないのかとかと言われているぐらい、幾つかたくさんのテーマがあろうかと思いまし たので、テーマまで埋め込んでまではお示しはしてないところです。  ただ、そういう話ばかりしていても始まらないでしょうから、例えばで言うと、前回改 定時の宿題事項になったようなものがどの程度議論されたかみたいなことは多少は整理で きましょうから、検証部会でこれだけできました、あるいはまだできていませんみたいな ことはできるでしょうから、今ある程度想定されている範囲の中で、中医協のスケジュー ルの中で、もしかしたらパッチワークふうにところどころしかないかもしれませんけれど も、出すということは、次回可能かどうかは別として、考えてみたいと思います。 ○遠藤会長  どういうスケジュール感で今後の審議が進むのかということは、これは恐らく委員の皆 様関心のあるところだと思いますので、その辺についてあくまでも仮だということで結構 ですので、次回総会でなくても結構ですけれども、ある程度まとめて1回御提示いただい て、それに基づいてまたご意見を承れればと思います。いかがでございましょう、そのよ うな形でスケジュールを出していただくということで。ひとつその辺の御努力をお願いし たいと思います。よろしくお願いいたします。  牛丸委員どうぞ。 ○牛丸委員  確認をさせていただきます。  何回前だったか覚えてないのですが、基本問題小でたしか今後のことの議論をしたと思 います。その中で、検証結果に基づきながら個別の問題については、改定が迫ってきます ので、それは議論しながらも、一方で同時に総合的といいますか、大きな視点で議論しま しょうと。もちろん今日示されましたように、中医協は医療保険部会、医療部会の示した 基本方針に沿って出すわけですけれども、その基本方針が出てない段階ですけれども、そ れぞれの守備範囲に関係なくというか、気にしないで少しここの場でも議論しましょうと いうことはたしか了解されたのだと思うのですけれども、いかがでしたか。何回か前かの 基本問題小で。 ○遠藤会長  事務局お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から言うとそうだと思います。ただそうだとしても、何でも出して御議論ください というわけにもいかないので、私どもとしてみれば幾つかのビジョンだとか、省内に設置 されましたビジョンだとか在り方検討会だとか、そういうところで出てきたテーマにとり あえずは限定をして、少なくともこういうことは省内で議論になりました、あるいは政府 全体で議論になりましたよねという御確認も含めて、その範囲で差し当たりはスタートし たということだろうと思います。 ○遠藤会長  牛丸委員よろしいですか。藤原委員どうぞ。 ○藤原委員  中医協の位置付けの話なんですが、以前たしか遠藤会長は、改定率についても内閣に対 して発信することも考えたいというふうな……。 ○遠藤会長  いやいや。 ○藤原委員  言われなかったですかね。 ○遠藤会長  そんなことを申し上げていません。 ○藤原委員  発信はしないですか。 ○遠藤会長  意見を言うことはできます。 ○藤原委員  意見は言われるのですね。それで、その範囲内でいいと思うのですが、基本方針につい て、例えば中医協の中である程度の、こういった方向性というのは、ここは現場が集まっ てやっているわけですから、相当の濃いものが出ているはずなんで、それを社保審等に上 げていく、それはそのほかのいろいろなビジョンとか会議はありますけれども、そういっ たものをひっくるめて、その中でこの中医協の意見を1つの柱として取り上げていくとい う方向性は持てないものかなというふうに思うのですけれども、いかがなものでしょうか。 以前は中医協がそういったこともきっちりコントロールといいますか、やってきたところ もあるのですけれども、今の体制のままでいいと言われれば、それはそれでいいと思うの ですけれども。 ○遠藤会長  直接関係するかと思いますので、対馬委員先にお願いできますか。 ○対馬委員  内閣とかほかの審議会、それから中医協の関係というのは、ここに書いてあるとおり平 成17年度から2回の改定を経ているわけです。その2回の改定のときにもこういった大 きな枠組みの中で中医協の議論をしてきましたけれども、中医協は御承知のとおりいろい ろな課題を抱えておりますので、前広にといいますか、粗ごなしはやってきたというふう に思うのです。ですから、今回もかなり押し迫ってきていますので、こういった全体の大 きな流れというものは我々もこのとおりだという理解のもとで、それなりの粗ごなし作業 というのはぜひ必要だろうというふうに思います。そこは先ほどの事務局の御回答もあり ましたが、仮なら仮をつけていただいても構いませんけれども、これまでもそういった形 で今後のスケジュールというのはお出しいただいたと記憶もしていますし、また議論して いきませんと、最後の最後にすべて固まった上で1月からさあ議論しましょうというので はとても間に合わないということになりかねませんので、これまで同様にぜひ粗ごなし作 業をやっていただきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  大島専門委員どうぞ。 ○大島専門委員  今の藤原委員のお話というのは、この17年の中医協の在り方に関する有識者会議で相 当な議論のもとに、結論が出ているというのか、考え方が決まった話であって、それを今 これから蒸し返すとなれば、よほど基本的なところから議論をし始めなきゃいけない話に なると思いますし、今ここでやるような話ではないと私は思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  私もこの「新たな出発のために」という在り方の有識者懇談会を傍聴しておりましたけ れども、そこで議論をされまして決定された事項でありますので、これについて、今大島 専門委員がおっしゃられたように、よほどのことがないと、つまりこのやり方が明らかに おかしいというようなことがない限りは、修正するべきだということを中医協の立場で申 し上げるのはなかなか難しいと私は理解しております。  何かこれについてご意見ありますか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。 それでは、ただいまの一連の議論について勝村委員どうぞ。 ○勝村委員  先ほどの話にちょっと戻させてもらって、私の意見で、遠藤会長がまとめていただいた とおりでいいのですけれども、ちょっと1つ要望しておくと、7月はきょうで終わって、 8月もほとんど開催がないと思いますので、ぜひ2ページの左上の中医協のところの12 月までの内容を次回の総会でもう少し具体的に、検証結果とか経営実態調査なんかがいつ ごろに出され、そして、どんな議論をしていくというのを早めに示していただいて、それ で僕としては少しでも、これまでよりも早めにできる議論を多めにきちんとしていきたい なということで、改めてお願いとしてちょっとしておきたいと思います。  よろしくお願いします。 ○遠藤会長  重要な課題を抱えておりますので、例年そうなんですけれども、特に今回も大きな課題 を幾つも抱えておりますから、できるだけ早めな議論をするべきだというのは私も同意を いたしております。ただ、次回の総会までにその辺がまとまるかどうかというのは、事務 的な問題もありますので、努力目標という形で次回の総会、できなければできるだけ早急 にという形で、仮のスケジュールのようなものをつくっていただきたいと思います。あり がとうございました。  したがいまして、この社会保障審議会の医療部会と医療保険部会での議論の動向を踏ま えつつ、中医協におきましてもこの診療報酬の議論を進めていきたいと考えております。  引き続きまして、「医療費の動向等について」を議題といたします。事務局から資料が 出されておりますので御説明をお願いします。 ○事務局(村山調査課長)  調査課長でございます。  お手元の資料、中医協 総−4−1、それから4−2、4−3に基づきまして、医療費 の動向等についてご説明させていただきます。  まず、総−4−2をごらんいただきたいと思います。「平成20年度 医療費の動向」 という資料でございます。この医療費は概算医療費ということで、審査支払機関におきま す審査分の医療費を集計したものでございまして、表1−1の注にもございますように、 公費負担を含む医療費の全体統計ということで、国民医療費の約98%をカバーしている ものでございます。なお、言いそびれましたけれども、今回お配りしております総4−1、 2、3とも、7月17日に公表していて、本資料にはない少し詳しめのものも含めまして 厚生労働省のホームページに掲載されているものでございます。  資料1ページヘお戻りいただきまして、この資料総−4−2は、この概算医療費を制度 別、それから診療種類別、医療機関種類別という3つの切り口でまとめているものでござ います。  1ページ目はそのうちの制度別に見たものということでございます。この表1−1の平 成20年度の欄をごらんいただきますと、医療費の総額は34兆1,000億円ということで、 昨年より6,200億円増加いたしました。  右の内訳を見ていただきますと、70歳以上のところですと14.8兆円ということで、 総計の43.5%、それから70歳以上には、表の注にもありますように、20年4月か ら長寿医療制度の対象となります65歳以上75歳未満の障害認定を受けた方が含まれて おり、その70歳以上の右のところにございますけれども、再掲といたしまして、平成2 0年4月からの長寿医療制度の医療費ということで初めての実績で、11.4兆円という ことで、総計の33.5%、3分の1となっているということでございます。  その下、表1−2は、その医療費の伸び率ということでございますが、平成20年度の 総計の伸び率は、左下でございますけれども、1.9%ということで、大きな制度改正や 診療報酬改定の影響を受けていない平成19年度の伸び率と比べまして、1.2%ポイン ト低くなっております。  医療費の伸び率につきましては、休日等が増えたり減ったりして、医療機関の稼働日数 も増えたり減ったりすることの影響を受ける。特に20年2月はうるう月ということで、 これは平成19年度に含まれておりますので、19年度は1日多く、また20年度は19 年度より1日少ないということで、稼働日数の関係を見る必要があります。その資料は6 ページをごらんいただきたいと思います。6ページの(参考)休日数等の影響を補正した 医療費総額の伸び率でございます。  参考1は、先ほどの表1−2の伸び率を、休日数等の影響を補正した伸び率でお示しし てございます。その右のほうに稼働日数に影響を与えている休日数等の対前年度差という ものがございます。対前年度差のうち、日曜、祭日、土曜日が増えますと平日が減るとい うことですので、稼働日数が減って医療費の伸びが少なめになるということで、補正によ りまして伸び率を引き上げる。うるう日の場合は逆で19年度の場合うるう日が多いです ので、少し引き下げる、20年度の場合は19年度に比べてうるう日が少ないということ で引き上げるということでございます。平成20年度につきましては土曜日も1日多くて、 それから前年度19年度にうるう日が含まれるということで伸び率が引き上がる方向とい うことで、総計の20年度をごらんいただきますと、補正後で2.2%となっております。 0.4%ほど補正が必要である、稼働日数をそろえてみると2.2%である、こういうこ とでございます。  ここで、平成20年度の診療報酬の改定の影響が▲0.82%ということを考慮いたし ますと、機械的に足し算して3.02%ということで、3%台の伸び率と考えられます。  なお、17から19年度までにつきましても、表1−2の実績より若干低めになってお りますけれども、17、19年度は改定のないとき、18年度は3%強のマイナス改定が ございましたので、17、18、19年度も医療費の伸び率が3%台ということができま す。  戻っていただきまして、2ページでございますが、表2−1でございます。1人当たり 医療費の推移でございます。  平成20年度の国民1人当たり概算医療費は26万7,000円ということでございま す。70歳未満は16万4,000円、70歳以上は75万7,000円と、70歳未満 の約5倍ということでございます。新制度の長寿医療制度につきましては、1人当たり8 6万3,000円ということでございます。  表2−2は、1人当たり医療費の伸び率でございます。医療費は加入者数と1人当たり 医療費の掛け算に分解することができますので、この表2−2というのは、その前のペー ジの表1−2の伸び率から加入者数の伸び率を除いたものということになります。表2− 2の左端、総計につきましては、総人口ですが、ほぼ横ばいなので、1人当たり医療費の 伸び率は医療費の伸び率と余り変わらない。70歳未満につきましては人口が減少してお りますので、1人当たりに直しますと医療費の伸び率は少し高め、70歳以上につきまし ては人口が増加しておりますので、1人当たりは医療費の伸び率よりも低めになっている ということでございます。  この1人当たり医療費につきましても、先ほどご説明した休日数の補正、診療報酬の改 定というのもあわせて見ることができることは同じでございます。  次に2つ目の切り口でございます3ページ、診療種類別の概算医療費についてごらんい ただきます。3ページでございます。  3ページの表3−1 医療費の推移でございますけれども、左から3列目の入院が13. 6兆円で総計の39.9%、約4割。それから入院外につきましては、医薬分業が進んで おって、院内処方がございますので、一番右端の参考の入院外+調剤ということでごらん いただきますと、17.8兆円で52.3%、約5割。なお、歯科につきましては2.6 兆円で7.5%ということでございます。  表3−2は、診療種類別の概算医療費の伸びということでございます。ここにつきまし ても、平成20年度の伸び率をはじめ先ほど御説明いたしました稼働日数の影響を受けた ものということでございます。診療種類別につきましても、先ほどごらんいただいた6ペ ージに参考2としてお示ししておりますので、また後ほどごらんいただきたいと思います。 考え方としては、平成20年度は土曜日が多く、それからうるう日の影響で稼働日数が少 ないということなので、この表3−2の医療費の伸び率につきましては、基本的に上昇す る方向ということで、19年度と比べた低下幅は、この表3−2にお示ししているよりは 縮小するという方向でございます。  次の4ページでございますが、医療費は受診延日数と1日当たり医療費の掛け算であら わせます。受診延日数というのは、入院では入院の日数、入院外では通院回数ということ でございまして、延患者数をあらわすものということでございます。1日当たり医療費は、 入院の場合もちろん1日当たりですが、入院外では通院の1回当たりの医療費ということ でございます。  表4−1の受診延日数の構成割合をごらんいただきますと、入院が18.2%、約2割、 入院外のほうが66.2%、3分の2程度ということになっております。  その下に表4−2、受診延日数の伸び率でございますけれども、延患者数の伸び率とい うことでございますが、ごらんいただきますように、入院ですとこの表の13年度、入院 外ですと14年度から減少を続けておりまして、近年、延患者数は減少を続けているとい うことでございます。  なお、その診療種別の中で、調剤はプラスということですけれども、調剤につきまして は医薬分業ということがありまして、入院外と調剤を比べますと調剤の伸び率が高いとい うことで、引き続き医薬分業が進んでいるものと考えられます。  表5−1でございます。もう1つの要素、1日当たり医療費の推移でございます。  総計でございますと、1日当たり医療費は1万2,900円ということですが、入院は 2万8,300円ということでございます。入院外につきましては、先ほどと同様右端の 入院外+調剤でごらんいただきますと、1万200円ということで、この表では初めて1 万円を超えているということでございます。なお、歯科は6,200円ということになっ てございます。  下の表5−2は、この1日当たり医療費の伸び率ということでございますが、総数で言 いますと左端ですけれども、過去の年度を見ますと、診療報酬改定のなかった13、15、 17、19年度といったところが3ないし4%、診療報酬改定がございましたが、平成2 0年度は3.2%ということで、平成19年度より0.9%ポイント低くなっているとい うことでございます。  この4ページと5ページ、表4−2と表5−2が医療費の伸び率の分解になっておりま すが、ごらんいただきますように、受診延日数の伸び率はマイナス傾向、1日当たり医療 費の伸び率はプラスということで、医療費の伸びの要因はこの1日当たり医療費の伸びに よるということがごらんいただけます。  なお、表5−2の調剤の1日当たり医療費の伸び率を見ますと、ほかの診療種別より高 くなっておりますが、これにつきましては後ほど資料総−4−3でご説明いたします。  続きまして、もう1つの切り口でございます医療機関種類別の概算医療費でございます。 7ページをごらんいただきたいと思います。  医療機関種類別に入院と入院外の合計を見たものということでございます。医療機関の 種類別といたしましては、医科病院につきましては経営主体別、医科診療所につきまして は主たる診療科目別に見たものということで、表6−1、6−2から7−1、7−2はそ れぞれ実額と伸びということでございます。  表6−2、2段目でございますが、医療費の伸び率を見ていただきますと、平成20年 度の医科は1.1%、病院は1.4%、診療所のほうは0.3%、歯科は2.6%、保険 薬局は5.3%、ということになってございます。  それで、医療機関種類別医療費につきましては、医療機関の数と1施設当たり医療費の 掛け算に分解することができますので、医療機関数、その増え方の違いを除いて、1施設 当たりの医療費とその伸び率を見たものが9ページ以降でございます。  9ページの表10−1をごらんいただきたいと思います。1施設当たり医療費でござい ます。  表10−1 1施設当たりの医療費につきましては、平成20年度は病院では、左端で ございますけれども、約20億4,000万円ということで、初めて20億円台となって おります。それから診療所につきましては、最近では増加をしておりまして、20年度は 1億円に近づく数字になっております。歯科は、診療所で申しますと約3,700万円、 一番右端の保険薬局でございますけれども、保険薬局につきましては、平成16年度に診 療所よりも大きくなりまして、以降増加を続け、平成18年度に1億円に到達しておりま す。平成20年度では1億1,000万円程度ということでございます。  あと、11ページ以降につきましては、入院と入院外に分けて同じように見たものとい うことで、後ほどごらんいただければと存じます。  以上申し上げました20年度の医療費の動向につきまして、総4−1でポイントとして まとめてございますのでごらんいただきたいと思います。ポイントでございますけれども、 受診延日数の減少、1日当たりの増加により、平成20年度の医療費の伸び率は、先ほど 申しましたように稼働日数補正後で2.2%ということで、診療報酬改定の影響を考えま すと、医療費の伸び率は、一番下の○でございますけれども、医療費の伸び率は概ね従来 と同程度の水準、3%台であるというように考えているということでございます。  続きまして、資料総−4−3のほうを説明させていただきたいと思います。「最近の調 剤医療費(電算処理分)の動向の概要〜平成20年度版〜」というものでございます。1 ページ目をごらんいただきたいと思います。  まず、この統計でございますけれども、この統計は審査支払機関におきましてレセプト 電算処理システムで処理されました調剤レセプトにつきまして、その中身を実際に分析し た統計ということでございます。  表1でごらんいただけますように、今回統計対象となります電算処理分につきましては、 電算化率等が9割を超えているということで、また処方せん1枚当たり医療費、20年度 でごらんいただきますと、全数というのは先ほどのMEDIASの全体の統計でございま すが、これと比べましても大きな差はない、額も伸び率につきましても全体との差は小さ いということで、電算処理分を見ることで調剤レセプト全体の内容及びその伸び率の要因 というものがほぼ把握できるのではないかというふうに考えております。  なお、用語でございますけれども、この資料総−4−3では調剤医療費の処方せん1枚 当たり医療費ということになっておりますが、これは先ほどの総−4−2では1日当たり 医療費と呼んでいたものと同じものでございます。  それから、この統計としては平成17年度分からお示ししておりますけれども、これら の統計の動向が観察できるまでデータを蓄積いたしまして、昨年7月に19年度分まで初 めて公表したもので、毎月分はホームページへ毎月載せてございますが、年度版としては 今回が2回目ということになるわけでございます。  実際に2ページが調剤医療費の電算処理分についての統計でございます。平成20年度 の処方せん1枚当たり調剤医療費というものは、表2をごらんいただきますように3.3 %ということで、内訳の構成を見ますと技術料が26.2%、4分の1、薬剤料が73. 6%、4分の3ということで、残りの特定保険医療材料はわずかということで、伸び率に つきましても技術料、薬剤料はそれぞれ3.1%、3.3%と大体同程度となっておりま す。  なお、大きな制度改正、診療報酬改定のなかった19年度の伸び率は、技術料の伸びが 1.2%、それから薬剤料が7.5%ということで、19年度と伸び率を比べると20年 度は技術料が上昇し、薬剤料が下がっているということになっておりまして、調剤医療費 の一番上の行でございますが、処方せん1枚当たり医療費の伸び率は19年度の5.8% から20年度の3.3%に低下しておりますけれども、この低下の要因は薬剤料の伸び率 の低下によるものと見てとれるものでございます。  続きまして、3ページでございますが、これは処方せん1枚当たりの調剤医療費を年齢 階級別に見たものでございまして、年齢とともに高くなっておりまして、75歳以上は0 〜5歳の約3倍ということでございます。  4ページでございますけれども、先ほどごらんいただいた薬剤料でございますが、薬剤 料には内服薬、そのほかに外用薬、とん服薬等ございますけれども、内服薬につきまして は、この薬剤料のうちの約85%を占めているということで、内服薬を分析することで薬 剤料全体の動向を推しはかることができますので、4ページからは薬剤料のうちの内服薬 についての分析でございます。  内服薬の処方せん1枚当たりの薬剤料というものは3つの要素に分解することができま す。1つは処方せん1枚当たりの薬剤の種類の数、その次は1種類当たりの投薬の日数、 それから3つ目は1種類1日当たりの薬剤料ということになっております。  具体的な数値は表4にあるとおりでございますけれども、その伸び率を見ていただきま すと、処方せん1枚当たりの薬剤料の20年度の伸び率は3.0%ということで、処方せ ん1枚当たり種類数が0.8%、投薬日数が5.3%、それから1種類1日当たり薬剤料 が▲3.0%ということですので、この20年度につきましては、投薬日数の影響が最も 大きくなっているということでございます。  平成18年度からそれぞれの3要素の伸び率を見てみますと、薬剤の種類数は1%程度、 投薬日数につきましては3%程度だったのが、20年度はさらに大きく上昇している。1 種類1日当たり薬剤料は、18年度はマイナスということになっておりますけれども、1 8年度、20年度というのはいずれも薬価改定等がございました。19年度は大きな制度 改正、診療報酬改定はなくて2.9%ということで、19年度から20年度のところでは、 薬価改定の影響で2.9%から▲3.0%と低下していますが、これは、2.9%から平 成20年度薬価改定の伸び率分程度、伸び率が低下した結果の数字になっているのではな いかと見られます。  次、5ページでございますけれども、これは薬効分類別に見た内服薬の処方せんの1枚 当たり薬剤料でございます。  あと、6、7、8ページはこの薬効分類別に処方せん1枚当たり薬剤料を3要素に分け て見たものでございます。平成20年度の内服薬の処方せん1枚当たり薬材量の伸び率は、 投薬日数の増が大きな要因でございましたので、少し飛ばしまして7ページの投薬日数を ごらんいただきたいと思います。  投薬日数の一番上の行ですけれども、内服薬総数の伸び率が18、19年度が3.2%、 3.5%から20年度5.3%というふうに、投薬日数の伸び率が20年度に上昇した要 因ということでございますが、薬効分類別に20年度の、一番右端を縦に見ていただきま すと、非常に大きく増加しているのが11と書いてある大分類で特に112と書いてある 催眠鎮静剤、抗不安剤という部分が非常に大きく上昇していることが見て取れます。これ は、平成14年に長期投薬の制限が緩和されておりますけれども、引き続き一部の薬剤に つきましては投薬日数について制限がございます。平成20年4月に、この112に分類 されます一部医薬品の投薬日数の制限が緩和されております。その影響によりまして伸び 率が大きくなっている。それが全体の投薬日数の伸び率の上昇に寄与している大きな要因 ではないかと見ております。  次は9ページでございます。今度は後発医薬品の統計でございます。9ページは薬効分 類別に後発医薬品の薬剤料ベースの割合を見たものでございます。一番上の列が内服薬の うちの後発医薬品の割合でございます。徐々に増加して、平成20年度は6.3%となっ ているということでございます。  最後、10ページでございますけれども、同じ後発医薬品の割合を数量ベースで見たも のでございます。表10にございますようにこれも徐々に増加しておりまして、20年度 は18.0%ということで、対前年度差で見ますと1.9%ポイント上昇ということでご ざいますが、先ほど申し上げましたように、ホームページで月別の後発医薬品の薬剤料ベ ースと数量ベースを御確認いただけますけれども、月別を見ていただきますと、平成20 年度の前半につきましては薬剤料ベース、数量ベースとも前年度差が徐々に増加しており ますけれども、後半のほうはやや足踏み状態となっているということでございます。  私からは以上でございます。   ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまMEDIASベースの国民医療費といいますか、医療費の動向について最新版 を御報告いただきまして、また薬剤費につきまして個別に御説明いただきました。このデ ータは今後の議論をしていく上で非常に重要なベースになる資料の1つだと思いますので、 恐らくこのことでいろいろ御発言、御意見、たくさんあると思いますけれども、大変申し わけないのですが、司会の不手際でかなり時間をオーバーしておりますので、でき得れば 質問というか、内容の確認を中心に手短な御発言でしていきたいと思います。中川委員ど うぞ。 ○中川委員  では手短にします。  このデータは非常に重要だというのは会長からも今言われました。年末に予算編成、医 療費の伸びという、その数少ないエビデンスのあるデータとして重要視されます。そこで、 医療費の伸びが3から4%と以前厚生労働省は言っていましたが、最近は3%台という、 やや控えめになってきました。今回、3.04%、小数点以下第2位までとすると3.0 2なんですが、これが3%台と言っていいのかというのがまず1つです。  その上でお聞きします。今回、年間データの公表、比較をする場合に、初めて稼働日数 補正というのを過去にさかのぼって出しているのですよ。これは総−4−1の1ページの 参考の表と、総−4−2の6ページの参考1、2、初めて稼働日数補正後のというのを出 しています。確かに毎月の月次版のMEDIASの公表は休日補正をしたものを出してい ます。しかし、今まで年間データの比較の場合は一切そういうことはしてこなかったので すね。今回も今までと同様に、稼働日数補正をしないで比較した場合には、診療報酬改定 の影響を除いても2.67%の伸びにとどまります。小数点以下第2位までやると。第1 位まででも2.7にとどまります。もうすっかり3%台という意味は認識が違うという状 態になってきているわけですよ。  それで今回、今地域の医療が崩壊し、医療費の底上げが必要だという、そういう流れの 中で、なぜ今回初めて稼働日数補正というものを年間データにつけたのか。どうしても3 %台の伸びということを堅持したいというふうにしか読めないのですが、この辺の説明を 分かりやすくお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  それでは、御質問でありますのでお答えいただきたいと思います。 ○事務局(村山調査課長)  まず、稼働日数補正についての計数を公表してこなかったということにつきましては、 これは先ほど委員ご指摘のとおり、毎月は当然公表しておりますし、さらに年度につきま してもホームページに公表しているということでございます。ここは少し確認させていた だきます。  それから、今回、休日数等の影響を補正した医療費の伸び率につきまして御説明申し上 げている理由につきましては、私の先ほどの説明の中にもございましたとおり、総−4− 2の6ページを恐縮ですがお開けいただきますと、ここに参考1ということで、右のとこ ろに対前年度差がありますけれども、4年に1回のうるう日というようなことがございま して、実際この左端の総計のところと過去の実際の実績とを比較していただきますと、こ の4年間、17、18、19年度と稼働日数補正後と実績との差というのはほとんどなか ったのですが、20年度は19年度のうるうの影響が、ここはけっこう大きく出ておりま す。  したがいまして、医療費の伸びといいますのはできるだけ条件をそろえてみないとなか なか本当のところが見えにくいということでございましたので、今回20年度については うるう日の影響も大きいということで、稼働日数をそろえて特にご説明申し上げているも のでございます。これまでの値につきましても、この6ページの表自体がホームページに これまで載っている内容そのものでございますので、確認させていただいているところで ございます。  それから、言いぶりにつきましては、3%台ということですが、先ほど申し上げました 毎年度の医療費の伸び率に改定率等を考慮いたしますと、3.0%を下回っている年度が ないということなので、3%台という表現をさせていただいているということでございま す。   ○遠藤会長  ありがとうございました。  中川委員どうぞ。 ○中川委員  今までホームページにはあったからただ出しただけだというふうに聞こえましたけれど も、中医協の場で出した資料にはそういう稼働日数補正後のデータを出してないのですよ。 中医協の議事録をもとに、例えば財務省だとか、予算編成にかかわる部門の方々はそれを エビデンスとして使うわけです。今回初めて中医協に稼働日数補正後のこういうふうに総 −4−1を出して、3%台は今回も間違いありませんでしたよという表現は、待ってくだ さい、私はまだしゃべっています。そういうことを出して、どうしてこの3%台という表 現を堅持したいのか。日本の医療を再建する役割を負う厚労省はどうして3%台を堅持し たいのですか。国民に説明できますか。 ○遠藤会長  事務局どうぞ。   ○事務局(村山調査課長)  それは私の説明不足でございました。  今回休日等の影響を補正した医療費の伸び率につきましては、先ほど申し上げました理 由のほかに、基本問題小委員会の場ではございましたけれども、4月から9月までの20 年度の医療費の動向の御説明を申し上げましたときに、稼働日数の補正について重要なこ とだからきちんと説明するようにという委員からの御指摘もございましたので、今回この ような形で説明させていただいたものでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  そういう経緯の下でこれが明らかになったということですけれども、中川委員どうぞ。 ○中川委員  もう1つ追加しますが、厚労省が言っている概算医療費の伸びの要因の3要素、診療報 酬改定と人口増減・高齢化、それからその他と3つに分けていますが、概算医療費からの データから計算しますと、2番目の人口増減・高齢化の影響を2004年から5年間見て みますと、1.30、1.27、1.26、1.24となっていて、2008年度は0. 71になっているのですよ。もう従来どおりのデータで医療費は3%で伸びるという時代 は終わりました。こういう認識を持って次の改定に臨んでいただきたいなと思っておりま す。  以上です。 ○遠藤会長  最後のは御意見ということで。ありがとうございます。  ほかに御質問ありますか。勝村委員どうぞ。 ○勝村委員  一言だけ。ちょっと感想なんですけれども、国民に説明できるかということであれば、 補正してないほうがいいということは国民には納得できないと思うので、やはりうるう年 の分も補正して訂正したということ、僕はそれでこの件に関してはいいというふうに感じ ました。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  そういう意味で、これを読むといろいろなことが含まれておりますので、またじっくり 分析をしていきたいというふうに思います。  それでは、医療費の動向につきましてはこれぐらいにしたいと思います。  それでは、用意をいたしました案件につきましてはすべて終了いたしました。特に皆様 から何かなければ、これにて本日の総会を閉会にしたいと思います。  次回の日程等につきまして事務局から何かありますでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  8月下旬を予定しております。詳細決定次第また御連絡をさせていただきます。 ○遠藤会長  それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。       【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)