09/06/29 第10回日本年金機構設立委員会議事録 日本年金機構設立委員会(第10回)議事録 日時:平成21年6月29日(月)15:00〜16:42 場所:ホテルはあといん乃木坂 出席委員:奥田委員長、磯村委員長代理、岩瀬委員、大山委員、紀陸委員     小嶌委員、長沼委員、野村委員、間瀬委員、山崎委員、竹詰代理人(古賀委員) ○奥田委員長 定刻でございますので、ただいまから、第10回日本年金機構設立委 員会を開催いたします。  委員の皆さんにおかれましては、御多忙中のところお集まりいただきまして、誠に ありがとうございます。  それでは、本日の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。 ○八神大臣官房参事官 本日は、江利川委員、大熊委員、岸井委員、及び古賀委員か ら御欠席、長沼委員がやや遅れるという旨の御連絡をいただいております。  本日、御出席をいただいている委員数は10名でございますので、定則数は満たし ております。 ○奥田委員長 本日欠席される古賀委員から、日本労働組合連合会の総合政策局竹詰 部長を代理人として出席をさせたいという申し出がございましたので、各委員にお諮 りをいたします。古賀委員の代理の出席を了承してよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○奥田委員長 どうもありがとうございました。  委員会規則第7条第1項の規定により、代理人としての出席を了承いたします。  本日の議題でございますが、御案内のとおり「制裁規程」、「健康保険組合」及び「キ ャリアパターン」でございます。  なお、本日も、途中で休憩を挟みまして、非公開に切り替える予定としております ので、よろしくお願いいたします。  それでは、議事次第に沿って進めてまいります。  最初に、「制裁規程」についてでございますが、前回、委員から出された御意見を 踏まえまして、事務方で再整理したものを説明していただきます。どうぞよろしくお 願いします。 ○説明者(西辻) 資料1から3でございます。制裁規程につきましては、前回委員 会で提案申し上げたところでございますが、御意見、御質問等をいただきましたので、 再度検討いたしまして、本日修正案を提案申し上げます。資料1に沿って説明させて いただきます。  お開きいただきまして「設立委員会における意見」というところでございますが、 一番左側に前回委員会でいただいた意見、真中が修正前、つまり前回提案の原案、右 側が今回提案させていただく修正案、赤字のところでございます。順に説明させてい ただきます。  まず最初に、第1条の職員の定義でございますが、原案では、正規職員だけでなく、 期間を定めて雇用される職員を含むということを書いておりましたが、期間を定めて 雇用される職員については、労働条件等が正職員と違うので、明確に「当該職員の労 働契約の内容に矛盾しない範囲内にその適用を限る」旨を書くべきとの御指摘を踏ま え、その文言を入れたということでございます。  2点目ですが、降格の内容でございます。修正前は「役職を免じ、又は等級を引き 下げる」としており、これは正職員の降格を念頭に置いたものでございましたが、特 定業務契約職員につきましては、給与のクラスがございますので、降格の定義を「役 職を免じ、又は下位の等級若しくはクラスに格付ける」と修正したところでございま す。  3段目、制裁の量定につきまして、第4条で情状により、軽減又は免除する旨の規 定を入れておりましたが、もともとの量定が解雇の場合、つまり諭旨解雇又は懲戒解 雇に該当する場合に、軽減はあっても免除はないのではないかという御指摘をいただ きました。そのご意見を踏まえ、修正案のところでございますが、第3条の1項、2 項、3項、条文ごとに書き分けてございます。  第1項のケースにつきましては、これは一番軽い注意から解雇までいろいろな制裁 が想定される場合ですので、「情状により、制裁を軽減し又は免除することがある」 という文言を最後につけ加えます。  第2項は、解雇には至らない停職、降格以下の制裁が想定される場合でございます が、この場合には、ただし書きとして「情状により、制裁を免除することがある」と いう文言を入れております。  3項、これは解雇のケースでございますが、この場合に免除はないということを明 確にするため、「ただし、情状により、解雇以外の制裁を課すことがある」という文 言を追加したところでございます。  2ページ、第5条の教唆の関係でございます。原案では、教唆した者については、 制裁の対象となる行為を行った者と同じ制裁を行うという整理をしておりましたが、 ケースによっては同じということではなくて、重い場合もあるのではないかという御 指摘でございました。これにつきましては、刑法の教唆の規程で、「人を教唆して犯 罪を実行させた者には、正犯の刑を科する」という規定がございますので、その考え 方を使って「制裁の事由に該当する行為を教唆した者については、その行為をした者 として制裁を行う」といたしました。同じ量定の制裁の場合もあれば、それよりも重 くなる場合もあるということかと思っております。  その下3段は原案どおりとさせていただいております。1つは不服申立ての機会を 設けるのであれば、規程に明記すべきとのご意見。これにつきましては前回説明いた しましたとおり、不服申立ての仕組みを入れることは考えておりませんので、原案ど おりとさせていただきます。  制裁の実施ですが、「理事長が決定」するという文言について、決定するのはあく までも機構ではないかとのご意見でした。これは御指摘のとおり、機構が決定いたし ますが、機構が決定する上で理事長の名前で行うということであって、文言の修正は いたしませんが、趣旨は御指摘のとおりということでございます。  「訓告」と「注意」、いわゆる量定の相対的に軽いほうの2つでございますが、こ れを制裁審査委員会にかけるとなると非常に煩雑になるのではないかという御指摘 をいただきました。これにつきましても前回説明させていただいたとおり、機構にお ける具体の事由とそれに対応する制裁の量定がどういう対応関係になるかはまさに 制裁審査委員会で御議論いただいた結果決まるべきものですので、この事由は軽いは ずだから、制裁審査委員会に諮らずに制裁を行うというやり方は難しいと思っており、 原案どおりとさせていただいたところでございます。  最後の公表に関してですが、原案では、職務上又は職務に関連するものについては すべて、つまり「注意」、「訓告」等の軽微なものも公表すると整理しておりましたが、 非常に煩雑ではないか、そこは簡略化してもいいのではないかという御指摘をいただ きました。確かに、現在の社会保険庁の対応より公表範囲が広がるということもあり、 これにつきましては御指摘を踏まえ、職務上、職務関連、職務非関連いずれも、戒告 以上の制裁を行った場合に公表するという形で整理をさせていただいたところでご ざいます。  続きまして、3ページと4ページは、役員制裁規程に関して、同様の修正を行った ものでございます。  以上の修正を踏まえまして、資料2の職員制裁規程案と役員制裁規程案、この設立 委員会でお決めいただくものですが、ただいま説明申し上げた内容を赤字で修正して おります。説明は省略させていただきます。  それから、資料3は、前回、制裁規程案の概要を説明する際に用意した資料ですが、 これも本日の説明による修正を行っております。  制裁規程案についての説明は以上でございます。 ○奥田委員長 ありがとうございました。  それでは、ただいまの資料1、2、3の修正案につきまして、御意見、御質問等ご ざいましたら、御発言をお願いいたします。  特にないようでございますので、この制裁規程につきましては、事務局から、ただ いま説明のあった修正のとおり決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○奥田委員長 それでは、修正案のとおり了承いたしまして、今後、厚生労働大臣へ の認可手続を進めることとしたいと思います。なお、細部の形式的な文言修正等の必 要がその後生じた場合の取り扱いは、私に一任をしていただければと思います。  それでは、次に「日本年金機構の健康保険組合」について、事務局から説明をお願 いします。 ○説明者(長田) それでは、お手元資料4と資料5の関係でございますが、説明に つきましては、資料4を中心に御説明をさせていただきたいと存じます。  ページをおめくりいただきまして、まず、年金機構の健康保険組合の設立に関しま す法的な位置づけについての再確認の御説明をまずさせていただきたいと思います。  1つ目の点線囲みのところに、日本年金機構法附則の抜粋をつけてございます。法 律附則第36条におきまして、「機構は、施行日において健康保険組合を設ける」とい うことが書かれておりまして、この健康保険組合の設立に関する事務は2項において 設立委員において行っていただくということ。それから、3項で設立委員は、どうい った事項について大臣に認可を得るかということに関しまして、「健康保険組合の規 約その他政令で定める事項について認可を受ける」ということになってございます。 ここでいいますその他政令で定める事項といいますのは、一番下の(注)で書いてご ざいますが、前回の設立委員会で御報告を申し上げましたとおり、健康保険の一般保 険料率を定める予定としております。したがいまして、本日お諮りする内容といたし ましては、健康保険組合の規約、健康保険の一般保険料率、この2点についてお諮り をさせていただくということでございます。  健康保険組合の規約でございますけれども、さらに規約の中にどういったことを定 めるかというものが健康保険法及び健康保険法施行規則において定められておりま すので、それを参考までに表記をさせていただいております。したがいまして、規約 の中身はここで書いてある事項に沿ってつくっていくということでございます。  続きまして2ページのところでございますが、「健康保険組合の設立イメージ」と いうことで簡単な図を書かせていただいております。今後、新たに設立をされる日本 年金機構の健康保険組合の組合員の構成というものが、現行との比較でどのようにな るのかということの簡単なイメージを示したものでございます。  今おります社会保険庁職員は2つの組合に分かれて入っております。地方庁出身の 職員につきましては、社会保険職員共済組合という組合を構成しておりまして、一方 で本庁の職員につきましては、厚生労働省共済組合の中に加入をするというような現 状の仕組みになっております。それから、あと、この共済組合というのは、いわゆる 正職員が対象となっておりますので、現在社会保険庁におります非常勤職員の方につ いては協会けんぽ(全国健康保険協会)等の加入ということでございますし、また、 現在、採用活動を進めておりますが、1,000人規模の今後外部から採用される方につ きましては、各々の状況次第でございますが、今、勤めておられます会社の健康保険 組合であったり、就職活動中の方であると国民健康保険に加入されているというよう なこともあり得るかとは思いますが、いずれにしても今、社会保険職員共済にも厚労 省共済にも入ってない方々も含めて年金機構の健康保険組合の組合員となるという ようなことでございます。  一番上のところの、特に年金機構の新たな組合のかなり相当数を占めることになる であろう職員が所属している社会保険職員共済組合については、年金機構設立と同時 にこの共済組合はなくなりますので、共済組合における権利、義務を年金機構の健康 保険組合に承継をしようというような法律上の整理ということになっております。  3ページ以下が具体的な規約(案)の概要ということでございます。規約案そのも のの具体的なな条文につきましては、別途資料5で用意させていただいておりますの で、詳細についてはこちら確認をいただければと思いますが、規約案の概要について、 ここでは御説明をさせていただきたいと思います。健康保険法令の規定に沿って規約 に書くべき事項を挙げておりますが、組合の名称「日本年金機構健康保険組合」。  組合事務所の所在地につきましては、現在、東京の社会保険事務局が入っておりま すペアーレ新宿という庁舎が新大久保にございますが、そこに若干空きスペースが想 定をされますので、そこを有効活用しようということで考えております。組合事務所 の所在地としては東京都新宿区ということで予定をしております。  適用事業所につきましては、本部一括適用と考えております日本年金機構本体と年 金機構の健康保険組合ということでございます。  「組合会に関する事項」、「役員に関する事項」等々につきましては、法令による定 めのほか健康保険組合の事業運営基準というものが示されております。基本的にはこ の基準に準拠した形でそれぞれ組合会議員の定数や任期、そういったものを設定して おるというところでございます。  5ページにまいりまして、「(7)保険料に関する事項」の部分でございますが、こ れは保険料の負担割合、被保険者と事業主の負担割合を定めるということになってお りまして、これについては折半ということで考えております。  「(8)保険給付に関する事項」につきましては、健康保険法に基づく法定給付を 行うものとし、附加給付というものは想定しておりませんので、当然附加給付に関す る規定というものは規約上存在はしないということになります。  「(9)その他につきまして、財務関係、公告、個人情報保護、保健事業等に関す る事項に関しまして、健康保険組合連合会さんで示されています健康保険組合規約例 というものがございまして、そこに準拠した形で規定をするということで案を整理さ せていただいたところでございます。  続きまして、「3.日本年金機構の健康保険組合の保険料率(案)」でございますが、 (1)にございます設立時の保険料率の想定といたしまして、87‰と現時点での試算 値でございます。  (2)で収入支出予算の見込みというものを示しております。これまでも何度か当 設立委員会でも少しお尋ね等いただいたところでございますが、結局社会保険職員共 済組合からの承継がどれぐらいになるかということにつきましては、2つ目の「※」 にございますように資産が8億。ただし、一方で、後に生じる医療費の支払い等の負 債も併せて承継することになります。その負債分が6.7億、実質差し引き1.3億の承 継資産という見込みでございます。これにつきましては、当初想定をしていた見込み から拠出金負担の増やボーナスカットによる収入の減といったような要素から、当初 の想定からはかなり減った額になっております。いずれにしましても、保険給付費、 拠出金につきましては、ここ数年の医療費の伸びを見込んだ形で試算をしております が、当然ながら今後の動向等によって変動することはあり得るものという意味では推 計ということでございます。  おめくりをいただきまして、8ページの関係でございますが、年金機構健康保険組 合の事務体制でございます。先ほど見ていただきました87‰というかなり高い料率を 設定せざるを得ないような見込みでございます。当然ながら事務体制は最大限効率的 な体制を組むということで、組合支部などは設置せず、8ページの下の点線囲みにご ざいますような体制、常務理事・正規職員併せて機構からの出向職員3名と有期雇用 職員5名という体制で、他の類似の規模の健保組合さんなどの実例などいくつかヒア リングなどもさせていただきましてぎりぎり最小限の人数ということで設定をして おります。  最後に9ページの健康保険組合の保健事業の関係でございますが、考えております のは、大きくは健康診断事業、保健指導ということでございますが、1のうち(3) につきましては、特定健康診査、これはすべての医療保険者に実施義務がかかってお るものでございまして、これは必須でやらなければいけないということでございます。  (1)の人間ドック受診の助成、(2)血液検査受診への助成という部分でございま すが、ドックにつきましては、35歳以上の被保険者及び被扶養配偶者を対象に毎年の 実施をしたいと考えております。  ちなみに参考までに(注)で協会けんぽのものとの差が何かということを簡単に書 かせていただいておりますが、協会けんぽはドック助成という形ではやられておりま せんが、35歳以上の被保険者対象としては生活習慣病予防健診というものを実施して おります。この予防健診実施項目に、ここに書いた呼吸器、腹部、眼底、肝機能とい ったものの検査項目が追加されたものというような内容になっております。  「2.保健指導」につきましては、これも医療保険者に実施義務がかかっていると いうものでございまして、これは必須で実施しなければならないというものでござい まして、当然実施をするというものでございます。  資料5につきましては、先ほども申しましたように、具体的な条文の形で規約の案 を整理をしたものでございます。説明は省略をさせていただきます。  事務方からの説明としては以上とさせていただきたいと思います。 ○奥田委員長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの説明に対して、御質問、御意見等がございましたら、御発言 をお願いいたします。 ○磯村委員長代理 健康保険組合の料率に関連して、6ページの資料で、2〜3質問 やら、お願いやらをしておきたいと思います。  まず質問のほうですが、協会けんぽの料率は何‰なのか。承継資産と負債との差額、 純資産が1.3億円ありますが、仮にこの年金機構の健康保険組合が協会けんぽの料率 と同じ料率であったとすると、この承継資産の純額、差し引き約1.3億円は、何年分 ぐらいに相当するのか。要するに高い料率に多分なるだろうと思うのですが、その高 い料率を協会けんぽの料率に低いまま置いたとすると赤字になるわけですね。その赤 字を純資産1.3億円で何年ぐらい賄えるのか。その年数が経過しますと、年金機構の 職員の方は高い保険料率を負担せざるを得ないのですが、そういう高い料率を負担す ることをあえて避けようとしますと、一体どういう措置をとればいいのか、この3つ について、まず質問したいと思います。 ○説明者(長田) それではお答えをいたします。まず1点目の協会けんぽの保険料 率でございますが、協会けんぽ発足時のスタート時点の平均の料率としては82‰と聞 いております。発足当初におきましては、保険料率の急激な上昇を抑えるために、積 立金の取り崩しを行っていると聞いておりまして、その取り崩しの額を保険料で賄う とすれば、約2‰ぐらいに相当すると聞いておりますので、こういう言い方が適当か どうか分かりませんが、実力的には84‰ぐらいだというふうに思っております。  それから、1.3億でどれぐらい賄えるのかということでございますが、これにつき ましては、3か月分ぐらいということでございます。  それから、高い料率負担を避けるということでございますが、当然、必要な経費、 適正な運営をしていくためには、収支が当然均衡するような形で料率を設定せざるを 得ませんので、料率を抑えるということはなかなか厳しいのではないかと思っており ます。 ○磯村委員長代理 そうしますと、3か月たったら、引き継いだ純資産は協会けんぽ 並みの料率でいったとすると消えてしまうと、こういうことになる。4か月目からは、 職員は高い料率を負担しなければいかん、こういうことになるわけですね。その高い 料率を負担するについて、どういう説明ができるのか。例えば3か月たったら、高い 負担料率が嫌だったら解散してもいいよというふうに職員に説明なさるのか、その辺 はいかがでしょうか。 ○説明者(長田) まずは、当然ながら収支の見込みということに関しては的確に情 報開示をして御説明をする必要があると思っております。解散というお話が出ました が、健康保険法の規定におきましては、組合員議員の4分の3以上の議決を経て、厚 労大臣に対して解散の認可申請の手続ができるというような法的な仕組みになって おりますので、最終的には組合会としての御判断ということになると思いますが、そ の組合会に今後この健康保険組合の運営をどう考えていくのかということについて、 当然的確な判断ができるような情報をしっかりとお示しをして適切に判断をいただ くということではないかと考えております。 ○磯村委員長代理 今のお話を伺っていますと、つくるときは強制設立でつくってお いて、料率が高くなって負担が嫌だったら、あなた方、適当に判断をして、解散する なら解散してもいいよと、こういうふうに聞こえますね。それならそれでいいでしょ う。それも1つの手続でしょう。ということを、議事録にきちんととどめておいて、 新理事長さんがいつでも解散できるように、間違っても、1年未満で解散をしたらけ しからんというふうなことのないようにしておいてくださいね。  以上でございます。 ○奥田委員長 事務局、いいですか。一応了承ということで。 ○薄井総務部長 今、磯村委員のほうから、議事録にとどめるようにというお話ござ いました。これはそういうことで、後ほどまた議事録の御確認はいただきますけれど も、そういうことにさせていただきます。いずれにいたしましても、先ほど長田のほ うから御説明しましたように、設立後の健保組合、その運営についてどう考えていく かということについては、組合会のほうで決められることで、実際には紀陸新理事長 の下で、組織としては別の組織ということになりますけれども、組織される組合会で 整理がされるものというふうに認識しております。 ○奥田委員長 あとは意見はございませんか。どうぞ。 ○長沼委員 私も何点かお伺いしたいのですけれども、1点目につきましては、今の 磯村委員とも関連するのですが、料率が協会けんぽよりも高いということですが、も し将来的に、今、お話があったように、協会けんぽに、移行するというふうになった 場合、(日本年金機構では)9つのブロックができる予定ですが協会けんぽのほうで は、この9月分の保険料(一般の被保険者については、10月納付分)から、都道府県単 位で料率を定めるということで、実際それに移行していくというふうに聞いておりま す。協会けんぽに移行して、9つのブロックが、それぞれそこに所在する都道府県の 料率が適用されるようになるのか、それともそうではないのか、その点、まず1点目、 お伺いします。  それから、2点目ですが、この6ページの「※」の4つ目に書いてあります、いわ ゆる介護保険料、介護分の料率ですけれども、協会けんぽが現在何%で、この日本年 金機構の健康保険組合は、介護分の保険料率については何%を想定しているのか、と いう点について、2点目としてお伺いします。  それから、3点目なのですけれども、先ほどもちょっとお話出ておりましたが、い わゆる特定健診及び特定保健指導について、平成24年度末までにそれぞれ保険者ご との目標値が示されております。例えば志木市の国民健康保険であれば、特定健診に ついては65%、特定保健指導については45%と。これらの達成状況いかんによって は、後期高齢者医療制度に対するペナルティーが10%の範囲内で加算・減算されると いうことが予定されているわけですが、日本年金機構の健康保険組合の場合について は、平成24年度末の特定健診の受診率の目標、特定保健指導の実施率の目標はどの ように設定される予定になっているのか。併せて健康保険組合の後期高齢者医療制度 への拠出金、支援金が何億円程度と見込まれているのか、この表に出ているのは、(後 期高齢者医療制度への拠出金と)前期高齢者の医療制度への拠出金と、両方ではない のかと思っているのですが、後期高齢者医療制度分がどの程度なのか、併せてお伺い します。  それから、4点目ですが、ちょっとテクニカルな話で恐縮ですが、日本年金機構の 健康保険組合が(平成)22年1月にスタートした場合、当然22年の1月にお給料が支 払われたときは、そのときの健康保険料ですとか厚生年金保険料については、翌月か ら引かれるということで、22年の1月に支給されたお給料からは、厚生年金保険料も 健康保険料についても、控除されないという認識でよろしいのかどうか。  それから、5点目ですが、任意継続被保険者の取り扱いですが、共済組合、例えば 21年12月末で社会保険庁を退職したという場合については、1月から共済組合の任 継(任意継続被保険者)に加入できると思います。しかし、22年1月に日本年金機構 に移り、1か月いて、なかなか勤務するのは厳しいと思って退職したという場合、こ の日本年金機構の健康保険組合の任継に加入できるのかどうか。加入期間が1か月し かないということで、任継の加入要件に該当しないという場合、どのような取り扱い になるのか、ということについて、5点目としてお伺いします。  これも実務上の問題になりますが、先ほどお示しをいただきました所掌事務、それ ぞれの係員が有期雇用ということで、そんなにたくさん配置されるということではな いわけですが、特定健診ですとか、特定保健指導について、受診を勧奨していかなけ ればいけないわけですが、この体制でそういう勧奨ができるのかどうなのか。実際勤 務している職員はともかくとして、その配偶者に対して、適切な受診券を送付したり する活動が、この体制でできるのか、心配です。恐らく共済組合でも、この7月から 配偶者については特定健診を受診するということで、各配偶者に対して特定健診を受 診するための受診券を送付していると思うのですが、協会けんぽに移行したときに、 その受診券については、もう使えなくなってしまって、新たに日本年金機構の健康保 険組合の受診券を送付する手続がとられるのか、現段階で決まっている範囲内でお答 えいただければと思います。  以上です。 ○奥田委員長 ただいま、6つ、7つ質問があったと思いますが、事務局からお願い いたします。 ○説明者(長田) 済みません、細部にわたる御質問でございますので、私がわかる 範囲でお答えをさせていただいて、担当者も控えておりますので、詳細な部分、補足 をさせていただければと思います。  まず仮に協会けんぽに移行する場合になったときに適用関係がどうなるのかとい うことでございますが、健保組合自体を、本社一括適用ということで想定をしており まして、協会けんぽへ移行した場合においても、そういうことを想定することになる のかなと思っておりますが、いずれにしても協会けんぽさんとの話の中でどのような 整理をするのかということになるのかと思っていまして、当然一義的にこうなるとい うふうに必ずしも決まっているものではないと思っております。  それから、介護保険料率の関係につきましては、13‰程度と見込んでおります。協 会けんぽは12‰くらいという水準でございます。ですので、協会よりも若干こちらに ついても高めという推計でございます。  それから、拠出金の関係でございますが、例えば21、22年度で拠出金で43億とい う数字をお示しさせていただいておりますが、前期と後期の内訳を申し上げますと、 前期分が19.8、後期分が19.5、あと、その他といたしまして、退職者給付関係で3.7 というような数字で見込んでおります。23年度で言いますと、同様に前期が17.7、 後期が18.9、退職者関係が3.3、24年度38の内訳で言いますと、前期が16.9、後期 が18.0、退職者関係が3.1というような状況でございます。 ○事務局 続きまして私のほうから回答させていただきます。まず特定健診の目標率 でございます。こちらは現在、社会保険職員共済組合が設定しております目標率を使 用しております。特定健診につきましては、被保険者75%、被扶養者65%を目標値 としております。特定保健指導につきましては、45%を目標値とさせていただいてお ります。  任意継続被保険者につきましては、仮に1月退職した場合でございますけど、こち らは日本年金機構法附則によりまして、経過措置としまして、共済組合期間も通算し て資格要件を満たすというふうに規定されておりますので、1月退職の方も機構健康 保険組合の任意継続被保険者になることは可能でございます。  1月給料からの保険料控除につきまして、2月の給料で控除されまして、2月末ま でに保険料を納めていただくという処理体制を考えております。 ○長沼委員 1月(の給料から)は保険料の控除はなし、ということですね。 ○事務局 はい、なしです。特定健診につきましては、体制でございますが、こちら、 まだ具体的なところは詰めきれておりませんので、引き続き、円滑な体制をとれるよ うに検討したいと考えております。 ○奥田委員長 よろしいですか。 ○長沼委員 はい。 ○奥田委員長 あとは御意見ございませんか。  この件に関しては、いろいろ御意見いただいておりますが、いずれにしても、法律 上設立するということが前提になっておりますので、本日出ました御議論を踏まえて、 事務局と相談して修正案をつくりまして、次回の委員会でお諮りしたいと思いますが、 よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○奥田委員長 ではそのようにいたします。 ○説明者(西辻) すみません、委員長。ただいまの御質問の中でお答えできていな いところがあれば、今後改めてお答えさせていただきたいと思いますが、今までのと ころ、今回ご議論いただく規約と料率自体に関する御質問、御意見は、先ほど磯村委 員からいただいたものを議事録に残すということ以外に、長沼委員からはなかったと 思うのですが、そうなりますと、規約、料率に関する修正案というのはなかなか作成 が難しいのではないかと思いますが。 ○奥田委員長 それでは、料率案等につきましては、磯村委員のほうは了解というこ とで。 ○磯村委員長代理 結構でございます。 ○奥田委員長 そうですか。 ○磯村委員長代理 できた後の処理の問題ですから。 ○奥田委員長 それでは、変えますが、健康保険組合の規約及び保険料等につきまし ては、一応決定ということで、また、必要な字句の修正は私にお任せをいただくとい うことにしたいと思います。よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○奥田委員長 わかりました。  それでは、次にキャリアパターンにつきまして、事務局から御説明をお願いいたし ます。 ○説明者(西辻) それでは引き続きまして「日本年金機構のキャリアパターン(案)」、 資料6でございます。このキャリアパターンは、今お決めいただいた制裁規程、ある いは健保組合の料率等とは異なり、設立委員会でお決めいただく性格のものではあり ませんが、これまで採用基準、運営方針、人事方針等についてお決めいただいたこと との関連もありますので、現在事務的に検討し、それを理事長予定者に相談する過程 で整理されてきたものを一度お示しして御意見を伺いたいという趣旨で用意させて いただいたものでございます。  1ページでございますが、この資料で考えておりますのは、日本年金機構に新卒採 用される職員の配置あるいは昇格の道筋を示したものであるということでございま す。22年1月に日本年金機構設立と同時に社会保険庁から採用される方、民間から採 用される方、この方々は機構採用までの経歴が様々ですので、このキャリアパターン をそのまま適用というわけにはいかず、そこは経過措置を置く必要があるだろうとい うことがまず1点でございます。  それから、この資料の内容につきましては、理事長予定者に相談申し上げておりま すが、本日、設立委員会で御意見等をいただきましたら、それを踏まえまして、最終 的にはまた理事長予定者の下で決定すべきものであると考えているということでご ざいます。  具体的な内容でございますが、まず最後の6ページをお開きいただきたいのですが、 日本年金機構の階層別職員数というものがございます。今まで組織の骨格等でも同じ ような資料をお示しさせていただいたところですが、日本年金機構の組織、本部、ブ ロック本部、ブロック本部に付随する47都道府県にある事務センター、312の年金事 務所、それぞれどれぐらいの職員がいるのかというのが左側の欄です。それを横のほ うに見ていきますと、役員から経営幹部職群、いわゆるGクラス、マネージャー(M クラス)、さらには一般職群(S:スタッフ・C:チーフ)といったグレード別の人数 が示されております。つまり、本部、ブロック本部、事務センター、年金事務所、そ れぞれにどれぐらいのグレードの職員数が配置されるのかということを示したもの でございます。  一般職員から始まり、本部や地方組織を行ったり来たりしながら、キャリアパター ンを形成していくというのが基本的な考え方でございます。  2ページに戻っていただきまして、最初に一般職群、いわゆるSクラス、Cクラス、 機構に入ってしばらくの間のグレードでございます。このあたりの人事配置の基本的 な考え方ですが基本的には職能の形成期間と位置づけたいと思っております。特に採 用後10年程度は、日本年金機構の年金業務、適用、徴収、国民年金、相談、給付な どいろいろなものがございますので、できる限り年金業務を幅広く経験させるという ことに主眼を置いた配置を行ってはいかがかと考えております。一般職群の昇格につ いてですが、後ほど出てまいります研修の受講認定者について、いくつかの項目、例 えば人事評価結果ですとか、資格取得の状況、表彰歴の有無、経験年数、こういった ものをポイント化して、ある程度職員にも目に見える形で昇格の目安を示した上で、 その要件を満たしたものから昇格させることを原則的な考え方にしたいと考えてお ります。  配置のルールですが、一般職群在級中に機構の業務の主なもの、厚生年金の適用調 査、同じく厚生年金の徴収、国民年金、あるいは年金給付や相談と大体4つに分かれ ますが、これをできる限り、一回は経験をしてほしいと思っております。  (参考)としてそれぞれの業務が、具体的にどのような現場で経験できるのかとい うことを書いております。  さらに、このクラスは原則として実働2年程度で配置替えを行うということでござ います。  また、1つの事業所、例えば1つの年金事務所での勤務が長期化しないよう転勤さ せる、例えば1つの年金事務所の中でいろいろいろな仕事を転々として事務所を変わ らないということは避けるということでございます。  それから、一般職群在級中、Sクラス、Cクラスの間に複数回全国異動させるとい うことを原則としてはいかがと考えております。  若い職員でも、人事異動の中で本部やブロック本部に転勤することがあると思いま すが、職能形成期間という位置づけにかんがみまして、基本的には勤務回数や勤務期 間が増加・長期化しないように配慮することとしてはいかがかと思っております。  続きまして、3ページでございますが、これは一般職群を経て昇格するマネージャ ー職群(Mクラス)です。このクラスについては、管理職としての能力発揮期間と位 置づけたいと思っております。Mクラス以上につきましては、級別の定数管理、つま りM1何人、M2何人といった形で人数管理を行うこととし、昇格基準を定めた上で その昇格基準を満たしたものの中から理事長が昇格させる仕組みにしたいと思って おります。昇格基準としては、直近の人事評価結果、これまでの職務経験、さらには 現所属長の推薦、全国異動の実績などが考えられるのではないかと思っております。  管理職の中でM1への昇格に関しては、昇格基準を満たした職員の中から、昇格等 を希望する者を対象に「管理職昇格試験」を実施し、その結果を踏まえて、理事長が 昇格させることとしてはいかがと考えております。  さらに年金事務所長、これはM2が基本になるかと思いますが、年金事務所長に初 めて登用される場合につきましても、昇格基準を満たした職員のうち、所長への登用 を希望する職員を対象に「所長登用試験」を実施してはどうかと考えております。年 金事務所長は、機構の組織の中でお客様サービスを担う第一線機関の指揮官であり、 業務の知識だけでなくマネジメント能力が問われますので、所長登用試験でそれを確 認するということでございます。  配置ルールでございますが、Mクラスの配置替えの基本は2年ないし3年と思いま すが、非常にスキルが高く、1年事務所の課長を経験した後、すぐ本部で登用される といったケースもあろうかと思います。幅としてみると1〜3年ぐらいかなと思って おります。  それから、同一の年金事務所での勤務が長期化しないように転勤させる。これは一 般職員と同じでございます。  同一の級内でのライン管理職を一定数経験させる場合、つまりM1のポストをいく つか経験してM2に上がるのではなく、M1にずっと留まる場合があると思いますが、 その場合、例えばずっと年金事務所だけで勤務するのではなく、本部やブロック本部 の勤務も経験させてみる。その上で本人の適性と把握するということでいかがかとい うことです。  また、初めて年金事務所長に登用する場合は全国異動させるということでございま す。  さらに、昇格は転勤を伴うこととしたいと考えております。  次にスタッフ職でございます。これは、昨年末に労働条件をお決めいただく際に創 設されたものであり、Mクラスで管理職でない者はスタッフ職と位置づけております。 実際は従事する業務によりいろいろな名前をつけることになりますが、ここではMク ラスの正規職員で管理職でない職員をスタッフ職と総称しております。  どういったケースでスタッフ職に就くのかということで2つ書いております。1つ は、管理職を経験した者が、引き続き管理職として勤務するスキル等があるにもかか わらず、例えば事務所の指導を担う部門でスタッフ的なポジションに就く場合が考え られます。  もう一つは、M1クラスからM2、M3と上がるに従って、管理職の数はどんどん 少なくなりますので、M1では管理職を務めていた者が、M2、M3で必ず管理職を 務められるわけではなく、相対的に管理職に充てることが適当でないと判断された方 がスタッフ職としてスキルを活かして仕事をしていただくということがあると思っ ております。  4ページは研修体系(案)でございます。先ほど昇格要件、昇格基準の中でも研修 が出てまいりましたが、日本年金機構の研修につきまして、現段階で検討しているも のをお示ししております。最初は、新規採用者の研修でございます。新規採用者は4 月に採用されますが、その後、3か月程度、集合研修ということで研修センターに集 めて研修を行うことを考えております。これは機構の職員としての基本的な研修とい う形になろうかと思います。  その後、それぞれの配属場所で業務に就いていただくわけですが、その際の研修が 基礎課程の研修で10か月程度を考えております。これは通信研修ということでイン ターネットを使って受講していただくことになります。、毎週何曜日、何時から何時 と必ずしも決められているわけではないので、本人の受講しやすい時間帯で10か月 程度受講していただく、基礎課程ですので、年金機構の業務全般について基礎的な知 識を習得できるような内容のものと考えております。その右側に社内資格と書いてお りますが、基礎課程の研修を終えた段階で、一度研修センターに集めて試験を行うと ともにフォローアップの研修等を行うことを考えております。そこで試験に合格した 方には年金実務2級を認定し、この年金実務2級を持つことをS1クラスからS2ク ラスへの昇格の要件と位置づけるということで考えております。  その下が応用課程であり、基礎課程の次の段階でございます。業務分野ごとに、給 付、国民年金、厚生年金と3コースつくってはいかがかと考えておりますが、これも 通信研修で、これは6か月程度ということで考えております。基礎課程を終了した方 がそれぞれの分野について、さらに専門的な知識を習得していただくためのものとい うことで、これも通信研修受講後に研修センターに集まっていただいて、確認の試験 とフォローアップ研修を行い、試験に合格した場合には、今度は年金実務、例えば給 付コースであれば、給付コース1級を認定いたします。S2クラスからC1クラスに 昇格するときには、年金実務1級を1コース以上認定されていることを要件とし、さ らにC2クラスからM1クラスの管理職に昇格する際の昇格試験を受ける受験資格 として、今度は実務1級を2コース以上認定されているということを要件としてはい かがかと考えております。  (注1)に書いてございますが、それ以外にさらに業務面で指導者レベルの知識を 習得させるための研修や管理者研修、これはマネジメントの部分が中心になると思い ますが、こういったものを実施してはいかがと考えております。  それから(注3)のところですが、IT関係の資格、社労士の資格等、機構の業務 に関連の深い外部資格の取得促進のため、資格を取得した方に関して資格取得後に、 そのために要した費用の一部を補助する制度の創設を検討してはいかがかと考えて おります。  おめくりいただきまして、5ページですが、日本年金機構のキャリアパターンのイ メージ案ということで、これはまさにイメージ案でございますが、これから日本年金 機構に新しく入られる方がキャリアを積まれた結果、高いスキルやマネジメント能力 を持つに至り、極めて優秀だと評価された場合には、役員に登用されるといったコー スも当然準備されるべきであると考えております。  職員の仕事ぶり、周りの評価、本人の資質や志向など、いろんなものに左右される と思いますが、職員の方々にこういったキャリアパターンもあるのだということを知 っていただきたいということで、あくまでもパターン化したものにすぎませんが、イ メージ案としてお示ししたものでございます。  説明は以上でございます。 ○奥田委員長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまのキャリアパターンの件につきまして、御質問あるいは御意見 等がございましたら、御発言お願いいたします。 ○竹詰代理人(古賀委員) 1ページ目のところに、これはあくまで新理事長の下で 今後検討を深めるということですので、それを前提に1つだけ意見を申し上げたいと 思うのですが、一般職群の配置ルール、2ページ目でございますけれども、意見の結 論から言いますと、配置ルールの原則として「実働2年程度」というのは、「2〜4 年程度」に変更したらいかがかと思います。というのは、2年程度ですから程度をど う考えるかによりますけれども、例えば2年だとすると、毎年職場の半分の人が替わ ってしまうことになると、実際に民間企業でも職場の半分が替わってきてしまうよう な職場は非常に苦しいわけで、あるいは1万人を超える組織で人事を見るのも非常に 大変だと思います。したがって、程度の考え方にもよりますけれども、ここは「2〜 4年程度」ぐらいにしておいたほうが後々の人事政策としても融通がきくのではない かと思いますので、そういった意見を申し上げておきたいと思います。以上です。 ○説明者(西辻) 一般職群に関しましては、説明いたしましたように、職能形成期 間ということで、できるだけ幅広くいろんな業務を経験してほしいということで、1 つのポストでの勤務が長期化することはいかがかということがございます。ただ、事 業所単位で見た場合に、実際の問題として、非常に多くの職員が一どきに替わって業 務の停滞を引き起こすということがあっては困りますので、2年「程度」というのは そういった趣旨でございます。 ○奥田委員長 ほかに御意見はございませんか。どうぞ。 ○長沼委員 私、原則的には、特に新しく新規採用で入った職員については、いろん な適用ですとか、徴収、国民年金、年金給付等相談業務を担当させるという、なるべ く若い職員には概ね2年程度で異動させて、日本年金機構としてさまざまな業務があ るというのを理解してもらったほうがいいと思っています。私も今、市役所にいるの ですが、(内部には)いろいろな考え方があって、税務は固定資産の担当であれば、 評価替えをやる3年が適当だとか、いろいろな議論があるのですが、ある程度2年で いろいろな業務やっていかせるというふうにしないと、あの職員は優秀だからできる から、あの職員を抜いちゃうと、その課の事務が停滞しちゃうというような議論も出 てきてしまって、ある程度新しく機構に入ってきた職員は概ね2年で異動させるのは 異動させるという原則でやっていったほうが、実務上は異動はやりやすいのかなとい うふうに考えています。  それから、ある程度の年齢になってくれば、徴収でずっとやっていくというのもあ ると思いますが、最初からずっと徴収でなかなか異動がないと、今度逆に相談のほう へ異動といってもなかなか知識がないからできない。だから事務所を変わっても徴収 やる人はずっと徴収というふうになってしまうので、そういう反省を踏まえて、今回 の配置ルールがつくられたと思うので、これについて、私はなるべく今、お話をいた だいたような形でやっていくのがいいと思っています。  それから、職員の研修体系のでも、年金試験合格者には年金実務の2級認定したり、 応用課程については、給付コース、国民年金の適用徴収コースですとか、厚生年金の 適用徴収コース、これら3つのうち2つ以上の合格したらその後のキャリアアップの 資格要件とするというのは、これはこれで非常にうまくできている仕組みなのかなと 思います。ですから、これは実際これからうまく運用されていくこと、そして今後し っかりとやっていただきたいと思います。これは意見です。 ○奥田委員長 あとはございませんか。私からちょっと質問したいのですけど、この 中に、転勤、転勤という話がたくさん出てくるのですが、全国異動させると。これは 新しく年金機構に社保庁から移られる方とか、新規採用した方には全部了解済みの話 なんですか。 ○説明者(西辻) 転勤といいますのは、要するに勤務する事業所の変更ですので、 例えばある年金事務所から隣の年金事務所に異動するのも転勤に該当いたします。他 方、全国異動といいますのは、基本計画等でも書かれており、人事方針等でも書かれ ているとおり、都道府県域を越えて広域的に転勤を行うということでございます。日 本年金機構の採用基準の中でも、広域異動を行うという人事方針に賛同する方を採用 するということが明確に書かれており、それを前提に社会保険庁の職員からも、もち ろん民間の方からも応募いただいているということでございます。 ○奥田委員長 そうですか。 ○山崎委員 日本年金機構職員の研修体系でございますが、これは現在の研修とどう 違うのかということをちょっとお尋ねします。社会保険大学校中心に研修しておられ ると思うのですが、それとどのように違って、特にどういったところに特色があるの かということでございます。 ○説明者(西辻) 御説明させていただきます。今、社会保険庁で行っております研 修は、主に社会保険大学校で行う研修と各社会保険事務局単位で行う研修がございま す。後者は、例えば国家公務員倫理ですとか接遇ですとかそういった研修が中心であ り、業務面に関しては、主として社会保険大学校を中心に実施しているということで ございます。社会保険大学校での研修のコースとしましては、新規採用者に対する研 修、入ってから3年目ぐらいの職員を対象とした一般職員研修、その後、7〜8年目 ぐらいの職員を対象とした中堅職員研修、これは適用や年金給付、国民年金などのコ ースに分かれている研修でして、それから、さらに上に行くと、中間監督者とか管理 者の研修、このあたりになると、業務内容というよりはマネジメント比重が大きくな ってまいりますが、このように年齢とか役職を重ねるに従って、受けていただく研修 が1つの流れとしてございます。  もう一つは、就いた仕事の内容に応じて、例えば徴収業務について社会保険事務局 において管内の社会保険事務所を指導していただくための指導者養成の研修、同様に 国民年金のそういった研修といった具合に、業務に着目した形の研修が難易度ごとに 何パターンかございます。  また、年金業務とは関係ないのですが、いわゆる管理業務として、例えば人事業務 を担当する方を対象とした人事事務の研修ですとか、あるいは会計事務の研修なども 行われております。いずれも、基本は集めて行う集合研修という形態が中心で、最近 一部、国民年金の強制徴収に関する研修など若干通信研修というものも取り入れ始め たのですけれども、やはり中心は社会保険大学校に集めての研修で、そこが機構で考 えている研修との大きな相違点かと思います。また、昨今、年金記録問題等で非常に 現場が忙しい状況の中では現場のほうも研修受講者を送り出せず、したがって、集合 研修の実施はなかなか難しいという状況が起きていると承知しております。 ○大山委員 よろしいですか。 ○奥田委員長 はい。 ○大山委員 きょうのキャリアパターンのイメージで、5ページ目にありますが、新 規採用の人からのパターンで書かれているので、これはこれでと思うんですけれども、 IT部門についてどういうふうにお考えになっているのかというのと、それからIT 部門の場合、22で入って来るのか、24で入って来るのかというのは学年もあります けれども、ずっとそのままやらせるつもりというお考えがあるのか、あるいは将来の 情報システムの流れから見て、一定規模の業務については外注をするとか、いろんな やり方があると思うんですね。改めて申し上げる話かと伺うのですけれども、前から 申し上げているように、現在のシステムが、これから刷新化されて形は変わりますけ れども、従来やってきたいわゆるデ通サ(データ通信役務サービス)と呼ばれるサー ビスについて、デ通サ自体が悪かったというわけではないという認識で何度も申し上 げていると思うのですが、そのやり方というのはこれからのアウトソースの中でも当 然専門に任せるべきところはあるわけでありまして、その辺のところが、このパター ンの中でこれからIT部門について何かイメージ案のようなものをお出しになるつ もりがあるのかどうかを質問したいと思います。 ○説明者(西辻) お答えいたします。今回お示したものは、あくまでIT分野の知 識を持ってない、あるいはそういった分野での勤務を希望しない、それ以外の職員と いうことで考えております。一方で、ITに関しましては、基本計画等でもIT分野 の専門人材の確保や育成が非常に重要であるということが書かれておりまして、それ から、この前、内部統制の説明をさせていただいた際にも、資料の中で、機構におい ては基本的に新卒に関しては職種別の採用は行わないということを原則としつつも、 本人の適性、希望、入ってからたまたまIT分野に配属されたら自分はこっちのほう でやってみたいという方もおられるかもしれませんので、そういった適性や希望を考 慮しながらシステム部門を中心に経験を積ませながら、IT人材として育成するとい うコースが多分1つあると思っております。  もう一つは、内部で育成するだけではなく、高度専門の知識を有する方をどうして も一定数確保しなければいけませんので、そのためにはシステム部門への配置という ものを最初から前提とした中途採用、これはそれなりの報酬や処遇を用意した任期付 採用になるかと思いますが、そういったことで確保した人材を例えば特定のプロジェ クトを行う場合の管理者に充てることなどが考えられ、いずれにしても内部育成コー スと組み合わせて考えていくのかなと思っております。  いずれにしても大事なのは、ITの人材がITだけやるのではなくて、ITに精通 していただくことと同時に、ある程度年金の現場の知識というものを持っていただく ことだと思っていますので、例えばITを中心にキャリアを積みたいという方であっ ても、ITを中心としつつ、現場も経験し、人事交流で厚生労働省にも行っていただ き、いろんなスキルを積んでいただいて、それを最終的にはまたITのほうに活かし てもらいたいと考えております。いずれにしても、これは理事長予定者、CIO予定 者の御指示をいただきながら具体的に検討していきたいと思っていますが、大山先生 からもまたアドバイス等ありましたら、ぜひ教えていただければと思っております。 ○大山委員 今、お話になられた最後のところ、すなわちITだけわかっても当然だ めなわけで、やっぱり現場、業務を知るということはすごく大事だと思うんですね。 ただ、業務を多分見る見方がITをやっていると、形が普通の一般職の方と違うので、 そこのところでうまく会話できるような仕掛けがつくれれば、お互いにプラスになっ ていくのではないかと思います。また、厚生労働省のほうとの関係も、今、人事交流 のお話もありましたが、ぜひその辺はしっかりやっていただけるような形をとられる のがよろしいのではないかと思います。  あとは専門の業者からの出向の体制をどういうふうに考えるかというのも、システ ムの運用形態にかかわりますけれども、トータルのコストも含めて随分変わってきま すので、その辺のところもぜひ念頭に置いて検討いただければなと思います。 ○説明者(西辻) 御指摘を踏まえて、理事長予定者あるいはCIO予定者と相談さ せていただきたいと思います。 ○岩瀬委員 ちょっと細かいことを1〜2お聞きしたいのですけれども、研修で通信 研修のプログラムというのは、だれがつくって、どういう人が実施するのか。社保庁 でつくって、社保庁が実施するのかどうかというのをまず教えていただきたいのと、 先ほどの説明の中で、集合研修、社会保険大学校で行っている研修の中で、徴収や適 用業務について、テキストを使ってそこで研修をしているという趣旨のお話があった と思うのですけれども、そういうテキストがあるのかどうか、それを教えていただけ ますか。 ○説明者(西辻) まず1点目の機構になってからの通信研修の教材に関してですが、 恐らく内容面に関しては機構の本部のそれぞれの部門が中心となってつくることに なると考えております。ただ、プログラムですので、実際は業者に委託をする部分も 当然出てくると思うのですが、いずれにしましても、内容面に関しては基本的には機 構の本部でつくるのだろうと思っております。  それから、現在、社会保険庁で行われている指導者養成等の分野別研修ですが、人 を集めて研修を行うわけですから、テキストがあると思いますが、どういったものが 使用されているのか、申し訳ありませんが承知しておりませんので、別途、説明させ ていただきたいと思います。 ○間瀬委員 ITに関しては、大山先生から言っていただいたのであれですけれども、 これについては、新しく採用になった方のコースとして一応つくられているのですが、 今、そのまま社会保険庁に入られている方、それから中途採用でも管理職で最初から 入られる方、いろんな方が今回おられるわけで、これから非常に大変だと思うんです が、そういう人たちがどのようになっていくのか。今、従事している人がどうなるの か。そこら辺が最終的には、そこに働く人としてのモチベーションにも物すごく大き い影響があると思いますので、ぜひそういう意味では、いろんな面できめ細かくやっ ていただけるといいのではないかなというように思います。よろしくお願いします。 ○説明者(西辻) 今、間瀬委員から御指摘いただいた点はまさに本当にそのとおり で、一番難しいところだと思っております。社会保険庁から、22年1月に採用される 方、民間から採用される方、民間から採用される方でも一般職員として採用される方、 それからいきなり管理職として採用される方もおられます。社会保険庁職員につきま しても、今まで社会保険庁や各社会保険事務局でいろいろな人事の考え方があったと 思いますので、例えば社会保険庁から採用された30歳の職員が同じようなキャリア パターンを踏んできたとは限らないわけで、そこも非常に難しいところかと思います。  それから、もう一つ考えなければいけないのは、これから社会保険庁から採用され た方と民間から採用された方が一緒になって1つの組織をつくるわけですから、これ までのキャリアやどういった研修を受けてきたかということで、昇進や昇格に差が出 てきて、いわゆる一方が不公平だと感じるようなことがあると、これは組織としては よくないということで、22年1月に中途で皆さん採用されるわけなんですけれども、 中途採用者についてどういうキャリアパターンを考えていくのかというのは極めて 難しい問題だと認識しております。  間瀬委員から、何かアドバイスがございましたら、ぜひ教えていただければと思っ ております。 ○奥田委員長 特にこれ以上、御意見、御質問がないと思いますので、ここで今後の 日本年金機構のキャリアパターンにつきましては、いろいろ意見が出ておりますが、 そういう意見を踏まえまして、今後、理事長予定者の指示を受けながら準備を進めて いただきたいと、このようにお願いいたしたいと思います。  議題の「その他」でございますが、事務局から何かありますか。 ○説明者(長田) 済みません、恐縮でございます。資料という形では用意をしてお らないのですが、前回、日本年金機構法にかかわります政令案につきまして御説明を させていただきまして、御質問等をいただきました点につきましての御報告をさせて いただきたいと存じますので少々お時間をいただければと思います。  まず1点目でございますが、長沼委員から機構におけるリース主体に対する課税関 係というのはどのように整理をされるのかという御質問をいただきました。これにつ きまして、前回、その場でお答えをすることができませんで大変失礼をいたしました。 年金機構がリース会社などからコンピュータ端末などの償却資産のリースを受ける というような場合には、資産の所有者であるリース会社が固定資産税の申告義務者及 び納税義務者となるということでございます。この関係は国における場合でも機構に なって以降も同様という理解でございます。既にメール等では御報告をさせていただ いた内容でございますが、改めて御報告をさせていただくということでございます。  それから、2点目でございますが、野村委員から、機構の職員が会計法の例外とし て現金収納を行うことができるという仕組みにつきまして、特に相手が任意で納める といったようなものについては、なるべく不正が起こらないように現金を触らないで 済む手続のフローというものを検討し、併せて政令の内容についてもそれに整合させ たようなものとすべきではないかといった御趣旨の御意見をちょうだいしたところ でございます。  こちらにつきましては、既に現在、できる限り現金収納を行わない、限定した仕組 みの運用というものをやっておりますが、さらに機構において、最低限ぎりぎりどう いう場合に現金を扱わざるを得ないのかというような観点からの整理を行っており まして、それを踏まえた具体的な政令の条文をどのような書きぶりにできるのかとい うことにつきましては、内閣の中に法令の審査を行う内閣法制局という部門がござい ますが、内閣法制局と調整を進めておりますので、そういった状況にあるということ を御報告させていただく次第でございます。  今後、いずれにしましても、政令の関係につきましては、前回お示しをさせていた だきました政令案の概要につきまして、パブリックコメントという手続を進めさせて いただくとともに、具体的詳細な条文案につきまして、今ほど言いました内閣法制局 での審査など政府部内の所要の手続を経まして、秋を目途に政令を公布したいと考え ておりますので、よろしくお願いを申し上げます。  事務方からの補足は以上でございます。 ○奥田委員長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの説明について、御質問あるいは御意見がありましたらどうぞ。  ないようでございます。それでは、本日のこれまでの資料等の取り扱いでございま すが、委員会規則第9条及び第10条の規定に基づきまして、会議資料及び議事録に ついては公表とさせていただきたいと思います。  では、次回の日程等につきまして、事務局から説明をお願いいたします。 ○八神大臣官房参事官 次回の日程等につきましては、委員の皆様にあらかじめお時 間をいただいておりました7月28日(火曜日)16時から予定をさせていただきたい と存じます。後日、正式な御案内を差し上げます。  また、これも既に御案内をさせていただいておりますが、7月14日16時から懇談 会を開催させていただきたいと存じます。正式な御案内は後日送付をさせていただき ます。  本日の議事録につきましては、後日、事務方より皆様にお送りし、お目通しをいた だいた上で公表させていただく予定ですのでよろしくお願い申し上げます。  なお、冒頭に委員長からお話ございましたが、この後、休憩を挟んで非公開に切り 替えるため、記者の方や傍聴の方は退席をお願いいたします。  事務方からは以上でございます。 ○奥田委員長 それでは、ここで休憩に入らせていただきたいと思います。  5分間の休憩後、再開をしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 (連絡先) 厚生労働省年金局総務課 03-5253-1111(内線3315)