09/06/19 平成21年度第5回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成21年度第5回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成21年6月19日(金)10:00〜12:00 (2)場所  厚生労働省共用第7会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、相川直樹委員、池上直己委員、        伊藤澄信委員、木下勝之委員、熊本一朗委員、小山信彌委員、        齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、辻村信正委員、        松田晋哉委員、山口俊晴委員、山口直人委員、吉田英機委員        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数等の検討について        2 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから、平成21年度第5回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を開催 させていただきます。  まだお揃いになっていない委員もいらっしゃいますが。本日の委員の出欠状況でござい ますが、本日は嶋森委員、難波委員が御欠席でございます。  それではまず、資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。 ○長谷川補佐  それでは、資料の確認をさせていただきます。  その前に、本日、医療課長でございますが、公務の関係で出席できない可能性が出てき ております。まず最初にお断りいたします。  資料のほう、確認させていただきます。まず議事次第、座席表、あとは委員名簿でござ います。ここからが資料でございまして、まずD−1「各項目の評価指標について」、い つもお配りしているペーパーでございます。次がD−2−1「各項目の評価指標の検証 [2]」、今回新たにお示しするものでございます。次にD−2−2「2次医療圏別の病院 数」を列挙したペーパーでございます。次でございます、D−3「病院機能係数の考え方 について[9]」、こちらは松田先生から御提出いただいた資料でございます。次がD−4 「新たな機能評価係数に関する基本的考え方」。D−5「支払いを最適化するための方 策」。D−6「A項目における新たな機能評価係数の候補の絞り込みに当たっての考え方 (案)」。あとはD−7でございます「各項目の評価指標について(論点の整理)」でご ざいます。あと参考資料といたしまして、前回お示ししましたデータ、「各項目の評価指 標の検証」、このペーパーとなってございます。  資料のほうは以上でございます。 ○西岡分科会長  資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、新たな機能評価係数に関する各項目の評価指標につきまして、事務局より御 説明をお願いいたします。 ○長谷川補佐  まず、説明をさせていただきます。  まず、D−1の資料、各項目に評価指標についてでございますが、こちらは従来よりお つけしている資料でございます。今回は説明を割愛させていただきますが、本日、事務局 の説明、最後のほうでD−7の資料を持ちまして御説明いたしますが、それと同じ項目で 揃えてございます。  それでは、早速御説明のほうに移らせていただきます。D−2−1をごらんください。  こちら、今回新たにお示しするデータでございます。今回、実は地域における医療機関 の役割を評価する資料をそろえておりまして、2次医療圏別の集計をいたしております。 まず1枚めくっていただきまして、3ページでございます。基礎データでございますが、 こちら病院数、病床規模、DPC算定病床割合、総合病院等々につきましては前回と同じ 標本を使って解析してございます。今回新たに解析したものでございますが、2次医療圏 別の人口で新たに解析をしてございます。  2次医療圏別の解析方法でございますが、次の資料でございます。D−2−2でござい ます。D−2−2のほうで2次医療圏別の病院数というものを列挙したペーパーがござい ます。こちら、平成21年、今年度の3月時点における、市町村合併等々ございましたが、 市町村を調整しまして、さらに最新の人口で再度計算し、その後、対象病院等々を割り振 って新たに解析したものでございます。こちらを御参考にしていただきながら、2次医療 圏別の人口についての分布状況でございますが、もとの資料のD−2−1のほうにお戻り いただきまして、3ページ、2次医療圏別人口でございます。  2次医療圏別人口を50万人ごとに割り振ってございます。50万人未満、50万人か ら100万人、100万人から150万人、150万人以上ということで割り振ったとこ ろ、病院数の分布は右のとおりとなってございます。  それでは、早速データのほうをお示ししたいと思います。4ページでございます。  まず、下のX軸でございますが、X軸が2次医療圏人口別、50万人ごとに区切ったも のでございます。縦軸が病院ごとのDPC算定病床数で見たものでございます。まず、こ の標本で見ますと、ほぼ各人口区分ごとでもDPC算定病床数はほぼ一定の分布を示して おると。50万人未満につきましては若干低めの数字となってございます。  DPC対象患者数ですが、病床数と同じ傾向を示してございます。  次、7ページでございます。  こちらは2次医療圏人口に対する救急車搬送ありの患者割合でございます。これも横軸 が2次医療圏人口別、縦軸が病院ごとの2次医療圏人口に対する救急車搬送ありの患者割 合でございます。簡単に申し上げますと、ある病院がその地域でどの程度救急車を引き受 けておるのか、ある意味、シェアはどの程度占めているのかというものを示したものでご ざいます。これを見ますと、50万人未満の人口群におきまして搬送ありの患者割合が多 くなっているというものでございまして、恐らく規模の小さな地域において一定程度の大 きさの病院であれば、ある程度救急車の搬送割合があった場合に高く数字として出るとい う傾向が示されております。  次、8ページでございますが、こちらは2次医療圏人口に対する緊急入院の患者割合で ございまして、先ほどの7ページの救急車搬送ありと同様の分布となってございます。  以下、同様の分布が続きますが、次が9ページ、時間外の患者割合を示したものでござ いますが、こちらも同様の傾向でございます。  次が10ページでございます。こちらは救急搬送ありを15歳未満の患者割合で見たも のでございますが、分布といたしましては救急車等々と同等の分布でございますが、割合 が変わっておりまして、割合が20分の1程度となってございます。  次、11ページが緊急入院の15歳未満患者割合。これも同様の傾向でございます。  12ページ、15歳未満の時間外でございますが、これも同様の傾向。  次が13ページでございます。救急車搬送あり入院精神療法算定患者割合でございます が、こちら中央値でございますが、太い横棒でございますが、もうほぼ下に張りついてご ざいまして、非常に数としては少ない。分布としては広がりが少ないとなってございます。  次が14ページでございます。14ページも同様の傾向でございまして、中央値が下に 張りついてございます。  15ページが時間外の入院精神療法算定患者割合ですが、これも同様の傾向です。  次が16ページでございます。こちらはがん患者のシェアを見たものでございまして、 こちらで見ますと50万人未満の群で最も割合が、各病院のその地域におけるがん患者の シェアが多くなっているというものでございます。  以下、脳卒中に関しましても同じ、17ページ、脳卒中も同じ傾向。  18ページが急性心筋梗塞でございます。こちらも同様の傾向で、50万人未満が最も 多くなってございます。  次でございますが、4疾病の患者割合でございます。19ページでございますが、こち らで見た場合も、がんと同様の傾向でございます。  また、20ページ、3疾病、これは糖尿病を除いた、がん、脳卒中、急性心筋梗塞を見 たものでございますが、これも同様の傾向となってございます。  次に21ページでございます。こちら、今回新たにお示ししたものでございます。年齢 補正係数というものでございます。まず、四角枠の中をちょっと読ませていただきます。 こちら、年齢区分ごとに、全DPC対象患者の患者構成と同じと仮定した場合の1入院当 たり包括範囲出来高換算点数を全DPC対象病院の1入院当たり包括範囲出来高換算点数 で割ったものを、年齢補正係数と設定してございます。これを医療機関ごとの患者の年齢 構成に応じて年齢補正係数の平均を計算し、集計してございます。  非常に難しいものですから、簡単に読み下しますと、大前提といたしましては1入院当 たりの包括部分の出来高を使用してございます。こちらは簡単に申し上げますと、1入院 当たりの医療資源投入量を大前提としてございまして、こちらを年齢区分ごと、具体的に は10歳刻みで刻んでおりまして、10歳ごとの年齢区分に分け、さらに患者の構成をそ ろえてございます。年齢ごとに患者構成、疾患ごとの患者構成が変わっておりますが、そ れを全体の平均とそろえてございます。それを1入院当たりの包括部分の投入量を年齢ご とにわけて、それを全患者の1入院当たりの包括部分の出来高で割っておりまして、それ によって各年齢ごとの年齢補正の係数を設定してございます。つまり、資源量の多い、手 間のかかる年齢層が高めの数字が出るというものでございます。それを病院の年齢構成に 掛け合わせてございまして、簡単に申し上げると、手間のかかる年齢階層を引き受けてい る病院が高くなる傾向があるという数字で設定してございます。  こちらのほうで言いますと、まず1番、病床規模で見ますと、病床規模の小さな群ほど 年齢補正係数が高くなっておると。手間のかかる年齢階層を多く引き受けているという傾 向がございます。次が2番、DPC算定病床割合ですが、割合が小さな病床群、いわゆる ケアミックスといわれるものが多くなるとは思いますが、そちらのほうほど高くなってご ざいます。次、3番でございますが、3番で言いますと専門病院が最も高くなっておりま す。一方、4番の2次医療圏別人口で見た場合でございますが、こちらのほうでは特に大 きな差はないという結果となってございます。  D−2−1の資料に関しましては以上でございます。  一度、分科会長のほうにお返しいたします。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは、続きまして、松田委員のほうから資料の御説明をお願いいたします。 ○松田委員  では、資料の3につきまして御説明させていただきます。  病院機能係数の考え方について[9]ということで、今回、地域医療の貢献みたいなものを どのように評価するのかということで議論が行われたわけですけれども、研究班なりの考 え方を今日はお示ししたいと思っています。  まず、新たな機能評価係数に関する基本的な考え方ということで、2、3、4というの を赤でくくってありますけれども、この中で強調されていることが、DPC対象病院が地 域医療にどのような貢献をしているのか。それを医療の透明化・効率化・質の向上という 観点から評価しようということが書かれているわけでございまして、それに対応した指標 をどういうふうに考えるかということを考えてまいりました。  1枚めくっていただきますと、これも前からお示ししているものですけれども、地域医 療計画に関連した指標ということで、これは全国といいますか、西日本が中心なんですけ れども、約30の都道府県の地域医療計画に書かれている内容をこんなふうにまとめてみ ました。そこに書かれてあるのは4疾病5事業への対応ですとか、医療従事者の確保です とか、あるいは情報公開の対応、医療安全対策、医療連携ということが課されていますの で、こういうものをどのようにDPCの中で評価していくのかということを検討してまい りました。  まず、基本的な考え方としましては、ここに書いてあるそれぞれの項目、今4疾病に関 する患者の割合なんかが紹介されましたけれども、その項目に該当する指標の代表を評価 するというのではなくて、まず指標を作成して、それを公開している、あるいはその指標 が公開されているということを評価したらどうかというのが基本的な考え方です。いわゆ るPay for Reportingという考え方になります。  まず、ボリュームに関するデータとしましては、4ページのところを見ていただきます と、これは地域における病院の役割の評価ということで、これは研究班の石川先生がつく ってくれたものですけれども、今こういう形で厚生労働省が公開しているデータをもとに、 がんですとか、脳血管障害ですとか、虚血性心疾患ですとか、各都道府県別にどの病院が 何をどのくらい見ているのか。がんについてもがんの種別に何をどのぐらい見ているのか ということが、ボリュームデータとしてはもう作成できるようになっております。  次に、ページをめくっていただきまして、5ページ目ですけれども、各病院ごとにどう いう患者を診ているのかということも、これはもう既にDPCの公開データで作成されて いるものですので、このボリュームについては既に公開されているというふうに考えてい ます。  その中で、手術をどうするかということですが、手術に関しましては今、手術の区分、 定義表の区分で公開されていますが、これは以前、DPCの研究班、またこちらの分科会 のほうでも公開されたデータでございますけれども、外保連試案をもとにして公開用デー タを作成するという考え方もあるのかなというふうに考えています。これはボリュームプ ラス技術力ということです。この集計は研究班の桑原先生がやってくれたものです。  集計方法としてはここに書いてあるとおりですが、外保連試案7版とレセ電マスターを Kコードで対応させて見ております。輸血についてはすべて除外しております。あとは下 に書いてあるとおりですけれども、一応今回、MDC5とMDC6についてのみ外保連試 案をもとにして、各病院の状況を評価してみました。  次をめくっていただきますと、まずこれがMDC5の関連手術で、心・心膜・肺動脈・ 冠血管、開心術、開心術補助手段等々で、外保連の試案に基づいて、難易度の低いほうか ら高いほうまで、B、C、E、Dとなっているわけですが、それの各医療機関ごとの件数、 それから各医療機関における手術件数を100%としたときに、それぞれ何%やっている のかということを示したものです。このように非常に大きなばらつきがあることが分かる かと思います。  8ページは同じように、心・心膜・肺動脈・冠血管等につきまして同じように整理をし たものです。例えばこの8ページの下のほうで見ていただきますと、上と下で見ていきま すと、ボリュームの多い病院ではやはりD、Eという難易度の比較的高い手術群が多いの に対して、ボリュームの少ない病院ではB、Cという難易度の低い手術群が多いという傾 向が明らかに見てとれます。  続きまして、9ページ。これは動脈に関するものですけれども、これもこういう形で各 病院がどのような難易度の手術をどのくらいやっているかという形で整理ができます。  10ページのほうになります。これは今度はMDC6のほうになります。ここで書いて あるのは腹壁・ヘルニアとか、胃・十二指腸とか、消化管を中心としたものですけれども、 ここに書いてあるとおりですが、ボリュームが非常に少ないところで、確かにB、Cとい いますか、非常に難易度の低い手術が多いんですけれども、それ以外のところでは大体同 じような傾向になっている。ただ、やはり施設によって非常に難易度の高い手術をたくさ んやっているところが散見されるというデータでございます。  次、めくっていただきますと、これは胃・十二指腸のものですけれども、同じようにC、 D、Eという形で、難易度別に各病院の件数とそのパーセンテージを見たものであります。 やはり施設によって、やっている手術の難易度がかなり違うということが見てとれるかと 思います。  次は、肝、胆、膵ですけれども、これも同じようにまとめてあるものですけれども、や はり施設によって、特にE難易度の手術につきましてばらつきが大きいことがあるという のが見えると思います。  13ページも同じような手術で、これも少し割愛させていただきたいと思いますけれど も、同様に分析をした結果でございます。  こういう形で、手術に関しましても、外保連試案のほうでMDC別に難易度というのが 設定されておりますので、その難易度のデータをうまく使うことによって、各病院の手術 をする技術力といいますか、力といいますか、そういうものを評価することが可能ではな いかなというふうに考えます。単にボリュームというよりも、そういう難易度みたいなも のも含めた評価というものが今あるデータからでも可能であるというふうに思います。  続きまして、その他の項目の考え方ということですけれども、質の評価としては従来よ りも、ストラクチャー、プロセス、アウトカムというふうなことが言われているわけです が、このうちやはりアウトカム評価については、現時点では重症度を完全に補正する方法 論はありませんので、それを公開するということは非常に誤解を招くおそれがあると思っ ています。その意味で、ストラクチャーとかプロセス、特にDPCの場合はプロセスのデ ータが中心になりますが、こういうプロセスに関連した指標を諸外国の状況を参考として 作成し、それを公開するというのはどうだろうかということを考えております。例えばア メリカのCMSですとか、あるいはフランス、ドイツで採用されている指標というものを 今回収集いたしまして、研究班のほうで作成してみました。  次をめくっていただければと思います。ここからの分析は研究班で、藤森先生がやって くれた分析でございますけれども、例えばこれは急性心筋梗塞の入院時のアスピリン投与 ということでやられたものです。これは諸外国のいろいろなプロセス指標でやられている ものですけれども、ちょっと一定の傾向はありませんけれども、このような感じになって おります。ただ、施設によってかなりばらつきがあるということは見えるかと思います。  次が、急性心筋梗塞入院時のβブロッカー投与ということですが、これも施設によって かなりばらつきがあります。  それから、17ページが、今度は退院時のアスピリンの投与ですけれども、特定機能病 院で中央値、400床以上の病院で中央値が80%ということになっていますが、それ以 外のところで少し中央値は低い傾向がありますけれども、このようにまとめることができ ます。  18ページが、これが急性心筋梗塞退院時のβブロッカーの処方ですけれども、ここは 特定機能病院が一番高いという結果ですけれども、10%ぐらいですね。  次を見ていただきますと、これが急性心筋梗塞の心大血管疾患のリハビリテーションで す。これもいわゆる急性心筋梗塞後のリハビリテーションの試行ということに関しまして は学会等でも今議論になっているところでございますけれども、それをどのぐらいやられ ているのかということをこういう形でまとめたものです。ただ、これは心リハの算定病院 自体が非常に少ないという問題がありますので、少しデータの解釈には注意が必要かと思 います。  次が、CABG時の輸血量というものを、Off−pump、on−pumpのそれぞ れについて医療機関の種別に見たものです。  次の21ページが、Off−pumpのCABGの輸血頻度ということですけれども、 中央値で見る限りは余り大きな変化はないようですが、全体を見てみますとかなりばらつ きがあるということが分かります。  同じように、これはCABG後の心大血管疾患リハビリテーションですけれども、こう いう状況です。これも、もともとやられている施設が少ないということですけれども、こ うなっています。  次めくっていただきますと、今度は心不全のリハビリテーションはどのぐらいやられて いるかですが、これも一定の傾向はありません。ただ、施設によってやられている割合に 非常に大きな差があるという、ばらつきがあるという、そういう結果になりました。  次が肺炎における抗菌剤の平均使用日数ですけれども、大体1週間程度が平均値として あるんですが、200床未満で少し高くて、それが規模が大きくなるにつれて少し短くな る傾向があるように思います。ただ、これもかなり、箱ひげ図から見ていただいても分か りますように、平均使用日数に関しては大きなばらつきがあるというのが現状でございま す。  25ページが、これが肺炎における血液培養の頻度です。これで見てみますと、全体で 見ると大体10%ぐらいしか血液培養がやられていない。ただ、施設によってはほぼ10 0%やっているところもありますので、施設の区分によって大きな差があるわけではあり ません。ただ400床以上でやはり少し高い、中央値で見ると高い傾向があります。  その次が、今度は肺炎における血液培養のタイミングですけれども、これはどういうふ うに計算しているのかと言いますと、抗菌剤使用開始日から血液培養の算定日ということ で、プラスが血液培養が先行しているということですが、これを見ていただきますと、け っこう大変なデータなんですけれども、抗菌剤の使用のほうが先にやられているという、 ちょっと実は考えられないデータなんですが、そういう状況でございます。  それから、次は股関節置換術後の抗菌剤使用日数ということで、大体平均で5日間ぐら い使われているわけですが、これもやはり施設によってかなりばらつきがあるのが分かり ます。あと脳梗塞の平均リハビリ開始時期ということですけれども、大体皆さん1週間ぐ らいたったところでやっていますが、これはどちらかというと、小さな医療機関、専門病 院が多いわけですけれども、そういうところのほうが脳梗塞が発症してからリハビリを開 始するまでの時期が短いという傾向があるように思われます。  29ページが、これは脳梗塞で入院4日以内でリハビリを開始したということですけれ ども、見てみますと小規模病院のほうが少し開始している割合が多くて、特定機能病院で は少ないという傾向があります。ただ、これも各施設によってかなりばらつきがありまし て、こういう状況でございます。  このように諸外国で採用されている、主にプロシージャーに関連した、プロセスに関連 した評価指標ですけれども、DPCはEFファイルという日付情報が入った細かい情報を いただいておりますので、そういうものを使って、このように作成することができます。 ただ、これの多い、少ないということを係数に反映させるということではなくて、こうい うデータをつくって、例えばこれもし将来的にDPCの調査が通年化するのであれば、例 えば四半期ごとに出すということで、これを評価したらどうかなということを研究班とし ては考えております。  指標公開に関する係数の考え方ですけれども、一応このような整理をしております。D PC支払対象病院というのは、DPCデータ作成のためにそれなりの投資をしているわけ であります。いわゆる診療情報管理士の方を配置したり、あるいはそれに関連したいろん なITの改修を行っていますので、それを係数で見るという考え方はどうだろうかという ふうに思っています。この下に立ちますと、確かにDPC対象病院のすべてに係数がつく ことになりますけれども、私たちとしてはそれでいいのではないかなというふうに考えて います。  DPCデータが公開されることで、地域における医療機関の役割が明確になり、そうい う意味では、機能分化と連携が促進されますので、これは適正な医療資源投入のための仕 組みとなり得ますし、患者及び患者さんを紹介する他の医療機関にとって貴重な情報とな るということで、いわゆる患者の視点から医療の質確保への貢献も可能になるんじゃない かと。そういうことで、こういうデータを公開するということを評価したらどうかという ことを考えております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  では、続きまして、新たな機能評価係数に関する各項目の評価指標について、事務局の ほうから論点を整理しておられますので、御説明をお願いします。 ○長谷川補佐  その前にちょっと一部修正がございまして、申しわけございませんが、D−2−2でお 示しした2次医療圏別のデータ等々でございますが、私、先ほど平成21年3月時点のデ ータでと申し上げましたが、間違えておりまして、今現在、最新手に入るバージョンでや ってはおりますが、人口に関しましては平成20年3月31日付のもの、2次医療圏につ いては平成20年10月1日付のもので使用してございます。修正させていただきます。  それでは、説明に移らせていただきます。  D−4をごらんください。こちら、これまで中医協等々で了解されてまいりました機能 評価係数の設定に関する基本方針でございます。繰り返しになりますが、再度、一部確認 させていただきます。  まず、1番、機能評価係数を検討する際には、急性期を反映する係数を前提とするべき ではないかと。2番、透明化・効率化・標準化・質の向上、患者の利点が期待される係数 を検討するべきと。次が3番でございます。社会的に求められている機能・役割を重視す べき。4番、地域医療への貢献という視点が必要となってございます。この点、御留意い ただければと思います。  次のペーパーでございます。D−5でございます。  前回議論の中でも、一部の患者かすべての患者で負担すべきかということの議論がござ いましたので、過去、昨年7月30日、DPC分科会のほうで松田研究班のほうから提出 された資料がございましたので、参考のためにお配りしてございます。  まず、下の固定的な費用の部分でございますが、一部の患者が負担すべきものについて は加算により対応、すべての患者が負担すべきものと地域として必要な機能の整備と提供 については病院の機能係数により対応してはどうかという御提案でございました。逆に申 し上げますと、個別の患者が利益をこうむるものについては一部の患者で負担すべきであ るし、一方で、すべての患者においても利益がある場合は病院の機能評価係数とすべきで あるというメモでございました。  それでは、次のペーパーに移らせていただきます。D−6でございます。  前回この分科会におきまして、先生方から意見をさまざまいただいておりましたので、 再度、今回の候補の絞り込みに当たっての基本方針をペーパーに取りまとめてみました。 これはあくまで事務局のほうで取りまとめたペーパーでございますので、本日、御議論い ただければと思います。  まず、評価するべき項目として7項目を整理してございます。  1番、診断群分類点数表では、評価が困難であるもの。もしくは当該DPC病院におい て特別にコストがかかっているもの。こちらについては最初の分類表のほうで評価が難し いものについては、従来の分類表では対応できないもの。例えば年齢表であるとか、あと は点数表のほうで枝分けができていない項目等々が該当すると考えております。  2番、DPC病院における医療の質を担保するためのもの。  3番、当該病院に入院する全DPC対象患者が負担することが妥当であるもの。  4番、地域として必要な機能と思われるもの。  5番、既に十分なデータがあるもの。または容易に調査可能なもの。具体的には今度特 別調査等々で対応が可能なものとなります。  6番、新たな機能評価係数とすることについて、比較的合意が得られやすいものとなっ ておりまして、なかなか難しいものについては次期、次々期の改定でも検討が可能であり ます。  7番、機能評価係数として評価した場合に、病院での診療や診療報酬の請求において問 題が生じにくいものと書いてございます。こちらは、ないとは思いますが、例えばアップ コーディングであるとか、ペーパーコンプライアンスが保てないものが該当すると考えて おります。  以下、参考でございます。こちらも前回の繰り返しにはなりますが、調整係数の廃止に 当たっては、果たしていた役割のうち、前年度並の収入確保については廃止することとし、 2番の、現在の機能評価係数のみでは対応できていない病院機能の評価については新たに 評価するものであるというものでございます。  また、(2)調整係数の廃止に当たっては、激変緩和を目的とした段階的廃止を実施す ることとなってございますので、確認させていただきます。  次が、D−7でございます。  各項目の評価指標の論点の整理でございまして、本日こちらのペーパーを中心に御議論 いただければと考えている次第です。  まず、ペーパーの構成でございますが、従来からお示ししているD−1の評価の指標の 例がそのまま左側の項目に記載してございます。今回新たに加えたものは、論点の部分が 右の部分。あと一番右端でございますが、空欄でございますが、この部分に今回、○、×、 △等をつけていただけないかと考えている次第でございます。  まず、上から御説明いたします。[1]DPC病院として正確なデータの提出でございます が、論点のほうでございます。各項目共通としては、松田先生からも御説明がありました とおり、DPCのデータの作成には多くのコストがかかっていると。また、データが公表 されることで医療の透明化が進んでおります。また、データの正確性が高まることが期待 されております。  各指標の例の項目でございますが、部位不明・詳細不明のコードに関しましては、実は きちんとコーディングしたとしても、もともと部位不明・詳細不明となるものがあります。  2点目でございますが、非必須項目の入力については、これまで以上に詳細なデータを 得ることが可能となります。また、一方で非必須項目に係るデータの必要性や妥当性を検 証する必要があるとの御指摘もありました。  次、最後の項目でございますが、データの遅滞でございますが、今回、入退出ルールが 新たに設定されておりますが、正確なデータを提出することができなければ、マイナスの 機能評価係数を算定することが既に決定されているという点でございます。私ども遅滞状 況にしても把握しておりますが、これは一部の医療機関で、それも繰り返し遅滞されてい るケースが多いものでございますので、記載をしております。  [2]効率化に関する評価でございます。まず、平均在院日数のほうで見たものでございま すが、患者構成の違いを補正した上で、在院日数を短縮した病院を評価できるという指摘 がある一方で、医療の質の低下や患者選別等につながる可能性が指摘されているとなって おります。  次が、[4]複雑性の指標に関してでございますが、一般的に入院期間の長くなるような複 雑な症例を多く受け入れている病院が評価される傾向がございます。患者選別が起きる可 能性も指摘されておりますが、ただし、この係数に関しては、在院日数が長くても診療報 酬が低い診断群分類も多く、比較的患者選別にはつながりにくいとの指摘もあります。  [5]、こちらはカバー率でございますが、多様な患者を多く受け入れている病院が評価さ れる傾向がございます。一方で、患者選別やペーパーコンプライアンスのおそれを考慮す ると、一定症例数、例えば10例以上で評価するのが適切ではないかと考えております。  こちら[2]、[4]、[5]に関しましては一番右端に○をつけてございますが、こちらは前回の 先生方の御議論を踏まえ、ある程度合意が得られておるのかなと考えており、事務局のほ うで○をつけさせていただいております。ですが、こちらのほうは後ほど先生方で御議論 いただければと思います。  [6]高度医療指数に関してでございますが、こちらは診断群分類件数の高い症例を多く診 療している病院が評価される傾向がございます。患者選別が起きる可能性が指摘されてお りまして、また、対象となる診断群分類を算定する強いインセンティブ、ある意味、点数 の高い方向に誘導する傾向を導くのではないかという点が指摘されております。  次、[7]救急関係でございます。こちら、まず各項目の共通部分でございますが、恐れ入 ります。本日、参考資料で各項目の指標の件数を前回お示ししたものをつけてございます。 こちらもあわせてごらんください。  まず、こちらの16ページでございます。救急車搬送ありの患者数A−1−[7]でござい ますが、その前にまず救急部門の共通部分の論点を再度確認いたします。救急医療を提供 する病院の体制を評価できる点。また、救急医療では診断確定までさまざまな検査等を行 う必要がありますので、その部分はDPCでは評価がされにくいため、機能評価係数で評 価すべきとの指摘がございます。一方で、どのような救急医療を評価するのか御議論いた だく必要があります。具体的に評価するのは2次救急なのか、3次救急なのか。それとも 24時間対応できる体制を評価するのか。次の4点目でございますが、一部の患者に提供 される医療のデータをもとに、入院患者全体に係る機能評価係数を定めることとなります。 また、こちらは医療計画で定める事業について、地域での実施状況による評価にも該当す る部分でございます。  まず、救急車で搬送された入院患者数等々でございますが、こちらは参考資料の16ペ ージも一緒に御参考になりながら見ていただければと思いますが、患者数は病床規模に比 例する傾向がございます。また、患者の症状の程度に応じた評価をすべきとの指摘もござ いました。自動車等で直接来院した患者については評価されない傾向がございます。  次が、緊急入院の患者でございます。こちらは参考資料の18ページでございます。患 者数については病床規模に比例する傾向がございます。また、DPC調査における緊急入 院の定義が適切か疑問との指摘がございます。実は緊急入院の定義でございますが、こち ら、予定入院以外が緊急入院と定義されておりますので、要は医療機関の主観で、この方 は予定入院、緊急入院と、その設定が可能となる可能性がございます。  次が、時間外でございます。時間外は参考資料20ページもあわせてごらんください。 こちらは、患者数は病床規模に比例する傾向がございます。次が2点目でございますが、 日中に来院した救急患者は評価できないと。3点目でございますが、時間外等の診療体制 の評価につながるというものでございます。  次が、救急車で搬送された小児の患者数、参考資料では22ページ以降となりますが、 こちらについては、患者数は病床規模に比例する傾向がありますが、一方で、DPC対象 患者に占める割合は非常に小さいという点がございました。  また、以下同様でございますが、緊急入院の小児の患者数。参考資料24ページでござ いますが、こちらも同様の傾向でございます。また、こちらもDPC対象患者に占める割 合が非常に小さいという点がございます。  次が、小児の時間外、参考資料のほうで言いますと26ページでございますが、こちら も同様の傾向でございます。  次が、救急車で搬送された精神療法等々の関係でございます。こちら参考資料28ペー ジでございます。こちらも図表を見ていただくとおり、対象患者に占める割合が非常に小 さいという点がございました。以下、精神療法関係はすべて同様の傾向でございますので、 説明のほうは割愛をさせていただきます。  それでは、こちらのD−7の資料、ごらんいただいている資料を1枚めくっていただき まして、4ページでございます。  こちら救急の関係を2次医療圏別で見たものを記載してございます。本日お配りした資 料のD−2でございますが、D−2の資料を参考にしながらごらんいただければと思いま す。  まず、1点目でございます。救急車で搬送された入院患者数を2次医療圏別で割ったも のでございますが、こちらは地域での必要性を評価できます。また、2次医療圏の人口規 模が小さい地域において評価される傾向がある。これは先ほど御説明したとおりでござい ます。  2点目、緊急入院の患者割合に関しましても同様の傾向でございます。こちらも緊急入 院の定義があいまいであるという点が問題となっております。  次、3点目、時間外の患者を2次医療圏の人口で割ったものでございますが、こちらも 同様の傾向でございました。  また、次の小児の患者の2次医療圏別の人口で割ったものでございますが、こちらにつ いても全DPC対象患者に占める割合が非常に小さいという点が問題でございました。以 下、緊急入院、時間外の小児の2次医療圏別の人口で割ったものも同様の傾向でございま す。  また、さらに精神の関係を2次医療圏別の人口で割ったものについても同様の傾向。D PC対象患者に占める割合が非常に小さい点が問題でございました。  あとこの項目の下の欄、複数の診療科における24時間対応体制というものが前回御提 案いただいた内容でございますが、こちらは、実態を把握するためには今後、特別調査等 の調査を実施する必要がございます。  次が[8]でございます。患者の年齢構成に関する評価でございます。こちらは前回お示し した参考資料の34ページ以降になろうかと思います。そちらもあわせてごらんください。  まず、6歳未満の患者数から15歳未満の患者数の項目でございますが、こちらは一部 の患者に提供される医療のデータをもとに入院患者全体に係る機能評価係数を定めること となると。ですので、ほかの年齢層の患者が負担すべき問題かどうかを検討する必要がご ざいます。次がDPC対象患者に占める割合が非常に小さい点が問題でございます。また、 こちらは出来高の病院を含めて評価を検討すべき項目ではないかという点でございました。  次、65歳以上の患者から85歳以上の患者に関してでございますが、こちらは参考資 料の38ページ以降でございます。高齢者では合併症が多い。入院期間が長くなる傾向が ある等により、DPCでは評価されにくいため、機能評価係数で再度評価すべきとの指摘 がございました。こちらも小児と同じ問題を抱えておりまして、一部の患者に提供される 医療データをもとに、入院患者全体に負担を求めてよいのかという点が問題でございます。  一番最後の欄でございますが、年齢補正係数、これは先ほどお示ししたものでございま すが、要は医療資源投入量が多い年齢層を多く抱えている病院が高くなる傾向を示す係数 でございますが、こちらは患者の年齢構成による違いを考慮した評価ができると。一方で、 先ほど御説明いたしましたが、評価方法が非常に複雑であるという点が問題でございます。  次のページでございます。5ページでございます。次は大きな2の項目でございます。  [1]診療ガイドラインを考慮した診療体制確保の評価でございます。こちら、評価の指標 の例のほうでは診療ガイドラインを明示して、治療方針等々説明を行っているかどうか。 また、ガイドラインから逸れた診療を行う場合には検討を行っているかどうか。患者及び 職員に周知できる体制が整備されているかどうか等々を御提案いただいておりますが、こ ちらの論点としては実態を把握するためには今後、調査を実施する必要がございます。  次、[3]医療計画で定める事業等についてでございますが、項目事項といたしましては、 医療計画で定められている4疾病の取り組み状況が評価できます。2点目でございます。 こちらも一部の患者に提供されている医療データをもとに入院患者全体に係る機能評価係 数を定めることとなります。こちらについては出来高の病院を含めた評価もする必要があ るのではないかというものでございます。  具体的なデータ、前回の参考資料の44ページ以降でございますが、まず、がん患者に 関しましては病床規模に比例する傾向がございます。脳卒中についても同様の傾向、さら にDPC対象患者に占める割合が少なくなっております。急性心筋梗塞も同様の傾向。糖 尿病に関しましても同様の傾向でありますが、さらに論点として、急性期入院医療の評価 として適切かどうかという指摘がございました。  4疾病で合わせたものに関しましてでございますが、これは3疾病のほうで合わせたも のも同様の傾向ですが、患者数は病床規模に比例する傾向、がん専門病院において非常に 高い値となるという点が示されております。  次、それぞれの、がん、脳卒中、4疾病と3疾病に関しまして、2次医療圏別人口で割 ったものでございますが、こちらも同様の傾向でございます。地域での必要性を評価でき ますが、一方で、2次医療圏の人口規模が小さい地域において評価される傾向があるとい う点が共通事項でございました。  この項目の最後でございますが、地域連携診療計画管理料の算定している患者数に関し てでございますが、こちらも現行の出来高で既に評価されておりますので、二重評価とな る点が問題でございます。  次、[5]チーム医療に関してでございますが、こちらは実態を把握するためには今後、特 別調査等の調査を実施する必要がある点が問題点でございます。  [6]医療の質に係るデータを公開していることの評価でございます。これは先ほど松田委 員のほうからも御提示ございましたが、こちらは恐らく最初の1の[1]の正確なデータの部 分と共通部分もあろうかと思いますが、具体的にどのような項目について評価するのか、 今後の検討が必要でございます。  次、最後のページでございます。6ページをごらんください。  その他の項目でございます。既に診断群分類の分岐として評価されているものでござい ます。[2]副傷病による評価でございます。こちら論点としては、副傷病を持つ患者につい て診断群分類では評価が十分ではないため、機能評価係数で評価すべきとの指摘がござい ました。一方で、一部の患者さんのデータをもとに全体の負担を求めていいのかという点 が問題でございます。さらに、こちらはむしろ診断群分類のほうで評価を行っているもの もありますし、診断群分類のほうできちんと評価していくものであるという点もございま した。  最後、(3)出来高制度で評価されているもの。がん診療連携拠点病院の評価でござい ます。こちらは既に医療計画で定める事業等々の地域の評価のほうの項目でも、がんを含 む4疾病について検討してございますので、こちらは二重に重なるという点でございます。  以上、御説明しましたが、最初の論点の基本方針のペーパーと、また、こちらでお示し したペーパーをもとに議論いただき、ある程度候補について絞り込んでいただければと考 えておる次第でございます。  事務局からは以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  では、今までの御説明に関しまして、御質問、御意見をお願いします。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  そろそろ取りまとめや絞り込みの段階になっていると思うので、余り細かいことは避け たいんですが、松田先生のお示しになった成績、これは外保連のデータが基本になってい て、外保連は手術料算定のためにいろんなデータを取りまとめてきているわけなので、本 来なら出来高における手術料の算定として十分こういうものが反映されるべきだという考 えが基本にあると思うんですが、先生のチームで検討されたこういう成績が、出来高を含 めた手術料以外に、施設として評価すべき中身を含んでいるんでしょうか。 ○松田委員  私たちがやっているのは、基本的には点数というよりも、各病院がどういう難易度の手 術をしているのかということをデータとしてつくるということです。ですから、外保連試 案の本来の趣旨としては、それはもちろん、いわゆる出来高点数のほうに反映させるべき ものだと思いますけれども、各病院がどのような医療を行っているのかというプロセスを ある程度外的に評価できる一つの指標として、この外保連試案に基づく分類を使ったらど うかというのが今回の御提案でございます。 ○西岡分科会長  ほかに御質問は。小山委員、どうぞ。 ○小山委員  ちょっとどういうふうに理解したらいいか教えてほしいんですけども、D−2−1の資 料の中の個別データのところでもって、2次医療圏人口に対する救急搬送ありの患者割合 が、50万人未満がやっぱり高くて、人数が多いほど低くなるというのは、どういうふう に理解をしたらいいんですか。 ○西岡分科会長  お願いします。 ○長谷川補佐  こちらなんですが、恐らくですが、人口が少ない地域において、恐らく1つの医療機関 が占めるインパクトがそれぞれ非常に大きいものでございますので、例えば具体的な例で 申しますと、例えば500床の病院がありましたと。150万人規模の大きなところの5 00床の病院であれば、緊急患者を一定数引き受けたとしても割合としては非常に小さく なりますが、一方で、50万人のところでの500床となりますと非常にインパクトが大 きいものですから、それによって割合として、はずれ値を含め、大きな割合として出てい るものだと解釈してございます。 ○西岡分科会長  よろしいですか。どうぞ、熊本委員。 ○熊本委員  その指標の見方に関しての同じ質問なんですけれども、3ページには2次医療圏ごとの 病院数は出ていますけど、これはDPC病院の割合ですよね。いわゆる今、小山先生から 質問があった7ページで見ると、患者数というのはDPC病院の患者数ですよね。準備病 院も含めてですね。したがいまして、例えば150万人以上のところでDPC算定病院並 びにDPC準備病院、つまりDPCのデータを出している病院の病床数の中での割合が参 考としてなければ、この割合が高い低いというのは論じられないんじゃないかなという思 いを持って、ちょっとそのあたりの数値が分かるのかどうかを御質問いたしました。 ○長谷川補佐  こちらなんですが、まず前提として、こちらDPC対象病院におけるシェアではなくて、 2次医療圏全体ですね、いろんな医療機関が含まれておりますが、2次医療圏全体におけ るシェアを示したものでございます。 ○熊本委員  ということは、データをどのようにしてとられるのかなと思って。この患者数というの はDPC調査から出てきた数字かなと思ったものですから、質問したんですけど。 ○長谷川補佐  分子のほうでございますが、これはDPC対象病院におけるデータでございますので。 ですから、繰り返しになりますけど、とあるDPC対象病院において救急車を引き受けた 患者数を単純に2次医療圏の人口、その地域の人口で割ったものでございます。 ○相川委員  「2次医療圏全体」とおっしゃいましたが、「個々の2次医療圏において」ということ なんじゃないんですか。「2次医療圏全体」ではなくて。 ○長谷川補佐  個々の2次医療圏の人口でございます。 ○相川委員  2次医療圏においてということですね。それから分子に関しては、例えば50万人未満 の2次医療圏において、ゼロのところもあるわけですけれども、幾つかのDPC対象病院 があった場合、例えば2つあった場合にその2つを足したのが分子になるのですか。それ とも1つの病院当たりのということですか。 ○長谷川補佐  1つの病院当たりでございます。 ○相川委員  なるほど。そうすると、例えば7ページのところでも2次医療圏の人口が分母で、例え ば50万人未満の2次医療圏に2つの病院があった場合には、その2つの病院の平均値を 丸で示している、それとも2つの病院をあわせた数ですか。 ○長谷川補佐  そちらは病院個別でお示ししております。だから、正確に申し上げますと、2次医療圏 人口に対する個別の医療機関ですね、個別の医療機関における救急車……。 ○相川委員  個別の医療機関ごとの患者数個々の2次医療圏における平均ということですね。わかり ました。 ○長谷川補佐  平均ではございませんで、一点一点、点を記してございます。 ○相川委員  わかりました。 ○長谷川補佐  実は、7のはずれ値のところを見ていただきますとお分かりのとおり、実はこういう群 がたくさんあるんですが、これを箱ひげ図で示しておりますので、こういうまとまった群 となっております。 ○池上委員  3点、コメントと質問いたしたいと思います。  第1点は、医療圏をどのようにとらえるかということで、今日お配りいただいた診調組 D−2−2をごらんいただきますと、DPC対象病院として最も多い3ページの大阪府の 37、あるいは1ページの札幌市の34というDPC対象病院が非常に多い医療圏と、一 方で、ちょっと算定されていませんけど、ゼロないし1、あるいは2を含めると、3分の 1強を占めているのではないかと思います。そういった状況下で、例えばD−7に示され ている論点の整理で、5ページにございますような分母を全DPC対象患者にするという ことは、DPC病院が、この医療圏ごとに考えると、この点は難しいのではないかと。つ まり、ゼロのところもあるし、1ないし2病院しかないところもありますので、少なくと も全DPC対象患者でこのような指標を設けるということは適切でないと考えられます。  それから、ここにも御指摘のとおり、人口規模が小さいところが、またDPC対象病院 がゼロか1か2というところにも該当するわけですから、このようなところを指標とする ことは問題ではないでしょうか。ここで御提示された指標は単に人口30万人ということ だけで分析されていますけど、もう少し内容を含めて分析されると、この指標が私は適切 でないと思います。まずそれが1点目です。 ○西岡分科会長  これは適切でないので、こういう指標をとらないほうがいいという御意見でいただけれ ばいいと思うんですが、今まであるのをずっと全部分析した形で出されてございますので、 その結果として御判断いただいて、後ほどこれは採用しないほうがいいというふうな形で 御提案いただければありがたいんですが。 ○池上委員  じゃ、今は質問だけのところで。 ○西岡分科会長  わかりました。 ○池上委員  結局、それは事実確認として、このようにDPC対象病院がゼロないし1、2というと ころもあるので、それを含めてこのような数値を出されているわけですね。それは質問で す。 ○長谷川補佐  そうでございます。 ○池上委員  それに対しての私の意見は、それは不適切な指標だということです。 ○西岡分科会長  どうぞ、企画官。 ○宇都宮企画官  まず質問の中で出てきたところで、ちょっと誤解があるんじゃないかと思われますので、 そちらにまずお答えさせていただきます。  D−7の5ページについて、池上委員のほうから全DPC対象患者を分母にするのは適 切でないというお話がございましたが、今の2次医療圏の発想については、5ページの下 のほうで2次医療圏の人口を分母にしたものを出してございます。どちらかというと、上 半分のほうにある全DPC対象患者というのは、この2次医療圏とは別の発想で、その病 院における全DPC対象患者でしてこういう分析もあるということを示させていただいた ものでございまして、そういう意味では別です。  特にこれまでの議論の中で、地域に対する貢献を評価すべきという御意見、基本問題小 委でも非常に強くいただきまして、事務局としていろいろと考えた中で、以前から松田研 究班のほうからも地域におけるシェアという考えがございましたが、そのシェアというと きに分母を何にするかということですが、まず最初に考えたのは、当然その同じ医療圏の 中でDPC対象病院の患者さん、全体のその患者さんを分母としてということも考えまし たが、そうしますと、池上委員がおっしゃったように、地域によってはDPC対象病院が 1つしかないとか、1つもないとか、そうした場合に、DPC対象病院が1つしかないよ うな地域であれば、シェアはすべて100%になってしまうということで、それこそ適切 ではないのではないかということで、今回、分母をDPCの対象患者数ではなくて、2次 医療圏の人口を分母と据えることによって、ほかに医療機関があろうがなかろうが、その 人口に対してどのくらいの割合で貢献しているかというものが見ることができるのではな いかということで、こういう分析をさせていただいたということでございます。 ○池上委員  すみません。それだけについて、私の誤解に基づいている点は確かに御指摘のとおりで すけど、ここで言う人口という、同じ医療圏から受診している患者であるという前提があ ればこそ、このように2次医療圏の人口で割ることに意義があるということは同感いたし ますけど、そうでない場合には、受診している患者の居住先というのは特に分析されてい ないと存じますので、その場合には、例えば極端な話を申しますと、人口規模が小さいと ころにがん専門病院があって、DPC対象病院であるとすると、それは極めて高い、他地 域からの受診患者を含めての値となるわけですね。その点からすると、これは果たして適 切かどうかということを新たな課題として御提示したいと思います。 ○熊本委員  今、いろいろ御議論を伺っていて、簡単に意見を申し上げますと、150万人以上とか いったところではDPC病院以外の病院もたくさんあるから、シェア率がそんなに上がら ないというところを読めばいいのであって、50万人未満の小さな医療圏、小さなと言う と語弊がありますけど、そのような医療圏においては、DPC病院の急性期医療がかなり 大きな役割を果たしていると、そういう指標としてこれを見ればいいのかなと、そういう 形で理解いたします。  150万人以上とか大きな医療圏の場合は、先ほど御質問したように、いろいろな問題、 もちろん小さな人口規模の医療圏でも、池上委員が指摘のように、その方々が本当にそこ の居住なのか、違うところに行っているか、いろんな問題があるかと思いますけれども、 指標として見るときには、地域の本当の救急の実態を少しでもシェアとして出てきている という指標としては、非常に理解できる指標かと考えます。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○辻村委員  質問と感想なんですが、資料D−7の2次医療圏の人口で割る指標に関してですけれど も、DPC対象病院といっても、200床の病院と国立がんセンター、あるいは大学病院、 そもそもやっぱりがんセンター、大学病院は2次医療圏を対象とした病院ではないのでな いかと。したがって、そこを含めて、例えば5ページ、国立がんセンターを例に挙げて恐 縮ですけど、がんによる入院患者を国立がんセンターが属する2次医療圏の人口で割ると いうのは、がんセンターとか大学病院に関してはちょっと過大な評価になるのでないかと いう気がいたしますけれど。それで、全部の病院を属する2次医療圏の人口で割りましょ うという考え方の指標と理解しておいてよろしいか、そこが質問です。 ○宇都宮企画官  資料のD−4をごらんいただきたいと思いますが、こちらは以前に合意いただきました 基本的考え方でございますけれども、この中で、今、辻村委員がおっしゃったのは3番の 部分ですね。対象病院として社会的に求められている機能・役割を重視すべきではないか。 いわゆる全国的な役割でございますが、こういう指標はこういう指標として考えると。そ れと別に、4番にございますような地域医療への貢献という視点も検討する必要性がある。 この4番の視点で例えばこういうものが考えられるのではないかということで示させてい ただいたわけで、この今の2次医療圏で割ったデータをすべての医療機関に当てはめると いうか、あるいはこの係数のみにするということでは決してございません。さまざまな評 価軸があってよろしいのではないかと。その中の一つとして提示させていただいたという ことでございます。 ○小山委員  今、企画官がおっしゃったとおりで、D−2−1の資料で2次医療圏に関するところで すけれども、人口別に50万とか150万を見た場合に、両方に評価できるというような 指標って難しいと思うんですよね。そういう意味では、これはどちらかというと、人口が 少なくて、比較的医療過疎なところを評価しているというところの視点で考えれば、これ は指標に十分なれると思うんですよ。150万以上のところは低いですけれども、低いけ れども、逆に今度はここが評価されるような指標が今違う項目が出ていますので、今度は そっちを評価すると小さいところができないということになりますので、そういうふうに すみ分けをしていく中での指標という意味では、十分この2次医療圏に対する評価は採用 してもよいのではないかというふうに考えます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。 ○酒巻委員  私も賛成です、今の案に。つまり複数の指標があるのだから、さまざま評価軸はその病 院によって決まるだろうというふうに思います。 ○小山委員  オールマイティーではありませんからね。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今、私のほうから申し上げたかったことを全部、小山委員にお っしゃっていただきましたので、非常にありがたいことだと思います。そういった形の御 理解で進めていただければと思っておりますが、よろしいでしょうか。  ほかに御質問等ございませんでしょうか。それからもう一つ御説明がありましたこれか らの絞り込みに関してのD−6、この基本的考え方に関しましてはいかがでしょうか。  この基本的な考え方としてはよろしいでしょうか、一応了解いただけるということで。 そうなってきますと、これまでありましたとおり、D−4の資料と、それからD−6の資 料、それからさらに松田研究班から出されております病院機能係数に関する考え方、D− 5の資料ですが、これをもとにして、今まで出されましたものの絞り込みをさせていただ きたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。 ○小山委員  D−7の資料ですか。 ○西岡分科会長  ええ。D−7の資料です。D−7の資料のところの一番最後の欄のところに空白がござ います。ここのところで、これはぜひとも検討すべきである、これは無理である、あるい はちょっと問題があるといったようなところを、できれば○、△、×というふうな形で御 提案いただけると非常にありがたいと思うんですが、そんな格好で話を進めていただいて よろしいでしょうか。  それと、実際にはまだこれからの作業といたしまして、ここで○、あるいは△なりが、 御提案いただいたものをすべてデータを解析、これから入っていくわけでございますので、 その中で○になったからといって必ずデータの検証、またこの会でいろいろ御議論いただ くことになりますが、必ずしもこれが機能係数のほうに反映されていくかどうかというの は少し分からないところがございますので、そこのところは御了承をお願いできたらと思 いますが、そういう点でよろしいでしょうか。  それでは、議事を進めさせていただきます。  まず、2ページでございます。[1]の項目として、DPC病院として正確なデータを提出 していることへの評価という、これは。どうぞ。 ○小山委員  この件に関しましてはヒアリングを聞きましても、どこの医療機関も非常に投資してい ますし、もう一つマイナスの論点として、全部に当てられてしまうんじゃないかというん ですけれども、これは全部に当ててもいい係数だと思いますので、正確性ということを少 しは判断するとしても、いわゆるこの機能係数を考えるときの一番もとのベースになる係 数として考えていただければ、余り細かいことを言わないで、データが出ているというこ とに対して、やっぱりどこの医療機関も非常に苦労していますので、ぜひここは評価して いただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。池上委員、どうぞ。 ○池上委員  実はこれは私が申し上げたかった第2点でありますが、様式1で求められているデータ、 そのうちの必須項目と非必須項目に分かれています。まず松田委員から一部が非必須項目 になったことによって提出が悪くなったという御指摘がありましたけれども、改めてこの 必須項目と非必須項目を区分けということを十分検討する必要があると思うんです。その 上で、私は必須項目の中にも非必須項目の中にも、どのような活用の仕方があるかという ことが、私としては疑問な項目が多々ありますので、もしこれで評価するとしたら、この 分科会として自信を持って、この項目はDPC対象病院として、文字通り必須の項目であ り、情報を公開するべき項目であるということを改めて審議する必要があるかと存じます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ。 ○長谷川補佐  池上委員の御指摘ありがとうございます。私どもも様式1の中の必須項目、非必須項目、 またさらにはEFファイル関係に関しましても、過去のこれまでの経緯の中から、問題点 があれば見直しをしていきたいと思っておりますので、今後のこちらの分科会等での御相 談をしながら進めさせていただければと思っております。 ○池上委員  1つ御提案したいんですけど、様式1の項目を改めてこの分科会に御提示いただいて、 どのような項目があって、これは合理的かどうかということを、審議するかどうかは別と して、検討するということのプロセスは必要ではないかと考える次第です。 ○西岡分科会長  まさしくおっしゃるとおりでございまして、かつてこの分科会にも出たことはあるんで すが、すっと通り抜けていって、余り深く議論していなかったところもあったんじゃない かと思います。それはぜひともやらせていただきたいということで、これで正確なデータ を出しているということに関しては、これはぜひとも入れると、○のほうに入るというこ とでよろしいですか。 ○小山委員  それでいいと思うんですけれども、今、長谷川さんがおっしゃったみたいに、EFファ イルの議論もぜひしていただきたい。ダブっている項目が非常に多くて無駄なところがあ るので、何とかここを統一してほしいというのは現場サイドからやっぱり出ておりますの で、同じようなデータで、片方が数字が入っているのと入っていないぐらいの差しかない のを出すのをなぜ出すかということが出ていますので、ぜひ必須項目のところとEFファ イルを1つにするというところの議論をぜひしていただきたいと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、松田委員。 ○松田委員  一番最初に様式1の項目を決めたときの議論があるんですけれども、このいろんな必須 項目、非必須項目というのは、実は各学会のほうからこの項目を入れてほしいということ で入ってきたという経緯がありますので、入れたけれども使われていない項目がかなりあ るというのは池上先生がおっしゃられているとおりですので、やっぱりそこのところの手 続はもう1回踏むべきだろうと思います。ここにいる委員の先生方がすべての科にまたが って評価できるわけではないと思いますので、それをやる必要があるのかなと思います。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○長谷川補佐  先生の御指摘のとおり、私どものほうにもいろいろ問題点、お声をいただいております ので、今後、MDC班会議等々もございますので、そちらのほうの議論もしていただきな がら検討させていただければと思っております。 ○池上委員  そのとき、非必須項目の記入率もあわせて、概算で結構ですけど、例えば極端な話、対 象となる患者の1割以下となっているような項目というのを新たに義務化するということ はいかがなものかと思いますので、可能な範囲で結構でございますけれども、お願いいた したいと思います。 ○長谷川補佐  全項目ではないんですが、非必須項目に関しては前回資料でお示ししてございまして、 手元のハードカバーですね、6月8日の分科会の資料でございます。6月8日の分科会の 資料のD−1ですね。D−1の9ページでございます。スライド9枚目でございますが、 そこで一部ではございますが、事例として、非必須項目について、正確なデータの提出A −1−1でございますが、この部分に非必須項目の件数割合等々について記載をしている ところでございます。御参考にしていただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。では、そういった形で、さらにこの様式1、あるいはEFファ イルに関しても検討を続けるということで、1番目の項目については、これはぜひとも入 れようということでよろしいですか。 ○池上委員  全体のすべての様式1の項目を仮に分母とするんでしたら、それで評価するとなると一 部の項目でなくて、全項目を御提示いただかないと、ちょっと議論ができなくなりますの で、可能な範囲でそれを御提示して、また個々の項目を分母に含めるかどうかということ も改めて議論する必要があるかと存じます。 ○西岡分科会長  わかりました。様式1は、かつて委員の方々に全部こういうものだというのをお配りし てあると思うんです。もしできたら事務局のほうから池上委員のほうに、ぜひともその様 式1の表がございますね、それをまず見ていただいて、さらに問題点を御指摘いただいて、 そこのところで議論を詰めていくという形にさせていただいては、それでは具合悪いでし ょうか。 ○池上委員  それは私の判断となりますので、それ以外に、実際にどの程度御提示いただいているか という、ここで一部は確かに出ていますけど、様式1の項目として非常に膨大にあります ので、それがどの程度かということを私は知りたいわけです。 ○西岡分科会長  わかりました。特に非必須項目ですね。  じゃ、そういうことで、ちょっとこの問題ばかりに時間を費やすわけにはまいりません ので、これは必ずやるということで、次に進ませていただきたいと思います。  それから、次に効率化に対する評価。それから複雑性指数による評価。それから診断群 分類のカバー率に対する評価。これはこれまでの御議論のうちで皆さん御了解いただけて いるものと思いますので、これは3つとも○ということで。  その次に、高度医療指数に関してでございますが、このときに大きな問題が生じますの は、アップコーディングにつながらないかという御指摘をいただいております。今回ここ から○がつかなかったとしても、必ずまたこれはその次の改定のときに出てまいりますの で、そこのところでまた議論したいというふうに思っています。  そういう点ではいかがでしょうか。ちょっとこれは現時点では苦しいのかなというので、 もう少し……、どうぞ。 ○池上委員  提案者として申し上げますと、アップコーディングの問題は、これらいずれにおいても 広い意味では起きる可能性があると思います。つまり、今、○がついている問題について もですね。この指標で評価されるということが決まった時点においては、この指標をよく するための病院側の対応が起きると考えたほうが自然だと思いまして、格別、6が、それ が特に大きく起きるということは私は思わなかったので、これを提案した次第です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。その後の御議論で委員の方々からこういうこともあるんじゃな いかという御指摘をいただいておりますので、今回としてはこれを見送って、さらにこれ を強化するという形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、その次の、これからが非常に重要な問題になります、救急の項目でございま す。救急のところで先ほど事務局から御指摘をいただいているところでございますが、こ れに関して、DPCの場合には、救急患者を受け入れて診療した場合、通常のDPCの点 数と、それから実際にかかった医療資源量とかなり大きな差があるということがこれまで 御指摘されたところで、それを今までは機能評価係数でカバーしてきたんだという御意見 をいただいています。そういった意味のところで、これを機能係数とできるかどうかとい うこと。これはDPCの一つの問題ですので、診断群分類のところにこういうものが反映 できるのかどうかという、齊藤先生、いかがでございましょうか。 ○齊藤委員  救急の問題は、前年度の20年度改定のときにも分科会でいろいろ議論したんですが、 やはり構造的に非常に難しいところがあるんですね。診断がつかないという状況が、少な くとも救急で緊急入院した患者は24時間程度は持続するわけです。診断もつかない状況 でDiagnosis Procedure Combinationに入れようという のは、構造的に無理があるんですね。そういうことで、最近は日本病院団体協議会のほう でもこの問題を議論しているんですが、やっぱり救急については当初の入院24時間程度 は、これは一般の手術と同じように出来高部分に移してはどうだろうかということです。 ただ、救急のための準備体制というのは非常に多くの病院でエネルギーを注いでいらっし ゃるので、それについては、例えば医師の配置とか検査技師の配置とか、何らかの反映が 必要ではないかなと。そういうところが大きな流れだと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ、小山委員。 ○小山委員  いや、僕は出来高ということをお話したんですけども、ヒアリングの中で、やはり一部 の医療機関が、「いや、DPCだから出来高は」という御意見もありましたけども、ここ の評価がどのくらいできるかを見てから最終的な結論を出したいなというふうに思ってい るんですね。  今、齊藤先生がおっしゃったみたいに、やっぱり体制のところがやっぱりどこの医療機 関も大変ですよね。24時間365日、いつでも検査ができる、レントゲンが撮れる、あ るいはお薬が出せるとかという、そういう体制は非常に投資しているんだけれども、そこ の評価ができていないということなので、そこら辺のところがどのくらい評価されるかを 見ながら、検証まで行かなくても、そこら辺のところを見ながら、やはりこれは出来高じ ゃないと無理だよねという結論になってくるのかなというような感じがいたしますので、 もうちょっと議論を進めながら、ぜひ、ここから消えちゃっているんですけども、24時 間出来高も意見の中にひとつ入れておいていただかないと、言わないと消えちゃうので。 だめだというならだめでよろしいんですけど、だめならばそうじゃないところで評価でき るというようなものがないといけないと思うので、ぜひそのようにお願いしたいと思いま す。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ここでもう一つ問題がありますのは、救急というものを2次救 急とするのか3次救急とするのかといったことがあるんですね。これは今までにヒアリン グのところでは、2次救急が最もフォローされていなかったというふうな形での御意見を いただいていたんですが、このときにどの指標をとればいいのかというのがあるんですが。  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  今の件の前に、その件も後でお話ししますが、小山委員、齊藤委員のお話があったよう に、救急といっても、人によって、いろいろな救急の考え方があると思います。これは2 次救急も3次救急に関してもそうです。  現場で非常に困っていることは、救急に来た患者さんの診断がすぐにつかない状況が続 くと。その間に、結果的には不必要であったと思われる高額の検査、例えばMRIなども やらざるを得ないという状況があります。特に入院を判断するために外来でそのような検 査をしなければいけない。一つの例で言いますと、急に意識を消失した患者さんで、いち 早くMRIまでやって、2時間以内に脳梗塞と診断すれば、t−PAのようなかなり治療 成績の良い治療に移行することができる。しかしながら、結果的には、MRIをやった結 果、急性脳梗塞ではなかったというようなこともあります。  そうしますと、そのような患者さんが急性脳梗塞ではなかったけれども入院するという ときに、外来でMRIのような検査をしたものがDPCに包括されてしまうということも ありますので、先ほどの小山先生、齊藤先生の意見と方向性としては同じですが、救急患 者において結果的に24時間以内に入院した患者さんに関する外来での処置は出来高にす るというような、手術のように切り離してですね、外に置くというようなことも検討する べきかと思います。これはここで検討することかどうか分かりませんけれども、そのよう な考えも残しておいていただきたい。  それから、2次救急、3次救急というのは体制上のお話でして、実際に救急患者を診て いるときに、来院した時点で2次救急の対象か3次救急の対象かというのは分からないこ とが多い。一つの例が、ひどい頭痛で来た救急患者さんの場合に、頭痛で本人が歩ければ 3次救急ではないのですが、くも膜下出血が起こっていて、直ぐに血圧を下げて、場合に よってはクリッピング手術をしなければいけないというようなこともあります。今回のD PCの機能係数に2次、3次というような言葉で反映するのは非常に難しいんじゃないか、 定義の上で難しいのではないかと思っております。  あとのこの3/6ページから4/6ページの中ほどにかけて、どこに丸をつけるかは御 意見を求められればお話ししたいと思っております。 ○西岡分科会長  お願いします。どうぞ。 ○相川委員  それでは、3/6ページから4/6ページですが、まず最初に私の意見の結果だけを申 して、その理由を後で言いますが、右側の枠の上から3つ目の枠が○、つまり分母、全D PC対象患者、分子、救急車で搬送された入院した患者ですね。  それから、そこから3つ飛んで、それが○。これは分母は同じですね、全DPC対象患 者。それから分子は入院初日に初診料の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患 者。これは先ほどの○と、救急車で搬送された場合にはダブりますから、それがダブった 場合はどちらかにするということであります。  それから、7つ飛んで、8つ目ですね。分母はDPC対象患者で、これは精神療法の件 ですね、それも○と。しかし、これも上の2つとダブることがありますが、精神というこ とで。  それから、一番下のところが○ですね。これは分子がやはり精神ですけれども、入院当 初の時間外・深夜・休日加算。  結果を先に言いますと、それが○というのが私の意見です。  理由は、まず分母について言います。分母は、分母がない場合、つまり実数の場合と、 分母が全DPC対象患者にする場合と、2次医療圏の人口という3つの種類に分かれると 思います。しかしながら、ある病院の規模、あるいはDPC対象患者をどのぐらい診てい るかということに対して、救急患者をどのぐらい診ているかということは、それぞれの病 院の機能に応じて救急患者を診る数は、地域社会からある程度期待されています。ですか らやはり分母は設けたほうがよいと思います。まず、分母を設けて、分母がありというこ とになった場合に、2次医療のは、先ほども御議論がありましたけれども、病院が例えば 2次医療圏の境界近くにあった病院などでは、2次医療圏を分母にするのは適切でないと 思いますので、私としては全DPC対象患者を分母にするほうがよろしいと思います。  次に、分子です。分子に関しましては、これは救急の定義にも関係するわけですけれど も、一般的によく理解されやすいのは、時間外・深夜・休日ということですね。これはや はり病院の機能としてもそのような時間に対応できるということを反映すると思います。  もう一つは救急車です。今、時間外・深夜・休日だけに限定した場合には、それでは例 えば月曜日の午後2時に来た患者は算定対象にならないわけですね。しかしながら、月曜 日の午後2時に来た患者を緊急であるかどうかには、非常に恣意的な要素が入ってしまい ます。ですから、救急車で、いわゆる診療時間内に来た患者に関しては救急車という一つ の指標というんですか、救急車ということでそれを分子に入れるべきだと思います。当然、 先ほど言いましたのは救急車で来た者、あるいは時間外・深夜・休日加算が算定される者、 あるいは精神というものに関しては、重複した場合には、それは調整すると。  それから、小児に関して特別に扱うかどうかということです。これは、私は小児も成人 も含めて患者ということでよろしいかと私は個人的には思っております。  それから、緊急入院に関しましては、既にご指摘がありますように、緊急入院の定義と いうのは非常に難しい。恣意的なものがあることでありますので、緊急入院は分子にしな いほうがよろしい。そうしますと、先ほど言った4カ所が○になるというのが私の個人の 意見でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ、小山委員。 ○小山委員  まず、一番最後の緊急入院の定義のところなんですけれども、今、保険上、緊急入院の 定義が7項目ありますから、あれを使えばそんなに問題ないんじゃないかなというふうに 思うので、それをちょっと検討していただきたいと思います。  今の相川先生の御意見、大体大筋で私も同じなんですけれども、ただ、ちょっと異なる のは小児のところと精神のところなんです。やっぱり小児と精神というものに関しては社 会的な要望が非常に強いのと、その割合に今回の統計で見たように数が非常に少ないです。 ですので、これは割合じゃなくて実数で評価したほうがよりいいのかなと。小児の場合、 やっぱり小児の専門がいなきゃできませんし、精神科も精神科の専門医がいなきゃできま せんので、この2つの項目についてはパーセンテージというよりも、何人受けたというと ころの数字、実数でやったほうがより実質的かなという感じを持ちました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。救急そのものと、それから小児救急、それから精神科救急とい うのは、これは急性期医療全体の中でもディスカッションしていただくと。政策医療とい う面もございますので、そこの部分でディスカッションをしていただくという項目のとこ ろにもちゃんと入っておりますので、それでも考慮の上でここの御議論をお続けいただき たいと思います。  そういたしますと、今、相川委員のほうから御提出いただきました、救急車で搬送され 入院した患者数を全DPC対象で割ったもの、それから入院初日に診療時間外・深夜・休 日加算が算定されて入院した患者数をDPCで割ったもの、それから救急車で搬送され入 院した患者で入院精神療法、また救命救急入院料において精神保健指定医が診療した場合 の加算が算定されている患者数を全DPCで割った場合、それから一番下の欄にございま す、これも同じでございますが、入院精神療法または救命救急入院料において精神保健指 定医が診療した場合の加算が算定されている患者数を全DPCで割ったもの、この4つを 一つの候補として出していただいて、これはすべてをやるというんじゃなしに、むしろこ の中でかなりオーバーラップしておりますので、△ぐらいのところにして、データを出し ていただくということではいかがでございましょうか。  よろしいでしょうか。どうぞ。 ○酒巻委員  直ちに項目というか係数として入れていただくという意味ではないんですけれども、最 後の複数の診療科における24時間体制というのは、調査はしていただけるように何らか のマークは入れておいていただきたい。 ○西岡分科会長  4/6ページの真ん中ぐらいに●がございます。複数の診療科における24時間対応体 制という、これが委員の方々から御指摘いただいているものでございますが、これも一つ の△ということで、調査ということで残させていただくということでよろしいでしょうか。 ○小山委員  私もそれに賛成です。 ○西岡分科会長  じゃ、そういう形でこの救急の問題は、これからいろいろ資料を集めていく指標にさせ ていただきたいと思います。もちろんこれは急性期医療全体の中での救急に対する評価と いうのも、これは基本問題小委員会のほうにぜひともこれを評価していただきたいという のがこの場の意見であるということはお伝えすることになろうかと思います。 ○長谷川補佐  すみません、もう一度確認をさせていただきたいんですが。 ○西岡分科会長  救急に関しましては、小さい項目の、3/6ページの、救急車で搬送され入院した患者 数を全DPC対象患者で割るもの、これが一つの△。それから4つ目の入院初日に初診料 の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患者数を全DPC患者で割ったものでご ざいます。それから、さらに8つ下に行ったところで、救急車で搬送され入院した患者で、 入院精神療法または救命救急入院料において精神保健指定医が診療した場合の加算が算定 されている患者数を全DPC対象患者で割った場合でございます。それからそのページの 一番下の入院初日に初診料の時間外・深夜・休日加算が算定されて入院した患者で、入院 精神療法または救命救急入院料において精神保健指定医が診療した場合の加算が算定され ている患者を全DPCで割った場合。これはかなりオーバーラップしてきますので、そこ のオーバーラップしたところは省いて分析をしていただくということになろうかと、そう いうことで。  どうぞ。 ○長谷川補佐  そういたしますと、ある意味、患者数であるとか、あと2次医療圏別のほうは今回は見 送るということでしょうか。 ○西岡分科会長  一応、それ以外は……。 ○相川委員  小山先生の議論がその後で、私もそれに対して。 ○西岡分科会長  失礼しました、どうぞ。 ○小山委員  一つはまず、小児が全く入ってこないということはやっぱり問題ですね。 ○西岡分科会長  小児の数という意味ですね。 ○小山委員  はい。小児と精神科というのは、先ほどのデータを見ましても非常にが数が少ない。全 部ゼロに近いぐらいの数ですので、やっぱりこれは実数で評価してやるべきだと思うんで すよね。実際に小児も精神科も非常に困っていることは事実ですので、みんなどこも撤退 しているので、ここのところはやっぱり率で行くと本当に少なくなっちゃうんだけれども、 実数で評価していただきたいということ。  それから2次医療圏に関しては、これ全部なくすんじゃなくて、先ほどお話ししたみた いに、2次医療圏のあのデータというのは、地域のいわゆる50万人以下のような都会で はないところの病院を評価している指標にもなり得ますので、全部じゃなくてもいいです けれども、どれかやっぱり項目、1つか2つは入れるべきだというふうに考えます。 ○西岡分科会長  そうしますと、今、小山委員の御意見のように、救急車で搬送され入院した小児の患者 数を、これを……。 ○小山委員  いや、すみません、そうじゃなくて、救急入院の小児の患者数というのを入れていただ いたほうがよろしいかと。緊急入院の小児の患者。 ○西岡分科会長  緊急入院の小児の患者数。 ○小山委員  はい。ということは、救急車ということはけっこう子供の場合は、救急車でも母親を連 れてくるんですよ。 ○西岡分科会長  ただ、小児医療の現場を見ていますと、ほとんどが緊急入院なんですよね。かなりの一 般の病院の場合だと緊急入院でない場合は非常に少なくなってくる可能性があると思うん ですけれども、それでどうなるのかなというのが気になったところですけれども。 ○小山委員  ただ、現場の話を聞くと、お子さんを連れてくるときにはやっぱり救急車よりも自宅の 車のほうが多いというので、救急車で搬送はという意見をちょっと聞いているものですか ら、逆に言えば数字を出していただいて、どちらが妥当か検討していただければ、どちら でもよろしいと思いますけれども。 ○西岡分科会長  じゃ、これは緊急入院の小児の患者数というところを1つピックアップすると。 ○小山委員  はい。という形の一くくりの中で評価していただきたいと思います。 ○西岡分科会長  それから、地域の2次医療圏の話は……。 ○相川委員  分母をどうするかという話ですね。 ○西岡分科会長  この後ろのほうのところで……。 ○伊藤委員  この2次医療圏の、よくよく考えてみると、2次医療圏におけるその病院のシェアを見 ているだけなのではないかという気がするので、そうであるとすれば、2次医療圏が小さ いところのシェアが高くなるのは当然なので、それを機能係数として評価するのもどうか なというのは多少疑問があります。  それからもう一点、こちらのほうのD−5なんかを見ていても、病院の機能係数により 対応ということで、地域として必要な機能の整備と提供という、ある意味ではプロセスで はなくて、ストラクチャーの評価に書いてあるのに対して、ここに出ているのはプロセス 評価の指標しか入っていないんですね。そうであるとすれば、例えば夜間に小児科医をき ちんと置いているかとか、それから緊急で対応ができる精神科医がいるかとか、そちらの 指標のほうが、病院が固定費としてかかる指標としては妥当なのかなという気がするもの ですから御提案させていただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。 ○相川委員  今の後の点については先ほど言った●のついている4/6で多少カバーできると思いま す。これも、先ほど言いましたけれども、病院によっては休日・夜間、緊急入院の患者さ んを入れたと言っても、そこには外科系1名、内科系1名の当直医で対応している病院も あれば、病院によっては、内科、外科のほかに、眼科、産婦人科、泌尿器科など、それぞ れすべての診療科に対応できる、つまりかなり高度の専門医療に対応できる救急医療をや っている病院もあるわけですから、その辺のところは届け入れで評価するのかどうかは別 としても、今回は入れるかどうかはまた別としても評価するべきだと、前も申し上げまし たが、今回も申し上げたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  私、飛ばしちゃってすみません、地域を評価するというところで、今、小山委員からい ただきましたところで、例えば救急車で搬送され入院した患者数を人口で割るといったよ うな係数を一つの候補とすると。あるいは同じように、入院初日に診療科の時間外・深夜 ・休日加算が算定されて入院した患者数を2次医療圏の人口で割ると、この2つぐらいを 一つの候補として残させていただくということでよろしいでしょうか。  ありがとうございます。どうぞ。 ○宇都宮企画官  先ほどの子供の救急搬送とかその辺についてのお話がございましたが、今こちらは、ぱ っと考えられるものを羅列したものなんですけれども、例えば救急車の搬送の患者数とい うときに、例えば6歳未満とか15歳未満については救急車以外の緊急も入れるとか、つ まりこれだけの指標じゃなくて、今後の検討の中で少し組み合わせなり、そういった形で バリエーションを組むことも場合によっては可能かなと思いますので、あくまで△という ことで分科会長からも御提案がありましたけれども、そういった若干の広がりも含めて、 今回は△なりつけていただくということでもしよろしければ。  いずれにしても、救急につきましてはB項目のほうにも入っておりますので、基本問題 小委員会のほうで御議論いただきますので、そういった含みを持たせたような形でいかが かと思います。  あとそれからもう一つ、精神科とか多くの診療科が待機するという話については、入院 時医学管理加算のほうで、出来高のですね、そちらのほうでやはりそういう要件を設けて ございますので、そちらのほうとの整合性とか、要は出来高と二重評価になるかとか、そ ちらも含めてやはりちょっと考えなければならないかなと思いますので、それもまた基本 問題小委のほうの議論にもかかわってくるのではないかと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ、松田委員。 ○松田委員  2次医療圏の話なんですけれども、それぞれの病院が2次医療圏でどのような機能を果 たしているかという視点は非常に重要だと思うんですが、実は地方のほうに行きますと、 地方の機関病院が隣の2次医療圏の患者まで全部引き受けなければいけないところがかな りあります。  そうすると、今これ自体をすぐ評価指標として入れるというのはかなり難しいと実は思 っているんですけども、御提案なんですけど、様式1にできれば患者さんの医療圏番号を 入れていただく。これはそんなに実は難しい話じゃなくて、郵便番号とそれから医療圏番 号の対応表さえつくってしまえば、そのマスターをつくって、それをコードファインダー に入れていただければできることですので、何かそんな形で少し、もし地域の分析をする のであれば、それをやらなければいけないだろうと思います。  実はこれ別に、諸外国、ほかの国の患者データというか、様式には入っているんですよ ね、ZIPコードが。ただは日本の場合はZIPコードが細か過ぎるので、ZIPコード を入れてしまうと、郵便番号を入れてしまうと、患者さんが特定されてしまう可能性があ るので、これは非常にちょっと危ないので、だから少し大きな枠で住所地情報をとったほ うが僕はこの議論を深めるためにはいいのではないかというふうに考えています。 ○西岡分科会長  これに関して、また様式1のところの議論でさらに御提案をいただいて詰めていくとい うことにさせていただきたいと思います。  それでは、救急に関しては今の形で、確かにオーバーラップするところもありますし、 それぞれのところを情報を統合したりした形でやっていただかなきゃいけないということ がありますので、そこのところは事務局のほうで御判断いただいて、私も参加いたします が、その中でデータを出していくという形で進ませていただきたいと思います。  その次は、患者の年齢構成でございますが、これは今日出していただきましたデータ等 を、今日と前回と両方出していただいているんですが、かなり難しいということなんです が、今日新たに出していただきました年齢補正係数というもので、それと各年齢層でどれ ぐらい医療費が多く、DPCの枠を超えて使われているかといったようなものを出してい ただくというのは、これは一つの指標になり得るのではないかなと。と申しますのは、何 歳以上というのが、これはなかなかこれまでの議論でのトラウマもあったものですから、 前へ進めていないところがありますので、むしろこの項目をさらに追求していただくとい う形でいかがかと思うんですが、よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  その次に、5ページのほうに移らせていただきます。これはDPCデータによって一部 分析が可能なもの、また医療機関の負担が少なく、速やかにデータを把握することが可能 なものとして挙がったものです。最初の診療ガイドラインに関しては、こういった体制を 整えているか、整えた形での診療をしているかどうかというのを評価しようではないかと いうことが出されていたんですが、これに関してはよろしいでしょうか。どんな形で評価 していくかというのは、山口先生のほうのお知恵をかりて、もう少し詰めさせていただか なきゃいけないんじゃないかと思いますので。どうぞ。 ○山口(俊)委員  あとやはり、どういうガイドラインを適切なガイドラインとするかということが一番大 きな問題だと思います。Mindsでたくさんのガイドラインを取り扱ってきた、山口先生に 御指導をいただいたらいいと思います。 ○西岡分科会長  ぜひとも、これを評価するにしても、どういった形での評価の仕方がいいのか、もう少 し詰めるということで、これは△ぐらいのところで置かせていただけたらと思います。  その次に、これが大きな問題になります、医療計画で定める事業等についての地域の実 施状況による評価でございます。ここでも問題点を指摘していただいています。これに関 しましてはいかがでしょうか。  松田委員、お願いします。 ○松田委員  私たちの研究班の報告としても出させていただきましたけれども、これのボリュームの 大小で評価するということは余り適切じゃないと思いますので、一番最初にありましたデ ータを提出しているということの評価とあわせて、この医療計画に定める事業、それから 6番も関係してきますけれども、医療の質にかかわるデータを公開することの評価という のは、そのデータを出しているということ自体を評価することでよろしいんじゃないかな というふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  4疾病5事業のうちの糖尿病の扱いがなかなかちょっと、入れているみたいなんですが、 糖尿病を主たる病名にした入院というのは、糖尿病の全入院患者の中でも非常に少ないと 思うんですよね。つまり急性心筋梗塞とか脳卒中の基礎疾患として持っていると。そうい う点で、ここで無理に糖尿病を盛り込むよりは、診療報酬体系の別の部分で評価するのが 妥当かなと。基礎疾患として非常に広くあるということを御考慮いただいてはどうかと思 います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  これに関しては松田委員のいい御意見をいただいているんですが、そのような形の方向 で進むのかいいのかどうか。それから4疾患、あるいは糖尿病を除いた3疾患の患者数の 受け入れをどういうふうに評価するか。これは先ほどの図では、やはりこれも2次医療圏 などでとりますと、地域を評価するというふうなこともあるかなと考えられるんですが。 これはよろしいでしょうか。  ということになりますと、じゃ、地域医療計画に定めるものというところでは、むしろ そういった患者を受け入れているということを公開していく形でのところで様式1の中に 入れていくということで、松田委員の御意見のほうでやらせていただきたいと思います。  となりますと、これはすべて×になっちゃうんですが、これは事務局のほうで何か、す べて×になっちゃってもよろしいかどうか。むしろこの部分は、政策医療でございますの で、基本問題小委員会のほうでかなり強く出していただかないといけないことになるかと 思うんですが。 ○長谷川補佐  恐れ入ります。松田委員のほうからデータの公表で代用可能というお話もあったんです が、私ども政策的な観点から地域医療計画に関する部分の配慮を求められておりますので、 できれば3疾病でも△程度でお願いできないかなと思っておりますが。 ○西岡分科会長  そうですね。DPCはこれをやっていないのかということを言われてしまいますので、 今、糖尿病はちょっと難しいというお考えを齊藤委員からいただいていますので、このう ちの3疾病に関して、これは例えば全DPC患者との割合、あるいはその患者数そのもの といったような形で分析するということで。そうなりますと、3疾患による入院患者数と、 それから3疾患を全DPC患者との比率と、その両方、2つでございますね。それを候補 として……。 ○長谷川補佐  あと2次医療圏も。 ○西岡分科会長  2次医療圏で、下のほうにございますね、2次医療圏で3疾患ということで入れさせて いただくということで、お願いいたします。  どうぞ。 ○酒巻委員  ここでデータを出すことを評価ということですので、この4疾病5事業については正確 なデータを出すところの部分に組み入れてはいかがでしょうか。つまり病名がけっこう問 題になっていて、一体どういう病名までを含むのが望ましいかというところが全く分から ないので、4疾病5事業については必ず該当するものは入れてほしいというような格好で、 必須だけれども入れてほしいという項目をつくったらいかがでしょうか。 ○西岡分科会長  それは様式1の検討に、ぜひともそれを出して検討したいと思いますので、よろしくお 願いいたします。  どうぞ、池上委員。 ○池上委員  すみません、技術的な問題で、仮に3疾患に該当する患者の全DPC患者に占める割合 という比率を出すと、かなりこの3疾患で大きな構成比を出している病院が大部分ではな いかと思いますので、まずこの3疾患で全DPC患者における構成比がどのくらいあって、 そしてこれは、その構成比が高いとすると、どの辺を分岐点として構成比が高いので、加 算といいますか、係数をつけるとするか、ちょっと具体的なことを考えないと、私は何か その分岐点のとり方によってはかなり恣意的になる危険性があると思いますので、分布を 御提出いただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。これはここで候補を絞り込んでいただいて、これからこれに対 するデータづくりをさらに加速していただくということでございますので、この項目を一 たん挙げさせていただいて、ここからまたいろんな形でのデータを出していただきたいと 思っています。これはデータに対する池上委員からの御注文ということで、受けさせてい ただきます。  どうぞ。 ○長谷川補佐  池上先生御指摘の分布に関しましては、本日お付けしております参考資料でございます が、参考資料のパワーポイントの番号で言いますと54番と55番でございます。3疾病 の患者数と、55ページのほうが患者割合ですが、こちらのほうで分布のほうはお示しを しているところでございます。御参考いただければと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。 ○池上委員  実はこれを見て申し上げたんですけど、かなりこの分布が広いと言っても、特徴的な傾 向が見られないように私は印象を受けましたので、これで見る限りですね。3疾病に対し てよく対応しているという場合に、何と比較してよく対応しているかという、これはイエ スかノーかで分けなきゃいけない現実的な問題があるので、この分布がもっと幅広くあれ ば、この箱ひげ図の箱がもっと大きいか、ひげがもっと大きいのであれば、あるいはそう いうことも考えられると感じましたので申し上げました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは次に、[5]医師、看護師、薬剤師等の人員配置による評価。これに関してはいか がでしょうか。ここに出ておりますが、再度調査は必要になりますが、これも特別調査の 中に入れさせていただくということでよろしいでしょうか。 ○小山委員  追加で。前回の分科会でも日本病院薬剤師会のほうの調査のDPC病院における薬剤師 の病棟業務に関する実態調査のお話をさせていただきましたが、再度この調査の検証につ いても、厚生労働省に生のデータとすべてを御提供して活用していただきたいというよう なこともございますので、特に病棟薬剤師に関しては、ここの検証も含めて、日本病院薬 剤師会の調査データを活用できるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いし ます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは次に、医療の質に係るデータを公開していることの評価。これは松田委員から 御説明いただいているところでございます。これは一つには様式1との関連性も出てくる ので、これはぜひとも評価の中で分析の項目として残させていただくということでござい ます。これもいろんなものとかみ合ってまいりますので、△ぐらいになろうかというふう に思いますが。  それでは、最後のページでございます。既に診断群分類の分岐として評価されているも のとして、副傷病による評価でございますが、これはむしろ副傷病のほうをさらに充実さ せていくというところで、診断群分類の中でできるのでないかというふうに思われるので すが、齊藤先生、いかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。 ○齊藤委員  そういう方向で、はい。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。そうしたら、これはちょっと外させていただくということで。  次に、出来高制度で評価されているものの中に、がん診療連携拠点病院の評価というの がございます。これは先ほどのがんを含む4疾患、糖尿を抜きましたので3疾患のところ でも評価されてくることになりますので、これは特別にこの部分はここへ出さないという ことにさせていただいてもいいかと思うんですが、よろしいでしょうか。  じゃ、そうしましたら、これも×ということにさせていただきます。一応こういう形で、 事務局のほう大体、○、△、×はよろしいでしょうか。 ○小山委員  すみません。確認ですが、5番は何なんですか。2番の[5]は。 ○西岡分科会長  2番の[5]。カバー率でございますね。これは○でございます。 ○小山委員  医師、看護師、薬剤師の人員配置は。 ○西岡分科会長  これは△でございます。まだこれから調査していかなければいけませんので、△という ことで、これはヒアリングのときにもかなりこれの評価をしてほしいということで……。 ○小山委員  ぜひ○に近い△でお願いします。 ○西岡分科会長  ○に近い△と。わかりました。ありがとうございます。ぜひともこれはいいデータが出 せればというふうに思っておりますので、そこのところを事務局にもお願いして、御努力 いただければと思います。 ○小山委員  それで、追加なんですけれども、この基本的な考え方の中に、今まで評価されているも のに関してももう少しアップするというような項目がありましたので、この人員配置にち ょっと引っかかってくるんですけれども、チーム医療に対する評価ですね。医療安全とか、 あるいは緩和ケアとか、そこら辺の評価もぜひアップするような形の方向で議論をしてい ただきたいと思います。 ○西岡分科会長  これに関しましては、中医協の基本問題小委員会のほうで、特定機能病院のものもあり ますし、研修の係数もありますし、それから医療安全のこともありますので、そういった ものを、再度見直しをお願いしたいということで提出しているところでございます。  それでは、今日おまとめいただきました御意見を中医協の基本問題小委員会のほうに私 のほうから説明させていただくということにさせていただきたいと思いますが、よろしい でしょうか。  ありがとうございます。  それでは、本日の議論は以上としたいと思います。  その他、事務局のほうから御連絡をお願いいたします。 ○長谷川補佐  次回の開催につきましては、追って連絡させていただきます。 ○西岡分科会長  それでは、平成21年度第5回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を終了させ ていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3298)