09/06/04 第6回社会福祉施設等調査、介護サービス・施設事業所調査及び就労条件総合調査の評価に関する検討会議事録 第6回 社会福祉施設等調査、介護サービス施設・事業 所調査及び就労条件総合調査の評価に関する検討会  議事録 1 日  時  平成21年6月4日(木) 10:00〜11:27   2 場  所  厚生労働省17階専用第21会議室 3 出席者 (委員)          廣松座長、今田委員、西郷委員、篠原委員 (五十音順、敬称略)        (事務局)          高原統計情報部長、内野企画課長、柳澤統計企画調整室長、 篠原社会統計課長、白井社会統計課長補佐、越路社会統計課長補佐、 三村社会統計課長補佐、小玉賃金福祉統計課長、          秋山賃金福祉統計課長補佐、渡邊賃金福祉統計課長補佐、          武田統計専門官、小此木統計企画調整室長補佐、          小貫統計業務民間委託管理専門官 4 議  題   (1)平成20年度 民間競争入札実施事業 社会福祉施設等調査、介護サービス施設・      事業所調査の実施状況について   (2)平成20年度 民間競争入札実施事業 就労条件総合調査の実施状況について   (3)その他 5 議  事 ○小貫統計業務民間委託管理専門官 それでは、定刻になりましたので、議事進行を廣松座 長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○廣松座長 それでは、ただいまより第6回社会福祉施設等調査、介護サービス施設・事業 所調査及び就労条件総合調査の評価に関する検討会を開催いたしたいと思います。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき誠にありがとうございます。  なお、本日の議事につきましては公開とし、議事録につきましても後日ホームページに掲 載させていただきたいと思います。  それでは、早速、議事に入りたいと思います。お手元の議事次第にございますとおり、1 つ目の議事は平成20年度民間競争入札実施事業、社会福祉施設等調査、介護サービス施設・ 事業所調査の実施状況についてです。まず、この件につきまして、事務局より説明をお願い いたします。 ○篠原社会統計課長 社会統計課長の篠原でございます。よろしくお願いします。  お手元の資料1に沿って御説明させていただきます。平成20年度民間競争入札実施事業 で社会福祉施設等調査と介護サービス施設・事業所調査の2つの調査を一括して実施いたし ております。  事業の概要でございますが、2つの調査について、平成20年度につきましては地方自治 体に委託する部分と国が直轄で調査を実施する部分とあるのですけれども、国が直轄で実施 する部分、直轄の郵送調査部分につきまして調査票等の送付、督促、照会対応、個票審査に ついて委託し、かつ、調査対象名簿の作成、調査票の回収・受付、データ入力。データ入力 等に関しましては、地方自治体を通じて調査票の配付をしていただいた部分を含めてですけ れども、その部分について委託をいたしております。  委託業務の期間は、平成20年7月14日から昨年度末の平成21年3月31日まででござ います。  受託した民間事業者は、アクセンチュア株式会社でございます。  続きまして、確保すべき質の達成状況及び評価でございます。まず、調査の客体件数と回 収数でございますが、平成21年1月29日までの調査客体数及び回収数を表に示しており ます。障害福祉サービス等の事業所票につきましては、調査客体数2万3,978に対し、回収 が1万8,234。居宅サービス事業所(福祉関係)票につきましては、客体数3万4,349に対 し、回収数2万5,691。地域密着型サービス事業所票につきましては、客体数が1,112に対 し、回収数が952。いずれも国直轄の郵送調査分の調査票の数でございます。  これを比率にいたしますと回収率ということで、2ページで平成19年度の実績値と比較 しております。実施要項上この調査は全数調査でございまして、目標とする回収率は100% と記載してございました。ただし、平成19年の実績値は上回っていただきたいということ を記載してございまして、その平成19年の実績値と平成20年の実績値を比較したものが その表でございます。  障害福祉サービス等事業所票につきまして、平成19年の実績値が78.3%であるのに対し、 平成20年は76.0%。居宅サービス事業所(福祉関係)票は平成19年の実績値が75.6%で あるのに対し、平成20年は74.8%。地域密着型サービス事業所票につきましては平成19 年が84.1%に対し、平成20年は85.6%となっております。  したがいまして、地域密着型サービス事業所票の回収率では平成19年の実績値を達成す ることができております。また、障害福祉サービス等事業所票と居宅サービス事業所(福祉 関係)票につきましては、平成19年の実績値を下回っておりますけれども、平成19年の 実績値にほぼ近い数値を確保したということでございます。  回収率の推移をあとのグラフに示しております。2〜3ページを広げて一緒に見ていただ くと、それぞれの傾向がわかりやすいかと思いますが、3調査とも葉書による督促開始とい うのが10月10日、調査票の提出期限が10月20日となっておりまして、提出期限前の葉 書による督促を開始して、提出期限時点では平成19年の実績値を上回っておりました。そ の後、電話の督促の開始がウの地域密着型サービス事業所票に関しては10月30日という ことで比較的早くスタートしております。あとの2つ、障害福祉サービス等事業所票と居宅 サービス事業所(福祉関係)票につきましては、電話による督促開始が11月下旬、21日な いし26日からスタートしたということで、その後の督促の後、最終的な数字に至るまでの 伸び方に若干の差異が見られているというのが、このグラフでおわかりいただけるかと思い ます。  4ページにまいります。先ほども申し上げましたけれども、民間事業者から提案がござい ました創意工夫ということで、回収率向上のため提出期限よりも前に、葉書によるお礼状を 兼ねた督促状を送付しております。平成19年に国がやった時は期限後に督促状を送付する という形でございました。したがいまして、調査票提出期限時点での回収率は平成19年実 績値を大幅に上回っているということでございました。  ただ、その後、回収率が伸び悩みまして、結果としては2つの調査票につきましては前年 の回収率を若干下回ったということになりまして、その原因としてはやはり電話による督促 の準備体制不足による着手の遅れであると民間事業者から報告をいただいております。  枠の中が民間事業者の事業報告書からの抜粋ですけれども、その理由が書いてあります。 弊社側の準備体制不備のため、督促の本格開始が11月となって、対象事業所内において調 査そのものについての認識が薄れてしまっていることや、対象事業所内において調査票の紛 失等が数多く発生し、督促の効果が発揮できなかったと認識しているということでございま す。  また、これも民間事業者の提案ということで、オンラインでの回収も実施しております。 オンラインでの回答率は約7.8%でありまして、ある程度の効果はありました。紙の調査票 はプレプリントデータで最初から事業所名等が入っていたりするのですけれども、オンライ ンの方は今回はそうではなかったと。自ら打ち込まなければいけなかったというスタイルに なっていたので、オンラインの方でもそういう工夫がもしできるのであれば、もう少し利用 が増えたかもしれないということでございます。  今回、市場化テストということで民間事業者の創意工夫を尊重するという姿勢をとりまし て、調査票を受け付けて審査して、それからデータ入力というのが従来のやり方だったので すが、今回は調査票の枚数確認と、日付ごとの調査票管理という受付だけをやって、すぐに 調査票データを入力すると。その後、入力データを用いて審査という手順をとりたいといっ た民間事業者側の提案がありましたので、今回の調査につきましてはこのような手順をとっ ております。  電話の督促業務は、その入力済みデータを用いて督促対象客体を抽出するというやり方に なっておりました。実際のところ、受付、データ入力の作業実施体制の不備がありまして、 その結果、電話による督促開始も11月下旬に入ってしまったということで、スケジュール 的にもすべてに督促をかけるということが難しくなりまして、結果として未回収調査票のう ち障害福祉サービス等事業所票については2割弱、居宅サービス事業所(福祉関係)票につ いては1割弱の督促数にとどまったということでございます。電話の督促ができたところに ついては3割弱、約29%を回収しているということでございます。  したがいまして、早い段階から督促を架けていれば、ひょっとしたら前年実績値を上回る 可能性はあったのではないかということでございます。  3番目に、問い合わせ・苦情照会対応の関係でございます。調査客体からの問い合わせ・ 苦情対応の期間ですけれども、調査票の送付を開始した平成20年9月8日から平成21年 2月27日まで119日間やっております。基本的には平日の9時半から18時ということで ございまして、実績ですけれども、問い合わせ・苦情対応件数は4,582件。平成19年実績、 国が実施したものですが、3,484件と比較して約1.3倍の増加ということでございます。  主な問い合わせ等の内容は、やはり調査票の記入の仕方の関係が2,409件、全体の52.6% と大部分を占めております。御意見・苦情も71件あったのですけれども、民間委託に関す る苦情というのは無かったということでございます。  今回の業務は調査対象の名簿を作っていただいたのですが、その業務期間は7月15日か ら8月半ばまでと書いてありますけれども、当初できれば7月1日ぐらいに開札したかった のですが、7月14日ということで調査対象名簿を作成する期間、作業できる期間が短くな ったのですけれども、非常によくやっていただいたと考えております。国としても調査対象 名簿作成の仕様の一部はあらかじめ行うというように配慮はいたしまして、これも民間事業 者の創意工夫ですけれども、今回の業務で送付する調査票の種類は6ページの一覧で国直轄 分と記述されているものですが、これをそれぞれ事業所あてに、この中からいろいろ組み合 わせて封入して送付するというところで、その組み付けをしやすくするための独自のKEY を付与するという工夫で、送付業務が2週間の予定のところを1週間で完了したということ でございます。  6ページが、実際に名簿に出てきた件数それぞれについての数をお示ししてございます。  続きまして、7ページが実施経費の状況及び評価という点についてでございます。今回の 民間事業者からの報告によりますと、実際の実施経費は表にお示ししたとおりでございます。 各欄は税抜き前の金額でして、税抜き前の金額をすべて出すと契約額で言うと4,200万円、 実施経費が9,900万円ほどということになっております。  中を見ていただくと、物件費につきましては実施経費と契約額に余り大きな差はないので すが、人件費と再委託費について大きく乖離があります。  その主な要因、人件費については契約額950万円が実施経費で5,050万円ぐらいになっ ております。この主な要因としては再委託先の業者が契約時より増えたということで、それ に伴う契約でありますとか、再委託先の業者とのやりとりその他が増えまして、結果として 人件費が増えた、それから、再委託費も増えたという報告を受けております。  再委託先につきまして、企画書の段階では1社ということだったのですけれども、その後、 当方と詳細を詰める過程におきまして再委託先の追加の申し出があって、審査の上、必要性 を認めて承認したと。最終的に9社ということになりました。これは実施要項上も再委託先 というのは厚生労働省の承認を受ければ追加ができるということになっております。  民間事業者からの報告によりますと、実施経費が合計で税込みですけれども1億360万 円ほどになって、契約額を大きく上回る結果になっております。人件費及び再委託費が大幅 に乖離しておりますけれども、その要因としては委託先業者数が想定より増加したため、管 理工数、調整工数が想定より増加し、人件費が予定より上回ったと。また、委託先業者が増 加したため、再委託費が予定より上回ったということでございます。  平成21年度については、受託業務についてできるだけ齟齬のないような調整をして、連 絡を密にしながら、この関係で手間がかかったがゆえに人件費が増えたということですので、 そういうことのないように実施いたしたいと考えております。  8ページです。各事業の主な実施状況についてでございます。  まず、それぞれについての状況ですけれども、実績の人員関係は、まず調査対象名簿の作 成については121.9人日ということになっております。すべてフルタイム換算です。それ から、いわゆるコールセンターの関係、問い合わせ・苦情対応、照会、督促状況ですけれど も、延べ714.5人日ということになっております。  2番の督促の状況でございます。督促は、葉書と電話とあります。葉書の方が平成20年 10月10日、お礼状を兼ねた督促状の発送を実施しております。それから、督促業務の期間 としては平成20年10月30日、これは地域密着型サービス事業所票がスタートし、平成20 年12月22日まで平日36日間電話の督促を実施したということでございます。  葉書の枚数等でございますけれども、10月10日で6万754客体に葉書の督促を行って います。電話の督促は2,378客体ということでございます。  その結果、紛失ということで再送付を行ったのは233客体、回収したのが682客体、28.7% ということでございます。  そこに調査票ごとの督促、再送付、受付の件数を書いてございます。  月別には、10月30日からスタートしておりまして、11月下旬になってから障害福祉サ ービス、それから、居宅サービスの関係がスタートしておりますので、12月が一番多くな っております。  電話督促の関係でアンケート調査を国で実施いたしております。90の調査客体について 51の有効回答をいただいております。詳細は別紙1ということで11ページにございますけ れども、調査票の記入についてちょっと軽視していると受け取られるような発言が3客体か らあったということですが、オペレーターの応対態度、説明内容につきましては特に問題な く、督促については概ね良好に行われたのではないかと評価しております。  続きまして、疑義照会の状況でございます。障害福祉サービス等事業所票で1万8,234、 居宅サービス事業所(福祉関係)票で2万5,691、地域密着型サービス事業所票で952を審 査して、疑義照会を以下のとおり実施いたしております。照会業務期間は昨年12月5日か ら本年2月13日までの46日間です。照会件数はそれぞれ、障害福祉サービス等事業所票 で1,866、居宅サービス事業所(福祉関係)票で1,737、地域密着型サービス事業所票で50 ということでございます。  10ページにまいりまして、照会に対しての調査客体は3,653件、回収調査票の約8%と いうことでございまして、平成19年の実績と比較すると約1.2倍の増加ということになっ ております。また、再照会を行った調査客体は248件で、照会件数の累計が3,901件とな ってございます。  照会結果ですけれども、照会した全数のうち約8割については確認がとれておりますが、 照会の時期が遅かったのか約2割は確認がとれておりません。その主な理由は、不在である とか調査拒否といったことでございます。その2割の取扱いにつきましては現在、国の方で データの確認中でございます。最終的に不明の場合は不詳の取扱いということにいたします。  最後、4番、データ入力の状況でございますけれども、データ入力自体はデータ入力指示 書を対応いたしておりまして、ベリファイ方式で回答結果を入力いたしております。業務実 施期間は昨年10月1日から本年2月4日にかけてということでございます。  以上、社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査の実施状況についでござい ます。 ○廣松座長 ありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明に関しまして、御意見・御質問ございますれば御発言いただ きたいと思います。委員の先生方いかがでしょうか。 ○篠原委員 まず、契約金額が倍かかったということでお伺いしたいんですが、最初から 我々が想定していたのは、それほど統計調査に経験のあるところではないから、ある程度時 間がかかるかなという気がしていたのですが、契約側はこの時間で十分ノウハウを蓄積して、 翌年度から頑張るような時間をかけたという感想というか、その辺は聞かれているのでしょ うか。 ○篠原社会統計課長 人件費が増えたことの要因は、7ページに記載しているとおりでござ いまして、再委託先の関係で、増やしたというのではなくて増えてしまったというところで あると伺っております。再委託先が増えた要因なのですけれども、最初の1社というのは、 仕様書が分厚いものだったので、その仕様書を読み込まないといけない。読み込む過程で具 体的にだんだん再委託先の要件というのがわかってくるだろうということで、確実なところ だけは最初の企画書に記しておいて、その上で国と調整しながら再委託先を追加していくと いったスタイルでございまして、そういった中で国との協議もありました。それから、再委 託先との協議もありますし、契約した後はいろいろ指導・監督、その他もしなければならな い。再委託先は、必ずしも東京ではありませんで遠隔地のものもありましたので、そういっ たところで人件費の計算が増えていったのかなというところです。 ○篠原委員 次に、問い合わせ・苦情対応が1.3倍増加したというこの分析を見ると、従来 と変わらなかったという感じを受けるのですが、やはり3割増しになったという、調査票が 細かくなったか何か、何らかの分析はないのでしょうか。 ○篠原社会統計課長 調査票自身はそんなに変わっていないので、この辺も当方としても増 えた要因をいろいろ考えたり、それから、業者からも話を聞いたりしているのですけれども、 どうも明確なものは出てこない。確証があって言えるものではないのですが、やはり民間事 業者ということになってかけやすくなったのではないかというのが1つあります。それから、 もう一つは、平成20年の特殊事情ということになると思うのですけれども、自治体サイド から流しているものと、今回国直轄のものを民間委託に振り替えたという二通りの調査系統 がございまして、もう一つの自治体経由の調査系統からもひょっとしたらこっちに入ってい る可能性があります。それはフリーダイヤルですので、役所に電話すればフリーダイヤルで はないので、そういったところもあるのかな。ただ、これはデータとしてはっきりしている わけではないのですけれども、そういったところで3割ぐらい増えたのかなと考えておりま す。 ○廣松座長 ほかにいかがでしょうか。 ○西郷委員 1点だけ伺わせていただきます。資料1の4ページで、審査のやり方が従来と 違っていたという御説明がございました。従来は調査票を見ながら審査するという感じだっ たのが、先に入力したデータで調査内容の審査を行うと伺ったのですけれども、これで特に 齟齬はなかったという理解でよろしいですか。例えば、調査票に何かわからない文字が書い てあったというときに、それをどうやって磁気媒体に反映させるんだろうか。私のイメージ ですと調査票の審査というと、調査票に基づいて行うというイメージだったので、そこをタ イミングを切り分けるということが可能なのかどうか、支障がなかったのかどうかというこ とについて御説明いただければと思います。 ○越路社会統計課長補佐 今の御質問に対してですけれども、不明な箇所については9で埋 めてもらうことにしていただいて、それはデータを我々の方で受け取ってから、調査票を確 認して、正しく入れられるものであれば直すというような方法をとりました。 ○西郷委員 では、入力の段階である程度の審査が行われていたというようなイメージでよ ろしいわけですか。疑義照会とか、そういう。 ○越路社会統計課長補佐 入力の段階ではそういうことはございませんで、あくまでデータ を業者さんのチェックプログラムによって疑義照会の件数をはじいて、それを抽出するとい う方法でやっております。 ○西郷委員 わかりました、ありがとうございます。 ○今田委員 さっき篠原委員からの質問にもあったのですが、契約額と実施経費との間のも のすごく大きな乖離があって非常に気になるのですが。これは実際にこれだけの経費がかか ったということですよね。入札のときには経費も調査内容に関する質的な問題も十分検討は しますが、やはり経費は選定に当たっての大きな要因になる。そう考えますと、これだけ乖 離があるというのをどう考えていいのか。これはかなり問題だなと思うんですけれども。い ろいろ原因がコメントされていたわけですが、原因を分析して今後どうするのかということ について、どういうふうにお考えなんでしょうか。 ○篠原社会統計課長 経費が膨れた点で大きいのは圧倒的に人件費です。1億円ぐらいかか っていますけれども、結果的には5,000万円が人件費だということになって、この人件費の 計算の仕方・内訳は企業秘密の関係なのか教えていただいていないのですけれども、基本的 にはこのぐらいのレベルの方が何時間動けばこういう金額になるという計算ではじいた人 件費だと聞いております。ですから、例えば再委託先が増えました、また、再委託先との話 のために動けば、そのたびに人件費がどんどん時間の関係で増えていくと。  先ほどもお話が出ていましたけれども、受付審査を後回しにして、とりあえず入力をしま しょうというところは、ある意味で従来のやり方とかなり違っている、創意工夫ということ ではあるのですが、その辺も実際に入力するのは再委託先の事業者なので、その辺とのやり とりも相当嵩んだり、あるいは国からの指摘みたいな話を再委託先の事業者に伝えるとか、 多分そういう点がどんどん増えていったのだろうと。この会社は実質、統計調査はそんなに 経験があったというわけではありませんので、そういう意味では、多少試行錯誤的なところ もあったのではないか。そういう意味で膨れていったのだろうと思います。  そういう意味で、ある程度委託が定着して安定してくれば、その辺はかなり再委託先との 行きつ戻りつといったところの経費は大分抑えられるのではないかという感じがしており ます。  ちなみに、平成20年の実施要項で当然、過去の実績というものをお示ししておりまして、 その過去の実績というのは当然国がやったものになるのですけれども、本当は年によって違 うのですが、一番近いところで、かつ、調査票の精密年とか簡易年というところでは、平成 20年は簡易年だったので直近で比較すると5,800万円という数字を出しております。5,800 万円国が実態としてはかかりました。そのうち人件費は1,500万円ぐらいでしたということ でお示ししておりまして、そこについて950万円で入れてきたというのもなかなかなもの ではあるかと思いますけれども、落ち着いてくれば950万円とはいかなくても1,500万円 前後、その込みの人件費と比較してそんなに大きな数字というのは、安定的にきちんと試行 錯誤的なところがなければ収まってくるのではないかと考えておりますし、それ以外のとこ ろ、5,800万円と1,500万円ですから、あと4,000万円ほどが物件費ないし再委託費になる のですけれども、その金額と比べると、この契約額の総額が4,400万円とかなり低めに入っ ているということもありますので、そういうことも考えると、仕様書もよく読んでいただい て、なおかつ国と密接に早め早めに連絡をとっていけば、この経費というのは相当抑えるこ とができる余地があるのではないかと考えております。 ○今田委員 もう少しあえて言うと、問題はやはり再委託というような形で、要するに入札 した調査会社が直接やらないような、再委託するというような間接的な調査体制を許容して いるということで、そういう枠組みがこういう乖離を産んだということが1つの原因だと。 なおかつ、そういう制度だったにもかかわらず、そういうやり方についてのいろいろな起こ り得る諸事情、どんなことが起こるかということについての予測が甘かったというようなこ とがあったと思います。少し実績を積むと落ち着いてくるという御判断なんですが。業務に 関してはなれてくるとある程度はそうだろうと思いますが、今のやり方自体にもかなり問題 があると感じます。無理があるというか。  最初に出した契約額は一体何なのかと。これだけ離れることに関して、仕方がなかったと いうことなのか。今おっしゃったみたいに、まだ準備・経験が不足だから、経験を積むこと によって徐々にこういう乖離は収まっていくというお考えなのかもしれないけれども、本当 にそうなのかと不安に感じます。我々も入札などにかかわった者として、与えられた材料で 点数をつけたりする者として、こんなに乖離があるというのは、やはりやり方に関して収ま るだろうという予測だけではなかなか厳しいのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○篠原社会統計課長 調査の実務というか、物理的なデータ入力とか全部再委託の方に回っ ているので、ここで言うソフト本体の事業者の人件費というのがハンドリング経費ですよね。 安定してくればというのは、ハンドリングも安定するでしょうけれども、再委託先もきっと 安定してくる。今回は特に新しいことをやっているのですよ。特にデータ入力のところで、 先ほどから出ている受付審査とデータ入力でまず入力をしてみるということで、これは多分、 再委託先にしても非常に新しいやり方だったのだろう。その辺でも意思疎通を欠いたような ところがあったのかもしれませんし、そういうことも含めて再委託先の体制までしっかりし てくれば、そういったハンドリングにかかる人件費というのは相当小さくなるのではないか という期待はあります。そういうことで、単になれてくればというだけではなくて、もう少 しやりようがあるのかなと思います。  それから、契約額が低く入ってくるのは、競争入札もあってほかの会社も入札しています ので、ひょっとしたらほかの会社との競争に勝つために、あえてこの契約を取りにいったと いうことで低く抑えたという可能性も勿論あろうかと思っております。 ○篠原委員 これを見ると、利益が入っていないですよね。監査法人などで、人件費の計上 はチャージレートとして、人件費の実費に間接費も全部含めたものです。そうすると、恐ら くこの人件費には利益が入っているんじゃないかな。それは当然でいいんですけれども、と いうのは通常、防衛庁などの場合とか一般に全コストに5%とか利益を計上しますが、ここ に入っていないということはそういう計算をしていいよという前提でやられているんでし ょうか。 ○篠原社会統計課長 最初に申し上げましたけれども、人件費の内訳というのは示していた だいていないのですよね。ただ、決め方として、それぞれ担当者にレベルがついていて、そ のレベルが高い人が動けば高いし、低い人が動けばそれなりで、あとは時間で決まってくる というような説明を受けております。受託業者はアクセンチュアというコンサルティングが 結構得意な会社です。そうすると、そういった人件費の決め方なのかなと、コンサルティン グの場合の担当者のレベルと時間で決まってくるような計算の仕方をしていますので、ひょ っとしたらその中に利益が入っているのかもしれませんけれども、人件費自体はそういう計 算で出てきているのだろうと理解しています。 ○篠原委員 11ページの最後の「いろいろな調査が多く、雑多な業務の中で協力するのは 負担」というのは、やはり書く時間というのはえらく大変だと思うんですが、この標準の記 入時間というのはどのくらいと想定したんでしょうか。 ○越路社会統計課長補佐 大体10分程度もあれば記入できるのではないかと思っておりま す。といいますのは、調査票そのものは分厚い冊子ではあるのですけれども、大体平均サー ビスが2つ強ぐらい。だから、居宅サービスと重度訪問というようなセットだったり、短期 入所があれば施設系のサービスがあるとか、それで記入する箇所がそこに対応したサービス 内容について記入すればいいので、結構調査票自体は厚いのですけれども、すべてに記入す る必要はございませんので、当該客体の関係するところだけを記入する。平均すれば10分 ちょっとで書けるのではないかと思っております。 ○廣松座長 ほかにいかがでしょうか。  それでは、私の方から1つ。今まで話題にならなかったことですが、今回この業者が提案 した創意工夫の1つにオンライン調査のことが入っていたと思うのですが、4ページで今回 7.8%程度、大体どの調査でも最初はやはり1けた台というのが通常のようですから、この 数値そのものはそんなに低いとは思いません。ただ、よく意味が読み取れなかったのですが 「今後は、予め調査票に事業所名等を印字する工夫をすれば」という文章なのですが、ここ で言っている印字というのは、調査対象者が調査票の画面を開いたときに既に自分の事業所 名だとかについて情報が入っているということなのですか。 ○越路社会統計課長補佐 おっしゃるとおりでございます。今回のウェブの調査票について は、配付番号とパスワードに基づいてアクセスしていただきますと、そこの調査客体の対象 となる調査票が出てくるような仕組みになっています。ただ、名簿データを情報にプレプリ ントのように反映させるということは、やはりつくり込みの工数がかかるということで、も ともとそういう仕様でお願いしていないこともあり、民間事業者の創意工夫の提案を受けて、 こちらはその方が回収によろしいのではないかという話もしたのですが、やはりコストがか かるということで最低ラインの仕組みとさせていただいたということでございます。 ○篠原委員 よく調査とかこういうもので頼んでいるのは、例えば、研修などの調査でも回 答してくれない人がいますが統計的には意味があると言われているけれども、実は残ったと ころに恐らく政策的には重要なものがあるのだろうなという気もしているんです。そうする と、回答をくれなかったところ、国の方で非常に数少なく、調査するとかそういう考えはあ るんですか。 ○篠原社会統計課長 回収率は今回8割弱ということですけれども、元が万単位なので残り 2割といってもものすごい数になりまして、実態としてはなかなか難しいと思っております。 ○西郷委員 ただ、統計調査のやり方としては、どういうところが無回答になりやすいのか というのは、例えば、2割全部調べるのが難しいとしたら、その中の本当に一部でもいいか ら抽出して、腕利きの調査員を差し向けて何があったのかというのを調べるというのは一応 やり方としてはございますので、毎回やるのは大変としても、10年に一遍とかそれぐらい の頻度ではやった方がいいのではないかと思います。 ○廣松座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。この実施状況報告に関しまし て、先ほど委員の方々からも意見が出ましたとおり、契約金額と実施経費がかなり乖離した という点は大変大きな問題だと思います。一方で、現時点では事業者の方から出てきた報告 の中の人件費の計算の仕方について詳細がよくわからないという点がありますので、一概に これだけで問題だということは言いにくいところもあると思います。ただ、今回は1年の契 約でやっていただいて、平成21年度以降は3年契約でやっていただくことになっておりま すので、1年目の平成20年度の経験を生かした形で平成21年度以降の調査がより円滑に、 かつ、当然そう期待したいと思いますが、経費をもっと削った形で実施されればと思います。  社会福祉施設等調査及び介護サービス施設・事業所調査に関しまして、以上でよろしいで しょうか。もし何かありましたら、後ほど全体を通した議論の際に御発言をいただくことに しまして、とりあえず最初の議題は以上にさせていただきます。  2つ目の議題、平成20年度民間競争入札実施事業、就労条件総合調査の実施状況につい て、まず事務局から御説明をお願いいたします。 ○小玉賃金福祉統計課長 賃金福祉統計課長でございます。資料2に基づきまして、就労条 件総合調査の平成20年度事業の実施状況について説明いたします。  平成20年度事業は1ページの2番と3番に書いておりますように、平成20年9月29日 から平成21年3月末までの間、株式会社帝国データバンクに委託して実施したものでござ います。  まず「I 確保すべき質の達成状況及び評価」の「1 有効回答率」ですが、1ページの 表は企業規模別に有効回答率の推移と過去の実績をまとめたものでございまして、今回の調 査の有効回答率の推移につきましては、左から調査期間が終わる1月末日現在、その右が委 託期間が終わる3月末現在、真ん中に少し太い枠で囲んであるのが最終結果と整理している ものでございます。なお、最終結果には4月以降に調査票が返送された分も含んでいるもの でございます。その右の平成19年度の結果は、最低限上回らなければならないとした水準 値でございます。その右は平成17〜19年の平均値で、合計については目標値でございます。 一番右の平成17〜19年の最低値は、企業規模別の目標値でございます。後ほども説明いた しますが、今回の有効回答率の状況につきましては、出だしが非常に悪かったのですが、年 度末では5,000人以上を除けば最低限上回らなければならない水準は上回って、最終的には すべてについて上回ったものでございます。  2ページのグラフは、全体の有効回答率の推移と督促の手段と時期をグラフにしたもので ございます。1週間ごと、週末と月末の時点の状況を表しています。なお、下のグラフは2 月以降の部分だけ拡大して再掲しているものでございます。  表とかグラフで表していることにつきましては2ページ下からの文章に書いております。 この調査は調査票の返送期間を1月31日までとしているわけですが、2月上旬でも有効回 答率が50%に達していなかったという状況でありましたため、厚生労働省から受託事業者 へ2月13日に督促などに力を入れるように指示をしたところでございます。  その後、受託事業者は2回目の督促電話や督促はがきによる督促を行います一方で、調査 への協力を拒否されたという企業のリストを作成しまして、厚生労働省による督促を依頼し ましたので、3月9日〜11日までの間、当方からの電話督促を実施いたしました。  これらによりまして、委託期間が終了する年度末の時点では、全体の有効回答率と5,000 人以上を除く各規模の有効回答率は、上回ることとする水準値を上回ったわけでございます が、5,000人以上の規模では下回っておりました。  そこで、4月に入りまして、5,000人以上の企業について厚生労働省から更に督促を行い ました結果、最終的にはこの規模についても上回るに至ったものです。なお、目標値は下回 っております。  このような結果であったこと、それから、平成20年度事業は厳しい経済環境のもとで行 われたこと、さらに、平成20年度事業は初めての民間委託であって、事業者側のノウハウ の蓄積も必ずしも十分ではなかったということを考慮すると、引き続き民間委託を行うこと は可能と考えるところです。ただし、今回のような国のフォローが重要と考えているところ でございます。  なお、平成20年度の入札実施要項で、上回ることとする水準値を下回った場合には、受 託事業者がその原因を分析し、報告することとしておりましたので、5,000人以上の規模に ついて委託期間内には達しなかったという原因について、受託事業者の方から4ページの四 角で囲んであります中にありますように、5,000人以上では他の調査も集中していること、 それから、企業組織が複雑なために調査票がどこにあるか調査対象の企業でもわからずに、 督促電話等を効果的に行うことができなかったことを挙げているところでございます。  厚生労働省といたしましては、この内容に加えまして4ページの真ん中辺りに少し小さな 字で書いていますが、全体の有効回答率の目標達成が優先課題であったため、企業規模別の 有効回答率を考慮して5,000人以上に重点を置いた督促等を行う余裕がない状況であった ということも主な原因ではないかと考えております。  そこで、平成21年度以降につきましては、受託事業者に対し早い段階から規模別の有効 回答率についても具体的な助言を行いたいと考えております。  なお、5,000人以上につきましては全数調査となっておりますので、調査不能客体があっ たとしても、他の規模のように追加抽出ができなかったということも影響しているものでし て、ほかの規模の実績から推計いたしますと、その影響は1.1%分程度と考えられるところ でございます。  この調査は1月末までに調査票を返送してもらうのですが、受託事業者が本格的に督促を 行うのはその後になりますので、今後とも受託事業者には委託期間が終了する年度末に近い 時期まで督促を行ってもらうということが望ましいと考えておりますが、その場合、その効 果はしばらく経ってから現れることもございます。ということで、そのために有効回答率の 評価に当たりましては、委託期間が終了する年度末の時点に加えまして、4月以降の返送分 も含めた最終結果で評価するのが適切と考えているところでございます。  次に、5ページの「2 照会対応」でございますが、受託事業者への問い合わせは664 件でございました。このうち50の調査客体に対しまして、受託事業者の対応状況、具体的 には電話のつながり具合、オペレーターの応対態度、説明内容のわかりやすさ、回答までの 時間等についてアンケートしたところ25の有効回答がありまして、回答までの時間につい て1客体から長かったという回答がありましたが、それ以外の客体からは各項目についてど ちらかといえば好意的な回答が寄せられました。  照会対応について特段苦情もなく、一定の有効回答率も得られたわけですので、照会対応 はおおむね円滑に実施されたものと考えております。  「3 その他」ですが、平成20年度の入札実施要項で、確保されるべき質として作業方 針、スケジュールに沿った確実な業務の実施ということを求めていましたので、その点を確 認したということを書いております。  「II 実施経費の状況及び評価」です。平成20年度に受託事業者が要した経費は6ペー ジの表のとおりでございますが、一番下の合計にありますように全体では2,728万1,000 円でございまして、契約額の2,205万円を523万円ほど上回っております。  また、平成19年度に要した経費の2,830万9,000円よりは102万8,000円下回っており ます。なお、委託業務の1つである督促におきまして、先ほども説明申し上げましたし、ま た後からも出てくるのですが、事業開始時には想定しておりませんでした厚生労働省による 督促を行いましたので、厚生労働省の方にそのコストが生じているものでございます。  次に、契約時の当初見積額より実施経費が上回った要因でございますが、これについては 表の中で各項目別に整理しているところでございます。見積額と実質経費が大きく異なるの は1番の人件費と3の(5)の回収した調査票の電子画像化及び疑義照会システムの開発業 務でございます。1番の人件費がかさんだ要因は、初めて実施する調査であるために各業務 の処理に想定より作業が膨らんだことということでございまして、3の(5)の回収した調査 票の電子画像化と疑義照会システムの開発につきましては、これも初めて実施する調査であ るために、システムの開発に予定より工数を要したことです。この点は6ページの2つ目の パラグラフにも書いているところでございます。  当方といたしましても受託事業者からの報告にありますように、初めてだったので予定価 格の設定が困難であったことの影響が大きかったと考えています。したがって、今回の結果 をこの報告によりオープンにするとともに入札説明会等においても説明することによりま して、今後の合理的な予定価格の設定につながっていくと考えているところでございます。  7ページのIIIの「1 実施体制」につきましては、説明は省略いたします。  「2 督促の状況」ですが、アの第1回督促はがきにつきましては、この調査が12月中 に調査用品を発送して1月末が締め切りということで、その間の年末年始で調査客体の企業 の方が調査票の存在等を忘れてしまうことなどの可能性を考えて、1月の早い時期に送付し たものでございます。  また、イの第1回督促電話につきましても、調査期間中である1月中から開始していたも のでございます。  ウの訪問による督促でございますが、受託事業者が東京・大阪の大都市圏に限って616 件実施いたしまして、404の有効回答を得ています。  エの第2回督促電話でございますが、これは企画書にはなかったものを先ほど説明申し上 げたような有効回答率の状況を踏まえて実施したものでございますが、有効回答率の確保に 一定の役割を果たしたと考えられるものでございます。であるからこそ、この報告書をごら んになった民間事業者が、この時期の督促が必要であると認識いただきたいと考えていると ころでございます。  以上のほか、オの第2回督促はがきの発送も行ったものでございます。  (2)に書いておりますように、受託事業者が督促を行った相手方でございます50の調査 客体に対して、受託事業者の対応状況、具体的には督促を受けた時間帯、オペレーターの応 対態度、説明内容のわかりやすさ等についてアンケートをしたところ32の有効回答があり まして、このうちオペレーターの応対態度及び説明内容のわかりやすさの項目につきまして は、それぞれ1客体が否定的な回答で、説明内容のわかりやすさの項目については2客体が 無記入でしたが、それ以外の客体については各項目についてどちらかといえば好意的な回答 が寄せられました。受託事業者による督促についてはおおむね適切に行われたと評価できる ところです。  また、今回の事業では先ほども申し上げましたように、当方も督促を行いました。1つは 9ページの(3)のアにありますように、調査への協力拒否を受託事業者に明言した企業への 督促で、受託事業者から提供されたリストに基づいて3月9日〜11日までの3日間、211 の客体に対して実施し、17の有効回答を得ました。  また、イにありますように、年度末時点で5,000人以上の規模について最低限上回ること とする有効回答率に達していなかったということでございましたので、4月16日〜20日の 間といっても中に土・日がありましたので実質3日間ですが、この規模に絞って調査票未回 収の103の企業に対して督促を実施して、17の有効回答を得て、最低限上回ることとする 有効回答率を上回るに至ったところでございます。  以上のアとイには何件か重複がございますので、重複分を除いて数を整理したのがウの表 でございます。  次に「3 疑義照会の状況」でございますが、今回の調査では4,321の企業から有効回答 をいただいたわけですが、うち2,969企業については、厚生労働省が貸与した個票審査要領 に基づいて受託事業者が審査を行ったところ、回答の一部について未記入または誤記入がご ざいました。これをほぼ回答箇所ベースでの延べ件数に直すと1万9,866件で、未記入また は誤記入の見受けられた2,969企業の平均では1企業当たり6.7件となるところでござい ます。  なお、受託事業者は、目視での審査では確認漏れの可能性が高いこととか、非効率となる ことを懸念して、先ほどの実施経費のところでも説明いたしましたが、回収した調査票を電 子画像化してプログラムによって審査を行うということができるシステムを開発・活用した わけでございますが、これは効果的であったと考えられるところでございます。  ただし、受託事業者が最後に納品した調査票を厚生労働省が内検を行ったところ、個票審 査要領は満たしているわけでございますが、更に問題点が見受けられたものがあります。そ の内容は実は非常に多様なのでございますが、わかりやすい例といたしまして、所定労働時 間についての回答は一日8時間以下とか週40時間以下とかそういう個票審査要領を満たし ていて、少し離れたところに週休制の質問があるのですが、そこも選択肢のどれかがきちん と回答されているわけでございますが、例えば一日8時間、週40時間なのに完全週休二日 制以外の週休制が選択されているとか、両者の回答が論理的に矛盾するというものを挙げて いるところでございます。  次回以降につきましては9〜10ページに書いておりますが、民間事業者に審査してもら う際、もっとレベルを上げた個票審査要領を貸与する予定でございます。  10ページの(2)疑義照会でございますが、先ほど申し上げた1万9,866件について受託 事業者が疑義照会を行って、うち1万3,760件について確認できたという結果になっている ところでございます。  「4 その他の業務の状況」の(1)調査関係用品の印刷・配付、送付でございますが、ア に書いておりますように、印刷・配付の前に調査対象企業名簿の変更が必要な場合は、事前 にその整備を行っているところでございます。  まず、(ア)にありますように、受託事業者は自ら保有するデータベースを活用して、既に 廃止されている等によりまして調査客体としての条件を満たさないことを把握した場合に は、厚生労働省に連絡して追加抽出を受けるなどによりまして、調査対象企業名簿を修正す るということを企画書で提案し、実施したところでございます。国では保有していない情報 を活用することによって、効率的な調査関係用品の配付ができたと考えているところでござ います。  (イ)は、調査対象企業の電話番号の状況を専用システムを用いて相手方の呼び出し音を鳴 らすことなく確認して名簿を修正したというものです。  また、(ウ)にありますように、その後もあいさつ状の発送などによりまして調査客体とし ての条件を満たさないということが判明した企業につきましては、厚生労働省から追加抽出 を受けて調査対象企業名簿を修正したところでございます。  なお、(エ)にありますように、(ア)と(ウ)によります追加抽出は平成20年度から開始した ものでございますが、今回370件の追加抽出を行って192件の有効回答が得られました。 全体から考えると有効回答率を3.1%分引き上げる効果があったところでございます。  なお、追加抽出につきましては冒頭資料の確認にもありましたが、先般公表され、本日の 配付資料の参考3にもありますが、公共サービス改革報告書でも評価されているものでござ います。  「イ 調査関係用品の印刷」でございますが、(ア)あいさつ状につきましては、あいさつ 文に加えまして、問い合わせの多い質問と回答をあらかじめ記載いたしました。これにより、 類似の質問を回避することができたと考えております。  (イ)調査票の印刷ですが、調査票の余白にバーコードを付与しておくことを企画書で提案 して受託事業者が実施したところでございます。このことも公共サービス改革報告書で民間 事業者の創意工夫の例ということで紹介されているのですが、確かにこれによりまして調査 票の受付・管理を効率的に実施できたと考えているところでございます。  以下、(ウ)調査協力依頼状、(エ)配付用封筒、(オ)返信用封筒、(カ)前回調査結果の概要、 (キ)督促状の印刷、それから「ウ 調査関係用品の発送」については、事実関係を整理して いるだけでございます。説明は省略いたします。  12ページの(2)調査票の回収、受付でございますが、アにございますように受託事業者 が厚生労働省に届いた調査票の回収件数を日ごとに受付表に記入しました。なお、なぜ調査 票が厚生労働省に届くかといいますと、調査票の返送先は厚生労働省の調査担当課、当課と したからでございまして、それを受託事業者が原則毎日取りに来るという形態で事業を実施 したものでございます。  ウですが、先ほど触れました調査票のバーコードをハンディスキャナで読み取り、回収日 を登録したというものでございます。  (3)調査票のデータ化ですが、ベリファイ方式で行ったものでございます。  (4)調査対象企業名簿の修正ですが、先ほど説明申し上げたように、調査票の送付前に調 査客体としての条件を満たさないことが判明した企業については、事前に名簿の整備を行っ たわけでございますが、回収した調査票等によりまして企業の名称や住所などについて追加 して修正する必要があることがわかった場合には、その段階でも名簿の修正を行ったもので ございます。  13ページと14ページの別紙はどちらも途中で触れましたが、13ページの方が受託事業 者に対して照会を行った企業のうち50の調査客体に対して、受託事業者の対応状況につい てアンケートを行った結果でございます。  また、14ページは、受託事業者から督促を行った企業のうち50の客体に対して、受託事 業者の対応状況についてアンケートを行った結果でございます。  内容につきましては、先ほど説明いたしましたし、本文中にも出てきましたので、説明は 省略いたします。  説明は以上です。 ○廣松座長 ありがとうございました。  それでは、ただいまの事務局からの説明に関しまして、質問・御意見をいただきたいと思 います。よろしくお願いします。 ○篠原委員 今回、民間業者に委託したということなんですが、調査依頼票の名前は厚生労 働省の担当課であり、送り先も厚生労働省であるということでは、かなり厚生労働省が従来 と同じようにかかわっているということは当然企業側はわかっていると思うんですが、調査 協力を拒否された企業というのは従来からあるんでしょうか。いわゆる民間化したことによ って拒否されたのか、その辺の分析はされていますか。 ○小玉賃金福祉統計課長 いただいたリストを見ますと、一番多いのは多忙だからというこ とでした。いろいろな経済状況もあって、企業の体制もそうだからというのがあるのでしょ うが、多忙だからという話と、これは4月から一般統計ですが、当時は承認統計で、いわゆ る当時の指定統計ではないと、法律的な義務はないじゃないかと、この辺りが多かったとい うことです。理由も言わずにとにかく拒否というのがかなりあったというのも事実でござい ます。 ○廣松座長 ほかにございますか。 ○西郷委員 委託先からの依頼によって厚生労働省さんの方から督促をしたということな んですけれども、その結果、厚生労働省側にコストが発生していると先ほど言及があったと 思いますが、金額に換算するとどれぐらいのものなのかということと、今後同じような依頼 があったときに、応じると理解してよろしいわけですか。 ○小玉賃金福祉統計課長 まず、1点目の厚生労働省が督促を行ったコストでございますが、 事業者の依頼により行ったものと、当方が自ら5,000人以上について自主的に行ったものと 2回ございます。正直申し上げて細かい単位まで正確に算定することは今からは不可能なの ですが、2回の督促を実質6日間行いまして、延べ21人日要しております。ざっと推計値 になると思いますが、直接の経費としては人件費で約60万円、あと電話代が幾らかかった かは今からでは難しいのですが、数万円要していると考えているところでございます。  なお、今、人件費約60万円と申し上げましたが、これは実際に督促を行った職員の人件 費から推計したものでございます。平成20年度の実施に当たって、平成20年度の入札実 施要項におきまして、平成18年度まで国が行っていたときの人件費を情報公開しているわ けですが、そちらの平均値から推計いたしますと人件費は約70万円ということでございま す。  2点目になりますが、今後確かにこういうことも起き得るということは十分考えられるわ けでございますけれども、私どもとしては民間競争入札で調査を実施しているという側面も 当然ある、一方で、調査の最終的な責任を持つ立場として、調査の規模別・産業別に精度を 確保しなければならないと、公表する側の責任としてそういうことがあるわけでございます ので、勿論実際の状況にもよりますが、基本的には今後ともこういうことはあり得ると考え ております。 ○西郷委員 民間事業者の方で、督促を依頼すれば厚生労働省でやってくれるんだというこ とで入札してくるところが、戦略的にそういう作戦をとってくるところが出てきても、それ は受け入れるということになるんでしょうか。 ○小玉賃金福祉統計課長 非常に難しい御指摘でございますが、確かに調査を実施している 年に限っては、そういうことで民間事業者は何とかやれるという部分はあると思いますが、 とにかくこの仕組みはこうやって督促を依頼してきましたよとか、民間事業者はここまでで 国はここまでやってと、すべてがオープンになるシステムでございますので、そういう結果 は当然ながら翌年度以降のこの調査でもそうですし、公共サービス改革法に則ったほかの調 査でもそうでしょうけれども、そういう場合の入札参加に影響してくるということで、必ず しも民間事業者にとってもいいことばかりではない部分もあるかなと考えております。 ○西郷委員 どうもありがとうございます。  あと、記録に残るものなので、多分単純な計算間違いなのかもしれませんけれども、資料 2の9ページの今私が質問させていただいたところなんですけれども、上の方でア、イ、ウ とあって、ウのところで有効回答数33件と書いてありますが、アのところでは17の有効 回答を得たと書いてあり、イのところで17の回答を得たと書いてありますから、足すと34 になるようですけれども、それは。 ○小玉賃金福祉統計課長 有効回答をいただいた企業の中で、アの調査協力拒否にも該当す るし、5,000人以上の回答にも該当する重複分を除くということで、間違いではございませ ん。 ○西郷委員 わかりました、すみません。 ○廣松座長 ほかにいかがでしょうか。 ○今田委員 国が直接実施するという体制から民間に委託するという移行を検討したとき に、いろいろ懸念されたわけですよね。国が直接実施している調査ではないので、協力がき ちんと得られるのか。それが回収率に響くのではないかというような心配があったわけです けれども、結果から見ると、回収率もいろいろな努力はあるにしろ維持されている。民間委 託のこの方向というのは、おおむねうまくいったと考えてよろしいのでしょうか。 ○小玉賃金福祉統計課長 これもまた難しい御質問だと思いますが、少なくとも平成20年 度の結果だけから将来にわたる判断までするのは難しい部分があるかと思います。ただ、平 成20年度の結果だけから言えることとしては、報告書案の3ページの4つ目のパラグラフ にも書いておりますけれども、引き続き同様の業務について民間委託を行うことは可能であ ろうと。何年か積み重ねて判断する必要があるかなと考えております。 ○今田委員 その場合に、厚生労働省がどのくらい委託調査に関して関与するのかという点 が、これから大きな課題になってくるのかなという感じがします。その辺りはどのようにお 考えですか。私などは独立行政法人の調査を長年やってきたきましたがやはり厚生労働省に 手助けしてもらう、あるいは名前をお借りするなどによって調査の精度とか回収率を上げる ことをやってきました。当然厚生労働省が関与すると、プラスの効果があるのはわかるんで すが、そうかといって委託しているのに全面的にいろいろな部分でかかわるというのもいろ いろ問題がある。そのかかわり方に関して、この経験を踏まえて今後どうするのかというこ とについて、どのように考えておられるか。その点に関してどうですか。 ○小玉賃金福祉統計課長 今回の民間競争入札につきましても、調査の基本的な企画とか最 後の集計・公表は国が責任を持ってやる部分でございまして、途中の調査票の配付、印刷か ら回収、督促、データ入力までを委託するという枠組みの中で、最後の責任は国が持つとい う部分がございますので、調査票の印刷、配付、回収、督促の部分について、できるだけ民 間事業者の創意工夫を生かした形で、今回も国ではできなかったようなこともやっていただ きましたし、そういう意味で民間事業者を前面に出しながら、そうはいっても責任を持つ立 場で、例えば名前をお貸しするとかそういう部分は臨機応変に対応していく、そういうよう に国と民間事業者がうまくお互いの得意部分でマッチングしながらやっていく、国としては 当然、途中部分の事業の手間がなくなるわけですし、経費部分は別の評価があると思います が、そういうことでうまくやっていくことができればいいのかなと考えております。 ○篠原委員 先ほど問題になった、恐らく厚生労働省の人件費は直接経費だけだろうと思う んです。ここの報告での1,000万円というのも、かなり前の社会福祉施設等調査及び介護サ ービス施設の人件費と違うような気がするので、この計上の仕方が我々のレベルで分析する にしても、もうちょっと統一してもらうか、これは委託先にとってマル秘で、逆に言うと私 たちは時間数というのですか、人日での情報があると非常に参考になるんですが、人件費の 時間数というのはなかなか請求できないんですか。 ○小玉賃金福祉統計課長 御質問にあったようなレベルまで細かく把握・分析するのは今の 段階では難しいところがあるのですが、人件費で作業が膨らんで当初見積もりより経費がか さんだことにつきまして、まず、7ページの表の中にも具体的にどの業務は何人日と出てお り、これを合計すると約180人日でございます。受託事業者からの報告によりますと、見 積もりが大体149人日でしたので31人日の超過ということでございます。超過分の内訳は 回収督促業務11人日分、調査関係用品の印刷・発送が9人日分等々となっており、多少多 い少ないはございますが、全体的に各業務について予定より人日を要したという報告を受け ております。 ○廣松座長 よろしいでしょうか。今の点に関しましては、人日ベースの計算はそれでいい と思うのですが、単価をどう設定しているかということは当然業者の内部秘密であり、我々 にはわからない点ですね。そこまで全部開示しろというのは難しいことかと思いますけれど も、何らかの形でもう少し情報があればと思います。前の社会福祉施設の場合もそうですし、 この場合もそうですが、経費が見積額を超えた大きな要因は人件費ですから、それに関して もう少し情報が得られればと思います。  それから、先ほど御紹介いただいたとおり、名簿整理に当たって受託業者が自ら保有する データベースに基づいて整備されたとのことですが、私はその点は大変高く評価すべきだと 思います。具体的に10ページにあるとおり追加抽出したのが370件で、そのうち192件が 有効回答ということは50%を超えているわけですね。それは大変有効な手段だと思います。  もう一つ、これは高望みかもしれませんけれども、4ページで5,000人以上規模の企業に 対してなかなか調査が難しいという指摘があります。その一つの理由が大規模企業では企業 組織が複雑で、どこに送ればいいかよくわからないということがあったと思うのですが、今 回1回目にこういう形で調査がなされて、当然調査記入者とか、連絡先の情報が得られたわ けですよね。ですから、来年度以降そういう情報を是非活かしていただいて、なるべく直接 記入していただける人に調査票を送れるような体制整備も是非考えていただければと思い ます。  この就労条件総合調査の実施状況に関しまして、ほかに御質問・御意見ございますか。よ ろしいでしょうか。あるいは前の議題でございます、社会福祉施設等調査、介護サービス施 設・事業所調査にかかわる点でも構いません、全体を通じて何か御発言ございますか。よろ しいでしょうか。  この2つの調査の実施状況に関する報告に関しまして、特段修正を要するという御意見は なかったように思います。ただ、修正を要するというよりも希望として先ほどから出ていま す、人件費の計算に用いられている単価に関して、それが人件費を計算するときの最も重要 な情報でありそれがわかれば、今後の民間事業者を活用するときの参考になると思いますの で、その点この検討会の議論の中で出てきた要望として是非残しておいていただければと思 います。  さて、ちょっと時間は早めでございますが、とりあえずメインの議題でございます2つの 調査の民間競争入札実施事業に関する報告について検討をいただきました。よろしいでしょ うか。  それでは、3番目、その他でございますが、事務局から、よろしくお願いします。 ○内野企画課長 長時間にわたりまして御審議いただき、貴重な御意見をいただきまして、 どうもありがとうございました。本日御議論いただきました平成20年度事業の実施状況報 告につきましては、これから内閣府に提出いたしまして、統計調査分科会における審議を経 て、官民競争入札等監理委員会において付議されまして、実績評価の確定という運びになり ます。当検討会におきましては、実施要項を策定するためのさまざまな御意見を賜るところ から始まりまして、本日平成20年度事業の実施状況報告を取りまとめるに至りましたこと、 事務局より改めて委員の皆様、関係各位に対し厚くお礼申し上げます。  それから、今後のスケジュールにつきまして資料3でございますが、平成21年度以降複 数年契約ということで進めているところでございます。実施状況報告というのは年度単位で 内閣府に提出することになりますので、平成21年度分につきましては平成22年3月末以 降に取りまとめをするということでございまして、5月下旬から6月上旬ということで四角 に囲ったところがございますが、今回と同じような時期に来年、評価検討会ということで実 施状況報告案につきまして御審議いただきたいと思っているところでございます。しばらく 先になりますけれども、各委員におかれましては引き続き御審議への御協力方よろしくお願 いしたいと思います。  以上でございます。 ○廣松座長 ありがとうございました。  参考の説明はよろしいでしょうか。 ○内野企画課長 こういった形でまとめられておりますけれども、特に一番最後の方に提言 という形でも書かれておりますが、今後、また議論がされていくかと思います。何かござい ましたら御相談させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしま す。 ○廣松座長 ありがとうございました。  それでは、予定しておりました議事は以上でございます。全体を通じて特に御発言はござ いますか。  それでは、ちょっと早めでございますが、第6回評価に関する検討会を終了させていただ きます。本日はどうもありがとうございました。 照会先 厚生労働省 大臣官房 統計情報部 企画課 統計企画調整室 電話 03-5253-1111(内線7378)