09/05/20 第１３３回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録


０９／０５／２０　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第１３３回診療報酬基本問題小委員会議事録
(１)日時　　平成２１年５月２０日（水）１１：５７～１３：２７
(２)場所　　厚生労働省専用第１８～２０会議室
(３)出席者　遠藤久夫小委員長　牛丸聡委員　小林麻理委員　庄司洋子委員　
　　　　　　白石小百合委員  
　　　　　　対馬忠明委員　小島茂委員　北村光一委員　髙橋健二委員（代　清水）
竹嶋康弘委員（代　中川）　藤原淳委員　西澤寛俊委員　渡辺三雄委員　山
本信夫委員
　　　　　　坂本すが専門委員　
　　　　　　＜参考人＞
　　　　　　西岡清ＤＰＣ評価分科会長　
　　　　　　＜事務局＞
　　　　　　水田保険局長　榮畑審議官　佐藤医療課長　宇都宮医療課企画官　
　　　　　　磯部薬剤管理官　上條歯科医療管理官　他
(４)議題　　○　ＤＰＣについて
            ・　平成２０年度ＤＰＣ導入の影響評価に関する調査結果および評価につい
                て
　　　　　　・　平成２０年度特別調査　再入院（再転棟）に係る調査につ
　　　　        いて
　　　　　　・　ＤＰＣ対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用
　　　　        状況について
　　　　　　・　平成２１年度におけるＤＰＣに関する調査（案）について
　　　　　　・　ＤＰＣへの参加及び退出について
　　　　　  ○その他
(５)議事内容　
○遠藤小委員長
　それでは、委員の皆様もう既に御着席でありますので、進行がちょっと遅れております
ので、これより１３３回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催したい
と思います。
　まず、本日の出席状況について御報告をいたします。本日は、高橋委員の代理で全日本
海員組合の清水保さんがお見えになっております。また、竹嶋委員の代理で中川俊男さん
がお見えです。
　それでは、議事に移ります。
　ＤＰＣについて、ＤＰＣについて議事次第をごらんになりますと、５つの小課題がござ
いますけれども、初めにこの最初の３つ、平成２０年度ＤＰＣ導入の影響評価に関する調
査結果及び評価について、平成２０年度再入院（再転棟）に係る調査について並びにＤＰ
Ｃ対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況、この３つについてまずは議題と
したいと思います。
　本日もＤＰＣ分科会より西岡分科会長に御出席いただいております。分科会長、ありが
とうございます。それではまず、分科会長から御報告をいただきまして、その後また事務
局から補足をお願いしたいと思います。
　それでは、西岡分科会長、よろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
　西岡でございます。どうぞよろしくお願いします。
　最初に、平成２０年度ＤＰＣ導入の影響評価に関する調査結果及び評価、最終報告概要
を御報告させていただきます。
　中医協診－１の資料でございます。
　まず最初に調査の目的、調査方法、調査対象病院等につきまして記載されておりますが、
これは例年のとおりでございます。調査対象病院は、今回は１，５５９病院になっており
ます。また、集めました分析データでございますが、約４２３万件に達しております。
　それを同様に検討いたしました結果、まず最初に２ページ目をごらんいただきたいと思
います。平均在院日数ですが、これは表１にございますように、すべての病院類型におき
まして平均在院日数が減少傾向を示しております。また、この平均在院日数減少の要因で
ございますが、これは例年どおり、診断群分類ごとの在院日数の変化による影響と患者構
成の変化による影響とに分けて分析しておりますが、主に診断群分類ごとの在院日数の減
少によるものであると考えられました。
　３ページ目でございます。
　入院の経路でございますが、救急車による搬送の率、患者数の年次推移でございます。
これも表２に示してございます。救急車による搬送の率は平成１５年度ＤＰＣ対象病院に
おいてやや減少傾向、前年に比べまして減少傾向がございますが、その他の病院類型にお
いてはおおむね横ばいでございました。
　４ページをごらんいただきたいと思います。緊急入院の率、患者数の年次推移でござい
ます。緊急入院の率は平成１６年度ＤＰＣ対象病院は減少傾向がございますが、それ以外
の病院類型では増加ないし横ばい傾向でございます。１施設１カ月当たりの緊急入院の患
者数は、平成１６年度ＤＰＣ対象病院は減少傾向でございますが、それ以外の病院類型で
は増加傾向を示しております。
　５ページ目で、他院よりの紹介ありの率及び患者数の年次推移でございます。他院より
紹介ありの率及び１施設当たりの患者数は平成１５年度ＤＰＣ対象病院を除いた病院類型
では増加傾向を示しております。
　６ページ目の退院先の状況でございます。
　自院の外来の割合の年次推移でございますが、平成１６年度ＤＰＣ対象病院、１８年度
ＤＰＣ対象病院は減少傾向がございます。それ以外の病院類型では横ばい傾向でございま
した。
　転院の割合の年次推移でございます。転院については、平成１５年度ＤＰＣ対象病院は
減少傾向でございますが、平成１６年度ＤＰＣ対象病院、１８年度ＤＰＣ対象病院は増加
傾向があり、それ以外の病院類型では横ばい傾向でございました。
　８ページ目でございます。
　退院時転帰の状況でございます。治癒・軽快の割合でございますが、治癒及び軽快を合
計した割合はすべての病院類型においてほぼ横ばい傾向でございました。なお、治癒の割
合は平成１６年度ＤＰＣ対象病院、平成１８年度ＤＰＣ対象病院においては増加傾向にあ
りました。
　再入院率でございます。９ページでございます。
　再入院率の割合の年次推移でございますが、これはすべての病院類型で増加傾向を示し
ております。同一疾患で６週間以内の再入院の割合の年次推移でございますが、すべての
病院類型で増加傾向でございます。再入院については後に御報告させていただきます。
　患者構成でございますが、ＭＤＣを並べてございます。その中ですべての病院類型でＭ
ＤＣの０６、消化器疾患、肝臓・胆道・すい臓疾患が最も高い割合を占めております。近
年の患者構成の割合には大きな変化は認められておりません。
　以上まとめまして、すべての病院類型におきまして、平成１９年度までと同様に平均在
院日数は減少傾向でございました。その要因は患者構成の変化によるものではなく、診断
群分類ごとの平均在院日数の減少によるものでございました。一方、緊急入院及び退院か
らの紹介患者数は横ばいから増加傾向でございました。これらのことから、重症度の高い
患者を避けるような患者選別の傾向は見られておりませず、診療内容に悪影響は認められ
ないものと考えられます。ただし、救急車による搬送の率、患者数については一部の類型
の病院では平成２０年度はやや減少しており、今後も注視していくことが必要であると考
えられました。また、退院時転帰の状況におきましては、治癒、軽快を合計した割合が横
ばいであり、急性期としてある程度病態が安定した時点までの入院医療を反映したものと
考えられます。
　以上のことから、ＤＰＣによりまして質の確保はされつつも、医療の効率化が進んでい
るものと考えられます。また、これまで増加傾向でありました再入院率については、平成
２０年度も引き続き増加傾向が認められました。平成２０年度改定において同一疾患での
再入院、病棟間の転棟に伴う再転棟も含みますが、その３日以内の再入院については１入
院として扱うように算定ルールを見直したところでありまして、この影響について今後も
注視していくことが必要であると考えられます。
　以上が２０年度の影響評価でございます。

○遠藤小委員長
　引き続きお願いいたします。

○西岡分科会長
　続きまして、２０年度特別調査として行いました再入院に係る調査について、これは中
医協診－２でございます。
　調査の目的、調査の内容は１ページに示したとおりでございます。今回は再入院のみで
なく、再転棟の調査も行っております。この再転棟といいますのは、１入院内で一般病棟
からその他の病棟に転棟し、さらに一般病棟へ再転棟した患者を対象としております。
　２ページ目の上にございますが、再入院で対象となりました症例数は約３１万５，００
０件でございます。また、再転棟に関して調査いたしましたのは約２，３００件です。
　それで、４ページをごらんいただきたいと思います。再入院に係る調査でございます。
　再入院に係る調査は、まず（１）のところにございますように、３１万４，９５４症例
で、再入院率は１１．０％でございました。これを年度別の再入院率で見ていきます。こ
れは付随しております図表２－①をごらんいただきたいと思います。
　ＤＰＣによる支払いを受けているかどうかにかかわりませず、経年比率は比較が行える
施設類型におきまして再入院率は年々増加傾向にありました。施設類型全体の再入院率は
１１．０％と前年度に比して０．４％増となりました。前回入院と今回入院の病名につい
て調べたものでございますが、これは図表２－②－1と-2で、比率と割合とがございます。
前年度と比較いたしますと、すべての病院類型におきまして、前回入院と同一病名の計画
的再入院の比率が増加し、これが全体の再入院率の増加原因となっております。
　次に、計画的再入院における理由の内訳でございますが、前年度と比較いたしまして、
すべての施設類型におきまして「計画的手術・処置のため」の理由に増加傾向が見られま
した。また、「化学療法・放射線療法のため」は平成２０年度ＤＰＣ対象病院以外のすべ
ての施設類型で増加が見られております。予期された再入院についての理由でございます
が、平成１６年度ＤＰＣ対象病院では、「予期された再入院、疾患の悪化、再発のため」
の理由が減少したことによって、平成１６年度ＤＰＣ対象病院では全体の比率が減少して
おります。その他すべての施設類型では「予期された疾患の悪化、再発のため」と「予期
された合併症発症のため」の理由が増加したことにより前年度より全体に比率が増加して
ございます。
　次に、５ページでございます。
　予期せぬ再入院における理由でございますが、前年度と比較いたしまして、平成２０年
度ＤＰＣ対象病院は「他疾患発症のため」という理由の増加により、予期せぬ再入院比率
が若干増加しておりました。それ以外の平成１５年から１８年度ＤＰＣ対象病院では全体
的に予期せぬ再入院比率が減少しております。また、平成１８年、１９年ＤＰＣ準備病院
の比率にはほとんど変化が見られておりません。
　計画的再入院における理由のうち「化学療法・放射線療法のため」に該当した症例のＭ
ＤＣを見てみますと、主にＭＤＣ０６、消化器疾患、肝臓・胆道・すい臓疾患が増加して
おりました。また、平成１６年度ＤＰＣ対象病院ではＭＤＣ１２、女性生殖器疾患及び産
褥期疾患・異常妊娠分娩に増加が見られております。他のＭＤＣでは前年度から大きな変
化は認められておりません。
　計画的再入院における理由のうち「化学療法・放射線療法のため」に該当した疾患を上
位１５疾患をとって比較しております。これが図表2-⑦-1と2-⑦－2にでております。そ
れを見ますと、大腸の悪性腫瘍、直腸肛門の悪性腫瘍、胃の悪性腫瘍が主でございました。
　次に、計画的再入院における理由のうち「化学療法・放射線あり」を除いた前回入院と
今回入院の病名の移動を見てございます。これが図２－⑧でございます。
　平成１６年の……

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　すみません、ちょっと失礼いたします。西岡先生おっしゃっているページ数は多分分科
会の資料のページ数なので、図表番号だけでご説明いただけますか。申しわけございませ
ん。

○西岡分科会長
　失礼しました。分科会の資料でやっておりました。今申し上げましたのは、図表２－⑧
でございます。平成１６年度ＤＰＣ対象病院以外は増加傾向を示しておりまして、主に計
画的再入院比率がふえてございます。減少傾向にあります平成１６年度ＤＰＣ対象病院で
は、前回の入院と異なる病名の予期せぬ再入院が減少しております。
　⑨でございます。前回再入院から期間別・退院症例に対する再入院の比率です。再入院
の期間でございます。これは図２－⑨－１と２－⑨－２がございます。図表２－⑨－１で、
前年度と比較してみますと、平成１５年、１８年度ＤＰＣ対象病院の３日以内の再入院比
率は減少しております。４ないし７日以内の再入院比率がわずかに増加してございました。
再入院割合を通年で見ますと、７日以内の短期の再入院割合は他の期間と比べて年々減少
傾向にあるのが見てとれます。再入院比率の増加は１５日から１８日以内の再入院が最も
大きく、次いで８から１４日以内の再入院でございました。
　⑩でございます。ページ６でございます。
　計画的再入院における理由のうち「化学療法・放射線療法のため」の退院の期間を比較
したものでございます。３日以内の再入院比率は、これは図２－⑩でございます。平成１
５年から１８年度ＤＰＣ対象病院において３日以内の再入院比率は大きく減少しておりま
した。また、４ないし７日以内の再入院比率はやや増加傾向でございました。全体的な傾
向としてみますと、ゼロから１４日以内の再入院割合は減少しておりまして、１５日以上
の再入院の増加傾向が認められました。
　次に、⑪計画的再入院における理由のうち「検査入院後手術のため」と「計画的手術・
処置のため」の期間でございますが、これを見ますと、３日以内の再入院比率は平成１５
年から１８年度ＤＰＣ対象病院においては減少または横ばいでございました。また、その
他の期間の再入院比率は増加または横ばいでございました。
　⑫でございます。計画的再入院における理由のうち「検査入院後手術のため」と「計画
的手術・処置のため」に該当したＭＤＣを表２－⑫－１と-２とで示してございます。す
べての施設類型におきまして、ＭＤＣ０６、消化器系疾患、肝臓・胆道・すい臓疾患の再
入院比率が増加してございました。割合で見ると、どの施設類型も前年度からＭＤＣ別割
合の変化はほとんど認められておりません。
　次、⑬計画的再入院における理由のうち「検査入院後手術のため」と「計画的手術・処
置のため」に該当した疾患名、これを上位１５疾患について比較しております。これによ
りますと、前年度と比較して増加傾向にある施設類型では、主に「狭心症、慢性虚血性心
疾患」、「白内障、水晶体の疾患」等に増加が認められますが、疾患別割合で年度ごとで
見ますと、特に大きな変化は認められておりません。
　⑭でございます。同一病名で「化学療法・放射線療法あり」の再入院回数を調べたもの
でございますが、これは図２－⑭でございます。すべての施設類型におきまして、１回目
に比べまして２回目の入院の在院日数は短くなっておりまして、２回目以降の在院日数は
ほとんど差がないという傾向が見られております。また、すべての施設類型におきまして、
１回目の入院の在院日数が減少傾向を示しております。
　⑮でございます。１患者当たりの再入院回数、これは図表２－⑮でございます。前年度
と比較して、平成１５年、１６年ＤＰＣ対象病院、平成１８年、１９年度ＤＰＣ準備病院
において増加傾向が見られております。
　以上が再入院でございます。
　続きまして、ページ７をごらんいただきたいと思います。
　再転棟に係る調査でございます。再転棟の調査を行いました症例数は２，３７２件でご
ざいまして、全入院のうちの０．０８％の再転棟率でございました。年度別に見てみます
と、前年度の再転棟率と比較いたしまして、どの施設類型も減少傾向が見られております。
ＤＰＣ準備病院の再転棟率が高く、特に平成２０年度ＤＰＣ準備病院が高い数値を示して
おります。
　②で前回一般病棟と今回一般病棟の病名の移動について調べたのが図表４－②でござい
ます。件数が一定以上あり、ばらつきの少ない平成２０年度ＤＰＣ対象病院、平成１８年、
１９年ＤＰＣ準備病院、平成２０年度準備病院の割合で見ますと、病名が同一の再転棟の
ほうがやや多く、また、予期せぬ再転棟の割合が大きいことが分かりました。
　③で計画的再転棟における理由の内訳でございますが、これは計画的手術・処置のため
でございました。
　④の予期された再転棟における理由の内訳でございますが、予期された再転棟の比率で
大きい理由は、予期された疾患の悪化、再発のためでございました。
　⑤の予期せぬ再転棟における理由の内訳、これは図表４－⑤でございますが、予期せぬ
再転棟で最も比率の大きい理由は他疾患発症のためでございました。
　⑥、ＤＰＣ別の退院症例に対する再転棟比率及び割合でございますが、これは図表４－
⑥－１と４－⑥－２でございます。どの施設類型でも似通った傾向が認められまして、割
合の大きいＭＤＣはＭＤＣ０１、神経系疾患、ＭＤＣ０４、呼吸器系疾患、ＭＤＣ１６、
外傷・熱傷・中毒等でございました。
　⑦の前回一般病棟から今回一般病棟への転棟期間別の割合、比率でございますが、すべ
ての施設類型で１５日以上の長期の再転棟の割合が大きい結果でございました。
　８ページをごらんいただきたいと思います。
　再度再入院に戻ります。これは各施設別の再入院率があります。図表５でございます。
再入院率は医療機関によりかなりのばらつきが認められております。平成２０年度におき
まして、すべての医療機関の中で最も再入院率が高かった医療機関が４３．４％でありま
した。一方、最も低かった医療機関ではゼロ％でございました。また、再転棟率でござい
ますが、再転棟率が１．０％以上の病院は７６病院のみでございました。その中で最も再
転棟率が高かった医療機関では１１．７％でございました。
　結論といたしまして、平成２０年度において再入院率が増加する傾向が続いておりまし
た。主な再入院率増加の原因は計画的再入院の増加であり、その中でも特に化学療法・放
射線療法の理由による繰り返し再入院の増加が大半を占めていました。また、３日以内の
再入院比率は減少し、４から７日以内の再入院比率はわずかに増加しておりました。平成
２０年度からＤＰＣ診療報酬におきまして同一疾患で３日以内に再入院した場合は一連の
入院として扱われることになりました。３日以内及び４ないし７日以内の再入院について
は、今後も注視していく必要があろうと考えております。
　今回新しく全医療機関に対しまして再転棟調査として再入院と同様に理由を調査いたし
ました。再転棟があったのは５９０病院であり、そのうち再転棟率が１％以上の病院は７
６病院のみと少数でございました。
　以上でございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。あと最後の調査につきましては事務局から御報告いただけます
か。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　医療課企画官でございます。
　続きまして、資料、中医協診－３の１枚紙の資料をごらんいただきたいと思います。
　こちらにＤＰＣ対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況について、平成２
０年度のデータが出ましたので、こちらに報告させていただきたいと思います。
　まず、１番目の表でございますが、どの病院グループも年々後発薬の使用の割合がふえ
ているところでございます。ただ、平成１５年度ＤＰＣ対象病院はごらんのように、他の
グループに比べて若干低い傾向がございますが、この病院のうちほとんどが大学病院とい
うことで、先ほどの総会の議論の中で医学部の教育をどうしているかというお話がござい
ましたが、教育の中身は分かりませんけれども、こういった大学病院で比較的後発医薬の
使用率が低いということがこちらでお分かりになると思います。
　また、１８年度病院あるいは２０年度病院の場合など、対象病院となる前の年と対象病
院となった年とでかなり後発医薬の使用比率が変わっていると、増加しているというとこ
ろが明らかに見てとれると思います。
　続きまして、その下の２番の表でございますが、先ほど経済的にどうかと、総会でそう
いうお話もございましたが、後発薬の使用割合の増加に伴いまして、医療費における薬剤
費の比率は下がっていると、各病院グループともそういう傾向が見てとれると思います。
　続きまして２ページ目、裏でございますが、参考として薬価基準収載品目の表が出てご
ざいます。この表の中の後発医薬品というところをごらんいただきますと、金額シェアが
６．６％となってございまして、先ほどの１ページ目の例えば１６年度対象病院、１８年
度対象病院については１０％を超えているということで、かなりいい線を行っているよう
な状況が分かると思います。また、数量シェアにつきまして、ＤＰＣのほうでは数量シェ
アをとってございませんが、こちらの表から推計いたしますと、非常に粗い推計でござい
ますが、数量シェアが１８．７％ということで金額シェアの３倍弱になってございます。
この点から１ページ目に返っていただいて、それぞれの病院のグループの数量シェアを約
３倍弱として推測いたしますと、１６年度、１８年度病院は３０％弱ぐらいのシェアにな
っているのではないかと。非常に粗い推計ではございますが、そういうふうに考えられる
ということで、国としての目標の３０％にかなり近いところまで行っているのではないか
ということが想像されるところでございます。
　以上でございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。ただいま３つの調査の報告の内容が御報告されました。非常に
細かな調査をＤＰＣ評価分科会ではしていただきまして、西岡分科会長をはじめ、大変こ
の場をかりてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
　それでは、ただいまの報告について御質問、御意見ございますでしょうか。
　牛丸委員、どうぞ。

○牛丸委員
　ありがとうございました。西岡分科会長にお伺いいたします。今、事務局のほうから後
発医薬品に関して１５年度のＤＰＣ対象病院だけちょっと違う、それが大学病院というよ
うなお話がありました。先ほど説明いただきました１番目、２番目の調査結果に関しても、
時系列的に見ますと共通して同じ傾向が確認できます。ただ、細かく見ますと、幾つかの
項目に関して、やはり１５年度のＤＰＣ対象病院だけほかのグループとちょっと違う値が
見られます。これも、後発のところでお話があったような大学病院ということで、ほかの
ところと違うことがやられているのかどうか、その結果なのか。
　それからもう一つは、時系列的な観点では同じ傾向ということで把握はできますけれど
も、ちょっと違うのでこれを一般化してしまいますと、これが引きずって全体として違っ
た結果が出てきてしまうおそれがあります。その辺をどのようにとらえたらよろしいでし
ょうか。

○遠藤小委員長
　それでは、西岡分科会長でよろしいですか。では、西岡分科会長、よろしくお願いいた
します。

○西岡分科会長
　十分にお答えできるかどうかわかりませんが、その議論は分科会でも何度も繰り返して
出てきております。特定機能病院の場合は、他の病院とはやや異なるのでないかと、これ
は効率性指数あるいは複雑性指数というのを毎回とっているんですが、それでも少し在院
日数が長い患者を主に扱っているというふうな結果が出ております。それで、ほかの病院
とはどれだけ違うのかということでございますが、ただ、実際に比較いたしますと１，０
００床近い病院の一般病院と比べますと、それほど大きな差はないというふうなところも
ございます。また、先ほどの後発品のお話もございますが、大学病院でもこれはＤＰＣの
場合は入院医療に関してだけの数値でございます。外来でのものが入っておりませんので、
これが病院の後発医薬品を使っている全体量かどうかは分かりませんが、大学病院ではや
はり新規の薬剤等を積極的に導入するといったようなこともございますので、そういった
ところで少し違ってくるのかなということでございます。これが明らかに特定機能病院と
その他の病院ときっちりと分けられるかといいますと、なかなかそこはまだできないんで
すが、全体としてみますと、やはり在院日数の長い患者を引き受けて治療されているとい
う傾向はございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。
　中川さん、どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　診－１の２ページですが、ＤＰＣ病院についても平均在院日数の短縮化というのはもう
限界だという話はよく聞いているんですが、相変わらず短縮されていますよね。これどこ
まで行くんでしょうということと、このままでいいんでしょうかという質問です。先生の
お考えで。

○西岡分科会長
　このＤＰＣにおきまして在院日数が短縮してきたというのは、これまでに無駄のあった
といったら変ですが、患者さんを医療行為も行わなくても入院させていた時期がいろんな
医療行為の間にあったりしたものですから、それで長かった。そこの部分が効率化されて
いったために起こってまいりました。この在院日数は委員がおっしゃるとおり、まさしく
もはやある程度頭打ちになっていると思います。これがさらに縮まるということになりま
すと、医療の進歩がないと縮まらないと思います。例えばこれまで開腹手術していたもの
を内視鏡手術にするとかといったような医療の進歩が入ってきますとさらに縮まるかもし
れませんが、現時点では無駄を省くというところだけでの短縮というのがあらわれている
ものだと思います。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。中川さん、どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　前にも申し上げましたけれども、２００６年７月２７日の中医協で先生が出された資料
の中で、無理な退院や中途半端な退院が増加したというのが医師の調査で８％ぐらいあり
ますよね。それと医療の質が低下したというのが向上したよりも多いというデータもあっ
て、必ずしも無駄を省いたということではないのかなと思います。先程議論に出ましたけ
れども、ＤＰＣ病院にとって有利になるのかなと、メリットがあるのかなということがあ
りますので、ぜひ先生、平均在院日数の分析はもう少しデータをもって見解を示していた
だきたいなと思います。
　それから、もう一ついいでしょうか。

○遠藤小委員長
　どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　８ページ、平均在院日数のことに関して、やはり我々は治癒という割合が低下している
ことを申し上げてきました。今回出されたこの１６年度対象病院と１８年度対象病院、治
癒の比率が急激に上がっていますよね。これは何かありましたか。まず定義が変わったの
かどうかと、それからこれ、特定機能病院は変わらないというのはすぐイメージが沸くの
ですが、１６、１８年度対象病院が急に上がったというのは、率直なところで先生何かご
ざいますか。

○遠藤小委員長
　それでは、今お二つの話が出まして、最後のほう、後ろのほうがむしろなぜこれ上がっ
たのかと、それについての何らかの議論が分科会としてあったのかどうかということだと
いうふうに思いますね。それが一つと、前段のほうは平均在院日数の短縮ということにつ
いて実態としてどうなのかということがもう少し分かるような、そういうような調査の工
夫というのは今後必要なのではないかと、そういう御提案だというふうに理解してよろし
いですね。それについて御見解をいただきたいと。

○西岡分科会長
　まず、１番目の質問でございまして、先ほどのＤＰＣによって医療が悪くなったという
御意見が８ないし９％あったという報告がございますが、これは全体の中でＤＰＣについ
て変わったと思うかどうかという質問がその前段階でございまして、全体の中の１０％ほ
どの方が変わったと答えられ、その方にさらに質問をいたしまして、その結果として８な
いし１０％の方が医療が悪くなった、あるいは負担が多くなったというお答えがあったと
いうこと、まずちょっとそこを分けて御了解をお願いしたいと思います。だから、全体の
方の１０％がＤＰＣは悪くなったという御回答でないということだけは御了解いただきた
いと思います。この在院日数の分析については、さらに細かいこと、御指摘のごとく検討
する必要は当然あると思っております。
　それから、２つ目の治癒の問題でございますが、これは治癒につきまして、前回の改定
のときに、治癒の定義が初めて出されました。その定義によりますと、退院後に外来通院
治療の必要が全くない、またはそれに準ずると判断されたものであるという定義が初めて
出されました。その結果としてこれが出てきたものだと思います。それで、実際には私ど
もの分科会で治癒率の高い医療機関においでいただきまして、いろいろ理由を教えていた
だきました。その結果として多くの医療機関はこの「またはそれに準ずるもの」というと
ころをかなり拡大解釈されたようで、多いところでは治癒率が４０％、５０％になるよう
なところも出てまいったわけでございます。それで、厚生労働省のほうから解釈として実
際の実例はこうなのだということで調整していただきました結果がここに反映されている
ものだというふうに思っております。

○遠藤小委員長
　どうもありがとうございます。よろしいですか。
　では、関連して手短にお願いします。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　先生、いつも思うのですが、治癒プラス軽快というのを合わせてこれを出すという意味
ですよ。退院するときにはまずほとんど軽快はすると思うのですけれども、それで治癒と
軽快を合わせたら変わっていないだとか、むしろ向上しているとかという表現は誤解を与
えるかなという気がしますけれども、先生はどう思いますか。

○西岡分科会長
　答えたほうがよろしいでしょうか。

○遠藤小委員長
　では、お願いいたします。分科会長。

○西岡分科会長
　これは医学の哲学と関連するものでございまして、これはこれまでの中医協に報告させ
ていただきましたとき何度も議論が出たものでございます。通常、私かつて大学におりま
したが、大学では治癒はないんです。よほどでない限りはないんです。ほとんどが軽快と
いう言葉を使えということで、多分委員の方もそういうふうに習われたんだと思います。
治癒というのは何かの傷をしたりとかで完全に治った場合だけにしか使えないものだった
のですが、そこのところで、この定義で再度もう医者にかからなくても、あるいは大きな
けがをしても瘢痕が残ったりとか何かが起こっても治癒としてしまうわけですね。本当は
治癒ではございませんので、そういった意味でいろんな医療機関の場合に治癒の判断とい
うのが少しずつニュアンスが違うということで軽快及び治癒も含めた形で出した場合のほ
うが退院の実態を把握できるのではないかということで、これまでこういうデータをつく
らせていただきました。

○遠藤小委員長
　どうもありがとうございます。中川さん、でもその表の中にはちゃんと治癒は治癒で、
単独で出しているわけでありますので、そこまで戻れば読める。
　それでは、ほかに。では、坂本専門委員、どうぞ。

○坂本専門委員
　ちょっとお聞きしたいんですけれども、他病棟に移送されているということですけれど
も、他病棟というのは例えばＩＣＵとか重症軽症というようなの分類はされているんでし
ょうか。
　それから、平均在院日数の問題が今出ていますけれども、在院日数が短くなれば、恐ら
く働いている人たちは大変忙しくなっていると思うんですね。在院日数が長い患者さんの
ほうが私の経験からは忙しくなかった。けれども、短くなると忙しくなってくると思うん
ですが、職員の増減については考えやデータがあるのかどうか。それに関連して、７対１
や１０対１看護配置は十分なのか。
　それから、最後に化学療法や放射線療法の外来移行がＤＰＣの中では大変多く起こって
いるんですけれども、それに対して提供システムに変化があったのかということは議論さ
れたのか、それとも何かデータがございますでしょうか。

○遠藤小委員長
　それでは、分科会長、お願いいたします。

○西岡分科会長
　まず最初の他病棟への転院、転棟というのは、これは最初の調査のところのことをおっ
しゃっているのでしょうか。他院への転院ではございませんでしたか。

○坂本専門委員
　その他の病棟への転棟というのが例えば１ページにございますよね。入院で一般病棟か
らその他の病棟へ転棟したというのは、その他の病棟というのは……

○西岡分科会長
　これは再転棟のお話でございますね。

○坂本専門委員
　例えばその他の病棟というのは、１つの病棟から違う病棟に行っただけなのか。

○西岡分科会長
　これは再入院の調査のほうでございますね。これは急性期病棟から慢性期あるいは精神
科の病棟へ移ったということで、急性期病棟間の移動は含まれておりません。急性期から
慢性期の病棟あるいは精神病棟へ行ってまた急性期へ戻ってこられたというのを対象にし
ているところでございます。
　それから、職員の増減については、これはこのＤＰＣ分科会では特に調査はしておりま
せん。むしろ職員の配置について機能係数をつけてほしいと、新たな機能係数を配備して
ほしいという要望が出てきております。
　それから、７対１、１０対１で十分なのかというのは、これは私たちはもう既に１０対
１以上の看護配置をしているものをＤＰＣ病院とするというふうな決まりのもとで動いて
おりますので、それが十分であるかどうか、またそれが経済的にうまく合うのかどうかと
いうのは、これは基本問題小委員会で御検討いただければというふうに思っております。
　化学療法ですね。化学療法は、かつては入院して行うというのが主体でございました。
ところが、今の医学の流れといたしましては、患者さんに負担が少ないような形で化学療
法を繰り返すというふうな流れに大きく変わってまいりまして、外来化学療法へと徐々に
移行しております。されど１回目の化学療法に関しましては何が起こるか分からないとい
うことで、ほとんどの施設では１回目の化学療法に関しましては、入院で行っています。
あるいは１回、２回、３回ぐらいまでは入院で行っておられますが、そこからうまく安定
した患者さんに関しましては、外来化学療法に移っていくというふうな傾向が今出てきて
おります。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。坂本専門委員、よろしいですか。

○坂本専門委員
　病院サイドから考えればそのような形になっていくと思うんですが、化学療法を受けて
いる患者さんの苦痛や不安はすごくあって、ＤＰＣ病院が特に外来化学療法等をシステム
的にサポートすること、さらに加算については議論されたのか。

○遠藤小委員長
　お願いします。

○西岡分科会長
　もし加算していただければ非常にありがたいというふうに皆さん思っているところでご
ざいまして、むしろこの基本問題小委員会でぜひとも加算しろというふうに言っていただ
けると、我々は非常にありがたいというふうに思います。実際のところでは、やはりそこ
のところは患者さんの負担がかからないような形で、各医療施設が非常に努力を重ねてお
られるというのが現状でございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。
　それでは、山本委員、どうぞ。

○山本委員
　先ほど総会で遠藤先生からＤＰＣの場合と出来高の場合で後発の使用量に関してこのぐ
らいの変化があるのではないかという予測をされておられたのですが、その資料の診－３
を見てみますと、そもそも時系列に考えてみても最も昔からＤＰＣに入っている１５年度
対象病院での使用率は時間の経過の割には多くないという気がいたします。確かにさまざ
まな先ほど御指摘のあったような問題はあるのかもしれませんけれども、大学病院あるい
は特定機能が多いということからすると、周りへの影響率というのでしょうか、医学教育
も含めて影響が大きいと思います。そういった意味からすれば、細かに全体のデータを出
すというのは１０００以上の施設もあり大変だろうと思いますが、とりわけ少ない、しか
も影響が大きい１５年度ＤＰＣ対象病院だけでも結構なんですが、具体的に後発品がなぜ
進まないのか。本当に新しい薬を使っているだけが理由なのかということも含めて、それ
が分かるような資料というのをお出しいただければ、今度は次に分析ができるような気が
いたしますが、どうなんでしょうか、それは。

○遠藤小委員長
　これは今のところ、要するに特定機能病院でなぜ後発品へのシフトが進まないのかとい
うことを細かい理由まで調べた調査はやっておりませんですね。ということで、今後の多
分調査課題なのかという気はするのですが、となると、事務局に今の話はお聞きしたらい
いかと思いますけれども、いかがでしょうか。つまりなぜ特定機能病院だけがこのような
比率であるのかということについて、もう少し詳しく調べるべきではないか。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　既存のデータを組み合わせるとしても、ちょっとそこの部分の分析ですね、見てみるの
は構いませんが、例えば設置主体別ですとか何らかのそういう分析をしてみることは可能
だと思います。

○遠藤小委員長
　ですから、多分今はないんだと思うんですね。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　ええ、現時点ではそうです。

○遠藤小委員長
　ですから、それを今後の調査課題としてという意味合いでどうかということだと思いま
す。
　山本委員、どうぞ。

○山本委員
　そうしますと、今の実態はどうなっているのかというようなことは出せるんでしょうか。
例えば現実にどのぐらい、１５年度の対象病院は具体的にこうなっているんだという実態
のようなものというのは資料としてあるんでしょうかね。もしそれがあれば。

○遠藤小委員長
　それは事務局、お願いします。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　病院別の率については出すことは可能だと思います、１５年度病院について。

○山本委員
　では、ぜひそのあたりも。

○遠藤小委員長
　では、その辺のところを御検討いただければと思います。
　順番からすると西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
　先ほど再転棟の話が出ましたけれども、これはケアミックス病院において急性期と慢性
期がある場合にはＤＰＣ対象の急性期病棟であって、そこから慢性期病棟へ行ってまた戻
ったケースですが、急性期単独の病院であれば、同じ患者さんであれば慢性期の別な病院
に行くわけですから、そのときは転院になって再入院という形だと思いますので、ある意
味でこの再入院と再転棟は同じことだととらえるべきだと思いますが、それでよろしいで
しょうか。

○遠藤小委員長
　では、西岡分科会長、御見解で結構でございます。

○西岡分科会長
　必ずしもそうではないというふうに考えております。むしろここで出てきております再
転棟はこのデータをごらんいただきますとお分かりのように、平成２０年度のＤＰＣ対象
病院、それから平成２０年度の準備病院で圧倒的に数が多いのですね。特に前の平成１５
年度の対象病院、特定機能病院などはむしろこれ精神科病棟への移動だけでございます。
ですから、５９０病院に再転棟があったというのですが、それのほとんどが平成２０年度
病院でございます。ちょっとそこのところは再入院がそうなのだというふうな形にはなら
ないというふうに、そこのところまで後のデータ、退院先というのも一応記載はされてお
りますが、そこまでのところと同じように扱うというのは少し違ってくるかなと思います。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
　先生、それは対象病院が２０年度と２１年ですか、そのときの病院にケアミックス病院
が多いというだけであって、それまでに入った病院にはケアミックス病院の数が非常に少
ないわけですから、ちょっと今、先生がおっしゃったのは違うなと思っています。客体が
違うのであって、それを年度の違いとしてしまうのはちょっと無理があると思いますので、
そのあたりは検討をよろしくお願いします。

○遠藤小委員長
　それでは、小島委員、どうぞ。

○小島委員
　ＤＰＣについて西岡分科会長のほうで詳しく分析をいただいています。傾向として言わ
れるのが在院日数の短縮、それについては先ほど西岡分科会長が言われましたけれども、
無駄といいますか、計画的再入院というところがふえたということで、再入院率が逆に上
がっていると、その関係だと思いますけれども、これはＤＰＣを全体的に評価する場合に、
ではＤＰＣをとっていない一般の病床との比較で見た場合にどうかというところも一つ評
価に当たっては検討する必要があるのではないかというふうに思っています。多分一般の
ＤＰＣをとっていない一般病床のところでも在院日数は短縮傾向にあるんだろうと思いま
す。その際では再入院率というのは、それはどこまでデータがとれるかがありますけれど
も、どうなっているのかというところでＤＰＣとＤＰＣ医療をとっていない一般病床との
比較というのか、そういう視点での検討というのをぜひこれから、これは事務局のほうで
もデータがどれぐらいとれるかにもありますけれども、検討をいただければというふうに
思うんですけれども。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。それは今後の調査の御意見ということでよろしゅうございます
か。ありがとうございます。
　対馬委員、どうぞ。

○対馬委員
　再入院率については、雑駁な言い方をしますと、患者のほうからすれば余り再入院率が
高くないほうがよろしいかなという感じはするんですけれども、診－２の最後のページで
みると、再入院率が最も高かった医療機関が４３．４％となっている。別紙１の５５ペー
ジを見ますと、上から５番目の博愛会病院が４３．４％、そこから２０ぐらい下に、国立
病院機構の九州がんセンターが２９．１％とあるんですけれども、このあたりは何か病院
の特性などがあらわれているのですか。それとも何か特別な事情があるのか、そのあたり
が分かれば教えて欲しい。

○遠藤小委員長
　それでは、事務局、お答えになりますか。お願いします。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　こういった高い病院について理由を見てみましたところ、やはり計画的再入院、化学療
法、放射線療法のためという答えがやはり非常に高くなっておるというところでございま
す。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
　それでは、ただいま御報告をいただきましたけれども、これにつきましての議論はこの
ぐらいにしたいと思います。また御報告いただきました件については了承いたしたいと思
います。
　次に、平成２１年度におけるＤＰＣに関する調査（案）についてを議題といたしたいと
思いますが、これも西岡分科会長、御報告をよろしくお願いいたします。

○西岡分科会長
　これは平成２１年度におけるＤＰＣの調査に関する（案）でございますが、これは診－
４の資料をごらんいただきたいと思います。
　最初に２０年度調査概要が書かれてございます。ここのところで最初から６行目のとこ
ろに、「一方、これまで増加傾向にあった再入院率については、１９年度も」と書いてあ
るんですが、これ「１９」が「２０」の誤りでございますので御訂正をお願いしたいと思
います。
　この２番目の２１年度調査につきましてですが、これは診断群分類の妥当性の検証及び
診療内容の変化等ＤＰＣ導入の影響を評価すること、２といたしまして、ＤＰＣ制度の在
り方や調整係数の廃止に伴う新たな機能評価件数等を検討すること等を目的として調査内
容とする。なお、当該調査のデータは診療報酬の点数を設定する上で基本となるデータで
あり、ＤＰＣ制度の根幹にかかわるものであることから、一層のデータの質の向上を図る
ということでございます。
　それで、具体的な調査内容でございますが、これまでと同様に７月から１２月までの退
院患者にかかわる調査といたします。なお、今年度においても急性期入院医療にかかわる
データを収集する目的から一般病棟からそれ以外の病棟へ転棟した時点でもデータの提出
を求めることとしてはどうかということでございます。
　それから、再入院の動向につきましては、平成２０年度改定におきまして同一疾患での
３日以内の再入院については１入院として扱うよう算定ルールを見直したところでござい
まして、再入院調査として引き続き調査をするということ。
　それから、３つ目といたしまして、適切なデータを提出できるようデータの質を確保す
るための取り組みを図ることとする。
　４番目でございますが、調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数等を検討するための
調査及び調査結果に基づいた詳細なデータ分析を行う。
　それから、５つ目でございますが、ＤＰＣ制度の在り方について、ＤＰＣによる医療の
標準化、医療の質の向上などより総合的な視点からの検証分析を行うため、必要な調査に
ついて検討を行うということでございます。
　それから、イでございます。医療機関からの意見交換についてでございます。
　当調査を補完し、適切な算定ルールの構築等について検討するため、平成２０年度と同
様にＤＰＣ評価分科会において調査内容に基づいた意見交換を行う。その他適切にデータ
を提出できず、データの質に重大な疑問等があった場合には、ＤＰＣ評価分科会において、
その原因等について調査を行う。この際、データが不適切であると考えられる場合には何
らかの措置を講じるようなルールづくりの可能性も含めて引き続き調査を実施するという
ことです。
　それから、ウでございます。調査対象の医療機関は現在のＤＰＣ対象病院及びＤＰＣ準
備病院に加えて、ＤＰＣ対象病院となる希望があり、以下の基準を満たす医療機関につい
ても新たなＤＰＣ準備病院として平成２１年度調査の対象とする。当調査に参加すること
ができる基準というのはこれまでにございます３つの基準でございます。
　以上でございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。事務局、何か補足ありますか。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　特にございません。

○遠藤小委員長
　それでは、このような調査を２１年の調査として行いたいということでありますけれど
も、まだ具体的なところが書かれていないようなところもありますけれども、こういう方
針でやってよいかどうかということをここでお認めいただく必要がありますので、いかが
でございましょうか。御質問、御意見があれば。よろしいですか。
　それでは、このような方向で２１年度調査を進めていただきたいと思います。よろしく
お願いいたします。ありがとうございます。
　それでは、次にＤＰＣへの参加及び退出についてを議題としたいと思います。
　西岡分科会長より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○西岡分科会長
　診－５－１の資料をごらんいただきたいと思います。
　１ページには現状、それから課題が示されてございます。３ページには主な論点が上が
っております。これを踏まえまして、我々の委員会におきまして、３ページ目にございま
すたたき台というものを出してございます。
　論点の中では参加ルールについて、これは以前から議論されているデータ提出の通年化
も考慮し、基準の見直しを行う必要はないかどうか。それから退出ルールにつきましては、
自主的退出ルールにつきましてＤＰＣ退出後の医療の質にかかわる影響評価や今後のＤＰ
Ｃ制度の円滑な運営のため、病院から退出する理由の確認を行った上で、退出後もデータ
提出を求めるべきではないか。それから、その他といたしまして、入院基本料以外の基準
を満たさなくなった場合についても、ＤＰＣ対象病院からの除外を検討すべきではないか。
　それから、３番目といたしまして、参加及び自主的退出の時期でございますが、これは
データの取り扱いや患者等への周知等の課題について考慮し、適切な参加及び自主的退出
の時期についてどのように考えるべきかということが論点でございます。
　それから、４つ目の再参加についてですが、強制的または自主的に退出した医療機関が
再度ＤＰＣへ参加することを希望した場合、再参加を認めるべきか。もし再参加を認める
こととした場合、どのようなルールを認めるべきかというのが論点でございます。
　その結果として３ページにございますたたき台をつくってございます。
　一番初め、参加ルールについてでございます。現状では「診療録管理体制加算を算定し
ている又は同等の診療録管理体制を有すること」とあるのですが、これを「診療録管理加
算を算定している」ということに変更してはどうかということでございます。それから２
つ目、イでございます。適切なコーディングに関する委員会の設置については、ＤＰＣ対
象病院の基準として、ＤＰＣ準備病院に対しても当該委員会の設置及び年に２回の開催を
求めてはどうかと。それからウ、データ提出の通年化が実施された場合には、それにあわ
せましてデータ、病床比の基準等について検討を行うこととしてはどうか。エ、準備病院
となった段階で、当該医療機関が今後ＤＰＣ対象病院となる可能性がある旨を患者に周知
することとしてはどうかということでございます。
　それから、２番目の退出ルールでございますが、①の自主的退出ルールでございます。
アといたしまして、退出する場合にはその理由等について届け出ることとし、その内容に
ついては事務局よりＤＰＣ評価分科会に報告することとしてはどうか。それからイ、退出
後の影響について評価するために次期改定までの間は引き続きデータ提出をすることにし
てはどうか。それから、②のその他といたしまして、入院基本料以外のＤＰＣ対象病院の
基準についても、満たされなくなった病院はＤＰＣ対象病院から除外することとしてはど
うか。なお、診療録管理体制加算及びデータの提出に係る基準については、入院基本料の
場合と同様に一定の猶予期間を設け、特定機能病院の場合は退出はできませんので、この
間マイナスの機能評価係数を設定して、猶予期間を超えてもなお条件を満たせない場合に
はＤＰＣ対象病院から除外することとしてはどうかということでございます。イがその特
定機能病院の例外措置でございます。ウは退出後の影響についても評価するために次期改
定までの間は引き続きデータの提出を求めるようにしてはどうか。これはＤＰＣの場合に
はＤＰＣの点数、それから機能評価係数すべてが適切なデータをもとにしてつくっており
ますので、それをぜひとも提出していただきたいということでございます。
　（３）の参加及び自主的退出の時期についてでございますが、参加は改定が行われる年
度当初についてのみ認めることにしてはどうか。イ、自主的退出は改定を行う年度の前年
度末についてのみ認めることとして、その意思は６カ月以上前に示されなければならない
としてはどうかということでございます。
　（４）の再参加についてでございますが、再参加を希望する場合は再度２年間の準備期
間を経過した病院であって、他の基準を満たしていれば認めることにしてはどうかという
ことでございます。ここの期間の問題のところでは、これはＤＰＣのいろんな点数、それ
からいろんな機能係数、また新たに出てまいります機能係数等を算出するためには正確な
データを常時出していただかなければいけないということに基づいているものでございま
す。
　以上でございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。参入と退出についてのルール、これを調査専門組織としてたた
き台を出してほしいという御依頼をいたしましたところ、このようなたたき台案を出して
いただいたということであります。これについて御意見……

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　すみません、ちょっと事務局補足……

○遠藤小委員長
　事務局補足をお願いします。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　今のルールにつきまして簡単に整理したメモを委員の皆様方には配布させていただきま
したので、御参考にされてください。
　それから、中医協資料、診－５－２でございますが、こちらのほうにＤＰＣ評価分科会
で出されました主な意見がございます。例えば総論でございましたら、そもそも自主的に
退出するルールをつくる必要があるのかというような意見も出ました。また、地域医療に
おける役割が変わった等により、これは急性期医療を続けるというのではなくて、例えば
慢性期医療に変わるとかそういうときには自主的に退出できる仕組みをつくることが必要
という意見も出ました。
　それから、２の（１）の退出のルールにつきましては、影響評価調査のために退出後も
データ提出を求める必要があるのではないかという意見があった一方で、医療機関にとっ
て負担になるのではないかとか、動機づけを考えると精度が保てるのかという疑問も出さ
れました。
　また、（２）の参加及び自主的退出の時期については、安易な退出を認めれば制度をゆ
がみかねないという御意見もございましたし、また、先ほどの総論と同様に、外科医が皆
やめてしまうというような例えば急性期医療が提供できなくなったような場合には、改定
の年度以外でも認めたほうがよいのではないかという御意見も出ました。
　それから、退出の時期について６カ月前までに示さないといけないというと、改定の全
容が分かる前に判断しなければならないということになってしまうという御意見もありま
した一方で、どちらの制度がもうかるかを選ぶような印象を与えるルールは好ましくない
のではないかというような御意見も出されました。
　また、再参加については退出時の理由を勘案して判断すべきという御意見もございまし
た。
　以上でございます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。どうも失礼しました。それでは、何か御意見、御質問ございま
すでしょうか。
　北村委員、どうぞ。

○北村委員
　基本的なことを一つ事務局に教えていただきたいんですけれども、このＤＰＣは医療の
効率化とか透明化に大変貢献をしてきているんだろうと思いますし、私なんかはこういう
素人の考えから考えてみますと、これからも対象病院が拡大してこのような機能が拡大す
るのかなと思っておりましたが、今回のこの退出基準の検討ということで、現在の準備病
院なんかがＤＰＣに入るころ合いをもって現状のあれでもうＤＰＣ病院はほぼこれでよろ
しいのかという見通しが国におありになるのかどうか、その辺について、もうこれ以上Ｄ
ＰＣ病院の拡大というのは今までのようには考えられないというふうに判断していいのか
どうか、ちょっとその辺を教えていただきたいなと思いました。

○遠藤小委員長
　それでは事務局、よろしくお願いいたします。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　国としては特にこれで拡大する必要はないというような考えはございません。むしろ中
医協のこちらの小委員会のほうで御議論いただきまして、以前もそうですが、今年度につ
いても準備病院の募集をするということをお決めいただいたというようなところでござい
ます。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。それでは、ほかに質問、御意見ございますか。
　特段ないようですと、たたき台案……では、中川さん、どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　あります。時間もあまりないでしょうが、……

○遠藤小委員長
　多分今日私の考えておりますのは、予定を相当オーバーしておりますので、本日結論に
は多分至らないと思いますけれども、せっかくの御意見、御発言をいただきまして、御意
見だけ承りたいと思います。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　分科会での主な意見のところにもありますが、前も申し上げましたが、どちらの制度が
もうかるか選ぶような印象を与えかねないという表現ですね。その病院が存続し得るかど
うかのぎりぎりの選択をするという意味でＤＰＣにとどまるのか、参加するのか退出する
のかと、そういう選択を医療機関が必死で考えるわけですから、そういう表現は控えてい
ただきたいなと思っております。
　それから、まず退出の時期ですが、改定が行われる年度の前年度末にのみ認めるとあり
ます。ということは、退出しようと思っても最大これは２年半ぐらいかかるわけですね。
その意思はさらに６カ月以上前までに示さなければならないということになれば、その医
療機関の機能が変わった、もしくは医師がやめたとか外科医がやめたというようないろい
ろな緒事情があったときに２年以上も最大で待つと。少なくとも改定の年でなければ１年
以上待つということになれば、これはもう地域医療を担っていった病院が存続にかかると
いうことになるわけですから、本当に考え直していただきたいなと思います。まず、その
１点。

○遠藤小委員長
　これについて何か事務局あるいは分科会長、御意見ございますか。
　では、分科会長、どうぞ。

○西岡分科会長
　今の御意見ですが、実際に現行の制度で基準が満たせなくなった場合には３カ月間の猶
予期間をもってＤＰＣから外れることができるというのがございますので、確かに機能が
違ってきたりした場合にはそういうことができます。それと、次の改定までですから、長
くても２年以内ということになります。分科会の中での議論で、先ほど私ちょっと報告す
るのを忘れたんですが、もともと参加したいという御要望で入ってきて、それに対して準
備して入ってきておられますので、あえて出ていくところまで考えなきゃいけないのかと
いうことが委員会でかなり多くの意見がありました。ただ、機能が変わったときだけは現
行の方策で猶予期間をつけて、猶予の間に回復してもらうあるいはそれができなければ退
出していただくということができるのではないかと思っております。だから、委員のおっ
しゃるじっと我慢して次の改定まで待たなければいけないというふうなことは余りないの
かなというふうに思いますが。

○遠藤小委員長
　中川さん、どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　先生ちょっとお答えがかみ合わないような気がしますが、先生は、病院に所属されてい
ますから、医療機関が１年、２年待つということは、できないというのはお分かりですね。
存続し得るかどうかという経営上の問題です。退出したくなったら自動的にデータを出さ
ないとか、自動的に強制退出になるということを言われますが、これは言ってみればペナ
ルティー的なものです。その医療機関にとっては不名誉なことです。もし自分の病院があ
る時期でＤＰＣに対応できなくなるということがあらかじめ分かっているのであれば、自
主的に退出するというルールをつくるのは、当然じゃないですか。

○遠藤小委員長
　ちょっと中川さん、ただいまのこの議論というのは基本的にはＤＰＣ評価分科会がこち
らからの要望でたたき台をつくっていただいたということでありますので、そのたたき台
をベースでここで議論をする話ですから、評価分科会長に対して、このたたき台の内容が
おかしいということは意味を余りなさないと思うんですね。ですから、ここの議論でお考
えを展開していただければいいかと思いますので。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　言い方を変えます。そういういろいろな思い、現場の病院の思いを分かってほしいなと。
その上で、たたき台が冷たいような印象を持つわけです。ぜひその現場の苦悩を勘案した
ようなたたき台にして下さい。……

○遠藤小委員長
　いや、たたき台はあくまでもたたき台ですので、まさに逆に言えばたたき台は何の権限
もありませんから、どうするかを決めるのはここですので、そういう意味での発言をして
いただきたい……

○竹嶋委員（代理中川氏）
　会長にたたき台は何の権限もないと初めて聞きましたけれども、そうであれば本当にあ
りがたいと思います。

○遠藤小委員長
　いや、何の権限もないというのは事実そうですよ。たたき台というのはそういうもので
す、あくまでも。ここが決定権を持っているわけでありますから、それはもう当たり前の
話です。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　分かりました。

○遠藤小委員長
　もちろん尊重はいたしますよ、議論の中では。
　藤原委員、どうぞ。

○藤原委員
　今の説明の中で、機能が違ってくると３カ月でも退出できるというお話なのですが、私
どもが議論の主体にしているのは経営の話なので、経営がやっていけないということと機
能とまた別の話なので、それを分けて考えるべきではないかと思いますが。

○遠藤小委員長
　それは今後の議論の展開としてということですね。そういう御提案が出ましたので、そ
れに対してもし何か今、藤原委員の話にあればですけれども、ちょっと具体性に欠くとこ
ろがあったものですから、コメントもしづらいところもあるんですが、分かります。

○藤原委員
　今日時間がないので、どこまで議論するのかなと思ったので。

○遠藤小委員長
　そうですね。ありがとうございます。
　では、対馬委員、どうぞ。

○対馬委員
　たたき台をもとに議論ということで、せっかく資料をおつくりいただきましたけれども、
前回からずっと議論されているのは強制的にとか自主的にといったところで非常に極端な、
非常にきつい言葉で議論しているんですよね。それがまたこのたたき台の中にも随分出て
きているのですけれども、一般的に組織なり機構なりに入ったり出たりするときに強制的
とか自主的にというのは余り使わない。こういった基準に合うときには入ることができる
とか、ないしは退出することができると、こういうことでやっていくはずなので、私とし
てはできるだけ強制的とか自主的という言葉は使わずに、表現としては淡々と、そして最
後にいろんな問題があるときには中医協の中で最終的に判断をするということでいいのか
なというふうに思います。
　基準というのは現行もありますけれども、現行のものにちょっと手を加えた形にして、
それに合わなくなれば当然それは退会していただくことになると。その期間については手
続的な話ですから、それは確かに３カ月もあれば６カ月もあるかもしれないし、また、入
るとき、抜けるときは１年毎でいいのか、それともやっぱり２年毎の改定の時期か、そこ
は議論しなくてはいけませんけれども、いずれにせよ、ペナルティーとか、絶対だめだと
か、いや、勝手にできるんだとか、そういうことではなくて基準に合致すれば当然入るし、
基準に合致しなくなったら抜けていくということを基本にやっていったらいいのではない
かなと、思うんですよね。そうしませんと、何か自主的というと、我々としては勝手にと
いうのはちょっと困ります。自主的と勝手にというのはやや似ていますからね。強制的と
いうのはきついよなということになりますから、いろんな各団体がありますけれども、皆
さんのところでも恐らく強制的にとか自主的にというのは余り書かないんじゃないかと思
うんですね。基準に合致すれば入れるとか、こういう基準に合致しなければ退会すると、
淡々とお書きになっておられるんじゃないかなと思うんですよね。
　そういったことで、事務局にはもう一踏ん張り、二踏ん張りしていただいて今回の基準、
ルール、それは中身ということもあれば、あともう一つは手続論とこの２つがあるんだと
思うんですね。そこもちょっと混同といいますか、同時並行的に書かれているような感じ
もしまして、非常に読みにくいです。だから、そのあたりをちょっとよろしくお願いした
いというふうに思います。

○遠藤小委員長
　これは対馬委員、基本的には評価分科会のたたき台案を修正すると、そういう意味合い
ですか。

○対馬委員
　いや、それも含めて全般的に見直していただきたい。

○遠藤小委員長
　今後の議論として恐らく今度は小委員会としてのたたき台が出てくる話になりますので、
その中で今のような御発言も含めた形の事務局案というものをつくっていただきたいとい
うふうに思います。これをまた分科会に戻してというのもあれですので、そんな形だと思
います。
　それでは、小島委員、どうぞ。

○小島委員
　中川委員からの自主的退出時については２年に一度改定では厳し過ぎるというお話があ
りました。西岡分科会長からは今のＤＰＣの要件がが満たせなくなる場合には退出すると
言われました。それは医療機関の機能、役割が変わるという場合、例えば１０対１が変わ
るというようなことであれば、当然今のルールでも自動的に退出ということになる。そこ
は医療機関の役割、地域における役割というのが変わるということで、急性期から慢性期
といいますか、そういうところが大きいんだろうと思います。現行でも要件を満たさなく
なれば自動的に退出することになる。猶予期間を設けるということもありますので、その
場合の関係をどう整理するかということだと思います。
　この自主的に退出というのは、まさに医療機関の役割というか機能が変わるという場合
だと思います。そのＤＰＣの要件を満たしている中で存続にかかるような経営的に厳しい
というのが本当に実際の話なのかどうかということもあります。そういう意味ではＤＰＣ
対象病院の地域における役割、機能がどう変わるかというのが最大の要因ではないかと思
います。現行でも要件を満たさなくなった場合のルールというのがありますので、そこと
自主的な退出というようなところをどう考えるか、あるいは整理するのかということだと
思います。

○遠藤小委員長
　重要なポイントであることはもう間違いないわけですね。今後その辺も重要な議論のポ
イントになるかと思います。
　もう時間もありませんけれども、何か一言あれば。
　では、藤原委員、手短にお願いします。

○藤原委員
　今の話だと、また議論がもとに戻るような感じがするのですが、せっかくここの場で決
めて分科会にも投げかけたものをまた戻して議論するのですか。

○遠藤小委員長
　どういう意味合いでしょうか。

○藤原委員
　整理されるのは結構ですよ。もう少し整理されたという条件のもとで議論するのはいい
んですが、やはり分科会へ投げかけられたもの、それをもとにして議論するというのが普
通ではないですかね。今のお話だと何か流れがもとに戻るような気がするのですが、私の
勘違いでしょうか。

○遠藤小委員長
　私そうは理解しておりませんけれども、もし小島委員、何かコメントがあれば。

○小島委員
　私も別にもう一度分科会に戻せという話じゃなくて、たたき台を出されたので、これを
ベースにしてこの基本問題小委員会で議論をしてここで決めればいいという話だと思いま
す。

○藤原委員
　この場の議論として前向きにお願いします。

○遠藤小委員長
　基本的にはもうたたき台を最大限に尊重するわけですけれども、細かい内容について、
表記の話も含めてさまざまな議論があって、最終的に決定するのはここなわけなので、そ
こで十分な議論をしたいと、こう言っているわけであります。
　それでは、中川さん、どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　先ほどの会長の御発言で、たたき台はたたき台だと。これは分科会のたたき台という認
識でよろしいですか。

○遠藤小委員長
　ここに本日出されたものですか。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　それで、今日の議論を踏まえて事務局のたたき台がまた出てくるという認識でよろしい
でしょうか。

○遠藤小委員長
　これは事務局にお尋ねしますけれども、それ中川さんの趣旨がよく私も理解できません
が、ここにある位置づけは、ここのたたき台案というのは分科会が委託を受けて議論した
たたき台というふうに考えてよろしいわけですか。ということでありますので、ここでの
議論を踏まえて今度は基本小委としてのたたき台案が事務局でつくられていくと、そうい
うプロセスになると思いますけれども、事務局、どうぞ。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　今、小委員長がおっしゃったように、分科会のほうでたたき台というもの、この案をつ
くっていただいて、それを小委員会のほうでこの部分をこういうふうに修正したほうがい
いのではないかとか、あるいは先ほど対馬委員のほうからもうちょっとちゃんと言葉遣い
なども含めて整理しろという御指示もいただきましたけれども、そういうふうに具体的に
どのように修正したらいいのかとか、その辺について御議論いただけると進むのではない
かというふうに思います。

○遠藤小委員長
　私もそのように理解しておりますけれども、中川さん、それでよろしいでしょうか。た
たき台がどうであるかということは私は余り意識しなくて、最終的にここでどう決まるか
ということが大切なんだろうというふうに思っていたんですけれども、何かコメントがあ
ればどうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　対馬委員のもう一汗、二汗事務局でかいてつくりなさいという意見に私も賛成です。

○遠藤小委員長
　そのためにはここでの議論が明確にある程度あれば、それに対応した形で事務局も動け
るということだと思いますので、本日時間もありませんから、またこれは継続審議という
ことで議論を進めていきたいと思いますけれども、それでよろしゅうございますか。
　これは事務局にお尋ねしますが、本日決めなければいけないと、そういうタイムスケジ
ュールの案件ではないと理解しますが、それでよろしいでしょうか。

○事務局（宇都宮医療課企画官）
　はい、別に本日決めなければならないというものではございません。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。
　本日非常に分科会から明確な形のたたき台が出てきておりますので、これをベースにし
ながら、今後また小委員会としても議論を進めていきたいと思いますので、また事務局も
それに関連して汗を流していただきたいと思います。
　対馬委員、どうぞ。

○対馬委員
　大変申しわけありません。簡単にします。この資料をもとにしてということで、もちろ
んこれは分科会で大変議論していただいて、貴重な資料を出していただきましたので、こ
れは尊重いたしますけれども、ただ、全体の流れとして私は必ずしも基本小委で議論した
ことが整理されているとは思わないです。例えば１ページ目の課題というのがありますね。
現状があって課題がある。課題というのは調整係数と正確なデータの提出なんでしょうか
と。これはあくまで一部ですよね。ですから、やはり全体としてこれは基本小委で議論す
るときにこれがすべて、特に異論がなければこれがベースになるということではやっぱり
ないんだろうと。これをもとにしながら、改めてやはり不足する部分が何かを事務局に一
汗も二汗もかいていただくということではないかと、こういうふうに思います。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。では、そのようなことでまた事務局には汗をかいていただきた
いと思います。
　それでは、一言で西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
　この退出ルールも非常に重要な問題なんですけれども、片方では新規の係数のもっと重
要な問題があるはずなので、こればかりに時間をとられると問題なので、そこら辺は並行
してやる、あるいは機能係数のほうをやってこれは少し延ばすか、そのあたりの検討もで
きればと思います。

○遠藤小委員長
　重要な問題でもありますので、関連ですか。では中川さん、どうぞ。

○竹嶋委員（代理中川氏）
　いや、これは延ばすことはできません。本来はもう昨年度末に決まっているスケジュー
ルだと思いますので。

○遠藤小委員長
　いや、延ばすというようなことをおっしゃったわけじゃないと思うんですね。だから、
重要なものがあるので並行して議論してほしいと、そういうことだと思いますので。
　ほかにもいろいろ御意見はあるかと思いますけれども、時間も大幅に押しておりますの
で、本日の基本問題小委はこれにて終了したいと思います。
　事務局のほうから何か今後のスケジュールでございますでしょうか。

○事務局（佐藤医療課長）
　未定ですので、調整でき次第御連絡をいたします。

○遠藤小委員長
　ありがとうございます。
　それでは、本日の小委員会はこれにて閉会にしたいと思います。どうもありがとうござ
いました。

　
　　　　【照会先】
　　　　　　厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
　　　　　　代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）