09/06/29 第6回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成21年度第6回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年6月29日(月)14:00〜16:00 (2)場所  全国都市会館第2会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、伊藤澄信委員、        木下勝之委員、熊本一朗委員、小山信彌委員、齊藤壽一委員、        酒巻哲夫委員、佐藤博委員、嶋森好子委員、辻村信正委員、        難波貞夫委員、松田晋哉委員、山口直人委員、吉田英機委員        邉見公雄オブザーバー        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 DPCにおいて今後検討すべき課題        2 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  それでは、ただいまから平成21年度第6回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科 会)を開催させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は相川委員、池上委員が御欠席でございま す。嶋森委員と松田委員は少し遅れてお見えになるとの連絡を受けております。  それでは、まず資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。 ○長谷川補佐  資料の確認をさせていただきます。  まず、1枚目が議事次第、次が委員の一覧でございます。その次ですが、本日の資料、 D−1−1「DPC評価分科会における新たな『機能評価係数』の絞り込みについて (案)」でございます。次の資料ですが、D−1−2「各項目の評価指標について(論点 の整理)」でございます。さらにD−1−3「新たな『機能評価係数』に関する検討の整 理」でございます。次がD−2「DPCにおいて今後検討すべき課題」、次が別紙1「包 括評価点数の設定方法について」。別紙2、こちら、脳梗塞手術なしのペーパー、別紙の 2−(2)が裏でございます。あと別紙の3−(1)、3−(2)、さらに別紙4「診断群分類点数 表の見直しについて」。別紙5、こちらも同様のもの。別紙6。あとは別紙7「DPCに よる診療報酬について」。あとさらに別紙8、レセプトデータダウンロード・データ仕様。 別紙9、様式1。さらに参考資料といたしまして、「DPCにおける今後の課題(案)」 についてでございます。以上、御確認いただきまして、過不足があればお申しつけいただ ければと思います。 ○西岡分科会長  資料につきましてはよろしいでしょうか。  それでは、まず私のほうから、去る6月24日に行われました基本問題小委員会の議論 の結果についてお伝えさせていただきたいと思います。  資料のD−1−2で、「各項目の評価指標について(論点整理)」というのがあります が、これが前回に委員の方々から御意見をちょうだいしてまとめたものでございます。こ のうちの、特に救急に関しましては、全DPC患者との割合で出そうという御意見が主だ ったのでございますが、さらにその中に患者数そのものを出してはどうかという御意見も いただいておりましたので、ここで括弧つきの△で加えさせていただいて、基本問題小委 員会のほうに出させていただきました。これは、括弧つきの△がついておりますのが、3 /6ページのところの上のほうに4カ所ついてございます。だから、実数についても評価 してはどうかということで、それも評価の指数としてはどうかということで追加させてい ただきました。これは、私の判断でやらせていただきました。その結果といたしまして、 資料D−1−1がございますが、ここにあります「新たな『機能評価係数』の絞り込みつ いて(案)」でございますが、これを基本問題小委員会のほうに提出させていただきまし た。  まず、次期改定での導入が妥当と考えられた項目ということで、これは4項目、委員会 でも御了承いただいたものでございますが、これについて討議していただきまして、原則 的にはこれを次期改定の項目として導入していいのではないかということで、大筋合意を いただきました。今後に関しましては、基本問題小委員会のほうでデータを見ながら引き 続き検討していくという方向で御了承いただきました。  それから2つ目の、次期改定での導入を検討するために、さらにデータ分析や追加の調 査を実施すべきとされた項目が6項目ございます。このうちの特に1の救急の部分と、6 の医療の質に係るデータを公開していること、これは基本問題小委員会でも次期改定時に 導入を前提として検討してはどうかということになりました。  その他の2の項目全体でございますが、これについては基本問題小委員会と、当DPC 分科会とで並行して議論を継続して、データの合理性が認められるようであれば次期診療 報酬改定時に導入することという方向を示されました。  それが以上でございますが、そこのときに御指摘いただきましたのが、Iの次期改定で も導入が妥当と考えられた項目のうちの2番目の効率化に対する評価、それから複雑性指 数、それからカバー率といったものが、ちょっとネーミングと内容とがはっきりしないと ころがあるということで、こういった名称についても検討してはどうかということでござ いました。特に御質問がありましたのは、効率化に対する評価というのは、一見効率化す ることによってDPC病院がインセンティブがあるので、二重評価になるんじゃないかと いうふうな御意見も出されたんですが、実はそうではなくて、DPC病院は効率化するこ とによって、逆に医療費の収入は減少しておりますので、そういった観点からも医療の中 身の効率化という評価をしていただけたらというふうにこちらは思っているのですが、そ ういった議論もございました。  一応、24日の基本問題小委員会の議論は以上でございます。  何か事務局のほうから追加等ございますでしょうか。 ○長谷川補佐  特段補足事項はございませんが、先生の繰り返しになりますが、Iの項目については基 本問題小委で今後引き続き検討。IIの項目は引き続き、基本問題小委とDPC分科会で並 行して御議論いただくと。さらにネーミングにつきまして、複雑性指数、カバー率につい ては非常に分かりにくいので、分かりやすいものをという御意見でございましたので、事 務局としてもいろいろアイデアを出しますが、先生方からも御意見をいただければと思い ます。よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  ということでございますが、何か御質問とか御意見、ございますでしょうか。 ○小山委員  何が複雑性指数がよくないという、どういう感じを与えるというんですか。すごく素直 に受け取ったんですけれども。 ○西岡分科会長  こちらの説明としては、在院日数が長くかかるような複雑な患者を受け入れているとい うことに対する評価であるという御説明をさせていただいたんですが、効率化とか複雑性 とかというのはどうも何かしっくりこないという御意見でございまして、もっと実際の形 を示しているような、何かいい言葉に変えてはどうかということでございます。 ○小山委員  いい言葉だと思うんですけれども。いい表現だと思うんですけれども。どういうふうに 考えるか、単純に考えれば結局、効率化というのは平均在院日数が10日だったらば、8 日間でやったとか7日間でやったというのは、それはよくできたよという話ですよね。逆 に重症患者になるとそれが普通より長くなるから複雑な患者を診ているんだというので、 言葉とすれば決してそんなに理解できない言葉ではないような気がして、かえってこれか ら離れると、どんなネーミングが出てくるか分かりませんけれども、逆に分からなくなる 可能性があるので、ここの認識としては、これでもいいんじゃないかという認識を出して もいいんじゃないかと思うんですけれども、これは僕の個人的な考えですけれども、それ 以上変な言葉にするよりも、非常に明解で相反することでもって、ここで議論したように 両方を評価すると。効率と複雑の両方を評価するということで、これは同時にとるものじ ゃないという考え方の中でいくならば、非常に相対して、もしやるんだったらば効率化も 変えなければ話がおかしくなってくるような感じになると思いますので、対の言葉として 僕は理解していたんですけれども、どうでしょうか。 ○西岡分科会長  そのとおりでございます。我々のほうの間での考え方としては、この言葉でコンセンサ スがとれていたのでございますが、やはり基本問題小委員会のほうでは、それともう一つ、 カバー率というのがありますね。カバー率はものすごい、まさしくダイレクトに表現して いるような言葉で、これと複雑性指数との間に何か表現の中身が一貫性がないんじゃない かというふうなことも御指摘をいただいたと思いますが、何か企画官、御意見ございます でしょうか。振ってすみません、どうも。 ○宇都宮企画官  急に私に振られてもあれなんですが、ただあのときに出ていたのは、昨年の例えば後期 高齢者医療制度という、ああいう言葉も専門的な人間の間ではそれほど違和感はなかった んですが、一般に出したときにやっぱりとらえ方が全然違うとか。そういうことも含めて、 もうちょっとセンシティブになってネーミングを考えるべきだというような御指摘をいた だきましたので、そういった観点から御検討いただければと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、課長、お願いします。 ○佐藤医療課長  いいとか悪いとかという話じゃなくて、どういう意味で複雑性が理解できないとおっし ゃったかという雰囲気だけお伝えしますので、その上でまた御議論いただければと思うん ですが、基本小委の先生であれ、中医協の全体の先生であれ、私どもが話をしたときの感 じで言うと、複雑という日本語が持っている響き、複雑性といった日本語の響きが、何と なく合併症を持っているとか、基礎疾患みたいなものを持っているとか、分かりやすく言 えば、やっぱり複雑な患者さんを診ているというイメージを持つねと。しかし、それに対 してここでいう複雑性指標というのは、合併症があるとか、合併症ではないけれども基礎 疾患を持っているとかという意味ではないんでしょうと。悪い言い方をすれば、面倒な患 者さんという意味じゃないんだよねというような、日本語の本来持つ響きから見たときに、 平均在院日数が長いという意味がストレートに伝わってこないという意味だったように思 いました。しかし、それは私がお伝えをするだけですので、繰り返しになりますけれども、 それはそれとして、この分科会の先生がどうお考えになるかはまた別な問題ですので、お 伝えはします。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  よろしいでしょうか。また、これはちょっと時間をかけて、中身をそのまま示すような 形でのいいネーミングも検討していかなきゃいけないんじゃないかという宿題でございま すので、よろしくお願いいたします。  それでは、次の議論に入りたいと思います。DPC制度における今後の課題についてに つきまして、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、本日の資料D−2「DPCにおいて今後検討すべき課題」という資料を用い まして御説明を進めてまいります。お手元にD−2と、別紙の束を横に並べていただけれ ばと思います。  まず1番でございます。実は診断群分類点数表の見直しについてという議論でございま すが、本日おつけしている資料の一番後ろでございます。参考資料でございます。参考資 料の2ページ目をごらんください。参考資料の表題「DPCにおける今後の課題(案)」 でございますが、その2ページ目、II.その他、四角囲みでしてあるところでございます。 (2)調整係数廃止後の包括評価点数の在り方について。診断群分類ごとに平均在院期間 及び平均点数を用いて、入院初期に手厚くなるように包括評価をしているものの、救急疾 患等においては入院初期の医療資源投入量が包括評価点数を上回っている状況等も指摘さ れている。調整係数によって病院ごとの医療資源投入量に応じた調整を行ってはいるが、 調整係数廃止後の包括評価点数の在り方について検討が必要ではないかということで、こ ちらの資料は今年の3月25日の中医協のほうにお出しした資料でございます。  再度、本日の資料D−2に戻ります。繰り返しになりますが、調整係数が段階的に廃止 されるに当たりまして、特に前年度並みの収入の確保という部分が廃止されますので、基 本問題小委において包括評価点数の設定方法等の課題についても、当分科会において検討 を行うこととされております。  まず1番、1日当たり点数の設定方法について進めてまいります。まず、現在の現状で ございますが、別紙1をごらんください。現在の設定方法、別紙1のとおりになってござ いまして、診断群分類ごとの1日当たり平均点数及び平均入院期間、入院期間の25パー センタイルまたは5パーセンタイル値をもとに点数の設定を行っております。皆様御承知 のことでございますが、念のため復習がてら別紙1を用いて御説明いたします。  まず、診断群分類ごとに平均在院日数と1日当たりの平均点数が決まってまいります。 平均在院日数の部分がIIの入院期間II日、ここの部分が平均在院日数でございます。一方 で診断群分類ごとの1日当たり平均点が決まってくるという四角囲みが基本部分でござい ます。まず、平均在院日数がIIの部分の25パーセンタイル値、約4分の1でございます が、4分の1の地点を入院期間I日とまず設定いたしまして、その後、Iの期間の点数で ございますが、こちらは1日当たり平均点のプラス15%を加えまして、Iの期間の点数 を設定してございます。その後、別紙1のAの面積とBの面積が同じくなるようにIとII の期間の点数を決めまして、さらにIIから以降の期間に関しましては、IIの期間に決めま した点数のマイナス15%の値を点数としてとってございます。さらに特定入院期間とい うのがございますが、こちら、いわゆる2SD、標準偏差の2倍の地点以上の入院期間に なりますと、これ以降は出来高で算定しておるというものでございます。  一方で(2)でございます。悪性腫瘍の化学療法などの短期入院にかかわる設定に関し ましては、こちら初期の入院期間に関し、資源投入量が多いものに関しまして、通常Iの 期間25パーセンタイル値となっておりますが、その期間を5パーセンタイルで代用して おり、さらにこちらAとBの面積が同じくなるように点数の設定をしておる次第でござい ます。  再びD−2の資料に戻ります。(2)問題点でございます。(1)入院資源の投入量が非常 に大きい場合は、入院初期では医療資源の投入量が診断群分類点数を大きく上回っている ことがあるということでございまして、こちら別紙の2−(1)と2−(2)をごらんください。  まず、別紙の2−(1)でございます。別紙の2−(1)でございますが、こちら脳梗塞、手 術なし、手術・処置等23ありというものでございますが、こちらは現在5パーセンタイ ル値を使用して、要するに四角囲みの点数で設定をしてございます。実際の包括範囲の出 来高点数と比較いたしますと、入院初期の段階におきまして、資源投入量、こちら出来高 のほうからとっておる投入量でございますが、そちらが診断群分類の包括点数を大幅に上 回っておるというものでございます。  次に別紙2−(2)をごらんください。こちらも同様でございます。こちらは急性心筋梗塞、 再発性心筋梗塞、手術なし、手術・処置等1ありというもの、手術・処置等2なし、副傷 病なしという分類でございますが、こちらについても同様で、初期の出来高点数ではござ いますが、資源投入量が大幅にDPC点数表の設定の点数を上回っておると。特に初期の Iの期間において上回っておるというものでございます。これまでは、このような初期の 段階でのマイナスに関しましては調整係数がございましたので、マイナス分をうまく補て んができておったというものでございますが、今般、調整係数が段階的に廃止されますの で、この問題に対応する必要がございます。  一方でD−2の(2)の部分でございますが、入院期間を通じて1日当たり医療資源の投入 量の変化が少ない場合には、入院期間IIにおいても医療資源の投入量が診断群分類点数表 を大きく下回っていることがある。こちら別紙の3−(1)と3−(2)をごらんください。  別紙の3−(1)でございます。網膜血管閉塞症、その他の手術ありという項目でございま す。こちらは25パーセンタイル値でDPCの点数を設定してございますが、実際の資源 投入量と比較いたしましても、1日目に関しましてはわずかに出来高の点数のほうが上回 っておりますが、初期の段階ではDPC点数表を上回っているという部分が非常に多くな っておるという点がございます。  次が別紙の3−(2)でございます。こちら縦隔悪性腫瘍、胸膜の悪性腫瘍、その他の手術 あり、手術・処置等2なしでございます。こちらにつきましても、0日目はとんとんです が、1日目以降は上回ると。さらにIの期間の点数がこちらの別紙の3−(1)と3−(2)の ようになっておる原因でございますが、これについては、Iの期間の点数を自動的に平均 点のプラス15%としているためにこのような現象が起こっている次第でございます。  次がD−2の論点に戻ります。(3)の論点でございますが、先ほど御説明したとおり、 実際の資源投入量と点数設定において、大幅に異なる設定となっているケースがございま すが、実際の医療資源の投入量と合った点数表とするために、入院初期の医療資源の投入 量及び1日当たりの平均点数に応じ、さらに適切な点数設定の方法を検討してはどうかと いうことで、事務局としてとりあえずたたき台として、2つ案を御用意してございます。 本日それぞれ案を見ていただきまして、さらによりよい案があれば御提案いただければと 思っております。  まず、案の1でございます。こちら別紙4でございます。こちら別紙4を見ながら御説 明をお聞きいただければと思いますが、入院初期の医療資源の投入量が1日当たり平均点 数に比して非常に大きい場合というケースでございますが、この場合、例えば医療資源I の点数、現在15%の設定としておりますが、これを例えば25%に変更してはどうか。 さらにIIの期間につきましては、AとBの面積が同等となるように再度IIの期間の点数を 設定する。さらに入院期間IIIの部分、これは入院期間II日以降から特定入院期間までの間 でございますが、この間の設定をマイナス15%からマイナス25%と設定してはどうか という案でございます。  次がイ、D−2のほうのページで申し上げますと2ページでございますが、こちら別紙 の5でございます。こちらは医療資源の投入量が非常に小さい場合というケースでござい ます。この場合は、入院期間Iの点数を現在のプラス15%からプラス10%に変更した らどうかと。さらにIIの期間についてはAとBの面積が同じ面積となるように再設定をし、 さらにIIから特定入院期間の間につきましては、マイナス15%からマイナス10%に変 更するということで、なだらかな点数に変更してはどうかというものでございます。  さらにウでございます。ほかの場合はと。ほとんどのケースにおいては現在の設定で非 常にうまく点数設定が表現できてございますので、これらについては現行の通常の設定方 法によって点数表を作成してはどうかというものでございます。  以上が案の1でございますが、実は、案の1のアに関しまして、初期の資源投入量が多 いケースにつきまして、15%から25%に変更するということで申し上げましたが、実 は、実際別紙1の(2)のケースを見ていただきますと、このケースでプラス15%をプ ラス25%に変更したとしても、恐らく十分に対応はできないのではないかとも考えられ ますので、私どもとして案の2として、さらによりよい案と考えておりますが、こちらの 案も御提案を差し上げます。  まず、案の2のアでございます。入院初期の医療資源の投入量が非常に大きい場合でご ざいますが、こちらは別紙6でございます。別紙6の設定でございますが、まずIの期間 でございますが、こちらは入院期間Iの1日当たり包括範囲出来高点数表の平均をとって しまえばどうかというものでございます。次にIIの期間の設定でございますが、入院期間 Iの点数及び1日当たり平均点数をもとに、面積がAイコールBとなるように再設定を行 う。さらに入院期間III、入院期間II日以降でございますが、これにつきましては入院期間 IIの点数から15%減じた点数で設定を行う。  次に、イの資源投入量が小さい場合のケースでございますが、こちらは先ほど御説明し ました案の1のイのケース、別紙5と同様でございまして、こちらは15%のものをそれ ぞれ10%ずつに変更するという案にしてございます。  さらにウ、ほかのケースでございますが、これについては通常の設定方法によって点数 表を作成したらどうかということでございまして、こちらの案の2の設定方法によれば、 Iの期間の点数は実際の出来高の平均点を持ってまいりますので、実態に合った点数設定 が可能となるのではないかと私どもは考えてございます。  こちら案の1、案の2を含めまして、先生方から御意見をいただければと思っておりま す。これにより、初期の投入資源が非常に多い診断群分類にも対応可能となり、調整係数 の段階的廃止に対応ができるものと考えてございます。  続きまして、2の包括払いの範囲の見直しに関してでございます。こちら別紙7をごら んください。実はDPC制度におきましては、別紙7のとおり、出来高の点数表をもとに、 各項目の特徴に応じて診断群分類点数及び医療機関別ケースによる包括評価と出来高によ る評価を組み合わせることにより、点数を設定してございます。この包括評価の範囲につ いて見直しを行うべきとする意見がございましたが、どのように考えるかという点でござ います。  別紙7でございます。別紙7の1ページ目の第1、この部分は割愛いたします。  第2、診療報酬の内訳でございます。1、包括評価部分点数の考え方でございますが、 (1)診断群分類ごとの1日当たり点数。ア、考え方。原則としていわゆるホスピタルフ ィー的要素(主に医療機関の運営コストで、固定費用部分を反映)であって、医療機関の 機能等を評価しているもの以外を包括的に評価したものでございます。  イが具体的な事項でございまして、(1)入院基本料、(4)医学管理等、(5)検査、(6)画像 診断等々ございます。次のページも続いてございますが、(7)から(13)までございますが、 こちらは説明を割愛いたします。  次に(2)が機能評価係数でございますが、こちらも割愛させていただきまして、2ペ ージ、3ページ目は割愛させていただきます。次の出来高評価部分点数も割愛いたします。  この資料の最終ページをごらんください。こちらのページが一番重要でございまして、 このDPCによる診療報酬の内訳という資料でございますが、丸囲みで囲ったものが診断 群分類の1日当たり点数で、包括評価されている部分でございます。こちら一番下の部分 に説明がございます。上からこの図表で申し上げていきますと、まず入院基本料の部分に ついてはDPCで包括評価されておると。  次に(4)の医学管理部門でございますが、手術前の医学管理料、手術後医学管理料の部分 も包括評価。  次に(5)の検査につきましては、カテーテル検査、内視鏡検査等々につきましては出来高 ですが、それ以外の検査、例えば検体検査判断料及び検体検査管理加算等につきましては 包括となってございます。  さらに画像診断につきましては、四角囲みの出来高以外の画像診断。  投薬についてはすべての項目。  さらに(8)の注射につきましてはすべての項目で、無菌製剤処理料も含んでございます。  (9)の処理に関しましては、基本点数が1,000点未満のもの。  さらに(10)の病理診断については、病理標本作製料が包括となっております。  さらに(11)番から(14)番、在宅等々でございますが、これにつきましてもリハビリテー ションまたは精神科専門療法に伴い、使用された薬剤につきましては包括となっておると いうことでございまして、再びもとの資料に戻りますが、この包括範囲の評価についてど のように考えていくべきかということを御議論いただければと思っております。  続きまして、3の項目でございます。個別の診断群分類について。現在MDCごとに班 会議において、分類の見直しの検討を行っているところでございます。まずは7月の中旬 にMDC班長会議を開催を予定してございます。この開催に当たりまして、もし先生方か ら特段の御意見等々ございましたら、お伝えいたしますので、よろしくお願いいたします。 あとはその他の項目でございます。  次、もう一枚めくっていただきまして、3ページでございますが大きな項目、II.DP Cにおける調査についてというものでございます。こちら、前回の機能評価係数の御議論 の中でも御指摘事項がございました。E・Fファイル、様式1の見直しに関してでござい ます。  まず、E・Fファイルについて御説明いたします。こちら別紙のもあわせてごらんくだ さい。(1)ファイルの統合についてと。まずE・Fファイルつきまして、重複している 入力事項が多くございます。これ、別紙8のそれぞれ1ページ目がEファイル、2ページ 目がFファイルとなってございますが、それぞれを見比べていただきますと、網かけとし ておるところが互いに重複している部分でございます。こちらの2つのファイルを今後統 合すべきとの御意見がございましたが、これにつきましてどのように考えるかということ で御議論いただければと思います。  失礼いたしました。網かけが見えにくくなっておるそうでございます。網かけ部分を申 し上げます。別紙8でございます。まずE−1番、施設コード、これ網かけとなってござ いました、失礼いたしました。E−1からE−9まででございます。上の9つが網かけと なってございます。さらにE−14、これも網かけとなってございます。よろしいでしょ うか。別紙8のほうはE−1からE−9、さらにE−14が重複しているということで網 かけとしてございます。  次、2ページをごらんください。Fファイルのほうでございますが、F−1からF−6 までが網かけでございます。さらにF−8、9、10が網かけとなってございます。さら にF−17が網かけとなってございます。もう一度繰り返しますがF−1から6、F−8 から10、F−17でございます。これらが網かけとなってございまして、E・Fファイ ルを統合すべきという御意見がございましたが、今後どのように考えるべきか御議論いた だければと思います。  次が(2)入力内容の見直しでございます。E・Fファイルは出来高制度の規定に従い 入力してございます。そのため、特定入院料等の処置等が包括されている点数を算定する 場合には、E・Fファイルにはこれら特定入院料に包括される項目は入力されておりませ ん。これにつきましてどのように考えるかということでございますが、特定入院料等に関 しましては、先ほど用いました別紙7でございます。別紙7の3ページでございます。  別紙7、3ページ、2の出来高評価部分点数とございますが、その下のイの(2)の(3) でございます。特定入院料。こちらは加算点数として評価と書いてございますが、DPC 病院におきましては、9項目が特定入院料となってございます。まず、救急救命入院料、 特定集中治療室管理料、ハイケアユニット、脳卒中ケアユニット等々でございまして、こ れらの項目が特定入院料となってございまして、先ほどの資料に戻りますが、これらの項 目、現在はこれらに包括される項目は入力されておりませんが、どのように考えるかとい うことを御議論いただければと思います。事務局といたしましては、特定入院料に包括さ れている項目についても貴重な情報でございますので、入力をお願いしていきたいと考え ておる次第です。  次が2番、様式1、別紙9でございます。別紙9が様式1でございまして、様式1には、 こちらごらんいただきますとおり、患者の重症度を評価するため、必須項目と非必須項目 を設けておりますが、この項目について見直しを行うべきとの御意見が前回ございました。 これについてどのように考えるべきか御議論いただければと思います。  さらに3番、DPC調査の通年化でございます。医療機関の診療内容の正確な把握及び 点数への反映のため、DPC調査の通年化を行うべきとの御意見がございました。これに ついてどのように考えるべきか、私ども事務局としましても実施すべく予算要求等々で準 備を進めたいと考えております。  さらに、その他の項目で御意見等々ございましたら、よろしくお願いいたします。  長くなりましたが、事務局からは以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  今の御説明でございますが、これを議論していくに当たりまして、少しずつ分けながら いったほうがいいのではないかと思いますので、よろしくお願いします。一度にやってし まいますと分からなくなってしまう可能性があります。  最初にこの1日当たり点数の設定方法についてからまいりたいと思います。これについ て御質問あるいはコメントをお願いします。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  かなり、この案1、2というのは大きな改変になるわけなんですが、1日当たりの平均 点数に比して非常に大きい場合と、案1は書いてありますが、非常にということについて、 何かはっきりした数学的クライテリアを設ける予定があるんですか。 ○長谷川補佐  一応私どもとしては、データを持っておりまして、大体見比べてまいりますと、恐らく すべて2,500ほどございますが、その8割近くは現在の15%、15%がうまくはま っておりますが、上の200とか300程度がうまくはまっていないというのが現状でご ざいまして、私どもが見ても明らかに違うところについて、今回何とか手当てをしたいな と考えている次第でございます。 ○齊藤委員  それは例えば悪性腫瘍治療薬とか、そういう非常に高いものを使ったもので、前から外 出しにすべきかとか、いろいろな議論があったのですが、そういう従来の方式では対応し きれないような事態と考えるべきなんでしょうか。 ○長谷川補佐  入院期間Iの投入量については、実は私ども15%値で設定しているものの大体マック スで2倍程度、初期入院時点で投入しているものもございまして、それについてはもう明 らかに、現在の点数設定では対応できないと考えております。それが大体、上の200程 度ある次第でございます。 ○齊藤委員  今までは、全体の平均点数の15%とか、非常にDPCの体系として分かりやすく美し いものになっていたんですが、こういうふうに非常に高いから25%だとか、それほどで もないから10%に下げるとか、どんどん細かく追求し出すと、だんだん出来高にまた近 づいてくるような危惧もなしとしないのですが、どうなんでしょうか。 ○長谷川補佐  実は従来は調整係数がございましたので、マイナス部分は調整係数で補てんができると 考えてございましたが、今般、段階的廃止となりますので、明らかに大きな差となる部分 については何らかの手当てをすべきだということでございまして、私どもとしては、案の 2のほうでございますが、入院期間Iの部分に関しまして、Iに投入した医療資源投入量 の平均をとりまして、客観的な数字でお示しできればと考えてございます。 ○西岡分科会長  よろしいですか。  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  同じ診断名であっても入院の形態、例えば救急であるとか予定であるかとかによって大 分点数が変わってくると思うんですけれども、そこら辺の検討はいかがなんでしょうか。 ○長谷川補佐  私ども、現在のクライテリアでは予定入院と緊急入院ということで、予定入院以外を緊 急入院と、一応定義上しておりますが、そこで比較しましたら、わずかながら確かに点数 の差はありますが、基本的には私ども、過去2年間のデータを用いて点数設定してござい ますので、その部分は、今回新たな機能評価係数の中で、救急部分をしっかり手当てする ことができれば対応可能かと考えております。 ○小山委員  基本的な考え方として、先ほど齊藤先生がおっしゃったみたいに、DPCに求めたのは、 今の医療保険制度が非常に複雑であるからということで動き出しましたよね。やっぱりこ ういう形でもってどんどん細かくしていっちゃうと、調整係数という1個の非常にいいも のがあったのをなくすために、どんどんどつぼにはまっていって複雑化されてきちゃうよ うな気がして、私は仕方がないんです。  確かに調整係数という名前はよくないというのであれば、それこそさっきの話じゃない けれども名前を変えて、こういう意味合いを持つんだという形でもって残したほうが、ず っとこのDPC本来の目的を達するんじゃないかという感じがするんです。だから、これ だけ点数が出てデータが出るんだとしたらば、この部分に対しては一個一個手当てをして いくのでは、とてもじゃないけれども、判定するほうも大変ですし、出す病院もとても大 変だと思うんです。だったら逆に、このところは調整係数じゃなくて救急保険係数でもい いですけれども、何か違う形の係数でという考え方も1つあってもいいんじゃないかなと いう感じがします。  こう言っちゃうと、齊藤先生と私、同じ意見で、やはりどんどん細分化されていっちゃ うと、本来のDPCを導入した目的が何かなくなってしまうような気がするんですが、と いう感じがします。意見です、これは。 ○西岡分科会長  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  実はこのDPC病院の中に加わってきた病院というのは、かなり幅のある病院が入って きています。複雑化しないほうがいいというのは私もそのとおりだとは思うんですが、か なりクラスの違う病院で一つの疾患が診られているということはやっぱり否めないです。 そこをうまく、調整係数が何とか体面を保っていた部分があると思うので、今やっている 議論は必ずしも調整係数とは無関係ではないというふうに思っておく必要があると思いま す。反対しているわけではないのですけれども、ある意味で点数設定の複雑な方角もちょ っとは必要かなという感じもします。 ○西岡分科会長  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  あと、この入院期間Iが、例えば15%より高く設定されたということのコンセプトが、 1つは確かに入院初期に医療資源が多く投下されるという考えもあるわけですが、もう一 つは、少なくともこれを導入したときには、どうしても入院期間が長くなりやすくて不要 な入院があるので、入院期間Iで済むものは済ませようという、そういう入院期間短縮の インセンティブをそこに設定したという経緯はあると思うんです。それが確かにかなり効 果を発揮して、みんなできるだけ入院期間I、長くても入院期間IIのうちに退院できるよ うに設定しようということで、病院も患者さんもそういうことをよく理解しながら展開し てきたので、ちょっと入院期間Iの意義づけというものが高い点数を反映する期間にしま しょうというので少し、つまり出来高を反映するようなものに変えましょうというので、 かなり入院期間Iの意義づけの変更を内包しているのではないかなという気がするんです。  その辺、それと、今まで例えばリツキシマブなんかでもかなり高く悪性腫瘍治療薬、リ ツキシマブ使用のという診断群分離を1つつけたりして対応してきて、これはどんどん増 やしていくと、薬の数だけ診断群分類が増えるんじゃないかという危惧も確かにあったこ とはあったのですが、それでもある程度出来高を反映したDPC体系として堅持されてき たと思うんですけれども、25%ではおさまりきらない人たちが30%、40%にしても らわなきゃおさまらないとか、細かく細かく言い始めると、これは包括化の意義がだんだ ん出来高によろめいてくるんじゃないかなという危惧がなしとしないのですが、どうなん でしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局お願いします。 ○長谷川補佐  私どもの提案としては、現在2通りある点数表を、今回5パーセンタイルは取りやめに しまして、3通りにするということで、ある意味1種類だけ増やさせていただくというつ もりでございまして、これ以上複雑化ということは基本的に考えてございません。 ○西岡分科会長  どうぞ、熊本委員。 ○熊本委員  5パーセンタイル値のあれはなくなるということですか。先ほどおっしゃった200、 300ぐらいはちょっと見た目、かなり差があるということで、こういう案1、2を出さ れたわけですけれども、それは5パーセンタイルでもやっぱり解決できないからというこ となのか、5パーセンタイルの部分でかなり解決されているけれども新しくというのか、 ちょっとそのあたり教えてください。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○長谷川補佐  実は私がちょっと先走ってしまいまして、5パーセンタイルの部分については先生方の 御議論をお待ちしたいと思っております。ですが、今回御提案する内容については、要は 入院初期にかかる投入量が多いところについて、今回新たな提案をしてございますが、そ の点数表で設定をすると、恐らく従来うまく評価できていなかった部分、特に5パーセン タイルに縮めた部分も含めまして、ある程度評価ができるようになるのではないかと考え てはおります。 ○西岡分科会長  どうぞ、企画官。 ○宇都宮企画官  すみません、先ほどから議論として最初の、要は25パーセンタイルでも5パーセンタ イルでも、点が追いつかない部分について特に着目されているようなんですが、この別紙 の2の(1)でごらんいただくと、左側の初期に追いつかないということも問題なんですけれ ども、むしろ右側のほうの、ある程度期間が過ぎたほうが出来高よりも高い点数が設定さ れて、これは現場からの声もよく聞こえるんですが、要は長く置いたほうが収入になるじ ゃないかと、そちらについての問題意識もあるということでございますので、そのように 左側の高い部分だけじゃなくて、右側の低い部分も含めて御検討いただければと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○齊藤委員  そうすると、これ疾患によって傾斜がまちまちだから、それに合わせて傾斜配分のスロ ープを変えていこうと、そういう考え方ですね。 ○宇都宮企画官  おっしゃるとおりです。  それが、これまでの2種類ではなかなかカバーが難しかったので、例えば3種類、ある いは5パーセンタイルのものを残すのであれが4種類になりますが、そういうふうにする ことによって、もうちょっと実情に近くなるのではないかなと、そういうことでございま す。 ○西岡分科会長  伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  大変おもしろいというか、出来高とそれからDPCのハイブリッドな考え方が提出され ていると思うんですけれども、逆に案の2のアだけにしたらどうなんですか。最初の入院 期間のIのところの平均だけをとって、あとは全部この1種類だけにすれば、逆にアップ コーディングの問題とか、すべて解決しちゃうんじゃないかという極端な議論というのは ないんでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 ○長谷川補佐  実は、私ども一応検討はしたんですが、そういたしますと例えば、先ほどの別紙3でご ざいましたか、なだらかなほうがございましたが、なだらかなほうでまいりますと、本当 に横一直線になるといいますか、本当になだらかになってしまいますので、ちょっとこち らのほうの対応が厳しくなるという点がございます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○伊藤委員  今の現場の状況からいうと、入院期間のIIの平均ぐらいのところが一番もうかっていて、 それ以上長くしても短くしても収益としては悪くなるので、なかなか平均在院日数が欧米 に比べて縮まないのはそこにあるんだという議論もあるんですけれども、それを考えれば、 完全に、例えば案の2のアみたいな形にすれば、そういった逃げがいかなくなるでしょう し、巷で言われるアップコーディングの話というのは消えるのかなというふうに思います。 これ、多分案の2のアとかイとかほかの方法を使うと、どのコーディングをするのが一番 いいのかというのが、かなり現場で議論になるのかなというふうに懸念があるんですけれ ども。 ○西岡分科会長  鋭い御指摘でございますが、何か。  1つは入院初期にものすごく医療資源を投入しなければならないというのだとすれば、 今おっしゃられました案の2のアの形がいいのかもしれないですが、なだらかな形での、 特に内科疾患なんかの場合にはなだらかになるのかもしれないですが、そういった場合に どういうふうにするかというのをやりますと、資料の2つ目の形なんですね。さらに、在 院日数を短くするというふうな形で進むかどうかなんですが、今までのDPCを導入して から在院日数がものすごく短くはなってきているんですが、欧米並みにはならないという、 これは後方病院なんかの問題がまだうまく解決していないところもありますので、そこも 大きな問題かなということがあるんじゃないかと思うんですけれども。そういうのも御考 慮の上で、初期にものすごく高い点数が必要で、その後に流れていくパターンと、それか ら横にほとんど変化のないようなパターンを導入していくというふうな形での御提案なん ですが、これにつきましては。どうぞ。 ○酒巻委員  私の個人的な考えですけれども、最初の5パーセンタイルのところで非常に高く煙突を 立てた部分がありましたね、前に変更して。これは、やっぱり残していただいたほうがい いんじゃないかなと思います。その上で、今回出された案はプラス25、プラス15、そ れからプラス10と、この3種類なんですね。この3種類に分けるのは、現実に200疾 患ぐらいは当たらないものがあるということを事務局側で見ているわけですから、このく らいまでの範囲だったら分けてもいいんじゃないかなという気はします。さらに多く、5 0にしますとかと言われたら、さすがに絶対反対ですけれども。4つかその程度でおさま るのであればよいように思うんですけれども。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  あと、これ、いろんな入院直後の薬とか、そういうものでこのスロープの形というのは、 かなり流動的に変わってくると思うんです。その過去のデータに照らして病名が決まれば、 このスロープというのはかなりいつまでも変わらないものなのか、新薬の開発とかそうい うものによって年々今後スロープの形は変わってきて、あるときはこの25%群にあるけ れども、途中から次の改定では15%のほうにこの疾患は移っていくでしょうとか、そう いうような性質のものなんでしょうか。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○宇都宮企画官  一応理屈的には、そのたびごとに計算をして、その形を見てということなので、確かに 新薬の登場などによって極端にこの山の形が変わるようであれば、そういう変更はあり得 ると思います。 ○西岡分科会長  じゃ、これに関しては、少しパターンが増加するということになりますが、そういった 形のところで御検討いただくということでよろしいでしょうか。  それでは、その次の2つ目の課題でございます。包括払いの範囲の見直しということに ついて……。 ○宇都宮企画官  分科会長、申しわけございません。  今の案の1のほうか2のほうか、イとウについては両方一緒なんですが、アについて案 の1のほうがよりよいか、2のほうがよりよいかとか、その辺についての御意見をできれ ば頂戴したいと思うんです。あるいはもうどっちもだめだというならば、そういう御意見 でも結構ですけれども。 ○西岡分科会長  失礼しました。2のほうのアを取り入れてはどうかというので少し傾いているように思 うのですが、これに関して、やはり案の1のアのほうがいいというふうな御意見とかござ いますでしょうか。  どうぞ。 ○酒巻委員  1つ質問なんですけれども、この案2のアのところに「1日当たり平均点数に比して」 とあるんですけれども、平均点数ですから、当然平均点数の幅といいますか、2SDとか そういうものがつきますよね。この幅の大きさによっては、こうすることが不適切である という場合が出てくると思うんですけれども、それについてはどこかでラインを引いてい るんですか。つまり分布が余りにも大きすぎるので、この方法をとることができないとい う場合があるだろうと思うんですけれども、そこの制限とか何かは何か考えているんです か。 ○西岡分科会長  企画官、お願いします。 ○宇都宮企画官  今、先生のおっしゃったのは、ケース、ケースで幅があると、そういう意味ですか。ど っちの意味になりますか。 ○酒巻委員  あるDPC番号がついたものがありますよね。それに対して1日当たりの平均点数とい うのをとると、例えば1万点だとするじゃないですか。1万点でプラスマイナスが3,0 00点という場合があったり、1日当たり1万点プラスマイナス500点という場合もあ りますよね。ものすごく収斂していれば、こういう考え方は非常にやりやすいんだけれど も、非常に幅の広い分布になっていると、こういうことをやるとかえって収斂しなくなっ てしまうということがあると思いますので、1日当たりの平均点数にしても、やっぱりあ る意味での幅というのは考えておかないとまずいんじゃないかなと思うんですけれども。 ○宇都宮企画官  そもそもそのようにばらつきが非常に大きいものは包括になじまないということで、ツ リーから外して出来高の値になっていると思うんですが。 ○松田委員  変動係数が多いやつは外れてしまう。 ○酒巻委員  そこでやっているというだけで、つまりそれは私も知っていたんですけれども、それ以 上の計算はやらないということですね、逆に言えば。これ1日当たり平均でいいんですね。 分かりました。 ○西岡分科会長  ある程度収斂しているものを対象にということでございますね。  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  すみません、ちょっともう一度、今、別紙6のところを見ているんですけれども、別紙 6のYというのは、これ出来高の平均点数を持ってきて、この点数にするということです よね。そして、しかもAイコールBということは、これが大きければ大きいほど、その後 に引かれるタイルは、これは一応マイナス15%になっていますけれども、もっと大きく なる可能性があるのか、それとも日数で調整するのか、どちらでやるんですか、これは。 AイコールBだよね、あくまでも。 ○長谷川補佐  実は先生御指摘のとおりでございまして、AイコールBでとりますので、入院期間Iか らIIの点数は、通常、現在の設定より低めの値となります。 ○小山委員  ただ、そうなってくると、今改善しようとしているところが、IIの入院期間も、例えば 別紙2−(1)を見ますと、出来高のほうがちょっと高い点数が、まだIIのところでも続いて いるわけですよね。ここはじゃ、マイナスになってしまうという形なんですか。Iの入院 設定をどこにするかによって変わってくる。でも、この2−(1)を見る限りにおいては、も しこの方式を用いたときに、IIの入院期間でもマイナスですよね。このマイナスはカバー されなくなっちゃうという意味ですか。 ○伊藤委員  入院期間のIIまでいったら一緒だと思うんです。 ○小山委員  IIのどこまで。 ○伊藤委員  入院期間のIIにいったら基本的には一緒になるんだと思います。入院期間Iが短ければ 短いほど高くなるんですけれども、IIまでいってしまえば従来と一緒ということだろうと 思います。だから、入院期間のIIよりもっと短いほうにインセンティブが働き得る構造だ と思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○伊藤委員  いずれにしても、今のシステムの問題点として、入院期間のIIが一番効率よく収益が上 がるというふうに言われていて、それで平均在院日数がこれ以上縮まないというスキーム になっているのを打開するには、何らかの形で変える方策がいいのではないかなというふ うに思いますし、ここの、先ほどちょっとかなり極端な話はしましたけれども、入院期間 の案の2のアの方式がきちんと使えれば、入院当初に例えば検査とかでお金がかかるもの について、安心して患者さんに対して検査ができるという、診療現場からは不安がなくな っていいのかなと思います。ただ、もちろん余り短い期間のところにぽんとやると、今度 は診療期間Iを過ぎた後がごっそり減りますので、また何か言われるのかもしれませんけ れども、いろんな考え方をもう一回整理してみる必要があると思いますが、今の現状の打 開にはなるのではないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  伊藤先生、IIの入院期間まではいいんですが、特定入院期間のところがばさっと減って しまうということも起こり得るかもしれないんです。そのあたりがものすごく複雑な患者 さんを受け入れておられるようなところがかなりマイナスになってしまうということも起 こる、起こらないように計算していただくことになるんですけれども。 ○伊藤委員  余り外国がという話をしたくはないんですが、我が国の平均在院日数がやっぱり長いと いうのが、何らかの形でインセンティブが働いていないので今のままでいいという形にな っているんだろうと思うので、ちゃんと医療機関の分化を進めていくためにはある程度の 痛みというのは伴うのかなというのは思います。今、手元にある病院のデータがあるんで すけれども、どうも出来高とそれからDPCの差を見ると、平均在院日数が長くなるほう が収益として大きくなるというのが今の現状のデータが出ていますから、まだ在院日数を 短くすることの仕組みとしては、今のままが十分ではないということもあるのかもしれな いと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  そういった議論を踏まえまして、この案の2のアを導入するという、むしろこれは導入 することのほうが望ましいということでよろしいでしょうか。  じゃ、一応そういう、この場での考え方の総括は、案の2を導入するということになり ました。  どうぞ、企画官。 ○宇都宮企画官  ありがとうございます。  それから、両方の案に共通の案として、イのほうのなだらかなほうについてはいかがで しょうか。 ○西岡分科会長  この辺については特に皆様方、実態に合わせたという形でございますので、異議は余り ないんじゃないかと思うんですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。だから、 この案の2を丸々採用するような形になるということになると思います。  それでは、一応またお考えいただいて、これではおかしいという御意見がありましたら、 また次回にでも御発言いただけたらありがたいと思います。  その次の2番目の包括払いの範囲の見直しについてのことでございますが、これについ て御議論をお願いいたします。  別紙7の一番最後のページがそれに相当いたします。この中で包括よりも外へ出したほ うがいいのではないかと、あるいは外に出ているんだけれども包括にしてしまったほうが いいのではないかというようなものがありましたら、御指摘をお願いできればというふう に思っておりますけれども。  どうぞ、松田委員、お願いします。 ○松田委員  以前からずっと出ている話で、先ほどの入院期間Iまでの点数設定にもかかわってくる 話だと思うんですけれども、やはり高額薬剤をどうするかという問題と、あと高額材料を どうするかという問題と、あと私が問題だなと思っているのは、術中迅速みたいな、あれ はどちらかというとドクターフィーじゃないかなと思うので、今の包括されている中に少 し出来高にしたほうがいい技術料的なものもあるだろうと思っています。  あと、そのうちの、3番目の問題はそれでいいと思うんですけれども、高額薬剤に関し ては、例えばその多くは化学療法に当たるわけですけれども、それを外に出してしまった ときに今度、外に出せない化学療法の扱いをどうするかという問題がやっぱり出てきてし まうと思います。そうすると、もしかすると分岐で分けていったほうがいいということに なるのかもしれません。  あと、高額材料に関しては、インターベンションまでいけばいいんですけれども、検査 だけで終わってしまって、同じ材料を使っているのに手術等にならない分類がありますの で、そういうところで使われる材料をどうするかということが、多分議論しなければいけ ないことだろうと思います。 ○西岡分科会長  小山委員、どうぞ。 ○小山委員  今の材料については、かなり現場からの要望は強いですね。カテーテルをやっても技術 点数だけはとれるけれども、材料も一切つかないということによって、非常に病院にとっ てはマイナスのほうになっています。それをもし検討していただけるなら、ぜひ高額材料 についても一部考慮していただければと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○酒巻委員  カテーテルのときの高額材料、つまりカテーテルのさまざまな材料、あれは疾患の複雑 なやつといったらおかしいですけれども、手技の複雑なものほど、たくさん実は投入せざ るを得ないんです。カテーテルを4本使いますなんていうことはけっこう起こっているよ うでして、やっぱりそこは何らかの手当てが必要なんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  今、高額薬剤の問題、高額材料の問題というのを御指摘いただいたのと、それと術中迅 速病理、診断料は外に出ているんですが、それの標本作製料というのは、これ自身はむし ろ個々の人が得るものですから、どういう形にしますか。 ○松田委員  その体制があるかないかによって、やっぱり切除できる範囲とか、する範囲がもうかな り変わってくるので、がんの治療をやる現場において、かなりクリティカルな問題だと思 います。私はここはきちんと評価したほうがいいんじゃないかなと思っています。  あと高額薬剤と高額材料のところで、もう一つ考えなければいけないのは、値決めの問 題もあるだろうと思います。日本はやっぱりメディカルテクノロジーアセスメントが余り 十分でないので、本当にこの値段でいいのかということに関する、余り科学的なデータが ないというところが問題だと思いますので、そのことも、ここでやる問題じゃないと思う んですけれども、根っこのところでやっぱりその問題もきちんとやらないといけないのか なと思います。ただ、何でもかんでも全部出来高にしてしまうと、それはそれでまた材料 と薬剤に関しては医療の現場を変えてしまうと思いますので、なるべくグルーピングをし ながら分類で分けていくというやり方がいいのかなとは思います。  先ほどの検査でインターベンションにいかなかったというものは、出来高にするという 考え方もあると思いますけれども、それを手術・処置等2と同じように扱うという考え方 もあっていいんじゃないかなというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  これは、今後これで来年度の診療報酬改定はいきますよという案なんですか。現状がこ うであるという、現状でこれからどう変わってくるかはまだ分からない。  例えば前、議論が出た救急の診断がつかない状態での最初の24時間とか48時間まで は、これは診断群分類にはめられないでいろんな検査をしていかなきゃならないという状 況で、DPCにそぐわないという意見が病院現場から多いんです。そういうのが、外来も もちろん今、外出しになっているわけですけれども、外来扱いのような形で出来高算定が 妥当なのではないかというのは、病院団体の多くのグループの意見なんです。 ○西岡分科会長  全体の先ほどの支払いのスロープみたいなののパターンがこういうのもあるというので 御了解いただいたわけです。さらに、それにも影響してくるんだと思うんですが、現状の DPCの中で調整係数が除かれてしまったときに問題になりそうなものをむしろ御指摘い ただければ、それをもとにして考えていただくということになるかと思うんですが。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  今の齊藤先生のお話をされたのは、先ほどの2のアで解決はしているんじゃないかなと いうふうに思うんですけれども、いかがでしょう。 ○小山委員  それは違います。AイコールBになっちゃうからだめなんです。AイコールBになっち ゃうから全然増えないんです。 ○伊藤委員  少なくとも診断のときに多量に医療資源が投入されたもので、実はあとそれほどじゃな いという形のものというのは、医療現場でたくさんあるんだと思いますが、そこのところ は今の2のアのほうで解決にいくのかなというふうに思いまして。 ○西岡分科会長  小山委員。 ○小山委員  だから、AイコールBですから、増にはなりませんから、全然解決にはならない。一部 はなるかもしれないけれども、それでもって全部解決するにはちょっと足らないかな、現 場サイドの意見ではそういうことだと思います。 ○伊藤委員  多くは解決がするのではないかなというふうに思いました。 ○小山委員  何をもって多くと言うかですけれども、実際に臨床をやっていると、先生、そんなレベ ルじゃないところでもって、もう現場は非常な疲弊していますので、実際はAイコールB である限り、AとBが等しいじゃなくていいよと、Aだけ突出していいよというんだった らばいいけれども、AのほうがずっとでかくてBは小さくてもいいよというんだったらば、 その逆か、何でもいいんですけれども、AイコールBである限り、あそこで出る一時的な 収益というのはほとんど同じなわけだから、それを一緒だからいいだろうと言われちゃう と、ノーと言わざるを得ないと思います。 ○伊藤委員  救急を実際やっていますと、実際はたくさん検査をして、その後に、余り大したことな かったですねという方がやっぱり多いんだろうというふうに思うので、そういったケース に関してはこれで解決がつくのかなというふうに思う。  それで、先ほど言われていた、逆にその後、本当に重篤な病気が見つかってきたもので あれば、本当はいけないんでしょうけれども、コーディングを変えればいいだけの話です ので、それで対応ができるのではないかというふうに思います。現場ではです。 ○酒巻委員  多分それはそうはならないと思いますね。 ○西岡分科会長  やや乱暴な御意見で。 ○酒巻委員  実際問題としてちょっと無理だと思います。後でつけかえて、それでスマートな格好に なるということには恐らくならないと思います。それは、それだけの数がおさまってDP Cの診断ができ上がっているわけですから。  もう一つ、ツリー図を少し特別なものを設けるかどうかというのはあるとは思います。 極めて診断がつきにくかった、それはどうやってやるのかもすごい難しいですけれども、 極めて判断が難しかったという例は当然あるというふうに思いますので、それは何らかの 方法でデータさえ集まれば、様式1に何らかの工夫を加えて、きちんとそれが判断できる のであれば、別なツリーにする方法はあるのではないかというふうに思います。  もう一つ、実は私、懸念していることがあって、加えていいですか。それは心肺停止で 来たときの問題です。実は心肺停止でも生き残ってしまうと言ったら、それは失礼ですか、 きちんと助けていただける場合がけっこうあるんです。その場合に、ものすごく手間と時 間がかかっています。しかし、今のこのツリー図の中では、これを扱う場面がどこにもな くて、それから様式1の中にも実は心肺停止で入ったということは情報として入っていま せんので、恐らく判断不可能という状況だと思いますので、ぜひ心肺停止についても何ら かの方法で調査をしていただいて、ツリー図の中に反映していただくか、あるいはもう心 肺停止そのものを外していただくか、どちらかがいいように思っています。 ○西岡分科会長  この救急の問題は、今までお伺いしていると、私自身現場で体験しているもので言いま すと、全く診断がついていなくて、多くの検査を全部やらなければいけないということで、 トータルとして通常の入院に比べますと、かなり医療資源を費やしているというのが現状 だというふうに思われますので、ちょっとこの段階だけでは、やはり案2のアに含めてし まうのでは、現場の医療資源の使用量を反映できないんじゃないかなというふうに、私個 人もそう思っています。だから、ちょっとこれについては検討していただくと。伊藤委員 のおっしゃるように、でも実は大したことなかったので、そのまま帰せばいいだけだった というふうなことになるかもしれないのですが、実際の現場ではかなり大変なことになっ ているというふうに思いますので、これを1つ残しておいて検討課題にしていただくとい うのがあると思うんですが、ほかには何かございますでしょうか。  どうぞ。 ○宇都宮企画官  今の救急の件なんですが、多分いろんなパターンがあると思うんです。いろんな検査を しなきゃいけないけれども、ある一定の診断群に決まると。それが比較的ある程度ティピ カルなものというか、そういうケースが多ければ、伊藤先生がおっしゃるようにツリーで おさまるものもあるでしょうし、そうじゃなくて、かなりバリエーションがあるものであ れば、確かに非常に不採算になる確率が高い。その場合、日病協御提案のように48時間 出来高というのがいいのか。ただその場合は、DPCの場合、全部とりあえず出来高でや ってしまってと、いろいろなモラルハザードの問題もございますけれども、そういう話も ありますし。また、救急については従前から先生方から、そもそも体制をとっている、そ れを評価しろと。来られる患者さんだけじゃなくて、そういうことを考えたときに本当に そういう出来高とかそういう形でいいのか、あるいは機能評価係数の話もございますし、 いずれにしても救急は出来高も含めた話なので、最終的には基本問題小委のほうで御議論 いただく話だと思いますけれども、実際、不採算、不採算といってもどの程度不採算かと いうデータも余りないと思うんです。こちらのほうでも何か調べられれば、ちょっと調べ てみたいとは思いますけれども、もし先生方のほうでも、実際このぐらい不採算なんだよ とか、そういうものがあるのであれば、御提出いただいて、分科会でも議論できるのであ れば、議論して、またそういった材料を基本問題小委員会のほうにお持ちして、全体の議 論をしていただくとか、そういう形にしてはどうかと思うんですけれども、いかがでしょ うか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  多分、救急問題も、1つはやっぱり分類を少し見直す必要があるだろうとは思っていま す。例えば諸外国の分類なんかで見てみますと、例えば多重外傷とか、それからHIVを ベースに持っている人たち、いわゆるあとヘモフィリアみたいな患者さん、非常にばらつ いてしまうということがあるので、実は分類の一番最初のところで除外されます。そこは 最初から除外されて、分類としてはあるんですけれども、支払い対象としてはそこから除 外されるというパターンでやられています。多分今の集めているデータでも、それを1回 ちょっと検討してみる必要があるんだろうと思います。  今とりあえずまとまってしまっている1つの理由は、多重外傷とかDOAにしても、も のすごくお金がかかってしまうと、分散も大きくなってしまうので、平均と分散が両方高 くなってしまうと、変動係数がおさまってしまうんですよね。それを先ほど酒巻先生が言 われたみたいに、非常に額が大きいとばらつきも大きくなってくるので、そういうばらつ きの大きさをどういうふうに考えるかということをもうちょっと精査して、この救急にな るような分類というのは考えなければいけないのであろうと思います。  あと一応、研究班でいろんな分析をして、出来高と包括に関して救急症例も一応検討し ていますけれども、臨床の先生方の印象とは少し違ってきます。出来高と包括とを比較し て、必ずしも包括が不採算なわけではないです。ただ、ここには大きな問題があって、そ れは何かというと、出来高で計算すると、そこに必ずしも投入した医師とか看護師の業務 料が計算されないわけですよね。診療報酬の点数でしか上がってこないわけですから、だ からそこで多分、出来高と包括の比較をずっとやっていっても、今、救急の現場でやって いる医療職の方たちが考えている、一応印象として持っている感覚と、多分、合わないだ ろうと思っています。ですから、先ほど企画官が言われたみたいに、やはり体制も評価す るということも含めて分析していかないと、また間違えてしまうんじゃないかなというふ うに思います。そういう意味で、もう少し救急の問題というのはデータを見ながら少し精 査したほうがいいように思います。  DOAに関しては、一応ICD10でとれるので、例えば入院費のところでそれをきち んと様式1のほうでマークしていただくようにした形にして、そういう書類をつくってど うなのかということを少し分析するということもあるのではないかなというふうに思いま す。あと、急性腹症とか、そういういろんなものですよね。そういうところの入院時の診 断と入院以降のいわゆる資源病名との関連分析とか、そういうことを少し精査しながら、 救急の取り扱いというものは議論したほうがいいように思います。そういう意味で、少し 検討の課題ということでいいのではないかなと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  今、松田先生から御発言のありましたような形で、もう少しこの分科会としては何らか のデータを持たないと、発言はしにくいということもありますが、ただ、とにかくこの救 急の問題に関しては非常に大きな問題ですので、これは1つのテーマとして残しておくと いうことにさせていただきたいと思います。  もし、松田班でデータがある程度あるようでございましたら、我々のほうに御提供いた だければ非常にありがたいと思います。どうぞ。 ○松田委員  研究班のメンバーと、あと事務局との相談で、また資料を準備したいと思います。 ○西岡分科会長  お願いいたします。  どうぞ、邉見委員。 ○邉見委員  以前の前回の改定のとき、救急救命の入院の3日以内のが上がったですね。あのときに 私どもの病院のデータを数例出させていただきました。これは、救急入院して早期に亡く なった方とか、あるいは早期に地元の病院に帰りたいといって帰ってしまいますと、大幅 な赤字になります。そういうことを考えていただいて、3日以内は高く、4日以後7日ま では低くということになったわけですけれども、原課長の時代です。ただ、これもAイコ ールBみたいになっていますので、Aのところだけでやりますと、大変で、投入した医療 資源の割に評価がかなり低いと。当院の救急部の若い先生方からは、よそへ帰るような他 の地域からの救急は断れという決議が院長の私のところへ来ましたので、それを持って原 課長のところへ行ってお願いをしたら上がったんですが、あとで調べると当院はその救急 救命加算がもらえないと。ちょうど救急医学会の認定医が足らないということでもらえな かったということがあります。一応私どもは一度出させていただいています。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかにこの包括払いの範囲に関しまして御意見ございますでしょうか。  事務局のほうでも、いろんな問題になりそうな事例があれば、さらに追加して議論の材 料として出していただければ非常にありがたいと思います。  これに関しては、これでよろしいでしょうか。今、御指摘いただいた分と、さらにまた 事務局のほうでも事例に合わないようなものもある可能性がありますので、それも提出し ていただいて、さらに議論を進めるということにしてはどうかと思います。  それから、個別の診断群分類についてでございます。これは齊藤先生のほうでこれから 詰めてやっていただくことになっているんですが、これに関して何か特別の注文と言った らおかしいんですが、御意見がございましたら承りたいと思うんですが、いかがでしょう か。  どうぞ、お願いします、松田委員。 ○松田委員  分類の見直しは、また例年どおり粛々とやられると思うんですけれども、やっぱり少し 不足しているのが、複数の診療科にまたがってしまう全身性疾患の分類の見直しを、そこ を少しやらなければいけないんだろうというふうに思っています。例えば、以前は再建術 に関しては形成外科の先生に全部見ていただいて、手術・処置1の見直しをやったところ ですけれども、同じように全身性疾患で複数科にまたがるものについては、少しMDC横 断で見ていただく必要があるんじゃないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  例の透析の問題もぜひ議論する必要があると思うんです。ちょっとしたものは全部透析 が一番高くなるから、診断名は全部無視して透析になっちゃうので、そこのところもやっ ぱりどうするのか、2本立てにするのか何か考えないと、統計そのものがおかしくなって いっちゃうという感じがするんですけれども。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  これは、今までのヒアリングのところで何度か指摘されていた問題でございます。ぜひ ともこれも考える対象にしていきたいと思います。  どうぞ、木下委員。 ○木下委員  どのタイミングでお話しするべきかと思っていたんですけれども、実は機能係数のとこ ろでもいいと思ったんですけれども、今、救急の議論、小児救急も含めまして議論ござい ましたけれども、産科救急のことを一時こんなところに出たと思うんでありますが、病院 としても今の産科の状況において、特に母体搬送されて救急と受けるというふうなところ の体制も含めても、実は出来高で評価されたらどうかというような視点もありましたけれ ども、そういうふうなことよりは、むしろ体制として病院にそういった機能を持っている ということ自体が非常に大きなことでありますが、小児救急と救急のこれだけ議論がされ ているのであるとするならば、産科のことはちょっと余り評価されていないことでありま すけれども、病院としては大きな位置付けにあるように思いますので、その辺ちょっと御 議論、前、その話が出たときに消えてしまったので、なぜ消えちゃったのかなということ で、もうこれは復活できないものかというふうな視点で、ぜひちょっと御議論願いたいと 思うんですが。 ○西岡分科会長  産科救急に関してはDPCの中で余りデータがそろわないということで、基本問題小委 員会のほうで産科救急について御議論いただくという、そちらのほうの項目に入っておる のでございます。DPCのほうで正確なデータがなかなか把握できない部分がございまし たので、それでDPCの部分からちょっと離れたというふうな経緯がございます。そうい う理解で、事務局、よろしいですかね。 ○木下委員  分かりました。データがなければということなんですが、大事な視点ですので、病院に とっても大きな比重を占める部分でありますだけに、ぜひデータも含めて見捨てないでい ただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○西岡分科会長  これはDPC分科会から提出させていただきました検討すべき項目の中にちゃんと残っ ております。それでむしろ基本問題小委員会のほうで、救急全体も含めて産科をぜひとも 御議論いただきたいということで提出してございます。  どうぞ。 ○長谷川補佐  先生からも御説明いただきましたが、本日お示ししているD−1−3の「新たな『機能 評価係数』に関する検討の整理」、これは基本問題小委のほうに提出させていただいた資 料ですが、その中の2ページ目のBの項目、急性期医療全体でディスカッションすべきも のということで、Bの2の(4)の中で産科医療についての評価についても記載してございま して、これは基本小委のほうにきちんとお伝え申し上げておりますので、今後基本問題小 委の中で急性期医療全般で御議論いただけるものと考えております。 ○木下委員  よろしくお願いします。ありがとうございました。 ○西岡分科会長  ほかに御意見等ございますか。どうぞ、吉田委員。 ○吉田委員  ずっとレセプトを見ていますと、輸血が手術に入っていますよね。どんどん小さな病院 まで入ってきますと、全然浸透していないですね。だから、輸血あるいは手術ありなのに 全然診断群分類も間違えて出ていますね。あの辺、何とかいい方法はありませんか。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員、お願いします。 ○松田委員  研究班のほうでは輸血について除いて分析していますので、輸血についてはその他手術 と分けて分析するということはできますので、それは分類で対応できると思います。 ○西岡分科会長  ほかによろしいでしょうか、その他のところでいろいろ御指摘いただけると、これから 考えていくポイントとなりますので。  じゃ、この部分に関しては、診断群分類のところで輸血のほうもチェックをお願いする ということになりますでしょうか。  それでは、一応このぐらいでよろしいでしょうか。何か漏れているところ、この2と3 と4のところでは、漏れているところございませんか。よろしいですか。  それでは、次の3ページ目のところに移らせていただきまして、DPCにおける調査で すね、このE・Fファイルの問題がこれまで指摘されてきたと思うんですが、これについ て御議論をぜひともお願いいたします。  松田先生、まずお願いいたします。 ○松田委員  E・Fファイルを一体化するというアイデアもありだと思うんですけれども、データを 今度ためるということを考えたときに、データを分散して保存しきれなくなってしまうの で、多分データ容量がものすごく大きくなってしまうと思うんです。そういう意味では、 今のEファイル、Fファイルというのがそれぞれ別のファイルであって、それをつないで 分析できるようなファイルの分け方というのはそんなに悪くないんじゃないかなというふ うには個人的には考えています。そういう意味で、重複している部分をとってしまうと今 度はつなげなくなってしまうという問題と、複数月にまたいだときにちょっと分析しにく くなるなということを、ちょっと個人的には考えています。  それで、むしろ大事なことは、今のいろんな施設が調査と診療報酬の請求と別々の作業 でやっているということが一番問題だと思うので、調査用のデータと診療請求に使えるフ ァイルというものを一体的にできるようにシステムを持っていくということで対応するこ とが一番いいんじゃないかなというふうに考えています。  そういう意味では、今のDファイルをうまく使うような考え方、あるいは様式1の患者 管理情報を、請求ファイルをつくるときに患者管理情報をうまく除くような仕組みをつく る、僕たちはこれをRファイルと呼んでいますけれども、今の枠組みをうまく整理するこ とで、調査とそれから支払い両方に対応できる仕組みをつくることができるというふうに 考えています。多分そのほうがちゃんとしたデータを、僕たち全部のデータを持っている わけじゃないんですけれども、そのほうがいわゆる請求したDPCのコードといただいた データから再コーディングしたDPCのコードが違うということも予防できると思うので、 そういう形でやっていただけるのがいいのかなというふうに思っています。  あと、ついでに言ってしまうと、通年化の話は後ですので、そこまでです。 ○西岡分科会長  すみません。  まずE・Fファイルについて、どうぞ。 ○松田委員  E・Fファイルに関連して、もう一つ、やはりこれは救急とかICUとかにも関係して くることですが、小児もそうなんですが、やはり特定入院料に包括されている項目がFフ ァイルで上がってこないという状況は、やはりちょっとプロセス分析をする上でも、それ から実際にそれぞれのERとかICUの機能評価する上でも、少し、研究班としては非常 に不自由さを感じているところで、より妥当な調査や分類をつくったりとかするのであれ ば、やはり包括されている項目も入れていただくという方向で議論していただいたほうが いいんじゃないかというふうに考えています。 ○西岡分科会長  今の松田委員の御意見でございますが、これに関しまして何かございますでしょうか。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  重複についてそれほど問題がないのであれば、これは重複しているものをそのままとっ ておいていただくほうが、私たちとしてはありがたいと思います。なぜそうかというと、 システムを使いながら当然情報を出していくわけですから、改修しなくてはいけない部分 はなるべく少ないほうがよい。当然この特定入院料に包括される項目についても改修はし なくてはいけないわけですよね、これ使うということになれば。そうすると、二重三重に 手直しをしなくてはいけないということは避けたいものですから、できれば今まででき上 がってきた資産を上手に使いながら、システムは使っていきたいと思いますので、特段の 不都合がなければ、このまま残していただいてもよいように思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局。 ○長谷川補佐  まず、先ほど松田委員から御指摘のあったファイルの容量が大きくなるという問題なん ですが、昨今、データシステムの管理の機能は大変高くなってきておりますので、理論的 にはE・Fファイルが統合されても現在の環境では特にそれほど大きな問題は起こらない だろうと考えています。  あともう一方、酒巻委員がおっしゃったような改修部分の少ないほうがいいというのは、 御指摘全くそのとおりでございますが、実は今回、特定入院料等々の見直しを行うのであ れば、1カ所を改修するのと、そこの部分を改修するとなると全体の改修とほとんど同じ ようなものでございますので、ですからその際、思い切った改修をしても、手間としては ほとんど同じだろうと考えてございます。 ○西岡分科会長  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  いろんなところから全部聞いたわけじゃないですけれども、現場サイドの話を聞きます と、やっぱりE・Fファイルを1つにしてもらえるといいという意見はけっこう出て、同 じようなことばかりやっているので何とかならないのという話は、ときどきあちらこちら に行ったときに聞きます。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  ちょっと細かい話になってしまうんですけれども、今のEファイル、Fファイルってデ ータベースの構造としてはそれなりに正規化されているので、例えば点数改定とか点数の 算定のルールが変わったときに、別々のファイルで持っていたほうが対応がしやすいです よね。これを一体化してしまって、例えば個々の医療行為の点数も変わって算定のルール も変わったとなると、計算のロジックがすごく複雑になってしまうという問題があるので、 できれば、どういうことかというと、例えば生化学検査みたいに包括されているものがご ざいますですね。それは包括するというロジックをEファイルのほうで持っているわけで すけれども、今はそれがFファイルのほうでは別にそのロジックはないので、全部書きく だせるようになっているわけです。  ですから、診療報酬で新しい診療行為が入ってきた、あるいはあるものが除かれたとい うことになったときには、Fファイルのほうに対応するものだけをいじればいいわけなん ですけれども、これ両方一緒にしてしまうと両方いじらなければいけなくなるので、多分 ベンダーさんにとってはかなりきつい作業になるんじゃないかなと思うし、多分間違いが 生じやすいだろうと思います。だから、もしやるとすれば、Eファイル、Fファイルとい うのはそのままにして、そこから共通で一体化ファイルをつくるような枠組みをつくると いうことは、1つの折衷案としてあるんじゃないかなというふうに思います。  それと処理速度が全然違います。分けていたほうが、やっぱり処理速度が速いです。 ○西岡分科会長  このDPCの場合のデータというのは、後でいろんなものに関する解析のデータとなる んですが、そのあたりとの関係はいかがですか。分けておいたほうがいいのか、あるいは 一括してしまったほうがいいのか。ここから出てくるデータというのが日本の医療にとっ て非常に重要なものになりますので、そこのところの観点からはいかがでしょうか。 ○松田委員  今のFファイルというのは、施設によっても入れかえとかもあるんですけれども、丸め られる前のものがかなりきちんと入っているので、例えば先ほどの特定入院料で包括され ているものに関しても、実はきちんと入れている施設がFファイルのほうにあります。そ のデータはやはりいろんな見直しのときに非常に重要なデータだと思いますので、そうい う意味では、むしろFファイルをきちんと厚生労働省が示している指標でつくるというこ とを徹底するということが、このEファイル・Fファイルに関して一番大事な問題じゃな いかと思います。例えば有効期限というか、もう廃止された医療行為のコードが入ってい たりするような病院もありまして、けっこうきちんとしたFファイルの管理ができていな いということが問題かなと思っています。 ○西岡分科会長  分かりました。  これ、統合するかどうか、一本化するかどうかというのは、ちょっと話がまとまらない 感じですけれども、もう少し。 ○松田委員  つけ加えて言いますと、それぞれの施設がEファイル・Fファイルを今のまま持つとい うことは問題ないと思います。だから、そこがいわゆる一体化の請求レセプトをつくると いうことであれば、それは問題ないだろうと思うんです。そういうやり方があり得るのか なと思います。 ○西岡分科会長  請求レセプトをつくるということは、そこからまたEファイル・Fファイルにもう一度 入れ直すということになるんですか。 ○松田委員  調査はもうE・Fファイルのままでいいと思います。それで、ただしそこから調査と同 時に、同じシステムの中で請求ファイルがつくれるという仕組みをつくるという体制をつ くることが重要だろうというふうに考えています。 ○西岡分科会長  E・Fファイルの中で2つ問題がありまして、むしろこれを一体化するかどうかって、 まだ議論を深めていただかなければいけないんだろうと思います。  もう一つは、特定入院料の処置等が全く空白になってしまっているところがあって、今、 松田委員のお話では、それも入れてくださっているところも実際にあるということなので、 やはりそれも中身が明らかになるほうが、これからこの特定入院料そのものを考えるとい う上でも重要なことになるのではないかというふうに思われるのですが、これはそれも入 れてもらうというふうな形での考え方でよろしいでしょうか。  吉田先生、いかがですか。  じゃ、このE・Fファイルについての(2)のほうに関しては、この考え方でお願いす るということで、あと事務局のほうはE・Fファイルの統合について何か御意見がありま したら。 ○長谷川補佐  本日、さまざまな御意見をいただいておりますので、再度私ども持ち帰りまして、事務 局として対応できるか等々、再度検討したいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  研究班としてもE・Fファイルの考え方について資料をまとめて、事前に提出させてい ただきます。 ○西岡分科会長  という形で、さらにまた引き続いてこれに関して検討させていただくということでよろ しいでしょうか。  それで、もう一つ、次が様式1についてでございます。様式1について非必須項目その 他が記載されていないといったような問題も、DPCのデータの正確なデータを提出する というところのポイントになっています。様式1そのものも、さらにつけ加えて充実させ なければいけないと。医療の質を考えていく上でもこれが必要になってくるのですが、こ れについて御意見ございましたらお願いします。 ○小山委員  この前、松田先生、必要ないものがあると言っていなかったですか、この中に。削れる ものがありますと言っていなかったですか。 ○松田委員  そうじゃなくて、それは臨床の先生方のほうにやっぱりもう一回考えていただく必要が あるんだろうなと思っています。例えば、これは退院時までに決まっていないという問題 もあるとは思うんですけれども、例えばがんのステージ分類なんていうのは実はほとんど 入っていません。ほとんどという言い方はちょっと語弊がありますけれども。それから、 例えばチャイルド分類なんかも余り入っていなかったりするわけですけれども、でもこれ ってそもそもMDC別検討班の中で、臨床科の先生方のほうからこういう項目を入れるべ きだと御指摘があって入れたものに対して、現場でこのデータが入っていないということ をどう考えるのかという問題があるだろうと思います。そもそもこのデータは、分類の精 緻化に使うということで様式1でとっているわけですけれども、それがもし入れられてい ないということであれば、これはどうなのかなと。やっぱりMDC別の検討班でもう一回 練っていただく必要があるんじゃないかというふうに思います。 ○小山委員  僕はそちらのがんの専門じゃないので、人たちに聞くと、今、何せ退院が早いので、そ れまでに病理の結果が出ていないので、リンパ節の転移のところが分からないのでステー ジは入れられないんだという理由をよく言っていますけれども、本当かうそか知れないで すけれども、そういう言い方をしますよね。もし、絶対必要だというんだったらばあれで すけれども。  様式1は、医事課では非常に評判が悪いです、正直な話。だけど、これもいろんな意味 で非常に重要な意味を持つということは皆さん理解されておるので。ただ、みんな異口同 音に言われるのが、必須項目でないんだったら外してもいいんじゃないのという意見は出 ております。だから、逆に必須項目でない項目の中から必須にしたほうがいいやつは必須 にして、必須でないやつはもう外しちゃってもいいんじゃないかという乱暴な意見を言う 方もいらっしゃいました。 ○西岡分科会長  同じ診断群分類についても重症度を判断するところで、非必須項目が重要になってきま す。これは齊藤先生のほうの委員会でもう少し詰めていただくような、本当に必要なのは 何かというふうな形でやっていただくのがいいのかなというふうに思うんですが、松田先 生、どうぞ。 ○松田委員  もし可能であれば入れていただきたいのが、今やっぱり敗血症とかDICとかが中身が よく分からないので、DICとかの敗血症が起こった場合には、何かそれに関連する、そ れを評価するための項目が様式1のほうでとれたほうがいいのではないかなというふうに 思っています。E・Fファイルとれるものであれば、それはそれで評価することも可能だ と思うんですけれども、クリニカルに何か重症度みたいのを評価する、例えば肺炎もそう だと思うんですけれども、何かあればそういうものは必須項目として入れていただけると いいのかなというふうに思います。 ○西岡分科会長  よろしくお願いします。  ほかに、この様式1につきまして、これはいろいろ必要な項目とそうでない項目とを、 もう一度再検討をお願いするということで。 ○酒巻委員  念押しですけれども、心肺停止は入れておいてください。 ○西岡分科会長  心肺停止、そうですね。  事務局のほうは、そういう形の動きでよろしいでしょうか。MDCの委員会のほうでさ らに詰めていただくということで。  それから、その次のDPC調査の通年化という問題で、これは今まで何度も御意見はち ょうだいしていたんですが、これに関しましていかがでしょうか。データを通年で出して いただくと。  これは松田委員、よろしいでしょうか。 ○松田委員  通年化はぜひやっていただきたいと思います。それでやっぱり、先ほどのE・Fファイ ルの話に戻ると思うんですけれども、その上でそれに対応できるような調査の簡素化とい うことも、多分技術的に考えなければいけないと思いますけれども、やはり通年化してい ただいたほうが、特に今は1月から3月という、例えば脳血管障害なんかが一番起こりや すい時期のデータがありませんので、ぜひ通年化していただきたいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、熊本委員。 ○熊本委員  通年化はいいと思うんですけれども、その際、先ほど松田先生が盛んにおっしゃってい たように、診療報酬請求と事務作業が増えないような、うまくいくような流れもつくって いただいたほうがよろしいと思うんです。そうすると通年化の意味も、またそういった意 味でも出てくると思います。 ○西岡分科会長  これは通年化になりますと、各医療事務から、それからそれに関連した人たちの労力は 非常に多く費やされることになってしまいますが、それはまた、実際にはその中で本当の 意味での医療の質というものと関係してきますので、そういった意味合いからぜひとも通 年化してもらって、そして、それに対する何らかの形でのサポートをお願いするというふ うな流れになるんじゃないかと思うんですが、それに関してはよろしいでしょうか。  じゃ、通年化を実行しようというのが、この委員会の考えでございます。  それでは、あとそのほかに何かDPCのデータに関しまして問題点ございますでしょう か。どうぞ。 ○松田委員  最近、厚労省の公開データを使っていろんなところでお話をさせていただいたりしてい るんですけれども、そのときに最近2回ぐらい、それを聞いていた先生方からクレームを いただきました。そのクレームは何かというと、我々のところではこういうのは日帰り手 術でやっていると。例えばペースメーカーの電池交換なんていうのは、我々のところでは 日帰りでやっていると。今のこのDPCの公開データがこのまま出てしまうと、日帰り手 術のケースが上がってこないので、病院としては機能がアンダー・エスティメート、過小 評価になってしまうという意見があるので、これをどうするかということは少し考えなけ ればいけないかなと思います。包括の支払い対象にするということは考えなくてもいいと 思うんですけれども、昨年来、DPCデータで病院の地域における役割みたいなものを評 価するとなると、そういう日帰り手術みたいなものもきちんとデータとしてはとらないと いけない部分があるのかなと思いますので、そういうことも少し御検討いただきたいとい うふうに思っています。  ただ、これも調査の負担の問題がありますので、今の外来のE・Fファイルだけでとれ るのかもしれませんけれども、少し考えていただければと思います。 ○西岡分科会長  比較的簡単な手術なんか、日帰り手術がどんどん増えていっている傾向にありますので、 もしうまくデータがとれるようであればありがたいと思いますが。  ほかに御意見ございますでしょうか。お気づきのところで。  どうぞ、木下委員。 ○木下委員  この診断群分類点数表の見直しのところで、考え方としまして、今回は今後、調整係数 が段階的に廃止されるに当たってこういうふうに見直したということから、少しでもそれ をカバーするような仕組みというふうな意味合いから、例えば別紙6のような点数の新し い張りつけ方をしていくということは、考え方としては、ますます在院日数を減らすとい う方向のほうが病院にとってはいいんだというふうなことにもなるわけですよね。という ふうな考え方じゃないんでしょうか。  と申しますのは、といたしますれば、今でも受け皿病院のことを考えていかざるを得な いだろうと思うのでありますが、実際、病院としては、とにかくやっぱりこういったDP Cの支払い方式をいかに機能させるかというようなことからいたしますれば、やはり短期 に集中的に治療した上で早く帰そうという方向は当然出てくると思いますが、今よりもっ と少なくいくという方向性が出てくるのではないかと思うんですが、その辺のところの結 果としては、その病院は成り立つとしても、その後のことは一体どうなるのかと。国民に とって本当に幸せなのかというふうな視点も出てくるように思うのでありますが、ちょっ と考え方としてどういうふうに見ていくべきか、教えていただきたいんですが。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局、お願いします。 ○長谷川補佐  今回の点数表の見直しに関してなんですが、もうDPCの考え方そのものがそうなんで すが、実は入院期間、余りお金の話はすべきじゃないと思うんですが、入院期間IIまで入 院させると、要は平均的な患者像であればプラスマイナスゼロという基本的なコンセプト は変わっておりませんので、今回の見直しについては、より資源投入量の実態に合わす形 の変更でございますので、特に入院期間に及ぼす影響というものを念頭に置いた変更じゃ ないということでございます。 ○西岡分科会長  確かにこの形で基本問題小委員会のときに御質問があったんですが、じゃ、それを受け ている患者のほうはどれだけメリットがあるのかというのを、私たちのほうもこれ実証し ていかなきゃいけないというふうに思っています。そういったような調査も考えに入れて、 DPCを実践していくということになろうかと思っておりますが。  ほかに何か、ぜひともどうぞ、御意見がありましたら、お願いしたいと思います。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。  そのほか、事務局のほうから何か御報告がございましたらお願いします。 ○長谷川補佐  次回の開催につきましては、後日また御案内いたしますので、よろしくお願いいたしま す。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第6回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を終了させ ていただきます。本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。 −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課包括医療推進係  代表 03−5253−1111(内線3278)