09/06/24 平成20年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会第14回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会議事録          第14回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会          日時 平成21年6月24日(水)          14:00〜          場所 経済産業省別館10階1042号会議室 ○大淵化学物質評価室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから「第14回少量製造・取扱いの規 制等に係る小検討会」を開催します。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうござい ます。本日の出席者の関係ですが、圓藤先生におかれましては所用により欠席をされております。ま た、特別の参集者ということで、本日は統計数理研究所の椿先生、日本化学工業協会の山口部長様、 中央労働災害防止協会の棗田さんと細田さんにもご出席をいただいております。  以下の進行については、座長の名古屋先生にお願いします。 ○名古屋座長 本日は、第14回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会にご参集いただきまして、 ありがとうございます。本日は、少量製造・取扱い作業の把握が可能なばく露評価手法についてとい うことで、検討会を持ちたいと思います。  まず最初に事務局から、本日の議事予定及び資料の確認をお願いします。 ○大淵化学物質評価室長補佐 今回の議事ですが、前回に引き続きまして、いま座長のほうからおっ しゃいました少量製造・取扱い作業の把握が可能なばく露評価手法について、小検討会の報告書につ いての2つを中心にご議論をいただく予定としています。資料は配付資料一覧がありますので、それに 沿ってご確認をいただければと思います。  資料1は、第13回の小検討会の主な意見、資料2は、「労働者の有害物によるばく露評価ガイドラ イン(案)」、資料3は、「少量製造・取扱い規制等に係る小検討会報告書(案)」、最後に参考とし て前回も配付していますが、東京理科大学の加藤先生の作成の資料です。以上です。 ○名古屋座長 よろしいでしょうか。それでは議事に入ります。最初に、第13回の議事録概要につい て確認したいと思います。事務局より説明をよろしくお願いします。 ○島田化学物質評価室長 資料1に基づきまして、ご説明を申し上げます。第13回のご意見です。1 つは、ばく露評価における統計的手法ということで、前回加藤先生からのご発表を基にご議論をいた だいたものです。まず区間推定の採用について、いくつかご意見をいただきました。1つは、サンプル 全体のTWA8h値を基に区間推定をした結果、最大値よりも少し大きめの値が出て、安全が担保されてい る印象を受けた。この全体のデータを基に、区間推定をすることが適当ではないかというご意見です。 高いばく露値がいくつか測定されているが、これらデータが統計的には効いている。事務局としては、 区間推定で最大値よりも高い値を推定しているということが効いているということで解釈しました。 このようなデータを逃さずに入れることが可能であれば、サンプルサイズは少なくても妥当な推計が できると考える。  加藤先生の3つ目の提案ですが、上位10データから区間推定した値は、今回あまり効いていない。 ただし、推定作業は簡単なので、参考値として計算することは妥当ではないかということです。上位 何サンプルを採るかで恣意性が入ってくるのでわかりにくいというご意見をいただきました。理解が 得られないということではないかなと思います。上位数サンプルのデータが推定で効いてくるのは、 対数変換してもなお、外れ値として出てくるような高いばく露データがある場合である。統計的解析 の結果、評価値を超える推定値があった場合には、詳細に調べればいいのではないか。引っかかった 作業者全員が、同一の事業場に集中しているような場合には、調べれば判断できるのではないか。今 回の解析結果で、必要なサンプルが採れたコバルトの区間推定の結果で、分布型を想定していないに もかかわらず、最大値が9割ぐらいの位置を示した。これは、推定が適当なものであったと印象づけら れる。対数変換をすることにより、非常に落ち着いた値が出ているというご意見がありました。  信頼区間は、90%ぐらいの集団が入ることが期待される区間であるが、その区間に入ることを確率 的に保証する許容区間という考え方、方法もあり、規制値等の検討においては結構使用されていると いうご説明もありました。90%の区間推定がいいか、95%が必要かは、要検討である。NIOSH等が90% を採用しているのは参考になるというご意見です。それに関するサンプリング手法についても、ご意 見をいただいています。まず、10データを採るための解析の関係で、サンプリング手法に関する考慮 が必要ということでご意見をいただいたものですが、現在のサンプリング濃度の実測においては、調 査に協力的な企業で、個人ばく露測定を行う作業者の数と考えられる実測点数が増える傾向があり、 一部のばく露が高い操業をやっている企業のデータばかりが上位10データに入る可能性がある。この ため、一部の事業場のデータをもって、ばく露が高いと判断してしまう懸念があるというご意見でし た。  サンプリングにおいて、どれだけ企業という単位を考慮するかについては検討が必要であるという ご意見です。企業の中でもさまざまな作業があり、ばく露もまちまちである。このため、どの企業か らのデータとか、どの企業から何人サンプルしたなどは、あまり考慮しなくてもいいのではないかと いうご意見でした。すべてのデータを処理してみたとき、イレギュラー、高い値と理解しましたが、 それがあった場合に母集団の事業場からのサンプルが適当かどうかを解釈すればいい。  NIOSHの統計的手法に関するご意見ですが、NIOSHのUCLの算定については、作業者の単位でのばら つきしか考慮していない。一方、国全体のばく露測定ではいろいろなばらつき要因があることから、 今回提案いただいた統計的解析手法のほうが実態に合っていると考える。したがって、UCLを採用する 必要はないと考えるというご意見です。NIOSHの手法は2、3日連続して測らなくてもいいように、1日 の分割サンプリングをしている。本当は、連続する2日間測定をするのが望ましいというご意見です。 ばく露実態の重視ということで、物質によっては大企業のみに取扱いがあり、きちんと制御されてい る場合もあり、統計的解析のみならず、取り扱っている事業場の状況を十分考慮すべきであるという ご意見です。  ばく露評価ガイドラインに対する意見です。ばく露濃度の実測については、個人ばく露測定につい て原則2分割サンプリングとなっているが、今回の評価ではUCLを採用しないとすれば、実際には平均 値を使うだけとなるということで、ガイドラインに「原則」と入っていますが、原則とする必要はな いということです。一般に1次評価値は非常に低いので、これをクリアするためには採気量を稼がなけ ればいけない。そのときに、2分割の実施を確約できないケースがありますということです。  個人ばく露測定についても、勤務時間のシフトが12時間交替というのがあり、これからはTWA8h値 を算定すると、高い値として算定されることになるというご意見です。12時間の作業であっても、1日 の作業として捉えて8時間で計算することがいいのではないか。1.5倍の安全側の数値となるというこ とです。  スポット測定値については、個人ばく露の多寡の要因を分析することと、STEL値、短時間ばく露限 度との比較の両方に活用するとされているけれども、STELは15分間の測定が基本と考えるので、両方 に活用することは困難と考える。TWAの15min.値は算定式を示されているので、それで算定することも あるが、例えば7分30秒のばく露濃度を半分として評価することが妥当かは疑問であるということが 指摘されています。それから、STELと言わないで、高いばく露濃度を検出するということで、B測定の ような活用をすればよろしいのではないかというご意見でした。STELは我が国において使用されてお らず、その決め方も信頼できない。ACGIHでもSTELを決めた根拠が示されておらず、設定を削除だと 思いますが、最近STELを消しているものがあり、STELとの比較は重要性が低いのではないかというご 意見でした。  ばく露評価モデルの活用については、コントロール・バンディングによりスクリーニングを行う提 案であるが、その場合には1回当たりの使用量のデータが必要ですというご意見です。それから、1次 スクリーニングでコントロール・バンディングを使用する形になっているが、その場合2次スクリーニ ングでもう一度コントロール・バンディングを持ってくる意味はなく、より細かな項目を見るなり、 少し細かなモデルで推定する必要がある。このため、2次スクリーニングではJISHA方式やコントロー ル・バンディングの活用は除外すべきであるというご意見でした。有害物ばく露作業報告については、 2次報告は事業場によっては回答できない内容もあるので、この項目は最大これだけ回答するという位 置づけのものにして欲しいというご意見です。  回答項目を減らすのではなく、書けるものは書くということでいいのではないか。現場を担当され ている方が1次報告として辛いかなという部分があれば、削る等の提案をして欲しいというご意見でし た。以上が前回の議事です。以上、ご説明しました。 ○名古屋座長 ご説明ありがとうございました。ただいまのご説明について、ご意見等はありますか。 よろしいですか。もしありましたら、また事務局のほうにということで終わりたいと思います。どう もありがとうございました。  次の議題に入ります。資料2です。本日は、前回までの「ばく露評価ガイドライン」について検討し ましたが、積み残した部分となっていた統計手法については加藤先生をはじめ、先生方から説明があ りまして、事務局としてガイドライン案を修正したと思いますが、その検討を含めて資料2について説 明をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○島田化学物質評価室長 資料2に基づきまして、ご説明を申し上げます。資料の中には、前回まで入 っていなかったものについて下線を引いておりますので、その下線を中心にご説明を申し上げたいと 思います。それから、中に回答様式というか報告書様式といったものを入れていますが、これはあく までもイメージということで、今後実際に調査を担当されている機関との間で調整をさせていただき ます。それから、有害物ばく露作業報告については法律に基づく報告ですから、その法令担当部局と も相談をする必要がありますので、あくまでいまの段階ではイメージということでご理解をいただけ ればと思います。  それでは、ガイドラインについてのご説明を申し上げます。6月17日までにご意見を聴取しました ところ、各先生からご意見をいただきまして、それをまとめています。最初の修正の部分は、3頁です。 これについては、先ほどの前回の議事録にもありましたように、できるだけ簡素化をする観点から見 直していただきたいということもありました。3頁の頭に、報告項目ということで入っているものがあ りますが、1つは1回当たりの報告対象物の使用量というものが抜けているとモデルに使えないという ことで、それを入れています。それから、年間・月間の作業回数あるいは1日当たりの作業回数につい ては、ここで求めなくてもよろしいのではないかというご意見をいただきましたので、これについて は一応項目から削る形にしています。  次の修正は、4頁です。これは2次報告を求める対象事業場のスクリーニングということで、その選 定方法について書かれている部分です。表ですので下線が引かれていませんが、その2次報告対象事業 場の選定方法ということで、28行目に表が載っています。これは選定事業場の数ということですが、 これについては当方で事務局内でこのぐらいのものが調査対象になっていればよろしいのではないか ということで、提案をするものです。1次報告の事業場数が、いちばん左の欄に書いてありまして、そ の間に2次報告が必要な事業場の割合ということで書いていますが、見方としては1〜3の事業場の報 告が上がってきた場合には、その全数について2次報告を求める。2番目としては、4〜10の場合には 約6割のものについて報告を求めるということで、大体5〜10程度の事業場について、その報告を求め ていくような考え方になっています。ただ、いちばん最後の大きな部分の500〜1,000とか1,000以上 のものについては、一応3%、2%ということですので、多少それに比べて多い事業場に対する報告を 求めるような形になると思います。これは提案です。その下にいきますと、ばく露が高いと予想され る事業場の選定に関するコントロール・バンディングの様式については、別途後ろに付けましたので、 そちらの項目に移しています。  5頁は、2次報告で求める報告項目です。報告項目としては以上の形で、真ん中の14行目から報告項 目が書かれています。これについては事業場にかかる情報として事業場の名称、所在地、代表者、労 働者数。作業にかかる情報として、ここに「工程」と書かれていましたが、工程よりも作業のほうが 適切な表現ではないかということで、工程を全部作業に直していまして、作業の従事者数、作業内容、 1日当たりの取扱量、作業の取扱い時の対象物の温度と対象物の性状。温度と性状は関係が出てきます ので、ガス化しているといったことに関する指標として使わせていただくということです。それから、 作業室の規模ということで大きさ、通気の状況、屋内であるか屋外であるかということの報告をいた だく。作業頻度ということで、月当たりどの程度の作業をされているか。その下にいきまして、1回当 たりの作業時間、発生抑制装置の種類、保護具の使用状況、過去に作業環境測定の実績があれば、そ ういうものについても報告をいただく。そして、作業の指揮者が配置されているか。手順書等の整備 がされているか。あるいは、過去にリスクアセスメントを実施しているかといったものについても併 せてお聞きをするということです。これについては、先ほど前回の議事録のほうで最大の項目でとい うことのお話がありましたが、基本的にはこれまでもそういった形で、可能な限り書いていただくと いう趣旨で項目を立てていますので、特にそれに関する明記はしていませんが、そういう理解をして います。  6、7についてはあくまでもイメージですが、こういう形で報告を取るということです。特に3行目 から始まる表については、それぞれ1つの工程の中の作業を縦に短冊を作りまして、それに関する項目 を報告することにしまして、そういう工夫をしたということですが、何かこれに関してもご意見等が ありましたらよろしくお願いしたいと思います。  8頁は、ばく露実態調査ということで、調査をするものの項目です。これについては、先ほど2次報 告を求めたものの中から実際に対象事業場の数を選定して、その事業場に対して調査をする形になり ます。これについても20行目にありますのは、あくまでも事務局からの提案ということで、選定事業 場数の数ということです。2次報告があった事業場数が、それぞれいちばん左の項目欄に並んでいます が、例えば5事業場以下の報告があった場合にはその全数について報告をいただく。それから、6〜10 については約60%ということです。この根拠として申し上げているのは、16行目にありますように、 選定すべき事業場数というのは、あくまで実際に個人ばく露測定の作業者の数を確保するためという ことで位置づけていますので、個人ばく露作業者が20名程度確保できることを基本としまして、その 際の事業場数の目安をいまの表のようにしたということです。また、前回同様ですが、少量取扱いも 含めて、特殊な用途・作業のある事業場については、この数字に関係なく拾っていくということを併 せて書いています。前回の加藤先生のほうで、22サンプルぐらいあれば、それは統計上処理ができる ということもお伺いしていますが、ここはあくまでも初期評価ということで、もちろん必要があれば 詳細評価で、その数字を確保することが可能だということで、あえてこの段階で過大な調査にしなく てもよろしいであろうということで、20人程度の確保ということが目安として謳われています。  23行目のモデルの推定については、前回のご意見でコントロール・バンディングを二重にかける必 要はないということで、コントロール・バンディングとして出てきているようなJISHA方式、コントロ ール・バンディング、BAuAがやっているドイツのものについては外したということです。  9頁のランダムサンプリングについては、表の中の処理がまだ終わっていませんが、基本的にはゼロ から無限大までの間でランダムサンプリングの場合は、どのように点数を確保する必要があるか。必 要サンプルを確保する必要があるかという表を現在修正をしています。乱数表については、前回加藤 先生からNIOSHよりも国内における乱数表のほうが精度が高いということをお伺いしましたので、 NIOSHのものを外しまして、加藤先生からご指示をいただきました日本工業規格の乱数表を入れていま す。ただ、日本工業規格の場合には有料でそれを配付しているということもありまして、この場では その乱数表については入れずに、こういう書きぶりにしています。  10頁は、ばく露実態調査における調査項目を書いていますので、特に修正はありませんので割愛を させていただきますが、調査項目としては14行目に書いてあるとおりです。11頁は、その調査を実施 するに当たっての配慮事項ということで、これまでどおりそのノウハウ情報あるいはそれに関連する 情報については、これを公表しないような対応を取るということを書いています。11頁のばく露濃度 の測定の実測については、Aの個人ばく露測定について前回ご議論がありましたので、その部分につい て改めて提案を入れています。31行目の部分ですが、サンプリングの際に1つの事業場に偏ってしま う場合があって、これについては問題があるのではないかということに関するご議論が前回ありまし て、そこでの書きぶりとしては31行目の「対象者数は各作業毎に可及的多いことが望ましいが、対象 事業場のうち、一部の事業場の一部の作業場所に偏り過ぎた測定にならないよう留意する。その際の 目安としては、同一事業場の同一の作業から選定される被測定者の数は全数の3分の1を超えないよう にする」という提案をしています。これについて、あとでご意見を賜ればありがたいと思っています。  13頁はスポット測定の関係で、スポット測定の手順というのが新たに追加されています。8行目です。 [1]サンプラーを選定する。[2]対象作業の特定をする。[3]対象化学物質の発生源近傍にサンプラーを設 置する。[4]測定時間は、対象作業の開始から終了まで。現在は20分間をやっておられるということで すので、その最初から最後までということです。[5]測定場所、測定時刻、その他測定時の概要を併せ て記録すること。[6]サンプラーの回収・保管。[7]測定・分析をするという手順を入れています。測定 方法に関する精度要件ということで何度かご議論をいただいていますが、13頁の28行目に回収率が当 初80%ということでしたが、80%では回収率が低いのではないかということがありましたので、90% 以上という提案をしています。回収率が90%以上であること。ただし、分析法によって、回収率90% 以上を求めることが困難な分析法もある。その場合には、できるだけ回収率が90%に近く、再現性の よい分析法を選定すること。その分析法で求めた回収率を、その分析法の回収率として求めるという ことで書いています。  14頁の脱着率の部分についても、同様の書きぶりを加えています。固体捕集の場合には脱着率とい うものが関係してくるということで、90%以上ということで併せて入れています。加熱脱着について は、前回、精度を高くする場合には、加熱脱着が必須であるというご意見がありまして、名古屋先生 から加熱脱着に関する方法を入れていただいています。15頁の保存性については、なかなか書きぶり が難しいということもありますが、一応目的となる期間において90%以上を確保するという表現にし ています。ご意見をいただければと思います。  16頁の34行目の(3)ばく露評価です。私どもの事務局が書いた「ばく露シナリオ」について、用語 が適正ではないということをお伺いしまして、ご提案をいただいた「ばく露プロフィール」という表 現を使っています。その他、以下出てきますばく露シナリオという表現については、全部「ばく露プ ロフィール」という形で直しています。  18頁は、TWAの算出の関係です。前回12時間の作業がある場合はどうしたらいいだろうかというこ ともありましたが、8時間TWAの算定式については12行目に書いています。これについては、8時間で 割った形でTWAを算出するという基本的な考え方が書かれています。ただ、20行目にありますが、ば く露があると考えられる時間の濃度がすべて測定されている場合には、時間の総和が8時間未満であっ ても8時間を超えても、「全て以下の」と書いてありますが、私どものミスで、「全て上の」TWA8hの 算定式によって計算するということです。ただ、その下に、ばく露があると考えられる時間の一部し か測定していない場合には、次の式により算定するか、ばく露評価モデルによって補って計算をする ということで、ここで提案をさせていただいていまして、ご議論をいただければと思っています。こ れについては8時間ではなくて、一部の時間しか測定していない場合には、その時間をもって割るとい う形の提案です。これについても、ご議論をいただければと思います。  18頁の30行目の経皮ばく路量の推定です。いままで、初期の段階でEASEモデルについてご紹介し ていたものをそのまま入れているもので、特に経皮ばく露についてはEASEモデルの活用が可能である という点と、19頁では、最近では新たな経皮ばく露モデルの開発が進んでおり、活用に際してはモデ ルの特徴を検討し、よりばく露の実態に合ったモデルを選定することが適当であるという表現です。 なお、経皮ばく露の推定は保護具を着用していない場合のばく露を推定するものである。それから、 モデルで使用されるデフォルト値は我が国でのばく露実態に合わない場合もあるので、当該推計結果 はあくまで目安として考慮するのが妥当であると入れています。  20頁はリスク評価で、前回加藤先生からご提案をいただきました最悪値の測定手順というものをこ こに入れています。特に12行目の2次評価ですが、1次評価においてTWA8hの最大値が1次評価値以上 であった場合、及び閾値がない発がんが想定されない物質については2次評価を行う。2次評価におい ては、以下の手順に従って測定されたTWA8h値の最悪値と、当該化学物質の有害性評価で算定された2 次評価値との比較により、詳細評価への移行の要否等を判定をするということです。2次評価値よりも 高い場合には、詳細評価に進む。未満である場合には、現時点で直ちに問題となるリスクはないと判 断されるということです。最悪値の計算については、前回の加藤先生のお話にありました。1つ目は、 最大値というものと区間推定の90%信頼率を出して、90%の信頼率で区間推定の上側の算定を行うと いうことです。算定式についてはt分布が必要であるということでしたので、加藤先生のご説明から入 れた式を入れています。その上で算定したもので、比較検討していただいて高いものについて最悪値 とするということです。  21頁は、リスク評価の整理表のイメージということで、それぞれ2次評価値を超えるものがどのく らいあったか。あるいは1次評価値と2次評価値の間にあるもの、1次評価値の以下にあるものという ことで、実際の測定値を何パーセントそうなっていたかというものを整理していただくとともに、い ちばん右については区間推定の上側の全体と参考値までということで、上位10の区間推定値を入れて いただいて、その結果を基に判定をいただくという表になっています。要因解析の部分についても22 頁に表が載っていますが、これについてはばく露作業に対して実際に判定が下ったものについて、判 定の理由あるいは根拠を明確化することと、そのあとに出てきますように詳細評価の方針を決めてい ただくということで、初期評価の終わりに詳細評価に行った場合に、どういう作業をしていただく必 要がある、どういう調査をしていただく必要があるということも含めまして、この方針を決めていた だくことが必要ですということを書いています。  それを踏まえた詳細評価についてのご説明です。23頁の19行目にばく露調査ということで入れてい ますが、ばく露調査の基本的なものについては、初期評価の手順と同じようにするということで、先 ほどご説明しました詳細評価における方針ということで追加事業場を選定して、追加事業場のデータ を加えていく作業だということで、それを書いています。ただ、考慮すべき事項で29行目に書いてい ますが、これの中で前回出ました2日間連続して測定する必要もあるよという場合には、それを実施し ていただきたいというのが[2]のばく露濃度の測定の実測ということで下線が引いてありますが、日時 によってばく露濃度が変化する可能性が認められる場合にあっては、同一の作業場において連続2日測 定する必要があるということを書いています。併せて、前々回あるいは前回にご議論いただきました 非定常作業について、例えば作業設備の清掃、保守点検等、非常時の作業についても可能な範囲で測 定するということで、すべて採れるわけではありませんので、可能な範囲で測定を試みると書いてい ます。  23頁のいちばん下のSTEL値なりシーリング値との対応については、あまり重視しなくてもいいので はないかということでしたので、ここでは提案として短時間ばく露限度等に対応した測定ということ で、ACGIH等でシーリング値なりSTEL値が定まっているものについては、初期評価のスポット調査等 において、高い短時間ばく露濃度が認められる場合にあっては、当該作業対象に測定を行うこととす るということで、STEL値なりシーリング値に対応するような調査も一応予定するということです。  24頁については、「ばく露プロフィール」という用語の使い方で修正をしています。25頁です。詳 細評価においては「発がん性の確認」ということで、閾値がある発がん性か、閾値がない発がん性か というような評価については、既に初期評価の段階で終わっていますので、あえてここで定めなくて もよろしいであろうということで、項目ごととさせていただいています。  リスク評価そのものですが、26頁に書きました。リスク評価の手順については、基本的に初期評価 と同じということです。14行目に要因解析ということで書きましたが、特にこのリスク評価あるいは ばく露評価の検討会は、その専門家の方々による議論ということですので、個別事業場の指導とか監 督とか、法規制の導入といったことについては基本的に行政側で扱うべきものであろうということで、 これについてはそういう表現を落としまして、リスクの低減という措置をとることだけを書いていま す。そういう形で修正をしています。以上がガイドラインの修正点です。以上、ご説明を差し上げま した。 ○名古屋座長 ありがとうございました。長い説明を本当にご苦労さまでした。かなりの部分が従来 から検討して来ていますので、前回の加藤先生の案で統計のところがかなり落ち着いたということで、 サンプリングその他いろいろ事務局等で先生方の意見を踏まえて直していただいた箇所があると思い ます。現時点でお気づきのことがありましたら、どうぞご自由にご意見をいただけたらありがたいと 思います。何かありますか。 ○櫻井委員 初めにちょっと小さいですが、5頁の28行目の真ん中に「工学的管理」というのが意味 がはっきりしない。しばしば局排がプッシュプルなどを工学的管理と言って、総括的に表現している ようですが、だとしたらこれは要らないのかなと思ったのです。 ○名古屋座長 除くことでいいですね。あと、お気づきのところはありますか。フロアのほうも椿先 生をはじめ、棗田さんとか山口さんも何かありましたら、いつでも。 ○大前委員 後ろのほうですが、18頁の、すべての時間測定がされていない場合の分母は、測定時間 で割るということですよね。 ○櫻井委員 ほかにやり様がないのではないですか。それ以外の時間は、この測定した時間と同じば く露があると仮定してしまっています。ただ、ばく露評価モデルによって補うことは可能とここに書 いてあるのは、それ以外の時間のばく露が少ない、あるいはゼロに近いと信ずる理由があるならば、 上の式に……。そんなのでいいかどうかですね。 ○名古屋座長 もしかしたら段落を区切って、上の式とばく露のところ、下に段落を付ければ、下は 下で、上はとわかりますね。このほうが、わかりやすいと思います。 ○大前委員 次の頁の経皮推定のばく露量のところでWが分母にも分子にもありますが、分子のほうは 要らないですか。 ○名古屋座長 確かに、経皮のところですね。体重が上と下にありますよね。これは、あとで直して もらうということで。 ○櫻井委員 おかしいね。 ○名古屋座長 2つ消えてしまいますものね。 ○櫻井委員 体重で割って、mg/kgと出すのが基本だから、下に体重が残るのは当然ありますよね。上 のWがおかしいですね。 ○名古屋座長 たぶん上が要らないのかな。あるいは、何かほかのものに代わるかもしれない。 ○櫻井委員 要らないのではないですかね。 ○名古屋座長 たぶん要らない方向で。でも、これは1回事務局で確認してみてください。 ○櫻井委員 それと、これは推定といっても、そこにくっ付いている量を推定しているだけであって、 実際に吸収されるかどうかは別の話ですから、これはすごい過大に評価する。それが全部吸収される と仮定した場合なのです。 ○名古屋座長 ということは、その旨を書いておいたほうがいいですか。 ○櫻井委員 かもしれません。 ○名古屋座長 要するに、推定値ですから入ってくると思われて、それとは違うのだよということが あるので、吸収係数だとかが入ってこないと、物質によって吸収係数が違うので、それで入ってこな いといけないはずですけれど。たぶん、そうではないということですね。 ○櫻井委員 それはいちいち出せないから、3番目のTで代用しています。接触する物質の層の厚さは 0.01cmという数字を固定しています。デフォルト値です。だから0.01cmあるものは、とにかく全部入 ると仮定しているわけです。たぶん全然入らないものもあるし、相当誤差が大きくなります。 ○名古屋座長 では、ちょっといまの話でわかるように、誤解のないようにしておいたほうがいいか なと思います。よろしくお願いします。 ○大前委員 いまの話ですが、例えば液体とか粉塵はそれでいいでしょうが、ガス、蒸気の場合は全 然違うので、この式だとどうしようもない気がします。では、どの式になるかと言われると困ります が。 ○名古屋座長 ここに液体、エアロゾル、粉塵等と書いてあるから、エアロゾルはちょっとわからな いですが、ガスではないよということだと思います。粉塵は金属がたぶん入ってくるのだと思います が、液体と粉塵等の経皮ということで、あとは説明でそれが全部入ってくるわけではなくて、あくま でも付着している部分のところの推定値ですよということが書かれていればありがたいかなと思いま す。誤解のないというところでいいだろうと思います。実際にあまり使われないですか。ちょっとよ くわからないですが。 ○櫻井委員 これだけ仮定しても、むしろネグリジブル(無視できる)であることを言うために使う ことだと思います。いろいろなもので時々こういうもので出てきますが、それを計算すると非常に小 さいからこれは無視して、腸管からの吸収だけで考えますというような判断をするときに使います。 ○名古屋座長 リスクを考えたときに、あってもおかしくはないですね。見積もればできるというこ とですからね。わかるようにしていただけるということで、よろしくお願いします。あとは、ほかに 何か。 ○大前委員 20頁の38行目の[3]で、「最大値と[3]の値のいずれか大きい値」とありますが、[3]という のは上のx(−)+tのルートの中の部分ですよね。 ○島田化学物質評価室長 失礼しました。これは[2]の区間推定値を真数に戻した値との比較というこ とで、[2]です。 ○椿(統計数理研究所) 9頁で日本工業規格の乱数表を使っていただいて、これは加藤先生がご指摘 されたとおり、非常にいい乱数表であるということはわかっていますが、先ほど言ったように著作権 の関係で、かなりコストをかけてしまうことになってしまうのですが、日本工業規格の乱数を作ると きに作ったロジックでやるというのは私どもの研究所が提供していて、私どもの研究所では毎日どな たでもこの乱数表を使えるように一応は提供していますので、もし必要があればご照会いただければ と思います。もちろん、日本工業規格自体が乱数表の使い方をまさにこのとおりに書いてありますの で、これを引用していただくことは非常にありがたいことだと思います。あるいは、日本工業規格と 全く同じ方式で、乱数表を提供することも既にできます。 ○名古屋座長 これは、事務局と。 ○椿 もし著作権の関係でコストがかからない方法が望ましいということでしたら、ご相談に乗らせ ていただきます。 ○名古屋座長 ありがとうございます。前回の最悪値の推定が出たのは、随分安心して、2次評価がで きるようになったのだということが大きかったと思いますので、ありがたかったと思います。 ○大前委員 いまの13頁のスポットですが、いまでもこのやり方でスポット測定をやっているのです か。風がある場合は上下、風向が一定しない場合は4カ所という形で。 ○棗田 はい。 ○大前委員 いつも出てくる数字は、それの平均値か何かが出てくるわけですね。 ○細田(中災防) あれの場合は、最大値をとっているか幾何平均値をとっているかのどちらかだと 思います。実際は、風がはっきりわかった場合は上下でやっていますし、どこに風が吹いているかが わからないとき、周囲を4つぐらいとっているケースもあります。 ○名古屋座長 あと、お気づきの点はありますか。 ○櫻井委員 23頁の7行目、8行目の2日間測定の話ですが、要するに個人ばく露の測定を同じ人につ いて、2日間やるのが望ましいだろうと思っている、そのような発言をしたものがここに取り入れられ ていますが、基本的にばく露濃度が変化するものであるという常識なので、日時によってばく露濃度 が変化する可能性が認められる場合というと100%の可能性が認められてしまうわけですから、ここに 書くのをそのとおり受け取ると、2日間連続測定をやるということを考慮して欲しいということになっ ているわけですが、それで測定する側はどんなご意見になるでしょうか。現実的でないということで あれば、諦めるのだろうなと思います。 ○棗田 基本的には、お金の問題だけだと思います。別に2日間いくことは、相手側が受け入れさえし ていただければ特に問題はありませんので、特別大きな問題にはならないと思います。その代わり、1 つの事業場で倍のお金がかかるという形になりますので、その辺のところだけだと思います。 ○櫻井委員 人数を減らさないとしたら、サンプルサイズは2倍になるということですか。 ○棗田 はい。 ○櫻井委員 その代わり、ばらつきは十分取り込むことができる。 ○棗田 そうですね。 ○名古屋座長 経皮に見合うだけのデータ化というと、ばく露の場合は難しいですね。もともと日間 変動は、ある程度統計的な種類の中で日間変動を見ているけれども、ばく露はあまりそういうのを見 ていないから、そうするとそこのところの日間変動は、3日やったら3日分同じ値が出てくると。そう するとデータとして欲しいときは要るけれども。 ○櫻井委員 つまりおっしゃったとおり、それだけのコストをかけるだけ重要なのかという話になり ます。作業環境の濃度自体は、この2日間絶対必要だと。それで、常に1日しか測定していないときに は、そのばらつきを足すでしょう。足すばらつきのレベルは、一般論として実測した数値から出して あるわけです。けれども、個人ばく露濃度の日間変動はまだ実測値がないわけです。だから、あれと 同じ数字を使うことを考えたのですが、それはもしかすると過大評価になってしまうかもしれない。 ○細田 操業条件がどう変わるかはわかりませんが、かなり違います。1つは、バッチ製造。小規模で 投入から完成まで1バッチが終わって、また投入から完成まで終わるという作り方と、連続操業で投入 工程は常に投入系統をやっていて、毎日繰り返している。それから、投入工程が仮に高いとしたら、 それが外にあるか部屋の中にあるかというのも日間変動で考えたら、風が吹くか吹かないかでとても 違います。今度は、繰り返しで連続工程をやる場合でも、シフトですると、投入担当者が……と来る のですが、人による差が大きいか小さいか。そういうものの組合せだと思います。それが結果として どうなるかはわかりませんが。 ○名古屋座長 日間変動を使うと、作業環境は大体2.5倍ぐらいの差が出てくるではないですか。日間 変動を90にしているから2.5だけれども、本来は実測で求めると90よりは小さくて、60ぐらいで落 ちるはずだけれども、そうしたデーターの蓄積がないので、本当に日間変動の値というのはかなり厳 しいですよね。 ○棗田 私どもの実際に作業環境測定をやっているときには、ルーチンのところで2日間採っていると ころも結構ありますが、2日間で計算すると第1管理区分ですが、これを1日で計算すると第2管理区 分になるというのがかなり多いです。 ○櫻井委員 大目に安全サイドにしていれば。 ○棗田 かなり安全にしていると思います。  もう1つこの場合の問題点は、作業者がシフトを組んで作業をしていると、翌日は全く違う作業をす る可能性があったり、お休みになってしまった場合には、同じ方を連続で採る意味というのがたぶん なくなってしまうので、そうすると同じ作業をやっている違う方につけるのか、それともというとこ ろもあるのかなとは思います。その辺のところが、具体的に決まってくれば別に採る分には我々は特 に問題はないと思いますが、評価は難しいかもしれないです。 ○櫻井委員 いずれにしても、必ずやるような書き方では大変ですよね。 ○棗田 そうですね。 ○細田 それに条件が合っていて、それをやって意味がありそうだなと思う何らかの方法で考えられ たところはやるみたいな形で。 ○櫻井委員 日時によって、ばく露濃度が変化する可能性は特に大きいと考えられる場合とか、そう いうような書き方にしておきますか。その書き方だと当たり前で、当然全部可能性はあるから、測定 することになってしまうのです。だから、ばく露濃度が変化する可能性が大きいと認められる場合。 ○細田 それか除くかですよね。もしくは、最初の年度はいくらでも採って、その結果を見てその次 も決めていくという手もありますが、これはお金を潤沢に使ってということになりますが。 ○櫻井委員 要するに、これはまだあまりデータの蓄積がないから、どれぐらい個人のばく露の日間 変動があるかというもののデータはどこにもないのですね。 ○細田 だから、蓄積するだけで、最初は無駄でもやる覚悟でやるかというのも1つの選択肢だと思い ます。 ○名古屋座長 個人的には要らないのかなと思います。人数が足りないときには当然2日間でというの はあるけれども、個人ばく露を2日間やったからといって、そのデータの整合性をとったときに、本当 に同じことをやっても個人の差は個体差が出てくるからたぶん違うので、どのくらい作業の変動がこ れで見られるかなというと、それは難しいのではないかなという気はします。 ○櫻井委員 要するに個人間変動と個人内変動と、それぞれ調べなくても個人間変動の中に個人内変 動がかなり含まれてしまうだろうという感じですね。 ○名古屋座長 もともとばく露濃度はそういう測定だから、あえて2日間をやったからといってその整 合性がとれるわけではないなと個人的には思います。 ○棗田 過去のデータを見ていますと、例えば同じ場所で同じような作業をしていても、個人ばく露 の濃度が1桁違うとまでは言いませんが、50%ぐらい違うデータがかなりありますので、そうすると風 向きなのか作業の仕方なのか、報告書を見てもそんなに大きく作業が変わっていないのに、ばく露が 変わってくることがあると、かなり難しい。そういったところがもともと加味されてしまうと考えれ ば、逆に同じ作業をしているのであれば必ず2人いたら2人採るとか、そういうほうがどちらかという と望ましいのかなと思います。 ○櫻井委員 要するに個人内変動に比べると、個人間変動のほうが大きいだろう。だから、個人内変 動のデータを追加しても、それほど得るところはないであろうという感じですか。 ○棗田 はい。 ○細田 それと、今度は連続工程ですとシフトを組んでいる場合、毎日、朝の番手では投入というの が起こって、翌日も投入を測れるということはあるのでしょうけれども、それから同じ工程で投入か らあるところまで。バッチの場合はおそらく規模が小さいので、毎日同じことが起こるとは限らない のです。そうすると、今週は月曜日に作って火曜日ないし水曜日に完成して、もう今週はあとありま せんという話がありますから、そういうところは連続した2日というのではなくて、それをやるために はこの次の第1日目を測るという考えです。それでもいいかもしれませんが。 ○櫻井委員 この2行を除くことになりますか。 ○名古屋座長 それのほうがいいかな。 ○櫻井委員 お任せします。 ○名古屋座長 特に現場で、2日間採らなくても作業者を増やしてデータが集まるのだったら、それの ほうが。1つの作業で、次のところにいくと違った作業になってしまって、増やしても同じではないか もしれない。データを採りたかったら、その中でできるだけ多く人数につけたほうが、同じデータが 採りやすいかなという気がします。もし異存がなければ、外したほうがいいのかなと個人的には思い ます。ただ、あとでまた検討しましょうということで。 ○島田化学物質評価室長 すみません。事務局の修正ミスと一部ご説明漏れがありましたので、その 部分だけご説明します。11頁の42行目です。前回の議論で、2分割サンプリングについては原則は要 らないということだと思いましたので、これは原則をとらせていただく、あるいはこの括弧自体が要 らなければ取るということもありますが、いかがでしょうか。 ○櫻井委員 私の記憶では、前回NIOSHに関係なく、そもそも測定は2分割がやりやすいというお話で した。だから、このままでいいのかと思ったのです。 ○島田化学物質評価室長 それでは、「原則」という言葉だけ外すようにいたします。 ○櫻井委員 「原則」を外すのですか。 ○名古屋座長 ただもう1つあるのは、2分割することも確かにいいのだけれども、その2分割する中 で、例えば我々がやるとしたら、捕集量が少ないときに2分割すると分析精度が悪くなってしまいます。 そうすると、2分割せずに、お昼休みだけ除いて、トータルで測定したほうが精度は上がってきます。 それを、あえてここで「2分割」と書くのではなくて、測定者に任せたほうがいいのかと思います。 ○細田 採気量が、最低……量がどっちかということですね。 ○名古屋座長 そう、どっちかということです。そこで2分割にして変動を見たほうがいい部分と、そ うでなくて採気量を分けることによって、定量精度が悪くなってしまうと、出きた値が2つとも使えな くなってしまうことが起きます。 ○細田 それをやったら2つにする。1日やっても十分だったら1日採るみたいな。 ○名古屋座長 そこは、やはり測定者に任せたほうがいいのかと。あえて、ここに「2分割」と書くの ではなくて、「測定」と書いておいて、そこのところは自由裁量にしたほうがいいのかと思いました。 ○細田 実務上で言いますとどうでもいいことなのですけれども、昼休みが人によって、工場によっ てみんな違ってきます。通しで採ってしまう所と、私は外すというのがあります。 ○名古屋座長 そこはありますね。 ○細田 これを8時間にするというときには、実際に外したかどうかを確認して、それをやっていくと いう形で、数値を全部合わせていかないといけないです。 ○名古屋座長 2分割というと、どうしてもそこで区切りを入れてしまうことになるでしょう。 ○細田 昼休みに入る前に止めて、外して1時からまたやるみたいな形です。 ○名古屋座長 何も書かずに、皆さんがやられているのだから、たぶん測定者に任せたほうがいいの かと思いました。 ○細田 そうしておけば、我々の裁量でできるのでしょう。 ○櫻井委員 ちょっと気になる点は、普通は7時間とか、7時間15分ですよね。 ○細田 そうです。実働7時間ぐらいが多いです。 ○櫻井委員 それは、そのまま数字を出していますか、それともそれを8時間に直していますか。 ○細田 いままでは、測定時間TWAというのはそのまま付けていた時間を分単位で取っています。それ を8時間に直すときは、そのまま8時間に直しています。 ○櫻井委員 我々が評価をするときに、全部8時間に直した数字で評価してきていましたか。 ○細田 昨年度の結果は並列で出しました。 ○櫻井委員 だから、7時間は8時間に直しているということですね。 ○細田 そうです。 ○名古屋座長 たぶん大丈夫だと思います。 ○島田化学物質評価室長 最終の26頁の下のほうに、要因解析というところがありまして、この20行 目のところです。「なお、非定常作業については」ということで、これについてはまだ議論が必要と いうことを前回伺っております。これは2次評価値を大きく超える、概ね5倍程度の高いばく露が把握 される場合にあっては、同様にリスク低減措置の考え方を取りまとめるということで書かせていただ いております。前回5倍、10倍、あるいはリスク低減措置というところにつなげる必要があるかどう かということについても、まだ議論が収束していなかったかと思いますので、この部分をお願いいた します。 ○名古屋座長 これは思い出しましたが、大前先生や櫻井先生にお願いしますと言っていた、1.5倍で は軽いだろうと。まあ5倍か10倍かどの辺ですかね、先生お願いしますというのを思い出しました。 工藤先生と3人にお任せします、というのでお願いした覚えがあります。5倍か10倍ぐらいなのでし ょう、そんなには多くないと思います。許容濃度は1.5だから、それはちょっと低いという形でした。 もしあれでしたら、また両先生にお願いして。 ○櫻井委員 一応5倍ぐらいでいいのかなと。 ○名古屋座長 はい。 ○細田 非定常作業の定義はよろしいですか。私どもが実務に戻していくときに、非定常作業という 言葉で言った場合に、人によって思いが違います。 ○名古屋座長 違いますね。 ○細田 例えば、大手のプラントみたいな所ですと、定修は別だという発想が大体行き渡っていると 思うのですけれども、小さい所は定修は非定常作業だという考え方の方もおられます。  例えば我々が考えるのは、日常的に製造のために必ず起こって、定期的に起こるのは非定常作業で はないと。ただし、いつかわからないけれども、フィルターは必ず操業に伴ってやっていかなければ いけないと、清掃はね。1週間に起こることもあるし、3週間に起こることもある。これは非定常だと いうような考え方を持っています。大体夏が多いのですけれども、装置のある工程を全部止めて、そ れでタンクを洗い出し、パイプの中を洗い出して、大手であれば千代田化工みたいな所が来てやるよ うなものは、これは非定常ではあるけれども、そこの従業員の問題ではないという話で整理していま す。  ですから、そこを評価するのだったら、千代田化工の従業員の健康状態はどう管理されているかと いう、目標のときにやるという発想で見ているのです。私もそのような考え方のほうがすんなり入る のですがいかがでしょうか。 ○櫻井委員 どのように定義したらいいかですね。 ○細田 そうです。それが、これにだいぶ影響が出てくると思うのです。 ○棗田 ただ、定修の作業を測定に行って採っている例はいまのところないので、それを非定常とい うふうに。あと、故障した際のばく露を採るなどということは、基本的にはないです。そうすると、 それを非定常というふうに考えてしまうと大変というか、ここでやる要因分析に出てくるようなもの はないということになってしまうので、ここで言っている非定常というのはどういうものかを決めて おかないと、山口さんの所は困りますよね。 ○名古屋座長 それで出てくる人は、その作業場にいるわけではないから、それは違います。あくま でそこの従業員の人たちがどういう作業をするかが、定常、非定常になってくるのかと思うのです。 そうしないと評価できません。 ○細田 人に注目すると、ある程度の調整とか、修理とか、メーターの検定というのは、保全という 部門があって、そこが社員でやっているのです。ただし、いま言いましたように、それを我々の測定 の1日か2日の間に保全の作業をすべて拾えるかといったら、とてもではないですけれども拾えないで す。 ○名古屋座長 これは、ここでなくても、いつも問題になるところですね。 ○細田 一応私のあれとしては、通常のときに清掃とか、製造担当の人がやるような所はできるだけ 入れてもらって、保全のところはタイミングが合ったらやる、という程度の緩やかさがあるとやりや すいです。定修は当然外すということです。 ○棗田 これは、要因の解析で、対策の話だから、うちには特別関係ないです。 ○細田 関係ないです。 ○棗田 うちは、別にそれを採れという話は一切書いていないので。 ○細田 でも、5倍ということは採ると私は理解したのだけれども。 ○棗田 そうではなくて、これは出てきたデータの中で、そういうものがあったらという話だという ふうに私は理解しています。 ○名古屋座長 「把握された場合には」ですから、把握されなかったらないということだと思います。 ○棗田 だから、それを詳細調査のときにそういうものを狙ってやりましょうという話になれば、ま たそういうことをやらなければいけないのかもしれません。 ○名古屋座長 そうですね、そうするとそんなにこだわらなくても大丈夫ですね。 ○島田化学物質評価室長 それと似た表現が23頁の39行目にあります。「作業設備の清掃・保守点検 等非定常作業についても可能な範囲で測定を実施する」と書いてあります。 ○細田 これは、非定常作業の定義さえみんな共通であれば、こういう表現でいいのではないですか。 「可能な限り」となっていますから。 ○櫻井委員 詳細評価では、可能な限りそれをやりましょうということですから。 ○名古屋座長 それはいいと思います。 ○櫻井委員 リスク評価のところで、たまたま大きい数値があったら、5倍ぐらいということで考える と。 ○名古屋座長 いいのではないですか。 ○棗田 だから、もしかすると1,3-プロパンスルトンみたいに、1回のばく露でもがんが出るかもしれ ないみたいなものに関しては、詳細の際に定修とか、こういうものをやらないといけないのかもしれ ないです。 ○細田 そういうことだね。 ○棗田 ただ、それは詳細調査のときに、こういうことも含めて事業を選ぶという形になるのではな いかと思うのです。 ○櫻井委員 プロパンスルトンなどというのは非常に特殊なもので、いままでそういうものを真っ向 からリスク評価したことがないです。そのためのばく露の考え方は別に作らないといけないです。 ○棗田 そうですね。 ○櫻井委員 たぶん、事故が怖いというぐらいのものです。普段だと、ほとんど全部、定量下限未満 でコントロールされているわけですから。 ○名古屋座長 あえてここで細かく定義を決めるのではなくて、詳細評価に持っていくときに、それ をどうするかということで、ここではあくまで測ってみたときに概ね5倍以上の高い濃度があったとき にはちょっと考えてみましょう、という形で収めさせてもらっていいですか。ここでまた議論しても なかなか難しいです。 ○島田化学物質評価室長 いまのお話だと、「可能な限り」というよりは、「そういうものが必要で あると認められる場合には」ということで表現させていただいてよろしいでしょうか。 ○名古屋座長 詳細評価のときにいろいろなデータが集まってきて、いまのような形のものがあった らそれは長くやる。別段リスクが低かったらそれはやらなくてもいいことになりますので、そのとき は詳細評価のところでどういうふうにやるかというのは検討してもらうという形にする。ただ、非定 常のときの2次評価のときを超えるのが5倍ぐらいあったときには、それはやりましょうと、そこだけ 決めておけば、詳細評価のところは大丈夫ではないかと思います。そんなところでよろしいでしょう か。 ○細田 もう1つ、例えば24頁のばく露プロファイルのシートの話ですが、これは2カ所にあります。 これは別段あれではなくて、私の理解がこれでよろしいですかということです。ここで見ますと、1つ の工程について作業が1〜5まであって、それぞれの作業についてA測定、もしくはスポット測定、お そらくできるほうをできたらということでやるのでしょうけれども、それをやっていって5まで行きま すと。イメージとしては、個人ばく露は作業1からこの工程をすべて個人ばく露を測定しましたという 形になっています。  実際には、そういうことであれば非常に理想的でよろしいのですけれども、イメージとしてそうな のですけれども、例えばバッチでもって反応工程をやった場合には、作業1、作業2、作業3、作業4、 作業5というのはほとんどが同じ作業場で起こるわけです。反応釜の投入口の所で投入して、その後に 追加投入があるとか、サンプリングをするというのがあって、いちばん最後に取り出しをするという ようなことがある。原料に対象物があった場合ですよ。  それですと、理想的には投入のときにその場所でA測定をやりましょう、次の何らかばく露の可能性 のある作業のときにまたそこでA測定をやりましょう、というようなことをやっていけば、本当は作業 に応じてA測定も変化をしたのを測っているのかもしれません。実態としては、なかなかそこまではで きないと思います。  もう1つは、ここの作業場でA測定をする対象となる作業場以外の屋外というのがあります。それは この書き方でいいと思うのですが、そこはA測定の場所がなくて、下のほうでスポットだけデータがあ りますみたいな形になる。そのように私は理解しているのですが、それでよろしいですか。 ○名古屋座長 確かにこれはシートのイメージ図ですから。いつもリスク評価のときにデータを出し てくれますから、そこのところの書きやすさを。 ○細田 1人の個人ばく露を測った人の履歴にどの作業があったか、というのがつながって見えるよう にと。 ○名古屋座長 そういうことです。いま実際に書かれているのは中災防ですから、そこのところの書 きぶりを見て、ここがいいかどうかで、もしこれでよかったらそうだし、提案があったら少しという ことで事務局が直すということでイメージ図ということで。実際にこれを使うときには、皆さんがい つも出してくれるデータを書くのでここにかかわれるわけだから、我々がどうのこうのと言うよりは、 そのときに実際にかかわった人のほうがいいですよね。 ○細田 わかりました。 ○島田化学物質評価室長 ……というのは、あくまで評価のための整理表ですので、そのための測定 は12頁、13頁のところに書かれています。12頁のBのA測定の関係ですけれども、8行目に「このた め、測定対象作業場については、事前調査における聞き取り等をもとに、作業者のばく露が予測され る主要な作業場において実施する」と書かれています。それから、様式のところのイメージの17行目 に「A測定を実施した工程の欄に記入する」ということで、すべてを埋めなければいけないということ ではありません。同様に、13頁のスポット測定も同じです。この辺りで、こういうものを採れという 指示を書く必要があればここに書くべきかと思います。 ○名古屋座長 それも見ていただければと思います。いままで報告されたところを見て作っていただ いたので、たぶん過不足はないと思います。大丈夫だと思いますけれども、もし何かお気づきの点が ありましたら、中災防のほうからまた意見を出していただければありがたいと思います。ほかにあり ますか。 ○大前委員 私もよく知らないので教えていただきたいのですけれども、14頁の脱着率のところで、 直接添加法のところの36行目の分母「直接添加した量−揮発量」とあるのですけれども、揮発量は測 定できるものなのですか。 ○名古屋座長 これは、ちょっと見てみます。脱着率についてはガイドブックに書いてありますので、 そこと同じようにしたほうがいいので、もしかしたら。 ○大前委員 同じく加熱脱着のほうなのですけれども、加熱脱着の脱着率の式が15頁の上から4行目 から書いてあります。これの分母と分子を見ますと、分母は「(1回目+2回目)の分析で得られたピ ーク面積」で、分子が「1回目の分析で得られたピーク面積」と書いてあるのですが、これはなんとな くよくわからないのですが、これでよろしいのですか。 ○名古屋座長 1回目の脱着操作を行いしたい回目の値を求めた後、直ちに2回目の脱着操作を行い2 回目の脱着の値を求めます。2回目は、一回目の脱着の確認です。だから、2回目はゼロになる可能性 があります。そこをチェックしておかないと捕集管に溜まっているかどうかの確認が出来ません。  案のところも進めなければいけませんので、一応これは閉じさせていただきます。長い間検討して いただいてありがとうございました。当初予定した検討は大体終わることができたと思います。また 何かお気づきの点がありましたら、事務局に連絡していただいて、修正等をしたいと思います。あり がとうございました。  これは、一応合意が得られたと考えてよろしいのですか。もう一回委員会を開いてやることはない のですね。語句訂正ということでしたら、できたら事務局で訂正していただき、もし大きな修正があ りましたらもう一度見ますけれども、なかったらこれで終わりという形でよろしいでしょうか。 ○島田化学物質評価室長 修正をさせていただいて、各先生方に見ていただいて、その上で成案を作 らせていただきます。 ○名古屋座長 そうですね。いま宿題をもらいましたのと、あと記録のところで若干ありましたので、 そこのところを直したものを見てもらうという形で成案を作るということにさせていただきます。本 当に長い間ありがとうございました。  次の議題に入ります。前回提案させていただいたものに、いただいた意見をまとめたものが資料3の 報告案ということです。これについて事務局から説明をお願いいたします。 ○島田化学物質評価室長 資料3に基づいてご説明申し上げます。今回の少量製造・取扱いの規制等に 係る小検討会の報告案ということで、前回十分なご説明は差し上げられなかったわけですけれども、 その後、いくつかのご意見を賜っております。それを踏まえて修正をさせていただきましたので、そ の修正点を中心にご説明申し上げます。先ほどのガイドラインについては、この報告書のアネックス という形で、別添の付属2として付けさせていただく位置づけにしております。それについては、20 頁にあります付属という形で書かれているものの、付属1としてそのフロー図、2番目として付属2と いうことで、いまご議論いただきましたガイドラインとなっています。3番目として、モデルというこ とで、1月ぐらいに花井先生、毛利先生からご説明をいただきました、参考までにモデルを付けさせて いただいております。  最初のところに戻りまして、資料3の説明をさせていただきます。「はじめに」という部分ですが、 私どもが先生方にお願いした内容、あるいは検討の内容を考えたところ、「少量製造又は取扱い作業 の把握が可能なばく露調査手法の策定」ということで、少量製造のみに特化したような検討をしてい ただいたわけではなくて、ばく露ガイドラインそのものの議論をかなりしていただいたこともあり、 「はじめに」という部分については、当初提案をさせていただきました、少量製造の問題点のみなら ず、その他の課題としていままでご議論いただいたものを入れさせていただきました。  17行目の[1]で、少量製造の把握ができないという問題を指摘させていただきました。その後は[2]の 20行目の「また」で始まる「有害物ばく露作業報告については、国内での製造・取扱いが確認されて いる物質について報告があがらなかったり、あがっても僅かな事業場の場合がある等報告率が低い可 能性がある」という問題。[3]として、「さらに、ばく露実態調査については、調査事業場数に制約が あり、一部の事業場への調査結果をもとに対象物質の製造・取扱い作業全体を評価する手順の検討が 必要な状況にあった」ということを付記させていただき、以下それに見合うような表現に直させてい ただきました。  2頁は、有害物ばく露作業報告の問題についての記述です。表現として、いままでの有害物ばく露作 業報告が、その告示の前年に行われる、前年1年間の取扱い作業を報告していただくということを書い た部分の表現を見直させていただきました。「調査告示に基づいて、報告対象物と報告対象期間を定 められているが、当該対象期間は告示の前年度1年間の実績を遡及して報告する仕組みとなっている」 ということで表現を修正させていただきました。  3頁のところは、先ほどご説明いたしましたように、少量に留まっていなかったということですので、 10行目は「少量製造・取扱いを把握する上での課題」とさせていただいていたものを、「報告制度上 の課題」と置き換えさせていただきました。その下の部分は、アンケート調査の正式名称というより は、実際にアンケートさせていただいたときの名前を入れさせていただいております。  4頁については、当初少量製造のところで、500kg以上が製造・取扱いの報告対象となったような過 去の経緯が抜けていましたので、それを入れさせていただきました。これについては、初期の段階で ご説明申し上げましたが、PRTRの対応で、1トン以上が報告義務ということになっていて、それが大体 6割ぐらいをカバーしているということで、それを0.5にすると、大体8割ぐらいの事業者がかかわっ てくるということがあったものですから、「500kg」ということで線を引かせていただきました。  5頁は、基本的には細かな修正です。いまの趣旨を入れさせていただいた部分が31行目に「なお」 という形であります。500kgについては引き続き存続することについて、過去にご説明申し上げました ものを、記述して入れさせていただいております。「なお、検討会では少量製造・取扱い把握のため、 報告対象事業者の条件である500kg以上の要件の見直しについても検討した。この結果、現行把握上の 課題となっている少量製造・取扱い作業は、数kg程度の取扱い作業を含むものであり、500kg以上との 要件を、例えば、100kg程度に引き下げたとしても、引き続き把握漏れが解消せず、有効な見直しとは ならないと判断された。また、本報告は労働安全衛生法規則に基づく義務であることから、数量要件 を撤廃する場合には、零細事業者等に対しても多大な負担を課すこととなると判断された。このため、 500kg以上の数量要件については、現行通り維持することとしたものである」ということで説明をさせ ていただいております。  6頁は、報告対象期間の見直しということで入れさせていただいた部分です。17行目に「少量製造・ 取扱実績等を把握し、より精密な取扱実績の把握を行うためには、報告スキームを次年度の1年間とす る等所要の見直しを図り、事業場が記録に基づいて報告できるよう、配慮すべきである」ということ で、過去にご議論いただいた点が抜けておりましたので、加筆させていただきました。  7頁のいちばん上の部分については、表現にダブリがありましたのでアとイについては取らせていた だきました。31行目の、電子入力方式の採用についても表現を少し調整させていただきました。34行 目を「現在はアンケート用紙を配布し、労働基準監督署を経由して報告を求めているが、最近、多く の事業場は、化学物質の製造・販売等の記録のみならず、作業記録等も作成し、電子ファイルやCDに パソコン等で保存している。そのような事業場からの報告が容易なよう、紙による報告を残しつつ、 パソコンで入力する方式の採用を検討すべきである」とさせていただきました。  次は、ばく露実態調査の部分に入るものですが、9頁の6行目の(2)調査実施上の課題です。いまま では少量製造、あるいは企業のノウハウ等についての言及のみでしたので、その後に書かれている課 題を踏まえた改善の方向に、ほかの事項も入っていましたので加筆させていただきました。具体的に は11行目に課題として挙げられているものの1つとして、「当該調査の目的が十分理解されず、国に よる事業場の監督のための調査との誤解があり、調査の受入れを躊躇する企業があることや、調査受 入れにより作業に支障が生じることが指摘されている」。また19行目で「この他、調査内容、調査手 順、調査結果の活用方針が明らかになっていないため調査受入れに躊躇するとの声もあった」という ことで、課題として改めて付けさせていただきました。  11頁のいちばん最初の行からですが、測定時間の取り方についても8時間測定をするのと、作業が 行われた半日のみとするのでは、そのばく露量は変わるということで、TWAの議論をいただきましたが、 それを反映する形で、「作業が行われている時間帯のみ測定時間を設定する場合には、ばく露濃度は 高く見積もられることとなる」という表現と、それから8行目の「このサイクルを含む作業者の勤務シ フト時間で測定すべきである。また、個人ばく露測定の結果については、8時間加重平均濃度を求め、 これと有害性調査から導出されたばく露限界値を比較することにより行うこととすべきである」とい うことで書かせていただきましたが、ガイドラインのご議論を少し加筆しなければいけないかと思っ ておりますので、これについてもご意見があればお願いいたします。  13行目については短時間ばく露の関係も含めてですが、リアルモニターの使用ということでご議論 いただきました。「作業実態に則したガス濃度の連続モニタリング及び個々の作業毎のばく露レベル の確認が可能であることから、ばく露要因の解析や瞬間最大暴露限界値(いわゆる『天井値』)との 比較をする上で有効なものである」という表現を入れさせていただきました。リアルモニターの使用 については、物質が限定されているというご議論があり、干渉を受けるような物質があると使えない ということもありましたので、こういう面での技術開発の推進、あるいはリアルモニターの対象物質 の拡大について加筆させていただきました。  34行目の、作業環境測定手法の効果的な組合せということで、当初、個人ばく露測定だけのデータ でいいのではないかというご議論があったときに、A測定、あるいはスポット測定の目的を明確にすべ きということでご議論いただいた件ですが、37行目にその議論を付け加えさせていただきました。 「これら3つの測定については、測定結果を整理し、当該結果をリスク評価及び高いばく露が確認され た場合の要因解析に役立てていくことが妥当である」ということで加筆させていただきました。  12頁の10行目に「キ その他」があります。これは経皮ばく露の関係のことが書かれています。ガ イドラインのほうでは、あくまで経皮ばく露の手法についてご議論いただきましたけれども、経皮ば く露に対する考え方をここに示したつもりですが、これについてご議論いただければと思います。14 行目に「現在のリスク評価においては、経皮ばく露についての分析・評価手法が明確化されていない。 我が国のほとんどの事業場では保護手袋を使用しており、リスクが低いと考えられるが、化粧品等特 殊なものもあるので、これらについては正確に評価がなされるべきである。欧州等では、経皮ばく露 評価のシミュレーションモデルが開発されリスク評価に活用されており、これらを参考に経皮ばく露 評価を進めることが妥当と考える」と入れさせていただきましたが、ご議論があればお願いいたしま す。  14頁は、ばく露評価を進める上での課題です。これについては統計的な手法というものをすべきと いうことで書かせていただいた部分です。11行目に「このため、当該サンプルの中に、高いばく露作 業者が入らない等母集団を推定する手法が適切でない場合には、潜在的なばく露リスクを見逃してし まう可能性がある」ということで、今回ご議論いただきました統計的な手法を入れる上での課題を加 筆させていただきました。  ばく露評価手法の改善の方向ということで、15頁に入れたものは書き下ろしになっておりますので、 ご議論いただければと思います。17行目のばく露評価手法の見直しということで、「現行のばく露評 価については、サンプル調査をもとにばく露濃度を算出し、その最大値がばく露限界値を超えている か否かを確認し、これを超えている場合には健康障害防止措置の導入を考慮している。しかしながら、 ばく露調査でサンプリングの対象とならなかった作業者の中に高いばく露を受ける作業者がいること を考慮する必要がある。このため、ばく露評価については、我が国における対象化学物質の製造・取 扱い作業全体を推測する統計的手法を活用することが妥当とされた。これを受けて、本検討会ではば く露評価における統計的手法の導入にかかる検討を行った。この結果として、以下の点で改善が図ら れるべきと考える」ということで、合計3点ほど挙げさせていただいております。  統計的処理が可能となるサンプリング手法の採用ということで、これについてはご議論いただいた ような選抜の方法、あるいは最悪値を算出するために必要なサンプルのサイズというご議論をいただ きました。2番目として、ばく露濃度の統計解析手法の導入ということで、これについてはTWAの8時 間値を採用するということと、区間推定を行う。区間推定の際には、90%を採用するということで、 妥当であるというご議論をいただいたと思っておりますが、もし何かご意見があればここでもお願い いたします。3番目として、要因解析の手法の明確化ということで、これについては特に高いばく露が 確認された作業者の要因解析が可能となる実態調査の把握、作業環境の実測が必要であるということ。 解析の方針・基準の明確化ということで、「解析の方針については、高いばく露が当該物質を扱う作 業に共通するものか、特定作業場における固有の問題であるかどうかを解析することが重要とされた。 なお、特定の作業者について高いばく露が確認された場合にあっては、当該作業者の不適切な作業に 由来する可能性が高いが、そのようなケースは他の作業者にも起こる可能性が高いことから、作業工 程に由来する問題として扱うこととした」とさせていただきました。  16頁は、ばく露モデルの活用ということです。これについて上のほうでは、モデルのツールの開発 が進んでいる点を加筆させていただきました。その上で21行目に、ばく露モデル活用のための体制の 整備ということで、花井先生、毛利先生からご指摘をいただいた点が加筆されております。1つは第1 段落のところに、日本においてはリスクアセスメントの活用にとどまっているということで、特に作 業環境測定等の実測値を用いた確認が重視されている点が指摘されています。これを踏まえて、「こ のため、ばく露評価モデルの開発等に係る研究開発は遅れている」ということで、研究開発を進める 必要があるという指摘をさせていただきました。そのモデルの開発に関してはいちばん下の部分で、 「ばく露評価モデルのリスク評価制度への導入にあたっては、これに先だって上述のような調査研究 が実施される必要がある」ということで、研究開発の必要性をメッセージとして使えるような表現を 入れさせていただきました。  17頁の詳細評価の新設の部分ですが、基本的な考え方、調査対象事業場の追加、手法の見直し、こ れはいずれも今回は書き下ろしですのでかい摘まんでご説明申し上げます。1番目の段落については、 詳細評価と、初期評価という2段階に分ける必要があるということで、その部分を書かせていただきま した。9行目に「2段階の評価スキームを導入することが妥当と判断された」ということをメッセージ として入れております。その次の部分は、詳細評価において具体的にどういう点を確認するかという ことです。規制を導入する際に考慮すべき少量製造・取扱い等特殊な作業というものについて確認す るということで、その規制の必要性について検討する材料とするということです。  次の段落では、初期評価を踏まえた詳細評価において、どういう評価をするかということに関して は、22行目に、500kg以下の製造・取扱いのある事業場等の情報も入れていかなければいけないという ことで、この情報の入手法としては、関係業界団体からの聞き取り、検索サイトの活用が挙げられる ということで記述しております。  その下の調査対象事業場の追加については、初期評価と同様に、高いばく露レベルが推定される事 業場、それから少量製造・取扱い等特殊な作業について、引き続き調査していくということで、この ためには関係機関との連携が必要であると指摘しております。  ばく露評価手法の見直しについては、ガイドラインのほうでご説明させていただきましたように、 45行目の、ばく露要因の解析に当たっては、解析の方針・判断基準の明確化をすべきである。特に解 析方針については、高いとされたばく露の原因が、作業工程に共通するものか、特定事業場における 固有の問題であるか等を解析する必要があるという指摘です。  18頁は、先ほどご説明申し上げましたように、個人の作業者の問題が指摘された場合の扱いとして、 前のところと同じように、不適切な作業に由来する可能性があるけれども、それについてはほかの事 業場でも起こるので、これは作業工程に由来する問題として扱うことが妥当であるということです。  その下の解析結果に基づく規制方針の検討ですが、これについては特段まとまってこの場でご検討 いただいたわけではありませんけれども、こういうことであろうかということで、事務局で用意させ ていただいた提案です。これについては全体を読ませていただきます。  「規制の方針については、リスク評価を踏まえて、規制導入の可能性、妥当性を踏まえて検討され る必要がある。このため現行のリスク評価の中で扱っている規制の方針の検討は、リスク管理措置と して別途検討されるべきものである」ということです。これについては、平成18年度、平成19年度の 評価結果において、リスク評価検討会の方から、法律を改正する必要があるという指摘をいただいて いたわけですが、本来リスク評価の委員の先生方のやるべき役目はそういうことではないと思います ので、そこの部分については別途検討されるべきであるというふうに分けさせていただきました。  「リスク管理措置の検討にあたっては、対象化学物質を取り扱っている事業者、関係業界団体等か ら当該化学物質の製造・取扱いの現状を調査し、当該物質の他の化学物質への代替、規制措置の導入、 新たな管理技術の開発・導入等多様なオプションを検討すべきと考える。また、管理技術、測定技術 の検討にあたっては、発生抑制装置、保護具、測定機器の製造者等に最新の技術、製品開発にかかる 動向を積極的に調査し、効果的かつ、事業者が導入しやすい技術をすることが重要である。事業場の 問題として行政指導を実施する場合にあっても、リスク評価の結果を活用し、事業者が、問題となる リスクの所在、大きさ、対象事業所等を明確にし、リスクを低減していくため、どのような措置が必 要であるかを十分理解できるよう指導内容や説明方法を工夫する必要がある。また、リスク評価を踏 まえた規制等の実施にあたっては、リスク評価対象物質の選定段階から、リスクコミュニケーション の実施等を通じて、その手続きの透明化、明確化を図り、説明責任を果たしていくことが重要であ る」と提案させていただいております。  最後は「まとめ」ですけれども、「まとめ」については基本的に前の表現の繰り返しです。「本検 討会はリスク評価における少量の化学物質の製造・取扱いについての把握の問題が生じたことに端を 発し、適切なリスク評価の実施及びこれを踏まえた適切な管理措置の導入が可能となるよう、ばく露 評価の段階毎に検討を行った。この結果として以下の改善が必要との結論に至った」ということで、 有害物ばく露作業報告については、目的の周知、報告条件の簡素化。2段階のスクリーニング方式の導 入、その目的として高いばく露が推定される事業場に報告者を絞り込んだ形で詳細な報告を求めるス キームとする。少量製造・取扱いの的確な把握には、事業者があらかじめ作成した作業記録に基づき 報告できるスキームに見直しを図ることが重要。ばく露調査については、その目的をばく露の高いグ ループを的確に捕捉し、適切に調査することを目的とするということを明確にして、それに沿った形 で調査をするようにしたほうがいいという指摘です。  併せて19頁で、実測においては測定方法の精度要件の明確化を図る。その測定技術の開発というこ とで、リアルモニター等の効果的な導入ができるように研究開発が図られる必要がある。ばく露評価 についても、欧州において使われているようなシミュレーションモデル等開発されているものを利用 することを検討する。調査においては、企業ノウハウ、及びこれに関連する情報を扱うこととなるの で、これら情報の適切な保護等に係る特段の配慮が必要である。ばく露評価については、初期評価、 詳細評価の2段階になっておりますので、初期評価においては、詳細評価に移行する際にその方針を明 確化するということと、その追加調査をする場合には、法律の義務以外のものもお願いしなければい けないということで、関係省庁、関係業界団体との連携・協力が一層重要であると指摘しております。  最後に、事業場の数が限定されているということで、1つは統計的な手法の導入が必要である。統計 的な手法を導入していくものと、ばく露評価モデルの開発、使用が有望であるという指摘をさせてい ただいております。併せて、モデルの活用に当たっては、我が国においては、長期的なビジョンをも って、ばく露評価モデルの活用のための体制の整備が必要であると指摘しております。  ここに示されたものについては、先ほどご議論いただきましたガイドラインとして取りまとめを行 ったので、このガイドラインに従って効率的なばく露評価作業を進めるべきであるという指摘で終え させていただきました。以上がご説明です。ご指摘があればお願いいたします。 ○名古屋座長 先ほどのガイドラインとの整合性は若干取らなければいけない部分はあろうかと思い ます。それ以外のところでお気づきの点がありましたらお願いいたします。 ○山口 12頁のその他の経皮のところの14行目の、「現在のリスク評価においては、経皮ばく露」云 々とありまして、「化粧品等特殊なものもあるので」という文章は、労働安全上のばく露とは関係な い表現なので、これと後ろの経皮ばく露のモデルの開発が、商品に関係して経皮を通してばく露する のとは違うので違和感があります。ここは外してもいいのではないかと思います。表現を後ろに合わ せるかです。 ○唐沢委員 いまのところの「化粧品等特殊なもの」というのは要らないのだろうと思うのですけれ ども、その前段で「リスクが低いと考えられる」と言い切っていますが、「相対的にリスクは低いと 考えられるが」ぐらいにしておいてという感じがします。 ○名古屋座長 そこのところは修正をお願いいたします。経皮のところは、先ほどのガイドラインと 合わせなければいけない部分がありますので、そこは直そうと思います。 ○唐沢委員 5頁の36行目は、法律上の義務の話なので正確に書かれたほうがいいだろうと思います。 本報告は、労働安全衛生法第100条第1項に基づく労働安全衛生規則第95条の6ですか、要するに罰 則の付いているものですので。ちょっと省略しすぎて書かれているという感じがありますから、正確 に書いたほうがいいと思います。 ○名古屋座長 「基づく義務」の辺りですね。 ○唐沢委員 そうです。それから17頁の1)の基本的考え方の5行目から11行目にかけてです。10行 目で「初期の評価」と言っています。19行目は「初期評価」と言っていまして、「の」があるのとな いのとがあります。本日いただいてザッと見た感じでは、今回の報告書で、ばく露状況報告について2 段階でやるというのは大変画期的なことなので、したがってこの基本的考え方のところでは、9行目、 10行目ぐらいのところで、表現は後でお任せしますけれども、とりあえず考えられるのは「新たなリ スク評価スキームとして、段階的な評価スキームを導入することが妥当とされた。即ち、第1段階とし て初期評価において問題となるリスクが確認された場合には、第2段階として、より精密な評価(詳細 評価)を実施するとのスキームが妥当とされたものである」というぐらいに丁寧に書いていただいた ほうがいいのではないでしょうか。 ○名古屋座長 2段階スキームのところをもう少し詳しくということですね。 ○唐沢委員 はい。それで、初期評価というのがどこかでちゃんと説明されているのかどうか、本日 見た限りではあまり説明されていないようなので、初期評価というのは何を言うのか。 ○島田化学物質評価室長 ここで初めて出てくるものですから、最初に使うときに「初期の」と言っ てしまったのです。 ○唐沢委員 そういうことなのですか。初期評価(何とかかんとか)と説明して初期評価とやれば、 日本語的には「の」はなくてもいいように思います。初めてこの部分で「初期評価」と「詳細評価」 が出てくるので、できれば初期評価というのはこういう概念だと、それから位置づけなのだと。詳細 評価というのはこういう位置づけなのだ、ということが括弧書きででもいいですからコメントしてい ただいたほうが安心して読めるという気がいたしました。 ○名古屋座長 詳細評価のときには、「より精密な評価(詳細評価)」と書いてあるので、それと同 じ形で、初期の何とかと書いてあって、括弧をしてそれを詳細評価という形でもよろしいですね。 ○唐沢委員 あまり長く書く必要もないと思いますが、概念を理解していただくということです。そ れからちょっと細かいことですが、18頁の20行目で、原案では「事業場の問題として行政指導を実施 する場合にあっても」と書いてあるのですけれども、「事業場の問題として行政指導」というのがよ くわからないです。例えばこういう表現にしろという意味ではありませんが、「法令による規制をす る対応ではなく、関係事業場に対して行政指導を実施する場合にあっても」という表現。 ○名古屋座長 事務局、それで大丈夫ですか。 ○唐沢委員 要するに、「事業場の問題として」というのがよくわからないのです。行政指導という のは働きかけるわけです。表現の問題ですけれども、意味はわかっていただけるかと思います。 ○櫻井委員 15頁の25行目です。「製造・取扱い作業全体(母集団)を推測する統計的手法」と書い てありますが、最初からある程度高いところを狙ってサンプリングをする方向なので、母集団のうち、 「特に高いばく露を適切に推測する」というようなことのほうがいいかと思います。あとのほうでも、 盛んに同じような意味のことが書かれています。 ○名古屋座長 単なる母集団ではないと。 ○櫻井委員 母集団全体ではないです。 ○名古屋座長 そこもよろしくお願いいたします。 ○櫻井委員 これは、もしかすると詳細評価でいちばん難しい調査になって、母集団全体を評価する ことも起こってくるかもしれません。 ○名古屋座長 するかもしれませんね。そうすると、全体は非常に低いけれども、ごく一部だけ高い とか。 ○櫻井委員 それは稀であって、主として高いばく露だと思います。 ○名古屋座長 そうですね、集め方がそういう集め方ですね。そこのところで、区間の信頼度が90% というのは、前回も95%にしようか90%にしようかということで、90%が妥当ですというところで、 これは議論しないで90%で結構ですよね。この前はそういう形にしました。 ○大前委員 「リアルモニター」という言葉は使うのですか。何か非常に違和感があります。リアル タイムモニターというのは聞きますけれども、リアルモニターというのはどうなのですかね。 ○山口 そうですね。 ○大前委員 リアルタイムモニターと言いますよね。 ○名古屋座長 時間変動が入りますからタイムを入れましょう。ここを書いてくれたのは、たぶんそ ういうものを開発することが必要だ、ということをメーカーに対して投げかけてくれているのであり がたいと思っています。 ○唐沢委員 16頁の37行以降の最後のパラグラフで、モデルの適切な活用の視点ではこれを使いこな す専門家が必要となるが、「専門家が不足しているから」ということが書いてあって、調査研究もや れと書いてあります。16頁を踏まえて、結びで19頁ではどういうことをやるかというと、「まとめ」 のところにこれに相当する解決策が書かれていないのです。 ○名古屋座長 10行目のところですね。 ○唐沢委員 そうです。その点がわかるようにちょっと書いていただいたらいいのではないかと思い ます。 ○島田化学物質評価室長 具体的には専門家の養成みたいなことをということですか。 ○唐沢委員 はい、そうです。私の個人的な考え方では、モデルの活用も含め、およそ化学物質のリ スクアセスメント、リスクマネジメントに従事する専門家は、本当に質・量ともに不足していると、 一般論としてそのように理解しています。それを全部書くのは難しいとすれば、モデルの話にしても いいですけれども、いずれにしても、まとめのところでも専門家の育成とか、教育・訓練が必要だと か、可能な範囲で結構です。 ○島田化学物質評価室長 モデルのみならず、リスク評価の専門家というものの着眼点で養成をする 必要があると。 ○唐沢委員 そのように書いていただいたほうがありがたいです。 ○名古屋座長 これからは、特に必要な分野です。ほかによろしければ、皆さんの了解が得られたと いうことと、若干いまありましたように、語句の修正等が残っていますけれども、それについては事 務局に修正をお願いするということ。あとは、短い時間でしたら、事務局にいればもう一度まとめの ところとか、本日見たという部分があるかもしれませんので、事務局にお知らせすればそれをまとめ て、正しい案という形の修正をしたいと思いますので、それでよろしいでしょうか。事務局の修正を いただいたものを、リスク評価検討会のばく露評価小検討会に報告いたしますので、その辺の手続を してよろしいでしょうか。一応この資料の中の「報告書案」というところまで終わりました。事務局 から何かありますか。 ○島田化学物質評価室長 基本的には本日予定させていただいた議事は以上です。もしそれでよろし ければ、特にこれ以上の議事はありません。いまの報告書につきましては、ご指示のとおり、我々か ら修正案を整理させていただき、各委員の先生方にお投げをして、それで回答を得られた段階で、座 長預かりという形にさせていただき、先ほどご説明をいただきましたように、リスク評価検討会のば く露評価小検討会へ上げたいと思います。大変ありがとうございました。  本日は、私どもの課長が所用のため休ませていただきました。この小検討会は本日が最後になりま すから、私からご挨拶をさせていただきます。大変ありがとうございました。特に、これは平成20年 度の少量製造・取扱いということでしたが、もう平成21年6月ですので、1年半ぐらい進めていただ きました。特に、この検討会はその前身としてホルムアルデヒドに関するご検討をいただき、昨年の 第5回検討会のときにホルムアルデヒドの取りまとめをいただきました。  その上で、少量検討ということで、少量の把握がうまくできていないということがありましたので、 検討をお願いいたしましたところ、併せてそれ以外のばく露ガイドラインまでお作りいただくという ような大変な作業をしていただきまして大変ありがとうございました。5回から14回まで都合10回の 検討をしていただきました。その間、夜の5時から始めさせていただいたこともあります。大変ありが とうございました。  この検討会でまとめていただきましたガイドラインについては、上の検討会に渡しますが、併せて パブリックコメントを取らせていただく作業にしたいと思います。あくまでも国が作業をするガイド ラインではありますけれども、当然これは業界の方々なりに影響のあるものですので、広くご意見を 伺った上で対応していきたいと思っております。その中で化学的な知見、あるいは要請があった場合 には、改めてこの場に諮らせていただく、あるいは各先生方にご相談をするという作業となりますの で、これで関係が続くということもありますので、引き続きよろしくお願いいたします。いずれにい たしましても、14回の検討会で大変お世話になりましてありがとうございました。この場を借りて御 礼申し上げます。どうもありがとうございました。 ○名古屋座長 14回ということですが、私はホルムアルデヒドだけで終わりかと思っていたのですが、 ここまで続くとは思いませんでした。なかなか戸惑うことがいっぱいあったのですけれども、先生方 のご協力によりまして、無事ここまで進めることができましたことは、本当に皆様のお蔭だと思いま す。本当にありがとうございました。 照会先: 労働基準局安全衛生部化学物質対策課                化学物質評価室  電話03-5253-1111(内線5511)