09/07/06 平成21年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成21年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年7月6日(月)14:00〜16:00 (2)場所  厚生労働省専用第21会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、相川直樹委員、        池上直己委員、伊藤澄信委員、木下勝之委員、熊本一朗委員、        小山信彌委員、齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、        嶋森好子委員、辻村信正委員、松田晋哉委員、山口俊晴委員、        山口直人委員、吉田英機委員        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 新たな機能評価係数に係る特別調査について(案)        2 DPCにおいて今後検討すべき課題        3 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  それでは、ただいまから平成21年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 を開催させていただきます。  本日の委員の出席状況でございますが、本日は難波委員が御欠席となっております。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、資料の確認をさせていただきます。まず、お手元の資料1枚目が議事次第で ございます。めくっていただきまして座席表、続きまして委員一覧でございます。続きま して本日の資料でございます。右上、D−1「新たな機能評価係数に係る特別調査につい て(案)」。この資料は一部修正がございまして、3番の調査項目の(1)、(2)とご ざいまして、(4)となっておりますが、これは(3)の間違いでございます。修正をさ せていただきます。失礼いたしました。次が参考資料でございます。「DPC評価分科会 における新たな『機能評価係数』の絞り込みについて(案)」でございます。続きまして D−2「DPCにおいて今後検討すべき課題(2)」でございます。さらに、別紙といたしま して、「診断群分類名称」と記載してございます資料がございます。  以上の資料がそろっておりますかどうか御確認いただき、過不足がございましたら事務 局までお願いいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。資料のほうはよろしいでしょうか。  それでは、議論に移りたいと思います。「新たな機能評価係数に係る特別調査について (案)」につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、資料D−1「新たな機能評価係数に係る特別調査について(案)」を御説明 いたします。  これまで中医協基本問題小委員会及びDPC評価分科会におきまして、「新たな機能評 価係数」に係る議論がなされてまいりました。これらの議論の結果、「医療機関の負担が 少なく速やかにデータを把握することが可能なもの」については、今後、追加で調査を行 い、実態を把握することとなっております。  こちらの項目ですが、1枚めくっていただきまして、本日お配りしております参考資料 でございますが、こちらの「DPC評価分科会における新たな『機能評価係数』の絞り込 みについて(案)」のうち、黒丸の白字で書かれている番号の部分、上からローマ数字II の1の(5)、複数の診療科における24時間対応体制。3の(1)から(3)までが診療ガイドラ イン関係でございます。あと、5のチーム医療に関する項目、(1)、(2)。さらに、6の(1) のデータの公開に係る項目に関して、これら黒丸の部分が今回の調査の対象としてござい ます。  なお、今回のこれらの特別調査を行った上で、次期改定において係数として適当かどう かをまたさらに議論いただく必要がございます。  続きまして、調査の具体的な内容について御説明いたします。1.調査の対象及び方法 でございます。こちらの調査ですが、全DPC対象病院及びDPC準備病院に対しまして、 電子媒体等によるアンケート調査実施を予定してございます。なお、現在の全DPC対象 病院の数でございますが、1,283、DPC準備病院につきましては300近くとなっ てございます。これらの医療機関に関し、電子媒体で調査を行う予定としております。  次に調査の時期でございますが、こちらは今年の7月の1週間を考えてございます。こ ちらの期間に関しましては、本日DPC分科会におきまして御議論いただき、調査票の項 目について案をいただいた後、事務局のほうで調査票を作成いたします。その調査票の準 備が整った段階で各医療機関に調査票をお示ししたいと考えております。そこで、恐らく 7月の終わりのほうの週になろうかと考えております。  次に3.調査項目でございます。まず(1)救急医療の診療体制について。こちらは参 考資料とあわせてごらんいただければと思います。IIの1の(5)の項目でございます。まず、 (1)といたしまして、救急医療の提供レベル等の調査をいたしたいと考えております。調査 対象の当該医療機関が1次救急、2次救急、3次救急のいずれに携わっているのか、また その救急に関しましては、常時なのか、輪番日のみなのか、またはほかの形態で対応して いるのかどうか等々について把握したいと考えております。  次に、(2)救急医療の提供体制でございます。こちらについては、具体的な診療科名、ま た夜間の勤務体制等も把握したいと考えております。これにつきましては具体的には、夜 間の対応につきまして、夜間の通常勤務で対応しているのか、夜勤で対応しているのか、 または当直体制で対応しているのか、またはオンコールで常に病棟から駆けつけることが できる形にしているのか、それともオンコール体制で自宅からドクターが駆けつける体制 となっているのか、これらにつきまして把握していきたいと考えております。  なお、従来から機能評価係数の御議論をいただいておりましたが、その中で参考資料の IIの1の(5)の複数の診療科における24時間対応体制につきましては、今回は把握するこ とが主眼であるということでございまして、次期の改定に盛り込むかどうかはペンディン グ状態であると私どもは承知してございます。  続きまして、(2)でございます。診療ガイドラインを考慮した診療体制確保について、 こちらはIIの3の(1)から(3)に該当する部分でございます。こちらについては、(1)から (7)まで項目を挙げてございます。あくまでこれは事務局のほうの案でございますので、本 日先生方から御議論いただければと考えております。  まず(1)、治療方針の決定に当たり、診療ガイドラインをどの程度参考にしているのかと いう旨をお聞きできればと考えております。診療ガイドラインを大いに参考にしているの か、中程度参考にしているのか、それとも全く参考にしていないのか等々についてお聞き できればと考えております。  次に(2)、患者に対する治療方針の説明等での診療ガイドラインの利用の程度。こちらに つきましては、患者に対し説明の段階で診療ガイドラインを提示しているのかどうか、ま たそれをどの程度説明しているのか、大いに参考にしながら提示しているのか、中程度な のか、全くなのかという点を調査できればと考えております。  次に(3)、実際に参考としている診療ガイドラインの名称についてお聞きしたいと思って おります。私どもは現段階では、例えばMindsのガイドライン、これは日本医療評価機構 におきまして提示されているガイドラインですが、厚生労働省の研究費等で学会等で取り まとめていただいたガイドラインが1つございます。また、各専門の学会において取りま とめられたガイドラインもあるかと思います。また、欧米において使われているガイドラ インもあろうかと思いますので、その医療機関において具体的にどのようなガイドライン を使用しているのかをお聞きできればと考えております。  また(4)、参考としているガイドラインの選択基準。どのような根拠でこの診療ガイドラ インを選択しているのかを医療機関にお尋ねできればと考えております。  次に(5)でございます。診療ガイドラインに沿わない診療を行う場合の適否の判断方法に ついてお聞きできればと考えております。当然、医療機関においては、患者個々の状況を 判断しながら治療方針を決定していると考えておりますが、診療ガイドラインに沿わない 場合にどのような方法で決定しているのか。まず1つ目としては、病院として設置する委 員会での判断、つまり病院で正式に設置しているところで病院の責任で判断しているのか どうか。2番目といたしまして、この形態が最も多いかと思いますが、複数診療科による カンファレンスで総合的に判断しているのか、または単科の診療科ごとのカンファレンス で判断しているのか、それとも担当医師の独自の御判断で決めていらっしゃるのか、その 程度をお聞きできればと考えております。  次に(6)、患者及び職員が、診療ガイドラインを閲覧できる体制の整備状況。職員に関し ましては、図書館に閲覧できる状況にしているのか、またスタッフステーションに常時置 いているのか、また患者様に対しましては患者様の団らん室において診療ガイドラインを 閲覧できる体制をとっているのか、または診療情報室等で整備ができているのか等々につ いてお聞きできればと考えております。  次に(7)、クリティカルパスの作成及び利用状況についてでございます。これは主に院内 のクリティカルパスを考えてございます。こちらは診療ガイドラインと表裏一体の関係に あると考えておりますが、その医療機関において使用なさっているクリティカルパスの種 類、対象病名、また個々のクリティカルパスの対象となる患者様のうち、実際に適用とな った患者様の数等々についてお聞きできればと考えております。この(7)につきましては、 今回私どもが新たに提案させていただいた項目でもございますので、本日御議論いただけ ればと考えております。  次に(3)でございます。恐れ入ります、(4)となっておりますが、(3)の誤りで ございます。こちらの項目は、チーム医療に関連する項目でございますが、医師、歯科医 師、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士の人員配置についてお尋ねできればと考え ております。こちらは、参考資料IIの5の(1)、(2)に該当する部分でございます。こちら は3項目ございます。  まず(1)、医師を含む複数職種によるカンファレンス等をどの程度開催しているのか、ど の程度の人数で実施しているのか、職種はどのようなものなのかをお尋ねできればと考え ております。  次に(2)、病棟に勤務している薬剤師、管理栄養士、社会福祉士の人数でございます。こ ちらは、調査の実施の1週間における常勤で換算いただいた数をお調べできればというこ とで御提案してございます。  次に(3)でございます。こちらは、先ほど御説明した職種のうち、全勤務時間のうち病棟 に勤務している時間の割合をお尋ねできないかと考えております。こちらについては、具 体的な項目としては私どもはまだ考えている途中でございますが、例えば、9割以上病棟 で勤務している方が何人、6割程度の方が何人、3割以下の方が何人という形で、勤務状 況の把握は非常に難しいと思いますので、大ざっぱな状況ではございますが、何割程度か で人数を把握できればと考えております。これは、(2)と(3)を合わせて、実際のチーム医 療の進展状況を把握できればと思っております。  項目については以上でございますが、この調査はDPC対象病院及び準備病院に対する 全数調査でございまして、回収率もほぼ100%を見込める調査で、ある意味、医療機関 にとって非常に多大な負担をかける調査でございますので、記入者負担も考慮に入れなが ら、また今後実際に機能評価係数の御議論の中で活用されるということもございますので、 この点もお含みおきいただき、本日御議論いただければと考えております。  事務局からは以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ただいまの御説明につきまして議論を行いたいと思います。どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  ガイドラインを参考にしているかどうかという状況の具体的なイメージなんですが、例 えばガイドラインを作成したような先生がいるような病棟では、今さら参考にしなくても、 もう熟知している。それから、つくった先生がいなくても、ガイドラインは大体簡潔に書 いてあるので、常時同じような病気を診ている先生は、例えば平成21年版が出るとぱら ぱら見て、2、3日で全部、「ああ、分かった。今度はこのように変わったんだな」とい うことで、それ以上はもう開くことは余りないかもしれません。そういう状態というのは 参考にしていると言えるんでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 ○長谷川補佐  実は、この表現を「参考」としておりますのは、いろいろと議論を経た上で「参考」と しておりまして、当初は診療ガイドラインどおりの治療をしているかどうかをお聞きする のが適当かと思ったのですが、あくまで診療ガイドラインは、個々の患者さんの実態に合 わせて治療は実施されていると思いますので、そういう先生の御指摘の部分も含めまして ここは参考としておりますので、恐らく先生の先ほどの御指摘の内容については、そのド クターの先生は診療ガイドラインの内容を御承知の上で治療なさっているということで、 参考に入るのではないかと思います。 ○齊藤委員  なるほど。だから、あえてその本を見なくても、内容を熟知した人が診療していれば、 それは参考にしていることになるという意味ですね。 ○長谷川補佐  私どもはそう考えますが、本日御議論いただければと思っております。 ○西岡分科会長  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  今の齊藤先生の質問にちょっと関連するんですけれども、その(1)のところで「参考とし ている程度」という表現が、「程度」の定義ですか、どの程度だとよくて、どの程度が中 間でという、その辺を具体的に示さないと、実際に判定するほうで、自分たちはうんと参 考にしているつもりでもというのがありますね。その辺は客観的にはどんなクライテリア の中で考えていらっしゃるんでしょうか。 ○西岡分科会長  よろしいですか。 ○小山委員  変な質問をして、どうもすみませんでした。 ○長谷川補佐  非常に難しい問題だと考えています。私が先ほど御説明したのは、大いに参考にしてい るのか、中程度参考にしているのか、わずかに参考しているのかと、これはある意味、ド クター側の主観の面での判断でございまして、恐らくその医療機関がどの程度診療ガイド ラインを参考にしているのかというものを第三者が客観的に判断するのはなかなか難しい と思いますので、まずは、一番最初の調査としては、医療機関の主観でお尋ねすることが 適当かなとは思います。 ○小山委員  そうなったときに問題になってくるのは、その主観が係数になるというところです。係 数のなり方によっては、えらく右へ行ったり、左へ行ったりしてしまうと思うんです。そ の辺のところはどのような形で解決したらいいとお考えでしょうか。つまり、とても参考 にしているのがいい子だとすると、いい子はみんなこっちへ行ってしまうと思うんです。 それをあるレベルのところで担保するとなるとなかなか、調べられる医療機関の側もどこ に○をすれば一番いいかと考えますね。それをただ主観だけということになった場合に、 非常に難しいかなという気がするので、もうちょっと客観的なデータの集め方みたいなも のはないんでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○齊藤委員  例えば、僕が糖尿病学会の専門誌とか、それから糖尿病を多く診ている朝日生命成人病 研究所とか、そういうところの先生方はよく知っていますけれども、ガイドラインなどは 恐らく見ないと思うんです。それはもう百も承知で、それに基づいて診療しているという よりは、自分の頭の中にもうたたき込まれていて、今度はガイドラインのあそこを少し変 えないといけないなどと思いながら、すぐ1年、2年たったりするわけです。だから、そ れを参考にするか、反映させているかという水準のイメージがちょっとつかみにくいです ね。よほど適切な設問を立てないと、何を聞かれているのか、さっぱり分からないと。例 えば、僕も糖尿病の専門医で、毎日20人ぐらい糖尿病の患者さんを診ていますけれども、 ガイドラインというものはめったに見ないです。新しいインスリンが発売されたときに、 それがどういう格好で載っているかなどということを調べたりする程度で、あとはもう1 0年前、20年前に聞いたことが違った表現で書いてある程度ですから、そういう心情を どのように落とし込むかということではないかなと思います。それと同じようなことは、 外科学会の外保連の先生方なども、今度はもうそんなことは百も承知で、バリエーション でいろいろなものにこれから対応していくのが一番大事なんだということをよく伺います ので、ガイドラインというものを係数に落とし込むには、よほど適切な手順がないと、形 だけということになりかねないなという気がいたします。 ○山口(直)委員  まず、これは実態調査で、これが即係数になるというものではないということですね。 それをちょっと確認しておきたかったんですが。調査は、客観的に現状がどうかというこ とが分かるような調査が一番好ましいんじゃないかと思うんです。それで事務局でいろい ろお考えになった、そういう項目なんだろうなと思うんですが、調査の客体がどこにある かで回答の正確性とか意味も大分変わってくるんじゃないかと思います。それは、一番細 かくなるともう医師一人一人が調査の客体になるようなことも考えられますし、大きく見 ると病院全体でどうかといった質問、その真ん中ぐらいに各診療科でどういう態度で行っ ているかといったことで、恐らく医師の個人個人にこれを聞くのはちょっと大変過ぎてま とまりがつかなくなるなという感じがして、それから逆に、病院でどうかと病院の責任者 の院長先生とかに聞かれても、多分答えられないんじゃないかなと。ですから、恐らく診 療科のレベルでどのようにガイドラインを位置づけているかといった調査で一番落としど ころとしていいデータがとれるのではないかなという気がします。その上でそれぞれの質 問を見ると、少し診療科レベルで聞こうと考えると、具体的なイメージがもう少し湧いて くるのではないのかなという感じがします。 ○西岡分科会長  どうぞ、山口先生。 ○山口(俊)委員  今、委員の先生方が話したことに尽きると思うんですけれども、(1)から(6)までの中で、 客観的にデータをとれるのは(6)だけじゃないかと思うんです。ほかは皆、これは診療体制 について問うていることであって、診療体制の中でどのようにガイドラインが利用されて いるかということを問うているんだと思います。ガイドラインのとおりにやっていればい いわけではなくて、そういうものをチェックする体制があるか、つまり、手術する前にき ちんとそういうものは内科でも外科でもチェックされているか、終わった後にその結果に ついて内科も外科も見ているか、そういうことのほうが大事だと思うんです。ガイドライ ンはいかにも精緻にできていて、75歳で腎機能がこれぐらいだったらこの程度までやれ るとかということは決まっているわけでは全然なくて、まさに皆さんがおっしゃったとお り、自分の頭の中にみんな入っていることなので、今さらそれを守っているかと言われれ ばみんな守っていると言うに違いないので、なかなか難しいんじゃないかなと思います。 ですから、むしろ病院機能評価のときによく調査しますそういう体制のチェック、実際に どのようなカンファレンスが行われているかということをむしろ厳しく聞いたほうが正し いんじゃないかと思います。  それから、(7)のクリティカルパスは、表裏とちょっとおっしゃいましたけれども、ガイ ドラインの表裏ではなくて、これは治療方針が決まった後のプロセスとか、むしろマニュ アルに近いもので、やや性格を異にするので、もしやるとしたら、別な項目立てでやられ たほうがいいんじゃないかと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  客観的なものを選ぶというのは、私は全くそのとおりだと思いますので、(6)と、恐らく (3)もある程度具体的に出てくるのではないかなと思うんですけれども、これぐらいしか、 ちょっと客観的なデータというのがとりにくいのではないかなと思いますけれども。 ○西岡分科会長  伊藤委員。 ○伊藤委員  山口委員からは言われたんですけれども、最近のクリティカルパスというのはほとんど 診療ガイドラインに基づいてつくっているのかなという気がするので、患者さんが分かる ような形で、かつ診療ガイドラインというある一定の枠の中で治療されているということ を見るには、逆にクリティカルパスの実施数などを見るほうが、病院ごとの差ははっきり するし、情報提供もちゃんとされているということのあかしになるのではないかなとは思 います。 ○山口(俊)委員  恐らくガイドラインによって少し違うと思うんですけれども、例えば、胃がんのガイド ラインを見ても、術後のクリティカルパスを細かくやっていません。というのは、水を飲 ませるのが2日目がいいのか、3日目がいいのかということに関して、データは全然ない んです。それでは何日目に退院したらいいのか、これに関してもきちんとしたデータはあ りませんので、皆思うようにやっているわけで、そこまできちんとしたガイドラインは余 りないと思いますが、あればいいんでしょうけれども。 ○伊藤委員  ただ、そこは、ガイドラインがそこまでしっかりしていないというのであれば、逆にク リティカルパスのほうが、ガイドラインを参照しながら踏み込んで診療しているという意 味では、もっと一歩進んだ形になっているのかなと。もちろん、ガイドラインで規定して も、例えば手技が上手な人がいて早く退院させられる施設もあるでしょうし、一方ではそ れでは難しいので、ある程度長めにクリティカルパスをつくっているということもある。 そういったことが全体として反映されているのが施設ごとのクリティカルパスかなと思う ので、施設ごとの差を見るには適当な指標ではないかなと思う次第です。 ○山口(俊)委員  ですから、むしろ別立てにしたほうがいいんじゃないかなと思います。というのは、ク リティカルパスは、そうやってやってみて、それで患者さんがそれでいいかどうかという こと、あるいはどれぐらい外れるかということをそれぞれの施設で検討して決めているわ けです。例えばドレーン一つにしても、入れている施設もありますし、ない施設もありま すから、これはとても全国標準にできないという側面があって、診療ガイドラインとは、 その一部には違いないんでしょうけれども、重要であるがゆえに、むしろ別項目にして立 てたほうが分かりやすいんじゃないかなと思うのが私の意見です。 ○西岡分科会長  よろしいですか。どうぞ、山口委員。 ○山口(直)委員  今の話で、クリティカルパスについては、恐らく伊藤先生がおっしゃるように、診療ガ イドラインをベースにしてつくっているクリティカルパスは多分ふえてきているんだと思 うんですが、でもその実態はよく分かっていないところだと思うんです。それは、日常の 診療をパスに置きかえたというレベルのパスもあるでしょうし、そこはむしろ実態調査で すから、どの程度かといったことをまず調べてみてはどうかなという感じがしますけれど も、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、熊本委員。 ○熊本委員  (6)の閲覧できる体制の整備状況は客観的にできるというお話なんですけれども、ただ Minds等もインターネットで見られるわけです。だから、インターネットが見られる環境 であれば、提供しているという解釈も成り立つわけです。だから、そのあたりもなかなか 難しい。患者に閲覧できる体制というのは、それも本来、解釈によってはちょっと難しい 面もあるんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  齊藤委員。 ○齊藤委員  こういう調査は、それは調査をすれば何がしかのデータは集まるから、いいことはいい んですが、どういうデータが出そうだから、それをどういう格好で何に使う予定だと、そ ういう見通しがないと、ただどうなっているか調べてみましょうと。結局ぐちゃぐちゃで 使えなかったというんだと、書くほうの負担も非常に多くなるし、そういう使われ方のは っきりしない調査というのは、書くほうの人たちの協力を将来にわたって得にくいような ことにもつながりかねないので、このことがどうなっているか、こうなっていればこのよ うに使いたいと思うと、そのようなことをかなり絞り込んだ設問を立てられるのがいいと 思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  ガイドラインから変わって、救急医療のことでもよろしいですか。 ○西岡分科会長  はい、結構です。 ○相川委員  先ほどD−1の3の(1)、の救急医療の提供レベル等のところで、1次、2次、3次 の「いずれか」とおっしゃいましたが、「いずれか」というと、どれか一つを選ぶという ことになります。しかし、実際の現場では、1次と2次を扱っていたりすることも多いの で「いずれか」ではないような気もします。もう一つは、これはただ○をつけるのか。例 えば、場合によっては1次と2次に○をつけて、かつ常時に○をつけるといったことにも なります。それなのか、あるいはこの1週間程度の間に結果的に1次患者が何人、2次患 者、つまり入院あるいは検査をした患者が何人、3次と考えられる患者が何人といった数 量的な調査をしたいとお考えなのか、いかがでございましょうか。 ○西岡分科会長  よろしいですか。お願いします。 ○長谷川補佐  まず、確かに1次、2次、3次に関しては、いずれかというよりも、実際の医療現場で はいろいろまざって来られると思いますので、そちらは配慮できる質問項目に変えたいな と思っております。  また、人数に関してなんですが、入院なさる患者さんについては、私どもは様式1とE Fファイルで把握してございますので、数のほうは、入院される方についてはむしろ私ど もは把握する必要はないかなと考えております。一方で、外来のみでお帰りになる方につ いては、私どもで数は把握できていないんですが、その部分をこのDPCの中で評価する のかという、また前の議論に戻りますが、そことの兼ね合いになろうかと思います。 ○相川委員  救急の定義にもよりますけれども、時間外診療の算定あるいは救急車の搬入は把握でき ていると私は理解しているので、入院しない患者を除けば、それが1次になるのかなとも 思います。もう一つは、入院した患者の中で2次と3次がどうなのか。つまり、例えば救 命救急加算を受けない患者であっても、心肺停止の後で普通の集中治療室に入るといった こともありますし、集中治療室加算の算定対象になっていなくても、心肺停止で蘇生した 後に入院するという患者さんもあるので、ただ入院したところから把握できているという よりは、2次、3次に関しては、それをもし数量的に把握したい場合には、回答していた だいたほうが具体的になるのかなと。ただ、これも回答のために医療機関の負担がふえる ということもありますので、その辺のところは御検討いただきたいと思います。  それから、続けて関連事項でよろしいですか。 ○西岡分科会長  はい、どうぞ。 ○相川委員  今の(1)のことは了解いたしました。それから、(2)のところですけれども、これは夜間 勤務体制と書いてありますが、これは休日、それからいわゆる準夜、深夜等にも分けてと いうことでよろしいのでしょうか。夜間ということではなくて、休日の昼間も対応すると いうことでよろしいですね。そういう意味で夜間と書かれたということでよろしいですね。 ありがとうございます。 ○西岡分科会長  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  今の関連の(1)の(2)の体制のところですけれども、これは医師だけですか。医師の提 供体制だけですか。ほかは考えていない。 ○長谷川補佐  現段階では医師のみと考えておりましたが、必要であれば追加も可能ですので、御議論 いただければと思います。 ○小山委員  提供体制と言うんだとしたら、レントゲン技師だったり、検査技師だったり、あるいは 薬剤師だったりといった項目は、提供体制としては非常に重要だと思いますので、もしや るのでしたら、そこまでやったほうがいいのかなという感じはいたします。 ○相川委員  私もまさにその意見に賛成です。特に、放射線技師がいないとMRIの機械が動かせな いといったこともあれば、CTもそうですし、実際の診療の機能という点では低くなって おりますので、その辺。  それからもう一つは、夜間ということですか、先ほど言ったような準夜・深夜・休日等 における手術室の看護師の常勤体制なども重要なことです。つまり、緊急手術に対応でき る体制になっているのかどうかといったことも含めて、せっかくなら調査なさったらいか がでしょうか。これはそれほど負担にはならないと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  ガイドラインのことにまたちょっと戻りますけれども、ガイドラインの中身によっては、 診療報酬の収載されていないものがあるんです。例えば、日本高血圧学会が出した最新の ガイドラインでは家庭血圧を必ずやるようにというのがあるんですが、家庭血圧は今診療 報酬に収載されていませんので、ガイドラインを余り追求するとちょっと厚労省としては 自己撞着に陥る可能性もありますので、その辺も配慮して、診療報酬に認められていない ものにガイドラインをやれというのはおかしいじゃないかという意見が出かねませんので、 よろしくお願いします。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○原分科会長代理  ガイドラインに返りますけれども、(2)の(6)、患者及び職員がガイドラインを閲覧で きるというところで、例えば図書館等の整備とかとおっしゃられたのですが、職員は図書 館やインターネットを利用するのは非常に必要で、当然そうでなければならないと思いま すけれども、例えば患者さんがと言われた場合に、これから病院に行く患者さんはインタ ーネットなどで調べることができるんでしょうけれども、いったん入院した患者さんが、 例えば図書館に行ってぱらぱら患者用の本を見ることはできても、インターネットを操れ るなどというのはちょっと想定しにくいんですが、いかがでしょうか。というのは、糖尿 病などはインターネットも扱えるでしょうけれども、例えば脳卒中などの患者さんは、い くら整備をしても、もちろんフィジカルに不自由なこともあるし、メンタルにも若干の問 題があろう方がインターネットを扱うなどというのはとても考えられない。そうすると、 具体的に、非常に大きい字で書いたものを置いておくとか、そういうことも想定された上 でしょうか。というのは、一番先に「患者及び職員」と書いてありますから、患者さんを 非常に大事にされているというのは分かりますけれども、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○長谷川補佐  実は先ほど御指摘の点もむしろ診療ガイドラインの御議論からスタートしたものだった んですが、要は、患者さんにとって自分の病態の説明をどのような形で受けるのかという ことと表裏一体の中に含まれているのかなと考えております。あくまでここでお聞きした いのは診療ガイドラインに関してでございますので、要するに、御本人が難しいのであれ ば、御本人の御家族とかが院内で診療ガイドラインをどの程度把握することができるのか、 そういう体制を今回実態で把握できればと考えている次第でございます。 ○西岡分科会長  では、山口委員。 ○山口(俊)委員  (3)と(4)ですけれども、参考としている診療ガイドライン名称、それから参考としてい る診療ガイドラインの選択基準というところがありますけれども、これは本来逆さまで、 厚生労働省が参考とすべきガイドラインの選択基準を示して、こういうものにのっとって やりなさいというのが本来であるので、これを聞いてもしようがないんじゃないかと思う んです。例えば、ガイドラインというのはいろいろありますから、外国にもたくさんあっ て、ではどれを選んだらいいかとか悪いかとかということを示さないままそれを問うても、 余り意味がないんじゃないか。  それから、病院機能評価のときに、ガイドラインをつくるようにという指示があって、 各病院で恐らくいっぱい出ているガイドラインを参考にその病院にフィットした形でのガ イドラインをつくっていると思うんです。ですから、そういうものを患者さんが見られる ようになっているかとか、そういうことを評価していただいたほうがいいんじゃないでし ょうか。原先生がおっしゃったように、ウェブは、一部の人は確かに見られますけれども、 病棟にいる我々自身、ウェブを頻繁に見ることは余りなくて、ガイドラインなどはちょっ とした冊子ですから、そういうものがきちんと整備されているかということ、それが患者 さんの目に触れるところにあるかということを調べることのほうが、実態を調べる場合に はいいんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、木下委員。 ○木下委員  今のガイドラインの件でありますけれども、DPCの支払い方式をとっている病院、急 性期病院の基本というのは、いずれは究極のクリティカルパスをつくっていくような方向 性であると思います。基本的には。なるべく無駄なく診断し、最も適切な治療をしていく となれば、究極はそうなるはずです。相手はそれぞれ異なる患者さんではありますが、大 部分のケースは、それでも通用するはずです。その意味では、クリティカルパスというの は、今、山口先生がおっしゃったことも含めまして、いろいろバラエティーがあるにして も、基本的な、つまり標準としての治療方針・診断指針にのっとったことをしていけば、 理論的にはクリティカルパスで通るということになるはずです。でも、実際はそうではな いだけに、そんなことでいいのかなという思いがあります。つまり、患者の異なる経過と か、医師の裁量権とか、クリパスのバライアントは30%近くあります。しかし、この仕 組みの考え方はクリティカルパスの方向性だろうと思いますので、先ほど伊藤先生がおっ しゃったように、結論的には、診断のガイドラインをエッセンスとしたものがクリティカ ルパスですから、指標としては大事な指標になると思います。クリパスを使用しないで自 由にやっていても、結局、標準にのっとって診断や治療を行えば、クリパスと同じことを することになるはずです。したがって、その意味合いとしては、調査した上で、それと連 動するかどうかを調べた上で、それをどう使うかはまた考えればよいと思います。先ほど 伊藤先生がおっしゃったことはもっともなことで、DPCの方式は、究極のクリティカル パスを我々はつくっているんだと、ということだと考えています。それがいいかどうかは また別問題でありますけれども、そのくらいの視点で我々はこの仕組みについて考えてい かなければならないと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。このクリティカルパスを調査するということに関しては、皆さ ん、御異存はないだろうと思います。ちょっとこの項目がガイドラインのところの7番目 に出てきたというところで少しひっかかっておられるのかなと理解しているのですが。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  さっき(6)のことが話題になったんですけれども、「患者及び職員」として合わせて調査 するよりも、この場合だったら「患者が」にしたほうがすっきりするのだろうと思います。 なぜかというと、(3)のところに「実際に参考としている診療ガイドライン名称」、これを 参考としているのは医師側ですから、患者の視点で見るというのは(6)に置いておくという ので、大分すっきりするんじゃないかなと思います。  それから、(7)のクリティカルパスなんですけれども、これは、診療ガイドラインと、 (5)のところにある複数診療科によるカンファレンスなどで判断しているということとかぶ さって存在しているんだと思うんです。だから、これも少しスリムな質問といいますか、 (5)と(6)を合わせて、診療ガイドラインをもとにしてクリティカルパスをつくっているの かどうかといった格好でされれば、非常にはっきりするのではないかと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、熊本委員。 ○熊本委員  ちょっとクリティカルパスも話題になっていますけれども、ただ、もちろんクリティカ ルパスの現状を知りたいということでの調査だと思うんですけれども、クリティカルパス 自体は、DPC病院としてはかなりいろいろな意味で導入が盛んにされているわけです。 今この調査自体は機能評価係数のいろいろなデータを集めようということでやっています から、その診療ガイドラインとクリティカルパスがくっついてやられるというのはちょっ とどうなのかなという思いを持ちます。クリティカルパスが現実にどのようにされている かということは、DPC病院の中でどう位置づけ、また患者もそれに対してどういう意見 を持っているか、そういった調査等にはかなり重要性があって、意味があると思うのです けれども、クリティカルパスの実態を機能評価係数と結びつけて、なおかつ診療ガイドラ インと結びつけてやられることに関しては、本来のクリティカルパスの役割とはちょっと 違ってくる可能性もあるんじゃないかなという思いを持ちます。それは結果に対してもで す。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  研究班ではクリティカルパスを参加施設から集めて分析するという作業を過去3年ぐら いやってきているんですけれども、基本的にはクリティカルパスもばらばらです。実際、 まとめるという作業は非常に難しいというのが現状です。僕は、実はクリティカルパスが 日本に導入されたぐらいから学会にずっと出ているんですけれども、この十何年間で何が 起こったかというと、クリティカルパスの博覧会になっているような状況で、どんどんい ろいろなクリティカルパスが出てきたというのが日本の現状だろうと思います。また、D PCが入ってから、クリティカルパスは、当初の目的としてはどちらかというと診療報酬 の標準化とアウトカムの最適化だったと思うんですが、DPCが入ってきてからそこに利 益の最適化というのが入ってしまったために、少しゆがんでしまっているような部分もあ ると考えています。そういう意味では、どのようなクリティカルパスが入っているかとい うことを評価するのも、種類を聞くぐらいでいいのかなと思います。ただその一方で、も しガイドラインとクリティカルパスをつなぐものがあるとすれば、それは患者用のパスだ ろうと思います。患者用のパスというのは、大体どこでも病態を最初に説明して、とのよ うなプロセスで治療を受けて、どういう状態になったら退院するといったことが大体すご く丁寧に書かれています。ですから、この中で調べるのであれば、ぜひ患者用のパスがど のくらいつくられているのか、それがどのように適用されているのかということを調べて いただけるといいのかなと思いました。実際に研究班では今少し自分たちでDPCのデー タを使ってガイドラインを検証したりしているのですが、急性胆嚢炎とか急性胆管炎のガ イドラインを患者さんが読むという状況は僕には想定しにくいんです。何が書かれている かということはほとんど分からないだろうと思いますので、そういう意味ではちょっとど うなのかなというのがあります。  あと、救急のところなんですけれども、先ほど相川先生が言われたみたいに、僕も1次 患者、2次患者、3次患者がどのくらいなのかという調査をしたほうがいいように思いま す。1次救急、2次救急、3次救急というのが実態としてもう合っていないというか、2 次レベルの救急をやることになっている患者さんのところにも3次の患者さんは来ていま すし、3次救急をやるべきところにも1次患者、2次患者さんはたくさん来ていますので、 そういう意味では、実態を調べてみれば、1次患者、2次患者、3次患者というところを、 特に1次患者を小児と成人に分けて見ていただくことがいいのかなと思いました。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○木下委員  今のお話は大事な御指摘をされたと思います。クリティカルパスが千差万別だというこ とは、言いかえれば、どの診療ガイドラインを使うのかという一定のものはないというこ とと同じだと思います。その意味で、ガイドラインに基づいてなどということではなく、 自分勝手に自分たちにとって便宜のためにクリティカルパスをつくったりしているのであ れば、そのような事実を伺うだけでも、この診療ガイドラインに基づいて診療体制を確保 しているということにはならないこととなり、こういった調査をすることは無駄なことに なるのではないかと思われます。しかし、それでも調査をするのであれば、今のお話は大 事な話だと思いますので、もちろんそういったことを理解した上で調査し、データをその 目で評価すればいいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○松田委員  少しきちんと説明しないといけないと思うんですが、クリティカルパスの中にはガイド ラインで示されている重要な項目がちゃんと入っていると思うんです。ただ、それをどう いうタイムスパンでやるかというところに非常にばらつきが出ているということがありま すし、それから後方病院があるところとないところでは、おしりのところがかなり変わっ てきますので、そういう意味ではばらつきが出てきているんだろうと考えます。あとは、 そういう意味で、ガイドラインそのものを否定するということよりも、もしかするとこれ はMDC別の検討班にお願いしたほうがいいのかもしれませんけれども、例えば、ガイド ラインの適用状況といいますか、ガイドラインを評価する上での項目みたいなものを定義 していただいて、それはアグリーというのがありますけれども、アグリーの21番目で大 体ガイドラインというのはどの項目でモニタリングするかということが国際的にはやられ ているようなんですけれども、各診療科において、例えばこの診療においてどういうプロ セスをチェックするのかということを何か定義していただいて、その実態がどうなってい るかということを調べるということで、ガイドラインとクリティカルパスの両方を検証す るということは可能ではないか。それをやっていただければ、EFファイルのほうからと れるような項目がほとんどだと思いますので、ぜひそういう形での検証も検討していただ けたらと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○池上委員  ちょっと操作的なことを考えますと、診療ガイドラインにしろ、クリティカルパスにし ろ、特に大きい病院の場合は診療科によって取り組みがいろいろ異なると思いますし、な じむ診療科と非常になじみにくい診療科があると思います。それを最終的に病院としての 係数を出すとすると、どういう形でそれを重みづけして、そして総合的な指標とするかと いうことも一方において考えておかないと、いろいろな貴重なデータは得られたけれども、 では実際にどう活用するかという課題に帰着してしまいますので、イメージとして、今回 はベースラインを決めるといいますか、ベースラインを把握するための調査と伺っており ますけれども、総合指標化ということはどのようにお考えになるのでしょうか。 ○西岡分科会長  これに関しまして……。どうぞ、松田委員。 ○松田委員  多分、今までの委員の先生方の御意見を伺っていると、使っているか、使っていないか、 ガイドラインの範囲、定義が施設によってすごくばらついてしまう可能性があると思いま すので、それを数値の大小に置きかえて、それに係数をつけるということは、ちょっと難 しいように思います。むしろ、どういうガイドラインをどのように使っているのか、どう いうクリティカルパスをどのように整備してどのように使っているのか、そういうものを 公開する、そのことを評価するという方向でいいんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  はい。 ○池上委員  それにしても、公開の程度として、例えば、外科は公開しているけれども、内科は公開 していないとか、いろいろな組み合わせが可能であるわけですので、公開にしても総合評 価しないといけないと思うんですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。 ○松田委員  MDC別に、どういうガイドラインがあって、どういうクリティカルパスを使っている かということを列挙するだけでよろしいんじゃないでしょうか。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。事務局、これに関しては何か御意見はございますか。お願いしま す。 ○宇都宮企画官  今のどのような評価につなげるかというお話ですけれども、まず、我々としては、今ま で出てきた議論の中で、この参考資料の黒丸の(1)、(2)、(3)、ガイドラインを明示して、 治療方針の説明を行っているかとか、委員会が設置されているかとか、そういう実態を把 握した上で、どのようなものができるかということを考えていきたいと思ったわけでござ いますが、確かに、先生方から御指摘があるように、非常に内容的にもばらつきがあるん じゃないかと思うんです。実際に把握したところ、そういうものが大変ばらついていて、 これはある一定のものでまとめられないということであれば、今、松田先生がおっしゃっ たような公開というものを評価するということもあるのかなということであります。この 標準化については、昨年12月にDPCの在り方について、再評価というか、議論をした ときに、標準化について、医療の標準化や医療の質の向上など、より総合的な視点からの 検証・分析が必要であるという結論も最終的にいただいていますので、そういった標準化 の観点からのDPCという視点も当然必要であるということも踏まえて、この係数のとこ ろに残っているのではないかなと我々としては認識しております。  それから、先ほど池上先生が、外科は公開しても、内科は公開していないという場合と か、そういうことをおっしゃいましたが、機能評価係数については、基本的にこれまでの 合意で病院全体としての評価ということになると思いますので、各診療科ごとにばらばら とか、そういうものは単純に考えれば余り評価できる話ではなくて、病院全体としてどう いう体制をとっているかということではないかと理解しております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、山口委員。 ○山口(直)委員  元の議論に戻ってしまうようなことなんですが、(1)の「参考としている程度」というの は非常にあいまいもことしているのではないかという御意見がありましたが、私も、もう ちょっと厳密な取り決めというか、客観性があったほうがいいのではないかと思います。 その中で、参考にしていないというのが、正当な理由といいますか、まずガイドラインと いうのはすべての疾患にあるわけではないので、そもそもガイドラインがないということ が大いにあり得ると思います。それから、前にも議論がありましたが、臨床試験等々で研 究的な治療を行っている場合には、当然それは参考にできないということだと思いますし、 その辺、参考にしていない場合の内訳ですね。その中の一つで、個人的な立場や意見とし て「ガイドラインはけしからん」と言って使わない方ももちろんおられるんだろうと思う んです。それから、ガイドラインを参考にするというのは、何か短絡的にガイドラインに 従えばいいと考えられてしまうと、むしろ弊害ではないかと思いますので、参考にした上 で従っているパーセンテージは、アメリカなどの調査ですと大体6割ぐらいだろうという こともありますし、これは100%がいいということでは決してないので、参考にした上 で従ったパーセンテージ、結果的に従わなかったパーセンテージは一体どのくらいかとい うことを厳密に数値として把握したほうがよろしいのではないかなと思います。 ○西岡分科会長  それはものすごく負担を強いる調査になってしまうと思います。おっしゃっている意図 はよく分かるんですが、それを調査するには医療機関の負担が大き過ぎるように思います が。齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  私どもの病院は最近、いわゆる病院機能評価機構の調査を受けたわけです。そうします と、会議の議事録がとってあるかとか、院内の表示板が明示してあるかとか、医療安全対 策が十分かとか、病院として大事な機能が列挙してあるわけです。そういうことの中の一 つに、ガイドラインとか、そういう文書が出やすいところにあるかと、10から20ある ような項目の中のワン・オブ・ゼムなんです。そうすると、確かに病院機能評価係数とい うのは、質の高い病院に高い係数がつくという総論は分かるのですが、あえてここでガイ ドラインとかクリティカルパスというものだけがひとり歩きして、病院の高い機能を反映 しているんだということについては、ちょっと解せないものがある。やや唐突な感じがあ るんです。病院の高い機能を裏づける活動というのは非常にたくさんあるわけです。事故 が起こったときの連絡体制が行き届いているかとか、10、20とあるわけなので、その 辺、何か唐突感が若干否めないということが率直な感じです。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○小山委員  言い出しっぺで山口先生に申しわけないんですけれども、私は余り適当なのはよくない という話をしたんですけれども、今議論していく中で、もう一回原点に戻ってみると、な ぜこれを入れたかというと、もうちょっとざっくりした形でもって、これを守ったからい いとか、守らなかったから悪いということよりも、これを念頭に置いて治療しているかと いうことが大事だということであれば、余り事細かいことを言わないで、この項目につい てはざっくりしたことだけで、基本的には診療ガイドラインを頭の隅に置きながら治療し ていくということが大事なんだと、それをしている病院に対して評価しようというだけだ としたならば、余り何%守っているか守っていないかという細かいことよりも、もうちょ っとざっくりしたとらえ方でやれば、この項目に関しては。それで、パスのことに関して も同じで、パスというのはどちらかというと、僕らの外科の頭からすると、ガイドライン の頭というのは、心臓で言うと、例えばこの患者さんはバイパスをしたほうがいいのか、 PCIをしたほうがいいのかというときに使うのがガイドラインというイメージが強いん です。術後に関してはもう大体同じような経緯でいっているので、だから診断するところ のガイドライン、それから術後のところと分けてきたりなどすると、余り細かくやってし まうとあれなので、もっとざっくりで、そのように回っているガイドラインを頭に置きな がら診療しているかということを評価するというのであれば、この項目で全く問題ないん じゃないかな、余り深くほじくらないほうがお互いに幸せなんじゃないかなと思うんです けれども、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ。 ○熊本委員  今も齊藤先生や小山先生がおっしゃいましたように、負担ということも考えないといけ ないということで、この診療ガイドラインは確かに、そのプロセスがどうかということよ りも、ストラクチャーというか、そういう体制でちゃんとやっているかということだけを 見ようとしたわけですから、私はもっとこれよりもシンプルなほうでもいいんじゃないか なという思いを持ちます。そういうことをしないと、単にかなり負担がかかった割にその データを解釈するに当たってもなかなか難しい面が残るだけじゃないかなと思いますから、 もっとシンプルでもいいんじゃないかなという思いを持ちます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  相川委員、最後に。ガイドラインはこのあたりで終わりたいと思いますが。 ○相川委員  ガイドラインについて私も前に申し上げたんですが、ガイドラインというのは、多くの 医療機関が守っていけば、かなりいいレベルの診療ができるということ。それを余り逸脱 すると、現在の医療のレベルあるいはエビデンスのレベルから診療がうまくいかない可能 性があるということでできていると思います。そうしますと、特に大学病院などのように、 ガイドラインには書かれていないような複雑な病態の患者さんが多く来る病院、あるいは 治験や新規の治療法、つまりガイドラインをさらに進歩するために新たな治療法を検討し なければいけない病院は、どうしても、ガイドラインと違うことをやらなければいけない ということが随分あるのではないかと思います。ですから、ガイドラインを守ることある いは参考にする率が高ければ、それが病院の機能を反映するということになると、先ほど 言ったような高度の医療あるいはガイドラインには分類されないような病態の患者さんが 来た場合に困るということもあるので、その辺のところはぜひ調査をした上で、実際にそ のようなものがどのぐらいあるか、例えば大学病院なり、病床数などによって準拠率で逆 の方向が出るようなこともあり得るのかなと思いますので、その辺のところも調査結果を 見て、将来、機能評価係数に反映するときに考慮していくべきと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ガイドラインに関しましてかなりいろいろ御意見をちょうだいいたしましたが、これは また……。どうぞ。 ○宇都宮企画官  今の相川先生あるいは先ほどの齊藤先生のお話に少しお答えするような形でお話しさせ ていただきたいと思います。先ほどもお話ししましたけれども、DPCの評価の中で標準 化についてどうするかということが1点。それから、今後この機能評価係数を考えていく 上で、以前からお話ししていますが、高度急性期を扱うような大病院が評価されるような 係数も当然あるでしょうが、そうではなくて、地域で急性期を担っている中小病院に対す るそういうものがとれるような係数もあるでしょう。そういうことを考えたときに、まず 一つは標準化という観点、それからもう一つは、当初始まった82の特定機能病院や14 4の大きな病院という段階ではなくて、もう今年度は1,283病院、大変小さな病院も 含めて、あるいはケアミックスの病院も含めて入っている中で、つまりそういう病院は大 学病院の機能とはまた違っていて、むしろコモンディジーズ的なものをたくさん見ている と思うんです。そういう病院についての機能評価の仕方というものも考えなければならな いのではないかなと。そういうバックグラウンドでこういう標準化あるいはガイドライン といった話が出てきているのではないかと我々は理解してございますので、決してこれを 特定機能病院に当てはめようとかという話ではなくて、現在かなりDPCの状況が変わっ てきている中で、どういうものが評価できるかと。そのためにまず調査をしてみて、使え るか使えないかというのは実際に結果が出てみないと分からないんですが、そのようなス タンスであるということは御理解いただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  まだガイドラインですか。もうガイドラインをやめたいんですが。 ○酒巻委員  違う話です。 ○西岡分科会長  では、ガイドラインに関しましては、この項目で調査するということ自身には皆さん御 異存はないと思います。それを即係数にするかどうかというところが一番の問題になって おりますので、そうではなしに、この内容に関しまして事務局のほうで再度具体化してい ただいて、調査を実施する方向に持っていかせていただきたいと思っております。まず、 ガイドラインに関してはこういうことでよろしいでしょうか。  まだもう一つ残っておりますが、どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  最後の(4)、(3)ですか、調査期間を1週間程度に区切ると言われていて、ここの (3)に挙げたものについては、ある一定の期間での開催数あるいは医師数とかの人数と お考えのことでしょうか。また、(1)については指定の1週間ということになりますと、そ の期間の開催としては非常に限定されるんですけれども。 ○西岡分科会長  どうぞお願いします。 ○長谷川補佐  (2)、(3)については、1週間に限定しまして調査をして状態を把握したいなと、調査さ れる医療機関にとっては大変な負担になると思いますので、そのように考えています。(1) については、カンファレンスなんですが、このカンファレンスは月に1回の開催等々で偶 然この週に当たらなかったこと等も考えられますので、そのあたりは考慮して質問を考え たいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○佐藤委員  (3)についてでございますが、病棟に勤務している薬剤師等の人数関連での特別調査 について御配慮をありがとうございました。私は薬剤師ですので、薬剤師に関しては、な るべく関係各位に遺漏なく全面的に特別調査への協力といったことを徹底したいと思って おりますが、実はそこで日本病院薬剤師会でも以前、6月8日ですか、一応御報告申し上 げましたが、この医療の変革に伴って薬剤業務の変遷というのを、毎年この時期にいろい ろな多項目にわたって病院の現状の調査を行ってまいっております。それで、今回、病棟 業務というものに対して特別調査をしていただくことになったということでございますが、 多分いろいろな病院等の負担で調査項目にも限りがあるということでございますので、日 本病院薬剤師会としては、例年やっておりますので、別途病院薬剤師の業務分析をして今 後の参考にしていただくということも考慮して、今回の特別調査の項目に加えて、この前 議論のありました薬剤師管理指導業務とか、あと基本問題小委員会でも何か御意見の出た 注射剤の無菌調製業務でしょうか、そういう項目等を合わせたものをして、今回の特別調 査と同じ時期、期間、7月末で1週間ということでございましょうか、それをDPC対象 病院とDPC準備病院に対して一体的に調査したいということも申しておりますので、そ れについて、できた段階ではまたいろいろ御参考にしていただきたいと思っています。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ。 ○小山委員  この前のヒアリングのときにこの病棟配置のことについて非常に多く出たのが、MEの 方も出ていましたね。これは今回の対象にはならない予定ですか。けっこうMEの数が多 くて、ヒアリングの中でもそれが非常に有効だといったことを言っていましたが、その辺 はどうなんでしょうか。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○長谷川補佐  こちらに挙げさせていただいているドクター、薬剤師等々、社会福祉士については、こ れまで御意見をいろいろいただいた中で、主にいただいた中で選ばせていただいたもので ございまして、必要があれば、委員の先生から言っていただければ、追加可能でございま すので、御意見をいただければと思います。 ○小山委員  この前のヒアリングの中でよく出ていたのは、確かに薬剤師とMEと、あとソーシャル ワーカー。この社会福祉士というのはソーシャルワーカーのこと、MSWのことですね。 ○長谷川補佐  ソーシャルワーカー、MSWのことです。 ○小山委員  それは入っているんですね。臨床工学技士も非常に重要な位置を占めていると思います ので、ここら辺もできれば入ったほうがいいかなと思います。 ○西岡分科会長  ほかに。どうぞ。 ○酒巻委員  この勤務というのは、何か特定の状況によって勤務ということになるんでしょうか。つ まり、そういう何らかの配置が、例えば何々病棟ときちんと決められているとか、そうい う裏づけがあっての勤務と定義するんでしょうか。 ○長谷川補佐  ここで申し上げている勤務でございますが、私どもは、病棟において病棟で実施すべき 業務を行っているものをここの場での勤務と考えております。 ○酒巻委員  病棟で実働があるということでいいわけですか。 ○長谷川補佐  はい。 ○小山委員  それともう一つ、病院全体のチーム医療ということもかなりヒアリング等で出ていまし たね。いわゆる褥瘡チームとか、あるいは栄養サポートチームとか、そういうほうは今回 調査対象に入れないんですね。 ○長谷川補佐  まず1点として、調査の負担度合いがありますので、極力絞らせていただいたと。絞り 込みの観点から言うと、この調査はDPC対象病院の調査でございますので、例えば栄養 関係とか食事関係については、全体出来高の中でも評価されておりますので、そちらはそ ちらで御議論いただけるものと考えておりまして、今回は絞り込んでおります。 ○辻村委員  1点質問ですが、(3)の(1)、これは院内の職員に限るのか、あるいは病院の外の、例 えばお医者さんが来てカンファレンスするとか、そういうことを想定しているのか、いか がでしょうか。 ○長谷川補佐  ちょっと難しい御質問だと思うんですが、今回については病院内での職員ということで 考えておりますが、当然、院外から来られた方のチーム医療を否定するわけではないんで すが、今回調査できる範囲で調査させていただきたいと考えております。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○宇都宮企画官  要は、院内のこういった職種の人がいればいいということであって、そこに院外の方が まざってもまざらなくても、別にそれはオーケーということではないかと思いますが。 ○西岡分科会長  それでは、この3つの項目に関しまして調査をやらせていただくということでよろしい でしょうか。それから、具体的な質問に関しましては、再度さらに事務局と私のほうとで 検討させていただいて、できるだけ早い時期に調査に入らせていただくということでよろ しいでしょうか。はい、どうぞ。 ○宇都宮企画官  ちょっと確認させていただきたいんですが、(1)の救急について、我々としては、体 制についての調査と思っていたんですけれども、先ほど患者数についてもというお話がち ょっと出たかと思うんですけれども、この辺はいかがいたしましょうか。患者数まで問う たほうがいいのかどうかとか……。 ○小山委員  けれども、この1の(1)から(3)は患者数じゃないんですか。 ○相川委員  まず私がちょっと患者数と言い出したので、私の意見をもう一回言わせていただきます と、ある施設が、救急医療の提供のレベル等という質問で、1、2、3、どれでもやって いるものはすべて○をつけてくださいと言われると、かなり○がついてしまう。けれども、 実際には2はほとんどやっていないところとか、あるいは実際には3もほとんどやってい ないけれども、3次まで○をつける施設もあり得ると思います。例えば1カ月に1人でも 3次の患者が来る程度でもそこが○をつけた場合に、それを否定しにくいと思います。で すから、ある程度こちらで1次・2次・3次を把握できるところもある。1週間の調査で 大変ですけれども、かなりのところは把握できるわけですから、それで見て、全体をどう いう方法でやるかは、例えば自分のところは3次救急もやっていると称しているところに 関しては、実際の3次患者が統計的にみて逸脱して少ない場合には、3次をやっていると 称しても、これはやっていると認定しにくいというところもあるでしょう。実態が出てく るんじゃないかと私は思うんです。余り大変だったらいけないけれども、コンピューター で解析すれば実態をかなり出せるんじゃないですか。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○宇都宮企画官  そうしましたら、例えば1次レベルの患者が何人ぐらい、2次レベルが何人ぐらい、3 次レベルが何人ぐらいという聞き方でもよろしいですか。 ○相川委員  まさに私はそれを考えていたんですが。 ○宇都宮企画官  それは、外来も含めてという意味ですか。 ○相川委員  2次はもう既に外来だけではなくて、1次が外来ですから。2次は入院あるいは検査が 必要、3次は入院ですね。 ○西岡分科会長  はい。 ○松田委員  研究班調査でも、過去4年間、10月1カ月間、1次患者数、2次患者数、3次患者数 という形で記載していただいて、ほとんど漏れなくやっていただけていますので、多分患 者数を1週間で聞くということは余り大きな問題にならないだろうと思います。ただ、私 たちのほうで把握できなかったのは、1次患者については年齢が分からないのと傷病が分 からないので、そういう部分がちょっとネックになりますけれども、年齢別にどのくらい の1次患者がいるのかということぐらいは多分調べておいたほうがいいのかなと思います。  あと追加でお願いしたいのは、多分産科救急をやる場合には、その病院がいわゆる正常 分娩をどのくらいやっているかというデータもないと、なかなかその評価が難しくなりま すので、分娩数だけは聞かれたほうがよろしいのかなと思います。 ○西岡分科会長  よろしいですか。今簡単に言ってもらった部分ではできそうだということなんですが、 負担の程度がどうかということが問題になりますので……。はい。 ○長谷川補佐  先ほどいろいろ御提案いただきましたが、記入者負担の度合いもございますので、最終 的には、西岡先生と十分御相談の上で、可能な限り先生方の御意向を反映させる形の調査 票にしていきたいと考えております。 ○西岡分科会長  では、そのようにさせてください。よろしくお願いします。それでは、一応整理いたし まして、できるだけ答えやすい形の設問にさせていただいて、調査のほうに進めたいと思 っております。  では続きまして、もう一つの議題でございます、DPCにおいて今後検討すべき課題(2) の議論に入りたいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○長谷川補佐  それでは、資料D−2をごらんください。DPCにおいて今後検討すべき課題(2)でござ います。こちらは、前回で御議論いただきました課題のうち、さらに御議論を深めていた だくべき案件について取り上げました。  まず1番、高額薬剤等の取り扱いについてでございます。前回、抗がん剤と血友病等の 薬剤について御指摘がございましたので、この部分を大きく2つに分けて整理してござい ます。高額薬剤の評価については、これまでは診断群分類のツリーをふやすことで対応し てまいりました。これまでDPCの評価方法について、出来高での評価も含めまして、さ らに検討を行うべきとの前回の御指摘でございました。今回、お薬の性格上で大きく2つ に分けてございます。1つは診断群分類で評価することが可能な場合、もう1つは(2) の診断群分類で評価することが困難な場合、この2つに分けて対応案を御相談したいと考 えております。  まず1つ目、診断群分類で評価することが可能な場合でございます。高額薬剤を使用し た場合の診断群分類について、例えば高額薬剤を出来高で評価するとした場合の取り扱い ですが、高額薬剤を使用した場合の診断群分類のツリーがこの場合には削除されますので、 高額薬剤を使用しない患者と同じ診断群分類で評価されることになります。つまりは、従 来は高額薬剤を使用した場合のツリーがございますが、それがなくなりますので、高額薬 剤を使用しない患者と同じツリーになってしまうという問題でございます。しかし、高額 薬剤を使用する患者と使用しない患者では、在院日数等に大きな差異がある場合もござい ます。  こちらは別紙をごらんください。お手元にA4判横表でつけてございます。これは現在 の点数表から取り出したものでございますが、実は高額薬剤を使用した群と使用していな い群では、在院日数に関して大きな違いがございます。まず一番上でございますが、脳梗 塞の場合に、エダラボンという脳梗塞治療薬を使用していない場合と使用した場合で入院 期間等々がどの程度異なってくるかというものでございます。平均在院日数の部分を見て いただきますと、入院期間に大体2倍程度の違いがございまして、そもそも患者群が異な っております。また、胃の悪性腫瘍にも同様の傾向が見られますし、その3つ目のクロー ン病で、治療薬でございますインフリキシマブに関しまして、こちらは抗ヒトTNFαモ ノクローナル抗体でございますが、こちらについても大きな在院日数の差があります。ま た、4つ目の関節リウマチに関しましては、在院日数は逆転現象を起こしておりまして、 薬剤を使うほうが在院日数が短くなっております。あと子宮頸がん、多発性骨髄腫、再生 不良性貧血等々がございますが、これらについて、そもそも患者さんの対象群が異なって いるということがお分かりになる図表かと思っております。  再びこちらのD−2のほうにお戻りいただきまして、このように大きく群として分かれ ておりますので、このような場合、仮に高額薬剤のものがなくなりまして一本化した場合 ですが、同じ診断群分類のツリーで評価することは適切ではないのではないかと考えてご ざいます。そこで、対応策でございますが、このため、高額薬剤を出来高で評価すること としても、結局、高額薬剤を使用した場合と使用しなかった場合でツリーを分けざるを得 ないのではないか。このことを考慮すると、このような場合には高額薬剤を出来高で評価 する必要はそもそもなくなってしまうのかなというのが、私ども事務局の考えではござい ます。ここは先生方に御議論いただければと思っております。  次に2点目でございます。こちらはツリーで分けることが難しい診断群分類でございま す。こちらについても御議論いただければと思っております。例えばHIV感染症や血友 病でございますが、慢性的に高額な薬剤を投与しなくてはなりません。他疾患の治療のた めに入院し、他疾患が医療資源を最も投入した傷病名となった場合には、HIV感染症や 血友病等の高額薬剤の費用が十分に反映されていないという指摘がございます。また、逆 のパターンもございまして、他疾患で入院されたとしても、HIV感染症や血友病が医療 資源を最も投入した傷病名となった場合には、他疾患の費用等が十分に反映できないとい うものもございます。このような場合については、他疾患の個々の診断群分類に、例えば HIV感染症や血友病等の高額薬剤による分類をツリーとして設定することは、すべての 項目においてツリーを分けなければなりませんので、非常に難しい。この場合にはどのよ うな対応をすべきかを御議論いただければと思っております。例えばでございますが、こ のように分けることが難しい例では、HIV感染症や血友病に関する薬剤については外に 出して出来高で評価するというのも一つの考え方かと思っております。  次に、2番の人工腎臓でございます。こちらは、先ほどの1の(2)と似た状況でござ いますが、人工腎臓を実施する慢性腎不全では、人工腎臓の費用が大変高額でございます。 この場合、他疾患の治療目的で入院した場合であっても、入院期間中に人工腎臓を実施い たしますと、医療資源を最も投入した傷病名が慢性腎不全となるケースが多々ございます。 このことによって、支払い及び統計データとしての問題が生じているとの指摘がこのDP C評価分科会においてもありました。一方で、他の疾病が医療資源を最も投入した傷病名 となった場合には、1の(2)と同様に、診断群分類では人工腎臓の費用が十分に評価さ れないことがあることも指摘されております。これについても、1の(2)と同様に、対 応を検討すべきということで、先生方に御議論いただければと考えております。  次に裏のページでございます。最後の項目でございます。3番、「新たな機能評価係 数」における「医療の質に係るデータを公開していることの評価」についてでございます。 先般この項目につきましてDPC評価分科会において御議論いただきましたが、医療の質 を評価する具体的項目については、診療科ごとの医学的知見が必要でございますので、各 MDC班会議においてそれぞれ御検討いただくこととしてはどうかと考えております。こ の点も御意見をいただければと思っております。  事務局からは以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは、順番に議論をお願いしたいと思います。まず、高額薬剤等の取り扱いについ て、御意見をお願いいたします。どうぞ、小山委員。 ○小山委員  (1)の場合には、使った場合と使わない場合の別のツリーをつくった場合には、今コ ストが合わないと言っているので、それをコストが合うような評価に変えるということで すね、そうすると、使った場合にツリーで。今このツリーにいっても、まだ採算が合わな いということで、言っているわけですね。そうすると、この高額薬剤を使ったツリーを高 額薬剤を使った分だけ上乗せした評価をするといった認識ですか。 ○西岡分科会長  そうです。そういうことでよろしいんだと思いますが。 ○長谷川補佐  まず、費用の面は置いておきまして、今回、要は高額薬剤を使用したものと使用してい ない群では大きな隔たりがあるというのが1点でございます。あと、要は薬剤の費用に関 して、いわば資源投入量に関してなんですが、従来では、過去2年間のデータを用いて、 その薬剤のものも反映させた上で、まとめてお出ししている。ですが、実態と合わないケ ースも多々ございますので、従来は点数の前寄せをしてみたり、あとは調整係数等で補て んしてきたというのが現状でございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○宇都宮企画官  補足しますが、前回御議論いただいたと思うんですけれども、25パーセンタイルでや っている、あれが実情に合わないという、そういう部分が入ってございますので、今回は ツリーにするけれども、そちらで同意いただいたようなものにして、現実とのギャップを 埋めていくということです。 ○西岡分科会長  この案に関しまして、いかがでしょうか。どうぞ。 ○酒巻委員  (1)については、別紙で出されているように、何らかの方法で診断群分類としては吸 収可能だという御意見を今いただいたんですよね。私はその整理でいいんじゃないかなと 思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  そうしますと、将来的には、エダラボン使用の脳卒中とか、そういう診断群名はなくし ていくという含みなんですか。そうではないのか。ちょっとその辺。それから例えばリツ キシマブ使用の悪性リンパ腫とか、そういう形の診断群分類が一時出ましたが、それはそ のまま残るのか。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○宇都宮企画官  お手元のハードカバーのファイルの前回の資料をごらんいただきたいんですが、前回の 資料の別紙1で、ちょっとページ数は振っていないんですけれども、現在の25パーセン タイル値と5パーセンタイル値のものが出ていて、その次のページに別紙2−(1)というの がございます。お分かりになりますでしょうか。それがまさに脳梗塞の今のお話かと思う んですけれども、ここにございますように、5パーセンタイルを使用してもまだ短期のと ころが追いつかない。それで前回提案させていただいたのは、別紙4と6です。結局お認 めいただいたのは案2でございますので、別紙6のような形で現状により即したものにす るということです。ですから、ツリーとしては、こういったツリーとして残すけれども、 点数づけの仕組みを現状に近いものに変えていくということでございます。 ○齊藤委員  そうすると、診断群分類の名称としては残るんだ、いろいろなこれを使ったものという ことで。そういう名称を残したとしても、別紙6のような構造がないと、カバーし切れな くなりますよと、そういう思いなんですね。なるほど。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  これは、出来高にするか、あるいは診断群分類を細かくするか、どっちかに結局なると 思うので、これは一つの考え方だと思います。どっちがいいかは分かりませんけれども、 こうすることによるデメリットというのは、抗がん剤のレジュメが特に頻繁に変わるので、 その診断群分類が常に頻繁な改定を要求される可能性があるということが一つです。  あと、薬剤の価格が例えば体重とかによって随分変わると思うんですけれども、そのあ たりは十分、一つのレジュメで余り大きな差がなくて、包括していけるのかどうかという ことを、もしデータがあったら、教えていただきたいんですけれども。薬剤が高価なだけ に、例えば体重が10%違っても相当変わってくるので、それはならせば大したことはな いということであれば別に構わないんですけれども、その2つがちょっと気にかかってい たので。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○長谷川補佐  まず、御指摘は2点あったと思いますが、1点目の薬剤のレジュメが変わったりすると いう点ですが、その部分は私どもは2年置きに改定してございますので、2年単位であれ ば反映できるというところですが、細かなところは確かに実態に合っていない部分があろ うかと思います。  あと2点目の体重に関しては、これを考慮に入れるのはなかなか難しい。そもそもDP Cの制度の原点に立ち返れば、細かな出来高というよりも、まとめて包括というものでで きた制度ではありますので、そのあたりはDPC全体の御議論との整合がどういうものか ということになろうかと思います。 ○山口(俊)委員  多分、診断群分類を精緻化してやったほうがいいのは、一つは、出来高にしてしまうと、 いろいろなものが入ってきてしまって、いつまでも整理されないというデメリットがある ので、どちらかといえば、私もこれでいいのではないかという意見です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。大体(1)の部分は御了解いただけたように思うんですが、そ れではもう一つ(2)のほうです。慢性的に高額な薬剤を使用しなければいけないような ケース、これに関しましてはどうでしょうか。血友病とか、そのほかの疾患もあると思う んですけれども。どうぞ。 ○酒巻委員  特定疾患といいますか、難病指定になっているものにはけっこう費用がかかるものが多 いと思うんですけれども、そういうものについて、どの疾患でかかるかはもう予測ができ ませんので、何らかの疾患名あるいは病態名を挙げて別に扱う以外には方法がないんじゃ ないかと思いますが。 ○西岡分科会長  これは、ある程度こういった疾患というデータは事務局のほうにあるわけですね。それ を明らかにしていくということになるんじゃないかと思いますが、もうこれはやむを得な いかなという皆さんのお考えだと思いますが、それでよろしいですか。  わかりました。それではその次に、人工腎臓、透析の場合につきまして御議論をお願い したいと思います。どうぞ、小山委員。 ○小山委員  この場合、一番問題になるのは、いわゆるメインの病名を持つ疾患の中に透析患者さん が入ってきてしまう、あるいはやっている最中に透析が入ってくると非常に困るというこ とですので、これはこの前の議論にもありましたけれども、何が一番問題かというと、材 料が全然取れないというところが問題なわけです。副傷病名の中に腎不全という項目が入 ったときに、材料として認めてもらうようなことはできないんでしょうか。だから、人工 腎臓のみの治療の場合はそれがメインの傷病名でもいいんですけれども、本来の入院のき っかけとなった入院病名が腎不全ではない場合の考え方です。ですので、そこを直すとす るとなると、何でもかんでも最も医療資源を投入しというところがちょっと外れてしまう のは少し問題があるかもしれないけれども、副傷病名の腎不全のところに対して考慮する といったことはできないんでしょうか。 ○西岡分科会長  これは、私が答えてはいけないのですけれども、かなり広範囲な疾患に腎不全をつけて いかなければいけないということになります。  それと、小山委員がおっしゃるように、これまでのヒアリングでも、実際は簡単な骨折 だったかもしれないような患者さんも全部腎不全で請求されていたといった実態があって、 日本の医療統計自身が全くお粗末になってしまうという御意見もいただいていたと思うん です。これにつきましてはいかがでしょうか。そのときに少し御議論いただいたのでは、 この透析の部分はもう外へ出してしまってはどうかと。今、腎不全を伴っている方は、非 常にたくさん、いろいろな疾患にわたって出てきておりますので、そういったことも考え るということはできないのかなということです。どうでしょうか、松田委員。 ○松田委員  私も、人工腎臓のところは外へ出したほうがいいんじゃないかなと個人的には思ってい ます。分析していても、そこですごくばらついてしまうので、病名というよりも、行われ た行為で……。 ○小山委員  主病名で、入院のきっかけとなった主病名で。 ○松田委員  慢性腎不全でひっかけてしまうと、それで分けてしまうといろいろな問題が起こってし まうので、それに伴う医療行為が行われているかどうかということで判断して、それを外 に出すということは、いいんじゃないかなと思います。  あと、こういう問題がすごく大きい問題になってくるのが、どのくらいの期間使われる かということが患者さんの病態によってばらついてしまう場合が非常に多いですので、そ ういうものをどこかにまとめるということはなかなか難しいと思いますので、それについ ては事後の検証をきちんとするという条件で、出来高に、外に出してもいいんじゃないか と思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。この件に関しましては、御意見はございませんでしょうか。も し可能であれば、人工腎臓に関しては外出しにするという形の対処はどうかということで すが、どうぞ。 ○長谷川補佐  私どもも人工腎臓についていろいろ考えたんですが、まず急性期と慢性期ではまた性格 が異なるだろうと思っています。慢性期は、患者さんが1週間に何回かと決まった回数で 定期的にやってきますので、いかなる患者の病態であろうが、それは関係なく行われます ので、その部分は私どもも今回は外出しにしたほうがよろしいのかなと思っております。 一方で急性腎不全に関してなんですが、いきなり透析が必要な状態となりますと、主病名 の中で急性腎不全とか、それに近い病名が必ず立つと考えますので、恐らくそちらのほう の費用に関しては、現在のDPC分類のもとで十分に対応が可能かと思っております。そ ういう意味で急性腎不全と慢性腎不全を切り分けて整理したほうが適切ではないかと考え、 御提案さしあげた次第でございます。 ○西岡分科会長  多分ディスカッションもそういうつもりでされていたんだと思いますが、急性の腎不全 と慢性の腎不全とを分けるという形で、しかも慢性のときの人工腎臓はこういった形でや ってはどうかということでございます。  では、そういった形で御了解いただくということでよろしいでしょうか、急性の腎不全 に関しましては今までのDPCをそのまま使わせていただくという形で。  ありがとうございます。  ではその次に、「医療の質に係るデータを公開していることの評価」についてでござい ます。これについては、医療の質ということになりますと、すぐ死亡率といったことにな るのですが、むしろそうではなくて、今までの御議論の中で、医療のプロセスを比較ある いは評価していく、公表していくということのほうが重要ではないかという議論をいただ いていたと思います。そういった中でどういったプロセスがそれぞれ適切であるかという ことを列挙しなければいけないことになってまいります。そこで、事務局側からの御提案 では、むしろMDCの班会議で専門家がたくさんおられるところでこういった指標はどう かというものを出していただいて、それを選別していただくという形はどうかということ ですが、齊藤先生、いかがでございましょうか。 ○齊藤委員  検討して、意見を募って、そこでまとめる方向を考えていいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  個別のものはMDCでいいと思うんですけれども、病院全体の質を出すのも一つなのか なと思います。例えば、お医者さんが何人いるかとか、看護師さんが何人いるかとか、ベ ッド数はどのぐらいかとか、そのような供給体制もこの公開というところでは入ってくる のかなと思うので、MDCごとだけだと細かい診療科だけの話になってしまうので、病院 全体の質をある意味で公開するというのも一つの評価の方法なのかなという感じはいたし ますけれども。 ○西岡分科会長  どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  MDCの班会議に出すと、恐らくみんないろいろな細かいことを言ってきて、どのよう なことを出していいのかよく分からないんじゃないかと思うので、むしろちょっと、小山 先生がおっしゃったように、全体で大事なことがあると思うんです。例えば、初診から手 術までの日数とか、化学療法が始まるまでの日数とか、そういう例えばというものを少し 出していただいて、提示していただいたほうが、議論しやすいんじゃないかと思います。 でないと、各診断群分類ごとにいろいろなアウトカムがあって、いろいろなことがあって、 かえって収拾がつかなくなると思うので、その後に御検討いただけたらと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○小山委員  実は、東京都の特定機能病院は「ひまわり」にデータを公開しているんです。いろいろ な項目の中で、けっこう議論に議論を重ねて、病院全体の姿が見えるような形のデータを 公開するということで動いていますので、あんなものをちょっと参考にされてチョイスさ れるのも一つかなと思います。 ○西岡分科会長  これは、松田先生の研究班のところでかなり指標についてディスカッションされていた んじゃないでしょうか。候補として絞ってくることは可能でしょうか。 ○松田委員  私たちも、候補として絞っているというよりも、病院名が出ないということがあるので、 かなりいろいろな指標を今までつくってきていますけれども、一応それはこちらのほうで ありますので、今まで研究班のほうでつくってきたものもあわせて、あと私も今、小山先 生が言われたみたいに、東京都病院協会のベンチマーキング事業というのはもう随分長く やられていますので、ああいう指標なども参考にして、それを例示して考えていただくと いうことでよろしいんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  事務局のほうから何か御注文はございませんか。むしろ指標が余り細かいところに入っ てしまいますと、指標としてはいいんでしょうけれども、本当に周りの方がごらんになっ て評価することができないことになりかねないと思うんですが。どうぞ。 ○宇都宮企画官  おっしゃるとおりで、今御提案いただいたように、「例えば」みたいな例を出して、M DCのほうでも御議論いただく。それから、MDC班会議で決定するわけではなくて、そ ちらで御提案いただいて、いずれこの分科会のほうに出していただくことになっています ので、またその時点で委員の皆様方から大局的なものも含めて御意見をいただければと思 います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○松田委員  大事なことは、今やっている調査からある程度自動的につくれるということだろうと思 います。あと、MDC別の班会議のほうで多分検討していただかなければいけないことは、 今それぞれの学会でかなり傷病登録をやっていますので、その傷病登録との整合性なども 考えていただいて、なるべくこちらのいろいろなデータをとるということに関して、余り 負担がないような形でやるということでよろしいんじゃないかなと思います。それにあわ せて、多分様式1の非必須事項の内容の見直しなども必要になってくるんじゃないかと思 います。 ○西岡分科会長  わかりました。一つだけ、様式1の非必須事項の項目の見直しは、また次の議題になっ てくるんですか。それについてまた評価するという。前回は何か、様式1の内容を見せて いただいて、余りそれ以上議論が深まらなかったんですが。 ○長谷川補佐  今後の進め方なんですが、MDC班会議が来週開催予定でございますので、そちらのほ うで様式1を含め、また本日の御議論の内容を含め、それぞれ御検討いただこうと思って います。最終的にはこちらの分科会のほうに再度お諮りいたしますが、もし現時点で様式 1に関して何か御意見があれば、伺うことができればと考えております。 ○西岡分科会長  ということでございます。それも齊藤先生のほうでよろしくお願いいたします。 ○齊藤委員  はい。 ○西岡分科会長  では、ほかに、全体を通しまして御意見はございませんでしょうか。いつもよりも少し 早めに終わりそうでございますが。  何もなさそうでございますので、それでは本日の議論は以上とさせていただきます。  事務局のほうからお願いいたします。 ○長谷川補佐  次回の開催につきましては、後ほどまた調整した上で御連絡いたしますので、どうぞよ ろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させて いただきます。  本日はお忙しい中、ありがとうございました。 −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課包括医療推進係  代表 03−5253−1111(内線3278)