09/07/08 平成21年度第3回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 平成21年度第3回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会 (1)日時  平成21年7月8日(水) 15:00〜17:00 (2)場所  厚生労働省専用第21会議室 (3)出席者 委員:池上直己分科会長、高木安雄分科会長代理、猪口雄二委員、           大塚宣夫委員、佐柳進委員、椎名正樹委員、武久洋三委員、           三上裕司委員         事務局:佐藤医療課長、佐々木課長補佐、他 (4)議題  1 平成21年度慢性期入院医療の包括評価調査分科会の進め方について        2 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について        3 その他 (5)議事内容 ○池上分科会長  それでは、定刻よりまだ2、3分ありますが、皆様おそろいでございますので、ただい まより平成21年度第3回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会 を開催させていただきます。  本日の委員の出欠状況につきましては、泉委員がご欠席となっております。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第でございます。それから座席表、委員名簿でございまして、まず、その 次に資料慢−1といたしまして「平成21年度慢性期入院医療包括評価調査分科会の進め 方について」という両面のものでございます。それから慢−2としまして「レセプト調査 (病院)」、それから慢−3といたしまして「レセプト調査(診療所)」、慢−4といた しまして「コスト調査」というホチキス留めのものでございます。慢−5といたしまして 「第2回分科会での指摘事項について」と、1枚物でございます。慢−6といたしまして 「患者特性調査(追加集計) ○地域特性について」というものでございます。慢−7と いたしまして「施設特性調査(追加集計) ○18年度調査と共通する病院の施設特性に ついて」というものです。それから、追加でお配りをしておりますが、診−8ということ で1枚物でございますが、「慢性期入院医療の包括評価分科会の課題等について(案)」 という1枚物でございます。それから参考資料といたしまして、武久委員から御報告いた だく「慢性期医療の診療の質の評価 〜集計結果〜」というものでございます。あと、各 委員にはレセプト調査、それからコスト調査の調査要領もお配りしております。  それから、訂正ということで2枚ほど追加をしております。後ほど御説明のときに利用 いたしますが、差し替えというもの、左肩についたものを1枚と、それから、レセプト調 査の国保分の集計結果というものの1枚物、この2枚、ちょっと訂正ということで、後ほ ど中の御説明で御紹介いたしますが、その2枚もございます。  資料は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、平成21年度慢性期入院医療包括評価分科会の進め方についての議論から行 いたいと存じます。  私から御報告いたします。慢−1となっている最初の資料でございまして、これは午前 中、私のほうで中医協の基本小委に報告した内容でございます。これは一応お読みしたほ うがよろしいですか。じゃ、読んでいただけますか。 ○佐々木課長補佐  では、内容を事務局のほうで読ませていただきます。  「平成21年度慢性期入院医療の包括評価調査分科会の進め方について」。  21年7月8日、診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会、分科 会長池上直己。  1.背景でございますが、平成15年3月に閣議決定された「医療保険制度体系及び診 療報酬体系に関する基本方針について」において、慢性期入院医療については「病態、日 常生活動作能力(ADL)、看護の必要度等に応じた包括評価を進めるとともに、介護保 険との役割分担の明確化を図る」とされた。  これを受けて、平成15年6月より、中医協基本問題小委員会において慢性期入院医療 に関する議論が開始された。その際、長期の入院患者に対する新たな支払い方式を検討す るに当たって、適切な調査データを用いる必要があるとされたことから、新たに調査専門 組織を設置することとなり、当分科会が発足した。  当分科会は、中医協基本問題小委員会の付託を受け、平成15年から17年にかけて慢 性期入院医療の包括評価を行うための調査及び検討を行った。  そうした検討を実施していた平成17年に、医療制度改革に関する議論が開始された。 同年12月に発表された医療制度改革大綱において、「慢性期入院医療等の効率化の余地 があると思われる領域については、適正化を図る」とされ、医療と介護の機能分化を推進 する観点から療養病床を転換・再編するとの方針が打ち出された。また、後述のとおり、 平成18年度医療制度改革関連法において、介護療養型医療施設が平成24年3月末まで に介護保険施設等に転換されることとなった。  当分科会が調査データに基づいて提案した医療区分等による患者分類は、平成18年度 診療報酬改定における包括支払い制度の導入に当たって採用されたものの、医療区分1に 関しては入院医療を必要としないという政策判断がなされ、診療報酬についても十分には コストが評価されていない点数が設定された。このことについて、各委員からは、当分科 会の調査結果が適切に活用されなかったのではないかとの疑問の声が上がった。そこで分 科会長は、こうした声を分科会の総意として基本問題小委員会に報告した。  その後、平成18年から19年にかけて、当分科会は改めて実態調査を実施し、この9 区分の患者分類自体は妥当であることを再確認した。  2.平成21年度第1回分科会(5月27日)における指摘事項。  最後の開催である平成19年6月以来、分科会は約2年間開催されなかった。その間、 療養病床再編に関する全国目標数の発表や介護報酬改定、急性期における平均在院日数の 急激な短縮など、慢性期入院医療を取り巻く状況が大きく変化した。  急性期医療における平均在院日数の短縮傾向に伴い、慢性期医療を必要とする患者が増 加するのではないか。  同様に、介護保険施設において、医療処置を要する入居者が増加している。これらの方 々を今後どこで受け止めていくのか。  一般病床にも、療養病床と同様の慢性期の患者が入院している実態があるのではないか。  以上の議論を通じて、当分科会においても、「単に、医療療養病床における包括評価と しての患者分類を提案してその妥当性等を検証するだけでなく、一般病床等との関係を含 め、慢性期医療に係る中・長期的な課題についても幅広く議論すべきではないか。」とい う点で意見の一致をみた。  3.分科会としての提案。  分科会では、まず、本来の役割である患者分類の妥当性の検証とともに、各医療機関に おける分類の適切性及び提供されている医療サービスの質の検証を行う。  その上で、中・長期的な課題として、医療療養病床に留まらず、慢性期医療全体を横断 的に把握し、こうした実態を踏まえて議論し、その結果を基本問題小委員会に報告するこ ととしたい。  以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  このように報告いたしました結果、概要だけを申し上げますと、この最後の分科会とし ての提案について、「本来の役割である患者分類の妥当性の検証とともに、各医療機関に おける分類の適切性及び提供されている医療サービスの質の検証」について、分科会とし て調査作業を行うことについては御承認いただきましたが、「中・長期的な課題として、 医療療養病床に留まらず、慢性期医療全体を横断的に把握し」云々の箇所に関しては、よ り具体的な内容を改めて提示するように求められました。  そのことを、具体的にどういうことを、本日後ほど御審議いただくかということを、ち ょっと順番を変えますけれども、慢−8という、今日お配りした資料の中にございます、 慢−8という1枚物をごらんになっていただければと存じます。その中に、慢−8として 「慢性期入院医療包括評価調査分科会の課題等について(案)」として、今日の午前中の 議論を受けてにわかに作成したものでございます。それは、短期のものは、平成22年診 療報酬改定に向けての既存データを用いて以下の検討を行う。患者分類の妥当性の検証、 各医療機関における分類の適切性の検証、提供されている医療サービスの質の検証と。こ れらの短期の課題については御承認いただきましたが、2番の中・長期に関しての、一般 病床や介護保険施設等の医療療養病床と機能が近接している病床等における慢性期医療に ついて検討を行うと。まずは、調査対象を含めた具体的な対象内容について、本日可能な 限り御意見をちょうだいして、改めて基本小委に報告した上で進めることとなりました。  以上、御報告させていただきます。  これについては、また後ほど議論していただくとして、本日、基本小委に御報告した内 容について、何か御意見ございましたら伺わせていただければと存じます。  どうぞ。 ○三上委員  どういう議論をするかということで、私、今日傍聴しておりましたけれども、エビデン スを出してほしいということで、余り踏み込んだ政策に関するようなことはこの分科会で は議論しないでもいいようなお話があったように思うのですが、同じ分科会でもDPC分 科会のほうにつきましては、けっこう診療報酬に関する改定の方向性というのですか、に ついて影響を与えるような、向こうの場合は機能評価係数という形ですけれども、どのよ うにするという具体的な話まで踏み込んだ議論がされているのですけれども、この慢性期 のほうの分科会でもDPCと同じような位置付けであれば、今日エビデンスだけというか 調査だけをすればいいような感じのお話もあったのですが、もう少し踏み込んだお話をし てもいいのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  私から答えてもよろしいでしょうか。私もDPC評価分科会の委員もしておりますので、 そこで行われているのは、調整係数にかわる新たな機能評価係数という技術的な課題につ いての検討を行うということで、少なくとも政策的な提言を行うということまでは分科会 としての課題となっておりませんと私は解釈しています。そして、この前回の分科会にお いて御意見をいただいたのは、慢−1の裏のほうに書いてございます、第1回の分科会に おける指摘事項に書いてある「○」のとおりというふうに私は伺いまして、そして、その ためのこうした事態が生じているので、それに対するエビデンスを提示することが求めら れているというふうに私は解釈いたしました。  事務局、何か補完していただけますか。 ○佐々木課長補佐  補足といいますか、DPC分科会でまず政策提言というところまでないというのは、今、 分科会長からお話ありましたが、基本的にDPC分科会も常に基本問題小委に検討状況を 報告して、その中で、これではこういう課題についてやっていただきたいということを受 けて検討を進めているということでございますので、そういう意味では、基本問題小委の 検討依頼を受けてやるということでは、ある程度政策提言ということではなく、技術的な 内容を検討しているというふうに事務局も理解をしております。 ○三上委員  私が申し上げているのは、いわゆる調整係数にかわる機能評価係数を技術的にやるとい う話ですけれども、何を評価するかということを決めている、どういう項目について機能 評価係数をつくるのかということをしているということは、どういう病院をDPC病院と して残らせるのか、どういうふうに診療報酬を高くして、それを残していくのかというふ うなことをやっているわけですから、ここでも医療区分を決めて、その医療区分の中でど ういう患者特性の人たちを受け入れるような体制をつくっていくのかということまで踏み 込んだ形で、そこを評価するということまで含めて議論するということを言っているわけ で。理解していただけたかちょっと分からないのですけれども、診療報酬も含めた、診療 報酬に影響を与えるようなところを議論できるかどうかということを申し上げているので す。 ○池上分科会長  ここで上げたエビデンスを提示するということは、基本小委がそのエビデンスに基づい てどう判断するかということはありますけれども、エビデンスは提示するというふうに私 は解釈しますけれども。 ○宇都宮企画官  私、DPCの担当なので、そちら御説明させていただきます。これまでのDPC分科会 と基本問題小委員会のプロセスをごらんいただければ分かると思うのですけれども、DP C分科会のほうで、いきなりどういったものを機能評価係数とするかということを決めた のではなくて、最初は、どんなものが考えられるかというものをとにかくいろいろ考えら れる限り出して、それを基本問題小委員会にお見せして、追加とか訂正があれば、またそ こで御議論いただいて、その後で徐々に絞り込みの作業のような分類をしていったと。そ の過程でも必ず、基本問題小委員会のほうで、これは今回は議論を見送ろう、あるいは今 回は優先順位をつけようみたいな、そういうことをしていただいて、あくまで分科会の役 割としては材料提供とかエビデンスの提供とか、そういうことで、判断的なものは基本的 に基本問題小委にお任せしていると、そういうやり方をしてございます。 ○池上分科会長  ほかの点はよろしいですか。  どうぞ。 ○佐柳委員  短期のところで、これは今回早急に短期ですから対応しようということだと思うのです が、2つ目の「○」ですね、各医療機関における分類の適切性の検証というのは、これは 具体的に何を指しているのかちょっと分かりにくいのですが、どこまでの範囲のことを考 えておられるのでしょうか。今の慢−8のところですけれども。 ○池上分科会長  すみません、これについては全体として後で議論させていただきます。 ○佐柳委員  ああ、そうですか。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。  はい。 ○三上委員  一応許されたのが、慢−1で先生がおっしゃった、分類の妥当性の検証と医療サービス の質の検証についてはやってくださいということが決められたということですけれども、 分類の妥当性ということについての意味合いが、何をもって妥当だとするのかということ については、私の理解では、分類と報酬がマッチしているかどうかというのが妥当である かどうかということではないかと、この慢性期については思うのですけれども、そう考え てよろしいですか。 ○池上分科会長  慢−1のところの2ページ目の2つ目の「○」ですね。「その後、平成18年から19 年にかけて、当分科会は改めて実態調査を実施し、この9区分の患者分類自体は妥当であ るということを再確認した」という意味での、この9分類における妥当性というふうにこ こでは検証するというふうに私は解釈したんです。 ○三上委員  だからその分類の、何のために分類をするのかということですけれども、これは分類に よって診療報酬に濃淡をつけるための分類であるというふうに。もともとは、療養病床は 一本の診療報酬だったわけですけれども、医療資源の使い方に濃淡があるので、コストに 見合うように分類をしたということですから、そのコストと分類が合っているかどうかが 妥当であるということの検証になるということですね。 ○池上分科会長  これは、診療報酬の点数についての直接的な検証はここではやっていないというふうに 解釈していますけれども。 ○佐々木課長補佐  何度か申し上げておりますけれども、要するに何点の点数をつけるという点数の設定に 関しては、これはもう中医協本体の専管事項でございますので、ここで何点にするべきで あるという議論はしていただくということはないというふうに理解しておりますけれども。 ○三上委員  いや、何点にするという話ではなくて、この報酬と分類がマッチしているかどうかで妥 当性があるかどうかということを言うのではないのですか、コストと見合っているかどう かということではないのですか。分類というのはいろんな形でできるはずですけれども、 それが医療資源の使い方が分類、分類によってかなり違うので、違うものをうまく分類し たということを妥当であるというふうにするのではないのですか。 ○池上分科会長  ですから、ここで申し上げているのは、9分類に分類した場合にはコストと対応してい るけれども、今日のコストの報告にもありますように、それは点数あるいは収益とは対応 していないという結果が出ております。 ○三上委員  はい、わかりました。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。  それでは、続きまして、平成20年度の慢性期入院医療の包括評価に関する調査につい てを議題にしたいと思います。事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、慢−2を用いまして御説明をしたいというふうに思っております。  レセプト調査とコスト調査というのが前回御報告できませんでしたので、まず今回はレ セプト調査の御報告でございます。こちら、まず慢−2の「レセプト調査」の病院分とい うのを開いていただきますと、こちらはまずページの左側は、【調査対象病院請求分】と いうことで、今回調査に御協力をいただいた病院からレセプトをいただいて、それのデー タをまとめたものが左側でございます。それから右側の【病院:国保支払分】というふう に右肩に書いておりますが、これは国保のほうに依頼をしまして、療養病棟の請求のレセ プトを抽出してもらって提出してもらったものをまとめたものという構成になっておりま す。  まず左側の調査対象病院請求分でございますが、これは平成20年度が上段、平成18 年度が下段という構成になっております。病院のレセプト件数、それから算定日数、レセ プト件数はちょっと落ちておりますけれどもほぼ同等ということで、日数は合計でござい ますけれども若干伸びておるということでございます。  それから、2の医療区分別・ADL区分別の患者分類の状況でございます。左側が20 年度、右側が18年度の調査の結果でございますが、右と左を見ていただきますと、まず、 4行目ですけれども計のところをごらんいただきますと、平成20年の結果としましては、 20%、55%、25%ぐらいということになっておりまして、18年と比較しますと医 療区分1が減って、その分医療区分2がふえておって、医療区分3も減っておるというこ とで、医療区分2がふえているというふうな傾向でございます。  1ページの一番下は、既に前回お示ししたデータでございますが、再掲しておりますけ れども、これは患者特性調査による結果としましては、この4行目の全体というところと、 上段、上の2のところの計のところがちょうど対比していただきますと、患者特性調査で は3割、5割、2割という傾向でございますが、レセプト調査になりますと2割、5割5 分、2割5分ぐらいになるということで、レセプト調査のほうが若干医療区分の上のほう が多いという傾向でございます。  それから、右側の国保支払分に関しましてでございますが、これを見ていただきますと、 これは抽出の仕方は、1の表の下のところに※印が2つございまして、上のほうでござい ますが、全国の医療療養病床の入院患者における平成21年1月分の国保支払分のレセプ トについて、18分の1の無作為抽出を行った結果でございますけれども、レセプトの件 数、枚数はかなり、ちょっと抽出率の関係で少なくはなっております。そういう前提でご ざいますが、下の2のところでございますけれども、18年と20年、図表の5ですが、 比較していただきますと、18年から20年に比べて大きく違うところは、やはり医療区 分3が非常に増えておって、医療区分1が少なくなっているということでございます。  これも、先ほどの調査協力病院の左側の2ところの計の欄の20年のところと、それか ら今回の今お話をしております図表5の計のところを見ていただきますと、先ほど2のほ うが増えておるという話をしましたが、これは先ほどの2の増えた分が3のほうというこ とで、いわゆる全体、国保分のほうで抽出したほうが医療区分3が多いというような傾向 でございます。  続いて3ページ目、4ページ目ございますが、これは後ほどコスト調査で用いるための 基礎データということで、医療療養病棟における患者1人1日当たりの収入金額というも のを、入院基本料とそれから基本料等加算、出来高等々というもののデータをまとめまし て合計金額を出したもので、これは後ほどコスト調査のほうで出てまいりますので、そち らのほうできちんと説明をさせていただきたいと思います。  続きまして、慢−3を見ていただきますと、これが「レセプト調査」の診療所版でござ います。これに関しましては、まず1ページを開いていただきますと、これも同じく左側 が調査対象診療所、調査に御協力いただいた診療所の請求分、それから右側が国保支払分 ということで、これも国保のレセプトを抽出したものでございます。  まず、左側の調査協力いただいた診療所に関しましてですが、レセプト調査に関しては 18年、19年と比較ができませんので結果だけの御報告になりますが、診療所640件 のレセプト、算定日数が1万5500余ということでございます。  この2のところの医療区分でございますが、先ほどのと比較しますと、40%が医療区 分1ということでございまして、医療区分1が大変多くなっておると。それから、医療区 分3が5%ということで非常に少ないという傾向でございます。そういう傾向は、下の患 者特性調査の結果と見ましても、余り変わらないというものでございます。  あと右側のほうですが、国保支払分ということで、こちらも1のところの※印をごらん になっていただきますと、これも16分の1の無作為抽出ということで集めたデータでご ざいます。これに関しまして、先ほどこのページは追加で訂正ということでお配りしてお りますので、訂正のもの、ピンク色といいますか、【国保支払分】と右肩に書いておりま すペーパーを2枚ございますうち、そちらをごらんになっていただきますと、実は2のほ うに訂正がございまして、もともと資料で39.3となっておりましたが、39.5が正 解でございます。それから医療区分2のところ、ADL区分の2と3のところですが、3 2.5となっているのが32.6というのが正解でございまして、あと訂正箇所は、医療 区分2の計のところが44.3ではなく44.4ということで、これは訂正をお願いをい たします。  ということで、その結果を見ますと、先ほどのレセプト調査、左側の2の協力医療機関 に比べますと、医療区分1が若干増えておると。医療区分2が少なくて、その分若干では ございますが医療区分3が増えているというような傾向でございます。  以上がレセプト調査ということでございまして、続きまして慢−4の「コスト調査」を お願いいたします。コスト調査も、まずページを開いていただきまして、これも図表の見 方でございますけれども、まず左側が全病院ということで、今回調査に御協力いただいた すべての病院のデータというものをまとめて解析したものでございます。右側が平成18 年と平成20年の調査に共通して参加をいただいている病院のデータを集めたものという ことでございます。  まず、左側の全病院のほうでございますが、医療療養病棟のうち、今回は44病院がコ スト調査に御協力いただきまして、その図表の1を見ていただきますと、人件費それから 材料費、委託費とありますが、人件費それから材料費が若干上がっておりまして、委託費、 設備関係、研究等は若干下がっております。合計で見ますと、費用としては若干ですけれ ども20年のほうが高いということでございます。  右側の共通病院でございますけれども、これに関しましては10病院御協力いただいて おります。18年と20年、図表2で見ていただきますと、先ほどのものと共通しておる 傾向として、人件費、材料費がアップしておって、委託費、設備費、研究費は下がってお ると、全体の費用としてはアップしているというので、金額は多少違いますけれども、傾 向としては同じような傾向ということでございます。  続きまして3ページ目、4ページ目でございます。こちらも左側が全病院、右側が共通 病院というつくりになっておりますが、まず左側の図表3は、これは今回参加をいただい ている医療機関がどの程度の規模の病院なりベッドを持っているかということを示したも のでございます。まず、3ページの上段の図表3は、これはまずいろいろ棒グラフになっ ておりますが、黄色のところというか一番左側の棒が平成18年のデータ、それから真ん 中の棒が平成19年のデータ。19年のデータと申しますのは、これは医療施設調査のデ ータでございますので、今回の調査に参加したということではなく、全国の療養病床を持 っている医療機関の傾向ということでございます。20年調査はさらにその右側の棒でご ざいまして、これが今回の調査ということですが、若干ではありますけれども、やはり規 模の大きめの病院が参加しているという傾向はあるかというふうに思われます。  それから、3ページの下の段、図表4でございますけれども、これは今回協力いただい た病院の療養病床の部分だけのベッド数の施設割合というところでございまして、18年 調査と20年調査ということを見ますと、これもほぼ同じではございますけれども、20 年調査のほうが若干大きいところが多いのではないかと思います。  それから、右側の共通病院のほうでございますけれども、これも、すみません、このペ ージ自体を追加で差し替えといっているもののもう1枚のほう、左肩に差し替えという四 角囲みの文字がついているものに完全に差しかえていただく必要がございまして、まず、 上の図表5がちょっと間違っておりますので、これは少なくともこの図につきましては、 差し替えの部分で見ていただければと思います。  これを見ていただきますと、これも共通病院の、まず2つ棒グラフが立っておりますが、 左側のほうが平成19年医療施設調査の療養病床を有する病院の全国的な傾向と、それと 右側にあります棒が共通病院の傾向ということで、これもやはり大規模なといいますか病 床数の多いところが調査協力いただいているということでございます。下の図表6は、そ れを療養病床の部分だけということで書いたものでございますので、これは共通病院だけ ということなので、こういう傾向というものを見ていただければと思います。  次のページでございます。5ページ、6ページは、やはり同じく左が全病院、右が共通 病院ですけれども、職種別人件費重み付けケア時間の算定というものでございます。実は このタイムスタディーというものを平成20年度調査では行っておりませんので、この職 種別直接ケア時間につきましては平成18年のデータをそのまま活用するということで、 今回計算をさせていただいておりますので、つまり図表7、それから右側の図表9につき ましては、平成18年のデータでございます。  それを用いまして、それを前提にして、職種別賃金ということにつきましては5ページ の図表8でございますが、平成20年度調査、平成18年度調査というのをこれは両方調 べておりまして、以下のような傾向ということで、全体的にはアップというような傾向と いうことでございます。  それから、右側の共通病院の図表10でございますけれども、これにつきましても、全 体的には18年度、20年度を比べますと、上昇しているという傾向でございます。  それから7ページ、8ページをお願いいたします。これも左側が全病院、右側が共通病 院ですが、職種別人件費重み付けケア時間というものをあらわした図でございまして、こ れはこの区分ごとに先ほどのデータ等を割りつけましてやっておりますけれども、下の図 表12というものと上の表の違いは、下の図表12はそこの図表11の計の欄の一番右下 のところです、平成20年度調査で言えば143.8というふうに記載がございますけれ ども、この数字を1.0とした場合に各区分がどのぐらいの値になるかという、相対値を ケースミックス値とするというためのその計算をした表でございまして、それは各区分と 医療区分ごとにケースミックス値を出しておるという、根っこのデータが図表11でござ います。このデータは、後ほどその他の人件費というところに活用するということとして おりますので、後ほどまた改めて御説明いたします。  これは8ページも共通病院の同様の計算をしたという図でございます。  続きまして、9ページ、10ページに飛んでいただきますと、全病院調査、左側のほう でございますが、まずは患者区分ごとの1日1人当たり費用の推計ということでございま す。これにつきましては、変動費用というところに人件費、材料費というものを置きまし て、固定費用として委託費、設備関係費、経費ということで計算をしております。それに よりまして、先ほどの重み付けケア時間とかいうものも考慮しつつ計算をしておりまして、 全体といたしますと18年と20年というのを比べていただきますと、全体のところです けれども400円程度アップというような結果になっております。  それから、10ページ目の共通病院で見ていただきますと、まず変動費用と固定費用、 これは同じ分類でございますが、これも先ほどの全体と同じ傾向なんですが、変動費用が アップをしておって、固定費用が下がっていると。全体としてはやはり上がっているとい うような傾向がございます。  続きまして11ページ、12ページでございます。これは患者分類ごとの患者1人当た り費用の費用差最大の場合と、それからその下の段に費用差最小の場合というふうに書い てあります。ここで費用差最大の場合というのは、実は先ほど御説明をしておりましたけ れども、7ページ、8ページのところでケースミックス値というのを出して、その他人件 費の傾斜配分に用いますというお話もさせていただいたんですが、費用差最大というとこ ろは、これは各区分ごとに費用差を、その他の人件費というのを傾斜をかけて配分した場 合の1日当たり費用というもの。それから、全くそれを共通な同じ分配をするというやり 方をしたものが、下の図表18でございます。そういう計算をしておるということでござ いますけれども、これは実は共通病院も全体病院も傾向が同じですので、いわゆる18年 度、20年度の比較をするという意味では、12ページの共通病院をごらんになっていた だければと思いますけれども、まずは費用差最大の場合というところでございますけれど も、これにつきましては全体的にアップをしているというところでございますけれども、 まず費用差最大であっても最小であっても、ADL区分3、医療区分3というところはか なり大きくアップをしているという傾向がございます。それから、ADL区分1、医療区 分1というところ、それからADL区分のところでございますが、ここも同じようにアッ プをしていると。そういうような傾向でございます。  それから13ページ、14ページでございまして、これは患者区分ごとの収入の推計と いうことを今度は作業しておりまして、これは診療報酬の点数と、それから先ほどレセプ ト調査の際に各出来高であったりリハビリテーションであったり何点、どのぐらい算定し ているかというデータがございましたが、それを活用しておるんですけれども、まず一番 上の図表21といいますのは、図表22と図表23の合計をしたというものでございまし て、例えば図表22のADL区分3、医療区分1のところをごらんになっていただきます と、8,850と書いてあります。これは診療報酬の点数、基本料の点数でございます。 それに加えまして、図表23で計算をしました入院基本料以外の部分というのと食事代を 足していきますと、5,237円という数字が出てまいります。これは、これを一律に各 区分のところの図表22の基本点数に足してあげますと、21の表になるというふうなつ くりになっておりまして、それを比較していただきますと、収入というのも各区分でもア ップをしているというようなことでございます。  右側のほうは、今回共通病院であろうが全病院であろうが同じようなデータでございま すので、説明は省略させていただきます。  15ページ、16ページでございます。これが、先ほどの収入というものと費用という ものを算出いたしましたが、それに応じてそれを医療区分ごとに差し引きをしたものとい うものが図表27、28でございます。ですので、18年と20年の傾向を見ていただき ますと、全体的に収入と費用の差というものが、医療区分2、医療区分3というのがプラ スというところは変わらないということでございますけれども、医療区分1のところもマ イナスということですが、全体的に若干マイナスの幅が縮小はしているということでござ います。それは同じく、下の図表28は費用最小とした場合ですけれども、これも若干で すが改善という傾向でございます。  右側の共通病院のところを見ていただきますと、これは図表29で申しますと、まずは 医療区分1がマイナスというところは全く同じ傾向でございます。医療区分2と医療区分 3は逆にマイナスといいますか、収入と費用の差がプラスではございますがちょっと小さ くなっているということでございます。ですので、赤字全体が拡大しているというデータ ではありませんが、そういう傾向でございます。  それで17ページ以降は、今、申し上げておりましたものの計算方法でございますので、 配分の方法とか一応、平成18年にやらせていただいた方法と同様の方法でございますが、 これは参考資料ということでございます。  引き続きまして、前回の分科会で宿題となっておりました事項につきましての御説明で ございます。慢−5という資料でございますけれども、この慢−5に前回御指摘いただい た事項をまとめたものをつくっております。本日すべての資料を対応できておりませんが、 対応できたものから御報告いたします。  まず、1の患者特性について地域性を考慮した分析ということで、これは後ほど慢−6 を用いまして御説明いたします。  医療区分1に該当する患者像についてということの細分類に関しましては、現在検討中 ということで、検討でき次第、また分科会のほうで御相談したいというふうに思っており ます。  あと、3番の患者特性調査の患者分類の分布、平成18年度調査と共通病院で傾向が違 うので、施設特性の比較をするべきではないかということは、これは後ほど慢−7の資料 で御説明いたします。  あと、4番目の質の評価のところでございますが、これは今集めているデータで言える ことがないかということで、現在その検討をしておりまして、これも次回以降に提示させ ていただく予定でございます。  それから5番として、後期高齢者特定入院基本料のいわゆる除外患者についてのレセプ ト枚数とか請求総額に関しましては、これは社会医療診療行為別調査等を用いまして分析 中でございます。  あと6番の、一般病床であっても診療報酬の算定において平均在院日数を考慮しなくて よい病床をすべて算定した一般病棟の平均在院日数ということでございます。これは平成 19年度の病院報告によりまして、一般病床の平均在院日数としては19日という数字が ございます。そういうようなことでございまして、まずは慢−6と慢−7につきまして、 続きまして御説明をさせていただきます。  まず慢−6でございますが、これは地域特性についての検討ということでございまして、 まず1ページを開いていただきますと、つくりとしましては、今回地域をどのように分け るかということの考え方としましては、診療報酬の世界には1から6級地ということで、 おおむね都会といいますかを念頭に置いたもの、それからその他の地域という概念がござ います。詳しい地域がどういうものであって概念がどういうことで分けているかというこ とにつきましては、地域割りについては資料の15ページ、16ページ以降にございます ので、それは後ほど御参照いただければと思いますが、地域名が6級地ではどこどことい うことで記載がございます。一応そういう分類で分けてみたということでございます。  まず、1の医療区分、ADLの状況でございますが、これは1から6を仮に都会という こと、その他の地域はいわゆる地方というようなことで便宜的に見るということといたし ますと、全体のところを見ていただきますと、医療区分1というのは、都会よりもその他 の地域のほうが多いということ。それから、医療区分3に関していうと、若干ですが都会 のほうが多いということの傾向がございます。  それから2ページでございますが、これは医療区分採用項目についてのデータでござい ますが、まず左と右を見比べていただきますと、尿路感染症に対する治療というのが若干 ですけれども都会、1から6級地のほうが多いと。それから、脱水に関する治療というの も1から6級地が多いと。それから、中心静脈栄養も1から6級地が多いということです。 それから、透析を実施しているということについては、その他の地域というほうが多いと いう傾向でございまして、肺炎に対する治療というのは、これもほとんど変わりませんが、 若干特に医療区分3のところについては1から6級地のほうが多いと。気管切開・気管内 挿管実施に関しても、若干ですが医療区分3の都会の側のほうが多いということです。  それから3ページ、4ページ目に飛んでいただきますと、調査病棟に入院する前の状況 ということが図表3となっております。これは上下で級地別を評価しておりますけれども、 いろいろの傾向がございますが、まずは入院前にどこにおられたかということについては、 いわゆる都会については他の医療機関の一般病床とか自院の一般病床というのが多いとい う傾向にございます。それから、自宅に関しては逆にその他の地域、地方のほうが多いと いうことでございます。  それから4ページですが、調査病棟に入院した背景に関して、都会の部分では継続的な リハビリが必要というところが高めに出ております。他施設に空きがないというような話 になってまいりますと、これはその他の地域ということのほうが多いという傾向がござい ます。  それから5ページ目、6ページ目でございますが、まず図表5で上下で見比べていただ きますと、これも3のところですね、「治癒または軽快して90日以内に退院できる見通 しはないが、今後受け皿が整備されれば退院できる見通し」というところに関して、その 他の地域のほうが若干高めということです。  それから6ページで、これは再掲になりますけれども、90日以内に退院できる見通し という方の中に、介護老人保健施設というものが都会では対象としては多い傾向がありま す。それから、地方では自宅というものに対する見通しということが多く出ております。  それから7ページでございますが、退院先の見通しで、「今後受け皿が整備されれば退 院できる」と回答された方ですけれども、これはやはり介護老人保健福祉施設とか介護老 人保健施設については、都会のほうが多いと。一方、その他の地域においては、介護老人 福祉施設、それから介護老人保健施設が若干多いという傾向がございます、その他、病状 関係に関しましては、ほとんど同様の状況でございますが、強いて言えば25番の腎不全 が地方のほうが多いという傾向がございます。  あと9ページ、10ページでございますけれども、これも数、nが少ないので余り意味 があるかどうか分かりませんが、若干ウイルス性肝炎とかが都会が多く、MRSAが地方 が多いという傾向が分かります。  それから10ページの問題状況としましては、脱水が都会のほうで多めという傾向でご ざいます。  あと11ページ、12ページに飛びますと、ここもほぼ傾向は変わりませんが、都会の ほうが若干、胃瘻、腎瘻、人工肛門というのが多いという傾向でございます。  あと12ページですが、中心静脈栄養、これも都会のほうが多めという傾向でございま す。それから、リハビリテーションを要する状態、図表14でございますけれども、継続 的なリハビリが必要というのは都会のほうが多いと。あとは、特にリハビリテーションは 必要じゃないというのが地方の病院に多いという傾向でございます。  あと13ページですが、図表16のほうですけれども、脳血管疾患リハビリテーション のIの算定状況、それから摂食機能療法が都会の病院のほうが多いという傾向でございま す。  一応、地域特性についての比較は以上です。  それから次、慢−7でございますけれども、慢−7は平成18年度調査と共通する病院 の施設特性ということでなっております。これは、共通病院のですけれども、まずは全病 院と共通病院という記載をしておりますので、右側のほうの共通病院を見ていただきます と、これも先ほど、ほとんどお話をさせていただいておりますけれども、共通病院につき ましては大規模なところが多いという傾向が2ページからで見てとれます。  それから3ページ、4ページ、これも比較しておりますけれども、地域医療支援病院と か輪番制とか加算の状況というのはこのとおりということでございまして、あと、共通病 院と全病院というのを比較したときに、例えば5ページ、6ページなどは特段異なる傾向 は見られないと、同じような傾向でございます。  あと7ページ、8ページになってきますけれども、これもほとんど同じといいますか、 何か言えるのかというぐらいでございますけれども、平均値で見ますと、補助の看護者の 方が若干、共通病院のほうがやや手厚いかと思いますが、ほぼ同じぐらいの傾向というこ とでございます。  あと9ページ、10ページでございます。入退院の患者の構成の状況でございますが、 これも入院元に関しては、共通病院のほうが若干、他の医療機関の一般病床というところ が全体に比べては少なめではございます。他の医療機関の医療療養病床とかそういうのも 出てまいりますので、そういう傾向があります。それからあと、自院の一般病床という部 分につきましても、共通病院のほうが全体に比べれば少なめという傾向でございます。  あとは11ページ、12ページです。これは退院先ですけれども、退院先については、 これも若干ですけれども自宅という方が全病院のほうが大きいと。それから、介護老人保 健施設という部分もほぼ同じですけれども、同一法人のうちの介護老人保健施設のところ ですけれども、これは共通病院のほうが大きいと。やっぱり自院の介護療養病床というの も共通病院のほうが大きいというようなことで、あとは死亡の退院が共通病院のほうが多 いという傾向でございます。  あと13ページ、14ページでございますが、これは入院時点、退院時点の患者の病像 ということでございます。これは、もう代表的なところだけ御紹介しますと、平成21年 2月中ですので、13ページ、14ページの右側の列を見ていただきたいと思いますけれ ども、それの各区分、医療区分1、2、3のところの特に医療区分3、医療区分1との、 平成21年2月中というところをおのおの比較していただきますと、医療区分3というも のが共通病院のほうがちょっと含まれる割合が高くて、医療区分1が少ないということで 出ております。  あと15、16ページ、退院直前の状態に関してですが、これはまず退院直前というこ とですので、共通病院とそれから全病院というのを比べますと、共通病院のほうが多いと いうことでございまして、あとは医療区分1に関しましては共通病院のほうが少ないとい うような傾向でございます。  最後ですが、17、18ページですけれども、これについては基本的にほぼ同様の傾向 ということでございます。  資料に関しましては以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、それぞれについて検討してもらいたいと思いますけれども、ちょっと膨大で すので、まず慢−2、慢−3のレセプト調査から何かございますでしょうか。  これは3種類のデータがあるというのは分かりにくいので、1つ目は、調査対象病院か らとったレセプトによる区分の構成比。それから次にあるのは、調査対象病院で患者特性 調査を実施してそれに基づいて行った医療区分の構成比。時期はずれておりますけれども、 こちら調査票からとったものでございます。それから、国保支払分となっておりますのは、 これは国保レセプトからとったものですので、3つのものが出ております。  どうぞ。 ○椎名委員  今、分科会長さんから3つのデータが出ていると、それで時期がずれているという点に ついて、事務局に確認したいんですけれども、患者特性調査はいつの時点の調査か、まず それをお尋ねしたいと。 ○佐々木課長補佐  すみません、今ちょっと確認をいたしまして、患者特性調査につきましては、21年3 月の調査ということでございます。レセプトは1月ということでございます。 ○椎名委員  そこで、何ゆえその時期がずれているのか、なぜ合わせなかったか。多分18年度調査 は同じ時点でやっているはずですけれども、その点いかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  これは調査の開始した時点ということで、当然月をそろえるということで実施を予定し ておりましたけれども、調査票自体がかなりボリュームがあるものですから、病院の負担 ということもありまして、ちょっと調査の時期というものを調整していた関係上、レセプ トはこれはもらうだけですので、単純に抜くということでできるんですけれども、調査票 を記入いただくという分は、時間的な余裕を今回についてはちょっと確保する必要があっ たという関係でずれてしまったと、こういうことでございます。 ○椎名委員  18年度調査はその点はどうだったんでしょうか。 ○佐々木課長補佐  18年度調査は、同じ時点に合うように時間的な余裕を持って医療機関に対して依頼を し、そしてレセプトのほうは抜くだけですので、それに合うような形で国保支払い期間に 依頼をして合わせて実施をしたということでございます。 ○椎名委員  医療機関サイドの記入者負担とかというのは、今の事務局の説明ですと18年度調査と 20年度調査、何かその間に特段の合理的な変化があったのかどうか、そういう話になっ てしまいますけれども。 ○佐々木課長補佐  18年度調査と20年度調査、そういう意味では違うということでございますけれども、 20年度調査に関して言うと、調査の開始時期の関係で1月に合わせるということで当初 依頼をしておったわけですけれども、調査のボリュームというものの関係上、1月に回収 するということは難しいということになりましたので、3月ということにいたしたという ことでございます。 ○椎名委員  今度はボリュームという話が出てきたんですけれども。単なる疑問は、何ゆえ18年度 調査は時期が一致しているにもかかわらず、20年度調査で患者特性調査の時期と、レセ プト調査の時期が違うのかと、そういう疑問を持ったから先ほど来お尋ねしていたんです けれども。要は結局、合わせようと思ったけれどもできなかったと、はっきり言ってしま えばそんな話ですか。 ○佐々木課長補佐  そういうことでございます。 ○椎名委員  そうですか。はい。 ○池上分科会長  ほかにございますか。どうぞ。 ○佐柳委員  基本的な読み方なんですけれども、今この医療区分の分類の比が患者特性調査、もちろ ん対象者がぴたっと合っていないとか時期が合っていないということはあるとしても、こ れだけ5%あるいはさらに行けば国保、国保は多分高齢者が多いからそれが出てくるのか なという気もちょっとするんですけれども、これだけの差が出てくるというのは、どうい うふうに考えるべきなのかということなんですけれども。レセプトになってくると、それ だけ重症化するというふうに単純に考えるのであれば、多少ちょっとどんなふうに問題点 も出てくるような気もするんですけれども、その辺どう理解すればいいんですか。これは 学識のある方にお答えいただければいいと思うんですけれども。 ○池上分科会長  患者特性調査表は、特に保険請求を意識してアセスメントされていないわけですので、 必ずしもそこを丁寧にやっているかどうかという点もございます。このレセプト請求は、 これは保険請求そのものですので、それに対応がなされたんではないかと推測されます。 ○佐柳委員  そうかなというふうに思って、ちょっと尋ねたんですけれども。そうすると、こういっ た医療区分とか、かなり客観的な分類をされていると思うんですけれども、それでの合理 性だとかそういうことは我々ここのところで検討しているわけだと思うんですけれども、 かなりそういう意味では、恣意性といいますか、何のためにという調査によってこれだけ 差が出てくるというのも、これはまさしくグレーゾーンに入ることの妥当なグレーゾーン なのか、それとももう少し方法論に問題があるのかということも含めて、その辺はどうな んでしょう。この5%ぐらいの差というのは、調査のやり方によって当然出てくる差だと いう程度で、分類そのもののリーズナブルであるかどうかというようなところとの比較で いけば、含めて5%はのみ込んでしまえるものなのかどうかという感じもちょっとするん ですけれども、いかがでしょうか。 ○池上分科会長  分科会長としてはお答えしにくい点ですけれども、研究者として申し上げれば、これは データの質の観点から今後検証していく必要があるのではないかと。結局これは、どうし て区分3になるとか区分2になるというのは、それに該当する項目をチェックして、それ を評価票ないしレセプトに記載して、その結果として医療区分2になるとか3になるとい うことでありますので、そのチェックが適正に行われているという前提になっているわけ でございます。そこは、今後の検証の課題かもしれません。 ○三上委員  結局、この3つのデータがあるということで、どれをもって判断するのかということを やはり決めておかないと、どれが一番信頼度があるかということなのですけれども、基本 的にn数が一番多いのがいいのいかもしれないし、経年変化で見るということであれば、 共通病院で見なければならないということも当然あると思うんです。ですから、ここでど れを参考にするのかということをしないと、ある部分はAというものをとり、ある部分は Cという表をとるということになると非常に混乱するんじゃないかというふうに思います ので、それをまず決めていただきたい。 ○池上分科会長  私の私見を申せば、患者特性調査に関して言えば、共通病院で見ない限り対象が異なり ますので、対象となる病院が異なったために医療区分の構成比が異なっている可能性があ りますから、2年間の比較をする際には共通病院で見ないと問題であると思います。  国保データに関しては、これはいずれも無作為抽出でございますので、これはまた別の 切り口による比較になるのではないかと思います。ですから、国保の患者特性の比較をす るのであれば、これは患者特性調査でしか比較できませんので共通病院で行いますし、全 体的な収入や収益ということになると、国保データのほうがよろしいんでけれども、国保 データはコストのことは分かりませんので、そうなるとやはり患者特性調査の共通病院に なるのではないかという気がいたします。 ○三上委員  私も同じように思いますので、共通病院のデータでやっていただきたいと思います。 ○池上分科会長  それでは、よろしいですか。原則的に共通病院についての、2年間の変動を見るという のであれば共通病院に主眼はそこを置いて解釈を加えていくということでよろしいでしょ うか。  では、ここのレセプト調査についてはそういうことで、レセプト調査のほかにございま すでしょうか。  ひとまずそれを置いて、コスト調査についても先ほどの合意に基づきまして、全病院で なく共通病院に限って右側のほうになってしまって、ここにもう一つ問題がありまして、 全病院だと69ですけれども共通病院だと10病院に限られますが、これはしっかりと同 じ病院であるので、この変動は抽出による差ではないということでございます。それを踏 まえまして、共通病院を中心にコスト調査をごらんになって、何か御意見。  どうぞ。 ○三上委員  これは費用の面で、人件費については費用差最大ということで人件費を傾斜配分してい るという部分がありますが、入院基本料以外の収入の部分も当然傾斜配分すべきではない かと思うんですが、今回は5,237円という共通にしてあるんです。当然医療区分3の ほうが多分収入が多くて、入院基本料以外の収入も出来高部分といったものもあるんじゃ ないかと思いますが、その辺のところをどのように考えるかということを決めていただけ ればというふうに思います。  いいですか、続けて。 ○池上分科会長  いや、それに関しては、ちょっと戻りますけれども、慢−2でレセプト調査の病院で3 ページに患者1人当たりの収入金額ということで、入院基本料以外の部分が五千幾らにな るわけですので、入院基本料等加算というのは、これは主に療養環境のことですから、こ れは別に均等でよろしいと思うんですけれども、出来高部分、リハビリテーション部分に 関して傾斜配分したほうがよろしいかということ。 ○三上委員  といいますのは、前回中医協のほうで出たと思うんですが、診療行為別調査の結果でも、 1つの部分がプラス二百何%とか非常に対象によって異なりますので、共通施設であれば それはそれでいいわけですけれども、出来高部分もきちっと割り振っていかないと、経年 変化というのは見られないんじゃないかというふうに思いますので、ぜひそうしていただ きたいと思います。 ○池上分科会長  そうしますと、出来高部分に関しては、医療区分の点数比に按分して同じ比率でやると いうことですか。 ○三上委員  必ずしもそういうわけじゃないですけれども、慢−2に書いてある部分、調査でいわゆ る入院基本料以外の出来高が920円とか、リハビリ点数887とかいろいろ書いてあり ますが、これはすべてデータがあるんでしたら、共通部分の病院のデータを出していただ いて、それを足していただくのがいいんじゃないかと思いますけれども。 ○池上分科会長  そういう形でひもつけできますか。 ○佐々木課長補佐  要するに区分ごとにということですよね。 ○池上分科会長  はい。 ○佐々木課長補佐  できそうなという感じでありますが、実際やってみて、いいデータで出せれば提示させ ていただいきたいと思いますけれども。 ○高木分科会長代理  確かにやろうと思えばできるけれども、要するにリハビリテーションは、ADLの区分 とか出来高部分は医療区分とかの何か軸を決めないと、一つ一つ見ていくというのは今回 の医療区分の慢性期の基本の骨格の話ですので、やることはできますけれども、もうえい やと、出来高部分とリハビリテーションをADL区分と傾斜配分かで何かやらないと、一 つ一つまた落としていくって、まさに出来高に戻る話ですので、と私は思っています。全 体的に920円と、今、座長のほうから出たリハビリ部分の887円、これを一つ一つ落 とすことの作業のコストと、何か9区分の話って、非常に労多くして余り出ないんじゃな いかなと僕は思うので、えいやと決めちゃっていいんじゃないかなと思います。 ○三上委員  私、なぜかといいますと、慢−4のコスト調査の15ページにあります、いわゆる費用 差最大の部分の20年度のADL区分1というのが694円という形で、医療区分1のA DL区分2と比べて2,600円も違うというふうなことが、ちょっとどうしてこういう ことが起こるのかというのが理解しがたいものですから、ちょっと申し上げています。 ○高木分科会長代理  これは、縦が1と2を一緒にしちゃっている診療報酬の、もう一緒にしちゃっている結 果の裏返しですから、医療区分で9区分で議論していけば、これはまた違う形になります から、と私は思うのですけれども。要するにADL区分1、ADL区分2、医療区分1の、 診療報酬ではこれを一つにしちゃっていますから、それの差だけじゃないんですか。 ○三上委員  いや、診療報酬別々で。1と2は一緒ですね。 ○池上分科会長  1と2は一緒ですね。 ○高木分科会長代理  ですから、その結果でしょう。 ○池上分科会長  いや、1と2は一緒であるにもかかわらず、ADL区分2のほうがコストがかかるので、 このように差が大きくなっているというふうに解釈して。そしてADL区分3は、コスト が若干赤字がADL区分2より小さいというのが、ADL区分3のほうが点数が若干高く ついているので、ADL区分3のコストよりも上回る点数がついていて、なおかつ赤字で すけれども、ADL区分2と比べれば赤字幅が縮小しているというふうに解釈できると思 いまして。これは高木委員がおっしゃったように、出来高の範囲を仮にここに全部入れた としても、それでは説明できなくて、これは点数設定の問題とコストの発生との関係で説 明できるのではないかと私は思いました。  どうぞ。 ○武久委員  資料4の今の15、16ページのところの、医療区分1のところが軒並みコストでは赤 字になっていると、これが事実であり、前もそうでしたからね、これは事実ですけれども、 これはこれでいいんだということで、担当課が出した資料に基づいて中医協が決めている のかと思うんですけれども。要するに、こういうふうに医療区分1が多いと赤字になるよ という方針というか、そういうコンセプトでいくんだということがここで私、前いなかっ たときに決まったんですか。 ○池上分科会長  いや、それはここの分科会では何も。むしろ慢−1のところの2ページ目の上をごらん になっていただければ。 ○武久委員  心としてはおかいしと言っているわけですからね。だから、ここの池上分科会長を中心 とするこの分科会では、そこはちょっとおかしいんじゃないかというのが、2回改定も続 いておりますので、これが固定化したような感じになっているわけですよね。要するに、 医療区分1の人はマイナスですよと。医療区分2、3の人はここで見るとプラスのとかあ りますけれども、ということを前提とした、言い方は悪いけれども恣意的な誘導診療報酬 体系であるというふうに思ってよろしいんでしょうか。 ○池上分科会長  いや、それは診療報酬体系については事務局のほうから。 ○佐々木課長補佐  そういう体系ということであれば、少なくとも18年、20年改定というのはそういう 形で医療区分1についての点数というのは、このデータでもマイナスということですけれ ども、そういう設定をやっているということではあります。それはそういうことでござい ます。 ○武久委員  だから、そういうことを前提とすると、医療区分2、3以外の1が全部軽いかといった らそうじゃないんだけれども、とりあえず2、3より軽いと仮定した場合に、療養病床に は余り軽い人は入れないようにという、ある一つの方針というものがありますよね、今、 佐々木課長補佐がおっしゃったように。その方向性というのは、委員会としては妥当と思 うのか、それとも、いや、そういうふうな軽い人を療養にできるだけ入れないようにする ということはおかしいと思うのかによって、今後の議論の進め方って変わるのではないで しょうか。  私としては、軽い人は介護保険施設なりのほうへ移って、少なくとも医療という病院な んだから、より重い人を診なさいと言われているように思っているんですけれども、とい うことでそういう方向性というのは、私は正しくないことはないと思っているんですけれ ども。そこら辺を会のコンセンサスとして決めていただかないと、ここは明らかに1が皆 マイナス、マイナスと赤字になっていますから、これを素通りしてすっと行くのか、これ はこういうことなんだから、できるだけそういうふうにしましょうということなのかと思 うんですけれども。  当事者として、慢性期医療協会としては、ある程度、重い人を診てくださいと、ポスト ・アキュートの重い人も診てくださいと国から言われていると思って、そのように努力は してきてはおるんですけれども、確かに会員の皆様からは、ここのところマイナスやと、 どないか会としても手当というので対象に意見を言ってほしいという意見も当然ございま すけれども、その辺を、これは当事者としての話ですけれども、委員会としてはどういう ふうに。例えば日本医師会の場合だと、ADL3の医療区分1のところを点数をコストが マイナスにならないように上げてくれということもおっしゃっていますし、我々のほうと しても多少そこは忖度してくれということも言っていますけれども、多少忖度してもこの 赤字はなかなかきついものがありますよね。だから、その辺のところは、やっぱりそうい う方針で進んでいくんであれば、医療療養病床というものの在りようというものに関して、 この慢性期医療分科会がコンセンサスを得ていただいたほうが、我々としては現場の業務 がやりやすいというように思いますけれども。 ○池上分科会長  それが、実はこの慢−8で、中・長期的な課題としてそもそも医療療養病床で何をして、 それと機能が近接している病床では何を行っていて、その整合性を示すエビデンスがある のどうかを示すというのが、今後の分科会の役割ではないかと思います。 ○武久委員  そうすると、この8に書いてあるように、一般病床にも同様の慢性期の患者さんが入っ ているんじゃないかと。その患者さんも同じように、この医療療養と同じような調査をし ていただければ、医療療養に入っている慢性期の患者さんと、一般病床にいる慢性期の患 者さんとの対比というのが必要になってくるのではないかと思います。だから、ここは慢 性期医療分科会という名前になっているのであれば、そこの差というのがどのぐらいある のかと。そうすると、医療療養という理念はどうなのかと、どういう患者さんを入れてき ちんと治療しろと言っているのか。じゃ、一般病床の慢性期の患者さんは、特定除外の患 者さんは、どういう理念のもとにそこでずっと治療を行っていくのかと、その辺のコンセ ンサスを得ないと、この赤字の部分だけを一般病床の特定除外の患者さんには適用しない で、医療療養病床のコスト割れの医療区分1のところだけが我々に負荷がかかってくると いうこともおかしいのではないかと思いますから、先生がおっしゃっているように、トー タルにそれぞれの病棟の理念とか方針とかいうのをある程度ここで決めていただかないと、 医療療養だけのことでやっていても進まないように思いますから、先生のおっしゃるその 提案に私は賛成です。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  その議論はまた改めて後ほどするとしまして、コスト調査についてのとりあえずのコメ ントはよろしいでしょうか。  どうぞ。 ○大塚委員  このコスト調査のデータと、それからその後、慢−6ですが患者特性調査、この地域特 性についてのデータをいただいたと思うのですが、このコスト調査に地域特性による違い といいますか、これを反映させることはできますでしょうか。そのようなデータをとるこ とは可能でしょうか。 ○池上分科会長  いかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  集計自体はできるのではありますけれども、かなりn数がまた少なくなりますので、意 味のあるデータとして解釈できるかどうかという課題はございますけれども、作業として はできなくはないというふうに思うのですけれども。 ○池上分科会長  これは前回は地域の比較をしていませんので、共通病院に限ることなく、全病院につい て1から6級地とその他地区のコストの比較は可能ではないかと思いますけれども、いか がでしょう。 ○佐々木課長補佐  ちょっと検討させていただいて、次回以降御相談させてください。ちょっとまだ作業が どのぐらいかかるかとか、どのぐらいのデータが出せるかというのを至急検討します。 ○池上分科会長  それじゃ、そういうことで検討するということでお願いします。  どうぞ。 ○三上委員  慢−2の3ページ、4ページに患者1人当たりの収入金額がずっと分類かけてあります、 先ほど申し上げましたけれども。これは共通病院の分というのは足すことが可能ですか。 18年度と20年度の共通病院の入院基本料、加算、出来高、リハビリ、レセプト、全体 というのも出るでしょうか。 ○佐々木課長補佐  はい、出すことは可能でございます。 ○三上委員  もし、そういうことであれば、それを出していただいて、基本料以外のものを五千幾ら じゃなくて、きちっとしたものを出していただいたほうが、多分慢−4の16ページに共 通病院の費用差最大の場合のコストの費用差、収入費用差というのがあるんですけれども、 今回の改定で、どちらかというと医療区分1もマイナスが少し少なくなっているというか、 そういうことはないだろうなと普通に思いますから、それは基本料以外の部分を足してい るわけですけれども、それが非常に大きいためにそういうことになったんじゃないかと思 いますので、共通部分は共通部分の入院基本料以外のコストというのを出していただいて、 それを乗せていただいて計算し直していただくということにしていただけないでしょうか。 ○佐々木課長補佐  時間と、それから可能性の範囲で検討させていただくということでよろしいでしょうか。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○武久委員  そういうふうに会の流れがなってきて、共通部分でやるというふうになってしまうと、 n数が22という病院になってしまって、片やオーダーが違うわけです、共通でないとこ ろが。ということは一体、この調査を最初にしたときに、18年度と同じ病院で対比しよ うという意図が余りなかったのではないかというふうに私は思うのですけれども、この辺 のところは、普通で考えれば18年7月から始まったこの制度が、20年度にどう変わっ ているかということで、同じ土俵上で同じような状況で比べると一番差が分かると、これ は医学論文上からも常識的なことなのですけれども、あえてこれが違うというので、さっ き三上先生がおっしゃったように、大塚先生がおっしゃったように、いろいろいろいろ絞 り込んでくると非常にn数が本当に小さいものになって、それが普遍的なものとして利用 されるということに逆に危険性も出てきますから、その辺が両方とも難しいところでない かと思っておりますけれども。 ○池上分科会長  おっしゃるとおりだと思うんですけれども、既にこのデータしかないという状況で、次 回の調査のときにはこうした方針で…。… ○武久委員  いやいや。だから、私どものはこの医療療養病床の会員を主体とした協会ですので、我 々のところで非常にたくさんのデータがあるんです。だから、共通のデータもありますし、 何百というデータもありますから、前のときにもお出ししておりますし、今回も診療の質 ということでもお出ししておりますので、もちろん担当課が行った公的な調査のほうが信 頼性があると思いますけれども、我々のデータも入れて検討していただければと思ってお ります。 ○池上分科会長  その点については、また事務局と相談して、御提供いただいて活用できるようであれば 活用させていただければと存じます。よろしいでしょうか。 ○佐々木課長補佐  それは、またデータの取り扱いについては座長と事務局で御相談して、出せるようであ れば出すというようなことかと思いますので、取り扱いを含めてちょっと、それは御議論 いただくということかと思いますけれども、事務局が判断ということかどうかというのも ありますし。 ○池上分科会長  どのようなデータをどのように活用できるかということをまず見せていただいたのを。 ○佐々木課長補佐  そうですね、まず事務局のほうでいろいろと今、御宿題いただいたもので、どういうデ ータが出せるかということをまず対応させていただきます。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○椎名委員  資料の慢−4、5、6ページなんですけれども、質問です。重み付けケア時間という形 で算定しているわけですけれども、先ほどの説明でちょっと分かりにくかった。なぜかと 言いますと、5ページ、6ページ、つまり全病院と共通病院を全く同じ図表が載っている んですけれども、これは何ゆえでしょうか。 ○佐々木課長補佐  申しわけありません、これは特に意味があるかないかと言えば、意味がないということ でございます。要するに、作業としては全病院の資料と共通病院の資料を並行してつくっ ていたものですから、それを並列に並べていって提示させていただいておりまして、そう いう意味では、別に右側の6ページ目は空白でも構わなかったかもしれません。すみませ ん、それは資料の提示の方法の問題でございます。 ○椎名委員  あと、先ほどの説明の中でタイムスタディー云々という話があったんですけれども、要 するに20年度調査ではタイムスタディーはやっていないと、そういう話になるわけです か。 ○佐々木課長補佐  さようでございます。 ○椎名委員  それでは、何ゆえタイムスタディーをやらなかったのかということをお尋ねしたいんで すけれども。 ○佐々木課長補佐  それは、予算の制約上でございます。 ○椎名委員  なぜかと言いますと、タイムスタディーでやって前回18年度の報告書で、やはり直接 ケア時間が順序性を保てると、だから分類の妥当性があると、あるいは認知症加算ですか、 あれは差がないのでやめようと、そういう形の20年度改定に対する提案をやったわけで すよね。ですから、何ゆえその辺をやっていないのか。先ほど武久委員からの質問があっ たように、何で18年度にやっているので当たり前にやらなくてはいけない項目が、何で 20年度調査から抜け落ちているのかと。それは私が先ほど質問した、患者特性調査の時 期とレセプト調査の時期が何ゆえずれているのかと、理由がなくてという話だったようで すけれども。  ですから、はっきり言って今回この20年度調査、要はどこで決まったか分からないが、 実施してしまったと。これを分析するのは当然、武久委員の御指摘のような限界がいっぱ いある中で、共通病院に関してこの調査結果でこれぐらいしか言えないと、そういうふう な最終的な報告になるのではないかと思うんですけれども。その辺、分科会長の所見も聞 かせていただければと思います。 ○池上分科会長  この20年度調査、分科会に諮ったわけではございませんので、こちらとしてはそれを 解釈あるいは追加の分析を依頼することしかできませんので、その範囲の中での分科会と してのコメントということになるのではないかと思います。  すみません、ちょっと時間の関係で、コストについてはひとまずよろしいですか。  それから、慢−5については、既に対応いただいているところについては既に説明がな されていますので、まだ対応できていないところは今後また報告いただくということにし まして、慢−6について、これは患者特性調査で地域特性、これについては大塚委員から コストも反映して見てみたいという提案がありました。  それとあと、次に慢−7について施設特性調査、これは共通病院について見ているわけ でございます。これについて何かコメントはございますでしょうか。  私の感想として申して恐縮ですけれども、いかんせんn数が少ないのですね。これ、自 宅退院が減っているとか、そういうところがありますけれども、特にこの中で。例えばこ こに100人ちょっとと、それから入院時点の状態別って、これ22人なんですね。  これはすみません、また何かコメントがあれば持ち帰って、追加していただくとして、 これはどうしても今日行わなければいけない慢−8に戻ってよろしいですか。  その上で、武久先生からの参考資料については、いかがいたしましょう。今、簡単に説 明していただけますか。 ○武久委員   すみません、7の8を。参考資料、21年7の8は今日の日付けですね。参考資料をち ょっと出していただいて、1ページ目から簡単に短くお話ししたいと思います。  これは、医療療養病床におきまして、20年4月から診療の質を調べるために、この分 科会で決まりましたいろんな書式がございます。それを提出というか保管しておかなけれ ばいけない書類として義務付けられておりますので、これを全国の684の病院が病棟数 1,799の病棟で延べで調査に協力していただいております。  そこで褥瘡に関しましては、医療療養のほうが介護療養より大きい。これ医療療養につ いての分科会ですけれども、対比として介護療養についても調べておりますので、一緒に 出させていただいております。  それから、2ページ目では褥瘡の発生です、持ち込みの割合が医療療養が40と介護療 養がちょっと少ない。しかし、院内発生というのも介護療養も医療療養もけっこう高率に あると。これは状態が悪くて入院してきた方におきましては、亡くなる前には栄養状態も 悪くなって、褥瘡が発生するということも十分頻度があると。それで、褥瘡のステージに つきましても、3ページですけれども、医療療養のほうは少し重度の人が多いということ が分かります。  それから4ページですが、そのいろんな対策は90何%高率に行っている。ただ、栄養 改善につきましては7割以下しか行っていないということで、けっこうこの辺につきまし ては今後の課題ではないかと思っておりますし、同じく血清アルブミン値のモニタリング も定期的に行っているのは7割以下にとどまっていると。アルブミンが3グラム以下の患 者さんというのは35%、要するに3分の1以上になっておるということ、これも問題あ る。それが3グラムから3.5グラムという、いわゆる正常値に近いところまで改善した 患者さんは3%や4%ということで、ちょっとこの辺が少し褥瘡に関してはコンセンサス が難しいところだと思います。  PT・OT・STにつきましては、リハビリは介護も医療も両方6割程度行っておりま すけれども、改善した患者さんも同じように多いんですが、ただPT・OT・STいずれ かのリハビリテーションを実施している患者の割合としては、介護療養のほうが多いと。 医療療養のほうが少ないと。これはどういうことかというと、やはり医療療養のほうはタ ーミナルの人もいるし、いわゆる重症者が多いために、どうしても治療のほうが優先して リハビリのほうが少し介護療養に比べて少ないんではないかと。  それから、7ページの真ん中のグラフですけれども、自立度がCからAに改善した、B からAに改善した、ADL得点が12点以上低下したというのですけれども、けっこうよ くなっている人も医療療養に多いのですけれども、これはコンマの話でございますので、 十分な妥当性を持って話すことはできません。  また8ページは、研修は行っているのですけれども、行っていないところが4分の1も あるということ、これ自身問題だと思っております。  身体抑制につきましては、多少医療療養のほうが多いということは、これは医療必要度 の高い者がいるということだと思いますが、11ページ、身体抑制実施の3要件に該当し、 その記録のある患者さんというのが85%、逆に言うと15%ないということですから、 介護療養病床もこれはないといけないことになっておりますので、これは会のほうで徹底 しないといけないということだと思っております。  また12ページは、説明をちゃんと行っているかというのを口頭と文書でほとんど9割 近く行っているんですけれども、やはり一部行っていないのがあるというのが残念なとこ ろだと思っております。  尿路感染症に関しましては、13ページですけれども、医療療養の治療が11.6日か かっているのに対して、介護療養型は6.5日だということで、医療療養の患者さんのほ うが重度かなと思いますし、また、その再発の割合が非常に尿路感染については多いと。 治療につきましては、医療療養のほうは水分投与のみという方がけっこう4割近くござい まして、水分と抗生物質両方の投与よりも多くなっております。このことにつきましては、 安易な抗生物質の使用を控えているというふうにも考えられますし、かといって治療期間 は11.6日ぐらいで平均でよくなっていると。この14ページの一番下のグラフでござ います、初発患者の治癒に至るまでの平均治療日数は、医療療養のほうが介護療養の半分 だということで、この辺は治療効果が出ていると思っております。  15ページは経口摂取への移行ですけれども、中心静脈栄養をどのぐらいしているかと いうと、医療療養が7.6%。それから、中心静脈から経管栄養に可能になったのは非常 に少ないです。もちろん医療療養が介護療養より多いですけれども、非常にコンマの段階 であって、まだまだ改善の余地があるのではないかというふうに思っております。  これ、数としては非常にボリュームの多い調査ですけれども、まだ始まって6カ月間の 間で、非常にこの調査表からはクリアカットな流れというものが出ておりません。といい ますのは毎月毎月違う患者さんが入ってきて、毎月毎月違う患者さんが退院していくとい う状況下の中で、この方法で診療の質を見るというのが、少し難しいのではないかという ふうに思っております。ただ、前回お出しいたしました医療区分の調査の中で、入院時の 医療区分の1カ月間の平均値よりもよくなった患者さんは退院しており、悪くなった患者 さんが亡くなっているというような、非常にクリアなデータをお示ししましたけれども、 やはり回復期リハビリ病棟ですね、重症度と在宅復帰率でいわゆる回リハの1と2という ふうに分けたように、診療の質の評価ということが、これは私がここで委員として参加し ていなかったときに決まったものですけれども、私もやっぱり医療療養慢性期病床といえ ども、やはり診療の質を問題にせざるを得ないんじゃないかというふうに思っております。 我々医療人としては、やっぱり入院してきた患者さんをできるだけ適切に早く治療して、 早くよくするということが当然の理念ですので、そういうことをきちっとまじめにしてい る病院に評価が高いというのは、これは皆さんの御意見も当然同じことだと思うんです。  そこで私は提案したいと思うんですけれども、回復期リハビリ病棟に診療の質というか を入れられたということもありまして、慢性期医療につきましても、例えば在宅復帰率と か、例えば医療区分の改善率、すなわち入院したときの医療区分が3だったのが、3カ月 間なら3カ月間診て、1とか1.5とかいうふうに軽快してきた人の割合が悪化した人の 割合よりもある程度多くなれば評価するとか、方法はいろいろあると思うんですけれども、 それとか平均在院日数とか、そういういろんなことで医療療養の中でも評価をして、よく 治療に頑張っているところにつきましては何らかの評価を与えるような仕組みをお考えい ただければ、我々としても現場からそのような努力をしていただけるように会員に徹底し てまいりたいとも思っておりますので、これ、慢性期医療の診療の質の評価ということで 6カ月間の評価をお示ししたという段階で、我々としてもそういう方向に行くことにやぶ さかではないということをお伝えして、私の報告を終わらせていただきます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは報告を承って、また今後の評価の在り方については、後ほど分科会での議論と いうことでよろしゅうございますでしょうか。  それでは、慢−8に戻りまして、これについて事務局から補足していただけますでしょ うか。 ○佐々木課長補佐  実は、冒頭に池上分科会長からもお話がございましたが、この慢−8と申しますのは、 作成をする契機となりましたのが、本日午前中の基本問題小委員会におきまして、池上分 科会長が慢−1の資料の報告をしていただいた際に、やりとりの中ではある程度分科会の 所掌といいますか、やるべき範囲ということは何となくイメージが共有できたということ ではあるんですけれども、具体的にどういう内容について検討するということが文書とい いますか、きっちりペーパーにして一回提出をしていただきたいという遠藤会長からのお 話もありましたので、分科会としての短期的、中・長期とまとめておりますけれども、検 討課題、内容についてペーパーをまとめていただいて、それを基本問題小委のほうに再度 報告をすると。そのために、事務局のほうで会長と御相談してたたき台として用意させて いただいたと、こういうものでございます。 ○池上分科会長  で、短期的な課題についてはまた後ほど、これについては付託を受けていますので、今 日急いで議論する必要はないんですけれども、2の中・長期的については付託をまだいた だいていませんで、これを行うためには再度基本小委に何らかの文書の形で提出しないと 進めることができません。この2の課題については、前回の分科会においてこのように、 医療療養病床に限らず、より広くとらえるべきではないかということについては大方のコ ンセンサスをいただいたのではないかと思うんですけれども、もう少し具体的に提示して もらわないと、何の調査を付託したかがよく分からないという御意見をいただきましたの で、この中・長期的な観点について、いま一つより具体的に規定できるかどうかと。  どうぞ。 ○佐々木課長補佐  それで、実はなかなか個別具体的な内容につきましては、本日すべて決め切れるかどう かということもございますので、例えばとりあえずの検討状況として認識の共有というこ とで、このペーパーを一回基本小委に出していただいて、もう一度、今後の慢性期の分科 会はまだございますので、そこの中での意見も踏まえて再度、2回報告するということに なりますけれども、そういうような形で進めさせていただくという方法もあるのではない かと思っております。 ○池上分科会長  つまり、この段階で基本小委に出すということですか。  どうぞ。 ○武久委員  基本小委とすれば、どういうことをどういうふうにやるのかというのは、当然要求して しかるべきだと思うのですけれども、ここは簡単に言うと慢性期医療の分科会なので、じ ゃ中医協の中で慢性期医療について、ここ以外に検討する場というのがあるのでしょうか と。ないのであれば、項目はともかくとして、ここは慢性期医療の通称分科会ですから、 医療療養の分科会じゃないので、前から慢性期医療分科会と。ということは、慢性期の医 療というのはあちこちにあるわけですから、2に書いてあるようにですね、それを普遍的 にやることは当然のことではないかというふうに私は思っているんですけれども、担当課 はどのように思っているか。だから、中医協のほうが担当課より上位の組織と思いますけ れども、その辺のところが一体どこでこの慢性期医療は話し合うんだと。中医協もDPC、 DPCということで、非常にそちらのほうがウエートが高くなっていますから、じゃ慢性 期医療は大したことなくていいんじゃないかというような雰囲気に、私だけが誤解してい るんだと思うんですけれども、感じられるんですけれども、確かにどういうことをどうい うふうにやるというのは、二つ三つ大きなポイントをだれかが提案して、ここで大枠を決 めていただいたらいいと思うんですけれども、慢性期医療に関してはどうするかというの は、担当課とこの分科会が提案しなければだれも提案しないんだということを確立してい ただきたいなというふうに思いますけれども。 ○池上分科会長  いかがでしょうか、事務局。  どうぞ、課長のほうから。 ○佐藤医療課長  私がそう思っているかどうかはともかくとして、今日御出席いただいた方もいらっしゃ ると思いますから、中医協なり基本小委の考え方をそのままお伝えをしておくと、恐らく 慢性期医療に係る政策的なことを議論するのはどこですかとこう言われれば、基本小委を 中心に議論するという答えが返ってくるだろうと思います。それは、現実にメンバーが今 のままで議論ができるかどうかとか、基本小委の方の御興味・関心が慢性期医療にあるか どうかということはちょっと置くとしましても、今それぞれの中医協と基本小委あるいは 調査分科会等のミッションの関係からいうと、基本小委で御議論いただくべきものだろう と思っております。  ちょっと嫌味な言い方で本当に恐縮ですが、もう少し基本小委の雰囲気を伝えますと、 調査分科会というのはあくまで調査分科会で、基本は、先ほどから佐々木その他が申して おりますように、エビデンスなりあるいはデータなりをとって、そしてその結果を分析し て報告するということが基本だろうというふうに考えられているように思います。ただ、 そうはそうとしましても、今日の朝の雰囲気だと、だからといって医療療養病床の話に限 定しなければならない、これ以上議論してはいけないという雰囲気ではなかったと思いま すし、むしろ中身が分かれば、中身を提示してくれれば、その中身を見た上で調査をし、 あるいは調査結果を報告してもらうことはやぶさかではないという雰囲気だったというふ うに思います。  したがいまして、今日の慢−8で言うならば、本当は短期に「○」が3つ並んでいます けれども、中・長期についても「○」が3つ並ぶといいのかもしれませんけれども、まだ 何度も申しますように、基本小委に御報告を正式にしたのは今回が初めて、前回ちょっと 前触れをしましたけれども、正式に報告したのは今日が初めてということですので、そう いう意味で言うならば、「まずは」のところに書いていますけれども、じゃ具体的にどの 範囲を議論します、どんな調査ならできるかもしれません、どんな形で進めていきますと いうようなものを、ある程度上の「○」ほど明確ではないまでも、何かを示していって、 それならやってくださいという形で、ちょっと少しキャッチボールをして、それで分科会 のミッションが広がっていくのかなという気がしました。  さらに蛇足のことを申しますと、例えば亜急性みたいなことについてまで議論されるん ですかという質問がありまして、それは基本小委でしっかりやるからよろしくねみたいな、 むしろくぎを刺されるような場面もありましたので、そういう意味では、基本小委自身が やっぱりある程度医療全体の政策的なことはきちっとグリップしていきたいんだという気 持ちのようでした。そういう意味で、また何度も繰り返しになりますが、さっき佐々木な り、あるいは池上分科会長から御質問があったことで言いますと、今日この時点では、つ まり今日の午前中の議論を踏まえて基本小委にお返しをするとすれば、ちょっととりあえ ずこんな感じ、つまりもうちょっと時間をくださいと。中・長期については、この3行に 書かれたような内容で少し議論をしてみて、こんな調査ができます、例えば対象となる医 療機関はこんなものがあるでしょう。もしかすると、先ほどから何度も話が出ております 一般病床かもしれないし、介護療養病床かもしれないし、転換老健かもしれないけれども、 そういったところを中心に議論しますというようなものがもう少し具体的に出てくると、 基本小委で最終的に、じゃやってくださいという話になるのかなという思いがしました。 そういう意味で、何度も申しますが、今日一発でといいますか、一度に御理解をいただけ なかった部分があるのは大変申しわけなく思っておりますが、もう一、二度基本小委とキ ャッチボールをすることで、最終的に、この「2.」のところにある程度の御理解が得ら れるんじゃないかと思っております。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○三上委員  慢−8の2番の中・長期に「○」が3つあればいいという話だったですけれども、優先 順位からいいますと、やはり喫緊の課題としては介護療養をどうするかということで、介 護療養におられる方の患者特性なりそういったものをやはり調査する必要がある。以前の 17年12月に療養病床再編の話が出たときに、中医協に、介護療養と医療療養両方の患 者特性等が出された経緯がございますが、あれと同じような形で、どのような患者さんが おられて、それを今後どのように受け皿をつくっていくのかということも含めて、提案で きるような形にしていただきたい。一般病床にも後期高齢者特定入院基本料の除外の人と か、あるいはそのまま基本料を取っておられる方などいらっしゃるかもしれませんが、そ れは一応、今後急激な変化がするというわけじゃないわけで、介護療養におられる方は2 4年にはなくなってしまうわけですから、その方たちの難民化しないための受け皿のため にも、そこを調査する必要はあると思います。 ○池上分科会長  はい。 ○椎名委員  一つ、提案になろうかと思います。  佐藤医療課長から、今朝の基本問題小委員会の雰囲気を今お伺いして、提案なのですけ れども、この1、2に加えて3とでもしますか、要は基本問題小委員会の皆さん方によく 分科会との関係を御理解していただくために、例えば1、2について検討結果を適宜、基 本問題小委員会に報告し、必要に応じて基本問題小委員会の指示をいただく等の文言を入 れたらどうかというような御提案です。  先ほどDPCの件で、基本問題小委員会と分科会とのいろいろなやりとりの話が宇都宮 企画官からありましたけれども、要は結局この分科会が独自にいろいろやるとか、そうい う誤解をされると。そんなことはできないはずなんですけれども。やはり基本問題小委員 会と分科会の関係を改めて御理解いただくために、今、私が申し上げたような文言を最後 に追加すると、そういった形を提案したいと思うんですが。 ○武久委員  私も賛成です。  やはり上部団体としてあるわけですから、実際どういうことを話し合って、どういう方 向に行っているかということは、やっぱり知る権利もありますし、当然こちらから報告す るべきだと思いますし、そこで大きな中でコンセンサスを得るという努力をするべきであ って、我々としてもいろんなデータを出して検討していただくという姿勢は必要だと思い ます。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。もともと調査専門組織というのはそういう組織だったんですけれ ども、改めて明文化したほうがいいという椎名委員からの御提案があったので、それを追 加するということで……、はい。 ○武久委員  昨年の20年4月から、いわゆる一般病床の特定患者除外、後期高齢者医療制度ですけ れども、患者については10月から明らかに退院を前提とした方針でのみ入院継続可能と いう縛りができたというふうに、これは佐藤課長がおっしゃったというふうにどこかの本 で見たんですけれども、これ本当かどうか知りませんけれども、そういう方向でもう表に 出ているわけですね。したがって、一般病床には特定患者、除外患者さんがいると。それ から、今、三上先生がおっしゃったように介護療養型医療施設にもいると。しかも、これ は24年にはなくなる予定になっておると。  そこら辺、医療療養も含めて一般病床、とりあえず従来型老健まではいかなくても、医 療課としては、介護療養型医療施設にいる患者さんの病態、それと医療療養にいる病態、 それと一般病床の特定除外の患者さんの病態、これ3つについては、結果がどうなろうと 調査をして、小委員会にこういう状態でしたというふうにプレゼンテーションするべきで ないかというふうに思っておりますので、資料としてもう既に一般病床はそういうふうに 扱うということが決まっている以上、そこは聖域としてさわらないということにはならな いんではないかと思っております。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○佐々木課長補佐  すみません、今の御指摘の後期高齢者特定入院基本料の件は、慢−5の資料でもお話し しましたとおり、今、状況についてはいろいろ資料を調べて、また次回以降の分科会にも 御報告する予定でいろいろ準備を進めております。 ○池上分科会長  では、この中・長期のところとして、具体的な調査内容、今のこの時点の文言にとどめ るか、それとも2人の委員から御提案があったように、一つは介護療養、もう一つは一般 病床の除外までということを列挙するかどうかと。それから、椎名委員からあって、この 分科会の役割を改めて認識する意味で、基本小委に適宜報告し指示を仰ぐということを追 加するかどうかと。これについてはいかがでしょうか。 ○三上委員  今日、中医協では具体的なものを書いてほしいという要望があったので、それを具体的 に書かれて、次また、池上分科会長が行かれてお話しされたらいいんじゃないかと思いま すけれども。 ○池上分科会長  じゃ、事務局はどうですか。 ○佐々木課長補佐  すみません、調査範囲という議論でいいますと、ちょっと今日余りにも短時間でありま すので、いろいろ出ておりますけれども、具体的に介護施設等に関してどういうところを 対象にするかというのを、もうちょっと御議論を深めていただいた上で、そこは具体的な 項目出しをしていただいたほうがよろしいんではないかと思いますけれども。とりあえず 今日の時点で、今日いただいた御意見も、全面的に項目として出せるかどうかは別として、 座長と事務局で御相談させていただいて、とりあえずの中医協への御報告メモをつくらせ ていただくということでいかがかと思いますけれども。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○武久委員  今先ほど佐々木課長補佐がおっしゃったように、一般の後期高齢者の特定除外について は、同様に既に調べているというような御報告がありましたけれども、介護療養型と医療 療養型との中に入っている患者さんの病態については、池上先生のところでも十分調べて いらっしゃいますし、また我々の日本慢性期医療協会でも、先ほどお示ししたように常に 医療療養と介護療養を対比して、というのは両方お持ちの病院が多いもので、どっちかの 調査をしても、あとどっちかのほうも一緒にお願いしておりますので、データとしては非 常にたくさんございますので、もしあれでしたらこちらに御提示させてもいただきますし。  ただ、来年の診療報酬改定に直ちにというんじゃなしに、もう少し次の24年の同時改 定を目指しての意見の調整ということであればいいと思うんですけれども、今から新しく 来年のために、今言った3つのところを公的に調査するというと、とても時間がないんじ ゃないかと思うので、その辺のところを、決して今、三上先生や皆さんがおっしゃった3 つか4つの箇条書きを書くにしても、これは22年の診療報酬改定に資するものではなく、 それについては上の1、2、3であって、これからの24年同時改定を見てのこういう検 討調査を行いたいというようなことじゃないかと思っているのですけれども、担当局はど うなのでしょうか。 ○佐々木課長補佐  正直申し上げて、予算面も含め、あとはそれから、これから改定の実際中医協での議論 のスケジュールを考えますと、今から調査をして新たに提示させていただくということで はちょっと間に合わないというところでございますので、そういう意味では、今、武久委 員が言っていただいたようなスケジュール感としてはまさにそういうことではないかと思 っております。 ○猪口委員  確かに来年の改定にどうこうというのは、多分今からやってもどうしようもないんです けれども、この分科会から出た資料で非常に僕は貴重だなと思っているのは、実はコスト が分かっていることなんです。どの患者さんを診ると、実はもう赤字であるとか、どこで はどれぐらい利益があるというようなことが分かっている。これってほかの病院ではない んです。一般病床でも患者についてのコスト。DPCで少し前回、DPCの患者別のコス トみたいなのが出ていましたけれども、それもどうも今回はやられていないようですし、 そうすると、本当に医療機関におけるコストの問題というのが、これは本当に難しいとこ ろを、実はここはかなり現実味がある数字で出しているというのは非常に重みがあること なんです。  ですから、私はもし中・長期的な話をするならば、これはもう慢性期の問題ではなくて、 やっぱり病院全体の問題として医療機関全体の問題としてのコストをきちっとはかるとい う方向に行かないといけないと思うし、ぜひDPCも立ち消えになったかどうか分かりま せんけれども、今週コストの分科会もあると思いますので、そういうところで、例えば我 々日病協としているような、入院基本料の在り方って何なのと、エビデンスがあるのかと いったらないじゃないか、それをどういうふうにつくっていくかと、やっぱりそういう大 きいところで話をしていかないと、せっかくここから始まった問題をどこまで広げるのと いうのが広げられなくて終わるよりは、もっと全体的にちゃんとコストの問題を議論する 場を、ぜひ厚生省医療課として設けていただかないと、どこで始めても2年ごとのぶつ切 れの話を繰り返しているわけですから、もうこういうのではなくて、もっと中・長期的に 大きい意味での社会保障国民会議みたいなシミュレーションも出ているわけですから、そ れに合わせていくにはどうしたら本当にコストがはかれるかというような議論にぜひ発展 していただかないと、どこまで行っても何かどこまでやったらいいのみたいな話で終わる のではないかと、そういうことは個人的に感じております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ちょっと予定の時間を10分以上経過してしまいましたので、今日のところはここまで と、いったん閉じさせていただきたいと存じます。  引き続き、この分科会でこの問題を検討していくことでございますが、基本小委に対し てまずは文章化するということについては、慢−8を中心に再度ボールを投げるというこ とで御了承いただけますでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、次回はまだ御依頼いただいたデータの提出、あるいは今日改めて提出が求め られたデータ、あるいはデータが提出できるかの検討もございましたので、それについて 次回御報告をお願いいたします。  事務局から何か。 ○佐々木課長補佐  今日、いろいろ御指摘いただきました宿題、それから今まだ作業中のものにつきまして、 次回の分科会には御提示をさせていただきたいというふうに思っております。  また、関連するさまざまなデータ、いろいろと揃い次第、あわせて御検討のために提示 させていただくということでございます。 ○池上分科会長  それでは、本日の議論は以上としたいと思います。  事務局から何か今後の連絡は。 ○佐々木課長補佐  次回の開催日程につきましては未定でございます。正式な日程が決まり次第、追って御 連絡をさせていただきます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、平成21年度第3回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査 分科会を終了させていただきます。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3289)