09/06/25 第2回私のしごと館に係る建物等の有効活用検討会議事録 第2回私のしごと館に係る建物等の有効活用検討会 日時 平成21年6月25日(木) 9:30〜 場所 中央合同庁舎第4号館1階共用108会議室 ○加藤座長 定刻になりましたので、ただいまから第2回「私のしごと館に係る建物等の有効活用検討 会」を始めさせていただきます。改めまして、本日は大変お忙しいところをお集まりいただきまして 誠にありがとうございます。本日は稲田委員、河井委員、森永委員からご欠席の連絡をいただいてお ります。梶川委員はご出席の予定ですが、到着が少し遅れているようですので、到着次第ご紹介させ ていただきます。最初に、前回ご欠席された委員のご紹介をさせていただきます。関西経済連合会常 務理事の山本憲治委員です。また、京都府商工労働観光部長の山下委員の代理で、同部の雇用政策監 の山口寛士さんがご出席です。日本経済団体連合会常務理事の川本委員の代理で、同連合会・総務本 部副本部長の松井孝眞さんがご出席です。太陽ASG有限責任監査法人総括代表社員の梶川さんがお見え になる予定ですが、到着次第ご紹介させていただきます。続きまして、第1回の検討会に公務のために ご出席できませんでした厚生労働省職業能力開発局の草野局長からご挨拶を頂戴したいと思います。 ○職業能力開発局長 職業能力開発局長の草野でございます。第1回の検討会は国会業務がありまして 欠席させていただきました。大変申し訳ございませんでした。大変業務多忙の折、皆様方には委員を お引き受けいただきましてありがとうございます。また、開催につきましても、前回は私のしごと館、 今回はこちらの東京ということで、開催場所について足下が非常に不便の中ご出席いただき、活発な ご意見をいただいておりますことに深く感謝申し上げている次第でございます。  私のしごと館につきましては、ご存じのとおり、平成15年から開設してまいりましたけれども、昨 年12月に、来年8月までに廃止することが決まったわけでありまして、今後この建物をどのように有 効活用していくかということが各方面の非常な関心事でございます。とりわけ、雇用勘定を拠出して いただいているので、労使はもちろんのこと、国民の皆様にも納得いただけるような有効活用につい て知恵を絞っていく必要があるわけでございます。第1回の検討会の後、そのための専門調査をする機 関としましてPwCアドバイザリー(株)がそれを請け負うということになったわけでございます。どう いう観点から調査をして有効策を考えていくか、調査の視点ということが今後の有効活用を考えてい く際に非常に重要になるということで、第1回におきましては非常に活発にご意見を賜ったというふう に聞いております。本日、第2回はさらにそれを深めていただきまして、あらゆるいろいろな知恵を出 し合いながら、有効な調査、そして有効活用へとつないでいただければというふうに思っております ので、本日も活発なご意見を賜ればというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○加藤座長 ありがとうございました。それでは、カメラは終了させていただきます。議事に入らせ ていただきます。ただ今も局長から話がありましたように、この問題はなかなか難しい問題を抱えて おりまして、これをどのように持っていくか、これからいろいろな問題を乗り越えていかなければな りませんが、事務局ともご相談をして、この検討会は周囲からも注目されていることでもありますの で、できるだけきめ細かく開催をして議論を深めていきたいということで今日開催させていただいた わけです。本日の議題は、私のしごと館に係る建物等の有効活用に関する調査検討の方向性について ということです。第1回目の議論の内容を踏まえて、調査検討の方向性について事務局で案をつくって もらっていますので、それを報告してもらいまして、それを基に具体的な議論をして修正等を行って いきたいと思っております。事務局から資料のご説明をお願いします。 ○育成支援課長 資料1、資料2、資料3につきましてご説明いたします。まず、資料1でございます。 本検討会の第1回の会議は、去る4月20日、場所は私のしごと館にて開催したところですが、その際 に頂戴した主なご意見について、おさらいの意味を込めてここに整理いたしました。第1回の検討会に おきましては、最初にアンケート結果についてご報告をいたしたところでございます。関西の企業を 対象にして、私のしごと館の建物等の有効活用についてのアンケートを行って、その結果をご報告い たしました。  それを踏まえて、事務局の方からはいろいろご議論をお願いしたわけですが、その際、この私のし ごと館が学研都市に立地しているということを踏まえて、現行の用途規制の範囲内でできる限り高く 売却するということが考えられるがどのような活用方策が考えられるか。また、現行の用途規制にと らわれない検討をする場合にはどのような活用方策が考えられるか。さらに、現在の経済情勢を踏ま えると公的な事業を行う団体等への売却も考えられるのではないか。この場合にどのような活用方策 が考えられるか。こういった点について申し上げましてご議論いただきました。  その際、検討に当たっての前提条件として事務局からご説明したのは、今の私のしごと館という形 態で雇用保険からの拠出を継続するというのは困難であるということをご説明いたしまして、併せま して、閣議決定を前提に考える必要がある。この閣議決定には、売却を含めた建物の有効活用に向け た検討を行うとともに、廃止に伴うコストの最小化という点に配慮するというふうになっておりまし て、そこにコストの最小化となっている以上、高く売却するという方法論を初めから除外して検討を 進めるわけにはいかないのだという辺りについてご説明をいたしたところでございます。  事務局からそのようなご説明をした上で、委員の方々からいろいろなご意見を頂戴したところでご ざいます。まず、現行の用途規制の範囲内でできるだけ高く売却する方策としてどのような活用方策 が考えられるかという点を事務局から申し上げたわけですが、それに対しまして、委員の皆様からは、 この私のしごと館が学研都市に立地しているという点に関連したご意見をいろいろ頂戴したところで ございます。  具体的には、この学研都市は法律に基づいて国土交通省が開発の基本方針を策定し、それを受けて3 つの府県が計画を定めてまちづくりをするという構造になっているところでございます。  そのように、計画的なまちづくりをしているというところですので、この私のしごと館の立地場所 について特別な扱いをするのは問題ではないか、今の制度の中での活用を検討すべきではないか、と いうようなご意見があったところでございます。また、関西文化学術研究都市ということで、文化と いう言葉が付いております。そういう点に着目しまして、教育とか歴史・文化に関連した施設として の活用を検討すべきではないかというようなご意見があったところでございます。  また、学研都市にはどのようなものがふさわしいかということを考えると、住民サービス向上に寄 与するよう長期的視点で検討すべきではないかというようなご指摘があったところでございます。さ らに、学研都市は自治体、大学、経済界といった産学官の連携を大事にしている地域である、そのよ うな特色を活かすようにするべきではないか、というようなご意見があったところでございます。  2頁をお願いします。公的な目的のため公的な団体へ売却する方策は考えられないかということを事 務局から申し上げたところですが、委員の皆様からは、若い世代の人たちが、今、自分の適性が何な のかがわからなくなっているのではないかというご指摘がありまして、そういったことを踏まえると、 職業教育が重要ではないか、また、企業人として役立つ人を育てる拠点となってほしいといったご意 見があったところでございます。  また、私のしごと館には本物の設備機材がある、ノウハウもある、これらの設備機材あるいはソフ トといったものを活かした活用を検討すべきというご意見があったところでございます。さらに、こ れは本検討会における検討の進め方全般についてのご意見であろうかとは思いますが、地元の声をよ く聞く必要があるというご指摘、あるいは、雇用の問題、さらには、高く売れて一件落着ということ にはならないようにしてほしいといったご意見があったところでございます。  第1回検討会では、今ご紹介しましたようなご意見があったわけですが、先ほど来お話が出ていると おり、具体的な有効活用方策の検討に際しては民間の知見を活用する必要があるであろうという考え から、民間企業に調査検討を委託するということにしたところでございます。  資料2をご覧ください。今申しました調査検討の委託先についてですが、ここに書いているとおり、 PwCアドバイザリー(株)に決定しているところでございます。同社の概要について簡単に申しますと、 国際的な監査法人であるプライスウォーターハウスクーパースの関係法人ということですが、主な事 業内容としましては、経営コンサルティング、業務改善、事業再生等に関する提案支援等々というこ とでありまして、官公庁関係の実績も豊富にあるということです。特に、官と民が共同して公的なサ ービスを提供するといったPFIなどについてのコンサルティングを幅広く実施しているという実績があ る会社というようにお聞きしているところでございます。  委託契約の契約金額は約1,600万円ということですが、業務の概要としましては、本検討会の検討の 方向性を踏まえて、有効活用方策を立案することでありまして、そのために必要な調査を行うとか、 立案した有効活用方策を本検討会に報告するということが業務概要となっております。  そのように、委託先がPwCアドバイザリー(株)に決定して以降、私ども事務局としましては、具 体的な調査の進め方についてPwCアドバイザリー(株)と打ち合わせを行ってきております。今の時点 で整理しているのは資料3です。本日のご議論を踏まえまして、さらにこの資料3の見直しを行った上 で、それに基づき具体的な調査を進めていくというように考えているところでございます。  それでは、資料3につきましてご説明いたします。まず、想定される有効活用方策の類型についてで ございます。有効活用方策につきましては次の3つの類型があるのではないかというように整理してお ります。[1]は現在の用途規制の範囲内でできるだけ高く売却する方策ということです。前回のご議論 におきましても、先ほどご紹介しましたとおり、学研都市が計画的にまちづくりを行っている地域で ある、したがって現在の制度内での活用を検討すべきである、というご指摘がありましたし、また、 文化というものに着目すべきではないかというご意見がありました。また、自治体、大学、経済界と いった産学官の連携という点に着目すべきといったご指摘もあったわけです。そういったご意見を踏 まえると、ここで用途例と書いていますが、例えば研究施設、教育施設、文化施設、インキュベーシ ョン施設といったようなものが具体的な活用方策の例として考えられるのではないかということでご ざいます。  また、[2]は現在の用途規制にとらわれずできるだけ高く売却する方策というようにしております。 具体的には商業施設といったものがこれに該当すると考えております。先ほどご説明いたしましたと おり、昨年暮れの閣議決定の中には、コストの最小化というように謳われていますので、高く売却す るという方法論を外して検討を進めるわけにはいかないと考えておりまして、この類型を設けている ところでございます。  また、[3]は公的な目的のため、公的な団体へ売却するという方策です。例えば、職業訓練、就職支 援、職業体験に関連する施設といったものが用途例として考えられるのではないかということでござ います。  こういった3つの類型に整理いたしましたが、この実現可能性について、今後、PwCアドバイザリー (株)に調査検討していただくことを考えているのですが、その具体的な進め方となると、関係者へ のヒアリングといったようなものを中心としつつ、文献などによる情報収集の結果などを踏まえて整 理するということになるわけですが、その際には、財務あるいはマーケティング、建築といったよう な分野の専門家の助言を頂戴しながら客観的に検証を行っていくということを考えております。  それでは具体的にどうするのかということですが、2.の具体的な調査の進め方につきましてご説明 いたします。今回の調査の中心になるのは企業あるいは団体といった所に対する関係者ヒアリングに なるわけですが、そのヒアリングは2段階に分けて行うというように考えております。最初に一次ヒア リングを行う予定です。その中では、現在の私のしごと館についてのご意見といったものをお聞きし た上で、今後の施設の有効活用についてのご意見をお聞きすることを考えております。  そして、その上で具体的なアイディアをお持ちである、あるいは私のしごと館にご関心があるとい ったような所に絞り込みをかけまして、二次ヒアリングを行うというように考えております。その際 には、より具体的に、想定するサービス、あるいは利用者、収支構造、施設改修や設備投資の考え方 といったようなことについてお考えをお聞きするというように考えているところでございます。  2頁になりますが、こういったヒアリングにおいて当該有効活用方策について実現可能性が低いとい った結果になることも考えられるわけですが、その場合であっても、実現のためにはどのような点が 課題になっているのかということを整理していただいて本検討会に報告するということを考えており ます。  今申しましたように、調査の中心となるのはヒアリングになるわけですが、それを補足するものと して、既存資料などを活用して必要な情報を整理するということを考えております。特に、今回は、 先ほど活用方策例というふうにいくつかお示ししましたが、そういったものの類似施設が現在ありま すので、そういった施設がどのような状況になっているのかという点が非常に重要であろうかと考え ております。そこで想定される例えば研究施設、インキュベーション施設、文化施設、商業施設、職 業訓練施設など、そういった類似施設についてどのように運営されているのであろうかという事例を 調査して整理するということを考えております。  そのほか、基礎的な情報ということになりますが、地域の統計情報、法規制に関する情報などを収 集するということでございます。以上のような、関係者に対するヒアリングの結果と既存資料の活用 などにより収集した情報を総合的に整理した上で、具体的な事業コンセプトなどを整理して本検討会 に報告するという調査方法を考えているところでございます。  このように、今回の調査の中心になるのは企業あるいは団体に対するヒアリングということになり ます。それでは具体的にどの企業にヒアリングをするのかということになるわけですが、この点につ きましては、できるだけ率直なご意見をお聞きすることが必要だと考えておりまして、そのためには どこの企業にヒアリングをしたかといったことはオープンにしないということを前提にヒアリングを する必要があろうかと思っております。  そういった点から、具体的にどの企業に行くのかということについては申し上げることを控えさせ ていただきたいと思っておりまして、ご理解を賜りたいと考えております。  今現在で、事務局とPwCアドバイザリー(株)で打ち合わせている調査の方向性につきましては今 お示しした資料3のとおりなのですが、本日のご議論を踏まえまして、さらにこれについてのいろいろ な見直しを行い、その上で具体的な調査を進めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお 願いいたします。事務局からは以上でございます。 ○加藤座長 それでは、検討に入りますが、前回ご欠席の委員の方もいらっしゃいましたので、改め て、この検討会として有効活用に関する方向性ということについて、自由に議論をしたいと思います。 ただ、その前に、調査会社としてPwCアドバイザリー(株)に調査の委託が決まっていまして、先ほど 資料3でその内容について説明していただきましたが、フリーなディスカッションの前に、資料3の委 託内容についてご質問、ご意見等があれば承りまして、その後でフリーなディスカッションに入りた いと思います。資料3の内容についてはいかがでしょうか。 ○木村委員 私、第1回の会合にも出席させていただきましたが、資料3にも書かれていますが、売却 ありきだということですべて整理されてきているということなのです。当然、閣議決定があったとい うことは重たいと思いますが、よほど慎重にやってもらわないと、今の時代の背景、まさに、郵政の 民営化のことに端を発していろいろな国民の批判が出ております。公共施設の売却、国民の思いと駆 け離れているということの非常に厳しい批判があるわけですので、本当にこの私のしごと館が売却せ ざるを得ないような現実に直面しているのかという、そこらの整理をしてもらわないと大変な方向に 行きはしないかなと。過日も第1回の会合でお願いしましたが、これは国民の税金ということでマスコ ミさんがいろいろテレビ報道を通じて吹聴されましたが、雇用保険という大事な制度の中で、使用者 側の皆さんのご苦労、努力によって施設がつくられてきた。そのことに対してお金を出していただい た貴重な財源が、そうした目的に合わせて、企業者側の皆さんも、もう売却してもいいのだ、という ことになっているのかどうか。そのことも確認したいということを私は第1回のときにもお願いしまし たけれども、関係者の方が欠席でありましたので、そのことを聞くことができなかったわけですが、 もう売ったらいいのだということになっているのかどうか。国民は貴重な財産を有効に活用しなさい と。軽々に売却することはいかがなものですかと。かんぽの宿にしても1万円で売却したところが、民 間で転売をされ大変な額で売却されたということが国民の怒りなのです。他にもいろいろありますが、 そういうところにもきちっと整理をされないと、これも同じ二の舞い、同じ轍を踏んでいくのと違う かなと。まして、国の法制度の中で国の責任においてつくられた施設であります。学研都市として産 官学の大きな力もいただく中でつくられてきた施設であるにもかかわらず、わずか4年でこのことを廃 止の方向で決定されたということは非常に残念であります。どう活かすかという努力がその間あった のかどうか。そんなことも含めて、経営者側の皆さんにも本当にご苦労いただいてお金を出していた だいたことが十分に活かされたのかどうか。そういう検証も含めて、どうにもならないということな ら、今1つの方向である売却ということにも私は万やむを得ないと思いますが、あくまでも国民に十分 な説明ができるような手立てをお願いしたいと思っております。先ほど座長さんからも話がありまし た、国民の注目もいただいている、できるだけ回数を重ねて議論したいという、誠にうれしい進行方 策だと私は思って感謝をしつつ、これまでのことを申し上げたところでございます。 ○加藤座長 いまのご指摘について、事務局から何かコメントはありますか。 ○大臣官房審議官 前回も申し上げましたとおり、有効活用ということでありまして、その前に、前 提として平成22年8月までに廃止をするということが前提になっていますので、それを含めていろい ろな方面から検討していくということですので、最初から無条件で売却ということでは当然ないわけ です。それをこの検討会でご議論いただいて結論を出していただきたいということでございます。 ○加藤座長 今の木村委員のご指摘は非常に大事なところなので、いまの審議官の話が1つのこれから の検討の方向性だと思います。ただ、有効活用の検討会ですから、この有効活用のために何ができる かということが前提だけれども、閣議決定では平成22年までに廃止ということが決まっていますし、 費用の支出として雇用保険の保険料からの支出はできない。この2つは1つの前提として、その上でど ういう有効活用かということを考えるのが我々の役目だと思います。そういう点ではなかなか難しい 話ですが、今のご意見、コメントを含めて、それを前提にこれから進めていきたいと思います。資料3 について、そのほかいかがですか。 ○山本委員 今木村委員のおっしゃったことは私自身もそのとおりだと思っておりますし、かねてか らそういう考えを持っていたわけですが、それを最初に1つ申し上げた上で資料3についてご意見を申 し上げることになると、どうも類型が売却ばかりなのですね。売却という場合に、高く売るというこ とにウェイトが行きすぎているのではないか。もちろん高いほうがいいということですが、仮に売却 する場合に、どういう施設、あるいはどういうまちづくりをするのか、ということの視点の中ででき るだけ高く売却をするという、こういう考え方であるべきだと思うのです。そういう点からすると、 [1]にあるような、現在の用途規制の範囲内でできるだけ高く、その場合にまちづくりの視点というこ とをしっかり入れておくことが大事だろうと思うのです。ご承知のように、あそこは私のしごと館以 外にも国立国会図書館等も公共施設としてありますので、そういう施設を今後我が国としてどういう ふうな地域にしていくのかということの中で、私のしごと館というものの位置づけを考えないといけ ないのではないかという気がするのです。もちろん、商業施設がいけないというわけではないのです が、それは全体のまちづくりの中でどういう位置づけ、どういう場所にどういう施設を誘致するかと いうことの中で検討すべきであって、今、私のしごと館そのものを商業施設という方策は少し考えに くいのではないかという気が私自身はしております。  それから、[3]の公的な団体へ売却する方策ということですが、これはもちろんそういう方向がある なという思いと、もう1つは官と民の共同でやるような方向は全く考えられないのだろうかという気が しております。具体的にどうすべきだという点についての提案は、私自身はいま持っていないのです が、そういう方向性もあるのではないかという気がしております。  もう1つは、あの広大な私のしごと館の施設あるいは土地を一括で考えるのか、例えば2つぐらいに 分けてという活用策が考えられるのかどうか、その辺のところはどうなのでしょうか。最後は質問で すが、以上でございます。 ○加藤座長 最後のコメントを含めて、コメントありますか。 ○育成支援課長 特に、あれを一括なのかどうかということですが、一括で活用できるという活用方 策が立案できればそれはそれでということになりますが、当然、いろいろヒアリングをしていく際に、 あれを全部使うわけにはいかないけれども一部ここの部分ならば使えるという提案が複数出てくるこ とも想定されるところです。そういった場合には、これとこれとの組み合わせというような、いわば、 施設内のゾーニングをこういうふうに考えるというような提案が出てくることになるのではないかと 考えておりまして、そういう複合施設ということもこの[1][2][3]の中の応用として当然あり得るという ふうに考えております。 ○加藤座長 有効活用の方向についてはこの後で十分にご議論いただきますが、この資料3に関しては よろしいでしょうか。イメージとして、この[1]から[3]に「売却」「売却」「売却」と書いてあるので、 そこの所がちょっと引っかかる感じなのですが、厚生労働省側から見れば、売却ということになるの かもしれないけれども、[1]とか[3]で公的団体がこれを引き取って運営する可能性もあるわけです。そ ういうことを売却と言うと、受ける側からは、どっちにしても国とか公共団体ではないかと。だから、 売却という言葉はそういう範囲も含んだ話だと理解していただいたほうがいいかもしれませんね。 ○大臣官房審議官 おっしゃるとおりでして、我々としてはその私のしごと館という目的で作った建 物を今持っているわけなので、私のしごと館という用途をもう廃止する以上、その建物をどういう形 にせよ処分しなければいけないというのが命題としてあるわけですので、それを厚生労働省の所管の 特別会計で持っているものを他の誰かに譲渡するということになれば、そこは無償でということもな いわけではないかもしれませんが、コストの最小化という先ほどの話もあるということを考えれば、 できるだけ公正な形で入札等もしながら高い値段が付くような形で譲渡するというイメージで書いて ありますので、そこがまさに売却という言葉になってしまっているので、言葉は売っ払ってしまうと いうようなイメージでとられてしまうと、言葉の使い方を気をつけなければいけないのかもしれませ んが、要は今の形で持ち続けることはできないということになると、それをどうするかと。これも今 後の検討になるかもしれませんが、引き続き厚生労働省の所管の施設として何らかの転用をするとい うことがあり得るのかどうかということも選択肢の1つであるかもしれませんが、これまでの昨年来の 議論をしてきた限りにおいては、要は私のしごと館として廃止をするのだからそこはその建物を何も しないで持っていくということはないだろうと。ですから、そこは第三者にいろいろな形で譲渡する。 ただ潰すのはもったいないのでそれを有効活用しろというのが閣議決定の文言でもあるわけですので、 そういう観点でいろいろと譲渡の方策について考えていくという趣旨でございます。 ○木村委員 そういう話でしたら、ある程度理解もできるわけですが、できるだけ文言の表現の仕方 を誤解のないようにお願いしたいと思います。それから、国民の視点あるいは住民の視点で私のしご と館を考えるという、これは今よろしいですか。 ○加藤座長 次に移りましょうか。それでは、この資料3に関する質問はここまでにして、今のご意見 の内容も整理してPwCアドバイザリー(株)の方にお伝えいただきたいと思います。  これからの有効活用についての自由討議に入りたいと思いますが、前回ご欠席の委員もいらっしゃ いましたので、改めてこの私のしごと館の有効活用についてどんな方向性が考えられるのかそれぞれ のお立場で自由にご意見を出していただいて、それを基にディスカッションしたいと思います。  最初に、今日ご欠席の森永委員からメモで提案が出ていますので、最初にそちらからご紹介してい ただきましょうか。 ○育成支援課長 資料の中の1枚紙ですが、本日ご欠席の森永委員から「私のしごと館の活用方法につ いての提案」という書面のご意見が提出されております。提案内容としましては、私のしごと館に政 府が計画している国立メディア芸術総合センターを誘致するということでありまして、提案の理由に つきましてはここに書いてあるとおり、立地、規模、財政資源の節約、既存事業との相乗効果、そう いったことが書かれておりますのでご覧いただければと思っております。以上でございます。 ○加藤座長 これはお台場に予定されているものを私のしごと館に持っていったらどうだという話で すね。森永委員は、何か、いろいろな他のメディアでもこんなご発言をされているみたいですね。そ れでは、今日ご出席の方からご意見を伺いたいと思いますが、順番に木村委員からお願いします。 ○木村委員 まず、我々行政の側とか、こういった仕事にかかわる者だけの議論で終わったと。そし て、特定のああいうテレビのワイドショーで一定の方向が決められて、そして国もその方針に従わざ るを得なかったという一方の見方もあります。だから、我々が働きかけたものではありません。住民 の、あるいは国民の視点で私のしごと館を考えるフォーラムが5月24日に開かれました。一部地方の テレビ番組で放映もされておりますが、またいずれ見ていただいたら結構ですが、その中身は皆さん それぞれいろいろなご意見を寄せていただきました。  主には、まず言いましたように、テレビのワイドショーで振り回され、我々もそのように思ってい たけれども、これに関心を持てば実は違うことがわかったということが1点です。これにつきましては、 私も行政改革担当大臣がお出でになるときに寄せていただきましたが、第1回目は無理に半時間ほど先 にお出でになって、出迎えせんということはどういうことだと。それが第一声でありました。あくま でも雇用・能力開発機構さんを非難して、そして私のしごと館そのものも潰すということの中であり ました。それから、第2回目にお出でになりましたまた別の担当大臣は、ここに社長さんもお出でです が、受託をされて間なしに、記念式典があって3日後にお出でになって、いろいろなご苦労の結果1年 間に3,900万、そして国の示された条件にピシッと合います5億ぐらいを出していただいたというとこ ろまでおっしゃったにもかかわらず、この本体を解体するのにどれぐらい経費がかかるのかと。そん な、私は、本当に国民の視点に立っておられるのかという思いをして、大変な憤りだったのですが、 言葉は謹みました。そんな中で、こういう経過が進んできたということですが、一般の国民の視点か らも住民の視点からも何かおかしいなということを感じられたのはそういうことがあった後なのです。 だから、そういうことをはっきりとおっしゃいました。次は、親がどんな仕事をしているのか今の子 どもは全く知らないという、こういうことに対するこの私のしごと館の大きな役割には感謝をしたい と。その次には、公共施設でお金を上げよということはいかがなものですかということの話もありま した。それから、体験の幅を広げてほしい。そういうような今の私のしごと館のこういう体験施設の 中身を改革して、今の時代にあった、もっと若者が悩んでいること、あるいは一旦会社を退職された 人たちの雇用とか、そういうことにもつながるような、あるいは資格の取得にも結びつくようなもの にもこの施設を考えてもらえないでしょうかと。もっと幅の広いそういうことを注文されました。そ れならば国民の支持があるでしょうという提案もありました。それから、国は原点に戻って考え直し てもらえないでしょうかということもありました。それから、子どもの体験による感想を親が直に聞 きましたと。「仕事の苦労がわかった、お母さん」ということを言ってくれて、学校にすべてをお任 せしていたけれども胸をなで下ろす思いがしたということです。それから、公共施設は儲けるもので はなく、国民に対して税だとかいろいろなことを還元してサービスするものだ、それがこういう否定 的なことになったということについては非常に残念だ、というのは非常に多くの方から出ておりまし た。若い子どもに、あるいは息子に自信がないと、何事も自信がないということではうまくいかない のは当たり前でしょうと。ニートやフリーターとか、社会的に非難する前にもっと大人がこういう現 実に目を向けなさいということも言われました。要は、日本の国をこれから先どうするのか、あるい は日本の教育をどうするのか、もっと原点に帰って国づくりを真剣に考えないと、もっとひどいこと になりますよと。国民から警告しておきますと、こんな厳しい意見がありました。これだけ非常に重 くおっしゃっていただいた意見を私は大事にしたい、今日は是非ともこのことを聞いてほしいという ことで私は寄せていただいたところでございます。よろしくお願いします。 ○加藤座長 そのフォーラムはどんな方がご出席ですか。 ○木村委員 誰にも呼びかけないで自由参加、新聞にも報道させていただきましたので120名ほどお出 でいただきました。教育関係者もおられました。 ○加藤座長 大体地元の方が中心ですか。 ○木村委員 宇治からも来ていただいて、パネラーでも発言していただきました。もっとこのことに ついて知り尽くしている関係者が大きな声を出しなさいということでした。声を出さないとわからな いでしょうと。 ○加藤座長 うん。それでは、松井さん、いかがですか。 ○川本委員(松井代理) 第1回検討会での前提条件の確認ですが、ここが出発点として外れないよう にすべきと考えます。有効活用ということで、先ほどの議論にありましたとおり、売却という言葉ひ とつをとっても、すでにそれぞれの委員のイメージが先走ってしまっているようなところもあります。 その辺の確認を逐一、出発点に戻って、すなわち雇用保険からはもう拠出できないということと閣議 決定でコストの最小化という、この2点は、バスケットのピボットではありませんが、必ずそこに戻っ て議論を展開していただきたいということです。 ○加藤座長 経団連はこの設立にも大変深くかかわっておられたわけですが、その経団連としてこの 私のしごと館についてどういう方策があるかということについては何か方向があるのでしょうか。 ○川本委員(松井代理) 委員会等でこの件について議論を進めてはおりません。ただ、私が総務の 立場でお聞きする一般的な声として、当時と客観情勢が違っていますねというのが、皆さんが異口同 音におっしゃることです。これは雇用状況がこのように厳しくなって、箱物という言葉は適切ではな いかもしれませんが、当時は拠出していた金額の残高もそれなりにあって、それをつくる方向にあっ た情勢と、今は全く違います。国民の見る目も違います。こういう客観情勢の変化というのは、企業 の方々もはっきりと認識されていると思います。 ○加藤座長 そうですか。梶川委員、いかがですか。 ○梶川委員 前回は休まさせていただいて、また今回も遅刻しまして申し訳ございません。この有効 活用という広い範囲で絵を描かせていただくといろいろな考え方があるのではないかと思うのですが、 私も、今前の委員がおっしゃられたこの議論の前提の所というのは、これは今までの所轄のご担当か らすればこの2つ、要するに追加的なコストを雇用保険から出さないということと、この施設そのもの についてのコストの最小化ということは議論の前提にせざるを得ないのではないかというふうには思 うところです。その上で、ではどう有効活用かということなのですが、これはちょっと議論の整理が 必要なのかなと。1つは、この現にある建物自身は、ある種、民間のセクターに何か活用してもらうと いうような話で考える場合にはこれは極めて経済合理性の話でありまして、いかなる売却値で売るか。 こちらのサイドの検討としてはどうしたらいちばん高く民間のセクターが引き受けてくれるか、とい う議論が1つあるのだと思います。ただ、もう1つ、さはさりながらこういう施設なので、できる限り 公的な目的に今後も利用を考えたほうが有効利用になるのではないかというのは、もちろん非常に説 得力のある話のような気がするのですが、この場合はこちらの裁量で、いまこの議論の場の裁量で考 えられることと、本当に良い絵ができたとして、その経営主体として責任を持って、例えば美術館で も何でもそうなのですが、受け手のほうが間違いなくそういうことをやるのだと言って、ここに参加 していただいて初めて成立するような話のような気がするのです。ですから、ここで広く公的目的の ためにこういう絵柄がというのは議論としては意味はあるのですが、こちらの検討会での議論の範囲 にどこまでそれが入れるのか。非常に素晴らしい都市計画の中にこういう形で組み込むという絵を仮 に描いたとした場合、それ自身が現実にならないものであると、この検討会でそのアイディア自身を あまり出していただいても。リアリティがある、相手もそこに納得して参加しているとか、そういう ような道筋の入口ぐらいまで立たない限りは、あまりそういう絵柄で議論をしていっても国民に対す る責任を果たすことにはならないかなという気がしますので、そういう受け手が明確でない議論の場 合は、最初の民間セクターを含めた経済的な発想の議論というのも少し進めていかないとまずいので はないかという気はしております。ですから、文科省がこうしますとか言ってくれるものだと、話は また随分別の話になられるのかなと思うのです。 ○加藤座長 ここはご指摘のとおりかなり難しいところで、そういうことも含めてPwCアドバイザリー (株)に検討をお願いしている。それで、例えば、我々がこの検討会で、あの活用として美術館など の文化施設に活用するのがいちばんいいということを1つ方向性を打ち出したときに、片方で、PwCア ドバイザリー(株)がそれは公共機関が受けられるのか民間機関が受けられるのかということを検討 するのだろうと思うのです。先ほど説明があったように、できるだけいろいろな人にヒアリングをし てみますと。そのヒアリングの相手というのは教えてもらえないのですが、それでこの活用方法とし てこんなことがあると。ですから、こちらが考える方向性、希望と、実際にそれが実現可能かどうか という調査は並行して進むのではないか。今日の我々の議論も、我々としてはこういう希望があるよ と。それをPwCアドバイザリー(株)できちっと踏まえて調査をしてねと。そういうことで進んでいく 話ではないか。あまり先に前提を決めてしまうと、かえって有効活用の方途が狭くなってしまうので はないか。私はそんなふうに考えながら今日のところまで来たのですが、それについてはいかがです か。 ○梶川委員 もちろん、そういう意味で言えば、私自身も知見があるわけではありませんし、そこで 前提をあまり確実にしてというと議論の出発点が矮小化しすぎるということですが、反対に、今おっ しゃられたような意味で言えば、きちっとしたマーケティングということではないですが、有効利用 をしたいというご意思がどこかに何らかの形でかなり現実的に存在するということをよくリサーチを した上で最終的な結論に到達すべきではないかということです。また、座長の言われる並行的なとい うことでは私も意見を異にすることではありません。ただ、無責任に、相手もないのにここで議論を 終結してしまうということは、ここに参加させている立場でそれは何とも変な、いちばん悪い言い方 をすれば、夢物語を語りましたという話になってはいけないということで申し上げました。 ○加藤座長 当然、我々が議論をして、こういうものでやりたいというときには、ある程度、お金の 出所までを探って、これなら実現可能性があるだろうというところまで突っ込んで提言しないと、あ まり意味がなくなってしまう、話だけになってしまう可能性がある。 ○梶川委員 受け手側の政策意識というものがある程度担保される確率が高いというお話でないと、 公的目的に継続的に利用するというのは議論が少し上滑りになってしまうかなという認識です。 ○加藤座長 確かに、最初にお話があった森永委員のご提言も大変面白いのですけれども、受け手が ちゃんと乗り出してくるかなというあれもあるし、確かに、アイディアとしては1つの面白いアイディ アだなと。まさに、そういうことが1つのあれかもしれませんね。 ○梶川委員 そういうことですね。 ○加藤座長 山口さん、いかがでしょうか。 ○山下委員(山口代理) 京都府ですが、先ほどの木村委員のご指摘もありましたけれども、私のし ごと館の廃止という前提につきましては私どももそれを踏まえて議論をしていく必要があると思いま す。ただ、その廃止の前提としましては、いわゆる赤字が出て、その解消の目処がないという経済合 理性だけの議論をされているのですが、この間の私のしごと館の評価、そういったものもきちんと分 析していかないと、次の有効活用方策が見い出せないのかと思いますので、今後ヒアリングをされる ということですが、まずは私のしごと館そのものが一体どういうふうな位置を占めていたのかという、 そこは避けて通れないというか、むしろそこをきちっと分析していただく中で有効活用方策の1つの方 向が出るのかなと考えております。  もう1点は、地元といたしまして、立地している所が学研都市ですから、まさに、第1回目の検討会 で確認されていたと思うのですが、その立地にふさわしい施設という方向でしっかりと議論をしてい ただきたいと思っております。ただ、先ほど来ご意見が出ていますように、夢物語になってしまうか もしれないのですが、その中で、このメンバーでその現実を踏まえどのようにしていくのかというと ころは私も意見を持ち合わせていませんが、まずはこの立地にふさわしい施設となるような有効活用 方策を、今までの評価に立って議論していきたいなというふうに考えております。 ○加藤座長 地元として、学研都市にふさわしい施設とかふさわしい活用ということで、1つでも2つ でも具体的なアイディアとか提案はないですか。 ○山下委員(山口代理)まだそこまでには至っておりませんが、この私のしごと館も、私が申すわけ ではないですが、年間30万人から40万人のうち、高校生や中学生などの学生さんが10万人とか15万 人来ておられます。そういうものの価値をどのような形で評価するのかということも非常に大事な視 点かなと私は思っておりますので、それを踏まえた新しい有効検討策を議論すべきだろうと。単に、 経済合理性だけで「潰します」「新しいものにします」というのは、きちんと議論をするにはもう少 し分析が必要ではないかと思っております。 ○加藤座長 山本委員、いかがでしょうか。 ○山本委員 前提を踏まえた話ということに絞ってお話しますが、先ほど木村さんから、住民120人の 声の一部をご紹介いただいたのですが、私はそれは非常に大事な情報だろうと思うのです。地域に住 んでいらっしゃる方が、私のしごと館あるいは私のしごと館のある地域をどのように見ておられるの かということは、今後の有効活用を検討する上で重要な情報の1つであろうという気がいたします。端 的に言うと、まちづくりをどう考えていくのか、あるいは都市づくりをどう考えるのかということに もつながると思うのですが、それが1点です。  2つ目は、もともと、ご承知のように、仕事の体験を通して職業観を育成し、働く場でその能力を発 揮するということにつながる施設だということでできているわけですから、日本の国のものづくりの1 つの方法、あるいは仕事の体験を通して職場の中で自分の能力をどう高めていくかというためのきっ かけづくりの施設だろうという気がしますので、そういう施設を売却することによって仮になくなっ てしまうということになると、それでいいのだろうかというふうな気を私個人的には非常に持ってお ります。第1回目の議論の中でも自分の適性がわからないということがありましたが、自分にはこれが 向いているだろうと思っていたけれども、新しいことをやったら結構面白かったということで、発見 することも結構多いわけでありますので、そういう意味で私のしごと館だけが唯一の施設だとは申し 上げませんが、1つの施設としていろいろな仕事を体験するということは、非常に有効であろうという 気がいたしますので、そういうことが活かせるような売却方法であり、活用策であってほしいなとい う気が非常にいたしております。 ○加藤座長 他に何かご意見はありますか。 ○木村委員 時代の背景というのは先ほども申し上げましたように、それは十分私たちも受け止めて おります。だから、運営の仕方はいろいろあろうかと思いますが、当初から国民が夢を見て、そして 日本の将来をどうするのかということも含めてこの施設はできたはずですので、そういうことを描き ながら運営方式は別としても、この私のしごと館の魂だけはうまく引き継いでいきたいな。また、そ のために我々はどう努力したらいいのかということを、これからも考えていくべきではないか、軽々 に他のものの用途に変えていくということは、私はかえって国民を裏切ることになると思っています。 ○加藤座長 振り返って見ますと、去年の5、6月ごろから今まで、先ほど情勢が変わってくるという 話が出ましたが、この1年間でも随分情勢、空気が変わったような気がするのです。去年の今ごろはと にかく行政の無駄遣いの象徴という形で毎日テレビで赤字の垂れ流し、赤字の垂れ流しという話ばか りが出て、一刻も早く潰してしまえという話の大合唱だったような気がします。その中で、この[2]に あるように、大臣もご視察になって、シネマコンプレックスがいいのではないかとか、スーパーでも 呼んだらどうだというような話がありましたが、そういう流れの中で、去年の秋以降、改めて雇用問 題が大きな問題になって、雇用や職業訓練などの重要性がまた大きく取り上げられるようになって、 この面についての国の予算も随分付くようになった。この中でこの私のしごと館というのは本当にい ままでどおり、去年の春ごろ議論していたとおりに進んでいいのかということは片方であるとは思う のです。  この委員会もそういう流れも踏まえながら議論していったほうがいいと思うのですが、今日、オブ ザーバーという立場ですけれども、現実にあそこでお仕事をなさっているコングレさんなのでね、今 の皆さんのご意見についてどんなふうなお感じか、何かコメントすることがありますか。 ○隈崎社長 まず、いま私どもがやっている経営体制と方法で初めからやっておれば、予算を垂れ流 した無駄遣いということは言われることもなかったろうと思います。つまり、しごと館は、もともと 駄目な施設なのかということについてはそうではない。それはいくらでも改善できるということです。 例えばPR、広報ということが公の施設であるせいもあって、ほとんど軽視されてきたということが あります。広報、PR効果は本当に大きなもので、仮に潰れるはずの私のしごと館が、存続してやる のだということになったら、取り消しになった団体予約が今度はワッとみな復活するし、これまで以 上に修学旅行がどんどん来るという格好になるだろうと思います。しごと館は大きすぎるという欠点 はあるものの、この施設が、これは駄目なのだ、もともと駄目なのだという言い方は違うと思います。 1つは観光推進のトレンドとして産業博物館という方向と、もう1つ、体験学習型博物館というのは重 視される。トレンドとして絶対にいい方向にいくだろうと思われます。だから、韓国でもこのしごと 館を真似して作ろうとしているし、日本各地の博物館の中でも例えば、鉄道博物館は実際に機関車に 乗れるし、手で触れるから大人気というように、単に見るだけの博物館でない魅力が評判なのです。し ごと館の場合は、それが1つの館に行くだけで4〜50種類の体験ができるというのは、他に例のない すばらしさなのです。こういったしごと館の特長は実際に現場に来て、体験して貰わないとわからな いものなのです。 ○加藤座長 むしろもっと突っ込んで伺いたいのは、コングレさんがこの仕事をお受けになって随分 経費も合理化されて、運営も非常に効率的におやりになっているということですが、片方で廃止廃止 の声が出ているから、入場者の予約が減ってしまっている。そういう苦しい立場ですけれども、実際 におやりになって運用がうまくいけば、この私のしごと館の機能を継続しながら、独立してというか、 自立してといいましょうか、将来やっていけるという見通しについてはいかがですか。 ○隈崎社長 これは当初のときからあると見て取り組んでいました。しかし、しごと館は当初の話と は異なり、最長でも来年8月までというふうになってしまいました。違うのは、折角良い方向にすべり 出していたものが、これがいつ廃止になるかわからないとなれば、団体予約、修学旅行の予約など入 るわけがないでしょう。しかも、しごと館の来館者の7割はこの団体予約で占めているのですから事 態は深刻です。当然団体予約は日に日に減っていくということになり、この落ち込みは即ち営業収入 の減少ですから、いつまでこの大幅な収入減にコングレは耐えて頑張っていけるかということが問題 です。何も1年先の来年の8月まで大丈夫ですよと、そんな簡単な問題ではないのだということも知っ ておいていただきたい。ただ、今言ったようなことがなければコングレはしごと館を明らかにずっと やっていけたし、先ほど言いましたように5年後には、年間5億か6億の国費の補填があれば、それで 立派にやっていけて、しかも入場者数が倍増という活性化もできるという青写真でした。  ところが例えば、船が港から出た途端に大嵐で、これは話が違うではないかという形になっている のであって、ちょっと言い過ぎていますが、そういうことなのですね。 ○加藤座長 いいえ、どうぞ、結構です。もう1つだけ伺いたいのは、先ほど委員の方から意見が出て いた、何しろ広大な設備なので、全部をまとめて再活用するか、少し分割という方法もあるのではな いか。分割してやる方法もあるのではないかというご意見が出ていましたが、その辺について現実に お仕事をされている立場で、将来の使い方としてはどうですか。 ○隈崎社長 これは計算を細かくやっていないのですが、とにかく今のところ土地を含めた施設の有 効活用部分は、おそらく4分の1ぐらいだと思います。あとの4分の3近いものは遊んでいる形になっ ています。その遊んでいる部分を森永先生の仰る何か別のものを持ってきて、相乗効果を上げるとい う方策は考えなければならないと思います。いずれにしても、一番大事なことは本当にみなが理解し て、例えばキッザニアには協賛するけれども、なぜ私のしごと館には協賛しないのだということに尽 きるかと思うのです。これはある種のマスコミの作ったブームというものがあって、それが逆になる のか、こちらに向くのかということが大変大きいのだということです。  ただ、分ける有効活用の部分については、半分半分ぐらいのことということは当然考えられるし、 そうしないと私のしごと館だけで全部の税金面、所有に伴う税金がどうなるのかという問題がありま すから、分割ということが、言ってしまえばいけないのかもしれませんが、当初からこれは考えてお かなければいけないのではないかと思っています。 ○加藤座長 今実際に仕事をおやりになっているコングレさんの社長さんからのご意見です。そうい うことに関連して、委員の皆さんはいかがでしょうか。キッザニアはお金は出すけれども、私のしご と館はお金は出さない。今日は経団連の事務局だから、あまり言えないけど、経団連、関経連はその 辺の感じについてはいかがですか。 ○山本委員 これはあれでしょうね、PRが十分行き届いていないというところはあると思います。 それと交通の便がキッザニア等に比べるとかなり不便だということもあるでしょうし、いろいろな要 素があるのだろうと思いますけれども、これは特に私がお伺いしたわけではなく、あくまでも想像し ていることだけなのですが、私は私のしごと館で企業の方が、こういうものづくりの面白さがあるの ですよ、ということを一定期間実演をされていますので、そういう所を子どもさんたちが見て、ああ、 こういう難しさなり楽しさなりがあるのだなということを、半分楽しみながら、半分学ぶというそう いう施設というものが、やはり貴重だなという気がしているのです。  ですから、一括でなくて2つか3つか4つかという議論はあるかもわかりませんが、いまコングレの 方がおっしゃっていましたように、相乗効果が生めるような形での、仮に売却ということであっても、 そこで1日学び、楽しんで行けるようなそういう施設であってほしいなという気がするのです。ですか らキッザニアとの違いということもあるでしょうけれども、私のしごと館は私のしごと館として、や はりそういう良さをアピールしていく、今もしておられると思いますが、そういうことをさらにやっ ていくということが必要だろうと思います。 ○加藤座長 前、地元で京都には国宝がたくさんあるのだから、美術館とか、そういう文化的な施設 活用という意見が第1回目にありましたね。地元ではそういうことについては利用の方向性については、 何かアイディアがありますか。 ○木村委員 この施設は広大な土地を持ち、新しい建築方式で建ったものですので、すごいな、すご いなという中で、今日まできていると思いますので、一方そういう面からすれば、批判をしやすいと いうか、そういうこともあったのではないかと思います。この学研都市にかかわるものとして、有効 な活用方策を見い出していただくことは当然のお願いであります。  ただ、我々も第1回でも申し上げておりましたけれども、今の国のいろいろな状況からしますと、な かなか厚生労働省だけで面倒を見てもらうとか、責任を持ってもらうことは難しいということなら、 先ほどもいろいろ提案のようなお話がありましたが、国として行って、あらゆる省庁を含めてこの日 本の国の将来をどうするかということも交えて、森永先生の提言もありますけれども、日本の将来の ために是非ともいい方向で活かしてほしい。活かすというのは生まれる生かしではなしに、活力の活 かす。それを是非とも私はお願いをしたい。それにつながれば国民の大きなご支持が、本当の意味の ご支持が得られるのではないかと思っていますので、それだけは是非ともお願いしたいと思います。 ○加藤座長 梶川さんいかがですか。 ○梶川委員 私があれなのは先ほど申し上げたことの中で、あまりクリエイティブな性格でないので、 何か本当にいい有効計画といっても、大手広告代理店にでも考えていただいたほうがいいのではない かもしれません。ただ、結局その辺のお話というのはユーザーサイドとしてはいろいろなアイディア が出てくると思うのですが、逆に言うと供給者サイドというか、実際に俺が一肌脱ごうという方が本 気になって出て来ていただけるかということが、ある意味ではニーズがリアルに存在しているという ことがあるのだろうと思うのです。その辺のところをどのように整理をしていけばいいか。これは別 にプライベートセクターだけではなくて、先ほどから申し上げるように政策目的としてもこうしたい のだという省庁が本当にお出になっていただければ、確かにもともと商業施設を目的として作ったも のではないわけですから、たぶん適性としては公的施設というものも十分にあり得ることだと思うの ですが、現下の経済状態も含め、また、財政状態も含め本当にそういう政策意思決定を責任を持って していただける省庁が出て、ないしは公的機関が出られて、その絵に協力をしていただけるかという ことの中で、ではこういう所にこういうアイディアで売り込んでみようよというようなものが、なか なか平板なありきたりのものしか思い付かないのですが、美術館だ、やれ何だとかとついなってしま うのですが。 ○加藤座長 美術館でもいいのですよ、それは。 ○山下委員(山口代理)今ご意見が出ておりますが、官が駄目だから民という格好で有効活用方策を 検討しようという方向になっていると思うのですが、こういう時期ですからこそ、いまおっしゃって いただいたように国を挙げての議論がヒアリングの対象に入っておらず、企業しか入っていないと思 いますが、もう少し違った大きな視点から活用方策を検討していただかないと、いまの状況では厳し いのではなかろうかと思っております。関西を含めて京都の企業も非常に厳しい状況ですから、直ち にアイディアが出てくるかどうか、検討する前に何か言うのはあれですが、もっと幅広い視点からヒ アリングや調査をしていかないと、本当の意味の素晴らしい有効活用方策は見出せないのではなかろ うかと思っておりますので、そういった視点も踏まえてヒアリング、検討をしていったらどうかと思 っています。 ○隈崎社長 ちょっと話をしておかないといけないと思うところがあります。まず、私どもが手を挙 げてこれをやらせていただいたときの情勢は、無駄遣いをどこまで絞り込んでやれるかということで 手を挙げてお受けしたということであって、それが行革大臣に切りつめるところをきちんと節約して、 こうやって、計画通り5年後には国からの補助は5〜6億円に縮減しますと申し上げたときに、大臣は それでも赤字だろうと言われたのです。そのときに私がびっくり仰天したのは、全然話が違うと。そ れは費用を圧縮し、収入を増やし、国の補助を節減するために民に出したのであって、だから我々は 十分に節約したではないか、見てくださいと言ったら、それでも赤字だろう、黒字にしなければダメ という様な話に変わっているのですね。その違いを加藤さんにはわかっていただきたいと思います。 私どもは儲けを出すために手を挙げたのではないのだということです。大切なところでいつの間にか 話がすり替わっているのですね。そして大方の人々は、依然としてしごと館は今も無駄遣いをしてい るから潰すのだということになっているでしょうけれども、それって話は全然違うではないかという ことが1つあります。  次に、キッザニアの例を挙げたのは、キッザニアは人気があるからです。それだけ集客力があるか ら各企業が協賛するのだと思うのです。だから私のしごと館にとっても大事なことは、人気のある集 客数の多い施設にするということです。例えば後楽園球場だから広告看板1枚も高いでしょうけれども、 北海道に行けば看板1枚だってもっと安いだろうというふうに、人気ある施設にするということがない と、協賛や広告収入は当然付いてこない。そこへ行くためのこととして、やはり広報は非常に大事な 仕事になってくるのです。そういう広報や営業をやるのは、やはり官の仕事ではなくて民の仕事だと いうことが、見ていただけるだろうということで、やったつもりでいたのです。そういう努力をして いる矢先にいつでも売れたら即廃止だと行革大臣に言われたら、しごと館の売り上げの7割を占める団 体の予約がピタッとなくなってしまって、いま経営上は逆風が吹きまくっているという状況にあるの だと、そういう意味を申し上げたのです。 ○加藤座長 いまの話は私もよく承知をしていまして、去年3月にスタートして一応結論を取りまとめ た私のしごと館のあり方委員会、この委員会の前の委員会ですが、そのときの委員会としての結論は、 民間の運営会社に委託して、少なくとも現在の赤字という支出超過分の約10億円を半減を目標にして くださいということを1つの狙いにしたのです。ですから、最初からゼロにしてくださいとか、最初か らプラスにしてくださいということではなしに、少なくとも支出が半減して、民間の知恵で効率化し てくださいというお願いだったのです。それがいつの間にか、確かに大臣がおっしゃったように、そ れでも赤ではないかということで、非常に苦しいお立場に立ったということはあります。それだと前 の委員会の趣旨とは違った流れになってしまったという、それは私もよく承知しています。  2番目のキッザニア云々の話は先ほど山本委員からも出ましたが、これも前回の委員会の時に、私が キッザニアの社長さんともお目にかかって話しましたが、キッザニアの社長さんは、私どもと私のし ごと館は全然違うのです。私たちは遊びなのですと。私のしごと館というのはきちんとした職業教育 なのです。ですから、キッザニアと私のしごと館とは同じにはなりませんよ。だから、キッザニアは ふざけることもできるし、遊ぶこともできる。キッザニアが狙っていることと私のしごと館が狙って いることは姿は似ているけれども、全く違うことを考えているのですと社長さんはおっしゃるし、私 もそういうことだろうと思うのです。 ○隈崎社長 半分は、マスコミの皆さんの方もすぐキッザニアと私のしごと館と並べられるので、一 言、明らかに違うということを申し上げておきたいです。 ○加藤座長 私も社長さんにお目にかかって、例えば私のしごと館にアイディアを提供していただけ ないか、私のしごと館をどう思うかというお話をしたのですが、立場が全く違います。目的が違うの だから、キッザニアと私のしごと館とは一緒に考えないほうがいいということは、先方の社長さんも おっしゃっていて、私もそうかなと。ただ、これも去年の大臣の視察のときに、キッザニアは儲かっ ているのに、なんで私のしごと館は駄目なのだという意見が割合に出たし、マスコミでも何度も取り 上げられました。片方はこれだけやっているのに、このていたらくだという話があって、その辺はこ れからだんだんに有効活用ということを前提に考えながら整理していきたいと思います。 ○川本委員(松井代理)私のしごと館が担っている機能をどのような形で継承していけるかという視 点も大切だと思うのです。先ほどもお話したとおり、ガラッと変わった雇用情勢の中で、職業能力の 開発、就業意識の高揚というのは、いつの世も必要でしょうし、また変わった状況の中においてさら に優先順位が高くなっていると思います。そもそもの前提条件である雇用保険、特別会計からの拠出 継続ができない中で、私のしごと館が担っている機能の継承をいかに果たせるか、こういった視点も 検討委員会で是非お考えいただきたいと思うのです。 ○加藤座長 ですから今日はフリーのディスカッションで、こういう状態をPwCアドバイザリー(株) のほうにもわかっていただいて、そういうことを踏まえた調査を進めていただくということだけれど も、例えば我々のこの委員会の私のしごと館ができたときの職業体験や職業教育の機能はこれからも 活かすことを前提に考えるというのも、1つの結論だと思うのです。また、全くそれを外して、アニメ 館だとかに変容するとかということも我々としては最終的な提言としては、そういうことを求められ たのだろうと思います。ですから、それは経団連、あるいは関経連としてもそういうことについてど ういう立場をとられるか、ということについて、次くらいにはご意見を出していただいて、我々の委 員会としてはこういう方向で進めてほしい。とても財源の裏付けまで付けて提言するわけにはいかな いと思いますから、いろいろなバックグラウンドの中で提言をまとめていきたいと思います。 ○木村委員 いろいろ国で決定されたことですので、これは元に戻ることはないと思いますが、国の 平和、そして日本の国づくり、日本の将来をどうするのかという教育、これは国の責任においてやら れないと、これを放棄されたら私は国のあり様は大変なことになると思いますので、そういう面では 是非とも基本的なことだけはしっかり押さえながら、今日的課題として、どうみんながこのことをい い方向に持っていこうとする知恵を出し合うか、そこら辺りを是非とも共有してほしいなと思います。 ○加藤座長 いずれにしても閣議決定で1つの方向が決定されている、これは国の決定ですから、我々 の議論がそれを外れてどうこうということにはなり得ないわけだし、1つの条件の中での有効活用は何 があるかということ、それをいま木村委員がおっしゃったことも含めて考える必要があると思います。 今のことについて何かご意見はありますでしょうか。 ○山下委員(山口代理)今のご意見と若干違うのですが、ここの場での検討委員会でも座長さんがお っしゃった提言を踏まえて、最終的には私のしごと館のあり様を、厚生労働省の責任において決定さ れると思うのですが、先ほど来出ておりますように、来年の秋、22年の夏には廃止されることが決ま っていますので、地元としては、それを見据えて、ここでいろいろな議論をしていただいて、それが 結果として実現不可能ですよということを言われて、ではその後、来年の夏が過ぎて廃止と。そのま まずっと閉館してしまうということが、学研都市において、これは重大な課題になってくると思いま すので、スピード感を持って最終責任を持っていただいて、来年以降しっかりと活用方策を明らかに していただきたいと思っています。私どももこの検討委員会の場で、できるだけ地元の意見を反映さ せていただきますが、最終決定は厚生労働省で決められますが、そういったスケジュール感をきちん と持っていただいて、来年の夏、秋に幽霊屋敷だということだけはないように、これは是非お願いし ておきたいと思います。 ○加藤座長 いまのご指摘に対して、事務局は何かコメントがありますか。 ○大臣官房審議官 第1回のときにスケジュール感みたいなものの説明をさせていただいたとおりでし て、私どももまさに今お話にありましたように、空き屋にしておくことが、もし生ずれば、それはそ れだけで大きな批判を浴びるということにもなりますし、資産の有効活用という観点からも好ましい ことではないわけですから、それを踏まえて、今まさに検討をしていただいて、年内には一定の方向 を出したいと考えているわけです。ですから、夏までの間にはそれらの準備ができるかどうか。もち ろん、来年8月までにというお尻が切れているものですから、そこまでにできるだけ何かの手を打っ ていくという前提で、我々も進めていきたいと思っています。 ○加藤座長 ほかにいかがでしょうか。大体皆さんのご意見も出たようですので、討議はここまでと いうことにさせていただきます。これまでの議論を踏まえて、事務局ではPwCアドバイザリー(株)に 今日の皆さんからの出された意見を踏まえて、作業を進めるように指示をお願いしたいと思います。 次回の検討会でこの調査結果の中間報告をしていただいて、我々としてどういう方向で提言するかと いうことを取りまとめたいと思います。そうしたスケジュールについて事務局のほうで、大体これく らいでというような感じがありましたらお願いします。 ○育成支援課長 はい、前回の第1回検討会では第2回会合を7月か8月かみたいなことを申し上げま したが、今回本日第2回を開催して、改めてご議論いただきましたので、若干スケジュールはそれより も遅れ気味になるだろうと思っております。いずれにしてもPwCアドバイザリー(株)において、ヒア リング等をやりまして、ある程度まとまった段階で中間報告を行い、またご議論いただいて、さらに 調査を進めるといった段取りを考えておりますので、おそらく秋ぐらいに第3回、次回会合をというこ とになろうかと思っております。そのときにまた改めてご連絡させていただければと思っております。 ○加藤座長 その他の議題は何かありますか。 ○育成支援課長 そのくらいです。 ○加藤座長 それでは本日の会議はこれで終了とさせていただきまして、次回はPwCアドバイザリー (株)の中間報告がまとまった段階で、改めて日時、場所を委員の皆様にご連絡するということにさ せていただきます。今日は自由討議ということでしたけれども、次回はそれぞれの委員の方から、も しも具体的な活用方法について、こういうことでどうだというようなことがありましたら、また改め てご意見をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。どうもお忙しいところをあ りがとうございました。審議官、何かおありでしょうか。 ○大臣官房審議官 特にありません。ありがとうございました。 ○加藤座長 ありがとうございました。   (照会先)職業能力開発局育成支援課      TEL:03-5253-1111(内線5390)         03-3595-6901(直通)      FAX:03-3580-3813