09/07/23 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録【第一部】 1.日時及び場所    平成21年7月23日(木)13:30〜    航空会館7階大ホール 2.出席委員(17名)五十音順    有 田 芳 子、 植 田 和 弘、 浦 山 京 子、 江 馬   眞、    大 前 和 幸、 沖   幸 子、 神 山 美智子、 川 本 俊 弘、   ○佐 藤   洋、 土 屋 利 江、 長 尾 哲 二、 中 川 秀 己、   ◎西 島 正 弘、 西 村 哲 治、 菱 田 和 己、 平 塚   明、    吉田  喜久雄     (注) ◎部会長  ○部会長代理    欠席委員(0名) 3.行政機関出席者    山 本 順 二(化学物質安全対策室長)  他 4.備考    本部会は、公開で開催された。 ○衛生専門官 ただ今から平成21年度第1回「薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物 質安全対策部会」を開催いたします。本日は、開催に必要な定足数を満たしており、本部 会が成立していることを御報告いたします。なお、本日は二部に分かれており、第一部で は、条約対象物質を第一種特定化学物質に指定する件について、第二部では、それらの第 一種特定化学物質を含有する製品の輸入規制等、今後の対応について御審議いただく予定 としております。第一部は14時30分まで、その後30分の休憩を挟みまして、第二部を 15時から開催する予定としております。なお、第二部については、経済産業省及び環境 省、それぞれの審議会との合同での開催を予定しております。  まず、化学物質安全対策室長の山本より、一言御挨拶申し上げます。 ○化学物質安全対策室長 厚生労働省化学物質安全対策室の山本でございます。委員の先 生方には本日、化学物質安全対策部会に御出席いただきましてありがとうございます。  今年の1月に薬事・食品衛生審議会の委員の改選がありまして、改選後初めての化学物 質安全対策部会の開会ということです。改めまして、各委員の先生方には、お忙しい中、 この審議会の委員を快くお引き受けいただきまして誠にありがとうございました。厚く御 礼申し上げます。  この部会は化学物質安全対策部会という名前のとおり、生活環境中の化学物質に関する 安全対策、家庭用品に含まれる化学物質の安全対策について御審議いただく部会です。御 承知のように、我々の身近には、多種多様な化学物質が様々な用途で使われているわけで すが、私ども厚生労働省では、その化学物質について、健康被害を防ぎ、化学物質が安全 に使われるように各般の施策を実施をしているところでございます。本年の5月には、化 学物質に関する安全対策の法律の一つである化学物質審査規制法、化審法という法律が改 正をされました。改正の詳しい内容については、後ほど御紹介することになっています。  今回の化審法の改正の目的、目標が二つございまして、一つは、従来の化審法は、新規 の化学物質について、安全対策を行うということを中心に視点を置いていたのですが、改 正後の化審法においては、原則としてすべての化学物質、これは新規の化学物質、既存の 化学物質と呼んでいますが、これらのすべての化学物質を対象として、安全対策を進めて いくための仕組みを導入したということが一つです。  もう一つは、本日の部会の主要な審議のテーマの一つとなっておりますが、第一種特定 化学物質の取扱いについて、その規制について国際条約との国際整合化を図ったという、 その2点が大きな化審法の改正の趣旨でございます。  今後、新しい化審法を施行していくことになるわけですが、厚生労働省においては、化 審法を共同で所管をしております経済産業省、環境省と連携して改正化審法の施行を着実 に行っていくということにしております。化学物質の安全対策というのは、その時々の最 新、最高の科学技術の水準に立脚をした対策を講じていくということはもちろんですが、 その対策を進めていくに当たっては、一般の国民、あるいは消費者の理解を得られるよう に、その施策の透明性の確保、安全に関する情報の公開といったことにも、十分留意しな がら進めていくことが必要であると考えています。  この部会の委員の先生方におかれましても、それぞれの専門の立場からの高い御見識や 御経験に基づいて、化学物質安全対策の在り方について、幅広い御議論をいただければと 思っています。私ども厚生労働省では、この部会での御議論、御意見を体して、さらに化 学物質安全対策の充実に努めていきたいと考えております。  本日は二部の構成になっておりまして、第一部では化審法に基づく第一種特定化学物質 の指定に関すること、第二部ではその特定化学物質の今後の対策などについて御議論いた だくということになっています。非常に長時間でありますが、よろしく御審議をいただき たいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○衛生専門官 本日は、委員改選後、最初の部会になりますので、西島部会長に一言御挨 拶をいただきたいと思います。 ○西島部会長 国立医薬品食品衛生研究所の西島と申します。この部会の部会長を務めさ せていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  今回は17人の委員のうち、10人が新しい委員の先生方でいらっしゃいますので、新し い委員の先生方には、今回初めての部会になるかと思いますけれども、今、山本室長から お話がありましたような、大変重要な部会ですので、どうぞ御審議のほどよろしくお願い したいと思います。繰り返しになるかと思いますが、この部会について申しますと、一つ は、化学物質の審査及び製造の規制に関する法律、いわゆる化審法、それに関することの 審議と、もう一つは、特定化学物質の環境への排出量の管理等について、PRTR法のこ とに関する審議、三つ目は、家庭用品の規制に関する法律に関するものという三つがあり ます。この部会の下には、化学物質調査会とPRTR対象物質調査会、あるいは家庭用品 の安全対策調査会という三つの調査会が下にございます。この部会では審議及びその調査 会からの報告事項を受けるという役割がございます。この三つのことについての御審議と いうことになりますが、これから何年になるかわかりませんが、どうぞ御審議のほどよろ しくお願いしたいと思います。以上簡単ですけれども、私の御挨拶とさせていただきます。 ○衛生専門官 続きまして、各委員のお名前と御所属を五十音順に御紹介させていただき ます。主婦連合会環境部長の有田委員です。国立大学法人京都大学大学院経済学研究科教 授の植田委員ですが、出席予定となっておりますので後ほどいらっしゃると思います。東 京都江東区保健所長の浦山委員です。独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門 招聘研究員の江馬委員です。慶応義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室教授の大前委員で す。フラオ グルッペ(株)代表取締役社長の沖委員です。弁護士の神山委員です。産業医 科大学医学部衛生学講座教授の川本委員です。国立大学法人東北大学大学院医学系研究科 環境保健医学分野教授の佐藤委員です。国立大学法人九州大学大学院生物資源環境学府客 員教授の土屋委員です。国立大学法人近畿大学理工学部生命科学科教授の長尾委員です。 東京慈恵会医科大学皮膚科講座主任教授の中川委員です。国立医薬品食品衛生研究所長の 西島委員です。国立医薬品食品衛生研究所環境衛生化学部長の西村委員です。独立行政法 人国民生活センター商品テスト部の菱田委員です。東京薬科大学薬物代謝安全性学教室教 授の平塚委員です。独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門主幹研究員の吉田 委員です。  審議に入ります前に、お手元にお配りした資料の確認を行いたいと思います。議事次第、 座席表、委員名簿、資料1が両面の資料になっております。資料2。資料2の別添としま して1〜9、各物質の毒性のプロファイルについての資料があります。資料3-1が1枚の 資料です。資料3-2。資料3-3は厳重管理としていますが、こちらについては新規化学物 質の審査シートになっておりまして、会議終了後に回収させていただきます。参考資料1、 参考資料2がA3の横の資料になっております。参考資料3、参考資料4の後に、資料番 号を振っていないもので2枚、化審法の概要を説明した資料を付けております。過不足等 ありましたら事務局へお願いいたします。よろしいでしょうか。  本日の第一部の議事進行につきましては、西島部会長にお願いしたいと思います。よろ しくお願いいたします。  ○西島部会長 それでは早速始めさせていただきます。始める前に、本日の会議の公開の 是非についてお諮りさせていただきます。各審議会の公開につきましては、それぞれ規定 のあるところでございますが、本日の会議のうち、この第一部は「公開することにより、 公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定な者に不当な利益 若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」等、非公開とすべき場合には該当しないと 考えますので、今回この部会は公開したいと思いますが、いかがでしょうか。  ありがとうございます。それでは公開ということで、本日の第一部を始めさせていただ きます。会議の議事録は、後日ホームページ等で公開されますので、先生方にはあらかじ め御承知おきお願い申し上げます。  次に、議事の前にもう一つですが、部会長代理の選出です。委員改選のため、部会長代 理が現在空席になっておりますので、部会長の代理を選出したいと考えています。私とし ては、改選の前から委員を務めていただいております、東北大学の佐藤先生を御推薦した いと考えておりますがいかがでしょうか。  ありがとうございます。それでは佐藤先生、よろしくお願いいたします。  では審議に入ります。1番目は「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の新 規対象物質を化審法第一種特定化学物質に指定することについて」です。まず、この議題 につきまして、事務局から御説明をお願いします。 ○衛生専門官 それでは資料2を御覧ください。資料2が、「残留性有機汚染物質に関す るストックホルム条約の新規対象物質を化審法第一種特定化学物質に指定することにつ いて」説明している資料です。背景としましては、今申し上げましたストックホルム条約 について、現在、難分解性、生物蓄積性、毒性及び長距離移動性の観点から、この条約で 国際的に製造、輸入、使用などを禁止するということになっておりまして、日本国内にお いては、主に化審法、農薬取締法、薬事法、外為法に基づいて、その条約を担保する所要 の措置を講じているところです。  これまで、現在ストックホルム条約の対象物質のうち、非意図的に製造されないダイオ キシン類を除いた10物質について、化審法上の第一種特定化学物質に指定して、国内で の製造、輸入を許可制としておりますが、事実上許可しておりませんので、事実上の禁止 と。使用の制限及び届出制という措置を講じております。今回お諮りする物質につきまし ては、新たにストックホルム条約の対象物質として、条約上は9種類提案され、それが新 たに規制対象となるということが、今年の5月に決定されまして、その9種類を細かく分 けますと、12物質になりますので、こちらの物質について、化審法の第一種特定物質と 指定するということについて御審議いただきたいと思います。  具体的に12物質ですが、1枚めくりますと表がありますが、ペルフルオロ(オクタン-1- スルホン酸)、PFOS、ピーフォスと呼んでいますが、この物質から始まり、ヘプタブ ロモ(フェノキシベンゼン)で終わる12物質につきまして、新たにストックホルム条約の 対象物質となることが決まりましたので、こちらを化審法の第一種特定化学物質に指定し たいと考えております。  これらの12物質につきましては、1ページの4.に書いてありますが、POPRC、こ れは締約国会議の化学物質の毒性などを検討する委員会、ポップロックと呼んでいます が、その委員会において、既に国際的に評価されている物質でございまして、分解性及び 蓄積性、人への毒性が懸念されている物質になっております。これらについては、工業化 学品として意図的に製造される可能性がある物質ですので、これら12物質については、 化審法の第一種特定化学物質に指定したいと考えております。  具体的な毒性のプロファイルですが、先ほど申し上げました別添の1〜9に添付させて いただいておりまして、それぞれの別添の資料の1枚目に、分解性、蓄積性、人健康影響、 動植物への影響についてまとめて付けておりまして、その後にそれぞれ条約上で議論され てまとめられた英語の資料を添付させていただいております。  次のページですが、これらの物質について、「PFOSとその塩及びPFOSF(ピー フォスエフ)」、こちらについては、日本としても条約で認められた範囲で、我が国の必 須の特定の用途において適用除外の登録を行う予定と書いております。5ページに附属書 Aへの追加は最初の表でございまして、その下に附属書Bへの追加にPFOSとその塩、 PFOSFについては、今現在、PFOSについて工業製品として汎用されてきたという 事実がありまして、代替が困難であるというものも報告されておりまして、右側に「以下 の目的・用途を除外する規定あり」と。写真感光材料から始まる用途については、条約上、 代替が不可であって、かつ、その環境への影響が最小限に抑えられているのであれば、そ こは条約上認めてもよいという規定があります。詳しくは第二部の方で御議論いただく予 定になっておりますが、PFOSにつきましては、現在日本でも半導体用途などに使われ ております。こちらについては代替が困難とのことですので、こういったものについて、 適用除外の措置を行うということを御審議いただく予定です。このようなことを踏まえま して、化審法などの国内担保法体系において、その用途の内容及び管理のために必要な措 置について検討する必要があるということで、第二部で詳しく御議論いただく予定です。  なお、公式な手続を踏まえたわけではありませんが、6月26日に化学物質調査会にお いて、環境省と経済産業省の審議会との合同審議により、これら12物質を追加すること について御議論いただきまして、特段問題ないという結論をいただいています。説明は以 上です。 ○西島部会長 どうもありがとうございました。「ストックホルム条約の新規対象物質」 について、御説明をいただきました。これらの説明につきまして、先生方から御質問、御 意見がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。  物質の数は9つで、更に類似物質として考えると12個ということですが、表現として は、9つの物質でいいのですか。 ○衛生専門官 条約上の区切りで申し上げると、その9種類が具体的にはどういう区切り になっているかと申しますと、5ページの表が9種類の区切りになっており、例えばPF OSについては、PFOSとその塩とPFOSFが一つの括りになっておりますが、化審 法上は、こちらはPFOSとその塩と。それとPFOSFは区別して数えているというこ とで、化審法上の区別をすると12物質になりますが、指定する範囲としては同じです。 ○西島部会長 別添の1〜9番までの化学物質、これらについての分解性、蓄積性と人健 康栄養、動植物への影響等についての資料が付いていますが、これらについて何か御質問、 御意見等、ございませんでしょうか。 ○神山委員 5ページの参考3の一覧表を見ますと、クロルデコンが農薬、リンデンが農 薬、ペンタクロロベンゼンが農薬と、主な用途が農薬と書いてあります。私はこれを全部、 第一種特定化学物質に指定することがいいとは思いますが、化審法というのは農薬取締法 は適用排除ですから、農薬取締法上の農薬ですと、化審法の対象物質ではないので、主な 用途が農薬ですけれど、その他の何か用途があるということなのでしょうか。 ○西島部会長 今の点についていかがでしょうか。 ○衛生専門官 その他の用途があるかどうかは、把握をしておりませんが、実はこれら9 種類12物質について、我が国で製造の実績が今あるものはPFOSとPFOSFだけに なっており、ペンタクロロベンゼンなどの農薬は、現在は使用されていないということに なっております。 ○西島部会長 ということは、ここで農薬と書かれている物については、実態上、農薬以 外には使われないということですか。我が国では使われていないということですが、世界 的に見てもそうですか。 ○衛生専門官 世界的に見て、これ以外の用途があるかないかの把握はしておりません が、世界的に見て、農薬で使っている国もあったということですので。 ○西島部会長 神山委員の御質問は、農薬のみに使われるものについては農薬の取締法の 範疇であって、化審法の範疇ではないのではないかという御質問ですね。 ○神山委員 前にも、ディルドリンなどを特定化学物質に指定したときに、あれは木材の 防腐剤か何かの用途があるということで、化審法の対象になっていたように記憶していま す。これがどのような用途で外国から入ってくるのか分からないから、特定化学物質に指 定しておこうというのはいいと思うのですが、参考にどのような用途が考えられるのかを 伺っただけです。 ○中川委員 5ページに書いてありますけれども、農薬の類は昔から、人間につくシラミ とか、疥癬、皮癬ダニそれを治療薬として使われてきたという経緯があります。やはり毒 性が高いということで、最近、代替品が出てきたので使用頻度が減っているのですが、恐 らく探せばどこか使われているところはあると思います。特にここに書いてあるリンデン などは、アタマジラミ、疥癬に使われてきた経緯はあります。現在は使われなくなってい るのですが、我々のところでも使っていませんし、都内で使っているところはないと思う のですが、他の、全国を調べたわけではありませんので。ただ、これに代わるものはでき ていますので、毒性等の問題で、使うのを止めようという、全国的な流れにはなってきて います。そのような経緯があります。 ○西島部会長 リンデンについては、明らかにここにも書いてありますが、アタマジラミ に使うことで、農薬以外の利用があるということですね。その辺はもう少し調べていただ いて、用途のところの書きぶりは変えた方がいいでしょうか。今もアタマジラミはリンデ ンが明らかに使われているのですが、主な用途として農薬ということでどうでしょうか。 ○佐藤委員 多分これらの物質は農薬が主な用途になっていますけれど、恐らく日本の農 取法では入っていないのではないですか。日本で使われていないし、製造禁止だし。です から、農薬登録されていないから、農取法の範疇にはならないのではないかと思うのです が、そうじゃないですか。 ○衛生専門官 日本で農薬として使われている実績がございませんが、そこは農取法の範 疇ではないのかと思います。 ○西島部会長 主な用途としてはこういう書きぶりでよろしいかと思います。  その他ございますか。 ○土屋委員 今回の指定について私は特に異議はございませんが、資料2の背景1.のと ころで、最後から3行目の「意図的に製造されることのないPCDD及びPCDF」と、 特に記載してある点は、何かそうしておくべき必要があるのかどうか。何々を除いたとい うようになっていない点を教えていただきたいのですが。 ○衛生専門官 ダイオキシン類のことでしょうか。 ○土屋委員 はい、そうです。 ○衛生専門官 化審法については、その製造、輸入、使用の禁止、意図的に製造される物 について規制する法律ですので、ダイオキシン類については、環境省の方がもっているダ イオキシン特措法の方で対応することになっておりますので、こちらについては化審法上 の第一種特定化学物質に指定していないことになっております。 ○土屋委員 そうすると、先ほどと同じように、他省の法律で既に取り締ることができる ので、記載されていないということですね。載せられていないということですか。 ○衛生専門官 それもございますし、もともとそのダイオキシン類を意図的に製造すると いうことはやっていないと思いますので、こちらについては化審法上で規制していないと いうことです。 ○西島部会長 よろしいですか。 ○神山委員 結局、全体の枠組みがストックホルム条約のようなものと、日本の化審法が ぴったり合っていないということだと思うのです。日本はみんなそれぞれ化学物質を用途 別に規制していて縦割りになっているので、非意図的な物は化審法に入ってこなくて、農 薬で登録があれば農取法になってしまうとか、そういう分かりにくさがこのPOPs条約 の表と、第一種特定化学物質の表との対応の分かりにくさだと思うのですが、今の土屋先 生のお話からいくと、例えばこのペンタクロロベンゼンのところには非意図的生成による 排出の削減というのを書いてあり、これは結局意図的に製造されることもあるから化審法 で第一種特定化学物質にしようという話ですよね。でもペンタクロロベンゼンは非意図的 生成というのもあり得る物質なんですか。 ○土屋委員 そこのところを私も聞きたいのです。例えば人間が意図をもって生成しなく ても、できてしまうとか、そういうことがあるのかどうか。そういうことまでは排除でき ないということでやっておられるのか。例えばダイオキシンも塩素系とビフェニール系が あると。燃えるとある濃度で生成するとか言われています。意図的ではなくても。 そう いうことが分かると、それをさらに完全に分解するような焼却法とかが開発されてくるの ですか。そこの避けられないところを除くための前の文章なのかどうか、そこがよく分か らなかったのでお聞きしたかったのです。 ○化学物質安全対策室長 お話があったように、国際条約のストックホルム条約と、国内 法である化審法で、規制の対象が若干ずれております。条約の方は意図的なもの、非意図 的なものを含めて、必要な化学物質の規制をする条約、という体系になっていますけれど も、それを担保する国内法としては、全体をカバーするような法律は現在のところないで すから、化審法においてはそういう条約の規制対象になる化学物質のうち、人間が意図的 に製造する化学物質に関して規制し、さらに農薬であるとか、あるいは薬事法等の規制対 象になるようなものについては、それぞれの個別の法律で必要ならば規制をする、そうい う仕組みに今のところはなっておるということです。化審法で今回やろうというのは、意 図的に我々が工業製品などとして作る可能性がある化学物質で、今回条約の規制対象にな るものについて所要の規制ができるような指定を行う。第二部の方ではその使用用途につ いての規制のあり方について審議を行うということになっています。完全に条約とぴった り合うという、単一の法律がないものですから、若干その点が分かりにくいと言いますか、 複雑なことになっておるわけです。これは条約自体を全部一本でカバーしている法律がな いものですから、それをカバーするために必要な法律でもってカバーをして、国内的には それを全体として担保しているという形になっているということです。ダイオキシンに関 して言えば特別な法律があり、これについては意図的に製造するということはないのです が、環境汚染などの恐れがある物質として条約の規制の対象になっていますので、国内で は特別な法律で規制をしているという体系になっていると御理解をいただければと思い ます。 ○西島部会長 よろしいでしょうか。他に御質問、ありますでしょうか。  特に、さらに御質問、御意見がないようでしたら、2番目の議題の審議事項、残留性有 機汚染物質に関するストックホルム条約の新規対象物質9つ。これらを化審法第一種特定 化学物質に指定することについて、お認めいただけるでしょうか。  ありがとうございます。それでは、これらを了承いただいたということにいたします。 この件の今後のことにつきまして、事務局の方から御説明をお願いいたします。 ○衛生専門官 本日、御審議いただいた結果が薬事・食品衛生審議会の答申として取りま とめられる予定です。その後、第一種特定化学物質の追加について、化審法の政令案の作 成、パブリックコメントの実施などを経まして、年内を目処に政令の公布を予定しており ます。また、今回第一種特定化学物質の追加指定の方針を受けまして、化審法で措置すべ き事項、具体的には輸入禁止すべき製品の指定、PFOSに係る使用を例外的に認める用 途の指定について、この後の第二部で御審議いただく予定としております。以上です。 ○西島部会長 ありがとうございました。それでは以上で議題の2番目を終了いたしまし て、議題の3番目「報告事項」に移ります。「化学物質の審査及び製造等の規制に関する 法律に基づく審査状況について」の御報告です。事務局の方からお願いいたします。 ○衛生専門官 資料3-1を御覧ください。こちらの表が、前回この安全対策部会が開催さ れた平成20年第6回、これ以降、化審法に基づいて行われた新規化学物質及び既存化学 物質の審査結果について、表にまとめております。審議物質数は、左側から新規化学物質 がこれまでに328物質。既存化学物質の5物質が審議会に掛けられております。このうち 第一種監視化学物質と指定された物質はございませんが、その隣の第二種監視化学物質相 当とされた物質は、新規化学物質が17物質、既存化学物質が3物質とされております。 具体的にそれぞれの既存化学物質と新規化学物質について、第一種監視化学物質相当とさ れた物質の毒性情報をまとめたものが、その後の資料3-2です。こちらが既存化学物質の 情報です。  資料3-3は先ほども申しましたが、新規化学物質の審査についての審査シートになって おります。新規化学物質の情報について企業秘密のものも含まれておりますので、こちら については先ほど申しましたとおり、会議終了後、回収させていただきます。以上でござ います。 ○西島部会長 ありがとうございました。ただ今の報告事項について、御質問がありまし たらお受けしたいと思います。いかがでしょうか。 ○神山委員 資料3-3の26ページですが、この資料の見方がよく分からないのですが。 これは新規化学物質で、26ページのものは新規化学物質というのは、既存化学物質から 変化した0811308変化物というのが化学物質の名前ですか。 ○衛生専門官 その前のページに0811308という物質があると思います。こちらの分解さ れた物質の情報になっております。少々分かりにくくて申し訳ございません。 ○神山委員 そうすると、分解されると全然違う物になってしまうということですか。名 称、構造式の名称が全然違うものなのですけれども。 ○衛生専門官 分解されてしまうと、骨格が変わったりしてしまいますので、名称も全く 変わってしまうことはあります。 ○神山委員 何となくこの変化した物というのは、新規化学物質だというところがなじめ ないのですが。 ○西島部会長 ホウ酸ですね。 ○神山委員 そうです。それがどうして新規化学物質なのかと。 ○衛生専門官 元の0811308は新規化学物質ですが、分解されてしまったものが既存化学 物質に当たることはあります。それが今回の変化物1が分解されると既存化学物質に分解 されたということです。 ○神山委員 そういう分解されると、既存化学物質になってしまうような物も新規化学物 質としての届出の中、枠組みの中に入っているという理解でよろしいのですね。 ○衛生専門官 はい。 ○西島部会長 ホウ酸とかリチウムなどは特に、非常にありふれた化合物ですけど、それ でも届出をするということですか。 ○衛生専門官 ホウ酸自体は既存化学物質で届出は必要ないのですが、分解する前の物質 が新規化学物質であれば、そこは届出が必要になってまいりますので、この場合は元の分 解される前の物質が新規化学物質ですので、そこは届出があって、審査されているという ことです。 ○西島部会長 分解されてできてくる可能性のある物については全てこういうふうに調 べるということですか。 ○衛生専門官 はい。 ○化学物質安全対策室長 化審法の場合は環境中に出て行ったときに、それがどういう問 題を起こすかというのを評価するということが目的ですので、この物質でいうと、24ペ ージにある物質というのは新規の物質。これを届出をしていただく必要がある。これを評 価する場合に、これ自体は分解して次に出ていくような物質とか、あるいはその次に出て くるものとか、変化物に変わってしまいますので、この変化物がどういうものかというこ とを評価することによって、元の物質の評価をするという決まりになっていますから、分 解したものが既存のものであっても、元の物質が新規の物質であれば、これは届出の対象 になるということです。 ○西島部会長 分かりました。その他御質問ございませんでしょうか。それでは、これは 報告事項ですので、特にさらに御質問がなければこの報告を得たということで終わりにし たいと思います。最後になりますけれども、事務局の方から付け加えることがありました らお願いいたします。 ○衛生専門官 先ほど室長の挨拶にあったとおり、化審法の一部を改正する法律が今年の 5月に公布されております。その資料が参考資料4としてお付けしております。その公布 についてということで、改正の趣旨、詳しくはここでは御説明を省略させていただきます が、その趣旨と、別紙では主な改正点を説明しております。化審法の概要という、色が付 いてない資料の方については現在の仕組みでして、「(参考)改正後の化学物質審査規制 法の概要」ということで、カラーの資料については改正後の仕組みになっております。こ ちらについては後ほどお時間のあるときに御覧いただければと思います。  また、第一部の終了後、先ほども申しましたが、休憩を挟みまして15時から第二部を 開始いたしたいと考えております。第二部は経済産業省及び環境省との合同審議となりま すので、委員の先生方におかれましては、今から事前にお配りいたします第二部の座席表 に従って席の御移動をお願いいたしたいと思います。また、傍聴者の方におかれましては、 第二部を継続して傍聴される場合でも一度御退出いただいて、第二部の受付け後、入室を お願いいたします。以上でございます。 ○西島部会長 ありがとうございました。今の御説明で何か御質問ございますでしょう か。特にないようですので、それではこれをもちまして本日の部会の第一部は終了させて いただきます。どうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 化学物質安全対策室 室長補佐 柴辻(2910)