09/05/22 第7回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会議事録 第7回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会                         日時 平成21年5月22日(金)                            15:00〜                         場所 厚生労働省省議室(9階) ○井村座長 委員もおそろいになりましたので、「第7回医薬品新販売制度の円滑施行に関 する検討会」を開催いたします。たびたびご足労いただき、申し訳なく思っています。本 日もよろしくお願いします。まず、いつものとおり、委員の出欠状況と配付資料の確認を 事務局からお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料の確認と委員の出欠状況の確認をさせていただきます。まず、 その前に先ほど来申し上げていますが、事前に届け出のない資料に関し、ご提示いただく ことは7回に至るまでの検討会でそうしてきていませんので、いまお示ししている資料に 関してはとりあえずお手元に下げていただきたいと一応申し上げておきます。  それでは、委員の出欠状況を確認いたします。本日、19名の委員のうち、欠席は2名い らっしゃいます。田先委員と松本委員、お2人からご欠席のご連絡をいただいています。  配付資料の確認ですが、お手元の「議事次第」の下に「座席表」をご用意しており、そ の下にいくつか資料を用意しています。まず、資料1として、少し長いタイトルですが「省 令案について」という資料があります。資料2、これも省令の一部を改正する省令案に対 するパブリック・コメントを求めていますので、その意見を整理した資料を用意していま す。資料3として、これまでの議論を踏まえた検討項目ということで、これまでも何回か お示ししていますがその前回、第6回の配付資料に加えたものを再々改訂版ということで お配りしています。  そのほか、資料番号を振っていませんが、順番に申し上げますと後藤委員提出資料、綾 部委員提出資料、國領委員提出資料、児玉委員提出資料、三木谷委員提出資料、5種類配 付しております。お手元で過不足等ありましたらお申し出いただきたいと思います。 ○井村座長 いかがでしょうか、そろっていますでしょうか。 ○三木谷委員 今回、7回目ということで、実際、いままでとは意味合いが違うと思いま す。すなわち、今回の検討会の内容というのはもう時間がない中で、何を目的にやってい らっしゃって、検討会で言った意見が今回の改正省令に反映されるのか。 ○井村座長 配付資料の確認です。欠落があるのかどうか。 ○三木谷委員 いや、少なくとも、会の趣意というのは少なくともマスコミがいる前で説 明すべきなのではないか。説明して終わりなのか、賛成と言おうが反対と言おうがやるの か。 ○井村座長 三木谷委員、たびたび検討会を通じてあなたにお願いしていますが、会議の 順序に従って議論していただきたいと思います。 ○三木谷委員 いや、今日の会の目的について明確にしてくださいということです。 ○井村座長 いま、私が伺っているのは資料がそろっているかどうかを伺っています。 ○三木谷委員 いや、その前にこの会は何を目的にやっていらっしゃるのか聞きたい。第 7回について。 ○井村座長 それは。 ○三木谷委員 皆さんの意見というのは、いろいろ賛成・反対はあるのでしょうが改正を する気があるのか。それとも、今日は説明をされて、賛成だろうが反対だろうがこのまま 行くのか。そこについてちゃんとやらないと、2時間もあるわけですからそこは説明して いただきたいと思います。 ○薬事企画官 まず、配付資料は皆さんお手元にあるようですので、とりあえず確認はこ こまでとさせていただきますので、カメラ撮りはここまでといたします。 ○三木谷委員 いまの質問に答えないのですか。 ○井村座長 いつものように。 ○三木谷委員 なぜ、そういう体質なのでしょうか。別に内容ではなくて、今日の検討会 の意味をマスコミがいる前で答えてくださいと言っているだけです。それも駄目だという ことですね。 ○薬事企画官 カメラはここまでとさせていただきます、お願いします。 ○三木谷委員 答えるのですか、答えないのですか。入らないのだったらやっても意味が ないでしょう。 ○薬事企画官 メディアの方、ご協力をお願いします。カメラさん、ご協力いたします。 ○三木谷委員 少なくとも、パブリック・コメントが何件あったとか、そういう説明もマ スコミの前でやらないんですか。 ○井村座長 マスコミの方々がいらっしゃる前で当然行います。 ○三木谷委員 いや、ちゃんとカメラまで入って。 ○井村座長 カメラがある必要はないでしょう。 ○三木谷委員 いや、ありますよ。現代文明の。 ○井村座長 それは見解の相違ではないですか。 ○三木谷委員 いや、生で伝えるということです。ちゃんとカメラで。 ○井村座長 生で伝わるのではないですか。 ○事務局 カメラの方、お約束ですのでよろしくお願いします。 ○三木谷委員 皆さん、撮りたいですよね。 ○井村座長 三木谷委員が発言されていますと、そこにマイクがありまして。 ○三木谷委員 その辺にもう少し下がっていただいて。 ○井村座長 それでは、皆さんにお諮りします。カメラがこのような状態で入って議論す ることにご賛成の方、挙手を願います。                  (挙手) ○井村座長 ご反対の方、挙手を願います。                  (挙手) ○井村座長 それでは、申し訳ないですが、カメラの方は退室してください。議論が進み ませんので。 ○事務局 すみません、お約束ですのでご協力をお願いします。 ○薬事企画官 一応、この件は委員のご意見というよりは、これまで第1回から第6回目 まで変わらぬ仕切りでやっていますので、第7回も同じように冒頭のカメラ撮りというよ うに進めています。改めて、委員のご意見を伺わなくとも同じ扱いです。 ○足高委員 多数決で決まっているから、それでいいのではないですか。 ○薬事企画官 決というよりは、もともと事務局として、1回目から6回目と同じような 進行でさせていただいているということでございます。 ○井村座長 私が決を無理して採りましたのは、議事が始まらないので。申し訳ありませ ん。 ○事務局 ご協力をお願いします。                 (カメラ退室) ○三木谷委員 カメラがいなくなったら検討会の意味について聞かせてください。 ○井村座長 カメラは退室したようですので、議事に入らせていただきたいと思います。 皆様方のお手元に「議事次第」があります。その議事次第に従って議事を進めてよろしい でしょうか。                  (了承) ○三木谷委員 すみません、いらっしゃらなくなりましたので、今日の検討会での検討内 容が省令の中に盛り込まれる可能性と、実務的な手続において間に合うのか。それとも、 今日いろいろご説明していただいて、発言した内容はそもそも期間的に、手続的に間に合 わないのか。そこについてまずご説明していただいてもよろしいですか。 ○井村座長 私がお答えすることでもないと思いますが。 ○三木谷委員 事務局の方からお願いします。 ○井村座長 この会議をこれだけ頻繁に持っていますのは、今日がデッドラインで、今日 皆様方の意見を伺って、それに基づいてもし「改正する必要がある」と厚生労働省が判断 すれば、改正するチャンスはあると思います。今日がそういう意味ではデッドラインです。 ○三木谷委員 パブコメも取らなくていいのですか、その場合は。 ○井村座長 何がですか。 ○三木谷委員 パブコメはもう取らなくていいのですか。 ○井村座長 改正のですか。 ○三木谷委員 いままでだとパブコメを取らなくてはいけないからそこまでやらなくては いけない。今日、もう1回変えましょうという話になったらです。 ○井村座長 ああ、そういう改正ですか。いま、これから話題にする改正についてはそれ で十分間に合うということです。 ○三木谷委員 だから、説明をした上で、みんなの議論で「やはりこうするべきだ」とい う意見が出ましたといったときに、そういうように変えられる実務的なところで間に合う のか、間に合わないのかを聞きたいのです。 ○井村座長 わかりました。事務局、答えてください。 ○薬事企画官 まず、今日に至るまでの経緯を申し上げます。前回、第6回の検討会を開 いた後、速やかにパブリック・コメントを開始させていただきました。今週の月曜に締め 切った意見を今日の資料に付けています。前回も、最後のほうで確認はお互いしたかと思 いますが、次回、もう1回、検討会の場でその意見も踏まえながらご意見をいただく。そ の取扱いについては、パブリック・コメントで示した事務局からの提案の内容と意見とを 今日資料にしていますので、それも見ながら各委員からそれぞれが思うご意見をいただけ れば、それに応じてこのあと、今日時間の許す範囲でご議論いただいて、そのあと取扱い について検討会でどうするのか、あるいは事務局としてどうするのかということは、むし ろ先に資料の中の話をやり取りさせていただいた中でする話かと思います。 ○三木谷委員 いや、そうではなくて。 ○薬事企画官 いまから申し上げます。それに対して、委員からのご意見をいただいて、 最終的に行政上の対応ということで厚生労働省が何を行うべきかというところの話になっ てくるわけです。その際、時間的には、当然前回もお話したとおり6月1日という、制度 全体の施行に間に合うように、先生方にも無理を言ってスケジュールを組んでいただいて 今日セットしているわけです。今日、この中でできるだけのご意見をいただくことをもっ て現状では間に合う、何か措置をするのであれば間に合うというスケジュールでいまのと ころは来ている。そのために今日開いているという認識です。 ○三木谷委員 ならば、間に合うということですね。 ○後藤委員 交付日は最短でいつになるのですか。 ○薬事企画官 いまの段階では申し上げられませんが、まさに今日の意見を踏まえてどの ようにするかということであって、むしろそれがあっての話であるかというように思いま す。 ○後藤委員 今日の意見を踏まえた場合、官報に載せるとかいうテクニカルな部分を踏ま えて、最短でいつになることが可能かということをお伺いしたいのです。 ○井村座長 それはわかりますか。 ○薬事企画官 逆に質問させていただきたいのですが、間に合う場合と間に合わない場合 とで何か、今日のご議論で意見が違ってくるとか、そういうことで確認をしたいというこ とですか。どういう意味のご質問かがわかりかねます。 ○後藤委員 今日の意見を踏まえて修正するつもりがあるのかどうかを聞きたいだけです。 ○薬事企画官 先ほど申し上げたとおり、間に合うためのスケジュールで今日の会議はあ るということですので、それ以上のものはございません。 ○後藤委員 既に官報に、印刷に出しているということはないのですか。 ○井村座長 まさか。 ○薬事企画官 事務局から答える必要のない範囲かもしれませんが、なぜそのようなご質 問が出るか理解できません。 ○児玉委員 ちょっと、まともな議論に戻していただけませんか。ほかの委員もみんな戸 惑っていますので。よろしくお願いいたします。 ○井村座長 ありがとうございました。そのとおりにさせていただきます。まず、第1に お願いしておきたいことは、ご発言をなさりたいときは座長の許可を得てからご発言にな っていただきたい、ということを改めてお願いしておきます。よろしいでしょうか。それ では、まず、厚生労働省から資料の説明をお願いします。 ○薬事企画官 前回、音声が悪かったのですが、今日は傍聴の方々はこのぐらいの感じで よろしいですか。それでは、お手元の資料に従って説明させていただきます。今日は資料 番号を振ってあるものを3つ用意しています。資料1から資料3までありますが、関連す るものですので全体を通して説明いたします。ご用意ください。  まず資料1、これは前回の検討会でもお示しした、これからパブリック・コメントをや る前の段階の省令案に対して、一応省令の書きぶりに近い形で、表現などは少し変えてい ます。資料に書かれている内容に関しては、前回ご説明した内容と同じでございます。た だ、書きぶりが少し変わっているところがありますし、前回欠席された先生方もいらっし ゃいますので改めて説明させていただきます。  まず1のところ、最初に書いてありますのが2月6日に既に交付をされている省令の中 身であります。その中で関連のところをここに書き記しています。3つポツと振ってある ところの1つ目、まず薬局等、あるいは店舗の販売業の方が郵便等販売を行う場合には、 これは現在出されている省令の内容ですが、第3類医薬品以外の医薬品を販売しないこと となっています。  2つ目のポツと3つ目のポツは併せて見ていただくとわかりやすいと思います。まず2 つ目は薬局に対して、薬局製造販売医薬品というものに対する情報を薬剤師が対面で行う という規定になっているということが書いてあります。  その次は「薬局開設者等」ですので、ここでは薬局と店舗販売業の両方を含みます。こ れらが第2類医薬品に関して、情報提供を行う場合の取扱いとして、「薬剤師又は登録販売 者に対面で行わせるよう努めること」が書いてあります。これが現行の2月6日に出てい る省令の中身ということです。  これらに対し、少し取扱いを変えるという意味の省令案ということで、2の説明をさせ ていただきます。2つ大きく項目が分かれておりまして、最初、1頁目に書いてありますの が離島居住者に対する経過措置です。2つ目の大きな柱が、2頁目の「継続使用者に対する 経過措置」ということで書き分けてあります。  まず、1頁目の(1)の[1]をご覧いただきたいと思います。「郵便等販売の方法」について ア、イ、ウと3つ並んでいます。まず、アとイをセットで見ていただきたいと思います。 アについては薬局においての取扱い、イのところが店舗販売業者に対する取扱いです。ア のところでは3行目、薬局開設者が前回は2年間と書きましたが、ここは期限ということ で平成23年5月31日という日付に変えています。それまでの間は「薬局製造販売医薬品、 第2類医薬品又は第3類医薬品以外の医薬品を郵便等販売してはいけない」というルール であります。  イのところが店舗販売業者に対しての取扱いです。この場合、離島居住者に対しては薬 局製造販売医薬品は関係ありませんので、「第2類医薬品又は第3類医薬品以外の医薬品を 販売しないこと」ということです。  ウのところは、アで書いた薬局の部分とイで書いた店舗の関係、両方をまとめて1つの 項目として書いています。それらが行う記録の作成と保存というものの取扱いです。 作成日から3年間の保存ということも含めて書いています。内容は2行目にありますとお り、販売した相手方の氏名、住所、連絡先、実際販売した医薬品の名称、その他という書 き方で示しています。これがまず「郵便等販売の方法」についてです。  [2]のところはそれに関連して、郵便等販売を行った場合の情報提供に関する取扱いが書 いてあります。[2]が薬局における薬局製造販売医薬品を郵便等販売した場合の取扱いです。 次の2頁にあります[3]が薬局ですとか、あるいは店舗販売業が一般用医薬品、いわゆる第 2類医薬品を販売した場合の情報提供の方法ということで書き分けています。内容はだい ぶ重複するところがありますので、少し省略させていただく部分もあろうかと思います。  まず、1頁目の[2]のところで説明いたしますと、アのところで薬局開設者に対して、離 島居住者に対して薬局製造販売医薬品を郵便等販売する場合、薬剤師に対面で販売させる ことを要しないということです。  イのところですが、「適正な使用のために必要な情報提供を薬剤師に電話その他の方法で 行わせることができる」ということが書かれています。  ウのところでは販売時ではなく、相談があった場合の取扱いも同じように「電話その他 の方法で行わせることができる」ということがここに記されています。  同じようなことが一般用医薬品、第2類医薬品のところの取扱いということで[3]に書い ています。ここは薬局、あるいは店舗販売業、両方を含みますので「薬局開設者等」とい う書き方で始まっています。内容に関しては、「第2類医薬品を販売する場合」ということ 以外は[2]のところで説明した内容と同じであります。  (2)、「継続使用者に対する経過措置」というところ、まず郵便等販売の方法ということ でア、イ、ウと3つ書いてあります。まず、薬局における取扱いをアとして書いています。 これは現行制度で言う表現ですが、一般販売業と薬種商の場合がイというところで書かれ ています。その違いは、薬局の場合は薬局製造販売医薬品と第2類医薬品の両方が書かれ ていますのでその部分が違いますけれども、ほかの部分は同じですのでアのところで代表 して説明いたします。ここは薬局に関する記述ですので、薬局製造販売医薬品、または第 2類医薬品を実際施行の際、現に継続して使用していると認められる方に対して、同一医 薬品の郵便等販売を行う場合の取扱いということで、少しカッコが長いのでそこを飛ばし ていただいて、アの下から3行目のところまで飛びます。継続している方に同じ医薬品を 販売する場合は、平成23年5月31日までの間はここに書いたような品目以外の医薬品は 販売しないことということで、これらは販売できるという読み方になるかと思います。間 のカッコに書いてあるのが情報の提供を要しないという意思が確認をされ、「かつ」という ことで、「情報の提供を行う必要がないと判断した場合」ということで、この辺、記述がよ り明確に、きめ細かく書くということでこうなっています。  同じことが一般販売業者と既存薬種商に対する取扱いということで、同じような記述が イにあります。内容は省略いたします。ウのところに書いてあるのは記録の保存の問題で す。先ほど、離島のところでご説明した内容と同じことを求めているということでござい ます。  3頁目にまいります。[2]に書いてありますのが、いまご説明したような継続使用者に対 する販売を行った場合の販売の取扱いということで書いてあります。対面で販売させるこ とを要しないということと同じように、薬局製造販売医薬品に関する記述ですが、必要な 情報提供を対面で行わせることを要しないという取扱いが[2]です。  [3]が一般用医薬品、第2類のほうの取扱いです。同じように対面での販売、あるいは対 面での情報提供を要しないということが書かれています。これが現在、我々のほうでお示 ししている省令案の内容ということになります。  次に資料2をご用意いただきたいと思います。資料2に関しては、1週間という限られ た期間ですが、1頁目がパブリック・コメントを求めた結果、寄せられた意見を集計した ものです。いろいろ見ていただく上で意見区分として振り分けた形で示しています。  内容に関して、全体として9,824件ということになります。最初、大きく3つに分けて います。「経過措置に賛成」という意見が42件、隣にあります割合の単位は「%」です。 全体に占める割合ということで示しています。  3つに分けたうちの2つ目、経過措置に反対という部分ですが、これは経過措置に対し て反対ということで、(1)にあるように、経過措置自体が不要だという意見が692件、全体 で占める割合で見たら7.1%です。(2)は「経過措置の内容に反対」ということで、経過措 置を取るような方向はある意味、(1)との対比で言うと経過措置自身が要らないということ ではなくて、必要だろうけれども内容が良くないというご意見が454件という形になって います。  それをさらに類型化しますと、対象者についていろいろご意見があるケース、対象品目 について意見があった場合、あと経過措置の期間2年間ということに対するご意見、一応 3つに分けています。これらの数字に関しては、所によっては全体の数字の足し算が合わ ないところがあります。これは一件の意見が項目の複数にまたがっている場合があります ので、当然足しても数字が合わない部分がこの中にはあります。大きなIIIは、経過措置に 対してどうこうではなくて、むしろ郵便等販売、内容がどうかではなくて、郵便等販売の 規制をするべきではないというご意見が8,333件、全体の84.9%ということでした。  そのほか、販売制度に関する意見とは違うものを「その他」ということで分けて書いて います。2頁目以降はその類型に従い、それぞれ主な意見ということで書いています。こ ちらは時間の関係がありますので、見ていただくとして、説明は省かせていただきたいと 思います。  資料3をご用意ください。こちらは再々改訂版ということであります。今回付け加えま したのが大きな3、「その他」です。(1)と書いていますが(2)はありません。前回、ご議論 いただいた経過措置案に対する意見ということで、29頁目以降が新たに付け加わった部分 になります。従来どおり、この部分はゴシック体で書いてあります。この部分は前回、第 6回にいただいた意見として見ていただきたいと思います。最後に1点、お詫びがありま す。29頁の前、28頁までの部分ですが、これらに関しても見ていただくとゴシック体のま ま残っているところがございます。ただ、これはこれまでの資料の作り方から言うと前回 意見があったという意味で、第6回検討会の場で意見をいただいたかのように見えてしま う書き方になっています。ここは私どもの誤りで、明朝体とすべきところをゴシック体の ままにしているということです。第6回の意見を反映させた部分というのは、29頁目以降 のみということで見ていただければと思います。そこは訂正させていただきます。以上で す。 ○井村座長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明ですが、まず質問が あれば出していただきたいと思います。ご質問はありますか。 ○三木谷委員 ご説明いただいた省令案、内容には賛成、反対いろいろあったとのことで した。平たく言いますと、「経過措置に反対」が11.7%、「郵便等販売の規制をするべきで ない」が84.9%となっているわけです。パブリック・コメントをどのように受け止められ て、それを変更の中にどのように反映されたのかをお伺いできればと思います。 ○薬事企画官 まず、今日ご用意した資料として1があります。この内容に関しては、一 応ひととおり寄せられた意見は事務局として、厚生労働省として見せていただきました。 先ほど説明しましたとおり、前回お示しした省令案というか、我々が提案した内容と変わ るところはないと思っています。 ○三木谷委員 すなわち、1万件近くパブリック・コメントが寄せられたわけですが、一 応受理はされたけれども、そのことによって今回の改正案については基本的には反映すべ き、重要なパブリック・コメントというのは見当たらなかったということでよろしいので しょうか。 ○井村座長 そうですね。事務局、よろしいですか。 ○薬事企画官 課長がのちほどお話するかもしれませんが、「見当たらなかった」という言 い方は我々はしておりません。見た上で、あくまで今回、我々がいまの時点ですべき措置 というものは、この資料1に示した内容という言い方が我々の言い方になります。 ○井村座長 課長から何かありますか。 ○総務課長 パブリック・コメントの今回の結果については資料2としてお示ししたとお りです。例えば、経過措置に関するご意見の中でも、「経過措置はそもそも不要である」と いう方向でのご意見があります。それから、経過措置は設けるべきだけれども、その内容 については反対で、これについても対象を広げるべき、あるいは対象を狭くするべき、い ろいろなご意見がありました。私ども、パブリック・コメントをさせていただく中では、 数字を見るというよりは、原案を作りましたときに私どもが気づかなかった点などを中心 に見せていただいています。今回、そういうものを全部見せていただいた結果、いまの時 点においては前回、第6回の検討会においてお示しさせていただいた経過措置の骨子につ いて変える必要はないのではないか。そこで、先ほど資料1をご説明をさせていただいた ということです。 ○三木谷委員 我々サイドの意見で言うと、郵便等販売の規制をするべきではないという 意見が8,333件、84.9%寄せられたけれども、それについては全く意味のないことである ということですか。 ○井村座長 お答えになりますか。 ○総務課長 今回、パブリック・コメントを掲げたのは、経過措置の案をお示して、それ についてどう考えられるかということでお聞きしました。そういう意味で言いますと、直 接的に関係のなかったその他の部分については、当然私どもも見ておりますが、経過措置 の案を変えるかどうかということには反映する必要はないと考えたということです。 ○三木谷委員 「参考にしたかった」と言い切ったほうがいいのではないですか。 ○後藤委員 いまの三木谷委員と全く一緒なのですが、「郵便等販売の規制をすべきでな い」ということ、これは経過措置を極めて緩和しろという意見だと思います。これは「経 過措置の内容に反対」の中でも、極めて緩和しろという意思だと受け取ったほうがいいの ではないかと思います。 ○井村座長 ほかにご意見はありますか。 ○阿南委員 わからないけれども、経過措置のところだけを見ると、そもそも「不要であ る」が700件近くあるわけですよね。内容に反対されている方もいらっしゃるわけですが、 経過措置そのものに賛成という方は42件なのです。それがなぜ、この経過措置を認めると いう結論になるのか理解できないのですが。 ○総務課長 パブリック・コメントというのは結局、「意見のある人は手を挙げて言ってく ださい」ということですので、ほとんどのパブリック・コメントがそうだと思いますけれ ども、原案でいいという方が手を挙げられる確率は非常に低いということです。そういう 意味で、無作為抽出で賛成、反対と聞いているわけではありませんので、先ほどご説明し たように数よりも中身を見て、気づかなかったところがあればそういうことももう1回よ く勘案をして、案を固めていくという作業を、すべてのパブリック・コメントについてや っているところでございます。 ○井村座長 阿南委員、よろしいですか。ほかにご意見はありますか。 ○三木谷委員 それであれば、実際に寄せられた意見の内容をまとめた資料において、「II. 経過措置に対する反対意見」「(2)経過措置の内容に反対」「【アの主な関連意見】」のいち ばん上のポツ、「離島に住んでいる方はよくて、山の中、例えば薬局まで自動車で山道を1 時間以上走らなければならない場所に住んでいる人は駄目なのですか。見捨てるのですか。 どういう差別なのですか。」との意見があります。これに関して、どういうようにご判断な さってこのままでいいというようになられたのか。「気づいている」けれどもいいというこ とですか。 ○総務課長 離島に限った理由というのは、この間もご説明をしましたけれども、今回ご 説明させていただいた離島は薬局店舗がない離島ということで、いくらアクセスをしよう としても、その島の中には薬局等がないという場合です。離島という概念は非常にはっき りしているということも申し上げました。一方、何とかのサービスに関するへき地という ことについては、それぞれのサービスについてどういう状態にあるのかということで、へ き地の学校、あるいはへき地医療というのがあります。例えば、学校であれば毎日通うと いうことを前提としてどういうへき地学校を考えるか。医療については、緊急時にはでき るだけ速やかにアクセスをしなければいけないということでへき地の診療所、へき地医療 というのは定まっています。そういう中で大衆薬、一般薬のアクセスについてどういうよ うに考えるか。種々の医薬品のデリバリーの中で、大衆薬としてのへき地というものを考 える必要はないのではないかということで、この間も提案をさせていただいたところです し、今回もそういうことで原案を変えていないということでございます。 ○井村座長 ほかにご意見はありますか。 ○三木谷委員 別に、これは厚生労働省だけでなく、役所一般がそうなのかもしれません が、1万近く集まって、いまのところ完璧ではないわけですから、指摘があって1つも変 えないというのだったら何のためにパブリック・コメントを取ったのかなと思います。し かも、いまの総務課長のご説明は離島というのは定義しやすいけれども、要するに過疎地 というのは定義しにくいから基本的にはやらなくていい、パブリック・コメントでそうい う意見が寄せられたけれども、平たく言えばそういうことであるということですよね。 ○総務課長 離島で薬局等がない場合には、少なくとも陸上の交通手段で行きようがない と、アクセスの問題として考えたということであります。 ○三木谷委員 船と自動車、何が違うのですか。 ○総務課長 ここは1つの議論だと思いますが、配置のシステム、あるいは薬局のほうで 相当ご努力いただくという話もありました。そういう中で、もともとは地域を限定した経 過措置というのは不要ではないかという議論がここでもありましたが、通常の交通手段で はなかなかアクセスがしにくい所ということで、離島というものに限ったということでご ざいます。 ○井村座長 ほかにご意見ございますか。 ○三木谷委員 離島も配置をやっていらっしゃるのですよね。 ○井村座長 三木谷さん、勝手に発言しないでください。 ○三木谷委員 発言中じゃないですか。 ○井村座長 ほかにご意見ありますか。 ○後藤委員 先ほど、阿南委員がおっしゃっていたことは全くそのとおりだと思います。 賛成が僅か40いくつ、1万分の40いくつ、0.5%だけしか賛成していなくて、99.5%が反 対しているという中で、これをまだ強行しようというのは、厚生労働省の考えたことには 何でもいいから国民は全部従え。検討会のことも全く聞かない、パブリック・コメントも 聞かない。一体、何が厚生労働省に歯止めをかけることができるのですか。 ○井村座長 お答えになりますか。 ○薬事企画官 経過措置に対するパブリック・コメントの賛成・反対ということでの今回 のパブリック・コメントだと思います。その前段階に、購入が困難な人が6月以降出るか 出ないかという話があったわけです。それに対しては2月の段階で、既に販売制度全体の 骨格になるようなものをひととおり示した上で、施行の6月を迎えるという話も当然選択 肢としてはあるわけです。ただ、何か6月以降、困った状態が発生してはいけないという ことでまとめた経過措置ですから、ここで言う経過措置が要るという意味での賛成の意見 が少ないということは、経過措置をしないまま、はたして従来、2月に出した状態の内容 で、6月の施行を迎えていいかというところの判断というか、考えになるわけです。それ に対して、今日、資料としてお示ししていますように、やはり6月以降、何かいろいろな ことがまだあっては困るという意味で経過措置を用意しておく必要があろうということで、 パブリック・コメントの結果ではありますが、改めて提案をさせていただいているという ことだと思います。 ○井村座長 ほかにありますか。 ○足高委員 いまの議論のところ、離島とかへき地の話、逆の立場から強行に「そのよう な概念は入れるべきではない」と言っていたほうです。離島だと生活が困る、へき地だと 困る。だって、薬以前に日常食品とか生活用品、みんな入手しているから生きているわけ ですから、薬が本来入手できないわけがないのです。そうでないと、こういう物も買えな いし牛乳も買えない。だから、へき地概念とか離島概念そのものがなぜ、こういうような おかしい事をしたのだろうと思いながら省令案をずっと読んでいました。反対は反対です けど。いまの議論でへき地とか、離島を概念的に確立したものという発想をされているし、 もう1つ言えばパブリック・コメントで反対意見が多かった。いま、そちらで説明がある ように大体反対意見が多くて、私どもも反対……省令案もありましたので、そちらの経験 からしてもほとんど変えられることはないと思っています。先ほどからおっしゃっている 議論がもう少し、何をおっしゃりたいのかはっきりさせたほうが。パブリック・コメント に行政法的に、それを参考にしなければいけないという義務は官庁側にはないのですから、 それをおっしゃっていても意味がないでしょう。 ○児玉委員 一つ目は、先ほどまた離島、へき地の話がありました。それはいままでの議 事録を見ていただいたらわかりますように、ここでさんざん議論したと思います。結果的 に、例えばヒアリングのときも奄美の離島の方が来られて、地域ネットワークでちゃんと やっているというお話もあった。したがって、私はへき地・離島についてはいまの中でき ちんとカバーしていこうというようになっていると思うのです。まとまったとは言いませ んが、多くはそういうことであった。  2つ目、パブリック・コメントの意見ですが、これを見ていて例えば「郵便等販売の規 制をすべきでない」というのが数多く出ている。私どもは規制をすべきだと思っているわ けですが、ここにあるようにないのです。「すべきである」というのはないのです。何を言 いたいかというと、これだけで賛成だ・反対だというのはなかなか難しいと思います。以 上です。 ○井村座長 ほかにご意見はありますか、よろしいですか。いまの問題以外の点でご意見 がありましたらどうぞ。 ○三木谷委員 今日、ほかにも資料を提出されていらっしゃる方がいらっしゃるのですか、 議事進行の中で今日はそれは説明する時間はないということでよろしいですか。 ○井村座長 いや、のちほど時間がありましたら、特に皆様方がご要望ならば時間を取っ てよろしいのではないかと思います。 ○三木谷委員 どうするのかなと思いました。 ○井村座長 できないかもしれませんが、とにかく後々その機会があると私は思っていま す。 ○三木谷委員 もし、可能であれば、皆さん出していらっしゃるから。 ○井村座長 その前にいまの議論を続けたいのですが。 ○三木谷委員 説明できるのかできないのか。 ○井村座長 そうさせてください。 ○小田委員 前回休んでしまったのですが、そもそも今回の薬事法改正はいままで40数年 の間、手が付けられていなかったという大衆医薬品の販売方法というものを整理しようと いう中で始まった。安全性ということが大事だろうという中で設定されたわけです。その 中で、販売方法の中に現在行われているネットというものが既にあったわけで、それをど うしようかということが最後に出てきたわけです。  三木谷委員のところでおやりになっている、また後藤委員のところでおやりになってい るのも確かにネットであります。昨今、国際的な話題になっているインフルエンザの問題 からしても、ちょっとネットを開けばタミフルが薬価の10倍で取引きされているという実 態があります。これはこの議論の中の冒頭でもどなたかがおっしゃったかと思うのですが、 おそらくこれはどこかの国からとか、平行輸入で入手されたものではないかと私は思いた い。よその国ですとにせ薬の販売が横行して、その取締りに非常に困っているし、それに 伴う被害がたくさん出ているという話がありました。  現にタミフルが薬価の10倍もの価格で取引されて、それでもなくてというときに、私た ちが前からずっと言ってきたのですが、新しく、まさに6月1日からやろうという安全性 を担保した薬事法の売り方が整備された中で、あまりにもネットの販売というものに関し ては異次元のものであって、今般のような時間と法の施行の背景にあるものを整理したも のの中では、あまりにもなじみがなさ過ぎるということを私たちはずっと言ってきました。  でも、実態がそうですから、たまたまタミフルという問題が具体的に起きていますし。 こういったことが整備されない以上、やはり私はネット販売ということに関してはもっと 慎重なことが図られるような議論なり配慮なりすべきだと思っています。 ○井村座長 小田委員、経過措置については具体的にはいかがでしょうか。 ○小田委員 この経過措置は、そういう中で実態があるわけですから、厚生労働省が今回 出したものに関しては「仕方がない」というような形で。経過措置というのはまさにそう いうことでいいというわけではなくて、経過措置の中で考えようという判断だと思います。 そういった面では、「仕方がないな」という形で賛成しています。 ○後藤委員 いま、タミフルの問題が出たので、一言お伺いしたいことがあります。私の 提出した資料の2枚目をご覧ください。「『第6回有効で安全な医薬品を迅速に提供するた めの検討会』における医薬食品局長発言」というのがあります。これは海外から医薬品を 輸入することが是か否か。そういうような議論をされていた検討会において、医薬食品局 長がおっしゃっていたことです。  この際、「海外からの医薬品の個人輸入を認めるべきだ」とおっしゃったのは、前の医薬 食品局長であったと理解しています。こちら、下線が引いてあるところをちょっと読み上 げますと、「ちょっとぐらい品質が悪いからだめなんだとか、個人には情報が十分いってい ないからやはり禁止する方向がいいんだということは、これはある面憲法問題になります ので、本当にそこまで非常に危険だという証明ができるかどうかというのは、ちょっと私 の方の目からいうとかなり難しいかなという気はいたします」、そういうようにおっしゃっ ている。これは海外からの個人輸入が、この検討会の中で禁止する方向で進んでいたとこ ろを、最後に高橋医薬食品局長がこのようにおっしゃって、それを禁止しなかったという 経緯があります。この中で特に憲法問題に触れているのですが、これは厚生労働省として 海外からの医薬品の個人輸入を禁止するということがどのような憲法問題になると認識し ているか、ちょっと教えてください。 ○井村座長 お考えありますか。 ○総務課長 憲法問題ということについて、ここで前局長が言っておりますのは、一般的 な医薬品と麻薬というものを対比してのことでした。一般的な医薬品について個人の行為、 事業者の行為ではなくて、個人の行為について規制をするにはそれなりの根拠が必要なの ではないかということを述べたものだと思います。 ○後藤委員 そうすると、生存権の問題だと理解してよろしいのでしょうか。 ○総務課長 私ども厚生労働省が、憲法問題について細かく解説をするような権限は持っ ておりません。もともと薬事法というのは、業として医薬品の製造販売をするということ について法体系ができています。そうではなく、個人の各種の行為を禁止するということ は、個人そのものに非常に害が及ぶ。ですから、麻薬や覚せい剤などに限って、個人が自 己の判断で使用した場合も規制をする。このような仕組みが一般的に、国際的に取られて いる体系なのだろうと考えています。 ○井村座長 実は私もその委員でした。確か、この場合の個人輸入というのは、医師が治 療の目的で個人輸入するということだったのではないかと思います。一般の人たちが勝手 に個人輸入するということだったでしょうか。児玉委員はそのとき委員だったかな、私は そのように理解しているのですが。 ○三木谷委員 おそらく個人輸入の問題、先ほどおっしゃった違法ドラッグ等の問題、正 規の大衆薬をちゃんと合法性をもってやっているところとについては議論を分けていただ きたいと思っています。  個人輸入ということに関しては外国人の方もいらっしゃいますし、逆の立場で言えば日 本人の方が発展途上国に行って、日本の薬を飲みたいというものを飲めなくするのと同じ ような話ですから、現実的にはなかなか難しいのだろうと思います。  その上で、私がお配りした資料を見てください。実は昨日、「過剰な医薬品通信販売規制 を検証するシンポジウム」という会が開催されました。呼びかけ人は自民党の世耕議員、 山内議員、それから民主党の市村議員、鈴木議員、田村議員です。その中で、専門家とい うことで、国際医療福祉大学大学院長の開原さん、また、西山さんという、去年まで厚生 労働省の健康局長をやっていらっしゃった方にもご出席いただきました。あと、憲法学者 の方にもご出席いただきました。その中で、厚生労働省でずっとやっていらっしゃった西 山さんから、「一介護者としての意見」として資料が配布されました。去年、奥様が脳硬塞 になられまして、寝たきりになってしまっているという中で、一般用医薬品を対面でしか 売ってはいけないというものであれば、それは保険薬に戻すべきではなかろうかというコ メントをしていらっしゃいました。  また、「スイッチOTCについては、医師が一定期間使用して『概ねの安全性』を確認でき たために一般用医薬品にしてきた経緯があることに留意すべきである。上記医薬品などは、 いまさら対面販売と言われても当惑するのは私だけではないだろう。ネット販売で十分で ある。」とコメントされています。これは厚生労働省のOBとしてお出になられたのではな くて、あくまでも奥様が脳梗塞ですごく不自由、現実的にはネットで買うことがライフラ インになっているという立場で出られたわけです。しかし、多くの専門家の先生方が「対 面でなければ安全性がない」とおっしゃっていらっしゃる。そのように考えていくと、今 回、そもそも対面の原則というもの自体が科学的にも証明されていませんし、基本的には 違憲状態にあると考えています。 ○井村座長 ほかにご意見ありますか。 ○増山委員 私はこの経過措置について、これだけ広範囲に地域を限定して除外して、2 年間の経過措置を設けるという成り立ちになっていること自体、折角の改正の意義が失わ れるのではないか。今回、きちんと対面販売を原則でやるということを決めたにもかかわ らず、それに沿わない形の経過措置が出ること自体には反対です。また、医薬品の継続使 用の方の場合、安全の確保が低くなってもかまわないということに取りかねない形になっ ているということについても反対です。  ならば、どういう方がいままで継続購入されてきたのかという定義も曖昧なので、この 点についてもきちんと定義されていないことについて問題があると考えています。ただ、 いま議論の中で、委員の方がそれぞれのお立場でなぜ賛成できないのか、もし賛成できな いのであれば意見という形で言っていただいて。仕組みとしては、この検討会が経過措置 を承認しなければそれが出せないという仕組みにはなっていませんので、ここの場では委 員会として、この検討会として賛成しないということを確認するのかわからないですが、 皆さんの合意が取れるところを確認するという作業をされたらいいのではないかと思いま す。 ○井村座長 すみません、いちばん最後のところだけわからなかったのですが。 ○増山委員 つまり、検討会としてこの省令に対して、いまそれぞれが反対とか個別に意 見を言って、話もかなりあちこちに行っているような状況だと思います。ただ、合意が取 れるところがあれば検討会として、この省令に対して賛成しないという合意を取るなら取 って、もし検討会として省令案に賛成しないのであれば、困っている人に対してどういう ように考えるのかというところをいま1度確認したらいいかと思います。 ○井村座長 ありがとうございました、了解できました。ほかにご意見ありますか、いま の点も含めて。 ○足高委員 まず増山委員、良いことを言ってくださっているのですが、多分結論は、例 えばこの省令案に関して反対でしょう。お隣の方は、絶対に。私も別の立場で反対です、 増山委員も多分反対でしょう。どっちも反対、反対で、逆の立場で反対だから意見がまと まるわけがない。  前回の最後に言っていましたが、私が希望するのはいまの省令案と我々、ここで検討委 員と名前を連ねられた人間をあまりリンケージさせてほしくない、これは思っています。 意見として言いますと、先ほど三木谷委員がおっしゃった中で対面原則ということを持ち 出された。薬は処方箋薬でもない限り、規制するほうがおかしい、対面原則という観点を 持ち出された。ある意味、そういう観点の考え方は理解はできます。「薬はやばい」と思っ ているほうから言えば、逆に言えば逆の形で全否定という形にもなる。  だけど、省令案でどうしても納得できないのは、これは増山委員も一緒だと思いますが 対面原則とは一体何なのか。対面原則で配置でも縛られる、もちろん店舗はいっぱい縛ら れている。対面原則とは一体何なのか。言葉を分解していけば情報提供を専門家がする。 それだってYes or Noで、必要でないと言われれば必要がない。だけど、対面原則はなぜ 要るのか。本人が意識していないような病状、単に胸やけを起こしていると思うのは、「胸 やけじゃない、医者のところへ行ってきなさい」と専門家が言うのが必要だろうという話 で、確か対面の原則となっていたはずです。素人、単なる店員が対面原則というか、情報 提供の要否を判断するのだったら対面原則をそもそもつぶしていくようなことになる。そ もそもつぶしていくし、まして経過措置とはいえ、ネットで聞いてYes or Noで聞いてい く。これでは結局、本人が意識していることしか答えられないわけです。本人が意識して いないものを専門家が見つけ出してアドバイスするということは、そもそもそこにはまる っきり必要とされていない。  私から言えば、対面原則ということを言うならばきちっと、整合性を持ってやってほし い。一時議論の中にあった、商売としてやっているのに困るではないかと言われても、私 も困っているのです。だから、国民の安全ということだったら安全ルールをきちんと統一 すればいい。それができないのだったら、逆に三木谷委員がいま言ったように本当にやば い薬、要するに処方箋薬以外はみんな勝手にしたらいい。そこまで対面の原則を、どうい うことを根本にして原則にしてこられたかを分解していって、最低限何が要るか。少なく とも、専門家が目で見て、判断して、アドバイスする可能性を残しておくということが必 要ないのだったら、それができないような対面の原則だったら意味がないと思っています。 ○後藤委員 とは言っても、結局、対面の原則というのは購入者に対する対面の原則なの で、購入者の顔を見て「あなたは何か胸焼けと言っているけど、こういうのじゃないです か」と、そんなことを言えたら、もう超能力者ですよね。そういったことまで含めての対 面の原則なのでしょうか。 ○井村座長 極端なことを言って議論しても始まらないのではないかと思いますが。 ○後藤委員 いや、普通の人が普通に考えて、対面の原則というのは使用者に対してやら ない限り。いろいろと相手の状態、購入者の状態を見たところで、分かるわけがないでは ないですか。 ○井村座長 私が言っても仕方がないのですが、それはずっと疑問にも思っていましたし、 実際に購入者というのは患者本人ではありません。だからそこのところでどういうふうに 対面ということを担保するのかなと思っているのですけれども、やはり、患者に委嘱され て薬を買いに来た人というのは、患者の状態をある程度知っている人が多いだろうと思い ますので、それについて、薬剤師なら薬剤師がある程度質問をする。情報を提供する前に、 まず情報を取る、それで情報を提供する。そういう行為が行われるのが「対面」だろうと 私は理解しているのですが、そうではございませんか。 ○足高委員 私の意見としては、確かに対面の原則というのは、厳密に考えれば、使用者 自身が本当に専門家と顔を合わせるというのが原則だと思います、いま座長がおっしゃっ たような形で。本当を言うと、専門家といっても、薬剤師さんが診断行為のようなことを すること自身、医師法に引っかかってくるのと違うかとか、そこら辺で私は思うところも ありますけれども、そこのところは9割9分、あるいは9割8分対数の法則で、何とか世 間のコミュニケーションの中で原理原則に基づいてやっていくということで、多くの方々 のハッピーを獲得していくしか手がないなと思います。だけど、それと初めからそういう チャンスを購入者に対して与えないという形で無視するということとは、原理原則から、 全然違っていると思います。 ○児玉委員 増山委員がおっしゃったことは違うような気がするのです。たぶんご本人が おっしゃりたかったのは、ここの検討会で与えられた大きな2つのテーマ、要するに今度 の新薬事法の導入に当たって困った人を、離島も含めてどうするのか。もう1点は、イン ターネットのことをどうするのだということで議論をしてきたけれども、まとまらない、 したがって報告書等も出来ない、前回座長自身がそういうふうにおっしゃった。しかし増 山さんにすれば、そうだけれども、議論をしてきたのだから、それぞれの皆さんが「いや いや、それでもちゃんとこうやるよ」とか、そういうことがあれば言ってくださいねと、 私はそういうふうに取っているのです。  例えば、困った人がいるということでいろいろ議論がありますが、私どもは以前から、 いわゆる対面の話もされますけれども、それを担保した上できちんと対応するのだ。それ は消費者のためにやりますよと申し上げてきた。我々はその姿勢は全然変えておりません し、そういう方向でいこうとしております。たとえ経過措置があろうと無かろうと、やり ますよということで、今もその準備を一生懸命やっているわけです。だから、そういう点 では基本的な考え方は変えてないし、そういう方向性に行こうとしている。私どもはそう いうことですと、そういうふうに申し上げただけです。「では、ほかの方はどうなのでしょ うか」ということでいいのですね。 ○後藤委員 足高委員のところに関して少しあるのです。今回配置販売業に関しては、事 前に代表者に情報を提供すれば、事業者に対して配置できる。そういう状況で、先ほどお っしゃっていたような胸焼けだとか、代表者を見て一体何をしようと言っているのですか。 ○井村座長 だいぶ揚げ足という感じになってきましたが、何かお答えになりますか。 ○足高委員 それに関しましては、おっしゃるとおりです。クエスチョンは出るでしょう。 はっきり言いますけれども、私どもとしても、別にそれを望んでいません、配置業者とし て。そこはきちんとルール化したほうがいいと私自身は思っています。 ○三木谷委員 いま対面のお話になっているのですが、ここは当然、児玉先生も含めて、 専門家の方がいろいろ議論をされてきたと思うのです。一方、ほかの専門家の方は大変正 直で、別の意見を持っていらっしゃる方も大勢いらっしゃると思うのです。  私がお配りさせていただきました資料の最後の紙、表紙で「緊急共同声明」という中の 2パラグラフ目を見てください。これは先ほど申し上げましたとおり、前厚労省の西山さ ん、元厚労省の浅野史郎さん、それから開原成允さんが出ていらっしゃいました。私も、 いろいろな方とお話をさせていただきましたが、その中に書いてあることを読ませていた だきます。「医薬品には副作用があり薬害被害を出さないようにすることが重要であること は当然ですが、一方で、現在、消費者に定着し、かつ、インフルエンザパニックにも有効 なツールとなりうる薬のネット販売をあえて禁止して、対面販売に限定しなければ医療の 安全は確保できないとするのは、余りにも極端であること、つまり、そこまでの過剰な規 制の必要性を示す実態もなく、また、医学的根拠も希薄であることが明らかになりました」。 「明らか」というのはこのシンポジウムで明らかになったということです。  しかしながら私が申し上げたいのは、今回の省令に関して、科学的に、対面というもの がなければ安全性は確保できないのか。いろいろな専門家を入れて、6月以降でも結構で すから、是非検討していただきたいと思います。 ○井村座長 ご希望が出ました。 ○児玉委員 私の意見を言う前に、三木谷委員に質問したいのです。これは今のパンデミ ック状態のことをおっしゃっているわけですね。家から出られないので、その場合はイン ターネットが有効ですよということですね。では、注文はいいのですが、デリバリーはど うするのですか。 ○三木谷委員 今の実態だけ申し上げますと、幸か不幸か、神戸・大阪地区というのはこ の期間、我々のショッピングの売上げは2倍になっているのです。当然そのデリバリーの 方々は、ヤマト運輸の方も、郵便局の方も大変な健康管理をなさって、消毒もしっかりな さってデリバリーをされていらっしゃいます。ですから、そこから感染するという可能性 は、ゼロではないかもしれませんが、一般に外に出られるよりは、はるかに低い。これは 薬に限らないのですが、例えば今のような状況がさらに進んでくると、家族は誰も出られ なくなりますから、通信販売で届けるというのは大変有効な手段ですよね。だからそうい うケース、それから、それ以外のケースも考えられますが、そういうことも考えなければ いけないのではないでしょうかという意見です。 ○児玉委員 誤解のないようにしておかなければいけないと思ったのですが、私どもは今、 この新型インフルエンザに対してどのように医薬品の供給をするかというのを厚生労働省 で詰めているところなのです。何を言いたいかというと、実際に阪神淡路大震災が例とし ていちばんいいと思うのですが、あのときどうなったかというと、結局デリバリーができ なかったのです。今回は感染症、前回は地震です。だけれども、要因がどうであろうと、 そういうとき、デリバリーは潰れるのです。ですから、あのとき私どもも大変苦労しまし た。約3,000人の薬剤師ボランティアが参加して、まさに人海戦術で供給をやったのです。 このような時は専門的知識がなければ、無理なのです。誤解をされないように言いますが、 パンデミックというのは、患者さんあるいは一般の方だけではありません。デリバリーに 関わる方も、すべて外に出ることができないような状態になるのです。通常の、デリバリ ーを当てにしては駄目なのです。そういうことは、現実的に私どもはやってきましたから、 よく分かります。したがいまして、そういうふうにはいかない。  それで私どもがいま検討しているのは、そういうことを想定して、きちんと私どもが専 門家として対応する方法をとることなのです。だから、そう簡単に、このようにはいきま せんよということを私どもの経験から申し上げているわけです。 ○三木谷委員 ここでは「インフルエンザパニック」と書いてあるのです。要するに、す べてが外出禁止になるということではない。結構流行ってしまって、その家族全員、特定 の家族だけが外出禁止になるというような状況を想定している。しかし、パンデミックの ような状況になれば、児玉先生のおっしゃるとおりだと思います。 ○増山委員 先ほどから、対面だと安全を確保できる根拠は何かという議論がありました が、私は、飲みたい方が買いに来るケースが多いと思うのです。だから、どこかにその基 準を。まず、全体数で見ると、飲みたい人が買いに来るというパターンが多いと思うので す。そこで、様子がわかるというのはすごく大事です。どういう扱い、どういうやり方が 適正なのかというようなことをきちんとやってこなかったという反省があるので、そこは きちんとコミュニケーションをとって、できるだけリスクが回避できるように努力してい きましょう、というのが今回の検討会の制度設計の基本だと私は理解しているのです。  今までこういう制度設計をしたことはないわけですので、本当に安全が今まで以上に確 保できるかどうかというのは、議論を深めていくと、やってみなければ分からないという のが正直なところだと思うのです。ただ、間違いなく、消費者とか専門家の方が集まって 議論して、これが今考えられる中では安全を確保しやすい環境なのではないかということ を決めたわけです。  私自身は、本当にやってみて、問題があれば少しずつ修正していくということは避けら れないとは思っているのですけれども、ただ、ここの中の議論で皆さんがある程度合意し たと思っているのは、少なくとも今の現状では、ネットが安全面で対面販売を上回ってい るというのは言えないのではないかということです。なぜかと言うと、ガイドラインが自 主的に作られていても、それが実際にやられていないわけです。ですので、それはしょう がないと理解しています。 ○三木谷委員 別に、このことを議論する必要はないと思います。私の感想ということだ けで言いますと、いまの増山さんの発言の中で、自分が行くケースが多いのではないかと ありましたが、それは50%より上かもしれませんけれども、実際には、うちの場合であれ ば奥さんが、忙しいでしょうが買ってくるというケースも非常に多いです。また、私の場 合だと、大体秘書が買いに行ってくれるということもあります。99%あるいは90%以上は、 実際に服用される方が買っているというよりは、実際には服用される以外の方が買ってい らっしゃるケースも十分大きいパーセンテージでいらっしゃるのではないかと私は思いま す。 ○増山委員 私も少しだけ自分の感想を補足させていただくと、仮に代わりに買いに行か れる方がいたとしても、飲む方の様子が全く分からないで買いに行かれているわけではな いと思うのです。大概は、身内の方とか近い方、その方の様子が分かっていらっしゃる方 が買いに行かれているので、様子を聞かれた場合、それに少し答えることができるという 状況にはあると思います。 ○國領委員 私も、自分が提出した中でそれを書かせていただいているのです。先ほど座 長もおっしゃっていたのですが、対面の原則というのが誰に対する対面の原則か。服薬さ れるご本人と購入される方の違い、今回検討した結果、その矛盾と限界が露呈したという ところなのではないかと私は思います。  この話は、ネットですと皆さん頭に血が上るので、どちらかと言うと、綾部委員の伝統 薬と比較する。電話であるからこそ、本人と長時間対話ができる。それで、ある種コンサ ルティングのような、人生の相談に乗っているような、そういうところまでコミュニケー ションをとりながらやるものと、代理の人と対面するのとでは。私も、半年前に秘書が買 ってきて研究室にあったものを飲んでしまったりすることは当然あるわけです。そういう ものを比べたときに、どちらが安全か、どちらのほうがちゃんと伝わるかと言ったら、そ れは電話で直接長時間コミュニケーションをしたほうがいいのではないかというのが素朴 な感想です。対面の原則をあくまで堅持したいと言うのであれば、本人に対する対面とい うところで、いかにそこに向けてきっちりやっていくかという方法を考えるべきです。そ れがあまりに現実性がないということであれば対面原則そのものを考え直すべきです。  やりたいのはリスク・コミュニケーション、つまり本人に対してちゃんと情報が到達す るというところが目的で、対面は手段なのです。正直に言って、今回の改正をやってしま うと、少なくとも2年間、制度としては穴だらけの制度にしてしまうということなので、 ここはやはり巻き戻して、どうすれば本人にちゃんと情報が到達するのかというところへ 議論を戻さないと、「対面の原則」という言葉だけが一人歩きしてしまう。代理人でも構わ ないから対面、というようなところで妥協を重ねると、何のためにと。それに、薬事法そ のものがおかしくなってしまうのではないかと思います。 ○小田委員 私も、そのことに関しては同意見です。それから、先ほど三木谷委員もおっ しゃっていたことなのですが、継続的にやっていただきたいということがそこに反映され るのではないかと思うのです。私が言ったタミフルの話が個人輸入のほうに行ってしまっ たのですが、少なくとも、ネットを抜きにして考えますと、薬事監視にしても、万が一事 故が起こった場合にしても、どこで誰がいつ、というふうなことに関しては、ある限定さ れた地区で解決がつくのですが、ネットと言った場合には、何か起こった場合に。では今 までにもネットで事故が、副作用があったのかということに関する投げかけがあったわけ ですが、ネットで売ったかどうかすらも掌握できないような現実があったわけですから、 経過措置とはいえ、これからネットで販売するといった場合には、それがネットでの事故 なのか、副作用なのか、それとも一般の店頭のものなのかというふうなことが明確に分か るようなことを位置づけてもらいたい。また、事が起こった場合に、例えば九州で売られ たものが北海道で使われたという場合に、行政としてはどちらが責任を持って対応するの かといった問題があります。  私が先ほどタミフルのことで申し上げたかったのは、ネットの監視体制というものが仮 に行われた場合に、今でも振り込め詐欺?というものが、これだけみんなでやっても潰れ ないわけで、どうなのか。三木谷さんがおっしゃったように、別の場で、我々とは違った レベルの頭の持ち主の方々にきちんと議論していただけないと、とてもこの場では解決で きないのではないかと思って、私は最初から、この話はここでできないのではないかと申 し上げていたわけです。 ○後藤委員 いまの小田委員の発言に関してなのですが、私が提出した資料の1頁目をご 覧になっていただきたいのです。前々回の検討会の中で井村座長が、この報告会では何も コンセンサスが得られなかったということだったのですが、これだけは1つコンセンサス を得たいと思っているのは、ネットあるいは通信販売に関する議論については別の場が必 要だ、ということに関しては、この中でも数多くの委員がおっしゃっていると思うのです。 そういったことに関してこの検討会の中で、ネット販売、通信販売に関しては別の場の議 論が必要だということのコンセンサスは得られたということを舛添大臣に報告する、そち らに上げていくといったことはできないでしょうか。 ○足高委員 そこまで決めつける前に、先ほど國領委員がしゃべられたことと珍しく一致 しているのです。2月の段階まで遡ろうよとおっしゃっているのは、はっきり言って私も 同意見です。今のままでは、後藤さんの言っている「対面の原則」の定義もはっきりしな い。そして、それを無理やり薬事法の中に押し込めていくと、薬事法そのものがバラバラ になる。違う立場ではあるけれども、薬事法の整合性そのものも、「対面の原則」というの はそこを根幹に置いてあるはずですから、非常にややこしいものになってくると思います。 だから2月の段階まで戻す。私たちの思いで言えば、経過措置も、ヘチマも何もなく、ハ ードな話でしょうが、一旦決めた話は薬事法としてそのままされていくのがいいのではな いか。今の省令案も何もなく2月までフィードバックする、そう思っている次第です。 ○綾部委員 私も同意見です。この検討会に参加していろいろと議論をする中で、服用さ れる方と医薬品を提供する側がこれまで以上にどれだけ安全に医薬品を提供できるか、と いうところが本質で、ちゃんと国民の方に情報提供しながら安全に服用もしていただくと いうところがどれだけ確保できるかというところを、私も伝統薬という分野で説明させて いただきました。結果的に施行というのを目の前にした中での今の改正案というのは、そ のまま行くのだろうなと思っているのですが、決してそれでは解決したとは思っていない のです。  6月になると、我々で言うと、多くの協会の会員のメンバーは苦しい状況に陥ることを 考えると、結果的に、そういう薬で助けられた方々も服用できなくなります。ですから、 いま足高委員もおっしゃったように、もう一回、対面ということも含めてきちんと議論を する場、これは皆さんお話されていたことだと思いますので、そういう場を早急に設置い ただく。我々のコンセンサスもそうですし、できれば何かお約束をいただく場があれば、 我々はまた、そこに対して。 ○井村座長 すみません、何についてのコンセンサスですか。 ○綾部委員 新しく対面の原則というものを踏まえて、通信販売のこれからの制度化みた いなものをきちんと議論できる場をということでコンセンサスが得られればと思っていま す。 ○足高委員 私の名前が出ましたので、ちょっと誤解の訂正です。私は2月の段階に戻せ と言っているだけで、何も新たにとは。本当に2月の段階に戻して困るのだったら困るの でいい。その時はその時でまた考えられたらいいので、わざわざここのところで。改正薬 事法は薬事法の本義に則ってやってしまえばいいと言っているだけですから、新たな審査 会を作れとか、検討会を作れとかというような、そこまでおこがましいことは申し上げて おりません。 ○國領委員 折角足高委員と一致したのに、とても残念なのですが、私の論点は、購入者 と対面、というような対面の原則だと、薬事法の精神である情報伝達ということを実際に 実現するためのルールとしてはうまくいかない。それに対して対策を立てようと思えば思 うほど、薬事法の精神そのものである情報伝達のところに穴があくというような構造にな ってしまう。だから経過措置をどうするか、こうするか、それはそれなりの判断がいろい ろあるかと思うのですが、ここはやはり一回元々の薬事法の考え方である、ちゃんと情報 伝達をするというところの実現に向けて考え直したい。対面の原則というのも、これが先 ほど申し上げた2つに1つで、本当に本人に対面でやることを徹底して実現するのか、そ れとも別の手段を考えるのかというようなところへ一回話を戻さないと、長期的にこの制 度は持たないと思います。そういう意味だったということでございまして、単に2月時点 に戻せば、それでいいというような話ではないと思います。 ○井村座長 それはよく分かりました。ここで厚生労働省にお聞きしたいのです。今回の 薬事法の改正に絡んで長いこと検討してきました。そこでは「対面の原則」という言葉は 使いませんが、対面で薬を販売するという言葉で安全性を担保する、そういう考え方で来 ているわけです。そのときに「対面」という言葉にどういうイメージを持ちながらそうい うふうに言ってこられたのか、厚労省のお考えをお聞きしたいのです。 ○薬事企画官 私自身の考えということでお許しいただきたいと思いますが。対面という ものが長い議論の中で出てきた、その理由としては、作用もあれば副作用もある、そうい う特性を持った医薬品の販売、買う側から見れば購入というものがどういうふうになされ れば安全かということで議論が始まったかと思うのですが、その際出てきたのが、お互い に相手のことを十分把握し得る1つの手段が対面だろうということ。それと、双方向の意 思疎通が十分できるということ、これは17年の報告書に書いてあるとおりなのです。そう いうことから、結果として今とり得る方法として対面というものを求めていこうという流 れになってきたかと思っています。  いろいろ議論を聞いていると、ご本人が直接買いに来る場合と、そうでない場合、いろ いろあるという実態論としてのお話はいただくのですが、よくよく考えますと、制度を作 り、いろいろな環境を作っていくことによって国民の安全というものを確保していこうと いう我々の立場と、その制度の中で、同じ認識を持って実際に制度とともに、今回の場合 であれば薬の販売をされる事業者の方、さらに薬を買われる国民の方全員が薬というもの を理解していけば、自ずと本人が自分で出向いて買いにいくのがいちばんいいというご判 断をいただきたいと思っている部分があります。いまの実態論を聞いていると、まだそこ までは、我々が国民に対してアピールも足りないだろうし、薬というものがどういうもの かということを理解していただく部分について、これからも努力をしていかなければいけ ないと感じました。 ○阿南委員 質問をさせてください。足高委員は2月のところにまで戻す。國領委員は、 改正薬事法の対面販売そのものの中身を考えていこうというところにまで戻りたいとおっ しゃっているわけですが、それは、この経過措置には反対というお立場なのでしょうか。 ○井村座長 足高委員が反対であることは分かっておりますけれども、國領委員はいかが でしょうか。 ○國領委員 制度に対して重大な穴をあけるものであるという意味では、あまり望ましく ないのではないかという思いが片方でありながら、もう片方で、現実にここで本当に目を 向けなければいけないのは、実際に困る人がいっぱい出てくるということです。それから、 確かに小田委員がおっしゃっているとおりで、皆さんお気づきのとおり、本当にこのイン フルエンザの真っ直中にこれをやろうとしているわけで、これで解熱剤も買えなくなるわ けです。ですから、本当にこのタイミングでやってしまっていいのかという思いが片側で あります。今まで私がいろいろ申し上げて反論が多かったのも承知はしているのですが、 今までネットのいろいろな問題と付き合わされてきている中で、こういうような規制の仕 方をすると、脱法的なものがものすごく流行るというのは、今までの経験として分かって いるのです。こういうときは真っ当に手に入る道というのをちゃんと確保しておくことで、 脱法とか個人輸入とかをやらないで済むという状況を作っておくことがとても大事だと思 っております。そういう意味で、決して良い経過措置だとは思いませんが、これをやるか、 やらないかだけが今日の選択肢だとすれば、やらないよりはましだとは思っています。 ○後藤委員 その脱法というところはものすごい問題だと思っています。例えば、今回特 例販売業を取ると、郵送等販売に関する規制に当たらないということで、伝統薬の会社な どがいま駆け込みで特例販売業を取って、それで「対面の原則」は関係なしで、薬剤師で ない人、登録販売者を取っていない人でさえ郵送等販売を開始しようとしているというよ うなことを聞いているのです。まず、特例販売業を取っていれば、郵送等販売に関する今 回の3類に限るといったことは抜けられるのでしょうか。 ○井村座長 いまの話は事務局で対応していただけますか。少なくとも、流れとしては、 特例はだんだん尻つぼみになるはずなのですが。 ○総務課長 特例販売業については、今回の薬事法改正では本則から消えました。おそら く、戦後すぐはいちばん多い形態で、私もその実態はよく承知していませんが、それぞれ 万屋さんみたいな所で一部の薬を扱うということで、各都道府県が、この薬だけは売って いいですよという形で許可されるという形が今回の薬事法改正まで続いてきましたが、今 回新しい販売制度にするということで本則から落として、今まで許可されている所だけは、 もう廃止ですと言うわけにいきませんから残しているということです。そういう意味で言 うと、経過措置的に今までの売り方が残っている部分はあるのですが、本則で特例販売業 という業があるわけではありませんし、対面の原則が本則で外されているということはあ りません。 ○後藤委員 5月31日までに特例販売業を取っていれば、郵送等販売は、3類に限らず、 本則にはないけれども、経過措置として継続していくことができる。もしも5月31日以前 に特例販売業の許可を取っていて、それで郵送等による販売をやっている業者は、6月1 日以降も、2類とかに関して全く制限なしに販売を継続できるということですか。 ○井村座長 事務局、いかがでしょうか。 ○薬事企画官 実際にそういうやり方をされている特例販売業の方があるかどうかという 意味では、よく承知しません。制度的には確かにそういう余地があるのかもしれませんが、 6月以降は本則では無くなるわけですから、新たな特例販売業というのは出てこないわけ です。いま特例販売業で郵送販売をするようなところがあるか無いか、そこは承知してお りませんので、そこはあまり一般論で言うことは適切ではないので控えさせていただきた いと思います。 ○増山委員 いま後藤委員がおっしゃったのは、伝統薬がそのようにシフトしようとして いるのではないかという指摘だったと思うのです。これは伝統薬の方から直接お伺いした いのですが、そういうことをお考えになっているのでしょうか。 ○綾部委員 先日出ました省令案の内容を見て、協会にいる方々も各都道府県に今相談に 行っている状況で、そこで特例の話が出ているかどうかとかというのは、それぞれである だろうと思いますが、これまで各都道府県の指導の中で進めてきたところなので、たぶん、 それぞれの話の中で出ていると理解しています。 ○井村座長 増山委員、それでよろしいですか。 ○増山委員 そういうことは伝統薬の協会としては承知していないという理解でよろしい でしょうか。 ○綾部委員 承知していないというか、各都道府県のほうで相談して薬務課と話をする中 でどう判断されるかというところで、取ったということについて、まだ実態は聞いており ません。 ○井村座長 お分かりにならないということですね。 ○綾部委員 はい。 ○三木谷委員 この改正案に賛成か、反対かというよりも、皆さん立場は違うけれども、 この改正案は整合性がとれていないということについてはコンセンサスがあるのではない かと思います。そのことは、ちゃんと書いていただきたいと思います。17年のときに対面 の原則というのを議論したというお話がありましたね。 ○井村座長 17年ですか。 ○三木谷委員 先ほどのお話の中で、平成17年のときに対面の原則というのが出てきたと。 ○井村座長 報告書の話ですか。 ○三木谷委員 そうです。インターネットの世界では「ドッグイヤー」というのがありま して、1年が7年に相当するというぐらいに技術が進歩していきます。そこで、昨日のシ ンポジウムの参加メンバーをもう一回見ていただきたいのですが、シンポジウムの中で、 医療情報分野では第一人者の開原先生のご発言の中で、遠隔医療の話がありました。それ は何かというと、診療というものに関しても、そもそも対面というものが厚生労働省の原 則であった。欧米では遠隔医療も診療であったけれども、日本では遠隔医療は診療と認め てこなかった。しかしながら、技術の進歩によって遠隔医療も診療と、日本でも認められ るようになりましたとおっしゃっていました。インターネットの世界では、フェイスブッ クのサービスも3年前にはありませんでした。インターネットでいま本当に優勢を極めて いるような、いろいろなサービスも、ほとんどございませんでした。ですから、技術とい うのはそれぐらい刻々と進歩していて、3年という間に大きく状況も変わっているので、 ここから更に3年か4年やりませんと言う間に、また技術は進歩します。昔は本当に対面 でなくてはいけなかった。しかし今は、情報技術を使った診療も診療と認められるように なった。そのことと同じように、薬の販売についても技術の動向、それからユーザーのア ダプタビリティー等も考えながら、ここについては刻々と今後も検討していくような体制 を、厚生労働省は是非とっていただきたいと思います。 ○井村座長 ご希望が出ました。 ○阿南委員 先ほど國領委員から、対面の矛盾についてのご意見を伺いましたが、私は、 そのような矛盾を抱えているというご意見の中身についてはよく分かります。従って、そ うした立場からも今回の経過措置を認めることはできないと思います。対面の矛盾をその ままにして経過措置を認めれば、なし崩しになります。ですから私は、経過措置を今回は 認めることはできないという意見です。 ○井村座長 阿南委員に伺います。そうすると、2月の省令の時点に戻れということです か。 ○阿南委員 そうです。 ○増山委員 十分に伝わっていなかったかと思いますので、私が先ほど申し上げた意見を 繰り返させていただこうと思います。私自身は、まず今回出ている省令案については反対 です。ただ、この省令案を出すか出さないかを私たち委員が決めることはできないのであ れば、また、この検討会の中で認めることができないという合意が取れるなら、それはき ちんと議事録の中で残していただければという気持で私は言っているのです。というのは、 出てしまって、全然よく分からない方が、検討会が開かれて、その結果省令案が出された のであれば、検討会がそのような意向だったように後々誤解を受けたくないというのが1 つあります。  この検討会は、もともと、困っている人をどのように救済していくかということのため に集まってきたわけです。いろいろな方々から、このようなことが自分の団体ではできる というようなお話がいくつかあったと思うので、法律とか省令に関わらない部分でできる ことがあれば、折角そこで提案をしてくださったのですから、是非実行していただきたい とお願いしたいと思います。 ○望月委員 テクニカルなお話になってしまいましたので、増山委員がご提案された、そ もそも、この省令にここの検討会メンバーは賛成なのか反対なのかというところにお話を 戻させていただきます。先ほど三木谷委員が、対面で販売することの原則に矛盾がある、 不整合があるというのが大方の意見だと言われていました。もともとの法令そのものに矛 盾があるというご指摘だったかと思うのですが、私個人の意見としては、この省令案が矛 盾を生じてしまっているだろうと思っております。 ○井村座長 望月委員が省令案とおっしゃっているのは、改正案ですね。 ○望月委員 はい、今回の資料1で提案されているものについてですが、この「経過措置」 ということが矛盾を発生させてしまっていると思います。私はそういう意味で、こういう 経過措置を設けることに関しては反対です。  ただし今回、いま増山委員もおっしゃっていたように、円滑施行ということで検討をし ていく中で、利便性を損なう方々がいるので一部分を改正するということでこうした提案 がなされてきたと理解しております。私自身は、この検討会の中では、諸団体の方々が提 案するもので十分行き届くのではないかと判断しておりましたが、それでも無理というこ とで行政のほうでこういう提案をするということでしたら、離島の居住者であるというこ との確認をする。「そこに薬局等がない」という頭が付いておりますが、この「薬局等」の 中には、おそらく医療機関も含まれている部分もあると思いますが、それの確認をする。 あるいは、改正省令の施行前に購入した医薬品であるという確認をきちんととっていただ くということが、この改正の案をきちんと行っていただくために必要な事項だろうと思っ ております。  先ほど、対面で販売することの原則について、実はこの法律の中で担保できないような 矛盾がいろいろあるというご議論がありましたが、そこに関して私は、今まで一般用医薬 品の購入の仕方あるいは販売の仕方に本来の形でない部分があったということが問題で、 そもそもこの検討の中で対面販売が原則だと言われてきたのだろうと思います。そういう 意味で私は、購入者の方々にも医薬品の特性をよくご理解いただいて、本来であれば対面 で購入するのがいちばん適正な購入の仕方になるのだけれども、希にそういう身動きがと れない場合があるでしょう。そういう場合に代替者に購入をお願いするに当たって、代替 者の人たちはどういう情報をもってして購入に当たらなければいけない。そういったこと を一般の方々にきちんとご理解いただくような啓発活動を、これからもっとやっていかな ければいけないだろう。それは行政にも求められることですし、売る側にも求められるこ とで、これは店舗の方あるいは配置の方、すべての方々がここに尽力していただかなかっ たら、この法律が台無しになってしまうだろうと思います。  後藤委員のご意見は、新たな検討会としてインターネットを使った販売方法に関する検 討会を、この検討会の総意として大臣にというお話だったかと思いますが、私は、それは この検討会として出す必要はないと思います。私たちはそういうことを議論するためにこ こに出ているわけではなくて、円滑施行ということで議論をさせていただいておりますの で、それは全く別の話だろうと思います。たくさん言いすぎたかと思いますので、ここで 一旦打ち切ります。 ○後藤委員 先ほど増山さんから聞かれたところについてです。全国伝統薬連絡協議会か ら5月19日に各会員に出されている資料がここにあるのですが、5月31日までに特例販売 業を駆け込みで取れば、6月1日以降も売れる。だから駆け込みで、これからどんどん特 例販売業を取りに行きなさい。それがうまくいくように、厚生労働省と話をしているから と、そういう話が出ているのです。対面の原則を言っている中で、厚生労働省と伝統薬と の間でそのような、特例販売業を伝統薬が取って脱法行為をしようと、もしそういうこと が握られているのであれば、これはインターネット販売だけを潰してしまおうという厚生 労働省と業との癒着ではないかと思うのです。伝統薬が特例販売業を取りにいこう、先ほ ど綾部委員はあのようにおっしゃいましたが、本当にそのようなことを会員に周知徹底し ていないでしょうか。 ○綾部委員 掌握していないと言いましたが、都道府県のほうにこれから先の販売につい ての方法を相談してください、ということは促しております。併せて、伝統薬として、こ れから先どうしていくかということで、特例販売業とか、そういったことも見据えて要望 は厚労省に出しておりますが、厚労省と何か握ってそういうことを進めているということ は一切ございません。 ○後藤委員 これは安全性が何よりも大切なのです。だから、特例販売業を取って郵送等 販売をするということは、特例販売業という業態の本来の位置づけからしても絶対あり得 ないことだと思うのです。僻地ですとか、そういった所にある薬局、あるいは単なる万屋 にやらせているわけですから、そんな所が郵送等販売をするというのは全くおかしな話な のです。もし厚生労働省がそんなことを今後認めるとしたら、対面の原則はもともと意味 がないものと厚生労働省は考えているのではないかと思うのです。 ○井村座長 事務局、何か説明はありますか。 ○薬事企画官 特にコメントする必要はないのだろうと思います。実際にどういう分析で いまの資料がお手元にあるのか存じ上げませんが、現に特例販売業になってこれから郵送 販売をするようなところが出てきてどうこうと。確かにそれについての賛否はあると思い ますが、いろいろな勉強をしている過程で、いまの法律上どこまでができて、どこまでが できないかというところの話の一つひとつ、その是非についてこちらとしてお答えする必 要はないと思います。少なくとも言えることは、これについていま口頭で言われた範囲が どの範囲でという事実は、よく承知しません。厚労省がそういう働きかけをしているとい うことはないということだけは、誤解があってはいけないので申し上げておきたいと思い ます。 ○三村委員 今回の検討会に課せられた課題ということだけに関して言いますと、今回の いわゆる「特別な経過措置」に対して基本的に反対意見が多いということは承知しており ます。ただし、円滑施行というところを前提とするならば、やむを得ない措置ですので、 望月委員がおっしゃられましたように、いくつかの文言の訂正とか、定義の明確化という 形の中で、今回の経過措置は行われて然るべきだろうと思います。結果としてそれがなし 崩しになるというご懸念があるということはもちろん承知しておりますが、今回の制度が、 従来認められていたものが一気にここで認められなくなるというような、かなり大きな意 義を持っているということが検討会の中で出てまいりましたので、経過措置として最低こ こまでは認められるべきであると私は考えております。  私の考えは先ほど小田委員のおっしゃったことと基本的に同じなわけですが、通信販売 を現在の法体系でどう扱うか、どうするかという議論ではなくて、いろいろご意見がある 中においても、例えば介護されている方のご意見とか、いろいろ出てきていることも承知 しております。また、國領委員がおっしゃっているように、ネット販売というのは、必ず しもかつてのような危険地帯ではなくなる可能性もあるかもしれない。ただ、これも現状 の中でよく見えないところがあるかと思います。そのことも含めて、むしろそれは新しい 制度をどうするかという議論の中で進めていただくのがいいのではないかと思います。た だ、それについて先ほど望月委員がおっしゃったように、この検討会の総意としてそうい う方向がいいということを出す必要は基本的にないだろう。そのような意見が委員の中か ら出ていたということまでが、この検討会の結論とは言わないまでも、それが1つの最終 的な見解の出し方かなと考えております。 ○井村座長 私から事務局に伺いたいのです。この省令と、もう1つの指示・指導の伝え 方として通知というのがございますが、望月委員が今おっしゃったような心配事をもう少 しはっきりさせて条件を付けるという点については、そのようなやり方で何とかなるもの なのでしょうか。 ○総務課長 医療機関について望月委員のコメントがありましたが、条文上私どもが出さ せていただいているものは、薬局あるいは、薬事法で言う店舗ということでありますので、 医療機関の有無は問わずに「離島」の範囲を考えるということであります。それ以外の部 分につきましては、仮にこの省令を出させていただくという形になった場合には、できる だけその時点で明確化をしたいと思います。それから、省令を施行していく中で、都道府 県を通じて現場から照会等があった場合に、法令に則って、明確にすべきところは明確に していこうと考えております。 ○井村座長 望月委員、さらに付け加えることがありましたら、いまのうちに、どうぞ。 時間も無くなってまいりましたので。 ○望月委員 ではご許可いただきましたので。先ほどインフルエンザのパニックのこと、 それから遠隔医療のことの中で、インターネットというものが、その利用性において非常 に優れるものである可能性があるというお話がありましたが、おそらく、将来そういう可 能性はたぶん相当あるだろうと思うのです。開原先生が遠隔医療についてどうご説明され ているのかがよく分かりませんので、私も承知しないところでお話をしてしまうのは申し 訳ないのですが、遠隔医療の場合、おそらく、こちら側と向こう側に医療の専門家がいた 上での双方向の通信を使った医療だろうと思います。決して片側が一般の医療の専門家で ない方だけという形ではないというのがあり、そこが単純には整理できない部分だろうと 思います。  「パンデミック」なのか「パニック」なのかというところなのですが、私は、特定の家 族の方が外出を禁止された状態のときに、インターネットでその家族の方が、ご自身が何 の感染症に罹っているか分からないような状況で独自の判断で薬を購入され、それを使用 されるということがもし促進されてしまうとしたら、かえって問題ではないか。むしろ医 療機関に行くべきであろう。日本ですと、発熱外来に電話をしてから行くということにな ろうかと思います。何でもインターネットを使えば外に出なくても物が手に入るという状 況がいいわけではないということは、きちんと考えておかなければいけないことではない かと思います。むしろ、これからインフルエンザの感染症の専門家の方々がご議論されて、 どういう形が適切であるのか。少なくとも、今回の新型インフルエンザに対して効き目が あるもの、耐性はないと確認されたと聞いておりますザナミビルとかオセルタミビルと呼 ばれる薬物は、現時点では、症状が出てから48時間以上経って使っても、あまり意味がな いという状況ですので、ネットを使って手に入れたところで、使うことの意味がどう出る のかということも分からない状況です。そこに関しては、これから専門家の方々がもう少 しきちんと、インフルエンザであるかどうかをどのように診断していくのか、誰がするの か、そういうことも含めてご議論いただいた上での話ではないか。ここで簡単に、ネット がよいというような話をするべき問題ではないだろうと思いましたので、一言申し上げま した。 ○三木谷委員 望月委員のおっしゃるとおりのところもあると思うのですが、私どもが言 っているのは2つあるのです。1つは、必要な薬をインフルエンザの家族に対してネット で売ろうと言っているのです。例えば、水虫になっているのだが、家族にインフルエンザ が出てしまったから買えないというときに困るでしょうという話です。  もう1つは、今後これが施行されたら当面変わらないと思うのですが、今マスクはネッ ト上でも買えないのです。本当に全部売り切れです。薬局に行っても、ありません。おそ らく、田舎に行ったら、もっとないと思うのです。ですから、いろいろな薬が出てきて、 これは地方まで届けたほうがいいというようなことになったときに、そういう可能性は残 しておいたほうがいいのではないでしょうかということです。  遠隔医療との比較ということで言うと、我々も別に遠隔医療がOKなら、これはOKだと いうことではなくて、情報伝達手段というのは技術的にも、ユーザーの使い方も日々進化 しているものだということを申し上げたかっただけです。 ○井村座長 情報通信技術の素晴らしさといいますか、進歩も洋々たる将来も、私どもは かなりよく理解できました。というのは、部会のときに3回ぐらいにわたって東京工大の 大山先生からレクチャーを受けておりますので、非常に素晴らしい将来があるということ は分かっています。ただ、現在の時点で医薬品の販売にそれがどのぐらい使えるかという ことで我々は判断をしてきたわけです。 ○阿南委員 井村座長のご意見に対してです。私どもが心配しておりますのは、この経過 措置が2年後に改正薬事法が完全実施されるまでの経過措置だ、ということをはっきりと させておく必要があるということです。たとえ今その経過措置をとっても、本当に2年後 には、皆様の所にこれはお届けできませんと。今使っている経過措置の対象の方たちがそ うした理解をちゃんとする。販売者側も、それに代わる対策をちゃんととるということを しっかりと明示していただかなければ認めるわけにいかない、という意見です。 ○井村座長 ご意見は分かりました。 ○児玉委員 いまのご意見は全くそのとおりで、私どもも、それなりの覚悟をしてやらな ければいけないというのは、そのとおりだと思います。  大事なことなので、もう1点申し上げるわけですが、対面のことでいろいろ議論があり ました。私は、日本の国の薬事法の理念は、まさに延々と店舗を通した対面にこだわって きたのです。そして、世界的な薬事法と比較すると分かるのですが結果的に、OTCに関わ る安全性が日本は本当に担保できているのです。だから、その精神は大事だと思っていま す。  ただ、先ほどから矛盾というお話がありましたが、その考え方なのです。対面の原則に は矛盾がある。本人と本人以外の方がある、こういう話がありました。であれば、私ども は、対面のほうが安全性が担保できるし、本人のためにも、消費者のためにもいい。だか ら、逆にそれを踏まえながら、より本人がちゃんと対応できるような方向へ持っていく、 そちらのほうが基本だと私は思うのです。だからこそセルフ・メディケーションという概 念をもっと広げようとしているし、我々も、それに対して努力をする。  先ほど遠隔医療の話がありました。こだわるわけではありませんが、今はむしろ医療全 体が、患者さんを診ずにデータを見ているという批判があるぐらいです。そこで、医療そ のものが患者さんのことを対面でしっかり診ようではないかという流れなのです。私は、 あくまで技術革新というのは、それに付随する情報の入手方法とか、正確性、迅速性、そ ういうことに使っていくべきであって、最終的には人と人、これが基本であろうと思いま す。  もう1点だけ。先ほどから検討会の話が出ていましたが、私は、確かにこの本検討会の 中で、この場でやるべきではない、別の場でやるべきだと申し上げました。ただし、ここ に書いておられるようなこととは全く意味が違う。私どもが申し上げているのは、インタ ーネットがああだ、こうだというのではなくて、もし本当にそういう議論をするならば、 いま申し上げた長年の日本の薬事法の1つの理念を考え直さなければいけないという、大 変大きな問題がある。それをやるならやるで、相当別の大きな議論をしなければいけませ ん。こう言っているわけですので、その辺はよろしくお願いいたします。 ○後藤委員 今回7回の検討会で、こちらの委員がみんな反対と言っても省令が強行され るようです。あるいは、パブリックコメントで99.5%が賛成と言わなくても強行されると いうことのようなので一言申し上げたいのです。三木谷委員から出された「緊急共同声明」 の中に、まさしくそうだなと思う言葉があるのです。「厚生労働省が進めようとしている医 薬品の通信販売規制は、法律に明記されていない『対面の原則』に基づき省令で行うもの です。そもそも対面でないと安全性を担保できない根拠は示されておらず、それを理由に 通信販売という手段を一律に大幅に規制するのは過剰な規制であり、国民の生存権、自由 権などの基本的人権をおびやかす可能性を否定できないなどの問題があります。しかも、 その権利制限が法律に基づかないことも民主主義、法治主義の根底を揺るがす大問題です。 これらのことから、今回の規制は憲法の理念にも反する可能性が高いと考えられます」と。 このようなことを厚生労働省は行おうとしている。これを改めて肝に銘じた上で行ってく ださい。以上です。 ○井村座長 ご意見は承りました。時間も過ぎてまいりました。コンセンサス、コンセン サスというお話がありましたが、前もって私が申し上げていたとおり、コンセンサスを得 るということは極めて難しい。1つ考えられるのは、こういうご意見もありました、こう いうご意見もありました、ということで意見を羅列した上で厚生労働省の責任でおやりに なってくださいというふうなことであれば、コンセンサスは得られるかもしれないとは思 います。今回の省令案に対して、2つの全く異なった立場から反対という意見もありまし た。それから、決していいとは思わないが、現状ではやむを得ないというご意見も2、3 あったような気がいたします。しかし、それをいちいちコンセンサスにまで持っていくこ とは、とてもではないけれど、できませんので、ご意見を羅列させていただきたいと思い ます。  私が非常に良いご意見だと思いましたのは望月委員のご提言でございまして、もし厚生 労働省がこの改正案をこのまま出すということであるならば、望月委員がご指摘になった ような細かな点をもう少しリジッドにと。先ほど課長がやるとおっしゃいましたので、是 非そのようにしていただきたいと考えます。  そのぐらいのことでコンセンサスとはいかないまでも、いくら議論を伺っても同じよう な議論が出てくるだけだろうと思いますので、これで議論を打ち切らせていただいてもよ ろしゅうございますか。それぞれごもっともなご意見がたくさんありますので、それは羅 列させていただきたいと思っています。 ○三木谷委員 反対意見の方が複数いたということについては、是非明記しておいていた だきたいと思います。 ○井村座長 はい、もう、たくさんおられましたから。 ○三木谷委員 厚生労働省の責任でやられるのなら、どうぞということではなくて、反対 であるという意見だということです。 ○井村座長 反対という意見もあれば、やむを得ないという意見もあったということです。 ○三木谷委員 座長が今「いろいろ意見があったけれども、厚生労働省の責任のもとにや られるのならば、どうぞ」ということならコンセンサスはとれるだろうとおっしゃったの ですが、私は、それでも嫌だということです。 ○井村座長 わかりました。そういう議論も、もちろんありました。よくよく今の議論を お聞きになった上で施策を出していただければと思います。是非細かい点までお考えいた だいて、今までの改正薬事法に対する長年の努力が全く反故にならないように省令の改正 をしていただければありがたいと思っております。  以上で今回の検討会を終わりにしたいと思うのですが、よろしゅうございますか。最後 に医薬食品局長からお話がございます。 ○医薬食品局長 一言「ありがとうございました」ということです。実は、省令のリミッ トは本当にギリギリにきておりますので、我々も、今日のご意見に深呼吸して対して最終 の調整をして決めたい。厚生労働省の責任でやらせていただきたいと思っております。 ○後藤委員 舛添大臣は来ないのですか。 ○薬事企画官 舛添大臣にはお伝えします。 ○後藤委員 これは舛添大臣が開かれた検討会なのですが。 ○薬事企画官 事務的な連絡で恐縮ですが、ご予定がつかないので本日はお見えにならな いということです。 ○井村座長 それは私も多少は希望を出したのですが、ちょっと予定がつかないというこ とでお出になれなかったのです。我慢してください。  これで検討会を終わりますが、最後に、長いこと我慢をしてまいりました座長として、 少しコメントを出させていただきたいと思います。  最初に、後藤委員のコメントにもありましたが、平成16年から始まりました一連の部会 から検討会に至るまで、本当に真摯に議論をしていただきましたことは大変ありがたいこ とだと思います。最後まで真剣に議論をしていただきましたことに深く感謝をいたします。  困る人に対してはこういうことができますよというご提案がありました。この厚生労働 省の省令改正案の中にも、そういうニュアンスが入ってきていると私は思います。ですか ら、そういうご提案をなさいました日本薬剤師会、また配置業の方々は、是非その点につ いては最大限のご努力をしていただいて、困る方ができるだけ出ないようにしていただき たいと最後に要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それから、はなはだ口はばったいのですが、厚生労働省に対しましてお願いがあります。 この一連の部会、検討会ではどなたもおっしゃいましたように、「安全な医薬品の供給」と いうことをまず大前提にして話を進めてきておりますので、たとえ周りでどのような騒ぎ が起ころうと、安全に供給する上では非常に重要なことで外せないと思われて出された施 策は、ぶれないで、是非勇気を持って進めていただきたいと私は思います。是非よろしく お願いします。本当に長いこと、ありがとうございました。 <連絡先> 〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2 厚生労働省医薬食品局総務課 古江 代表 03(5253)1111(内線4211) 直通 03(3595)2377 FAX 03(3591)9044