09/06/11 平成21年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 平成21年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 (1) 日時  平成21年6月11日(木) 10:00〜12:00 (2) 場所  中央合同庁舎第5号館共用第7会議室 (3) 出席者 委員:池上直己分科会長、泉キヨ子委員、猪口雄二委員、大塚宣夫委員、                   左桝進委員、椎名正樹委員、武久洋三委員、三上裕司委員     事務局:佐藤医療課長、佐々木課長補佐、他 (4)議題  1 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について        2 その他 (5)議事内容 ○池上分科会長  おはようございます。ただいまより、平成21年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性 期入院医療の包括評価調査分科会を開催させていただきます。  本日の委員の出欠状況につきましては、高木委員が御欠席でございます。  それでは、まず資料の確認を事務局からお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、資料を確認させていただきます。  まず、座席表がございまして、議事次第の1枚物でございます。それから、名簿でござ います。それから、診調組慢−1といたしまして、「集計結果」と書いたもの、これはク リップでとめておりまして、施設調査(病院)・(診療所)、患者調査(病院)・(診療 所)がついております。それから、参考資料1といたしまして、武久委員が御発表予定の 資料がございます。それから、参考資料2といたしまして、椎名委員御発表予定の資料が ございます。  それから、机上配付ということで、委員の先生方に関しましては、今回の実態調査、本 日発表分の施設調査、患者調査の実態調査の調査票と記載要綱、それから、武久委員御提 供の資料のツーアップではないものですね。それから、冊子で健保連の調査、本編と資料 編というものがございます。  資料は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、まず、平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査の議題から行い たいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○佐々木課長補佐  では、診調組慢−1の資料、「集計結果」と書いてございますが、この資料を用いまし て御説明をさせていただきます。  前回の分科会でお約束いたしましたとおり、20年度に慢性期入院医療の包括評価に関 する調査というのを実施しておりまして、その結果につきましての御報告でございます。  調査の目的のところは、診療報酬改定の検討資料とするということでございますが、調 査対象、調査方法といたしましては、これは前回も御説明しておりますので、簡単にさせ ていただきますけれども、施設特性調査、患者特性調査、コスト調査、レセプト調査2種 類ということで、5つの調査をしておりまして、本日は調査の集計作業の関係上、施設特 性調査と患者特性調査につきまして御説明をさせていただきたいと思っております。  この集計結果の裏面でございますが、調査結果の部分でございますけれども、集計対象 病院につきましては、まず、平成20年度調査と、右側に参考に18年度調査を記載して おりますけれども、136施設の御協力をいただきまして、施設特性調査、患者特性調査、 これを病院に関してやっております。それから、18年度調査に関しましては、今回非常 に子細な調査を初めて行いましたので、18年度はやっておりませんでしたが、20年度 調査につきましては、施設特性調査、患者特性調査としまして、97施設、96施設とい うことで御協力をいただいております。  では、調査結果本体のほうの御説明に入らせていただきます。4つ資料がございますけ れども、まず、「施設特性調査(病院)」と表紙に書いておりますものから御説明をさせ ていただきます。  1ページお開きいただきますと、今回の集計結果の基本情報でございます。施設規模別 の調査割合というのが出ておりまして、50〜99床のところが最大でございますが、こ の図表1にありますような分布でございます。参考に下段につけておりますのは、全国の 実態といいますか、今回調査協力をいただいた医療機関も含めまして、全体の施設の分布 の状況というのをおつけしております。  それから、2ページ目でございますが、承認等の状況別施設数に関しまして、地域医療 支援病院等々、今回調査協力をいただいた病院が取得されている承認の状況でございます。 それから、入院基本料等加算施設、これは複数回答でございますけれども、診療録管理体 制加算等々、それから、栄養実施加算が123というふうに最多でございます。  3ページをお願いいたします。3ページは病床数の増減の状況でございます。こちらは 2列ございますが、左側の列が医療療養病床の病床数が減少した病院の状況でございます。 この図を見ていただきますと、医療療養病床、マイナス245減少しておりますが、そち らがどちらに転床というか、病床が変わったかと申しますと、最大のものが、回復期リハ ビリテーション病棟が183、一般病棟の特殊疾患療養病棟、それから、障害者の施設と して173施設ということになっております。  それから、医療療養病床が増加した病院ということで見ますと、全体として487増加 をしておりますけれども、どこから医療療養病棟に来たかと申しますと、介護療養病床の ほうがマイナス446となっておりまして、介護の療養病床からの増ということでござい ます。  それから、4ページ目でございます。4ページ目は医療療養病棟における職員配置の変 化、これが20年2月と21年2月を比較したものでございます。この図表5、6につき ましては、特段配置の状況に目立った変化というのはないというふうに見受けられます。  5ページ、6ページをお願いいたします。こちらは、医療療養病棟における入退院患者 の構成の変化というものをまとめたものでございまして、5ページの図表7でございます が、これはどこから医療療養病棟のほうに来られたかと、入院元別ということでのパーセ ンテージをごらんになっていただきますと、最大のところは、院外の他の医療機関の一般 病床から39.1%の方が入院をされております。それから、2番目に大きいものとしま しては、院内の自院の一般病床から25.4%の方が来られていると。それからもう一つ、 3番目としまして、これは合計で御紹介しますが、一番上に自宅というのがございますけ れども、これが両方足しますと16.1%ということで、一般病床から、または自宅から ということが最多ということでございます。  6ページでございますが、これは再掲でございまして、一般病床の併設がある医療療養 病棟を持つ病院に関しての調査でございます。これの特徴といたしましては、院内という ところに、自院の一般病床からというところがございますが、先ほど全体では25.4% ということでしたが、自院の中に持っているところだけを抽出しますと、65%の方が自 院の一般病床から来られているということでございます。  次に、7ページ、8ページでございます。7ページは一般病床の併設なしの場合の再掲 でございますので、これは自院がないというので、他の病院の一般病床からが54.8% ということでございます。  8ページからは、今度は退院先、医療療養病棟からどこに退院されているかということ を調べたものでございます。これに関しましては、一番多いのが一番下の行、合計の上の ところでございますが、死亡退院が22.3%と最多でございまして、その次が院外とい うところの上2つ、自宅というところ、これも足しますと26%が自宅に戻られていると いうことで、すみません、自宅のほうが足しますと最多ということになります。というよ うな傾向で、あとはさまざまな施設、介護系の施設等々にも行っておられます。あとは、 院外の一般病床も13.2%という状況ございます。  9ページ、10ページでございます。これは先ほど御紹介した退院先のものを再掲した もので、一般病床の併設がある場合とない場合ということでございますが、これに関しま しても、傾向としては先ほどのものと変わりないのですけれども、一般病棟の転出先の中 に自院の一般病床というのが多いというか、それがありますので、そこに行っておられる という傾向が見られるということでございます。  あと、10ページの一般病床併設なしの場合は、当然その分、他院の一般病床に行って おられる方が出ているということで、そこの傾向は変化ございません。  11ページ、12ページをお願いいたします。こちらが医療療養病棟の入院時点の10 0床当たりの構成比ということでございます。12ページが退院直前の状態の構成比とい うことでございます。これに関しましては、入院基本料A、それから、B、C、D、Eと 書いておりますけれども、これに関しましては、下の※にありますとおり、医療区分とい うふうに直しますと、下記のとおりでございますので、再掲の欄で御説明をさせていただ きます。  11ページの左側の列の20年2月と21年2月を見ていただきますと、医療区分によ る比率というものは、25%、40%、30%ということで、おおむね変化はございませ ん。右側の退院直前の状況というものを見ていただきますと、これも区分ごとの比率とい うのは変わらないわけでございますが、11ページと12ページを見比べていただきます と、例えば同じ2月中の時点ということで比較しますと、医療区分1が、平成20年2月 中でありますと33.5%でありますのが、医療区分1、今度は12ページのほうでござ いますけれども、平成20年2月は37.2%ということになっております。  それから、医療区分2については、41%が30.7%になっていると。医療区分3が 25%から32%ということで、医療区分1も増えている、つまり若干病状がよくなって いる方というのも増えている傾向でありますが、逆に医療区分3というものが7%増えて いるということでございますので、病状が重くなって、死亡退院の方が多いというのも関 係があるかもしれませんが、そういうようなことになっているということでございます。  13ページをお願いいたします。こちらは医療療養病棟の入院経路別100床当たりの 新入院患者に関しましての構成比でございます。これは実は他院ということで、他院より の紹介が50%ということで最大でございます。自院からの入院も27%ということなの ですが、今回、緊急入院でありますとか救急車による搬送というものもとらせていただい ておりますけれども、おのおの4.6%、それから1.1%ということでございます。  それから、入院基本料の算定患者数の状況でありますけれども、加算の算定でございま すが、これに関しましては、褥瘡患者の管理加算、重症皮膚潰瘍管理加算が100床当た りでは5.5%、4.8%というぐらいとっておりまして、あとはごらんのとおりという ような状況でございます。  以上が施設調査の病院編でございます。  続きまして、「施設特性調査(診療所)」と書いております資料をお願いいたします。  こちらも、1ページ目は今回の集計結果の基本情報でございます。病床数別はごらんの とおりでございます。在宅支援施設に関しましては、ほぼ半分が在宅利用支援というもの をやっている施設であるということでございます。入院基本料の加算に関しましては、診 療所療養病床療養環境加算、それから、その1と2というものは半分ぐらいの医療機関が とられているということでございます。  それから、1ページ目の2の病床数の変化の図表4でございますけれども、これに関し ましては、減少したところというのは延べ12ということで、12が減少しておりまして、 それにつきましては有床診療所の入院基本料算定病床というのに変わっております。それ から、増加した部分につきましては、介護療養病床から医療療養に来られているというこ とでございます。  2ページでございますが、これも医療療養病床における職員1人当たりの患者数の変化 でございますが、これに関しましても、20年と21年を見ていただきますと、大きな変 化はないように見受けられますが、平均値で見ますと、先ほどの病院に比べれば若干減少 傾向ということでございます。  3ページ、4ページをお願いいたします。これは、先ほど病院のところでもございまし たが、どちらから入院をされておられるかということの表でございまして、こちらは最大 のものというのが、自宅からということでございます。自宅からが全体では36%という ことで最大でございます。それから、院内の自院の一般病床からが29%、それから、他 の一般病床からが17.8%ということで、病院に比べますと、自宅からの方がちょっと 多いというような傾向が見受けられます。  4ページが、今度は退院先でございます。退院先に関しましては、やはり自宅というの が、合計しますと、50.3%ということで最大でございまして、死亡退院が13.9% ということでございます。  5ページ、6ページをお願いいたします。有床診療所の入院時点の100床当たりと、 6ページが退院時点の100床当たりの患者数というものでございます。ここも、下のほ うにございます再掲のところでごらんになっていただきますと、医療区分自体の平成20 年2月と平成21年2月、入院時の時点を見ますと、医療区分1の方が増えているという ことでございます。医療区分2が減っていて、医療区分3が若干減っていると。それから、 退院直前の状況につきましては、やはり医療区分2が減っておりまして、その分、医療区 分1が増えていると、こういう状況でございます。また、入院、退院の時点の比較という 見方で見ますと、これも医療区分2というところが減って、その分、医療区分1が増えて いるという傾向でございます。若干、病院と比べると、区分で見ますと軽い方が入ってお られるというような傾向でございます。  7ページでございます。これもどういったところから来られているかということの新入 院の方の状況でございますけれども、自院外来からの入院というのが1番ということでご ざいまして、他院よりの紹介が2番目に多いということです。それから、やはり緊急入院、 救急車に関しましても調べておりまして、おのおの2%、1%ということでございます。 加算に関しましての算定患者数に関しましては、退院調整加算と褥瘡患者管理加算という のがよく算定されているというふうな傾向でございます。  引き続きまして、3つ目の資料、「患者特性調査(病院)」編のほうに入らせていただ きます。  1枚めくっていただきますと、この資料のつくり方に関しまして冒頭に御説明いたしま すと、ページの右肩に括弧付きで「【全病院】」と書いてあるページが左側、右側のペー ジは「【共通病院】」というふうに括弧書きで書いております。この違いは、左側の全病 院というのが、平成20年、平成18年のすべての調査の結果を比較しているというもの でございます。右側の共通病院というのに関しましては、18年調査と20年調査、これ はもともと無作為抽出で選んでおりますので、偶然なのですけれども、たまたま共通で調 査協力をいただいたという病院に関しましてのみの比較表ということでございます。とい うわけで、全体の傾向が左側、変化を見るのが右側というような感じで見ていただければ と思っております。  まず1ページ目でございますが、これは医療区分・ADL区分の状況でございます。こ れに関しましては、平成18年と平成20年の状況を見ていただきますと、おおむね変わ らないということでありますが、医療区分ということで言いますと、これは変わらないと いうことで、3:5:2という大体の比率ということで変わりません。  2ページ目、これは比較ということでございますと、20年と18年を見てみますと、 医療区分1が減少しており、その分、医療区分3が増えていると、こういうふうな状況で ございます。  3ページ目をお願いいたします。これは、非常に細かい資料で恐縮でございますけれど も、医療区分に採用しております状態像といいますか、病像といいますか、そういうもの につきまして比較した表でございます。なお、表全体に注記が漏れているページもありま して恐縮でございますが、太字になっている部分、例えば3ページ目の「9.頻回の血糖 検査を実施」というところが太字になっておりますけれども、これに関しまして、右のほ うに矢印が上へとついております。これは18年調査と比較して3%以上増加していると ころということでございます。逆に、矢印が下になっているところが後ほど出てまいりま すが、これは3%以上減少している場合を特記として書いているということでございます。 これは共通でございます。  まず左側、全病院の傾向で見てまいりますと、頻回の血糖検査を実施というところが増 えているということでございます。これは区分で言いますと、医療区分2と3のところで 増えているということで、全体でも増えております。  それから、右側のほうで見ますと、尿路感染というところが増えております。それから、 経鼻胃管・胃瘻等の経腸栄養で発熱又は嘔吐を伴うというところが増えておりまして、こ ちらも9番の血糖検査を実施は増えております。  あと、今回、実は医療区分に関しましては若干見直しをしておりまして、まず17番の ところに酸素療法の実施というのがございます。これに関しましては、前回の20年改定 におきまして、酸素療法を必要とする病態かどうか確認を行い、診療録に記載するという ような見直しをしております。そういう見直しをしていただいているわけでございますけ れども、まず全病院のほうで見ますと、むしろ酸素療法の実施というのは増えているとい う状況でございます。あとは、共通病院の17番のところで見ますと、こちらのほうが全 体に比べますと、若干上がりは少ないのですけれども、増加傾向ということは言えるかと 思います。  それから、33番・うつ症状、34番・他者に対する暴力に関しましても、原因や治療 方針について検討を行い、治療方針に基づく必要なケアについて、実施した内容を診療録 に記載するということで見直しを行っております。これに関しましては、全病院のほうの データ、それから共通病院のデータを見ましても、さほど大きく変動があるというふうに は見受けられません。  また、4番・脱水と6番・嘔吐でございますが、これも新しく要件を追加しておりまし て、発熱があった場合ということを、伴うものとするということにしておりますが、それ がありますので、比較をしてみますと、全病院では、医療区分3で若干増えておりますけ れども、全体としても0.3%程度。それから、嘔吐のほうに関しましては、これは多分 nの問題かと思いますけれども、あまり変化はないということでございます。それから、 共通病院のほうに関しましても同様で、脱水のほうはちょっと増えておりますけれども、 3%の変化はしておりませんので、黒塗りにはしておりません。  大体以上のような傾向が見受けられます。  それから、5ページ、6ページでございます。こちらは入退院の状況、先ほど入退院に 関しましては施設調査のほうでもやりましたけれども、これは患者さん個別の状況で、ど こから入院をしてこられたかということでございます。これに関しましては、ほぼ施設調 査と同様の傾向でございますので、簡単な御紹介にとどめさせていただきますけれども、 やはり一般病床等からの方が一番多いということでございまして、これは自院からと他院 からということがございます。  それから、1番の自宅、医療区分1に関しては15%ですが、全体で言うと1割程度の 方が自宅からということです。これは、18年調査が下段のほうに全部ついておりますけ れども、これも3%以上伸びているということは特にございません。傾向としてはあまり 変わらないと。  しかし、右側、6ページを見ていただきますと、共通病院の場合ですと黒塗りのところ、 つまり3%の変動があるところが出てまいりまして、他の医療機関から来られる方という ものが減っているということで黒塗りになっています。右側は矢印が消えていて恐縮でご ざいますが、これは下向きの矢印がつきます。それから、自院の一般病床からは3%以上 増えておりますので、これは上向きの矢印が一番右側、ちょっと消えておりまして恐縮で ございますが、そういうことでございます。  それから、7ページ、8ページでございますが、調査病院に入院した背景というところ でございます。これも18年との比較の御紹介にとどめさせていただきますと、疾病の急 性期状態が安定したということで、これはおおむね一般病棟から来られている方の理由だ と思いますけれども、複数回答としては最多のところです。あとは、本人、家族等が希望 されるということが2番目でございます。ただし、これは減少しているという意味での黒 塗り、傾向としては減少しております。あとは、継続的な高度の医療管理が必要な方も減 少していると。それから、在宅療養でも対応できるが、家族の受け入れ体制が整わないと いうのも減少ということでございます。  これは全病院ですが、8ページの共通病院を見ていただきますと、これに関しては、継 続的なリハビリが必要というところが非常に増えているという傾向があります。それから、 減っているところとしましては、疾病の急性増悪とか、継続的医療管理、家族の希望、そ れから、受け入れ体制が整わないというのが3%以上減っているということでございます。  続きまして、9ページ、10ページでございます。これは退院の見通し、まだ入院中の 患者さんについてデータをいただいておりますので、実際どうなったかという、転帰では ないですが、どうなるであろうかというところの推測に基づく病院側の推測ということで ございますけれども、これに関しましては、特に傾向としては、全病院、共通病院とも、 18年調査と比べて大きく変動しているというようなことではございませんで、おおむね 似たような傾向ということで、退院する見通しはないというのが最多ということで、その 次は、90日以内に退院できる見通しはないけれども、受け皿ができればというのが25. 9%と。今は全体のところを御説明しております。そういうような傾向でございます。こ れは全病院も共通病院もほぼ同様の傾向ということでございます。  それから、11ページ、12ページでございます。先ほどの退院見通しがあるかどうか という質問の再掲でございます。そのうち、90日以内に退院できるという方につきまし ては、どういうところに退院される予定だろうかということですが、まず左側の全病院に 関しましては、自宅が68%、医療区分1の方ですね。全体で見ますと、62.9%が自 宅ではないかということで、これは増加しております。特別養護老人ホームとか介護保健 施設、これはその次に多いのですけれども、退院先としては減少という傾向でございます。  それから、12ページの共通病院のほうを見ていただきますと、こちらも自宅というの が増えておりまして、そのかわり、こちらは、特養は先ほどの全体と同じで減少している のですが、介護老人保健施設は増えているという傾向でございます。  13ページ、14ページでございます。これは、退院先の見通しのうち、受け皿ができ ればという方の場合でございますけれども、これに関しまして集めましたデータですが、 これも全病院と共通病院で変化がありましたのは、まず特別養護老人ホームというところ が増えていて、他の医療機関の療養病床というのは減っております。これは全病院のほう です。共通病院のほうでいきますと、自宅が減っておりまして、それから介護老人保健施 設というのが、こちらは増えているという傾向でございます。  それで、どういうふうに考えるかということを御議論いただきたいところとしては、医 療区分3の方であっても、状況によってはそういった介護系の施設にいけるというような データが出てきているということをどういうふうに見たらいいのか、専門的な御意見を交 換していただければと思っております。  それから、15ページ、16ページでございます。これに関しましては、患者の病態像 に関しまして、病名でいろいろとっております。これは非常にたくさんございますので、 変化があるところは黒塗りになっておりますが、糖尿病が全病院、共通病院とも増えてお りまして、慢性心不全も増えているということでございます。あと、脳出血とか脳梗塞、 特に脳出血に関しましては両方とも減少しておりまして、仮性球麻痺に関しても減少とい うような傾向が出ております。  それから、17、18ページでございます。これは感染症、図表17、19、これも両 方でございますが、これは特に変化はございませんので、御高覧いただければと思います。  それから、問題状況ということで、図表18、20でございますが、これは発熱という のが減少という結果が出ております。これは、でも不思議なことに、全病院では減少なの ですが、共通病院だと増加ということでございます。  続きまして、19ページ、20ページでございます。これは処置・治療に関してですが、 これは、全病院ですと医療等が、処置が減っておりますけれども、共通病院は増えており ます。血糖チェックは先ほど1回出てきましたので、両方とも増えているということでご ざいます。状態の安定性ということに関してですが、急性症状が発生したり再発性や慢性 の問題が再燃したというのが減少という傾向でございます。  それから、21ページ、22ページでございますが、栄養摂取の方法というところ、こ れは特に変更はありませんが、今回御紹介しておきたいと思っておりますのが、経管栄養 に関しまして、前回は経管栄養ということでひとくくりでとっておりましたが、今回の調 査は経管栄養のうち、胃瘻のものと、経鼻等と胃瘻を除いたものというのを分けてとって おりまして、そういうことでこのデータの解析をやっていただけるというような状況でご ざいます。  それから、リハビリテーションに関しましては、図表26、29を見ていただきますと、 全病院に関しましては、リハビリテーションが必要ではないという方が増えておりますけ れども、共通病院でやると、リハビリテーションが必要ではないという方は減っていると。 維持期のリハに関して必要という方が、全体的には減っておりますけれども、共通病院は 変化ありません。共通病院に関しましては、積極的リハが必要な方というのはむしろ増え ているというような傾向が出ております。あと、リハビリテーションを要する状態に関し てですけれども、必要な日数に関してですけれども、これは変化がありますのは、180 日を超えているところが減少というような傾向でございます。  23、24ページをお願いいたします。これはリハビリテーション、どういう項目で実 際やっているかというところを図表31、33でとっておりますけれども、これは特に変 化はございませんが、脳血管リハとか運動器リハが主としてやられているということでご ざいます。  処置・治療等、図表32、34を見ていただきますと、これについては特に変化はござ いません。ただし、今回、身体抑制に関しまして、下に※で書いておりますけれども、若 干、定義を、介護で用いております身体抑制の考え方ということも参考にしながら調査を しておりますので、単純に18年と20年を比較ということはちょっとできないかと思っ ております。というわけで、医療療養病棟での身体抑制の状況というのは変わっていない ということでございます。  それから、25ページ、26ページでございますけれども、QIに関しましての変化を 追ってみました。これは、前回の分科会におきまして、QIに関しまして、この仕組みを 導入しての変化を追うべきであるという御指摘をいただきましたので、継続して参加して いる医療機関でQIについて表をまとめております。これを見ていただきますと、18年 と20年ということで比較をしますと、平均値のところを見ていただきますと、身体抑制 は減少しております。それから、尿路感染が若干増えているということで、それから、留 置カテーテルも増えているということでございます。あと、痛みとか褥瘡等は若干減って いるというような状況でございます。最大値、最小値では、0から100までというよう な状況が出ております。  QIの定義に関しましては、26ページでございます。  病院は一応そういうことで、最後、診療所は、ちょっと長くなりましたので、簡単に御 説明させていただきます。  1ページ目はADL区分の状況ということでございまして、これも若干軽い方よりは医 療区分2とか3が増えていて、医療区分1は減っているという状況でございます。これも 先ほどの調査との違いは、18年はこれほど子細なものはとっておりませんでしたので、 20年だけのデータの御紹介が続きますということで、先ほどの変更点の関連だけ御説明 しますと、例えば脱水の発熱、嘔吐の発熱のところというのがこういう状況でございます。 それから、酸素療法に関しては、先ほどの病院よりは若干多めな、医療区分3のところで すけれども、64.7%ということで若干多めでございます。それから、他者に対する暴 力とか、うつ症状のところは、ごらんのとおりということでございます。  それから、3ページ、4ページで、入院の前の状況ですが、これも施設調査とほぼ同じ でございまして、自宅から来られる方が多いということでございます。次は、他の医療機 関の一般病床ということで、当然、診療所は病床数が少ないので、他院からのほうが多い ということだと思います。それから、入院した背景というところは、病状が安定したから というのが最大で、継続的なリハが必要というところは2番目と。あ、家族の希望がある というのが一番多いということでございます。  それから、4ページからの退院の見通しでございますけれども、これに関してもいろい ろございますが、見通しがないというのが最大でございまして、受け皿ができればという のがそれに続くということです。それから、退院先としましては、見込みとしては、やは り自宅というのが本当に多いということでございます。それから、退院先の見通し(再 掲)、これは受け皿が整えばというところで見ますと、自宅か、または介護保険の施設と いうことが書いてあります。  5ページでございますけれども、疾患に関してはちょっと比較ができませんので、何と も言いようもないのですが、糖尿病とか、アルツハイマー病以外の認知症、それから脳梗 塞が多いというような傾向でございます。  6ページからは感染症、問題状況等とございますが、データのnが少ないので、これは 参考に見ていただければということかと思います。  7ページ、8ページでございますが、これも非常にnが少ないのですけれども、リハビ リテーションが必要でない方は半分ぐらいということとか、あとやっておられるのは、や はり運動器リハが診療所の場合は非常に多いということでございます。  あと、処置・治療に関して、身体抑制に関しましては、大体病院とほぼ同様な状況とい うことでございます。  ということで、非常にボリュームがございましたけれども、資料の御説明は以上でござ います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問がございましたらお願いいたしま す。どうぞ。 ○三上委員  最初の調査対象数のところですけれども、施設調査、患者特性調査については、18年 度よりも調査対象を増やしておられるのですが、コスト調査、レセプト調査が、病院の場 合、少し減っているのですけれども、これは何か理由があったのでしょうか。 ○佐々木課長補佐  お答えいたします。やはりコスト調査に関しましては、かなり記入の手間がかかりまし て、医療機関のほうがすぐ対応できないというところが多かったものですから、そこは患 者調査だけでもお願いしますということでお願いしたところもありまして、施設調査、患 者調査はそういう意味ではかなり、そういうことであればということで御協力いただいた ということでちょっと増えたんですが、コスト調査に関しては若干厳しかったというか、 非常に手間がかかって、勘弁してくれというようなお話もございましたので、若干少なく なっているということでございます。 ○三上委員  それと、共通病院というのがコスト調査の中ではどれぐらいあったのかということをお 教えください。 ○佐々木課長補佐  お答えいたします。コスト調査の施設は20ぐらいの施設、半分ぐらいが継続して御参 加いただいているということでございます。 ○三上委員  ありがとうございました。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○武久委員  確かに莫大な資料でありましたけれども、私どもも協力しましたけれども、書く手間も 大変でございましたが、そのおかげか、かなり実情に近いようなデータが出ていると思い ます。  ただ、この調査の中でもありますけれども、患者特性調査のところを見せていただきま すと、本人・家族が希望するために入院したというのですが、これは多分急性期病院から、 もう治療が終わったからもう転院していいですよという要請があったために、本人・家族 がその要請にこたえて希望したというふうに理解できると思います。  それから、在宅療養で対応できるけれども、家族の受け入れ体制ができないためにとい うのがありますけれども、結局、これはだんだん減っていると。18年度より減っている という傾向が見られておりますけれども、要するに全体としてはかなり重度な患者さんが 医療療養には入っていると。  ところが、14ページですけれども、医療区分が3なのに老健に替わりたいという人が けっこういるということですけれども、先ほども佐々木補佐がおっしゃいましたけれども、 これはn数が非常に少ないということと、これは都会の患者さんなのか、地方の患者さん なのかということで、要するに都会だと介護保険施設は割合自己負担分が少ないと思うの ですけれども、医療療養の場合には自己負担分というのはけっこう高額になるとも聞いて おりますので、そういった経済的な理由から介護保険施設へ移りたいというふうになった 人が多く含まれているとこういうふうになると、ちょっとn数があれなので、できたら地 方と都会とで分けてデータを出していただければ、医療区分3で酸素吸入しているのに老 健へいくとか、いきたいということは、普通はあまりないのではないかと思っております。  それから、いろんな病態ですね、いわゆる医療区分の状態像がありますけれども、この 莫大な数の中で、私は前からいろいろ非常に問題かなと思っているのですけれども、医療 区分1というのは医療区分2、3以外ということですから、2、3以外は十把ひと絡げで 入っているということで、この中には意識障害、単独の意識障害がいわゆる植物人間のよ うに、ジャパンコーマスケール300でもそれだけであれば医療区分1になるというよう な項目がございますけれども、そういったところが少しこれから見ると出ておりませんけ れども、私の前任の木下からも聞いておりますが、この分科会の経過でそれに関しての検 討もなされたというふうに聞いておりますが、そういう懸案事項的なことについてもでき たらお調べいただいておいたほうがよかったかなというふうには思っております。  以上でございます。 ○池上分科会長  事務局からいかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  すみません、今の意識障害に関してですけれども、JCSの2、3以上というかどうか ということでは、データを分析することはできますので、御指摘のような解析ができるか どうかというのは検討させていただきたいと思います。 ○池上分科会長  先ほど都会とそれ以外という分析の御指摘ですけれども。 ○佐々木課長補佐  n数でそこまでできるかどうか分かりませんが、解析の仕方とか御提示の仕方を会長と も御相談して検討させていただきたいと思います。 ○池上分科会長  私の経験では、何をもって都会とするかというところが難しいところで、東京、大阪、 京都などはいいのですが、神奈川も大部分はいいのでしょうけれども、福岡はどうとか、 所在する都道府県だけで区別するのは難しいし、それから、市町村合併などがあって、か なり農村的なところも市になっていますので、難しい面は多少あるのではないかという気 がいたしました。  ちょっと補足させていただきました。  大塚委員、どうぞ。 ○大塚委員  1つ、分科会長にも確認をいただきたいのですが、今回のこの調査でありますけれども、 調査をすることについて、この分科会として承認をしたのかどうなのかという問題が前回 も議論になったと思うんですね。それでまた、その調査結果をこういう形で発表すること についてもどのような扱いにするのか。そして、もしこの分科会としてオーソライズされ ていないものであるとすれば、取り扱いとしては、この調査結果もほかのところから出て きている調査結果も同等の位置付けとして扱ってしかるべきではないかと思うのですが、 そのあたりはいかがでございましょうか。  それからもう一つ、こういう形の調査は今回で何回目に当たるのでしょうかということ ですね。 ○池上分科会長  では、まず事務局からお願いします。 ○佐々木課長補佐  この調査に関しましては、実は18年の調査とほぼ同じ形式、このように比較ができる ような形でやっておりますので、全く同じような形式というと2回目ということになりま す。そういう意味では、前回のデータというものがとれるような形でやらせていただいた ということでございます。 ○池上分科会長  この調査のオーソライズ主体はどこかという御質問ですが。 ○佐々木課長補佐  それは、前回の会議でも御指摘がございましたけれども、この分科会というものの位置 付けということはまた御議論があるというお話もありましたけれども、少なくとも18年 に医療区分というものが設定されまして、20年改定に向けて、その医療区分なりが妥当 なものであるかどうかというのを検証していただくということで18年の調査をやってい ただいて、そして、医療区分等々についてはおおむね妥当であるというような御結論をい ただいていたというふうに理解しています。  そういう経緯がございましたので、医療区分自体ということを検証するために必要なデ ータというのが、議論をするために必要であろうということで、18年にやっていた調査 というものを医療課の判断で実施をしていたということでございます。 ○池上分科会長  もう一点、大塚委員から御質問があったのは、この調査の位置付けとしてどのように、 あるいは、今日御提示のほかの調査結果と比べてどういう位置付けですかという御質問で したね。その点はいかがでしょうか。 ○佐々木課長補佐  調査の位置付けという御質問でございますけれども、そういう意味では、調査の内容と か手法、それから、予算といいますのは、国の予算を使ってやっているということで言え ば、18年の調査と変わらないものではないかというふうには思っておりますけれども、 前回の分科会でも御指摘ありましたとおり、手順の問題ということで申し上げますと、前 回は18年調査については少なくとも分科会のほうで御議論いただいて調査をしていると。 今回は医療課のほうが前回と同様の調査をしているということで、その手順という意味で は異なると思いますけれども、予算面、それから実施する内容については同等のものとい うふうに理解しております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  大塚委員、よろしいでしょうか。 ○大塚委員  今の御説明で、どういう調査をするか、そして、調査を実施するのかしないのかという 問題も1つあると思いますが、また、その中身をどうするのかということについても、一 応分科会として承認したものが実施されたならば、正式資料として取り上げるのは、私は いいと思います。だけれども、やってみたけれども、こういう結果が出たから、それを参 考資料として提示しますというぐらいの位置付けではないのですか、その手順から言うと。 ○佐々木課長補佐  そういうことで言えば、前回もそういう御議論がございましたけれども、要するに慢性 期の分科会のほうで医療区分に関しましては御検討いただいて、前回の改定のときも基本 小委のほうに池上会長のほうから御報告いただいております。ですので、通常であれば次 期改定が22年にございましょうけれども、それに向けて医療区分の問題、医療療養病床 のこういった医療区分による評価の問題について検討していただくとすれば、慢性期の分 科会、こちらでやっていただくしかないというふうに思っておりますので、そこで議論し ていただくためには、何らかのデータなり参考となる資料が必要だというふうに思いまし て、医療課のほうで実施をしておりましたので、そのデータ自体がないということであれ ば御議論できないということでございましょうか。 ○池上分科会長  議論のためのデータを提供したかったから調査したということでございます。そういっ た御説明で大塚委員はいかがでしょうか。 ○大塚委員  ということは、ここで本日提出された他の2つの資料も議論のための資料として提供さ れたという理解でよろしいのでしょうか。 ○佐々木課長補佐  そういう意味では、前回、武久委員と椎名委員のほうから、議論の参考とするために提 示したいというお申し出がありましたので、今回、会議資料として用意していると、そう いうことでございます。 ○池上分科会長  よろしいですか。 ○大塚委員  もしそういうことであれば、その2つの資料についてもきちんと説明をする機会を持っ てもらったらどうでしょうか。 ○池上分科会長  それは、この調査についての質疑が終わった時点で、既に資料は配付されておりますの で、議論をする予定となっております。  ほかの御質問はございますか。どうぞ。 ○三上委員  いわゆる全体の135施設のものと、共通の施設での評価、患者特性なり施設調査なり の結果がかなり食い違う部分があるのですが、印象としては、共通病院のほうが重度の方 が多いのではないかという印象も受けますけれども、最初の施設特性のところで、いわゆ る今回の調査以外の全国編の中で4,243、今回の施設が136、共通が24か25と いうことなんですが、この分布図ですね、病床数とか、そういったものも一応出していた だいたら、どういう病院が共通項目なのかというのが分かりますし、次の機会にでも出し ていただきたいと思います。  それと、いわゆる20年度診療報酬改定の影響を見るというか、どうなったかを見ると いうことであれば、基本的には共通病院のほうの資料を中心に議論をするほうがいいので はないかというふうに、特に今後出てくるコスト調査等についてはそちらのほうを中心に したら、割と精度の高い議論ができるのではないかというふうに思いますので、よろしく お願いします。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  病院の病床規模、その他の特性が、共通病院とそれ以外の病院で比較できるような資料 を次回提出していただけますか。 ○佐々木課長補佐  次回御用意いたします。 ○池上分科会長  よろしくお願いいたします。  ほかの御質問。あるいは、先ほどの三上委員からの御提案のように、追加の分析につい ての御要望、あるいは、今後の議論の視点として共通病院等を中心にコスト調査について は置いたほうがいいのではないかといった御意見についてもお伺いできればと存じます。  どうぞ。 ○椎名委員  この資料の1番目を見ますと、施設特性、患者特性本日資料が出され、そのほかにコス ト調査、レセプト調査は次回あたりに出されるかと思うのですけれども、ある程度全体を 見ないとコメントがなかなかできないと思います。そういう中で、ここに項目として挙げ られた以外に大切なものはあるのかないのか、まずその点をお伺いしたいと思います。 ○佐々木課長補佐  今回の医療課の調査ということになると思いますけれども、それでやらせていただいた ものは、基本としては前回18年の調査のときにやっていただいたものというか、御指示 いただいてやらせていただいたものと同じ項目というところで、あとは一部分、胃瘻の部 分とか、より細かくとれるという程度のものをやっているということでございますので、 これから調査をするということになりますと、分科会の議論でどの程度、間に合うかどう かというのはありますけれども、例えば既存のさまざまな公的な資料、もしくはいろいろ 出ている報告なども活用して、調べられるかどうかというのを努力したいと思っておりま すので、もしこの分科会で追加的にこういうデータがないかとか、解析できないかという ような御指示があれば、それは事務局のほうで作業させていただくというふうには思って おります。 ○椎名委員  御承知のように、患者特性に基づく患者分類による包括評価が平成18年度に導入され たわけです。20年度改定で、その基準の一部変更とか医療の質、その辺を見ようという ことで、QIとかチェック項目とか新たな施策を導入したわけですよね。その辺のいわゆ る基準を変えたとか、質の評価を具体的に見るという調査項目は医療課が行ったこの調査 の中に入っているのかどうか、お尋ねしたいと思います。 ○佐々木課長補佐  お答えいたします。患者特性調査のほうの病院編で結構でございますけれども、最後の ほう、25ページ、26ページに、前回、継続して参加している病院のQIの変化につい てデータが要るというような御指摘もございましたので、用意をさせていただいていると。 こういう形で、QIに関して今回の医療課の調査で出せそうなものはとりあえずこういう ものということでございます。 ○椎名委員  確かに25ページにQI、この項目、この結果というのは、実は18年度調査でも同じ 調査をした結果が出ているんですよね。私がお尋ねしたかったのは、20年度に新たに褥 瘡等もQIをきちんと記録に残すと。さらに、個々の患者さんのチェックポイントを記載 するといった新たな施策を入れたわけですよね。実際、前回この分科会に出された20年 度診療報酬改定の資料の中に医療療養病棟に関する改定項目として、今申し上げたものが 入っているわけですよ。これは多分医療課がつくった資料だと思うのですけれども。それ に関して、何ゆえ20年度の調査の中にそういったものが入っていないのか、御説明をい ただきたいと思います。 ○佐々木課長補佐  そういう意味では、状況を把握してという意味では、こういう従来やっていたものしか 今ないわけでございますけれども、その議論のためにはさまざまな調査というのが関係す る機関等でやられているということも、事務局として聞いていたものですから、こういう 調査に加えて、そういった関係するデータを集めて、資料を用意するということで、御議 論をいただいて、必要な追加調査というのは、もし必要であれば、それはそれで御指示あ れば検討させていただくというふうには考えております。  そういうこともありまして、大変ありがたいと思っておりますのは、健保連さんのほう でQIに関しても調査をやっていただいているということがありましたので、そういった データも活用といいますか、御議論の題材ということで、今回御提示いただけるというこ とは事務局としては大変ありがたいと思っております。 ○椎名委員  突然、健保連に対してありがたいなんていうお話をいただきましたけれども、私が申し 上げたいことは、御承知のように改定の結果検証部会が3年前か4年前に設置されました。 今まで診療報酬改定を2年ごとにやってきて、きちっと検証していないのではないかとい うような背景の中でできた部会だと思うんですよね。公益委員による結果検証部会がいろ いろ活動していて、項目の整理をしているはずですよね。つまり、結果検証部会が中心に なって検証する項目と調査専門組織の分科会が改定の検証をすると、そういう部分の仕分 けがなされていると思うのですけれども、そういう仕分けに関してはどうなっているので しょうか。 ○佐々木課長補佐  少なくともこの項目に関して、療養病床の関係に関しては、専門的な検討というのはこ ちらの分科会でやっていただくというのが1つあるのと、それから、検証部会の項目とい うのは既に改定の前、改定の方針が大体決まりまして、19年度中で20年度に実施する 検証項目と、21年度に検証する項目というのがもう決まっておりますので、その中には 今回のQIの問題については入っていないということですね。検証部会で検証するという ことではないというふうに思っております。ですから、実施するとすれば基本問題小委員 会本体でやると。そうなると、それに関して検討を依頼されるところとすれば、こちらの 慢性期の分科会ということしかないとは思っております。 ○椎名委員  ちょっと理解が違うと思うのですけれども。基本的に私は慢性期の包括評価に関して改 定の結果を検証するのは、この分科会に付託されている項目だと思います。その辺は過去 の資料というか、検証部会の資料等をぜひ当たっていただきたいと思うのですけれども。 いずれにせよ、やはり診療報酬改定で新たに導入したり、基準を変えたりしているわけで すよね。それはきちんと評価する必要があるし、評価するのはやはりこういった委員会、 あるいは、行政が直接やるのか分からないですけれども、健保連にお願いするという性格 の事柄ではないと思うのですけれども。 ○佐々木課長補佐  すみません、そういう意味では、事務局としていろいろと分科会に御相談をしながら、 このQIの評価をどうしていくかというところもやる必要があると思うのですけれども、 今、いろいろと考えておりますが、1つは先ほど御提示したような患者特性調査によるも のと、あと、まだ本日の時点では御提示できておりませんけれども、レセプト調査のデー タで協力していただいた病院がございますけれども、その病院の中の半分ぐらいのところ はレセプトと一緒に評価表を出してくれておりまして、これは別に頼んだわけではないの ですけれども、結果的にそういうようなことで、データとしては添付してというか、出て おりますので、それを使って解析をするということはできると。  あともう一つ、もしこの分科会のほうでQIに関して追加的にこういう調査をせよと、 こういう内容について調査をせよというような御指示がございましたら、それにつきまし ては、実施できるかどうかも含めて、もしくはできるだけ実施できる方向でしっかり考え たいというふうに思っております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  まだ御議論はあるかと存じまして、特に追加の医療課で行いました調査についての追加 解析など御要望があったら事務局のほうにお伝えして、また、期日については後ほど御相 談させていただきたいと思います。  ちょっと時間の関係で、申しわけありませんが、ほかの2つの調査についての議論に移 りたいと存じますので、「療養病床入院患者の状態調査」について、武久委員より説明を お願いいたします。 ○武久委員  それでは、医療課から出していただいた薄いほうの資料でお話ししたいと思います。  2年間開催がなかったということで、この2年間は療養病床にとっても、慢性期医療評 価にとっても非常に大変な2年間でございまして、この間に関しまして、現状把握のため にいろんな調査を行っております。そのうち、このように公の場所で公表させていただく 機会はそうございませんでしたので、ここで改めて2年間の調査結果について述べさせて いただきます。少し長くなりますけれども。  最初の2ページ、これは社会保障国民会議が昨年出されたものですけれども、これは1 5年間ぐらいの間に約300万人の対象高齢者が増えるというふうに予想されていらっし ゃいます。  次のページですけれども、病床も、一般病床という名前がなくなりまして、急性期、慢 性期、回復期というような形になっております。一般病床は、急性期と亜急性期・回復期 に移れと。それから、療養病床は長期療養と亜急性期・回復期に移れと、この2つのよう に分かれて、ちょうど急性期と慢性期の間の部分に両方から入るようにというようなサゼ ッションではないかと思っております。  現状としては、4ページのように、急性期と慢性期というのは、ポストアキュートとい うことからいうと、急性期か慢性期かとなったらこのような形であって、むしろこのよう ないろんな機能を持ったケアミックスのような病院というのは地域にたくさんございまし て、全日病の我々も入っておりますけれども、そういうところの地域一般病床というよう な概念のところも非常に多く含まれておりまして、在宅療養支援診療所も支援していると いうような、大雑把なポストアキュートの部分が慢性期、それから介護期と思われます。  いろんな方によっては、介護保険行為は介護保険で見て、医療行為は医療保険で見てと いうふうにおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、現実には高度急性期病床でも手術 の後とか急性期の処置の後というのは寝たきりでございまして、当然それはだれかが介護 しているわけですから、高度急性期であれば介護は全くないかというと、介護行為は厳然 としてあるわけでして、それを7:1の看護婦さんかまたは付添い婦か家族等がやってい るということですから、このように特養が仮に1:9というふうに考えると、5:5でと いうような、ちょうど介護度の分かれるところが、今回非常に問題になっている医療療養 とか介護療養型医療施設が介護保険のほうへ行けとか、そういう問題になっているところ と思います。  6ページは、結局あと15年か20年で約50万人の方が病院とか介護施設以外で亡く なるという可能性を示されておりまして、こういう方々をどのようにするのかということ が問題視されているのだと思います。  7ページは、先ほどもちょっと言おうかと思ったのですけれども、療養病床というのは 地域によって非常に、人口10万比に対して数に差があるわけですね。一番少ない山形県 は高知県の約5分の1ですから、かといって、高知県はベッドががらがらというと、そう いうわけでない。高知県の療養病床に入っているような患者さんは、山形県では一体どこ にいるのかということがまず疑問になります。  8ページですけれども、これは一般病床において90日以上入院していると特定患者と いう、非常に点数の安い診療報酬になっている。  ところが、次ですけれども、特定患者から除外される基本料算定患者というのがござい まして、3にありますように、重度の人たち、これは片麻痺とか脊損、意識障害、これに 関しましては、ほとんど脳卒中の後遺症と。それから、ずっと下へ見ていきますと、リハ ビリテーションとかドレーン法とか喀痰吸引とか、これを見ていると、医療区分というの はここから出てきたのかというふうに思わざるを得ないのですけれども、ぜひ、特定患者 除外規定適応患者のレセプトは一体毎月何枚出ているのか、診療報酬の平均単価は一体1 日幾らなのか。これは出来高になっておりまして、医療区分が適用されていないというこ となので、ここはぜひ公表していただけたらというふうに思っております。  次に11ページですけれども、平均在院日数の計算の仕方ですけれども、一般病床の平 均在院日数は20日を切って19.何日というふうに聞いておりますけれども、このよう に平均在院日数の計算対象としない患者さんがいらっしゃいまして、最後のところにも入 っておりますように、一般病棟に入院して90日を超えていると。こういう一般病床の中 にも急性期ではなしに、ごく慢性期の患者さんが入っているということですから、一般病 床の平均在院日数を算定しなくてもよい病床をすべて入れて算定した、訂正平均在院日数 を出していただきたいということで、一般病床は必ずしも急性期の患者さんが入っている わけではありません。ということで、このようなことになると。  では、今現在の医療療養の役割というのは、ここに書いてあるように、非常に多種多様 な役割をしていると。すなわちポストアキュートの主なところは全部我々のところでやっ ているということでありまして、これはケアミックス病院も含めて、医療療養病床が単独 で全部で300床というような病床はむしろ少なくて、地域の中でいろんなケアミックス の形でやっていると。  16ページですけれども、我々のほうで調べまして、実はこれ昨年の5月ですけれども、 介護療養型医療施設の患者の状態、経管栄養も気管切開も喀痰吸引もありますけれども、 これを見ていただいて、次の医療療養の患者状態を見ますと、医療区分2、3が非常に多 いところ、全体ページの横の赤で囲ってあるところは、経管栄養45は100人に対して 45人、気管切開17人、喀痰吸引42人、酸素療法20人というふうに非常に重症で、 ICUと非常に類似化していると。違いは疾病に罹患してからの期間であって、病態とし ては非常に手間がかかるということで、全く同じ状態であります。  次の19ページは、医療区分1というのは、医療区分2、3以外ということになってお りますけれども、2、3以外ということですので、非常に多種多様な病態が包含されてお ります。ここで我々の協会で仮に5つの区分に分類いたしました。1−5というのは、区 分1の中でも一番重症であろうと思われる患者ですけれども、このように、先ほど申しま した重度意識障害もみんな入っておりますし、ここにあるような、ぱっと素人目に見て大 変手間のかかりそうな人もみんな医療区分1だということでございます。  調査をいたしました。次のページ、18年と20年で調べますと、医療区分1は23. 6から22.4というふうに、ほんのちょっとしか変わらない。これは先ほどの佐々木補 佐がおっしゃったのと一緒です。ところが、中身が医療の状態の重い方、1−5が40% と増えているということで、同じ区分1でも手間のかかる患者さんが増えていると。  次、21、22ページですけれども、これは佐藤課長のスライドをお借りしております けれども、このように救急が非常に増えている。  次、23ページで、実は妊婦とかいろんな一般の人が増えているかというと、高齢者の 軽症、中等症が倍に増えているということが分かりました。  そして、ベッドが満床というのが約4割もあるということで、我々のほうで救急医療と の連携に関する調査を昨年いたしましたところ、もし、あなたの医療圏で2次救急・3次 救急と連携システムをつくると参加しますかということを、療養病床を持っている病院に 言いましたところ、条件付きを含めて、94%が参加したいと。  その次、27ページですけれども、どのような患者を積極的に受け入れたいですかと言 ったところ、人工呼吸器とかいろいろありますけれども、私はこのアンケートに答えてい ただいた病院の良識を非常に評価したいところは、重度意識障害という、単に医療区分1 にしかならない患者も積極的に受け入れますよという回答がまいっております。  今度は反対に第3次救急にアンケートをとりまして、29ページ、今後、療養病床との 連携を強める必要を感じていますかと言うと、100%が感じていると。もし、あなたの 地域で急性期病院と療養病床の間に連携システムをつくるとなると、参加しますかと言う と、これも条件付きを入れて、94%が参加したいというふうになっております。  次、31ページ、救急外来患者のうち、療養病床での治療が可能と考えられる疾患を、 救急病院側から選んでくださいと言うと、誤嚥性肺炎、圧迫性の骨折、脱水、尿路感染症 というふうに、ここに書いてあるほとんどの状態が、別に救急でなくても療養病床でちゃ んと治療できるというふうに救急病院側は言っていらっしゃる。  それから、32ページ。このとき、高齢者が誤嚥性肺炎などで救急外来に搬送された場 合はどうするかと。療養病床に入院を受けてくれますかというふうに、どう考えているか というと、そういうふうにしてほしいということでございます。  それから、33ページ、介護保険施設、あるいは、在宅療養中の要介護者から来る場合、 やっぱり療養病床が担ってほしいという方が非常に多い。この中にやっぱり1割程度、療 養病床の人員、設備の点から行うべきでないというふうに思われている第3次救急の先生 方もいらっしゃるということですけれども、これは従来の療養病床が十分な医療機能を発 揮してこなかったという名残ではないかと思います。  そこで、東京と大阪でモデル連携というのをやりました。東京では、この5月から第3 次救急3病院と療養病床41病院で連携をすることにしておりますし、また、35ページ、 大阪では現在10病院と療養病床24病院でやっておりますが、連携実績は昨日現在で約 60例ということで、ミスマッチングな患者さんをとにかく救おうということで、救急外 来にいる間に、これは救急に入院しなくていいということで、コーディネーターに電話が かかってきて、その日のうちに転院したという例も含めまして、従来に比べると非常に短 期間で紹介入院ができていると。  38ページですけれども、このように救急で入院すると1日10万以上かかるものが、 医療療養・介護療養だと1万円ちょっとでいけると。すなわち、この差の9万円というの はミスマッチングなのではないかと。というのは、救急病院側もあのような状態は療養病 床で十分治療していただけるというふうに思っていらっしゃいます。  次のページ、地域連携ということで、療養病床は、先ほどの調査にありましたように、 地域、自宅から入院する場合と、急性期病院から紹介される場合と、両方あると思います けれども、そのための機能分化というのをきちっとするためにやらなければいけないとい うことで、在宅療養支援診療所の支援病院として、地域のいろんなケアミックスの病院が 頑張らないといけないということで、我々のところでは常に2床を開放しておりまして、 在宅療養から来た患者さんを主治医がオープン形式で見られるようにしております。  本年の4月に医療療養病床に関するアンケートを行っております。病床数はそのとおり ですけれども、次の43ページを見ていただきますと、医療療養病床に昨年の10月から この3月までの6カ月間でどういうふう患者さんが入っていらっしゃいますかというと、 医療区分2、3が71.4%ということになっております。そのうち、医療区分3のうち の3項目以上合併している患者さん、医療区分2のうち項目が3つ以上合併している患者 さんというのが、割合少ないですが、いらっしゃいます。  これらのことにつきましては、実は前回、前々回のこの会で、前会長の木下が、1つの 該当項目よりも複数の該当項目があるほうが手間がかかるのではないかというふうに主張 いたしまして、1分間タイムスタディーをしたところ、それほどの差がなかったというこ とで却下になったということを聞いておりますけれども、これはだれが考えても、人工呼 吸器にしろ、気管切開にしろ、中心静脈栄養にしろ、いろんなものが重なれば単独のもの より手間がかかるのは当たり前の話なんですけれども、1分間タイムスタディーをすると 変わらない。ということは、本当はやっていなければいけないところをやってなかったの ではないかと。やってなかったのを、結果として必要ないというふうに断定するこの1分 間タイムスタディーの結果を優先するというのも、少しおかしいのではないかというふう に思っております。  退院先としては、在宅にも、また特養にもたくさん帰っておりまして、また、逆に言う と死亡退院も36.7%ということで、急性期病院から治療後に送られてきた患者さんで 悪化して亡くなる方もけっこう多いということです。  転帰でございますけれども、45ページでまとめてありますけれども、退院された方は、 入院時1.88、これは医療区分1、2、3とございますので、ADLを抜かしまして、 1、2、3として、これを、1カ月の間に1で入った方が途中悪くなって熱が出るという ことはありますから、1、1、2、2、2、3、3、3、また1に変わったりすることで、 1カ月間の医療区分を平均しております。入院したときにこの状態であった者が、退院で きたときにはかなりよくなっていると。継続中の方はほとんど変わらないと。死亡の方は 確実に悪くなっている。  これをグラフ化したのが46ページ。このように赤でかいてあるのは死亡患者ですけれ ども、これは入院時、何カ月後に亡くなったかということで図表しております。よくなっ ている方はブルーですけれども、確実に多いと。ただ、医療区分3で入ってもよくなって 退院する人もいれば、医療区分1で入っても途中で悪くなって死亡する人もいますから、 このようにうまくいっている場合とは限りませんので、次の47ページ、48ページ、4 9ページにそれを個別表示しております。このように、医療区分1で入っても亡くなって いる方、亡くなるというか、3になっている人もいれば、3で入院してもよくなっている 人もいるということで、こういうこと全部を平均すると、あのように見事な傾向が見られ ております。  50ページはアンケートですから、御自由に見ていただいたらいいんですけれども、こ の中に、医療区分1の適正化が必要であるとか、医療区分の基準があいまいであるとか、 現場の先生方からいろんな御意見は当然あると思います。  それから、次に51ページ、チーム医療の評価として、ここに書いてありますように、 医師と看護師の数によって決められておりますけれども、厚生労働省がコメディカルの資 格をたくさんつくったわけですから、病棟にコメディカルを入れたほうがいいのではない かと思っております。という勧めということで、しかし、これが診療報酬に全然反映され ていないということでございます。  53ページですけれども、このような患者さんですけれども、雇用をしている職種とい うことで、医師はのけて考えてみますと、100ベッド当たり理学療法士、作業療法士を 含めてたくさんのコメディカルを雇用しているということです。  55ページには、どの病床種別においても、50%以上の病棟にコメディカル職員が配 置されているということです。  職員配置の実数としては、ここに書いてございますように、薬剤師は療養病床のほうが 一般病床よりもたくさん病棟に関与している。臨床検査技師も意外や20.4%も関与し ている。管理栄養士も一般病床に比べますと多い。一般病床といっても、療養病床の中、 病院全体のケアミックスの中での一般病床ということでございますけれども、このように 医療クラークも一般病床より非常にたくさん配置しているということで、いかに医療療養 にいろんな人の手間が要るかということです。  57ページも、兼任としてされていますが、やはりリハスタッフ、薬剤師、栄養士、そ れから、チーム医療でリーダーを担うというのは、医師、看護師以外は、このように薬剤 師さんとか理学療法士さんとか管理栄養士さんという方も入っております。  ということで、59ページは、看護・介護の負担軽減につながる職種としてどういうも のが欲しいかということを看護婦さんに聞いてみますと、医療クラーク、理学療法士、薬 剤師、作業療法士というふうなことになっております。  いろんな会議がございますけれども、ここにもいろんなコメディカルが参加しておりま して、61ページのようになっております。また、62ページも同様でございます。  最後に、63ページですけれども、病棟看護業務の効率化のために、薬剤師への薬剤管 理、病棟クラークへの書類管理ですね。病棟クラークは一般病床で20年度で点数がつき ましたけれども、実は療養病床のほうがずっと早く、もっとたくさん医療クラークを採用 しているということが分かりました。  以上でございます。ありがとうございました。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  あまり時間はございませんけれども、御質問などございましたらどうぞ。  まず、この中で幾つか分析あるいはデータの提出を御要望されたことがありますけれど も、これについて事務局の対応はできるかどうか、伺ってよろしいでしょうね。いかがで しょうか。 ○佐々木課長補佐  幾つかこの中に宿題といいますか、御要望があると思うのですが、可能なものにつきま しては、次回以降、データを出せるものは出させていただきますが、どの程度できるかを 含めまして、ちょっと検討させていただきます。 ○池上分科会長  それでは、次回以降、可能なものから順次お願いいたします。 ○武久委員  それでは、これを踏まえて、また次期改定に要望をしたいことにつきましては、いろん なデータを踏まえた上で、何のデータもなしに、これくれ、あれくれということは一切言 えませんので、この調査結果等を踏まえて、また次回以降にこちらも提出させていただき ます。 ○池上分科会長  ほかに何かございますか。  すみません、ちょっと時間の関係で、またここに戻ることもあり得ますけれども、最後 に報告書の一応の御報告を伺いたいと存じますので、「患者分類に基づく慢性期入院医療 の質の評価等に関する調査研究」につきまして、御説明をお願いいたします。 ○椎名委員  健保連は、従来から慢性期入院医療の調査研究をずっとやってきているわけですが、特 にアメリカで開発されたRUGIII、これは御承知のようにナーシングホームにおけるメデ ィケア等の支払いに活用されている患者分類になるわけですけれども、このRUGIIIなど を中心とした調査研究を行ってきまして、調査結果を平成15年6月の中医協基本問題小 委員会に紹介させていただきました。その後、この調査専門組織がスタートし、この分科 会におきましては、平成15年7月と平成16年7月に、日本版RUG分類などを報告し、 分科会の検討資料に採用させていただきました。  先ほども申し上げましたように、18年度から患者分類による包括評価が実施されてい るわけですが、平成20年度改定で医療ケアの評価表、つまりQIと治療ケアの確認リス トが導入され、また、酸素療法などの医療区分の基準が一部変更されたところであります。  今日御紹介いたします調査研究は、そのような治療ケアの質の評価が医療の現場で一体 どうなっているのか、また、改善への取り組みがどのように行われているのかなどを調査 したものでございます。  報告書本体のほうをお開きいただきたいのですけれども、ページは打っていないんです けれども、目次と、はじめにの後のページにありますように、慶応大学の池上教授を座長 に委員会を設置しまして検討を行いました。  この報告書の1ページをごらんいただきたいと思います。調査研究の説明に入る前に、 まず、先ほど来申し上げている20年度改定で導入されたQIとは一体何かということで すけれども、1ページの図表1−1にありますように、病棟単位で、褥瘡、ADL低下、 尿路感染、身体抑制の患者さんを集計して算出するものでございます。  また、確認リストというのがありまして、これは、その次の2ページの図1−2にあり ますように、該当する個々の患者さんのチェックリストというものでございます。  それで、調査の概要でございますが、お手元の3枚ペラに基づいて説明させていただき ます。この3枚ペラの2ページにありますように、調査は大きく2つありまして、1つは 左側のもので、QIに着目したケアの改善を図るというモデル事業、もう1つは右側のQ Iなどの導入と医療区分の基準変更への対応、そういったものを見る訪問調査でございま す。  まず、1つ目のモデル事業でございますが、御協力いただいた2つの病院の現場に看護 士さんの資格を持つ調査コーディネーター、こういった方が現場に入って、職員とともに 選定したQIについてケアを標準化いたします。その後、質の改善を図る体制をいろいろ 構築して、必要があれば記録などを改めて、コーディネーターが関与した後のケアの改善 を評価するものでございます。  2つ目の訪問調査は、全日病さんの御協力によりまして、全国の8病院に先ほどの調査 コーディネーターが訪問して、医師や看護師長さんにインタビューして、記録の確認を行 いまして、QIと確認リストの活用とか、あるいは医療区分の基準変更への対応などを検 証するものでございます。  この2つの調査研究は、今申し上げましたように密接に関連いたしますため、結果と課 題を総括という形でまとめてみますと、2ページの下のほうにありますように、総括は3 点に集約されました。  まず1点目でございますが、現場では、今回のQIと確認リストは保険請求に必要な書 類が増えたとしか認識されておらず、残念ながら質の評価や改善に結びついていないとい うことでございます。  2つ目は、モデル事業で明らかになったこととして、職員に対する目的意識の明確化と か、記録などの改善などによって質の向上を図ることができるということが示唆されます。  3つ目は、QIの値を病院単位で比較できるようになれば、職員の質向上のモチベーシ ョンを高める可能性があるということでございます。  以上、簡単でございますが、健保連の20年度調査研究の概要を紹介させていただきま した。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  これについての御質問。武久委員、どうぞ。 ○武久委員  20年度からこの項目が入ってまいりまして、これを必ず記載して病棟に置いておくこ とという、いわゆる縛りができました。当然その手間は、今、椎名委員がおっしゃったよ うに、現場で非常にかかります、確かに。それについて、当会と慢性期医療協会の診療の 質委員会で、実は昨年の8月かな、9月かな、から継続的に大量の資料を蓄積して統計を とっております。端的にどうなったかこうなったかということではなしに、資料として当 協会にありますので、もしも御希望がございましたら、担当新委員長に聞きまして、提出 することもやぶさかではありません。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  先ほど医療課で行ったQIの値は非常に少ない病院の結果しか出ていないですので、こ れは分科会長としても、事務局からもお願いしたいと存じます。 ○武久委員  それでは、委員長に聞いてまた後ほど返事させていただきます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  ほかに何かございますか。 ○猪口委員  今回の結果等を見させていただきますと、18年の結果とそんなに大きく変わってはい ないのだろうなと。18年の結果というのは、19年の年明けてバタバタでやっている結 果なのですね。18年改定で医療療養がああいうふうな形で医療区分が入りましたから、 それが実施されたのは10月のはずなので、本当にごく短期間の間に、多分医療療養の方 たちはかなり病院の運営とか、特にとる患者さんの層が変化していっているはずなのです。 18年と20年であまり大きく差がないということは、もうここはかなり確立されている のだろうなと。  多くの急性期の病院から聞いても、かなり今までは、いやうちは無理だという重症の患 者さんを受けるようになったというのも確実でありまして、先ほど武久先生のほうも、救 命センターまで含めて、ある程度病状の安定を見たときにそれを医療療養が受けてくれる ということで、かなり急性期のほうの流れがよくなってきているということはありますの で、これはこれである程度もう、医療療養の状態というのは確立したと考えれば、あまり 早急にここをまたいじると、何万床という数の行動様式が動いちゃうので、ここはあまり 早急にちょっとしたデータでいじるべきではないなというふうに、さっきから聞いて感じ ています。  それで、大体、特に医療区分3の人たちのデータを見ると、胃瘻と中心静脈栄養、もし くは末梢静脈の点滴等でもう8割を超えているというような像があって、胃瘻とか経管栄 養だけですと、本来は医療区分1なのですけれども、それプラスさまざまな状況が合わさ って医療区分2になり3になりということが、で、そういう手のかかる人たちを見ている ということは間違いないので、これはこれで、今までこの分科会をやってきた意味はこれ であるのではないかなというような気がします。  ただ、その先の武久先生が言われている大きい医療提供体制についてはまだまだ議論が 必要で、特に先ほどお金で10万円と1万円という話をしましたけれども、救命センター はそれだけの医療と大変なことを請け負っているから10万円なのであって、同じ人を見 て10万円なわけではないわけですから、ああいう単純比較はちょっと危険だろうと。た だ、流れとしてはできつつあるのだというような気がします。  ですから、ここから先は、ぜひ事務局にお願いしたいのは、この分科会は今回どういう 議論をしていくのか。また、来春に向けて何か思い切った制度改革をするのかどうかとい うのはある程度、むしろ私はあまり大きい制度改革はしなくていいだろうと思う。18年、 20年を見て、これだけ安定したデータが出てきているのですから、大きい制度改革は逆 に必要ないだろうなというふうに思います。今これをやってしまうと、また24年には介 護療養のほうの廃止という話がもう来ているわけですから、それに向けて、できればもっ と大きい議論をぜひどこかで、医療も介護も含めて慢性期に関しての、どこがどういうも のを受け持っていくのかというような大きい議論が今は一番必要なのだろうと思います。 小さいことで何かいじることによって、また療養病床もしくは一般病床等が、がたがたこ こで動くのはとても危険だなという気がします。ですから、ぜひその辺をお願いしたいと 思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  この分科会で何を議論すべきかということは、私が前回、基本小委からどのような付託 を受けるかで、こういう要望があったということは、事務局を介して基本小委のほうには お伝えしております。 ○佐々木課長補佐  今の会長の御発言の関連で、1点御報告をさせていただきます。  実は、5月27日の第1回目のこの慢性期分科会におきまして、この分科会のほうでど ういう範囲で議論するのかということで一度、基本問題小委のほうで検討してもらうべき ではないかというような御発言がありましたので、実は昨日、中医協がございまして、基 本問題小委の中で医療課長のほうから、要するに慢性期分科会のほうで所掌といいますか、 検討すべき範囲について御提案があると。次回以降の中医協の基本問題小委におきまして 池上分科会長に御出席いただいて、慢性期分科会においてどういう範囲を検討していただ くかということについて御議論いただきたいと思いますという形で御報告をしております ので、またどういう形で御報告するかにつきましては、今日も含めまして、御議論を踏ま えて、基本問題小委で御議論いただくという手はずになっていると。  ちょっと御報告が遅れましたが、以上、御報告でございます。 ○武久委員  先ほど猪口先生おっしゃったのですけれども、ミスマッチングな高度急性期救急病院に 行かなくていい患者がいってしまうとあれだけかかるということを言っているだけであっ て、別に、当然、もっと私は高度急性期病院のほうが10万円ではなくて15万円にする べきだと思っていますよ。だけど、1万1,000円ぐらいで治療できる患者さんがあそ こへ行くと、ミスマッチングでコストがもったいないじゃないかと言っているだけのこと です。  もう一つ、佐々木補佐からも前回のときに話が出ましたように、一般病床の中に私もい ましたけれども、特定患者として90日以上の脳卒中患者がいると。これが医療区分で言 うと、医療区分1か2か知りませんけれども、医療療養に入っている患者さんとほとんど よく似た患者さんが違う病床種別にいることによって、片や包括制、片や出来高、これは おかしいのではないかと。これは医療療養の中ではある程度、猪口委員おっしゃったよう に、だんだんこの制度は成熟してきているというのは分かりますけれども、老健協の川合 さんじゃいないけれども、いわゆるダブルスタンダードの最たるものであって、同じよう な患者が違うところにいると診療報酬体系は全然違うと。これはやっぱり是正してしかる べきものであって、今回の22年改定で行うべきか、それともこの改定のことは別として、 先ほど佐々木補佐がおっしゃったように、中医協でこういう大きな慢性期高齢者の患者さ んの体制とか仕組みをどういうふうにやって、今後どう考えていくかということを、24 年改定に向けてこの分科会で長い議論を行うべきだということを、私は前回も提案したわ けでございます。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○猪口委員  そのようなところもあるかと思いますが、もう一つ、医療療養の中にも、先ほどのデー タからは、介護施設のほうに転院ができるのだけれども、空きがないから転院できないと いう数も相当多く出ている。ここら辺も非常に重要な問題で、今、終身利用という言葉が 正しいかどうかは別にして、どっちにして在宅復帰という率はかなり低いので、終身利用 の場合にどういうところが一番適しているかという議論が必要で、そうすると、ひょっと すると、先ほど武久先生言われたように、これから高齢者が増えていく中で介護施設その ものの数が全く不足していて、そのために医療療養から転院させることができないという ことが、けっこう現実高いはずなのです。  だとすると、そこら辺の在り方も非常に重要なので、ですから、この間も言ったのです けれども、医療療養だけとってこの中がどうかという議論と、今言ったように一般とこっ ちの介護を見て、そこの全体量とか動かし方とか、それぞれの役割とかということも考え ないと、なかなかここの医療療養だけで議論していても、逆にこれはこれでデータとして はこの2年間落ちついているぞというのを今日示したような気がしますので、この先はも っと大きい役割分担の話かなという気がします。 ○椎名委員  今の猪口委員の御発言に全く賛成です。つまり、そういった介護も含めて、あるいは急 性期以外の一般病床に似たような患者さんが前からいると、健保連の調査等でも出ている のですね。ですから、同じスケールで実際どういう患者さんが今日的に入っているか、同 じスケールをあててみて、現状を確認してから、支払い方式も含めて議論する必要がある と思います。 ○池上分科会長  どうぞ。 ○三上委員  同じようなことなのですけれども、一般病床にも当然、療養病床が適した患者さんが入 っておられることは事実です。一方で、今度は介護療養がなくなるということで、介護療 養型医療施設の中には本当に医療が必要な方が行き場所がなくなる可能性もありますので、 介護保険施設の中にも、療養病床で療養するのが適切だと言われる方もかなりおられると。 現在、特養でも、あるいは在宅でも、医行為をどうするかという話が議論になっていると ころなので、そういったことも含めて広く療養病床の対象になる、慢性期の対象になる方 がどれぐらいいらっしゃるかということを調査していただきたいと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。  御意見として承ったのは、医療療養を挟む両側ですね。つまり、一般病床のほうと、そ れから介護保険施設のほうと、それについても調べる必要がある。できれば同じスケール で調べる必要がある。それがこの分科会で行うか、あるいは、どこまで行うかということ は、基本小委で決めていただく必要があるということは、前回の繰り返しですけれども、 改めて申します。  それから、椎名委員から御報告があったとおり、医療療養について、確かに安定化して いるけれども、質の問題というのは20年度改定において1つの着眼点として導入された けれども、今後、この医療療養についてどうそれを検証していくかということは、また別 の課題として残っているのではないかと思います。  申しわけありませんが、そろそろ時間となってきまして、次回以降、またコスト調査を はじめとした医療課としての調査の報告がございますけれども、その全容がないとなかな か踏み込んだ議論はできないかと存じますので、今回の調査結果について武久委員から追 加の分析の御要望、あるいはデータの要望、あるいはデータの御提供というお話もあった ので、それを次回以降、また検討させていただいて意見をまとめたいと存じます。  そういうことでよろしゅうございますか。  それでは、大変恐縮でございますが、本日の議論は以上とさせていただきます。  事務局から連絡などございますか。 ○佐々木課長補佐  次回の開催につきましては、今、調整中というか、未定でございますので、正式な日程 が決まり次第、追って事務局から御連絡させていただきます。 ○池上分科会長  それでは、平成21年度第2回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査 分科会を終了させていただきます。  本日はお忙しい中ありがとうございました。 午前11時56分 閉会 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内3298)