09/04/27 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会 平成21年4月27日議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所   平成21年4月27日(月)  16:00〜 厚生労働省専用第22会議室 2.出席委員(12名)五十音順    新 井 洋 由、 飯 沼 雅 朗、 庵 原 俊 昭、 清 水 秀 行、    竹 内 正 弘、 田 村 友 秀、 土 屋 友 房、 早 川 堯 夫、   ○堀 内 龍 也、 溝 口 昌 子、 山 添   康、◎吉 田 茂 昭  (注)◎部会長 ○部会長代理    欠席委員(5名)  ○池 田 康 夫、 岡   慎 一、 守 殿 貞 夫、 前 崎 繁 文、    山 口 一 成    3.行政機関出席者    岸 田 修 一(大臣官房審議官) 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、 豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、 成 田 昌 稔(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)、 赤 川 治 郎(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 それでは定刻でございますので、薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部 会を開催させていただきたいと存じます。本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、 誠にありがとうございます。現在のところ、当部会委員数16名のうち12名の委員の御出 席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。なお、 本日は池田委員、岡委員、守殿委員、前崎委員より御欠席という御連絡をいただいており ます。  続きまして、事務局に人事異動がございましたので御報告を申し上げます。医薬品医療 機器総合機構の新薬審査第五部、抗癌剤を中心に審査を行う第五部を新たに設けまして、 その第五部長として、浦野勉が就任いたしております。また生物系審査第一部長として高 山昌也が就任いたしております。よろしくお願い申し上げます。それでは部会長の吉田先 生、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。 ○吉田部会長 それでは本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認を行っ てください。 ○事務局 まず、資料の確認をさせていただきます。席上に議事次第、座席表、当部会委 員の名簿を配付しております。議事次第に記載しております資料1〜6までを事前にお送 りしております。このほか資料7として「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、 資料2-2として1枚紙を配付しております。過不足等がございましたら、事務局までお知 らせください。以上です。 ○吉田部会長 よろしいでしょうか。それでは審議に入りたいのですが、本日は審議事項 がございませんので、報告事項が6議題となっております。では、報告事項その他の事項 について御説明をお願いします。 ○機構 それでは報告事項の議題の1、「医薬品バリキサ錠450rの製造販売承認事項一 部変更承認について」報告いたします。資料1になります。本剤は、サイトメガロウイル スをはじめとするヘルペス科のウイルスに抗ウイルス活性を有するバルガンシクロビル の錠剤であり、現在は「後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイル ス網膜炎の治療」の効能・効果で承認されております。今般、田辺三菱製薬株式会社から、 臓器移植後患者におけるサイトメガロウイルス感染症の効能・効果を追加する製造販売承 認事項一部変更承認の申請がなされたものです。  医薬品医療機器総合機構における審査の結果、資料1に記載いたしました効能・効果に て、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。  続きまして議題の2、「医薬品アリムタ注射用100rの製造販売承認及び医薬品アリム タ注射用500rの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。  先ほど事務局の方から御説明いたしましたとおり、本日事前に送付いたしました資料の うち、審査報告書21ページの図の一部が見えない状態となっておりましたので、差替え 資料として、資料2-2を席上に配付いたしました。申し訳ございませんでした。アリムタ 注射用500rは、葉酸代謝拮抗剤に分類される抗悪性腫瘍用剤であり、現在は、「悪性胸 膜中皮腫」の効能・効果で承認されております。  今般、日本イーライリリー株式会社から、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の 効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされまし た。  また、容れ目違いの品目として、アリムタ注射用100rを追加する製造販売承認の申請 がなされました。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、アリムタ注射用500r及 び同100rを承認して差し支えないと判断いたしました。  続きまして議題の3、「医薬品ネクサバール錠200rの製造販売承認事項一部変更承認 について」報告いたします。ネクサバール錠200rは、RAFキナーゼ活性阻害作用や、 VEGFR等の受容体型チロシンキナーゼ活性阻害作用により腫瘍増殖を抑制すると考えられ ている抗悪性腫瘍用剤であり、現在は、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の効能・ 効果で承認されております。今般、バイエル薬品株式会社から、「切除不能な肝細胞癌」 の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。医薬品医 療機器総合機構における審査の結果、腎細胞癌における承認条件と同様に全例調査の実施 を承認条件として付すことにより、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。 ○吉田部会長 ここまでが一部変更関係なので、まとめて御意見をいただきたいと思いま す。どなたか委員の先生方から何か御質問等がございましたらお願いいたします。 ○庵原委員 最初の資料1の36ページ、「小児への使用について」というところで、日 本ではまだ小児への適用はなくて、今後開発をお願いするという意味ですか、それともう 一つは、海外でのこの薬の使用状況はということ、この2点の情報がありましたら教えて いただきたいのです。 ○機構 まず1点目の件ですが、これは今後、国内での小児への適用を目指して開発を進 めることを検討していただきたいということで、記載させていただいております。海外の 承認状況なのですが、今確認しましたところ、米国、欧州におきまして、小児の剤型とい うものは現在承認されていないということです。 ○吉田部会長 よろしいですか。 ○庵原委員 御存じのように今、臓器移植法が国会にもかかっております。そうしますと、 今後、小児へのいろいろな移植が行われて、もっと頻回に行われてくるだろうと。そうし ますと、サイトメガロウイルス感染というのは移植にとっては必ず出てくる問題ですの で、そうしたときに絶えず注射薬を使わないといけないというのは、移植後のコントロー ルが非常に面倒になるかと思います。こういった経口剤が小児への適用拡大をしてもらわ ないと、移植医療自体がうまく進んでいかないのでは、という印象を持っていますので、 この辺りの検討をお願いしたいと思うのです。逆に言うと剤型はこのままでつぶして使え るとか、そういった対応が可能なのか、その辺は審査から外れることかもしれませんが。 ○機構 御指摘をどうもありがとうございました。小児の剤型については先生の御指摘の とおり、今後医療におけるニーズというのは非常に高まってくるという観点もございます ので、積極的に開発するということを申請者の方にお伝えしようと思います。現状の剤型 をつぶすということなのですが、非臨床の成績の方から毒性の観点、錠剤をつぶしたとき の安定性とか、品質の方からの検討が十分に今行われていない現状ですので、そちらの方 からの検討も引き続きする必要がある、と思っております。 ○吉田部会長 よろしいですか。この報告書によると、機構の方も申請者にそれの開発を するように指示をしたというようになっていますが、具体的に治験なり何なり、何かそう いうようなことをやるようにということですか。 ○機構 はい、そのようなことを意図しています。具体的に治験をどうするのかというと ころまではまだ進んでおりませんので、今後の課題だと思います。 ○吉田部会長 ありがとうございました。ほかにございますか。 ○堀内部会長代理 これは臓器移植に使われるということで、これまでは21日という使 用期間の制限があったわけですが、それが外れておりますが、少なくとも2週間は維持療 法をやるだろうということになっておりますが、長期間使った場合の安全性の担保はどの ように考えていらっしゃいますか。データとしてはこれまでは21日までのデータしかな いということになっていますよね。 ○機構 御指摘をありがとうございます。御指摘がありましたように、本剤については長 期間投与の安全性情報は十分に得られていません。ただ、今回投与期間を外したという経 緯については、初回申請時承認時と比べまして、医療における実態が大きく変わっており、 昨今は抗原血症検査というもので治療を早期の段階で継続するのか、それともそのまま続 けるのかというのが判断できるようでございまして、初回承認時に21日という設定がさ れたのですが、それよりも早期に投与を中止する判断がより正確にできるようになったと いう背景があり、投与期間は用法・用量から外しています。ただ、長期投与における安全 性情報は十分に得られていませんので、その旨は十分使用上の注意等で注意喚起を行うこ ととしております。  添付文書の6ページの維持治療のところに、関連する情報を記載させていただいており ますが、初期治療で本剤を投与された群で226日、初期治療でガンシクロビル静脈内投与 された群で219日であったと、こういった情報は得られているということも情報提供はし ております。ただ、漫然と継続して投与することはすべきではないという旨で、情報提供 をしていくべきであろうと考えております。 ○堀内部会長代理 情報の集積は何か具体的にやるのですか。その計画はないのですか。 ○機構 その点については製造販売後に本剤の使用成績調査として全例を対象に調査を することとしております。その投与期間についても投与終了するまで情報を収集すると申 請者の方には指示しておりまして、具体的な調査の骨子まで作成できている段階です。 ○吉田部会長 ほかにございますでしょうか。 ○審査管理課長 先ほど庵原先生から小児への適用追加というのが提起されたところで すが、確かに小児の臓器移植等を考えると、このようなものの必要性が高まるというのは 御指摘のとおりなのだと思います。  一方において、このもの自体は遺伝毒性もある、発がん性も動物では見られている、生 殖毒性も見られているというような状況にあるわけです。したがって、欧米においてこの ような感染症に特に小児の臓器移植でどのような薬剤が使われ、どのような対処をしてい るのか。その中でこのものがどのような位置付けになるのかというようなものも調べた上 で、小児の適用を考えていくというようなことが必要になってくるのかと、部会として小 児を開発しろというようなところではなくて、いろいろな薬剤があろうかと思いますの で、そこも調べさせていただいた上で位置付けを考えて対処したいと考えている次第で す。 ○吉田部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○庵原委員 このバリキサ錠でなくて他の薬の件でよろしいですか。 ○吉田部会長 はい、結構です。 ○庵原委員 資料2のところでデータを見ていますと、この薬が効いているのは腺癌と大 細胞癌の2種類で、扁平上皮癌等は余り効果がないとデータは読めるのです。それで、し かも対応疾患を組織型を決めずに、すべてを引っくるめてしまっていいのかというところ に少し疑問が残るのですが、この辺の御意見をお願いします。 ○吉田部会長 小細胞癌と非小細胞癌と2つにしか分けられないというのが現状なので、 そういうところ、例えば、抜くというときにどれくらいの根拠で抜けるかということもあ るのだろうと思うのですが、田村先生、コメントをいただけますでしょうか。 ○田村委員 海外では確かnon-Sqで承認されていると思うのですが、組織型というの は非常にあいまいなものであるのと、恐らくこの薬の効果の本来のターゲットとなる分子 がはっきりしない現時点では非小細胞肺癌、それにちょっとコメントを付ける形での承認 は、私は妥当ではないかという気がします。 ○吉田部会長 ありがとうございました。添付書類にも何か書いてあるのですか。機構か らの御説明をお願いいたします。 ○機構 サブグループ解析の結果ですが、添付文書に4枚の図を、全体の成績のほかにそ れぞれの試験ごとに加えさせていただいておりまして、現場でこの図を見ていただいて、 個々の先生方に最終的に判断していただこうと考えております。 ○吉田部会長 一応そういう成績だったことは、添付書類には書いてあるというようなこ とです。あと、いわゆる部分解析の形になりますので、信頼性もなかなか難しいとは思う のです。どうですか。竹内先生、そういう解析の信頼性というか。 ○竹内委員 これは専門委員会の方で議題になりまして、私の方も幾つかやっていただい て、ある程度結果は出たのですが、ただ、サブ解析ということもありましたので、一応添 付文書にこの四つの図を提示していただいて、現場の先生方に判断していただくというの が一番妥当か、という気がいたしました。 ○吉田部会長 ありがとうございました。ほかに御質問はございますか。 ○堀内部会長代理 このアリムタというのは大変高い薬ですよね。24万円という非常に 高い薬なのですが、先ほどの差し替えを見ましてもゲムシタビンとシスプラチンとでは非 劣性であるということで、ほとんど有効性については差がない。作用機序が少し違うから 一概には言えないのですが、としますと、これは実際上現場で使う場合の医療費の問題等 とも絡む問題になってくると思うのですが、どういう位置付けになるのでしょうか。 ○吉田部会長 私もそれに関しては御意見をいただきたい、と思っていたのですが、基本 的には非劣性で適用不可で申請しているということで、このファーストラインの使い方と いうのは、肺癌の場合いろいろな薬がありますので、その中でアリムタがどういう使われ 方をするかということにかかってくるのだろうと思うのですが、この件についても田村先 生コメントをいただけますか。 ○田村委員 既に海外ではセカンドラインとしてかなり広く使われております。この薬剤 は不思議な薬で、効果もあるのですが非常に長期間投与できる、副作用は明らかに軽いと いうデータが出ております。恐らく今後、ここは予測ですけれども、私はファーストライ ンで使われるようになるのではないかと予想しております。 ○堀内部会長代理 そうすると、アリムタがまずファーストラインで走って、その後、も し効かなかったらば例えばエルロチニブを使うということになるのだろうということで すか。 ○田村委員 ドセタキセルですとかエルロチニブなどになるのだろうと思います。アリム タの値段のことは私もすごく気になりますので、使いたい薬ですので、是非安くしていた だきたい。 ○吉田部会長 これはこの委員会とは関係ないのですが。そうですか。わかりました。ほ かに。 ○堀内部会長代理 これは中皮腫というかなり限られたものに使われるということで薬 価はかなり高くついているのだろうと思うのですが、今のお話ではファーストラインで使 われるというようなことになると、話は大分変わってくるでしょうね。□□□□□□□□ □□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□ □□□□□□。毎日500r/uということですから、普通の日本人ですと1.5から1.8ぐ らいということになると、1日に30万円以上40万円近くになると思います。 ○審査管理課長 この部会の主要な議論ではないとわかって議論されておられますので、 お答えしたものかどうかと思ったわけですが、悪性中皮腫、特にアスベストを中心とした 中皮腫への対応ということで、審査も精いっぱい頑張りましたし、医療保険の中でも特別 に短い期間で収載をしていったという経緯があります。その薬価算定をどのような形でや ったのか、私自身は承知をしておりませんけれども、先生がおっしゃったように仮に中皮 腫ということに的を絞って、例えば類似薬を比較したとか、そういうことであれば、今回 肺癌を追加することによって、また見直しというのもルール上あり得ないことではないの だろうと考えています。いずれにしてもこのような効能・効果の追加をやると、仮に今日 の部会で御了解いただけましたならば、こういう効能・効果が部会で御了解になったとい うことを担当部局に伝え、必要な手当を検討してもらいたいと考えています。 ○吉田部会長 そうですね。はい堀内部会長代理どうぞ。 ○堀内部会長代理 もう1点、それとともに100rの注射用のアリムタがこれは今回初め て出るわけですが、これの位置付けというのはどうなるのでしょうか。大体先ほどの話の ように900rとか何とかというようになると、500rのものを1本と、100rのを4本使 わなければいけないというのは、大変使い方としては使いにくいものになると思いますの で、意味があるのか、というのが少し疑問になりますが、その辺はいかがでしょうか。 ○吉田部会長 ということは500以外に。 ○堀内部会長代理 500を2本使った方がいいのではないかという。 ○機構 実際に現場でどういう使われ方をされるかというのはわからない部分もあるの ですが、会社の方は100rもあった方が医療現場に便利だろうということで100rを申請 してきたということだと思いますが。 ○堀内部会長代理 単純に言えばそうなのですが、保険の申請をする場合例えば900r使 ったという場合に500rを2本使っては駄目で、500rプラス100rを4本使えというよ うなことになると、現場では抗癌薬の混合というところに小さい、日本はかなり特殊なの ですが、小さい剤型とかアンプルとかバイアルが大変多くて使いにくいのですが、それに 輪をかけることになるのではないかと、清水先生どうですか。同じようなことをお感じに なりませんか。 ○清水委員 はい、今堀内先生の御指摘になったことは現場では小さい規格のものです と、かなりの数、アンプル、あるいはバイアルを調整しなければならないということが発 生してしまって、用量が少し多く入っていることの影響が出てしまったりする場合があり ます。ただ、これについてはここの審議とは直接関係ないと思いますが、価格がどう付く のかというのも影響してくるのだろうと思うのです。400rを出したときに100rを4本 使っても、500r1本の値段よりも安くつくのかどうかということでもまた変わってくる かとは思います。 ○審査管理課長 投与量が例えば600rであるのか、それとも今先生がおっしゃった900 rであるのか、その辺りによっても異なってくるのでしょうし、同じような肺癌の患者が 何例もおられるような病院なのか、そうではないのかというのでもまた変わってくるのだ ろうと思うのです。いずれにしましても、先ほど清水委員がおっしゃったように、ここで の議論ではないと思いますので、合わせて保険局の方へ伝えたいと思います。 ○吉田部会長 よろしくお願いいたします。スクエアメーターは500rですから、私はこ れ以上こじらせたくないですから、そう大きな問題ではないと思います。ほかにございま すか。 ○清水委員 今の100rの新しい容れ目が出ることに関することなのですが、製剤として 見た場合、変用量の件があって、溶解すべき溶液の量が比例計算とは違う数量になってい ることについての調整者、使用者への具体的な情報提供というのは、どのようなことが今 考えられているのでしょうか。 ○機構 審査報告書にも書かせていただいたように、確かに用量と比例計算にはなってい ないところでして、このものについては資材等でそこについては臨床現場に情報提供いた しまして、混乱の起こらないようにということを、会社の方には指示を出しております。 ○清水委員 具体的にどんな資材かというのは。 ○機構 資材などは今検討段階ということで、まだ出てきているものではありませんが、 会社の方としては準備をしているというふうに聞いております。 ○清水委員 500rで20というのがもう既に頭に入っていますと、100rだと4という比 例計算をしてしまうといけませんので、そこのところの御案内はよろしくお願いいたしま す。 ○機構 申請者の方にも合わせて伝えたいと思います。 ○吉田部会長 ほかにございますか。市販後はどういう計画ですか。 ○機構 市販後は一次治療の方がまず300例、二次治療が300例ということで、契約ので きた施設において連続調査方式で調査をして、早い段階で情報を収集して、医療現場にま た提供を行っていくというふうな計画になっております。 ○吉田部会長 連続で入れていくという。 ○機構 はい、全例調査にはなっていませんけれども、契約ができた施設から。 ○吉田部会長 契約のできた施設から連続的に入れる。 ○機構 はい。 ○吉田部会長 その辺の症例数その他もよろしいでしょうか。ほかにございますか。 ○庵原委員 資料3に変わってよろしいですか。これも肝細胞癌すべてにという話なので すが、44ページのB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスのこのデータを見てみますと、 B型肝炎ウイルスに対する効果は、95%confidence intervalが1をまたいでいるのです。 そうしますと、C型肝炎由来の肝細胞癌に対しては効果があると読めるのですが、B型肝 炎ウイルス由来の肝細胞癌に対しては余り効果がないとしか、このデータは読めないので す。それで肝細胞癌すべてウイルス感染由来の肝細胞癌すべてに適用を認めるということ でよろしいですか。 ○機構 説明させていただきます。こちらのHBV、HCVの陽性、陰性別の解析につい ては、主要な臨床試験のうちの一部の症例を対象としたものですので、ハザード比の上限 については1を超えたものもありますが、あくまでも解析としては探索的なものだろうと 考えているところです。 ○堀内部会長代理 要するにデータとしては明確ではないということですか。それを言い 出したら何も言えなくなってしまいます。 ○吉田部会長 要するにHB陽性の患者数が少なかったと。だからばらついたということ だろうと思うのですが、庵原先生どうでしょうか。 ○庵原委員 これでしたら少しデータを集めて再検討しないと、このデータですと効いて いないという結果になると思うのですが。 ○機構 現時点ではこちらは例数の問題もあるかと思いますが、要はHBV陽性からの肝 細胞癌について有効性がないというようなことは結論付けできないのではないかという ふうに考えております。 ○庵原委員 95%CIが1をまたいでいるわけですよね。ということは統計的有意差がな いのです。それでBも認めて後フォローしないというのは少しおかしいのではないかとい う、それが私の意見です。 ○審査第五部長 御指摘の点ですけれども、基本的に肝癌のデータに関してはサブグルー プ解析であること、これはもう御理解いただいていると思います。症例数問題もそうなの ですが、この試験は肝癌全体として組み入れをして得られた結果であり、そういうことに 関して評価をしたというのが基本スタンスです。したがって、どこかサブグループを切れ ば、必ずどこかにネガティブなデータ、あるいはポジティブなデータが出るということは 既に分かっている話ですので、このサブグループのデータを中心に評価をしたというわけ ではないということで御理解いただきたいと思います。 ○吉田部会長 よろしいですか。 ○堀内部会長代理 そうすると、それは今後、明確にするということですか。それともも うやらないということですか。 ○審査第五部長 先ほどの扁平上皮癌のお話もありますように、サブグループ解析の結果 をどう読むかというのは、なかなか難しい部分があると思います。今後すべてそうだとい うような発言はできないのですが、重要な見方としては、主目的である解析を確認して、 得られているサブグループ解析に関しては審査の中で評価を行い、外部専門家の先生方と も協議をしまして、意味のあるデータなのかどうかということに関し、評価を最終的には すると考えています。 ○機構 補足させていただきます。製販後の調査の中で有効性についても確認し、情報収 集していく予定になっています。また、肝炎ウイルスの感染状況についても、情報が入り ますので、そういった情報が得られた段階でさらなる検討の必要性等を合わせて考えさせ ていただければと思います。 ○吉田部会長 よろしいでしょうか。要するにsubanalysisだと部分ですけれども、結局 有意差が出たのは、全体で行った試験に対して有意差が出たので、全体は1つの集団とし て考えるということだと思いますので、よろしくお願いします。ほかによろしいですか。 適応は切除不能というのが一応付いていますね。何でも肝細胞癌ではなくて、切除不能な 肝細胞癌ということで縛りは書いてあるということになるわけですけれども、その点につ いてもよろしいでしょうか。あと、先ほどの資料1、2も含めまして、何か追加はござい ますでしょうか。  それでは議題1、2、3については御確認いただいたということにしたいと思います。 それでは残りの議題4、5、6についてお願いします。 ○機構 それでは次に、議題4番。「医療用医薬品の再審査結果について」まとめて報告 いたします。資料4-1は一般的名称はアナストロゾール、販売名はアリミデックス錠1r の医薬品再審査確認等結果通知書です。資料4-2は一般的名称は硫酸インジナビルエタノ ール付加物、販売名はクリキシバンカプセル200rの医薬品再審査確認等結果通知書で す。これらの品目について、市販後の使用成績調査、市販後臨床試験、特別調査の成績等 に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられて いる承認拒否事由のいずれにも該当しないこと。すなわち効能・効果、用法・用量等の承 認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。 ○吉田部会長 続けてお願いします。 ○事務局 続きまして資料5、報告事項議題5、「希少疾病用医薬品の指定の解除につい て」御報告します。資料5の表紙を御覧ください。今回製造販売業者からの届出に基づき、 指定の取消しを行う品目はインターフェロンベータ、IFNβモチダ注射用100万単位ほ か、成分名はインターフェロンベータ、製造販売業者名は持田製薬株式会社でございます。 対象疾病が亜急性硬化性全脳炎患者におけるイノシン プラノベクスとの併用による臨 床症状の進展抑制です。亜急性硬化性全脳炎(以下SSPEと略す)は変異麻疹ウイルスに よる中枢神経系への遅発性ウイルス感染症で、徐々に進行して、重篤な中枢神経症状を呈 する予後不良の疾患です。  表紙をおめくりいただきまして、別紙1ページの中ほどの2.経緯を御覧ください。本 品目については平成6年にSSPEの効能について、希少疾病用医薬品に指定され、平成 11年に効能追加に係る一変承認がなされました。これと併行して現在大日本住友製薬が 製造販売を行っておりますインターフェロンアルファ製剤のスミフェロン300について もSSPEの効能で、同時に希少疾病用医薬品の指定を受け、両剤について協力して開発 が行われ、同時に承認されております。  次に別紙の5ページを御覧ください。中ほどの5.「代替薬について」の項を御覧くだ さい。両剤はともにインターフェロン製剤であり、SSPEの治療において、使用方法、 効果及び副作用の区別は少ないとされていること、承認時の資料等において両剤の間でS SPEウイルスに対する増殖抑制効果がアルファとベータでほぼ同等であること、効果、 安全性はほぼ同等であることが示されていることから、SSPE治療において、両剤は本 剤スミフェロン300への代替が可能と考えられます。  資料最終ページの別添を御覧ください。SSPEの国内患者のうち、本剤投与中の患者 全6名の主治医に代替薬への切替えについて製造販売業者から説明がなされております。 以上より、本剤によるSSPE治療については代替薬への切替えが可能と判断されます。 本剤はSSPE以外の効能として、C型肝炎等に対する効能・効果を取得していますが、 本製剤の主な用途であったC型肝炎の効能について、ペグインターフェロンとリバビリン の併用が治療の主流となり、本剤が使用される場面が少なくなったため、製剤を□□□□ することが検討されており、この度希少疾病用医薬品の製造販売中止の届出がされたとこ ろです。希少疾病用医薬品の指定の取消しについては以上でございます。 ○吉田部会長 続きまして資料6をお願いします。 ○事務局 続きまして資料6、報告事項、議題6、「優先審査指定品目の審査結果につい て」御報告いたします。優先審査の取扱いについては本日お付けした資料の2ページ目に、 その概要をお示ししております。この制度は薬事法第14条第7項に基づき、希少疾病用 医薬品やその他医療上特に必要性が高いと認められる品目について、他の品目に優先して 審査を行うものです。  その指定に当たっては、参考にお示ししている適応疾病の重篤性、医療上の有用性を総 合的に評価して判断されています。  資料1ページにお戻りください。今回、承認申請とともに、優先審査の指定申請が出さ れ、指定した品目はアフィニトール錠5r、成分名エベロリムスです。本剤については根 治切除不能又は転移性の腎細胞癌の効能・効果にかかる承認申請がなされたものです。こ の適応疾病については生命に重大な影響がある疾病に該当すると判断されております。  次に本剤の有効性について御説明いたします。腎細胞癌に対する既存の治療法として、 ソラフェニブ、スニチニブなどがありますが、ソラフェニブ又はスニチニブによる治療後 に病勢進行となった患者で、現在有効性が示された薬剤はありません。本剤についてはソ ラフェニブ、またはスニチニブの治療後に病勢進行となった転移性腎細胞癌患者を対象と して、プラセボ対照二重盲検比較を行いました。その結果、主要評価項目である無増悪生 存期間の中央値について、本剤が4.01か月、プラセボ1.87か月であり独立データモニタ リング審査委員会の勧告により、試験は有効中止とされています。また安全性については 既存治療に比べ、劣る可能性が示唆されているものの、忍容可能であります。現在のとこ ろ標準的な治療法のない転移性腎細胞癌患者に対して有効性が示され、安全性は忍容可能 であることから、本剤は有用性が高いと判断しております。以上より、本品目は優先審査 品目に指定することといたしました。この品目については審査を経た後、また改めてこの 部会で御審議いただくことになると思いますので、よろしくお願いいたします。 ○吉田部会長 ありがとうございました。それでは議題4、5、6を一括して御討議をお 願いします。どなたか御意見はございますでしょうか。私からあれなのですが、結局持田 のインターフェロンはすべてから撤退するということなのですか。 ○事務局 はい、こちらの□□□□□□□□□□□□□予定と聞いております。 ○吉田部会長 それで、今回この代替としてスミフェロンを使って一応対応できるという ことなので、そのように始末を付けたいということですね。 ○事務局 はい、そのとおりです。 ○吉田部会長 特にございませんでしょうか。無いようでございますので、それではこの 4、5、6についても御確認をいただいたものと判断したいと思います。以上で本日の議 題を終了しますが、事務局の方から何か報告はございますか。 ○事務局 次回の部会ですが、既に御案内のように5月25日(月)午後2時から開催させ ていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。 ○吉田部会長 ありがとうございました。ほかに何か、どなたかございますか。なければ、 本日はどうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 下川(内線2746) - 1 -