09/06/30 第37回社会保障審議会年金数理部会議事録 社会保障審議会 年金数理部会(第37回)議事録 日  時:平成21年6月30日(火)13:58〜16:11 場 所:全国都市会館 第2会議室 出席委員:山崎部会長、都村部会長代理、牛丸委員、熊沢委員、栗林委員、近藤委員      林委員、宮武委員   議題 1.平成19年度財政状況について   −国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度−      2.平成21年財政検証・財政再計算に基づく財政検証について ○石原首席年金数理官  定刻を少し前ですが、先生方、お揃いですので、本日は議事も多いということもございますの で、始めさせていただきたいと思います。  ただいまより、第37回社会保障審議会年金数理部会を開催させていただきます。  審議に入ります前にお手元の資料の確認をさせていただきます。  「座席図」、「議事次第」のほか、次のとおりでございます。  資料1は「平成19年度財政状況―国家公務員共済組合―」でございます。  資料2は「平成19年度財政状況─地方公務員共済組合―」でございます。  資料3は「平成19年度財政状況―私立学校教職員共済制度―」でございます。  資料4は「『平成21年財政検証・財政再計算に基づく財政検証』に必要な資料について(案)」 でございます。  このほか、参考資料1として「公的年金各制度の財政収支状況(平成19年度)」をお配りして おります。  また、参考資料2とし「年金数理部会セミナー2009の開催について」をお配りしておりま す。  配布資料は以上でございます。  次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。  本日は全委員が出席でございます。  それでは、以後の進行につきまして、山崎部会長にお願いいたします。 ○山崎部会長  委員の皆様には御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。  本日の議題は「国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度の平成19 年度財政状況について」、続きまして、「『平成21年財政検証・財政再計算に基づく財政検証』に ついて」であります。  各制度の財政状況について御報告いただくため、財務省から藤本参事官に、総務省から北崎課 長に、文部科学省から戸松室長に御出席いただいております。ありがとうございます。  それでは、国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度の平成19年度 財政状況についての議事に入ります。  初めに、国家公務員共済組合の平成19年度の財政状況について報告を聴取いたします。  それでは説明をお願いいたします。 ○藤本参事官  財務省の藤本でございます。それでは、国家公務員共済組合の財政状況につきまして、資料に 従いまして、順次御説明を申し上げたいと思います。  まず1ページ目でございますけれども、国共済の収支状況につきまして、直近5年間の推移を 記載しております。国共済では従来から簿価ベースでの会計処理が行われておりますけれども、 当部会からのお求めによりまして、いくつかの項目につきましては参考値として時価ベースの数 値も記載しております。平成19年度につきまして、以下御説明申し上げます。  まず右から2番目の欄でございますけれども、収入のほうでございますが、収入総額は2兆 1,257億円となっておりまして、前年度に比べ263億円(1.2%)の減少となっております。時価ベ ースの収入総額は1兆8,048億円となっております。ここでいいます時価ベースの収入総額でご ざいますけれども、これは従来の収入総額に当該年度末の積立金の評価損益を加えまして、前年 度末の積立金の評価損益を除いたものとなっております。時価ベースの収入総額は前年度に比べ まして3,387億円減少しておりますけれども、これは18年度末に4,025億円でありました積立金 の評価益が平成19年度末には816億円と3,209億円減少したことが主な要因となっております。  収入の内訳を見ますと、保険料収入は1兆350億円となっておりまして、前年度に比べて17億 円(0.2%)の増加となっております。  国庫・公経済負担は1,720億円となっておりまして、前年度に比べ98億円(6.0%)の増加とな っております。  追加費用は4,294億円となっておりまして、前年度に比べ275億円(6.0%)の減少となっており ます。  運用収入は2,789億円となっておりまして、対前年度で183億円(7.0%)の増加となっておりま す。  なお、国共済の場合、有価証券売却損等の運用にかかる必要が支出項目のその他に含まれてお りますため、これらを除きました正味の運用収入を算出してみますと、下に括弧書きで書いてご ざいますけれども、2,730億円。さらに評価損益を加味しました時価ベースの運用収益は、そのさ らに下でございますが、△479億円となっております。これを利回りで見ますと、簿価ベースでは 3.18%、時価ベースでは△0.53%となっております。  そのほかの収入として、基礎年金交付金1,446億円、地共済からの財政調整拠出金収入624億 円、その他33億円となっております。  次に支出でございますけれども、支出総額は2兆1,253億円となっておりまして、前年度に比 べ290億円(1.4%)の増加となっております。  支出の内訳ごとに見ていきますと、給付費は1兆6,734億円となっておりまして、前年度に比 べ47億円(0.3%)の増加となっております。  基礎年金拠出金は4,417億円となっておりまして、前年度に比べ207億円(4.9%)の増加となっ ております。  旧JR、JT両共済に対しての支援金であります年金保険者拠出金でございますけれども、こ れは27億円となっておりまして、前年度に比べ4億円(13.7%)の減少となっております。  その他は75億円となっております。前年度よりも40億円増加をしておりますけれども、信託 の運用損がその増加の主な原因となっております。  この結果、収支残は4億円となっておりまして、年度末積立金は8兆8,142億円に増加をして おります。また、時価ベースの収支残は△3,205億円、時価ベースの年度末積立金は8兆8,958億 円となっております。  続きまして2ページに移りまして、これはただいまの19年度の収支状況を概念図としてあらわ したものでございますので説明は省略をさせていただきます。  引き続きまして3ページでございますが、給付状況について御説明をいたします。  3ページ目から6ページ目までにつきましては、受給権者数、年金総額、退職年金受給権者、 平均年金額及び平均加入期間についての直近5年分の表となっております。  平成19年度末の国共済の受給権者数は3ページ目の右から2番目の列、一番上の欄ですが、合 計で104万6,000人となっておりまして、前年度に比べ3万7,000人(3.6%)の増加となってお ります。受給権者数の内訳は退年相当が65万3,000人、通退相当が10万8,000人、障害年金が1 万5,000人、遺族年金が27万人となっております。  年金総額につきましては、下の欄でございますけれども、合計で1兆7,588億円となっており まして、前年度に比べ46億円(0.3%)の減少となっております。その内訳は退年相当1兆3,215 億円などとなっております。  4ページにまいりまして、上の表でございますが、こちらは退職給付について減額、増額、支 給別にあらわしたものでございます。共済年金には増額支給はございませんので、増額支給の欄 はすべて空欄となっております。減額支給となっているものは11万6,000人でその年金総額は 2,070億円となってございます。  4ページ目の下の表は、退職年金の受給権者に係る平均年金月額及び平均加入期間でございま す。平成19年度末現在の平均年金月額は男女合計で16万8,702円となっております。前年度に 比べまして5,398円(3.1%)の減少となっております。  新共済法による退職共済年金では、65歳に達して、いわゆる本来支給の受給権者となりますと、 社会保険庁から老齢基礎年金が支給されますが、この平均年金月額には老齢基礎年金は含まれて おりません。  そこで厚生労働省からいただきましたデータを用いまして、基礎年金額を含めた平均年金月額 の推計値を作成しますと、その3つ下の欄にございますように、20万3,697円となっておりまし て、前年度に比べ4,268円(2.1%)の減少となっております。  平均加入期間は422月(35年2か月)となっております。  続きまして、5ページ目でございますけれども、こちらはただいま御説明をいたしました男女 合計の平均年金月額及び平均加入期間について男女別にあらわしたものでごらんのとおりとなっ ております。  続きまして6ページ目でございますが、組合員期間が20年以上の新規裁定者について平均年金 月額等をあらわしたものでございます。  平成19年度の男女合計の平均年金月額は12万4,651円、前年度に比べ2,161円(1.7%)の減 少となっております。  平均加入期間は434月(36年2月)と前年度と同様となっております。  2段目、3段目は男女別に見たものでございます。昨年話題になりました平均年金月額の男女 比でございますけれども、平成15年の85.3%から低下傾向が続いておりまして、平成19年度で は82.8%となっております。これは加入期間の差が拡大していることのほかに、加給年金の受給 者数の割合の差が増大していることが主な原因であると考えられます。  7ページ目でございますが、こちらのほうは、退年相当受給権者の給付状況を年齢別にお示し したものでございます。  平成13年度以降、60歳の者は、原則として定額部分がございませんので、ほかの年齢の特別 支給の受給権者と比べて低い年金額となっております。また、平成19年度には定額部分の支給開 始年齢が63歳に引き上げられたことによりまして、平成19年度は62歳の者の平均年金月額が前 年度に比べて低い額になっております。  次の8ページ目と9ページは7ページの表をさらに男女別に分解したものでございます。国共 済は厚生年金と異なりまして、女性の支給開始年齢は男性と同じスケジュールで引き上げられて おりますため、9ページにありますように、女性の場合も平成19年度は62歳の平均年金月額が 大幅に低下をしております。  続きまして10ページ目でございます。退年相当の受給権者数について、年齢階級別の分布状況 をあらわしたものでございます。  構成割合で見ますと、男女計及び女性では75歳以上〜80歳未満、男性では端数まで込めます と、70歳以上〜75歳未満が最も多くなっております。男女計及び女性では次いで70歳以上〜75 歳未満、65歳以上〜70歳未満の順に多くなっておりまして、男性では75歳以上〜80歳未満、65 歳以上〜70歳未満の順に多くなっております。  平均年齢は男性が73.2歳、女性が74.3歳、男女計で73.4歳となっております。前年度から0.7 歳程度上昇しておりますが、このうち0.5歳は平均年齢の計算方法を統一するために加えられた ものですので、実質的には0.2歳の上昇となっております。  続きまして組合員の状況でございます。11〜15ページ目までに資料がございます。  まず11ページ目でございますけれども、平成20年3月末の組合員数は、右から2番目の欄に ございますが、105万8,000人となっておりまして、前年度に比べ1万8,000人(1.7%)の減少 となっております。男女別では男性が84万5,000人、女性が21万3,000人となっておりまして、 全体の約8割を男性組合員が占めております。ただ、男性組合員の割合は年々徐々にではありま すが、低下をしてきております。  組合員の平均年齢は下の統計調査の方法にありますように、一部の組合を除きまして、全数調 査をしてもらっております。また、今年度の資料から年齢につきましては年度末の年齢に0.5歳 加えたものに統一して表示をしております。平成20年3月末は40.4歳となっておりまして、こ こ数年はほとんど変動をしておりません。男女別では男性が41.3歳、女性が36.9歳となってお ります。  平成20年3月末の標準報酬月額の平均でございますけれども、こちらは41万3,158円となっ ておりまして、前年度に比べ3,560円(0.9%)の増加となっております。また、男女別に見ます と、男性が42万8,405円、女性が35万2,617円となっておりまして、前年度と比較して、それぞ れ1.1%、0.4%の増加となっております。  標準報酬月額の総額でございますけれども、こちらは下の表でございますが、5兆2,262億円 となっておりまして、前年度に比べ368億円(0.7%)の減少となっております。また、標準賞与 総額でございますけれども、こちらは1兆7,565億円となっておりまして、前年度に比べ142億 円(0.8%)の減少となっております。標準報酬月額の総額と標準賞与総額を合計いたしました標 準報酬総額につきましては6兆9,827億円、標準報酬総額の組合員1人当たりの月額は男女計で 54万6,141円となっております。  続きまして12ページでございます。こちらのほうは、年齢階級別加入期間階級別のクロス表で 見た組合員数の分布でございます。続く13ページ、14ページはそれを男女別に分けたものとなっ ております。  統計調査の方法は12ページの下にございますように、動態統計調査を基礎としておりますけれ ども、年齢分布が全数で把握できる組合員につきましては、年齢分布が全数と合致するよう補正 をしております。  まず、年齢階級別の分布状況でございますけれども、12ページの一番右側の構成割合の欄にご ざいます。男女計では35歳以上〜40歳未満が16%と最も高くなっております。  男女別に見ますとそれぞれ13ページ、14ページでございますが、男子では35歳以上〜40歳未 満の割合が最も多くなっておりまして、女子では30歳以上〜35歳未満の割合が最も多くなってお ります。なお、女性では25歳以上〜40歳未満までの3階級だけで5割を超える状況になっており ます。  次に加入期間階級別の分布状況でございます。  それぞれ各ページの下から2行目の構成割合でございますけれども、男性のほうでは13ページ ですが、35年未満までの各階級に10%台として比較的一様に分布しておりますが、14ページ、女 性は期間の短い階級での割合が高いという傾向がございまして、20年未満までの階級に集中して 分布しております。これらの階級だけで70%強を占めているという状況にございます。  続きまして15ページでございますが、標準報酬月額による分布でございます。  男性では標準報酬月額最高等級の62万円に11.9%と最も多く分布しておりまして、次いで47 万円、8.2%となっております。47万円が実質的な分布のピークとなっていることがわかると思い ます。一方、女性では標準報酬月額30万円が8.2%でピークとなっております。  引き続きして積立金の運用状況でございます。資料は16ページをお願いいたします。  平成19年度末現在の年金資産の構成について示した資料でございます。すべての項目について 時価による評価替えが行われているわけではありませんので、そのような項目につきましては時 価ベースの金額は簿価と同額で提示してございます。以下簿価ベースで御説明を申し上げます。  現金・預金等の流動資産でございますけれども、これは1,692億円。固定資産は8兆6,507億 円となっております。固定資産の内訳ですけれども、預託金が4兆7,608億円、有価証券等が3 兆2,914億円、不動産が1,898億円、組合や福祉経理に貸し付けている貸付金が4,087億円とな っております。  有価証券等は平成15年度よりすべて包括信託という契約形態がとられておりまして、委託運用 と自家運用に分けられております。委託運用は1兆3,226億円となっております。また、自家運 用は1兆9,688億円となっております。委託運用は主に国内株式及び外国株式による運用となっ ております。他方で自家運用はすべて国内債券による運用となっております。  4分類別に見た資産残高でございますけれども、下のほうの特記事項欄にございますが、国内 債券2兆2,856億円で全体に占める割合は25.9%。国内株式が4,924億円で同じく5.6%。外国債 券が771億円で0.9%。外国株式が4,363億円で4.9%となっております。  次に財政再計算における将来見通しとの比較でございます。資料は17ページ以降でございます。  まず17ページですけれども、収支状況についての比較表になっております。平成19年度の実 績の額につきましては、1ページ目の収支状況に計上したものと同じでございます。  まず保険料ですが、将来見通しが1兆708億円となっているのに対しまして、実績は1兆350 億円と実績が将来見通しを若干下回っております。これは組合員数の実績が将来見通しを上回っ たものの、近年の総報酬の伸び率が将来見通しの前提を下回っていることが主な要因と考えられ ます。  運用収益のほうですが、将来見通しが2,230億円となっているのに対して、実績は2,789億円 となっております。運用利回りの差、再計算の前提は2.6%でございますが、実績は3.18%でご ざいますので、この差が要因と考えられます。  その他は将来見通しが7,395億円となっているのに対しまして、実績は6,672億円となってお ります。これは地共済からの財政調整拠出金による収入の減が主な要因となっております。  右のほうに行きまして給付費でございますけれども、将来見通しが1兆7,046億円となってい るのに対して、実績は1兆6,734億円となっておりまして、この差の主な要因は物価スライド率 であると考えられます。  18ページにまいりまして、組合員数及び受給者数についての比較でございます。なお、脱退者 数につきましては下の統計調査の方法に記載してありますように、抽出調査により算出したもの です。また新規加入者数は組合員数及び脱退者数から算出しております。平成19年度末の組合員 数は将来見通しが104万8,000人となっているのに対して実績は105万8,000人となっております。  受給者数につきましては将来見通しが109万人となっているのに対して実績は101万6,000人 となっております。新規加入者数につきましては、将来見通しでは4万人となっているのに対し まして実績は5万1,000人となっております。新規裁定者数につきましては、将来見通しでは8 万2,000人となっているのに対して実績は5万4,000人となっております。この差でございます が、再計算による新規裁定者数には在職停止者が受給者数となった場合のものも含まれていると いうことや、再計算では年齢到達で即時に退職共済年金の受給者になると考えているのに対して、 実際の裁定には若干のタイムラグがあるということがこの差の主な原因になっていると思われま す。  脱退者数につきましては、将来見通しが5万3,000人になっているのに対しまして、実績は7 万人となっております。  失権者数につきましては、将来見通しでは2万9,000人になっているのに対して実績は2万 9,000人、同じでございます。  年金種別別の年金受給者等に関しましてはそれぞれ表に記載してあるとおりでございます。  続きまして財政指標の比較でございますが、19ページ以下の資料でございます。  まず年金扶養比率でございますが、(注)書きにございますように、ここにある支出額は給付費 に基礎年金拠出金を加えまして基礎年金交付金を控除したものとしております。したがいまして、 収支状況で用いられている支出総額とは異なった額になっております。  平成19年度の年金扶養比率は上の表の一番左下の欄にございますように1.62となっておりま して、前年度に比べ0.06低下しております。また追加費用を考慮した保険に係る年金扶養比率は 2.07となっておりまして、前年度に比べ0.14低下しております。  また括弧内には受給者による年金扶養比率を計算しておりまして、年金扶養比率が1.66、保険 に係る年金扶養比率が2.12となっております。再計算では受給者で年金扶養比率などを作成して おりますので、こちらと比較することが妥当と考えております。  下のほうの表でございますが、平成16年財政再計算結果による平成19年度の年金扶養比率は 1.65、保険に係る年金扶養比率は2.11となっております。実績と再計算結果はほぼ同じ値となっ ております。  20ページにまいりまして、こちらの表はただいまの年金扶養比率を補完する参考指標とされて おります年金種別費用率でございます。平成19年度は総報酬ベースで老齢11.9、障害0.1、遺族 2.6となっておりまして、これらの構成割合はそれぞれ63.6%、0.6%、14.1%となっております。  21ページ、総合費用率についてでございます。  平成19年度の総合費用率の実績は、上の表の一番左下の欄にございますが、総報酬ベースで 18.7となっております。一方、再計算結果による19年度の総合費用率は17.5となっておりまし て、実績のほうが1.2高くなっております。 22ページでございますが、こちらは厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。 平成19年度の実績の推計値は総報酬ベースで17.5となっております。一方、再計算による19年 度の推計値は16.2でございますので、実績のほうが1.3高くなっているという状況でございます。  続きまして23ページ、独自給付費用率でございます。  平成19年度の実績は総報酬ベースで14.7となっております。一方、再計算による19年度の費 用率は13.6となっておりますので、実績のほうが1.1高くなっているという状況でございます。  24ページ目は厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございます。  先ほどの22ページ目と同じ給付費を用いて算出をしております。19年度の実績による推計値 は13.5となっております。一方で再計算による推計値は12.2ですので、実績のほうが1.3高く なっております。  収支比率が次の25ページに出ております。  平成19年度の実績は簿価ベースで99.6となっておりまして、前年度に比べ4.0上昇しており ます。一方、再計算による収支比率は97.8となっておりますので、実績のほうが1.8高くなって いるという状況でございます。  最後に積立比率でございますけれども、19年度の実績は6.7でございまして、前年度に比べ0.4 低下しております。一方、再計算による19年度の比率は6.9となってございますので、実績が0.2 低くなっているという状況でございます。  説明は以上でございます。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして何か御質問等ございますでしょうか。 宮武委員。 ○宮武委員  3ページ目の給付状況のところですが、通老相当・通退相当のところが10万8,000人で、前年 度の比較から言うと、ここだけが随分2桁の増え方なのは何か要因があるのかどうか、おわかり になれば教えてほしいのと、これは先の話ですが、日本年金機構が非公務員型になれば、約1万 人規模で国共済から出て行かれることになりますが、その辺の要するに影響は何かお考えかどう か、2つ教えてください。 ○藤本参事官  通退相当の伸び率が高い要因でございますけれども、ここ数年、国共済の場合は比較的高いと いうことになっておるのですが、これは通算退職年金創設、昭和36年度でございますけれども、 それ以降に退職の組合員期間が短い組合員、特に任期制の自衛官でございますけれども、そうい う方が支給開始年齢に達しつつあるということが要因でございます。 ○山崎部会長  もう一点、日本年金機構。 ○宮武委員  日本年金機構が非公務員型になると、約1万人規模くらいで、国共済から出て行かれることに なりますね。そういう規模だと何か影響があるのかどうか、先行き、財政状況に。 ○藤本参事官  財政にかなり大きな影響があるというふうには私どもは今のところ受け取っておらないという ことでございます。 ○山崎部会長  ほかにございますでしょうか。牛丸委員。   ○牛丸委員  済みません、4つ説明をお願いしたいです。まず1ページの収支状況の中で、私は知識がない ので説明をしていただきたいのです。項目の中に追加費用というのがございます。この追加費用 というのはどういうものか御説明をお願いいたします。これが第1点です。  2番目は8ページ、9ページ、どちらの表も一番下に(注)がついておりまして、読んでもな かなか理解しにくいので、もう少しわかりやすくこの(注)の内容を説明していただければあり がたいです。  次に3番目、16ページの資産運用に関しまして御質問いたします。そこにも書いてありますし、 また先ほど説明がありましたように、有価証券等はすべて包括信託ということのようです。言い 替えれば委託運用も自家運用も包括信託と。委託運用の場合には4種類のもの、国内債券、国内 株式、外国債券、外国株式、ただ、自家運用の場合には国内債券だけだと。そこで私も知識がな いのでお伺いしたいのは、包括信託で同じなのですけれども、具体的な運用に関しての意思決定、 委託運用と自家運用というのは一体何が違うのかということです。結果的に4種類と1種類とい うことでほっておくと、両方とも包括信託ということですけれども、その辺、教えていただけれ ばありがたいです。  最後は25ページ、収支比率です。これは財政再計算との実績の比較です。収支比率ですから分 母が(9)+(10)ということで、(10)が運用収入で、きょう御説明ありましたように、運用収入がかなり 動く。運用収入が動く結果として、特に時価で見れば、これが収支比率に影響を及ぼし、その結 果として、財政再計算の値と違っていくわけですね。これはやむを得ないと思います。運用収入 というのは変動しますので。したがって、そこに出てくる収支比率も各年変動する。ですから財 政再計算の各年予測されたものと違ってくるのは当たり前なのですが、例えば5年とかそういう スパンといいますか、それで見たときはどうであるか。そこまで見ていらっしゃるかどうかわか りませんが、年々の値が財政再計算と大きく違ってきているでしょうが、例えば5年ぐらいのス ケールで見たときにどうであるか、それがおわかりになれば教えていただきたい。  以上、4点です。よろしくお願いいたします。 ○藤本参事官  まず追加費用でございますが、これは国家公務員共済組合の場合はかつて恩給制度がございま したが、そちらに入っていた方がそのまま共済に移ってきているということでございまして、年 金をお支払いする場合には追加費用を恩給期間を含めて支給をさせていただいているということ でございますが、その恩給期間のところは、もともと恩給の制度ということでございましたので、 事業主たる国等が全部費用を負担しているということでございまして、その関係で国等が負担す る分を追加費用と呼んでおります。  8ページ、9ページの(注)でございますけれども、旧法、共済組合の60年改正前の話なので すけれども、その際に計算の仕方としまして、一般方式というのと通年方式という2つの方式が ございました。通年方式というのは厚生年金と同じような方式で計算するというものでございま すが、昭和61年の基礎年金制度導入時に一斉に通年方式に裁定替えが行われたときに、新方式 の額と比べて、いずれが有利かということがございますので、経過措置として旧方式が有利な場 合にそれを採用するということなんですけれども、通年方式で算定される場合は年金額のスライ ドをそのまま適用しておきますということです。逆に、一般方式の場合は年金額のスライドは適 用しないということになっております。したがって、年金額のスライドが適用された場合に、一 般方式による年金額が通年方式の額を追い抜いていくというようなことがございます。  それから、みなし従前額保障というふうにございますけれども、これは昭和61年に制度が切 り替わった際に、仮にそこで退職したということになった場合に、それを仮定して旧制度の額と 比べまして、旧制度の額が有利であれば、そちらのほうを保障しますという制度でございます。 ○牛丸委員  要するに制度が変わっても、それまでの給付は保障すると、一言で言ってしまうと。   ○藤本参事官  そう、いわゆる経過措置でございます。  それから、委託運用と自家運用で意思決定がどういうふうに違うかということでございますね。   ○牛丸委員  要するに委託というのはすべてお任せで、何をどういうふうにやるかということを任せて、自 家というのは自分で何か決めるのかなと思ったのです。 ○藤本参事官  運用と管理を委託しているのが委託運用でございまして、自家運用の場合は資産管理を委託し ておりますけれども、運用は連合会のほうで措置をする。   ○牛丸委員  資産構成といいますか、ここで言いますと、4種類と1種類ですね。何に運用するかという、 そういう意思決定は両方違うんですか、同じなんですか、自家運用と委託運用。 ○藤本参事官  委託運用の場合は運用の専門家に委託をしているということです。 ○牛丸委員  どれをどうすることもお任せしていると。 ○藤本参事官  そうです。運用についてもお任せしている。 ○牛丸委員  その結果として4種類、こういう割合でと。自家運用の場合には意思決定は全部こちらが。 ○藤本参事官  そうです。   ○牛丸委員  その結果として1種類にしているということですね。 ○藤本参事官  はい。 ○牛丸委員  わかりました。 ○藤本参事官  あと収支比率のところで、5年スパンで見たときに運用の結果がどういうふうになっているか ということでございますね。   ○牛丸委員  運用自体は年々今回のように、来年もっと悪いかもしれませんけれど、動きますね。ですから それと比較すると当然予測したものと変わってくる可能性があるわけです。財政再計算とか財政 検証のような将来的なものに関しては、ある程度の長期的な見通しの下でやるでしょうから、1 年1年変動したからといって、財政再計算とか予測値と違ったからといって、一概にいけないと は言えないと思います。1年ごとでなく、5年ごとで見たらどうであったか、そういうことはご らんになっているのかどうか。 ○藤本参事官  積立比率で5年で見るというのはなかなかやってはいないということでございます。 ○牛丸委員  財政収支というか。 ○藤本参事官  5年のスパンで運用収入がどういうふうになっているかというのはある程度把握はできますけ れども。 ○牛丸委員  結局、収支比率がばらばらになりますよね、この5年間で。これをどう見たらいいかというこ とで、その1つの解釈として1年ごと変動しても、5年ぐらい見ると、結局問題ないですよとか、 そういうような見解が持てるかどうかという。 ○藤本参事官  ちょっとそこは分析はしきれてないというのが正直なところでございます。 ○山崎部会長  ほかにございますでしょうか。都村委員。 ○都村部会長代理  御説明ありがとうございました。15ページに関連しまして、標準報酬月額の上限設定の考え方 についてお尋ねしたいと思います。15ページの標準報酬月額の分布を見ますと、一番右下ですけ れども、組合員の9.9%、約1割が標準報酬の最高等級30級に属しています。この割合は時系列 で見ますと年々上昇しています。それから、また、地共済とか厚生年金に比べますと国共済の場 合にはかなり高くなっております。厚生年金保険法の第20条には、標準報酬月額の上限について、 現役の被保険者の平均標準報酬月額の概ね2倍に当たる額を基準に改定を行うことができると法 定化されております。  国共済の場合、15ページの平均標準報酬月額の平均を見ますと、41万3,158円です。ですから その2倍というと82万6,000円になって、現行の62万円という上限とかなり乖離しています。 上限該当者については、拠出能力に応じた負担という社会保険料の応能原則が貫かれてはいない わけですね。医療の場合、短期の給付の場合は健康保険等では2007年から上限が98万円から121 万に引き上げられております。年金の場合はずっと近年62万円ということなのですけれども、お 聞きしたい点は必ずしも国共済だけの問題ではないかもしれないのですけれども、実際の報酬に 見合った負担ということについてどういうふうにお考えなのか、その点のお考えをお聞きしたい と思います。  以上です。 ○藤本参事官  制度的には、基本的には厚生年金と同じ制度としておりますので、国共済の数字だけを見て国 共済の部分だけを変えているということは現状しておりません。 ○都村部会長代理  厚生年金は19年度について、平均標準報酬月額が31万2258円なので、ちょうどその2倍は62 万円になっています。国共済ではが飛び抜けて1割が高いところに属するということで、負担格 差というか、所得格差のあらわれでもあるわけですね。国共済の問題だけではなくて、確かに社 会保険全体に共通したものだと思うのですけれども、こういう上限の設定についてどういうふう にお考えになっているかなと思ってお聞きいたしました。 ○藤本参事官  それは恐らくいろんな制度を横断的な御判断が1つ要るのかなというふうには思いまして、国 共済の数字だけを見て、こちらのほうだけで変えるということは現状しておらないということで ございます。 ○山崎部会長  よろしいでしょうか。これは短期の上限も同じですね。健保法と。 ○都村部会長代理  短期の上限が引き上げられたことについてはどうですか。 ○藤本参事官  短期は長期と金額が違っていると思います。 ○都村部会長代理  121万円に引き上げられています。 ○山崎部会長  上限です。 ○藤本参事官  健康保険と同じです。 ○山崎部会長  そのような決め方になっているということで。 ○都村部会長代理  9.9、高いですね。 ○山崎部会長  それは私学、地共済も全く同じ考え方になっているようでございます。  ほかにございますでしょうか。ないようでございますので、それでは、以上で国家公務員共済 組合の財政状況についての報告聴取を終了します。報告者の方々にはお忙しい中、ありがとうご ざいました。御退席いただいて結構です。どうもありがとうございました。   (国家公務員共済組合関係者退席) (地方公務員共済組合関係者着席) ○山崎部会長  次に、地方公務員共済組合の平成19年度の財政状況について報告を聴取いたします。  それでは説明をお願いいたします。 ○北崎福利課長  総務省福利課長の北崎でございます。本日は地方公務員共済組合連合会の担当の方も同席して おります。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、地方公務員共済組合の平成19年度財政状況について資料に沿って御説明を申し上げ ます。  まず資料1ページ目の1.収支状況でございます。  地共済の収支状況について過去5年間の推移を記載したものでございます。平成19年度の欄に ついて御説明申し上げます。  まず収入でございます。保険料は3兆358億円で前年度に比べ46億円(0.2%)の増加となっ ております。組合員数が減少した一方、保険料率が引き上げられたためと考えております。  国庫・公経済負担は4,427億円で、前年度に比べて469億円(11.8%)の増加となっておりま す。国庫・公経済負担は基礎年金受給者の増加に伴い基本的に毎年度増加していく傾向にござい まして、負担割合も前年度に比べ1000分の7増加してございます。  追加費用は1兆794億円で前年度に比べ550億円(4.9%)の減少となっております。追加費用 発生ベースでは、平成7年度をピークとしてございます。  運用収入は1兆1,966億円で、前年度に比べ3,679億円(23.5%)の減少となっております。  また、有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入は1兆1,865億円となっており、さらに 正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は△1兆4,259億円となっておりま す。昨年度と比べて大幅に減少しております利息、配当金の額が減少していることによるもので ございます。  基礎年金交付金は3,119億円で前年度に比べ223億円(6.7%)の減少となっております。交付 金対象者数の減少などによるものと考えておりまして、平成8年度をピークにしてその後徐々に 減少する傾向にございます。  財政調整拠出金収入は、平成16年度から行われております地共済、国共済の財政調整に係る拠 出金でございます。19年度については、18年度と同様、地共済から国共済に財政調整拠出金を拠 出しておるため収入は0でございます。  その他、44億円を合せまして、一番上の欄、収入総額は6兆708億円、前年度に比べ3,930億 円(6.1%)の減少となっております。  時価ベースでの収入総額は3兆4,585億円となっております。ここで時価ベースの収入総額と 申しますのは、従来の収入総額に年度末積立金の評価損益の増減分を加味したものでございます。  次に支出でございます。  給付費は4兆3,503億円で前年度に比べ354億円(0.8%)の増加となっております。年金受給 者数が増加したことなどによるものと考えております。  基礎年金拠出金は1兆1,687億円で、前年度に比べ528億円(4.7%)の増加となっております。  年金保険者拠出金は246億円で、前年度に比べ26億円(9.6%)の減少となっております。先 ほど申し上げました国共済と地共済との間の財政調整によりまして、財政調整拠出金として地共 済から国共済に624億円を拠出しております。前年度に比べ183億円(22.7%)の減少となって おります。  その他は192億円で前年度に比べ70億円(26.6%)の減少となっております。  以上、合せまして支出総額は5兆6,252億円、前年度に比べ603億円(1.1%)の増加となって おります。  収入総額から支出総額を差し引いた収支残は4,456億円、前年度に比べ4,532億円の減少とな っております。時価ベースでの収支残は△2兆1,667億円となっております。  その下の年度末積立金は40兆1,527億円となっておりまして、積立金運用利回りは3.02%と前 年度1ポイント下回っております。なお時価ベースの年度末積立金は39兆8,579億円となってお り、同じく時価ベースでの積立金運用利回りは△3.42%となっております。  以上が、地方公務員共済組合、19年度財政状況の概要でございます。  2ページ目は、ただいまの収支状況を図式化したものでございますので省略をさせていただき ます。  次に3ページの給付状況についてでございます。3〜9ページまで受給権者数、年金総額、退 職年金受給権者平均年金額及び平均加入期間についての19年度から各5年分の表でございます。 平成20年3月末の欄をごらんいただきますと、受給権者数のうち退年相当は167万3,000人、通 退相当は15万4,000人、障害年金は4万1,000人、遺族年金は56万7,000人、合計で243万6,000 人となっております。前年度に比べ9万人(3.9%)の増加となっております。  また、年金総額については、退年相当給付が3兆6,272億円で、以下ごらんのような額となっ てございます。  合計は4兆6,177億円で前年度に比べ391億円(0.9%)の増加となっております。  4ページの上の表は退職給付について、減額、増額別にあらわしたものでございます。減額給 付の受給者は平成20年3月末で6万8,000人、その年金総額は退年相当給付の1,106億円となっ ております。増額支給は該当がございません。  その下の表でございますが、退職年金平均年金月額は18万622円で、前年度に比べ6,412円 (3.4%)の減少となってございます。国共済同様、新共済法による退職共済年金では65歳以降 の定額部分は老齢基礎年金に移行しますので、ここでの平均年金月額には老齢基礎年金を含めず に計算してございます。  3段下をごらんいただきますと、そこに基礎年金を含めた平均年金月額を記載してございます。 金額は21万5,310円、前年度に比べ5,565円(2.5%)の減少となっております。  それから、もう一つ、飛んでいただきまして退職年金平均加入期間につきましては、418月(34 年10月)となっております。  その下は通算退職年金相当でございますが、老齢基礎年金を含めずに計算した平均年金月額は 3万8,548円となっております。  また一番下の平均加入期間は120月(10年)となってございます。  なお、5ページは、今、御説明を申し上げました男女計の平均年金月額又は平均加入期間につ いてそれぞれ男女別にあらわしたものでございます。  次に6ページは、加入期間20年以上の新規裁定に係る表でございます。  平成19年度における退職年金平均年金月額は13万5,798円、前年度に比べ7,823円(5.4%) の減少となっております。  それから、3段下の退職年金平均加入期間は429月(35年9月)となっております。以下は男 女別に分けた資料でございます。  続いて7ページでございます。退職年金相当について支給区分別、年齢別にあらわしたもので ございます。  右から2番目の平成20年3月末の欄をごらんいただきますと、62歳の平均年金月額が14万 7,517円となっているのに対し、定額部分が支給されます63歳の平均年金月額は21万5,990円と なっております。この62歳と63歳の額に大きな差がありますのは、3年ごとに定額部分の支給 開始年齢を引き上げる措置をとっておりまして、19年度から支給開始年齢が63歳に引き上げられ たことによるものでございます。  8ページ、9ページはこれらをそれぞれ男女別に分けた資料でございます。説明は省略させて いただきます。  次に10ページは、退年相当の受給権者について年齢階級別にあらわしたものでございます。  男性・女性ともに60歳〜64歳の階級が一番多くて、男性では次いで65歳〜69歳、70歳〜74 歳の順となっております。また女性では65歳〜69歳、75歳〜79歳の順となっております。平均 年齢は男性が72.6歳、女性が72.9歳、男女合計が72.7歳となっております。  次に11〜15ページまでは組合員の状況でございます。  まず組合員数でございます。平成20年3月末現在で299万2,000人、前年度に比べ4万3,000 人(1.4%)の減少となっております。男性と女性の比率については、地共済の場合は概ね男性2 に対し女性1の割合となっております。組合員数は男女とも警察共済を除く共済組合で減少をし ておるところでございます。また平均年齢は男性が45.0歳、女性が42.4歳、全体では44.0歳で 前年度と同じ平均年齢となっております。  それから、平均給料月額については35万7,682円となっております。男性と女性の平均給料月 額を比べますと、女性のほうが若干低くなっておりますが、これは女性の平均年齢が男性よりも 2.6歳低くなっているためと考えております。  下の表に移りまして、標準報酬月額総額は標準報酬ベースに換算して16兆286億円で、前年度 と比べ3,879億円(2.4%)の減少となっております。標準賞与総額は5兆3,712億円で前年度と 比べ952億円(1.7%)の減少となっております。  また、総報酬ベースの標準報酬総額は21兆3,998億円で、前年度と比べ4,831億円(2.2%) の減少となっております。  組合員数の年度間平均は、男性が188万8,000人、女性が110万9,000人、合計で299万8,000 人となっております。  総報酬ベースの標準報酬総額の年度間平均は、男性が61万3,640円、女性が56万3,064円で、 全体では59万4,926円となってございます。  12ページは組合員数を年齢階級別、組合員期間別に区分したクロス表でございます。  年齢階級別で見ますと、右側の合計のところで、45歳〜50歳未満が44万人、50歳〜55歳未満 が49万4,000人、55歳〜60歳未満が46万7,000人と大体45歳〜60歳未満の範囲に人数が集中 しておりまして、この3つの階級で全体の46.8%を占めております。  一方、若い時代では、20歳台が35万4,000人で11.8%、30歳台が76万1,000人で25.4%とい う内訳になっております。  男女別でもほぼ同様の傾向が見られますが、女性の場合、20歳、30歳台の割合が男性よりも若 干高くなっております。これは新規採用に占める女性の割合が増えているためと考えております。  また、組合員期間別で見ますと、25年〜30年未満の範囲が最も多く全体の14.8%となってお ります。次いで15年〜20年未満が14.4%、30年〜35年未満が13.8%となっております。  13ページと14ページは、これを男女別に区分したものでございます。省略させていただきま す。゛  次に15ページの給料月額の分布でございます。  地方公務員共済組合の場合は、標準報酬制ではなく本俸制を採用しておりますので、従来から 基本給の1万円単位の数字で提出させていただいております。先ほども申し上げましたが、平均 給料月額でございますが、一番下の欄にありますとおり、男性が36万6,000円程度、女性が34 万3,000円程度、男女合せて35万8,000円弱という数字になっております。分布を見ますと、男 性では41万円以上42万円未満の範囲が最も多く、12万5,000人で6.6%となっております。女性 の場合も同様41万円以上42万円未満が6万3,000人で5.7%と最も多く分布しております。全体 的に見ますと、41万円以上42万未満の段階を頂点としてなだらかな山のような形に分布しておる ところでございます。  続きまして16ページは、積立金の運用状況についてあらわしたものでございます。  まず年金資産の資産構成でございます。平成19年度末における長期給付積立金の総額は、簿価 ベースで40兆1,527億円、時価ベースで39兆8,579億円となっております。  主な内訳をごらんいただきますと、有価証券等が簿価ベースで34兆4,202億円、時価ベースで 34兆1,254億円となっており、これが資産全体の85%以上を占めております。この有価証券等の うち、金銭信託が簿価ベースで28兆6,990億円、時価ベースで28兆2,053億円でございます。  また、その1段下の有価証券が簿価ベースで4兆9,161億円、時価ベースで5兆1,150億円と なっております。さらに有価証券のうち、国内債券が簿価ベースで約2兆3,000億円、時価ベー スで約2兆4,000億円となっております。  以下、外国の債券等はごらんのとおりでございます。  また、有価証券等の資産区分別、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式、短期資産別の簿 価及び時価の額については特記事項欄に記載しているとおりでございます。  次に17ページ以降につきましては、平成19年度の決算実績と平成16年財政再計算における将 来見通しと比較したものでございます。  まず17ページの収支状況の比較についてでございます。収入につきましては、保険料の将来見 通しを3兆3,546億円としておりましたところ、実績は3兆358億円となっております。この乖離 は組合員数の減少や賃金上昇率の影響等により発生したものと考えております。  運用収益は、将来見通し9,853億円に対し、実績は1兆1,966億円でございます。なお、運用 利回りの将来見通し2.6%に対し実績は3.02%となってございます。  このようなことから、収入総額は将来見通しの6兆1,834億円に対して実績は6兆708億円と なっております。  続いて表の右側の支出でございますが、給付費の将来見通しを4兆4,826億円としていたとこ ろ、実績では4兆3,503億円となっております。これは主に受給者数の実績が将来見通しよりも 少なかったためであると考えております。  それから、基礎年金拠出金は、将来見通しの1兆1,163億円に対して、実績は1兆1,687億円 となっております。その他は将来見通しでは1,685億円としておりました実績は1,062 億円とな っております。  以上、支出総額は、将来見通しの5兆7,673億円に対し、実績では5兆6,252億円となってお ります。  次に18ページは、組合員数及び受給者数について比較した表でございます。  組合員数は、将来見通しを301万4,000人としておりましたところ、実績では299万2,000人 となっております。これは脱退者数の実績が将来見通しを上回ったことによるものでございます。  受給者数は、将来見通しの241万3,000人としておりましたところ、実績は232万5,000人と なっております。  新規加入者及び脱退者数については、新規加入者の見通しを8万6,000人、脱退者数の見通し を12万6,000人としておりましたところ、実績では新規加入者が9万7,000人、脱退者数が14 万人となっております。新規裁定者数は、将来見通しの23万1,000人に対し、実績は22万1,000 人、失権者数は将来見通しの14万人に対し実績は14万9,000人となっております。  年金種別ごとの数字はそれぞれ右に記載しているとおりでございます。  19ページ以降は、各種の財政指標について、平成19年度の実績と平成16年の財政再計算との 比較を示したものでございます。  まず年金扶養比率に関して、(注)書きにもございますように、支出額として給付費に基礎年金 拠出金を加え、基礎年金交付金を控除したものとしております。上の表の実績をごらんいただき ますと、平成19年度の年金扶養比率は1.79となっており、前年度に比べ0.1ポイント減少して おります。  また、追加費用を考慮した保険に係る年金扶養比率は2.26で、前年度に比べ0.16ポイント減 少しております。括弧内は受給者による年金扶養比率でございます。再計算では受給者による年 金扶養比率を作成しておりますので、受給者ベースで比較しますと、年金扶養比率は将来見通し の1.84に対し、括弧内の実績は1.86となっております。また、保険に係る年金扶養比率は見通 し、実績ともに2.34で一致しております。  次に21ページは総合費用率でございます。  上の表にございます平成19年度における総合費用率の実績は、総報酬ベースで17.6、前年度 に比べ0.8ポイント上昇しおります。また、標準報酬月額ベースでは23.5で、前年度に比べ1.1 ポイント上昇しております。  下の表の将来見通しと比較いたしますと、平成19年度は16.6と見込んでおりましたが、実績 は17.6となっております。  それから、22ページは、厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。  厚生年金相当部分に限って総合費用率を見ますと、将来見通しが15.2であるのに対し、実績は 16.0となっております。  20ページは、年金種別費用率でございます。  平成19年度は老齢費用率が11.5、障害費用率が0.1、遺族費用率が2.1となっており、総合費 用率に対する構成割合はそれぞれ65.5%、0.7%、11.9%となっております。  次に23ページは独自給付費用率でございます。  上の表をごらんいただきますと、平成19年度の実績は総報酬ベースで14.2となっており、前 年度に比べ0.7ポイント上昇しております。なお、標準報酬月額ベースでは18.9となっておりま す。将来見通しと比較いたしますと、将来見通しの13.5に対し、実績は14.2となっているとこ ろでございます。  続いて24ページは厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございます。  将来見通しを12.1としておりましたところ、実績の推計は12.5となってございます。  25ページは、収支比率でございます。  平成19年度の実績は89.1で、前年度に比べ9.1ポイント上昇しております。時価ベースでは 234.3となっております。  将来見通しと比較いたしますと、見通しの90.4に対し、実績が89.1と下回っております。保 険料収入の実績が見通しを下回ったものの運用収入が見通しを上回ったことに加え、支出面では 給付費が見通しを下回った影響によるものと考えております。  最後に26ページの積立比率についてでございます。  平成19年度の実績は10.5で、前年度に比べ0.1ポイント減少しております。なお時価ベース では11.1となっております。将来見通しとの比較では、見通しの9.7に対し実績が10.5で、0.8 ポイント上回っております。上回っている理由としては、実績で前年度末積立金が約1兆6,000 億円多いこと。また給付費が1,300億円程度少ないことなどによるものと考えております。  地方公務員共済組合の19年度財政状況の説明は以上でございます。どうもありがとうございま す。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関して、何か御質問等ございますでしょうか。 ○牛丸委員 ありがとうございます。それでは、質問させていただきます。3点お願いいたします。  第1点は確認といいますか、そのように解釈してよろしいかということをお伺いいたします。 11ページを見ますと、組合員数の数、女性と男性の数が出ておりますけれども、もちろん女性の ほうが少ないですが、先ほどの国共済の場合と比較して女性の数が多いということが確認できま す。それから、先ほど若干年齢によって少ないとはおっしゃっていましたが、給料の差も男女そ んなに大きくはないということがここで確認されます。  次に14ページ、女性の表が出ていますが、縦の年齢階層別を見ましても、横の組合員期間別を 見ましても割とバランスいいというか、先ほどの国共済の場合に非常にアンバランスというか、 どこかに偏っていたわけですね。これは非常に均等にいっているなと。これらのことから地共済 の場合、組合員に関して男女差があまりないのか。男性と女性の間にあまり差がないのでしょう か。私はそうとらえたのですけれども、そのとらえ方が間違いでないかどうかということを御説 明ください。これが1点です。  2番目は、16ページの資産運用のところです。有価証券等のところに金銭信託と有価証券とい うのがありまして、先ほど説明いただきました。この金銭信託と有価証券、この違いをどのよう にとらえるか。先ほど国共済に説明いただきましたが、自家運用と委託運用というそういう違い がありました。それとここでの表記の違い、どう関係しているのか、その辺もしおわかりならば 教えていただきたい。  第3点目は、先ほど国共済に対して御質問したことと同じことです。25ページの収支比率に関 してです。これは以前の財政再計算と比較して実績値がどうなるかということを年々収支比率で 示したものです。今回、運用収入がかなり変動したので各年こう変わったと。これは当然なので すが、5年ぐらいの間隔でというか、スパンで評価をなしているかどうか、あるいは年々という ことでなく、5年間ぐらいのスパンではどのように考えていらっしゃるか、もしお考えがあれば 教えていただきたい。  以上、3点です。よろしくお願いいたします。 ○北崎福利課長   まず、1番目、先生、御指摘の男女の格差というのでしょうか、差の問題でございますが、国 共済のほうは私は詳しくはわかりませんので、地共済だけ申し上げますと、比較的日本国の広い 世の中にも男女間の給料の差でありますとか、あるいは処遇の差でありますとかに比べ、地共済 の場合は少ない傾向があるのではないかと私ども思っております。  と申しますのも、給料は条例で決まっておりましたり、あるいは例えば典型的なのは公立学校 など地共済に入ってございます。従来から比較的女性が進出が早かった分野であろうかと思って おります。したがって、給料の面でも男女の差は制度上全くございませんし、比較的女性が活躍 しやすい分野も多かった、そういうものが反映されているのではないか。 ○牛丸委員  長く勤めていらっしゃいますね。累計期間数が多い。 ○北崎福利課長   長く勤めていらっしゃる方も多うございます。例えば一般の職員であれ、公立学校の先生であ れ、比較的若年退職という方が広い世の中であるほどはない傾向にあろうかと思っております。 先生おっしゃられたことが、恐らくそのまま事実なのではないかと思っております。  済みません、数理官に。 ○村上数理官  済みません、16ページの件ですが、金銭信託と有価証券の違いということでございますが、基 本的に先ほど国共済のほうで委託運用と自家運用というのがございましたが、考えとしては金銭 信託が委託運用でやっていると、有価証券のほうは自家運用でやっているというものでございま す。   ○牛丸委員  国共済と違って自家運用でも割といろんな種類に分散していると。   ○村上数理官  そうです。 ○牛丸委員  そういうことですね。 ○北崎福利課長  3番目の御質問でございます。私どもこの数理部会に向けましていろいろ勉強させていただい ておりました。例えば25ページの収支比率の16年再計算のときとの比較でありますとか、ある いは私ども見ておりますのは独自給付のところも厚年相当との比較でありますとか見てございま すので、それを見ますと、16年再計算で17、18、19と比べているところなのですけれど、そんな に大きくは違ってきてない。結構かために私どもとして見れば、16年再計算のときに見ていたの ではないかと。したがって、そう大きく16年再計算のときから、少なくとも19年まで見てずれ ているという印象を持っておらないところであります。ただ、19年、大変運用の成績は悪うござ いました。かえって16年、17年などは、これはまた物すごくよかったものでございますので、先 生おっしゃられました運用収益のでこぼこは、15、16、17、18とならしてみれば、そんなに、19 年あるいはもしかしたら20年もひどいかもしれませんけど、そんなに大きくずれてないのではな いかというふうに私どもとしては考えているところであります。   ○牛丸委員  ありがとうございました。 ○山崎部会長  宮武委員。 ○宮武委員  追加で、16ページの資産構成のところで、素人なので教えてください。特記事項欄に書いてあ るように、有価証券等についての資産区分というのは今回初めてたしか御紹介いただいたことだ ろうと思います。お手数かけたわけですが、そこにはそう書いてあるのですが、上の表の中では、 例えば国内株式というのは2億円とか、時価ベースで32億円と書いてあるのとはどういうふうに 読むのかということが私素人でよくわからないのですが、国内株式、上の欄で言うと、簿価ベー ス2億円、時価ベース32億円と書いてございますね。これはどういう意味なのかがよくわかりま せんので、ちょっと教えてください。  もう一つ、流動資産の中で未収収益とか、未収金等と書いて1兆145億円とございますけれど も、これは具体的にはどんなものが内容になっているのでしょうか。その2点でございます。   ○北崎福利課長  特記事項に書かせていただきました、これは昨年頑張りまして、昨年から出させていただいて ございます。ことしも同様に出させていただいております。  国内株式、簿価ベース2億というのは、私ども金銭信託のほうで国内株式などは委託してやっ てございますので、基本的に自家運用では国内株式は運用してないものでございます。したがっ て、昔、持っていたものをずっと長期に持ち続けているのが出ているというものでございます。 したがって、自家運用での株式はやってないところでございます。そうなっているものでござい ます。 次のものは申し訳ございません。 ○村上数理官  未収収益と未収金でございますが、未収収益は分けますと、信託の未収収益、あと債券、それ の未収収益が主なものです。未収金といいますのは、運用に関する未収収益以外の未回収金とい いますか、例えば掛金負担金の未収金とか、あと、他の経費に貸しているものの未収金みたいな、 そういうものでございます。   ○宮武委員  例えば福利厚生事業かなんかにお貸しになったお金が未収になっているということですね。 ○村上数理官  未収に上がっていると。   ○宮武委員  未収金のほうはどれぐらいなんですか、内訳が。 ○村上数理官  19年度は約576億ほどあります。 ○宮武委員  576億円というのは融資された分の未収金がということですか。   ○村上数理官  ちょっと細かいところまでは、データはないんですが。 ○宮武委員  わかる機会があれば教えてください。   ○熊沢委員  同じ16ページの資産構成のところなのですが、企業年金の運用なんかにおいて、将来の給付支 出に合せて債券の残余期間を考えていくというデュレーションを見た運用手法というのがとられ ることがあります。地共済の場合、国内債券で2.3兆円持っておられるということで、そういう ことを意識した運用をやっておられるのか、やっておられないのかということと、それから国内 債券の2.3兆円の残余期間がわかれば教えていただきたい。 ○北崎福利課長  一番最初の意識した運用をやっているかどうか。これは私ども大きい運用組織といたしまして は、地共済組合連合会と、あと市町村連合みたいなものは結構そういうものを意識してやってご ざいます。残余のものは大変申し訳ありません。今、わからないところでございます。恐縮でご ざいます。   ○都村部会長代理  第1次ベビーブームの第1年目である1947年に生まれた方が今回の財政収支報告の2007年に 60歳になります。7ページのところにもありましたけれども、60歳の受給権者が約8万人に達し ていて、前年よりも2.5万人も増えているわけです。それに対して、組合員数のほうは毎年減少 して、ここに出ている4年間で16万人も減少しています。この傾向は来年から再来年と3か年続 くわけですね。団塊の世代の大量退職の影響というのが年金の財政収支に生じているのかどうか ということをお尋ねしたいのと、それから、少子高齢化の進行によりまして、住民サービスのニ ーズはますます増えると思われるのですけれども、組合員数がどんどん減少傾向を示していると いうことで、医療・福祉・介護サービス等への影響はないのかどうかということをおたずねしま す。それからもう一つは、地共済の組合員とはなってないけれども、パートタイマーとか非正規 職員として就業している方がいらっしゃるのかどうか、もしいらっしゃれば、どのくらいいらっ しゃるのか、それを教えていただきたいと思います。 ○北崎福利課長  これから団塊の世代の方が大変たくさん退職をしていきます。その影響は出てくるものと思い ます。ただ、それは財政再計算のときに、私ども全部織り込んで計算を今までもしてまいりまし たし、これからもさせていただきます。最も私ども財政に影響が大きいと思いますのは、地方行 革の関係、先生、2番目におっしゃられました職員数を一気に絞っていって、支え手のほうが少 なくなってきているということが最大大きいものでございます。これからどれだけの者が行革絡 みで少なくなっていっていくのかというのが一番の影響としては大きいところであろうかと思い ます。団塊の世代のところは、一応予測というか、計算できますので。組合員数は減ってきてお りまして、先生おっしゃられましたように、対住民サービスを担っている部分は地方公務員の場 合多うございますので、どこまでそれがワンテンポで減っていくかというのは多少疑問が残ると ころではございます。  先生、御質問いただきました非正規がどうか。これは今、数字は持ち合わせておりませんけれ ど、増えてきていることは事実でございます。ただ、非正規の方は一定の条件を満たさない限り、 1週間に何時間以上、それが何日以上というのを満たさない限りは、私どもの地共済の組合員に はなりませんので、その意味では、同じ非正規でも一定の条件を満たす者のみが私どものほうに 入ってくるわけでございまして、たいがいの方はそうじゃない方であろうかと思っています。数、 申し訳ございませんが、ちょっとわかりかねます。 ○山崎部会長  近藤委員、お願いします。 ○近藤委員  16ページの積立金のところで金銭信託とありますが、特記事項に、包括信託の信託未収金とあ ります。確か、昨年は金銭信託は包括信託となっていたと思います。これは修正して包括信託で いいのでは、包括信託だと中身がいろいろある運用になっているというのがわかります。  それから、多くの組合を合算するので、わからないかもしれないのですが、不動産が去年に比 べると、1,000億ぐらい減って、貸付金も3,000億ぐらい減っています。何か特別に減らそうとい うような指導でもしたのですか。 ○北崎福利課長  1点目、御指導ありがとうございます。そうさせていただきたいと思います。  不動産はちょっとよくわかりません。何か個別のものがあったのかもしれませんが、貸付金に つきましては、比較的、今、少なくなりつつある傾向はございます。去年と比べて額でどうだっ たかというのはなかなかぱりっとした現象を思いつきませんが、一般的に言って貸付金でのとい うのは減少傾向にあるのは間違いないところであります。 ○近藤委員  不動産についてはどうですか。 ○村上数理官  済みません、ちょっと考えられるのは、投資不動産として持っていまして、共済組合が建てて、 例えば職員住宅、地方公共団体。共済が建てまして、それを地方公共団体から償還してもらうと いうようなもので、土地・不動産として持っているものがほとんどですので、それが多分償還し 終わったものがあるのだと思われます。   ○近藤委員  大きな変化ですね、出来るならば調べてください。   ○山崎部会長  ほかにございますでしょうか。  それでは、ないようでございますから、以上で地方公務員共済組合の財政状況についての報告 聴取を終了いたします。報告者の方々にはお忙しい中をありがとうございました。御退席いただ いて結構です。ありがとうございました。 ○北崎福利課長  どうもありがとうございました。 (地方公務員共済組合関係者退席) (私立学校教職員共済関係者着席) ○山崎部会長  最後に私立学校教職員共済制度の平成19年度の財政状況につきまして報告を聴取いたします。 それでは説明をお願いいたします。 ○戸松私学共済室長  文部科学省私学共済室の戸松でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、日本私立学校振興・共済事業団の担当の方も同席しておりますので、どうぞよろしく お願いいたします。  まず私学共済年金の平成19年度財政状況の概要を御説明申し上げます。  1ページ目、収支状況につきまして、ここには過去5年間の推移を記載しておりまして、右か ら2番目の平成19年度分について御説明申し上げたいと思います。  収入総額は、対前年度比7億円増の4,971億円、0.1%の増でございます。  内訳を見ますと掛金については3,049億円、収入全体の61.3%を占めております。131億円の 増でございます。これは基本的には加入者が増えている状況が反映しているわけでございますが、 大学、幼稚園について増えている状況になっております。大学の新設や学部の増が続いていると いうのが要素で幼稚園については少人数学級が増加しているということも要素にあるのかと思っ ております。  運用収入は簿価ベースで873億円となっております。  正味運用収入は、運用収入から有価証券売却損などを引いたもので842億円。時価ベースはマ イナス1,237億円となっております。  その他でございますが、これについては298億円になっておりまして、これは加入者及び学校 法人の掛金負担に対する都道府県補助、これが73億円入っております。さらに固定資産売却益216 億円などが主な内容でございます。  支出総額は、対前年度比185億円増の4,141億円となっております。  給付費は2,441億円、支出全体の58.9%。  基礎年金拠出金は1,592億円、年金保険者拠出金は74億円ございます。  その他は、33億円でございますが、これは固定資産売却損が16億円、有価証券売却損15億円 等でございます。  この結果、収支残は簿価ベースで前年度比178億円減で、830億円でございます。  時価ベースにつきましては、2,436億円減でマイナス1,248億円でございます。  これにより年度末積立金でございますが、簿価ベースで3兆4,677億円、時価ベースで3兆4,328 億円でございます。  なお、特記事項に書いてございますので御説明させていただきますと、平成18年度から固定資 産につきまして、会計基準上損益外減損処理を行っております。このため前年度末の積立金に当 年度の収支残を加えたものと当年度末の積立金が一致しておりません。簡単に申し上げますと、 18年度末積立金3兆3,834億円に収支残830億円を加えても3兆4,677億円にはならないのです が、これに売却した固定資産のうち、損益外減損処理を行っていた分13億円を加えたものになっ ているということでございます。  2ページ目でございますけれども、これにつきましては、先ほど説明した内容を図式化したも のでございますので省略させていただきます。  3ページ目は、受給権者数と年金総額等について記載しております。  19年度末の受給権者数の計では、前年度と比較し1万6,000人、5.5%増加し、30万9,400人 となっております。また、年金総額の計は58億円増加しまして、2,946億円となっております。  4ページ目でございます。上の表は退職給付について、減額、増額を支給別にあらわしたもの でございまして、他の共済と同様で、減額支給の通退相当と増額支給については該当するものが 出ておりませんので空欄になっております。減額支給となっているのは900人で、その年金総額 は12億円となっております。  下段の男女合計の表をごらんいただきたいと思います。私学共済から支給されます加入者期間 20年以上の退年相当の平均年金月額は前年度と比較して6,380円減少して、16万3,446円となっ ております。  また、基礎年金を含めた退年相当の平均年金月額は前年度と比較して5,535円減少して20万 932円となっております。なお、平均加入期間は382月となっております。  さらに通退年金相当平均年金月額については1,552円減少して31,138円となっております。な お、平均加入期間は84月となっております。  5ページ目でございます。5ページ目はただいま説明した男女合計の平均年金月額及び平均加 入期間について男女別にあらわしたものでございます。男性の退年相当の平均年金月額は前年度 と比較して7,210円減少しまして、18万2,718円、平均加入期間は394月となっております。  女性の退年相当の平均年金月額は5,075円減少して、13万3,522円で、平均加入期間は363月 となっております。  6ページ目でございます。新規裁定者に係る分でございます。  加入期間20年以上の新規裁定の退年相当の平均年金月額は5,075円減少して14万2,253円、 平均加入期間は398月となっております。  男女別で見ますと、男性の新規裁定の退年相当の平均年金月額は前年度と比較して5,552円減 少して15万9,588円。平均加入期間は405月となっております。  女性の新規裁定の退年相当の平均年金月額は、前年度と比較して3,455円減少して、11万38 円、平均加入期間は384月となっております。  続きまして7ページ目、これは退年相当受給権者の給付状況を年齢別に示しておりますが、上 から1番目及び3番目の退年相当平均年金月額、基礎年金を加算した平均年金月額については、 先ほど4ページで説明しましたので割愛します。  特別支給分の定額部分及び加給年金部分の額については、これは60歳の各年、61歳の平成17 年3月末以降、62歳の平成20年3月末については、他の受給者と比べて極めて少額になっており ます。定額部分、加給年金部分の支給開始年齢が引き上げられているという状況が反映されてお ります。  8ページ、9ページは、今、説明したものを男女に分けたものなので説明は省略させていただ きます。  10ページでございます。退職年金受給権者の年齢構成でありますが、平均年齢は男性で70.3 歳、女性で71.9歳。構成割合を見ますと、男性は60歳〜65歳が28.2%と最も高く、次は65歳〜 70歳で26.3%となっております。一方、女性も60歳〜65歳が23.8%、65歳〜70歳が23.7%の 年齢層が高くなっております。  11ページでございます。加入者の状況でございます。  加入者数、平均年齢等を記載しております。加入者数は平成19年度も増加しており、前年度末 と比較して平成19年度末では6,400人増の46万4,000人となっております。男性で1,600人増の 21万9,000人、女性で4,800人増の24万5,000人となっております。先ほども少し話したのです が、参考までにここには出ていませんけれども、加入者の増減を学種別に申し上げますと、増加 しているのは、1,000人以上規模で大学、幼稚園、ほかにそれ以下ではございますが、中学校、小 学校、各種学校、高専でございます。減少しているのは短大、専修学校、高校等でございます。  全体の傾向としては、昨年とそんなに大きな変化は起きていません。この表の2番目のところ でございます。加入者の平均年齢でございますが、前年度から0.1歳上昇し、41.5歳。男性は47.0 歳、女性は36.6歳となっております。  標準給与月額の平均ですが、96円増加し36万8,707円となっております。  下段の表ですが、標準給与月額総額ですが、対前年度比298億円増加し2兆486億円となり、 一方、賞与を含めた給与総額については、対前年度比283億円増加し、2兆7,109億円となってお ります。  12〜14ページは、加入者の年齢別加入期間別分布ですが、まずは12ページ、年齢層の一番高 いのは25歳〜30歳の15.6%となっております。以降、60歳まで10%程度で推移し、60歳〜65 歳でも7.3%を占めております。  加入者の年齢別分布割合はほぼ昨年と同じ傾向でございます。また、加入期間別の分布として は、5年未満の割合が最も高く、38.4%となってございまして、加入期間が長くなるほど徐々に 低下していく傾向にございます。  加入期間別加入者の分布割合も例年とほぼ同じ傾向でございます。  13ページ、14ページは、男性、女性別に分けております。13ページの男性の加入者の分布で は、25歳未満の割合が低くなっているのに対して、14ページの女性の加入者の年齢別分布は男性 とは異なり、20歳〜30歳までが高い割合を占めております。また、加入期間別に見ましても、10 年未満の者が、5年未満の46.4%と5年〜10年の20.7%を加えた67.1%と高くなっております。 これは幼稚園の先生や大学の女性教員・研究員でしょうか、想定ではございますけれども、その 辺が多くなっていることが主な要因と考えられます。  15ページ目、標準給与月額別分布では、男性の割合の一番下ですが、24.7%が上限62万円と なっています。男性の標準給与月額の平均は44万8,354円となっております。女性の場合は20 万円台のところを中心に分布する結果となっております。女性の標準給与月額の平均は29万 7,500円となっております。  16ページ、積立金の運用状況についてでございます。  表の中ほど下、19年度末の積立金は簿価ベースで見ますと3兆4,677億円、時価ベースで3兆 4,328億円でございまして、簿価ベースでは78.6%を有価証券と包括信託で運用しております。  資産構成のうち包括信託は簿価ベースで1兆218億円に対して、時価ベースでは9,268億円と なっております。950億円の含み損となっているわけでございます。これはサブプライムローン問 題から世界市場全体の金利低下、株価の大幅な下落が影響しているものと考えております。  その他は、時価が簿価と同額か、上回る結果となっているわけでございます。  なお、特記事項の欄については、記載されているとおりですので、説明は省略させていただき ます。  17ページでございます。このページ以降は、平成16年度財政再計算における将来見通しと平 成19年度実績との比較でございます。  まず17ページの収支状況の比較でありますが、支出欄の基礎年金拠出金が将来見通しを122億 円上回っているのは、ここには特に記載しておりませんけれども、平成17年度から第3号の特例 届出を行ったことにより、実績の拠出金対象者数が概算値より2万人多い52万3,000人になった ことにより、前々年度分の調整が大きくなったことが要因でございます。なお、収入のその他が、 将来見通しを369億円上回ったのは、1ページで話しました固定資産売却益216億円、国庫補助 金が605億円に増えたということが大きな要因と考えられます。  18ページ目、加入者数及び受給者数の比較でございます。  加入者数の将来見通しは、平成19年度までは一定と見込んだのに対し、実際は毎年度増加して おり、その分が差として現れてきております。受給者数については将来見通しとほぼ一緒でござ います。  19ページ目、財政指標の比較でございます。  まずは年金扶養比率でございますが、19年度の実績は4.67となっています。これは退職年金 受給権者数によるものでございます。また、退職年金受給者数で見た場合は、括弧で示したとお り、5.42となりまして、将来見通しと差はより小さくなっているところでございます。  20ページ目は年金種別費用率でございます。  19年度は老齢費用率7.1%、障害費用率0.1%、遺族費用率1.2%となっております。それぞれ の総合費用率に対する構成割合は、老齢費用率57%、障害費用率0.6%、遺族費用率10%となっ ております。  21ページ目、総合費用率でございます。  平成19年度の実績で12.4%となっておりまして、将来見通しの12%より高くなっております。 これは賃金上昇率が将来見通しに比べ低いことが要因で、実際の標準給与総額も2兆7,109億円 と将来見通し2兆7,645億円よりも低くなっております。  22ページ、厚生年金相当部分に係る総合費用率については、平成19年度11.5%となっており、 将来見通しにおける平成19年度の10.9%より高くなっております。これは先ほどの総合費用率の 場合と同様の理由によるものと考えております。  23ページ、独自給付費用率につきましては、平成19年度の実績で8.6%となっておりまして、 将来見通しとほぼ見合っている状況でございます。  24ページでございます。厚生年金相当部分に係る独自給付費用率についてですが、平成19年 度の実績は7.8%となっており、将来見通しは7.4%でございます。これも先ほどの総合費用率と 同様の理由と考えております。  25ページの収支比率でございます。  平成19年度の実績で84%となっており、前年度から7.9%増えております。これは運用収入の 落ち込みにより収支比率の分母が減少したことによるものでございます。時価ベースにつきまし て、収支比率が178.1%と前年度を大幅に上回ったことにつきましては、時価ベースの運用収入が 下落したことにより、収支比率の分母が大きく減少したことによるものと考えております。この 結果から、平成19年度の将来見通しとの差が生じたものと考えております。  26ページ、これが最後でございますが、積立比率は平成19年度の実績で10.1となっておりま す。将来見通し9.9より0.2ポイント上回っております。  以上でございます。どうもありがとうございました。   ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ありますでしょうか。 宮武委員。 ○宮武委員  16ページの積立金の運用状況についての項目がございまして、未収収益・未収金等638億円、 あるいは貸付金も4,679億円と書いてございますが、こういうのは増える傾向にあるのかどうか。 といいますのは、一部の学校法人が、今回の金融危機などで大きな株式や債券の評価損を出して いるという報道を聞いておりますので、そういうところに対する貸付けというものがこういうと ころで影響があるのかどうか、それが知りたかったのでお聞きしたいのですが、いかがでしょう か。 ○戸松私学共済室長  まず、未収金でございますけれども、これは信託の未収利息でございますので、これについて は例年同様と思っております。貸付金については4,679億円、確かに先生がおっしゃるとおりに 学校の経営状況は非常に厳しい状況でありますが、この年金積立金を原資とした貸付と併せて、 財政投融資を活用した学校法人に対する貸付もございます。貸付はある程度の貸付利率などもご ざいますので、その辺を兼ね合いしながら、私学としては貸付を要請してくるということは考え られますけれども、その辺の傾向は、まだ現在のところはちょっと見えてない状況でございます。 ○山崎部会長  牛丸委員、お願いします。 ○牛丸委員  2つお願いいたします。1つは、今の16ページ、資産運用に関してです。先ほど地共済に対し ても質問しました、同じことです。包括信託を委託運用、有価証券を自家運用と解釈してよろし いのでしょうか。それから、その有価証券の中に証券投資信託というのがありまして、特記事項 でそれは簿価でやっていると。私はあまり専門的な知識がないので、証券投資信託というのはど んなものか、もしおわかりになれば教えていただきたい。  それから、特記事項の1行目に、時価評価の方法について、「実勢価格」、実勢価格というのは、 時価とはまた違う概念なのか。「実勢価格」という言葉が出てきたので、これはどういうことなの か。以上、資産運用に関してです。  もう一つは、ずっと今日、他の報告に関しても質問してきましたが、25ページの再計算に対す る比較といいますか、これは年々変動するわけですが、私学共済制度の場合にも、5年スパンぐ らいな観点で何か評価といいますか、そういうものを持っていらっしゃるか、その辺をお聞かせ ください。  以上、2つです。よろしくお願いいたします。 ○戸松私学共済室長  まず1点目について申し上げます。足りない分は事業団のほうから説明させていただきますけ れども、包括信託については、これはすべて委託して運用しておるわけでございまして、ただ、 委託はしますけれども、委託運用先の選定とか運用状況とか、さらには資産管理の状況、一定以 上の成果、その辺もきちんと評価をした上でやっているという状況でございます。  有価証券はもちろん管理も運用も自家でやらせていただいているというところでございます。  全体の収支比率のことでございますけれども、これについては資産運用そのものについて、時 価ベースでは確かに増減というのはありますけれども、ここ5年間で見ても運用益というのは19 年度は下がっておりますけれども、全体的には上がっておりますので、この辺は長い目で見てい くような考え方でやるのが一番よろしいのかなと考えておりますし、私学共済の場合は、掛金の 問題になりますけれども、全体的に今、学校そのものが若干増える傾向にあります。今後その状 況がどういう方向になるか、その辺は今のところ私どもではっきりしたことを申し上げられませ んが、今現在まだ増加しているということで、当面安定した形で行われるものと理解していると ころでございます。 ○笹山資産運用室長  それでは、16ページの、先ほどの御質問に対して補足説明いたします。  まず包括信託が委託運用で有価証券が自家運用でいいかということですが、そのとおり解釈し ていただいて結構です。  それから、証券投資信託につきましては、具体的にはMMFという商品で、この商品は1か月 の運用した収益金が月末に元加されるという仕組になっていますので、その段階で時価がなくな ってしまっているということで、時価、簿価同額ということにさせていただいております。  それと「実勢価格」という表現ですが、これは時価のことです。   ○山崎部会長  ほかにございますでしょうか。  それでは、私からちょっとお尋ねします。額としてはそう多くはないのですが、私学の掛金に 対しまして、都道府県の補助があるわけでございますけれども、これはどのような考え方で行わ れているものでしょうか。 ○戸松私学共済室長  これについては、パーセンテージは極めて少ないのでございますけれども、都道府県において、 私学は公的な教育機関ということで補助しているということで、ただし、都道府県の財政状況に 応じた割合でそれぞれ補助されているというふうに理解しております。 ○山崎部会長  私学に対する補助というのは、公立学校等とのバランスもありますから考えられるのですが、 なぜ私学共済の掛金に対して補助をするのかということでございます。 ○戸松私学共済室長  高校以下の私学に関しては、私学助成というのはもちろん都道府県のほうで行っておりまして、 これは制度的には、私学は国立学校、公立学校に準じた形で公共性と社会的任務の重要性が大き い公教育を行っているという趣旨から、共済制度についても、応援しているということで、この 辺は一体的にやっていただいているというふうに理解しております。   ○山崎部会長  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。  ではないようでございますから、これで報告聴取を終えます。報告者の方々には、お忙しい中、 どうもありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。 (私立学校教職員共済制度関係者退席) ○山崎部会長  これで、平成19年度の財政状況についての報告聴取がすべて終了いたしました。この後の取り 扱いですけれども、昨年11月に平成18年度までの聴取を取りまとめた公的年金財政状況報告を 作成・公表いたしました。今年も公的年金財政状況報告を作成してはどうかと考えていますけれ ども、委員の皆様いかがでしょうか。   (「異議なし」と声あり) ○山崎部会長  それでは、今年も公的年金財政状況報告を作成することといたします。  次に「平成21年財政検証・財政再計算に基づく財政検証」についての議事に入ります。事務局 より説明をお願いいたします。   ○石原首席年金数理官  私から説明させていただきます。資料4でございます。「『平成21年財政検証・財政再計算に基 づく財政検証』に必要な資料について」ということで、前回、5年前の財政再計算におきまして 各制度の財政再計算の取りまとめをしまして検証してございます。そのときに各制度から再計算 に関してかなり詳しめの資料をいただいて検証することで検証を進めてまいりました。今回につ きましても、同様に各制度に対して必要な資料をお願いしたいと考えてございまして、それにつ いて案を用意してございます。  内容でございますが、ちょっと時間も立て込んでおりますので簡単に説明をさせていただきた いと思いますが、1として「財政検証・財政再計算の基本方針」について、経済前提の考え方で すとか、被保険者数の前提、財政方式、給付水準、保険料水準設定の考え方、その他という形で、 基本的な方針について概略を記載していただくという形でお願いしてございます。  それから、2ですが、「財政検証・財政再計算に用いた基礎数・基礎率とその作成方法」という ことで、基礎数について、細かいデータでございますが、(1)基礎数・基礎率の種類ですとか、 次のページにまいりまして、(2)基礎数・基礎率の基となる統計の概要と算定方法。(3)としま しては、基礎数・基礎率の具体的な数値でございます。(4)としまして、基礎数・基礎率に関し て特記すべき事項という形で、再計算の基礎となった基礎数・基礎率についての資料をお願いし てございます。  次のページの3ページへ行っていただきまして、「3.将来見通しの推計方法に関する資料」、 基礎数をまず聞きまして、その次に推計方法になってございます。  推計方法に関する資料といたしましては、まずは(1)としまして、フローチャート。(2)とし ましては、計算過程について、説明の時間がございませんが、後のほうに別紙がついておりまし て、具体的なものを出しておりますので御参照いただければと思います。(3)としては具体的な 推計方法について。マクロ経済スライドの適用方法ですとか、財政調整の仕組み、そういったこ とについての記載をお願いしてございます。  4としまして「将来見通しの推計結果に関する資料」ということで、具体的な推計結果につい ての資料をお願いしてございます。  推計結果としましては、(1)が被保険者数、被扶養配偶者数、総報酬額の見通しといった基礎 的なベースになる適用関係の資料。  次のページにまいりまして、(2)としましては、年金が発生します受給者の受給者数や年金額 の見通し。具体的に最終結果となります(3)の財政見通しにつきましては、収入、支出、積立金 等の細かい数字についての資料をお願いしてございます。(4)が給付の中で、区分別に給付費の 見通しをお願いしているのと、(5)厚生年金と共済については、給付水準の見通し。(6)で基礎 年金拠出金の見通し。(7)が公的年金の被保険者数の減少率。マクロ経済スライドに使う率でご ざいますが、これをお願いしてございます。  それから、5としましては、再計算につきましては、従来からこういう形でお願いしてござい ますが、再計算の資料に加えて、数理部会の立場としまして、安定性と公平性の検証という形に なってございます。安定性の検証という形の資料ということで、お願いしているのが5の資料で ございまして、財政指標を比べて変化を見ておこうということで、(1)が財政指標の見通し。(2) がマクロ経済スライドのスライド調整率の見通し。(3)が基礎年金拠出金に相当する保険料率の 見通し。(4)が将来見通しにおける積立金の取り崩し及び運用収入の料率換算の見通し。(5)が 各年金制度の年金財源と給付の内訳。これは現価ベースの資料でございますが、これを従来どお りお願いしてございます。(6)と(7)でございますが、これが以前から数理部会で御審議いただ いてございまして、今後の方向性ということで御審議いただいております部分でございますが、 (6)デュレーションについての資料をお願いしてございます。それから、デュレーションだけで はなくて、マクロ経済全体との関係ということで、GDP比についてもお願いするという形で考 えてございます。この(6)と(7)が新しい部分という形になってございます。  ちなみに新しい部分もございますが、前回との関係で見ますと、制度改正が今回ございません ので、制度改正に関する項目は入っておりません。そういった意味で簡素化されている分もある ということで御了解いただければと思います。若干(6)と(7)が増えているということでござ います。  6番が「前提を変更した場合の試算に関する資料」ということで、それぞれ出生、死亡率の仮 定を変更した場合ですとか、経済的要素を変更した場合についての資料をお願いしてございます。  7としましては、安定性の検証ともう一つの柱であります「公平性の検証に関する資料」でご ざいますが、従来どおりですが、各共済制度の職域部分を除いた場合、これで共済制度と厚生年 金を比較するのに職域部分を除いて比較するという形にしておりますので、職域部分を除いた場 合の保険料率の将来推移というものをお願いしています。  これが全体でございまして、それを取りまとめるという意味で、8の「年金数理担当者の所見」。 9.「情報公開について」という形で、従来どおり資料をお願いするということで考えております。  私からは以上です。 ○山崎部会長  ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、何か御意見、御質問等ございますで しょうか。牛丸委員。 ○牛丸委員  3ページと、それから5ページ両方ですが、留意事項というのがございます。留意事項の中に、 どちらもそうですが、「推計結果が他の試算の結果と同一の場合には、その旨を記載すること」、 ちょっと意味がわからなかった。「他の試算結果」というのはどれを指しているのか。 ○石原首席年金数理官  基本的には推計結果がいろんなケースの推計結果がある場合に、試算と結果が同一の場合には その旨を書いてくれと、単にそれだけのことだと。 ○牛丸委員  他の試算というのは関係ない。   ○石原首席年金数理官  同一の制度でも、試算自体がいくつかあるということ。 ○牛丸委員  ちょっと私はわからない。 ○石原首席年金数理官  ちょっと補足しますと、申し訳ありません。積立度合をどうするとか、そういった変更した場 合の試算がいくつか出ている場合に、その試算について、もし同じ表になるのであれば、同じ表 を出す必要はないので、その同じ表になる旨を記載してくれという単に注意事項でございます。   ○山崎部会長  ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは「平成21年財政検証・財政再計算に基づく財政検証」について、資料4の内容で各制 度に報告をお願いすることとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○山崎部会長  それでは、そのような方向で、各制度に報告をお願いすることといたします。  最後に事務局より、参考資料の紹介をお願いいたします。 ○石原首席年金数理官  参考資料でございますが、参考資料1が、「公的年金各制度の財政収支状況」ということで、き ょうまで2回にわたりまして、厚生年金と共済、国民年金についてヒアリングをお願いしました。 そのとき、決算等の状況を報告いただいております。その決算の数値を比較できるように並べた ものが参考資料1の財政収支状況でございます。並べると同時に合計の欄をつくって、合計の欄 と右側に「公的年金制度全体」と書いてございますが、公的年金制度で基礎年金拠出金等で収入 と支出で同じ項目でダブっている項目等が収入・支出にございますので、そういった項目を外し た場合という形の従来からの整理で、収入・支出を調整したものをつけて表にしてございます。  それから、2枚目が、積立金の受入等を収入から除いた単年度収支、これも従来から数理部会 でつくってございますが、それについての表をご参考までに作成してございます。  それから、参考資料2が、7月28日でございますが、年金数理部会セミナーを例年のとおり開 催したいと考えておりまして、その内容の御紹介でございます。テーマとしては、「金融危機と年 金財政」ということで開催させていただきたいと思っています。  以上です。   ○山崎部会長  ありがとうございました。  それでは、本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。 −了− (照会先)  厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室  (代)03-5253-1111(内線3382)